(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】払拭システム用のアダプタ
(51)【国際特許分類】
B60S 1/40 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
B60S1/40 300F
B60S1/40 300B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568140
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2022060770
(87)【国際公開番号】W WO2022233609
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ゴシェ
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌ、ウサ
(72)【発明者】
【氏名】エリック、ポトン
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ、ジョマール
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AB01
3D225AC01
3D225AD02
3D225AD03
3D225AE25
(57)【要約】
本発明は、ワイパーブレードを払拭システムのアームに取り付けるためのアダプタ(6)に関する。前記アダプタ(6)は、主縦方向延在方向を有するとともに、前記ワイパーブレードのコネクタに回転軸を中心として枢動可能に装着されるように構成される。前記アダプタ(6)は、前記アダプタ(6)を前記アームに対してロックすることが意図されたロック部材(56)を支持する少なくとも1つの弾性的に変形可能なタブ(48)を備える。前記アダプタは、前記弾性的に変形可能なタブ(48)の前記変位を制限するための少なくとも1つの部材(60)をも備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパー(2)を払拭システム(1)のアーム(4)に固定するためのアダプタ(6)であって、
前記アダプタ(6)は、縦方向を有するとともに、前記ワイパー(2)のコネクタ(8)に回転軸(R)を中心として枢動可能に装着されるように構成され、
前記アダプタ(6)は、前記アダプタ(6)の横方向(T)において互いに対向する少なくとも2つの側壁(20)であって、上壁(22)により互いに接続する側壁(20)を備え、前記側壁(20)と前記上壁(22)とが、前記コネクタ(8)用の受容スペース(26)を少なくとも部分的に画定する前記アダプタ(6)の本体(24)を形成し、
前記上壁(22)は、少なくとも1つの突出部(46)により縦方向に延長され、前記突出部(46)から、前記アダプタ(6)を前記アーム(4)に対してロックするように設計されたブロックユニット(56)を支持する少なくとも1つの弾性的に変形可能な舌部(48)が延び、
前記アダプタ(6)は、弾性的に変形可能な前記舌部(48)の前記変位を制限するための少なくとも1つのユニット(60)を備え、前記制限ユニット(60)が、前記アダプタ(6)の前記本体(24)と前記ブロックユニット(56)との間で延びることを特徴とする、アダプタ(6)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記制限ユニット(60)は、前記本体(24)の前記側壁(20)の外面(62)から突出する、請求項1に記載のアダプタ(6)。
【請求項3】
前記制限ユニット(60)は、前記側壁(20)から前記上壁(22)の前記レベルにおいて突出する、請求項2に記載のアダプタ(6)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記制限ユニット(60)は、前記上壁(22)から離れつつ前記側壁(20)から突出する、請求項2または3のいずれかに記載のアダプタ(6)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記制限ユニット(60)は、前記側壁(20)が内接する平面(B)と交差する方向(I)において延びる、請求項2~4のいずれか一項に記載のアダプタ(6)。
【請求項6】
前記制限ユニット(60)は、互いに対して非ゼロの角度を形成する少なくとも2つの部分(70、72)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のアダプタ(6)。
【請求項7】
前記制限ユニット(60)は、前記アダプタ(6)の前記本体(24)と一体の少なくとも1つの固定端部(64)と、前記舌部(48)と一体の1つの接続端部(66)と、を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のアダプタ(6)。
【請求項8】
前記舌部(48)は、前記ブロックユニット(56)に配置された少なくとも1つの把持領域(74)を備え、
前記舌部(48)を把持するための前記領域(74)は、前記アダプタ(6)の前記縦方向(L)に延びる少なくとも1つのガイド要素(76)を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のアダプタ(6)。
【請求項9】
前記ガイド要素(76)は、前記払拭システム(1)の前記アーム(4)のカバー(18)に沿って並進するように構成されたガイド面(80)を備える、請求項8に記載のアダプタ(6)。
【請求項10】
少なくとも1つのワイパーブレード(10)と、コネクタ(8)と、請求項1~9のいずれか一項に記載のアダプタ(6)と、を備えるワイパー(2)であって、
前記ブレード(10)は、前記コネクタ(8)により直接的または間接的に支持され、
前記アダプタ(6)は、前記コネクタ(8)に対して枢動可能に装着される、ワイパー(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、自動車用に設計された払拭システムの分野である。より具体的には、本発明の分野は、このような払拭システムのワイパーアームとワイパーとの間に実現される接続手段の分野である。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車には、それらのガラス面、特にそれらのフロントガラスを清掃するように設計された払拭システムが装備されている。このような払拭システムは、少なくとも1つのワイパーアームと、ワイパーアームにより駆動されるワイパーと、を備えている。ワイパーアームは、車両の電気モータに接続している。ワイパーは、払拭すべきガラス面に接触するように設計された少なくとも1つのワイパーブレードを備えている。ワイパーを駆動できるように、アダプタが、このワイパーとワイパーアームとの間に配置される。より具体的には、アダプタは、ワイパーアームとワイパーに接続するコネクタとの間に配置される。
【0003】
したがって、アダプタはワイパーアームと、より具体的にはワイパーアームのカバーと一体である。アダプタとカバーとのこのタイプの協働は、ワイパーアームの摩耗時にこれを交換することができるように解除可能である。アームのカバーに対するアダプタの取り外しおよび取り付けを可能にする、ブロックユニット等の手段が知られている。ブロックユニットは、アダプタに支持されて、カバーに支持された相補的な手段と協働することができる。このタイプのブロックユニットにより、ワイパーアームに対するアダプタの位置をブロックすることができる。アダプタをカバーから解放するために、ブロックユニットを弾性的に変形可能な舌部で支持することが知られている。舌部により、ブロックユニットをカバーから、ひいてはアダプタをカバーから分離することができる。
【0004】
変形可能な舌部により支持されるブロックユニットの問題点は、ブロックユニットをカバーに支持された相補的な手段から解放するために前記舌部に作用する圧力により、前記舌部に大きな変形が生じることである。これが大きい場合、舌部のこの種の変形により、舌部の弾性が低下するため、舌部はその変形していない状態を二度と取れなくなり得るという問題が生じる。したがって、弾性が低下したこのタイプの舌部において、特に払拭システムが高速で使用される場合、ワイパーをワイパーアームと一体にする前記舌部の能力が低下する。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、前記舌部の過度の変形に加えて舌部の弾性が失われるリスクを低減することにより、アダプタとワイパーアームのカバーとのロックを向上させることである。
【0006】
したがって、本発明は、ワイパーを払拭システムのアームに固定するためのアダプタであって、前記アダプタは、縦方向を有するとともに、前記ワイパーのコネクタに回転軸を中心として枢動可能に装着されるように構成され、前記アダプタは、前記アダプタの横方向において互いに対向する少なくとも2つの側壁であって、上壁により互いに接続する側壁を備え、前記側壁と前記上壁とが、前記コネクタ用の受容スペースを少なくとも部分的に画定する前記アダプタの本体を形成し、前記上壁は、少なくとも1つの突出部により縦方向に延長され、前記突出部から、前記アダプタを前記アームに対してロックするように設計されたブロックユニットを支持する少なくとも1つの弾性的に変形可能な舌部が延び、前記アダプタは、弾性的に変形可能な前記舌部の前記変位を制限するための少なくとも1つのユニットを備え、前記制限ユニットが、前記アダプタの前記本体と前記ブロックユニットとの間で延びることを特徴とする、アダプタに関する。
【0007】
ワイパーとアームとは、車両の払拭システムであって、前記車両のガラス面を少なくとも部分的に清掃するように設計された払拭システムの一部を形成する。したがって、主延在方向に平行な縦方向において延びるアダプタは、コネクタに対して枢動可能に装着される。これにより、ワイパー、特にこれが支持するブレードが、ガラス面の湾曲に追従する。
【0008】
ブロックユニットにより、アダプタをアームに対して、特に、アームの縦方向端部に設けられたカバーに対してブロックすることができる。したがって、ブロックユニットは、例えば、舌部から突出するブロックスタッドまたはブロックボタンであって、ワイパーアームのカバーに形成された相補的な手段と協働し得るブロックスタッドまたはブロックボタンの形態を取り得る。アダプタのブロックユニットに相補的な手段は、例えば、ワイパーアームのカバーに貫通形成されたブロック開口であり得る。
【0009】
舌部は、少なくとも1つのバーとブロックユニットとを備える。より詳細には、舌部のバーは、突出部の自由縁部から延びるとともに、ブロックユニットにより延長されている。「弾性的に変形可能な舌部」とは、舌部が、その材料の破断を伴うことなく、変形し、その後に変形前の初期位置に戻り得ることを意味する。舌部のこのタイプの特徴により、アダプタをアームのカバー内へ挿入することが容易とされ得る一方で、舌部がその初期位置に復帰したとき、ブロックユニットがワイパーアームのカバーのブロック開口に挿入され得る。
【0010】
したがって、制限ユニットにより、アダプタをアームのカバーに挿入する際に、舌部の変形が制限されつつもたらされ得る。これにより、舌部がその変形中に破断するリスクが制限される。また、制限ユニットは、舌部がその初期位置に戻ることに関与する点に留意されたい。
【0011】
また、アダプタの特定部品、例えば本体は、前記本体の剛性を保証する厚さを有する一方で、他の部品、例えば舌部や制限ユニットは、その弾性変形を許容するような厚さを有することが理解される。
【0012】
本発明の特徴によれば、少なくとも1つの前記制限ユニットは、前記本体の前記側壁の外面から突出する。
【0013】
側壁の外面は、アダプタの受容スペースに、アダプタの横方向において対向している。
【0014】
本発明の特徴によれば、前記制限ユニットは、前記側壁から前記上壁の前記レベルにおいて突出する。
【0015】
アダプタを通過する縦方向および横方向平面が規定される。この平面は、アダプタの側壁を互いに同一の2つの部分に仕切る。前記部分は、アダプタの縦方向および横方向に対して垂直な鉛直方向における寸法を各々有する。したがって、側壁の第1部分は、上壁が延び出る部分に対応し、側壁の第2部分は、側壁の各々の自由縁部を備える部分に対応する。このため、制限ユニットは、アダプタの側壁の第1部分から突出する。
【0016】
本発明の特徴によれば、少なくとも1つの前記制限ユニットは、前記上壁から離れつつ前記側壁から突出する。
【0017】
制限ユニットは、アダプタの側壁の第1部分であって、上壁が延び出る第1部分から、側壁の第2部分に向かって延びることが理解される。側壁の第2部分は、第1部分に対して上壁から最も遠く離れているため、制限ユニットは前記上壁から離れつつ延びることが理解される。
【0018】
本発明の特徴によれば、少なくとも1つの前記制限ユニットは、前記側壁が内接する平面と交差する方向において延びる。
【0019】
また、少なくとも1つの制限ユニットは、上壁が内接する平面と交差する方向において延びる。より詳細には、上壁は、縦方向および横方向平面に内接し、制限ユニットは、上壁の前記平面と交差する少なくとも1つの方向において延びる。
【0020】
したがって、制限ユニットが側壁から遠ざかるほど、アダプタの横方向に見て、ユニットと側壁との間の距離が増加することが理解される。
【0021】
本発明の特徴によれば、前記制限ユニットは、互いに対して非ゼロの角度を形成する少なくとも2つの部分を備える。
【0022】
本発明の例によれば、制限ユニットは、側壁から実質的に垂直に延びる第1部分を備える90°~170°の角度が第1部分と第2部分との間に形成されるように、第1部分は第2部分により延長される。
【0023】
本発明の特徴によれば、制限ユニットは、アダプタの横方向に見た厚さを有する。これにより、前記制限ユニットに、変形能力と舌部の変形に対して抵抗する能力との両方が提供される。この特徴から、制限ユニットが、それ自体弾性的に変形可能でありつつ、舌部の変形をもたらすことを保証することが理解される。また、制限ユニットの厚さにより、舌部の変形力に対抗する力を保証することができるため、前記変形を制限することができる。
【0024】
本発明の特徴によれば、前記制限ユニットは、前記アダプタの前記本体と一体の少なくとも1つの固定端部と、前記舌部と一体の1つの接続端部と、を備える。
【0025】
より具体的には、固定端部は、アダプタの側壁と一体である制限ユニットの端部である。固定端部と接続端部とは、アダプタの鉛直方向において互いに対向する。また、特に側壁の平面に対する制限ユニットの傾きから、接続端部は、横方向において、固定端部よりも側壁から遠ざかっていることが理解される。
【0026】
また、ブロックユニットにより延長されるバーを備える舌部の構造から、制限ユニットの接続端部が前記ブロックユニットと一体であることが理解される。
【0027】
本発明の特徴によれば、少なくともアダプタの本体、突出部、舌部、および制限ユニットは、同一材料から得られるとともに、単一部品におけるアセンブリを形成する。「単一部品における」とは、アダプタの本体、突出部、舌部、および制限ユニットが、列挙した要素の一方または他方を破壊せずに分解することができないということを意味する。
【0028】
本発明の特徴によれば、アダプタは、本体に対して突出部の反対側のヘッドを備える。舌部は、突出部の自由縁部から、縦方向にヘッドの方向において延びる。前記舌部は、アダプタの本体の一側において、横方向に少なくとも部分的に延びる。
【0029】
より具体的には、舌部は、側壁から横方向に突出する制限ユニットと少なくとも並んで延びている。これにより、舌部のバーを延長するブロックユニットは、その接続端部において制限ユニットと一体化され得る。
【0030】
本発明の特徴によれば、前記舌部は、前記ブロックユニットに配置された少なくとも1つの把持領域を備え、前記舌部を把持するための前記領域は、前記アダプタの前記縦方向に延びる少なくとも1つのガイド要素を備える。
【0031】
把持領域により、ワイパーをアームから解放すべくユーザが舌部に加える圧力が容易とされる。より具体的には、把持領域は、アダプタの縦方向および鉛直方向平面に沿った平坦面を形成する。したがって、把持領域は舌部を変形させるために力が生成される舌部の一部に相当すること、および制限ユニットの接続端部におけるその特別な位置により、前記舌部の変形が制限されるため、舌部を構成する材料の弾性ドメインを超える変形が防止されることが理解される。
【0032】
ガイド要素は、把持領域から、アダプタの横方向において前記アダプタの突出部の反対側に突出する。
【0033】
本発明の特徴によれば、前記ガイド要素は、前記払拭システムの前記アームのカバーに沿って並進するように構成されたガイド面を備える。
【0034】
有利には、ガイド要素は、払拭システムのカバーに沿って縦方向に並進するように構成されたガイド面を備える。
【0035】
アダプタがアームのカバーに挿入される際、アダプタのブロック用ユニットとカバーのブロック用開口との協働を容易とするように、ガイド要素により前記挿入がガイドされ得ることが理解される。これにより、払拭システムのユーザは、アダプタをカバー内に簡単に固定することができる。ガイド面は、アームのカバーに関するアダプタ用のガイドである。
【0036】
本発明の特徴によれば、ヘッドは、アダプタの本体から横方向および縦方向に突出する。ヘッドは、側壁に沿って舌部の方向において延びるスタッドを備える。
【0037】
アダプタヘッドのスタッドは、カバーに形成されたアパーチュアと協働するように構成される。より詳細には、カバーは、縦方向鉛直方向平面において延びる少なくとも2つの横側面を備える。横側面には、アパーチュアが、アダプタヘッドのスタッドと協働するように形成される。スタッドとアパーチュアとの間には形状相補性があるため、それらが重なり合うことでアダプタとカバーとの鉛直方向移動がブロックされることが理解される。
【0038】
また、ガイド要素のガイド面により、アダプタをカバーに挿入する際にこの挿入がガイドされることにより、スタッドとアパーチュアとの協働が容易とされ得ることが理解される。
【0039】
また、本発明は、少なくとも1つのワイパーブレードと、コネクタと、上述の特徴のうちのいずれか1つによるアダプタと、を備えるワイパーであって、前記ブレードは、前記コネクタにより直接的または間接的に支持され、前記アダプタは、前記コネクタに対して枢動可能に装着される、ワイパーに関する。
【0040】
本発明の例によれば、ワイパーのブレードは、コネクタにより、特に合成材料および/または金属材料から構成された細長い支持体により、またはワイパーブレードに収容された単数または複数の脊椎部により、間接的に支持される。
【0041】
また、本発明は、上述の特徴によるワイパーと、アダプタのアームのカバー内への並進によりワイパーに接続されるアームとを備える、自動車用の払拭システムに関する。
【0042】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、図面に関して以下に提供される説明を読むことで、より明瞭に明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、少なくとも1つのワイパーとアームとアダプタとを備える、本発明による払拭システムの全体斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のワイパーのコネクタに連結された
図1のアダプタの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のアダプタの斜視図であって、少なくとも1つの制限ユニット、およびブロックユニットを支える少なくとも1つの舌部が延び出る少なくとも1つの突出部を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1の払拭システムのアームのカバーと一体の
図1のアダプタの斜視図である。
【
図5】
図5は、少なくとも1つの舌部および
図1のアダプタの少なくとも1つの制限用ユニットの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図面は、本発明をその実施のために詳細に提示するものであることにまず留意すべきである。これらの図面が、必要に応じて本発明をより明確に定義するように使用され得ることを理解されたい。また、これらの図面は、単に本発明の実施形態を示すものであることにも留意されたい。最後に、図面を通じて、同一の参照符号は同一の要素を指す。
【0045】
図1は、本発明による払拭システム1を示す。図示のように、この払拭システム1は、本発明による少なくとも1つのアダプタ6により互いに接続する少なくとも1つのワイパー2と少なくとも1つのアーム4とを備えている。より詳細には、アダプタ6により、ブレード10を備えるワイパー2を支える
図2に示すコネクタ8を、ワイパーアーム4に接続することができる。
【0046】
ワイパー2のブレード10は、本発明による払拭システム1を装備した図示しない車両のガラス面に接触するように設計されている。本発明の例によれば、ワイパー2は、少なくとも1つの強化ユニット、例えば、合成材料製の細長い支持体および/または単数または複数の金属脊椎部を備え得る。
【0047】
一方、ワイパーアーム4は、ワイパー2を回転させるように構成されている。したがって、アーム4は、少なくとも、アダプタ6と一体化される第1端部14と、アーム4の主延在方向Pにおいて第1端部14の反対側にある第2端部16と、を備えている。第2端部16は、自動車内に収容された図示しない駆動モータと一体である。より詳細には、アーム4の第1端部14がアダプタ6と協働し得るカバー18を支えることで、前記ワイパー2がアーム4と一体化されている。
【0048】
図2および
図3に示すアダプタ6は、アーム4の主延在方向Pに対して平行な縦方向主延在方向Lにおいて延びるとともに、縦方向Lに対して垂直なアダプタ6の横方向Tにおいて互いに対向する少なくとも2つの側壁20を備えている。各側壁20は、図面の各々に示す三面体L、V、Tの平面L、Vにおいて延びている。鉛直方向Vは、縦方向Lおよび横方向Tに対して垂直である。また、アダプタ6は、アダプタ6の平面L、Tにおいて主に延びる少なくとも1つの上壁22を備えている。これにより、前記上壁22は、アダプタの側壁20同士を接続している。側壁20ならびに上壁22は、コネクタ8の受容スペース26を少なくとも部分的に画定している。
【0049】
アダプタ6は、ワイパー2のコネクタ8に回転軸Rを中心として枢動可能に取り付けられている。
図2に示す回転軸Rは、アダプタ6の横方向Tに対して平行である。この目的のために、アダプタ6は、コネクタ8に対してアダプタ6を回転させるための少なくとも1つの手段を備えている。この手段は、アダプタ6の側壁20に形成されるとともに、コネクタ8の受容ベースに向けて開口している、または突出している。したがって、
図3に示す第1側壁20aであって、受容ベース26に向かって突出する図示しない回転手段の円筒状スタッドを支える第1側壁20aと、図示しない軸受を支える第2側壁20bとが規定される。したがって、軸受および円筒状スタッドは、回転軸Rに沿って整列している。回転手段は、軸受のみにより形成することも可能であるが、軸受と円筒状スタッドとの組み合わせにより形成することも可能である。
【0050】
アダプタ6の前端部30および後端部32が、アダプタ6の縦方向Lにおいて互いに対向して規定されている。アダプタ6の前端部30は、平面V、Tにおいて実質的に延びるアダプタ6のヘッド34を支えるアダプタ6の縦方向端部に対応する。より詳細には、
図3に示すように、ヘッド34は、アダプタ6の側壁20および上壁22から横方向および縦方向に突出するとともに、コネクタ8の受容スペース26をアダプタ6の前端部30において少なくとも部分的に縦方向に閉鎖することに関与している。また、ヘッド34は、アダプタ6の側壁20に沿ってその後端部32に向かって、アダプタ6の縦方向Lにおいて延びるスタッド36を備えている。より詳細には、図示しない第1スタッドがアダプタの第1側壁20aに沿って延びており、第2スタッド36bがアダプタ6の第2側壁20bに沿って延びている。各スタッドは、上壁22の外面と各側壁20a、20bの自由縁部50との間において、等距離に配置されている。
【0051】
したがって、スタッド36の各々は、
図4に示すように、ワイパーアーム4のカバー18の横側面40に形成されたアパーチュア38と協働するように構成されている。より具体的には、ワイパーアーム4のカバー18は、少なくとも1つの第1横側面40aと1つの第2横側面40bとを備えている。これらの横側面は、平面L、Vにおいて各々延びるとともに、平面L、Tにおいて延びる上側面42により互いに接続している。したがって、第1横側面40aおよび第2横側面40bの各々は、図示しない第1アパーチュアおよび第2アパーチュア38をそれぞれ備え、前記アパーチュア38は、アダプタの第1スタッドおよび第2スタッド36bとそれぞれ協働するように形成されている。したがって、スタッド36とアパーチュア38とは、相補的な形状を有することで互いに協働するため、アダプタをカバーの開放端部に対して鉛直方向にブロックすることが理解される。
【0052】
アパーチュア38を含むカバー18のこの縦方向開放端部は、アダプタ6の本体24を超えて横方向および縦方向に延びるヘッド34のショルダ44に接触して配置される。換言すれば、横側面40および上側面42は、ヘッド34のショルダ44に、カバー18の縦方向開放端部において接触して配置される。したがって、アダプタ6の後端部32から前端部30までの縦方向並進によってアダプタ6をカバー18に挿入する際に、ヘッド34、特にそのショルダ44は、縦方向ストッパを形成することが理解される。
【0053】
また、アダプタ6の側壁20の少なくとも一方は、アダプタ6の縦方向Lにおいて、そのヘッド34の反対側に形成された少なくとも1つの起伏部45を備えている。より詳細には、起伏部45は、平面T、Vに従って延びるとともに、アダプタ6のヘッド34の反対側にある側壁20の縦方向端部47では平面L、Vにおいて延びるように形成されている。少なくとも1つの側壁が起伏部45を備えることに留意されたい。有利には、2つの側壁20の各々が、固有の上述のような起伏部を備える。
【0054】
また、
図3に特に示すように、上壁22は、縦方向および横方向に延びることにより、第1側壁20aおよび第2側壁20bの起伏部の各々を接続している。したがって、起伏部45が形成された側壁20と上壁22とは、コネクタ8の受容スペース26を少なくとも部分的に画定するアダプタ6の本体24を形成している。
【0055】
図3に示すアダプタ6の後端部32は、少なくとも1つの弾性的に変形可能な舌部48が延び出る突出部46を支持する前記アダプタ6の端部に対応する。より具体的には、突出部46は、アダプタ6の本体24の上壁22から、ヘッド34の反対側に縦方向に延びている。また、突出部46は、上壁22が延びる主平面L、Tに対して傾斜した平面において延びている。これにより、前記突出部46は、上壁22の主平面L、Tと側壁20の自由縁部50を備える平面L、Tとの間に含まれつつ、前記上壁22から離間している。
【0056】
図示の本発明の例によれば、平面L、Vに対して非ゼロである角度を有する方向において、かつヘッド34の方向において、第1舌部48aが突出部46の第1自由縁部52aから延び、第2舌部48bが第1自由縁部52aの反対側の突出部46の第2自由縁部52bから延びている。したがって、舌部48は、アダプタ6をアーム4のカバー18に対して、詳細な説明において後述する特に少なくとも1つのブロックユニット56によりロックする機能を有している。
図3に示すように、第1舌部48aは、縦方向に延びて、アダプタ6の横方向Tにおいてその本体24と少なくとも部分的に並んでいる。より詳細には、第1舌部48aは、縦方向に延びて、アダプタ6の横方向Tにおいて第1側壁20aの起伏部45と少なくとも部分的に並んでいる。
【0057】
第1舌部48aは、バー54とブロックユニット56とを備えている。より具体的には、第1舌部48aのバー54は、突出部46の第1自由縁部52aから延びて、第1舌部48aのバー54と突出部46の第1自由縁部52aとの間の一体化された領域が、ヒンジ領域58を形成している。したがって、そのヒンジ領域58の反対側に配置されたバー54は、アダプタ6をアーム4のカバー18に対してロックするように設計されたブロックユニット56により縦方向および横方向に延長されている。したがって、バー54とブロックユニット56とは、30°~175°の第1角度αに従って、互いに対して延びていることが理解される。ブロックユニット56は、例えば、第1舌部48aから突出部46の反対側に突出するブロックスタッドであり得る。また、上記より、ブロックユニット56の少なくとも一部が、アダプタ6の第1側壁20aの起伏部45とその横方向Tにおいて並んでいることが理解される。
【0058】
上述のように、第1舌部48aは、弾性的に変形可能であるため、変形することができ、次いでその材料が破断することなく初期状態に戻ることができる。より詳細には、第1舌部48aは、アダプタ6の横方向Tにおいて、第1舌部48aが少なくとも部分的に対面して延びる第1側壁20の起伏部45に向かって変形するように構成されている。したがって、変形は、第1舌部48aのヒンジ領域58で主に発生する。
【0059】
第1舌部48aについて説明したすべての特徴は、アダプタ6が単一の舌部を備える場合にも、アダプタ6が複数の舌部を備える場合にも、準用されることが考慮されるべきである。したがって、図示例において、第1舌部48aの特徴は、第2舌部48bにも準用される。
【0060】
本発明によれば、アダプタ6は、特に
図3および
図5に示す、舌部48のうちの一方の変位を制限するための少なくとも1つのユニット60であって、アダプタ6の本体24とブロックユニット56との間で延びるユニット60を備えている。
【0061】
第1制限ユニット60aが、第1側壁20aと第1舌部48aのブロックユニット56との間で延びており、第2制限ユニット60bが、第2側壁20bと第2舌部48bのブロックユニットとの間で延びている。また、第1制限ユニット60aおよび/または第2制限ユニット60bは、第1側壁20aまたは第2側壁20bのそれぞれの起伏部45を画定する外面62であって、アダプタ6を受容するためのスペース26に対向する外面62から突出している。
【0062】
第1制限ユニット60aは、例えばブレードの形状にあり得るとともに、第1側壁20aとその起伏部45において一体である少なくとも1つの固定端部64と、対応する第1舌部48a、より具体的にはブロックユニット56と一体の接続端部66と、を備えている。舌部48の接続端部66と固定端部64とは、アダプタ6の鉛直方向Vにおいて互いに対向している。したがって、第1舌部48aは、最初に突出部46の自由縁部52aと一体であり、次に第1制限ユニット60aの接続端部66と一体であることが理解される。
【0063】
図3に示す平面Aとして理解される平面L、Tが規定される。この平面は、アダプタ6を通って、アダプタを同一の鉛直方向寸法を有する2つのアダプタ部分に仕切るものである。上壁22を備えるアダプタの第1部分68aが規定されるとともに、側壁48の自由縁部50を備えるアダプタの第2部分68bが規定される。したがって、第1制限ユニット60aは、第1側壁20からアダプタの第1部分68aにおいて、すなわち、上壁22において突出している。より詳細には、第1制限ユニット60aは、第1側壁20aから、上壁22から離れるように側壁20の自由縁部50に向かって延びている。換言すれば、第1制限ユニット60aは、第1アダプタ部分68aから第2アダプタ部分68bに延びている。
【0064】
また、特に
図5に示すように、第1制限ユニット60aは、
図3に示す平面Bに交差する少なくとも1つの方向Iであって、側壁20が内接する平面L、Vに対して平行な方向Iにおいて延びている。より具体的には、第1制限ユニット60aは、第1側壁20aからその起伏部45において突出する第1部分70であって、固定端部64を備える第1部分70を備えている。第1制限ユニット60aの第1部分70は、第1側壁20aに対して実質的に垂直に延びている。また、第1制限ユニット60aの第1部分70は、90°~170°の第2傾斜角度に従って第1部分70に対して延びる第2部分72により延長されている。
【0065】
したがって、第1制限ユニット60aとこれが延び出る第1側壁20aとの間において、アダプタ6の横方向Tに対して平行な直線に沿った距離Dが、第1制限ユニット60aの固定端部64から接続端部66まで増加することが理解される。また、本発明によれば、アダプタ6の横方向Tに対して平行な直線に沿った第1制限ユニット60aの厚さEを、第1制限ユニット60aが弾性的に変形することを許容しつつ、第1舌部48aをその変形中に確実に保持するように定めることが考慮されなければならない。換言すれば、第1制限ユニット60aの厚さEにより、ユニットは変形することができ、かつその後に変形前のその初期状態に戻ることができる。
【0066】
第1制限ユニット60aについて説明した一連の特徴は、アダプタ6が単一の制限ユニットを備える場合にも複数の制限ユニットを備える場合にも、準用されることが考慮されるべきである。したがって、図示例において、第1制限ユニット60aの特徴は、第2制限ユニット60bに準用される。
【0067】
ユーザが本発明によるアダプタをカバーから分離させたい場合、ブロックユニット56のうちの少なくとも1つに、アダプタ6の横方向Tにおいて、かつ側壁20の各々の方向において圧力を及ぼす。これにより、制限ユニット60のうちの少なくとも1つが変形して、接続端部66が側壁20に接近する。このようにして、制限ユニット60により、特に舌部48の変形を、特にその変形を制限しつつ生じさせることができる。実際に、上述の制限ユニット60の構造、特にその厚さE、材料、および/または、互いに対して傾斜するその第1部分70および第2部分72により、舌部48の変形のスラスト力に対抗する保持力が生成され得る。これにより、舌部48の不可逆的な劣化のリスク、特に過度の変形に続く舌部48のヒンジ領域48の各々における破損のリスクが制限される。
【0068】
特に
図3に示すように、少なくとも1つの把持領域74が、舌部48のうちの1つのブロックユニット56のうちの1つに形成されている。把持領域74は、アダプタ6の縦方向Lにおいて延びる少なくとも1つのガイド要素76を備えている。より具体的には、把持領域74は、平面L、Vにおいて延びる平坦面78であって、払拭システムのユーザが舌部48を把持しやすくすることができる平坦面78を備えている。したがって、把持領域74は、舌部48のうちの1つに、アダプタ6の横方向Tにおいてその突出部46の反対側に形成されている。図示の発明の例によれば、第1舌部48aおよび第2舌部48bは、上述の把持領域74を各々備えている。
【0069】
特に
図5に示すガイド要素76は、舌部48のうちの1つについて、把持領域74の鉛直方向端部において延びている。前記ガイド要素76は、アダプタ6の縦方向Lにおいて把持領域74に沿って延びている。より詳細には、ガイド要素76は、把持領域74から横方向Tにおいて突出し、アダプタ6の側壁20のうちの1つの反対側に延びている。したがって、ガイド要素76は、払拭システムのアームのカバー18に沿って縦方向に並進するように構成されたガイド面80を備えている。これにより、
図4に示すカバーの横側面40の各々の自由縁部82がガイド要素76の各々のガイド面80に対して支持された状態で、アダプタ6の挿入が縦方向並進移動に応じて容易に行われることが理解される。本発明の例によれば、舌部48の各々が、上述のようなガイド要素76を備えている。
【0070】
図5に示すように、ブロックユニット56のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの面取縁部を備えている。より詳細には、ブロックユニット56の少なくとも1つは、ガイド要素76と反対側の前記ブロックユニット56の鉛直方向端部に形成された上方面取部84を備えている。特に、上方面取部84は、アダプタ6の縦方向Lにおいて、例えば把持領域74の縦方向寸法全体に亘って延びている。
【0071】
また、
図3および
図5を参照すると、少なくとも1つのブロックユニット56は、ブロックユニット56の縦方向端部に各々位置する第1側方面取部86と第2側方面取部88とを備えている。したがって、側方面取部86、88の各々は、アダプタ6の実質的に鉛直方向Vにおいて、ブロックユニット56の鉛直方向寸法全体に亘って延びている。本発明の例によれば、舌部48の各々のブロックユニット56の各々は、側方面取部56、88および上方面取部84を備えている。
【0072】
したがって、ブロックユニット56の側方面取部86、88および上方面取部84により、ワイパーアームのカバー18へのアダプタ6の挿入に際して、その並進が容易に行えることが理解される。特に、側方面取部86、88により、第一にアダプタ6のカバー18内での縦方向並進がブロックされることが制限され得るとともに、第二に組立の完了時に、舌部48が変形状態から初期状態に、またはその逆に移行することがもたらされ得る。これにより、舌部の材料の劣化のリスクが制限され得る。
【0073】
図3に示す本発明の特徴によれば、舌部48の各々、特にブロックユニット56の各々は、アダプタ6の側壁20が延びる平面L、Vを超えて横方向に延びている。特にこのタイプの特徴により、アダプタ6をカバー18に組み付ける際に、ブロックユニット56は、
図4に示すカバー18のブロック開口90に収容され得る。これにより、アームの前記カバー18に対するアダプタ6の並進が確実にロックされる。
【0074】
図4に示すように、カバー18は、アダプタ6のブロックユニット56の少なくともブロック開口90を備えている。より詳細には、カバー18の第1横側面40aは、アダプタの第1舌部の第1ブロックユニットを受容することができる図示しない第1ブロック開口を備え、カバーの第2横側面40bは、アダプタ6の第2舌部48bの第2ブロックユニット56の第2ブロック開口90を備えている。カバー18のブロック開口90の各々は、カバー18の横側面40の自由縁部82の各々において開放している。また、ブロック開口90とブロックユニット56とは相補的な形状を有するため、それらは協働して少なくとも方向Lおよび方向Vにおけるワイパーアームのカバー18に対するアダプタ6の固定を確実なものとする。
【0075】
アダプタ6をカバー18に組み付けるための方法について、
図4を参照しつつ説明する。アダプタ6は、横側面40および上側面42により画定されたカバーの受容用レセプタクル92に収容されるように設計され、前記受容レセプタクル92は、アパーチュア38を支える少なくともカバーの縦方向端部において縦方向に開放していることに考慮すべきである。
【0076】
本方法は、アダプタ6の後端部32をカバー18の受容用レセプタクル92の縦方向開口に対面配置させる第1ステップを備えている。本方法の第2ステップにおいて、カバー18の受容用レセプタクル92に向けたアダプタ6の縦方向並進移動が実施される。より具体的には、本方法の第2ステップにおいて、舌部48をガイドするための要素76の各々のガイド面80の各々がカバー18の横側面40の各々の自由縁部82の各々に沿って摺動することが保証される。このようにして、カバー18の受容用レセプタクル92におけるアダプタ6の正確で制御された並進が可能とされる。これらの技術手段により、ワイパーのそのアームへの組付の人間工学性が向上する。
【0077】
また、カバー18の受容用レセプタクル92におけるアダプタ6の縦方向並進中に、内面94が受容レセプタクル92に対面した状態で、アダプタ6の側壁20の外面62の各々がカバー18の横側面40の各々の内面94に沿って摺動することが理解される。選択的に、アダプタ6の上壁22が、カバー18の上側面42の内面に沿って縦方向に摺動する。
【0078】
この手段により、舌部48の各々が、側壁20に向かって横方向に変形することで、ブロックユニット56は前記側壁20に接近する。したがって、この変形は、少なくともブロックユニット56の第1側方面取部86であって、ヘッド34から最も遠い前記ブロックユニット56の縦方向端部に位置する第1側方面取部86により容易となることが理解される。
【0079】
カバー18の受容用レセプタクル92におけるアダプタ6の縦方向並進は、舌部48の各々のブロックユニット56の各々が、上述のようにカバー18の横側面40のブロック開口90に収容されるまで継続する。したがって、ブロックユニット56がブロック開口90に収容されると、舌部48はそれらの初期状態に戻り、ブロックユニット56のヘッド34に最も近い縦方向端部に形成された第2側方面取部が、舌部48の変形状態から初期状態への移行をもたらすことに関与することが理解される。これにより、過度の弾性回復により舌部にダメージを与え得る、舌部48の変形状態から初期状態への突然の移行が防止される。
【0080】
ブロックユニット56のブロック開口への収容と同時に、ヘッド34のスタッド36の各々が、カバー18の横側面40のアパーチュア38の各々に収容される。これにより、ワイパーアームのカバー18の受容用レセプタクル92におけるアダプタ6の適切な位置決めが確保される。
【0081】
したがって、アダプタ6をワイパーアームのカバー18から分離する必要がある場合、アダプタとカバーとを分離するには、舌部48を把持するための領域74にアダプタ6の側壁20に向けて圧力を加えた状態で、挿入方向と逆の方向の縦方向並進を実施すれば十分であることが理解される。
【0082】
また、アダプタ6のカバー18の受容用レセプタクル92への挿入中においても、それらの分離中においても、制限ユニット60により、弾性的に変形可能な舌部48の変形がもたらされるとともに制限されるため、特にヒンジ領域58におけるそれらの材料の破断のリスクが制限され得ることが理解される。したがって、払拭システムの使用中、ワイパーアームのカバー18におけるアダプタ6の保持性が向上する。
【0083】
ただし、上述の発明は、説明し図示した手段および構成にのみ限定されるものではなく、すべての同等の手段または構成、およびそのような手段または構成の任意の組み合わせにも適用される。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパー(2)を払拭システム(1)のアーム(4)に固定するためのアダプタ(6)であって、
前記アダプタ(6)は、縦方向を有するとともに、前記ワイパー(2)のコネクタ(8)に回転軸(R)を中心として枢動可能に装着されるように構成され、
前記アダプタ(6)は、前記アダプタ(6)の横方向(T)において互いに対向する少なくとも2つの側壁(20)であって、上壁(22)により互いに接続する側壁(20)を備え、前記側壁(20)と前記上壁(22)とが、前記コネクタ(8)用の受容スペース(26)を少なくとも部分的に画定する前記アダプタ(6)の本体(24)を形成し、
前記上壁(22)は、少なくとも1つの突出部(46)により縦方向に延長され、前記突出部(46)から、前記アダプタ(6)を前記アーム(4)に対してロックするように設計されたブロックユニット(56)を支持する少なくとも1つの弾性的に変形可能な舌部(48)が延び、
前記アダプタ(6)は、弾性的に変形可能な前記舌部(48)の前記変位を制限するための少なくとも1つのユニット(60)を備え、前記制限ユニット(60)が、前記アダプタ(6)の前記本体(24)と前記ブロックユニット(56)との間で延びることを特徴とする、アダプタ(6)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記制限ユニット(60)は、前記本体(24)の前記側壁(20)の外面(62)から突出する、請求項1に記載のアダプタ(6)。
【請求項3】
前記制限ユニット(60)は、前記側壁(20)から前記上壁(22)の前記レベルにおいて突出する、請求項2に記載のアダプタ(6)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記制限ユニット(60)は、前記上壁(22)から離れつつ前記側壁(20)から突出する、請求項
2に記載のアダプタ(6)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記制限ユニット(60)は、前記側壁(20)が内接する平面(B)と交差する方向(I)において延びる、請求項
2に記載のアダプタ(6)。
【請求項6】
前記制限ユニット(60)は、互いに対して非ゼロの角度を形成する少なくとも2つの部分(70、72)を備える、請求項
1に記載のアダプタ(6)。
【請求項7】
前記制限ユニット(60)は、前記アダプタ(6)の前記本体(24)と一体の少なくとも1つの固定端部(64)と、前記舌部(48)と一体の1つの接続端部(66)と、を備える、請求項
1に記載のアダプタ(6)。
【請求項8】
前記舌部(48)は、前記ブロックユニット(56)に配置された少なくとも1つの把持領域(74)を備え、
前記舌部(48)を把持するための前記領域(74)は、前記アダプタ(6)の前記縦方向(L)に延びる少なくとも1つのガイド要素(76)を備える、請求項
1に記載のアダプタ(6)。
【請求項9】
前記ガイド要素(76)は、前記払拭システム(1)の前記アーム(4)のカバー(18)に沿って並進するように構成されたガイド面(80)を備える、請求項8に記載のアダプタ(6)。
【請求項10】
少なくとも1つのワイパーブレード(10)と、コネクタ(8)と、請求項1~9のいずれか一項に記載のアダプタ(6)と、を備えるワイパー(2)であって、
前記ブレード(10)は、前記コネクタ(8)により直接的または間接的に支持され、
前記アダプタ(6)は、前記コネクタ(8)に対して枢動可能に装着される、ワイパー(2)。
【国際調査報告】