(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】LIDARベースの解剖学的マッピングに係るシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20240409BHJP
【FI】
A61B34/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561692
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 US2022024683
(87)【国際公開番号】W WO2022221449
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523379052
【氏名又は名称】サーキヌス メディカル テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドーマン ジョン カイル
(57)【要約】
LIDARベースの解剖学的マッピングに係るシステム及び方法が提供されている。1つの実施において、LIDARイメージング技術を利用して、解剖学的及び/又は人工ランドマークを用いて脊柱の少なくとも一部分の露出された解剖学的表面の表面解剖学的マップ、又は、他の解剖学的特徴を形成することが開示されている。次いで、表面マッピングを、脊柱の少なくとも一部分又は他の解剖学的特徴の過去に撮像された画像と登録することが可能である。次いで、表面マッピングを用いて、医療用器具若しくはインプラントの装着、又は、医療用器具又はデバイスの向きのための組織(軟部組織及び骨を含む)における進入点を含む重要な構造を識別可能である。情報を、デバイスディスプレイ(例えば、着用型メガネ)上の拡張現実オーバーレイに表示可能である。LIDARイメージング技術は、着用型メガネに組み込まれていてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とする方法であって:
被験者の脊柱の外科的に露出された解剖学的表面の少なくとも一部分をモバイルコンピューティングデバイスのLIDARスキャナでスキャニングすることにより得られたスキャニングデータを受け取るステップ;
前記受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、前記被験者の前記脊柱の前記解剖学的表面の少なくとも一部分の解剖学的表面マップを生成するステップ;
前記被験者の前記脊柱の前記解剖学的表面の少なくとも一部分の前記解剖学的表面マップと、前記被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の術前診断画像であって、1つ以上の軸方向コンピュータ断層撮影(「CT」)画像又は磁気共鳴(「MR」)画像を含む前記1つ以上の術前診断画像とを相関させるステップ;
前記相関させるステップに基づいて、前記手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を自動的に識別するステップ;及び
前記識別された解剖学的進入点を示す出力を生成するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記出力を生成するステップは、前記モバイルコンピューティングデバイスの拡張現実ディスプレイに重畳される2D又は3D仮想デジタルアイコンを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出力を生成するステップは、着用型拡張現実デバイスの拡張現実ディスプレイに重畳される2D又は3D仮想デジタルアイコンを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記仮想デジタルアイコンは:
十字線デジタルアイコン;又は
軌道をも示す医療用器具の3D画像若しくは形状
を含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記解剖学的ランドマークが椎骨の棘突起を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の診断画像が、前記モバイルコンピューティングデバイスのメモリに記憶されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記解剖学的進入点で、前記モバイルコンピューティングデバイスの向きセンサを用いて、前記手術用ツール又は医療デバイスが従うべき所望の向き及び軌道を判定するステップをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイに前記所望の向き及び軌道の出力を生成するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ディスプレイは拡張現実ディスプレイを含み、前記出力は2D又は3D仮想グラフィカルアイコンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法の前記ステップのいずれか又はすべては、前記モバイルコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサにより行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とする方法であって:
被験者の脊柱の一部分の外科的に露出された解剖学的表面をLIDARイメージング技術でスキャニングすることにより得られたスキャニングデータを受け取るステップ;
前記受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、前記被験者の前記脊柱の前記一部分の前記解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成するステップ;
前記被験者の前記脊柱の前記一部分の前記解剖学的表面の前記解剖学的表面マップと、前記被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の術前診断画像とを相関させるステップ;
前記相関させるステップに基づいて、前記手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を自動的に識別するステップ;及び
前記識別された解剖学的進入点を示す出力を生成するステップ
を含む、方法。
【請求項12】
前記1つ以上の術前診断画像は、製剤(DICOM)規格におけるデジタルイメージング及び通信に基づいた相関及び統合された診断画像を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記相関及び統合された診断画像は、前記DICOM規格に基づく術前MR画像及び術前CT画像を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法の前記ステップのいずれか又はすべては、単一のモバイルコンピューティングデバイスによって行われる、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記LIDARイメージング技術は、前記モバイルコンピューティングデバイスの内蔵型LIDARセンサを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、ディスプレイ及び光学カメラをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モバイルコンピューティングデバイスの前記ディスプレイは、前記光学カメラのライブ動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を示す拡張現実ディスプレイを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記出力を生成するステップは、前記着用型拡張現実デバイスの前記ディスプレイの前記ライブ動画フッテージに重畳される2D又は3D仮想デジタルアイコンを生成するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記仮想デジタルアイコンは:
十字線デジタルアイコン;又は
軌道をも示す医療用器具の3D画像若しくは形状
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記LIDARイメージング技術はスタンドアロンLIDARスキャニングデバイスを備える、請求項11~13又は16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記LIDARイメージング技術は、着用型拡張現実デバイスの内蔵型LIDARセンサを備える、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記着用型拡張現実デバイスは着用型眼鏡又はゴーグルを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記着用型拡張現実デバイスは光学カメラを含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記着用型拡張現実デバイスは、前記光学カメラのライブ動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を示すディスプレイを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記出力を生成するステップは、前記着用型拡張現実デバイスの前記ディスプレイの前記ライブ動画フッテージに重畳される2D又は3D仮想デジタルアイコンを生成するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記仮想デジタルアイコンは:
十字線デジタルアイコン;又は
軌道をも示す医療用器具の3D画像若しくは形状
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記解剖学的ランドマークは椎骨の棘突起を含む、請求項11~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記解剖学的進入点で、前記モバイルコンピューティングデバイスの向きセンサを用いて、前記手術用ツール又は医療デバイスが従うべき所望の向き及び軌道を判定するステップをさらに含む、請求項11~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイに前記所望の向き及び軌道の出力を生成するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ディスプレイは拡張現実ディスプレイを含み、及び、前記出力は2D若しくは3D仮想グラフィカルアイコン又は画像を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とする方法であって:
被験者の外科的に露出された解剖学的表面をLIDARイメージング技術でスキャニングすることにより得られたスキャニングデータを受け取るステップ;
前記受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、前記被験者の前記解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成するステップ;
前記被験者の前記解剖学的表面の前記解剖学的表面マップを、前記解剖学的表面に対応する前記被験者の1つ以上の術前診断画像と相関させるステップ、
前記相関させるステップに基づいて、前記手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的外部進入点を自動的に識別するステップ;及び
前記識別された解剖学的外部進入点を示す出力を生成するステップ
を含む、方法。
【請求項32】
前記出力を生成するステップは、モバイルコンピューティングデバイスの拡張現実ディスプレイに重畳される2D又は3D仮想デジタルアイコンを生成するステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記出力を生成するステップは、着用型拡張現実デバイスの拡張現実ディスプレイに重畳される2D又は3D仮想デジタルアイコンを生成するステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記仮想デジタルアイコンは:
十字線デジタルアイコン;又は
軌道をも示す医療用器具の3D画像若しくは形状
を含む、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ以上の診断画像はコンピュータ断層撮影画像を含む、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記解剖学的外部進入点で前記手術用ツール又は医療デバイスが従うべき所望の向き及び軌道を判定するステップをさらに含む、請求項31~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記所望の向き及び軌道の出力を前記拡張現実ディスプレイに生成するステップをさらに含む、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項38】
前記方法の前記ステップのいずれか又はすべては、モバイルコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサにより行われる、請求項31~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とするためのシステムであって、
モバイルコンピューティングデバイスであり、
LIDARスキャナと、
光学カメラと、
ディスプレイ画面と、
プロセッサであって:
前記LIDARスキャナにより得られた被験者の脊柱の少なくとも一部分の外科的に露出された解剖学的表面に対応するスキャニングデータを受け取り;
前記受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、前記被験者の前記脊柱の前記一部分の前記解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成し;
前記解剖学的表面マップと、前記被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の術前診断画像とを相関させ;
前記相関に基づいて、前記手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を自動的に判定し;及び
表示のための前記判定された解剖学的進入点を示す出力を生成する
プロセッサと
を備えるモバイルコンピューティングデバイスを含む、システム。
【請求項40】
前記光学カメラは、静止画像又はライブ動画フッテージを得る、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、向きセンサをさらに含む、請求項39又は40に記載のシステム。
【請求項42】
前記1つ以上の診断画像はCT又はMRI画像を含む、請求項39~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記モバイルコンピューティングデバイスの前記ディスプレイ画面は、前記光学カメラのライブ動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を表示する拡張現実ディスプレイを提供する、請求項39~42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記出力は、前記モバイルコンピューティングデバイスの前記ディスプレイ画面の前記ライブ動画フッテージに重畳される2D若しくは3D仮想デジタルアイコン又は画像を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記仮想デジタルアイコン又は画像は:
十字線デジタルアイコン;又は
軌道をも示す医療用器具の3D画像若しくは形状
を含む、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とするためのシステムであって、
LIDARスキャナと、
静止画像又はライブ動画フッテージを得る光学カメラと、
ディスプレイ画面と、
プロセッサであって:
前記LIDARスキャナにより得られた被験者の脊柱の一部分の露出された解剖学的表面に対応するスキャニングデータを受け取り;
前記受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、前記被験者の前記脊柱の前記一部分の少なくとも前記露出された解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成し;
前記被験者の前記脊柱の前記一部分の少なくとも前記露出された解剖学的表面の前記解剖学的表面マップと、前記被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の術前診断画像とを相関し;
前記手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を、前記相関に基づいて自動的に判定し;及び
表示のための前記判定された解剖学的進入点を示す出力を生成する
プロセッサと、
を含むシステム。
【請求項47】
前記ディスプレイ画面は、前記光学カメラのライブ動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を表示する拡張現実ディスプレイを提供する、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記LIDARスキャナ、前記光学カメラ及び前記プロセッサはモバイルコンピューティングデバイスに収容されており;並びに、前記ディスプレイ画面は、前記モバイルコンピューティングデバイスに通信可能に接続された着用型拡張現実デバイスに収容されている、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記LIDARスキャナ、前記光学カメラ、前記プロセッサ及び前記ディスプレイ画面は、スタンドアロンの着用型拡張現実デバイス上又はその中に存在する、請求項47に記載のシステム。
【請求項50】
前記1つ以上の診断画像はCT又はMRI画像を含む、請求項46~49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
前記出力は、前記ディスプレイ画面の前記ライブ動画フッテージに重畳される2D若しくは3D仮想デジタルアイコン又は画像を含む、請求項46~50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
前記仮想デジタルアイコン又は画像は:
十字線デジタルアイコン;及び/又は
軌道をも示す医療用器具の3D画像若しくは形状
を含む、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とするためのシステムであって、
LIDARスキャナと、
静止画像又はライブ動画フッテージを得る光学カメラと、
ディスプレイ画面と、
プロセッサであって:
前記LIDARスキャナにより得られた被験者の脊柱の一部分の露出された解剖学的表面に対応するスキャニングデータを受け取り;
前記受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、前記被験者の前記脊柱の前記一部分の前記露出された解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成し;
前記解剖学的表面マップと、前記被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の診断画像とを相関させ;
前記相関に基づいて、前記手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を自動的に判定し;及び
表示のための前記判定された解剖学的進入点を示す出力を生成する
プロセッサと
を含む、システム。
【請求項54】
前記本明細書の開示に記載されており、及び、添付の図面に図示されている、被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とするためのシステム。
【請求項55】
前記本明細書の開示に記載されており、及び、添付の図面に図示されている、被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月14日に出願された米国仮特許出願第63/174,928号明細書の優先権を主張するものであり、いずれか及びすべての目的のために本明細書において参照によりその全体が援用される。本出願は、2022年3月28日に出願された「挿入点における医療デバイスの向きをシミュレートするためのシステム及び方法」と題された国際特許出願第PCT/US2022/022204号パンフレットに関連しており、これは、すべての目的について本明細書において参照によりその全体が援用される。
【背景技術】
【0002】
画像誘導手術の実施において、外科医は、ディスプレイ画面上で伝えられるグラフィカル情報を利用する。ディスプレイ画面は、典型的には、術野から離れて位置された外部ディスプレイ上にあり、これにより、外科医は術野から目を離して外部ディスプレイの方を見る必要がある。
【0003】
他のシステムにおいて、ディスプレイ画面は、術野にある、スマートフォン、iPod touch(登録商標)又は他の同様のデバイスなどのデバイスに組み込まれている。より小型の画像誘導システムは、手術用器具、デバイス又はインプラントの進入点を特定する手段を有さない。代わりに、外科医は、既存の解剖学的知識に基づいて進入点を特定し、次いで、小型のディスプレイシステムを用いて軌道を確保する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本概要は、以下の発明を実施するための形態においてさらに説明される一連の要素及び態様を紹介するために提供されている。本概要は、特許請求されている主題の重要であるか又は必須である特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求されている主題の範囲を限定するための補助として使用されることを意図するものでもない。
【0005】
一般的な一態様において、身体内において医療デバイスを位置決めするための器具の所望の向きを判定するための装置が提供されている。この装置は、医療デバイスが位置されることとなる場所に隣接する身体の少なくとも一部分の画像を表示する電子素子を備える。電子素子は、向きセンサ及びプロセッサを備える。プロセスは、身体の平面に対する医療デバイスの所望の挿入角度を判定するために画像に対する医療デバイスの位置決めをシミュレートし、向きセンサを用いて電子素子の向きを判定し、及び、電子素子の向きが、身体の平面に対する医療デバイスの所望の挿入角度又はそれに近似するよう電子素子が位置される場合に通知を出力する。
【0006】
一般的な他の態様において、身体内において医療デバイスを位置決めするための器具の向きを判定するための装置が提供されている。この装置は、電子素子及びディスプレイデバイスを備える。電子素子及びディスプレイデバイスは、1つ以上のプロセッサを利用し得る。1つ以上のプロセッサは、身体の少なくとも一部分の第1の視界において医療デバイスの第1の位置決め角度を特定する使用者からの第1の入力を受け入れ、身体の少なくとも一部分の第2の視界であって、第1の視界に対して直交する第2の視界(又は、第1の視界に対するある程度の既知の角度)において医療デバイスの第2の位置決め角度を特定する使用者からの第2の入力を受け入れ、並びに、第1の入力、第2の入力及び挿入点に基づいて、第1の位置決め角度及び第2の位置決め角度から判定される身体内において医療デバイスを位置決めするための電子素子の三次元向きを判定するよう構成されている。1つ以上のプロセッサは、医療デバイスの三次元向きを含む視覚的な指標をディスプレイデバイスに表示するよう構成されている。
【0007】
一般的なさらに他の態様において、身体内における医療デバイスを位置決めするための器具の向きを判定するための方法が提供されている。この方法は、身体における所望の位置の少なくとも一部分の診断的描写におけるシミュレートされる医療デバイスの向きをシミュレートするステップ、及び、シミュレートされた医療デバイスのシミュレーションに従って、向きがシミュレートされた向きの閾値内にあることを明示することにより、身体の挿入点を通した身体における所望の位置で医療デバイスを位置決めするための器具を位置合わせするステップを含む。
【0008】
ここで、本発明の種々の実施形態及びその利点のより完全な理解のために、添付の図面、付録及び詳細な説明に関連して、以下の完結な説明を参照のこと。ここでは、同様の符号は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、患者の身体を基準とした矢状面、前額面及び横断面の定義を示す。
【0010】
【
図2A】
図2Aは、それぞれのパイロット孔に取り付けられた椎弓根スクリューを有する椎骨の断面図を示す。
【0011】
【
図2B】
図2Bは、椎弓根スクリューを取り付ける椎骨の側方図の一例を示す。
【0012】
【
図2C】
図2Cは、椎弓根スクリューを取り付ける椎骨の後面像の一例を示す。
【0013】
【
図3A】
図3Aは、皮膚表面下に位置される脊柱を示すヒト被験者の側面図を示す。
【0014】
【
図3B】
図3Bは、少なくとも一部分がLIDARイメージング技術を利用したスキャニングのために外科的に露出され得る脊柱の腰仙領域を示す。
【0015】
【
図3C】
図3Cは、固定金具(例えば、脊柱ロッド、スクリュー又はプレート)及び椎体間固定装置(例えば、骨移植材を備えるケージ)を挿入後の脊柱の一部分を示す。
【0016】
【
図3D】
図3Dは、本明細書に記載の実施形態に従って使用可能であるモバイルコンピューティングデバイスのブロック図を概略的に示す。
【0017】
【
図4】
図4は、LIDARイメージングに基づいて手術用ツール及び/又は医療デバイスのための外科的進入点を識別するための方法の一例を示す。
【0018】
【
図5】
図5は、LIDARイメージングに基づく進入点の識別を容易とするために使用者が行うべきステップに係る方法の一例を示す。
【0019】
【
図6】
図6は、LIDAR画像のキャプチャに使用可能であるモバイルコンピューティングデバイスのディスプレイにおけるグラフィカルユーザーインターフェースの例を示す。
【0020】
【
図7】
図7は、術野に位置されたディスプレイデバイスに表示可能である拡張現実画像の例を示す。
【0021】
【
図8】
図8は、LIDARイメージングに基づく進入点の識別との併用で向き誘導の実施を含む画像誘導手術を容易とする方法の一例を示す。
【0022】
【
図9】
図9は、拡張現実及び/又は仮想現実ディスプレイを容易とするための着用型アイウェア(例えば、眼鏡)の実施の例を示す。
【0023】
図面のいくつか又はすべては、例示を目的とした概略図であることが認識されるであろう。図面は、特許請求の範囲に係る範囲又は意味の限定に用いられることはないという明示的な理解の下に、1つ以上の実施形態の例示を目的として提供されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
数々の実施形態によれば、表面画像誘導手術、又は、手術用ツール及び/若しくは医療デバイス(例えば、診断用デバイス、永久インプラント、椎弓根スクリュー、椎体間固定装置、仮設プローブ)の挿入を容易とするためのデバイス及び方法が本明細書に記載されている。より小型の画像誘導システム(例えば、ポータブル又はモバイルコンピューティング及び/又はイメージングデバイス)を使用し得、これは、解剖学的構造の特定の部分の術前及び/又は術中撮像(及び、任意に術中マッピング)に基づいて、リアルタイムで外科医又は臨床医に進入点を特定し表示することが可能である。
【0025】
例えば、表面検知又はイメージング技術(例えば、光検知測距(「LIDAR」)技術、光トポグラフィイメージング)を含むモバイルコンピューティングデバイスを、解剖学的表面又はプロファイルの2D又は3D画像マップの形成に使用可能であるデータを得るために使用し得る。解剖学的表面又はプロファイルは、観血的処置の準備において、又は、外科手技の術中に外科的に露出される、被験者の解剖学的構造の一部分であり得る。例えば、解剖学的表面又はプロファイルは、被験者の脊柱解剖学的構造(例えば、複数の椎骨を含む脊柱の一部分)の露出部分であり得る。解剖学的表面又はプロファイルマップは次いで、医用におけるデジタル画像と通信(DICOM)規格を利用して、解剖学的構造の過去に撮像された診断医療用画像(例えば、コンピュータ断層撮影(「CT」)画像、磁気共鳴映像法(「MRI」)画像、ミリ波(「MM」)画像、X線画像、蛍光透視画像)に対して、登録又は相関され得る。過去に撮像された診断画像を伴う表面(例えば、LIDAR、光トポグラフィ)マッピングの相関又は登録により、相関する又は共通して登録されたイメージングに少なくとも部分的に基づいた手術用ツール及び/又は医療デバイスに対する理想的な進入点の識別(例えば、自動判定、計算)を、外科医又は他の臨床医による特定の解剖学的構造に対する高度な解剖学的知識を必要とすることなく容易とすることが可能である。
【0026】
理想的な又は所望の進入点は、患者の解剖学的構造の表面マップ又は光学画像に表示(例えば、重ね合わせ、重畳)可能である。ディスプレイは、モバイルコンピューティングデバイス、又は、個別のディスプレイデバイス(例えば、着用型ヘッドセット又はゴーグル又は眼鏡)に配置されていてもよい。いくつかの実施において、拡張現実技術は、理想的な進入点を外科医に示すために利用され得る。例えば、モバイルコンピューティングデバイス又は着用型アイウェア(例えば、ゴーグル又は眼鏡)は、ライブ(「リアルタイム」)動画フッテージ又は患者の解剖学的構造のフィードをキャプチャするための光学カメラを備えていてもよく、及び、仮想グラフィカルアイコン(例えば、2D又は3D画像)がライブ動画フッテージに重ね合わせ又は重畳されて、理想的な進入挿入点(及び、任意に、3D画像に対する軌道(及び/又は、理想的な進入角度))が示されてもよい。英数字情報(例えば、一定の解剖学的特徴を示すラベル)も、ライブ動画フッテージに重ね合わせ又は重畳されてもよい。外科医は、進入挿入点(及び、任意に、軌道)に係る精度に対して高い確信をもって、リアルタイムで理想的な進入挿入点に手術用ツール又は医療デバイスを挿入することが可能である。
【0027】
進入挿入点識別技術を、モバイルコンピューティングデバイスを用いて実施され得る向き/軌道判定技術と併用してもよい。モバイルコンピューティングデバイスは、表面検知又はイメージング技術に基づく進入挿入点識別と、向き/軌道判定との両方を実行するよう構成されたダウンロード可能なソフトウェアアプリケーションを備えていてもよい。
【0028】
実施の一例として、外科的固定又は関節固定処置との併用で、モバイルコンピューティングデバイスを用いて、1つ以上の椎骨に1つ以上の椎弓根スクリューを挿入するための、及び/又は、椎骨間に1つ以上の椎体間固定装置を挿入するための進入挿入点を識別することが可能である。1つ以上の椎弓根スクリューを挿入する前に、ドリル又は針によりパイロット孔を形成してもよい。モバイルコンピューティングデバイスを、脊柱の少なくとも一部分(例えば、脊柱の腰仙領域、腰椎領域、仙椎領域、胸椎領域及び/又は頚椎領域)の解剖学的表面又はプロファイルのLIDARデータをキャプチャするために用いてもよい。例えば、棘突起及び他の解剖学的ランドマークを、LIDARデータに基づいて識別し得る。LIDARデータを用いて、脊柱の少なくとも一部分の表面マップを形成し得る。LIDARマッピングを、DICOM規格を利用して、脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の過去に撮像された診断画像(本明細書において、時に「DICOMデータ」と称する)に相関又は登録させ得る。次いで、モバイルコンピューティングデバイスは、記憶されたアルゴリズムを実行して、パイロット孔形成ツール又は椎弓根スクリューを挿入可能である理想的な進入又は挿入点を識別可能である。
【0029】
数々の実施形態によれば、被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とする方法は、被験者の外科的に露出された解剖学的表面を表面イメージング技術(例えば、LIDARイメージング技術)でスキャニングすることにより得られたスキャニングデータを受け取るステップを含む。この方法はさらに、受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、被験者の解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成するステップを含む。この方法はまた、被験者の解剖学的表面の解剖学的表面マップを、解剖学的表面に対応する被験者の1つ以上の術前診断画像と相関させるステップを含む。この方法はさらに、手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的外部進入点を、前記相関に基づいて自動的に識別するステップを含む。この方法はまた、識別された解剖学的外部進入点を示す出力を生成するステップを含んでいてもよい。
【0030】
いくつかの実施において、出力を生成するステップは、モバイルコンピューティングデバイスの拡張現実ディスプレイ及び/又は着用型拡張現実デバイス(例えば、眼鏡又はゴーグルなどの着用型アイウェア)に重畳される2D若しくは3D仮想デジタルアイコン又は画像を生成するステップを含む。仮想デジタルアイコンは、十字線デジタルアイコン、「X」、ドット又は他のインジケータを含んでいてもよい。仮想デジタルアイコンは、医療用器具の3D形状(例えば、シリンダ)若しくは3D描写、又は、医療用器具を挿入するための所望の軌道をも示し得るガイドであり得る。デジタルアイコン又は画像は、識別を容易とするために着色されていてもよい。1つ以上の診断画像が、モバイルコンピューティングデバイスのメモリに記憶されていてもよい。
【0031】
この方法はまた、解剖学的外部進入点で手術用ツール又は医療デバイスが従うべき所望の向き及び軌道を判定するステップを含んでいてもよい。この方法はさらに、所望の向き及び軌道の出力を拡張現実ディスプレイに生成するステップを含んでいてもよい。
【0032】
数々の実施形態によれば、被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とする方法は、被験者の脊柱の一部分の外科的に露出された解剖学的表面をLIDARイメージング技術でスキャニングすることにより得られたスキャニングデータを受け取るステップを含む。この方法はさらに:受け取ったスキャニングデータに基づいて識別された解剖学的ランドマーク(例えば、椎骨の棘突起)を用いて、被験者の脊柱の一部分の解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成するステップ;被験者の脊柱の一部分の解剖学的表面の解剖学的表面マップと、被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の術前診断画像とを相関させるステップ;及び、手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を、相関に基づいて自動的に識別するステップを含む。この方法はまた、手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための識別された解剖学的進入点及び/又は軌道を示す出力を生成するステップを含んでいてもよい。
【0033】
1つ以上の診断画像は、コンピュータ断層撮影画像、磁気共鳴画像又は他の診断画像を含んでいてもよい。LIDARイメージング技術は、モバイルコンピューティングデバイスの内蔵型LIDARセンサを含んでいてもよい。1つ以上の診断画像が、モバイルコンピューティングデバイスのメモリに記憶されていてもよい。モバイルコンピューティングデバイスはさらに、ディスプレイ及び光学カメラを備えていてもよい。モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイは、光学カメラのライブ動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を示す拡張現実ディスプレイを備えていてもよい。出力を生成するステップは、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイのライブ動画フッテージに重畳される2D若しくは3D仮想デジタルアイコン又は画像を生成するステップを含んでいてもよい。仮想デジタルアイコンは、十字線デジタルアイコン、「X」、ドット又は他のインジケータを含んでいてもよい。仮想デジタルアイコンは、医療用器具の3D形状(例えば、シリンダ)若しくは3D描写、又は、医療用器具を挿入するための所望の軌道をも示し得るガイドであり得る。仮想デジタルアイコン又は画像は、識別の容易さを容易とするために着色されていてもよい。
【0034】
いくつかの実施において、LIDARイメージング技術は、スタンドアロンLIDARスキャニングデバイスを備える。いくつかの実施において、LIDARイメージング技術は、着用型拡張現実デバイスの内蔵型LIDARセンサを備える。着用型拡張現実デバイスは、着用型眼鏡又はゴーグルを含んでいてもよい。着用型拡張現実デバイス(例えば、着用型眼鏡又はゴーグル)は、内蔵型LIDARセンサに追加して、光学カメラを含んでいてもよい。着用型拡張現実デバイスはまた、ディスプレイ(例えば、ヘッドアップディスプレイ)を含んでいてもよい。着用型拡張現実デバイスのディスプレイは、光学カメラのライブ動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を示す拡張現実ディスプレイを含んでいてもよい。出力を生成するステップは、拡張現実デバイス(例えば、着用型眼鏡又はゴーグル)のディスプレイのライブ動画フッテージに重畳される2D若しくは3D仮想デジタルアイコン又は画像を生成するステップを含んでいてもよい。仮想デジタルアイコンは、十字線デジタルアイコン、「X」、ドット又は他のインジケータを含んでいてもよい。仮想デジタルアイコンは、医療用器具の3D形状(例えば、シリンダ)若しくは3D描写、又は、医療用器具を挿入するための所望の軌道をも示し得るガイドであり得る。デジタルアイコン又は画像は、識別を容易とするために着色されていてもよい。仮想デジタルアイコンは、識別の容易さを容易とするために着色されていてもよい。仮想デジタルアイコンは解剖学的進入点を示してもよい。
【0035】
用いられるランドマークは、追加的に又は代替的に、人工ランドマークを含んでいてもよい。この方法はさらに、解剖学的進入点で、モバイルコンピューティングデバイス又は着用型拡張現実デバイスの向きセンサを用いて、手術用ツール又は医療デバイスが従うべき所望の向き及び軌道を判定するステップを含んでいてもよい。この方法はまた、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイに所望の向き及び軌道の出力を生成するステップを含んでいてもよい。ディスプレイは拡張現実ディスプレイを含んでいてもよく、及び、出力は仮想グラフィカルアイコンを含んでいてもよい。
【0036】
方法のステップのいずれか若しくはすべては、単一のモバイルコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって行われ、又は、方法の一定のステップは、異なるモバイルコンピューティングデバイスによって行われてもよい。モバイルコンピューティングデバイスの1つは、1つの拡張現実メガネのコンポーネントであり得る。
【0037】
数々の実施形態によれば、被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とするためのシステムは、LIDARスキャナと、光学カメラと、ディスプレイ画面と、プロセッサとを備えるモバイルコンピューティングデバイスを含む。プロセッサは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム命令を実行する。プロセッサは、記憶されたプログラム命令が実行されると、LIDARスキャナにより得られた被験者の脊柱の少なくとも一部分の外科的に露出された解剖学的表面に対応するスキャニングデータを受け取る。プロセッサはさらに、受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、被験者の脊柱の一部分の解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成し、及び、解剖学的表面マップと被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の術前診断画像とを相関させる。プロセッサはまた、相関に基づいて手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を自動的に判定する。プロセッサは、表示のための判定された解剖学的進入点、及び/又は、手術用ツール若しくは医療デバイスの挿入軌道を示す出力を生成してもよい。
【0038】
いくつかの実施において、光学カメラは静止画像又はライブ動画フッテージを得る。
【0039】
いくつかの実施において、モバイルコンピューティングデバイスはさらに、向きセンサを備える。1つ以上の診断画像は、CT又はMRI画像を含んでいてもよい。モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面は、光学カメラのライブ動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を表示する拡張現実ディスプレイを提供する。出力は、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のライブ動画フッテージに重畳される2D又は3D仮想デジタルアイコンを含んでいてもよい。仮想デジタルアイコンは、十字線デジタルアイコン、「X」、ドット又は他のインジケータを含んでいてもよい。仮想デジタルアイコンは、医療用器具の3D形状(例えば、シリンダ)若しくは3D描写、又は、医療用器具を挿入するための所望の軌道をも示し得るガイドであり得る。デジタルアイコン又は画像は、識別の容易さを容易とするために着色されていてもよい。仮想デジタルアイコンは、医療用器具の解剖学的進入点及び/又は挿入軌道を示し得る。
【0040】
数々の実施形態によれば、被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とするためのシステムは、LIDARスキャナと、静止画像又はライブ動画フッテージを得る光学カメラと、ディスプレイ画面と、プロセッサとを含む。プロセッサは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム命令を実行する。プロセッサは、記憶されたプログラム命令が実行されると、LIDARスキャナにより得られた被験者の脊柱の一部分の露出された解剖学的表面に対応するスキャニングデータを受け取り、受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、被験者の脊柱の一部分の少なくとも露出された解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成し、被験者の脊柱の一部分の少なくとも露出された解剖学的表面の解剖学的表面マップと、被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の術前診断画像とを相関させ、及び、相関に基づいて手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を自動的に判定する。プロセッサはまた、表示のための判定された解剖学的進入点及び/又は軌道を示す出力を生成してもよい。
【0041】
いくつかの実施において、ディスプレイ画面は、光学カメラのライブ動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を表示する拡張現実ディスプレイを提供する。
【0042】
いくつかの実施において、LIDARスキャナ、光学カメラ及びプロセッサは、モバイルコンピューティングデバイス中に収容されており、ディスプレイ画面は、モバイルコンピューティングデバイスと通信可能に接続された着用型拡張現実デバイス中に収容されている。いくつかの実施において、LIDARスキャナ、光学カメラ、プロセッサ及びディスプレイ画面は、スタンドアロンの着用型拡張現実デバイス上又はその中に存在する。
【0043】
1つ以上の診断画像は、CT又はMRI画像を含んでいてもよい。出力は、ディスプレイ画面のライブ動画フッテージに重畳される2D又は3D仮想デジタルアイコンを含んでいてもよい。
【0044】
数々の実施形態によれば、被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とするためのシステムは、LIDARスキャナと、静止画像又はライブ動画フッテージを得る光学カメラと、ディスプレイ画面と、プロセッサとを含む。プロセッサは、LIDARスキャナにより得られた被験者の脊柱の一部分の露出された解剖学的表面に対応するスキャニングデータを受け取り、受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、被験者の脊柱の一部分の露出された解剖学的表面の解剖学的表面マップを生成し、解剖学的表面マップと被験者の脊柱の少なくとも一部分の1つ以上の診断画像とを相関させ、及び、相関に基づいて手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点を自動的に判定する。プロセッサはまた、表示のための判定された解剖学的進入点を示す出力を生成してもよい。いくつかの実施において、ロボット誘導又は手術システムを用いて、判定された解剖学的進入点における、及び、判定された軌道に沿った挿入を容易としてもよい。他の実施において、挿入は、外科医によって手作業により行われてもよい。
【0045】
本発明の数々の実施形態は、以下の利点の1つ以上を有する:(i)高い処理精度;(ii)高い効力及び高い安全性;(iii)目標とする治療又は診断上の位置にアクセスするための試行回数が少ないことによる高い効率;(iv)高い正確性;(v)術野において維持される焦点;(vi)使用の容易性;(vii)迅速な登録。
【0046】
本開示を要約する目的のために、本開示に係る実施形態の一定の態様、利点及び新規特徴は本明細書に記載されている。すべてのこのような利点が、本明細書において提供されている本開示に係るいずれかの特定の実施形態について達成され得るわけでは必ずしもないことが理解されるべきである。それ故、本明細書に開示の実施形態は、本明細書において教示又示唆されている1つの利点又は1群の利点を達成又は最適化するよう実施又は実行され得るが、本明細書において教示又示唆され得る他の利点を達成する必要は必ずしもない。
【0047】
上記に要約され、及び、以下にさらに詳述されている方法は、実務者により行われる一定の行為を記載するものであるが;しかしながら、これらはまた、他の当事者による行為に係る命令を含むことが可能であると理解されるべきである。例えば、「1つ以上の画像のキャプチャ」などの行為は、「1つ以上の画像のキャプチャの命令」を含む。本開示の実施形態のさらなる態様を、明細書の以下の部分において考察する。図面に関して、一の図の要素は他の図の要素と組み合わせてもよい。
【0048】
本明細書に記載の数々の実施は、高い信頼性の安全性及び精度並びに高い効率で、骨(例えば、脊柱の1つ以上の椎体)中における目標とする治療位置へのアクセスを容易とするためのシステム及び方法に関する。加えて、数々の実施では、外科医によるいずれかの特定の高度な解剖学的知識は事前に必要とされない。いくつかの実施において、脊柱の1つ以上の骨(例えば、椎体)へのアクセスが、背中の痛み又は脊柱に関連する他の疾患若しくは症状(例えば、脊椎骨折、脊椎変形、脊椎症)を診断及び/又は治療することが意図された医療デバイス(例えば、処置用ツール、診断上のツール、永久インプラント)について容易とされる。一例として、システム及び方法は、椎弓根スクリュー又は椎体間デバイス(例えば、骨移植材又は物質を有するケージ)などの椎体固定又は関節固定用の処置用ツール及び/又はインプラントの挿入を容易とし得る。
【0049】
しかしながら、システム及び方法は、他の脊椎処置又は非脊椎処置(例えば、足首又は足部におけるものなどの他の骨の固定、骨置換処置、骨折を固定及び安定させるための骨スクリューの挿入)において用いられるツールについて向上したアクセスを容易とするために用いられ得る。数々の実施形態によれば、本明細書に記載のシステム及び方法は、処置中における蛍光透視の必要性又は使用の程度を有利に低減させ、これにより、患者及び臨床医の安全性の向上、並びに、術中登録プロセスの迅速化がさらに可能であり得、これにより手術時間を短縮可能である。
【0050】
図1は、矢状面又は正中面110、前額面又は前頭面120及び水平面又は横断面130の交差部に位置する患者の身体部100に対する、矢状面110、前頭面120及び横断面130を示す。各面は、相互に直交して、直交する2つの面内において物体、デバイス又は医療用金具(椎弓根スクリューなど)の位置又は向きが既知である場合、このようなものの三次元での向きの角度は計算し得るか、又は、既知であり得るようにされている。以下の開示において脊椎(又は、他の身体部)について考察する場合、矢状面、前頭面及び横断面を参照する。これらの面に言及する場合、これらは、
図1に示されている特定の矢正面、前頭面及び横断面のみを参照するものとして意図されるものではなく、むしろ、考察されている特定の脊椎又は身体部に対する向き又は位置を示すための参照として意図されることが理解されるべきである。
【0051】
既述のとおり、本明細書に記載のシステム及び方法は、椎体固定又は関節固定のための手術用ツール及び/又はインプラントの挿入を容易とし得る。
図2Aは、それぞれのパイロット孔220に取り付けられた椎弓根スクリュー210を有する椎骨205の軸方向断面図(上方図と称され得る)200を示す。パイロット孔220に位置された椎弓根スクリュー210を椎骨205の椎弓根内に完全にねじ込むために、ドライバ230が用いられ得る。種々の形状及びタイプの椎弓根スクリュー210及びドライバ230が用いられ得る。
図2Aに示されている椎弓根スクリュー210及びドライバ230は、単なる例示を目的としている。ツール又は医療用ツールとして称され得るドライバ230の係合部分252は、ドライバ230によって椎弓根スクリューが三次元位置合わせ角度などの所望の位置合わせ角度(「進入角度」とも称される)で確実に取り付けられるよう、取り付け装置における医療用位置合わせデバイスを係合部分252と「係合」するか、又は、隣接して位置決めするよう提供され得る。
図2Bは、椎骨の側方図(すなわち、側面図)250を示し、これは、
図2Aの椎骨205と直交図であることが可能である。
図2Cは椎骨205の後面像270を示す。正確な挿入が容易とされるよう、椎弓根スクリューが適切な進入点で、及び、適切な軌道に沿って確実に挿入されて、骨に対する外傷を低減し、近接する構造に対する外傷を回避し、及び/又は、骨の中における椎弓根スクリューの保持を改善することが特に重要であることが可能である。本明細書における本開示による誘導に基づいて、パイロット進入孔を、適切な進入点で、及び、適切な軌道に沿って形成して、正確な挿入を容易とすることが可能である。
【0052】
図3Aはヒト被験者の側面図であり、及び、脊柱の種々の椎骨区分を示す。図示のとおり、ヒト脊柱は典型的には、4つの椎骨区分に並んだ29の椎骨:頚椎(C1~C7)、胸椎(T1~T7)、腰椎(L1~L5)及び仙椎(S1~S5)を含む。図示のとおり、各椎骨の最後方部分(例えば棘突起)は、皮膚表面の直下に位置している。異なる椎骨では、他の椎骨と比して皮膚表面からの間隔が様々であり得る。
【0053】
図3Bは、大部分の脊椎固定処置が行われる領域であり得る脊柱の腰仙領域を示す。腰仙領域の一部分は、脊椎固定処置又は手術の前又はその最中に外科的に露出され得る。例えば、L5-S1固定を行うことが所望される場合、L5及びS1椎骨(及び、場合により、隣接する椎骨のいくつか)が、脊椎固定処置又は手術を行うためのアクセスを容易とするために外科的に露出され得る。
図3Bは、イメージング技術(例えば、カメラ又はスキャナなどのイメージングハードウェア、及び、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたアルゴリズムを実行するソフトウェア)により識別可能である解剖学的及び/又は人工ランドマークを含む脊柱の解剖学的表面又はプロファイルを示す。解剖学的ランドマークは、例えば、種々の椎骨の棘突起を含むことが可能である。解剖学的又は人工ランドマークはまた、横突起及び隣接する小関節面間の接合部を含んでいてもよい。
【0054】
図3Cは、2つの腰椎(例えば、L4及びL5)間の固定処置の一部として挿入された金具301及び椎体間固定装置303の一例を示す。固定金具301は、複数の椎弓根スクリュー、ロッド及び/又はプレートを含んでいてもよい。椎体間固定装置303は、2つの椎骨間の椎間腔に位置されるケージ又はスペーサを備え、及び、骨移植材又は骨成長容易化材料を含んでいてもよい。本明細書に記載のイメージングシステム及び方法を用いることで、特定の脊椎解剖学的構造に係る事前の高度な知識を必要とすることなく、脊椎固定処置の最中における、固定金具301及び/又は椎体間固定装置303の術中での挿入を容易とし得る。
【0055】
図3Dは、手術用ツール及び/又は医療デバイス(例えば、診断用デバイス、永久インプラント、椎弓根スクリュー、椎体間固定装置、仮設処理デバイス)を挿入するための向上したアクセスを容易とするために使用することが可能である、モバイルコンピューティングデバイス300の実施形態を概略的に示す。モバイルコンピューティングデバイス300は、イメージングデータをキャプチャするための撮像ユニット320を備える。撮像ユニット320は、ライブ動画又は静止画像をキャプチャするための1つ以上の光学的カメラを備えていてもよい。撮像ユニット320はまた、解剖学的な概観のLIDARイメージングデータのキャプチャを容易とするために、1つ以上のLIDARセンサ又はスキャナを備えていてもよい。LIDARセンサ又はスキャナは、異なる位置において解剖学的表面までの距離を測定するために、レーザパルスを解剖学的表面に発信し、次いで、解剖学的表面から反射又は散乱して戻る光を感知し得る。このデータは、解剖学的表面、プロファイル又は輪郭の局所的マップ又は画像の生成に用いられ得る。いくつかの態様において、画像又はイメージングデータは、画像又はイメージングデータを得るために、横断面、矢正面又は前頭面と平行にモバイルコンピューティングデバイス300及び/又は撮像ユニット320を位置決めすることにより入手し得る。いくつかの実施において、取り付け補助及び/又はメカニズム308が、挿入ツール(例えば、パイロット孔を形成するツール)にモバイルコンピューティングデバイス300を位置合わせ及び/又は固定するために用いられる。
【0056】
いくつかの構成において、1つ以上の光学的カメラは、モバイルコンピューティングデバイス300の軸305を所望の面と適当に位置合わせするために充分な視野を有するカメラを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、軸305は、キャプチャされる画像に対して左右方向に中心の垂直線を表す。例えば、所望される画像で軸方向断面図から椎骨のキャプチャが意図されている場合(例えば
図2Aを参照のこと)、軸305は矢状面(すなわち、椎骨に対して矢正面である面)に位置しており、撮像ユニット320は、
図2Aに示されている椎骨の上面図をキャプチャするために横断面に平行に位置されている。所望される画像で側面図から椎骨のキャプチャが意図されている場合(例えば、椎骨の側面画像、
図2Bを参照のこと)、軸305は横断面(すなわち、椎骨を横断する面)に位置しており、撮像ユニット320は、矢状面に平行に位置されている。所望される画像で後面像又は前面像から椎骨のキャプチャが意図されている場合(例えば、
図2Cを参照のこと)、軸305は矢状面に位置しており、撮像ユニット320は前頭面に平行に位置されている。
【0057】
いくつかの構成において、撮像ユニット302は、患者の診断画像を受け取る又はキャプチャし得る。これらの画像は、撮像ユニット302の光学カメラによってキャプチャされ、処理された診断画像、例えば、スクリーンに表示された画像、フィルム又は印刷された写真であり得る。他の構成において、撮像ユニット302は、放射線撮影器、X線機器、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、ミリ(MM)波スキャナ又は磁気共鳴映像法(MRI)スキャナなどの外部機器(図示せず)で撮影された画像をそのまま使用することが可能である。
【0058】
モバイルコンピューティングデバイス300は、動作、向き及び/又は位置の変化を検出するよう動作可能な方位装置330を備える。いくつかの構成において、方位装置330は、ジャイロスコープ332、慣性計測装置334及び加速度計336の少なくとも1つを備える。しかしながら、他の構成において、方位装置330は、モバイルコンピューティングデバイス300の三次元での向きを判定可能であるよう、3つの回転軸を有するジャイロスコープ332のみを備える。ジャイロスコープ332は、少なくとも1つの回転軸、例えば、矢状面及び前頭面の交差部に平行な軸を計測するよう動作可能である。他の構成において、ジャイロスコープ332は、向き及び向きの変化を検出するために、3つの回転軸などの2つ以上の検知回転軸を備える。慣性計測装置334は、例えば基本座標系における1つ以上の方向における位置の変化を検出可能である。加速度計336は、例えば基本座標系における1つ以上の方向における速度の変化を検出可能である。いくつかの構成において、方位装置330のすべてのコンポーネントからのデータは、向き及び位置の連続的な動的変化の計算に用いられる。
【0059】
モバイルコンピューティングデバイス300はさらに、キーパッド又はタッチスクリーンを介した使用者の入力を受け付けるよう動作可能な入力コンポーネント340を備える。使用者の入力は、例えば、患者情報、デバイス挿入位置、使用者による指示若しくは好み、及び/又は、デバイスの挿入方向を表す所望の進入角度を含んでいてもよい。種々の構成において、入力コンポーネント340は、マルチタッチスクリーン、コンピュータマウス、キーボード、タッチ感応パッド、又は、いずれかの他の入力デバイスを含んでいることが可能である。
【0060】
いくつかの構成において、モバイルコンピューティングデバイス300は、1つ以上のプロセッサ350をさらに備える。プロセッサ350は、基本的な演算が可能であると共に、コンピュータサイエンスの技術分野において周知であるプログラム、ソフトウェア、ファームウェア又はいずれかのアプリケーション(例えば、オンラインアプリケーションソフトウェアストアからダウンロード可能なアプリケーション)を実行可能であるいずれかの処理ユニットであることが可能である。モバイルコンピューティングデバイス300はさらに、メモリ記憶ユニット352及びネットワークインターフェースモジュール354を備えていてもよい。メモリ記憶ユニット352は、ハードドライブ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートメモリ、フラッシュメモリ又はいずれかの他の記憶装置であることが可能である。メモリ記憶ユニット352は、少なくともオペレーティングシステム、アプリケーション及び患者プロファイルに関連するデータを記憶する。ネットワークインターフェースモジュール354は、モバイルコンピューティングデバイス300と外部の機器並びに通信ネットワーク(例えば、Bluetooth、WiFi、Ethernet及び/又は他の通信ネットワークを介して)との通信を可能とする。
【0061】
いくつかの構成において、モバイルコンピューティングデバイス300はさらに、ディスプレイ360を備える。いくつかの実施形態において、ディスプレイ360は、マルチタッチスクリーン(例えば、静電容量式タッチスクリーン、抵抗膜方式タッチスクリーン、超音波表面弾性波方式タッチスクリーン又は赤外線式タッチスクリーン)を用いる入力ともされる液晶ディスプレイである。モバイルコンピューティングデバイス300は、視覚的通知、聴覚的通知、及び、例えば振動などの触覚的アラート又は通知を含む、任意の数の通知を使用者に提供し得る。モバイルコンピューティングデバイス300は、聴覚的アラート又は通知を提供するためのスピーカを備えていてもよい。数々の実施形態によれば、ディスプレイ360は立体ディスプレイではない。
【0062】
図4を参照すると、表面イメージングを利用した手術用ツール又は医療デバイス(例えば、診断用デバイス、インプラント、椎弓根スクリュー、椎体間固定装置)の挿入に係る向上したアクセスを容易とする方法400が示されている。数々の実施によれば、方法400では、外科医又は他の臨床医は、自身の特定の解剖学的構造に係るいずれかの事前の知識に基づいて、手術用ツール及び/又は医療デバイス(例えば、診断用デバイス、インプラント)を挿入するための進入点を位置決めする必要がない。代わりに、進入点の位置は、いずれかの必須の事前の解剖学的知識を必要とせずに自動的に識別可能である。方法400は、ブロック405で表面イメージング(例えば、LIDAR、飛行時間型3Dレーザスキャナ又はカメラ、光トポグラフィスキャナ、構造光3Dスキャナ、携帯型レーザスキャナ、深度カメラ)を開始する。数々の態様によれば、LIDARイメージングは、脊柱の解剖学的ランドマーク(例えば、棘突起、横突起及び小関節面間の接合部、背筋、脊柱筋及び/又は正中溝)をイメージング(例えば、マッピング)するために使用し得る。LIDARイメージングはまた、その周囲に複数のドット(例えば、孔パンチのサイズ)が配された3×3インチのプラスチック片又は他の材料片などの脊柱の人工ランドマークのイメージングに使用し得る。他の寸法又は他の人工ランドマークもまた使用し得る。
【0063】
LIDARイメージングは、専用のスタンドアロン型LIDAR装置を用いて行われてもよく、又は、iPhone、iPod Touch、iPad若しくは他のスマートフォン若しくはタブレット(例えばAndroidフォン、Androidタブレット、Windows Phone、Windowsタブレット、Blackberryフォン)などのモバイルコンピューティングデバイス(例えばモバイルコンピューティングデバイス300)に含まれるLIDAR技術(例えば、センサ又はスキャナなどのハードウェア、及び、プロセッサ、及び、プロセッサにより実行可能であるコンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム命令を含むファームウェア又はソフトウェア)を用いて行われてもよい。
【0064】
モバイルコンピューティングデバイスにおけるソフトウェアアプリケーション(例えば、アプリ)(例えばメモリ記憶ユニット352に記憶されているもの)は、内蔵型LIDAR技術により解剖学的表面(例えば、脊柱又は複数の椎骨の一部分などの患者の脊柱解剖学的構造の少なくとも一部分)のマッピングが容易化又は実行されるよう適合したアルゴリズム(例えば、メモリに記憶された実行可能プログラム命令)を含んでいてもよい。例えば、ソフトウェアアプリケーションは、解剖学的構造の少なくとも特定の部分(例えば脊柱の一部分又は一領域の骨)のLIDARイメージングデータの適切なキャプチャを容易とするよう、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイ上に使用者に対する命令を提供し得る。ソフトウェアアプリケーションは、キャプチャされたLIDARイメージングデータが使用上許容可能であることを保証するために検証チェックを含んでいてもよい。解剖学的表面(例えば、患者の背中の少なくとも一部分)のマップを、LIDAR技術により得られたデータに基づいて形成し得る(例えば、ポイントクラウドデータを使用することで、ポイントクラウド構築アルゴリズムを用いて表面マップを再構築し得る)。解剖学的表面は、表面イメージングのために外科的に露出された部分に応じて、患者の脊柱のすべて又は一部分(例えば、腰椎部分、腰仙部分、頚椎部分、胸椎部分)を含み得る。脊柱解剖学的構造以外の他の解剖学的表面、プロファイル又は輪郭はまた、他の実施において撮像し得る。LIDARデータの平滑化又はフィルタリングを、データのノイズ除去のために行ってもよい(例えば、高品質補間技術、インテリジェントポイント間引き技術、ガウシアン平滑化技術等を使用)。
【0065】
ブロック410では、LIDAR技術で生成されたマッピングデータを、被験者の脊柱の過去に撮像された診断画像(例えば、CTスキャン画像、MMスキャン画像、X線画像、MRIスキャン画像、放射線撮影スキャン画像、超音波検査、放射線治療)と自動的に相関又は登録可能である。例えば、過去に撮像された診断画像(すなわち、DICOMデータ)は、本明細書に記載のシステム及びデバイス間での相互運用性を可能にするために、製剤(DICOM)規格でデジタルイメージング及びの通信を利用して統合及び記憶され得る。過去に撮像された画像(又はDICOMデータ)は、例えば軸方向イメージング技術を用いて入手し得る。いくつかの実施において、選択するための記憶された診断医療用画像が存在しない場合、使用者は、モバイルコンピューティングデバイス300の撮像ユニット320の光学カメラを用いて1つ以上の診断画像の写真を撮影するよう促されてもよい。自動相関又は登録は、種々の登録技術及びアルゴリズム(例えば、幾何学的形状ベース、機構ベース、表面ベース、強度ベース及び/又は他の画像登録アルゴリズム、変換モデル、マッチングアルゴリズム等)を用いて行われ得る。自動相関又は登録は、特徴の抽出又は画像検出プロセス及びアルゴリズムの使用が組み込まれていてもよい。術中放射線撮影イメージング(例えば、蛍光透視、CTイメージング)を併用する表面イメージング(例えば、LIDARイメージング)の使用により、患者及び臨床スタッフに対する放射線被爆が有利に低減し、ならびに、登録に必要な時間(及び、従って、手術又は処置の全体的な時間)が短縮される。
【0066】
ブロック415では、重要な解剖学的ランドマークを相関された画像に基づいて識別して、手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とすることが可能である。いくつかの実施において、識別は、訓練用の複数の解剖学的表面スキャン及び/又は診断画像セットを用いて訓練された、訓練されたニューラルネットワーク又は機械学習データベースの使用を組み込んでもよい。特定の椎骨が識別され得、並びに、椎骨の一定の解剖学的な及び/又は人工ランドマークが相関されたイメージングデータに基づいて識別され得る。例えば、椎弓根スクリューを挿入するために椎弓根に形成されるパイロット孔用の進入点を、特定の椎骨の棘突起の位置の識別、特定の椎骨の識別、及び/又は、他の解剖学的又は人工ランドマークの識別に少なくとも部分的に基づいて識別してもよい。数々の実施によれば、LIDARマップは、露出されており表面イメージング技術を用いて撮像可能である隣接する脊柱部分及び解剖学的ランドマークに基づいた補間技術に基づいて、外科的に露出されていない脊柱の部分を再現可能に補完され得る。他の例として、骨移植材を備える固定ケージなどの椎体間デバイスの挿入用の進入点は、解剖学的又は人工ランドマークの識別に基づいて識別され得る。
【0067】
ブロック420では、進入点が、モバイルコンピューティングデバイス300のディスプレイ上において使用者(例えば外科医)に任意に表示され得る。例えば、2D若しくは3D LIDAR画像又はマップが表示され得、及び、グラフィカルアイコン(例えば、「X」、ターゲットアイコン又は十字線アイコン)が画像に重ね合わせ又は重畳されて、進入点を示し得る。他の例として、モバイルコンピューティングデバイス300のカメラを用いて、リアルタイムイメージング(例えば、ライブ動画)を表示し、又は、患者の解剖学的表面の概観の静止画像をキャプチャすることが可能であり、及び、グラフィカルアイコンをリアルタイム動画又は静止画像に重ね合わせ又は重畳し得る。方法400のステップはいずれも、コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ記憶ユニット352)に記憶されたプログラム命令(例えば、アルゴリズム)の実行により、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス300)のプロセッサ(例えばプロセッサ350)によって実施され得る。
【0068】
図5は、使用者(例えば、外科医又は他の臨床医)が、単一のモバイルコンピューティングデバイスのソフトウェアアプリケーションを用いて、椎骨の椎弓根への骨ドリル又は椎弓根スクリューの挿入に係る進入点の識別を容易とし得る、方法500の実施形態を示す。ブロック502では、使用者は、行われる特定の処置又は特定の椎骨位置又は脊柱レベル(例えば、L5/S1脊椎固定、又は、L5などの特定の椎骨レベル)に対応する情報を入力してもよい。ブロック504では、使用者は、患者の解剖学的な概観の少なくとも一部分の表面(例えば、LIDAR)画像データを、モバイルコンピューティングデバイス300の内蔵型LIDAR技術を用いてキャプチャしてもよい。ブロック506では、使用者は、ソフトウェアアプリケーションがLIDAR技術で生成されたマッピングデータと、LIDARマッピングデータに対応する患者の解剖学的構造の少なくとも一部分の事前に撮像された医療用画像とを相関可能であるよう、ソフトウェアアプリケーション(例えば、患者識別、1つ以上の事前に撮像された患者医療用画像の選択)に相関情報を提供してもよい。いくつかの実施において、選択するための記憶された診断医療用画像が存在しない場合、使用者は、モバイルコンピューティングデバイス300の光学カメラを用いて1つ以上の診断画像の光学的写真を撮影するよう促されてもよい。椎体間固定装置の挿入のための進入点の識別を容易とするために同様の方法を行ってもよい。
【0069】
図6は、
図5の方法500の実施に際して使用者による情報の入力を容易とするための、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイのためのグラフィカルユーザーインターフェースの一例を示す。使用者は、例えば患者の名前をテキスト名前フィールド610に入力したり、又は、グラフィカルユーザーインターフェース選択機能620を用いて目標椎骨レベルを入力し得る。使用者はまた、記憶された事前に撮像された医療用画像630を選択してもよく、又は、カメラアイコン640をクリックして医療用(例えば診断)画像の新たな写真を撮影してもよい。グラフィカルユーザーインターフェースボタン650により、使用者はさらなるスクリーン又は次のステップに移動可能とされていてもよい。
【0070】
図7に戻って参照すると、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイは、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス300)の撮像ユニットの光学カメラを用いて解剖学的な概観のライブ動画をキャプチャし、次いで、現実動画が重ね合わせ又は重畳された仮想情報(例えば、デジタルグラフィカルアイコン、テキスト情報、3D形状又描写)で機能向上された拡張現実ディスプレイを備えていてもよい。例えば、ライブ動画は、パイロット孔を形成するためのドリルの挿入又は特定の椎体の椎弓根への椎弓根スクリューの挿入のための進入点(及び、3D画像に係る軌道)を示す、重ね合わせ又は重畳される2D若しくは3Dグラフィカルアイコン又は画像701(例えば、矢印アイコン又は十字線アイコン又は形状(例えばシリンダ)の3D画像又は手術用器具若しくは医療デバイスの3D描写)を含んでいてもよい。ライブ動画はまた、椎骨区分又は他の解剖学的情報を表す重畳された英数字ラベル703を含んでいてもよい。拡張現実ディスプレイはさらに、皮膚表面を通して視認できない脊柱の部分(例えば、外科的に露出されていない部分)を示す皮膚表面下の脊柱の少なくとも一部分の2D又は3D仮想描写を含んでいることが可能である。
【0071】
図8を参照すると、手術用ツール及び/又は医療デバイス(例えば、診断用デバイス、椎弓根スクリュー又は椎体間固定装置などのインプラント)の挿入のための向上したアクセスを容易とする方法800は、単一のモバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット又はiPod touch)の単一のソフトウェアアプリケーションを用いて実行される表面(例えば、LIDAR)イメージングに基づく進入点の識別と、向き/軌道の判定との両方を含んでいてもよい。方法800は、ブロック850におけるLIDARイメージングに基づく進入点の識別の実施を含むことが可能である。進入点の識別は、本明細書において既に記載されているとおりモバイルコンピューティングデバイス300を用いて行われてもよい。ブロック855では、向きの判定及び適切な挿入軌道は、その各々の内容はすべて本明細書における参照により本明細書において援用される例えば米国特許第10,123,840号明細書;米国特許出願公開第2019/0060000号明細書;及び、国際公開第2020/214744号に記載されているものなどの方法を用いて、モバイルコンピューティングデバイス300で行われてもよい。モバイルコンピューティングデバイス300のディスプレイは、手術用ツール及び/又は医療デバイスを挿入するための進入点の識別又は位置指定及び向き/軌道判定を容易とするビジュアルキュー及び/又はテキストプロンプトを含んでいてもよい。
【0072】
図9を参照すると、拡張現実ディスプレイ機能は、モバイルコンピューティングデバイス300のディスプレイ360に追加して、又は、その代わりに、着用型アイウェア900に組み込まれていてもよい。着用型アイウェア900は、一対の拡張現実/仮想現実スマートグラス又はゴーグルであり得る(例えば、Google Glass(商標)デバイス、Microsoft Hololens(登録商標)デバイス、Facebook Ray-Banスマートグラス、Vuzix Bladeスマートグラス、Sony SEDスマートグラス、Epson Moverio BT-300スマートグラス又はApple Glass(商標)デバイス)。着用型アイウェア900(例えば、一対の眼鏡又はゴーグル)は、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス300)の光学カメラに依存する代わりに、現実世界をイメージングするための1つ以上の光学的カメラを備えていてもよい。外科医は、術野を直視しながら、着用型アイウェア900又は他の着用型デバイス(例えば、標準的な拡張現実/仮想現実ヘッドセット)におけるディスプレイを見て、特定の軌道又は向き方向に沿って目標位置へ、進入点に、及び、進入点を通して手術用器具又は医療デバイス901を操作してもよい。着用型アイウェア900は、有線又は無線接続(例えば、Bluetooth無線接続)を介してモバイルコンピューティングデバイス300に通信可能に接続されていてもよい。着用型アイウェア900又は他の着用型デバイスはヘッドアップディスプレイを含んでいてもよい。数々の実施形態によれば、着用型アイウェア900は、立体光学透視型ヘッドマウントディスプレイが組み込まれておらず、及び、イメージングを容易とするために患者にマーカーを取り付ける必要がない。一対の眼鏡又はゴーグルを備える着用型アイウェア900は、有利には、標準的なヘッドマウントAR/VRヘッドセットよりも軽量で快適であり得る。しかしながら、所望される場合、ヘッドセットをいくつかの実施形態において用いてもよい。
【0073】
数々の実施形態によれば、モバイルコンピューティングデバイス300の1つ以上の構造及び/又は機能コンポーネントは、着用型アイウェア900(例えば、ゴーグル又は眼鏡)に組み込まれていてもよい。例えば、着用型アイウェア900は、LIDARスキャニングテクノロジー及び/又は1つ以上の光学的カメラを組み込んでいてもよい。従って、数々の実施形態において、個別のモバイルコンピューティングデバイス300は必須でなくてもよく、本明細書に記載の方法及び本明細書において参照により援用される公開文献に記載の方法(例えば、進入点の識別及び/又は特定の軌道に沿った挿入を容易とするための解剖学的表面のLIDARマッピングを含む方法400及び800)は、着用型拡張現実デバイス(例えばアイウェア900)によりスタンドアロンで完全に実施することが可能である。着用型拡張現実デバイス(例えば、アイウェア900)は、本明細書に記載の方法及び参照により援用される公開文献に記載の方法(例えば、方法400及び800)を行うために、1つ以上の光学的カメラを備える撮像ユニットと、1つ/又は複数のLIDARセンサと、着用型拡張現実デバイスのメモリに記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサとを備えていてもよい。他の実施において、内蔵型LIDAR検知テクノロジーを有する着用型拡張現実デバイス(例えば、アイウェア900)は、モバイルコンピューティングデバイス300と組み合わされて作動してもよい。
【0074】
拡張現実ディスプレイは、代替的又は追加的に、準備又は計画ツールとして、外科医又は他の臨床医による挿入処置の練習を容易とするために、仮想現実ディスプレイとして実装されてもよい。向きの判定に係る拡張現実及び/又は仮想現実実装に関する追加の詳細は、例えば、その内容のすべてが本明細書における参照により本明細書において援用される米国特許出願公開第2020/0229869号明細書の段落[0085]~[0095]、及び、既述のとおり本明細書における参照により援用されている国際公開第2020/214744号の段落[0104]~[0115]に見い出すことが可能である。
【0075】
いくつかの実施において、モバイルコンピューティングデバイスは、単一の機能(複数の機能とは対照的に)として存在する種々の機能を含む。例えば、一実施形態において、モバイルコンピューティングデバイスは、単一の光学カメラ、単一の方位装置及び/又は単一のLIDARセンサを備える。複数の機能又はコンポーネントが代替的な実施形態において提供されている。
【0076】
いくつかの実施形態において、システムは以下の1つ以上を備える:表面スキャニング手段(例えば、LIDARスキャニング/検知デバイス)、光学イメージング手段(例えば、光学的カメラなどのライブ動画又は静止画撮像ユニット)、向き判定手段(例えば、ジャイロスコープ)、データ記憶手段(例えば、メモリ)、情報表示手段(例えば、拡張現実ディスプレイ)等。
【0077】
上記の方法及びプロセスはすべて、1つ以上のコンピュータ又はプロセッサにより実行されるソフトウェアコードモジュールにより実施及び完全自動化され得る。コードモジュールは、いずれかのタイプに非一時的なコンピュータ可読媒体又は他のコンピュータ記憶デバイスに記憶され得る。代わりに、これらの方法のいくつか又はすべては、専用のコンピュータハードウェアで実施されてもよい。モジュールは、アルゴリズム又は機械可読命令の形態でソフトウェアとして実装されてもよい。この場合、モジュールはメモリに記憶され、従って、非構造的構成要素のみを表すために用いられるため、モジュールは、構造的構成要素の汎用プレースホルダーではない。非構造的構成要素は、純粋に機能的な制限であるソフトウェアである。本明細書に記載及び/又は添付の図面において図示されているフローチャートにおけるいずれかのルーチン既述、要素又はブロックは、ルーチンにおける特定の理論機能又は要素を実装するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント又はコードの一部分を潜在的に表すものと理解されるべきである。
【0078】
一定の実施形態及び実施例を本明細書で説明してきたが、本開示に示され及び記載されている方法及びデバイスの態様は、異なる組み合わせ及び/又は変更で、さらなる実施形態を形成してもよい。さらに、本明細書に記載の方法は、記載されているステップの実施に好適ないずれかのデバイスを用いて実施され得る。さらに、種々の実施形態に関連するいずれかの特定の機構、態様、方法、特性、特徴、品質、属性、要素等の本明細書における本開示(図面を含む)は、本明細書に記載のすべての他の実施形態において使用可能である。本明細書において用いられているいずれかのセクションの見出しは、可読性を高めるために提供されているにすぎず、特定のセクションに開示されている実施形態の範囲を、そのセクションに開示されている特徴又は要素に限定することは意図されていない。
【0079】
実施形態は種々の変更及び代替的な形態に対応可能であるが、その具体例が図面に図示されていると共に、本明細書において詳述されている。しかしながら、実施形態は開示されている特定の形態又は方法に限定されるものではなく、反対に、これらの実施形態は、記載の種々の実施形態及び添付の特許請求の範囲に係る趣旨及び範囲内に包含されるすべての変更、均等物及び代替を網羅するものであることが理解されるべきである。本明細書に開示の方法はいずれも記載の順序で行われる必要はない。本明細書に開示の方法は実務者による一定の行為を含むが;しかしながら、これらはまた、明示的または暗示的ないずれかの第三者によるこれらの行為に係る指示を含んでいることが可能である。
【0080】
この明細書及び以下の特許請求の範囲全体を通して、文脈により別の意味が必要とされない限りにおいて、「を含む(comprise)」という語、並びに、「を含む(comprises)」及び「を含んでいる(comprising)」などの変形は、方法及び物品(例えば、構成及びデバイスを含む装置及び方法)において、種々のコンポーネントを一緒に採用することが可能であることを意味する。例えば、「を含んでいる(comprising)」という用語は、いずれかの記載の要素又はステップの包含を意味するが、いずれかの他の要素又はステップを排除することを意味するものではないことが理解される。
【0081】
特定の手段、材料及び実施形態を参照して既述の記載を本明細書に記載したが、この記載は本明細書に開示の特定のものに限定されることは意図されておらず;むしろ、この記載は、添付の特許請求の範囲内であるものなどの機能的に均等な構造、方法及び使用のすべてに及ぶ。
【0082】
この明細書は多くの特定の実装の詳細及び/又は配置の詳細を含んでいるが、これらは、いずれかの発明の範囲又は特許請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書に記載のシステム及び方法に係る特定の実装及び/又は配置に特定的な特徴の記載として解釈されるべきである。個別の実装及び/又は配置の文脈においてこの明細書に記載されている一定の特徴はまた、単一の実装及び/又は配置と組み合わせて実装及び/又は配置が可能である。反対に、単一の実装及び/又は配置の文脈において記載されている種々の特徴はまた、複数の実装及び/又は配置において、個別に又はいずれかの好適なサブコンビネーションで実装及び配置可能である。しかも、特徴は、一定の組み合わせで作用すると上記に記載され、及び、最初にそのように特許請求されることもあり得るが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合において、組み合わせから実施可能であり、及び、特許請求された組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションのバリエーションに関するものであり得る。
【0083】
さらに、特定の見出しに関して記載された特徴は、他の見出し下に記載された例示的な配置と関連して、及び/又は、組み合わせで利用され得;記載されている場合、見出しは、可読性の目的だけのために記載されており、このような見出しについて記載されている特徴のいずれかを限定するものとして解釈されるべきではない。
【0084】
同様に、操作が図面中に特定の順序で図示されているが、これは、所望の結果を達成するために、このような操作が、示されている特定の順序で、若しくは、連続する順序で行われる必要があるわけではなく、又は、すべての例示の操作が行われる必要があるわけでもないことが理解されるべきである。いくつかの場合において、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で行ってもなお所望の結果を達成することが可能である。加えて、添付の図面に図示されているプロセスは、所望の結果を達成するために、必ずしも、示されている特定の順序又は連続する順序が必要であるわけではない。
【0085】
一定の状況では、マルチタスク及び並行処理が有利であり得る。しかも、上記の実装及び/又は配置における種々のシステムコンポーネントの分離は、すべての実装及び/又は配置においてこのような分離が必要であると理解されるべきではなく、及び、記載のプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に統合されるか、又は、複数のソフトウェア製品にパッケージが可能であることが理解されるべきである。
【0086】
ここにいくつかの例示的な実装、実装、配置及び配置について記載したが、前述の説明は、一例として示された例示的なものであって、非限定的なものではないことが明らかである。特に、本明細書において示されている例の多くが行為又はシステム要素の特定の組み合わせを含んでいるが、これらの行為及びこれらの要素は、同じ目的を達成するために他の方法で組み合わされてもよい。一の実装及び/又は配置に関してのみ考察された行為、要素及び特徴は、他の実施又は配置における同様の役割を排除することを意図するものではない。
【0087】
本明細書において用いられている語法及び用語法は、説明を目的とするものであり、限定的であるとみなされるべきではない。本明細書における「を含む(including)」、「を含む(comprising)」、「を有する(having)」、「を含有する(containing)」、「を含む(involving)」、「特徴付けられる(characterized by)」、「ことを特徴とする(characterized in that)」、及び、その変形の使用は、以降に列挙される項目、その均等物及び追加の項目、並びに、以降に列挙される項目のみからなる代替的実施及び/又は配置を包含することを意味する。一の配置において、本明細書に記載のシステム及び方法は、所望の要素、行為又はコンポーネントの1つ、2つ以上の組み合わせの各々、又は、すべてからなる。
【0088】
本明細書において単数形で言及されるシステム及び方法に係る実施、配置若しくは要素、又は、行為に対するいずれかの言及は、複数のこれらの要素を含む実施及び/又は配置をも包含し得、及び、本明細書におけるいずれかの実施、配置若しくは要素、又は、行為に対する複数形での言及は、単一の要素のみを含む実施及び/又は配置をも包含し得る。単数形又は複数形での言及は、ここに開示されているシステム又は方法、そのコンポーネント、行為若しくは要素を、単一又は複数での構成に限定することは意図されていない。いずれかの情報、行為又は要素に基づくいずれかの行為又は要素への言及は、行為又は要素が少なくとも部分的にいずれかの情報、行為又は要素に基づいている場合には、実施及び/又は配置を含んでいてもよい。
【0089】
本明細書に開示のいずれかの実施はいずれかの他の実施と組み合わされてもよく、「実施」、「いくつかの実施」、「代替的な実施」、「種々の実施」、「1つの実施」等に対する言及は、必ずしも相互に排他的ではなく、且つ、実施に関連して記載されている特定の機構、構造又は特徴は、少なくとも1つの実施に含まれ得ることを示すことが意図されている。本明細書において用いられるところ、このような用語は、必ずしもすべてが同一の実施を言及するものではない。いずれかの実施も、本明細書に開示の態様及び実施と一致する任意の態様で、包括的又は排他的にいずれかの他の実施と組み合わされてもよい。
【0090】
本明細書に開示のいずれかの配置はいずれかの他の配置と組み合わされてもよく、「配置(an arrangement)」、「いくつかの配置(some arrangements)」、「代替的配置」、「種々の配置」、「一の配置(one arrangement)」等に対する言及は、必ずしも相互に排他的ではなく、且つ、配置に関連して記載されている特定の機構、構造又は特徴は、少なくとも1つの配置に含まれ得ることを示すことが意図されている。本明細書において用いられるところ、このような用語は、必ずしもすべてが同一の配置を言及するものではない。いずれかの配置も、本明細書に開示の態様及び配置と一致する任意の態様で、包括的又は排他的にいずれかの他の配置と組み合わされてもよい。
【0091】
「又は」に対する言及は包括的として解釈され得、従って、「又は」を用いて記載されているいずれかの用語は、記載された用語に係る1つの、2つ以上の、及び、すべての、のいずれかを示し得る。
【0092】
図面、詳細な説明、又は、いずれかの請求項中における技術的特徴に符号が付されている場合、符号は、図面、詳細な説明及び特許請求の範囲の明瞭度を高める目的のみのために包含されている。従って、符号の記載又はその不在のいずれも、特許請求に係る要素の範囲に対していかなる限定的効果も有さない。
【0093】
本明細書に記載のシステム及び方法は、その特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施されてもよい。前述の実施及び/又は配置は、記載されているシステム及び方法に関して、限定的ではなく例示的である。本明細書に記載のシステム及び方法の範囲は、従って、前述の明細書ではなく添付の特許請求の範囲によって示されており、特許請求の範囲に係る意味及び均等の範囲内に属する変更はこれに包含される。
【0094】
本明細書における請求項の要素はいずれも、要素が「手段」という句を用いて明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下に解釈されるべきではないと理解されるべきである。
【0095】
本明細書において用いられるところ、「回路」という用語は、本明細書に記載の機能を実行するよう構成されたハードウェアを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、それぞれの「回路」は、本明細書に記載の機能を実行するようハードウェアを構成するための機械可読媒体を含んでいてもよい。この回路は、特にこれらに限定されないが、処理回路、ネットワークインターフェース、周辺デバイス、入力デバイス、出力デバイス、センサーを含む1つ以上の回路構成要素として具現化され得る。いくつかの実施形態において、回路は、1つ以上のアナログ回路、電子回路(例えば、集積回路(IC)、ディスクリート回路、システム・オン・チップ(SOC)回路)、電気通信回路、ハイブリッド回路、及び、いずれかの他のタイプの「回路」の形態をとり得る。この点について、「回路」は、本明細書に記載されている動作を達成するため、又は、その達成を容易とするためのいずれかのタイプのコンポーネントを含んでいてもよい。例えば、本明細書に記載の回路は、1つ以上のトランジスタ、論理ゲート(例えば、NAND、AND、NOR、OR、XOR、NOT、XNOR)、レジスタ、マルチプレクサ、レジスタ、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、ワイヤを含んでいてもよい。
【0096】
「回路」はまた、1つ以上のメモリ又はメモリデバイスに通信可能に接続された1つ以上のプロセッサを含んでいてもよい。この点について、1つ以上のプロセッサは、メモリに記憶された命令を実行し得るか、又は、1つ以上のプロセッサが他の方法でアクセス可能な命令を実行し得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のプロセッサは、種々の方法で具現化され得る。1つ以上のプロセッサは、少なくとも本明細書に記載の動作を行うのに充分に構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上のプロセッサは、複数の回路によって共有され得る(例えば、回路A及び回路Bは、いくつかの例示的な実施形態において、記憶された命令若しくはそうでなければ他の方法でアクセスされる命令をメモリの異なる領域を介して実行し得る同一のプロセッサを、含んでいてもよく、又は、そうでなければ共有していてもよい)。代替的に、又は、追加的に、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のコプロセッサとは独立して、一定の動作を行うか又はそうでなければ実行するよう構成されていてもよい。他の例示的な実施形態において、2つ以上のプロセッサが、独立した、並列、パイプライン又はマルチスレッドの命令実行を可能とするためにバスを介して接続されていてもよい。プロセッサの各々は、1つ以上の汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は、メモリにより提供される命令を実行するよう構成された他の好適な電子データ処理コンポーネントとして実装されていてもよい。1つ以上のプロセッサは、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ(例えば、デュアルコアプロセッサ、トリプルコアプロセッサ、クアッドコアプロセッサ)、マイクロプロセッサの形態をとり得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のプロセッサは装置の外部にあってもよく、例えば1つ以上のプロセッサはリモートプロセッサ(例えば、クラウドベースのプロセッサ)であってもよい。代替的に、又は、追加的に、1つ以上のプロセッサは、装置の内部及び/又はローカルあってもよい。この点において、所与の回路又はそのコンポーネントは、ローカルに(例えば、ローカルサーバ、ローカルコンピューティングシステムの一部として)、又は、リモートに(例えば、クラウドベースのサーバなどのリモートサーバの一部として)配置されていてもよい。そのため、本明細書に記載の「回路」は、1つ以上の箇所に分散されたコンポーネントを含んでいてもよい。
【0097】
実施形態のシステム全体又は部分を実装するための例示的なシステムは、処理ユニットと、システムメモリと、システムメモリを含む種々のシステムコンポーネントを処理ユニットに接続するシステムバスとを含むコンピュータの形態である汎用コンピューティングデバイスを含んでいてもよい。各メモリデバイスは、非一時的揮発性記憶媒体、不揮発性記憶媒体、非一時的記憶媒体(例えば、揮発性及び/又は不揮発性メモリの1つ以上)等を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、不揮発性媒体は、ROM、フラッシュメモリ(例えば、NAND、3D NAND、NOR、3D NORなど)、EEPROM、MRAM、磁気ストレージ、ハードディスク、光学ディスク等の形態をとり得る。他の実施形態において、揮発性記憶媒体は、RAM、TRAM、ZRAM等の形態をとり得る。上記の組み合わせは、機械可読媒体の範囲内にも含まれる。この点において、機械実行可能な命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は専用処理機に一定の機能又は機能群を実行させる命令及びデータを例えば含む。それぞれのメモリデバイスは、本明細書に記載の実施形態例に従って、プロセッサの命令及び関連データ(例えば、データベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント)を含む1つ以上の関連する回路によって実行される動作に関連する情報を維持又はそうでなければ記憶するよう動作可能とされ得る。
【0098】
本明細書に記載の「入力デバイス」という用語は、特にこれらに限定されないが、キーボード、キーパッド、マウス、ジョイスティック、又は、同様の機能を実行する他の入力デバイスを含むいずれかのタイプの入力デバイスを含んでいてもよいことにも留意すべきである。対して、本明細書に記載の「出力デバイス」という用語は、特にこれらに限定されないが、コンピュータモニタ、プリンタ、ファクシミリ装置、又は、同様の機能を実行する他の出力デバイスを含むいずれかのタイプの出力デバイスを含んでいてもよい。
【0099】
通貨又はファンドに対するいずれかの前述の言及は、不換通貨、不換通貨ではないもの(例えば、貴金属)及び数学ベースの通貨(度々、暗号通貨と呼ばれる)を含むことが意図されている。数学ベースの通貨の例としては、Bitcoin、Litecoin、Dogecoin等が得られる。
【0100】
本明細書中の図は方法ステップの特定の順序及び構成を示し得るが、これらのステップの順序は示されているものと異なり得ることが理解されることに留意すべきである。例えば、2つ以上のステップが同時に、又は、部分的に同時に行われてもよい。また、個別のステップとして行われるいくつかの方法ステップは組み合わされてもよく、組み合わされたステップとして行われるステップは、個別のステップに分けられてもよく、一定のプロセスの順番は反対にされたり、又は、さもなければ変更されてもよく、及び、個別のプロセスの性質又は数は、修正されたり、又は、変更されてもよい。いずれかの要素又は装置の順序又は順番は、代替的な実施形態に従って変更又は置き換えられてもよい。従って、すべてのこのような変更は、添付の特許請求の範囲に定義されている本開示の範囲内に含まれることが意図されている。このような変更は、選択される機械可読媒体及びハードウェアシステム、及び、設計者の選択に応じることとなる。すべてのこのような変更は本開示の範囲内であることが理解される。同様に、本開示に係るソフトウェア及びウェブの実装は、種々のデータベース検索ステップ、相関ステップ、比較ステップ及び決定ステップを達成するために、ルールベースのロジック及び他のロジックを有する標準的なプログラミング技術で達成可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者への手術用ツール又は医療デバイスの挿入を容易とする
ためのシステムであって、
コンピューティングデバイスであり、
LIDARスキャナと、
1つ以上の画像を取得するように構成された光学カメラと、
ディスプレイ画面と、
1つ以上のプロセッサであって:
前記LIDARスキャナにより得られた被験者の所望の位置の解剖学的表面に対応するスキャニングデータを受け取
り;
前記受け取ったスキャニングデータに基づいて識別した解剖学的ランドマークを用いて、前記被験者の
前記所望の位置の前記解剖学的表面
の解剖学的表面マップを生成
し;
前記解剖学的表面マップと、前記被験者の
前記所望の位置の1つ以上の術前診断画像
とを相関さ
せ;
前記相
関に基づいて、前記手術用ツール又は医療デバイスを挿入するための解剖学的進入点
を判定し;及び
表示のための前記判定された解剖学的進入点を示す出力を生成する
プロセッサと
を備えるコンピューティングデバイスを含む、システム。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスは、向きセンサをさらに含む、請求項1に記載の
システム。
【請求項3】
前記1つ以上の診断画像はCT又はMRI画像を含む、請求項1に記載の
システム。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイ画面は、前記光学カメラの動画フッテージに重畳された仮想デジタル画像を表示する拡張現実ディスプレイを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記出力は、前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイ画面の前記動画フッテージに重畳される2D若しくは3D仮想デジタルアイコン又は画像を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記仮想デジタルアイコン又は画像は:
十字線デジタルアイコン;又は
軌道をも示す医療用器具の3D画像若しくは形状
を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記LIDARスキャナ、前記光学カメラ及び1つ以上の前記プロセッサは前記コンピューティングデバイスに収容されており;並びに、前記ディスプレイ画面は、前記コンピューティングデバイスに通信可能に接続された着用型拡張現実デバイスに収容されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記LIDARスキャナ、前記光学カメラ、1つ以上の前記プロセッサ及び前記ディスプレイ画面は、スタンドアロンの着用型拡張現実デバイス上又はその中に存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記所望の位置における前記解剖学的表面は、外科的に露出された表面にあるか、又は、これに隣接している、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記外科的に露出された表面は脊柱の少なくとも一部分である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記所望の位置における前記解剖学的表面は前記被験者の外面の一部分である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピューティングデバイスはモバイルコンピューティングデバイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサはさらに、手術軌道を判定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記手術軌道は3D軌道である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
手術用ツールを位置決めするための装置であって、
LIDARスキャナと、
ディスプレイ画面と、
1つ以上のプロセッサであって:
手術面の前記LIDARスキャナからのデータを受け取り;
少なくとも前記LIDARスキャナからの前記データに基づいて前記手術面の表面マップを生成し;
少なくとも前記表面マップ及び1つ以上の診断画像に基づいて、前記手術用ツール用の挿入点を判定し;及び
前記ディスプレイ画面に前記挿入点の指標を生成する
1つ以上のプロセッサと
を含む、装置。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサはさらに、少なくとも前記表面マップ及び前記挿入点に基づいて、前記手術用ツールの所望の向きを判定する、請求項15に記載の
装置。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサはさらに、前記手術用ツールの前記所望の向きのシミュレーションを生成する、請求項16に記載の
装置。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサはさらに:
前記手術用ツールの向きを判定し;及び
前記手術用ツールの前記向きが前記所望の向きの閾値内であることに応答して、通知を出力する、請求項17に記載の
装置。
【請求項19】
前記LIDARスキャナ、前記ディスプレイ画面及び前記1つ以上のプロセッサは、スタンドアロンの着用型拡張現実デバイス上又はその中に存在する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
手術用ツールを位置決めするための装置であって、
LIDARスキャナと、
ディスプレイ画面と、
コンピューティングデバイスであって:
手術面の前記LIDARスキャナからのデータを受け取り;
少なくとも前記LIDARスキャナからの前記データに基づいて前記手術面の表面マップを生成し;
少なくとも前記表面マップ及び1つ以上の診断画像に基づいて、前記手術用ツール用の挿入点を判定し;及び
前記ディスプレイ画面に前記挿入点の指標を生成する
コンピューティングデバイスと
を備える、装置。
【国際調査報告】