(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】溶融塩蓄熱装置及び溶融塩蓄熱システム
(51)【国際特許分類】
F28D 20/00 20060101AFI20240409BHJP
F28F 9/22 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
F28D20/00 Z
F28F9/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551218
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2022142959
(87)【国際公開番号】W WO2023193487
(87)【国際公開日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】202210369285.0
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520455014
【氏名又は名称】西安熱工研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xi’an Thermal Power Research Institute CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.136 Xingqing Road,Beilin District,Xi’an City,Shaanxi Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】リ, ミンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ, ケ
(72)【発明者】
【氏名】ルー, シャオユ
(72)【発明者】
【氏名】バイ, ヨンガング
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ボー
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ジチャオ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ユファン
【テーマコード(参考)】
3L065
【Fターム(参考)】
3L065DA20
(57)【要約】
溶融塩蓄熱装置及び溶融塩蓄熱システムを提供する。溶融塩蓄熱装置は、複数の溶融塩貯蔵タンクであって、各溶融塩貯蔵タンクが溢流口と溢流口の下方に位置する溶融塩入口とを備え、複数の溶融塩貯蔵タンクが上下方向に配置され、溶融塩貯蔵タンク内の溶融塩がその下方の溶融塩貯蔵タンクに溢流可能になるように、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンクのうち上方に位置する方の溢流口が隣接する2つの溶融塩貯蔵タンクのうち下方に位置する方の溶融塩入口に接続される複数の溶融塩貯蔵タンクと、複数の溢流管であって、任意の隣接する2つの溶融塩貯蔵タンクが対応する溢流管を介して接続される複数の溢流管と、入口が複数の溶融塩貯蔵タンクのうち最も下方に位置する溢流口に接続され、出口が複数の溶融塩貯蔵タンクのうち最も上方に位置する溶融塩入口に接続される循環管と、熱交換器と、循環管または溢流管に設けられる循環ポンプと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融塩蓄熱装置であって、
溶融塩を貯蔵する複数の溶融塩貯蔵タンクであって、各該溶融塩貯蔵タンクが溢流口と前記溢流口の下方に位置する溶融塩入口とを備え、複数の前記溶融塩貯蔵タンクが上下方向に配置され、前記溶融塩貯蔵タンク内の前記溶融塩がその下方の前記溶融塩貯蔵タンクに溢流可能になるように、隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクのうち上方に位置する方の前記溢流口が、隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクのうち下方に位置する方の前記溶融塩入口に接続される複数の前記溶融塩貯蔵タンクと、
複数の溢流管であって、任意の隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクが対応する前記溢流管を介して接続され、前記溢流管の一端が対応する前記溢流口と連通し、他端が対応する前記溶融塩入口と連通する複数の前記溢流管と、
入口が複数の前記溶融塩貯蔵タンクのうち最も下方に位置する方の前記溢流口に接続され、出口が複数の前記溶融塩貯蔵タンクのうち最も上方に位置する方の前記溶融塩入口に接続される循環管と、
該循環管内の前記溶融塩と熱交換を行うように前記循環管に設けられる熱交換器と、
前記循環管または前記溢流管に設けられ、前記溶融塩の循環流動を駆動する循環ポンプとを備える、ことを特徴とする溶融塩蓄熱装置。
【請求項2】
前記循環ポンプが前記循環管に設けられ、前記循環ポンプが前記熱交換器と最も下方の前記溶融塩貯蔵タンクとの間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項3】
前記溶融塩貯蔵タンクの上部が開放口であり、各前記溶融塩貯蔵タンクの前記溢流口が前記溶融塩貯蔵タンクの上縁に近い位置に設けられ、各前記溶融塩貯蔵タンクの溶融塩出口が前記溶融塩貯蔵タンクの下縁に近い位置に設けられる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項4】
各前記溶融塩貯蔵タンクは、複数の前記溢流口と複数の前記溶融塩入口とを備え、複数の前記溢流口が前記溶融塩貯蔵タンクの周方向に間隔を置いて配置され、複数の前記溶融塩入口が前記溶融塩貯蔵タンクの周方向に間隔を置いて配置される、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項5】
前記溶融塩蓄熱装置は、前記溶融塩貯蔵タンク内の底部に設けられる分流器をさらに備え、
該分流器が分流室及び該分流室と連通する複数の分流孔を備え、
該分流孔が前記分流器の上部に開設され、前記分流器の入口が前記溶融塩貯蔵タンクの前記溶融塩入口を構成する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項6】
前記分流器は複数の第1の分流管と複数の第2の分流管とを備え、
複数の前記第1の分流管および複数の前記第2の分流管のそれぞれには前記分流孔が設けられ、
複数の前記第1の分流管は、前記溶融塩貯蔵タンクの長手方向に並列に間隔を置いて配置され、複数の前記第2の分流管は、前記溶融塩貯蔵タンクの幅方向に並列に間隔を置いて配置され、各前記第1の分流管がいずれも複数の前記第2の分流管と連通する、ことを特徴とする請求項5に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項7】
少なくとも一部の前記第1の分流管の端部は、前記溶融塩貯蔵タンクの外側まで延在して前記溶融塩入口を形成し、少なくとも一部の前記第2の分流管の端部は、前記溶融塩貯蔵タンクの外側までに延在して前記溶融塩入口を形成する、ことを特徴とする請求項6に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項8】
複数の前記溢流管は、複数の第1の溢流管と複数の第2の溢流管とを備え、
複数の前記第1の溢流管が複数の前記溶融塩貯蔵タンクの一方側に設けられ、複数の前記第2の溢流管が複数の前記溶融塩貯蔵タンクの他方側に設けられ、複数の前記第1の溢流管と複数の前記第2の溢流管とが前記溶融塩の流れ方向に交互に配置される、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項9】
前記循環管の入口は、対応する前記溶融塩貯蔵タンクの前記溢流口に着脱可能に接続され、前記循環管の出口は、対応する前記溶融塩貯蔵タンクの溶融塩入口に着脱可能に接続される、ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の溶融塩蓄熱装置を備える、ことを特徴とする溶融塩蓄熱システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2022年4月8日に中国に提出された、中国特許出願番号が202210369285.0であるものの優先権を主張し、そのすべての内容が本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、エネルギー貯蔵装置技術の分野に関し、具体的には、溶融塩蓄熱装置及び溶融塩蓄熱システムに関する。
【背景技術】
【0003】
溶融塩蓄熱技術は、価格が安く、システムが安全で安定し、作動温度が高く、環境に優しく、不燃性という利点がある。蓄熱時に、外部の熱を吸収することによって昇温を実現し、放熱時に熱交換によって出力媒体の温度を上昇させる。関連技術では、流体斜温層の原理に基づく「単缶」溶融塩蓄熱技術案は初歩的な応用を実現し、この案は溶融塩蓄熱システムの建設投資コストを大幅に低減し、関連システムを簡素化することができる。しかし、温度パラメータの異なる溶融塩が同じ缶体に混合して貯蔵されているため、システムの運転制御に対してより高い要求が課せられている。また、「単缶」溶融塩蓄熱技術案も同様に簡単に容量拡張することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術における技術的課題の少なくとも1つをある程度解決することを目的とする。そのため、本開示の実施例は溶融塩貯熱装置及び溶融塩貯熱システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本開示の実施例によって提供される溶融塩蓄熱装置は、溶融塩を貯蔵する複数の溶融塩貯蔵タンクであって、各該溶融塩貯蔵タンクが溢流口と前記溢流口の下方に位置する溶融塩入口とを備え、複数の前記溶融塩貯蔵タンクが上下方向に配置され、前記溶融塩貯蔵タンク内の前記溶融塩がその下方の前記溶融塩貯蔵タンクに溢流可能になるように、隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクのうち上方に位置する方の前記溢流口が、隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクのうち下方に位置する方の前記溶融塩入口に接続される複数の前記溶融塩貯蔵タンクと、複数の溢流管であって、任意の隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクが対応する前記溢流管を介して接続され、前記溢流管の一端が対応する前記溢流口と連通し、他端が対応する前記溶融塩入口と連通する複数の前記溢流管と、入口が複数の前記溶融塩貯蔵タンクのうち最も下方に位置する方の前記溢流口に接続され、出口が複数の前記溶融塩貯蔵タンクのうち最も上方に位置する方の前記溶融塩入口に接続される循環管と、該循環管内の前記溶融塩と熱交換を行うように前記循環管に設けられる熱交換器と、前記循環管または前記溢流管に設けられ、前記溶融塩の循環流動を駆動する循環ポンプと、を備える。
【0006】
従って、本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置は、溶融塩の貯蔵量を拡大しやすく、設置しやすく、コストを節約するという利点がある。
【0007】
いくつかの実施例では、前記循環ポンプが前記循環管に設けられ、前記循環ポンプが前記熱交換器と前記最も下方の前記溶融塩貯蔵タンクとの間に位置する。
【0008】
いくつかの実施例では、前記溶融塩貯蔵タンクの上部が開放口であり、各前記溶融塩貯蔵タンクの前記溢流口が前記溶融塩貯蔵タンクの上縁に近い位置に設けられ、各前記溶融塩貯蔵タンクの溶融塩出口が前記溶融塩貯蔵タンクの下縁に近い位置に設けられる。
【0009】
いくつかの実施例では、各前記溶融塩貯蔵タンクは、複数の前記溢流口と複数の前記溶融塩入口とを備え、複数の前記溢流口が前記溶融塩貯蔵タンクの周方向に間隔を置いて配置され、複数の前記溶融塩入口が前記溶融塩貯蔵タンクの周方向に間隔を置いて配置される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記溶融塩蓄熱装置は、前記溶融塩貯蔵タンク内の底部に設けられる分流器をさらに備え、該分流器が分流室及び該分流室と連通する複数の分流孔を備え、該分流孔が前記分流器の上部に開設され、前記分流器の入口が前記溶融塩貯蔵タンクの前記溶融塩入口を構成する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記分流器は複数の第1の分流管と複数の第2の分流管とを備え、複数の前記第1の分流管および複数の前記第2の分流管のそれぞれには前記分流孔が設けられ、複数の前記第1の分流管は、前記溶融塩貯蔵タンクの長手方向に並列に間隔を置いて配置され、複数の前記第2の分流管は、前記溶融塩貯蔵タンクの幅方向に並列に間隔を置いて配置され、各前記第1の分流管がいずれも複数の前記第2の分流管と連通する。
【0012】
いくつかの実施例では、少なくとも一部の前記第1の分流管の端部は、前記溶融塩貯蔵タンクの外側まで延在して前記溶融塩入口を形成し、少なくとも一部の前記第2の分流管の端部は、前記溶融塩貯蔵タンクの外側までに延在して前記溶融塩入口を形成する。
【0013】
いくつかの実施例では、複数の前記溢流管は、複数の第1の溢流管と複数の第2の溢流管とを備え、複数の前記第1の溢流管が複数の前記溶融塩貯蔵タンクの一方側に設けられ、複数の前記第2の溢流管が複数の前記溶融塩貯蔵タンクの他方側に設けられ、複数の前記第1の溢流管と複数の前記第2の溢流管とが前記溶融塩の流れ方向に交互に配置される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記循環管の入口は、対応する前記溶融塩貯蔵タンクの前記溢流口に着脱可能に接続され、前記循環管の出口は、対応する前記溶融塩貯蔵タンクの前記溶融塩入口に着脱可能に接続される。
【0015】
他の態様では、本開示の実施例は溶融塩蓄熱システムをさらに提供し、前記システムは、上記の溶融塩蓄熱装置である溶融塩蓄熱装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置の概略図である。
【
図2】本開示の実施例に係る溶融塩貯蔵タンクの概略図である。
【
図3】本開示の実施例に係る溶融塩貯蔵タンクの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、その実施例の一例が添付図面に示される。以下添付図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本開示を説明することを意図しており、本開示に対する制限として理解されない。
【0018】
図面を参照しながら、本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置100を説明する。
図1から
図3に示すように、本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置100は、複数の溶融塩貯蔵タンク1、複数の溢流管2、循環管3、熱交換器4及び循環ポンプ5を備える。
【0019】
溶融塩貯蔵タンク1が溶融塩を貯蔵し、各溶融塩貯蔵タンク1は、溢流口11と溢流口11の下方に位置する溶融塩入口12とを備える。複数の溶融塩貯蔵タンク1は上下方向に配置され、溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩がその下方の溶融塩貯蔵タンク1に溢流可能になるように、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方の溢流口11が隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち下方に位置する方の溶融塩入口12に接続される。任意の隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1は、対応する溢流管2を介して接続され、溢流管2の一端が対応する溢流口11と連通し、他端が対応する溶融塩入口12と連通する。
【0020】
循環管3の入口31は、複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も下方に位置する方の溢流口11に接続され、循環管3の出口32は、複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も上方に位置する方の溶融塩入口12に接続される。熱交換器4は、循環管3内の溶融塩と熱交換を行うように循環管3に設けられる。循環ポンプ5は循環管3または溢流管2に設けられ、循環ポンプ5は溶融塩の循環流動を駆動する。
【0021】
本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置100は、溶融塩を貯蔵するのに適した溶融塩貯蔵タンク1を複数設けることにより、溶融塩蓄熱装置100の溶融塩の貯蔵量を向上させ、さらに溶融塩蓄熱装置100の蓄熱能力を向上させることができる。複数の溶融塩貯蔵タンク1が上下方向に配置され、溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩がその下方の溶融塩貯蔵タンク1に溢流可能になるように、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方の溢流口11が隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち下方に位置する方の溶融塩入口12に接続される。これにより、循環ポンプ5が溶融塩の循環流動を駆動して熱交換器4と熱交換すると、溶融塩が循環管3の出口32を介して複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も上方に位置する方に入って、最も上方の溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩と熱交換する。最も上方の溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩が徐々に増加するにつれて、最も上方の溶融塩貯蔵タンク1の溢流口11から一部の溶融塩が溢流し、重力の作用で溢流管2を介して最も上方の溶融塩貯蔵タンク1に隣接する溶融塩貯蔵タンク1内に流れて、この溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩と熱交換する。循環ポンプ5の継続的な動作中に、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方の内部の溶融塩が徐々に増加すると、一部の溶融塩が隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方の溢流口11を介して隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち下方に位置する方の内部に溢流して、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち下方に位置する方の内部の溶融塩と熱交換することができる。すなわち、上下方向に配置される複数の溶融塩貯蔵タンク1は、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方の内部の溶融塩を、溢流口11を介して隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち下方に位置する方の内部に輸送して熱交換させることができる。これにより、上下方向に配置される複数の溶融塩貯蔵タンク1の間で溶融塩を輸送するのが便利で省エネであり、さらに溶融塩蓄熱装置100の溶融塩の貯蔵量の拡大に加えて設置条件が簡単であり、生産コストが節約可能である。
【0022】
従って、本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置100は、溶融塩の貯蔵量を拡大しやすく、設置しやすく、コストを節約するという利点がある。
【0023】
図1から
図3に示すように、本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置100は、複数の溶融塩貯蔵タンク1、複数の溢流管2、循環管3、熱交換器4及び循環ポンプ5を備える。
【0024】
複数の溶融塩貯蔵タンク1が上下方向に配置され、溶融塩貯蔵タンク1が溶融塩を貯蔵し、溶融塩貯蔵タンク1の数が少なくとも2つであり、これにより、溶融塩蓄熱装置100の溶融塩の貯蔵量を向上させる。各溶融塩貯蔵タンク1は溢流口11と溢流口11の下方に位置する溶融塩入口12とを備え、溶融塩貯蔵タンク1の上部は開放口であり、これにより、溶融塩貯蔵タンク1内の気圧を外部と一致させて、溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩が溢流口11から外部に溢流することを容易にする。上下方向は
図1及び
図2の矢印で示す通りである。例えば、複数の溶融塩貯蔵タンク1のうちの各々は、底板13、底板13に接続される第1の側板14、第2の側板15、第3の側板16及び第4の側板17を備え、第1の側板14と第3の側板16とが対向して配置され、第2の側板15と第4の側板17とが対向して配置される。
【0025】
図2に示すように、いくつかの実施例では、各溶融塩貯蔵タンク1の溢流口111が溶融塩貯蔵タンク1の上縁に近い位置に設けられ、各溶融塩貯蔵タンク1の溶融塩出口が溶融塩貯蔵タンク1の下縁に近い位置に設けられる。これにより、各溶融塩貯蔵タンク1がより多くの溶融塩を貯蔵し、溶融塩蓄熱装置100の溶融塩の貯蔵量を増加させることができる。
【0026】
溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩がその下方の溶融塩貯蔵タンク1に溢流可能になるように、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方の溢流口11が隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち下方に位置する方の溶融塩入口12に接続される。任意の隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1は、対応する溢流管2を介して接続され、溢流管2の一端は対応する溢流口11と連通し、他端は対応する溶融塩入口12と連通する。具体的には、溢流管2の一端(上端)が隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方の溢流口11に接続され、溢流管2の他端(下端)が隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち下方に位置する方の溶融塩入口12に接続される。これにより、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方の内部に溶融塩が継続的に注入されると、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち上方に位置する方は、その溢流口11から一部の溶融塩を溢流管2を介して隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1のうち下方に位置する方の内部に溢流させることができる。
【0027】
循環管3の入口31は、複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も下方に位置する方の溢流口11に接続され、循環管3の出口32は、複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も上方に位置する方の溶融塩入口12に接続される。熱交換器4は、循環管3内の溶融塩と熱交換を行うように循環管3に設けられる。循環ポンプ5は循環管3または溢流管2に設けられ、循環ポンプ5は溶融塩の循環流動を駆動する。これにより、循環ポンプ5によって、複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も下方に位置する方の内部の溶融塩が循環管3内に入って、熱交換器と熱交換してから最も上方の溶融塩貯蔵タンク1内に輸送されて熱交換するようにする。
【0028】
いくつかの実施例では、循環ポンプ5は循環管3に設けられ、循環ポンプ5は熱交換器4と最も下方の溶融塩貯蔵タンク1との間に位置する。これにより、複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も下方に位置する方の内部の溶融塩を循環管3内に迅速に輸送して熱交換器4と熱交換することを容易にし、さらに熱交換効率を向上させる。
【0029】
図1及び
図2に示すように、いくつかの実施例では、各溶融塩貯蔵タンク1は複数の溢流口11と複数の溶融塩入口12とを備え、複数の溢流口11が溶融塩貯蔵タンク1の周方向に間隔を置いて配置され、複数の溶融塩入口12は、溶融塩貯蔵タンク1の周方向に間隔を置いて配置される。複数の溢流口11と複数の溶融塩入口12とにより、実際の状況に応じて隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1の間に溢流管2の位置や本数を設置することを容易にする。具体的には、溢流管2を隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1の同側の溢流口11及び溶融塩入口12に接続することにより、溢流管2の取り付けを容易にすることができる。隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1の間の溶融塩の流動速度を向上させる必要がある場合、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1の間の溢流管の数を増やすことができる。例えば、各溶融塩貯蔵タンク1の溢流口11と溶融塩入口12とはいずれも4つであり、第1の側板14、第2の側板15、第3の側板16及び第4の側板17のうちのそれぞれには1つの溢流口11及び溶融塩入口12が設けられ、溢流速度を向上させるために、隣接する2つの溶融塩貯蔵タンク1の間には2つの溢流管2が設けられる。
【0030】
図1に示すように、いくつかの実施例では、複数の溢流管2は、複数の第1の溢流管21と複数の第2の溢流管22とを備え、複数の第1の溢流管21は複数の溶融塩貯蔵タンク1の一方側に設けられ、複数の第2の溢流管22は複数の溶融塩貯蔵タンク1の他方側に設けられ、複数の第1の溢流管21と複数の第2の溢流管22とが溶融塩の流れ方向に交互に配置される。すなわち、溶融塩の流れ方向に、複数の溢流管2が溶融塩貯蔵タンク1の側方に交互に配置され、これにより、溢流管2が互に影響しないようにすることができる。例えば、溶融塩の流れ方向に、最初の溢流管2(第1の溢流管21)が溶融塩貯蔵タンク1の右側に設けられてもよく、2番目の溢流管2(第2の溢流管22)が溶融塩貯蔵タンク1の左側に設けられてもよく、3番目の溢流管2(第1の溢流管21)が溶融塩貯蔵タンク1の右側または前後側に設けられてもよい。左右方向及び前後方向は、
図1及び
図2の矢印で示すとおりである。
【0031】
いくつかの実施例では、循環管3の入口31が対応する溶融塩貯蔵タンク1の溢流口11に着脱可能に接続され、循環管3の出口32が対応する溶融塩貯蔵タンク1の溶融塩入口12に着脱可能に接続される。これにより、溶融塩蓄熱装置100の溶融塩の貯蔵量を増幅する必要がある場合、元の複数の溶融塩貯蔵タンク1の上方及び下方に溶融塩貯蔵タンク1を追加した後、循環管3の入口31を追加後の複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も下方に位置する方の溢流口11に接続させ、循環管3の出口32を追加後の複数の溶融塩貯蔵タンク1のうち最も上方に位置する方の溶融塩入口12に接続させることができる。具体的には、元の複数の溶融塩貯蔵タンク1の上方に溶融塩貯蔵タンク1が新たに追加された場合、循環管3の出口32は、追加後に最も上方に位置する溶融塩貯蔵タンク1に接続され、元の複数の溶融塩貯蔵タンク1の下方に溶融塩貯蔵タンク1が新たに追加された場合、循環管3の入口31は、追加後に最も下方に位置する溶融塩貯蔵タンク1に接続される。
【0032】
図2及び
図3に示すように、本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置100は、分流器6を備え、分流器6は、溶融塩貯蔵タンク1内の底部に設けられ、分流器6が分流室及び複数の分流室と連通する分流孔63を備え、分流孔63は、分流器6の上部に開設され、分流器6の入口が溶融塩貯蔵タンク1の溶融塩入口12を構成する。これにより、溶融塩がまず分流器6の分流室内に入り、その後、複数の分流室と連通する分流孔63を介して溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩と熱交換することができ、複数の分流室と連通する分流孔63によって溶融塩の熱交換をより均一にし、熱交換効率の向上を容易にすることができる。
【0033】
いくつかの実施例では、分流器6は、複数の第1の分流管61と複数の第2の分流管62とを備え、複数の第1の分流管61及び複数の第2の分流管62のうちのそれぞれには分流孔63が設けられる。複数の第1の分流管61が溶融塩貯蔵タンク1の長手方向に並列に間隔を置いて配置され、複数の第2の分流管62が溶融塩貯蔵タンク1の幅方向に並列に間隔を置いて配置され、各第1の分流管61がいずれも複数の第2の分流管62と連通する。これにより、溶融塩が複数の第1の分流管61と複数の第2の分流管62との上部の分流孔63を介して溶融塩貯蔵タンク1内の溶融塩と均一に熱交換することができる。
【0034】
いくつかの実施例では、少なくとも1部の第1の分流管61の端部が溶融塩貯蔵タンク1の外側までに延在して溶融塩入口12を形成し、少なくとも1部の第2の分流管62の端部が溶融塩貯蔵タンク1の外側までに延在して溶融塩入口12を形成する。これにより、溶融塩が分流器6(第1の分流管61及び第2の分流管62)内に入ることを容易にする。例えば、複数の第1の分流管61と複数の第2の分流管62とが底板13に設けられ、複数の第1の分流管61が左右方向に並列に間隔を置いて配置され、複数の第2の分流管62が前後方向に並列に間隔を置いて配置され、中間に位置する1つの第1の分流管61の2つの端部が溶融塩貯蔵タンク1(第2の側板15及び第4の側板17)の外側までに延在して溶融塩入口12を形成し、中間に位置する1つの第2の分流管62の2つの端部が溶融塩貯蔵タンク1の外側(第1の側板14及び第3の側板16)までに延在して溶融塩入口12を形成する。
【0035】
図1に示すように、具体的な一実施例では、複数の溶融塩貯蔵タンク1は、下から上へ順に配置される第1の溶融塩貯蔵タンク101、第2の溶融塩貯蔵タンク102、第3の溶融塩貯蔵タンク103、及び第4の溶融塩貯蔵タンク104を備える。循環管3の入口31が第1の溶融塩貯蔵タンク101の溢流口11に接続され、循環管3の出口32が第4の溶融塩貯蔵タンク104の溶融塩入口12に接続される。これにより、第1の溶融塩貯蔵タンク101内の溶融塩が循環ポンプ5によって循環管3内に入り、熱交換器と熱交換してから第4の溶融塩貯蔵タンク104内に輸送されて熱交換することができる。
【0036】
蓄熱時に、低温溶融塩は第1の溶融塩貯蔵タンク101の溢流口8から流出し、循環ポンプ5の作用下で、循環管3内の溶融塩が熱交換器4と吸熱して昇温することができる。その後、高温溶融塩は循環管3によって第4の溶融塩貯蔵タンク104の溶融塩入口12に導入され、高温溶融塩は第4の溶融塩貯蔵タンク104の分流器6に入ると、分流孔63から均一に流出し、第4の溶融塩貯蔵タンク104の内部に下から上へ、温度が高い温度から低い温度へと階層化され、高温領域が徐々に上へ移動する。高温溶融塩が第4の溶融塩貯蔵タンク104の溢流口8から流出すると、重力の作用で溢流管2を介して第3の溶融塩貯蔵タンク103の溶融塩入口12に流入し、第4の溶融塩貯蔵タンク104での熱交換、流動過程を再び経る。複数の溶融塩貯蔵タンク1の第1の溶融塩貯蔵タンク101内のすべての溶融塩の温度が基準に達すると蓄熱過程が完了する。
【0037】
放熱時、高温溶融塩は第1の溶融塩貯蔵タンク101の溢流口11から流出し、循環ポンプ5の作用で、循環管3内の溶融塩が熱交換器4と放熱して冷却することができる。その後、低温溶融塩は循環管3によって第4の溶融塩貯蔵タンク104の溶融塩入口12に導入され、低温溶融塩は第4の溶融塩貯蔵タンク104の分流器6に入ると、分流孔63から均一に流出し、D層の開放口の溶融塩貯蔵タンク1の内部に下から上へ、温度が低いから高い温度へと階層化され、低温領域が徐々に上へ移動する。低温溶融塩が第4の溶融塩貯蔵タンク104の溢流口11から流出すると、重力の作用で溢流管2を介して第3の溶融塩貯蔵タンク103の溶融塩入口12に流入し、第4の溶融塩貯蔵タンク104での熱交換、流動過程を再び経る。複数の溶融塩貯蔵タンク1の第1の溶融塩貯蔵タンク101内のすべての溶融塩の温度が基準に達すると放熱過程が完了する。
【0038】
本開示の実施例は、本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱装置100を備える溶融塩蓄熱システムをさらに提案する。
【0039】
従って、本開示の実施例に係る溶融塩蓄熱システムは、溶融塩の貯蔵量を拡大しやすく、溶融塩蓄熱装置10を設置しやすく、コストを節約するという利点がある。
【0040】
本開示の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「縦」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などという用語が示す方位または位置関係は図面に基づいて示される方位または位置関係であり、本開示を説明し且つ説明を簡素化するためのものに過ぎず、示された装置または素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位によって構造及び操作することを示し、または暗示するものではない。したがって、本開示に対する限定と理解されない。
【0041】
また、「第1」、「第2」という用語は説明目的にのみ使用され、相対的な重要性を示しまたは暗示し、または示された技術的特徴の数を暗黙的に示すと理解されない。これにより、「第1」、「第2」と限定された特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示または暗黙的に含むことができる。本開示の説明では、「複数」という意味は、特に具体的な明確な限定がない限り、2つ、3つなど、少なくとも2つである。
【0042】
本開示では、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語は広義的な理解とすべきであり、例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、または一体となってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、互いに通信可能であってもよく、直接接続であってもよいし、中間媒体による間接的な接続であってもよいし、2つの素子の内部の連通または2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて上記用語の本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0043】
本開示では、特に明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」に位置することは、第1及び第2の特徴が直接接触してもよく、または第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」、及び「上面」に位置することは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上に位置することを示してもよく、または第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴「の下」、「下方」、及び「下面」に位置することは、第1の特徴が第2の特徴の直下または斜め下にすることを示してもよく、または第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも低いことを示すだけであってもよい。
【0044】
本開示では、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「一例」、「具体的な一例」、または「いくつかの例」などの用語は、当該実施例または一例と併せて説明した具体的な特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施例または一例に含まれることを意味する。明細書では、上記用語に対する概略的な説明は必ずしも同じ実施例または一例を対象とするとは限らない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料または特性はいずれかまたは複数の実施例または例において適切な方式で結合することができる。また、互いに衝突しない限り、当業者は本明細書で説明された異なる実施例または例、及び異なる実施例または例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0045】
上記の実施例を示し説明したが、上記の実施例は例示的なものであり、本開示に対する制限として理解されず、当業者による上記の実施例に対する変更、修正、置換、及び変形は、すべて本開示の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1 溶融塩貯蔵タンク
2 溢流管
3 循環管
4 熱交換器
5 循環ポンプ
6 分流器
11 溢流口
12 溶融塩入口
13 底板
14 第1の側板
15 第2の側板
16 第3の側板
17 第4の側板
21 第1の溢流管
22 第2の溢流管
31 循環管の入口
32 循環管の出口
61 第1の分流管
62 第2の分流管
63 分流孔
100 溶融塩蓄熱装置
101 第1の溶融塩貯蔵タンク
102 第2の溶融塩貯蔵タンク
103 第3の溶融塩貯蔵タンク
104 第4の溶融塩貯蔵タンク
【手続補正書】
【提出日】2023-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融塩蓄熱装置であって、
溶融塩を貯蔵する複数の溶融塩貯蔵タンクであって、各該溶融塩貯蔵タンクが溢流口と前記溢流口の下方に位置する溶融塩入口とを備え、複数の前記溶融塩貯蔵タンクが上下方向に配置され、前記溶融塩貯蔵タンク内の前記溶融塩がその下方の前記溶融塩貯蔵タンクに溢流可能になるように、隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクのうち上方に位置する方の前記溢流口が、隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクのうち下方に位置する方の前記溶融塩入口に接続される複数の前記溶融塩貯蔵タンクと、
複数の溢流管であって、任意の隣接する2つの前記溶融塩貯蔵タンクが対応する前記溢流管を介して接続され、前記溢流管の一端が対応する前記溢流口と連通し、他端が対応する前記溶融塩入口と連通する複数の前記溢流管と、
入口が複数の前記溶融塩貯蔵タンクのうち最も下方に位置する方の前記溢流口に接続され、出口が複数の前記溶融塩貯蔵タンクのうち最も上方に位置する方の前記溶融塩入口に接続される循環管と、
該循環管内の前記溶融塩と熱交換を行うように前記循環管に設けられる熱交換器と、
前記循環管または前記溢流管に設けられ、前記溶融塩の循環流動を駆動する循環ポンプとを備える、ことを特徴とする溶融塩蓄熱装置。
【請求項2】
前記循環ポンプが前記循環管に設けられ、前記循環ポンプが前記熱交換器と最も下方の前記溶融塩貯蔵タンクとの間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項3】
前記溶融塩貯蔵タンクの上部が開放口であり、各前記溶融塩貯蔵タンクの前記溢流口が前記溶融塩貯蔵タンクの上縁に近い位置に設けられ、各前記溶融塩貯蔵タンクの溶融塩出口が前記溶融塩貯蔵タンクの下縁に近い位置に設けられる、ことを特徴とする請求項
1に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項4】
各前記溶融塩貯蔵タンクは、複数の前記溢流口と複数の前記溶融塩入口とを備え、複数の前記溢流口が前記溶融塩貯蔵タンクの周方向に間隔を置いて配置され、複数の前記溶融塩入口が前記溶融塩貯蔵タンクの周方向に間隔を置いて配置される、ことを特徴とする請求項
1に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項5】
前記溶融塩蓄熱装置は、前記溶融塩貯蔵タンク内の底部に設けられる分流器をさらに備え、
該分流器が分流室及び該分流室と連通する複数の分流孔を備え、
該分流孔が前記分流器の上部に開設され、前記分流器の入口が前記溶融塩貯蔵タンクの前記溶融塩入口を構成する、ことを特徴とする請求項
1に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項6】
前記分流器は複数の第1の分流管と複数の第2の分流管とを備え、
複数の前記第1の分流管および複数の前記第2の分流管のそれぞれには前記分流孔が設けられ、
複数の前記第1の分流管は、前記溶融塩貯蔵タンクの長手方向に並列に間隔を置いて配置され、複数の前記第2の分流管は、前記溶融塩貯蔵タンクの幅方向に並列に間隔を置いて配置され、各前記第1の分流管がいずれも複数の前記第2の分流管と連通する、ことを特徴とする請求項5に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項7】
少なくとも一部の前記第1の分流管の端部は、前記溶融塩貯蔵タンクの外側まで延在して前記溶融塩入口を形成し、少なくとも一部の前記第2の分流管の端部は、前記溶融塩貯蔵タンクの外側までに延在して前記溶融塩入口を形成する、ことを特徴とする請求項6に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項8】
複数の前記溢流管は、複数の第1の溢流管と複数の第2の溢流管とを備え、
複数の前記第1の溢流管が複数の前記溶融塩貯蔵タンクの一方側に設けられ、複数の前記第2の溢流管が複数の前記溶融塩貯蔵タンクの他方側に設けられ、複数の前記第1の溢流管と複数の前記第2の溢流管とが前記溶融塩の流れ方向に交互に配置される、ことを特徴とする請求項
1に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項9】
前記循環管の入口は、対応する前記溶融塩貯蔵タンクの前記溢流口に着脱可能に接続され、前記循環管の出口は、対応する前記溶融塩貯蔵タンクの溶融塩入口に着脱可能に接続される、ことを特徴とする請求項
1に記載の溶融塩蓄熱装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の溶融塩蓄熱装置を備える、ことを特徴とする溶融塩蓄熱システム。
【国際調査報告】