(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】蒸気吸入又は喫煙デバイスにより送達される蒸気又は煙中の粒子を捕集するための試験装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/80 20200101AFI20240409BHJP
【FI】
A24F40/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559751
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2022062153
(87)【国際公開番号】W WO2022234016
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】ヴィビハル,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】レホッキー,ユライ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA21
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC50
4B162ZZ01
(57)【要約】
本発明は、蒸気吸入/喫煙物品(100)により送達される蒸気/煙中の粒子を捕集するための試験装置であって、蒸気吸入/喫煙物品の先端を受け入れるためのマウスピース(2)と、蒸気吸入/喫煙物品に対するユーザによるパフ動作を模した吸引流を発生させるための喫煙機(6)と、吸引気流中に存在する粒子を捕集するための、マウスピースの下流側に配置された主粒子フィルタ(4)と、マウスピース(2)と主粒子フィルタ(4)との間に配置され且つ空の空洞(8)を有するチャンバ(7)と、チャンバ内の粒子を捕集するための捕集器(10)とを含む、試験装置に関する。したがって、装置は、喫煙/蒸気吸入物品により送達される煙/蒸気中の、ユーザの口内に吸収される可能性が高く、味に関係する粒子を、ユーザの肺に到達する可能性が高く、ニコチンなどの送達物を運ぶ粒子から分離することが可能である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気吸入又は喫煙デバイスにより送達される蒸気又は煙中の粒子を捕集するための試験装置であって、
試験すべき蒸気吸入/喫煙物品(100)の先端を受け入れるためのマウスピース(2)と、
試験すべき前記蒸気吸入/喫煙物品に対するユーザによるパフ動作を模した吸引流を発生させるための喫煙機(6)と、
前記吸引流中に存在する粒子を捕集するための、前記マウスピースの下流側に配置された主粒子フィルタ(4)と
を含み、
前記試験装置は、前記マウスピース(2)と前記主粒子フィルタ(4)との間に配置された、チャンバ(7)であって、前記チャンバは、上面と底面と側面とを形成する、周壁(12)であって、前記主粒子フィルタに到達する前に前記チャンバ内の前記吸引流から落下した粒子を捕集するための捕集器(10)により、少なくとも前記底面が裏打ちされた、周壁(12)により境界が定められ、前記捕集器(10)及び/又は前記チャンバの前記面は、前記チャンバ内の空の空洞(8)の境界を定める、チャンバ(7)をさらに含むことを特徴とする、
試験装置。
【請求項2】
前記主粒子フィルタ(4)は、ガラス繊維フィルタである、請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記捕集器(10)は、ガラス繊維フィルタ又は吸収性材料の層である、請求項1又は2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記捕集器(10)は、前記チャンバの前記周壁(12)全体にわたって延びる、請求項1~3のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項5】
前記捕集器(10)は、円筒状フィルタ又は円筒状吸収性スリーブである、請求項1~4のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項6】
前記捕集器は、前記マウスピース(2)に面して前記マウスピース(2)を取り囲む開口入口端、及び/又は主粒子フィルタ(4)の前方に開口する反対側の開口出口端を有する、請求項5に記載の試験装置。
【請求項7】
前記主粒子フィルタ(4)と前記喫煙機(6)との間にガス捕集器をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項8】
前記喫煙機(6)は、調整されたパフを提供するように構成されたプログラム可能なシリンジを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項9】
前記チャンバ(7)は、
前記周壁(12)と、
中心領域に前記マウスピース(2)を含む、入口フランジ(14)であって、前記入口フランジを前記周壁(12)に固定するように構成された周縁締結クランプ(18)をさらに有する入口フランジ(14)と、
前記喫煙機に接続された中心開口(22)を有する、出口フランジ(16)であって、前記出口フランジを前記周壁(12)に固定するように構成された周縁締結クランプ(20)をさらに有する出口フランジ(16)と
を含む、ハウジングを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項10】
前記出口フランジ(16)の前記周縁締結クランプ(20)はまた、前記主粒子フィルタ(4)を保持するように構成される、請求項9に記載の試験装置。
【請求項11】
前記主粒子フィルタ(4)は、前記チャンバ(7)の前記ハウジング内に、前記出口フランジ(16)の直上流側に位置し、前記出口フランジ(16)は、前記中心開口(22)の境界を定める中空首部(24)を含み、この中空首部は、前記周壁(12)の前記出口端から突出し、前記出口フランジ(16)を前記喫煙機(6)の口側端(26)に接続するように構成される、請求項8又は9に記載の試験装置。
【請求項12】
前記チャンバ(7)は、少なくとも1つの測定デバイスを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項13】
前記主粒子フィルタ(4)により捕集された前記粒子を分析するための主分析ユニット及び/又は前記捕集器(10)により捕集された前記粒子を分析するための口分析ユニットをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙巻きタバコ又は蒸気吸入デバイスなどの喫煙又は蒸気吸入物品により生成される煙又は蒸気中に存在する粒子を捕集するための試験装置に関する。本発明は、任意の蒸気吸入デバイス、特に、電子タバコ(吸入される蒸気を生成するためにeリキッドが加熱される)及び加熱式タバコ蒸気デバイス(吸入される蒸気を生成するために、固体スティックを含むタバコなどの固体物質が燃焼されないが加熱される)に適用される。
【0002】
これらの試験装置の目的は、例えば、試験対象の物品での喫煙又は蒸気吸入中にユーザに送達される煙又は蒸気中のニコチンの量を決定する目的で、これらの粒子を後に分析するために、喫煙/蒸気吸入デバイスにより生成される煙/蒸気中に存在する粒子を捕集することである。
【背景技術】
【0003】
中国特許出願公開第103940602号明細書、中国特許出願公開第104266870号明細書、又は英国特許出願公開第2574607号明細書に開示されているものなどの、試験装置が知られている。
【0004】
従来の装置は通常、試験すべき喫煙又は蒸気吸入物品の先端を受け入れるためのマウスピースと、喫煙/蒸気吸入物品に対する人間のユーザによるパフ動作を模した吸引流を発生させるための喫煙機と、パフ動作の下で喫煙/蒸気吸入物品により送達される煙/蒸気中に存在する粒子を捕集するための、喫煙/蒸気吸入物品の先端の直下流側にあるフィルタホルダ内に配置されたフィルタとを含む。
【0005】
フィルタは通常、直径44mmの現行のケンブリッジフィルタである。次に、ケンブリッジフィルタにより捕集された粒子は、例えばクロマトグラフィーなどの様々な既知の方法を使用して分析される。
【0006】
既知の試験装置は、全体的なエアロゾル捕集物質量(ACM)又は全粒子状物質(TPM)の捕集を対象とし、ユーザの口内に吸収される粒子とユーザの肺に送達される粒子とを区別できない。実際、人間が喫煙又は蒸気吸入しているときに、大きな液滴は口内に吸収され、小さな液滴は肺に入る。口内に吸収される粒子は味に関係し、その一方で、肺に吸収される粒子は、ニコチンなどの送達物を運ぶ。それゆえ、これらの2種類の粒子を試験装置内で分離することは非常に役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、試験すべき喫煙/蒸気吸入物品により送達される煙/蒸気中の、口内に吸収される可能性が高い粒子と、試験対象の喫煙/蒸気吸入物品で人間が喫煙/蒸気吸入したときに肺に到達する可能性が高い粒子とを分離することが可能な装置を提供することにより、この問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、蒸気吸入又は喫煙デバイスにより送達される蒸気又は煙中の粒子を捕集するための試験装置であって、
試験すべき蒸気吸入/喫煙物品の先端を受け入れるためのマウスピースと、
試験すべき蒸気吸入/喫煙物品に対するユーザによるパフ動作を模した吸引流を発生させるための喫煙機であって、したがって、吸引流は、喫煙機の動作の下で試験すべき蒸気吸入/喫煙物品により送達される蒸気又は煙を含む、喫煙機と、
吸引流中に存在する粒子を捕集するための、マウスピースの下流側に配置された主粒子フィルタと
を含む、試験装置に関する。
【0009】
説明全体において、「下流側」及び「上流側」という用語は、吸引流の循環方向を指す。
【0010】
本発明による試験装置は、マウスピースと主フィルタとの間に配置された、チャンバであって、チャンバは、上面と底面と側面とを形成する、周壁であって、主粒子フィルタに到達する前にチャンバ内の吸引流から落下した粒子を捕集するための捕集器により、少なくとも前記底面が裏打ちされた、周壁により境界が定められ、捕集器及び/又はチャンバの面は、チャンバ内の空の空洞の境界を定める、チャンバをさらに含むことを特徴とする。
【0011】
チャンバ内の空洞を詳述するために使用される「空の」という用語は、空洞内の圧力を指すものではないことに留意されたい。例えば、この用語は、空洞内の圧力が大気圧下で能動的に十分に維持されることを意味しない。「空の」という用語は、空洞には、吸引流を(部分的にでも)妨げるか又は濾過するいかなる部品又は材料又は物質もないことを意味するにすぎない。対照的に、当然ながら、吸引流が空洞を通過するので、空洞は、ガス(空気)及び試験対象の物品から到来する粒子を含む。
【0012】
したがって、本発明によれば、主粒子フィルタは、チャンバ内の空洞を少なくとも部分的に取り囲む捕集器の下流側に配置される。主粒子フィルタは、捕集器の直下流側にある、チャンバの出口端に、チャンバの境界を定める周壁内に、但し周壁の端部に配置され得る。代替的に、主粒子フィルタは、チャンバの周壁の下流側に追加された特定のホルダ内に配置され得る。第1の変形例は、その簡便さ、コンパクトさ、低い製造コストのために好ましい。第2の変形例では、分流管又はセンサなどの、追加の要素を捕集器(又はチャンバ)と主粒子フィルタとの間に様々な目的で挿入することが可能となる。
【0013】
チャンバの周壁は、上述の上面と底面と側面とを画定する単一の連続した壁により形成され得る。すなわち、この周壁は、円形断面又は他の任意の断面(例えば正方形断面など)を有する円筒状であり得る。代替的に、周壁は、上壁と底壁と側壁とを含む複数の組み立てられた壁により形成され得る。
【0014】
可能な特徴によれば、主粒子フィルタは、44mmのケンブリッジフィルタなどの、ガラス繊維フィルタである。
【0015】
可能な特徴によれば、捕集器はまた、ガラス繊維フィルタである。代替的に、捕集器は、吸収性材料の層である。
【0016】
可能な特徴によれば、捕集器は、チャンバの周壁全体にわたって延びる、すなわち、チャンバの底面にだけでなく、チャンバの上面及び側面にも延びる。
【0017】
可能な特徴によれば、捕集器は、円筒状フィルタ又は円筒状吸収性スリーブである。
【0018】
可能な特徴によれば、捕集器を形成する円筒状フィルタ又は円筒状吸収性スリーブは、マウスピースに面してマウスピースを取り囲む開口入口端、及び/又は主粒子フィルタの前方に開口する反対側の開口出口端を有する。
【0019】
可能な特徴によれば、試験装置は、主粒子フィルタと喫煙機との間にガス捕集器をさらに含む。このガス捕集器は、容器と、容器内の捕集液とを含み得る。
【0020】
可能な特徴によれば、喫煙機は、調整されたパフを提供するように構成されたプログラム可能なシリンジを含む。
【0021】
可能な実施形態では、チャンバは、
上で定義した周壁と、
中心領域にマウスピースを含む、入口フランジであって、入口フランジを周壁に固定するように構成された周縁締結クランプをさらに有する入口フランジと、
喫煙機に接続された中心開口を有する、出口フランジであって、出口フランジをチャンバの周壁に固定するように構成された周縁締結クランプをさらに有する出口フランジと
を含む。
【0022】
好ましくは、出口フランジの周縁締結クランプはまた、中心開口の前方で主粒子フィルタを保持するように構成される。したがって、試験装置は、非常に簡便且つコンパクトである。すなわち、試験装置は、部品点数が限られており、製造コストも限られている。主粒子フィルタがチャンバの出口フランジにより保持される、この好ましい実施形態では、主粒子フィルタが、出口フランジの直上流側に、すなわち、チャンバのハウジング内に、但しハウジングの端部に、又は出口フランジの直下流側に、すなわちチャンバのハウジングの外側に位置し得ることに留意されたい。
【0023】
主粒子フィルタが、チャンバのハウジング内に、出口フランジの直上流側に配置される場合、前記出口フランジは、中心開口の境界を定める中空首部を含み得、この中空首部は、チャンバの周壁の出口端から突出し、出口フランジを喫煙機の口側端に接続するように構成される。ここでもまた、かかる試験装置は、特にコンパクトで簡便である。
【0024】
可能な特徴によれば、喫煙機は、調整されたパフを提供するように構成されたプログラム可能なシリンジを含む。
【0025】
可能な特徴によれば、試験装置は、主粒子フィルタにより捕集された粒子を分析するための主分析ユニットと、口内捕集器により捕集された粒子を分析するための口分析ユニットとをさらに含む。これらの2つのユニットは、主フィルタにより捕集された粒子及び口内捕集器により捕集された粒子に関連して連続的に使用できる共通の要素を共有し得る。
【0026】
それにもかかわらず、より良好な人間工学及び使い易さのために、粒子は、好ましくは、別個のデバイスで分析され、試験装置には分析ユニットがない。
【0027】
追加の測定をチャンバ内で実行することができる。この目的を達成するために、可能な特徴によれば、チャンバは、入射光ビームエミッタ、サーマルプローブ、様々なセンサなどに関連付けられた光散乱検出器などの、少なくとも1つの測定装置を含む。
【0028】
本発明の他の特殊性及び利点は、以下の説明からも明らかになるであろう。
【0029】
非限定的な例として与えられる、添付の図面において、単一の図は、本発明の実施形態による試験装置の概略図であり、装置のいくつかの部分は、縦断面で示され、他の部分は、側面図又は単なるブロックで表されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】喫煙/蒸気吸入物品100の煙/蒸気を分析するための、本発明による試験装置の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この試験装置は、図の左側から右側に、
喫煙/蒸気吸入物品100の先端を受け入れるように構成されたマウスピース2と、
喫煙/蒸気吸入物品100により送達される煙/蒸気中に存在する粒子を捕捉することが可能な捕集器10で少なくとも部分的に裏打ちされた周壁12を含む、チャンバ7であって、捕集器10は空の空洞8の境界を定め、チャンバ7及び空洞8は、以下、「口を模したチャンバ」及び「口を模した空洞」とそれぞれ呼ばれることが多く、その一方で、捕集器10は、「口内捕集器」と呼ばれる、チャンバ7と、
以下、肺を模したフィルタと呼ばれることが多い、主粒子フィルタ4と、
喫煙機6と
を含む。
【0032】
喫煙機6は、図の左側から右側に流れる吸引流であって、喫煙/蒸気吸入物品100に対する人間のユーザのパフ動作を模した吸引流を発生させるように構成される。換言すれば、この吸引流は、喫煙/蒸気吸入物品100の先端でのユーザのパフ動作と同等の方法で、喫煙/蒸気吸入物品100内での煙/蒸気の発生を誘発するように調整される。別の言い方をすれば、喫煙機は、喫煙/蒸気吸入中のパフによりユーザの唇においてユーザが生じさせる窪み又は流量と同等の、窪み又は流量を装置のマウスピース2において生じさせるように調整される。
【0033】
喫煙機の動作の下で喫煙/蒸気吸入物品100内で発生させた煙/蒸気は、口を模したチャンバ7を通過し、次に、喫煙機6に流入する前に肺を模したフィルタ4を通過する。
【0034】
マウスピース2は、口を模したチャンバ8の入口端又はその上流側に配置され、その一方で、肺を模したフィルタ4は、口を模したチャンバ7の出口端又はその下流側に配置される。
【0035】
本発明によるチャンバは、人間の口内にも捕集される粒子を捕集するように設けられた捕集器を備えて、成人の口を模倣するように設けられ、捕集器は、チャンバの底面に限定される場合には人間の舌を模倣し、捕集器は、捕集器がチャンバの周壁全体を裏打ちする場合(すなわち、捕集器がチャンバの空の空洞8を全体的に取り囲む場合)には、人間の舌だけでなく口蓋及び頬の内側も模倣する。
【0036】
この目的を達成するために、(チャンバ7内の)空の空洞8は、成人の口の内側を模倣し、成人の口内にも捕集される粒子を捕集するなどのために、容積、最終的には、成人の口の形状及び/又は長さ及び/又は直径と同様の、形状及び/又は長さ及び/又は直径を有し得る。例として、空洞7の容積は、https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5996000/で公開されている研究によれば、約4.40cm3である、成人の平均的で適切な口腔容積に相当し得る。
【0037】
図示の実施形態では、口を模した空洞8は、円筒状周壁12と入口フランジ14と出口フランジ16とを含む、裏打ちされたハウジングにより境界が定められる。周壁12は、比較的一定の断面の空気流を可能にする任意の断面形状、例えば、円形、正方形、楕円形、又は多角形の断面形状を有し得る。添付図では、円形断面を有する円筒状である周壁12が例として示されている。
【0038】
マウスピース2は、入口フランジ14の中心に設けられた孔により形成される。この孔は、喫煙/蒸気吸入物品100の先端との緊密な接続を提供するのに十分に小さな孔であるべきである。この孔は、図示のように、喫煙/蒸気吸入物品100を試験位置(物品の先端がマウスピース2の内側にある状態)に維持するのに役立つように構成されたスリーブ(例えば、図示しない、ゴム製スリーブ)で取り囲まれ得る。
【0039】
口内捕集器10は、フィルタ又は吸収性スリーブであり得る。口を模した空洞8内に落下する粒子を捕集するためのフィルタ自体は必要ない。実際、その後の化学分析のために、吸収された粒子が後に抽出されることを吸収性ライナが可能にするとすぐに、粒子を捕集することが可能な任意の吸収性又は捕捉ライナを使用することができる。
【0040】
口内捕集器10は、図示のように周壁12の内表面全体に延び得る。そのように、口内捕集器10は、通常はユーザの口によりユーザの舌だけでなくユーザの口蓋全体で吸収される全ての粒子を捕捉しなければならない。口内捕集器はまた、マウスピース2を除いて入口フランジ14を裏打ちし得る。一実施形態では、口内捕集器10は、接続手段、例えば留め具若しくはフックのような機械的手段、又は接着剤(例えば、低粘着性接着剤)若しくは両面テープのような接着手段を用いて周壁12の内面に取り付けられ得る。このことは、捕集器10が重力下で変形しているときに吸引流が悪影響を受けるような、接続手段なしに設置されると重力下で撓む可撓性材料で口内捕集器10が作製される場合に特に有益である。
【0041】
好ましくは、口内捕集器10は、周壁12の内面への取り付け及び周壁12の内面からの取り外しを改善するために単一の部品で作製される。代替的に、口内捕集器は、(周壁12の異なる部分を覆う)複数の部品から構成され得る。口内捕集器10はまた、多層構造で構成され得る。
【0042】
好ましくは、口内捕集器10は、口を模したチャンバ7内に設置されたときに、周壁12の内側輪郭を厳密に辿らなければならない。壁12の断面が、例えば正方形又は多角形断面を有するような、顕著な角部を有する場合、口内捕集器は、角部分では壁を厳密に辿る必要はない。ここでは、口内捕集器10は、角部で湾曲して設置され得、口内捕集器10は角部の内側には触れない。
【0043】
一貫した測定のために、口内捕集器10は、好ましくは、反復可能な方法で、すなわち常に同じ位置に容易に設置されるように適合される。
【0044】
それにもかかわらず、周壁12の底部に限定された口内捕集器も本発明と一致する。
【0045】
主粒子フィルタ4は、ユーザの肺を模倣するように、口内捕集器10の下流側に配置される。主粒子フィルタ4は、好ましくは、喫煙機により発生させる吸引流に直交して配置される。
【0046】
図示の実施形態では、肺を模したフィルタ4は、口を模したチャンバの出口端において、口を模したチャンバ7のハウジング内に配置され、出口フランジ16により保持される。
【0047】
代替的に、肺を模したフィルタ4を収容して保持するために、出口フランジ16と喫煙機6との間にさらなる部品又はアセンブリが設けられ得る。この変形例では、口内捕集器10はまた、肺に入る可能性の高い蒸気/煙中の粒子が口内捕集器10により捕捉されないように、ユーザの気管の入口を模した開口22を備えた中心領域を除いて、口を模したチャンバの出口フランジ16を裏打ちし得る。
【0048】
入口フランジ14はまた、その中心におけるマウスピース2に加えて、フランジを周壁12に締結するための周縁クランプ18を含む。この締結は、周壁及び周縁クランプに対応するねじ山を設けること、又は周縁クランプ18が周壁12を把持するようになる周縁クランプの弾性変形などの、任意の適切な手段により達成され得る。
【0049】
同様に、出口フランジ16は、周壁12への出口フランジ16の締結のための周縁クランプ20を含む。出口フランジのこの周縁クランプ20は、肺を模したフィルタ4を収容するのに十分に長い、口を模したチャンバの軸方向(吸引流の方向でもある)に沿った内部溝及び/又は内寸を有する。
【0050】
出口フランジ16は、喫煙機6により発生させる吸引流の通過のための中心開口22をさらに有する。図示の実施形態では、この開口は、出口フランジ16の一部である、中空首部24内に作られる。この中空首部22は、出口フランジ16を喫煙機の口側端26に固定するために周壁12の出口端から喫煙機の方向に軸方向に突出する。これにより、特にコンパクトで簡便な装置が得られる。
【0051】
選択肢として、ガス捕集器は、肺を模したフィルタ4と喫煙機6との間に挿入され得、このガス捕集器では、喫煙/蒸気吸入物品100により発生させた煙/蒸気中に存在する揮発性ガスが液体トラップ内に吸収される。このようなガス捕集器は、当業者に周知であり、ここでは詳細に説明しない。
【符号の説明】
【0052】
2 マウスピース
4 主粒子フィルタ
6 喫煙機
7 チャンバ
8 チャンバ内の空の空洞
10 捕集器
12 チャンバの周壁
14 チャンバの入口フランジ
16 チャンバの出口フランジ
18 入口フランジの周縁クランプ
20 出口フランジの周縁クランプ
22 出口フランジにおける中心開口
24 出口フランジの中空首部
26 喫煙機の口側端
【国際調査報告】