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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】測定デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01L 11/06 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
G01L11/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023568444
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 AU2022050253
(87)【国際公開番号】W WO2022232865
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】2021901337
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523416645
【氏名又は名称】ファイア エヌディーティー プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ドネリー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】リマ,アンソニー パトリック
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055CC59
2F055FF45
(57)【要約】
本開示の態様は、パイプ内の液体の圧力を判定する非破壊デバイス及び方法に関する。本方法は、第1のプローブによって超音波を送信するステップを含み、第1のプローブは、パイプの表面上に配設されている。本方法は、次いで、第2のプローブによって、送信された超音波を受信し、第2のプローブは、第1のプローブとは反対のパイプの表面上に配設されている。次いで、パイプ内の液体を通る、送信された超音波の伝播速度を判定することができる。次いで、送信された超音波の判定された伝播速度に基づいて、液体の圧力を判定することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ内の液体の圧力を判定する方法であって、前記方法は、
第1のプローブによって超音波を送信するステップであって、前記第1のプローブは、前記パイプの表面上に配設されている、ステップと、
第2のプローブによって、送信された前記超音波を受信するステップであって、前記第2のプローブは、前記第1のプローブとは反対の前記パイプの表面上に配設されている、ステップと、
前記パイプ内の前記液体を通る、前記送信された超音波の伝播速度を判定するステップと、
前記送信された超音波の判定された前記伝播速度に基づいて、前記液体の前記圧力を判定するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する前記ステップが、
前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブが前記パイプ上に配設されているそれぞれの表面における前記パイプの厚さを判定する補助ステップと、
前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の判定された前記距離と、判定されたパイプ厚とに基づいて、前記液体の距離を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブが前記超音波を送信する時間と、前記第2のプローブが前記送信された超音波を受信する時間との間の時間差を判定する補助ステップと、
前記判定されたパイプ厚を横切るのにかかる時間を判定する補助ステップと、
判定された前記時間差と、前記判定されたパイプ厚を横切るのにかかる判定された前記時間とに基づいて、前記液体を横切るのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記液体の判定された前記距離と、前記液体を横切るのにかかる判定された前記時間とに基づいて、前記液体を通る前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する補助ステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブは、前記第2のプローブが前記第1のプローブに対してある角度に位置するように、前記パイプに沿って長手方向にオフセットされている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記角度が、0°~30°の範囲内にある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パイプの厚さを判定する前記ステップが、
前記第1のプローブによって超音波を送信する補助ステップと、
前記第1のプローブによって、前記第1のプローブによって送信された前記超音波を受信する補助ステップと、
前記第1のプローブによって前記超音波を送信及び受信するのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブによってかかる判定された前記時間に基づいて、前記第1のプローブが配設されている前記パイプの前記厚さを判定する補助ステップと、
前記第2のプローブによって超音波を送信する補助ステップと、
前記第2のプローブによって、前記第2のプローブによって送信された前記超音波を受信する補助ステップと、
前記第2のプローブによって前記超音波を送信及び受信するのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記第2のプローブによってかかる判定された前記時間に基づいて、前記第2のプローブが配設されている前記パイプの前記厚さを判定する補助ステップと、を更に含む、請求項2に従属する場合の請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記液体の温度を判定することを更に含み、前記液体の前記圧力を前記判定することが、前記液体の判定された前記温度に更に基づいている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
パイプ内の液体の圧力を判定するために構成されたデバイスであって、前記デバイスは、
第1のプローブと、
第2のプローブと、
制御ユニットであって、前記パイプ内の前記液体の圧力を判定する方法を実施するためのアプリケーションプログラムを実行する、制御ユニットと、を備え、前記方法は、
前記第1のプローブによって超音波を送信するステップであって、前記第1のプローブは、前記パイプの表面上に配設されている、ステップと、
前記第2のプローブによって、送信された前記超音波を受信するステップであって、前記第2のプローブは、前記第1のプローブとは反対の前記パイプの表面上に配設されている、ステップと、
前記パイプ内の前記液体を通る、前記送信された超音波の伝播速度を判定するステップと、
前記送信された超音波の判定された前記伝播速度に基づいて、前記液体の前記圧力を判定するステップと、を含む、デバイス。
【請求項8】
前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する前記ステップが、
前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブが前記パイプ上に配設されているそれぞれの表面における前記パイプの厚さを判定する補助ステップと、
前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の判定された前記距離と、判定されたパイプ厚とに基づいて、前記液体の距離を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブが前記超音波を送信する時間と、前記第2のプローブが前記送信された超音波を受信する時間との間の時間差を判定する補助ステップと、
前記判定されたパイプ厚を横切るのにかかる時間を判定する補助ステップと、
判定された前記時間差と、前記判定されたパイプ厚を横切るのにかかる判定された前記時間とに基づいて、前記液体を横切るのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記液体の判定された前記距離と、前記液体を横切るのにかかる判定された前記時間とに基づいて、前記液体を通る前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する補助ステップと、を更に含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスが、
前記パイプに結合されるように構成されたフレームであって、前記第1のプローブ及び前記第2のプローブが前記フレーム上に配設されている、フレームと、
前記フレーム上に配設されたトラックであって、前記第1のプローブ又は前記第2のプローブが、前記トラックに沿って移動可能であるように、前記第1のプローブ及び前記第2のプローブのうちの1つが前記トラック上に配設されている、トラックと、を更に備え、
前記フレームが前記パイプ上に配設されているとき、前記第1のプローブ及び前記第2のプローブは、前記第2のプローブが前記第1のプローブに対してある角度に位置するように、前記パイプに沿って長手方向にオフセットされており、
前記トラック上に配設された前記プローブは、前記第1のプローブとは反対の前記パイプの表面上に前記第2のプローブが配設されるように、移動可能である、請求項7又は8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記角度が、0°~30°の範囲内にある、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記パイプの厚さを判定する前記ステップが、
前記第1のプローブによって超音波を送信する補助ステップと、
前記第1のプローブによって、前記第1のプローブによって送信された前記超音波を受信する補助ステップと、
前記第1のプローブによって前記超音波を送信及び受信するのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブによってかかる判定された前記時間に基づいて、前記第1のプローブが配設されている前記パイプの前記厚さを判定する補助ステップと、
前記第2のプローブによって超音波を送信する補助ステップと、
前記第2のプローブによって、前記第2のプローブによって送信された前記超音波を受信する補助ステップと、
前記第2のプローブによって前記超音波を送信及び受信するのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記第2のプローブによってかかる判定された前記時間に基づいて、前記第2のプローブが配設されている前記パイプの前記厚さを判定する補助ステップと、を更に含む、請求項8に従属する場合の請求項8~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する前記ステップが、
前記液体の温度を判定する補助ステップを更に含み、前記液体の前記圧力を前記判定することが、前記液体の判定された前記温度に更に基づいている、請求項7~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法を実施するためのアプリケーションプログラムを含む、コンピュータプログラム。
【請求項14】
システムであって、
請求項7~12のいずれか一項に記載のデバイスと、
サーバであって、前記液体の判定された前記圧力が前記サーバに送信されるように、前記デバイスと通信している、サーバと、を備える、システム。
【請求項15】
前記デバイスが、前記液体の前記圧力を定期的に判定し、前記液体の判定された前記圧力を定期的に前記サーバに送信する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記サーバが、前記デバイスの設定を変更するように構成されている、請求項14又は15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、測定デバイスに関し、特に、パイプ内の液体圧を測定することに関する。
【背景技術】
【0002】
火災用スプリンクラシステムは、パイプの複数のネットワークを含み、各ネットワークは、エリアにサービスを提供する。ネットワークのうちの1つで作業を実施する場合に、この特定のネットワークに向かう水を止める必要がある。このネットワークへの水を止めないと、特に水が1000~2000kPaの圧力を有する場合、大量の水がエリアに浸水することになる。浸水エリア内の物体に損傷を与える可能性もある。一方、他のネットワークに向かう水は、これらのエリアが火災用スプリンクラシステムによって依然として保護されていることを確実にするために、維持される必要がある。
【0003】
従来の構成では、(例えば、確実オフテスタを使用する)破壊試験を使用して、パイプ内の水圧を判定する。水圧が十分に低い場合、ネットワークで作業を開始できる。作業が完了すると、(破壊試験デバイスが位置する)損傷したパイプが交換される。
【0004】
破壊試験デバイスを使用して水圧を測定し、損傷したパイプを交換するプロセスは、作業を完了する際の時間及びコストを増大させる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、既存の構成のうちの1つ以上の欠点を実質的に克服する、又は少なくとも改善することである。
【0006】
非破壊試験デバイス及び方法を提供することによって、上記の問題に対処しようとする構成が開示されている。非破壊試験デバイス及び方法は、超音波を使用して、パイプ内の液体圧を判定する。
【0007】
本開示の一態様によれば、パイプ内の液体の圧力を判定する方法であって、第1のプローブによって超音波を送信するステップであって、第1のプローブは、パイプの表面上に配設されている、ステップと;第2のプローブによって、送信された超音波を受信するステップであって、第2のプローブは、第1のプローブとは反対のパイプの表面上に配設されている、ステップと;パイプ内の液体を通る、送信された超音波の伝播速度を判定するステップと;送信された超音波の判定された伝播速度に基づいて、液体の圧力を判定するステップと;を含む、方法を提供する。
【0008】
本開示の別の態様によれば、パイプ内の液体の圧力を判定するために構成されたデバイスであって、第1のプローブと、第2のプローブと、制御ユニットであって、パイプ内の液体の圧力を判定する方法を実施するためのアプリケーションプログラムを実行する制御ユニットと、を備え、方法は、第1のプローブによって超音波を送信するステップであって、第1のプローブは、パイプの表面上に配設されている、ステップと;第2のプローブによって、送信された超音波を受信するステップであって、第2のプローブは、第1のプローブとは反対のパイプの表面上に配設されている、ステップと;パイプ内の液体を通る、送信された超音波の伝播速度を判定するステップと;送信された超音波の判定された伝播速度に基づいて、液体の圧力を判定するステップと;を含む、デバイスを提供する。
【0009】
他の態様も開示される。
【0010】
次に、本発明の少なくとも1つの実施形態を、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示による、パイプ内の液体圧を測定するために超音波を使用するための構成を示す。
図2】本開示による、液体圧を測定するためのデバイスである。
図3A図2に示されるデバイスの制御ユニットの概略的なブロック図表示を集合的に形成する。
図3B図2に示されるデバイスの制御ユニットの概略的なブロック図表示を集合的に形成する。
図4】本開示による、パイプ内の液体圧を測定する方法のフローチャートである。
図5図2のデバイスを遠隔で制御及び監視するためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面のうちの任意の1つ以上で、同じ参照番号を有するステップ及び/又は特徴を参照する場合、それらのステップ及び/又は特徴は、逆の意図が現れない限り、本明細書の目的のために同じ機能又は動作を有する。
【0013】
「背景技術」の節に含まれる考察と、従来技術の構成に関する上記の考察とは、それぞれの公開及び/又は使用を通じて公知を形成する文書又はデバイスの考察に関することに留意されたい。そのようなものは、いかなる形であれ、そのような文書又はデバイスが、当該技術分野の共通の一般的知識の一部を形成するという、本発明者又は特許出願人による表現として解釈されるべきではない。
【0014】
図1は、パイプ400の中心を通る、パイプ400の長手方向断面を示す。図1は、非破壊的な方式でパイプ400内の液体500の圧力を測定するための構成を更に示す。本構成は、2つのプローブ110及び120を使用し、それによって、一方のプローブ110は超音波を送信し、他方のプローブ120は、送信された超音波を受信する。液体500を通過する音の速度は、液体500下にある圧力に応じて変化する。したがって、送信された超音波と受信された超音波との間の時間差は、液体500下にある圧力を示す。
【0015】
プローブ110は、パイプ400の表面上に配設され、プローブ120は、パイプ400の反対側の表面上に配設されている。プローブ120は、プローブ120がプローブ110に対して角度θに位置するように、パイプ400に沿って長手方向に距離112だけオフセットされている。角度θは、0°~30°の範囲内にある。範囲の上限における角度θは、プローブ110とプローブ120との間のより長い距離を作り出す。プローブ110及び120は、伝達媒質を使用して、パイプ400の表面に結合されている。
【0016】
パイプ400は、金属、プラスチックなどから作ることができる。液体500は、水、油などであり得る。
【0017】
図2は、プローブ110、120、フレーム140、及び制御ユニット300を有する、非破壊測定デバイス200を示す。プローブ110及び120は、図1に示されるプローブである。プローブ110及び120は、フレーム140上に配設されている。
【0018】
フレーム140は可撓性であり、プローブ110が配設されているトラック130を含む。プローブ110は、トラック130に沿って移動可能である。フレーム140は、測定されるパイプに結合されるように構成されている。フレーム140が様々なサイズのパイプ上に設置されると、プローブ110は、必要な角度θを保つように移動され得、パイプ400の表面上でプローブ120の反対側に設置され得る。例えば、プローブ120が、まず、一側面142がパイプ400に沿って長手方向に配設されている、パイプ400の表面に結合される。次いで、フレーム140が、パイプ400の周囲に巻かれ、プローブ110が、パイプ400の反対側の表面に結合される。パイプのサイズに応じて、プローブ110がトラック130に沿って移動され、プローブ110がパイプ400の反対側の表面に結合されることを可能にする。
【0019】
トラック130はまた、トラック130に沿ってプローブ110の位置を判定するためのセンサ(図示せず)も含む。更に、デバイス200はまた、プローブ110及び120が配設されているパイプ400の温度を判定するための温度センサ(図示せず)も含む。1つの代替的な構成では、温度センサは、デバイス200が配設されている周囲温度を測定する。
【0020】
別の構成では、プローブ120は、トラック130上に配設されている。
【0021】
異なるパイプサイズのために、プローブ110とプローブ120との間の必要な角度θを保つための他の構成が採用され得る。これらの他の構成は、必要な角度θを保つために、剛性フレーム及び更なる機構を使用し得る。
【0022】
プローブ110及び120の各々は、電気エネルギーを音波に変換するための圧電トランスデューサを備える。プローブ110及び120は、制御ユニット300に接続されている。制御ユニット300は、超音波を送信するために、プローブ110及び120に制御信号を提供するように構成されている。プローブ110及び120の各々によって送信された超音波は、kHz範囲を上回る。
【0023】
プローブ110及び120の各々はまた、超音波を受信し、受信された超音波を電気信号に変換するための受信機も備える。制御ユニット300はまた、それぞれのプローブ110及び120によって受信された超音波を表す信号をプローブ110及び120から受信するようにも構成されている。
【0024】
図3A及び図3Bは、説明対象である非破壊測定方法が望ましく実施される、埋設部品を含む制御ユニット300の概略的なブロック図を集合的に形成する。
【0025】
図3Aに見られるように、デバイス300は、組み込みコントローラ302を備える。したがって、デバイス300は、「組み込みデバイス」と称されてもよい。本例では、コントローラ302は、内部記憶モジュール309に双方向に結合されている処理ユニット(又は、プロセッサ)305を有する。記憶モジュール309は、図3Bに見られるように、不揮発性半導体読み取り専用メモリ(ROM)360及び半導体ランダムアクセスメモリ(RAM)370から形成され得る。RAM370は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又は揮発性メモリと不揮発性メモリとの組み合わせであってもよい。
【0026】
デバイス300は、液晶ディスプレイ(LCD)パネルなどのビデオディスプレイ314に接続されている、ディスプレイコントローラ307を含む。ディスプレイコントローラ307は、ディスプレイコントローラ307が接続されている組み込みコントローラ302から受信された命令に従って、ビデオディスプレイ314上にグラフィカル画像を表示するために構成されている。
【0027】
デバイス300はまた、典型的には、キー、キーパッド、又は同様の制御によって形成されているユーザ入力デバイス313も含む。いくつかの実装形態では、ユーザ入力デバイス313は、タッチスクリーンを集合的に形成するためにディスプレイ314に物理的に関連付けられた、タッチパネルを含み得る。したがって、そのようなタッチスクリーンは、典型的には、キーパッド-ディスプレイの組み合わせで使用されるプロンプト又はメニュー形式のGUIとは対照的に、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の一形態として動作し得る。キーボード(図示せず)、音声コマンド用のマイクロフォン(図示せず)、又はメニューについてナビゲーションし易くするためのジョイスティック/回転ダイヤル(図示せず)などの、他の形態のユーザ入力デバイスもまた使用され得る。
【0028】
図3Aに見られるように、デバイス300はまた、接続319を介してプロセッサ305に結合されている、ポータブルメモリインターフェース306も備える。ポータブルメモリインターフェース306は、相補的なポータブルメモリデバイス325がデバイス300に結合されて、データのソース又は宛先として機能するか、又は内部記憶モジュール309を補完することを可能にする。そのようなインターフェースの例は、ユニバーサルシリアルバス(USB)メモリデバイス、セキュアデジタル(SD)カード、パーソナルコンピュータメモリカードインターナショナルアソシエーション(PCMIA)カード、光ディスク、及び磁気ディスクなどのポータブルメモリデバイスとの結合を可能にする。
【0029】
デバイス300はまた、接続321を介してデバイス300をコンピュータ又は通信ネットワーク320に結合することを可能にするための通信インターフェース308も有する。接続321は、有線又は無線であってもよい。例えば、接続321は、無線周波数又は光周波数であってもよい。有線接続の例としては、イーサネットが挙げられる。更に、無線接続の例としては、Bluetooth(商標)型のローカル相互接続、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリの規格に基づくプロトコルを含む)、赤外線通信規格(IrDa)などが挙げられる。
【0030】
デバイス300は、プローブ110及び120に接続されている(図1及び図2に示される)。超音波を送信するようにプローブ110及び120を制御するために、プロセッサ305は、(例えば、パルスの形態の)制御信号をプローブ110及び120に送信する。制御信号を受信するプローブ110又は120は、次いで、制御信号を音波に変換する。更に、プローブ110又は120が超音波を受信すると、プローブ110又は120は、超音波を電気信号に変換する。次に、プロセッサ305は、電気信号を受信し、受信された電気信号をデジタルデータに変換する。
【0031】
以下に説明される方法は、組み込みコントローラ302を使用して実装され得、図4に示されるプロセスは、組み込みコントローラ302内で実行可能な1つ以上のソフトウェアアプリケーションプログラム333として実装され得る。図3Aのデバイス300は、説明された方法を実装する。特に、図3Bを参照すると、説明された方法のステップは、コントローラ302内で実行されるソフトウェア333内の命令によってもたらされる。ソフトウェア命令は、1つ以上の特定のタスクを各々実行するための1つ以上のコードモジュールとして形成され得る。ソフトウェアはまた、2つの別個の部分に分割され得、第1の部分及び対応するコードモジュールは、説明された方法を実施し、第2の部分及び対応するコードモジュールは、第1の部分とユーザとの間のユーザインターフェースを管理する。
【0032】
組み込みコントローラ302のソフトウェア333は、典型的には、内部記憶モジュール309の不揮発性ROM360に記憶される。ROM360に記憶されたソフトウェア333は、必要に応じて、コンピュータ可読媒体から更新され得る。ソフトウェア333は、プロセッサ305にロードされ得、プロセッサ305によって実行され得る。いくつかの例では、プロセッサ305は、RAM370に位置するソフトウェア命令を実行し得る。ソフトウェア命令は、ROM360からRAM370への1つ以上のコードモジュールのコピーを開始するプロセッサ305によって、RAM370にロードされ得る。あるいは、1つ以上のコードモジュールのソフトウェア命令は、製造業者によって、RAM370の不揮発性領域にプレインストールされ得る。1つ以上のコードモジュールがRAM370内に位置すると、プロセッサ305は、1つ以上のコードモジュールのソフトウェア命令を実行し得る。
【0033】
ソフトウェア333はまた、非破壊試験を実施するために必要なデータを含むデータベースを含む。データの例としては、材料中の音の伝播速度、異なる液体圧における音の伝播速度、及び異なる温度における音の伝播速度が挙げられる。
【0034】
アプリケーションプログラム333は、典型的には、デバイス300の販売に先立って、製造業者によってROM360にプレインストールされ、記憶される。しかしながら、いくつかの例では、1つ以上のCD-ROM(図示せず)上で符号化されたアプリケーションプログラム333は、ユーザに供給されてもよく、内部記憶モジュール309内又はポータブルメモリ325内に記憶される前に、図3Aのポータブルメモリインターフェース306を介して読み取られてもよい。別の代替形態では、ソフトウェアアプリケーションプログラム333は、プロセッサ305によってネットワーク320から読み取られてもよく、又は、他のコンピュータ可読媒体からコントローラ302若しくはポータブル記憶媒体325にロードされてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、実行及び/又は処理用のコントローラ302に命令及び/又はデータを提供することに関与する任意の非一時的な有形の記憶媒体を指す。そのような記憶媒体の例としては、フロッピーディスク、磁気テープ、CD-ROM、ハードディスクドライブ、ROM若しくは集積回路、USBメモリ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、又はPCMCIAカードなどのコンピュータ可読カードが挙げられ、そのようなデバイスが、デバイス300の内部又は外部であるかどうかは問わない。ソフトウェア、アプリケーションプログラム、命令、及び/又はデータのデバイス300への提供にも関与し得る、一時的又は非有形のコンピュータ可読送信媒体の例としては、無線又は赤外線送信チャネル、並びに、別のコンピュータ又はネットワークデバイスへのネットワーク接続、並びに、電子メール送信、及びウェブサイト上に記録された情報を含むインターネット又はイントラネットなどが挙げられる。そのようなソフトウェア又はコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品である。
【0035】
アプリケーションプログラム333の第2の部分及び上記の対応するコードモジュールは、図3Aのディスプレイ314上にレンダリングされる、又は別様に表される1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を実装するために実行され得る。ユーザ入力デバイス313(例えば、キーパッド)の操作を通して、デバイス300及びアプリケーションプログラム333のユーザは、GUIに関連付けられたアプリケーションに制御コマンド及び/又は入力を提供するために、機能的に適応可能な方式でインターフェースを操作し得る。ラウドスピーカ(図示せず)を介して出力された音声プロンプトと、マイクロフォン(図示せず)を介して入力されたユーザ音声コマンドと、を利用する音声インターフェースなどの、他の形態の機能的に適応可能なユーザインターフェースもまた実装され得る。
【0036】
図3Bは、アプリケーションプログラム333及び内部記憶309を実行するためのプロセッサ305を有する、組み込みコントローラ302を詳細に示す。内部記憶309は、読み取り専用メモリ(ROM)360及びランダムアクセスメモリ(RAM)370を含む。プロセッサ305は、接続されたメモリ360及び370の一方又は両方に記憶されたアプリケーションプログラム333を実行することができる。デバイス300が最初に電源投入されると、ROM360に常駐するシステムプログラムが実行される。ROM360に恒久的に記憶されたアプリケーションプログラム333は、「ファームウェア」と称されることもある。プロセッサ305によるファームウェアの実行は、プロセッサ管理、メモリ管理、デバイス管理、記憶管理、及びユーザインターフェースを含む、様々な機能を果たし得る。
【0037】
プロセッサ305は、典型的には、内部バッファ又はキャッシュメモリ355とともに、制御ユニット(CU)351と、演算論理ユニット(ALU)352と、デジタル信号プロセッサ(DSP)353と、典型的には、アトミックデータ要素356、357を含むレジスタのセット354を含むローカルメモリ又は内部メモリと、を含むいくつかの機能モジュールを含む。1つ以上の内部バス359は、これらの機能モジュールを相互接続する。プロセッサ305はまた、典型的には、接続361を使用して、システムバス381を介して外部デバイスと通信するための1つ以上のインターフェース358を有する。
【0038】
アプリケーションプログラム333は、条件付き分岐及びループ命令を含み得る、一連の命令362~363を含む。プログラム333はまた、プログラム333の実行で使用されるデータも含み得る。このデータは、命令の一部として、又はROM360又はRAM370内の別個の場所364に記憶されてもよい。
【0039】
一般に、プロセッサ305は、その中で実行される命令のセットを与えられる。この命令のセットは、特定のタスクを実施するか、又はデバイス300内で発生する特定のイベントを処理するブロックに編成され得る。典型的には、アプリケーションプログラム333は、イベントを待ち、その後、そのイベントに関連付けられたコードのブロックを実行する。イベントは、プロセッサ305によって検出されるように、図3Aのユーザ入力デバイス313を介して、ユーザからの入力に応答してトリガされ得る。イベントはまた、デバイス300内の他のセンサ及びインターフェースにも応答してトリガされ得る。
【0040】
命令のセットの実行には、数値変数を読み取り、変更する必要があり得る。そのような数値変数は、RAM370に記憶される。開示された方法は、メモリ370内の既知の場所372、373に記憶されている、入力変数371を使用する。入力変数371は、メモリ370内の既知の場所378、379に記憶されている、出力変数377を生成するように処理される。中間変数374は、メモリ370の場所375、376内の追加のメモリ場所に記憶され得る。あるいは、いくつかの中間変数は、プロセッサ305のレジスタ354内にのみ存在し得る。
【0041】
一連の命令の実行は、フェッチ実行サイクルの繰り返し適用によってプロセッサ305で達成される。プロセッサ305の制御ユニット351は、実行される次の命令のROM360又はRAM370内のアドレスを含む、プログラムカウンタと呼ばれるレジスタを維持する。フェッチ実行サイクルの開始時に、プログラムカウンタによってインデックス付けされたメモリアドレスのコンテンツが制御ユニット351にロードされる。したがって、ロードされた命令は、プロセッサ305の後続の動作を制御し、例えば、ROMメモリ360からプロセッサレジスタ354にデータがロードされ、レジスタのコンテンツが別のレジスタのコンテンツと演算的に組み合わせられ、レジスタのコンテンツが、別のレジスタに記憶された場所に書き込まれるなどを生じさせる。フェッチ実行サイクルの終了時に、プログラムカウンタは、システムプログラムコード内の次の命令を指示するように更新される。このことは、実行されたばかりの命令に応じて、分岐動作を達成するために、プログラムカウンタに含まれるアドレスをインクリメントすること、又はプログラムカウンタに新しいアドレスをロードすることを伴い得る。
【0042】
以下に説明する方法のプロセスにおける各ステップ又はサブプロセスは、アプリケーションプログラム333の1つ以上のセグメントに関連付けられており、プロセッサ305におけるフェッチ実行サイクルの繰り返し実行によって、又はデバイス300における他の独立したプロセッサブロックの同様のプログラム動作によって実施される。
【0043】
図4は、パイプ400内の液体圧を判定するための方法400を示す。方法400は、(図3A及び図3Bに関連して上述したように)内部記憶モジュール309に記憶され、かつ組み込みコントローラ302内で実行可能な1つ以上のソフトウェアアプリケーションプログラム333として実装される。
【0044】
方法400は、プローブ110及び120がパイプ400の反対側の表面に配設されているとき、プローブ110とプローブ120との間の距離を判定することによって、ステップ410で開始する。上記で議論されているように、トラック130は、トラック130に沿ったプローブ110の位置を判定するためのセンサを含む。トラック130に沿ったプローブ110の判定された位置に基づいて、パイプ400の半周114を判定することができる。次いで、パイプ400のサイズが、次式を使用して判定され得、
D=2C/π
式中、Dは、パイプ400の直径であり、Cは、(トラック130に沿ったプローブ110の場所に基づいて判定されるような)パイプ400の半周である。
【0045】
次いで、プローブ110とプローブ120との間の距離は、次式を使用して判定され、
Dprobe=D/cosθ
式中、Dは、パイプ400の直径であり、θは、プローブ110とプローブ120との間の角度である。
【0046】
次いで、方法400は、ステップ410からステップ420に進む。
【0047】
ステップ420では、パイプ400の厚さが判定される。プローブ110及び120がパイプ400に結合されているそれぞれの場所におけるパイプ400の厚さが判定される。
【0048】
制御ユニット300は、超音波を送信するために、制御信号をプローブ110及び120の各々に送信する。次いで、プローブ110及び120の各々は、パイプ液体インターフェースから送信された超音波の反射を受信する。制御ユニット300は、超音波の送信と受信との間にかかった時間tを記録する。次いで、制御ユニット300は、以下の式を使用する。
l=ct/2
式中、lは、プローブが結合されているパイプの厚さであり、cは、材料中の音の伝播速度であり、tは、超音波の送信と受信との間にかかった時間である。
【0049】
上記で議論されているように、ソフトウェア333は、材料中の音の伝播速度のデータベースを含む。一構成では、制御ユニット300は、方法400が表示ユニット314上で実施される材料の選択を表示する。それに応じて、ユーザは、ユーザ入力デバイス313を使用して、表示された材料のうちの1つを選択する。次いで、制御ユニット300は、選択された材料及び対応する伝播速度を使用して、パイプの厚さを計算する。
【0050】
次いで、方法400は、ステップ420からステップ430に進む。
【0051】
ステップ430では、パイプ400内の液体圧が判定される。上記で議論されているように、制御ユニット300は、異なる液体温度における音の伝播速度及び異なる液体圧を含むデータベースを有する。したがって、液体500中の音の伝播速度が判定される。
【0052】
液体500中の音の伝播速度を判定するために、制御ユニット300は、液体500を通る超音波によってかかる時間と、液体500中を横切る距離と、を判定する。しかしながら、超音波がプローブ110及び120によって送信及び受信されると、超音波はまた、パイプ400も横切る。パイプ400を横切る時間及び距離は、液体500を通る音の正確な伝播速度を得るために除去される。
【0053】
制御ユニット300は、まず、パイプ400及び液体500の両方を通して超音波を送信及び受信するのにかかる合計時間を得る。次いで、合計時間を、パイプ400を横切るのにかかる時間だけ減じる。
【0054】
制御ユニット300は、次いで、パイプ400を通る超音波によって横切る距離を用いて、Dprobe(上記のステップ410を参照)を減じることによって、液体500を横切る距離を得る。
【0055】
液体500を通る超音波が横切る合計時間を得るために、制御ユニット300は、超音波を送信するための制御信号をプローブ110に送信する。次に、プローブ120は、プローブ110によって送信された超音波を受信し、受信された超音波を、制御ユニット300によって受信される電気信号に変換する。
【0056】
次いで、制御ユニット300は、超音波の送信と受信との間にかかる時間を判定する。制御ユニット300は、次いで、以下の式を使用して、液体500を通る超音波の横断時間ttを判定する。
tt=t1-(l1*c)-(l2*c)
式中、ttは、液体500を通る超音波の横断時間であり、t1は、超音波の送信と受信との間に記録された時間であり、cは、パイプ400の材料を通る音の伝播速度であり、l1は、プローブ110において横切るパイプ400の厚さであり、l2は、プローブ120において横切るパイプの厚さである。
【0057】
l1及びl2の両方が、次式を使用して判定され、
l1=l(プローブ110における)/cosθ
l2=l(プローブ120における)/cosθ
式中、lは、ステップ420で判定されたような、プローブ110及び120におけるパイプ400のそれぞれの厚さである。
【0058】
次いで、制御ユニット300は、液体500中の超音波が横切る距離を判定する。制御ユニット300は、以下の式を使用する。
Dliquid=Dprobe-l1-l2
式中、Dliquidは、液体500中の超音波によって横切る距離であり、Dprobe(ステップ410を参照)は、プローブ110とプローブ120との間の距離であり、l1(上記の段落[0056]を参照)は、プローブ110において横切るパイプ400の厚さであり、l2(上記の段落[0056]を参照)は、プローブ120において横切るパイプの厚さである。
【0059】
次いで、液体500を通る音の伝播速度は、次式を使用することによって得られる。
cliquid=Dliquid/tt
式中、cliquidは、液体500を通る音の伝播速度であり、Dliquidは、上記の段落[0057]で判定され、ttは、上記の段落[0055]で判定される。
【0060】
液体500を通る音の伝播速度が分かると、判定された伝播速度をデータベースに対して比較して、デバイス200の温度センサによって検出された温度における液体500の圧力を判定する。温度センサによって検出された温度は、液体500の温度であると考えられる。判定された液体圧は、表示ユニット314上に表示することができる。
【0061】
方法400は、ステップ430の終了時に終了する。
【0062】
方法400のステップのうちのいずれかが実施できない場合、制御ユニット300は、ディスプレイ314にエラーメッセージを表示する。例えば、パイプに空隙があると、エラーが発生する場合がある。
【0063】
図5は、デバイス200を遠隔で制御及び監視するためのシステム500を示す。システム500は、デバイス200、ネットワーク320、サーバ510、及びコンピューティングデバイス520A~520Nを含む。デバイス200は、ネットワーク320に接続されている。図2及び図3Aに関連して前述したように、デバイス200は、ネットワーク320に結合されている制御ユニット300を有する。システム500では、ネットワーク320は、サーバ510に更に接続されており、サーバ510は、次に、コンピューティングデバイス520A~520Nに接続されている。
【0064】
コンピューティングデバイス520A~520Nは、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなどであり得る。コンピューティングデバイス520A~520Nは、パイプ400を担当している建物管理者、パイプ400を担当している保守作業員、監視会社を基礎付けるためのバックなどのエンティティ、資産のスプリンクラ保護を証明する保険会社、水道施設供給業者(例えば、水圧の突然喪失を監視する)などのいずれか1つによって使用され得る。
【0065】
一構成では、デバイス200は、パイプ400の連続的な監視を恒久的に可能にするために、パイプ400上に配設されている。デバイス200は、定期的に(例えば、毎分、10分ごとになど)、パイプ400内の液体500の圧力を測定するようにプログラムされている。液体500の圧力がデバイス200によって得られると、デバイス200は(制御ユニット300を介して)得られたデータを、ネットワーク320を介して定期的にサーバ510に送信する。
【0066】
サーバ510は、液体500の圧力に関するデータを受信する。次いで、サーバ510は、受信されたデータを処理して、液体500の圧力に異常があるかどうかを判定する。異常のいくつかの例は、液体500の圧力の急激な増加、液体500の圧力の急激な減少などを含む。一構成では、サーバ510は、他の関連するシステム(例えば、保険システム)に接続されている。サーバ510が、パイプ400が加圧されていることを検出した場合、サーバ510は、パイプ400での作業が、パイプ400が減圧された後まで開始されない場合があることを、他の関連するシステムを介して通知を送信する。しかしながら、サーバ510が、パイプ400が減圧されたことを検出した場合、サーバ510は、パイプ400での作業を開始できることを、他の関連するシステムを介して通知を送信する。そのような構成は、パイプ400が依然として加圧されている間、無許可の作業がパイプ400で実施されることを防止する。
【0067】
サーバ510が異常を検出した場合、サーバ510は、デバイス520A~520Nのユーザに警告するために、コンピューティングデバイス520A~520Nに警報を送信する。次に、ユーザは、例えば、パイプ400へのバルブを閉じることによって、パイプ400に関する問題を迅速に修正することができる。デバイス200は、1つのパイプ400に関連するシリアル番号を有する。デバイス200に対するシリアル番号の使用は、システム500が複数のデバイス200を有することを可能にし、それらの各々は、1つの特定のパイプ400の液体500の圧力を測定している。したがって、1つの特定のデバイス200によって検出された任意の異常は、1つの特定のパイプ400に起因し得る。
【0068】
サーバ510が、受信されたデータが典型的な圧力範囲内にあると判定した場合、サーバ510は、データを記憶する。代替的な構成では、サーバ510は、コンピューティングデバイス520A~520Nのユーザが、液体500の測定された圧力をすぐに利用できるようにするために、記憶されたデータを定期的にコンピューティングデバイス520A~520Nに転送する。
【0069】
システム500はまた、ユーザが、コンピューティングデバイス520A~520Nのうちの1つを使用して、デバイス200を遠隔で制御することも可能にする。一構成では、ユーザは、デバイス200の特定の設定を変更することができる。一例では、コンピューティングデバイス520Aのユーザは、デバイス200によって行われる測定値の頻度を変更することができる。ユーザは、まず、デバイス200を選択し、コンピューティングデバイス520A上で所望の設定を変更する(例えば、定期的な測定をより頻繁にするように設定する)。コンピューティングデバイス520Aは、次いで、命令(変更されるデバイス200及び新しい設定を含む)をサーバ510に送信する。サーバ510は、次に、選択されたデバイス200に命令を送信する。選択されたデバイス200は、新しい命令を受信し、それに応じて設定を変更する。
【産業上の利用可能性】
【0070】
説明される構成は、パイプ内の液体圧を判定するための非破壊デバイス及び方法に適用可能である。
【0071】
上記は、本発明のいくつかの実施形態のみを説明しており、それに対して本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、修正及び/又は変更を行うことができ、実施形態は例示的であり、限定的ではない。
【0072】
本明細書の文脈では、「備える(comprising)」という語は、「主として含む(including)が、必ずしも単独ではない」又は「有する(having)」又は「含む(including)」を意味し、「のみからなる(consisting only of)」を意味しない。「備える(comprise)」及び「備える(comprises)」などのような「備える(comprising)」という語の変形は、それに応じて様々な意味を有する。
付録1
液体の密度は、以下のように表すことができる。
【表1】
温度が上昇すると、ほとんどの液体が膨張する。
【表2】
Bは、以下のように変更され得る。
【表3】
液体の体積に与える圧力の影響は、三次元フックの法則で表すことができる。
【表4】
温度及び圧力の両方を変化させる流体の密度:
【表5】
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ内の液体の圧力を判定する方法であって、前記方法は、
第1のプローブによって超音波を送信するステップであって、前記第1のプローブは、前記パイプの表面上に配設されている、ステップと、
第2のプローブによって、送信された前記超音波を受信するステップであって、前記第2のプローブは、前記第1のプローブとは反対の前記パイプの表面上に配設されている、ステップと、
前記第1のプローブ又は前記第2のプローブが配設されている表面における前記パイプの厚さを判定するステップであって、前記第1のプローブが配設されている前記表面におけるパイプ厚は、前記第1のプローブによって送信された超音波を使用して判定されるか、又は、前記第2のプローブが配設されている前記表面における前記パイプ厚は、前記第2のプローブによって送信された超音波を使用して判定される、ステップと、
判定された前記パイプ厚に基づいて、前記パイプ内の前記液体を通る、前記送信された超音波の伝播速度を判定するステップと、
前記送信された超音波の判定された前記伝播速度に基づいて、前記液体の前記圧力を判定するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する前記ステップが、
前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の判定された前記距離と、判定された前記パイプ厚とに基づいて、前記液体の距離を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブが前記超音波を送信する時間と、前記第2のプローブが前記送信された超音波を受信する時間との間の時間差を判定する補助ステップと、
前記判定されたパイプ厚を横切るのにかかる時間を判定する補助ステップと、
判定された前記時間差と、前記判定されたパイプ厚を横切るのにかかる判定された前記時間とに基づいて、前記液体を横切るのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記液体の判定された前記距離と、前記液体を横切るのにかかる判定された前記時間とに基づいて、前記液体を通る前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する補助ステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブは、前記第2のプローブが前記第1のプローブに対してある角度に位置するように、前記パイプに沿って長手方向にオフセットされている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記角度が、0°~30°の範囲内にある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パイプの厚さを判定する前記ステップが、
前記第1のプローブによって超音波を送信する補助ステップと、
前記第1のプローブによって、前記第1のプローブによって送信された前記超音波を受信する補助ステップと、
前記第1のプローブによって前記超音波を送信及び受信するのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブによってかかる判定された前記時間に基づいて、前記第1のプローブが配設されている前記パイプの前記厚さを判定する補助ステップと、
前記第2のプローブによって超音波を送信する補助ステップと、
前記第2のプローブによって、前記第2のプローブによって送信された前記超音波を受信する補助ステップと、
前記第2のプローブによって前記超音波を送信及び受信するのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記第2のプローブによってかかる判定された前記時間に基づいて、前記第2のプローブが配設されている前記パイプの前記厚さを判定する補助ステップと、を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記液体の温度を判定することを更に含み、前記液体の前記圧力を前記判定することが、前記液体の判定された前記温度に更に基づいている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
パイプ内の液体の圧力を判定するために構成されたデバイスであって、前記デバイスは、
第1のプローブと、
第2のプローブと、
制御ユニットであって、前記パイプ内の前記液体の圧力を判定する方法を実施するためのアプリケーションプログラムを実行する、制御ユニットと、を備え、前記方法は、
前記第1のプローブによって超音波を送信するステップであって、前記第1のプローブは、前記パイプの表面上に配設されている、ステップと、
前記第2のプローブによって、送信された前記超音波を受信するステップであって、前記第2のプローブは、前記第1のプローブとは反対の前記パイプの表面上に配設されている、ステップと、
前記第1のプローブ又は前記第2のプローブが配設されている表面における前記パイプの厚さを判定するステップであって、前記第1のプローブが配設されている前記表面におけるパイプ厚は、前記第1のプローブによって送信された超音波を使用して判定されるか、又は、前記第2のプローブが配設されている前記表面における前記パイプ厚は、前記第2のプローブによって送信された超音波を使用して判定される、ステップと、
判定された前記パイプ厚に基づいて、前記パイプ内の前記液体を通る、前記送信された超音波の伝播速度を判定するステップと、
前記送信された超音波の判定された前記伝播速度に基づいて、前記液体の前記圧力を判定するステップと、を含む、デバイス。
【請求項8】
前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する前記ステップが、
前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の判定された前記距離と、前記判定されたパイプ厚とに基づいて、前記液体の距離を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブが前記超音波を送信する時間と、前記第2のプローブが前記送信された超音波を受信する時間との間の時間差を判定する補助ステップと、
前記判定されたパイプ厚を横切るのにかかる時間を判定する補助ステップと、
判定された前記時間差と、前記判定されたパイプ厚を横切るのにかかる判定された前記時間とに基づいて、前記液体を横切るのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記液体の判定された前記距離と、前記液体を横切るのにかかる判定された前記時間とに基づいて、前記液体を通る前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する補助ステップと、を更に含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスが、
前記パイプに結合されるように構成されたフレームであって、前記第1のプローブ及び前記第2のプローブが前記フレーム上に配設されている、フレームと、
前記フレーム上に配設されたトラックであって、前記第1のプローブ又は前記第2のプローブが、前記トラックに沿って移動可能であるように、前記第1のプローブ及び前記第2のプローブのうちの1つが前記トラック上に配設されている、トラックと、を更に備え、
前記フレームが前記パイプ上に配設されているとき、前記第1のプローブ及び前記第2のプローブは、前記第2のプローブが前記第1のプローブに対してある角度に位置するように、前記パイプに沿って長手方向にオフセットされており、
前記トラック上に配設された前記プローブは、前記第1のプローブとは反対の前記パイプの表面上に前記第2のプローブが配設されるように、移動可能である、請求項7又は8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記角度が、0°~30°の範囲内にある、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記パイプの厚さを判定する前記ステップが、
前記第1のプローブによって超音波を送信する補助ステップと、
前記第1のプローブによって、前記第1のプローブによって送信された前記超音波を受信する補助ステップと、
前記第1のプローブによって前記超音波を送信及び受信するのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記第1のプローブによってかかる判定された前記時間に基づいて、前記第1のプローブが配設されている前記パイプの前記厚さを判定する補助ステップと、
前記第2のプローブによって超音波を送信する補助ステップと、
前記第2のプローブによって、前記第2のプローブによって送信された前記超音波を受信する補助ステップと、
前記第2のプローブによって前記超音波を送信及び受信するのにかかる時間を判定する補助ステップと、
前記第2のプローブによってかかる判定された前記時間に基づいて、前記第2のプローブが配設されている前記パイプの前記厚さを判定する補助ステップと、を更に含む、請求項7~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記送信された超音波の前記伝播速度を判定する前記ステップが、
前記液体の温度を判定する補助ステップを更に含み、前記液体の前記圧力を前記判定することが、前記液体の判定された前記温度に更に基づいている、請求項7~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法を実施するためのアプリケーションプログラムを含む、コンピュータプログラム。
【請求項14】
システムであって、
請求項7~12のいずれか一項に記載のデバイスと、
サーバであって、前記液体の判定された前記圧力が前記サーバに送信されるように、前記デバイスと通信している、サーバと、を備える、システム。
【請求項15】
前記デバイスが、前記液体の前記圧力を定期的に判定し、前記液体の判定された前記圧力を定期的に前記サーバに送信する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記サーバが、前記デバイスの設定を変更するように構成されている、請求項14又は15に記載のシステム。
【国際調査報告】