(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】資産確認システムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240409BHJP
G02B 21/36 20060101ALI20240409BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20240409BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240409BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G06Q10/08
G02B21/36
G02B21/00
G06K7/10 372
G06K7/10 416
G06K7/14 017
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562249
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022023641
(87)【国際公開番号】W WO2022216805
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523381778
【氏名又は名称】スカーセッリ,ブルーノ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】スカーセッリ,ブルーノ
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AA14
2H052AC33
2H052AD03
2H052AF14
(57)【要約】
資産確認システムは、リーダーであって、資産をタグ読み取り位置に把持するように構成されるホルダー、前記資産に照明を提供する少なくとも一つのライトからなる光源、前記資産の本体におけるタグ上のドットを十分に分別し、かつ、前記タグを10倍よりも大きい有効倍率で見ることができる有効倍率を有して構成される拡大光学系、前記タグの画像を前記リーダーを通して転送する反射光学系、および前記拡大光学系に対する前記資産の位置を調整する位置制御部を備える前記リーダーと、光学センサーであって、前記リーダーによって前記光学センサーに投影された前記資産の前記タグを読み取る前記光学センサーを備え、タブレット、スマートフォン、およびノートパソコンの少なくとも一つである多機能ハードウェアデバイスと、前記資産に対する前記タグの関連付けを含む前記資産に関する情報を保存するデータベースと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーダーであって、
資産をタグ読み取り位置に把持するように構成されるホルダーと、
前記資産に照明を提供する少なくとも一つのライトからなる光源と、
前記資産の本体におけるタグ上のドットを十分に分別し、かつ、前記タグを10倍よりも大きい有効倍率で見ることができる有効倍率を有して構成される拡大光学系と、
前記リーダーを通して前記タグの画像を転送する反射光学系と、
前記拡大光学系に対する前記資産の位置決めを調整する位置制御部と、
を備える前記リーダーと、
光学センサーであって、前記光学センサーに投影された前記資産の前記タグを前記リーダーによって読み取るための前記光学センサーを備え、タブレット、スマートフォン、およびノートパソコンの少なくとも一つである多機能ハードウェアデバイスと、
前記資産に対する前記タグの関連付けを含む前記資産に関する情報を保存するデータベースと、
を備える、資産確認システム。
【請求項2】
前記多機能ハードウェアデバイスの配置のために、前記リーダーに提供されるデバイスプラットフォームをさらに備える、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項3】
前記デバイスプラットフォームは、少なくとも1つの自由度で調整可能である、請求項2に記載の資産確認システム。
【請求項4】
前記データベースは、分散型台帳を有する、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項5】
前記ホルダーは、上下方向において、前記資産を前記光源に向ける、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項6】
前記ホルダーは、交換可能な複数のホルダーの一つである、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項7】
前記光源は、少なくとも1つのLEDを有する、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項8】
前記光源は、複数のライトのアレイである、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項9】
各ライトは、強度/輝度、波長、およびオン/オフの少なくとも一つについて、個別に制御可能である、請求項8に記載の資産確認システム。
【請求項10】
前記光源は、プリセットされた複数の動作モードを有する、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項11】
前記拡大光学系は、少なくとも2つの拡大レンズ、接眼レンズ、および前記多機能ハードウェアデバイスの光学センサーの組み合わせである、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項12】
前記反射光学系は、前記リーダーのサイズを削減するように前記タグの画像を屈曲光路に辿らせる、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項13】
前記リーダーは、幅が10-20cmの範囲内にあり、深さが5-10cmの範囲内にあり、高さが10-15cmの範囲内にあるサイズを有し、かつ、51ポンド未満の重さを有する、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項14】
前記位置制御部は、コントローラーによって自動的に制御される、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項15】
前記資産は、宝石、透明または半透明の素材、ポリマー、貴石、クリスタル、収集品のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の資産確認システム。
【請求項16】
資産をリーダーのホルダーに配置するステップと、
前記資産を照射して、前記資産の本体に配置されたタグを通して光の前方散乱を引き起こすステップと、
拡大光学系を用いて前記資産における前記タグを拡大するステップと、
反射光学系を用いて前記タグの画像を接眼レンズに反射するステップと、
タブレット、スマートフォン、およびノートパソコンの少なくとも一つである多機能ハードウェアデバイスの光学系を用いて前記タグを読み取るステップと、
前記多機能ハードウェアデバイスにより前記タグを処理するステップと、
データベースに保存された前記タグおよび前記資産の間のリンケージを用いて前記資産に関する情報を収集するステップと、
を有する、資産確認システムを使用するための方法。
【請求項17】
位置制御部を用いて、前記資産を前記拡大光学系に対して移動するステップをさらに有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記収集された情報をユーザーに表示するステップをさらに有する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
資産に関連する少なくとも一部の情報の物理的なインジケータであるタグを前記資産の本体内にレーザーエッチングするように構成されるタグ付けユニットと、
少なくとも前記資産に対する前記タグの関連付けを含む前記資産に関連する少なくとも一部の情報を保存するように構成される分散型台帳と、
前記タグを読み取って少なくとも前記資産に関連する一部の情報を転送するための請求項1に記載の資産確認システムを備える読み取りデバイスと、
を備える資産識別、登録、追跡、および/または商品化のためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年4月6日に出願された米国仮特許出願第63/171、212号の特許協力条約第8条に基づく優先権の利益を要求し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、資産確認(asset verification)に関し、特に、資産確認を行うためのシステムおよび方法に関するが、それに限定されない。
【背景技術】
【0003】
例えばフェムト秒持続レーザーパルスによるレーザー直接書き込みは、レーザーの焦点ボリューム内あるいはその附近に限定されるレーザーの相互作用によるバルク透明材料の内部で様々なタイプの光デバイスを生成する方法を定義する。これにより、3次元(3D)光デバイスを製造できる。透明物質の屈折率を変更し、例えば、埋め込み型光導波路を生成するために、複数のタイプのフェムト秒レーザーを使用することができる。
【0004】
例えば、Mourouなどによる、超短レーザーと材料との相互作用を記載する米国特許第5,656,186号明細書、および超短持続レーザーにより埋め込み型光導波路を生成する方法が記載されている、Davis et al., “Writing waveguides in glass with a femtosecond laser”, Opt. Lett., (米), 1996年, Vol. 21, 1729-1731を参照できる。また、Borrelliなどによる米国特許第6,977,137号明細書には、フェムト秒レーザーによる三次元の屈折率変化の書き込みおよび各種デバイスを開示している。
【0005】
レーザーエッチングされたタグのためのリーダーを備える「資産確認」タイプのシステムを作成する試みは、Sarine社のTruMatch(登録商標)ダイヤモンド確認システムを含むが、いくつかの欠点、例えば、宝石の表面のタグのみをスキャンし、そしてユーザーによる追加のスキャンが必要なQR/バーコードを出力する。この点は、blog.sarine.com/how-retailers-can-deliver-diamond-security-build-consumer-confidenceを参照できる。
【0006】
追加の背景技術は、Tranなどによる米国特許第9,849,364号明細書、Daviesによるカナダ国特許出願公開第2942229号明細書、Kirschによる国際公開第2016/205336号、およびLernerによる米国特許出願公開第2016/0085955号明細書を含む。
【発明の概要】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、資産確認システムが提供され、前記資産確認システムは、リーダーであって、資産をタグ読み取り位置に把持するように構成されるホルダーと、前記資産に照明を提供する少なくとも一つのライトからなる光源と、前記資産の本体におけるタグ上のドットを十分に分別し、かつ、前記タグを10倍よりも大きい有効倍率で見ることができる有効倍率を有して構成される拡大光学系と、前記タグの画像を前記リーダーを通して転送する反射光学系と、前記拡大光学系に対する前記資産の位置決めを調整する位置制御部と、を備える前記リーダーと、光学センサーであって、前記光学センサーに投影された前記資産の前記タグを前記リーダーによって読み取るための前記光学センサーを備え、タブレット、スマートフォン、およびノートパソコンの少なくとも一つである多機能ハードウェアデバイスと、前記資産に対する前記タグの関連付けを含む前記資産に関する情報を保存するデータベースと、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態において、このシステムは、前記多機能ハードウェアデバイスの配置のために、前記リーダーに提供されるデバイスプラットフォームをさらに備える。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記デバイスプラットフォームは、少なくとも1つの自由度で調整可能である。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記データベースは、分散型台帳を有する。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記ホルダーは、上下方向において、前記資産を前記光源に向ける。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記ホルダーは、交換可能な複数のホルダーの一つである。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記光源は、少なくとも1つのLEDを有する。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記光源は、複数のライトのアレイである。
【0015】
本発明の一実施形態において、各ライトは、強度/輝度、波長、およびオン/オフの少なくとも一つについて、個別に制御可能である。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記光源は、プリセットされた複数の動作モードを有する。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記拡大光学系は、少なくとも2つの拡大レンズ、接眼レンズ、および前記多機能ハードウェアデバイスの光学センサーの組み合わせである。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記反射光学系は、前記リーダーのサイズを削減するように前記タグの画像を屈曲光路に辿らせる。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記リーダーは、幅が10-20cmの範囲内にあり、深さが5-10cmの範囲内にあり、高さが10-15cmの範囲内にあるサイズを有し、かつ、51ポンド未満の重さを有する。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記位置制御部は、コントローラーによって自動的に制御される。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記資産は、宝石、透明または半透明の素材、ポリマー、貴石、クリスタル、収集品のうちの少なくとも1つである。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、資産確認システムを使用するための方法が提供され、前記方法は、資産をリーダーのホルダーに配置するステップと、前記資産を照射して、前記資産の本体に配置されたタグを通して光の前方散乱を引き起こすステップと、拡大光学系を用いて前記資産における前記タグを拡大するステップと、反射光学系を用いて前記タグの画像を接眼レンズに反射するステップと、タブレット、スマートフォン、およびノートパソコンの少なくとも一つである多機能ハードウェアデバイスの光学系を用いて前記タグを読み取るステップと、前記多機能ハードウェアデバイスにより前記タグを処理するステップと、データベースに保存された前記タグおよび前記資産の間のリンケージを用いて前記資産に関する情報を収集するステップと、を有する。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記方法は、前記資産を前記拡大光学系に対して移動するステップをさらに有する。
【0024】
本発明の一実施形態において、前記方法は、前記収集された情報をユーザーに表示するステップをさらに有する。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、資産識別、登録、追跡、および/または商品化のためのシステムが提供され、前記システムは、資産に関連する少なくとも一部の情報の物理的なインジケータであるタグを前記資産の本体内にレーザーエッチングするように構成されるタグ付けユニットと、少なくとも前記資産に対する前記タグの関連付けを含む前記資産に関連する少なくとも一部の情報を保存するように構成される分散型台帳と、前記タグを読み取って少なくとも前記資産に関連する一部の情報を転送するための請求項1に記載の資産確認システムを備える読み取りデバイスと、を備える。
【0026】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料は、本発明の実施形態の実行または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に説明する。矛盾が生じた場合には、定義を含む特許明細書の記載が優先される。付加的に、材料、方法、および実施例は例示のみを目的としており、発明を限定することを意図するものではない。
【0027】
本発明の実施形態に係る方法および/またはシステムの実装には、選択されたタスクを手動、自動、またはそれらの組み合わせで実行または完了することを含むことができる。さらに、本発明の方法および/またはシステムの実施形態に係る実際の器具使用および装置によれば、いくつかの選択されたタスクは、オペレーティングシステムを使用することで、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実装することができる。
【0028】
例えば、本発明の実施形態に係る選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装することができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態に係る選択されたタスクは、任意の好適なオペレーティングシステムを使用するコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装されることができる。本発明の例示的な一実施形態において、本明細書で説明される方法および/またはシステムの例示的な実施形態に係る1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。オプションとして、データプロセッサは、命令および/またはデータを記憶するための揮発性メモリ、および/または不揮発性記憶装置を含み、例えば命令および/またはデータを記憶するための磁気ハードディスクおよび/またはリムーバブルメディアを含む。オプションとして、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイ、および/またはキーボードまたはマウスのようなユーザー入力デバイスもオプションとして提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書では、添付の図面および/または画像を参照して、本発明のいくつかの実施形態を単なる例として説明する。ここで特に図面を詳細に参照すると、示される詳細は例として示されており、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の実施形態の例示的な議論を目的としていることが強調される。この点に関して、図面を伴う説明により、本発明の実施形態がどのように実施され得るかが当業者には明らかになる。
【0030】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係る資産識別、登録、追跡、および/または商品化のためのシステムの概略図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムのブロック図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの各部の斜視図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの各部の背面図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの各部の正面図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの各部の上面図である。
【
図7】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの各部の底面図である。
【
図8】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの各部の上面図であり、可動装置ホルダーの回転能力を示す。
【
図9】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの各部の左側面図である。
【
図10】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの各部の右側面図である。
【
図11】本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムを使用する方法のフローチャートである。
【
図12】本発明の例示的な実施形態に係る光源の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明のいくつかの実施形態は、資産確認に関し、特に、資産確認を行うためのシステムおよび方法に関するが、それに限定されない。
【0032】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その応用において、以下の説明、および/または図面、および/または実施例に示される、構成要素の構成および配置、および/または方法に必ずしも限定されないことを理解されたい。または図面および/または実施例に示される。本発明は、他の実施形態を有することが可能であり、あるいは様々な方法で実行または実施することができる。
【0033】
本明細書で説明される資産確認システムは、より包括的な資産識別追跡、商品化および確認のエコシステムの一部であり、異なる種類の多くの資産、特にダイヤモンドなどの貴石に使用できることを理解されたい。より広範的なエコシステムには、例えば、事業者、ベンダー、サプライヤー、採掘企業、小売店、金融機関、保険会社、物流/輸送企業、保管企業などが含まれ、ナノスケールのレーザーエッチング、および分散台帳(例えば、ブロックチェーン)などの技術ソリューションも含まれる。本発明の一実施形態において、「発明の概要」のセクションにおける符号のような分散台帳などの用語が使用される場合、これらの機能/特徴は、ハードウェア(不揮発性ストレージおよび/またはデータプロセッサおよび/またはコントローラーを備えるコンピューティングプラットフォーム/サーバー/データベースなど)およびソフトウェアの組み合わせによって実装される。
【0034】
より広範的なエコシステムには、以下のステップを有する方法(および関連するハードウェア)を含む:a)宝石、透明または半透明の素材、ポリマー、貴石または水晶、またはその他の資産および収集品などの資産に識別情報をタグ付けし、このタグ付けは、タグ付けユニットを使用して、所望の位置で資産の構造を変更することを含む。b)例えばブロックチェーン技術などを使用して識別情報を登録/記録する。c)続いて、例えば、ズーム機能付きカメラ、スマートフォン、モバイル機器、および顕微鏡のような自動光学読み取り装置などの読み取り装置を使用してタグ/識別を読み取る。d)オプションとして、資産に関連する取引(transactions)および/または情報の変更に基づいて、例えばブロックチェーンを更新することによって記録された情報を更新する。e)資産の記録された識別情報の完全性/信頼性/無謬性をオプションとして利用して、資産を商品化する、および/またはその他の方法で資産から利益を得る。多くの方法アクションステップは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用する変換/暗号化/復号化/処理段階をさらに含む。
【0035】
資産のタグ付けは、集束レーザーパルスの吸収を通して資産素材の穏やかで局所的な変更からなる。このような変更は、レーザーの焦点を合わせるために使用されるレンズの焦点ボリューム内に局所的に行われる。
【0036】
一般的に、資産に記録されたブロックチェーン登録情報は、読み取り装置を介して、以下でより詳細に説明されるクラウドベースまたはインターネットベースのプロセス、および/または人工知能(AI)、および/または画像認識方法をオプションとして使用して、読み取られると考えられる。
【0037】
図面を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態に係る資産の識別、登録、追跡、および/または商品化のためのシステム100の概略図であり、コンテキストのために提供されている。本願の
図1は、米国仮出願第16/429,784号の
図7によるものである。本出願の主な焦点は、
図1の「読み取り装置」106であり、ここで通常資産確認システムと呼ばれるが、読み取りデバイスと呼ばれることもある(以下でより詳細に説明するように、多機能ハードウェアを含まない「リーダー」とは対照的に)。
【0038】
追加の状況詳細を提供するために、本発明の一実施形態において、宝石、透明または半透明の材料、ポリマー、貴石または水晶、または他の収集品などの資産に識別情報がタグ付けされる。本発明の一実施形態において、このタグ付けは、同時係属中の米国仮出願第16/429,784号においてより詳細に説明されるタグ付けユニット102によって実行され、タグ付けユニット102は、レーザーを使用して資産の構造、あるいは表面を修正するように構成されている。本発明のいくつかの実施形態において、タグは、特定のパターンを有するドットで構成される約150マイクロメートル×150マイクロメートルの二次元領域である。オプションとして、このタグは三次元である。このタグは、資産の内部、オプションとして表面下50マイクロメートルから1ミリメートルの間に配置される。タグの平面は、資産の表面と平行でない可能性がある。本発明のいくつかの実施形態において、ドットのパターンは、宝石のユニークなIDである9桁の16進数にデコードすることができる。
【0039】
タグ付けユニットは、本明細書または国際公開第2017/006092号などの関連開示に記載されている動作パラメーターを使用し、その動作がコントローラーによって指示されるレーザーを備える。タグ付けユニットは、下記の
図2から
図11においてより詳細に説明されるように、資産確認システム106内の関連する復号化/変換ハードウェアに運用上リンクされるハードウェアベースの暗号化/変換をオプションとして使用する。ここで、資産確認システム106は、資産に予めエッチングされた単一あるいは複数のタグを読み取るために使用される。いくつかの実施形態において、ハードウェアベースの暗号化/変換の代わりに、またはハードウェアベースの暗号化/変換に加えて、ソフトウェアが使用される。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアを使用して、ソフトウェア(プログラムコード、ウェブベースのインタフェース、モバイルアプリおよび/またはAPIなど)を通じて連携するようにプログラムされるシステムの様々なコンポーネントを提供する。
【0040】
本発明の一実施形態において、タグは各資産のユニークなシリアル番号または識別番号として機能する。そして、本発明の一実施形態において、このシリアル番号は、例えば、資産の格付け証明書からの情報、資産の出所に関する情報、所有権情報、および保険情報などを格納することができるデータベース/分散型台帳104のインデックス値またはルックアップ値として機能する。本発明の一実施形態において、タグの設計では、9つのドットを使用して687億個のユニークな値を表す。各ドットは、9つのゾーンの1つにおける16場所のうちの1つに配置される。このモデルでは、9桁の16進数、つまり687億の10進数の値が表現される。
【0041】
いくつかの実施形態において、複数のタグは、タグのサイズが130ミクロン×130ミクロンの場合、10ミクロンの格子点間隔に基づき、あるいはタグのサイズが65ミクロン×65ミクロンの場合、5ミクロンの格子点間隔に基づく。システム106がこの情報を決定できるようにする情報は、ソフトウェアにプログラムされている。本発明のいくつかの実施形態において、タグは、タグコードをエンコードするドットのセットと、タグアライメント(およびスケーリング)をエンコードするドットのセットとを含む。本発明の一実施形態において、等間隔の6個ドットのセットと、非等間隔の直交する4個ドットのセットとを含む2つのアライメント構造(alignment features)を有する。6個ドットの構造は、格子スケールを抽出するために使用でき、4個ドットの構造は、スケールおよび向きの両方を抽出するために使用できる。本発明のいくつかの実施形態において、他のタグ構成における構成が異なる可能性があるとしても、1つのドットは、6個ドットの構造および4個ドットの構造の間で共有されることを留意されたい。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態において、アライメントコードのサイズおよび形状は、タグ全体のサイズに影響を与える。アライメントタグのサイズおよび形状は、多機能ハードウェア204の光学システムによってタグが存在するかどうかを認識する容易さと、必要なスケールおよび向きの情報を抽出する容易さと、ノイズに対する耐性とにも影響を与える可能性がある。
【0043】
オプションとして、資産確認システム106は、資産確認システム106(読み取り装置および関連ハードウェア)によって読み取られた/スキャンされた資産に関し、かつ、分散型台帳104から取得された登録識別情報および/または関連情報を復号化/変換するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを有して構成される。タグ付けおよびタグ読み取り用のソフトウェア(例えば、モバイルデバイス/電話機/タブレット/ノートパソコンなどの多機能ハードウェアにインストールされるアプリケーション)に関する追加の詳細は、以下の説明に含まれる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態において、以下でより詳細に説明されるように、読み取り装置106は、光学ベースの構成であり、例えば、顕微鏡、モバイルデバイス(例えば、スマートフォンの少なくとも1つのカメラ、さらにはスマートフォンまたはタブレットに取り付けた光学読み取り装置など)、および/またはズームカメラを含む。本発明の一実施形態において、読み取り装置106は、ソフトウェア(例えば、ダウンロード可能および/またはインストール可能な携帯電話アプリ)でプログラムされ、例えば、読み取り装置106に、スキャンされた資産からの入力を受信させ、入力を処理させ、および/またはその資産に関する情報を取得させることができるタブレット、スマートフォンまたはその他のモバイル通信デバイス、またはノートパソコンのような多機能ハードウェア204と組み合わせて使用される、専用の特定目的のリーダー202を含んでもよい。オプションとして、ソフトウェアは、資産の本体にエッチングされた識別物/タグを読み取るための運用上敏感なパラメーター、例えば、スキャン深度、および/または倍率、および/または焦点距離、および/または光学式文字識別、および/またはバーコード/QRコードタイプの読み取り、および/またはどのカメラ/光学センサーを使用するかなどを用いて多機能ハードウェアをプログラムする。本発明のいくつかの実施形態において、読み取り装置/資産確認システム106のリーダー202の部分は、手持ち式および/または手(単一のユーザー)で容易に持ち運びできるサイズおよび/または形状である。いくつかの実施形態において、タグ付けユニット102のように、特定のコンポーネントがリーダー202の外部、さらに資産確認システム106の外部に位置し、あるいは特定の機能がリーダー202の外部、さらに資産確認システム106の外部に実行されるが、本明細書の目的のために、これらのコンポーネントが依然として「リーダー」、「読み取り装置」/「資産確認システム」の一部として考慮される。
【0045】
付加的に、および/またはオプションで追加のセキュリティ対策として、読み取り装置のハードウェアおよび/またはソフトウェアが要求される通り、分散型台帳から資産の識別物/情報を正常におよび/または有効的に取得するように、読み取り装置106のハードウェアおよび/またはソフトウェアは、分散型台帳に登録された、タグ付けユニット102の識別物/情報出力に運用上対応付けられる。
【0046】
次に、資産確認システム/読み取り装置をより詳細に説明する。
図2は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システム106のブロック図である。本発明のいくつかの実施形態において、実際のリーダー装置202は、ホルダー202i、照明部202ii、拡大光学系202iii、反射光学系202iv、位置制御部202v、および/または多機能ハードウェアプラットフォーム202viを含む複数のコンポーネントを備える。本発明のいくつかの実施形態において、リーダー202は、電源も含み、例えばバッテリ駆動、および/または電源コンセントに接続される。上述したように、リーダー202は、モバイルデバイスなどのようなソフトウェアでプログラムされた多機能ハードウェア204と併せて使用されることにより、
図1に示すシステム100における「読み取り装置」106の読み取り機能を実行する。
【0047】
ホルダー202iに関して、リーダー202のこの構成要素は、主に、確認される資産208、例えば、実際の宝石または宝石が取り付けられた宝飾品を保持するために使用される。宝石および/または宝飾品は複数の形状および/またはサイズおよび/または構成であることにより、本発明のいくつかの実施形態において、複数の異なるホルダーがリーダー202とともに使用されることで、確認される多種多様な資産を収容することを理解されたい。本発明の一実施形態において、ホルダー202iは、照明部202ii、拡大光学系202iii、及び/又は位置制御部202vと組み合わせて動作し、多機能ハードウェア204によるスキャンのために資産208内のタグに焦点を合わせる。複数のホルダーがリーダー202で使用可能な本発明の一実施形態において、その複数の表現は、交換可能および/または統合的なホルダーのシステムを表す。いくつかの実施形態において、複数のホルダーは、資産の位置決めを適切に行い、したがって読み取られるタグが適切な位置でシステム106に読み取られるように、評価される資産のサイズおよび/または形状および/または構成に基づいてあらかじめ構成される複数の「パック」(pucks)である。いくつかの実施形態において、これらの異なるコンポーネントのうちの1つまたは複数が、資産確認システム106(またはそのコントローラー/プログラムされたハードウェア)によって自動的に操作されて、資産208内のタグを読み取り可能にする。オプションとして、これらの異なるコンポーネントのうちの1つまたは複数を手動で操作して、資産208内のタグを読み取り可能にする。
【0048】
照明コンポーネント202iiに関しては、資産208内のタグが多機能ハードウェア204による読み取りのために十分に照明される限り、事実上あらゆる形式の照明器具を単独でまたは組み合わせて使用することができる。本発明の一実施形態において、明るさ、制御の容易さ、低消費電力、ルーメンあたりの物理的サイズが小さい(small physical size per lumen)、およびその他多くの利点を享受するために、LED照明が照明コンポーネント202iiとして使用される。複数のLEDのアレイはLED照明のオプションとして構成され、タグの照明を最適化するためのオプションとして、各LEDが個別に制御可能または複数のLEDによるグループとして制御可能である。例えば、最適な照明プリセットを提供するために、異なる照明設定/モードを事前にプログラムして、LEDを個別におよび/またはグループごとにおよび/または強度および/または波長で制御することができる。本発明のいくつかの実施形態において、LEDは、少なくとも1つのリング1202(
図12により詳細に示される)内に配置され、ホルダー202iおよび/または資産208は、リングの中心またはその近くに配置される。オプションとして、LEDは、複数のコンパクトなリング1202、1204に配置される。本発明のいくつかの実施形態において、照明コンポーネント202iiは、直径10mm以下である。オプションとして、照明コンポーネント202iiは直径9mm以下である。オプションとして、照明コンポーネント202iiは直径5mm以下である。本発明の一実施形態において、最も外側のリング1204の直径は9mm以下である。本発明のいくつかの実施形態において、最も内側のリング1202の直径は6mm以下である。
【0049】
本発明の一実施形態において、ホルダー202i内に位置決めされる資産208と、照明部202iiの構成および/または動作性能との組み合わせは、資産の上面(「テーブル」)または例えばカットされた宝石のテーブルを通して資産の複数の表面、およびカットされた宝石の上面の下にある複数の小面(facets)のうちの少なくとも1つに照明を導入する。本発明の一実施形態において、この照明は、資産の裏面または小面で反射し、タグによって前方に散乱される。本発明のいくつかの実施形態において、タグは、フェムト秒レーザーの焦点を精密に合わることで資産のボリューム/ボディに書き込まれるミクロンサイズのドットの集合から作られる。このプロセスによれば、資産の屈折率に軽微な局所的な変更が加えられ、ドットの下方から照射するときに暗いスポットとして現われる。本発明の一実施形態において、この光の前方への散乱は、タグと前方散乱光との間のコントラストを利用して、多機能ハードウェア204を用いて素早くタグを観察することが可能になる。本発明の一実施形態において、十分なコントラストが生成されることで、ドットから散乱される光が資産の表面から直接反射される光によって圧倒されない。オプションとして、照明部202iiは、ホルダー202iに組み込まれる。
【0050】
拡大光学系202iiiに関しては、倍率が多機能ハードウェア204のカメラと互換性があるようにオプションとして選択されることにより、資産208が正しいx/y/z位置に配置される場合に、明確に定義されたタグの画像を多機能ハードウェア204の画像センサー(CMOSセンサーが予想される)または複数のセンサー(1つ以上のカメラが使用される場合)上に生成する。本発明のいくつかの実施形態において、拡大光学系202iiは、本質的に、コンパクトなフォームファクタに実装された200倍の固定倍率顕微鏡である。すなわち、多機能ハードウェア204が取り外され、代わりに多機能ハードウェア204の画像センサーの位置に人間の目が置かれた場合、可視タグの画像は、200倍の倍率の顕微鏡を通して人が見たときに予想されるものとなる。本発明の一実施形態において、この全体的な200倍の倍率は、20倍の対物レンズと10倍の倍率の接眼レンズとを組み合わせて使用することによって達成される。この配置によって生成された拡大画像は、多機能ハードウェア204の光学システムの像面に生成される。本発明のいくつかの実施形態において、多機能ハードウェア204の光学システムは、この画像の縮小版を多機能ハードウェア204の画像センサー上に生成する。本発明のいくつかの実施形態において、多機能ハードウェア204のCCD面に対して得られる合計倍率は、7倍から10倍である。本発明のいくつかの実施形態において、多機能ハードウェアの光学系は、拡大光学系202iiiの拡大対物レンズおよび/または接眼レンズを補足し、その一部を形成し、および/またはその代わりに使用される。
【0051】
本発明の一実施形態において、拡大光学系202iiiの選択された有効倍率は、格付けのために認証機関で使用される倍率に多少拘束されている。より具体的に、米国仮出願第16/429,784号明細書に記載された通り、タグ付けユニット102は、タグが業界標準の格付け/認証プロセスによって検出できないように、資産の本体にタグをエッチングする。あるシナリオでは、これは、タグが小さすぎて10倍以下の倍率では不可視であることを意味する。このように、タグは不可視であるため、資産の格付けに影響しない。オプションとして、これらのタグは、小さすぎて20倍以下の倍率では不可視であり、またはタグ付けユニット102によって付与されたそれ以上の倍率では不可視であるが、そのすべては、現在説明されているシステムを使用して読み取り可能である。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態において、有効倍率は、タグ内のドットを十分に分離するように選択される。この倍率は、撮像中にユーザーが多機能ハードウェア204の画面上で見るものにも影響を与える。本発明の一実施形態において、多機能ハードウェアの光学系のニーズと人間のユーザーのニーズの両方に対する倍率および視野は、効果的な倍率の選択によってバランスが取られる。この状況は、リーダーの倍率が200倍までの我々の現在のシステムによる以下の画像に示されている。
【0053】
リーダー202内に配置された反射光学系202ivに関しては、一般的に、リーダー202をコンパクトで持ち運びが容易なサイズに最適化するのに役立つ屈曲光路が形成される。本発明の一実施形態において、リーダー202内における照明された画像経路は、照明部202iiから始まり、資産208に入り、次に対物レンズ(いくつかの実施形態によれば、20倍の倍率)に入り、複数の回転ミラーを通って(
図4に示されてより詳細に説明される)、接眼レンズ(例えば倍率10倍)に入り、そして多機能ハードウェア204の光学系、例えば携帯電話カメラのCMOSセンサーに送られる。
【0054】
位置制御部202vに関しては、タグがシステム106によって最適に見えるように、資産208および/またはホルダー202iおよび/または照明部202iiの位置を調整するための位置決めシステムがオプションとして提供される。いくつかの実施形態において、位置制御部202vは手動で操作され、特に、例えば
図3および
図4に示すような軸制御装置によって手動で操作される。いくつかの実施形態において、位置制御は自動であり、例えば、位置決めシステムと動作的に通信し、ソフトウェアによりプログラムされたコントローラーによって実現される。位置制御部202vは、少なくとも1つの座標、例えばx、y、および/またはz座標のうちの少なくとも1つで資産208の位置を調整するように構成される。オプションとして、位置制御部202vはまた、拡大光学系202iiiおよび/またはリーダー202に対する資産208の向きおよび/または回転を調整する。本発明のいくつかの実施形態において、位置決めシステムは、延長ギア(extending gears)および/またはねじ/ねじ切りを含み、および/またはばね荷重式プラットフォームと組み合わせて、および/または圧電アクチュエータを用いて構成されるが、これらは、位置決めを実現するために使用できるものの例にすぎない。本発明のいくつかの実施形態において、位置制御部202vは、タグの表示/読み取りを最適化するために、多機能ハードウェア204の光学系と同期して動作する。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態において、タグ読み取りの視野にタグを配置するために、より広い視野が資産(資産内にあるタグ)の正確な位置決めの必要性を緩和できるため、多機能ハードウェア204の光学系の視野は、最大化/最適化される。所定のセンサーサイズの場合、より広い視野は、必要な倍率も低くなることを意味する。本発明の一実施形態において、例えば、この構成におけるタグ画像を認識および/または復号するための機械学習を実装することによって、視野を最大化/最適化するために、画像に対してゼロまたは最小限のデジタルズームが使用される。
【0056】
本発明の一実施形態において、x/y調整およびこの調整の精度は主に以下によって左右される:1)資産/タグの基準を光路の中心に定める機械的治具を設計する能力。2)光学系システムの視野。本発明のいくつかの実施形態において、タグのサイズとシステム倍率によって、横方向位置調整装置の使用を排除するために、治具がどの程度正確である必要があるかが決められる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態において、フォーカスブラケット戦略(focus bracketing strategy)を利用して、Z座標位置決め誤差を補償し、および/または手動で使いやすい焦点調整プロセスをガイドする。
【0058】
デバイスプラットフォーム202viに関して、これは多機能ハードウェア204のための便利なホルダーとして使用され、そして、多機能ハードウェア204の光学センサーが容易に資産208から投影される画像に位置合わせられる。本発明の一実施形態において、デバイスプラットフォーム202viは、本明細書の他の箇所で説明するように、例えば10倍のようなわずかな倍率を提供する「接眼」部を含む。この接眼レンズは、拡大光学系202iiiの対物レンズと連動して、2つの積である有効倍率を提供する。オプションとして、接眼レンズはデバイスプラットフォーム202viから分離され(例えば、デバイスプラットフォーム202viは接眼レンズの上に取り付けられ、デバイスプラットフォームの円筒が接眼レンズの円筒の上に滑り込む)、そして接眼レンズは拡大光学系202iiiのサブパーツであるとみなされる。本発明の一実施形態において、デバイスプラットフォーム202viは、その上に多機能ハードウェア204を安定して配置できるように実質的に平坦である。オプションとして、特に例えば多機能ハードウェア204が全体的に平坦でない場合、プラットフォームは、多機能ハードウェア204の形状に対応するカウンターパートとして機能するように形成される。本発明のいくつかの実施形態において、デバイスプラットフォーム202viは可動であり、例えば、1つ以上の回転軸の周りを回転することができる(例えば、
図8に示されてより詳細に説明されるように)。本発明のいくつかの実施形態において、リーダー202はデバイスプラットフォーム202viを含まない。
【0059】
いくつかの実施形態において、リーダー202または多機能ハードウェア204によって通信ネットワークが自動的に使用されることの代わりに、資産の識別情報を確認し、および/または関連する資産情報を取得するために、識別情報は光学的におよび/または手動で取得されて、ウェブサイトのようなユーザインタフェースに、および/またはウェブベースのブラウザ/インタフェースを通じて入力される。
【0060】
いくつかの実施形態において、資産確認システム106には、例えばインターネットおよび/またはセルラーネットワークおよび/または衛星ネットワークのような通信ネットワークと通信するための通信インタフェース206が設けられる。資産確認システム106に提供される通信は、システム106を分散型台帳104および/またはオプションとしてリモートおよび/またはクラウドベースの情報システム内に位置する何らかの他の情報源に接続する。
【0061】
図3は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システム106の斜視図である。本発明の一実施形態において、
図2の概略コンポーネントに対応する例示的な物理的コンポーネントが
図3の資産確認システム106に示されている。この構成は
図2に示されるシステム106を実現する1つの案であり、システム106の他の物理的構成も使用可能であることを理解されたい。説明を簡潔にするために、
図3は、本発明の例示的な実施形態に基づいた、資産確認システム106の使用方法を示す
図11におけるフローチャート1100と併せて説明される。資産208は、ホルダー内で、かつ照明部202iiが資産208を貫通できる位置に配置される(1102)。資産208は、位置制御部202v(
図3および
図5において、各座標が独自の専用制御ノブを有する)を使用して1つ以上の軸でオプションで移動され(1104)、および/または照明モードが選択される(1106)ことにより、資産の構成/サイズ/形状に基づいて資産208に照射する照明を最適化する。資産208内のタグは、照明部202iiによる照明/対比されることによって少なくとも部分的に明らかにされ、そして、その画像が拡大光学系202iiiによって拡大され(1108)、リーダー202内の反射光学系202iv(非図示)によって接眼レンズに反射される(1110)。装置プラットフォーム202vi上にオプションで配置される多機能ハードウェア204のコンポーネントは、例えば、自身の光学系(例えば、カメラ)を使用して、接眼レンズを通して反射画像(1110)をCMOSセンサーのようなイメージセンサーを使用して読み取る(1112)。多機能ハードウェア204によって読み取られたタグ(1112)は、その後、ハードウェア204および/または外部コントローラーによって処理された(1114)後、通信インタフェース206を使用して、タグからの識別情報を利用して分散型台帳104および/または他の情報源からの資産208に関する情報が収集される(1116)。次いで、収集された資産208に関する情報は、多機能ハードウェア204にオプションで返送され、および多機能ハードウェア204のディスプレイ上でユーザーにオプションで表示される(1118)。
【0062】
本発明の一実施形態において、リーダー202は、例えば、照明部202iiをオンにする、リーダー202の電源をオンおよびオフにする(例えば、位置制御部202vが自動である場合)、および/または通信インタフェースを起動するための1つ以上のスイッチ302を含む。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態において、リーダー202は、容易に手に持ち運べるサイズ(「容易に」とは片手で持ち運べることを意味する)、例えば幅が約10cmから20cmであり、奥行きが約5cmから10cmであり、および高さが約10cmから15cmであるように構成される。本発明のいくつかの実施形態において、リーダー202は、使用時に安定するのに十分な重さである一方、「容易に」持ち運べるように構成される。オプションとして、リーダー202の重量は1ポンドから2ポンドである。オプションとして、リーダーの重さは10ポンド未満である。オプションとして、リーダーの重さは5ポンド未満である。
【0064】
図4は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システム106の一部の背面図である。上述したように、
図4は、リーダー200の一部を切り取った図であり、リーダー202の反射光学系202ivを構成するいくつかの反射ミラーを示し、反射ミラーは、識別/読み取りのために、照明されたタグ画像を資産208から多機能ハードウェア204までその両方の間の経路402に沿って伝達する。本発明の一実施形態において、拡大光学系202iiiの接眼レンズ404の部分も断面図で示されている。タグの画像が多機能ハードウェア204の光学系に明瞭に伝達される限り、照明されたタグ画像の経路402が任意の構成であってもよいことを理解されたい。このため、
図4に示された経路402は、単なる例である。
【0065】
図5は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システム106の一部の正面図である。
図6は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システム106の一部の上面図である。この図から、照明部202iiのアレイをより明瞭に見えるが、単一のリングのみが示されていることは単なる例であることを理解されたい。より多くのリング、多かれ少なかれLEDまたは他の照明があってもよく、照明部202iiは実際にはリング形状に配置される必要はない。
図7は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システム106の一部の底面図である。
【0066】
図8は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システム106の一部の上面図であり、デバイスプラットフォーム202viの回転動作802の能力の例を示す。デバイスプラットフォーム202viの移動および/または関節運動は、1つ以上の次元で達成でき、そして、デバイスプラットフォーム202viは、異なるサイズに構成された多機能ハードウェア204を収容するために、サイズが調整可能または異なるサイズのプラットフォームと交換可能であってもよいことを理解されたい。
【0067】
図9は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システム106の一部の左側面図であり、
図10は、本発明の例示的な実施形態に係る資産確認システムの一部の右側面図である。
【0068】
以上および本明細書の他の箇所で参照した多機能ハードウェア204にインストールされたソフトウェアアプリケーションに関して、本発明のいくつかの実施形態において、資産208および/またはハードウェア204制御の画像処理および/または位置決めは、ソフトウェアおよびリモートサーバーおよび/またはデータベースとの通信を必要としない多機能ハードウェアによって処理される。本発明のいくつかの実施形態において、タグはアクティブなユーザー介入なしに読み取られるが、本発明のいくつかの実施形態において、位置合わせプロセスにおけるユーザー支援を補助するために、画像フィードバックをユーザーに提供することができる。例えば、フィードバックは、抽象化された形式でユーザーに提示できる。一例として、横方向の位置決めを支援する画面において、円および大きなドットを表示することができる。次に、ユーザーは、ドットを円の中心に移動するように求められる。フォーカスを補助する場合、例えば、ユーザーは、ドットサイズがちょうど円を埋めるまで調整するよう求められる。バックグラウンドで、ソフトウェアは、抽象化されたユーザーへのフィードバックを取得し、処理し、更新することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアは、複数の後ろ向きカメラからタグのキャプチャに使用するカメラを選択し、その他の1つ以上のカメラを無効化する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、画像の処理を制御し、リーダー202、オプションとしてプラットフォーム202vi上における多機能ハードウェア204の配置のためのフィードバックをユーザーに提供する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、画像をキャプチャし評価することで、画像にタグが含まれているかどうか、および画像が高精度でタグを抽出するのに十分な品質を有するかどうかを判断する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、画像を処理し、資産208の位置の手動調整をガイドするために、ユーザーに、オプションとして位置制御部202vを用いて、フィードバックを提供する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、より低いレベルのカメラ露出値を制御し、タグ認識および抽出のための画像を最適化する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、カメラの焦点設定を制御し、タグ抽出のための画像を最適化する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、多機能ハードウェアのカメラの内蔵機能(例えば、ノイズリダクション、HDRなど)の使用を制御し、タグ抽出のための最適化を行う。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、位置合わせコード(alignment code)から、タグのスケールおよび向きの情報を抽出する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアはタグコードの16進値を抽出する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、タグの精度の信頼度メトリックを提供する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、一般的なおよび/または地域の一般的なマーケティング情報をユーザーに表示する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、タグコードリーダーの使用方法をイラストおよびアニメーションを通じてユーザーに指示する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアは、ビジネスバックエンドシステムと通信し、オンボーディング、使用状況メトリックなどのようなものを管理する。本発明のいくつかの実施形態において、ソフトウェアのUIは、多機能ハードウェア204が有用なタグ画像(例えば、赤信号/緑信号)を見ているときをユーザーに知らせるインジケータを表示する。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態において、iPhone向けの「CameraPixels」アプリおよびAndroid向けの「Open Camera」アプリが使用されてネイティブ写真モードを無効化し、かつ、システム106によっておよび/または手動でフォーカスおよび露出などのカメラ設定を制御できるように、ハードウェア204にインストールされたシステム106のソフトウェアの実行を許可する。
【0071】
特定の例では、Python/OpenCVスクリプト(ソフトウェアアプリ)が使用されてリーダー202で取得されたタグ画像からタグコードを抽出した。その他のプログラミング言語は、将来の実装で使用される可能性があり、およびソフトウェアを実行するハードウェアプラットフォームに応じて使用される可能性があることを理解されたい。適切な画像があれば、ソフトウェアは、ユーザー入力なしで、任意の向きおよび任意のスケールのタグ画像からタグコードを抽出した。ノイズの多い画像またはコントラストの低い画像の場合、ユーザーは、タグブロブのみが検知され、より高いコントラストのブロブおよびノイズがより多いブロブが全て排除されるまで、Open CVを使ったブロブ検知のパラメーターを調整した。次いで、タグブロブは、タグの位置合わせおよび/または向きについてブロブの検出されたパターンを比較する前処理が行われ、その後、実際のタグ識別子(例えば、9桁の16進数)を識別するために、検出された前処理後のタグ画像を使用してさらなる処理が実行された。
【0072】
別の特定の例では、ニューラルネットワークベースのいくつかの機械学習方法が、リーダー202で取得されたタグ画像からタグコードを抽出して復号するために適用された。一連の学習画像を使用してニューラルネットワークを訓練し、ニューラルネットワークがタグを認識して一般化されたデータセットに復号することを順次学習する。いくつかの実施形態において、画像内にタグが存在するかどうかを認識するように訓練される1つの層、タグのスケールおよび方向を決定するために訓練される1つの層、およびタグ値を復号するために訓練される1つの層を備える多層ニューラルネットワークが使用される。いくつかの実施形態において、ニューラルネットワークの1つ以上の層は、ヒートマップ回帰ネットワーク(heatmap regression network)である。本発明のいくつかの実施形態において、これらのニューラルネットワークの層の1つまたはすべてが、タグ画像をキャプチャするために使用される多機能ハードウェアと同じ多機能ハードウェア上でローカルに実行する。本発明のいくつかの実施形態において、これらのニューラルネットワークの層の1つまたはすべてが、クラウドベースのコンピューティングリソース上で実行する。
【0073】
「備える」(comprises, comprising)、「含む」(includes, including)、および「有する」(having)という用語およびそれらの複合語は、「〇〇を含むがこれらに限定されない」を意味する。
【0074】
「〇〇から構成される」(consisting of)という用語は、「〇〇を含み、それに限定される」を意味する。
【0075】
「〇〇から本質的に構成される」(consisting essentially of)という用語は、組成物、方法、または構造が追加の成分、ステップおよび/または部分を含み得るが、追加の成分、ステップおよび/または部分が特許請求の範囲の基本的かつ新規な特徴を実質的に変更しない場合に限られることを意味する。
【0076】
「複数」(plurality)という用語は、「2つ以上」を意味する。
【0077】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに別段の提示がない限り、複数を参照する場合を含む。例えば、用語「1つの合成物」(a compound)または「少なくとも1つの合成物」には、それらの混合物を含む複数の合成物が含まれる場合がある。
【0078】
本出願の全体を通して、本発明の様々な実施形態は範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜および簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、1つの範囲に対する説明は、その範囲内における全ての可能な部分範囲およびその範囲内における個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1から6の範囲に対する説明は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、および3から6などの部分範囲と、その範囲内の個々の数字、例えば1、2、3、4、5、6などとを具体的に開示しているとみなされる必要がある。これは範囲の広さに関係なく適用される。
【0079】
本明細書で数値範囲が示される場合は、常に示された範囲内に任意の引用数値(分数または整数)が含まれることを意味する。第1の指示数値と第2の指示数値との間の「範囲」(ranging/ranges between)、および第1の指示数値「から」(ranging/ranges from)第2の指示数値「まで」の「範囲」という表現は、本明細書では互換的に使用され、第1の指示数値および第2の指示数値と、その間のすべての分数および整数とを含むことを意味する。
【0080】
明確性のために、個別の実施形態のコンテキストに説明された本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことを理解されたい。一方、簡潔にするために単一の実施形態のコンテキストに説明された本発明の様々な特徴は、個別に、または任意の適切なサブコンビネーション(subcombination)に、または本発明の他の説明された実施形態にも適切に提供されてもよい。様々な実施形態のコンテキストに説明された特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作しない場合を除き、それらの実施形態の必須の特徴とみなされないことを理解されたい。
【0081】
本発明をその特定のいくつかの実施形態に関連して説明したが、当業者にとって、多くの代替例、修正例、および変形例もあることが明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の本旨および広い範囲内に入るすべての代替例、修正例および変形例を包含することが意図される。
【0082】
本明細書で言及されるすべての出版物、特許公報、および特許出願公開公報は、個々の出版物、特許公報または特許出願公開公報が具体的かつ個別に示されている範囲と同じ程度で本明細書に組み込まれるように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における参考文献の引用または特定は、これらの参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものとして解釈されるべきではない。段落の見出しが使用されていることについては、それらは必ずしも限定的なものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】