(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】マルチピース締め具、マルチピース締め具設置装置、および締結方法
(51)【国際特許分類】
F16B 5/04 20060101AFI20240409BHJP
F16B 35/00 20060101ALI20240409BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20240409BHJP
B21J 15/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
F16B5/04 C
F16B35/00 T
B64C1/00 A
B21J15/00 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561028
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 IB2021000267
(87)【国際公開番号】W WO2022214842
(87)【国際公開日】2022-10-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516343516
【氏名又は名称】ハウメット エアロスペース インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Howmet Aerospace Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルネット,アルノー
【テーマコード(参考)】
3J001
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GA02
3J001GA03
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA07
3J001JA10
3J001JD07
3J001KA19
3J001KB01
(57)【要約】
マルチピース締め具、マルチピース締め具設置装置、および締結方法が提供されている。マルチピース締め具は、締結カラーおよびピンを含む。締結カラーは、第一のカラー端部および第二のカラー端部を含む。カラーキャビティは、第一のカラー端部から第二のカラー端部まで延在する。ピンは、カラーキャビティによって少なくとも部分的に受領されるように構成されている。ピンは、第一のピン端部と、第二のピン端部と、第一のピン端部から第二のピン端部の中間に延在するシャンクと、を含む。シャンクは、複数の構造的特徴部を含む。複数の構造的特徴部のうちの第一の特徴部は、第一の構成を有し、複数の構造的特徴部のうちの第二の特徴部は、第二の構成を有する。第一の構成と第二の構成は異なる。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチピース締め具であって、
第一のカラー端部および第二のカラー端部を含む締結カラーであって、前記カラーキャビティが前記第一のカラー端部から前記第二のカラー端部まで延在する、締結カラーと、
前記カラーキャビティによって少なくとも部分的に受領されるように構成されたピンであって、
第一のピン端部と、
第二のピン端部と、
前記第一のピン端部および前記第二のピン端部を中間に延在するシャンクと、を備えるピンと、を備え、
前記シャンクが、複数の構造的特徴部を備え、また、
前記複数の構造特徴部のうちの第一の特徴部は、第一の構成を有し、前記複数の構造特徴部のうちの第二の特徴部は、第二の構成を有し、かつ、前記第一の構成と前記第二の構成が異なっている、マルチピース締め具。
【請求項2】
前記複数の構造的特徴部が、第一の溝および第二の溝を含み、また、第一の溝および第二の溝の少なくとも一つの寸法が異なる、請求項1に記載のマルチピース締め具。
【請求項3】
前記第一の溝および前記第二の溝の前記少なくとも一つの寸法が、溝紋および溝の深さから選択される、請求項2に記載のマルチピース締め具。
【請求項4】
前記複数の構造的特徴部が、第一の環状ショルダおよび第二の環状ショルダを含み、また、第一の環状ショルダおよび第二の環状ショルダの少なくとも一つの寸法が異なる、請求項1に記載のマルチピース締め具。
【請求項5】
前記複数の構造的特徴部が、第一のねじ山および第二のねじ山を含み、前記第一のねじ山および前記第二のねじ山の少なくとも一つの寸法が異なる、請求項1に記載のマルチピース締め具。
【請求項6】
前記第一のねじ山および前記第二のねじ山の少なくとも一つの寸法が、ねじ山の深さ、内ねじ山の直径、外ねじ山の直径、およびねじ山のピッチから選択される、請求項5に記載のマルチピース締め具。
【請求項7】
前記締結カラーが概して円筒形である、請求項1に記載のマルチピース締め具。
【請求項8】
前記締結カラーがフランジを備え、前記第一のピン端部がヘッド部分を備え、かつ、前記第二のピン端部が引っ張り領域を備える、請求項1に記載のマルチピース締め具。
【請求項9】
前記マルチピース締め具が、構造体の穴に設置されるように適合される、請求項1に記載のマルチピース締め具。
【請求項10】
前記構造体が、航空宇宙用の部品又は構成要素、自動車用の部品又は構成要素、輸送用の部品又は構成要素、および、建築や建設用の部品又は構成要素、の少なくとも一つである、請求項9に記載のマルチピース締め具。
【請求項11】
前記マルチピース締め具が、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載のマルチピース締め具。
【請求項12】
前記シャンクの直径は、0.06インチ~4インチ(0.1524cm~10.16cm)の範囲である、請求項1に記載のマルチピース締め具。
【請求項13】
請求項1に記載の前記マルチピース締め具を備える、ロックボルト。
【請求項14】
締結するための方法であって、
請求項1に記載の前記マルチピース締め具の第二のピン端部を、構造内の穴に挿入することと、
前記マルチピース締め具の前記ピンの前記引っ張り領域を、設置装置と強制的に接触させることと、
前記設置装置によって前記マルチピース締め具にかけられる荷重および設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中の前記コレットのストローク長を測定することと、
前記締結カラーを前記設置装置のアンビルと強制的に接触させ、かつ、前記引っ張り領域を前記締結カラーから遠位に移動させることによって、前記締結カラーを前記ピンの前記シャンクに合わせて変形させ、また、前記マルチピース締め具の少なくとも一部分を前記構造体に固定させることと、
前記測定荷重および前記測定ストローク長を利用して、前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に、前記カラーが前記マルチピース締め具の前記シャンクの前記第一の特徴部に合わせて変形されたかどうかを判定することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記シャンク上の複数の構造的特徴部のうちの第一の特徴部に合わせて変形されたという判定に基づいて、前記測定荷重および前記測定ストローク長を正規化することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
マルチピース締め具設置装置であって、
ハウジングキャビティを画定するハウジングと、
前記ハウジングキャビティ内のアンビルであって、マルチピース締め具のカラーのうちの少なくとも一部分を強制的に接触させるように構成されたアンビルと、
前記ハウジングキャビティ内のコレットであって、前記アンビルに隣接する第一のコレット端部を含み、前記第一のコレット端部は、前記マルチピース締め具のシャンクの引っ張り領域の少なくとも一部分に強制的に接触するように構成された、コレットと、
プログラマブルハードウェアデバイスであって、
前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に前記コレットによって前記マルチピース締め具にかけられる荷重を測定し、
前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に荷重をかける間に、前記コレットのストローク長を測定し、
前記測定荷重および前記測定ストローク長を利用して、前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に、前記マルチピース締め具の前記シャンク上の複数の構造的特徴部のうちの第一の特徴部に合わせて変形されたかどうかを判定するように構成される、プログラマブルハードウェアデバイスと、を備える、マルチピース締め具設置装置。
【請求項17】
前記第一の特徴が、前記マルチピース締め具の前記シャンク上の前記複数の構造的特徴部のうちの第二の特徴部とは異なる、請求項16に記載のマルチピース締め具設置装置。
【請求項18】
請求項16に記載のマルチピース締め具設置装置であって、
前記プログラマブルハードウェアデバイスと信号通信する表示装置とであって、プログラマブルハードウェアデバイスによって、前記マルチピース締め具の前記締結カラーが、前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に、前記マルチピース締め具の前記シャンク上の、複数の構造的特徴部のうちの前記第一の特徴部に合わせて変形したかどうかの判定に基づいて、前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記複数の構造的特徴部のうちの前記第一の特徴部に合わせて変形されたことを示す第一の印、前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記複数の構造的特徴部のうち前記第一の特徴部に合わせて変形されていないことを示す第二の印、または前記第一および第二の印の組み合わせを表示するように構成された表示装置をさらに備える、請求項16に記載のマルチピース締め具設置装置。
【請求項19】
前記プログラマブルハードウェアデバイスが、前記マルチピース締め具の前記カラーが前記シャンク上の複数の構造特徴部のうちの前記第一の特徴部に合わせて変形されたという判定に基づいて、前記測定荷重および前記測定ストローク長を正規化するようにさらに構成される、請求項16に記載のマルチピース締め具設置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチピース締め具、マルチピース締め具設置装置、および締結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両フレーム、ストレージラック、ソーラーパネルサブ構造、航空機部品、およびその他の構造は、多数の機械的締め具を含む場合がある。例えば、構造用締め具は、構造用構成要素の穴に設置して、部品を一緒に固定することができる。構造用締め具を穴に適切に設置することは困難である。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一つの非限定的態様によれば、マルチピース締め具が提供される。マルチピース締め具は、締結カラーおよびピンを含む。締結カラーは、第一のカラー端部および第二のカラー端部を含む。カラーキャビティは、第一のカラー端部から第二のカラー端部まで延在する。ピンは、カラーキャビティによって少なくとも部分的に受領されるように構成されている。ピンは、第一のピン端部と、第二のピン端部と、第一のピン端部と第二のピン端部の中間に延在するシャンクと、を含む。シャンクは、複数の構造特徴部を含む。複数の構造特徴部のうちの第一の特徴部は、第一の構成を有し、また、複数の構造特徴部のうちの第二の特徴部は、第二の構成を有する。第一の構成と第二の構成は異なる。
【0004】
本開示による別の非限定的な態様によると、締結するための方法が提供される。本方法は、マルチピース締め具の第二のピン端部を、構造内の穴に挿入し、また、マルチピース締め具のピンの引っ張り領域を、設置装置と強制的に接触させることを含む。本方法は、設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中に設置装置によってマルチピース締め具にかけられる荷重、およびコレットのストローク長を測定することを含む。マルチピース締め具の締結カラーは、設置装置のアンビルと強制的に接触し、また、引っ張り領域は締結カラーから遠位に移動され、それによって締結カラーがピンのシャンクに合わせて変形し、かつ、マルチピース締め具の少なくとも一部分を構造に固定する。方法は、測定荷重および測定ストローク長を利用して、カラーが、設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中にマルチピース締め具のシャンクの第一の特徴部に合わせて変形されたかどうかを判定することを含む。
【0005】
本開示のさらに別の非限定的態様によれば、マルチピース締め具設置装置が提供される。マルチピース締め具設置装置は、ハウジングキャビティを画定するハウジング、ハウジングキャビティ内のアンビル、ハウジングキャビティ内のコレット、およびプログラマブルハードウェアデバイスを含む。アンビルは、マルチピース締め具のカラーのうちの少なくとも一部分を強制的に接触させるように構成される。コレットは、アンビルに隣接する第一のコレット端部を備える。第一のコレット端部は、マルチピース締め具のシャンクの引っ張り領域の少なくとも一部分に強制的に接触するように構成される。プログラマブルハードウェアデバイスは、設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中に、コレットによってマルチピース締め具にかけられる荷重を測定するように構成され、また、設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中に荷重をかけている間に、コレットのストローク長を測定するように構成される。プログラマブルハードウェアデバイスは、測定荷重および測定ストローク長を利用して、マルチピース締め具のカラーが、設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中に、マルチピース締め具のシャンク上の複数の構造特徴の第一の特徴部に合わせて変形したかどうかを判断するように構成される。
【0006】
本明細書において開示し、また説明する発明が、本要約で要約した態様に限定されないことは、理解されよう。読者は、本明細書による様々な非限定的かつ非網羅的な態様の以下の詳細な説明を考慮すると、前述の詳細および他の詳細を理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面と併せて以下の説明を参照することにより、また、ここに提示する例の特徴および利点並びにそれらを達成する方法はより明瞭となり、例は、より良好に理解されるであろう。
【0008】
【
図1A】
図1Aは、マルチピース締め具の許容可能な設置の非限定的な例の部分断面側面図である。
【0009】
【
図1B】
図1Bは、マルチピース締め具の許容できない設置の非限定的な例の部分断面側面図である。
【0010】
【
図2】
図2は、本開示によるマルチピース締め具の非限定的な実施形態の部分断面側面図である。
【0011】
【
図3A】
図3Aは、本開示による、マルチピース締め具およびマルチピース締め具設置装置の非限定的な実施形態の部分断面側面図であり、構造体の穴の中にあり、かつ、第一の構成にある様子を示している。
【0012】
【
図3B】
図3Bは、マルチピース締め具と、
図3Aのマルチピース締め具設置装置の部分断面側面図であり、構造体の穴の中にあり、かつ、第二の構成にある様子を示している。
【0013】
【
図3C】
図3Cは、マルチピース締め具と、
図3Aのマルチピース締め具設置装置の部分断面側面図であり、構造体の穴の中にあり、かつ、第三の構成にある様子を示している。
【0014】
【
図4A】
図4Aは、
図3Aに示す第一の構成から
図3Bに示す第二の構成に移動するときの、
図3Aの設置装置における測定ストローク長対測定荷重をプロットした曲線である。
【0015】
【
図4B】
図4Bは、
図3Bに示す第二の構成から
図3Cに示す第三の構成に移動するときの、
図3Aの設置装置における測定ストローク長対測定荷重をプロットした曲線である。
【0016】
【
図5】
図5は、本開示による、マルチピース締め具の第一および第二の非限定的実施形態を設置中の、測定ストローク長対測定荷重をプロットした曲線である。
【0017】
【
図6】
図6は、本開示による締結のための方法に関する非限定的な実施形態を示すフローチャートである。
【0018】
対応する参照符号は、いくつかの図にわたって、対応する部分を示している。本明細書に記載する例示は、一形態における特定の実施形態を例示するものであり、また、そのような例示は、いかなる方法においても、添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
開示する締結カラー、マルチピース締結システム、および締結方法の構造、機能、および使用に関する全体的な理解を提供するために、様々な実施例について、本明細書において説明して例示している。本明細書において説明して例示する様々な実施例は、非限定的かつ非網羅的である。よって、本発明は、本明細書において開示する様々な非限定的なかつ非網羅的な実施例に関する説明によって限定されるものではない。むしろ、本発明は、特許請求の範囲によってのみ規定される。様々な例に関連して図示および/または記述される特徴および特性は、他の例の特徴および特性と組み合わされ得る。そのような修正および変形は、本明細書の範囲内に含まれることが意図される。よって、特許請求の範囲は、本明細書に明示的若しくは本質的に記載される、又はさもなければ本明細書によって明示的若しくは本質的に支持される任意の特徴若しくは特性を記述するように修正され得る。更に、出願人は、先行技術内に存在し得る特徴又は特性を肯定的に否認するために、特許請求の範囲を修正する権利を留保する。本明細書に開示および記載される様々な実施形態は、本明細書に様々に記載される特徴および特性を含み得、それらからなり得、又は基本的にそれらからなり得る。
【0020】
本明細書中の「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、「一実施形態」、又は類似の語句への任意の言及は、例に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の語句「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「1つの実施形態では」、「一実施形態では」、又は類似の語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の記載される特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態で、任意の好適な様式で組み合わせられ得る。したがって、1つの実施形態に関連して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、全体的又は部分的に、限定されることなく、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と組み合わされ得る。そのような修正および変形は、本実施形態の範囲内に含まれることが意図される。
【0021】
本明細書で使用した際には、「中間」とは、参照された構成要素が二つの別の構成要素の間に配設されているものの、必ずしもそれら別の構成要素と接触しているわけではないことを意味する。したがって、本明細書において他のことが記載されていない限り、第一構成要素と第二構成要素との「中間」に位置した構成要素は、第一構成要素および/または第二構成要素に対して隣接していても隣接していなくてもよく、また、第一構成要素および/または第二構成要素に対して接触していても接触していなくてもよく、追加の構成要素が、中間に位置した構成要素と、第一構成要素および/または第二要素との間に配設されていてもよい。
【0022】
例えば、ロックボルトなどの構造用締め具が構造体の穴の中に設置される場合、ロックボルトのカラーは、締め具のピンの一区分に合わせて変形される(例えば、加締められる)。ユーザおよび/または設置ツールによっては、望ましくない締め具が、設置において使用されている場合があり、カラーが許容できるほど変形せず(例えば、カラー軸長に沿った変形の距離が短すぎるまたは長すぎる、および/または特定の点における変形の程度が多すぎるまたは少なすぎる)、カラーがピンと不適切に整列している、または他の欠陥が存在する場合がある。例えば、
図1Aに示すように、ロックボルト100aの締結カラー102は、部分的に変形され、かつ、締結カラー102はロックボルト100aのピン120のシャンク122上のすべての溝に合わせて変形されている様子が示されている。
図1Aに示す構成は、いくつかの適用方法では、許容可能な設置であるとみなすことができる。対照的に、
図1Bに示す構成において、ボルト100bの締結カラー102は部分的に変形しており、締結カラー102はロックボルト100のピン120のシャンク122上のすべての溝134に合わせて変形されていない。
図1Bに示す構成は、締結カラー102が所望の最小数の溝134に合わせて変形されていないため、いくつかの適用方法では許容できない設置であるとみなすことができる。
【0023】
ロックボルトが正しく設置されていることを確認するために、加締めゲージを使用してロックボルトの設置を確認してもよい。加締めゲージは、典型的には、二つの異なる側面、すなわち、カラーを受容するように構成された第一のサイズを有する第一の凹部を含むタッチ・ゴー・サイド、およびカラーを受容するように構成された第一のサイズを有する第二の凹部を含む、タッチ・ノーゴー・サイドを有する。ロックボルトの許容可能な設置を確認するための加締めゲージの使用には、設置後の追加のステップが必要であり、また、これは時間がかかり、かつ、主観的である可能性がある。さらに、ロックボルト設置ツールのコレットの総ストローク距離、またはロックボルトの設置中の最大印加荷重を測定することは、締結カラーがピンに対して適切に位置決めされているかどうか(例えば、締結カラーがピンの所望の部分上に加締められたかどうか)を正確かつ効率的に検出しない場合がある。
【0024】
したがって、本開示は、マルチピース締め具、マルチピース締め具設置装置、および設置手順中に構造用締め具の許容可能な設置を効率的に検証することを可能にする締結の方法を提供し、また、これは、加締めゲージによる追加の設置検証ステップの使用を必要としない場合もある。追加的な締め具設置検証ステップを必要としない場合があるため、設置装置およびプロセスは、製造工程の精度および/または全体的な効率を高めることができる。
【0025】
例えば、
図2は、本開示によるマルチピース締め具200の非限定的な実施形態を示している。マルチピース締め具200は、構造体(例えば、
図3A-3Cに示す通り)の穴に設置されるように構成することができる。マルチピース締め具200は、例えば、
図2に示すような締結カラー202およびピン220などの少なくとも二つの構成要素、またはいくつかの非限定的な実施形態では、少なくとも三つの構成要素(図示せず)を備えていてもよい。様々な非限定的な実施形態では、マルチピース締め具200は、締結カラー202およびピン220を含む二ピースアセンブリを備えていてもよい。いくつかの実施形態では、マルチピース締め具200は、ロックボルトおよびブラインド締め具のうちの少なくとも一方であってもよい。例えば、ロックボルトは、例えば、構造リベット、構造ボルト、または構造スタッドなどの構造ロックボルト締め具であってもよい。
【0026】
締結カラー202は、第一のカラー端部204、第二のカラー端部206、第一のカラー端部204および第二のカラー端部206の中間に配設された長手の部分208、ならびに第一のカラー端部204から第二のカラー端部206へ長手の部分208を通って延在するキャビティ210を備えていてもよい。長手の部分208は、締結カラー202の長手方向軸線を画定することができる。キャビティ210に隣接する長手の部分208の表面216は、所望の適用方法に応じて、実質的に円筒形領域、ねじ込み領域、環状ショルダ、および溝のうちの少なくとも一つを備えていてもよい。様々な非限定的な実施形態では、締結カラー202は、概して円筒形であってもよい。
【0027】
様々な非限定的実施形態では、締結カラー202は、フランジ218を備えていてもよい。締結カラー202は、設置ツールのアンビルに係合および/または受容されるように構成されてもよく、一方でフランジ218のフランジ直径は、締結カラー202が所定の距離を超えて構造体内の穴を貫通するのを阻止することができる。
【0028】
ピン220は、第一のピン端部228、第二のピン端部230、およびシャンク222を備えていてもよい。シャンク222は、例えば、略円筒形の形状など、締結カラー202のキャビティ210によって受容されるのに適した形状を有していてもよい。シャンク222は、第一のピン端部228と第二のピン端部230との中間に延在することができ、また、キャビティ210内に少なくとも部分的に配設されるように、寸法決めすることができる。シャンク222がキャビティ210内へと挿入された時には、第一のピン端部228は、第二のスリーブ端部206に隣接して配設されてもよく、また、第二のピン端部230は、第一のカラー端部204に隣接して配設されてもよい。様々な非限定的な実施形態では、ピン220は、ピン220が所定距離を超えて構造体の穴を通して移動することを阻止するように構成されたヘッド部分236を備えていてもよい。様々な他の非限定的実施形態では、ピン220は、ヘッド部分(図示せず)を備えない場合がある。
【0029】
第一のピン端部228は、(
図3A-3Cに示すように、また、以下に説明するように、例えば、設置ツール348)によって係合されるように構成された引っ張り領域224を備えていてもよい。引っ張り領域224は、軸方向の長さを有していてもよく、また、様々な非限定的な実施形態では、テーパを含んでいない場合がある。他の非限定的な実施形態では、引っ張り領域224は、テーパまたはリバーステーパを含んでいてもよい。例えば、引っ張り領域224に沿って、ヘッド230からピン220の長手方向軸線に沿って離れる方向に移動するにつれて、引っ張り領域224の直径は減少していてもよい。特定の他の非限定的な実施形態では、引っ張り領域224は、引っ張り領域224に沿って、ヘッド230からピン220の長手方向軸線に沿って離れる方向に移動するにつれて、引っ張り領域224の直径が増加する、リバーステーパを含んでいてもよい。様々な実施形態において、引っ張り領域224は概して円錐状であってもよい。
【0030】
引っ張り領域224は、概して滑らかな領域、環状ショルダ、溝部、および穴部のうちの少なくとも一つを備えてもよく、および/または設置ツール(例えば、
図3A-3Cに示すような、また、以下に説明するような設置ツール348)によって係合されるように構成された別の特徴部を備えてもよい。例えば、特定の非限定的実施形態では、
図2に示すように、引っ張り領域224は、設置ツールが係合できる溝232を備えていてもよい。
【0031】
シャンク222は、ピン220の長手方向軸線を画定することができる。シャンク222は、シャンク222を締結カラー202に固定するために、締結カラー202と係合するように構成されてもよい。係合時には、ピン220の長手方向軸線A1と、カラー202の長手方向軸線とは、マルチピース締め具100の長手方向軸線A1に沿って、実質的に整列させることができる。
【0032】
締結カラー202のキャビティ210は、ピン220のシャンク222を少なくとも部分的に内部に受容するように構成することができる。例えば、キャビティ210は、例えば、略円筒形など、ピン220のシャンク222を受容するのに適した形状を有していてもよい。キャビティ210へのシャンク222の導入の間、および/または導入後、下記に説明するように、表面216の少なくとも一部分を含む長手の部分208は、以下に記載されるように、長手の部分208と設置ツールとの間の強制的な接触に応答して、少なくとも部分的にシャンク222に合わせて変形することができる。長手の部分208の変形により、締結カラー202をシャンク222に固定することができる。様々な非限定的な実施形態では、ピン220は、マルチピース締め具200の設置時に破壊するように構成されたブレークネック溝240または他の特徴部を含んでもよく、また、引っ張り領域224は、設置後に剥離してもよい。様々な非限定的な実施形態では、シャンク222の主要直径φ1は、0.06インチ~4インチ(0.1524cm~10.16cm)の範囲である。
【0033】
シャンク222は、例えば、一つ以上の環状ショルダ、一つ以上の溝、一つ以上のねじ山、およびそれらの組み合わせなどの構造的特徴部234を含む。構造的特徴部234は、締結カラー202の表面216と係合することができる。構造的特徴部234は、シャンク222の一つまたは複数の領域上の外部構造体であってもよい。様々な非限定的実施形態では、シャンク222のすべてまたは領域は溝を含む。例えば、
図2に示すように、構造的特徴部234は溝である。様々な非限定的実施形態では、シャンク222のすべてまたは一部は、環状ショルダ(図示せず)を含む。様々な非限定的実施形態では、シャンク222のすべてまたは一部の領域は、ねじ山(図示せず)を含む。特定の非限定的な実施形態では、シャンク222の全てまたは一部の領域領域は、一つ以上の溝および一つ以上のねじ山を含む。
【0034】
再び
図2を参照すると、シャンク222上の複数の構造的特徴部234のうちの第一の特徴部234aは、第一の構成を有してもよく、複数の構造的特徴部234のうちの第二の特徴部234bは、第二の構成を有してもよく、第一の構成と第二の構成は異なる。第一および第二の構成は、締め具の設置(例えば、ピン220への締結カラー202の変形)中に、第一および第二の構成間の差異を検出できるように構成されている。例えば、マルチピース締め具200の設置中において、変形中に締結カラー202にかけられる荷重と、荷重がかかっている間のストローク距離とを測定することによって、第一および第二の構成の検出を可能にし、それによって、締結カラー202がそれぞれの構造的特徴部234a、234bに加締められたことを確認することができる。
【0035】
複数の構造的特徴部234が溝を備える様々な非限定的なマルチピース締め具の実施形態では、第一の特徴部234aは第一の溝であってもよく、また、第二の特徴部234bは第二の溝であってもよく、また、第一の溝と第二の溝の少なくとも一つの寸法は異なってもよい。例えば、第一の溝および第二の溝の少なくとも一つの寸法は、溝紋、溝の深さ、または溝の別の寸法を含んでいてもよい。
【0036】
複数の構造的特徴部234が環状ショルダを含む様々な非限定的なマルチピース締め具の実施形態では、第一の特徴部234aは、第一の環状ショルダとすることができ、また、第二の特徴部234bは、第二の環状ショルダとすることができ、また、第一の環状ショルダと第二の環状ショルダの少なくとも一つの寸法は異なってもよい。
【0037】
複数の構造的特徴部234がねじ山を含む様々な非限定的マルチピース締め具の実施形態では、第一の特徴部234aは第一のねじ山であってもよく、また、第二の特徴部234bは第二のねじ山であってもよく、また、第一のねじ山と第二のねじ山の少なくとも一つの寸法は異なってもよい。例えば、第一のねじ山および第二のねじ山の少なくとも一つの寸法は、ねじ山の深さ、内径、外径、またはねじ山ピッチを備えていてもよい。
【0038】
本開示によるマルチピース締結システムは、金属、金属合金、複合材料、又は、他の適切な材料、の少なくとも一つを含むことができる。例えば、様々な実施形態では、本開示によるマルチピース締め具(例えば、締め具200)は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、および炭素繊維複合材料のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0039】
図3A-3Cに示すように、マルチピース締め具200は、構造体344の穴346内に設置することができる。図示のように、穴346は、第一の側面368から第二の側面360へと、構造体344を貫通して延在してもよい。様々な他の非限定的実施形態では、穴346は、第一の側面368から延在するが、構造体344全体を通って延在しなくてもよく、これにより、ブラインドホールが形成され、かつ、ブラインド締め具として構成された本開示によるマルチピース締め具を使用することができる。様々な実施形態において、穴346は、ねじ山を備えてもよく、その他の非限定的な実施形態では、穴346は、ねじ山を含まない。
【0040】
構造体344は、例えば、金属、金属合金、複合材料、又は、他の適切な材料、の少なくとも一つを含むことができる。例えば、特定の実施形態では、構造体344は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、および炭素繊維複合材料のうちの少なくとも一つを含むことができる。様々な非限定的な実施形態では、マルチピース締結システム200が組み込まれる構造体344は、アルミニウム、および/または、例えば7075アルミニウム合金などのアルミニウム合金を含む。添付の図を参照すると、様々な非限定的実施形態では、構造体344は、航空宇宙部品もしくは構造体、自動車用の部品もしくは構造体、輸送部品もしくは構造体、建築および建設部品もしくは構造体、または他の部品もしくは構造体のうちの少なくとも一つとして構成することができる。
【0041】
構造体344は、単層の材料、または、少なくとも二層の材料含むことができる。例えば、
図3A~3Cに示されるように、構造体344は、第一の材料層344aおよび第二の材料層344bを備えていてもよい。第一の材料層344aは、締結カラー202が設置される時に、第二の材料層344bと締結カラー202との中間とすることができる。様々な非限定的実施形態では、第一の材料層344aは、締結カラー202に隣接している。
【0042】
マルチピース締め具200および穴346を整列しやすくするために、第一のピン端部228のサイズおよび/または形状は、穴346に容易に入り、かつ、穴346を通って移動するように構成することができる。様々な実施形態において、ヘッド部分236の直径は、ピン220が穴346内にさらに前進しないように阻止するために、穴346の直径より大きくてもよい。ヘッド部分236を欠く様々な非限定的実施形態では、第二のピン端部230の直径は、穴346の直径よりも小さいサイズおよび構成とすることができ、それによって、第二のピン端部230が穴346内へ、かつ、穴346を通って容易に移動することができるようになる。
【0043】
図3Aに示すように、ピン220の第一のピン端部228は、穴346を通して挿入される前に、穴346の第二の側面360と整列するように位置決めされている。ヘッド部分236のないブラインド締め具としてマルチピース締め具200が構成される様々な他の非限定的実施形態では、ピン220の第二のピン端部230は、穴346の第一の側面368と整列して位置決めされ、穴346を通して挿入することができる。
【0044】
再度
図3Aを参照するが、締結カラー202は、第一のピン端部228の上方に位置決めされ、また、第一のピン端部228は、締結カラー202のキャビティ210内へかつ、キャビティ210を通して挿入されている状態で示されている。締結カラー202の第二のカラー端部206は、構造体344の第一の層344aに接触する。ピン220および締結カラー202がねじ山を備える様々な非限定的実施形態では、第一のピン端部228を締結カラー202のキャビティ210に挿入するには、締結カラー202およびピン220のうちの少なくとも一方の回転が必要となる場合がある。
【0045】
締結カラー202は、構造体344と強制的に接触させてもよい。締結カラー202と構造体344との間の強制接触は、長手方向軸線A1に沿ったピン220に対する締結カラー202のさらなる軸方向の動きを制限することができる。
【0046】
図3Aを参照すると、マルチピース締め具設置装置348が提供されている。設置装置348は、ハウジングキャビティ358を画定するハウジング356と、ハウジングキャビティ358内に位置決めされたアンビル354と、ハウジングキャビティ358内に位置決めされたコレット352と、プログラマブルハードウェアデバイス(PHD)370と、を備える。アンビル354は、マルチピース締め具200の締結カラー202の少なくとも一部分を選択的に接触させるように構成することができる。コレット352は、アンビル354に隣接した第一のコレット端部352aを備え、また、第一のコレット端部352aは、マルチピース締め具200のシャンク222の引っ張り領域224の少なくとも一部分に強制的に接触するように構成された顎を備える。
【0047】
様々な非限定的実施形態では、PHD370は、メモリに動作可能に結合されたプロセッサを含む。PHD370は、設置装置348を用いたマルチピース締め具200の設置中に、コレット352によってマルチピース締め具200にかけられる荷重を、マルチピース締め具200によって測定するように構成され(例えば、センサーおよび/または回路を含む)、これにより、測定荷重を判定する。コレット352は、アンビル354内に後退することができ、また、これにより、アンビル354と締結カラー202との間の強制的な接触を引き起こす。測定荷重は、装置(例えば、モータ、アクチュエータ)によって、設置中にコレット352にかけられる荷重の直接測定であってもよく、および/または、測定荷重は、締結カラー202とアンビル354との間の強制接触の結果としてアンビル352にかかる力を測定することによって、設置中にコレット352にかかる荷重の間接的測定であってもよい。
【0048】
PHD370は、設置装置348を用いたマルチピース締め具200の設置中に、コレット352に荷重をかけている間、コレット352のストローク長を測定し、それによって測定ストローク長を判定するようにさらに構成される。測定ストローク長は、設置プロセス中に、コレット352が、アンビル354に対して、長手方向軸線A1に沿って移動する絶対距離、および/またはコレット352が長手方向軸線A1に沿って移動する相対距離とすることができる。
【0049】
PHD370はまた、測定荷重および測定ストローク長を利用して、設置装置348を用いたマルチピース締め具200の設置中に、締結カラー202が、マルチピース締め具200のシャンク222上の第一の特徴部234a、第二の特徴部234b、および/または複数の構造的特徴部234のうちの別の特徴部に合わせて変形したかどうかを判定するように構成することができる。PHD370は、締結カラー202が設置プロセスで変形した、シャンク222上の構造的特徴部234の数を判定することができる。PHD370は、マルチピース締め具200の締結カラー202が、シャンク222上の複数の構造的特徴部234のうちの第一の特徴部234aに合わせて変形したという判定に基づいて、測定荷重および測定ストローク長を正規化するように構成することができる。PHD370はまた、測定値を利用して、設置プロセス中の測定ストローク長対測定荷重の曲線をプロットすることができる。次に、PHD370は、マルチピース締め具200が、前記締結カラー220が合わせて変形した構造的特徴部234の数を、所定の量の構造的特徴部閾値と比較することと、前記測定ストローク長を所定のストローク長閾値と比較することと、前記測定荷重を所定の荷重閾値と比較することと、前記測定されたストローク対測定荷重曲線を分析することと、および/または前記測定されたストローク対荷重曲線が、所定のチェックボックスまたは他の特徴点を通過するかどうかを判定することと、によって許容可能に設置されているかどうかを判定することができる。
【0050】
PHD370は、マルチピース締め具200が、PHD370と信号通信する表示装置362に許容可能に設置されているかどうかの判定を出力できる。例えば、前記表示装置362は、前記マルチピース締め具200の前記締結カラー202が、PHD370による、前記マルチピース締め具200の前記締結カラー202が、前記設置装置348を用いたその設置中に、前記マルチピース締め具200の前記シャンク222上の前記第一の特徴部234aに合わせて変形したかどうかの判定に基づいて、前記複数の構造的特徴部234のうちの前記第一の特徴部234aに合わせて変形したことを表す第一の印、または前記マルチピース締め具200の前記締結カラー202が、前記複数の構造的特徴部234のうちの前記第一の特徴部234a上に変形していないことを示す第二の印を表示するように構成することができる。様々な非限定的な実施形態では、表示装置362は、(特定の適用規格に基づいて)マルチピース締め具200が許容可能に設置されたことを示す第一の印、またはマルチピース締め具200が許容可能に設置されていないことを示す第二の印を表示するように構成してもよい。
【0051】
図3Aを再度参照するが、設置ツール348のコレット352は、マルチピース締め具200のピン220のシャンク222と係合している。例えば、コレット352は、設置ツール348内に後退するように構成されてもよく、これにより、コレット352は、設置ツール348のアンビル354に強制的に接触する。その後、コレット352はピン220の引っ張り領域224の周りを閉じ、かつ、強制的に接触させ、それによって引っ張り領域224と係合することができる。係合すると、コレット352は、ピン220の引っ張り領域224に軸方向の力をかけることができ、このことは、構造体344の第一の層344aと第二の層344bとの間のギャップ(存在する場合)を減少させ、かつ、締結カラー202と構造体344との間で強制的な接触を作り出すことができる。
【0052】
アンビル354は、ピン220のシャンク222に合わせて締結カラー202を少なくとも部分的に変形させ、それによって締結カラー202をシャンク222に固定することができる。例えば、
図3Bを参照すると、引っ張り領域224とコレット352との間の接触により、コレット352が収縮するにつれて、コレット352は、設置ツール348内に後退し、また、ピン220を移動させることができる。コレット352が収縮すると、アンビル354は締結カラー202に強制的に接触する。所定の力が達成された後、長手の部分208は、アンビル354と締結カラー202との間の強制接触に応答して少なくとも部分的に変形できる。例えば、長手の部分208を、シャンク222上の構造的特徴部234の少なくとも一部分上に少なくとも部分的に加締めることができる。
図3Bに示すように、長手の部分208が、少なくとも第一の特徴部234a上に加締められている。
【0053】
コレット352の後退中、コレット352にかけられる荷重(すなわち、測定荷重)およびコレット352のストローク長(すなわち、測定ストローク長)は、PHD370によって判定することができる。例えば、
図4Aに示すように、PHD370は、
図3Aに示す構成から
図3Bに示す構成まで設置工程が進むにしたがって、測定ストローク長対測定荷重の曲線470をプロットした。締結カラー202は、曲線470上のエリア472aで第一の特徴部234a上に加締められている。
【0054】
コレット352は、
図3Cに示す位置まで後退し続けることができる。コレット352が後退し続けると、アンビル354は、締結カラー202のより多くの部分に強制的に接触し、変形させる。例えば、長手の部分208は、少なくとも実質的に、シャンク122上のかなりの数の構造的特徴部234に合わせて加締めることができる。
図3Cに示すように、長手の部分208は、シャンク122上の複数の特徴部234のうちの第一の特徴部234a、第二の特徴部234b、第三の特徴部234c、第四の特徴部234d、および第五の特徴部234eの上に加締められている。
【0055】
図3Cに示すように、構造体344内にマルチピース締め具200を設置した後、ピン220の締結カラー202およびヘッド部分236は、構造体344に締付力を加え、それによって、2ピースの締め具200を構造体344に固定することができる。特定の非限定的な実施形態では、ピン220は、構造体344への設置後に、ブレークネック溝240に沿って割れてもよい。
【0056】
引き続きコレット352が後退している間、コレット352にかけられる荷重(すなわち、測定荷重)およびコレット352のストローク長(すなわち、測定ストローク長)をPHD370によって、測定することができる。例えば、
図4Bに示されるように、PHD370は、
図3Bに示される構成から
図3Cに示される構成まで設置工程が進むにしたがって、測定ストローク長対測定荷重の曲線470をプロットし続けた。締結カラー202は、曲線470のエリア472bで第二の特徴部234bに合わせて変形された。締結カラー202は、曲線470上のエリア472cで第三の特徴部234cに合わせて変形された。締結カラー202は、曲線470上のエリア472dで第四の特徴部234dに合わせて変形された。締結カラー202は、曲線470上のエリア472eで第5の特徴部234eに合わせて変形された。
【0057】
図4Bの曲線470に見られるように、第一の特徴部234aに合わせた締結カラー202の変形は、他の特徴部234-eに合わせた締結カラー202の変形とは異なるシグネチャー472aを曲線470内に生成する。締結カラー202が第一の特徴部234a上に変形されたときに生成されるシグネチャーを判定することにより、締結カラー202が構造内に許容可能に設置されているかどうかの判定が可能になる。例えば、マルチピース締め具200の設置中に締結カラー202が変形した構造的特徴部234の数は、参照として第一の特徴部234aのシグネチャー472aを利用して判定することができる。例えば、第一の特徴部234aが、締結カラー202によって接触される一連の構造的特徴部234の最初の構造的特徴部である場合、第一の特徴部234aのシグネチャー472aを、構造的特徴部の初期計数として使用することができる。様々な非限定的実施形態では、第一の特徴部234aが、締結カラー202によって接触される一連の構造的特徴部234の最初の構造的特徴部である場合、第一の特徴部234aのシグネチャー472aを使用して、カラー202の設置の開始から第一の特徴部234aへのストローク長を測定して、所定の値と比較することによって、構造体の厚さを検証することができる。しかしながら、特定の実施形態では、第一の特徴部234aは、異なる位置にあってもよく、構造的特徴部234は、第一の特徴部234aより前に計数することができる。
【0058】
様々な非限定的実施形態では、第一の特徴234aを使用して、測定荷重および測定ストローク長の曲線を正規化することができる。例えば、
図5は、第一のマルチピース締め具の設置中に測定荷重および測定ストローク長をプロットした第一の曲線580と、第二のマルチピース締め具の設置中に測定荷重および測定ストローク長をプロットした第二の曲線582とを示す。第一の曲線580の領域584は、第一のマルチピース締め具の締結カラーが第一の締め具のシャンクの第一の特徴部上に加締められた点に対応する。第二の曲線582の領域586は、第二のマルチピース締め具の締結カラーが第二の締め具のシャンクの第一の特徴部上に加締められた点に対応する。第一および第二のマルチピース締め具の両方を、許容可能なように設置した。図示したように、第一の曲線580の初期領域580aと第二の曲線582の初期領域582aは異なっており、これは、測定ストローク長または測定荷重のみを考慮する場合、それぞれのマルチピース締め具が許容可能に設置されたかどうかの判定における変動をもたらす可能性がある。しかしながら、第一の曲線580の第二の領域580bと第二の曲線582の第二の領域580bは、実質的に類似している。第一の曲線580および第二の曲線582が、それぞれ参照として領域584および領域586を利用して正規化される場合、それらは実質的に類似している。したがって、第一の特徴に対する締結カラー202の変形に基づいて正規化することにより、マルチピース締め具200が許容可能に設置されるかどうか、より正確に判定できるようにすることができる。
【0059】
様々な非限定的実施形態では、第一の曲線580および第二の曲線582は、第一の特徴部234aのシグネチャー472aの測定荷重(例えば、第一のシグネチャー472aの中心における測定荷重)に整列させることができる。その後、第一のシグネチャー472a前のストローク長を判定し、また、所定の値と比較して、カラー202がピン220に対して所望の位置にあるかを判定してもよく、これもまた、構造体344の厚さを判定するために使用することができる。その後、第一のシグネチャー472aの後、設置の終わりまでのストローク長を判定し、また、カラー202が所望のレベルまで設置されたかどうかを判断する所定の値と比較することができる。
【0060】
長手の部分208の変形は、締結カラー202をピン220に固定し、それによって、マルチピース締め具200を構造体344の少なくとも一部分に固定することができる。このように、例えば、構造体344の第一の材料層344aおよび材料第二の層344bは一緒に固定される(例えば、マルチピース締め具200の長手方向軸線A1に沿った軸移動しないように抑止される)。
【0061】
様々な非限定的な実施形態では、
図3A-3Cに示すように、設置ツールは、引っ張りツールであっても、または圧搾ツール(図示せず)であってもよい。例えば、当技術分野で知られているように、圧搾ツールは、締付カラー202およびピン220の第二のピン端部230に圧縮力を同時にかけることができる。圧縮力は、締結カラー202をピン220のシャンク222に合わせて変形させ、それによって締結カラー202をシャンク222上に固定することができる。
【0062】
図6を参照すると、様々な非限定的実施形態では、本開示によるマルチピース締め具は、構造部を固定するための方法で設置することができる。ステップ602で、マルチピース締め具200の第一のピン端部228が、構造部344の穴346に挿入される。ステップ604で、マルチピース締め具のピンの引っ張り領域は、設置装置のコレットのジョーと強制的に接触する。ステップ606では、設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中に、コレット(すなわち、測定荷重)およびコレットのストローク長(すなわち、測定ストローク長)によってかけられる荷重が測定される。締結カラーは、設置装置のアンビルと強制的に接触し、また、引っ張り領域は、締結カラー設置装置のコレットを利用して、締結カラーから遠位に移動され、それによって、締結カラーをピンのシャンクに合わせて変形させ、かつ、ステップ608でマルチピース締め具の少なくとも一部分を構造内に固定する。ステップ610では、測定荷重および測定ストローク長を使用して、カラーが、設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中にマルチピース締め具のシャンクの第一の特徴部に合わせて変形されたかどうかを判定する。様々な非限定的実施形態では、ステップ612に示されるように、測定荷重および測定ストローク長は、マルチピース締め具のカラーが、シャンク上の複数の構造特徴の第一の特徴部に合わせて変形されたという判定に基づいて正規化することができる。様々な非限定的実施形態では、マルチピース締め具が許容可能に設置されたかどうかを示すために、設置装置のディスプレイ上に印を表示することができる。
【0063】
本発明の様々な態様には、以下の番号が付された項目に列挙される態様が含まれるが、これらに限定されるものではない。
1. マルチピース締め具であって、
第一のカラー端部および第二のカラー端部を含む締結カラーであって、前記カラーキャビティが前記第一のカラー端部から前記第二のカラー端部まで延在する、締結カラーと、
前記カラーキャビティによって少なくとも部分的に受領されるように構成されたピンであって、
第一のピン端部と、
第二のピン端部と、
前記第一のピン端部および前記第二のピン端部の中間に延在するシャンクと、を備えるピンと、を備え、
前記シャンクが、複数の構造的特徴部を備え、また、
前記複数の構造特徴部のうちの第一の特徴部は、第一の構成を有し、前記複数の構造特徴部のうちの第二の特徴部は、第二の構成を有し、かつ、前記第一の構成と前記第二の構成が異なっている、マルチピース締め具。
2. 前記複数の構造的特徴部が、第一の溝および第二の溝を含み、また、第一の溝および第二の溝の少なくとも一つの寸法が異なる、第1項に記載のマルチピース締め具。
3. 前記第一の溝および前記第二の溝の前記少なくとも一つの寸法が、溝紋および溝の深さから選択される、第2項に記載のマルチピース締め具。
4. 前記複数の構造的特徴部が、第一の環状ショルダおよび第二の環状ショルダを含み、第一の環状ショルダおよび第二の環状ショルダの少なくとも一つの寸法が異なる、第1項のいずれかに記載のマルチピース締め具。
5. 前記複数の構造的特徴部が、第一のねじ山および第二のねじ山を含み、前記第一のねじ山および前記第二のねじ山の少なくとも一つの寸法が異なる、第1項に記載のマルチピース締め具。
6. 前記第一のねじ山および前記第二のねじ山の少なくとも一つの寸法が、ねじ山の深さ、内ねじ山の直径、外ねじ山の直径、およびねじ山のピッチから選択される、第5項に記載のマルチピース締め具。
7. 締結カラーが概して円筒形である、第1~6項のいずれかに記載のマルチピース締め具。
8. 前記締結カラーがフランジを備え、前記第一のピン端部がヘッド部分を備え、かつ前記第二のピン端部が引っ張り領域を備える、第1項~第7項のいずれかに記載のマルチピース締め具。
9. 前記マルチピース締め具が、構造体の穴に設置されるように適合される、第1項~第8項のいずれかに記載のマルチピース締め具。
10. 前記構造体が、航空宇宙用の部品又は構成要素、自動車用の部品又は構成要素、輸送用の部品又は構成要素、および、建築や建設用の部品又は構成要素、の少なくとも一つである、第9項に記載のマルチピース締め具。
11. 前記マルチピース締め具が、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも一つを含む、第1項~第10項のいずれかに記載のマルチピース締め具。
12. 前記シャンクの直径は、0.06インチ~4インチ(0.1524cm~10.16cm)の範囲である、第1項~第11項のいずれか一項に記載のマルチピース締め具。
13. 第1項~第12項のいずれか一項に記載のマルチピース締め具を備えるロックボルト。
14. 締結するための方法であって、
請求項1に記載の前記マルチピース締め具の第二のピン端部を、構造体内の穴に挿入することと、
前記マルチピース締め具の前記ピンの前記引っ張り領域を、設置装置と強制的に接触させることと、
前記設置装置によって前記マルチピース締め具にかけられる荷重および設置装置を用いたマルチピース締め具の設置中の前記コレットのストローク長を測定することと、
前記締結カラーを前記設置装置のアンビルと強制的に接触させ、かつ、前記引っ張り領域を前記締結カラーから遠位に移動させることによって、前記締結カラーを前記ピンの前記シャンクに合わせて変形させ、また、前記マルチピース締め具の少なくとも一部分を前記構造体に固定させることと、
前記測定荷重および前記測定ストローク長を利用して、前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に、前記カラーが前記マルチピース締め具の前記シャンクの前記第一の特徴部に合わせて変形されたかどうかを判定することと、を含む、方法。
15. 前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記シャンク上の複数の構造的特徴部のうちの第一の特徴部に合わせて変形されたという判定に基づいて、前記測定荷重および前記測定ストローク長を正規化することをさらに含む、第14項に記載の方法。
16. マルチピース締め具設置装置であって、
ハウジングキャビティを画定するハウジングと、
前記ハウジングキャビティ内のアンビルであって、マルチピース締め具のカラーのうちの少なくとも一部分を強制的に接触させるように構成されたアンビルと、
前記ハウジングキャビティ内のコレットであって、前記アンビルに隣接する第一のコレット端部を含み、前記第一のコレット端部は、前記マルチピース締め具のシャンクの引っ張り領域の少なくとも一部分に強制的に接触するように構成された、コレットと、
プログラマブルハードウェアデバイスであって、
前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に前記マルチピース締め具に前記コレットによってかけられる荷重を測定し、
前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に荷重をかける間に、前記コレットのストローク長を測定し、
前記測定荷重および前記測定ストローク長を利用して、前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に、前記マルチピース締め具の前記シャンク上の複数の構造的特徴部のうちの第一の特徴部に合わせて変形されたかどうかを判定するように構成される、プログラマブルハードウェアデバイスと、を備える、マルチピース締め具設置装置。
17. 前記第一の特徴が、前記マルチピース締め具の前記シャンク上の前記複数の構造的特徴部のうちの第二の特徴部とは異なる、第16項に記載のマルチピース締め具設置装置。
18. 前記プログラマブルハードウェアデバイスと信号通信する表示装置とであって、プログラマブルハードウェアデバイスによって、前記マルチピース締め具の前記締結カラーが、前記設置装置を用いた前記マルチピース締め具の設置中に、前記マルチピース締め具の前記シャンク上の、複数の構造的特徴部のうちの前記第一の特徴部に合わせて変形したかどうかの判定に基づいて、前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記複数の構造的特徴部のうちの前記第一の特徴部に合わせて変形されたことを示す第一の印、前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記複数の構造的特徴部のうち前記第一の特徴部に合わせて変形されていないことを示す第二の印、または前記第一および第二の印の組み合わせを表示するように構成された表示装置をさらに備える、請求項16~17のいずれかに記載のマルチピース締め具設置装置。
19. 前記プログラマブルハードウェアデバイスが、前記マルチピース締め具の前記カラーが、前記シャンク上の複数の構造的特徴の第一の特徴部上に変形したという判定に基づいて、測定荷重および測定ストローク長を正規化するようにさらに構成される、第16項~19項のいずれかに記載のマルチピース締め具設置装置。
【0064】
本明細書において、別段の示唆が無い限り、全ての数値パラメータは、全ての場合において、数値パラメータがパラメータの数値を判定するために使用される基礎となる測定技術の固有の変動特性を有する、用語「約」によって、前置きされ、かつ修正されていると理解されるべきである。少なくとも、均等物の教義の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、本明細書に記載された各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁の数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0065】
また、本明細書に記述された任意の数値範囲は、記述された範囲内に包含される全ての部分範囲を含む。例えば、「1~10」という範囲は、記述された1という最小値と、記述された10という最大値との間の(およびそれらを含む)全ての部分範囲を含む、すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値とを有する全ての部分範囲を含む。本明細書に記述された任意の最大数値制限は、その中に包含される全てのより低い数値限定を含むことが意図され、本明細書に記述される任意の最小数値限定は、その中に包含される全てのより高い数値限定を含むことが意図される。したがって、出願人は、明示的に記述された範囲内に包含される部分範囲を明示的に記述するために、特許請求の範囲を含み、本明細書を修正する権利を留保する。全てのこのような範囲は、本明細書に本質的に記載される。
【0066】
文法上の冠詞「a」、「an」、および「the」は、本明細書で使用されるとき、別段の示唆がない限り、たとえ特定の場合において「少なくとも1つ」又は「1つ以上」が明示的に使用される場合であっても、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を含むことが意図される。よって、上記の文法的冠詞は、本明細書では、特定の識別された構成要素の一つ又は二つ以上(すなわち、「少なくとも一つ」)を指すために使用される。さらに、文脈から他の意味に解釈すべき場合を除いて、単数形名詞の使用は、複数形を含み、複数形名詞の使用は、単数形を含む。
【0067】
当業者であれば、本明細書で説明した、締め具、構造体、操作/作用、および対象物、並びにそれらに付随する説明が、概念を明確にするために例示として使用されていること、そして、様々な構成的改変が想定されていることを、認識するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、記載される特定の例/実施形態および付随する考察は、そのより一般的なクラスを代表することが意図される。一般に、任意の特定の実施例を使用することは、その分類の代表であることを意図しており、特定の構成要素、デバイス、装置、動作/作用、および対象物が含有されていないことを、限定として解釈されるべきではない。本開示は、本開示の様々な態様および/又はその潜在的な適用例を示す目的で様々な特定の態様の説明を提供するが、当業者に変形および修正が思い浮かぶことが理解される。したがって、本明細書に記載される発明又は複数の発明は、少なくともそれらが特許請求されているのと同じくらいに広範であり、本明細書に提供される特定の例示的な態様によってより狭く定義されるものではないことが理解されるべきである。
【国際調査報告】