(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】生体模倣3Dプリンティング及びその応用
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240409BHJP
C12N 5/071 20100101ALI20240409BHJP
C12M 3/00 20060101ALI20240409BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12N5/071
C12M3/00 A
C12Q1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568413
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 US2022028165
(87)【国際公開番号】W WO2022236119
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516346377
【氏名又は名称】ラング バイオテクノロジー ピービーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】マスード モダレシファー
(72)【発明者】
【氏名】モハマドアリ サファビエ
(72)【発明者】
【氏名】キアーサナ プラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ ハースト
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル イー.バックマン
(72)【発明者】
【氏名】デレク モリス
(72)【発明者】
【氏名】アクバル カリルポー
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ ダフィ
(72)【発明者】
【氏名】アマン カウル
(72)【発明者】
【氏名】イザベル アリアス
(72)【発明者】
【氏名】バーバラ シアー
(72)【発明者】
【氏名】ルイス アルバレズ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4B065
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029BB11
4B029CC10
4B029DB19
4B029DC02
4B029DF04
4B029DF05
4B029GB07
4B063QA01
4B063QA18
4B063QR77
4B063QX01
4B065AA90X
4B065BC06
4B065BC07
4B065BC46
4B065CA46
(57)【要約】
本開示のシステム及び方法は、ヒトの系及び動物の系に生理的に適したシステム及びモデルの作製に用いることができる。これらの生理的条件は、細胞分化及び増殖のための実際のヒト条件を模倣するように設計できる。本開示のシステム及び方法によって、ヒトスキャホールド又は動物スキャホールドに存在するものを模倣するように、適切なバイオマテリアルを形成できる。3Dプリンティング技術を利用することで、ハイドロゲルスキャホールドを、ヒトの生理的形状に非常に近い様々な解像度でプリントできる。さらに、構造を選択された用途に最適化することができ、試験前に適切な細胞をこのスキャホールドに播種できる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. 顕微鏡イメージングのためのマイクロ流体ハイドロゲルを保持するように設計されたプラスチック部品としてプリントされた、3Dプリントマイクロ流体ハイドロゲル保持器;並びに
b. 脈管構造及び気道という2つの区画を有する3Dプリントマイクロ流体ハイドロゲル、
を含む、3Dプリントスキャホールド及び細胞相互作用を評価するために使用することができる生体模倣システム。
【請求項2】
前記マイクロ流体ハイドロゲルの流体が細胞培地又は細胞含有物である、請求項1に記載の生体模倣システム。
【請求項3】
(a) 流体を導くように構成された血管網;及び
(b) 気体を保持するように構成された気道区画、
を含み、
前記気体と前記流体との間のガス交換を可能にするように前記血管網が前記気道区画と接触しており、
前記血管網及び前記気道区画がハイドロゲルスキャホールドを含む、
生体模倣ユニット。
【請求項4】
前記流体が血液である、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項5】
前記気体が酸素を含む、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項6】
前記気体が空気である、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項7】
前記血管網の前記高分子スキャホールドに肺動脈内皮細胞を播種する、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項8】
前記高分子がハイドロゲルである、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項9】
前記血管網用高分子スキャホールドと前記気道区画用高分子スキャホールドとが異なる単量体を含む、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項10】
前記高分子スキャホールドは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(N,N’-methylenebiasacrylamide)、及びメタクリル化コラーゲン 群から選択される1又は複数の化合物を含む、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項11】
前記血管網と前記気道区画との間の境界面の直径が250μm~350μmである、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項12】
前記血管網の内腔の直径が350μm~450μmである、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項13】
前記血管網の内腔の直径が50μm~500μmである、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項14】
前記血管網の内腔の直径が前記血管網と前記気道区画との間の境界面の直径以上である、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項15】
請求項1に記載の細胞化又は無細胞ガス交換ユニットを含む、人工肺。
【請求項16】
流体を導くように構成された血管網と、気体を保持するように構成された気道区画と、を含み、
前記血管網が前記気道区画と接触していることで、前記流体と前記気体との間のガス交換を可能にしている、
ガス交換ユニットをプリントすることを含む、ガス交換ユニットを形成する方法。
【請求項17】
前記ガス交換ユニットに肺動脈内皮細胞を播種することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記流体が血液又は細胞又は細胞緩衝培地である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ガス交換ユニットの血管網に全血を灌流させること、前記気道区画に空気を灌流させること、並びに、前記血管網と前記気道区画との間のガス交換を測定すること、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ガス交換ユニットが3Dプリンタを用いてプリントされる、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記ガス交換ユニットがバイオインクを用いてプリントされる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ガス交換ユニットが、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(N,N’-Methylenebiasacrylamide)、及びメタクリル化コラーゲン 群から選択される1又は複数の化合物を含むインクを用いてプリントされる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記ガス交換ユニットが、メタクリル化コラーゲン、ポリエチレングリコールジアクリレート、PEGメタクリレート、PEGジアクリレート、フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾホスフィン酸リチウム、フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾホスフィン酸ナトリウム、UV386A色素、及び3-ヒドロキシプロピルアクリレートを含むインクを用いてプリントされる、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
複雑な脈管構造を内皮細胞を用いて細胞化することによって脈管構造組織を形成し、血液を導くことを可能にするように構成された血管網と、
空気を保持しすることによって種々の上皮細胞による細胞化を行い、酸素をさらに含むように構成された気道区画と、
を含み、
前記血管網が前記気道区画と接触していることで、ガス交換を可能にしている、
生体模倣ユニット。
【請求項25】
請求項24に記載の生体模倣ユニットを利用して医薬組成物をスクリーニングする方法。
【請求項26】
請求項24に記載の生体模倣ユニットを利用して肺障害をモデル化する方法。
【請求項27】
請求項24に記載の生体模倣ユニットを利用して肺毒性試験を実施する方法。
【請求項28】
構造がカプセルネット(capsule net)構造である、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項29】
構造がジャイアントフィッシャー(giant fischer)構造である、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項30】
構造がフィッシャーブロック(fischer block)構造である、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項31】
ヒト臓器スケールの3Dプリントハイドロゲルスキャホールドを含む、請求項1に記載の生体模倣ユニット。
【請求項32】
前記バイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドが天然高分子又は合成高分子を含む、請求項31に記載の生体模倣ユニット。
【請求項33】
前記天然高分子がコラーゲン及びゼラチンのうちの1つを含む、請求項32に記載の生体模倣ユニット。
【請求項34】
細胞を播種された、請求項31に記載の生体模倣ユニット。
【請求項35】
前記細胞が内皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞である、請求項34に記載の生体模倣ユニット。
【請求項36】
小気道上皮細胞(SAEC)が前記バイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドの一方の側面に播種され、内皮細胞が前記バイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドの他方の側面に播種された、請求項31に記載の生体模倣ユニット。
【請求項37】
前記バイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドがゼラチン又はコラーゲン又は合成高分子を含む、請求項36に記載の生体模倣ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月6日に出願された米国仮出願第63/185,298号に基づく優先権を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に援用されるものとする。
【0002】
本出願は、生理的解像度が近い様々な細胞及びマイクロスキャホールドを研究するための、又は、3Dプリントスキャホールド内の2つの別個の複雑な構造間でのそのガス交換及び酸素/CO2移動を評価するための、ヒトの生理的条件を模倣するための生体模倣3Dプリントスキャホールドを得る方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒト及び動物の生理的条件の研究に、3D細胞培養モデルが用いられる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
1つの実施形態は、顕微鏡イメージングを用いてバイオスキャホールド、細胞インターフェース研究をモニターできる、3Dプリントユニットを提供することである。
【0005】
別の実施形態は、3Dプリントスキャホールドの形状及び構造に生理的環境を模倣させた様々な3D細胞培養を評価することである。
【0006】
別の実施形態は、脈管構造ネットワークを有する特定の細胞種に対する様々な化学成分及び薬剤の効力を評価するための、3Dプリント生体模倣ユニットである。
【0007】
別の実施形態は、1種又は数種のヒト細胞種からなる脈管構造系を作製するための、複雑な3Dプリント脈管構造モデルを提供することである。
【0008】
別の実施形態は、血液を導くように構成された血管網と、酸素を含む空気を保持するように構成された気道区画と、を含み、上記血管網が上記気道区画と接触していることで、ガス交換を可能にして、上記血管網を通過する血液の酸素含有量を増加させる、ガス交換ユニットである。別の実施形態は、上記ガス交換ユニットを含む人工肺である。
【0009】
別の実施形態は、血液を導くように構成された血管網と、酸素を含む空気を保持するように構成された気道区画と、を含み、上記血管網が上記気道区画と接触していることで、ガス交換を可能にして、上記血管網を通過する血液の酸素含有量を増加させる、ガス交換ユニット、をプリントすることを含む、ガス交換ユニットを形成する方法である。
【0010】
別の実施形態は、血液を導くように構成された血管網と、酸素を含む空気を保持するように構成された気道区画と、を含み、上記血管網が上記気道区画と接触していることで、ガス交換を可能にして、細胞が播種された上記血管網を通過する血液の酸素含有量を増加させる、ガス交換ユニット、を含むシステムオンチップデバイスである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】
図1A~
図1Bは、チッププラットフォーム上の3Dプリント肺を示している。
図1Aは、肺胞型ガス交換ユニットの模式図を示している。
図1Bは、血管内血液及び空気を灌流させた、3Dプリントスキャホールドを示している。
【
図1B】
図1A~
図1Bは、チッププラットフォーム上の3Dプリント肺を示している。
図1Aは、肺胞型ガス交換ユニットの模式図を示している。
図1Bは、血管内血液及び空気を灌流させた、3Dプリントスキャホールドを示している。
【
図2】
図2は、倒立DLP(digital light projection)システムの模式図を示している。
【
図3A】
図3A~
図3Cは、一実施形態の体内肺チップ(internal lung-on-a-chip)を3Dプリントするための、3Dプリンタ上に設置された3Dプリントマイクロ流体部品を示している。
【
図3B】
図3A~
図3Cは、一実施形態の体内肺チップ(internal lung-on-a-chip)を3Dプリントするための、3Dプリンタ上に設置された3Dプリントマイクロ流体部品を示している。
【
図3C】
図3A~
図3Cは、一実施形態の体内肺チップ(internal lung-on-a-chip)を3Dプリントするための、3Dプリンタ上に設置された3Dプリントマイクロ流体部品を示している。
【
図4A】
図4A~
図4Dは、一実施形態の3Dプリントマイクロ流体部品の模式図を示している。
図4Aは、一実施形態の入口側ディスペンサを示している。
図4Bは、一実施形態の3Dプリントハイドロゲルを示している。
図4Cは、一実施形態の、3Dプリントされたゲルを保持することになる、3Dプリントされたプラスチック容器を示している。
図4Dは、一実施形態の出口側ディスペンサを示している。
【
図4B】
図4A~
図4Dは、一実施形態の3Dプリントマイクロ流体部品の模式図を示している。
図4Aは、一実施形態の入口側ディスペンサを示している。
図4Bは、一実施形態の3Dプリントハイドロゲルを示している。
図4Cは、一実施形態の、3Dプリントされたゲルを保持することになる、3Dプリントされたプラスチック容器を示している。
図4Dは、一実施形態の出口側ディスペンサを示している。
【
図4C】
図4A~
図4Dは、一実施形態の3Dプリントマイクロ流体部品の模式図を示している。
図4Aは、一実施形態の入口側ディスペンサを示している。
図4Bは、一実施形態の3Dプリントハイドロゲルを示している。
図4Cは、一実施形態の、3Dプリントされたゲルを保持することになる、3Dプリントされたプラスチック容器を示している。
図4Dは、一実施形態の出口側ディスペンサを示している。
【
図4D】
図4A~
図4Dは、一実施形態の3Dプリントマイクロ流体部品の模式図を示している。
図4Aは、一実施形態の入口側ディスペンサを示している。
図4Bは、一実施形態の3Dプリントハイドロゲルを示している。
図4Cは、一実施形態の、3Dプリントされたゲルを保持することになる、3Dプリントされたプラスチック容器を示している。
図4Dは、一実施形態の出口側ディスペンサを示している。
【
図5A】
図5A~
図5Dは、いくつかの実施形態の、サイズが異なる2内腔デザインの、流体コンポーネントのイメージを示している。
図5Aは、いくつかの実施形態の、ハイドロゲルが3Dプリントされる前の、流体部品デザインの3つの異なる実施形態を示している。
図5B、
図5C、及び
図5Dは、内部を灌流させた3Dプリントハイドロゲルを備える、3Dプリントマイクロ流体部品を含むアセンブリの実施形態である。
【
図5B】
図5A~
図5Dは、いくつかの実施形態の、サイズが異なる2内腔デザインの、流体コンポーネントのイメージを示している。
図5Aは、いくつかの実施形態の、ハイドロゲルが3Dプリントされる前の、流体部品デザインの3つの異なる実施形態を示している。
図5B、
図5C、及び
図5Dは、内部を灌流させた3Dプリントハイドロゲルを備える、3Dプリントマイクロ流体部品を含むアセンブリの実施形態である。
【
図5C】
図5A~
図5Dは、いくつかの実施形態の、サイズが異なる2内腔デザインの、流体コンポーネントのイメージを示している。
図5Aは、いくつかの実施形態の、ハイドロゲルが3Dプリントされる前の、流体部品デザインの3つの異なる実施形態を示している。
図5B、
図5C、及び
図5Dは、内部を灌流させた3Dプリントハイドロゲルを備える、3Dプリントマイクロ流体部品を含むアセンブリの実施形態である。
【
図5D】
図5A~
図5Dは、いくつかの実施形態の、サイズが異なる2内腔デザインの、流体コンポーネントのイメージを示している。
図5Aは、いくつかの実施形態の、ハイドロゲルが3Dプリントされる前の、流体部品デザインの3つの異なる実施形態を示している。
図5B、
図5C、及び
図5Dは、内部を灌流させた3Dプリントハイドロゲルを備える、3Dプリントマイクロ流体部品を含むアセンブリの実施形態である。
【
図6A】
図6A~
図6Dは、生体模倣ユニットの様々な構造の実施形態を示している。
図6Aは、カプセルネット(capsule net)構造を示している。
図6Bは、ジャイアントフィッシャー(giant Fischer)構造を示している。
図6Cは、フィッシャーブロック(Fischer block)構造を示している。
図6Dは、キュービックネット(cubic net)構造を示している。
【
図6B】
図6A~
図6Dは、生体模倣ユニットの様々な構造の実施形態を示している。
図6Aは、カプセルネット(capsule net)構造を示している。
図6Bは、ジャイアントフィッシャー(giant Fischer)構造を示している。
図6Cは、フィッシャーブロック(Fischer block)構造を示している。
図6Dは、キュービックネット(cubic net)構造を示している。
【
図6C】
図6A~
図6Dは、生体模倣ユニットの様々な構造の実施形態を示している。
図6Aは、カプセルネット(capsule net)構造を示している。
図6Bは、ジャイアントフィッシャー(giant Fischer)構造を示している。
図6Cは、フィッシャーブロック(Fischer block)構造を示している。
図6Dは、キュービックネット(cubic net)構造を示している。
【
図6D】
図6A~
図6Dは、生体模倣ユニットの様々な構造の実施形態を示している。
図6Aは、カプセルネット(capsule net)構造を示している。
図6Bは、ジャイアントフィッシャー(giant Fischer)構造を示している。
図6Cは、フィッシャーブロック(Fischer block)構造を示している。
図6Dは、キュービックネット(cubic net)構造を示している。
【
図7A】
図7A~
図7Dは、システム及び適用の方法の各実施形態を示している。
図7Aは、構造が異なる、3Dプリント脈管構造の流体部品デザインを示している。
図7Bは、形成後の脈管構造及び気道上に播種された細胞の画像を示している。
図7Cは、イメージングのための顕微鏡セットアップの写真である。
図7Dは、形成後の脈管構造内に血液を灌流させ、形成後の気道内に気体を灌流させた、試験セットアップの一例である。
【
図7B】
図7A~
図7Dは、システム及び適用の方法の各実施形態を示している。
図7Aは、構造が異なる、3Dプリント脈管構造の流体部品デザインを示している。
図7Bは、形成後の脈管構造及び気道上に播種された細胞の画像を示している。
図7Cは、イメージングのための顕微鏡セットアップの写真である。
図7Dは、形成後の脈管構造内に血液を灌流させ、形成後の気道内に気体を灌流させた、試験セットアップの一例である。
【
図7C】
図7A~
図7Dは、システム及び適用の方法の各実施形態を示している。
図7Aは、構造が異なる、3Dプリント脈管構造の流体部品デザインを示している。
図7Bは、形成後の脈管構造及び気道上に播種された細胞の画像を示している。
図7Cは、イメージングのための顕微鏡セットアップの写真である。
図7Dは、形成後の脈管構造内に血液を灌流させ、形成後の気道内に気体を灌流させた、試験セットアップの一例である。
【
図7D】
図7A~
図7Dは、システム及び適用の方法の各実施形態を示している。
図7Aは、構造が異なる、3Dプリント脈管構造の流体部品デザインを示している。
図7Bは、形成後の脈管構造及び気道上に播種された細胞の画像を示している。
図7Cは、イメージングのための顕微鏡セットアップの写真である。
図7Dは、形成後の脈管構造内に血液を灌流させ、形成後の気道内に気体を灌流させた、試験セットアップの一例である。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態の、寸法が異なる、3Dプリントハイドロゲルガス交換ユニットデザインを示している。
【
図9】
図9は、異なるバイオインク配合物で作製された3Dプリント肺チップデザインを示している。
【
図10】
図10は、一実施形態の、2Dガス交換膜チップ、及びガス交換データのプロットを示している。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態の、全血を灌流させた生体模倣モデルを示している。
【
図12A】
図12A~
図12Cは、一実施形態の肺チッププラットフォームを示している。
図12Aは、一実施形態の肺胞型ガス交換ユニットの模式図を示している。
図12Bは、一実施形態の脈管構造内の血液及び空気を灌流させた3Dプリントスキャホールドを示している。
図12Cは、3Dプリントハイドロゲルを通したガス交換のデータのプロットを示している。
【
図12B】
図12A~
図12Cは、一実施形態の肺チッププラットフォームを示している。
図12Aは、一実施形態の肺胞型ガス交換ユニットの模式図を示している。
図12Bは、一実施形態の脈管構造内の血液及び空気を灌流させた3Dプリントスキャホールドを示している。
図12Cは、3Dプリントハイドロゲルを通したガス交換のデータのプロットを示している。
【
図12C】
図12A~
図12Cは、一実施形態の肺チッププラットフォームを示している。
図12Aは、一実施形態の肺胞型ガス交換ユニットの模式図を示している。
図12Bは、一実施形態の脈管構造内の血液及び空気を灌流させた3Dプリントスキャホールドを示している。
図12Cは、3Dプリントハイドロゲルを通したガス交換のデータのプロットを示している。
【
図13】
図13は、異なる3Dプリントハイドロゲルガス交換ユニットデザインと、入口と比較した場合の、出口から測定された酸素含有量の増加のプロットを示している。
【
図14A】
図14A~
図14Fは、一実施形態の2Dガス交換膜チップを示している。
図14Aは、いくつかの実施形態の膜ベースのガス交換ユニットを示している。
図14Bは、内側に血液が灌流している膜ベースのガス交換ユニット(until)を示している。
図14C~
図14Fは、コラーゲン膜及びPDMS膜のガス交換データのプロットを示している。
【
図14B】
図14A~
図14Fは、一実施形態の2Dガス交換膜チップを示している。
図14Aは、いくつかの実施形態の膜ベースのガス交換ユニットを示している。
図14Bは、内側に血液が灌流している膜ベースのガス交換ユニット(until)を示している。
図14C~
図14Fは、コラーゲン膜及びPDMS膜のガス交換データのプロットを示している。
【
図14C】
図14A~
図14Fは、一実施形態の2Dガス交換膜チップを示している。
図14Aは、いくつかの実施形態の膜ベースのガス交換ユニットを示している。
図14Bは、内側に血液が灌流している膜ベースのガス交換ユニット(until)を示している。
図14C~
図14Fは、コラーゲン膜及びPDMS膜のガス交換データのプロットを示している。
【
図14D】
図14A~
図14Fは、一実施形態の2Dガス交換膜チップを示している。
図14Aは、いくつかの実施形態の膜ベースのガス交換ユニットを示している。
図14Bは、内側に血液が灌流している膜ベースのガス交換ユニット(until)を示している。
図14C~
図14Fは、コラーゲン膜及びPDMS膜のガス交換データのプロットを示している。
【
図14E】
図14A~
図14Fは、一実施形態の2Dガス交換膜チップを示している。
図14Aは、いくつかの実施形態の膜ベースのガス交換ユニットを示している。
図14Bは、内側に血液が灌流している膜ベースのガス交換ユニット(until)を示している。
図14C~
図14Fは、コラーゲン膜及びPDMS膜のガス交換データのプロットを示している。
【
図14F】
図14A~
図14Fは、一実施形態の2Dガス交換膜チップを示している。
図14Aは、いくつかの実施形態の膜ベースのガス交換ユニットを示している。
図14Bは、内側に血液が灌流している膜ベースのガス交換ユニット(until)を示している。
図14C~
図14Fは、コラーゲン膜及びPDMS膜のガス交換データのプロットを示している。
【
図15】
図15は、3Dプリントゲルマトリックス及び種々の細胞化条件を用いた、本ハイドロゲルにおける内皮細胞の播種を示している。
【
図16A】
図16A~
図16Cは、いくつかの実施形態の無細胞系ガス交換アッセイ及び細胞系ガス交換アッセイを示している。
図16Aは、いくつかの実施形態のカプセルネットモデルの模式図を示している。
図16Bは、低酸素状態でキューブネットモデルに灌流しているヒト全血液を示している。
図16Cは、対照と比較した、無細胞系ガス交換アッセイ及び細胞系ガス交換アッセイの場合に達成された、ガス交換率を示している。
【
図16B】
図16A~
図16Cは、いくつかの実施形態の無細胞系ガス交換アッセイ及び細胞系ガス交換アッセイを示している。
図16Aは、いくつかの実施形態のカプセルネットモデルの模式図を示している。
図16Bは、低酸素状態でキューブネットモデルに灌流しているヒト全血液を示している。
図16Cは、対照と比較した、無細胞系ガス交換アッセイ及び細胞系ガス交換アッセイの場合に達成された、ガス交換率を示している。
【
図16C】
図16A~
図16Cは、いくつかの実施形態の無細胞系ガス交換アッセイ及び細胞系ガス交換アッセイを示している。
図16Aは、いくつかの実施形態のカプセルネットモデルの模式図を示している。
図16Bは、低酸素状態でキューブネットモデルに灌流しているヒト全血液を示している。
図16Cは、対照と比較した、無細胞系ガス交換アッセイ及び細胞系ガス交換アッセイの場合に達成された、ガス交換率を示している。
【
図17】
図17は、いくつかの実施形態の、実施例1において設計された保持器の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
各種図面の同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。
【0013】
特に記載がない限り、「a」又は「an」は「1又は複数」を意味する。
【0014】
本開示のシステム及び方法は、病状モデルを含む、ヒトの系及び動物の系に生理的に適したシステム及びモデルの作製に用いることができる。これらの生理的条件は、細胞分化及び増殖のための実際のヒト条件を模倣するように設計できる。本開示のシステム及び方法は、ハイドロゲル又は他の高分子などの材料を用いた、生物学的スキャホールド、例えばヒト肺の細胞外マトリックス(ECM)、を模倣するスキャホールドの形成を可能にする。3Dプリンティング技術を用いて、ヒトの生理学的形状に近い解像度など、様々な解像度で、高分子スキャホールドをプリントできる。構造を選択された用途に最適化することができ、試験前に適切な細胞をこのスキャホールドに播種できる。
【0015】
生体模倣モデルは(modela)、動物試験又はヒト試験の代替として用いることができ、例えば、試験をより効率的に、より安価に、及び/又はより高速にすることができる。本明細書に記載のシステム及び方法は、治療薬候補の効果、並びに細胞の増殖及び分化など、種々の生理的プロセスの研究に用いることができる。例えば、本明細書に記載のシステムは、正常状態又は異常状態、例えば、病変状態又は傷害状態のモデル化に用いることができる。これらのモデルは、これらの状態における治療薬候補、又は細胞応答若しくは他の生理応答の評価に用いることができる。さらに、生体模倣モデルデザインは、疾患治療のための合成臓器の作製を可能にし得る。残念ながら、製造上の障害に部分的に起因して、天然の生理学的寸法を模倣するように生体模倣モデルを設計することには、難しさがある。
【0016】
本開示のシステム及び方法は、生体模倣モデルデザインの多数のバリエーションを作製することを可能にする。いくつかの実施形態では、これらの生体模倣モデルは肺チップデザインである場合がある。本開示のシステム及び方法は、技術的には困難であるが生理的に適切な縦横比の製造を可能にする。形成後の肺チップには、様々な構造が考えられ、これらの構造を、使用を最適化するための試験にかける場合がある。様々な構造及び実施形態が本明細書に記載されているが、これらは、当該特定の実施形態のために選ばれた、特定の使用例のために設計され試験された構造の単なる例に過ぎないため、限定的であると見なされるべきではない。
【0017】
さらに、3D細胞培養モデルは、研究及び応用のための生理的に適切な条件を提供することが可能であることから、関心を集めている。これらの生理的条件は、細胞分化及び増殖のための実際のヒト条件を模倣するように設計できる。残念ながら、これらの現行モデル化プラットフォームは、天然条件と異なっている、ポリジメチルシロキサン(poly dimethyl siloxhane)(PDMS)などの合成高分子を利用している。
【0018】
対照的に、本開示のシステム及び方法は、ヒトスキャホールド又は動物スキャホールドに存在するものを模倣するように、適切なバイオマテリアルを形成することを可能にする。3Dプリンティング技術を利用することで、ハイドロゲルスキャホールドを、ヒトの生理的形状に近い解像度又はヒトの生理的形状の解像度を含む、様々な解像度でプリントできる。このスキャホールドは、I型コラーゲン又はゼラチンなどの天然高分子を用いて形成される場合がある。そのようなバイオマテリアルを用いることで、上記スキャホールドは、天然ヒトスキャホールドのものに非常に近い材料特性を実現し、様々な種類の細胞の増殖を可能にする。
【0019】
本開示は、ヒトスキャホールドを模倣できる3Dプリントハイドロゲルを作製し使用するシステム及び方法に取り組むものである。このスキャホールドは、天然ハイドロゲル製である場合がある。これらのシステム及び方法は、様々な細胞種の増殖、3D培養環境における薬物スクリーニング、薬物スクリーニング、様々な細胞種に対する薬効、薬物動態学、及び薬力学研究に関して、様々なバイオインク及びハイドロゲルスキャホールドを評価するための試験プラットフォームとして使用される場合がある。さらに、これらのシステム及び方法は、組織修復に使用され得るスキャホールドを3Dプリントする際に使用される場合がある。
【0020】
本生体模倣システムはまた、以下でより詳細に説明されるような、ガス交換を提供する。このガス交換ユニットは、気道区画と血管網とを含み得る。気道区画及び血管網の各種パラメータは、用途に合わせてカスタマイズされ得る:気道の体積、気道の表面積、脈管構造の体積、脈管構造の面積、血管腔の直径、気道血管境界面の厚さ、及び気道血管の配置。この気道区画及び血管網は、追加成分を含む又は含まない、ハイドロゲル又は他の高分子などのバイオマテリアルから作製され得る。この気道区画及び血管網は、ハイドロゲルを形成するための任意のプリント可能なバイオインクで3Dプリントされ得る。細胞が、この気道区画及び血管網の一部として、播種、培養、及び灌流され得る。ガス交換ユニットの様々な構成及び適合を以下でより詳細に説明する。
【0021】
このガス交換ユニットは、血液又は代用血液(例えば、ペルフルオロ炭素代用血液)などの流体を導くように構成された血管網を含む場合がある。ガスユニット(gas unit)は、気体を保持するように構成された気道区画を含む場合がある。この気体は、空気などの、いくつかの気体の組み合わせであることがあり、酸素を含み得る。血管網が気道区画と接触していることで、血管網内の流体と気道区画内の気体との間でのガス交換を可能にしている場合がある。いくつかの実施形態では、ガス交換は、流体の酸素含有量を増加させる。いくつかの実施形態では、流体は、二酸化炭素を気道区画に放出する場合がある。ガス交換ユニットは、肺動脈内皮細胞を含む任意の好適な細胞種を播種される場合がある。ガス交換ユニット組成物は、ハイドロゲルを含む場合がある。ガス交換ユニット組成物は、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(N,N’-methylenebiasacrylamide)、及びメタクリル化コラーゲンなどの1又は複数の化合物を含む場合がある。
【0022】
ガス交換ユニットは、血管網と気道区画との間に境界面を有する場合がある。いくつかの実施形態では、血管網と気道区画との間の境界面の直径は、250μm~350μmである。血管網は内腔を含む場合がある。いくつかの実施形態では、血管網の内腔は、350μm~450μmである場合がある。いくつかの実施形態では、血管網の内腔の直径は、150μm~250μmである場合がある。血管網の内腔の直径は、血管網と気道区画との間の境界面の直径よりも大きい場合がある。
【0023】
ガス交換をもたらす生体模倣ユニットは、様々な構造のうちのいずれかを有するように、構築される場合がある。これらの構造は、肺、腎臓、心臓、腸、又は他の臓器などの生体器官をモデルとしている場合がある。これらの構造は、脈管構造ネットワーク及び気道ネットワークを含む構築物の表面積対体積比を最大化するという基本原則に基づいて、モデル化される場合がある。
【0024】
ガス交換ユニットは、ヒトスキャホールド又は動物スキャホールドを模倣するバイオマテリアルなどの材料を用いて作製される場合がある。ガス交換ユニットは、バイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドを含む場合がある。このバイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドは、天然高分子を含む場合がある。この天然高分子は、コラーゲン及びゼラチンのうちの1又は複数である場合がある。この天然高分子は、ゼラチンである場合がある。
【0025】
ガス交換ユニットは、細胞を播種される場合がある。いくつかの実施形態では、この細胞は内皮細胞である場合がある。ガス交換ユニットは、バイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドの一方の側面上に、小気道上皮細胞(SAEC)を播種される場合がある。ガス交換ユニットは、バイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドの他方の側面上に、内皮細胞を播種される場合がある。
【0026】
本方法は、血管網と気道区画との間のガス交換を測定することを含む場合がある。血管網と気道区画との間のガス交換の測定は、細胞の成長、増殖、又は分化をモニターする際の基準として用いられることがある。いくつかの実施形態では、気道区画と血管網内の流体との間で交換される酸素がモニターされることがある。いくつかの実施形態では、血管網内の流体と気道区画との間での二酸化炭交換がモニターされることがある。
【0027】
本開示の別の態様は、ガス交換ユニットを含む人工肺を対象とする。この人工肺は、任意の好適な形状に配置された複数のガス交換ユニットを含むことがある。例えば、単一の血管網が複数の気道区画と接触していることがある。ガス交換ユニットは、直列又は並列に配置されることがある。ガス交換ユニットは、1又は複数の生理的条件を模倣するために、1又は複数の細胞種を播種される場合がある。
【0028】
本開示の別の態様は、ガス交換ユニットを形成する方法を対象とする。この方法は、例えば1又は複数の3Dプリンティング技術を用いて、ガス交換ユニットをプリントすることを含む場合がある。ガス交換ユニットは、血液を導くように構成された血管網と、気体又は酸素を含む気体の混合物、例えば空気、を保持するように構成された気道区画と、を含む場合がある。ガス交換を可能にして、血管網を通過する血液の酸素含有量を増加させるために、血管網は気道区画と接触している場合がある。ガス交換ユニットは、3Dプリンタを用いてプリントされる場合がある。ガス交換ユニットは、バイオインクを用いてプリントされる場合がある。ガス交換ユニットは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(N,N’-Methylenebiasacrylamide)、及びメタクリル化コラーゲン 群から選択される1又は複数の化合物を含むインクを用いてプリントされる場合がある。ガス交換ユニットは、メタクリル化コラーゲン、ポリエチレングリコールジアクリレート、フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾホスフィン酸リチウム、UV386A色素、及び3-ヒドロキシプロピルアクリレートを含む、1又は複数の化合物を含むインクを用いてプリントされる場合がある。バイオインクは、バイオインクの開示についての全体が参照によって本明細書に援用される、「USE OF FUNCTIONALIZED AND NON-FUNCTIONALIZED ECMS, ECM FRAGMENTS, PEPTIDES AND BIOACTIVE COMPONENTS TO CREATE CELL ADHESIVE 3D PRINTED OBJECTS」と題された、2021年5月6日に出願された、同時係属出願に記載されているバイオインクのうちの1又は複数であり得る。
【0029】
上記方法は、1又は複数の工程で、ガス交換ユニット又は血管網に任意の好適な細胞を播種することを含む場合がある。プルモナリバイオ(pulmonary bio)などの実施形態では、細胞は、肺平滑筋細胞、肺線維芽細胞、肺間葉系幹細胞、人工多能性(pluriprotent)幹細胞、及び細胞由来の細胞種のうちの1又は複数を含む場合がある。いくつかの実施形態では、幹細胞などの前駆細胞が、当該細胞がガス交換ユニットに播種されたのち、好適な細胞種に分化される。細胞の播種、増殖、分化を促進するため、あるいは種々の生理的条件を模倣するために、気体をガス交換ユニットに供給することがある。同様に、細胞の播種、増殖、分化を促進するため、あるいは種々の生理的条件を模倣するために、全血などの流体を血管網に灌流させることがある。いくつかの実施形態では、上記方法は、ガス交換ユニット及び血管網スキャホールド上に細胞を同時に播種することを含む。他の実施形態では、この細胞は、段階的に播種されることがあり、例えば、気道区画は血管網の前に播種が行われる。上記方法は、細胞の播種、増殖、分化を促進するため、あるいは種々の生理的条件を模倣するために、増殖因子、サイトカイン、又は他の成分を供給することを含むことがある。これらの成分は、気道区画内の気体を用いて、血管網内の流体を用いて、又は他の手段によって、供給されることがある。
【0030】
本開示の別の態様は、エキソビボモデルための生理的に適切な条件を提供するためにシステムオンチップデバイスを利用する方法を対象とする。このシステムオンチップデバイスは、医薬組成物をスクリーニングするために使用される場合がある。このシステムオンチップデバイスは、いずれかの形態の肺高血圧症、例えば肺動脈高血圧症、などの肺障害をモデル化するために使用される場合がある。このシステムオンチップデバイスは、肺毒性試験を実施するために使用される場合がある。
【0031】
この要約が例示のみを目的としており、何ら限定的であることを意図していないことは、当業者には理解されよう。他の態様、発明の特徴、並びに本明細書に記載のデバイス及び/又は方法の利点は、特許請求の範囲によってのみ定義され、本明細書に記載されており、添付の図面と併せて参照される、詳細な説明において明らかになるであろう。
【0032】
本明細書に記載されている発明の主題の1又は複数の実装形態の詳細を添付の図面及び下記の説明に記載する。発明の主題の他の特徴、態様、及び利点が、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなる。
【0033】
図1A~
図1Bは、一実施形態の、プリント済み肺チッププラットフォームを示している。このプリント済み肺チッププラットフォームは、1又は複数の肺胞型ガス交換ユニットを含む場合がある。
図1Aは、一実施形態の肺胞型ガス交換ユニット100の模式図を示している。この肺胞型ガス交換ユニットは、ハイドロゲルガス交換ユニット100である場合がある。このガス交換ユニット100は、気道区画と血管区画とを含む場合がある。ガス交換ユニット100は、以下のカスタマイズ可能なパラメータを有する場合がある:気道の体積、気道の表面積、脈管構造の体積、脈管構造の面積、血管腔の直径、気道血管境界面の厚さ、及び気道血管の配置。ガス交換ユニット100は、プラスチック樹脂からバイオインクまで、ハイドロゲルまで及ぶ、任意のプリント可能なインクで、3Dプリント プリントされる場合がある。
【0034】
形成後のガス交換ユニット100内に、細胞が播種、培養、及び灌流されることがある。ガス交換ユニット100内に、全血が灌流されることがあり、ガス交換が測定されることがある。このガス交換ユニット100は、肺組織工学における関連細胞種、肺組織工学における気道血管デザイン、並びに肺組織工学における機械的要件、生理活性要件、及び酸素拡散要件を満たす材料の評価を可能にし得る。
【0035】
肺胞型ガス交換ユニット100は、スキャホールド110を含む場合がある。肺胞型ガス交換ユニット100は、血管網112を含む場合がある。肺胞型ガス交換ユニット100は、通気区画114を含む場合がある。肺チッププラットフォーム及び肺胞型ガス交換ユニット100は、3Dプリンティングによって形成される場合がある。生体模倣プラットフォーム及び肺胞型ガス交換ユニット100の構造は、実施形態によって異なる場合がある。
図1Bは、血管網112内部に血液を灌流させ、通気区画114内に空気を灌流させた、スキャホールド110を示している。このスキャホールドは、3Dプリンティングで形成される場合がある。このスキャホールドは、ハイドロゲルであり得る。このハイドロゲルスキャホールドは、いくつかの実施形態のヒト生理学的形状に非常に近い様々な解像度でプリントされる場合がある。このスキャホールドは、天然高分子製である場合がある。これらの天然高分子は、コラーゲン、ゼラチン、又は他の周知のバイオマテリアルなどの、バイオマテリアルである場合がある。このようなバイオマテリアルを用いることで、このスキャホールドは、天然ヒトスキャホールドのものに非常に近い材料特性を 場合がある。
【0036】
図2は、倒立DLP(digital light projection)システム500の模式図を示している。固体膜を倒立DLP 3Dプリンタと使用する代替として。この三次元物体を形成するためのシステムは、その上で三次元物体を形成させる、プラットフォーム(例えば、プリントプラットフォーム)を含むことがある。この三次元物体としては、人工臓器(例えば、人工肺、人工心臓、人工腎臓、人工肝臓など)を挙げることができる。構築体表面とプラットフォームは、その間に、構築領域(例えば、構築ウィンドウ)を規定することができる。このシステムは、プラットフォームを構築体表面から遠ざけるように構成されたコントローラを含むことがある。例えば、このコントローラは、プラットフォームを上昇下降させることができる。このシステムは、構築領域を照らすように構成された線源(例えば、DLPプロジェクタ、プロジェクタ、照明源など)を含むことがある。この放射線源は、光透過性構成要素を通して構築領域を照らすことで、感光性の液体(例えば、感光性の樹脂、インクなど)から固体高分子を形成するように構成されることがある。使用されたシステム及び方法の実施形態は、参照によって本明細書に援用される、2020年8月24日に出願された、米国特許出願公開第63/069317号明細書において、論じられている。
【0037】
図3A~
図3Cは、一実施形態の3Dプリントマイクロ流体部品を示している。
図3Aは、一実施形態の入口側ディスペンサを示している。この入口側ディスペンサは、試験又は使用ための液体又は気体をガス交換ユニット100に灌流させるために使用される場合がある。
図3Bは、一実施形態のガス交換ユニット100を示している。このガス交換ユニットは、ハイドロゲル、高分子、又はバイオマテリアルをマイクロ流体部品にプリントしたものである場合がある。
図3Cは、プラスチック容器を示している。このプラスチック容器は、3Dプリントされる場合がある。このプラスチック容器は、いくつかの実施形態の、プラスチック容器に3Dプリントされ得るガス交換ユニット又はハイドロゲルを保持する場合がある。
図3Dは、一実施形態の出口側ディスペンサを示していた。いくつかの実施形態では、この出口側ディスペンサは、ガス交換ユニット100に灌流させた液体又は気体を除去するために使用される場合がある。いくつかの実施形態では、マイクロ流体部品の底面及び上面は、PDMSで被覆されている場合がある。これにより、プリントハイドロゲルの漏洩が防がれ、乾燥が可能になり得る。場合によって、底面及び上面は、134um PDMSを用いて被覆されることとなる。上記プラットフォームは、柔軟膜を含むことがある。この膜としては、ポリテトラフルオロエチレン膜を挙げることができる。膜702は、3Dプリントハイドロゲルが配置され得る構築表面を有することがある。この構築表面及びプラットフォームは、その間に構築領域を有することがある。
【0038】
上記プラットフォームは、インク(例えば、感光性インク)を含むことがある。この感光液は、酸素透過性膜上に配置されることがある。上記プラットフォームは、放射線源を含むことがある。この放射線源は、光透過性膜を介して構築領域504、及び酸素透過性膜を照らして、感光液から固体高分子を形成するように構成され得る。
【0039】
生体模倣ユニットは、DLP技術又はSLA技術を用いて感光性インクで3Dプリントされる場合がある。生体模倣ユニットは、さらに細胞を播種し、脈管構造ネットワークと気道との間のガス交換を評価するために、3Dプリンタから取り外されて、保持器内に配置される場合がある。
【0040】
図4A~
図4Dは、ミリメートルサイズのチャネルから10umのチャネルまで及ぶ、異なるマイクロ流体部品寸法の、2内腔デザインの、流体成分及び実施形態の画像を示している。
図4Aは、いくつかの実施形態の、ハイドロゲルが3Dプリントされる前の、流体部品デザインの3つの異なる実施形態を示している。
図4B、
図4C、及び
図4Dは、内部を灌流させた3Dプリントハイドロゲルを備える、3Dプリントマイクロ流体部品を含むアセンブリの実施形態である。マイクロ流体部品寸法は目的の用途に合わせて最適化される場合がある。
【0041】
図5A~
図5Dは、いくつかの実施形態の、寸法が異なる、ガス交換ユニットデザインを示している。このガスユニット(gas unit)の寸法は、目的の用途又は生体模倣寸法に基づいて選択される場合がある。この寸法は、生理的に適切な縦横比を模倣するように選択される場合がある。形成後のガス交換ユニットには、様々な構造が考えられ、これらの構造を、使用を最適化するための試験にかける場合がある。
【0042】
ガス交換ユニットは、血液を導くように構成された血管網を含む場合がある。ガスユニット(gas unit)は、酸素を含む空気を保持するように構成された気道区画を含む場合がある。ガス交換を可能にして、血管網を通過する血液の酸素含有量を増加させるために、血管網は気道区画と接触している場合がある。ガス交換ユニットは、血管網と気道区画との間に境界面を有する場合がある。血管網と気道区画との間の境界面の直径は、250μm~350μmである。血管網は内腔を含む場合がある。血管網の内腔は、350μm~450μmである場合がある。血管網の内腔の直径は、150μm~250μmである場合がある。血管網の内腔の直径は、血管網と気道区画との間の境界面の直径よりも大きい場合がある。これらの寸法は、ガス交換ユニットとして考えられる無数の寸法の単なる例であることが意図され、当業者であれば、多くの代替が使用され得ることに気付くであろう。
【0043】
生体模倣ユニットは、様々な構造で形成される場合がある。
図6A~
図6Dは、これらの構造のうちのいくつかの例を示している。
図6Aは、構造がカプセルネットである一実施形態を示している。カプセルネットとは、肥大した肺胞構造を模倣したカプセル様の空胴を取り巻いている複雑な脈管構造ネットワークと定義される場合がある。
図6Bは、構造がジャイアントフィッシャーである一実施形態を示している。ジャイアントフィッシャーとは、内側に密で複雑な脈管構造を有する複雑なフィッシャー形状と定義される場合がある。
図6Aは、構造がフィッシャーブロックである、一実施形態を示している。フィッシャーブロックとは、フィッシャーフォーム(foam)のより密な脈管構造と定義される場合がある。
図6Dは、ガス交換ユニットがキュービックネットである構造を有する一実施形態を示している。キュービックネットとは、その周囲に脈管構造ネットワークを有する小型の立方体空胴と定義される場合がある。これらの構造は、複雑な構造における細胞播種を評価し、様々な細胞種との3Dプリントスキャホールドの相互作用を研究し、ガス交換を評価するための、考えられる無数の構造の単なる例であることが意図される。
【0044】
生体模倣ユニットは、血管網を含む場合がある。この血管網は、内皮細胞を播種される場合がある。この血管ユニットは、血液を導くように構成される場合がある。生体模倣ユニットは、気道区画を含む場合がある。この気道区画は、上皮細胞などの細胞、例えば小気道上皮細胞(SAEC)、を播種される場合がある。この気道区画は、酸素を含む空気を保持するように構成される場合がある。ガス交換を可能にして、細胞を播種された血管網を通過する血液の酸素含有量を増加させるために、血管網は気道区画と接触している場合がある。
【0045】
図7A~
図7Dは、システム及び適用の方法の各実施形態を示している。
図7Aは、構造が異なる、3Dプリント脈管構造の流体デザインを示している。
図7Bは、形成後の脈管構造及び気道上に播種された細胞の画像を示している。
図7Cは、イメージングのための顕微鏡セットアップの写真である。
図7Dは、形成後の脈管構造内に血液を灌流させ、形成後の気道内に気体を灌流させた、試験セットアップの一例である。
【0046】
図8は、血液と空気の間の界面に異なる配合物で作製された膜が作られている、肺チップガス交換ユニットデザインを示している。
図9は、異なるバイオインク配合物で作製された3Dプリント肺チップデザインを示している。
【0047】
ガス交換ユニットは、上記で開示された方法を用いて3Dプリントされる場合がある。ガス交換ユニットは、バイオインクを用いてプリントされる場合がある。ガス交換ユニットは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(N,N’-Methylenebiasacrylamide)、及びメタクリル化コラーゲン 群から選択される1又は複数の化合物を含むインクを用いてプリントされる場合がある。ガス交換ユニットは、メタクリル化コラーゲン、ポリエチレングリコールジアクリレート、フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾホスフィン酸リチウム、UV386A色素、及び3-ヒドロキシプロピルアクリレートを含む、1又は複数の化合物を含むインクを用いてプリントされる場合がある。この列挙が意図するものは、代表的なものであって、当業者であれば、3Dプリンティングにおける使用に適した様々なインクが現在と将来に亘り利用可能であることに気付くであろう。
【0048】
図10は、一実施形態の、2Dガス交換膜チップ、及びガス交換データのプロットを示している。ガス交換ユニットは、形成後、膜を介して交換される気体の量を求めるための試験にかけられることがある。本実施形態では、325um PDMS及びバイオインクスピンコート膜を使用した。脈管構造系ガス交換ユニットに血液を灌流させた。この例では、ガス交換ユニットの入口からガス交換ユニットの出口まで測定された、血液中の酸素濃度の変化を、325um膜を使用し、不活性ガスとして窒素を流した場合で比較している。この結果を、空気を37℃で流した場合と比較した。
図7Bのガス交換の結果は、ガス交換データが、N2使用及び空気使用 異なっていることを示している。
【0049】
図11は、いくつかの実施形態の、全血を灌流させた生体模倣モデルを示している。生体模倣モデルは、3Dプリンティングを用いて形成される場合がある。生体模倣モデルは、血管区画と気道区画とを含む場合がある。血管区画及び気道区画は、ハイドロゲル壁で隔てられる場合がある。この肺チップモデルには、全血を灌流させる場合がある。脱酸素化血液を血管区画の入口に灌流させる場合があり、空気を気道区画に灌流させる場合がある。全血を血管区画中に流す場合がある。全血は、血管区画を通過するため、気道区画を隔てている膜壁を横切るガス交換を通じて、酸素を吸収する場合がある。血管区画中を流れる血液によって吸収される酸素の量を、入口と出口との間で血液中の酸素の濃度を比較することにより、測定する場合がある。これを、窒素を気道区画中に流した場合の血液中の酸素量の変化と比較することがある。キューブネット構造及び200um内腔を有するモデル成分における4セットの測定によって、空気試験例と窒素対照との間の測定値における平均差が示された。
【0050】
図12A~
図12Cは、一実施形態の、プリント済み肺チッププラットフォームを示している。
図12Aは、一実施形態の肺胞型ガス交換ユニットの模式図を示している。この模式図は、一実施形態の、気道区画である青領域が、血管区画である赤領域によって囲まれていることを示している。この模式図は、5~15(w/w)%のPEGDA3400、6~9(w/w)%のPEG575、1~3(w/w)%のフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、及び0.13(w/w)%のUV386Aを用いてプリントされた、一実施形態の、キュービックネット構造を上部に、カプセルネット構造を下部に、示している。
図12Bは、一実施形態の脈管構造内の血液及び空気を灌流させた3Dプリントスキャホールドを示している。上部は、一実施形態の、血液を灌流させている、5mmの血管径及び200umの境界面を有する、キュービックネット構造の画像である。下部は、一実施形態の、血液を灌流させている、15mmの血管径及び200umの境界面を有する、カプセルネット構造の画像である。この3Dプリントスキャホールドは以下の様式で形成された:5~15(w/w)%のPEGDA3400、6~9(w/w)%のPEG575、1~3(w/w)%のフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、及び0.13(w/w)%のUV386A。
図12Cは、
図8Bで画像化されたガス交換ユニットから得られた、3Dプリントハイドロゲルを横切るガス交換のデータのプロットを示している。見ての通り、血液が生体模倣デバイス中に流されたため、構造及び寸法は血液によって吸収される酸素の量に影響する。
【0051】
図13は、様々な生体模倣ユニットデザインと、入口側ユニットで測定された血液の酸素含有量と比較した、当該ユニットの出口で測定された血液中の酸素含有量の増加のプロットと、を示している。生理学的に100%の酸素移動容量は、15%~20%の酸素の増加、又は血液1dL当たり5mLのO
2の変化と定義される。カプセルネット、ジャイアントフィッシャー、及びフィッシャーブロックは、異なる酸素移動容量レベル及びガス交換容量(capacitity)レベルを有する生体模倣デザインを示している。生体模倣ユニットの内腔径は、脈管構造において200umから500umまで異なっていた。脈管構造と気道との間の境界面は、400umであった。本研究に使用されたバイオインクは、5%PEGDA6000、10%4-HBA(4-ヒドロキシアクリル酸ブチル) 1.5%フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、及び0.1%UV386Aであった。これらの生体模倣モデルの直径及び境界面を変更することは、異なる量のガス交換率をもたらすと予想される。予想通り、最も高い表面積を有するフィッシャーブロックが、他のスキャホールドと比較して、酸素移動容量の量が最も多くなる。
【0052】
図14A~
図14Fは、一実施形態の、異なる材料で作製され、複数の温度で測定された、2D肺チップを示している。
図14Aは、いくつかの実施形態の、膜ベースのガス交換ユニットを示している。このユニットは、空気を通気区画に注入(infued)でき、血液を血管区画に注入できるように、セットアップされる。この血液の酸素含有量を、血管の中身の入口と出口において測定することがある。複数の温度の水浴により試験を完了させる。
図14Bは、内部に血液を灌流させている膜ベースのガス交換ユニットを示している。
図14Cは、25℃における、コラーゲン膜のガス交換データのプロットを示している。
図14Dは、37℃における、コラーゲン膜のガス交換データのプロットを示している。
図14Eは、25℃における、PDMS膜のガス交換データのプロットを示している。
図14Fは、37℃における、PDMS膜のガス交換データのプロットを示している。これらの結果は、ガス交換率が、25℃と比較して、37℃において大幅に低いことを示している。このことは、ヘモグロビン(hemoglubin)は高温になるほど酸素を放す傾向となり、ガス交換率が低くなるという、生理学的な予想と、一致している。
【0053】
図15は、様々な細胞化条件下での生体模倣システムにおける内皮細胞播種を示している。生体模倣スキャホールドは、上述の方法を用いて3Dプリントされた。材料は、8%PEGDA3400、10%3-ヒドロキシピコリン酸(3-HPA)、1%フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、及び0.1%UV386Aであった。このプラットフォームを用いて、異なる形状に播種された、異なる流速及び細胞密度を用いた、様々な細胞化条件をイメージングした。この例示は、この生体模倣システムが、3Dプリントハイドロゲル上での内皮化(endothelization)の工程及び内皮細胞の相互作用をモニターするために使用できることを示すものである。
【0054】
図16A~
図16Cは、いくつかの実施形態の無細胞系ガス交換アッセイ及び細胞系ガス交換アッセイを示している。
図16Aは、いくつかの実施形態のカプセルネットモデルの模式図を示している。このカプセルネットは、5~15(w/w)%のPEGDA3400、6~9(w/w)%のPEG575、1~3(w/w)%のフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、及び0.13(w/w)%のUV386Aから製造した。
図16Bは、低酸素状態でキューブネットモデルに灌流しているヒト全血液を示している。材料は、8%PEGDA2400、10%3-ヒドロキシピコリン酸(-3Hydroxypicolinic acid)(3-HPA)、1%フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、0.1%UV386Aであった。
図16Cは、対照と比較した、無細胞系ガス交換アッセイ及び細胞系ガス交換アッセイの場合に達成された、ガス交換率を示している。材料は、8%PEGDA2400、10%3-ヒドロキシピコリン酸(-3Hydroxypicolinic acid)(3-HPA)、1%フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、0.1%UV386Aであった。構造は200μm内腔であった。内皮細胞は流速100μl 分で播種された。無細胞化(acellurlazed)の平均は、0.0004ml O2/分 ml組織であった。細胞化(cellularized)の平均は、0.00038ml O2/分 ml組織であった。上記から分かる通り、ガス交換(excahnge)アッセイへの細胞の追加(addtion)は、無細胞系アッセイと細胞系アッセイとの間にガス交換の差異をもたらした。
【0055】
ガス交換ユニットは、様々な種類の細胞を播種される場合がある。ガス交換ユニットは、膜上に播種される場合がある。播種細胞は、肺動脈内皮細胞である場合がある。細胞は内皮細胞である場合がある。細胞は上皮細胞である場合がある。細胞は小気道上皮細胞である場合がある。
【0056】
異なる細胞が、ガス交換ユニット膜の異なる側面上に播種される場合がある。例えば、小気道上皮細胞(SAEC)が、バイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドの一方の側面に播種され、内皮細胞がバイオマテリアルハイドロゲルスキャホールドの他方の側面に播種される。例えば、SAECは、バイオマテリアルスキャホールドの気道側に播種される場合があり、内皮細胞は、当該膜の血管側に播種される場合がある。
【0057】
生体模倣ユニットは、生理的に適切なモデルとして、複数の用途に使用される場合がある。例えば、生体模倣ユニットが合成肺である場合、肺障害に対する薬剤の効力について、医薬組成物のスクリーニングを行う場合がある。他の実施形態では、システムオンチップデバイスに対して肺毒性試験が実施される場合がある。生体模倣ユニットは、腎臓、肝臓、肺 結腸、心臓、又は他の臓器などの代替(alternate)臓器である場合がある。この列挙の意図は、単なる例示に過ぎず、網羅的なものではない。これらの合成臓器は、関連するシステムオンチップデバイスに対する薬剤又は他の物質の毒性又は効力についてスクリーニングを行う際に、使用される場合がある。当業者であれば、このような方法で多くの合成臓器が生成される場合があり、また、本明細書に記載の手法を用いて同様の効力試験及び毒性試験が行われる場合があることを、認識するであろう。
【0058】
本明細書において単数形で言及されるシステム及び方法の実装又は要素若しくは行為に対するいかなる言及も、これらの要素を複数含む実装を含むことができ、本明細書における実装又は要素若しくは行為に対する複数形でのいかなる言及も、単一の要素のみを含む実装を含むことができる。単数形又は複数形での言及は、本開示のシステム又は方法、それらの成分、行為、又は要素を、単一又は複数の構成に限定することを意図していない。行為又は要素が情報、行為、又は要素に基づいているという場合、当該行為又は要素が情報、行為、又は要素に少なくとも部分的に基づいている実装を含む場合がある。
【0059】
本明細書で使用される場合、「およそ」、「約」、「実質的に」という語、及び類似の語は、本開示の主題が属する分野の当業者による一般的且つ受け入れられた用法と調和する、広い意味を有することが意図される。本開示を検討する当業者には、これらの語は、記載され特許請求されるある特定の特徴を、これらの特徴の範囲を提供される厳密な数値範囲に制限することなく、説明することを可能にすることを意図していることが理解されるべきである。したがって、これらの語は、記載され特許請求される発明の主題の実質的でも重要でもない変更又は変形が、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲内であると見なされることを示すものとして解釈されるべきである。
【0060】
本明細書で使用される場合、「バイオマテリアル」という語は、本開示の主題が属する分野の当業者による一般的且つ受け入れられた用法と調和する、広い意味を有することが意図される。バイオマテリアルは、天然高分子及び/又は合成高分子である場合がある。バイオマテリアルは、他の天然起源の生物学的材料、及び生物学的材料を模倣するように合成された物質を包含する。このような材料としては、高分子、ハイドロゲル、ペプチド、タンパク質、セルロース、糖、及び当業者に公知の他の様々な材料を挙げることができ、生物学的物質由来か合成により形成されたかは問わない。
【0061】
本明細書において様々な実施形態を説明するために使用される「例示的」という語及びその変形は、そのような実施形態が、可能な実施形態の、可能な実施例、表現、又は例示であることを示すことを意図していることに留意されたい(また、そのような語は、そのような実施形態が必ずしも、特別又は最上の例であることを暗示することを意図していない)。
【0062】
本明細書で使用される場合、「結合した(coupled)」という語及びその変形は、2つの構成要素が互いに直接的又は間接的に連結していることを意味する。このような連結は、定常的(例えば、永続的又は固定)であってもよいし、可動的(例えば、除去可能又は解放可能)であってもよい。このような連結は、2つの構成要素が互いに直接結合していること、2つの構成要素が別個の介在構成要素及び互いに結合している任意の追加の中間構成要素を用いて互いに結合していること、又は、2つの構成要素が、当該2つの構成要素の一方と一体化して単一体となっている介在構成要素を用いて互いに結合していること、により達成することができる。「結合した」又はその変形が追加の語によって修飾されている場合(例えば、直接的に結合した)、上記で提供された「結合した」の包含的定義は、その追加の語の平易な言語の意味によって修飾されており(例えば、「直接的に結合した」とは、別個の介在構成要素なしで2つの構成要素が連結することを意味する)、結果として、上記で提供された「結合した」の包含的定義よりも狭い定義となる。このような結合は、機械的な結合であっても、電気的な結合であっても、あるいは流体的な結合であってもよい。
【0063】
本出願は、以下の各文献の全体を参照により組み込んでいる:(a)2021年5月6日に出願された、「CONTROLLING THE SIZE OF 3D PRINTING HYDROGEL OBJECTS USING HDROPHILIC MONOMERS, HYDROPHOBIC MONOMERS, AND CROSSLINKERS」という名称の米国仮出願第63/185,300号、並びに2022年5月6日に出願された、同名称の米国非仮出願及び/又はPCT出願;(b)2021年5月6日に出願された、「MODIFIED 3D-PRINTED OBJECTS AND THEIR USES」という名称の米国仮出願第63/185,302号、並びに2022年5月6日に出願された、同名称の米国非仮出願及び/又はPCT出願;(c)2021年5月6日に出願された、「PHOTOCURABLE REINFORCEMENT OF 3D PRINTED HYDROGEL OBJECTS」という名称の米国仮出願第63/185,305号、並びに2022年5月6日に出願された、同名称の米国非仮出願及び/又はPCT出願;(d)2021年5月6日に出願された、「ADDITIVE MANUFACTURING OF HYDROGEL TUBES FOR BIOMEDICAL APPLICATIONS」という名称の米国仮出願第63/185,299号、並びに2022年5月6日に出願された、同名称の米国非仮出願及び/又はPCT出願;(e)2021年5月6日に出願された、「USE OF FUNCTIONALIZED AND NON-FUNCTIONALIZED ECMS, ECM FRAGMENTS, PEPTIDES AND BIOACTIVE COMPONENTS TO CREATE CELL ADHESIVE 3D PRINTED OBJECTS」という名称の米国仮出願第63/185,293号、並びに2022年5月6日に出願された、同名称の米国非仮出願及び/又はPCT出願。
【0064】
本明細書に開示される任意の実装形態は、他の任意の実装形態と組み合わされてもよく、「ある実装形態」、「いくつかの実装形態」、「代替(alternate)実装形態」、「様々な実装形態」、「一実装形態」又は同種のものと言う場合、必ずしも相互排他的である必要はなく、実装形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実装形態に含まれる場合があることを示すことが意図されている。このような語は、本明細書で使用される場合、必ずしも全てが同じ実装形態を言及しているわけではない。任意の実装形態は、本明細書で開示される態様及び実装形態と合致した任意の様式で、包含的又は排他的に、任意の他の実装形態と組み合わされてもよい。
【0065】
「又は」と言う場合、包含的と解釈されてもよく、故に、「又は」を用いて記載される任意の語群は、記載された語群のうちの1つ、2つ以上、及び全てのいずれかを示し得る。語の連結的リストのうちの少なくとも1つと言う場合、記載された語群のうちの1つ、2つ以上、及び全てのいずれかを示す、包含的論理和と解釈される場合がある。例えば、「「A」及び「B」のうちの少なくとも1つ」と言う場合、「A」のみ、「B」のみ、並びに「A」及び「B」の両方を含むことができる。「A」及び「B」以外の成分も含むことができる。
【0066】
本明細書において、成分の位置を言う場合(例えば、「頂部」、「底部」、「上方」、「下方」)、単に、図中の各種成分の配置を説明するために使用されているに過ぎない。各種成分の配置が他の好ましい実施形態では異なる場合があること、及び、そのような変形が本開示に包含されることが意図されていることに、留意されたい。
【0067】
図面及び説明が特定の順番の方法工程を例示している場合があるが、そのような工程の順番は、上記で別様に明記されていない限り、図示及び説明されたものと異なってもよい。また、2つ以上の工程が、上記で別様に明記されていない限り、同時に又は部分的に同時に実行されてもよい。このような変更は、例えば、選択されたソフトウェアシステム及びハードウェアシステム、並びに設計者の選択に依存し得る。このような変更例の全てが、本開示の範囲内である。同様に、記載された方法のソフトウェア実装形態は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ、及び決定ステップを達成するためのルールベースロジックなどのロジックを備えた、標準的なプログラミング技術で達成され得る。
【0068】
本明細書に記載のシステム及び方法は、その特徴から逸脱しない範囲の他の特定の形態で実施されてもよい。上記実装形態は、例示を目的としたものであって、記載されたシステム及び方法を限定するものではない。
【0069】
図面、発明を実施するための形態、又は任意の請求項中の技術的特徴の後に参照符号が続いている場合、その参照符号は、図面、発明を実施するための形態、及び請求項の明瞭性を高めるために含まれたものである。したがって、参照符号がある場合もない場合も、クレーム要素の範囲に対する限定作用はない。
【0070】
本明細書に記載のシステム及び方法は、その特徴から逸脱しない範囲の他の特定の形態で実施されてもよい。上記実装形態は、例示を目的としたものであって、記載されたシステム及び方法を限定するものではない。よって、本明細書に記載のシステム及び方法の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味の範囲内及び均等範囲内の変更も、発明に包含される。
【0071】
以下は本明細書で開示されるシステム及び方法の実施例である。以下は単なる例に過ぎず、当業者であれば、本開示のシステム及び方法を様々な用途に最適化するように、本開示のシステム及び方法を用いて適合させることができる無数のパラメータを容易に認識するだろう。
【実施例】
【0072】
実施例1:
【0073】
脱イオン水中にPEGDA3400を徐々に混合し、PEGDMA575を添加することにより、5~15(w/w)%のPEGDA3400、6~9(w/w)%のPEGDMA575、1~3(w/w)%のフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、及び0.13(w/w)%のUV386Aを組み合わせることで、バイオインクを形成させた。この溶液に1.5(w/w)%のフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウムを添加し、充分に混合した。この溶液にUV386A色素を添加し混合した。このバイオインクを、3Dシステムズ社(3DSYSTEMS Corp)特注の3Dプリンタのバット内に入れた。
【0074】
図17に示されているような、特別設計の3Dプリントマイクロ流体部品保持器を使用した。このマイクロ流体部品保持器は、市販のプラスチック樹脂及びフォームラブズ社(Formlab)製プリンタを用いてプリントした。ハイドロゲルマイクロ流体部品を、特注の3Dシステムズ社製バイオプリンタでプリントし、マイクロ流体部品保持器内に入れた。3Dプリントマイクロ流体部品の各実施形態を、様々な開発インクを用いて形成させた。一例として、1つの実施形態では、インクは、5~15(w/w)%のPEGDA3400、6~9(w/w)%のPEGDMA575、1~3(w/w)%のフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、及び0.13(w/w)%のUV386Aから構成され、SpeedMixer 200rpmで3分間混合したものである。
【0075】
このインクを3Dプリンタのバットに注ぎ入れた。このプリンタは、ハイドロゲル3Dプリンティング用に特別に製造及び設計されたものである。使用されたシステム及び方法の実施形態は、参照によって援用される、2020年8月24日に出願された、米国特許出願公開第63/069317号明細書において、論じられている。マイクロ流体部品は、光重合インクでプリントした。バイオインクは、多層光重合法によってプリントした。プリントされたスキャホールドの構造は、4mm×3mm×14mmの寸法を有するカプセルネットであった。
【0076】
スキャホールドに、脈管構造側の肺動脈内皮細胞(PAEC)及び気道側の肺胞上皮細胞を含む様々な細胞(ATCC細胞株、マナッサス、バージニア州、米国)を播種した。これらの細胞を流速30ul/分で6時間播種し、その後に緩衝液を4日間灌流させた。
【0077】
一方の側から血液を灌流させ、もう一方の側からは空気を灌流させることで、スキャホールドの試験を行った。SpO2値が50%の脱酸素化血液を一方の側から灌流させ、酸素化の量をもう一方の側から記録した。血液の流速は200ul/分に設定し、生体模倣システムを通る前後の血液を収集した。血液中の各気体のレベルを、Radiometer血液分析装置を用いて測定した。
【0078】
実施例2:
【0079】
本明細書に記載の3Dプリンティング技術を用いて、ガス交換ユニットを作製した。カプセルネット構造は、602Nという材料からなり、直径は20um及び385nmであった。作製したチップを37Cの恒温器の中に置いた。100mLのウマ血液を入手し、酸素化装置/脱酸素化装置を用いて、およそのSpO2を約60%という低酸素含有量にした。次いで、チップの脈管構造成分にウマ血液を注入し、窒素又は空気をチップの気道に流した。
【0080】
図18Aは、実施例2のサンプルで使用された、ガス交換ユニットのカプセルネット構造デザインを示している。
【0081】
図18Bは、チップ1~5の血液入口及び出口を備えた、温度調節されたガス交換ユニットのセットアップの画像を示している。
【0082】
図19Aは、チップ1セットアップの画像を示している。空気/窒素入口は圧力0.5psiで取り付け、気体流速200ul/分を用いてチップの灌流を行った。
図19Bは、空気を気道に流す場合と、窒素を気道に流す場合の、チップの出口における血液の、血中酸素含有量の測定値比較を示している。図示されているように、空気及び窒素の両方の場合で、気体輸送は顕著であった。
【0083】
図20Aは、チップ1と同様にプリント及びセットアップされた、チップ2セットアップの画像を示している。
図20Bは、空気を気道に流す場合と、窒素を気道に流す場合の、チップの出口における血液の、血中酸素含有量の測定値比較を示している。図示されているように、空気及び窒素の両方の場合で、気体輸送は顕著であった。チップ1とチップ2との間でいくらかのバッチ差があった。
【0084】
図21Aは、チップ1と同様にセットアップされた、チップ3の画像を示している。
図21Bは、空気を気道に流す場合と、窒素を気道に流す場合の、チップの出口における血液の、血中酸素含有量の測定値比較を示している。空気及び窒素の両方の場合で、ガス交換の結果は顕著であった。空気部分の結果は、同様の条件のチップ番号1と非常によく一致している。
【0085】
図22Aは、チップ1と同様にセットアップされた、チップ4の画像を示している。
図22Bは、空気を気道に流す場合と、窒素を気道に流す場合の、チップの出口における血液の、血中酸素含有量の測定値比較を示している。図示されているように、空気及び窒素の両方の場合で、気体輸送はここでも顕著であった。
【0086】
図23Aは、チップ5セットアップの画像を示している。チップ5は、チップ1と同様にセットアップしたが、400ul/分というより高い流速を用いて、チップの灌流を行った。
図23Bは、空気を気道に流す場合と、窒素を気道に流す場合の、チップの出口における血液の、血中酸素含有量の測定値比較を示している。400uL/分というより高い流速では、無換気の場合と比較して、意味のある酸素及び窒素の気体移動が生じず、200uL/分でのサンプルよりもかなり悪化した。これは、拡散移動のための充分な時間を血液が持てないためと考えられる。
【0087】
好ましい実施形態を例示し説明してきたが、本明細書において定義されたようなより広い局面で見て本発明から逸脱することなく、当該技術分野における通常の技能に基づき、それらに変形及び変更を加え得ることが理解されよう。
【0088】
本明細書で開示される全ての参考文献は、参照により具体的に援用される。
【国際調査報告】