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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】接触センサ
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20240409BHJP
   G01M 17/02 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G01M17/007 Z
G01M17/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565489
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022026950
(87)【国際公開番号】W WO2022232520
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/182,024
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504368815
【氏名又は名称】テクスキャン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Tekscan,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ポドロフ,ロバート,エム.
(72)【発明者】
【氏名】アラドロ,カミロ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ルーミス,ゲアリー
(72)【発明者】
【氏名】ハーティー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】オファイム,アーノン
(72)【発明者】
【氏名】パップ,ガボール
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は、タイヤと表面との間の接地面の1つ以上のパラメータを測定するための薄くて軽い携帯型のシステムに関する。システムは、表面に取り外し可能に固定されることができるセンサのアレイで構成されてもよい。センサのアレイは、タイヤと表面との間の接地面の1つ以上のパラメータを測定してもよい。更に、システムは、センサのアレイからの測定値をデータとして解釈し、データを記憶するように構成されたスキャナを含んでもよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動しているタイヤと実際の又はシミュレートされた路面との間に生じる接触領域のサイズ、形状、及び垂直圧力プロファイルを測定するための軽量で携帯型のシステムであって、
力又は圧力感知素子の薄い可撓性アレイと、
前記感知素子のアレイを走査して、ある時間における前記アレイの表面上の接触力又は圧力を判定するための手段と、
前記時間における前記アレイの前記表面上の前記接触力又は圧力に関連付けられたデータを記憶するための手段と、
外部コンピューティングデバイス上での分析のために、記憶された前記データを収集するための手段と、
前記記憶されたデータを前記外部コンピューティングデバイスに無線で転送するための手段と、を備える、システム。
【請求項2】
可動ドラム試験システム又はベルト試験システムに装着されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
道路又は軌道面上に設置されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記タイヤの表面上に装着されるか、又は前記タイヤ内に埋め込まれるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記力又は圧力感知素子のアレイが、1つ以上のピエゾ抵抗又は容量センサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記力又は圧力感知素子のアレイが、前記システムから分離可能であるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記記憶されたデータを収集するための前記手段が、前記システムから選択的に取り外し可能であるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、約500グラム以下の重量であり、前記システムの上部が、前記実際の又はシミュレートされた路面に装着されたときに、前記実際の又はシミュレートされた路面から離れる方向に2.5cm以下の高さに位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
移動しているタイヤと実際の又はシミュレートされた路面との間の接触領域の1つ以上のパラメータに関連付けられたデータを処理するように構成された携帯型タイヤ接触測定デバイスであって、
薄く平坦な可撓性材料ストリップ上に配置されており、かつ前記実際の又はシミュレートされた路面に装着されるように構成されたセンサの1×Nアレイであって、Nが、1よりも大きい整数であり、前記アレイが、前記移動しているタイヤと前記実際の又はシミュレートされた路面との間の前記接触領域の1つ以上のパラメータを感知するように構成されている、センサの1×Nアレイと、
前記材料ストリップによって支持されたスキャナと、備え、
前記スキャナは、前記アレイによって感知された、前記移動しているタイヤと前記実際の又はシミュレートされた路面との間の前記接触領域の前記1つ以上のパラメータに関連付けられた前記データを受信し、かつ記憶するように構成されている、デバイス。
【請求項10】
前記スキャナが、前記データを分析するように構成されたプロセッサと通信するように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記スキャナが、前記データを分析するように構成されたプロセッサを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスが、約500グラム以下の重量である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項13】
前記薄く平坦な可撓性材料ストリップに装着されたハウジングを更に備え、
前記ハウジングが、前記スキャナを収容するように構成されており、
前記ハウジングの上部が、前記実際の又はシミュレートされた路面に装着されたときに、前記実際の又はシミュレートされた路面から離れる方向に2.5cm以下の高さに位置決めされる、請求項9に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスが、試験システムに装着されるように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスが、試験システムの回転可能ドラムの外側円筒面に装着されるように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスが、試験システムの可動金属ベルトの表面に装着されるように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項17】
前記スキャナが、約20,000Hzのポーリングレートで前記アレイをポーリングするように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項18】
前記移動しているタイヤと前記実際の又はシミュレートされた路面との間の前記接触領域の前記1つ以上のパラメータに関連付けられた前記データを分析するように構成されている分析デバイスと組み合わされ、
前記分析デバイスが、前記移動しているタイヤと前記実際の又はシミュレートされた路面との間の前記接触領域のデジタル画像を生成するように更に構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項19】
前記移動しているタイヤと前記実際の又はシミュレートされた路面との間の前記接触領域の前記1つ以上のパラメータに関連付けられた前記データを分析するように構成されている分析デバイスと組み合わされ、
前記プロセッサが、前記分析デバイスと無線で通信するように更に構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項20】
前記薄く平坦な可撓性材料ストリップに装着されたハウジングと、前記ハウジング内に収容された分析デバイスと、を更に備え、
前記分析デバイスが、前記移動しているタイヤと前記実際の又はシミュレートされた路面との間の前記接触領域の前記1つ以上のパラメータに関連付けられた前記データを分析するように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項21】
前記デバイスが、前記タイヤの表面上に装着されるように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項22】
前記アレイが、前記タイヤ内に埋め込まれるように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項23】
前記薄く平坦な可撓性材料ストリップに装着されたハウジングを更に備え、
前記薄く平坦な可撓性材料ストリップが、マイラーストリップであり、
前記アレイ及び前記ハウジングが、マイラーストリップに装着されており、
前記ハウジングが、前記スキャナを収容するように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項24】
動的タイヤ接地面を測定するための力感知アレイセンサであって、
実際の又はシミュレートされた平坦な路面に装着されるように構成された薄い可撓性マイラーストリップと、
前記ストリップに装着されたピエゾ抵抗センサの1×128アレイと、
前記マイラーストリップに装着されたハウジングと、
前記ハウジング内に収容されており、前記センサと通信する走査電子機器及び記録電子機器と、を備え、
前記走査電子機器が、約20,000Hzのレートで前記センサを走査するように構成され、
前記記録電子機器が、前記走査電子機器によって走査されたデータを記憶するように構成されている、アレイセンサ。
【請求項25】
前記走査電子機器によって走査された、記憶された前記データを分析するように構成された分析デバイスと無線で通信するように構成された通信電子機器を更に含む、請求項24に記載のアレイセンサ。
【請求項26】
前記分析デバイスと組み合わされ、前記分析デバイスが、前記動的タイヤ接地面の画像を生成するように構成されている、請求項24に記載のアレイセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、接触センサ、例えば、タイヤと実際の又はシミュレートされた道路との間の接地面を感知するように構成されたセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のタイヤと表面との間の接地面のサイズ、形状及び圧力分散は、車両の荷重、速度及び方向だけでなく、トレッドパターンの設計及びタイヤ自体に使用される材料の関数でもある。車両の最終的な性能に対する接地面の影響のために、タイヤ製造業者は、実際の(例えば、道路上の)試験条件及びシミュレートされた試験条件の両方において、接地面を観察及び測定するための方法を採用し得る。
【0003】
一般的に言えば、タイヤ製造業者は、タイヤの接地面に関するデータを収集する1つ以上の既知の方法を採用し得る。例えば、従来の方法には、タイヤ表面上にインクを転がすこと、及びインクが塗られたタイヤを紙のシート上で転がすことなどの単純な解決策が含まれる。他の従来の方法は、鋳鉄ドラムを使用して路面をシミュレートすること、又は透明プレートに装着されたカメラシステムを使用して、接地面の写真を撮ることを含む。
【発明の概要】
【0004】
一態様によれば、移動しているタイヤと実際の又はシミュレートされた路面との間に生じる接触領域のサイズ、形状、及び垂直圧力プロファイルを測定するための軽量で携帯型のシステムは、力又は圧力感知素子の薄い可撓性アレイと、感知素子のアレイを走査して、ある時間におけるアレイの表面上の接触力又は圧力を判定するための手段とを含む。システムは、時間におけるアレイの表面上の接触力又は圧力に関連付けられたデータを記憶するための手段、外部コンピューティングデバイス上での分析のために記憶されたデータを収集するための手段、及び記憶されたデータを外部コンピューティングデバイスに無線で転送するための手段を更に含む。
【0005】
別の態様によれば、移動しているタイヤと実際の又はシミュレートされた路面との間の接触領域の1つ以上のパラメータに関連付けられたデータを処理するように構成された携帯型タイヤ接触測定システムデバイスは、薄く平坦な可撓性材料ストリップ上に配置され、かつ実際の又はシミュレートされた路面に装着されるように構成されたセンサの1×Nアレイであって、Nが、1よりも大きい整数であり、アレイが、移動しているタイヤと実際の又はシミュレートされた路面との間の接触領域の1つ以上のパラメータを感知するように構成されている、センサの1×Nアレイを含む。材料ストリップによって支持されたスキャナは、アレイによって感知された移動しているタイヤと実際の又はシミュレートされた路面との間の接触領域の1つ以上のパラメータに関連付けられたデータを受信し、かつ記憶するように構成されている。
【0006】
更に別の態様によれば、動的タイヤ接地面を測定するための力感知アレイセンサは、実際の又はシミュレートされた平坦な路面に装着されるように構成された薄い可撓性マイラーストリップ、及びストリップに装着されたピエゾ抵抗センサの1×128アレイを含む。アレイセンサは、マイラーストリップに装着されたハウジング、及びハウジング内に収容され、センサと通信する走査電子機器及び記録電子機器を更に含んでもよく、走査電子機器は、約20,000Hzのレートでセンサを走査するように構成されており、記録電子機器は、走査電子機器によって走査されたデータを記憶するように構成されている。
【0007】
本開示はこの点で限定されないので、前述の概念、及び以下で説明する追加の概念は、任意の適切な組合せで構成され得ることを理解されたい。そのうえ、本開示の他の利点及び新規な特徴は、添付の図面と併せて考慮されるとき、様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として説明され、添付の図面は概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図していない。図においては、示されている同一又はほぼ同一な各構成要素は、単一の数字で表されている。明確にする目的で、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合、全ての構成要素が全ての図においてラベル付けされているわけではなく、本開示の各実施形態の全ての構成要素が示されているわけでもない。図面は以下の通りである。
図1A】例示的な一実施形態による、携帯型タイヤ接触測定システムの上面図である。
図1B図1Aの実施形態による、携帯型タイヤ接触測定システムの斜視図である。
図2A図1A図1Bの実施形態による、携帯型タイヤ接触測定システムのデータの流れを示す概略図である。
図2B】別の例示的な実施形態による、携帯型タイヤ接触測定システムのデータの流れを示す概略図である。
図3】例示的な一実施形態による、タイヤ接地面試験リグに取り付けられた携帯型タイヤ接触測定システムの斜視図である。
図4】例示的な一実施形態による、タイヤ接地面データを収集及び処理する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
タイヤの接地面は、文字通り、エンジン及び/又はドライブトレインの角運動量を移動している車両の線形運動量に変換することに関して、「ゴムが道路に接触する」場所である。したがって、動的に変化し得る接地面に関連付けられたパラメータ(例えば、荷重、速度、方向、トレッドパターン、材料特性など)は、タイヤ製造業者、サスペンション設計者、レーシングカー運転者、並びに異なるタイプ、形状、及びサイズの車両及び/又はタイヤの膨大な数のアレイの設計及び生産に関与する多くの他の者にとって主要な関心事である。したがって、タイヤ製造業者、サスペンション設計者、レーシングカー運転者及び/又はその他が、タイヤと実際の又はシミュレートされた路面との間の接地面に関連付けられたデータを収集する手段を採用することが望ましい場合がある。
【0010】
一般的に言えば、接地面に関連付けられたパラメータを測定するための従来のシステムは、タイヤ表面上にインクを転がすこと及び紙のシートのインクが塗られたたタイヤを転がすことなどの単純な解決策を含んでもよい。代替的又は追加的に、鋳鉄ドラムを有する装置にタイヤを取り付けること、又は透明プレートに装着されたカメラシステムを使用して、接地面の写真を撮ることなど、より複雑な方法が採用されてもよい。しかしながら、タイヤ上でインクを転がすことなどの単純な方法は、不正確又は不完全なデータをもたらす可能性があり、一方、より複雑な方法は、所望のデータを収集するために、重く大型の試験リグを必要とする可能性がある。更に、このようなシステムはモジュール式ではなく、ユーザのニーズが変化する可能性があるため、従来のシステムを適合させることができない。上記を考慮して、本発明者は、接触センサシステムが携帯可能であり、複数の潜在的な試験条件(例えば、真の路面、ベルト、ドラムなど)に適合するようなサイズにすることができる接触センサシステムの利点を認識している。
【0011】
代替的に又は追加的に、タイヤの接地面に関連付けられたパラメータを測定するための従来のシステムは、固定ポーリングレート(例えば、システムが接地面に関するデータを収集する1秒当たりの回数)で接地面のパラメータを測定することができる場合がある。典型的には、このレートは、200Hz~500Hzの範囲であってもよい。しかしながら、本発明者は、より高いポーリングレートが、いくつかの用途において必要とされ得るように、ユーザがより高い精度でデータを収集することを可能にし得ることを見出している。上記に鑑みて、本発明者は、約20,000Hzのレートでデータをポーリングすることができる接触センサシステムの利点を認識している。
【0012】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示による接触センサシステムは、接触センサシステムが携帯可能であること、かつ/又は約20,000Hzのポーリングレートでデータを収集することを可能にする特徴を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、携帯型タイヤ接触測定システムは、(例えば、実際の又はシミュレートされた路面とタイヤとの間の)タイヤ接地面の1つ以上のパラメータに関連透けられたデータを収集及び処理するように構成されている。1つ以上のパラメータは、接地面のサイズ、接地面の形状、接地面に対するタイヤの垂直圧力プロファイル、又は任意の他の好適なパラメータのうちの1つ以上を含んでもよい。1つ以上のパラメータは、携帯型タイヤ接触測定システムのセンサのアレイによって感知されてもよい。いくつかの実施形態では、センサのアレイは、1×Nアレイとして構成されており、これは、センサのアレイが、線(直線であってもよい)又は他の好適な構成で互いに隣接して(又は離隔されて)位置する一連のセンサからなることを意味する。センサのアレイは、タイヤが試験表面に沿って移動するとき、タイヤがセンサの1×Nアレイと接触するように、試験表面(例えば、実際の又はシミュレートされた路面、タイヤ、ベルト、ドラムなど)に取り外し可能に取り付け可能であり得る。したがって、センサの1×Nアレイは、タイヤ接地面の1つ以上のパラメータを感知してもよい。
【0014】
センサの1×Nアレイは、任意の好適な様式で、1つ以上のパラメータを測定してもよい。例えば、いくつかの事例では、アレイは、薄い可撓性ピエゾ抵抗センサからなり得る。もちろん、センサのアレイは、用途に応じて、他の好適なセンサ(例えば、光学センサ、感光センサ、誘導センサ、赤外線センサ、容量センサ、圧力抵抗材料から作製されたセンサなど)からなり得る。センサの1×Nアレイにおいて、Nは、1より大きく、測定されるべきタイヤの幅にわたって延在するのに好適な(かつ/又は実用的な)値より小さい任意の整数である。一実施形態では、後述するように、Nは128である。
【0015】
センサのアレイは、センサから出力された測定値を走査するように構成されたスキャナと電気通信してもよい。スキャナは、データ収集電子機器のセットを備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スキャナは、走査電子機器(例えば、データ収集電子機器)のセット及び/又は記録電子機器のセットを含む。走査電子機器は、センサのアレイが接触経路に関連付けられた1つ以上のパラメータを測定する際に、センサのアレイからデータを収集する役割を果たしてもよい。次に、走査電子機器は、センサからの測定値を離散データ点に変換してもよい。記録電子機器は、次いで、データを読み取り、かつ任意の適切なタイプのメモリ(例えば、NANDフラッシュメモリ、ハードドライブ、マイクロSDカード、ランダムアクセスメモリ、不揮発性メモリなど)に記憶してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、スキャナは、任意の好適なレートでセンサのアレイからデータをポーリングしてもよい。特に、スキャナは、35,000Hz、30,000Hz、25,000Hz以下のレート、及び/又は別の適切なポーリングレートで、データをポーリングしてもよい。それに対応して、スキャナは、5,000Hz、10,000Hz、15,000Hz以上のレート、及び/又は別の適切なポーリングレートで、データをポーリングしてもよい。5000Hz~35,000Hz、10,000Hz~30,000Hz、及び15,000Hz~25,000Hzのポーリングレートを含むがこれらに限定されない、上述の範囲の組み合わせが企図される。いくつかの実施形態では、ポーリングレートは、約20,000Hzである。もちろん、アプリケーションに応じて、任意の好適なポーリングレートが採用されてもよい。
【0017】
代替的又は追加的に、スキャナはまた、スキャナがデータを、外部分析デバイス、外部メモリ記憶装置、又は任意の他の好適な外部デバイスなどの別のデバイスに転送することを可能にする通信電子機器を含んでもよい。通信電子機器は、有線接続(例えば、ユニバーサルシリアルバス接続など)又は無線接続(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fiなど)のいずれかを通して、データを転送してもよい。いくつかの実施形態では、通信電子機器はまた、信号がデータの収集をトリガし、かつ/又はデータの収集を終了させることを可能にするなど、タイヤ接触測定システムの外部制御を可能にする役割を果たしてもよい。
【0018】
代替的又は追加的に、スキャナは、スキャナに搭載された走査電子機器、記録電子機器、及び/又は通信電子機器を制御する様式を含んでもよい。例えば、スキャナは、スキャナの様々な電子モジュールを動作させるように構成されたプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、(例えば、上述したように)センサのアレイからデータを取り出すように走査電子機器に指示するように構成されてもよい。更に、プロセッサは、(例えば、上述したように)データを記憶するように記録電子機器に指示するように構成されてもよい。更に、プロセッサは、(例えば、上述したように)データを送信するように、かつ/又は外部制御デバイスから受信されたコマンドを実行するように送信機に指示するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、(例えば、接地面のデジタル画像を形成するためにデータを使用することによって)スキャナに搭載されたデータを分析するように構成されている。プロセッサは、(例えば、上述の方法を採用することによって)スキャナのメモリ又は外部メモリ上で分析を記憶することが可能であってもよい。もちろん、プロセッサは、用途に応じて、任意の好適な方法でスキャナを制御するように構成されてもよい。好適なスキャナ及び/又は走査回路の例は、本出願人の米国特許第5,505,072号、同第5,756,904号、及び同第7,591,165号に記載されているものを含み、その各々が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
図を参照して、特定の非限定的な実施形態が更に詳細に説明される。これらの実施形態に関連して説明される様々なシステム、構成要素、特徴、及び方法は、本開示が本明細書に説明される特定の実施形態のみに限定されないので、個別に及び/又は任意の所望の組合せで使用され得ることを理解されたい。
【0020】
図1Aは、本開示による、携帯型タイヤ接触測定デバイス100の例示的な実施形態を示す。携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、タイヤと表面との間の接触領域に関連付けられた1つ以上のパラメータを測定するように構成されたセンサのアレイ102を含んでもよい。図示の実施形態では、センサのアレイ102は、単一の行に配置されて、1×128アレイを形成する合計128個のセンサを含む。更に、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、センサのアレイ102が表面上に取り外し可能に固定されることを可能にする特徴を含んでもよい。例えば、図示された実施形態において、センサのアレイ102は、マイラーストリップ104上に装着されている。マイラーストリップ104は、マイラーストリップ104を表面に取り付けられてもよく、したがって、センサのアレイ102を表面に過渡的に取り付けられてもよいように、接着特性を含んでもよい。マイラーストリップ104は、可撓性であってもよい。したがって、マイラーストリップ104は、表面を修正する必要なく、表面に容易に塗布することができる。もちろん、マイラー以外の材料(例えば、他の可撓性材料)も企図される。
【0021】
代替的又は追加的に、ストリップ104は、任意の好適な材料、熱可塑性ゴム、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリクロロプレン、ポリシロキサンに基づくものなどの合成ゴム、又はそれらのコポリマー若しくはブレンドから形成されてもよい。他の潜在的に好適な材料としては、ブチルゴム、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエン-スチレンゴム、スチレン-イソプレン-スチレンゴム、ポリビニルエーテル、アクリル、シリコンゴム、又はシリコン接着剤、及びこれらの組み合わせに基づくものが挙げられる。
【0022】
いくつかの事例では、ストリップは、(例えば、本明細書に説明されるような)接着材料から形成されてもよい。したがって、市販のもの、例えば、3M高温接着転写テープ又はDuPontポリイミドテープを含む高温接着フィルムが使用されてもよい。理論に束縛されるものではないが、特定の好適なストリップ材料の選択は、熱安定性、他の構成要素との化学的適合性などのいくつかの要因、及び塗布の容易さ又はコストなどの製造に関連する要因に依存し得る。いくつかの実施形態において、接着材料は、感圧接着性を提供する合成ゴムを含み、熱硬化性重縮合シランなどのシラン、及び/又はシランカップリング剤のうちの1つ以上とブレンドされ得る。理論に束縛されるものではないが、ゴム対シランの比は、用途に応じて変えられてもよく、他の要因の中でも、必要とされる接着強度、及び/又は所望の動作温度での安定性に応じて選択されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、比較的大きな接着強度が望ましい場合には、より高い相対量のゴムが使用されてもよく、又はより高い動作温度安定性のために、より高い相対量のシランが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、接着材料は、スクリーン印刷又は固体膜堆積などであるが、これらに限定されない、当技術分野で既知の技法を利用することによって、塗布又は使用されてもよい。当業者によって理解されるように、消泡剤、粘度調節剤、顔料、加工助剤、酸化防止剤化合物、オゾン劣化防止剤化合物、又は他の好適な添加剤(例えば、接着材料の加工性又は他の特性を修正又は改善するため)を含む、他の添加剤が、接着材料において使用されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、センサのアレイは、超音波溶接、圧着、リベット留め、又は好適な機械的締結技法などの技法を使用して、ストリップ上に位置決めされてもよい。もちろん、用途に応じて、センサのアレイをストリップに固定する任意の好適な様式が採用されてもよい。
【0024】
一実施形態では、センサは、基材(例えば、ストリップ)に塗布された感圧インクなどの感圧材料で形成されてもよい。このような感圧インク及び基材上にインクを印刷するためのプロセスの例は、参照により本明細書に組み込まれる、本出願人の米国第7,785,704号に記載されている。センサを形成するための代替の好適な製造方法及び/又は材料の例は、本出願人の米国特許第4,734,034号、同第4,856,993号、同第5,033,291号、及び同第5,989,700号に説明されるものを含み、それらの各々は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0025】
関連して、図示される実施形態では、センサのアレイ102は、可撓性であり、表面を修正する必要なく、センサのアレイ102が表面に容易に塗布されることを可能にする。センサのアレイは、用途に応じて、任意の好適な材料から作製されてもよい。
【0026】
図示の実施形態では、センサのアレイ102は、128個のピエゾ抵抗センサを備える。しかしながら、センサのアレイ102は、任意の適切な数及び/又はタイプのセンサを備えてもよいので、必ずしもそうである必要はない。
【0027】
いくつかの実施形態では、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、表面(例えば、道路、ドラム、ベルトなど)に容易に取り外し可能に固定され、かつ/又は輸送されるのに十分軽いものである。特に、いくつかの実施形態では、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、500g、450g、400g以下の質量、及び/又は別の適切な質量を有してもよい。これに対応して、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、200g、250g、300g、及び/又は別の適切な質量以上の質量を有してもよい。200g~500g、250g~450g、及び300g~400gの質量を含むがこれらに限定されない、上述の範囲の組み合わせが企図される。もちろん、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、用途に応じて任意の好適な質量で構成されてもよい。
【0028】
センサアレイ102からデータを収集して処理するために、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、センサアレイ102と電気的に通信しているスキャナ106を含んでもよい。(例えば、図2A図2Bを参照して)以下でより詳細に説明されるように、スキャナ106は、スキャナ106がセンサのアレイ102の測定値をデータの形態で解釈し、データを記憶することを可能にする特徴を有して構成されてもよい。スキャナ106は、プログラミング、データ転送、又は任意の他の好適な動作のための有線接続108(例えば、USB接続)を含んでもよい。更に、スキャナ106は、1つ以上の外部デバイスと無線で通信することが可能であり得る。スキャナ106は、図1Bに示すように、スキャナ106に関連付けられた電子機器をハウジング128内に収容してもよい。
【0029】
特に、ハウジング128は、ハウジング128がマイラーストリップ104及び/又はセンサのアレイ102に取り付けられることを可能にする特徴を含んでもよい。例えば、図示された実施形態において、ハウジング128は、一対の対向するプレート124、126を使用して、マイラーストリップ104及びセンサのアレイ102に接続する。一対の対向するプレート124、126は、互いに解放可能に取り付けられ、組み立てられたときにマイラーストリップ104の少なくとも一部分を含むように構成されてもよい。図示の実施形態では、一対の対向するプレート124、126は、ねじタイプの締結具を使用して互いに取り付けられるが、用途に応じて、ボルト、スタンドオフ、リベット、接着剤、アンカー、又は任意の他の好適な締結具が採用されてもよいので、必ずしもそうである必要はない。
【0030】
いくつかの実施形態では、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、容易に輸送されるように十分に小さいサイズである。特に、いくつかの実施形態では、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、表面に固定されたときに表面から最大距離だけ、あるいはハウジングの最大厚さ(例えば、図1Bに示されるような厚さT)だけ延在してもよい。最大距離又は厚さは、3cm、2.5cm、2cm、及び/又は別の適切な距離以下の値をとることができる。それに対応して、最大距離又は厚さは、0.5cm、1cm、1.5cm、及び/又は別の適切な距離以上であってもよい。0.5cm~3cm、1cm~2.5cm、及び1.5cm~2cmの距離又は厚さを含むがこれらに限定されない、上述の範囲の組み合わせが企図される。もちろん、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、用途に応じて、任意の好適な最大距離又は厚さで構成されてもよい。
【0031】
図2Aは、携帯型タイヤ接触測定デバイス100のスキャナ106内のデータの例示的な流れを示すフローチャートである。スキャナ106は、センサのアレイ102を走査し、センサのアレイ102の測定値をデータとして収集するように構成された走査電子機器110を含んでもよい。特に、走査電子機器110は、指定されたポーリングレート(例えば、上述のように20,000Hz)でセンサのアレイ102を走査し、結果として生じるデータを記録電子機器112に送信してもよい。記録電子機器112は、結果として生じるデータをメモリに記憶するように構成されてもよい。スキャナ106は、メモリからデータを読み取り、任意の適切な様式でデータをエクスポートするように構成された通信電子機器114を更に含んでもよい。例えば、通信電子機器114は、データを(有線接続又は無線接続のいずれかを介して)クラウドサーバ116にエクスポートしてもよい。代替又は追加として、通信電子機器114は、無線又は有線接続(例えば、有線接続108)のいずれかによって、データを分析デバイス118にエクスポートしてもよく、これは、例えば、データを接地面のグラフィック表現に処理することによって、データを分析するように構成されてもよい。もちろん、スキャナ106は、用途に応じて、必要に応じて代替の又は追加の電子機器を含んでもよい。
【0032】
上述した制御ロジックは、スキャナ106に関連付けられた、又は内部のプロセッサ又は他の好適なコントローラによって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、(例えば、データを接地面のグラフィック表現に処理することによって)データを分析してもよい。もちろん、スキャナ106は外部プロセッサ又はコントローラによって制御されるように構成されてもよいので、スキャナ106はプロセッサ又はコントローラを全く含む必要はない。もちろん、スキャナ106は、用途に応じて、任意の好適な様式で制御されてもよい。
【0033】
図2Bは、別の実施形態による、携帯型タイヤ接触測定デバイス100のスキャナ106内のデータの例示的な流れを示すフローチャートである。図示される実施形態では、スキャナは、OpAmp(演算増幅器)、DAC(デジタルアナログ変換器)、及びADC(アナログデジタル変換器)のうちの1つ以上を使用して、センサのアレイからデータを収集してもよい。次いで、データは、1つ以上のSPI(シリアル周辺インターフェース)を介して、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)に移動してもよい。所望のポーリングレート(例えば、20,000Hz)を達成するために、FPGAは、センサのアレイからのデータ収集を管理するために使用されてもよいが、NGS CPU(次世代シーケンシング中央処理デバイス)などの別個のCPUは、取り外し可能なマイクロSDカードなどの好適なメモリデバイス上へのデータの記憶を管理するために使用される。図2Bの図は、Bluetooth(登録商標)ベースの無線モジュール(高速データ収集のためのシステムを可能にするため、又は記録が行われた後にデータを転送するために使用される)を示すが、用途に応じて、任意のタイプの無線データ転送方法(Wi-Fi、磁気誘導など)が使用され得ることを理解されたい。
【0034】
特に、図示された実施形態におけるFPGAは、1つ以上のGPIO(汎用入出力)を介して、PSoC(プログラマブルシステムオンチップ)に接続される。また、PSoCは、外部機器から無線でデータを送信する、又はコマンドを受信するためのBluetoothモジュールを搭載している。次に、PSoCは、12Cバスを介して、バッテリ残量計及びバッテリに接続されるが、用途に応じて、PSoCをバッテリ及び/又はバッテリ残量計に電気的に接続する他の様式が採用されてもよい。
【0035】
更に、図示の実施形態では、データ転送はUSBケーブルを使用して実行されるが、用途に応じて、他の好適なケーブルが採用されてもよい。
【0036】
図3は、携帯型タイヤ接触測定デバイス100が取り付けられる例示的なベルト型試験リグを示す。図示された実施形態では、タイヤ接触測定デバイス100は、フック及びループ締結具を使用して、ベルト122に固定されるが、タイヤ接触測定デバイス100は、任意の適切な手段(例えば、上述したような接着剤)を使用して、ベルト122に固定されてもよい。タイヤ接触測定デバイス100は、センサのアレイ102がタイヤ120のパッチと整列する一方で、携帯型タイヤ接触測定デバイス100の残りの部分(例えば、スキャナ106)がタイヤ120の経路から外れたままであるように、ベルト122上に位置決めされている。タイヤ120がベルト122と接触してその上を移動するとき、センサのアレイ102は、タイヤ120とベルト122との間の接地面の1つ以上のパラメータ(例えば、サイズ、形状、垂直圧力プロファイルなど)を測定し始め、それらの測定値は、例えば、上述の方法及びシステムを使用することによって、データとして記憶され得る。試験が完了すると、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、ベルト122から取り外されて、必要に応じて、異なる試験条件下で使用されてもよい。
【0037】
携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、タイヤと任意の数の好適な表面との間の接地面の1つ以上のパラメータに固定され、測定することが可能であってもよい。例えば、携帯型タイヤ接触測定デバイス100は、図3に示すようなベルト型試験リグ上で機能することに加えて、携帯型タイヤ接触測定デバイス100はまた、タイヤとドラム型試験リグ、道路、又は任意の他の好適な試験条件との間の接地面の1つ以上のパラメータに固定され、測定することが可能であり得る。
【0038】
図4は、接地面の1つ以上のパラメータに関連付けられたデータを収集及び記憶するために携帯型タイヤ接触測定デバイス100を使用する例示的な方法を詳細に示すフローチャートである。特に、データの収集を開始するために、ユーザは、携帯型タイヤ接触測定デバイス100のセンサアレイ102をトリガしてデータの収集を開始することができ、したがって、ステップS1が開始され、センサアレイによって、接地面の1つ以上のパラメータが感知(例えば、測定)される。次に、ステップS2において、センサのアレイからの測定値が、例えばスキャナによってデータに変換される。次に、ステップS4においてデータを例えばメモリに記憶する前に、ステップS3において、記録電子機器などのスキャナの内部電子機器がデータを受信してもよい。ステップS5において、データは、任意選択的に、用途に応じて、スキャナに搭載されて、又は外部から、分析されてもよい。
【0039】
本明細書に記載される技術の上述の実施形態は、多数の方法のいずれかで実装することができる。例えば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せを使用して実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピューティングデバイス内に提供されるか、複数のコンピューティングデバイス間に分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサ又はプロセッサの集合上で実行されることができる。このようなプロセッサは、当技術分野では、CPUチップ、GPUチップ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はコプロセッサなどの名前で知られている、市販の集積回路構成要素を含む集積回路構成要素内に1つ以上のプロセッサがある状態で、集積回路として実装され得る。あるいは、プロセッサは、ASICなどのカスタム回路、又はプログラマブル論理デバイスの構成から得られるセミカスタム回路で実装されてもよい。また更には、プロセッサは、市販されているか、セミカスタムであるか、カスタムであるかにかかわらず、より大きな回路又は半導体デバイスの一部であってもよい。特定の例として、いくつかの市販のマイクロプロセッサは、それらのコアの1つ又はサブセットがプロセッサを構成し得るように、複数のコアを有する。しかし、プロセッサは、任意の適切なフォーマットの回路を使用して実装されてもよい。
【0040】
また、プロセッサは、1つ以上の入力デバイス及び出力デバイスを備え得る。これらのデバイスは、数ある中でも、ユーザインターフェースを提示するのに使用され得る。ユーザインターフェースを提供するのに使用され得る出力デバイスの例には、出力の視覚表現用のディスプレイ、及び出力の可聴提示用のスピーカ又は他の音生成デバイスが含まれる。ユーザインターフェース用に使用され得る入力デバイスの例には、キーボード、個々のボタン、及びマウス、タッチパッド、及びデジタル化タブレットなどのポインティングデバイスが含まれる。別の例として、コンピューティングデバイスは、音声認識を通して又は他の可聴形態で入力情報を受信することができる。
【0041】
このようなプロセッサは、企業ネットワーク又はインターネットなど、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワークとして含む、任意の好適な形態で1つ以上のナットワークによって内部接続され得る。このようなネットワークは、任意の適切なテクノロジに基づいている場合があり、任意の適切なプロトコルに従って動作することができ、無線ネットワーク、有線ネットワーク、又は光ファイバネットワークを含み得る。
【0042】
また、本明細書で概略が述べられる様々な方法又はプロセスは、様々なオペレーティングシステム又はプラットフォームのいずれか1つを採用する1つ以上のプロセッサ上で実行可能であるソフトウェアとしてコード化され得る。加えて、このようなソフトウェアは、いくつかの適切なプログラミング言語及び/又はプログラミングツール若しくはスクリプティングツールのいずれかを使用して書かれ得、またフレームワーク又は仮想マシン上で実行される実行可能機械言語コード又は中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0043】
この点で、本明細書に記載の実施形態は、1つ以上のコンピュータ又は他のプロセッサ上で実行されると、上に述べた様々な実施形態を実装する方法を行う、1つ以上のプログラムで符号化された、コンピュータ可読記憶媒体(又は複数のコンピュータ可読媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピディスク、コンパクトディスク(compact disc、CD)、光ディスク、デジタルビデオディスク(digital video disk、DVD)、磁気テープ、フラッシュメモリ、RAM、ROM、EEPROM、フィールドプログラマブルゲートアレイ若しくは他の半導体デバイスにおける回路構成、又は他の有形のコンピュータ記憶媒体)として具体化され得る。上の例から明らかであるように、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的形態でコンピュータ実行可能命令を与えるのに十分な時間、情報を保つことができる。このような1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、移動可能であり得、そこに格納された1つ以上のプログラムは、上で述べたような本開示の様々な態様を実装するために、1つ以上の様々なコンピューティングデバイス又は他のプロセッサに読み込まれ得る。本明細書で使用される際、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、製品(すなわち、製造品)又は機械であると考えられ得る非一時的コンピュータ可読媒体のみを包含する。代替として又は追加として、本開示は、伝播信号など、コンピュータ可読記憶媒体以外のコンピュータ可読媒体として具体化され得る。
【0044】
「プログラム」又は「ソフトウェア」という用語は、本明細書では、一般的な意味合いで、上で述べたような本開示の様々な態様を実装するように、コンピューティングデバイス、又は他のプロセッサをプログラムするために採用され得る任意のタイプのコンピュータコード又はコンピュータ実行可能命令セットを指すように使用される。加えて、この実施形態の1つの態様によれば、実行されると、本開示の方法を行う1つ以上のコンピュータプログラムは、単一のコンピューティングデバイス又はプロセッサに存在する必要はなく、本開示の様々な態様を実装するようにいくつかの異なるコンピュータ又はプロセッサにわたってモジュール式で分散され得ることを理解されたい。
【0045】
1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなど、コンピュータ実行可能命令には、多くの形態があり得る。大抵、プログラムモジュールは、特定のタスクを行うか、又は特定の抽象的なデータ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。通常、プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において必要に応じて組み合わされるか又は分散され得る。
【0046】
本開示の様々な態様は、単独で、組み合わせて、又は前述の実施形態で具体的に説明されていない様々な構成で使用することができ、したがって、その適用において、前述の説明に記載された、又は図面に示された構成要素の詳細及び構成に限定されない。例えば、一実施形態に記載された態様は、他の実施形態に記載された態様と任意の方法で組み合わせることができる。
【0047】
本明細書に記載の実施形態は、1つの方法として具現化することができ、そのうちの一実施例を提供した。方法の一部として実行される動作は、任意の好適な方式で順序付けられてもよい。したがって、例示的な実施形態では連続した動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る、図示されたものとは異なる順序で動作が実行される実施形態が構築され得る。
【0048】
更に、いくつかのアクションは、「ユーザ」によって行われるものとして説明される。「ユーザ」は、単一の個人である必要はなく、いくつかの実施形態では、「ユーザ」に起因するアクションは、個人のチーム及び/又はコンピュータ支援ツール若しくは他の機構と組み合わせた個人によって行われてもよいことを理解されたい。
【0049】
特許請求項の素子を修飾するための特許請求の範囲での「第1」、「第2」、「第3」などの順序の用語の使用は、それ自体では、いかなる優先性、優先順位、又はある請求項の素子の別のものに対する順序、若しくは方法の動作が行われる時間的順序も意味するものでなく、単に、請求項の素子を区別するために、特定の名前を有するある請求項の素子を(順序の用語の使用がなければ)同じ名前を有する別の素子から区別するためのラベルとして使用される。
【0050】
また、本明細書で使用される語法及び用語は、説明を目的とするものであって、限定とみなされるべきではない。本明細書における「含む」、「備える」、又は「有する」、「含有する」、「伴う」、及びそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目及びその同等物、並びに追加の項目を包含することを意味する。
【0051】
本教示を様々な実施形態及び実施例と併せて説明してきたが、本教示がそのような実施形態又は実施例に限定されることは意図されていない。それどころか、本教示は、当業者によって理解されるように、様々な代替例、変更例、及び等価物を包含する。したがって、前述の説明及び図面は、例としてのみである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
【国際調査報告】