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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】薬物送達用シリコン粒子
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/02 20060101AFI20240409BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/155 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 38/13 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/63 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/165 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/4166 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/366 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/138 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/549 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/554 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/7052 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/436 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/43 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61K47/02
A61K45/00
A61K9/107
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/40
A61K31/40
A61K31/155
A61K31/4178
A61K31/343
A61K31/7048
A61K38/13
A61K31/63
A61K31/522
A61K31/165
A61K31/573
A61K31/4166
A61K31/366
A61K31/41
A61K31/4184
A61K38/05
A61K31/138
A61K31/549
A61K31/554
A61K31/7052
A61K31/436
A61K31/43
A61P35/00
A61P37/02
A61P31/04
A61P31/10
A61P31/12
A61P25/00
A61P25/04
A61P3/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565218
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2022060773
(87)【国際公開番号】W WO2022223822
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】2105833.4
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】523399348
【氏名又は名称】ナケイムド エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フィルトフェット、ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】クラヴネス、ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ヨンセン、ヘニー マリー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB16
4C076CC01
4C076CC07
4C076CC27
4C076CC32
4C076CC35
4C076DD29
4C076EE39
4C084AA03
4C084AA17
4C084BA24
4C084BA44
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA52
4C084MA66
4C084NA13
4C084ZA08
4C084ZB07
4C084ZB26
4C084ZB33
4C084ZB35
4C084ZC01
4C084ZC35
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA05
4C086BA17
4C086BC05
4C086BC36
4C086BC38
4C086BC62
4C086BC89
4C086BC92
4C086CB07
4C086CB22
4C086CC04
4C086DA10
4C086EA12
4C086EA13
4C086EA15
4C086GA07
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA13
4C086ZA08
4C086ZB07
4C086ZB26
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZC01
4C086ZC35
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA23
4C206GA01
4C206GA28
4C206HA31
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA72
4C206MA86
4C206NA13
4C206ZA08
4C206ZB07
4C206ZB26
4C206ZB33
4C206ZB35
4C206ZC01
4C206ZC35
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1種の原薬を含むシリコン粒子を調製するためのプロセスであって、プロセスは、
a)化学蒸着(CVD)によってシリコン粒子を調製するステップと、
b)ステップa)で調製された当該シリコン粒子に少なくとも1種の原薬を充填するステップと、を含む、プロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の原薬を含むシリコン粒子を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
a)化学蒸着(CVD)によってシリコン粒子を調製するステップと、
b)ステップa)で調製された前記シリコン粒子に少なくとも1種の原薬を充填するステップと、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記シリコン粒子が遠心分離化学蒸着シリコン粒子(cCVD-SP)であり、ステップa)における前記CVDが、反応器本体と、前記反応器に動作可能に配置された回転装置とを備える反応器内で行われ、前記回転装置が、製造中に前記反応器を軸の周りに回転させるように構成されている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
ステップa)が前記粒子を粉砕することを含まない、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記粒子がエッチングされていない粒子である、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
ステップb)が、ステップa)で調製された前記シリコン粒子を少なくとも1種の原薬と混合することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記シリコン粒子が、シリコンの総重量に対して少なくとも50重量%の結晶性シリコンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記シリコン粒子が、シリコンの総重量に対して少なくとも50重量%の非晶質シリコンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記シリコン粒子が、シリコンの総重量に対して少なくとも50重量%の元素シリコンを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記少なくとも1種の原薬がシクロデキストリン複合体の形態である、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記少なくとも1種の原薬が、抗癌薬、免疫系に対して効果を有する薬物、抗真菌薬、抗生物質、抗ウイルス薬、CNS関連疾患の治療用薬物、抗糖尿病薬、疼痛の治療用薬物及びステロイド系薬物からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記少なくとも1種の原薬が、アトルバスタチン、シムバスタチン、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、エナラプリル、アテノロール、プロプラノロール、ヒドロクロロチアジド、シクロスポリン、アンホテリシンB、ジルチアゼム、フェノキシメチルペニシリン、アジスロマイシン、ラパマイシン、グリセオフルビン、クロランフェニコール、エリスロマイシン、アシクロビル、ナイスタチン、フェニトイン、フェノバルビタール、アンピシリン、セレコキシブ、プレドニソロン及びメトホルミンからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセスに従って調製された少なくとも1種の原薬を含むシリコン粒子。
【請求項13】
請求項12に定義されるシリコン粒子と、1種以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤と、を含む医薬組成物。
【請求項14】
経口投与用に製剤化されている、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
錠剤、カプセル剤又は懸濁剤の形態である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
皮下投与用に製剤化されている、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項17】
非経口投与用に製剤化されている、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項18】
治療に使用するための、請求項12に記載のシリコン粒子又は請求項13~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
薬物送達に使用するための、請求項12に記載のシリコン粒子又は請求項13~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の原薬を含有するシリコン粒子の製造プロセスに関する。特に、本発明は、シリコン粒子が化学蒸着ステップを含むプロセスによって調製されるプロセスに関する。本発明は更に、当該プロセスによって製造された粒子、前記粒子を含む医薬組成物並びに治療、特に薬物送達における当該粒子及び組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
薬局で販売されるか、又は患者によって使用される薬物は、一般に、規制及び科学用語で薬物製品と呼ばれる。薬物製品は、2群の成分を含む。原薬及び薬剤添加物又は賦形剤。原薬は生物学的/薬理学的に活性な成分であり、一方、薬物添加剤又は賦形剤は、原薬の安全、効率的及び/又は使いやすさを確保するために薬物製品中に存在するそれ自体不活性な成分である。例えば、抗生物質原薬は、固体材料として血流に注入することができず、したがって、典型的には、薬物添加剤又は賦形剤として水に溶解され、注射用薬物製品として調製される。薬物製品の有効性及び安全性は常に、原薬の性質及び賦形剤の性質の両方に依存する。この技術分野は、多くの場合、薬物製剤又はガレヌス製剤と呼ばれる。
【0003】
薬物製品は、1種以上の原薬を含むことができる。このような原薬(複数可)は、遊離原薬、薬学的に許容される塩、結晶性若しくは非晶質材料の形態であってもよく、又は1つ以上の複合化合物中にカプセル化されていてもよい。所与の物質について、様々な薬学的に許容される塩を、異なる比率で異なる酸又は塩基を使用して調製することができ、水溶解度、溶解速度及び安定性などの様々な化学特性を有する異なる塩が得られる。しかしながら、所与の物質の異なる塩についての治療指標は同一である。同じことが、所与の原薬についてのすべての可能な結晶形態、非晶質材料及び封入複合体にも当てはまる。異なる投与経路に合わせることができるように、1つの原薬が異なる薬物製品中に異なる形態で存在することは珍しいことではない。
【0004】
薬物製剤の分野は、すべての投与経路について、複雑な科学分野である。経口投与経路については、例えば、冠動脈疾患を有する患者におけるアンギナを治療するためのニトログリセリンを含む舌下錠のように、原薬が非常に速く放出されることが重要な場合がある。舌下錠を使用する利点には、初回通過代謝の減少及び原薬の迅速な作用が含まれる。典型的にはトローチ剤の形態で、口の中で原薬を放出する経口製品は、例えば、口又は咽喉における感染症及び/又は疼痛の治療に有用である。古典的なカプセル及び錠剤は、腸内で原薬を放出し、続いて小腸から、場合によっては部分的に腸から原薬が吸収される。このタイプの医薬製剤に関連する主な問題としては、低pH及び/又は胃酵素による腸内での原薬の不安定性、原薬によって引き起こされる腸壁の局所毒性若しくは刺激、又は原薬の非常に低い水溶性/低い溶解速度が挙げられる。最初の2つの局面は、腸溶コーティングの存在によって改善され得、原薬が胃ではなく腸で溶解することを確実にする。低い水溶解度/低い溶解速度の話題は、一般に、いくつかの古い及び多数の新しい可能性のある原薬にとっての課題である。この結果は、低い経口生物学的利用能であり、興味深い臨床プロファイルが放棄された状態で多くの薬物候補の開発がもたらされている。
【0005】
経口投与及び代替経路(例えば、非経口投与)の両方について、種々の賦形剤及びこのような賦形剤の混合物を使用するいくつかの選択肢が、良好な使用者利便性を有する安全かつ有効な薬物製品を確保するために示唆されている。現在、市販の医薬品に使用されている様々な品質の賦形剤を含む非常に多くの賦形剤がある。しかしながら、多くの原薬について、臨床的に有用な製剤は今日まで開発されていない。
【0006】
医薬品において使用することができる1つの賦形剤は、シリカ(二酸化シリコン)である。疎水性二酸化シリコンの形態では、この化合物は、固化防止剤、乳化安定剤、流動促進剤、懸濁化剤及び粘度増加剤を含むいくつかの機能を有する。無水二酸化シリコンの形態では、この化合物は吸着剤、固化防止剤、乾燥剤、エマルジョン安定剤、流動促進剤、懸濁化剤、錠剤及びカプセル崩壊剤又は増粘剤として作用し得る。水和二酸化シリコンの形態では、この化合物は、吸着剤、抗付着剤、固化防止剤、乾燥剤、直接圧縮賦形剤、香味増強剤、ゲル化剤、流動促進剤、可塑剤、可溶化剤、懸濁化剤、錠剤及びカプセル崩壊剤並びに矯味剤を含むいくつかの機能を有する。
【0007】
シリコン含有粒子も、潜在的な薬物送達賦形剤として調査されてきた。典型的には、これらの粒子は二酸化シリコン粒子であるが、いくつかの研究は、シリコンが酸化数0を有する純粋なシリコンの形態(すなわちシリコン0粒子)であり、したがって酸化シリコンの形態ではないシリコン粒子に焦点を当てている。しかしながら、そのような粒子は、シリコン0表面の自然酸化に起因するいくらかの酸化シリコンを含む可能性がある。粒子は、典型的には、半導体などの電子産業用に製造されたシリコン材料のボール粉砕によって調製される。これらのシリコン粒子の大部分は、例えばフッ化水素酸(HF)を使用することなど、粉砕の前又は後に粒子をエッチングすることによって生成される多孔質粒子である。
【0008】
シリコン0材料は、シリコン含有ガス、例えばシラン(SiH4)がシリコン0固体材料に熱分解される、いわゆる化学気相堆積(CVD)プロセスによって調製することもできる。1つの選択肢は、この固体材料を小さいサイズの粒子に粉砕することである。遠心化学蒸着によって製造されたシリコン0粒子は、例えば、国際公開第2013/048258号及びLumenet alによりEur.J.Pharm.及びBiopharm.158(2021)254-265で説明されている。Lumenet alは、治療薬を用いないシリコン粒子の静脈内投与に関する研究に関する。この知見は、cCVD製造方法が、従来の粉砕方法に匹敵する物理的及び生物学的品質を有するナノ粒子を提供することを実証したが、CVD粒子は、非CVD粒子よりも毒性であることが見出された。
【0009】
本発明者らは、国際公開第2013/048258号に記載されているような直接CVDプロセスによって製造されたシリコン粒子が、その後の粉砕プロセスなしで、薬物送達における使用に魅力的であることを予想外に見出した。医薬分野における最先端技術と比較して、薬物送達においてこのような粒子を使用することの潜在的な利点は、以下:高い薬物充填、改善された薬物放出プロファイル、改善された安定性及び/又は良好な安全性プロファイルを含む。
【0010】
CVDシリコン粒子の成長中に、ガス種と他の核の両方が除去される。これらの他の核は、ナノスフェアに成長しており、このナノスフェアは、捕捉の際にいくらかの内部秩序を保存する。成長が>650℃の高温で行われる場合、粒子は結晶性になる。成長がより低い温度で行われる場合、粒子は非晶質になる。非晶質粒子は成長後に結晶化されてもよいが、粒子を後結晶化するためには更に高い温度が必要とされる。正確な製造後結晶化温度は、成長条件及び成長した粒子のサイズに依存する。しかし、すべての純粋なシリコン粒子は、770℃を超えると結晶化する。
【0011】
すべての粒子は、純度99,999999%のSiH4純度のエレクトロニクスグレードのシランガスを分解することから生成されるので、生成された材料は純粋なシリコンである。すべての除去及び成長は、Si及びH原子のみが存在する環境で行われるので、ドメイン間の内部境界線は純粋である。これは、ドメインが非晶質又は結晶質である場合の両方に当てはまる。例えば透過電子顕微鏡による調査によって、これらのドメインを見ることが可能である。試料が結晶質である場合、成長した結晶質又は成長後に結晶化した結晶質のいずれかである場合、ドメインは特に透明である。純度、内部酸化の欠如、及び一次粒子の球状形状はすべて、CVDによって成長させた粒子の固有の特性である。c-CVDと他のCVD粒子との間の主な違いは、特に非晶質構造と組み合わせた、より狭いサイズ分布である。例えばレーザ又はプラズマトーチ成長ゾーンによる高エネルギー供給及び短い成長時間の使用によって、狭いサイズ分布を達成することが可能である。しかしながら、このようにして成長制御を行うことによって、実質的により大きな結晶の結晶構造が常に得られる。
【0012】
CVD粒子と粉砕された粒子との主な違いは、一次粒子の球状の性質及びCVD粒子の鋭い縁の欠如である。CVD粒子は、プロセスでガスから成長するが、明確にするために、ヘイルの成長とみなすことができる。ヘイルの球状の性質は、同じ一次成長機構、ガスの捕捉、及び最終的に完全なヘイル球を形成するより小さい固体ドメインの結果である。粉砕されたシリコン粒子は、明確にするために、角氷を粉砕することに相当するものとして見ることができる。CVD粒子及び粉砕粒子の両方は結晶性ドメインを含み得るが、CVD粒子については、これらのドメインはすべて小さく、狭いサイズ分布であり、粒子は球状であり、内部表面は酸化されておらず、汚染されていない。破砕された粒子については、内部結晶性ドメインが存在し得るが、サイズ及び分布は変動する。破砕された粒子は、より大きな粒子を破壊することによって形成され、したがって、本質的に常に鋭い縁を有する。内部表面が仮に存在する場合には、Si及びH以外の原子を見ることになり、したがって、直接電子グレードSi粒子よりも常に汚染されていることになる。粉砕はまた、実質的な内部酸化なしに行うことが困難である。CVD粒子と破砕粒子とを区別する最も簡単な分析方法は、走査型電子顕微鏡法又は透過型電子顕微鏡法である。あるいは、完全な非晶質構造を同定するためのX線回折による。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2013/048258号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Lumenet alによりEur.J.Pharm.及びBiopharm.158(2021)254-265
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
分析を支援するために、誘導結合プラズマ質量分析(ICPMS)による純度測定を実行して、粒子の純度を検証することが可能である。球状の、純粋な、酸化されていない非晶質又はナノ結晶粒子は、CVDによって製造される必要があり、破砕によって達成することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[発明の要旨]
第1の態様において、本発明は、少なくとも1種の原薬を含むシリコン粒子を調製するためのプロセスであって、当該プロセスは、
a)化学蒸着(CVD)によってシリコン粒子を調製するステップと、
b)ステップa)で調製されたシリコン粒子に少なくとも1種の原薬を充填するステップと、を含む、プロセスを提供する。
【0017】
更なる態様において、本発明は、上記で定義したプロセスに従って調製された少なくとも1種の原薬を含むシリコン粒子を提供する。
【0018】
別の態様では、本発明は本明細書で先に定義したシリコン粒子と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0019】
更なる態様において、本発明は、治療における使用のための、上記で定義されたシリコン粒子又は上記で定義された医薬組成物を提供する。
【0020】
更に別の態様では、本発明は、薬物送達に使用するための、上記で定義したシリコン粒子又は上記で定義した医薬組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】cCVDによって製造された平均直径300nmのシリコン粒子である。
図2】一次粒径(メジアン平均直径)が約30nmであるシリコン物品である。これらの粒子の動的光散乱(DLS)サイズは約150nmであり、BET分析は約40nmの平均粒子サイズを与える。
図3】非晶質凝集cCVD Si粒子のSEM画像であるである。
図4】実施例47についてのラパマイシン放出対時間である。
図5】実施例48についてのラパマイシン放出対時間である。
図6】実施例49についてのラパマイシン放出対時間である。
図7】実施例50及び51についてのラパマイシン放出対時間である。
図8】実施例52において、ラパマイシンの同定のためのHPLC分析/クロマトグラムであり、分解ピークがない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[定義]
本明細書で使用される「原薬」という用語は、そのプロドラッグを含む任意の生物学的及び/又は薬理学的に活性な化合物を指す。任意の立体異性体、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、本用語に含まれる。原薬という用語は、規制認可を受けた任意の原薬、現在開発中の原薬、及び市販されている原薬を含む。
【0023】
「薬物製品」という用語は、少なくとも1種の原薬及び少なくとも1つの賦形剤を含む組成物(すなわち、医薬組成物)を指す。
【0024】
「規制認可された」という用語は、少なくとも1つの国において販売のために規制認可されている、又は規制認可されてきた薬物製品を指す。
【0025】
「規制開発中」という用語は、規制認可されることを目的として開発中であることが知られている薬物製品を指す。
【0026】
「医薬組成物」という用語は、「薬物製品」を含み、少なくとも1種の原薬及び少なくとも1つの賦形剤を含む組成物を指す。
【0027】
「薬学的に許容される」という用語は、薬物製品において使用することが許容される化合物及びその混合物を指す。規制当局に認可された薬物製品において使用されるすべての賦形剤は、薬学的に許容される。
【0028】
「賦形剤」という用語は、医薬品において使用するための化合物を指し、当該賦形剤それ自体は、医薬品が意図又は規制当局の承認に従って使用される場合に存在する量において生物学的に活性ではない。
【0029】
「複合体」という用語は、単純な塩における共有結合及び古典的なイオン結合以外の追加の結合によって互いに結合している少なくとも2つの異なる分子を含む化合物を指す。1つの典型的な例は、シクロデキストリン複合体である。
【0030】
「シクロデキストリン」という用語は、α-1,4グリコシド結合によって結合されたグルコースサブユニットの大環状環からなる環状オリゴ糖の化合物を指す。α(アルファ)-シクロデキストリンは6個のグルコースサブユニットを含み、β(ベータ)-シクロデキストリンは7個のグルコースサブユニットを含み、γ(ガンマ)-シクロデキストリンは8個のグルコースサブユニットを含む。非置換シクロデキストリン(アルファ、ベータ及びガンマ)化合物は、酵素プロセスによってデンプンから製造される。置換シクロデキストリン誘導体は、半合成プロセスにより製造される。
【0031】
「シリコン0含有粒子」という用語は、シリコンの少なくとも50%が酸化レベル0であり、シリカのように4ではない粒子を指す。
【0032】
「低分子量化合物」という用語は、3000ダルトン未満の分子量を有する化合物を指す。
【0033】
「生物学的原薬」という用語は、生きている生物によって産生される原薬を指す。この用語は、植物によって天然に産生される物質を含まない。この用語は、例えばモノクローナル抗体の薬物/毒素結合体のような半合成原薬を含む。この用語は規制用語である。
【0034】
「食品添加物」という用語は、任意の市場における食品を指す。
【0035】
「本発明のシリコン粒子」は、少なくとも1種の原薬を含むシリコン粒子であると理解される。
【0036】
cCVD-SPという用語は、「遠心分離化学蒸着シリコン粒子」を示すために使用され、遠心分離法で調製されたシリコン粒子を指す。特に、この用語は、反応器内でCVD法によって調製されたシリコン粒子を指し、反応器は、反応器本体と、反応器に動作可能に配置された回転装置とを備え、回転装置は、当該シリコン含有粒子の生成中に反応器を軸の周りに回転させるように構成されている。
【0037】
PcCVD-SPという用語は、「多孔質遠心分離化学蒸着シリコン粒子」を示すために使用され、遠心分離法によって調製され、その後、粒子の気孔率を調製するためのエッチングなどのプロセスが続くシリコン粒子を指す。
【0038】
[発明を実施するための形態]
本発明は、少なくとも1種の原薬を含むシリコン粒子を調製するためのプロセスであって、当該プロセスは、
a)化学蒸着(CVD)によってシリコン粒子を調製するステップと、
b)ステップa)で調製されたシリコン粒子に少なくとも1種の原薬を充填するステップと、を含む、プロセスを提供する。
【0039】
[ステップa)-化学蒸着(CVD)]
CVDプロセスは、ガスが様々な条件下で固体材料、典型的には膜に変換されるプロセスである。本発明のプロセスのステップa)は、好ましくは、シラン又はトリクロロシランなどのシリコン含有反応ガスからCVDによってシリコン粒子を調製することを含む。
【0040】
本発明の好ましい実施形態において、ステップa)におけるCVDプロセスは、粉砕ステップb)を含まない。
【0041】
特に、ステップa)のCVDプロセスは、好ましくは反応器内で行われ、反応器は、反応器本体と、反応器に動作可能に配置された回転装置とを備え、回転装置は、当該シリコン含有粒子の生成中に軸の周りで反応器を回転させるように構成されている。以下、このシリコン含有粒子をcCVD-SP(遠心化学蒸着シリコン粒子)と称する。
【0042】
本発明の更に好ましい態様では、ステップa)のCVDプロセスは反応器内で行われ、反応器は、反応器本体と、反応器に動作可能に配置された回転装置とを備え、回転装置は、当該シリコン含有粒子の生成中に反応器を軸の周りに回転させるように構成されている。以下、このシリコン含有粒子をcCVD-SPと称し、任意選択で、粒子の気孔率を調製するためのエッチングプロセスが続く。このような粒子は、ここではPcCVD-SP(Porous centrifuge Chemical Vapor Deposition Silicon Particles)と呼ばれる。
【0043】
本発明の1つの好ましい態様は、多孔質非エッチングcCVD-SPに関する。このような粒子は、典型的には、より小さな粒子の安定な凝集体を形成することによって形成される。
【0044】
本発明の別の好ましい態様は、非多孔質エッチングされていないcCVD-SP粒子に関する。
【0045】
本発明の更に別の好ましい態様は、多孔質非晶質非エッチングcCVD-SP粒子に関する。
【0046】
本発明の更に別の好ましい態様は、非多孔質非晶質非エッチングcCVD-SP粒子に関する。
【0047】
cCVD-SPからPcCVD-SPを製造するためのエッチングプロセスは、例えば、フッ化水素酸ベースの方法といった文献に記載されているシリコン粒子の他の周知のエッチングプロセスと同様である。粒子表面は、所望の特性を示すように改質されてもよく、こうした改質としては化学的又は熱的酸化又はコーティングが挙げられる。
【0048】
ステップa)におけるシリコン粒子の調製のための特に好ましい方法は、国際公開第2013048258号及び国際公開第2018052318号に開示され、以下に簡単に説明される。
【0049】
この好ましいプロセスにおいて、ステップa)は、反応器に動作可能に配置された回転装置の助けを借りて軸の周りを回転することができる反応器本体と、反応器本体を取り囲む少なくとも1つの側壁と、反応ガスのための少なくとも1つの入口と、残留ガスのための少なくとも1つの出口と、反応器に動作可能に配置された少なくとも1つの加熱装置とを含む反応器内で行われ、CVDによるシリコン粒子の製造のための動作中に、反応器は、少なくとも1つの側壁の内側に粒子の層を含むことを特徴とする。
【0050】
したがって、ステップa)のプロセスは、好ましくは、
-反応器内でシリコン含有反応ガスから粒子層を生成すること、又は反応器の内壁表面上に内側粒子層を形成するために粒子を導入することと、
-化学蒸着のために反応ガスを導入することと、
-反応器チャンバ内の粒子を核形成することと、によって、特徴づけられる。
【0051】
形成された粒子は前駆体ガスを捕捉し、粒子の重量が温度がより低く、かつ更なる成長が抑制される壁へと粒子を移動させるまで成長する。次いで、粒子は、ガス流中で壁から除去され、フィルタで収集される。次いで、ガス圧力パルスをフィルタを通して逆方向に送ることによって、粒子がフィルタから除去される。粒子は、更なる処理のために不活性状態で収集される。
【0052】
用途に応じて、粒子を不活性にコーティングする、又は空気に曝露して粒子上に薄い自然酸化物層を形成することができる。更なる処理は、用途に応じて後続のコーティングを伴う又は伴わないHF中での粒子のエッチングを含んでもよい。しかしながら、好ましくは、粒子はエッチングプロセスを受けない。
【0053】
電子グレードシリコンウェハの粉砕から形成される粒子において、材料の平均結晶サイズは、粒子サイズよりも何桁も大きい。CVD形成粒子の場合、平均結晶サイズは調整可能である。各粒子内に1つ又は数個の微結晶を有すること、各粒子内に多数のナノ微結晶を有すること、又は完全に無秩序な非晶質構造を有することが可能である。これはプロセスによって調整可能であり、したがって、特定の用途のために特定の結晶化度又は平均微結晶サイズを選択することも、更なる処理に従って選択することも可能である。例えば、エッチング速度は、微結晶サイズ及び配向、並びに各結晶内の欠陥分布及び頻度に依存する。
【0054】
粒子分解時間は、ある程度表面に到達する結晶界面の数、言い換えれば、酸化が材料に沿って下方に伝播し得る酸化チャネルの数、並びに個々の結晶がどれだけ不完全であるかに依存する。欠陥及び界面が多いほど、個々のシリコン原子に到達すること及びそれらを酸化することの両方が容易になる。これらは、CVDで製造された材料において調整可能な特性であるので、これらの特性が与えられる粉砕された大きな結晶材料とは全く異なる方法で、任意の特定の用途に材料を調整することが可能である。特に、急速な生分解が望ましい用途では、CVD粒子は、古典的な破砕結晶シリコンよりも実質的な利点を有する。
【0055】
[ステップb)-充填]
ステップa)で製造されたシリコン粒子は、その後、ステップb)において少なくとも1種の原薬で充填される。この充填ステップb)は、当技術分野で公知の任意の適切な方法によって行うことができる。しかしながら、典型的には、ステップb)は、ステップa)で得られたシリコン粒子を溶媒中で少なくとも1種の原薬と混合することを含む。
【0056】
溶媒は、理想的にはシリコン粒子が分散され、原薬が少なくとも部分的に可溶するものである。典型的には、溶媒は水性溶媒(すなわち、水を含む、好ましくは水からなる)である。
【0057】
混合ステップは、周囲温度(例えば20~30℃)又は高温(例えば40~80℃、例えば50~70℃)で行われてもよい。典型的には、混合はソニケータ内で行われるが、当技術分野で公知の任意の適切な方法によって行われてもよい。
【0058】
少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SP及びPcCVD-SPは、典型的には、蒸発、凍結乾燥、流体床、噴霧乾燥又は当技術分野で周知の任意の他の方法によって乾燥生成物として単離される。少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SP及びPcCVD-SPが非乾燥材料としての使用を意図される場合、上記の乾燥ステップは任意選択である。
【0059】
[シリコン]
本発明のシリコン粒子(好ましくはcCVD-SP及び/又はPcCVD-SP)中のシリコンは、シリコンの総重量に対して元素シリコン(酸化数0のシリコン)として少なくとも50重量%で存在する。シリコン粒子中のシリコンのより好ましい形態は、シリコンの総重量に対して、元素シリコンとして少なくとも70重量%、更により好ましくは元素シリコンとして少なくとも80重量%である。粒子中のシリコンの形態に関する別の好ましい態様は、元素シリコン及び二酸化シリコンの量が、シリコンの総重量に対して80%超、より好ましくは90%超、最も好ましくは95%超であることである。
【0060】
CVDプロセスにおいて本粒子の調製に使用されるシラン及び他のシリコン含有ガスは、非常に有毒である。薬物中の成分として、シリコン含有ガスの量が本粒子中で非常に低いことが非常に重要である。したがって、本発明の粒子中のシリコンの形態に関する更に別の好ましい態様は、粒子中のシリコン含有ガスの量が粒子中のシリコンの総重量の10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満であることである。
【0061】
本発明の粒子中の元素シリコンは、非晶質又は結晶形態であってもよい。CVDプロセスによって生成される粒子中の元素シリコンは、主に周囲温度では非晶質元素シリコンの形態であるが、結晶シリコンを含む粒子は、高温(例えば、630℃以上)及びより長い反応時間でCVDによって直接調製することができる。CVD法から調製された結晶シリコンを含む粒子は、典型的には多結晶材料(結晶サイズ約1.5nm)の形態であり、一方、粉砕された結晶粒子は、典型的にはシリコンの1つの結晶からなる。
【0062】
シリコンの非晶質形態に対するシリコンの結晶形態は、X線回折分析(XRD分析)によって日常的に決定することができる。非晶質形態のシリコンは、比較的高い温度(例えば、650℃超)に加熱することによって結晶形態のシリコンに変換することができる。
【0063】
特定の実施形態では、元素シリコンは、元素シリコンの総重量に対して結晶形態で存在し、いくつかの実施形態では、典型的には60重量%超が結晶形態で存在し、いくつかの実施形態では80重量%超が結晶形態で存在し、最後にいくつかの実施形態では90重量%超が結晶形態で存在する。
【0064】
他の実施形態では、シリコン粒子は、元素シリコンの総重量に対して非晶質形態の元素シリコンを含み、いくつかの実施形態では80重量%超、いくつかの実施形態では90重量%超、いくつかの実施形態では95重量%超を含む、最終的に、いくつかの実施形態では99重量%超を非晶質形態で含む。
【0065】
本発明のこの態様の1つの好ましい実施形態は、シリコン粒子がcCVD-SP又はPcCVD-SPであるものである。
【0066】
本発明のこの態様の最も好ましい実施形態の1つは、シリコン粒子が、上で定義された重量%範囲などの非晶質形態のシリコンを含むcCVD-SPである場合である。
【0067】
本発明のこの態様の別の最も好ましい実施形態は、シリコン粒子が、エッチングプロセスによって生成されないcCVD-SPである場合である。特に、フッ化水素(HF)エッチングプロセスによるものではない、すなわち、シリコン粒子はエッチングされない。
【0068】
本発明のこの態様の最も好ましい実施形態の最終的な形態は、シリコン粒子が、上で定義した重量%範囲などの非晶質シリコンを含み、エッチングされていないものである。
【0069】
[粒径]
本発明のプロセスは、「テーラーメイド」の粒径を有するシリコン粒子を調製することを可能にする。本発明のシリコン粒子の典型的なメジアン径平均粒径は、例えばZetasizerのような機器を使用する動的光散乱法(DLS)の技術を使用して、500nm未満、例えば30~300nmであり得る。所与の粒径は、1種以上の原薬並びに任意選択で賦形剤及びコーティングが充填された最終シリコン粒子に関連する。粒子は、部分的に結合を介して、かつ部分的に緩く一緒にクラスター化された単一粒子からなる。図1図3は、粒子の例を示す。
【0070】
多分散性指数はまた、ほとんど単分散の粒子から非常に広い粒径分布を有する粒子まで変化し得る。
【0071】
本発明のシリコン粒子の好ましい粒径は、一般に、適応症及び投与経路に依存して変化する。静脈内投与のための粒子は、典型的には500nm未満、より好ましくは200nm未満の平均粒径を有するべきである。筋肉内注射の場合、平均粒子サイズは好ましくは10μm未満、典型的には5μm未満であるべきである。皮下投与及び眼への使用のためには、平均粒径は典型的には5μm未満であるべきである。経鼻適用の場合、平均粒径は典型的には50μm未満であるべきである。肺内投与(吸入)の場合、平均粒径は典型的には15μm未満及び経口投与については、平均粒径は500μm未満であるべきである。
【0072】
[気孔率]
本発明のシリコン粒子は、非多孔質(cCVD-SP)又は多孔質(PcCVD-SP)であってもよい。本発明による最も好ましい粒子は多孔質粒子である。すべての実施形態において、粒子が非エッチングプロセスによって調製される場合が好ましい。薬物送達のための多孔性粒子は、より小さい粒子の安定な凝集体、いわゆる安定粒子クラスタを形成することによって調製することができる。
【0073】
PcCVD-SPの気孔率は、原薬の選択、適応症及び投与経路に応じて広い範囲にわたって変化し得る。気孔率は、細孔の容積に対する尺度である。50%の気孔率を有するPcCVD-SPは、全PcCVD-SP容積の50%である気孔容積を有する。PcCVD-SPの気孔率は、典型的には20%~90%であり得る。特定の実施形態では、気孔率は、40%超、典型的には50%超、好ましくは60%超、より好ましくは70%超、特に80%超、例えば90%である。他の実施形態では、気孔率は好ましくは約50%以下である。
【0074】
PcCVD-SPの細孔サイズは、原薬の性質、原薬の用量、適応症、薬物製品の形態及び投与経路に応じて、ミクロ細孔性粒子からメソ細孔性粒子を経てマクロ細孔性粒子まで変化し得る。原薬を充填するためのPcCVD-SPの典型的な平均孔径は、1nm~200nmである。本発明の一実施形態では、平均孔径は1~10nmであり、別の実施形態では、典型的な孔径は5~20nmであり、更に別の実施形態では、典型的な孔径は10~50nmであり、最後に、更に別の実施形態では、典型的な孔径は2~50nmである。
【0075】
一実施形態において、粒子は微細孔性である。この実施形態では、全細孔容積に対して、好ましくは細孔の少なくとも2容積%、より好ましくは少なくとも5容積%、更により好ましくは少なくとも10容積%、特に少なくとも20容積%、例えば少なくとも50容積%がミクロ細孔である。
【0076】
別の実施形態において、粒子はメソ多孔性である。この実施形態では、全細孔容積に対して、好ましくは細孔の少なくとも2容積%、より好ましくは少なくとも5容積%、更により好ましくは少なくとも10容積%、特に少なくとも20容積%、例えば少なくとも50容積%がメソ細孔である。
【0077】
更なる実施形態において、粒子はマクロ多孔性である。この実施形態では、全細孔容積に対して、好ましくは細孔の少なくとも2容積%、より好ましくは少なくとも5容積%、更により好ましくは少なくとも10容積%、特に少なくとも20容積%、例えば少なくとも50容積%がマクロ細孔である。
【0078】
[粒子表面及びコーティング]
粒子表面は、典型的には、元素状シリコンの形態であってもよく、より好ましくは、粒子表面上の元素シリコンが自然酸化プロセス又は化学酸化プロセスを受けた酸化シリコンの層の形態であってもよい。表面はまた、シリコン含有材料に共有結合又は非共有結合している薬物分子の層によって覆われていてもよい。表面は、炭素を含むコーティング材料によって、好ましくは有機コーティングの形態で覆われてもよい。有機コーティングは、共有結合又は非共有結合によってシリコン含有材料に結合されてもよい。シリコン粒子のコーティングの化学は、当該技術分野で周知である。
【0079】
任意のコーティングは、以下のような1つ以上の異なる機能を有してもよい。
・コーティングは、シリコン粒子を分解から保護し得る
・コーティングは原薬の放出プロファイルを制御し得る
・コーティングは投与後の粒子の生体内分布に影響を与え得る
・コーティングは、シリコン含有粒子への原薬の充填を改善し得る
・コーティングは、コーティング材料への原薬の共有結合の基礎を形成し得る
【0080】
コーティングは、化学的観点から、以下の特性のうちの1つ以上を有し得る。
・例えば、共有結合したポリエチレングリコール鎖の形態の親水性コーティング。
・生理学的pHで正電荷を有する粒子表面。これは、典型的には、粒子表面への脂肪族アミノ基の結合によって得ることができる。
・生理学的pHで負電荷を有する粒子表面。これは、典型的には、粒子表面へのカルボキシル基の結合によって得ることができる。
・酵素的に分解可能なコーティング。典型的なコーティングとしては、例えばエステル基を含むコーティングが挙げられる。
・コーティング分子の単層を含むコーティング。
・コーティング分子の多層を含むコーティング。
・モノマー化合物に基づくコーティング
・高分子化合物に基づくコーティング
・リン脂質及び/又は他の脂質誘導体に基づくコーティング。
・タンパク質、ペプチド若しくはアミノ酸又はそれらの誘導体に基づくコーティング。
・糖分子に基づくコーティング。単糖、二糖、オリゴ糖(シクロデキストリン及び多糖を含む)を含む。
【0081】
本発明のシリコン粒子の表面積は変化する。表面積は、非多孔質粒子(cCVD-SP)よりも多孔質粒子(PcCVD-SP)の方がはるかに大きい。少なくとも1種の原薬を充填する前の粒子の表面積は、粒子1グラムあたり最大1000m2であってもよい。
【0082】
好ましいコーティングとしては、例えば、セテアレス、セテアリル、セテス、コカミド、イソステアレス、ラウレス、レシチン、オレスPEG-20アーモンドグリセリド、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、PEG-25水素化ヒマシ油、PEG-40ソルビタンペルオレエート、PEG-60アーモンドグリセリド、PEG-7オリベート、PEG-7グリセリルココエート、PEG-8ジオレエート、PEG-8ラウレート、PEG-8オレエート、PEG-80ソルビタンラウレート、ポリソルベート及びプルロニックなどの界面活性剤が挙げられる。
【0083】
[原薬]
本発明のシリコン粒子は、1種以上の原薬を含む。シリコン粒子は1種の原薬のみを含んでもよいが、1種以上の原薬、例えば2種又は3種の原薬が存在することも可能である。
【0084】
本発明の好ましい実施形態は、1つの原薬を含むcCVD-SPに関する。
【0085】
本発明のより好ましい実施形態は、1つの原薬を含むPcCVD-SPに関する。
【0086】
本発明の別の好ましい実施形態は、2つの原薬を含むcCVD-SPに関する。
【0087】
本発明のより好ましい実施形態は、2つの原薬を含むPcCVD-SPに関する。
【0088】
本発明の別の好ましい実施形態は、3つ以上の原薬を含むcCVD-SPに関する。
【0089】
本発明のより好ましい実施形態は、3つ以上の原薬を含むPcCVD-SPに関する。
【0090】
本発明に従って使用される原薬には、任意の原薬、規制認可原薬、並びに疾患の予防的使用及び/又は治療のために開発中の任意の原薬が含まれる。
【0091】
一実施形態において、原薬は、好ましくは、抗癌薬、免疫系に対して効果を有する薬物、抗真菌薬、抗生物質、抗ウイルス薬、CNS関連疾患の治療のための薬物、抗糖尿病薬、疼痛の治療のための薬物及びステロイド系薬物からなる群から選択される。
【0092】
本発明の1つの好ましい局面は、胃腸系及び代謝に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。このような原薬は、典型的にはATCグループAに含まれる。胃腸系及び代謝に関連する疾患の治療のための原薬は、局所経口治療のための抗感染薬及び消毒薬、局所経口治療のためのコルチコステロイド、並びに局所経口治療のための他の薬剤を含む。
【0093】
酸関連障害の治療のための原薬としては、例えばシメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、ニペロチジン、ロキサチジン、ラニチジンビスマスシトレート及びラフチジンといったH2受容体アンタゴニストのような消化性潰瘍及び胃食道逆流症(GORD)のための薬物を含み、例えばミソプロストール及びエンプロスチルといったプロスタグランジンを含み、例えばオメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、デクスランソプラゾール、デクスラベプラゾール及びボノプラザンといったプロトンポンプ阻害剤を含み、ヘリコバクターピロリの根絶のための組合せ及び消化性潰瘍及び胃食道逆流症(GORD)の他の薬物を含み、例えばカルベノキソロン、スクラルファート、ピレンゼピン、メチオスルホニウムクロライド、ビスマスサブシトラート、プログルミド、ゲファルナート、スルグリコチド、アセトキソロン、ゾリミジン、トロキシピド、次硝酸ビスマス、アルギン酸、レバミピド、カルベノキソロン及びゲファルナートといった酸関連障害の他の薬物を含む、制酸剤が挙げられる。
【0094】
機能性胃腸疾患の治療のための原薬としては、ベラドンナアルカロイド及びその誘導体のような鎮痙薬が挙げられる。
【0095】
他の関連する原薬としては、オンダンセトロン及び他のセロトニン(5HT3)アンタゴニストのような制吐薬、胆汁及び肝臓に関連する障害の治療のための原薬、緩下剤を含む便秘解消原薬、下痢の治療のための原薬、抗肥満原薬及び酵素を含む胃腸消化剤が挙げられる。
【0096】
糖尿病の治療のための薬物としては、例えば、インスリン(ヒト)、インスリン(ウシ)、インスリン(ブタ)、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト及びインスリングルリジン(注射用インスリン及び類似体を含む)といった速効型注射用インスリン及び類似体を含み、例えばインスリン(ヒト)、インスリン(ウシ)、インスリン(ブタ)、インスリンリスプロ(インスリン及び注射用類似体を含む)といった中間型注射用インスリン及び類似体を含み、例えば、インスリン(ヒト)、インスリン(ウシ)、インスリン(ブタ)、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリンデグルデク及びインスリンアスパルト(インスリン及び注射用類似体を含む)といった速効型と組み合わせた中間型又は持効型注射用インスリン及び類似体を含み、例えば、インスリン(ヒト)、例えばインスリン(ウシ)、インスリン(ブタ)、インスリングラルギン、インスリンデテミル、インスリンデグルデク、インスリングラルギン及びリキシセナチド並びにインスリンデグルデク及びリラグルチドといった持効型注射用インスリン及び類似体を含む、インスリン及び類似体が挙げられる。他の非インスリン血糖低下薬としては、例えば、フェンホルミン、メトホルミン及びブホルミンといったビグアニド、例えば、グリベンクラミド、クロルプロパミド、トルブタミド、グリボルヌリド、トラザミド、カルブタミド、グリピジド、グリキドン、グリクラジド、メタヘキサミド、グリソキセピド、グリメピリド及びアセトヘキサミドといったスルホニル尿素、例えば、グリミジンといった複素環スルホンアミド、例えば、アカルボース、ミグリトール及びボグリボースといったαグルコシダーゼ阻害剤、例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン及びロベグリタゾンといったチアゾリジンジオン、例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、アログリプチン、リナグリプチン、ゲミグリプチン、エボグリプチン及びテネリグリプチンといったジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害剤、例えば、エクセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ベイナグルチドといったグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)類似体、例えば、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジン、エルツグリフロジン、イプラグリフロジン、ソタグリフロジン、ルセオグリフロジンといったナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤、並びにグアーガム、レパグリニド、ナテグリニド、プラムリンチド、ベンフルオレクス、ミチグリニド及びトルレスタットのような他の糖尿病に関連する原薬を含む。
【0097】
ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKの群内の任意のビタミンが挙げられる。
【0098】
本発明の別の好ましい態様は、血液及び血液形成器官に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。このような原薬は、典型的には、ATCグループBに含まれる。これらの原薬としては、例えば、ジクマロール、フェニンジオン、及びヘパリンを含むワルファリンといったビタミンKアンタゴニスト、例えば、ピコタミド、クロピドグレル、チクロピジン、アセチルサルチル酸及びジピリダモールといった血小板凝固阻害剤、例えば、デシルジン、レピルジン、アルガトロバン、メラガトラン、キシメラガトラン、ビバリルジン及びダビガトランエテキシラートのような直接トロンビン阻害剤、例えばリバロキサバン、アピキサバン、エドキサバン及びベトリキサバンといった直接第Xa因子阻害剤を含む抗トロンビン剤、並びに他の抗血栓薬を含む。
【0099】
本発明の別の好ましい態様は、心血管系に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。そのような原薬は、典型的にはATCグループBに含まれる。心血管系に関連する原薬としては、強心配糖体、抗不整脈薬、強心薬及び血管拡張薬のような心臓療法が挙げられる。高血圧の治療のための原薬としては、例えばメトプロロール及びアテノロールのようなベータ遮断剤、例えばヒドロクロロチアジドのような利尿剤、アムロジピン及びニフェジピンのようなカルシウムアンタゴニスト、例えばエナラプリル及びカプトプリルのようなACE阻害剤、例えばロサルタン、カンデサルタン及びバルサルタンのようなアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、例えばシンバスタチン、アトルバスタチン及びエゼチミブのような脂質修飾剤が挙げられる。
【0100】
本発明の別の好ましい態様は、皮膚に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関し、皮膚用薬剤を含む。このような原薬は、典型的にはATCグループDに含まれる。
【0101】
本発明の別の好ましい態様は、性ホルモンを含む泌尿生殖器系に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。そのような原薬は、典型的にはATC G群に含まれる。そのような原薬としては、例えば、婦人科系抗感染薬及び消毒薬、例えば、メトロニダゾール、クロトリマゾール、エコナゾール及びオルニダゾールなどのイミダゾール誘導体、例えばテルコナゾールなどのトリアゾール誘導体、ナタマイシン、アンホテリシンB及びカンジシジンのような抗生物質、避妊薬並びにエストロゲン、プロゲストゲン、アンドロゲン及び抗アンドロゲンなどの性ホルモンが挙げられる。
【0102】
本発明の別の好ましい態様は、ホルモンに関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。そのような原薬は、典型的には、ATCグループHに含まれる。全身使用のためのホルモンとしては、下垂体及び視床下部性ホルモン、コルチコステロイド及び臨床使用における他のホルモンが挙げられる。
【0103】
本発明の別の好ましい態様は、抗菌剤、抗真菌剤及び抗ウイルス剤のような抗感染薬に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。このような原薬は、典型的にはATCグループHに含まれる。
【0104】
抗菌剤としては、テトラサイクリン、クロランフェニコール、ペニシリン及びセファロスポリンのようなβ-ラクタム抗菌剤、スルホンアミド及びトリメトプリム、マクロライド、リンコサミド及びストレポグラミン(strepogramin)、アミノグリコシド抗菌剤、キノリン抗菌剤のような原薬が挙げられる。
【0105】
抗真菌剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ナイスタチン及びアンホテリシンBのような物質が挙げられる。
【0106】
抗ウイルス剤としては、例えば、チオセミカルバゾン、非逆転写酵素阻害剤ヌクレオシド及びヌクレオチド、環状アミン、リン酸誘導体、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、ノイラミニダーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、HCV感染の治療のための抗ウイルス薬のような物質が挙げられる。
【0107】
本発明の別の好ましい局面は、抗悪性腫瘍薬物質及び免疫調節剤に関連する疾患の予防使用及び/又は治療のための薬物に関する。このような原薬は、ATCグループLに含まれる。
【0108】
抗腫瘍は、薬ATCグループL1に含まれる。本発明の好ましい態様は、ATC群L01内の薬物に関する。
【0109】
抗悪性腫瘍薬としては、例えば、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、クロルメチン、イホスファミド、トロホスファミド、プレドニムスチン、ベンダムスチン、ブスルファン、トレオスルファン、マンノスルファン、チオテパ、トリアジクオン、カルボクオン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、フォテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ウラムスチン、エトグルシド、ミトブロニトール、ピポブロマン、テモゾロミド及びダカルバジンといったアルキル化剤、例えば、メトトレキサート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プララトレキサート、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、フルダラビン、クロファラビン、ネララビン、シタラビン、フルオロウラシル、テガフール、カルモフール、ゲムシタミン、カペシタビン、アザシチジン、デシタビン、フロクスウリジン、トリフルリジンといった代謝拮抗物質、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンフルニン、ビンタフォリド、エトポシド、テニポシド、デメコルシン、パクリタキセル、ドセタキセル、パクリタキセルポリグルメックス、カバジタキセル、トポテカン、イリノテカン、エトリノテカンペゴル、ベロテカン、トラベクテジンといった植物アルカロイドやその他の天然物、例えば、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピラルビシン、バルルビシン、アムルビシン、ピクサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、イクサベピロンといった細胞傷害性抗生物質及び関連物質、例えば、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ポナチニブといったBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、ダコミチニブ、イコチニブといった上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブといったB-Rafセリン-スレオニンキナーゼ(BRAF)阻害剤、例えば、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブといった未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤、例えば、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブといったマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤、例えば、パルボシクリブ、リボシクリブ、アベマシクリブといったサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤、例えば、テムシロリムスエベロリムス及びリダフォロリムスといった哺乳動物標的ラパマイシン(mTOR)キナーゼ阻害剤、例えば、ラパチニブ、ネラチニブ、ツカチニブといったヒト上皮成長因子受容体2(HER2)チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ルキソリチニブやフェドラチニブといったヤヌス関連キナーゼ(JAK)阻害剤、例えば、アキシチニブ、セジラニブ、チボザニブといった血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、イブルチニブ、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブといったブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、例えば、イデラリシブ、コパンリシブ、アルペリシブといったホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(Pi3K)阻害剤、例えば、スニチニブ、ソラフェニブ、パゾパニブ、バンデタニブ、レゴラフェニブ、マシチニブ、カボザンチニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、ミドスタウリン、キサルチニブ、ラロトレクチニブ、ギルテリチニブ、エントレクチニブ、ペキシダルチニブ、エルダフィチニブ、カプマチニブ、アバプリチニブ、リプレチニブ、ペミガチニブ、テポチニブといった他のプロテインキナーゼ阻害剤のようなプロテインキナーゼ阻害剤、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン及びポリプラチレンといった白金化合物のような他の抗悪性腫瘍剤、例えば、プロカルバジンといったメチルヒドラジン、例えば、エドレコロマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、セツキシマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、カトゥマキソマブ、オファツムマブ、イピリムマブ、ブレンツキシマブベドチン、ペルツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、オビヌツズマブ、ジヌツキシマブベータ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ブリナツモマブ、ラムシルマブ、ネシツムマブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、モガムリズマブ、イノツズマブオゾガマイシン、オララツマブ、デュルバルマブ、ベルメキマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、セミプリマブ、モキセツマブパスドトックス、タファシタマブ、エンフォルツマブベドチン、ポラツズマブベドチン、イサツキシマブ、ベランタマブマホドチン、ドスターリマブ及びトラスツズマブデルクステカンといったモノクローナル抗体、例えば、ポルフィマーナトリウム、アミノレブリン酸メチル、アミノレブリン酸、テモポルフィン、エファプロキシラール、パデリポルフィンといった光線力学/放射線療法で使用される増感剤、例えば、トレチノイン、アリトレチノイン、ベキサロテンといった癌治療用のレチノイド、例えば、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、イキサゾミブといったプロテアソーム阻害剤、例えば、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、エンチノスタットといったヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、例えば、ビスモデギブ、ソニデギブ、グラスデジブといったヘッジホッグ経路阻害剤、例えば、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブなどのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤、例えば、アムサクリン、アスパラギナーゼ、アルトレタミン、ヒドロキシカルバミド、ロニダミン、ペントスタチン、マソプロコール、エストラムスチン、ミトグアゾン、チアゾフリン、ミトタン、ペガスパルガーゼ、三酸化ヒ素、デニロイキン・ディフティトックス、セレコキシブ、アナグレリド、オブリメルセン、シトマジェン・セラデノベク、オマセタキシンメペコハク酸塩、エリブリン、アフリベルセプト、タリモジェンラヘルパレプベク、ベネトクラクス、ボサロキシン、プリチデプシン、エパカドスタット、エナシデニブ、イボシデニブ、セリネクソール、タグラクソフスプ、ルルビネクテジン、アキシカブタゲン・シロロイセル及びチサゲンルクルーセルといった他の抗悪性腫瘍剤が挙げられる。
【0110】
内分泌療法のための原薬としては、ホルモン及び抗ホルモンが挙げられる。これらの原薬は、ATCグループL02に含まれる。
【0111】
免疫刺激剤は、ATCグループL03に含まれる。本発明の好ましい態様は、ATCグループL03内の薬物に関する。免疫刺激剤としては、例えば、フィルグラスチム、モルグラモスチム、サルグラモスチム、レノグラスチム、アンセスチム、ペグフィルグラスチム、リペグフィルグラスチム、バルグラスチム、エンペグフィルグラスチム、及びペグテオグラスチムといったコロニー刺激因子、例えば、天然インターフェロンα、天然インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンαcon-1、ペグインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンα-2a、アルバインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンβ-1a、セペギンインターフェロンα-2b、ロープギンインターフェロンα-2bといったインターフェロン、例えば、アルデスロイキン及びオプレルベキンといったインターロイキン、例えば、レンチナン、ロキニメックス、BCG接種、ペガデマーゼ、ピドチモド、ポリI:C、ポリIC LC、チモペンチン、免疫シアニン、タソネルミン、メラノーマワクチン、酢酸グラチラマー、ヒスタミン、ミファムラチド、プレリキサホル、シプロイセル-T、クリダニモド、ダシプロティムート-T及びエラペガデマセといった他の免疫刺激剤が挙げられる。
【0112】
免疫抑制剤は、ATCグループL04に含まれる。本発明の好ましい態様は、ATCグループL04内の薬物に関する。免疫抑制剤としては、例えば、ムロモナブ-CD3、抗リンパ球免疫グロブリン(ウマ)、抗胸腺細胞免疫グロブリン(ウサギ)、ミコフェノール酸モフェチルを含むミコフェノール酸、シロリムス、レフルノミド、アレファセプト、エベロリムス、グスペリムス、エファリズマブ、アベチムス、ナタリズマブ、アバタセプト、エクリズマブ、ベリムマブ、フィンゴリモド、ベラタセプト、トファシチニブ、テリフルノミド、アプレミラスト、ベドリズマブ、アレムツズマブ、ベゲロマブ、オクレリズマブ、バリシチニブ、オザニモド、エマパルマブ、クラドリビン、イムリフィダーゼ、シポニモド、ラブリズマブ、ウパダシチニブ、フィルゴチニブ、イタシチニブ、インビゲリズマブといった選択的免疫抑制剤、例えば、エタネルセプトインフリキシマブ、アフェリモマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ及びオピナーセプトといった腫瘍壊死因子アルファ(TNF-アルファ)阻害剤、例えば、ダクリズマブ、バシリキシマブ、アナキンラ、リロナセプト、ウステキヌマブ、トシリズマブ、カナキヌマブ、ブリアキヌマブ、セクキヌマブ、シルツキシマブ、ブロダルマブ、イキセキズマブ、サリルマブ、シルクマブ、グセルクマブ、チルドラキズマブ、リサンキズマブ及びサトラリズマブといったインターロイシン阻害剤、シクロスポリン、タクロリムス及びボクロスポリンといったカルシニューリン阻害剤、例えば、アザチオプリン、サリドマイド、メトトレキサート、レナリドマイド、パーフェニドン、ポマリドマイド、ジメチルフマレート及びダルバドストロセルといった他の免疫抑制剤が挙げられる。
【0113】
本発明の別の好ましい態様は、抗炎症及び抗リウマチ化合物並びに免疫調節剤を含む、筋肉及び骨格系に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。そのような原薬は、ATCグループMに含まれる。筋系及び骨格系に関連する原薬としては、抗炎症化合物及び抗リウマチ化合物、例えばインドメタシン、ジクロフェナク、イブプロフェン及びナプロキセンを含む非ステロイド性抗炎症化合物、並びに筋弛緩剤が挙げられる。
【0114】
本発明の別の好ましい態様は、神経系に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。このような原薬はATCグループNに含まれる。神経系に関連する原薬としては、麻酔薬、鎮痛薬、抗てんかん薬、抗パーキンソン原薬、精神病薬、精神鎮痛薬、及び神経系に効果を有する他の原薬が挙げられる。神経系に関連する原薬及び原薬群のいくつかの例としては、例えば天然アヘンアルカロイド様モルヒネ、コデイン、及びオキシコドンのようなオピオイド、並びにペチジン、ケトベミドン及びフェンタニルのような合成化合物、例えばバルビツレート、ヒダントイン誘導体、オキサゾリジン誘導体、スクシンイミド誘導体、ベンゾジアゼピン誘導体、カルボキサミド誘導体及び脂肪酸誘導体のような抗てんかん薬、抗コリン薬及びドーパミン作動薬のような抗パーキンソン病薬、精神安定剤様抗精神病薬、抗不安薬及び睡眠薬及び鎮静薬、抗うつ薬のような精神興奮薬、精神刺激薬、ADHAに使用される原薬、向知性薬、精神刺激薬、及び抗認知症薬が挙げられる。
【0115】
本発明の別の好ましい態様は、呼吸器系に関連する疾患の予防的使用及び/又は治療のための薬物に関する。そのような原薬は、ATCグループRに含まれる。呼吸器系に関連する原薬としては、鼻用組成物、咽喉用組成物、喘息及びCOPDのような閉塞性肺疾患の治療のための薬物、咳及び風邪用組成物並びに抗ヒスタミン剤が挙げられる。
【0116】
本発明の別の好ましい態様は、耳及び眼において使用するための予防的使用及び/又は疾患の治療のための薬物に関する。このような原薬はATCグループSに含まれる。
【0117】
特に好ましい実施形態において、少なくとも1種の原薬は、アトルバスタチン、シムバスタチン、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、エナラプリル、アテノロール、プロプラノロール、ヒドロクロロチアジド、シクロスポリン、アンホテリシンB、ジルチアゼム、フェノキシメチルペニシリン、アジスロマイシン、ラパマイシン、グリセオフルビン、クロランフェニコール、エリスロマイシン、アシクロビル、ナイスタチン、フェニトイン、フェノバルビタール、アンピシリン、セレコキシブ、プレドニソロン及びメトホルミンからなる群から選択される。
【0118】
本発明の非常に好ましい実施形態は、1種以上の原薬を含むcCVD-SPであって、当該原薬が水に難溶性であるcCVD-SPに関する。
【0119】
本発明の特に好ましい実施形態では、1種以上の原薬は、シクロデキストリンとの複合体の形態である。
【0120】
臨床用途において最も頻繁に使用される薬物複合体は、シクロデキストリンとの複合体である。シクロデキストリンは、6~8個のグルコースサブユニットを含む環状オリゴ糖である。α(アルファ)-シクロデキストリンは6個のグルコースサブユニットを含み、β(ベータ)-シクロデキストリンは7個のグルコースサブユニットを含み、γ(ガンマ)-シクロデキストリンは8個のグルコースサブユニットを含む。任意のシクロデキストリン又はその誘導体を本発明において使用することができる。最も好ましいシクロデキストリンは、β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン及び4-スルホブチル-β-シクロデキストリンである。
【0121】
本発明の好ましい実施形態は、1種の原薬を含むcCVD-SPであって、当該原薬がシクロデキストリンとの複合体の形態であるcCVD-SPに関する。
【0122】
本発明のこの態様のより好ましい実施形態は、1種の原薬を含むcCVD-SPであって、当該原薬がβ-シクロデキストリン又はその誘導体との複合体の形態であるcCVD-SPに関する。
【0123】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、サイクロデキストリンβ-サイクロデキストリン又はその誘導体との複合体の形態である1つの原薬を含むPcCVD-SPに関する。
【0124】
本発明の好ましい実施形態は、2種の原薬を含むcCVD-SPであって、少なくとも1種の当該原薬がシクロデキストリンとの複合体の形態であるcCVD-SPに関する。
【0125】
本発明のこの態様のより好ましい実施形態は、2種の原薬を含むPcCVD-SPであって、少なくとも1種の当該原薬がβ-サイクロデキストリン又はその誘導体との複合体の形態であるLA-SPに関する。
【0126】
本発明の好ましい実施形態は、少なくとも1種の当該原薬がシクロデキストリンとの複合体の形態である、3種以上の原薬を含むcCVD-SPに関する。
【0127】
本発明のこの態様のより好ましい実施形態は、3種以上の原薬を含むPcCVD-SPであって、少なくとも1種の当該原薬がβ-サイクロデキストリン又はその誘導体との複合体の形態であるLA-SPに関する。
【0128】
本発明は更に、粒子が分散され、薬物シクロデキストリン複合体が少なくとも部分的に可溶性である溶媒中で、cCVD-SP又はPcCVD-SPを少なくとも1種の薬物シクロデキストリン複合体と周囲温度で混合することを特徴とする、少なくとも1種の薬物シクロデキストリン複合体を充填したcCVD-SP又はPcCVD-SPの製造方法に関する。
【0129】
少なくとも1種の薬物サイクロデキストリン複合体を担持したcCVD-SP又はPcCVD-SPの別の好ましい製造方法は、粒子が分散し、薬物サイクロデキストリン複合体が少なくとも部分的に可溶性である溶媒中で、cCVD-SP又はPcCVD-SPをサイクロデキストリンと周囲温度で混合し、任意選択で、続いて粒子を単離し、続いて粒子が分散し、薬物が少なくとも部分的に可溶性である溶媒中で、cCVD-SP又はPcCVD-SPを原薬と混合することによって粒子内で薬物サイクロデキストリン複合体を生成することを特徴とする。
【0130】
本発明のシリコン粒子は、好ましくは、シリコン粒子の総重量に対して5~50重量%、より好ましくは15~40重量%の量で少なくとも1種の原薬を含む。1種以上の原薬が存在する場合、これらの重量%範囲は、存在するすべての原薬の合計重量%を指すことが理解されるであろう。更に、原薬の1種以上がシクロデキストリン複合体の形態である場合、上記で引用した重量%範囲は、シクロデキストリン複合体の総重量に基づくべきである。
【0131】
[組成物及び使用]
本発明は更に、医薬組成物に関する先に定義されたシリコン粒子及び1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む。そのような担体、希釈剤及び賦形剤は当該技術分野で周知である。
【0132】
本発明の医薬組成物に使用される賦形剤は、組成物の性質に応じて変化する。cCVD-SP又はPcCVD-SPの懸濁液のための賦形剤は、水に加えて、典型的には塩化ナトリウム又は他の生理学的に許容される塩、糖、界面活性物質、抗酸化剤、香料、甘味料及びpH調整剤の中から選択される。
【0133】
シリコン粒子及びその組成物は、治療において、特に薬物送達において使用され得る。したがって、本発明は、治療で使用するための本発明によるナノ粒子に関する。更なる実施形態では、本発明は、治療又は予防、あるいは特定の障害及び疾患の診断において使用するための本発明によるナノ粒子に関する。本発明に従って治療又は予防することができる障害又は疾患の例としては、肺癌、乳癌、前立腺癌、脳癌、頭頸部癌、卵巣癌、皮膚癌、精巣癌、膵臓癌、結腸直腸癌、腎臓癌、子宮頸癌、胃腸癌、膀胱癌、及びそれらの組合せなどの癌、疼痛関連疾患、糖尿病、高血圧及び免疫関連疾患が挙げられる。
【0134】
ナノ粒子又はその組成物は、好ましくは、治療上有効量で投与される。「治療有効量」とは、特定の疾患又は障害を治療又は予防するために必要なナノ粒子の量を指す。ナノ粒子を対象に送達するために、任意の投与経路を使用することができる。適切な投与経路としては、筋肉内注射、経皮投与、吸入、局所適用、経口投与、直腸又は膣投与、腫瘍内投与及び非経口投与(例えば、静脈内、腹膜、動脈内又は皮下)が挙げられる。好ましい投与経路は注射である。
【0135】
経口投与のためには、水性懸濁液、錠剤及びカプセルが最も好ましい製剤であり、皮膚使用のためには、クリーム及び軟膏が好ましい医薬製剤である。注射に関して、最も好ましい注射は、静脈内注射、筋肉内注射及び皮下注射である。注射製剤は、典型的には滅菌水性懸濁液の形態である。吸入用の乾燥粉末の形態の本発明による経肺製剤は、典型的には、単回用量若しくは複数回用量の形態、又は粒子の懸濁液の形態である。眼用製品は、典型的には粒子の滅菌水性懸濁液であるが、鼻への投与のための典型的な組成物は、乾燥粒子又は水性懸濁液であり得る。
【0136】
典型的には、cCVD-SP又はPcCVD-SPを含む経口カプセルは、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)から調製されるカプセルである。このようなカプセル中の典型的な賦形剤としては、ラクトース、微結晶セルロース及び無機塩が挙げられる。
【0137】
典型的には、cCVD-SP又はPcCVD-SPを含む錠剤は、即時崩壊する錠剤、制御放出錠剤及び持続放出錠剤であり得る。錠剤中の典型的な賦形剤としては、例えば、コーンスターチ、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
【0138】
投与の的確な投与量及び頻度は、当業者によく知られているように、使用される特定のナノ粒子、活性剤及び最適な標的薬剤、治療される特定の状態、治療される状態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度及び全身的な身体状態、並びにその個人が服用している可能性のある他の薬物に依存する。更に、当該1日あたりの有効量は、治療される対象の反応に応じて、及び/又は本発明に従ってナノ粒子を処方する医師の評価に応じて、増減され得ることは明らかである。
【0139】
本発明の一実施形態は、薬物充填cCVD-SP又はPcCVD-SPを含む医薬組成物に関する。医薬組成物は、投与経路に応じて、任意の薬学的に許容される製剤であり得る。経口投与のためには、水性懸濁液、錠剤及びカプセルが最も好ましい製剤であり、皮膚使用のためには、クリーム及び軟膏が好ましい医薬製剤である。注射に関して、最も好ましい注射は、静脈内注射、筋肉内注射及び皮下注射である。注射製剤は、典型的には滅菌水性懸濁液の形態である。吸入用の乾燥粉末の形態の本発明による経肺製剤は、典型的には、単回用量若しくは複数回用量の形態、又は粒子の懸濁液の形態である。眼用製品は、典型的には粒子の滅菌水性懸濁液であるが、鼻への投与のための典型的な組成物は、乾燥粒子又は水性懸濁液であり得る。
【0140】
一実施形態において、上記の医薬組成物は、非経口投与、例えば注射又は注入のための製剤である。
【0141】
本発明のこの態様の1つの好ましい実施形態は、cCVD-SP又はPcCVD-SPを含む医薬組成物に関する。
【0142】
本発明のこの態様のより好ましい実施形態は、遊離原薬又は薬学的に許容されるその塩の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含む医薬組成物に関する。
【0143】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、遊離原薬又は当該シリコンが非晶質形態である場合、その薬学的に許容される塩の形態で少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含む場合である。
【0144】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、遊離原薬又は薬学的に許容されるその塩の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SPを含み、当該シリコンが非晶質形態であるものである。
【0145】
本発明のこの態様の別の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、遊離原薬又は薬学的に許容されるその塩の形態の少なくとも1種の原薬を含む非エッチングcPCVD-SPを含み、当該シリコンが非晶質形態であるものである。
【0146】
本発明のこの態様の別の好ましい実施形態は、少なくとも1種の原薬をサイクロデキストリン複合体の形態で含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含む医薬組成物に関する。
【0147】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、当該シリコンが非晶質形態であるサイクロデキストリン複合体の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含む医薬組成物に関する。
【0148】
本発明のこの態様の更に好ましい実施形態は、当該シリコンが結晶形態であるサイクロデキストリン複合体の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含む医薬組成物に関する。
【0149】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、当該シリコンが非晶質形態であるシクロデキストリン複合体の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SPを含むものである。
【0150】
本発明のこの態様の別の好ましい実施形態は、医薬組成物が、当該シリコンが結晶形態であるシクロデキストリン複合体の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SPを含み、当該シリコンが結晶形態であるものである。
【0151】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の原薬をβ-サイクロデキストリン複合体の形態で含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含み、当該シリコンが非晶質形態であるものである。
【0152】
本発明のこの態様の更に好ましい実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の原薬をβ-サイクロデキストリン複合体の形態で含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含み、当該シリコンが結晶形態であるものである。
【0153】
本発明の特に好ましい一実施形態において、上記で定義された医薬組成物は、経口投与のために、例えば錠剤、カプセル又は懸濁液として製剤化される。
【0154】
本発明のこの態様のより好ましい実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の原薬を遊離原薬の形態で含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含むものである。
【0155】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、遊離原薬の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含み、当該シリコンが非晶質形態であるものである。
【0156】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、遊離原薬の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SPを含み、当該シリコンが非晶質形態であるものである。
【0157】
本発明のこの態様の別の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、遊離原薬の形態の少なくとも1種の原薬を含む非エッチングcPCVD-SPを含み、当該シリコンが非晶質形態であるものである。
【0158】
本発明のこの態様の別のより好ましい実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の原薬をサイクロデキストリン複合体の形態で含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含むものである。
【0159】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の原薬をサイクロデキストリン複合体の形態で含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含み、当該シリコンが非晶質形態であるものである。
【0160】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、当該シリコンが非晶質形態であるシクロデキストリン複合体の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SPを含むものである。
【0161】
本発明のこの態様の更により好ましい実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の原薬をβ-サイクロデキストリン複合体の形態で含むcCVD-SP又はPcCVD-SPを含み、当該シリコンが非晶質形態であるものである。
【0162】
本発明のこの態様の更に好ましい実施形態は、医薬組成物が、非置換β-シクロデキストリン複合体の形態で少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SPを含むものである。
【0163】
本発明のこの態様の更に好ましい実施形態は、医薬組成物が、非置換β-サイクロデキストリン複合体の形態で少なくとも1種の原薬を含む非エッチングPcCVD-SPを含むものである。
【0164】
本発明のこの態様の更により好ましい態様は、医薬組成物が、非置換β-シクロデキストリン複合体、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体又は4-スルホブチル-β-シクロデキストリン複合体の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SPを含む場合である。
【0165】
本発明のこの態様の更により好ましい態様は、医薬組成物が、非置換β-シクロデキシトリン複合体、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキシトリン複合体又は4-スルホブチル-β-シクロデキシトリン複合体の形態の少なくとも1種の原薬を含む非エッチングcCVD-SPを含むものである。
【0166】
本発明のこの態様のほとんどの実施形態は、医薬組成物が、非置換β-シクロデキストリン複合体、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体又は4-スルホブチル-β-シクロデキストリン複合体の形態の少なくとも1種の原薬を含むcCVD-SPを含むものである。
【0167】
BCS(生物薬学分類系)は、それらの水溶性及び経口透過性に基づいて薬物を区別するための系であり、BCSクラスII原薬は、低い水溶性を有するが高い経口透過性を有する化合物である。例えば、Amidon GL,Lennernaes H,Shah VP,Crison JR(1995年3月)「A theoretical basis for a biopharmaceutic drug classification:the correlation of in vitro drug product dissolution and in vivo bioavailability」Pharm.Res.12(3):413-20を参照されたい。
【0168】
本発明のこの態様の非常に好ましい実施形態は、原薬を含むcCVD-SPの医薬組成物であって、当該原薬がBCSクラスIIとして分類される医薬組成物に関する。
【0169】
本発明のこの態様の更に非常に好ましい実施形態は、原薬を含む非エッチングPcCVD-SPの医薬組成物であって、当該原薬がBCSクラスII原薬として分類される医薬組成物に関する。
【0170】
原薬の経口生物学的利用能は、ほぼ0%からほぼ100%まで変化する。より頻繁に使用される薬物のいくつかの絶対的生物学的利用能は、アトルバスタチン(生物学的利用能12%)、シムバスタチン(生物学的利用能5%未満)、ロサルタン(生物学的利用能33%)、バルサルタン(生物学的利用能25%)、カンデサルタン(生物学的利用能40%)、エナラプリル(生物学的利用能60%)、アテノロール(生物学的利用能40~50%)、プロプラノロール(生物学的利用能26%)、ヒドロクロロチアジド(生物学的利用能70%)、シクロスポリン(生物学的利用能が非常に低い)、アンホテリシンB(生物学的利用能が非常に低い)、ジルチアゼム(生物学的利用能40%)、フェノキシメチルペニシリン(生物学的利用能50%)、アジスロマイシン(生物学的利用能40%)、メトホルミン(生物学的利用能50~60%)である。
【0171】
経口投与のための医薬組成物製剤の文脈において、以下は好ましい実施形態を表す。
【0172】
本発明の別の非常に好ましい実施形態は、原薬を含むcCVD-SPの医薬組成物であって、当該原薬が、低い経口生物学的利用能それ自体を有する原薬である医薬組成物に関する。典型的な低い生物学的利用能は、50%未満、より好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満である。
【0173】
本発明のこの態様の非常に好ましい実施形態は、原薬を含むPcCVD-SPの医薬組成物であって、当該原薬が低い生物学的利用能それ自体を有する原薬である医薬組成物に関する。典型的な低い生物学的利用能は、50%未満、より好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満である。
【0174】
本発明の別の非常に好ましい実施形態は、非常に低い水溶解度を有する原薬を含むcCVD-SPの医薬組成物に関する。典型的な非常に低い溶解度は、1リットルあたり100mg未満、より好ましくは1リットルあたり50mg未満、更により好ましくは1リットルあたり10mg未満、最も好ましくは1リットルあたり5mg未満である。
【0175】
本発明のこの態様の別の非常に好ましい実施形態は、非常に低い水溶性を有する原薬を含むPcCVD-SPの医薬組成物に関する。典型的な非常に低い溶解度は、1リットルあたり100mg未満、より好ましくは1リットルあたり50mg未満、更により好ましくは1リットルあたり10mg未満、最も好ましくは1リットルあたり5mg未満である。
【0176】
ほとんど不溶性であるか又は非常に低い水溶解度を有する薬物のリストは広範である。世界中で臨床使用されているこれらの周知の薬物のいくつかの例としては、シムバスタチン、ロバスタチン、セレコキシブ、ナプロキセン、イブプロフェン、エストラジオール、テストステロン、フィナステリド、グリピジド、ケトコナゾール、メチルプレドニソロン、モメトラゾン、トリアムシノロン、グリセオフルビン及びアンホテリシンBが挙げられるが、これらに限定されない。
【0177】
本発明の別の非常に好ましい実施形態は、分配係数値(疎水性/親水性特性の尺度を与える、水対有機相に溶解する物質の量)、logPが2.5超、より好ましくは3.0超、更により好ましくは3.5超、更により好ましくは4.0超、最も好ましくは4.5超である原薬を含むcCVD-SPの医薬組成物に関する。
【0178】
本発明のこの態様の別の非常に好ましい実施形態は、2.5超、より好ましくは3.0超、更により好ましくは3.5超、更により好ましくは4.0超、最も好ましくは4.5超のlog Pを有する原薬を含むPcCVD-SPの医薬組成物に関する。
【0179】
臨床使用における周知の薬物のいくつかの典型的な例としては、高いlog P値が知られている以下の原薬:アミオダロン(logP 7.81)、アミトリプチリン(logP 4.41)、アムロジピン(logP 3.01)、アンタゾリン(logP 3.58)、アリプラゾール(logP 3.76)、アトモキセチン(logP 3.36)、バカンピシリン(logP 3.52)、ベンズフェタミン(logP 3.84)、ベンズトロピン(logP 4.04)、ビトルテロール(logP 4.16)、ボセンタン(logP4.36)、ブロモジフェンヒドラミン(logP4.03)、ブロムフェニラミン(logP3.24)、ブフラロール(logP3.54)、ブピバカイン(logP3.31)、ブタカイン(logP4.62)、ブクラモール(logP3.81)、ブトルファノール(logP3.54)、カルベノキソロン(logP6.63)、カルベジロール(logP4.11)、クロルシクリジン(logP3.24)、クロルプロマジン(logP5.35)、クロルプロチキセン(logP5.31)、シンコニン(logP3.69)、シタロプラム(logP3.47)、クロフィブラート(logP3.88)、クロペンチキソール(logP3.91)、クロトリマゾール4.92)、クロザピン(logP3.94)、シクロゾシン(logP3.52)、シクロベンザプリン(logP6.19)、シプロヘプタジン(logP4.92)、ダリフェニシン(logP4.92)P3.78)、デセルピジン(logP4.95)、デシプラミン(logP3.97)、デスロラタジン(logP3.50)、デキストロブロムフェニラミン(logP3.24)、デキストロフェンフルラミン(logP3.55)、デキストロメトルファン(logP3.89)、ジベンゼピン(logP3.26)、ジブカイン(logP4.40)、ジクロフェナク(logP4.55)、ジクロキサシリン(logP3.10)、ジサイクロミン(logP4.64)、ジエサジン(logP5.55)、ジフルニサル(logP3.65)、ジヒドロエルゴクリプチン(logP6.37)、ジヒドロエルゴクリスチン(logP6.55)、ジヒドロエルゴタミン(logP5.69)、ジレバロール(logP3.09)、ジルチアゼム(logP4.73)、ジメチソキン(logP4.04)、ジペロドン(logP4.65)、ジフェンヒドラミン(logP3.27)、ジフェノキシン(logP3.97)、ジフェノキシレート(logP4.51)、ジフェニルピラリン(logP3.43)、ジピパノン(logP5.10)、ジピリダモール(logP3.35)、ドネペジル(logP3.91)、ドキセピン(logP3.85)、ドロペリドール(logP3.10)、デュロキセチン(logP4.81)、エメチン(ログP3.82)、エナラプリル(logP3.25)、エナラプリラット(logP3.63)、エンタカポン(logP3.02)、エルゴタミン(logP7.37)、エストロン(logP3.62)、エトプロパジン(logP4.77)、エチドカイン(logP3.57)、エトミデート(logP3.05)、フェンクロフェナク(logP4.59)、フェンフルラミン(logP3.55)、フェンプロフェン(logP3.72)、フェンタニル(logP3.68)、フェソテロジン(logP5.08)、フェキソフェナジン(logP3.73)、フィナステリド(logP3.83)、フルルビプロフェン(logP3.66)、フルフェナイン酸(logP5.22)、フルミゾール(logP4.26)、フルオキセチン(logP3.93)、フルペンチキソール(logP3.67)、エナント酸フルフェナジン(logP7.29)フルフェナジン(logP3.92)、フルラゼパム(logP4.84)、フルタミド(logP3.52)、フシジン酸(logP5.76)、フルボキサミン(logP3.71)、グリベンクラミド(logP3.08)、グリブリド(logP3.08)、ハロペリドール(logP3.76)、ヘキシルカイン(logP3.65)、ヒカントン(logP3.81)、イブプロフェン(logP3.50)、イミプラミン(logP4.35)、インダカテロール(logP3.88)、インドメタシン(logP4.25)、イオセタミン酸(logP4.57)、ヨージパミド(logP5.10)、ヨードキノール(logP4.10)、イオパン酸(logP4.65)、イプリンドール(logP5.02)、イルベサルタン(logP5.25)、ケタミン(logP3.01)、ケトコナゾール(logP4.04)、レバロルファン(logP3.85)、レバーファノール(logP3.26)、リオチロニン(logP3.91)、リシノプリル(logP3.47)、ロペラミド(logP4.15)、ロラタジン(logP3.90)、ロサルタン(logP3.46)、マプロチリン(logP4.36)、メクリジン(logP5.28)、メクロフェナム酸(logP5.44)、メダゼパム(logP3.89)、メフェナム酸(logP4.83)、メパジン(logP5.04)、メサドン(logP3.93)、メトジラジン(logP4.64)、メトトリメプラジン(logP4.94)、メトラゾン(logP3.16)、ミコナゾール(logP4.97)、ミダゾラム(logP3.80)、モンテルカスト(logP5.81)、ナビロン(logP7.25)、ネビボロール(logP4.08)、ネルフィナビル(logP7.28)、ノルトリプチリン(logP3.97)、ノボビオシン(logP3.74)、オランザピン(logP3.08)、オルフェナドリン(logP3.33)、オキシブチニン(logP5.05)、オキシフェニルブタゾン(logP3.28)、パマキイン(logP4.38)、ペンブトロール(logP4.02)、ペンタゾシン(logP4.15)、ペルゴリド(logP3.90)、ペルフェナジン(logP3.94)、ペルヘキシレン(logP6.46)、フェンシクリジン(logP4.25)、フェニンダミン(logP3.81)、フェニンジオン(logP3.19)、フェノチアジン(logP4.15)、フェノキシベンザミン(logP3.69)、フェントラミン(logP4.08)、フェニルブタゾン(logP3.38)、フェニルトロキサミン(logP3.46)、ピモジド(logP5.57)、ピプラドロール(logP3.61)、ピバンピシリン(logP3.88)、プラスゲル(logP4.31)、プラゼパム(logP3.70)、プロクロルペラジン(logP4.65)、プロマジン(logP4.69)、プロメタジン(logP4.89)、プロパラシン(logP3.46)、プロポキシフェン8LogP4.10)、ピラチアジン(logP4.15)、ピロブタミン(logP4.57)、キナクリン(logP5.59)、レスペリドン(logP3.04)、レセルピン(logP3.65)、サルメテロール(logP3.71)、サルサレート(logP3.29)、セルトラリン(logP5.08)、ソリフェナシン(logP3.70)、スピペロン(logP3.25)、スフェンタニル(logP3.95)、スルファサラジン(logP3.05)、タモキシフェン(logP5.13)、テトラカイン(logP3.75)、テトラヒドロカンナビノール(logP6.84)、チオプロパジン酸(logP4.76)、チオリダジン(logP5.90)、チオチキセン(logP3.72)、L-チロシン(logP4.72)、チアガビン(logP4.03)、チクリンフェン(logP3.05)、トロテリジン(logP5.23)、トリフルオペラジン(logP4.62)、トリフルプロマジン(logP5.16)、トリメプラジン(logP5.04)、トリミプラミン(logP4.71)、トリプロリジン(logP3.25)、トロレアンドマイシン(logP3.46)、バルダナフィル(logP3.64)、バルサルタン(logP4.02)、ベラパミル(logP4.02)、ビンブラスチン(logP5.92)、ビンクリスチン(logP5.75)、ビンデシン(logP4.94)、ワルファリン(logP3.13)、及びジメルジン(logP3.07)が挙げられる。すべてのlogP値は、Foye’s Principles of Medicinal Chemistryから計算されたlogP値である。(Thomas L.Lemke,David A.Williams,Victoria F.Roche and S.William Zito),Seventh Edition,Lippincott Williams&Wilkins(2011).
【0180】
[図面の簡単な説明]
図1] cCVDによって製造された平均直径300nmのシリコン粒子である。
図2] 一次粒径(メジアン平均直径)が約30nmであるシリコン物品である。これらの粒子の動的光散乱(DLS)サイズは約150nmであり、BET分析は約40nmの平均粒子サイズを与える。
図3] 非晶質凝集cCVD Si粒子のSEM画像であるである。
図4] 実施例47についてのラパマイシン放出対時間である。
図5] 実施例48についてのラパマイシン放出対時間である。
図6] 実施例49についてのラパマイシン放出対時間である。
図7] 実施例50及び51についてのラパマイシン放出対時間である。
図8] 実施例52において、ラパマイシンの同定のためのHPLC分析/クロマトグラムであり、分解ピークがない。
【0181】
これより、本発明は、以下の非限定的な実施例でより詳細に説明される。
【0182】
[実施例]
すべてのシリコン粒子は、反応器内でCVDによって製造され、反応器は、反応器本体と、反応器に動作可能に配置された回転装置とを備え、回転装置は、国際公開第2013048258号に従って、製造中に反応器を軸の周りに回転させるように構成されている。
【0183】
充填されたシリコン粒子の調製のために使用される場合、乳鉢及び乳棒は、シリコン粒子の新しいバッチの調製前に、2M水酸化ナトリウム中で洗浄され、水で洗浄された。
【0184】
PDIは多分散性指数である。
【0185】
ラパマイシン実験を除くすべての薬物放出実験は、精製水中の過剰な原薬を用いて実施し、試料を室温で回転テーブル上で回転させた。
【0186】
HPLC分析のための試料を、更なる試料調製の前に13,000rpmで30分間遠心分離した。
【0187】
[中間体1 アトルバスタチンカルシウム2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:4.2)]
アトルバスタチンカルシウム(DDL、559mg、0.48mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Aldrich、mw 1380、2.76g、2mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水/エタノール(1:1(v/v))の混合物を添加し、乳鉢及び乳棒を用いて粘性ペーストを得た。ペーストを5分間混合し、50℃で一晩乾燥させた。17%(w/w)のアトルバスタチンカルシウムを含む白色粉末を単離した。
【0188】
[中間体2 グリセオフルビン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:3)]
グリセオフルビン(DDL、352mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、4.38g、3mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。7.4%(w/w)グリセオフルビンを含む白色粉末を単離した。
【0189】
[中間体3 クロラムフェニコール2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:3)]
クロラムフェニコール(DDL、323mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、4.38g、3mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。6.9%(w/w)クロラムフェニコールを含む白色粉末を単離した。
【0190】
[中間体4 エリスロマイシン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:3)]
エリスロマイシン(DDL、733mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、4.38g、3mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。14.3%(w/w)エリスロマイシンを含む白色粉末を単離した。
【0191】
[中間体5 ロサルタンカリウム2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:3)]
ロサルタンカリウム(DDL、461mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキシトリン(Biosynth Carbosynth、4.38g、3mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。9.5%(w/w)のロサルタンカリウムを含む白色粉末を単離した。
【0192】
[中間体6 アトルバスタチンカルシウム2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:3)]
アトルバスタチンカルシウム(DDL、461mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、4.38g、3mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。20.9%(w/w)のアトルバスタチンカルシウムを含む白色粉末を単離した。
【0193】
[中間体7 アシクロビル2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:1)]
アシクロビル(DDL、225mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキシトリン(Biosynth Carbosynth、1.46g、1mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。13.4%(w/w)アシクロビルを含む白色粉末を単離した。
【0194】
[中間体8 ナイスタチン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:1)]
ナイスタチン(DDL、773mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、1.46g、1mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。32.4%(w/w)ナイスタチンを含む白色粉末を単離した。
【0195】
[中間体9 セレコキシブ2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:1)]
セレコキシブ(DDL、381mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、1.46g、1mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。20.7%(w/w)セレコキシブを含む白色粉末を単離した。
【0196】
[中間体10 エリスロマイシン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:1)]
エリスロマイシン(DDL、733mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、1.46g、1mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。33.4%(w/w)エリスロマイシンを含む白色粉末を単離した。
【0197】
[中間体11 グリセオフルビン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:1)]
グリソフルビン(Sigma Aldrich、352mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、1.46g、1mmol)を乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。19.4%(w/w)グリセオフルビンを含む白色粉末を単離した。
【0198】
[中間体12 グリセオフルビン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:2)]
グリソフルビン(Sigma Aldrich、176mg、0.5mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、1.46g、1mmol)を乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。10.8%(w/w)グリセオフルビンを含む白色粉末を単離した。
【0199】
[中間体13 フェニトイン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:1.2)]
フェニトイン(DDL、252mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、1.752g、1.2mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。12.6%(w/w)フェニトインを含む白色粉末を単離した。
【0200】
[中間体14 フェノバルビタール2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:1.2)]
フェノバルビタール(DDL、232mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、1.752g、1.2mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。11.7%(w/w)のフェノバルビタールを含む白色粉末を単離した。
【0201】
[中間体15 フェニトイン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(1:1.2)]
フェニトイン(DDL、252mg、1mmol)及び2-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(Biosynth Carbosynth、1.752g、1.2mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。無水アルコール(3mL)を加え、混合物を5分間撹拌し、60℃で一晩乾燥させた。12.6%(w/w)フェニトインを含む白色粉末を単離した。
【0202】
[中間体16 アンホテリシンBγ-シクロデキストリン(1:1.2)]
アンホテリシンB(DDL、924mg、1mmol)及びγ-シクロデキストリン(Cavamax W8、1.556g、1.2mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。37.3%(w/w)のアンホテリシンBを含む黄色粉末を単離した。
【0203】
[中間体17 テトラサイクリン塩酸塩メチル-β-シクロデキストリン複合体(1:1.5)]
テトラサイクリン塩酸塩(DDL、96mg、0.2mmol)及びメチル-β-シクロデキシトリン(Aldrich、396mg、0.3mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。19.5%(w/w)のテトラサイクリン塩酸塩を含む淡灰緑色の粉末を単離した。
【0204】
[中間体18 シタラビンβ-シクロデキストリン複合体(1:1.5)]
シタラビン(DDL、243mg、1mmol)及びβ-シクロデキストリン(DDL、2.003g、1.5mmol)を乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。10.8%(w/w)シタラビンを含む白色粉末を単離した。
【0205】
[中間体19 アモキシシリンβ-シクロデキストリン複合体(1:1.5)]
アモキシシリン三水和物(DDL、420mg、1mmol)及びβ-シクロデキストリン(DDL、2.003g、1.5mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。約17%(w/w)のアモキシシリンを含む白色粉末を単離した。
【0206】
[中間体20 フェニトイン4-スルホブイル-β-シクロデキストリン複合体(1:1.2)]
フェニトイン(DDL、232mg、1mmol)及び4-スルホブイル-β-シクロデキシトリン(BiosynthCarbosynth、2.69グラム、1.2mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水/エタノール(1:1(v/v))を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。8.6%(w/w)フェニトインを含む白色粉末を単離した。
【0207】
[中間体21 フェノバルビタール4-スルホブイル-β-シクロデキシトリン複合体(1:1.2)]
フェノバルビタール(DDL、252mg、1mmol)及び4-スルホブイル-β-シクロデキシトリン(BiosynthCarbosynth、2.69グラム、1.2mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水/エタノール(1:1(v/v))を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。7.9%(w/w)のフェノバルビタールを含む白色粉末を単離した。
【0208】
[中間体22 グリセオフルビン4-スルホブイル-β-シクロデキストリン複合体(1:1.2)]
グリセオフルビン(Sigma Aldrich、352mg、1mmol)及び4-スルホブイル-β-シクロデキシトリン(BiosynthCarbosynth、2.69グラム、1.2mmol)を、乳鉢中で容量分析用に混合した。水/エタノール(1:1(v/v))を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。11.6%(w/w)グリセオフルビンを含む白色粉末を単離した。
【0209】
[中間体23 プレドニソロン4-スルホブイル-β-シクロデキストリン複合体(1:1.2)]
プレドニソロン(Sigma Aldrich、360mg、1mmol)及び4-スルホブイル-β-シクロデキシトリン(BiosynthCarbosynth、2.69グラム、1.2mmol)を乳鉢中で容量分析用に混合した。水/エタノール(1:1(v/v))を加え、乳鉢と乳棒を用いて粘性のペーストを得た。ペーストを5分間混合し、60℃で一晩乾燥させた。11.8%(w/w)のプレドニソロンを含む白色粉末を単離した。
【0210】
[中間体24 ラパマイシンβ-シクロデキストリン複合体(1:2)]
ラパマイシン(MedChem express、100mg)及び2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(Aldrich、320mg)を、数滴の水を添加しながら乳鉢中で乳棒を用いて5分間容積測定的に混合して、粘性ペーストを得た。ペーストを真空下、室温で一晩乾燥させた。23.8%(w/w)ラパマイシンを含む白色粉末を単離した。
【0211】
[中間体25 凝集非晶質cCVD-SPの調製]
凝集非晶質cCVD-SP様H18粒子は、反応器内でCVDによって生成され、反応器は、反応器本体と、反応器に動作可能に配置された回転装置とを備え、回転装置は、国際公開第2013048258号に従って、生成中に反応器を軸の周りに回転させるように構成されている。遊離非凝集粒子ではない粒子タイプH18のような安定な凝集体の調製プロセスは、以下に記載されるようなプロセスパラメータの制御に関する。
シランは、約400℃で分解し始める。このプロセスは、シランが分解してより高次のシランを形成し、これが次に環及びスタックを形成する段階的プロセスである。高次シランが3d構造へのスタッキングを開始する場合、それらは、シランを捕捉し、より大きな粒子へと成長する核として分類される。成長速度に依存して、これらの粒子は、それらが水素を放出するよりも速く成長することができ、したがって、それらは、シリコンと、水素含有量の勾配が表面に向かってより大きい水素化シリコンとの両方を構成する。成長速度は高いが、表面が低温に保たれる場合、水素化シリコン表面は粘着性であり、粒子間の衝突が凝集をもたらす。したがって、意図的に凝集体を形成するためには、成長速度を高く、水素放出を遅く、容積あたりの粒子数を高く維持し、プロセスを停止して粒子を回収する前に多くの粒子衝突を可能にする実質的な滞留時間を有するプロセスを有することが重要である。
【0212】
[実施例1 アトルバスタチンカルシウムを含む非晶質cCVD-SP]
アトルバスタチンβ-シクロデキストリン複合体(中間体1、500mg)をエタノール(10mL)に溶解した。シリコン粒子(バッチR1F1、非晶質シリコン平均直径554nm、PDI 0.164、50mg)を、マイクロ遠心バイアル中のアトルバスタチンβ-シクロデキストリン複合体(中間体1)を含む1mLのエタノール溶液に懸濁した。混合物を70℃のソニケータ浴中で10分間超音波処理し、遠心分離し(14 000X、8分間)、一定重量になるまで60℃で乾燥させた。重量は、参照試料(純水によって処理された同じ粒子)よりも32mg高かった。生成物は約39%のアトルバスタチンβ-シクロデキストリン複合体を含んでいた。
【0213】
[実施例2 メトホルミン塩酸塩を含む非晶質cCVD-SP]
塩酸メトホルミン(ヨーロッパ薬局方、Weifa)、1.5g)を水(10mL)に溶解した。シリコン粒子(バッチR1F1、非晶質シリコン、平均直径554nm、PDI 0.164 50mg)を、マイクロ遠心バイアル中のメトホルミン塩酸塩を含む水溶液1mLに懸濁した。混合物を70℃のソニケータ浴中で10分間超音波処理し、遠心分離し(14 000X、8分間)、一定重量になるまで60℃で乾燥させた。重量は、参照試料(純水によって処理された同じ粒子)よりも24mg高かった。生成物は約32%のメトホルミン塩酸塩を含んでいた。
【0214】
[実施例3 メトホルミンロサルタンカリウムを含む非晶質cCVD-SP]
ロサルタンカリウム(DDL、1.5g)を水(10mL)に溶解した。シリコン粒子(バッチR1F1、非晶質シリコン、平均径554nm、PDI 0.164、50mg)を、マイクロ遠心バイアル中のロサルタンカリウムを含む1mLの水溶液に懸濁した。混合物を70℃のソニケータ浴中で10分間超音波処理し、遠心分離し(14 000X、8分間)、一定重量になるまで60℃で乾燥させた。重量は、参照試料(純水によって処理された同じ粒子)よりも16mg高かった。生成物は約24%のアトルバスタチンβ-シクロデキストリン複合体を含んでいた。
【0215】
[実施例4 アトルバスタチンカルシウムを含む結晶性cCVD-SP]
アトルバスタチン-2-ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン複合体(中間体1、500mg)をエタノール(10mL)に溶解した。シリコン粒子(バッチR4F1、結晶シリコン、平均直径117nm、PDI 0.277、50mg)を、マイクロ遠心分離バイアル中のアトルバスタチンβ-シクロデキストリン複合体を含む1mLのエタノール溶液に懸濁した。混合物を70℃のソニケータ浴中で10分間超音波処理し、遠心分離し(14 000X、8分間)、一定重量になるまで60℃で乾燥させた。重量は、参照試料(純水によって処理された同じ粒子)よりも10mg高かった。生成物は約17%のアトルバスタチンβ-シクロデキストリン複合体を含んでいた。
【0216】
[実施例5 メトホルミン塩酸塩を含む結晶性cCVD-SP]
塩酸メトホルミン(ヨーロッパ薬局方、Weifa)、1.5g)を水(10mL)に溶解した。シリコン粒子(バッチR4F1、結晶性シリコン、平均直径117nm、PDI 0.277、50mg)を、マイクロ遠心バイアル中のメトホルミン塩酸塩を含む1mLの水溶液に懸濁した。混合物を70℃のソニケータ浴中で10分間超音波処理し、遠心分離し(14 000X、8分間)、一定重量になるまで60℃で乾燥させた。重量は、参照試料(純水によって処理された同じ粒子)よりも12mg高かった。生成物は約19%のメトホルミン塩酸塩を含んでいた。
【0217】
[実施例6 ロサルタンカリウムを含む非晶質cCVD-SP]
ロサルタンカリウム(DDL、1.5g)を水(10mL)に溶解した。多孔質シリコン粒子(バッチR1F1、非晶質シリコン、平均径554nm、PDI 0.164、50mg)を、マイクロ遠心バイアル中のロサルタンカリウムを含む1mLの水溶液に懸濁した。混合物を70℃のソニケータ浴中で10分間超音波処理し、遠心分離し(14 000X、8分間)、一定重量になるまで60℃で乾燥させた。重量は、参照試料(純水によって処理された同じ粒子)よりも29mg高かった。生成物は37%のロサルタンカリウムを含んでいた。
【0218】
[実施例7 グリセオフルビンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
グリセオフルビン(DDL、50mg)をジメチルホルムアミド(DMF)(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(450mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、10%w/wグリセオフルビンを含んでいた。
【0219】
[実施例8 グリセオフルビンを含む非晶質cCVD-SP]
グリセオフルビン(DDL、50mg)をジメチルホルムアミド(DMF)(0.5mL)に溶解した。この溶液を、乳鉢中の非晶質シリコン粒子(バッチ番号R8F2、450mg)に滴下した。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、10%w/wグリセオフルビンを含んでいた。
【0220】
[実施例9 グリセオフルビンを含む非晶質cCVD-SP]
グリセオフルビン(DDL、50mg)をジメチルホルムアミド(DMF)(0.5mL)に溶解した。この溶液を、乳鉢中の非晶質シリコン粒子(バッチ番号F26F2、SEMサイズ200~400nM、450mg)に滴下した。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、10%w/wグリセオフルビンを含んでいた。
【0221】
[実施例10 エリスロマイシンを含む非晶質cCVD-SP]
エリスロマイシン(DDL、100mg)をジメチルホルムアミド(DMF)(1mL)に溶解した。この溶液を、乳鉢中の非晶質シリコン粒子(バッチ番号R8F2、900mg)に滴下した。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は10%w/wエリスロマイシンを含んでいた。
【0222】
粒子から水へのエリスロマイシンの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0223】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、80%メタノール及び20%0.01MK2HPO4、流量:1mL/分、注入量10μL、検出波長:286nm、実行時間:12分。
【0224】
2時間での粒子からのエリスロマイシンの放出は、遊離エリスロマイシン粉末からの放出と比較して290%であった。
【0225】
[実施例11 エリスロマイシンを含む非晶質cCVD-SP]
エリスロマイシン(100mg)をジメチルホルムアミド(DMF)(1mL)に溶解した。溶液を、乳鉢中の非晶質シリコン粒子(バッチ番号F26F2SEMサイズ200~400nM、900mg)に滴下した。シリコン粒子サイズは100~300nmであった。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は10%w/wエリスロマイシンを含んでいた。
【0226】
(乳鉢及び乳棒を2M水酸化ナトリウム中で清浄化し、水で洗浄した後、新しいバッチシリコン粒子を調製した。)
【0227】
粒子から水へのエリスロマイシンの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0228】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、80%メタノール及び20%0.01MK2HPO4、流量:1mL/分、注入量10μL、検出波長:286nm、実行時間:12分。
【0229】
2時間での粒子からのエリスロマイシンの放出は、遊離エリスロマイシン粉末からの放出と比較して258%であった。
【0230】
[実施例12 エリスロマイシンを含む非晶質cCVD-SP]
エリスロマイシン(300mg)をジメチルホルムアミド(DMF)(1.5mL)に溶解した。この溶液を、乳鉢中の非晶質シリコン粒子(バッチ番号F26F2、SEMサイズ200~400nM、900mg)に滴下した。シリコン粒子サイズは100~300nmであった。混合物に更にDMF(3mL)を添加して、ふわふわした粒子との良好な接触を確保し、乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌してペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は10%w/wエリスロマイシンを含んでいた。
【0231】
粒子から水へのエリスロマイシンの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0232】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、80%メタノール及び20%0.01MK2HPO4、流量:1mL/分、注入量10μL、検出波長:286nm、実行時間:12分。
【0233】
2時間での粒子からのエリスロマイシンの放出は、遊離エリスロマイシン粉末からの放出と比較して261%であった。
【0234】
[実施例13 エリスロマイシンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
エリスロマイシン(50mg)をジメチルホルムアミド(DMF)(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(450mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は10%w/wエリスロマイシンを含んでいた。
【0235】
粒子から水へのエリスロマイシンの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0236】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、80%メタノール及び20%0.01MK2HPO4、流量:1mL/分、注入量10μL、検出波長:286nm、実行時間:12分。
【0237】
2時間での粒子からのエリスロマイシンの放出は、遊離エリスロマイシン粉末からの放出と比較して219%であった。
【0238】
[実施例14 グリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
グリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体2、50mg)をジメチルホルムアミド(DMF)(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中のアモルファスシリコン粒子(450mg)に滴下した。粒子は、安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18)。平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、0.74%w/wグリセオフルビンを含んでいた。
【0239】
[実施例15 エリトロマイシン-2-ヒドロキシプロピル-β-cyclodextrionを含む非晶質cCVS-SP凝集体]
エリスロマイシン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体10、50mg)を無水エタノール(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中のアモルファスシリコン粒子(450mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳棒を乳棒と共に60℃で24時間乾燥した。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、0.74%w/wエリトロマイシンを含んでいた。
【0240】
[実施例16 グリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
グリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体11、50mg)を加熱により無水エタノール(1mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中のアモルファスシリコン粒子(450mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、1.94%w/wグリセオフルビンを含んでいた。
【0241】
粒子から水へのグリセオフルビンの放出を、HPLCを使用して経時的に研究した。
【0242】
HPLCシステム:HP1100。カラム:PLRP-S、2.1×50mm、3um、移動相:、40%アセトニトリル及び0.1%HCOOH、流量:0.2mL/分、注入量2.4μL、検出波長:286nm、実行時間:8分。
【0243】
2時間での粒子からのグリセオフルビンの放出は、遊離グリセオフルビン粉末からの放出と比較して99%であった。2時間での粒子からのグリセオフルビンの放出は、遊離グリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン粉末(中間体11)からの放出と比較して96%であった。
【0244】
[実施例17 グリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
グリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体11、50mg)をジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(450mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌してペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、20%w/wグリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含んでいた。
【0245】
粒子から水へのグリセオフルビンの放出を、HPLCを使用して経時的に研究した。
【0246】
HPLCシステム:HP1100。カラム:PLRP-S、2.1×50mm、3um、移動相:、40%アセトニトリル及び0.1%HCOOH、流量:0.2mL/分、注入量2.4μL、検出波長:286nm、実行時間:8分。
【0247】
2時間での粒子からのグリセオフルビンの放出は、遊離グリセオフルビン粉末からの放出と比較して130%であった。2時間での粒子からのグリセオフルビンの放出は、遊離グリセオフルビン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン粉末(中間体11)からの放出と比較して125%であった。
【0248】
[実施例18 グリセオフルビンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
グリセオフルビン(SigmaAldrich、50mg)をジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(450mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌してペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、10%w/wグリセオフルビンを含んでいた。
【0249】
粒子から水へのグリセオフルビンの放出を、HPLCを使用して経時的に研究した。
【0250】
HPLCシステム:HP1100。カラム:PLRP-S、2.1×50mm、3um、移動相:、40%アセトニトリル及び0.1%HCOOH、流量:0.2mL/分、注入量2.4μL、検出波長:286nm、実行時間:8分。
【0251】
2時間での粒子からのグリセオフルビンの放出は、遊離グリセオフルビン粉末からの放出と比較して109%であった。
【0252】
[実施例19 エリスロマイシン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
エリスロマイシン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体10、100mg)をジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空オーブン中、50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、6.7%w/wエリスロマイシンを含んでいた。
【0253】
粒子から水へのエリスロマイシンの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0254】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、80%メタノール及び20%0.01MK2HPO4、流量:1mL/分、注入量10μL、検出波長:286nm、実行時間:12分。
【0255】
2時間での粒子からのエリスロマイシンの放出は、遊離エリスロマイシン粉末からの放出と比較して291%であった。2時間での粒子からのエリスロマイシンの放出は、遊離エリスロマイシン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体10)からの放出と比較して470%であった。
【0256】
[実施例20 シクロスポリン及び添加剤を含む非晶質cCVD-SP凝集体]
シクロスポリンを医薬添加剤と共にカプセルから抽出した(4サンデュミュンNeooral 25mg/Novartis))。カプセルを開封し、無水アルコール(5mL)で抽出した。アルコールを蒸発させ、最終溶液を無水アルコール(2mL)に溶解し、乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳棒を乳棒と共に60℃で24時間乾燥した。粒状物質を乳鉢から掻き取った。粒子状物質は、Neooral製剤からのいくつかの添加剤を含む約25%w/wのシクロスポリンを含んでいた。
【0257】
[実施例21 アシクロビル-2-ヒドロキシプロピル-β-サイクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
アシクロビル-2-ヒドロキシプロピル-β-サイクロデキストリン(中間体7、100mg)を加熱して無水エタノール(1.2mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳棒を乳棒と共に60℃で24時間乾燥した。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、20%w/wのアシクロビル-2-ヒドロキシプロピル-β-サイクロデキストリン(1:1)を含んでいた。
【0258】
[実施例22 セレコキシブを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
セレコキシブ(DDL、100mg)を無水エタノール(0.7mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳棒を乳棒と共に60℃で24時間乾燥した。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は20%のセレコキシブを含んでいた。
【0259】
粒子から水へのセレコキシブの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0260】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:80%メタノール及び20%0.01M K2HPO4、流量:1mL/分、注入量5ul、検出波長250nm、実行時間:7分。
【0261】
2時間及び4時間での粒子からのセレコキシブの放出は、遊離セレコキシブ粉末よりも2.1倍高かった。
【0262】
6時間での粒子からのセレコキシブの放出は、遊離セレコキシブ粉末よりも2.0倍高かった。
【0263】
[実施例23 グリセオフルビンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
グリセオフルビン(SigmaAldrich、200mg)をジメチルホルムアミド(0.7mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(200mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、50%w/wグリセオフルビンを含んでいた。
【0264】
粒子から水へのグリセオフルビンの放出を、HPLCを使用して経時的に研究した。
【0265】
HPLCシステム:HP1100。カラム:PLRP-S、2.1×50mm、3um、移動相:、40%アセトニトリル及び0.1%HCOOH、流量:0.2mL/分、注入量2.4μL、検出波長:286nm、実行時間:8分。
【0266】
2時間での粒子からのグリセオフルビンの放出は、遊離グリセオフルビン粉末からの放出と比較して70%であった。
【0267】
[実施例24 アトルバスタチン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
アトルバスタチン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体6、100mg)を、加熱によりジメチルホルムアミド(0.7mL)中に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌してペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、20%w/wのアトルバスタチンカルシウム-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(1:1)を含んでいた。
【0268】
粒子から水へのアトルバスタチンの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0269】
HPLCシステム:HP1100。カラム:PLRP-S、2.1×50mm、3um、移動相:、40%アセトニトリル及び0.1%HCOOH、流量:0.2mL/分、注入量2.4μL、検出波長:240nm、実行時間:3分。
【0270】
2時間での粒子からのアトルバスタチンの放出は、遊離アトルバスタチン粉末からの放出と比較して140%であった。2時間での粒子からのアトルバスタチンの放出は、遊離アトルバスタチン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体6)からの放出と比較して140%であった。
【0271】
[実施例25 ナイスタチン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
ナイスタチン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体8、100mg)を、加熱によりジメチルホルムアミド(0.6mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌してペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、20%w/wナイスタチン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(1:1)を含んでいた。
【0272】
[実施例26 ロサルタン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
ロサルタン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体5、100mg)を、加熱によりジメチルホルムアミド(0.7mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、20%w/wのロサルタンカリウム-2-ヒドロキシプロピル-β-サイクロデキストリン(1:3)を含んでいた。
【0273】
粒子から水へのロサルタンの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0274】
HPLCシステム:HP1100。カラム:PLRP-S、2.1×50mm、3um、移動相:、40%アセトニトリル及び0.1%HCOOH、流量:0.2mL/分、注入量2.4μL、検出波長:226nm、実行時間:5分。
【0275】
2時間での粒子からのロサルタンの放出は、遊離ロサルタンカリウム粉末からの放出と比較して56%であった。2時間での粒子からのロサルタンの放出は、遊離ロサルタン-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(中間体5)粉末からの放出と比較して70%であった。
【0276】
[実施例27 アシクロビルを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
アシクロビル(DDL、100mg)をジメチルスルホキシド(0.5mL)に加熱により溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は20%w/wのアシクロビルを含んでいた。
【0277】
[実施例28 クロラムフェニコールを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
クロラムフェニコール(SigmaAldrich、100mg)をジメチルスルホキシド(0.5mL)に加熱により溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は20%w/wクロラムフェニコールを含んでいた。
【0278】
粒子から水へのクロラムフェニコールの放出を、HPLCを用いて経時的に調べた。
【0279】
HPLCシステム:HP1100。カラム:PLRP-S、2.1×50mm、3 um、移動相:、40%アセトニトリル及び0.1%HCOOH、流量:0.2mL/分、注入量2.4μL、検出波長:278nm、実行時間:12分。
【0280】
2時間での粒子からのクロラムフェニコールの放出は、遊離クロラムフェニコール粉末からの放出と比較して63%であった。4時間での粒子からのクロラムフェニコールの放出は、遊離クロラムフェニコール粉末からの放出と比較して59%であった。5時間での粒子からのクロラムフェニコールの放出は、遊離クロラムフェニコール粉末からの放出と比較して57%であった。
【0281】
[実施例29 クロラムフェニコールを含む結晶性cCVD-SP]
クロラムフェニコール(SigmaAldrich、200mg)を、加熱することによってジメンチルスルホキシド(0.7mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の結晶シリコン粒子(800mg、バッチ番号R5F3、平均粒径2332nM、PDI 0.407)に滴下した。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は20%w/wクロラムフェニコールを含んでいた。
【0282】
粒子から水へのクロラムフェニコールの放出を、HPLCを用いて経時的に調べた。
【0283】
HPLCシステム:HP1100。カラム:PLRP-S、2.1×50mm、3um、移動相:、40%アセトニトリル及び0.1%HCOOH、流量:0.2mL/分、注入量2.4μL、検出波長:278nm、実行時間:12分。
【0284】
2時間での粒子からのクロラムフェニコールの放出は、遊離クロラムフェニコール粉末からの放出と比較して85%であった。4時間での粒子からのクロラムフェニコールの放出は、遊離クロラムフェニコール粉末からの放出と比較して98%であった。5時間での粒子からのクロラムフェニコールの放出は、遊離クロラムフェニコール粉末からの放出と比較して100%であった。
【0285】
[実施例30 プレドニソロンを含む結晶性cCVD-SP]
プレドニソロン(SigmaAldrich、200mg)をジメチルホルムアミド(1.0mL)に加熱して溶解した。この溶液を、乳鉢中の結晶シリコン粒子(800mg、バッチ番号R5F3、平均粒径2332nm、PDI 0.407)に滴下した。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は20%w/wのプレドニソロンを含んでいた。
【0286】
[実施例31 アシクロビルを含む結晶cCVD-SP]
アシクロビル(DDL、200mg)をジメチルスルホキシド(1.0mL)に加熱して溶解した。この溶液を、乳鉢中の結晶シリコン粒子(800mg、バッチ番号R5F3、平均粒径2332nm、PDI 0.407)に滴下した。粒径は100~300nmであった。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は20%w/wのアシクロビルを含んでいた。
【0287】
[実施例32 フェニトインを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
フェニトイン(DDL、100mg)を加熱によりジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(900mg)に滴下した。粒子は、安定な非晶質凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は10%w/wフェニトインを含んでいた。
【0288】
粒子から水へのフェニトインの放出を、HPLCを用いて経時的に研究した。
【0289】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、50%アセトニトリル、流量:1mL/分、注入5μL、検出波長:210及び200nm、実行時間:6分。
【0290】
2時間での粒子からのフェニトインの放出は、遊離フェニトイン散からの放出と比較して134%であった。
【0291】
[実施例33 フェノバルビタールを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
フェノバルビタール(DDL、100mg)を加熱によりジメチルホルムアミド(0.7mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(900mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は10%w/wのフェノバルビタールを含んでいた。
【0292】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、50%アセトニトリル、流量:1mL/分、注入5μL、検出波長:210及び200nm、実行時間:6分。
【0293】
2時間での粒子からのフェノバルビタールの放出は、遊離フェノバルビタール粉末からの放出と比較して174%であった。
【0294】
[実施例34 フェニトイン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP凝集体]
フェニトイン2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(中間体15,100mg)を、加熱によりジメチルホルムアミド(0.6mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(900mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、2.5%w/wフェニトインを含んでいた。
【0295】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、50%アセトニトリル、流量:1mL/分、注入5μL、検出波長:210及び200nm、実行時間:6分。
【0296】
2時間での粒子からのフェニトインの放出は、遊離フェニトイン散からの放出と比較して206%であった。2時間での粒子からのフェニトインの放出は、遊離2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(中間体15)からの放出と比較して100%であった。
【0297】
[実施例35 フェノバルビタール2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP凝集体]
フェノバルビタール2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(中間体14,100mg)を、加熱によりジメチルホルムアミド(0.6mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(900mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌してペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は2.3%w/wのフェノバルビタールを含んでいた。
【0298】
HPLCシステム:HP1100。カラム:Zorbax Extend C-18、4.6×250mm、5um、移動相:、50%アセトニトリル、流量:1mL/分、注入5μL、検出波長:210及び200nm、実行時間:6分。
【0299】
2時間での粒子からのフェノバルビタールの放出は、遊離フェノバルビタール粉末からの放出と比較して290%であった。2時間での粒子からのフェノバルビタールの放出は、遊離フェノバルビタール2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン複合体(中間体14)からの放出と比較して80%であった。
【0300】
[実施例36 アンホテリシンBγ-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
アンホテリシンB-ガンマ-シクロデキシトリン複合体(中間体16,100mg)をジメチルホルムアミド(0.6mL)に加熱溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は7.5%のアンホテリシンBを含んでいた。
【0301】
[実施例37 テトラサイクリン塩酸塩メチル-β-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP凝集体]
テトラサイクリン-HCl-メチル-β-シクロデキストリン複合体(中間体17,100mg)を、加熱によりジメチルホルムアミド(1.0mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、3.9%テトラサイクリンHClを含んでいた。
【0302】
[実施例38 シタラビンβ-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP]
シタラビンβ-シクロデキストリン複合体(中間体18,100mg)を、加熱によりジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は2.2%(w/w)シタラビンを含んでいた。
【0303】
[実施例39 アモキシシリンβ-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP]
アモキシシリンβ-シクロデキストリン複合体(中間体19,100mg)を、加熱によりジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は3.4%(w/w)のアモキシシリンを含んでいた。
【0304】
[実施例40 フェニトイン4-スルホブイル-β-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP凝集体]
フェニトイン4-スルホブイル-β-シクロデキストリン複合体(中間体20,100mg)をジメチルスルホキシド(0.5mL)に加熱して溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、1.7%(w/w)フェニトインを含んでいた。
【0305】
[実施例41 フェノバルビタール4-スルホブイル-β-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP凝集体]
フェノバルビタール4-スルホブイル-β-シクロデキシトリン複合体(中間体21,100mg)をジメチルスルホキシド(0.5mL)に加熱により溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は安定な凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は1.6%のフェノバルビタールを含んでいた。
【0306】
[実施例42 グリセオフルビン4-スルホブイル-β-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP]
グリセオフルビン4-スルホブイル-β-シクロデキシトリン複合体(中間体22,100mg)をジメチルスルホキシド(0.5mL)に加熱して溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18)。平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は、2.3%グリセオフルビンを含んでいた。
【0307】
[実施例43 プレドニソロン4-スルホブイル-β-シクロデキストリン複合体を含む非晶質cCVD-SP]
プレドニソロン-4-スルホブイル-β-サイクロデキストリン複合体(中間体23,100mg)をジメチルホルムアミド(0.5mL)に加熱溶解した。この溶液を乳鉢中の非晶質シリコン粒子(400mg)に滴下した。粒子は凝集体の形態であった(バッチ番号H18、平均凝集体直径210nm、PDI 0.190)。混合物を乳鉢中で乳棒を用いて5分間撹拌し、ペーストを形成した。乳鉢を乳棒と共に高真空下50℃で24時間乾燥させた。乾燥粒子を乳鉢から掻き取った。粒子は2.3%のプレドニソロンを含んでいた。
【0308】
[実施例44 ポリソルベート80でコーティングされたアンホテリシンBγ-シクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
アンホテリシンBγ-シクロデキストリン(実施例36から、50mg)を含む非晶質cCVD-SP凝集体を、ポリソルベート80の水溶液(DDL、0.2%w/w、1mL)に懸濁した。混合物を5分間超音波処理し、5分間遠心分離した(14×000rpm)。上清を除去し、粒子を50℃で12時間乾燥させた。
【0309】
[実施例45 ポリソルベート20でコーティングされたテトラサイクリン塩酸塩メチル-β-サイクロデキストリンを含む非晶質cCVD-SP凝集体]
テトラサイクリン塩酸塩メチル-β-サイクロデキストリン(実施例37から、50mg)を含む非晶質cCVD-SP凝集体を、ポリソルベート20の水溶液(DDL、0.2%w/w、1mL)に懸濁した。混合物を5分間超音波処理し、5分間遠心分離した(14×000rpm)。上清を除去し、粒子を50℃で12時間乾燥させた。
【0310】
[実施例46 シタラビンβ-シクロデキストリンを含むクレモホールELコーティングされた非晶質cCVD-SP凝集体]
シタラビンベータ-シクロデキストリン(実施例38から、50mg)を含む非晶質cCVD-SP凝集体を、Cremophor EL(Sigma、0.2%w/w、1mL)の水溶液に懸濁させた。混合物を5分間超音波処理し、5分間遠心分離した(14×000rpm)。上清を除去し、粒子を50℃で12時間乾燥させた。
【0311】
[実施例47 ラパマイシンを含む非晶質cCVD-SP(50%重量充填)]
ラパマイシン充填粒子の調製:210nmの流体力学的サイズ及び0.190のPDIを有する非晶質凝集シリコン粒子(バッチ番号H18)を、Pluronic F-127(Sigma)で最初にコーティングした(吸着、非共有結合コーティング)。Pluronic F-127の0.5%(w/v)溶液を400mgのH18に添加し、続いてソニケータ浴中で15分間超音波で処理し、遠心分離し、水で3回洗浄し、上清を除去した後に一晩真空乾燥した。ラパマイシン(MedChem express)及びプルロニックコーティングされたH18を秤量し、ジメチルホルムアミドに溶解した。分散液をソニケータ浴中で10分間超音波で処理した後、それぞれ125μgのラパマイシンを含有するアリコートにピペッティングした。アリコートを真空下で一晩乾燥させた。
【0312】
ラパマイシンの総重量:5mg
プルロニック-コーティングされたH18の総重量:5mg
粒子生成物は、190.3nmの流体力学的サイズ及び0.362のPDIを有していた。
【0313】
放出試験:上記で調製したSi粒子中0.125mgのラパマイシンを含有する1つのアリコートバイアルを、放出試験のために選択した。乾燥した粒子ペレットをスパチュラで粉砕して微粉末にした。1mLの精製水を添加し、懸濁液を1分間超音波処理した後、50mLの緩衝溶液を有する丸いボトルに添加した。懸濁液を37℃で48時間撹拌した。0.5、1、3、6、24、30及び48時間後に1mLの試料を採取し、14 000rpmで6分間遠心分離し、上清を真空下(Speedvac濃縮器)で一晩乾燥させた。高速液体クロマトグラフィー(HPLC、Surveyor Finnigan、Thermo)分析の前に、500μlのメタノールによる試料の再構成、それに続く塩の除去のための遠心分離(6分、14 000rpm)を行った。定量は、クロマトグラフィーラパマイシンピーク下面積を、既知濃度のメタノール溶液中のラパマイシンから作成したクロマトグラフィー標準曲線と比較することによって行った。HPLC条件:PLRP-S逆相カラム(1x150mm、Agilent Technologies)を摂氏55度に設定し、0.1%ギ酸を含む70%アセトニトリル及び0.1%ギ酸を含む30%精製水の移動相による定組成溶離、流量100μL/分、注入量20μL、UVPDA検出。278nmを、定量化のためのラパマイシンのピーク吸収として選択した。
【0314】
緩衝溶液:pH 7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)。
【0315】
放出実験を3回行った。平均ラパマイシン放出を時間に対してプロットした(図4)。対照実験:pH 7.4及び37℃のPBS中の遊離ラパマイシン粉末の過飽和溶液(2回の実験)。
【0316】
[実施例48 ラパマイシン(10%重量充填)を含む非晶質cCVD-SP]
ラパマイシン充填粒子の調製は、実施例47に記載のように行い、ラパマイシン重量5mg及びプルロニックコーティングされたH18重量45mgを使用して、10%重量充填を得た。粒子生成物は、177.7nmの流体力学的サイズ及び0.147のPDIを有していた。
【0317】
放出研究を、pH 7.4のPBS及びpH 5.8のPBSを別々に用いて、実施例47に記載されるように行った。3回の放出実験を各緩衝溶液で行った。平均ラパマイシン放出を時間に対してプロットした(図5)。
【0318】
[実施例49 ラパマイシン(5%重量充填)を含む非晶質cCVD-SP]
ラパマイシン充填粒子の調製は、実施例47に記載されるように行われ、4mgのラパマイシン重量及び5%重量充填を得るために使用される71のプルロニックコーティングH18重量を用いた。粒子生成物は、154.5nmの流体力学的サイズ及び0.143のPDIを有していた。
【0319】
放出研究を、pH 7.4のPBS及びpH 5.8のPBSを別々に用いて、実施例47に記載されるように行った。3回の放出実験を各緩衝溶液で行った。平均ラパマイシン放出を時間に対してプロットした(図6)。
【0320】
[実施例50 ラパマイシンβ-シクロデキストリン複合体(5%重量充填ラパマイシン)を含む非晶質cCVD-SP]
16mgのラパマイシン-シクロデキストリン複合体(中間体24)重量及び60mgのプルロニックコーティングされたH18重量を使用して5%ラパマイシン重量充填を得て、実施例47に記載のようにラパマイシン充填粒子の調製を行った。粒子生成物は、165.7nmの流体力学的サイズ及び0.141のPDIを有していた。
【0321】
実施例47に記載したように、pH 7.4のPBSを用いて放出試験を行った。2回の放出実験を行った。平均ラパマイシン放出を時間に対してプロットした(図7)。対照:ラパマイシン-シクロデキストリン複合体(中間体2)。
【0322】
[実施例51 ラパマイシンβ-シクロデキストリン複合体(10%重量充填ラパマイシン)を含む非晶質cCVD-SP]
16mg重量のラパマイシン-シクロデキストリン複合体(中間体24)及び22mg重量のプルロニックコーティングされたH18を使用して10%ラパマイシン重量充填を得て、実施例47に記載のようにラパマイシン充填粒子の調製を行った。粒子生成物は、168.3の流体力学的サイズ及び0.128のPDIを有していた。
【0323】
実施例47に記載したように、pH 7.4のPBSを用いて放出試験を行った。2回の放出実験を行った。平均ラパマイシン放出を時間に対してプロットした(図7)。対照:ラパマイシン-シクロデキストリン複合体(中間体24)。
【0324】
[実施例52 ラパマイシン(10%重量充填)を含む非晶質cCVD-SPの加速安定性試験]
実施例48のように調製した粒子試料(プルロニックコーティングH18粒子中10%重量充填のラパマイシン)を含有する3つのバイアルを、生成物安定性試験に使用した。バイアルを、75%相対湿度(RH)の雰囲気を作り出す40℃の加熱キャビネット内に置かれた飽和塩溶液(NaCl)で底が満たされたデシケータ内に閉じたキャップと共に置いた。これらの条件は、薬物製品の加速安定性試験を表し、ICHガイドラインQ1Aによって示唆される。1つのバイアルを0点測定に使用し、1つのバイアルを1ヶ月後に分析し、3番目のバイアルを2ヶ月後に分析した。粒子ペレットをスパチュラで粉砕して分析したら、1mLのメタノールを添加し、バイアルをソニケータ浴中で15分間超音波処理した。このようにして、充填されたラパマイシンを粒子から抽出した。分散液をベンチ上に数時間放置した後、遠心分離し(6分、14krpm)、上清をHPLC分析によるラパマイシン定量のために回収した。粒子ペレットを、DLSによる流体力学的サイズの測定のために保存した。
【0325】
粒子バッチの流体力学的サイズは、40℃及び75%RH下での貯蔵の0ヶ月後の177.7nmから、1ヶ月後の163.1nm及び2ヶ月後の173.8nmへとほとんど変化しなかった。PDI値も、0ヶ月での0.147から、1ヶ月での0.126及び2ヶ月での0.169へとほとんど変化しなかった。
【0326】
Zorbax C18カラム(1×150mm、3.5μm、Agilent)、0.1%トリフルオロ酢酸を含む80%メタノールの定組成溶離及び5μlの注入量(他の条件は実施例47に記載)を用いて、0時間目及び1ヶ月後のラパマイシンの同定のためのHPLC分析を行った。2ヶ月貯蔵後の試料のHPLC分析を、実施例47に記載の放出試料分析と同様に行った。
【0327】
ラパマイシンピークは、2.6~2.9分後に見られる(図8)。クロマトグラムに新たなピークが発生しないことは、粒子生成物を40℃及び75%RH下で1ヶ月後及び2ヶ月後に保存した際にラパマイシンの分解がほとんどないことを示す。これは、冷蔵条件での貯蔵中の薬物製品の安定性を示す。
【0328】
[実施例53 二重送達(水素+エリスロマイシン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例13のように調製した粒子(29mg、NM014)を、水を含む倒立計量バイアル中の水素出口用の針を有する管を備えた丸いボトル中のTRIS緩衝液(25mL、pH 8.0)中に懸濁させた。逆さにしたバイアルを水浴(ガスの収集のための標準的な実験室用アップセット)に入れる。懸濁液を37℃で撹拌した。
【0329】
2時間後、4mLの水素ガスが発生した(154mL/g Siに相当)。実施例13から、2時間の間に、遊離エリスロマイシン粉末と比較して、219%のエリスロマイシンが粒子から放出された。21時間後、7mLの水素ガスが発生した(269mL/g Siに相当)。
【0330】
[実施例54 二重送達(水素+エリスロマイシン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例15のように調製した粒子(31mg、NM022)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、8mLの水素ガスが発生した(286mL/g Siに相当)。21時間後、23mLの水素ガスが発生した(821mL/g Siに相当)。
【0331】
[実施例55 二重送達(水素+グリセオフルビン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例18のように調製した粒子(51mg、NM025)を、実施例53のように水素発生について試験した。実施例18から、2時間の間に、遊離グリセオフルビン粉末と比較して、109%のグリセオフルビンが粒子から放出された。21時間後、22mLの水素ガスが発生した(478mL/g Siに相当)。
【0332】
[実施例56 二重送達(水素+グリセオフルビン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例16のように調製した粒子(52mg、NM023)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、13mLの水素ガスが発生した(277mL/g Siに相当)。実施例16から、2時間の間に、遊離グリセオフルビン粉末と比較して、99%のグリセオフルビンが粒子から放出された。21時間後、47mLの水素ガスが発生した(1000mL/g Siに相当)。
【0333】
[実施例57 二重送達(水素+セレコキシブ)のための非晶質cCVD粒子]
実施例22のように調製した粒子(52mg、NM029)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、7.5mLの水素ガスが発生した(179mL/g Siに相当)。実施例22から、2時間の間に、遊離セレコキシブ粉末と比較して、210%のセレコキシブが粒子から放出された。4時間後、12mLの水素ガスが発生した(286mL/g Siに相当)。
【0334】
[実施例58 二重送達(水素+フェニトイン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例32のように調製した粒子(57mg、NM041)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、13mLの水素ガスが発生した(253mL/g Siに相当)。実施例32からは、2時間の間に、遊離フェニトイン散と比較して134%のフェニトインが粒子から放出された。16時間後、34mLの水素ガスが発生した(663mL/g Siに相当)。
【0335】
[実施例59 二重送達(水素+フェノバルビタール)のための非晶質cCVD粒子]
実施例33のように調製した粒子(54mg、NM042)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、40mLの水素ガスが発生した(823mL/g Siに相当)。実施例33から、2時間の間に、遊離フェノバルビタール粉末と比較して、174%のフェノバルビタールが粒子から放出された。16時間後、53mLの水素ガスが発生した(1090mL/g Siに相当)。
【0336】
[実施例60 二重送達(水素+フェニトイン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例34のように調製した粒子(63mg、NM044)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、5mLの水素ガスが発生した(99mL/g Siに相当)。実施例34からは、2時間の間に、遊離フェニトイン散と比較して206%のフェニトインが粒子から放出された。16時間後、40mLの水素ガスが発生した(794mL/g Siに相当)。
【0337】
[実施例61 二重送達(水素+フェノバルビタール)のための非晶質cCVD粒子]
実施例35のように調製した粒子(64mg、NM045)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、7mLの水素ガスが発生した(137mL/g Siに相当)。実施例35から、2時間の間に、遊離フェノバルビタール粉末と比較して、290%のフェノバルビタールが粒子から放出された。16時間後、35mLの水素ガスが発生した(684mL/g Siに相当)。
【0338】
[実施例62 二重送達(水素+グリセオフルビン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例17のように調製した粒子(63mg、NM024)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、7.5mLの水素ガスが発生した(149mL/g Siに相当)。実施例17から、2時間の間に、遊離グリセオフルビン粉末と比較して、130%のグリセオフルビンが粒子から放出された。3日後、15mLの水素ガスが発生した(298mL/g Siに相当)。
【0339】
[実施例63 二重送達(水素+グリセオフルビン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例23のように調製した粒子(81mg、NM030)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、3mLの水素ガスが発生した(74mL/g Siに相当)。実施例23から、2時間の間に、遊離グリセオフルビン粉末と比較して、70%のグリセオフルビンが粒子から放出された。16時間後、22mLの水素ガスが発生した(544mL/g Siに相当)。
【0340】
[実施例64 二重送達(水素+ロサルタン)のための非晶質cCVD粒子]
実施例26のように調製した粒子(57mg、NM033)を、実施例53のように水素発生について試験した。2時間後、5mLの水素ガスが発生した(97mL/g Siに相当)。実施例26からは、2時間の間に、遊離ロサルタン粉末と比較して、ロサルタンの56%が粒子から放出された。3日後、28mLの水素ガスが発生した(546mL/g Siに相当)。
【0341】
[実施例65 5%のラパマイシンを含む非晶質cCVD-SPを含む錠剤]
各錠剤は以下:
ラパマイシン(5%重量充填)を含む非晶質cCVD-SP(実施例49から、100mg)
微結晶セルロース360mg
クロスキャラメルロース(Na)(aCDiSO)20mg
ステアリン酸20mgを含む。
【0342】
すべての成分をブレンドする。錠剤を圧縮する。錠剤直径10mm錠剤重量:500mg。ラパマイシン含量:5mg。
【0343】
[実施例66 5%のラパマイシンを含む非晶質cCVD-SPを含む注射用懸濁液]
ラパマイシン(5%重量充填)を含む非晶質cCVD-SPを、無菌生産プロセスを使用して、実施例49の手順と同様に、滅菌cCVD-SP及び滅菌ラパマイシンから調製する。
【0344】
滅菌粒子(100mg)を、定組成グルコース溶液(50mL、5%w/v)の滅菌溶液中に、無菌条件下で10分間の超音波処理によって懸濁する。懸濁液を注射バイアル(5mL)に無菌的に充填する。各バイアルは10mgの粒子を含有する。
【0345】
[実施例67 凝集非晶質cCVD-SPの化学的-物理的安定性]
非晶質形態のcCVD-SP(バッチ番号H18)を、1~5mg/mLの濃度で異なる溶液中に懸濁した。5時間後及び4日後に試料を取り出して、サイズ測定によって溶液中の凝集粒子の安定性を評価した。単一粒子は、SEM画像から分かるように20~50nmのサイズを有するが、より小さい単一粒子から構成された凝集粒子は、DLSで測定されるように約200nmのサイズを有する。
【0346】
化学的安定性をpH 7.4のPBS緩衝液中で試験し、物理的安定性を、試料バイアルを手で振盪し、超音波浴処理を最大15分間行い、水浴中で高温(37℃)に曝露し、激しく磁気撹拌することによって試験した。
【0347】
精製水中の凝集粒子は、バイアルを振盪した後に282nm(PDI:0.287)の流体力学的サイズを与え、超音波処理後に209nm(PDI:0.189)のサイズを与えた。したがって、超音波処理は、弱く結合した大きな凝集体を容易に分散させるが、粒子凝集体を単一粒子に分離しない。非晶質凝集cCVD-SPを室温でPBSに5時間及び4日間浸漬した後、流体力学的サイズ(1分間の超音波処理後)は、それぞれ264nm(PDI:0.352)及び323nm(PDI:0.479)であった。37℃の精製水及びPBS中で、5時間(及び1分間の超音波処理)後の流体力学的サイズは、それぞれ249nm(PDI:0.238)及び344nm(PDI:0.463)であった。激しく磁気撹拌しながら37℃でPBS中に浸漬すると(続いて1分間の超音波処理)、5時間後に446nm(PDI:0.492)、4日後に469nm(PDI:0.522)の流体力学的サイズが得られた。PBS、高温処理及び磁気撹拌は、安定な凝集体をばらばらにしないが、弱く結合した凝集体から構成された大きな粒子の形成を増加させる。
【0348】
[実施例68 界面活性剤及びアルブミンの存在下での凝集した非晶質cCVD-SPの安定性]
実験は実施例67と同様に行った。非晶質凝集体粒子(バッチ番号H18)を、0.1%(w/v)Pluronic F-127(Sigma)若しくはポリソルベート80(Apotekproduksjon)、又はヒト血清由来の4%(w/v)アルブミン(≧96%、Sigma)を添加した精製水及びPBSに浸漬した。すべての試料を超音波浴中で1分間処理した後、流体力学的サイズを測定した。
【0349】
アルブミン、Pluronic F-127及びポリソルベート80を添加した水中に浸漬した粒子は、5時間後に264nm(PDI:0.215)、221nm(PDI:0.168)、193nm(PDI:0.115)及び4日後に277nm(PDI:0.243)、292nm(PDI:0.269)、234nm(PDI:0.226)の流体力学的サイズを示した。アルブミン、Pluronic F-127及びポリソルベート80を添加したPBSに浸漬した粒子は、5時間後に266nm(PDI:0.192)、186nm(PDI:0.145)、185nm(PDI:0.122)及び4日後に291nm(PDI:0.244)、330nm(PDI:0.383)、193nm(PDI:0.139)の流体力学的サイズを示した。
【0350】
凝集粒子は、単一粒子に崩壊しないという点で安定である。PBS中での凝集は、プルロニックF-127、ポリソルベート80又はアルブミンを添加した後には、これらを添加しない場合ほど広範囲には見られない。これらの物質は、PBS溶液中で粒子を安定化させる吸着コーティングを形成する可能性が高い。
【0351】
[実施例69 血液の人工インビトロモデルにおける凝集した非晶質cCVD-SPの安定性]
実験は実施例67と同様に行った。非晶質凝集体粒子(バッチ番号H18)を、37℃の水浴中に保持されたヒト血清由来の4%(w/v)アルブミン(≧96%、Sigma)を含むPBSを含有するインビトロ血液モデルに浸漬した。
【0352】
5時間後に測定した流体力学的サイズは、手で振盪した後、319nm(PDI:0.288)であり、1分間超音波処理した後、310nm(PDI:0.231)であった。純水と比較して、粒子のいくらかの凝集が、人工血液において見られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】