IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クアンタム−エスアイ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-516551ミラーピクセル構造を有する集積回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ミラーピクセル構造を有する集積回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240409BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 27/00 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20240409BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20240409BHJP
   G01N 21/03 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
H01L21/88 T
H01L27/088 E
H01L27/00 301B
H01L31/10 A
G01N21/64 F
G01N21/03 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561782
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022023951
(87)【国際公開番号】W WO2022217014
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/172,490
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516144164
【氏名又は名称】クアンタム-エスアイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUANTUM-SI INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】リアリック、トッド
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シン
(72)【発明者】
【氏名】ウェブスター、エリック エイ.ジー.
【テーマコード(参考)】
2G043
2G057
4M118
5F033
5F048
5F149
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043BA16
2G043CA04
2G043DA06
2G043EA01
2G043FA03
2G043FA06
2G043HA05
2G043KA08
2G043LA02
2G057AA04
2G057AC01
2G057BA03
2G057DB03
4M118AB10
4M118BA08
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA04
4M118CA19
4M118CA20
4M118CA24
4M118DD04
4M118EA18
4M118FA06
4M118FA26
4M118FA34
4M118FA38
4M118GA02
4M118GA10
4M118GB03
4M118GB07
4M118GB11
4M118HA21
4M118HA22
5F033MM30
5F033UU04
5F033VV03
5F033VV04
5F033VV05
5F033VV07
5F033XX32
5F048AB10
5F048AC01
5F048AC10
5F048BF12
5F048CB01
5F048CB03
5F048CB04
5F149AA01
5F149BB03
5F149DA39
5F149DA44
5F149EA04
5F149EA13
5F149EA14
5F149HA07
5F149XB01
5F149XB24
5F149XB33
(57)【要約】
本開示の技術の態様は、半導体ベースのイメージセンサ設計の向上に関する。いくつかの態様において、本開示の集積回路は、第1のピクセルと第2のピクセルとを含み得る。第1のピクセルは、ミラー構造で第2のピクセルに近接している。いくつかの態様において、本開示の集積回路は、第1のピクセルと、行方向に沿って第1のピクセルに近接する第2のピクセルと、行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線とを含み得る。導電線は、第1のピクセルの第1の構成要素および第2のピクセルの第2の構成要素と導通している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路であって、
第1のピクセルと、
第2のピクセルと、を備え、
前記第1のピクセルがミラー構造で前記第2のピクセルに近接している、集積回路。
【請求項2】
前記ミラー構造は、
前記第2のピクセルに近接する前記第1のピクセルの側に配置された前記第1のピクセルの少なくとも1つの第1の構成要素と、
前記第1のピクセルに近接する前記第2のピクセルの側に配置された前記第2のピクセルの少なくとも1つの第2の構成要素であって、前記少なくとも1つの第1の構成要素と同じ種類の前記少なくとも1つの第2の構成要素と、
を含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記第1の構成要素が第1の電荷蓄積領域を含み、前記第2の構成要素が第2の電荷蓄積領域を含む、請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記第1のピクセルは、前記第1の電荷蓄積領域に電気的に結合された第1の光検出領域と、前記第1の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に配置され、前記第1の光検出領域から前記第1の電荷蓄積領域への第1の電位勾配を生じさせるように構成された開口部を有する第1のマスクと、を含み、
前記第2のピクセルは、前記第2の電荷蓄積領域に電気的に結合された第2の光検出領域と、前記第2の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に配置され、前記第2の光検出領域から前記第2の電荷蓄積領域への第2の電位勾配を生じさせるように構成された開口部を有する第2のマスクと、を含む、請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記第1の構成要素が第1のドレイン領域を含み、前記第2の構成要素が第2のドレイン領域を含む、請求項2に記載の集積回路。
【請求項6】
前記第1のピクセルは、前記第1のドレイン領域に電気的に結合された第1の光検出領域と、前記第1の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に配置され、前記第1の光検出領域から前記第1のドレイン領域への第1の電位勾配を生じさせるように構成された開口部を有する第1のマスクと、を含み、
前記第2のピクセルは、前記第2のドレイン領域に電気的に結合された第2の光検出領域と、前記第2の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に配置され、前記第2の光検出領域から前記第2のドレイン領域への第2の電位勾配を生じさせるように構成された開口部を有する第2のマスクと、を含む、請求項5に記載の集積回路。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の構成要素が、第1の電荷蓄積領域への電荷キャリア伝送を制御するように構成された第1の伝送ゲートを含み、
前記少なくとも1つの第2の構成要素が、第2の電荷蓄積領域への電荷キャリア伝送を制御するように構成された第2の伝送ゲートを含む、請求項2に記載の集積回路。
【請求項8】
前記第1の伝送ゲートおよび前記第2の伝送ゲートと導通している共通導電構造をさらに備える請求項7に記載の集積回路。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の構成要素が、第1のドレイン領域への電荷キャリア伝送を制御するように構成された第1のゲートを含み、
前記少なくとも1つの第2の構成要素が、第2のドレイン領域への電荷キャリア伝送を制御するように構成された第2のゲートを含む、請求項2に記載の集積回路。
【請求項10】
前記第1のゲートおよび前記第2のゲートと導通する共通導電構造をさらに備える請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
方法であって、
集積回路を使用してサンプルを分析することを備え、
前記集積回路が、
第1のピクセルと、
第2のピクセルと、を備え、前記第1のピクセルがミラー構造で前記第2のピクセルに近接している、方法。
【請求項12】
前記ミラー構造が、
前記第2のピクセルに近接する前記第1のピクセルの側に配置された前記第1のピクセルの少なくとも1つの第1の構成要素と、
前記第1のピクセルに近接する前記第2のピクセルの側に配置された前記第2のピクセルの少なくとも1つの第2の構成要素であって、前記少なくとも1つの第1の構成要素と同じ種類の前記少なくとも1つの第2の構成要素と、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の構成要素が第1の電荷蓄積領域を含み、前記第2の構成要素が第2の電荷蓄積領域を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の電荷蓄積領域に電気的に結合された前記第1のピクセルの第1の光検出領域において前記第1の光検出領域から前記第1の電荷蓄積領域への第1の電位勾配を生じさせることであって、前記第1のピクセルが前記第1の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に配置された第1のマスクを有し、前記第1のマスクが前記第1の電位勾配を生じさせる開口部を有する、前記第1の電位勾配を生じさせること、および
前記第2の電荷蓄積領域に電気的に結合された第2の光検出領域において前記第2の光検出領域から前記第2の電荷蓄積領域への第2の電位勾配を生じさせることであって、前記第2のピクセルが前記第2の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に配置された第2のマスクを有し、前記第2のマスクが前記第2の電位勾配を生じさせる開口部を有する、前記第2の電位勾配を生じさせること、
をさらに備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の構成要素が第1のドレイン領域を含み、前記第2の構成要素が第2のドレイン領域を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のドレイン領域に電気的に結合された前記第1のピクセルの第1の光検出領域において前記第1の光検出領域から前記第1のドレイン領域への第1の電位勾配を生じさせることであって、前記第1のピクセルが前記第1の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に配置された第1のマスクを有し、前記第1のマスクが前記第1の電位勾配を生じさせる開口部を有する、前記第1の電位勾配を生じさせること、および
前記第2のドレイン領域に電気的に結合された前記第2のピクセルの第2の光検出領域において前記第2の光検出領域から前記第2のドレイン領域への第2の電位勾配を生じさせることであって、前記第2のピクセルが前記第2の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に配置された第2のマスクを有し、前記第2のマスクが前記第2の電位勾配を生じさせる開口部を有する、前記第2の電位勾配を生じさせること、
をさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第1のゲートを使用して第1の電荷蓄積領域への電荷キャリア伝送を制御することであって、前記少なくとも1つの第1の構成要素が前記第1のゲートを含む、前記第1の電荷蓄積領域への電荷キャリア伝送を制御すること、および
第2のゲートを使用して第2の電荷蓄積領域への電荷キャリア伝送を制御することであって、前記少なくとも1つの第2の構成要素が前記第2のゲートを含む、前記第2の電荷蓄積領域への電荷キャリア伝送を制御することをさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項18】
共通導電構造を介して前記第1のゲートと前記第2のゲートとを導通させることをさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1のゲートを使用して第1のドレイン領域への電荷キャリア伝送を制御することであって、前記少なくとも1つの第1の構成要素が前記第1のゲートを含む、前記第1のドレイン領域への電荷キャリア伝送を制御すること、および
第2のゲートを使用して第2のドレイン領域への電荷キャリア伝送を制御することであって、前記少なくとも1つの第2の構成要素が前記第2のゲートを含む、前記第2のドレイン領域への電荷キャリア伝送を制御すること、
をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項20】
共通導電構造を介して前記第1のゲートと前記第2のゲートとを導通させることをさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項21】
集積回路を製造する方法であって、
第1のピクセルと、前記第1のピクセルに近接する第2のピクセルとをミラー構造で形成することを備える方法。
【請求項22】
前記第1および第2のピクセルを前記ミラー構造で形成することが、
前記第2のピクセルに近接する前記第1のピクセルの側に、前記第1のピクセルの少なくとも1つの第1の構成要素を配置すること、および
前記第1のピクセルに近接する前記第2のピクセルの側に、前記第2のピクセルの少なくとも1つの第2の構成要素を配置すること、を含み、
前記少なくとも1つの第2の構成要素が前記少なくとも1つの第1の構成要素と同じ種類である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第1の構成要素を配置することが、前記第1のピクセルの第1の電荷蓄積領域を形成することを含み、
前記少なくとも1つの第2の構成要素を配置することが、前記第2のピクセルの第2の電荷蓄積領域を形成することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の電荷蓄積領域に電気的に結合された前記第1のピクセルの第1の光検出領域を形成すること、
前記第1の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に、前記第1の光検出領域から前記第1の電荷蓄積領域への第1の電位勾配を生じさせる開口部を有する第1のマスクを配置すること、
前記第2の電荷蓄積領域に電気的に結合された前記第2のピクセルの第2の光検出領域を形成すること、および
前記第2の電荷蓄積領域の少なくとも一部の上方または下方に、前記第1の光検出領域から前記第2の電荷蓄積領域への第2の電位勾配を生じさせる開口部を有する第2のマスクを配置すること、
をさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第1の構成要素を配置することが、前記第1のピクセルの第1のドレイン領域を形成することを含み、
前記少なくとも1つの第2の構成要素を配置することが、前記第2のピクセルの第2のドレイン領域を形成することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のドレイン領域に電気的に結合された前記第1のピクセルの第1の光検出領域を形成すること、
前記第1の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に、前記第1の光検出領域から前記第1のドレイン領域への第1の電位勾配を生じさせる開口部を有する第1のマスクを配置すること、
前記第2のドレイン領域に電気的に結合された前記第2のピクセルの第2の光検出領域を形成すること、および
前記第2の光検出領域の少なくとも一部の上方または下方に、前記第1の光検出領域から前記第2のドレイン領域への第2の電位勾配を生じさせる開口部を有する第2のマスクを配置すること、
をさらに備える請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの第1の構成要素を配置することが、前記第1のピクセルの第1の電荷蓄積領域への電荷キャリア伝送を制御するための前記第1のピクセルの第1のゲートを配置することを含み、
前記少なくとも1つの第2の構成要素を配置することが、前記第2のピクセルの第2の電荷蓄積領域への電荷キャリア伝送を制御するための前記第2のピクセルの第2のゲートを配置することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記第1および第2のゲートと導通する共通導電構造を形成することをさらに備える請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの第1の構成要素を配置することが、第1のドレイン領域への電荷キャリア伝送を制御するための前記第1のピクセルの第1のゲートを配置することを含み、
前記少なくとも1つの第2の構成要素を配置することが、第2のドレイン領域への電荷キャリア伝送を制御するための前記第2のピクセルの第2のゲートを配置することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記第1および第2のゲートと導通する共通導電構造を形成することをさらに備える請求項29に記載の方法。
【請求項31】
集積回路であって、
第1のピクセルと、
第2のピクセルであって、前記第1のピクセルが行方向に沿って前記第2のピクセルに近接している前記第2のピクセルと、
前記行方向と交差する列方向に沿って延在し、前記第1のピクセルの第1の構成要素および前記第2のピクセルの第2の構成要素と導通している導電線と、
を備える集積回路。
【請求項32】
前記第1のピクセルと前記第2のピクセルとを含む複数のピクセルと、
前記導電線を含む複数の第1の導電線であって、前記列方向に延在するとともに前記複数のピクセルのうちの対応する第1の隣接ピクセル対の構成要素と各々導通する前記複数の第1の導電線と、
前記複数の第1の導電線から電気的に分離された複数の第2の導電線であって、前記列方向に延在するとともに、前記複数のピクセルのうちの対応する第2の隣接ピクセル対の構成要素と各々導通する前記複数の第2の導電線と、
をさらに備える請求項31に記載の集積回路。
【請求項33】
前記複数の第1の導電線はそれぞれ、前記行方向において、前記複数の第2の導電線のうちの隣接するもの同士の間に配置されている、請求項32に記載の集積回路。
【請求項34】
前記複数のピクセルが前記列方向に沿って第1の行および第2の行に配置されるとともに、前記第1の隣接ピクセル対および前記第2の隣接ピクセル対が前記第1の行に配置されており、
前記各第1の導電線がさらに、前記第2の行に配置された前記複数のピクセルのうちの対応する第3の隣接ピクセル対の構成要素と導通しており、
前記各第2の導電線がさらに、前記第2の行に配置された前記複数のピクセルのうちの対応する第4の隣接ピクセル対の構成要素と導通している、請求項32または33に記載の集積回路。
【請求項35】
前記複数の第1の導電線の上方または下方に配置されるとともに前記複数の第1の導電線と導通する複数の第3の導電線であって、前記複数の第1の導電線が前記複数の第3の導電線と前記複数のピクセルとの間に配置されている、前記複数の第3の導電線と、
前記複数の第2の導電線の上方または下方に配置されるとともに前記複数の第2の導電線と導通する複数の第4の導電線であって、前記複数の第2の導電線が前記複数の第4の導電線と前記複数のピクセルとの間に配置されている、前記複数の第4の導電線と、
をさらに備え、
前記複数の第3の導電線が前記第1の行内の少なくとも1つのピクセルの上方または下方に位置し、前記複数の第4の導電線が前記第2の行内の少なくとも1つのピクセルの上方または下方に位置するように、前記複数の第3の導電線が前記複数の第4の導電線から前記列方向に離間している、請求項34に記載の集積回路。
【請求項36】
前記複数の第3の導電線および前記複数の第4の導電線は前記列方向に延在しており、
前記複数の第3の導電線は前記複数の第4の導電線から前記行方向に離間している、請求項35に記載の集積回路。
【請求項37】
前記複数の第3の導電線はそれぞれ、前記複数の第4の導電線のうちの隣接するものから前記行方向に少なくとも1ピクセル幅で離間している、請求項36に記載の集積回路。
【請求項38】
前記複数の第3の導電線はそれぞれ、前記複数の第4の導電線のうちの隣接するものから前記行方向に少なくとも3ピクセル幅で離間している、請求項37に記載の集積回路。
【請求項39】
前記複数の第3の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在して前記第1の行の上方または下方に位置しており、
前記複数の第4の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在するとともに前記行方向に前記複数の第3の導電線と略平行に延在して前記第2の行の上方または下方に位置している、請求項35に記載の集積回路。
【請求項40】
接合パッドのアレイをさらに備えており、前記接合パッドのアレイは、
前記複数の第3の導電線と導通している複数の第1の信号接合パッドと、
複数の第1の補助接合パッドであって、前記行方向において、隣接する第1の信号接合パッドの間に各々配置された前記複数の第1の補助接合パッドと、
前記複数の第1の信号接合パッドから前記列方向に離間するとともに、前記複数の第4の導電線と導通している複数の第2の信号接合パッドと、
複数の第2の補助接合パッドであって、前記行方向において、隣接する第2の信号接合パッドの間に各々配置された前記複数の第2の補助接合パッドと、
を含む、請求項35に記載の集積回路。
【請求項41】
前記複数の第3の導電線の上方または下方に配置されるとともに前記複数の第3の導電線と導通する複数の第5の導電線であって、前記複数の第3の導電線が前記複数の第5の導電線と前記複数のピクセルとの間に配置されている、前記複数の第5の導電線と、
前記複数の第4の導電線の上方または下方に配置されるとともに前記複数の第4の導電線と導通する複数の第6の導電線であって、前記複数の第4の導電線が前記複数の第6の導電線と前記複数のピクセルとの間に配置されている、前記複数の第6の導電線と、
をさらに備え、
前記複数の第3の導電線および前記複数の第4の導電線は前記列方向に延在しており、
前記複数の第3の導電線が前記第1の行の一部の上方または下方に位置し、前記複数の第4の導電線が前記第1の行の第1の部分から前記行方向にオフセットされた前記第2の行の第2の部分の上方または下方に位置するように、前記複数の第3の導電線が前記複数の第4の導電線から前記行方向および前記列方向に離間しており、
前記複数の第5の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在して前記第1の行の上方または下方に位置しており、
前記複数の第6の導電線は、前記列方向に互いに略平行に延在するとともに前記列方向に前記複数の第5の導電線と離間しつつ略平行に延在して前記第2の行の上方または下方に位置している、請求項35に記載の集積回路。
【請求項42】
第1のウェハであって、
前記複数のピクセルと、
前記複数の第1の導電線、前記複数の第2の導電線、前記複数の第3の導電線、および前記複数の第4の導電線と、
前記複数の第3の導電線と導通している複数の第1の信号接合パッドと、
複数の第1の補助接合パッドであって、前記行方向において、隣接する第1の信号接合パッドの間に各々配置された前記複数の第1の補助接合パッドと、
前記複数の第1の信号接合パッドから前記列方向に離間するとともに、前記複数の第4の導電線と導通している複数の第2の信号接合パッドと、
複数の第2の補助接合パッドであって、前記行方向において、隣接する第2の信号接合パッドの間に各々配置された前記複数の第2の補助接合パッドと、
を含む前記第1のウェハと、
前記第1のウェハに接合された第2のウェハであって、
前記複数の第5の導電線および前記複数の第6の導電線と、
前記複数の第5の導電線と導通するとともに、前記複数の第1の信号接合パッドにそれぞれ接合された複数の第3の信号接合パッドと、
複数の第3の補助接合パッドであって、前記行方向において、隣接する第3の信号接合パッドの間に各々配置されるとともに、前記複数の第1の補助接合パッドの1つに各々接合された前記複数の第3の補助接合パッドと、
前記複数の第3の信号接合パッドから前記列方向に離間し、前記複数の第6の導電線と導通するとともに、前記複数の第2の信号接合パッドにそれぞれ接合された複数の第4の信号接合パッドと、
複数の第4の補助接合パッドであって、前記行方向において、隣接する第4の信号接合パッドの間に各々配置されるとともに、前記複数の第2の補助接合パッドの1つに各々接合された前記複数の第4の補助接合パッドと、
を含む前記第2のウェハと、
をさらに備える請求項41に記載の集積回路。
【請求項43】
方法であって、
集積回路の導電線に電気信号を印加することであって、行方向と交差する列方向に沿って延在する前記導電線に前記電気信号を印加すること、および
前記導電線を介して前記電気信号の少なくとも一部を印加することであって、
前記集積回路の第1のピクセルの第1の構成要素と、
前記集積回路の第2のピクセルの第2の構成要素であって、前記第1のピクセルが前記行方向に沿って前記第2のピクセルに近接している前記第2の構成要素と、
に前記電気信号の少なくとも一部を印加すること、
を備える方法。
【請求項44】
前記導電線を含み前記列方向に各々延在する複数の第1の導電線を介して、第1の電気信号である前記電気信号の少なくとも前記一部を前記集積回路の第1の隣接ピクセル対の構成要素に導通させること、および
前記複数の第1の導電線から電気的に分離され前記列方向に各々延在する複数の第2の導電線を介して、第2の電気信号の少なくとも一部を前記集積回路の第2の隣接ピクセル対の構成要素に導通させること、
をさらに備える請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記複数の第1の導電線はそれぞれ、前記行方向において、前記複数の第2の導電線のうちの隣接するもの同士の間に配置されている、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記複数の第1の導電線を介して、前記第1の電気信号の少なくとも前記一部を前記集積回路の第3の隣接ピクセル対の構成要素に導通させること、および
前記複数の第2の導電線を介して、前記第2の電気信号の少なくとも前記一部を前記集積回路の第4の隣接ピクセル対の構成要素に導通させること、
をさらに備え、
前記第1の隣接ピクセル対および前記第2の隣接ピクセル対は前記集積回路の第1の行のピクセル内に配置されており、前記第3の隣接ピクセル対および前記第4の隣接ピクセル対は前記集積回路の第2の行のピクセル内に配置されている、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
前記複数の第1の導電線の上方または下方に配置された複数の第3の導電線を介して、前記第1の電気信号の少なくとも前記一部を、前記複数の第3の導電線と前記複数のピクセルとの間に配置された前記複数の第1の導電線に導通させること、および
前記複数の第2の導電線の上方または下方に配置された複数の第4の導電線を介して、前記第2の電気信号の少なくとも前記一部を、前記複数の第4の導電線と前記複数のピクセルとの間に配置された前記複数の第2の導電線に導通させること、
をさらに備え、
前記複数の第3の導電線が前記第1の行内の少なくとも1つのピクセルの上方または下方に位置し、前記複数の第4の導電線が前記第2の行内の少なくとも1つのピクセルの上方または下方に位置するように、前記複数の第3の導電線が前記複数の第4の導電線から前記列方向に離間している、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記複数の第3の導電線および前記複数の第4の導電線は前記列方向に延在しており、
前記複数の第3の導電線は前記複数の第4の導電線から前記行方向に離間している、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記複数の第3の導電線はそれぞれ、前記複数の第4の導電線のうちの隣接するものから前記行方向に少なくとも1ピクセル幅で離間している、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記複数の第3の導電線はそれぞれ、前記複数の第4の導電線のうちの隣接するものから前記行方向に少なくとも3ピクセル幅で離間している、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記複数の第3の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在して前記第1の行の上方または下方に位置しており、
前記複数の第4の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在するとともに前記行方向に前記複数の第3の導電線と略平行に延在して前記第2の行の上方または下方に位置している、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
接合パッドのアレイの複数の第1の信号接合パッドから前記複数の第3の導電線に前記第1の電気信号の少なくとも前記一部を導通させること、および
前記接合パッドのアレイの複数の第2の信号接合パッドから前記複数の第4の導電線に前記第2の電気信号の少なくとも前記一部を導通させること、
をさらに備え、
前記接合パッドのアレイはさらに、
複数の第1の補助接合パッドであって、前記行方向において、隣接する第1の信号接合パッドの間に各々配置された前記複数の第1の補助接合パッドと
複数の第2の補助接合パッドであって、前記行方向において、隣接する第2の信号接合パッドの間に各々配置された前記複数の第2の補助接合パッドと、
を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記複数の第3の導電線の上方または下方に配置された複数の第5の導電線を介して、前記第1の電気信号の少なくとも前記一部を、前記複数の第5の導電線と前記複数のピクセルとの間に配置された前記複数の第3の導電線に導通させること、および
前記複数の第4の導電線の上方または下方に配置された複数の第6の導電線を介して、前記第2の電気信号の少なくとも前記一部を、前記複数の第6の導電線と前記複数のピクセルとの間に配置された前記複数の第4の導電線に導通させること、
をさらに備え、
前記複数の第3の導電線および前記複数の第4の導電線は前記列方向に延在しており、
前記複数の第3の導電線が前記第1の行の一部の上方または下方に位置し、前記複数の第4の導電線が前記第1の行の第1の部分から前記行方向にオフセットされた前記第2の行の第2の部分の上方または下方に位置するように、前記複数の第3の導電線が前記複数の第4の導電線から前記行方向および前記列方向に離間しており、
前記複数の第5の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在して前記第1の行の上方または下方に位置しており、
前記複数の第6の導電線は、前記列方向に互いに略平行に延在するとともに前記列方向に前記複数の第5の導電線と離間しつつ略平行に延在して前記第2の行の上方または下方に位置している、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
集積回路を製造する方法であって、
第1のピクセルおよび第2のピクセルを形成することであって、前記第1のピクセルが行方向に沿って前記第2のピクセルに近接している、前記第1のピクセルおよび前記第2のピクセルを形成すること、および
前記行方向と交差する列方向に沿って延在し、前記第1のピクセルの第1の構成要素および前記第2のピクセルの第2の構成要素と導通する導電線を形成すること、
を備える方法。
【請求項55】
前記第1のピクセルおよび前記第2のピクセルを含む複数のピクセルを形成すること、
前記導電線を含む複数の第1の導電線を形成することであって、前記列方向に延在するとともに、前記複数のピクセルのうちの対応する第1の隣接ピクセル対の構成要素と各々導通する前記複数の第1の導電線を形成すること、および
前記複数の第1の導電線から電気的に分離された複数の第2の導電線を形成することであって、前記列方向に延在するとともに、前記複数のピクセルのうちの対応する第2の隣接ピクセル対の構成要素と各々導通する前記複数の第2の導電線を形成すること、
をさらに備える請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記複数の第1の導電線および前記複数の第2の導電線を形成することが、前記行方向において、前記複数の第2の導電線のうちの隣接するもの同士の間に前記複数の第1の導電線をそれぞれ配置することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記複数のピクセルを形成することは、前記複数のピクセルを前記列方向に沿って第1の行および第2の行に配置することを含み、前記第1の隣接ピクセル対および前記第2の隣接ピクセル対は前記第1の行に配置されており、
前記各第1の導電線が、前記第2の行に配置された前記複数のピクセルのうちの対応する第3の隣接ピクセル対の構成要素と導通するように形成されており、
前記各第2の導電線が、前記第2の行に配置された前記複数のピクセルのうちの対応する第4の隣接ピクセル対の構成要素と導通するように形成されている、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
前記複数の第1の導電線の上方または下方に配置されるとともに前記複数の第1の導電線と導通する複数の第3の導電線を形成することであって、前記複数の第1の導電線を形成することが、前記複数の第3の導電線と前記複数のピクセルとの間に前記複数の第1の導電線を配置することを含む、前記複数の第3の導電線を形成すること、および
前記複数の第2の導電線の上方または下方に配置されるとともに前記複数の第2の導電線と導通する複数の第4の導電線を形成することであって、前記複数の第2の導電線を形成することが、前記複数の第4の導電線と前記複数のピクセルとの間に前記複数の第2の導電線を配置することを含む、前記複数の第4の導電線を形成すること、
をさらに備え、
前記複数の第3の導電線が前記第1の行内の少なくとも1つのピクセルの上方または下方に位置し、前記複数の第4の導電線が前記第2の行内の少なくとも1つのピクセルの上方または下方に位置するように、前記複数の第3の導電線が前記複数の第4の導電線から前記列方向に離間して形成されている、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記複数の第3の導電線および前記複数の第4の導電線は前記列方向に延在するように形成されており、
前記複数の第3の導電線は、前記複数の第4の導電線から前記行方向に離間して形成されている、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記複数の第3の導電線はそれぞれ、前記複数の第4の導電線のうちの隣接するものから前記行方向に少なくとも1ピクセル幅で離間して形成される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記複数の第3の導電線はそれぞれ、前記複数の第4の導電線のうちの隣接するものから前記行方向に少なくとも3ピクセル幅で離間して形成される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記複数の第3の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在して前記第1の行の上方または下方に位置しており、
前記複数の第4の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在するとともに前記行方向に前記複数の第3の導電線と略平行に延在して前記第2の行の上方または下方に位置している、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
接合パッドのアレイを形成することであって、少なくとも部分的に、
前記複数の第3の導電線と導通する前記接合パッドのアレイの複数の第1の信号接合パッドを形成すること、
前記接合パッドのアレイの複数の第1の補助接合パッドを形成することであって、前記行方向において、隣接する第1の信号接合パッドの間に各々配置される前記複数の第1の補助接合パッドを形成すること、
前記複数の第1の信号接合パッドから前記列方向に離間し、前記複数の第4の導電線と導通する前記接合パッドのアレイの複数の第2の信号接合パッドを形成すること、および
前記接合パッドのアレイの複数の第2の補助接合パッドを形成することであって、前記行方向において、隣接する第2の信号接合パッドの間に各々配置される前記複数の第2の補助接合パッドを形成すること、
により前記接合パッドのアレイを形成することをさらに備える請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記複数の第3の導電線の上方または下方に配置されるとともに前記複数の第3の導電線と導通する複数の第5の導電線を形成することであって、前記複数の第3の導電線を形成することが、前記複数の第5の導電線と前記複数のピクセルとの間に前記複数の第3の導電線を配置することを含む、前記複数の第5の導電線を形成すること、および
前記複数の第4の導電線の上方または下方に配置されるとともに前記複数の第4の導電線と導通する複数の第6の導電線を形成することであって、前記複数の第4の導電線を形成することが、前記複数の第6の導電線と前記複数のピクセルとの間に前記複数の第4の導電線を配置することを含む、前記複数の第6の導電線を形成すること、
をさらに備え、
前記複数の第3の導電線および前記複数の第4の導電線は前記列方向に延在するように形成されており、
前記複数の第3の導電線が前記第1の行の一部の上方または下方に位置し、前記複数の第4の導電線が前記第1の行の第1の部分から前記行方向にオフセットされた前記第2の行の第2の部分の上方または下方に位置するように、前記複数の第3の導電線が前記複数の第4の導電線から前記行方向および列方向に離間して形成されており、
前記複数の第5の導電線は、前記行方向に互いに略平行に延在して前記第1の行の上方または下方に位置するように形成されており、
前記複数の第6の導電線は、前記列方向に互いに略平行に延在するとともに前記列方向に前記複数の第5の導電線と離間しつつ略平行に延在して前記第2の行の上方または下方に位置するように形成されている、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
集積回路であって、
第1の方向に互いに近接する複数のピクセルと、
複数のウェハ接合パッドと、
を備え、前記複数のウェハ接合パッドのうちの少なくともいくつかが前記複数のピクセルと導通しており、前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔と異なる、集積回路。
【請求項66】
前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔よりも大きい、請求項65に記載の集積回路。
【請求項67】
前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔の少なくとも2倍である、請求項66に記載の集積回路。
【請求項68】
前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔の少なくとも3倍である、請求項67に記載の集積回路。
【請求項69】
前記複数のピクセルを含む第1の層と、
前記複数のウェハ接合パッドを含む第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層との間に配置された第3の層であって、前記複数のウェハ接合パッドを前記複数のピクセルに電気的に結合する複数の導電線を含む前記第3の層と、を備え、
前記複数の導電線のうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔と異なる、請求項65~68のうちのいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項70】
前記複数の導電線のうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔が、前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔に略等しい、請求項69に記載の集積回路。
【請求項71】
前記複数のウェハ接合パッドは、前記複数のピクセルと導通する複数の信号接合パッドと、前記複数のピクセルに対して実質的にフローティングである複数の補助接合パッドとを含み、
前記複数の補助接合パッドはそれぞれ、前記複数の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間に配置されている、請求項65~70のうちのいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項72】
前記複数のウェハ接合パッドは、第1の行および第2の行を有する接合パッドアレイに配置されており、
前記複数の信号接合パッドは、前記第1の行に配置された複数の第1の信号接合パッドと、前記複数の第1の信号接合パッドから電気的に分離され、前記第2の行に配置されるとともに、前記複数の第1の信号接合パッドのそれぞれから前記第1の方向にオフセットされた複数の第2の信号接合パッドとを含み、
前記複数の補助接合パッドは、前記複数の第1の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間で前記第1の行内に配置された複数の第1の補助接合パッドと、前記複数の第2の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間で前記第2の行内に配置された複数の第2の補助接合パッドとを含む、請求項71に記載の集積回路。
【請求項73】
前記複数の第1の補助接合パッドは、前記第1の方向に略垂直な第2の方向において前記複数の第2の信号接合パッドとそれぞれ位置合わせされており、
前記複数の第2の補助接合パッドは、前記第2の方向において前記複数の第1の信号接合パッドとそれぞれ位置合わせされている、請求項72に記載の集積回路。
【請求項74】
前記複数のピクセルと前記複数のウェハ接合パッドとを含む第1のウェハであって、前記複数のウェハ接合パッドが複数の第1のウェハ接合パッドである前記第1のウェハと、
前記第1のウェハに接合された第2のウェハであって、前記複数の第1のウェハ接合パッドと略位置合わせされて接合された複数の第2のウェハ接合パッドを含む前記第2のウェハと、
をさらに備える請求項65~73のうちのいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項75】
前記複数のウェハ接合パッドがハイブリッド接合パッドを含む、請求項65~74のうちのいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項76】
方法であって、
集積回路の複数のウェハ接合パッドのうちの少なくともいくつかを介して、第1の方向に互いに近接する前記集積回路の複数のピクセルに信号の少なくとも一部を導通させることを備え、
前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔と異なる、方法。
【請求項77】
前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔よりも大きい、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔の少なくとも2倍である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔の少なくとも3倍である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記集積回路の複数の導電線を介して、前記複数のウェハ接合パッドから前記複数のピクセルに前記信号の少なくとも前記一部を導通させることをさらに備え、
前記複数のピクセルが前記集積回路の第1の層に配置されており、
前記複数のウェハ接合パッドが前記集積回路の第2の層に配置されており、
前記複数の導電線が前記第1の層と前記第2の層との間の前記集積回路の第3の層に配置されており、
前記複数の導電線のうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔と異なる、請求項76~79のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記複数の導電線のうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔が、前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔と略等しい、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記複数のウェハ接合パッドを介して導通させることは、複数の信号接合パッドを介して導通させることを含み、
前記複数のウェハ接合パッドは、前記複数のピクセルに対して実質的にフローティングである複数の補助接合パッドを含み、
前記複数の補助接合パッドはそれぞれ、前記複数の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間に配置されている、請求項76~81のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記複数のウェハ接合パッドは、第1の行および第2の行を有する接合パッドアレイに配置されており、
前記複数の信号接合パッドは、前記第1の行に配置された複数の第1の信号接合パッドと、前記複数の第1の信号接合パッドから電気的に分離され、前記第2の行に配置されるとともに、前記複数の第1の信号接合パッドのそれぞれから前記第1の方向にオフセットされた複数の第2の信号接合パッドとを含み、
前記複数の補助接合パッドは、前記複数の第1の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間で前記第1の行内に配置された複数の第1の補助接合パッドと、前記複数の第2の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間で前記第2の行内に配置された複数の第2の補助接合パッドとを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記複数の第1の補助接合パッドは、前記第1の方向に略垂直な第2の方向において前記複数の第2の信号接合パッドとそれぞれ位置合わせされており、
前記複数の第2の補助接合パッドは、前記第2の方向において前記複数の第1の信号接合パッドとそれぞれ位置合わせされている、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記集積回路がさらに、
前記複数のピクセルと前記複数のウェハ接合パッドとを含む第1のウェハであって、前記複数のウェハ接合パッドが複数の第1のウェハ接合パッドである前記第1のウェハと、
前記第1のウェハに接合された第2のウェハであって、前記複数の第1のウェハ接合パッドと略位置合わせされて接合された複数の第2のウェハ接合パッドを含む前記第2のウェハと、を含む、請求項76~84のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記複数のウェハ接合パッドがハイブリッド接合パッドを含む、請求項76~85のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
集積回路を製造する方法であって、
第1の方向に互いに近接する複数のピクセルを形成すること、および
複数のウェハ接合パッドを形成することであって、前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔と異なるように、前記複数のウェハ接合パッドのうちの少なくともいくつかが前記複数のピクセルと導通して形成される、前記複数のウェハ接合パッドを形成すること、
を備える方法。
【請求項88】
前記複数のウェハ接合パッドは、前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の中心間間隔が前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の中心間間隔よりも大きくなるように形成される、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記複数のウェハ接合パッドは、前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の中心間間隔が前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の中心間間隔の少なくとも2倍となるように形成される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記複数のウェハ接合パッドは、前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の中心間間隔が前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の中心間間隔の少なくとも3倍となるように形成される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記複数のピクセルを含む第1の層を形成すること、
前記複数のウェハ接合パッドを含む第2の層を形成すること、および
前記第1の層と前記第2の層との間に配置される第3の層を形成すること、
を備え、前記第3の層を形成することは、前記複数のウェハ接合パッドを前記複数のピクセルに電気的に結合する複数の導電線を形成することであって、前記複数の導電線のうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記中心間間隔と異なるように前記複数の導電線を形成すること、を含む、請求項87~90のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記複数の導電線は、前記複数の導電線のうちの隣接するもの同士の間の中心間間隔が前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の中心間間隔に略等しくなるように形成される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記複数のウェハ接合パッドを形成することが、
前記複数のピクセルと導通する複数の信号接合パッドを形成すること、
前記複数のピクセルに対して実質的にフローティングである複数の補助接合パッドを形成すること、および
前記複数の補助接合パッドをそれぞれ、前記複数の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間に配置すること、
を含む、請求項87~92のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記複数のウェハ接合パッドを形成することが、第1の行および第2の行を有する接合パッドアレイ内に前記複数のウェハ接合パッドを配置することを含み、
前記複数の信号接合パッドを形成することが、前記第1の行に配置された複数の第1の信号接合パッドと、前記複数の第1の信号接合パッドから電気的に分離され、前記第2の行に配置されるとともに、前記複数の第1の信号接合パッドのそれぞれから前記第1の方向にオフセットされた複数の第2の信号接合パッドとを形成することを含み、
前記複数の補助接合パッドを形成することが、前記複数の第1の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間で前記第1の行に配置された複数の第1の補助接合パッドと、前記複数の第2の信号接合パッドのうちの隣接するもの同士の間で前記第2の行に配置された複数の第2の補助接合パッドとを形成することを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記複数の第1の補助接合パッドは、前記第1の方向に略垂直な第2の方向において前記複数の第2の信号接合パッドとそれぞれ位置合わせされるように形成され、
前記複数の第2の補助接合パッドは、前記第2の方向において前記複数の第1の信号接合パッドとそれぞれ位置合わせされるように形成される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記複数のピクセルと前記複数のウェハ接合パッドとを含む第1のウェハを形成することであって、前記複数のウェハ接合パッドが複数の第1のウェハ接合パッドである前記第1のウェハを形成すること、
複数の第2のウェハ接合パッドを含む第2のウェハを形成すること、および
前記複数の第2のウェハ接合パッドを前記複数の第1のウェハ接合パッドに略位置合わせして接合すること、
をさらに備える請求項87~95のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記複数のウェハ接合パッドを形成することがハイブリッド接合パッドを形成することを含む、請求項87~96のうちのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サンプル分析のために何万ものサンプルウェルに対してより同時に短光パルスを提供するとともにサンプルウェルからの蛍光信号を受け取ることによって、サンプルの超並列分析を行うことを可能にした集積装置および関連する機器に関する。機器はポイント・オブ・ケア遺伝子シークエンシングおよび個人化医療に有用とすることができる。
【背景技術】
【0002】
光検出器は、様々な用途において光を検出するために使用される。集積化光検出器は、入射光の強度を示す電気信号を生成するものとして開発されている。画像形成用途のための集積化光検出器は、ある領域を横切って受け取られる光の強度を検出するための画素のアレイを含む。集積化光検出器の例としては、電荷結合素子(CCD)および相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサが挙げられる。
【0003】
生体サンプルまたは化学的サンプルの超並列分析が可能である機器は、通常、研究室の環境に限定されている。これは、それらが大型で持ち運びができないこと、機器を操作するために熟練した技術者を必要とすること、動力の必要性、管理された動作環境の必要性、およびコストを含み得るいくつかの要因のためである。サンプルがそのような設備を使用して分析される場合、一般的なパラダイムは、臨床または現場においてサンプルを抽出し、サンプルを研究室に送り、分析結果を待つことである。結果の待ち時間は、数時間から数日に及ぶ可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示のいくつかの態様は、第1のピクセルおよび第2のピクセルを備える集積回路に関し、前記第1のピクセルは、ミラー構造で第2のピクセルに近接している。
本開示のいくつかの態様は、集積回路に関し、集積回路は、第1のサンプルを受容するための第1の反応チャンバと、レーザ光源による励起後に前記第1のサンプルからの第1の発光を受け取るための第1の光検出器とを含む第1のピクセルと、第2のサンプルを受容するための第2の反応チャンバと、前記レーザ光源による励起後に前記第2のサンプルからの第2の発光を受け取るための第2の光検出器とを含む第2のピクセルとを備え、前記第1のピクセルは、ミラー構造で第2のピクセルに近接している。
【0005】
本開示のいくつかの態様は、集積回路を製造する方法に関し、方法は、第1のピクセルを形成することと、第2のピクセルを形成することとを含み、前記第1のピクセルは、ミラー構造で第2のピクセルに近接している。
【0006】
本開示のいくつかの態様は、集積回路に関し、集積回路は、第1のドレインゲートを含む第1のピクセルと、第2のドレインゲートを含む第2のピクセルとを備え、前記第1のドレインゲートが前記第2のドレインゲートに近接するように前記第1のピクセルが第2のピクセルに近接している。
【0007】
本開示のいくつかの態様は、集積回路に関し、集積回路は、第1の電荷蓄積領域を含む第1のピクセルと、第2の電荷蓄積領域を含む第2のピクセルと、前記第1および第2の電荷蓄積領域と導通する導電性構造とを備え、前記第1の電荷蓄積領域が前記第2の電荷蓄積領域に近接するように前記第1のピクセルが前記第2のピクセルに近接している。
【0008】
本開示のいくつかの態様は、集積回路に関し、集積回路は、第1の伝送ゲートを含む第1のピクセルと、第2の伝送ゲートを含む第2のピクセルと、前記第1および第2の伝送ゲートと導通する導電性構造とを備え、前記第1の伝送ゲートが前記第2の伝送ゲートに近接するように前記第1のピクセルが前記第2のピクセルに近接している。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、方法に関し、方法は、第1のピクセルと第2のピクセルとを含む集積回路を使用してサンプルを分析することを備える。前記第1のピクセルは、ミラー構造で第2のピクセルに近接している。
【0010】
本開示のいくつかの態様は、方法に関し、方法は、第1のサンプルを第1のピクセルの第1の反応チャンバに適用することと、第2のサンプルを第2のピクセルの第2の反応チャンバに適用することと、を備える。前記第1のピクセルは、レーザ光源による励起後に前記第1のサンプルからの第1の発光を受け取るための第1の光検出器をさらに含み、前記第2のピクセルは、前記レーザ光源による励起後に前記第2のサンプルからの第2の発光を受け取るための第2の光検出器をさらに含む。前記第1のピクセルは、ミラー構造で前記第2のピクセルに近接している。
【0011】
本開示のいくつかの態様は、集積回路に関し、集積回路は、第1のピクセルと、第2のピクセルであって、前記第1のピクセルが行方向に沿って前記第2のピクセルに近接する前記第2のピクセルと、前記行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線とを備える。前記導電線は、前記第1のピクセルの第1の構成要素および前記第2のピクセルの第2の構成要素と導通している。
【0012】
本開示のいくつかの態様は、集積回路を製造する方法に関し、方法は、第1のピクセルおよび第2のピクセルを形成することであって、前記第1のピクセルが行方向に沿って前記第2のピクセルに近接していることと、前記行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線を形成することであって、前記導電線が前記第1のピクセルの第1の構成要素および前記第2のピクセルの第2の構成要素と導通していることとを含む。
【0013】
本開示のいくつかの態様は、集積回路に関し、集積回路は、行方向に沿った第1の行内の第1のピクセルおよび第2のピクセルと、前記行方向に沿った第2の行内の第3のピクセルおよび第4のピクセルと、前記行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線とを備え、前記導電線は、前記第1のピクセルの第1の構成要素、前記第2のピクセルの第2の構成要素、前記第3のピクセルの第3の構成要素、および前記第4のピクセルの第4の構成要素と導通している。
【0014】
本開示のいくつかの態様は、集積回路に関し、集積回路は、行方向に沿った第1の行内の第1のピクセルおよび第2のピクセルと、前記行方向に沿った第2の行内の第3のピクセルおよび第4のピクセルと、前記行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線とを備え、前記導電線は、前記第1のピクセルの第1の構成要素、前記第2のピクセルの第2の構成要素、前記第3のピクセルの第3の構成要素、および前記第4のピクセルの第4の構成要素と導通している。
【0015】
本開示のいくつかの態様は、集積回路を製造する方法に関し、方法は、第1のピクセル、第2のピクセル、第3のピクセル、および第4のピクセルを形成することを備える。前記第1のピクセルおよび前記第2のピクセルは行方向に沿って第1の行に形成され、前記第3のピクセルおよび前記第4のピクセルは前記行方向に沿って第2の行に形成される。方法は、前記行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線を形成することを備える。前記導電線は、前記第1のピクセルの第1の構成要素、前記第2のピクセルの第2の構成要素、前記第3のピクセルの第3の構成要素、および前記第4のピクセルの第4の構成要素と導通するように形成される。
【0016】
本開示のいくつかの態様は、方法に関し、方法は、行方向と交差する列方向に沿って延びる導電線に電気信号を印加することと、前記導電線を介して第1のピクセルの第1の構成要素と第2のピクセルの第2の構成要素とに前記電気信号の少なくとも一部を印加することとを備える。前記第1のピクセルは前記行方向に沿って前記第2のピクセルに近接している。
【0017】
本開示のいくつかの態様は、方法に関し、方法は、導電線に電気信号を印加することと、前記導電線を介して第1のピクセルの第1の構成要素と第2のピクセルの第2の構成要素と第3のピクセルの第3の構成要素と第4のピクセルの第4の構成要素とに前記電気信号の少なくとも一部を印加することとを備える。前記第1のピクセルおよび前記第2のピクセルは行方向に沿って第1の行内に位置し、前記第3のピクセルおよび前記第4のピクセルは前記行方向に沿って第2の行内に位置している。
【0018】
本開示のいくつかの態様は、集積回路に関し、集積回路は、第1の方向に互いに近接する複数のピクセルと、複数のウェハ接合パッドとを備え、前記複数のウェハ接合パッドのうちの少なくともいくつかは前記複数のピクセルと導通している。前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔は、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔と異なる。
【0019】
本開示のいくつかの態様は、方法に関し、方法は、集積回路の複数のウェハ接合パッドのうちの少なくともいくつかを介して、第1の方向に互いに近接する前記集積回路の複数のピクセルに信号の少なくとも一部を導通させることを備える。前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔は、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔と異なる。
【0020】
本開示のいくつかの態様は、集積回路を製造する方法に関し、方法は、第1の方向に互いに近接する複数のピクセルを形成することと、複数のウェハ接合パッドを形成することとを備え、前記複数のウェハ接合パッドのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔が、前記複数のピクセルのうちの隣接するもの同士の間の前記第1の方向における中心間間隔と異なるように、前記複数のウェハ接合パッドのうちの少なくともいくつかが前記複数のピクセルと導通して形成される。
【0021】
上記概要は限定を意図しない。また、種々の実施形態は、本開示の任意の態様を単独でまたは組み合わせて含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1-1】図1-1は、いくつかの実施形態による集積装置の概略図である。
図1-2】図1-2は、いくつかの実施形態による集積装置のピクセルの概略図である。
図1-3】図1-3は、いくつかの実施形態による図1-1の集積装置に含まれ得る例示的なピクセルの回路図である。
図1-4】図1-4は、いくつかの実施形態による図1-3のピクセルにおける電荷移動を示す図である。
図1-5A】図1-5Aは、いくつかの実施形態による図1-1の集積装置に含まれ得る複数の電荷蓄積領域を有する例示的なピクセルの平面図である。
図1-5B】図1-5Bは、いくつかの実施形態による図1-5Aのピクセルの回路図である。
図1-6】図1-6は、いくつかの実施形態による図1-5Aおよび図1-5Bのピクセルにおける電荷移動を示す図である。
図2-1】図2-1は、いくつかの実施形態による電位勾配誘導マスクを備える例示的なピクセルの上面図である。
図2-2】図2-2は、いくつかの実施形態による交互の行において反対の配向を有する例示的なピクセルのアレイの一部の上面図である。
図3-1】図3-1は、いくつかの実施形態による1つまたは複数のドレイン層を有する収集領域を備える例示的なピクセルの側面図である。
図4-1】図4-1は、いくつかの実施形態によるミラー構造における例示的なピクセルの行の一部の上面図である。
図4-2】図4-2は、いくつかの実施形態による電位勾配誘導マスクを各々備えるミラー構造における例示的なピクセルの行の一部のCAD図である。
図4-3】図4-3は、いくつかの実施形態によるミラー構造における図1-5Aおよび図1-5Bの例示的なピクセルの行の一部の平面図である。
図4-4】図4-4は、いくつかの実施形態による図4-3の第1のピクセル対の回路図である。
図4-5】図4-5は、いくつかの実施形態による図4-3の第2のピクセル対の回路図である。
図4-6】図4-6は、いくつかの実施形態によるミラー構造における複数の蓄積領域を有する例示的なピクセルの行の一部の上面図である。
図4-7】図4-7は、いくつかの実施形態によるミラー構造における例示的なピクセルの行の一部の概略上面図である。
図5-1】図5-1は、いくつかの実施形態によるピクセルの行を示す代替的な例示的集積装置の概略断面図である。
図5-2】図5-2は、いくつかの実施形態による図5-1の集積装置の例示的なピクセルの断面図である。
図5-3】図5-3は、いくつかの実施形態による図5-1の集積装置に含まれ得る代替的な例示的ピクセルの断面図である。
図5-4】図5-4は、いくつかの実施形態による図5-1の集積装置に含まれ得る不連続な帯電および/またはバイアス(C/B)領域を含む例示的なピクセルのレイアウトスケッチである。
図5-5】図5-5は、いくつかの実施形態によるミラー構造における図5-4の複数のピクセルのレイアウトスケッチである。
図5-6】図5-6は、いくつかの実施形態による図5-1の集積装置に含まれ得る複数の電荷蓄積領域を有する例示的なピクセルのレイアウトスケッチである。
図5-7A】図5-7Aは、いくつかの実施形態による図5-1の集積装置に含まれ得るミラー構造における複数の電荷蓄積領域を有する複数のピクセルのレイアウトスケッチである。
図5-7B】図5-7Bは、いくつかの実施形態による図5-7Aの複数のピクセルの部分の上方における金属シールドの配置を示すレイアウトスケッチである。
図5-8】図5-8は、いくつかの実施形態による集積装置のピクセルの部分の上方に配置された金属シールドを有する例示的な集積装置の一部分の上面図である。
図6-1】6-1は、いくつかの実施形態による導電線が重ね合わされた例示的なピクセルアレイ(仮想線で示される)の上面図である。
図6-2】6-2は、いくつかの実施形態による行方向に沿って近接ピクセルと導通する導電線が重ね合わされた例示的なピクセルアレイ(仮想線で示す)の上面図である。
図6-3】6-3は、いくつかの実施形態による例示的なピクセルアレイの上方または下方に位置する図6-2の導電線と他の導電線とを示す三次元(3D)図である。
図6-4】6-4は、いくつかの実施形態による図6-3に示された導電線の第1の層の上面図である。
図6-5】6-5は、いくつかの実施形態による図6-3に示された導電線の第2の層の上面図である。
図6-6】6-6は、いくつかの実施形態による図6-5の導電線の平面図である。
図6-7】6-7は、いくつかの実施形態による例示的なピクセルアレイの一部の上方または下方に配置された図6-2の導電線の概略上面図である。
図6-8】図6-8は、いくつかの実施形態によるミラー構造かつ導電線と導通している例示的なピクセルアレイの一部の概略上面図である。
図7-1】図7-1は、いくつかの実施形態による行方向に沿って近接ピクセルと導通する導電線を有する例示的な集積装置の断面の側面図である。
図7-2】図7-2は、いくつかの実施形態による図7-1の集積装置の第1のルーティング層の上面図である。
図7-3】図7-3は、いくつかの実施形態による図7-1の集積装置の第1のルーティング層および接合層の3D図である。
図7-4】図7-4は、いくつかの実施形態による図7-1の集積装置の第2のルーティング層の上面図である。
図7-5】図7-5は、いくつかの実施形態による第2のルーティング層をさらに示す図7-1の集積装置の3D図である。
図7-6】図7-6は、いくつかの実施形態による行方向に沿って近接ピクセルと導通する導電線を有する代替的な例示的集積装置のルーティング層およびピクセル層の上面図である。
図7-7】図7-7は、いくつかの実施形態による図7-6の集積装置の光検出ウェハの上面図である。
図7-8】図7-8は、いくつかの実施形態による図7-6の集積装置の論理ウェハの上面図である。
図7-9】図7-9は、いくつかの実施形態による行方向に沿って近接ピクセルと導通する導電線を有するさらなる代替集積装置のルーティング層および接合層の上面図である。
図7-10】図7-10は、いくつかの実施形態による図7-9の集積装置の論理ウェハの上面図である。
図7-11】図7-11は、いくつかの実施形態による図7-10に示された論理ウェハの部分底面図である。
図7-12】図7-12は、いくつかの実施形態による図7-11に示された論理ウェハの一部の拡大図である。
図8-1】図8-1は、いくつかの実施形態による集積装置および機器のブロック図である。
図8-2】図8-2は、いくつかの実施形態によるエドマン分解によるラベリングされたポリペプチドをシークエンシングする方法を示すフロー図である。
図8-3】図8-3は、いくつかの実施形態による、離散結合事象により信号出力の信号パルスを生じさせるシークエンシングの方法を示すフローと信号出力を示すグラフとを含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照して実施形態を説明する場合に、方向(「上方」、「下方」、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」など)の言及がなされ得る。そのような参照は、単に通常の向きで図面を視る読者の助けとすることが意図されている。これらの方向の参照は、具現化された装置の特徴の好ましいまたは唯一の向きを説明することを意図するものではない。装置は、他の向きを使用して具現化され得る。
【0024】
[I.序論]
本開示の態様は、単一分子の同定、核酸シークエンシング、およびタンパク質シークエンシングを含む、サンプルを並行して分析可能な集積装置、機器、および関連システムに関する。そのような機器は小型であり、持ち運びが容易であり、操作が容易なものとすることができ、医師または他の提供者が機器を容易に使用すること、およびケアが必要とされ得る所望の場所まで機器を輸送することを可能にする。サンプルの分析は、サンプルを1つまたは複数の蛍光マーカでラベリングすることを含み得る。これは、サンプルを検出するため、および/またはサンプルの単一分子を同定する(例えば、核酸シークエンシングの一部としての個々のヌクレオチド同定する)ために使用され得る。蛍光マーカは、励起光(例えば、蛍光マーカを励起状態に励起し得る特性波長を有する光)で蛍光マーカを照射することに応答して励起され得る。蛍光マーカが励起されると、蛍光マーカは、放出光(例えば、励起状態から基底状態に戻ることによって蛍光マーカによって放出される特性波長を有する光)を放出する。放出光の検出は、発光、蛍光マーカ、したがって、蛍光マーカによって標識されたサンプルまたはサンプルの分子の同定を可能にし得る。いくつかの実施形態によれば、機器は、大規模並列サンプル分析が可能であってもよく、数万個以上のサンプルを同時に取り扱うように構成され得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、集積装置は、サンプルを受容するように構成されたサンプルウェルと、集積装置上に形成された集積光学系とを有し、この集積装置と、集積装置とインターフェース接続するように構成された機器とを使用して、この数のサンプルの分析が達成され得る。機器は、1つまたは複数の励起光源を含み得る。集積装置は、集積装置上に形成された集積光学構成要素(例えば、導波管、光カプラ、光スプリッタ)を使用してサンプルウェルに励起光が送達されるように機器と連動し得る。
【0026】
集積装置は、サンプルウェルからの蛍光発光を検出するための光検出領域(例えば、フォトダイオード)を有するピクセルを含み得る。いくつかの実施形態において、集積装置は、蛍光放出光子を受け取り、電荷キャリアをピクセルの1つまたは複数の電荷蓄積領域に伝送し得る。例えば、ピクセルの光検出領域は、光軸に沿って蛍光発光を受け取るように集積装置上に配置され得る。また、光検出領域は、電荷蓄積領域が蛍光発光に基づいて光検出領域で生成された電荷キャリアを収集し得るように、電気軸に沿って1つまたは複数の電荷蓄積領域(例えば、蓄積ダイオード)に結合され得る。いくつかの実施形態において、収集期間中に、電荷蓄積領域は光検出領域から電荷キャリアを受け取り得るとともに、別個の読み出し期間中に、電荷蓄積領域は蓄積された電荷キャリアを処理のために読み出し回路に提供し得る。いくつかの実施形態において、ドレイン期間中に、集積装置のドレイン領域は、廃棄のために光検出領域からノイズ電荷キャリア(例えば、入射励起光子に応答して生成された励起電荷キャリア)を受け取り得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、集積回路は、ピクセルの行および/またはピクセルの2次元アレイを含み得る。複数のピクセルを使用するとき、ピクセルは、典型的には、ピクセルアレイの行および/または列にわたって類似または同一のピクセル(および関連するピクセル構成要素)の配列を有する。結果として、ピクセル構成要素は、概して、隣接ピクセルのピクセル構成要素から同じ距離(例えば、隣接ピクセルの構成要素に対して行および/または列方向に沿って同じ距離)に配置される。このような構成では、行に沿った各ピクセルの構成要素を制御するために、別個の導電性制御線が使用される場合が多い。本発明者らは、別個の導電性制御線を使用する場合には、制御線を個別のピクセルに接続するための十分な空間を提供するために細い制御線をしばしば使用する必要があることを発見し、これを認識した。本発明者らは、そのような細い制御線を使用すると、制御線の抵抗が増加し得ることを認識した。本発明者らはさらに、各ピクセルに対して別個の制御線を使用する場合には、各制御線間に小さい空間のみを可能にし、これは、隣接する制御線間に大きな静電容量を形成し得る(例えば、制御線は、個々のピクセルレベルよりも遠くに離間され得ないため)ことを認識した。
【0028】
上記の問題を解決するために、本発明者らは、ピクセル行内および/またはピクセルアレイ内のピクセルをミラーリングする技術を開発した。特に、本発明者らは、ピクセルアレイの行または列に沿って並んで形成されるピクセルの類似または同一のコピーを有するのではなく、隣接ピクセルの構造の一部または全部がミラー構造であることが望ましい場合があることを認識した。例えば、隣接ピクセルは、その隣接ピクセル同士の間の境界に対して(例えば、行方向に沿ったピクセルの隣接する辺に基づいて)180度で反転され得る。結果として、一対のミラーピクセルについて、第1のピクセルの少なくとも1つの構成要素は、第2のピクセルの少なくとも1つの構成要素に近接する。近接する構成要素は、電荷蓄積領域、阻止領域、伝送ゲート、伝送領域、ドレインゲート、ドレイン領域、光指向性構造またはバリア、および/または同様のものなど、本明細書に記載される任意のピクセル構成要素であり得る。ミラーピクセル構造を使用することにより、集積回路の物理的特性、電気的特性、および/または他の態様が改善され得る。例えば、隣接ピクセル間で同じ信号を共有するように構成された隣接ミラーピクセルの構成要素は非ミラー構造よりも近くに配置され得るので、それぞれの導電線が各ピクセル専用であることを必要とすることなく、その隣接ミラーピクセル間で導電線が共有され得る。したがって、このような構成は、導電線の抵抗を改善し、および/または隣接する線間の静電容量を低減し得る。制御線のこのような電気的側面を改善することは、概して、非ミラーピクセル配列と比較して、ピクセル動作の速度および精度(例えば、シャッター効率)を改善するなど、集積回路の動作を改善し得る。
【0029】
また、本発明者らは、導電線構造(例えば、電圧信号および/または電流信号などの電気信号を搬送するために使用される)に対する改良を開発した。これは、ミラーピクセル構造および/または非ミラーピクセル構造とともに使用され得る。いくつかの実施形態において、第1のピクセルは、行方向に沿って第2のピクセルに近接して配置され得る。行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線は、第1のピクセルの第1の構成要素および第2のピクセルの第2の構成要素と導通し得る。本発明者らは、近接する(例えば、隣接する)ピクセルの構成要素と導通している導電線は、異なる信号を搬送する隣接する導電線間の間隔を大きくすることを可能とし、その結果、隣接する導電線間の静電容量を低くするとともに、抵抗を低くするために導電線を幅広にできることを認識した。
【0030】
いくつかの実施形態において、列方向に延在する第1の導電線は、第1の隣接ピクセル対の構成要素と導通し得る。列方向に延在する第2の導電線は、第1の導電線から電気的に分離され、第2の隣接ピクセル対の構成要素と導通し得る。例えば、第1および第2の導電線は、異なる信号をピクセルに搬送し得る。いくつかの実施形態において、複数の第1の導電線は、第1のピクセル対と導通し得る。複数の第2の導電線は、複数の第1の導電線から電気的に分離され、第2のピクセル対と導通し得る。複数の第1の導電線はそれぞれ、複数の第2の導電線のうちの隣接するもの同士の間に配置される。例えば、第1の導電線および第2の導電線は、ピクセル対と導通し得るので、第1の導電線および第2の導電線は、互いに大きく離間させることができ、それにより、線を幅広にして、隣接する線間の静電容量を低くすることができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第3の導電線は、1つまたは複数の第1の導電線と導通し得る。1つまたは複数の第1の導電線は、1つまたは複数の第3の導電線とピクセルとの間に配置される。同様に、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第4の導電線は、1つまたは複数の第3の導電線から電気的に分離され、1つまたは複数の第2の導電線と導通し得る。1つまたは複数の第2の導電線は、1つまたは複数の第4の導電線とピクセルとの間に配置される。例えば、第3および第4の導電線(1つまたは複数)は、第1および/または第2の導電線(1つまたは複数)とは異なる1つまたは複数の層上に形成され得る。いくつかの実施形態において、第3および第4の導電線(1つまたは複数)は、列方向および/または行方向に互いに離間することで、第3および第4の導電線の間に低静電容量をもたらし得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、第3および第4の導電線(1つまたは複数)は、ピクセルの異なる行の下方または上方に位置し得る。例えば、1つまたは複数の第3の導電線は第1の行の下方または上方に位置し、1つまたは複数の第4の導電線は第2の行の下方または上方に位置し得る。この例では、1つまたは複数の第1の導電線は、1つまたは複数の第3の導電線からの信号を第2の行に分配するように構成され、1つまたは複数の第2の導電線は、1つまたは複数の第4の導電線からの信号を第1の行に分配するように構成され得る。これにより、第3および第4の導電線が列方向に互いに離間することで、第3および第4の導電線の間に低静電容量をもたらし得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第3の導電線は、行方向に延在してピクセルの第1の行の上方または下方に位置し、1つまたは複数の第4の導電線は、行方向に延在してピクセルの第2の行の上方または下方に位置し得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、第3および第4の導電線(1つまたは複数)は、行方向に互いに離間することで、第3および第4の導電線の間に低静電容量をもたらし得る。例えば、1つまたは複数の第3の導電線は、列方向に延在するとともに1つまたは複数の第1の導電線の上方または下方に少なくとも部分的に位置し、1つまたは複数の第4の導電線は、列方向に延在するとともに1つまたは複数の第2の導電線の上方または下方に少なくとも部分的に位置し得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第5の導電線は、1つまたは複数の第3の導電線の上方または下方に配置され得る。1つまたは複数の第3の導電線は、1つまたは複数の第5の導電線とピクセルとの間に配置される。1つまたは複数の第5の導電線は、行方向に延在するとともにピクセルの第1の行の上方または下方に位置し得る。同様に、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第6の導電線は、1つまたは複数の第4の導電線の上方または下方に配置され得る。1つまたは複数の第4の導電線は、1つまたは複数の第6の導電線とピクセルとの間に配置される。1つまたは複数の第6の導電線は、1つまたは複数の第5の導電線から列方向に離間し得るとともに、行方向に延在してピクセルの第2の行の上方または下方に位置し得る。
【0034】
なお、本明細書に記載される集積装置は、本明細書に記載される任意のまたはすべての技術を単独でまたは組み合わせて組み込むことができる。
[II.集積装置の概要]
いくつかの実施形態によるピクセル1-112の行を示す集積装置1-102の概略断面図が図1-1に示されている。集積装置1-102は、結合領域1-201、ルーティング領域1-202、およびピクセル領域1-203を含み得る。結合領域1-201は、励起光源から入射励起光を受光するように構成され得る。ルーティング領域1-202は、結合領域1-201からピクセル領域1-203に励起光を送達するように構成され得る。ピクセル領域1-203は、結合領域1-201から離れた位置で表面上に配置された複数のサンプルウェル1-108を含み得る。例えば、結合領域1-201は、1つまたは複数の格子カプラ1-216を含み得る。ルーティング領域1-202は、1つまたは複数のサンプルウェル1-108の下で1つまたは複数の格子カプラ1-216からの光を伝搬するように構成された1つまたは複数の導波路1-220を含み得る。例えば、1つまたは複数の導波路1-220からの励起光のエバネッセント結合により1つまたは複数のサンプルウェル1-108内のサンプルを励起して蛍光を放射し得る。
【0035】
図1-1に示されるように、導波路1-220から結合された入射励起光を反射するために、1つまたは複数の少なくとも部分的に不透明な(例えば、金属)層1-106が表面上に配置され得る。サンプルウェル1-108は、サンプルウェル1-108内にサンプルを配置可能とするために層1-106を含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の金属層1-106が放射光を反射するように作用し得るため、サンプルウェル1-108からの放射光の指向性は、1つまたは複数の金属層1-106に対するサンプルウェル1-108内のサンプルの位置決めに依存し得る。このようにして、1つまたは複数の金属層1-106とサンプルウェル1-108内に配置されたサンプル上の蛍光マーカとの間の距離は、蛍光マーカによって放出された光を検出するための、サンプルウェルと同じピクセル内にある1つまたは複数の光検出器1-110の効率に影響を及ぼし得る。1つまたは複数の金属層1-106と、サンプルが動作中に位置付けられ得る場所に近接するサンプルウェル1-108の底面との間の距離は、100nm~500nmの範囲、またはその範囲内の任意の値もしくは値の範囲内であってよい。いくつかの実施形態において、金属層1-106とサンプルウェル1-108の底面との間の距離は、約300nmである。
【0036】
図1-1に示されるように、ピクセル領域1-203は、ピクセル1-112の1つまたは複数の行を含み得る。点線の長方形によって示される1つのピクセル1-112は、サンプルウェル1-108と、サンプルウェル1-108に関連付けられた1つまたは複数の光検出器1-110(例えば、光検出領域を含む)とを含む集積装置1-102の領域である。いくつかの実施形態において、各光検出器1-110は、光検出領域と、サンプルウェル1-108からの入射光に応答して光検出領域内で生成された電荷キャリアを受け取るように構成された1つまたは複数の電荷蓄積領域とを含み得る。導波管1-220から結合された励起光がサンプルウェル1-108内に位置するサンプルを照射すると、サンプルは励起状態に達し、放出光を放出し得る。この放出光は、サンプルウェル1-108に関連付けられた1つまたは複数の光検出器1-110によって検出され得る。図1-1は、サンプルウェル1-108からピクセル1-112の1つまたは複数の光検出器1-110への放射光の光軸(実線で示される)を概略的に示している。ピクセル1-112の1つまたは複数の光検出器1-110は、サンプルウェル1-108からの放出光を検出するように構成および配置され得る。個々のピクセル1-112について、サンプルウェル1-108およびそのそれぞれの光検出器1-110は、共通の光軸に沿って整列され得る。このように、1つまたは複数の光検出器1-110は、ピクセル1-112内でサンプルウェル1-108と重なり合い得る。
【0037】
また、図1-1に示されるように、集積装置1-102は、サンプルウェル1-108と光検出器1-110との間に配置された1つまたは複数のフォトニック構造1-230および/または金属層1-240を含み得る。例えば、フォトニック構造1-230は、サンプルウェル1-108から光検出器1-110に到達する放出光の量を増加させるように構成され得る。代替的にまたは追加的に、フォトニック構造1-230は、放射光を検出する際の信号ノイズに寄与し得る励起光が光検出器1-110に到達することを低減または防止するように構成され得る。図1-1に示されるように、フォトニック構造1-230は、導波路1-220と光検出器1-110との間に配置され得る。種々の実施形態によれば、フォトニック構造1-230は、スペクトルフィルタ、偏光フィルタ、および空間フィルタを含む1つまたは複数の光除去フォトニック構造を含み得る。いくつかの実施形態において、フォトニック構造1-230は、共通軸に沿って個々のサンプルウェル1-108およびそれらのそれぞれの光検出器1-110と整列するように配置され得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、金属層1-240は、集積装置1-102の部分へおよび/または部分から制御信号をルーティングするように構成され得る。例えば、制御信号は、集積装置1-102の1つまたは複数の導電性パッド(図示せず)内のおよび/またはそれに結合された制御回路から受信され、金属層1-240を介してピクセル1-112にルーティングされ得る。いくつかの実施形態において、金属層1-240は、空間フィルタおよび/または偏光フィルタとしても機能し得る。そのような実施形態では、1つまたは複数の金属層1-240は、励起光の一部または全部が1つまたは複数の光検出器1-110に到達することを阻止するように配置され得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、サンプルと1つまたは複数の光検出器との間の距離も、放出光を検出する際の効率に影響を及ぼし得る。光がサンプルと1つまたは複数の光検出器1-110との間を移動しなければならない距離を減少させることによって、放出光の検出効率が改善され得る。加えて、サンプルと1つまたは複数の光検出器1-110との間のより小さい距離は、集積装置のより小さい面積フットプリントを占有するピクセルを可能にし得る。これにより、より多くのピクセルが集積装置に含まれることを可能にし得る。サンプルウェル1-108の底面と1つまたは複数の光検出器1-110との間の距離dは、いくつかの実施形態において、5μm~15μmの範囲、またはその範囲内の任意の値もしくは値の範囲であり得るが、本発明はそのような範囲に限定されない。なお、いくつかの実施形態において、放射光は、励起光源およびサンプルウェル以外の他の手段を通して提供されてもよい。したがって、いくつかの実施形態は、サンプルウェル1-108を含まなくてもよい。
【0040】
分析されるサンプルは、ピクセル1-112のサンプルウェル1-108に導入され得る。サンプルは、生物学的サンプルまたは任意の他の適切なサンプル(例えば、化学的サンプル)であってよい。サンプルは複数の分子を含んでもよく、サンプルウェルは単一の分子を単離するように構成され得る。いくつかの場合において、サンプルウェル1-108の寸法は、サンプルウェル1-108内に単一分子を閉じ込めるように作用することで測定が単一分子に対して実行されることを可能にする。励起光は、サンプルウェル1-108内の照明領域内にある間に、サンプルまたはサンプルに付着されるか、もしくは別の態様でサンプルと関連付けられる少なくとも1つの蛍光マーカを励起するように、サンプルウェル1-108の中に送達され得る。
【0041】
動作中、サンプルウェル1-108内のサンプルの並行分析は、励起光を使用してウェル内のサンプルの一部または全部を励起し、サンプル放出からの信号を光検出器1-110で検出することによって実行される。サンプルからの放出光は、対応する光検出器1-110によって検出され、少なくとも1つの電気信号に変換され得る。電気信号は、集積装置1-102の導電線(例えば、金属層1-240)に沿って送信され得る。導電線は、集積装置1-102とインターフェース接続された機器および/または制御回路に接続され得る。電気信号は、その後、機器および/または制御回路によって処理および/または分析され得る。
【0042】
図1-2は、集積装置1-102のピクセル1-112の断面図を示す。ピクセル1-112は、ピン止めフォトダイオード(pinned photodiode)(PPD)であり得る光検出領域と、蓄積ダイオード(SD0)であり得る電荷蓄積領域と、フローティングディフュージョン(FD)領域であり得る読み出し領域と、ドレイン領域Dと、伝送ゲートREJ,ST0,TX0とを含む。いくつかの実施形態において、光検出領域PPD、電荷蓄積領域SD0、読み出し領域FD、および/またはドレイン領域Dは、集積装置1-102の1つまたは複数の基板層の一部をドーピングすることによって、集積装置1-102内に形成され得る。例えば、集積装置1-102は、低濃度pドープ基板を有してもよく、光検出領域PPD、電荷蓄積領域SD0、読み出し領域FD、および/またはドレイン領域Dは、基板のnドープ領域であってよい。この例では、pドープ領域はホウ素を用いてドープされ、nドープ領域はリンを用いてドープされ得るが、他のドーパントおよび構成も可能である。いくつかの実施形態において、ピクセル1-112は、7.5ミクロン×5ミクロン以下などのような10ミクロン×10ミクロン以下の面積を有し得る。なお、本明細書で説明する実施形態はこれらに限定されず、いくつかの実施形態において、基板は、低濃度nドープされ、光検出領域PPD、電荷蓄積領域SD0、読み出し領域FD、および/またはドレイン領域Dは、pドープされ得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、光検出領域PPDは、入射光に応答して電荷キャリアを生成するように構成され得る。例えば、ピクセル1-112の動作中に、励起光は、サンプルからの蛍光放出を含む入射光子を光軸OPTに沿って光検出領域PPDに流れさせるようにサンプルウェル1-108を照射され得る。光検出領域PPDは、サンプルウェル1-108からの入射光子に応答して蛍光放出電荷キャリアを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態において、集積装置1-102は、電荷キャリアをドレイン領域Dまたは電荷蓄積領域SD0に伝送するように構成され得る。例えば、励起光のパルスに続くドレイン期間中、光検出領域PPDに到達する入射光子は、主に、ドレイン領域Dに伝送されて排出される励起光子であり得る。この例では、ドレイン期間に続く収集期間中に、蛍光放出光子が光検出領域PPDに到達し、収集のために電荷蓄積領域SD0に伝送される。いくつかの実施形態において、ドレイン期間および収集期間は、各励起パルスに続いてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、電荷蓄積領域SD0は、入射光に応答して光検出領域PPDにおいて生成された電荷キャリアを受け取るように構成され得る。例えば、電荷蓄積領域SD0は、サンプルウェル1-108からの蛍光放出光子に応答して光検出領域PPDにおいて生成された電荷キャリアを受け取り、蓄積するように構成され得る。いくつかの実施形態において、電荷蓄積領域SD0は、各々励起パルスによって先行される複数の収集期間に亘って、光検出領域PPDから受け取った電荷キャリアを蓄積するように構成され得る。いくつかの実施形態において、電荷蓄積領域SD0は、電荷伝送チャネルによって光検出領域PPDに電気的に結合され得る。いくつかの実施形態において、電荷伝送チャネルは、光検出領域PPDと電荷蓄積領域SD0との間のピクセル1-112の領域を、光検出領域PPDおよび電荷蓄積領域SD0と同じ導電型でドーピングすることによって、少なくとも閾値電圧が電荷伝送チャネルに印加されたときには電荷伝送チャネルが導電性を有し、閾値電圧未満の(またはいくつかの実施形態では閾値電圧よりも大きい)電圧が電荷伝送チャネルに印加されたときには電荷伝送チャネルが非導電性を有するように形成され得る。いくつかの実施形態において、閾値電圧は、電荷伝送チャネルが電荷キャリアを枯渇させる上(または下)の電圧であってよく、その結果、光検出領域PPDからの電荷キャリアは、電荷伝送チャネルを介して電荷蓄積領域SD0まで進むことができる。例えば、閾値電圧は、電荷伝送チャネルの材料、寸法、および/またはドーピング構成に基づいて決定され得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、伝送ゲートST0は、光検出領域PPDから電荷蓄積領域SD0への電荷キャリアの伝送を制御するように構成され得る。例えば、伝送ゲートST0は、制御信号を受信し、それに応答して、光検出領域PPDを電荷蓄積領域SD0に電気的に結合する電荷伝送チャネルの導電率を決定するように構成され得る。例えば、制御信号の第1部分が伝送ゲートST0で受信される場合、伝送ゲートST0は、電荷伝送チャネルをバイアスして電荷伝送チャネルを非導電性にすることで、電荷キャリアが電荷蓄積領域SD0に到達するのを阻止するように構成され得る。あるいは、制御信号の第2部分が伝送ゲートST0で受信される場合、伝送ゲートST0は、電荷伝送チャネルをバイアスして電荷伝送チャネルを導電性にすることで、電荷キャリアが光検出領域PPDから電荷伝送チャネルを介して電荷蓄積領域SD0に流れるように構成され得る。いくつかの実施形態において、伝送ゲートST0は、ポリシリコンなどの導電性かつ少なくとも部分的に不透明な材料で形成され得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、伝送ゲートTX0は、光検出領域PPDおよび電荷蓄積領域SD0に関連して伝送ゲートST0について説明した方法で、電荷蓄積領域SD0から読み出し領域FDへの電荷キャリアの伝送を制御するように構成され得る。例えば、光検出領域PPDから電荷蓄積領域SD0に電荷キャリアが伝送される複数の収集期間の後、電荷蓄積領域SD0に蓄積された電荷キャリアが読み出し領域FDに伝送され、集積装置1-102の他の部分に読み出して処理され得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、伝送ゲートREJは、光検出領域PPDおよび電荷蓄積領域SD0に関連して伝送ゲートST0について説明した方法で、光検出領域PPDからドレイン領域Dへの電荷キャリアの伝送を制御するように構成された排出ゲートであり得る。例えば、励起光源からの励起光子は、サンプルウェル1-108からの蛍光放出光子が光検出領域PPDに到達する前に光検出領域PPDに到達し得る。いくつかの実施形態において、集積回路1-102は、伝送ゲートREJを制御して、励起光子に応答して光検出領域PPDにおいて生成された電荷キャリアを励起光パルスに続くとともに蛍光放出電荷キャリアの受信に先行するドレイン期間中にドレイン領域Dに伝送するように構成され得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、ピクセル1-112は、集積回路1-102の制御回路、および/または集積回路1-102を含むシステムの制御回路に電気的に結合され、伝送ゲートREJ,ST0,TX0において制御回路からの制御信号を受信するように構成され得る。例えば、金属層1-240の金属線は、集積回路1-102のピクセル1-112に制御信号を搬送するように構成され得る。いくつかの実施形態において、制御信号を搬送する単一の金属線は、ピクセル1-112のアレイ、サブアレイ、行、および/または列などの複数のピクセル1-112に電気的に結合され得る。例えば、アレイ内の各ピクセル1-112は、同じ金属線および/またはネットから制御信号を受信して、ピクセル1-112の行が同時に光検出領域PPDから電荷キャリアを排出および/または収集するように構成され得る。代替的にまたは追加的に、アレイ内のピクセル1-112の各行は、複数の行が一度に一行ずつ電荷キャリアを読み出すように、読み出し期間中に異なる制御信号(例えば、行選択信号)を受信するように構成され得る。
【0049】
図1-3は、いくつかの実施形態による集積回路1-102に含まれ得る例示的なピクセル1-312の回路図である。いくつかの実施形態において、ピクセル1-312は、ピクセル1-112について説明した方法で構成され得る。例えば、図1-3に示されるように、ピクセル1-312は、光検出領域PPD、電荷蓄積領域SD0、読み出し領域FD、ドレイン領域D、および伝送ゲートREJ,ST0,TX0を含む。図1-3において、伝送ゲートREJは、光検出領域PPDをドレイン領域Dに結合するトランジスタのゲートであり、伝送ゲートST0は、光検出領域PPDを電荷蓄積領域SD0に結合するトランジスタのゲートであり、伝送ゲートTX0は、電荷蓄積領域SD0を読み出し領域FDに結合するトランジスタのゲートである。また、ピクセル1-312は、リセット(RST)伝送ゲートおよび行選択(RS)伝送ゲートを含む。いくつかの実施形態において、伝送ゲートRSTは、リセット制御信号に応答して、読み出し領域FDおよび/または電荷蓄積領域SD0内の電荷キャリアをクリアするように構成され得る。例えば、伝送ゲートRSTは、電荷キャリアを読み出し領域FDおよび/または電荷蓄積領域SD0から伝送ゲートTX0および読み出し領域FDを介して直流(DC)供給電圧VDDPに流すように構成され得る。いくつかの実施形態において、伝送ゲートRSは、行選択制御信号に応答して、処理のために読み出し領域FDからビット線COLに電荷キャリアを伝送するように構成され得る。
【0050】
なお、図1-3に示すトランジスタは電界効果トランジスタ(FET)であるが、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)のような他のタイプのトランジスタも使用され得る。
図1-4は、いくつかの実施形態によるピクセル1-312における例示的な電荷伝送を示す図である。いくつかの実施形態において、ピクセル1-312の動作は、1つまたは複数の収集シーケンスを含み得る。第1の収集期間1-1、第1の読み出し期間1-2、第2の収集期間1-3、および第2の読み出し期間1-4を含む例示的な収集シーケンスが図1-3に示されている。いくつかの実施形態において、収集シーケンスの各収集期間の前には、本明細書でさらに説明するようにドレイン期間を置くことができる。いくつかの実施形態において、ピクセル1-312の動作は、図1-3に示された収集シーケンスの1つまたは複数の反復を含み得る。いくつかの実施形態において、収集シーケンスは、サンプルウェル1-108内のサンプルの励起と協調され得る。例えば、励起光源およびピクセル1-312の動作を制御するように単一の制御回路が構成され得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、第1の収集期間1-1は、光検出領域PPDで複数の第1の蛍光放出光子を受け取ることを含み得る。例えば、第1の収集期間1-1は、蛍光放出光子を光検出領域PPDに向けて放出するように構成されたサンプルウェル1-108を照射する励起光のパルスに応答して生じ得る。図1-4に示すように、光検出領域PPDは、入射した蛍光放出光子に応答して電荷キャリアQ1を生成し、第1の収集期間1-1の間に電荷キャリアQ1を電荷蓄積領域SD0に伝送するように構成され得る。いくつかの実施形態において、励起光子は、励起パルスの直後であって第1の収集期間1-1の前のドレイン期間中に光検出領域PPDに到達し、その間、励起光子に応答して光検出領域PPD内に生成された電荷キャリアがドレイン領域Dに伝送され得る。いくつかの実施形態において、収集期間1-1は、複数のそれぞれの励起パルスに応答して複数回繰り返されてもよく、電荷キャリアQ1は、収集期間1-1の経過にわたって電荷蓄積領域SD0に蓄積され得る。いくつかのそのような実施形態では、各収集期間1-1の前にドレイン期間を設けてもよい。いくつかの実施形態において、収集期間1-1および/または各収集期間1-1に先行するドレイン期間は、集積装置1-102のアレイ、サブアレイ、行、および/または列の各ピクセルに対して同時に生じ得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、第1の読み出し期間1-2は、電荷キャリアQ1が電荷蓄積領域SD0に蓄積される1つまたは複数の収集期間1-1の後に発生し得る。図1-4に示すように、第1の読み出し期間1-2において、電荷蓄積領域SD0に蓄積された電荷キャリアQ1は読み出し領域FDに伝送され、処理のために読み出され得る。いくつかの実施形態において、読み出し期間1-2は、相関二重サンプリング(CDS)技術を用いて実行され得る。例えば、最初に読み出し領域FDの第1の電圧が読み出され、その後、読み出し領域FDのリセットによって(例えば、リセット信号を伝送ゲートRSTに印加することによって)電荷蓄積領域SD0から読み出し領域FDへ電荷キャリアQ1が伝送され、電荷キャリアQ1の伝送後に、次いで読み出し領域FDの第2の電圧が読み出され得る。この例では、第1の電圧と第2の電圧との差は、電荷蓄積領域SD0から読み出し領域FDに伝送される電荷キャリアQ1の量を示し得る。いくつかの実施形態において、第1の読み出し期間1-2は、アレイの各行、列、および/またはピクセルに対して異なる時間に生じ得る。例えば、一度に1つの行または列のピクセルを読み出すことによって、単一の処理ラインが、同時に読み出すために各ピクセルに処理ラインを割り当てるのではなく、連続して各行または列の読み出しを処理するように構成され得る。他の実施形態では、処理ラインがアレイの各ピクセルに対して設けられ得るので、アレイの各ピクセルは同時に読出するように構成され得る。様々な実施形態によれば、ピクセルから読み出された電荷キャリアは、サンプルウェル1-108内のサンプルの蛍光強度、寿命、スペクトル、および/または他のそのような蛍光情報を示し得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、第2の収集期間1-3は、収集期間1-1について説明した方法で生じ得る。例えば、第1の読み出し期間1-2の後、1つまたは複数の第2の収集期間1-2が、各収集期間1-3に先行するドレイン期間などの、1つまたは複数のそれぞれの励起パルスに続いて生じ得る。図1-4に示すように、1つまたは複数の第2の収集期間1-3中には、光検出領域PPDに発生した電荷キャリアQ2が電荷蓄積領域SD0に伝送され得る。いくつかの実施形態において、各励起パルスと対応する収集期間1-3との間の遅延は、各励起パルスと対応する収集期間1-1との間の遅延とは異なり得る。例えば、異なる収集期間中の励起パルスに続く異なる期間中に電荷キャリアを収集することによって、収集期間1-1,1-3から読み出された電荷キャリアはサンプルウェル1-108内のサンプルの蛍光寿命情報を示し得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第2の収集期間の後に、1つまたは複数の第2の読み出し期間が続き、第2の読み出し期間中に、1つまたは複数の第2の収集期間の過程で電荷蓄積領域SD0に蓄積された電荷キャリアが、1つまたは複数の第1の読み出し期間1-2について本明細書に記載される方法で読み出され得る。
【0054】
図1-5Aは、いくつかの実施形態による、集積装置1-102に含まれ得るピクセル1-512の平面図である。いくつかの実施形態において、ピクセル1-512は、ピクセル1-112,1-312について本明細書で説明される方法で構成され得る。例えば、図1-5Aにおいて、ピクセル1-512は、光検出領域PPD、電荷蓄積領域SD0、読み出し領域FD、伝送ゲートST0,TX0,RST,RSを含む。さらに、図1-5Aにおいて、ピクセル1-512は、第2の電荷蓄積領域SD1と、伝送ゲートST1,TX1とを含み、これらはそれぞれ、電荷蓄積領域SD0および伝送ゲートST0,TX0について本明細書で説明される方法で構成され得る。例えば、電荷蓄積領域SD0,SD1は、光検出領域PPDで生成された電荷キャリアを受光し、読み出し領域FDに伝送されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、電荷蓄積領域SD0,SD1は、励起パルスに対して異なる時間に光検出領域PPDからの電荷キャリアを受け取るように構成され得る。いくつかの実施形態においては、別個の読み出し領域FDが各電荷蓄積領域に結合され得る。図1-5Bは、いくつかの実施形態によるピクセル1-512の回路図である。
【0055】
図1-6は、いくつかの実施形態によるピクセル1-512における例示的な電荷伝送を示す図である。いくつかの実施形態において、ピクセル1-512の動作は、第1の収集期間1-1´、第2の収集期間1-2´、第1の読み出し期間1-3´、および第2の読み出し期間1-4´を含む図1-6に示された収集シーケンスの1つまたは複数の反復を含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第1の収集期間1-1´は、1つまたは複数のそれぞれの励起パルスに応答しておよび/または各収集期間1-1´に先行するドレイン期間を有するように、第1の収集期間1-1との関連を含めて本明細書で説明される方法で実施され得る。図1-6に示すように、電荷キャリアQ1´は、光検出領域PPDで生成され、電荷蓄積領域SD0に伝送され得る。いくつかの実施形態において、第1の収集期間1-1´の後に1つまたは複数の第2の収集期間1-2´が発生し、その第2の収集期間1-2´中に電荷キャリアQ2´が光検出領域PPDで生成され、電荷蓄積領域SD1に伝送され得る。例えば、電荷キャリアQ2´は、第1の収集期間1-1´において、電荷キャリアQ1´とは異なる時間に、それぞれの励起パルスに対して電荷蓄積領域SD1に伝送され得る。いくつかの実施形態において、第1の収集期間1-1´および第2の収集期間1-2´は、同一の1つまたは複数の励起パルスに応答して生じ得る。例えば、共通の励起パルスによって、蛍光放出光子が励起パルスの後の期間にわたって光検出領域PPDに到達し、この期間は、電荷キャリアQ1´が電荷蓄積領域SD0に伝送される第1の収集期間1-1´と、電荷キャリアQ2´が電荷蓄積領域SD1に伝送される第2の収集期間1-2´とに分割され得る。なお、種々の実施形態によれば、電荷キャリアQ1´と電荷キャリアQ2´は、電荷蓄積領域SD0,SD1のいずれかに、任意の順序で伝送され得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1の読み出し期間1-3´は、図1-4との関連を含めて第1の読み出し期間1-2について本明細書で説明される方法で実行され得る。例えば、図1-6に示すように、第1読み出し期間1-3´中に、電荷キャリアQ1´は、領域FDを読み出すために電荷蓄積領域SD0から伝送され得る。いくつかの実施形態では、第1の読み出し期間1-3´の後に第2の読み出し期間1-4´が生じ、電荷蓄積領域SD1から読み出し領域FDに電荷キャリアQ2´が伝送され得る。なお、種々の実施形態によれば、電荷キャリアQ1´と電荷キャリアQ2´は任意の順序で読み出され得る。
【0058】
なお、ピクセル1-512は、1つの電荷蓄積領域に電荷キャリアを蓄積し、その電荷蓄積領域から電荷キャリアを読み出し、次いで他の電荷蓄積領域でこの処理を繰り返すことを含むといったような、図1-4との関連を含めて本明細書で説明される方法で動作するように代替的に構成され得る。また、種々の実施形態によれば、本明細書で説明するピクセルは任意の数の電荷蓄積領域を含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、本明細書で説明されるピクセルのいくつかの構成要素は、集積回路の1つまたは複数の基板層上に配置および/または形成され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の基板層は、代替的にまたは追加的に、他の1つまたは複数の基板層の上方および/または下方に配置された1つまたは複数の補助層(例えば、エピタキシャル層)を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書で説明されるピクセルのいくつかの構成要素は、基板および/または1つまたは複数の補助層の少なくとも一部をエッチング除去することによって形成され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で説明される伝送ゲートおよび/またはドレインゲートは、少なくとも部分的に不透明であり得るポリシリコンなどの半導体材料を使用して形成され得る。
【0060】
[A.電位勾配誘導マスクを組み込んだ技術]
図2-1は、いくつかの実施形態による電位勾配誘導マスクを備えた例示的なピクセル2-112の概略図である。ピクセル2-112は、図1-1~図1-5Aに関連してピクセル1-112について説明した方法で構成され得る。図2-1に示されるように、ピクセル2-112は、光検出領域PDと、少なくとも1つの電荷蓄積領域SD0とを含む。光検出領域PDの少なくとも一部の上方または下方に配置されたマスクが示されており、このマスクは、光検出領域PDから、光検出領域PDを電荷蓄積領域SD0に電気的に結合する電荷伝送領域(例えば、伝送ゲートST0の上方または下方)への電位勾配を生成するように構成された開口部を有する。また、ピクセル2-112は、ドレイン領域Dとともに示されており、ドレイン領域Dおよび電荷蓄積領域SD0は光検出領域PDから同じ方向に離間している。なお、ピクセル2-112の実施形態は、2つの電荷蓄積領域などのように2つ以上の電荷蓄積領域を含んでもよく、いくつかの実施形態はドレイン領域Dを含んでいなくてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、ピクセル2-112は、集積回路の一部として含まれ得る。例えば、種々の実施形態によれば、集積回路は、ピクセル2-112、ピクセル2-112の行、および/またはピクセル2-112の2次元アレイのうちの1つを含み得る。いくつかの実施形態において、ピクセル2-112は、7.5ミクロン×5ミクロン以下などのように10ミクロン×10ミクロン以下の面積を有し得る。いくつかの実施形態において、電荷蓄積領域SD0は、ピクセル2-112の1つまたは複数の基板層および/または補助層上に配置および/または形成され得る。例えば、1つまたは複数の基板層は低濃度p型ドープされ得る。電荷蓄積領域SD0は、1つまたは複数の基板層をn型ドープすることによって形成され得る。一例として、電荷蓄積領域SD0はリンを用いて形成され得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、ピクセル2-112は、光源から入射光子を受け取るように配置され得る。いくつかの実施形態において、ピクセル2-112の光検出領域PDは、光軸に沿って入射光子を受光するように構成され得る。例えば、図2-1に示されるように、第1の光軸は、マスクが配置された光検出領域PDの表面に対して垂直に延在し得る。光検出領域PDは、入射光子に応答して電荷キャリア(例えば、光電子)を生成するように構成され得る。光検出領域PDはさらに、電荷キャリアを電気軸に沿って電荷蓄積領域SD0に伝送するように構成され得る。例えば、電気軸は、電荷蓄積領域SD0が光検出領域PDから離間する方向に延びるなど、光軸に対して垂直であってもよい。光検出領域PDはさらに、電荷キャリアをドレイン領域Dに伝送するように構成され得る。一例では、光検出領域PDは、電荷伝送チャネルおよびドレインチャネルの導電状態を決定するドレインゲートREJおよび伝送ゲートST0における制御バイアス電圧に従って、電荷キャリアをドレイン領域Dまたは電荷蓄積領域SD0に伝送し得る(例えば、光検出領域PDをドレインゲートREJの上方または下方に位置するドレイン領域Dに電気的に結合する)。例えば、ドレインゲートREJにおける電圧がドレインチャネルをバイアスして、ドレインチャネルの静電障壁を低減させるとき、電荷キャリアがドレインチャネルを介してドレイン領域Dに伝搬し得る。同時に、伝送ゲートST0における電圧が電荷伝送チャネルをバイアスして、電荷伝送チャネルの静電障壁を増大させることで、電荷キャリアが光検出領域PDから電荷蓄積領域SD0に伝搬することが阻止され得る。例えば、光検出領域PDからドレイン領域Dへの電荷キャリアの排出は、励起光子から生成された電荷キャリアを廃棄するように構成(例えば、時間調整)され得る。これにより、蛍光発光電荷キャリアに対する励起電荷キャリアからの干渉が低減される。
【0063】
同様に、上記した例では、伝送ゲートST0における電圧が電荷伝送チャネルをバイアスして、電荷伝送チャネルの静電障壁を低減させるとき、電荷キャリアが光検出領域PDから電荷蓄積領域SD0に伝搬し得る。同時に、ドレインゲートにおける電圧がドレインチャネルをバイアスして、ドレインチャネルの静電障壁を増大させることで、電荷キャリアが光検出領域PDからドレイン領域Dに伝搬することが阻止され得る。例えば、電荷蓄積領域SD0への電荷キャリアの伝送は、電荷蓄積領域SD0における蛍光発光電荷キャリアの蓄積を容易にするように構成され得る(例えば、タイミング制御され得る)。いくつかの実施形態において、ピクセル2-112内の電荷キャリアを排出および/または収集する構成(例えば、タイミング)は、図1-1~図1-5Aに関連して説明したように行われ得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、ピクセルは、高い制御電圧がピクセルの電荷伝送チャネルおよび/またはドレインチャネルの導電率を増加させるように構成され得る。例えば、1つまたは複数のチャネルは、低濃度pドープされた基板内および/または基板上においてn型ドープされ得る。いくつかの実施形態では、ピクセルは、低い制御電圧が電荷伝送チャネルおよび/またはドレインチャネルの導電率を増加させるように構成され得る。例えば、1つまたは複数のチャネルは、低nドープされた基板内および/または基板上においてp型ドープされ得る。いくつかの実施形態は、p型チャネルとn型チャネルの両方を含み得る。
【0065】
マスクは、薄く、少なくとも部分的に不透明で、少なくとも部分的に絶縁性の材料を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、マスクは、光軸に沿って1ミクロン未満、例えば0.6ミクロンの厚さを有する。マスク開口部は、光検出領域PD内に電位勾配を誘起するように構成され得る。この電位勾配は、電気軸に沿った光検出領域PDからドレイン領域Dおよび/または電荷蓄積領域SD0への電荷キャリア輸送の速度を増加させ得る。例えば、マスク開口部は、入射光子に応答して光検出領域PDにおいて生成された電荷キャリアが電界によって電荷蓄積領域SD0および/またはドレイン領域Dに向かってバイアスされるように、光検出領域PDにおいて電界を生成するように成形および/または構成され得る。いくつかの実施形態において、マスク開口部は、第1の端部および第2の端部を有し得る。第1の端部は、第2の端部よりも広い。例えば、第1の端部は、電気軸に平行な(例えば、光検出領域PDから電荷蓄積領域SD0への)方向において第2の端部から離間して示されている。開口部は、電気軸および光軸の両方に垂直な方向において、第2の端部よりも第1の端部において広く示されている。一例では、開口部は、第2の端部よりも第1の端部において少なくとも75%広くてもよい。別の例では、開口部は、第2の端部よりも第1の端部において少なくとも90%広くてもよい。例えば、図2-1の例示的な例では、マスク開口部は、実質的に三角形の形状を有し、底辺が第1の端部に配置され、底辺に対応する頂点が第2の端部に配置されている。いくつかの実施形態において、ピクセル2-112の少なくとも一部は、光検出領域の一部の上方および/または下方にマスクを堆積し、マスクの少なくとも一部を除去してマスク開口部を形成することによって製造され得る。その結果、開口部は、光検出領域の第1の端部において第2の端部よりも広くなる。
【0066】
図2-2は、いくつかの実施形態による集積回路のピクセルのアレイ内に配置され得る例示的なピクセル2-212a,2-212bの上面図である。いくつかの実施形態において、ピクセル2-212a,2-212bは、ピクセル1-112について説明した方法で構成され得る。図2-2に示されるように、ピクセル2-212aの電荷蓄積領域および/またはドレイン領域は、ピクセル2-212aの光検出領域PDから一方向に離間し、ピクセル2-212bの電荷蓄積領域および/またはドレイン領域は、ピクセル2-212bの光検出領域PDから反対方向に離間している。また、各ピクセルのマスク開口部の第1の(例えば、より広い)端部は、それぞれのピクセルの電荷蓄積領域および/またはドレイン領域に面し、その結果、各マスク開口部の第1の端部は反対方向を向く。結果として、それらピクセルにおいて生成される電位勾配は、反対方向に配向され得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、ピクセル2-212aはアレイの第1の行内に配置され、ピクセル2-212bは第1の行に隣接する第2の行内に配置され得る。一例では、第1の行のピクセルはすべて、ピクセル2-212aの電荷蓄積領域および/またはドレイン領域の配向を有し得るとともに、第2の行のピクセルはすべて、ピクセル2-212bの電荷蓄積領域および/またはドレイン領域の配向を有し得る。同様に、上記した例では、第1の行のピクセルはすべて、ピクセル2-212aのマスク開口部の配向を有し得るとともに、第2の行のピクセルはすべて、ピクセル2-212bのマスク開口部の配向を有し得る。本発明者らは、ピクセルの交互の行において反対のピクセル配向を有することにより、寄生伝送/ドレインゲート容量の影響を低減し、これにより、ピクセルの動作中のより速い動作(例えば、低減された伝搬遅延)を促進し得ることを認識した。
【0068】
図3-1は、いくつかの実施形態による1つまたは複数のドレイン層を備えた収集領域を有する例示的なピクセル3-112の側面図である。いくつかの実施形態において、ピクセル3-112は、図1-1~図1-5Aに関連してピクセル1-112について説明した方法で構成され得る。図3-1に示されるように、ピクセル3-112は、光検出領域PDと、光検出領域PDにおいて生成された電荷キャリアを収集するように構成されたドレイン層とを含む。例えば、図2-1Aに示されるドレイン層は、収集層および保護層を含む。一実施形態において、収集層は、光検出領域PDと同じ半導体ドーピングタイプを有し得る。例えば、光検出領域PDおよび収集層は、ピクセル3-112の1つまたは複数の低濃度pドープされた基板層上に形成および/または配置されたn型ドープ領域を含み得る。収集層と光検出領域PDとの間に配置されて示されている保護層は、逆の半導体ドーピングタイプを有し得る。例えば、保護層はn型ドープされ得る。一例として、光検出領域PDおよび収集層は、リンを用いて1つまたは複数の基板層の領域をドーピングすることによって形成され、保護層は、ホウ素を用いて1つまたは複数の基板層の1つまたは複数の領域をドーピングすることによって形成され得る。
【0069】
[B.1つまたは複数のドレイン層を組み込んだ技術]
図3-1は、いくつかの実施形態による1つまたは複数のドレイン層を有する例示的なピクセル3-112の側面図である。いくつかの実施形態において、ピクセル3-112は、ピクセル1-112および/または本明細書で説明される任意の他のピクセルについて本明細書で説明される方法で構成され得る。図3-1に示されるように、ピクセル3-112は、光検出領域PPDと、光検出領域PPDを介して入射光子および/または電荷キャリアを受け取るように構成されたドレイン層3-120とを含む。図3-1に示されるように、ドレイン層3-120は、方向OPTにおいて、入射光子を受光するように構成された光検出領域PPDの後に配置されている。例えば、入射光子および/または入射光子から生成された電荷キャリアは、光検出領域PPDを介して(および/または光検出領域PPDを通る以外の経路に沿って)ドレイン層3-120に流れ得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、ドレイン層3-120は、受け取った電荷キャリアおよび/または受け取った入射光子に応答してドレイン層3-120内で生成された電荷キャリアを廃棄するように構成され得る。例えば、ドレイン層3-120は、図3-1に示されており、保護層3-122および収集層3-124を含む。いくつかの実施形態において、収集層3-124は、受け取った電荷キャリアおよび/または入射光子に応答して生成された電荷キャリアを廃棄するように構成され得る。例えば、収集層3-124は、DC電源電圧(例えば、電子を廃棄するための高電圧または正孔を廃棄するための低電圧)に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、収集層3-124は、光検出領域PPDと同じ半導体ドーピングタイプを有するドープ半導体領域であってよい。例えば、光検出領域PPDおよび収集層3-124は、ピクセル3-112の1つまたは複数の低濃度pドープされた基板層から形成されたおよび/またはその基板層上に配置されたn型ドープ領域を含み得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、ドレイン層3-120は、少なくともいくつかの電荷キャリアが光検出領域PPDから離れるのを阻止するように構成され得る。例えば、保護層3-122は、少なくともいくつかの電荷キャリアが光検出領域PPDを介して収集層3-124に到達するのを阻止するように構成され得る。図3-1に示されるように、保護層3-122は、方向OPTにおいて光検出領域PPDと収集層3-124との間に配置され得る。いくつかの実施形態において、保護層3-122は、光検出領域PPDと収集層3-124との間に電位障壁を形成するように構成され得る。例えば、保護層3-122は、光検出領域PPDおよび/または収集層3-124とは逆の半導体ドーピングタイプを有し得る。例えば、上記した例では、保護層はp型ドープされ得る。電荷キャリアが光検出領域PPDから離れるのを阻止することによって、電荷キャリアがドレイン領域Dまたは電荷蓄積領域にルーティングされ得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、ドレイン層3-120は、蛍光放出光子が光検出領域PPDから出るのを阻止し、励起光子が光検出領域PPDから出て収集層3-124に到達するのを可能にするように構成され得る。例えば、蛍光放出光子は、典型的には、励起光子よりも低いエネルギーを有し、保護層3-122を通過して収集層3-124に到達するよりもむしろ光検出領域PPDに留まる可能性が高い。この例では、励起光子は蛍光放出光子よりも保護層3-122を通過して収集層3-124に到達する可能性が高い。さらに、収集層3-124に到達する蛍光電荷キャリアは、除去されない場合、望ましくない経路を介して電荷蓄積領域に到達し、収集された電荷にノイズを加え得る。例えば、蛍光電荷キャリアは、そうでなければ電荷蓄積領域に到達するには遅すぎて正確に測定することができないほど十分に高いエネルギーを有し得る。したがって、ドレイン層3-124は、電荷蓄積領域に到達するノイズ電荷キャリアの数を減少させ、それによってピクセルの除去率を増加させるように構成され得る。
【0073】
なお、いくつかの実施形態において、保護層3-122は、ピクセル3-112のpチャネル実施形態におけるように、光検出領域PPDおよび/または収集層3-124よりも高い静電電位を有し得る。
【0074】
また、図3-1には、ピクセル3-112が保護層3-122と電荷蓄積領域SD0との間に配置されたバリアBPWを有することが示されている。例えば、いくつかの実施形態において、バリアBPWは、電荷蓄積領域SD0に到達する(例えば、1つまたは複数のバルク基板層内を移動する)少なくともいくつかのノイズ電荷キャリアを遮断するように構成され得る。例えば、励起パルスの後に、電荷蓄積領域SD0と保護層3-122との間のピクセル3-112のバルク半導体領域は、バリアBPWがない場合に電荷蓄積領域SD0に到達することでその電荷蓄積領域SD0内における収集された電荷キャリアにノイズを加え得る多数のノイズ電荷キャリアを受け取り得る。いくつかの実施形態において、バリアBPWは、ホウ素注入などによるp型ドーピングを使用して形成され得る。また、図3-1に示されるように、ピクセル3-112は、ピクセル3-212の各水平端上に示される深いP注入分離(DPI)障壁などの1つまたは複数の追加バリアを含むことで、電荷キャリアが隣接ピクセル間を移動することを阻止するように構成され得る。結果として、斜めの角度でピクセル3-112に入射する光子が同様に排出されるとともに、電荷蓄積領域SD0に到達することが防止され得る。
【0075】
[III.ピクセルレイアウトをミラーリングするための技術]
いくつかの実施形態において、ピクセルアレイは、ピクセルアレイの行および/または列にわたって類似のまたは同一のピクセルの配列を含み得る。例えば、各ピクセルは、隣接ピクセルと同じ配向を有し、隣接ピクセルと同様の位置に配置された個々のピクセル構成要素を有し得る。本発明者らは、いくつかの実施形態において、そのような配置が集積回路において非効率性を引き起こす可能性があることを発見し認識した。例えば、そのような配置では、ピクセル間の共通構成要素は、一般に、隣接ピクセルの構成要素から同じ距離(例えば、隣接ピクセルの構成要素に対して行方向および/または列方向に沿って同じ距離)に配置される。その結果、各ピクセルの構成要素を制御するために別個の導電性制御線が必要になり得る。これは、例えば、制御線を個々のピクセルに接続するために細い制御線を必要とし得ることで、制御線の抵抗に影響を与える。これにより、追加的にまたは代替的に、制御線を個々のピクセルレベルよりも遠くに離間させることができないので、隣接する制御線間に静電容量を形成し得るものとなる。
【0076】
本発明者らは、ピクセルアレイ配置に対する技術的進歩を図った。いくつかの実施形態において、集積回路は、ミラー構造で配置されたピクセルを含み得る。ミラー構造は、行および/または列の方向であり得る。例えば、ピクセルアレイのピクセル行に沿って並んで形成されるピクセルの類似または同一のコピーを有する代わりに、本発明者らは、隣接ピクセルの構造の一部または全部がミラー構造であることが望ましいことを認識した。例えば、隣接ピクセルは、その隣接ピクセル同士の間の境界に対して(例えば、行方向に沿ったピクセルの隣接する辺に基づいて)180度で反転され得る。別の例として、ピクセルアレイの列に沿って互いに上下に形成されるピクセルの類似または同一のコピーを有する代わりに、本発明者らは、ピクセルアレイの列内の隣接ピクセルの構造の一部または全部がミラー構造であることが望ましいことを認識した。さらなる例として、ピクセルは、(例えば、クワッドシェアピクセルを形成するために)行方向と列方向の両方において隣接ピクセルにミラーリングされ得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、第1のピクセルは、(a)第1のピクセルの少なくとも1つの構成要素が、第2のピクセルの少なくとも1つの構成要素に近接する、(b)第1のピクセルの少なくとも1つの構成要素が、第2のピクセルの少なくとも1つの構成要素に対向する、またはその両方であるように、ミラー構造で(例えば、行および/または列方向に沿って)第2のピクセルに近接する。いくつかの実施形態において、第1および第2のピクセルの近接および/または対向する構成要素は、同じ種類の構成要素である。例えば、構成要素は、電荷蓄積領域、阻止領域、伝送ゲート、伝送領域、ドレインゲート、ドレイン領域、光指向性構造、および/またはバリアなど、本明細書に記載の任意のピクセル構成要素であってよい。
【0078】
本発明者らは、ミラーピクセル構造を使用することによって、いくつかの実施形態において、集積回路の物理的特性、電気的特性、および/または他の態様が、ミラーリングされていない構造と比較して改善され得ることを発見および認識した。例えば、隣接するミラーピクセルの構成要素は、非ミラー構造よりも近くに配置され得るので、導電線は、各ピクセルに専用である必要はなく、複数のピクセルにわたって(例えば、ピクセル行内の複数のピクセルにわたって)共有し得る。このような構成は、隣接する線の間に低抵抗および/または低静電容量を有する導電線を提供し得る。別の例として、ミラーピクセル配置は、導電線の異なる物理的構成(例えば、本明細書で説明される複数の層を備えた導電線構造など)を可能にすることができ、これにより、導電線における低抵抗および/または隣接する線間の低静電容量をもたらし得る。低抵抗および/または低静電容量は、ピクセルの動作中にほとんどまたは全くスキューをもたらさず、それによって、高いシャッター効率を提供する。
【0079】
例示的な実施例では、第2のピクセルに隣接する第1のピクセル(例えば、ピクセル行または列内の隣接ピクセル)は、ミラー構造であり得る。第1のピクセルおよび第2のピクセルは各々、第1の側および第2の側を有する。例えば、第1のピクセルおよび第2のピクセルは各々、左側および右側を有し得る(例えば、左および右はピクセルの行方向に基づいて特定される)。したがって、各ピクセルは、他のピクセルに近接する側と、他のピクセルとは反対側とを有する。例えば、第1のピクセルは、第1のピクセルの右側が第2のピクセルの左側に近接するように、第2のピクセルの左に配置され得る。いくつかの実施形態において、第1および第2のピクセルの近接側は、それぞれ第1および第2の構成要素を含み得る。例えば、第1のピクセルの第1の構成要素は第1のピクセルの右側に配置され、第2のピクセルの第2の構成要素は第2のピクセルの左側に配置され得る。いくつかの実施形態において、第1および第2の構成要素は、第1および第2のピクセルの対向側に配置され得る。この例を続けると、第1のピクセルの第1の構成要素は第1のピクセルの左側に配置され、第2のピクセルの第2の構成要素は第2のピクセルの右側に配置され得る。
【0080】
別の例として、第1のピクセルおよび第2のピクセルは各々、上側および下側を有し得る(例えば、上および下はピクセルの列方向に基づいて特定される)。したがって、各ピクセルは、他のピクセルに近接する側と、他のピクセルとは反対側とを有する。例えば、第1のピクセルは、第1のピクセルの下側が第2のピクセルの上側に近接するように、第2のピクセルの上に配置され得る。いくつかの実施形態において、第1および第2のピクセルの近接側は、それぞれ第1および第2の構成要素を含み得る。例えば、第1のピクセルの第1の構成要素は第1のピクセルの下側に配置され、第2のピクセルの第2の構成要素は第2のピクセルの上側に配置され得る。いくつかの実施形態において、第1および第2の構成要素は、第1および第2のピクセルの対向側に配置され得る。この例を続けると、第1のピクセルの第1の構成要素は第1のピクセルの上側に配置され、第2のピクセルの第2の構成要素は第2のピクセルの下側に配置され得る。
【0081】
図4-1は、いくつかの実施形態による、ミラー構造4-102,4-104におけるピクセル4-112,4-114,4-116の例示的な行の一部の上面図である。図4-1の例では、ピクセル4-112~4-116は各々、光検出領域PD、マスク、少なくとも1つの電荷蓄積領域SD0、および読み出し領域FDを含む図2-1のピクセル2-112に関連して説明したものと同様の構成要素を含む。マスクは、光検出領域PDから、光検出領域PDと電荷蓄積領域SD0とを電気的に結合する(例えば、伝送ゲートST0の上方または下方の)電荷伝送領域への電位勾配を生じさせる開口部を有する。また、ピクセル4-112~4-112は(例えば、ドレインゲートREJの上方または下方の)ドレインチャネル領域によってPDに電気的に結合されるドレイン領域Dとともに示されている。ピクセル4-112~4-116はさらに、読み出し領域FDを伝送ゲートRSによって制御される伝送チャネルに結合するソースフォロワ(SF)伝送ゲートを含む。
【0082】
図4-1に示されるように、隣接するピクセル同士は、ミラー構造で互いに近接している。例えば、隣接ピクセル4-112,4-114はミラー構造4-102で互いに近接し、隣接ピクセル4-114,4-116はミラー構造4-104で互いに近接している。各ピクセル4-112~4-116は、第1の側および第2の側を有する。すなわち、ピクセル4-112は第1の側4-112Aおよび第2の側4-112Bを有し、ピクセル4-114は第1の側4-114Aおよび第2の側4-114Bを有し、ピクセル4-116は第1の側4-116Aおよび第2の側4-116Bを有する。ミラーピクセル構造4-102において、ピクセル4-112の第2の側4-112Bは、ピクセル4-114の第1の側4-114Aに近接している。ミラーピクセル構造4-104において、ピクセル4-114の第2の側4-114Bは、ピクセル4-116の第1の側4-116Aに近接している。
【0083】
各ミラーピクセル構造4-102,4-104において、いくつかのピクセル構成要素は近接側に位置し、いくつかのピクセル構成要素は反対側に位置している。ミラーピクセル構造4-102において、側4-112Bの構成要素は側4-114Aの構成要素に近接しており、側4-112Aの構成要素は側4-114Bの構成要素の対向側にある。ミラーピクセル構造4-104において、側4-114Bの構成要素は側4-116Aの構成要素に近接しており、側4-114Aの構成要素は側4-116Bの構成要素の対向側にある。特に、ミラーピクセル構造4-102において、ピクセル4-112,4-114のドレインゲートREJ(およびドレインゲートの上方または下方のドレインチャネル領域)、ドレイン領域D、RS伝送ゲート、およびSF伝送ゲートは互いに近接する一方、伝送ゲートST0(および伝送ゲートの上方または下方の電荷伝送領域)、電荷蓄積領域SD0、および読み出し領域FDは互いに対向側にある。ミラーピクセル構造4-104において、ピクセル4-114,4-116のドレインゲートREJ、ドレインチャネル領域、ドレイン領域D、RS伝送ゲート、およびSF伝送ゲートは互いに対向側にあり、伝送ゲート(収集)、電荷伝送領域、電荷蓄積領域SD0、および読み出し領域FDは互いに近接している。
【0084】
いくつかの実施形態においては、単一のゲートが複数のピクセルにわたって広がり得る。例えば、隣接するピクセル同士のドレインゲートは、単一のドレインゲートが2つの隣接するピクセルに跨がるように、共有される物理材料片(例えば、ポリシリコン材料)に接続され得る。別の例として、隣接するピクセル同士の排出ゲートは、単一の排出ゲートが2つの隣接するピクセルに跨がるように、共有される物理材料片に接続され得る。さらなる例として、隣接するピクセル同士の電荷蓄積伝送ゲート(例えば、ST0)は、単一の電荷蓄積伝送ゲートが2つの隣接するピクセルに跨がるように、共有される物理材料片に接続され得る。いくつかの実施形態において、2つの隣接するピクセルの電荷蓄積領域は(例えば、ドーピングプロファイルおよび/またはSTI設計によって)電気的に絶縁され得るが、同じゲートポリシリコン領域を共有する。いくつかの実施形態において、隣接するピクセル同士の複数のゲートは、同じ隣接ピクセル対にわたって跨がり得る(例えば、排出ゲートおよび電荷蓄積伝送ゲートの両方が、2つの隣接ピクセルにわたって跨がり得る)。有利には、隣接するピクセルに跨がる1つまたは複数のゲートを使用することにより、単一の電気接点を使用して2つのピクセルのゲートを接続することができ、これにより、別々のゲートを使用して同じ信号を各ピクセルに提供する場合と比較して、静電容量を低減することができる。
【0085】
ピクセル4-112~4-116の一部の構成要素は、ピクセルの両側に跨がる部分を有している。例えば、ピクセル4-112の光検出領域PD、マスクおよびマスク開口部は、側4-112Aおよび側4-112Bの両方に配置された部分を有している。このような構成要素は、両側の間のピクセルの中心に対するピクセル対においてミラーリングされる。例えば、側4-112B上の光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部の部分は、側4-114A上の光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部の部分に近接している。同様に、側4-112Aにおける光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部の部分は、側4-114Bにおける光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部の部分と対向側に位置している。
【0086】
いくつかの実施形態において、ピクセル4-112~4-116は、集積回路の一部として含まれ得る。例えば、種々の実施形態によれば、集積回路は、ピクセルの行(他のピクセルのうちのピクセル4-112~4-116を含む)、および/または多数の行および列にわたって延在するピクセルの2次元アレイを含み得る。
【0087】
図4-2は、いくつかの実施形態による電位勾配誘導マスクを各々備えるミラー構造4-202,4-204,4-206におけるピクセル4-212,4-214,4-216,4-218の例示的な行の一部のCAD図である。いくつかの実施形態において、ピクセル4-212~4-218は、図2-2に関連してピクセル2-212aおよび/またはピクセル2-212bについて説明した方法で構成され得る。図4-2に示されるように、ピクセル4-212~4-218は、各ピクセルの上部にマスクが位置するように、垂直に同じ方向に配向されている。また、バリアDPIも示されており、このバリアDPIは、電荷キャリアが同じ行の隣接するピクセル間を流れるのを阻止するように構成され得る。
【0088】
図4-2に示されるように、隣接するピクセルは、ミラー構造で互いに近接している。例えば、隣接ピクセル4-212,4-214はミラー構造4-202で互いに近接しており、隣接ピクセル4-214,4-216はミラー構造4-204で互いに近接しており、隣接ピクセル4-216,4-218はミラー構造4-206で互いに近接している。図4-2に示されていない行内の他のピクセルについても同様である。いくつかの実施形態において、ピクセル4-212~218の構成要素は、図4-1に関連して説明したようにミラー構造で互いに対向/隣接され得る。
【0089】
図4-3は、いくつかの実施形態による、ミラー構造4-302,4-304,4-306における図1-5Aおよび図1-5Bのピクセル2-512の例示的な行の一部の平面図である。図4-3は、各ピクセル4-312,4-314,4-316,4-318の光検出領域PPDに対する蓄積領域SD0,SD1の配置を示す。隣接ピクセル4-312,4-314はミラー構造4-302で互いに近接しており、隣接ピクセル4-314,4-316はミラー構造4-304で互いに近接しており、隣接ピクセル4-316,4-318はミラー構造4-306で互いに近接している。図4-3に示されていない行内の他のピクセルについても同様である。
【0090】
各ピクセル4-312~4-318は、第1の側および第2の側を有する。すなわち、ピクセル4-312は第1の側4-312Aおよび第2の側4-312Bを有し、ピクセル4-314は第1の側4-314Aおよび第2の側4-314Bを有し、ピクセル4-316は第1の側4-316Aおよび第2の側4-316Cを有し、ピクセル4-318は第1の側4-318Aおよび第2の側4-318Bを有する。ミラーピクセル構造4-302において、ピクセル4-312の第2の側4-312Bは、ピクセル4-314の第1の側4-314Aに近接している。ミラーピクセル構造4-304において、ピクセル4-314の第2の側4-314Bは、ピクセル4-316の第1の側4-316Aに近接している。ミラーピクセル構造4-306において、ピクセル4-316の第2の側4-316Bは、ピクセル4-318の第1の側4-318Aに近接している。
【0091】
各ミラーピクセル構造4-302,4-304,4-306において、いくつかのピクセル構成要素は近接側に位置し、いくつかのピクセル構成要素は反対側に位置している。特に、図4-3によって示されるように、ミラーピクセル構造4-302において、側4-312Bの蓄積領域SD1は側4-314Aの蓄積領域SD1に近接する一方、側4-312Aの蓄積領域SD0は側4-314Bの蓄積領域SD0との対向側にある。ミラーピクセル構造4-304において、側4-314Bの蓄積領域SD0は側4-316Aの蓄積領域SD0に近接する一方、側4-314Aの蓄積領域SD1は側4-316Bの蓄積領域SD1との対向側にある。ミラーピクセル構造4-306において、側4-316Bの蓄積領域SD1は側4-318Aの蓄積領域SD1に近接する一方、側4-316Aの蓄積領域SD0は側4-318Bの蓄積領域SD0との対向側にある。
【0092】
図4-4は、いくつかの実施形態による図4-3のミラーピクセル4-312,4-314の第1の対の回路図である。図4-5は、いくつかの実施形態による図4-3のミラーピクセル4-316,4-318の第2の対の回路図である。
【0093】
図4-4に示されるように、ミラーピクセル4-312,4-314において、側4-312Bの構成要素は側4-314Aの構成要素に近接し、側4-312Aの構成要素は側4-314Bの構成要素との対向側にある。特に、側4-312BのドレインゲートREJ、蓄積領域SD0、伝送ゲートST1、伝送ゲートTX1、および他の構成要素(例えば、RT、RS、VDDP)は、側4-314AのドレインゲートREJ、蓄積領域SD0、伝送ゲートST1、伝送ゲートTX1、および他の構成要素(例えば、RT、RS、VDDP)に近接している。同様に、側4-312Aの光検出領域PPD、蓄積領域SD1、伝送ゲートST0、伝送ゲートTX0、および他の構成要素(例えば、COL)は、側4-132Dの光検出領域PPD、蓄積領域SD1、伝送ゲートST0、伝送ゲートTX0、および他の構成要素(例えば、COL)との対向側にある。ドレインDや読み出し領域FDなどのいくつかの構成要素は、ピクセル4-312,4-314の両側に部分を有している。そのような態様は、ピクセル4-314,4-314間において、ピクセル4-312の側4-312A,4-312Bの間の接合部およびピクセル4-314の側4-312A,4-314Bの間の接合部でミラーリングされる。
【0094】
同様に、図4-5によって示されるように、ミラーピクセル4-316,4-318において、側4-316Bの構成要素は側4-318Aの構成要素に近接し、側4-316Aの構成要素は側4-318Bの構成要素との対向側にある。特に、側4-316Bの光検出領域PPD、蓄積領域SD1、伝送ゲートST0、伝送ゲートTX0、および他の構成要素(例えば、COL)は、側4-318Aの光検出領域PPD、蓄積領域SD1、伝送ゲートST0、伝送ゲートTX0、および他の構成要素(例えば、COL)に近接している。同様に、側4-316AのドレインゲートREJ、蓄積領域SD0、伝送ゲートST1、伝送ゲートTX1、および他の構成要素(例えば、RT、RS、VDDP、VDDP)は、側4-318BのドレインゲートREJ、蓄積領域SD0、伝送ゲートST1、伝送ゲートTX1、および他の構成要素(例えば、RT、RS、VDDP)との対向側にある。図4-4に関連して説明したように、ドレインDおよび読み出し領域FDは、ピクセル4-316,4-318の両側に部分を有しており、ピクセル4-316,4-318間において、ピクセル4-316の側4-316A,4-316Bの間の接合部およびピクセル4-318の側4-318A,4-318Bの間の接合部でミラーリングされる。
【0095】
いくつかの実施形態において、本明細書で説明されるミラーピクセルは、2つ以上の電荷蓄積領域を含み得る。図4-6は、いくつかの実施形態による、複数の蓄積領域を有するとともにミラー構造を有するピクセル4-612,4-614,4-616の例示的な行の一部の上面図である。図4-1のピクセル4-112~4-116と同様に、ピクセル4-140は、光検出領域PD、マスク、蓄積領域SD0を含む。また、ピクセル4-612~4-618は、第2の蓄積領域SD1を含む。蓄積領域SD0,SD1および読み出し領域FDは、伝送ゲートST0,TX0,TX1によって制御される伝送チャネルに沿って電荷キャリアを受け取る。ピクセル4-612~4-616はさらに、伝送ゲートREJにより電荷キャリアをドレイン領域Dに流すことができるようにドレイン領域Dを含むとともに、伝送ゲートRS,SFも含む。
【0096】
図4-6に示されるように、複数の電荷蓄積領域を有する隣接ピクセルは、ミラー構造で互いに近接している。隣接ピクセル4-612,4-614はミラー構造4-602で互いに近接しており、隣接ピクセル4-614,4-616はミラー構造4-604で互いに近接している。図4-6に示されていない行内の他のピクセルについても同様である。各ピクセル4-612~4-616は、第1の側および第2の側を有する。すなわち、ピクセル4-612は第1の側4-612Aおよび第2の側4-612Bを有し、ピクセル4-614は第1の側4-614Aおよび第2の側4-614Bを有し、ピクセル4-616は第1の側4-616Aおよび第2の側4-616Bを有する。ミラーピクセル構造4-602において、ピクセル4-612の第2の側4-612Bは、ピクセル4-614の第1の側4-614Aに近接している。ミラーピクセル構造4-604において、ピクセル4-140Bの第2の側4-614Bは、ピクセル4-616の第1の側4-616Aに近接している。
【0097】
各ミラーピクセル構造4-602,4-604において、いくつかのピクセル構成要素は近接側に位置し、いくつかのピクセル構成要素は反対側に位置している。ミラーピクセル構造4-602において、側4-612Bの構成要素は側4-614Aの構成要素に近接する一方、側4-612Aの構成要素は側4-614Bの構成要素との対向側にある。ミラーピクセル構造4-604において、側4-614Bの構成要素は側4-616Aの構成要素に近接する一方、側4-614Aの構成要素は側4-616Bの構成要素との対向側にある。ミラーピクセル構成4-602において、例えば、ピクセル4-612,4-614のドレインゲートREJ(およびドレインゲートの上方または下方のドレインチャネル領域)、ドレイン領域D、RS伝送ゲート、およびSF伝送ゲートは互いに近接する一方、伝送ゲートST0,TX0,TX1(および伝送ゲートの上方または下方の電荷伝送領域)、電荷蓄積領域SD0,DS1、および読み出し領域FDは互いに対向側にある。ミラーピクセル4-604において、ピクセル4-614,4-616のドレインゲートREJ、ドレインチャネル領域、ドレイン領域D、RS伝送ゲート、およびSF伝送ゲートは互いに対向側にある一方、伝送ゲートST0,TX0,TX1(および伝送ゲートの上方または下方の電荷伝送領域)、電荷蓄積領域SD0,DS1、および読み出し領域FDは互いに近接している。
【0098】
図4-1のピクセル4-112~4-116と同様に、ピクセル4-612~4-616のいくつかの構成要素は、ピクセルの両側に配置される部分を有する。例えば、ピクセル4-612の光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部は、側4-612A,4-612Bの両方に部分を有している。このような構成要素は、両側の間のピクセルの中心に対するピクセル対においてミラーリングされる。例えば、側4-612B上の光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部の部分は、側4-614A上の光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部の部分に近接している。同様に、側4-612A上の光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部の部分は、側4-614B上の光検出領域PD、マスク、およびマスク開口部の部分との対向側にある。
【0099】
図4-7は、いくつかの実施形態によるミラー構造4-702,4-704,4-706におけるピクセル4-712,4-714,4-716,4-718の例示的な行の一部の概略上面図である。ピクセル4-712~4-718の行は、図4-6に関連して説明したものと同じように構成され得る。例えば、ピクセル4-712,4-714はミラー構造4-702で互いに近接しており、ピクセル4-714,4-716はミラー構造4-704で互いに近接しており、ピクセル4-716,4-718はミラー構造4-706で互いに近接している。図4-7に示されるように、コンタクトは、ピクセル4-712~4-718の一部の上に配置され得る。いくつかの実施形態において、コンタクトは、入射光子が光検出領域PPD以外のピクセル4-712~4-718の部分に到達すること、および/または斜めの入射角で隣接ピクセルの光検出領域に到達することを阻止するように構成され得る。例えば、コンタクトは、光検出領域PPDが入射光子を受光するように構成される光軸に平行な方向に長尺状とされ得る。いくつかの実施形態において、コンタクトは、タングステンなどの不透明材料を使用して形成され得る。このようなコンタクトは、多くのまたは全ての入射光子が光軸以外の光路に沿って電荷蓄積領域SD0,SD1に到達することを防止することができ、それによって、入射光子が電荷蓄積領域SD0,SD1においてノイズ電荷キャリアを生成することを防止する。
【0100】
図4-7では、一対のコンタクトが光検出領域PPDの両側に配置され、その一対のうちの第1のコンタクトはマスクの三角形開口の頂点の近くに配置され、その一対のうちの第2のコンタクトはマスクの三角形開口の底辺の近くに配置される。第2のコンタクトは、入射光子が電荷蓄積領域SD0,SD1に到達するのを阻止するように構成され得る。光検出領域PPDが配置されたピクセル4-712~4-718の端部とは反対側の端部には、第3のコンタクトが配置されている。第1および第3のコンタクトはピクセル4-140とそれぞれ隣接するピクセルとの間に配置され、第2のコンタクトは光検出領域PPDと伝送ゲートST0,REJとの間に位置する。なお、いくつかの実施形態において、光検出領域PPDの両側のコンタクトの対は、単一の円筒形コンタクト壁など、光検出領域PPDを少なくとも部分的に取り囲む少なくとも1つのコンタクト壁で置き換えられてもよい。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、単一のコンタクトが、同じ行に配置された複数のピクセルに跨がって複数のピクセルに対する光除去を提供し得る。
【0101】
なお、本明細書で説明されるピクセルの種々の実施形態は、電荷蓄積領域、ドレイン領域、制御信号構造、光指向性構造、バリア、および/または他の構成要素の種々の組み合わせを含み得る。したがって、本明細書で説明されるピクセルミラーリング技術は、例示の目的のみのために本明細書で提供される任意の特定のピクセル構造に限定されない。さらに、ピクセルアレイ内のすべてのピクセルがミラー構造である必要はなく、したがって、ピクセルアレイ内のピクセルのサブセットのみがミラー構造であってもよい。ピクセルは、ピクセルアレイに対して、垂直、水平、斜め、および/または同等物を含む、任意の方向に沿ってミラーリングされ得る。
【0102】
[IV.追加の例示的なミラーピクセル構造]
上記した例では、集積装置1-102は、光検出領域PPD、1つまたは複数の電荷蓄積領域、および読み出し領域FDが伝送ゲートREJ,ST0,TX0から離間する方向において入射光子を受け取る構成で示されている。いくつかの実施形態では、集積装置1-102は、前面照射型(FSI)構造を有し得る。
【0103】
本開示のいくつかの態様は、集積装置1-102について本明細書で説明したように、他の方向の入射光子を受け取るように構成された構造、および/または複数の順次結合された電荷蓄積領域を含む構造に関する。例えば、本発明者らは、光検出領域、電荷蓄積領域、および/または読み出し領域から離間した伝送ゲートおよび/または導電線を有する集積装置が、改善された光学的および電気的特性を有し得ることを認識した。一例として、導電線が入射光子の経路内またはその近傍に配置されていない場合、導電線の光学特性は入射光子にほとんど影響を与えない場合がある。この例では、導電線は、集積装置の光学特性に望ましくない影響を与えることなく、望ましい電気特性(例えば、低抵抗および/または低静電容量)に適合され得る。
【0104】
図5-1は、いくつかの実施形態によるピクセル5-112の行を示す代替的な例示的集積装置5-102の概略断面図である。
いくつかの実施形態において、集積装置5-102は、集積装置1-102について本明細書で説明した方法で構成され得る。例えば、図5-1に示されるように、集積装置5-102は、1つまたは複数の格子カプラ5-216を含む結合領域5-201と、1つまたは複数の導波路5-220を含むルーティング領域5-202と、1つまたは複数のピクセル5-112を含むピクセル領域5-203とを含み得る。例示的なピクセル5-112は、サンプルウェル5-108および光検出器5-110を含む図5-1の点線のボックスによって示される。また、図5-1に示されるように、集積装置5-102は、サンプルウェル5-108と光検出器5-110との間に配置された1つまたは複数のフォトニック構造5-230を含み得る。
【0105】
図5-1に示されるように、集積装置5-102は、第1の側で入射光子を受け取るように構成されるものとして示されており、金属層5-240は、集積装置5-102が入射光子を受け取るように構成されている方向において第1の側とは反対側の集積装置5-102の第2の側に配置されている。いくつかの実施形態において、集積装置5-102は、裏面照射型(BSI)構造を有し得る。いくつかの実施形態において、集積装置5-102は、図7-1に関連するものを含む集積装置7-100について本明細書でさらに説明する方法で構成された1つまたは複数のウェハ(例えば、ウェハスタック)にわたる複数の層を有し得る。例えば、図5-1は、論理ウェハに接合(例えば、ハイブリッド接合)され得る光検出ウェハの一部を示し得る。
【0106】
図5-2は、いくつかの実施形態による集積装置5-102の例示的なピクセル5-112の断面図である。いくつかの実施形態において、ピクセル5-112は、ピクセル1-112および/または本明細書で説明される任意の他のピクセルについて本明細書で説明されるように構成され得る。例えば、図5-2に示されるように、ピクセル5-112は、光検出領域PPD、電荷蓄積領域SD、読み出し領域FD、ドレイン領域D、および伝送ゲートST0,TX0,REJを含み得る。なお、ピクセル5-112は、任意の数の電荷蓄積領域を含み得る。
【0107】
図5-2に示されるように、伝送ゲートST0,TX0,REJは、光検出領域PPDが入射光子を受け取るように構成されている方向Dir1において、光検出領域PPD、電荷蓄積領域SD0、読み出し領域FD、およびドレイン領域Dから離間し得る。また、図5-2に示されるように、金属層5-240は、方向Dir1において、光検出領域PPD、電荷蓄積領域SD0、読み出し領域FD、およびドレイン領域D、および伝送ゲートST0,TX0,REJから離間し得る。
【0108】
図5-2において、電荷蓄積領域SD0は、方向Dir1に垂直な第2の方向において光検出領域PPDから離間している。また、図5-2に示されるように、伝送ゲートST0は、第2の方向において光検出領域PPDから離間しており、伝送ゲートTX0は、第2の方向において伝送ゲートST0から離間している。いくつかの実施形態において、読み出し領域FDは、第2の方向において電荷蓄積領域SD0から離間し得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、読み出し領域FDは、第2の方向とは異なる第3の方向に電荷蓄積領域SD0から離間してもよく、および/または伝送ゲートTX0は、第3の方向に伝送ゲートST0から離間してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、ピクセル5-112は、光検出領域PPDに沿って配置された1つまたは複数の帯電および/またはバイアス(C/B)領域を含み得る。例えば、C/B領域は、電荷キャリアの光検出領域PPDを本質的に空乏化する酸化物層(例えば、二酸化ケイ素)内に1つまたは複数の電荷層(例えば、酸化アルミニウムなどの金属酸化物化合物)を含み得る。代替的にまたは追加的に、C/B領域は、バイアス電圧(例えば、電源によって供給される)に結合して、バイアス電圧がC/B領域に印加されたときに電荷キャリアの光検出領域PPDを空乏化するように構成された導電性材料(例えば、金属)を含み得る。本発明者らは、光検出領域PPDで生成された電荷キャリアがドレイン領域Dおよび/または電荷蓄積領域SD0,SD1に流れる速度をC/B領域により増加させることができることを認識した。いくつかの実施形態において、C/B領域は、光検出領域PPDが入射光子を受け取るように構成されている側を除いて、光検出領域PPDの各側に配置され得る。
【0110】
図5-3は、いくつかの実施形態による、集積装置5-102に含まれ得る代替的な例示的なピクセル5-312の断面図である。いくつかの実施形態において、ピクセル5-312は、ピクセル5-112および/または本明細書で説明される任意の他のピクセルについて本明細書で説明されるように構成され得る。例えば、図5-3に示されるように、ピクセル5-312は、電荷キャリアが電荷蓄積領域SD0および読み出し領域FDに到達することを阻止するように配置されたバリアBPW,LPWを含み得る。
【0111】
図5-3に示されるように、光検出領域PPDは、光検出領域PPDが入射光子を受け取るように構成された方向Dir1において分離した第1および第2のサブ領域PPD-0,PPD-1を含み得る。いくつかの実施形態において、ピクセル5-312のC/B領域は、電荷キャリアの第1のサブ領域PPD-0を空乏化するように構成され得る。いくつかの実施形態において、伝送ゲートREJがバイアスされて電荷キャリアがドレイン領域Dに流れるとき、および/または伝送ゲートST0がバイアスされて電荷キャリアが電荷蓄積領域SD0に流れるとき、第2のサブ領域PPD-1内の電荷キャリアが空乏化され得る。いくつかの実施形態において、第1のサブ領域PPD-0は、電荷キャリアが方向Dir1に流れる速度をさらに増加させるために、第2のサブ領域PPD-1よりも高いドーパント濃度を有し得る。
【0112】
また、図5-3に示されるように、ピクセル5-312は、C/B領域の周りに、および/またはC/B領域と光検出領域PPDとの間に配置されたバリアDPIを含み得る。例えば、バリアDPIは、電荷キャリアが隣接するピクセル5-312間を流れることを阻止するように、および/またはC/B領域の周りに電荷分離を提供するように構成され得る。また、図5-3に示されるように、金属シールドは、少なくとも一部の光子がピクセル5-312の電荷蓄積領域SD0および読み出し領域FDに到達することを阻止するように、ピクセル5-312の少なくとも一部の上に配置され得る。また、図5-3に示されるように、金属シールドは、入射光子が光検出領域PPDに到達するための開口部を含み得る。図5-3に示されるように、金属シールドは、ピクセル5-512(例えば、光検出領域PPD)の表面から100ナノメートル(nm)以下などのギャップで方向Dir1にオフセットされ得る。
【0113】
図5-4は、いくつかの実施形態による集積装置5-102に含まれ得る不連続C/B領域を有する例示的なピクセル5-412のレイアウトスケッチである。ピクセル5-412は、ピクセル5-312および/または本明細書で説明される任意の他のピクセルについて本明細書で説明されるように構成され得る。図5-4に示されるように、ピクセル5-412は、ドレイン領域Dに結合された補助ゲートREJ'をさらに含む。いくつかの実施形態において、補助ゲートREJ'は、ドレイン領域Dと、ドレイン領域Dを電源電圧に電気的に結合するように構成された金属線との間に接続されたダイオード接続トランジスタの一部であり得る。なお、本明細書で説明する他のピクセルは、補助ゲートREJ'をさらに含んでもよい。
【0114】
図5-4に示されるように、ピクセル5-412のいくつかのC/B領域は不連続である。例えば、図5-4に示されるように、光検出領域PPDから電荷蓄積領域SD0への方向に平行に延びるピクセル5-412の領域C/B,C/Bは不連続であり、領域C/B,C/Bの方向に対して垂直に延びる領域C/B,C/Bは、領域C/B,C/Bを領域C/B,C/Bから分離するギャップを有して連続している。なお、本明細書で説明される他のピクセルは、ピクセル5-412について本明細書で説明されるような不連続C/B領域を有し得る。
【0115】
また、図5-4に示されるように、ピクセル5-412の領域C/Bは、光検出領域と電荷蓄積領域SD0との間に配置され、ドレイン領域Dの手前で終端している。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の他のピクセルの領域C/Bは、ピクセル5-4について図5-4に示されるように構成され得る。いくつかの実施形態においては、図5-6に示されるように、領域C/Bは省略され得る。
【0116】
図5-5は、いくつかの実施形態によるミラー構造における複数のピクセル5-412,5-414,5-416,5-418のレイアウトスケッチである。いくつかの実施形態において、ピクセル5-414,5-416,5-418は、ピクセル5-412について本明細書で説明されるように構成され得る。
【0117】
図5-5に示されるように、隣接するピクセル同士は、2つの方向においてミラー構造で互いに近接している。例えば、隣接するピクセル5-412,5-414は、第1の方向においてミラー構造5-402で互いに近接しており、隣接するピクセル5-412,5-416は、第2の方向においてミラー構造5-404で互いに近接している。同様に、隣接するピクセル5-416,5-418は、第1の方向においてミラー構造5-406で互いに近接しており、隣接するピクセル5-414,5-418は、第2の方向においてミラー構造5-408で互いに近接している。図5-5の例では、ピクセル5-412~5-418の各々は、第1の側と第2の側との間で第1の方向に分割されるとともに、第3の側と第4の側(それぞれ第1の側および第2の側と部分的に重なる)との間で第2の方向に同様に分割され得る。例えば、ピクセル5-412の第2の側は、第1の方向においてピクセル5-414の第1の側に近接しており、ピクセル5-412の第4の側は、第2の方向においてピクセル5-416の第3の側に近接している。同様に、ピクセル5-416の第2の側は、第1の方向においてピクセル5-418の第1の側に近接しており、ピクセル5-414の第4の側は、第2の方向においてピクセル5-418の第3の側に近接している。
【0118】
各ミラーピクセル構造5-402~5-408について、いくつかのピクセル構成要素は近接側に位置しており、いくつかのピクセル構成要素は対向側に位置している。ミラーピクセル構造5-402において、ピクセル5-412の第2の側の構成要素(例えば、ゲートST0,RST)は、ピクセル5-414の第1の側の同様の構成要素に近接する一方、ピクセル5-412の第1の側の構成要素(例えば、ゲートREJ,RS)は、ピクセル5-414の第2の側の同様の構成要素との対向側にある。ミラーピクセル構造5-404において、ピクセル5-412の第4の側の構成要素(例えば、ゲートRS,SF)は、ピクセル5-416の第3の側の同様の構成要素に近接する一方、ピクセル5-412の第3の側の構成要素(例えば、領域PPD,C/B)は、ピクセル5-416の第4の側の同様の構成要素との対向側にある。なお、図5-5には示されていないが、ピクセル5-412~5-418の構成は、アレイの列および/または行において繰り返され得る。例えば、領域C/Bは第1の方向における行内の複数のピクセル間で共有され得る、および/または領域C/Bは第2の方向における列内の複数のピクセル間で共有され得る。
【0119】
図5-6は、いくつかの実施形態による集積装置5-102に含まれ得る複数の電荷蓄積領域SD0,SD1を有する例示的なピクセル5-612のレイアウトスケッチである。いくつかの実施形態において、ピクセル5-612は、ピクセル5-412および/または本明細書で説明される任意の他のピクセルについて本明細書で説明されるように構成され得る。図5-6に示されるように、電荷蓄積領域SD1は、複数のサブ領域SD1-0,SD1-1を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、サブ領域SD1-0,SD1-1は、サブ領域SD1-1がサブ領域SD1-0よりも高いドーパント濃度を有するなどにより、異なる固有電位レベルを有し得る。本発明者らは、このような構成により電荷蓄積領域SD1と領域SD1と読み出し領域FDとの間の電荷伝送速度を増加させることができることを認識した。
【0120】
図5-7Aは、いくつかの実施形態による集積装置5-102に含まれ得るミラー構造の複数の電荷蓄積領域を有する複数のピクセル5-712,5-714,5-716,5-718のレイアウトスケッチである。図5-7Bは、いくつかの実施形態によるピクセル5-712,5-714,5-716,5-718の部分上における金属シールドの配置を示すレイアウトスケッチである。いくつかの実施形態において、ピクセル5-712~5-718は、例えば、複数の順次結合された電荷蓄積領域を含むピクセル5-612について本明細書で説明されるように構成され得る。
【0121】
図5-7Aおよび図5-7Bに示されるように、ピクセル5-712~5-718は、ピクセル5-412~5-418について本明細書で説明されるように、2つの方向においてミラー構造を有している。例えば、ピクセル5-712,5-714は、第1の方向においてミラー構造5-702を有しており、ピクセル5-716,5-718は、第2の方向においてミラー構造5-704を有している。同様に、ピクセル5-716,5-718は、第1の方向においてミラー構造5-706を有しており、ピクセル5-714,5-718は、第2の方向においてミラー構造5-708を有している。
【0122】
図5-7Bに示されるように、単一の領域C/Bは、複数のピクセル5-712,5-714および/または複数のピクセル5-716,5-718にわたって延在し得る。例えば、領域C/Bは不連続であってよく、領域C/B21,C/B22の間で分割され得る。同様に、領域C/Bは不連続であってよく、領域C/B11,C/B12の間で分割され得る。
【0123】
また、図5-7Bに示されるように、金属シールドは、光がピクセル5-712~5-718の少なくともいくつかの構成要素に到達することを阻止するように配置され得る。例えば、金属シールドは、光が電荷蓄積領域SD0,SD1に到達することを阻止するように配置され得る。光検出領域PPDを互いに対向して配置するミラー構造5-704,5-708により、金属シールドは、ピクセル5-712~5-718の領域を連続的に覆い得る。いくつかの実施形態において、金属シールドによるピクセル5-712~5-718の連続的な被覆は、より多数の不連続シールド部分を有する場合と比較して、配置の遮光効率を改善し得る。また、図5-7Bに示されるように、金属シールドが光検出領域PPDの周りに配置されることで、光が周囲のC/B領域に到達することが阻止され得る。金属シールドは、光が光検出領域PPDに到達することを可能にするようなサイズを有して配置される開口部を有するものとして示されている。
【0124】
図5-8は、いくつかの実施形態によるピクセル5-812の一部上に配置された金属シールドを有する例示的な集積装置5-802の一部の上面図である。いくつかの実施形態において、ピクセル5-812は、ピクセル5-712,5-714,5-716,5-718、および/または本明細書に説明される任意の他のピクセルについて本明細書に説明されるように構成され得る。図5-8に示されるように、金属シールドは、光がピクセル5-812の少なくともいくつかの構成要素(例えば、電荷蓄積領域)に到達することを阻止するとともに光が光検出領域PPDに到達することを可能にするようなサイズを有して配置される開口部を有する。図8の例では、ピクセル5-812は、金属シールドが複数の隣接するピクセルの構成要素を連続的に覆うことを可能にするミラー構造を有し得る。
【0125】
[V.ラインルーティングのための技術]
本明細書で説明されるように、回路は、ピクセル構成要素に電気信号を提供する導電線を含み得る。導電線は、例えば、金属線および/または他の導電性材料で作られた線であってよい。導電線は、例えば、ピクセルの種々の制御ゲートに電気信号を分配するために使用され得る。いくつかの実施形態では、制御ゲートに関連付けられたチャネル領域の導電状態を設定するために制御ゲートのバイアス電圧が使用され得る。図6-1は、いくつかの実施形態による、導電線6-102A,6-102B(まとめて、導電線6-102)が重ね合わされたピクセルアレイ6-100(破線で示す)の例示的な部分の上面図である。この例に示されるように、ピクセルアレイ6-100は、2つのセットの8行のピクセル(図6-1において行は水平方向に延在する)を含むとともに、1列当たりN個のピクセル(図6-1において列は垂直方向に延在する)を含む。導電線6-102は、ピクセルの関連する構成要素に対して接続するべく導電線6-102A,6-102Bのうちの1つがピクセルアレイ6-100内の各ピクセルに近接して配置されるように、ピクセルアレイに沿って配置されている。各導電線6-102A,6-102Bは、ピクセルアレイ6-100のピクセルの異なる構成要素に対して異なる導電信号を搬送し得る。例えば、導電線6-102Aのうちの1つ以上は、ピクセルのドレイン領域が電荷キャリアを受け取るときを制御する伝送ゲートREJのためのREJ信号を搬送し得る。別の例として、導電線6-102Bのうちの1つ以上は、電荷蓄積領域SD0が電荷キャリアを受け取るときを制御するピクセルのST0ゲートのためのST0信号を搬送し得る。
【0126】
図6-1に示されるように、ピクセル行上の各ピクセルは、導電線6-102A,6-102Bの各セットからの専用導電線を有する。例えば、ピクセル6-100Aは、導電線6-104の対から電気信号を受信する一方、ピクセル6-100Bは、導電線6-106の異なる対から同じ構成要素に対する電気信号を受信する、などである。特定のピクセルに対する各ラインは、ナノ秒レベルなどの高周波数でピクセルの構成要素を切り替える電気信号を搬送し得る。本発明者らは、ピクセル行の各ピクセルに対して(例えば、図6-1に示されるような)専用の導電線対を有する構成を使用することは、各導電線に対して薄い導電性ストリップのみを可能にする(したがって、電気信号を搬送するための導電性材料の量が制限される)ことを認識している。また、本発明者らは、そのような構成を使用することが、追加的にまたは代替的に、隣接する導電線の対の間の電気的結合を引き起こし得る(例えば、電気信号のスキューを引き起こし得る)ことを認識している。これらの欠陥は、図6-1に示される導電線をいくつかの用途に適さないものにし得る。しかしながら、図6-1に示される構造は、他の用途には好適である場合があり、したがって、いくつかの実施形態においては使用され得る。
【0127】
本発明者らは、これらおよび他の潜在的な欠陥に対処する、そのような導電性構造に対する技術的改善を開発した。いくつかの実施形態において、列方向に延在する導電線は、第1のピクセルおよびその第1のピクセルに行方向に近接する(例えば、隣接する)第2のピクセルの構成要素と導通し得る。これにより、導電線とそれに隣接する導電線との間に大きなスペースを提供して、低抵抗および低静電容量のために導電線を大きくすることが可能となる。いくつかの実施形態において、第1の導電線はそれぞれ第2の導電線のうちの隣接するもの同士の間に配置され、列方向に延在する第1および第2の導電線は、異なる隣接ピクセル対と導通し得る。
【0128】
いくつかの実施形態において、第3および第4の導電線は、ピクセルの上方または下方に配置され、それぞれ第1および第2の導電線と導通して例えば制御信号を第1および第2の導電線に分配し得る。いくつかの実施形態において、第3および第4の導電線は、異なるピクセルの行の上方または下方に配置され、低静電容量のために第3および第4の導電線間に大きなスペース提供する。例えば、第3および第4の導電線は、列方向、行方向、および/またはその両方に延在し得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、第5および第6の導電線は、ピクセルの上方または下方に配置され、それぞれ第1および第2の導電線と導通して例えば制御信号を分配し得る。いくつかの実施形態において、第5および第6の導電線は、異なるピクセルの行の上方または下方に配置され得る。例えば、第3および第4の導電線は、列方向に延在してそれぞれ第1および第2の導電線の上方または下方に部分的に位置する一方で、列方向に互いにオフセットされる。この例では、第5および第6の導電線は、異なるピクセルの行の上方または下方にある行方向に延在し得る。
【0129】
図6-2は、いくつかの実施形態による複数の導電線6-202,6-204が重ね合わされた例示的なピクセルアレイ6-200の上面図である。図6-2に示されるように、ピクセルアレイ6-200は、8行のピクセルの第1のグループ4-206と、8行のピクセルの第2のグループ4-208とを含む。いくつかの実施形態において、第3の層の導電線6-202,6-204は列方向に沿って延在している。例えば、図6-2において、導電線6-202,6-204は、列方向に沿って延在して第1のグループ6-206,6-208のピクセルの上方に位置している(または下方に位置している)。いくつかの実施形態において、導電線6-202,6-204は、ピクセルの隣接する列の間に配置され得る。例えば、図6-2において、導電線6-202,6-204は、第1のグループ6-206および第2のグループ6-208の両方の行を含む複数の行のピクセルと導通している。いくつかの実施形態において、導電線は、(例えば、各構成要素のための専用線を必要とすることを回避するために)隣接するピクセル対の構成要素に電気的に結合され得る。例えば、導電線は、電気信号が1つの導電線によってこれらの構成要素に供給されるように、行方向に沿って隣接ピクセルの同じ構成要素のうちの1つ以上に(例えば、オーミックDC接触を形成する物理的接続などの物理的接続を介して)接続され得る。また、図6-2に示されるように、導電線6-202はそれぞれ、行方向において、導電線6-204のうちの隣接するもの同士の間に配置される(逆もまた同様である)。いくつかの実施形態において、導電線6-202,6-204は、異なる電気信号を搬送するように互いに電気的に分離され得る。
【0130】
いくつかの実施形態において、本明細書で説明される金属構造は、ミラーピクセル配列を有するピクセルアレイとともに使用され得る。例えば、本明細書で説明されるように、(例えば、行方向および/または列方向に沿って)隣接するピクセルはミラーリングされ得る。これにより、第1のピクセルの1つまたは複数の構成要素が第2のピクセルの1つまたは複数の構成要素に近接するものとなり得る。本明細書で説明されるように、いくつかの実施形態において、第1のピクセルおよび第2のピクセルは各々、第1の側(例えば、左側または上側)および第2の側(例えば、右側または下側)を有する。第1のピクセルは、第1のピクセルの第2の側が第2のピクセルの第1の側に隣接するように、第2のピクセルに隣接し得る。いくつかの実施形態において、ミラー構造は、第1のピクセルの少なくとも1つの構成要素が第1のピクセルの第2の側に配置され、第2のピクセルの少なくとも1つの構成要素が第2のピクセルの第1の側に配置されるように、近接する構成要素群を含み得る。いくつかの実施形態において、ミラー構造は、第1のピクセルの少なくとも1つの構成要素が第1のピクセルの第1の側に配置され、第2のピクセルの少なくとも1つの構成要素が第2のピクセルの第2の側に配置されるように、対向する構成要素群を含み得る。
【0131】
いくつかの実施形態において、ミラーピクセルの近接する構成要素群は、非ミラー構造と比較して導電線のより近くに配置され得る。例えば、近接する構成要素群は、電荷蓄積領域または阻止領域などの同じ種類の構成要素とされ得る。近接する構成要素群は、ミラーピクセル間に配置される導電線などの導電線を共有し得る。導電線は、隣接するピクセルの構成要素に電気信号を提供するために使用され得る。
【0132】
図6-3は、いくつかの実施形態による例示的なピクセルアレイ6-200を示す3D図である。図6-4は、いくつかの実施形態による導電線6-402,6-404を示す例示的なピクセルアレイ6-200の上面図である。図6-5は、いくつかの実施形態による導電線6-502,6-504を示す例示的なピクセルアレイ6-200の上面図である。
【0133】
いくつかの実施形態において、導電線6-402は、制御信号を導電線6-202に分配するように構成され得る。また、導電線6-202は、制御信号をピクセルアレイ6-200に分配するように構成され得る。図6-3および図6-4に示されるように、導電線6-402は導電線6-202の上方(または下方)に配置されるとともに導電線6-202と導通している。導電線6-202は、導電線6-402とピクセルアレイ6-200との間に位置している。例えば、導電線6-402は、導電線6-202を含む層の上方または下方の層に配置され得る。図6-3および図6-4に示されるように、導電線6-402は、列方向に延在して導電線6-202の上方または下方に位置するとともにピクセルアレイ6-200のピクセルの上方または下方に位置し得る。例えば、図6-3および図6-4において、導電線6-402は、ピクセルアレイ6-200のピクセル行のグループ6-206の行の上方または下方に位置するように示されている。
【0134】
いくつかの実施形態において、導電線6-502は、制御信号を導電線6-402に分配するように構成され得る。図6-3および図6-5に示されるように、導電線6-502は、導電線6-202の上方(または下方)に位置するとともに導電線6-202と導通している。導電線6-202は、導電線6-502とピクセルアレイ200との間に位置している。例えば、導電線6-502は、代替的にまたは追加的に、導電線6-202を含む層の上方(または下方)の層に配置され得る。図6-3に示されるように、導電線6-402は、導電線6-502と導電線6-202との間に配置されている。図6-3および図6-5に示されるように、導電線6-502は、列方向に延在して導電線6-202の上方または下方に位置するとともにピクセルアレイ6-200のピクセルの上方または下方に位置し得る。例えば、図6-3および図6-5において、導電線6-502は、導電線6-402と同様に、ピクセルアレイ6-200のピクセルのグループ6-206の行の上方または下方に位置するように示されている。また、図6-3および図6-5に示されるように、導電線6-502は、行方向に延在してグループ6-206内のピクセルの行の上方または下方に位置している。
【0135】
いくつかの実施形態において、導電線6-404は、制御信号を導電線6-204に分配するように構成され得る。また、導電線6-204は、制御信号をピクセルアレイ6-200に分配するように構成され得る。例えば、導電線6-402は、ピクセルアレイ6-200のピクセルに排出制御信号を供給するように構成され得る、および/または導電線6-404は、ピクセルアレイ6-200のピクセルに収集信号を供給するように構成され得る、および/またはその逆の構成であり得る。図6-3および図6-4に示されるように、導電線6-404は、導電線6-204の上方(または下方)に配置されるとともに導電線6-204と導通しており、導電線6-204は、導電線6-404とピクセルアレイ6-200との間に配置されている。例えば、導電線6-404は、導電線6-402を含む層の上方または下方の導電線6-402と同じ層(および/または隣接する層)に配置され得る。図6-3および図6-4に示されるように、導電線6-404は、列方向に延在して導電線6-204の上方または下方に位置するとともにピクセルアレイ6-200のピクセルの上方または下方に位置し得る。例えば、図6-3および図6-4では、導電線6-404は、ピクセルアレイ6-200のピクセルの行のグループ6-208の行の上方または下方に位置するように示されている。図6-3に示されるように、導電線6-502は導電線6-402よりも幅広であってよく、例えば、導電線6-402はそれぞれ行内の隣接するピクセル間に配置され、導電線6-502はピクセルの行全体などのように行方向における複数のピクセルにわたって配置されている。
【0136】
いくつかの実施形態において、導電線6-504は、制御信号を導電線6-404に分配するように構成され得る。図6-3および図6-5に示されるように、導電線6-504は、導電線6-204の上方(または下方)に配置されるとともに導電線6-204と導通しており、導電線6-204は、導電線6-504とピクセルアレイ6-200との間に配置されている。例えば、導電線6-504は、代替的にまたは追加的に、導電線6-204を含む層の上方または下方における導電線6-502を含む層と同じ層(および/またはそれに隣接する層)上に配置され得る。図6-3および図6-5の例において、導電線6-404は、導電線6-504と導電線6-204との間に配置されている。図6-3および図6-5に示されるように、導電線6-504は、列方向に延在して導電線6-204の上方または下方に位置するとともにピクセルアレイ6-200のピクセルの上方または下方に位置し得る。例えば、図6-3および図6-5において、導電線6-504は、導電線6-404と同様に、ピクセルアレイ6-200のピクセルのグループ6-208の行の上方または下方に位置するように示されている。また、図6-3および図6-5に示されるように、導電線6-504は、行方向に延在してグループ6-208内のピクセルの行の上方または下方に位置している。図6-3に示されるように、導電線6-504は導電線6-404よりも幅広であってよく、例えば、導電線6-404はそれぞれ行内の隣接するピクセル間に配置され、導電線6-504はピクセルの行全体などのように行方向における複数のピクセルにわたって配置されている。
【0137】
いくつかの実施形態において、導電線6-502は、互いに異なる電気信号を供給するように導電線6-504から電気的に分離され得る。いくつかの実施形態において、導電線6-502,6-504は、導電線6-502,6-504がピクセルアレイ6-200の異なる行の上方または下方に位置するように、互いに離間され得る。例えば、図6-3および図6-5において、導電線6-502,6-504は、導電線6-502がグループ6-206内のピクセルの上方または下方に位置する一方、導電線6-504がグループ6-208内のピクセルの上方または下方に位置するように、列方向に互いに離間して示されている。
【0138】
同様に、いくつかの実施形態において、導電線6-402,6-404は、異なる電気信号を供給するように互いに電気的に分離され得る。いくつかの実施形態において、導電線6-402,6-404は、導電線6-402,6-404がピクセルアレイ6-200の異なる行のピクセルの上方または下方に位置するように、互いに離間され得る。例えば、図6-3および図6-4において、導電線6-402,6-404は、導電線6-402がグループ6-206内のピクセルの上方または下方に位置する一方、導電線6-404がグループ6-208内のピクセルの上方または下方に位置するように、列方向に互いに離間して示されている。
【0139】
代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、導電線6-402,6-404は、行方向に互いに離間され得る。例えば、図6-3および図6-4に示されるように、導電線6-402,6-404は、導電線6-402,6-404がそれぞれピクセルアレイ6-200の異なるピクセル対の間に配置されるようにオフセットされ得る。例えば、導電線6-402はそれぞれ、導電線6-404のうちの隣接するもの同士の間に配置され得るおよび/またはその逆であり得る。いくつかの実施形態において、導電線6-402,6-404は、少なくとも1ピクセル幅で行方向に互いに離間され得る。例えば、図6-4において、導電線6-402,6-404は、行方向に1ピクセル幅の中心間間隔を有して示されている。
【0140】
なお、図6-3および図6-5では、導電線6-502,6-504は行方向および列方向に連続的に延在するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、導電線6-502および/または導電線6-504は、列方向および行方向のうちの少なくとも1つにおいて不連続であってもよい。例えば、導電線6-502および/または導電線6-504は、行方向に互いに略平行に延在するとともに列方向に互いに離間していてもよく、および/またはその逆であってもよい。
【0141】
また、図6-3および図6-4では、導電線6-402,6-404は、複数行のピクセルの上方または下方に位置するように列方向に連続的に延在するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、導電線6-402および/または導電線6-404は、列方向に沿って連続的に配置される複数のビア(それらビア間にギャップを有しつつ配置される)を含むことによって列方向に延在するものであってもよい。
【0142】
図6-6は、いくつかの実施形態による導電線6-502,6-504の例示的な構成の平面図である。図6-6に示されるように、導電線6-502は、導電線6-504からスペース6-210Aによって電気的に分離されており、導電線6-502および導電線6-502は、列方向に隣接する導電線からそれぞれスペース6-610B,6-610Cによって電気的に分離されている。図6-6に示されるように、導電線6-502,6-504は、一連の孔を有してパターニングされている。例えば、導電線6-502は孔6-612を有してパターニングされており、導電線6-504は孔6-614を有してパターニングされている。いくつかの実施形態において、孔は、光が導電線6-502,6-504内の隣接部分間を移動して、導電線6-502,6-504の上方または下方に配置されたピクセルの光検出領域に到達することを可能にするように構成(例えば、サイズ決定および/または配置)され得る。例えば、図6-3を参照すると、光が導電線6-502,6-504からピクセルアレイ6-200に向かう方向に進行している場合、導電線6-502内の孔は、光が幅広の導電線6-502を通過してピクセルアレイ6-200内のピクセルの光検出領域上に達することを可能にし得る。図6-6に示された例では、スペース6-610Aは、導電線6-502,6-504を含む導電層内の隣接する孔を接続することによって導電線6-502,6-504を互いに分離するように形成されている。
【0143】
図6-7は、いくつかの実施形態による例示的なピクセルアレイの一部の上方または下方に配置された導電線6-702,6-704の概略上面図である。図6-7は、導電線6-702,6-704の2つのグループを示している。導電線6-702,6-704は、例えば、図6-2および図6-3に関連して導電線6-202,6-204で説明した方法で実装され得る。図6-7に示されるように、各導電線6-702,6-704は、行方向において導電線6-702,6-704から横方向に延在する補助導電線に接続され得る。例えば、図6-7に示された導電線6-702´は、行方向に延在する補助導電線6-704に接続される。補助導電線は、個々の導電線を行方向に沿った2つの(またはそれ以上の)隣接するピクセルの構成要素に接続し得る。また、図6-7に示されるように、導電線6-702,6-704は、それぞれビア6-712,6-714によって異なる層上の導電線に接続され得る。例えば、図6-7に示されるように、ビア6-712は、例えば導電線6-502,6-504にそれぞれ接続するためおよび/または導電線6-202,6-204にそれぞれ接続するために、列方向および行方向においてビア6-714から離間している。
【0144】
図6-8は、いくつかの実施形態によるミラー構造におけるピクセル6-812,6-814,6-816,6-818の例示的アレイの一部の概略上面図である。本明細書で説明されるように、ピクセル6-812はピクセル6-814とミラー構造にあり、ピクセル6-814はピクセル6-816とミラー構造にあり、ピクセル6-816はピクセル6-818とミラー構造にある。
【0145】
図6-8に示されるように、複数の導電線6-802(導電線6-802A,6-802Bを含む)は、導電線6-702について本明細書で説明されたように互いに導通し得る。導電線6-802,6-804は、導電線6-702,6-704について本明細書で説明されたように電気的に分離され得る。例えば、導電線6-802は、ピクセル6-812~6-818の上方または下方に延在する導電線(例えば、6-502)と導通し得る。導電線6-804は、ピクセル6-812~6-818から列方向に離間して配置されるなど、ピクセル6-812~6-818とは異なるピクセル行のセットにわたって延在する導電線(例えば、6-504)と導通され得る。
【0146】
図6-8に示されるように、導電線6-802,6-804は、ミラー構造のピクセル対の間で列方向に沿って延在している。導電線6-802Aは、ピクセル6-812Aとピクセル6-814との間に配置されており、導電線6-804は、ピクセル6-814とピクセル6-816との間に配置されており、導電線6-802Bは、ピクセル6-816とピクセル6-818との間に配置されている。導電線は、伝送ゲート、ドレインゲートなどのピクセルの隣接する構成要素に電気的に結合され得る。例えば、導電線6-802は、関連する隣接ピクセルのREJ伝送ゲートに(導電線6-802Aがピクセル6-812,6-814のREJ伝送ゲートに接続され、導電線6-804Bがピクセル6-816,6-818のREJ伝送ゲートに接続されるように)電気的に結合され得る。別の例として、導電線6-804は、隣接するピクセル6-814,6-816のST0伝送ゲートに電気的に結合され得る。バイアス電圧が導電性構造体に印加されることで、伝送ゲートに関連する伝送チャネル領域の導電状態が決定され得る。
【0147】
いくつかの実施形態において、本技術は、1つまたは複数の導電線を備える集積回路を製造する方法を含む。いくつかの実施形態において、方法は、第1のピクセルと、行方向に沿って第1のピクセルに近接する第2のピクセルとを形成することと、行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線を形成することとを含む。導電線は、第1のピクセルの第1の構成要素および第2のピクセルの第2の構成要素と導通するように形成される。いくつかの実施形態において、方法は、第1のピクセルと、列方向に沿って第1のピクセルに近接する第2のピクセルとを形成することと、列方向と交差する行方向に沿って延在する導電線を形成することとを含む。導電線は、第1のピクセルの第1の構成要素および第2のピクセルの第2の構成要素と導通するように形成される。
【0148】
いくつかの実施形態において、方法は、行方向に沿った第1の行内に第1のピクセルおよび第2のピクセルを形成するとともに、行方向に沿った第2の行内に第3のピクセルおよび第4のピクセルを形成することと、行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線を形成することとを含む。導電線は、(a)第1のピクセルの第1の構成要素および第2のピクセルの第2の構成要素、ならびに(b)第3のピクセルの第3の構成要素および第4のピクセルの第4の構成要素と導通するように形成される。いくつかの実施形態において、方法は、列方向に沿った第1の列内に第1のピクセルおよび第2のピクセルを形成するとともに、列方向に沿った第2の列内に第3のピクセルおよび第4のピクセルを形成することと、列方向と交差する行方向に沿って延在する導電線を形成することとを含む。導電線は、(a)第1のピクセルの第1の構成要素および第2のピクセルの第2の構成要素、ならびに(b)第3のピクセルの第3の構成要素および第4のピクセルの第4の構成要素と導通するように形成される。
【0149】
いくつかの実施形態において、本技術は、ピクセルアレイを使用する方法を含む。いくつかの実施形態において、方法は、行方向と交差する列方向に沿って延在する導電線に電気信号を印加することと、第1のピクセルの第1の構成要素および第1のピクセルに近接する第2のピクセルの第2の構成要素に、導電線を介して電気信号の少なくとも一部を印加することとを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、導電線に電気信号を印加することと、導電線を介して電気信号の少なくとも一部を、(a)行方向に沿った第1の行内にある第1のピクセルの第1の構成要素および行方向に沿った第1の行内にある第2のピクセルの第2の構成要素と、(b)行方向に沿った第2の行内にある第3のピクセルの第3の構成要素および行方向に沿った第2の行内にある第4のピクセルの第4の構成要素と、に印加することとを含む。
【0150】
いくつかの実施形態において、ピクセルアレイは、N個のピクセル行(ここで、Nは偶数である(例えば、2行、4行、6行、8行、10行、12行、14行、16行など))と導通する導電線を備えて形成され得る。いくつかの実施形態において、ピクセルアレイは、N個のピクセル列(ここで、Nは偶数である(例えば、2行、4行、6行、8行、10行、12行、14行、16行など))と導通する導電線を備えて形成され得る。いくつかの実施形態において、組み合わせられる列および/または行の数は、静電容量および抵抗に基づいて決定され得る。例えば、行の数は、より多くの行をともにグループ化することによる全体の静電容量および抵抗利得が、ローカル相互接続線(例えば、垂直な相互接続線)の増加した抵抗および静電容量によって失われるタイミングに基づいて決定され得る。いくつかの実施形態において、行または列のグルーピングの選択数は、プロセス技術に基づいて(例えば、異なる金属材料(例えば、Al対Cu)幅、誘電体厚さ、設計ルールなどに基づいて)決定され得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、方法は、列方向と交差する行方向に沿って延在する導電線に電気信号を印加することと、第1のピクセルの第1の構成要素および第1のピクセルに近接する第2のピクセルの第2の構成要素に導電線を介して電気信号の少なくとも一部を印加することとを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、導電線に電気信号を印加することと、導電線を介して電気信号の少なくとも一部を印加することであって、(a)列方向に沿った第1の列に位置する第1のピクセルおよび第2のピクセルにおいて、第1のピクセルの第1の構成要素および第2のピクセルの第2の構成要素と、(b)列方向に沿った第2の列に位置する第3のピクセルおよび第4のピクセルにおいて、第3のピクセルの第3の構成要素および第4のピクセルの第4の構成要素と、に前記電気信号の少なくとも一部を印加することとを含む。
【0152】
なお、導電性構造の一例を図6-1~図6-8に関連して説明したが、導電性構造は、4層、6層などの所望の任意の数の層を(例えば、集積回路構成、製造プロセス、ピクセルアレイサイズ、所望の電気特性などに応じて)含み得る。また、本明細書で説明される技術の趣旨から逸脱することなく導電性構造の各層の異なる構成が使用され得る。本明細書で提供される例は、ピクセルアレイの小部分に基づく導電性構造の部分を示すが、ピクセルアレイは非常に大きく、数千以上のピクセルを含み得る。したがって、導電性構造の導電線は、同様に、はるかに大きく、行方向および/または列方向に(非常に)より多くのピクセルにわたって延在し得る。
【0153】
いくつかの実施形態において、本明細書で説明する導電性構造は、本明細書でさらに説明するように、入射光子を受け取るように構成された面とは異なる集積装置の面上に配置された光検出器回路(例えば、ゲートおよび/または蓄積領域)を有する集積装置内に実装され得る。いくつかの場合において、そのような導電性構造は、BSI集積装置に実装され得る。例えば、BSI集積装置は、1つまたは複数のウェハおよび/または接合された(例えば、ハイブリッド接合された)ウェハスタックにわたる複数の層を有し得る。
【0154】
本発明者らは、2つ以上のウェハが接合されて電気的に結合されるウェハスタックを含むおよび/またはそのウェハスタック内で動作可能な集積光検出器内で制御信号を分配する際に課題が生じることを認識した。例えば、論理ウェハを光検出ウェハに接続して、光検出ウェハを制御するための制御信号を論理ウェハから光検出ウェハに提供することが望ましい場合がある。ピクセルと光検出ウェハのウェハ接合パッドとが同じ中心間間隔を有する場合、制御信号はウェハ接合パッドを介して論理ウェハと光検出ウェハとの間で送信され、ウェハ接合パッドとピクセルとの間に延びる光検出ウェハ内の垂直導体は、制御信号をウェハ接合パッドからピクセルに垂直方向に送信し得る。しかしながら、そうするためにはピクセル間の中心間間隔をウェハ接合パッドの中心間間隔に一致させる必要があり、これは、本発明者らが認識したいくつかの用途にとって不利であり得る。例えば、集積光検出器において可能な限り多くのピクセルに適合するように、隣接するピクセル間の中心間間隔を最小化することが望ましい場合があり、同時に、隣接するウェハ接合パッド間の容量結合を低減するように(例えば、異なる信号を搬送する)ウェハ接合パッド間の中心間間隔を最大化することが望ましい場合もある。代替的にまたは追加的に、隣接するウェハ接合パッド間の中心間間隔を、ウェハを製造するための製造限界に適合させることが必要な場合があり、その間隔は、ピクセルにとって望ましい間隔よりも大きい場合がある。
【0155】
これらの欠点を克服するために、本発明者らは、隣接するウェハ接合パッド間の中心間間隔が、接合パッドの少なくともいくつかと導通している隣接するピクセル間の中心間間隔と異なる集積回路を開発した。例えば、本明細書に記載の集積回路は、隣接するウェハ接合パッド間の中心間間隔が、ウェハ接合パッドと導通するピクセルの中心間間隔よりも大きくてもよい。いくつかの場合において、ウェハ接合パッドは、ピクセルと導通する信号接合パッドと、ピクセルに対して実質的にフローティングである補助接合パッドとを含み得る。いくつかの実施形態において、ウェハ接合パッド(例えば、信号接合パッド)およびピクセルは、接合パッドとピクセルとの間に配置された複数の導電線を介して導通し得る。例えば、導電線は、ウェハ接合パッドから、ウェハ接合パッドの上方または下方に位置するピクセルに、および/または隣接するウェハ接合パッド間に位置するピクセルに(例えば、中心間間隔の方向において)電気信号を送るように構成され得る。いくつかの実施形態において、導電線は、結合抵抗または静電容量などの望ましくない電気的および/または物理的特性を低減するように新規のパターンまたはグルーピングで配置され得る。
【0156】
図7-1は、いくつかの実施形態による集積装置7-100の断面の側面図である。図7-1に示されるように、集積装置7-100は、光検出ウェハ7-102と論理ウェハ7-104とを含み、これらは互いに接合されて集積装置7-100の少なくとも一部を形成し得る。
【0157】
いくつかの実施形態において、層7-120は、入射光子を受け取り、電荷キャリアを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態において、光検出ウェハ7-102は、第1の方向Dir1における入射光子を受光し、論理ウェハ7-104からの信号を用いて制御されつつ、その入射光子の受光に応答して電荷キャリアを生成するように構成され得る。図7-1に示されるように、光検出ウェハ7-102は、ピクセル層7-120と、ルーティング層7-130と、接合層7-140とを含む。図7-1において、ピクセル層7-120は、ピクセル7-122を含むように示されており、ピクセル7-122は、入射光子の受光に応答して電荷キャリアを生成するための光検出領域、励起源からの光に応答して生成された電荷キャリアを廃棄するためのドレイン領域、および/または蛍光に応答して生成された電荷キャリアを収集するための電荷蓄積領域を含み得る。いくつかの実施形態において、ピクセル7-122は、行方向および列方向を有するアレイに配置され得る。例えば、図7-1に示された断面は、ピクセル7-122の行の第1のグループ7-106とピクセル7-122の行の第2のグループ7-108とにわたるピクセル7-122の列を示している。また、図7-1に示されるように、ピクセル層1-120は、ピクセル7-122の動作を制御するように構成され得るゲート7-124(例えば、ST0および/またはREJゲート)と、ピクセル7-122の動作を制御するためにゲート7-124に制御信号を供給するように構成され得るビア7-126とをさらに含む。図7-1に示されるように、ゲート7-124は、ピクセル7-122が入射光を受光するように構成される方向においてピクセル7-122の後に配置されている。例えば、集積装置7-100はBSI構成を有し得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、ルーティング層7-140は、論理ウェハ7-104から受信した制御信号をピクセル層7-120に接続するように構成され得る。図7-1に示されるように、ルーティング層7-140は、導電線7-132およびビア7-136を含む。いくつかの実施形態において、導電線7-132は、隣接するピクセル7-122の間に配置された(例えば、隣接するピクセル7-122と導通する)導電線7-132を有するなど、ピクセル7-122のアレイの列方向に延在し得る。図7-1に示されるように、導電線7-132は、ピクセル7-122の図示された行7-106,7-108の両方にわたって延在し得る。いくつかの実施形態において、ビア7-136は、導電線7-132を接合層7-140に接続するように構成され得る。図7-1に示されるように、ビア7-136は、ピクセル7-122の行の第1のグループ7-106の上方または下方において行方向に延在する導電線を形成するように列方向に連続して配置される。
【0159】
いくつかの実施形態において、接合層7-140は、ピクセル層7-120を動作させるための制御信号を受信するために論理ウェハ7-104とインターフェースするように構成され得る。図7-1に示されるように、接合層7-140は、信号接合パッド7-142と補助接合パッド7-144とを含むウェハ接合パッドを含む。いくつかの実施形態において、信号接合パッド7-142は、論理ウェハ7-104に電気的に結合するように構成され得る。例えば、図7-1に示されている信号接合パッド7-142は、ルーティング層7-130のビア7-136に接続されて、論理ウェハ7-104からの制御信号をビア7-136に供給する。いくつかの実施形態において、信号接合パッド7-142は、論理ウェハ7-104に機械的に接続するようにさらに構成され得る。いくつかの実施形態において、補助接合パッド7-144は、論理ウェハ7-104に機械的にのみ接続するように構成され得る。例えば、図7-1に示されている補助接合パッド7-144は、補助接合パッド7-144に接続されるビアを有しておらず、実質的にフローティングとされている。補助接合パッド7-144は、補助接合パッド7-144と集積装置7-100内の1つまたは複数の電位点との間の可能性のある寄生接続のために、完全なフローティングとは対照的に、実質的にフローティングとされ得る。いくつかの実施形態において、第1の信号接合パッド7-142および補助接合パッド7-144は、ハイブリッド銅-酸化物接合パッドなどのハイブリッド金属-誘電体接合パッドとして構成され得る。いくつかの場合において、補助接合パッド7-144は、「ダミー」接合パッドとして構成され得る。
【0160】
いくつかの実施形態において、論理ウェハ7-104は、光検出ウェハ7-102のピクセルの動作を制御するために光検出ウェハ7-102に制御信号を供給するように構成され得る。図7-1に示されるように、論理ウェハ7-104は、接合層7-160、ルーティング層7-170、および基板層7-180を含む。いくつかの実施形態において、論理ウェハ7-104は、本明細書に記載の接合層7-160、ルーティング層7-170、および/または基板層7-180を含むようにプログラム可能および/またはプログラムされたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)および/または特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよい。種々の例によれば、論理ウェハ7-104は、固定配置で相互接続された1つまたは複数のゲートおよび/または導電線を有するASICであってもよいし、または、配置がプログラム可能とされた1つまたは複数のゲートおよび/または導電線を有するFPGAであってもよいし、または、固定配置で相互接続されたゲートおよび/または導電線と、配置がプログラム可能とされたゲートおよび/または導電線との組み合わせを含むものであってもよい。ただし、本明細書に記載の実施形態はそのようなものに限定されない。
【0161】
いくつかの実施形態において、接合層7-160は、制御信号を供給するために光検出ウェハ7-102とインターフェースするように構成され得る。図7-1に示されるように、接合層7-160は、信号接合パッド7-162および補助接合パッド7-164を含む。いくつかの実施形態において、信号接合パッド7-162は、信号接合パッド7-142について本明細書で説明したように、光検出ウェハ7-102に電気的に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、補助接合パッドは、補助接合パッド7-144について本明細書で説明したように、光検出ウェハ7-102に機械的にのみ接続するように構成され得る。
【0162】
いくつかの実施形態において、ルーティング層7-170は、接合層7-160に制御信号を供給するように構成され得る。図7-1に示されるように、ルーティング層7-170は、ビア7-176と、第1の導電線7-174aと、第2の導電線7-174bとを含む。いくつかの実施形態において、ビア7-176は、第1の導電線7-174aを信号接合パッド7-162に接続するように構成され得る。図7-1に示されるように、ビア7-176は、光検出ウェハ7-102のビア7-136と(例えば、信号接合パッド7-142が信号接合パッド7-162と実質的に位置合わせされるときに)位置合わせされて列方向に連続して配置される。いくつかの実施形態において、第1の導電線7-174aおよび第2の導電線7-174bは、異なる制御信号を搬送するために電気的に分離され得る。例えば、図示された断面において、第1の導電線7-174aは、ビア7-176により信号接合パッド7-162に接続されて、第1の制御信号を光検出ウェハ7-102に供給するように示されている。別の断面(例えば、図示された断面から行方向にずれているもの)において、第2の導電線7-174bは、ビア7-176の第2のセットにより接合パッド7-162のセットに接続されて、第2の制御信号を光検出ウェハ7-102に供給し得る。この例では、光検出ウェハ7-102は、第2の導電線7-174bに接続するための、および第2の導電線7-174bから第2の制御信号を受信するための、接合パッド7-142、ビア7-136、および導電線7-132のセット(例えば、ピクセル7-122の行の第2のグループ7-108の上方または下方に配置される)を含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、基板層7-180は、収集された電荷キャリアの量を示す光検出ウェハ7-102から受信した信号を処理するように構成されるものなど、追加のゲート7-182を備えて構成され得る。
【0164】
なお、光検出ウェハ102および論理ウェハ104の接合パッドが互いに接合されるとき、完全な位置合わせが常に可能であるとは限らないので、実質的に位置合わせされるのみでもよい。
【0165】
図7-2は、いくつかの実施形態による集積装置7-100のルーティング層7-130の上面図である。図7-3は、いくつかの実施形態による集積装置7-100のルーティング層7-130および接合層7-140,7-160の3D図である。
【0166】
図7-2および図7-3に示されるように、導電線7-132は、列方向に延在する第1の導電線7-132aおよび第2の導電線7-132bを含む。いくつかの実施形態において、第1の導電線7-132aおよび第2の導電線7-132bは、ピクセル7-122に異なる制御信号を搬送するように、互いに電気的に分離され得る。図7-2および図7-3に示されるように、第2の導電線7-132bはそれぞれ、第1の導電線7-132aのうちの隣接するもの同士の間に配置され、逆もまた同様である。
【0167】
いくつかの実施形態において、第1の導電線7-132aおよび第2の導電線7-132bは、行方向においてそれぞれの導電線の両側にある近接ピクセルと導通し得る。また、図7-2および図7-3に示されるように、第1の導電線7-132aは、第1の導電線7-132aに隣接しないピクセル7-122に、第1の導電線7-132aによって搬送される制御信号を供給するために、第1の導電線7-132aに対して横方向に延在する補助導電線7-134aに接続される。同様に、図7-2および図7-3において、第2の導電線7-132bは、第2の導電線7-132bに隣接しないピクセル7-122に、第2の導電線7-132bによって搬送される制御信号を供給するために、第2の導電線7-132bに対して横方向に延在する補助導電線7-134bに接続される。例えば、図7-2に示されるように、各第1の導電線7-132aは最も近い第2の導電線7-132bから3ピクセル幅で離間しており、補助導電線7-134a,7-134bは、行方向に2ピクセル幅で延在して、第1の導電線7-132aに隣接しない第1の導電線7-132aと第2の導電線7-132bとの間の2つのピクセルに第1の導電線132aからの制御信号を供給する。
【0168】
また、図7-2および図7-3に示されるように、ビア7-136は、第1のビア7-136aおよび第2のビア7-136bを含み、光検出ウェハ7-102の信号接合パッド7-142は、第1のビア7-136aにより第1の導電線7-132aに接続された第1の信号接合パッド7-142aと、第2のビア7-136bにより第2の導電線7-132bに接続された第2の信号接合パッド7-142bとを含む。図7-3に示されるように、第1のビア7-136aおよび第2のビア7-136bは、列方向に延在するとともに行方向に互いに離間された複数の導電線を形成するように、列方向に沿って配置されている。いくつかの実施形態において、第1のビア7-136aおよび第2のビア7-136bによって形成される導電線は、ピクセル7-122の異なる行の上方または下方に位置し得る。例えば、図7-2および図7-3に示されるように、第1のビア7-136aは、ピクセル7-122の行の第1のグループ7-202の上方または下方に位置する一方、第2のビア7-136bは、ピクセル7-122の行の第2のグループ7-204の上方または下方に位置している。
【0169】
いくつかの実施形態において、集積装置7-100の接合パッド7-142a、接合パッド7-142b、および/または接合パッド7-144は、集積装置7-100のピクセル7-122とは異なる中心間間隔を(例えば、行方向において)有し得る。例えば、集積装置7-100の接合パッドは、ピクセル7-122よりも大きい中心間間隔を有し得る。例えば、図7-2において、隣接する接合パッド7-142a,7-144の間、および隣接する接合パッド7-142b,7-144の間の中心間間隔は、行方向において、3ピクセル幅である。他の実施形態において、隣接する接合パッド間の中心間間隔は、2ピクセル幅などの3ピクセル幅未満、および/または4ピクセル幅などの4ピクセル幅以上であってもよく、また、本明細書に記載の実施形態はそのようなものに限定されない。
【0170】
いくつかの実施形態において、導電線7-132aおよび/または導電線7-132bは、ピクセル7-122とは異なる中心間間隔を有し得る。例えば、導電線7-132a,7-132bは、ピクセル7-122よりも大きな中心間間隔を有し得る。例えば、図7-2において、導電線7-132a,7-132bは、接合パッド7-142a,7-142b,7-144のために示される中心間間隔に等しい3ピクセル幅の中心間間隔を有する。なお、本明細書で説明される実施形態は、接合パッド7-142,7-142b,7-144について本明細書で説明されるものに限定されない。また、導電線間の中心間間隔は、接合パッドが導電線と完全に位置合わせされていない場合などのように、接合パッドの中心間間隔に実質的に等しいのみであってもよい。
【0171】
いくつかの実施形態において、信号接合パッド7-142aおよび補助接合パッド7-144は、行方向に沿って互いに間隔を置いて設けられ得る。例えば、図7-2および図7-3において、グループ7-202の行は、隣接する信号接合パッド7-142aの間に補助接合パッド7-144を有する。同様に、いくつかの実施形態において、信号接合パッド7-142bおよび補助接合パッド7-144は、行方向に沿って互いに間隔を置いて設けられ得る。例えば、図7-2および図7-3において、グループ7-204の行は、隣接する信号接合パッド7-142bの間に配置された補助接合パッド7-144を有する。図7-2に示されるようないくつかの実施形態において、補助接合パッド7-144は、信号接合パッド7-142aと同じ行に配置されてもよく、他の行のそれぞれの接合パッド7-142bと列方向に位置合わせされてもよく、および/またはその逆であってもよい。
【0172】
図7-4は、いくつかの実施形態による集積装置7-100のルーティング層7-170の上面図である。図7-5は、いくつかの実施形態によるルーティング層7-170をさらに示す集積装置7-100の3D図である。
【0173】
いくつかの実施形態において、第1の導電線7-174aおよび第2の導電線7-174bは、ピクセル7-122の異なる行の上方または下方に配置されるように、列方向に互いに離間され得る。例えば、図7-4に示されるように、第1の導電線7-174aは、ピクセル7-122の行の第1のグループ7-202の上方または下方に配置される一方、第2の導電線7-174は、ピクセル7-122の行の第2のグループ7-204の上方または下方に配置される。また、図7-4および図7-5に示されるように、論理ウェハ7-104の信号接合パッド7-162は、第1のビア7-176aによって第1の導電線7-174aに接続された第1の信号接合パッド7-162aと、第2のビア7-176bによって第2の導電線7-174bに接続された第2の信号接合パッド7-162bとを含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、信号接合パッド7-162aおよび補助接合パッド7-164は、行方向に沿って互いに間隔を置いて設けられ得る。例えば、図7-4および図7-5において、グループ7-202の行は、隣接する信号接合パッド7-162aの間に補助接合パッド7-164を有する。同様に、いくつかの実施形態において、信号接合パッド7-162bおよび補助接合パッド7-164は、行方向に沿って互いに間隔を置いて設けられ得る。例えば、図7-4および図7-5において、グループ7-204の行は、隣接する信号接合パッド7-162bの間に配置された補助接合パッド7-164を有する。
【0175】
図7-6は、いくつかの実施形態による別の例示的な集積装置7-600のルーティング層およびピクセル層の上面図である。いくつかの実施形態において、集積装置7-600は、集積装置7-100について本明細書で説明した方法で構成され得る。例えば、図7-6において、集積装置7-600は、列方向および行方向を有するアレイに配置されたピクセル7-622を含むものとして示されている。また、図7-6に示されるように、第1の導電線7-632aは、図示されたピクセル6-622の第1の側で列方向に延在するものとして示されており、第2の導電線7-632bは、図示されたピクセル7-622の第2の側で列方向に延在するものとして示されている。例えば、第1の導電線7-632aは、制御信号を供給するためにビア7-626aによって各隣接ピクセル7-622の伝送ゲートST0に接続されるものとして示されており、補助導電線7-634aは、第1の導電線7-632aから行方向に延在するとともに、第1の導電線7-632aに隣接しないピクセル7-622の伝送ゲートST0に接続するべく列方向に分岐している。同様に、図7-6において、第2の導電線7-632bは、制御信号を供給するためにビア6-626bによって各隣接ピクセル7-622の伝送ゲートREJに接続されるものとして示されており、補助導電線7-634bは、行方向に延在するとともに、第2の導電線7-632bに隣接しないピクセル7-622の伝送ゲートST0に到達するように列方向に分岐している。
【0176】
また、図7-6に示されるように、集積装置7-600は、ピクセル7-622の反対側の角にある第1の導電線7-132aに接続された第1の信号接合パッド7-642aと、第2の導電線7-132bに接続された第2の信号接合パッド7-642bと、ピクセル7-622の他の反対側の角にある補助接合パッド7-644とを含む。
【0177】
また、図7-6は、ピクセル7-622の他のゲートに信号を搬送するように構成された複数の導電線を示す。例えば、図7-6には、ピクセル7-622の光検出領域PPDに接続するための接地電位VBGND、ピクセル7-622のドレイン領域Dに接続するためのドレイン電位VREJ、ピクセル7-622のRSゲートに接続するための行選択信号、ピクセル7-622のSFゲートおよびRSTゲートに近接して接続するための電源電位VDDP、ピクセル7-622のRSTゲートに接続するためのリセット制御信号VRST、およびピクセル7-622の伝送ゲートTX0,TX1にそれぞれ接続するための伝送制御信号VTX0,VTX1を搬送する導電線が示されている。
【0178】
図7-7は、いくつかの実施形態による導電線7-632a,7-632bの追加分を示す集積装置7-600の光検出ウェハの上面図である。図7-7に示されるように、第2の導電線7-632bはそれぞれ、第1の導電線7-632aのうちの隣接するもの同士の間に配置されており、その逆も同様である。また、図7-6に示されるように、第1の信号接合パッド7-142aは、第1のビア7-636aにより第1の導電線7-632aに接続されており、第2の信号接合パッド7-142bは、第2のビア7-636bにより第2の導電線7-632bに接続されている。図7-6において、第1のビア7-636aは、ピクセル7-622の異なる行の上方または下方に位置するように、列方向において第2のビア7-636bから離間している。また、第1のビア7-636aおよび第2のビア7-636bは列方向に連続して配置されることで、列方向に延在する導電線を形成している。第1のビア7-636aは、ピクセル7-622の行の第1のグループ7-702の上方または下方に位置しており、第2のビアは、ピクセル7-622の行の第2のグループ7-704の上方または下方に位置している。
【0179】
図7-8は、いくつかの実施形態による集積装置7-600の論理ウェハの上面図である。図7-8に示されるように、集積装置7-600は、第1の信号接合パッド7-642a,7-642bに接続するための第1の信号接合パッド7-662aおよび第2の信号接合パッド7-662bにそれぞれ接続された第1の導電線7-674a,7-674bをさらに含む。集積装置7-600はさらに補助接合パッド7-664を含み、補助接合パッド7-664は、光検出ウェハおよび論理ウェハが互いに接合されるときに補助接合パッド7-644と位置合わせされ得る。
【0180】
いくつかの実施形態において、第1の導電線7-674aおよび第2の導電線7-674bは、ピクセル7-622の異なる行の上方または下方に位置するように、列方向に互いに離間され得る。例えば、図7-7および図7-8に示されるように、第1の導電線7-674aは、ピクセル7-622の行の第1のグループ7-702の上方または下方に位置しており、第2の導電線7-674bは、ピクセル7-622の行の第2のグループ7-704の上方または下方に位置している。
【0181】
図7-9は、いくつかの実施形態によるさらなる代替集積装置7-900の光検出ウェハのルーティング層および接合層の上面図である。いくつかの実施形態において、集積装置7-900は、列方向および行方向を有するピクセルアレイを含むなど、集積装置7-100,7-600について本明細書で説明した方法で構成され得る。例えば、図7-9に示されるように、集積装置7-900は、列方向に延在する第1の導電線7-932aおよび第2の導電線7-632bを含み、第2の導電線7-632bはそれぞれ、第1の導電線7-932aの隣接するもの同士の間に配置され、その逆も同様である。
【0182】
また、図7-9に示されるように、第1の導電線7-932aは、補助導電線7-934aに接続されて、第1の導電線7-932aに隣接しないピクセルに制御信号を供給し、第2の導電線7-932bは、補助導電線7-934bに接続されて、第2の導電線7-932bに隣接しないピクセルに制御信号を供給する。
【0183】
また、図7-9に示されるように、第1の導電線7-932aは第1の信号接合パッド7-942aに接続されており、第2の導電線7-932bは第2の信号接合パッド7-942bに接続されている。第1の信号接合パッド7-942a(および/またはそれに接続されたビア)は、ピクセルの異なる行の上方または下方に位置するように、第2の信号接合パッド7-942bから列方向に離間され得る。例えば、図7-9において、集積装置7-900は、ピクセルの行のグループ7-902,7-904,7-906,7-908の間で分割され得る。ここで、第1の信号接合パッド7-942a(および/またはそれに接続されたビア)は、ピクセルの行のグループ7-904,7-908の上方または下方に位置しており、第2の信号接合パッド7-942b(および/またはそれに接続されたビア)は、ピクセルの行のグループ7-902,7-906の上方または下方に位置している。
【0184】
図7-10は、いくつかの実施形態による集積装置7-900の論理ウェハの上面図である。図7-10に示されるように、集積装置7-900は、第1の信号接合パッド7-942aおよび第2の信号接合パッド7-942bにそれぞれ接続するための第1の信号接合パッド7-962aおよび第2の信号接合パッド7-962bにそれぞれ接続された第1の導電線7-974aおよび第2の導電線7-974bを含む。いくつかの実施形態において、第1の導電線7-974aおよび第2の導電線7-974bは、ピクセルの異なる行の上方または下方に位置するように、互いに離間され得る。例えば、図7-9および図7-10に示されるように、第1の導電線7-974aは、ピクセルの行のグループ7-904,7-908の上方または下方に位置しており、第2の導電線7-974bは、ピクセルの行のグループ7-902,7-906の上方または下方に位置している。また、図7-10に示されるように、第1の導電線7-974aおよび第2の導電線7-974bは、列方向において導電線のグループ間で分割され得る。ここで、第1の導電線7-974aのグループは、第2の導電線7-974bの隣接するグループ間に配置されており、その逆も同様である。
【0185】
図7-11は、いくつかの実施形態による集積装置7-900の論理ウェハの部分底面図である。図7-11に示されるように、第1の導電線7-974aは、互いに略平行に延在する線7-972aと、互いに略平行に延在するとともに線7-972aに対して横方向に延在する線7-978aとを含み得る。各グループ内で第1の導電線7-974aの各々は、互いに導通するように相互接続されている。同様に、図7-11に示されるように、第2の導電線7-974bは、互いに略平行に延在する線7-972bと、互いに略平行に延在するとともに線7-972bに対して横方向に延在する線7-978bとを含み、第2の導電線7-974bの各々は、互いに導通するように各グループ内で相互接続されている。例えば、線7-972a,7-972bは行方向に沿って延在し得る、および/または線7-978a,7-978bは列方向に沿って延在し得る。いくつかの実施形態において、線7-972a(および/または線7-972b)は、所与の製造プロセスに対応するべく、必要に応じて、互いに離間され得るおよび/または線7-978a(および/または線7-978b)から離間され得る。例えば、いくつかの製造プロセスでは、深さの変動の影響を(例えば、連続的な金属領域の表面に形成されるメニスカスに起因して)受けやすい連続的な導電性領域の形成を防止するように、線がサイズ決定されるおよび/または少なくとも所定の距離だけ(例えば、間に非導電性材料を伴って)分離される必要があり得る。図7-11に示されるように、第1の導電線7-974aの線7-972a,7-978aは、第1の導電線7-974aを第2の導電線7-974bから電気的に分離するように、第2の導電線7-974bの線7-972b,7-978bから離間され得る。
【0186】
図7-12は、いくつかの実施形態による集積装置7-900の論理ウェハの部分7-1100の拡大底面図である。図7-12に示されるように、第1の信号接合パッド7-962aは、光検出ウェハに接続するために第1のビア7-976aによって線7-972a,7-978aに接続される。同様に、第2の信号接合パッド7-962bは、光検出ウェハに接続するために線7-972b,7-978bに接続される。また、図7-12は、集積装置7-900の論理ウェハおよび光検出ウェハが互いに接合されるときに補助接合パッド7-944と位置合わせされ得る補助接合パッド7-964を示す。
【0187】
[A.例示的な制御信号構成]
本明細書で説明されるミラーピクセル構造および/または導電性構造は、1つまたは複数の制御信号を1つまたは複数のピクセル構成要素に供給するために使用され得る。1つまたは複数の制御信号は、1つまたは複数のピクセル(例えば、1つのピクセル、隣接するピクセル、同じ行に沿ったピクセル、同じ列に沿ったピクセルなど)の構成要素に供給され得る。種々の実施形態によれば、制御信号(例えば、方形波制御信号、正弦波制御信号など)は、1つまたは複数の伝送ゲート、伝送ゲートとドレインゲート、1つまたは複数のドレインゲート、および/または他のピクセル構成要素を駆動するように構成され得る。一例では、第1の制御信号は、1つの電荷伝送チャネルをバイアスして、電荷伝送チャネルに結合された光検出領域からの電荷キャリアの伝搬を可能にするように構成され得る。一方、第2の制御信号は、別の電荷伝送チャネルをバイアスして静電ポテンシャル障壁を生成し、電荷キャリアが光検出領域から電荷伝送チャネルに伝搬することを防止するように構成され得る。代替例では、第2の制御信号は、ドレインゲートをバイアスして、光検出領域からドレインチャネルへの電荷キャリアの伝搬を可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態において、1つの制御信号(例えば、より短いデューティサイクルを有する)は、励起パルスの開始時に光検出領域から励起電荷キャリアを排出させるように構成(例えば、時間シフト、位相シフトなど)され得る。第2の制御信号(例えば、より長いデューティサイクルを有する)は、ドレイン期間に続く収集期間中に光検出領域から蛍光発光電荷キャリアを移動させるように構成(例えば、時間シフト、位相シフトなど)され得る。
【0188】
いくつかの実施形態において、光検出領域と電荷蓄積領域との間の第1の伝送ゲートは、制御信号のうちの1つを受信するように構成され得る。光検出領域と別の電荷蓄積領域との間の第2の伝送ゲートは、別の制御信号を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態において、光検出領域とドレイン領域との間のドレインゲートは、代替的または追加的に、制御信号を受信するように構成され得る。したがって、入射光子に応答する電荷キャリアの排出および蓄積は、制御信号を使用して制御され得る。例えば、電荷蓄積領域またはドレイン領域は、その電荷蓄積領域またはドレインゲートに対応する制御信号が高電圧を有するとき、電荷キャリアを蓄積または排出することで、伝送ゲートまたはドレインゲートの上方または下方における電荷伝送チャネルまたはドレインチャネルの導電率を増加させ得る。なお、いくつかの実施形態においては、低電圧で伝送ゲートまたはドレインゲートをバイアスすることにより、電荷伝送チャネルまたはドレインチャネルの導電率を増加させることができる。
【0189】
いくつかの実施形態において、DCオフセットおよび/または制御信号振幅の差は、電荷蓄積領域(および/またはドレイン領域)における電荷キャリア収集の持続時間が異なり得るように構成され得る。例えば、一方の電荷蓄積領域は、他方の電荷蓄積領域よりも長い期間にわたって収集され得る。代替的または追加的に、電荷キャリアは、電荷蓄積領域の収集期間よりも短い期間にわたってドレイン領域に排出され得る。一例では、制御信号を受信する伝送ゲートおよび/またはドレインゲートに対応する電荷伝送チャネルおよび/またはドレインチャネルは、電荷伝送および/または排出を開始するために同じ閾値電圧レベルを有し得る。したがって、この例では、他の制御信号よりも大きな振幅を有する制御信号は、他の制御信号と比べると、閾値電圧レベルよりも高い電圧となる時間が長くなることで、大きな振幅の制御信号により設定される伝送期間および/またはドレイン期間が、他の制御信号により設定される他の伝送期間および/またはドレイン期間よりも長くなり得る。いくつかの実施形態において、制御信号のDCオフセットレベルは、閾値電圧レベルに基づいて構成され得る。いくつかの実施形態において、電荷伝送および/またはドレインチャネルは、異なる閾値電圧レベルを有してもよく、および/または閾値電圧レベルは、より低い振幅制御信号がより長い伝送期間および/またはドレイン期間に対応するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、2つの電荷蓄積領域は、異なる蛍光寿命情報を示す蛍光発光電荷キャリアを蓄積するように構成され得る。例えば、電荷蓄積の異なるタイミングおよび/または持続時間は、異なる寿命情報を示す電荷キャリア間の区別を容易にし得る。
【0190】
いくつかの実施形態において、光検出領域と電荷蓄積領域との間の第1の伝送ゲートは、1つの制御信号を受信するように構成され得る。光検出領域と別の電荷蓄積領域との間の第2の伝送ゲートは、第2の制御信号を受信するように構成され得る。第3の伝送ゲートまたはドレインゲートは、第3の制御信号を受信するように構成され得る。他も同様である。いくつかの実施形態において、第2のドレインゲートは、代替的にまたは追加的に、制御信号のうちの1つを受信するように構成され得る。したがって、入射光子に応答する電荷キャリアの排出および蓄積は、制御信号を使用して制御され得る。
【0191】
[VI.応用例]
[A.DNAおよび/またはRNAシークエンシング用途]
本明細書で説明される分析システムは、集積装置およびその集積装置とインターフェース接続するように構成される機器を含み得る。集積装置はピクセルのアレイを含み得る。ピクセルは、反応チャンバ(例えば、サンプルウェル)および少なくとも1つの光検出器を含む。集積装置の表面は複数の反応チャンバを有し得る。反応チャンバは、集積装置の表面上に配置された懸濁液からサンプルを受容するように構成される。懸濁液は、同じ種類の複数のサンプルを含有し得る。いくつかの実施形態において、懸濁液は、異なるタイプのサンプルを含有し得る。これに関して、本明細書で使用される「対象のサンプル」という語句は、例えば、懸濁液中に分散された同じ種類の複数のサンプルを指し得る。同様に、本明細書で使用される「対象の分子」という語句は、懸濁液中に分散された同じ種類の複数の分子を指し得る。複数の反応チャンバは、反応チャンバの少なくとも一部が懸濁液から1つのサンプルを受容するように、好適なサイズおよび形状を有し得る。いくつかの実施形態において、反応チャンバ内のサンプルの数は、いくつかの反応チャンバが1つのサンプルを含有し、他のものが0、2つ、またはそれ以上のサンプルを含有するように、反応チャンバ間で分配され得る。
【0192】
いくつかの実施形態においては、懸濁液は、複数の一本鎖DNAテンプレートを含み得る。集積装置の表面上の個々の反応チャンバは、シークエンシングテンプレートを受け取るようにサイズ決めおよび形状決めされ得る。シークエンシングテンプレートは、集積装置の反応チャンバの少なくとも一部分がシークエンシングテンプレートを含有するように、集積装置の反応チャンバ間で分配され得る。懸濁液は、ラベリングされたヌクレオチドも含有し得る。これは、次いで反応チャンバに入り、反応チャンバ内の一本鎖DNAテンプレートに対して相補的なDNAの鎖に組み込まれると、ヌクレオチドの同定を可能にし得る。いくつかの実施形態においては、懸濁液はシークエンシングテンプレートを含有し得る。ラベリングされたヌクレオチドは、ヌクレオチドが反応チャンバ内の相補的な鎖に組み込まれると、続いて反応チャンバに導入され得る。このように、ヌクレオチドの組み込みのタイミングは、ラベリングされたヌクレオチドが集積装置の反応チャンバに導入される時によって制御され得る。
【0193】
励起光は、集積装置のピクセルアレイから離れて位置付けられる励起源から提供される。励起光は、少なくとも一部が集積装置の要素によって、1つまたは複数のピクセルに向かって方向付けられ、反応チャンバ内の照射領域を照らす。次に、マーカが、照射領域内に位置付けられると、励起光によって照らされることに反応して、発光を放出し得る。いくつかの実施形態においては、1つまたは複数の励起源はシステムの機器の一部であり、この場合、機器および集積装置の構成要素は、励起光を1つまたは複数のピクセルに向かって方向付けるように構成されている。
【0194】
反応チャンバから(例えば、蛍光ラベルによって)放出される発光は、次に、集積装置のピクセル内の1つまたは複数の光検出器によって検出され得る。検出された発光の特徴は、発光に関連付けられるマーカを同定するための指示を提供し得る。そのような特徴は、光検出器によって検出される光子の到着時間、光検出器によって経時にわたって蓄積される光子の量、および/または2つ以上の光検出器にまたがる光子の分布を含む、任意の好適なタイプの特徴を含み得る。いくつかの実施形態においては、光検出器は、発光に関連付けられる1つまたは複数のタイミング特徴(例えば、蛍光寿命)を検出可能にする構造を有し得る。光検出器は、励起光のパルスが集積装置を通じて伝播した後の光子到着時間の分布を検出し得る。到着時間の分布は、発光のタイミング特徴(例えば、蛍光寿命のプロキシ)の指示を提供し得る。いくつかの実施形態においては、1つまたは複数の光検出器は、マーカによって放出される発光の確率(例えば、蛍光強度)の指示を提供する。いくつかの実施形態においては、複数の光検出器は、発光の空間的な分布を捕捉するようにサイズ決めおよび配置され得る。次いで、1つまたは複数の光検出器からの出力信号を使用して、あるマーカが複数のマーカの中から区別され得る。この場合、複数のマーカを使用してサンプルまたはその構造を同定することができる。いくつかの実施形態においては、サンプルは、複数の励起エネルギーによって励起され、複数の励起エネルギーに反応した反応チャンバからの発光および/または発光のタイミング特徴によって、マーカを複数のマーカから区別することができる。
【0195】
システム8-100の概略的な概説が図8-1において示されている。システムは、機器5-104とインターフェースする集積装置8-102の双方を備える。いくつかの実施形態においては、機器8-104は、機器8-104の一部として集積される1つまたは複数の励起源8-106を含み得る。いくつかの実施形態においては、励起源は、機器8-104および集積装置8-102の双方の外部にあってよく、機器8-104は、励起光を励起源から受け取るとともに、励起光を集積装置に方向付けるように構成され得る。集積装置は、集積装置を受けるとともに集積装置を励起源と光学的に正確に位置合わせして保持するために、任意の好適なソケットを使用して機器とインターフェースし得る。励起源8-106は、集積装置8-102に励起光を提供するように構成され得る。図8-1に概略的に示されているように、集積装置8-102は、複数のピクセル8-112を有し、ピクセルの少なくとも一部分は、対象のサンプルの独立した分析を実施し得る。ピクセルがそのピクセルとは別個の源8-106から励起光を受け取るため、そのようなピクセル8-112は「受動源ピクセル」と称すことができる。この場合、この源からの励起光が、ピクセル8-112のうちのいくつかまたはすべてを励起する。励起源8-106は、任意の好適な光源とすることができる。好適な励起源の例は、2015年8月7日に出願され、「INTEGRATED DEVICE FOR PROBING, DETECTING AND ANALYZING MOLECULES」と題する米国特許出願第14/821,688号に記載されており、参照によりその全体が援用される。いくつかの実施形態においては、励起源8-106は、励起光を集積装置8-102に送達するように組み合わせられる複数の励起源を含む。複数の励起源は、複数の励起エネルギーまたは波長を生成するように構成され得る。
【0196】
ピクセル8-112は、単一の対象のサンプルを受け取るように構成された反応チャンバ8-108、および励起源8-106によって提供される励起光によってサンプルおよび反応チャンバ8-108の少なくとも一部分を照らすことに反応して反応チャンバから放出された発光を検出する光検出器8-110を有する。いくつかの実施形態においては、反応チャンバ8-108は、集積装置8-102の表面に近接してサンプルを保持することができ、これは、サンプルへの励起光の送達、および、サンプルまたは反応成分(例えば、ラベリングされたヌクレオチド)からの発光の検出を容易にすることができる。
【0197】
励起光源8-106からの励起光を集積装置8-102に結合するとともに、励起光を反応チャンバ8-108にガイドする光学素子が、集積装置8-102および機器8-104の双方に位置付けられる。源からチャンバへの光学素子は、集積装置8-102に位置付けられる1つまたは複数の格子カプラを備えることができ、励起光を集積装置および導波路に結合して、励起光を機器8-104からピクセル8-112内の反応チャンバに送達する。1つまたは複数の光学スプリッタ素子は、格子カプラと導波路との間に位置することができる。光学スプリッタは、格子カプラからの励起光を結合するとともに、励起光を導波路のうちの少なくとも1つに送達することができる。いくつかの実施形態においては、光学スプリッタは、励起光を、すべての導波路にわたって実質的に均一に送達することを可能にする構造を有することができ、それによって、導波路のそれぞれは、実質的に同様の量の励起光を受け取る。そのような実施形態は、集積装置8-102の反応チャンバ8-108によって受け取られる励起光の均一性を改善することによって、集積装置8-102の性能を改善することができる。
【0198】
反応チャンバ8-108、励起源からチャンバへの光学系の一部分、および、反応チャンバから光検出器への光学系は、集積装置8-102に位置付けられる。励起源8-106および源からチャンバへの構成要素の一部分は、機器8-104内に位置付けられる。いくつかの実施形態においては、単一の構成要素が、励起光を反応チャンバ8-108に結合すること、および、反応チャンバ8-108からの発光を光検出器8-110に送達することの双方においての役割を果たすことができる。励起光を反応チャンバに結合するおよび/または発光を光検出器に方向付けるための、集積装置に含まれる好適な構成要素の例は、2015年8月7日に出願された「INTEGRATED DEVICE FOR PROBING, DETECTING AND ANALYZING MOLECULES」と題する米国特許出願第14/821,688号、および、2014年11月17日に出願された「INTEGRATED DEVICE WITH EXTERNAL LIGHT SOURCE FOR PROBING, DETECTING, AND ANALZING MOLECULES」と題する米国特許出願第14/543,865号に記載されており、これらの双方は参照によりその全体が援用される。
【0199】
ピクセル8-112は、それ自体の個々の反応チャンバ8-108および少なくとも1つの光検出器8-110に関連付けられる。集積装置8-102の複数のピクセルは、任意の好適な形状、サイズ、および/または寸法を有するように構成することができる。集積装置8-102は、任意の好適な数のピクセルを有することができる。集積装置8-102内のピクセルの数は、およそ10,000ピクセル~1,000,000ピクセルの範囲内、またはその範囲内における任意の範囲内の値とすることができる。いくつかの実施形態においては、ピクセルは、512個のピクセル×512個のピクセルのアレイに配置することができる。集積装置8-102は、任意の好適な方法で機器8-104とインターフェースすることができる。いくつかの実施形態においては、機器8-104は、集積装置8-102に着脱可能に結合するインターフェースを有することができ、それによってユーザは、集積装置8-102の使用のために集積装置8-102を機器8-104に取り付けて懸濁液中の少なくとも1つの対象のサンプルを分析するとともに、別の集積装置を取り付け可能にするために集積装置8-102を機器8-104から取り外すことができる。機器8-104のインターフェースは、機器8-104の回路部と結合するように集積装置8-102を位置決めし、1つまたは複数の光検出器からの読み出し信号を機器8-104に送信することを可能にすることができる。集積装置8-102および機器8-104は、大きなピクセルアレイ(例えば、10,000超のピクセル)に関連付けられるデータを取り扱うためにマルチチャネル高速通信リンクを含むことができる。
【0200】
動作時、反応チャンバ内のサンプルの並列分析を、励起光を使用して反応チャンバ内のサンプルのいくつかまたはすべてを励起し、反応チャンバからの発光を表す信号を光検出器で検出することによって行う。サンプルまたは反応成分(例えば、蛍光ラベル)からの発光は、対応する光検出器によって検出されて、少なくとも1つの電気信号に変換され得る。電気信号は集積装置の回路部の導電線(例えば、本明細書で説明される導電線)に沿って伝送され得る。この導電線は、集積装置とインターフェースする機器に接続され得る。電気信号は、続いて処理および/または分析され得る。電気信号の処理または分析は、機器上にまたは機器から離れて位置付けられる好適なコンピューティングデバイスにおいて実行され得る。
【0201】
[B.タンパク質シークエンシング用途]
本開示のいくつかの態様は、タンパク質シークエンシングに有用であり得る。例えば、本開示のいくつかの態様は、ポリペプチドからアミノ酸配列情報を決定するのに(例えば、1つまたは複数のポリペプチドをシークエンシングするのに)有用である。いくつかの実施形態において、単一のポリペプチドの分子について、アミノ酸配列情報を決定することができる。いくつかの実施形態において、ポリペプチドの1つまたは複数のアミノ酸をラベリングして(例えば、直接的または間接的に)、ポリペプチド内のラベリングされたアミノ酸の相対位置を求める。いくつかの実施形態において、タンパク質内のアミノ酸の相対位置は、一連のアミノ酸ラベリングおよび開裂ステップを使用して求める。
【0202】
いくつかの実施形態において、末端アミノ酸(例えば、N末端またはC末端アミノ酸)のアイデンティティを評価し、その後に末端アミノ酸を除去して、末端の次のアミノ酸のアイデンティティを評価し、このプロセスをポリペプチド内の複数の連続するアミノ酸が評価されるまで繰り返す。いくつかの実施形態において、アミノ酸のアイデンティティを評価することは、存在するアミノ酸の種類を判断することを含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸の種類を判断することは、例えば、天然由来の20のアミノ酸のうちのどれが末端アミノ酸であるかを判断することによって(例えば、個々の末端アミノ酸に固有の認識分子を使用して)実際のアミノ酸のアイデンティティを判断することを含む。しかし、いくつかの実施形態において、末端アミノ酸の種類のアイデンティティを評価することは、ポリペプチドの末端に存在する可能性のある候補アミノ酸の部分集合を判断することを含むことができる。いくつかの実施形態において、これはアミノ酸が1つまたは複数の固有アミノ酸ではない(そのため、他のアミノ酸のいずれかであり得る)と判断することによって実現することができる。いくつかの実施形態において、これは指定されるアミノ酸の部分集合(例えば、サイズ、電荷、疎水性、結合特性に基づいて)のうちのどれがポリペプチドの末端にあり得るかを(例えば、2つ以上の末端アミノ酸の指定部分集合に結合する認識分子を使用して)判断することによって実現することができる。
【0203】
本明細書で使用されるとき、ポリペプチドのシークエンシングとは、ポリペプチドの配列情報を決定することをいう。いくつかの実施形態において、これはポリペプチドの一部分(またはすべて)について各アミノ酸配列のアイデンティティを決定することを伴い得る。しかし、いくつかの実施形態において、これは、ポリペプチド内のアミノ酸の部分集合のアイデンティティを評価すること(例えば、また、ポリペプチド内の各アミノ酸のアイデンティティを決定せずに、1つまたは複数のアミノ酸の種類の相対位置を決定すること)を伴い得る。しかし、いくつかの実施形態において、アミノ酸含有量情報は、ポリペプチド内のアミノ酸の異なる種類の相対位置を直接決定せずに、ポリペプチドから取得することができる。アミノ酸含有量のみを使用して、存在するポリペプチドのアイデンティティを(例えば、アミノ酸含有量をポリペプチド情報のデータベースと比較し、どのポリペプチドが同じアミノ酸含有量を有するかを決定することにより)推測することもできる。
【0204】
いくつかの実施形態によるシークエンシングは、チップまたは集積装置などの基板または固体支持体の表面上にポリペプチドを固定化することを伴い得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは基板のサンプルウェルの表面上(例えば、サンプルウェルの底面上)に固定化され得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドの第1の末端が表面に対して固定化され、他の末端が本明細書に記載されるようにシークエンシング反応を受ける。例えば、いくつかの実施形態において、ポリペプチドはC末端側から表面に対して固定化され、末端アミノ酸の認識および分解は、ポリペプチドのN末端側からC末端側に向かって進める。いくつかの実施形態において、ポリペプチドのN末端アミノ酸が固定化される(例えば、表面に付着させられる)。いくつかの実施形態において、ポリペプチドのC末端アミノ酸が固定化される(例えば、表面に付着させられる)。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の非末端アミノ酸が固定化される(例えば、表面に付着させられる)。
【0205】
本開示のいくつかの態様は、末端アミノ酸の修飾および開裂の繰り返しサイクルを受けるラベリングされたポリペプチドのルミネセンスを検出することによって、ポリペプチドをシークエンシングする方法を提供する。例えば、図8-2は、いくつかの実施形態による、エドマン分解によりラベリングされたポリペプチドをシークエンシングする方法を示す。いくつかの実施形態において、方法は、一般に、エドマン分解によるシークエンシングの他の方法について、本明細書に記載されるように進める。例えば、いくつかの実施形態において、図8-2に示されたステップ(1)および(2)は、エドマン分解反応において、末端アミノ酸修飾および末端アミノ酸開裂についてそれぞれ本明細書の他の箇所で説明したように行うことができる。
【0206】
図8-2の例に示されるように、いくつかの実施形態において、方法は、(1)ラベリングされたポリペプチドの末端アミノ酸を修飾するステップを含む。本明細書の他の箇所で説明するように、いくつかの実施形態において、修飾することは、末端アミノ酸をイソチオシアネート(例えば、PITC)に接触させて、イソチオシアネート修飾末端アミノ酸を作成することを含む。いくつかの実施形態において、イソチオシアネート修飾8-210は、末端アミノ酸を、開裂試薬(例えば、本明細書に記載されるように、化学的または酵素による開裂試薬)による除去をより受けやすい形態に変換する。したがって、いくつかの実施形態において、方法は、(2)エドマン分解について本明細書の他の箇所で詳述される化学的または酵素による手段を使用して、修飾された末端アミノ酸を除去するステップを含む。
【0207】
いくつかの実施形態において、方法は、複数のサイクルにわたりステップ(1)から(2)を繰り返すことを含み、その間ラベリングされたポリペプチドのルミネセンスが検出され、末端からのラベリングされたアミノ酸の除去に対応する開裂事象は検出信号の減少として検出することができる。いくつかの実施形態において、図8-2に示されたステップ(2)の後の信号の無変化は、未知の種類のアミノ酸を特定する。したがって、いくつかの実施形態において、部分的な配列情報は、各逐次ラウンド中にステップ(2)の後に検出される信号を、検出信号の変化に基づいて決定されるアイデンティティごとにアミノ酸の種類を割り当てるか、または検出信号の無変化に基づいてアミノ酸の種類を未知のものとして特定することにより評価して決定することができる。
【0208】
本開示のいくつかの態様は、ラベリングされたアミノ酸認識分子およびラベリングされた開裂試薬(例えば、ラベリングされたエキソペプチダーゼ)との末端アミノ酸の結合相互作用を評価することによって、リアルタイムでポリペプチドシークエンシングをする方法を提供する。図8-3は、個別的な結合事象が信号出力8-300のパルスを生じさせるシークエンシングの方法の例を示す。図8-3の挿入図は、このアプローチによるリアルタイムシークエンシングの一般的スキームを示す。図示されるように、ラベリングされたアミノ酸認識分子8-310は、末端アミノ酸(ここではリジンとして示される)と選択的に結合および分離し、それが信号出力8-300に一連のパルスを生じさせ、それを使用して末端アミノ酸を同定することができる。いくつかの実施形態において、一連のパルスは対応する末端アミノ酸のアイデンティティの診断に役立ち得るパルシングパターンを提供する。
【0209】
理論に束縛されるものではないが、ラベリングされたアミノ酸認識分子8-310は、結合の結合速度(kon)および結合の解離速度(koff)によって定義される結合親和性(K)に従って選択的に結合する。速度定数koffおよびkonは、それぞれパルス持続時間(例えば、検出可能な結合事象に対応する時間)およびパルス間持続時間(例えば、検出可能な結合事象間の時間)の重要な決定因子である。いくつかの実施形態において、これらの速度は、最善のシークエンシング精度を与えるパルス持続時間およびパルスレートを達成するように工作することができる。
【0210】
挿入図に示されるように、シークエンシング反応混合物は、ラベリングされたアミノ酸認識分子8-310のものとは異なる検出可能なラベルを含むラベリングされた開裂試薬8-320をさらに含む。いくつかの実施形態において、ラベリングされた開裂試薬8-320は、ラベリングされたアミノ酸認識分子8-310のものより低い濃度で混合物中に存在する。いくつかの実施形態において、ラベリングされた開裂試薬8-1320は、末端アミノ酸のほとんどまたはすべての種類を開裂するように広い特異性を呈する。
【0211】
信号出力8-300の進行によって示されるように、いくつかの実施形態において、ラベリングされた開裂試薬8-320による末端アミノ酸開裂は、一意に識別可能な信号パルスを生じさせ、これらの事象はラベリングされたアミノ酸認識分子8-310の結合パルスよりも低い周波数で発生する。このように、ポリペプチドのアミノ酸をリアルタイムのシークエンシングプロセスでカウントおよび/または同定することができる。信号出力8-300にさらに示されるように、いくつかの実施形態において、ラベリングされたアミノ酸認識分子8-310は、各種類に対応する異なる結合特性を有する2つ以上の種類のアミノ酸を結合するように工作され、これが一意に識別可能なパルシングパターンを生む。いくつかの実施形態において、複数のラベリングされたアミノ酸認識分子を使用することができ、それぞれが対応する末端アミノ酸を同定するために使用することのできる診断に役立つパルシングパターンを有するものである。
【0212】
[VII.結論]
本開示の技術のいくつかの態様および実施形態をこのように記載したが、様々な改変、変更および改良が当業者に容易に想起されることを理解されたい。そのような改変、変更および改良は、本明細書に記載される技術の精神および範囲内にあることが意図される。したがって、上記の実施形態は例として提示されているものにすぎないこと、ならびに、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、本発明の実施形態は詳細に記載されているものとは別様に実践され得ることを理解されたい。加えて、本明細書に記載される2つ以上の特徴部、システム、物品、材料、キットおよび/または方法の任意の組み合わせは、そのような特徴部、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が相互に矛盾するものでなければ、本開示の範囲内に含まれる。
【0213】
また、記載したように、いくつかの態様は、1つまたは複数の方法として具現化してもよい。方法の一部として実施される行為は、任意の好適な形で順序付けることができる。それに応じて、例示的な実施形態では連続的な行為として示されている場合であっても、いくつかの行為を同時に実施することを含み得る、示されているものとは異なる順序で行為が実施される実施形態を構築することができる。
【0214】
本明細書において定義および使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により援用される文献中の定義および定義される用語の通常の意味の両方、またはそのいずれかを超えて統括するものと理解されたい。
【0215】
本明細書および特許請求の範囲において本願明細書で「1つ」と使用されるとき、明らかにそれとは反対のことが示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されたい。
【0216】
「および/または」などの句は、本明細書および特許請求の範囲において本願明細書で使用されるとき、そのように連結された要素の「一方または両方」を、すなわち、ある場合には連言的に存在し、他の場合には選言的に存在する要素を意味するものと理解されたい。
【0217】
本明細書および特許請求の範囲において本願明細書で使用されるとき、1つまたは複数の要素の列挙に関して、「少なくとも1つ」という句は、要素の列挙中の要素のうちのいずれか1つまたは複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するものと理解されたいが、必ずしも、要素の列挙内に具体的に列挙されるあらゆる要素のうちの少なくとも1つを含むとは限らず、また要素の列挙中の要素の任意の組み合わせを排除するわけではない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が言及する要素の列挙内で具体的に特定される要素以外の要素が、具体的に特定されるそれらの要素に関するか関しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得ることを可能にする。
【0218】
特許請求の範囲および上記の明細書において、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」、「から構成される」などのようなすべての移行句はオープンエンド、すなわち限定はされないが含むことを意味するものであると理解されたい。「からなる」および「本質的に~からなる」という移行句はそれぞれクローズドまたはセミクローズドの移行句とする。
【0219】
図面および上記した明細書において、方向の言及(例えば、「上部」または「下部」)は、図示された実施形態を特定の照明構成に限定するものとして解釈されるべきではなく、そのような方向の言及は、単に、図面を視ている読者、および/または、一実施形態の1つの図が同じまたは類似の実施形態の別の図とどのように関連するかおよび/またはそれと異なるかを理解する読者の助けとすることが意図されている。例えば、「上部」は必ずしも「前部」(例えば、前面照明などの場合)を意味するものとして解釈されるべきではなく、「下部」は必ずしも「背部」または「後部」(例えば、背面照明などの場合)を意味するものとして解釈されるべきではない。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図1-5A】
図1-5B】
図1-6】
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図4-5】
図4-6】
図4-7】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図5-5】
図5-6】
図5-7A】
図5-7B】
図5-8】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図6-4】
図6-5】
図6-6】
図6-7】
図6-8】
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図7-4】
図7-5】
図7-6】
図7-7】
図7-8】
図7-9】
図7-10】
図7-11】
図7-12】
図8-1】
図8-2】
図8-3】
【国際調査報告】