(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】裏面接触太陽電池ストリング及びその製造方法、アセンブリ並びにシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20240408BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513550
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2021117486
(87)【国際公開番号】W WO2022247057
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202110592349.9
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517358085
【氏名又は名称】浙江愛旭太陽能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG AIKO SOLAR ENERGY TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.655, Haopai Road, Suxi Town, Yiwu City, Zhejiang Province, 322009, China
(71)【出願人】
【識別番号】517309423
【氏名又は名称】広東愛旭科技有限公司
【住所又は居所原語表記】No.3, South Qili Avenue, Leping Town, Sanshui District, Foshan, Guangdong, 528000, China
(71)【出願人】
【識別番号】523374448
【氏名又は名称】天津愛旭太陽能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】戴 偉
(72)【発明者】
【氏名】陳 剛
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA02
5F251CB27
5F251DA03
5F251DA10
5F251EA19
5F251FA06
5F251FA10
5F251FA15
5F251FA16
5F251FA17
5F251FA21
(57)【要約】
本発明は、太陽電池の技術分野に適用し、裏面接触太陽電池ストリング及びその製造方法、アセンブリ並びにシステムを提供し、裏面接触太陽電池ストリングは、それぞれ交互に配置されたP型ドープ領域及びN型ドープ領域を含む少なくとも2つの電池セルであって、P型ドープ領域に正極細グリッド線が設けられ、N型ドープ領域に負極細グリッド線が設けられた少なくとも2つの電池セルと、正極細グリッド線と負極細グリッド線を接続する複数の導電線と、を含み、各導電線と正極細グリッド線及び負極細グリッド線との接続箇所で、導電線と正極細グリッド線又は負極細グリッド線とを電気的に接続するための導電領域、及び、導電線と負極細グリッド線又は正極細グリッド線とを絶縁的に接続するための絶縁領域が交互に設けられ、隣接する電池セルの間に導電線が規則的に切断された。本発明により提供される裏面接触太陽電池ストリングは、従来の電池セルのペーストの高使用量によるコスト高騰、及び各電池セル間の表裏迂回接続による製造上の困難等の問題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ交互に配置されたP型ドープ領域及びN型ドープ領域を含む少なくとも2つの電池セルであって、前記P型ドープ領域に正極細グリッド線が設けられ、前記N型ドープ領域に負極細グリッド線が設けられた少なくとも2つの電池セルと、
前記正極細グリッド線と前記負極細グリッド線を接続する複数の導電線と、を含み、
各導電線と前記正極細グリッド線及び前記負極細グリッド線との接続箇所で、前記導電線と前記正極細グリッド線又は前記負極細グリッド線とを電気的に接続するための導電領域、及び、前記導電線と前記負極細グリッド線又は前記正極細グリッド線とを絶縁的に接続するための絶縁領域が交互に設けられ、
隣接する2つの前記電池セルの間に前記導電線が規則的に切断されたことを特徴とする、裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項2】
前記導電線は、第1導電線及び第2導電線を含み、前記第1導電線は、前記導電領域において、電池セル上の正極細グリッド線及び隣接する電池セル上の負極細グリッド線に電気的に接続され、前記第1導電線は、前記絶縁領域において、電池セル上の負極細グリッド線及び隣接する電池セル上の正極細グリッド線に絶縁的に接続され、
前記第2導電線は、前記導電領域において、電池セル上の負極細グリッド線及び隣接する電池セル上の正極細グリッド線に電気的に接続され、前記第2導電線は、前記絶縁領域において、電池セル上の正極細グリッド線及び隣接する電池セル上の負極細グリッド線に絶縁的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項3】
前記導電線は、金属線及び前記金属線を部分的に包む複合膜を含むことを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項4】
前記導電線は、金属線であることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項5】
前記導電領域に導電性接着剤、はんだペースト又は導電性接着テープが設けられ、又は、
前記導電領域において、前記導電線と前記正極細グリッド線又は前記負極細グリッド線とは、直接接触して電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項6】
前記複合膜は、POE膜、EVA膜、PVB膜、又はPOEとEVAからなる共押出膜であることを特徴とする、請求項3に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項7】
前記正極細グリッド線又は前記負極細グリッド線は、アルミニウムグリッド線、銀グリッド線、銅グリッド線、又は銀被覆銅グリッド線であることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項8】
前記正極細グリッド線は、交互に設けられたアルミニウムグリッド線及び銀グリッド線を含み、前記銀グリッド線は、前記導電領域に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項9】
前記絶縁領域に絶縁体が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項10】
少なくとも1本の前記第1導電線と対応する同数の前記第2導電線は、交互に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項11】
第1導電線と第2導電線は、交互に設けられ、又は、2本の第1導電線と2本の第2導電線は、交互に設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項12】
隣接する2つの前記電池セルの間に、第1所定数の導電線おきに同数の導電線が切断されることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項13】
前記第1所定数は、1~4であることを特徴とする、請求項12に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項14】
前記太陽電池ストリングの端部に位置する導電性バスバーをさらに含み、第2所定数の導電線おきに同数の導電線が前記導電性バスバーに電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項15】
前記第2所定数は、1~4であることを特徴とする、請求項14に記載の裏面接触太陽電池ストリング。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の裏面接触太陽電池ストリングを含むことを特徴とする、電池アセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載の電池アセンブリを含むことを特徴とする、太陽光発電システム。
【請求項18】
電池セルの各正極細グリッド線上及び各負極細グリッド線上の導電線に接続される対応する絶縁領域及び導電領域に、それぞれ絶縁体及び導電体を対応して配置するステップと、
各導電線を各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に順次貼り付けるステップと、
隣接する2つの電池セル間の導電線を規則的に切断するステップと、を含むことを特徴とする、裏面接触太陽電池ストリングの製造方法。
【請求項19】
前記導電線は、金属線及び前記金属線を部分的に包む複合膜を含み、
各導電線を各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に順次貼り付ける前記ステップの後に、又は、隣接する2つの電池セル間の導電線を規則的に切断する前記ステップの後に、
低温加熱によって、前記導電線と前記電池セルを予備接着するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の裏面接触太陽電池ストリングの製造方法。
【請求項20】
積層加熱によって、前記導電線を前記電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に接続するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項18又は19に記載の裏面接触太陽電池ストリングの製造方法。
【請求項21】
各導電線を各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に順次貼り付ける前記ステップは、
第3所定数の第1導電線と第2導電線を、各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に交互に貼り付けるステップを含み、
前記第1導電線は、電池セル内の各正極細グリッド線に交互に配置された導電体、各負極細グリッド線に交互に配置された絶縁体、及び、隣接する電池セル内の各負極細グリッド線に交互に配置された導電体、各正極細グリッド線に交互に配置された絶縁体に貼り付けられ、
前記第2導電線は、電池セル内の各正極細グリッド線に交互に配置された導電体、各負極細グリッド線に交互に配置された絶縁体、及び、隣接する電池セル内の各負極細グリッド線に交互に配置された導電体、各正極細グリッド線に交互に配置された絶縁体に貼り付けられることを特徴とする、請求項18に記載の裏面接触太陽電池ストリングの製造方法。
【請求項22】
前記正極細グリッド線は、交互に設けられたアルミニウムグリッド線及び銀グリッド線を含み、前記銀グリッド線は、前記導電領域に接続されることを特徴とする、請求項18に記載の裏面接触太陽電池ストリングの製造方法。
【請求項23】
端部に位置する電池セル上の導電線を導電性バスバーに規則的で電気的に接続するか、
又は、
端部に位置する電池セル上の各導電線を導電性バスバーに電気的に接続するステップと、
電池セルと導電性バスバーとの間の導電線を規則的に切断するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の裏面接触太陽電池ストリングの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池の技術分野に関し、特に裏面接触太陽電池ストリング及びその製造方法、アセンブリ並びにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する半導体デバイスであり、低い生産コスト及び高いエネルギー変換効率は、一貫して太陽電池産業の目指す目標である。従来の一般的な太陽電池では、エミッタ接触電極及びベース接触電極が、それぞれ電池セルの表裏両面に配置されている。電池の表面が受光面であり、表面の金属エミッタ接触電極による被覆により、入射した太陽光の一部が必ず金属電極で反射され遮蔽されてしまい、一部の光学損失を引き起こす。一般的な結晶シリコン太陽電池における表面の金属電極による被覆面積が7%程度であり、金属電極による表面被覆を低減することで、直接電池のエネルギー変換効率を高めることができる。裏面接触太陽電池は、エミッタ接触電極とベース接触電極との両方を電池の裏面(非受光面)に配置した電池であり、該電池の受光面ではいかなる金属電極による遮蔽もなく、それにより電池セルの短絡電流を効果的に増加させ、同時に裏面では広い金属グリッド線が可能となり直列抵抗を低減させ、曲線因子を高めることができ。また、このような表面に遮蔽がない電池は、変換効率が高いだけでなく、見た目も美しく、同時にオールバック電極のアセンブリは組み立てがより容易になる。
【0003】
従来の裏面接触太陽電池は電池ストリングとして直列接続された後、他のプロセスを経てアセンブリとして組み立てられる。該直列接続技術は、各極性(N型及びP型)のメイングリッドを該電池セルの縁部の溶接ストリップに溶接し、次に1つの電池セルの表面電極(負極)溶接ストリップを、はんだ線により隣接する電池セルの裏面電極(正極)溶接ストリップに溶接し、直列接続された電池ストリングの正負極にリード線を溶接して、電池セルを互いに接続する。しかしながら、これらの電池セルは、溶接ストリップの間隔により太陽電池の総効率が低下してしまい、しかも、該メイングリッドに大量の銀ペーストを消費する必要があるため、電池セルにメイングリッド及び溶接ストリップを形成するプロセスコストが高騰してしまう。また、これらの溶接ストリップは、1つの電池セルの裏面から隣接する次の電池セルの表面に迂回するため、位置合わせ難い等の製造上の困難をもたらす可能性がある。一方、電池セルが片側溶接であるため、応力による電池セルの反りの問題が生じやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の電池セルのペーストの高使用量によるコスト高騰、及び各電池セル間の表裏迂回接続による製造上の困難という問題を解決する裏面接触太陽電池ストリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、
それぞれ交互に配置されたP型ドープ領域及びN型ドープ領域を含む少なくとも2つの電池セルであって、前記P型ドープ領域に正極細グリッド線が設けられ、前記N型ドープ領域に負極細グリッド線が設けられた少なくとも2つの電池セルと、
前記正極細グリッド線と前記負極細グリッド線を接続する複数の導電線と、を含み、
各導電線と前記正極細グリッド線及び前記負極細グリッド線との接続箇所で、前記導電線と前記正極細グリッド線又は前記負極細グリッド線とを電気的に接続するための導電領域、及び、前記導電線と前記負極細グリッド線又は前記正極細グリッド線とを絶縁的に接続するための絶縁領域が交互に設けられ、
隣接する2つの前記電池セルの間に前記導電線が規則的に切断された、裏面接触太陽電池ストリングを提供する。
【0006】
上記解決手段の改良として、前記導電線は、第1導電線及び第2導電線を含み、前記第1導電線は、前記導電領域において、電池セル上の正極細グリッド線及び隣接する電池セル上の負極細グリッド線に電気的に接続され、前記第1導電線は、前記絶縁領域において、電池セル上の負極細グリッド線及び隣接する電池セル上の正極細グリッド線に絶縁的に接続され、
前記第2導電線は、前記導電領域において、電池セル上の負極細グリッド線及び隣接する電池セル上の正極細グリッド線に電気的に接続され、前記第2導電線は、前記絶縁領域において、電池セル上の正極細グリッド線及び隣接する電池セル上の負極細グリッド線に絶縁的に接続される。
【0007】
上記解決手段の改良として、前記導電線は、金属線及び前記金属線を部分的に包む複合膜を含む。
【0008】
上記解決手段の改良として、前記導電線は、金属線である。
【0009】
上記解決手段の改良として、前記導電領域に導電性接着剤、はんだペースト又は導電性接着テープが設けられ、又は、
前記導電領域において、前記導電線と前記正極細グリッド線又は前記負極細グリッド線とは、直接接触して電気的に接続される。
【0010】
上記解決手段の改良として、前記複合膜は、POE膜、EVA膜、PVB膜、又はPOEとEVAからなる共押出膜である。
【0011】
上記解決手段の改良として、前記正極細グリッド線又は前記負極細グリッド線は、アルミニウムグリッド線、銀グリッド線、銅グリッド線、又は銀被覆銅グリッド線である。
【0012】
上記解決手段の改良として、前記正極細グリッド線は、交互に設けられたアルミニウムグリッド線及び銀グリッド線を含み、前記銀グリッド線は、前記導電領域に接続される。
【0013】
上記解決手段の改良として、前記絶縁領域に絶縁体が設けられている。
【0014】
上記解決手段の改良として、少なくとも1本の前記第1導電線と対応する同数の前記第2導電線は、交互に設けられている。
【0015】
上記解決手段の改良として、第1導電線と第2導電線は、交互に設けられ、又は、2本の第1導電線と2本の第2導電線は、交互に設けられている。
【0016】
上記解決手段の改良として、隣接する2つの前記電池セルの間に、第1所定数の導電線おきに同数の導電線が切断される。
【0017】
上記解決手段の改良として、前記第1所定数は、1~4である。
【0018】
上記解決手段の改良として、前記電池ストリングは、前記太陽電池ストリングの端部に位置する導電性バスバーをさらに含み、第2所定数の導電線おきに同数の導電線が前記導電性バスバーに電気的に接続される。
【0019】
上記解決手段の改良として、前記第2所定数は、1~4である。
【0020】
対応的に、本発明は、上記に記載の裏面接触太陽電池ストリングを含む電池アセンブリをさらに提供する。
【0021】
対応的に、本発明は、上記に記載の電池アセンブリを含む太陽光発電システムをさらに提供する。
【0022】
対応的に、本発明は、
電池セルの各正極細グリッド線上及び各負極細グリッド線上の導電線に接続される対応する絶縁領域及び導電領域に、それぞれ絶縁体及び導電体を対応して配置するステップと、
各導電線を各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に順次貼り付けるステップと、
隣接する2つの電池セル間の導電線を規則的に切断するステップと、を含む裏面接触太陽電池ストリングの製造方法をさらに提供する。
【0023】
上記解決手段の改良として、前記導電線は、金属線及び前記金属線を部分的に包む複合膜を含み、
各導電線を各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に順次貼り付ける前記ステップの後に、又は、隣接する2つの電池セル間の導電線を規則的に切断する前記ステップの後に、前記方法は、
低温加熱によって、前記導電線と前記電池セルを予備接着するステップをさらに含む。
【0024】
上記解決手段の改良として、前記方法は、
積層加熱によって、前記導電線を前記電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に接続するステップをさらに含む。
【0025】
上記解決手段の改良として、各導電線を各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に順次貼り付ける前記ステップは、
第3所定数の第1導電線と第2導電線を、各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に交互に貼り付けるステップを含み、
前記第1導電線は、電池セル内の各正極細グリッド線に交互に配置された導電体、各負極細グリッド線に交互に配置された絶縁体、及び、隣接する電池セル内の各負極細グリッド線に交互に配置された導電体、各正極細グリッド線に交互に配置された絶縁体に貼り付けられ、
前記第2導電線は、電池セル内の各正極細グリッド線に交互に配置された導電体、各負極細グリッド線に交互に配置された絶縁体、及び、隣接する電池セル内の各負極細グリッド線に交互に配置された導電体、各正極細グリッド線に交互に配置された絶縁体に貼り付けられる。
【0026】
上記解決手段の改良として、前記正極細グリッド線は、交互に設けられたアルミニウムグリッド線及び銀グリッド線を含み、前記銀グリッド線は、前記導電領域に接続される。
【0027】
上記解決手段の改良として、前記方法は、
端部に位置する電池セル上の導電線を導電性バスバーに規則的で電気的に接続するか、
又は、
端部に位置する電池セル上の各導電線を導電性バスバーに電気的に接続するステップと、
電池セルと導電性バスバーとの間の導電線を規則的に切断するステップと、をさらに含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明を実施することで、次の有益な効果がある。
各電池セルの電流を収集するためのメイングリッド及び溶接ストリップを設けず、連続した複数の導電線を用いて1つの電池セル上の正極細グリッド線又は負極細グリッド線を隣接する次の電池セル上の対応する負極細グリッド線又は正極細グリッド線に直接接続し、そして2つの電池セル間の導電線を規則的に切断することによって、各電池セルの直列接続を実現し、それによりメイングリッドによる銀ペーストの使用が減少し、生産コストが削減され。また、該導電線が全ての電池セルの裏面に共通で配置され、正極細グリッド線及び負極細グリッド線に直接接続されることによって、従来では1つの電池セルの裏面から次の電池セルの表面に迂回接続する必要があるため位置合わせし難い等の操作上の困難が回避され、従来の電池セルのペーストの高使用量によるコスト高騰、及び各電池セル間の表裏迂回接続による製造上の困難等の問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングの構造図である。
【
図2】本発明の他の実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングの構造図である。
【
図3】本発明の別の実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングの構造図である。
【
図4】本発明のさらに別の実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングの構造図である。
【
図5】本発明の他の実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に図面及び実施例を組み合わせ、本発明をさらに詳細に説明する。また、ここで説明される具体的な実施例は本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定する意図がないことを理解すべきである。
【0031】
本発明において、明確に規定、限定しない限り、「取り付ける」、「連結する」、「接続する」、「固定する」等の用語は広義的に理解すべきであり、例えば、固定的に接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は、一体的に接続してもよく、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、直接接続してもよく、さらに中間媒介を介して間接的に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明での上記用語の具体的な意味を理解することができる。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する列記された項目の任意及び全ての組合せを含む。
【0032】
本発明は、各電池セルの電流を収集するためのメイングリッド及び溶接ストリップを設けず、連続した複数の導電線を用いて1つの電池セル上の正極細グリッド線又は負極細グリッド線を隣接する次の電池セル上の対応する負極細グリッド線又は正極細グリッド線に直接接続し、そして2つの電池セル間の導電線を規則的に切断することによって、各電池セルの直列接続を実現し、それによりメイングリッドの銀ペーストの使用が減少し、生産コストが削減され。また、該導電線が全ての電池セルの裏面に共通で配置され、正極細グリッド線及び負極細グリッド線に直接接続されることによって、従来では1つの電池セルの裏面から次の電池セルの表面に迂回接続する必要があるため位置合わせし難い等の操作上の困難が回避され、従来の電池セルのペーストの高使用量によるコスト高騰、及び各電池セル間の表裏迂回接続による製造上の困難等の問題が解決される。
【0033】
実施例1
本発明の実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングの構造図である
図1を参照し、説明上の便宜のために、本発明の実施例に関連する部分のみが示され、本発明の実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングは、
それぞれ交互に配置されたP型ドープ領域及びN型ドープ領域を含む少なくとも2つの電池セルであって、P型ドープ領域に正極細グリッド線11が設けられ、N型ドープ領域に負極細グリッド線12が設けられた少なくとも2つの電池セルと、
正極細グリッド線11と負極細グリッド線12を接続する複数の導電線と、を含み、
各導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12との接続箇所で、導電線と正極細グリッド線11又は負極細グリッド線12とを電気的に接続するための導電領域、及び、導電線と負極細グリッド線12又は正極細グリッド線11とを絶縁的に接続するための絶縁領域が交互に設けられ、
隣接する電池セルの間に導電線が規則的に切断された。
【0034】
本発明の一実施例において、該裏面接触太陽電池ストリングは、少なくとも2つの電池セル(即ち裏面接触太陽電池)が各導電線で一体に直列接続されて形成された電池ストリングであり、該電池ストリングは、直列接続される2つの電池セル、3つの電池セル又は他の複数の電池セルを含んでもよく、
図1から
図3を参照し、2つの電池セルが直列接続されて構成された電池ストリングが示されており、
図4を参照し、本発明の他の実施例において、3つの電池セルが直列接続されて構成された電池ストリングが示されており、該電池ストリングは、さらに実際の使用上の必要に応じて他の数の電池セルを直列接続してもよく、ここで図面に示さないが、実際の必要に応じて配置することが理解可能である。電池ストリングの2つの端部に位置する電池セルは、端部電池セルと定義され、複数の電池セルが直列接続された電池ストリングの場合、2つの端部電池セルの間に直列接続される電池セルは、内部電池セルと定義される。
【0035】
本発明の一例として、該電池セルは、上から、表面不活性化・反射防止層、シリコン基板、裏面トンネル層、交互に設けられたN型ドープ領域とP型ドープ領域、裏面不活性化層、及び電池電極をこの順で含み、ここで、N型ドープ領域とP型ドープ領域は、裏面トンネル層の下面に交互に設けられ、電池電極は、正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12を含み、正極細グリッド線11は、P型ドープ領域との接触が形成され、負極細グリッド線12は、N型ドープ領域との接触が形成される。本発明の他の実施例において、該電池セルの構造は他のものに設計されてもよく、本明細書では限定されないことが理解可能である。しかし、指摘すべきことは、いかなる構造の電池セルにおいても、P型ドープ領域に正極細グリッド線11が設けられ、N型ドープ領域に負極細グリッド線12が設けられたように設計される点である。
【0036】
さらに、本発明の一実施例において、直列接続すべき隣接する2つの電池セルの裏面図である
図1に示すように、P型ドープ領域及びN型ドープ領域に交互に設けられた正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12を含む。正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12の各々は、いずれも電池セルの縁部にほぼ平行して交互に設けられ、各電池セルは、いずれも実質的に矩形であり、ここで、実質的に矩形である電池セルは、例えば正方形であってもよく、他の長方形であってもよく、また、標準的な角、カットされた角、又は丸められた角を有してもよく、実際の製造上の必要に応じて設定し、本明細書では具体的に限定されない。同時に、正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12の数は、実際の電池セルの大きさ、正極細グリッド線11と負極細グリッド線12の幅及び距離に応じて決定し、本明細書では具体的に限定されない。同時に、指摘すべきことは、直列接続すべき隣接する2つの電池セルは、逆対称に設けられてもよく、即ち順次設けられた細グリッド線の極性は、逆に設定されてもよい点であり、
図1に示すように、左側に位置する第1電池セルでは、負極細グリッド線12及び正極細グリッド線11が左から順次配置され、隣接する第2電池セルでは、正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12が左から順次配置されている。
【0037】
さらに、正極細グリッド線11又は負極細グリッド線12は、アルミニウムグリッド線、銀グリッド線、銅グリッド線、又は銀被覆銅グリッド線である。本発明の実施例において、正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12は、同一又は異なる金属タイプのグリッド線を選択してもよいことが理解可能であり、例えば、正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12は両方ともアルミニウムグリッド線を選択し、又は、正極細グリッド線11はアルミニウムグリッド線を選択し、負極細グリッド線12は銀グリッド線を選択する。ここで、正極細グリッド線11又は負極細グリッド線12がアルミニウムグリッド線又は銀グリッド線である場合、アルミニウムグリッド線又は銀グリッド線をスクリーン印刷によってP型ドープ領域又はN型ドープ領域に印刷し、正極細グリッド線11又は負極細グリッド線12が銅グリッド線である場合、電気めっきや蒸着等の方式によってP型ドープ領域又はN型ドープ領域にめっきする。
【0038】
さらに、本発明の一実施例において、各導電線は、いずれも正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12の各々に接続されており、ここで、前記のように、各電池セル上の正極細グリッド線11と負極細グリッド線12の各々は、電池セルの縁部に平行して交互に設けられ、そのため、該各導電線と、正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12の各々とを接続する最適な形態は、垂直接続であると確定することができ、即ち、導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12の各々とは、ほぼ垂直に交差して設けられ、当然ながら、該各導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12の各々との間は、垂直ではなく、それぞれ対応する偏角が存在してもよいことが理解可能である。
【0039】
さらに、本発明の一実施例において、各導電線上の正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12の接続される箇所で導電領域及び絶縁領域が交互に設けられ、各導電領域において、は導電線が同極性の各細グリッド線に電気的に接続され、絶縁領域において、は導電線が他極性の各細グリッド線に絶縁的に接続され、例えば、該導電線が導電領域において、いずれも正極細グリッド線11の各々に接続される場合、絶縁領域において、はいずれも負極細グリッド線12の各々に接続され、この場合、該導電線は、それぞれ電池セル上の正極細グリッド線11の各々に電気的に接続され、且つ負極細グリッド線12の各々に絶縁的に接続され、それにより導電線が同時に正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12に電気的に接続されることを回避し、そのため、該導電線は、該電池セルにおいて正極導電線として機能し、それに応じて、導電線が、導電領域において、いずれも負極細グリッド線12の各々に接続され、絶縁領域において、いずれも正極細グリッド線11の各々に絶縁的に接続されることについては上記の記載を参照し、ここでは重複説明を省略する。
【0040】
導電領域には導電性接着剤、はんだペースト又は導電性接着テープ等の導電体が設けられ、該導電体は、各導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12との間に挟まれ、この場合、導電線を導電領域において、正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12に接続する際に、導電線を導電領域の導電体にろう付け又は融接(例えばレーザー融接)して、導電体を介して導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12とを電気的に接続する。又は、導電領域において、導電線と正極細グリッド線11又は負極細グリッド線12とが直接接触して電気的に接続される。それに応じて、絶縁領域には絶縁体31が設けられ、該絶縁体31は、非導電性の接着テープ又は絶縁膜であってもよく、他の適切な非導電性のシールドケース又はカバーであってもよく、該絶縁体31は、ポリプロピレン又はポリエチレン等の材料を含んでもよく、且つアクリル酸系粘着層をさらに含んでもよい。同時に、該絶縁体31は、各導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12との間に挟まれ、この場合、導電線を絶縁領域において、正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12に接続する際に、絶縁体31によって導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12とを互いに絶縁分離する。ここで、該導電体又は絶縁体31の形状は、円形、方形、三角形又はその他の形状であってもよく、該導電体又は絶縁体31は、導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12との電気的接続又は絶縁的接続を実現するために用いられればよく、その形状は、実際の使用上の必要に応じて設定してもよく、本明細書では具体的に限定されない。
【0041】
さらに、本発明の一実施例において、
図1に示すように、該導電線は、第1導電線21及び第2導電線22を含み、第1導電線21は、導電領域において、電池セル上の正極細グリッド線11及び隣接する電池セル上の負極細グリッド線12に電気的に接続され、第1導電線21は、絶縁領域において、電池セル上の負極細グリッド線12及び隣接する電池セル上の正極細グリッド線11に絶縁的に接続され、
第2導電線22は、導電領域において、電池セル上の負極細グリッド線12及び隣接する電池セル上の正極細グリッド線11に電気的に接続され、第2導電線22は、絶縁領域において、電池セル上の正極細グリッド線11及び隣接する電池セル上の負極細グリッド線12に絶縁的に接続される。
【0042】
指摘すべきことは、各電池セル間の直列接続を実現するために、具体的には、1つの電池の各極性電極から次の隣接する電池セルの他の極性電極に接続することで、各電池セルの相互接続を形成させている点であり、例えば、電池セルの裏面負極は隣接する次の電池セルの裏面正極に接続され、そのため、本実施例において、導電線により各電池セルの直列接続を行う場合、該導電線は、1つの電池セルの正極細グリッド線11の各々に電気的に接続されると、必ず隣接する次の電池セルの負極細グリッド線12(逆極性)の各々に電気的に接続されることになり、そのため、本実施例において、第1導電線21及び第2導電線22が設けられ、第1導電線21と第2導電線22に電気的に接続される細グリッド線の極性が逆であり、
図1に示すように、該第1導電線21が、電池セル(右側電池セル)上の正極細グリッド線11及び隣接する電池セル(左側電池セル)上の負極細グリッド線12に電気的に接続される場合、第2導電線22は、電池セル上の負極細グリッド線12及び隣接する電池セル上の正極細グリッド線11に電気的に接続される。電池セルが3つである場合、第1導電線21は、一方の端部電池セル上の正極細グリッド線11、隣接する内部電池セル上の負極細グリッド線12、及び隣接する他方の端部電池セル上の正極細グリッド線11に電気的に接続され、この場合、第1導電線21は、該端部電池セルにおいて正極導電線として機能するが、隣接する内部電池セルにおいて負極導電線として機能するため、電池セルの直列接続を実現し、電流は、導電線を介して1つの電池セルから隣接する次の電池セルに流れることができ、最終的に導出されることが理解可能である。
【0043】
さらに、本発明の一実施例において、該導電線の断面は、円形、平形(例えば帯状)、やや平形又は他の形状であってもよい。円形の導電線が好ましく、同時に、指摘すべきことは、導電線を介して各電池セル間を直列接続する前後の期間に、該導電線が他の設備によって押しつぶされて平形になる可能性がある点である。
【0044】
さらに、本発明の一実施例において、該導電線は、金属線及び金属線を部分的に包む複合膜を含む。ここで、該金属線は、1つの導電材料(例えば、銅、アルミニウム等の金属、又は、錫、銀、ニッケル等のコート又は有機半田ぬれ性保護剤を有するか又は有さない他の適切な導電材料)を含み、本実施例において、該金属線は錫コート銅線であることが好ましい。複合膜は、金属線の正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12から離れる一端に被覆され、且つ該複合膜は、POE膜、EVA膜、PVB膜、又はPOEとEVAからなる共押出膜である。この場合、導電線を介して各電池セル間を直列接続して電池ストリングを形成する際に、低温加熱によって該導電線上の複合膜を電池セルに貼り付けて予備接着してもよく、さらに該電池ストリングをガラス及びバックシート等のデバイスとアセンブリとして積層する際に、積層の低温温度で加熱し、該錫コート銅線は、具体的に銀グリッド線である正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12と錫銀合金接続を形成することができ、同時に積層後に硬化した複合膜は、導電線と電池セル上の正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12をより緊密に固定接続することができ、それにより裏面接触電池の片側溶接場合に応力による電池セルの反り問題が解決される。本発明の他の実施例において、該導電線は、さらに金属線であってもよく、この場合、ホットメルト溶接、レーザー溶接、赤外線溶接又は電磁溶接等のいずれか1つの方式によって該導電線と正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12とを溶接して固定する。
【0045】
P型ドープ領域は、ほとんどアルミニウムグリッド線を正極細グリッド線11として用いる必要があるが、導電線が銅線又は複合膜で部分的に包まれる銅線である場合に、アルミニウムと銅との溶接が困難であるため、導電線と正極細グリッド線11をうまく溶接できなくなり、そのため、本発明の好ましい実施例において、正極細グリッド線11は、交互に設けられたアルミニウムグリッド線及び銀グリッド線を含み、ここで、銀グリッド線が導電領域に接続され、即ち、該電池セルに正極細グリッド線11をスクリーン印刷する場合に、アルミニウムグリッド線と銀グリッド線を段階的に交差して印刷し、正極細グリッド線11を導電線に電気的に接続する必要がある導電領域の箇所で銀グリッド線を印刷し、導電線に接続しない他の箇所でアルミニウムグリッド線を印刷し、銀グリッド線がさらに導電線とうまく溶接できるため、正極細グリッド線11全体がアルミニウムグリッド線を用いて導電線との溶接をうまくできない問題が回避される。
【0046】
さらに、本発明の一実施例において、少なくとも1本の第1導電線21と対応する同数の第2導電線22は、交互に設けられている。本発明の好ましい実施例において、第1導電線21と第2導電線22は、交互に設けられ、又は、2本の第1導電線21と2本の第2導電線22は、交互に設けられている。本発明の他の実施例において、他の若干(例えば3本)の第1導電線21と対応する若干(例えば3本)の第2導電線22は、交互に設けられてもよく、実際に必要な導電線の数及び必要な配置方式に応じて設定し、本明細書では具体的に限定されないことが理解可能である。
図1に示すように、第1導電線21と第2導電線22は、交互に設けられ、一方、
図2に示すように、2本の第1導電線21と2本の第2導電線22は、交互に設けられ、一方、
図3に示すように、3本の第1導電線21と3本の第2導電線22は、交互に設けられている。
【0047】
さらに、本発明の一実施例において、
図1に示すように、第1導電線21は、電池セル(右側電池セル)の正極細グリッド線11(正極)を隣接する電池セル(左側電池セル)の負極細グリッド線12(負極)に接続し、第2導電線22は、電池セルの負極細グリッド線12を隣接する電池セルの正極細グリッド線11に接続する。そのため、第1導電線21と第2導電線22との間が切断されないと、2つの電池セル間は短絡することになる。そのため、所定の2つの電池セル間の第1導電線21と第2導電線22の一方を切断し、独立した正極及び負極への回復を可能にする必要があり、それにより各電池セル間の前後直列接続が実現され、即ち、各電池セルの負極が隣接する電池セルの正極に接続されて直列接続が実現される。同時に、各電池セルの内部においても電流が負極から正極に流れる。従って、本発明の一実施例において、隣接する2つの電池セルの間に、第1所定数の導電線おきに同数の導電線が切断される。ここで、該第1所定数は、1~4である。
【0048】
好ましくは、隔てる導電線の第1所定数は、交互に設けられた複数の第1導電線21及び第2導電線22の数に対応するべきである。
図1に示すように、第1導電線21と第2導電線22が交互に設けられている場合に、導電線は、それに応じて1本おきに1本が切断される。
図2に示すように、2本の第1導電線21と2本の第2導電線22が交互に設けられている場合に、導電線は、それに応じて2本おきに2本が切断される。
図3に示すように、3本の第1導電線21と3本の第2導電線22が交互に設けられている場合に、導電線は、それに応じて3本おきに3本が切断される。好ましくは、2つの電池セル間で間隔をおいて切断される複数の導電線は、同じタイプの導電線であり、
図1~
図3に示すように、いずれも第1導電線21が切断される。
【0049】
同時に、
図1に示すように、該電池ストリングは、2つの電池セルが直列接続されたものであるため、2つの電池セル間に全ての第1導電線21が規則的に切断され、この場合、左側電池セルの負極細グリッド線12での電流は、左側電池セルの内部から隣接する正極細グリッド線11に流れ、該正極細グリッド線11が第2導電線22に電気的に接続され、この場合、第2導電線22を介して左側電池セルの正極細グリッド線11での電流を右側電池セルの負極細グリッド線12に流し、右側電池セルの内部を経て隣接する正極細グリッド線11に流し、最終的に電池セルの直列接続を形成させる。該電池ストリングは3つ以上の電池セルが直列接続されたものである場合、
図4に示すように、左側に位置する端部電池セルと中間部に位置する内部電池セルとの間には全ての第1導電線21が切断され、中間部に位置する内部電池セルと右側に位置する端部電池セルとの間には全ての第2導電線22が切断されるため、電流の流れ方向は、左側端部電池セルの負極細グリッド線12→正極細グリッド線11→第2導電線22→内部電池セルの負極細グリッド線12→正極細グリッド線11→第1導電線21→右側端部電池セルの負極細グリッド線12→正極細グリッド線11である。従って、実際に直列接続される電池セルの数及びそれに応じて直列接続後に具体的に形成された電流の流れ方向に基づいて、各電池セル間に切断する必要がある導電線を決定する。4つの電池セルからなる電池ストリングの場合には、左側に位置する端部電池セルと中間に位置する内部電池セルとの間に第1導電線21が切断され、2つの中間に位置する内部電池セルの間に第2導電線22が切断され、中間に位置する内部電池セルと右側に位置する端部電池セルとの間に全ての第1導電線21が切断されることとなり、電池セルと左側の隣接して接続される電池セルとの間に一方のタイプの導電線(例えば第1導電線21)が切断された場合に、電池セルと右側の隣接して接続される電池セルとの間に他方のタイプの導電線(例えば第2導電線22)が切断される。
【0050】
さらに、本発明の一実施例において、電池ストリングは、太陽電池ストリングの端部に位置する導電性バスバー41をさらに含み、第2所定数の導電線おきに同数の導電線が導電性バスバー41に接続される。該第2所定数は、1~4である。ここで、該第2所定数は、第1所定数に対応する。具体的には、該導電性バスバー41は、2つであり、それぞれ2つの端部電池セルの両端に位置し、該電池ストリング全体の2つの電極として用いられ、即ち各電池セル内の正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12の各々に導かれる電流は、導電線を介して導電性バスバー41に集約され、
図1に示すように、左側に位置する導電性バスバー41が負極端とし、右側に位置する導電性バスバー41が正極端とし、第1導電線21及び第2導電線22は逆な極性の正極細グリッド線11及び負極細グリッド線12にそれぞれ電気的に接続されるため、導電性バスバー41は、端部電池セル内の単一の正極細グリッド線11又は負極細グリッド線12に接続される必要があり、まず電池ストリングの2つの端部電池セルの全ての導電線を切断し、次に接続する必要がある導電線を導電性バスバー41に規則的で電気的に接続してもよいし、まず端部電池セルの全ての導電線を導電性バスバー41に接続し、次に導電性バスバー41に接続される導電線を規則的に切断してもよい。即ち、第2所定数の導電線おきに同数の導電線が導電性バスバー41に電気的に接続され、
図1に示すように、第1導電線21と第2導電線22が交互に配置され、且つ全ての第1導電線21が間隔をおいて切断された場合に、導電線は、1本おきに1本が導電性バスバー41に接続され、即ち、左端に位置する端部電池セル内の全ての第1導電線21が左端の負極導電性バスバー41に電気的に接続され、右端に位置する端部電池セル内の全ての第1導電線21が右端の正極導電性バスバー41に電気的に接続され、
図2に示すように、2本の第1導電線21と2本の第2導電線22が交互に設けられ、且つ全ての第1導電線21が間隔をおいて切断された場合に、導電線は、2本おきに2本が導電性バスバー41に電気的に接続される。最終的には、そのうち1つの端部電池セル内の負極細グリッド線12に接続される全ての導電線(
図1から4に示すような第1導電線21)を負極導電性バスバー41に接続するために、他の端部電池セル内の正極細グリッド線11に接続される全ての導電線(
図1~3に示すような第1導電線21、及び
図4に示すような第2導電線22)を正極導電性バスバー41に接続し、具体的には
図1~4を参照すればよい。
【0051】
本発明の実施例において、各電池セルの電流を収集するためのメイングリッド及び溶接ストリップを設けず、連続した複数の導電線を用いて1つの電池セル上の正極細グリッド線又は負極細グリッド線を隣接する次の電池セル上の対応する負極細グリッド線又は正極細グリッド線に直接接続し、そして2つの電池セル間の導電線を規則的に切断することによって、各電池セルの直列接続を実現し、それによりメイングリッドの銀ペーストの使用が減少し、生産コストが削減され。また、該導電線が全ての電池セルの裏面に共通で配置され、正極細グリッド線及び負極細グリッド線に直接接続されることによって、従来では1つの電池セルの裏面から次の電池セルの表面に迂回接続する必要があるため位置合わせし難い等の操作上の困難が回避され、従来の電池セルのペーストの高使用量によるコスト高騰、及び各電池セル間の表裏迂回接続による製造上の困難等の問題が解決される。なお、該導電線は金属線及び金属線を部分的に包む複合膜を使用する場合に、該複合膜は、予加熱した後に熱せられて融解することによって、金属線と正極細グリッド線及び負極細グリッド線を包むことができ、同時に低温積層プロセスによって、正極細グリッド線及び負極細グリッド線と金属線及び複合膜の間が均一で緊密に一体に形成され、且つ錫コート銅線を用いた金属線と銀グリッド線を用いた正極細グリッド線及び負極細グリッド線との間にはさらに錫銀合金接続が形成されているため、電池セルの応力による反りの問題が解決される。
【0052】
実施例2
本発明の第2実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングの製造方法のフローチャートである
図5を参照し、説明上の便宜のために、本発明の実施例に関連する部分のみが示され、該製造方法は、前記の実施例に記載の裏面接触太陽電池ストリングを製造するために用いられ、具体的には、次のS11、S21、及びS31を含む。
【0053】
ステップS11では、電池セル内の各正極細グリッド線上及び各負極細グリッド線上の導電線に接続される対応する絶縁領域及び導電領域に、それぞれ絶縁体及び導電体を対応して配置する。
【0054】
図1から
図4に示すように、該電池セルに交互に設けられたN型ドープ領域及びP型ドープ領域には、それぞれ正極細グリッド線及び負極細グリッド線が設けられている。例えば、
図1に示すように、左側に位置する端部電池セルには、左から順に負極細グリッド線及び正極細グリッド線が交互に設けられている。右側に位置する端部電池セルには、左から順に正極細グリッド線及び負極細グリッド線が交互に設けられている。この場合、該電池セル上の各正極細グリッド線が1本の導電線に電気的に接続される必要があり、また、各負極細グリッド線が該導電線に絶縁的に接続されることによって、該導電線は該電池セルにおいて正極導電線として機能する。それに応じて、該電池セル上の各正極細グリッド線が1本の導電線に絶縁的に接続される必要があり、各負極細グリッド線が該導電線に電気的に接続されることによって、該導電線は該電池セルにおいて負極導電線として機能する。導電線と正極細グリッド線及び負極細グリッド線との接続箇所での絶縁領域及び導電領域に、絶縁体及び導電体を順に交互に設ける必要があり、
図1に示すように、最上端に位置する第1導電線は、左側に位置する端部電池セルの負極細グリッド線に電気的に接続され、正極細グリッド線に絶縁的に接続されるため、該端部電池セルの該第1導電線に対応する接続箇所で、各負極細グリッド線に対応する導電領域には導電体が塗布され、各正極細グリッド線に対応する絶縁領域には絶縁体が塗布され、その他は上述したとおりであり、ここでは重複説明を省略する。それに応じて、該導電体は、導電性接着剤、はんだペースト又は導電性接着テープ等の導電材料であってもよく、該絶縁体は、ポリプロピレン又はポリエチレン等の絶縁材料であってもよく、なお、導電線自体は、導電領域内の正極細グリッド線又は負極細グリッド線に電気的に接続することができるため、本発明の他の実施例において、該導電領域に導電体が配置されなくてもよく、それに応じて、導電体を塗布する場合に導電線と正極細グリッド線及び負極細グリッド線との間の電気的接続及び物理的接続をより安定化させることができることが理解可能である。一方、絶縁体は、導電線と正極細グリッド線又は負極細グリッド線との絶縁領域での絶縁的接続に用いられるため、必ず配置しなければならない。
【0055】
指摘すべきことは、導電体及び絶縁体は、事前に正極細グリッド線及び負極細グリッド線に交互に塗布され配置されたことが好ましく、本発明の他の実施例において、事前に導電線に交互に塗布され配置されてもよく、主に導電線と正極細グリッド線及び負極細グリッド線との接続時の電気的接続及び絶縁的接続を実現するために用いられればよい点である。
【0056】
ステップS21では、各導電線を各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に順次貼り付ける。
【0057】
各導電線を各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に順次貼り付ける上記のステップは、具体的には、
第3所定数の第1導電線と第2導電線を、各電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に配置された絶縁体又は導電体に交互に貼り付けるステップを含み、
第1導電線は、電池セル内の各正極細グリッド線に交互に配置された導電体、各負極細グリッド線に交互に配置された絶縁体、及び、隣接する電池セル内の各負極細グリッド線に交互に配置された導電体、各正極細グリッド線に交互に配置された絶縁体に貼り付けられ、
第2導電線は、電池セル内の各正極細グリッド線に交互に配置された導電体、各負極細グリッド線に交互に配置された絶縁体、及び、隣接する電池セル内の各負極細グリッド線に交互に配置された導電体、各正極細グリッド線に交互に配置された絶縁体に貼り付けられる。
【0058】
さらに、P型ドープ領域は、ほとんどアルミニウムグリッド線を正極細グリッド線として用いる必要があるが、導電線が銅線又は複合膜で部分的に包まれる銅線である場合に、アルミニウムと銅との溶接が困難であるため、導電線と正極細グリッド線をうまく溶接できなくなり、そのため、本発明の好ましい実施例において、正極細グリッド線は、交互に設けられたアルミニウムグリッド線及び銀グリッド線をさらに含んでもよく、この場合、銀グリッド線が導電領域に接続され、即ち、正極細グリッド線に設けられた銀グリッド線に、導電体が対応して配置され、それにより銀グリッド線と導電線とをうまく溶接できるため、正極細グリッド線全体がアルミニウムグリッド線を用いて導電線との溶接がうまくできない問題が回避される。
【0059】
ステップS31では、隣接する2つの電池セル間の導電線を規則的に切断する。
【0060】
電池ストリングからの電流を収集するために、隣接する2つの電池セル間の導電線を切断して各電池セル間の直列接続を実現し、該導電線の切断は、レーザー又はブレード等のワイヤーカット技術を用いて切断してもよく、具体的には、規則的に切断された隣接する2つの電池セル間の導電線の数は、交互に設けられた第1導電線及び第2導電線の数と同じであり、即ち、第3所定数の第1導電線と第3所定数の第2導電線が、交互に設けられている場合に、第3所定数の導電線おきに隣接する2つの電池セル間の第3所定数の導電線を対応して規則的に切断し、前述した実施例の構造に示すように、具体的には、隣接する2つの電池セル内で第1導電線を全て切断するか、又は第2導電線を全て切断してもよい。隣接する2つの電池セル間の導電線を切断するステップは、各電池セルが直列接続される時に、前の電池セルの電流が隣接する現在の電池セルに流れ、また現在の電池セルから隣接する次の電池セルに流れることを実現し、それにより各電池セルを順次直列接続して電池ストリングを形成するために主に用いられる。それに応じて、具体的に配置された電池セルの数及びその配置方式に基づいて、電流をその1つの端部電池セルの始端から他の端部電池セルの末端に順に流し得るために規則的に切断する必要がある導電線を対応して決定し、本明細書では具体的に限定されない。
【0061】
さらに、前記の実施例に記載のように、該導電線は、金属線及び金属線を部分的に包む複合膜を含んでもよく、この場合、上記のステップS21の後に、又は、ステップS31の後に、該方法は、
低温加熱によって、導電線と電池セルを予備接着するステップをさらに含む。
【0062】
電池ストリングの製造中、導電線は、金属線を部分的に包む複合膜をさらに含むため、低温加熱によって該複合膜を熱にして融解し、融解した複合膜は、導電線、電池セル、及び導電線と電池セルとの間に設けられた導電体又は絶縁体を全体的に包み得ることによって、導電線と電池セルとの予備接着を実現し、該低温加熱ステップは、ステップS21の後、又はステップS31の後に設定されてもよいことが理解可能であり、ここでステップS21の後に設定されることが好ましく、低温加熱によって、導電線と電池セルを予備接着した後に、導電線と各電池セルとの間の接続は比較的確実になり、そのため、後続の隣接する2つの電池セル間の導電線を切断する過程において導電線と各電池セルとの接続が不安定になることに起因する位置ずれの問題を回避できる。
【0063】
さらに、本発明の一実施例において、該ステップS31の後に、該方法は、
積層加熱によって、導電線を電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に接続するステップをさらに含む。
【0064】
電池アセンブリの製造中、積層プロセスによって、ラミネートされて布設された電池ストリング及びガラス、EVA膜/POE膜、バックシート等の異なる材料の多層を一体に結合する必要があり、そのため、該積層加熱ステップは、後続のアセンブリ製造過程において実行されてもよい。当然ながら、先に積層加熱によって、電池セルと導電線を均一で緊密に一体に形成し、後続の電池アセンブリの製造時に、続いて積層加熱によって該電池ストリングとガラス、EVA膜/POE膜、バックシート等を一体に結合してもよい。
【0065】
積層とは、接着剤を使用し又は使用せずに、加熱、加圧の下で同一又は異なる材料の2層又は複数層を一体に結合する方法を指す。該積層加熱中(加熱温度が200℃未満)、金属線を部分的に包む複合膜は、均一に熱せられて融解し始め、且つ圧力作用の下で導電線と正極細グリッド線又は負極細グリッド線とを溶融させて均一で緊密に一体に結合させ、同時に金属線と正極細グリッド線又は負極細グリッド線は、錫銀合金接続を形成している。
【0066】
さらに、本発明の一実施例において、該ステップS31の後に、該方法は、
端部に位置する電池セル上の導電線を導電性バスバーに規則的で電気的に接続するか、
又は、
端部に位置する電池セル上の各導電線を導電性バスバーに電気的に接続するステップと、
電池セルと導電性バスバーとの間の導電線を規則的に切断するステップと、をさらに含む。
【0067】
ステップS31の後に、電池ストリング内の端部電池セル上の導電線を導電性バスバーに接続することによって、各電池セルで収集された電流を最終的に導電性バスバーに合流させて該電池ストリングを形成することを実現し、なお、上記のステップは、具体的には前述した説明を参照すればよく、ここでは重複説明を省略することが理解可能である。
【0068】
本発明の実施例で提供される裏面接触太陽電池ストリングの製造方法は、各電池セルの電流を収集するためのメイングリッド及び溶接ストリップを設けず、連続した複数の導電線を用いて1つの電池セル上の正極細グリッド線又は負極細グリッド線を隣接する次の電池セル上の対応する負極細グリッド線又は正極細グリッド線に直接接続し、そして2つの電池セル間の導電線を規則的に切断することによって、各電池セルの直列接続を実現し、それによりメイングリッドの銀ペーストの使用が減少し、生産コストが削減され。また、該導電線が全ての電池セルの裏面に共通で配置され、正極細グリッド線及び負極細グリッド線に直接接続されることによって、従来では1つの電池セルの裏面から次の電池セルの表面に迂回接続する必要があるため位置合わせし難い等の操作上の困難が回避され、従来の電池セルのペーストの高使用量によるコスト高騰、及び各電池セル間の表裏迂回接続による製造上の困難等の問題が解決される。
【0069】
実施例3
本発明の第3実施例は、電池アセンブリをさらに提供し、該電池アセンブリは、前記の実施例に記載の裏面接触太陽電池ストリングを含む。
【0070】
具体的には、該電池アセンブリの組み立てプロセスは、次に示すプロセスを含む。
【0071】
電池選別では、太陽電池セルの生産ラインが高いランダム性を有するため、生産された電池の性能も同じものとは限らず、性能が一致する又は近い電池セルを効果的に組み合わせるために、電池テストにより測定された性能パラメータに応じて分類して、電池セルの利用率を高め、品質が合格な電池アセンブリを製造した。電池テストは、電池の出力パラメータ(電流及び電圧)の大きさを測定することである。
【0072】
直列接続では、各電池セルに貼り付けられる各導電線をそれぞれ電池セルの正極細グリッド線及び負極細グリッド線に固定し、隣接する2つの電池セル間の導電線を規則的に切断することによって、前記の実施例に記載の電池ストリングとして直列接続する。
【0073】
ラミネーションでは、裏面に直列接続され済み、且つ検査に通過した後に、ガラス、切断されたEVA膜/POE膜、電池ストリング、EVA膜/POE膜、ガラス繊維、及びバックシート/ガラスを下から順次布設し、布設時に、電池ストリングとガラス等の材料との相対的な位置を保証し、電池セル間の距離を調整する。
【0074】
アセンブリ積層では、ラミネートされて布設された電池セルを積層機に入れ、真空引きしてアセンブリ内の空気を抜き、その後、加熱してEVAを融解させて電池、ガラス及びバックシートを一体に接着し、最後に冷却してアセンブリを取り出す。
【0075】
バリ取りでは、積層時に、EVAが融解した後に圧力により外へ延伸して硬化してバリが形成されるため、積層後に該バリを取り除く。
【0076】
フレーム実装では、アセンブリにアルミニウムフレームを実装して、アセンブリの強度を高め、電池アセンブリをさらに封止し、電池の耐用年数を延ばす。ここで、フレームとガラスアセンブリとの隙間をシリコン樹脂で埋め、各フレーム間をコーナーキーで接続する。
【0077】
配線ボックスの接着では、電池と他の設備又は電池を接続しやすいために、アセンブリの裏面のリード線にボックスを接着する。
【0078】
アセンブリのテストでは、電池の出力パワーをテストして校正し、その出力特性を測定して、アセンブリの品質レベルを決定する。
【0079】
高圧テストでは、アセンブリを劣悪な自然条件(例えば落雷等)から保護するために、アセンブリフレームと電極リード線との間に一定の電圧を印加し、アセンブリの耐電性及び絶縁強度を測定する。
【0080】
本発明の実施例で提供される電池アセンブリは、各電池セルの電流を収集するためのメイングリッド及び溶接ストリップを電池ストリングにおいて設けず、連続した複数の導電線を用いて1つの電池セル上の正極細グリッド線又は負極細グリッド線を隣接する次の電池セル上の対応する負極細グリッド線又は正極細グリッド線に直接接続し、そして2つの電池セル間の導電線を規則的に切断することによって、各電池セルの直列接続を実現し、それによりメイングリッドの銀ペーストの使用が減少し、生産コストが削減され。また、該導電線が全ての電池セルの裏面に共通で配置され、正極細グリッド線及び負極細グリッド線に直接接続されることによって、従来では1つの電池セルの裏面から次の電池セルの表面に迂回接続する必要があるため位置合わせし難い等の操作上の困難が回避され、従来の電池セルのペーストの高使用量によるコスト高騰、及び各電池セル間の表裏迂回接続による製造上の困難等の問題が解決される。
【0081】
実施例4
本発明の第4実施例は、前記の実施例に記載の電池アセンブリを含む太陽光発電システムをさらに提供する。
【0082】
本発明の実施例で提供される太陽光発電システムは、各電池セルの電流を収集するためのメイングリッド及び溶接ストリップを電池アセンブリにおける電池ストリングにおいて設けず、連続した複数の導電線を用いて1つの電池セル上の正極細グリッド線又は負極細グリッド線を隣接する次の電池セル上の対応する負極細グリッド線又は正極細グリッド線に直接接続し、そして2つの電池セル間の導電線を規則的に切断することによって、各電池セルの直列接続を実現し、それによりメイングリッドの銀ペーストの使用が減少し、生産コストが削減され。また、該導電線が全ての電池セルの裏面に共通で配置され、正極細グリッド線及び負極細グリッド線に直接接続されることによって、従来では1つの電池セルの裏面から次の電池セルの表面に迂回接続する必要があるため位置合わせし難い等の操作上の困難が回避され、従来の電池セルのペーストの高使用量によるコスト高騰、及び各電池セル間の表裏迂回接続による製造上の困難等の問題が解決される。
【0083】
上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものではなく、本発明の主旨と原則から逸脱しない限り行った修正、同等な取替、及び改良等は、全ての本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【国際調査報告】