(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】穀物用の湿潤装置
(51)【国際特許分類】
B02B 1/06 20060101AFI20240409BHJP
B05B 17/00 20060101ALI20240409BHJP
B05B 1/14 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B02B1/06 A
B05B17/00
B05B1/14 Z
B02B1/06 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558365
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2022058770
(87)【国際公開番号】W WO2022214401
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(31)【優先権主張番号】CH070139/2021
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523359331
【氏名又は名称】スウィスカ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】SWISCA AG
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シュテップラー, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】シュテップラー, ゲオルク
【テーマコード(参考)】
4D043
4D074
4F033
【Fターム(参考)】
4D043BB05
4D043BC02
4D043BC13
4D043BC14
4D043BC32
4D043DA04
4D043DB04
4D043HB05
4D043JA15
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4D043MA02
4D074AA10
4D074BB03
4D074FF01
4D074FF04
4D074FF14
4F033AA09
4F033BA04
4F033EA02
4F033LA09
4F033LA12
4F033NA01
(57)【要約】
前述のタイプの穀物用の湿潤装置(1)は、容器入口(11)および容器出口(12)を有する容器を備え、容器入口(11)および容器出口(12)は、容器入口に流入する穀物が重力の作用により容器出口に到達するように配置される。複数のノズル(36、37)は、容器の内部で穀物を湿潤する役割を果たす。湿潤装置は、例えば衝突要素によって形成された流れ案内装置を容器の内部にさらに備え、この流れ案内装置によって、容器入口に流入して下方に落下する穀物の流れが成形される。ノズル(36、37)は、そこを通って出る液体および/または蒸気が、穀物が自由落下している間に、流れ案内装置の下方の穀物に当たるように配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器入口(11)および容器出口(12)を有する容器を備える穀物用の湿潤装置(1)であって、前記容器入口(11)および前記容器出口(12)は、前記容器入口に流入する穀物が重力の作用により前記容器出口に到達するように配置され、前記湿潤装置が、前記容器の内部の前記穀物を湿潤させるための複数のノズル(36、37)を備え、前記容器入口に流入して下方に落下する穀物の流れを成形する、前記容器の内部の流れ案内装置によって特徴付けられ、前記複数のノズル(36、37)は、前記穀物の自由落下中に、前記複数のノズル(36、37)を通って出る液体および/または蒸気が前記流れ案内装置の下方の前記穀物に当たるように配置される、湿潤装置(1)。
【請求項2】
前記流れ案内装置が、前記容器入口(11)を通って流入する穀物が当たり、以降前記穀物を偏向させる中央衝突要素(21)を備える、請求項1に記載の湿潤装置。
【請求項3】
前記流れ案内装置が、前記流れ案内装置から下方に落下する穀物の前記流れを少なくとも複数の領域に分割する複数の外側衝突要素(23)を備える、請求項1または2に記載の湿潤装置。
【請求項4】
前記外側衝突要素(23)が、外側に向かって上昇するように配置される、請求項3に記載の湿潤装置。
【請求項5】
前記流れ案内装置が、中央リングと、前記中央リングから半径方向外側に延びる複数の放射構造とを備える通過流断面積を画定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の湿潤装置。
【請求項6】
前記複数のノズルが、内側から外側への噴霧方向を有する複数の内側ノズルと、外側から内側への噴霧方向を有する複数の外側ノズル(37)とを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の湿潤装置。
【請求項7】
前記複数の内側ノズル(36)が、中央衝突要素(21)のホルダに配置され、かつ/または、前記複数の外側ノズル(37)が、前記容器の部分的に環状円筒形の容器壁の円周に沿って配置される、請求項6に記載の湿潤装置。
【請求項8】
前記複数のノズル(36、37)の少なくともいくつかが、ファンジェットノズルとして設計される、請求項1~7のいずれか一項に記載の湿潤装置。
【請求項9】
前記容器が、穀物が置かれたままになり得る、前記容器入口(11)の下方の内側水平面を含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載の湿潤装置。
【請求項10】
通常の使用中に移動する要素を含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載の湿潤装置。
【請求項11】
前記容器壁および前記流れ案内装置の表面をすすぐために、洗浄流体を前記容器に導入することができる複数の洗浄ノズルを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の湿潤装置。
【請求項12】
複数の洗浄スプレーボール(141)、および/または、前記容器内部に伸長することができ、複数の洗浄ノズルのうちの少なくとも1つをそれぞれ有するノズル要素を有する複数の洗浄ランス(41、42)を備える、請求項11に記載の湿潤装置。
【請求項13】
前記複数の洗浄ノズルが、前記流れ案内装置の上方に配置された複数の上部洗浄ノズルと、前記流れ案内装置の下方に配置された複数の下部洗浄ノズルとを備える、請求項11または12に記載の湿潤装置。
【請求項14】
前記流れ案内装置の下方に配置され、前記容器出口(12)を通る前記穀物の流れを閉ループ制御することができる蓄積閉ループ制御装置を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の湿潤装置。
【請求項15】
前記蓄積閉ループ制御装置を介した処理量の前記閉ループ制御のために、穀物レベルが前記蓄積閉ループ制御装置を越えたレベルに到達することを決定することができる少なくとも1つのレベルセンサ(75)を備える、請求項14に記載の湿潤装置。
【請求項16】
前記蓄積閉ループ制御装置が、少なくとも2つのフラップウィング(73)を有する蓄積閉ループ制御フラップ(72)である、請求項14または15に記載の湿潤装置。
【請求項17】
少なくとも1つの開口部(52)に接続された中空シャフト(53)を有する出口フラップ(14)によって特徴付けられ、前記出口フラップ(14)の閉状態における前記開口部が、前記容器の内部に開いており、閉じた出口フラップ(14)が与えられると、洗浄流体を前記容器出口(12)を介して流すことなく、前記開口部(52)および前記中空シャフト(53)を介して前記容器の内部から取り除くことができる、請求項1~16のいずれか一項に記載の湿潤装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の湿潤装置(1)と、温度調整セル(101)とを備え、前記温度調整セル(101)は、前記穀物が前記湿潤装置(1)の前記出口(12)から前記温度調整セル(101)へ、それらの間に介在する機械的処理手段なしに直接的に入るように配置される、製粉設備。
【請求項19】
前記温度調整セルの下流に配置された、特にローラミルおよびふるい装置を有する粉砕ユニットをさらに備える、請求項18に記載の製粉設備。
【請求項20】
前記穀物の測定湿度に応じて流体を計量するための制御装置を備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の湿潤装置または請求項18もしくは19に記載の製粉設備。
【請求項21】
特に請求項1~17のいずれか一項に記載の穀物用の湿潤装置を動作させる方法であって、前記湿潤装置が容器を備え、容器入口(11)を介して流入する前記穀物が、重力の影響により前記容器出口に到達し、落下中の前記穀物が液体および/または蒸気で噴霧されることを特徴とする、方法。
【請求項22】
前記穀物の輪郭形成された落下流が前記容器内で生成され、前記輪郭形成された落下流中の前記穀物が、液体または前記蒸気で噴霧されながら下方に落下する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
液体または蒸気の量は、質量が、前記噴霧された穀物の質量の0.5%~12%を占めるように閉ループ制御される、請求項21または22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その後の粉砕製品へのさらなる加工を目的として穀物を湿潤させるための装置に関する。
【0002】
製粉設備では、穀類製品は、その後の処理のために水で噴霧(加湿/湿潤)される。湿潤手順が必要であり、その結果、穀物殻は胚乳から改善された程度まで剥離する。これにより、製粉がより均一になり、歩留まりが向上する。最新技術によれば、本明細書では、噴霧に続いて、穀物と水との最良の可能な混合は、一般に搬送スクリューにおける機械的処理によって達成される。この目的のために、グレインミル内のそれぞれの湿潤装置は、通常、様々な混合設備を備えた水平に置かれた回転シャフトを備える。穀物はこの機器に連続的に流入する。同時に、規定の水量がこの機器に計量供給される。穀粒は、回転シャフトならびに回転シャフトの撹拌および混合要素によって自由水と混合される。湿潤に続いて、穀物はいわゆる温度調整セルに搬送され、さらに処理することができる前に、しばらく、通常は数時間そこで静置される。
【0003】
そのような湿潤装置は、それらの機能およびそれらの構造に関して、予備プロセスにおいて現代の産業用ミルで使用され、とりわけ、汚染物質が溶解している洗浄水を分離することによって穀物中の汚染物質を取り除く目的を有する洗浄設備と混同されるべきではない。
【0004】
実際には、良好な湿潤特性とは別に、さらなる機能が、グレインミルにおける湿潤の重要な方法ステップに置かれる。グレインミルによる製粉手順に必然的に入る圃場細菌叢による穀類の胚芽汚染は避けられない。湿潤装置の内部は、微生物および細菌に成長のための理想的な繁殖条件を提供する。このため、製粉設備の他の装置の場合と同様に、湿潤装置の内部を洗浄する能力は不可欠な要求である。
【0005】
最新技術による湿潤装置は、穀物の機械的混合のための機構が必要であるが、洗浄が困難であるという欠点を有する。特に、要素および空間が湿っており、したがってそれに対応して粘着性の穀物およびさらなる残留物が動作中に常に位置する混合要素および混合空間の洗浄は、多大な労力を必要とし、したがって無視されることが多い。
【0006】
したがって、本発明の目的は、最新技術の欠点を克服する穀物用の湿潤方法および湿潤装置を提供することである。湿潤装置は、特に、その構造が単純であるべきであり、したがって、可能な限り少額の製造費用、特に可能な限り少額の保守費用を必要とする。追加的にまたは代替的に、洗浄が容易でなければならない。湿潤方法は、それに応じて可能な限り単純な湿潤装置の構成が可能になるようにすべきである。
【0007】
この目的は、特許請求の範囲に定義されているような湿潤装置、方法、および製粉設備によって達成される。
【0008】
本発明は、穀物の(規定の)落下流が容器の内部で生成され、落下時にこの穀物が液体および/または蒸気(すなわち、水または水蒸気を用いて、および必要に応じて、いずれの場合も添加剤で富化された水に関する)で噴霧されるというアプローチに基づいている。
【0009】
噴霧手順中の水の温度は、要件に応じて任意の値、すなわち0℃~100℃に設定することができる。蒸気の温度および圧力は、同様に固定動作点に設定されず、変化し得る。
【0010】
穀物が「落下時」に噴霧および/または蒸気に曝されるという事実は、微細な液滴の形態の液体または蒸気が、落下中の穀物に当たり、例えば穀物が基盤に当たるまでは当たらないということがないことを意味する。
【0011】
置いた状態にあるか、または機械的手段によって搬送および/もしくは混合され、かつ互いに接触している穀粒の粒子の塊(バルク粒子)を形成する粒子の噴霧とは対照的に、本質的にすべての穀粒は、既に噴霧および/または蒸気に曝されている湿潤流体(液体および/または蒸気)と直接接触する。このため、粒子のその後の機械的な徹底混合は不要である。例えば搬送スクリューなど、点検および洗浄に多大な労力を必要とする機械式ミキサは、省くことができる。対照的に、湿潤装置は、穀類と接触して穀類を機械的に動かす能動的に駆動される部品を含まないことができる。
【0012】
水の温度は、噴霧手順中に0℃~100℃である。湿潤が少なくとも部分的に蒸気処理によって行われる場合、蒸気の温度および圧力は動作点で固定されず、同様に変化し得る。
【0013】
製粉設備は、穀物が、特定の状況下では容器内の短い滞留時間の後ではあるが、いかなる場合でも、その後の機械的な徹底混合なしに、直接的に、具体的には、温度調整セルが湿潤装置の下にある場合には重力の影響のみに起因して、または単に、温度調整セルが湿潤装置の上もしくは同じ高さにある場合には空気圧手段によって、湿潤装置から温度調整セルに到達するように構築することができる。
【0014】
特に穀物の落下流は、カーテン状であり、局所的に広がり、すなわち水平断面に平坦な輪郭を形成することができる。このようにして、本質的にすべての穀物粒の湿潤は、例えば2つの側面からの噴霧または/または蒸気処理によって行うことができる。
【0015】
特に、落下流は垂直である。これにより、落下流が特に容易に制御可能であることが可能になり、特に全体にわたって大きな粒子が与えられるだけでなく、粒子処理量がより小さい場合、湿潤は、穀粒に水平方向の衝撃を与える必要なく機能する。
【0016】
噴霧および/または蒸気処理は、適切に配置されたノズルによって行うことができる。特に、これらは、本質的に完全な落下流が湿潤されるように配置することができる。
【0017】
特に、落下流は、中空円筒を形成することができ、例えば、半径方向外側に突出するリーフ突起を有する本質的に中空の環状円筒形であることができる。このような落下流は、水平断面において星形であり、したがって、そこから半径方向外側に突出する複数の放射構造を有する円形リングであり、したがって、内側および外側から同時に噴霧および/または蒸気処理するための特に大きな表面積を有する。
【0018】
非常に一般的には、半径方向に延びる分割要素を有する流れ案内装置の設計により、例えば水平断面において半径方向に延びる複数の放射構造を形成することによって、分割された落下流を生成することができる。これにより、表面は特に大きく、特に、外側から作用し、容器の周囲に沿って分布するノズルは、例えばセグメント間で円周方向(方位角方向)に配置されることにより、特に効率的な方法で湿潤させることができる。この目的のために、円周に沿って分布する少なくとも3つの外側ノズルが存在することができ、すなわち、外側ノズルはそれぞれ少なくとも3つの異なる方位角位置に位置する。特に、少なくとも1つの外側ノズルはそれぞれ、2つの外側(半径方向)衝突要素の間の中間空間ごとに存在することができる。
【0019】
湿潤装置は、落下流の正確な形状とは無関係に内側および外側ノズルを備えることができる。内側ノズルは、例えば容器のほぼ軸線上に配置することができる。外側ノズルは、例えば供給導管上など、容器壁に沿ったいくつかの平面に配置され、1つ以上の水平な周辺リングを形成することができる。
【0020】
内側ノズルおよび外側ノズルを有するこのような配置は、構造が特に単純であり、落下流を潜在的に阻止し得る要素が内部に突出していないという利点を有し、噴霧の平面における内部は、中央に配置された内側ノズルおよびその供給のための要素を除いて完全に自由であることができる。
【0021】
しかしながら、例えば、所望の要件に対して最適化された位置にノズルを保持するフレーム上に、ノズルの他の配置を設けることも可能である。
【0022】
ノズルは、特に場合によっては内側ノズルであってもよいが、特定の状況下では、比較的広い噴霧角を可能にするために、外側ノズルもファン噴霧ノズルとして設計することができる。
【0023】
特に、輪郭形成された落下流は、容器の内部、一般にノズルの上方に配置された流れ案内装置によって成形される。従来の方法で入口スライドまたは入口フラップによって閉じることができる入口を通って容器に入る穀物の流れは、流れ案内装置によって所望の表面最適化方法で成形される。流れ案内装置は、表面積(側方表面積)が大きく、可能な限り湿潤が生じやすい落下流が生じるように、垂直穀物流を遅延させて成形する。落下流は、流れ案内装置の下方で、穀物が自由落下する位置において噴霧される。
【0024】
したがって、流れ案内装置は、容器の内部を、流れ案内装置の上方の収集領域と、流れ案内装置の下方の落下領域とに細分化する。
【0025】
このため、以下のような場合が考えられる。
【0026】
粒子が、流れ案内装置の下方で、下方に落下している間にのみ噴霧され、例えば、流れ案内装置に当たっている間、またはこれに沿ってある程度の距離にわたって摺動している間は噴霧されない。
【0027】
粒子は流れ案内装置の平面上でのみ偏向され、そこから粒子はさらなる偏向を受けることなく容器の内部を通って落下する。したがって、例えばカスケード状のガイド面を有する配置とは対照的に、洗浄するのにかなりの労力が必要である、流れ案内装置によって遮蔽される空間は存在することができない。特に、湿潤装置は、流れ案内装置から下方に自由落下する穀物が、容器を底部に区切る容器壁に直接当たるように、または処理量によっては既に収集されて積み重ねられた穀物に、さらに存在する偏向要素、スクリーンなどに当たることがないように設計することができる。
【0028】
緩衝空間は、収集領域および落下領域の下、例えば落下領域に続く容器の中央部分に形成することができ、落下領域は、画定されたまたは視認可能な明確な区切りなしに、緩衝空間に併合することができる。容器は、出口スライドまたは出口フラップによってそれ自体公知の方法で同様に閉じることができる出口によって底部に区切られている。
【0029】
そのような流れ案内装置はまず中央衝突要素を備えることができ、中央衝突要素の寸法は、入口を通って流入した本質的にすべての穀物粒が中央衝突要素(または蓄積がある場合には、既に蓄積された穀物)に当たり、制動されることなく入口から直接容器を通って下方に落下することが防止されるように、入口と適合している。場合によっては、中央衝突要素は、落下線において入口の下にあり、この断面積全体(垂直に沿った投影)を覆うように寸法決めおよび配置される。上向きの衝突面は、特に、穀物粒をすべての側に均一に偏向させるために、凸状に湾曲させることができ、例えば垂直軸線を中心に回転対称とすることができる。
【0030】
流れ案内装置は、外側領域構造にあり、落下流を円周方向に分割する半径方向に延びる分割要素(外側衝突要素)をさらに備えることができ、その結果、上述の放射構造は水平断面を形成する。これらの外側衝突要素はさらに、外側に向かって上昇するように配置することができ、したがって、軸線に向かって下方に先細になり、中心に向かって、および衝突要素間の中間空間によって中断される基部を形成する。この理由のために、特に大きな穀物の流れおよびこれによって引き起こされる蓄積があると、放射構造の半径が自動的に拡大し、これが流れ案内装置が自己調節的に作用する理由であり、穀物のより大きな流れがあると、落下流の側面は増加するが、穀物の密度および落下流の輪郭の厚さは同じままであり、湿潤の効率は損なわれない。
【0031】
特に、外側衝突要素は、上方にアーチ状のウィング、または縁部に向かって上方に先細になるウィングの形状を有することができ、前記翼の幅は半径方向外側に増加し、その頂部は半径方向外側に上昇する。
【0032】
特に、衝突要素は、籾殻を剥離する機能を有しないように湿潤装置内に配置され(すなわち、湿潤手順が穏やかに、衝突要素に対する衝突速度で行われる)、また、穀物が湿潤後に落下する、湿潤装置の下部領域における収集面において穀物の衝突速度が相応に適度であり、実際には穀物の機械的処理が行われないように成形および配置される。
【0033】
特に、容器は、例えば円形断面を有する領域において円筒形であり得る。これは、例えば、中央円筒状領域を備えることができ、これにはとりわけ、噴霧液または蒸気の噴霧ミストが穀物の落下流に当たる領域が属する。円錐形の入口領域および出口領域がそれぞれ上側および下側に存在することができ、前記領域はそれぞれ入口および出口に向かって連続的に先細になる。
【0034】
入口および/または出口は、中心に配置することができ、すなわち、それらのそれぞれの中間軸線は、容器の(垂直)中間軸線と一致することができる。本文書における容器の垂直中間軸線は、単に「軸線」と記載されることがある。
【0035】
容器の断面形状とは無関係に、穀物粒が付着したままであり得る内面が存在しないように湿潤装置を設計することができる。したがって、特に、容器は、上向きに面する表面(肩部など)を形成せず、例えば湾曲したおよび/または傾斜した表面のみを備える衝突要素を除いて、さらなる上向きの表面を有する要素は容器の内部に存在しない。
【0036】
しかしながら、任意選択的に、湿潤された穀物が容器の下部に短時間(典型的には数秒、例えば8~30秒)収容されるように制御される湿潤装置を想定することができる。これは、必要に応じて、続いて配置される温度調整セルにおける水分平衡に加えて、水分平衡化効果を有することができる。
【0037】
容器の下部への収容は、蓄積閉ループ制御装置(蓄積閉ループ制御要素)の助けを借りて行うことができる。ここで、「蓄積閉ループ制御装置」によって記載されるものは、2つの状態(「開放」および「閉止」)の間で切り替えることができるだけでなく、異なる処理量の設定を可能にするという観点で閉ループ制御することができる遮断要素である。そのような蓄積閉ループ制御装置の例は、蓄積閉ループ制御フラップまたは出口スライドである。
【0038】
蓄積閉ループ制御装置は、特に、湿潤された穀物の質量の流れを、蓄積レベルに応じて閉ループ制御するように構成される。特に、蓄積閉ループ制御フラップは、特定の状況下では、出口スライドとは対照的に、穀物が容器から非対称に流出し、その結果、蓄積された製品内において、容器内にかなりの時間滞在し、質量の流れの一部のみが容器から落下する領域が存在することを防止することによって有利であることができる。一例では、2つ(または場合によっては3つ以上)のフラップウィングを有する累積閉ループ制御フラップが使用され、閉状態の前記フラップウィングはそれぞれ流れ断面の一部領域を閉じる。いくつかのフラップウィングを使用することにより、蓄積閉ループ制御フラップの部分的な開放のみであっても、穀物の特に均一な排出が保証される。
【0039】
蓄積の閉ループ制御の目的のために、さらに、少なくとも1つのレベルセンサが存在することができ、それによって、蓄積閉ループ制御装置の上方のレベルへの穀物レベルの到達を決定することができる。少なくとも1つのレベルセンサは、レベルの測定を可能にすることができ、または離散的に作用することができ、すなわち、例えば、特定の所定のレベルの到達を決定することができる。両方の場合において、複数のレベルセンサも存在することができ、第2の場合において、様々なレベルセンサは、異なるレベル高さを決定するように取り付けられる。
【0040】
蓄積閉ループ制御装置は、少なくとも1つのレベルセンサと共に、制御ループに一体化することができ、制御ループは、蓄積閉ループ制御装置による処理量の設定により、仕様に従ってレベルを閉ループ制御し(フラップまたはフラップウィングの位置によって、蓄積閉ループ制御フラップが与えられる)、仕様は、パラメータ(例えば、製品の特性、所望の湿潤、温度など)および/またはユーザによって実行される設定に依存することができる。
【0041】
蓄積閉ループ制御フラップ(または出口側)は、2つの締結フランジ間にクランプすることができ、それにより、フラップまたはスライドを常に分解することができる。
【0042】
蓄積閉ループ制御装置の提供はまた、(特にレベルセンサと一緒に、特に本明細書で説明する閉ループ制御と一緒に)非常に一般的な湿潤装置、すなわち、(容器入口および容器出口を有する)容器と、容器の内部で穀物を湿潤させるための少なくとも1つのノズルとを有する穀物用の湿潤装置のための選択肢でもある。
【0043】
容器は、例えば、容器上部および容器下部を有する2つの部分とすることができる。容器上部および容器下部は、フランジ接続部を介して互いに締結することができる。特に、洗浄装置が存在する実施形態では、一般に、容器上部および容器下部が、わずかな労力で互いに分離可能である必要はない。
【0044】
任意選択的ではあるが、しばしば特に有利な洗浄装置は、例えば、複数の洗浄スプレーボールおよび/または洗浄ランスを備える。そのような洗浄スプレーボールまたは洗浄ランスは、変化しないように位置決めすることができ、または特に洗浄ランスの場合、それぞれが容器の内部に伸長することができ、少なくとも1つの洗浄ノズルを支持する要素を備える。洗浄ランスは、洗浄ランスに洗浄水が供給され次第、水圧によって自動的に伸長が行われるように設計することができる。水圧による自動伸長の代わりに、空気圧作動または別の伸長機構も考えられる。洗浄が行われた後の引き込みは、例えばばね力または空気圧によって自動的に行うことができる。
【0045】
このタイプの洗浄装置は、特に、場合によってはそれぞれ、(上側)収集領域内に洗浄ノズルを有する少なくとも1つ(一般には複数、例えば3つ)の洗浄ランスまたは洗浄スプレーボールと、落下領域内に洗浄ノズルを有する少なくとも1つ(同様に一般には複数、例えば3つ)の洗浄ランスとを備えることができる。例えば流れ案内装置の下の領域が対応する寸法を有する場合、場合によっては追加の洗浄ランスに追加の洗浄ノズルを設けることができる。容器および洗浄装置は、遮られた噴霧領域なしで内部洗浄を実行できるように、互いに適合させることができる。
【0046】
容器は、下部領域に容器を空にする接続部を備えることができる。そのような容器を空にする接続部は、それ自体公知の方法で、出口ボールコックまたは出口フラップによって閉じることができる。洗浄剤(典型的には冷水または温水)は、容器を空にする接続部を介して容器から取り出される。補足的にまたは代替的に、容器を空にする接続部は、出口フラップまたは出口スライドに一体化されてもよく、例えば、出口フラップまたは出口スライドは、残留洗浄水用の開口部を備えることができ、前記開口部は、例えば、洗浄水を取り除くことができる穿孔部を備える。
【0047】
特に、湿潤装置は、(特別に設計された)出口フラップを備えることができ、出口フラップは、閉状態と開状態との間で切り替えることができ、閉状態では、容器の内部の洗浄流体が容器出口を通って流れることができないようにするが、中空シャフトと、閉状態で容器の内部に開放され、中空シャフトに接続された開口部とを備える。閉止された出口フラップが与えられると、洗浄流体は、容器の出口を流れることなく、開口部および中空シャフトを通って容器の内部から排出することができる。
【0048】
特に、洗浄は、粒子が湿潤装置に供給されない動作休止中に行われる。これは、湿潤ノズルが動作中で、粒子が容器入口を通って供給される湿潤動作中に、洗浄流体を送出しないように湿潤装置が構成されていることを意味する。対照的に、湿潤装置は、専用の洗浄動作中に洗浄ノズルを通して流体を送達するように構成される。
【0049】
容器の内壁および/または容器の内部に配置された他の要素を噴霧するためのノズルを有する記載のタイプの洗浄装置であって、前記ノズルが湿潤装置の内部に配置され、かつ/または湿潤装置の内部に伸長することができる洗浄装置(特に洗浄流体を排出することができる前述のタイプの出口フラップと共にある)は、非常に一般的な湿潤装置、すなわち、(容器入口および容器出口を有する)容器を備えた穀物用の湿潤装置、および容器の内部の穀物を湿潤するための少なくとも1つのノズルを備えた湿潤装置の1つの選択肢でもある。
【0050】
湿潤装置は、所望の流体量で湿潤が達成されるように動作する。したがって、いかなる時点においても、供給される過剰な水は存在せず、そのような過剰は、再びシステムから分離されなければならない。この目的のために、(湿潤装置または上位ユニット、例えば完全な製粉設備に属する)制御装置は、穀物の処理量、および流体または蒸気の噴霧量、および少なくとも後者の計量投入も監視することができる。ここで、計量投入は、計量投入される要件に従って所望される量であるように正確に行われる。これは、一般に、穀類量の0.5%~12%(質量パーセント)に寄与し、したがって、例えば所与の穀類洗浄機よりも桁違いに小さい。
【0051】
要件に従って計量を決定するために、湿潤装置を備える設備は、湿潤装置とは別に、それぞれの穀物投入の実際の穀物湿度を測定するための測定装置を備えることもできる。そのような測定装置は、測定機器(インライン水分センサ)によって、湿潤手順の前に穀物の水分含有量をインラインで検出する。このために、制御装置は必要な水湿潤量を計算する。
【0052】
湿潤装置および湿潤装置を動作させるための方法とは別に、製粉設備も本発明の主題に属する。そのような設備は、それ自体公知のタイプの装置(例えば、ローラミルおよびふるい装置、ならびに重量計測装置および/または計量装置および搬送装置)、さらに本明細書に記載のタイプの湿潤装置を備える。さらに、湿潤装置の後に配置された温度調整セルが存在することができる。特に、製粉設備は、穀物の機械的混合が行われず、穀物との物理的接触を伴う機械的搬送手段が湿潤装置と温度調整セルとの間で作用しないように設計することができる(任意選択の空気圧搬送(ガス流での搬送)の存在を排除しない)。
【0053】
以下、本発明の実施形態の例を図面を用いて説明する。図面において、同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を表す。図面は、図面ごとに異なる寸法で互いに部分的に対応する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図3】
図2の平面E-Eに沿って切断した、
図1および
図2による湿潤装置の図である。
【
図4】衝突要素の上方にある水平面に沿って切断した、
図1~
図3による湿潤装置の図である。
【
図5】垂直平面に沿って切断した、
図1~
図4による湿潤装置の容器上部の図である。
【
図6】
図1~
図5による湿潤装置の水平パイプ、垂直パイプおよび中央衝突要素の斜視図である。
【
図7】温度調整セルを有する湿潤装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
湿潤装置1の一例を
図1に斜視図で示し、
図2に側面図で示す。湿潤装置は、フランジ接続部によって互いに接続された容器上部2および容器下部3によって形成された容器を備える。フランジ接続部は、動作準備完了状態において互いにねじ止めされる上側フランジリング4および下側フランジリング5によって形成される。以下に説明するように、湿潤装置の洗浄のためにフランジ接続部を解放する必要はない。
【0056】
容器上部2は入口11を形成し、容器下部3は出口12を形成し、これらは例えば互いに整列しており、落下線において真っ直ぐに互いに下方に配置されている。図示の実施形態の例における入口および出口はそれぞれ中心に配置されており、すなわち、それらの垂直軸線は容器の軸線と一致している。それらは、一般に、上流および下流に配置された製粉設備の要素、例えば容器、計量システム、パイプ導管などへの単純な結合が可能であるように形成される。この目的のために、入口11または出口12の部分には、それぞれ入口結合構造および出口結合構造(例えば、いずれの場合も適切な接続スタブ)が存在することができる。さらに、閉止入口フラップおよび閉止出口フラップが、それぞれ入口および出口、または適切なスライドもしくは別の遮断要素に存在する。図示の実施形態の例では、入口フラップ13および出口フラップ14は、それぞれ適切な操作レバー15および16を用いて、それぞれ手動で作動可能である。
【0057】
容器は、容器上部2および容器下部3によって形成され、本質的に垂直軸線20を有する回転体を形成する容器壁を備える。中央領域では、容器壁は、円筒状に、かつ入口11および出口12に向かって円錐状に設計されている。
【0058】
図3に見ることができるように、中央衝突要素21が入口11の下方に配置されている。これにより、上向きの凸状に湾曲した衝突面22が形成される。
図4および
図5にも示されている外側衝突要素23はまた、中央衝突面の半径方向外側にも存在し、一対の傾斜部によって屋根状にそれぞれ設計されて頂部を形成し、前記頂部は半径方向、かつ外側にわずかに上昇して半径方向外側に延び、そこから下降傾斜部が両側に延びる。
図4による平面図で特によく見えるように、衝突要素の幅は半径方向外側に増加し、その結果、衝突要素の間の中間空間24は、幅が半径方向外側にわずかに増加するだけでほぼ一定のままである、半径方向に延びる隙間を形成する。
【0059】
湿潤装置は、落下する穀物に流体を噴霧する複数のノズルをさらに備える。
【0060】
第1のセットのノズルが内側ノズル36によって形成され、これらを通って流体がほぼ軸方向の位置から半径方向外側に噴霧される。
図3以外の内側ノズル36はまた、
図6に見ることができる。図示の例の内側ノズルは、水平パイプ31からの流体が入る垂直パイプ32に形成されている。垂直パイプはまた、容器上部に存在する外側衝突要素とは対照的に、この理由のために、ここで説明する実施形態では容器下部3に締結されている中央衝突要素21を支持する。水平パイプ31は、容器を横断して進み、垂直パイプ32を搬送する。水平パイプには、容器切り込みを介して一方側から流体が供給される。例えば分岐部35もまた、垂直パイプ32が締結される場所に位置する。流体の一部は、そこからさらに水平パイプを通って導かれ、そして、容器切り込みの反対にある側では、さらなる容器切り込みを通って弓形の移行パイプ33(
図2)に導かれ、そこから外側ノズル37のノズルリングに導かれる。ノズルへの流体の誘導の他の経路、例えば分岐部なしも可能であり、ここで、流体はその後、例えば垂直パイプを通って内側ノズルに上方に進み、そこから垂直パイプの内部に入って再び下方に進むか、または移行パイプ33の代わりに容器内の内側ノズルと外側ノズルとの間の移行部を用いる、逆の代わりに外側ノズルを介して内側ノズルに流体を導く、内側ノズルおよび外側ノズルのための別個の流体供給を用いるなどである。ノズルへの流体の誘導の多くのさらなる経路も考えられる。
【0061】
内側ノズル36は、流体を広角に噴霧するファンジェットノズルとして設計され、その結果、内側ノズルは、本質的に完全な方法でそれらの周りに環状領域(リング直径:中央衝突要素の直径よりも幾分大きい)を一緒に形成する。
【0062】
外側ノズル37は、リング状に配置され、外側から内側に向かって噴霧する。外側ノズルもファン噴射ノズルとすることができ、噴射角度は、例えば内側ノズルよりも小さい。個々の外側ノズルの方位角位置は、各外側ノズルが、いずれの場合も隣接する外側衝突要素間の中間空間の下にあり、下方に落下する穀物が流れる空間を噴霧することによって、外側衝突要素のそれぞれの位置に一致させることができる。
【0063】
内側ノズル36と同様に、外側ノズル37も、ほぼ容器上部2と容器下部3との間のフランジ接続部の高さに配置されている。
【0064】
入口11から湿潤装置内に導かれた穀物は、中央衝突要素21上に落下し、そこから半径方向外側に偏向される。次いで、粒子の流れは、外側衝突要素23によって外側領域内で分割される。したがって、粒子の流れは、衝突要素21、23の間の中間空間によって成形される。水平断面において、流れは、
図4において特によく見ることができるように、半径方向外側に突出する放射構造を有するリングの形状を有し、したがって、全体として、星形の断面を有する質量の流れが生じる。ここで、リングおよび放射構造は比較的薄いので、穀物粒が他の穀物粒によってノズルからかなりの程度遮蔽されることはできない。
【0065】
外側衝突要素の頂部の外側へのわずかな上昇は、中央衝突要素に当たる入射穀物の流量および様々な速度が最も変化する場合でも、半径方向の制御された分布を保証する。より大きな質量処理量が与えられると、一定の蓄積も形成され得る。これは、衝突要素の上方の収集領域の充填がより大きくなると、より多くの穀物が蓄積された場合に、衝突要素の下方の質量の流れの断面が増加するように自動的に制御される。これは、より多くの穀物が衝突要素によって蓄積され、中央に向かってわずかに円錐状に先細になる領域が衝突要素21、23の上方を充填し始めると、さらに半径方向外側に延びる通過流に曝される領域によって自動的に行われる。したがって、たとえ大きな質量処理量が与えられたとしても、粒子は常に、非常に薄い粒子流カーテンのみを形成するように分配されることが保証される。したがって、流体による噴霧は、質量処理量とは無関係に、本質的にすべての穀物粒に到達する。その結果、たとえ大きな質量の処理量が与えられたとしても、噴霧後の機械的混合は必要ない。
【0066】
したがって、製粉設備は、温度調整セル101が、湿潤装置1の直後にあるように設計することができ、これは
図7に概略的に示されている。温度調整セル101は、湿潤装置1の真下に配置することができ、または代替的に、例えば穀物に直接作用する空気力学(少なくとも1つのファン/圧縮機などを用いる)が、湿潤装置の出口から温度調整セルの入口まで穀物の流れを輸送することができる。いかなる場合でも、一般に、保守および洗浄にかなりの労力を必要とするスクリューコンベヤなどは、湿潤装置と温度調整セルとの間に存在しない。
【0067】
製粉設備の動作時に、穀物は、貯蔵所から湿潤装置を通って温度調整セルに入り、(例えば8~16時間などの要件に従って選択される数時間の適切な温度調整時間の後に)そこからミルのさらなる要素、特にローラミル、ふるい装置などに入る。
【0068】
本発明による湿潤装置の実施形態の(任意選択の)特殊性は、一体型洗浄装置の存在である。一体型洗浄装置は、複数の洗浄ランス41、42、具体的には、衝突要素21、23の上方の空間用の複数の上部洗浄ランス41と、衝突要素21、23の下方の空間用の複数の下部洗浄ランス42とを備える。洗浄ランスはそれぞれ、容器の内部に伸長することができ、それぞれが少なくとも1つの洗浄ノズルを有するノズル要素を備える。伸長可能ノズル要素は、任意選択的に、水が洗浄ランスに導入され次第、水圧の作用によって、例えばばね力に逆らって自動的に内部に伸長するように設計することができる。それらの配置は、伸長されたノズル要素が与えられると、洗浄水が十分な圧力で導入されるときに噴霧される容器の本質的に完全な内部にあるようなものである。
【0069】
洗浄の目的のために、例えば、少なくとも出口フラップが閉じられ、加圧下の水が洗浄ランス41、42内に導かれ、ノズル要素が伸長し、ノズル要素の内側端部の洗浄ノズルが洗浄水を噴霧し、これにより、衝突要素の表面を含む容器の内部全体が噴霧される。洗浄水は、(閉止可能な)容器を空にする接続部51(出口スタブ)を介して、洗い流された穀物残渣と共に排出される。
【0070】
容器を空にする接続部51が出口フラップ14の真上に配置されていても、空にした後でさえ、少量の残留水が出口フラップ14上に残る。この水量がユーザに関係がある限り、湿潤装置は、この残留水量も取り除くように構成することができる。この目的のために、例えば、出口フラップまたは出口フラップのウィングを取り付けるシャフトは、上部に穿孔部を有する中空シャフトとすることができる。次いで、残留水を中空シャフトを介して取り除くことができる。
【0071】
湿潤装置のさらなる実施形態を
図8および
図9に示す。中央衝突要素21および外側衝突要素23ならびに噴霧による流れ案内装置の機能の仕方は、
図1~
図6の実施形態に類似している。
【0072】
図8および
図9の湿潤装置1には、容器下部における湿潤された穀物の制御された蓄積を可能にする機構が設けられており、これにより、必要に応じて、穀物粒間の水分平衡を達成することができる。この目的のために、図示の実施形態では、蓄積閉ループ制御フラップ72が存在する。出口スライドを介した閉ループ制御も可能である。
【0073】
蓄積閉ループ制御フラップ72の断面が
図11に示されている。この図では、閉ループ制御フラップは閉位置で示されている。蓄積閉ループ制御フラップ72は、粒子の質量の流れ全体を均一に閉ループ制御する本質的に同一の対称的に配置されたフラップウィング73(フラップ半体)を備える。フラップウィング73は、輪郭に適合され、フラップウィング73の位置は、サーボモータ(サーボ作動ドライブ72)によって設定される。開いたとき、フラップウィング73は、水平方向に閉じた位置から反対方向に、(設定される開口部に応じて)出口まで最大90°下方に、
図11による断面図において同心円によって示されるそれらのフラップ軸を中心に回転する。
【0074】
フラップ半体の対称的な位置により、ゾーン形成または出口の中心への粒子の不規則な質量の流れが回避される。
【0075】
容器下部の充填レベルは、既に湿潤されて蓄積された製品を検出するレベルセンサ75によって閉ループ制御される。この目的のために、湿潤装置または上位ユニットの制御装置(図示せず)は、例えば、蓄積閉ループ制御フラップ72の位置によって仕様に従ってレベルを閉ループ制御する制御ループを備える。
【0076】
図示の実施形態の例における蓄積閉ループ制御フラップ72は、フラップが常に分解され得るように、2つの締結フランジ74の間にクランプされる(しかしながら、これは蓄積閉ループ制御フラップ72の機能に必須ではない)。
【0077】
洗浄時に、蓄積閉ループ制御フラップ72は、例えば完全に開かれる。
【0078】
蓄積閉ループ制御フラップとは無関係である
図8および
図9の実施形態のさらなる特殊性は、洗浄装置を備えた湿潤装置用に特別に設計され、一般に(したがって、
図1~
図6に示されるタイプの実施形態においても)そのように使用することができる特別に構築された出口フラップ14である。
図8には、出口フラップ14を通る断面が示されている。出口フラップ14に関して、駆動側の反対側では、中空シャフト53が出口フラップ14の取り付けシャフトであり、上部への開口部52と共にフラップに直接一体化されている。洗浄水、および出口フラップ14の閉状態で存在し得る残留水は、中空シャフトを通って取り除くことができ、中空シャフトは、容器を空にする接続部51に合流する。
【0079】
湿潤装置の通常動作では、出口フラップ14は常に開かれ、出口フラップは洗浄の目的でのみ閉じられる。出口フラップの開状態では、中空シャフトの入口は、小さなパイプ突出部によって保護されているので、湿潤された穀物が落下流の外に出ることはできない。
【0080】
図8および
図9の実施形態は、
図1~
図6の実施形態と比較して、蓄積閉ループ制御および出口フラップの設計とは別に、互いに独立して、かつ蓄積閉ループ制御および出口フラップの設計とは独立して、すなわち、いずれの場合もそれ自体で、または組み合わせで、または部分的な組み合わせで実現することができる以下の違い/特殊性を有する。
【0081】
容器上部2は、2つの部分からなり、図示の実施形態の例では、上方に先細になる第1の部分111と、円筒状の中間片として形成された第2の部分112とから構成される。
【0082】
内ねじは、下側フランジリング5内に位置するため、さらなるノズルリング114(図示の例では2つのノズルリング114である)を上側フランジリング4と下側フランジリング5との間にクランプすることができる。ここで、下側フランジリング5は、容器下部3に固定的に接続される。
【0083】
手動操作レバーの代わりに、入口フラップ13および出口フラップ14はそれぞれ、空気圧駆動部115および116をそれぞれ備える。入口フラップのみ、もしくは出口フラップのみに空気圧駆動部を設けること、または入口フラップおよび/もしくは出口フラップに電気機械駆動部を設けることは選択肢であり、特に、入口フラップは、処理量を制御するように構成することもできる(出口フラップに関して、この選択肢は特に、別個の蓄積閉ループ制御フラップが存在しない場合にも存在し、すなわち、出口フラップは、任意選択の蓄積機能の閉ループ制御のための調整フラップであってもよい)。
【0084】
中央衝突要素21は、容器下部3に締結される3つの水平保持支柱131と、垂直支柱132とによって保持される。水平保持支柱131の1つは、本明細書では、流体が内側ノズル36に到達するパイプとして設計されている。ホルダを有する内側衝突要素21も
図10に示されている。
【0085】
第1の外側ノズルリング内(下側フランジリング5内)の内側ノズル36および外側ノズル37には、湿潤用途のために、可撓性または剛性の接続によって常に同時に流体が供給される。ここで、流体は、パイプとして設計された水平保持支柱に、例えば第1のノズルリングを介して直接入ることができる。
【0086】
内側ノズル36の垂直位置は、ほぼ下側フランジリング5と容器下部3の残りの部分との間の移行部の高さで、(最も下側の)外側ノズル37の真下に位置する。
【0087】
上部洗浄ランス41の代わりに、固定して設置された洗浄スプレーボール141が存在し、外側衝突要素23のわずかに上方で容器の内部に突出する。対照的に、下部洗浄ランス42の機能方法は、
図1~
図6の実施形態の機能方法に対応し、すなわち洗浄時に、圧力下の水が洗浄スプレーボール141および洗浄ランス42に導かれ、そして、洗浄スプレーボール141のノズルは堅固に位置決めされたままであり、洗浄ランスのノズル要素は伸長する。
【0088】
すべての実施形態に有効であるのは、湿潤装置において、内側ノズル36または外側ノズル37をジェットのタイプおよび水処理量について製品に適合させ得ることである。最も単純な場合、すべての外側ノズルは同一である。ノズルの適用領域は、特定の圧力範囲、例えば3bar~10barに対して最適化される。この圧力範囲では、全体にわたって水が正確に指定される。固定的に設置されたノズル(図示の例では、容器下部3に存在する内側ノズル36および外側ノズル37)を介して可能であるよりも多くの水処理量が湿潤手順に必要な場合、水処理量の領域は、
図8および
図9に拡大して示すように、1つ以上の追加のノズルリング114によって増加させることができる。追加のノズルリングの最大数は限定されない。追加のノズルリング114には、外部方式で別個に水を供給することができる。追加のノズルリングの構造は、
図8および
図9では同一に示されている。
【国際調査報告】