(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ポンプ輸送可能な脂肪システム及びその輸送のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
A23D 9/02 20060101AFI20240409BHJP
A23D 9/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A23D9/02
A23D9/00 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563869
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022024579
(87)【国際公開番号】W WO2022225763
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ジルジス、バッサム
【テーマコード(参考)】
4B026
【Fターム(参考)】
4B026DC06
4B026DG02
4B026DG04
4B026DG05
4B026DH01
4B026DH02
4B026DP01
4B026DX01
4B026DX02
(57)【要約】
本技術は、ポンプ輸送可能な脂肪システムであって、ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、少なくとも1.0重量パーセント(「重量%」)の固形分パーセントを含む約1.0重量%~100重量%の第1の脂肪成分と、任意選択で、第2の脂肪成分と、を含み、ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約60°F~約85°Fの温度で、以下の特性:ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、約1%~約20%の固形分パーセントと、最大約2,000,000cPの粘度と、500G力/cm以下のテクスチャと、を有する、ポンプ輸送可能な脂肪システムを提供する。本技術はまた、ポンプ輸送可能な脂肪システムを含有する組成物及び食品、並びにポンプ輸送可能な脂肪システムを供給する方法を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ輸送可能な脂肪システムであって、
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、少なくとも1.0重量パーセント(「重量%」)の固体脂肪含有量(「SFC」)を含む、約1.0重量%~100重量%の第1の脂肪成分と、
任意選択で、第2の脂肪成分と、を含み、
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約60°F~約85°Fの温度で、以下の特性:
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、約1.0重量%~約20重量%のSFCと、
最大約2,000,000cPの粘度と、
500G力/cm以下のテクスチャと、を有する、ポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項2】
約10重量%~100重量%の前記第1の脂肪成分を含む、請求項1に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項3】
前記第1の脂肪成分が、天然脂肪、修飾脂肪、又はこれらの混合物を含む、請求項1又は2に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項4】
修飾食用脂肪が、エステル交換脂肪、水素化脂肪、分別脂肪、又はこれらの混合物を含む、請求項3に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項5】
前記第2の脂肪成分を含み、前記第2の脂肪成分が、食用油である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項6】
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムが、前記ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、0重量%~約90重量%の前記第2の脂肪成分を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項7】
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約60°F~約85°Fの温度で、約5.0重量%~約20重量%のSFCを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項8】
前記粘度が、約100,000cP~約2,000,000cP未満である、請求項1~7のいずれか一項に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項9】
前記テクスチャが、0G力/cm~約500G力/cm未満である、請求項1~8のいずれか一項に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項10】
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約3μm~約100μmの結晶サイズを有する脂肪結晶を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【請求項11】
約0.1重量%~100重量%の請求項1~10のいずれか一項に記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを含む、組成物。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを供給する方法であって、
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器に充填することと、
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムを含む前記容器を輸送することと、
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムを前記容器から取り除くことと、を含み、
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約60°F~約85°Fの温度で維持される、方法。
【請求項13】
前記温度が、約70°F~約85°Fである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記容器が、ペール、ドラム、トート、ピストンタンカー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記容器が、温度制御容器である、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記充填することが、前記ポンプ輸送可能な脂肪システムを供給源から温度制御導管を通して前記容器に移送することを含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムを前記容器内に貯蔵することを更に含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムを前記容器から取り除くことが、ポンプを用いて行われる、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ポンプ輸送可能な脂肪システムの約80体積%超が、前記容器から取り除かれる、請求項12~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記取り除くことが、前記ポンプ輸送可能な脂肪システムを前記容器から製品製造システムに取り出すことを含む、請求項12~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年4月23日に出願された米国特許仮出願第63/178,662号の利益を主張するものであり、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本出願は、ポンプ輸送可能な(pumpable)ショートニング、ポンプ輸送可能なショートニングを含有する組成物及び食品、並びにそれらの供給方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ショートニングは、特定の消費者ニーズを送達するためにその栄養特性及び機能特性が操作されている調整された脂肪システムである。ショートニングは、ベーキング用途に特別な機能的有用性を提供する。ショートニングは、ボテーション(votation)などの当該技術分野で既知のプロセスを使用して調製され得る。ボテーションは、溶融脂肪又は脂肪のブレンドが結晶化され、均質化されてショートニング又は他の調整された脂肪システムを形成する制御されたプロセスを指す。ボテーションという用語は、ベーキング及び他の食品用途で使用されるショートニングを製造するために使用される初期の機器の名称であるVotator(商標)に由来する。
【0004】
現在、そのようなショートニングは、箱内に充填され、顧客に出荷する前に温度制御された部屋で特定の時間テンパリングされる。一旦受け取ると、顧客は、典型的には、使用前に温度制御された部屋にショートニングを貯蔵する。しかしながら、この形態で生産されたショートニングは、典型的には硬く、ポンプ輸送可能ではない。追加的に、これらのショートニングを箱又は他の貯蔵容器から取り除き、それらを顧客用途に充填することは、労働及び時間集約的なプロセスを伴う。追加的に、そのようなショートニングを貯蔵容器から顧客用途に取り扱い、かつ取り出すことは、人にとって人間工学的に安全でない可能性がある。
【0005】
本技術は、ポンプ輸送可能なショートニングの使用、取り扱い、及び供給におけるこれら及び他の欠点を克服することを対象とする。
【発明の概要】
【0006】
一態様において、本技術は、ポンプ輸送可能な脂肪システムであって、ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、少なくとも約1.0重量パーセント(「重量%」)の固体脂肪含有量(「solid fat content、SFC」)を有する少なくとも約1.0重量%~100重量%の第1の脂肪成分と、任意選択で、第2の脂肪成分と、を含むポンプ輸送可能な脂肪システムを提供する。ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で、以下の特性:ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、約1.0重量%~約20重量%のSFCと、最大約2,000,000cPの粘度と、500G力/cm以下のテクスチャと、を有する。
【0007】
一態様において、本技術は、約0.1重量%~約100重量%の本明細書に記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを含む、組成物を提供する。
【0008】
一態様において、本技術は、本明細書に記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを含む食品を提供する。
【0009】
別の態様において、本技術は、本明細書に記載されるポンプ輸送可能な脂肪システムを供給する方法を提供する。本方法は、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器に充填することと、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを含む容器を輸送することと、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器から取り除くことと、を含み、
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の一定温度で維持される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、開示される課題の特定の態様について詳細に言及する。
【0011】
本明細書全体を通して、範囲形式で表される値は、範囲の限度として明示的に列挙された数値を含むだけでなく、各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も含むように、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。当業者によって理解されるように、「最大~」、「少なくとも~」、「~よりも大きい」、「~よりも小さい」などの全ての言語は、列挙された数を含み、上で考察されたように後に部分範囲に分解することができる範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は各個々の要素を含む。
【0012】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」、並びに要素を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)同様の指示対象は、文脈が明確に別様に指示しない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「置換基(a substituent)」への言及は、単一の置換基に加えて2つ以上の置換基などを包含する。本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、単数形の任意の用語は、その複数の対応物を含み得、逆もまた同様であることが理解される。
【0013】
加えて、本明細書で用いられ、別段定義されない表現又は用語は、説明のみを目的とするものであり、限定を目的とするものではないことを理解されたい。セクションの見出しの任意の使用は、文書の読解を支援するように意図されており、限定として解釈されるべきではなく、セクション見出しに関連する情報は、その特定のセクション内に存在する場合もあり、当該セクション外に存在する場合もある。本文書で参照される任意の刊行物、特許、及び特許文献は、参照により個々に組み込まれているかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本文書とこのように参照により組み込まれるそれらの文書との間で使用が一貫していない場合、組み込まれる参考文献における使用は、本文書のものを補足するものであると解釈されるべきである。相容れない矛盾の場合、本文書における使用を優先する。
【0014】
本明細書で使用されるとき、用語「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「など(such as)」、又は「含む(including)」という用語は、より全般的な主題を更に明確にする例を導入することを意味する。特に断らない限り、これらの例は、本開示において例証される用途を理解するための補助としてのみ提供され、いかなる方式でも限定することを意味するものではない。
【0015】
本明細書に記載される方法では、これらの行為は、本明細書に列挙される特定の順序で実行することができる。代替的に、本明細書に開示される任意の態様では、時間的又は動作的な順番が明示的に列挙されている場合を除いて、本開示の原理から逸脱することなくいかなる順序で特定の行為を実行してもよい。更に、明示的な「特許請求の範囲」の文言によって別個に実行されことが記載されていない限り、又は「特許請求の範囲」の平易な意味がそれを要求する場合を除き、特定の行為を並行して実施することができる。例えば、Xを行う特許請求された行為及びYを行う特許請求された行為を単一の動作内で同時に実施することができ、結果として得られるプロセスは、特許請求されるプロセスの逐語的な範囲内に入る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「約」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変動する。当業者に明確でない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮すると、「約」は、特定の用語のプラス又はマイナス10%までを意味する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、少なくとも約85%などの大部分、又はほとんどを指す。
【0018】
本明細書で使用されるとき、以下の用語は、そうではないことが明示的に記載されていない限り、以下の意味を有する。
【0019】
「トリアシルグリセリド」は、エステル結合を介して3つの脂肪酸残基に連結されるグリセロール部分を有する分子を指す。「トリアシルグリセロール」、「トリアシルグリセリド」、「トリグリセリド」、及び「TAG」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
【0020】
本明細書で使用される場合、「脂肪酸」という用語は、炭化水素鎖及び末端カルボン酸基を含む分子を指し得る。本明細書で使用される場合、脂肪酸のカルボン酸基は、例えば、脂肪酸がグリセリド又は別の分子に組み込まれるときに生じるように修飾又はエステル化(例えば、COOR(式中、Rは、例えば、炭素原子を指す))されてもよい。代替的に、カルボン酸基は、遊離脂肪酸又は塩の形態(すなわち、COO”又はCOOH)であってもよい。脂肪酸の「尾部」又は炭化水素鎖はまた、脂肪酸鎖、脂肪酸側鎖、又は脂肪鎖と称される場合もある。脂肪酸の炭化水素鎖は、典型的には、飽和又は不飽和脂肪族基である。N個の炭素数を有する脂肪酸は、典型的には、N-1個の炭素を有する脂肪酸側鎖を有する。しかしながら、本願はまた、脂肪酸の修飾形態、例えば、エポキシ化脂肪酸にも関し、したがって、脂肪酸という用語は、記載されるように脂肪酸が置換されているか、又は別の方法で修飾されている状況で使用されてもよい。
【0021】
「脂肪酸残基」は、アシル又はエステル化形態の脂肪酸である。
【0022】
「飽和」脂肪酸は、炭化水素鎖に炭素-炭素二重結合を全く含有しない脂肪酸である。「不飽和」脂肪酸は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含有する。「多価不飽和」脂肪酸は、2つ以上のこのような炭素-炭素二重結合を含有し、他方、「一不飽和」脂肪酸は、1つの炭素-炭素二重結合のみを含有する。炭素-炭素二重結合は、シス及びトランスで示される2つの立体配置のうちの1つであってもよい。天然に生じる不飽和脂肪酸は、概して「シス」形態にある。エポキシ化された再生可能な油又は脂肪は、シス又はトランス炭素-炭素二重結合から形成される1つ以上のエポキシド環を含み得る。
【0023】
脂肪酸の非限定的な例としては、C8、C10、C12、C14、C16(例えば、C16:0、C16:1)、C18(例えば、C18:0、C18:1、C18:2、C18:3、C18:4)、C20及びC22脂肪酸が挙げられる。例えば、脂肪酸は、カプリル酸(8:0)、カプリン酸(10:0)、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、及びリノレン(18:3)酸であり得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「ポンプ輸送可能な脂肪システム」という用語は、バルク量で取り扱うことができ、ポンプ輸送及び計量することができる調整された脂肪システム(例えば、ショートニング)を指す。
【0025】
本技術は、食用脂肪及び任意選択で食用油を含むポンプ輸送可能な脂肪システム、ポンプ輸送可能な脂肪システムを含有する組成物及び食品、並びにポンプ輸送可能な脂肪を供給する方法を提供する。当業者によって理解されるように、ショートニングなどの脂肪システムは、ボテーションを介して調製され得る。本明細書に記載のポンプ輸送可能な脂肪システムは、ボテーションを介して調製することができる。概して、ショートニングを作製するためのボテーションプロセスは、食用脂肪を溶融して溶融脂肪を形成し、溶融脂肪をその融点よりも高い一定温度で撹拌することと、溶融脂肪を1つ以上のスクレイプ表面晶析装置に通してポンプ輸送して、溶融脂肪を結晶化させることと、溶融脂肪を、シャフトを横切る1組の固定フィンガ及び1組の回転フィンガを有する1つ以上のワーカーユニットに通し、これは、生成物温度における結晶の分解をもたらして、脂肪生成物(すなわち、ショートニング)の結晶化を示すことと、を含む。
【0026】
本発明者らは、本明細書に記載されるポンプ輸送可能な脂肪システムが、ポンプ輸送可能な脂肪システムを顧客用途に供給し組み込む能力を有利に高めることを発見した。特に、本発明者らは、ポンプ輸送可能な脂肪システムが、ポンプ輸送可能な脂肪システムを(供給者又は顧客のいずれかによって)混合、貯蔵、及びテンパリングする必要性を有利に排除し、製品を包装する必要性を(例えば、袋詰めされた箱に)排除し、ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器から取り出し、及び/又は顧客用途に充填するための労働集約的プロセスを排除し、輸送容器から直接顧客用途にポンプ輸送可能な脂肪システムの自動化及び追跡を可能にし、廃棄物処理を低減し、ショートニングを取り扱うための人間工学的により安全なプロセスを提供し、かつ/又はさもなければ顧客用途(食品製造システムなど)へのショートニングの組み込みを向上させることを発見した。
【0027】
ポンプ輸送可能な脂肪システム
一態様では、本技術は、ポンプ輸送可能な脂肪システムであって、ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、室温(すなわち、約20℃~約25℃)で、少なくとも約1.0重量パーセント(「重量%」)の固体脂肪含有量(「SFC」)を有する少なくとも約1.0重量%~100重量%の第1の脂肪成分と、任意選択で、第2の脂肪成分と、を含むポンプ輸送可能な脂肪システムを提供する。ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で、以下の特性:ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、約1.0重量%~約20重量%のSFCと、最大約2,000,000cPの粘度と、500G力/cm以下のテクスチャと、を有する。
【0028】
ポンプ輸送可能な脂肪システムの第1の脂肪成分は、室温(すなわち、およそ約20℃~約25℃)で少なくとも1.0重量%の結晶化固体脂肪含有量(又はSFC)を有する食用固体脂肪を含む。本明細書で使用される場合、「固体脂肪」又は「固体脂肪含有量」という用語は、定義された温度スケールにわたって存在する結晶化固体脂肪のパーセントを指す。SFCは、当業者に既知の方法によって測定することができる。例えば、SFCは、核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance、NMR)を介して決定され得る(参照により本明細書に組み込まれる、AMERICAN OIL CHEMIST SOCIETY Official Methods and Recommended Practices,6th ed.,2008,AOCS Official Method cd-16b-93を参照されたい)。第1の脂肪成分は、室温で少なくとも1.0重量%のSFCを有する食用固体脂肪又は食用液体脂肪であってもよい。好ましくは、第1の脂肪成分は、室温で、約1.0重量%超、約5重量%超、約10重量%超、約20重量%超、又は約25重量%超のSFCを有する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「食用固体脂肪」、「食用液体脂肪」、又は「食用油」という用語は、ヒトの消費に好適である脂肪又は油を指す。食用固体脂肪、食用液体脂肪、及び食用油は、典型的には、トリアシルグリセロール(「triacylglycerol、TAG」)を含む組成物である。食用固体脂肪、食用液体脂肪、及び食用油は、植物、動物、又は微生物源から得ることができる。
【0030】
概して、第1の脂肪成分は、少なくとも約1.0重量%のSFCを有する室温(すなわち、およそ約20℃~約25℃)及び周囲圧力(すなわち、およそ1atm)で固体若しくは半固体状態にある食用固体脂肪、少なくとも約1.0重量%のSFCを有する室温及び周囲圧力で液体若しくは半液体状態にある食用液体脂肪、又はこれらの混合物である。本明細書に記載の食用固体又は液体脂肪は、天然脂肪(すなわち、未修飾)、修飾脂肪、又はこれらの混合物であってもよい。例えば、修飾脂肪は、水素化脂肪、化学的若しくは酵素的にエステル交換された脂肪、分別脂肪、又はこれらの混合物であってもよい。
【0031】
好適な食用固体及び/又は液体脂肪としては、バター、ラード、獣脂、バター油、ココアバター、マンゴーバター、シアバター、乳脂肪、ヤシ油、パーム油、パームオレイン、パーム核油、シア油、イリッペ油、サル油、コクムグルギ(kokum gurgi)油、マンゴー核油、水素化植物油(例えば、水素化分別パーム核油、水素化綿実油、水素化大豆油、水素化ヒマワリ油、水素化キャノーラ油、水素化菜種油など、又はこれらの混合物)、水素化魚油、又はこれらの2つ以上の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「植物油」は、野菜及び/又は油糧種子に由来する油を指す。典型的には、食用固体及び/又は液体脂肪は、ステアリン(例えば、パームステアリン、綿実ステアリン、ココアバターステアリン、シアステアリン、パーム核ステアリン、ヒマワリステアリン)、水素化植物油、パーム油、エステル交換パーム油、又はこれらの2つ以上の混合物であってもよい。好ましくは、食用固体及び/又は液体脂肪は、パームステアリン、パーム油、エステル交換パーム油、水素化大豆油、又はこれらの2つ以上の混合物から選択され得る。
【0032】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、約10重量%~100重量%の第1の脂肪成分を含んでもよい。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、約99重量%、100重量%、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はそれらの間の任意の範囲を含んでもよい。典型的には、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約10重量%~100重量%、約30重量%~約95重量%、約60重量%~約90重量%、又は約70重量%~約85重量%の量で、第1の脂肪成分を含んでもよい。
【0033】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、第2の脂肪成分を更に含んでもよい。第2の脂肪成分は、任意の好適な食用脂肪又は油であってもよい。概して、第2の脂肪成分は、第1の脂肪成分とは異なる。例えば、第2の脂肪成分は、室温(すなわち、約20℃~約25℃)及び周囲圧力(すなわち、約1atm)で、結晶化固体脂肪を含まないか、又は実質的に含まない食用油であってもよい。本明細書で使用される場合、「結晶化固体脂肪を実質的に含まない」という用語は、食用脂肪又は油が、室温及び周囲圧力で、1.0重量%未満、約0.5重量%未満、0.1重量%未満、又は0重量%であるSFCを有することを意味する。好ましくは、第2の脂肪成分は、食用油である。
【0034】
食用油は、典型的には、室温(すなわち、およそ約20℃~約25℃)及び(すなわち、およそ1atm)で液体状態であり、結晶化固体脂肪を含まないか、又は実質的に含まない。本明細書に記載の食用油は、天然油(すなわち、未修飾)、修飾油、又はこれらの混合物であってもよい。例えば、食用油は、水素化油、化学的若しくは酵素的にエステル交換された油、分別油、又はこれらの混合物であってもよい。食用油としては、ヒマワリ油、柑橘油(例えば、レモン油、オレンジ油など、又はこれらの混合物)、ブドウ種子油、ゴマ油、ピーナッツ油、カラシ油、ナッツ油(例えば、アーモンド油、カシュー油、クルミ油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、又はこれらの混合物)、トウモロコシ油、コムギ核油、菜種油、ベニバナ油、亜麻仁油、大豆油、キャノーラ油、綿実油、海洋油(例えば、魚油、藻類油、真菌油、又はこれらの混合物)、米糠油、オリーブ油、又はこれらの2つ以上の混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。食用油は、高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸柑橘油、高オレイン酸ブドウ種子油、高オレイン酸ゴマ油、高オレイン酸ピーナッツ油、高オレイン酸カラシ油、高オレイン酸ナッツ油、高オレイン酸トウモロコシ油、高オレイン酸コムギ核油、高オレイン酸菜種油、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸亜麻仁油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸キャノーラ油、高オレイン酸綿実油、高オレイン酸海洋油、又はこれらの2つ以上の混合物などの高オレイン酸食用油であってもよい。好ましくは、食用油は、大豆油、キャノーラ油、又はこれらの2つ以上の混合物である。
【0035】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、0重量%~約90重量%、約0.1重量%~約90重量%、約5重量%~約50重量%、約10重量%~約35重量%、又は約15重量%~約30重量%の量で、第2の脂肪成分を含んでもよい。第2の脂肪成分の好適な量は、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はそれらの間の任意の範囲を含んでもよい。
【0036】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、1つ以上の添加剤を更に含んでもよい。そのような添加剤としては、乳化剤、抗酸化剤、又はこれらの混合物が挙げられる。好適な乳化剤としては、モノグリセリド及び/又はジグリセリド(例えば、パーム油、大豆油、又は他の食用脂肪若しくは油からの蒸留モノ及びジグリセリド、アセチル化モノ/ジグリセリド、ラクチル化モノ/ジグリセリド、又はこれらの混合物)、ポリソルベート、ソルビトール、グリセリン、ダイズレシチン、卵黄レシチン、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、糖エステル、又はこれらの2つ以上の混合物が挙げられ得るが、それらに限定されない。ポンプ輸送可能な脂肪システムは、ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、0重量%~約2.0重量%の量で、乳化剤を含んでもよい。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、約2.0重量%、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はそれらの間の任意の範囲を含んでもよい。好ましくは、乳化剤は、約0.1重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約1.0重量%、又は約0.2重量%~約0.6重量%の量で存在する。食用脂肪及び油に使用するのに好適な任意の抗酸化剤をポンプ輸送可能な脂肪システムに使用することができる。例えば、好適な抗酸化剤としては、ローズマリー抽出物、トコフェロールなど、又はこれらの混合物が挙げられ得るが、それらに限定されない。
【0037】
本明細書に記載されるポンプ輸送可能な脂肪システムは、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で、物理的特性(固体脂肪含有量、粘度、テクスチャなど、又はこれらの混合物を含むが、それらに限定されない)を有する。好適な温度は、約60°F(約15.6℃)、約61°F(約16.1℃)、約62°F(約16.7℃)、約63°F(約17.2℃)、約64°F(約17.8℃)、約65°F(約18.3℃)、約66°F(約18.9℃)、約67°F(約19.4℃)、約68°F(20℃)、約69°F(約20.6℃)、約70°F(約21.1℃)、約71°F(約21.7℃)、約72°F(約22.2℃)、約73°F(約22.8℃)、約74°F(約23.3℃)、約75°F(約23.9℃)、約76°F(約24.4℃)、約77°F(25℃)、約78°F(約25.6℃)、約79°F(約26.1℃)、約80°F(約26.7℃)、約81°F(約27.2℃)、約82°F(約87.8℃)、約83°F(約28.3℃)、約84°F(約28.9℃)、約85°F(約29.4℃)、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はそれらの間の任意の範囲を含んでもよい。典型的には、温度は、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)、約70°F(約21.1℃)~約85°F(約29.4℃)、又は約75°F(約23.9℃)~約85°F(約29.4℃)であってもよい。
【0038】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で、約1重量%~約20重量%のSFCを有し得る。例えば、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約1重量%~約20重量%、約5重量%~約18重量%、又は約7重量%~約16重量%のSFCを有し得る。約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度での好適なSFC値は、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0039】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で、最大約2,000,000cPの粘度を有し得る。粘度は、当業者に既知の方法に従って測定することができる。例えば、粘度は、ヘリパススピンドル(T-スピンドル:95及び速度:5rpm)を備えるブルックフィールドレオメータによって測定される。約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度での好適な粘度範囲は、約100,000cP~約2,000,000cP未満、約200,000cP~約1,500,000cP、約350,000cP~約750,000cP、約400,000cP~約700,000cP、又はこれらの値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はその間の任意の範囲を含み得る。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約100,000cP、約150,000cP、約200,000cP、約250,000cP、約300,000cP、約350,000cP、約400,000cP、約500,000cP、約550,000cP、約600,000cP、約650,000cP、約700,000cP、約750,000cP、約800,000cP、約850,000cP、約900,000cP、950,000cP、約1,000,000cP、約1,100,000cP、約1,200,000cP、約1,300,000cP、約1,400,000cP、約1,500,000cP、約1,600,000cP、約1,700,000cP、約1,800,000cP、約1,900,000cP、約2,000,000cP、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はその間の任意の範囲の粘度を有し得る。
【0040】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で、約500G力/cm以下のテクスチャを有し得る。約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度での好適なテクスチャ値は、0G力/cm~約500G力/cm未満、0G力/cm~約100G力/cm、0G力/cm~約125G力/cm、約90G力/cm~約325G力/cm、約100G力/cm~約300G力/cm、約180G力/cm~約425G、約200G力/cm~約400G力/cm、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はその間の任意の範囲であってもよい。本明細書で使用される場合、「テクスチャ」という用語は、ポンプ輸送可能な脂肪システムの柔らかさを指す。テクスチャは、5kgロードセル及び1/2インチ直径プローブを備えた安定マイクロシステム引張試験機機器(例えば、TAXT2 Plus Texture Analyser)によって測定することができる。
【0041】
本明細書に記載されるポンプ輸送可能な脂肪システムは、約3μm~約100μm、例えば、約20μm~約80μmの平均粒径を有する脂肪結晶を更に含んでもよい。結晶サイズは、X線回折(X-ray diffraction、XRD)によって測定することができる。好適な粒子サイズは、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、約80μm、約85μm、約90μm、約95μm、約100μm、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はその間の任意の範囲を含んでもよい。
【0042】
組成物及び食品
一態様において、本技術は、約0.1重量%~約100重量%の本明細書に記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを含む、組成物を提供する。組成物は、ポンプ輸送可能な脂肪システムと、1つ以上の追加の調整された脂肪システム(例えば、ショートニング、ラード、獣脂、ギー、マーガリン、バター、テーブルスプレッド、低脂肪又はダイエットテーブル製品など、又はこれらの2つ以上の混合物)とのブレンドであってもよい。1つ以上の追加の調整された脂肪システムは、組成物の総重量に基づいて、0重量%~約99重量%の量で、組成物中に存在してもよい。例えば、組成物は、約0重量%~約99重量%、約1重量%~約90重量%、約10重量%~約80重量%、約30重量%~約60重量%、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はその間の任意の範囲の量で、1つ以上の追加の調整された脂肪システムを含んでもよい。
【0043】
一態様において、本技術は、本明細書に記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを含む食品を提供する。食品は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを含む任意の好適な食品であり得る。例えば、食品は、揚げ物(例えば、ポテトチップ、フライドポテト、フライドチキン製品、天ぷら製品)、ベーカリー食品、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、ベーカリー菓子製品(例えば、ペストリー、ケーキ、クッキー、ドーナツなど)、砂糖菓子製品(例えば、キャンディ、チョコレートなど)、ビスケットフィリング、フロスティング、又はこれらの組み合わせが挙げられ得るが、それらに限定されない。食品は、パイ、ビスケット、パイ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ピザクラスト、クラッカー、パン、トルティーヤ、アメリカンビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品(例えば、乳製品に対する乳成分不使用又は低乳成分置換製品)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0044】
本技術は、本明細書に記載されるポンプ輸送可能な脂肪システムの使用を提供する。使用は、本明細書に記載される任意の食品などの食品中の油脂を部分的又は完全に置き換えることを含み得る。使用は、食品を形成するためであり得る。
【0045】
ポンプ輸送可能な脂肪システムを供給する方法
別の態様において、本技術は、本明細書に記載されるポンプ輸送可能な脂肪システムを供給する方法を提供する。本方法は、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器に充填することと、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを含む容器を輸送することと、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器から取り除くことと、を含み、
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の一定温度で維持される。
【0046】
本方法は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の一定温度に維持することを含み得る。好適な温度は、約60°F(約15.6℃)、約61°F(約16.1℃)、約62°F(約16.7℃)、約63°F(約17.2℃)、約64°F(約17.8℃)、約65°F(約18.3℃)、約66°F(約18.9℃)、約67°F(約19.4℃)、約68°F(20℃)、約69°F(約20.6℃)、約70°F(約21.1℃)、約71°F(約21.7℃)、約72°F(約22.2℃)、約73°F(約22.8℃)、約74°F(約23.3℃)、約75°F(約23.9℃)、約76°F(約24.4℃)、約77°F(25℃)、約78°F(約25.6℃)、約79°F(約26.1℃)、約80°F(約26.7℃)、約81°F(約27.2℃)、約82°F(約87.8℃)、約83°F(約28.3℃)、約84°F(約28.9℃)、約85°F(約29.4℃)、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はその間の任意の範囲を含んでもよい。典型的には、温度は、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)、約70°F(約21.1℃)~約85°F(約29.4℃)、又は約75°F(約23.9℃)~約85°F(約29.4℃)であってもよい。
【0047】
容器は、ペール、ドラム、トート、ピストンタンカーなど、又はこれらの組み合わせであってもよい。例えば、容器は、ペール、ドラム、トート、又はこれらの組み合わせであってもよい。概して、ペール、ドラム、及び/又はトートは、製品(例えば、本明細書に記載される食品)の商業的調製に使用するためのポンプ輸送可能な脂肪システムの体積を輸送するのに十分な容量を有し得る。好ましくは、容器は、約1ガロン(約3.8L)~約13ガロン(約49L)のペール、約55ガロン(約208L)のドラム、約275ガロン(約1041L)~約330ガロン(約1249L)のトート、約20,000Lのタンク若しくはタンカー(例えば、ピストンタンカー)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0048】
本発明の方法は、有利なことに、ポンプ輸送可能な脂肪システムを袋詰めされた箱に包装し、又は温度制御された部屋に貯蔵する必要性を排除する。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、ピストンタンカー(又はピストンタンク)内に充填されてもよい。本明細書で使用される場合、「ピストンタンカー」又は「ピストンタンク」という用語は、互換的に使用される。概して、本明細書に記載される「ピストンタンカー」という用語は、可動ピストンタンク容器(例えば、タンカートラック)を指し、「ピストンタンク」という用語は、固定ピストンタンクコンテナを指す。ピストンタンカー(又はピストンタンク)は、その長さにわたって延びる内部ピストンを有し、かつ高粘性バルク材料を輸送するための容器として使用される、タンカートラック(又は固定タンク)である。ピストンタンカー(又はピストンタンク)に粘性バルク材料を充填すると、タンカーが満たされるにつれてピストンが後方から前方に押される。粘性バルク材料の取り出しは、シリンダの長さを移動するピストンに空気圧を加えて、バルク材料を押し出すことによって達成される。ピストンタンカー(又はピストンタンク)は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度に維持するように装備され得る。ポンプ輸送可能な脂肪システムは、貯蔵の必要性なしに、使用のために顧客に直ちに輸送され、顧客の所望の用途(例えば、食品生産)への組み込みのために取り除かれ得る。
【0049】
本方法は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器内に貯蔵することを更に含むことができる。貯蔵は、約1時間~約2週間の期間にわたって生じることができる。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、約1時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約1.5週間、約2週間、約4週間、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はその間の任意の範囲の期間にわたって貯蔵されてもよい。概して、貯蔵は、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)、約70°F(約21.1℃)~約85°F(約29.4℃)、又は約75°F(約23.9℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で生じる。
【0050】
容器は、ポンプ輸送可能な脂肪システムが約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度で維持されるように、温度制御された環境(例えば、温度制御された部屋又は施設)で貯蔵されてもよい。容器は、使用前の輸送及び保管中に製品温度を維持するために、十分に断熱された温度制御容器などの温度制御容器であってもよい。例えば、温度制御容器は、その中の内容物を指定された温度内に維持するように装備された容器であり得る。本明細書に記載の方法に沿った温度制御容器は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度に維持するように装備された容器である。
【0051】
充填は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを供給源から温度制御導管を通して容器に移送することを含んでもよい。供給源は、ポンプ輸送可能な脂肪システム(すなわち、供給物)の任意の貯蔵所であってもよい。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、ポンプ輸送可能な脂肪システムを生産するための生産装置(例えば、ボテーションシステム)から、生産装置に接続された温度制御導管を通して容器内に分配されてもよい。「接続された」などの用語は、本明細書で使用される場合、2つの構成要素を互いに直接的又は間接的に接合することを意味する。そのような接合は、固定していてもよい(例えば、永久的又は製造装置とインライン)か、又は移動可能(例えば、取り除き可能又は解放可能)であってもよい。そのような接合は、2つの構成要素によって、又は2つの構成要素及び任意の追加の中間構成要素が互いに単一体として一体的に形成されることによって、又は2つの構成要素によって、又は2つの構成要素及び任意の追加の中間構成要素が互いに取り付けられることによって達成されてもよい。典型的には、生産装置は、ボテーションシステムであり得る。いずれの態様においても、充填は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器内に供給するための1つ以上のポンプを更に含んでもよい。例えば、1つ以上のポンプは、高圧ポンプ、ローブポンプ、ピストンポンプ、ギアポンプ、Moynoポンプ、オーガポンプなど、又はこれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。追加的又は代替的に、1つ以上のポンプは、生産装置(例えば、ボテーションシステム)の一部であってもよい。
【0052】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、充填前に、約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の範囲未満の温度を有し得る。このような場合、本方法は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを供給源から温度制御導管を通して移送する前に、ポンプ輸送可能な脂肪システムを約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の範囲の温度まで加熱することを更に含んでもよい。
【0053】
温度制御導管は、ポンプ輸送可能な脂肪システムを約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)の温度に維持するように装備された導管であってもよい。例えば、温度制御導管は水ジャケット付きパイプであってもよく、この場合、ポンプ輸送可能な脂肪システムの温度を約60°F(約15.6℃)~約85°F(約29.4℃)に維持するために加熱水が使用される。
【0054】
充填中、ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器内に移送する(例えば、ポンプ輸送する)ことができるように、温度制御導管を容器上の供給ポート(又は他の好適な入口)に接続してもよい。例えば、温度制御導管は、ピストンタンカー(又はピストンタンク)をポンプ輸送可能な脂肪システムで満たすために、ピストンタンカー(又はピストンタンク)上の供給ポートに接続され得る。温度制御導管は、容器に流体接続され得るか、又は容器と流体連通し得る。本明細書で使用される場合、「流体接続される」、「流体連通している」などの用語は、2つの構成要素又は物体が、例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システム、水、空気などの流体が、介在する構成要素又は物体とともに又は介在する構成要素又は物体なしで供給され得る、2つの構成要素又は物体間に形成された経路を有することを意味する。
【0055】
本方法は、ポンプ輸送可能な脂肪システムの残留量を再循環して供給源に戻すことを更に含むことができる。例えば、温度制御導管ラインに残っているポンプ輸送可能な脂肪システムの未使用量が移送されて(例えば、不活性ガスによるポンプ輸送又はパージを介して)供給源に戻されてもよい。
【0056】
ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器から取り除くために、任意の好適な手段を使用することができる。本明細書に記載されるように、本方法のポンプ輸送可能な脂肪システムは、有利なことに、調整されたショートニング(ポンプ輸送不可能な脂肪システムなど)を容器から消費者用途に取り除くための労働集約的プロセスを排除し、廃棄物処理を低減し、取り扱いを改善し、食品生産プロセスへの組み込みを改善する。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、ポンプを介して容器から取り除くことができる。粘性バルク材料をポンプ輸送するのに好適な任意のポンプを本方法で使用することができるが、好適なポンプは、ローブポンプ、ピストンポンプ、ギアポンプ、Moynoポンプ、オーガポンプなど、又はこれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0057】
ポンプ輸送可能な脂肪システムは、容器から取り除いて、食品生産システムなどの顧客用途に直接入れることができる。ポンプ輸送可能な脂肪システムは、容器から製品製造システムの受入格納器(例えば、供給タンク、ケトルなど)又は入口導管(例えば、パイプ)に取り除かれてもよい。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムを取り除くことは、充填システムを介して顧客の用途に移送することを含んでもよい。そのような充填システムは、ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器からポンプ輸送するための、本明細書に記載されるポンプを含んでもよい。充填システムは、温度制御導管(例えば、水ジャケット付きパイプ)、1つ以上の制御弁、1つ以上の流量計など、又はこれらの組み合わせを更に備えてもよい。充填システムは、容器と顧客の用途との間に位置されてもよく、好ましくは、容器は、本明細書に記載されるような受入格納器又は入口導管に近接してもよく、受入格納器又は入口導管は、充填システムに接続又は流体接続される。
【0058】
取り除くことは、ポンプ輸送可能な脂肪システムをピストンタンカー(又はピストンタンク)からポンプを介して温度制御導管に移送することであって、温度制御導管が、ピストンタンカー(又はピストンタンク)のポートに接続される、移送することと、温度制御導管を通して受入格納器又は入口導管に分配することであって、受入格納器又は入口導管が、製品製造システムの一部分である、分配することと、を含んでもよい。受入格納器は、本明細書に記載される食品を調製するためのケトルであってもよい。典型的には、ポンプ輸送可能な脂肪システムをピストンタンカーから移送することは、ピストンタンカー(又はピストンタンク)のピストンに十分な圧力(例えば、約3~約5psiの圧力)を加えることを含んでもよい。そのような圧力は、空気(又は不活性ガスなどの他のガス)圧力をピストンに加えることによってピストンに作用させることができ、それによって、ポンプ輸送可能な脂肪システムを、ポート(例えば、排出ポート)を通して、本明細書に記載されるような充填システムに押し出すことができる。次いで、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、(例えば、ローブポンプ、オーガポンプ、又はピストンポンプを介して)顧客用途にポンプ輸送され得る。
【0059】
取り除くことは、ポンプ輸送可能な脂肪システムを、本明細書に記載されるペール、ドラム、又はトートから、ポンプ輸送システムを介して充填システムに、又は製品製造システムの受入格納器若しくは入口導管に直接移送することを含み得る。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、ピストンポンプ又は他の好適なポンプを備えたペール、ドラム、又はトートアンローダ(tote unloader)を介して取り除かれてもよい。そのようなアンローダは、Gracoによって製造され、SaniForce(商標)(例えば、SaniForce(商標)ドラムアンローダ及びSaniForce(商標)ビン/トートアンローダ)の商品名で販売されている。
【0060】
本発明者らは、本明細書に記載されるポンプ輸送可能な脂肪システムが、供給プロセス中のポンプ輸送可能な脂肪システムの損失を驚くほど低減することを発見した。ここで、ポンプ輸送可能な脂肪システムは、製品の損失を最小にして容器内に充填し、容器から取り除くことができる。特定の理論に束縛されるものではないが、ポンプ輸送可能な脂肪システムの本明細書に記載の物理的特性(すなわち、粘度、テクスチャ、及びSFC)組み合わせは、供給プロセス中のポンプ輸送可能な脂肪の損失を低減するのに役立つと考えられる。典型的には、ポンプ輸送可能な脂肪システムの約80体積%超が、容器から取り除かれ得る。例えば、ポンプ輸送可能な脂肪システムの約80体積%超、約85体積%超、約90体積%超、約95体積%超、約99体積%超、約99.9体積%、又は前述の値のうちのいずれか2つを含み、かつ/又はその間の任意の範囲を容器から取り除くことができる。好ましくは、ポンプ輸送可能な脂肪システムの約90体積%~約99.9体積%が、容器から取り除かれ得る。
【0061】
このように一般的に説明された本発明は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるが、これらの実施例は例示のために提供され、本発明を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0062】
実施例1.ポンプ輸送可能な脂肪システム試料。表1は、本明細書に記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを提供する。試料1~3は、第1の脂肪成分(すなわち、パーム油、パームステアリン、水素化大豆油、及び/又はエステル交換パーム油)と第2の脂肪成分(すなわち、大豆油又はキャノーラ油)とのボテーションを介して調製されたポンプ輸送可能な脂肪システムである。試料1は、乳化剤(蒸留モノグリセリド)も含む。試料4は、食用固体脂肪(すなわち、エステル交換パーム油、パーム油、及びパームステアリン)の混合物を有するポンプ輸送可能な脂肪システムを提供する。表1に示すように、試料1~4は、10,000~50,000cP(試料2)又は500,000~1,000,000cP(試料1、3、及び4)の粘度を有するポンプ輸送可能な脂肪システムを提供する。追加的に、試料1~4の各々は、100~300G力/cmのテクスチャ及び4~12重量%のSFCを呈した。
【0063】
【0064】
例示的な態様
以下の例示的な態様が以下の段落で提供され、その付番は、重要度のレベルを指定するものと解釈されるべきではない。
段落A.ポンプ輸送可能な脂肪システムであって、
ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、少なくとも1.0重量パーセント(「重量%」)の固体脂肪含有量(「SFC」)を含む、約1.0重量%~100重量%の第1の脂肪成分と、
任意選択で、第2の脂肪成分と、を含み、
ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約60°F~約85°Fの温度で、以下の特性:
ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、約1.0重量%~約20重量%のSFCと、
最大約2,000,000cPの粘度と、
500G力/cm以下のテクスチャと、を有する、ポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0065】
段落B.約10重量%~100重量%の第1の脂肪成分を含む、段落Aに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0066】
段落C.約60重量%~約90重量%の第1の脂肪成分を含む、段落A又はBに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0067】
段落D.第1の脂肪成分が、天然脂肪、修飾脂肪、又はこれらの混合物を含む、段落A~Cのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0068】
段落E.修飾食用脂肪が、エステル交換脂肪、水素化脂肪、分別脂肪、又はこれらの混合物を含む、段落A~Dのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0069】
段落F.第2の脂肪成分を含み、第2の脂肪成分が、食用油である、段落A~Eのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0070】
段落G.ポンプ輸送可能な脂肪システムが、ポンプ輸送可能な脂肪システムの総重量に基づいて、0重量%~約90重量%の第2の脂肪成分を含む、段落A~Fのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0071】
段落H.ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約5重量%~約50重量%の第2の脂肪成分を含む、段落A~Gのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0072】
段落I.ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約10重量%~約35重量%の第2の脂肪成分を含む、段落A~Hのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0073】
段落J.第2の脂肪成分が、天然食用油、修飾食用油、又はこれらの混合物を含む、段落A~Iのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0074】
段落K.修飾食用油が、エステル交換食用油、水素化食用油、分別食用油、又はこれらの混合物を含む、段落Jに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0075】
段落L.ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約60°F~約85°Fの温度で、約5.0重量%~約20重量%のSFCを有する、段落A~Kのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0076】
段落M.ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約5.0重量%~約18重量%のSFCを有する、段落A~Lのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0077】
段落N.粘度が、約100,000cP~約2,000,000cP未満である、段落A~Mのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0078】
段落O.粘度が、約350,000cP~約750,000cPである、段落A~Nのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0079】
段落P.テクスチャが、0G力/cm~約500G力/cm未満である、段落A~Oのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0080】
段落Q.テクスチャが、0G力/cm~約125G力/cmである、段落A~Pのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0081】
段落R.テクスチャが、約90G力/cm~約325G力/cmである、段落A~Qのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0082】
段落S.テクスチャが、約180G力/cm~約425G力/cmである、段落A~Rのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0083】
段落T.ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約3μm~約100μmの結晶サイズを有する脂肪結晶を含む、段落A~Sのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0084】
段落U.ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約20μm~約80μmの結晶サイズを有する脂肪結晶を含む、段落A~Tのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システム。
【0085】
段落V.約0.1重量%~100重量%の段落A~Uのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを含む、組成物。
【0086】
段落W.段落A~Uのいずれか1つに記載のポンプ輸送可能な脂肪システムを供給する方法であって、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器に充填することと、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを含む容器を輸送することと、
ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器から取り除くことと、を含み、
ポンプ輸送可能な脂肪システムが、約60°F~約85°Fの温度で維持される、方法。
【0087】
段落X.温度が、約70°F~約85°Fである、段落Wに記載の方法。
【0088】
段落Y.温度が、約75°F~約85°Fである、段落W又はXに記載の方法。
【0089】
段落Z.容器が、ペール、ドラム、トート、ピストンタンカー、又はこれらの組み合わせを含む、段落W~Yのいずれか1つに記載の方法。
【0090】
段落AA.容器が、温度制御容器である、段落W~Zのいずれか1つに記載の方法。
【0091】
段落AB.充填することが、ポンプ輸送可能な脂肪システムを供給源から温度制御導管を通して容器に移送することを含む、段落W~AAのいずれか1つに記載の方法。
【0092】
段落AC.ポンプ輸送可能な脂肪システムを供給源に再循環して戻すことを更に含む、段落W~ABのいずれか1つに記載の方法。
【0093】
段落AD.ポンプ輸送可能な脂肪システムの残留量を再循環して供給源に戻すことを更に含む、段落W~ACのいずれか1つに記載の方法。
【0094】
段落AE.ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器内に貯蔵することを更に含む、段落W~ADのいずれか1つに記載の方法。
【0095】
段落AF.貯蔵が、約1時間~約4週間の期間にわたって生じる、段落W~AEのいずれか1つに記載の方法。
【0096】
段落AG.貯蔵が、約60°F~約85°Fの温度で生じる、段落W~AFのいずれか1つに記載の方法。
【0097】
段落AH.ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器から取り除くことが、ポンプを用いて行われる、段落W~AGのいずれか1つに記載の方法。
【0098】
段落AI.ポンプが、ローブポンプ、ピストンポンプ、ギアポンプ、Moynoポンプ、オーガポンプ、又はこれらの組み合わせである、段落W~AHのいずれか1つに記載の方法。
【0099】
段落AJ.ポンプ輸送可能な脂肪システムの約80体積%超が、容器から取り除かれる、段落W~AIのいずれか1つに記載の方法。
【0100】
段落AK.ポンプ輸送可能な脂肪システムの約90体積%超が、容器から取り除かれる、段落W~AJのいずれか1つに記載の方法。
【0101】
段落AL.ポンプ輸送可能な脂肪システムの約99.9体積%が、容器から取り除かれる、段落W~AKのいずれか1つに記載の方法。
【0102】
段落AM.取り除くことが、ポンプ輸送可能な脂肪システムを容器から製品製造システムに取り出すことを含む、段落W~ALのいずれか1つに記載の方法。
【0103】
段落AN.製品製造システムが、食品生産システムである、段落W~AMのいずれか1つに記載の方法。
【0104】
上記の非限定的な態様の各々は、単独で成立することができ、又は本明細書に記載される他の態様若しくは他の主題のうちの1つ以上との様々な順列若しくは組み合わせで組み合わせることができる。本発明を特定の態様で例示及び説明してきたが、当業者は、前述の明細書を読んだ後に、本明細書に記載される本技術に対する変更、均等物の置換、及び他のタイプの改変を行うことができる。上記の各態様はまた、他の態様のいずれか又は全てに関して開示されたような変形若しくは態様を含むか、又は組み込むことができる。
【0105】
本技術はまた、単一の例示として意図される、本明細書に説明される特定の態様に関して限定されるべきではない。前述の説明から当業者に明らかであるように、本技術の多くの修正及び変形が、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行われることができる。そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図される。本技術は、特定の方法、試薬、化合物、又は組成物に限定されず、これらは、当然のことながら変動し得ることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。したがって、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その中の定義、及びその任意の均等物によってのみ示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨を有する例示的なものとしてのみ考慮されることが意図される。
【0106】
本明細書に例示的に説明される態様は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素(単数又は複数)、限定(単数又は複数)の不在下で好適に実施され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡張的に、かつ限定なしに読まれるものとする。追加的に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において、示され、記載される特徴又はその部分の任意の均等物を排除する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。追加的に、「本質的に~からなる」という句は、具体的に列挙された要素、及び特許請求される技術の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解される。「からなる」という句は、指定されていないあらゆる要素を除外する。
【0107】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して説明される場合、当業者は、本開示が、それによって、マーカッシュ群の任意の個々の要素又は要素の下位群に関しても説明されることを認識するであろう。一般的な開示に含まれる狭義の種及び亜属の分類の各々もまた、本発明の一部分を形成する。これは、除外される内容が具体的であるか否かにかかわらず、属から任意の主題を除去する但し書き又は否定的な限定を伴う本発明の一般的記述を含む。
【国際調査報告】