(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】染色シミュレーションを表示する端末機及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
G06T1/00 340A
G06T1/00 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562583
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 KR2022005962
(87)【国際公開番号】W WO2022235002
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2021-0057427
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521219305
【氏名又は名称】エルジー・ファルーク・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・キュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】キョン・シク・ジャン
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE16
5B057DB06
5B057DB09
5B057DC25
(57)【要約】
本開示は、染色シミュレーションをより正確に提供するためのものであり、端末機は、イメージの入力を受ける入力部と、現在色相及び目標色相を獲得する制御部と、イメージの染色領域に目標色相に応じた染色イメージを合成してシミュレーションを表示するディスプレイ部とを含み、制御部は、現在色相及び目標色相に基づいて染色イメージのRGB範囲を制限してシミュレーションを表示することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージの入力を受ける入力部と、
現在色相及び目標色相を獲得する制御部と、
前記イメージの染色領域に前記目標色相に応じた染色イメージを合成してシミュレーションを表示するディスプレイ部と、
を含み、
前記制御部は、前記現在色相及び前記目標色相に基づいて前記染色イメージのRGB範囲を制限して前記シミュレーションを表示する、端末機。
【請求項2】
前記制御部は、前記現在色相の明るさが暗いほど前記RGB範囲を明るく設定する、請求項1に記載の端末機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記現在色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、前記RGB範囲を第1範囲に設定し、
前記現在色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、前記RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第1範囲の最小値及び最大値より大きい第2範囲に設定し、
前記現在色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、前記RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第2範囲の最小値及び最大値より大きい第3範囲に設定する、請求項2に記載の端末機。
【請求項4】
前記制御部は、前記目標色相の明るさが暗いほど前記RGB範囲を暗く設定する、請求項1に記載の端末機。
【請求項5】
前記制御部は、
前記目標色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、前記RGB範囲を第1範囲に設定し、
前記目標色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、前記RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第1範囲の最小値及び最大値より小さい第2範囲に設定し、
前記目標色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、前記RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第2範囲の最小値及び最大値より小さい第3範囲に設定する、請求項4に記載の端末機。
【請求項6】
前記制御部は、前記目標色相に基づくRGB値及び明るさレベルを獲得し、獲得したRGB値及び明るさレベルに基づいて前記染色イメージを獲得する、請求項1に記載の端末機。
【請求項7】
前記制御部は、前記明るさレベルに基づいて第1加重値を獲得し、前記第1加重値に基づいてRGB値を補正する、請求項6に記載の端末機。
【請求項8】
前記制御部は、前記現在色相の明るさレベルが予め設定された基準レベル以下である場合、RGB値のうちB値に適用される第2加重値を獲得する、請求項6に記載の端末機。
【請求項9】
毛髪特性に応じたデータに基づいてRGB値に適用される第3加重値がマッピングされたデータを貯蔵する貯蔵部をさらに含む、請求項6に記載の端末機。
【請求項10】
前記制御部は、
前記目標色相に対応するRGB値及び明るさレベルを獲得し、
獲得したRGB値を前記明るさレベルに応じて補正する第1処理を行い、
前記明るさレベルに基づいて前記第1処理されたRGB値のうちB値を補正する第2処理を行い、
実際毛髪特性に応じたデータに基づいて前記第2処理されたRGB値を補正する第3処理を行い、
前記第3処理されたRGB値を前記RGB範囲に属するように正規化する第4処理を行い、
前記染色領域に前記第4処理されたRGB値を持つ染色イメージを合成して前記シミュレーションを獲得する、請求項1に記載の端末機。
【請求項11】
イメージの入力を受けるステップと、
現在色相及び目標色相を獲得するステップと、
前記イメージの染色領域に前記目標色相に応じた染色イメージを合成してシミュレーションを表示するステップと、
を含み、
前記シミュレーションを表示するステップは、前記現在色相及び前記目標色相に基づいて前記染色イメージのRGB範囲を制限するステップを含む、端末機の動作方法。
【請求項12】
前記RGB範囲を制限するステップは、
前記現在色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、前記RGB範囲を第1範囲に設定し、
前記現在色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、前記RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第1範囲の最小値及び最大値より大きい第2範囲に設定し、
前記現在色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、前記RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第2範囲の最小値及び最大値より大きい第3範囲に設定するステップを含む、請求項11に記載の端末機の動作方法。
【請求項13】
前記RGB範囲を制限するステップは、
前記目標色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、前記RGB範囲を第1範囲に設定し、
前記目標色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、前記RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第1範囲の最小値及び最大値より小さい第2範囲に設定し、
前記目標色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、前記RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第2範囲の最小値及び最大値より小さい第3範囲に設定するステップを含む、請求項11に記載の端末機の動作方法。
【請求項14】
前記シミュレーションを表示するステップは、
前記目標色相に基づくRGB値及び明るさレベルを獲得するステップと、
獲得したRGB値に基づいて前記染色イメージを獲得するステップとをさらに含む、請求項11に記載の端末機の動作方法。
【請求項15】
前記シミュレーションを表示するステップは、
獲得したRGB値を前記明るさレベルに応じて補正する第1処理を行うステップと、
前記明るさレベルに基づいて前記第1処理されたRGB値のうちB値を補正する第2処理を行うステップと、
実際毛髪特性に応じたデータに基づいて前記第2処理されたRGB値を補正する第3処理を行うステップと、
前記第3処理されたRGB値を前記RGB範囲に属するように正規化する第4処理を行うステップと、
前記染色領域に前記第4処理されたRGB値を持つ染色イメージを合成して前記シミュレーションを獲得するステップとを含む、請求項14に記載の端末機の動作方法。
【請求項16】
イメージの入力を受ける入力部と、
現在色相及び目標色相を獲得する制御部と、
前記イメージの染色領域に前記目標色相に応じた染色イメージを合成してシミュレーションを表示するディスプレイ部と、
を含み、
前記制御部は、
前記目標色相に対応するRGB値及び明るさレベルを獲得し、
獲得したRGB値を前記明るさレベルに応じて補正する第1処理を行い、
前記明るさレベルに基づいて前記第1処理されたRGB値のうちB値を補正する第2処理を行い、
実際毛髪特性に応じたデータに基づいて前記第2処理されたRGB値を補正する第3処理を行い、
前記第3処理されたRGB値が前記現在色相及び目標色相に基づいて決定されたRGB範囲に属するように正規化する第4処理を行い、
前記染色領域に前記第4処理されたRGB値を持つ染色イメージを合成して前記シミュレーションを獲得する、端末機。
【請求項17】
イメージの入力を受けるステップと、
現在色相及び目標色相を獲得するステップと、
前記イメージの染色領域に前記目標色相に応じた染色イメージを合成してシミュレーションを表示するステップと、
を含み、
前記シミュレーションを表示するステップは、
前記目標色相に基づくRGB値及び明るさレベルを獲得するステップと、
獲得したRGB値を前記明るさレベルに応じて補正する第1処理を行うステップと、
前記明るさレベルに基づいて前記第1処理されたRGB値のうちB値を補正する第2処理を行うステップと、
実際毛髪特性に応じたデータに基づいて前記第2処理されたRGB値を補正する第3処理を行うステップと、
前記第3処理されたRGB値が前記現在色相及び目標色相に基づいて決定されたRGB範囲に属するように正規化する第4処理を行うステップと、
前記染色領域に前記第4処理されたRGB値を持つ染色イメージを合成して前記シミュレーションを獲得するステップとを含む、端末機の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、染色シミュレーションを表示する端末機及びその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IT技術が発達し、多様なアプリケーションが開発されていることに伴い、化粧品または染色剤を使用する前に使用結果を予め予測したシミュレーションを表示してくれる機能が提供されている。
【0003】
特に、染色剤の場合、一旦染色をしたら所望の結果ではないとしても元の状態に復帰することが難しく、復帰しても毛髪状態が悪化する等の問題があり、染色前にその結果を予め確認しようとするユーザのニーズが増加する傾向である。
【0004】
一方、従来のシミュレーションは、ユーザイメージに染色剤に応じて染色される色相に単純合成されて提供されるだけで、ユーザの現在毛髪の色相を考慮しない限界があり、実際染色結果とは違うように歪曲される問題がある。即ち、従来では、ユーザの毛髪が現在ダークブラウンであるのか或は金髪であるのか考慮せず、染色剤の色相のみを考慮してシミュレーションが提供されるので、実際染色結果と異なるシミュレーションが提供される問題がある。
【0005】
よって、ユーザの現在の毛髪色相を考慮した染色結果を予測するシミュレーションが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、ユーザの現在の毛髪色相を考慮して染色結果を予測したシミュレーションを提供しようとする。
【0007】
本開示は、色相が同一であるものの明るさが異なる染色剤に応じた染色結果の差まで表現されるシミュレーションを提供しようとする。
【0008】
本開示は、実際染色結果に近いシミュレーションを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施例に係る端末機は、イメージの入力を受ける入力部と、現在色相及び目標色相を獲得する制御部と、イメージの染色領域に目標色相に応じた染色イメージを合成してシミュレーションを表示するディスプレイ部とを含み、制御部は、現在色相及び目標色相に基づいて染色イメージのRGB範囲を制限してシミュレーションを表示することができる。
【0010】
制御部は、現在色相の明るさが暗いほどRGB範囲を明るく設定することができる。
【0011】
制御部は、現在色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、RGB範囲を第1範囲に設定し、現在色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第1範囲の最小値及び最大値より大きい第2範囲に設定し、現在色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第2範囲の最小値及び最大値より大きい第3範囲に設定することができる。
【0012】
制御部は、目標色相の明るさが暗いほどRGB範囲を暗く設定することができる。
【0013】
制御部は、目標色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、RGB範囲を第1範囲に設定し、目標色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第1範囲の最小値及び最大値より小さい第2範囲に設定し、目標色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第2範囲の最小値及び最大値より小さい第3範囲に設定することができる。
【0014】
制御部は、目標色相に基づくRGB値及び明るさレベルを獲得し、獲得したRGB値及び明るさレベルに基づいて染色イメージを獲得することができる。
【0015】
制御部は、明るさレベルに基づいて第1加重値を獲得し、第1加重値に基づいてRGB値を補正することができる。
【0016】
制御部は、現在色相の明るさレベルが予め設定された基準レベル以下である場合、RGB値のうちB値に適用される第2加重値を獲得することができる。
【0017】
端末機は、毛髪特性に応じたデータに基づいてRGB値に適用される第3加重値がマッピングされたデータを貯蔵する貯蔵部をさらに含むことができる。
【0018】
制御部は、目標色相に対応するRGB値及び明るさレベルを獲得し、獲得したRGB値を明るさレベルに応じて補正する第1処理を行い、明るさレベルに基づいて第1処理されたRGB値のうちB値を補正する第2処理を行い、実際毛髪特性に応じたデータに基づいて第2処理されたRGB値を補正する第3処理を行い、第3処理されたRGB値をRGB範囲に属するように正規化する第4処理を行い、染色領域に第4処理されたRGB値を持つ染色イメージを合成してシミュレーションを獲得することができる。
【0019】
本開示の一実施例に係る端末機の動作方法は、現在色相及び目標色相を獲得するステップと、イメージの染色領域に目標色相に応じた染色イメージを合成してシミュレーションを表示するステップとを含み、シミュレーションを表示するステップは、現在色相及び目標色相に基づいて染色イメージのRGB範囲を制限するステップを含むことができる。
【0020】
RGB範囲を制限するステップは、現在色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、RGB範囲を第1範囲に設定し、現在色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第1範囲の最小値及び最大値より大きい第2範囲に設定し、現在色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第2範囲の最小値及び最大値より大きい第3範囲に設定するステップを含むことができる。
【0021】
RGB範囲を制限するステップは、目標色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、RGB範囲を第1範囲に設定し、目標色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第1範囲の最小値及び最大値より小さい第2範囲に設定し、目標色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値のそれぞれが第2範囲の最小値及び最大値より小さい第3範囲に設定するステップを含むことができる。
【0022】
シミュレーションを表示するステップは、目標色相に基づくRGB値及び明るさレベルを獲得するステップと、獲得したRGB値に基づいて染色イメージを獲得するステップとをさらに含むことができる。
【0023】
シミュレーションを表示するステップは、獲得したRGB値を明るさレベルに応じて補正する第1処理を行うステップと、明るさレベルに基づいて第1処理されたRGB値のうちB値を補正する第2処理を行うステップと、実際毛髪特性に応じたデータに基づいて第2処理されたRGB値を補正する第3処理を行うステップと、第3処理されたRGB値をRGB範囲に属するように正規化する第4処理を行うステップと、染色領域に第4処理されたRGB値を持つ染色イメージを合成してシミュレーションを獲得するステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本開示の一実施例によれば、現在色相を考慮して染色結果を予測したシミュレーションが表示されるので、シミュレーションの正確度が向上する利点がある。
【0025】
本開示の一実施例によれば、目標色相の明るさレベルまで考慮してシミュレーションが表示されるので、色相だけではなく明るさレベルの差に応じた染色結果の差までユーザが容易に確認可能な利点がある。
【0026】
本開示の一実施例によれば、実際染色経験に基づいたデータを反映してシミュレーションが表示されるので、実際染色結果とほぼ一致するシミュレーションを提供可能な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の実施例に係る化粧品製造方法算出システムのブロック図である。
【
図2】本開示の一実施例により染色剤を提供するディスペンサーが図示された図面である。
【
図3】本開示の実施例に係る端末機の制御ブロック図である。
【
図4】本開示の実施例に係るディスペンサーの制御ブロック図である。
【
図5】本開示の一実施例に係る端末機がシミュレーションを表示する方法が図示されたフローチャートである。
【
図6】本開示の一実施例に係る目標色相の獲得方法を説明するための例示図である。
【
図7】本開示の一実施例に係るシミュレーションの表示方法が図示されたフローチャートである。
【
図8】本開示の一実施例に係るシミュレーションの例示図である。
【
図9】本開示の一実施例に係るシミュレーションとその比較例が図示された例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して、本明細書に開示された実施例を詳しく説明するが、図面符号に関係なく同一または類似する構成要素は、同じ参照番号を付し、それに対する重複説明は省略することにする。
【0029】
以下の説明で用いられる構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は、明細書の作成を容易にするために付与または混用されるものとして、それ自体で相互区別される意味または役割を有するものではない。
【0030】
また、本明細書に開示された実施例の説明において、係る公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の理解を妨害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。また、添付された図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものであり、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0031】
第1、第2等の序数を含む用語が多様な構成要素を説明するために用いることができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。
【0032】
単数の表現は、文脈上明白に異ならせて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0033】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組合せたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組合せたもの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解されたい。
【0034】
図1は、本開示の実施例に係る化粧品製造方法算出システムのブロック図である。
【0035】
本開示の実施例に係る化粧品製造方法算出システムは、端末機1及びディスペンサー3を含むことができる。
【0036】
本開示は、化粧品の製造方法を算出する端末機1と化粧品を製造するディスペンサー3からなった化粧品製造方法システムを含む。ここで、化粧品は、ファンデーション、基礎化粧品、色調化粧品等ユーザの顔、皮膚等に使用される製品を含むだけではなく、マニキュア、ジェルマニキュア等ユーザの爪、足の爪等に使用される製品、ユーザの毛髪に使用される染色剤等を全部含むことができる。
【0037】
一方、本明細書では、説明の便宜を図り、端末機1が化粧品、特に染色剤の製造方法を算出し、ディスペンサー3が染色剤を製造すると説明したが、これに限定されるものではない。
【0038】
端末機1とディスペンサー3は互いに有線または無線で通信することができる。
【0039】
端末機1は、ディスペンサー3の動作を制御する入力をユーザから受信することができ、この場合端末機1は、入力された情報に応じてディスペンサー3が動作するように制御する信号をディスペンサー3に伝送することができる。
【0040】
具体的に、端末機1は、染色剤関連情報に対する入力を受信することができ、受信された染色剤関連情報に基づいて染色剤の製造方法を算出することができる。端末機1は、算出された染色剤の製造方法をディスペンサー3に伝送することができ、ディスペンサー3は、端末機1から受信した染色剤の製造方法に応じて染色剤を製造することができる。
【0041】
端末機1は、染色剤関連情報に対する入力を受信するための多様な画面を表示することができる。
【0042】
また、端末機1は、ディスペンサー3の動作情報を表示することができる。例えば、端末機1は、ディスペンサー3の現在の状態、ディスペンサー3から提供される染色剤に対する情報、ディスペンサー3で製造される染色剤が使用される場合の予測結果であるシミュレーション等を表示することができる。
【0043】
端末機1は、スマートフォン(smart phone)であってもよいが、これは例示に過ぎず、スマートワッチ(smart watch)のようなウェアラブル機器(wearable device)、タブレットPC(tablet PC)、ノートブック、デスクトップ等を含むことができる。
【0044】
ディスペンサー3は、染色剤を提供する機器であってもよい。
【0045】
本明細書に記載された染色剤は、毛髪の色相を変更させるように製造されたものとして、クリームタイプ、泡タイプ等その種類は多様である。
【0046】
ディスペンサー3は、端末機1から受信された信号に応じて染色剤を提供することができる。一実施例によれば、ディスペンサー3は、複数の染色剤材料を備え、備えられた染色剤材料を吐出及び/またはミキシングして染色剤を製造することにより、染色剤を提供することができる。別の実施例によれば、ディスペンサー3は、直ちに使用できるように既に製作された染色剤を備え、備えられた染色剤を吐出することにより、染色剤を提供することができる。
【0047】
以下では、ディスペンサー3が複数の染色剤材料を吐出及び/またはミキシングして製造された染色剤を提供するものと仮定するが、これは説明の便宜を図って例示したものに過ぎないので、本開示はこれに限定されるものではない。
【0048】
図2は、本開示の一実施例により染色剤を提供するディスペンサーが図示された図面である。
【0049】
ディスペンサー3は、染色剤材料を備える複数のカートリッジ3aと、カートリッジ3aを収容するケース3bを含むことができる。複数のカートリッジ3aのそれぞれには、染色剤製造に使用される染色剤材料が備えられる。そして、ケース3bには、染色剤が提供されるドア3cが形成される。ディスペンサー3で製造された染色剤は、ドア3cを介してユーザに提供される。
【0050】
一方、
図2に図示されたディスペンサー3は例示に過ぎず、ディスペンサー3は、染色剤を提供可能な機器を全部含むことができる。
【0051】
染色剤材料は、染色剤に含まれる原料、組成物等を含むことができる。即ち、染色剤材料は、染色剤製造に使用される全ての原料及び/または組成物等を含むことができる。例えば、染色剤材料は、着色剤、酸化剤、増粘剤等を含むことができる。
【0052】
複数のカートリッジ3aは、着色剤を収容している複数のカートリッジ、酸化剤を収容しているカートリッジ及び増粘剤を収容しているカートリッジ等を含むことができる。
【0053】
図3は、本開示の実施例に係る端末機の制御ブロック図である。
【0054】
端末機1は、制御部11、入力部13、通信部15、ディスプレイ部17及び貯蔵部19のうち少なくとも一部または全部を含むことができる。
【0055】
制御部11は、端末機1の全般的な動作を制御することができる。制御部11は、入力部13、通信部15、ディスプレイ部17及び貯蔵部19のそれぞれを制御することができる。
【0056】
入力部13は、ユーザから多様な情報の入力を受けることができる。入力部13は、染色剤関連情報の入力を受けることができる。
【0057】
染色剤関連情報は、製造される染色剤に対する情報を意味することができる。例えば、染色剤関連情報は、現在色相、目標色相に対する情報を含むことができる。
【0058】
現在色相は、ユーザが染色しようとする部位の色相を意味することができる。
【0059】
目標色相は、染色剤の使用により発色されると予測される色相を意味することができる。
【0060】
また、染色剤関連情報は、現在色相及び目標色相の他にサブ情報をさらに含むことができる。サブ情報は、染色剤の色相の他に多様な特性に対する情報を意味することができる。例えば、サブ情報は、染色種類、染色剤容量、増粘剤、酸化剤等に対する情報を含むことができる。
【0061】
入力部13は、タッチスクリーン等からなるか、物理的なキーボタンを含むこともできる。
【0062】
通信部15は、ディスペンサー3等のような外部機器と通信を行うことができる。通信部15は、ディスペンサー3に染色剤製造方法を伝送することができる。
【0063】
通信部15は、ディスペンサー3等のような外部機器と信号を送受信するために、移動通信モジュール(不図示)、Bluetooth等のような近距離通信モジュール(不図示)等を備えることができる。
【0064】
また、通信部15は、外部サーバー(不図示)と通信を行うこともできる。制御部11は、染色剤製造方法を算出する度に算出された染色剤製造方法にGUID(Globally Unique Identifier)を付与し、付与されたGUIDを外部サーバー(不図示)に伝送するように通信部15を制御することができる。
【0065】
外部サーバー(不図示)は、端末機1またはディスペンサー3からGUIDを受信することができ、受信したGUIDを貯蔵することができる。外部サーバー(不図示)は、ディスペンサー3から吐出された染色剤をGUIDとマッチングさせることにより、染色剤がよく吐出されたのかを確認することができる。
【0066】
また、外部サーバー(不図示)は、売り場別、地域別、年齢別、会員別及び性別等ユーザが好むヘア色相を貯蔵することもできる。
【0067】
ディスプレイ部17は、ユーザから多様な情報の入力を受けるための画面を表示することができる。一例として、ディスプレイ部17は、現在色相または目標色相のうち少なくとも1つの入力を受けるための色相を表示することができる。別の例として、ディスプレイ部17は、製造される染色剤が使用される場合の予測結果であるシミュレーションを表示することができる。
【0068】
上述したように、ディスプレイ部17は、端末機1の動作に関連した情報及びディスペンサー3の動作に関連した情報等を表示することができる。
【0069】
貯蔵部19は、端末機1の動作に関連した多様な情報を貯蔵することができる。
【0070】
例えば、貯蔵部19は、コード生成方法を貯蔵していることができる。具体的に、貯蔵部19は、入力部13を介して入力された情報に対応する染色剤が製造されるようにするコードを生成するためのコード生成方法を貯蔵していることができる。この時、コードは、染色剤の製造方法を表すものとして、現在色相を意味する文字、目標色相を意味する文字、染色剤容量を意味する文字及び染色剤剤形を意味する文字等からなることができる。例えば、P2N8A2Y2というコードは、製造オプションが永久(Permanent)であり、現在色相が2Nであり、目標色相が8Aであり、化粧品容量が2ozであり、増粘剤タイプがクリーム(Cream)であり、酸化剤容量が20volumeである化粧品が提供されるように約束されたコードであってもよいが、各文字が変わるに応じて現在色相、目標色相、染色剤容量、染色剤剤形等が変化する。
【0071】
この場合、ディスペンサー3は、コードを復号することにより染色剤の製造方法を算出することができる。
【0072】
別の例として、貯蔵部19は、染色剤の製造方法に対するデータを貯蔵することができる。
【0073】
染色剤の製造方法は、染色剤材料を吐出するカートリッジ及び各カートリッジにおける染色剤材料の吐出量を含むことができる。また、染色剤の製造方法は、カートリッジ及び吐出量の他に、染色時間、染色剤が使用される時の推奨温度等をさらに含むこともできる。
【0074】
染色剤の製造方法に対するデータは、染色剤関連情報が入力されることにより染色剤に含まれる染色剤材料を決定するアルゴリズムを含むことができる。または、染色剤の製造方法に対するデータは、現在色相及び目標色相のそれぞれに応じて染色剤材料を吐出するカートリッジと各カートリッジにおける染色剤材料の吐出量が予めマッピングされているテーブルを含むことができる。さらに、当該テーブルは、現在色相と目標色相の他にサブ情報に応じて染色剤材料を吐出するカートリッジ及びその吐出量がさらにマッピングされていてもよい。
【0075】
制御部11は、染色剤関連情報が入力されると、染色剤の製造方法に対するデータに基づいて染色剤の製造方法を算出することができる。
【0076】
このようなデータは、ヘアデザイナーの経験を介して生成及びアップデートされたデータであってもよい。或は、このようなデータは、予め生成された染色剤の製造方法に基づいて生成され、染色結果に応じたフィードバックを受信することによりアップデートされたデータであってもよい。この場合、染色剤管理と顧客管理及びヒストリー管理とビッグデータが形成される。
【0077】
一方、染色剤の製造方法に対するデータは、複数の色相を表す色相テーブルを含むこともできる。このような色相テーブルには、複数の色相のそれぞれに対する吐出情報(例えば、FA0、C1C、898、514、190等)、シミュレーションの基盤となるパントンカラー(pantone Color)(例えば1R02、1Y02、2Y02、3Y03、4Y02等)、色相テーブルで表現されている色相のRGB値(例えば、rgb(254、233、224)、rgb(254、242、222)等)のうち少なくとも1つがマッピングされていてもよい。
【0078】
例えば、制御部11は、色相テーブルでパントンカラー1Y05、RGB値(251、200、162)に該当する色相が選択された場合、選択された色相にマッピングされた吐出情報として16進数7DBを獲得することができる。16進数である7DBを10進数に変換すると2011であり、これは1番カートリッジの化粧品組成物が2、2番カートリッジの化粧品組成物が0、3番カートリッジの化粧品組成物が1、4番カートリッジの化粧品組成物が1だけ吐出されるべきであることを意味することができる。従って、制御部11は、色相テーブルで選択された色相にマッピングされた16進数の吐出情報を解釈して、染色剤材料を吐出するカートリッジ及び各カートリッジにおける染色剤材料の吐出量を獲得することができる。
【0079】
この場合、色相テーブルに含まれた色相のそれぞれに対する吐出情報が16進数のコードに含まれているものの、それぞれのカートリッジに含まれた化粧品組成物の種類が保護される。
【0080】
一方、
図3に図示された端末機1の構成要素は例示に過ぎず、
図3に図示された構成要素のうちの一部が省略されてもよく、
図3に図示された構成要素の他に別途の構成要素がさらに追加されてもよい。
【0081】
図4は、本開示の実施例に係るディスペンサーの制御ブロック図である。
【0082】
ディスペンサー3は、制御部31、入力部33、通信部35、駆動部37及び貯蔵部39のうち少なくとも一部または全部を含むことができる。
【0083】
制御部31は、ディスペンサー3の全般的な動作を制御することができる。制御部31は、入力部33、通信部35、駆動部37及び貯蔵部39のそれぞれを制御することができる。
【0084】
入力部33は、ユーザから多様な情報の入力を受けることができる。例えば、入力部33は、染色剤関連情報の入力を受けることができ、この場合ディスペンサー3は、端末機1から染色剤製造方法を受信しなくても染色剤を製造することができる。即ち、実施例により、ディスペンサー3は、染色剤関連情報の入力を直接受けて染色剤製造方法を算出することもできる。
【0085】
また、入力部33は、染色剤製造命令、染色剤製造の中止命令等の入力を受けることもできる。
【0086】
入力部33は、タッチスクリーン等からなるか、物理的なキーボタンを含むこともできる。
【0087】
通信部35は、端末機1等のような外部機器と通信を行うことができる。通信部35は、端末機1から染色剤製造方法を受信することができる。また、通信部35は、端末機1から染色剤製造命令、染色剤製造の中止命令等を受信することもできる。
【0088】
通信部35は、移動通信モジュール(不図示)、Bluetooth等のような近距離通信モジュール(不図示)等を備えることができる。
【0089】
制御部31は、染色剤を製造する度にGUIDを付与し、付与されたGUIDを外部サーバー(不図示)に伝送するように通信部35を制御することができる。
【0090】
駆動部37は、染色剤製造方法に応じて染色剤が提供されるように動作することができる。駆動部37は、ユーザに染色剤が提供されるように少なくとも1つのカートリッジ3aに収容された染色剤材料を吐出させることができる。例えば、駆動部37は、少なくとも1つのカートリッジ3aから染色剤材料が吐出されるように動作するカートリッジ回転モータ(不図示)、吐出モータ(不図示)、容器移送モータ(不図示)等を含むことができるが、これは説明の便宜を図って例示したものに過ぎない。
【0091】
貯蔵部39は、染色剤製造情報を貯蔵していることができる。染色剤製造情報は、染色剤製造方法に応じて染色剤が製造されるように駆動部37を駆動する方法等を含むことができる。
【0092】
そして、貯蔵部39は、コードを解釈するためのデータを貯蔵していることができる。例えば、貯蔵部39は、コード解釈テーブルをコードを解釈するためのデータとして貯蔵していることができる。コード解釈テーブルは、現在色相と目標色相のそれぞれに対して化粧品組成物を吐出するカートリッジの種類と各カートリッジにおける吐出量を表すことができる。
【0093】
例えば、制御部31は、P5N8V2X2B1のようなコードを受信すると、コード解釈テーブルに基づいて4番カートリッジから化粧品組成物が14g、5番カートリッジから化粧品組成物が1g、8番カートリッジから化粧品組成物が15g、11番カートリッジから化粧品組成物が15g、12番カートリッジから化粧品組成物が15g吐出されるように駆動部37を制御することができる。
【0094】
従って、制御部31は、端末機1からコードを受信すると、コード解釈テーブルに基づいてコードを解釈し、コードの解釈情報に基づいて染色剤が製造されるように駆動部37を制御することができる。
【0095】
一方、
図4に図示されたディスペンサー3の構成要素は例示に過ぎず、
図4に図示された構成要素のうちの一部が省略されてもよく、
図4に図示された構成要素の他に別途の構成要素がさらに追加されてもよい。例えば、ディスペンサー3は、ディスペンサー3の動作情報等を表示するためのディスプレイ部(不図示)をさらに含むこともできる。
【0096】
また、上記では端末機1が染色剤の製造方法を算出すると説明したが、ディスペンサー3が染色剤の製造方法を算出することもできる。具体的に、貯蔵部39が染色剤の製造方法に対するデータを貯蔵し、入力部33が現在色相及び目標色相の入力を受けて、制御部31が貯蔵部39に貯蔵されたデータに基づいて毛髪を現在色相から目標色相に染色するための染色剤の製造方法を算出することができる。
【0097】
一方、本開示の一実施例によれば、端末機1またはディスペンサー3のうち少なくとも1つは、染色剤を製造する前染色結果を予想するシミュレーションを表示することができる。
【0098】
以下、説明の便宜を図り、端末機1がシミュレーションを表示すると仮定して説明するが、これは例示に過ぎない。即ち、ディスペンサー3がシミュレーションを表示することもできる。
【0099】
図5は、本開示の一実施例に係る端末機がシミュレーションを表示する方法が図示されたフローチャートである。
【0100】
制御部11は、イメージの入力を受けることができる(S100)。
【0101】
イメージは、シミュレーションの対象となる原本として、写真または動画を含むことができる。
【0102】
例えば、入力部13は、カメラ(不図示)を含むことができ、制御部11は、写真または動画を撮影するようにカメラ(不図示)を制御することでイメージを獲得することができる。即ち、制御部11は、シミュレーションを表示するためのイメージを撮影するようにカメラ(不図示)を制御することができる。
【0103】
また、制御部11は、外部機器(不図示)と有線または無線で通信するように通信部15を制御することで、外部機器(不図示)からイメージを獲得することができる。
【0104】
制御部11は、現在色相及び目標色相を獲得することができる(S200)。
【0105】
制御部11は、現在色相を獲得するように入力部13を制御することができる。例えば、入力部13は、現在色相を表す色相情報の入力を受けることができる。このために、ユーザは、入力部13を介して現在色相を表す色相情報を入力することができる。色相情報は、色相系列、明るさ等を含むことができる。
【0106】
一例として、ディスプレイ部17は複数の色相を表示し、制御部11は、入力部13を介して複数の色相のうちいずれか1つを選択されることで現在色相を獲得することができる。
【0107】
別の例として、入力部13は、測色器(不図示)を含むことができ、制御部11は、測色器(不図示)の測定結果により現在色相を獲得することもできる。
【0108】
また、制御部11は、目標色相を獲得するように入力部13を制御することができる。
【0109】
例えば、ディスプレイ部17が複数の色相を表示すると、制御部11は、入力部13を介して複数の色相のうちいずれか1つを選択されることにより目標色相を獲得することができる。
【0110】
本明細書では、ディスプレイ部17が色相系列及び明るさのそれぞれが異なる複数の色相を表示し、制御部11は、複数の色相のうちいずれか1つを現在色相として入力を受け、他の1つを目標色相として入力を受けることと仮定する。
【0111】
図6は、本開示の一実施例に係る目標色相の獲得方法を説明するための例示図である。
【0112】
図6の例示を参照すると、ディスプレイ部17は、複数の色相を表示することができる。制御部11は、複数の色相を色相系列に応じて区分し、各色相系列に属する複数の色相は、明るさ順に配列されて表示されるようにディスプレイ部17を制御することができる。
【0113】
制御部11は、複数の色相のうちいずれか1つを選択する入力を受信し、選択された色相を目標色相として獲得することができる。
【0114】
一方、
図6により説明した方法は例示に過ぎず、制御部11は多様な方法で目標色相を獲得することができる。
【0115】
【0116】
制御部11は、現在色相及び目標色相に基づいて染色剤の製造方法を算出することができる(S300)。
【0117】
端末機1は、現在色相及び目標色相を含む染色剤関連情報を入力部13を介して入力され、制御部11は、入力部13から入力された染色剤関連情報に基づいて染色剤の製造方法を算出することができる。
【0118】
制御部11は、現在色相及び目標色相に基づいてシミュレーションを表示することができる(S400)。
【0119】
制御部11は、現在色相及び目標色相に基づいてイメージに対する染色結果を予想するシミュレーションを表示するようにディスプレイ部17を制御することができる。シミュレーションは、イメージ、現在色相及び目標色相のうち少なくとも1つによって変わる。
【0120】
制御部11は、目標色相に基づくRGB値及び明るさレベルを獲得し、獲得したRGB値及び明るさレベルに基づいて獲得されたシミュレーションを表示することができる。シミュレーションを獲得及び表示する方法については、
図7でより詳しく説明することにする。
【0121】
制御部11は、シミュレーションを表示した後、染色剤製造命令の受信の有無を獲得することができる(S500)。
【0122】
制御部11は、シミュレーションを表示した後、染色剤製造命令を受信したのかを判断することができる。
【0123】
制御部11は、染色剤製造命令を受信していない場合、動作を終了することができる。
【0124】
制御部11は、染色剤製造命令を受信した場合、染色剤の製造方法をディスペンサー3に伝送することができる(S600)。
【0125】
即ち、制御部11は、染色剤製造命令を受信すると、染色剤製造方法に応じて染色剤が製造されるようにディスペンサー3に染色剤の製造方法を伝送することができる。
【0126】
次に、
図7を参照して、本開示の一実施例に係るシミュレーションの表示方法を詳しく説明する。
図7は、本開示の一実施例に係るシミュレーションの表示方法が図示されたフローチャートである。
図7は、
図5のステップS400が具体化されたフローチャートである。
【0127】
制御部11は、目標色相に対応するRGB値及び明るさレベルを獲得することができる(S410)。
【0128】
具体的に、貯蔵部19は、複数の染色剤色相のそれぞれにRGB値と明るさレベルをマッピングさせて貯蔵していることができる。具体的に、染色剤は、色相系列または明るさが異なる多様な種類が提供されるが、色相系列が同一であるとRGB値が同一であり、明るさが同一であると明るさレベルが同一である。よって、制御部11は、目標色相に対応する色相系列に応じてRGB値を獲得し、目標色相に対応する明るさに応じて明るさレベルを獲得することができる。
【0129】
この時、複数の染色剤色相のそれぞれにマッピングされたRGB値と明るさレベルは、測色器(不図示)で染色された毛髪を測定した結果値であってもよいが、これは例示に過ぎず、染色された毛髪に対しユーザが視覚的に感じた結果の入力値またはディスプレイ部17に染色された毛髪が表現される時の色相値等を含むことができる。
【0130】
制御部11は、目標色相にマッピングされたRGB値及び明るさレベルを貯蔵部19から抽出することで、目標色相に対応するRGB値及び明るさレベルを獲得することができる。
【0131】
例えば、制御部11は、目標色相に対応するRGB値として62、54、43を獲得し、明るさレベルとして第7レベルを獲得することができる。
【0132】
制御部11は、獲得したRGB値を獲得した明るさレベルに応じて補正することができる(S420)。
【0133】
具体的に、貯蔵部19は、複数の明るさレベルのそれぞれに加重値をマッピングさせて貯蔵していることができる。
【0134】
一実施例によれば、明るさレベルの間の加重値の差は一定してもよい。例えば、貯蔵部19は、第4レベルに加重値100、第5レベルに加重値150、第6レベルに加重値200、第7レベルに加重値250、第8レベルに加重値300、第9レベルに加重値350をマッピングさせて貯蔵していることができる。即ち、1レベル当たりの加重値の差は50として一定してもよいが、これは説明の便宜のための例示に過ぎず、これに制限されるものではない。例え、制御部11は、現在色相の明るさレベルを第7レベルと入力を受けると、加重値250を獲得することができる。ここで、加重値は、第1加重値として、明るさレベルに基づいてRGB値に適用することができる。第1加重値は、第2及び第3加重値と区分されるように限定されたものに過ぎず、これに制限されるものではない。
【0135】
制御部11は、RGB値に基づいてRGB比率を算出し、RGB比率に明るさレベルに応じた加重値を乗じることでRGB値を補正することができる。
【0136】
具体的な例として、ステップS410で獲得したRGB値が62、54、43である場合、制御部11は(R/Sum of RGB、G/Sum of RGB、B/Sum of RGB)によりRGB比率(38.99%、33.96%、27.04%)を算出し、算出されたRGB比率(38.99%、33.96%、27.04%)のそれぞれに加重値250を乗じることで、補正されたRGB値97、85、71を獲得することができる。
【0137】
このように、本発明は、明るさレベルに対応する加重値を適用してRGB値を補正することで、現在色相の明るさレベルに応じた染色結果の差をより正確にシミュレーションで表現可能な利点がある。具体的に、別途に加重値を適用しない場合、明るさレベルが異なるにもかかわらずシミュレーション上で明るさの差がほとんど表れない問題を最小化できる利点がある。また、レベル間の加重値の差を一定に適用することで、明るさの差を線形的に区分して一貫性ある明るさレベルがシミュレーションに適用される利点がある。
【0138】
そして、本発明は、獲得したRGB値そのものではなく、RGB比率に加重値を乗じるので、RGB比率を維持しながらRGB値が調節されるので、色相を変形することなく明るさのみを調節したシミュレーションを提供可能な利点がある。
【0139】
制御部11は、明るさレベルに基づいてRGB値のうちB値を補正することができる(S430)。
【0140】
具体的に、制御部11は、明るさレベルが予め設定された基準レベル以下である場合、B値に加重値を適用することができる。
【0141】
基準レベルは、デフォルトとして予め設定されるか、ユーザ入力により設定されてもよい。例えば、基準レベルは第7レベルであってもよいが、これは例示に過ぎず、これに制限されるものではない。
【0142】
そして、加重値は、固定された定数であってもよい。一実施例によれば、制御部11は、B値を加重値に該当する比率だけ増加した値で補正することができる。例えば、加重値が5である場合、制御部11は、B値を5%増加した値で補正することができる。ここで、加重値は、第2加重値として、明るさレベルに基づいてRGB値に適用することができる。第2加重値は、第1及び第3加重値と区分されるように限定されたものに過ぎず、これに制限されるものではない。
【0143】
これは、明るさが低い染色剤で染色をする場合、彩度が低く表現される実際染色結果をシミュレーションで表現するためのものであり、説明したようにB値を補正することで、実際のように彩度が低くなるようにシミュレーションを表現可能な利点がある。
【0144】
制御部11は、毛髪特性に応じたデータに基づいてRGB値を補正することができる(S440)。
【0145】
毛髪特性に応じたデータは、毛髪に染色される場合、染色剤の色相に応じて実際毛髪に発現される色相の差が調節されるように、目標別にRGBのそれぞれに適用される加重値がマッピングされたデータであってもよい。加重値は、定数であってもよい。ここで、加重値は、第3加重値として、毛髪特性に応じたデータに基づいてRGB値に適用することができる。第3加重値は、第1及び第2加重値と区分されるように限定されたものに過ぎず、これに制限されるものではない。
【0146】
このような毛髪特性に応じたデータは、実際経験により獲得されたデータとして、ユーザ入力により貯蔵及び修正することができる。
【0147】
毛髪特性に応じたデータは、テーブル形態であってもよく、一例として下記表1のようであってもよいが、これは例示に過ぎない。
【0148】
【0149】
制御部11は、RGB値のそれぞれに対して加重値を予め設定されたアルゴリズムに適用して補正することができる。これは、実際毛髪特性に応じた染色結果までシミュレーションで表現するためのものであり、シミュレーションの正確度を向上させることができる利点がある。制御部11は、補正されたRGB値が現在色相及び目標色相に応じて制限されたRGB範囲に属するように正規化することができる(S450)。
【0150】
一実施例によれば、制御部11は、現在色相と目標色相に応じて染色領域に合成される染色イメージのRGB範囲を制限することができる。これは、現在色相が異なるにもかかわらず、目標色相が同一であるとして同一RGB値を持つ染色イメージを合成する場合、歪曲された色相でシミュレーションが表示される問題を最小化するためである。
【0151】
制御部11は、現在色相の明るさが暗いほどRGB範囲を明るく設定することができる。具体的に、制御部11は、現在色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、RGB範囲を第1範囲に設定し、現在色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値が第1範囲より大きい第2範囲に設定し、現在色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値が第2範囲より大きい第3範囲に設定することができる。制御部11は、0~255の範囲に対するRGB値が設定されたRGB範囲に相応するRGB値に調整されるように正規化(normalization)することができる。この場合、第1範囲は120~220であり、第2範囲は130~230であり、第3範囲は140~250であってもよいが、これは例示に過ぎず、これに制限されるものではない。
【0152】
そして、制御部11は、目標色相の明るさが暗いほどRGB範囲を暗く設定することができる。具体的に、制御部11は、目標色相の明るさレベルが第1グループに該当する場合、RGB範囲を第1範囲に設定し、目標色相の明るさレベルが第1グループより暗い第2グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値が第1範囲より小さい第2範囲に設定し、目標色相の明るさレベルが第2グループより暗い第3グループに該当する場合、RGB範囲を、最小値及び最大値が第2範囲より小さい第3範囲に設定することができる。この場合、第1範囲は120~220であり、第2範囲は40~140であり、第3範囲は0~100であってもよいが、これは例示に過ぎず、これに制限されるものではない。
【0153】
そして、第1グループは明るさレベルが第7~第9レベルであるグループであり、第2グループは明るさレベルが第4~第6レベルであるグループであり、第3グループは明るさレベルが第1~第3レベルであるグループであってもよいが、これも例示に過ぎず、これに制限されるものではない。
【0154】
下記の表2は、上述した例示による現在色相と目標色相に応じて制限されるRGB範囲を整理した表であるが、これは説明の便宜のための例示に過ぎず、これに制限されるものではない。
【0155】
【0156】
まとめると、制御部11は、現在色相が明るい毛髪である場合、RGB範囲を第1範囲に設定すると、現在色相が中間色毛髪である場合にはRGB範囲を第1範囲より明るい方にシフト(shift)された第2範囲に設定し、現在色相が暗い毛髪である場合にはRGB範囲を第2範囲より明るい方にシフトされた第3範囲に設定することができる。そして、制御部11は、目標色相が暗いほどRGB範囲を暗い範囲にシフトさせて設定することができる。即ち、制御部11は、現在色相及び目標色相に基づいて、染色イメージのRGB値を特定範囲に制限することができる。染色イメージが持つRGB値の最小値と最大値は、現在色相及び目標色相に基づいて決定される。
【0157】
0~255の範囲に対するRGB値が制限されたRGB範囲に属するように正規化する方法は多様である。例えば、制御部11は、0~255の範囲のサイズと制限されたRGB範囲のサイズの間の比率に基づいてRGB値のそれぞれを調整して正規化することができるが、これは例示に過ぎず、これに制限されるものではない。
【0158】
制御部11は、染色領域に正規化されたRGB値を持つ染色イメージを合成したシミュレーションを獲得することができる(S460)。
【0159】
即ち、制御部11は、ユーザイメージから染色領域を抽出し、染色領域に正規化されたRGB値を持つ染色イメージを合成することでシミュレーションを獲得することができる。
【0160】
このように、RGB範囲を現在色相及び目標色相に基づいて制限することで、現在色相の明るさに関係なく目標色相に応じた色相で染色されたシミュレーションを提供可能な利点がある。
【0161】
一方、制御部11は、シミュレーションが実際染色結果に近く表示されるように、上述した諸ステップを通じてシミュレーションを獲得することができる。しかし、実施例によっては、制御部11は、上述した諸ステップのうち少なくとも一部を省略してシミュレーションを獲得することもできる。即ち、
図7ではS420、S430、S440、S450を全て実施するものと図示されているが、制御部11は、目標色相に対応するRGB値及び明るさレベルを獲得した後、S420、S430、S440及びS450のうち少なくとも1つを行って獲得したRGB値を適用してシミュレーションを獲得することができる。
【0162】
例えば、制御部11は、目標色相に対応するRGB値及び明るさレベルを獲得し、獲得したRGB値を明るさレベルに応じて補正する第1処理を行い、明るさレベルに基づいて第1処理されたRGB値のうちB値を補正する第2処理を行い、実際毛髪特性に応じたデータに基づいて第2処理されたRGB値を補正する第3処理を行い、第3処理されたRGB値をRGB範囲に属するように正規化する第4処理を行い、染色領域に第4処理されたRGB値を持つ染色イメージを合成してシミュレーションを獲得することができる。または、制御部11は、目標色相に対応するRGB値及び明るさレベルを獲得し、染色領域には上述した第1~第4処理のうち少なくとも1つのみを行って補正されたRGB値を持つ染色イメージを合成してシミュレーションを獲得することができる。
【0163】
図8は、本開示の一実施例に係るシミュレーションの例示図である。
【0164】
図8で、9Gは明るさレベルが9であるゴールド色相、9CGは明るさレベルが9であるコッパーゴールド色相、8CGは明るさレベルが8であるコッパーゴールド色相、7CGは明るさレベルが7であるコッパーゴールド色相、6CGは明るさレベルが6であるコッパーゴールド色相、5CGは明るさレベルが5であるコッパーゴールド色相、5Cは明るさレベルが5であるコッパー色相を意味することができる。
【0165】
そして、
図8の(a)~(f)にそれぞれ図示されたTEST MINとTEST MAXは、それぞれRGB範囲が制限されることによりRGBの最小値と最大値を表すことができる。
【0166】
図8の(a)~(f)は、現在色相が9Gである同一イメージに対してそれぞれ目標色相が9CG、8CG、7CG、6CG、5CG、5である時のシミュレーションである。(a)~(e)を参考すると、同一色相系列や、明るさレベルに応じた染色結果の差がシミュレーションで明確に表れることを確認することができる。また、(e)及び(f)を参照すると、同一明るさレベルや色相系列に応じて染色結果の差がシミュレーションで明確に表れることを確認することができる。
【0167】
図9は、本開示の一実施例に係るシミュレーションとその比較例が図示された例示図である。
【0168】
図9の(a)は、現在色相が10N(明るさレベルが10であるナチュラル色相)であり、目標色相が10I(明るさレベルが10であるイリディセント色相)である時、イメージの染色領域に目標色相に対応するRGB値を持つ染色イメージを合成した結果である。
図9の(b)は、現在色相と目標色相が(a)と同一である時、本発明の実施例に係るシミュレーションである。即ち、
図9の(b)は、イメージの染色領域に第1~第4処理が行われたRGB値を持つ染色イメージを合成した結果である。
【0169】
図9の(a)を参照すると、現在色相を考慮せず、単純に目標色相に対応するRGB値の染色イメージが合成されたので、目標色相とは全く異なる色相で染色された結果が導出された。しかし、
図9の(b)を参照すると、現在色相を考慮して補正されたRGB値の染色イメージが合成されたので、目標色相で染色された結果が導出された。これにより、本発明の実施例によりシミュレーションを表示する場合、目標色相に応じた染色結果を歪曲なしに正確に表現可能な利点がある。
【0170】
前述した本開示は、プログラムが記録された媒体にコンピュータが読み込むことのできるコードとして具現することが可能である。コンピュータが読み込むことのできる媒体は、コンピュータシステムによって読み込むことができるデータが格納される全ての種類の記録装置を含む。コンピュータが読み込むことのできる媒体の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Disk)、SDD(Silicon Disk Drive)、ROM、RAM、CD‐ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ貯蔵装置等がある。また、前記コンピュータは、端末機1の制御部またはディスペンサー3の制御部31を含むこともできる。従って、上記した詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものであると考慮されるべきである。本発明の範囲は、添付された請求の範囲の合理的解釈によって決定されるべきであり、本発明の等価的範囲内における全ての変更は、本発明の範囲に含まれる。
【0171】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。
【0172】
従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。
【0173】
本発明の保護範囲は、以下の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0174】
1 端末機
3 ディスペンサー
3a カートリッジ
3b ケース
3c ドア
7DB 進数
11 制御部
13 入力部
15 通信部
17 ディスプレイ部
19 貯蔵部
31 制御部
33 入力部
35 通信部
37 駆動部
39 貯蔵部
【国際調査報告】