(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】外科用縫合のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20240409BHJP
A61F 2/08 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61B17/04
A61F2/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568240
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 US2022027877
(87)【国際公開番号】W WO2022235937
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507084844
【氏名又は名称】デボル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マコーミック,ダニエル,エフ.
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA20
4C097AA21
4C097BB01
4C097CC04
4C160BB30
4C160LL30
(57)【要約】
縫合糸と一緒に使用するための外科用装置及び関連の方法が、全体的に説明されている。いくつかの実施形態では、外科用装置は、長尺状本体、及び欠損部位の反対側の縁を横切って縫合糸がプレートを通過することを可能にするように構成された複数の貫通孔を含み得る。プレートは、その本体に沿って張力を再分散させることによって、隣接する組織を縫合線の張力から保護し得る。いくつかの実施形態では、開示の外科用装置は、組織欠損部を貫通させて引く縫合糸に起因する欠損部閉鎖の不具合の可能性を低下させ得る。いくつかの実施形態では、貫通孔は、過度の縫合糸の摩擦及び縫合糸の誤った扱いを低下させるために、オフセットされた平行な軸に位置し得る。開示の外科用装置は、結節縫合パターン又は連続縫合パターンのいずれかで使用され得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟組織に縫合糸を固定するための外科用装置であって、
長さ及び幅を含む長尺状本体であって、前記長さは前記幅を超える、長尺状本体;
前記長尺状本体の第1の面から、前記第1の面に対向する前記長尺状本体の第2の面まで延在する第1の複数の貫通孔であって、前記長尺状本体の前記長さの少なくとも第1の部分に沿って位置決めされる第1の複数の貫通孔;及び
前記長尺状本体の前記第1の面から前記第2の面まで延在する第2の複数の貫通孔であって、前記第2の複数の貫通孔は、前記長尺状本体の前記長さの少なくとも第2の部分に沿って位置決めされ、前記第2の複数の貫通孔は、前記長尺状本体の前記幅に対して平行な横断方向において、前記第1の複数の貫通孔からオフセットされている、第2の複数の貫通孔
を含む、装置。
【請求項2】
前記長尺状本体の前記長さの前記第1の部分と前記長尺状本体の前記長さの前記第2の部分は、部分的に重なり合う、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項3】
前記長尺状本体の前記長さの前記第1の部分と前記長尺状本体の前記長さの前記第2の部分は、互いに同一の広がりをもつ、請求項2に記載の外科用装置。
【請求項4】
前記第1の複数の貫通孔は、前記長尺状本体の縦軸に対して平行な第1の軸に沿って位置決めされ、前記第2の複数の貫通孔は、前記長尺状本体の前記縦軸に対して平行な第2の軸に沿って位置決めされる、請求項1~3のいずれか1項に記載の外科用装置。
【請求項5】
前記第1の複数の貫通孔の少なくとも一部分は、前記第2の複数の貫通孔の少なくとも一部分と、前記装置の縦方向に沿って位置合わせされる、請求項1~4のいずれか1項に記載の外科用装置。
【請求項6】
前記第1の複数の貫通孔の少なくとも一部分は、前記第2の複数の貫通孔の少なくとも一部分から、前記装置の縦方向に沿ってオフセットされる、請求項1~5のいずれか1項に記載の外科用装置。
【請求項7】
前記第1の複数の貫通孔と前記第2の複数の貫通孔は、前記横断方向において少なくとも6mmだけオフセットされる、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項8】
前記第1の複数の貫通孔のピッチは、前記第2の複数の貫通孔のピッチと等しい、請求項4に記載の外科用装置。
【請求項9】
前記幅は8mm未満である、請求項1~8のいずれか1項に記載の外科用装置。
【請求項10】
前記第1の複数の貫通孔及び前記第2の複数の貫通孔は円形である、請求項1~9のいずれか1項に記載の外科用装置。
【請求項11】
前記装置は生体吸収性材料で形成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の外科用装置。
【請求項12】
前記第1の複数の貫通孔は少なくとも2つの貫通孔を含み、及び前記第2の複数の貫通孔は少なくとも2つの貫通孔を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の外科用装置。
【請求項13】
軟組織に縫合糸を固定する方法であって、前記方法は、
縫合糸の第1の端を、欠損部の第1の側から、外科用装置の第1の複数の貫通孔のうちの第1の貫通孔に通過させることであって、前記第1の複数の貫通孔は、前記外科用装置の長さの少なくとも第1の部分に沿って位置決めされ、前記第1の複数の貫通孔は、前記外科用装置の第1の面から前記外科用装置の第2の面まで延在すること;及び
前記縫合糸の第2の端を、前記欠損部の反対側から、前記外科用装置の第2の複数の貫通孔のうちの第1の貫通孔に通過させることであって、前記第2の複数の貫通孔は、前記外科用装置の前記長さの少なくとも第2の部分に沿って位置決めされ、前記第2の複数の貫通孔は、前記外科用装置の前記第1の面から前記外科用装置の前記第2の面まで延在すること
を含み、
前記第2の複数の貫通孔は、前記外科用装置の幅に対して平行な横断方向において、前記第1の複数の貫通孔からオフセットされる、方法。
【請求項14】
さらに、前記欠損部を横切って、前記縫合糸の前記第1の端及び前記第2の端を固定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記縫合糸の前記第1の端及び前記第2の端を固定することは:
前記縫合糸の前記第1の端を、前記第1の複数の貫通孔のうちの第2の貫通孔に通過させること;及び
前記縫合糸の前記第1の端を、前記欠損部の前記反対側にある前記第2の複数の貫通孔のうちの第2の貫通孔に通過させること
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記外科用装置の前記長さの前記第1の部分と前記外科用装置の前記長さの前記第2の部分は、部分的に重なり合う、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記外科用装置の前記長さの前記第1の部分と前記外科用装置の前記長さの前記第2の部分は、互いに同一の広がりをもつ、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の複数の貫通孔間に延在する第1の軸は、前記外科用装置の縦軸に対して平行であり、且つ前記第2の複数の貫通孔間に延在する第2の軸 第4の軸は、前記装置の前記縦軸に対して平行である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
さらに:
前記第1の複数の貫通孔の前記第2の貫通孔と前記第2の複数の貫通孔の前記第2の貫通孔との間に、前記欠損部を横切るようにループを形成すること;及び
前記ループと前記装置の前記第1の面との間に、前記欠損部を横切るように、前記縫合糸の前記第1の端を通すこと
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
さらに、前記縫合糸の前記第1の端と前記第2の端とを結んで結び目を作ることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
さらに、前記第1の複数の貫通孔及び前記第2の複数の貫通孔に前記縫合糸を通過させることによって、結節縫合パターンを形成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
さらに、前記第1の複数の貫通孔及び前記第2の複数の貫通孔に前記縫合糸を通過させることによって、連続縫合パターンを形成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の複数の貫通孔の少なくとも一部分は、前記第2の複数の貫通孔の少なくとも一部分と、前記装置の縦方向に沿って位置合わせされる、請求項13~22のいずれか1項に記載の外科用装置。
【請求項24】
前記第1の複数の貫通孔の少なくとも一部分は、前記第2の複数の貫通孔の少なくとも一部分から、前記装置の縦方向に沿ってオフセットされる、請求項13~22のいずれか1項に記載の外科用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年5月7日出願の米国特許出願第63/185,668号の優先権を主張し、その開示全体を本願明細書に援用する。
【0002】
分野
[0002] 本技術は、概して、外科用装置及び関連の方法に関する。より具体的には、外科用縫合のための装置及び方法が開示されている。
【背景技術】
【0003】
[0003] 既存の手術方法は、欠損部(例えば、創傷部)を閉じるために、又は以前から存在する組織にインプラント若しくはプロテーゼ(プロステティック)を取り付けるために、ぴんと張った縫合線を利用する。欠損部が軟組織に形成されている場合には、縫合線に沿って引張力が与えられていると、特に縫合糸が欠損部を閉じるために締め付けられると、縫合糸が組織中を貫通して引張る。そのような貫通引張(pull-through)事象は、欠損部の閉鎖を妨げ得るだけではなく、組織(例えば、創傷部の縁に沿った裂傷部位)に新しい欠損部を不必要に導入し得る。
【0004】
[0004] 執刀医(例えば、外科医)は、欠損部を好適に閉じるために、様々なタイプの縫合パターンを用い得る。結節縫合は、一般に、簡単に設置でき且つ個別に制御可能であり(位置及び張力の双方において)、これは、縫合経路が曲がりくねった欠損部の境界面を辿ることを可能にし得るが、設置して締め付けるためには、より時間がかかる。対照的に、連続縫合は、一般に、結節縫合よりも設置及び除去を迅速にし、且つ典型的には使用する縫合材料が少ないものの、組織欠損部の境界面に沿って均一に締め付けることはより困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] いくつかの実施形態では、軟組織に縫合糸を固定するための外科用装置は、長さ及び幅を備える長尺状本体と、第1の複数の貫通孔と、第2の複数の貫通孔とを含む。長尺状本体の長さは、長尺状本体の幅を超える。第1の複数の貫通孔は、長尺状本体の第1の面から、第1の面に対向する長尺状本体の第2の面まで延在する。第1の複数の貫通孔は、長尺状本体の長さの少なくとも第1の部分に沿って位置決めされる。第2の複数の貫通孔は、長尺状本体の第1の面から、第1の面に対向する長尺状本体の第2の面まで延在する。第2の複数の貫通孔は、長尺状本体の長さの少なくとも第2の部分に沿って位置決めされる。第2の複数の貫通孔は、長尺状本体の幅に対して平行な横断方向において、第1の複数の貫通孔からオフセットされている。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、軟組織に縫合糸を固定するための方法は、縫合糸の第1の端を、欠損部の第1の側から、外科用装置の第1の複数の貫通孔のうちの第1の貫通孔に通過させること、及び縫合糸の第2の端を、欠損部の反対側から、外科用装置の第2の複数の貫通孔のうちの第1の貫通孔に通過させることを含む。第1の複数の貫通孔は、外科用装置の長さの少なくとも第1の部分に沿って位置決めされ、第1の複数の貫通孔は、外科用装置の第1の面から外科用装置の第2の面まで延在する。第2の複数の貫通孔は、外科用装置の長さの少なくとも第2の部分に沿って位置決めされ、及び第2の複数の貫通孔は、外科用装置の第1の面から外科用装置の第2の面まで延在する。第2の複数の貫通孔は、外科用装置の幅に対して平行な横断方向において、第1の複数の貫通孔からオフセットされる。
【0007】
[0007] 上述の概念、及び下記で説明する追加的な概念は、本開示はこれに関して限定されないため、任意の好適な組み合わせで配置され得ることが認識されるべきである。さらに、本開示の他の利点及び新規の特徴は、添付図面と併せて考慮されるときに、様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0008] 添付図面は、縮尺通りであることを意図していない。図面では、様々な図面に示されるそれぞれの同一又はほぼ同一の構成要素は、同様の符号によって表され得る。明確にするために、全ての図面において全ての構成要素に符号が付されているわけではない。
【0009】
【
図1】[0009]組織欠損部を貫通によって引き裂いた後の、一連の縫合糸の概略図である。
【
図2】[0010]貫通させて引いたことによる裂傷を示す、結節縫合パターンの概略的な上面図である。
【
図3】[0011]外科用装置の一実施形態を使用する、結節縫合パターンの概略的な上面図である。
【
図4】[0012]
図3の外科用装置の斜視的な上面図である。
【
図5】[0013]
図3の外科用装置の上面図である。
【
図6】[0014]
図3の外科用装置の前面図である。
【
図7】[0015]線7-7に沿って取った
図5の外科用装置の断面図である。
【
図8A】[0016]
図3の外科用装置を使用する創傷部閉鎖方法を示す概略図である。
【
図8B】[0016]
図3の外科用装置を使用する創傷部閉鎖方法を示す概略図である。
【
図8C】[0016]
図3の外科用装置を使用する創傷部閉鎖方法を示す概略図である。
【
図8D】[0016]
図3の外科用装置を使用する創傷部閉鎖方法を示す概略図である。
【
図8E】[0016]
図3の外科用装置を使用する創傷部閉鎖方法を示す概略図である。
【
図8F】[0016]
図3の外科用装置を使用する創傷部閉鎖方法を示す概略図である。
【
図9】[0017]いくつかの実施形態による、外科用装置を使用する創傷部閉鎖方法のフローチャートを示す。
【
図10】[0018]いくつかの実施形態による、外科用装置を使用する別の創傷部閉鎖方法のフローチャートを示す。
【
図11】[0019]いくつかの実施形態による、外科用装置を使用するさらに別の創傷部閉鎖方法のフローチャートを示す。
【
図12】[0020]貫通させて引いたことによる裂傷を示す連続縫合パターンの概略的な上面図である。
【
図13】[0021]外科用装置の一実施形態を使用する連続縫合パターンの概略的な上面図である。
【
図14】[0022]
図13からの外科用装置の上面図である。
【
図15】[0023]外科用装置の別の実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0024] ぴんと張った縫合線は、軟組織欠損部閉鎖の外科的な基準である。低侵襲又は非侵襲的な外科的処置の出現によって、ロボットで行うような欠損部閉鎖処置を促進した。しかしながら、執刀医へのロボット器具からの触覚フィードバックがないため、本発明者らは、縫合線に沿って加えられる最大引張応力を執刀医(例えば、外科医)が決定することができなくなる可能性があり、これは、縫合糸を貫通させて引く可能性を高め得ることを認識した。前述のように、縫合糸を貫通させて引くことは、欠損部閉鎖の不具合及び他の望ましくない結果を引き起こし得る。
【0011】
[0025] 場合によっては、縫合糸を受け入れるための貫通孔が形成されたバットレス綿撒糸が、外科的応用において縫合糸を貫通させて引くリスクを低下させるために使用され得る。綿撒糸は、下層の軟組織を縫合線の張力から守ることによって、欠損部を横切る縫合線の接近(縫合糸を貫通させて引く最中に発生し得る)を防止するために、縫合線に沿って配置され得る。しかしながら、本発明者らは、既存のバットレス綿撒糸にある縫合線が、隣接する縫合線に沿って過度の摩擦抗力に見舞われ、これが、縫合糸の破損につながり得ることを認識した。さらに、本発明者らは、これらの綿撒糸が複雑な縫合パターンで使用されるとき、縫合線が絡み合う可能性があり、これが、縫合糸の誤った扱い、縫合糸の破損、及び/又は不適切な欠損部閉鎖につながり得ることを認識した。
【0012】
[0026] 上記を考慮して、本発明者らは、バットレス綿撒糸に関連付けられる恩恵を認識しており、これにより、互い違いの平行線に沿って分散された貫通孔を確認する。例えば、いくつかの実施形態では、バットレス綿撒糸(本明細書では、「装置」とも呼ばれる)は、装置の長さに沿って少なくとも部分的に延在する2つ以上の群の貫通孔を含み得る。複数の群の貫通孔は、互いにオフセットされ得る。従って、縫合糸は、2つ以上の群の貫通孔を所望の縫合パターンで通過させられて、関連の組織欠損部を閉じ得る。オフセットされた貫通孔は、縫合糸端を物理的に分離して、欠損部閉鎖前の縫合線間の接触を減らし得る。換言すると、オフセットされた貫通孔は、欠損部の反対側の縁から延在する縫合線を分離することによって、縫合糸の干渉(及びそれに続く摩擦発生及び/又は縫合糸の破損)を減らし得る。本明細書で開示する様々な装置で使用され得る貫通孔及び対応する縫合パターンの特定の配置構成は、下記で詳述される。
【0013】
[0027] いくつかの実施形態では、装置は、長尺状本体を含み得、本体に沿って複数の貫通孔が分散されている。貫通孔は、欠損部の1つの縁から欠損部の反対側の別の縁まで渡る縫合線に適応するように構成され得る。貫通孔の分散は、欠損部のサイズ、適切な刺し目サイズ(欠損部の縁から、縫合線を展開するために使用される針又は任意の他の器具の穿刺点まで測定された)、縫合パターン、縫合糸サイズ、及び執刀医(例えば、外科医)が考慮し得る任意の他の数の要因によって、決定され得る。長尺状本体は、欠損部を横切って、欠損部に沿って置かれるように構成され得るか、又は使用中に組織欠損部を閉じるのを支援するために、欠損部の縁に対して任意の方向の向きにされ得る。
【0014】
[0028] いくつかの実施形態によれば、貫通孔は、特定の縫合パターンに関して配置され得る。上述したように、執刀医は、特定の欠損部閉鎖部位に対応する様々な要因に応答して、異なる縫合パターンを用い得る。縫合パターンは、結節、連続、並置、内翻、外反、減張、又は任意の他の種類の縫合パターンとし得る。いくつかの実施形態では、装置は、プーリーステッチパターンによって使用され得る。装置はまた、結節及び連続の単純な縫合(時には、「何度もの繰り返し」としても知られている)、結節及び連続皮内、結節及び連続水平マットレス、結節及び連続垂直マットレス、結節及び連続レンバード(Lembert)、クッシング(Cushing)、纒絡、ハルステッド(Halsted)、コネル(Connell)、巾着、アルファ、ジグザグ、コイル、スイッチバック、フィンガートラップ、ガンビー(Gambee)、十字縫合パターン、フォード-インターロッキング(Ford-interlocking)、パーカー-カー(Parker-Kerr)、ファーファーニアニア(far-far-near-near)、ファーニアニアファー(far-near-near-far)、ニアファーファーニア(near-far-far-near)、インターロッキングループ、3ループプーリー、又は任意の他の好適な縫合パターンで使用され得る。
【0015】
[0029] 本明細書で説明する装置は、任意の好適な外科又は非外科的応用において使用され得る。例えば、装置は、ヘルニア修復における筋膜欠損部閉鎖処置用のバットレス綿撒糸として使用され得る。装置はまた、他の組織欠損部閉鎖及び/又はインプラント取付け処置、例えば虫垂切除術、生検、頸動脈内膜剥離術、白内障の修復、帝王切開、胆嚢摘出術、心臓バイパス、デブリードマン(創傷、熱傷、感染などの)、組織移植、扁桃腺摘出術、又は任意の他の好適な外科的処置に使用され得る。装置は、軟組織、軟骨、靭帯、骨、又は任意の他の生体物質の欠損部閉鎖において使用され得る。本開示は、用途又は使用される欠損部のタイプによって限定されないことが認識されるべきである。
【0016】
[0030] 外科用装置は、任意の材料又は材料の組み合わせで形成され得ることが認識されるべきである。いくつかの実施形態では、装置は、欠損部が形成される材料よりも剛性の高い材料で形成され得る。例えば、装置は、軟組織と比べて剛性の高い及び/又は耐引裂性が高い材料で形成され得る。このようにして、装置は、閉じるために使用される材料よりも高い、貫通による引き裂きに対する抵抗性をもたらし得る。外科的応用では、装置は、生体適合性材料で形成され得るが、非外科的応用では、装置は、非生体適合性材料を含む任意の所望の材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、装置は、可撓性材料、例えば発泡体、フェルト、又はファブリックで形成され得る。しかし、硬質プラスチック及び/又は金属が装置を形成するために使用される実施形態も考慮される。装置はまた、接近させられたものからの流体(例えば、欠損部からの流体)を吸収できる材料で形成され得る及び/又は止血性を有し得る。従って、装置は、原欠損部位からの流体、又は縫合針若しくは縫合糸による組織の侵入のせいで漏れ得る流体のいずれかの漏れを最小限にし得る。
【0017】
[0031] いくつかの実施形態では、本明細書で開示するような装置は、埋め込み型装置として欠損部位に留まるように構成され得、及び時間が経つにつれて著しく分解しないのがよい。執刀医は、抜糸処置の最中に装置を除去することを選択しても、又は閉鎖処置が外部閉鎖処置であるか若しくは内部閉鎖処置であるか次第で、装置を体内に、若しくは体の上に残してもよい。他の実施形態では、装置は、生分解性及び/又は生体吸収性材料から作製され得、装置が、生理的温度、水和、酵素存在、及び/又は任意の他の分解性要因に曝露されるせいで、所与の期間にわたって分解するようにする。上記を考慮して、装置は、任意の適切な生体適合性、非生体適合性、非生体吸収性材料、生体吸収性材料、前述の組み合わせ、及び/又は本開示はこのように限定されないため、任意の他の適切なタイプの材料で形成され得る。いくつかの具体的な実施形態では、装置は、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリカーバメート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリウレア、ポリエーテル、ポリアルキルエーテル、ポリアミン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチック-コ-グリコール酸)(poly(lactic-co-glycolic acid))、ポリ(グリコリド-コ-トリメチレンカーボネート)(poly(glycolide-co-trimethylene carbonate))、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(poly(D,L-lactide-co-caprolactone))、ポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)、ポリ(ホスファターゼエステル)、ポリ無水物、ポリエステル、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、コポリマー、ブロックポリマー、ブロックコポリマー、線状ポリマー、分岐ポリマー、樹枝状ポリマー、架橋ポリマー、金属(例えば、ステンレス鋼、チタン)、これらの任意の組み合わせ、又は本開示はそのように限定されないため、任意の他の好適な材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、装置は、天然材料、例えば自己組織、天然ポリマー、例えば多糖類(例えば、セルロース)、タンパク質、又は任意の他の天然材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、装置は、複合材、例えば繊維強化材料で形成され得る。
【0018】
[0032] 本明細書で使用されるような、用語「生体吸収性」、「分解性」、又は他の同様の用語は、装置が使用される生理環境又は任意の他の環境内での物理的又は化学的なきっかけに応答して、生体吸収性、吸収性、及び/又は分解性である材料を指し得る。例えば、生体吸収性材料は、酵素との化学的相互作用、温度、pH、又は任意の他の化学的マーカが原因で、所与の期間にわたって生理環境から排除され得る。
【0019】
[0033] 装置が少なくとも1種の生体吸収性材料で形成される実施形態では、材料は、欠損部が治癒した後、インビボで分解し得る。装置は、2日、4日、5日、1週間、2週間、3週間、1カ月、1.5カ月、2カ月、3カ月、又は任意の他の好適な持続時間後に、インビボで分解し得る。
【0020】
[0034] 本明細書で説明する外科用装置は、装置で使用され得る材料組成又は縫合糸のタイプによって限定されない。例えば、縫合糸は、天然又は合成材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、縫合糸は、装置よりも軟質の材料で形成され得る、及び/又は適切な断面を有し得るため、縫合糸は、装置を貫通させて引いたり、又は縫合糸の破損荷重に到達する前に、装置を損傷させたりしないことがある。縫合糸は、非生体吸収性材料、例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ステンレス鋼、チタン、任意のこれらの組み合わせ、又は任意の他の好適な非生体吸収性材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、縫合糸は、生体吸収性材料、例えばポリジオキサノン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチック-コ-グリコール酸)、生体材料(例えば、コラーゲン、セルロース)、これらの任意の組み合わせ、又は任意の他の好適な材料で形成され得る。
【0021】
[0035] 縫合糸及び装置の双方が生体吸収性材料で形成される実施形態では、縫合糸及び装置は、同じ期間中にインビボで分解し得る。他の実施形態では、装置は縫合糸よりも速く分解し得る。他の実施形態では、さらに、縫合糸は装置よりも速く分解し得る。いくつかの実施形態では、生体吸収性縫合線は非生体吸収性装置で使用され得る。他の実施形態では、非生体吸収性縫合線は生体吸収性装置で使用され得る。他の実施形態では、さらに、非生体吸収性縫合線は非生体吸収性装置で使用され得る。本開示は、縫合糸又は装置の材料組成又は分解特性によって限定されないことが認識されるべきである。
【0022】
[0036] 図面を見ると、非限定的な具体的な実施形態がさらに詳細に説明されている。これらの実施形態に関して説明する様々なシステム、構成要素、特徴、及び方法は、本明細書で説明する具体的な実施形態のみに本開示が限定されないため、個別に及び/又は任意の所望の組み合わせのいずれかで使用され得ることが理解されるべきである。例えば、本明細書で説明する全ての実施形態は、軟組織を接近させるために使用される外科用装置を指すが、本明細書で説明する装置は、ぴんと張ったひもや線によって軟質材料が接近され得るいずれかの用途で使用されるように構成され得る。
【0023】
[0037]
図1は、縫合糸の貫通によって引き裂かれる従来技術のシステムの一実施形態を示す。執刀医は、組織部分11aと11bとの間に形成された欠損部14を連続縫合線12によって閉じようと試みた可能性がある。しかしながら、縫合線12内の張力が、組織部分11bを縫合線12が貫通により引き裂く原因となった可能性がある。
図1に示すように、縫合線12が組織部分11Bを引き裂くことは、欠損部14を閉じるために組織部分11a、11bを接近させ損なうだけでなく、組織部分11bに新しい裂傷13をもたらしもする。いくつかの従来技術のシステムでは、縫合線12は、組織部分11a及び11bの双方を貫通により引き裂きすなわち裂傷を作り得ることが認識されるべきである。
【0024】
[0038]
図2は、結節縫合パターン(例えば、プーリーステッチ)による縫合糸の貫通によって引き裂かれる従来技術のシステムの一実施形態を示す。この実施形態では、縫合糸12a、12bは、欠損部14を横切り、組織部分11a、11bを接近させる。しかしながら、
図2に示すように、縫合糸12a、12b内の張力によって、裂傷13を引き起こし、且つ欠損部14の閉鎖を妨げ得る。
【0025】
[0039]
図3は、いくつかの実施形態による外科用装置を使用する欠損部閉鎖を示す。外科用装置10は、組織部分11a、11bを接近させるために、欠損部14を横切って、プーリーステッチパターンによって使用され得る。プーリーステッチパターンは、結節縫合糸の各通過後に結び目15を含み得る。
図3に示すように、装置10は、各縫合糸12の張力を分散させることによって、及び関連する貫通孔が、装置が配置される組織の表面において縫合糸の箇所を制限するおかげで、組織を縫合糸による貫通による引き裂きの物理的障壁として機能することによって、縫合糸12が組織部分11a、11bを貫通させて引く可能性を低下させ得る。
【0026】
[0040] 外科医は、欠損部14に沿った装置10の最適な位置を決定してもよいことが認識されるべきである。いくつかの実施形態では、装置10は、
図3に示すように、縫合線12に沿った引張力を最大とし得る、欠損部14の最も幅が広い点に配置され得る。他の実施形態では、2つ以上の装置10が、図面に示すように、欠損部14を閉じるために使用され得、ここで、組織欠損部を閉じるために、複数の装置及び別々の縫合糸が互いに組み合わせて使用される。それゆえ、本開示は、欠損部14に沿って位置決めされ且つそれを閉じるために使用される装置10の位置、配置構成、又は数に限定されないことが認識されるべきである。
【0027】
[0041]
図4は、いくつかの実施形態による外科用装置10を示す。装置10は、縫合糸が装置を通過することを可能にするための複数の貫通孔20a、20b、30a、30bを含み得る。いくつかの実施形態では、装置10は、位置合わせ目的で、装置の対向端部からほぼ等距離の位置にある位置に、装置の幅の少なくとも一部分にわたって延在する正中線マーカ40、例えば線又は溝を含み得る。マーカ40は、装置10の残りの部分とは視覚的に異なってもよく、執刀医(例えば、外科医)が、装置10の正中線を光学的に決定できるようにし得る。装置10は、人間工学的な機能性のために丸められた端部分52、54を備える長尺状本体を含み得るが、非線形形状及び/又は非丸められた端部分も考慮される。装置10はまた、装置の周辺に延在し且つ使用中に装置が組織に配置されるときにそれぞれ下層の組織の方へ向く及びそこから外方を向く2つの対向する面間に延在する1つ以上の側壁50を含み得る。
【0028】
[0042]
図5に示すように、装置10は、いくつかの実施形態では、長尺状本体を含み得る。いくつかの実施形態では、装置10は、競技場(例えば、角丸長方形)形状とし得、端部分52、54は丸みを帯び得る。他の実施形態では、装置10は、楕円形(例えば、円形)、長方形(例えば、四角形)、角丸長方形、偏菱形、台形、多角形、曲線、これらの任意の組み合わせ、及び/又は任意の他の好適な形状とし得る。異なる応用では異なる本体形状を使用し得るため、装置10は、その本体の形状によって限定されないことが認識されるべきである。
【0029】
[0043] いくつかの実施形態では、装置10は、第1の次元、例えば長さL1を含み、これは、第2の次元、例えば幅W1と垂直とし得る。装置10が長尺状本体を有する実施形態では、装置10の長さL1は、幅W1を超え得る。従って、装置10が結節縫合パターンで使用されるとき、装置10は、その長さL1が欠損部14の横方向LDに広がり且つその幅W1が欠損部の横断方向TDに広がるような向きにされ得る(
図3の欠損部14に示すように)。装置10は、
図3において、欠損部14の横方向LDと位置合わせされるように示されるが、装置10が欠損部14の横方向LDに対して角度の付いた向きにされる実施形態も考慮されることが認識されるべきである。下記でさらに詳細に説明するように、本開示はそのように限定されないため、装置10の長さL1及び幅W1は、任意の好適なサイズとし得る。
【0030】
[0044] 装置10は、装置の長さL1の次元に沿って広がる第1の軸AX(例えば、縦軸)、及び幅W1の次元に沿って広がる第2の軸AX2を含み得る。第1の軸AX及び第2の軸AX2は、
図5では垂直であると示されており、それらはそれぞれ縦軸及び横軸に対応するが、軸AXと軸AX2との間に他の向きも考慮されることが認識されるべきである。軸AXは、
図5に示すように装置10の中心にあっても、又は装置に対して任意の他の位置にあってもよい。同様に、いくつかの実施形態では、軸AX2は、
図5に示すように装置10の中心にあってもよいが、他の実施形態では、軸AX2は、装置に対して任意の他の位置にあってもよい。
【0031】
[0045]
図5で表されているいくつかの実施形態によれば、装置10は、少なくとも4つの貫通孔20a、20b、30a、30bを含み得る。貫通孔のうちの2つ、20a及び30aは、軸AX2の一方の側にあってもよいが、他の2つの貫通孔20b及び30bは、AX2の反対側にあってもよい。いくつかの実施形態では、貫通孔のうちの2つ、20a及び20bは、軸AXの一方の側にあってもよいが、他の2つの貫通孔30a及び30bは、軸AXの反対側にあってもよい。いくつかの実施形態では、装置10は、軸AXとAX2の交差によって形成される各象限に少なくとも1つの貫通孔を含み得る。
【0032】
[0046] いくつかの実施形態によれば、貫通孔20a及び20bは、同じ軸、例えば軸AXに対して平行とし得る第3の軸AX3上にあってもよい。換言すると、貫通孔20a及び20bは、軸AX3に沿って位置合わせされてもよい。貫通孔20a及び20bが、装置の長さに沿って延在する軸AXに対して平行な軸に沿って位置合わせされていなくてもよい実施形態も考慮されることが認識されるべきである。いくつかの実施形態では、貫通孔30a及び30bは、軸AXに対して平行な軸、例えば第4の軸AX4に沿って位置合わせされてもよいが、他の実施形態では、貫通孔30a及び30bは、軸AXに対して平行な軸に沿って位置合わせされていなくてもよい。いくつかの実施形態では、軸AX3及びAX4、並びに装置の長さの一部分に沿って形成された関連の別々の群の貫通孔は、装置の幅に対して平行であり、且つ互いに対してオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、平行な軸AX3及びAX4に沿ってある貫通孔はまた、装置の長さに沿って互いに対して互い違いにされ得、別々の群の貫通孔のそれぞれにある貫通孔が、装置の長さに沿った異なる位置に位置決めされ得るようにする。当然ながら、軸AX3とAX4との間の他の角度が付いた配置構成も考慮される。下記でさらに詳細に説明するように、縦方向及び横断方向(すなわち、長さ及び幅)の双方における貫通孔30a及び30bからの貫通孔20a及び20bのオフセットの性質は、いくつかの縫合パターンを使用するときに上述の貫通孔を通過する縫合糸間の摩擦接触を減らし得る。
【0033】
[0047] いくつかの実施形態によれば、軸AX3、及び関連の第1の群の貫通孔は、
図5に示すように、軸AXから距離W3だけオフセットされ得る。距離W3は、少なくとも2mm、2.25mm、2.5mm、2.75mm、3mm、3.25mm、3.5mm、3.75mm、4mm、4.5mm、5mm、又は任意の他の好適なサイズとし得る。距離W3はまた、5mm以下、4.5mm以下、4mm以下、3.75mm以下、3.5mm以下、3.25mm以下、2.75mm以下、2.5mm以下、2.25mm以下、2mm以下、又は任意の他の好適なサイズとし得る。これらの範囲の組み合わせが、例えば、距離W3が4mm~5mm、3mm~5mm、3mm~6mm、又は任意の他の好適な範囲のサイズとし得ることを含め、考慮される。いくつかの実施形態では、距離W3は3mmとし得る。距離W3は、用途、貫通孔のサイズ、及び/又は装置10の幅W1に基づいて調整され得ることが認識されるべきである。
【0034】
[0048] 上記と同様に、軸AX4、及び関連の第2の群の貫通孔は、
図5に示すように、軸AXから距離W4だけオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、距離W3は距離W4と実質的に等しいとし得、軸AX3及び軸AX4は、軸AXの周りで鏡像である。しかしながら、距離W4が軸AX3未満でも又は超えていてもよい実施形態も考慮される。本開示はそのように限定されないため、距離W4は、距離W3と比べて任意の好適なサイズとし得ることが認識されるべきである。
【0035】
[0049] いくつかの実施形態では、各群の貫通孔のうちの第1の貫通孔30aと20aとの間に延在する軸、例えば第5の軸AX5は、装置の横軸とし得る横断次元TDに対して角度が付けられていてもよい。同様に、軸、例えば2つの別々の群の貫通孔に存在する第2の貫通孔20bと30bとの間に形成された第6の軸AX6は、横断次元TDに対して角度が付けられてもよい。いくつかの実施形態では、軸AX5及びAX6の双方共、装置の横軸に対して垂直な装置の縦軸とし得る横次元LDに対して角度が付けられてもよい。いくつかの実施形態では、
図5に示すように、軸AX5及びAX6は平行としてもよい。当然ながら、軸AX5及びAX6の非平行の配置構成も考慮される。さらに、オフセットされた複数の群の貫通孔に3つ以上の貫通孔が含まれる実施形態が考慮される。いくつかの実施形態では、軸AX3に沿って分散された貫通孔(例えば、貫通孔20a及び20b)は、軸AX4に沿って分散された貫通孔(例えば、貫通孔30a及び30b)から、縦方向に(例えば、軸AXに沿って)オフセットされ得る。他の実施形態では、下記でさらに詳細に説明するように、異なる縦軸に沿って分散された貫通孔は、互いに位置合わせされてもよい。
【0036】
[0050] いくつかの実施形態では、AX3上の最も外側の貫通孔(例えば、貫通孔20a及び20b)間で測定された距離は、L1の第1の部分を必然的に伴う一方で、AX4上の最も外側の貫通孔(例えば、貫通孔30a及び30b)間で測定された距離は、L1の第2の部分を必然的に伴う。いくつかの実施形態では、
図5によって示すように、L1の第1の部分と第2の部分は、部分的に重なり合ってもよい。換言すると、軸AX3に沿った1つの貫通孔(例えば、貫通孔20b)は、L1の第2の部分内になくてもよく、軸AX4に沿った1つの貫通孔(例えば、貫通孔30a)は、L1の第1の部分内になくてもよい。他の実施形態では、L1の第1の部分と第2の部分は、同一の広がりをもってもよく、2つの部分が実質的に重なり合うようにする。
【0037】
[0051] いくつかの実施形態では、貫通孔20aは、
図5に示すように、装置の正中線とし得る軸AX2から距離L2だけ離れて位置し得る。距離L2は、少なくとも2.5mm、3mm、3.5mm、3.8mm、4mm、4.2mm、4.5mm、4.8mm、5mm、5.2mm、5.5mm、6mm、7mm、又は任意の他の好適なサイズとし得る。距離L2はまた、7mm以下、6mm以下、5.5mm以下、5.2mm以下、5mm以下、4.8mm以下、4.5mm以下、4.2mm以下、4mm以下、3.8mm以下、3.5mm以下、3mm以下、2.5mm以下又は任意の他の好適なサイズとし得る。これらの範囲の組み合わせが、例えば、4mm~5mm、3mm~5mm、3mm~6mm、又は任意の他の好適な範囲のサイズの距離L2を含め、考慮される。貫通孔20a間の距離L2は、用途に合わせるために調整され得ることが認識されるべきである。例えば、非常に小さい欠損部サイズは、大きい欠損部を備える大きい欠損部と比べて小さい刺し目サイズを必要とし得る。従って、本開示はそのように限定されないため、距離L2は任意の好適なサイズとし得る。
【0038】
[0052] 同様に、
図5に示すように、貫通孔30aは、軸AX2から距離L3に位置し得る。距離L3は、少なくとも5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、又は任意の他の好適なサイズとし得る。距離L3はまた、50mm以下、40mm以下、30mm以下、25mm以下、20mm以下、15mm以下、12mm以下、11mm以下、10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、又は任意の他の好適なサイズとし得る。これらの範囲の組み合わせが、例えば、10mm~20mm、5mm~30mm、10mm~40mm、又は任意の他の好適な範囲のサイズの距離L3を含め、考慮される。いくつかの実施形態では、距離L3は10mmとし得る。距離L2に関して説明したように、本開示は距離L3のサイズによって限定されないため、距離L3は、任意の好適な用途のために、任意の好適なサイズとし得る。
【0039】
[0053] いくつかの実施形態では、貫通孔30bは、軸AX2から、距離L2に等しい距離だけ離間され得る。換言すると、貫通孔30B及び20Aは軸AX2から等距離としてもよい。他の実施形態では、貫通孔30bは、軸AX2から、距離L2を超える又は距離L2未満の距離だけ離間されてもよい。同様に、貫通孔20bは、軸AX2から、距離L3に等しい距離だけ離間されてもよく、貫通孔30A及び20Bは軸AX2から等距離となるようにし得る。貫通孔20B及び20Bの実施形態も考慮される。
【0040】
[0054] いくつかの実施形態では、装置の長さの少なくとも一部分に沿って延在する別々の群の貫通孔に存在する貫通孔の位置決めを特徴付ける別の方法は、装置の長さに沿った各群の貫通孔の対応する貫通孔間の縦方向オフセットを含み得る。例えば、
図5の実施形態では、各群にある貫通孔は、装置の長さに沿って同じ縦方向オフセットだけ互いに離間される(例えば、下記でさらに詳細に説明するように、ピッチ距離)。しかしながら、他方の群の貫通孔にある対応する孔に対する各孔の位置は、縦方向にオフセットされ得る。これは、
図5の図示の実施形態における、次元L2とL3との間の差に対応し得る。いくつかの実施形態では、異なる複数の群の貫通孔における対応する孔間のこの差(例えば、貫通孔20aと30aとの間の縦方向オフセット距離)は、少なくとも2mm、2.5mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、10mm、12mm、14mm、15mm、又は任意の他の好適な距離とし得る。異なる複数の群の貫通孔にある対応する孔間の縦方向オフセット距離はまた、15mm以下、14mm以下、12mm以下、10mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2.5mm以下、2mm以下、又は任意の他の好適な距離とし得る。これらの範囲の組み合わせも、例えば、2mm~15mm、3mm~10mm、5mm~15mm、2mm~10mm、又は任意の他の好適な範囲の距離の縦方向オフセット距離を含め、考慮される。いずれかの複数の群の貫通孔間の縦方向オフセット距離は、貫通孔の数、装置の長さL1、及び貫通孔の直径Dによって決定され得ることが認識されるべきである。
【0041】
[0055]
図5に示すように、いずれかの群の貫通孔は、そのそれぞれの軸に沿って(例えば、軸AX3に沿った貫通孔20a及び20bの群)、縦方向のピッチ距離だけ、均一に分散され得る。いくつかの実施形態では、いずれかの群の貫通孔の縦方向のピッチ距離は5mmとし得る。他の実施形態では、いずれかの群の貫通孔の縦方向のピッチ距離は、少なくとも4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、20mm、22mm、25mm、又は任意の他の好適な距離とし得る。いずれかの群の貫通孔の縦方向のピッチ距離はまた、25mm以下、22mm以下、20mm以下、16mm以下、15mm以下、14mm以下、13mm以下、12mm以下、11mm以下、10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、又は任意の他の好適な距離とし得る。これらの範囲の組み合わせも、例えば、5mm~20mm、4mm~10mm、5mm~15mm、又は任意の他の好適な範囲の距離のいずれかの群の貫通孔の縦方向のピッチ距離を含め、考慮される。いずれかの群の貫通孔の縦方向のピッチ距離は、貫通孔の数、装置の長さL1、及び貫通孔の直径Dによって決定され得ることが認識されるべきである。当然ながら、本開示はそのように限定されないため、いずれかのそれぞれの軸に沿って複数の群の貫通孔のいずれかが均一に離間されない実施形態も考慮される。いくつかの実施形態では、第1の群の貫通孔に対して測定されたピッチ距離は、第2の群の貫通孔に対して測定されたピッチ距離と等価とし得る。当然ながら、複数の群の貫通孔が異なるピッチ距離を有する実施形態も考慮される。
【0042】
[0056] 下記でさらに詳細に説明するように、貫通孔20a、20b、30a、及び30bは、任意の好適な直径Dを有し得る。円形貫通孔を
図5に示すが、貫通孔を通過する縫合糸からの張力を装置10が分散させることを可能にするために、任意の他の好適な形状が使用され得ることが認識されるべきである。いくつかの実施形態では、貫通孔20a、20b、30a、及び30bは全て、
図5に示すように、同じ直径Dを有してもよいが、他の実施形態では、貫通孔20a、20b、30a、及び30bは、異なるサイズにされてもよい。本開示は、貫通孔の形状、サイズ、数、又は箇所によって限定されない。
【0043】
[0057] いくつかの実施形態によれば、装置に形成された貫通孔に対する装置10の正中線40は、装置の全長L1に沿って中心に位置し得る。他の実施形態では、正中線40は、長さL1に沿って任意の他の位置にあってもよい。正中線40は、光学的に区別できるように、任意の好適な光学特性を有してもよい。例えば、正中線40は、装置10の残りの部分と比べると、異なる色、不透明度、材料、又は表面構造を有し得る。装置が欠損部の横断方向に沿って位置決めされる実施形態(例えば、
図10)では、装置は、正中線40を含まなくてもよい。本開示は、正中線40の存在、位置、又は光学特性によって限定されないことが認識されるべきである。
【0044】
[0058]
図6は、いくつかの実施形態による装置10の側面図を示す。装置は、下層の支持面(例えば、組織)の方に向けられた装置の底面60から、下層の支持面から見て外方に向けられた上面70まで測定された、厚さTを有し得る。
図6では一様の厚さTを示すが、装置10にわたって可変厚さTの実施形態も考慮される。例えば、上面70は、底面60に対して平行でなくてもよい。いくつかの実施形態では、上面70及び/又は底面60は、周囲環境との接着性を高めるために表面特徴を含み得る。例えば、組織と接触し得る底面60は、表面特徴、例えば溝、突出部、又は組織をより良好に掴むように構成された他の表面テクスチャーを含み得る。いくつかの実施形態では、底面60は、縫合プロセス中に装置10を横方向にあちこちに動かすことを可能にするために、滑らかでもよい。
【0045】
[0059] 下記でより詳細に説明するように、厚さTは、装置10の用途に対して任意の好適なサイズとし得る。装置10はまた、その側壁50と上面70との間に延在する、斜角を付けた、面取りされた、又は丸められた縁50aを含み得る。本開示はそのように限定されないため、側壁50は、(底面60と側壁50との間、及び/又は上面70と側壁50との間のいずれかに)任意の所望のタイプの縁を備えて形成され得ることが認識されるべきである。
【0046】
[0060]
図7は、
図5からの、線7-7及び貫通孔30aに沿って取った、装置10の断面図を示す。いくつかの実施形態では、貫通孔30b(及び任意の他の貫通孔)は、底面60(欠損部位と接触し得る)から上面70まで延在する。貫通孔30b(又は任意の他の貫通孔)は、丸められた又は曲線の内面としてもよく、内半径25が、関連の縫合線の長さに沿って応力集中点及び/又は引っかかり点を生み出すことなく、貫通孔を通過する縫合糸を収容する状態である。例えば、貫通孔30bの側壁と上面70との間の鋭い縁は、30bを通過する縫合線中の引張応力及び/又はせん断応力を大きくし得、且つ縫合線を破損させる原因となり得る。いくつかの実施形態では、内半径25は、
図5に示すような装置10の厚さの半分Hに実質的に等しいとし得るが、内半径25の他の実施形態も考慮される。
【0047】
[0061]
図8A~8Fは、いくつかの実施形態による装置10の使用方法を示す。
図8Aに示すように、執刀医(例えば、外科医)が、組織部分11aと11bとの間に形成された欠損部14を閉じようとし得る。従って、執刀医は、針(図示せず)又は任意の他の好適な組織穿刺手段を使用して、縫合糸12を組織部分11a中へ通して、組織部分11bから出し得る。いくつかの実施形態では、欠損部の縁から、組織11中への針及び/又は縫合糸の穿刺点まで測定された組織部分11aでの刺し目サイズは、組織部分11bでの刺し目サイズと実質的に等しいとし得る。次に、
図8Bに示すように、縫合糸12に装置10を通し得るか、又は逆も同様とし得る。いくつかの実施形態では、正中線40(
図5に示すように)は、執刀医が欠損部14及び縫合糸12と装置10を位置合わせするのを容易にし得る。他の実施形態では、装置10は、位置合わせを可能にする任意の他の光学特性を含み得る。例えば、装置10は、透明又は半透明とし得、執刀医が装置10を通して欠損部を可視化することを可能にする。いくつかの実施形態では、縫合糸12は、
図8Bに示すステップにおいて、貫通孔30a及び30bを通過してもよい。他の実施形態では、
図8Bに示すステップにおいて、縫合糸12は、貫通孔20a及び20bを通過してもよい。縫合糸12は、使用される好適な縫合パターンに従って任意のパターンの貫通孔を通過してもよいことが認識されるべきである。例えば、
図8Bに示すステップにおいて、縫合糸12は、貫通孔20a及び30bを通過してもよい。上述したように、装置10又は関連の動作方法は、縫合パターンによって限定されない。
【0048】
[0062]
図8Cに示すように、執刀医は、引き続き、縫合糸12を残りの貫通孔に通過させ得る。
図8Dに示すように、執刀医は、縫合糸12を孔30aに通過させ、孔30bから出し、孔20aに通過させ、及び孔20bから出して、far-near-near-far縫合パターンを辿ってもよい。
図8Dに示すステップにおいて、縫合糸12は、欠損部14を閉じるのに十分な張力がないことがある。従って、
図8Cに示すように、縫合糸ループ12dが、貫通孔のうちの2つの間に形成され得る。縫合糸ループ12dは、貫通孔20aと30bとの間に示されているが、縫合糸ループ12dは、任意の他の対の貫通孔間に位置してもよいことが認識されるべきである。いくつかの実施形態では、縫合糸12は、2つ以上の縫合糸ループ12dを含んでもよい。
図8Eに示すように、執刀医は、縫合糸12の一方の端を縫合糸ループ12dに通して、組織部分を近づけて、欠損部14を閉じることができるとし得る。いくつかの実施形態では、縫合糸12は、組織部分11a、11bを近づけるために縫合糸ループ12dに通す必要はないことがある。縫合糸12の両自由端は、ぴんと張られて結ばれ、縫合糸12をさらにぴんと張り、且つ適所に固定し得る(
図3の結び目15によって示すように)が、縫合糸12をぴんと張り且つ固定する他の方法も考慮される。
【0049】
[0063]
図9は、いくつかの実施形態による、外科用装置を使用するfar-near-near-far縫合パターンを使用する欠損部閉鎖方法のためのフローチャートを示す。ブロック400では、縫合糸が、欠損部(例えば、
図8Dに示すような、欠損部14)の第1の側(例えば、
図8Dに示すような、組織部分11a)から組織中へ挿入され得る。その後、ブロック410に示すように、縫合糸は、第2の側(例えば、
図8Dに示すような、組織部分11b)から組織を出てもよい。これらの実施形態では、第1の側の第1の刺し目サイズは、第2の側の第2の刺し目サイズよりも大きい。ブロック420では、装置(例えば、
図8Dに示すような、装置10)が、組織から延在する一対の縫合糸端と位置合わせされて、それらが通過するようにされ得る。
図9に示す方法のいくつかの実施形態では、一方の縫合糸端は、他方の縫合糸端が貫通孔20b又は30aうちの1つを通過するときに(
図8Fに示す)、貫通孔20a又は30bのうちの1つを通過し得る。ブロック430では、欠損部の第2の側からの縫合糸端は、第2の刺し目サイズと実質的に等しい第3の刺し目サイズで、欠損部の第1の側中へ挿入され得る。ブロック440では、ブロック430からの縫合糸端は、組織及び/又は欠損部を横切って通過し、且つ第1の刺し目サイズと実質的に等しい第4の刺し目サイズで、欠損部の第2の側から出得る。ブロック450では、欠損部の第2の側からの縫合糸端は、第3の縫合糸の刺し目と第4の縫合糸の刺し目と間(それぞれブロック530及び540において)に形成されたループ(例えば、
図8Cのループ12d)の下に通す。ループの下(例えば、装置の上面とループとの間)に縫合糸端を通すことによって、組織を近づけるときに、欠損部の正式な閉鎖(例えば、縫合糸を結ぶ)前に、縫合糸が張力を一時的に保つことを可能にし得る。前述のように及びブロック460に示すように、縫合糸端は、縫合糸端が反対方向にぴんと張られる状態で、欠損部を横切ってぴんと張られて及び/又は結び目が作られて、欠損部の第1の側と第2の側を近づけ得、これにより、欠損部閉鎖を可能にし得る。いくつかの実施形態では、装置の貫通孔の配置構成は、後続の縫合糸の刺し目に刺すときに縫合線間の干渉なく、縫合糸が各貫通孔を通過することを可能にし得る。換言すると、装置の貫通孔配置構成は、縫合糸端を縫合糸ループの下に最終的に通すまで、縫合線がそれら自体の経路(例えば、刺し目間)と交差するのを防ぎ得る。縫合線の自己交差及び/又は自己干渉がないことによって、縫合線が、上面で装置に直接接触し、且つ第4の刺し目と創傷部閉鎖部との間の縫合糸の一直線の動きに抵抗することを可能にし得、これは、縫合線の弛み及び不適切な縫合糸閉鎖の原因となり得る。
【0050】
[0064]
図10は、いくつかの実施形態による、外科用装置を使用するnear-far-far-near縫合パターンを使用する欠損部閉鎖方法のフローチャートを示す。ブロック500では、縫合糸が、欠損部の第1の側から組織中へ挿入され得る。その後、ブロック510に示すように、縫合糸は、第2の側から組織を出てもよい。これらの実施形態では、第1の側での第1の刺し目サイズは、第2の側での第2の刺し目サイズよりも小さいとし得る。ブロック520では、装置は、組織から延在する一対の縫合糸端と位置合わせされて、それらが通過するようにされ得る。
図10に示す方法のいくつかの実施形態では、一方の縫合糸端は、他方の縫合糸端が貫通孔20b又は30aのうちの1つを通過する(
図8Fに示す)ときに、貫通孔20A又は30Bのうちの1つを通過し得る。ブロック530では、欠損部の第2の側からの縫合糸端は、第2の刺し目サイズと実質的に等しい第3の刺し目サイズで、欠損部の第1の側中へ挿入され得る。ブロック540では、ブロック530からの縫合糸端は、組織及び/又は欠損部を横切って通過し、且つ第1の刺し目サイズと実質的に等しい第4の刺し目サイズで、欠損部の第2の側から出得る。ブロック550では、欠損部の第2の側からの縫合糸端は、欠損部を正式に閉鎖する前に縫合糸を一時的にぴんと張るために、第3の縫合糸の刺し目と第4の縫合糸の刺し目との間(それぞれブロック530及び540で説明した)に形成されたループの下に通し得る。前述のように、及びブロック560に示すように、縫合糸端は、欠損部を横切ってぴんと張られて及び/又は結び目が作られて、欠損部の第1の側と第2の側を近づけ且つ固定し得、これにより、欠損部閉鎖を可能にし得る。いくつかの実施形態では、両縫合糸端に反対方向に張力が加えられて、欠損部閉鎖を容易にし得る。
【0051】
[0065]
図11は、いくつかの実施形態による、外科用装置を使用する垂直マットレス縫合パターンを使用する欠損部閉鎖方法のフローチャートを示す。ブロック600では、縫合糸が、欠損部の第1の側から組織中へ挿入され得る。その後、ブロック610に示すように、縫合糸は、第2の側から組織を出得る。これらの実施形態では、第1の側での第1の刺し目サイズは、第2の側での第2の刺し目サイズと実質的に等しいとし得る。ブロック620では、装置は、組織から延在する一対の縫合糸端と位置合わせされて、それらが通過するようにされ得る。
図11に示す方法のいくつかの実施形態では、縫合糸端は、貫通孔20b及び30aを通過し得る(
図8Fに示す)。ブロック630では、欠損部の第2の側からの縫合糸端は、第2の刺し目サイズよりも小さい第3の刺し目サイズで、欠損部の第2の側中へ挿入され得る。ブロック640では、ブロック630からの縫合糸端は、組織及び/又は欠損部を横切って通過し、且つ第3の刺し目サイズと実質的に等しい第4の刺し目サイズで、欠損部の第1の側から出得る。前述のように、及びブロック650に示すように、縫合糸端は、ぴんと張られて及び/又は結び目が作られて、欠損部の第1の側と第2の側を近づけ得、これにより、欠損部閉鎖を可能にし得る。
【0052】
[0066] 本明細書で説明した外科用装置10のいくつかの実施形態は、結節縫合パターンで使用され得るが、装置の他の実施形態は、連続縫合パターンで使用され得る。
図12は、執刀医が、組織部分11aと11bとの間に形成された欠損部14を連続縫合線12で閉じようとしたときに、縫合糸の貫通によって引き裂かれる、従来技術のシステムの一実施形態を示す。
図12に示すように、縫合線12内の過度の張力が、組織の至る所での裂傷13の原因となり得、これは、欠損部閉鎖を妨げ得るだけでなく、隣接する組織に対する追加的な損傷の原因となり得る。
【0053】
[0067] 従って、いくつかの実施形態では、
図13に示すように、装置100が、連続縫合線で使用され得る。縫合線12は、欠損部14及び装置100を通って、組織部分11Aと11Bとの間を繰り返し通過し得、及び結び目15が作られて縫合線12をぴんと張り得るか、又は他の方法で締め付け得る。これらの実施形態では、装置100は、装置の長さの少なくとも一部分に沿って延在する2つの別々の群の貫通孔に位置し且つ横断次元において互いにオフセットされる貫通孔に縫合糸を交互に通過させることによって、使用され得る。それゆえ、図面に示すように、縫合線12は、ひとたび、欠損部の2つの部分が互いに隣接して位置決めされた状態で、閉鎖された、すなわち近づけられた形態になると、欠損部14の一方の側に位置する貫通孔200から、欠損部14の別の側に位置する貫通孔300まで通過し得る。図示の実施形態では、欠損部の反対側に位置決めされた貫通孔は、互いに位置合わせされて、複数の群の貫通孔が、装置の長さに沿って縦方向に互いにオフセットされないようにしているが、縦方向オフセットが使用される実施形態も考慮される。単純な連続縫合パターン(何度もの繰り返しの縫合パターンとしても知られている)が
図13に示されているが、任意の他の連続縫合パターン、例えば、限定されるものではないが、ford interlocking、連続水平マットレス、連続垂直マットレス、連続Lembert、Cushing、Connell、巾着、Halsted、纒絡、又は任意の他の好適な縫合パターンが、本明細書で説明する装置のいずれかで用いられてもよい。
【0054】
[0068] 単一の装置100が、
図13では欠損部14に沿って示されているが、1つ以上の装置の他の好適な配置構成も考慮されることが認識されるべきである。例えば、横断方向TDにおいて組織欠損部14よりも小さいことがある装置が用いられて、組織欠損部14の最も幅の広い部分を覆ってもよい。別の例では、横断方向TDにおいて組織欠損部14よりも大きいことがある装置が用いられてもよい。これらの実施形態では、装置の長尺状本体は、欠損部閉鎖を容易にし、且つ欠損部を覆うことによって汚染のリスクを低下させ得る。当然ながら、本開示はそのように限定されないため、組織欠損部14に対する装置の任意の他の配置構成及び/又は向きも用いられてもよい。
【0055】
[0069]
図14及び
図15に示すように、外科用装置100、1000は、軸AXに沿って延在する長さL1を含み得る。装置100のこれらの実施形態では、軸AXは、欠損部の横断方向TDに対して平行に延在し得、及び横方向LD、すなわち装置の横軸とは反対に、装置の縦軸に対して平行に延在し得ることが認識されるべきである。これは、
図3及び
図5で上述した形態とは反対である。装置100、1000はまた、軸AX2、例えば装置の横軸に沿って延在する幅W1を含み得る。いくつかの実施形態では、装置の縦軸とし得る軸AXは、
図14及び
図15に示すように、軸AX2に対して垂直とし得るが、軸AX及びAX2の他の配置構成も考慮される。
【0056】
[0070] 装置100、1000は、軸AXに対して平行とし得る装置の長さの一部分に沿って延在する軸AX3に沿って位置合わせされた複数の貫通孔200、2000、及び装置の長さの一部分に沿って延在し且つ軸AXに対して平行な軸AX4に沿って位置合わせされた別の複数の貫通孔300、3000を含み得る。いくつかの実施形態では、軸AX3及びAX4は、軸AXを横切って鏡像であり、軸AX3とAX4との間で測定された距離W2は、軸AX4と軸AXとの間で測定された距離W3の2倍に等しいとし得る。いくつかの実施形態では、距離W2は少なくとも6mmとし得る。当然ながら、軸AX3及びAX4が軸AXに沿って鏡像ではない実施形態も考慮される。複数の貫通孔200、2000及び貫通孔300、3000を、
図14及び
図15では軸AXを横切って鏡像であるとして示すが、貫通孔の他の構成も考慮される。下記でより詳細に説明するように、本開示はそのように限定されないため、複数の貫通孔のそれぞれは同じ直径Dを有しても、又は複数の直径の任意の組み合わせを有してもよい。
【0057】
[0071]
図14及び
図15に示す実施形態では、装置は、装置の長さの一部分に沿って延在するそれぞれ別の群の貫通孔に少なくとも5個の貫通孔を含む。しかしながら、本明細書で開示する装置のいずれかに、任意の適切な数の貫通孔が含まれてもよい。例えば、本開示による外科用装置は、装置の長さに沿って延在する貫通孔の群に、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19、20個、又は任意の他の好適な数の貫通孔を含み得る。外科用装置はまた、別々の群の貫通孔に、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、11個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は任意の他の好適な数の貫通孔を含み得る。本明細書で説明する装置は、貫通孔の数によって限定されないことが認識されるべきである。
【0058】
[0072] 上述の通り、いずれかの軸に沿って分散された貫通孔は、任意の他の軸に沿って分散された貫通孔と、縦方向(例えば、軸AXに沿って)において位置合わせ又はオフセットされ得る。例えば、
図14及び
図15に示すように、軸AX3に沿って分散された貫通孔200、2000は、軸AX4に沿った貫通孔300、3000と位置合わせされる。当然ながら、縦軸上の貫通孔が互いにオフセットされる実施形態(
図5に示すように)も考慮される。
【0059】
[0073] 装置100、1000のいくつかの実施形態では、
図14及び
図15に示すように、最も外側の貫通孔は、装置の正中線、例えば、軸AX2から距離L2だけ離れて位置し得る。いくつかの実施形態では、距離L2は3cmである。距離L2は、少なくとも0.5cm、1cm、1.25cm、1.5cm、1.75cm、2cm、2.25cm、2.5cm、2.75cm、3cm、3.5cm、4cm、又は任意の他の好適なサイズとし得る。距離L2はまた、4cm以下、3.5cm以下、3cm以下、2.75cm以下、2.5cm以下、2.25cm以下、2cm以下、1.75cm以下、1.5cm以下、1.25cm以下、1cm以下、0.5cm以下、又は任意の他の好適なサイズとし得る。これらの範囲の組み合わせも、例えば、1cm~3cm、0.5cm~4cm、又は任意の他の好適な範囲のサイズの距離L2を含め、考慮される。
【0060】
[0074]
図14及び
図15に示すように、各群の貫通孔内の複数の貫通孔200、2000、300、3000は、距離L4(例えば、ピッチ距離)だけ、互いに均一に離間され得る。いくつかの実施形態では、距離L4は12.7mmとし得る。他の実施形態では、距離L4は5mmとし得る。いくつかの実施形態では、距離L4は、少なくとも4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、又は任意の他の好適なサイズとし得る。距離L4はまた、16mm以下、15mm以下、14mm以下、13mm以下、12mm以下、11mm以下、10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、又は任意の他の好適なサイズとし得る。これらの範囲の組み合わせも、例えば、4mm~15mm、5mm~12mm、又は任意の他の好適な範囲のサイズの距離L4を含め、考慮される。距離L4は、貫通孔の数、装置の長さL1、及び貫通孔の直径Dによって決定され得ることが認識されるべきである。当然ながら、本開示はそのように限定されないため、複数の貫通孔200、2000、300、3000のいずれかが、いずれかのそれぞれの軸に沿って均一に離間されない実施形態も考慮される。
【0061】
[0075] 本開示は、縫合線のサイズによって限定されないことが認識されるべきである。いくつかの実施形態では、縫合線は、米国薬局方(U.S.P.:United States Pharmacopeia)によって規定された任意の好適な基準とし得、例えば、限定されるものではないが、11-0、10-0、9-0、8-0、7-0、6-0、5-0、4-0、3-0、2-0、0、1、2、3、4、5、6、7を含む。従って、装置のいずれかの貫通孔の直径Dは、特定のサイズの縫合線に適合するようなサイズにされ得る。いくつかの実施形態では、貫通孔の直径Dは、縫合線の直径の少なくとも1倍、1.25倍、1.5倍、1.75倍、又は任意の他の好適な倍数とし得る。対応して、いずれかの貫通孔の直径Dは、縫合線の直径の2倍以下、1.75倍以下、1.5倍以下、1.25倍以下、又は任意の他の好適な倍数とし得る。上述の範囲の組み合わせも、例えば、関連の縫合線の直径の1~2倍の直径の貫通孔を含め、考慮される。貫通孔の直径Dは、縫合線の直径の1.5倍とし得る。いくつかの実施形態では、縫合糸直径の3倍超の貫通孔直径は、正確な縫合糸の配置を妨げることがあり、且つ縫合糸張力を適切に分散させない可能性がある。
【0062】
[0076] いくつかの実施形態では、装置のいずれかの貫通孔の直径Dは、少なくとも0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.1mm、0.15mm、0.12mm、0.14mm、0.16mm、0.2mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、1mm、1.2mm、1.4mm、1.6mm、2mm、又は任意の他の好適な直径とし得る。対応して、いずれかの貫通孔の直径Dは、2mm以下、1.6mm以下、1.4mm以下、1.2mm以下、1mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下、0.4mm以下、0.35mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、0.16mm以下、0.14mm以下、0.12mm以下、0.15mm以下、0.1mm以下、0.08mm以下、0.07mm以下、0.06mm以下、0.05mm以下、0.04mm以下、0.03mm以下、0.02mm以下、又は任意の他の好適な直径とし得る。上述の範囲の組み合わせも、例えば、0.02mm~2mm、0.05mm~1mm、0.05mm~1.2mm、0.06mm~2mm、0.02mm~0.7mm、又は任意の他の好適な範囲のサイズであるいずれかの貫通孔の直径を含め、考慮される。
【0063】
[0077] いくつかの実施形態では、
図5、
図14、及び
図15に示すように、任意の所与の装置にある複数の貫通孔は、同じ直径Dを有してもよい。このようにして、製造プロセスは単純にされ得る。他の実施形態では、同じ装置にある異なる貫通孔は、異なる直径を有してもよい。貫通孔の直径のばらつきは、欠損部閉鎖処置の最中、他の貫通孔(例えば、
図5の近位貫通孔20a及び30b)よりも大きいとし得るいくつかの貫通孔(例えば、
図5の遠位貫通孔30a及び20b)において縫合線を調整することを可能にし得る。
【0064】
[0078]
図5、
図14、及び
図15では円形貫通孔を示すが、任意の他の好適な貫通孔の形状が用いられてもよいことが認識されるべきである。例えば、貫通孔の形状のいずれかは、楕円形、スロット形状、長方形、曲線、多角形、これらの任意の組み合わせ、又は任意の他の好適な形状とし得る。当然ながら、様々な形状の貫通孔の組み合わせも考慮される。例えば、
図5の遠位貫通孔30a及び20bは、スロット形状とし得、横断方向TDの寸法が、横方向LDの寸法を超えるようにし得るが、近位貫通孔20a及び30bは円形とし得る。本開示は、配置構成、形状、サイズ、向き、及び/又は上述の要因のいずれかの組み合わせによって限定されないことが認識されるべきである。
【0065】
[0079] いくつかの実施形態では、装置の長さは、少なくとも2cm、2.1cm、2.2cm、2.3cm、2.4cm、2.5cm、2.6cm、2.7cm、2.8cm、2.9cm、3cm、3.5cm、4cm、4.5cm、5cm、5.5cm、6cm、又は任意の他の好適なサイズとし得る。装置の長さL1はまた、6cm以下、5.5cm以下、5cm以下、4.5cm以下、4cm以下、3.5cm以下、3cm以下、2.9cm以下、2.8cm以下、2.7cm以下、2.6cm以下、2.5cm以下、2.4cm以下、2.3cm以下、2.2cm以下、2.1cm以下、2cm以下、又は任意の他の好適なサイズとし得る。これらの範囲の組み合わせも、例えば、2cm~6cm、2cm~3cm、3cm~6cm、又は任意の他の好適な範囲のサイズの長さL1の装置を含め、考慮される。いくつかの実施形態では、装置の長さL1は2.5cmとし得る。他の実施形態では、長さは6cmとし得る。装置の長さは、その長さが欠損部の横断方向に対して平行であるとき、欠損部の長さに合致するように調整され得ることが認識されるべきである。従って、本開示は欠損部のサイズによって限定されないため、装置は、2mm~15cmに及ぶ任意の欠損部サイズで、又は任意の他のサイズで、使用され得る。
【0066】
[0080] いくつかの実施形態では、装置の幅は、少なくとも4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、10mm、又は任意の他の好適なサイズとし得る。装置10、100、1000の幅W1はまた、10mm以下、8mm以下、7.5mm以下、7mm以下、6.5mm以下、6mm以下、5.5mm以下、5mm以下、4.5mm以下、4mm以下、又は任意の他の好適なサイズとし得る。これらの範囲の組み合わせも、例えば、4mm~10mm、5mm~8mm、6mm~10mm、又は任意の他の好適な範囲のサイズの幅である装置を含め、考慮される。いくつかの実施形態では、装置は、外科用器具(例えば、腹腔鏡、内視鏡、カテーテル、トロカール)のルーメン中を通して欠損部位へ送達され得る。これらの実施形態では、幅は8mm未満とし得、装置が器具中を通過することを可能にし得る。他の実施形態では、装置は、外科医がアクセス可能とし得る欠損部位に配置され得る(「開放」手術事象)。これらの実施形態では、装置は、外科医によって操作されるように任意の好適な幅とし得る。
【0067】
[0081] いくつかの実施形態では、装置の厚さは、装置を欠損部の表面に可撓式に一致させることを可能にするために、好適なサイズにされ得る。いくつかの実施形態では、欠損部は、曲面にわたって存在し得る。それゆえ、装置は、欠損部表面の曲面に一致するように、十分に可撓性とし得る。いくつかの実施形態では、厚さは、少なくとも1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、又は任意の他の好適なサイズとし得る。装置10、100、1000の厚さHはまた、2mm以下、1.9mm以下、1.8mm以下、1.7mm以下、1.6mm以下、1.5mm以下、1.4mm以下、1.3mm以下、1.2mm以下、1.1mm以下、1mm以下、又は任意の他の好適なサイズとし得る。これらの範囲の組み合わせも、例えば、1~2mm、1~1.5mm、1.2~2mm、又は任意の他の好適な範囲のサイズの厚さの装置を含め、考慮される。
【0068】
[0082] 装置の曲げ剛性は、装置の形状(例えば、角丸長方形、楕円形など)に関わらず、厚さの3乗に比例し得ることが認識されるべきである。従って、厚さは、装置の横方向サイズ(例えば、幅W1及び長さL1)に基づいて、選択され得る。例えば、幅及び長さが大きい装置の厚さは、幅及び長さが小さい装置の厚さを超え得る。装置の剛性は、幾何学的形状と材料特性(例えば、ヤング率)との組み合わせに合うように調整され得、装置が、その所望の応用に好適な剛性を有し得るようにする。いくつかの実施形態では、装置が低剛性を有することが望ましいとし得る。例えば、装置が、軟質であるが動的な表面に設置される場合、装置が硬質の静的表面に設置される場合よりも、装置が可撓性であることが望ましいとし得る。従って、装置は、任意の特定の厚さに限定されない。
【0069】
[0083] 本明細書で開示する装置は、外科又は非外科的応用において使用され得、それゆえ、応用に適切なサイズ及び/又は形状にされ得ることが認識されるべきである。従って、本明細書で説明する装置は、任意の特定の形状又はサイズに限定されない。
【0070】
[0084] 本開示のいくつかの実施形態を本明細書で説明し且つ図示したが、当業者は、機能を果たす、及び/又は結果及び/又は本明細書で説明する1つ以上の利点を得るために様々な他の手段及び/又は構造を容易に構想し、且つそのような変形例及び/又は修正例のそれぞれは本開示の範囲内にあるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書で説明する全てのパラメータ、寸法、材料、及び形態が例示を意味すること、及び実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は形態が、本開示の教示が使用される特定の用途又は複数の用途次第であることを、容易に認識するであろう。当業者は、ただの日常的な実験を使用するだけで、本明細書で説明する本開示の具体的な実施形態の多くの等価物を認める、又は確かめることができるであろう。それゆえ、上述の実施形態は、例としてのみ提示されていること、並びに添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内で、本開示は、具体的に説明及び特許請求したもの以外で、実行され得ることが理解される。本開示は、本明細書で説明するそれぞれ個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法に関する。さらに、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない限り、本開示の範囲内に含まれる。
【0071】
[0085] 例えば、1つ以上の物品、構造、力、場、流れ、方向/軌道、及び/又はこれらのサブコンポーネント及び/又はこれらの組み合わせの又はそれらの間の形状、向き、位置合わせ、及び/又は幾何学的関係に関する、本明細書で使用されるようないずれかの用語、及び/又はそのような用語による特徴付けに適している、上記でリストされていない任意の他の有形又は無形の要素は、別段の定義又は指示がない限り、そのような用語の数学的定義への絶対的な適合を必要としないことが理解されるが、むしろ、そのような主題に最も密接に関わっている当業者に理解されるように、主題がそのように特徴付けられることを可能にする程度での、そのような用語の数学的定義への適合を示すことが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】