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特表2024-516558ノズル、ノズル組立体、及び関連の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ノズル、ノズル組立体、及び関連の方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/209 20170101AFI20240409BHJP
   B05B 1/06 20060101ALI20240409BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20240409BHJP
   B29C 64/321 20170101ALI20240409BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240409BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240409BHJP
   B22F 12/53 20210101ALI20240409BHJP
   B22F 10/20 20210101ALI20240409BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B29C64/209
B05B1/06
B29C64/106
B29C64/321
B33Y10/00
B33Y30/00
B22F12/53
B22F10/20
B28B1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562182
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 US2022023234
(87)【国際公開番号】W WO2022216572
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/171,718
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501328511
【氏名又は名称】ユー.エス.シンセティック コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、ハリス
(72)【発明者】
【氏名】クロケット、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、ジャレット
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、スコット
(72)【発明者】
【氏名】グリーソン、マイケル ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】シェイ、ブライアン
【テーマコード(参考)】
4F033
4F213
4G052
4K018
【Fターム(参考)】
4F033BA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033FA00
4F033NA01
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL74
4G052DA02
4G052DB12
4G052DC06
4K018AB02
4K018CA33
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
実施例が、3次元印刷のためのノズル、並びに、関連のノズル組立体及び方法を対象とする。例示のノズルが、少なくとも1つの頂面と、少なくとも1つの底面と、頂面から又はその近くから底面まで又はその近くまで延在する少なくとも1つのノズル側面と、を有する。ノズルが、導管を画定する少なくとも1つの導管面を有する。導管面が頂面から又はその近くから底面まで又はその近くまで延在する。実施例では、頂面の近くの導管面の少なくとも一部分が非垂直である(例えば、非円筒形形状又は非長方形形状を画定する)。非垂直の導管面が、頂面から底面まで延在するノズルの中心軸と非平行となるように、配置され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元印刷のためのノズルであって、前記ノズルが、
少なくとも1つの頂面と、
前記少なくとも1つの頂面の反対側にある少なくとも1つの底面と、
少なくとも1つの側面と、
前記少なくとも1つの頂面から前記少なくとも1つの底面まで延在する少なくとも1つの導管面であって、前記少なくとも1つの導管面が前記ノズルを通る導管を画定する、少なくとも1つの導管面と、
を備え、
前記少なくとも1つの頂面の近くの前記少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が非垂直であり、
前記少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が少なくとも1つの超硬材料を含む、
ノズル。
【請求項2】
非垂直である前記少なくとも1つの導管面の前記少なくとも一部分が、前記ノズルの中心軸に対して横向きである軸に沿って延在する、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの導管面が凸形曲面又は凹形曲面を呈する、請求項1に記載のノズル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの導管面が第1の導管面及び第2の導管面を呈し、前記第1の導管面が前記少なくとも1つの頂面から前記第2の導管面まで延在し、前記第2の導管面が前記第1の導管面から前記少なくとも1つの底面の方に向かって延在し、前記第1の導管面が前記ノズルの中心軸に対して角度θで延在し、前記第2の導管面が前記中心軸に対して角度φで延在し、前記角度φが前記角度θより大きく、前記角度θ及び前記角度φが非ゼロ度の角度である、請求項1に記載のノズル。
【請求項5】
前記角度θが約4°から約10°である、請求項4に記載のノズル。
【請求項6】
前記第1の導管面と前記第2の導管面との間の縁部が湾曲している、請求項4に記載のノズル。
【請求項7】
前記少なくとも1つの導管面が、前記第2の導管面から前記少なくとも1つの底面まで延在する1つ又は複数の追加の導管面をさらに有する、請求項4に記載のノズル。
【請求項8】
前記少なくとも1つの導管面がオリフィスを画定し、前記オリフィスが非円形形状を呈する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項9】
前記少なくとも1つの導管面がオリフィスを画定し、前記オリフィスが約1mm未満の最大横寸法を呈する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項10】
前記ノズルが7.5mmより大きい容量を呈する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項11】
前記少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素の少なくとも一方を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項12】
前記ノズルの全体が、多結晶ダイヤモンド、多結晶立方晶窒化ホウ素、又は多結晶ダイヤモンドに接合された接合炭化物のサブストレート、のうちの少なくとも1つから形成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項13】
前記少なくとも1つの頂面から内側に延在する1つ又は複数の凹部をさらに備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項14】
前記少なくとも1つの頂面から外側に延在する1つ又は複数の突出部をさらに備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項15】
前記少なくとも1つの頂面から前記少なくとも1つの底面まで延在する少なくとも1つの外側面取りをさらに備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項16】
前記少なくとも1つの頂面が第1の表面積を呈し、前記少なくとも1つの外側面取りが、前記第1の表面積と等しいか又はそれより大きい第2の表面積を呈する、請求項15に記載のノズル。
【請求項17】
前記少なくとも1つの頂面から前記少なくとも1つの導管面まで延在する少なくとも1つの内側面取りをさらに備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載のノズル。
【請求項18】
3次元印刷のためのノズル組立体であって、
プリンティング・デバイスに取り付けられるように構成された取り付け部分を有する基部と、
前記基部に取り付けられたノズルであって、前記基部が、
少なくとも1つの頂面、
前記少なくとも1つの頂面の反対側にある少なくとも1つの底面、
少なくとも1つの側面、及び
前記少なくとも1つの頂面から前記少なくとも1つの底面まで延在する少なくとも1つの導管面であって、前記少なくとも1つの導管面が導管を画定する、少なくとも1つの導管面
を有し、
前記少なくとも1つの頂面の近くの前記少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が、前記ノズルの中心軸に対して横向きである方向に延在し、
前記少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が少なくとも1つの超硬材料を含む、
ノズルと、
を備える、ノズル組立体。
【請求項19】
前記ノズルが第1の最大横寸法を呈し、前記基部が第2の最大横寸法を呈し、前記第1の最大横寸法が前記第2の最大横寸法と等しいか又はそれより大きい、請求項18に記載のノズル組立体。
【請求項20】
3次元印刷プロセスでノズルを使用する方法であって、前記方法が、
少なくとも1つの超硬材料を含む導管面によって画定されたノズルの導管を通して印刷材料を流すステップと、
前記ノズルの中心軸に対して横向きである方向において前記導管面の少なくとも一部分を備える前記導管を通して前記印刷材料の流れを誘導するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2021年4月7日に出願した「NOZZLES, NOZZLE ASSEMBLIES INCLUDING THE SAME, AND METHODS OF USING THE SAME」と題される米国仮特許出願第63/171,718号の出願日の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
3次元(「3D」)印刷は、材料の第1の層をノズルからプラットフォームの上に計量分配することを含む方法である。加えて、物体が形成されるまで、材料の層がノズルから第1の及び次の層の上に計量分配され得る。しかし、従来のノズル及びこのようなノズルを有する従来のノズル組立体には、計量分配される材料が不適切にリークすること及びノズルが過度に摩耗することなどのいくつかの問題が存在する。
【0003】
したがって、新しい改善されたノズル及びこのようなノズルを有するノズル組立体が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第63/171,708号
【特許文献2】米国仮特許出願第63/154,277号
【特許文献3】米国特許第6,338,754号
【特許文献4】米国特許第8,236,074号
【特許文献5】米国特許出願第16/084,469号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】G.Rousse、S.Klotz、A.M.Saitta、J.Rodriguez-Carvajal、M.I.McMahon、B.Couzine、及びM.Mezouar、「Structure of the Intermediate Phase of PbTe at High Pressure」、Physical Review B:Condensed Matter and Materials Physics、71、224116(2005年)
【非特許文献2】D.L.Decker、W.A.Bassett、L.Merrill、H.T.Hall、及びJ.D.Barnett、「High-Pressure Calibration: A Critical Review」、J.Phys.Chem.Ref.Data、1、3(1972年)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例が、3次元印刷のためのノズル及び関連のノズル組立体、並びに、ノズルを形成して使用する方法を対象とする。実施例では、3次元印刷のためのノズルが開示される。ノズルが、少なくとも1つの頂面と、少なくとも1つの頂面の反対側にある少なくとも1つの底面と、少なくとも1つの側面と、少なくとも1つの頂面から少なくとも1つの底面まで延在する少なくとも1つの導管面と、を有することができる。少なくとも1つの導管面が導管を画定する。いくつかの実施例では、少なくとも1つの頂面の近くの少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が非垂直である。少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が少なくとも1つの超硬材料を含む。
【0007】
実施例では、3次元印刷のためのノズル組立体が開示される。ノズル組立体が、プリンティング・デバイスに取り付けられるように構成された取り付け部分を有する基部と、基部に取り付けられたノズルと、を有する。ノズルが、少なくとも1つの頂面と、少なくとも1つの頂面の反対側にある少なくとも1つの底面と、少なくとも1つの側面と、少なくとも1つの頂面から少なくとも1つの底面まで延在する少なくとも1つの導管面と、を有することができる。少なくとも1つの導管面が導管を画定する。いくつかの実施例では、少なくとも1つの頂面の近くの少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が非垂直である。少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が少なくとも1つの超硬材料を含む。
【0008】
いくつかの実施例が、ノズル及びノズル組立体を形成する及び/又は使用する方法を含むことができる。
【0009】
例えば、ノズルを形成する方法が、ノズルを通って延在する少なくとも1つの導管面を画定することと、少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分をノズルの中心軸に対して横向きである方向に延在させることと、少なくとも1つの超硬材料を用いて少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分を形成することと、を含むことができる。
【0010】
いくつかの実施例では、3次元印刷プロセスでノズルを使用する方法が、少なくとも1つの超硬材料を含む導管面によって画定されたノズルの導管を通して流体(例えば、印刷材料)を流すことと、ノズルの中心軸に対して横向きである方向において導管面の少なくとも一部分を備える導管を通して流体流れを誘導することと、を含むことができる。
【0011】
開示される実施例のうちの任意の実施例からの特徴が、限定しないが、互いに組み合わされて使用され得る。加えて、以下の詳細な説明及び添付図面の考察から当業者には本開示の他の特徴及び利点が明らかとなろう。
【0012】
図面は本開示のいくつかの実施例を示しており、ここでは、等しい参照符号が異なる図の又は図面に示される異なる実施例の等しい又は同様の要素又は特徴を示している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】実施例による、ノズルを示す等角図である。
図1B】実施例による、図1Aに示される平面1B-1Bに沿うノズルを示す断面概略図である。
図1C】実施例による、図1Bに示される円1C内のノズルの部分を示す拡大図である。
図1D図1Cに示される実施例とは異なる実施例による、図1Bに示される円1C内のノズルの部分を示す拡大図である。
図2】実施例による、ノズルを示す断面概略図である。
図3】異なる実施例による、湾曲導管面を有する異なるノズルを示す断面概略図である。
図4】異なる実施例による、湾曲導管面を有する異なるノズルを示す断面概略図である。
図5】異なる実施例による、非円形断面形状を呈するオリフィスを各々が有するノズルを示す上面図である。
図6】異なる実施例による、非円形断面形状を呈するオリフィスを各々が有するノズルを示す上面図である。
図7】異なる実施例による、その頂面からその側面又は導管面まで延在する面取りを各々が有する異なるノズルの断面概略図である。
図8】異なる実施例による、その頂面からその側面又は導管面まで延在する面取りを各々が有する異なるノズルの断面概略図である。
図9A】実施例による、ノズルによって形成された印刷済み材料の表面積を増大させるように構成されたノズルを示す断面概略図である。
図9B】実施例による、図9Aに示される円9B内の、凹部を有するノズルの部分を示す拡大断面概略図である。
図9C】異なる実施例による、凹部を有するノズルの部分を示す拡大断面概略図である。
図9D】異なる実施例による、凹部を有するノズルの部分を示す拡大断面概略図である。
図10】実施例による、ノズルによって形成された印刷済み材料の表面積を増大させるように構成されたノズルを示す断面概略図である。
図11】実施例による、基部に取り付けられたノズルを有するノズル組立体を示す断面概略図である。
図12】実施例による、基部に取り付けられたノズルを有するノズル組立体を示す断面概略図であり、ここでは、最大横寸法が基部の最大横寸法と等しいか又はそれより大きい。
図13】実施例による、ノズルを有して基部を有さないノズル組立体を示す断面概略図である。
図14】実施例による、多結晶ダイヤモンドからノズルを作製するための方法の実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、3次元印刷のためのノズル及び関連のノズル組立体、並びに、ノズルを形成して使用する方法に関連する。例示のノズルが、少なくとも1つの頂面と、少なくとも1つの底面と、頂面から又はその近くから底面まで又はその近くまで延在する少なくとも1つの側面と、を有する。ノズルが、導管を画定する少なくとも1つの導管面をさらに有する。導管面が、頂面から又はその近くから底面まで又はその近くまで延在する。実施例では、頂面の最も近くにある導管面の少なくとも一部分が非垂直であり(例えば、非円筒形形状又は非長方形形状を形成し、ノズルの中心軸に対して横向きである軸に沿って延在する)。このような実施例では、導管面が、頂面から底面まで延在するノズルの中心軸に対して導管面が非平行(例えば、横向き)である場合、非垂直である。
【0015】
本明細書で開示されるノズルの特徴は、例えば、導管を通して印刷材料を押すのに必要である力を低減するように、その後で導管を通って流れることができる第2の異なる印刷材料の汚染を防止するために第1の印刷材料を除去するのを支援するように、導管の詰まりを防止するように、ノズルを通って流れる印刷材料を加熱するのを改善するように、印刷済み材料の解像度を向上させるように、及び/又は、印刷済み材料の異なる層の付着性を向上させるように、構成され得る。これらの特徴は導管を通して任意の印刷材料を流す場合に有用となり得るが、ノズルを通って摩耗性印刷材料が流れる場合に特に有用となり得る。摩耗性印刷材料は、真鍮、鋼鉄、又はノズルを形成するのに一般に使用される他の材料と同等であるか又はそれらより高い硬さを呈する印刷材料を含むことができる。摩耗性印刷材料の例は、中に配設された1つ又は複数の粒子(例えば、セラミック粒子、金属粒子、炭素繊維など)を有するポリマー、セラミック、金属、複合材、又はこれらの組み合わせを含む。本明細書で使用される場合の「印刷材料」は、導管を通って流れる材料(例えば、流体又は別の流動可能材料)を意味し、対して「印刷済み材料」は、ノズルから計量分配された材料を意味する、ことに留意されたい。
【0016】
本明細書で開示されるノズルの特徴は、導管を通って摩耗性印刷材料が流れるときに磨滅する可能性が高い構造部を形成する可能性があり、それにより本明細書で開示される構造部の利益を低減する。したがって、いくつかの実施例では、本明細書で開示されるノズルが、少なくとも部分的に、多結晶ダイヤモンド(PCD:polycrystalline diamond)又は多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN:polycrystalline cubic boron nitride)の少なくとも一方、炭化タングステンと等しいか又はそれより高い硬さを呈する別の超硬材料、並びに/或いは、上記のうちの任意の組み合わせ、を含むことができる(又は、それらから形成され得る)。例えば、ノズルは、本明細書で開示されるノズルの構造部を、PCD、PcBN、又は別の超硬材料によって画定及び/又は形成するのを可能にするように、形成され得る。さらに、本明細書で開示されるノズルの少なくとも一部分をPCD又はPcBNの少なくとも一方から形成することにより、ノズルの熱伝導性を向上させることができ、それにより、別の超硬材料からノズルを形成する場合よりも印刷材料の加熱を改善することができる、ことに留意されたい。
【0017】
本明細書で使用される場合の「第1」、「第2」、「頂部」、「底部」などの関係を示す用語は、一般に、明瞭さのために、並びに、本開示及び添付図面を理解する際の便宜さのために、使用されるものであり、文脈により明確に示されない限り、任意の特定の優先傾向、向き、又は順序を含意したり又はこれらに依存したりしない。
【0018】
本明細書で使用される場合の「及び/又は」という用語は、関連付けられた列記されるアイテムのうちの1つ又は複数のアイテムの任意の及びすべての組み合わせを意味して含む。
【0019】
本明細書で使用される場合の「垂直」、「上側」、「下側」、及び「側方」という用語は、図に描かれる向きを意味する。
【0020】
図1Aが、実施例による、ノズル100の等角図である。図1Bが、実施例による、図1Aに示される平面1B-1Bに沿うノズル100の断面概略図である。ノズル100が、少なくとも1つの頂面102と、頂面102の反対側にある少なくとも1つの底面104と、少なくとも1つの側面106と、任意選択の少なくとも1つの面取り(例えば、面取り108)と、を有する。示される実施例では、側面106が、頂面102から、底面104の近くの位置まで、延在する(例えば、底面104と側面106との間を延在する面取り108まで延在する)。しかし、側面106は、ノズル10が頂面102と側面106との間を延在する外側面取りを有する場合には頂面102の近くの位置から延在すること、面取り108を排除する場合には底面104まで延在すること、のうちの少なくとも一方が可能である。ノズル100が、導管112を画定する少なくとも1つの導管面110をさらに有する。導管面110の少なくとも一部分が、炭化タングステンと等しいか又はそれより高い硬さを呈する少なくとも1つの超硬材料を含むことができる。このような構成は、導管面110の摩耗を制限することができる。実施例では、示されるように、導管面110が頂面102から底面104まで延在する。しかし、ノズル100が、頂面102又は底面104の少なくとも一方から導管面110まで延在する少なくとも1つの面取りを有することができる。頂面102及び/又は導管面110がオリフィス114を画定し、印刷材料がオリフィス114を通してノズル100から計量分配され、底面104及び/又は導管面110が開口部116を画定し、導管112が開口部116を通して印刷材料を受けることができる。
【0021】
既に考察したように、ノズルの頂面102がオリフィス114を画定する。オリフィス114が、約0.25mm、約0.4mm、約0.6mm、約0.8mm、約1.0mm、約0.1mm以上、約0.2mm以上、約0.4mm以上、約0.6mm以上、約0.8mm以上、約1mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.75mm以下、約0.5mm以下、或いは、約0.1mmから約0.3mm、約0.2mmから約0.4mm、約0.3mmから約0.5mm、約0.4mmから約0.6mm、約0.5mmから約0.7mm、約0.6mmから約0.8mm、約0.7mmから約0.9mm、約0.8mmから約1mm、約0.9mmから約1.5mm、約1mmから約2mm、又は約1.5mmから約3mmの範囲である最大横寸法(例えば、直径)を呈することができる。オリフィス114の最大横寸法が、印刷済み材料の達成可能な解像度、及び、ノズル100により印刷材料を計量分配することが可能であるレートに影響を与えることができる。例えば、ノズル114の最大横寸法を増大させることにより、ノズル100により印刷材料を計量分配することが可能であるレートを上げることができるが、印刷材料の達成可能な解像度を低下させる可能性がある。
【0022】
頂面102が、約0.075mm以上、約0.1mm以上、約0.2mm以上、約0.3mm以上、約0.5mm以上、約0.7mm以上、約1mm以上、約1.25mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、或いは、約0.075mmから約0.2mm、約0.1mmから約0.3mm、約0.2mmから約0.4mm、約0.3mmから約0.5mm、約0.4mmから約0.6mm、約0.5mmから約0.7mm、約0.6mmから約0.8mm、約0.7mmから約0.9mm、約1mmから約1.25mm、約1mmから約1.5mm、約1.25mmから約1.75mm、約1.5mmから約2mm、約1.75mmから約3mm、又は約2mmから約4mmの範囲である表面積を呈することができる。実例では、頂面102の表面積がオリフィス114の最大横寸法に基づいて選定され得る。その理由は、オリフィス114の最大横寸法を増大させることにより頂面102の表面積を増大させることになり得るからである。実例では、頂面102の表面積が比較的小さくなるように選定され得、使用中に頂面102が印刷済み材料に接触する可能性を低下させ、及び/又は、印刷済み材料に接触する頂面102の悪影響(例えば、不鮮明化(smudging)、ドラッギング、又は平坦化)を低減し得る。
【0023】
実施例では、示されるように、頂面102が概略平坦であってよい。実施例では、頂面102の少なくとも一部分が、湾曲又は先細などの非平坦であってもよい。少なくとも部分的に湾曲又は先細である頂面102は、使用中に頂面102が印刷済み材料に接触する可能性を低下させることができる。例えば、ノズル組立体が(図11~13に示されるように)、印刷済み材料に対して垂直に延在しない可能性もある。印刷済み材料に対してのプリンティング・システムの非垂直角度により、頂面102の湾曲部分又は先細部分が、頂面102が平坦である場合には突出するか又は印刷済み材料に接触する可能性の高い頂面102の一部分が印刷済み材料に接触することを防止することができる。
【0024】
底面104が、基部の1つ又は複数の表面(「基部接触面」)に接触するように構成される。基部接触面の1つの例が、図11の基部接触面1142である。底面104が、基部接触面に概して対応する表面トポグラフィを呈することができる。例えば、底面104は、基部接触面も概略平坦である場合に、概略平坦なトポグラフィを呈することができる。基部接触面に概して対応する表面トポグラフィを呈するように底面104を選定することにより、底面104と基部接触面との間に存在する隙間のサイズを縮小することができる。底面104と基部接触面との間に存在する隙間が、底面104と基部接触面との間で印刷材料がリークするのを可能にし得る。底面104と基部接触面の間でリークする印刷材料は、オリフィス114以外のノズル組立体の部分から材料を排出させ得る。底面104と基部接触面との間で印刷材料がリークすることにより、さらに、印刷材料が汚染され得る。例えば、リークした印刷材料は硬化する可能性があるか、又は、その後導管112を通って流れることになる印刷材料とは組成的に異なる可能性があり、これらのいずれかが導管112を通って流れる印刷材料と混合することにより印刷上の欠陥が発生し得る。実施例では、底面104が頂面102に概して平行であってよい。
【0025】
側面106の少なくとも一部分が非垂直である(例えば、ノズル100の中心軸118と交差する平面内を延在する)。例えば側面106がノズル100の中心軸118(頂面102の中心から底面104の中心まで延在する軸)に非平行(例えば、横向き)である場合、側面106が非垂直となり得る。例えば、側面106の、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%(示されるように)、或いは、約55%から約70%の範囲、約60%から約80%の範囲、約70%から約90%の範囲、又は約80%から約100%の範囲が、非垂直である。非垂直である側面106のパーセンテージは、表面積のうちの少なくとも1つの表面積のパーセンテージ、側面106が非垂直であるところのノズル100の長さLのパーセンテージ、又は、非垂直である側面106の外側部分に沿って延在する、頂面102から底面104までの最短経路(任意の面取りを含むか又は排除する)に沿って測定される側面106の長さに関連し得る。非垂直である側面106のパーセンテージを55%超となるように選定すること及びさらには非垂直である側面106のパーセンテージを増大させることにより、ノズル100を基部に取り付けることを支援することができる。例えば、後でより詳細に考察するように、ノズル100が基部内に画定された凹部内に配置され得、基部に取り付けられ得る。凹部が、ノズル100の1つ又は複数の寸法より小さい(例えば、最大横寸法Dより小さい)凹部開口部を画定することができ(例えば、スエージ加工の後に)、それによりノズル100が凹部から離れることを防止し、ノズル100を基部に固定する。非垂直である側面106のパーセンテージを増大させることにより、凹部を画定する基部の表面により側面106のより多くの部分を接触させるのを可能にすることができ、それによりノズル100を凹部により良好に固定することができる。さらに、底面104により近いノズル100の部分などの、非垂直であるノズル100のパーセンテージを増大させることにより、基部から頂面102が突出することが可能となる距離が増大する。中心軸118に対して側面106が延在することができる角度の例が、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2021年4月7日に出願した米国仮特許出願第63/171,708号に開示されている。
【0026】
実施例では、側面106が、概略円錐形状の表面を有する。しかし、側面106は、限定しないが、複数の表面又は非円錐表面を有することもできる。実例では、側面106が複数の表面を有することができ、ここでは、中心軸118に対して側面106の各表面が延在する角度を多様にすることができる。複数の側面106がノズル100を基部に取り付けるのを支援することができ、基部の上方でノズル100の頂面102が延在することが可能である距離を増大させることができる。実例では、側面106の少なくとも一部分が、概略角柱形状、概略錐台形状、概略円筒形状、又は任意適切な他の形状を呈することができる。
【0027】
既に考察したように、ノズル100が、底面104からノズル側面106まで延在する面取り108を有する。本明細書で開示される面取りのうちの任意の面取りは2つの他の表面の間にある1つ又は複数の移行面を有し、本明細書で別途開示されない限り、1つ又は複数の曲線表面(例えば、約0.025mmより大きい、約0.05mmより大きい、約0.1mmより大きい、又は約0.2mmより大きい平均曲率半径を呈する曲線表面)、並びに/或いは、1つ又は複数の平坦表面を有することができる。面取り108が、ノズル100が底面104と側面106との間にある鋭利な角部(例えば、0.2mm未満である平均曲率半径を呈する表面)を有する場合のノズル100の挿入と比較して、ノズル100をそこに取り付けるところである基部によって画定された凹部の中にノズル100を挿入するのをより容易にすることができる。
【0028】
ノズル100の頂面102、底面104、側面、又は任意の他の外部表面(例えば、面取り108)、のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分が、約3μm以下、約2μm以下、約1.5μm以下、約1μm以下、約750nm以下、約500nm以下、約300nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約75nm以下、約50nm以下、約30nm以下、約15nm以下、或いは、約15nmから約50nm、約30nmから約75nm、約50nmから約100nm、約75nmから約200nm、約100nmから約300nm、約200nmから約500nm、約300nmから約750nm、約500nmから約1μm、約750nmから約1.5μm、約1μmから約2μm、約1.5μmから約3μmの二乗平均平方根(RMS:root mean square)表面粗さを呈するように研磨され得る。実例では、頂面102の少なくとも一部分のRMS表面粗さを低下させることが、頂面102の研磨部分と印刷済み材料との間の摩擦係数を低下させることができる。したがって、頂面102の研磨部分は、頂面102が印刷済み材料に接触するときにノズル100が印刷済み材料に対して移動する方向において印刷済み材料の一部分を引っ張る可能性を低下させることができる。実例では、印刷済み材料に対して頂面102の研磨部分を接触させることにより、頂面102により印刷材料に滑らかな表面を与えることができ、この滑らかな表面は、既に印刷された材料の上に印刷済み材料の次の層を付着させることに影響を与えるのに(例えば、改善するのに)使用され得、及び/又は、印刷済み材料に所望の形状を与えることができる。実例では、底面104及び/又は側面106を、上で考察したRMS表面粗さのうちの任意のRMS表面粗さまで研磨することにより、これを行わない場合に形成されることになるような底面104及び/又は側面106と基部との間の隙間を縮小することができる。底面104及び/又は側面106と基部との間の隙間を縮小することにより、ノズル100と基部との間で印刷材料がリークするのを防止することができるか又は妨げることができる。
【0029】
図1Bを参照すると、導管面110が、頂面102に最も近い部分(「導管面の頂部」)を有する。導管面110の頂部が、頂面102から非ゼロ距離で延在する導管面110の部分(例えば、第1の導管面110a)、及び/又は、頂面102と導管面110との間を延在する面取り(例えば、図7及び8に示される面取り724又は824)を有する。例えば、導管面110の頂部が延在する距離は、少なくとも0.25mm、少なくとも約0.5mm、又は少なくとも1mmであってよい。
【0030】
導管面110の一部分(例えば、オリフィス114の近くにある頂部又は上側部分)が非垂直となり得る(例えば、ノズル100の中心軸118と交差する平面内を延在することができる)。例えば、導管面110の頂部の断面がノズル100の中心軸118に非平行である(例えば、横向きに設定される)。別の言い方をすると、導管面110のこの部分が、中心軸118に対して側方内向きに又は径方向内向きに並びに/或いは側方外向きに又は径方向外向きに延在することができる。中心軸118に対して1つ又は複数の斜めの角度に設定されて延在する導管面110のこのような部分が、オリフィス114の断面ボリューム(cross-section volume)を徐々に拡大するか又は収縮させる表面を画定することができる。
【0031】
したがって、導管面110の頂部が概略円筒形形状又は概略長方形形状を呈さない可能性がある。その理由は、これらの形状が垂直表面(例えば、中心軸118に位置合わせされた)を有するからである。驚くべきこととして、導管面110の頂部の非垂直性は、導管面110の頂部が垂直である場合に導管を通して印刷材料を押すのに必要となる力と比較して、導管112を通して印刷材料を押すのに必要である力を低下させることができることが分かっている。導管面110の頂部の非垂直性は、導管面110の頂部が垂直である場合の導管112の幅(例えば、中心軸118に対して垂直に測定される)をより段階的に縮小させるのを可能にすることができる。導管112の幅を少なくとも部分的に段階的に縮小させることにより、導管112を通して印刷材料を移動させるのに必要となる力を低減することができる、と現在考えられている。導管112を通して印刷材料を押すのに必要となる力を低減することにより、さらに、ノズル100と基部との間で印刷材料がリークする可能性を低下させることができる。さらに、驚くべきこととして、導管112の非垂直性が、導管112を通して印刷材料を流しているときに導管112が詰まる可能性を低下させることができる、ことが分かっている。
【0032】
さらに、予想外なこととして、導管面110の頂部の非垂直性が、導管112から印刷材料をより完全に除去するのを可能にすることができる、ことが分かっている。例えば、ノズル100のさらなる使用を妨げるように、導管112内に残る印刷材料が乾燥したり、固化したり、又は導管112を詰まらせたりするのを防止するために、印刷プロセスの完了後に印刷材料が導管112から除去され得る。別法として又は加えて、第1の材料をノズル100から印刷した後で又は第1の材料とは異なる第2の印刷材料をノズル100から印刷する前に、印刷材料が導管112から除去され得、それにより第1の印刷材料が第2の材料を汚染するのを防止することができる。導管面110の頂部が垂直である場合、導管112から印刷材料を除去することにより、導管112内に存在するか又は導管112から延在する印刷材料のストリングが形成されることになる、ことが分かっている。印刷材料の残りを除去した後に印刷材料のストリングの少なくとも一部が導管112内に残る可能性があり、導管112内に残る印刷材料のストリングは導管112から完全に除去することが困難である可能性がある。しかし、意外なこととして、導管面110の頂部の非垂直性が印刷材料のストリングの形成を防止するか、又は、少なくとも、導管面110の頂部が垂直である場合に形成される印刷材料のストリングの量と比較して、形成される印刷材料のストリングの量を低減することができる、ことが分かっている。印刷材料を除去するときに印刷材料のストリングが形成される場合、導管面110の頂部の非垂直性が、導管面110の頂部が垂直である場合よりも多くのストリングを導管112から除去するのを可能にする。理論に束縛されるものではないが、導管面110が複数の導管面を含む場合、導管面110の異なる表面の間の交差位置(すなわち、角部又は縁部)がストリングの形成を引き起こすと現在考えられている。導管面110の頂部の非垂直性が、導管面110の頂部が垂直である場合と比較して、導管面110の異なる表面の間の交差位置をより目立たないものとすることができる(例えば、角度θと角度φとの間の差がより小さい)。導管面110の頂部の非垂直性により形成されるより目立たない交差位置によりストリングの形成が低減され、導管面110の頂部が垂直である場合と比較して、印刷材料をより完全に除去するのを可能にする、と考えられる。より目立たない交差位置がさらに、導管112を通して印刷材料を押すのに必要となる力を低減することができ、さらには、動作中に印刷材料が詰まる可能性を低減することができる。
【0033】
図1Bに示されるように、導管面110が第1の導管面110a及び第2の導管面110bを有する。第1の導管面110aが(示されるように)頂面102から延在するか、又は(図7及び8に示されるように)頂面102と導管面110aとの間を延在する面取りから第2の導管面110bまで延在することもできる。第2の導管面110bが(示されるように)第1の導管面110aから底面104の方に向かって(例えば、底面104まで)延在する。複数の表面を有するように導管面110を構成することにより、これらの表面の間に形成される縁部をより目立たなくする。導管面が、導管面110と底面104との間に形成される縁部をより目立たなくする。したがって、複数の導管面110は以下の利点のうちの1つ又は複数を提供することができる:導管112を通して印刷材料を押すのに必要となる力を低減すること、動作中に印刷材料が詰まる可能性を低下させること、並びに/或いは、導管112から印刷材料を除去するときに印刷材料のストリングが形成されるのを防止するか、又は、導管面110が単一の導管面のみを有する場合に印刷材料のストリングが形成される可能性と比較してその可能性を低下させること。
【0034】
示される実施例では、第1の導管面110aが、導管面110の頂部を少なくとも部分的に形成することができる。したがって、第1の導管面110aが非垂直となり得る。実例では、示されるように、第1の導管面110aが概略円錐台形形状を形成することができる。このような実例では、第1の導管面110aが中心軸118に対して角度θで延在することができる。実例では、第1の導管面110aが、概略収束形状(例えば、断面で見て凹形形状又は凸形形状を形成する側壁などの、湾曲側壁を有する概略先細形状)、切頭された概略多面体形状(例えば、切頭された概略多面体形状の壁が、中心軸118に対して角度θで延在することができる)、又は任意適切な他の形状を呈することができる。第1の導管面110aが有することができるような概して切頭された概略多面体形状及び他の形状は、第1の導管面110aが円錐台形形状又は概略収束形状などの交差する表面を呈する場合と比較して印刷材料を除去するときに形成される印刷材料のストリングを増大させる可能性がある交差する表面を含む可能性がある、ことに留意されたい。しかし、このような形状のこのような縁部は、第1の導管面110aが概略円筒形形状又は別の形状を呈する場合と比較して印刷材料を除去するときに印刷材料のストリングが形成される可能性を低下させることができる。
【0035】
いくつかの実施例では、第1の導管面110aが、切頭された概略三角柱形状などの、非垂直表面及び垂直表面を含む形状を呈することができることに留意されたい。このような形状は、(垂直表面のみを含む形状と比較して)導管112を通して印刷材料を押すのに必要となる力を増大させる可能性があり、(垂直表面を含まない形状と比較して)このような力を低下させる可能性があり、(垂直表面のみを含む形状と比較して)印刷材料を詰まらせる可能性を上げる可能性があり、(垂直表面を含まない形状と比較して)この可能性を低下させる可能性があり、並びに/或いは、(垂直表面のみを含む形状と比較して)導管112から印刷材料を除去するときに印刷材料のストリングが形成される可能性を上げる可能性があり、(垂直表面を含まない形状と比較して)この可能性を低下させる可能性がある。
【0036】
第1の導管面110aが中心軸118に対して角度θで延在する場合(例えば、第1の導管面110aが切頭された概略円錐形状又は多面体形状を呈する場合)、角度θが、約1°以上、約2°以上、約3°以上、約4°以上、約5°以上、約6°以上、約7°以上、約8°以上、約9°以上、約10°以上、約12°以上、約14°以上、約18°以上、約20°以上、約25°以上、約30°以上、約35°以上、約40°以上、約45°以上、或いは、約1°から約3°、約2°から約4°、約3°から約5°、約4°から約6°、約5°から約7°、約6°から約8°、約7°から約9°、約8°から約10°、約9°から約12°、約10°から約14°、約12°から約16°、約14°から約18°、約16°から約20°、約18°から約25°、約20°から約30°、約25°から約35°、約30°から約40°、又は約35°から約45°の範囲となるように選定され得る。角度θは1つ又は複数のファクタに基づいて選定され得る。実例では、角度θは約4°より大きくなるように選定され得る。その理由は、第1の導管面110aが、角度θが4°未満である場合の垂直導管面と同様に挙動し始める可能性があるからである。本明細書で使用される場合の「垂直」という用語は角度θが0°から1°の間であることを意味する。実例では、角度θが導管112を形成するのに使用される方法に基づいて選定され得る。その理由は、導管112を形成するいくつかの方法のみが、中心軸118に対して特定の角度θで第1の導管面110aを形成することができるからである。実施例では、角度θは、中心軸118に対して第2の導管面110bが延在する角度φに基づいて選定され得る。その理由は、一般に、角度φは角度θより大きくなるように選定され得、それにより導管112を通して印刷材料を押すのに必要となる力を低減することができる、からである。
【0037】
第2の導管面110bが非垂直であってもよく、それにより開口部116からオリフィス114までの導管112の経路に沿って導管112の幅を概して縮小させるのを可能にする。実例では、第2の導管面110bの非垂直性が切頭された概略円錐形状を形成することができる。このような実例では、第2の導管面110bが中心軸118に対して角度φで延在することができる。実例では、第2の導管面110bが、概略収束形状、切頭された概略多面体形状、概略円錐台形形状、又は任意適切な他の形状を呈することができる。第2の導管面110bは、第1の導管面110aと同じ形状又は異なる形状を形成することができる。
【0038】
第2の導管面110bが中心軸118に対して角度φで延在する場合(例えば、第2の導管面110bが切頭された概略円錐形状又は概略多面体形状を呈する場合)、角度φが、約5°以上、約6°以上、約7°以上、約8°以上、約9°以上、約10°以上、約12°以上、約14°以上、約18°以上、約20°以上、約25°以上、約30°以上、約35°以上、約40°以上、約45°以上、約50°以上、約55°以上、約60°以上、約65°以上、約70°以上、或いは、約5°から約7°、約6から約8°、約7°から約9°、約8°から約10°、約9°から約12°、約10°から約14°、約12°から約16°、約14°から約18°、約16°から約20°、約18°から約25°、約20°から約30°、約25°から約35°、約30°から約40°、約35°から約45°、約40°から約50°、約45°から約55°、約50°から約60°、約55°から約65°、又は約60°から約70°の範囲となるように選定され得る。角度φは1つ又は複数のファクタに基づいて選定され得る。実例では、角度φは第1の導管面110aの角度θに依存することができる。その理由は、既に考察したように、角度φが角度θより大きくなるように選定される、からである。実例では、角度φが、開口部116が基部の通路(例えば、図11の通路1158)のサイズと同等のサイズを呈することになるように、選定され得る。このような実例では、角度φは、ノズル100の長さL、及び、中心軸118に沿って第1の導管面110aが延在する長さに基づいて選定されてもよい。その理由は、これらのファクタが、基部の通路のサイズと同等のサイズを呈する開口部116を形成するのに必要となる角度φに影響を及ぼし得るからである。
【0039】
図1Cが、実施例による、図1Bに示される円1C内のノズル100の部分の拡大図である。図1Cに示されるように、第1の導管面110a及び第2の導管面110bが交差位置120で交差することができる。既に考察したように、交差位置120が、導管112から印刷材料を除去するときに印刷材料のストリングの形成を引き起こす可能性がある。交差位置120が曲線であってよく、それにより交差位置120をより目立たなくすることができ、交差位置120が非曲線である場合と比較して、導管112から印刷材料を除去するときに交差位置120により印刷材料のストリングを形成させる可能性を低下させることができる。交差位置120が約0.1mm以上、約0.15mm以上、約0.2mm以上、約0.3mm以上、約0.4mm以上、約0.5mm以上、約0.6mm以上、約0.7mm以上、約0.8mm以上、約0.9mm以上、約1mm以上、或いは、約0.1mmから約0.2mm、約0.15mmから約0.3mm、約0.2mmから約0.4mm、約0.3mmから約0.5mm、約0.4mmから約0.6mm、約0.5mmから約0.7mm、約0.6mmから約0.8mm、約0.7mmから約0.9mm、又は約0.8mmから約1mmの範囲である曲率半径を呈する場合、交差位置120が曲線となり得る。一般に、交差位置120の平均曲率半径を増大させることにより、交差位置120により印刷材料のストリングが形成される可能性を低下させることができる。
【0040】
図1Dが、別の実施例による、図1Bに示される円1C内のノズル100の部分の拡大図である。図1Dに示されるように、第1の導管面110a及び第2の導管面110bが曲線ではない交差位置120’のところで交差する。交差位置120’が0.1mm未満である平均曲率半径を呈する場合、交差位置120’が非曲線である。非曲線の交差位置120’は、図1Cに示される交差位置120と比較して、導管112から印刷材料を除去するときに交差位置120’により印刷材料のストリングが形成される可能性を上げる可能性がある。しかし、交差位置120’を形成することにより、図1Cに示される交差位置120を形成する場合と比較して、ノズル100を形成するのに必要となる製造労力を低減することができる。さらに、交差位置120’は、導管112を通って印刷材料が流れるときにノズル100の残りの部分と比較してより高いレートで交差位置120’を摩耗させる可能性を上げるような構造部を形成する。交差位置120’の摩耗は、交差位置120’により印刷済み材料のストリングの形成を引き起こす可能性を低下させるように交差位置120’を比較的迅速に曲線にすることができる。
【0041】
本明細書で開示される導管面が、第1の導管面、第2の導管面、及び少なくとも1つの追加の導管面(例えば、第3の導管面)などの、3つ以上の導管面を有することができる。第1の導管面がノズルの頂面から又はその近くから第2の導管面まで延在することができ、第2の導管面が第1の導管面と少なくとも1つの追加の導管面との間を延在することができ、少なくとも1つの追加の導管面が第2の導管面から底面まで又はその近くまで延在することができる。図2が、実施例による、ノズル200の断面概略図である。本明細書で別途開示されない限り、ノズル200が、限定しないが、本明細書で開示される他のノズルの実施例の1つ又は複数の構造部のうちの任意の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。例えば、ノズル200が、頂面202、底面204、少なくとも1つの側面206、及び導管112を画定する複数の導管面210を有することができる。
【0042】
ノズル200の導管面210が、第1の導管面210a、第2の導管面210b、及び第3の導管面210cを有する。第3の導管面210cを有することにより、さらに、導管面210の間に形成される縁部をより目立たなくし、それにより、印刷材料を除去するときに形成される材料のストリングの量を減少させ、さらには、導管212を通して印刷材料を押すのに必要となる力を低下させる。
【0043】
第1の導管面210aが、中心軸218に対して角度θで頂面202から又はその近くから延在する。第2の導管面210bが、角度θより大きい中心軸218に対しての角度φで第1の導管面210aと第3の導管面210cとの間を延在する。第3の導管面210cが、角度φより大きい中心軸218に対しての角度αで第2の導管面210cから底面204の方に向かって(例えば、底面204まで又はその近くまで)延在する。角度θ、φ、及びαは、上で考察した角度のうちの任意の角度を含むことができる。
【0044】
ノズル200が、第1の導管面210a、第2の導管面210b、及び第3の導管面210cに加えて、1つ又は複数の追加の導管面を有することもできることに留意されたい。追加の導管面が、第3の導管面210cから底面204の方に向かって(例えば、底面204まで又はその近くまで)延在することができる。追加の導管面が導管面210の間に形成される縁部をさらに減少させることができ、印刷材料を除去するときに形成される材料のストリングの量を減少させることができ、さらには、導管212を通して印刷材料を押すのに必要となる力を低減することができる。
【0045】
既に考察したように、本明細書で開示される導管面が、凸形の及び凹形の湾曲表面などの、湾曲表面を有することができる。図3及び4が各々、湾曲導管面を各々有する異なるノズルの実施例の断面図を示している。本明細書で別途開示されない限り、図3及び4に示されるノズルは、限定しないが、本明細書で開示されるノズルの1つ又は複数の構造部のうちの任意の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。例えば、ノズルが、頂面、底面、側面、及び導管を画定する導管面を有することができる。
【0046】
図3を参照すると、ノズル300が、凸形の曲率を呈する導管面310を有することができる。導管面310の凸形の曲率が、導管面310が導管面310の頂部のところで非垂直表面のみを有するのを可能にするように構成され得る。したがって、導管面310は以下のうちの1つ又は複数を実現することができる:印刷材料が導管312を詰まらせる可能性を低下させること、導管312を通して印刷材料を押すのに必要となる圧力を低下させること、又は、導管面310が垂直表面を有する場合と比較して導管312から印刷材料を除去するときに印刷材料のストリングが形成される可能性を低下させること。いくつかの実施例では、開口部316のところの及びその近くの横寸法が、図1B及び2に示されるように導管面310が切頭された円錐形状を呈する場合よりも高い変化率で縮小する。開口部316のところの及びその近くの横寸法がより大きく変化することにより、導管面310が切頭された円錐形状を呈する場合と比較して開口部316の近くで導管312を通して印刷材料を移動させるのに必要となる力を増大させる可能性がある。
【0047】
図4を参照すると、ノズル400が、凹形の曲率を呈する導管面410を有することができる。導管面410の凹形の曲率が、導管面410が導管面410の頂部のところで非垂直表面のみを有するのを可能にするように構成され得る。したがって、導管面410は以下のうちの1つ又は複数を実現することができる:印刷材料が導管412を詰まらせる可能性を低下させること、導管412を通して印刷材料を押すのに必要となる圧力を低下させること、又は、導管面410が垂直表面を有する場合と比較して導管412から印刷材料を除去するときに印刷材料のストリングが形成される可能性を低下させること。いくつかの実施例では、オリフィス414のところの及びその近くの横寸法が、図1B及び2に示されるように導管面410が切頭された円錐形状を呈する場合よりも高い変化率で縮小する。オリフィス414のところの及びその近くの横寸法の変化の率が大きいことにより、導管面410が切頭された円錐形状を呈する場合と比較してオリフィス414の近くで導管412を通して印刷材料を移動させるのに必要となる力を増大させる可能性がある。
【0048】
本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルの動作中、印刷材料が、印刷材料を流体状態(例えば、流動可能状態)で維持するために及び印刷材料の粘度を制御するために、加熱され得る。ノズルを加熱してさらには熱を印刷材料に伝達することにより、印刷材料が加熱され得る。ノズルを通って流れる印刷材料を加熱することにおけるノズルの効果(例えば、印刷材料内の温度勾配を最小にすること)が、少なくとも部分的に、導管の容量に対しての印刷材料に直接に接触するノズルの表面積(オリフィス及び導管面の表面積)の比によって決定される、ことが分かっている。実例では、導管の容量に対してノズルの表面積を増大させることにより印刷材料の加熱をより効果的なものとすることができる(例えば、ノズルをそこまで加熱することが必要である温度を低減する、及び/又は、印刷材料内の温度勾配を低減する)。実例では、導管の容量に対してノズルの表面積を減少させることにより、印刷材料の加熱をより効果的ではないものにする可能性がある。このような実例では、印刷材料の全体が少なくとも特定の温度を呈するようになるのを保証するためには、ノズル100がより高い温度まで加熱される必要がある可能性がある。
【0049】
図1Aに示されるように、オリフィス114が、頂部102のところで又はその近くで概略円形形状を呈することができる。ノズル100の導管112がさらに、中心軸118に対して垂直となるように方向付けられた基準平面と交差するときに概略円形形状(「面内形状」)を呈することができる。その理由は、等しい概略形状を呈することになるように導管112及びオリフィス114を形成することによりノズル100の製造を容易にすることができるからである。ノズル100のオリフィス114及び導管112の概略円形面内形状は、非円形面内形状と比較して、導管112の容量に対しての印刷材料に接触するノズル100の表面積を減少させることができる。したがって、いくつかの実施例では、本明細書で開示されるノズルが、導管の容量に対しての印刷材料に接触するノズルの表面積の比を増大させるために、非円形面内形状を呈するオリフィス及び/又は導管を有することができる。例えば、図5及び6が、異なる実施例による、非円形の面内形状を呈するオリフィスを各々が有する、それぞれ、ノズル500及びノズル600の上面図である。例えば、ノズル500は、中心軸518に対して概略六点星面内形状を呈するオリフィス514を有するものとして示されており、ノズル600は、中心軸618に対して概略五角形面内形状を呈するオリフィス614を有するものとして示されている。示されないが、ノズル500の導管512及びノズル600の導管612のいずれも、製造を容易にするためにそれぞれそのオリフィスの形状と実質的に同様である面内形状などの、任意の非円形面内形状を呈することができる。ノズル500、600のオリフィス514、614及び導管512、612の非円形面内形状が、図1Aに示されるノズル100と比較して、ノズルを通って流れる印刷材料の加熱することにおけるノズル500、600の効果を向上させることができる。本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルのオリフィス及び/又は導管のうちの任意のものが、限定しないが、概略縦長(例えば、楕円)の面内形状、概略多角形の面内形状、概略半円の面内形状、概略三角形の面内形状、概略長方形(例えば、正方形)の面内形状、概略六角形の面内形状、概略七角形の面内形状、概略八角形の面内形状、概略四点星の面内形状、概略五点星の面内形状、又は任意適切な他の非円形の面内形状などの、任意の非円形面内形状(概略六点星面内形状又は概略五角形面内形状を除く)を呈することができる。
【0050】
既に考察したように、本明細書で開示されるノズルが、頂面から側面又は導管の少なくとも一方まで延在する1つ又は複数の面取りを有することができる。図7及び8が、異なる実施例による、その頂面からその側面又は導管面まで延在する面取りを各々が有する異なるノズルの断面概略図である。本明細書で別途開示される場合を除いて、図7及び8に示されるノズルは、限定しないが、本明細書で開示される他のノズルの実施例の構造部のうちの任意の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。
【0051】
図7を参照すると、ノズル700が、頂面702から側面706まで延在する少なくとも1つの外側面取り722を有する。外側面取り722が、ノズル700が印刷材料に干渉するのを防止することができるか、又は、少なくとも、ノズル700が外側面取り722を有さない場合と比較してその可能性を低下させることができる。例えば、ノズル700の頂面702は、印刷済み材料に対してノズル700が完全に平行には延在するわけではないようなノズル組立体であること又は印刷済み材料の厚さが変化することなど、種々の理由で、印刷済み材料と完全に平行には方向付けられない可能性がある。外側面取りを有さない実質的に同様のノズルの場合、その頂面の一部分が、印刷済み材料に対してこのようなノズルの頂面が完全には平行ではない場合のそのオリフィスよりも印刷済み材料のより近くで終端することができる。オリフィスと比較して印刷済み材料により近い頂面の部分は印刷済み材料に接触しやすいか又は干渉しやすい。その理由は、ノズルのオリフィスが印刷済み材料の解像度を向上させるために印刷済み材料の近くに配置されるように構成され得るからである。ノズルの頂部面を印刷済み材料に接触させることにより、印刷済み材料を変形させてしまうこと(例えば、擦り落とすか又は引っ掻き落とす)、印刷済み材料の上に形成された1つ又は複数の付着用の構造部(adhesion feature)(例えば、研磨された表面、1つ又は複数の溝、或いは1つ又は複数の突出部)を取り除くか又は減少させてしまうこと、ノズルの移動する方向に印刷済み材料を(印刷済み材料に対して)引っ張ってしまうことが可能であること、のうちの少なくとも1つを引き起こし得る。しかし、ノズル700の外側面取り722は、頂面702が印刷済み材料に対して完全には平行ではない場合にノズル700のオリフィス714を通過してノズル700の頂面702が延在することが可能である最大距離を減少させる。オリフィス714を通過して頂面702が延在する最大距離が減少することにより、頂面702が印刷済み材料に接触したり又は干渉したりするのを防止することができるか或いは少なくともその可能性を低下させることができる。
【0052】
外側面取り722が、ノズルの中心軸718に対して垂直に測定される幅Wと、中心軸718に対して平行に測定される長さLと、を呈することができる。幅W及び長さLは、独立して、約0.05mm以上、約0.075mm以上、約0.1mm以上、約0.125mm以上、約0.15mm以上、約0.2mm以上、約0.25mm以上、約0.3mm以上、約0.4mm以上、約0.5mm以上、約0.6mm以上、約0.7mm以上、約0.8mm以上、約0.9mm以上、約1mm以上、或いは、約0.05mmから約0.1mm、約0.075mmから約0.125mm、約0.1mmから約0.15mm、約0.125mmから約0.2mm、約0.15mmから約0.25mm、約0.2mmから約0.3mm、約0.25mmから約0.4mm、約0.3mmから約0.5mm、約0.4mmから約0.6mm、約0.5mmから約0.7mm、約0.6mmから約0.8mm、約0.7mmから約0.9mm、又は約0.8mmから約1mmの範囲となるように選定され得る。
【0053】
幅W及び長さLは1つ又は複数のファクタに基づいて選定され得る。実例では、幅W及び長さLが、それぞれ幅W及び長さLに対して垂直に測定されるノズル700の全幅及び全長に基づいて選定され得る。実例では、幅W及び長さLが、中心軸718に対して延在する側面706の角度に基づいて選定され得る。その理由は、この角度が、中心軸718に対して延在する外側面取り722の角度に影響を及ぼす可能性があるからである。実例では、幅W及び長さLがノズル700の硬さに基づいて選定され得、より具体的には、ノズル700を成形、研削、又は機械加工するときの困難さに基づいて、選定され得る。例えば、ノズル700は、PCD、PcBN、或いは、成形、研削、又は機械加工することが困難である別の超硬材料から形成され得る。したがって、幅W及び長さLは、過度の製造時間、工具の使用(tooling)、及び/又は付随のコストを回避するために、必要に応じた大きさとなることのみのために選定され得る。
【0054】
頂面702が第1の表面積を呈することができ、外側面取り722が第2の表面積を呈することができる。実施例では、外側面取り722の第2の表面積が、頂面702の第1の表面積より有意に小さくなるように選定され得る(例えば、約1%から約10%、約5%から約15%、約10%から約20%、又は約15%から約25%)(例えば、ノズル700の機械加工を低減するために)。実施例では、外側面取り722の第2の表面積が、頂面702の第1の表面積と同等であるか又はそれより大きくなるように選定され得る(例えば、約80%から約100%、約90%から約120%、約100%から約150%、又は150%超)。このような構成は、ノズル700が印刷済み材料に接触する可能性を有意に低下させることができる。実施例では、外側面取り722の第2の表面積が頂面702の第1の表面積の約25%から約80%であってよい。
【0055】
ノズル700が、頂面702から導管面710まで延在する内側面取り724を有することができる。内側面取り724が、オリフィス114のところでの導管712の最大横寸法(例えば、直径)を拡大することができる。内側面取り724を用いてオリフィス714のところで導管712の最大横寸法を拡大することにより、ノズル700から計量分配された印刷済み材料のコンシステンシーを向上させることができ(例えば、印刷材料の横寸法のばらつきを低減する)、それにより印刷済み材料の解像度を向上させることができる。内側面取り724が、幅W及びLに関連して上で考察した範囲のうちの任意の範囲内にある、それぞれ中心軸718に対して垂直に及び平行に測定される幅及び長さを呈することができる。
【0056】
外側面取り722及び内側面取り724が概略円錐表面として示される。しかし、本明細書で開示されるノズルは、概して湾曲した表面、ドーム形の表面、凸形表面、凹形表面、卵形表面、環状体表面、又は回転楕円体表面を呈する内側面取り及び外側面取りを有することができる。例えば、図8を参照すると、ノズル800が、頂面802から側面806まで延在する外側面取り822と、頂面802から導管面810まで延在する内側面取り824と、を有する。外側面取り822及び内側面取り824が、図7に示される外側面取り722及び内側面取り724の1つ又は複数の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を呈することができるが、外側面取り822及び内側面取り824が凸形の湾曲表面(例えば、断面図で見て)を有することを除く。
【0057】
概略円錐形の外側面取り722が、湾曲している又は環状体の外側面取り822と比較してノズル700が印刷済み材料に接触する可能性を低下させることができると現在考えられている。その理由は、頂面702に隣接する円錐形の外側面取り722の勾配が、頂面802に隣接する湾曲する外側面取り822の勾配より大きいからである。図8に示される湾曲する内側面取り824が、図7に示される円錐形の内側面取り724と比較してノズル800から計量分配された印刷済み材料のコンシステンシーを向上させることができると現在考えられている。その理由は、内側面取り724と導管面710との間の縁部が、内側面取りが円錐形である場合により目立つからである。
【0058】
図7及び8のノズル700及び800は、その頂面から延在する円錐形の又は湾曲する面取りのみを有するものとして示されている。しかし、本明細書で開示されるノズルは、湾曲する外側面取り及び円錐形の内側面取りを有することもできるか、又は円錐形の外側面取り及び湾曲する内側面取りを有することもできることに留意されたい。さらに、本明細書で開示されるノズルが、外側面取り又は内側面取りの一方のみを有することもできるか又はいずれも有さない可能性もあることに留意されたい。
【0059】
既に考察したように、本明細書で開示されるノズルが、このようなノズルを使用して形成された印刷済み材料に対して1つ又は複数の付着性向上構造部を与えるように構成され得る。実施例では、既に考察したように、ノズルの1つ又は複数の研磨表面が、印刷済み材料に滑らかな表面を与えるために印刷済み材料に接触するように構成され得、それにより一部の環境下ではその上に付着される次の層の付着性を向上させることができる。他の実施例では、本明細書で開示されるノズルが、ノズルによって形成された印刷済み材料の表面積を増大させるように構成され得、それにより一部の環境下ではその上に付着される次の層の付着性を向上させることができる。図9A及び10が、異なる実施例による、ノズルによって形成された印刷済み材料の表面積を増大させるように構成されたノズル900、1000の断面概略図である。本明細書で別途開示される場合を除いて、図9A及び10に示されるノズル900、1000は、本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルと等しいか又は実質的に同様である。
【0060】
図9Aを参照すると、ノズル900が、少なくとも1つの頂面902と、少なくとも1つの側面906と、少なくとも1つの導管面910と、を有する。ノズル900が、頂面902から内側に延在する1つ又は複数の通路926を有する(例えば、画定する)。通路926が印刷済み材料内に1つ又は複数の突出部を形成するように構成され、それにより印刷済み材料の表面積を拡大し、それにより、既に考察したように、その上に付着される印刷済み材料の次の層との付着性を向上させることができる。通路926が、印刷済み材料のうちの少なくとも1つの印刷済み材料がノズル900からの計量分配時に通路926に擦れる場合に印刷済み材料内に突出部を形成することができるか、又は印刷済み材料の付着後に頂面902が印刷済み材料に接触することができる。
【0061】
ノズル900が、その上に形成される任意の数の通路926を有することができる。例えば、ノズル900が、その上に形成される、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個の、又は10個を超える通路926を有することができる。通路926の数は、印刷済み材料の上に形成される突出部の数、印刷済み材料の上に形成される突出部のサイズを決定することになるノズル900の上に形成される通路926のサイズ、又は、印刷済み材料に対してノズル900が移動することができる方向の数、のうちの少なくとも1つに影響を及ぼすことができる。
【0062】
実施例では、示されるように、通路926が、導管面910から側面906まで延在する径方向に延在する通路926であってよい。このような実施例では、動作中にノズル900が移動する方向に実質的に平行に延在する通路926のみが、印刷材料内に突出部を形成することができる。別の実施例では(図示せず)、通路が複数の実質的に平行である通路を有することができる。このような実施例では、実質的に平行である通路が、動作中のノズル900と印刷済み材料との間の相対移動の方向に実質的に平行に方向付けられ得、それにより、各々の通路が径方向に延在する通路926である場合と比較して印刷済み材料内により多くの突出部を形成するのを可能にする。別の実施例では、ノズル900をそこに取り付ける(例えば、基部を介して)ところであるプリンティング・デバイスがノズル900を回転させるように構成され得、その結果、通路が、ノズル900と印刷済み材料との間の相対移動の予期される方向に対して選定された向きに方向付けられ得るようになる。ノズル900を回転させることにより、径方向に延在する通路926又は複数の実質的に平行である通路(図示せず)のうちの1つ又は複数を、動作中のノズル900と印刷済み材料との間の相対移動の予期される方向に対して概して平行にするのを可能にすることができる。プリンティング・デバイスが、ノズル900と印刷済み材料との間の移動の方向に対して概して平行にするように通路926のうちの1つ又は複数を方向付けるように、ノズル900を回転させるように構成され得る。
【0063】
図9Bが、実施例による、図9Aに示される円9Bからの、通路926を有するノズル900の部分の拡大断面概略図である。図9Bに示されるように、通路926が、通路926を画定する頂面902の対向する部分の間で測定される幅Wと、幅Wに対して垂直に測定される最大深さDと、を呈することができる。幅W及び最大深さDは、独立して、約0.05mm以上、約0.075mm以上、約0.1mm以上、約0.125mm以上、約0.15mm以上、約0.2mm以上、約0.25mm以上、約0.3mm以上、約0.4mm以上、約0.5mm以上、約0.6mm以上、約0.7mm以上、約0.8mm以上、約0.9mm以上、約1mm以上、或いは、約0.05mmから約0.1mm、約0.075mmから約0.125mm、約0.1mmから約0.15mm、約0.125mmから約0.2mm、約0.15mmから約0.25mm、約0.2mmから約0.3mm、約0.25mmから約0.4mm、約0.3mmから約0.5mm、約0.4mmから約0.6mm、約0.5mmから約0.7mm、約0.6mmから約0.8mm、約0.7mmから約0.9mm、又は約0.8mmから約1mmの範囲となるように選定され得る。幅W及び深さDは、印刷済み材料内に形成される突出部の所望のサイズに基づいて選定され得る。その理由は、このような突出部が、通路926のサイズに対応するサイズを呈することができるからである。突出部の所望のサイズは、印刷済み材料を形成する材料に基づいて選定され得る。例えば、通路926の幅W又は深さDの1つ又は複数が突出部の表面積を増大させるように選定され得、これが、印刷済み材料を形成する材料が低質の付着性を呈する場合に有利となり得る。
【0064】
通路926が、1つ又は複数の通路表面928によって画定され得る。実例では、通路926が、概略長方形(例えば、正方形)の断面形状を呈することができる。このような実例では、通路926を画定する通路表面928が、頂面902から内側に延在する2つの概略垂直の通路表面と、垂直表面の間を延在する概略水平の通路表面と、を有することができる。本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズル内に形成される通路が非長方形の断面形状を呈することができることに留意されたい。例えば、図9C及び9Dが、異なる実施例による、それぞれ通路926c、926dを有するノズル900c、900dの一部分の拡大断面概略図である。本明細書で別途開示される場合を除いて、ノズル900c又はノズル900dの1つ又は複数の構造部は、ノズル900の1つ又は複数の構造部と等しくてよいか又は実質的に同様であってよい。示されるように、ノズル900cが、概略三角形の断面形状を呈する、頂面902cから内側に延在する通路926cを有し、ノズル900dが、概略半円の断面形状を呈する、頂面902dから内側に延在する通路926dを有する。通路の断面形状は、例えば、印刷済み材料を形成する材料に基づいて選定され得る。例えば、通路の多様な断面形状が印刷済み材料の表面積に影響を及ぼすことができ、及び/又は、通路の特定の断面形状が他の断面形状よりも材料間の付着性を向上させることができる。
【0065】
図10を参照すると、ノズル1000が、その頂面1002から上方に延在する1つ又は複数の突出部1030を有する。任意選択で、突出部1030が印刷済み材料内に1つ又は複数の凹部を形成するように構成され得、それにより印刷済み材料の表面積を増大させることができ、それにより、既に考察したように、その上に付着される印刷済み材料の次の層との付着性を向上させることができる。例えば、突出部1030が、以下のうちの少なくとも1つが起こる場合に印刷済み材料内に凹部を形成することができる:1)印刷済み材料がノズル1000からの計量分配時に突出部1030に擦れること、又は、印刷済み材料の付着後に頂面1002が印刷済み材料に接触すること。
【0066】
突出部1030が、通路926の1つ又は複数の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構図部を有することができ、突出部1030が内側ではなく頂面1002から外側に延在することを除く。実例では、ノズル1000が、その上に形成される、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個の、又は10個を超える突出部1030を有することができる。実例では、突出部1030が、複数の径方向に延在する突出部1030又は複数の平行な突出部1030を有することができる。いずれの実施例でも、ノズル1000をそこに取り付ける(例えば、基部を介して)ところであるプリンティング・デバイスがノズル1000を回転させるように構成され得る。実例では、突出部1030が、上で考察した通路926の幅W及び最大深さDの範囲のうちの任意の範囲から独立して選定される幅及び最大高さを呈することができる。突出部1030の幅及び最大高さは、印刷済み材料内に形成される凹部の所望のサイズに基づいて選定され得る。その理由は、このような凹部が突出部1030のサイズに対応するサイズを呈することができるからである。実例では、突出部1030が、概略長方形(例えば、正方形)の断面形状、概略三角形の断面形状、概略半円の断面形状、又は任意適切な他の断面形状を呈することができる。突出部1030の断面形状は印刷済み材料を形成する材料に基づいて選定され得る。その理由は、突出部1030の多様な断面形状が印刷済み材料の表面積に影響を及ぼすことができ、及び/又は、突出部の特定の断面形状が他の断面形状よりも材料間の付着性を向上させることができる、からである。
【0067】
既に考察したように、本明細書で開示されるノズルが、プリンティング・デバイスに取り付けられるように構成されたノズル組立体を形成するために、基部に取り付けられ得る。図11が、実施例による、基部1134に取り付けられたノズル1100を有するノズル組立体1132の断面概略図である。本明細書で別途開示される場合を除いて、ノズル1100は、限定しないが、本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルの1つ又は複数の特徴と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の特徴を有することができる。
【0068】
基部1134が、そこに取り付けられるノズル1100を有するように構成されたノズル部分1136と、基部1134をプリンティング・デバイス(図示せず)に取り付けるように構成された取り付け部分1138と、を有する。基部1134が、任意選択で、ノズル部分1136と取り付け部分1138との間にある中間部分1140を有することができる。
【0069】
基部1134のノズル部分1136が、ノズル1100を受けるように構成された凹部(参照符号を付されない)(ノズル1100によって占有される)を画定する。凹部が、ノズル1100の底面1104に当接されるように構成された基部接触面1142により部分的に画定される。基部接触面1142が、ノズル1100の底面1104の表面トポグラフィに概して対応する表面トポグラフィを呈することができる。基部接触面1142及び底面1104の対応する表面トポグラフィが、ノズル1100と基部1134との間の印刷材料のリークを防止するか又は少なくとも妨げるように構成され得る。凹部がさらに、少なくとも1つの凹部側面1144により部分的に画定される。凹部側面1144が、ノズル1100のオリフィス1114を露出する(例えば、基部1134で覆われないようにする)のを可能にする凹部開口部1146を画定することができ、さらには、基部1134の端面を越えてノズル1100の一部分を延在させるのを可能にすることができる。言い換えると、凹部側面1144が、ノズル1100の頂面1102の少なくとも一部分(例えば、全体)に当接されたり又は覆ったりすることがないように構成され得る。凹部側面1144がノズル1100の側面1106の形状に対応する形状を呈することができ、それにより凹部側面1144とノズル1100の側面1106との間での印刷材料のリークを防止するか又は少なくとも妨げる。凹部が、任意選択で、ノズル1100の底面1104と側面1106との間を延在するノズル1100の任意選択の面取り(図示せず)に当接されるようにサイズ決めされて構成された、基部接触面1142と凹部側面1144との間を延在する少なくとも1つの面取り面(図示せず)を有することができる。
【0070】
ノズル部分1136が、ノズル部分1136の残りの部分(例えば、先細表面1150又は握持構造部)から延在する少なくとも1つの壁1148を有することができる。壁1148が凹部側面1144の少なくとも一部分を形成する。一実施例では、壁1148が、スエージ加工を介して基部1134によりノズル1100をそこに固定するのを可能にするように構成され得る。例えば、壁1148が初期状態において垂直であってよいか又は他のかたちで方向付けられ得(図示せず)、その結果、凹部開口部1146の横寸法がノズル1100を凹部内に適切に配置するのに十分な幅となる(例えば、ノズル1100の底面1104が基部接触面1142に当接される)。壁1148が内側に変形させられるように構成され得、それにより凹部開口部1146の横寸法を縮小させることができ、その結果、凹部開口部1146の横寸法が凹部開口部1146を通ってノズル1100を通過させるのに十分な幅とならない。したがって、壁1148を内側に変形させることにより基部1134に対してノズル1100を固定及び/又は配置することができる。壁1148はさらに、凹部側面1144をノズル1100の側面1106に当接させるように、内側に変形させられ得る。
【0071】
ノズル部分1136が、凹部開口部1146及び/又は壁1148から外側に延在する先細表面1150を有することができる。先細表面1150が、1つ又は複数の平坦表面及び/又は曲線の表面を有することができる。図11に示されるように、先細表面1150が、基部1134の長手方向軸に対して垂直ではなく(例えば、示されない中心軸に対して)、代わりに、基部1134の取り付け部分1138の方に向かうように角度を付けられており、及び/又は湾曲している。先細形状1150が印刷済み材料に対して基部1134が接触するのを防止することができるか、又は、少なくとも、基部1134が非先細表面を有する場合と比較してその可能性を低下させることができる。
【0072】
ノズル部分1136が、基部1134をプリンティング・デバイスに取り付けたり脱着したりするのを支援するように構成された1つ又は複数の握持構造部を有することができる。実施例では、後で説明するように、ノズル部分1136が、プリンティング・デバイス(図示せず)にねじ式に取り付けられるように構成され得、レンチによりノズル組立体を回転させるのを可能にするようにサイズ決めされて構成された「レンチ・フラット(wrench flat)」を有することができる。いくつかの実施例では、握持構造部が、概略正方形、六角形(示されるように)、他の適切なレンチ・フラット形状、或いは、フィンガ、プライヤー、レンチ、ソケット、又は他の工具を用いてノズル部分1136の一部分を握持して捻じるのを可能にする他の適切な形状を有することができる。いくつかの実施例では、握持構造部が、同様にフィンガ、プライヤー、又は他の工具を用いてノズル部分1136を握持するのを可能にする1つ又は複数のテクスチャード加工された表面(円筒形、レンチ・フラット、又は他の適切な形状)又は高摩擦材料を有することができる。
【0073】
既に考察したように、基部1134が取り付け部分1138を有する。取り付け部分1138が、基部1134をプリンティング・デバイスに取り付けるように構成される。実施例では、示されるように、取り付け部分1138が、プリンティング・デバイスにねじ式に取り付けられるように構成される。このような実施例では、取り付け部分1138が、1つ又は複数の螺旋ねじ山1154を画定することができる。実施例では、取り付け部分1138が磁石を有することができるか、ピンを受けるように構成された凹部を有することができるか、プリンティング・デバイスに圧入されるように、プリンティング・デバイスにろう付けされるように、プリンティング・デバイスにはんだ付けされるように、プリンティング・デバイスに接着剤により取り付けられるように、又は、任意適切な他の手法を使用してプリンティング・デバイスに取り付けられるように、構成され得る。実施例では、基部1134が、選択的に、それぞれプリンティング・デバイスに取り付けられるように及びこのようなプリンティング・デバイスから取り外されるように構成され得る。このような実施例では、基部1134が、基部1134又はプリンティング・デバイスを実質的に損傷させることなくプリンティング・デバイスに取り付けられたり脱着されたりされ得る。基部1134をプリンティング・デバイスに選択的に取り付けることにより、多様なノズル組立体(例えば、多様なサイズのオリフィスを有するノズル組立体)と共にプリンティング・デバイスを使用するのを可能にするか、又は摩耗したノズル組立体を交換するのを可能にする。実施例では、基部1134が基部1134に選択的に取り付けられるように構成され得る。
【0074】
基部1134が、通路1158を画定する少なくとも1つの通路表面1156を有する。通路1158が、ノズル1100の導管(例えば、導管の開口部)から基部の外側部分まで延在するように構成される。通路1158が、プリンティング・デバイスに対して基部1134が取り付けられている場合に、プリンティング・デバイスの印刷材料源(例えば、別の導管又はタンク)に流体連通され得る。したがって、印刷材料源からの印刷材料が、印刷材料源から通路1158を通ってノズル1100の導管1112まで流れることができる。実施例では、通路1158が基部1134内の中心に位置し、基部接触面1142から取り付け部分1138の対向する表面まで延在する。しかし、通路1158が以下のうちの1つ又は複数を呈しない可能性もあることに留意されたい:中央に位置すること、基部接触面から延在すること、又は、取り付け部分1138の対向する表面まで延在すること(例えば、印刷材料源の位置及び/又はノズル1100の導管の開口部の位置に応じて)。
【0075】
既に考察したように、ノズル1100が、スエージ加工を介して、又は、ノズル1100の保持を達成するための基部1134の他の適切な変形を介して、基部1134に固定され得る。しかし、ノズル1100が、ろう付け、はんだ付け、接着取り付け、圧入、ねじ式の取り付け、又は基部1134に対してのノズル1100の他のかたちの取り付けなどの、1つ又は複数の他の手法を使用して基部1134に固定され得る。ノズル100を基部1134に取り付けるのに使用される1つ又は複数の方法に応じて、凹部が基部1134から排除されてもよく、ノズル1100が単に基部1134の外側表面に取り付けられてもよい。ノズル1100を基部1134に取り付けることの別の例が、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2021年4月7日に出願した米国仮特許出願第63/171,708号に開示されている。ノズル1100がPCDを含む場合、ノズル1100を基部1134に取り付けるのに使用される1つ又は複数の方法が、1つ又は複数の非熱的取り付け手法(つまり、ノズル1100を加熱することを必要とする取り付け手法)又は最大700℃の温度までノズル1100を加熱する取り付け手法を含むように選定され得る。その理由は、PCDは700℃を超える温度に露出する場合に劣化し始める可能性があるからである。
【0076】
既に考察したように、ノズル1100の頂面1102が基部1134の上方で距離dで延在することができる。頂面1102を基部1134の上方で延在させることにより、基部1134が印刷済み材料に接触して、印刷済み材料を不鮮明にするか、変位させるか、又は他のかたちで悪影響を及ぼす可能性が低下する。実施例では、距離dが、約0.1mm超、約0.5mm超、約1mm超、約1.5mm超、約2mm超、約2.5mm超、約3mm超、約3.5mm超、約4mm超、約5mm超、或いは、約0.1mmから約0.5mm、約0.25mmから約0.75mm、約0.5mmから約1mm、約0.75mmから約1.25mm、約1mmから約1.5mm、約1.25mmから約1.75mm、約1.5mmから約2mm、約1.75mmから約2.25mm、約2mmから約2.5mm、約2.25mmから約2.75mm、約2.5mmから約3mm、約2.75mmから約3.25mm、約3mmから約3.5mm、約3.25mmから約3.75mm、約3.5mmから約4mm、約3.75mmから約4.5mm、又は約4mmから約5mmの範囲となるように選定され得る。実施例では、式d/(最大長さ)を使用して計算される、ノズル1100の最大長さに対しての距離dの比が、約0.1から約0.3、約0.2から約0.4、約0.3から約0.5、約0.4から約0.6、約0.5から約0.7、約0.6から約0.8、又は約0.7から約0.9である。距離d、及び、最大長さに対しての距離dの比は、ノズル1100の最大長さ、非垂直である側面1106のパーセンテージ、ノズル1100の中心軸に対してのノズル1100の非垂直部分の角度、及び印刷済み材料の所望の解像度に基づいて選定され得る。
【0077】
既に考察したように、ノズル1100が、印刷材料の温度を制御するために(例えば、印刷材料を流体状態で維持するために、及び/又は印刷材料の粘度を制御するために)動作中に加熱され得る。一般に、ノズル1100を加熱することは、プリンティング・デバイスを用いて基部1134を加熱すること、基部1134に入る熱をノズル1100に伝達すること、及び、ノズル1100に入る熱を印刷材料に伝達することを含む。ノズル1100及び基部1134の熱伝導性が、印刷材料を加熱するときの効果及び一貫性に影響を及ぼす。例えば、ノズル1100及び基部1134の熱伝導性を低下させることにより、プリンティング・デバイスの加熱装置に最も近いノズル1100及び基部1134の部分が、加熱デバイスから離間されるノズル1100及び基部1134の部分より高い温度を呈することになる。この温度勾配により、印刷材料がそこを通って流れているところのノズル組立体1132の部分に応じた多様な温度まで印刷材料が加熱されることになる。この多様な温度により、印刷材料を流体状態で維持するには又は印刷材料の粘度を維持するには低すぎる温度までしか印刷材料の一部分が加熱されない可能性があり、並びに/或いは、印刷材料の一部分を過度に高い温度まで加熱することが必要となる可能性がある(それにより印刷材料が燃焼する可能性がある)。したがって、そのいかなる温度勾配も低減するためにその熱伝導性を向上させるようにノズル1100及び基部1134の材料を選定することが有益である。
【0078】
実施例では、ノズル1100が、異常に高い熱伝導性又は耐摩耗性を呈する材料であるPCD又はPcBNから形成され得る。このような実施例では、基部1134が、PCD及びPcBNより低い熱伝導性を呈する、真鍮又は鋼鉄などの材料から形成され得る。ノズル1100の容量が、基部1134の低い熱伝導性の影響を軽減するために増大され得る。例えば、少なくとも一部の従来の超硬ノズルは約6.5mm以下の容量を呈する。ノズル1100(及び、本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズル)が、約7.5mm以上、約8mm以上、約9mm以上、約10mm以上、約11mm以上、約12mm以上、約13mm以上、約15mm以上、約17.5mm以上、約20mm以上、約22.5mm以上、約25mm以上、約30mm以上、約35mm以上、約40mm以上、約40mm以上、約45mm以上、約50mm以上、約60mm以上、約70mm以上、約80mm以上、約90mm以上、約100mm以上、約250mm以上、約500mm以上、約750mm以上、約1,000mm以上、約2,500mm以上、約5,000mm以上、約7,500mm以上、或いは、約7.5mmから約9mm、約8mmから約10mm、約9mmから約11mm、約10mmから約12mm、約11mmから約13mm、約12mmから約14mm、約13mmから約15mm、約14mmから約17.5mm、約15mmから約20mm、約17.5mmから約22.5mm、約20mmから約25mm、約22.5mmから約30mm、約25mmから約35mm、約30mmから約40mm、約35mmから約45mm、約40mmから約50mm、約45mmから約60mm、約50mmから約70mm、約60mmから約80mm、約70mmから約90mm、約80mmから約100mm、約90mmから約250mm、約100mmから約500mm、約250mmから約750mm、約500mmから約1,000mm、約750mmから約2,500mm、約1,000mmから約5,000mm,又は約2,500mmから約7,500mmの範囲の容量を呈することができる。
【0079】
実施例では、ノズル1100が基部1134の最大横寸法Dより小さい最大横寸法Dを呈することができ、それにより、スエージ加工を利用して、又は、基部1134によって画定された凹部を使用して、ノズル1100を基部1134に取り付けるのを支援することができる。しかし、このような実施例では、ノズル1100のより小さい最大横寸法Dが、ノズル1100の呈する容量を制限する。言い換えると、ノズル1100のより小さい最大横寸法Dが、PCD又はPcBNからノズル1100が形成される場合のノズル1100の高い熱伝導性の影響を低減することができる。実施例では、本明細書で開示されるノズルが、ノズルをそこに取り付けるとこである基部の最大横寸法と等しいか又はそれより大きい最大横寸法を呈することができる。このような実施例では、ノズルをそこに取り付けるところである基部の最大横寸法と等しいか又はそれより大きい最大横寸法を呈するノズルが、ノズルの容量を増大させるのを可能にする。例えば、図12が、実施例による、基部1234に取り付けられたノズル1200を有するノズル組立体1232の断面概略図であり、ここでは、最大横寸法Dが基部1234の最大横寸法Dと等しいか又はそれより大きい。本明細書で別途開示される場合を除いて、ノズル1200又は基部1234の1つ又は複数の構造部は、それぞれ、本明細書で開示されるノズル及び基部のうちの任意のノズル及び基部の1つ又は複数の構造部と等しくてよいか又は実質的に同様であってよい。
【0080】
ノズル1200の最大横寸法Dが、特定の取り付け手法(例えば、スエージ加工)を利用しての及び/又は凹部を使用しての基部1234に対してノズルの取り付けを阻害するか又は複雑にする可能性がある。代わりに、実施例では、ノズル1200が、基部1234に、ろう付けされ得るか、はんだ付けされ得るか、接着剤により取り付けられ得るか、又は任意適切な手法を使用して他のかたちで取り付けられ得る。実施例では、ノズル1200が、基部1234によって画定された凹部内に配置されるように構成された、その底面から延在する突出部を有することができる。PCD本体の底面から延在する突出部の例が、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2021年2月26日に出願した米国仮特許出願第63/154,277号に開示されている。
【0081】
ノズル1200が、図11に示されるノズル1100に関連して上で考察した容量のうちの任意の容量を呈することができる。しかし、ノズル1200が、約150mm以上、約200mm以上、約300mm以上、約400mm以上、約500mm以上、約750mm以上、約1cm以上、約1.25cm以上、約1.5cm以上、約1.75cm以上、約2cm以上、約2.25cm以上、約2.5cm以上、約3cm以上、約4cm以上、約5cm以上、或いは、約100mmから約200mm、約150mmから約300mm、約200mmから約400mm、約300mmから約500mm、約400mmから約750mm、約500mmから約1cm、約750mmから約1.25cm、約1cmから約1.5cm、約1.25cmから約1.75cm、約1.5cmから約2cm、約1.75cmから約2.5cm、約2cmから約3cm、約2.5cmから約4cm、又は、約3cmから約5cmの範囲である容量を呈することもできることに留意されたい。
【0082】
いくつかの実施例では、本明細書で開示されるノズルがノズル組立体の全体を形成することができる。例えば、図13が、実施例による、ノズル1300を有して基部を有さないノズル組立体1332の断面概略図である。ノズル1300がノズル組立体1332の全体(又は、大部分又は実質的に全体)を形成することを理由として、ノズル1300の熱伝導性が印刷材料の加熱を制御することができる。このような構成では、ノズル1300が、限定しないが、1つ又は複数の超硬材料を含むことができる。一実施例では、ノズル1300がPCD又はPcBNから形成される場合、このような材料の高い熱伝導性が、ノズル1300の少なくとも一部分を実質的に等しい温度まで加熱するようにすることができる(例えば、ノズル1300内の任意の温度勾配が、1℃未満、2℃未満、又は5℃未満であってよい)。超硬材料(例えば、PCD、シリコン、カーバイド、又はPcBN)が製造サイズの制限を有する可能性があることに留意されたい。したがって、ノズル1300の容量及び寸法は、超硬材料の製造サイズの制限によって制限される可能性がある。したがって、いくつかの実施例では、ノズル1300は、ノズル1300を形成するように、複数の超硬本体(例えば、PCD及び/又はPcBNの本体)を一体にろう付けするか、冶金学的に接着するか、又は他のかたちで取り付けることにより、形成され得、それによりノズル1300が、特定の超硬材料の製造制限より大きい容量又は寸法のうちの少なくとも一方を呈することが可能となる。
【0083】
既に考察したように、本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルがPCDから形成され得る。図14が、実施例による、PCDからノズル1400を作製するための方法の実施例の概略図である。ノズル1400が本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルであり得ることに留意されたい。図14を参照すると、集団のダイヤモンド粒子1460が提供される。ダイヤモンド粒子1460が、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μmから約18μm、又は約15μmから約18μmなどの、約50μm以下の平均粒径を呈することができる。いくつかの実施例では、ダイヤモンド粒子1460の平均粒径が、約2μmから約5μm又はサブミクロンなどの、約10μm以下であってよい。ダイヤモンド粒子1460の平均粒径は、それにより形成されるノズルの容積減少を最小にするように選定され得る。例えば、ノズルの導管を通って流れる印刷材料によりダイヤモンド砥粒の一部が外れる可能性があり、それによりノズルの容積減少(つまり、摩耗)が生じることが分かっている。容積減少を最小にするために、ダイヤモンド粒子1460が、1つの又はいくつかのダイヤモンド砥粒が外れることでノズルのボリュームに対して無視できる程度の影響しか与えないようにするために、40μm未満の平均粒径を呈するように選定され得る。しかし、ダイヤモンド粒子1460の平均粒径を縮小することが容積減少をさらに制限することができ、したがって、ダイヤモンド粒子1460が、20μm未満又は10μm未満などの、有意に40μm未満である平均粒径を呈するように選定され得る、ことに留意されたい。
【0084】
実施例では、ダイヤモンド粒子1460が、比較的大きいサイズ及び少なくとも1つの比較的小さいサイズを含むことができる。本明細書で使用される場合の「比較的大きい」及び「比較的小さい」は、少なくとも2倍で異なる粒径(例えば、30μm及び15μm)を意味する(任意の適切な方法による)。種々の実施例によると、集団のダイヤモンド粒子1460が比較的大きいサイズ(例えば、30μm、20μm、15μm、12μm、10μm、8μm)を呈する部分、及び、少なくとも1つの比較的小さいサイズ(例えば、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.5μm、0.5μm未満、0.1μm、0.1μm未満)を呈する別の部分を含むことができる。一実施例では、集団のダイヤモンド粒子1460が、約10μmから約40μmの間の比較的大きいサイズを呈する部分、及び、約1μmから約4μmの間の比較的小さいサイズを呈する別の部分を含むことができる。いくつかの実施例では、集団のダイヤモンド粒子1460が、限定しないが、3つ以上の異なるサイズ(例えば、1つのサイズが比較的大きいサイズであり、2つ以上のサイズが比較的小さいサイズである)を含むことができる。焼結後(as-sintered)のダイヤモンド砥粒サイズが、粒成長、ダイヤモンド粒子破砕(diamond particles fracturing)、などの様々な異なる物理的プロセスのために、別の炭素源から提供される炭素(例えば、金属溶媒触媒中の溶解炭素)のために、又は上記の組み合わせのために、焼結前の集団のダイヤモンド粒子の平均粒径とは異なる可能性があることに留意されたい。
【0085】
集団のダイヤモンド粒子1460が、組立体1466を形成するためにサブストレート1464の界面1462に隣接するように配置される。サブストレート1464が、限定しないが、鉄、ニッケル、コバルト、又はその合金と接合された、炭化タングステン、炭化チタン、炭化クロム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化バナジウム、或いは、その組み合わせなどの、接合炭化物を含むことができる。例えば、一実施例では、サブストレート1464がコバルト接合炭化タングステンを含む。サブストレート1464が、限定しないが、概略円筒形構成又は別の1462構成であってよい。図14が実質的に平坦であるサブストレート1464の界面1462を示すが、界面1462は、溝付き界面、山付き界面、又は他の非平坦界面などの、選択された非平坦トポグラフィを呈することもできる。
【0086】
組立体1466が、集団のダイヤモンド粒子1460を焼結するように構成された触媒をさらに有する。触媒が、集団のダイヤモンド粒子1460に隣接して配置される薄いホイル又はプレートとして、集団のダイヤモンド粒子1460と混合される特定の形態で提供され得るか、サブストレート1464から提供され得るか(例えば、サブストレート1464が、金属溶媒触媒を含む接合炭化物のサブストレートである)、或いは、これらの組み合わせとして提供され得る。実施例では、触媒が金属溶媒触媒(例えば、鉄、ニッケル、コバルト、又はその合金)を含む。実施例では、触媒が、アルカリ金属炭酸塩(例えば、Li、Na、及びKの1つ又は複数の炭酸塩)、1つ又は複数のアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、Be、Mg、Ca、Sr、及びBaの1つ又は複数の炭酸塩)、硫酸塩(例えば、Be、Mg、Ca、Sr、及びBaの1つ又は複数の硫酸塩)、水酸化物(例えば、Be、Mg、Ca、Sr、及びBaの1つ又は複数の水酸化物)、リン元素及び/又はその誘導体、塩化物(例えば、Li、Na、及びKの1つ又は複数の塩化物)、元素硫黄及び/又はその誘導体、多環芳香族炭化水素(例えば、ナフタレン、アントラセン、ペンタセン、ペレリン、コロネン、又は上記の組み合わせ)及び/又はその誘導体、塩素化炭化水素及び/又はその誘導体、半導体物質(例えば、ゲルマニウム又はゼラニウム合金)、並びに上記の組み合わせ、のうちの1つ又は複数から選択された少なくとも1つの非金属触媒を含む。実例では、触媒が、1つ又は複数の金属溶媒触媒及び1つ又は複数の非金属触媒を含む。
【0087】
集団のダイヤモンド粒子1460を効率的に焼結するために、組立体1466が、耐熱金属缶、グラファイト構造、パイロフィライト、及び/又は、セル組立体を形成するための他の適切な圧力伝達構造などの、圧力伝達媒体の中に封入され得る。PCDを製造するのに使用されるための適切なガスケット材料及びセル構造の例が、参照により各々のその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第6,338,754号及び米国特許第8,236,074号に開示されている。適切な圧力伝達材料の別の例が、南アフリカ共和国のWonderstone Ltd.から市販されているパイロフィライトである。
【0088】
圧力伝達媒体及び集団のダイヤモンド粒子1460を中に含むセル組立体1466が、触媒存在下でダイヤモンド粒子1460を一度に焼結するのに、及び、触媒によって占有される間質性領域を画定する接合ダイヤモンド砥粒(bonded diamond grain)を含むPCDテーブル1468を形成するのに十分である時間にわたって、少なくとも約1000℃(例えば、約1100℃から約2200℃、又は約1200℃から約1450℃)の温度で、及び、少なくとも約5GPa(例えば、約7.5GPaから約15GPa、少なくとも約8.0GPa、少なくとも約9.0GPa、少なくとも約10.0GPa、少なくとも約11.0GPa、少なくとも約12.0GPa、又は少なくとも約14GPa)の圧力伝達媒体内での圧力で、超高圧プレスを使用するHPHTプロセスを受ける。HPHTプロセスが、HPHTプロセス中、サブストレートに接着したPCDテーブル1468を有するPCDコンパクト1470を形成することができ、触媒が液化することができ、触媒がダイヤモンド粒子1460の外側に配設される場合には触媒が集団のダイヤモンド粒子1460に浸入することができる。触媒が集団のダイヤモンド粒子1460の隣接するダイヤモンド粒子の間での成長を促進し、それにより、接合ダイヤモンド砥粒の間に間質的に配設された浸入触媒を有する一塊の接合ダイヤモンド砥粒からなるPCDテーブル1468を形成する。例えば、サブストレート1464がコバルト接合炭化タングステンのサブストレートである場合、サブストレート1464からのコバルトが液化されて集団のダイヤモンド粒子1460に浸入することができ、PCDテーブル1468の形成に触媒作用を及ぼす。
【0089】
本明細書で開示されるHPHTプロセスで採用される圧力値は、セル組立体1466の外側部分には圧力を加えずに、超高圧プレスを使用する圧力の適用での室温(例えば、約25℃)における圧力伝達媒体の中の圧力を意味する。焼結温度での圧力伝達媒体の中の実際の圧力はわずかに高い可能性がある。超高圧プレスは、PbTe、タリウム、バリウム、又はビスマスなどの、既知の圧力で構造を変化させる少なくとも1つの較正物質を圧力伝達媒体内に埋め込むことにより、室温で較正され得る。さらに、任意選択で、その相変化のために少なくとも1つの較正物質の両端で抵抗値の変化が測定され得る。例えば、PbTeは室温において約6.0GPaで相変化を呈し、ビスマスは室温において約7.7GPaで相変化を呈する。適切な圧力較正手法の例が、G.Rousse、S.Klotz、A.M.Saitta、J.Rodriguez-Carvajal、M.I.McMahon、B.Couzine、及びM.Mezouar、「Structure of the Intermediate Phase of PbTe at High Pressure」、Physical Review B:Condensed Matter and Materials Physics、71、224116(2005年)、並びに、D.L.Decker、W.A.Bassett、L.Merrill、H.T.Hall、及びJ.D.Barnett、「High-Pressure Calibration: A Critical Review」、J.Phys.Chem.Ref.Data、1、3(1972年)に開示されている。
【0090】
他の実施例では、実施例によるPCDテーブル1468が、HPHT焼結プロセスを使用して別個に形成され得、その後で、限定しないが、ろう付け、別個のHPHT接着プロセスを使用すること、又は任意適切な他の接合手法により、サブストレート1464の界面1462に接着され得る。別の実施例では、サブストレート1464が、別個に形成されたPCDテーブル1468の上での化学蒸着を介してバインダーレスカーバイド(例えば、炭化タングステン)を付着させることにより、形成され得る。
【0091】
本明細書で開示される実施例のうちの任意の実施例で、触媒(例えば、金属溶媒触媒)の実質的にすべて又は選択される一部がPCDテーブル1468から除去され得る(例えば、洗脱を介して)。実施例では、PCDテーブル1468の中の金属溶媒触媒が少なくとも1つの外側作業面(例えば、PCDテーブル1468の作業面及び/又は側壁作業面)から選択される深さまでにおいて除去され得、その結果、間質性領域の一部分のみが金属溶媒触媒によって占有される。例えば、金属溶媒触媒の実質的にすべて又は選択される一部が、作業面から選択される深さまでにおいて、PCDコンパクト1470内のこのようにして形成されたPCDテーブル1468から除去され得る。PCDテーブル1468から触媒を洗脱することにより、PCDテーブル1468から形成されたノズル1400の熱的安定性を向上させることができる。例えば、PCDテーブル1468から触媒を洗脱することにより、PCDテーブルを基部にろう付けすることが可能となり得、及び/又は、実質的に熱劣化なしでPCDテーブルを約700℃の温度又は700℃を超える温度まで加熱することが可能となり得る。いくつかの実施例では、触媒がPCDテーブル1468から洗脱されない可能性がある。いくつかの実施例では、触媒がPCDテーブルの一部分のみから洗脱され得、それによりPCDテーブルから形成されるノズル1400の熱的安定性を向上させることができる。
【0092】
別の実施例では、PCDテーブル1468が、第1のHPHTプロセスにおいて開示された実施例のうちの任意の実施例に従って作製され得、接合ダイヤモンド砥粒の間の間質性領域から金属溶媒触媒の実質的にすべてを除去するために洗脱を施され、次いで、第2のHPHTプロセスにおいてサブストレートに接着され得る。第2のHPHTプロセスでは、例えば接合炭化物のサブストレートなどからの溶浸材が、金属溶媒触媒を取り除いたところである間質性領域の中に浸入することができる。例えば、溶浸材は、コバルト接合炭化タングステンのサブストレートから流れるコバルトであってよい。一実施例では、第1及び/又は第2のHPHTプロセスが少なくとも約7.5GPaの圧力で実施され得る。一実施例では、溶浸材が、第2のHPHTプロセスの後で行われる第2の酸洗脱プロセスを使用して、浸入したところのPCDテーブル1468から洗脱され得る。
【0093】
実施例では、PCDテーブル1468がバインダーレスPCDテーブルであってよい。バインダーレスPCDテーブルは、触媒などの添加物を有するか又は有さない集団のダイヤモンド粒子をプレス加工することによって形成され得る。ダイヤモンド粒子は、金属溶媒触媒を一切存在させずにプレス加工される。例えば、集団のダイヤモンド粒子はコバルト接合炭化タングステンのサブストレートの上に配設されない可能性がある。バインダーレスPCDテーブルは、本明細書で開示される圧力及び温度のうちの任意の圧力及び温度を使用してプレス加工され得る。
【0094】
実施例では、示されるように、サブストレート1464がPCDテーブル1468から除去され得るか又は他のかたちで脱着され得る。例えば、サブストレート1464は、サブストレート1464を研削するか又はサブストレート1464を酸で溶解させることにより、PCDテーブル1468から除去され得る。示されない実施例では、サブストレート1464の少なくとも一部分がPCDテーブル1468から除去されなくてよいか又は他のかたちで脱着されなくてよい。このような実施例では、サブストレート1464が、PCDテーブル1468から形成されたノズルの一部を形成することができる。
【0095】
PCDテーブル1468及び任意選択のサブストレート1464の一部分が1つ又は複数のノズル1400を形成するために除去され得る。例えば、PCDテーブル1468及び任意選択のサブストレート1464の一部分が、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個の、又は20個より多いノズル1400を形成するために、(例えば、レーザー・アブレーションを介して)除去され得る。PCDテーブル1468及び任意選択のサブストレート1464から形成されるノズル1400の数は、PCDテーブル1468のサイズ(例えば、最大横寸法、厚さ、及び容積)、PCDテーブル1468の形状、サブストレート1464によりノズル1400の一部を形成するか否か、ノズル1400のサイズ、及びノズル1400の形状、に基づいて決定され得る。PCDテーブル1468及び任意選択のサブストレート1464から形成されるノズル1400は、限定しないが、本明細書で開示されるノズルの1つ又は複数の構造部の任意の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。
【0096】
実施例では、PCDテーブル1468及び任意選択のサブストレート1464のこれらの一部分がレーザーを使用して除去され得る。このような実施例では、レーザーが、PCDテーブル1468及び任意選択のサブストレート1464の1つ又は複数の表面に向かって複数のレーザーパルスを放射することができる。レーザーパルスは、1つ又は複数の層においてPCDテーブル1468を除去するように選定され得る。このレーザー・アブレーション・プロセスは以下のうちの少なくとも1つを達成することができる:PCDテーブル1468から複数のノズル1400を形成すること(例えば、同時に又は実質的に同時に)、外側構造部(例えば、頂面、底面、側面など)を形成すること、ノズル1400の内部構造部(例えば、導管)を形成すること、又は、ノズル1400の表面を研磨すること。PCDテーブル1468の一部分を除去するのに使用され得るレージング方法の例が、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている2018年1月10日に出願した米国特許出願第16/084,469号に開示されている。
【0097】
実施例では、PCDテーブル1468及び任意選択のサブストレート1464のこれらの一部分が、研削、ラッピング、放電加工(例えば、ワイヤ放電加工)、又は、任意の他の機械加工手法、のうちの1つ又は複数を使用して除去され得る。レージングとは異なり、研削、ラッピング、及び放電加工などのいくつかの機械加工手法は、ダイヤモンドの硬さにより高い耐摩耗性(high wear)を呈すること、ノズル1400のすべての一体に形成することが不可能であること(例えば、単一のプロセスで)、ノズル1400の外部構造部及び内部構造部の両方を形成することは不可能であること、又は、ノズル1400の表面を研磨することが不可能であること、のうちの少なく1つの可能性がある。実施例では、PCDテーブル1468及び任意選択のサブストレート1464のこれらの一部分が、レージングを使用して、及び、研削、ラッピング、放電加工、又は任意の他の機械加工手法、のうちの1つ又は複数を使用して、除去され得る。
【0098】
既に考察したように、本明細書で開示されるノズルが、PCDの代わりに又はPCDに加えて、PcBNから少なくとも部分的に形成され得る。より一般的には、本明細書で開示されるノズルが、限定しないが、1つ又は複数の超硬材料(例えば、PCD、PCBN、シリコンカーバイド、又は炭化タングステンの硬さを超える硬さを有する任意の材料)を含むことができる。例えば、ノズルが、PCDの硬さ及び熱伝導性と同等であるPcBNの硬さ及び熱伝導性のために、PcBNから少なくとも部分的に形成されてもよい。PcBNから形成されるノズルはノズルの摩耗を低減することができ、ノズルの寿命を延ばすことができ、摩耗性印刷材料と共にノズルを使用するのを可能にすることができ、ノズルを使用して形成された印刷材料のコンシステンシーを向上させることができる。PcBNはPCDより高い熱的安定性を呈することができ、それにより、ノズルがPCDを含む場合よりも高い温度まで、PcBNから形成されたノズルを加熱することが可能となる。例えば、PCDは、PCDが金属溶媒触媒を含む場合に700℃を超える温度まで加熱されるときに熱劣化を呈する可能性があり、PcBNは、実質的に劣化することなく700℃を超える温度まで加熱され得る。
【0099】
実施例では、ノズルのすべてがPcBNから形成され得る。ノズルのすべてをPcBNから形成することによりノズルの製造をより容易なものとすることができる。その理由は、PcBNを別の材料に取り付けること及びノズルの摩耗特性を改善することの必要性がないからである。別の実施例では、ノズルの一部分のみがPcBNから形成される。ノズルの一部分のみをPcBNから形成することによりノズルの成形及び機械加工をより容易なものとすることができる。その理由は、ノズルの他の材料がPcBNより低い硬さを有する可能性があるからである。しかし、ノズルの一部分のみをPcBNから形成することは、PcBNを別の材料に接着することが必要となる可能性があり、それによりノズルの製造の複雑さが増す。さらに、ノズルの一部分がPcBNより低い硬さの材料から形成されるという事実により、このより低い硬さの材料から形成されるノズルの部分の摩耗が増大する可能性があり、それによりノズルの寿命が短くなる。実例では、ノズルの一部分のみがPcBNを含む場合、導管面110の少なくとも一部分、また特には、導管面110のこの一部分及びオリフィス114に隣接するノズルの任意の他の内部表面がPcBNによって画定され得る。このような実例では、PcBNがより低い硬さの材料と比較してオリフィス114の摩耗を低減し、それにより、ノズルの全体をより低い硬さの材料から形成する場合と比較して、ノズルから計量分配される印刷材料のコンシステンシーを維持することができる。
【0100】
PcBNは、約1000℃から約1450℃の温度及び約5GPaから約14GPaの圧力などの、上で考察したものと同じ温度及び圧力のうちの任意の温度及び圧力で窒化ホウ素を加熱することによって形成され得る。PcBNのための触媒は、例えば、アルカリ金属、アンチモン、鉛、錫、リチウム、マグネシウム、及び窒化物を含む。PcBNを形成した後、PCDに関連して上で考察したものと同じ手法を使用して、1つ又は複数のノズルがそこから形成され得る。例えば、ノズルが、レージング、研削、ラッピング、放電加工、又は任意適切な他の機械加工手法によって形成され得る。
【0101】
本明細書では種々の態様及び実施例が開示されるが、他の態様及び実施例も企図される。本明細書で開示される種々の態様及び実施例は説明を目的とし、限定的であることを意図されない。
【0102】
程度を示す用語(例えば、「約」、「実質的に」、「概して」など)は、構造的な又は機能的な非有意の変化量を示す。実例では、量を示す用語に程度を示す用語が含まれる場合、この程度を示す用語は、量を示す用語の±10%、±5%、又は±2%を意味するものとして解釈される。実例では、程度を示す用語が形状を修飾するのに使用される場合、この程度を示す用語は、この程度を示す用語によって修飾される形状が開示される形状の外観を有することを示している。例えば、程度を示す用語は、形状が、鋭利な角度の代わりに曲線の角部を有することができ、直線の縁部の代わりに湾曲している縁部を有することができ、そこから延在する1つ又は複数の突出部を有することができ、縦長であり、開示される形状と等しい、などを示すのに使用され得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
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【国際調査報告】