(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ガスシリンダーの管内潤滑
(51)【国際特許分類】
F15B 15/14 20060101AFI20240409BHJP
B21D 24/02 20060101ALI20240409BHJP
B30B 15/02 20060101ALI20240409BHJP
F16F 9/02 20060101ALI20240409BHJP
B30B 15/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
F15B15/14 380A
B21D24/02 B
B30B15/02 A
F15B15/14 335Z
F16F9/02
B30B15/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558508
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 US2022021868
(87)【国際公開番号】W WO2022204469
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503041362
【氏名又は名称】バーンズ グループ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】ライリー、スティーブン ジェイ
【テーマコード(参考)】
3H081
3J069
4E088
4E137
【Fターム(参考)】
3H081AA03
3H081BB03
3H081CC24
3H081DD22
3H081EE02
3H081EE18
3H081EE19
3H081EE28
3H081HH04
3J069AA09
3J069DD06
4E088EA06
4E137AA23
4E137AA30
4E137CA09
4E137DA11
4E137EA02
4E137GB01
(57)【要約】
外管(500)とシリンダースリーブ(410)を含むガスシリンダー組立体(400)を含み、ガスシリンダー組立体(400)のシリンダースリーブ(410)に流入する霧化された非固体潤滑剤(700)が、ガスシリンダー組立体(400)の動作中にシリンダースリーブ(410)の内部チャンバ(412)の内面を少なくとも部分的または全体的に潤滑するために使用される、マニホールドシステム(100)。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の第1の空洞に支持された外管であって、前記外管は内側チャンバを含む、外管と、
前記筐体の第2の空洞に支持されたシリンダースリーブであって、前記シリンダースリーブは内部チャンバを含み、前記シリンダースリーブの底部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている、シリンダースリーブと、
ピストンであって、前記ピストンは、前記内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動可能である、ピストンと、
前記外管の内面の少なくとも一部と前記シリンダースリーブの外面の少なくとも一部との間に形成されたシリンダー流体ギャップであって、前記シリンダー流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にする、シリンダー流体ギャップと、
前記外管の外面の少なくとも一部と前記マニホールド筐体の内面の少なくとも一部との間に形成された管流体ギャップであって、前記管流体ギャップは、前記管流体ギャップへの流体の流入および前記管流体ギャップからの流体の流出を可能にする、管流体ギャップと、
前記外管の下端部と前記筐体との間に形成された下端部ギャップであって、前記ボトム流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップと前記管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にする、下端部ギャップと、
を備える、ガスシリンダー組立体。
【請求項2】
前記シリンダースリーブの下端部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの内面から間隔をあけて配置されている、
請求項1に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項3】
前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップの少なくとも一部が非固体潤滑剤を含む、
請求項1に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項4】
前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップの少なくとも一部が非固体潤滑剤を含む、
請求項2に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項5】
前記ボトム流体ギャップにおける前記非固体潤滑剤の液位は、前記外管の前記下端部の少なくとも一部が前記非固体潤滑剤に浸るような液位である、
請求項3に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項6】
前記ボトム流体ギャップにおける前記非固体潤滑剤の液位は、前記外管の前記下端部の少なくとも一部が前記非固体潤滑剤に浸るような液位である、
請求項4に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項7】
前記ピストンは、流体が前記シリンダースリーブの上端部から流出するのを抑制するシール機構を含む、
請求項1に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項8】
前記ピストンは、流体が前記シリンダースリーブの上端部から流出するのを抑制するシール機構を含む、
請求項2から6の何れか一項に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項9】
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
請求項1に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項10】
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
請求項2から8の何れか一項に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項11】
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項1に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項12】
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項2から10の何れか一項に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項13】
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項1に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項14】
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項2から12の何れか一項に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項15】
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項1に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項16】
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項2から14の何れか一項に記載のガスシリンダー組立体。
【請求項17】
マニホールド筐体であって、前記マニホールド筐体は第1の空洞と第2の空洞とを有する、マニホールド筐体と、
第1のガスシリンダー組立体であって、
前記マニホールド筐体の前記第1の空洞内に支持された外管であって、前記外管は内側チャンバを含む、外管と、
前記マニホールド筐体の前記第2の空洞に支持されたシリンダースリーブであって、前記シリンダースリーブは内部チャンバを含み、前記シリンダースリーブの底部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている、シリンダースリーブと、
ピストンであって、前記ピストンは、前記内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動可能である、ピストンと、
前記外管の内面の少なくとも一部と前記シリンダースリーブの外面の少なくとも一部との間に形成されたシリンダー流体ギャップであって、前記シリンダー流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にする、シリンダー流体ギャップと、
前記外管の外面の少なくとも一部と前記マニホールド筐体の内面の少なくとも一部との間に形成された管流体ギャップであって、前記管流体ギャップは、前記管流体ギャップへの流体の流入および前記管流体ギャップからの流体の流出を可能にする、管流体ギャップと、
前記外管の下端部と前記マニホールド筐体との間に形成された下端部ギャップであって、前記ボトム流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップと前記管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にする、下端部ギャップと、
を含む、前記第1のガスシリンダー組立体と、
を備える、シリンダー組立体を含むマニホールドシステム。
【請求項18】
前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップの少なくとも一部が非固体潤滑剤を含む、
請求項17に記載のマニホールドシステム。
【請求項19】
前記ボトム流体ギャップにおける前記非固体潤滑剤の液位は、前記外管の前記下端部の少なくとも一部が前記非固体潤滑剤に浸るような液位である、
請求項18に記載のマニホールドシステム。
【請求項20】
前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含み、前記霧化された非固体潤滑剤は、前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップに少なくとも部分的に形成される、
請求項18に記載のマニホールドシステム。
【請求項21】
前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含み、前記霧化された非固体潤滑剤は、前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップに少なくとも部分的に形成される、
請求項19に記載のマニホールドシステム。
【請求項22】
前記マニホールド筐体は流体リザーバを含み、
前記流体リザーバは、前記流体リザーバの少なくとも一部が前記シリンダースリーブの前記上端部と前記下端部との間に位置するように、前記シリンダースリーブに対して相対的に配置される、
請求項17に記載のマニホールドシステム。
【請求項23】
前記マニホールド筐体は流体リザーバを含み、
前記流体リザーバは、前記流体リザーバの少なくとも一部が前記シリンダースリーブの前記上端部と前記下端部との間に位置するように、前記シリンダースリーブに対して相対的に配置される、
請求項18から21の何れか一項に記載のマニホールドシステム。
【請求項24】
前記流体リザーバは少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップを形成する、
請求項22に記載のマニホールドシステム。
【請求項25】
前記流体リザーバは少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップを形成する、
請求項23に記載のマニホールドシステム。
【請求項26】
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
請求項17に記載のマニホールドシステム。
【請求項27】
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
請求項18から25の何れか一項に記載のマニホールドシステム。
【請求項28】
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項17に記載のマニホールドシステム。
【請求項29】
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項18から27の何れか一項に記載のマニホールドシステム。
【請求項30】
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項17に記載のマニホールドシステム。
【請求項31】
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項18から29の何れか一項に記載のマニホールドシステム。
【請求項32】
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項17に記載のマニホールドシステム。
【請求項33】
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項18から31の何れか一項に記載のマニホールドシステム。
【請求項34】
第2のガスシリンダー組立体であって、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に前記第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置され、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダーと同様の構成を有する、第2のガスシリンダー組立体をさらに含み、
前記第2のガスシリンダー組立体の前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る前記流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む、
請求項17に記載のマニホールドシステム。
【請求項35】
第2のガスシリンダー組立体であって、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に前記第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置され、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダーと同様の構成を有する、第2のガスシリンダー組立体をさらに含み、
前記第2のガスシリンダー組立体の前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る前記流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む、
請求項18から33の何れか一項に記載のマニホールドシステム。
【請求項36】
ガスシリンダー組立体であって、
筐体の第1の空洞に支持された外管であって、前記外管は内側チャンバを含む、外管と、
前記筐体の第2の空洞に支持されたシリンダースリーブであって、前記シリンダースリーブは内部チャンバを含み、前記シリンダースリーブの底部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている、シリンダースリーブと、
ピストンであって、前記ピストンは、前記内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動可能である、ピストンと、
非固体潤滑剤と、
前記外管の内面の少なくとも一部と前記シリンダースリーブの外面の少なくとも一部との間に形成されたシリンダー流体ギャップであって、前記シリンダー流体ギャップは前記ピストンが前記ピストン膨張位置と前記ピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、前記シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にする、シリンダー流体ギャップと、
前記外管の外面の少なくとも一部と前記マニホールド筐体の内面の少なくとも一部との間に形成された管流体ギャップであって、前記管流体ギャップは、前記ピストンが前記ピストン膨張位置と前記ピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、前記管流体ギャップへの流体の流入および前記管流体ギャップからの流体の流出を可能にする、管流体ギャップと、
前記外管の下端部の少なくとも一部と前記筐体との間に形成された下端部ギャップであって、前記ボトム流体ギャップは、前記ピストンが前記ピストン膨張位置と前記ピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、前記シリンダー流体ギャップと前記管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にし、前記下端部ギャップは前記非固体潤滑剤を含む、下端部ギャップと、
を含む前記ガスシリンダー組立体を提供するステップと、
前記ピストンを前記ピストン収縮位置から前記ピストン膨張位置に移動させることにより、流体を、前記管流体ギャップから、前記ボトム流体ギャップに流入して通過させ、前記シリンダー流体ギャップに流入して通過させ、その後前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに流入させるステップと、
を備え、
前記ボトム流体ギャップに流入して通過する前記流体が、少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ内の前記非固体潤滑剤と相互作用して、それにより、前記非固体潤滑剤の少なくとも一部が、前記流体と霧化されて混合され、
前記霧化された非固体潤滑剤が、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入った後に、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する、
ガスシリンダー組立体の潤滑方法。
【請求項37】
成形システムまたはスタンピングシステムであって、
材料を成形、整形、および/またはスタンピングするように構成された成形機構またはスタンピング機構と、
ガスシリンダー組立体を含むマニホールドシステムであって、前記ガスシリンダー組立体は、前記成形機構またはスタンピング機構における1つまたは複数の構成部品を移動させることにより、前記材料を成形、整形、および/またはスタンピングさせることを容易にする、マニホールドシステムと、
を備え、
前記マニホールドシステムは、
マニホールド筐体であって、前記マニホールド筐体は第1の空洞と第2の空洞とを含む、マニホールド筐体と、
第1のガスシリンダー組立体と、
を含み、
前記第1のガスシリンダー組立体ガスシリンダー組立体は、
前記マニホールド筐体の前記第1の空洞内に支持された外管であって、前記外管は内側チャンバを含む、外管と、
前記マニホールド筐体の前記第2の空洞に支持されたシリンダースリーブであって、前記シリンダースリーブは内部チャンバを含み、前記シリンダースリーブの底部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている、シリンダースリーブと、
ピストンであって、前記ピストンは、前記内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動可能である、ピストンと、
前記外管の内面の少なくとも一部と前記シリンダースリーブの外面の少なくとも一部との間に形成されたシリンダー流体ギャップであって、前記シリンダー流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にする、シリンダー流体ギャップと、
前記外管の外面の少なくとも一部と前記マニホールド筐体の内面の少なくとも一部との間に形成された管流体ギャップであって、前記管流体ギャップは、前記管流体ギャップへの流体の流入および前記管流体ギャップからの流体の流出を可能にする、管流体ギャップと、
前記外管の下端部の少なくとも一部と前記マニホールド筐体との間に形成された下端部ギャップであって、前記ボトム流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップと前記管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にする、下端部ギャップと、
を含む、
成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項38】
前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップの少なくとも一部が非固体潤滑剤を含む、
請求項37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項39】
前記ボトム流体ギャップにおける前記非固体潤滑剤の液位は、前記外管の前記下端部の少なくとも一部が前記非固体潤滑剤に浸るような液位である、
請求項38に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項40】
前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含み、前記霧化された非固体潤滑剤は、前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップに少なくとも部分的に形成される、
請求項38に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項41】
前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含み、前記霧化された非固体潤滑剤は、前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップに少なくとも部分的に形成される、
請求項38に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項42】
前記マニホールド筐体は流体リザーバを含み、
前記流体リザーバは、前記流体リザーバの少なくとも一部が前記シリンダースリーブの前記上端部と前記下端部との間に位置するように、前記シリンダースリーブに対して相対的に配置される、
請求項37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項43】
前記マニホールド筐体は流体リザーバを含み、
前記流体リザーバは、前記流体リザーバの少なくとも一部が前記シリンダースリーブの前記上端部と前記下端部との間に位置するように、前記シリンダースリーブに対して相対的に配置される、
請求項38から41の何れか一項に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項44】
前記流体リザーバは少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップを形成する、
請求項42に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項45】
前記流体リザーバは少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップを形成する、
請求項43に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項46】
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
請求項37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項47】
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
請求項38から45の何れか一項に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項48】
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項49】
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項38から47の何れか一項に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項50】
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項51】
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項38から49の何れか一項に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項52】
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項53】
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
請求項38から51の何れか一項に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項54】
第2のガスシリンダー組立体であって、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に前記第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置され、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダーと同様の構成を有する、第2のガスシリンダー組立体をさらに含み、
前記第2のガスシリンダー組立体の前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る前記流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む、
請求項37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【請求項55】
第2のガスシリンダー組立体であって、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に前記第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置され、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダーと同様の構成を有する、第2のガスシリンダー組立体をさらに含み、
前記第2のガスシリンダー組立体の前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る前記流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む、
請求項38から53の何れか一項に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年3月25日に出願された米国仮出願シリアル番号63/165,977の優先権を主張するものであり、この優先権は参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般にガスシリンダーに関し、特にプレス工具に使用するためのガスシリンダー組立体に関し、より詳細には、ガスシリンダー組立体のシリンダーのー内面を霧化した潤滑剤で少なくとも部分的または全体を潤滑化するシリンダー潤滑機能を有するプレス工具に使用するためのガスシリンダー組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
ガスシリンダー組立体は、産業界で広く使用されるようになった。用途の一例として、板金部品の成形を目的としたプレス組立体またはクッション組立体がある。このようなプレス組立体またはクッション組立体の例として、米国特許第2,815,254号明細書、同第4,005,763号明細書、同第4,257,254号明細書、同第4,342,448号明細書、および同第11,110,506号明細書に開示されており、これらは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0004】
プレス組立体またはクッション組立体の動作中、プレス組立体またはクッション組立体の耐用年数と信頼性を向上させるために、1つまたは複数のコンポーネントが潤滑される。例えば、窒素マニホールドシステムは、ピストンを動的に循環させるガスシリンダー組立体で設計されている。ピストンは、金属スリーブ内を軸方向に摺動する高圧シールを備えている。高圧シールが故障することなく何百万回ものサイクルを行うためには、高圧シール上にオイルが存在しなければならないことが、歴史的に示されている。
【0005】
窒素マニホールドシステムがプレス組立体またはクッション組立体の下部に取り付けられている場合、ガスシリンダー組立体内に存在するオイルは、ピストンとスリーブの下にあるガスシリンダー組立体の最下部に集まる。ピストンが、ガスシリンダーのシリンダースリーブの上部に向かって動かされると、ピストンはオイルとシリンダースリーブの周囲に窒素を送り込む。窒素の流れは乱気流を作り出し、窒素とともにオイルを動かしてシリンダースリーブを潤滑化する。下部に取り付けられた窒素マニホールドの、この装着により、ピストンは性能を低下させることなく、何百万回ものストロークを繰り返すことができる。
【0006】
これに対して、窒素マニホールドシステムがプレスの移動ラムに取り付けられている場合、そのような構成はシリンダーロッドを反転させ、オイルがシリンダースリーブの底部に集まらない。このようなマニホールドの構成は、上部取付マニホールドの構成と見なされる。このような構成では、高圧シール付ピストンが、オイルのほとんどないシリンダースリーブの内面を軸方向にスライドする。このような高圧シールのドライサイクルは、通常、早期の故障や窒素漏れを引き起こす。
【0007】
上部マニホールドの構成に使用されるいくつかの先行技術における潤滑システムは、シリンダー組立体内のシリンダーの下端部の上方または下方の位置でマニホールド上に配置されたオイルリザーバを有し、シリンダーの底部にオイルを供給する。このような機構では、マニホールド機構の高さが、オイルリザーバを収容するために高くなる。また、この潤滑配置では、シリンダー組立体と潤滑配置の圧力差を制御するために、追加のガス通路が必要になることがある。いくつかの配置では、シリンダーから間隔を置いた別のポンプシステムが、オイルをオイルリザーバに送り返すために必要とされる。
【0008】
上部取付マニホールドの構成を適切に潤滑する問題に加えて、上部取マニホールドの構成の最終的な取付け後のスプリング組立体内のオイルの位置が、望ましくないことがある。ガスシリンダー組立体は、金型製造プロセス中に通常に多方向に回転させられ、ガスシリンダーのシリンダー群の内部で、オイルの位置を制御することができない。このため、ガスシリンダー組立体の最終的な取付後におけるオイルの位置は、予め注入されたオイルの少なくとも一部がガスシリンダー組立体内の望ましくない位置に位置することとなり、その結果、ガスシリンダー組立体の動作および/または寿命に悪影響を及ぼす可能性がある(例えば、オイルがガス通路にあるためにガス通路の一部または全部が詰まった状態、シリンダースリーブにオイルが過剰に充填された状態、シリンダースリーブにオイルがほとんどまたは全くなくたった状態等)。例えば、ガス通路は、通常オイル通路よりも狭いが、オイルが部分的にまたは全体的に詰まってしまいシリンダー組立体が過圧状態になり、ガスシリンダー組立体の動作中にガスシリンダー組立体の損傷や故障、および/または他のマニホールドの構成部品の損傷を引き起こす可能性がある。また、動作中にシリンダースリーブ内に十分なオイルがない場合、ガスシリンダー組立体の動作中に、シールが急速に破損することがある。
【0009】
さらに、従来のマニホールドの設計では、小さな交差領域を形成する一連の円筒形ドリル開口部を必要とする。これらの交差領域は、加圧ガスの流れには十分な大きさであるが、流体の流れに対しては厳しい制約がある。これは、ガスシリンダーの動作速度が上がると、特に顕著になる。このため、ガスシリンダーの運転中に潤滑を必要とするガスシリンダーの領域へ適時にオイルを流すことができなかったり、制限されたりすることがある。
【0010】
ガスシリンダーシステムの技術的現状に鑑み、ガスシリンダーシステムのための改良された潤滑配置が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第2815254号明細書
【特許文献2】米国特許第4005763号明細書
【特許文献3】米国特許第4257254号明細書
【特許文献4】米国特許第4342448号明細書
【特許文献5】米国特許第11110506号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、プレス組立体またはクッション組立体のマニホールドで使用できるシリンダー組立体の構成部品を潤滑するための、新規かつ改良された方法および装置を提供するものである。しかしながら、シリンダー組立体の構成部品を潤滑化するための新規かつ改良された方法および装置は、ガススプリングおよび/またはガスシリンダー組立体を含む他の機構でも使用できることが理解できるだろう。
【0013】
本開示は、霧化された非固体潤滑剤とガスの混合物がガスシリンダー組立体を潤滑化するために使用される、倒立マニホールドまたは上部取付けマニホールド装着のための改良された潤滑システムに関する。当然ながら、標準的なガスマニホールド(下部ガスマニホールド)装着も、改良された潤滑システムと共に使用することができる。非固体潤滑剤の霧化は、シリンダー組立体のシリンダー内の高圧ダイナミックシールを潤滑化し、シリンダー組立体の性能を低下させずに強化されたサイクル数(例えば、数百万回など)を可能にする。 本開示に係るマニホールドは、自動車産業、製造業、医療分野などの部品を製造するためのスタンピングプレスの部品として使用することができる。
【0014】
プレス組立体またはクッション組立体の動作中、プレス組立体またはクッション組立体は開位置と閉位置の間を移動する。このような動作中、1つまたは複数のシリンダー組立体のピストンは、シリンダー組立体のそれぞれのシリンダースリーブ内を軸方向に移動し、それにより、それぞれのシリンダースリーブ内に流体用の可変加圧容量が形成される。それぞれのシリンダースリーブの直径、長さ、材質は限定されない。それぞれのシリンダースリーブの断面形状や直径、および内部チャンバの長さは限定されない。ピストンのサイズ、形状、長さ、および材質は、ピストンが1つまたは複数のシリンダースリーブの内部チャンバ内で移動するように構成されていること以外は、限定されない。それぞれのピストンは、シリンダースリーブの内部チャンバ内で、ピストンの移動をガイドするピストンガイドを、任意で含むことができる。ピストンガイド(が使用される場合)のサイズ、形状、構成、および材質は限定されない。それぞれのピストンは、一般的に、シリンダースリーブの内部チャンバ内でのピストンの移動中に、シリンダースリーブの内部チャンバの前端部および/または内部チャンバの他の領域もしくは付加的な領域から流体が漏れるのを抑制または防止するためのシール機構(例えば、エラストマーシールリング、フラップなど)を含む。それぞれのピストンの前端部は、一般的に、シリンダースリーブの前端部から外側に延びるピストンロッドを含む。それぞれのシリンダー組立体は、他の部品(例えば、ガスケット、ブッシング、センサなど)を、任意で含むことができる。それぞれのシリンダースリーブの内部チャンバ内で、ピストンが後退位置と膨張位置との間を移動する1分間当たりのストローク数は、限定されない。限定されない機構の1つとしては、ピストンは、1~100ストローク/分(および、その間のすべての値と範囲)で移動する。シリンダースリーブに流入および流出する流体には、ガスと潤滑剤とが含まれる。シリンダースリーブに流入およびシリンダースリーブから流出する流体中の潤滑剤の一部または全ては、霧化された潤滑剤である。ガスは窒素ガスを使用することができるが、他のガスや追加のガスを使用することもできる。潤滑剤は、少なくとも0℃の低い温度で液状である非固体潤滑剤である。一つの限定されない機構では、非固体潤滑剤は、80cSt@40℃以下、25cSt@100℃超の粘度を有する(ASTM D 445)。限定されない一例として、非固体潤滑剤は2Tオイルであるが、他のまたは追加の非固体潤滑剤を使用することもできる。
【0015】
1つまたは複数のシリンダー組立体がピストン膨張位置まで移動すると、それぞれのシリンダースリーブ内で可変加圧容量が増加し、流体の流れが流体リザーバから各シリンダースリーブに移動する。シリンダースリーブに入る流体は、潤滑剤の霧化粒子を含み、潤滑剤の霧化の少なくとも一部または全部、および霧化された潤滑剤と流体中のガスとの結合は、そのような流体がシリンダースリーブの内部チャンバに入る前に生じる。潤滑剤の霧化粒子は、シリンダースリーブの内部チャンバの内面を部分的または完全に被覆し、これによりその表面に潤滑コーティングを提供する。このような潤滑コーティングは、ピストンおよびシリンダー組立体の1つ以上の構成要素(シール、ピストンガイドなど)を、冷却および/または潤滑するために用いることができる。潤滑コーティングは、任意で、ピストンの一部とシリンダースリーブの内部チャンバの内面との間のガスシールの形成を容易にするためにも使用することができる。
【0016】
1つまたは複数のシリンダー組立体がピストンの後退位置に移動すると、可変加圧容量がそれぞれのシリンダースリーブ内で減少し、流体の流れがシリンダースリーブから流体リザーバに移動する。ピストンおよびシリンダー組立体からの流体の流れは、流体リザーバ内の流体が拡散される間に放出される熱を含むことができるが、これは必須ではない。1つの限定されない機構では、プレス組立体またはクッション組立体の一部は、ピストンがピストンの膨張位置に移動した後に、ピストンをピストンの後退位置に移動させるために、ピストンを押すように構成されるが、これは必須ではない。このような機構は当技術分野で周知であり、本明細書ではこれ以上説明しない。当然ながら、ガスシリンダー組立体の1つ以上のピストンを、ピストンの後退位置に移動させるために、他の機構を使用することができる。
【0017】
ピストンがピストンの後退位置からピストンの膨張位置に移動する際の、流体リザーバから1つまたは複数のシリンダースリーブへの流体の流れは、少なくとも部分的または全体的に、流体リザーバと1つまたは複数のシリンダースリーブ内の膨張容積との間の圧力差によって引き起こされる。この圧力差によって、流体リザーバ内の流体の少なくとも一部が、1つまたは複数のシリンダースリーブの内部チャンバに流れ込み、これにより、流体内の非固体潤滑剤が、内部チャンバの内壁の一部または複数の部分に堆積する。流体が流体リザーバに流入および/または流体リザーバから流出するにつれて、流体リザーバ内でまだ霧化されていない非固体潤滑剤の少なくとも一部は、流体リザーバへの流体の流入および流体リザーバからの流体の流出によって引き起こされる乱気流および/または圧力差によって霧化される。1つの限定されない機構では、非固体潤滑剤の全てではないにしても大部分(例えば、51~100%、およびその間のすべての値と範囲)は、シリンダースリーブの内部チャンバに流入する流体中にあり、1つまたは複数のガスシリンダー組立体のシリンダースリーブに流入する前に霧化され、ガスと混合される。言い換えれば、全てではないにしても大部分の非固体潤滑剤は、霧化された非固体潤滑剤が1つまたは複数のシリンダースリーブに流入する前に、1つまたは複数のシリンダースリーブから離れた位置で霧化される。
【0018】
本開示における限定されない一態様では、シリンダー組立体を含む先行技術のマニホールドシステムにおける、いくつかの欠陥および制限を克服する、1つ以上のシリンダー組立体および潤滑配置を含むマニホールドシステムが提供される。本開示によるシリンダー組立体および潤滑配置を含むマニホールドは、先行技術のマニホールド組立体よりも短くまたはコンパクトにすることができ、これにより、異なる製造設備で組み立てられるマニホールドのスペースおよびサイズの問題によりよく対処することができる。本開示によるシリンダー組立体および潤滑配置を含むマニホールドは、シリンダー組立体の動作中に、シリンダー組立体への潤滑剤の適切な流入および流出を保証するための別体の機械的ポンプを必要とせず、これにより、シリンダー組立体および潤滑配置を含むマニホールドの設計を単純化し、および/またはシリンダーセンブリおよび潤滑配置の使用中に故障する可能性のある部品の数を減らすことができる。本開示によるシリンダー組立体および潤滑配置を含むマニホールドは、潤滑剤を含むシリンダー組立体およびリザーバ内の圧力差を制御するために以前のシステムで使用されていた、潤滑剤を含む通路とは別のガス通路を必要としない。このような追加のガス通路が不要になることで、マニホールドの構成が簡素化され、これらのガス通路の目詰まりの発生を低減する。
【0019】
流体を収容する流体リザーバは、一般的にマニホールドの筐体内にあり、流体供給管を介してシリンダー組立体と流体連通している。このように、流体リザーバは、1つ以上のガスシリンダー組立体のシリンダー組立体の内部チャンバから離れた位置に配置される。当然ながら、流体リザーバはマニホールド筐体から離れた位置に配置することができる。
【0020】
本開示の別の限定されない態様では、マニホールド筐体、ガスおよび任意の非固体潤滑剤を含む流体リザーバ、および1つまたは複数のガスシリンダー組立体を含むマニホールドシステムが提供される。マニホールド筐体の形状、サイズ、構成、および材質は、限定されない。流体リザーバは、マニホールド筐体から離れた場所に配置することも、マニホールド筐体の一部または全部に配置することもできる。流体リザーバの形状、サイズ、構成、および材料は、限定されない。それぞれのガスシリンダー組立体は、シリンダースリーブと、外管と、ピストンを含む。マニホールド筐体に2つまたはそれ以上のガスシリンダー組立体が含まれる場合、それぞれのガスシリンダー組立体のシリンダースリーブは、通常、互いに間隔をあけて配置される。
【0021】
それぞれのシリンダースリーブは、マニホールド筐体によって部分的または全体的に支持され、所定位置に維持されることができる。それぞれのガスシリンダー組立体の外管は、外管の内側チャンバの少なくとも一部または全部が、任意でシリンダースリーブの底部を伸縮自在に収容できるように構成されている。それぞれのガススプリング組立体の外管は、マニホールド筐体により部分的または全体的に支持され、位置を維持することができる。当然ながら、外管は任意でなくすことができ、マニホールド筐体内の構造は、外管の全部または一部を模倣または代用するように形成することができる。このように、外管は、a)マニホールド筐体から完全に分離した構成部品であり、b)マニホールド筐体とは別体の構成部品によって部分的に形成され、およびマニホールド筐体によって部分的に形成され、c)マニホールド筐体によって全体的に形成することができる。1つの限定されない構成では、マニホールドスリーブ空洞が、マニホールド筐体内に形成され、この空洞は、シリンダースリーブを部分的または全体的に収容するように構成されており、マニホールド管空洞がマニホールド筐体内に形成され、この空洞は外管を部分的または全体的に収容するように構成されている。1つの限定されない構成では、シリンダースリーブの上部は、少なくとも部分的にまたは全体的にマニホールドスリーブ空洞内に支持され、シリンダースリーブの底部は、部分的にまたは全体的にマニホール筐体から間隔をあけている。別の限定されない構成では、外管の上部は、少なくとも部分的または全体的にマニホールド管空洞内に支持され、外管の底部は、部分的または全体的にマニホールド筐体から間隔をあけている。外管の内側チャンバの内面の少なくとも一部または全部は、シリンダー流体ギャップを形成するために、任意でシリンダースリーブの外面の少なくとも一部または全部から間隔をあけている。シリンダー流体ギャップは、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、シリンダー流体ギャップを通って流体を流すことができるように構成されている。一般的に、外管の内側チャンバの内面の少なくとも一部または全部は、シリンダースリーブギャップを形成するために、シリンダースリーブの底部の外面の少なくとも一部または全部から任意で間隔を置かれている。シリンダー流体ギャップは、シリンダー流体ギャップとシリンダースリーブの内部チャンバとの間に流体を流すことを可能にするように構成されている。外管の底部の外面の一部は、管流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体の内面から間隔をあけて配置されている。外管の下端部の少なくとも一部または全部は、シリンダースリーブの内部チャンバ内でピストンロッドがピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、シリンダー流体ギャップと管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にするように構成されたボトム流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体から間隔をあけて配置されている。当然ながら、シリンダースリーブの内部空洞内でのピストンの移動中に、シリンダースリーブの内部空洞への流体の流入および/またはシリンダースリーブの内部空洞からの流体の流出を可能にするために、他の、または、追加の構成を用いることができる(例えば、シリンダースリーブの側壁に設けられた1つまたは複数の開口部、シリンダースリーブの頂壁および/または側壁に設けられた1つまたは複数のスロットなど)。
【0022】
ボトム流体ギャップの少なくとも一部または全部は、1つまたは複数のガスシリンダー組立体の動作前に非固体潤滑剤を含む。シリンダー流体ギャップおよび/または管流体ギャップの少なくとも一部は、1つまたは複数のガスシリンダー組立体の動作前に、任意で非固体潤滑剤を含むこともできる。限定されない1つの実施の形態では、1つまたは複数のガスシリンダー組立体の動作前に、ボトム流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、外管の下端部より下方になるような液位である。別の限定されない実施の形態では、1つまたは複数のガスシリンダー組立体の動作前に、ボトム流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、外管の下端部より上方にあるような液位であり、非固体潤滑剤はシリンダー流体ギャップおよび/または管流体ギャップの一部を満たしている。具体的な構成の1つでは、1つまたは複数のガスシリンダー組立体の動作前に、非固体潤滑剤の液面は、a)ボトム流体ギャップが非固体潤滑剤で全体的に満たされており、b)非固体潤滑剤の液位は、外管の下端部が非固体潤滑剤に浸るような液位であり、c)管流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、非固体潤滑剤が、任意で、管流体ギャップの少なくとも一部を形成する外管の外面の長手方向の長さの0.001~40%(および、その間のすべての値と範囲)を占める程度であり、d)シリンダー流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、非固体潤滑剤が、任意で、シリンダー流体ギャップの少なくとも一部を形成する外管の内面の長手方向の長さの0.001~40%(および、その間のすべての値と範囲)を占める程度であり、e)シリンダー流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、非固体潤滑剤が、シリンダー流体ギャップの少なくとも一部を形成するシリンダースリーブギャップの外面の長手方向の長さの0.001~40%(および、その間のすべての値と範囲)を任意で占める程度、となっている。別の具体的な構成では、1つまたは複数のガスシリンダー組立体の動作前に、非固体潤滑剤の液位は、a)ボトム流体ギャップが非固体潤滑剤で全体的に満たされており、b)非固体潤滑剤の液位は、外管の下端部が非固体潤滑剤に浸る程度であり、c)管流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、非固体潤滑剤が、任意で、管流体ギャップの少なくとも一部を形成する外管の外面の長手方向の長さの1~15%を占める程度であり、d)シリンダー流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、非固体潤滑剤が、任意で、シリンダー流体ギャップの少なくとも一部を形成する外管の内面の長手方向の長さの1~15%を占める程度であり、e)シリンダー流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、非固体潤滑剤が、任意で、シリンダー流体ギャップの少なくとも一部分を形成するシリンダースリーブの外面の長手方向の長さの1~15%を占める程度、となっている。
【0023】
本開示に係るマニホールドシステムは、1つまたは複数のガスシリンダー組立体内の圧力シールを潤滑するための、革新的な設計を有する上部ガスマニホールドを提供する。本開示に係るマニホールドシステムは、マニホールドがプレス組立体またはクッション組立体に取り付けられる前に、マニホールド筐体および/またはガスシリンダー組立体に潤滑剤を注入できるように構成されている。従って、マニホールドシステムは、マニホールドシステムが上部取付けマニホールドにおいてプレス組立体またはクッション組立体を所定位置に取付る前に、下部取付けマニホールド位置に収納することができる。マニホールドシステムのこのような再配向は、マニホールドおよび/またはガスシリンダー組立体内の潤滑剤の位置に悪影響を及ぼさない。本開示に係るマニホールドシステムは、最終的な設置の前にマニホールド組立体が任意の向きにある間、潤滑剤をマニホールド組立体のマニホールドおよび/またはガスシリンダー組立体に、注入することができる。マニホールドシステムが、最終的に、ガスシリンダー組立体のピストン上のロッドが下向姿勢に配向される上部取付けマニホールド姿勢に配向される場合、潤滑剤の一部または全部は、重力によってガスシリンダー組立体およびガスシリンダー組立体周辺のマニホールド構造内の最下部に移動し、これにより、潤滑剤の一部または全部が、外管の下端部に位置し、または近接する。ガスシリンダー組立体のピストンが初期状態でピストン収縮位置に移動すると、シリンダースリーブ内のガス圧が上昇し、シリンダースリーブの内部空洞からガスが、シリンダースリーブから出てシリンダースリーブと外管の間に形成されたシリンダー流体ギャップを通って移動する。始動時に1つまたは複数のガスシリンダー組立体のシリンダースリーブのシリンダーチャンバに非固体潤滑剤が大量に存在し、ピストンが後退位置に移動した場合、1つまたは複数のガスシリンダー組立体のシリンダースリーブのシリンダーチャンバ内の非固体潤滑剤の0.01~100%(およびその間のすべての値と範囲)をシリンダー流体ギャップに流入させることにより、ガスシリンダー組立体の動作中に、流体リザーバと1つまたは複数のガスシリンダー組立体間との流体の望ましい流れにより生じるガスシリンダー組立体の損傷を、最小化または防止することができる。
【0024】
流体(例えば、ガス、ガスと非固体潤滑剤との混合物など)が、シリンダーの流体ギャップを通ってボトム流体ギャップを通り過ぎ、管流体ギャップへと流れる際、流体は、ボトム流体ギャップ、任意でシリンダー流体ギャップの底部および/または管流体ギャップにある非固体潤滑剤を通り越し、または通過し、流体と非固体潤滑剤との乱流の相互作用により、非固体潤滑剤の少なくとも一部が霧化し、流体中に分散する。流体中の霧化非固体潤滑剤のこのような分散は、任意でガスと非固体潤滑剤のエマルジョンを形成することができる。霧化された非固体潤滑剤の全部または一部は、ピストンがピストン膨張位置に移動し始めるまで、ボトム流体ギャップ、管流体ギャップ、および/またはシリンダー流体ギャップに保持することができる。ピストンがピストン膨張位置に移動する場合、流体は、管流体ギャップからボトム流体ギャップを通り、シリンダー流体ギャップを通ってシリンダースリーブの内部空洞に流入する。流体の少なくとも一部が、流体中で、もはや霧化されず結合もしていない非固体潤滑剤を再び、乗り越えおよび/または通過する際に、流体と非固体潤滑剤との乱流相互作用により、非固体潤滑剤の少なくとも一部が、再び霧化し、流体中に分散する。流体中の霧化した潤滑剤は、シリンダースリーブの内部空洞に運ばれ、シリンダースリーブの内部空洞の内面の一部または全部を潤滑する。この潤滑プロセスは、ガスシリンダー組立体内のピストンのサイクルごとに発生する。
【0025】
プレス組立体またはクッション組立体の初期始動の間は、1つまたは複数のシリンダー組立体のシリンダースリーブの内部チャンバの内面の各部分を、潤滑剤がほとんど、あるいは全く覆っていない可能性がある。また、非固体潤滑剤の全てではないにしても大部分は、ボトム流体ギャップに位置しており、ボトム流体ギャップ、シリンダー流体ギャップ、および管流体ギャップにあるガスから分離されている。プレス組立体またはクッション組立体が作動を開始すると、それぞれのシリンダースリーブ内のピストンの最初の数回のストロークでは、シリンダースリーブの内部チャンバの内面に潤滑剤がほとんどない場合がある。しかし、ピストンの1回または複数のストロークの後、ボトム流体ギャップ、任意でシリンダー流体ギャップ、および/または管流体ギャップにおけるガスと非固体潤滑剤との相互作用により、ボトム流体ギャップ、任意でシリンダー流体ギャップ、および/または管流体ギャップにおける非固体潤滑剤の少なくとも一部または全部が霧化される。霧化された非固体潤滑剤は、任意でガスとのエマルジョンを形成することができる。プレス組立体またはクッション組立体の動作により、ボトム流体ギャップ、任意でシリンダー流体ギャップおよび/または管流体ギャップにおける非固体潤滑剤の2100%(およびその間のすべての値と範囲)が最終的に霧化され、流体内のガスとの混合物(例えば、エマルジョンなど)を形成することができる。1つの限定されない構成では、ボトム流体ギャップ、任意なシリンダー流体ギャップおよび/または管流体ギャップにおける非固体潤滑剤の10100%が最終的に霧化され、流体中のガスと混合物を形成する。別の限定されない機構では、ボトム流体ギャップ、任意でシリンダー流体ギャップおよび/または管流体ギャップにおける非固体潤滑剤の20100%が最終的に霧化され、ガスとの混合物を形成する。別の限定されない構成では、ボトム流体ギャップ、任意でシリンダー流体ギャップおよび/または管流体ギャップにおける内の非固体潤滑剤の30~100%が最終的に霧化され、流体中のガスとの混合物を形成する。非固体潤滑剤の少なくとも一部または全部が霧化され、ボトム流体ギャップ、任意でシリンダー流体ギャップおよび/または管流体ギャップに流入して通過するガスと結合または混合すると、霧化された非固体潤滑剤は、シリンダースリーブの内部チャンバの内面に運ばれ、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内で移動するにつれて、シリンダースリーブの内部チャンバの内面の少なくとも一部または全部に潤滑剤を塗布する。その後、プレス組立体またはクッション組立体のさらなる動作により、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内を移動するにつれて、シリンダースリーブの内部チャンバの内面が潤滑される。このような新規の潤滑配置では、シリンダースリーブの内部チャンバに潤滑剤を供給するための別体のポンプは必要ない。ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内を移動するにつれて、シリンダースリーブの内部チャンバ内の差圧が発生し、ガスがボトム流体ギャップ、シリンダー流体ギャップ、および管流体ギャップに流入、および/または、これらを通過する。一般的に、霧化された非固体潤滑剤は、1つまたは複数のガスシリンダー組立体の動作中、ガスとの混合物(例えば、エマルジョン)として残る。一般的に、霧化された非固体潤滑剤の20~100%(およびその間のすべての値と範囲)は、ガスおよび霧化された非固体潤滑剤を含む流体が、1つまたは複数のガスシリンダー組立体に流入、および1つまたは複数のガスシリンダー組立体から流出する際に、ガスとの混合物として残る。非固体潤滑剤の霧化を引き起こし、その後、そのような霧化した非固体潤滑剤によるシリンダースリーブの内部チャンバの内面の潤滑を開始するための、ピストンのストローク数は限定されない。1つの限定されない例では、300~2000psi(およびその間のすべての値と範囲)の圧力で動作し、ピストンが毎分10~100ストローク(およびその間のすべての値と範囲)でストロークするシリンダー組立体は、一般に、ボトム流体ギャップ、シリンダー流体ギャップ、および管流体ギャップにおける非固体潤滑剤の0.1~100%(およびその間のすべての値と範囲)を霧化し、霧化された非固体潤滑剤が、10分未満(例えば、0.01~10分およびその間のすべての値と範囲)で、シリンダースリーブの内部チャンバの内面を少なくとも部分的または全体的に潤滑する。
【0026】
本開示の別の限定されない態様では、ガスおよび非固体潤滑剤を含む流体リザーバと、1つまたは複数のガスシリンダー組立体とを含むマニホールドシステムが提供される。流体リザーバは、マニホールド筐体内に配置される場合、任意で、流体リザーバの少なくとも一部または全部(5~100%およびその間のすべての値と範囲)が、シリンダー組立体の1つまたは複数あるいは全てのシリンダースリーブの上端部と下端部との間に位置するように、シリンダー組立体の1つまたは複数あるいは全てのシリンダースリーブに対して相対的に配置することができる。限定されない1つの実施の形態では、流体リザーバの少なくとも少なくとも50%が、シリンダー組立体の1つまたは複数あるいは全てシリンダースリーブの上端部と下端部との間に位置する。限定されない他の実施の形態では、流体リザーバの100%が、すべてのシリンダー組立体のシリンダースリーブの上端部と下端部との間に位置する。流体リザーバの一部または全部を、全てのガスシリンダー組立体のシリンダースリーブの上端部と下端部との間に部分的または全体的に配置することにより、マニホールドシステムのサイズおよび/または容積を縮小する。
【0027】
本開示の別の限定されない態様では、マニホールド筐体内に少なくとも部分的に配置される流体リザーバは、管流体ギャップおよび/またはボトム流体ギャップと、直接流体連通している。このような配置では、管流体ギャップおよび/またはボトム流体ギャップの間に、別体の通路は存在しない。限定されない1つの実施の形態では、流体リザーバの一部を形成するのと同じマニホールド筐体の壁は、管流体ギャップのためのマニホールド壁も形成する。1つの限定されない構成では、ガスシリンダー組立体の一部は、流体リザーバを形成するマニホールド側壁が管流体ギャップおよびボトム流体ギャップのマニホールド壁も形成するように、流体リザーバの一部を通って延びている。このような構成では、管流体ギャップとシリンダー流体ギャップの両方の上端部と下端部が、流体リザーバの空洞内に位置し、ボトム流体ギャップも流体リザーバの空洞内に位置する。このような構成では、流体リザーバ内の非固体潤滑剤の液位は、ボトム流体ギャップ、管流体ギャップ、および/またはボトム流体ギャップ内の非固体潤滑剤の液位に直接影響する。他の限定されない構成では、流体リザーバを形成するマニホールド側壁が管流体ギャップのマニホールド壁の5~100%(およびその間のすべての値および範囲)も形成し、および/またはボトム流体ギャップのマニホールド壁の5~100%(およびその間のすべての値および範囲)を形成するように、ガスシリンダー組立体の一部が、流体リザーバの一部を通って延びている。
【0028】
本開示の1つの限定されない目的において、プレス組立体またはクッション組立体に使用される1つまたは複数のガスシリンダー組立体のための改良された潤滑配置を含む、新規かつ改良されたプレス組立体またはクッション組立体が提供される。
【0029】
本開示の他のおよび/または代替の限定されない目的では、プレス組立体またはクッション組立体使用される1つまたは複数のガスシリンダー組立体のための改良された潤滑配置を含み、任意で、同じサイズのガスシリンダー組立体を有する先行技術のプレス組立体またはクッション組立体よりも小さくおよび/または短くすることができる、新規かつ改良されたプレス組立体またはクッション組立体が提供される。
【0030】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、プレス組立体またはクッション組立体に任意で使用できるマニホールドシステムであって、マニホールド筐体、流体リザーバと、流体リザーバと流体連通しているガスシリンダー組立体とを含み、ガスシリンダー組立体の動作中に、ガスシリンダー組立体のシリンダースリーブ内に流入する霧化された非固体潤滑剤が、シリンダースリーブの内部チャンバの内面を少なくとも部分的にまたは全体的に潤滑するために使用されるマニホールドシステムが提供される。
【0031】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的において、筐体の第1の空洞に支持されるように構成されたシリンダースリーブと、筐体の第2の空洞に支持されるように構成された外管と、ピストンと、非固体潤滑剤とを備えるガスシリンダー組立体が提供される。筐体は、マニホールド筐体とすることができる。しかし、シリンダースリーブおよび/または外管を支持するために、他の構成を使用することもできる。シリンダースリーブは、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する内部チャンバを含む。シリンダースリーブの底部は、任意で、外管の内側チャンバの少なくとも一部に伸縮自在に配置される。当然のことながら、シリンダースリーブの底部は、全体的にまたは部分的に外管から縦方向に離間させることもできる。外管の内面の少なくとも一部または全部は、シリンダー流体ギャップを形成するために、シリンダースリーブの外面の少なくとも一部または全部から間隔をあけて配置される。シリンダー流体ギャップは、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際、シリンダー流体ギャップを通って流体を流すことができるように構成されている。1つの限定されない構成では、外管の側壁の内面の長手方向の長さの20~95%(および、その間のすべての値と範囲)は、シリンダースリーブの側壁の一部の外面に面している。別の限定されない構成では、外管の側壁の内面の長手方向の長さの55~95%が、シリンダースリーブの側壁の一部の外面に面している。別の限定されない構成では、シリンダースリーブの側壁の外面の長手方向の長さの20~95%(および、その間のすべての値と範囲)は、外管の側壁の内面に面している。別の限定されない構成では、シリンダースリーブの側壁の外面の長手方向の長さの30~80%は、外管の側壁の内面に面する。別の限定されない構成では、外管の側壁の内面に面するシリンダースリーブの側壁の外面の長手方向の長さの比率は、シリンダースリーブの側壁の一部の外面に面する外管の側壁の内面の長手方向の長さの比率よりも小さい。別の限定されない構成では、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際、ピストンは外管から間隔をあけて配置されている。シリンダースリーブの下端部の少なくとも一部または全部は、外管の内側チャンバの内面から間隔をあけて配置される。外管の外面の少なくとも一部は、管流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体の壁の内面の少なくとも一部から間隔をあけて配置される。管流体ギャップは、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置の間を軸方向に移動する際、管流体ギャップへの流体の流入および管流体ギャップからの流体の流出を可能にするように構成されている。外管の下端部の少なくとも一部は、ボトム流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体から間隔をあけて配置される。ボトム流体ギャップは、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、シリンダー流体ギャッと管流体ギャップとの間を流体が流れるように構成されている。ボトム流体ギャップの少なくとも一部は、任意で非固体潤滑剤を含んでいる。
【0032】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的において、ピストンが、シリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際、流体がシリンダースリーブの上端部から流出するのを阻止するように構成されたシール機構を含む、ガスシリンダー組立体が提供される。
【0033】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的において、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を初期移動する前の、ボトム流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位は、外管の下端部が非固体潤滑剤に浸るような液位である、ガスシリンダー組立体が提供される。ボトム流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位はまた、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を最初に移動した後、外管の下端部が非固体潤滑剤に浸ったままとなるようにすることもできる。
【0034】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的において、ボトム流体ギャップ、シリンダー流体ギャップ、および/または管流体ギャップの少なくとも一部が、非固体潤滑剤を含む、ガスシリンダー組立体が提供される。一般的に、1つまたは複数のガスシリンダー組立体の初期動作の前に、霧化されていない状態の潤滑剤が、ボトム流体ギャップ、シリンダー流体ギャップ、および/または管流体ギャップに配置されている。
【0035】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的において、ボトム流体ギャップおよび/または管流体ギャップが、流体リザーバと直接流体連通している、ガスシリンダー組立体が提供される。1つの限定されない構成では、ボトム流体ギャップおよび/または管流体ギャップの少なくとも一部は、流体リザーバの壁によって形成される。
【0036】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的において、ピストンが、シリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、流体がシリンダースリーブの上部から流出するのを阻止するように構成されたシール機構を含む、ガスシリンダー組立体が提供される。
【0037】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的において、ボトム流体ギャップにおける非固体潤滑剤の液位が、外管の下端部が非固体潤滑剤に浸るような液位である、ガスシリンダー組立体が提供される。
【0038】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、シリンダー流体ギャップの最小断面積が、シリンダースリーブの内部チャンバの平均断面積よりも、少なくとも25%大きいガスシリンダー組立体が提供される。シリンダー流体ギャップの断面積を適切に構成することにより、ピストンがピストン膨張位置からピストン収縮位置に移動する際に、シリンダースリーブの内部チャンバからシリンダー流体ギャップへの流体の流れが損なわれないか、ほとんど損なわれない。ある特定の構成では、シリンダー流体ギャップの長手方向の長さの5~100%(および、その間のすべての値と範囲)に沿ったシリンダー流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブの内部チャンバの下端部における、内部チャンバの開口部の断面積の25~200%(および、その間のすべての値と範囲)である。別の特定の構成では、シリンダー流体ギャップの長手方向の長さの50~100%に沿ったシリンダー流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブの内部チャンバの下端部における内部チャンバの開口部の断面積の40~150%である。別の特定の構成では、シリンダー流体ギャップの長手方向の長さの75~100%に沿ったシリンダー流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブギャップの内部チャンバの下端部にある内部チャンバの開口部の断面積の50~100%である。シリンダー流体ギャップの断面積は、シリンダー流体ギャップの長手方向に沿って不変でも可変でもよい。
【0039】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、シリンダー流体ギャップの容積が、シリンダースリーブの内部チャンバの容積の少なくとも20%であるガスシリンダー組立体が提供される。シリンダー流体ギャップの容積は、ピストンがピストン膨張位置からピストン収縮位置に移動する際に、シリンダースリーブの内部チャンバからシリンダー流体ギャップへの、流体の流入を損なわないように選択することができる。ある特定の構成では、シリンダー流体ギャップの容積は、シリンダースリーブの内部チャンバの容積の20~200%(および、その間のすべての値と範囲)である。別の特定の構成では、シリンダー流体ギャップの容積は、シリンダースリーブの内部チャンバの30~150%である。別の特定の構成では、シリンダー流体ギャップの容積は、シリンダースリーブの容積の40~100%である。
【0040】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、管流体ギャップの最小断面積が、シリンダースリーブの内部チャンバの平均断面積よりも少なくとも25%大きいガスシリンダー組立体が提供される。管流体ギャップの断面積を適切に構成することにより、ピストンがピストン膨張位置からピストン収縮位置に移動する際に、シリンダースリーブの内部チャンバから管流体ギャップへの流体の流れが損なわれることを、少なくとも部分的に最小限に抑えることができる。ある特定の構成では、管流体ギャップの長手方向の長さの5~100%(および、その間のすべての値と範囲)に沿った管流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブの内部チャンバの下端部における内部チャンバの開口部の断面積の25~200%(および、その間のすべての値と範囲)である。別の特定の構成では、管流体ギャップの長手方向の長さの50~100%に沿った管流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブの内部チャンバの下端部における内部チャンバの開口部の断面積の40~150%である。別の特定の構成では、管流体ギャップの長手方向の長さの75~100%に沿った管流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブの内部チャンバの下端部における内部チャンバの開口部の断面積の50~100%である。シリンダー流体ギャップの断面積は、シリンダー流体ギャップの長手方向に沿って不変でも可変でもよい。
【0041】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、ボトム流体ギャップの最小断面積が、シリンダースリーブの内部チャンバの平均断面積よりも少なくとも25%大きいガスシリンダー組立体が提供される。ボトム流体ギャップの断面積を適切に構成することにより、ピストンがピストン膨張位置からピストン収縮位置に移動する際に、シリンダースリーブの内部チャンバからボトム流体ギャップを通過する流体の流れが損なわれることを、少なくとも部分的に最小限に抑えることができる。ある特定の構成では、ボトム流体ギャップの長手方向の長さの5~100%(および、その間のすべての値と範囲)に沿ったボトム流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブの内部チャンバの下端部における内部チャンバの開口部の断面積の25~200%(および、その間のすべての値と範囲)である。別の特定の構成では、ボトム流体ギャップの長手方向の長さの50~100%に沿ったボトム流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブの内部チャンバの下端部における内部チャンバの開口部の断面積の40~150%である。別の特定の構成では、ボトム流体ギャップの長手方向の長さの75~100%に沿ったボトム流体ギャップの最小断面積は、シリンダースリーブの内部チャンバの下端部における内部チャンバの開口部の断面積の50~100%である。シリンダー流体ギャップの断面積は、シリンダー流体ギャップの長手方向に沿って不変でも可変でもよい。
【0042】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、a)マニホールド筐体と、b)流体を含む流体リザーバと、c)第1のガスシリンダー組立体とを含むマニホールドシステムが提供される。第1のガスシリンダー組立体は、マニホールド筐体内の第1のシリンダー空洞に支持されたシリンダースリーブと、マニホールド筐体内の第1の管空洞に支持されるように構成された外管と、ピストンとを含む。シリンダースリーブは内部チャンバを含み、ピストンはシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する。シリンダースリーブの底部は、外管の内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている。外管の内面の少なくとも一部は、ピストンが内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にするように構成されたシリンダー流体ギャップを形成するために、シリンダースリーブの外面の少なくとも一部から間隔をあけて配置される。シリンダースリーブの下端部の少なくとも一部は、シリンダー流体ギャップとシリンダースリーブの内部チャンバとの間に流体を流すことを可能にするために、外管の内側チャンバの内面から間隔をあけて配置される。外管の外面の少なくとも一部は、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、流体が管流体ギャップに流入および管流体ギャップから流出することができるように構成された管流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体の内面の少なくとも一部から間隔をあけて配置される。外管の下端部の少なくとも一部は、ピストンがシリンダーの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、シリンダー流体ギャップと管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にするように構成されたボトム流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体から間隔をあけて配置される。ボトム流体ギャップの少なくとも一部または全部は、任意で非固体潤滑剤で満たされている。流体リザーバは、通常、第1のガスシリンダー組立体から離れた位置に配置される。流体の少なくとも一部は、任意で、ピストンがシリンダースリーブの上端部に向かって移動するにつれて、流体リザーバからシリンダースリーブに流れる。流体の少なくとも一部は、任意で、ピストンがシリンダースリーブの上端部に向かって移動するにつれて、流体リザーバからシリンダースリーブに流れる。シリンダースリーブの内部チャンバに流入する流体は、ピストンがシリンダースリーブの上端部に向かって移動するにつれて、シリンダースリーブの内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する、霧化された非固体潤滑剤を含む。流体リザーバは、任意でマニホールドハウジング内に配置され、流体リザーバの少なくとも一部が、シリンダースリーブの上端部と下端部との間に位置するように、流体リザーバがシリンダースリーブに対して相対的に配置されている。第1のガスシリンダー組立体の動作前の流体リザーバ内の非固体潤滑剤の液位は、任意で外管の下端部が非固体潤滑剤に浸る程度である。
【0043】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、シリンダースリーブへの非固体潤滑剤の流入およびシリンダースリーブからの非固体潤滑剤の流出が、少なくとも部分的に、シリンダースリーブ内のピストンの軸方向移動によって引き起こされ、流体ポンプを使用しない、マニホールドシステムが提供される。
【0044】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、第1のガスシリンダー組立体と同様の、第2のガスシリンダー組立体をさらに含む、マニホールドシステムが提供される。第2のガスシリンダー組立体は、第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置されている。流体の少なくとも一部は、任意で、ピストンが第2のガスシリンダー組立体のシリンダースリーブの下端部に向かって移動するにつれて、第2のガスシリンダー組立体のシリンダースリーブから流体リザーバに流入する。流体の少なくとも一部は、任意で、ピストンが第2ガスシリンダー組立体のシリンダースリーブの上端部に向かって移動するにつれて、流体リザーバから第2ガスシリンダー組立体のシリンダースリーブに流れる。第2のガスシリンダー組立体のシリンダースリーブの内部チャンバに流入する流体は、ピストンが第2のガスシリンダー組立体のシリンダースリーブの上端部に向かって移動するにつれて、第2のガスシリンダー組立体のシリンダースリーブの内部チャンバの内面を、少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む。
【0045】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、マニホールド筐体の第1の空洞に支持されるように構成されたシリンダースリーブと、マニホールド筐体の第2の空洞に支持されるように構成された外管と、ピストンと、非固体潤滑剤と、を含むシリンダー組立体を提供するステップを含む、ガスシリンダー組立体の潤滑方法が提供される。
【0046】
シリンダースリーブは内部チャンバを含み、ピストンはシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を、軸方向に移動する。シリンダースリーブの底部は、外管の内側チャンバの少なくとも一部に伸縮自在に配置されている。外管の内面の少なくとも一部は、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置の間を軸方向に移動するにつれて、シリンダー流体ギャップを通して流体すことを可能にするように構成されるシリンダー流体ギャップを形成するために、シリンダースリーブの外面の少なくとも一部から間隔をあけて配置される。シリンダースリーブの下端部の少なくとも一部は、シリンダー流体ギャップとシリンダースリーブの内部チャンバとの間に流体を流すことを可能にするために、外管の内側チャンバの内面から間隔をあけて配置されている。外管の外面の少なくとも一部は、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置の間を軸方向に移動するにつれて、流体が管流体ギャップに流入および管流体ギャップから流出することが可能になるように構成される管流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体の内面の少なくとも一部から離間間隔をあけて配置されている。外管の下端部の少なくとも一部は、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置の間を軸方向に移動するにつれて、シリンダー流体ギャップと管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能とするように構成されたボトム流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体から間隔をあけて配置されている。ボトム流体ギャップの少なくとも一部は、非固体潤滑剤を含む。本方法は、ピストンをピストン収縮位置からピストン膨張位置に移動させることにより、流体を管流体ギャップから、ボトム流体ギャップに流入して通過し、シリンダー流体ギャップに流入して通過し、シリンダースリーブギャップの内部チャンバへと流入させるステップを、さらに含む。ボトム流体ギャップに流入して通過する流体は、ボトム流体ギャップ内の非固体潤滑剤と少なくとも部分的に相互作用し、それにより、流体がシリンダー流体ギャップを通過してシリンダースリーブの内部チャンバに入る際に、非固体潤滑剤の少なくとも一部が霧化されて流体と混合し、シリンダースリーブの内部チャンバに搬送される。シリンダースリーブの内部チャンバに流入した霧化した非固体潤滑剤は、シリンダースリーブの内部チャンバの内面を、少なくとも部分的にまたは全体的に潤滑する。
【0047】
本開示の他の、および/または代替の限定されない目的では、a)材料を成形、整形、および/またはスタンピングするように構成された成形またはスタンピング配置、および、b)、シリンダー組立体が、成形機構またはスタンピング機構の1つまたは複数の構成部品を動かして、材料を成形、整形、および/またはスタンピングさせるように構成されている、シリンダー組立体を含むマニホールドシステム、を含む成形またはスタンピングシステムが提供される。マニホールドシステムは、i)マニホールド筐体と、ii)流体を含む流体リザーバと、iii)マニホールド筐体の第1の空洞に支持されるように構成されたシリンダースリーブと、マニホールド筐体の第2の空洞に支持されるように構成された外管と、ピストンと、非固体潤滑剤とを含む第1のガスシリンダー組立体と、を含む。シリンダースリーブは内部チャンバを含み、ピストンはシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する。シリンダースリーブの底部は、外管の内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている。外管の内面の少なくとも一部は、ピストンが内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置の間を軸方向に移動するにつれて、シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能とするように構成されるシリンダー流体ギャップを形成するために、シリンダースリーブの外面の少なくとも一部から間隔をあけて配置される。シリンダースリーブの下端部の少なくとも一部は、シリンダー流体ギャップとシリンダースリーブの内部チャンバとの間に流体を流すことを可能とするために、外管の内側チャンバの内面から間隔をあけて配置される。外管の外面の少なくとも一部は、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置の間を軸方向に移動する際に、管流体ギャップへ流体を流すことを可能とするように構成された管流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体の内面の少なくとも一部から間隔をあけて配置される。外管の下端部の少なくとも一部は、ピストンがシリンダースリーブの内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置の間を軸方向に移動する際に、シリンダー流体ギャップと管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能とするように構成されたボトム流体ギャップを形成するために、マニホールド筐体から間隔をあけて配置されている。ボトム流体ギャップの少なくとも一部または全部は、任意で非固体潤滑剤を含む。管流体ギャップからボトム流体ギャップを通り、その後シリンダー流体ギャップを通って流れる流体は、管流体ギャップ内の非固体潤滑剤と相互作用し、非固体潤滑剤の少なくとも一部が霧化し、流体とともにシリンダースリーブギャップへと流れる。霧化された非固体潤滑剤は、ピストンがシリンダースリーブの上部に向かって移動するにつれて、シリンダースリーブの内部チャンバの内面を、少なくとも部分的にまたは全体的に潤滑する。
【0048】
これらおよび他の優位な点は、本明細書を読み、それに従うことにより、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
以下では、本開示が物理的形態、特定の部品および部品の配置において取り得る様々な実施の形態を示す図面を参照することができる。
【0050】
【
図1】
図1は、複数の流体リザーバと複数のガスシリンダー組立体とを含む上部マニホールドシステムの断面図である。
【
図2】
図2は、本開示によるガスシリンダー組立体の部分斜視図である。
【
図4】
図4は、2つのガスシリンダー組立体を図示し、流体リザーバ内の非固体潤滑剤の液位を示す、
図1の上部マニホールドシステムの一部の断面図である。
【
図5】
図5は、ピストンがピストン収縮位置に移動する際のガスシリンダー組立体内の流体の流れを示す、
図4と同様の図である、
【
図6】
図6は、ピストンがピストン膨張位置に移動する際のガスシリンダー組立体内の流体の流れを示す
図4と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下の説明では、分かりやすくするために特定の用語が使用されているが、これらの用語は、図面に例示するために選択された実施形態の特定の構造のみを指すことを意図しており、本開示の範囲を定義または限定することを意図していない。図面および以下の説明において、同様の数字表記は同様の機能を有する構成要素を指すことを理解されたい。
【0052】
単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数形の参照語を含む。
【0053】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、用語「comprising」は、実施の形態「consisting of」および「consisting essentially of」を含み得る。本明細書で使用される用語「comprise(s)」、「include(s)」、「having」、「has」、「can」、「contain(s)」、およびそれらの変形は、命名された成分/ステップの存在を必要とし、他の成分/ステップの存在を許容する、オープンエンドの経過的な句、用語、または単語であることが意図される。しかしながら、このような記載は、列挙された成分/ステップから「なる」及び「本質的になる」として組成物又は工程を記載するものでもあると解釈されるべきであり、これは、命名された成分/ステップの存在のみを、そこから生じる可能性のある避けようのない差異とともに許容し、他の成分/ステップを除外するものである。
【0054】
本開示の明細書および特許請求の範囲における数値は、同じ有効桁の数字に減じたときに同じである数値、および数値を決定するために本開示明細書に記載された種類の従来の測定技術の実験の誤差未満だけ記載値と異なる数値を含むものと理解されるべきである。
【0055】
本明細書で開示されるすべての範囲は、言及された端点を含み、単独で組み合わせることができる(例えば、「2グラムから10グラムまで」の範囲は、端点である2グラムと10グラム、およびすべての中間値を含む)。
【0056】
用語の「約」及び「おおよそ」は、その値の基本的な機能を変えることなく変化し得る任意の数値を含むために使用することができる。範囲と共に使用される場合、「約」および「おおよそ」は、2つの端点の絶対値によって定義される範囲も示す。例えば、「約2から約4まで」は、「2から4まで」の範囲も示す。一般的に、「約」および「おおよそ」という用語は、示された数値のプラスマイナス10%を指す場合がある。
【0057】
元素の比率は、明示的に別段の記載がない限り、記載された元素の重量パーセントであるとみなすべきである。
【0058】
窒素マニホールドシステムがプレス組立体またはクッション組立の下部に装着されているのとは反対に、窒素マニホールドシステムがプレスの移動ラムに装着された場合、そのような装着は、シリンダーロッドを反転させ、その後、オイルはシリンダースリーブの底部に溜まらない。このようなマニホールドの装着は、上部取付マニホールド装着とみなされる。このような構成では、高圧シール付きピストンは、オイルがほとんどないシリンダースリーブの内面を軸方向にスライドする。このような高圧シールのドライサイクルは、早期の故障や窒素漏れを引き起こす可能性がある。
【0059】
上部取付マニホールド装着のための1つの先行技術における潤滑システムは、米国特許第4,688,775号明細書に開示されており、この特許は、参照により本明細書に全体的に組み込まれる。マニホールド内のシリンダー組立体の潤滑配置は、シリンダー組立体のシリンダースリーブの底部にオイルを流入させ、ピストンのシールを潤滑してシリンダー組立体の寿命を延ばす。
【0060】
米国特許第4,688,775号明細書に開示された潤滑配置は、使用中にシリンダー組立体を潤滑するのに効果的だが、潤滑配置に使用されるオイルリザーバは、シリンダーの底部にオイルを供給するために、シリンダー組立体内のシリンダーの下端部の上方または下方の位置でマニホールド上に配置される。このような配置では、オイルリザーバを収容するためにマニホールドの配置の高さが、より高くなる。また、この潤滑配置では、シリンダー組立体と潤滑配置との圧力差を制御するために、追加のガス経路が必要となる。いくつかの構成では、オイルをオイルリザーバに送り返すために、シリンダーから間隔を置いた別体のポンプシステムが必要となる。
【0061】
ガスシリンダーシステムの現在の技術状況を鑑み、本開示発明者は、ガスシリンダーシステムの動作中に、ガスシリンダーシステムの構成部品を効果的に潤滑することができる、改良されたコンパクトなガスシリンダーシステムを発明した。
【0062】
次に
図1~6を参照すると、自動車産業、製造産業、医療分野等において、材料を部品にスタンピング、切り抜き、成形等するためのプレス機構またはクッション機構200と組み合わせて使用することができるマニホールドシステム100が図示されている。プレス機構またはクッション機構200の構成部品(例えば、転写プレート、プレスボルスタ、下部金型、上部金型、上部金型シュー、下部金型シュー、圧力パッド、金型部材、転写ピン、バインダ、プレススライドなど)は、当該技術分野において周知である。このため、プレス機構またはクッション機構200の構成部品およびそのような構成部品が材料を部品に成形するために、どのように使用されるかについて、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0063】
図1を参照すると、マニホールドシステム100は、ガスシリンダー組立体400のピストン440のピストンロッド444が、ガスシリンダー組立体のシリンダースリーブ410から下方に向いた上部取付マニホールド装着に向けられている。ガスシリンダー組立体400は、流体リザーバ600に流体連結されている。
図1に示されているように、複数のガスシリンダー組立体400を流体リザーバ600に流体連結することができる。しかし、これは必須ではない。流体リザーバ600は、流体リザーバ600の長手方向軸が、ガスシリンダー組立体400のシリンダースリーブ410の長手方向軸に概ね垂直であるような向きで図示されている。しかしながら、これは必須ではない。マニホールドシステム100は、マニホールドシステムの動作中に、圧力、温度、潤滑剤液位、ピストンのストローク速度、毎分のピストンのストローク数などを監視するための、1つまたは複数のゲージ320および/または他のタイプの監視機器を含むことができる。
【0064】
次に
図2~5を参照すると、マニホールドシステム100で使用できる、限定されないガスシリンダー組立体400が図示されている。ガスシリンダー組立体400は、シリンダースリーブ410、外管500、およびピストン440を含む。シリンダースリーブ410は、ピストン440が内部チャンバ412内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する、内部チャンバ412を含む。シリンダースリーブ410の底部430は、外管500の内側チャンバ510の少なくとも一部に伸縮自在に配置されている。外管500の内側チャンバ510の内面512の少なくとも一部は、シリンダー流体ギャップ470を形成するために、シリンダースリーブ412の外面416の少なくとも一部から間隔をあけて配置されている。シリンダースリーブ412の下端部432の少なくとも一部は、外管500の内側チャンバ510の内面512から間隔をあけて配置されている。ピストン440は、シールを通過してシリンダースリーブ410の上端部422から、流体が流出するのを阻止または防止するために使用される1つまたは複数のピストンシール442を含む。ピストンシール442は、一般的にポリマーシールである。しかし、シールには、他の種類の材料を使用することもできる。ある特定の限定されない構成では、シリンダースリーブ410は、外管500から全体的に間隔をあけて配置されている。当然ながら、シリンダースリーブ410の1つまたは複数の部分は、任意で外管500に接触することができる。
【0065】
次に
図4を参照すると、2つのガスシリンダー組立体400が、マニホールド筐体300に取り付けられる様子が図示されている。ガスシリンダー組立体400のそれぞれについて、シリンダースリーブ410は、マニホールド筐体300に形成されるスリーブ空洞310に取り付けられ、外管500は、マニホールド筐体300に形成される管空洞330に取り付けられている。シリンダースリーブ410および外管500は、あらゆる取り付け(例えば、ねじ式取り付け、摩擦嵌合、接着剤、スロットおよび溝など)で、マニホールド筐体300に取り付けることができる。シリンダースリーブ410の上部420は、シリンダースリーブ410の外面416とマニホールドスリーブ空洞310との間を流体が流れるのを抑制または防止するために使用される、1つまたは複数のシリンダーシール460を、任意で含むことができる。1つまたは複数のシリンダーシール460は、シリンダースリーブ410に対するシリンダーシール460の位置の維持を容易にするシリンダーシール溝450に、任意で配置することができる。外管500の上部550は、外管500の外面520とマニホールド管空洞330との間を流体が流れるのを抑制または防止するために使用される1つまたは複数の管シール540を、任意で含むことができる。1つまたは複数の管シール540は、外管500に対する管シール540の位置の維持を容易にする管シール溝530に、任意で配置することができる。ピストン440がピストン収縮位置にある場合、ピストン440は、シリンダースリーブ410の底部430の下端部432に位置するか、またはその近くに位置する。ピストン440がピストン膨張位置にある場合、ピストン440は、シリンダースリーブ410の上部420の上端部422に位置するか、またはその近くに位置する。
【0066】
図3及び
図4に示されるように、外管500及びシリンダースリーブ410は、一般的に互いに間隔をあけて配置され、連結されていない。外管500とシリンダースリーブ410をマニホール筐体に取り付けることにより、外管500とシリンダースリーブ410の互いの相対位置を維持する。外管500とシリンダースリーブ410のこのような構成は、マニホールドシステムで使用されるガスシリンダー組立体400にとって新規なものである。
【0067】
管流体ギャップ570が、外管500の外面520とマニホールド筐体300の壁の内面340の一部との間に形成される。ボトム流体ギャップ580は、外管500の底部560の下端部562とマニホールド筐体300の壁の一部との下方に位置する。ボトム流体ギャップ580には、非固体潤滑剤700(例えば、2Tオイル等)が配置されている。
図4に示されるように、外管500の下端部562は非固体潤滑剤700に浸っており、下端部562の少なくとも一部または全部は、マニホールド筐体300から間隔をあけている。当然ながら、非固体潤滑剤700の液位704は、外管500の下端部562が非固体潤滑剤700に浸らないようにすることができる。
図4にも示されているように、非固体潤滑剤700の液位704は、シリンダー流体ギャップ470および管流体ギャップ570の一部もが非固体潤滑剤で部分的に満たされるような液位であるが、当然ながら、非固体潤滑剤700の液位704は、シリンダー流体ギャップ470および/または管流体ギャップ570に非固体潤滑剤700が無いような液位であり得る。
【0068】
シリンダー流体ギャップ470は、ピストン440がシリンダースリーブ410の内部チャンバ412内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、シリンダー流体ギャップ470を通して流体を流すことを可能にするように構成されている。シリンダースリーブ410の下端部432は、シリンダー流体ギャップ470とシリンダースリーブ410の内部チャンバ412との間に流体を流すことを可能にするように、外管500の内側チャンバ510の内面から間隔をあけている。管流体ギャップ570は、ピストン440がシリンダースリーブ410の内部チャンバ412内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、流体が管流体ギャップ570に流入でき、および管流体ギャップ570から流出できるように構成されている。ボトム流体ギャップ580は、ピストン440がシリンダースリーブギャップ410の内部チャンバ412内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、シリンダー流体ギャップ470と管流体ギャップ570との間に流体を流すことが可能にするように構成されている。
【0069】
シリンダー流体ギャップ470のサイズおよび/または構成は、ピストン440がシリンダースリーブ410の内部チャンバ412内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、シリンダー流体ギャップ470を通る流体の流れの制限を最小限または防ぐように、任意で選択することができる。一つの限定さされない構成では、シリンダー流体ギャップ470の総容積は、シリンダースリーブ410の内部チャンバ412の総容積の少なくとも25%である。追加的または代替的には、シリンダー流体ギャップ470の長手方向の長さの一部または全部(例えば、長手方向の長さの5~100%、および、その間のすべての値と範囲)に沿ったシリンダー流体ギャップ470の最小断面積は、シリンダースリーブ410の内部チャンバ412の下端部における、内部チャンバ412の開口部の断面積の少なくとも50%である。これらのシリンダー流体ギャップ470の構成の一方または両方を使用することにより、流体がシリンダースリーブ410とシリンダー流体ギャップ470の間を流れるので、流体の流れの戻りは、ほとんど無い、または全く無い。
【0070】
シリンダースリーブ410の内部チャンバ412内でピストン440がピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、管流体ギャップ570とシリンダースリーブ410の内部チャンバ412との間の流体の流れの損失を最小限または防ぐように、管流体ギャップ570の大きさ、および/または構成を、任意に選択することができる。1つの限定されない構成において、管流体ギャップ570の長手方向の長さの一部または全部(例えば、長手方向の長さの5~100%、およびその間のすべての値と範囲)に沿った、管流体ギャップ570の最小断面積は、シリンダースリーブギャップ410の内部チャンバ412の下端部における、内部チャンバ412の開口部の断面積の少なくとも50%である。
【0071】
ボトム流体ギャップ580の大きさおよび/または構成は、ピストン440がシリンダースリーブ410の内部チャンバ412内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際に、ボトム流体ギャップ580を通る流体の流れの損失を最小限または防ぐように、任意に選択することができる。1つの限定されない構成において、ボトム流体ギャップ580の長手方向の長さの一部または全部(例えば、長手方向の長さの5~100%、およびその間のすべての値と範囲)に沿った、ボトム流体ギャップ580の最小断面積は、シリンダースリーブ410の内部チャンバ412の下端部における、内部チャンバ412の開口部の断面積の少なくとも50%である。
【0072】
図4は、2つのガスシリンダー組立体400の外管500の間に位置する流体リザーバ600を示す。1つの限定されない構成において、2つのガスシリンダー組立体400の外管500の間に位置する空洞は、流体リザーバ600と直接流体連通しているか、または流体リザーバ600の一部である。このような構成では、流体リザーバ600とシリンダー組立体400との間に流体を流すことを可能にするために、別体の流体管機構は必要ない。2つのガスシリンダー組立体400の外管500の間に位置する空洞が流体リザーバ600の一部である場合、マニホールド管空洞330は、流体リザーバの上部に形成され、マニホールドスリーブ空洞310は、ガスシリンダー組立体400がマニホールド筐体に取り付けられた場合に、ガスシリンダー組立体400の少なくとも一部が流体リザーバ600を通って延びるように、流体リザーバの底部に形成されている。このような構成では、管流体ギャップ570は、流体リザーバ600と直接流体連通しているか、または流体リザーバ600の一部である。1つまたは複数のガスシリンダー組立体400が流体リザーバ600の少なくとも一部に配置されている場合、非固体潤滑剤は、単に流体リザーバ600内に添加され、所望の液位まで充填される必要があるだけであり、それによってボトム流体ギャップ580も充填され、シリンダー流体のギャップ470および管流体ギャップ570の一部も非固体潤滑剤700で任意で充填される。当然ながら、マニホールドシステムを組立中に回転させて向きを変えると、非固体潤滑剤700が、流体リザーバ600およびガスシリンダー組立体400の全体に移動する。しかし、マニホールドシステムが最終的な上部マニホールド装着になると、非固体潤滑剤700は、重力によって流体リザーバ600の底部領域に流れ、また、ガスシリンダー組立体400の動作前に、ボトム流体ギャップ580と、任意でシリンダー流体ギャップ470および管流体ギャップ570の一部とを、非固体潤滑剤700で満たし、これにより、非固体潤滑剤700が、ガスシリンダー組立体400の動作前に、流体リザーバ600およびガスシリンダー組立体400の望ましい位置にあることを確実にする。
【0073】
ここで
図1および
図5、6を参照すると、マニホールド筐体300内のガスシリンダー組立体400の限定されない動作が図示されている。
図1に示されるように、クッション機構200は、矢印で示されるように上下に移動するように構成されている。クッション機構200は、通常、ガスシリンダー組立体400それぞれのシリンダースリーブ410内のピストン440がピストン収縮位置からピストン膨張位置に移動するにつれて、ピストンロッド444によって下方に移動させられる。限定されない機構の1つでは、クッション機構200は、クッション機構200の少なくとも一部を持ち上げ、それによってピストンロッド444に力を加えて、ガスシリンダー組立体400それぞれのシリンダースリーブ410内のピストン440をピストン膨張位置からピストン収縮位置まで移動させる、リフト機構を含む。ピストン膨張位置からピストン収縮位置へ、そしてピストン膨張位置へ戻るピストン440の各一組の移動は、ガスシリンダー組立体400のシリンダースリーブ410内のピストン440の1サイクルまたは1ストロークとみなされる。
【0074】
ピストン440が、ガスシリンダー組立体400のシリンダースリーブ410内のピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、流体はシリンダースリーブ410の内部チャンバ412と流体リザーバ600との間を流れる。
図5、6の流体の流れの矢印は、ピストン440がガスシリンダー組立体400のシリンダースリーブ410内のピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動する際の流体の流れ方向を示している。
【0075】
次に
図5を参照すると、ピストンロッドに力矢印Fの方向に力が加えられたときに、ピストン440がガスシリンダー組立体400のシリンダースリーブ410内のピストン収縮位置に向かって軸方向に移動する場合、ピストン440の上部とシリンダースリーブの上端部422との間の内部チャンバ412の容積が減少する。上述したように、ピストン440のこのような移動は、クッション機構200によって、および/または他の何らかの機構によって引き起こされ得る。ピストン440の上部とシリンダースリーブの上端部422との間の内部チャンバ412の容積が減少すると、内部チャンバ412内の圧力が上昇し、内部チャンバ412内の流体が、流体の流れの矢印で示されるように、内部チャンバ412から流出し、シリンダー流体ギャップ470に流入し、ボトム流体ギャップ580を通って管流体ギャップ570に流入する。管流体ギャップ570および/またはマニホールド空洞350が、流体リザーバ600と直接流体連通しているか、または流体リザーバ600の一部である場合、管流体ギャップ570および/またはマニホールド空洞350からの流体は、ピストン440がピストン収縮位置に移動するにつれて、流体リザーバ600に流入する。流体(例えば、窒素ガス、窒素ガスおよび非固体潤滑剤など)が、シリンダースリーブギャップ470、ボトム流体ギャップ580、および/または管流体ギャップ570に配置された非固体潤滑剤700に流れる、および/または、その上を通過するにつれて、流体の流れは、非固体潤滑剤700と乱気流を生じ、非固体潤滑剤700の少なくとも一部を霧化された潤滑剤702にする。非固体潤滑剤700の霧化は、シリンダースリーブギャップ470、ボトム流体ギャップ580、および/または管流体ギャップ570で起こり得る。
図4は、マニホールドシステム100におけるガスシリンダー組立体400の動作前の、シリンダースリーブギャップ470、ボトム流体ギャップ580、および管流体ギャップ570内の非固体潤滑剤700の液位を示している。ガスシリンダー組立体400の動作後、シリンダースリーブギャップ470、ボトム流体ギャップ580、および管流体ギャップ570内の非固体潤滑剤700の全量のうちの一部は、霧化された潤滑剤702になるだろう。
【0076】
次に
図6を参照すると、ピストン440が、ガスシリンダー組立体400のシリンダースリーブ410内のピストン膨張位置に向かって軸方向に移動する場合、ピストン440の上部とシリンダースリーブ410の上端422との間の内部チャンバ412の容積が増加する。一般的に、流体リザーバ600内の加圧流体は、シリンダースリーブ410内のピストン440の、このような軸方向の移動を引き起こす。ピストン440の上部とシリンダースリーブ410の上端部422との間の内部チャンバ412の容積が増大するにつれて、内部チャンバ412内の圧力が低下し、流体が流体リザーバ600から出て、流体の流れ矢印で示すように、管流体ギャップ570に流入し、次にボトム流体ギャップ580を通過し、次にシリンダースリーブギャップ470に流入し、次にシリンダースリーブ410の内部チャンバ412に流入する。流体が内部チャンバ412に流入すると、流体中の霧化された潤滑剤702が内部チャンバ412に入り、内部チャンバ412の内壁414を潤滑剤で被覆する。再び、流体が、シリンダースリーブギャップ470、ボトム流体ギャップ580、および/または管流体ギャップ570に位置する非固体潤滑剤700を通過するおよび/または通り越す際、流体の流れは、非固体潤滑剤700と乱気流を生じさせ、非固体潤滑剤700の少なくとも一部を霧化された潤滑剤702にする。
【0077】
図5、6に示される流体通路は、マニホールドシステム100の動作中、ピストン440がガスシリンダー組立体それぞれのシリンダースリーブ410内を軸方向に移動する際に繰り返され、それにより、内部チャンバ412の内壁414を絶えず継続的に潤滑する。
【0078】
このように、上記の説明から明らかとなった目的のうち、上記に記載された目的が効率的に達成され、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、記載された構成に一定の変更を加えることができるため、上記の説明に含まれ、添付の図面に示された全ての事項は、限定的な意味ではなく、例示的なものとして解釈されることが意図されている。本開示は、好適な実施の形態および代替の実施の形態を参照して説明されてきた。変更および改変は、本明細書で提供される本開示の詳細な説明を読み、理解することにより、当業者には明らかになるであろう。本開示は、本開示の範囲に含まれる限りにおいて、そのような修正および変更をすべて含むことを意図している。また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された本開示の一般的特徴および具体的特徴のすべて、ならびに、言葉の問題としてその間に該当すると言えるかもしれない本開示の範囲に関するすべての記載をカバーすることを意図していることを理解されたい。本開示を好ましい実施の形態を参照して説明した。本開示のこれらの好ましい実施形態および他の変形例と同様の他の実施の形態は、本明細書の開示から明らかであり、したがって、上記の説明は、単に本開示の例示として解釈されるべきであり、限定とするものではない。本開示は、添付の特許請求の範囲に含まれる限りにおいて、このような修正および変更をすべて含むことが意図されている。
【0079】
特許庁と本開示の読者、ならびに結果として生じる特許の、本開示明細書に添付された請求項を解釈するのを助けるために、出願人が、特定の請求項において「means for」または「step for」という言葉を明示的に使用していない限り、添付された請求項または請求項の要素のいずれもが、35 U.S.C. 112(f)に該当することを意図していない。
【0080】
(付記)
(付記1)
筐体の第1の空洞に支持された外管であって、前記外管は内側チャンバを含む、外管と、
前記筐体の第2の空洞に支持されたシリンダースリーブであって、前記シリンダースリーブは内部チャンバを含み、前記シリンダースリーブの底部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている、シリンダースリーブと、
ピストンであって、前記ピストンは、前記内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動可能である、ピストンと、
前記外管の内面の少なくとも一部と前記シリンダースリーブの外面の少なくとも一部との間に形成されたシリンダー流体ギャップであって、前記シリンダー流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にする、シリンダー流体ギャップと、
前記外管の外面の少なくとも一部と前記マニホールド筐体の内面の少なくとも一部との間に形成された管流体ギャップであって、前記管流体ギャップは、前記管流体ギャップへの流体の流入および前記管流体ギャップからの流体の流出を可能にする、管流体ギャップと、
前記外管の下端部と前記筐体との間に形成された下端部ギャップであって、前記ボトム流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップと前記管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にする、下端部ギャップと、
を備える、ガスシリンダー組立体。
【0081】
(付記2)
前記シリンダースリーブの下端部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの内面から間隔をあけて配置されている、
付記1に記載のガスシリンダー組立体。
【0082】
(付記3)
前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップの少なくとも一部が非固体潤滑剤を含む、
付記1に記載のガスシリンダー組立体。
【0083】
(付記4)
前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップの少なくとも一部が非固体潤滑剤を含む、
付記2に記載のガスシリンダー組立体。
【0084】
(付記5)
前記ボトム流体ギャップにおける前記非固体潤滑剤の液位は、前記外管の前記下端部の少なくとも一部が前記非固体潤滑剤に浸るような液位である、
付記3に記載のガスシリンダー組立体。
【0085】
(付記6)
前記ボトム流体ギャップにおける前記非固体潤滑剤の液位は、前記外管の前記下端部の少なくとも一部が前記非固体潤滑剤に浸るような液位である、
付記4に記載のガスシリンダー組立体。
【0086】
(付記7)
前記ピストンは、流体が前記シリンダースリーブの上端部から流出するのを抑制するシール機構を含む、
付記1に記載のガスシリンダー組立体。
【0087】
(付記8)
前記ピストンは、流体が前記シリンダースリーブの上端部から流出するのを抑制するシール機構を含む、
付記2から6の何れか一つに記載のガスシリンダー組立体。
【0088】
(付記9)
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
付記1に記載のガスシリンダー組立体。
【0089】
(付記10)
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
付記2から8の何れか一つに記載のガスシリンダー組立体。
【0090】
(付記11)
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記1に記載のガスシリンダー組立体。
【0091】
(付記12)
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記2から10の何れか一つに記載のガスシリンダー組立体。
【0092】
(付記13)
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記1に記載のガスシリンダー組立体。
【0093】
(付記14)
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記2から12の何れか一つに記載のガスシリンダー組立体。
【0094】
(付記15)
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記1に記載のガスシリンダー組立体。
【0095】
(付記16)
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記2から14の何れか一つに記載のガスシリンダー組立体。
【0096】
(付記17)
マニホールド筐体であって、前記マニホールド筐体は第1の空洞と第2の空洞とを有する、マニホールド筐体と、
第1のガスシリンダー組立体であって、
前記マニホールド筐体の前記第1の空洞内に支持された外管であって、前記外管は内側チャンバを含む、外管と、
前記マニホールド筐体の前記第2の空洞に支持されたシリンダースリーブであって、前記シリンダースリーブは内部チャンバを含み、前記シリンダースリーブの底部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている、シリンダースリーブと、
ピストンであって、前記ピストンは、前記内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動可能である、ピストンと、
前記外管の内面の少なくとも一部と前記シリンダースリーブの外面の少なくとも一部との間に形成されたシリンダー流体ギャップであって、前記シリンダー流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にする、シリンダー流体ギャップと、
前記外管の外面の少なくとも一部と前記マニホールド筐体の内面の少なくとも一部との間に形成された管流体ギャップであって、前記管流体ギャップは、前記管流体ギャップへの流体の流入および前記管流体ギャップからの流体の流出を可能にする、管流体ギャップと、
前記外管の下端部と前記マニホールド筐体との間に形成された下端部ギャップであって、前記ボトム流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップと前記管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にする、下端部ギャップと、
を含む、前記第1のガスシリンダー組立体と、
を備える、シリンダー組立体を含むマニホールドシステム。
【0097】
(付記18)
前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップの少なくとも一部が非固体潤滑剤を含む、
付記17に記載のマニホールドシステム。
【0098】
(付記19)
前記ボトム流体ギャップにおける前記非固体潤滑剤の液位は、前記外管の前記下端部の少なくとも一部が前記非固体潤滑剤に浸るような液位である、
付記18に記載のマニホールドシステム。
【0099】
(付記20)
前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含み、前記霧化された非固体潤滑剤は、前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップに少なくとも部分的に形成される、
付記18に記載のマニホールドシステム。
【0100】
(付記21)
前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含み、前記霧化された非固体潤滑剤は、前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップに少なくとも部分的に形成される、
付記19に記載のマニホールドシステム。
【0101】
(付記22)
前記マニホールド筐体は流体リザーバを含み、
前記流体リザーバは、前記流体リザーバの少なくとも一部が前記シリンダースリーブの前記上端部と前記下端部との間に位置するように、前記シリンダースリーブに対して相対的に配置される、
付記17に記載のマニホールドシステム。
【0102】
(付記23)
前記マニホールド筐体は流体リザーバを含み、
前記流体リザーバは、前記流体リザーバの少なくとも一部が前記シリンダースリーブの前記上端部と前記下端部との間に位置するように、前記シリンダースリーブに対して相対的に配置される、
付記18から21の何れか一つに記載のマニホールドシステム。
【0103】
(付記24)
前記流体リザーバは少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップを形成する、
付記22に記載のマニホールドシステム。
【0104】
(付記25)
前記流体リザーバは少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップを形成する、
付記23に記載のマニホールドシステム。
【0105】
(付記26)
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
付記17に記載のマニホールドシステム。
【0106】
(付記27)
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
付記18から25の何れか一つに記載のマニホールドシステム。
【0107】
(付記28)
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記17に記載のマニホールドシステム。
【0108】
(付記29)
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記18から27の何れか一つに記載のマニホールドシステム。
【0109】
(付記30)
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記17に記載のマニホールドシステム。
【0110】
(付記31)
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記18から29の何れか一つに記載のマニホールドシステム。
【0111】
(付記32)
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記17に記載のマニホールドシステム。
【0112】
(付記33)
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記18から31の何れか一つに記載のマニホールドシステム。
【0113】
(付記34)
第2のガスシリンダー組立体であって、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に前記第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置され、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダーと同様の構成を有する、第2のガスシリンダー組立体をさらに含み、
前記第2のガスシリンダー組立体の前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る前記流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む、
付記17に記載のマニホールドシステム。
【0114】
(付記35)
第2のガスシリンダー組立体であって、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に前記第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置され、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダーと同様の構成を有する、第2のガスシリンダー組立体をさらに含み、
前記第2のガスシリンダー組立体の前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る前記流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む、
付記18から33の何れか一つに記載のマニホールドシステム。
【0115】
(付記36)
ガスシリンダー組立体であって、
筐体の第1の空洞に支持された外管であって、前記外管は内側チャンバを含む、外管と、
前記筐体の第2の空洞に支持されたシリンダースリーブであって、前記シリンダースリーブは内部チャンバを含み、前記シリンダースリーブの底部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている、シリンダースリーブと、
ピストンであって、前記ピストンは、前記内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動可能である、ピストンと、
非固体潤滑剤と、
前記外管の内面の少なくとも一部と前記シリンダースリーブの外面の少なくとも一部との間に形成されたシリンダー流体ギャップであって、前記シリンダー流体ギャップは前記ピストンが前記ピストン膨張位置と前記ピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、前記シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にする、シリンダー流体ギャップと、
前記外管の外面の少なくとも一部と前記マニホールド筐体の内面の少なくとも一部との間に形成された管流体ギャップであって、前記管流体ギャップは、前記ピストンが前記ピストン膨張位置と前記ピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、前記管流体ギャップへの流体の流入および前記管流体ギャップからの流体の流出を可能にする、管流体ギャップと、
前記外管の下端部の少なくとも一部と前記筐体との間に形成された下端部ギャップであって、前記ボトム流体ギャップは、前記ピストンが前記ピストン膨張位置と前記ピストン収縮位置との間を軸方向に移動するにつれて、前記シリンダー流体ギャップと前記管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にし、前記下端部ギャップは前記非固体潤滑剤を含む、下端部ギャップと、
を含む前記ガスシリンダー組立体を提供するステップと、
前記ピストンを前記ピストン収縮位置から前記ピストン膨張位置に移動させることにより、流体を、前記管流体ギャップから、前記ボトム流体ギャップに流入して通過させ、前記シリンダー流体ギャップに流入して通過させ、その後前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに流入させるステップと、
を備え、
前記ボトム流体ギャップに流入して通過する前記流体が、少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ内の前記非固体潤滑剤と相互作用して、それにより、前記非固体潤滑剤の少なくとも一部が、前記流体と霧化されて混合され、
前記霧化された非固体潤滑剤が、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入った後に、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する、
ガスシリンダー組立体の潤滑方法。
【0116】
(付記37)
成形システムまたはスタンピングシステムであって、
材料を成形、整形、および/またはスタンピングするように構成された成形機構またはスタンピング機構と、
ガスシリンダー組立体を含むマニホールドシステムであって、前記ガスシリンダー組立体は、前記成形機構またはスタンピング機構における1つまたは複数の構成部品を移動させることにより、前記材料を成形、整形、および/またはスタンピングさせることを容易にする、マニホールドシステムと、
を備え、
前記マニホールドシステムは、
マニホールド筐体であって、前記マニホールド筐体は第1の空洞と第2の空洞とを含む、マニホールド筐体と、
第1のガスシリンダー組立体と、
を含み、
前記第1のガスシリンダー組立体ガスシリンダー組立体は、
前記マニホールド筐体の前記第1の空洞内に支持された外管であって、前記外管は内側チャンバを含む、外管と、
前記マニホールド筐体の前記第2の空洞に支持されたシリンダースリーブであって、前記シリンダースリーブは内部チャンバを含み、前記シリンダースリーブの底部の少なくとも一部は、前記外管の前記内側チャンバの少なくとも一部に、伸縮自在に配置されている、シリンダースリーブと、
ピストンであって、前記ピストンは、前記内部チャンバ内でピストン膨張位置とピストン収縮位置との間を軸方向に移動可能である、ピストンと、
前記外管の内面の少なくとも一部と前記シリンダースリーブの外面の少なくとも一部との間に形成されたシリンダー流体ギャップであって、前記シリンダー流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップを通して流体を流すことを可能にする、シリンダー流体ギャップと、
前記外管の外面の少なくとも一部と前記マニホールド筐体の内面の少なくとも一部との間に形成された管流体ギャップであって、前記管流体ギャップは、前記管流体ギャップへの流体の流入および前記管流体ギャップからの流体の流出を可能にする、管流体ギャップと、
前記外管の下端部の少なくとも一部と前記マニホールド筐体との間に形成された下端部ギャップであって、前記ボトム流体ギャップは、前記シリンダー流体ギャップと前記管流体ギャップとの間に流体を流すことを可能にする、下端部ギャップと、
を含む、
成形システムまたはスタンピングシステム。
【0117】
(付記38)
前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップの少なくとも一部が非固体潤滑剤を含む、
付記37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0118】
(付記39)
前記ボトム流体ギャップにおける前記非固体潤滑剤の液位は、前記外管の前記下端部の少なくとも一部が前記非固体潤滑剤に浸るような液位である、
付記38に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0119】
(付記40)
前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含み、前記霧化された非固体潤滑剤は、前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップに少なくとも部分的に形成される、
付記38に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0120】
(付記41)
前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含み、前記霧化された非固体潤滑剤は、前記ボトム流体ギャップ、前記シリンダー流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップに少なくとも部分的に形成される、
付記38に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0121】
(付記42)
前記マニホールド筐体は流体リザーバを含み、
前記流体リザーバは、前記流体リザーバの少なくとも一部が前記シリンダースリーブの前記上端部と前記下端部との間に位置するように、前記シリンダースリーブに対して相対的に配置される、
付記37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0122】
(付記43)
前記マニホールド筐体は流体リザーバを含み、
前記流体リザーバは、前記流体リザーバの少なくとも一部が前記シリンダースリーブの前記上端部と前記下端部との間に位置するように、前記シリンダースリーブに対して相対的に配置される、
付記38から41の何れか一つに記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0123】
(付記44)
前記流体リザーバは少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップを形成する、
付記42に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0124】
(付記45)
前記流体リザーバは少なくとも部分的に、前記ボトム流体ギャップ、および/または前記管流体ギャップを形成する、
付記43に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0125】
(付記46)
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
付記37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0126】
(付記47)
前記シリンダー流体ギャップの総容積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの総容積の少なくとも25%である、
付記38から45の何れか一つに記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0127】
(付記48)
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0128】
(付記49)
前記シリンダー流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記38から47の何れか一つに記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0129】
(付記50)
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0130】
(付記51)
前記管流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記38から49の何れか一つに記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0131】
(付記52)
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0132】
(付記53)
前記ボトム流体ギャップの最小断面積は、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの前記下端部における開口部の断面積の少なくとも25%である、
付記38から51の何れか一つに記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0133】
(付記54)
第2のガスシリンダー組立体であって、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に前記第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置され、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダーと同様の構成を有する、第2のガスシリンダー組立体をさらに含み、
前記第2のガスシリンダー組立体の前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る前記流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む、
付記37に記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【0134】
(付記55)
第2のガスシリンダー組立体であって、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダー組立体に隣接すると共に前記第1のガスシリンダー組立体から間隔をあけて配置され、前記第2のガスシリンダー組立体は、前記第1のガスシリンダーと同様の構成を有する、第2のガスシリンダー組立体をさらに含み、
前記第2のガスシリンダー組立体の前記シリンダースリーブの前記内部チャンバに入る前記流体は、前記ピストンが前記シリンダースリーブの前記上端部に向かって移動するにつれて、前記シリンダースリーブの前記内部チャンバの内面を少なくとも部分的に潤滑する霧化された非固体潤滑剤を含む、
付記38から53の何れか一つに記載の成形システムまたはスタンピングシステム。
【国際調査報告】