(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】大導電性カリウムチャネル調節剤、その組成物、その製造方法、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/505 20060101AFI20240409BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240409BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20240409BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240409BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240409BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240409BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240409BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61K31/505
A61P25/00
A61P25/08
A61P9/10
A61P9/00
A61P43/00 111
A61K31/519
A61K31/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568446
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2022027637
(87)【国際公開番号】W WO2022235771
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523416667
【氏名又は名称】エナラーレ セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【氏名又は名称】杉山 共永
(72)【発明者】
【氏名】ラファ,ロバート ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ペルゴリッジ,ジョセフ ブイ.
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA59
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA06
4C086ZA36
4C086ZC02
4C086ZC41
4C086ZC42
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療する方法であり、当該方法は、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することを含む。治療され得る例示的な疾患または状態としては、身体全体の複数の点での虚血及び低酸素に対する保護、ならびにそのような状態(局所的及び全身的の両方)の存在下での呼吸刺激が挙げられるが、これらに限定されない。また本明細書には、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態の治療方法で使用するための医薬組成物、及びそのような医薬組成物を調製する方法が記載されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、有効量の、式(I)の化合物(複数可)であって、
【化1】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、置換ホモプロパルギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、前記化合物、
あるいはその塩から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
式(I)に関して記載されるR
1、R
2、R
3、及びR
5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基が
、アルキニルまたは置換アルキニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記疾患または状態が、神経障害である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記神経障害が、てんかん、発作性ジスキネジア、または統合失調症である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記疾患または障害が、心臓障害である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記心臓障害が、心臓虚血または心臓低酸素症である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記疾患または障害が、脳障害である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記脳障害が、脳虚血または脳低酸素症である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物が、アゴニストである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が、アンタゴニストである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、前記大導電性カリウムチャネルのポアゲートまたは電圧感知ドメインの一方または両方で調節する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物が、前記大導電性カリウムチャネルのRCK1またはRCK2の一方または両方で調節する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
前記大導電性カリウムチャネルが、シナプス前部位またはシナプス後部位の一方または両方に位置する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
前記大導電性カリウムチャネルが、心血管平滑筋及び心臓線維芽細胞の一方または両方に位置する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項15】
前記疾患または状態が、気道表面液及び粘液線毛クリアランスのうちの1つ以上に関連する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項16】
前記疾患または状態が、臓器保護を必要とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項17】
前記臓器保護が、脳及び心臓の一方または両方である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
投与経路が、経口、静脈内、鼻腔、吸入、局所、頬側、直腸、胸膜、腹膜、膣、筋肉内、皮下、経皮、硬膜外、気管内、耳内、眼内、またはくも膜下腔内経路から選択される、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
医薬組成物であって、有効量の、式(I)の化合物であって、
【化2】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、置換ホモプロパルギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、前記化合物、
あるいはその塩から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物と、
薬学的に許容される賦形剤と、を含む、前記医薬組成物。
【請求項20】
式(I)に関して記載される、R
1、R
2、R
3、及びR
5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基が
、アルキニルまたは置換アルキニルである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
請求項19または20に記載の医薬組成物を調製する方法であって、有効量の、式(I)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、大導電性カリウムチャネル調節剤、その組成物、その製造方法、及び大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態の治療におけるその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、疾患治療及び薬物開発における主要な標的であるユビキタス膜貫通受容体タンパク質である。それらは現在、FDA(United States Food and Drug Administration)が承認した薬物の最も一般的な標的である。GPCRはより一般的に焦点が当てられているが、BK(ビッグカリウム)チャネルは恐らくより一層基本的である。成分組成及び翻訳後修飾のばらつきに起因して、BKチャネルサブタイプは、異なる化学感受性及び第2のメッセンジャー形質導入プロセスを伴って、様々な器官/組織において異なる頻度で発現される。
【0003】
広く分布しているが、翻訳後修飾(代替スプライシング)及び補助調節サブユニット(β1~4及びγ1~4)との共アセンブリから生じるBKチャネル間の生理学的差異は、サブユニットの組成、分布、第2のメッセンジャーカップリング、及び薬理学的特性に局所的な差異を与える。BKチャネルのユビキタスな性質及びサブタイプの多様性のために、それらは、酸素ホメオスタシスの維持、脳及び心臓保護、ならびに薬物誘発性呼吸抑制に応答する呼吸の刺激において多くの潜在的な治療用途を有する。BKチャネルはまた、新規の医薬開発のための他の潜在的に広範かつ過小評価された有望な標的を提供し得る。
【発明の概要】
【0004】
ある特定の実施形態では、本開示は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することを含む、方法に関する。
【0005】
ある特定の実施形態では、本開示は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療する方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、式(I)の大導電性カリウムチャネル調節化合物であって、
【化1】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、置換ホモプロパルギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、化合物、
あるいはその塩を投与することを含む。
【0006】
ある特定の実施形態では、上記式(I)に関して記載される、R1、R2、R3、及びR5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基は、アルキニルまたは置換アルキニルである。
【0007】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、アゴニストである。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、アンタゴニストである。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、大導電性カリウムチャネルのポアゲートまたは電圧感知ドメインの一方または両方で調節する。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、大導電性カリウムチャネルのRCK1またはRCK2の一方または両方で調節する。
【0008】
ある特定の実施形態では、本開示は、神経障害である疾患または状態を治療するための方法に関する。ある特定の実施形態では、神経障害は、てんかん、発作性ジスキネジア、または統合失調症である。
【0009】
ある特定の実施形態では、本開示は、心臓障害である疾患または状態を治療するための方法に関する。ある特定の実施形態では、心臓障害は、心臓虚血または心臓低酸素症である。
【0010】
ある特定の実施形態では、本開示は、脳障害である疾患または状態を治療するための方法に関する。ある特定の実施形態では、脳障害は、脳虚血または脳低酸素症である。
【0011】
ある特定の実施形態では、本開示は、臓器保護を必要とする疾患または状態を治療するための方法に関する。ある特定の実施形態では、臓器保護は、脳及び心臓の一方または両方である。
【0012】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物によって調節される大導電性カリウムチャネルは、シナプス前部位またはシナプス後部位の一方または両方に位置する。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物によって調節される大導電性カリウムチャネルは、心血管平滑筋及び心臓線維芽細胞の一方または両方に位置する。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物によって調節される大導電性カリウムチャネルは、気道表面液及び粘液線毛クリアランスの一方または両方に位置する。
【0013】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、経口、静脈内、鼻腔、吸入、局所、頬側、直腸、胸膜、腹膜、膣、筋肉内、皮下、経皮、硬膜外、気管内、耳内、眼内、またはくも膜下腔内経路から選択される経路を介して投与される。
【0014】
ある特定の実施形態では、本開示は、有効量の、式(I)の大導電性カリウムチャネル調節化合物であって、
【化2】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、置換ホモプロパルギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、化合物、
あるいはその塩と、
薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物に関する。
【0015】
ある特定の実施形態では、本開示は、上記のように、有効量の式(I)の大導電性カリウムチャネル調節化合物を含む医薬組成物に関し、式中、R1、R2、R3及びR5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基は、アルキニルまたは置換アルキニルである。
【0016】
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される医薬組成物のうちのいずれかを調製する方法に関する。
【0017】
本発明の上記及び他の特徴、それらの性質、及び様々な利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮するとより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】膜貫通BKチャネルの表現を提供し、Ca
2+感知RCK1及びRCK2を有するポア関連αサブユニット、ならびにアクセサリーβサブユニットを示す。各成分の変動は、感受性及び応答の多様性を提供する。
【0019】
定義
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別途指示しない限り、複数形の言及を含む。したがって、例えば、「活性剤」への言及は、単一の活性剤ならびに2つ以上の異なる活性剤の混合物を含み、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤ならびに2つ以上の異なる賦形剤の混合物などを含む。
【0020】
本明細書で使用されるとき、測定された量に関連して「約」という用語は、測定を行い、測定の目的及び測定装置の精度に見合ったレベルのケアを行う当業者によって予想される、その測定された量の正常な変化を指す。ある特定の実施形態では、「約」という用語は記載された数字±10%を含み、したがって、「約10」は9~11を含むであろう。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「活性剤」、「活性成分」、及び「活性医薬成分」という用語は、その目的のために政府機関によって承認されているかどうかにかかわらず、治療的、予防的、または他の意図された効果を生み出すことが意図される任意の材料を指す。特定の薬剤に関するこれらの用語には、すべての薬学的に活性な薬剤、それらのすべての薬学的に許容される塩、複合体、立体異性体、結晶形態、共結晶、エーテル、エステル、水和物、溶媒和物、及びそれらの混合物が含まれ、その形態は薬学的に活性である。
【0022】
本明細書で使用する場合、「立体異性体」という用語は、空間におけるそれらの原子の配向のみが異なる個々の分子のすべての異性体に対する一般用語である。それは、互いの鏡像ではない1つ以上のキラル中心を有する化合物の鏡像異性体及び異性体(ジアステレオマー)を含む。
【0023】
「鏡像異性体」または「鏡像異性体的」という用語は、その鏡像上に非重畳可能であり、したがって光学的に活性である分子を指し、鏡像異性体は、偏光面をある程度一方向に回転させ、その鏡像が偏光面を同じ程度であるが反対方向に回転させる分子を指す。
【0024】
「キラル中心」という用語は、4つの異なる基が結合する炭素原子を指す。
【0025】
「患者」という用語は、治療の必要性を示唆する特定の症状(複数可)の臨床症状を呈している、状態に対して予防的(preventatively)にまたは予防的(prophylactically)に治療されている、または治療される状態と診断されている、対象、動物、またはヒトを指す。「対象」という用語は、「患者」という用語の定義を含み、そうでなければ健康である個体を除外しない。
【0026】
「薬学的に許容される塩」または「塩」には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩(リン酸水素及びリン酸二水素を含む)などの無機酸塩;シュウ酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、キシナホ酸塩、パモ酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、ケイ皮酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩;アルギン酸塩、アパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩;亜鉛塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属;ならびにトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジスシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)及びプロカインなどの有機アミン塩が含まれるが、これらに限定されない。これらの塩は、水和物、溶媒和物、または結晶多形の形態で存在し得る。ある特定の実施形態では、適切な有機酸は、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環、カルボン酸及びスルホン酸クラスから選択されてもよく、その例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、4-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸及びガラクツロン酸が挙げられる。これらの塩のすべては、例えば、適切な酸または塩基を本発明の化合物と反応させることによって、本発明の対応する化合物から従来の手段によって調製され得る。Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,and Use(P.H.Stahl&C.G.Wermuth eds.,Verlag Helvetica Chimica Acta,2002)[1]。
【0027】
「疾患」または「疾患(複数)」または「状態」または「状態(複数)」という用語は、有効量の活性剤を対象に投与することによって治療または予防することができる医学的状態を指す。
【0028】
「の治療」及び「治療すること」という用語は、状態の重症度の軽減もしくは停止、または状態の症状の重症度の軽減もしくは停止を含む。ある特定の実施形態では、1つの状態に関連する「治療」または「治療すること」という用語は、結果に関係なく、薬力学的効果を提供する意図を有する投与を意味する。ある特定の実施形態では、「治療」または「治療すること」は、「状態にプラスの効果を有する」ことを意味し、状態の重症度の低減、状態の少なくとも1つの症状の軽減及び/または緩和、状態の重症度の低減、改善、及び/または緩和、状態の進行の遅延、防止、もしくは阻害、または治療の結果として知覚される改善もしくは利益を包含する。本明細書で使用されるとき、治療は、状態の完全な硬化を必要としない。ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、患者の生活の質の改善を提供し得るか、または状態の1つ以上の症状の発症を遅延、予防、阻害し得るか、または知覚される利益を提供し得る。
【0029】
「予防」及び「予防すること」という用語は、状態の発症の回避を含む。
【0030】
「治療有効量」という用語は、対象において、例えば、状態を治療もしくは予防するため、または状態の症状を治療するための活性剤の量、または活性剤の組み合わせの量を含むことが意図される。
【0031】
「有効量」という用語は、ある特定の結果または特性を達成するための成分の量、または成分の組み合わせの量を含むことが意図されており、例えば、6.0のpHを達成するためのpH調整剤の有効量は、6.0のpHに到達するための1つ以上のpH調整剤の量を含むことが意図される。
【0032】
開示された局所組成物または開示された局所組成物を使用する方法に関する「適用」、「適用する」、及び「適用すること」という用語は、医学的または美容学的実践において、組成物を患者の皮膚表面に送達する、患者の皮膚に局所組成物を投与する任意の方法を指す。本明細書で使用されるとき、開示される局所組成物を、好適なデバイスの助力の有無にかかわらず、患者の皮膚に塗りつけること、こすりつけること、広げること、噴霧することはすべて、「適用」という用語の範囲内に含まれる。開示された製剤の投与または適用に関する「局所的」または「局所的に」という用語は、皮膚への上皮投与もしくは適用、または投与を指す。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「経口送達」または「経口投与」は、組成物が口を通して摂取される投与経路を指す。経口投与は経腸投与の一部であり、頬側投与(頬の内側に溶解)、唇下投与(唇の下に溶解)、及び舌下投与(舌の下に溶解)も含まれる。ある特定の実施形態では、経口投与は、組成物が摂取される投与経路を含む。ある特定の実施形態では、経口投与は、組成物が吸入される投与経路を含む。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「非経口投与」は、薬学的剤形が、例えば、筋肉(筋肉内投与)、静脈(静脈内投与)、皮膚下(皮下投与)に注射される投与経路を指す。
【0035】
「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または合理的な利益/リスク比に見合った他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適な化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
【0036】
本明細書で使用されるとき、「アルキル」という用語は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、別途記述されない限り、指定された炭素原子数(すなわち、C1~C10は、1~10個の炭素原子を意味する)を有する直鎖状または分岐鎖状の炭化水素を意味し、直鎖、分岐鎖、または環状の置換基を含む。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、及びシクロプロピルメチルが挙げられる。最も好ましいのは、限定されないが、エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、及びシクロプロピルメチルなどの(C1~C6)アルキルである。
【0037】
本明細書で使用されるとき、「シクロアルキル」という用語は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、別途記述されない限り、指定された数の炭素原子を有する環状鎖炭化水素を意味し(すなわち、C3~C6は、3~6個の炭素原子からなる環基を含む環状基を意味し)、直鎖、分岐鎖、または環状の置換基を含む。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。最も好ましいのは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなどの(C3~C6)シクロアルキルであるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルケニル」という用語は、別途記載されない限り、記載された数の炭素原子を有する、安定した一不飽和もしくは二不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。例としては、ビニル、プロペニル(またはアリル)、クロチル、イソペンテニル、ブタジエニル、1,3-ペンタジエニル、1,4-ペンタジエニル、及び高級同族体及び異性体が挙げられる。アルケンを表す官能基は、-CH2-CH=CH2によって例示される。
【0039】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキニル」という用語は、別途記載されない限り、記載された数の炭素原子を有する、三重炭素-炭素結合を有する安定した直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。例としては、エチニル及びプロピニル、ならびに高級同族体及び異性体が挙げられる。
【0040】
本明細書で使用されるとき、「置換アルキル」、「置換シクロアルキル」、「置換アルケニル」、または「置換アルキニル」という用語は、上記で定義されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、またはアルキニルを意味し、ハロゲン、-OH、アルコキシ、テトラヒドロ-2-H-ピラニル、-NH2、-N(CH3)2、(1-メチル-イミダゾール-2-イル)、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、-C(=O)OH、トリフルオロメチル、-C≡N、-C(=O)O(C1~C4)アルキル、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(C1~C4)アルキル、-C(=O)N((C1~C4)アルキル)2、-SO2NH2、-C(=NH)NH2、及び-NO2からなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基によって置換され、好ましくは、ハロゲン、-OH、アルコキシ、-NH2、トリフルオロメチル、-N(CH3)2、及び-C(=O)OHから選択される、より好ましくは、ハロゲン、アルコキシ、-OHから選択される1つまたは2つの置換基を含有する。置換アルキルの例としては、2,2-ジフルオロプロピル、2-カルボキシシクロペンチル、及び3-クロロプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルコキシ」という用語は、別途定めのない限り、酸素原子を介して残りの分子に結合される、上に定義される、表記される数の炭素原子を有するアルキル基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、1-プロポキシ、2-プロポキシ(イソプロポキシ)、ならびに高級同族体及び異性体などである。好ましいのは、限定されないが、エトキシ及びメトキシなどの(C1~C3)アルコキシである。
【0042】
本明細書で使用されるとき、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、単独でまたは別の置換基の一部として、別途定めのない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくは、フッ素、塩素、または臭素、より好ましくは、フッ素または塩素を意味する。
【0043】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体でまたは別の用語と組み合わせて、別途記載されない限り、記載された数の炭素原子、ならびにO、N、及びSからなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子からなる安定した直鎖または分岐鎖アルキル基を意味し、窒素原子及び硫黄原子は、任意選択で酸化され得、窒素ヘテロ原子は、任意選択で四級化され得る。ヘテロ原子(複数可)は、ヘテロアルキル基の残りの部分とそれが結合している断片との間を含む、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置されていてもよく、同様にヘテロアルキル基の最も遠位の炭素原子に結合していてもよい。例としては、以下が挙げられる:-O-CH2-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、及び-CH2CH2-S(=O)-CH3。例えば、-CH2-NH-OCH3、または-CH2-CH2-S-S-CH3などの最大2個のヘテロ原子が連続し得る。
【0044】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアルケニル」という用語は、それ自体でまたは別の用語と組み合わせて、別途記載されない限り、記載された数の炭素原子、ならびにO、N、及びSからなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子からなる安定した直鎖または分枝鎖一不飽和または二不飽和炭化水素基を意味し、窒素原子及び硫黄原子は、任意選択で酸化され得、窒素ヘテロ原子は、任意選択で四級化され得る。最大2個のヘテロ原子が、連続して配置され得る。例としては、-CH=CH-O-CH3、-CH=CH-CH2-OH、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、及び-CH2-CH=CH-CH2-SHが挙げられる。
【0045】
本明細書で使用されるとき、「芳香族」という用語は、1つ以上の多価不飽和環を有し、芳香族特性を有する炭素環または複素環を指し、すなわち、(4n+2)非局在化π(パイ)電子を有し、ここで、nは整数である。
【0046】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アリール」という用語は、別途記載されない限り、1つ以上の環(典型的には、1、2、または3つの環)を含有する炭素環式芳香族系を意味し、そのような環は、ペンダント様式で一緒に結合され得るか(ビフェニルなど)、または縮合され得る(ナフタレンなど)。例としては、フェニル、アントラシル、及びナフチルが挙げられる。好ましいのはフェニル及びナフチルであり、最も好ましいのはフェニルである。
【0047】
本明細書で使用されるとき、「アリール-(C1~C3)アルキル」という用語は、1~3個の炭素アルキレン鎖が、アリール基、例えば、-CH2CH2-フェニルまたは-CH2-フェニル(ベンジル)に結合されている官能基を意味する。好ましいのはアリール-CH2-及びアリール-CH(CH3)-である。「置換アリール-(C1~C3)アルキル」という用語は、アリール基が置換されているアリール-(C1~C3)アルキル官能基を意味する。好ましいのは置換アリール(CH2)-である。同様に、「ヘテロアリール-(C1~C3)アルキル」という用語は、1~3個の炭素アルキレン鎖がヘテロアリール基、例えば、-CH2CH2-ピリジルに結合している官能基を意味する。好ましいのはヘテロアリール-(CH2)-である。「置換ヘテロアリール-(C1~C3)アルキル」という用語は、ヘテロアリール基が置換されているヘテロアリール-(C1~C3)アルキル官能基を意味する。好ましいのは置換ヘテロアリール-(CH2)-である。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「複素環」または「ヘテロシクリル」または「複素環式」という用語は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、別途記載されない限り、炭素原子ならびにN、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子からなる非置換または置換、安定、単環または多環の複素環式環系を意味し、窒素ヘテロ原子及び硫黄ヘテロ原子は、任意選択で酸化され得、窒素原子は、任意選択で四級化され得る。複素環系は、特に明記しない限り、安定した構造を提供する任意のヘテロ原子または炭素原子に結合し得る。複素環は、本質的に芳香族または非芳香族であってもよい。一実施形態において、複素環は、ヘテロアリールである。
【0049】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」という用語は、芳香族の特徴を有する複素環を指す。多環式ヘテロアリールは、部分的に飽和した1つ以上の環を含み得る。例としては、テトラヒドロキノリン及び2,3-ジヒドロベンゾフリルが挙げられる。
【0050】
非芳香族複素環の例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ジオキソラン、スルホラン、2,3-ジヒドロフラン、2,5-ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオファン、ピペリジン、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、1,4-ジヒドロピリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、2,3-ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、1,3-ジオキセパン、4,7-ジヒドロ-1,3-ジオキセピン、及びヘキサメチレンオキシドなどの単環式基が挙げられる。
【0051】
ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル(限定されないが、2-及び4-ピリミジニルなど)、ピリダジニル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル及び1,3,4-オキサジアゾリルが挙げられる。
【0052】
多環式複素環の例としては、インドリル(例えば、限定されないが、3-、4-、5-、6-及び7-インドリル)、インドリニル、キノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル(例えば、限定されないが、1-及び5-イソキノリル)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、シンノリニル、キノキサリニル(例えば、限定されないが、2-及び5-キノキサリニル)、キナゾリニル、フタラジニル、1,8-ナフチリジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、クマリン、ジヒドロクマリン、1,5-ナフチリジニル、ベンゾフリル(例えば、限定されないが、3-、4-、5-、6-及び7-ベンゾフリル)、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,2-ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチエニル(例えば、限定されないが、3-、4-、5-、6-、及び7-ベンゾチエニル)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル(例えば、限定されないが、2-ベンゾチアゾリル及び5-ベンゾチアゾリル)、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズトリアゾリル、チオキサンチニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、ピロリジニル、ならびにキノリジニルが挙げられる。
【0053】
ヘテロシクリル部分及びヘテロアリール部分の前述のリストは、代表的であり、限定的ではないことが意図される。
【0054】
本明細書で使用されるとき、「置換された」という用語は、原子または原子群が、水素を別の基に結合した置換基として置き換えたことを意味する。
【0055】
アリール、アリール-(C1~C3)アルキル及びヘテロシクリル基について、これらの基の環に適用される「置換された」という用語は、そのような置換が許容される任意のレベルの置換、すなわち、1、2、3、4、または5置換を指す。置換基は、独立して選択され、置換は、任意の化学的にアクセス可能な位置にあってもよい。一実施形態では、置換基は、1~4の間で数が異なる。別の実施形態において、置換基は、1~3の間で数が異なる。なおも別の実施形態において、置換基は、1~2の間で数が異なる。さらに別の実施形態では、置換基は、独立して、C1~6アルキル、-OH、C1~6アルコキシ、ハロ、アミノ、アセトアミド、及びニトロからなる群から選択される。本明細書で使用されるとき、置換基がアルキルまたはアルコキシ基である場合、炭素鎖は、分枝鎖、直鎖または環状であり得、直鎖が好ましい。
【0056】
本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書で別様が示されない限り、単に、範囲内に収まる各々の別個の値を個々に指す速記方法としての役割を果たすことが意図され、各々の別個の値は、本明細書に個々に列挙されるかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別様が示されない限り、または文脈によって別様が明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行され得る。本明細書中提示されるありとあらゆる例、または例示的な言葉(例えば、「例えば(such as)」)の使用は、ある特定の材料及び方法をより理解しやすくすることを意図するに過ぎず、特許請求の範囲に制限をかけることはない。本明細書のいかなる言葉も、開示されている材料及び方法の実施にとって必須として任意の請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0057】
治療方法
Ca2+活性化カリウムチャネルには、SK(小導電性)、IK(中間導電性)、及びBK(大導電性)の3つの主要なサブファミリーがある。「大導電性カリウムチャネル」及び「BKチャネル」という用語は、本開示を通して互換的に使用され得る。BKチャネル(Kcnma1遺伝子によってコードされる)はまた、とりわけBKCa、MaxiK、Slo1、KCa1.1、及びKCNMA1とも呼ばれる。それらは、1992年に最初にクローン化され、それらの調節的役割に基づいて、「細胞興奮性の普遍的な調節因子」、さらには「イオンチャネルの王様」として説明されている。BKチャネルは、電圧感受性及びCa2+感受性カリウムチャネルであり、αサブユニットから形成される四量体である。BKαサブユニットは、N末端を細胞膜の細胞外側に駆動する追加の膜貫通らせんの存在において、SK/IK群とは異なる。BKチャネルの各膜貫通ドメインは、ポアゲート及び電圧感知ドメインを含有する。これらの2つのドメインは、カリウムの導電性の2つの調節因子、RCK1及びRCK2で作製される。BKチャネルとのRCK1-RCK2リンクは、高度に保存されている。
【0058】
BKチャネルは、チャネルを通るカリウムの急速かつ大量の流入を可能にし、したがって膜を過分極させる。サブユニット及びチャネルの構造変化は、その開放状態でチャネルポアを形質移行し、安定化させる。大量(「大きな(big)」)流入は、他のほとんどのK+チャネルよりも10~20倍大きい。それらは、ホモ及びヘテロ多量体チャネルを形成することができ、シナプス前部位及びシナプス後部位の両方で発現することができる。BKチャネルは、細胞内カルシウム濃度ならびに膜脱分極を独立して検出することができる。これにより、BKチャネルは、興奮性細胞を制御するための「ユニークな」位置に置かれる。そして、特定のBKサブユニットサブタイプの発現は、BKチャネルを局所シグナル伝達環境に合わせる。異なるサブユニットサブタイプは、これらのチャネルの機能的発現を区別する。BKチャネル電流は、動物モデルにおいて、出生後の最初の2週間の間に急激に増加し、これは、チャネルが、動物の成熟に伴い神経特性を調節するにつれて、それらの機能成熟と一致し得る。これは、成熟した動物でBKチャネルがどのように機能するかを形成するのに役立つ「経験依存的可塑性」である。
【0059】
ほとんどのイオンチャネルについて、機能的同一性は、チャネルのポア形成サブユニットによって付与される特性によって定義される。対照的に、BKチャネル機能における莫大な多様性は、非ポア形成調節サブユニットと一緒にマージすることから生じる。同じBKポア形成サブユニットは、ポア形成サブユニットを装飾することができる調節サブユニットの「ワードローブ」の単純な結果として、完全に機能的に異なるとみなすことができるチャネルに参加することができる(
図1)。
図1は、膜貫通BKチャネルの表現を提供し、Ca
2+感知RCK1及びRCK2を有するポア関連αサブユニット、ならびにアクセサリーβサブユニットを示す。各成分の変動は、BKチャネルの感受性及び応答の多様性を提供する。
【0060】
限定するものとして解釈されないが、BKチャネルのサブタイプ(サブユニット組成、3D配列、及び付属分子)、分布、及び薬理学の広範な多様性のために、BKチャネルは、身体全体の複数の点での虚血及び低酸素に対する保護の維持に関与することができると考えられる。例えば、BKチャネルは、虚血及び低酸素症に対する脳及び心臓の保護作用を提供する役割を果たし、そのような状態(局所的及び全身的の両方)の存在下で呼吸を刺激すると考えられる。本開示の発明者らは、限定するものとして解釈されないが、BKチャネルは、調整された制御システムに関与し、すなわち、BKチャネルは、それが発生する場所だけでなく、遠位部位での負の結果を予防及び/または治療及び/または改善及び/または最小限に抑えるためにも、虚血及び低酸素症に対する保護を提供するために協調して機能すると考えている。
【0061】
本開示のある特定の実施形態は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するための方法であって、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することを含む、方法に関する。ある特定の実施形態では、大導電性カリウムチャネル調節化合物は、式(I)の化合物であって、
【化3】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、置換ホモプロパルギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、化合物、
あるいはその塩から選択される。
【0062】
本開示のある特定の実施形態は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するための方法であって、治療を必要とする患者に、有効量の、式(I)であって、
【化4】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、置換ホモプロパルギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、R
1、R
2、R
3及びR
5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基が、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、式(I)、
あるいはその塩から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することを含む、方法に関する。
【0063】
本開示のある特定の実施形態は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するための方法であって、治療を必要とする患者に、有効量の、式(I)であって、
【化5】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、式(I)、
あるいはその塩から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することを含む、方法に関する。
【0064】
一実施形態では、R3は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、または置換アルケニルである。別の実施形態では、R5は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、またはアシルである。
【0065】
本開示のある特定の実施形態は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するための方法であって、治療を必要とする患者に、有効量の、式(I)であって、
【化6】
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、または置換アルキニルであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、または置換ホモプロパルギルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基が、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ
(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または、
(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ
(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または、
(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、式(I)、
あるいはその塩から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することを含む、方法に関する。
【0066】
ある特定の実施形態では、(i)R3は、H、アルキルまたは置換アルキルであり、R5は、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、または置換ホモプロパルギルであるか、または(ii)R3は、Hまたはアルキニルであり、R5は、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、または置換ホモプロパルギルである。
【0067】
一実施形態では、式(I)の少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:(i)YがNであり、結合b1がなく、ZがHであり、結合b2が単結合であり、AがCHであり、少なくとも1つの化合物が、式(II-a)の化合物またはその塩である、
【化7】
及び
(ii)YがNであり、結合b1がなく、Zがなく、結合b2がなく、Aが結合であり、本発明の化合物が、式(II-b)の化合物またはその塩である。
【化8】
【0068】
一実施形態では、式(I)の少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:(i)YがCR
6であり、結合b
1がなく、ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであり、少なくとも1つの化合物が、式(III-a)の化合物またはその塩である、
【化9】
及び
(ii)YがCR
6であり、結合b
1がなく、Zがなく、結合b
2がなく、Aが結合であり、本発明の化合物が、式(III-b)のピリミジンまたはその塩である。
【化10】
【0069】
一実施形態では、YはCであり、結合b
1は単結合であり、ZはCH
2であり、結合b
2は単結合であり、AはCHであり、当該少なくとも1つの化合物は、式(IV)の化合物またはその塩である。
【化11】
【0070】
一実施形態では、YはCであり、結合b
1は単結合であり、ZはCHであり、結合b
2は二重結合であり、AはCであり、当該少なくとも1つの化合物は、式(V)の化合物またはその塩である。
【化12】
【0071】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:N-(4,6-ビス-メチルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XX)、N-(4,6-ビス-エチルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXII)、N-(4-シクロプロピルメチルアミノ)-N-(6-n-プロピルアミノ)[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXV)、N-(4-エチルアミノ)-N-(6-n-プロピルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXVII)、N-(ビス-4,6-(2-メチルプロピルアミノ))[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXIX)、N-(ビス-4,6-(2,2-ジメチルプロピルアミノ))[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXXI)、4,6-ビス-N-シクロプロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン塩酸塩(XXXIII)、N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXXV)、N-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミド(XL)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(XLI)、O-アリル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-ヒドロキシルアミン(XLIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-ヒドロキシルアミン(XLV)、6-(メトキシ(メチル)アミノ)-N2-プロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(XLVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XLVIII)、O-ベンジル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LV)、6-[1,2]オキサジナン-2-イル-N,N′-ジプロピル-[1,3,5]トリアジン-2,4-ジアミン(LVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソプロピル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LXIV)、O-ベンジル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-エチル-ヒドロキシルアミン(LXVIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LXX)、6-((ベンジルオキシ)(イソプロピル)アミノ)-N2,N4-ジプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LXXII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-エチル-O-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LXXVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソブチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LXXXII)、6-(メチル(チオフェン-2-イルメトキシ)アミノ)-N2,N4-ジプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LXXXIV)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-シクロプロピルメチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XCI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-エチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XCVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-(2,2-ジフルオロ-エチル)-ヒドロキシルアミン(C)、4-N-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CIII)、4-N-(3-(1-N-メチルイミダゾール-2-イル)-プロピル)-アミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CV)、4-N-(1-N-メチルイミダゾール-2-イル)-メチルアミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CVII)、4,6-ビス-(N-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CIX)、4,6-ビス-(N-(ピリジン-4-イルメチル)アミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXI)、4,6-ビス-[N-(3-メトキシ-n-プロピル)アミノ]-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXIII)、4,6-ビス-[N-(テトラヒドロピラン-4-イルメチル)アミノ]-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXV)、N-(5,8,11-トリオキサ-2,14,16,18,19-ペンタアザビシクロ[13.3.1]-ノナデカ-1(18),15(19),16(17)-トリエン-17-イル)-N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(CXVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N′,N′-ジメチルヒドラジン(XLVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-N′-メチルヒドラジン(XLIX)、それらの塩及びそれらの混合物。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0072】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、2,6-ビス-(N-n-プロピルアミノ)-[1,3]ピリミジン-4-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミンN-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミドまたはその塩である。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0073】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、N-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミドまたはその塩である。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0074】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:2-(n-プロピル)アミノ-4-(i-プロピルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXVI)、2-(n-プロピル)アミノ-4-ジメチルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXVIII)、2-(n-プロピル)アミノ-4-メチルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXXI)、2-(n-プロピル)アミノ-4-(i-プロピル)アミノ-7-i-プロピル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXXVI)、2,4-ビス-(n-プロピル)アミノ-7H-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXLIX)、2-(n-プロピル)アミノ-4-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CLII)、8-(7-メチル-2-(プロピルアミノ)-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(CLV)、それらの塩及びそれらの混合物。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0075】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:N-(2-プロピルアミノ-7H-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXLI)、N-(2-(プロペン-2-イル)アミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CLVIII)、N-(2-(プロペン-2-イル)アミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(CLX)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CLXII)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(CLXIV)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXVI)、N-メチル-N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXVIII)、N,N-ジメチル-N′-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXX)、それらの塩及びそれらの混合物。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0076】
ある特定の実施形態では、化合物は、O,N-ジメチル-N-[4-(n-プロピルアミノ)-6-(プロパ-2-イニルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-ヒドロキシルアミン、N-メチル-N’-n-プロピル-N”-プロパ-2-イニル-[1,3,5]トリアジン-2,4,6-トリアミン、それらの塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0077】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、米国特許第9,162,992号及び/または米国特許第9,351,972号及び/または米国特許出願公開第2015/0291597号(現在は放棄されている)に記載されている化合物から選択され、それらの教示は参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0078】
ある特定の実施形態では、本開示は、神経障害である疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、神経障害である疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載される式(I)の化合物(複数可)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、神経障害は、てんかん、発作性ジスキネジア、または統合失調症である。ある特定の実施形態では、神経障害は、自閉症である。
【0079】
ある特定の実施形態では、本開示は、限定されないが、心臓虚血または心臓低酸素症などの心臓障害である疾患または状態を治療するための方法に関する。BKチャネルは、心血管平滑筋及び心臓線維芽細胞に広く分布しており、炎症のメディエーターとして、また虚血性傷害後の心臓の再構築において役割を果たしている。動物モデルにおける複数の研究は、再灌流及び虚血性傷害の前後の心臓保護におけるBKチャネルの役割を示唆している。したがって、ある特定の実施形態では、本開示は、心臓障害(例えば、限定されないが、心臓虚血または心臓低酸素症)である疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、心臓障害(例えば、限定されないが、心臓虚血または心臓低酸素症)である疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載される式(I)の化合物(複数可)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。
【0080】
ある特定の実施形態では、本開示は、限定されないが、脳虚血または脳低酸素症などの脳障害である疾患または状態を治療するための方法に関する。
【0081】
虚血誘発性の血流低下の間、細胞への酸素及びグルコースの重要な供給が妨害または停止される。これは、酸化的リン酸化の分離、ATPレベルの低下、イオン流の破壊、及び通常のイオン勾配の破壊をもたらす。これは、例えば、脳細胞膜の脱分極化をもたらし、結果としてCa2+の急速な流入と興奮性アミノ酸であるグルタミン酸塩の放出をもたらす。通常、グルタミン酸塩はシナプス間隙から安全に除去されるが、虚血中にプロセスは圧倒される。シナプス間隙における過剰なグルタミン酸塩は、NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸塩)及びAMPA(α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸)受容体に結合し、虚血性損傷をさらに伝播する脱分極波を生成する。BKチャネルは、脳虚血中に生じるカルシウム誘発性グルタミン酸塩の放出及びNMDA活性を制限する「緊急ブレーキ」として機能する。
【0082】
脳内の血流は、多くのプロセス、特に神経血管結合によって密接に調節されている。構成要素プロセスは、ニューロン、アストロサイト、及び実質細動脈の協調活性によって制御される。局所的な血流の変化は、脳組織に十分な酸素化及び栄養を保証する。このプロセスを開始し、継続するカスケードは複雑であり、アストロサイト上のグルタミン酸塩受容体、及びアストロサイトエンドフィートのBKチャネルサブタイプによって媒介されるカリウム流出を伴う。BKチャネルサブタイプは、脳組織の正常な酸素化における血管拡張から、脳動脈瘤破裂、脳虚血の悪化、及び細胞損傷に起因する血液の存在下での血管収縮への移行における主要な機序であるように思われる。
【0083】
BKチャネルサブタイプは、動脈瘤性出血以外の卒中からの脳虚血中にも役割を果たし得る。局所虚血は、アポトーシス及び壊死性細胞死及び反応性グリオーシスをもたらす細胞内カルシウム及びカリウムの流出を増加させるアストロサイト上のBKチャネルの活性に起因して発生し、これらのすべてが最初の虚血事象からの損傷を拡張する。
【0084】
したがって、ある特定の実施形態では、本開示は、脳障害(例えば、限定されないが、脳虚血)である疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、脳障害(例えば、限定されないが、脳虚血)である疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載される式(I)の化合物(複数可)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。
【0085】
低酸素症(動脈血中の異常に低いレベルの酸素圧力(pO2))は、正常な酸素恒常性を維持するための主要な生理学的警告シグナルである。低酸素に対する身体の反応は反射的かつ迅速であり(呼吸抑制剤の影響がない場合)、一次感知器官(化学受容体を含有する)は、頸動脈の分岐部における頸動脈体である。同様のセンサーは、大動脈弓及び腹部動脈に見られるが、低酸素症に最も応答するのは頸動脈体である。頸動脈体は、二酸化炭素(pCO2)の増加及びpHの減少にも応答する。基礎及び正常条件下(pO2約100mmHg)では、感覚頸動脈体シグナル伝達が低い。しかし、シグナル伝達は、動脈血pO2のわずかな減少でさえも劇的に増加し、数秒以内に発生する。低酸素感受性は、人々の集団内で異なるが、単一の個体内で非常に近い限界内に維持される。ヒト双生児研究は、低酸素症に対する感受性の遺伝的に継承された決定因子を示唆している。
【0086】
頸動脈体の応答は、その感受性、速度、及び経時的な適応の欠如において比較的異常である。BKチャネルの最も強力なリガンド及び最も特徴付けられるエフェクターのうちの1つは、一酸化炭素(CO)である。COは、直接的機序及び間接的機序の両方を介してBKチャネルを活性化する。データは、BKチャネルが、一種の負のフィードバックループとして、低酸素の存在下で活性化されることを示唆している。頸動脈体が低酸素によって刺激されると、様々な強い換気性自律神経、心血管、腎、及び内分泌応答が引き起こされる。頸動脈体内のBKチャネルの刺激は、神経伝達物質の放出及び舌咽神経における活動電位数の増加を誘導する。インパルスは、脳幹回路を標的とし、呼吸応答要素を刺激する孤束の核を興奮させる。呼吸応答の増加は、一回換気量(吸気と呼気との間に移動する空気の量)ならびに呼吸速度の増加をもたらす。正常な心肺カップリングにより、同時に心拍出量が増加する。低酸素性換気駆動は、オピオイド誘発性呼吸抑制及びオピオイド過剰摂取中に発生するような低炭酸ガス血症性無呼吸中でも呼吸を刺激するのに十分な強度である。
【0087】
したがって、ある特定の実施形態では、本開示は、低酸素症及び/または高炭酸血症により低減した呼吸機能を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、低酸素症及び/または高炭酸ガス血症により低減した呼吸機能を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、本明細書に記載される式(I)から選択される有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。
【0088】
ある特定の実施形態では、本開示は、脳障害(例えば、限定されないが、脳低酸素症)である疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、脳障害(例えば、限定されないが、脳低酸素症)である疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載される式(I)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。
【0089】
さらに、BKチャネルはまた、気道表面液(ASL)恒常性の調節、したがって粘膜線毛クリアランス(MCC)の調節(両方とも重要な先天的宿主防御機序)に関与することが示されている。ASL体積が低減し、病理が続く疾患状態では、BKチャネルを標的とすることが、生存可能な薬理学的標的であり得る。
【0090】
したがって、ある特定の実施形態では、本開示は、ASL体積が低減され、病理が続く疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、ASL体積が低減し、病理が続く疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の本明細書に記載される式(I)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。
【0091】
ある特定の実施形態では、本開示は、臓器保護を必要とする疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、臓器保護を必要とする疾患または状態を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載される式(I)の化合物(複数可)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、臓器保護は、虚血及び/または低酸素症及び/またはそのような状態(局所的及び全身的の両方)の存在下での呼吸の刺激に対する脳保護及び心臓の保護のうちの一方または両方である。
【0092】
ある特定の実施形態では、本開示は、呼吸を刺激する方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、呼吸を刺激する方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載される式(I)の化合物(複数可)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。
【0093】
ある特定の実施形態では、本開示は、呼吸抑制剤(例えば、オピオイド、ベンゾジアゼピン、イソフルラン、及びプロポフォール)の効果を打ち消す方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、呼吸抑制剤(例えば、オピオイド、ベンゾジアゼピン、イソフルラン、及びプロポフォール)の効果を相殺する方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載される式(I)の化合物(複数可)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、呼吸を刺激するための、及び/または呼吸抑制剤の効果を相殺するための方法は、呼吸抑制剤の過剰摂取及び/または効果を経験している対象に対して行われる。ある特定の実施形態では、呼吸を刺激するための方法は、細菌もしくはウイルス感染に起因する、または細菌もしくはウイルス感染に関連する症状に起因する、呼吸抑制を経験している対象に対して行われる。
【0094】
例示的なオピオイドとしては、限定されないが、任意の天然または合成オピオイド鎮痛剤、例えばモルヒネ、フェンタニル、コデイン、テバイン、ジアセチルモルフィン(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ニコモルフィン、オキシコドン、オキシモルホン、アルファメチルフェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、カーフェンタニル、オメフェンタニル、ノカイン、ペチジン(メペリジン)、ケトベミドン、MPPP、アリルプロジン、プロジン、PEPAP、プロポキシフェン、デキストロプロポキシフェン、デキストロモラミド、ベジトラミド、ピリトラミド、メタドン、ジピパノン、レボアルファセチルメタドール(LAAM)、ロペラミド、ジフェノキシレート、ペンタゾシン、フェナゾシン、ブプレノルフィン、エトルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、レボルファノール、レボメトルファン、デゾシン、レフェタミン、チリジン、トラマドール、プロポキシフェン、及びオキシコドンが挙げられる。本明細書で意図されるように、オピオイドはまた、ナルメフェン、ナロキソンまたはナルトレキソンなどの任意の天然または合成の麻酔薬アンタゴニスト、ならびにナルブフィン、ブトルファノール、ブプレノルフィン及びペンタゾシンなどの任意の天然または合成の混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストを包含する。
【0095】
ベンゾジアゼピンの例としては、限定されないが、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム、トリアゾラム、エスタゾラム、クロナゼパム、フルニトラゼパム、それらの薬学的に許容される塩などが挙げられる。
【0096】
ある特定の実施形態では、本開示は、糖尿病合併症及び/または膀胱機能不全を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、糖尿病合併症及び/または膀胱機能不全を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載の式(I)の化合物(複数可)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。
【0097】
ある特定の実施形態では、本開示は、高眼圧症を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。ある特定の実施形態では、本開示は、高眼圧症を治療するための方法に関し、治療を必要とする患者に、有効量の、本明細書に記載される式(I)の化合物(複数可)から選択される大導電性カリウムチャネル調節化合物を投与することによって行う。
【0098】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物によって調節される大導電性カリウムチャネルは、シナプス前部位またはシナプス後部位の一方または両方に位置する。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物によって調節される大導電性カリウムチャネルは、心血管平滑筋及び心臓線維芽細胞の一方または両方に位置する。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物によって調節される大導電性カリウムチャネルは、気道表面液及び粘液線毛クリアランスの一方または両方に位置する。
【0099】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、アゴニストである。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、アンタゴニストである。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、大導電性カリウムチャネルのポアゲートまたは電圧感知ドメインの一方または両方で調節する。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、大導電性カリウムチャネルのRCK1またはRCK2の一方または両方で調節する。
【0100】
本明細書で使用されるとき、「調節物質」という用語は、BKチャネルの1つ以上の構成要素に結合し、したがって、活性形態であるBKチャネルの割合を(例えば、阻害または活性化することによって)変化させ、生物学的応答をもたらす任意のリガンドである。
【0101】
本明細書で使用されるとき、「アゴニスト」という用語は、BKチャネルの1つ以上の構成要素に結合し、したがって、BKチャネルを活性化するか、または活性形態であるBKチャネルの割合を増加させ、生物学的応答をもたらす任意のリガンドである。
【0102】
本明細書で使用されるとき、「アンタゴニスト」という用語は、BKチャネルの1つ以上の構成要素に結合し、したがって、BKチャネルを阻害するか、または活性形態であるBKチャネルの割合を減少させ、生物学的応答をもたらす任意のリガンドである。
【0103】
ある特定の実施形態では、本方法は、同時に、逐次に、または同時に投与され得る、少なくとも1つの追加の活性剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物のうちのいずれかを投与することを含み得る。ある特定の実施形態では、2つの薬剤は、各薬剤によって提供される治療間隔の重複があるように、逐次的に投与される。逐次投与では、薬剤は別個の剤形であり、同じ投与経路(例えば、肺)または異なる投与経路(例えば、非経口及び肺)によって投与することができる。1つ以上の活性剤(すなわち、BKチャネル調節剤及び追加の活性剤)の好適な投与経路は、独立して、経口、静脈内(例えば、連続注入もしくはボーラス注射)、鼻腔、吸入、局所、頬側、直腸、胸膜、腹膜、膣、筋肉内、皮下、経皮、硬膜外、気管内(例えば、気管内滴下もしくは気管内吸入)、耳内、眼内、または髄腔内経路から選択され得る。非限定的な例示的な好適な肺投与は、定量吸入器、ネブライザー、ソフトミスト吸入器、高効率ネブライザー、超音波ネブライザー、乾燥粉末吸入器、連続気道陽圧(CPAP)マシン、二相性気道陽圧マシン(BiPAP)、または人工呼吸器を用いてもよい。
【0104】
本明細書で使用されるとき、「同時に」という用語は、薬剤が同じもしくは異なる投与経路を介して別々に投与されるか、または単一の医薬組成物もしくは剤形で投与されるかにかかわらず、1つの薬剤の用量が別の薬剤と同時に投与されることを意味する。
【0105】
本明細書で使用されるとき、「連続して」という用語は、1つの薬剤の用量が最初に投与され、その後、別の薬剤の用量が2回目に投与されることを意味する。
【0106】
本明細書で使用されるとき、「同時」という用語は、BKチャネル調節剤及び追加の活性剤の治療ウィンドウの重複を指す。2つの活性剤(複数可)を同時に投与することはできるが、同時に投与する必要はない。
【0107】
組成物
ある特定の実施形態では、本開示は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するのに好適な医薬組成物に関する。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の、式(I)から選択される化合物であって、
【化13】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、置換ホモプロパルギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、化合物、
あるいはその塩の大導電性カリウムチャネル調節を含む。
【0108】
ある特定の実施形態では、本開示は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するのに好適な医薬組成物に関する。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の、式(I)から選択される化合物であって、
【化14】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、置換ホモプロパルギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、R
1、R
2、R
3及びR
5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基が、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、化合物、
あるいはその塩の大導電性カリウムチャネル調節を含む。
【0109】
ある特定の実施形態では、本開示は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するのに好適な医薬組成物に関する。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の、式(I)から選択される化合物であって、
【化15】
式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、化合物、
あるいはその塩の大導電性カリウムチャネル調節を含む。
【0110】
ある特定の実施形態では、本開示は、大導電性カリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するのに好適な医薬組成物に関する。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の、式(I)から選択される化合物であって、
【化16】
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるバイラジカルを形成するように結合し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、または置換アルキニルであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、または置換ホモプロパルギルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基が、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合、結合b
1がなく、かつ
(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または、
(ii)Zがなく、結合b
2がなく、Aが単結合であり、
YがCである場合、結合b
1が単結合であり、かつ
(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または、
(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである、化合物、
あるいはその塩の大導電性カリウムチャネル調節を含む。
【0111】
一実施形態では、式(I)の少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:(i)YがNであり、結合b1がなく、ZがHであり、結合b2が単結合であり、AがCHであり、少なくとも1つの化合物が、式(II-a)の化合物またはその塩である、
【化17】
及び
(ii)YがNであり、結合b1がなく、Zがなく、結合b2がなく、Aが結合であり、本発明の化合物が、式(II-b)の化合物またはその塩である。
【化18】
【0112】
一実施形態では、式(I)の少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:(i)YがCR
6であり、結合b
1がなく、ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであり、少なくとも1つの化合物が、式(III-a)の化合物またはその塩である、
【化19】
及び
(ii)YがCR
6であり、結合b
1がなく、Zがなく、結合b
2がなく、Aが結合であり、本発明の化合物が、式(III-b)のピリミジンまたはその塩である。
【化20】
【0113】
一実施形態では、YはCであり、結合b
1は単結合であり、ZはCH
2であり、結合b
2は単結合であり、AはCHであり、当該少なくとも1つの化合物は、式(IV)の化合物またはその塩である。
【化21】
【0114】
一実施形態では、YはCであり、結合b
1は単結合であり、ZはCHであり、結合b
2は二重結合であり、AはCであり、当該少なくとも1つの化合物は、式(V)の化合物またはその塩である。
【化22】
【0115】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:N-(4,6-ビス-メチルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XX)、N-(4,6-ビス-エチルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXII)、N-(4-シクロプロピルメチルアミノ)-N-(6-n-プロピルアミノ)[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXV)、N-(4-エチルアミノ)-N-(6-n-プロピルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXVII)、N-(ビス-4,6-(2-メチルプロピルアミノ))[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXIX)、N-(ビス-4,6-(2,2-ジメチルプロピルアミノ))[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXXI)、4,6-ビス-N-シクロプロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン塩酸塩(XXXIII)、N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXXV)、N-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミド(XL)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(XLI)、O-アリル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-ヒドロキシルアミン(XLIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-ヒドロキシルアミン(XLV)、6-(メトキシ(メチル)アミノ)-N2-プロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(XLVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XLVIII)、O-ベンジル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LV)、6-[1,2]オキサジナン-2-イル-N,N′-ジプロピル-[1,3,5]トリアジン-2,4-ジアミン(LVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソプロピル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LXIV)、O-ベンジル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-エチル-ヒドロキシルアミン(LXVIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LXX)、6-((ベンジルオキシ)(イソプロピル)アミノ)-N2,N4-ジプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LXXII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-エチル-O-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LXXVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソブチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LXXXII)、6-(メチル(チオフェン-2-イルメトキシ)アミノ)-N2,N4-ジプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LXXXIV)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-シクロプロピルメチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XCI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-エチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XCVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-(2,2-ジフルオロ-エチル)-ヒドロキシルアミン(C)、4-N-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CIII)、4-N-(3-(1-N-メチルイミダゾール-2-イル)-プロピル)-アミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CV)、4-N-(1-N-メチルイミダゾール-2-イル)-メチルアミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CVII)、4,6-ビス-(N-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CIX)、4,6-ビス-(N-(ピリジン-4-イルメチル)アミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXI)、4,6-ビス-[N-(3-メトキシ-n-プロピル)アミノ]-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXIII)、4,6-ビス-[N-(テトラヒドロピラン-4-イルメチル)アミノ]-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXV)、N-(5,8,11-トリオキサ-2,14,16,18,19-ペンタアザビシクロ[13.3.1]-ノナデカ-1(18),15(19),16(17)-トリエン-17-イル)-N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(CXVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N′,N′-ジメチルヒドラジン(XLVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-N′-メチルヒドラジン(XLIX)、それらの塩及びそれらの混合物。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0116】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、2,6-ビス-(N-n-プロピルアミノ)-[1,3]ピリミジン-4-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミンN-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミドまたはその塩である。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0117】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、N-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミドまたはその塩である。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0118】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:2-(n-プロピル)アミノ-4-(i-プロピルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXVI)、2-(n-プロピル)アミノ-4-ジメチルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXVIII)、2-(n-プロピル)アミノ-4-メチルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXXI)、2-(n-プロピル)アミノ-4-(i-プロピル)アミノ-7-i-プロピル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXXVI)、2,4-ビス-(n-プロピル)アミノ-7H-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXLIX)、2-(n-プロピル)アミノ-4-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CLII)、8-(7-メチル-2-(プロピルアミノ)-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(CLV)、それらの塩及びそれらの混合物。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0119】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、以下からなる群から選択される:N-(2-プロピルアミノ-7H-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXLI)、N-(2-(プロペン-2-イル)アミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CLVIII)、N-(2-(プロペン-2-イル)アミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(CLX)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CLXII)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(CLXIV)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXVI)、N-メチル-N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXVIII)、N,N-ジメチル-N′-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXX)、それらの塩及びそれらの混合物。別の実施形態では、塩は、硫酸水素または塩酸塩である。
【0120】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、米国特許第9,162,992号及び/または米国特許第9,351,972号及び/または米国特許出願公開第2015/0291597号(現在は放棄されている)に記載されている化合物から選択され、それらの教示は参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0121】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、単回用量のBKチャネル調節化合物を含み、単回用量は、BKチャネルによって調節される状態または疾患を治療するための治療有効量のBKチャネル調節化合物を含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、複数回用量のBKチャネル調節化合物(例えば、2回以上、3回以上、4回以上など)を含む。
【0122】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、BKチャネル調節化合物及び1つ以上の追加の活性剤を含む。
【0123】
ある特定の実施形態では、医薬組成物中の活性剤(複数可)(例えば、BKチャネル調節化合物及び任意選択で1つ以上の追加の活性剤)は、凍結乾燥される。
【0124】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、予め混合される(例えば、活性剤は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、及び任意選択で1つ以上の追加の活性剤と予め混合される)。
【0125】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ガラス容器またはプラスチック容器に含有されてもよい。
【0126】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。好適な薬学的に許容される賦形剤は、組成物の最終形態及び投与経路に基づいて変動し得る。
【0127】
本発明の組成物のうちのいずれかの投与経路としては、吸入、経口、鼻腔、直腸、非経口、舌下、経皮、経粘膜(例えば、舌下、舌、(経)頬側、(経)尿道、膣(例えば、経膣及び膣周)、鼻腔(内)、及び(経)直腸)、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、くも膜下腔内、皮下、筋肉内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、腹腔内、胸郭内、胸腔内、及び局所投与が挙げられる。
【0128】
好適な組成物及び剤形には、例えば、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、ゲルカプセル、トローチ、分散剤、懸濁液、溶液、シロップ、顆粒、ビーズ、経皮パッチ、ゲル、粉末、ペレット、マグマ、ロゼンジ、クリーム、ペースト、膏薬、ローション、ディスク、坐剤、鼻腔または経口投与のための液体スプレー、吸入のための乾燥粉末またはエアロゾル化した製剤、膀胱内投与のための組成物及び製剤などが含まれる。本発明において有用であろう製剤及び組成物は、本明細書に記載される特定の製剤及び組成物に限定されないことが理解されるべきである。
【0129】
ある特定の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤には、薬学的に許容される担体、例えば、液体もしくは固体充填剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、増粘剤、溶媒もしくはカプセル化材料が含まれ、その目的の機能を果たし得るように、本発明内で有用な化合物を対象内または対象に運搬もしくは輸送することに関与する。典型的には、そのような構築物は、ある臓器または身体の一部から別の臓器または身体の一部に運搬または輸送される。各担体は、本発明内で有用な化合物を含む製剤の他の成分と適合性があり、対象に害を及ぼさないという意味で「許容可能」でなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース、及びスクロースなどの糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのセルロース、及びその誘導体;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;アガー;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;表面活性剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;ならびに薬学的製剤に用いられる他の非毒性適合性物質が挙げられる。本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される担体」はまた、本発明内で有用な化合物の活性と適合性であり、対象に生理学的に許容される、任意の及びすべてのコーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、ならびに吸収遅延剤などを含む。補足的な活性化合物もまた、組成物中に組み込まれ得る。「薬学的に許容される担体」は、本発明において有用な化合物の薬学的に許容される塩をさらに含んでもよい。本発明の実施に使用される医薬組成物に含まれ得る他の追加の成分は、当該技術分野において既知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985,Easton,Pa.)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0130】
有用な薬学的に許容される担体には、グリセロール、水、生理食塩水、エタノール、ならびにリン酸塩及び有機酸の塩などの他の薬学的に許容される塩溶液が含まれるが、これらに限定されない。これら及び他の薬学的に許容される担体の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1991,Mack Publication Co.,New Jersey)に記載されている。
【0131】
担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、及び植物油を含有する、溶媒または分散媒体であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散剤の場合には必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成され得る。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム、またはマンニトール及びソルビトールなどのポリアルコールを含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中に、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを含むことによってもたらすことができる。一実施形態では、薬学的に許容される担体は、DMSO単独ではない。
【0132】
薬学的調製物は、滅菌され得、所望の場合、助剤、例えば、潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧緩衝剤に影響を及ぼすための塩、着色剤、香料及び/または芳香物質などと混合され得る。
【0133】
本発明に従って有用な保存剤の例としては、ベンジルアルコール、ソルビン酸、パラベン、イミド尿素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
組成物は、好ましくは、酸化防止剤及び化合物の分解を阻害するキレート剤を含む。いくつかの化合物についての好ましい酸化防止剤は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~0.3重量%の好ましい範囲のBHT、BHA、アルファ-トコフェロール、及びアスコルビン酸であり、より好ましくは0.03重量%~0.1重量%の範囲のBHTである。好ましくは、キレート剤は、組成物の総重量に対して0.01重量%~0.5重量%の量で存在する。特に好ましいキレート剤としては、組成物の総重量に対して約0.01重量%~0.20重量%、より好ましくは0.02重量%~0.10重量%の範囲のエデト酸塩(例えば、エデト酸二ナトリウム)及びクエン酸が挙げられる。キレート剤は、組成物中の金属イオンをキレートするために有用であり、これは製剤の貯蔵寿命に有害であり得る。BHT及びエデト酸二ナトリウムは、それぞれ、いくつかの化合物について特に好ましい酸化防止剤及びキレート剤であるが、したがって、当業者に既知であるように、他の好適かつ等価な酸化防止剤及びキレート剤が置換され得る。
【0135】
液体懸濁液は、水性または油性ビヒクルにおける活性成分の懸濁液を達成するための従来の方法を使用して調製され得る。水性ビヒクルとしては、例えば、水、及び等張生理食塩水が挙げられる。油性ビヒクルとしては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、アラキス、オリーブ、ゴマ、またはココナッツ油などの植物油、分画植物油、及び液体パラフィンなどの鉱物油が挙げられる。液体懸濁液は、懸濁化剤、分散剤または湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、保存剤、緩衝液、塩、香味剤、着色剤、及び甘味剤を含むが、これらに限定されない、1つ以上の追加の成分をさらに含み得る。油性懸濁液は、増粘剤をさらに含んでいてもよい。既知の懸濁剤としては、ソルビトールシロップ、水添食用脂肪、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、アカシアガム、及びセルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。既知の分散剤または湿潤剤としては、レシチンなどの天然に存在するホスファチド、脂肪酸、長鎖脂肪族アルコール、脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステル、または脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステル(例えば、それぞれ、ポリオキシエチレンステアレート、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)とのアルキレンオキシドの縮合生成物が挙げられるが、これらに限定されない。既知の乳化剤としては、レシチン及びアカシアが挙げられるが、これらに限定されない。既知の保存剤としては、メチル、エチル、またはn-プロピルパラ-ヒドロキシベンゾエート、アスコルビン酸、及びソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。既知の甘味剤としては、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース、及びサッカリンが挙げられる。油性懸濁液のための既知の増粘剤としては、例えば、蜜蝋、硬質パラフィン、及びセチルアルコールが挙げられる。
【0136】
水性または油性溶媒中の活性成分の液体溶液は、液体懸濁液と実質的に同じ方法で調製され得、主な違いは、活性成分が溶媒中に懸濁されるのではなく、むしろ溶解されることである。本明細書で使用されるとき、「油性」液体は、炭素含有液体分子を含み、水よりも少ない極性を示すものである。本発明の医薬組成物の液体溶液は、液体懸濁液に関して記載される各成分を含んでもよく、懸濁剤は必ずしも溶媒中の活性成分の溶解を助けるものではないことが理解される。水性溶媒としては、例えば、水、及び等張生理食塩水が挙げられる。油性溶媒としては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、アラキス、オリーブ、ゴマ、またはココナッツ油などの植物油、分画植物油、及び液体パラフィンなどの鉱物油が挙げられる。
【0137】
本発明の薬学的調製物の粉末及び顆粒製剤は、既知の方法を使用して調製されてもよい。そのような製剤は、対象に直接投与され、例えば、錠剤を形成するため、カプセルを充填するため、または水性もしくは油性の懸濁液または溶液に水性または油性のビヒクルを添加することによって水性または油性の懸濁液または溶液を調製するために使用され得る。これらの製剤の各々は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、及び保存剤のうちの1つ以上をさらに含んでいてもよい。追加の賦形剤、例えば、充填剤及び甘味剤、香味剤、または着色剤もまた、これらの製剤に含まれ得る。
【0138】
本発明の医薬組成物はまた、水中油エマルジョンまたは油中水エマルジョンの形態で調製、包装、または販売され得る。油性相は、オリーブ油またはアラキス油などの植物油、液体パラフィンなどの鉱物油、またはこれらの組み合わせであってもよい。そのような組成物は、アカシアガムまたはトラガカントガムなどの天然に存在するガム、大豆またはレシチンホスファチドなどの天然に存在するホスファチド、ソルビタンモノオレエートなどの脂肪酸及びヘキシトール無水物の組み合わせに由来するエステルまたは部分エステル、ならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのエチレンオキシドとのそのような部分エステルとの縮合生成物といった1つ以上の乳化剤をさらに含み得る。これらのエマルジョンはまた、例えば、甘味剤または香味剤を含む追加の成分を含有し得る。
【0139】
ある特定の実施形態では、1つ以上の追加の賦形剤は、pH調整剤を含み、これは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、クエン酸、塩酸、またはそれらの混合物から選択され得る。
【0140】
ある特定の実施形態では、組成物は、限定されないが、炭水化物、酸化防止剤、キレート剤、低分子量タンパク質、高分子量ポリマー、ゲル形成剤、安定剤、添加剤、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤及び/または分散剤、アルカリ化剤、着色剤、合成ダイ、充填剤、希釈剤、鉱物酸化物、保存剤、またはそれらの混合物などの1つ以上の追加の賦形剤を含んでもよい。
【0141】
ある特定の実施形態では、組成物は、酸化防止剤をさらに含む。ある特定の実施形態では、酸化防止剤は、例えば、ホスファイトのような三価のリン、フェノール酸化防止剤、ヒドロキシルアミン、置換ベンゾフラノンなどのラクトンを含み得る。ヒンダードフェノール、チオ相乗剤及び/またはヒンダードアミンは、ポリマーの長期的な安定性に有用であるが、以下の酸化防止剤は、活性物質が酸化される状況でも使用するのに好適である:酸(アスコルビン酸、エリソルビン酸、エチドロン酸、没食子酸、低リン酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、プロピオン酸など)、フェノール(例えば、BHA、BHT、t-ブチルヒドロキノン、没食子酸ドデシル、没食子酸オクチル、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン)、有機塩及び無機塩(アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸カリウム)、エステル(アスコルビン酸カルシウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル)、ピラノン(マルトール)、ならびにビタミンE(トコフェロール、D-α-トコフェロール、DL-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、d-α-トコフェロールアセテート、dl-α-トコフェリルアセテート。しかしながら、当該技術分野において既知の他の酸化防止剤を、本発明に従って使用してもよい。
【0142】
ある特定の実施形態では、好適な酸化防止剤としては、限定されないが、立体妨害フェノール、アリールアミン、チオ尿素、チオカルバメート、ホスファイト、チオエーテルエステル、及び前述の組み合わせが挙げられ得る。酸化防止剤の他の好適な例としては、アルキル化モノフェノールが挙げられるが、これに限定されず、これとしては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジ-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖内で直鎖状または分岐鎖状であるノニルフェノール、例えば、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルウンデセ-1′-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルヘプタデセ-1′-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルトリデセ-1-イル)フェノール及びそれらの混合物、アルキルチオメチルフェノール(限定されないが、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオエチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノニルフェノールを含む)、ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン(限定されないが、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペートを含む)、トコフェロール(限定されないが、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)を含む)、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル(限定されないが、2,2′-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2′-チオビス(4-オエチルフェノール(oetylphenol))、4,4′-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4′-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4′-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4′-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-ジスルフィド、アルキリデンビスフェノール(限定されないが、2、2′-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2′-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2′-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)-フェノール]、2,2′-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2′-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2′-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2′-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2′-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2′-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2′-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4′-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4′-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3′-tert-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシ-5′-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,5,5-テトラ-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタンを含む)、O-、N-及びS-ベンジル化合物(限定されないが、3,5,3′,5′-テトラ-tert-ブチル.-4,4′-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートを含む)、ヒドロキシベンジル化マロネート(限定されないが、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ-オクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネートを含む)、芳香族ヒドロキシベンジル化合物(限定されないが、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノールを含む)、トリアジン化合物(限定されないが、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニルプロピオニル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソ-シアヌレートを含む)、ベンジルホスホネート(限定されないが、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩を含む)、アシルアミノフェノール(限定されないが、4-ヒドロキシラウラニリド、4-ヒドロキシステアラニリドを含む)、オクチルN-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または高価アルコールとの(例えば、メタノール、エタノールn-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとの)エステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価または高価アルコールとの(例えば、メタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとの)エステル;3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン、6-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとの(例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2,2]オクタンとの)エステル、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価アルコールとの(例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2,2]オクタンとの)エステル、6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルA-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N′-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL-1、Uniroyalによって供給される)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アミン系酸化防止剤(限定されないが、N,N′-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N′-ジメチル-N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミンを含む)、オクチル化ジフェニルアミン(限定されないが、p,p′-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4′-ジアミノジフェニルメタン、4,4′-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N′,N′-テトラメチル-4,4′-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1′,3′-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミンを含む)、モノアルキル化及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化tert-オクチル-フェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N′,N′-テトラフェニル-1,4-ジアミノブタ-2-エン、ならびに前述の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0143】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アクリル、セルロース誘導体、多糖類、単糖、ガム、天然もしくは合成ポリマー(例えば、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカプロラクトン、そのポリメタクリレートコポリマー、及びそれらの混合物)、リポソーム、崩壊剤(例えば、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、またはそれらの混合物)、流動促進剤、潤滑剤、吸収促進剤、界面活性剤、結合剤、軟化剤、可塑剤(例えば、レシチン、水添植物油、グリセロールエステル、ラノリン、メチルエステル、ペンタエリスリトールエステル、米ぬかワックス、ステアリン酸、ステアリン酸カリウムナトリウムなど)、ワックス、脂肪、乳化剤、充填剤、酸化防止剤、香味剤、着色剤、希釈剤、加工助剤(例えば、造粒助剤)、咀嚼可能な組成物に関して上述したような甘味剤、固定剤(例えば、限定されないが、ソルビトール、マルチトール/イソマルト、マンニトール、デンプンなどのポリオール)、pH調整剤、粘度調整剤、溶解度増加剤もしくは減少剤、浸透圧剤、溶媒、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0144】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、ポリビニルピロリドン、天然及び合成ガム、ポリビニルアルコール、トウモロコシデンプン、親水性及び疎水性材料、例えば徐放性ポリマー、アクリル樹脂、タンパク質由来材料、ワックス、シェラック、ならびに固体または半固体油、例えば水添ヒマシ油及び水添植物油を含み得る。より具体的には、制御放出材料は、例えば、エチルセルロースなどのアルキルセルロース、アクリル及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)コポリマー、ポリアクリルアミド、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、メタクリル酸グリシジルコポリマー、及び前述のうちのいずれかの混合物)、ならびにヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)及びカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテルであり得る。ワックスとしては、例えば、天然及び合成ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、及びこれらの混合物(例えば、蜜蝋、カルナウバワックス、ステアリン酸及びステアリルアルコール)が挙げられる。
【0145】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ゲル化剤、例えば限定されないが、糖または糖由来のアルコール、例えば、マンニトール、ソルビトールなど、デンプン及びデンプン誘導体、セルロース誘導体(例えば、微結晶セルロース、カボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエステル、セルロースジエステル、セルローストリエステル、セルロースエーテル、セルロースエステル-エーテル、アシル酸セルロース、ジアシル酸セルロース、トリアシル酸セルロース、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルフタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチル酢酸コハク酸セルロース(酢酸コハク酸ヒプロメロース)、及びそれらの混合物)、アタパルジャイト、ベントナイト、デキストリン、アルギン酸塩、アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸カリウムなどの塩、カゼイン、ステアリン酸、シェラック、カラギーナン、トラガントガム、アカシアガム、アラビアガム、プルランガム、デキストリン、ジェランガム、アガーガム、タラガム、カラヤ、グアーガム、ウェランガム、ラムサンガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ペクチン、ゼラチン、カオリン、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、カルボマー及びカルボポール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、二酸化ケイ素、界面活性剤、混合界面活性剤/湿潤剤系、乳化剤、他の高分子材料、及びそれらの混合物が含まれ得る。
【0146】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、親水性賦形剤、例えば、限定されないが、水、低分子量ポリオール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。他の好適な親水性担体の例としては、限定されないが、ソルビタンエステルのポリオキシエチレン誘導体、例えば、ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレート(ポリソルベート85)、酢酸、ギ酸、他の親水性界面活性剤、及びそれらの混合物が挙げられる。例示的な低分子量ポリオールとしては、限定されないが、約200ダルトン、約400ダルトン、約600ダルトン、約800ダルトン、もしくは約1000ダルトンのうちのいずれか~約2000ダルトン、約3000ダルトン、約4000ダルトン、約5000ダルトン、約6000Da、もしくは約7000Daのうちのいずれか、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の数平均分子量を有するもの(例えば、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600など)が挙げられる。
【0147】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤としては、可塑剤、例えば、トリアセチン、イソマルト、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、アドニトール、ズルシトール、ペンタエリスリトール、もしくはマンニトールなどの糖アルコール可塑剤;またはポリオール可塑剤、例えば、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、最大10,000MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。他の例示的な可塑剤としてはまた、限定されないが、低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、油、小有機分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステルタイプの可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、多ブロックポリマー、単一ブロックポリマー、クエン酸エステルタイプの可塑剤、及びトリアセチンが挙げられ得る。そのような可塑剤としては、1,2-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、スチレングリコール、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、モノステアリン酸グリセリル、ポリソルベート80、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル及びグリコール酸アリル、ならびにそれらの混合物が挙げられ得る。
【0148】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、可塑剤、例えば、限定されないが、リン酸エステル;フタル酸エステル;アミド;鉱物油;脂肪酸及びエステル;アセチル化水添綿実グリセリド及びアセチル化水添大豆油グリセリドを含む脂肪アルコール、植物油及び水添植物油;アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ヒマシ油、ジアセチル化モノグリセリド、サリチル酸ジプロピレングリコールグリセリン、ヤシ油脂肪酸グリセリル、モノアセチル化及びジアセチル化モノグリセリド、ニトロベンゼン、炭素ジスルフィド、fl-サリチル酸ナフチル、グリコール酸フタリル、フタル酸ジオシル;ソルビトール、ソルビトールグリセリルトリシトレート;オクタ酢酸スクロース;a-トコフェリルポリエチレングリコールスクシナート、リン酸エステル;フタル酸エステル;アミド;鉱物油;脂肪酸及びエステル;脂肪アルコール;ならびに植物油、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、及びミリスチルアルコールを含む脂肪アルコール;アビエト酸メチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、アジピン酸ジイソオクチル、オレイン酸アミル、リシノレイン酸ブチル、安息香酸ベンジル、脂肪酸のブチル及びグリコールエステル、炭酸ブチルジグリコール、オレイン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ジ(ベータ-メトキシエチル)アジペート、セバシン酸ジブチル、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジヘキシル、トリエチレングリコールジ(ベータ-エチルブチラート)、ポリエチレングリコールジ(2-エチルヘキソエート)、ジエチレングリコールモノラウレート、モノマーポリエチレンエステル、ロジンの水添メチルエステル、オレイン酸メトキシエチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、グリセロールトリブチレート、トリエチレングリコールジペラルゴネート、ベータ(p-tert-アミルフェノキシ)エタノール、ベータ-(p-tert-ブチルフェノキシエチル)エタノール、ベータ(p-tert-ブチトフェノキシエチル)アセテート、ビス(ベータ-p-tert-ブチルフェノキシジエチル)エーテル、樟脳、Cumar W-1、Cumar MH-1、Cumar V-1、フタル酸ジアミル、(ジアミルフェノキシ)エタノール、酸化ジフェニル、工業用ヒドロアビエチルアルコール、ベッコリン、ベンゼンヘキサヒドロクロンデ、Clorafin 40、Piccolastic A-5、Piccalastic A-25、Flexol B-400、グリセロールアルファ-メチルアルファ-フェニルエーテル、塩素化ナフタレン、HB-40、モノアミルフタレート、Nevillac 10 o-ニトロジフェニル及びParacril 26が含まれ得る。
【0149】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤としては、可塑剤、例えば、限定されないが、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、アドニトール、ズルシトール、ペンタエリスリトール、もしくはマンニトールなどの糖アルコール可塑剤;またはポリオール可塑剤、例えば、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、最大10,000MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン、及びそれらの混合物が挙げられ得る。他の例示的な可塑剤としては、限定されないが、低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、油、小有機分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステルタイプの可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、多ブロックポリマー、単一ブロックポリマー、クエン酸エステルタイプの可塑剤、及びトリアセチンが挙げられ得る。そのような可塑剤としては、1,2-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、スチレングリコール、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、モノステアリン酸グリセリル、ポリソルベート80、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル及びグリコール酸アリル、ならびにそれらの混合物が挙げられ得る。
【0150】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、限定されないが、天然及び/または合成香料原料などの香料を含み得る。例えば、水溶性香油と混合していてもいなくてもよい油溶性香油。油溶性香料材料は、オレンジオイル、ラベンダーオイル、パインオイル、ユーカリオイル、レモンオイル、クローブリーフ、ペパーミントオイル、シダーウッドオイル、ローズマリーオイル、ベルガモットオイル、ラバンディンオイル、パチョリオイル、カモミールオイル、ジャスミンオイル、スパイクオイル、ローズオイル、ベチバーオイル、フェンネルオイル、アニスオイル、タイムオイル、ゲルマニウムオイル、メントール、及びマジョラムオイルなどの天然またはネイチャーアイデンティカル(natural-identical)のエッセンシャルオイルである。動物性香料は、例えば、ムスク、カストリウム、アベール(aber)、またはジャコウネコである。スパゲリックエッセンスもまた、当該技術分野において既知である。それらは、次いで最終製品に加工されたある特定のハーブを発酵させることによって作製される。合成香料成分は、例えば、リナロール、テルピネオール、ネロール、シトロネラル、ベンズアルデヒド、シナモンアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、またはメチルアセトフェノンなどの単一の化合物で構成される合成エッセンシャルオイルである。香料材料はまた、香料炭化水素、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、エステル、ポリエン誘導体からなる通常の群から選択される合成油溶性香料油であってもよい。使用され得る他の香料は、S.Arctander,Perfume and Flavor Chemicals,Volumes I and II(1960,1969;reprint 2000)、Allured’s Flavor and Fragrance Materials(2005)などの参考文献及びデータベース、ならびにResearch Institute for Fragrance Materialsによってwww.rifm.orgにおいて維持されているデータベースにカタログ化及び記載されている。
【0151】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、香油を含み得る。好適な香油としては、天然香料及び合成香料の混合物が挙げられる。天然香料は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン-イラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、フルーツ(アニス、コリアンダー、クミン、ジュニパー)、果実の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メイス、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス(costus)、アイリス、カルムス(calmus))、木材(パインウッド、サンダルウッド、グアヤクウッド、シダーウッド、ローズウッド)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)、樹脂及びバルサム(ガルバナム、エレミ(elemi)、ベンゾイン、ミルラ(myrrh)、オリバナム、オポポナックス(opoponax))からの抽出物である。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、及び炭化水素タイプの生成物である。エステルタイプの香料化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリル、及びサリチル酸ベンジルである。エーテルは、例えば、ベンジルエチルエーテルを含み、アルデヒドは、例えば、8~18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル及びブルゲオナールを含み、ケトンは、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンを含み、アルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールを含み、炭化水素は、主にテルペン及びバルサムを含む。
【0152】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、芳香成分として主に使用される比較的低い揮発性のエッセンシャルオイルを含んでもよく、香料オイル、例えば、セージオイル、カモミールオイル、クローブオイル、メリッサオイル、ミントオイル、シナモンリーフオイル、リンデンブロッサムオイル、ジュニパーベリーオイル、ベチバーオイル、オリバナムオイル、ガルバナムオイル、ラボラナムオイル及びラバンディンオイルとしても好適である。他の好適な油には、単独または混合物中のベルガモットオイル、ジヒドロミルセノール、リリアル、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、boisambrene forte、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモンオイル、マンダリンオイル、オレンジオイル、アリルアミルグリコレート、cyclovertal、ラバンディンオイル、クラリセージオイル、β-ダマスコーン、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、Vertofix coeur、イソ-E-スーパー、Fixolide NP、エバーニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット、イロチル、及びフローラマット(floramat)が含まれる。
【0153】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、保存剤を含み得る。本明細書で使用されるとき、「保存剤」という用語は、風味、臭気、色、質感、外観、治療価値、または安全性の劣化を遅らせるまたは防止することによって、剤形の貯蔵寿命を延ばす薬剤を指す。保存剤は、部分的または完全な微生物細胞破壊または無力化をもたらす致命的で不可逆的な作用を提供する必要はない。滅菌剤、殺菌剤、消毒剤、殺胞子剤、殺ウイルス剤及び殺結核剤は、そのような不可逆的な作用様式を提供し、「殺菌」作用と呼ばれることもある。対照的に、保存剤は、保存剤が除去された場合、標的微生物が増殖を再開することができるという点で、可逆的な阻害作用または抑菌作用を提供することができる。保存剤と殺菌剤との主な違いは、主に作用様式(保存剤は微生物を殺傷するのではなく成長を防ぐ)及び曝露時間(保存剤は作用するのに数日~数ヶ月かかるが、殺菌剤は作用するのに数分しかかからない)を含む。好適な保存剤としては、限定されないが、フェノキシエタノール、パラベン、ペンタンジオール、及びソルビン酸の溶液、ならびに銀錯体が挙げられる。
【0154】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、着色剤、例えば、限定されないが、例えば、白色、黒色、黄色、青色、緑色、ピンク色、赤色、オレンジ色、紫色、藍色、及び褐色などの着色剤を含んでもよい。
【0155】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、限定されないが、多くの場合、エタノールまたは水などの溶媒を使用することにより、原料、例えば、動物または植物材料の一部を抽出することによって得られる「フレーバー抽出物」、花、果物、根などから、または植物全体からエッセンシャルオイルを抽出することによって得られる天然エッセンスを含み得る。本明細書に記載される組成物の追加の例示的な香味剤としては、限定されないが、メントール、スペアミント、及びシナモン、コーヒー豆、他のフレーバーまたは香料、例えばフルーツフレーバー(例えば、チェリー、オレンジ、ブドウなど)、四級アンモニウム塩基などが挙げられ得る。フレーバーの効果は、酒石酸、クエン酸、バニリンなどのフレーバーエンハンサーを使用して強化され得る。
【0156】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、限定されないが、1つ以上の人工甘味料、1つ以上の天然甘味料、またはそれらの組み合わせなどの甘味剤を含み得る。人工甘味料としては、例えば、アセスルファム及びその様々な塩、例えば、カリウム塩(Sunett(登録商標)として入手可能)、アリテーム(alitame)、アスパルテーム(NutraSweet(登録商標)及びEqual(登録商標)として入手可能)、アスパルテーム-アセスルファムの塩(Twinsweet(登録商標)として入手可能)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンギンジヒドロカルコン、ジヒドロカルコン化合物、ネオテーム(neotame)、シクラミン酸ナトリウム、サッカリン及びその様々な塩、例えば、ナトリウム塩(Sweet’N Low(登録商標)として入手可能)、ステビア、スクラロース(Kaltame(登録商標)及びSplenda(登録商標)として入手可能)などのスクロースのクロロ誘導体、ならびにモグロシドが挙げられる。天然甘味剤には、例えば、グルコース、デキストロース、転化糖、フルクトース、スクロース、グリチルリチン;グリチルリチン酸モノアンモニウム(商標名MagnaSweet(登録商標)で販売);ステビア(Stevia rebaudiana)(ステビオシド)、Lo Han Kuoなどの天然の強い甘味料、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトールなどのポリオールが含まれる。
【0157】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アルカリ化剤(複数可)、例えば、限定されないが、酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム及び/またはリン酸二ナトリウムが含まれ得る。
【0158】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、潤滑剤(複数可)/剥離剤(複数可)、例えば、限定されないが、脂肪酸及びそれらの塩、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪アミン、脂肪アミンアセテート及び脂肪アミドが含まれ得る。他の好適な潤滑剤には、限定されないが、ベヘン酸グリセリル(Compritol(商標)888)、ステアリン酸金属(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸ナトリウム)、ステアリン酸、水添植物油(例えば、Sterotex(商標))、タルク、蜜蝋及びカルナウバワックス、シリカ、ヒュームドシリカ、コロイドシリカ、ステアリン酸カルシウム、長鎖脂肪アルコール、ホウ酸、安息香酸ナトリウム及び酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、DL-ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば、Carbowax(商標)4000及びCarbowax(商標)6000)、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム(Pruv(商標))、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルアルコール、鉱油、パラフィン、微結晶セルロース、グリセリン、プロピレングリコール及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0159】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、希釈剤、例えば、限定されないが、ラクトースUSP、ラクトースUSP(無水)、ラクトースUSP(スプレー乾燥)、デンプンUSP、直接圧縮デンプン、マンニトールUSP、ソルビトール、デキストロース一水和物、微結晶セルロースNF、第二リン酸カルシウム二水和物NF、スクロースベースの希釈剤、菓子の砂糖、一塩基性硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物NF、乳酸カルシウム三水和物顆粒NF、デキストレートNF(例えば、Emdex(商標))、デキストロース(例えば、Cerelose(商標))、イノシトール、Maltrons(商標)及びMor-Rex(商標)などの加水分解された穀物固体、アミロース、粉末セルロース(例えば、Elcema(商標)、炭酸カルシウム、グリシン、ベントナイト、ポリビニルピロリドンなどが含まれ得る。
【0160】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、油及び脂肪、例えば、限定されないが、アーモンドオイル、アルガンオイル、アボカドオイル、キャノーラ油、カシューオイル、ヒマシ油、ココアバター、ココナッツオイル、コルザオイル、トウモロコシ油、綿実油、グレープシードオイル、ヘーゼルナッツオイル、ヘンプオイル、ヒドロキシル化レシチン、レシチン、亜麻仁油、マカダミアオイル、マンゴーバター、マニラオイル、モンゴンゴナッツオイル、オリーブオイル、パーム核油、パーム油、ピーナッツオイル、ピーカンオイル、ペリラオイル、パインナッツオイル、ピスタチオオイル、ポピーシードオイル、パンプキンシードオイル、米ぬか油、サフラワーオイル、ゴマ油、シアバター、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油、スイカの種子油が含まれ得る。PVAシェルの充填中にあり得る他の油及び脂肪には、限定されないが、魚油(オメガ-3)、クリルオイル、動物性または植物性脂肪(例えば、それらの水添形態)、C12-、C14-、C16-、C18-、C20-、及びC22-脂肪酸を有するモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドが含まれ得る。
【0161】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、植物性タンパク質、例えば、ヒマワリタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質、ピーナッツタンパク質、グレープシードタンパク質、乳清タンパク質、乳清タンパク質単離物、血液タンパク質、卵タンパク質、アクリレート化タンパク質、水溶性多糖、例えば、アルギネート、カラギーナン、グアーガム、寒天、キサンタンガム、ゲランガム、アラビアガム及び関連するガム(ガティガム、カラヤガム、トラガンカントガム)、ペクチン、セルロースの水溶性誘導体:アルキルセルロースヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキルアルキルアルキルセルロース、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシルブチルメチルセルロース、セルロースエステル、及びヒドロキシルアルキルセルロースエステル、例えば、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル、例えば、カルボキシメチルセルロース及びそれらのアルカリ金属塩;ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、及びポリアクリル酸エステルなどの水溶性合成ポリマー、ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミド、ならびにポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVY/酢酸ビニルコポリマー、及びポリクロトン酸が含まれてもよく、フタル化ゼラチン、コハク酸ゼラチン、架橋ゼラチン、シェラック、デンプンの水溶性化学誘導体、カチオン修飾アクリレート、及び例えば、必要に応じて四級化され得るジエチルアミノエチル基などの三級または四級アミノ基を有するメタクリレート;ならびに他の同様のポリマー;マグネシウムアルミニウム、ケイ素、チタンなどの酸化物などの無機充填剤もまた好適である。
【0162】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤としては、疎水性材料を挙げることができ、これとしては、限定されないが、消化可能な長鎖(C8~C50、特にC12~C40)の、置換または非置換の炭化水素、例えば天然または合成ワックス(例えば、蜜蝋、Glycowax、キャスターワックス、及びカルナウバワックス)、脂肪アルコール(例えばラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチル、または好ましくはセトステアリルアルコール)、脂肪酸、例えば、限定されないが、中鎖脂肪酸のモノジグリセリド(例えばカプリル酸、カプリン酸、カプロン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸)、中鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ、ジ、及びトリグリセリド)、水添脂肪、炭化水素、通常のワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ならびに炭化水素骨格を有する疎水性及び親水性材料が挙げられる。
【0163】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、酢酸ポリビニル、ポリカルボン酸及び塩、酢酸、カプリル酸、オレイン酸、ポリアミノ酸またはペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタンなどの天然ガム、及びカラゲナンが含まれ得る。例えば、ポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、及びそれらの組み合わせから、またはポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メタクリル酸/メチルメタクリレート、メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、メタクリル酸/メチルアクリレート/メチルメタクリレートコポリマー、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸コハク酸ヒドロキシルプロピルプロピルメチルセルロース、トリメリット酸ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、PEG-35ヒマシ油、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、ジステアリン酸グリセリル、ならびにそれらの組み合わせから選択することができる。
【0164】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、高HLB界面活性剤、例えば、限定されないが、ポリソルベート80-ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシル40水添ヒマシ油、ポリオキシル35ヒマシ油、カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0165】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、充填剤、例えば、限定されないが、ラクトース、微結晶性セルロース、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0166】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、天然ガム(例えば、天然の植物ガム)が含まれ得る。好適な天然ガムには、限定されないが、グアーガム、キャロブガム、コンニャクガム、キサンタンガム、スクレロチウムガム、アカシアガム、セルロースガム(修飾されているか否かにかかわらず)、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0167】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、乳化剤、例えば、限定されないが、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート、PEG-4ジラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-40ソルビタンペルオレエート、PEG-7グリセリルココエート、PEG-20アーモンドグリセリド、PEG-25水添ヒマシ油、ステアリン酸グリセリル(及び)PEG-100ステアレート、PEG-7オリーブ油脂肪酸、PEG-8オレエート、PEG-8ラウレート、PEG-60アーモンドグリセリド、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-80ソルビタンラウレート、Steareth-2,Steareth-12、Oleth-2、Ceteth-2、Laureth-4、Oleth-10、Oleth-10/ポリオキシル10オレイルエーテル、Ceteth-10、lsosteareth-20、Ceteareth-20、Oleth-20、Steareth-20、Steareth-21、Ceteth-20、lsoceteth-20、Laureth-23、Steareth-100、ステアリン酸クエン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリルSE(自己乳化)、ステアリン酸、ステアリン酸の塩、ポリグリセリル-3-メチルグリコースジステアレート、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0168】
さらなる好適な乳化剤は、リン酸エステル及びその塩、例えば、リン酸セチル(Amphisol(登録商標)A)、リン酸ジエタノールアミンセチル(Amphisol(登録商標)DEA)、リン酸セチルカリウム(Amphisol(登録商標)K)、セテアリル硫酸ナトリウム、リン酸グリセリルオレイン酸ナトリウム、リン酸水添植物グリセリド、及びそれらの混合物である。さらなる好適な乳化剤は、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、セテアリルグルコシド、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ポリステアリン酸スクロース、及び水和ポリイソブテンである。さらに、1つ以上の合成ポリマーが、乳化剤として使用され得る。例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、PEG-22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー、及びそれらの混合物。
【0169】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、キレート剤、例えば、限定されないが、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-(ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、及びニトリロ三酢酸(NTA)が含まれ得る。
【0170】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、脂肪アルコール、例えば、限定されないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、C12~C15アルコールの安息香酸塩、アセチル化ラノリンアルコールなどを含む、6~18、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベットアルコールなどが含まれ得る。
【0171】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、脂肪酸のエステル、例えば、限定されないが、直鎖状C6~C24脂肪酸と直鎖状C3~C24アルコールとのエステル、分岐鎖状C6~C13カルボン酸と直鎖状C6~C24脂肪アルコールとのエステル、直鎖状C6~C24脂肪酸と分岐鎖状アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖状または分岐鎖状C6~C22脂肪酸、特にリンゴ酸ジオクチルとのエステル、直鎖状及び/または分岐鎖状脂肪酸の多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオールもしくは三量体トリオール)及び/またはゲルベアルコールとのエステル、例えば、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸、ならびにアルコール、例えば、イソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコールとのそれらの技術グレードの混合物(例えば、天然脂肪及び油の圧力除去において、レーレンのオキソ合成(Roelen’s oxosynthesis)からのアルデヒドの還元において、または不飽和脂肪酸の二量体化において得られる)、ならびにそれらの工業用グレードの混合物(例えば、脂肪及び油、またはレーレンのオキソ合成からのアルデヒドに基づく工業用グレードのメチルエステルの高圧水添において、ならびに不飽和脂肪アルコールの二量体化におけるモノマー画分として得られる)が含まれ得る。エステル油の追加の好適な例は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキシルパルミテート、2-ヘキシルラウレート、2-ヘキシルデシルステアレート、2-オクチルドデシルパルミテート、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、オクタン酸セテアリル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、酢酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、乳酸ミリスチル、ジカプリル酸/カプリン酸プロピレングリコール、ヘプタン酸ステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチルなどである。
【0172】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、他のアジュバント、例えば、限定されないが、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、ジ-n-ブチルアジペート、ジ(2-エチルヘキシル)-アジペート、ジ(2-エチルヘキシル)-スクシネート及びジイソトリデシルアセラート、ならびにジオールエステル、例えば、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート、及びネオペンチルグリコールジカプリレートも含まれ得る。C6~C24脂肪アルコール及び/またはゲルベアルコールの、芳香族カルボン酸(飽和及び/または不飽和)、特に安息香酸とのエステル、C2~C12ジカルボン酸の、1~22個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状アルコール、または2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシ基を有するポリオールとのエステル。
【0173】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、天然または合成トリグリセリド(グリセリルエステル及び誘導体を含む)、例えば、限定されないが、他のアルコール(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、小麦胚グリセリドなど)との反応によって修飾された、C6~C18脂肪酸に基づくジグリセリドまたはトリグリセリドが含まれ得る。ポリグリセリンの脂肪酸エステル(例えば、ポリグリセリル-4カプレート、ポリグリセリル-2イソステアレートなどのポリグリセリル-n、またはヒマシ油、水添植物油、スイートアーモンド油、小麦胚芽油、ゴマ油、水添綿実油、ココナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、水添ヒマシ油、シアバター、ココアバター、大豆油、ミンク油、ヒマワリ油、紅花油、マカダミアナッツ油、オリーブ油、水添牛脂、アプリコット核油、ヘーゼルナッツ油、ボラージ油など)。追加の好適な賦形剤としては、長鎖酸及びアルコールのエステルを含むワックス、ならびにワックス様特性を有する化合物、例えば、カルナウバワックス、蜜蝋(白色または黄色)、ラノリンワックス、カンデリラワックス、オゾケライト、日本ワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、セレシン、セテアリルエステルワックス、合成蜜蝋などが挙げられる。また、セテアリルアルコールとしての親水性ワックスまたは部分グリセリド。
【0174】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、真珠光沢のあるワックス、例えば、限定されないが、アルキレングリコールエステル、特にジステアリン酸エチレングリコール、脂肪酸アルカノールアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド、部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;6~22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとの多価、非置換、またはヒドロキシ置換カルボン酸のエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル、及び脂肪炭酸塩(これらは合計で少なくとも24個の炭素原子を有する)、特にラウリルエーテル及びジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸、12~22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと、12~22個の炭素原子を有する脂肪アルコール及び/または2~15個の炭素原子及び2~10個のヒドロキシ基を有するポリオールとの開環生成物、ならびにそれらの混合物が含まれ得る。
【0175】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、炭化水素油、例えば、限定されないが、鉱油(軽または重)、ワセリン(黄色または白色)、微結晶ワックス、パラフィン及びイソパラフィン化合物、ポリデセン及びポリブテンとしての水添イソパラフィン分子、水添ポリイソブテン、スクアラン、イソヘキサデカン、イソドデカン、ならびに植物界及び動物界からの他のものが含まれ得る。
【0176】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、シリコーンまたはシロキサン(有機置換ポリシロキサン)、例えば、限定されないが、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ならびにアミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシド、及び/またはアルキル修飾シリコーン化合物が含まれ得、これらは、室温で液体または樹脂の形態のいずれかであり得る。直鎖状ポリシロキサン、ジメチコン(Dow Corning 200液、Rhodia Mirasil DM)、ジメチコノール、環状シリコーン液、シクロペンタシロキサン揮発性物質(Dow Corning 345液)、フェニルトリメチコン(Dow Corning 556液)。また、平均鎖長が200~300のジメチルシロキサン単位を有するジメチコンと水添ケイ酸塩との混合物である、シメチコンも好適である。Todd et al.による、好適な揮発性シリコーンの詳細な調査は、加えてCosm.Toil.91,27(1976)に見出され得る。
【0177】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、乳化剤、例えば、限定されないが、カルボン酸及びそれらの塩:ナトリウム、カリウム及びアンモニウムのアルカリ性石鹸、カルシウムまたはマグネシウムの金属石鹸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸などの有機ベースの石鹸が含まれ得る。リン酸アルキルまたはリン酸エステル、酸リン酸塩、リン酸ジエタノールアミン、セチルリン酸カリウム。エトキシル化カルボン酸またはポリエチレングリコールエステル、PEG-nアシレート。12~22個の炭素原子を有する脂肪酸と、アルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとを有する、2~30モルのエチレンオキシド及び/または0~5モルのプロピレンオキシドから分岐した、8~22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪族アルコール。ラウレス-n、セテアレス-n、ステアレス-n、オレス-nなどの脂肪アルコールポリグリコールエーテル。PEG-nステアレート、PEG-nオレエート、PEG-nココエートなどの脂肪酸ポリグリコールエーテル。モノグリセリド及びポリオールエステル。ポリオールを有する1~30モルのエチレンオキシドの付加生成物のC12~C22脂肪酸モノエステル及びジエステル。モノステアリン酸グリセロール、ジイソステアロイルポリグリセリル-3-ジイソステアレート、ポリグリセリル-3-ジイソステアレート、トリグリセリルジイソステアレート、ポリグリセリル-2-セスキイソステアレートまたはダイマー酸ポリグリセリルなどの脂肪酸及びポリグリセロールエステル。複数のそれらの物質クラスからの化合物の混合物もまた、好適である。モノステアレートジエチレングリコールなどの脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸及びポリエチレングリコールエステル、スクロエステルなどの脂肪酸及びサッカロースエステル、スクログリセリドなどのグリセロール及びサッカロースエステル。ソルビトール及びソルビタン、6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のソルビタンモノエステル及びジエステル、ならびにエチレンオキシド付加物。ポリソルベート-nシリーズ、セスキイソステアレート、ソルビタン、PEG-(6)-イソステアレートソルビタン、PEG-(10)-ソルビタンラウレート、PEG-17-ジオレエートソルビタンなどのソルビタンエステル。グルコース誘導体、C8~C22アルキル-モノ及びオリゴ-グリコシド、ならびに糖成分として好ましいグルコースを有するエトキシル化類似体。メチルグルセス-20セスキステアレート、ソルビタンステアレート/スクロースココエート、メチルグルコースセスキステアレート、セテアリルアルコール/セテアリルグルコシドなどのO/W型乳化剤。メチルグルコースジオレエート/メチルグルコースイソステアレートなどのW/O型乳化剤。硫酸塩及びスルホン化誘導体、ジアルキルスルホスクシネート、コハク酸ジオクチル、アルキルラウリルスルホネート、直鎖状スルホン化パラフィン、スルホン化テトラプロピエンスルホネート、ラウリル硫酸ナトリウム、アンモニウム及びエタノールアミンラウリル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホスクシネート、アセチルイソチオネート、硫酸アルカノールアミド、タウリン、メチルタウリン、硫酸イミダゾール。ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び誘導体、ジメチコン、コポリオール、シリコーンポリエチレンオキシドコポリマー、シリコーングリコールコポリマー。プロポキシル化またはPOE-nエーテル(Meroxapol)、Polaxamerまたはポリ(オキシエチレン)m-ブロック-ポリ(オキシプロピレン)n-ブロック(オキシエチレン)。分子内に少なくとも1つの四級アンモニウム基及び少なくとも1つのカルボキシレート基及び/またはスルホン酸基を担持する両性イオン界面活性剤。特に好適な両性イオン界面活性剤は、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及びアルキルまたはアシル基中に各々8~18個の炭素原子を有する2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート、N-アルキルベタイン、N-アルキルアミノベタインなどのベタインである。アルキルイミダゾリン、アルキルペプチド、リポアミノアシド、自己乳化型塩基、及びK.F.DePolo,A short textbook of cosmetology,Chapter 8,Table 8-7,p250-251に記載されている化合物。
【0178】
好適な非イオン性塩基には、限定されないが、PEG-6蜜蝋(及び)PEG-6ステアレート(及び)ポリグリセリル-2-イソステアレート、ステアリン酸グリセリル(及び)PEG-100ステアレート、PEG-5グリセリルステアレート、オレイン酸ソルビタン(及び)ポリグリセリル-3リシノール酸塩、ステアリン酸ソルビタン及びヤシ脂肪酸スクロース、ステアリン酸グリセリル及びラウレス-23、セテアリルアルコール及びセテス-20、セテアリルアルコール及びポリソルベート60及びPEG-150及びステアレート-20、セテアリルアルコール及びセテアリルポリグルコシド、セテアリルアルコール及びセテアレス-20、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油及び硫酸セテアリルナトリウム、ステアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10、セテアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10、ステアリン酸グリセリル及びPEG-75ステアレート、プロピレングリコールセテス-3アセテート、プロピレングリコールイソセス-3アセテート、セテアリルアルコール及びセテス-12及びオレス-12、PEG-6ステアレート及びPEG-32ステアレート、PEG-6ステアレート及びセテス-20及びステアレス-20、PEG-6ステアレート及びセテス-20、ならびにステアリン酸グリセリル及びステアレス-20、ステアリン酸グリセリル及びセテアレス-20が含まれる。
【0179】
好適なアニオン性アルカリ塩基には、限定されないが、PEG-2ステアレートSE、グリセリルステアレートSE、プロピレングリコールステアレートが含まれる。セテアリルアルコール及びセテアリル硫酸ナトリウム、セテアリルアルコール及びラウリル硫酸ナトリウム、トリラネス-4ホスフェート及びステアリン酸グリコール及びPEG-2ステアレート、ステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン酸塩基。セテアリルアルコール及び臭化セトリモニウムなどのカチオン酸塩基。
【0180】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アジュバント及び添加剤、例えば、限定されないが、界面活性剤、超脂肪剤、稠度調節剤、増粘剤、ポリマー、安定剤、生体活性成分、膨潤剤、さらなる紫外線保護因子、酸化防止剤、向水性剤、保存剤、セルフタンニング剤、可溶化剤、香油、着色剤、細菌阻害剤などが含まれ得る。
【0181】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、超脂肪剤、例えば、限定されないが、ラノリン及びレシチン、ならびにポリエトキシル化またはアセチル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、ならびに脂肪酸アルカノールアミドが含まれ得、後者は同時に泡安定剤として作用する。
【0182】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、界面活性剤、例えば、限定されないが、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、硫酸モノグリセリド、モノアルキル及び/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、アルファ-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン及び/またはタンパク質脂肪酸縮合生成物が含まれ得、後者は好ましくは小麦タンパク質に基づいている。
【0183】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、稠度調節剤/増粘剤及びレオロジー改質剤、例えば、限定されないが、二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、多糖類もしくはそれらの誘導体、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、グアーグアー、寒天、アルギネート、カラゲナン、ジェラン、ペクチン、またはヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの修飾セルロースが含まれ得る。さらに、ポリアクリレートまたは網状アクリル酸及びポリアクリルアミドのホモポリマー、カルボマー(CARBOPOLタイプ980、981、1382、ETD2001、ETD2020、ULTREZ10)またはSALCARE系列、例えば、SALCARE SC80(ステアレス-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー)、Salcare SC81(アクリレートコポリマー)、Salcare SC91及びSalcare AST(アクリル酸ナトリウムコポリマー/PPG-1トリデセス-6)、SEPIGEL 305(ポリアクリルアミド/ラウレス-7)、SIMULGEL NS及びSIMULGEL EG(ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)、STABILEN 30(アクリレート/ビニルイソデカノエートクロスポリマー)、PEMULEN TR-1(アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)、LUVIGEL EM(アクリル酸ナトリウムコポリマー)、ACULYN 28(アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)など。
【0184】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ポリマー、例えば、限定されないが、そこで考慮されるアニオン性、両性イオン性、両性及び非イオン性のポリマー、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー及びそのエステル、非架橋ポリアクリル酸及びポリオールで架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル-tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、ならびに任意選択で誘導体化されたセルロースエーテル及びシリコーンが含まれ得る。さらに、EP1093796(3~8ページ、17~68段落)に記載されているポリマーが使用され得る。
【0185】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、酸化防止剤、例えば、限定されないが、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド(例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン)及びそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン、リコピン及びそれらの誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、オーロチオグリコース、プロピルチオウラシル、及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、リノレイル、コレステリル及びそれらのグリセリルエステル)ならびにそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、ならびにスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシミン)、さらに(金属)キレート剤(例えば、ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EDDS、EGTA及びそれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体(例えば、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びそれらの誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸マグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えば、酢酸ビタミンE)、ビタミンA及び誘導体(例えば、パルミチン酸ビタミンA)、ならびにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸(rutinic acid)及びその誘導体、グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパオキシドジスムターゼ、N-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えば、二ナトリウム塩)、セレニウム及びその誘導体(例えば、セレニウムメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)、ならびに言及された活性成分の本発明による好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)が含まれ得る。HALS(=「ヒンダードアミン光安定剤」)化合物も言及され得る。
【0186】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、向水性剤、例えば、限定されないが、エトキシル化もしくは非エトキシル化モノアルコール、低い炭素原子数を有するジオールもしくはポリオール、またはそれらのエーテル(例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2-ジプロパンジオール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び同様の製品)が含まれ得る。その目的のために考慮されるポリオールは、好ましくは、2~15個の炭素原子及び少なくとも2つのヒドロキシ基を有する。ポリオールはまた、さらなる官能基、特にアミノ基を含有してもよく、及び/または窒素で修飾されてもよい。典型的な例は、以下の通りである:グリセロール、アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びまた100~1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール;1.5~10の固有の縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、40~50重量%のジグリセロール含有量を有する工業用ジグリセロール混合物;特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールなどのメチロール化合物;低級アルキルグルコシド、特に、アルキルラジカル中に1~8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル及びブチルグルコシド;5~12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトールまたはマンニトール;5~12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコースまたはサッカロース;アミノ糖、例えば、グルカミン;ジエタノールアミンまたは2-1,3-プロパンジオールなどのジアルコールアミン。
【0187】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、保存剤、例えば、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル-パラベン、塩化ベンザルコニウム、2-ブロモ-2-ニトロ-プロパン-1,3-ジオール、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、2-ジクロロ-ベンジルアルコール、DMDMヒダントイン、ホルムアルデヒド溶液、メチルジブロモグルタニトリル、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、トリクロサン、及び以下の参考文献に列挙されるさらなる物質クラスを含み得る。K.F.DePolo-A short textbook of cosmetology,Chapter 7,Table 7-2,7-3,7-4 and 7-5,p210-219。
【0188】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、バクテリア阻害剤、例えば、限定されないが、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)またはTCC(3,4,4’-トリクロロカルバニリド)が含まれ得る。多数の芳香族物質及びエーテル油もまた、抗菌特性を有する。典型的な例は、クローブオイル、ミントオイル、及びタイムオイル中の活性成分であるオイゲノール、メントール、及びチモールである。目的の天然消臭剤は、テルペンアルコールファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール)であり、これはライムブロッサムオイルに存在する。モノラウリン酸グリセロールもまた、静菌剤であることが証明されている。
【0189】
他の薬学的に許容される賦形剤もまた、当業者に認識されるように利用され得る。
【0190】
ある特定の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、もしくは約50重量%~約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、もしくは約99重量%のうちのいずれかの範囲、または任意の部分範囲もしくはそれらの中の単一の値の濃度で、本明細書に記載される医薬組成物に(個別にまたは累積的に)含まれてもよい。
【0191】
調製方法
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを調製する方法に関する。ある特定の実施形態では、方法は、治療有効量のBKチャネル調節化合物を1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることを含む。
【0192】
本明細書に記載される様々な組成物は、限定されないが、即時放出プロファイル、制御放出プロファイル、遅延放出プロファイル、腸放出プロファイル、ゼロ次放出プロファイル、一次放出プロファイル、脈動放出プロファイル、体内のある特定の位置(胃腸管内の標的位置など)における標的放出など、活性剤のためのカスタマイズされた放出プロファイルを有するように製剤化され得る。
【0193】
説明を簡単にするために、本開示の方法の実施形態は、一連の動作として描写され、説明される。しかしながら、本開示に従った動作は、様々な順序で及び/または同時に、ならびに本明細書に提示及び説明されていない他の動作とともに起こり得る。さらに、開示の主題に従って方法を実装するために、すべての例示される動作が必要とされ得るわけではない。加えて、当業者は、代替的に、方法が、状態図または事象を介して一連の相互に関連する状態として表現され得ることを理解し、評価するであろう。
【0194】
上記の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、特定の材料、寸法、プロセスパラメータなどの多くの具体的な詳細が述べられている。特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態では任意の好適な方法で組み合わせられ得る。「例」または「例示的な」という単語は、本明細書では、例(example)、実例(instance)、または例示(illustration)として役立つことを意味するように使用される。本明細書に「例」または「例示的」として説明されるいかなる態様または設計も、必ずしも、他の態様または設計よりも好ましいまたは有利と解釈されるべきではない。むしろ、「例」または「例示的」という単語の使用は、具体的な方法で概念を提示することが意図される。本出願で使用されるとき、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく包含的な「または」を意味することが意図される。すなわち、別様に指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを含む」とは、あらゆる自然な包括的置換を意味することが意図される。すなわち、XがAを含む場合、XがBを含む場合、またはXがAとBの両方を含む場合には、「XはAまたはBを含む」は、あらゆる上記の実例の下で満たされる。「ある実施形態(an embodiment)」、「ある特定の実施形態(certain embodiments)」、または「一実施形態(one embodiment)」に対する本明細書全体での言及は、その実施形態と関係して記載される特定の機能、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所で出現する「ある実施形態」、「ある特定の実施形態」、または「一実施形態」という語句は、必ずしもすべて同じ実施形態を言及しているわけではない。
【0195】
本発明を、その特定の例示的な実施形態を参照して説明された。したがって、明細書及び図面は、限定する意味ではなく例示的なものとみなされる。本明細書に示され記載されたものに加えて、本発明の様々な改変形態が、当業者にとって明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】