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特表2024-516701呼吸補助装置及び/又はそのコンポーネント及び/又はその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】呼吸補助装置及び/又はそのコンポーネント及び/又はその使用
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20240409BHJP
   A61M 16/08 20060101ALI20240409BHJP
   A61M 16/16 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
A61M16/00 305C
A61M16/08 300Z
A61M16/16 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567981
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2022054141
(87)【国際公開番号】W WO2022234496
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/184,695
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/362,188
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】518329918
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FISHER & PAYKEL HEALTHCARE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル、デイヴィッド マーティン
(72)【発明者】
【氏名】サンソン、サミュエル キャリー マシュー
(72)【発明者】
【氏名】バージェス、ラッセル ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】フアン、イ リン
(57)【要約】
少なくとも1つの治療モードと少なくとも1つの非治療モードとで動作するように構成された装置が開示される。少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後に、装置は、ある機器にデータを転送する、及び/又はある機器若しくはその機器からソフトウェアパッケージを受け取る、及び/又はある機器若しくはその機器から治療パラメータを受け取る、及び/又は装置のパラメータを更新するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
前記気流発生器に気体的に接続されて、前記ガスフローを加湿するように構成された加湿器と、
を含み、
前記ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
少なくとも1つの治療モード及び少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され、前記少なくとも1つの治療モードでの動作中に、ユーザに治療を提供するように構成され、
データを収集して保存するように構成され、前記データは、前記少なくとも1つの治療モードでの動作中に収集された治療データ、及び/又は装置データを含み、
前記少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後に、
a)前記データをある機器に転送する、又は
b)ある機器、若しくは前記機器からソフトウェアパッケージを受け取る、又は
c)ある機器、若しくは前記機器から治療パラメータを受け取る、又は
d)前記装置のパラメータを更新する、又は
e)a)~e)の何れかの組合せを行う
ように構成される呼吸補助装置。
【請求項2】
前記装置が前記少なくとも1つの治療モードで動作しているとき、治療が前記ユーザに提供される、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの治療モードは、
a)持続陽圧呼吸療法(CPAP)モード、
b)バブル持続陽圧呼吸療法(BCPAP)モード、
c)鼻ハイフロー(NHF)モード、
d)バイレベルモード、
e)a)~d)の何れかの組合せ
を含む、請求項1又は請求項2に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記装置が前記少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、前記ユーザに治療が提供されない、請求項1~3の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記装置は、前記少なくとも1つの治療モードの完了後、自動的に前記少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成される、請求項1~4の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
治療終了コマンドを(任意選択により、ユーザインタフェースを介して、及び/又は前記患者インタフェースが前記ユーザから外されたのを検出することによって)受け取った後に前記少なくとも1つの非治療モードに入るように構成される、請求項1~5の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記治療終了コマンドは、
a)ユーザインタフェースからの入力を介して、
b)前記患者インタフェースが前記ユーザから外されたのを検出することによって、
c)前記患者インタフェースが前記ユーザから所定の時間にわたり外されているのを検出することによって、
d)a)~c)の何れかの組合せによって
生成される、請求項6に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記装置が前記少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、前記気流発生器が作動されて、前記ガスフローを生成している、請求項1~7の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
前記装置が前記少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、前記気流発生器は前記ガスフローを、
治療モード中に提供される前記ガスフローの治療流量未満の流量、及び/又は
所定の流量
で提供している、請求項1~8の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記装置が前記少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、前記加湿器(任意選択により、前記加湿器のヒータプレート)が作動されて、任意選択により前記加湿器は前記ガスフローを加湿するように構成される、請求項1~9の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
前記装置が前記少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、前記導管のヒータが作動されて、前記導管内の前記ガスフローを加熱するように構成される、請求項1~10の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの非治療モードは、前記導管を乾燥させるように構成された乾燥モードを含む、請求項1~11の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
前記装置が前記乾燥モードで動作しているとき、前記導管のヒータは、前記気流発生器が所定の流量でガスを提供する間に制御される、請求項12に記載の呼吸補助装置。
【請求項14】
前記装置が前記乾燥モードで動作しているとき、前記加湿器のヒータは所定の値(任意選択により、前記所定の値は所定の電力であり、前記所定の電力は前記ヒータプレートに提供される最大電力の約5%未満又は約10%未満である)に制御されるか、又は前記ヒータプレートは前記乾燥モード中に作動停止される、請求項12又は請求項13に記載の呼吸補助装置。
【請求項15】
前記導管の前記ヒータは、前記導管の端における所定の温度に制御されるか、又は所定のデューティサイクルに、若しくは所定の電圧に、若しくは所定の電流に、若しくは所定の電力に制御される、請求項13に記載の呼吸補助装置。
【請求項16】
前記所定のデューティサイクルは100%である、請求項15に記載の呼吸補助装置。
【請求項17】
前記所定の温度は摂氏45度を超える、請求項16に記載の呼吸補助装置。
【請求項18】
前記乾燥モードは、約20分間~約120分間、又は約90分間動作するように構成される、請求項12~17の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項19】
前記乾燥モードは、前記気流発生器を制御して所定の気流発生器出力を提供することを含み、前記気流発生器出力は約1000RPM~約3000RPM、又は約2000RPM未満のモータスピードである、請求項12~18の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項20】
前記乾燥モードは、前記気流発生器を制御して所定の流量を提供することを含み、前記所定の流量は約5リットル/分~約20リットル/分である、請求項12~18の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項21】
前記乾燥モードは、前記装置及び/又は患者呼吸導管及び/又は患者インタフェース内に残る結露を蒸発させるように構成される、請求項12~20の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項22】
前記非治療モードはウォームアップモードである、請求項1~21の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項23】
前記装置の電源が投入されたときに前記ウォームアップモードで動作する、請求項22に記載の呼吸補助装置。
【請求項24】
前記ウォームアップモードは、前記導管のヒータを制御して前記導管の端における温度を所望の温度に制御することを含む、請求項22又は請求項23に記載の呼吸補助装置。
【請求項25】
前記導管の前記端における前記所望の温度は、前記装置の1つ又は複数の治療パラメータに基づく、請求項24に記載の呼吸補助装置。
【請求項26】
前記1つ又は複数の治療パラメータは、
a)治療チャンバ出口温度、
b)(前記チャンバ出口又は前記導管の前記端における)治療露点温度、
c)(前記チャンバ出口又は前記導管の前記端における)治療湿度、及び/又は
d)前記導管の前記端における治療温度、
e)a)~d)の何れかの組合せ
である、請求項25に記載の呼吸補助装置。
【請求項27】
前記導管の前記端における前記所望の温度は所定の温度である、請求項24~26の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項28】
前記導管の前記端温度は、前記所望の患者端温度の摂氏約2度~摂氏約5度、又は摂氏約2.5度以内、任意選択的に、前記所定の温度又は前記治療パラメータより摂氏約2度~摂氏約5度、又は摂氏約2.5度低い、請求項26又は27に記載の呼吸補助装置。
【請求項29】
前記ウォームアップモードは、前記加湿器のヒータを所定の温度に、又は所定のデューティサイクルに、又は所定の電圧に、又は所定の電流に、又は所定の電力に制御することを含む、請求項22~28の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項30】
前記ウォームアップモードは前記気流発生器を作動停止にすることを含む、請求項22~29の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項31】
前記導管は、前記ガスを患者に患者インタフェースを介して輸送するように構成される、請求項1~30の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項32】
前記非治療モードは殺菌モードである、請求項1~31の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項33】
前記殺菌モードでは、殺菌導管に接続されるように構成される、請求項32に記載の呼吸補助装置。
【請求項34】
前記殺菌モードでは、前記殺菌導管のヒータは前記殺菌導管内の前記ガスフローが所定の温度に到達するように制御される、請求項33に記載の呼吸補助装置。
【請求項35】
前記所定の温度は、摂氏約50度~摂氏約100度、又は摂氏約60度~摂氏約90度である、請求項34に記載の呼吸補助装置。
【請求項36】
前記殺菌導管は温度センサを含む、請求項34又は請求項35に記載の呼吸補助装置。
【請求項37】
前記殺菌モードは、前記気流発生器を制御して所定の流量を提供することを含み、前記所定の流量は約10リットル/分~約20リットル/分である、請求項32~36の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項38】
前記非治療モードはスタンバイモードである、請求項1~37の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項39】
前記スタンバイモードは、前記気流発生器を所定の流量又は所定のモータスピードで動作させることを含む、請求項38に記載の呼吸補助装置。
【請求項40】
前記所定の流量は、前記患者に提供されている治療流量未満である、請求項39に記載の呼吸補助装置。
【請求項41】
前記所定のモータスピードは、約1000RPM~約3000RPM又は約2000RPM未満である、請求項39に記載の呼吸補助装置。
【請求項42】
前記治療データは、前記ユーザ及び/又は前記ユーザに提供される治療に関するデータを含む、請求項1~41の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項43】
前記治療データは、
a)前記ユーザの酸素飽和度(SpO2)
b)前記ユーザの呼吸数
c)前記ユーザに提供される前記ガスの湿度(露点)
d)前記ユーザに提供される前記ガスの流量
e)前記ユーザの一回換気量
f)前記ユーザの毎分換気量
g)a)~f)の何れかの組合せ
を含む、請求項42に記載の呼吸補助装置。
【請求項44】
前記治療データは、
a)前記装置の使用状況データ
b)前記ユーザに提供される1つ又は複数の質問に対する回答
c)治療レポート(任意選択により、前記治療レポートは過去の治療セッションレポート及び/又は現在終了した治療セッションに関する)
d)問診の結果
e)a)~d)の何れかの組合せ
を含む、請求項42又は請求項43に記載の呼吸補助装置。
【請求項45】
前記治療データを特定するように構成された1つ又は複数のセンサを含む、請求項1~44の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項46】
前記装置が前記少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、前記ユーザは1つ又は複数の質問を受け、これらの質問に対する回答を少なくとも1つのユーザインタフェースを介して提供し、前記質問及び/又は前記質問に対する回答は前記治療データの一部を形成する、請求項1~45の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項47】
前記1つ又は複数のセンサからセンサ出力を受け取るように構成され、前記治療データは1つ又は複数のセンサからの前記センサ出力に基づく、請求項46に記載の呼吸補助装置。
【請求項48】
前記1つ又は複数のセンサは前記装置の筐体内に配置される、請求項1~47の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項49】
前記1つ又は複数のセンサは前記装置から離れた場所に配置される、請求項1~49の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項50】
前記治療データは前記少なくとも1つの治療モードからのものである、請求項1~49の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項51】
前記治療データは少なくとも1つの過去の治療モードからのデータを含む、請求項1~50の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項52】
前記治療データは、これまでに前記機器に転送されていない少なくとも1つの治療モードからのデータを含む、請求項1~51の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項53】
前記装置データは、前記装置及び/又は前記装置の周囲環境の1つ又は複数の特性に関する、請求項1~52の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項54】
前記データは、前記装置が少なくとも1つの治療モードで動作していなくても前記機器に転送される、請求項1~53の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項55】
前記データは、前記機器への最後のデータ転送から所定の時間が経過した後に前記機器に転送される(任意選択により、前記所定の時間は24時間である)、請求項1~54の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項56】
前記機器は、
a)サーバ
b)ローカル機器
c)リモート機器
d)a)~c)の何れかの組合せ
である、請求項1~55の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項57】
前記所定の時間は約5分~約25分である、請求項1~56の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項58】
前記所定の時間は5分を超える、請求項1~57の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項59】
前記所定の時間は、前記装置が前記非治療モードで動作するように構成された総時間未満である、請求項1~58の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項60】
前記所定の時間は、前記装置が前記非治療モードで動作するように構成された総時間のある割合である、請求項1~59の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項61】
前記装置の動作を制御するように構成されたコントローラを含む、請求項1~60の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項62】
前記データが前記機器に転送されているときに前記ユーザが前記装置の電源を切ろうとした場合に、前記ユーザに視覚的インディケータ及び/又は音声インディケータが提示される、請求項1~61の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項63】
前記データが前記機器にアップロードされている間に前記ユーザに視覚的インディケータ及び/又は音声インディケータが提示される、請求項1~62の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項64】
前記装置が前記治療モードを終えた後すぐに前記装置の電源が切られないようにするために、前記少なくとも1つの非治療モードで前記所定の時間にわたり動作した後に
a)前記データをある機器に転送するか、又は
b)ある機器、若しくは前記機器からソフトウェアパッケージを受け取るか、又は
c)ある機器、若しくは前記機器から治療パラメータを受け取るか、又は
d)前記装置のパラメータを更新するか、又は
e)a)~d)の何れかの組合せを行う
ように構成される、請求項1~63の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項65】
前記少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、前記機器にデータを転送し、及び/又はある機器、若しくは前記機器からソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータを受け取るために、ネットワークインタフェースを作動させ、前記機器との接続を確立するように構成される、請求項1~64の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項66】
前記ソフトウェアパッケージは、
a)ファームウェアのアップデート、
b)ソフトウェアのアップデート
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1~65の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項67】
前記ソフトウェアパッケージを受け取った後、前記ソフトウェアパッケージを前記装置に適用する、請求項1~66の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項68】
前記装置のパラメータを更新することは、センサ再較正を実行することを含む、請求項1~67の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項69】
ある機器、又は前記機器から前記治療パラメータを受け取った後、前記装置の前記治療パラメータに更新を適用する、請求項1~68の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項70】
前記ソフトウェアパッケージ及び/又は前記治療パラメータを、これらが現在のソフトウェアパッケージ及び/又は現在の治療パラメータへの更新である場合にのみ受け取る、請求項1~68の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項71】
ガス入口及びガス出口と、
筐体と、
前記筐体内に配置された気流発生器であって、ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
前記筐体内に配置され、前記気流発生器と流体連通し、前記気流発生器からの前記ガスフローを加湿するように構成された加湿器であって、前記加湿器の加湿チャンバ内の流体を加熱するように構成されたヒータを含む加湿器と、
前記ガス出口に接続され、前記ガスフローを輸送するように構成された導管であって、前記導管内の前記ガスフローを加熱するように構成されたヒータを含む導管と、
前記筐体内に配置された1つ又は複数のセンサと、
少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含むコントローラであって、少なくとも前記気流発生器、前記加湿器、及び前記導管の前記ヒータを制御するように構成され、前記1つ又は複数のセンサからセンサ出力を受け取り、1つ又は複数のセンサからの前記センサ出力に基づくデータを保存するように構成されたコントローラと、
を含み、
前記コントローラは、前記装置を少なくとも治療モード及び非治療モードで動作させるように構成され、前記治療モードでは、前記装置は1つ又は複数の治療パラメータに従ってユーザに治療を提供するように構成され、前記非治療モードでは、前記気流発生器、前記加湿器の前記ヒータ、及び/又は前記導管の前記ヒータのうちの少なくとも1つが作動され、ガスフローは前記ユーザに提供されず、
前記非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、前記コントローラは、
a)前記データをある機器に転送する、又は
b)ある機器、若しくは前記機器からソフトウェアパッケージを受け取る、又は
c)ある機器、若しくは前記機器から治療パラメータを受け取る、又は
d)前記装置のパラメータを更新する、又は
e)a)~d)の何れかの組合せを行う
ように構成される呼吸補助装置。
【請求項72】
ガス入口及びガス出口と、
筐体と、
前記筐体内に配置された気流発生器であって、ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
前記筐体内に配置され、前記気流発生器と流体連通し、前記気流発生器からの前記ガスフローを加湿するように構成された加湿器であって、前記加湿器の加湿チャンバ内の流体を加熱するように構成されたヒータを含む加湿器と、
前記ガス出口に接続され、前記ガスフローを輸送するように構成された導管であって、前記導管内の前記ガスフローを加熱するように構成されたヒータを含む導管と、
前記筐体内に配置された1つ又は複数のセンサと、
少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含むコントローラであって、少なくとも前記気流発生器、前記加湿器、及び前記導管の前記ヒータを制御するように構成され、前記1つ又は複数のセンサからセンサ出力を受け取り、1つ又は複数のセンサからの前記センサ出力に基づくデータを保存するように構成されたコントローラと、
を含み、
前記コントローラは、前記装置を少なくとも治療モード及び乾燥モードで動作させるように構成され、前記治療モードでは、前記装置は1つ又は複数の治療パラメータに従ってユーザに治療を提供するように構成され、前記乾燥モードでは、前記加湿器の前記ヒータが作動停止され、前記気流発生器がガスを所定の流量で、及び/又は所定のモータスピードで提供している間に前記導管のヒータが作動され、
前記乾燥モードで10分間動作した後、前記コントローラは、
a)前記データをある機器に転送する、又は
b)ある機器、若しくは前記機器からソフトウェアパッケージを受け取る、又は
c)ある機器、若しくは前記機器から治療パラメータを受け取る、又は
d)前記装置のパラメータを更新する、又は
e)a)~d)の何れかの組合せを行う
ように構成される呼吸補助装置。
【請求項73】
前記装置の前記更新されたパラメータは、1つ又は複数のセンサのセンサ較正パラメータ(及び任意選択によりセンサ較正パラメータ)である、請求項1~72の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項74】
前記センサ較正パラメータは、前記少なくとも1つのセンサの出力と前記センサが測定するように構成された特性との関係に関する、請求項73に記載の呼吸補助装置。
【請求項75】
前記1つ又は複数のセンサは、
前記ガスフローの流量を測定するように構成された流量センサであって、任意選択により超音波センサを含む流量センサ、及び/又は
前記ガスの酸素濃度を測定するように構成された酸素濃度センサであって、任意選択により超音波センサを含む酸素濃度センサ
を含む、請求項72~74の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項76】
前記ガスフローの一部として補助ガスが提供されない場合、前記ガスフローの酸素濃度を示す前記酸素濃度センサの出力を特定するように構成され、前記酸素濃度センサの前記出力及び推定された周囲酸素濃度に基づいて、酸素濃度センサ較正パラメータを特定するように構成される、請求項75に記載の呼吸補助装置。
【請求項77】
前記推定された周囲酸素濃度は、約19%~約23%、約20.9%、又は約21%、又は約22%であり得る、請求項76に記載の呼吸補助装置。
【請求項78】
前記ガスフローとして補助ガスが提供される場合、前記ガスフローの酸素濃度を示す前記酸素濃度センサの出力を特定するように構成され、前記酸素濃度センサの前記出力及び所定の酸素濃度に基づいて、酸素濃度センサ較正パラメータを特定するように構成される、請求項75~77の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項79】
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
前記気流発生器に空気的に接続され、前記ガスフローを加湿するように構成された加湿器と、
を含み、
少なくとも1つの治療モード及び少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され、前記少なくとも1つの治療モードでの動作中、ユーザに治療を提供するように構成され、
前記装置が前記少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、前記装置の少なくとも1つのパラメータを更新するように構成される呼吸補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、各種の呼吸補助装置及び/又はそのコンポーネント及び/又はその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、様々な環境(病院、医療施設、在宅ケア、又は家庭等の環境)で患者にガスフローを送達するために使用される。呼吸補助装置(例えば、フロー療法装置及び/又は圧力療法装置)は、呼吸装置がガスフローと共に補助酸素を送達できるようにする酸素入口を含み得る。呼吸補助装置はまた(又は代替的に)、周囲空気入口と、患者にガスを提供する気流発生器(例えば、ブロワを含む)も含み得る。呼吸補助装置はまた(又は代替的に)、呼吸装置が加熱及び加湿されたガスを送達できるようにする加湿装置も含み得る。呼吸補助装置により、ガスフローの特性を調整し、それを制御することが可能となり得る。これらの特性には例えば、流量、温度、ガス濃度(補助酸素濃度等)、湿度、及び圧力、その他が含まれ得る。
【0003】
各種の健康状態や病気を抱える患者は、呼吸補助(例えば、呼吸療法)の恩恵を受けることができる。少なくとも1つの形態では、呼吸療法は酸素療法であり得る。例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)、肺炎、喘息、気管支配異形成症、心不全、嚢胞性繊維症、睡眠時無呼吸、肺疾患、呼吸器系の外傷、急性窮迫症、及び/又はその他の状態又は病気を抱える患者は、呼吸療法から恩恵を受けることができる。同様に、術前及び術後酸素投与を受ける患者もまた、呼吸療法の恩恵を受けることができる。さらに例を挙げれば、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA:obstructive sleep apnea)を患う患者もまた、呼吸療法(例えば、CPAP及び/又はバイレベル療法)の恩恵を受け得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第一の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
気流発生器に気体的に接続されて、ガスフローを加湿するように構成された加湿器と、
を含み、
装置は、ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
装置は、少なくとも1つの治療モード及び少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され、少なくとも1つの治療モードでの動作中に、装置はユーザに治療を提供するように構成され、
装置は、データを収集して保存するように構成され、このデータは、少なくとも1つの治療モードでの動作中に収集された治療データ及び/又は装置データを含み、
少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後に、装置は、
a)データをある機器に転送する、又は
b)ある機器、若しくはその機器からソフトウェアパッケージを受け取る、又は
c)ある機器、若しくはその機器から治療パラメータを受け取る、又は
d)装置のパラメータを更新する、又は
e)a)~e)の何れかの組合せを行う
ように構成される。
【0005】
装置が少なくとも1つの治療モードで動作しているとき、治療がユーザに提供され得る。
【0006】
少なくとも1つの治療モードは、
a)持続陽圧呼吸療法(CPAP)モード、
b)バブル持続陽圧呼吸療法(BCPAP)モード、
c)鼻ハイフロー(NHF)モード、
d)バイレベルモード、
e)a)~d)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0007】
装置は、上述の治療モードa)~d)の何れかに従って装置を動作させるように構成されるコントローラを含み得る。
【0008】
装置(及び、任意選択により、装置のコントローラ)は、少なくとも1つの治療モードに従って気流発生器及び/又は加湿器を制御するように構成され得る。
【0009】
各治療モードは、1つ又は複数の関連する治療パラメータを有し得る。
【0010】
関連する治療パラメータには、ガスの治療流量、治療圧力サポートレベル、ガスの治療温度、ガスの治療湿度、呼吸導管の端における治療温度のうちの1つ又は複数が含まれる。
【0011】
各治療モードは、装置により実行されて、装置を制御して特定の治療を提供するように構成された関連するソフトウェアを有し得る。
【0012】
装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、治療はユーザに提供されないことがある。
【0013】
装置は、少なくとも1つの治療モードの完了後、自動的に少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され得る。
【0014】
装置は、治療終了コマンドを(任意選択により、ユーザインタフェースからの入力を介して、及び/又は患者インタフェースがユーザから外されたのを検出することによって)受け取った後に少なくとも1つの非治療モードに入るように構成され得る。
【0015】
治療終了コマンドは、
a)ユーザインタフェースからの入力を介して、
b)患者インタフェースがユーザから外されたのを検出することによって、
c)患者インタフェースがユーザから所定の時間にわたり外されているのを検出することによって、
d)a)~c)の何れかの組合せによって
生成され得る。
【0016】
装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、気流発生器が作動され得て、ガスフローを生成している。
【0017】
ユーザはまた、ユーザインタフェースを介して治療モードを選択し得る。コントローラは、ユーザインタフェースを介してユーザ入力、すなわちユーザによる治療モードの選択を受け取り、選択された治療モードによる治療を提供するようにそれに応じて装置を動作させることができる。
【0018】
装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、気流発生器はガスフローを、
治療モード中に提供されるガスフローの治療流量未満の流量、
所定の流量、及び/又は
所定のモータスピード
で提供し得る。
【0019】
所与の幾つかの構成において、所定のモータスピードを制御することによって、所定の流量が提供され得る。これは例えば、流量とモータスピードとの関係を規定するルックアップテーブル又は式により得る。非治療モードでは、この方式によって気流発生器の制御がより容易になり、これは、何れの患者も接続されず、流れに対する抵抗がわかっている(すなわち、殺菌モード中)か、一定と考えられる(すなわち、乾燥モード及び/又は殺菌モード)からである。
【0020】
装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、加湿器(任意選択により加湿器のヒータプレート)が作動され得て、任意選択により加湿器はガスフローを加湿するように構成され得る。
【0021】
装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、導管のヒータが作動され得て、導管内のガスフローを加熱するように構成され得る。
【0022】
少なくとも1つの非治療モードは、導管を乾燥させるように構成された乾燥モードを含み得る。
【0023】
装置が乾燥モードで動作しているとき、導管のヒータは、気流発生器が所定の流量でガスを提供する間に制御され得る。
【0024】
装置が乾燥モードで動作しているとき、加湿器のヒータは所定の値(任意選択により、所定の値は所定の電力であり、所定の電力はヒータプレートに提供される最大電力の約5%未満又は約10%未満であり得る)に制御され得るか、又はヒータプレートは乾燥モード中に作動停止され得る。
【0025】
導管のヒータは、導管の端における所定の温度に制御されるか、又は所定のデューティサイクルに、若しくは所定の電圧に、若しくは所定の電流に、若しくは所定の電力に制御され得る。
【0026】
所定のデューティサイクルは100%であり得る。
【0027】
所定の温度は摂氏45度を超え得る。
【0028】
乾燥モードは、約20分間~約120分間、又は約90分間動作するように構成され得る。
【0029】
乾燥モードは、気流発生器を制御して所定の気流発生器出力を提供することを含み得て、気流発生器出力は約1000RPM~約3000RPM、又は約2000RPM未満のモータスピードであり得る。
【0030】
乾燥モードは、気流発生器を制御して所定の流量を提供することを含み得て、所定の流量は約5リットル/分~約20リットル/分であり得る。
【0031】
乾燥モードは、装置及び/又は患者呼吸導管及び/又は患者インタフェース内に残る結露を蒸発させるように構成され得る。
【0032】
非治療モードはウォームアップモードであり得る。
【0033】
装置は、装置の電源が投入されたときにウォームアップモードで動作し得る。
【0034】
ウォームアップモードは、導管のヒータを制御して導管の端における温度を所望の温度に制御することを含み得る。
【0035】
導管の端における所望の温度は、装置の1つ又は複数の治療パラメータに基づき得る。
【0036】
1つ又は複数の治療パラメータは、
a)治療チャンバ出口温度、
b)(チャンバ出口又は導管端における)治療露点温度
c)(チャンバ出口又は導管端における)治療湿度、及び/又は
d)導管の端における治療温度、
e)a)~e)の何れかの組合せ
であり得る。
【0037】
導管の端における所望の温度は所定の温度であり得る。
【0038】
導管の端における温度は、所望の患者端温度の摂氏約2度~摂氏約5度、又は摂氏約2.5度以内、任意選択的に、所定の温度又は治療パラメータより摂氏約2度~摂氏約5度、又は摂氏約2.5度低い温度であり得る。
【0039】
ウォームアップモードは、加湿器のヒータを所定の温度に、又は所定のデューティサイクルに、又は所定の電圧に、又は所定の電流に、又は所定の電力に制御することを含み得る。
【0040】
ウォームアップモードは気流発生器を作動停止にすることを含み得る。
【0041】
導管は、ガスを患者に患者インタフェースを介して輸送するように構成され得る。
【0042】
非治療モードは殺菌モードであり得る。
【0043】
殺菌モードでは、装置は殺菌導管に接続されるように構成され得る。
【0044】
殺菌モードでは、殺菌導管のヒータは殺菌導管内のガスフローが所定の温度に到達するように制御され得る。
【0045】
所定の温度は、摂氏約50度~摂氏約100度、又は摂氏約60度~摂氏約90度であり得る。
【0046】
殺菌導管は温度センサを含み得る。
【0047】
殺菌モードは、気流発生器を制御して所定の流量を提供することを含み得て、所定の流量は約10リットル/分~約20リットル/分である。
【0048】
非治療モードはスタンバイモードであり得る。
【0049】
スタンバイモードは、気流発生器を所定の流量又は所定のモータスピードで動作させることを含み得る。
【0050】
所定の流量は、患者に提供されている治療流量未満であり得る。
【0051】
所定のモータスピードは、約1000RPM~約3000RPM又は約2000RPM未満であり得る。
【0052】
治療データは、ユーザ及び/又はユーザに提供される治療に関するデータを含み得る。
【0053】
治療データは、
a)ユーザの酸素飽和度(SpO2)
b)ユーザの呼吸数
c)ユーザに提供されるガスの湿度(露点)
d)ユーザに提供されるガスの流量
e)ユーザの一回換気量
f)ユーザの毎分換気量
g)a)~f)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0054】
治療データは、
a)装置の使用状況データ
b)ユーザに提供される1つ又は複数の質問に対する回答
c)治療レポート(任意選択により、治療レポートは過去の治療セッションレポート及び/又は現在終了した治療セッションに関する)
d)問診の結果
e)a)~d)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0055】
装置は、治療データを特定するように構成された1つ又は複数のセンサを含み得る。
【0056】
装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、ユーザは1つ又は複数の質問を受け、これらの質問に対する回答を少なくとも1つのユーザインタフェースを介して提供し、質問及び/又は質問に対する回答は治療データの一部を形成する。
【0057】
装置は1つ又は複数のセンサからセンサ出力を受け取るように構成され得て、治療データは1つ又は複数のセンサからのセンサ出力に基づき得る。
【0058】
1つ又は複数のセンサは装置の筐体内に配置され得る。
【0059】
1つ又は複数のセンサは装置から離れた場所に配置され得る。
【0060】
治療データは少なくとも1つの治療モードからのものであり得る。
【0061】
治療データは少なくとも1つの過去の治療モードからのデータを含み得る。
【0062】
治療データは、これまでに機器に転送されていない少なくとも1つの治療モードからのデータを含み得る。
【0063】
装置データは、装置及び/又は装置の周囲環境の1つ又は複数の特性に関し得る。
【0064】
データは、装置が少なくとも1つの治療モードで動作していなくても機器に転送され得る。
【0065】
データは、機器への最後のデータ転送から所定の時間が経過した後に機器に転送され得る(任意選択により、所定の時間は24時間である)。
【0066】
機器は、
a)サーバ
b)ローカル機器
c)リモート機器
d)a)~c)の何れかの組合せ
であり得る。
【0067】
所定の時間は約5分~約25分であり得る。
【0068】
所定の時間は5分を超え得る。
【0069】
所定の時間は、装置が非治療モードで動作するように構成された総時間未満であり得る。
【0070】
所定の時間は、装置が非治療モードで動作するように構成された総時間のある割合であり得る。
【0071】
装置は、装置の動作を制御するように構成されたコントローラを含み得る。
【0072】
データが機器に転送されているときにユーザが装置の電源を切ろうとした場合に、ユーザに視覚的インディケータ及び/又は音声インディケータが提示され得る。
【0073】
データが機器にアップロードされている間にユーザに視覚的インディケータ及び/又は音声インディケータが提示され得る。
【0074】
装置が治療モードを終えた後すぐに装置の電源が切られないようにするために、装置は、少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後に
a)データをある機器に転送するか、又は
b)ある機器、若しくはその機器からソフトウェアパッケージを受け取るか、又は
c)ある機器、若しくはその機器から治療パラメータを受け取るか、又は
d)装置のパラメータを更新するか、又は
e)a)~e)の何れかの組合せを行う
ように構成され得る。
【0075】
少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、装置は機器にデータを転送し、及び/又はある機器、若しくはその機器からソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータを受け取るために、ネットワークインタフェースを作動させ、機器との接続を確立するように構成され得る。
【0076】
ソフトウェアパッケージは、
a)ファームウェアのアップデート、
b)ソフトウェアのアップデート
のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0077】
ソフトウェアパッケージを受け取った後、装置はこのソフトウェアパッケージを装置に適用し得る。
【0078】
装置のパラメータを更新することは、センサ再較正を実行することを含み得る。
【0079】
ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取った後、装置は装置の治療パラメータに更新を適用し得る。
【0080】
装置は、ソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータを、これらが現在のソフトウェアパッケージ及び/又は現在の治療パラメータへの更新である場合にのみ、受け取り得る。
【0081】
装置は、ガス入口及びガス出口を有し得て、導管はガス出口に接続されるように構成され得る。
【0082】
装置は、ガスフロー内に配置される1つ又は複数のセンサ(任意選択により温度センサ)を含み得る。
【0083】
装置は、ガス出口内に配置される1つ又は複数のセンサ(任意選択により温度センサ)を含み得る。
【0084】
装置は筐体を含み得て、気流発生器及び/又は加湿器は筐体内に配置される。
【0085】
非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、装置は、装置のパラメータを更新し、その後、このデータを機器に転送するように構成される。
【0086】
非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、装置は、データをある機器に転送し、その後、ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取り、その後、装置のパラメータを更新するように構成される。
【0087】
非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、装置は、装置のパラメータを更新し、その後、データをある機器に転送し、その後、ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取り、その後、装置のパラメータをある機器、又はその機器から受け取ったソフトウェアパッケージに基づいて更新するように構成される。
【0088】
装置は、データをある機器に転送した後に、ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取るように構成される。
【0089】
装置は、ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取った後、ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取るように構成され得る。
【0090】
装置は、装置のパラメータを更新する前に、ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取るように構成され得る。
【0091】
装置は、少なくとも1つのディスプレイを(任意選択として表示モジュールの一部として)含み得る。
【0092】
非治療モードでの動作時に、装置は非治療に関する情報をディスプレイ上に表示し得る。
【0093】
情報は、非治療モードの種類、非治療モードが有効であるとの表示、非治療モードの残り時間、装置を使用しないようにとの警告のうちの1つ又は複数であり得る。
【0094】
装置の更新されたパラメータは、1つ又は複数のセンサのセンサ較正パラメータ(及び、任意選択によりセンサ較正パラメータ)であり得る。
【0095】
センサ較正パラメータは、1つ又は複数のセンサの出力とセンサが測定するように構成された特性との関係に関し得る。
【0096】
1つ又は複数のセンサは、
ガスフローの流量を測定するように構成された流量センサを含み得て、任意選択により流量センサは超音波センサを含み、及び/又は
ガスの酸素濃度を測定するように構成された酸素濃度センサを含み得て、任意選択により酸素濃度センサは超音波センサを含み得る。
【0097】
ガスフローの一部として補助ガスが提供されない場合、装置は、ガスフローの酸素濃度を示す酸素濃度センサの出力を特定するように構成され得て、装置は、酸素濃度センサの出力及び推定された周囲酸素濃度に基づいて、酸素濃度センサ較正パラメータを特定するように構成される。
【0098】
推定された周囲酸素濃度は、約19%~約23%約20.9%、又は約21%、又は約22%であり得る。
【0099】
ガスフローとして補助ガスが提供される場合、装置は、ガスフローの酸素濃度を示す酸素濃度センサの出力を特定するように構成され、装置は、酸素濃度センサの出力及び所定の酸素濃度に基づいて、酸素濃度センサ較正パラメータを特定するように構成される。
【0100】
本開示の他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
ガス入口及びガス出口と、
筐体と、
筐体内に配置された気流発生器であって、ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
筐体内に配置され、気流発生器と流体連通し、気流発生器からのガスフローを加湿するように構成された加湿器であって、加湿器の加湿チャンバ内の流体を加熱するように構成されたヒータを含む加湿器と、
ガス出口に接続され、ガスフローを輸送するように構成された導管であって、導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含む導管と、
筐体内に配置された1つ又は複数のセンサと、
少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含むコントローラであって、少なくとも気流発生器、加湿器、及び導管のヒータを制御するように構成され、1つ又は複数のセンサからセンサ出力を受け取り、1つ又は複数のセンサからのセンサ出力に基づくデータを保存するように構成されたコントローラと、
を含み、
コントローラは、装置を少なくとも治療モード及び非治療モードで動作させるように構成され、治療モードでは、装置は1つ又は複数の治療パラメータに従ってユーザに治療を提供するように構成され、非治療モードでは、気流発生器、加湿器のヒータ、及び/又は導管のヒータのうちの少なくとも1つが作動され、ガスフローはユーザに提供されず、
非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、コントローラは、
a)データをある機器に転送する、又は
b)ある機器、若しくはその機器からソフトウェアパッケージを受け取る、又は
c)ある機器、若しくはその機器から治療パラメータを受け取る、又は
d)装置のパラメータを更新する、又は
e)a)~d)の何れかの組合せを行う
ように構成される。
【0101】
本開示の他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
ガス入口及びガス出口と、
筐体と、
筐体内に配置された気流発生器であって、ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
筐体内に配置され、気流発生器と流体連通し、気流発生器からのガスフローを加湿するように構成された加湿器であって、加湿器の加湿チャンバ内の流体を加熱するように構成されたヒータを含む加湿器と、
ガス出口に接続され、ガスフローを輸送するように構成された導管であって、導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含む導管と、
筐体内に配置された1つ又は複数のセンサと、
少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含むコントローラであって、少なくとも気流発生器、加湿器、及び導管のヒータを制御するように構成され、1つ又は複数のセンサからセンサ出力を受け取り、1つ又は複数のセンサからのセンサ出力に基づくデータを保存するように構成されたコントローラと、
を含み、
コントローラは、装置を少なくとも治療モード及び乾燥モードで動作させるように構成され、治療モードでは、装置は1つ又は複数の治療パラメータに従ってユーザに治療を提供するように構成され、乾燥モードでは、加湿器のヒータが作動停止され、気流発生器がガスを所定の流量で、及び/又は気流発生器のモータの所定のモータスピードで提供している間に導管のヒータが作動され、
乾燥モードで少なくとも10分間動作した後、コントローラは、
a)データをある機器に転送する、又は
b)ある機器、若しくはその機器からソフトウェアパッケージを受け取る、又は
c)ある機器、若しくはその機器から治療パラメータを受け取る、又は
d)装置のパラメータを更新する、又は
e)a)~d)の何れかの組合せを行う
ように構成される。
【0102】
少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、装置は、ネットワークインタフェースを作動させ、機器との接続を確立するように構成され得る。
【0103】
装置は、装置から離れた場所にある1つ又は複数のリモートセンサをさらに含み得る。
【0104】
コントローラは、1つ又は複数のリモートセンサからセンサ出力を受け取るように構成され得て、コントローラは、1つ又は複数のリモートセンサからのセンサ出力に基づくデータを保存するように構成される。
【0105】
ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取った後、装置は、そのソフトウェアパッケージを適用するように構成され得る。
【0106】
ソフトウェアは、ソフトウェアパッケージのバージョンをチェックして、装置のソフトウェアパッケージを、それが旧バージョンであれば更新し得る。
【0107】
装置は、ソフトウェアパッケージのインストールが成功したところで確認メッセージを機器に転送し得て、及び/又はソフトウェアパッケージのインストールが成功しなかった場合はエラーレポートを転送する。
【0108】
ある機器、又はその機器から治療パラメータを(処方された更新として)受け取った後、装置は装置の治療パラメータを受け取った治療パラメータに基づいて更新するように構成され得る。
【0109】
ソフトウェアパッケージを受け取ることと治療パラメータを受け取ることは、装置によるフェッチ操作によって開始され得る。
【0110】
装置は、何れかのアップデートされたソフトウェアパッケージ及び/又は更新された治療パラメータが入手可能か否かに関して機器に問い合わせるように構成され得て、アップデートされたソフトウェアパッケージ及び/又は更新された治療パラメータが入手可能であれば、装置はソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータを受け取るように構成される。
【0111】
呼吸補助装置において、
ガス入口及びガス出口と、
筐体と、
筐体内に配置された気流発生器であって、ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
筐体内に配置され、気流発生器と流体連通し、気流発生器からのガスフローを加湿するように構成された加湿器であって、加湿器の加湿チャンバ内の流体を加熱するように構成されたヒータを含む加湿器と、
ガス出口に接続され、ガスフローを輸送するように構成された導管であって、導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含む導管と、
筐体内に配置された1つ又は複数のセンサと、
少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含むコントローラであって、少なくとも気流発生器、加湿器、及び導管のヒータを制御するように構成され、1つ又は複数のセンサからセンサ出力を受け取り、1つ又は複数のセンサからのセンサ出力に基づくデータを保存するように構成されたコントローラと、
を含み、
コントローラは、装置を少なくとも治療モード及びウォームアップモードで動作させるように構成され、治療モードでは、装置は1つ又は複数の治療パラメータに従ってユーザに治療を提供するように構成され、ウォームアップモードでは、加湿器のヒータ及び呼吸導管のヒータは作動され、気流発生器は作動停止され、
ウォームアップモードで10分間動作した後、コントローラは、
a)データをある機器に転送する、又は
b)ある機器、若しくはその機器からソフトウェアパッケージを受け取る、又は
c)ある機器、若しくはその機器から治療パラメータを受け取る、又は
d)装置のパラメータを更新する、又は
e)a)~d)の何れかの組合せを行う
ように構成される。
【0112】
呼吸補助装置において、
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
気流発生器に気体的に接続され、ガスフローを加湿するように構成された加湿器と、
を含み、
装置は、ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
装置は、少なくとも1つの治療モードと少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され、少なくとも1つの治療モードでの動作中に、装置はユーザに治療を提供するように構成され、
装置はデータを収集して保存するように構成され、データは、少なくとも1つの治療モードでの動作中に収集された治療データ及び/又は装置データを含み、
機器は、治療パラメータの更新又はソフトウェアパッケージが入手可能であるとの通知を装置に送信するように構成され、
装置は、機器から更新された治療パラメータ及び/又はアップデートされたソフトウェアパッケージをダウンロードするように構成され、
少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、装置は更新された治療パラメータ及び/又はアップデートされたソフトウェアパッケージを適用するように構成される。
【0113】
装置が電源としてバッテリで動作しているとき、装置は、非治療モードでの所定の時間後に、動作を行わないようにし得るか、又は動作を行う前にその動作を確認するようにユーザに促し得る。
【0114】
装置が電源としてバッテリで動作しているとき、ユーザは装置に動作を行うようにマニュアルで(任意選択により、非治療モードでの所定の時間後に)促すことが可能であり得る。
【0115】
装置が外部電源に再接続されると、装置は、(任意選択により非治療モードでの所定の時間後に)ユーザに対して動作を行うように促し得る。
【0116】
装置が充電状態に入ると、装置は、直ちに動作を実行するか、充電状態での所定の時間後に(任意選択により、非治療モードでの所定の時間後に)動作を実行するように構成され得る。
【0117】
所定の時間は、前述のように非治療モードでの動作に関する所定の時間、又は約2分超、又は約5分超であり得る。
【0118】
幾つかの実施形態において、充電状態には、装置の電源が投入されると入り得る。
【0119】
点検修理作業が完了すると(例えば、装置の一般的な点検修理、又は装置のコンポーネントの交換)、装置は動作を直ちに実行するか、又は点検修理作業が完了してから所定の時間後に動作を実行するように構成され得る。
【0120】
幾つかの実施形態において、点検修理作業が完了した後、装置は動作を実行するように(前述のように)ユーザ(この場合、点検修理技師)に促し得る。
【0121】
点検修理作業後に動作が行われることに関して、この動作は通信モジュールが確実に動作可能状態となるようにするための接続性試験として機能し得る。
【0122】
装置が移動状態(例えば、飛行機による移動又はユーザの通常の場所からの移動)に入ると、装置は、非治療モードでの所定の時間後に、動作を行わないようにし得るか、又は動作を行う前にその動作を確認するようにユーザに促し得る。
【0123】
装置が移動状態でなくなると、装置は動作を行うようにユーザに促し得る。
【0124】
装置が移動状態であるとき、ユーザは装置に動作を行うようにマニュアルで促すことが可能であり得る。
【0125】
移動状態で、装置は通信モジュール(又は通信モジュールの一部)を作動停止し得る。
【0126】
移動状態では、装置はバッテリでも動作し得る。
【0127】
本開示の他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
気流発生器に空気的に接続されて、ガスフローを加湿するように構成された加湿器と、
を含み、
装置は少なくとも1つの治療モード及び少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され、少なくとも1つの治療モードでの動作中に、装置はユーザに治療を提供するように構成され、
装置が少なくとも1つの非治療モードで動作中しているとき、装置は装置の少なくとも1つのパラメータを更新するように構成される。
【0128】
装置は、装置が少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、装置のパラメータを更新するように構成され得る。
【0129】
装置は、非治療モードが完了した後、装置のパラメータを更新するように構成され得る。
【0130】
装置の更新されたパラメータは、少なくとも1つのセンサのセンサ較正パラメータ(及び任意選択によりセンサ較正パラメータ)であり得る。
【0131】
装置は、少なくとも1つのセンサのセンサ較正パラメータを少なくとも1回、任意選択により複数回更新するように構成され得る。
【0132】
装置は、少なくとも1つのセンサのセンサ較正パラメータを更新し、所定の時間後に、少なくとも1つのセンサのセンサ較正パラメータを再び更新するように構成され得る。
【0133】
センサ較正パラメータは、少なくとも1つのセンサの出力とセンサが測定するように構成された特性との関係に関し得る。
【0134】
センサ較正パラメータは、装置のメモリに保存され得る。
【0135】
センサ較正パラメータは、装置により、センサが測定するように構成された特性を少なくとも1つのセンサの出力に基づいて特定するために使用され得る。
【0136】
センサ較正パラメータは、治療モードで装置により使用され得る。
【0137】
センサ較正パラメータは、
較正係数、
較正曲線、
センサの内部パラメータ
のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0138】
装置は、制御スキームをセンサ較正パラメータに基づいて更新するように構成され得る。
【0139】
装置は、センサ較正パラメータを少なくとも1つのセンサ及び他のセンサの出力に基づいて更新するように構成され得る。
【0140】
少なくとも1つのセンサ及び他のセンサは、同じ特性を測定するように構成され得る。
【0141】
少なくとも1つのセンサは第一の圧力センサを含み得て、他のセンサは第二の圧力センサを含み得て、装置は第一の圧力センサのセンサ較正パラメータを第二の圧力センサの出力に基づいて更新するように構成される。
【0142】
第一の圧力センサは周囲圧力センサであり得、第二の圧力センサは装置の流路内に配置された圧力センサである。
【0143】
非治療モードでは、周囲圧力が流路内のガスの圧力と同じになるように、気流発生器からガスフローが提供されないようにし得る。
【0144】
少なくとも1つのセンサは第一の温度センサを含み得て、他のセンサは第二の温度センサを含み得て、装置は第一の温度センサのセンサ較正パラメータを第二の温度センサの出力に基づいて更新するように構成される。
【0145】
第一の温度センサは気温センサであり得、第二の温度センサは、装置に接続されるように構成された導管の患者端の付近に配置された患者端温度センサである。
【0146】
第一の温度センサは第二の温度センサと同じ場所に配置され得る。
【0147】
非治療モードでは、装置は加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータに所定の時間にわたり電力を提供しないように構成され、それによって気温は流路内のガスの温度と同じである。
【0148】
少なくとも1つのセンサは、
センサモジュール(任意選択により、センサモジュールは気流発生器と加湿器との間に配置される)
気流発生器
気流発生器の上流の位置
気流発生器の下流の位置
加湿器
加湿器の上流の位置
加湿器の下流の位置
導管であって、加湿器のガス出口に接続されて、ガスフローをユーザに(任意選択により、患者インタフェース付近の導管のユーザ端で)輸送するように構成された導管
患者インタフェース
周囲センサ
測定チャンバ(任意選択により、センサモジュールの一部として)
加湿チャンバ入口
加湿チャンバ出口
のうちの1つ又は複数の中に配置される。
【0149】
装置は、少なくとも1つのバルブを含み得て、少なくとも1つのバルブは、補助ガスの供給源に接続されるように構成され、バルブは補助ガスフローを制御するように構成される。
【0150】
補助ガスは酸素であり得る。
【0151】
補助ガスフローは周囲空気と配合され得て、配合された補助ガスと周囲空気が気流発生器に提供される。
【0152】
補助ガスフローは、気流発生器により発生されたガスフローに添加されるように構成され得る。
【0153】
装置は、ユーザに提供されるガスフローの補助ガス濃度を治療酸素濃度に制御するようにバルブを動作させように構成され得る。
【0154】
装置は、少なくとも1つの患者酸素飽和度センサを含み得て、装置は、バルブを操作して、ユーザに提供されるガスフローの補助ガス濃度を治療患者酸素濃度に到達するように少なくとも1つの患者酸素飽和度センサの出力に基づいて制御するように構成される。
【0155】
装置が装置のパラメータを更新するとき、装置は、バルブを操作して、補助ガスフローを阻止するように構成され得る。
【0156】
装置がバルブを操作して、補助ガスフローを阻止するように構成されている場合、ガスフロー中の補助ガスの濃度は、周囲空気中の補助ガスの濃度であると仮定され得る。
【0157】
装置は代替用供給口を含み得て、代替用供給口は補助ガスの供給源に接続されるように構成される。
【0158】
代替用供給口からの補助ガスフローは、周囲空気と配合されるように構成され得て、配合された補助ガスと周囲空気は気流発生器に提供される。
【0159】
代替用供給口からの補助ガスフローは、気流発生器により発生されたガスフローに添加されるように構成され得る。
【0160】
装置が装置のパラメータを更新する前に、装置は補助ガスの供給源を代替用供給口から切断するようにユーザに(任意選択によりユーザインタフェースを介して)促すように構成され得る。
【0161】
少なくとも1つのセンサは酸素濃度センサであり得、任意選択により、酸素濃度センサは超音波センサを含む。
【0162】
ガスフローの一部として補助ガスが提供されない場合、装置は、ガスフローの酸素濃度を示す酸素濃度センサの出力を特定するように構成され得て、装置は、酸素濃度センサの出力及び推定された周囲酸素濃度に基づいて、酸素濃度センサ較正パラメータを特定するように構成される。
【0163】
推定された周囲酸素濃度は、約19%~約23%、約20.9%、又は約21%、又は約22%であり得る。
【0164】
補助ガスがガスフローとして提供される場合、装置は、ガスフローの酸素濃度を示す酸素濃度センサの出力を特定するように構成され得て、装置は、ガスフローの酸素濃度を示す酸素濃度センサの出力を特定するように構成され得て、装置は、酸素濃度センサの出力及び所定の酸素濃度に基づいて、酸素濃度センサ較正パラメータを特定するように構成される。
【0165】
所定の酸素濃度は100%であり得る。
【0166】
周囲空気はガスフローの一部として提供されないようにし得る。
【0167】
所定の酸素濃度はユーザにより入力され得る。
【0168】
ユーザには、補助供給源を装置に接続し、補助供給源の酸素濃度を示すように促され得る。
【0169】
装置は、気流発生器を所定の流量又は所定のモータスピードで動作させるように構成され得る。
【0170】
装置は、装置が酸素濃度センサ較正パラメータを特定した後に、気流発生器を所定の流量又は所定のモータスピードで動作させるように構成され得る。
【0171】
少なくとも1つのセンサは、ガスフローの流量を測定するように構成された流量センサであり得る。
【0172】
非治療モード中、装置は、気流発生器がガスフローを発生するのを停止させ、ガスの流量を示す流量センサの出力を特定するように構成され得て、装置は、流量センサの出力及び所定の0流量に基づいて、流量センサ較正パラメータを特定するように構成され得る。
【0173】
所定の0流量は0LPMであり得る。
【0174】
非治療モード中、装置は、気流発生器がガスフローを発生させている間に、ガスの流量を示す流量センサの出力を特定するように構成され得て、装置は、流量センサの出力及び所定の流量に基づいて、流量センサの出力に適用すべき流量センサ較正パラメータを特定するように構成される。
【0175】
所定の流量は、0LPM超、又は約10LPM、又は約20LPM、又は約30LPM、又は約40LPM、又は約50LPM、又は約60LPM、又は約70LPMであり得る。
【0176】
補助ガスがガスフローとして提供される場合、装置は、ガスのガスフローの湿度を示す湿度センサの出力を特定するように構成され得て、装置は、湿度センサの出力及び所定の湿度に基づいて、湿度センサ較正パラメータを特定するように構成される。
【0177】
所定の湿度は0%相対湿度又は絶対湿度0であり得る。
【0178】
コントローラは、湿度センサ較正パラメータを他の湿度センサの出力に基づいて特定するように構成され得る。
【0179】
湿度センサ及び/又は他の湿度センサは、
周囲湿度センサ
ガスフロー湿度センサ
を含み得る。
【0180】
少なくとも1つの非治療モードは、導管を乾燥させるように構成された乾燥モードを含み得る。
【0181】
装置が乾燥モードで動作しているとき、気流発生器が所定の流量でガスを提供している間に導管のヒータが制御され得る。
【0182】
装置が乾燥モードで動作しているとき、加湿器のヒータは所定の値に制御され得る(任意選択により、所定の値は所定の電力であり、所定の電力はヒータプレートに提供される最大電力の約5%未満、又は約10%未満である)か、乾燥モード中にヒータプレートは作動停止される。
【0183】
導管のヒータは、導管の端における所定の温度に制御されるか、所定のデューティサイクルに、若しくは所定の電圧に、若しくは所定の電流に、若しくは所定の電力に制御され得る。
【0184】
所定のデューティサイクルは100%であり得る。
【0185】
所定の温度は摂氏45度超であり得る。
【0186】
乾燥モードは、約20分~約120分間、又は約90分間動作するように構成され得る。
【0187】
乾燥モードは、所定の気流発生器出力を提供するように気流発生器を制御することを含み得て、気流発生器出力は約1000RPM~約3000RPM、又は約2000RPM未満のモータスピードである。
【0188】
乾燥モードは、所定の流量を提供するように気流発生器を制御することを含み得て、所定の流量は約5リットル/分~約20リットル/分である。
【0189】
乾燥モードは、装置及び/又は患者呼吸導管及び/又は患者インタフェース内に残る結露を蒸発させるように構成され得る。
【0190】
非治療モードはウォームアップモードであり得る。
【0191】
非治療モードはスタンバイモードであり得る。
【0192】
装置が少なくとも1つの治療モードで動作しているとき、治療はユーザに提供されている状態であり得る。
【0193】
少なくとも1つの治療モードは、
a)持続陽圧呼吸療法(CPAP)モード、
b)バブル持続陽圧呼吸療法(BCPAP)モード、
c)鼻ハイフロー(NHF)モード、
d)バイレベルモード、
e)a)~d)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0194】
装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、ユーザに治療は提供されていない状態であり得る。
【0195】
装置は、少なくとも1つの治療モードが完了した後に、自動的に少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され得る。
【0196】
装置は、装置のパラメータを、
非治療モードの終了時
非治療モードの開始時
のうちの1つ又は複数において更新するように構成され得る。
【0197】
装置はコントローラを含み得て、コントローラは、気流発生器及び/又は加湿器を少なくとも1つの治療モードと少なくとも1つの非治療モードで制御するように構成され、少なくとも1つの治療モードでの動作中に、装置はユーザに治療を提供するように構成される。
【0198】
コントローラは、装置の少なくとも1つのパラメータを更新するように構成され得る。
【0199】
装置が装置のパラメータを更新した後、装置は機器にデータを転送するように構成され得る。
【0200】
データは、装置の更新されたパラメータを含み得る。
【0201】
装置は、少なくとも1つのディスプレイを(任意選択により表示モジュールの一部として)含み得る。
【0202】
ディスプレイは、センサ較正プロセスに関する情報を表示し得る。
【0203】
レポートは、センサ較正プロセスに関する情報に基づいて生成され得る。
【0204】
情報は、センサエラー及び、センサが誤差範囲内か誤差範囲外か、較正の成功若しくは失敗、及び/又はセンサの故障の解決策のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0205】
本開示の他の態様において、ガスフローを発生させるように構成された気流発生器が提供され、
気流発生器に空気的に接続され、ガスフローを加湿するように構成された加湿器、
装置は、ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
装置は、少なくとも治療モードと乾燥モードで動作するように構成され、治療モードでは、装置は1つ又は複数の治療パラメータに従ってユーザに治療を提供するように構成され、乾燥モードでは、加湿器のヒータは作動停止され、気流発生器が所定の流量及び/又は所定のモータスピードでガスを提供している間に、導管のヒータが作動停止され、
少なくとも乾燥モードでの動作中に(及び任意選択により、所定の時間後に)装置は、
ある機器にデータを転送し、その後、
装置の少なくとも1つのセンサ(及び任意選択により少なくとも2つのセンサ)の少なくとも1つのセンサ較正パラメータを更新する
ように構成される。
【0206】
以上の記載事項の何れも、何れの1つ又は複数の他の記載事項とも組み合わせ得ると理解されたい。
【0207】
本明細書で開示される数の範囲への言及(例えば、1~10)は、その範囲内の全ての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、及び10)のほか、その範囲内の有意数のあらゆる範囲(例えば、2~8、1.5~5.5、及び3.1~4.7)への言及も含み、したがって、本明細書中で明示的に開示される全ての範囲の全ての部分範囲が本明細書により明示的に開示されていることが意図される。これらは、具体的に意図されるものの例にすぎず、明記された最低値と最高値との間の数値の考え得る全ての組合せが本明細書において同様に明示的に述べられているとみなされるものとする。
【0208】
代替的な実施形態又は構成は、本明細書で図示、説明、又は言及されている部品、要素のうちの何れか、又はそのうちの2つ以上のあらゆる組合せを含み得ると理解すべきである。
【0209】
本開示の幾つかの実施形態はまた、広く、本明細書の明細書において個別に、又はまとめて言及された、又は示された部品、要素、及び特徴、並びに前記部品、要素、又は特徴のうちの何れか、又はそのうちの何れか2つ以上のあらゆる組合せからなるか、それらを含むと言うことができ、本明細書中で本開示が関係する当業者にとって既知の等価を有する特定の整数が記されている場合、そのような既知の等価もそれが個別に示されたかのように本明細書に含められるとみなされる。
【0210】
「~を含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、「~を含む(including)」を意味する。本明細書中の、「~を含む(comprising)」という用語を含む各記載事項を解釈する際、その用語に先行するもの以外の特徴も存在し得る。それに関係する用語(comprise,comprises)も同様に解釈されるものとする。
【0211】
要求するという用語は、コントローラに関して使用されている場合、コントローラがコンポーネントに対し、そのコンポーネントに1つ又は複数の動作を行うように指示する信号を送信することを指し得る。
【0212】
本明細書で使用される、ある名詞に続く「s(複数の場合もある)」という用語は、その名詞の複数形及び/又は単数形を含むことを意味する。
【0213】
本明細書で使用されるかぎり、「及び/又は」という用語は、「及び」若しくは「又は」、又は文脈上可能な場合はその両方を意味する。
【0214】
本開示は、以上のものを開示し、また、下記においてその例のみが挙げられている構成も想定される。
【0215】
リストが示されている場合、本開示はそのリスト内の項目のあらゆる組合せも含むと理解されたい。
【0216】
具体的な実施形態及びその改良は、当業者にとって、下記のような図面を参照すれば本明細書の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0217】
図1】呼吸補助装置を図式的に示す。
図2】呼吸補助装置で使用され得る検知回路基板を示す。
図3】呼吸補助装置の主筐体の、モータ及び/又はセンサモジュールサブアセンブリのための筐体内部の凹部を示す第一の下面斜視図である。
図3A】呼吸補助装置の主筐体の、モータ及び/又はセンサモジュールサブアセンブリのための凹部を示す第二の下面斜視図である。
図4】呼吸補助装置の斜視図である。
図5】呼吸補助装置のモータ及び/又はセンササブアセンブリ、主筐体の下面、及び固定されたエルボウの斜視図である。
図6】モータ及び/又はセンササブアセンブリのコンポーネントの、サブアセンブリを通るガス流路を矢印で概略的に示す分解斜視図である。
図7】モータ及び/又はセンササブアセンブリのカバー及び検知PCBの、センサの位置を示す下面図である。
図8】フィルタモジュール及びバルブモジュールに関する概略ガス流路図であり、実線の矢印が流れを表す。
図8A】装置及び呼吸導管を含むシステムの概略図である。
図9】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図10】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図11】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図12】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図13】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図14】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図15】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図16】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図17】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図18】呼吸補助装置上で問診を提示するユーザインタフェースを示す。
図19A】治療モード及び非治療モードで動作する装置のフロー図を示す。
図19B】治療モード及び非治療モードで動作する装置のフロー図を示す。
図19C】治療モード及び非治療モードで動作する装置のフロー図を示す。
図20A】治療モード及び非治療モードで動作する装置のフロー図を示す。
図20B】治療モード及び非治療モードで動作する装置のフロー図を示す。
図21】殺菌導管を備える呼吸補助装置の斜視図である。
図22】治療データ及び装置データを含むデータのレイアウトを示す。
図23】動作を実行する装置のフロー図を示す。
図24】患者に呼吸補助を提供する、又は呼吸治療を提供するためのシステムを示すフロー図である。
図25】NHFモード及び乾燥モードで動作する装置のフロー図を示す。
図25A】非治療モード及び乾燥モードで動作する装置のフロー図を示す。
図26】NHFモード及びウォームアップモードで動作する装置のフロー図を示す。
図27】非治療モードで動作し、装置のパラメータを更新する装置のフロー図を示す。
図28】非治療モードで動作し、装置のセンサ較正パラメータを更新する装置のフロー図である。
図29】装置のパラメータを更新する装置のフロー図を示す。
図30】装置のパラメータを更新する装置のフロー図を示す。
図31】装置のパラメータを更新する装置のフロー図を示す。
図32】センサ較正パラメータを特定する一例のフロー図を示す。
図33】酸素濃度センサ較正パラメータを特定する一例のフロー図を示す。
図34】流量センサ較正パラメータを特定する一例のフロー図を示す。
図35】湿度センサ較正パラメータを特定する一例のフロー図を示す。
図36】治療モードの完了後に非治療モードに移行する装置の一例のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0218】
呼吸補助装置10は、1つ又は複数の治療モードに基づいてユーザに治療を提供する。治療モードは、例えば特定の種類の治療(NHF、CPAP、NIV等)に関する。治療モードはまた、提供される治療の種類に特化した、装置の1つ又は複数の治療パラメータも含む。例えば、鼻ハイフロー療法を提供する治療モードでは、治療パラメータには所望の流量及び所望の露点が含まれ得る。その他の種類のハイフロー療法もまた想定され、これは例えば非密閉型気管インタフェースを介する気管ハイフローである。
【0219】
呼吸補助装置は、関連する治療モードによる複数の異なる治療を提供し得る。例えば、呼吸補助装置は、持続陽圧呼吸療法、バブル持続陽圧呼吸(BCPAP)療法、ハイフロー療法、例えば鼻ハイフロー(NHF)療法、バイレベル圧力療法(他えば、NIV療法)を提供し得る。ユーザは、適切な動作モードを選択できる。ユーザは、選択された療法の提供を可能にするために適切な患者インタフェースを使用することになり、例えばハイフロー療法用としては非密閉型インタフェースである。代替的に、呼吸装置は1種類の治療のみを提供するようにも構成され得る。
【0220】
装置10の動作中、装置10は1つ又は複数の非治療モードで動作するように構成され得る。装置が非治療モードで動作している間、ユーザには治療は提供されない。非治療モードは、装置10の、治療モードへの移行、又は治療モードからの離脱(例えば、治療モードのための装置の準備、又は治療モードから保管若しくは電源オフへの装置の移行)に関するモードに関係し得る。非治療モードでは、一般に、患者に患者インタフェースは取り付けられない。
【0221】
治療モードは、治療セッションの間、行われ得る。
【0222】
例示的な非治療モードには、ウォームアップモード、乾燥モード、スタンバイモード、殺菌モードが含まれ得る。
【0223】
非治療モードは、所定の時間にわたり(例えば、乾燥モード)及び/又は所望のセンサ出力に到達するまで(例えば、殺菌モードでのある時間にわたる温度要件)、非治療プロセスとして行われ得る。
【0224】
動作中、装置は1つ又は複数の動作を行い得て、例えば:
装置は、その動作中に各種のデータ(例えば、使用状況データ若しくはその他の治療コンプライアンスデータ、又は治療のパラメータに関するデータ)を収集し、データをある機器に転送し得る。
装置は、ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージ(例えば、ファームウェア又はソフトウェアのアップデート)を受け取り得る。
装置は、ある機器、又はその機器から治療パラメータ(例えば、更新された処方)を受け取り得る。
装置は、装置の更新パラメータ(例えば、機器の1つ又は複数のコンポーネントを再較正する)を受け取り得る。
【0225】
機器は、装置と共にローカルに(例えば、同じ家庭内、又は病院内であり、すなわちタブレット、又はコンピュータ)、又はリモートに(例えば、サーバ)位置付けられた機器であり得る。
【0226】
装置は、治療中に上述の動作を行い得るが、この場合、機器に最も新しい情報が提供されず(治療セッションが完了していない場合)、又はファームウェア更新又はシステムのパラメータの更新等の一部の動作は、治療中は安全でないことがあり得る。
【0227】
治療中に動作を行うと、患者に対する安全上のリスク及び/又は健康上のリスク(すなわち、治療の中断)が生じ得る。さらに、動作が治療パラメータに影響を与え得るものである場合(例えば、治療パラメータを受け取り、適用すること)、治療パラメータは治療セッションの途中で更新され得ると、それによって安全上のリスク及び/又は健康上のリスクが生じ得る。
【0228】
動作が治療モードの完了時に行われた場合、ユーザが、治療後に、装置の電源を完全に、非治療モードでの装置の動作中に早期に切り得るというリスクがある。装置の電源が動作中に切られると、データ破壊又はデータの不完全な転送というリスク又はソフトウェアパッケージ適用のエラーがある。さらに幾つかの動作は、装置の電源が入っていない間は不可能であり得る。
【0229】
例えば、ソフトウェアパッケージ適用のエラーは、装置の性能が損なわれるか、その特定の機能が作動しないことにつながり得る。これは、患者に対する容認不能な健康上のリスクを生じさせる。
【0230】
治療データが治療終了時に、又は治療後、ある時間が経過した後にアップロードされ得るシステムでは、ユーザは動作の前に装置の電源をオフにし得るか、又は装置はユーザが装置の電源を切らないことを確実にするために、非常に長時間にわたり待機しなければならないことがあり得る(これは、前述の問題を生じさせ得る)。
【0231】
さらに、ユーザは動作を行うため(例えば、ソフトウェアパッケージを受け取り、適用するため)に装置の電源をわざわざオンにしなければならないことがあり得る。動作を実行できるようにするために装置の電源をわざわざオンにしなければならないことは、ユーザにとっての不便となり得、ユーザが装置に対して動作を行うようにわざわざ命令しなければ、その動作は行われないことがあり得る(例えば、ソフトウェアパッケージが適用されないことがあり得る)。
【0232】
本開示は、動作のうちの何れかを開始する前に、非治療モードで動作する所定の時間を設ける。これによって、ユーザが装置の電源を完全に切る可能性を減らし、装置の電源が動作中に切られるリスクが低減する。
【0233】
これによって、動作が装置の重要なルーチンを中断若しくは妨害する、及び/又は治療を中断若しくは妨害するリスクも確実に低減する。
【0234】
本開示は、装置が動作のうちの何れかを、装置及び/又は患者がその動作を行うことが安全であるときに開始する安全な機会を提供し得る。
【0235】
装置にとって安全な機会とは、装置のハードウェア及び/又はソフトウェア/ファームウェア完全性のリスクが低いときであり得る。例えば、ファームウェア又はソフトウェアのアップデートが中断されるリスクが低いときである。
【0236】
患者にとって安全な機会とは、患者が装置に、それが何れかの変更を適用している、センサを試験している等の間に、治療のために接続されていないか、装置を使用していないときであり得る。
【0237】
さらに、非治療モードでの動作時間の後に、アラームが鳴るか、実行する必要のある動作を妨害することになる重要なルーチンを行わなければならなくなるリスクが低下する。治療後に直接動作を開始することにより(安全のためにユーザを引き続きモニタする必要がある場合、まだユーザからインタフェースが外されておらず、装置に接続されているままであり得るため)、アラームが鳴るか、重要なルーチンを実行することが必要となるリスクがより高くなり得る。
【0238】
さらに、ユーザは時として治療セッションの開始について考えを変えることがあるため、装置の電源を切る前に短時間だけオンにし得る。装置の電源がオンにされたときに装置がある動作を実行しようとすると、これはユーザが装置をオフにすることによって中断され得る。
【0239】
本開示によれば、装置10への、及びそこからの全てのデータ転送が装置10によって開始され、装置10によって制御されるアーキテクチャも実現できる。これによって、装置10は機器からの接続をモニタする必要がなく、機器に関する問い合わせに応じて動作を実行するため、セキュリティ面の利益も得られ得る。
【0240】
呼吸補助装置10は図1に示されている。呼吸補助装置10は筐体100を含むことができ、これには、幾つかの実施形態においてはモータ/インペラ機構(例えば、ブロワ)の形態である気流発生器11、気流発生器11に空気的に接続される加湿器12、コントローラ13、及びユーザインタフェース14(例えばディスプレイと、例えばボタン(複数の場合もある)、タッチスクリーン、又はその他の入力装置(複数の場合もある)を含む)のうちの1つ又は複数が格納される。
【0241】
加湿器12は、適切なレベルまでガスフローを加湿し、及び/又はガスフローを加熱することができる。コントローラ13は、加湿器12を(例えば、少なくとも加湿器のヒータを制御することによって)制御するように構成できる。
【0242】
加湿器12は、加湿チャンバ300を含み得る。加湿チャンバ300は、加湿器から取り外せるように構成され得る(例えば、交換、クリーニング、及び/又は補充のため)。代替的に、加湿チャンバ300は加湿器から取り外し不能であり得る。
【0243】
加湿器12は、加湿器ヒータ310を例えばヒータプレート(図4参照)として含み得る。加湿器ヒータは、加湿チャンバ300に熱を提供する。加湿チャンバ300内の液体は水又は他の液体であり得、及び/又は1つ又は複数の液体の混合物(例えば、水と薬剤との混合物)を含み得る。
【0244】
コントローラ13は、呼吸補助装置10の動作を制御するように構成又はプログラムできる。例えば、コントローラ13は、呼吸補助装置10のコンポーネントを制御でき、これには気流発生器11を動作させて、患者に送達されるガスのフロー(ガスフロー)を生成すること、加湿器12(それがある場合)を動作させて、発生されたガスフローを加湿及び/又は加熱すること、気流発生器のブロワへの酸素フローを制御すること、ユーザインタフェース14から、呼吸補助装置10の再構成及び/又はユーザが規定する動作のためのユーザ入力を受け取ること、及びユーザに対して情報を(例えば、ディスプレイ上で)出力することが含まれるが、これらに限定されない。
【0245】
コントローラ13は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサと、プロセッサが実行可能な命令若しくはコードを保存するための、それに関連する非一時的メモリ又は記憶媒体を含み得る。命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、呼吸補助装置に本明細書に記載のステップ及びプロセスを実行させる。
【0246】
本明細書に装置10がある動作を実行すると記載されている場合、それは、コントローラ13がその動作を実行するための装置10の1つ又は複数のコンポーネントを制御することであり得ると理解されたい。
【0247】
本明細書に記載の方法は、コントローラ(又は他のプロセッサ)により実行できると理解されたい。
【0248】
治療補助装置という用語は、呼吸支援装置、又は呼吸療法装置、又はフロー療法装置と互換的に使用され得る。
【0249】
呼吸補助システムという用語は、呼吸支援システム、又は呼吸療法システム、又はフロー療法システムと互換的に使用され得る。
【0250】
現在の流量という用語は、現在(例えば、現在の時間ステップで)行われた流量の測定を指し得る。現在の流量という用語は、特定された最新の流量に限定されず、最近行われた流量の特定(例えば、過去の時間ステップから、又は最近の流量特定)、及び/又は一連の過去の測定に基づいて行われたフィルタ処理後の流量特定(これらは時として、信号フィルタリング及び/又は処理を含み得る)を含むことができると理解されたい。
【0251】
本明細書に記載の方法は、コントローラ(又は、関連するメモリ)に保存され、コントローラ(及び/又は関連するプロセッサ)により実行されるソフトウェア、又は制御ソフトウェアの一部としてのソフトウェアモジュールとして具現化され得る。
【0252】
治療を受けることに関して、ユーザは患者であるが、装置とやり取りする(例えば、ユーザインタフェースとやり取りする)ことに関しては、ユーザは患者、医療従事者(例えば、臨床医)又は、装置の使用に関心のある他のあらゆる人物のうちの1人又は複数とすることができる。
【0253】
本明細書で使用されるかぎり、「ガスフロー」は、呼吸補助装置により提供され得るあらゆるガスフロー、例えば周囲空気フロー、実質的に100%酸素を含むフロー、周囲空気と酸素の何れかの組合せを含むフロー、及び/又はその他を指すことができる。
【0254】
呼吸導管16は、一方の端で呼吸補助装置10の筐体100内のガス出口21に連結される。呼吸導管16は、他方の端で、患者インタフェース17、例えばマニホルド19と鼻プロング18を備える非密閉型鼻カニューレに連結される。追加的又は代替的に、呼吸導管16は、フェイスマスク、鼻マスク、鼻ピローマスク、気管内チューブ、気管切開インタフェース、及び/又はその他に連結できる。
【0255】
幾つかの構成において、インタフェース17は、例えば装置がCPAP療法を提供しているときには、密閉型インタフェースであり得る。
【0256】
呼吸可能導管は、呼吸導管16と患者インタフェース17との間に提供され得る。
【0257】
幾つかの実施形態において、異なる種類の導管がガス出口21に接続され得て、これは例えば殺菌モードでの殺菌導管である。
【0258】
呼吸補助装置10により発生されたガスフローは、加湿されて、呼吸導管16及び患者インタフェース17を介して患者に送達され得る。
【0259】
呼吸導管16は、通過して患者に送られるガスフローを加熱するためのヒータ16aを有することができる。ヒータ16aは、コントローラ13による制御下に置くことができる。少なくとも1つの構成において、ヒータ16aはヒータワイヤである。呼吸導管16及び/又は患者インタフェース17は、呼吸補助療法システムの一部と考えることができる。呼吸補助システム1は、呼吸補助装置10、呼吸導管16、及び患者インタフェース17を含み得る。
【0260】
コントローラ13は、気流発生器11を制御して、所望の流量(例えば、治療流量)でガスフローを発生させることができる。コントローラ13はまた、補助酸素入口を制御して、補助酸素の送達を可能にすることもできる。
【0261】
コントローラ13は、加湿器12内の加湿器ヒータ及び/又は呼吸導管16内のヒータ16aも制御して、ガスを所望の治療レベル及び/又は患者にとっての快適さレベルにとっての所望の温度まで加熱することができる。
【0262】
コントローラ13は、ガスフローの適当な標的温度が提供され、又はそれを特定することができる。コントローラ13は、加湿器12の加湿器ヒータ及び/又は呼吸導管のヒータ16aを、ガスフローの1つ又は複数の適当な標的温度(複数の場合もある)に基づいて制御し得る。
【0263】
呼吸導管16内のヒータ16aは、コントローラ13によって、所望の温度に到達するように制御され得る。所望の温度は、1つ又は複数の温度セットポイント、及び/又は1つ又は複数の湿度セットポイント(例えば、治療湿度)であるか、それに基づき得る。
【0264】
加湿器12の加湿器ヒータは、コントローラ13によって、所望の温度に到達するように制御され得る。所望の温度は、1つ又は複数の温度セットポイント、及び/又は1つ又は複数の湿度セットポイントであるか、それに基づき得る。所望の温度は治療パラメータであり得る。
【0265】
コントローラ13は、呼吸導管16内のヒータ16a及び/又は加湿器12の加湿器ヒータを、1つ又は複数のセンサの出力に基づく閉ループ制御によって所望の温度に制御し得る。
【0266】
1つ又は複数の温度セットポイントは、治療のための装置の1つ又は複数のパラメータに関係し得る(例えば、ガスの露点又は温度)か、装置のメモリ内に提供され得る(例えば、所定の温度)。
【0267】
ハイフロー療法治療モード、例えば鼻ハイフローモード(NHFモード)での1つ又は複数の治療パラメータは、
ユーザに提供されるガスの治療流量
治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点)
ユーザに提供される治療酸素濃度
ユーザに提供される補助ガスの治療濃度
ユーザに提供されるガスの治療温度(例えば)
の何れの組合せも含み得る。
【0268】
BCPAPモードでの1つ又は複数の治療パラメータは、
ユーザに提供されるガスの治療流量
治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点)
ユーザに提供される治療酸素濃度
ユーザに提供される補助ガスの治療濃度
ユーザに提供されるガスの治療温度
の何れの組合せも含み得る。
【0269】
CPAPモードでの1つ又は複数の治療パラメータは、
治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点)
ユーザに提供される治療酸素濃度
ユーザに提供されるガスの治療温度
ユーザに提供される補助ガスの治療濃度
ユーザに提供される圧力サポート(例えば、CPAP圧力)の治療レベル
ユーザに提供される治療PEEP圧力
の何れの組合せも含み得る。
【0270】
バイレベルモードでの1つ又は複数の治療パラメータは、
治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点)
ユーザに提供される治療酸素濃度
ユーザに提供されるガスの治療温度
ユーザに提供される補助ガスの治療濃度
ユーザに提供される治療IPAP/EPAP圧力(吸気時の気道内陽圧/呼気時の気道内陽圧)
の何れの組合せも含み得る。
【0271】
治療温度は、チャンバ出口における治療温度及び/又は呼吸導管の端における治療温度を含み得る。
【0272】
治療湿度は、チャンバ出口における、又は呼吸導管の端におけるものでありうる。
【0273】
治療湿度レベルは、摂氏約37度の露点又は、約38mgHOより高いか、約44mgHOより高い絶対湿度であり得る。
【0274】
この湿度レベルは、使用中の結露の原因となる可能性があり、呼吸導管16を導管の再使用の前に乾燥させることが重要である。これは特に、チューブが再使用される在宅ケア環境で必要となる(例えば、7~14日)。病院では、チューブは新しい患者ごとに交換されるこが多いが、同じ患者は同じチューブを再使用し得る。感染リスク及び病原菌増殖リスクを低減させるために、呼吸導管を乾燥させて、液体を含む水分を(例えば、後でより詳しく説明するように乾燥モードを実行することによって)除去する。
【0275】
NHFモード中に提供されるハイフロー及びそれに対応する湿度を考えると、これによって結露形成の量が増加し得て、それによって後でより詳しく説明する乾燥モードの重要性がさらに高まり得る。
【0276】
ユーザは、ユーザインタフェースを介して治療モードに関連する1つ又は複数の治療タイプを入力し得る。
【0277】
ユーザは、ユーザインタフェースを介して1つ又は複数の治療パラメータを入力し得る。
【0278】
所望の温度は、呼吸導管16の端におけるもの、患者インタフェースにおけるもの、ガス出口におけるもの、湿度チャンバ出口、装置の何れかのセンサにおけるもの、及び/又はそれらの何れかの組合せであり得る。
【0279】
1つ又は複数の温度セットポイントは、
所望の露点(例えば、所望の湿度を示す温度)
所定の露点
所定の温度
所望の温度
のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0280】
幾つかの実施形態において、コントローラ13は、呼吸導管16のヒータ16aを患者インタフェースにおけるガスの所望の温度及び/又は呼吸導管16の端における所望の温度に基づいて制御し得る。
【0281】
装置には、外部電源(例えば、送電網との有線接続)により電源供給され得る。
【0282】
幾つかの実施形態において、装置には少なくとも1つのバッテリにより電源供給され得る。バッテリは、装置の筐体に配置され、及び/又は外部から装置の筐体に取り付けられ得る。幾つかの実施形態において、バッテリは取り外し可能である。代替的に、バッテリは取り外し不能である。
【0283】
例えば図4に示されるように、酸素入口ポート28はバルブ1003を含み、それを通じて、加圧されたガスが呼吸療法装置10に入り得る。バルブは、呼吸療法装置10への酸素フローを制御できる。バルブは何れの種類のバルブとすることもでき、これには比例バルブ又はバイナリバルブが含まれる。
【0284】
酸素源は、酸素ボンベ又は病院の酸素供給源とすることができる。医療用酸素は典型的に、95%~100%の純度のものである。これより低純度の酸素源もまた使用できる。バルブモジュール及びフィルタの例は、2016年10月18日に出願された、"Valve Modules and Filter"と題する米国仮特許出願第62/409,543号及び2017年4月23日に出願された、"Valve Modules and Filter"と題する米国仮特許出願第62/488,841号において開示されており、両仮出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
【0285】
呼吸補助装置10は、患者に送達中のガスの酸素含有量、したがって患者が吸い込むガスの酸素含有量を測定し、制御できる。
【0286】
呼吸補助装置10はハイフロー療法を提供し得て、この場合、送達されるガスの高流量が患者のピーク吸気需要を満たすか、それを超える。
【0287】
フロー、温度、湿度、及び/又は圧力センサ等の動作センサ3a、3b、3cは、呼吸補助装置10内の様々な場所に設置できる。追加のセンサ(例えば、センサ20、25)は、呼吸導管16及び/又は患者インタフェース17の様々な場所に設置され得る(例えば、吸気チューブの端に、又はその付近に温度センサ29があり得る)。
【0288】
呼吸療法装置10は、コントローラ13がセンサから信号8を受信し、及び/又は呼吸補助装置10の、気流発生器11、加湿器12、ヒータ16a、加湿器ヒータ、又は呼吸補助装置10に関連付けられる付属品若しくは周辺機器を含むがこれらに限定されない各種のコンポーネントを制御することができるようにする通信モジュール15を有し得る。追加的又は代替的に、通信モジュール15は、データをリモートサーバに送達し、又は呼吸療法装置10若しくは呼吸療法システム1の遠隔制御を可能にし得る。
【0289】
通信モジュールは送信器、受信器、及び/又はトランシーバを含み得る。
【0290】
通信モジュール15は、ネットワークインタフェースとして機能し得る。
【0291】
通信モジュール15は、当業界で知られている1つ又は複数の通信プロトコル、例えばWi-Fi、Bluetooth、Zigbee、セルラー(3G、4G、又は5G等)を使用し得る。
【0292】
通信モジュールは、通信プロトコルごとに、又は通信プロトコル群ごとに複数の別々の送信器、受信器、及び/又はトランシーバを含み得る。
【0293】
通信モジュール15は、後でより詳しく説明するように、データを送信し、1つ又は複数の機器(例えば、サーバ)からデータを受信するように構成され得る。
【0294】
幾つかの実施形態において、1つ又は複数の漏れ若しくは閉塞イベント、又はアラーム(後でより詳しく説明する)が1つ又は複数のサーバ及び/又は機器(例えば、コンピュータ、電話、又はタブレット)に送信され得る。イベント又はアラームに関連する追加の情報(例えば、時刻、持続時間、又は重大度)が追加でサーバ及び/又は機器に送信され得る。
【0295】
前述のように、呼吸補助装置10は、患者に送達中のガスの酸素含有量を測定し、制御できる。酸素は、酸素と周囲空気が混合された後に、1つ又は複数のガス組成センサ(超音波トランスデューサシステム等)を設置することによって測定され得る。測定は、呼吸療法装置10、患者呼吸導管16、患者インタフェース17内で、又は他の何れかの適当な場所で行うことができる。
【0296】
装置内で測定される酸素濃度は、投与濃度(FdO2)と等価であり得、患者が呼吸する酸素濃度、すなわち吸入酸素濃度(FiO2)と実質的に同じであり得、そのため、これらの用語は等価とみなされ得る。
【0297】
酸素濃度はまた、周囲空気入口導管、酸素出口導管、及び患者呼吸導管のうちの少なくとも2つにある流量センサを使って測定され、少なくとも2つのガスの流量が特定され得る。両方の入口ガス又は1つの入口ガスと1つの総流量を特定することによって、入口ガスの想定上の又は測定された酸素濃度(周囲空気は約20.9%、酸素は約100%)も考慮して、最終ガス組成の酸素濃度を計算できる。代替的に、流量センサは、周囲空気入口導管、酸素入口導管、及び呼吸導管の3つ全てに設置して、冗長性を持たせ、各センサが正確に作動していることを読み取り値の一貫性をチェックすることによってテストできるようにすることが可能である。呼吸補助装置10によって送達される酸素濃度を測定するその他の方法も使用できる。
【0298】
呼吸補助装置10は、パルスオキシメータ又は患者モニタシステム等の患者センサ26を含み、患者の1つ又は複数の生理学的パラメータ、例えば患者の血中酸素濃度(例えば、血中酸素飽和度(SpO2))、心拍数、呼吸数、潅流指数を測定し、信号品質の指標を提供できる。センサ26は、有線接続を通じて、又はセンサ26上の無線送信器を通じた通信によってコントローラ13と通信できる。センサ26は、患者の手指に接続されるように設計された使い捨ての粘着式センサであり得る。センサ26は、使い捨てではないセンサ(すなわち、再使用可能センサ)であり得る。異なる年齢グループ向けの、及び患者の様々な部位に接続されるように設計されたセンサが入手可能であり、呼吸補助システム1に使用できる。パルスオキシメータは、患者の体表、典型的にはその手指に取り付けることができるが、耳たぶ等の他の場所も選択できる。パルスオキシメータは、呼吸療法装置10のプロセッサに接続でき、患者の血中酸素濃度を示す信号を常に提供できる。患者センサ26は、ホットスワップ可能な機器とすることができ、これは呼吸補助装置10の動作中に取り付け、又は交換できる。例えば、患者センサ26は、USBインタフェースを使って、又は無線通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標))を使って呼吸補助装置10に接続し得る。
【0299】
患者センサ26が動作中に切断されると、呼吸補助装置10は所定の時間にわたり、そのそれ以前の動作状態で動作を続け得る。規定の時間が経過すると、呼吸補助装置10はアラームをトリガし、自動モードからマニュアルモードに切り替わり、及び/又は制御モード(例えば、自動モード又はマニュアルモード)を完全に終了する。患者センサ26は、ベッドサイドモニタリンクシステム又は、物理若しくは無線インタフェースを通じて呼吸補助装置10と通信するその他の患者モニタシステムであり得る。
【0300】
呼吸補助装置10は、ハイフロー療法装置を含むか、その形態であり得る。
【0301】
本明細書で論じるハイフロー療法は、当業者により理解されているその典型的な通常の意味を有することが意図されており、これは一般に、加湿された呼吸ガスの標的フローを意図的に非密閉型の患者インタフェースを介して、一般的に患者の吸気流量に合う、又はそれを超える流量で送達する呼吸補助装置を指す。典型的な患者インタフェースとしては、鼻又は気管患者インタフェースが含まれるが、これらに限定されない。成人用の典型的な流量は、多くの場合、約15リットル毎分~約60リットル毎分以上の範囲であるが、これに限定されない。小児患者(例えば、新生児、乳児、幼児)の典型的な流量は、多くの場合、患者の体重1キログラムあたり約1リットル毎分~患者の体重1キログラム当たり約3リットル毎分以上の範囲であるが、これに限定されない。ハイフロー療法はまた、任意選択により、補助酸素及び/又は治療薬の投与分を含むガス混合組成物を含むことができる。ハイフロー療法は、多くの場合、鼻ハイフロー(NHF)、加湿ハイフロー鼻カニューレ(HHFNC)、ハイフロー鼻酸素(HFNO)、ハイフロー療法(HFT)、又は気管ハイフロー(THF)その他の一般的な名称で呼ばれる。
【0302】
例えば、幾つかの構成において、成人患者の場合、「ハイフロー療法」とは、約10リットル毎分(10LPM)より高いか、それと等しい、例えば約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMの流量で患者にガスを送達することを指し得る。幾つかの構成では、新生児、乳児、又は幼児患者の場合、「ハイフロー療法」とは、1LPMより高い、例えば約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~15LPM、又は約20LPM~25LPMの流量で患者にガスを送達することを指し得る。成人患者、新生児、乳児、又は幼児患者のハイフロー療法装置は、幾つかの構成において、約1LPM~約100LPMの流量で、又は上述の小範囲の何れかの流量で患者にガスを送達する。送達されるガスは、酸素を一部含み得る。幾つかの構成において、送達されるガスの酸素のパーセンテージは、約20%~約100%、又は約30%~約100%、又は約40%~約100%、又は約50%~約100%、又は約60%~約100%、又は約70%~約100%、又は約80%~約100%、又は約90%~約100%、又は約100%、又は100%であり得る。
【0303】
ハイフロー療法は、患者の吸気流量と合うか、これを超え、患者の酸素化を増大させ、及び/又は呼吸労作を軽減させるのに有効であり得る。
【0304】
ハイフロー療法は、患者の鼻孔に、及び/又は口から、又は気管切開インタフェースを介して行われ得る。
【0305】
ハイフロー療法は、鼻咽頭の洗浄効果を生じさせ得て、上気道の解剖学的死腔が高流量の流入ガスにより洗浄される。これによって、毎回の呼吸に使用できる新鮮なガスの貯蔵部が作られるのと同時に、窒素及び二酸化炭素の再呼吸を減らすことができる。吸気需要を満たし、気道を洗浄することは、患者のFdO2を制御する際にさらに重要である。ハイフロー療法は、例えば鼻カニューレ等の非密閉型患者インタフェースで送達できる。ハイフロー療法は、患者の呼吸数を低下させ得る。ハイフロー療法は、患者に呼気抵抗を提供し得る。
【0306】
ハイフロー療法は、閉塞性肺疾患、例えばCOPD、気管支拡張症、呼吸困難、嚢胞性繊維症、肺気腫の患者及び/又は呼吸窮迫症患者若しくは高炭酸ガス血症患者の治療に使用され得る。
【0307】
「非密閉型患者インタフェース」(すなわち、密閉されない患者インタフェース)という用語は、本明細書で使用されるかぎり、患者の気道とガスフロー源(例えば、気流発生器11から)との間の空気連結を提供する、患者の気道を完全には塞がないインタフェースを指すことができる。密閉されない空気連結は、患者の気道の約95%未満の閉塞を含むことができる。密閉されない空気連結は、患者の気道の約90%未満の閉塞を含むことができる。密閉されない空気連結は、患者の気道の約40%~約80%の閉塞を含むことができる。気道は、患者の片方又は両方の鼻孔及び/又はその口を含むことができる。鼻カニューレの場合、気道は鼻孔を通る。
【0308】
CPAP療法は、持続的陽圧(及び、任意選択により、上で詳しく説明したような1つ又は複数の治療パラメータ)でユーザにガスを提供することを含み得る。
【0309】
BCPAP両方は、治療流量(及び、任意選択により、上で詳しく説明したような1つ又は複数の治療パラメータ)でユーザにガスを提供することを含み得る。
【0310】
バイレベル療法は、治療流量(及び、任意選択により、上で詳しく説明したような1つ又は複数の治療パラメータ)でユーザにガスを提供することを含み得る。
【0311】
密閉型インタフェースは、装置がCPAP、バイレベル、又はBCPAP療法を提供する際に使用され得る。
【0312】
気流発生器11は、ブロワモジュールであるか、それを含むことができる。ブロワモジュールは前記ガスフローを発生させるように構成された少なくとも1つのブロワ11'を含み得る。
【0313】
気流発生器11は周囲空気入口ポート27を含むことができ、それを通って周囲の室内気をブロワに取り込むことができる。呼吸補助装置10はまた、酸素入口ポート28も含み得て、それがバルブにつながり、そこを通って加圧ガスが気流発生器11に入り得る。バルブは、気流発生器11への酸素フローを制御できる。バルブは、比例バルブ又はバイナリバルブを含む何れの種類のバルブとすることもできる。
【0314】
ブロワ11'は、約1,000RPM超、約8,000RPM未満、約2,000RPM超、約10,000RPM未満、又はこれらの値のうちの何れかの間のモータスピードで動作できる。ブロワ11'は、ブロワ11'に入口ポート(例えば、周囲空気入口ポート27及び/又は酸素入口ポート28)から入るガスを混合できる。ブロワ11'をミキサとして使用することにより、別のミキサ、例えばバッフルを含むスタティックミキサを備えるシステムと比べて、圧力低下を小さくすることができる。
【0315】
酸素の代わりに他の補助ガスが提供されてもよいと理解されたく、例えば酸素入口ポート28は補助ガス入口ポートとすることができ、バルブは補助ガスフローを制御するように構成され得る。
【0316】
呼吸補助装置は、ガス組成センサをさらに含み得る。ガス組成センサは、後述のセンサ(例えば、超音波トランスデューサの構成)であり得る。
【0317】
呼吸補助装置10は、流量センサを含む。流量センサは、患者への呼吸可能ガスフローの流量を測定するように構成され得る。
【0318】
コントローラ13は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。プロセッサは、コンピュータ可読命令で構成され得る。
【0319】
コントローラ13は、少なくとも1つのメモリ素子を含み得る。メモリ素子は、前記コンピュータ可読命令を記憶するように構成され得る。
【0320】
メモリ素子は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。
【0321】
コントローラ13は、マイクロプロセッサ又はASIC、FPGA、又はICs若しくはマイクロプロセッサの組合せ、又はその他の適当なコンポーネント及び/又はアーキテクチャであり得る。
【0322】
呼吸補助装置は、アラーム出力を表示するように構成された少なくとも1つの表示モジュールを含み得る。
【0323】
呼吸補助装置は、音声アラームを発するように構成された少なくとも1つの音声モジュールを含み得る。
【0324】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの音声モジュールはスピーカを含み得る。
【0325】
表示モジュールは、少なくとも1つのディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、又は発光ダイオード(LED)ディスプレイであるが、何れの表示技術も使用し得ると理解されたい)を含み得る。
【0326】
表示モジュールは、システムへの入力を受け取るように構成され得て(例えば、タッチスクリーンとして)、したがって、ユーザインタフェース14の少なくとも一部、又は表示部であり得る。
【0327】
表示モジュールは、入力/出力(I/O)モジュールとして構成され得る。例えば、表示モジュールは、ユーザからの入力を受け取り、ユーザに出力を提供するように(例えば、ユーザインタフェース14の一部として、又は表示部に)構成され得る。
【0328】
表示モジュールは、コントローラ13と通信し得る。幾つかの実施形態において、表示モジュールはコントローラ13に情報(例えば、セットポイント)を提供し得る。幾つかの実施形態において、表示モジュールはコントローラ13から情報(例えば、アラーム、センサ出力、及び/又はその他の計算された可変値)を受け取り得る。
【0329】
さらに図2を参照すると、呼吸補助装置10内に実装可能な検知回路基板2200が示されている。検知回路基板2200はセンサチャンバ内に位置付けることができ、それによって検知回路基板2200は少なくとも部分的にガスフロー内に没入される。ガスフローは、導管を通ってブロワ11'から出て、センサチャンバ内の流路に入り得る。検知回路基板2200上のセンサの少なくとも幾つかは、ガスフロー(矢印2203の方向に示される)内に位置付けられて、フロー内のガス特性を測定できる。センサチャンバ内の流路を通過した後、ガスは前述の加湿器12から出ることができる。
【0330】
検知回路基板2200は、検知プリント回路基板(PCB)とすることができる。代替的に、基板2200上の回路は、回路基板上に印刷されるのではなく、電子コンポーネントを電気的にワイヤ接続して実装できる。検知回路基板2200の少なくとも一部は、ガスフローの外に取り付けることができる。ガスフローは、前述の気流発生器11により発生させることができる。検知回路基板2200は、超音波トランスデューサ2204を含むことができる。検知回路基板2200は、1つ又は複数のサーミスタ2205を含むことができる。サーミスタ2205は、ガスフローの温度を測定するように構成できる。検知回路基板2200は、サーミスタ流量センサ2206を含むことができる。検知回路基板2200は、その他の種類のセンサ、例えば湿度センサ(別の温度センサと共に使用される湿度専用センサ並びに複合的な湿度及び温度センサを含む)、気圧を測定するセンサ、差圧を測定するセンサ、及び/又はゲージ圧を測定するセンサを含むことができる。サーミスタ流量センサ2206は、プラチナワイヤ等の熱線流速計、及び/又は負温度係数(NTC:negative temperature coefficient)又は正温度係数(PTC:positive temperature coefficient)サーミスタ等のサーミスタを含むことができる。加熱温度検知素子のその他の非限定的な例としては、ガラス又はエポキシカプセル封止又は封止加工なしのサーミスタが含まれる。サーミスタ流量センサ2206は、一定の電源供給を受けることによって、又は一定の温度若しくはセンサとガスフローとの間の一定の温度差に保持されることによって、ガスの流量を測定するように構成できる。
【0331】
サーミスタ2205及び/又はサーミスタ流量センサ2206の1つ又は複数をブロワとミキサの組合せの下流に位置付けることは、センサの読み取り値がブロワによりガスフローに供給される熱の影響を受けないことを意味する。さらに、検知回路基板及びセンサの少なくとも一部を流路内に没入させることによって、測定の正確さを高めることができる。没入させないセンサと比べて、フロー内に没入されたセンサは、ガスが流れる際に、温度及び圧力等、同じ条件下に置かれる可能性がより高い。したがって、このような没入されたセンサは、ガスフローの特性をよりよく表すものを提供し得る。
【0332】
検知回路基板2200は、超音波トランスデューサ、トランシーバ、又はガスフローの特性、例えばガスストリーム内の1つ若しくは複数のガスのガス組成又は濃度を測定するその他のセンサを含むことができる。理解されるとおり、何れの適当なトランスデューサ、トランシーバ、又はセンサも検知回路基板2200に取り付けられ得る。この構成では、ガス組成センサは、ガス濃度を特定するために超音波又は音響波を利用する超音波トランスデューサである。
【0333】
超音波トランスデューサは、センサチャンバ内にフローの方向へと軸方向に相互に反対側に配置された超音波トランスデューサペアであり得る。超音波トランスデューサペアは、飛行時間測定を用いて流量を特定するように構成され得る。
【0334】
フロー療法装置の幾つかの例は、2016年12月2日に出願された、"Flow Path Sensing for Flow Therapy Apparatus"と題する国際出願第PCT/NZ2016/050193号及び2016年6月24日に出願された、"Breathing Assistance Apparatus"と題する国際出願第PCT/IB2016/053761号において開示されており、両出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
【0335】
装置10は、呼吸導管16に接続され(て、例えばガス出口21を提供)するように構成されたエルボウ325を含み得る。エルボウ326は、1つ又は複数のセンサを含み得る。
【0336】
呼吸補助装置10の構成は図3~7に示されている。例えば図4に示されるように、呼吸補助装置は筐体100を含む。筐体100は、筐体上側胴部102と筐体下側胴部202を有する。
【0337】
図3及び3Aに示されるように、下側胴部202は、図13~15に図示され、後でより詳しく説明される取り外し可能又は取り外し不能モータ及び/又はセンサモジュール400を受けるためのモータ用凹部250を有する。底壁230の、その後方縁部に隣接して、図5及び6に図示され、後でより詳しく説明される取り外し可能又は取り外し不能のモータ/センサモジュール400を受けるための凹部開口251が設けられている。
【0338】
図5~7は、モータ及び/又はセンサモジュール若しくはサブアセンブリ400をより詳しく示す。前述のように、下側胴部202はモータ及びセンサモジュール400を受けるための凹部250を含む。気流発生器は、モータ及び/又はセンサモジュール若しくはサブアセンブリ400を含み得る。
【0339】
図5~7に示される形態では、モータ及び/又はセンサモジュール400は3つの主要コンポーネント、すなわちサブアセンブリ400の基底部403(その上にモータ402が位置付けられる)、基底部403の上方に位置付けられる出口ガス流路及び検知層420、及びカバー層440の積層配置を含む。基底部403、検知層420、及びカバー層440が組み立てられて、凹部250のそれと相補的な形状を有するサブアセンブリ筐体が形成され、それによってサブアセンブリ400を凹部250の中に受けられるようにすることができる。基底部403は、サブアセンブリ400が凹部250内に位置付けられると凹部開口251を閉じるように構成される。サブアセンブリ400は、凹部内の所定の位置に、例えばファスナ、クリップ、又は例えばクイックリリース機構等の何れかの適当な方法で保持されるか、取り外し不能な方法で固定され得る。
【0340】
検知層は、1つ又は複数のセンサを備えるガス流路を含み、ガス流路は筐体の出口ポートにガスを送達するように配置される。
【0341】
モータ402は本体408を有し、これはインペラを収容するインペラチャンバを画定する。モータ402は、何れの適当なガスブロワモータとすることもでき、例えば公開PCT明細書、第WO2013/009193号に記載されている種類のモータ及びインペラアセンブリであり得る。同明細書の内容の全体を参照によって本明細書に援用する。
【0342】
ガス出口406は、出口ガス流路のガス入口と、モータの上に積み重ねられる検知層420と流体連通する。この層420は本体422を含み、これは、基底部403の複数の取り付けスロット(図示せず)に挿入して本体422を基底部403に固定することのできる複数の取り付け脚部425を含む。1つの構成において、本体422はガス流路を画定し、これはガス出口406をガス流路のガス入口及び検知層420に連結する。
【0343】
本体422は、検知及びガス流路の下側部分426を画定する。カバー層440は本体442を有し、これは検知及びガス流路の上側部分446を画定し、上側及び下側部分426、446の形状は相互に実質的に対応する。
【0344】
図6及び7に示されるように、ガス流路は直線的な長尺状ガス流路部分428、448を含む。入口はガス流路の接線方向の入口部分430、450と流体連通し、これはガス流路の直線的な長尺状部分428、448の入口端に、又はそれに隣接して配置される。凹部433、453及び434、454は、ガス流路の直線的な長尺状部分のそれぞれの端に提供され得る。
【0345】
ガスフロー出口ポート452はカバー層440の本体442を縦に通って延び、ガス流路の直線的な長尺状部分428、448の反対の端に、又はそれに隣接して位置付けられる。ガス出口ポート452は、モータ用凹部250の上側部分と流体連通し、それがガスフロー通路と流体連通する。再び、凹部250の壁252及び天井262の構成により、モータ/センサモジュール400からガスが漏れた場合、ガスは、筐体100のうち電子部品及び制御機器の大半を収容する部分に入るのではなく、大気へと発散される。凹部250は、図15に示されるように天井262から下方に突出する突出部等のスペーサ(複数の場合もある)を含み得て、それがガス出口ポート452及び凹部の天井262からガスフローに適した間隔が保持される。
【0346】
図7から、モータ及び/又は検知モジュール400を通り、そこから出るガス流路の少なくとも一部は蛇行する、又は波状の構成を有することがわかる。例えば、ガスフローが長尺状部分428、448を通って移動する方向は一般に、ガスフローがガス出口ポート452からエルボウ324を通るガスフロー経路の入口まで移動する方向の反対である。蛇行する、又は波状の構成によって、ガスがガス流路内にとどまる時間が長くなり得て、したがって検知が向上する。
【0347】
図6及び7に示されるように、カバー層440は検知プリント回路基板(PCB)456を含む。カバー層440はまた、ガス流路の長尺状部分428、448内にあるサーミスタ等の1つ又は複数の温度センサも含み得る。1つのセンサはガス温度を測定し、もう一方は冗長的な温度センサとして機能することができる。代替的に、サーミスタの一方は参照流量センサとして使用でき(例えば、一定温度サーミスタとしての使用による)、測定された温度はガス流路の部分428、448を通るガス流量を特定するために使用できる。1つ又は複数の温度センサは、検知PCB 456のガスフローと面する部分に配置され得る。検知PCB 456は追加的に、圧力センサ、湿度センサ、及び露点センサを含むがこれらに限定されないその他のセンサも含み得る。
【0348】
1つ又は複数の電子基板272は、センサと電気通信し、又はそれに連結されて、センサから受け取った情報を処理し、センサから受け取った情報に基づいて装置10を動作させる。
【0349】
代替的な構成において、モータ/インペラユニットは装置10から離れた場所に提供され得る。その構成では、凹部250内に受けられるモジュールはガス流路及び各種のセンサのみを含み得て、ガスを固定されたエルボウ324に、それによって加湿チャンバ300へと送達する。代替的な構成において、凹部250内に受けられるモジュールはモータ及びガス流路のみを含み得て、センサは含まない。
【0350】
他の代替的な構成において、モータ及び/又はセンサモジュール400は、凹部250から取り外しできず、その代わりにその中に永久的に取り付けられ得る。
【0351】
幾つかの構成では、電気/電子コンポーネントをガスフロー内のガスから隔離するという利点が提供される。
【0352】
流路はコンパクトであり、屈曲部/急な屈曲部が少なくなり、それによって流れの剥離が減り、流れに対する抵抗が小さくなる。
【0353】
モータと流路の配置により、壁の配置から、他の隔離層が提供される。
【0354】
モジュール式のモータ及び/又はセンサモジュールを有することによって、モジュールの様々な部分を、コンポーネントのクリーニング及び/又は点検修理及び/又は交換のために必要に応じて取り外すことが可能となる。
【0355】
幾つかの実施形態において、モータ及び/又はセンサモジュール内に漏れの経路がない。
【0356】
モータ及び/又はセンサモジュールは漏れが生じる可能性のある箇所であり得るが、その領域での漏れは、酸素が大気中又は液体チャンバ内へと発散されることになるであろう。
【0357】
例えば、図8に示されるように、装置10はバルブモジュール4001を含み得て、これは装置10のガス流路に入る酸素及び/その他のガス(例えば、他の補助ガス)を制御し、装置10が気流内に取り込まれる酸素(又は他の補助ガス)の割合を調整できるようにする。バルブモジュールは、製造、組立、点検修理、又は交換が容易になるようにモジュール式ユニットとして形成される。例えば、異常、定常メンテナンス、又は将来のアップグレード/改良の場合。
【0358】
バルブモジュール4001は、治療酸素濃度でユーザに提供されるガスの酸素濃度(又はその他の補助ガス濃度)を制御すべく動作するように構成され得る。
【0359】
バルブモジュール4001は、a)バルブの上流、b)バルブの下流、又はc)バルブの上流の下流の両方に配置された1つ又は複数のフィルタを含み得る。
【0360】
装置10はフィルタモジュール1001を含み得て、これはフィルタを含み得る。
【0361】
本明細書に記載のフィルタモジュール1001とバルブモジュール4001は、装置のための変化するガス流路を提供し得る。例えば、バルブモジュールは、装置のガス流路に入る酸素フローを、バルブモジュール及びフィルタモジュールを介して制御し得る。代替的に、バルブモジュールは、代替用の酸素源をフィルタモジュールに代替用供給入口を介して直接接続することによって迂回され得る。これは、ユーザが酸素供給をマニュアルで(すなわち、壁取り付け供給源ロタメータによって)調整したい場合に実践的であり得る。
【0362】
装置には、酸素以外の別の補助ガスが提供され得ると理解されたい。
【0363】
本明細書に記載のフィルタモジュールとバルブモジュールは、ガスフローを送達するために装置において別々に使用され得ると理解されたい。代替的に、フィルタとバルブモジュールは、機能性を高めるためにフィルタ及びバルブアセンブリとして併用され得る。
【0364】
図の構成において、装置10は酸素を、
バルブモジュール4001を介して(装置による自動酸素調整のため)又は
フィルタの上部に提供された代替用ガス入口を介して(マニュアルで調整可能な酸素源の取り付けが可能となる-例えば調整器により調整される壁取り付け供給源等)
の少なくとも一方により受け取る。
【0365】
装置10は、マニホルドを含み得る。マニホルドは筐体上に配置され得る。マニホルドは、補助ガス入口(例えば、酸素入口)、代替用ガス入口、及び/又は空気入口のうちの1つ又は複数を提供し得る。
【0366】
マニホルドは、酸素、代替ガス、及び/又は周囲空気をバルブモジュール4001、フィルタモジュール1001、及び/又は気流発生器11のブロワ11'に提供し得る。
【0367】
酸素入口又は代替ガス供給入口は、マニホルドの片側に提供され得る。
【0368】
マニホルドにより、余剰の酸素を周囲環境に溢れさせることが可能となり得、及び/又は、ブロワがオフで、酸素が供給され続けている場合に、酸素を周囲環境に溢れさせることが可能となり得る。これによって、筐体内のO2の蓄積が防止される。
【0369】
図8Aは、装置1の概略図を示す。図8Aは、後でより詳しく説明するシステムのセンサ40、41、42、43、44、45、46、47、及び48の様々な場所を示している。
【0370】
ガス流路は、1つ又は複数の入口からフィルタモジュール1001を通って、発生器11、加湿器12、及び呼吸導管16を介して患者インタフェースへと提供され得る。
【0371】
前述のように、装置10は空気を(例えば、周囲空気入口ポート27を介して周囲空気を)を受け取り得る。空気入口は、少なくとも1つの空気入口センサを含み得る。少なくとも1つの空気入口センサ41は、温度センサ及び/又は湿度センサ(例えば、絶対湿度センサ及び/又は相対湿度センサ)を含み得る。
【0372】
前述のように、装置10は補助ガスを(例えば、酸素入口ポート28を介して酸素を)受け取り得る。補助ガス入口は、少なくとも1つの補助ガス入口センサ42を含み得る。バルブモジュール4001は、前述のように、補助ガス(例えば、酸素)のフローを制御すべく動作するように構成され得る。
【0373】
少なくとも1つの補助ガス入口センサ42は、バルブモジュール4001の一部あってもよく、別々であってもよい。図8Aでは、少なくとも1つの補助ガス入口センサ42は、バルブモジュール4001の一部として、バルブ30の下流に配置されているように示されている。幾つかの構成において、センサ酸素入口センサ42は、バルブモジュール4001とは別に、バルブモジュール4001の上流又は下流に提供され得る。
【0374】
少なくとも1つの補助ガス入口センサ42は、少なくとも1つの圧力センサを含み得る。圧力センサは、補助ガス供給の圧力を測定するように構成され得る。
【0375】
前述のように、装置10は代替用供給入口を介して補助ガスを受け取り得る。
【0376】
装置1は、1つ又は複数の追加のセンサ40を含み得る。追加のセンサは、装置内(例えば、筐体内)に配置され、及び/又は周囲環境に露出し得る。追加のセンサは、圧力センサ(例えば、気圧センサ)を含み得る。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の追加のセンサ40はバルブモジュール4001に、又はその付近に配置される。
【0377】
前述のように、フィルタモジュール1001は補助ガス入口及び/又は代替用供給入口から補助ガスからガスを、並びに空気入口から空気を受け取る。
【0378】
図8Aに示されるように、気流発生器11はフィルタモジュールに空気的に接続される。気流発生器11はブロワ11'を含む(本明細書中の他の箇所でより詳しく説明される)。気流発生器11は、すでにより詳しく説明したモータ及び/又はセンサモジュール400を含み得る。
【0379】
気流発生器11は、ブロワの特性を測定するように構成された少なくとも1つのブロワセンサ43を含み得る。少なくとも1つのブロワセンサ43は、ブロワのモータの特性を測定するように構成され得る。少なくとも1つのブロワセンサ43は、モータスピードセンサを含み得る。
【0380】
少なくとも1つのブロワセンサ43は、ブロワ(例えば、ブロワのモータ)の電気的特性を測定し得る。
【0381】
少なくとも1つのブロワセンサ43は、ブロワの一部として配置され得るか、又はブロワから離して、例えば制御基板上に配置され得る(例えば、少なくとも1つのブロワセンサ43がブロワの電気的特性を測定する場合)。
【0382】
気流発生器はまた、(例えば図8Aに示されているように、ブロワ11'の下流に配置された少なくとも1つのセンサ44も含み得る。幾つかの構成において、少なくとも1つのセンサ44はブロワの上流に提供される。少なくとも1つのセンサ44は、(上でより詳しく説明したように)センサモジュール400の一部として提供され得る。少なくとも1つのセンサ44は、少なくとも1つの温度センサ、少なくとも1つの流量センサ(例えば、前述の1つ又は複数の超音波トランスデューサ)、少なくとも1つの圧力センサ(例えば、絶対圧力センサ及び/又は、周囲に関するガス流路内の圧力を測定するように構成された差圧センサ)、少なくとも1つの湿度センサのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0383】
前述のセンサ3aはブロワセンサ43及び/又はセンサ44であり得る。
【0384】
図8Aに示されるように、装置10はまた、加湿器入口に少なくとも1つの逆止弁(NRV:non return valve)31も含み得る。加湿器入口は例えば、前述のような固定エルボウ324であり得る。
【0385】
すでにより詳しく説明した加湿器12は、気流発生器に(例えば、少なくとも固定エルボウ324を介して)空気的に接続される。加湿器ヒータは、少なくとも1つの加湿器ヒータセンサ45を含み得る。少なくとも1つの加湿器ヒータセンサ35は、温度センサ及び/又は、加湿器ヒータに提供される電力を測定するように構成された加湿器ヒータ電力センサであり得る。加湿器ヒータ電力センサは、ヒータから離して(例えば、制御基板上に)配置され得る。
【0386】
図8Aに示されるように、装置10はまた、加湿器出口内に配置された少なくとも1つの加湿器出口センサ46も含み得る。加湿器出口は、エルボウ325であり得る。加湿器出口センサ46は、1つ又は複数の温度センサであり得る。
【0387】
前述のセンサ3bは、加湿器ヒータセンサ45及び/又は加湿器出口センサ46であり得る。同様に、センサ3cは加湿器出口センサ46であり得る。
【0388】
前述のように、呼吸導管16は呼吸導管16のヒータ16aを含む。呼吸導管16は、少なくとも1つの呼吸導管センサ48(例えば、前述のセンサ29)を含み得る。少なくとも1つの呼吸導管センサ48は、導管16の患者端に配置され得る。少なくとも1つの呼吸導管センサ48は温度センサであり得る。
【0389】
呼吸導管16のヒータ16aには電力センサ47も、呼吸導管のヒータ16aに提供される電力を測定するために提供され得る。電力センサ47は、呼吸導管16から離して(例えば制御基板上に)配置され得る。
【0390】
記載されている様々な構成は例示的な構成にすぎない。これらの構成のうちの何れの、何れの1つ又は複数の特徴も、他の構成の何れの、何れの1つ又は複数の特徴とも組み合わせて使用され得る。
【0391】
他の例として、モータ及び/又はセンササブアセンブリ用凹部が筐体の下面にあるように説明されているが、代替的に、それは筐体の背面、側面、前面、又は上面にもあり得る。空気及び/又は酸素入口もまた、必要に応じて異なる場所に位置付けられ得る。
【0392】
他の例として、加湿チャンバ300及びチャンバベイが、加湿チャンバ300が筐体の前面からチャンバベイに挿入され、そこから取り外されるように構成されるのではなく、構成は、加湿チャンバ300が筐体の側面、背面、又は上面からチャンバベイに挿入され、そこから取り外されるようにすることもできる。
【0393】
他の例として、フィルタモジュールは上から筐体に挿入され、バルブモジュールは下から筐体に挿入されるように説明されているが、これらのコンポーネントの一方又は両方は、上方部分、下方部分、側方部分、前方部分、又は後方部分等、筐体の何れの適当な部分に挿入することもできる。
【0394】
フィルタモジュール及びバルブモジュールは、加熱及び加湿されたガスを患者又はユーザに送達できる呼吸補助装置に関して説明されている。
【0395】
フィルタモジュール及び/又はバルブモジュールは代替的に、加湿器を必要としない装置でも使用され得て、したがって、加湿チャンバ300を必要としない。例えば、モータ及びガス流路を電気及び電子コンポーネントから隔離する構成は他の種類のガス送達装置において広く利用されることがわかるであろう。
【0396】
装置は、装置を電源(すなわち、バッテリ又は電気接続)に接続することによって、及び/又は装置の1つ又は複数の入力(例えば、電源スイッチ及び/又はユーザインタフェースでの入力)によって電源投入(すなわち、電源オン状態に)され得る。
【0397】
装置は、装置を電源(すなわち、バッテリ又は電気接続)から切断することによって、及び/又は装置の1つ又は複数の入力(例えば、電源スイッチ及び/又はユーザインタフェース上での入力)によって、電源切断(すなわち、電源オフ状態に)され得る。
【0398】
装置10は、装置が非治療モードであるときに、1つ又は複数の質問を含む問診を提示し得る。幾つかの実施形態において、問診が提示される非治療モードは、ウォームアップモード、及び/又は乾燥モード(以下により詳しく説明する)であり得る。
【0399】
装置10は、1つ又は複数の問診をユーザに対して提示し得る。
【0400】
問診は、1つ又は複数の健康パラメータに関する1つ又は複数のユーザ向け質問を含む1つ又は複数を含み得る。
【0401】
各質問は、複数のユーザ入力要素を含み、それを通じてそのユーザ向け質問への回答としてユーザ入力が受け取られる。
【0402】
装置10は問診を提示し得て、これは国際公開第2021/090184号(PCT出願番号PCT/IB2020/060335号)において開示されるものであり得て、同出願を参照によって本明細書に援用する。
【0403】
装置10は、非治療モードの開始時に問診を提示し得る。
【0404】
装置10は問診を、
装置の起動時、又は
非治療モードの開始時、又は
ユーザが呼吸補助装置の1つ又は複数の治療パラメータを(任意選択により、治療制御画面を介して)入力するように促されたとき、又は
ユーザが呼吸補助装置の1つ又は複数の治療パラメータを(任意選択により、治療制御画面を介して)入力し始めたとき、又は
ユーザが治療を(任意選択により、治療制御画面を介して)開始したとき、又は
ユーザがマニュアルで作動させたとき、
又は上記の何れかの組合せで
提示し得る。
【0405】
図9~18は、呼吸補助装置上に問診を提示するユーザインタフェースを示す。複数の質問及び複数の回答候補が表示される。
【0406】
複数の質問は、ある患者の1つ又は複数の健康パラメータに関し得る。
【0407】
図9は、グラフユーザタッチエレメント、電力ユーザタッチエレメント、及びメニューユーザタッチエレメントを有するスタートアップ画面を示す。例えば、スタートアップ画面は、患者が本明細書に記載のように呼吸補助装置をオンにしたときに患者が最初に見る画面とすることができる。グラフユーザタッチエレメントにより、本明細書に記載されているように、選択に応じて各種の治療パラメータに又は患者の健康パラメータのデータグラフの表示を可能にすることができ、この表示がユーザインタフェースの同じページに表示されるか、異なるページに表示されるかを問わない。電源ユーザタッチエレメントは、本明細書に記載されているように、選択に応じて呼吸補助装置の電源をオンにする、又はオフにする(例えば、前述のとおり)、又は再スタートするために使用できる。
【0408】
図10は、スタートアップ画面の後の導入画面を示す。導入画面は、「こんにちは」のメッセージ(又は、他の導入又は歓迎メッセージ)を表示する。
【0409】
図11は、1日の特定の時間の患者の全体的気分について聞く質問(例えば、患者の健康情報、問診のリクエスト)を提示する全体的気分画面を示す。
【0410】
図12は、図15と同様の質問を提示する喉の痛み画面を示す。しかしながら、図15の質問及び回答候補とは異なり、図12の質問と回答候補は患者の喉の痛さパラメータに関する。図12の質問は、複数の考え得る回答と各々の関連アイコンを含む。アイコンは、回答に関連する患者の状態に関して色分けされ、回答に関連する患者の状態に関する表情の顔を示す(後でより詳しく説明する)。
【0411】
図13は、図11及び12と同様の質問を提示する呼吸画面を示す。しかしながら、図11及び12の質問と回答候補とは異なり、図13の質問と回答候補は患者の呼吸パラメータに関する。
【0412】
図14は、図11~13と同様の質問を提示する咳画面を示す。
【0413】
図15は、図11~14と同様の質問を提示する痰の色画面を示す。
【0414】
図16は、図11~15と同様の質問を提示する抗生剤使用画面を示す。
【0415】
図17は、図11~16と同様の質問を提示するステロイド使用画面を示す。
【0416】
図18は、図11~17と同様の質問を提示する吸入器使用画面を示す。
【0417】
健康プロバイダは、質問及び/又は健康パラメータに関する1つ又は複数の患者ベースラインを設定し得る。
【0418】
対応する質問(又は健康パラメータに関する質問)が表示されるとき、ベースラインがユーザに対して表示され得る。ベースラインは、グラフィカル要素(例えば、図12、15、16、17の折り曲げられた角)によって、又はハイライトを通じて表示され得る。
【0419】
幾つかの実施形態において、問診(及び/又は1つ若しくは複数の質問及び回答)は、装置が非治療モードでの動作に入ったとき(例えは、装置が乾燥モードに入ったとき)に提示され得る。これによって、ユーザは、非治療モードでの所定の動作時間が経過する前に、問診に回答し終えることが可能となり得る。したがって、動作が行われる場合(後でより詳しく説明する)、問診(及び/又は質問に対する1つ若しくは複数の回答)を機器に転送可能であり得る。
【0420】
幾つかの実施形態において、問診(及び/又は1つ若しくは複数の質問及び回答)は、第一の非治療モード(例えば、ウォームアップモード)で提示されて、第二の非治療モード(例えば、乾燥モード)で機器(後でより詳しく述べる)に転送され得る。
【0421】
問診(及び/又は1つ若しくは複数の質問及び回答)に関するデータは、1つのパッケージにパッケージングされていてもよく、治療データと質問及び回答データのための個々のパッケージがあってもよい。
【0422】
問診(及び/又は1つ若しくは質問及び回答)は、第一の非治療モードで回収された後、第二の非治療モードでの動作中に転送される前に(例えば、後でより詳しく説明するように所定の時間後に)、装置のメモリに記憶され得る。
【0423】
装置は、治療セッションの前に第一の非治療モードで(例えば、ウォームアップモード)、また治療セッションの後、第二の非治療モードで(例えば、治療セッション後の乾燥モード)で動作し得る。
【0424】
幾つかの実施形態において、非治療モード中、治療サマリ画面が表示される。治療サマリ画面には、治療データ(後でより詳しく説明する)の態様が含まれ得る。
【0425】
前述のように、装置は少なくとも1つの治療モード及び少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され得る。
【0426】
非治療モードで動作するとき、装置は非治療に関する情報をディスプレイ上に表示し得る。
【0427】
情報には、非治療モードの種類、非治療モードが有効であるとの表示、非治療モードの残り時間、装置を使用しないようにとの警告のうちの1つ又は複数が含まれ得る。
【0428】
治療モードでは、装置は治療をユーザに提供するように構成される。
【0429】
治療モードは、
a)持続陽圧呼吸(CPAP)モード
b)バブル持続陽圧呼吸(BCPAP)モード
c)鼻ハイフロー(NHF)モード
d)圧力がIPAPとEPAPとの間に制御されるバイレベル圧力モード(例えば、NIVモード)
e)a)~d)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0430】
各治療モードは、装置の1つ又は複数の関連する治療パラメータ(すでにより詳しく説明した)、例えばガスの治療流量、治療圧力サポートレベル、ガスの治療温度、ガスの治療湿度、呼吸導管の端における治療温度等)を有し得る。
【0431】
各治療モードは、装置10により(例えば、コントローラ13により)実行されて、装置を制御して特定の治療を提供するように構成された関連するソフトウェアを有し得る。
【0432】
一般に、一度に1種類の治療モードが提供される(すなわち、CPAPとNHFは同時に送達できない)。
【0433】
各治療モードにおいて、ユーザには異なるインタフェース又は、装置のための入力の異なる選択肢が提供され得る。
【0434】
各治療モードにおいて、装置は異なる制御スキーム(例えば、CPAPモードには圧力制御スキーム、NHFモードには流量制御スキーム)を含み得る。
【0435】
各治療モードにおいて、装置は1つ又は複数のアラーム条件を有し得る。1つ又は複数のアラームは、アラーム条件が満たされると発動できる。アラーム条件は、特定の治療モード(すなわち、提供されている具体的な治療)及び/又は治療中に発生し得る1つ又は複数の故障状態)に基づき得る。
【0436】
装置はまた、1つ又は複数の非治療モードで動作するように構成される。非治療モードでは、治療はユーザに提供されない。
【0437】
非治療モードには、乾燥モード、ウォームアップモード、スタンバイモード、及び/又は殺菌モードが含まれ得る。
【0438】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、気流発生器が作動されて、ガスフローが発生される。幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、気流発生器は所定のモータスピードに、及び/又は所定の流量を実現するように制御される。
【0439】
幾つかの構成において、所定の流量は、気流発生器のモータスピードを制御することによって提供され得る。これは、例えば流量とモータスピードとの関係を規定するルックアップテーブル又は式によって行われ得る。非治療モードでは、この方式によって気流発生器の制御がより容易になり得るが、それは、患者が接続されておらず、また、フローに対する抵抗が知られ得る(すなわち、滅菌モード中)か、一定であると考えられ得る(すなわち、乾燥モード及び/又は殺菌モード中)からである。
【0440】
幾つかの構成において、気流発生器を(例えば、所定の流量及び/又は所定のモータスピードを提供するように)制御するために、装置は1つ又は複数のセンサに基づくフィードバック制御を使用し得て、例えば、モータスピードの制御にはモータスピードセンサ、又はモータへの電流又は電圧をモニタする電流/電圧検知ユニットが使用され得る。流量の制御には、流量センサが使用され得る(例えば、本明細書の他の箇所に記載の超音波センサ及び/又はサーミスタ)。
【0441】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、気流発生器は治療流量未満のガス流量を提供するように構成される。
【0442】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、気流発生器は、治療流量の約50%未満、又は約25%未満、又は約10%未満の流量を提供するように構成される。
【0443】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、加湿器(任意選択により、加湿器のヒータ)が作動される。幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、加湿器はガスフローを加湿するように構成される。
【0444】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、加湿器はガスフローを治療湿度未満の湿度で加湿するように構成される。
【0445】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、加湿器はガスフローを治療湿度(例えば、絶対若しくは相対湿度、及び/又は露点)の約50%未満、又は約25%未満、又は約10%未満に加湿するように構成される。
【0446】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、導管のヒータが作動され、呼吸導管内のガスフローを加熱するように構成される。
【0447】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、導管のヒータは、ガスフローを導管治療端温度未満の導管端温度に加熱するように構成される。
【0448】
幾つかの実施形態において、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき、導管のヒータ、ガスフローを治療温度(例えば、導管端における治療温度又は露点としての治療湿度)の約50%未満、又は約25%未満、又は約10%未満に加熱するように構成される。
【0449】
図19Aに示されるように、装置は治療モードでの動作910と非治療モードでの動作911とで切り替わるように構成され得る。治療モードでの動作910と非治療モードでの動作911との切り替えは、例えば図20Aに示されるように治療セッションが完了したとの表示913等の1つ又は複数のトリガに基づき得る。
【0450】
幾つかの実施形態において、例えば図19Bに示されるように、装置の非治療モードでの動作911は、装置の治療モードでの動作910から装置の電源が切られる状態912への移行期としての役割を果たし得る。治療モードでの動作910から装置の電源が切られる状態912への移行は、治療モードから直接、装置の電源を切ると、装置又はシステムの1つ若しくは複数のコンポーネントに損傷を与えかねないため、重要であり得る。この場合、非治療モードは例えば、装置の呼吸導管を乾燥させて、安全に電源を切ることができるようにするように構成された乾燥モードであり得る。
【0451】
図20Aに示されるように、装置は、治療セッションが完了したときに治療モードでの動作910から非治療モードでの動作911に移行し得る。幾つかの実施形態において、装置は少なくとも1つの治療モードの完了後に自動的に少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成され得る。代替的に、治療の完了時に、ユーザに、ユーザインタフェース上で非治療モードでの動作に移行させるプロンプトが提示され得る。
【0452】
装置は、トリガに応答して第二の非治療モードに移行し得る。トリガは、時間の経過であり得るか、又はマニュアルでの入力(例えば、ユーザインタフェースを介した入力)であり得る。
【0453】
装置は、ユーザが治療終了コマンドを入力したときに治療セッションが完了したことを特定し得る。
【0454】
治療終了コマンドは、ユーザインタフェース上でユーザを介した入力により生成され得る。
【0455】
治療終了コマンドは、患者インタフェースがユーザから取り外されたことの検出により生成され得る。
【0456】
治療終了コマンドは、患者インタフェースがユーザから所定の時間にわたり取り外された状態であることの検出により生成され得る。
【0457】
治療インタフェースがユーザから取り外されたことの検出は、PCT国際公開第2020/178746号に記載された方法(複数の場合もある)に従って実行でき、同出願の全体を参照により本明細書に援用する。
【0458】
患者インタフェースがユーザから取り外されたことの検出は、フローコンダクタンス/フローコンダクタンスの変化の推定、又は他の何れかの適当な方法に基づき得る。
【0459】
治療終了コマンドは、患者インタフェース17が呼吸導管16から(任意選択により、所定の時間にわたり)切断されたことの検出により生成され得る。
【0460】
患者インタフェースが取り外されたことの検出は、ユーザの呼吸が(任意選択により、所定の時間にわたり)停止したこととの検出に基づいて行われ得る。
【0461】
ユーザは、治療終了コマンドを(例えば、ユーザインタフェースを介して)確認するように求められ得る。
【0462】
ユーザの呼吸が停止したことの検出は、
a)患者インタフェース内に配置された患者インタフェースセンサの出力
b)装置内に配置された流量センサ
c)装置内に配置された圧力センサ
a)~c)の何れかの組合せ
のうちの1つ又は複数に基づき得る。
【0463】
患者インタフェースが取り外されたことの検出は、流路のコンダクタンスの(任意選択により、所定の期間にわたる)変化に基づいて行われ得る。
【0464】
図20Aに示されるように、装置は、非治療モードが完了したときに電源が切られる。非治療モードは、時間及び/又は装置(例えば、センサ)の1つ又はパラメータが所望の値に到達したことに基づいて完了され得る。
【0465】
装置は、1つ以上の非治療モードで動作した後に装置の電源が切られ得る(すなわち、電源オン状態から電源オフ状態に)。
【0466】
装置は、治療モードの完了時に自動的に、又はユーザからの入力によって電源が切られ得る。幾つかの実施形態において、非治療モードが完了するまでユーザが装置の電源を切ることができないようにし得る。
【0467】
幾つかの実施形態において、例えば図19Cに示されるように、装置の非治療モードでの動作911は、装置の電源投入から装置の治療モードでの動作910への移行期として機能し得る。装置の電源投入から治療モードでの動作への移行もまた、装置がすぐさま治療モードで動作してユーザに十分な治療を提供できないことがある(例えば、ガスを治療パラメータで提供することができない)ため、重要である。この場合、非治療モードは例えば、装置をそれが治療モードでの動作を開始する前にウォームアップするように構成されたウォームアップモードであり得る。
【0468】
図20Bに示されるように、装置は、非治療モードが完了すると非治療モードでの動作911から治療モードでの動作910に移行し得る(すでにより詳しく述べたとおり)。幾つかの実施形態において、装置は、少なくとも1つの治療モードで動作する前に自動的に少なくとも1つの治療モードで動作するように構成され得る。代替的に、非治療モードの完了時に、ユーザには、装置が治療準備のできた状態であることを示すプロンプトが提示され得て、ユーザはユーザインタフェースに治療モードでの動作に移行するための入力を入力し得る。
【0469】
装置は、装置の電源が投入された後(すなわち、電源オフ状態から電源オン状態に)、1つ以上の非治療モードで動作し得る。
【0470】
前述のように、非治療モードは乾燥モードであり得る。装置は、乾燥モードで動作して呼吸導管を乾燥し得る。
【0471】
乾燥モードは、湿度の高い治療後環境における病原体の増殖のリスクを低下させ、呼吸導管の安全な使用寿命を延長させることができる。乾燥モードは少なくとも30分間行われるが、導管(すなわち、チューブ)内での病原体(すなわち、微生物)の増殖リスクを最小化するためには少なくとも90分間行われることが好ましい。
【0472】
乾燥モードはNHFシステムにおいて特に重要であり得、これは、ユーザに提供されるハイフロー及びそれに対応する湿度により、使用中に大量の結露が発生し得る。
【0473】
乾燥モードは、PCT国際公開第2006/126900号に記載されている乾燥プロセスであり得、同出願を参照によって本明細書に援用する。
【0474】
装置の乾燥モードでの動作は、装置が治療モードでの動作を終えた後に重要である。乾燥モードによって、治療後に呼吸導管内に結露があればそれを取り除くことができる。
【0475】
装置は、治療モードでの動作後に乾燥モードで動作し得て、治療モードは完了する(例えば、図19B及び20Aに示され、すでにより詳しく説明されたとおり)。
【0476】
幾つかの構成において、オゾンガスが乾燥モード中にガス流路に提供され得る。
【0477】
装置が乾燥モードで動作している間、呼吸導管のヒータは、気流発生器がガスを所定の流量で提供する間に制御される。
【0478】
装置が乾燥モードで動作しているとき、加湿器のヒータは作動停止される。
【0479】
装置が乾燥モードで動作しているとき、呼吸導管のヒータは、呼吸導管の端における所定の温度に制御されるか、又は所定のデューティサイクルに、若しくは所定の電圧に、若しくは所定の電流に、若しくは所定の電力に制御される。
【0480】
所定のデューティサイクルは100%であり得る。
【0481】
所定の温度は摂氏45度より高い。
【0482】
乾燥モードは、約20分間~約120分間、又は約90分間動作するように構成され得る。
【0483】
乾燥モードが完了する前にユーザが装置の電源を切ろうとした場合、装置は、乾燥モードがまだ完了していないとのメッセージをユーザに対して表示し、及び/又はユーザが装置の電源を切ることができない、若しくはさらに確認しなければ装置の電源を切ることができないようにし得る。
【0484】
乾燥モードは、気流発生器を制御して所定の気流発生器出力を提供することを含み、気流発生器の出力は、約1000RPM~約3000RPM又は約2000RPM未満のモータスピードである。
【0485】
乾燥モードは、気流発生器を制御して所定の流量を提供することを含み、所定の流量は約5リットル/分~約20リットル/分である。
【0486】
乾燥モードは、装置及び/又は呼吸導管及び/又は患者インタフェース内に残る結露を蒸発させるように構成される。
【0487】
幾つかの実施形態において、装置が乾燥モードで動作しているとき、装置はユーザに患者インタフェース17を装着しないように通知するメッセージを提示する。
【0488】
前述のように、非治療モードはウォームアップモードであり得る。装置は、ウォームアップモードで動作して、治療モードのために装置を準備し得る。
【0489】
装置を治療モードの前にウォームアップモードで動作させることは、治療が始められたときに、装置がその治療モードのための治療パラメータでガスフローを提供することを確実にするために重要であり得る。治療モードに先立って装置に加湿器のヒータ及び/又は呼吸導管のヒータを作動させることは、装置が治療モードでの動作を開始したときに、装置がその治療モードのための治療パラメータでガスフローを提供するのに役立つ。
【0490】
幾つかの実施形態において、ウォームアップモード中、加湿器のヒータは作動される。
【0491】
幾つかの実施形態において、ウォームアップモード中、加湿器のヒータ及び/又は呼吸導管のヒータは作動される。
【0492】
幾つかの構成において、ウォームアップモード中、加湿器のヒータ及び/又は呼吸導管のヒータは100%の電力、例えば100%のデューティサイクルで作動される。
【0493】
装置は、装置の電源が投入されたとき(すなわち、電源オフ状態から電源オン状態に)、ウォームアップモードで動作し得る。
【0494】
ウォームアップモードは、呼吸導管のヒータを制御して、導管の端における温度を所望の温度に制御することを含み得る。
【0495】
導管の端における所望の温度は、装置の1つ又は複数の治療パラメータに基づき得る。
【0496】
呼吸導管の端における所望の温度は、所定の温度であり得る。
【0497】
呼吸導管端の温度は導管端における所望の温度の摂氏約2度~摂氏約5度、又は摂氏約2.5度以内、及び任意選択により、所定の温度又は治療パラメータより摂氏約2度~摂氏約5度、又は摂氏約2.5度低い。
【0498】
呼吸導管端の温度は、摂氏約25度より高いか、又は摂氏約25度~摂氏約28度であり得る。
【0499】
ウォームアップモードは、加湿器のヒータを所定の温度に、所定のデューティサイクルに、又は所定の電圧に、又は所定の電流に、又は所定の電力に制御することを含み得る。
【0500】
幾つかの構成において、(例えば、呼吸導管端の治療温度までの)温度上昇率は制御され得る。
【0501】
ウォームアップモードは、気流発生器を作動停止させることを含み得る。代替的に、ウォームアップモードは、気流発生器を所定の流量又は所定の気流発生器出力で動作させることを含む。幾つかの実施形態において、所定の流量は患者に提供される治療フローより低い。幾つかの実施形態において、所定の気流発生器出力は、約1000RPM~約3000RPM、又は約2000RPM未満のモータスピードである。
【0502】
幾つかの構成において、ウォームアップモードは、所定の時間にわたり気流発生器出力を増大させることを含み得る。この増大は、治療パラメータまでであり得る。幾つかの構成において、気流発生器出力は、第一のレベルから第二のレベルまで増大され得る。例えば、ウォームアップモードでは、装置は気流発生器により提供される流量をゼロ流量(又は低流量)から治療流量まである時間にわたり増大させ得る。所定の時間は、ウォームアップモードの長さであり得る。
【0503】
幾つかの構成において、例えば治療流量までの流量の増大速度は制御され得る。
【0504】
ウォームアップモードの終了条件は、装置が1つ以上の治療パラメータ(若しくは1つ以上の治療パラメータの特定のマージン以内)及び/又はその他の所望の温度に到達したとき、並びに/又は所定の経過時間後であり得る。
【0505】
ウォームアップモードが完了する前にユーザが治療セッションを開始しようとすると、装置は、ウォームアップモードが完了していないとのメッセージをユーザに対して表示し、及び/又はさらに確認しなければ装置が治療モードで動作できないようにし得る。
【0506】
前述のように、非治療モードは殺菌モードであり得る。装置は、殺菌モードで動作して装置を殺菌し得る。
【0507】
殺菌モードは、PCT国際公開第2007/069922号において開示される呼吸補助装置の殺菌方法に基づき得て、同出願を参照によって本明細書に援用する。
【0508】
滅菌モードでは、ガス流路(例えば、エルボウ325、235)の一部を殺菌することが可能であり得る。これによって、使用ごと及び患者ごとに装置のコンポーネントを交換することなく、装置を安全に再使用することが可能となり得る。殺菌により、装置が複数の患者間で使用される場合の相互汚染を防止することも可能となり得て、且つ装置の完全な再使用も可能にし得る。殺菌モードは、家庭での使用環境及び病院での使用環境の何れにおいても使用され得る。
【0509】
装置が殺菌モードで動作しているとき、装置は殺菌導管に接続され得る。殺菌導管は、殺菌導管を通過するガスを加熱するヒータを含み得る。
【0510】
殺菌モード中、殺菌導管124は図21に示されるように装置のガス出口21及び気流発生器出口(又は加湿チャンバ入口)に接続され得て、それによってガスは気流発生器から殺菌導管を通り、エルボウ325及び任意選択によりフィルタ123又はエルボウ325に取り付けられたバルブを通って大気へと流れる。
【0511】
殺菌モードでは、殺菌導管124のヒータは、殺菌導管124内のガスフローが所定の温度に到達するように制御され得る。所定の温度は、摂氏約50度~摂氏約100度、又は摂氏約60度~摂氏約90度であり得る。
【0512】
所定の温度は、システムの他のセンサ、例えばエルボウ325内のセンサ又はセンサモジュール400により測定される温度であり得る。追加的又は代替的に、所定の温度は殺菌導管の温度センサにより測定される温度であり得る。
【0513】
殺菌モードは、気流発生器を制御して、所定のモータスピードを提供することを含み得る。モータスピードは、約1000RPM~約6000RPM、又は約2000RPM~約5000RPM、又は好ましくは約2000RPM~約3000RPMであり得る。幾つかの実施形態において、所定のモータスピードは2000RPMである。
【0514】
代替的に、殺菌モードは気流発生器を制御して所定の流量を提供することを含み得て、所定の流量は約10リットル/分~約20リットル/分である。
【0515】
装置は、殺菌導管が装置に接続されたことが検出されると、滅菌モードで動作し得る。
【0516】
殺菌チューブの検出は、殺菌導管に固有の、及び/又は導管内の識別手段、例えばサーミスタ若しくはRFIDタグ又はその他の識別素子によるヒータワイヤ抵抗(又は、例えばヒータワイヤ抵抗範囲)を識別することにより得る。
【0517】
前述のように、非治療モードはスタンバイモードであり得る。
【0518】
スタンバイモードにより、装置は、必要に応じて装置が治療モードで動作できる状態に保持するモードに入ることが可能となり得る。
【0519】
装置は、ユーザがユーザインタフェースを介して入力を入力したときにスタンバイモードで動作し得る。幾つかの実施形態において、装置は、患者インタフェースがユーザから取り外されたことが検出された後にスタンバイモードで動作し得る。幾つかの実施形態において、治療終了コマンドは、患者インタフェースが患者から所定の時間にわたり取り外されたことを検出することによって生成され得る(この所定の時間は、すでにより詳しく説明したように装置が乾燥モードで動作するのに必要な所定の時間未満であり得る)。
【0520】
患者インタフェースが取り外されたことの検出は、すでにより詳しく説明したように行われ得る。
【0521】
スタンバイモードは、気流発生器を所定の流量又は所定のモータスピードで動作させることを含み得る。
【0522】
所定の流量は治療流量より低い。
【0523】
所定のモータスピードは約1000RPM~約3000RPM又は約2000RPM未満である。
【0524】
装置は、装置がスタンバイモードで動作している所定の時間が経過した後に乾燥モードで動作し得る。
【0525】
装置は、データを収集し、保存するように構成される。装置は、何れの時点でもデータを収集し得る。幾つかの実施形態において、装置は、装置がスタンバイモード、すなわち非治療モードでの動作中にデータを収集するように構成され得る。
【0526】
図22に示されるように、データ920は、少なくとも1つの治療モードでの動作中に収集される治療データ921を含み得る。データは、追加的又は代替的に、装置データを含み得る。
【0527】
治療データ921は、ユーザに提供されるユーザ及び/又は治療に関するデータを含む。
【0528】
治療データ921は、1つ又は複数の別々の治療セッションに関するデータを含み得る。
【0529】
幾つかの実施形態において、治療データは、少なくとも過去の治療モードからのデータを含む。
【0530】
治療データ921は、
a)ユーザの酸素飽和度(SpO2)
b)ユーザの呼吸数
c)ユーザに提供されるガスの湿度(露点)
d)ユーザに提供されるガスの流量
e)患者端温度
f)ユーザの一回換気量
g)ユーザの毎分換気量
h)装置の使用状況データ
i)ユーザに提供される1つ又は複数の質問に対する回答
j)治療レポート(任意選択により、治療レポートは過去の治療セッションレポート及び/又は終了したばかりの治療セッションに関する)
k)すでにより詳しく説明したように、少なくとも1つの問診に関する情報
L)少なくとも1つの問診の質問
m)少なくとも1つの問診の回答
n)1つ又は複数の患者ベースライン
o)a)~n)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0531】
幾つかの実施形態において、非治療モード中、ユーザには1つ又は複数の質問が提示され、ユーザはこれらの質問に対する回答を少なくとも1つのユーザインタフェースを介して提供し、質問及び/又は質問への回答は治療データの一部となる。質問と回答は、問診に関連していても、問診とは別でもよいと理解されたい。
【0532】
治療データは、本明細書の他の箇所でより詳しく説明するように1つ又は複数のセンサにより収集され得る。
【0533】
装置は、1つ又は複数のセンサからのセンサ出力を受け取り得て、治療データは1つ又は複数のセンサからのセンサ出力に基づき得る。
【0534】
1つ又は複数のセンサは、例えば図1に示される動作センサ3a、3b、3c等、装置の筐体内に配置され得る。別のセンサ位置は図8Aに示され、後で説明される。
【0535】
1つ又は複数のセンサは、例えば図1に示される患者センサ26等、装置から離れた場所に(すなわち、筐体の外部に)配置され得る。
【0536】
図22に示されるように、装置データは装置の1つ以上の特性、及び/又は装置の周囲環境に関するデータを含み得る。
【0537】
装置データは、装置の固有の識別手段を含み得る。
【0538】
装置データは、センサ較正プロファイル(装置の1つ又は複数のセンサの較正に関する情報を含む)を含み得る。
【0539】
装置データは、装置のソフトウェア又はファームウェアのソフトウェア及び/又はファームウェアバージョンを含み得る。
【0540】
装置データは、装置の総使用時間、又は装置の1つ以上のコンポーネント(例えば、導管又はブロワ)の使用時間を含み得る。
【0541】
装置データは、装置の1つ又は複数のコンポーネントの識別情報(例えば、気流発生器又はセンサのハードウェアバージョン)を含み得る。
【0542】
図23に示されるように、少なくとも1つの非治療モードで所定時間にわたり動作した後、装置は、以下の動作924、
a)データをある機器に転送する、又は
b)ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取る、又は
c)ある機器、又はその機器から治療パラメータを(任意選択により処方として)受け取る、又は
d)装置のパラメータを更新する、又は
e)a)~d)の何れかの組合せ
のうちの1つを行うように構成される。
【0543】
動作924は、同時に、又は逐次的に行われ得る。
【0544】
複数の動作924が開示されており、動作924の何れかの順序での何れかの組合せに加えて、何れの1つの動作も独立して実行できると理解されたい。
【0545】
動作924は、優先順位に従って実行され得る。各動作にはそれぞれの優先順位があり得、装置はこれらの動作を最も優先順位の高い動作から最も優先順位の低い動作へと順番に実行し得る。
【0546】
データをある機器に転送することは最も優先順位の高いタスクであり得、次に装置のパラメータを更新すること(例えば、センサ較正を行うこと)、次にある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取ること、次にある機器、又はその機器から治療パラメータを(任意選択により処方として)受け取ること、である。
【0547】
動作の優先順位は、例えば、装置がバッテリ電源から動作しているときに重要であり得、これは、バッテリ残量がなくなったときに装置が停止する可能性があるからである。動作が優先順位に従って行われることにより、機器に電源供給されている間にそれらが完了される可能性が高まる。
【0548】
幾つかの構成において、装置がバッテリ電源から動作しているときに、装置は動作を実行するのに必要なコンポーネント(例えば、転送若しくは受信時は通信モジュール、又はセンサ較正実行時はセンサ及び関連する回路に電力を提供することを優先させ得る。幾つかの構成において、これらの動作は、非治療モードの一部として、他のプロセスの前に行われ得る。
【0549】
乾燥モード及び殺菌モード中、気流発生器及びヒータワイヤが作動され、電力利用が増大し、したがって電力送達の優先順位は、動作を実行するのに必要なコンポーネントが高くされ得、及び/又は動作は非治療モードの一部として、他のプロセスの前に行われ得る。
【0550】
幾つかの構成において、装置は、装置のパラメータを更新し、その後このデータをある機器に転送するように構成される。この方式は、センサ較正情報がデータの転送に含められることを意味する。これによって、機器における故障の警報(例えば、電話等の機器を介する)並びに/又は機器における及び/若しくは患者及び装置管理機能部における故障の記録(例えば、点検修理技師に通知するため)をより早く行うことが可能となり得る。
【0551】
幾つかの構成において、装置は、データをある機器に転送し、その後、ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取り、その後、装置のパラメータを更新するように構成される。
【0552】
幾つかの構成において、装置は、装置のパラメータを更新し、その後、データをある機器に転送し、その後、ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取り、その後、装置のパラメータを、ある機器、又はその機器から受け取ったソフトウェアパッケージに基づいて更新するように構成される。
【0553】
装置は、ある機器、又はその機器からソフトウェアパッケージを受け取った後、ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取るように構成され得る。ソフトウェアパッケージを受け取った後に治療パラメータを更新することによって、新しい処方設定を適用する前に装置のソフトウェアインテグリティが保証される。
【0554】
装置は、データをある機器に転送した後に、ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取るように構成され得る。これは、更新された治療パラメータを(例えば、処方の更新として)装置から転送されたデータに基づいて非治療モード中に適用できることを意味する。装置から機器に転送されたデータに基づいて、装置及び/又は患者及び装置管理機能部にアクセスできる臨床医は、処方の更新に関する決定を下すことができる。さらに、非治療モードの幾つかは所定の時間にわたり続くため、臨床医が治療処方の変更を精査して承認し、それらを装置に取り込ませるのに十分な時間がある。
【0555】
装置は、ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取ってから、装置のパラメータを更新するように構成され得る。
【0556】
装置は、データを機器に転送してから、装置が、ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取るように構成され得る。
【0557】
ソフトウェアパッケージは、(装置の現在のソフトウェアパッケージと比較して)アップデートされたソフトウェアパッケージであり得る。
【0558】
幾つかの実施形態において、装置は、機器の現在のソフトウェアパッケージバージョンに基づいて、アップデートされたソフトウェアパッケージで利用可能なものがあるか否かを機器に質問するように構成され得る。任意選択により、装置は現在のソフトウェアパッケージバージョン、又は現在のソフトウェアパッケージのタイムスタンプを機器に通信する。
【0559】
装置は、ソフトウェアパッケージバージョンをチェックして、それが旧バージョンであれば、装置のソフトウェアパッケージをアップデートし得る。
【0560】
装置は、ソフトウェアパッケージのインストールが成功したら確認メッセージを機器に送信し得て、及び/又はソフトウェアのインストールがうまくいかなかった場合はエラーレポートを送信する。
【0561】
治療パラメータは、(装置の現在の治療パラメータと比較して)更新された治療パラメータであり得る。
【0562】
幾つかの実施形態において、装置は、装置の現在の治療パラメータに基づいて更新された治療パラメータが利用可能か否かを機器に質問するように構成される。任意選択により、装置は、現在の治療パラメータ及び/又は現在の治療パラメータバージョン、及び/又は現在の治療パラメータのタイムスタンプを機器に通信する。
【0563】
装置は、ソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータを機器に要求するように構成され得る。機器はすると、装置がそのソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータの受け取りを開始できるようにし得るか、装置がそのソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータを受け取ることのできる場所(例えば、他の機器)を提供し得る。
【0564】
ソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータの受け取りはフェッチ動作により開始され得ると理解されたく、すなわち装置は情報を機器に要求し、これは機器が更新されたソフトウェアパッケージ及び治療パラメータがあるとの通知を機器にプッシュするプッシュ動作と異なる。代替的に、ソフトウェアパッケージを受け取ることと治療パラメータを受け取ることは、機器からのプッシュ動作により開始され得る。
【0565】
図23は、装置が非治療モードで動作しているときに、装置が所定の時間にわたり非治療モードで動作していたか否かのチェックと特定923を装置が行うことを示している。装置が特定の時間にわたり非治療モードで動作していた場合923、装置は924の動作(前述のとおり)のうちの1つを実行する。
【0566】
機器は、
a)サーバ(ローカル又はリモートサーバである)
b)ローカル機器
c)リモート機器
d)a)~c)の何れかの組合せ
であり得る。
【0567】
幾つかの構成において、機器は例えば、電話(例えば、スマートフォン)コンピュータ(例えば、デスクトップ又はラップトップ)及び/又はタブレット及び/又はウェアラブル機器、例えばコンピューティング及び無線通信機能を有するスマートウォッチであり得る。
【0568】
機器は、コンテントデリバリネットワーク又はその他の機器の分散型プラットフォーム(例えば、クラウドコンピューティングプラットフォーム)の一部であり得る。
【0569】
装置及び機器は、患者及び装置管理プラットフォームの一部であり得る。
【0570】
患者及び装置管理プラットフォームは、1つのサーバ若しくはサーバのネットワーク、又はクラウドコンピューティングシステム又は患者及び装置管理プラットフォームを動作させるためのその他の適当なアーキテクチャであり得る。患者及び装置管理プラットフォーム(すなわち、少なくとも1つのリモートサーバを機器として含む)は、受け取ったデータと、様々な機能を行うために実行される各種のソフトウェアアプリケーション又はサービスを記憶するためのメモリをさらに含む。すると、例えば、患者及び装置管理プラットフォームは、情報又は命令を、少なくとも一部に受け取ったデータに応じて装置10に通信し得る。例えば、受け取ったデータの性質によって、リモートサーバ(又はリモートサーバ上で実行されるソフトウェアアプリケーション)が警報、アラーム、又は通知を装置10に通信するようにトリガし得る。
【0571】
患者及び装置管理プラットフォームはさらに、受け取ったデータを、臨床医又は患者等の許可を得た当事者又はその他の許可を得た当事者がアクセスするように記憶し得る。患者及び装置管理プラットフォームはさらに、許可を得た当事者からの要求に応答してレポートを作成するように構成され得る。レポートは、問診に対する回答及び/又はその他の患者の呼吸パラメータ、例えば呼吸数若しくはSpO2、及び/又はパラメータ、例えば流量、湿度レベルを(例えば、前述の治療レポートとして)含み得る。
【0572】
異なる種類のデータは異なる当事者に対して利用可能とされる異なる機器に提供され得る。例えば、装置データは点検修理技師に提供され得て、治療データは医療従事者に提供され得る)。
【0573】
図24は、患者に呼吸補助を提供するか、又は呼吸療法を提供するためのシステムを示すアーキテクチャ図を示す。データ(回答及び/又はダッシュボード及び/又はプロット)はすると、USB等の外部記憶装置、患者及び装置管理プラットフォーム、モバイル機器(例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ウェアラブル)、並びに保険会社又は機器提供業者に提供され得る。データがUSBに提供された場合、データは後でコンピュータにダウンロードされて、これはすると、このデータを患者及び装置管理プラットフォーム又は保険会社に提供できる。幾つかの実施形態において、移動装置又は患者及び装置管理プラットフォームは、データを呼吸補助装置に戻すことを可能にし得る(例えば、生理学的状態の変化やその患者の病理についての患者への情報)。
【0574】
上述の各々に関する機器は、同じ機器であっても異なる機器であってもよいと理解されたい。例えば、装置10はソフトウェアパッケージをそこから受け取った機器と同じ又は違う機器にデータを転送し得る。
【0575】
機器は患者及び装置管理プラットフォームの一部とすることができ、又は機器は患者及び装置管理プラットフォームのコンポーネントの何れかの機器又は機器の組合せとすることができる。
【0576】
幾つかの実施形態において、動作924は、装置が治療モードから非治療モードに移行するときにのみ行われる。
【0577】
幾つかの実施形態において、動作924は、治療セッションが完了した後の非治療モードでのみ行われる。
【0578】
機器に転送される治療データは、それまでに機器に転送されていない少なくとも1つの治療モードからのデータを含み得る。
【0579】
データは、装置が少なくとも1つの治療モードで動作しなかった場合でも機器に転送され得る。
【0580】
データは、機器へのデータの最後の転送から所定の時間が経過した後に機器に転送され得る(任意選択により、所定の時間は24時間である)。
【0581】
所定の時間は約5分~約25分であり得る。
【0582】
幾つかの実施形態において、所定の時間は5分より長い。
【0583】
幾つかの実施形態において、所定の時間は装置が非治療モードで動作するように構成された総時間より短い。例えば、乾燥モードが所定の長さの時間にわたり-すなわち90分間にわたり(例えば、乾燥プロセスとして)動作するように構成されている場合、所定の時間は90分未満となる。
【0584】
幾つかの実施形態において、所定の時間は装置が非治療モードで動作するように構成された総時間のうちのある割合である。幾つかの実施形態において、装置が非治療モードで動作するように構成された総時間のうちのある割合は、約50%未満、約40%未満、又は約30%未満である。例えば、乾燥モードが所定の長さの時間にわたり-すなわち90分間にわたり(例えば、乾燥プロセスとして)動作するように構成されている場合、所定の時間は例えば50%の割合で、45分となる。
【0585】
例えば、図25に示されるように、装置は、鼻ハイフロー(NHF)モードで動作した950後、治療セッションが完了した913場合(例えば、ユーザが治療セッションの完了を示すことによる)、乾燥モードで動作し得る。乾燥モードでは、加湿器のヒータが作動停止され、気流発生器が所定の流量でガスを提供している間に導管のヒータが作動される。乾燥モードでの動作中、ユーザは、乾燥モードが完了する前に装置の電源を切ることがある。ユーザが乾燥モードの完了前に装置をオフにしようとした場合、装置は、乾燥モードが未完了であるとユーザに警告するメッセージを表示し得る。
【0586】
装置が乾燥モードで所定の時間(この場合、10分間)にわたり動作した953後、装置は1つ又は複数の動作924を行い得る。例えば、装置は、データ(治療データと装置データを含む)をある機器(例えば、あるサーバ)に転送し、ある機器から(例えば、同じ又は異なるサーバから)ソフトウェアパッケージを受け取り、ある機器(例えば、同じ又は異なるサーバから)治療パラメータパッケージを受け取り得る。
【0587】
装置が動作924を行う間に、装置は装置の電源をオフにしないようにユーザに警告するメッセージを表示し得る。
【0588】
例えば、図26に示されるように、装置は、電源が投入されるとウォームアップモードで動作し得る951。ウォームアップモードでは、加湿器のヒータ及び呼吸導管のヒータが作動され、他方で気流発生器は作動停止される。
【0589】
装置10は、ウォームアップモードが完了すると(例えば、ユーザが治療セッションの開始を示すと)、NHFモードで動作し得る950。ウォームアップモードがその終了条件(例えば、所望の温度及び/又は所定の経過時間)に到達していない場合、装置はウォームアップモードが完了していないとのメッセージをユーザに対して表示し得る。
【0590】
装置がウォームアップモードで所定の時間(この場合、10分間)にわたり動作した後、装置は1つ又は複数の動作924を行い得る。例えば、装置は、データ(治療データと装置データを含む)をある機器(例えば、あるサーバに転送し、ある機器から(例えば、同じ又は異なるサーバから)ソフトウェアパッケージを受け取り、ある機器(例えば、同じ又は異なるサーバから)治療パラメータパッケージを受け取り得る。
【0591】
データが機器に転送されている間にユーザが装置の電源を切ろうとした場合、ユーザには視覚的インディケータ及び/又は音声インディケータが提示され得る。
【0592】
幾つかの実施形態において、データが機器にアップロードされている間にユーザには視覚的インディケータ及び/又は音声インディケータが提示される。
【0593】
視覚的インディケータは表示モジュール上で提示され得る。
【0594】
視覚的インディケータは、例えばモデムアイコンの絵及び/又はメッセージであり得る。
【0595】
装置は、動作が行われている間に電源が切られないようにされ得る。しかしながら、この場合のユーザにとっての不都合の可能性は限定的であり、それは、ユーザが非治療プロセスの終了前に装置の電源をオフにしたいとは思わないであろうからである。
【0596】
非治療モードでは、装置は非治療モード中に装置を使用しないようにユーザに警告するための視覚的インディケータをディスプレイ上に表示し得る。
【0597】
装置が非治療モードで所定の時間にわたり動作することによって、装置が治療モードを終了した直後に装置の電源が切られた場合には動作924が行われないことが確実となり、なぜならそれによって動作924を完了できなくなり得るからである。
【0598】
データの転送を容易にするため、並びに/又は装置からソフトウェアパッケージを受け取り、及び/若しくは治療パラメータを受け取るために、装置はネットワークインタフェース(すでにより詳しく説明した)を作動させ、データを機器に転送し、及び/又はある機器、若しくはその機器からソフトウェアパッケージ及び/又は治療パラメータを受け取るために機器との接続を確立するように構成される。
【0599】
ソフトウェアパッケージは、(例えば、装置の1つ又は複数のハードウェア機能を制御するための)ファームウェアアップデートを含み得る。追加的又は代替的に、ソフトウェアパッケージは(例えば、装置内のアルゴリズム又はルーチン、例えば制御アルゴリズムを更新するための)ソフトウェアアップデートを含み得る。
【0600】
幾つかの実施形態において、ソフトウェアパッケージを受け取った後、装置はこのソフトウェアパッケージを装置に適用する。
【0601】
このようにアップデートを受け取ることができることにより、装置の性能を向上させ得るアップデートの時宜を得たロールアウトが確実に行われる。
【0602】
非治療モードに入ってからの所定の時間遅延は、ソフトウェアパッケージを装置に適用するために重要であり得、これは、ソフトウェアパッケージのインストール中に装置の電源が切られると、それによってソフトウェアが適用されなくなるか、部分的にしか適用されなくなり得、それが装置の機能性に悪影響を与え得るからである。例えば、ソフトウェアパッケージが治療セッションの終了と同時に適用された場合に、ユーザは治療後に装置の電源を切ることがある。さらに、ソフトウェアパッケージがユーザにより選択されたときにのみ適用される場合(装置の電源が切られるリスクを軽減するため)、ユーザは、不都合から、重要ソフトウェアパッケージを適用しないことがある。他の例として、ソフトウェアパッケージが治療中に適用された場合、ある期間、不十分な治療が提供されるリスクがある。
【0603】
装置のパラメータを更新することは、装置の較正パラメータを更新することを含み得る。装置のパラメータを更新することは、センサ再較正を(例えば、後でより詳しく説明するように)実行することを含み得る。
【0604】
装置は、装置に関する1つ又は複数の更新されたパラメータをある機器から受け取り、これらの更新されたパラメータを装置に適用し得る。装置に関する更新されたパラメータには例えば、動作が行われる、非治療モードでの動作からの特定の時間、又はセンサ較正設定が含まれ得る。更新されたパラメータは、ソフトウェアパッケージの一部として受け取られ得る。
【0605】
幾つかの実施形態において、ある機器、又はその機器から治療パラメータを受け取った後、装置は装置のパラメータに更新を(例えば、処方更新として)適用する。治療パラメータは、特定の治療モードに特定であり得る。治療パラメータへの更新はまた、装置の治療パラメータの小部分のみを更新し得て、必ずしも装置の治療パラメータの全部とはかぎらない。
【0606】
例えば、治療パラメータへの更新には、例えばユーザに提供されるガスの酸素濃度の変化、及び/又はユーザに提供される湿度レベルの変化が含まれ得る。
【0607】
それに加えて、動作924が非治療モードでのみ行われるため、データの転送と受信が減少し、これは、データ通信料金が、装置が常にデータを転送及び受信している場合と比較して、削減できることを意味する。
【0608】
装置10は、装置が治療モードで動作していなかった場合、所定の長さの時間ごとに(例えば、所定の時間間隔で)機器に信号を送信し得る。幾つかの実施形態において、所定の長さの時間は24時間である。この場合、同時に装置データもまた送信され得る。
【0609】
信号の送信が成功しなかった場合(例えば、接続不良による)、装置は特定の時間後に、24時間経過するまで特定の試行回数を上限として送信を再試行する。前記特定の回数の施行後にも成功しない場合、装置は次の24時間の枠まで待機し、このプロセスを再開する。
【0610】
機器は、治療パラメータ又はソフトウェアパッケージの更新が利用可能であるとの通知を装置に送信し得る。この場合、装置は機器から更新をダウンロードし得るが、非治療モードで所定の時間が経過するまで待機してから、更新を適用し得る。
【0611】
装置がバッテリを介して、例えばバッテリを電源として(例えば、前述のとおり)動作しているとき、装置は、非動作モードで所定の時間が経過した後に、動作を行わないか、又は動作を行う前にユーザにその動作を確認することを促し得る。これによって、バッテリの電荷が保存され、又はユーザが装置の電源使用をより制御できるようになり得る。
【0612】
幾つかの実施形態において、装置がバッテリ電源を介して動作しているとき、ユーザは、装置に対して動作を実行するように(任意選択により、ユーザインタフェースへの入力を介して)マニュアルで促すことが可能であり得る。
【0613】
幾つかの実施形態において、装置がバッテリ電源を介して動作しているとき、ユーザは、非治療モードで所定の時間にわたり動作した後に、装置に対して動作を実行するようにマニュアルで促すことが可能であり得る。
【0614】
幾つかの実施形態において、装置が外部電源に再接続されると、装置はユーザに対して動作を実行するように促し得る(例えば、転送すべきデータがあるとき、又はアップデートされたソフトウェアパッケージがあるかを装置がチェックする時間になったとき)。
【0615】
幾つかの実施形態において、装置が外部電源に再接続されると、装置は、非治療モードで所定の時間にわたり動作した後、ユーザに動作を実行するように促し得る。
【0616】
装置がバッテリ充電状態に入ると(例えば、外部電源に接続されると)、装置は、直ちに動作を実行するか、バッテリ充電状態で所定の時間が経過した後(任意選択により、非治療モードで所定の時間にわたり動作した後)動作を実行するように構成され得る。
【0617】
所定の時間は、非治療モードでの動作に関して前述した所定の時間、又は約2分超、又は約5分超であり得る。
【0618】
幾つかの実施形態において、バッテリ充電状態には、装置の電源が投入されていないときに入り得る。
【0619】
点検修理作業(例えば、装置の一般的な点検修理、又は装置のコンポーネントの交換)が完了すると、装置は直ちに動作を実行するか、又は点検修理作業が完了してから所定の時間後に動作を実行するように構成され得る。
【0620】
幾つかの実施形態において、点検修理作業完了後、装置はユーザ(この場合、点検修理技師)に対し(前述のように)動作を実行するように促し得る。
【0621】
点検修理作業後に動作が行われることに関して、動作は通信モジュールが機能していることを確認するための接続性試験の役割を果たし得る。
【0622】
装置が移動状態(例えば、空路での移動又はユーザの通常の場所からの移動)となったとき、装置は、非治療モードで所定の時間が経過した後、動作を行わないか、又は動作を実行する前にユーザにその動作を確認するように促し得る。これによって、データ送信費用が限定され、又はバッテリの電荷が保存され得る。
【0623】
幾つかの実施形態において、装置が移動状態でなくなったとき、装置はユーザに対して動作を実行するように促し得る(例えば、転送すべきデータがあるとき、又はアップデートされたソフトウェアパッケージがあるかを装置がチェックする時間になったとき)。
【0624】
装置が移動状態であるとき、ユーザは装置に動作を実行するように(任意選択により、ユーザインタフェースへの入力を介して)マニュアルで促すことが可能であり得る。
【0625】
移動状態では、装置は航空機移動に関する規則に従って通信モジュール(又は通信モジュールの一部)を作動停止にし得る。幾つかの実施形態において、移動状態では装置はバッテリでも動作し得る。
【0626】
前述のように、装置は少なくとも1つの治療モードと少なくとも1つの非治療モードで動作するように構成される。
【0627】
図27に示されるように、装置が少なくとも1つの非治療モードで動作しているとき911、装置は装置のパラメータを更新する960ように構成される。非治療モードでは、(例えば、すでにより詳しく説明したように)装置が装置のパラメータを更新するための安全な機会が提供される。更新されたパラメータは、治療モード910中に使用され得て、例えば、(例えば、図28に示されるように)非治療モード911で更新されたセンサ較正パラメータ961は治療モード910で使用され得る。
【0628】
図29に示されるように、装置は、装置が少なくとも1つの非治療モードで所定の時間にわたり動作した970後に、装置のパラメータを更新する960ように構成される。
【0629】
幾つかの実施形態において、装置は、装置が非治療モードで約10分間動作した後、装置のパラメータを更新する960ように構成され得る。
【0630】
幾つかの構成において、装置は、装置の非治療モードでの動作が終了する約5分前に、装置のパラメータを更新する960ように構成され得る。
【0631】
代替的又は追加的に、図30に示されるように、装置は、非治療モード971の終了時に装置のパラメータを更新する960ように構成される。
【0632】
幾つかの構成において、例えば、図25のステップ924の一部として、装置は、データを機器に転送する前に装置のパラメータを更新するように構成され得る。転送されるデータには例えば、装置の更新されたパラメータが含まれ得る。
【0633】
図25Aに示されるように、治療モードでの動作950後に、例えば治療セッションが完了すると913(例えば、すでにより詳しく説明したように、治療終了コマンドの後に)、装置は乾燥モードで動作し得る。乾燥モードで、加湿器のヒータが作動停止され、導管のヒータは、気流発生器が所定の流量でガスを提供している間に作動される。乾燥モードでの動作中、ユーザは、乾燥モードが完了する前に装置の電源を切ることがある。ユーザが乾燥モード完了前に装置をオフにしようとすると、装置は、乾燥モードが未完了であることをユーザに警告するメッセージを表示し得る。
【0634】
装置が所定の時間(この場合、10分間)にわたり乾燥モードで動作した953後、装置は装置の少なくとも1つのパラメータを更新し得る960。パラメータは、他の箇所により詳しく記載されているように1つ又は複数のセンサ較正パラメータを含み得る。1つ又は複数のセンサ較正パラメータが更新された後、装置はステップ924''に進み、そこで装置はデータを機器に転送する。データは、1つ又は複数のセンサ較正パラメータを含み得る。データは、すでにより詳しく説明した他のデータ、例えば治療データ及び/又は装置データを含み得る。幾つかの構成において、装置は、(例えば、他の箇所でより詳しく説明され、例えば図31に示されるように)1つ又は複数のセンサ較正パラメータが更新された後に1つ又は複数の動作924を実行し得る。
【0635】
装置が動作924を実行する間に、装置は装置の電源を切らないようにユーザに警告するメッセージを表示し得る。
【0636】
図31に示されるように、装置は非治療モードの終了時972に、装置のパラメータを更新し960、その後、すでにより詳しく説明したように別の動作を行うように構成され得る。幾つかの構成において、装置は、ユーザインタフェースを介して装置のパラメータの更新を確認するようにとのプロンプトをユーザに提供し得る。
【0637】
幾つかの非治療モード(例えば、乾燥モード及び/又はウォームアップモード及び/又はクールダウンモード及び/又は殺菌モード)中に装置のパラメータを更新することによって、装置は装置が非治療モードである時間を有効に利用することが可能となり得る。これは、装置が装置の通常の動作中に生じる幾つかの非治療モードを実行している間に装置のパラメータが更新され得ることを意味する。これは、装置が装置のパラメータを更新するために幾つかの非治療モードの実行を停止する必要がないことを意味し得る。
【0638】
さらに、前述のように、装置は治療モード中に装置のパラメータを更新する必要がない。治療モード中に装置のパラメータを更新することによって、患者へのリスクが高まり得て、これは、更新が、治療の送達を停止する必要があるか、治療が必要な治療パラメータで提供されなくなることを意味し得るからである。
【0639】
装置がパラメータを更新する別のモードがあることは、ユーザにより積極的に選択されなければならず、また、このことによってユーザは装置を更新したがらなくなることがあるため、ユーザにとってより不都合であり得る。これは、装置が頻繁に更新されないことにつながり得て、これは治療を損ない得る。パラメータが更新されていないときは装置が動作しないようにすることは、例えばユーザが治療を必要としているが、装置が使用前にパラメータを更新するのを待たなければならない場合、リスクとなり得る。
【0640】
幾つかの構成において、装置の更新されたパラメータは少なくとも1つのセンサのセンサ較正パラメータを含み得る。
【0641】
センサの正確さは時間が経つと劣化するか、損傷や誤った使用によって損なわれ得る。センサが適正に較正された状態でないと、装置は適切な治療を提供することができない可能性がある。センサが適正に較正されていない場合、装置の制御システムは、装置の機能を制御できないことがあり得る。
【0642】
例えば、流量センサ(すなわち、超音波流量センサ)が適正に較正されていないと、装置はフローを利用する治療(例えば、ハイフロー療法)を正確に提供できないことがあり得る。
【0643】
別の例として、圧力センサが適正に較正されていないと、装置は圧力を利用する治療(例えば、CPAP、BCPAP、及び/又はバイレベル療法)を正確に提供できないことがあり得る。
【0644】
別の例として、酸素濃度センサ(すなわち、超音波酸素濃度センサ)が適正に較正されていないと、装置はユーザに提供される酸素の量を正確に制御できないことがあり得る。これは、ユーザに治療酸素濃度が提供されないことを意味し得て、ユーザは酸化不足又は過剰となりかねず、これは健康上のマイナスの結果につながり得る。
【0645】
センサ較正パラメータを更新することにより、装置の安全且つ適正な機能が確実となり得る。
【0646】
幾つかの構成において、少なくとも1つのセンサは装置内の何れかのセンサであり得る。例えば、少なくとも1つのセンサは、本明細書中の他の箇所に記載の何れかのセンサであり得る。幾つかの構成において、少なくとも1つのセンサは装置に関連付けられ得る。例えば、少なくとも1つのセンサは装置に接続され得る。
【0647】
少なくとも1つのセンサは、
・圧力センサ
・温度センサ
・湿度センサ
・酸素濃度センサ
・流量センサ
のうちの何れかの1つであり得る。
【0648】
圧力センサは、絶対圧力センサ又は差圧センサであり得る。
【0649】
少なくとも1つのセンサは、(すでにより詳しく説明したように)センサモジュールの一部であり得る。幾つかの構成において、センサアセンブリは少なくとも1つの、又は複数のセンサ(例えば、温度及び湿度センサ)を含み得る。
【0650】
センサは、ある特性(例えば、ガスの特性)を測定するように構成され得て、例えば圧力センサはガスの圧力を測定するように構成され得る。
【0651】
例えば図8Aに関してすでにより詳しく説明したように、少なくとも1つのセンサは以下のうちの1つ又は複数に配置され得る:
・センサモジュール(任意選択により、センサモジュールは流量発生器の一部として、及び/又はブロワと加湿器との間に配置され得る)-例えばセンサ44
・気流発生器-例えば、センサ3a、44及び/又は43
・気流発生器の上流の位置-例えば、センサ41及び/又は42
・気流発生器の下流の位置-例えば、センサ44、46、及び/又は48
・加湿器-例えば、センサ45及び/又は46
・加湿器の上流の位置-例えば、センサ41、42、及び/又は44
・加湿器の下流の位置-例えば、センサ46及び/又は48
・加湿器のガス出口に接続され、ガスフローをユーザへと輸送するように構成された導管(任意選択により、導管の、患者インタフェースに近いユーザ端において)-例えば、センサ48
・患者インタフェース
・周囲センサ-例えば、センサ40
・測定チャンバ(任意選択により、センサモジュールの一部として)-例えば、センサ44
・加湿入口及び/又は加湿チャンバ入口
・加湿出口及び/又は加湿チャンバ出口-例えば、センサ46
・制御基板-例えば、センサ43、44、及び/又は47
【0652】
例えば、動作センサ3a、3b、3c、及び29は図1に示されるように装置1に含められ、及び/又はセンサ40、41、42、43、44、45、46、47、及び48は図8Aに示されるように含められる。動作センサは前述のような場所の何れにもあり得、又はセンサの何れも前述のようにあり得る。
【0653】
センサ較正パラメータは、少なくとも1つのセンサの出力とセンサが測定するように構成された特性との関係に関し得る。センサ較正パラメータは、
・較正係数
・較正曲線
・センサの内部パラメータ
のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0654】
例えば、較正係数又は曲線は、センサの出力とセンサが測定するように構成された特性との関係を特定するための式の一部として使用される係数又は曲線であり得る。
【0655】
補正曲線又は係数は例えば、センサ出力に適用されるオフセットであり得る。
【0656】
幾つかの構成において、センサ較正パラメータは、(例えば、複数の式からの選択に基づいて)使用される特定の式であり得る。
【0657】
幾つかの構成において、センサの内部パラメータは更新され得る。内部パラメータは、センサが出力を提供する中で使用され得る。
【0658】
装置は、少なくとも1つのセンサのセンサ較正パラメータを少なくとも1回、任意選択により複数回更新するように構成され得る。例えば、装置は少なくとも1つのセンサのセンサ較正パラメータを更新し、所定の時間後に少なくとも1つのセンサのセンサ較正パラメータを再び更新し得る。例えば、非治療モード中、センサ較正パラメータは複数回更新され得る。
【0659】
装置は、センサ較正パラメータを少なくとも1つのセンサ及び別のセンサの出力に基づいて更新するように構成され得る。1つのセンサの出力は、別のセンサの出力と比較されて、センサ較正パラメータが比較結果に基づいて特定され得る。
【0660】
センサ較正パラメータは、装置によって、その少なくとも1つのセンサが測定するように構成された特性を、その少なくとも1つのセンサの出力に基づいて特定するために使用され得る。さらに、装置は、制御スキームをセンサ較正パラメータに基づいて更新するように構成され得る。例えば、装置(例えば、装置の加湿器)の湿度出力をセンサ較正パラメータに基づいて制御するために、異なる湿度制御スキームが使用され得る。
【0661】
センサ較正パラメータは、装置のメモリに保存され得る。
【0662】
センサ較正パラメータは、装置によって治療モードにおいて使用され得る。
【0663】
装置は、センサのエラーが許容差の範囲外である場合にセンサ較正パラメータを更新するように構成され得る。許容差は、センサの具体的な種類及び/又は場所に基づき得る。例えば、酸素濃度センサ(後でより詳しく説明する)の許容差は+/-3%である。
【0664】
許容差は、仕様許容差及び/又は治療許容差を含み得る。仕様許容差は、センサの具体的な仕様に基づき得て、仕様許容差範囲外であることは、センサの故障(すなわち、センサの較正不良)を示し得る。許容治療公差は、センサが治療の提供において使用するために容認可能なものとなることができることに関連する許容差であり得る。
【0665】
治療許容差は、具体的なセンサの位置とセンサの種類に基づき得る。治療許容差は、装置制御システムの及び制御におけるセンサの使用に基づき得る。
【0666】
仕様許容差の範囲内にとどまらない場合、装置は故障を戻し、装置の使用、すなわちセンサ較正不良として、阻止し得る。
【0667】
治療許容差の範囲内にとどまらない場合、装置はそのセンサのセンサ較正パラメータを更新し得る。
【0668】
センサのエラーが許容差範囲内であれば(すなわち、センサの較正が成功した場合)、装置はそのセンサについてはセンサ較正パラメータを更新せず、現在のセンサ較正パラメータを引き続き使用し得る。センサのエラーが許容差の範囲外であれば、装置はそのセンサのセンサ較正パラメータを更新し得て、この場合もセンサ較正の成功に分類され得る。
【0669】
センサのエラーは例えば、装置内のセンサ(例えば、後述の第一のセンサと第二のセンサ)の出力を比較すること、及び/又は後でより詳しく説明するように特定の試験を実行することによって特定され得る。
【0670】
エラーがセンサの出力の比較に基づく状況では、センサのうちの1つが正しいと仮定され、エラーはこのセンサから特定される。正しいと仮定される特定のセンサは、例えばセンサの種類、センサの位置、及びセンサエラー、並びに装置の状況に依存し得る。装置は、正しいと仮定される特定のセンサについて、それが正しいと仮定する前に、1つ又は複数のチェックを実行し得る。例えば、正しいと仮定されたセンサが温度センサであり、温度が許容範囲外である場合、装置はそのセンサが正しいとは仮定しないことがあり得る。
【0671】
装置が、センサは許容範囲外であることを検出した場合、及び/又はセンサ較正パラメータが閾値より大きく変化した場合、装置は以下のうちの何れかの組合せを実行し得る:
a)装置のアラームを発動する(例えば、音声及び/又は視覚的アラーム)
b)アラーム条件を機器に送信する(例えば、本明細書中の他の箇所に記載の機器であり、この機器は例えば、ユーザの機器又は臨床医の機器であり得る)。
c)装置の動作を防止する(幾つかの構成では、ユーザがアラームを認識した後に装置は動作することが許容され得て、幾つかの構成では、装置が動作することが許容される前に、点検修理技師が装置を修理及び/又は点検する必要があり得る)。
d)レポートを生成し、このレポートは、センサ較正プロセスに関する情報(例えば、エラー及び、センサが公差範囲内か公差範囲後か、較正の成功若しくは失敗、及び/又はセンサの故障に対する解決策を含む)を含む。レポートは、機器に転送されるか、任意選択により、機器に転送されるデータの一部であり得る。幾つかの構成において、レポートは装置のディスプレイ及び/又は機器のディスプレイ上に表示される。
e)装置のディスプレイ及び/又は機器のディスプレイを介して、センサ較正プロセスに関する情報(例えば、エラー及びセンサが公差範囲内か公差範囲外か、較正の成功若しくは失敗、及び/又はセンサの故障に対する解決策を含む)を表示する。
【0672】
以下に、少なくとも1つのセンサに関するセンサ較正パラメータの更新の幾つかの例を示す。以下の例の何れの組合せも組み合わせられ得ると理解されたい。
【0673】
センサ較正パラメータは、センサのうちの少なくとも1つについて更新され得る。センサ較正パラメータは、同時又は逐次的に更新され得る。
【0674】
各センサについて複数の試験を実行して、そのセンサに関連するセンサ較正パラメータを更新できる。例えば、流量センサの場合、(後でより詳しく説明するように)0流量較正を所定の流量較正と共に実行できる。
【0675】
幾つかの構成において、少なくとも1つのセンサは第一のセンサを含み、別のセンサは第二のセンサを含む。装置1は、第一のセンサに関するセンサ較正パラメータを第二のセンサの出力に基づいて更新するように構成され得る。センサ較正パラメータは、第二のセンサの出力に基づく第一のセンサの出力間の比較に基づき得る。例えば、図32に示されるように、ステップ991で、装置1は第一のセンサの出力を特定し、ステップ992で、装置1は第二のセンサの出力を特定し、ステップ990で、装置1はセンサ較正パラメータを第一のセンサの出力と第二のセンサの出力に基づいて特定する。ステップ991及び992は並行して実行できると理解されたい。
【0676】
第一のセンサは周囲センサであり得、第二のセンサは装置の流路内に配置されたセンサであり得る。
【0677】
非治療モードでは、コントローラは、気流発生器からガスが提供されず、流路内のガスの状態が周囲の状態と同じとなるように気流発生器を制御し得る。
【0678】
幾つかの構成において、第一のセンサは第二のセンサと同じ場所に配置され得る(例えば、周囲センサとして、又はガスの流路内に配置される)。
【0679】
圧力センサ、温度センサ、流量センサ、及び湿度センサに関する具体的例を以下に概説する。以下の例では、第一のセンサと第二のセンサは入れ替え得ると理解されたい。
【0680】
幾つかの構成において、少なくとも1つのセンサは第一の圧力センサを含み、別のセンサは第二の圧力センサを含む。装置1は、第一の圧力センサに関するセンサ較正パラメータを第二の圧力センサの出力に基づいて更新するように構成され得る。センサ較正パラメータは、第一の圧力センサの出力と第二の圧力センサの出力との比較に基づき得る。
【0681】
第一の圧力センサは周囲圧力センサであり得、第二の圧力センサは装置の流路内に配置された圧力センサである。
【0682】
幾つかの構成において、圧力センサはセンサ40、41、42、44、46、及び/又は48であり得る。
【0683】
幾つかの構成において、装置が補助ガス入口センサ42を較正しているとき、装置はユーザに、補助ガス入口にガス供給が接続されておらず、周囲圧力が補助ガス入口における圧力と同じであることを確認するように促し得る。
【0684】
装置は、補助ガス入口及び/又は代替用ガス入口の一方又は両方へのガス供給が検出されるか否かを特定し得る。ガス供給の検出方法は、PCT国際公開第2021/048744号において開示されているようなものであり得、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
【0685】
補助ガス入口に接続されたガス供給の存在は、バルブをパルス動作させ(例えば、それを短時間だけ全開にしてから閉じる)、ガス組成におけるその後の変動を(酸素濃度センサを介して)観察することによって検出され得る。この手順中、ブロワは所定の流量で流量を提供し得る。
【0686】
非治療モードでは、コントローラは、気流発生器からガスフローが提供されず、周囲圧力が流路内のガスの圧力と同じになる(すなわち、ガスの流路が周囲と同じ圧力である)ように気流発生器を制御し得る。
【0687】
幾つかの構成において、第一の圧力センサは第二の圧力センサと同じ位置に配置され得る(例えば、周囲センサとして、又はガスの流路内に配置される)。
【0688】
幾つかの構成において、非治療モード中、装置はガスフローを提供しないように気流発生器を制御し得る(すなわち、気流発生器を流量0に制御する)。例えば、非治療モードが乾燥モードである場合(気流発生器が所定の流量及び/又はモータスピードを提供するように制御される場合)、装置は気流発生器を流量0に(例えば、ブロワを切ることによって)制御し、少なくとも1つのセンサ較正パラメータを第二の圧力センサの出力に基づく第一の圧力センサの出力間の比較に基づいて更新し得る。装置は、乾燥モード中にセンサ較正パラメータを複数回更新し得る。
【0689】
流量0はゼロ流量か、ガスの流量が無意味である程度にゼロに近いものであり得る。
【0690】
幾つかの構成において、圧力センサは周囲環境とガス流路との圧力差を測定するように構成された差圧センサであり得る。この場合、センサ較正パラメータは、(前述のように)ガスフローが提供されず、それによって周囲圧力が流路内のガスの圧力と同じであり、差圧センサの出力がゼロになるはずであるときの圧力センサの出力に基づいて特定され得る。
【0691】
圧力センサの許容差は、約+/-2cmHO~約+/-3cmHO、又は約+/-5cmHO~約+/-15cmHO、又は約+/-10cmHOであり得る。エラーは、第一の圧力センサ及び第二の圧力センサの出力間の差であり得る。
【0692】
幾つかの構成において、少なくとも1つのセンサは第一の温度センサを含み、別のセンサは第二の温度センサを含む。装置は、第一の温度センサのセンサ較正パラメータを第二の温度センサの出力に基づいて更新するように構成される。センサ較正パラメータは、第一の温度センサの出力と第二の温度センサの出力との比較に基づき得る。
【0693】
第一の温度センサは気温センサ(例えば、追加のセンサ40)であり得、第二の温度センサは、装置に接続されるように構成された導管の患者端に、又はその付近に配置された患者端温度センサであり得る。幾つかの構成において、第一の温度センサは、装置に接続されるように構成された導管の患者端に、又はその付近に配置された患者端温度センサであり得、第二の温度センサは気温センサであり得る。
【0694】
第一の温度センサは第二の温度センサと同じ場所に配置され得る(例えば、周囲センサとして、又はガスの流路内に配置される)。
【0695】
温度センサの許容差は、約+/-0℃~約3℃、又は約0.5℃~約1℃、又は約+/-3℃であり得る。エラーは、第一の温度センサ及び第二の温度センサの出力間の差であり得る。
【0696】
幾つかの構成において、温度センサはセンサ40、41、42、44、46、及び/又は48であり得る。
【0697】
幾つかの構成において、少なくとも1つのセンサは第一の流量センサを含み、別のセンサは第二の流量センサを含む。装置1は、第一の流量センサに関するセンサ較正パラメータを第二の流量センサの出力に基づいて更新するように構成され得る。センサ較正パラメータは、第一の流量センサの出力と第二の流量センサの出力との比較に基づき得る。
【0698】
第一の流量センサは熱線風力計(例えば、加熱サーミスタ)型であり得、第二の流量センサは超音波センサであり得る(他の箇所でより詳しく説明されているとおり)。幾つかの構成において、第一の流量センサは超音波センサであり得、第二の流量センサは熱線式風力計(例えば、加熱サーミスタ)型センサであり得る。
【0699】
第一の流量及び第二の流量センサ間の許容差は、約+/-0.5LPM~約+/-5LPM、又は約+/-1LPM~約+/-4LPM、又は約+/-3LPM、又は約+/-2.5LPMであり得る。
【0700】
エラーは、第一の流量センサと第二の流量センサの出力差であり得る。
【0701】
幾つかの構成において、流量センサはセンサ44(及び、例えばサーミスタ2206及び超音波トランスデューサ2204)であり得る。
【0702】
非治療モードでは、装置は加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータワイヤに所定の時間にわたり電力を提供せず、それによって気温を流路内のガスの温度と同じにするように構成され得る。これは、非治療モードの終了に向かって(例えば、非治療モード終了前の所定の時間にわたり)及び/又は、他の何れかの箇所に記載されているように他のセンサ較正パラメータが特定された後で行われ得る。
【0703】
装置は、少なくとも1つのバルブを含み得る。少なくとも1つのバルブは、すでにより詳しく説明したバルブモジュールであるか、その一部であり得る。
【0704】
少なくとも1つのバルブは、補助ガス源に接続されるように構成され得て、補助ガスは例えば酸素であり得る。
【0705】
少なくとも1つのバルブは、補助ガスフローを制御し得る。幾つかの構成において、少なくとも1つのバルブは補助ガスフローを補助ガス濃度に到達するように制御し得る。例えば、少なくとも1つのバルブは、(ユーザに提供されるガスフローの)補助ガス濃度を治療患者酸素濃度に到達するように制御し得る。幾つかの構成において、装置は少なくとも1つの患者酸素飽和度センサをさらに含み得て、少なくとも1つのバルブの、補助ガス濃度を治療患者酸素飽和度に到達するように制御するための動作は、少なくとも1つの患者酸素飽和度センサの出力に基づき得る。別の例として、装置は、ガスフローが治療酸素濃度でユーザに提供され得るように補助ガス濃度を制御すべくバルブを動作させるように構成され得る。
【0706】
補助ガスフローは、周囲空気と配合されるように構成され得る。配合された補助ガスと周囲空気は気流発生器に提供され得る。
【0707】
幾つかの構成において、補助ガスフローは、気流発生器により発生されたガスフローに添加されるように構成され得る。
【0708】
幾つかの構成において、装置がパラメータを更新しているとき、少なくとも1つのバルブは補助ガスフローを阻止するように動作され得るが、少なくとも1つのバルブがそのように動作されているとき、ガスフロー中の補助ガスの濃度は周囲空気中の補助ガスの濃度であると仮定され得る。幾つかの構成において、装置が装置のパラメータを更新する前に、装置はユーザに対し、補助ガス源を代替的な供給入口から切断するように(任意選択により、ユーザインタフェースを介して)促すように構成され得る。
【0709】
代替用供給入口は、補助ガス源に接続されるように構成され得る。代替用供給入口からの補助ガスフローは、周囲空気と配合されるように構成され得て、配合された補助ガスと周囲空気は気流発生器に提供され得る。代替用供給入口からの補助ガスフローは、気流発生器により発生されるガスフローに添加されるように構成され得る。
【0710】
少なくとも1つのセンサは酸素濃度センサであり得る。酸素濃度センサは例えば、超音波センサを含み得る。超音波センサは、すでにより詳しく説明したように超音波トランスデューサであり得る。
【0711】
装置は、ガスフローの一部として補助ガスが提供されない場合及び/又はガスフローの一部として補助ガスが提供されるときの酸素濃度センサの出力を特定するように構成され得る。酸素濃度センサの出力は、ガスフローの酸素濃度を示し得る。
【0712】
装置は、酸素濃度センサ較正パラメータを特定するように構成され得る。
【0713】
装置は、ガスフローの一部として補助ガスが提供されないように構成され得る。ガスフローの一部として補助ガスが提供されないように装置1を構成することは、少なくとも1つのバルブを制御して、補助ガスを提供しないように制御することによる、及び/又はユーザに対し、補助ガスが提供されるのを防止するための動作を行う(例えば、補助ガス源を切断することによる)ように促すことにより得る。
【0714】
幾つかの構成において、(例えばガスフローの一部として補助ガスが提供されないことが確認された場合、)酸素濃度センサ較正パラメータは酸素濃度センサの出力及び/又は推定周囲酸素濃度に基づいて特定される。推定周囲酸素濃度は、例えば約19%~約23%、又は約20.9%、又は約21%、又は約22%であり得る。
【0715】
例えば、図33に示されるように、ステップ911で、装置は非治療モードで動作していて、ステップ995で、装置1は補助ガスがガスフローの一部として提供されているかを特定する。補助ガスが提供されていれば、装置は非治療モードでの動作を続け、補助ガスが提供されていなければ、装置はステップ993に進み、酸素濃度センサの出力を特定する。ステップ996で、装置1は、酸素濃度センサ較正パラメータを酸素濃度センサの出力に基づいて特定する。
【0716】
酸素濃度センサパラメータはそれに加えて、例えば他のセンサにより測定され、推定され、又はユーザインタフェースを介してユーザにより入力され得る推定周囲酸素濃度に基づいて特定され得る。
【0717】
幾つかの構成において、(例えば、補助ガスがガスフローの一部として提供される場合、及び/又は周囲空気がガスフローの一部として提供されない場合、)酸素濃度センサ較正パラメータは酸素濃度センサの出力及び/又は所定の酸素濃度に基づいて特定され得る。所定の酸素濃度は、例えば100%であり得る。幾つかの構成において、所定の酸素濃度はユーザにより入力され得る。
【0718】
幾つかの構成において、装置は、ガスフローの一部として周囲空気が提供され得ないように構成され得る。周囲空気がガスフローの一部として提供されないように装置1を構成することは、補助ガスのみを提供するように少なくとも1つのバルブを制御することによる、及び/又はユーザに対し、周囲空気が提供されないようにするための動作を行うように促すことにより得る。
【0719】
幾つかの構成において、ユーザは補助源を装置に接続し、補助源の酸素濃度を示すように促され得る。
【0720】
酸素濃度センサ較正パラメータを特定した後、装置は気流発生器を所定の流量で、及び/又は所定のモータスピードで動作させるように構成され得る。幾つかの構成において、装置は、装置が酸素濃度センサ較正パラメータを特定した後に、気流発生器を所定の流量及び/又は所定のモータスピードで動作させるように構成され得る。これは、システムが治療モードに入る前に、システムから全ての酸素を排出させるのに役立ち得る。
【0721】
少なくとも1つのセンサは流量センサであり得る。流量センサは、ガスフローの流量を測定するように構成され得る。
【0722】
非治療モード中、装置は、気流発生器がガスフローを発生させるのを停止させ、流量センサの出力を特定するように構成され得て、出力はガスの流量を示し得る。
【0723】
図34に示されるように、装置は、ステップ984で気流発生器を0流量に制御した後、ステップ986で流量センサ較正パラメータを流量センサの出力(ステップ985で特定される)及び/又は特定された0流量に基づいて特定するように構成され得る。流量センサ較正パラメータは、流量センサの出力に適用され得る。所定の0流量は例えば0LPMであり得る。
【0724】
非治療モード中、装置は、気流発生器がガスフローを発生させている間に、流量センサの出力を特定するように構成され得る。出力は、ガスの流量を示し得る。装置は、流量センサ較正パラメータを流量センサの出力及び/又は所定の流量に基づいて特定するように構成され得る。パラメータは流量センサの出力に適用され得る。所定の流量は、0LPMより大きく、又は約10LPM、又は約20LPM、又は約30LPM、又は約40LPM、又は約50LPM、又は約60LPM、又は約70LPMであり得る。
【0725】
所定の流量は、(例えば、前述のモータスピードセンサからの)モータスピードに基づき得る。モータスピードと流量との関係は、式及び/又はルックアップテーブルに基づき得て、モータスピードはそれに関連する流量に対応する。
【0726】
装置は、流量センサ較正パラメータを流量センサの出力及び/又はモータスピードに基づいて特定するように構成され得る。例えば、前述のように、モータスピードから流量センサの出力がわかると予想される。例えば、特定のモータスピードで(及び任意選択により、患者に接続されない状態で)、特定のフローが予想されるはずであることが知られ得る。流量センサが所定の許容差外で測定した場合、流量センサ較正パラメータを更新できる。
【0727】
流量センサの許容差は、約+/-0.1LPM~約+/-3LPM、又は約+/-0.5LPM~約+/-1LPMであり得る。
【0728】
0流量に関する許容差は、0流量とフローが提供されないときの流量センサの出力との差であり得る。
【0729】
所定の流量に関する許容差は、所定の流量と所定の流量での流量センサの出力との差であり得る。
【0730】
非治療モード中の流量センサ較正パラメータを特定することは有利であり得、それは、非治療流量が提供される可能性があるからである(例えば、患者にとって適当でない、又は処方のとおりでないものであり、これは例えば典型的な治療流量より低いか、高い。
【0731】
さらに、非治療モード中、患者は接続されず、それによってシステムの特性は一貫している(例えば、気流発生器と導管又は殺菌導管の端との間のフローコンダクタンス)。したがって、流量とモータスピードとの間の、及び/又は測定された流量とモータスピードとの間の関係はより信頼性の高いものとなり得る。
【0732】
さらに、殺菌モード等、患者インタフェースが切断され、既知の特性(フローコンダクタンス等)を有する特定のチューブが装置入口/出口とループ状に接続される特定の非治療モードでは、比較はさらにより信頼性の高いものとなる。さらに、インタフェースの種類の違いを考慮する必要がないことがある。
【0733】
装置は、湿度センサの出力を特定するように構成され得る。出力は、ガスフローの湿度を示し得る。幾つかの構成において、装置は、補助ガスがガスフローとして提供されるときに湿度センサの出力(ガスフローの湿度を示す)を特定するように構成され得る。幾つかの構成において、装置は、ガスフロー中に周囲空気がないときに、湿度センサの出力(ガスフローの湿度を示す)を特定するように構成され得る。
【0734】
図35に示されるように、幾つかの構成において、装置はステップ987で湿度センサ較正パラメータを湿度センサの出力及び/又は所定の湿度に基づいて特定するように構成される。所定の湿度は、例えば相対湿度0%、又は絶対湿度0であり得る。幾つかの構成において、コントローラは湿度センサ較正パラメータを他の湿度センサの出力に基づいて特定するように構成され得る。
【0735】
湿度センサ及び/又は他の湿度センサは、周囲湿度センサ又はガスフロー湿度センサを含み得る。
【0736】
幾つかの構成において、少なくとも1つのセンサは第一の湿度センサ及び第二の湿度センサを含み得る。装置1は、第一の湿度センサに関するセンサ較正パラメータを第二の湿度センサの出力に基づいて更新するように構成され得る。センサ較正パラメータは、第二の湿度センサの出力に基づく第一の湿度センサの出力間の比較に基づき得る。
【0737】
第一の湿度センサは周囲湿度センサであり得、第二の湿度センサは装置の流路内に配置される。
【0738】
非治療モードにおいて、コントローラは、気流発生器からガスフローが提供されず、それによって周囲湿度が流路内のガスの圧力と同じになる(すなわち、ガスの流路が周囲と同じ湿度となる)ように気流発生器を制御し得る。
【0739】
幾つかの構成において、第一の湿度センサは第二の湿度センサと同じ場所に配置され得る(例えば、周囲センサとして、又はガスの流路内に配置される)。
【0740】
湿度センサの許容差は、約+/-0%~約+/-5%、又は約+/-0%~約+/-2%、又は約+/-2%であり得る。パーセンテージは、サンプリングされる環境中の水蒸気のパーセンテージであり得る。
【0741】
許容差は、第一の湿度センサの出力と第二の湿度センサの出力との差であり得る。
【0742】
装置は、少なくとも1つの非治療モードでの動作中、ユーザに治療が提供されないように構成され得る。少なくとも1つの非治療モードは、
導管を乾燥するように構成される乾燥モード、及び/又は
ウォームアップモード、及び/又は
スタンバイモード
のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0743】
装置は、少なくとも1つの治療モードでの動作中、ユーザに治療が提供されるように構成され得る。少なくとも1つの治療モードは、
持続陽圧呼吸療法(CPAP)モード、及び/又は
バブル持続陽圧呼吸療法(BCPAP)モード、及び/又は
鼻ハイフロー(NHF)モード、及び/又は
バイレベル(例えば、NIV)モード
のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0744】
図36に示されるように、幾つかの構成において、装置は、少なくとも1つの治療モードの完了914後、自動的に少なくとも1つの非治療モードで動作する911ように構成される。
【0745】
装置は、非治療モードの終了時及び/又は非治療モードの開始時に装置のパラメータを更新するように構成され得る。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図25A
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
【国際調査報告】