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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】可搬式バスケットゴールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A63B 63/08 20060101AFI20240409BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A63B63/08 A
A63B69/00 504A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566553
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022011309
(87)【国際公開番号】W WO2022231667
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/181,323
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/537,753
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514080501
【氏名又は名称】ラッセル ブランズ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Russel Brands,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホール,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン,ランディー
(72)【発明者】
【氏名】ポーク,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ポーク・ザ・フォース,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】シムズ,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,ロナルド
(57)【要約】
本明細書では、バスケットボール用バックボードシステムとその組立方法が開示される。バックボードシステムは、ユーザがプレイのためにシステムを組み立てる際のステップ数を低減及び簡略化する。バスケットボールシステムは、ベースと、ポールを含む垂直サポートアセンブリと、バックボード延長アームと、バックボードと、リムとを備える。或る実施形態では、ユーザは、垂直サポートアセンブリをベースに固定すること、バックボード延長アームをポールに固定すること、バックボードを延長アームに取り付けること、及びリムをバックボードに取り付けることを含む5つの取り付けを完了するだけで、システムを完全に組み立てることができる。垂直サポートアセンブリは、製品の体積を減らすためにベース内に完全に入れ子になるように設計することができるので、システムは梱包するのに便利であると更に考えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立用バックボードシステムであって、
上面及び上面に少なくとも1つのくぼみを有するベースと、
少なくとも1つのくぼみ内に入れ子にされた垂直サポートアセンブリであって、
ヒンジアセンブリと、
2本の前脚であって、それぞれがヒンジアセンブリに固定された上端部と、ベースに固定可能な下端部とを有する2本の前脚と、
2本の後脚であって、それぞれがヒンジアセンブリに固定された上端部と、ベースに固定された下端部とを有する2本の後脚と
ヒンジアセンブリに固定された下端と、上端とを有するポールと、
を備える垂直サポートアセンブリと、
ポールの上端に固定可能な延長アームと、
延長アームに固定可能なバックボードと、
バックボードに固定可能なリムと、
を備える、組立用バックボードシステム。
【請求項2】
第1の端部及び第2の端部を有する支柱を更に備え、第1の端部は、2本の前脚のうちの第1の前脚に固定され、第2の端部は、2本の前脚のうちの第2の前脚に固定される、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項3】
ベースは少なくとも2つの車輪を含む、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項4】
ポールは伸縮式である、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項5】
垂直アセンブリは、少なくとも1つのくぼみ内に完全に入れ子になっている、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項6】
ポールは、少なくとも1つのくぼみにおいて後脚の間に配置される、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項7】
少なくとも1つのくぼみは、中央に配置されたくぼみと、中央に配置された、くぼみを挟む2つの側部くぼみとを備え、後脚及びポールは、中央に配置されたくぼみに入れ子にされ、前脚は、2つの側部くぼみに別々に入れ子にされる、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項8】
ポールの上端は取付プレートを含み、延長アームは取付プレートに固定可能である、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項9】
延長アームは第1及び第2の端部を備え、第1の端部はポールに固定可能であり、第2の端部はバックボードを固定するためのバックボード取付プレートを含む、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項10】
ヒンジアセンブリは、
U字形ヒンジブラケットであって、上部と、前後に向いた開口部を画定する2つの側面とを有し、各側面が円弧状スロットを有するU字形ヒンジブラケットと、
各後脚の上端部に固定され、円弧状スロットを貫通する回転制限ピンであって、ヒンジブラケットは円弧状スロットの円弧長さによって画定される角度分だけ回転可能である、回転制限ピンと、
第1のスペーサであって、ブラケットの2つの側面の間に固定され、ヒンジブラケットの上部が水平に向けられたときに、各後脚の上端部を貫通して挿入可能な留めピンを受容することができる第1のスペーサと、
を更に備える、請求項1に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項11】
ヒンジアセンブリは第2のスペーサを更に備え、第2のスペーサは、ブラケットの2つの側面の間に固定され、ヒンジブラケットの上部が水平に向けられたときに、各後脚の上端部を貫通して挿入可能なロックボルトを受容することができる、請求項9に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項12】
ポールの上端は、U字形ヒンジブラケットの上面に固定される、請求項9に記載の組立用バックボードシステム。
【請求項13】
バスケットボール用バックボードシステムの組立方法であって、
上面と、上面上の少なくとも1つのくぼみとを有するベースを提供するステップであって、垂直サポートアセンブリは少なくともくぼみ内に入れ子になっており、垂直サポートアセンブリは、ヒンジアセンブリと、2本の前脚であって、それぞれがヒンジアセンブリに回転可能に固定された上端部及びベースに固定可能な下端部を有する、2本の前脚と、2本の後脚であって、それぞれがヒンジアセンブリに回転可能に固定された上端部及びベースに固定された下端部を有する、2本の後脚と、ヒンジアセンブリに固定された下端及び上端を有するポールとを備える、ステップと、
バックボードをポールの上端に取り付けるステップと、
リムをバックボードに取り付けるステップと、
各前脚の下端部ベースに固定可能であり、かつ前脚及び後脚の上端部並びにヒンジアセンブリがベースの上方に持ち上げられる位置まで前脚を回転させるステップと、
前脚をベースに固定するステップと、
ポールが垂直位置になるまでヒンジアセンブリを回転させるステップと、
ポールを垂直位置にロックするステップと
を含む、方法。
【請求項14】
ポールは伸縮式であり、方法は伸縮式ポールを所望のリム高さまで延伸するステップを更に備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ヒンジアセンブリは、
U字形ヒンジブラケットであって、上部及び前後に向いた開口部を画定する2つの側面を有し、各側面は円弧状スロットを有するU字形ヒンジブラケットと、
各後脚の上端部に固定され、円弧状スロットを貫通する回転制限ピンであって、ヒンジブラケットは円弧状スロットの円弧長さによって画定される角度分まで回転可能である回転制限ピンと、
第1のスリーブであって、ブラケットの2つの側面の間に固定され、ヒンジブラケットの上部が水平に向けられたときに、各後脚の上端部を貫通して挿入可能な留めピンを受容することができる第1のスリーブと、
を更に備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
ヒンジアセンブリは第2のスリーブを更に備え、第2のスリーブは、ブラケットの2つの側面の間に固定され、ヒンジブラケットの上部が水平に向けられたときに、各後脚の上端部を貫通して挿入可能なロックボルトを受容することができる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
ポールの上端は、U字形ヒンジブラケットの上側面に固定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
ヒンジアセンブリを回転させるステップは、回転制限ピンをヒンジアセンブリ上の円弧状スロットを貫通して移動させることを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
ポールを垂直位置にロックするステップは、留めピンをヒンジアセンブリ上の第1のスリーブに挿入することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
ポールを垂直位置にロックするステップは、ロックボルトをヒンジアセンブリ上の第2のスリーブに挿入することを備える、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、バスケットボール用バックボードシステム及び組立方法に関する。より詳細には、本開示は、迅速かつ簡単な方法で組み立てることができ、輸送のために便利なコンパクトな体積に梱包することができるバスケットボール用バックボードシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
バスケットボールは、レクリエーションスポーツ、アマチュアスポーツ、及びプロスポーツとして一般的に楽しまれている。多くの場合、可搬式バスケットボール用バックボードシステムは、レクリエーション又は消費者向けのバスケットボールプレイに使用される。可搬式バックボードシステムは、通常、移動可能なベースと、ベース上に配置されベースに取り付けられる垂直サポート又はポールアセンブリと、ポールアセンブリの上部に取り付けられユーザが所望の位置に移動させることができるバスケットボール用バックボード及びリムアセンブリとを含む。このシステムは持ち運びができるように設計されており、ユーザはバスケットボールをするためにバックボードシステムを所望の場所に移動させることができる。使用していないとき、システムの可搬性により、ユーザはシステムを便利な保管場所に移動させることができる。
【0003】
可搬式バスケットボール用バックボードシステムの1つの一般的な欠点は、組立に関連してかなりの時間と困難を伴うことである。一般的な可搬式システムの場合、システムのサブアセンブリ及び最終アセンブリを形成する個別部品の点数が多いため、組立に3時間~5時間かかることが多い。これらの部品が分解された状態で配送される場合、ユーザはまず、カートンの中から部品を探し出し、部品を分類して識別し、金物を識別し、説明書を熟読し、プレイのためにシステムを組み立てるのに多くの時間を費やさなければならない。このような組立には、より長くてより複雑な指示書、テキスト、画像が必要となり、組立手順をユーザに誤って伝えたり、ユーザの混乱を招いたりする可能性が高まる。更に、製品によっては、ディープウェルソケットやソケットエクステンションなどの特殊工具を必要とするものもある。
【0004】
一方、システムをより組み立てた状態で消費者に提供することは、システム部品の形状のため配送の目的には不利である。例えば、システムのベースは広く、垂直サポート又はポールアセンブリは高さが高く幅が狭く、バックボードは大きくて長方形であり、これらは全て、消費者に直接配送することが困難な形状やサイズである。したがって、部分的に又は大部分が組み立てられた可搬式バックボードシステムを配送することは困難であり、コストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、必要とされるのは、簡単かつ迅速に組み立てることができ、部分的に又は大部分が組み立てられた状態で配送でき、かつ配送時の体積をコンパクトに保つことができる可搬式のバスケットボール用バックボードシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
場合によっては、本発明は、組立用バックボードシステムに関し、このシステムは、上面及び上面に少なくとも1つのくぼみを有するベースと、ポール、延長アーム、バックボード、及びリムを含む垂直サポートアセンブリと、を備える。垂直サポートアセンブリは、ヒンジアセンブリと、2本の前脚であって、それぞれがヒンジアセンブリに固定された上端部及びベースに固定可能な下端部とを有する2本の前脚と、2本の後脚であって、それぞれがヒンジアセンブリに固定された上端部及びベースに固定された下端部を有する2本の後脚と、ヒンジアセンブリに固定された下端及び上端を有するポールと。を備えてもよい。システムは、垂直サポートアセンブリがベースのくぼみ内に完全に入れ子にすることができるため、それによって包装のための体積を減らすことができるので、梱包に便利となり得る。
【0007】
本明細書では、バスケットボール用バックボードシステムを組み立てるための方法も考えられている。本方法は、上述したようなバックボードシステムを提供することと、ポールにバックボードを取り付けることと、バックボードにリムを取り付けることと、各前脚の下端部がベースに固定可能であり、前脚の上端部及び後脚の上端部及びヒンジアセンブリがベースの上方に持ち上げられる位置まで、前脚を回転させることと、前脚をベースに固定することと、ポールが垂直位置になるまでヒンジアセンブリを回転させることと、ポールを垂直位置にロックすることと、を備える。本明細書に開示される組立のためのシステム及び方法は、ユーザがプレイのためにシステムを組み立てる際のステップ数を低減及び単純化するように設計されている。
【0008】
本発明は、以下の詳細な説明から判断され得る他の態様に向けられる。
【0009】
本開示の更なる利点及び特徴の理解を助けるために、添付の図面に示されている特定の実施形態を参照して、より具体的な説明を行う。これらの図面は、範囲を限定するものと見なされるべきではないことが理解される。本明細書の開示は、添付の図面を使用して、更に具体的かつ詳細に記載及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態によるバスケットボールシステムのベース及びポールアセンブリの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による、組立の第1のステップにおけるバスケットボールベース及びポールアセンブリの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による、組立の第2のステップにおけるバスケットボールベース及びポールアセンブリの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による、組立の第3のステップにおけるバスケットボールベース及びポールアセンブリの斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による、組立の第4のステップにおけるバスケットボールベース及びポールアセンブリの斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による、組立の第5のステップにおけるバスケットボールベース及びポールアセンブリの斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による、組立の第5のステップにおけるバスケットボールベース及びポールアセンブリの別の斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による、垂直サポート用のヒンジアセンブリの拡大図である。
図9A】本発明の一実施形態による、ポールを持ち上げるシーケンス及びヒンジアセンブリの外観を示す。
図9B】本発明の一実施形態による、ポールを持ち上げるシーケンス及びヒンジアセンブリの別の外観を示す。
図9C】本発明の一実施形態による、ポールを持ち上げるシーケンス及びヒンジアセンブリの更に別の外観を示す。
図10】本発明の一実施形態によるバスケットボールシステムのベース及びポールアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この詳細な説明は、可能な実施形態を参照することによって、本発明を詳述し、本開示の理解を助けるために提供される。本発明は、特許請求の範囲に記載されている場合を除いて、図示された特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0012】
この文書は、ユーザがプレイのために組立品を準備する際のステップ数を低減し、簡略化した可搬式バスケットボール用バックボードシステム10を設計し、組み立てるための資料を提供する。
【0013】
図1は、バスケットボール用バックボードシステム10を、ユーザに配送するときと、組立工程の初期にあるときとを示している。図1に見られるように、バスケットボール用バックボードシステム10は、ベース12上に配置された垂直サポートアセンブリ13(ポールアセンブリ13とも呼ばれる)を備える。ベース12は、上面、底面、及び4つの側面から見たときに、略長方形の輪郭を有する。このようなプロファイルは、配送ボックスや他のコンテナに適合させるのに特に有利である。ベース12は、少なくとも1つのくぼみ16を有する上面14を有する。より具体的には、くぼみ16は、ポールアセンブリ13の一部がくぼみ16内に少なくとも部分的に入れ子になり得るように寸法決めされた上面14の凹部を備える。或る実施形態では、ポールアセンブリがベース12の上面14の凹状くぼみ16内に配置されると、ポールアセンブリはくぼみ16内に完全に配置される。即ち、入れ子にされたとき、ポールアセンブリは、ベース12の上面14より高くならない。このような入れ子は、バスケットボール用バックボードシステム10を消費者に配送するのに特に有利である。ポールアセンブリ部品はベース12内に入れ子にしてもよいので、バスケットボール用バックボードシステム10の配送プロファイルは、実質的にベース12のもの、即ち、略長方形の形状である。
【0014】
ベース12は、金属、木材、又はプラスチックなどの任意の剛性材料で構成されてもよい。或る実施形態では、ベース12は、成形ポリエチレンプラスチックで作製されてもよい。ベース12は、ユーザが砂や液体などのバラストをベース12内に配置できるように、内部が中空であってもよい。バラストは、ベース12を重くして安定性を向上させる役割を果たす。或る実施形態では、ベース12は、中空リブによって分割された様々な内部区画を有してもよい。ベース12上にリブが存在することにより、ベース12に追加の構造的支持と剛性を与えることとしてもよい。
【0015】
ベース12は、ユーザがバスケットボールシステム10を所望の場所に移動させるのを補助するキャスター54又は車輪54を更に備えてもよく、それによってシステム10を持ち運び可能にする。ベース12は、任意の数のキャスター54又は車輪54を有してもよい。図1に示すような或る実施形態では、2つの車輪54がベース12の2つの対向する角部に取り付けられる。対向する角部は、略長方形のベース12の幅(即ち、一方の短辺)を構成する角部であってもよい。このような実施形態では、ユーザは、車輪54のみが地面と接触したままになるようにベース12を持ち上げることによって、バスケットボールシステム10を移動させることとしてもよい。次いで、ユーザは、車輪54を使用してバスケットボールシステム10を所望の位置に誘導することができる。
【0016】
垂直サポートアセンブリ13は1つ以上の部品を有し、部品は、一旦組み立てられると、ベース12から上方に延びてバスケットボールのバックボード38を支持する。配送を容易にするために、垂直サポートアセンブリ13は、部品がベース12と同じ配送ボックス内に収まるように、各部品の長さがベース12の最長寸法以下である多数の部品を有してもよい。更に、エンドユーザの組立ステップを減らすために、システム10は、垂直サポートアセンブリ13を部分的に又は完全に予め組み立てられた状態で配送又は購入されてもよい。即ち、垂直サポートアセンブリ13の種々の部品は、顧客が受け取る前に、互いに、及び/又はベース12に接続されてもよい。更に、以下で更に詳細に説明するように、システム10は、垂直サポート又はポールアセンブリ13がベース12の上面14のくぼみ16内に入れ子になった状態で配送されてもよい。
【0017】
図1に示すように、垂直サポートアセンブリ13は、2本の前脚20と、2本の後脚28と、ヒンジアセンブリ26と、ポール30とを備えてもよく、これらのそれぞれは本明細書で更に説明される。前脚20から始めると、図1の実施形態における各前脚20は、ベース12の上面14に固定可能な第1の端部22と、ヒンジアセンブリ26に固定可能な第2の端部23とを有する。各第2の端部23は、前脚20がヒンジアセンブリ26に対して回転できるように、ヒンジアセンブリ26に回転可能に固定されてもよい。各第1の端部22は、キャスター54の上方のベース12上に位置するプラットフォーム18でベース12の上面14に固定可能である(図5の接続部を参照)。この実施形態では、顧客は、本明細書で更に説明するように、各前脚の第1の端部22をプラットフォーム18の一方に接続する。或る実施形態では、前脚20は、追加の構造的安定性が得られるようにブレース24を介して接続されてもよい。図1に示すように、ブレース24は、前脚20及びヒンジアセンブリ26の第2の端部23上又はその近くに配置されてもよい。
【0018】
バスケットボールシステム10は、前脚20の第1の端部22及び/又は第2の端部23は、顧客に配送する前にベース12に固定されるように設計されてもよい。そして、顧客は、必要に応じて、バスケットボールシステム10の組立中に、取り付けられていない端部を固定する責任を負う。図1に示す実施形態では、前脚20は、ベース12の凹状くぼみ16内に格納され、前脚20の第2の端部23は、配送前にヒンジアセンブリ26に固定される。次に、システム10を組み立てるために、顧客は、図5に示す組立段階に示すように、前脚20を持ち上げ(それによって脚20をくぼみ16から取り外し)、次に前脚20の第1の端部22をプラットフォーム18に接続する。更に、ブレース24を有する実施形態では、ブレース24も、配送前に前脚20に固定してもよい。
【0019】
図1に示すように、垂直サポートアセンブリ13もまた、一対の後脚28を有してもよい。後脚28はそれぞれ、ベース12の上面14に回転可能に固定可能な第1の端部27と、ヒンジアセンブリ26に回転可能に固定される第2の端部29とを有する。図1に示すように、システム10は、後脚28をくぼみ16に入れ子にした状態で配送されてもよい。更に、システム10は、後脚28がベース上面14とヒンジアセンブリ26の両方に既に固定された状態で配送されてもよい(例えば、図1を参照)。他の実施形態では、後脚28は、第1の端部27及び/又は第2の端部29がそれぞれベース12及びヒンジ26に固定されていない状態で配送される場合があり、システム10の組立中にこれらの接続を行うのは顧客の責任となる。例えば、システム10は、システム10が前脚20をベース12に取り付けた状態で共に配送される場合、配送時に後脚28がベース12及び/又はヒンジアセンブリ26に取り付けられないように設計されてもよい。
【0020】
図1に示すバスケットボールシステム10は、2本の前脚20と2本の後脚28の合計4本の脚を有する垂直サポートアセンブリ13を有する。本明細書で先に詳述したように、各脚は、ベース12に固定される又は固定可能な第1の端部と、ヒンジアセンブリ26に固定される又は固定可能な第2の端部とを有する。他の実施形態では、垂直サポートアセンブリ13は、より多くの、又はより少ない脚を有してもよい。例えば、垂直サポートアセンブリ13は、2本の前脚、2本の後脚、及び中央に位置する中央脚を有する実施形態など、4つを超える脚を有してもよい。他の実施形態では、垂直サポートアセンブリ13は、4本未満の脚を有する。例えば、垂直サポートアセンブリ13は、三脚(例えば、中央に位置する1本の前脚と2本の後脚、又は2本の前脚と中央に位置する1本の後脚)の形態の3つの脚を有してもよい。2本の脚及び1本の脚の実施形態も可能である。例えば、1本脚の実施形態は、適切な高さを提供するために潜在的に伸縮可能な1本のポールを備えてもよい。2本脚や1本脚の実施形態では、追加の手段によってベース12を更に安定させたり支持したりする必要がある場合がある。
【0021】
上で詳述したように、垂直サポートアセンブリ13の脚20、28は、ベース12の上面14に配置されたヒンジアセンブリ26に接続される。図1に示すように、各脚20、28の第2の端部は、ヒンジアセンブリ26の最も外側の部分を形成するヒンジブラケット44に回転可能に固定されてもよい。ポール30(図2参照)の第1の端部31もヒンジブラケット44に固定されている。脚20、28と同様に、ポール30は、ベース12の上面14のくぼみ16内に入れ子にしてもよい。図1に示すように、入れ子にした場合、ポール30は2本の後脚28の間に配置されてもよい。ポール30の上端33は、延長アーム34を固定するための取付プレート32を有する。
【0022】
図1に示す実施形態は、ユーザがベース12と垂直サポートアセンブリ13を「箱から出した状態」で、即ち、配送時又は店舗からの受取り時に、どのように受け取り得るかの形状を示している。前述のように、垂直サポートアセンブリ13(例えば、前脚20、後脚28、ヒンジアセンブリ26、及びポール30)は、ベース12の上面14のくぼみ16内に入れ子にされてもよい。図1に示す実施形態では、垂直サポートアセンブリ13は、ベース12の上面14の少なくとも1つの凹状くぼみ16内に完全に入れ子になっている。
【0023】
ベース12内に「完全に」入れ子になっているとは、要素の全体がベース12の上面14と同一平面上に、又はそれより下にあることを意味する。図1図3に示すように、入れ子になっている間、後脚28とヒンジアセンブリ26は、ヒンジアセンブリ26が後脚28の中及びその間に完全に折り畳まれるように配置される。ポール30も後脚28の間に入れ子にされてもよい。他の実施形態では、1本の後脚28を使用してもよいが、配送又は購入の準備時に、後脚28とヒンジアセンブリ26が少なくとも1つのくぼみ16内に完全に入れ子状態に保たれていることが条件である。
【0024】
或る実施形態では、前脚20は、後脚28と同じ又は異なるくぼみ16に完全に入れ子になっていてもよい。例えば、図1図3では、後脚28、ヒンジアセンブリ26、及びポール38は、中央に配置されたくぼみ16内に入れ子になっており、前脚20は、中央に配置されたくぼみ16の両側にある角度の付いた、傾斜したくぼみ16に別々に入れ子になっている。具体的には、2本の前脚20の第2の端部23は、中央に配置されたくぼみ16内に位置するヒンジアセンブリ26の両側に接続されている。2つの前脚20は、中央に配置されたくぼみ16を挟み、ヒンジアセンブリ26の略その位置を起点として、中央に配置されたくぼみ16から上方に離れるように傾斜する側部くぼみ16内に配置される(側部くぼみ16ごとに1本の脚20)。したがって、前記実施形態では、垂直サポートアセンブリ13の部品は、複数のくぼみ16においてベース12内に完全に入れ子になっている。
【0025】
入れ子のために、ベース12及び垂直サポートアセンブリ13は、1つの略矩形の配送ボックスやコンテナでエンドユーザに一緒に配送されてもよく、これは便利で効率的であり、廃棄物を最小限に抑える。バスケットボールシステム10の他の構成要素、例えば延長アーム34、バックボード38、及びリム40などは、同じ箱内の別個の部品として、又は異なる箱又は配送用コンテナ内の別個の部品としていずれかで、別々に配送されてもよい。
【0026】
受け取り後の顧客の組立ステップの数を最小限に抑えるために、ベース12と垂直サポートアセンブリ13は、部分的に又は完全に予め組み立てられて配送又は梱包されてもよい。例えば、後脚28の第1の端部27は、ボルトによってベース上面14に回転可能に固定されてもよく、及び/又は後脚28の第2の端部29は、ヒンジアセンブリ26に回転可能に固定されてもよい。代替的又は追加的に、前脚20は、ヒンジアセンブリ26に回転可能に固定されてもよい。ポール30もまた、ヒンジアセンブリ26に固定されてもよい。部分的に又は完全に予め組み立てられている場合、垂直サポートアセンブリ13の1つ又は複数の構成要素は、参照により本明細書に組み込まれる現行の遊具安全基準に従って、回転又は折り畳み時に「挟み箇所(pinch points)」をなくすように設計されてもよい。
【0027】
受け取ると、ユーザは次に、事前に組み立てられていない部品の組み立てを開始して、バスケットボール用バックボードシステム10をプレイするために組み立ててもよい。例えば、図1図6は、システム10の組立工程における潜在的なステップを示す。前述の図に示す実施形態では、ユーザは、部分的に予め組み立てられたシステム10を受け取る。具体的には、ユーザは、最初に、システム10を構築するのに必要な部品を受け取るが、この部品には、図1に示すように、入れ子状態にある垂直アセンブリ13を含むベース12が含まれている(システム10の他の部品は図1には示されていない)。垂直アセンブリ13は、既に部分的に組み立てられており、ベース12に接続される。即ち、前後の脚20、28の両方の第2の端部は、ヒンジアセンブリ26に既に回転可能に固定されている。更に、後脚28の前端部27もまた、ベース12の上面14に回転可能に固定されている。最後に、ポール30の第1の端部31はヒンジアセンブリ26に既に固定されており、取付プレート32がポール30の上端33(即ち、ポールの他端)に取り付けられている。
【0028】
上記を受け取ると、顧客はシステム10を更に組み立てる責任を負う。例えば、図2は、ユーザによる組立工程における潜在的な次のステップを示す。図2に示すステップでは、ユーザは、延長アーム34などのバックボードサポートをポール30に取り付けるが、ポール30は依然としてベース12内に入れ子になっている。延長アーム34は、ポールとバスケットボールボード38との間に延びており、両者を接続する。延長アーム34をポール30に取り付けるために、ユーザは、延長アーム34の近位端35を、プレート32を貫通するねじ又はボルトなどによって、ポール30上の取付プレート32に動かないように固定する。図2に示すように、所定の位置に固定された時点で、延長アーム34は、ベース12から離れるように略垂直に延びる。延長アーム34の遠位端37(即ち、反対側の端部)には、バックボード38とリム40を支持するためのバックボード取付プレート36がある。システム10が組み立てられると、延長アーム34は、ポール30及びベース12から離れてバックボード38を片持支持する。この片持支持設計により、プレイヤーがベース12につまずく危険を低減しながら、バックボード38とリム40の真下のエリアでプレイを進めることができる。
【0029】
バックボードサポートは他の設計も可能である。例えば、バックボードサポートは、ポール30の上部からバックボード38(図示せず)まで延びる2つ以上のアームを備えてもよい。このような設計は、調整不能又は伸縮不能なポール30に関連して、ユーザがリム40の高さを調整することを可能にする特定のリフト機構と共に使用することができる。このようなリフト機構は、通常、より複雑であり、ユーザの側で更なる組立時間を必要とする。これらのリフト機構は、図1図8に示すようなクイックアセンブリシステム10(図には示されていない機構)のために設計され、クイックアセンブリシステムに含まれてもよい。延長アーム34の代わりに、バックボード38をポール30に直接固定することも可能である。
【0030】
図3は、ユーザによる組立工程における潜在的な次のステップを示す。このステップでは、ユーザは、バックボード38を延長アーム34上のバックボード取付プレート36に固定することとしてもよい。図3に示す実施形態では、バックボード38は、ボルト又はねじでバックボード取付プレート36に直接取り付けられる。或る実施形態では、バックボード38は、直接取り付けることなくバックボード取付プレート36に接続することとしてもよい。例えば、バックボード取付プレート36は、バックボード38が直接取り付けられることなくスライドする、ピンやボルトなどの固定具を有していてもよい。このような実施形態では、リム40は、バックボード38又はバックボード取付プレート36のいずれかに同じ又は同様の固定具を介して取り付けることもでき、リム40とバックボード38の両方を同時に固定することとしてもよい。
【0031】
組立の潜在的な次のステップにおいて、ユーザは、リム40をバックボード38に取り付ける。図3に見られるように、バックボード38は、リム40を取り付けることができるピン又はボルトなどの固定具を有するリム取付プレート41を有する。リム40は、図4に示す実施形態などの離脱リム設計で使用するために、ばね及びナットを用いて固定具に取り付けることとしてもよい。離脱しないリムを含めて、他のリムも同様に使用することとしてもよい。
【0032】
組み立ての潜在的な後続ステップでは、図5及び図6に示すように、ユーザは、垂直サポートアセンブリ13を持ち上げる。本明細書に示される実施形態では、図1図5に示されている斜視図から見た場合、ユーザが前脚20を持ち上げると(それにより、脚20はベース12のくぼみ16から外れる)、ヒンジアセンブリ26に接続されている前脚20の第2の端部23が、前脚の第1の端部22よりも上に持ち上げられる。即ち、ユーザが前脚20を持ち上げると、前脚20はヒンジアセンブリ26周りに反時計回りに回転し、各前脚20の第1の端部22が前方に出て、各前脚20の第2の端部23がヒンジアセンブリ26と共に上方に持ち上がる。前脚29の反時計回りの回転は、後脚28を時計回りに回転させ、ヒンジアセンブリ26に接続された後脚28の第2の端部29が後脚28の第1の端部29より上方に持ち上げられるようにする。全体として、これらの動作により、前脚20は、各前脚20の第1の端部22がベース12及び/又はベース12上のプラットフォーム18上に配置され、ピン又はボルトなどによって固定され得るように位置決めされる。これにより、前脚20が固定され、ヒンジアセンブリ26がベース12の上方に安定して持ち上げられる。即ち、前脚20がベース12に固定されると、前脚20、後脚28、及びベース12は、側面プロファイルから見たときに略鋭角の三角形を形成し、これは図5に見ることができる。ベース12は三角形の底辺を形成し、前脚20及び後脚28はベース12から上方に延びて三角形の他の二辺を形成し、ヒンジアセンブリ26は三角形の頂部に位置し、前脚20と後脚28との間に配置される。
【0033】
図5及び図6に示すような或る実施形態では、少なくとも1つのブレース24は、前脚20を横方向に接続することとしてもよい。ブレース24は、前脚20を接続し、前脚20が一緒に後方又は前方に回転するようになる。これは、垂直アセンブリ13を持ち上げて固定する上述のステップにおいてユーザを補助することができる。即ち、ユーザが前脚20を持ち上げると、ブレース24が脚20を安定して一緒に移動させるので、システム10の組立がより容易になる。更に、ブレース24は、システム10の全体構造に追加の剛性と支持を与える。或る実施形態では、図10に見られるように、複数のブレース24が前脚20に接続することとしてもよい。
【0034】
次に、図6は、ユーザによる組立工程における潜在的な後続ステップを示す。このステップでは、ユーザはポール30を上方に持ち上げることができる。図5及び図6に示す実施形態では、ポール30は、後脚28の間に配置され、一端でヒンジアセンブリ26に回転可能に固定される。ポール30を持ち上げることにより、ポール30が垂直になるまで(即ち、ベース12とプレイ面の両方に対して略垂直になるまで)、ポール30をヒンジアセンブリ26周りに反時計回りに回転させることができる。図6に示すように、ポール30が垂直位置に持ち上げられると、リム40は地面又はプレイ面に略平行である。一旦持ち上げられると、ポール30は、ポール30が容易に後方に倒れないように(即ち、時計回りに回転して、その開始位置に戻らないように)、ピン又はボルトなどによって所定の位置に固定することとしてもよい。ポールを所定の位置にロックすることについては、以下で更に詳細に説明する。
【0035】
図7において、バックボードシステム10は、プレイの準備がなされた状態である。図7に示すように、ポール30が伸縮式ポールである場合、ポール30は、ポール30の高さ、ひいてはリム40の高さを高くするために、上方に持ち上げることができる内部伸縮式ポール50を備えていてもよい。このような実施形態では、バックボード取付プレート36(したがって、リム40とバックボード38)を内部伸縮式ポール50に取り付けてもよい。内部伸縮式ポール50は、リム40の所望のプレイ高さに応じて下降(又は上昇)させてもよい。例えば、内部伸縮式ポール50を使用して、リムの高さをバスケットボールプレイに必要な規定高さの10フィートに調整してもよいし、プレイヤーの身長及び/又は年齢に応じて10フィート以上又は未満に調整してもよい。他の実施形態では、リフト機構又はリフトシステムを使用して、リム40の高さを調整することとしてもよい。
【0036】
更に、図7に示すように、バウンスプレート又はバウンス面42は、前脚20の間及び/又は前脚を横切るように配置することとしてもよい。バスケットボールがバウンスプレート42に接触すると、バスケットボールはプレイヤーの一般的な方向に跳ね返ることができる。これにより、プレイを再開するためにプレイヤーがバスケットボールを拾いにシステム10まで走る必要がなくなるので、バウンスプレート42は、ゲームプレイの容易さとスピードを向上させることができる。
【0037】
図8は、図1図7を参照して図示及び説明したヒンジアセンブリ26の一実施形態を更に詳細に示している。或る実施形態では、ヒンジアセンブリ26は、脚ボルト46に回転可能に設置されたヒンジブラケット44を備える。このような実施形態では、ヒンジブラケット44は、ヒンジブラケット44の前後に延びる開口部を画定する1つの頂部と2つの側面を有するU字形であってもよい。前脚20及び後脚28は、脚ボルト46によってU字形ヒンジブラケット44の両側面の外側に固定され得る。具体的には、脚ボルト46は、ヒンジブラケット44の幅よりも長く、脚ボルト46は、ヒンジブラケット44の左右の側面を貫通してヒンジブラケット44を横方向に延びるため、脚ボルト46の一部は両方の位置でヒンジブラケット44を越えて延びる。図8に示すように、一方の前脚20と一方の後脚28は、脚ボルト46の一方の側を介してヒンジブラケット44の左側に固定され、他方の前脚20と後脚28は、脚ボルト46の他方の側を介してヒンジブラケット44の右側に固定される。脚20、28及びブラケット44は、ナット及びワッシャによって脚ボルト46上の所定の位置に固定されてもよい。
【0038】
或る実施形態では、ヒンジブラケット44は、ポール30を垂直位置にロックするための固定具を備える。例えば、図8及び図9A図9Cに示すように、ヒンジブラケット44は、U字形ヒンジブラケット44の側面に位置する2つの円弧状スロット53と係合する制限ピン52を有する。制限ピン52は、円弧状スロット53を貫通して延びるように、U字形ヒンジブラケット44より広くてもよい。このような実施形態では、制限ピン52の端部は、図8に示すように、スロット53を貫通し、各後脚28に固定される。制限ピン52は、ヒンジブラケット44が後脚28に対して回転することで、円弧状スロット53に沿って移動することができる。即ち、ヒンジブラケット44は、円弧状スロット53の弧長によって画定される角度分だけ回転可能である。
【0039】
システム10を組み立てる際に、上記及び図6を参照して説明したように、ポール30を垂直位置に回転する。ヒンジブラケット44がU字形である或る実施形態では、ポール30はヒンジブラケット44の頂部に固定される。このような実施形態では、制限ピン52が円弧状スロット53の端部と係合するまで、ポール30を上方に回転させ、それによってヒンジブラケット44を回転させることができる。円弧状スロット53は、ポール30が垂直位置(即ち、地面から約90度又は地面に対して垂直)にあるときに末端部が現れるように設計されている。即ち、制限ピン52と円弧状スロット53の末端部との係合により、ポール30のそれ以上の回転を防止する停止位置が定まる。
【0040】
制限ピン52がスロット53の末端部と係合すると、ユーザはブラケットヒンジ44を所定の位置に固定する(それによって、ポール30を垂直位置に固定する)ことができる。例えば、第1のスペーサ48は、ヒンジブラケット44及び/又は後脚28に溶接されるか、又は他の方法で取り付けられてもよい。ブラケット44を所定の位置に固定するために、ばね付きボール留めピンを第1のスペーサ48を貫通して挿入することができる。スペーサ48は、鋼又は他の一般的な金属で作ることとしてもよい。スペーサ48は、ブラケット44の脚20、28のためのブレースとして機能することによって、ヒンジブラケット44に強度及び支持を与える。更に、スペーサ48は、ユーザが留めピンをスペーサ48内に容易にスライドさせて適切な軸方向の位置合わせを維持することを可能にする、完全に又は部分的に密閉された「スリーブ」を提供することができる。留めピンは、十分に太く、支持もできるように設定され得る。システム10を組み立てるユーザが留めピンを挿入すると、ポール30は直立位置に固定され、ユーザはポール30が倒れる心配なしにポール30から離れることができる。
【0041】
追加的又は代替的に、第2のスペーサは、ヒンジブラケット44に溶接又は他の方法で取り付けられてもよい。例えば、図7に示すように、ヒンジブラケット44の後側(即ち、バックボード38及びリム40に背を向ける側)に、第2のスペーサを溶接又はその他の方法で取り付けられてもよい。第2のスペーサは、ナットでヒンジブラケット44に固定される六角ボルトを受け入れることができる。このような実施形態では、留めピンは組立中又は分解中の一時的な安定化機構としてのみ機能し、六角ボルト及びナットはより強固な支持を提供し、ポール30を所定の位置に確実にロックする。ボルトがナットで固定された時点で、ポール30を直立にロックする工程が完了する。これは、強固な直立ロックを提供するために、前述の留めピンよりも厳しいクリアランスを提供する。
【0042】
図9A図9B、及び図9Cは、ポール30が直立位置まで回転する3つの異なる段階におけるヒンジアセンブリ26を示す。図9Aでは、ポール38は回転前の位置にあり(即ち、後脚28の間に配置されている)、制限ピン52は円弧状スロット53の後端にある。図9Bは、ポール30が直立位置まで回転する中間点におけるヒンジアセンブリ26を示す。図から分かるように、ポール30の回転により、円弧状スロット52は制限ピン52を中心に回転する。図9Cでは、ポール30は完全に垂直であり、回転制限ピン52は円弧状スロット53の前端部(即ち、スロット53の末端部)にある。
【0043】
説明した設計及び方法には、可搬式システム10をユーザが組み立てる際の部品点数を減らすという利点を有する。特に、図1図7に示す実施形態では、システム10を完全に組み立てるために、ユーザは、5つの取り付けを行うだけでよい。これらの取り付けとは、(1)延長アーム34をポール30に固定すること、(2)バックボード38を延長アーム34に取り付けること、(4)リム40をバックボード38に取り付けること、(5)各前脚20をベース12に固定すること、である。
【0044】
本発明の開示された実施形態の任意の所与の要素は、単一の構造、単一のステップ、単一の物質などで具体化されてもよいことを理解されたい。同様に、開示された実施形態の所与の要素は、複数の構造、ステップ、物質などで具体化されてもよい。
【0045】
前述の説明は、本開示の工程、機械、製造物、組成物、及び他の教示を例示し、説明するものである。更に、本開示は、開示された工程、機械、製造物、組成物、及び他の教示の特定の実施形態のみを示し、説明するが、上述したように、本開示の教示は、様々な他の組合せ、修正、及び環境で使用することができ、関連する技術分野において通常の技術を有する者の技術及び/又は知識に見合った、本明細書で表現される教示の範囲内で変更又は修正することができることを理解されたい。本明細書に説明される実施形態は、本開示の工程、機械、製造物、組成物、及び他の教示を実施するための公知の特定の最良の態様を説明し、当業者がこのような、又は他の実施形態において、及び特定の用途又は使用によって必要とされる様々な修正を伴って、本開示の教示を利用することを可能にすることを更に意図している。したがって、本開示の工程、機械、製造物、組成物、及び他の教示は、本明細書に開示される正確な実施形態及び実施例を限定することを意図するものではない。本明細書のセクションの見出しは、37C.F.R.§1.77の提案との整合性のためにのみ、又は構成上の順番を示すためにのみ付されている。これらの見出しは、本明細書に記載の発明を限定又は特徴付けるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
【国際調査報告】