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特表2024-516465マイクロバイオーム微生物及びその使用
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  • 特表-マイクロバイオーム微生物及びその使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】マイクロバイオーム微生物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20240408BHJP
   A61K 35/741 20150101ALI20240408BHJP
   A61K 35/74 20150101ALI20240408BHJP
   A61P 5/24 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20240408BHJP
   C12N 15/31 20060101ALN20240408BHJP
   C12N 9/04 20060101ALN20240408BHJP
【FI】
C12N1/20 A
C12N1/20 E
A61K35/741
A61K35/74 A
A61P5/24
A61P15/00
A61P1/00
C12N15/31
C12N9/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568502
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 IL2022050504
(87)【国際公開番号】W WO2022239013
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】283124
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521441216
【氏名又は名称】バイオミカ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティロシュ、オスナット
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー ベン シャバット、シェールリ
(72)【発明者】
【氏名】メシュナー、シリ
(72)【発明者】
【氏名】ハーバー、エルラン
(72)【発明者】
【氏名】エシャー、シリ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイヤー、エヴヤタール
(72)【発明者】
【氏名】リンゲル、イェフダ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA26X
4B065BA22
4B065CA28
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB50
4C087BB64
4C087BC32
4C087BC33
4C087BC34
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA81
4C087ZC03
4C087ZC11
(57)【要約】
本発明は、マイクロバイオーム微生物、微生物共同体、並びにそれらを含む組成物及びキット、並びにそれらの使用を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3β-HSD)をモジュレートする方法における使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物であって、前記少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、微生物。
【請求項2】
少なくとも1種のステロイドホルモンを産生する方法における使用のための、請求項1に記載の使用のための微生物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のステロイドホルモンが、コルチコステロイド、性ステロイド又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の使用のための微生物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のステロイドホルモンが、プロゲステロン、16α-ヒドロキシプロゲステロン(16α-OHP)、17α-ヒドロキシプロゲステロン(17α-OHP)、20α-ジヒドロプロゲステロン(20α-DHP)、20β-ジヒドロプロゲステロン(20β-DHP)、5α-ジヒドロプロゲステロン(5α-DHP)、5β-ジヒドロプロゲステロン(5β-DHP)、3β-ジヒドロプロゲステロン(3β-DHP)、11-デオキシコルチコステロン(DOC)、及び5α-ジヒドロデオキシコルチコステロン(5α-DHDOC)又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項2又は3に記載の使用のための微生物。
【請求項5】
前記少なくとも1種のステロイドホルモンが、プロゲステロンである、請求項2~4のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項6】
前記少なくとも1種の微生物が、種:ハフニア・アルベイ種、ハフニア・パラルベイ種、ハフニア属種の種、大腸菌種、エシェリキア属種の種、オベスムバクテリウム・プロテウス種、ソダリス属種の種又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つに属する、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項7】
前記少なくとも1種の微生物が、前記ハフニア・アルベイ種の少なくとも1種の微生物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の微生物が、前記ハフニア・パラルベイ種の少なくとも1種の微生物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の微生物が、前記ハフニア属種の種の少なくとも1種の微生物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の微生物が、前記大腸菌種の少なくとも1種の微生物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の微生物が、前記エシェリキア属種の種の少なくとも1種の微生物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項12】
前記少なくとも1種の微生物が、前記オベスムバクテリウム・プロテウス種の少なくとも1種の微生物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項13】
前記少なくとも1種の微生物が、前記ソダリス属種の種の少なくとも1種の微生物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項14】
前記少なくとも1種の微生物が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21又は配列番号22によって表される少なくとも1つの配列と、少なくとも85%の配列同一性を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項15】
前記少なくとも1種の微生物が、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項16】
前記少なくとも1種の微生物が、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項17】
前記少なくとも1種の微生物が、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項18】
前記少なくとも1種の微生物が、少なくとも1種のハフニア属種HMSC23F03である、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項19】
前記少なくとも1種の微生物が、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項20】
前記少なくとも1種の微生物が、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項21】
前記少なくとも1種の微生物が、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項22】
前記少なくとも1種の微生物が、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項23】
少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルが低いことに関連する障害又は状態を治療するための方法おける使用のための、請求項1~22のいずれか一項に記載の使用のための微生物。
【請求項24】
前記障害又は状態が、不規則月経周期、月経周期の欠如、情緒変化、顔面潮紅、寝汗、膣乾燥、頭痛、片頭痛、反復流産、腸管透過性関連症候群、腹痛、子宮内膜症、細菌性膣炎、機能性消化管障害、不妊症、内臓痛又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項23に記載の使用のための微生物。
【請求項25】
前記微生物が、請求項1~22のいずれか一項に記載されているとおりであり、前記組成物が、少なくとも1種の薬学的に許容される担体(単数/複数)、賦形剤(単数/複数)、補助剤及び/又は希釈剤(単数/複数)を場合により更に含む、治療有効量の少なくとも1種の微生物を含む医薬組成物。
【請求項26】
それを必要とする対象において低ステロイドホルモンレベルに関連する疾患又は状態の発症を治療する、予防する、阻害する、低減する、又は遅延させる方法であって、前記方法は、治療有効量の少なくとも1種の微生物を前記対象に投与することを含み、前記少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、方法。
【請求項27】
前記少なくとも1種のステロイドホルモンが、プロゲステロン、16α-ヒドロキシプロゲステロン(16α-OHP)、17α-ヒドロキシプロゲステロン(17α-OHP)、20α-ジヒドロプロゲステロン(20α-DHP)、20β-ジヒドロプロゲステロン(20β-DHP)、5α-ジヒドロプロゲステロン(5α-DHP)、5β-ジヒドロプロゲステロン(5β-DHP)、3β-ジヒドロプロゲステロン(3β-DHP)、11-デオキシコルチコステロン(DOC)、及び5α-ジヒドロデオキシコルチコステロン(5α-DHDOC)又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1種のステロイドホルモンが、プロゲステロンである、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記障害又は状態が、不規則月経周期、月経周期の欠如、情緒変化、顔面潮紅、寝汗、膣乾燥、頭痛、片頭痛、反復流産、腸管透過性関連症候群、腹痛、子宮内膜症、細菌性膣炎、機能性消化管障害、不妊症、内臓痛又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つの少なくとも1つである、請求項26~28のいずれか一項の記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1種の微生物が、種:ハフニア・アルベイ種、ハフニア・パラルベイ種、ハフニア属種の種、大腸菌種、エシェリキア属種の種、オベスムバクテリウム・プロテウス種、又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つに属する、請求項26~29のいずれか一項の記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1種の微生物が、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項26~30のいずれか一項の記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1種の微生物が、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項26~30のいずれか一項の記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1種の微生物が、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項26~30のいずれか一項の記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1種の微生物が、少なくとも1種のハフニア属種HMSC23F03である、請求項26~30のいずれか一項の記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1種の微生物が、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項26~30のいずれか一項の記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1種の微生物が、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項26~30のいずれか一項の記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1種の微生物が、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項26~30のいずれか一項の記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1種の微生物が、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項26~30のいずれか一項の記載の方法。
【請求項39】
それを必要とする対象における、低ステロイドホルモンレベルに関連する障害又は状態を治療するための組成物の調製における、有効量の少なくとも1種の微生物の使用であって、前記少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、使用。
【請求項40】
前記少なくとも1種のステロイドホルモンが、プロゲステロン、16α-ヒドロキシプロゲステロン(16α-OHP)、17α-ヒドロキシプロゲステロン(17α-OHP)、20α-ジヒドロプロゲステロン(20α-DHP)、20β-ジヒドロプロゲステロン(20β-DHP)、5α-ジヒドロプロゲステロン(5α-DHP)、5β-ジヒドロプロゲステロン(5β-DHP)、3β-ジヒドロプロゲステロン(3β-DHP)、11-デオキシコルチコステロン(DOC)、及び5α-ジヒドロデオキシコルチコステロン(5α-DHDOC)又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
前記少なくとも1種のステロイドホルモンが、プロゲステロンである、請求項39又は40に記載の使用。
【請求項42】
前記障害又は状態が、不規則月経周期、月経周期の欠如、情緒変化、顔面潮紅、寝汗、膣乾燥、頭痛、片頭痛、反復流産、腸管透過性関連症候群、腹痛、子宮内膜症、細菌性膣炎、機能性消化管障害、不妊症、内臓痛、内臓過敏(内臓痛覚過敏)又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つの少なくとも1つである、請求項39~41のいずれか一項の記載の使用。
【請求項43】
前記少なくとも1種の微生物が、種:ハフニア・アルベイ種、ハフニア・パラルベイ種、ハフニア属種の種、大腸菌種、エシェリキア属種の種、オベスムバクテリウム・プロテウス種、ソダリス属種の種又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つに属する、請求項39~42のいずれか一項に記載の使用。
【請求項44】
前記少なくとも1種の微生物が、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、請求項39~43のいずれか一項に記載の使用。
【請求項45】
少なくとも1種の微生物であって、前記少なくとも1種の微生物が腸内マイクロバイオーム微生物である、少なくとも1種の微生物と、場合により、それを必要とする対象において低ステロイドホルモンレベルに関連する障害又は状態を治療するための使用説明書と、を含むキット組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マイクロバイオーム微生物、それを含む組成物及びキット、並びにそれらの使用に関する。
【0002】
(参照文献)
本開示の主題の背景として関連すると考えられる参照文献を以下に挙げる。Perlman D., Microbiological Conversion of Pregnenolone to Progesterone, 115, p. 529 (1952)。
【0003】
本明細書における上記の参照文献の認識は、当該参照文献が本開示の主題の特許性に何らかの形で関連していることを意味するものとして推論されるべきではない。
【背景技術】
【0004】
マイクロバイオームは、さまざまな生理的過程に関与している。
【0005】
Perlman D., Microbiological Conversion of Pregnenolone to Progesterone, 115, p. 529 (1952)は、プレグネノロンのプロゲステロンへの微生物変換を記載している。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、一部の態様によれば、3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3β-HSD)をモジュレートする方法における使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物であって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、微生物を提供する。
【0007】
本開示は、一部の他の態様によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生をモジュレートする方法における使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物であって、当該少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、微生物を提供する。
【0008】
本開示は、一部の更なる態様によれば、治療有効量の少なくとも1種の微生物を含む医薬組成物であって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物であり、組成物が、場合により、少なくとも1種の薬学的に許容される担体(単数/複数)、賦形剤(単数/複数)、補助剤及び/又は希釈剤(単数/複数)を更に含む、医薬組成物を提供する。
【0009】
本開示は、更に一部の他の態様によれば、それを必要とする対象において低ステロイドホルモンレベルに関連する疾患又は状態を治療する方法であって、方法は、治療有効量の少なくとも1種の微生物を対象に投与することを含み、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、方法を提供する。
【0010】
本開示は、更に一部の更なる態様によれば、それを必要とする対象において低ステロイドホルモンレベルに関連する障害又は状態を治療するための組成物の調製における有効量の少なくとも1種の微生物の使用であって、少なくとも1種の微生物が腸内マイクロバイオーム微生物である、使用を提供する。
【0011】
本開示は、更に一部の更なる態様によれば、少なくとも1種の微生物をであって、少なくとも1種の微生物が腸内マイクロバイオーム微生物である、少なくとも1種の微生物と、場合により、それを必要とする対象において低ステロイドホルモンレベルに関連する障害又は状態を治療するための使用説明書と、を含むキット組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に開示されている主題をより良く理解し、実際にそれがどのように実行され得るかを例証するために、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ、実施形態をここで説明する。
図1】ハフニア・アルベイ(Hafnia alvei)ATCC51873の成長中のリアルタイムPCRを使用する、3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSD)発現レベルのハウスキーピング遺伝子(HKG)、RecA及び転写終結因子rho(Rho)のレベルに対する倍率変化を示すグラフであり、発現レベルはすべて、アッセイの開始時(時間0)におけるRecAレベルに対して正規化されている。相対変化倍率は、ハフニア・アルベイATCC51873発酵の最初のサンプリング点から計算する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
腸内マイクロバイオームは、宿主の健康の維持並びに疾患の発症及び進行に影響を及ぼすことを含む、さまざまな生理学的過程に影響を及ぼすことができる、胃腸管内の多数の多様な微生物を指す。
【0014】
本開示は、腸内マイクロバイオームに由来する1種以上の微生物が、ステロイドホルモンの産生に関与する酵素を発現することができるという知見に基づいている。具体的には、腸内マイクロバイオームに由来する1種以上の微生物が、3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを発現することが見出された。
【0015】
3β-HSDは、とりわけ、プレグネノロンからのプロゲステロン、17α-ヒドロキシプレグネノロンからの17α-ヒドロキシプロゲステロン及びデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)からのアンドロステンジオンを含めた、さまざまなステロイドホルモンの生合成に関与しているので、ハフニア・アルベイATCC51873などの腸内マイクロバイオームに由来する1種以上の微生物が、少なくとも1種のステロイドホルモンを合成することができ得ることが発明者らによって示唆された。微生物、具体的には腸内マイクロバイオーム由来の細菌において生じることが本明細書において示された、このような特有かつ驚くべき生物学的経路は、非常に価値が高い。
【0016】
以下の実施例1Aに示されているとおり、腸内マイクロバイオーム細菌であるハフニア・アルベイATCC51873は、培養中に3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3β-HSD)を発現することができることが示された。更に、本実施例に示されているとおり、発現された3β-HSDの量は、プロゲステロン前駆体であるプレグネノロン存在下で一層高かった。これらのデータは、ハフニア・アルベイATCC51873は、少なくとも3β-HSDの活性化を介して、プロゲステロンを産生することが可能であることを示唆した。
【0017】
腸内マイクロバイオームに由来する微生物、及び具体的には腸内マイクロバイオームに由来する細菌の同定は、例えば、計算ツールによって行うことができる。そのために、本発明者らは、ハイスループット配列決定データを処理するために利用される計算ツールのアレイを使用し、微生物遺伝子及び経路、並びに微生物分類群の高分解能検出及びアノテーションを得た。これにより、とりわけ、プロゲステロンなどの少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を増大させることができる3β-HSD遺伝子の発現を含めた、ステロイドホルモンのモジュレートに関与する遺伝子を独自に発現する細菌が同定される。
【0018】
マイクロバイオーム集団を改変し、プロゲステロンなどのステロイドホルモンのレベルの低下に関連する少なくとも1つの障害を治療又は予防するために、本発明者らによって計算により同定された固有かつ特異的な微生物を、各微生物単独として、又は特定の組合せ物(本明細書において、微生物共同体を意味する)のどちらかで、対象に投与することができることが示唆された。同定された微生物は、診断目的及び予後目的のために、例えば、治療に対する対象の応答性を評価するため、及び治療プロトコルを決定するために使用され得ることが更に示唆された。
【0019】
したがって、一部の態様によれば、本開示は、3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3β-HSD)をモジュレートする方法における使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物であって、当該少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、微生物を提供する。
【0020】
3β-HSD(EC1.1.1.145)は、ステロイドホルモンの生合成を触媒する酵素として知られている。
【0021】
したがって、本開示は、一部の他の態様によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生をモジュレートする方法における使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物であって、当該少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、微生物を提供する。
【0022】
本明細書において以下に記載されている少なくとも1種の微生物の上記の特徴及び他の特徴は、時には、「経路」と称され、時には、経路産物(直接的又は間接的)は、「物質」と表される場合があることに留意すべきである。
【0023】
1種以上又は少なくとも1種を有する少なくとも1種の微生物への言及は、少なくとも1種の微生物(又は1種以上)が列挙されている特性(特徴)を有することができる、及び時には有することができることを示す、少なくとも1種の微生物を特徴付けることと理解されるべきであることにやはり留意されるべきである。
【0024】
以下の文章において、少なくとも1種の微生物に言及する場合、本明細書において開示される微生物共同体、医薬組成物、キット、使用及び方法にも言及するものとして理解されるべきである。したがって、少なくとも1種の微生物への言及に伴う特徴を提示する場合は常に、微生物共同体、医薬組成物、キット、使用及び方法に関して、変更すべきところは変更して、同じ特徴を定義するものとして理解されるべきである。
【0025】
本明細において使用される微生物という用語は、一部の実施形態によれば、分離微生物、精製微生物、組換え微生物又はそれらの任意の組合せを指す。
【0026】
一部の実施形態では、微生物共同体は、分離微生物を含む。一部の実施形態では、微生物共同体は、精製微生物を含む。一部の実施形態では、微生物共同体は、組換え微生物を含む。一部の実施形態では、微生物共同体は、分離微生物、精製微生物、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0027】
本発明の組換え微生物は、その遺伝的構成が遺伝要素の意図的な導入又は欠失によって改変された微生物であることに留意すべきである。組換え微生物は、元の微生物の機能(細胞過程)を維持することがある。
【0028】
一部の実施形態では、微生物は、生存微生物である、胞子、すなわち微生物の熱死滅された非生存形態、生物の抽出物、微生物の構成成分、又はそれらの任意の組合せとして提供される。
【0029】
一部の実施形態では、微生物は、生存微生物である。一部の他の実施形態では、微生物は、胞子、微生物の熱死滅された非生存形態として提供される。一部の更なる実施形態では、微生物は、微生物の抽出物である。更に一部の更なる実施形態では、微生物は、微生物の構成成分である。
【0030】
少なくとも1種の微生物、具体的には少なくとも1種の細菌への言及は、少なくとも1種の細菌の分離株、突然変異体、胞子、酵素若しくはそれらの抽出物、及び/又は馴化培養培地、並びに/あるいは少なくとも1種の細菌から分泌される化合物(構成成分/代謝産物)も包含する。
【0031】
少なくとも1種の微生物に言及する場合、一般的な科学的分類に分類される1種の微生物種及び/又は株を言及するものとして理解されるべきである。
【0032】
本明細書に記載されているとおり、本開示の主題である少なくとも1種の微生物は、ヒトマイクロバイオーム中に存在し、したがって、任意の公知の方法によって、及び/又は任意の供給源から得ることができる。したがって、少なくとも1種の微生物は、ヒトマイクロバイオームなどの任意のマイクロバイオームから、同様に以下に詳述される当分野において公知の任意の方法によって分離及び/若しくは精製され得るか、又は生体物質(例えば、糞便などの糞便物質、又は小腸及び大腸のさまざまな区域から分離された物質)から精製され得る。
【0033】
少なくとも1種の微生物は、微生物共同体の一部であってもよい。微生物共同体という用語は、本明細書において使用する場合、細菌及び/又は古細菌のうちの少なくとも1種を含めた、微生物の混合物/カクテルを指す。
【0034】
本明細書に記載されているとおり、少なくとも1種の微生物は、微生物共同体の一部とすることができる。微生物共同体は、2種以上の微生物を含むと理解されるべきである。少なくとも2種の微生物を含む微生物共同体に言及する場合、2種の異なる微生物(すなわち、異なる株)を指すと理解されるべきである。2種の異なる微生物は、同じ微生物の属の範囲、又は微生物の種の範囲にあり得る。
【0035】
例えば、本開示が微生物共同体を指す場合、2種以上の微生物は、両方が1つの属であるがその属内の異なる種に属し得るか、あるいは同じ属、同じ種であるが異なる株に属し得る。代替的に、2種以上の微生物は、異なる属に各々属し得る。
【0036】
一部の実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも1つは、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生をモジュレートすることができる腸内マイクロバイオーム微生物である。一部の実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2つは、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生をモジュレートすることができる腸内マイクロバイオーム微生物である。
【0037】
一部の実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも1つは、3β-HSDの発現をモジュレートすることができる腸内マイクロバイオーム微生物である。一部の実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2つは、3β-HSDの発現をモジュレートすることができる腸内マイクロバイオーム微生物である。
【0038】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、以下の属、すなわちハフニア属、エシェリキア(Escherichia)属、オベスムバクテリウム(Obesumbacterium)属又はソダリス(Sodalis)属のうちの1つに属する。
【0039】
一部の実施形態では、微生物共同体は、ハフニア属、エシェリキア属、オベスムバクテリウム属、ソダリス属又はそれらの組合せに由来する1種以上の微生物を含む。
【0040】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア属に属する。一部の実施形態では、微生物共同体は、ハフニア属に由来する少なくとも1種の微生物を含む。ハフニア属は、タクソノミーID:568によって表すことができる。ハフニア属とは、グラム陰性菌の属である。
【0041】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、エシェリキア属に属する。一部の実施形態では、微生物共同体は、エシェリキア属に由来する少なくとも1種の微生物を含む。エシェリキア属は、タクソノミーID:561によって表すことができる。
【0042】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、オベスムバクテリウム属に属する。一部の実施形態では、微生物共同体は、オベスムバクテリウム属に由来する少なくとも1種の微生物を含む。オベスムバクテリウム属は、タクソノミーID:82982によって表すことができる。
【0043】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ソダリス属に属する。一部の実施形態では、微生物共同体は、ソダリス属に由来する少なくとも1種の微生物を含む。ソダリス属は、タクソノミーID:1999によって表すことができる。
【0044】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、種:ハフニア・アルベイ種、ハフニア・パラルベイ(Hafnia paralvei)種、ハフニア属種の種、大腸菌(Escherichia coli)種、エシェリキア属種の種、オベスムバクテリウム・プロテウス(Obesumbacterium proteus)種、ソダリス属種の種、又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つに属する。
【0045】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイ種の微生物である。一部の実施形態では、微生物共同体は、ハフニア・アルベイ種に由来する少なくとも1種の微生物を含む。ハフニア・アルベイ種は、タクソノミーID:569によって表すことができる。
【0046】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・パラルベイ種の微生物である。一部の実施形態では、微生物共同体は、ハフニア・パラルベイ種に由来する少なくとも1種の微生物を含む。ハフニア・パラルベイ種は、タクソノミーID:546367によって表すことができる。
【0047】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア属種の種の微生物である。一部の実施形態では、微生物共同体は、ハフニア属種の種に由来する少なくとも1種の微生物を含む。ハフニア属種の種は、タクソノミーID:1873498によって表すことができる。
【0048】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、大腸菌種の微生物である。一部の実施形態では、微生物共同体は、大腸菌種に由来する少なくとも1種の微生物を含む。大腸菌種は、タクソノミーID:562によって表すことができる。
【0049】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、エシェリキア属種の種の微生物である。一部の実施形態では、微生物共同体は、エシェリキア属種の種に由来する少なくとも1種の微生物を含む。エシェリキア属種の種は、タクソノミーID:1884818によって表すことができる。
【0050】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、オベスムバクテリウム・プロテウス種の微生物である。一部の実施形態では、微生物共同体は、オベスムバクテリウム・プロテウス種に由来する少なくとも1種の微生物を含む。オベスムバクテリウム・プロテウス種は、タクソノミーID:82983によって表すことができる。
【0051】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ソダリス属種の種の微生物である。一部の実施形態では、微生物共同体は、ソダリス属種の種に由来する少なくとも1種の微生物を含む。ソダリス属種の種は、タクソノミーID:1898979によって表すことができる。
【0052】
本開示の文脈において、ヒト対象の生体試料に由来する微生物の同定は、微生物学分野における任意の従来の方法を使用して行うことができる。例えば、及び以下に限定されないが、ヒト対象の生体試料に由来する細菌の同定は、16S rRNA(リポソームRNA)配列決定を使用して行うことができる。分離微生物の同定は、分離微生物の16S rRNA遺伝子と、データベースで入手可能な異なる微生物の16S rRNA遺伝子配列との間の類似性解析を行うことによって行うことができる。この解析は、所与の配列とデータベースにおいて入手可能な配列のすべてとの間の類似性を探索するために行い、検討した類似性に関するスコアの算出によって、最良に適合した配列を取得することができる。同一性の解析は、公表されているデータベース、例えば、National Center for Biotechnology Information(NCBI)を使用して、任意の適切なプログラム、例えば、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST(登録商標))によって行うことができる。
【0053】
以下に提示されるGenBank又はRefseq受託番号は、微生物の16S rRNA配列又はゲノム全体の配列のいずれかを提示することに留意すべきである。熟練者は、ゲノム配列全体から16S rRNA配列を評価することに精通していることが更に留意されるべきである。
【0054】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21又は配列番号22によって表される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0055】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10又は配列番号11によって表される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0056】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号2によって表される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0057】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18によって表される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0058】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号19又は配列番号20によって表される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0059】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号21又は配列番号22によって表される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0060】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21又は配列番号22によって表される少なくとも1つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0061】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10又は配列番号11によって表される少なくとも1つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0062】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号2によって表される少なくとも1つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0063】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18によって表される少なくとも1つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0064】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号19又は配列番号20によって表される少なくとも1つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0065】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、配列番号21又は配列番号22によって表される少なくとも1つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0066】
同一性(%同一性)という用語は、本明細書において使用する場合、同じである2種以上の核酸配列を指す。本開示の文脈において、配列同一性は、DNAのRNAへの転写変化率を包含し、例えば、TとUは、同一と見なされる。同一性は、16S rRNAの可変領域と当業者によって見なされる配列の領域にわたって存在し得る。一部の実施形態では、同一性は、可変領域の16S rRNA又はその一部の長さにわたり存在する。
【0067】
2種以上の核酸配列の間の%同一性は、比較して、最大一致となるように配列した場合に、2種以上の配列に関して判定される。本開示の文脈において、%同一性を有する、本明細書に記載されている配列(核酸)は、同一性が計算される元の配列の同じ機能/活性を有すると見なされる。
【0068】
配列同一性の閾値は、85%、時には86%、時には87%、時には88%、時には89%、時には90%、時には91%、時には92%、時には93%、時には94%、時には95%、時には96%、時には97%、時には98%、時には99%であってもよく、本明細書において表される同一性%のそれぞれ1つずつが、本発明の別個の実施形態を構成する。
【0069】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC51873である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・アルベイATCC51873を含む。ハフニア・アルベイATCC51873は、タクソノミーID:1002364によって表すことができる。ハフニア・アルベイATCC51873のDNA配列は、GenBank受託番号AGCI00000000.1によって提供される。ハフニア・アルベイATCC51873の16S rRNA配列は、配列番号1として表される。
【0070】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・アルベイATCC13337を含む。ハフニア・アルベイATCC13337は、タクソノミーID:910996によって表すことができる。ハフニア・アルベイATCC13337のDNA配列は、GenBank受託番号NZ_CP050150.1によって提供される。ハフニア・アルベイATCC13337の16S rRNA配列は、配列番号2として表される。
【0071】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイFB1である。一部の実施形態では、少微生物共同体は、少なくともハフニア・アルベイFB1を含む。ハフニア・アルベイFB1は、タクソノミーID:1453496によって表すことができる。ハフニア・アルベイFB1のDNA配列は、GenBank受託番号NZ_CP009706.1によって提供される。ハフニア・アルベイFB1の16S rRNA配列は、配列番号3として表される。
【0072】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイNCTC6578(ハフニア・アルベイATCC9760とも命名されている)である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・アルベイNCTC6578を含む。ハフニア・アルベイNCTC6578のDNA配列は、GenBank受託番号NZ_UGHM01000001.1によって提供される。ハフニア・アルベイNCTC6578の16S rRNA配列は、配列番号4として表される。
【0073】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイPCM1202である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・アルベイPCM1202を含む。ハフニア・アルベイPCM1202のDNA配列は、GenBankアセンブリ受託番号GCA_004308065.1によって提供される。ハフニア・アルベイPCM1202の16S rRNA配列は、配列番号5として表される。
【0074】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイA23BAである。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・アルベイA23BAを含む。ハフニア・アルベイA23BAのDNA配列は、GenBankアセンブリ受託番号GCA_011617105.1によって提供される。ハフニア・アルベイA23BAの16S rRNA配列は、配列番号6として表される。
【0075】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイHUMV-5920である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・アルベイHUMV-5920を含む。ハフニア・アルベイHUMV-5920のDNA配列は、GenBankアセンブリ受託番号GCA_001636255.1によって提供される。ハフニア・アルベイHUMV-5920の16S rRNA配列は、配列番号7として表される。
【0076】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイHUMV-FDAARGOS_1038である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・アルベイHUMV-FDAARGOS_1038を含む。ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038のDNA配列は、GenBankアセンブリ受託番号GCA_016403205.1によって提供される。ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038の16S rRNA配列は、配列番号8として表される。
【0077】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・パラルベイATCC29927である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・パラルベイATCC29927を含む。ハフニア・パラルベイATCC29927は、タクソノミーID:1354263によって表すことができる。ハフニア・パラルベイATCC29927のDNA配列は、GenBank受託番号NZ_LXET00000000.1によって提供される。ハフニア・パラルベイATCC29927の16S rRNA配列は、配列番号9として表される。
【0078】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・パラルベイAVS0177である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア・パラルベイAVS0177を含む。ハフニア・パラルベイAVS0177のDNA配列は、GenBank受託番号NZ_CP083737.1によって提供される。ハフニア・パラルベイAVS0177の16S rRNA配列は、配列番号10として表される。
【0079】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア属種HMSC23F03である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともハフニア属種HMSC23F03を含む。ハフニア属種HMSC23F03は、タクソノミーID:1581059によって表すことができる。ハフニア属種HMSC23F03のDNA配列は、GenBank受託番号NZ_LWPO00000000.1によって提供される。ハフニア属種HMSC23F03の16S rRNA配列は、配列番号11として表される。
【0080】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、大腸菌CFT073である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくとも大腸菌tCFT073を含む。大腸菌CFT073は、タクソノミーID:199310によって表すことができる。GenBank受託番号NZ_CP051263.1によって提供される、大腸菌CFT073のDNA配列。大腸菌CFT073の16S rRNA配列は、配列番号12として表される。
【0081】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、大腸菌ニッスル1917である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくとも大腸菌ニッスル1917を含む。大腸菌ニッスル1917は、タクソノミーID:316435によって表すことができる。大腸菌ニッスル1917の16S rRNA配列は、配列番号13として表される。
【0082】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、大腸菌O2:H1株HM670である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくとも大腸菌O2:H1株HM670を含む。大腸菌O2:H1株HM670は、タクソノミーID:2079157によって表すことができる。GenBank受託番号CP082772.1によって提供される、大腸菌O2:H1株HM670のDNA配列。大腸菌O2:H1株HM670の16S rRNA配列は、配列番号14として表される。
【0083】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、大腸菌FVEC1302である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくとも大腸菌FVEC1302を含む。大腸菌FVEC1302は、タクソノミーID:656379によって表すことができる。GenBank受託番号NZ_ACXH00000000.1によって提供される、大腸菌FVEC1302のDNA配列。大腸菌FVEC1302の16S rRNA配列は、配列番号15として表される。
【0084】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、エシェリキア属種E4742である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともエシェリキア属種E4742を含む。エシェリキア属種E4742は、タクソノミーID:2044467によって表すことができる。GenBank受託番号CP040443.1によって提供される、エシェリキア属種E4742のDNA配列。エシェリキア属種E4742の16S rRNA配列は、配列番号16として表される。
【0085】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、エシェリキア属種E4694である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともエシェリキア属種E4694を含む。エシェリキア属種E4694は、タクソノミーID:2044464によって表すことができる。エシェリキア属種E4694の16S rRNA配列は、配列番号17として表される。
【0086】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、エシェリキア属種E4702である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともエシェリキア属種E4702を含む。エシェリキア属種E4702は、タクソノミーID:2044465によって表すことができる。エシェリキア属種E4702の16S rRNA配列は、配列番号18として表される。
【0087】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともオベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841を含む。オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841は、タクソノミーID:1354268によって表すことができる。GenBank受託番号NZ_LXEX00000000.1によって提供されるオベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841のDNA配列。オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841の16S rRNA配列は、配列番号19として表される。
【0088】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともオベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204を含む。GenBank受託番号NZ_SITH00000000.1によって提供されるオベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204のDNA配列。オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204の16S rRNA配列は、配列番号20として表される。
【0089】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ソダリス属種dw_96である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともソダリス属種dw_96を含む。ソダリス属種dw_96は、タクソノミーID:2719794によって表すことができる。GenBank受託番号NZ_JAAVUT000000000.1によって提供されるソダリス属種dw_96のDNA配列。ソダリス属種dw_96の16S rRNA配列は、配列番号21として表される。
【0090】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ソダリス属種dw_23である。一部の実施形態では、微生物共同体は、少なくともソダリス属種dw_23を含む。ソダリス属種dw_23は、タクソノミーID:2697027によって表すことができる。GenBank受託番号CP075169.1によって提供されるソダリス属種dw_23のDNA配列。ソダリス属種dw_23の16S rRNA配列は、配列番号22として表される。
【0091】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0092】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0093】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0094】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0095】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ハフニア属種HMSC23F03である。
【0096】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0097】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0098】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0099】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0100】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0101】
上で詳述したとおり、マイクロバイオームに由来する少なくとも1種の微生物は、3β-HSD遺伝子を発現すること、具体的には発現を増大することが示された。更に及び上で詳述したとおり、少なくとも1種の微生物は、少なくとも1種のステロイドホルモンをモジュレートする、具体的には産生する際に使用することができ、したがって、そのレベル(量、含有率)が増大することが示唆された。
【0102】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生のモジュレートは、3β-HSDの発現を考慮する。一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、3β-HSDの活性化によって産生される。一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生は、3β-HSDによって触媒される。
【0103】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、3β-HSDの発現を増大させる。一部の他の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、3β-HSDの発現を増大させ、これによって、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を増大させる。
【0104】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、コルチコステロイド、グルココルチコイド、ミネラロコルチコイド、性ステロイド又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つである。
【0105】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、コルチコステロイドの少なくとも1つである。
【0106】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、性ステロイドの少なくとも1つである。
【0107】
本明細書において使用する場合、性ステロイド、コナドコルチコステロイド及び性腺ステロイドとしても知られているステロイドホルモンは、とりわけアンドロゲン、エストロゲン及びプロゲステロンを含めたステロイドホルモン受容体と相互作用する。
【0108】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、少なくとも1種の性ステロイドである。
【0109】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、プロゲステロン、16α-ヒドロキシプロゲステロン(16α-OHP)、17α-ヒドロキシプロゲステロン(17α-OHP)、20α-ジヒドロプロゲステロン(20α-DHP)、20β-ジヒドロプロゲステロン(20β-DHP)、5α-ジヒドロプロゲステロン(5α-DHP)、5β-ジヒドロプロゲステロン(5β-DHP)、3β-ジヒドロプロゲステロン(3β-DHP)、11-デオキシコルチコステロン(DOC)、及び5α-ジヒドロデオキシコルチコステロン(5α-DHDOC)又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0110】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、プロゲステロン、テストステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン及びアンドロステンジオンのうちの少なくとも1つである。
【0111】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せである。
【0112】
一部の他の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、プロゲステロンである。
【0113】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、腸内マイクロバイオーム微生物である。
【0114】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0115】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0116】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0117】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC51873である。
【0118】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0119】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、ハフニア属種HMSC23F03である。
【0120】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0121】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0122】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0123】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0124】
本発明の態様と考えることができる一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートする際の使用のための、有効量の少なくとも1種の微生物が提供され、少なくとも1種の微生物は、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0125】
本明細書に記載されているとおり、少なくとも1種の微生物は、発現、産生などをモジュレートすることができる。
【0126】
モジュレート又はモジュレートすることという用語は、生物活性を改変する作用、すなわち変化、修飾などを指し、生理的過程/細胞過程の活性化/活性の増大をもたらす変化を包含する。一部の例では、生物活性は、3β-HSDの発現に関連する。一部の例では、生物活性は、プロゲステロンなどの、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生に関連する。
【0127】
活性化因子とは、少なくとも1つの生理的過程/細胞過程を誘発する、活性化する、刺激する、増大する、促進する、その活性化を増大させる、感作する、又は上方調節する微生物を指す。したがって、少なくとも1種の微生物は、特定の過程(経路)の活性化因子と見なすことができる。このような過程は、プロゲステロンなどの少なくとも1種のステロイドホルモンの産生、及び具体的に産生の増大をもたらす任意の公知の過程とすることができる。
【0128】
本明細書に記載されているとおり、本発明は、微生物において/微生物によって内在的にモジュレートされる過程、並びに/又は少なくとも1種の微生物若しくは微生物共同体においてモジュレートされる(例えば、産生される)産物によって宿主中でモジュレートされる過程、並びにそれらから宿主に分泌される又は/及び改変される過程を包含する。生理的過程は、本明細書において使用する場合、微生物において/微生物によって、及び/又は宿主において、物理事象及び/又は生物学的事象及び/又は化学的事象を包含する。
【0129】
微生物内で内在的にモジュレートされる過程、すなわち微生物内在過程はすべて、本明細書において、「微生物成分過程」とまとめて表される。微生物過程は、微生物の少なくとも1つの指定タイプ(種又は株)において起こり得る(内在過程)。
【0130】
微生物共同体における少なくとも1種の微生物によって産生される産物などの、微生物の成分の使用によって、宿主に起こる過程は、本明細書において、「宿主成分過程」と表される。
【0131】
本明細書において示されているとおり、少なくとも1種の微生物は、3β-HSD遺伝子を発現することが可能であることが留意されるべきである。
【0132】
理論によって拘泥されないが、3β-HSDタンパク質は、少なくとも1種のステロイドホルモンの触媒作用(「微生物成分過程」内に包含される過程)における、少なくとも1種の微生物によって、いずれかで使用され得る(少なくとも一部)ことが示唆された。
【0133】
少なくとも1種の微生物によって産生される少なくとも1種のステロイドホルモンは、細胞又は宿主に分泌され得る。
【0134】
理論によって拘泥されないが、3β-HSDタンパク質は、(対象の)細胞又は宿主に分泌され得る(少なくとも一部)こと、及び少なくとも1種のステロイドホルモンの産生/合成(「宿主成分過程」内に包含される過程)において使用され得ることが更に示唆された。
【0135】
少なくとも1種の微生物による(微生物成分過程)、細胞による(例えば、消化管宿主)(宿主成分過程)又はそれら2つの任意の組合せによる少なくとも1種のいずれかのステロイドホルモンの産生は、少なくとも1種のステロイドホルモンの量を増加させ、したがって、少なくとも1種のステロイドホルモンは、これが産生される、分泌される、又はそれらの両方が起こる細胞において機能することが留意されるべきである。一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物の産生をモジュレートし、したがって、レベル及び機能を増強する。
【0136】
モジュレートは、インビトロ(細胞内)又はインビボ(対象内)で発生してもよい。
【0137】
したがって、一部の態様によれば、本開示は、成長培地において、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、3β-HSDを発現する方法であって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、方法を提供する。
【0138】
一部の実施形態では、本方法は、インビトロでの方法である。
【0139】
したがって、成長培地において、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、3β-HSDを発現するインビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、方法が提供される。
【0140】
認識されるとおり、少なくとも1種の微生物による3β-HSDの発現は、3β-HSDタンパク質をもたらし得る。
【0141】
一部の他の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、インビトロでの方法。
【0142】
一部の実施形態では、3β-HSD遺伝子の発現を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法。
【0143】
一部の他の実施形態では、3β-HSDタンパク質の産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法。
【0144】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法。
【0145】
条件は、当業者によって選択し、採用することができる。
【0146】
このような条件には、例えば、インキュベート時間、インキュベート温度、成長培地のタイプが挙げられる。
【0147】
一部の実施形態では、成長培地は、ブレインハートインフュージョンブロス(BHI)、de Man、Rogosa及びSharpe培地(MRS)、液状チオグリコール培地(FTM)である。
【0148】
一部の実施形態では、成長培地は、少なくとも1種のステロイドホルモンの前駆体を含む。一部の実施形態では、成長培地は、プレグネノロンを含む。
【0149】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、少なくとも約2時間、時には少なくとも約4時間、時には少なくとも約8時間、時には少なくとも約12時間、時には少なくとも約16時間、時には少なくとも約20時間、時には少なくとも約24時間、時には少なくとも約30時間、時には少なくとも約36時間、時には少なくとも約40時間、時には少なくとも約42時間、時には少なくとも約46時間、時には少なくとも約48時間、成長させる。一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物は、約48時間、成長させる。
【0150】
一部の実施形態では、インキュベート温度は、約25℃~37℃とすることができる。
【0151】
一部の例では、3β-HSD遺伝子を発現する条件は、以下の実施例1に記載されている少なくとも1種の微生物を成長させることを含む。
【0152】
一部の実施形態では、本方法は、インキュベート後に、培地を得ることを含む。認識されるとおり、インキュベート後の培地は、少なくとも1種の微生物、及び3β-HSD遺伝子、3β-HSDタンパク質又は3β-HSD遺伝子及びタンパク質のうちの少なくとも1つを含む。
【0153】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0154】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0155】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0156】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物がハフニア・アルベイATCC51873である、インビトロでの方法。
【0157】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0158】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、ハフニア属種HMSC23F03である、インビトロでの方法。
【0159】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0160】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0161】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0162】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0163】
一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む、インビトロでの方法であって、少なくとも1種の微生物が、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである、インビトロでの方法。
【0164】
一部の実施形態によれば、インビトロでの方法は、プロゲステロン、16α-ヒドロキシプロゲステロン(16α-OHP)、17α-ヒドロキシプロゲステロン(17α-OHP)、20α-ジヒドロプロゲステロン(20α-DHP)、20β-ジヒドロプロゲステロン(20β-DHP)、5α-ジヒドロプロゲステロン(5α-DHP)、5β-ジヒドロプロゲステロン(5β-DHP)、3β-ジヒドロプロゲステロン(3β-DHP)、11-デオキシコルチコステロン(DOC)、及び5α-ジヒドロデオキシコルチコステロン(5α-DHDOC)又はそれらの任意の組合せ物のうちの少なくとも1つを産生するために使用することができる。
【0165】
一部の実施形態によれば、インビトロでの方法は、プロゲステロン、テストステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン及びアンドロステンジオンのうちの少なくとも1つを産生するために使用することができる。
【0166】
一部の実施形態によれば、インビトロでの方法は、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物のうちの少なくとも1つを産生するために使用することができる。
【0167】
一部の実施形態によれば、インビトロでの方法は、プロゲステロンを産生するために使用することができる。
【0168】
一部の実施形態では、本方法は、インキュベート後に、培地を得ることを含む。認識されるとおり、インキュベート後の培地は、少なくとも1種の微生物、及び(i)3β-HSD遺伝子、(ii)3β-HSDタンパク質、(iii)少なくとも1種のステロイドホルモン又は(iv)それらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含む。
【0169】
本発明によるインキュベート後の培地は、一部の実施形態によれば、(i)3β-HSD遺伝子、(ii)3β-HSDタンパク質、(iii)少なくとも1種のステロイドホルモン又は(iv)それらの任意の組合せ物のうちの少なくとも1つを分離するために処理され得る。
【0170】
本発明によるインキュベート後の培地は、一部の実施形態によれば、少なくとも1種のステロイドホルモンを分離するために処理され得る。
【0171】
本発明によるインキュベート後の培地は、一部の実施形態によれば、プロゲステロン、テストステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン及びアンドロステンジオンのうちの少なくとも1つを分離するために処理することができる。
【0172】
本発明によるインキュベート後の培地は、一部の実施形態によれば、プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン又はそれらの組合せ物のうちの少なくとも1つを分離するために処理することができる。
【0173】
本発明によるインキュベート後の培地は、一部の実施形態によれば、プロゲステロンを分離するために処理され得る。
【0174】
したがって、一部の態様では、3β-HSDタンパク質の産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む方法によって得られる3β-HSDタンパク質であって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、3β-HSDタンパク質が提供される。
【0175】
一部の他の態様では、3β-HSDタンパク質の産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む方法によって得ることが可能な3β-HSDタンパク質であって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、3β-HSDタンパク質が提供される。
【0176】
3β-HSDタンパク質は、少なくとも1種の微生物と共に得ることができるか、又は得ることが可能となり得る。
【0177】
一部の実施形態では、上記の成長培地において、少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む方法。
【0178】
一部の態様では、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む方法によって得られる少なくとも1種のステロイドホルモンであって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、ステロイドホルモンが提供される。
【0179】
したがって、一部の態様では、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生を可能にする条件下で、有効量の少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む方法によって得ることができる少なくとも1種のステロイドホルモンであって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、ステロイドホルモンが提供される。
【0180】
少なくとも1種のステロイドホルモンは、少なくとも1種の微生物と共に得ることができるか、又は得ることが可能となり得る。
【0181】
一部の実施形態では、上記の成長培地において、少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む方法。
【0182】
一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物のための成長培地中で少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む方法は、少なくとも約2時間、時には少なくとも約4時間、時には少なくとも約8時間、時には少なくとも約12時間、時には少なくとも約16時間、時には少なくとも約20時間、時には少なくとも約24時間、時には少なくとも約30時間、時には少なくとも約36時間、時には少なくとも約40時間、時には少なくとも約42時間、時には少なくとも約46時間、時には少なくとも約48時間、成長させる。
【0183】
一部の実施形態では、成長培地において、少なくとも1種の微生物を約48時間、インキュベートすることを含む方法。
【0184】
一部の実施形態では、プレグネノロンを含む成長培地において、少なくとも1種の微生物をインキュベートすることを含む方法。
【0185】
本明細書に記載されているとおり、本発明の少なくとも1種の微生物による、とりわけプロゲステロンを含めた、少なくとも1種のステロイドホルモンの産生量の増加は、少なくとも1種の微生物がそれを必要とする対象に投与されると、臨床的転帰を改善することができる。
【0186】
したがって、一部の態様によれば、それを必要とする対象における、少なくとも1種のステロイドホルモンの量を増加させるための使用のための少なくとも1種の微生物であって、腸内マイクロバイオーム微生物である、少なくとも1種の微生物が提供される。一部の実施形態によれば、対象は、少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低下に関連する障害又は状態に罹患している。
【0187】
認識されているとおり、少なくとも1種のステロイドホルモンの量の増加は、少なくとも1種の微生物による少なくとも1種のステロイドホルモンの産生によるものである。
【0188】
更に及び一部の他の態様によれば、それを必要とする対象において有効量の少なくとも1種の微生物を投与することを含む、少なくとも1種のステロイドホルモンの量を増加させるための方法であって、少なくとも1種の微生物が、腸内マイクロバイオーム微生物である、方法が提供される。一部の実施形態によれば、対象は、少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低下に関連する障害又は状態に罹患している。
【0189】
少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低下に関連する障害又は状態は、ホルモン障害のいずれかであり得る。
【0190】
一部の他の態様によれば、それを必要とする対象における、少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低下に関連する障害又は状態を治療する際の使用のための少なくとも1種の微生物であって、腸内マイクロバイオーム微生物である、当該少なくとも1種の微生物が提供される。
【0191】
一部の更なる態様によれば、それを必要とする対象における、少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低下に関連する障害又は状態を治療する方法が提供される。より詳細には、本方法は、対象に、治療有効量の本明細書に記載されている少なくとも1種の微生物を投与することを含むことができる。
【0192】
少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低下に関連する障害又は状態は、それを必要とする対象における、ステロイドホルモンレベルの向上を必要とし得る。
【0193】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低下に関連する障害又は状態は、不規則月経周期、月経周期の欠如、情緒変化、顔面潮紅、寝汗、膣乾燥、頭痛、片頭痛、反復流産、腸管透過性関連症候群、腹痛、子宮内膜症、細菌性膣炎、機能性消化管障害、不妊症、内臓痛、内臓過敏(内臓痛覚過敏としても知られている)又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0194】
一部の実施形態では、本方法は、不規則月経周期を治療するためのものである。一部の実施形態では、本方法は、月経周期の欠如を治療するためのものである。
【0195】
一部の実施形態では、本方法は、情緒変化を治療するためのものである。一部の実施形態では、本方法は、顔面潮紅を治療するためのものである。
【0196】
一部の実施形態では、本方法は、寝汗を治療するためのものである。
【0197】
一部の実施形態では、本方法は、膣乾燥を治療するためのものである。一部の実施形態では、本方法は、頭痛を治療するためのものである。
【0198】
一部の実施形態では、本方法は、片頭痛を治療するためのものである。一部の実施形態では、本方法は、流産を治療するためのものである。
【0199】
一部の実施形態では、本方法は、腸管透過性関連症候群を治療するためのものである。
【0200】
一部の実施形態では、本方法は、腹痛を治療するためのものである。一部の実施形態では、本方法は、子宮内膜症を治療するためのものである。
【0201】
一部の実施形態では、本方法は、細菌性膣炎を治療するためのものである。
【0202】
一部の実施形態では、本方法は、機能性消化管障害を治療するためのものである。
【0203】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、種:ハフニア・アルベイ種、ハフニア・パラルベイ種、ハフニア属種の種、大腸菌種、エシェリキア属種の種、オベスムバクテリウム・プロテウス種、ソダリス属種の種又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つに属する少なくとも1種の微生物を含む。
【0204】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177、ハフニア属種HMSC23F03、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0205】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0206】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、ハフニア・アルベイATCC51873である。
【0207】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、ハフニア・パラルベイATCC29927、ハフニア・パラルベイAVS0177又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0208】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、ハフニア属種HMSC23F03である。
【0209】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、大腸菌CFT073、大腸菌ニッスル1917、大腸菌O2:H1株HM670、大腸菌FVEC1302又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0210】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、エシェリキア属種E4742、エシェリキア属種E4694、エシェリキア属種E4702又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0211】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、オベスムバクテリウム・プロテウスATCC12841、オベスムバクテリウム・プロテウスPCM1204又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0212】
一部の実施形態では、本発明の方法によって使用される少なくとも1種の微生物は、ソダリス属種dw_96、ソダリス属種dw_23又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである。
【0213】
一部の実施形態では、本発明の方法は、低ステロイドホルモンレベルに関連する障害又は状態を治療するための、種:ハフニア・アルベイ種、ハフニア・パラルベイ種、ハフニア属種の種、大腸菌種、エシェリキア属種の種、オベスムバクテリウム・プロテウス種、ソダリス属種の種又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つに属する少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。
【0214】
一部の実施形態では、本発明の方法は、低プロゲステロンレベルに関連する障害又は状態を治療するための、種:ハフニア・アルベイ種、ハフニア・パラルベイ種、ハフニア属種の種、大腸菌種、エシェリキア属種の種、オベスムバクテリウム・プロテウス種、ソダリス属種の種又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つに属する少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。
【0215】
一部の実施形態では、本発明の方法は、不規則月経周期、月経周期の欠如、情緒変化、顔面潮紅、寝汗、膣乾燥、頭痛、片頭痛、反復流産、腸管透過性関連症候群、腹痛、子宮内膜症、細菌性膣炎、機能性消化管障害、不妊症、内臓痛又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを治療するための、種:ハフニア・アルベイ種、ハフニア・パラルベイ種、ハフニア属種の種、大腸菌種、エシェリキア属種の種、オベスムバクテリウム・プロテウス種、ソダリス属種の種又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つに属する少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。
【0216】
一部の実施形態では、本発明の方法は、疾患又は状態に関連する少なくとも1種のステロイドホルモンレベルの低下を治療するための、種:ハフニア・アルベイ種の少なくとも1つに属する少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。
【0217】
一部の実施形態では、本発明の方法は、疾患又は状態に関連するプロゲステロンレベルの低下を治療するための、種:ハフニア・アルベイ種の少なくとも1つに属する少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。
【0218】
一部の実施形態では、本発明の方法は、低ステロイドホルモンレベルに関連する障害又は状態を治療するための、種:ハフニア・アルベイ種の少なくとも1つに属する少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモン産生は、3β-HSDによって触媒される。一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、プロゲステロンである。
【0219】
一部の実施形態では、本発明の方法は、不規則月経周期、月経周期の欠如、情緒変化、顔面潮紅、寝汗、膣乾燥、頭痛、片頭痛、反復流産、腸管透過性関連症候群、腹痛、子宮内膜症、細菌性膣炎、機能性消化管障害、不妊症、内臓痛又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを治療するための、ハフニア・アルベイ種に属する少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。
【0220】
一部の実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低いことに関連する障害又は状態を治療するための、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモン産生は、3β-HSDによって触媒される。
【0221】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、プロゲステロンである。
【0222】
一部の実施形態では、本発明の方法は、不規則月経周期、月経周期の欠如、情緒変化、顔面潮紅、寝汗、膣乾燥、頭痛、片頭痛、反復流産、腸管透過性関連症候群、腹痛、子宮内膜症、細菌性膣炎、機能性消化管障害、不妊症、内臓痛又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを治療するための、ハフニア・アルベイATCC13337、ハフニア・アルベイATCC51873、ハフニア・アルベイFB1、ハフニア・アルベイNCTC6578、ハフニア・アルベイPCM1202、ハフニア・アルベイA23BA、ハフニア・アルベイHUMV-5920、ハフニア・アルベイFDAARGOS_1038又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つである少なくとも1種の微生物の、それを必要とする対象への投与を含む。
【0223】
一部の実施形態では、本発明の方法は、低ステロイドホルモンレベルに関連する障害又は状態を治療するための、少なくともハフニア・アルベイATCC51873の、それを必要とする対象への投与を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモン産生は、3β-HSDによって触媒される。一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンは、プロゲステロンである。
【0224】
一部の実施形態では、本発明の方法は、不規則月経周期、月経周期の欠如、情緒変化、顔面潮紅、寝汗、膣乾燥、頭痛、片頭痛、反復流産、腸管透過性関連症候群、腹痛、子宮内膜症、細菌性膣炎、機能性消化管障害、不妊症、内臓痛又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを治療するための、少なくともハフニア・アルベイATCC51873の、それを必要とする対象への投与を含む。
【0225】
本明細書において使用する場合、不規則月経周期とは、月経周期に影響を及ぼすことがある、短周期又は長周期を指す。平均月経周期は、28日間、続き、したがって、短周期又は長周期は、21日より短い、又は35日より長い月経周期として通常、定義される。
【0226】
本明細書において使用する場合、月経周期の欠如は、連続して3回の月経周期がないことを指す。
【0227】
本明細書において使用する場合、情緒変化は、うつ病、不安症、過敏性及び不眠症を包含し、これらは、通常、月経前に悪化する。
【0228】
本明細書において使用する場合、機能性消化管障害は、胃腸管のさまざまな部分に影響を及ぼし、内臓過敏及び運動障害に関与する、任意の障害又は病理学的状態を指す。
【0229】
機能性消化管障害は、一部の実施形態によれば、以下:運動障害、内臓過敏、粘膜及び免疫機能の変化、腸内微生物叢の変化、ENSプロセッシングの変化及び中枢神経系(CNS)プロセシングの変化のうちの組合せを有すると考えられる。機能性消化管障害は、疼痛及び腫脹などの関連症状を包含することに留意されたい。
【0230】
一部の実施形態では、機能性消化管障害は、機能性消化不良(FD)である。機能性消化不良は、少なくとも1か月、存在する、腫脹、灼熱感、疼痛、又は消化管上部における早期膨満若しくは長期膨満、吐き気、嘔吐、げっぷ、体重減少、口内の酸味のうちの1つ以上の症状を伴う。
【0231】
一部の実施形態では、機能性消化不良は、食後窮迫症候群(PDS)又は心窩部痛症候群(EPS)のうちの少なくとも1つである。
【0232】
一部の実施形態では、機能性消化管障害は、胃腸管の疼痛の中枢媒介性障害である。
【0233】
一部の実施形態では、胃腸管の疼痛の中枢媒介性障害は、中枢媒介性腹痛症候群(CAPS)、麻酔性腸症候群(NBS)/オピオイド誘発性GI痛覚過敏又はそれらの組合せである。
【0234】
中枢媒介性腹痛症候群(CAPS)は、長期にわたる腹部(胃)疼痛、又は反復疼痛(再発状態)の状態であり、これは、腸のパターンの変化、すなわち便秘及び/又は下痢に関連しない。
【0235】
麻薬性腸症候群(NBS)は、漸増的又は継続的オピオイド治療法の状況における腹痛の悪化を特徴とする状態である。
【0236】
一部の実施形態では、機能性消化管障害は、腸障害である。
【0237】
一部の実施形態では、腸障害は、過敏性大腸症候群(IBS)、機能性便秘、機能性下痢、機能性腹部腫脹/膨満、不特定の腸機能障害、オピオイド誘発性便秘又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つである。
【0238】
一部の実施形態では、機能性消化管障害は、IBSである。
【0239】
IBSは、腹痛、並びに排便の頻度及び習慣(consistency)の変化を含めた、さまざまな症状を特徴とする。
【0240】
一部の実施形態では、IBSは、顕著な便秘を伴うIBS(IBS-C)、顕著な下痢を伴うIBS(IBS-D)、混合型排便習慣を伴うIBS(IBS-M)、未分類IBS(IBS-U)又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つである。
【0241】
IBSに関連するGI機能不全のさまざまな状態を検討するために開発された、インビボのモデルがいくつか存在する。これらのモデルのうち、異なる種類のストレッサー、例えば、心理的及び物理的刺激が、IBSの発症及び障害の持続において重要な役割を果たすように思われる。更に、無菌動物へのIBS患者の糞便移植を実施するモデルは、内臓過敏及び腸運動の異常などのIBS表現型の発症をやはり刺激することができる(詳細に関しては、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、「Pathogenesis,Experimental Models and Contemporary Pharmacotherapy of Irritable Bowel Syndrome:Story About the Brain-Gut Axis」 S.W.Tsangら)。
【0242】
一部の実施形態では、少なくとも1種のステロイドホルモンのレベルの低下に関連する障害又は状態は、機能性消化管障害ではない。
【0243】
本発明の方法は、一部の実施形態によれば、追加治療による、本発明の少なくとも1種の微生物の投与を含む。
【0244】
少なくとも1種の微生物及び追加治療(単数又は複数)は、同時に又は逐次に投与されてもよい。
【0245】
認識されるとおり、追加治療は、例えば、少なくとも1種の微生物の作用を改善するため、少なくとも1種の微生物と適合するよう選択される。一部の実施形態では、追加治療は、任意の状態の最新治療である。例えば、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)であるイブプロフェン(Advil、Motrin IB、他)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH)アゴニスト及びアンタゴニスト、経口避妊薬、アロマターゼ阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環系抗うつ剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、非定型抗うつ剤(ブプロピオン、ミルタザピン、ネファゾドン、トラゾドン及びボルチオキセチン)。
【0246】
少なくとも1種の微生物は、当分野において公知の任意の方法及び本明細書に記載されている方法によってヒト対象に投与されてもよい。一部の実施形態によれば、本発明の方法は、経口投与による、少なくとも1種の微生物、又はこれを含む組成物の投与を含む。一部の実施形態によれば、本発明の方法は、腸に送達するよう製剤化されている少なくとも1種の微生物又はこれを含む組成物の投与を含む。少なくとも1種の微生物又は組成物は、例えば、カプセル剤、顆粒剤、サシェ剤、錠剤、坐剤、食物若しくは飲料、又は同様のもののいずれかに製剤化されてもよい。
【0247】
本明細書に記載されているとおり、本開示は、有効量の少なくとも1種の微生物に関係する。本開示が1種超の微生物、すなわち少なくとも2種の微生物に関連する態様では、このような2種の微生物は、本明細書において、微生物共同体と称される。一部の実施形態では、微生物共同体は、共同体を形成する微生物を同じ量又は等量含む。
【0248】
一部の更なる実施形態では、微生物共同体は、異なる量の共同体を形成する微生物を含む。
【0249】
一部の実施形態では、単独の又は微生物共同体を形成するかのどちらか一方となる各微生物の1回分の用量あたりの総数(細胞数/量/コロニー形成単位CFU/光学密度測定値)は、少なくとも1x10、少なくとも1x10、少なくとも10、少なくとも1x10、時には少なくとも1x10、時には少なくとも1x10、時には少なくとも1x10である。
【0250】
一部の実施形態では、単独の又は微生物共同体を形成するかのどちらか一方となる各微生物の1回分の用量あたりの総数(細胞数/量/コロニー形成単位CFU/光学密度測定値)は、約1×10~約5×1010、約2×10~約4×1010、約3×10~約3×1010、約5×10~約1×1010CFUである。
【0251】
一部の実施形態では、微生物共同体は、共同体を形成する微生物を同じ量又は等量含む。
【0252】
一部の更なる実施形態では、微生物共同体は、異なる量の共同体を形成する微生物を含む。一部の実施形態では、微生物共同体を形成する微生物の1つずつの総数(細胞数/量/コロニー形成単位CFU)は、約1×10~約1×1012、1×10~約1×1010、1×10~約5×1010、2×10~約4×1010、3×10~約3×1010、5×10~約1×1010である。
【0253】
一部の実施形態では、微生物共同体を形成する微生物の総数(細胞数/量/コロニー形成単位CFU)は、約1×10~約1×1012、1×10~約1×1010、1×10~約5×1010、2×10~約4×1010、3×10~約3×1010、5×10~約1×1010である。
【0254】
上で詳述したとおり、少なくとも1種の微生物は、参照対象のマイクロバイオームから、例えば、生体試料を収集することによって、同定され得る、精製され得る又は分離され得る。生体試料は、微生物の集団が、分離される任意の試料、例えば、便とすることができる。更に別の実施形態では、試料は、ヒト臓器又は組織の生検、具体的には、消化管の生検であってもよい。
【0255】
少なくとも1種の微生物及び/又は微生物共同体は、保管、投与などに応じて、さまざまな形態で製剤化されてもよい。非限定的な形態は、固体の、例えば、凍結乾燥粉末の乾燥形態、ゲル形態、懸濁液、細胞溶解物又は抽出物を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の微生物及び/又は微生物共同体は、液体媒体(PBS又は生理食塩水など)中で懸濁されて、懸濁液形態で使用されてもよい。
【0256】
本発明の少なくとも1種の微生物及び/又は微生物共同体は、医薬製剤/組成物/懸濁液の調製、又は製剤/組成物/懸濁液の製造に使用されてもよい。
【0257】
したがって、本発明の製剤/組成物/懸濁液は、治療有効量の本発明の少なくとも1種の微生物及び/又は微生物共同体とは別に、本明細書に詳述されている少なくとも1種の追加の成分を含んでもよい。
【0258】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載されている使用及び方法のための、少なくとも1種の微生物又は微生物共同体を含む、組成物(懸濁液又は製剤)に関する。
【0259】
本明細書に記載されているとおり、少なくとも1種の微生物、微生物共同体、及び/又はこれらを含む懸濁液/組成物は、本発明のキットを形成してもよい。一般に、少なくとも1種の微生物若しくは微生物共同体を含む、本明細書に記載されている組成物及び/又は懸濁液及び/又はキットが、本発明の部分を形成する。少なくとも1種の微生物及び/又は微生物共同体のそれ自体について本明細書に記載されている形態は、微生物共同体を含む組成物及び/又は懸濁液及び/又はキットに適用されることに留意すべきである。
【0260】
更に一部の更なる実施形態では、本発明の組成物は、薬学的に許容される担体(単数/複数)、賦形剤(単数/複数)、添加物(単数/複数)、希釈剤(単数/複数)及びアジュバント(単数/複数)のうちの少なくとも1種を場合により更に含んでもよい。本明細書において使用する場合、「薬学的に許容される担体」は、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、コーティング剤などを含む。
【0261】
水性懸濁液は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/又はデキストランを含む、懸濁液の粘度を向上させる物質を更に含んでもよい。懸濁液はまた、安定剤も含有してもよい。
【0262】
特に上記の成分に加え、本製剤はまた、対象とする製剤のタイプを考慮して、当分野において慣用的な他の薬剤を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0263】
少なくとも1種の微生物、少なくとも1種の微生物、微生物共同体、及び/又はそれらを含む任意の懸濁液/組成物は、当分野で公知の医療手順にしたがって、以下に記載される本発明の方法によって投与及び投薬することができる。例えば、本明細書において以下に記載されている本発明の方法及びキットにおいて使用される懸濁物/組成物は、例えば、全身経路、非経口経路、腹腔内経路、経皮経路、経口経路(口内又は舌下を含む)、直腸経路、局所経路(口内又は舌下を含む)、膣経路、鼻腔内経路及び任意の他の適切な経路を含む、当分野で公知のさまざまな投与様式によって投与するよう適合され得る。具体的な例には、以下に限定されないが、注射(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、又は皮内注射を使用する)、鼻腔内投与、膣内及び経口投与が挙げられる。
【0264】
一部の実施形態では、本発明の少なくとも1種の微生物及び/又はこれを含むいずれの懸濁液/組成物も、経口投与向けに製剤化されてもよい。
【0265】
一部の実施形態では、本発明の少なくとも1種の微生物及び/又はこれを含むいずれの懸濁液/組成物も、腸への送達向けに製剤化されてもよい。一部の実施形態では、本発明の少なくとも1種の微生物及び/又はこれを含むいずれの懸濁液/組成物も、食物又は飲料に製剤化されてもよい。
【0266】
一部の実施形態では、本発明の少なくとも1種の微生物及び/又はこれを含むいずれの懸濁液/組成物も、担体内に含まれるよう製剤化されてもよい。
【0267】
一部の実施形態では、本発明の少なくとも1種の微生物及び/又はこれを含む懸濁液/組成物も、腸溶コーティングされてもよい。
【0268】
一部の実施形態では、本発明の方法は、本発明の少なくとも1種の微生物、微生物共同体、それを含む組成物又はキット、及び場合により追加治療を、単回1回用量として、単回1日用量又は反復1日用量として、好ましくは1~7日毎に投与することを含むことができる。このような施用は、患者の生涯に1回若しくは数回、1日1回、2回、3回、4回、5回若しくは6回、実施され得るか、又は1日1回、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、5日毎に1回、6日毎に1回、1週間毎に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、又は更には1ヶ月を超えて1回、実施され得ることが、具体的に企図される。
【0269】
本発明は、それを必要とする対象において低ステロイドホルモンレベルに関連する疾患若しくは状態の発症を治療する、予防する、阻害する、低減する、又はそれらの発症を遅延させるための組成物の調製における少なくとも1種の微生物の使用であって、少なくとも1種の微生物が腸内マイクロバイオーム微生物である、使用を更に提供する。
【0270】
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象における、低ステロイドホルモンレベルに関連する疾患又は状態を治療するための、組成物の調製における本発明の少なくとも1種の微生物を含むキットを提供する。
【0271】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるキットは、記載されている組成物/懸濁液を、投与の準備が調った既に調製済みの剤形として含んでもよく、又は代替的に、記載されている少なくとも1種の微生物若しくは組成物を、溶媒を用いて再構成して液状剤形を得ることができる固体医薬組成物(例えば、凍結乾燥形態)として含むことができる。本発明のキットは、低ステロイドホルモンレベルに関連する疾患又は状態を治療する際の、キットを使用するための使用説明書を更に含むことができる。
【0272】
本明細書において提供される治療の方法は、治療有効量の本発明の少なくとも1種の微生物の投与を含む。用語「有効量」とは、本明細書において使用する場合、当業者に公知のこのような考慮事項によって決定されるものである。量は、本明細書に記載されている障害又は状態を改善するのに十分でなければならない。投与は、症状の重症度、及び本発明の少なくとも1種の微生物に対する対象の応答性に依存する。医療専門家は、最適投与量、投与方法及び反復率を容易に決定することができ、治療される対象の年齢、性別、体重及び疾患の状態を考慮して、用量が決まるであろう。
【0273】
本明細書において使用されるとおり、「治療有効量」は、臨床医又は他の有資格観察者によって認識される医療的利益を実現する、ある量の、少なくとも1種の微生物、微生物共同体、及び/又はこれらを含む組成物を意味する。
【0274】
本発明は、低ステロイドホルモンレベルに関連する疾患、障害又は状態を治療する方法を提供する。「治療又は予防」という用語は、低ステロイドホルモンレベルに関連する疾患、又はそのようなものの望ましくない副作用の阻害、低減、緩和、及び軽減を含む、対象への投与の治療的に正の効果の完全な範囲を指す。
【0275】
本明細書において使用される場合、「疾患」、「障害」、「状態」などは、それらが対象の健康に関する場合、交換可能に使用され、かかる用語の各々及びすべてに帰する意味を有する。
【0276】
本発明は、それを必要とする対象又は患者の治療のための方法に関する。「患者」又は「必要とする対象」とは、上記の状態によって影響を受ける可能性があり、本明細書において記載されている治療方法が望まれる任意の生物を意味する。特に、ヒト対象の場合、本発明の組成物の患者への投与は、自己投与及び別の人による患者への投与の両方を含むことに更に留意されるべきである。
【0277】
一部の実施形態では、対象は女性対象である。一部の実施形態では、対象は、ホルモン障害又は状態に罹患している女性対象である。一部の実施形態では、対象は女性対象である。一部の実施形態では、対象は、低ステロイドホルモンレベルに関連するホルモン障害又は状態に罹患している女性対象である。
【0278】
本発明は、低ステロイドホルモンレベルに関連する疾患を治療する方法を提供し、このような障害に関連するか、又は関係する障害に更に関する。互換的に使用される「関連する(associated)」及び「関連する(related)」という用語は、本明細書において病態に言及する場合、原因を共有すること、同時発生よりも高い頻度で共存すること、又は少なくとも1つの疾患、障害、状態若しくは病態が第2の疾患、障害、状態若しくは病態を引き起こすことのうちの少なくとも1つである疾患、障害、状態又は任意の病態を意味することが理解される。
【0279】
例えば、3β-HSD転写の発現量又はレベルを「増加させる」又は「増強する」を示すとは、そのような増加又は増強が3β-HSDの発現量及び/又は安定性の約10%~100%の増加又は上昇であり得ることを意味することに留意すべきである。「増加」、「増大」及び「増強」という用語は、本明細書において使用する場合、サイズ、量、数又は強度が次第に大きくする行為に関する。特に、好適な対照と比較した場合の、少なくとも1種のステロイドホルモンの発現量及び/又はレベル(量、含有率)の10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、70%、800%、900%、1000%又はそれより高い増加。
【0280】
増加又は向上はまた、約2~106倍、又はそれより多い増加でもあることが更に留意されるべきである。更に、当該3β-HSDのレベル又は発現量の増加は、当該3β-HSDの翻訳又は安定性のどちらかであり得ることが認識されるべきである。上記に関して、提供される場合、例えば、10%、50%、120%、500%などのパーセンテージ値は、「倍数変化」値、すなわち、それぞれ0.1、0.5、1.2、5などと交換可能であることが理解されるべきである。したがって、増加という用語は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000倍、又はそれより高い増加を指す。
【0281】
好適な対照は、本明細書に記載されている少なくとも1種の微生物(本発明の対象である)を使用しない場合の個々の経路/物質を時には指すことが留意されるべきである。
【0282】
「発現」とは、本明細書において使用する場合、一般に、細胞に存在して作動する構造体の合成を可能にする機能性遺伝子産物に、遺伝子によりコードされた情報が変換される過程を指す。したがって、本発明によれば、遺伝子の「発現」は、具体的には、ポリヌクレオチドへの転写、及びそれに続くタンパク質への翻訳、又は更にはタンパク質の翻訳後修飾などの下流プロセスを指すことがある。
【0283】
タンパク質安定性は、本明細書において使用される場合、タンパク質の物理的(熱力学的)安定性及び化学的安定性を指し、タンパク質がその天然のフォールディングされた立体構造にあるか、又は変性状態にあるかを判定する力の正味のバランスに関する。
【0284】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、言及された値よりも最大1%、より具体的には5%、より具体的には10%、より具体的には15%、場合によっては最大20%高く又は低く逸脱し得る値を示し、逸脱範囲は整数値を含み、適用可能な場合、非整数値も同様に連続範囲を構成する。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、±10%を指す。
【0285】
この発明のさまざまな実施形態は、範囲形式で提示され得ることに留意すべきである。範囲の記載は、具体的に開示されたすべての可能な部分範囲、及びその範囲内の個々の数値を有すると考えられるべきである。例えば、1~6又は1~6の間などの範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5及び6を具体的に開示していると見なされるべきである。
【0286】
「少なくとも1つ」という用語は、以下のうちの1つ以上を指し、指定の情報の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25,26、27、28、29、30、31、32又はそれより多くのいずれか1つを包含する。
【0287】
例えば、少なくとも1種の微生物に言及する場合、1種以上の微生物を指し、1種、2種、3種、4種、5種又はそれより多くの微生物のうちのいずれか1つを包含すると理解されるべきである。
【0288】
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるので、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するために使用されており、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0289】
後続する本明細書及び実施例及び特許請求の範囲の全体を通じて、文脈が別段に要求しない限り、「含む(comprise)」という語、並びに「含む(comprises)」及び「含むこと(comprising)」などの変化形は、明記された整数若しくはステップ、又は整数若しくはステップの群を包含することを含意するが、他の任意の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を除外することは含意しないと理解される。
【0290】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈によってそうでない旨が明示されない限り、複数の指示物を含むことを留意しなければならない。
【0291】
以下の実施例は、本発明の態様を実施する際に本発明者らによって使用される技法の代表例である。これらの技法は、本発明の実施のための好ましい実施形態の例示であるが、当業者は、本開示に照らし合わせて、本発明の趣旨及び意図される範囲から逸脱することなく、多数の改変がなされ得ることを認識していることが理解されるべきである。
【0292】
本発明のさまざまな態様に関連して本明細書において詳述されるさまざまな実施形態及び実施例は、本明細書において開示されている1つ以上の態様に適用可能であり得ることが留意されるべきである。例えば、微生物共同体の構成成分に関連する、本明細書に記載されている任意の実施形態は、個別に、又はさまざまに組み合わされて適用されてもよいことが更に留意されるべきである。上記で説明され、以下の特許請求の範囲の請求項で請求される本発明のさまざまな実施形態及び態様は、以下の実施例において実験的な裏付けを見出す。本明細書において使用される「別の実施形態では」とい言い回し又は実施形態に対して行われる任意の参照は、異なる実施形態を指す場合もあるが、必ずしも異なる実施形態を指すわけではない。したがって、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明のさまざまな実施形態を(同じ態様から、又は異なる態様から)組み合わせることができる。
【0293】
【表1】
【0294】
非限定的な実施例
実施例1:インビトロプロゲステロン合成
実施例1A:ハフニア・アルベイATCC51873によるプロゲステロン合成
これらの実験において、ハフニア・アルベイATCC51873がプロゲステロンを合成する能力は、プロゲステロン産生性遺伝子3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSD)の発現量を定量することによって試験した。
【0295】
ハフニア・アルベイATCC51873細胞をプロゲステロン前駆体であるプレグネノロンと共に、及びこれを使用しないで、48時間にわたり成長させた。細胞を収穫して溶解し、RNAを抽出した。RNAの溶解及び精製は、酵素的溶解、及び細菌のプロテイナーゼK消化に関するRNA保護プロトコルにしたがって行い、その後、RNeasy Mini Kit(Qiagen、カタログ番号74104)を使用してRNA精製を行った。このキットに指定されているとおり、トリチラキウム属(Tritirachium)由来のプロテイナーゼK(Sigma、カタログ番号P2308)をペプチド消化に使用し、ニワトリ卵白に由来するリゾチーム(Sigma、カタログ番号L6876)を使用して酵素溶解を行った。RNase-Free Dnase Set(Qiagen、カタログ番号79254)を使用して、過剰のDNAを除去して精製を完了した。純粋なRNAをcDNAライブラリー調製まで-20℃で保存した。cDNAライブラリーを、HighCapacity cDNA Reverse Transcription Kit(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号4368814)を使用して構築した。リアルタイムPCRは、PowerUp(商標)Syber Green(商標)mastermix(Applied Biosystems,A25742)を用いて、StepOnePlus(商標)リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems,4376600)で行った。RecA及びRhoを、ハウスキーピング遺伝子(HKG)対照として用いた。結果は、2^(-ΔΔCt)の許容可能な方法にしたがって計算した倍率変化として表した。最初に、ハウスキーピング遺伝子RecAから目的の遺伝子の平均Ct値を差し引くことによって、ΔCtを計算した。次に、処理試料のΔCt値を、プロゲステロンの前駆体であるプレグネノロンを含まない対照試料から差し引くことによって、ΔΔCtを計算した。
【0296】
図1に提示されている結果は、HSDの酵素転写物がインキュベート時間と共に増加し、24時間のインキュベート後に最大値に達したことを実証している。その時点で、HSDの酵素転写物は、プレグネノロンを用いないハフニア・アルベイATCC51873の発酵と比較して、プレグネノロンを用いたハフニア・アルベイATCC51873発酵に由来する試料では、約2倍高かった。これらの結果は、ハフニア・アルベイATCC51873は、プロゲステロンを合成できることを示している。
【0297】
実施例1B:プロゲステロン同定
ハフニア・アルベイ株などがプロゲステロンを合成する能力は、生物分析LC-MS/MSを使用してプロゲステロンレベルを定量することによって試験する。
【0298】
ハフニア・アルベイATCC51873細胞をプロゲステロン前駆体であるプレグネノロンと共に、及びこれを使用しないで、最大で48時間、37℃で成長させる。発酵の48時間の間、試料をプロゲステロン定量に採取する。細胞を遠心分離(10分間、3220g、4℃)によって分離し、培養培地をシリンジフィルター(13mm径、0.22μmの細孔サイズ)に通してろ過する。ろ過した培地及び細胞を、LC-MS/MS分析まで-80℃に凍結保管する。
【0299】
実施例2:インビボでの内臓痛/内臓過敏モデル:
実施例2A:トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)モデル
雄のSprague-Dawleyラットをこの検討に使用する。麻酔(ケタミン、80mg/kg i.p.;アセプロマジン、12mg/kg i.p)下、TNBSの注射(50mg/kg;1.5ml/kg)又は生理食塩水(1.5ml/kg)を近位結腸(盲腸から1cm)に行う。手術後、動物を個々にポリプロピレン製ケージに収容し、調節された環境に維持する。TNBS誘導性直腸結腸炎は、結腸拡張(CRD)に対する閾値を変化させ、内臓過敏症であることを実証する。
【0300】
実施例2B:母体分離(MS)モデル
ストレスは、生後の最初の2週間の間に1日3時間、ラットの子を母体から取り出すことにある。母体のケアは、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸並びに認知機能及び情動機能に影響を及ぼすので、MSはこれらの動物の中枢神経系に安定的な変化を引き起こす。大腸のレベルにおいて、MSは、成体動物において、直腸結腸伸展(CRD)に対する内臓過敏を特徴とする状態の発症を促し、結腸肥満細胞過形成は、多くの場合、IBSの2つの典型的な徴候である神経終末の近くに集中する。更に、ストレスに応答する腸運動機能もまた、これらの動物において増強される。
【0301】
実施例2C:インビボでの膣症モデル
ガルドネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis)は、細菌性膣炎において、最も高い頻度で分離される細菌種の1つである。マウスは、イソフルオランで麻酔をかけ、20mLの滅菌PBS中、5x107CFUのG・バジリナスを膣に接種する。滅菌PBSを膣に流すことによって、膣洗液を採集する。PBS中で10倍段階希釈液を調製し、1mg/mLのストレプトマイシン選別プレート表面に四連で各希釈液をスポットすることによって、洗液からのG・バジリナスの力価を求める。
図1
【配列表】
2024516465000001.app
【国際調査報告】