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▶ キョウセラ エスジーエス プレシジョン ツールズ、インコーポレイテッドの特許一覧

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  • 特表-高送りサークルセグメントカッター 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】高送りサークルセグメントカッター
(51)【国際特許分類】
   B23C 5/10 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
B23C5/10 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562489
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 US2022072201
(87)【国際公開番号】W WO2022236341
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/185,718
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523383598
【氏名又は名称】キョウセラ エスジーエス プレシジョン ツールズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハミル、ブリアン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ラザフォード、ジェイク
【テーマコード(参考)】
3C022
【Fターム(参考)】
3C022KK02
3C022KK25
3C022KK28
(57)【要約】
高送りサークルセグメントカッターおよび高送り端部カッターとして構成された5軸加工で利用可能なエンドミル。エンドミルは、高送りミルのエンドワークとサークルセグメントカッターの溝加工で構成され、それによってオペレータは、高送りの方法(軸方向の切り込み深さが小さく、半径方向の切り込み深さが大きい)で材料の大部分を粗削りし、その後、工具側面のサークルセグメントカッターの幾何学的形状によって部品の壁部を仕上げ/中仕上げするために工具の側面を使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部および第2の端部を有する工具本体と、
前記第1の端部から、前記第2の端部に位置する切削部分まで延在するシャンクと、
を備え、
前記切削部分は、
前記第2の端部の遠位先端部に設けられた高送り軸方向すくい面と、
前記高送り軸方向すくい面から延在するサークルセグメント切削部分と
を含む、切削工具。
【請求項2】
前記シャンクは、シャンク直径により画定される円筒形の形状である、請求項1に記載の切削工具。
【請求項3】
前記高送り軸方向すくい面は凸面である、請求項1に記載の切削工具。
【請求項4】
前記高送り軸方向すくい面は、複数の歯を備える、請求項1に記載の切削工具。
【請求項5】
前記切削部分に沿って螺旋状に延在する複数の溝をさらに備え、前記溝の各々は、サークルセグメントの切れ刃を画定する、請求項1に記載の切削工具。
【請求項6】
サークルセグメント部分は、湾曲した切れ刃を含む、請求項1に記載の切削工具。
【請求項7】
各々の切れ刃には、可変リード形状が設けられている、請求項6に記載の切削工具。
【請求項8】
前記シャンク部分と前記切削部分との間に配置された中間部分をさらに備える、請求項1に記載の切削工具。
【請求項9】
前記中間部分は、第2の直径を有する円筒形の形状である、請求項4に記載の切削工具。
【請求項10】
前記第2の直径は、前記第1の直径よりも小さい、請求項6に記載の切削工具。
【請求項11】
前記サークルセグメント切削部分と前記高送り軸方向すくい面との間に位置するコーナR部分をさらに備え、前記コーナR部分は、コーナ半径によって画定される、請求項1に記載の切削工具。
【請求項12】
少なくとも1つの切れ刃が可変のねじれ角を有する、請求項1に記載の切削工具。
【請求項13】
前記ねじれ角は、前記遠位先端部から前記シャンクに向かって増加する、請求項12に記載の切削工具。
【請求項14】
請求項1~13に記載の切削工具を使用してワークピースをシングルパスで加工する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エンドミルの幾何学的形状に関するものであり、より詳細には、サークルセグメント(またはバレル工具)の幾何学的形状と高送りミルの幾何学的形状の両方を組み込んだエンドミルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
5軸加工では複数の工具が使用されることがよくある。これには、時間もコストもかかる。したがって、複数の機能を実行できる単一の工具の必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ソリッドエンドミルは、高送りミルのエンドワークとサークルセグメントカッターの溝加工を有する5軸加工で共によく使われる高送りミルとサークルセグメントカッターの2つの工具を組み合わせたものである。これにより、使用者は高送りの方法(軸方向の切り込み深さが小さく、半径方向の切り込み深さが大きい)で材料の大部分を粗削りし、その後、工具側面のサークルセグメントカッターの幾何学的形状によって部品の壁部を仕上げ/中仕上げするために工具の側面を使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のいくつかの態様によれば、複合高送りミルサークルセグメント切削工具が説明される。切削工具は、第1の端部と第2の端部を有する工具本体と、第1の端部から第2の端部に位置する切削部分まで延在するシャンクとを備え、切削部分は、第2の端部の遠位先端部に設けられた高送り軸方向すくい面と、高送り軸方向すくい面から延在するサークルセグメント切削部分とを含む。さらなる一実施形態では、シャンクは、シャンク直径により画定される略円筒形の形状である。別のさらなる一実施形態では、高送り軸方向すくい面は、凸面である。別のさらなる一実施形態では、高送り軸方向すくい面は、複数の歯を備える。別のさらなる一実施形態では、切削工具は、切削部分に沿って螺旋状に延在する複数の溝をさらに備え、溝の各々は、サークルセグメントの切れ刃を画定する。別のさらなる一実施形態では、サークルセグメント部分は、湾曲した切れ刃を含む。別のさらなる一実施形態では、各々の切れ刃には、可変のリード形状が設けられている。別のさらなる一実施形態では、切削工具は、シャンク部分と切削部分との間に配置された中間部分をさらに含む。別のさらなる一実施形態では、中間部分は、第2の直径を有する円筒形の形状である。別のさらなる一実施形態では、第2の直径は、第1の直径よりも小さい。別のさらなる一実施形態では、切削工具は、サークルセグメント切削部分と高送り軸方向すくい面との間に位置するコーナR部分をさらに含み、コーナR部分はコーナ半径によって画定される。別のさらなる一実施形態では、サークルセグメントと高送り軸方向すくい面との組み合わせを使用して、シングルパスでワークピースを機械加工する方法が提供される。別のさらなる一実施形態では、少なくとも1つの切れ刃が可変のねじれ角を有する。別のさらなる一実施形態では、ねじれ角は、遠位先端部からシャンクに向かって増加する。
【0005】
以下の図は、本開示の特定の態様を説明するために含まれており、排他的な実施形態として見なされるべきではない。開示される主題は、本開示の範囲から逸脱することなく、形態および機能においてかなりの修正、変更、組み合わせ、および均等物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】1つ以上の実施形態に係る高送りサークルセグメントカッターの等角図である。
図2図1の高送りサークルセグメントカッターの側面図である。
図3図1および図2の高送りサークルセグメントカッターの端面図である。
図4】1つ以上の実施形態に係る別の高送りサークルセグメントカッターの側面図である。
図5図4の高送りサークルセグメントカッターの端面図である。
図6図4および図5の高送りサークルセグメントカッターの等角図である。
図7図1図6のエンドミルを利用した切削方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、エンドミルの幾何学的形状に関するものであり、より詳細には、サークルセグメント(またはバレル工具)の幾何学的形状と高送りミルの幾何学的形状の両方を組み込んだエンドミルに関するものである。
【0008】
本明細書で使用される場合、「シャンク」とは、工具を保持し、工具ホルダ内に配置するために使用される工具の円筒形(溝のない)部分である。シャンクは、完全に円形であり、摩擦によって保持される場合もあれば、止めねじなどの機械的方法を介して工具を固定するために使用され得る平坦なまたは研削された構成を有する場合もある。標準の工具ホルダで保持できるように、直径は工具の刃部の直径と異なる場合がある。シャンクの長さにより、異なるサイズが用意されている場合もある。
【0009】
本明細書に記載の実施形態は、高送りミルのエンドワークとサークルセグメントカッターの溝加工を有する5軸加工で共によく使われる高送りミルとサークルセグメントカッターの2つの別個の工具を組み合わせたエンドミルを提供する。これにより、使用者は高送りの方法(軸方向の切り込み深さが小さく、半径方向の切り込み深さが大きい)で材料の大部分を粗削りし、その後、工具側面のサークルセグメントカッターの幾何学的形状によって部品の壁部を仕上げ/中仕上げするために工具の側面を使用することができる。
【0010】
図1図3は、本開示の1つ以上の実施形態に係るエンドミル(またはカッター)100の全体的な形状を示す。エンドミル100は、その近位端102からその遠位端104に向かって軸線Aに沿って延在するように図示されている。エンドミル100は、近位端102に近接するシャンク部分106と、シャンク部分106から遠位方向に延在する中間部分108と、中間部分108から遠位方向に延在する切削部分110とを含む。したがって、中間部分108は、シャンク部分106と切削部分110との間に配置される。
【0011】
シャンク部分106は、直径Dを有する円筒部分として示されている。中間部分108は、同じ直径であっても異なる直径であってもよい。例えば、それらが同じ直径である例では、シャンク部分106から中間部分108への継ぎ目のない、または滑らかな移行があり得る。しかしながら、他の例では、シャンク部分106と中間部分108の直径は異なっていてもよい。図示の例では、シャンク部分106の直径Dは、中間部分108の直径Xよりも大きい。ここで、テーパ付き移行部分112は、シャンク部分106と中間部分108との間に配置され、工具直径がシャンク部分106から中間部分108に向かって徐々に(例えば、直線的に、凸状または凹状に湾曲するなど)減少するようになっている。しかしながら、いくつかの例では、移行部分112は含まれず、工具の直径は、シャンク部分106の直径から中間部分108の直径まで段階的に減少(または増加)するようになっている。円筒形のシャンク106が示されているが、シャンク106の形状は限定されず、シャンクはエンドミル機械と係合するように構成された他の幾何学的形状または表面構造を有してもよいことを理解すべきである。
【0012】
エンドミル100の切削部分110は、切削幾何学的形状の組み合わせ(または2つ以上の切削幾何学的形状)を含んでもよい。図示の例では、切削部分110は、サークルセグメント切削部分202と高送りミルの軸方向すくい面204とを含む。高送りミル軸方向すくい面204は、エンドミル100の遠位先端部104に設けられる。
【0013】
ここで、切削部分202は、半径rのサークルセグメントまたは円弧部分で定義される。半径rの値は、最終的な最終用途に応じて変化し得る。
【0014】
軸方向すくい面204は、半径rによって画定される凸状すくい面である。凸状切削面半径rの値は、最終的な最終用途に応じて変化し得る。エンドミル100の遠位端104の凸状切削面半径rの利用は、フライス加工/切削動作中の切削力を変化させ、負荷がエンドミル100本体に半径方向ではなくスピンドルに(軸方向に)押し付けられるようにする。ラジアル荷重により、エンドミル100の破損、摩耗、および/または故障が生じる可能性がある。軸方向すくい面204に凸状の幾何学的形状を設けることにより、高送り用途におけるエンドミル100の利用が容易になり得る。また、切削部分202は、サークルセグメント切削部分202と軸方向すくい面204との間にコーナR部分206を有してもよく、そのようなコーナR部分206はコーナ半径rによって画定される。コーナ半径rの値は、最終的な最終用途に応じて変化し得る。
【0015】
したがって、軸方向すくい面204は、高送りミルの端面として構成され、これにより使用者が高送り方法(すなわち、軸方向の切り込みが小さく、半径方向の切り込み深さがより大きい)で材料の大部分を粗削りすることができ、サークルセグメント切削部分202は、サークルセグメントカッターの溝加工を含むため、使用者は、エンドミル100の側面を使用して、工具の側面のサークルセグメントカッターの幾何学的形状で機械加工された部品の壁部を仕上げ/中仕上げすることができる。
【0016】
図4図6は、サークルセグメント(またはバレル工具)の幾何学的形状と高送りミルの幾何学的形状の両方を有するエンドミル400の別の例示的な一実施形態を示す。エンドミル工具400は、エンドミル100と同様の構造を含み、それを参照することで最もよく理解されることを理解すべきである。すなわち、図示のエンドミル400は、近位端102に近接したシャンク部分106と、シャンク部分106から遠位方向に延在する中間部分108と、中間部分108から遠位方向に延在する切削部分110とを含む。したがって、中間部分108は、シャンク部分106と切削部分110との間に配置される。
【0017】
図4図6の図示の実施形態は、1つ以上のねじれ角234で配置された複数の溝230および切れ刃232を備えた円形切削部分202を含む。いくつかの実施形態では、エンドミル400は、6つの溝を含むが、代わりに6つより多いか少ない溝を含んでもよい。他の実施形態では、エンドミルは、5つの溝を含む。数に関係なく、溝は、中心軸の周りに均一に均等に配置されてもよく、あるいは溝は、不均等な割り出しで構成されてもよい。
【0018】
工具400は、中心軸Aから放射状に突き出て中心軸の周りに螺旋状に延在する複数の周囲切れ刃232も含む。図示の例では、各々の切れ刃232は、一定のねじれ角の幾何学的形状を備えている(すなわち、ねじれ角234は、(図5に示すように)遠位端104から近位端102に向かって評価した場合に一定のままである)。工具のねじれ角234は、工具の中心線(軸線A)と切れ刃に沿った直線接線との間に形成される角度によって測定される。ねじれ角は、ワークピースに入る切れ刃の角度を制御する。ねじれ角は、特定の角度で切りくずを排出することにより切りくず制御に貢献し得る。例えば、ねじれ角が大きいほど、切りくずをより急な角度で排出できる。ねじれ角の制御は、工具圧力、切削面の仕上げ、および熱制御にも関係する。
【0019】
図示の例では、各々の切れ刃232には、可変のリード(ピッチ)形状(一定のねじれ角234)が設けられている。図には一定のねじれ角が示されているが、代わりに各々の切れ刃に可変のねじれ角の幾何学的形状を設けてもよいことを理解すべきである。すなわち、代わりに、各々のリードに一定のリード(ピッチ)の幾何学的形状を設けることができ、例えば、その場合、各々の切れ刃には、可変のねじれ角の幾何学的形状が設けられる。
【0020】
いくつかの実施形態では、切れ刃の各々は、同じねじれ角234を含むが、他の実施形態では、切れ刃のうちの1つ以上は、他の切れ刃のうちの1つ以上のねじれ角に対して異なるねじれ角を含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、ねじれ角234は、遠位端からシャンク108に向かって増加する。これは、一定のリード(または一定のピッチ、すなわち、切削長さに沿った所与の点での切れ刃間の半径方向の分離の程度が一定)の工具とも呼ばれる。「一定のリード」という用語は、どの回転角度でも、切れ刃/歯の直線移動距離/長さが、そのような移動距離をどこから測定しても同じであることを意味する。1つ以上の歯/切れ刃は、同じまたは異なる一定のリードを有し得る。したがって、工具の切れ刃間の半径方向の分離は、切削長さに沿って一定に保たれる。
【0022】
軸方向すくい面204は、軸方向の歯222、すなわち、ミル工具の遠位端104の切れ刃と、軸方向の歯を形成するエンドミルの遠位端のポケットであるエンドガッシュとを含む。図4図6に示される実施形態では、6つの軸方向の歯222が示されている。しかしながら、軸方向すくい面の軸方向の歯の数は限定されるものではなく、より多くのまたはより少ない数の歯が含まれてもよいことが理解されるべきである。
【0023】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態に係るエンドミル100、400を利用する方法700を示す。特に、本明細書で説明される工具を利用する方法700は、効率を提供する。例えば、方法700は、方法702、704(すなわち、方法1および方法2)などの他の工具を使用する他の機械加工方法よりも少ない加工パスを組み込むため、機械加工時間を短縮する。
【0024】
方法702などの従来の高送り工具を使用する方法では、壁部を真っ直ぐに切削することができず、1つ以上の粗削りステップ中でワークピースに複数のステップを切り込む必要がある。その後、ワークピースは、ベンチ仕上げを受ける前に、中仕上げパスを受けてもよい。したがって、方法702は、一般的に半径方向ではなく軸方向に切削する高送りミルを使用する第1のパス/切り込み710を利用して、セル710に示されるようにワークピースに階段状の切り込みを形成する。次に、高送り工具/カッターを取り外してサークルセグメントカッターと交換することができ、そのようなサークルセグメントカッターをその後、後続のパスに利用することができる。ここで、例えば、サークルセグメントカッター(および/またはボールノーズ)は、輪郭を形成するためにセル712に示される第2のパスに使用されるが、そのようなカッターは、ワークピースに係合し得る切り込み深さによって制限され得る。したがって、同じカッター(または前のカッターを取り外した後に交換された別のカッター、例えば、より大きな工具を第2のパス712で使用することができる)は、セル714に示される第3のパスを実行して、望むように材料をさらに粗削りすることができる。最後に、セル716に示される第4のパスは、サークルセグメントカッター(および/またはボールノーズ)を用いて行われ、切削されたワークピースを中仕上げすることができる。その後、ワークピースは、仕上げのためにベンチに運ばれる(図7には示されない)。
【0025】
第2の方法704は、標準的なエンドミル、次にサークルセグメントカッター(および/またはボールノーズ)を使用するフライス加工シーケンスを示している。ここで、セル720に示されている第1のパスは、標準的なエンドミルを使用して実行される。このような第1のパスは、ワークピースの材料を、切削される最終的な形状/輪郭をより表す形状まで段階的に下げるための標準的な粗削りパスを含むことができる。次に、標準的なエンドミルを取り外してサークルセグメントカッターと交換することができ、そのようなサークルセグメントカッターを後続のパスに使用することができる。ここでは、例えば、セル722に示される第2のパスにサークルセグメントカッターが使用され、ワークピースがワークピースの最終的に所望の形状輪郭によりよく似るように追加の材料が除去される。最後に、セル724に示される第3のパスをサークルセグメントカッターで実行して、カットワークピースを中仕上げすることができる。その後、ワークピースは、仕上げのためにベンチに運ばれる(図7には図示されない)。
【0026】
しかしながら、ここで開示されるワークピースは、粗削りおよび中仕上げのための他の工具を利用せずに、セル730に示される単一パスで所望の輪郭を有するワークピースを成形することができる。したがって、単一の工具(すなわち、高送り速度のサークルセグメントカッター100、400)を使用することにより、機械時間が短縮される。ここで、工具は、ワークピースに切り込みたい最終的な輪郭/形状まで1パス毎に段階的に下げられる。
【0027】
したがって、開示されたシステムおよび方法は、言及された目的および利点、ならびにそれに固有のものを達成するのによく適合している。本開示の教示は、本明細書内の教示の恩恵を受ける当業者には明らかな、異なるが均等な方法で修正および実施することができるため、上で開示された特定の実施形態は、単なる例示である。さらに、以下の特許請求の範囲に記載されているものを除き、本明細書に示される構造または設計の詳細に対する限定は、意図されない。したがって、上に開示した特定の例示的な実施形態が変更、結合、または修正することができることは明らかであり、そのような変形は、すべて本開示の範囲内にあるとみなされる。本明細書に例示的に開示されるシステムおよび方法は、本明細書に具体的に開示されていない要素および/または本明細書に開示されている任意の要素が存在しない場合でも、適切に実施することができる。組成物および方法は、様々な成分またはステップ「を備える」、「を含有する」、または「を含む」という用語で説明されるが、組成物および方法は、様々な成分およびステップ「から本質的になる」または「からなる」こともできる。上記で開示されたすべての数値および範囲は、多少異なる場合がある。下限値および上限値を有する数値範囲が開示されるときは常に、その範囲内に含まれる任意の数値および任意の範囲が具体的に開示される。特に、本明細書に開示される(「約aから約bまで」、または同等に「約aからbまで」、または同等に「約a~b」の形式の)値の範囲は、より広い範囲の値に含まれるすべての数値と範囲を記載するものと理解されるべきである。また、特許請求の範囲内の用語は、特許権者によって明示的かつ明確に定義されていない限り、その明白な通常の意味を有する。さらに、特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」または「an」は、本明細書では、それによって導入される要素の1つ以上を意味すると定義される。本明細書と、参照により本明細書に組み込まれる可能性のある1つ以上の特許またはその他の文書における単語または用語の使用法に矛盾がある場合は、本明細書と一致する定義を採用する必要がある。
【0028】
「近位」および「遠位」という用語は、本明細書では、工具をスピンドルに機械的に結合するように構成されたインターフェースを有する工具のオペレータまたはCNC機械に関して定義される。「近位」という用語は、オペレータまたはCNC機械により近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、オペレータまたはCNC機械からより遠く離れた要素の位置を指す。さらに、上方、下方、上部、下部、上向き、下向き、左、右などの方向を示す用語の使用は、図に示されているような例示的な実施形態に関連して使用され、上向きまたは上方向とは、対応する図の頂部に向かうものであり、下向きまたは下方向とは、対応する図の底部に向かうものである。
【0029】
本明細書で使用される場合、一連の項目の前にある「のうちの少なくとも1つ」という表現は、項目のうちのいずれかを区切るための「および」または「または」という用語と共に、リストの各々の要素(すなわち、各々の項目)ではなくリストを全体として修飾する。「少なくとも1つの」という表現は、項目のうちのいずれか1つの少なくとも1つ、および/または項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または項目の各々の少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という表現はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、またはCのみ;A、B、およびCのうちの任意の組み合わせ;および/またはA、B、およびCの各々の少なくとも1つを指す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】