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特表2024-516706画素回路及びその駆動方法、表示パネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】画素回路及びその駆動方法、表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240409BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240409BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240409BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20240409BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240409BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 611H
G09G3/20 642A
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H10K50/00
H10K59/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568147
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2022089523
(87)【国際公開番号】W WO2023040278
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111100960.1
(32)【優先日】2021-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520032974
【氏名又は名称】云谷(固安)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】郭恩卿
(72)【発明者】
【氏名】潘康観
(72)【発明者】
【氏名】盖翠麗
(72)【発明者】
【氏名】陳発祥
(72)【発明者】
【氏名】▲ケイ▼汝博
(72)【発明者】
【氏名】王剛
(72)【発明者】
【氏名】李俊峰
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC14
3K107CC31
3K107DD38
3K107DD39
3K107HH05
5C080AA06
5C080DD05
5C080DD26
5C080FF11
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080JJ07
5C094AA01
5C094AA22
5C094BA03
5C094BA27
5C094DB04
5C380AA01
5C380AB24
5C380BA01
5C380BA10
5C380BB02
5C380BB09
5C380CC03
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC39
5C380CC52
5C380CC65
5C380CC66
5C380CC77
5C380CD017
5C380CD018
5C380CD027
5C380CD028
(57)【要約】
本願の実施例は、画素回路及びその駆動方法、表示パネルを開示する。画素回路は、駆動モジュール、データ書込モジュール、補償モジュール、漏電抑制モジュール及び第1の記憶モジュールを備える。補償モジュールの第1の端は、駆動モジュールの第2の端に電気接続され、補償モジュールの制御端には、第1の発光制御信号がアクセスされ、漏電抑制モジュールの第1の端は、駆動モジュールの制御端に電気接続され、漏電抑制モジュールの第2の端は、補償モジュールの第2の端に電気接続され、漏電抑制モジュールの制御端には、第1の発光制御信号がアクセスされ、第1の記憶モジュールの第1の端は、補償モジュールの第2の端に電気接続され、第1の記憶モジュールの第2の端には、リファレンス電圧信号がアクセスされ、第1の記憶モジュールは、第1の記憶モジュールの第1の端と第1の記憶モジュールの第2の端とで電圧差が形成されると、該電圧差を不変に維持するように構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御端、第1の端及び第2の端を備える駆動モジュールと、
第1の走査信号がアクセスされる走査制御端、前記駆動モジュールの第1の端に電気接続される第1の端、及びデータ信号がアクセスされる第2の端を備えるデータ書込モジュールと、
第1の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及び第2の端を備える補償モジュールと、
前記第1の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの制御端に電気接続される第1の端、及び前記補償モジュールの第2の端に電気接続される第2の端を備え、前記補償モジュールと初期化段階及びデータ書込段階において導通される漏電抑制モジュールと、
前記補償モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及びリファレンス電圧信号がアクセスされる第2の端を備え、前記データ書込段階及び発光段階において、第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端とで電圧差が形成されると、該電圧差を不変に維持するように構成される第1の記憶モジュールと、
を備える、
画素回路。
【請求項2】
前記補償モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの第2の端に電気接続され、第2の極が前記漏電抑制モジュールの第2の端に電気接続され、ゲート電極に前記第1の発光制御信号がアクセスされる第1のトランジスタを備える、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記漏電抑制モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの制御端に電気接続され、第2の極が前記補償モジュールの第2の端に電気接続され、ゲート電極に前記第1の発光制御信号がアクセスされる第2のトランジスタを備える、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項4】
前記第1の記憶モジュールは、
第1の極が前記補償モジュールの第2の端に電気接続され、第2の極に前記リファレンス電圧信号がアクセスされる第1のコンデンサを備える、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項5】
前記データ書込モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の極に前記データ信号がアクセスされ、ゲート電極に前記第1の走査信号がアクセスされる第3のトランジスタを備える、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項6】
前記データ書込モジュールは、前記第1の発光制御信号がアクセスされる同期制御端をさらに備え、前記第1の走査信号及び前記第1の発光制御信号の共同制御で前記データ信号を伝送する、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項7】
前記データ書込モジュールは、
第2の極に前記データ信号がアクセスされ、ゲート電極に前記第1の走査信号がアクセスされる第3のトランジスタと、
第1の極が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の極が前記第3のトランジスタの第1の極に電気接続され、ゲート電極に前記第1の発光制御信号がアクセスされる第4のトランジスタと、
備える、
請求項6に記載の画素回路。
【請求項8】
前記駆動モジュールの制御端に電気接続される第1の端、及び第1の電源信号がアクセスされる第2の端を備え、発光段階において前記駆動モジュールの制御端の電位を不変に維持するように構成される第2の記憶モジュールをさらに備える、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項9】
前記第2の記憶モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの制御端に電気接続され、第2の極に前記第1の電源信号がアクセスされる第2のコンデンサを備える、
請求項8に記載の画素回路。
【請求項10】
第2の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの第1の端に電気接続される第1の端、及び第1の電源信号がアクセスされる第2の端を備える第1の発光制御モジュールと、
前記第2の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及び発光素子に電気接続される第2の端を備える第2の発光制御モジュールと、
第2の走査信号がアクセスされる制御端、前記第2の発光制御モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及び初期化信号がアクセスされる第2の端を備える初期化モジュールと、
をさらに備え、
前記第1の発光制御モジュール、前記第2の発光制御モジュール及び前記初期化モジュールは、前記初期化段階において同時に導通される、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項11】
前記第1の発光制御モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の極に前記第1の電源信号がアクセスされ、ゲート電極に前記第2の発光制御信号がアクセスされる第5のトランジスタを備える、
請求項10に記載の画素回路。
【請求項12】
前記第2の発光制御モジュールは、第1の極が前記駆動モジュールの第2の端に電気接続され、第2の極が前記発光素子に電気接続され、ゲート電極に前記第2の発光制御信号がアクセスされる第6のトランジスタを備える、
請求項10に記載の画素回路。
【請求項13】
前記初期化モジュールは、
第1の極が前記第2の発光制御モジュールの第2の端に電気接続され、第2の極に前記初期化信号がアクセスされ、ゲート電極に前記第2の走査信号がアクセスされる第7のトランジスタを備える、
請求項10に記載の画素回路。
【請求項14】
前記リファレンス電圧信号は、前記初期化信号として兼用される、
請求項11に記載の画素回路。
【請求項15】
前記発光素子は、
前記第2の発光制御モジュールの第2の端と電気接続される陽極、及び第2の電源信号がアクセスされる陰極を備える、
請求項10に記載の画素回路。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の画素回路を備える、
表示パネル。
【請求項17】
駆動モジュール、漏電抑制モジュール、データ書込モジュール、補償モジュール及び第1の記憶モジュールを備え、前記データ書込モジュールは、第1の端が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の端にデータ信号がアクセスされ、制御端に第1の走査信号がアクセスされ、前記補償モジュールは、第1の端が前記駆動モジュールの第2の端に電気接続され、制御端に第1の発光制御信号がアクセスされ、前記漏電抑制モジュールは、第1の端が前記駆動モジュールの制御端に電気接続され、第2の端が前記補償モジュールの第2の端に電気接続され、制御端に前記第1の発光制御信号がアクセスされ、前記第1の記憶モジュールは、第1の端が前記補償モジュールの第2の端に電気接続され、第2の端にリファレンス電圧信号がアクセスされる画素回路の駆動方法であって、
初期化段階において、前記第1の発光制御信号は、前記駆動モジュールの第1の端及び前記駆動モジュールの第2の端にそれぞれ異なる電圧がアクセスされる場合、前記駆動モジュールを導通させて初期化するように、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御することと、
データ書込段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御し、前記第1の走査信号は、前記データ信号を前記駆動モジュールの制御端に書き込むように、前記データ書込モジュールを導通されるように制御し、前記第1の記憶モジュールの第1の端及び前記駆動モジュールの制御端の電位は等しく、且つ前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端とで電圧差が形成されることと、
発光段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御し、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールをオフに制御し、前記第1の記憶モジュールは、前記漏電抑制モジュールの第1の端及び前記漏電抑制モジュールの第2の端の電位を等しくするように、前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端との電圧差を不変に維持することと、
を含む、
画素回路の駆動方法。
【請求項18】
前記画素回路は、第1の端が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の端に第1の電源信号がアクセスされ、制御端に第2の発光制御信号がアクセスされる第1の発光制御モジュールと、第1の端が前記駆動モジュールの第2の端に電気接続され、第2の端が発光素子に電気接続され、制御端に前記第2の発光制御信号がアクセスされる第2の発光制御モジュールと、第1の端が前記第2の発光制御モジュールの第2の端に電気接続され、第2の端に初期化信号がアクセスされ、制御端に第2の走査信号がアクセスされる初期化モジュールとをさらに備え、
前記初期化段階は、第1の初期化サブ段階及び第2の初期化サブ段階を含み、前記第1の初期化サブ段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御し、前記第2の発光制御信号は、前記第1の発光制御モジュール及び前記第2の発光制御モジュールを導通されるように制御し、前記第2の走査信号は、初期化モジュールを導通されるように制御し、前記リファレンス電圧信号は、駆動トランジスタのゲート電極及び前記発光素子の陽極を初期化し、前記第2の初期化サブ段階において、前記第2の発光制御信号は、前記第1の発光制御モジュール及び前記第2の発光制御モジュールをオフに制御し、前記リファレンス電圧信号は、前記発光素子の陽極を初期化し、
前記データ書込段階において、前記第2の走査信号は、前記初期化モジュールをオフに制御し、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールを導通されるように制御し、
前記発光段階において、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールをオフに制御し、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御し、前記第2の発光制御モジュールは、前記第1の発光制御モジュール及び前記第2の発光制御モジュールを導通されるように制御する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の初期化サブ段階と前記データ書込段階との間には、第1の過渡段階がさらに含まれ、
前記第1の過渡段階において、前記第2の走査信号は、前記初期化モジュールをオフに制御し、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御する、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記データ書込段階と前記発光段階との間には、第2の過渡段階が含まれ、
前記第2の過渡段階において、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールをオフに制御し、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御する、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年09月18日に中国専利局に出願された、出願番号が202111100960.1である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、表示技術の分野に関し、例えば画素回路及びその駆動方法、表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の絶え間ない発展に伴い、人々の、表示パネルへの要求もますます高まっており、表示パネルは、高表示品質、複数種類のフレームレートモード及び低消費電力の方向へと発展している。表示パネルの電量消費は、主に画素回路及び発光素子にある。画素回路については、フレームレートを低くすることにより消費電力を低減できるが、表示パネルのリフレッシュレートが低くなると、画素回路に漏電の問題が存在するため、表示画面にフリッカーの現象が出現し、表示パネルの表示品質に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、低リフレッシュレートでの画素回路の漏電問題を改善して、低消費電力と高表示品質とを両立させる効果を実現するための画素回路及びその駆動方法、表示パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、
制御端、第1の端及び第2の端を備える駆動モジュールと、
第1の走査信号がアクセスされる走査制御端、前記駆動モジュールの第1の端に電気接続される第1の端、及びデータ信号がアクセスされる第2の端を備えるデータ書込モジュールと、
第1の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及び第2の端を備える補償モジュールと、
前記第1の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの制御端に電気接続される第1の端、及び前記補償モジュールの第2の端に電気接続される第2の端を備え、前記補償モジュールと初期化段階及びデータ書込段階において導通される漏電抑制モジュールと、
前記補償モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及びリファレンス電圧信号がアクセスされる第2の端を備え、前記データ書込段階及び発光段階において、前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端とで電圧差が形成されると、該電圧差を不変に維持するように構成される第1の記憶モジュールと、を備える画素回路の技術案を提供する。
【0006】
本発明の出願は、本発明の出願の任意の実施例に記載の画素回路を備える表示パネルをさらに提供する。
【0007】
本願は、
初期化段階において、前記第1の発光制御信号は、前記駆動モジュールの第1の端及び前記駆動モジュールの第2の端にそれぞれ異なる電圧がアクセスされる場合、前記駆動モジュールを導通させて初期化するように、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御することと、
データ書込段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御し、前記第1の走査信号は、前記データ信号を前記駆動モジュールの制御端に書き込むように、前記データ書込モジュールを導通されるように制御し、前記第1の記憶モジュールの第1の端及び前記駆動モジュールの制御端の電位は等しく、且つ前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端とで電圧差が形成されることと、
発光段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御し、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールをオフに制御し、前記第1の記憶モジュールは、前記漏電抑制モジュールの第1の端及び前記漏電抑制モジュールの第2の端の電位を等しくするように、前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端との電圧差を不変に維持することと、を含み、本願の任意の実施例に係る画素回路に適用される画素回路の駆動方法をさらに提供する。
【発明の効果】
【0008】
本願の実施例は、漏電抑制モジュールを、駆動モジュールの制御端と補償モジュールの第2の端との間に位置するように設け、第1の記憶モジュールを、リファレンス電圧信号と補償モジュールの第2の端との間に位置するように設ける。このように、駆動モジュールの制御端には、1つの漏れ電流通路しか設けられず、該通路は、駆動モジュールの制御端と駆動モジュールの第2の端とを接続し、該通路は、第1の発光制御信号により制御される漏電抑制モジュールと補償モジュールとで構成される。補償モジュールの第2の端の電位が大幅にドリフトした後に限って、漏電抑制モジュールは大きな漏れ電流を生成し、駆動モジュールの制御端の電位はドリフトする。且つ本願の実施例において、駆動モジュールの制御端の電位が補償モジュールの第2の端の電位に近いため、漏電抑制モジュールの漏れ電流が小さく、この唯一の漏電通路の漏れ電流の大きさが減少され、これにより、駆動モジュールの制御端の電位がより安定し、高電流保持率が実現され、表示パネルのフリッカー現象が改善される。
【0009】
本願の実施例は、駆動モジュールの制御端のリセット経路及びリセット方法を突破的に改良し、第1の記憶モジュールと漏電抑制モジュールとを組み合わせて、駆動モジュールの制御端の漏電を効果的に抑制し、低フレームレートでの高品質の表示の実現に有利で、低消費電力と高表示品質とを両立させる効果の実現に有利である。
【0010】
上記効果を実現すると同時に、本願の実施例に係る画素回路は、初期化段階において、駆動モジュールの第1の端及び駆動モジュールの第2の端にそれぞれ異なる電圧がアクセスされる場合、例えば、駆動モジュールの第1の端に第1の電源信号がアクセスされ、第2の端に第2の電源信号がアクセスされる場合、駆動モジュールは導通され、大きな電流が流れることが可能であり、駆動モジュールの制御端を初期化すると同時に駆動モジュールのバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】1つの画素回路の回路模式図である。
図2図1に示す画素回路のレイアウトの模式図である。
図3】別の画素回路の回路模式図である。
図4図3に示す画素回路のレイアウトの模式図である。
図5】本願の実施例に係る1つの画素回路の構造模式図である。
図6】本願の実施例に係る別の画素回路の構造模式図である。
図7】本願の実施例に係るさらに別の画素回路の構造模式図である。
図8図7に示す画素回路のレイアウトの模式図である。
図9】本願の実施例に係る1つの画素回路の駆動方法のフローの模式図である。
図10】本願の実施例に係る1つの画素回路の駆動の時間順序の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願について説明する。ここで説明される具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解できる。なお、説明を容易にするために、図面には、全ての構造ではなく、本願に関連する部分のみが示されている。
【0013】
図1及び図2を参照し、該画素回路は、7T1C構造である。画素回路は、トランジスタM1’、トランジスタM2’、トランジスタM3’、トランジスタM4’、トランジスタM5’、トランジスタM6’、トランジスタM7’及びコンデンサCst’を備える。例示的に、全てのトランジスタは、いずれもP型トランジスタであり、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly-Silicon、LTPS)プロセスを採用して作られてなる。LTPSトランジスタは、移動度が高く、駆動能力が強く及びプロセスコストが低いという利点を有し、画素回路に広く応用されているが、LTPSトランジスタには、漏れ電流が大きいため、画素回路で生成される駆動電流の変動が大きいという欠点がある。これは、トランジスタM1’が駆動トランジスタであり、トランジスタM1’のゲート電極G’の電圧がコンデンサCst’により保存されているが、ゲート電極G’に2つの漏電通路が存在し、即ちトランジスタM3’及びトランジスタM4’を介して漏電するからである。一般的に、トランジスタM3’を介してドレイン電極D’から電流が漏れ入り、トランジスタM4’を介してリファレンス電圧信号Vrefから電流が漏れ出る。複数のノードの電位の差異で制限され、ゲート電極G’の漏れ電流の1つの入と1つの出とが完全に相殺されにくいため、ゲート電極G’の電位に大きな変動が出現して、トランジスタM1’の駆動電流に大きな変動が出現してしまう。
【0014】
該技術的課題を解決するために、引き続き図1を参照し、1つ目の改良案は、2つの漏電通路のトランジスタをデュアルゲートトランジスタに変更するものである。トランジスタM3’は等価的に、直列されるトランジスタM3-1’及びトランジスタM3-2’となり、トランジスタM4’は等価的に、直列されるトランジスタM4-1’及びトランジスタM4-2’となる。シングルゲートトランジスタと比べて、デュアルゲートトランジスタは、より低い漏れ電流を有するため、ゲート電極G’の電位の変動をある程度低減できるが、該案の漏電効果の改善は思わしくない。
【0015】
2つ目の改良案は、2つの漏電通路のトランジスタを低温多結晶酸化物(Low Temperature Polycrystalline Oxide、LTPO)トランジスタに変更するものである。LTPSトランジスタと比べて、LTPOトランジスタは、漏れ電流が小さいという優勢を有し、ゲート電極G’の漏れ電流による問題を良好に解決できる。しかし、該案は、表示パネルの製造プロセスに酸化物薄膜トランジスタのプロセスを追加したため、プロセスコストが大幅に高められる。
【0016】
図3及び図4を参照し、3つ目の改良案は、7T1C回路にトランジスタM8’を加えて8T1C回路を得るものである。1つ目の改良案と比べて、該案は、ゲート電極G’の漏電問題をさらに改善した。しかし、図2図4との対比からわかるように、該案は、7T1Cの回路レイアウトを踏まえて、発光制御信号EMB’を追加する必要があるため、該案のレイアウト配置が複雑になる。
【0017】
以上のことから、上記画素回路は、低消費電力、低漏電、低コスト及びレイアウト配置の簡単化などの複数種類の効果を同時に配慮できない。
【0018】
本願の実施例は、画素回路を提供する。図5を参照し、画素回路は、駆動モジュール100、データ書込モジュール200、補償モジュール300、漏電抑制モジュール400及び第1の記憶モジュール500を備える。駆動モジュール100は、制御端、第1の端及び第2の端を備える。好ましくは、駆動モジュール100は、駆動トランジスタMDを備える。駆動トランジスタMDがP型トランジスタであることを例に説明すると、駆動トランジスタMDのゲート電極Gは、即ち駆動モジュール100の制御端であり、駆動トランジスタMDのソース電極Sは、第2のノードN2、即ち駆動モジュール100の第1の端であり、駆動トランジスタMDのドレイン電極Dは、第3のノードN3、即ち駆動モジュール100の第2の端である。駆動トランジスタMDのゲート電極Gとドレイン電極Dとを導通させれば、駆動トランジスタMDは、ダイオード接続方式をなし、この際、ソース電極Sがハイレベルで、ドレイン電極Dがローレベルである場合、駆動トランジスタMDは導通され、駆動電流を生成する。
【0019】
データ書込モジュール200は、走査制御端、第1の端及び第2の端を備え、データ書込モジュール200の第1の端は、駆動モジュール100の第1の端に電気接続され、データ書込モジュール200の第2の端には、データ信号Dataがアクセスされ、データ書込モジュール200の走査制御端には、第1の走査信号S1がアクセスされる。補償モジュール300は、制御端、第1の端及び第2の端を備え、補償モジュール300の第1の端は、駆動モジュール100の第2の端に電気接続され、補償モジュール300の第2の端は、第1のノードN1であり、補償モジュール300の制御端には、第1の発光制御信号EMBがアクセスされる。漏電抑制モジュール400は、制御端、第1の端及び第2の端を備え、漏電抑制モジュール400の第1の端は、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)に電気接続され、漏電抑制モジュール400の第2の端は、補償モジュール300の第2の端(第1のノードN1)に電気接続され、漏電抑制モジュール400の制御端には、第1の発光制御信号EMBがアクセスされる。第1の記憶モジュール500は、第1の端及び第2の端を備え、第1の記憶モジュール500の第1の端は、補償モジュール300の第2の端(第1のノードN1)に電気接続され、第1の記憶モジュール500の第2の端には、リファレンス電圧信号Vrefがアクセスされる。
【0020】
図5に示す画素回路の駆動過程は、初期化段階、データ書込段階及び発光段階を含む。漏電抑制モジュール400及び補償モジュール300は、いずれも第1の発光制御信号EMBがアクセスされるため、両者の開閉状態が同じである。第1の発光制御信号EMBは、漏電抑制モジュール400及び補償モジュール300を初期化段階及びデータ書込段階において導通されるように制御する。第1の記憶モジュール500は、データ書込段階及び発光段階において、第1の記憶モジュール500の第1の端と第1の記憶モジュール500の第2の端とで電圧差が形成されると、該電圧差を不変に維持するように構成される。
【0021】
初期化段階において、漏電抑制モジュール400及び補償モジュール300が導通され、駆動モジュール100の第2の端と駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)とが導通される。駆動モジュール100は、ダイオード接続方式をなし、駆動モジュール100の第1の端及び駆動モジュール100の第2の端にそれぞれ異なる電圧がアクセスされる場合、例えば、駆動モジュール100の第1の端に第1の電源信号がアクセスされ、駆動モジュール100の第2の端に第2の電源信号がアクセスされる場合、駆動モジュール100が導通され、大きな電流が流れ、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)を初期化すると同時に駆動モジュール100のバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【0022】
データ書込段階において、データ書込モジュール200、漏電抑制モジュール400及び補償モジュール300は、いずれも導通され、データ信号Dataは、データ書込モジュール200、導通された駆動モジュール100、補償モジュール300及び漏電抑制モジュール400を経由して駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)に書き込まれる。漏電抑制モジュール400が導通状態にあるため、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)及び第1のノードN1の電位は等しく、同期して変化する。これと同時に、第1の記憶モジュール500の第1の端と第1の記憶モジュール500の第2の端とで電圧差が形成され、第1の記憶モジュール500の第2の端は、一定のリファレンス電圧信号Vrefであり、第1の記憶モジュール500の第1の端は、第1のノードN1の電位を記憶する。駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)の電位が一定である場合、第1のノードN1の電位も変化しなくなり、第1の記憶モジュール500の第1の端と第2の端とで固定の電圧差が形成される。
【0023】
発光段階において、データ書込モジュール200、漏電抑制モジュール400及び補償モジュール300は、いずれもオフされ、第1の記憶モジュール500は、第1の記憶モジュール500の第1の端と第1の記憶モジュール500の第2の端との電圧差を不変に維持する。且つ第1の記憶モジュール500の第2の端に電位が一定であるリファレンス電圧信号Vrefがアクセスされるため、第1の記憶モジュール500の第1の端(即ち第1のノードN1)の電位は、データ書込段階時の電位に保持される。駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)も、データ書込段階時の電位に保持され、そのため、漏電抑制モジュール400の第1の端及び漏電抑制モジュール400の第2の端の電位が等しくなるように保持されて、漏電抑制モジュール400の漏れ電流が小さくされ、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)の漏電が抑制される。
【0024】
上記分析から分かるように、本願の実施例は、漏電抑制モジュール400を、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)と補償モジュール300の第2の端(第1のノードN1)との間に位置するように設け、第1の記憶モジュール500を、リファレンス電圧信号Vrefと補償モジュール300の第2の端(第1のノードN1)との間に位置するように設ける。このように、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)には、1つの漏れ電流通路しか設けられず、該通路は、駆動モジュール100の制御端と駆動モジュール100の第2の端とを接続し、該通路は、第1の発光制御信号により制御される漏電抑制モジュール400と補償モジュール300とで構成される。補償モジュール300の第2の端(第1のノードN1)の電位が大幅にドリフトした後に限って、漏電抑制モジュール400は大きな漏れ電流を生成し、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)の電位はドリフトする。且つ本願の実施例において、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)の電位が補償モジュール300の第2の端(第1のノードN1)の電位に近いため、漏電抑制モジュール400の漏れ電流が小さく、この唯一の漏電通路の漏れ電流の大きさが減少され、これにより、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)の電位がより安定し、高電流保持率が実現され、表示パネルのフリッカー現象が改善される。
【0025】
本願の実施例は、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)のリセット経路及びリセット方法を突破的に改良し、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)をリセットするデュアルゲートトランジスタの代わりに第1の記憶モジュール500を採用し、且つ第1の記憶モジュール500と漏電抑制モジュール400とを組み合わせて、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)の漏電を効果的に抑制し、低フレームレートでの高品質の表示の実現に有利で、低消費電力と高表示品質とを両立させる効果の実現に有利である。
【0026】
上記効果を実現すると同時に、本願の実施例に係る画素回路は、初期化段階において、駆動モジュール100の第1の端及び駆動モジュール100の第2の端にそれぞれ異なる電圧がアクセスされる場合、例えば、駆動モジュール100の第1の端に第1の電源信号がアクセスされ、第2の端に第2の電源信号がアクセスされる場合、駆動モジュール100は導通され、大きな電流が流れることが可能であり、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)を初期化すると同時に駆動モジュール100のバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【0027】
以下、駆動モジュール100の第1の端及び第2の端にそれぞれ異なる電圧がアクセスされ、駆動モジュール100が大きな電流を生成する場合について説明する。
【0028】
引き続き図5を参照し、上記実施例を踏まえ、好ましくは、画素回路は、第1の発光制御モジュール700、第2の発光制御モジュール800及び初期化モジュール900をさらに備える。第1の発光制御モジュール700は、制御端、第1の端及び第2の端を備え、第1の発光制御モジュール700の第1の端は、駆動モジュール100の第1の端(第2のノードN2)に電気接続され、第1の発光制御モジュール700の第2の端には、第1の電源信号VDDがアクセスされ、第1の発光制御モジュール700の制御端には、第2の発光制御信号EMがアクセスされる。第2の発光制御モジュール800は、制御端、第1の端及び第2の端を備え、第2の発光制御モジュール800の制御端には、第2の発光制御信号EMがアクセスされ、第2の発光制御モジュール800の第1の端は、駆動モジュール100の第2の端(第3のノードN3)に電気接続され、第2の発光制御モジュール800の第2の端は、発光素子OLEDに電気接続される。発光素子OLEDは、陽極及び陰極を備える。例示的に、第2の発光制御モジュール800の第2の端は、発光素子OLEDの陽極に電気接続され、発光素子OLEDの陰極には、第2の電源信号VSSがアクセスされる。
【0029】
初期化モジュール900は、制御端、第1の端及び第2の端を備え、初期化モジュール900の制御端には、第2の走査信号S2がアクセスされ、初期化モジュール900の第1の端は、第2の発光制御モジュール800の第2の端に電気接続され、初期化モジュール900の第2の端には、初期化信号がアクセスされる。好ましくは、リファレンス電圧信号Vrefは、初期化信号として兼用される。
【0030】
初期化段階において、漏電抑制モジュール400及び補償モジュール300は導通され、駆動モジュール100は、ダイオード接続方式をなす。及び、第1の発光制御モジュール700、第2の発光制御モジュール800及び初期化モジュール900は同時に導通される。第1の電源信号VDDは、第1の発光制御モジュール700を介して駆動モジュール100の第1の端(第2のノードN2)に書き込まれ、第2の電源信号VSSは、第2の発光制御モジュール800を介して駆動モジュール100の第2の端(第3のノードN3)に書き込まれ、駆動モジュール100は導通され、大電流を生成する。該電流は、初期化モジュール900により流出し、発光素子OLEDを流れることなく、これにより、発光素子OLEDの陽極を初期化可能であるし、発光素子OLEDの初期化段階における導通も回避する。
【0031】
これから分かるように、本願の実施例に係る画素回路は、初期化段階において大電流を生成するように駆動モジュールを制御し、生成された大電流が初期化モジュール900を介して流出することを実現し、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)及び発光素子OLEDの陽極を初期化すると同時に、駆動モジュール100のバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【0032】
引き続き図5を参照し、上記実施例を踏まえ、好ましくは、画素回路は、第2の記憶モジュール600をさらに備える。第2の記憶モジュール600は、第1の端及び第2の端を備え、第2の記憶モジュール600の第1の端は、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)に電気接続され、第2の記憶モジュール600の第2の端には、第1の電源信号VDDがアクセスされる。第2の記憶モジュール600は、電位を記憶するという機能を有し、発光段階において駆動モジュール100の制御端の電位を不変に維持するように構成される。このように、第1の記憶モジュール500と第2の記憶モジュール600とは互いに連携し、第1の記憶モジュール500は、第1のノードN1の電位を不変に維持し、第2の記憶モジュール600は、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)の電位を不変に維持し、これにより、第1のノードN1及びゲート電極Gの電位が等しくなるように保持されて、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)の漏電を低減し、高電流保持率を実現し、表示パネルのフリッカー現象を改善することにさらに有利である。
【0033】
図6を参照し、上記実施例を踏まえ、本願の実施例は、複数のモジュールにおけるトランジスタの設置方式について説明する。
【0034】
本願の1つの実施形態において、好ましくは、補償モジュール300は、第1のトランジスタM1を備える。第1のトランジスタM1の第1の極は、駆動モジュール100の第2の端(第3のノードN3)に電気接続され、第1のトランジスタM1の第2の極は、漏電抑制モジュール400の第2の端(第1のノードN1)に電気接続され、第1のトランジスタM1のゲート電極には、第1の発光制御信号EMBがアクセスされる。本願の実施例は、補償モジュール300を1つのトランジスタしか備えないように設けており、回路構造が簡単で、実現されやすい。
【0035】
引き続き図6を参照し、本願の1つの実施形態において、好ましくは、漏電抑制モジュール400は、第2のトランジスタM2を備える。第2のトランジスタM2の第1の極は、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)に電気接続され、第2のトランジスタM2の第2の極は、補償モジュール300の第2の端(第1のノードN1)に電気接続され、第2のトランジスタM2のゲート電極には、第1の発光制御信号EMBがアクセスされる。本願の実施例は、漏電抑制モジュール400を1つのトランジスタしか備えないように設けており、回路構造が簡単で、実現されやすい。
【0036】
引き続き図6を参照し、本願の1つの実施形態において、好ましくは、データ書込モジュール200は、第3のトランジスタM3を備える。第3のトランジスタM3の第1の極は、駆動モジュール100の第1の端(第2のノードN2)に電気接続され、第3のトランジスタM3の第2の極には、データ信号Dataがアクセスされ、第3のトランジスタM3のゲート電極には、第1の走査信号S1がアクセスされる。本願の実施例は、データ書込モジュール200を1つのトランジスタしか備えないように設けており、画素回路に必要なトランジスタの数が少ない。
【0037】
引き続き図6を参照し、本願の1つの実施形態において、好ましくは、第1の発光制御モジュール700は、第5のトランジスタM5を備える。第5のトランジスタM5の第1の極は、駆動モジュール100の第1の端(第2のノードN2)に電気接続され、第5のトランジスタM5の第2の極には、第1の電源信号VDDがアクセスされ、第5のトランジスタM5のゲート電極には、第2の発光制御信号EMがアクセスされる。本願の実施例は、第1の発光制御モジュール700を1つのトランジスタしか備えないように設けており、回路構造が簡単で、実現されやすい。
【0038】
引き続き図6を参照し、本願の1つの実施形態において、好ましくは、第2の発光制御モジュール800は、第6のトランジスタM6を備える。第6のトランジスタM6の第1の極は、駆動モジュール100の第2の端に電気接続され、第6のトランジスタM6の第2の極は、発光素子OLEDに電気接続され、第6のトランジスタM6のゲート電極には、第2の発光制御信号EMがアクセスされる。本願の実施例は、第2の発光制御モジュール800を1つのトランジスタしか備えないように設けており、回路構造が簡単で、実現されやすい。
【0039】
引き続き図6を参照し、本願の1つの実施形態において、好ましくは、初期化モジュール900は、第7のトランジスタM7を備える。第7のトランジスタM7の第1の極は、第2の発光制御モジュール800の第2の端に電気接続され、第7のトランジスタM7の第2の極には、初期化信号がアクセスされ、第7のトランジスタM7のゲート電極には、第2の走査信号S2がアクセスされる。本願の実施例は、初期化モジュール900を1つのトランジスタしか備えないように設けており、回路構造が簡単で、実現されやすい。
【0040】
引き続き図6を参照し、本願の1つの実施形態において、好ましくは、第1の記憶モジュール500は、第1のコンデンサC1を備える。第1のコンデンサC1の第1の極は、補償モジュール300の第2の端(第1のノードN1)に電気接続され、第1のコンデンサC1の第2の極には、リファレンス電圧信号Vrefがアクセスされる。本願の実施例は、第1の記憶モジュール500を1つのコンデンサしか備えないように設けており、回路構造が簡単で、実現されやすい。
【0041】
引き続き図6を参照し、本願の1つの実施形態において、好ましくは、第2の記憶モジュール600は、第2のコンデンサC2を備える。第2のコンデンサC2の第1の極は、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)に電気接続され、第2のコンデンサC2の第2の極には、第1の電源信号VDDがアクセスされる。本願の実施例は、第2の記憶モジュール600を1つのコンデンサしか備えないように設けており、回路構造が簡単で、実現されやすい。
【0042】
図6は、画素回路における全てのトランジスタがいずれもP型トランジスタで、LTPSプロセスにより製造されてなることを例示的に示しており、これは本願を限定するものではない。他の実施例において、画素回路における一部又は全部のトランジスタをN型トランジスタとして設けてもよく、実際の応用では必要に応じて設定してもよい。
【0043】
図6には、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2がいずれもシングルゲートトランジスタであることを例示的に示しており、本願を限定するものではない。他の実施例において、第1のトランジスタM1及び/又は第2のトランジスタM2をデュアルゲートトランジスタとして設けてもよい。
【0044】
図7を参照し、上記実施例と異なる点は、データ書込モジュール200が同期制御端をさらに備えることであり、同期制御端には、第1の発光制御信号EMBがアクセスされ、データ書込モジュール200は、第1の走査信号S1及び第1の発光制御信号EMBの共同制御でデータ信号Dataを伝送する。好ましくは、データ書込モジュール200は、第4のトランジスタM4をさらに備える。第4のトランジスタM4のゲート電極には、第1の発光制御信号EMBがアクセスされ、第4のトランジスタM4は、第3のトランジスタM3の第1の極と駆動モジュール100の第1の端(第2のノードN2)との間に直列接続される。本願の実施例がこのように設けるのは、画素回路の他の機能に影響を与えないことを前提に、レイアウトのビアホールの数を減少させるためである。
【0045】
図7及び図8を参照し、画素回路のレイアウトは、第1の方向Xに沿って延伸し且つ第1の金属層に位置する第1の走査線、第1の発光制御信号線、第2の発光制御信号線及び第2の走査線を備える。第1の走査線は、第1の走査信号S1を伝送し、第1の発光制御信号線は、第1の発光制御信号EMBを伝送し、第2の発光制御信号線は、第2の発光制御信号EMを伝送し、第2の走査線は、第2の走査信号S2を伝送する。
【0046】
画素回路のレイアウトは、第1の方向Xに沿って延伸し且つ第2の金属層に位置するリファレンス電圧信号線をさらに備え、リファレンス電圧信号線は、リファレンス電圧信号Vrefを伝送する。
【0047】
画素回路のレイアウトは、第2の方向Yに沿って延伸し且つ第3の金属層に位置するデータ線及び第1の電源信号線をさらに備える。データ線は、データ信号Dataを伝送し、第1の電源信号線は、第1の電源信号VDDを伝送する。
【0048】
画素回路のレイアウトは、活性層に位置する半導体パターンをさらに備え、半導体パターンと第1の金属層に位置する複数の信号線とが交差する位置には、トランジスタが形成される。半導体パターンにおけるS形の部分と第1の金属層とは交差して駆動トランジスタMDを形成する。
【0049】
半導体パターンと第1の走査線とが交差する位置には、第3のトランジスタM3が形成される。第1の走査線と半導体パターンとが交差する部分は、第3のトランジスタM3のゲート電極であり、即ち第3のトランジスタM3のゲート電極は、第1の走査線に電気接続される。半導体パターンの第1の走査線の両側に位置する部分は、第3のトランジスタの第1の極及び第2の極であり、第3のトランジスタM3の第2の極は、ビアホール110によりデータ線に接続され、第3のトランジスタM3の第1の極は、第4のトランジスタM4の第2の極に電気接続される。
【0050】
半導体パターンと第1の発光制御信号線とが交差する位置には、第4のトランジスタM4、第2のトランジスタM2及び第1のトランジスタM1が形成される。第4のトランジスタM4のゲート電極は、第1の発光制御信号線に電気接続され、第4のトランジスタM4の第1の極は、駆動トランジスタMDの第1の極に電気接続され、第4のトランジスタM4の第2の極は、第3のトランジスタM3の第1の極に電気接続される。第1のトランジスタM1のゲート電極は、第1の発光制御信号線に電気接続され、第1のトランジスタM1の第1の極は、駆動トランジスタMDの第2の極に電気接続され、第1のトランジスタM1の第2の極は、第2のトランジスタM2の第2の極に電気接続される。第2のトランジスタM2のゲート電極は、第1の発光制御信号線に電気接続され、第2のトランジスタM2の第1の極は、ビアホール110及び接続線120により駆動トランジスタMDのゲート電極に接続され、第2のトランジスタM2の第2の極は、第1のトランジスタM1の第2の極に電気接続される。例示的に、接続線120は、第3の金属層に位置する。
【0051】
半導体パターンと第2の発光制御信号線とが交差する位置には、第5のトランジスタM5及び第6のトランジスタM6が形成される。第5のトランジスタM5のゲート電極は、第2の発光制御信号線に電気接続され、第5のトランジスタM5の第1の極は、駆動トランジスタMDの第1の極に電気接続され、第5のトランジスタM5の第2の極は、ビアホール110により第1の電源信号線に接続される。第6のトランジスタM6のゲート電極は、第2の発光制御信号線に電気接続され、第6のトランジスタM6の第1の極は、駆動トランジスタMDの第2の極に電気接続され、第6のトランジスタM6の第2の極は、ビアホール110により発光素子の陽極130に電気接続される。
【0052】
半導体パターンと第2の走査線とが交差する位置には、第7のトランジスタM7が形成される。第7のトランジスタM7のゲート電極は、第2の走査線に電気接続され、第7のトランジスタM7の第1の極は、第6のトランジスタM6の第2の極に電気接続され、第7のトランジスタM7の第2の極は、ビアホール110及び接続線120によりリファレンス電圧信号線に接続される。
【0053】
駆動トランジスタMDのゲート電極は、第2のコンデンサC2の第1の極の極板とされ、第2のコンデンサC2の第2の極の極板は、第3の金属層に設けられ、直接第1の電源信号線に電気接続されてもよいし、第2の金属層に設けられ、ビアホール110を設けることにより第1の電源信号線に電気接続されてもよい。
【0054】
第1のコンデンサC1の第1の極の極板は、第2の金属層に位置し、ビアホール110及び接続線120により第1のトランジスタM1の第2の極に接続される。第1のコンデンサC1の第2の極の極板は、第3の金属層に位置し、ビアホール110及び接続線120によりリファレンス電圧信号線に接続される。或いは、第1のコンデンサC1の第1の極の極板は、第3の金属層に位置し、ビアホール110及び接続線120により第1のトランジスタM1の第2の極に接続される。第1のコンデンサC1の第2の極の極板は、第2の金属層に位置し、直接リファレンス電圧信号線に接続される。
【0055】
そのため、図8に示すレイアウトから、第3のトランジスタM3の下部において、半導体パターンと第1の発光制御信号線とは、自然に第4のトランジスタM4を形成し、且つ第4のトランジスタM4の存在は、画素回路の機能に影響を与えないことが見られる。しかしながら、M4が設けられなければ、半導体パターンが第1の発光制御信号線に跨るように、半導体パターンを中断させてビアホール及び接続線を設け、或いは第1の発光制御信号線が半導体パターンに跨るように、第1の発光制御信号線を中断させてビアホール及び接続線を設ける必要がある。そのため、本願の実施例は、画素回路に第4のトランジスタM4を追加することにより、画素回路の他の機能に影響を与えないことを前提に、レイアウトのビアホールの数を減少させることを実現する。
【0056】
これから分かるように、本願の実施例は、8T2C構造の画素回路を提供し、レイアウトから見て、図2図8とを対比し、関連技術の7T1C画素回路と比べると、本願の実施例に係る8T2C画素回路には、新たな信号線が追加されていない。図4図8とを対比し、関連技術の8T1C回路と比べると、本願の実施例に係る8T2C画素回路は、1本の第1の方向Xに沿って延伸する信号線が減少されており、そのため、本願の実施例は、配線空間の節約に有利であり、1インチ当たりの画素数(Pixels Per Inch、PPI)の設計の向上に有利である。
【0057】
以上のことから、本願の実施例は、少なくとも以下の効果を含む。
【0058】
第1に、高電流保持率が実現され、表示パネルのフリッカー現象が改善され、低フレームレートでの高品質の表示の実現に有利で、低消費電力と高表示品質とを両立させる効果の実現に有利である。
【0059】
第2に、駆動トランジスタMDのゲート電極Gを初期化すると同時に駆動トランジスタMDのバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【0060】
第3に、配線空間の節約に有利であり、高PPIの設計の実現に有利である。
【0061】
本願の実施例は、表示パネルをさらに提供する。該表示パネルは、本願の任意の実施例に係る画素回路を備え、相応する効果を具備し、繰り返し説明しない。
【0062】
本願の実施例は、画素回路の駆動方法をさらに提供し、該駆動方法は、本願の任意の実施例に係る画素回路に適用可能であり、相応する効果を具備する。図7及び図9を参照し、画素回路の駆動方法は、以下を含む。
【0063】
S110において、初期化段階において、第1の発光制御信号EMBは、駆動モジュール100の第1の端及び駆動モジュール100の第2の端にそれぞれ異なる電圧がアクセスされる場合、駆動モジュール100を導通させて初期化するように、補償モジュール300及び漏電抑制モジュール400を導通されるように制御する。
【0064】
S120において、データ書込段階において、第1の発光制御信号EMBは、補償モジュール300及び漏電抑制モジュール400を導通されるように制御し、第1の走査信号S1は、データ信号Dataを駆動モジュール100の制御端に書き込むように、データ書込モジュール200を導通されるように制御し、第1の記憶モジュール500の第1の端及び駆動モジュール100の制御端の電位は等しく、且つ第1の記憶モジュール500の第1の端と第1の記憶モジュール500の第2の端とで電圧差が形成される。
【0065】
S130において、発光段階において、第1の発光制御信号EMBは、補償モジュール300及び漏電抑制モジュール400をオフに制御し、第1の走査信号S1は、データ書込モジュール200をオフに制御し、第1の記憶モジュール500は、漏電抑制モジュール400の第1の端及び第2の端の電位を等しくするように、第1の記憶モジュール500の第1の端と第1の記憶モジュール500の第2の端との電圧差を不変に維持する。
【0066】
上記実施例を踏まえ、好ましくは、初期化段階は、第1の初期化サブ段階及び第2の初期化サブ段階を含む。
【0067】
第1の初期化サブ段階において、第1の発光制御信号EMBは、補償モジュール300及び漏電抑制モジュール400を導通されるように制御し、第2の発光制御信号EMは、第1の発光制御モジュール700及び第2の発光制御モジュール800を導通されるように制御し、第2の走査信号S2は、駆動モジュール100を導通させるように、初期化モジュール900を導通されるように制御し、生成された駆動電流は、初期化モジュール900を介して流出する。駆動モジュール100は導通され、大きな電流が流れ、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)を初期化すると同時に駆動モジュール100のバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【0068】
第2の初期化サブ段階において、第2の発光制御信号EMは、第1の発光制御モジュール700及び第2の発光制御モジュール800をオフに制御し、リファレンス電圧信号Vrefは、引き続き発光素子OLEDの陽極を初期化する。
【0069】
図10は、本願の実施例に係る1つの画素回路の駆動の時間順序の模式図である。以下、図7及び図10を参照しながら画素回路の駆動過程について説明する。
【0070】
第1の初期化サブ段階t11において、第2の走査信号S2、第1の発光制御信号EMB及び第2の発光制御信号EMはローレベルであり、第1のトランジスタM1、第2のトランジスタM2、第5のトランジスタM5、第6のトランジスタM6及び第7のトランジスタM7は導通され、駆動トランジスタMDのゲート電極G及び発光素子OLEDの陽極は同時にリセットされ、駆動トランジスタMDのゲート電極Gには、リファレンス電圧信号Vrefが書き込まれ、この際、駆動トランジスタMDには大きな電流が流れ、駆動トランジスタMDのバイアス状態を改善して残像の問題を改善することに有利である。
【0071】
第2の初期化サブ段階t12において、第1の初期化段階t11と異なる点は、第2の発光制御信号EMがローレベルからハイレベルに変わり、第5のトランジスタM5及び第6のトランジスタM6がオフされ、駆動トランジスタMDが大電流を生成しなくなることである。ゲート電極Gの電位は、第1のコンデンサC1により保持され、リファレンス電圧信号Vrefは、引き続き発光素子OLEDの陽極を初期化する。
【0072】
データ書込段階t2において、第2の走査信号S2はハイレベルであり、第7のトランジスタM7はオフされる。第1の走査信号S1及び第1の発光制御信号EMBはローレベルであり、第3のトランジスタM3、第4のトランジスタM4、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2は導通され、データ信号Dataは、第3のトランジスタM3、第4のトランジスタM4、駆動トランジスタMD、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2を介してゲート電極G及び第1のノードN1に書き込まれ、即ち第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2に書き込まれる。リファレンス電圧信号Vrefがデータ信号Dataの電圧よりも低いため、データ書込段階t2において、ゲート電極Gの電位は徐々に上昇する。
【0073】
発光段階t3において、第1の走査信号S1及び第1の発光制御信号EMBはハイレベルであり、第3のトランジスタM3、第4のトランジスタM4、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2はオフされる。第2の発光制御信号EMはローレベルであり、第5のトランジスタM5及び第6のトランジスタM6は導通され、発光素子OLEDは点灯される。その間、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2は、第1のノードN1及びゲート電極Gの電位をラッチする。第1のノードN1とゲート電極Gの電位が非常に近いため、第2のトランジスタM2の漏れ電流が非常に小さく、そのため、ゲート電極Gの電位がより安定し、表示パネルのフリッカーの問題が改善される。
【0074】
引き続き図10を参照し、段階t0は初期状態であり、1つ前のフレームの発光段階と考えられる。
【0075】
図10には、第2の初期化サブ段階t12とデータ書込段階t2との間に第1の過渡段階がさらに含まれることを例示的に示している。第1の過渡段階において第2の走査信号S2はローレベルからハイレベルに変わり、第1の発光制御信号EMBはローレベルからハイレベルに変わり、これは本願を限定するものではない。他の実施例において、第1の過渡段階が設けられず、第2の走査信号S2は、データ書込段階t2においてローレベルからハイレベルに変わり、第1の発光制御信号EMBは、初期化段階及びデータ書込段階t2においてローレベルに保持されてもよい。
【0076】
図10には、データ書込段階t2と発光段階t3との間に第2の過渡段階がさらに含まれることを例示的に示している。第2の過渡段階において第1の走査信号S1及び第1の発光制御信号EMBはローレベルからハイレベルに変わり、これは本願を限定するものではない。他の実施例において、第2の過渡段階が設けられず、第1の走査信号S1及び第1の発光制御信号EMBは、発光段階t3においてローレベルからハイレベルに変わってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御端、第1の端及び第2の端を備える駆動モジュールと、
第1の走査信号がアクセスされる走査制御端、前記駆動モジュールの第1の端に電気接続される第1の端、及びデータ信号がアクセスされる第2の端を備えるデータ書込モジュールと、
第1の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及び第2の端を備える補償モジュールと、
前記第1の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの制御端に電気接続される第1の端、及び前記補償モジュールの第2の端に電気接続される第2の端を備え、前記補償モジュールと初期化段階及びデータ書込段階において導通される漏電抑制モジュールと、
前記補償モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及びリファレンス電圧信号がアクセスされる第2の端を備え、前記データ書込段階及び発光段階において、第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端とで電圧差が形成されると、前記電圧差を不変に維持するように構成される第1の記憶モジュールと、
を備える、
画素回路。
【請求項2】
前記補償モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの第2の端に電気接続され、第2の極が前記漏電抑制モジュールの第2の端に電気接続され、ゲート電極に前記第1の発光制御信号がアクセスされる第1のトランジスタを備え、
及び/又は、
前記漏電抑制モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの制御端に電気接続され、第2の極が前記補償モジュールの第2の端に電気接続され、ゲート電極に前記第1の発光制御信号がアクセスされる第2のトランジスタを備える、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記第1の記憶モジュールは、
第1の極が前記補償モジュールの第2の端に電気接続され、第2の極に前記リファレンス電圧信号がアクセスされる第1のコンデンサを備え、
及び/又は
前記データ書込モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の極に前記データ信号がアクセスされ、ゲート電極に前記第1の走査信号がアクセスされる第3のトランジスタを備える、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項4】
前記データ書込モジュールは、
前記第1の発光制御信号がアクセスされる同期制御端と、
第2の極に前記データ信号がアクセスされ、ゲート電極に前記第1の走査信号がアクセスされる第3のトランジスタと、
第1の極が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の極が前記第3のトランジスタの第1の極に電気接続され、ゲート電極に前記第1の発光制御信号がアクセスされる第4のトランジスタと、
をさらに備え
前記第1の走査信号及び前記第1の発光制御信号の共同制御で前記データ信号を伝送する、
請求項に記載の画素回路。
【請求項5】
前記駆動モジュールの制御端に電気接続される第1の端と、第1の電源信号がアクセスされる第2の端と、第1の極が前記駆動モジュールの制御端に電気接続され、第2の極に前記第1の電源信号がアクセスされる第2のコンデンサとを備え、発光段階において前記駆動モジュールの制御端の電位を不変に維持するように構成される第2の記憶モジュールをさらに備える、
請求項に記載の画素回路。
【請求項6】
第2の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの第1の端に電気接続される第1の端、及び第1の電源信号がアクセスされる第2の端を備える第1の発光制御モジュールと、
前記第2の発光制御信号がアクセスされる制御端、前記駆動モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及び発光素子に電気接続される第2の端を備える第2の発光制御モジュールと、
第2の走査信号がアクセスされる制御端、前記第2の発光制御モジュールの第2の端に電気接続される第1の端、及び初期化信号がアクセスされる第2の端を備える初期化モジュールと、
をさらに備え、
前記第1の発光制御モジュール、前記第2の発光制御モジュール及び前記初期化モジュールは、前記初期化段階において同時に導通され
前記第1の発光制御モジュールは、
第1の極が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の極に前記第1の電源信号がアクセスされ、ゲート電極に前記第2の発光制御信号がアクセスされる第5のトランジスタを備え
及び/又は
前記第2の発光制御モジュールは、第1の極が前記駆動モジュールの第2の端に電気接続され、第2の極が前記発光素子に電気接続され、ゲート電極に前記第2の発光制御信号がアクセスされる第6のトランジスタを備え
及び/又は
前記初期化モジュールは、
第1の極が前記第2の発光制御モジュールの第2の端に電気接続され、第2の極に前記初期化信号がアクセスされ、ゲート電極に前記第2の走査信号がアクセスされる第7のトランジスタを備え
及び/又は、
前記発光素子は、前記第2の発光制御モジュールの第2の端と電気接続される陽極、及び第2の電源信号がアクセスされる陰極を備える、
請求項に記載の画素回路。
【請求項7】
前記リファレンス電圧信号は、前記初期化信号として兼用される、
請求項に記載の画素回路。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の画素回路を備える、
表示パネル。
【請求項9】
駆動モジュール、漏電抑制モジュール、データ書込モジュール、補償モジュール及び第1の記憶モジュールを備え、前記データ書込モジュールは、第1の端が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の端にデータ信号がアクセスされ、制御端に第1の走査信号がアクセスされ、前記補償モジュールは、第1の端が前記駆動モジュールの第2の端に電気接続され、制御端に第1の発光制御信号がアクセスされ、前記漏電抑制モジュールは、第1の端が前記駆動モジュールの制御端に電気接続され、第2の端が前記補償モジュールの第2の端に電気接続され、制御端に前記第1の発光制御信号がアクセスされ、前記第1の記憶モジュールは、第1の端が前記補償モジュールの第2の端に電気接続され、第2の端にリファレンス電圧信号がアクセスされる画素回路の駆動方法であって、
初期化段階において、前記第1の発光制御信号は、前記駆動モジュールの第1の端及び前記駆動モジュールの第2の端にそれぞれ異なる電気信号がアクセスされる場合、前記駆動モジュールを導通させて初期化するように、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御することと、
データ書込段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御し、前記第1の走査信号は、前記データ信号を前記駆動モジュールの制御端に書き込むように、前記データ書込モジュールを導通されるように制御し、前記第1の記憶モジュールの第1の端及び前記駆動モジュールの制御端の電位は等しく、且つ前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端とで電圧差が形成されることと、
発光段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御し、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールをオフに制御し、前記第1の記憶モジュールは、前記漏電抑制モジュールの第1の端及び前記漏電抑制モジュールの第2の端の電位を等しくするように、前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端との電圧差を不変に維持することと、
を含む、
画素回路の駆動方法。
【請求項10】
前記画素回路は、第1の端が前記駆動モジュールの第1の端に電気接続され、第2の端に第1の電源信号がアクセスされ、制御端に第2の発光制御信号がアクセスされる第1の発光制御モジュールと、第1の端が前記駆動モジュールの第2の端に電気接続され、第2の端が発光素子に電気接続され、制御端に前記第2の発光制御信号がアクセスされる第2の発光制御モジュールと、第1の端が前記第2の発光制御モジュールの第2の端に電気接続され、第2の端に初期化信号がアクセスされ、制御端に第2の走査信号がアクセスされる初期化モジュールとをさらに備え、
前記初期化段階は、第1の初期化サブ段階及び第2の初期化サブ段階を含み、前記第1の初期化サブ段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御し、前記第2の発光制御信号は、前記第1の発光制御モジュール及び前記第2の発光制御モジュールを導通されるように制御し、前記第2の走査信号は、初期化モジュールを導通されるように制御し、前記リファレンス電圧信号は、駆動トランジスタのゲート電極及び前記発光素子の陽極を初期化し、前記第2の初期化サブ段階において、前記第2の発光制御信号は、前記第1の発光制御モジュール及び前記第2の発光制御モジュールをオフに制御し、前記リファレンス電圧信号は、前記発光素子の陽極を初期化し、
前記駆動方法は、
前記データ書込段階において、前記第2の走査信号は、前記初期化モジュールをオフに制御し、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールを導通されるように制御し、
前記発光段階において、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールをオフに制御し、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御し、前記第2の発光制御信号は、前記第1の発光制御モジュール及び前記第2の発光制御モジュールを導通されるように制御することをさらに含み
前記第2の初期化サブ段階と前記データ書込段階との間には、第1の過渡段階がさらに含まれ、
前記駆動方法は、
前記第1の過渡段階において、前記第2の走査信号は、前記初期化モジュールをオフに制御し、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御することをさらに含み
及び/又は
前記データ書込段階と前記発光段階との間には、第2の過渡段階が含まれ、
前記駆動方法は、
前記第2の過渡段階において、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールをオフに制御し、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御することをさらに含む
請求項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本願は、
初期化段階において、前記第1の発光制御信号は、前記駆動モジュールの第1の端及び前記駆動モジュールの第2の端にそれぞれ異なる電気信号がアクセスされる場合、前記駆動モジュールを導通させて初期化するように、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御することと、
データ書込段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールを導通されるように制御し、前記第1の走査信号は、前記データ信号を前記駆動モジュールの制御端に書き込むように、前記データ書込モジュールを導通されるように制御し、前記第1の記憶モジュールの第1の端及び前記駆動モジュールの制御端の電位は等しく、且つ前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端とで電圧差が形成されることと、
発光段階において、前記第1の発光制御信号は、前記補償モジュール及び前記漏電抑制モジュールをオフに制御し、前記第1の走査信号は、前記データ書込モジュールをオフに制御し、前記第1の記憶モジュールは、前記漏電抑制モジュールの第1の端及び前記漏電抑制モジュールの第2の端の電位を等しくするように、前記第1の記憶モジュールの第1の端と前記第1の記憶モジュールの第2の端との電圧差を不変に維持することと、を含み、本願の任意の実施例に係る画素回路に適用される画素回路の駆動方法をさらに提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記効果を実現すると同時に、本願の実施例に係る画素回路は、初期化段階において、駆動モジュールの第1の端及び駆動モジュールの第2の端にそれぞれ異なる電気信号がアクセスされる場合、例えば、駆動モジュールの第1の端に第1の電源信号がアクセスされ、第2の端に第2の電源信号がアクセスされる場合、駆動モジュールは導通され、大きな電流が流れることが可能であり、駆動モジュールの制御端を初期化すると同時に駆動モジュールのバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
初期化段階において、漏電抑制モジュール400及び補償モジュール300が導通され、駆動モジュール100の第2の端と駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)とが導通される。駆動モジュール100は、ダイオード接続方式をなし、駆動モジュール100の第1の端及び駆動モジュール100の第2の端にそれぞれ異なる電気信号がアクセスされる場合、例えば、駆動モジュール100の第1の端に第1の電源信号がアクセスされ、駆動モジュール100の第2の端に第2の電源信号がアクセスされる場合、駆動モジュール100が導通され、大きな電流が流れ、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)を初期化すると同時に駆動モジュール100のバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
上記効果を実現すると同時に、本願の実施例に係る画素回路は、初期化段階において、駆動モジュール100の第1の端及び駆動モジュール100の第2の端にそれぞれ異なる電気信号がアクセスされる場合、例えば、駆動モジュール100の第1の端に第1の電源信号がアクセスされ、第2の端に第2の電源信号がアクセスされる場合、駆動モジュール100は導通され、大きな電流が流れることが可能であり、駆動モジュール100の制御端(ゲート電極G)を初期化すると同時に駆動モジュール100のバイアス状態の改善に有利で、残像の問題の改善に有利である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
以下、駆動モジュール100の第1の端及び第2の端にそれぞれ異なる電気信号がアクセスされ、駆動モジュール100が大きな電流を生成する場合について説明する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
S110において、初期化段階において、第1の発光制御信号EMBは、駆動モジュール100の第1の端及び駆動モジュール100の第2の端にそれぞれ異なる電気信号がアクセスされる場合、駆動モジュール100を導通させて初期化するように、補償モジュール300及び漏電抑制モジュール400を導通されるように制御する。
【国際調査報告】