IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クエンデス,シルヴァンの特許一覧

<>
  • 特表-光目標を投影する速度制御デバイス 図1
  • 特表-光目標を投影する速度制御デバイス 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】光目標を投影する速度制御デバイス
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20240409BHJP
   A63F 9/14 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A63B71/06 K
A63B71/06 T
A63F9/14 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562930
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 IB2022053396
(87)【国際公開番号】W WO2022219508
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】2103816
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】523386326
【氏名又は名称】クエンデス,シルヴァン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】クエンデス,シルヴァン
(57)【要約】
本発明は、人(例えば、ベルト又は装着具を介して)又は任意の他の移動体(例えば、自転車、馬又は遠隔制御自動車)に物理的に固定されるように意図されている速度制御デバイスであって、1.デバイスの速度を周期的に確認する手段と、2.設定速度を周期的に確認する手段と、3.デバイスの環境の要素に光目標を投影する手段と、4.この投影を方向付ける手段と、5.この方向付けを制御する手段であって、それの手段の機能のうち1つは、設定速度で環境の要素の面の上で光目標が移動しているという印象を与えることであることを特徴とする手段とを含む速度制御デバイスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人(2)又は任意の他の移動体に物理的に固定されるように意図されている、ペースを制御するデバイス(1)であって、
a.前記デバイスの前記ペースを周期的に確認する手段(14)と、
b.目標ペースを周期的に確認する手段(14)と、
c.前記デバイスの環境(4)における要素に光目標(3)を投影する手段(10)と、
d.垂直線に対して角度(a)で前記投影を方向付ける手段(11、12)と、
e.前記方向付けを制御する手段(13)であって、それの機能のうち1つは、前記目標ペースで前記環境(4)における前記要素の面の上で前記光目標(3)が移動しているという印象を与えるように前記角度(a)を動的に変更することであることを特徴とする手段(13)と
を含むデバイス(1)。
【請求項2】
a.前記ペースに基づく前記光目標(3)の変位の前の前記光目標(3)の初期位置、
b.それ未満を進むことができない前記光目標(3)から前記デバイスまでの最小距離、
c.それを超えて進むことができない前記光目標(3)から前記デバイスまでの最大距離
の動作パラメータのうち少なくとも1つをユーザが設定することができる手段(16)を更に含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスの移動を確認する手段(15)を更に含み、前記制御手段(13)は、前記デバイスの前記移動によって引き起こされ、従って、前記光目標(3)の前記位置で前記移動の影響を少なくとも部分的に補償する、前記環境(4)における前記要素の上で前記光目標(3)の前記変位を相殺するように前記デバイスの前記移動に基づいて前記角度(a)に作用する、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスの前記環境(4)における前記要素の幾何学的特性を周期的に確認する手段(14)を更に含み、前記制御手段(13)は、前記環境(4)におけるこれらの前記要素への前記光目標(3)の前記投影に対する前記幾何学的特性の影響を補正し、従って、前記目標ペースで前記環境(4)における前記要素の前記面の上で前記光目標(3)が移動しているという前記印象を強化するために、前記幾何学的特性に基づいて前記角度(a)に作用する、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、スポーツ支援解決策の分野に含まれる。より詳細には、本発明は、競走スポーツへの参加者がペースを制御することができるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
競走スポーツにおいて、訓練又は競争中に、最大性能は、所定のペースを維持することに左右されることが多い。
【0003】
しかし、ペースの維持は困難である。従って、スポーツ選手は、下記の2つのカテゴリーに分類可能な支援解決策を一般的に使用する。
・カテゴリー1:所望のペースで移動する目標を用いた方法であって、追跡するのに十分である方法。目標は、例えば、専門スポーツ選手(「野ウサギ」と口語的に呼ばれる)、車両、又は更に車両から地面に投影された光目標である。目標を、通路に沿って配置された光トラックによって表現してもよい。
・カテゴリー2:スポーツ選手の速度を計算し、表示画面又は可聴メッセージを介してスポーツ選手がペースを維持していないことをスポーツ選手に警告するスポーツ行動追跡アプリケーションを有するスポーツウオッチ又はスマートフォンなどのGPS受信機が装備された個人用電子デバイス。
【0004】
カテゴリー1の方法は、使用するのが本能的であるが、実施するのが困難である。カテゴリー2のデバイスは、実施するのが容易であるが、努力して全ての注意を引く場合、効果的に使用するのが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
本発明の目的は、携帯デバイスに組み込み可能であるので、実施するのが容易であり、目標を追跡する原理に基づいているので、使用するのが本能的である、ペースを制御する解決策を提供することにある。
【0006】
この目的のために、本発明は、人(例えば、ベルト又は装着具を介して)又は任意の他の移動体(例えば、自転車、馬又は遠隔制御自動車)に物理的に固定されるように意図されている、ペースを制御するデバイスに関する。
【0007】
デバイスは、
1.デバイスのペースを周期的に確認する手段と、
2.目標ペースを周期的に確認する手段と、
3.デバイスの環境における要素に光目標を投影する手段と、
4.この投影を方向付ける手段と、
5.この方向付けを制御する手段であって、それの機能のうち1つは、この目標ペースで環境におけるこれらの要素の面の上で光目標が移動しているという印象を与えることであることを特徴とする手段と
を含む。
【0008】
行われる行動に応じて、光目標を、地面、道路、トラック、水泳プールの底面、ボブスレートラックの壁、又はデバイスの環境における任意の他の要素に投影する。
【0009】
投影光目標は、例えば、スポット、線、シンボル、テキスト、画像、又は多分重ね合わせた又は別々の副図から形成された任意の他の図である。
【0010】
本発明は、介在物(例えば、遠隔制御自動車)を用いた競走スポーツを含む全競走スポーツ(例えば、ランニング、スイミング、スキー、サイクリング、乗馬)、より一般的には、時間の制約下で進歩を伴う全行動(例えば、軍人又は救助隊員の足での移動)に適用できる。
【0011】
他の特徴及び利点は、下記の詳細な説明を読めば明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面の簡単な説明
図1】本発明の1つの特定の実施形態及び使用形態による、本発明の主題であるデバイスが装備されたランナーの略図である。
図2】本発明の1つの特定の実施形態及び使用形態による、本発明の主題であるデバイスの略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
下記の説明において、用語「1つの変型例において」から始まらない段落は、図1及び図2に示す特定の実施形態及び使用形態に関する。一方、「1つの変型例において」から始まる段落は、本発明の他の使用形態又は実施形態に関する。
【0014】
本発明の主題であるデバイス1を、ベルトを介してランナー2に装着する。
【0015】
1つの変型例において、デバイスを、別の移動体(例えば、自転車、馬又は遠隔制御自動車)に締結する。
【0016】
デバイスは、直線分の形で光目標3を投影する線生成レーザーモジュール10を含み、このレーザーモジュールは、光目標を投影する手段の1つの例を構成する。
【0017】
光目標3を地面4に投影し、地面の構成要素は、デバイスの環境における要素の1つの例を構成する。
【0018】
レーザーモジュール10を、ブラシレス電動機12の車軸11に締結し、これによって、レーザーモジュール10を角度aで図面の平面に方向付けることができ、電動機及び電動機の車軸は、投影を方向付ける手段の1つの例を構成する。
【0019】
1つの変型例において、投影を方向付ける手段は、カメラ用の電気ジンバル安定器のように、ジンバル/電動機の対の連動を含み、3自由度(横揺れ、縦揺れ、偏揺れ)に従って投影を方向付けることができる。
【0020】
1つの変型例において、投影を方向付ける手段は、固定レーザーのビームを反射する、検流計に取り付けられたミラーを含み、従って、下記を行うことができる。
1.3自由度(横揺れ、縦揺れ、偏揺れ)に従って投影を方向付ける、及び
2.残像性によって、複雑な形状を有する光目標を生成する
【0021】
プログラムが所望の距離dで目標を投影することができるマイクロコントローラ13によって、ブラシレス電動機12の角度aを制御し、このマイクロコントローラ及びマイクロコントローラのプログラムは、方向付けを制御する手段の1つの例を構成する。
【0022】
ブルートゥースインターフェース14は、デバイスのペース及び目標ペース(目標ペースは、例えば地形に応じて、時間と共に可変であってもよい)を与えることができるスポーツ行動追跡アプリケーションを有するスポーツウオッチ又はスマートフォンにデバイスを接続することができ、このインターフェースは、デバイスのペース及び目標ペースを周期的に確認する手段の1つの例を構成する。
【0023】
任意の外部デバイスと無関係である1つの変型例において、デバイスは、下記を含む。
1.時間に応じて位置を得ることによってデバイスのペースを計算することができるGPS受信機であって、このGPS受信機は、デバイスのペースを周期的に確認する手段の別の例を構成する。
2.例えば、ユーザが1つ又は複数の目標ペースを入力することができるデジタル画面及びボタンから形成されたユーザインターフェースであって、このユーザインターフェースは、目標ペースを周期的に確認する手段の別の例を構成する。
【0024】
マイクロコントローラ13のプログラムは、目標ペースAcで、従ってデバイスのペースAdとは無関係に、環境における要素の面の上で光目標が移動しているという印象を与えるように角度aを動的に変更する。プログラムのアルゴリズムは、下記の論理に基づいている。
1.光目標に与えられるべきデバイスに対する線速度を、下記の[数式1]によって与える。
[数式1]
【数1】

2.デバイスと地面との間の高さhを1メートルの一定値に近似する場合、角度aとメートルで表される距離dとの間の関係を、下記の[数式2]によって与える。
[数式2]
α=tan-1
3.[数式2]を時間に応じて求め、[数式1]を入れると、これは、下記の[数式3]のように、電動機12に対する任意の時刻で所望の角速度を与える。
[数式3]
【数2】

但し、Ac及びAdは、1秒毎のメートルで表され、aは、度で表され、結果は、1秒毎の度で表される。
【0025】
4つのボタン16により、ユーザは、光目標からデバイスまでの最小及び最大距離を設定することができる。
1.ボタンMIN及びMAXは、設定されるべき距離を選択する選択器である。これらのボタンのうち1つを押下すると、強制モードに変更し、対応する距離で目標を投影するという命令を、マイクロコントローラ13に伝達する。
2.このように選択された最小又は最大距離を増加又は減少するために、ボタン+及び-を使用してもよい。
これらのボタンは、ユーザが動作パラメータのうち少なくとも1つを設定することができる手段の1つの例を構成する。この強制モードは、段落[0024]に記載の機能に加えて、方向付けを制御する手段の追加機能を構成する。
【0026】
投影を方向付ける手段が、3自由度(横揺れ、縦揺れ、偏揺れ)に従って投影を方向付けることができる1つの変型例において、幾つかのボタンは、光目標の初期位置を設定することもでき、例えば、自転車の側面で、又はボブスレートラックの壁で、横方向に位置決め可能である。
【0027】
1つの変型例において、設定ボタンを、デバイスをパラメータ化するアプリケーションを有するスマートフォンに接続するブルートゥースインターフェースと交換し、このインターフェースは、ユーザが動作パラメータのうち少なくとも1つを設定することができる手段の別の例を構成する。
【0028】
慣性ユニット15は、6自由度に従うデバイスの加速度をマイクロコントローラ13のプログラムに伝送し、この慣性ユニットは、デバイスの移動を確認する手段の1つの例を構成する。
【0029】
デバイスの振動及びランナーの体の移動に起因する下記の2つの加速度は、抑制することが望ましい光目標の寄生変位を引き起こす。
1.ランナーの可能な加速度(4m/s)よりも大きい場合、進行方向における平行移動加速度g1
2.図面の平面における回転加速度g2
マイクロコントローラ13のプログラムは、これらの2つの寄生加速度に起因する光目標の地面変位を相殺するように角度aに作用し、これによって、光目標の位置でデバイスの移動の影響を少なくとも部分的に補償する1つの例を構成する。従って、所望の角速度に対する新しい式は、下記の[数式4]である。
[数式4]
【数3】
【0030】
ブルートゥースインターフェース14は、地面4の傾斜に関する周期的情報を与えることができるスポーツ行動追跡アプリケーションを有するスポーツウオッチ又はスマートフォンにデバイスを接続することができ、このインターフェースは、光目標を投影する環境における要素の幾何学的特性を周期的に確認する手段の1つの例を構成する。
【0031】
地面の傾斜は、補正に有利な不正確さをマイクロコントローラ13のプログラムに導入し、この補正は、光目標が目標ペースで移動しているという印象を強化するために、これらの幾何学的特性の使用の1つの例を構成する。[数式2]の計算を一般化すると、電動機12に与えるべき角度aは、現在、下記の[数式5]の通りであることが分かる。
[数式5]
【数4】

pは、垂直線に対する地面の傾斜角である。
所望の角速度を、下記の[数式6]のように、任意の時刻で得る。
[数式6]
【数5】

段落[0029]に記載の2つの寄生加速度g1及びg2の補償を導入した後、これによって、下記の[数式7]を与える。
[数式7]
【数6】
【0032】
1つの変型例において、デバイスは、高度を得ることによって地面の傾斜を計算することができるGPS受信機を含み、このGPS受信機は、光目標を投影する環境における要素の幾何学的特性を周期的に確認する手段の別の例を構成する。
図1
図2
【国際調査報告】