(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】チップパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240409BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240409BHJP
H05K 1/11 20060101ALN20240409BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/36 C
H05K1/11 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558195
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2022053689
(87)【国際公開番号】W WO2022199944
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥガル,フランク
【テーマコード(参考)】
5E317
5F136
【Fターム(参考)】
5E317AA04
5E317CC13
5E317GG14
5F136BB05
(57)【要約】
少なくとも1つの実施形態において、チップパッケージは、導電性である少なくとも1つの第1の補償層(31)と、少なくとも1つの第1の補償層(31)上に配置されかつ少なくとも1つの第1の補償層(31)によって電気的に接触される複数の半導体チップ(2)と、を備え、少なくとも1つの第1の補償層(31)は、複数の細孔(6)を備え、少なくとも1つの第1の補償層(31)は、少なくとも1つの第1の補償層(31)が半導体チップ(2)間の高さの差(ΔH)を補償するように構成されるように、弾性的に変形可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 導電性である複数の第1の補償層(31)、および導電性である第2の補償層(32)と、
- 硬質で弾性のない柱である複数の支柱(5)と、
- 少なくとも1つの前記第1の補償層(31)上に配置されかつ少なくとも1つの前記第1の補償層(31)によって電気的に接触される、複数の半導体チップ(2)と、
を備える、チップパッケージ(1)であって、
- 前記第1の補償層(31)および前記第2の補償層(32)が、それぞれ、複数の細孔(6)を備え、かつ、前記第1の補償層(31)および前記第2の補償層(32)が前記半導体チップ(2)間の高さの差(ΔH)を補償するように構成されるように、弾性的に変形可能であり、
- 前記半導体チップ(2)がサブモジュール(7)においてグループ化され、前記サブモジュール(7)のそれぞれが前記第1の補償層(31)のうちの1つおよび前記支柱(5)のうちの1つを厳密に備えるように、前記第1の補償層(31)のそれぞれの上に前記半導体チップ(2)のうちのいくつかが配置され、
- 前記第1の補償層(31)のそれぞれが、それぞれの前記サブモジュール(7)の前記支柱(5)と前記半導体チップ(2)との間に設置され、
- 前記支柱(5)が、前記支柱(5)が前記第2の補償層(32)と前記第1の補償層(31)との間に設置されるように、前記第2の補償層(32)に取り付けられる、
チップパッケージ(1)。
【請求項2】
ベースプレート(4)をさらに備え、
- 前記半導体チップ(2)が、前記ベースプレート(4)と少なくとも1つの前記第1の補償層(31)との間に直接設置され、
- 前記ベースプレート(4)が、硬質で弾性のないプレートであり、
- 前記第1の補償層(31)および前記ベースプレート(4)が、0.1MPa以上15MPa以下の圧力により間に前記半導体チップ(2)を有して互いに圧迫されるように構成される、
先行する請求項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項3】
前記支柱(5)が取り付けられる前記第2の補償層(32)が、前記チップパッケージ(1)の唯一の前記第2の補償層(32)である、
先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項4】
第3の補償層(33)をさらに備え、
- 前記第3の補償層(33)もまた、前記細孔(6)を備え、かつ、前記第3の補償層(33)もまた前記半導体チップ(2)間の前記高さの差(ΔH)を補償するように構成されるように、弾性的に変形可能であり、
- 前記第3の補償層(33)が、前記半導体チップ(2)の、前記第1の補償層(31)から離れた側に設置される、
先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項5】
一方では前記第2の補償層(32)のヤング率が、また、他方では前記第1の補償層(31)のヤング率が、少なくとも1.2倍および少なくとも2倍、互いに異なり、前記第2の補償層(32)が、前記第1の補償層(31)よりも硬質である、
先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項6】
前記第1の補償層(31)が、それぞれ、それぞれの前記サブモジュール(7)の前記半導体チップ(2)に面する取付け側(30)と、前記取付け側(30)の反対側の平面状の裏側(34)と、を備え、
前記取付け側(30)および前記平面状の裏側(34)には、前記細孔(6)がない、
先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項7】
前記第1の補償層(31)が、純銅または純アルミニウムのものである、
先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項8】
- 前記第1の補償層(31)の厚さ(T)が、いずれの場合にも、0.2mm以上5mm以下であること、および、
- 前記第1の補償層(31)の最小直径dが、いずれの場合にも、それぞれの前記厚さ(T)の少なくとも3倍を超え、それぞれの前記第1の補償層(31)の前記最小直径dが、d=(4A/π)
0.5の通りに上面図で見たときのそれぞれの前記第1の補償層(31)の主側面の面積容量Aから計算されること、
のうちの少なくとも1つである、先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項9】
前記高さの差(ΔH)が、前記第1の補償層(31)の前記厚さ(T)の70%未満に達する、
先行する請求項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項10】
前記高さの差(ΔH)が、前記半導体チップ(2)の最大高さ(H)の30%未満に達する、
先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項11】
- 前記細孔(6)が、円筒形状、楕円形状、丸みを帯びた底部および頂部を有する円筒の形状のうちの少なくとも1つであること、ならびに、
- 前記細孔(6)のアスペクト比が、1.5以上20以下であること、
のうちの少なくとも1つである、先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項12】
前記細孔(6)が、互いに平行に揃えられ、前記細孔(6)の最長範囲の軸線が、最も近い前記半導体チップ(2)から離れる方を指す、
先行する請求項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項13】
前記細孔(6)が、0.1mm以上2mm以下の平均直径を有し、
前記細孔(6)の体積比が、5%以上80%以下である、
先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項14】
- 前記第1の補償層(31)が、それぞれ、前記半導体チップ(2)に向かう方向において、1GPa以上60GPa以下のヤング率を有すること、および、
- 前記第1の補償層(31)が、それぞれ、横方向長さ1mm当たり少なくとも50μmの厚さ変化用に構成されること、
のうちの少なくとも1つである、先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【請求項15】
- 前記半導体チップ(2)が、電力半導体チップであること、および、
- 前記第1の補償層(31)が、それぞれ、少なくとも1A/cm
2の電流密度用に構成されること、
のうちの少なくとも1つである、先行する請求項のいずれか1項に記載のチップパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
チップパッケージが提供される。
【背景技術】
【0002】
文献米国特許第6,320,268B1号は、その接触が圧力によってなされる少なくとも1つの半導体チップが接触要素を介して主接続部に電気的に接続される、電力半導体モジュールに言及している。
【0003】
文献米国特許出願公開第2002/0005578A1号、特開2014-127536、特開2005-209784、および米国特許出願公開第2014/0110827A1号は、半導体デバイスに言及している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決すべき問題は、半導体チップが効率的に取り付けられ得るチップパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、とりわけ、独立請求項に記載されたチップパッケージによって達成される。例示的なさらなる発展が、従属請求項の主題を構成する。
【0006】
例えば、チップパッケージは、機械的に弾性的に変形可能である導電性補償層を備える。したがって、半導体チップが補償層により例えばベースプレートに押し付けられるときに、補償層により半導体チップ間の高さの差が補償され得る。したがって、半導体チップのそれぞれにばね要素を個別に割り当てる必要なしに複数の半導体チップをベースプレートに押し付けるために、複数の半導体チップに対して共通の補償層が使用され得る。
【0007】
少なくとも1つの実施形態では、チップパッケージは、導電性である少なくとも1つの第1の補償層と、少なくとも1つの第1の補償層上に配置されかつ少なくとも1つの第1の補償層によって電気的に接触される複数の半導体チップと、を備える。少なくとも1つの第1の補償層は、複数の細孔を備え、かつ、少なくとも1つの第1の補償層が半導体チップ間の高さの差を補償するように構成されるように、弾性的に変形可能である。
【0008】
多くの異なるタイプの電気変換器が、機械式クランプシステムを用いてそれらを直列接続に積み重ねることの容易さのために、プレスパックモジュールを利用する。例えば、促進された機械式クランピングのために、プレスパックモジュールはサブモジュールに分割される。各サブモジュールは、予め定められた同一の数のチップを含み得る。定格電流は、必要数のサブモジュールを並列接続することによって得られる。このモジュール設計では、多数のチップが電気的にも機械的にも並列にセットされる。この種のプレスパックモジュールは、適切に動作するために、モジュールに存在する全てのチップにわたるクランプ力の一様な分布を実現することを必要とする。1つの可能な解決策は、比較的複雑でありかつ高価である個別のばねシステムに依存するものであり、つまり、1つの半導体チップにつき1つのばねを使用するものである。別の可能性は、その代わりに非常に厳しい機械公差に依存することであり、これもまた費用がかかり、スタック組立体を複雑にする。
【0009】
そのようなプレスパックモジュールは、それらのコレクタとエミッタ端子とを接続するために、それらが機械的スタックにおいてクランプされることを必要とするように設計される。この構想は、非常に低い接触抵抗および高い通電能力の可能性を提供する。しかし、そうするためには、モジュールは、全ての半導体チップにわたるクランプ力の一様な分布を実現しなければならない。クランプ力が均一に分布されない場合、1つのチップが他のチップよりも多くの電流を運ぶ可能性があり、これは、モジュールの性能およびその寿命を著しく低下させる。加えて、プレスパックモジュールが完全に平坦でないかまたは不均一な平坦さを補償しない場合、プレスパックモジュールの積み重ねられる能力は大いに低下し、半導体チップがひび割れし得る可能性が大いに高められる。このことが、1つのスタックに乗せられ得るモジュールの数を制限している。
【0010】
本明細書において説明される半導体チップパッケージでは、ばね様の構造、つまり少なくとも1つの補償層が、チップパッケージ内またはチップパッケージを備えるモジュール内に存在する全ての半導体チップにわたってクランプ力を一様に分布するために使用される。
【0011】
このチップパッケージは、パッケージの積重ね頑健性を保ちながら、他の解決策において使用される高価な多ばねパッケージの排除を可能にする。
【0012】
要約すれば、本明細書において説明されるチップパッケージを使用すると、例えばサブモジュール設計において、1つまたは複数の補償層が使用される。少なくとも1つの補償層は、以下の特性を個別にまたは任意の組み合わせで有し得る:
- 補償層は、サブモジュール組立体に含まれる様々な部品、例えば様々な高さを有する半導体チップに由来する不均一な平坦さおよび厚さの違いを補償するために、弾性がある。
【0013】
- 補償層はまた、組立許容差を補償するために変形した後でそれぞれの半導体チップへの予め定められた力を生成する、ばね様の性能を有し得る。
【0014】
- 補償層はまた、優れた熱的および電気的な導体であり得る。銅またはアルミニウムのような金属は、優れた電気的および熱的な導体であるが、それらの通常の塊形状では、柔軟性およびばね様の効果が欠けている。
【0015】
後者の2つの特性は、例えば、高度に多孔質の構造を内部に作り出すことにより、少なくとも1つの補償層の金属に導入され得る。ばね様の効果を得ることに加えて、全ての細孔は、長手方向に引き伸ばされてもよく、また、予め定められた方向に配向されてもよい。長手方向の細孔の的確な配向は、具体的な用途に必要とされるばね定数に応じて決定され得る。金属に導入される細孔の数は、例えば、不均一な平坦さへの適合性と伝導特性との間の妥協点である。
【0016】
少なくとも1つの実施形態によれば、チップパッケージは、ベースプレートをさらに備える。例えば、ベースプレートは、銅またはアルミニウムまたはモリブデンのような金属のものである。酸化被膜が電気接触を妨げるのを回避するために、ベースプレートは、ニッケルおよび/またはリン酸塩、例えばいわゆるNiPを含むコーティングを備え得る。同じことが、少なくとも1つの補償層に当てはまる。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、半導体チップは、ベースプレートと少なくとも1つの第1の補償層との間に直接設置される。したがって、半導体チップは、ベースプレートおよび少なくとも1つの第1の補償層と物理的に接触することができ、そこで、ドライ接点により、つまりハンダ、焼結層、などを伴わずに、接触され得る。
【0018】
ここで、また、以下において、「第1の」補償層は、半導体チップと直接接触している少なくとも1つの補償層である。さらなる補償層も存在し得る。第1の補償層に関連して以下で論じられる全ての機械的特性、電気的特性、および熱的特性は、第2の補償層および第3の補償層のような他の補償層にも当てはまることがあり、その逆も同様である。
【0019】
少なくとも1つの実施形態によれば、ベースプレートは、硬質で弾性のないプレートである。「硬質で弾性のない」は、チップパッケージの適切なまたは通常の使用を意味するものとする。例えば、少なくとも1つの補償層と比較すると、ベースプレートは、少なくとも1つの補償層のヤング率の少なくとも3倍または少なくとも10倍を超えるヤング率を有する。ここで、また、以下において、それぞれのヤング率は、半導体チップが配置されるベースプレートの側に垂直な方向に沿って、または、半導体チップの上面に垂直な方向に沿って確かめられ得る。したがって、ベースプレートに対して、少なくとも1つの補償層は軟質であると考えられてよく、ベースプレートではなくそれぞれの補償層だけが変形されてよく、例えば弾性的に変形されてよい。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの補償層およびベースプレートは、それらの間に半導体チップを有して互いに圧迫されるように構成される。例えば、少なくとも1つの補償層とベースプレートとを互いに圧迫するために使用される圧力は、少なくとも0.1MPa、少なくとも0.3MPa、または少なくとも1MPaである。あるいは、またはさらに、この圧力は、最大で15MPa、または最大で3MPaである。圧力は、割り当てられた全ての半導体チップの断面積の和によって割られたそれぞれのベースプレートと補償層との間のクランプ力として計算されてよく、断面積は、クランプ力に対して垂直である。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、チップパッケージは、少なくとも1つの支柱をさらに備える。例えば、支柱は、少なくとも1種類の金属のものである。少なくとも1つの補償層と比較すると、少なくとも1つの割り当てられた支柱は、硬質であり得る。例えば、少なくとも1つの支柱は、少なくとも1つの補償層のヤング率の少なくとも3倍または少なくとも10倍を超えるヤング率を有する。
【0022】
少なくとも1つの実施形態によれば、チップパッケージは、少なくとも1つの第2の補償層を備える。少なくとも1つの第2の補償層もまた、細孔を備えることができ、かつ、少なくとも1つの第1の補償層と等しくまたは同様に、機械的にならびに電気的におよび熱的に構成され得る。例えば、少なくとも1つの第2の補償層のヤング率、および、少なくとも1つの第1の補償層のヤング率は、最大で1.5倍または最大で1.2倍異なる。少なくとも1つの第2の補償層および少なくとも1つの第1の補償層は、前述の倍数が少なくとも1.2もしくは少なくとも1.5、かつ/または最大で5もしくは最大で2であるように、互いに意図的に異なることが可能である。
【0023】
支柱および少なくとも1つの第2の補償層が存在する場合、支柱は少なくとも1つの第2の補償層と少なくとも1つの第1の補償層との間に設置されることが可能である。したがって、少なくとも1つの第2の補償層は、少なくとも1つの支柱の、少なくとも1つの第1の補償層から離れた側に配置される、少なくとも1つの補償層であり得る。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、チップパッケージは、少なくとも1つの第3の補償層を備える。少なくとも1つの第3の補償層もまた、細孔を備えることができ、かつ、少なくとも1つの第1の補償層と等しくもしくは同様にかつ/または少なくとも1つの第2の補償層と等しくもしくは同様に、機械的にならびに電気的におよび熱的に構成され得る。例えば、少なくとも1つの第3の補償層のヤング率、および、少なくとも1つの第1の補償層のヤング率は、最大で1.5倍または最大で1.2倍異なる。少なくとも1つの第3の補償層および少なくとも1つの第1の補償層は、前述の倍数が少なくとも1.2もしくは少なくとも1.5、かつ/または最大で5もしくは最大で2であるように、互いに意図的に異なることが可能である。
【0025】
例えば、少なくとも1つの第3の補償層は、半導体チップの少なくとも1つの第1の補償層から離れた側、例えばベースプレートの半導体チップから離れた側に設置される、少なくとも1つの補償層である。
【0026】
少なくとも1つの実施形態によれば、細孔は、非球形状のものである。例えば、細孔は、円筒形状、楕円形状、丸みを帯びた底部および頂部を有する円筒の形状のうちの少なくとも1つである。したがって、細孔は、柱様のまたはコラム様の形状を有し得る。全ての柱が同じ形状のものであること、または、柱の形状の意図的な差異が存在することが、可能である。例えば、球形の細孔が円筒形の細孔と組み合わせられてもよい。
【0027】
少なくとも1つの実施形態によれば、細孔のアスペクト比は、少なくとも1.5もしくは少なくとも4であり、かつ/または、最大で20、最大で10、もしくは最大で5である。例えば、特定の細孔のアスペクト比は、最長範囲に垂直な方向における最大横方向範囲によって割られた、直線に沿った前述の細孔の最長範囲であってもよく、最長範囲は、最大横方向範囲よりも大きいかまたはそれに等しい。
【0028】
少なくとも1つの実施形態によれば、細孔は、互いに平行に揃えられる。これは、細孔の最長範囲の軸線が、最も近い半導体チップから離れる方を指すことを意味し得る。例えば、前述の軸線は、最大で30°、最大で20°、または最大で10°の許容差で、互いに平行である。あるいは、またはさらに、前述の軸線、または前述の軸線のうちの少なくともいくつかは、例えば、最大で30°、最大で20°、または最大で10°の許容差で、半導体チップが配置されるベースプレートの側に対して垂直に配向される。
【0029】
少なくとも1つの実施形態によれば、全体的なそれぞれの補償層上の細孔の体積比は、少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも20%である。あるいは、またはさらに、前述の比は、最大で80%、最大で70%、最大で60%、最大で45%、または最大で30%である。例えば、前述の比は、10%以上60%以下、または10%以上30%以下である。したがって、体積比は、比較的に小さい可能性がある。
【0030】
少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの補償層は、半導体チップに向かう方向において、少なくとも1GPa、少なくとも2GPa、または少なくとも5GPaのヤング率を有する。あるいは、またはさらに、前述のヤング率は、最大で60GPaであるか、最大で40GPaであるか、最大で20GPaであるか、または最大で10GPaである。
【0031】
本明細書において説明されるチップパッケージが、例示的な実施形態として、図面を参照しながら以下により詳細に説明される。個々の図において同じである要素は、同じ参照番号を用いて示される。要素間の関係は、一定の縮尺で示されておらず、むしろ、個々の要素は、理解を助けるために大きく誇張されて示されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本明細書において説明されるチップパッケージの例示的な実施形態の概略断面図である。
【
図2】本明細書において説明されるチップパッケージの例示的な実施形態の概略断面図である。
【
図3】本明細書において説明されるチップパッケージのための第1の補償層の例示的な実施形態の概略断面図である。
【
図4】本明細書において説明されるチップパッケージのための第1の補償層の例示的な実施形態の概略断面図である。
【
図5】本明細書において説明されるチップパッケージの例示的な実施形態の概略断面図である。
【
図6】本明細書において説明されるチップパッケージの例示的な実施形態の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、チップパッケージ1の例示的な実施形態を示す。チップパッケージ1は、第1の補償層31と、第1の補償層31の取付け側30上に配置された複数の半導体チップ2とを備える。
【0034】
例えば、半導体チップ2は、以下の群、すなわち、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲート半導体電界効果トランジスタ(MISFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、および接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)またはゲート転流サイリスタ(GCT)のようなサイリスタ、ダイオードから選択される。
【0035】
例えば、半導体チップ2、または半導体チップ2のうちの少なくとも1つもしくはいくつかは、少なくとも1Aのまたは少なくとも20Aの最大電流用に構成される。あるいは、またはさらに、半導体チップ2は、少なくとも0.2kV、少なくとも0.6kV、または少なくとも1.2kVの最大電圧用に構成される。言い換えれば、半導体チップ2は、電力半導体チップであり得る。
【0036】
例えば、チップパッケージ1は、例えばハイブリッド車両もしくはプラグイン電気車両においてまたは列車における、バッテリからの直流を電気モータのための交流に変換するための、車両内の電力モジュールのためのものである。さらに、電力半導体デバイスは、例えば自動車のような車両におけるヒューズであり得る。チップパッケージ1は、変圧器のような電源スイッチにおいて使用されることも可能である。チップパッケージ1は、プレスパックモジュール、またはプレスパックモジュールの一部であってもよい。
【0037】
全ての半導体チップ2は、同じ種類のものであってもよい。この場合、製造公差に起因して、半導体チップ2は様々な高さHを有し得る。したがって、半導体チップ2間の高さの差ΔHが存在し得る。取付け側30の上方の様々な高さHはまた、取付け側30の不均一さまたは粗さから生じ得る。さらに、様々な種類の半導体チップ2が使用されることが可能である。例えば、チップパッケージを通る様々な電流方向を考慮するために、IGBTおよびダイオードが一緒に使用され得る。様々な種類の半導体チップ2を使用することにより、比較的に大きな高さの差ΔHがもたらされ得る。
【0038】
例えば、高さの差ΔHは、半導体チップ2の最大高さHの少なくとも1%、少なくとも5%、または少なくとも10%に達する。あるいは、またはさらに、前述の高さの差ΔHは、最大で半導体チップ2の最大高さHの70%、50%、または30%に達する。
【0039】
例えば、最大高さHは、少なくとも0.1mm、または少なくとも0.4mmである。あるいは、またはさらに、前述の最大高さHは、最大で2mm、最大で0.7mm、または最大で0.5mmである。例えば、最大高さHは、0.2mm以上0.5mm以下である。
【0040】
第1の補償層31は、半導体チップ2が例えばドライ接点により
図1に示されていない別の構成要素に電気的に接触するためにそれらの構成要素に対して圧迫されるときに、高さの差ΔHを補償するように構成される。したがって、第1の補償層31は、取付け側30と反対の側を向く半導体チップ2の全ての側面を平らな硬い表面によって接触させることを可能にするために、機械的に変形可能である必要がある。第1の補償層31はまた、半導体チップ2への圧力を維持する必要がある。したがって、第1の補償層31は、ばねのように弾性的に変形可能である必要がある。
【0041】
この目的のために、第1の補償層31は、内部構造を有する。例えば、第1の補償層31の内側構造は、発泡体のようである。したがって、第1の補償層31は、複数の細孔6を備え得る。例えば、第1の補償層31全体の細孔の体積比は、少なくとも5%、または最大で80%であり、また、10%以上60%以下、または10%以上30%以下であり得る。
【0042】
半導体チップ2は電力半導体チップであり得るので、体積比は、高い通電特性を可能にするために、および、第1の補償層31を通じた半導体チップ2の効果的な冷却を達成するために、比較的に小さくてもよい。例えば、第1の補償層は、少なくとも1A/cm2、少なくとも5A/cm2、少なくとも10A/cm2、または少なくとも50A/cm2の電流密度用に構成される。これらの電流密度は、取付け側30の反対側の第1の補償層31の裏側34に垂直な方向を意味し得る。裏側34は、平面の形状のものであり得る。
【0043】
例えば、第1の補償層31の最大厚さTは、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、または少なくとも0.8mmである。あるいは、またはさらに、前述の厚さTは、最大で5mm、最大で3mm、または最大で1.5mmである。例えば、前述の厚さは、0.3mm以上3mm以下である。したがって、少なくとも1つの第1の補償層の厚さTは、例えば、0.2mm以上5mm以下であり、少なくとも1つの第1の補償層の最小直径は、厚さTの少なくとも3倍を超えてもよい。
【0044】
第1の補償層31は、円板形状のものであり得る。これは、第1の補償層31が厚さHよりもはるかに大きな幅を有することを意味し得る。例えば、第1の補償層31の最小直径は、厚さTの少なくとも3倍、少なくとも10倍、または少なくとも30倍を超える。あるいは、またはさらに、前述の倍数は、最大で300、または最大で100である。裏側34の上面図で見て、正方形の第1の補償層31の場合、最小直径は辺長であってもよく、長方形の裏側34の場合、最小直径は、最も短い辺長であってもよい。他の場合には、最小直径dは、d=(4A/π)0.5の通りに、裏側34の面積容量Aから計算され得る。
【0045】
少なくとも1つの実施形態によれば、高さの差ΔHは、第1の補償層31の厚さTの少なくとも1%、もしくは少なくとも5%、かつ/または、最大で70%、最大で50%、最大で30%、もしくは最大で15%に達する。例えば、高さの差ΔHは、少なくとも1つの第1の補償層31の厚さTの1%以上30%以下に達する。
【0046】
少なくとも1つの実施形態によれば、第1の補償層31は、純銅、または純アルミニウム、または純モリブデンのものである。用語「純」は、第1の補償層31がそれぞれの金属の少なくとも99質量%または少なくとも99.8質量%のものであることを意味し得る。したがって、第1の補償層31の機械的特性は、その内部構造、すなわち細孔6によって得られ、合金によって得られるのではないか、または実質的に合金によって得られるのではない。合金化、例えばBeを含むAlは、ヤング率を所望の態様で低下させ得るが、導電率も大幅に低下させ得る。したがって、例えば電力半導体チップ2を使用する場合、そのような合金は、第1の補償層31の導電率を所望に応じて高く保つために、避けられるべきである。あるいは、優れた導電率を有する任意の他の金属または金属合金が、第1の補償層31、第2の補償層32、および/または第3の補償層33のために使用され得る。
【0047】
図2では、チップパッケージ1の別の例示的な実施形態が示されている。この場合、チップパッケージ1はまた、ベースプレート4を含む。例えば、ベースプレート4は、例えば銅、モリブデン、またはアルミニウムで作られた、塊状の金属プレートである。したがって、ベースプレート4は、いかなる内側構造も含まなくてよいが、均質な金属片であり得る。
【0048】
したがって、ベースプレート4は、第1の補償層31よりもはるかに硬質でありかつ柔軟性がない。第1の補償層31とベースプレート4とを互いに圧迫することにより半導体チップ2が電気的および熱的に接触されたときに、基本的に第1の補償層31のみが変形し、ベースプレート4は変形しない。
【0049】
つまり、半導体チップ2の高さの差は、半導体チップ2を第1の補償層31の取付け側30に押し付けることにより、第1の補償層31によって補償される。この圧迫において、裏側34は、裏側34が依然として平面状かつ均一な形状のものであり得るように、図示されていないさらなる層によって支持され得る。
【0050】
したがって、第1の補償層31を使用することにより、半導体チップ2間の高さの差は、例えば1対1の態様で半導体チップ2に割り当てられる個別のばねが省略され得るように、単一の構成要素によって補償され得る。
【0051】
その他の点では、
図1と同じことが
図2にも当てはまり得る。
図3および4では、第1の補償層31の可能な構成が示されている。全てのこれらの構成において、取付け側30および平面状の裏側34は、細孔6を含まないことが可能である。したがって、取付け側30および平面状の裏側34は、細孔6からもたらされるいかなる空隙または穴も含まなくてよい。そうでなければ、取付け側30または裏側34に及ぶいくつかの細孔6が存在し得るが、例えば、取付け側30および/または裏側34の少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%は、細孔6を含まない。取付け側30から平面状の裏側34にまで及ぶ連続的な細孔または穴が存在しないことが可能である。
【0052】
取付け側30および/または裏側34は、例えば、それらの側上の電気絶縁酸化膜を回避するために、図示されていないコーティングを備えることができる。
【0053】
図3によれば、細孔6は、細長い形状のものである。したがって、細孔6のアスペクト比は、少なくとも1.5、もしくは少なくとも4、かつ/または、最大で20、最大で10、もしくは最大で5であってもよく、また、1.5以上10以下であってもよい。細孔6の全てが、円筒形または楕円形のようなおおよそ同じ形状のものであることが、可能である。
【0054】
例えば、裏側34に垂直な方向に1つだけの細孔6の層が存在する。全ての細孔6、または細孔6のほとんどが、互いに平行に、または互いにおおよそ平行に揃えられてもよい。用語「おおよそ」は、最大で30°、最大で20°、または最大で10°の許容差を意味し得る。
【0055】
一選択肢として、例えば裏側34に垂直なまたはおおよそ垂直な直線に沿った前述の細孔の最長範囲は、第1の補償層31の厚さの少なくとも60%、もしくは少なくとも70%、かつ/または、最大で95%、もしくは最大で80%に達する。したがって、細孔6は、優れた熱的および電気的接触を可能にするために、取付け側30および裏側34に到達することなしに、第1の補償層31をほとんど完全に貫通し得る。
【0056】
そのような第1の補償層31は、例えば、適切なサイズの金属粒子と有機粒子とを混合し、次いで有機粒子が消滅する間に金属粒子を互いに焼成または溶融することによって作製され得る。次いで、得られた材料は、細長い細孔6を得るために異方的に延伸され得る。金属粒子および有機粒子のサイズ、ならびに体積比を適切に選択することにより、第1の補償層31の特性が調整され得る。
【0057】
例えば、細孔6の平均直径は、少なくとも0.1mm、もしくは少なくとも0.3mm、かつ/または、最大で2mm、もしくは最大で1.2mmであり、また、0.1mm以上2mm以下であり得る。例えば、前述の平均直径dmは、dm=(6V/π)1/3により、それぞれの細孔6の体積Vから計算され得る。
【0058】
図4では、細孔6の2つ以上の層が存在し得ることが示されている。例えば、平均して2つの細孔6の層が上下に存在する。さらに、細孔6は、より大きなサイズのばらつきおよび/または形状のばらつきを有し得る。
【0059】
その他の点では、
図1および2と同じことが
図3および4にも当てはまる場合があり、その逆も同様である。
【0060】
図5では、チップパッケージ1のより複雑な例示的な実施形態が示されている。例えば、チップパッケージ1は、複数のサブモジュール7を備える。サブモジュール7のそれぞれは、1つの半導体チップ2、または複数の半導体チップ2を備え得る。例えば、1つのサブモジュール7につき、半導体チップ2のうちの少なくとも6個、もしくは少なくとも9個、かつ/または、最大で36個、もしくは最大で16個が存在する。
【0061】
さらに、サブモジュール7のそれぞれは、チップパッケージ1が複数の第1の補償層31を備えるように、それ自体の第1の補償層31を含むことができ、第1の補償層31のそれぞれには、半導体チップ2のうちのいくつかが存在する。
【0062】
一選択肢として、サブモジュール7は、支柱5を含み得る。例えば、支柱5は、例えば銅、またはアルミニウム、またはモリブデンのものであり得る塊状の金属ブロックである。したがって、ベースプレート4と同様に、支柱5は、第1の補償層31と比較して硬質である。支柱5と第1の補償層31との間に1対1の割当てが存在することが可能である。支柱5は、いずれの場合にも、第1の補償層31の裏側34と直接接触することができる。
【0063】
支柱5および第1の補償層1は、場合により、支柱5および第1の補償層1の位置ずれを回避するために、内部ホルダ82に貼り付けられ得る。さらなる選択肢として、チップパッケージ1は、例えばセラミックで作られたモジュールフレーム83を含むことができる。モジュールフレーム83は、裏側34の上面図で見て、リング形状のものであってもよい。
【0064】
ベースプレート4は、全てのサブモジュール7のための共通のベースプレートであることが可能である。したがって、全ての第1の補償層31は、ベースプレート4上に直接設置され得る。そうでなければ、サブモジュール7のそれぞれまたはサブモジュール7の群のためのベースプレート4が存在してもよい。
【0065】
さらに、第2の補償層32が存在することが可能である。第2の補償層32は、第1の補償層31から離れた支柱5の側に直接存在してもよい。全てのサブモジュール7が、同じ第2の補償層32上に設置されてよく、または、示されたもの以外の複数の第2の補償層32が存在する。
【0066】
さらなる選択肢として、チップパッケージ1は、第2の補償層32の上にカバープレート81を含むことができる。例えば、カバープレート81は、全てのサブモジュール7を覆う共通のプレートであり、また、半導体チップ2のためのエミッタ接点であり得る。したがって、ベースプレート4は、ドレイン接点またはコレクタ接点であり得る。第2の補償層32により、一様な圧力およびクランプ力を全ての支柱5に印加することができ、第1の補償層31は、支柱5の側面による損傷を防がれ得る。
【0067】
さらなる選択肢として、チップパッケージ1は、あるいは、またはさらに、第3の補償層33を含むことができる。例えば、第3の補償層33は、半導体チップ2から離れたベースプレート4の側に設置される。第3の補償層33を有することにより、一様な圧力およびクランプ力をベースプレート4に印加することができる。
【0068】
全ての補償層、つまり第1の補償層31、第2の補償層32、および第3の補償層33は、同じ内側構造、つまり、同じ種類の細孔6、同じ材料、および同じ厚さを有し得る。したがって、補償層31、32、33の間の唯一の違いは、横寸法または辺長であり得る。
【0069】
そうでなければ、補償層31、32、33は、意図された異なる機械的特性を有することが可能である。例えば、カバープレート81および/またはベースプレート4上のより大きな圧力勾配を可能にするために、第1の補償層31よりも大きな第2および第3の補償層32、33が、第1の補償層31よりも硬質であってもよい。
【0070】
例えば、半導体チップ2に向かう方向および/または裏側34に垂直な方向において、補償層31、32、33は、2GPa以上20GPa以下のヤング率をそれぞれが有する。第1の補償層31は、横方向長さ1mm当たり少なくとも50μm、少なくとも0.1mm、または少なくとも0.3mmの厚さ変化の弾性厚さ勾配用に構成されることが可能である。つまり、裏側34に平行な方向における1mmの距離にわたって、少なくとも50μmの厚さの差が補償され得る。したがって、半導体チップ2は、第1の補償層31上に比較的密に詰め込まれ得る。可能とされる厚さ勾配に関して、第2および第3の補償層32、33にも同じことが当てはまり得る。
【0071】
チップパッケージ1においてドライ接点のみが存在することが可能である。したがって、半導体チップ2と補償層31、32、33とベースプレート4と支柱5とカバープレート81との間には、ハンダ層または焼結層が存在しないが、それらの構成要素は、圧力によってのみ電気的に接続される。そのような圧力を提供するばねまたはクランプは、チップパッケージ1内にあってもよく、または、図示されていない外部構成要素であってもよい。
【0072】
その他の点では、
図1から4と同じことが
図5にも当てはまる場合があり、その逆も同様である。
【0073】
図6では、チップパッケージ1の別の例示的な実施形態の上面図が示されている。取付け側30上には、例えば規則的な格子に配置された複数の半導体チップ2が存在する。IGBTおよびダイオードのような、様々な厚さを有する様々なタイプの半導体チップ2が存在し得る。
【0074】
半導体チップ2は、辺長Lを有し得る。例えば、辺長Lは、少なくとも0.2mm、かつ/または、最大で2mm、もしくは最大で2cmである。隣り合う半導体チップ2間の距離Dは、辺長Lよりも短くてもよい。例えば、前述の距離Dは、辺長Lの少なくとも10%、もしくは少なくとも25%、かつ/または、最大で100%、最大で80%、もしくは最大で65%に達し得る。
【0075】
その他の点では、
図1から5と同じことが
図6にも当てはまる場合があり、その逆も同様である。
【0076】
図に示された構成要素は、そうでないことが示されていない限り、指定の順序で直接続くことが好ましい。図において接触していない構成要素は、互いに離間されることが好ましい。線が互いに平行に描かれている場合、対応する表面は、互いに平行に配向されることが好ましい。同様に、そうでないことが示されていない限り、描かれた構成要素の互いに対する位置は、図では正しく再現されている。
【0077】
本明細書において説明されるチップパッケージは、例示的な実施形態に基づく説明によって制限されない。むしろ、チップパッケージは、任意の新規の特徴を、また、特許請求の範囲における特徴の任意の組み合わせを特に含む任意の特徴の組み合わせを、たとえその特徴またはその特徴の組み合わせが特許請求の範囲または例示的な実施形態において明確に指定されていなくとも、包含する。
【0078】
本特許出願は、その開示内容が参照により本明細書に援用される、ヨーロッパ特許出願2116 3949.7の優先権を主張するものである。
【符号の説明】
【0079】
符号のリスト
1 チップパッケージ
2 半導体チップ
30 取付け側
31 第1の補償層
32 第2の補償層
33 第3の補償層
34 平面状の裏側
4 ベースプレート
5 支柱
6 細孔
7 サブモジュール
81 カバープレート
82 内部ホルダ
83 モジュールフレーム
D 半導体チップ間の距離
ΔH 半導体チップ間の高さの差
H 半導体チップの最大高さ
L 半導体チップの辺長
T 第1の補償層の厚さ
【国際調査報告】