(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】LEDアレイ及びディスプレイ用パターン反射グリッド
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20240409BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240409BHJP
H01L 33/46 20100101ALI20240409BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20240409BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20240409BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/50
H01L33/46
G03B15/02 L
G03B15/02 G
G03B15/05
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560386
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 US2022019264
(87)【国際公開番号】W WO2022211988
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドソン,アイザック
(72)【発明者】
【氏名】ロトフィ,ホセイン
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,トニー
(72)【発明者】
【氏名】シェキン,オレグ ボリソビッチ
【テーマコード(参考)】
2H053
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
2H053BA32
2H053CA08
2H053CA12
2H053CA15
5F142AA12
5F142BA32
5F142CB23
5F142CE04
5F142CE13
5F142DA14
5F142DB12
5F142DB18
5F142DB24
5F142DB32
5F142GA01
5F142GA21
5F142GA29
5F241CA65
5F241CA66
5F241CA74
5F241CA77
5F241CB15
5F241CB22
5F241FF01
5F241FF11
(57)【要約】
LEDアレイは、アレイ内の隣り合うピクセル又は隣り合うピクセル群間のコントラスト比を強調するパターン化された反射グリッドを備える。反射グリッド上のパターンはまた、反射グリッドと、反射グリッド上に配置され取り付けられた材料の1つ以上の層との間の接着を改善することもできる。反射グリッドは、例えば、反射金属グリッド、誘電体リフレクタのグリッド、又は分布ブラッグリフレクタ(DBR)のグリッドとして形成され得る。金属グリッドとして形成される場合、反射グリッドは、LEDダイオード接合部の片側に電気的コンタクトを提供することができる。本明細書は、かかるLEDアレイの製造プロセスも開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードアレイであって、
各々が発光表面を有する複数の発光ダイオードと、
複数の開口を画定する反射グリッドであって、前記開口内において前記発光ダイオードのうちの対応するものが、前記反射グリッドの外側の同じ方向に発光表面が向くように配置されている、反射グリッドと、を備え、
前記反射グリッドは、各発光ダイオードに対して反射側壁を提供するとともに、前記発光表面と隣り合い、前記発光表面と前記同じ方向に向けて配置されたパターン化された光散乱表面を備える、
発光ダイオードアレイ。
【請求項2】
前記発光表面は光を散乱するようにパターン化されている、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項3】
前記発光表面及び前記反射グリッドの表面は異なる光散乱パターンを有する、
請求項2記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項4】
前記発光表面及び前記反射グリッドの表面は同じ光散乱パターンを有する、
請求項2記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項5】
前記反射グリッドのパターン化された前記光散乱表面は、隣り合う発光表面と同一平面上にある、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項6】
前記反射グリッドのパターン化された前記光散乱表面は、前記光散乱表面が向かう前記方向において前記発光表面を超えて延在している、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項7】
前記反射グリッドは、前記発光ダイオードへの電気的にコンタクトを提供する反射金属グリッドを含むか又はである、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項8】
前記反射グリッドのパターン化された前記光散乱表面上及び前記発光表面上に配置された波長変換構造を備える、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項9】
前記発光表面は、50ミクロン以下の、反射側壁に平行な最長寸法を有し、
隣り合う発光表面は互いに10ミクロン以下だけ離間している、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項10】
前記反射グリッドのパターン化された前記光散乱表面上及び前記発光表面上に配置された波長変換構造を備え、
前記発光表面は光を散乱するようにパターン化されており、
前記波長変換構造は、前記発光表面が面する方向において30ミクロン以下の厚さを有し、
前記波長変換構造はバインダ内に分散された蛍光体粒子を含み、
前記蛍光体粒子は約20ミクロン未満かつ1ミクロンを超える直径を有する、
請求項9記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項11】
ディスプレイシステムであって、
請求項1乃至10いずれか1項記載の前記発光ダイオードアレイと、
ディスプレイと、
前記発光ダイオードアレイから間隔を置いて配置され、前記発光ダイオードアレイからの光を前記ディスプレイ内へ結合するように配置された光学素子又は光学系と、
を備えるディスプレイシステム。
【請求項12】
モバイルデバイスであって、
カメラと、
フラッシュ照明システムと、を備え、
前記フラッシュ照明システムは、
請求項1乃至10いずれか1項記載の前記発光ダイオードアレイと、
前記発光ダイオードアレイから間隔を置いて配置され、前記発光ダイオードアレイによって放出された光を前記カメラの視野内へと方向付けるように配置された光学素子又は光学系と、を備える、
モバイルデバイス。
【請求項13】
発光ダイオードアレイを製造する方法であって、
パターン化基板上に半導体層のスタックを配置するステップであって、前記半導体層は、n型領域、p型領域、及び、前記n型領域とp型領域との間に配置された活性領域を備える、ステップと、
前記半導体層のスタックを貫通してトレンチをエッチングして、各トレンチの底部において前記パターン化基板を露出する、ステップであって、前記トレンチはグリッドを形成し、前記発光ダイオードアレイの個別の発光ダイオードを画定する、ステップと、
前記トレンチ内にリフレクタを配置して、前記発光ダイオードの反射側壁を形成するステップであって、前記反射側壁は、前記パターン化基板によってパターン化された前記パターン化基板とコンタクトする表面を有する、ステップと、
前記発光ダイオード及び前記反射側壁から前記パターン化基板を除去するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記反射側壁は、前記発光ダイオードへの電気的コンタクトを提供する、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記発光ダイオードは、前記基板によってパターン化された発光表面を備える、
請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記反射側壁のパターン化された表面は前記発光ダイオードの隣り合う表面を超えて延在するように、前記基板内に前記トレンチをエッチングするステップを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記パターン化基板を除去するステップの後に、
前記反射側壁のパターン化された表面が前記発光ダイオードのエッチングされた前記表面を超えて延在するように、前記パターン化基板と以前コンタクトしていた前記発光ダイオードの表面をエッチングするステップを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記パターン化基板を除去するステップの後に、
前記発光ダイオード上に、前記発光ダイオードの発光表面及び前記反射側壁のパターン化された表面とコンタクトする波長変換構造を形成するステップを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項19】
発光ダイオードアレイを製造する方法であって、
平面基板上に半導体層のスタックを配置するステップであって、前記半導体層は、n型領域、p型領域、及び、前記n型領域とp型領域との間に配置された活性領域を備える、ステップと、
前記半導体層のスタックを貫通してトレンチをエッチングして、各トレンチの底部において前記平面基板を露出する、ステップであって、前記トレンチはグリッドを形成し、前記発光ダイオードアレイの個別の発光ダイオードを画定する、ステップと、
前記トレンチ内にリフレクタを配置して、前記発光ダイオードの反射側壁を形成する、ステップと、
前記発光ダイオード及び前記反射側壁から前記平面基板を除去するステップと、
前記平面基板と以前コンタクトしていた前記反射側壁の表面をパターン化して、光を散乱させる、ステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記反射側壁は、前記発光ダイオードへの電気的コンタクトを提供する、
請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月30日に出願された米国特許出願第17/217,922号の優先権の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は概して、発光ダイオード(LED)アレイ、LEDアレイを備える光源、及びLEDアレイを備えるディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
無機LEDは、自動車用適用ヘッドライト、拡張現実(AR)ディスプレイ、仮想現実(VR)ディスプレイ、複合現実(MR)ディスプレイ、スマートグラス、携帯電話用ディスプレイ、スマートウォッチ、モニタ、テレビ、携帯電話のカメラ用フラッシュ照明など、さまざまな種類のディスプレイ、マトリックス、ライトエンジンの製作に広く使用されてきた。これらのアーキテクチャ内の個々のLEDピクセルの面積は、マトリックス又はディスプレイのサイズとインチあたりのピクセル要件に応じて、数平方ミリメートルから数平方マイクロメートルまでになる。このようなタイプのLEDマトリックス/ディスプレイは、一般に、個々のピクセルをドナー基板からコントローラバックプレーンや電子基板に移し、取り付けることによって実現される。かかるアレイは、モノリシックに集積されたLEDピクセルのアレイをドナーエピタキシャルウェーハ上でLEDモジュールに処理し、その後、転送してコントローラバックプレーンに取り付けるモノリシックアプローチによって作製することもできる。
【0004】
かかるアレイ/ディスプレイの重要な仕様の一つは、コントラスト比(CR)である。CRは、1つ以上の”ON”状態のピクセルと、隣り合う”OFF”状態のピクセルとの輝度比として定義される。つまり、CRは、”ON”状態のピクセルから隣り合う”OFF”状態のピクセルに光子が流出すると、大きく劣化する。CRが低いと、一般的に画像がぼやけたり、投影ビームパターンが悪くなったりする。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、アレイ内の隣り合うピクセル又は隣り合うピクセル群間のコントラスト比を高めるパターン化された反射グリッドを含むLEDアレイを開示する。反射グリッド上のパターンはまた、反射グリッドと、反射グリッド上に配置されて取り付けられる1つ以上の材料層との間の接着性を向上させることができる。反射グリッドは、例えば、反射金属グリッド、誘電体リフレクタのグリッド、又は分散ブラッグリフレクタ(DBR)のグリッドとして形成することができる。金属グリッドとして形成される場合、反射グリッドは、LEDダイオード接合の片側に電気的コンタクトを提供することができる。本明細書では、かかるLEDアレイの製造プロセスも開示する。
【0006】
本明細書で開示するLEDアレイは、蛍光体変換LED又は直接発色LEDを備えるできる。アレイの個々のLEDは、数平方マイクロメートル(μLED)から平方ミリメートル(従来のLED)の範囲の面積を有する発光面を有することができる。
【0007】
本明細書で開示されるLEDアレイは、上記の「背景技術」の項に列挙された装置及び用途のいずれにも有利に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、pcLEDの一例を模式的に示す断面図である。
【
図2A】
図2Aは、pcLEDのアレイを模式的に示す断面図である。
【
図2B】
図2Bは、pcLEDのアレイを模式的に示す上面図である。
【
図3A】
図3Aは、pcLEDのアレイが実装された電子基板を模式的に示す上面図である。
【
図4A】
図4Aは、導波路と投影レンズに対して配置されたpcLEDアレイを模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、適応照明システムを備えるカメラフラッシュシステムの一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、適応照明システムを含むディスプレイ(例えば、AR/VR/MR)システムの一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、パターン化された反射グリッドを備えるLEDアレイの一例を模式的に示す上面図である。
【
図8C】
図8Cは、波長変換構造を備える、
図8Aと同様のLEDアレイの一部を模式的に示す断面図である。
【
図8D】
図8Dは、波長変換構造を備える、
図8Bと同様のLEDアレイの一部を模式的に示す断面図である。
【
図9A】
図9A、9B、9Cは、
図8AのLEDアレイを製造する方法の一例における段階を示す図である。
【
図9B】
図9A、9B、9Cは、
図8AのLEDアレイを製造する方法の一例における段階を示す図である。
【
図9C】
図9A、9B、9Cは、
図8AのLEDアレイを製造する方法の一例における段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面において、同一の参照番号は、異なる図面を通して同様の要素を指す。
図面は、必ずしも縮尺通りではなく、選択的な実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
詳細な説明は、限定としてではなく、例として、本発明の原理を示す。
【0010】
図1は、基板104上に配置された発光半導体ダイオード(LED)構造102と、LED上に配置された蛍光体層106とを備える個々のpcLED100の一例を示す。発光半導体ダイオード構造102は、典型的には、n型層とp型層との間に配置される活性領域を備える。ダイオード構造にわたって(across)適切な順方向バイアスを印加すると、活性領域から光が放出される。放出される光の波長は、活性領域の組成と構造によって決定される。
【0011】
LEDは、例えば、紫外線、青色光、緑色光、又は赤色光を発するIII-窒化物LEDであり得る。他の適切な材料系から形成され、他の適切な波長の光を放射するLEDを使用することもできる。他の適切な材料系としては、例えば、III-リン化物材料、III-ヒ素化物材料、II-VI材料などがある。
【0012】
pcLEDからの所望の光出力及び色仕様に応じて、任意の適切な蛍光体材料を使用することができる。
【0013】
図2A~2Bはそれぞれ、基板202上に配置された蛍光体ピクセル106を含むpcLED100のアレイ200の断面図及び上面図を示す。このようなアレイは、任意の適切な方法で配置された任意の適切な数のpcLEDを含むことができる。図示の例では、アレイは共有基板上にモノリシックに形成されたものとして描かれているが、代替的に、pcLEDのアレイを個別のpcLEDから形成してもよい。基板202は、LEDを駆動するためのCMOS回路を任意に備えることができ、任意の適切な材料から形成されることができる。
【0014】
図2A~2Bは、9個のpcLEDの3×3アレイを示しているが、かかるアレイは、例えば、数十個、数百個、又は数千個のLEDを含むことができる。個々のLED(ピクセル)は、例えば、1ミリメートル(mm)以下、500ミクロン以下、100ミクロン以下、または50ミクロン以下の、アレイの平面内の幅(例えば、辺の長さ)を有することができる。かかるアレイ内のLEDは、例えば、数百ミクロン、100ミクロン以下、50ミクロン以下、10ミクロン以下、又は5ミクロン以下のアレイの平面内の幅を有するストリート又はレーンによって互いに間隔をあけて配置することができる。図示の例では、対称マトリックスに配置された長方形のピクセルを示しているが、ピクセル及びアレイは、任意の適切な形状又は配置を有することができる。
【0015】
アレイの平面内の寸法(例えば、辺の長さ)が約50ミクロン以下のLEDは、通常、マイクロLEDと称され、かかるマイクロLEDのアレイは、マイクロLEDアレイと称されることがある。
【0016】
LEDのアレイ、又はかかるアレイの一部は、個々のLEDピクセルがトレンチ及び/又は絶縁材料によって互いに電気的に絶縁されているが、電気的に絶縁されたセグメントは半導体構造の一部によって互いに物理的に接続されたままである、セグメント化されたモノリシック構造として形成することができる。
【0017】
LEDアレイ内の個々のLEDは、個々にアドレス指定可能(操作可能(operable))であることができ、アレイ内のピクセルの群又はサブセットの一部としてアドレス指定可能であることができ、又はアドレス指定可能でなくてもよい。したがって、発光ピクセルアレイは、光分布のきめの細かい強度、空間的、及び時間的制御を必要とする、又はそれから利益を得る任意の用途に有用である。これらの用途は、ピクセルブロック又は個々のピクセルから放出された光の正確な特別なパターニングを含み得るが、これらに限定されない。用途に応じて、放出された光は、スペクトル的に別個であり、経時的に適応可能であり、及び/又は環境的に応答性であり得る。かかる発光ピクセルアレイは、様々な強度、空間的、又は時間的パターンで事前にプログラムされた光分布を提供することができる。放出された光は、少なくとも部分的に受光センサデータに基づくことができ、光ワイヤレス通信のために使用されることができる。関連する電子機器及び光学機器は、ピクセル、ピクセルブロック、又はデバイスレベルで別個であってもよい。
【0018】
図3A~3Bに示すように、pcLEDアレイ200は、パワー及び制御モジュール302、センサモジュール304、及びLED取り付け領域306を備える電子機器ボード300上に実装することができる。パワー及び制御モジュール302は、外部ソースからのパワー及び制御信号、及びセンサモジュール304からの信号を受信することができ、これに基づいてパワー及び制御モジュール302はLEDの動作を制御する。センサモジュール304は、例えば温度センサや光センサなど、任意の適切なセンサから信号を受信することができる。あるいは、pcLEDアレイ200は、パワー及び制御モジュールやセンサモジュールとは別の基板(図示せず)に実装することもできる。
【0019】
個々のpcLEDは、蛍光体層に隣り合うか又は蛍光体層上に配置されたレンズ又は他の光学素子を任意に組み込むか、又はそれと組み合わせて配置することができる。このような光学素子は、図には示されていないが、「一次光学素子」と称されることがある。さらに、
図4A~4Bに示すように、pcLEDアレイ200(例えば、電子基板300上に実装される)は、意図された用途で使用するために、導波路、レンズ、又はその両方などの二次光学素子と組み合わせて配置される場合がある。
図4Aでは、pcLEDs100によって放出された光は導波路402によって収集され、投影レンズ404に方向付けられる。投影レンズ404は、例えばフレネルレンズであり得る。この配置は、例えば自動車のヘッドライトでの使用に適し得る。
図4Bでは、pcLEDs100によって放出された光は、介在する導波路を使用することなく、投影レンズ404によって直接収集される。この配置は、pcLEDが互いに十分に近い間隔で配置できる場合に特に適しており、自動車のヘッドライトやカメラのフラッシュ用途にも使用できる。マイクロLEDディスプレイの用途は、例えば、
図4A~4Bに描かれたものと同様の光学配置を使用することができる。一般に、光学素子の任意の適切な配置を、所望の用途に応じて、本明細書に記載のLEDアレイと組み合わせて使用することができる。
【0020】
独立に動作可能なLEDのアレイは、レンズ、レンズシステム、又は他の光学システム(例えば、上述のような)と組み合わせて使用され、特定の目的に適応可能な照明を提供することができる。例えば、かかる適応照明システムは、動作において、照明されたシーン又は物体全体にわたって色及び/又は強度によって変化する、及び/又は所望の方向に向けられる照明を提供することができる。コントローラは、シーン内の物体又は人物の位置及び色特性を示すデータを受信し、その情報に基づいてLEDアレイ内のLEDを制御して、シーンに適合した照明を提供するように構成することができる。かかるデータは、例えば、画像センサ、光学式(レーザ走査など)又は非光学式(ミリ波レーダなど)のセンサによって提供することができる。かかる適応照明は、自動車、モバイル機器のカメラ、VR、ARアプリケーションにとってますます重要になっている。
【0021】
図5は、LEDアレイとレンズシステム502とを備えたカメラフラッシュシステム500の例を概略的に示しており、上述したシステムと同様又は同一であり得る。フラッシュシステム500はまた、マイクロプロセッサなどのコントローラ504によって制御されるLEDドライバ506を備える。コントローラ504はまた、カメラ507及びセンサ508に結合され、メモリ510に格納された命令及びプロファイルに従って動作することができる。カメラ507及び適応照明システム502は、それらの視野を一致させるように、コントローラ504によって制御され得る。
【0022】
センサ508は、例えば、位置センサ(例えば、ジャイロスコープ及び/又は加速度計)及び/又はシステム500の位置、速度、及び向きを決定するために使用され得る他のセンサを含み得る。センサ508からの信号は、コントローラ504に供給され、コントローラ504の適切な動作コース(例えば、どのLEDが現在ターゲットを照明しており、どのLEDが所定時間後にターゲットを照明するか)を決定するために使用され得る。
【0023】
動作時には、502内のLEDアレイの一部又は全てのピクセルからの照明が調整され、非活性化され、全強度で動作し、又は中間の強度で動作し得る。502内のLEDアレイによって放出される光のビーム焦点又はステアリングは、ピクセルの1つ又は複数のサブセットを作動させることによって電子的に実行することができ、光学系を移動させたり、照明装置のレンズの焦点を変更したりすることなく、ビーム形状の動的な調整を可能にする。
【0024】
図6は、適応型発光アレイ610、ディスプレイ620、発光アレイコントローラ630、センサシステム640、及びシステムコントローラ650を含む例示的なディスプレイ(例えば、AR/VR/MR)システム600を概略的に示す。制御入力はセンサシステム640に提供され、パワー又は電源(power)とユーザデータ入力とはシステムコントローラ650に提供される。いくつかの実施形態では、システム600に含まれるモジュールは、単一の構造内にコンパクトに配置することができ、あるいは、1つ以上の要素を別個に搭載し、無線通信又は有線通信を介して接続することができる。例えば、発光アレイ610、ディスプレイ620、及びセンサシステム640を、ヘッドセット又は眼鏡に搭載することができ、発光コントローラ及び/又はシステムコントローラ650を別個に搭載することができる。
【0025】
発光アレイ610は、例えば、AR/VR/MRシステムをサポートすることができるグラフィカル又はオブジェクトパターンで光を投射するために使用することができる、上述したような1つ以上の適応型発光アレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、マイクロLEDのアレイを使用することができる。
【0026】
システム600は、適応型発光アレイ610及び/又はディスプレイ620に広範な光学系を組み込むことができ、例えば、適応型発光アレイ610によって放射された光をディスプレイ620に結合させることができる。
【0027】
センサシステム640は、例えば、環境を監視するカメラ、深度センサ、又はオーディオセンサなどの外部センサ、及びAR/VR/MRヘッドセットの位置を監視する加速度センサ又は2軸又は3軸ジャイロスコープなどの内部センサを含むことができる。他のセンサは、気圧、ストレスセンサ、温度センサ、又はローカル又はリモート環境モニタリングに必要な他の適切なセンサを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、制御入力は、検出されたタッチ又はタップ、ジェスチャー入力、又はヘッドセット又はディスプレイの位置に基づく制御を含むことができる。
【0028】
センサシステム640からのデータに応答して、システムコントローラ650は、発光アレイコントローラ630に画像又は命令を送信することができる。画像又は指示の変更又は修正は、必要に応じて、ユーザデータ入力、又は自動データ入力によっても行うことができる。ユーザデータ入力には、音声指示、触覚フィードバック、目又は瞳孔の位置、又は接続されたキーボード、マウス、又はゲームコントローラによって提供されるものを含むことができるが、これらに限定されない。
【0029】
上記のように、本明細書では、アレイ内の隣り合うピクセル(adjacent pixels)又は隣り合うピクセル群間のコントラスト比を高めるパターン化された反射グリッドを含むLEDアレイ、及びそのようなLEDアレイの製造方法を開示する。反射グリッドが反射金属グリッドとして形成される場合、LEDアレイの隣り合うピクセル間の光漏れ(「クロストーク」とも称される)を低減するこのアプローチは、ピクセル側壁を高反射金属又は金属合金でコーティングすることによって形成される各ピクセルの側壁電気接点を使用することができる。これにより、LEDアレイのピクセル間に金属グリッドが形成される。各ピクセルの光閉じ込めは、金属グリッドの頂部表面をパターニングすることでさらに強化される。パターニングされた金属表面は、光の散乱を促進し、サイドエミッションの吸収を増加させるため、「オン」状態のピクセルから隣接する(neighboring)「オフ」状態のピクセルへの光の漏れを低減する。金属リフレクタではなく誘電体リフレクタ又はDBRから形成された反射グリッドの頂部表面も同様にパターン化して光閉じ込めをさらに強化することができる。
【0030】
図7、8A~8D、9A~9C、及び10A~10Bと関連する説明は、主として、パターン化された金属反射グリッドを有するLEDアレイに向けられているが、これらは、例えばDBR又は誘電体リフレクタから形成されたグリッドなどの、非金属リフレクタで形成されたパターン化された反射グリッドを有するLEDアレイの構造及び製造方法も示している。
【0031】
図7は、パターン化された反射金属グリッドからなるLEDアレイ700の上面図であり、
図2Bに示したLEDアレイ200と同様の構造及び寸法であってもよく、モノリシック構造であり得る。LEDアレイ700は、金属グリッド720によって互いに光学的に分離されたLED710からなる。図示のように、金属グリッド720の上面は、LED710の頂部表面と同様に、パターン化又は粗面化されている(本明細書では両方とも「パターン化」と称する)。この図に示され、さらに後述する実施形態では、金属グリッドはこのアレイのカソードとしても機能するが、これは任意である。金属グリッドは、代わりにアノードとして機能してもよく、あるいはダイオードへの電気的コンタクトとして機能しなくてもよい。
【0032】
金属グリッド上のパターン及びLED上のパターンは、同じ形状、サイズ、間隔であってもよい。あるいは、金属グリッド上とLED上のパターンは、ピクセルフィールド及び/又は金属グリッドにわたって異なる形状及びサイズ又は間隔を有することができる。かかるパターンの形状、サイズ及び間隔は、異なる用途及び波長に対して最適化することができる。
図7の例では、金属グリッド720上のパターンはLED710上のパターンと異なる。
【0033】
金属グリッド上及びLED上のパターンは、例えば、円錐状の形状を有することができ、アレイの平面内において横方向に数百ナノメートルから数ミクロンの範囲のサイズ(例えば、100nm、300nm、500nm、1ミクロン、2ミクロン、5ミクロン、10ミクロン)、アレイの平面において垂直な高さが数百ナノメートルから数ミクロンの範囲(例えば、100nm、300nm、500nm、1ミクロン、2ミクロン、5ミクロン、10ミクロン)、及び特徴間の間隔が数十ナノメートルから数ミクロンの範囲(例えば、10nm、30nm、50nm、100nm、300nm、500nm、1ミクロン、2ミクロン、5ミクロン、10ミクロン)であり得る。
【0034】
金属グリッドは、例えば、アルミニウム、アルミニウムコーティングを有する銅、又は、アルミニウム、チタン タングステン、メッキ銅の層スタックから形成されるか、又はそれらを含む。
【0035】
さらに後述するように、金属グリッド及びLEDのパターン化された表面は、パターン化された基板上に半導体ダイオード構造のエピタキシャル層を成長させ、パターン化された基板に達する半導体ダイオード構造内のトレンチでアレイのピクセル(個々のLED)を画定し、金属グリッドを形成するためにトレンチ内に金属を堆積させ、その後、基板を(例えば、レーザーリフトオフプロセスによって)除去することによって作成することができる。(反射金属ではなく)誘電体リフレクタ又はDBRのパターン化された反射グリッドも、金属の代わりに誘電体リフレクタ又はDBRをトレンチ内に堆積させることによって同様に形成することができる。
【0036】
あるいは、エピタキシャル構造と金属グリッドを平面基板上に成長させ、平面基板から除去した後に表面パターンを作成することもできる。これは、誘電体リフレクタやDBRから形成された反射グリッドにも当てはまる。
【0037】
反射グリッドとLED表面とのパターニングは、コントラスト比の向上、鮮明な画像、及び「オン」状態と「オフ」状態のピクセル間の光学的分離を高めることによるLEDアレイ/ディスプレイのビームプロファイル/投影のより良い制御と組み合わせて、光抽出効率の向上をもたらす。さらに、パターニングは、パターン化された表面の上に堆積又は沈殿した任意の層の接着性を高める。例えば、蛍光体変換LEDアレイやディスプレイでは、光子変換のために蛍光体層が表面に堆積又は沈殿される。パターン化された反射グリッド及びLEDダイの表面は、LEDピクセルの異種表面上の蛍光体又は他の層(例えば、封止剤層)又は二次光学系の付着を促進する。
【0038】
図8Aは、上述のようにパターン化された金属グリッドを備えるLEDアレイ800の一部の断面図である。LEDアレイ800は、反射金属から形成された金属グリッド部分820によって互いに分離され光学的に隔離された複数のLED810を備える。図示の例では、各LED810は、n型領域816とp型領域817との間に挟まれた活性領域815からなる。金属グリッド部分820は、絶縁層818によってp型領域817から分離され、n型領域816に対する電気的コンタクトを形成する。このように、金属グリッドはカソードコンタクトとして機能する。アノードコンタクト819は、p型領域への電気的コンタクトを提供する。
【0039】
アレイの平面内の光抽出頂部表面825は、上述したようにパターン化される。図示の例では、金属グリッド部分820の頂部表面のパターンは、LED810の頂部発光表面のパターンと同一であるが、上述のように、これらのパターンは異なっていてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、金属グリッド部分(カソードコンタクト)は、約2ミクロン~約10ミクロンのアレイの平面内の横方向の幅を有することができ、ピクセル82の対向する側壁を形成する金属グリッド部分820の中心間間隔は、約40ミクロン(例えば、30ミクロン~50ミクロン)であることができ、アレイの平面に垂直なエピタキシャル半導体構造(n型領域、活性領域及びp型領域)の厚さは、約6ミクロン以下であることができ、アレイの平面に垂直なパターン化表面内の表面特徴の高さは約1ミクロン~2ミクロンであることができる。任意の他の適切な組み合わせを使用してもよい。
【0041】
図8Bに示すように、いくつかの変形例では、金属グリッド部分820のパターン化表面は、LED810の発光表面よりも上方に又は発光表面を超えて(above the light emitting surfaces)延在している。このピクセル形状により、各ピクセル内での横方向放射の反射/捕捉がより良好になり、したがってコントラスト比が向上する。金属グリッド部分は、例えば、約1ミクロンから約10ミクロンだけLED表面の上方に又はLED表面を超えて延在することができる。
【0042】
図8C及び
図8Dに示すように、波長変換構造830は、半導体LEDアレイのパターン化された光抽出面825上に形成されるか、又は取り付けられ得る。波長変換構造は、例えば、バインダ材料中に配置された蛍光体粒子を含み得る。蛍光体粒子は、半導体LEDによって放出された光を吸収し、それに応答してより長い波長の光を放出する。バインダ材料は、例えばシリコンであってもよく、半導体LEDによって放出された光と蛍光体粒子によって放出された光とを透過するように選択される。波長変換構造は、例えば、約5ミクロン~約40ミクロン、又は約10ミクロン~約15ミクロンの表面825に垂直な厚さを有することができ、
例えば、約15ミクロン以下、約10ミクロン以下、又は約5ミクロン以下の直径を有する蛍光体粒子を含むことができる。
【0043】
本明細書で説明するように反射性(例えば、反射金属)グリッドをパターニングすることは、波長変換構造における光の横方向伝搬を低減し、それによって蛍光体変換LEDアレイのCRを強化するのに役立つ。パターン化された反射グリッドは、特に薄い低散乱波長変換構造に有益である。
【0044】
上述したように、本明細書に開示されるようなパターン化された反射グリッドを備えるLEDアレイは、パターン化された基板上に成長させることができる。ここで
図9Aを参照すると、パターン化基板900は、例えば、サファイア、炭化ケイ素、シリコン、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、又は任意の他の適切な材料から形成することができる。基板上のパターンは、ウェットエッチング及び/又はドライエッチング、又はナノインプリントプロセスによって形成することができ、基板上に作成することも、基板頂部に追加することもできる。すなわち、基板のパターン部分は、下地基板の残りの部分と同じ材料組成から形成することも、異なる組成を有することもできる。パターンの形状、サイズ、及び間隔は、LEDの色又は用途の要件に応じて最適化することができる。反射性(例えば、金属)グリッド表面とLEDダイ表面が異なるパターンを有する場合、基板の対応する部分をそれに応じてパターン化することができる。
【0045】
エピタキシャル層817、815、及び816は、例えばMOCVDやMBEなどの従来の成長技術のいずれかを用いて基板900上に成長し得る。パターン化された基板上に直接成長したエピタキシャル層は、基板のパターンと相補的なパターンをとる。
【0046】
図9Bに示すように、エピタキシャル層を成長させた後、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングプロセスによって、エピタキシャル層を貫通してパターン化基板までトレンチ910をエッチングすることにより、LEDピクセル又はダイをアレイ内に画定し、画定されたピクセル上に側壁を形成する。次に
図9Cを参照すると、絶縁層818をトレンチ内に堆積させ、その後、反射金属をトレンチ内に堆積させて反射金属グリッドを形成することができ、図示の例ではカソードコンタクトとしても機能する。トレンチの底部はパターン化された基板に達するので、基板に接触して形成された金属グリッドの部分は、基板のパターンと相補的なパターンをとる。
【0047】
金属グリッドは電気メッキによって形成することができる。電気メッキにはシード層が必要で、通常は電気メッキされる材料(例えばアルミニウム)と同じ材料である。あるいは、例えばチタン タングステン合金など、より強く吸収する金属材料など、異なる材料のシード層を使用し得る。一変形例では、金属(例えばアルミニウム)nコンタクト層をn型層の側壁に堆積させ、その後、チタン タングステンのシード層をトレンチの底部に堆積させ、その後、金属グリッドの残りの部分がトレンチに電気めっきされる。この方法により、デバイスのnコンタクト品質(ひいては順方向電圧Vf)を損なうことなく、(金属グリッドのパターン化表面に光学吸収材料を使用することにより)CRを向上させることができる。
【0048】
次に、高エネルギーのレーザービームで基板を除去するレーザーリフトオフなどのウェーハ除去プロセスを使って基板を除去する。基板除去により、ダイ/ピクセルフィールド上のパターン化された表面と、ピクセル間の露出した金属グリッドが残る。
【0049】
次
図10A及び10Bを参照すると、上述したプロセスステップは、基板1000の平面上で実行することができる。基板を除去すると、金属グリッドとLEDの露出面1025は平面になる。これらの平坦な表面は、次に、上記に開示したように、所望のパターンを提供するために、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングプロセスを使用してパターニングすることができる。
【0050】
基板除去(及び平面基板を使用した場合は表面パターニング)の後、洗浄液を使用してリフトオフプロセスの残留物を除去し、必要に応じて作成したパターンをさらに形成することができる。反射グリッドが反射金属グリッドの場合、洗浄液は金属層を攻撃しないように選択する必要がある。この表面洗浄の後、蛍光体層又は保護層又は二次光学層をこれらのパターンの頂部に追加して、ダイフィールド及び金属グリッド上にブランケット層又はセグメント化された頂部層を形成することができる。
【0051】
再び
図8Bを参照すると、反射性(例えば、金属)グリッド部分820のパターン化された表面がLED810の発光表面の上方に延在するLEDアレイは、例えば、エピタキシャル層(
図9B)を貫通して基板にトレンチをエッチングすることによって形成することができる。あるいは、基板除去後にLEDの光抽出面825を選択的にエッチングし、したがって、反射グリッド部分のパターン化された表面は、LEDのエッチングされたパターン化表面を超えて延在し、反射グリッドがエッチングプロセスから保護される。
【0052】
本開示は例示的なものであり、限定するものではない。さらなる変更は、本開示に照らして当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードアレイであって、
各々が発光表面を備える複数の発光ダイオードと、
複数の開口を画定する反射グリッドであって、前記開口内において前記発光ダイオードのうちの対応するものの発光表面が前記反射グリッドの外側の同じ方向に向くように、前記発光ダイオードが配置されている、反射グリッドと、
を備え、
前記反射グリッドは各発光ダイオードに対して反射性の側壁を提供し、前記反射性の側壁は、前記発光表面と隣り合い、前記発光表面と前記同じ方向に向けて配置されたパターン化された光散乱表面を備える、
発光ダイオードアレイ。
【請求項2】
前記発光表面は光を散乱するようにパターン化されている、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項3】
前記側壁のパターン化された前記光散乱表面及びパターン化された前記発光表面が異なる光散乱パターンを有する、
請求項2記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項4】
前記側壁のパターン化された前記光散乱表面及びパターン化された前記発光表面が同じ光散乱パターンを有する、
請求項2記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項5】
前記側壁のパターン化された前記光散乱表面は、隣り合う発光表面と同一平面上にある、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項6】
前記側壁のパターン化された前記光散乱表面は、前記発光表面が向かう前記方向において前記発光表面を超えて延在している、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項7】
前記反射グリッドは、前記発光ダイオードへの電気的コンタクトを提供する反射金属グリッドを含むか又は反射金属グリッドである、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項8】
前記側壁のパターン化された前記光散乱表面上及び前記発光表面上に配置された波長変換構造を備える、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項9】
前記発光表面は、50ミクロン以下の、反射側壁に平行な最長寸法を有し、
隣り合う発光表面は互いに10ミクロン以下だけ離間している、
請求項1記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項10】
前記側壁のパターン化された前記光散乱表面上及び前記発光表面上に配置された波長変換構造を備え、
前記発光表面は光を散乱するようにパターン化されており、
前記波長変換構造は、前記発光表面が面する方向において30ミクロン以下の厚さを有し、
前記波長変換構造はバインダ内に分散された蛍光体粒子を含み、
前記蛍光体粒子は約20ミクロン未満かつ1ミクロンを超える直径を有する、
請求項9記載の発光ダイオードアレイ。
【請求項11】
ディスプレイシステムであって、
請求項1乃至10いずれか1項記載の前記発光ダイオードアレイと、
ディスプレイと、
前記発光ダイオードアレイから間隔を置いて配置され、前記発光ダイオードアレイからの光を前記ディスプレイ内へ結合するように配置された光学素子又は光学系と、
を備えるディスプレイシステム。
【請求項12】
モバイルデバイスであって、
カメラと、
フラッシュ照明システムと、を備え、
前記フラッシュ照明システムは、
請求項1乃至10いずれか1項記載の前記発光ダイオードアレイと、
前記発光ダイオードアレイから間隔を置いて配置され、前記発光ダイオードアレイによって放出された光を前記カメラの視野内へと方向付けるように配置された光学素子又は光学系と、を備える、
モバイルデバイス。
【請求項13】
発光ダイオードアレイを製造する方法であって、
パターン化基板上に半導体層のスタックを配置するステップであって、前記半導体層は、n型領域、p型領域、及び、前記n型領域とp型領域との間に配置された活性領域を備える、ステップと、
前記半導体層のスタックを貫通してトレンチをエッチングして、各トレンチの底部において前記パターン化基板を露出する、ステップであって、前記トレンチはグリッドを形成し、前記発光ダイオードアレイの個別の発光ダイオードを画定する、ステップと、
前記トレンチ内にリフレクタを配置して、前記発光ダイオードの反射側壁を形成するステップであって、前記反射側壁は、前記パターン化基板によってパターン化された前記パターン化基板とコンタクトする表面を有する、ステップと、
前記発光ダイオード及び前記反射側壁から前記パターン化基板を除去するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記反射側壁は、前記発光ダイオードへの電気的コンタクトを提供する、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記発光ダイオードは、前記基板によってパターン化された発光表面を備える、
請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記反射側壁のパターン化された表面は前記発光ダイオードの隣り合う表面を超えて延在するように、前記基板内に前記トレンチをエッチングするステップを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記パターン化基板を除去するステップの後に、
前記反射側壁のパターン化された表面が前記発光ダイオードのエッチングされた前記表面を超えて延在するように、前記パターン化基板と以前コンタクトしていた前記発光ダイオードの表面をエッチングするステップを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記パターン化基板を除去するステップの後に、
前記発光ダイオード上に、前記発光ダイオードの発光表面及び前記反射側壁のパターン化された表面とコンタクトする波長変換構造を形成するステップを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項19】
発光ダイオードアレイを製造する方法であって、
平面基板上に半導体層のスタックを配置するステップであって、前記半導体層は、n型領域、p型領域、及び、前記n型領域とp型領域との間に配置された活性領域を備える、ステップと、
前記半導体層のスタックを貫通してトレンチをエッチングして、各トレンチの底部において前記平面基板を露出する、ステップであって、前記トレンチはグリッドを形成し、前記発光ダイオードアレイの個別の発光ダイオードを画定する、ステップと、
前記トレンチ内にリフレクタを配置して、前記発光ダイオードの反射側壁を形成する、ステップと、
前記発光ダイオード及び前記反射側壁から前記平面基板を除去するステップと、
前記平面基板と以前コンタクトしていた前記反射側壁の表面をパターン化して、光を散乱させる、ステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記反射側壁は、前記発光ダイオードへの電気的コンタクトを提供する、
請求項19記載の方法。
【国際調査報告】