(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】車両の電気エネルギー貯蔵手段に充電するためのスタンドアロン型装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240408BHJP
H02J 15/00 20060101ALI20240408BHJP
B60L 53/57 20190101ALI20240408BHJP
B60L 53/53 20190101ALI20240408BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J15/00 D
H02J7/00 P
B60L53/57
B60L53/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505494
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2022059777
(87)【国際公開番号】W WO2022218993
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523385732
【氏名又は名称】モブ-エナジー
【氏名又は名称原語表記】MOB-ENERGY
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】アドゥー、イリアス
(72)【発明者】
【氏名】ロイ、マキシム
(72)【発明者】
【氏名】エル アート、サリム
(72)【発明者】
【氏名】ベン オスマン、アビブ
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB01
5G503CB02
5G503FA03
5G503FA06
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC11
5H125AC24
5H125FF14
(57)【要約】
本発明は、車両の電気エネルギー貯蔵手段を充電/再充電するためのスタンドアロン型装置であって、垂直方向A-A’に垂直に伸び、地上に配置された結合モジュールと協働する結合システムを含む装置であって:スタンドアロン型装置と連結モジュールとを電気的に連結する連結部材(41)と、この連結部材(41)を格納位置と展開位置との間でA-A’方向に並進移動させる移動手段(43とを備え、連結部材(41)は、格納位置よりも展開位置において地面に近い位置に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の電気エネルギー貯蔵手段に充電/再充電するためのスタンドアロン型装置であって、当該装置が、垂直方向A-A’に垂直に伸び、
-地面上で当該スタンドアロン型装置を移動させるための車輪(11)を含む可動台座(1)と、
-前記可動台座(1)に取り付けられたシャーシ(2)であって、当該シャーシ(2)はバッテリー(21)を収容するのに適したものであるシャーシ(2)と
-前記シャーシ(2)の周囲のフェアリング(26)であって、車両の電気エネルギー貯蔵手段に電気的に接続される結合モジュール用の受入れベイを備えるフェアリングと、
-前記受入れベイに収容された、前記結合モジュールと協働するのに適した結合システムと
を少なくとも備え、
前記結合システムが、
-前記スタンドアロン型装置を前記結合モジュールに電気的に接続するための接続部材(41)と、
-前記接続部材(41)を、格納位置と展開位置との間で、A-A’方向に並進運動させるための移動手段(43)であって、前記接続部材(41)が前記格納位置にあるときよりも前記展開位置にあるときの方が地面に近い位置にあるものとされてなる、移動手段(43)と
を少なくとも備えることを特徴とする、スタンドアロン型装置。
【請求項2】
前記移動手段(43)が、少なくとも1つのステッピングモーターを備える、請求項1に記載のスタンドアロン型装置。
【請求項3】
前記接続部材(41)が、
-前記結合モジュールに設けられた相補的なコンセントに電気的に接続される電気コネクタ(4111)を有する、少なくとも1つの支持ベース(411)と、
-前記支持ベース(411)と平行方向に伸びる、少なくとも1つのセンタリングプレート(412)であって、当該センタリングプレート(412)が、前記支持ベース(411)よりも前記シャーシ(2)から遠くなるように前記支持ベース(411)の下に配置されてなる、センタリングプレート(412)と、
-前記支持ベース(411)と前記センタリングプレート(412)と間にある、少なくとも一つの弾性復帰要素(413)とを少なくとも備えてなり、
前記センタリングプレート(412)が、前記支持ベース(411)に対して並進移動可能に取り付けられてなる、請求項1または2のいずれか一項に記載のスタンドアロン型装置。
【請求項4】
前記接続部材(41)が、
-前記接続部材が格納位置にあるか展開位置にあるかを検出するための、少なくとも1つの位置センサーと、
-前記結合モジュールの存在および位置を検出するための、少なくとも1つの存在センサーと
をさらに備えてなる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記弾性復帰要素(413)各々が、
-コイルばね(4131)であって、当該コイルばねの一方の端部が前記支持ベースにあたり、前記コイルばねの他方の端部が前記センタリングプレートにあたる、コイルばね(4131)と、
-前記コイルばねの内側に延びるガイドロッド(4132)であって、当該ガイドロッドが前記センタリングプレートに対して垂直に延びるように前記センタリングプレートに取り付けられ、前記支持ベースが前記ガイドロッドを通すための貫通スロットを備え、前記ガイドロッドの自由端が、前記センタリングプレートとは反対側の前記支持ベースの面の前に延びる当接部とを備える、ガイドロッド(4132)と
を備える、請求項3又は4に記載のスタンドアロン型装置。
【請求項6】
前記センタリングプレートが、前記支持ベースとは反対側の前記センタリングプレートの面の外側に向かって突出する、少なくとも1つの位置合わせピン(4121)を備え、前記ピンが、前記結合モジュールに設けられた相補的な形状の止め穴により、前記支持ベースと協働するようにされてなる、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のスタンドアロン型装置。
【請求項7】
前記ピンは各々、部分的または全体的に円錐台形状を有する、請求項6に記載のスタンドアロン型装置。
【請求項8】
前記結合システムが、前記接続部材の並進運動をガイドするためのガイド手段(42)をさらに備え、当該ガイド手段は、一対の平行なねじ付きバーを含み、当該ねじ付きバー各々は、当該ねじ付きバーの回転が前記接続部材の並進運動を発生させるように、前記支持ベースに設けられたそれぞれのタップ付き開口部と協働するものとされた、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスタンドアロン型装置。
【請求項9】
冷却回路をさらに備えてなり、当該冷却回路が、
-前記可動台座近くのシャーシの下部領域に位置する吸気ゾーン(F1)と、
-前記シャーシの下部領域よりも前記可動台座から遠い前記シャーシの上部領域に位置する排気ゾーン(F2)と
を備えてなる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスタンドアロン型装置。
【請求項10】
冷却回路をさらに備え、前記冷却回路が、
-前記フェアリング(26)の第1のパネルに設けられた貫通開口部を含む吸気ゾーンと、
-前記フェアリング(26)の、前記第1のパネルとは異なる第2のパネルに設けられた貫通開口を備える排気ゾーンと
を備えてなる、請求項1乃至のいずれか一項に記載のスタンドアロン型装置。
【請求項11】
前記スタンドアロン型装置の周囲の対象物を検出するための画像取得手段をさらに備え、当該画像取得手段が、前記フェアリングの各側面に配置された単眼カメラを備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のスタンドアロン型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モーターを備える車両の電気エネルギー貯蔵手段の充電/再充電を可能にする、スダンドアロン型装置の技術分野に関する。
【0002】
このタイプのシステムは、これに限られるものではないが、特に、道路外駐車場および/または路上駐車場を含む駐車場など、スペースが限られた環境における蓄電手段の充電/再充電に使用することができる。
【0003】
本発明において「道路外駐車場」とは、高架駐車場、地下駐車場、または地上駐車場など、アクセスが制御された閉鎖空間内の限定された場所に設置された駐車場を意味する。「路上駐車」とは、有料または無料にかかわらず、また区切られたかどうかにかかわらず、オープンスペースに配置された駐車場を意味します。
【背景技術】
【0004】
従来知られたものとして、米国特許第9592742号が開示する、駐車場において電気自動車の近くまで移動できる、電動式で異なる出力ケーブルを備えた立方体形状の装置が知られている。この装置により、装置に格納されたバッテリーから電気自動車を充電することができる。ここでの問題の一つは、装置を車両に接続するために人の介入を必要とすることである。
【0005】
また、米国特許第9778653号が開示する、独立型無人ユニットから電気自動車にエネルギーを伝達する方法およびシステムも知られている。電気自動車が充電命令を出すと、無人のスタンドアロンユニットがランデブー地点で電気自動車と合流し、電気自動車に取り付けられ、エネルギーが転送される。ここでの問題は、バッテリーを輸送するためにドローン(米国特許第9778653号の
図6に記載される)を使用すると安全性に問題が生じることである。さらに、この装置は密閉された空間には適していない。
【0006】
また、韓国特許公開2020/0037548号は、バッテリーを含むスタンドアロンの充電/放電ロボットと磁化されたインターフェースボックスを用いた、車両の充電/再充電のための手段が知られている。インターフェースボックスは、電気接続ケーブルの一端を受け入れる接続コンセントを備え、ケーブルの他端は充電/再充電される車両の蓄電手段に接続される。 韓国特許公開2020/0037548号に記載されている手段の動作原理は次のとおりである。ユーザーは、磁化されたインターフェースボックスを電気自動車のナンバープレートに置き、充電するように指示する。この命令の結果として、スタンドアロンロボットは車両の近くに移動し、インターフェースボックスと接触して、車両の電気エネルギー貯蔵手段への電気エネルギーの伝達を可能にする。韓国特許公開2020/0037548号に記載されているこの解決策の課題の1つは、充電ロボットをインターフェースボックスに結合する際に車両損傷のリスクがあることである。
【0007】
本発明の一つの目的は、前述の課題の少なくとも1つを軽減することを可能にする、車両の電気エネルギー貯蔵手段を充電/再充電するためのスタンドアロン型装置を提案することである。
【発明の概要】
【0008】
この目的を達成するために、本発明によれば、車両の電気エネルギー貯蔵手段に充電/再充電するためのスタンドアロン型装置であって、当該装置が、垂直方向A-A’に垂直に伸び、
-地面上で当該スタンドアロン型装置を移動させるための車輪を含む可動台座と、
-前記可動台座に取り付けられたシャーシであって、当該シャーシはバッテリーを収容するのに適したものであるシャーシと
-前記シャーシの周囲のフェアリングであって、車両の電気エネルギー貯蔵手段に電気的に接続される結合モジュール用の受入れベイを備えるフェアリングと、
-前記受入れベイに収容された、前記結合モジュールと協働するのに適した結合システムと
を少なくとも備え、
前記結合システムが、
-前記スタンドアロン型装置を前記結合モジュールに電気的に接続するための接続部材と、
-前記接続部材を、格納位置と展開位置との間で、A-A’方向に並進運動させるための移動手段であって、前記接続部材が前記格納位置にあるときよりも前記展開位置にあるときの方が地面に近い位置にあるものとされてなる、移動手段と
を少なくとも備えることを特徴とする、スタンドアロン型装置が提供される。
【0009】
本発明による装置の好ましいが、これらに限定されない態様は次のとおりである。
-前記移動手段が、少なくとも1つのステッピングモーターを備える。
-前記接続部材が、
o前記結合モジュールに設けられた相補的なコンセントに電気的に接続される電気コネクタを有する、少なくとも1つの支持ベースと、
o前記支持ベースと平行方向に伸びる、少なくとも1つのセンタリングプレートであって、当該センタリングプレートが、前記支持ベースよりも前記シャーシから遠くなるように前記支持ベースの下に配置されてなる、センタリングプレートと、
o前記支持ベースと前記センタリングプレートと間にある、少なくとも一つの弾性復帰要素とを少なくとも備えてなり、
前記センタリングプレートが、前記支持ベースに対して並進移動可能に取り付けられてなる。
-前記接続部材が、
o前記接続部材が格納位置にあるか展開位置にあるかを検出するための、少なくとも1つの位置センサーと、
o前記結合モジュールの存在および位置を検出するための、少なくとも1つの存在センサーと
をさらに備えてなる。
-前記弾性復帰要素各々が、
oコイルばねであって、当該コイルばねの一方の端部が前記支持ベースにあたり、前記コイルばねの他方の端部が前記センタリングプレートにあたる、コイルばねと、
o前記コイルばねの内側に延びるガイドロッドであって、当該ガイドロッドが前記センタリングプレートに対して垂直に延びるように前記センタリングプレートに取り付けられ、前記支持ベースが前記ガイドロッドを通すための貫通スロットを備え、前記ガイドロッドの自由端が、前記センタリングプレートとは反対側の前記支持ベースの面の前に延びる当接部とを備える、ガイドロッドと
を備える。
-前記センタリングプレートが、前記支持ベースとは反対側の前記センタリングプレートの面の外側に向かって突出する、少なくとも1つの位置合わせピンを備え、前記ピンが、前記結合モジュールに設けられた相補的な形状の止め穴により、前記支持ベースと協働するようにされてなる。
-前記ピンは各々、部分的または全体的に円錐台形状を有する。
-前記結合システムが、前記接続部材の並進運動をガイドするためのガイド手段をさらに備え、当該ガイド手段は、一対の平行なねじ付きバーを含み、当該ねじ付きバー各々は、当該ねじ付きバーの回転が前記接続部材の並進運動を発生させるように、前記支持ベースに設けられたそれぞれのタップ付き開口部と協働するものとされる。
-冷却回路をさらに備えてなり、当該冷却回路が、
o前記可動台座近くのシャーシの下部領域に位置する吸気ゾーンと、
o前記シャーシの下部領域よりも前記可動台座から遠い前記シャーシの上部領域に位置する排気ゾーンと
を備えてなる。
-冷却回路をさらに備え、前記冷却回路が、
o前記フェアリングの第1のパネルに設けられた貫通開口部を含む吸気ゾーンと、
o前記フェアリングの、前記第1のパネルとは異なる第2のパネルに設けられた貫通開口を備える排気ゾーンと
を備えてなる。
-前記スタンドアロン型装置の周囲の対象物を検出するための画像取得手段をさらに備え、当該画像取得手段が、前記フェアリングの側面に配置された単眼カメラを備える。
【0010】
本発明によるスタンドアロン型装置の他の利点および特徴は、添付の図面に基づいて、これに限定的されない例として与えられるいくつかの変形実施態様の以下の説明によって最もよく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明によるスタンドアロン型装置の斜視図である。
【
図2】
図1のスタンドアロン型装置の側面図である。
【
図3】
図1のスタンドアロン型装置の正面図である。
【
図4】
図1のスタンドアロン型装置の概略図である。
【
図5】スタンドアロン型装置の結合システムの正面図である。
【
図6】
図5に示された結合システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の異なる例示的な実施態様について、図面を参照して説明する。これらの異なる図では、同等の要素は同じ番号符号で示されている。
【0013】
1.
スタンドアロン型装置
1.1.
プレゼンテーション
図1乃至4を参照すると、スタンドアロン型装置は以下のものを備える:
-スタンドアロン型装置を移動させるための車輪11を組み込んだ可動台座1、
-可動台座に取り付けられたシャーシ2であって、このシャーシは、次のようなスタンドアロン型装置の種々のコンポーネントを収容するように構成されている:
oバッテリー21、
o電力変換器22、
o冷却回路、
o画像取得手段、他
-シャーシ周囲のフェアリング26、
-スタンドアロン型装置を車両の電気エネルギー貯蔵手段に電気的に接続できるようにする結合システム。
【0014】
図4に示されるように、スタンドアロン型装置は軸A-A‘に沿って垂直に延びる。この装置は、導電ケーブルにより(電気自動車のユーザーが実行する操作により)電気自動車に接続される結合モジュール(独立した要素である)によって、電気自動車の蓄電手段を充電/再充電することができ、また、スタンドアロン型装置から結合モジュールへの電気エネルギーの確実な通過(有線または誘導)のため、外部からの介入なしで結合システムと一致するように構成されたファサードを備える。電気エネルギーは、ケーブルを介して車両の貯蔵手段に伝送される。
【0015】
さらに、結合システムは、以下に詳細に説明するように、垂直方向に並進して移動して結合モジュールに接続することができる電気接続部材を備える。
【0016】
スタンドアロン型装置の接続が接続部材の垂直方向の移動によって「地上で」達成されるという事実は、特に、充電/再充電装置を車両と直接(または車両に取り付けられた結合モジュールと)接続するスタンドアロン型充電/放電手段と比較して、車両の損傷リスクを抑えることを可能にする。
【0017】
1.2.デバイスの一般的な要素
1.2.1.可動台座
可動台座1は、本出願人により出願された仏国特許第2100632号に記載されているタイプのものでよい。
【0018】
このタイプの可動台座1は、フレーム(図示せず)と、スタンドアロン型装置の移動を可能にする駆動輪および遊動輪11とを備える。
【0019】
特に、可動台座1は、三つ組に配置された2つの駆動ホイールと4つの誘導ローラーを備え、各三つ組のホイールと2つのローラーは、可動台座のそれぞれの長手方向の縁に沿って整列している。各トリプレットの最初のローラーはフレームの一端に取り付けられている。駆動ホイールおよび第2遊動ローラーは、それぞれ、台座の長手方向軸に垂直な旋回軸を中心にフレーム上に旋回可能に取り付けられた振動部材に取り付けられている。
【0020】
このタイプの可動台座は仏国特許第2100632号で知られており、これ以上詳しくは説明しない。
【0021】
1.2.2.シャーシ
シャーシ2は、スタンドアロン型装置を構成するさまざまなコンポーネントの支持体として機能する。シャーシ2は、スタンドアロン型装置の骨格を形成する筒から製造される。
【0022】
図4に示す実施態様において、シャーシ2は全体として直方体の形状を有する。そして、以下により構成される:
-可動台座に取り付けるための「下部」、
-スタンドアロン型装置の種々のコンポーネントを収容するのに適した「中央部分」、
-下部に対向し、スタンドアロン型装置の「頭部」に相当する「上部」。
【0023】
シャーシ2は、車両の蓄電手段を充電/再充電する目的で電気エネルギーを蓄えることを可能にする(複数の)バッテリー21を収容するように構成されている。これらのバッテリー21は、好ましくは、地面に最も近いシャーシ2の部分(「下部」と呼ばれる)に配置される。実際、スタンドアロン型装置のバッテリー21は最も重い構成要素であるため、スタンドアロン型装置の安定性を最適化するために、バッテリー21を地面の近くに配置することが好ましい。
【0024】
シャーシ2は、以下にも対応するように構成されている:
-電力変換器22(すなわち、AC/DCおよびDC/AC変換器)、
-画像取得手段(カメラ、または当業者に知られている他のセンサーなど)、
-取得手段によって取得された画像を処理し、スタンドアロン型装置の構成要素を制御するための制御ユニット23、
-情報を記憶するためのメモリ24、
-スタンドアロン型装置と遠隔管理センターとの間の情報交換を可能にする通信手段25、
-スタンドアロンデバイスのコンポーネントを冷却するための手段。
【0025】
スタンドアロン型装置の種々の独自の要素とそれに関連する利点については、以下でさらに詳しく説明する。
【0026】
1.2.3.フェアリング
フェアリング26は、スタンドアロン型装置のシャーシ2に取り付けられた1つ以上の板部材からなる。フェアリング26は、それを構成するコンポーネントを「覆う」ことによって、スタンドアロン型装置の美観を改善することを可能にする。フェアリング26はまた、起こり得る外部攻撃から構成要素を保護することを可能にする。
【0027】
図1乃至
図3に示される実施態様において、フェアリング26は次のように構成されている:
-シャーシの側面を覆うための4つの側面パネル、および
-シャーシの上面を覆うためのカバー。
【0028】
図1から
図3に示されるように、フェアリングは、結合モジュールの受入れベイを画定するキャビティを備える。有利には、結合システムはこのベイに含まれる。したがって、車両の記憶手段との接続を確立するために、スタンドアロン型装置は結合モジュールまで移動し、結合モジュールが受入れベイに侵入するように方向を定める。結合モジュールが受入れベイに収容されると、制御ユニットは、結合モジュールに電気的に接続するように接続部材の移動を命令する。電気接続を受入れベイ内で達成するという事実により、ユーザーによる接続部材および結合モジュールへのアクセスを制限することにより、装置の安全性を高めることができる。
【0029】
本発明によるスタンドアロン型装置の結合システムについてより詳細に説明する。
【0030】
1.2.4.冷却回路
前記したように、スタンドアロン型装置には、コンポーネントの発熱を抑える冷却回路を備える。実際のところ、次のような可能性あるものがある:
-電子カード、
-電池、及び
-シャーシに含まれる電力コンバータ
がかなりの熱を発するため、温度が著しく上昇する。しかし、これらの要素の温度上昇が大きすぎると、信頼性の低下や寿命の短縮を引き起こす可能性がある。そのため、スタンドアロン型装置は、さまざまなコンポーネントによって放散される熱を効果的に放出するために冷却回路を備える。
【0031】
冷却回路は、可動台座と可動台座に対向するシャーシ上面との間で、スタンドアロン型装置のシャーシ内に配置された伝熱流体循環ダクトから構成される。
【0032】
この循環ダクトは、異なる構成要素(バッテリー、電力変換器、制御ユニットなど)の間のシャーシへの設置を容易にするため、可撓性チューブ(例えばグリコール化ポリエステル製)とすることができる。変形例として、循環ダクトを硬質(例えば銅製)にすることも可能である。
【0033】
熱伝達流体は、例えば、油、アルコール(メタノール、エタノール、グリコールなど)、有機化合物(アセトン、アンモニアなど)、混合物、ナノ流体、液体金属、脱塩水、または任意のタイプであり得る。当業者には既知の熱伝達流体の例である。
【0034】
冷却回路はまた、シャーシの下部(つまり、可動台座)に位置する冷気吸気ゾーンF1と、シャーシの上部(つまり、シャーシの端)に位置する熱気排気ゾーンF2を備える。可動台座の反対側)。冷気吸気ゾーンF1は、スタンドアロン型装置に塵が侵入するリスクを抑えるために、1つ(または複数)のフィルターを備えることができる。同様に、熱気排気ゾーンF2は、スタンドアロン型装置の外部への不純物の排出を抑えるために、1つ(または複数)のフィルターを備えることができる。
【0035】
シャーシの下部で冷気を回収し、シャーシの上部に熱気を排出することで、デバイスの冷却を向上させることができる。熱気は冷気よりも高い箇所に集まる傾向がある。
【0036】
無論、冷却回路には、1つ(または複数)の熱交換器、1つ (または複数)のファンなどの他の要素を含めることもできる。
【0037】
変形例として、吸気F1ゾーンおよび排気F2ゾーンは、フェアリング26の、それぞれの平行な横パネルに各々設けることができる。より詳細には、
-吸気ゾーンF1は、フェアリング26の第1の平行な側方パネルに設けられた貫通開口から構成され、その移動方向に対して可動装置の前部及び後部を規定することができ(
図3参照)、
-排気ゾーンF2は、その移動方向(
図2参照)に対してスタンドアロン型装置の側面を規定する(第1の側面パネルに垂直な)第2の平行な側面パネルに設けられた貫通開口から構成することができる。
【0038】
1.2.5.画像取得手段
画像取得手段により、スタンドアロン型装置は、その周囲環境の画像を取得できる。
【0039】
図1乃至
図3に示される実施態様では、画像取得手段は複数の広角単眼カメラを備える。特に、スタンドアロン型装置は、360度ビューを再現するために、シャーシのそれぞれの側面にそれぞれ配置された4台のカメラを備える。
【0040】
単眼カメラで取得した画像は制御ユニットで処理され、障害物、連結モジュールの位置、車両の位置などが検出される。
【0041】
無論、スタンドアロン型装置は、スタンドアロン型装置と対象物体(障害物、車両、結合モジュールなど)との間の距離を推定するための距離センサー(レーザー、超音波、レーダーなど)などの他の種類のセンサーを備えることもできる。
【0042】
1.3.結合システム
結合システムは次のもので構成される:
-実質的に垂直方向に並進運動するのに適したものとされた、電気接続部材41、
-接続部材の並進運動をガイドするためのガイド手段42、
-接続部材の平行移動のための手段43、
-接続部材の位置を検出するための(特に、以下により詳細に説明する、接続部材が格納位置にあるか展開位置にあるかを検出するための)1つ(または複数の)位置センサーと、
-結合モジュールの存在および位置を検出するための1つ(または複数)の存在センサー。
【0043】
1.3.1.接続部材
接続部材41は、格納位置と展開位置との間で移動するように構成されている。接続部材41は、格納位置よりも展開位置の方が地面に近くなる。
【0044】
より具体的には:
-格納位置では、接続部材41は、移動可能な充電/再充電装置に設けられたハウジング内に(少なくとも部分的に)延び、
-展開位置では、接続部材がハウジングから突出し、
-接続部材41は、展開位置よりも格納位置の方が移動手段43に近くなる。
【0045】
接続部材41は以下のものを備える:
-電気コネクタが取り付けられる支持ベース411、
-支持ベースと平行方向に延びるセンタリングプレート412であって、このセンタリングプレートは支持ベースよりも移動手段から遠く離れており、
-支持ベース411とセンタリングプレート412との間の、少なくとも1つの弾性復帰要素413。
【0046】
センタリングプレート412は、支持ベース411に対して並進運動することができる。弾性復帰要素413は、支持ベース411とセンタリングプレート412に外力が作用しないとき、センタリングプレート412を、支持ベース411から、予め定められたゼロでない距離「d」に維持することを可能にする。
【0047】
外部圧縮力(弾性復帰要素の剛性定数よりも大きい)が支持ベース411およびセンタリングプレート412に加えられると、復帰要素413が圧縮され、支持ベース411がセンタリングプレート412に向かって並進移動する。支持ベース411とセンタリングプレート412との間の距離は減少する。外部圧縮力の適用が中断されるか、弾性復帰要素413の剛性定数未満になると、弾性復帰要素413は静止位置まで伸長する。支持ベース411は、この位置に達するまで、センタリングプレート412とは反対の方向に並進移動する。支持ベース411とセンタリングプレート412は距離「d」だけ離れている。
【0048】
1.3.2.
支持ベース
支持ベース411は、接続部材41の異なる構成要素を支持することを可能にする。
図6に示される実施態様では、支持ベース411は、U字形断面を有する長手方向断面で構成されている。無論、支持ベース411は、他の形状(L字形、またはH字形の断面、あるいは正方形、円形、または長方形の断面など)を有することもでき、例えば、実質的に平らな「支持プレート」から成ることもできる。
【0049】
支持ベース411は、センタリングプレート412に対向する支持ベース411の面から突出する電気コネクタ4111を備える。この電気コネクタ4111により、車両の蓄電手段の充電/再充電に必要な電気エネルギーの通過のために、接続部材41を連結モジュールに電気的に接続することができる。より正確には、支持ベース411に取り付けられた電気コネクタ4111は、連結モジュールに取り付けられた(相補的な形状の)電気コンセントと協働するように構成されている。
【0050】
1.3.3.センタリングプレート
センタリングプレート412により、支持ベース411の電気コネクタ4111と結合モジュールの電気コンセントとの間の位置合わせが可能になる。
【0051】
センタリングプレート412は、例えば金属製である。長方形、正方形、平行六面体など、さまざまな形状にすることができる。
【0052】
センタリングプレート412は、支持ベース411とセンタリングプレート412が互いに近接しているときに電気コネクタ4111の通過を可能にする貫通開口を備える。
【0053】
センタリングプレート412はまた、支持ベース411とは反対側の面の外側に向かって突出する少なくとも1つの位置合わせピン4121を備える。この(複数の)位置合わせピン4121により、接続部材41と結合モジュール(複数の)との位置合わせが可能になる(電気コネクタのコンセントへの接続を容易にする)。
【0054】
図5及び
図6に示される実施態様では、センタリングプレート412は、センタリングプレートのそれぞれの端部にそれぞれ取り付けられた2つの位置合わせピン4121を備える。各ピン4121は、円錐台形状を有する。より正確には、各位置合わせピンは半円錐からなり、その大きな基部がセンタリングプレート412に取り付けられている。これらの位置合わせピン4121はそれぞれ、結合モジュールに設けられた相補的な形状のそれぞれの止め穴と協働するように意図されている。
【0055】
1.3.4.弾性復帰要素
弾性復帰要素413は、
-その一方が、支持ベース411に、そして
-その他方が、センタリングプレート412に対して
取り付けられる。
【0056】
弾性復帰要素413は、当業者に知られている任意のタイプのもの(空気袋、バネ/ダンパーなど)とすることができる。
【0057】
図5に示される実施態様では、移動可能な充電/再充電装置は、4つの復帰要素を備え、各復帰要素は、センタリングプレート412に取り付けられ、センタリングプレート412に対して垂直に延在するガイドロッド4132と関連付けられた螺旋ばね4131からなる。各コイルばね4131は、その一端でセンタリングプレート412に取り付けられ、他端で支持ベース411に取り付けられる。
【0058】
支持ベース411には、ガイドロッド4132を通すための4つの貫通スロットが設けられている。各ガイドロッド4132は、は、支持ベース411とセンタリングプレート412との間の距離が変化するときに、対応する貫通スロット内でスライドする。
【0059】
各ガイドロッド4132は、その自由端に当接部(図示せず)を備える。この当接部は、支持ベース411のセンタリングプレート412とは反対側の面に面して配置される。当接部は、接続部材41が格納位置にあるときに支持ベース411と接触するようになっている。この当接により、ガイドロッド4132を関連する貫通スロット内に保持することが可能になる。
好ましくは、各螺旋ばね4131およびそれに関連するガイドロッド4132は、支持ベース411およびセンタリングプレート412のそれぞれの角に配置される。これにより、支持プレート411およびセンタリングプレート412が互いに対しする揺動のリスクを抑えることができる。
【0060】
1.3.5.ガイド手段
並進をガイドするための手段42は、1つ(または複数)のスライダー、1つ(または複数)のトラック、または当業者に知られている他の任意の手段で構成することができる。
【0061】
図5に示される実施態様において、ガイド手段42は、以下により詳細に説明する移動手段43に取り付けられた2つのねじ付きバーからなる。実際、発明者らは、この解決手段により接続部材にかかる応力を制限することができ、接続部材の動きが容易になることを見出した。
【0062】
バーの各々は、支持ベースに設けられたそれぞれのタップ付き開口部と協働するのに適したねじ山を備える。移動手段43によるねじ山付きバーの回転は、接続部材41の並進運動を発生させる。
【0063】
1.3.6.移動手段
移動手段43により、接続部材41を格納位置と展開位置との間で移動させることができる。
【0064】
移動手段43は、以下のものを備える:
-1つ(または複数)の油圧、電気、空圧などのアクチュエータ、
-1つ(または複数)のDCモーター、
-1つ(または複数)のステッピングモーター、
-または当業者に知られている他の移動手段。
【0065】
1つ(または複数)のアクチュエータを使用する場合と比較して、1つ(または複数)のステッピングモーターを使用することで、移動手段、ひいては移動可能な充電/再充電装置の大きさを抑えることができる。
【0066】
1つ(または複数)のDCモーターを使用する場合と比較して、1つ(または複数)のステッピングモーターを使用することにより、接続部材の移動の精度を向上させることができる。実際、可動式充放電装置は駐車場のような汚れた環境での使用を想定しているため、ガイド手段に不純物が付着する可能性がある。この場合、格納位置と展開位置との間の接続部材の移動の持続時間が変化する可能性がある。DCモーターの場合、この移動の持続時間の変動は、接続部材の移動の減少を引き起こす可能性がある(DCモーターの指令設定値は、その起動の持続時間であるため)。ステッピングモーターでは、指令設定値が回転数で構成されるため、格納位置と展開位置の間の接続部材の移動をより正確に制御することが可能である。
【0067】
図5及び
図6に示される実施態様では、移動手段43は、接続部材に対して垂直に配置された2つのステッピングモーターからなる。より正確には、2つのステッピングモーターは、センタリングプレートとは反対側の支持ベースの面に面して延びる。これらのステッピングモーターはそれぞれ、並進運動中に接続部材が枢動する危険性を制限するために、支持ベースのそれぞれの端部の一方に配置されている。
【0068】
2.動作原理
次に、スタンドアロン型装置と結合モジュールとの電気的接続に触れながら、スタンドアロン型装置の動作原理をより詳細に説明する。
【0069】
ここでは次のように仮定する。
-結合モジュールは、ユーザーによって、事前に導電ケーブルを介して車両の電気エネルギー貯蔵手段に接続されており、
-このモジュールは地面に設置されており、
-ユーザーは、スタンドアロン型装置の管理サービスから、自分の車両の記憶手段の再充電を注文している。
【0070】
最初のステップでは、スタンドアロン型装置が、画像取得手段を用いて、ユーザーがエネルギー貯蔵手段の充電/再充電を望む車両に関連付けられた結合モジュールを検出する。この検出は、色、形状、または対象物体を検出するための当業者に知られている他の技術的解決策に基づくことができる。
【0071】
制御部23は、スタンドアロン型装置装置と連結モジュールとの距離を推定し、スタンドアロン型装置を第1の速度で移動させるよう可動台座を制御する。スタンドアロン型装置と結合モジュールとの間の距離が設定値(例えば3メートル)より小さくなると、制御ユニットは可動台座を制御してスタンドアロン型装置の移動速度を第1の速度より小さい第2の速度に下げる。
【0072】
制御ユニット23は、可動台座を制御して、結合モジュールを受信ベイに対して中心に配置し、結合モジュールが受信ベイに入るように結合モジュールに向かって前進する。
【0073】
結合システムが結合モジュールに対して垂直に延びている場合(特に接続部材が結合モジュールの上方にあるとき)、制御ユニットはスタンドアロン型装置の固定化を命令する。
【0074】
次に、制御ユニット23は、接続部材41の格納位置から展開位置への移動を命令する。移動手段43が作動し、結合部材41(支持ベース、センタリングプレート、弾性復帰要素など)が結合モジュールの方向に垂直に移動する。位置合わせピンは、結合モジュールに設けられた止め穴に貫通する。この相補的な円錐台形状は:
-アライメントピンと
-止め穴の
(ピンを止め穴に導入する際の摩擦によって)接続部材に対する結合モジュールの位置を調整することができる。
【0075】
位置合わせピンが止め穴に完全に挿入されると、センタリングプレート412は結合モジュールの上面に対して支持される。接続部材41が展開位置に向かって移動を続けると、弾性復帰要素413が圧縮され、センタリングプレート412と支持ベース411との間の距離が減少する。各戻り要素413のガイドロッド4132は、それに関連付けられた支持ベース411の貫通スロット内をスライドする。
【0076】
支持ベース411とセンタリングプレート412との間の距離は、電気コネクタ4111がセンタリングプレート412に設けられた貫通孔を貫通し、結合モジュールに取り付けられた電気コンセント(相補的な形状を有する)に差し込まれるまで減少し続ける。
【0077】
電気コネクタが結合モジュールのコンセントに差し込まれると、制御ユニット23は移動手段43を非作動にし、車両の蓄電手段の充電/再充電を開始することができる。
【0078】
車両の蓄電手段が充電/再充電されると、制御ユニット23は、接続部材41の展開位置から格納位置への移動を命令する。これを達成するために、制御ユニット23は結合システムの移動手段43を作動させる。
【0079】
支持台411は、単体装置の筐体2に向かって垂直に移動する。復帰要素413の圧縮力は、結合モジュールを地面に押し付けたまま保持する傾向がある。これにより、電気コネクタが外れやすくなり、電気コネクタは結合モジュールのコンセントから外れる。
【0080】
復帰要素413が静止位置に復帰すると、接続部材41(すなわち、支持ベース、センタリングプレート、弾性復帰要素)が垂直上方に(すなわち、シャーシに向かって)移動して格納位置に到達する。
【0081】
その後、スタンドアロン型装置は、別の車両のエネルギー貯蔵手段を充電/再充電するために移動できる。
【0082】
3.結論
上記したスタンドアロン型装置により、車両のエネルギー貯蔵手段を完全に安全に充電/再充電することができる。
【0083】
本明細書を読んだ者は、ここで説明した新しい教示および利点から実質的に逸脱することなく、本発明には多くの修正を適用できることを理解するであろう。
【国際調査報告】