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▶ スフェリカル キャニスター エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】球形キャニスタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
A61M1/00 109
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023566939
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2021058907
(87)【国際公開番号】W WO2022231654
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】17/243,907
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523408949
【氏名又は名称】スフェリカル キャニスター エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リーディングハム,ブライアン,ティー.
(72)【発明者】
【氏名】テツラフ,パトリック,シー.
(72)【発明者】
【氏名】グルーバー,アレックス,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウエストホフ,ルーク,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ラス
(72)【発明者】
【氏名】チュン,ケン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA15
4C077DD11
4C077DD29
4C077EE04
4C077KK25
(57)【要約】
第1の半球状コンポーネントおよび第2の半球状コンポーネントを有する球状容器を含む、真空下で流体を収集および貯蔵するキャニスタ。第1および第2のコンポーネントは、気密および液密シールを提供するために、複数のフランジからなるキャニスタベルトラインで接続される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の真空収集および貯蔵のための球状キャニスタであって、
第1の半球および第2の半球を含み、
前記第1の半球は、少なくとも第1の環状リブによって画定される第1のベース周囲を持つ第1のベースを有し、
前記第2の半球は、少なくとも第2の環状リブによって画定される第2のベース周囲を持つ第2のベースを有し、
前記第1の環状リブは、キャニスタベルトラインの周りで前記第2の環状リブとシール可能に接触し、それによって、流体保持容積を形成し、前記シール可能な接触は、前記流体保持容積の周りに位置する、
球状キャニスタ。
【請求項2】
前記第1の環状リブは、前記第2の環状リブの内径よりも大きい外径を有する、請求項1に記載の球状キャニスタ。
【請求項3】
前記第1の環状リブの外面が前記第2の環状リブの内面と加圧連通して、前記シール可能な接触をもたらす、請求項1に記載の球状キャニスタ。
【請求項4】
前記外面及び前記内面の少なくとも一方は、研磨された表面である、請求項3に記載の球状キャニスタ。
【請求項5】
前記研磨された表面は、成形された研磨された表面である、請求項4に記載の球状キャニスタ。
【請求項6】
前記キャニスタ半球の外面上の指標をさらに含み、前記指標は、前記流体保持容積内の前記流体の容積の測定値を提供する、請求項1に記載の球状キャニスタ。
【請求項7】
減少された容積の前記測定値のために互いに近接近する少なくとも2つの指標をさらに含み、実質的に均等な流体保持容積を持つ円筒形キャニスタにおける流体収集読取値と比較して、当該球状キャニスタ内のより正確な流体収集読取値が、提供される、請求項6に記載の球状キャニスタ。
【請求項8】
当該球状キャニスタの流体保持容積と比較して実質的に均等な前記流体保持容積を持つ前記円筒形キャニスタと比較して減少された空間占有を有する、請求項7に記載の球状キャニスタ。
【請求項9】
当該球状キャニスタは、動作モードおよび貯蔵モードのうちの少なくとも1つにあるときに前記減少された空間占有を有する、請求項8に記載の球状キャニスタ。
【請求項10】
前記第1の環状リブと前記第2の環状リブとの間の前記シール可能な接触は、前記キャニスタベルトラインの周りで連続的である、請求項1に記載の球状キャニスタ。
【請求項11】
前記第1の半球は、前記第1の半球ベースに近接近する少なくとも1つのラッチを有し、前記ラッチは、前記第2の半球と相補的に配置されて、前記シール可能な接触を提供する、請求項1に記載の球状キャニスタ。
【請求項12】
前記キャニスタベルトラインの周りの前記第1の半球および第2の半球間のシール可能な接触の検証のために前記ラッチ上の指標をさらに含む、請求項11に記載の球状キャニスタ。
【請求項13】
前記ラッチは、前記第1の半球の内面に位置付けられ、前記内面は、前記流体保持容積を画定する、請求項11に記載の球状キャニスタ。
【請求項14】
前記第2の半球は、前記第1の半球および第2の半球間のシール可能な接触を提供する接着剤を有する、請求項1に記載の球状キャニスタ。
【請求項15】
流体の真空貯蔵及び分配のための球状キャニスタであって、
第1の半球および第2の半球を含み、
前記第1の半球は、第1のベース周囲を持つ第1のベースを有し、
前記第2の半球は、第2のベース周囲を持つ第2のベースを有し、
前記第1のベースは、前記第2のベースとシール可能に接触し、それによって、流体保持容積を画定し、前記シール可能な接触は、前記流体保持容積の周りに位置する、
キャニスタ。
【請求項16】
前記第1の半球および前記第2の半球のうちの少なくとも一方は、前記シール可能な接触を画定するシールを有する、請求項15に記載のキャニスタ。
【請求項17】
前記シールは、熱可塑性エラストマおよび接着剤のうちの少なくとも1つである、請求項16に記載のキャニスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2020年7月28日に出願された同時係属中の米国意匠特許出願第29/744,288号の一部継続出願である。
【0002】
(技術分野)
本発明は、真空技術に関し、より具体的には、真空下で流体を貯蔵するための装置に関する。より具体的には、本発明は、2つの半球形状のコンポーネント(構成要素)を有するが、シールジョイントまたはインターフェース(界面)は使用可能な収集容積内に位置する、キャニスタに関する。2つの側がしっかりと組み合わされるときに、キャニスタアセンブリは、真空下で流体を貯蔵するために使用される。
【背景技術】
【0003】
病院設定での真空技術の使用は、過去100年間に非常に一般的になっている。この技術は、時間の経過とともに著しく進歩し、手術中および術後回復プロセスにおける患者ケアのためにならびに呼吸分泌物を管理するために利用されている。医療吸引は、気道を綺麗にするためや流体を除去するためだけでなく、重篤な患者を蘇生し、老廃物を回収し、手術野からの血液を再循環させ、新生児の困難な出産の支援し、創傷治癒を促進させ、手術室からの排ガスおよび煙を除去するためにも使用される。時間の経過とともに、そのような技術は、はるかにポータブルになってきており、病院を越えて、慢性ケア施設、外来クリニック、医師オフィス、救急搬送車両および患者宅のような、長期ケア場所へとその用途を拡大している。
【0004】
真空技術の殆どの用途において、過剰な流体は、外科吸引キャニスタ内に堆積される。外科吸引キャニスタについての従来技術は、それらが再利用可能であること、半再利用可能であること、および使い捨て可能であることを提供する。再利用可能なキャニスタは、硬質プラスチックベースおよびプラスチック蓋で構成される。それらは、廃液管理に関連する処置当たりのコストを低減させるために開発された。半再利用可能なキャニスタは、廃液と接触することを意図しない再利用可能な外側キャニスタと組み合わされた使い捨て可能なライナおよび蓋を特徴とする。使い捨て可能な吸引キャニスタは、ベースキャニスタおよび蓋で構成される。これらは、廃液の収集および一時的な貯蔵のために今日使用される最も一般的な解決策である。
【0005】
再利用可能な流体収集システムは、各使用後にキャニスタからの廃棄物を完全に処分することを要求する。キャニスタは、廃棄物の処分後に徹底的に洗浄および消毒されなければならない。この廃棄プロセスは、従業員が液滴またはエアロゾルに曝露するリスクを伴う。
【0006】
半再利用可能な流体収集システムは、臨床医が硬質外側キャニスタから廃棄ライナおよび蓋アセンブリを取り外して廃棄することを要求するが、キャニスタは、次の処置への交差汚染のリスクを避けるため、再利用する前に徹底的に洗浄および消毒されなければならない。この廃棄プロセスは、従業員が液滴またはエアロゾルに曝露するリスクを伴う。
【0007】
使い捨て可能なキャニスタは、曝露および交差汚染のリスクを低減させる利益を提供する。何故ならば、それらは、各使用後に廃棄されるからである。しかしながら、使い捨て可能なキャニスタは、コストおよびプラスチック材料廃棄物を減らすために使用されるプラスチックの量を最小限に抑えるために課題があるが、それらは、所要の圧力に耐えるよう十分に強力である必要がある。
【0008】
吸引キャニスタは、ヘルスケア環境における成功裡の使用の長年の歴史を有する一方で、コストおよび安全性において改良の機会がある。
【0009】
従来技術の使い捨て可能な吸引キャニスタシステムは、何十年に割って同じ基本的な形状および構造を有してきた。従来的な使い捨て可能なキャニスタは、蓋付きキャニスタを用いて作られる。キャニスタ形状は、殆ど円筒形であり、典型的には、結晶ポリスチレンまたはポリカーボネートのような高剛性を有するプラスチック樹脂から射出成形される。蓋は、一般に、平坦または僅かにドーム状であり、配管接続用のポートを含む。蓋は、典型的には、ABS、ポリスチレン、ポリエチレンまたはポリプロピレンのような汎用プラスチックから作られる。収集された流体は、キャニスタ内に存在し、蓋は、吸引源からの真空レベルを維持し得るようにキャニスタの上部をシールする。
【0010】
従来技術のキャニスタシステムでは、蓋がキャニスタ上に組み立てられるときに、シーリングリブが蓋上に配置され、キャニスタと接触する。蓋キャニスタ間シールインターフェースは、収集される流体容積の上方に常に配置され、故に、それは、液体シールであるように設計されておらず、液体シールである必要もない。シーリングリブは、典型的には、キャニスタの内径よりも寸法的に大きく、キャニスタと蓋上のシーリングリブとの間に干渉を生じさせる。この干渉は、シーリングリブとキャニスタとの間に局所的な表面圧を生じさせる。干渉の量は、任意ではない。過度の寸法的干渉は、キャニスタに蓋を装着することを困難にし得る。何故ならば、寸法的干渉の量が増加するにつれて、蓋を装着するのに必要とされる力が増加するからである。少なすぎる干渉は、液漏れを引き起こして、適切なシステム機能性を妨げ得る。さらに、蓋内のラッチ用の切欠きのような蓋またはキャニスタの構造における如何なる変化も、蓋の構造を局所的に変化させて、シーリング圧力の不連続部を作り出す。ラッチは、通常、蓋をキャニスタに固定するために使用され、蓋をベースにロックするように設計される。ラッチによって生成されたキャニスタの周りの圧力の不連続性は、キャニスタ空気漏れを引き起こす局所的な変形の原因である。加えて、従来技術のキャニスタにおける高レベルの蓋変形は、蓋が真空下で変形するにつれて圧力分布にも変化を生じさせる。
【0011】
従来技術では、吸引キャニスタは、高真空設定での使用中に一定の真空下にある。キャニスタの主要な構造的機能の1つは、変形、漏洩、または破壊することなく、高レベルの真空に耐えることである。構造的完全性に関しては、既存の円筒形キャニスタ上の蓋変形の問題がある。既存の円筒形キャニスタ上の蓋は、蓋剛性を高めるためにほぼ平坦または僅かにドーム状である。高真空下で、従来的な蓋は、しばしば著しく変形し、真空が適用される間に機械的エネルギを効果的に蓄える。キャニスタがほぼ満杯になったときに真空が急速に解放されるか、あるいは指定される手順に従わないで解放されるならば、蓋は、元の位置にリバウンドして、機械的エネルギの急速な解放を引き起こし得る。この急速な蓋移動は、しばしばキャニスタ逆流(canister reflux)と呼ばれる状態を引き起こす。逆流事象の間に、廃液がキャニスタまたはキャニスタポートから噴霧して、臨床医および機器を潜在的に危険な液体への曝露のリスクに置く可能性がある。
【0012】
再利用可能なキャニスタおよび半再利用可能なキャニスタに関連する固有のリスクおよびコストは、使い捨て可能な剛性吸引キャニスタの必要性を提供する。何故ならば、再利用可能な解決策および半再利用可能な解決策と比較して、交差汚染の可能性が排除されるからである。使い捨て可能なキャニスタは、臨床医が廃液と接触する機会も最小限に抑える。しかしながら、生成されるプラスチック廃棄物の量において、使い捨て可能なキャニスタでは、コストの問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
よって、従来技術の欠点を満たす使い捨て可能なキャニスタの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、流体の真空貯蔵および分配のためのキャニスタである。キャニスタは、封止可能な様式でベルトラインの周りで嵌まり合い、流体貯蔵のための流体保持容積を提供する、第1の半球状コンポーネントおよび第2の半球状コンポーネントを含む。
【0015】
キャニスタ設計は、使用可能な流体収集容積内に液密シールを適用することによって従来的なの使い捨て可能なキャニスタが直面している課題に対処する。
【0016】
第1の半球状コンポーネントおよび第2の半球状コンポーネントが、ベルトラインでシール可能に接続されて、液体を貯蔵するキャビティを持つキャニスタの球形状を形成する。ベルトラインは、キャニスタキャビティの収集容積内で、キャビティ内の最大流体収集高さより下方に位置する。収集容積は、流体を貯蔵し得るキャビティの容積である。その結果、キャニスタキャビティ内の流体は、ベルトラインと接触することがある。従って、液体がベルトラインまたはキャニスタのシーリング場所で接触する状態で、液密および気密シールが典型的な動作条件下で確率および維持される。本出願人は、本発明の目的のための「ベルトライン(beltline)」という用語を、キャニスタの半球状コンポーネントの極部(poles)間の半分に少なくとも実質的に近く位置付けられるキャニスタの周囲の周りの赤道面シール(equatorial seal)であると定義する。「収集容積(collection volume」、「流体保持容積1(fluid holding volume」、「収集高さ(collection height)」または「ベルトライン」のいずれかと、これらの用語の一般的な定義との間に疑義があるならば、両方の定義が適用されるものと理解される。
【0017】
収集される容積範囲内で半球状コンポーネント間のシーリング場所を位置決めすることは必須である。何故ならば、それは可能な最も効率的な設計を作り出すための機会を特異に提供するからであり、それは、経済的に生産、輸送および貯蔵し得る設計において全て使用されるプラスチックの量を最小限にしながら、所要の強度要件を達成する。
【0018】
本発明の球状キャニスタは、ベルトラインのシーリング位置で少なくとも1つの成形された研磨された表面を有する。
【0019】
本発明のさらに別の態様において、キャニスタは、ポリマシール、例えば、キャニスタのためのシール可能な接触を提供するポリマシール、例えば、熱可塑性ポリマから構成されてよい。
【0020】
球状キャニスタは、キャビティ内の流体の容積の測定のための指標(indicia)を含んでもよい。
【0021】
本発明のさらなる態様において、キャニスタの第1の半球状コンポーネントは、真空貯蔵中の機械的応力に抵抗するためにドーム状形状を有する。
【0022】
キャニスタは、本発明の半球状コンポーネント間のシール可能な配置に寄与するラッチまたは接着剤を含んでもよい。
【0023】
代替的に、キャニスタは、半球状コンポーネントで作られた楕円形状を有してよい。この形状は、半球状コンポーネントを分離する第3の円筒状コンポーネントをさらに有してよい。
【0024】
これらの構成および他の構成は、以下にさらに詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】キャニスタの半球状コンポーネントが分離された本発明のキャニスタの第1の実施形態の斜視図である。
図2】キャニスタの半球状コンポーネントがキャニスタのベルトラインに沿って接続された図1の斜視図である。
図3】キャニスタのベルトラインに沿って分離されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す図2の線3-3を通じて取られた断面図である。
図3A図2の線A~3Aを通じて取られた拡大斜視断面図である。
図4】キャニスタのベルトラインに沿って接続されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、図2の線4-4を通じて取られた断面図である。
図5】キャニスタのベルトラインに沿って接続されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、図2の線5-5を通じて取られた拡大断面図である。
図6】キャニスタの第1の半球状コンポーネントのベルトラインラッチを示す、キャニスタのベルトラインに沿う図1の半球状コンポーネントの拡大集束斜視図である。
図7】ベルトラインラッチで分離されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す図6の線7-7を通じる断面図である。
図8】ベルトラインラッチで接続部に非常に近接したキャニスタの半球状コンポーネントを示す、図6の線8-8を通じて取られた断面図である。
図9】ベルトラインラッチで接続されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、図6の線9-9を通じて取られた拡大集束断面図である。
図10】キャニスタのベルトラインに沿って分離されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、本発明のキャニスタの第2の実施形態の断面図である。
図10A】本発明のキャニスタの第2の実施形態の第1の半球状コンポーネントの拡大斜視断面図である。
図11】キャニスタのベルトラインに沿って分離されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、本発明のキャニスタの第3の実施形態の断面図である。
図11A】ベルトラインラッチで接続されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、図11に示す実施形態の拡大断面図である。
図12】キャニスタのベルトラインに沿って分離されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、本発明のキャニスタの第4の実施形態の断面図である。
図12A】ベルトラインラッチで接続されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、図12の実施形態の拡大断面図である。
図13図12に示すキャニスタの半球状コンポーネントの拡大斜視図である。
図13A】接続位置におけるキャニスタの第1の半球状コンポーネントのベルトラインラッチの第2の実施形態を示す、図13に示す実施形態の拡大斜視図である。
図14】キャニスタの第5の実施形態の第1の半球状コンポーネントの底部斜視図である。
図14A】接続レッジを示す、図14のキャニスタの拡大底部斜視図である。
図14B】ベルトラインラッチで接続されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、図14のキャニスタの拡大断面図である。
図15】キャニスタのベルトラインに沿って分離されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、図14のキャニスタのさらなる断面図である。
図15A】ベルトラインラッチで接続されたキャニスタの半球状コンポーネントを示す、本発明のキャニスタの別の実施形態の拡大断面図である。
図16】ベルトラインの上方の第1の位置まで液体で満たされたキャニスタの内部容積を示す、図2の線16-16を通じて取られた断面図である。
図17】キャニスタの頂部に近接近した第2の位置まで液体で満たされたキャニスタの内部容積を示す、図2の線17-17を通じて取られた断面図である。
図18】指標の第2の実施形態を示す、キャニスタの第2の半球状コンポーネントの拡大斜視図である。
図19A】キャニスタの第7の実施形態の側面図である。
図19B】キャニスタの第8の実施形態の側面図である。
図19C】キャニスタの第9の実施形態の側面図である。
図19D】キャニスタの第10実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書の開示は、当業者が本発明を実施することを可能にするように詳細かつ正確であるが、他の特定の構造において具体化されることがある本明細書に開示の物理的な実施形態は、本発明を例示するにすぎない。好ましい実施形態が記載されているが、その詳細は、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく変更されることがある。
【0027】
図1および図2に注目すると、本発明のキャニスタ2の第1の実施形態が示されている。キャニスタ2は、第1の半球状コンポーネント4および第2の半球状コンポーネント6を含む。以下に記載されるように、半球状コンポーネントは、本質的に互いに対称であり、互いに接合されるときに球形を形成する。代替的に、キャニスタは、半球状コンポーネント(4,6)で作られた楕円形状を有してよい。図19A図19Cを参照のこと。この形状は、さらに、半球状コンポーネント(4,6)を分離する第3の円筒状コンポーネントを有することもある。図19Dを参照のこと。
【0028】
第1の半球状コンポーネント4および第2の半球状コンポーネント6は、ベルトライン36(beltline)で封止可能に接続されて、液体を貯蔵するためのキャビティ40を有するキャニスタを形成する。このベルトライン36は、キャビティ40内の流体の高さ、すなわち、収集高さ106(図16および17を参照)よりも下方に、ならびにキャニスタキャビティ40の収集容積108(図16および17を参照)、すなわち、流体保持容積内に配置されてよい。収集容積108(図16および17を参照)は、流体を貯蔵するために設けられるキャビティ40の容積である。その結果、キャニスタキャビティ40(図4を参照)内の流体は、ベルトライン36と接触することがある。従って、負圧がキャビティ40内に印加され、液体がキャニスタ2のシール場所と接触するとしても、液密および気密シールは、典型的な動作条件下に維持される。第1の半球状コンポーネント4は、第1の半球状コンポーネント外面16によって画定される第1の半球状コンポーネントシェル8によって画定される。第1の半球状コンポーネント4は、第1の半球状コンポーネント外面16によって画定される第1の半球状コンポーネントシェル8によって画定される。第1の半球状コンポーネント4は、第1の半球状コンポーネント極部22を有し、シェル8は、極部22から放物形状24において第1の半球状コンポーネントベース20まで延び、それによって、第1の半球状コンポーネント4を画定する。第1の半球状コンポーネントベース20は、第1の半球状コンポーネントベース周囲19(first hemispherical component base perimeter)を有する。ベース20は、第1の半球状コンポーネント開口12(first hemispherical component base opening)を有する。第1の半球状コンポーネント開口12は、極部22(pole)に向かって延びて、第1の半球状コンポーネントキャビティ23を形成する。リム25(rim)が、第1の半球状コンポーネントベース周囲19の周りでベース20に配置される。リム25は、第1の半球状コンポーネントベルトライン27を画定する。第1の半球状コンポーネントベルトライン27に沿って位置付けられるのは、半球状コンポーネント4および6を互いにしっかりと取り付けるのを助けるために、複数の、例えば、6つのラッチ29である。好ましくは、ラッチ29は、互いから等距離に位置付けられる。
【0029】
図1および図2を依然として参照すると、第2の半球状コンポーネント6は、第2の半球状コンポーネント外面18をさらに含む、第2の半球状コンポーネントシェル10によって画定される。第1の半球状コンポーネント4の形状と同様に、第2の半球状コンポーネント6は、第2の半球状コンポーネント極部26を有し、シェル10は、極部26から放物形状24において第2の半球状コンポーネントベース28まで延び、それによって、第2の半球状コンポーネント6を画定する。第2の半球状コンポーネントベース28は、第2の半球状コンポーネントベース周囲30を有する。ベース28は、極部26に向かって延びて、第2の半球状コンポーネントキャビティ14を形成する、第2の半球状コンポーネント開口32を有する。リム33が、第2の半球状コンポーネントベース周囲30の周りでベース28に配置される。リム33は、リップ34(lip)をさらに有する。
【0030】
第2の半球状コンポーネントベース28は、第1の半球状コンポーネントベース20と整列して且つ第1の半球状コンポーネント20に対向して位置付けられる。ベース(20、28)の整列(アライメント)は、第1の半球状コンポーネントベース20での第1の半球状コンポーネントシェル8と第2の半球状コンポーネントベース28での第2の半球状コンポーネントシェル10との整列によって提供される。
【0031】
図1および図2を依然として参照すると、半球状コンポーネント4および6は、キャニスタベルトライン36に沿って接続される。キャニスタベルトラインは、キャニスタ周囲38(canister perimeter)の周りで互いに連通するリム25およびリップ34を含む。キャニスタ周囲38は、第1の半球状コンポーネントベース周囲19および第2の半球状コンポーネントベース周囲30の一方または両方に実質的に等しい。ラッチ29は、キャニスタベルトライン36の部分も含む。よって、第1の半球状コンポーネントキャビティ23および第2の半球状コンポーネントキャビティ14は、ベルトライン36に沿って結合して、キャニスタシェル42によって画定されるキャニスタキャビティ40を提供する。
【0032】
図1および図2を更に参照すると、キャニスタシェル42は、本質的に極部22から極部26まで延在する指標45(indicia)を持つ外面44を有する。指標45は、キャニスタ40内の流体の量の容積測定値を提供し、図17に関して以下でさらに議論される。
【0033】
キャニスタ2は、第1の半球状コンポーネント極部22に近接近して配置される1つ以上のポート46(ports)、例えば、4つのポートも含む。ポート46は、第1の半球状コンポーネントシェル8から上向きに延び、好ましくは、一体部品としてシェル8と共に成形される。
【0034】
反対側のシェル10には、第2の半球状コンポーネント極部26の近くに配置された複数の支持部材47がある。支持部材47は、キャニスタ2を表面上に支持する手段を提供する。図示のように、3つの支持部材47が示されているが、より多くのまたはより少ない支持部材を使用することができる。キャニスタ2が表面上に位置することを支持手段47が可能にするのであれば、この配置は、本発明の範囲内に入ることが理解されよう。代替的に、支持部材47は、除去されることができ、キャニスタは、別個の環形状または楕円形状のベース構造上に位置することができる。
【0035】
観察されるように、キャニスタ2は、好ましくは、球形状48を含む。よって、キャニスタは、従来技術とは異なる圧力容器を提供する。キャニスタ2上で応力計算を行うと、キャニスタ2のコンポーネントのシェル(8,10)における応力は、従来技術の比較可能な円筒形圧力容器の1/2であることが観察されている。従って、本発明のキャニスタ2は、従来技術の円筒形キャニスタの少なくとも同じ真空圧力に耐える一方で、キャニスタシェル42は、より薄いとまではいかなくても、従来技術の比較可能なサイズの円筒形キャニスタの厚さの少なくとも半分であることを要求する。よって、キャニスタ2の設計は、従来技術のキャニスタと比較して、減少された製造コストおよび材料コストを提供し、環境影響を低減する。
【0036】
本発明のキャニスタ2の球形状48、楕円形、またはほぼ球形状に対する別の利点は、形状の容積を形状の表面積と比較するときに、より効率的な形状である。例えば、2000立方センチメートルの吸引キャニスタについて、本発明のキャニスタ2を先行技術の円筒形キャニスタと比較すると、本発明のキャニスタ2は、先行技術の円筒形キャニスタと比較して、使用中または貯蔵時に、15%より少ない表面フロアまたは表面積を占める。加えて、キャニスタ2は、キャニスタ2の流体保持容積と実質的に均等な流体保持容積を有する従来技術の円筒形キャニスタと比較すると、動作中および貯蔵時に、低減された空間占有を有する。空間占有は、オブジェクトが占有する空間の容積として定義される。従前の定義と同様に、「空間占有」について本出願において提供される定義とこの用語の一般的な定義との間に疑問がある場合には、両方の定義が当て嵌まることが理解されよう。キャニスタ2の設計は、そのような使用のためにキャニスタが占有する面積を減少させる。
【0037】
構造的完全性に関して、従来技術の円筒形キャニスタ上の逆流(reflux)を引き起こす蓋変形の問題は、本発明で対処される。先に述べたように、従来技術の円筒形キャニスタ上の蓋は、蓋剛性を高めるために、ほぼ平坦であるか、或いは非常に少量のドーム状区画を有する。高真空下で、従来の蓋は、しばしば著しく変形し、真空が印加される間に、機械的エネルギを効果的に蓄積する。キャニスタがほぼ満杯のときに、真空があまりにも急速に解放されるならば、蓋は、その元の位置にリバウンドして、機械的エネルギの急速な解放を引き起こし得る。この急速な蓋移動は、しばしばキャニスタ逆流と呼ばれる状態を引き起こし得る。対照的に、第1の半球状コンポーネント4の半球形状は、従来技術の円筒形キャニスタと比較して、実質的により剛性のある蓋を提供する。本発明の追加的な剛性は、本発明の設計をより還流しにくくする。何故ならば、キャニスタ2の変形は最小であり、よって、変形による蓄積エネルギは最小にされ、最終的には、真空下で流体を安全に貯蔵するキャニスタの能力を増大させるからである(図17を参照)。
【0038】
次に図3図3A図4および図5を参照して、キャニスタベルトライン26をより詳細に論じる。図3に示すように、半球状コンポーネント(4,6)は分離されている。リム25は、2つの実質的に平行な環状リブ、第1の半球状コンポーネント外側リブ50、第1の半球状コンポーネント内側リブ52、および外側リブ50と内側リブ52とを接続するリブシェルフ110を含む。リブシェルフ110は、キャニスタ2のキャニスタベルトライン36全体(図4を参照)の周りに正の表面圧の連続的なバンドを提供するのに寄与することが観察される。リブシェルフ110、外側リブ50および内側リブ52は、第1の半球状コンポーネントベース周囲19の周りに設けられる。リム25は、リブシェルフ110に対する外側リブ50および内側リブ52の位置決めによって画定される第1の半球状コンポーネントチャネル54を有する。外側リブ50は、好ましくは、長さL1(58)だけ延在し、内側リブは、好ましくは、長さL2(60)だけ延在する。好ましくは、長さL1(58)は、長さL2(60)よりも大きい。外側リブ50および内側リブ52は、第2の半球状コンポーネント6の方向においてチャネル開口56を提供するように終端する。
【0039】
図3Aに示すように、内側リブ52は、外側リブ52に面し、第1の半球状コンポーネントキャビティ23および最終的なキャニスタキャビティ40に対向する、内側リブ外面72をさらに提供する(図4に示す)。成形プロセスの間に、外面72は、研磨された仕上げ部70と共に成形され、それによって、製造上の傷および欠陥を除去または最小化する。研磨された表面72は、図4および図5に示すように、キャニスタ2の増大されたシーリング特性を提供するために、第2の半球状コンポーネント6の外側リブ52の内面69と接触する。第1の半球状コンポーネント内側リブ52は、研磨された外面72によって画定される外径(D1)98を有する(図3および図5を参照)。
【0040】
図3をさらに参照すると、リム33は、外側の第2の半球状コンポーネントの環状リブ62、および第2のリブベース周囲30の周りに延在する内側の第2の半球状コンポーネント環状リブ64を含む。リブ62および64は、互いに実質的に平行であり、それによって、長さL3(65)によって分離され、よって、第2の半球状コンポーネントベース周囲30の周りに延在する環状の第2の半球状コンポーネントチャネル67を画定する。
【0041】
外側リブ33は、内側リブ64および第2の半球状コンポーネントキャビティ14に面し、最終的なキャニスタキャビティ40(図4に示す)に面する、内面69をさらに提供する。上述のように、内面69は、製造上の傷および欠陥を最小限に抑えるか或いは除去するために、研磨された表面70も含む。研磨された表面(69,70)は、キャニスタ2の改良された封止特性を提供するために、第1の半球状コンポーネントの内側リブの外面72と接触する。図3および図5に示すように、第2の半球状コンポーネント外側リブ33は、研磨された外面(69,70)によって画定される内径(D2)99を有する。
【0042】
図4および図5を更に参照すると、これは、第2の半球状コンポーネントキャビティ14および最終的なキャニスタキャビティ40とは反対の方向において、第2の半球状コンポーネントベース周囲30の周りに延在する、環状リップ延長面68を提供する。
【0043】
図4および図5に示すように、第1の半球状コンポーネント4が第2の半球状コンポーネント6と組み合わされるときに、外側の第2の半球状コンポーネント環状リブ62は、第1の半球状コンポーネントチャネル54内に位置付けられる。さらに、第1の半球状コンポーネント内部リブ52は、第2の半球状コンポーネントチャネル67内に或いは第2の半球状コンポーネントチャネル67に実質的に近接して位置付けられる。第1の半球状コンポーネント4および第2の半球状コンポーネント6の連通は、キャニスタ周囲38の周りのキャニスタベルトライン36に沿う。その際に、リブ(50,52,62,64)は、キャニスタキャビティ40から以下の向き、すなわち、第2の半球状コンポーネント内側リブ64、第1の半球状コンポーネント内側リブ52、第2の半球状コンポーネント外側リブ62および第1の半球状コンポーネントの外側リブ50という向きにおいて層状化される。この層状の向きにおいて、外側の第2の半球状コンポーネント環状リブ62の研磨された内面(69,70)は、第1の半球状コンポーネントの内側リブ52の研磨された外面(70,72)と実質的に接触して、キャニスタ2の液密および気密シーリングを提供する。液密および気密シールが提供されるのは、第1の半球状コンポーネント内側リブ52の外径(D1)98が、第2の半球状コンポーネント外側リブ62の内径(D2)99よりも大きいからである。この関係は、内側リブ52に外側リブ62に押圧させ、キャニスタ2のキャニスタベルトライン36全体の周りに正の表面圧の連続的なバンドを提供し、外側の第2半球状コンポーネント環状リブ62の研磨された内面(69,70)と第1の半球状コンポーネント内側リブ52の研磨された外面(70,72)との間に達成される。さらに、この形状は、最小の歪みをもたらし、よって、正の表面圧の連続的なバンドがベルトライン36の周りで達成され且つ維持されることを可能にする。前述のように、ベルトライン36、接続場所95(16および17を参照)は、キャニスタ容積40の収集高さ106(図16および17を参照)内に配置されてよい。その結果、キャニスタ内の流体がベルトライン36と接触する一方で、液密および気密シールが維持される。
【0044】
次に図6図7図8および図9を参照して、ベルトラインラッチ29での半球状コンポーネント(4、6)の連通および接続を記載する。図6に示すように、キャニスタベルトライン36に沿うラッチ開口73が、ベルトラインラッチ29のために設けられる。リブシェルフ110はベルトライン36の領域を通じて続いて、ラッチ開口73の上方寸法を画定することが観察される。具体的には、各開口73は、キャニスタベルトライン36の第1の半球状コンポーネント外側リブ50を通じる貫通穴を含む。ラッチ29は、開口73の第1の場所74で、ラッチ第1の端75で、外側フランジに接続される。ラッチ29は、第1の位置74の反対側に延び、第1の半球状コンポーネント極部22に向かい、開口73内のハンドル76で終端する。ハンドル76は、第1の半球状コンポーネントチャネル54およびキャニスタキャビティ40とは反対側に位置付けられた外側リップ79を有する。キャニスタ2の半球状コンポーネント(4,6)が組み合わされて接続されると、リップ34は、ハンドル76上に載り、ハンドル76と連通する。
【0045】
図7図8および図9に示すように、ラッチ29および外側リブ50の外面77の相互関係は、第1の半球状コンポーネント4および第2の半球状コンポーネント6が、気密および液密構成を有するキャニスタを作るように正しく且つ完全に組み合わされているかどうかの視覚的表示(visual indication)を与える。外側リブ50の外面77は、チャネル54の反対側にあり、キャニスタシェル外面44のコンポーネントである(図1を参照)。半球状コンポーネント(4,6)が分離されると、ハンドル外面または表面80は、外面77に対して実質的に平面的である。図8に示すように、第1の半球状コンポーネント4および第2の半球状コンポーネント6は、互いに接触させられる。しかしながら、外面77に対するハンドルの外面または表面80の位置によって示されるように、気密および液密シールは達成されていない。第2の半球状コンポーネント外側リブ62のリップ34は、ハンドル76と接触するが、それらは平面的な関係にはなく、ユーザは、気密関係が達成されていないことを見ることができる。
【0046】
対照的に、図9は、気密構成を示す。ハンドル外面80は、外面77に対して実質的に平面的である。リップ延長面68は、ハンドル76と接触し、ハンドル76上に載っている。第2の半球状コンポーネント外側リブ62の研磨された内面(69,70)および第1の半球状コンポーネント内側リブ52の研磨された外面(70,72)は、互いに直接接触している。従来技術とは異なり、各ラッチ29は、高真空荷重下での過度の変形に抵抗する剛性を提供するように、記載されるように設計される。さらに、ラッチ29は、キャニスタ2のシーリングキャニスタベルトライン36全体の周りの正の表面圧の連続的なバンドの維持をさらに支持する。何故ならば、リブシェルフ110は、ラッチ29の場所で正の表面圧の連続的なバンドを提供することに寄与するからである。よって、ラッチ29は、第1の半球状コンポーネント4を第2の半球状コンポーネント6とのシールされた接続状態に維持することを支持する。
【0047】
図10および図10Aに注目すると、本発明のキャニスタ102の第2の実施形態が示されている。キャニスタ102は、プラスチックシール層がキャニスタ102に含まれていることを除いて、キャニスタ2と同様である。第2の半球状コンポーネント6は、第2の半球状コンポーネント外側リブ162を含む。第2の半球状コンポーネントポリマ区画シール82が、リブ162と連通して位置付けられて、内面169を提供する。ポリマ区画82は、第2の半球状コンポーネントベース周囲30の全体に沿って外側リブ162と接触する環状リングである。内面169は、研磨された表面70を有することが理解されよう。
【0048】
キャニスタ102の第1の半球状コンポーネント4は、内側リブ152を含む。第1の半球状コンポーネントポリマ区画シール83が、内側リブ152と連通して位置付けられて、内側リブ外面172を提供する。第1の半球状コンポーネントポリマ区画83は、第1の半球状コンポーネントベース周囲19、キャニスタ周囲38の全体に沿って内側リブ152と接触する環状リングである。外面172は、研磨された表面70を提供する。研磨された内面(169、70)と研磨された外面(70、172)との間の接触は、内面(69、70)と外面(70、72)との間の接触について記載したのと同じシーリングおよび構造的特性を提供する。
【0049】
ポリマ区画(82、83)は、好ましくは、熱可塑性エラストマ(TPE)からなる。ポリマ区画82は、第2の半球状コンポーネント6と共成形され、ポリマ83は、第1の半球状コンポーネント4と共成形される。
【0050】
図11および図11Aに注目して、キャニスタ202の第3の実施形態が記載される。キャニスタ202は、キャニスタ2および102と同様であるが、第2の半球状コンポーネント6のチャネル67内に位置付けられた第2の半球状コンポーネントチャネルポリマ区画シール84を有する。ポリマ区画84は、第2の半球状コンポーネントベース周囲30の全体に沿ってチャネル67の表面と接触する環状リングである。ポリマ区画(82、83)は、好ましくは、熱可塑性エラストマ(TPE)からなる。ポリマ区画82は、第2の半球状コンポーネント6と共成形される。図11Aに示すように、第1の半球状コンポーネント4および第2の半球状コンポーネント6が前述のように接触しているときに、リブ52は、第2の半球状コンポーネントベース周囲30の全体に沿ってポリマ区画84を圧縮して、前述のモードに加えて、キャニスタ202をシーリングする追加のモードを提供する。
【0051】
図12および図12Aは、キャニスタ302の第4の実施形態を記載する。キャニスタ302は、上述のキャニスタ102に関して記載したポリマ区画83を有する第1の半球状コンポーネント4を組み込む。さらに、キャニスタ302は、キャニスタ102の研磨された外側リブ内面(169、70)およびキャニスタ202の第2の半球状コンポーネントチャネルポリマ区画84を組み合わせて、第2の半球状コンポーネントポリマ区画85を提供する。ポリマ区画85は、好ましくは、熱可塑性エラストマ(TPE)からなる。ポリマ区画85は、第2の半球状コンポーネント6と共成形される。図12Aに示すように、キャニスタ302は、前の実施形態で記載したのと同じシーリングおよび構造的支持特性を提供することが理解されよう。
【0052】
図13および図13Aに注目して、上述の実施形態のいずれかに組み込まれることができる、さらなるベルトラインラッチ129を示す。キャニスタ2の半球状コンポーネント4および6は、前述のように、シールを達成するために組み合わされる。キャニスタベルトライン36に沿って、ラッチ開口173が、ベルトラインラッチ129のために設けられる。具体的には、各開口173は、キャニスタベルトライン36の第1の半球状コンポーネント外側リブ50を通じる貫通穴を提供する。ラッチ129は、開口173の第1の場所74で、ラッチの第1の端75で、外側フランジに接続される。ラッチ129は、ラッチ第1の端75から延びる手動タブ86と、手動タブ86に対して実質的に直角に延びる実質的に垂直な区画87とを提供する。垂直区画87は、着色された垂直区画上面88で終端する。キャニスタ半球状コンポーネント(4,6)が組み合わされるプロセスにあるときに、リップ34は、垂直区画87をラッチの第1の端75の周りを枢動可能に前進させる。その際に、垂直区画上面88は露出されて、着色された陰影(シェーディング)を露わにする。着色された陰影は、キャニスタ2がシールされていないことを示す。図13Aに示すように、キャニスタ2の半球状コンポーネント(4,6)が組み合わされ且つ接続されて、シールされたキャニスタ2を提供するときに、リップ34は、垂直区画上面88上に載り、垂直区画上面88と連通する。従って、垂直区画上面88上のカラー陰影は可視でなく、それによって、半球状コンポーネント(4,6)が組み合わされ且つ接続されて、ベルトライン全体の周りに適切にシールされたキャニスタ2を提供する。各ラッチは、高真空荷重下での過度の変形に抵抗する剛性を提供するように設計される。
【0053】
図14図14Aおよび図14Bに注目すると、キャニスタ402の第5の実施形態が示されている。キャニスタ502は、前述のように第2の半球状コンポーネント6を組み込むが、第1の半球状コンポーネント104を組み込む。第1の半球状コンポーネント104は、内部ラッチ機構89が、前述したような第1の半球状コンポーネント4上のラッチ(29,129)と置換されるという点において、前述の第1の半球状コンポーネント4とは異なる。ラッチ機構89は、第1の半球状コンポーネントの外側リブ50の内壁90上に成形され且つ位置付けられる。内部ラッチ機構89は、楔(ウェッジ)構成を含み、楔の角度付き表面93が、第1の半球状コンポーネントベース20および実質的に水平な表面92に近接近したテーパ状区画91を提供し、テーパ状区画91および実質的に水平な表面92は、角度付き表面93によって分離される。キャニスタ402は、少なくとも1つの内部ラッチ機構89を有するが、好ましくは、複数のラッチ機構89、例えば、6つのラッチ機構89を有する。図14Bに示すように、シーリング特性および構造的特性は、キャニスタ2の第1の実施形態に記載されている通りである。キャニスタ402の半球状コンポーネント(104、6)を組み合わせて、前述のようなシールされた構造的に健全なキャニスタを提供するときに、第2の半球状コンポーネント外側リブ62のリップ34のリップ延長面68は、水平面92上に位置する。内部ラッチ89は、半球状コンポーネントを所定の位置に保持する機構(メカニズム)を提供する。各ラッチは、高真空荷重下での過度の変形に抵抗する剛性を提供するように設計される。
【0054】
図15および図15Aに注目すると、キャニスタ502の第6の実施形態が示されている。第2の半球状コンポーネント6では、第2の半球状コンポーネントチャネル接着シール94が、第2の半球状コンポーネント6のチャネル67内に位置付けられる。接着剤94は、第2の半球状コンポーネントベース周囲30の全体に沿ってチャネル67の表面と接触する環状リングである。図15Aに示すように、第1の半球状コンポーネント4および第2の半球状コンポーネント6が前述のように接触するときに、リブ52は、第2の半球状コンポーネントベース周囲30の全体に沿って接着剤94を圧縮して、一体的な一体成形品構造を形成する半球状コンポーネントをもたらす。これはキャニスタ502のための追加的な構造およびシーリングを提供する。
【0055】
議論したように、リブ(50,52,62,64,152,162)の層状向きは、第1の半球状コンポーネント内側リブ(52,152)を構造的に提供して、第2の半球状コンポーネント外側環状リブ(62,162)ならびにチャネル67内のポリマ区画84または接着剤94とシール可能に接触させる。さらに、ラッチ(29,129,89)構造は、高真空荷重下での過度の変形に抵抗する剛性を提供する。リブ向きとラッチ構造との組み合わせは、ベルトライン36の周りに連続的な正のシーリング圧力を提供する(図16を参照)。ラッチ(29,129,89)に関して、キャニスタ間のシールされた接触は、ラッチ(29,129)の可聴クリック、ラッチ129に見られるようなカラー表示(図13を参照)、およびラッチ上の表面77および80の比較で見られるような触覚表示(図9を参照)によって確保される。触覚表示において、キャニスタベルトライン36は、滑らかな輪郭を有する。
【0056】
上述のように、図16および図17は、本発明のシーリング特性を示す。半球状コンポーネント(4,104,6)の接続場所、線、95が示されている。キャニスタの蓋と液体ウェルとの間の接続場所が液体の流体レベルラインの上方に位置する、従来技術のキャニスタとは異なり、接続場所95は、半球状コンポーネント(4,104,6)のための接続場所であるキャニスタベルトライン36に沿って位置付けられる。キャニスタベルトライン36は、第1の半球状コンポーネント極部22と第2の半球状コンポーネント極部26との間のほぼ等距離に位置付けられる。よって、従来技術とは異なり、キャニスタベルトライン36は、第1の半球状コンポーネント極部22に近接近して位置付けられない。その結果、流体97は、流体レベルライン96がベルトライン36および接続場所95より上方にあるように、キャビティ40を満たすことができる。ベルトライン36がキャニスタ容積40の収集容積108の収集高さ106内に位置することが観察される。半球状コンポーネント(4,104,6)間のキャニスタのシーリング特性は、気密および液密シールを提供して、流体レベルライン96が第1の半球状コンポーネント(4,104)と第2の半球状コンポーネント6との間の接続場所95より上方にあることを可能にする。本発明の球形、楕円形、またはほぼ球形の設計は、可視的な気泡がシールで入ることを許さないで漏れのないまたは気密シールを維持するために、廃液の高さに起因する静圧と組み合わされて、真空に起因する圧力差を超えるほぼ均一な圧力分布を維持する。
【0057】
図17に示すように、圧力がキャニスタから解放されたときに、蓋付近に達する流体レベルが逆流事象のリスクを提示する、従来技術とは異なり、キャニスタ2の設計を用いて、流体97の流体レベルライン96は、逆流事象のリスクを伴わずに、キャニスタ2の頂部の非常に近くなることができる。前述のように、キャニスタ2は、真空プロセス中の変形に構造的に抵抗する。従って、真空がキャニスタ2に印加されると、キャニスタ2は、キャニスタの変形からの十分な機械的エネルギを蓄積せず、それによって、真空が解放されるときの逆流事象を防止する。
【0058】
図18に注目すると、指標145の第2の実施形態が、第2の半球状コンポーネント6上に示されている。この指標は、より低い容積でより小さい増分を提供する。よって、指標145の第2の実施形態は、流体レベルライン(96、図16および図17を参照)が第2の半球状コンポーネント極部26に近接近するように、少量の流体(97、図16および図17を参照)の正確な測定値を提供する。指標145のこの第2の実施形態は、低容積、例えば、300ミリリットル以下の容積で、そのような精度が必要とされる、低い減少された容積の正確な測定値を提供する。球体のドーム形状、代替的に、楕円形状は、キャニスタ2の流体保持容積と同じまたは同様の流体保持容積を有する円筒形の従来技術のキャニスタの低容積指標と比較して、低容積指標145間の増加した距離を提供する。この増加した距離は、従来技術の流体収集読取値と比較して、キャニスタ2内の低流体容積のより正確な測定値、より正確な流体収集読取値を提供し、ここで、先行技術は、キャニスタ2と比較して実質的に同様の流体保持容積を有する。代替的に、半球状コンポーネントの向きに依存して、指標は、ベルトラインに平行に延在してよい。
【0059】
図19A図19Cに注目すると、キャニスタ(602,702,802)は、前述のようにベルトライン36で接続される半球状コンポーネント(4,104,6)からなる楕円形状を有してもよい。図19Dに示すように、キャニスタ902は、半球状コンポーネント(4,104,6)を分離する円筒形コンポーネント112を持つ半球状コンポーネント(4,104,6)からなる細長い楕円形状を有してよい。第1半球状コンポーネント(4,104)は、第1ベルトライン(36,114)に沿ってシリンダ区画に接続される。第1のベルトラインとは反対に、区画シリンダ(section cylinder)は、第2のベルトライン(36,116)に沿って第2の半球状コンポーネント6に接続される。第1のベルトラインおよび第2のベルトラインは、前述のようなベルトライン36の特性を含む。
【0060】
上述のように、本発明は、流体を貯蔵するための改良されたデバイスを提供する。本発明は、流体漏出の可能性を費用効果的かつ効率的な方法で最小化する、耐久性のある流体密容器を提供する。その結果、真空がないか、低真空下にあるか、或いは高真空下にあるかにかかわらず、キャニスタ2は、キャニスタベルトライン36の周りに連続的なシールを提供して、流体の安全かつ効率的な貯蔵および処分を確実にする。様々な実施形態の様々な構成が組み合わされることができ、本発明の範囲内に入ることが留意されるべきである。
【0061】
上記は、本発明の原理の単なる例示と考えられる。さらに、様々な修正および変更が容易に当業者の心に思い浮かぶので、本発明を図示および記載した正確な構造および動作に限定することは望まされない。好ましい実施形態が記載されたが、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、詳細は変更されることがある。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図10A
図11
図11A
図12
図12A
図13
図13A
図14
図14A
図14B
図15
図15A
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
【国際調査報告】