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特表2024-516765AI基盤の非接触式睡眠分析方法及びリアルタイム睡眠環境造成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】AI基盤の非接触式睡眠分析方法及びリアルタイム睡眠環境造成方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20240410BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240410BHJP
   G10L 25/18 20130101ALI20240410BHJP
   G10L 25/66 20130101ALI20240410BHJP
   F24F 11/66 20180101ALI20240410BHJP
   A61B 5/113 20060101ALN20240410BHJP
   A61B 5/11 20060101ALN20240410BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/00 102A
G10L25/18
G10L25/66
F24F11/66
A61B5/113
A61B5/11 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553537
(86)(22)【出願日】2023-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 KR2023001135
(87)【国際公開番号】W WO2023146271
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0010449
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0090144
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0131829
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0143037
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0143598
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0156817
(32)【優先日】2022-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0168612
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0186414
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】523334925
【氏名又は名称】アスリープ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ASLEEP CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Asleep,L7 6th floor,415,Teheran-ro,Gangnam-gu,Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドンフン
(72)【発明者】
【氏名】アン、チウン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、スヨン
(72)【発明者】
【氏名】ク、ユンピョ
(72)【発明者】
【氏名】イ、サンホン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジンファン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェウン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジュンキ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヘア
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョングック
(72)【発明者】
【氏名】カン、ソラ
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ジェヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イム、ウジョン
【テーマコード(参考)】
3L260
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
3L260BA26
3L260CA04
3L260FC33
3L260FC38
3L260HA01
3L260JA12
3L260JA13
3L260JA18
3L260JA19
3L260JA23
4C038PP05
4C038VA04
4C038VA15
4C038VB33
4C038VC20
4C117XB18
4C117XC01
4C117XD21
4C117XE41
4C117XJ03
4C117XL01
4C117XR17
4C117XR18
4C117XR19
(57)【要約】
本発明は、AI基盤の非接触式睡眠分析システム及び方法を開示する。前記睡眠分析システムは、サーバから睡眠分析アプリのダウンロードを受けて、使用者の睡眠音響情報をリアルタイムで収集して前記サーバに伝送し、前記サーバから人工知能で学習された睡眠分析結果レポートの提供を受けるスマートフォンと、使用者の周辺に離隔されて位置し前記睡眠音響情報を同時に収集して前記スマートフォンに伝送し、前記スマートフォンの制御に応答して使用者にカスタマイズ型睡眠環境を提供する少なくとも1以上のスマート家電機器と、を含むことを特徴とする。本発明による場合、すべての睡眠治療の根幹になる目覚めている状態(wake)の時間を正確に合わせることができ、時間と場所にこだわらず家庭でも多様な種類の使用者の睡眠を便利で正確に分析することができる。また、分析した睡眠状態情報に基づいて環境を造成することができる電子装置又は家電機器を制御することができる。
【選択図】図50
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの環境を造成するための方法において、
環境センシング情報を獲得する段階と、
前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する段階と、
前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する段階と、
前記変換されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成する段階と、
前記生成された睡眠状態情報に基づいて前記オブジェクトの環境を造成するための電子装置を制御する段階と
を含む、
オブジェクトの環境を造成するための方法。
【請求項2】
オブジェクトの環境を造成するための電子装置において、
環境センシング情報を獲得するセンサと、
前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する手段と、
前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する手段と、
前記変換されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成する手段と、
前記生成された睡眠状態情報に基づいて前記オブジェクトの環境が造成されるように前記電子装置を制御する手段と
を含む、
オブジェクトの環境を造成するための電子装置。
【請求項3】
オブジェクトの環境を造成するための電子装置において、
環境センシング情報を獲得するセンサと、
前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する手段と、
前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する手段と、
前記変換されたスペクトログラムをサーバに伝送する手段と、
前記サーバが前記伝送されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成すれば、前記生成された睡眠状態情報を受信する手段と、
前記受信された睡眠状態情報に基づいて前記オブジェクトの環境が造成されるように前記電子装置を制御する手段と
を含む、
オブジェクトの環境を造成するための電子装置。
【請求項4】
オブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置において、
環境センシング情報を獲得するセンサと、
前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する手段と、
前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する手段と、
前記変換されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成する手段と、
前記生成された睡眠状態情報に基づいて前記オブジェクトの環境が造成されるように前記家電機器を制御する手段と
を含む、
オブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置。
【請求項5】
オブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置において、
環境センシング情報を獲得するセンサと、
前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する手段と、
前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する手段と、
前記変換されたスペクトログラムをサーバに伝送する手段と、
前記サーバが前記伝送されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成すれば、前記生成された睡眠状態情報を受信する手段と、
前記受信された睡眠状態情報に基づいて前記オブジェクトの環境が造成されるように前記家電機器を制御する手段と
を含む、
オブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置。
【請求項6】
オブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置において、
他の電子装置が、
環境センシング情報を獲得し、
前記獲得された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換し、
前記変換されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成し、
前記他の電子装置で生成された前記睡眠状態情報を受信する手段と、
前記受信された睡眠状態情報に基づいて前記オブジェクトの環境が造成されるように前記家電機器を制御する手段と
を含む、
オブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置。
【請求項7】
オブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置において、
他の電子装置が、
環境センシング情報を獲得し、
前記獲得された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換し、
前記変換されたスペクトログラムをサーバに伝送し、
前記サーバが前記転送されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成し、
前記生成された睡眠状態情報を前記サーバから受信する手段と、
前記受信された睡眠状態情報に基づいて前記オブジェクトの環境が造成されるように前記家電機器を制御する手段と
を含む、
オブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置。
【請求項8】
前記音響情報は、呼吸音響を含むことを特徴とする、
請求項1に記載のオブジェクトの環境を造成するための方法。
【請求項9】
前記スペクトログラムが30秒単位に分割されて複数個のスペクトログラムを構成することを特徴とする、
請求項1に記載のオブジェクトの環境を造成するための方法。
【請求項10】
前記睡眠状態情報は、睡眠段階情報を含むことを特徴とする、
請求項1に記載のオブジェクトの環境を造成するための方法。
【請求項11】
前記音響情報は、呼吸音響を含むことを特徴とする、
請求項2又は3に記載のオブジェクトの環境を造成するための電子装置。
【請求項12】
前記スペクトログラムが30秒単位に分割されて複数個のスペクトログラムを構成することを特徴とする、
請求項2又は3に記載のオブジェクトの環境を造成するための電子装置。
【請求項13】
前記睡眠状態情報は、睡眠段階情報を含むことを特徴とする、
請求項2又は3に記載のオブジェクトの環境を作るための電子装置。
【請求項14】
前記音響情報は、呼吸音響を含むことを特徴とする、
請求項4ないし7のいずれか1項に記載のオブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置。
【請求項15】
前記スペクトログラムが30秒単位に分割されて複数個のスペクトログラムを構成することを特徴とする、
請求項4ないし7のいずれか1項に記載のオブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置。
【請求項16】
前記睡眠状態情報は、睡眠段階情報を含むことを特徴とする、
請求項4ないし7のいずれか1項に記載のオブジェクトの環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠分析を遂行するAI基盤の非接触式睡眠分析方法と、リアルタイム睡眠環境造成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真のヘルスケアのためには、毎日24時間をモニタリングして管理しなければならない。健康のモニタリング及び管理は、単純な一対一のマッチングでなく、すべての要素が複合的に関連しているためである。
【0003】
また、健康を維持して改善させる方法には、運動、食事療法など多様な方法があるが、一日のうち約30%以上の時間を占める睡眠をよく管理することが何より重要である。
【0004】
しかし、現代人は、機械の単純な労働代替及び生活の余裕にもかかわらず、不規則な食習慣と生活習慣及びストレスにより熟睡を取ることができず、不眠症、過多睡眠、睡眠無呼吸症候群、悪夢、夜驚症、夢遊病などのような睡眠疾患で苦しんでいる。
【0005】
国民健康保険公団によれば、国内の睡眠障害患者が2014年から2018年まで年平均約8%ずつ増加することが示され、2018年に国内において睡眠障害で診療を受けた患者は約57万人に達する。
【0006】
熟睡が身体的又は精神的な健康に影響を及ぼす重要な要素と認識され熟睡に対する関心が増加しているが、睡眠疾患の改善のためには専門医療機関を直接訪問しなければならず、別途の検査費用が要求され、そして持続的な管理が難しいことにより、治療に対する使用者の努力が足りていないのが実情である。
【0007】
このように、日増しに深刻化する睡眠問題によって睡眠健康管理に対するニーズが増加し、これに伴い、睡眠問題を技術で解決しようとするスリープテック(Sleep Tech)市場も急速に成長している。
【0008】
韓国公開特許公報第2003-0032529号は、使用者の身体情報の入力を受けて、睡眠中の使用者の身体状態に応じて反復的な学習によって検出した周波数帯域の振動及び/又は超音波を出力し、最適な睡眠誘導を可能なようにする就寝誘導機及び睡眠誘導方法について開示している。
【0009】
ただし、従来の技術は、身体着用型装備によって引き起こされる不便さで睡眠の質が減少するおそれがあり、装備の周期的な管理(例えば、充電など)が必要である。
【0010】
また、従来のウェアラブルデバイスを用いた睡眠分析方法は、ウェアラブルデバイスが使用者の身体に適切に接触していない場合、使用者がウェアラブルデバイスを着用していない場合には睡眠分析が不可能であるという問題点があった。
【0011】
また、複数の使用者が同じ空間で睡眠をとる場合、ウェアラブルデバイス非着用者の動きのためにウェアラブルデバイス着用者の睡眠分析に支障が生じることになるだけでなく、ウェアラブルデバイス非着用者に対する睡眠分析は不可能であるという問題点があった。
【0012】
また、従来のウェアラブルデバイスを用いた睡眠分析方法又は非接触式睡眠管理研究は、睡眠状態の時と目覚めている状態(wake)の時、心拍変動(Heart Rate Variability、HRV)の変位値又は脳波の変化値を用いるが、その差が大きくなく、すべての睡眠治療の根幹になる目覚めている状態(wake)の時間を正確に合わせることができないという限界があった。
【0013】
特に、脳波の変化を、いびきなどの睡眠疾患治療の利用時、いびきの前兆症状を脳波の変化で全く感知することができず、いびきの予防に活用が不可能であり、患者のいびきの後に脳波が後発的に変化するのを感知するので、いびきの診断にだけ活用されるという限界があった。
【0014】
これにより、最近では非接触式で呼吸パターン、夜中の体の動きによって自律神経系の活性化の程度をモニタリングして睡眠段階を推定し、推定された睡眠状態に従って使用者の睡眠環境を造成するための研究が進んでいる。
【0015】
特に、空気の質、温度及び湿度などの睡眠環境と睡眠との間の関係を研究した多数の論文によれば、空気の質、温度及び湿度などの睡眠環境が、睡眠の質に決定的な影響を及ぼすという事実が確認されたことがある。これは、睡眠の質が向上されるためには睡眠環境が最適化される必要があることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、ウェアラブルデバイスを別途に購入したり着用したりせずに、時間と場所にこだわらないながらも、便利に多様な種類の使用者の睡眠をリアルタイムで正確に分析することができる睡眠分析システム及び方法を提供することである。
【0017】
また、本発明の目的は、マイクを内蔵したスマート家電機器及びスマートフォンを同時に用いて、使用者の息づかいだけを通じて従来の多様な生体信号に代えて、人工知能学習を介して使用者の睡眠を深層的に分析することができる睡眠分析システム及び方法を提供することである。
【0018】
また、本発明は、使用者の睡眠環境において感知される睡眠状態情報に基づいて、睡眠環境の空気の質、温度又は/及び湿度等の多様な要因と関連した最適な睡眠環境を提供するための多様な家電機器を提供することにある。
【0019】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及された課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、下の記載から通常の技術者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【0021】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムは、サーバから睡眠分析アプリをダウンロードして使用者の睡眠音響情報をリアルタイムに収集して前記サーバに伝送し、前記サーバから人工知能で学習された睡眠分析結果レポートの提供を受けたスマートフォンと、使用者の周辺に離隔されて位置しつつ前記睡眠音響情報を同時に収集して前記スマートフォンに伝送し、前記スマートフォンの制御に応答して使用者にカスタマイズ型睡眠環境を提供する少なくとも1以上のスマート家電機器と、を含むことを特徴とする。
【0022】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムの前記スマート家電機器は、内蔵されたマイクモジュールを介して使用者の睡眠音響情報を収集するセンサ部と、睡眠分析を遂行するためのプログラムを格納するメモリと、前記メモリに格納されたプログラムを読み取って睡眠分析モデルを抽出し、前記睡眠分析モデルを用いて前記睡眠音響情報に基づいて使用者の睡眠分析を遂行するプロセッサと、前記睡眠分析中に睡眠障害が発生した場合、使用者に触覚的又は聴覚的刺激を伝達するアラーム部と、を含むことを特徴とする。
【0023】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムの前記睡眠分析結果レポートは、就寝時間、寝入り遅延時間、睡眠時間、アラーム後に起きるのにかかる時間を含むことを特徴とする。
【0024】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムの前記プロセッサは、前記睡眠分析に基づいて使用者の睡眠無呼吸をリアルタイムにモニタリングすることを特徴とする。
【0025】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムは、無線通信網を介して前記スマートフォン及び前記サーバとデータ送受信を遂行する通信部、をさらに含むことを特徴とする。
【0026】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムの前記プロセッサは、使用者の睡眠音響情報のローデータ(raw data)をスペクトログラムに変換した後、深層学習を介してモデリングされた睡眠分析モデルに前記スペクトログラムを入力して2次睡眠分析を遂行することを特徴とする。
【0027】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法は、スマートフォンがサーバから睡眠分析アプリをダウンロードする段階と、少なくとも1以上のスマート家電機器が使用者の睡眠音響情報をリアルタイムに収集して前記サーバに伝送する段階と、前記スマートフォンが使用者の睡眠音響情報を同時にリアルタイムに収集して前記サーバに伝送する段階と、前記サーバがAIで学習された睡眠分析結果レポートを前記スマートフォンに伝送する段階と、前記スマートフォンが前記少なくとも1以上のスマート家電機器の動作を制御する制御信号を出力する段階と、前記少なくとも1以上のスマート家電機器が使用者にカスタマイズ型睡眠環境を提供する段階と、を含むことを特徴とする。
【0028】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の前記サーバは、人工知能サーバであることを特徴とする。
【0029】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法は、(a)少なくとも1以上のスマート家電機器にマイクが内蔵されてあるか否かが判断される段階(S7000)と、(b)前記(a)段階の判断結果、肯定である場合にスマートフォンがサーバから睡眠分析アプリをダウンロードする段階(S7100)と、(c)前記睡眠分析アプリがダウンロードされた場合、当該スマート家電機器が睡眠環境を造成できるか否かが判断される段階(S8000)と、(d)前記(c)段階の判断結果、否定である場合に当該スマート家電機器が睡眠分析に基づいたデータを提供することができる機器であるか否かが判断される段階(S9000)と、(e)前記(d)段階の判断結果、肯定である場合に前記睡眠分析アプリが作動する段階(S9100)と、を含むことを特徴とする。
【0030】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の前記(b)段階は、前記(a)段階の判断結果、否定である場合に前記スマートフォンに既に設置されていたアプリに前記睡眠分析アプリが連動される段階(S7200)、をさらに含むことを特徴とする。
【0031】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の前記(d)段階は、前記(c)段階の判断結果、肯定である場合にスリープトラックアプリが作動すると共に、研究相互作用が生成される段階(S8100)、をさらに含むことを特徴とする。
【0032】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の前記(d)段階は、前記(c)段階の判断結果、否定である場合に当該スマート家電機器がユーザインターフェースを介して睡眠分析に基づいたデータを提供することができる機器であるか否かが判断される段階(S9000)、をさらに含むことを特徴とする。
【0033】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の前記(c)段階において、前記睡眠環境は、温度、湿度、光、サウンド、頭及び体の位置及び香りのいずれか一つ以上を含むことを特徴とする。
【0034】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の前記段階(S8100)まで到達するスマート家電機器は、エアコン、空気清浄機、加湿器、除湿器、ブラインド、カーテン、電灯、スマートスピーカー、スマートベッド、スマートディフューザー及びヘルスケアアプリを設置したスマート機器のうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする。
【0035】
前記目的を達成するための本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の前記段階(S9100)まで到達するスマート家電機器は、TV、衣類管理機、ロボット掃除機、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、及びヘルスケアアプリを設置したスマート機器のうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする。
【0036】
前記目的を達成するための本発明による空気清浄機は、使用者端末から環境センシング情報を受信するネットワーク部、前記環境センシング情報に基づいて睡眠状態情報を獲得し、前記睡眠状態情報を用いて環境造成情報を生成するプロセッサ、及び前記環境造成情報に基づいて睡眠空間内の空気の質の調節を遂行する駆動部を含む。
【0037】
そして、前記睡眠空間内の空気成分を測定する測定部をさらに含み、前記プロセッサは、前記測定された空気成分及び前記環境センシング情報に基づいて前記環境造成情報を生成することができる。
【0038】
前記目的を達成するための本発明による空気調和機は、使用者端末から環境センシング情報を受信するネットワーク部、前記環境センシング情報に基づいて睡眠状態情報を獲得し、前記睡眠状態情報を用いて環境造成情報を生成するプロセッサ、及び前記環境造成情報に基づいて睡眠空間内の温度又は/及び湿度の調節を遂行する駆動部を含む。
【0039】
そして、前記睡眠空間内の温度又は/及び湿度を測定する測定部をさらに含み、前記プロセッサは、前記測定された温度又は/及び湿度、及び前記環境センシング情報に基づいて、前記環境造成情報を生成することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明による一実施形態によれば、使用者の目覚めている状態(wake)の時間及び/又は睡眠状態情報を予測することができ、時間と場所にこだわらず家庭でも多様な使用者の睡眠を便利かつ正確に分析することができる。
【0041】
また、使用者の睡眠分析時、ウェアラブルデバイスなどを着用する必要がなく、睡眠時間の間に使用者の身体の自由度を増加させることができる。
【0042】
また、全世界的に睡眠多元検査の結果などを収集して、睡眠サウンドデータを構築し、音響AIを多様な人種、年齢、性別、測定環境まで検証する家庭環境睡眠トラッキングの新しい標準で作ることができる。
【0043】
また、使用者の睡眠環境の周辺空間でルーティンに発生するノイズ、非正常的あるいは間欠的に発生するノイズなどを含む多様な周辺雑音まで学習して、AI睡眠段階分析モデルを構築することができる。
【0044】
また、長期間にわたって収集した多数の臨床者の睡眠多元検査と共に収集したスマートフォンサウンドデータ及びスマートスピーカーサウンドデータを活用して、サウンドAIと無線通信センシング臨床データセットを構築することができる。
【0045】
また、スマート家電機器及びスマートフォンを用いて、使用者の睡眠を深層的に分析することができ、1人の睡眠分析だけでなく、多くの人の睡眠分析まで遂行することができる。
【0046】
また、使用者の睡眠障害が発生した場合、睡眠障害を適切に緩和させることができ、多数の人が同一の空間で就寝する場合、睡眠障害が発生した使用者に対してのみ睡眠障害緩和のためのアラームを伝達することにより、他人の睡眠妨害を防止できるようになる。
【0047】
また、スマート家電機器及び/又はスマートフォンを用いて、24時間ずっと使用者の身体活動の状態をリアルタイムにモニタリングすることができる。
【0048】
また、本発明の一実施形態によれば、使用者の睡眠環境と関連して感知される睡眠状態情報を介して、使用者の睡眠の質を向上させるための最適化された睡眠環境を提供することができる。
【0049】
特に、空気の質、睡眠環境の温度又は/及び湿度など、多様な要因と関連した最適な睡眠環境にすることで、睡眠の質を格段に向上させることができる。
【0050】
本発明の効果は、以上で言及された効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は、下の記載から通常の技術者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1(a)】図1の(a)は、本発明の一実施形態と関連した睡眠状態情報に基づいて睡眠環境を造成するためのコンピューティング装置の多様な様態が具現され得るシステムを示した概念図を示す。
図1(b)】図1の(b)は、本発明のさらに他の実施形態と関連した睡眠環境調節装置の多様な様態が具現され得るシステムを示した概念図を示す。
図1(c)】図1の(c)は、本発明のさらに他の実施形態と関連した多様な電子装置の多様な様態が具現され得るシステムを示した概念図を示す。
図2図2は、本発明の一実施形態と関連した睡眠状態情報に基づいて睡眠環境を造成するためのコンピューティング装置のブロック構成図を示す。
図3図3の睡眠多元検査(polysomnography、PSG)の結果(PSG result)と本発明によるAIアルゴリズムを用いた分析結果(AI result)を比較した図面である。
図4図4は、睡眠無呼吸症(apnea)、呼吸低下(hypopnea)と関連して睡眠多元検査(polysomnography、PSG)の結果(PSG result)と本発明によるAIアルゴリズムを用いた分析結果(AI result)を比較した図面である。
図5図5は、本発明の一実施形態と関連した環境センシング情報から睡眠音響情報を獲得する過程を説明するための例示図である。
図6(a)】図6の(a)は、本発明の一実施形態と関連した睡眠音響情報に対応するスペクトログラムを獲得する方法を説明するための例示図である。
図6(b)】図6の(b)は、本発明による睡眠分析方法において、使用者から抽出された睡眠音響情報に対するメルスペクトログラム変換を用いたプライバシー保護方法を説明するための概念図である。
図7図7は、本発明の一実施形態と関連した使用者の睡眠状態による時点別の環境造成情報を例示的に示した例示図である。
図8図8は、本発明の一実施形態と関連した睡眠状態情報による睡眠環境造成方法を提供するための例示的な順序図を示す。
図9図9は、本発明の一実施形態と関連した1以上のネットワーク関数を示した概略図である。
図10図10は、本発明の一実施形態と関連した睡眠環境調節装置の例示的なブロック構成図を示す。
図11(a)】図11の(a)は、本発明の一実施形態と関連した受信モジュール及び送信モジュールの例示的なブロック構成図を示す。
図11(b)】図11の(b)は、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システム内のスマート家電機器の構成を示すブロック図である。
図12図12は、本発明の一実施形態と関連した使用者が既に設定された領域に位置したのか否かを感知する第2センサ部を説明するための例示図である。
図13図13は、本発明の一実施形態と関連した自動睡眠測定モードを介して睡眠状態情報を生成する過程を例示的に示した順序図である。
図14図14は、本発明の一実施形態と関連した使用者の寝入りを誘導する環境を造成する過程を例示的に示した順序図である。
図15図15は、本発明の一実施形態と関連した睡眠中及び起床直前に使用者の睡眠環境を変化させる過程を例示的に示した順序図である。
図16(a)】図16の(a)は、本発明の一実施形態による空気調和機の動作を説明するための概念図である。
図16(b)】図16の(b)は、本発明の一実施形態による空気調和機の動作を説明するための概念図である。
図16(c)】図16の(c)は、本発明の一実施形態による空気清浄機の動作を説明するための概念図である。
図16(d)】図16の(d)は、本発明の一実施形態による空気清浄機の動作を説明するための概念図である。
図17(a)】図17の(a)は、本発明の一実施形態による空気調和機の構成を示すブロック図である。
図17(b)】図17の(b)は、本発明の一実施形態による空気清浄機の構成を示すブロック図である。
図18図18は、図16及び図17に示された空気調和機の一例を説明するための図面である。
図19図19は、図16及び図17に示された空気調和機の他の一例を説明するための図面である。
図20図20は、図16及び図17に示された空気調和機のさらに他の一例を説明するための図面である。
図21図21は、図16及び図17に示された空気調和機のさらに他の一例を説明するための図面である。
図22図22は、図16及び図17に示された空気調和機のさらに他の一例を説明するための図面である。
図23(a)】図23の(a)は、図20ないし図21に示された室内機500''のディスプレイ部570''を介して室内機500''をスリープモードで駆動させる方法を説明するための図面である。
図23(b)】図23の(b)は、図20ないし図21に示された室内機500''のディスプレイ部570''を介して室内機500''をスリープモードで駆動させる方法を説明するための図面である。
図23(c)】図23の(c)は、本発明の実施形態による空気清浄機700'のスリープモードを説明するためのディスプレイ部4000の図面である。
図23(d)】図23の(d)は、本発明の実施形態による空気清浄機700'のスリープモードを説明するためのディスプレイ部4000の図面である。
図24(a)】図24の(a)は、本発明の一実施形態によるリモコン600を介して図18ないし図22に示された室内機500',500'',500''',500''''をスリープモードで駆動させる方法を説明するための図面である。
図24(b)】図24の(b)は、本発明の一実施形態による空気清浄機700'のディスプレイ部4000の一例を示す図面である。
図25(a)】図25の(a)は、本発明の一実施形態による使用者端末10を介して図18ないし図22に示された室内機500',500'',500''',500''''をスリープモードで駆動させる方法を説明するための図面である。
図25(b)】図25の(b)は、本発明の一実施形態による使用者端末10を介して図18ないし図22に示された室内機500',500'',500''',500''''をスリープモードで駆動させる方法を説明するための図面である。
図25(c)】図25の(c)は、本発明の一実施形態による使用者端末10において、空気清浄機700''を遠隔で制御する第1アプリケーションの画面を示す図面である。
図25(d)】図25の(d)は、本発明の一実施形態による空気清浄機700''のスリープモードを制御するアプリケーションの画面を示す図面である。
図26図26は、室内機又は空気清浄機が自動でスリープモードで駆動する方法を説明するための図面である。
図27図27は、図26に示されたスリープモード動作の時点を説明するための図面である。
図28図28は、図26に示されたスリープモード動作の時点を説明するための図面である。
図29図29の(a)及び(b)は、図16及び図17に示された空気清浄機の一例を説明するための図面である。
図30図30は、図29に示された空気清浄機700'のカバー1100,2100の一部のパートを除去した状態を示す図面である。
図31(a)】図31の(a)は、図16及び図17に示された空気清浄機の他の例を説明するための図面である。
図31(b)】図31の(b)は、図26に示された空気清浄機700'''のスリープモード動作の時点を説明するための図面である。
図32(a)】図32の(a)は、本発明による睡眠分析方法において、スペクトログラムを用いた睡眠段階分析を説明するための図面である。
図32(b)】図32の(b)は、本発明による睡眠分析方法において、スペクトログラムを用いた睡眠障害の判断を説明するための図面である。
図33(a)】図33の(a)は、本発明による睡眠分析方法の性能を検証するための実験過程を示す図面である。
図33(b)】図33の(b)は、本発明による睡眠分析方法の性能を検証したグラフであって、睡眠多元検査結果(PSG result)と本発明によるAIアルゴリズムを用いた分析結果(AI result)を比較した図面である。
図34図34は、本発明による睡眠分析方法の正確度を検証した表であって、年齢、性別、BMI、疾患の有無に従って分析した実験結果データである。
図35図35は、本発明による睡眠分析方法に対する一実施形態であって、スマートスピーカーとスマートフォンを用いた場合を理解しやすいように示した概念図である。
図36(a)】図36の(a)は、本発明の一実施形態によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムを用いた睡眠障害防止及び緩和方法を説明するフローチャートである。
図36(b)】図36の(b)は、本発明の他の実施形態によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムを用いた睡眠障害防止及び緩和方法を説明するフローチャートである。
図37図37は、本発明による睡眠分析方法がクラウドで遂行される場合のトラフィック対応方法を説明する図面である。
図38図38は、本発明による睡眠分析方法において、1人の睡眠分析と多くの人の睡眠分析を説明するための概念図である。
図39図39は、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の動作を説明するための順序図である。
図40図40は、本発明による睡眠分析方法に使用される多様なスマート家電機器の実施形態を示す順序図である。
図41図41は、本発明による睡眠分析方法を用いて使用者の睡眠段階別に時系列的に作動する複数個のスマート家電機器の具体的なシナリオのうち、就寝準備段階の動作の例示を示す表である。
図42図42は、前記シナリオのうち、図41に時系列的に後順位に連結された、寝入り後から熟睡前まで段階の動作の例示を示す表である。
図43図43は、前記シナリオのうち、図42に時系列的に後順位に連結された、熟睡後から起床感知前まで段階の動作の例示を示す表である。
図44図44は、前記シナリオのうち図43に時系列的に後順位に連結された、起床段階の動作の例示を示す表である。
図45図45は、本発明の睡眠分析方法を従来技術と比較するために、従来の睡眠分析方法に従って病院環境で睡眠多元検査マイクデータSのみを用いた場合の訓練方法を示した概念図である。
図46図46は、図45に示された訓練方法に、本発明の睡眠分析方法に従って家庭環境における各種音響を反映してAI睡眠分析モデルを生成する方法の概念図である。
図47図47は、本発明による睡眠分析方法の性能を住居ノイズの種類に応じて9つのグループに分けて訓練した性能を検証した表である。
図48図48は、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システム及び睡眠分析方法による使用者の24時間モニタリングプロセスを説明するための概略図である。
図49図49は、本発明によるスマート家電機器及び睡眠分析方法と既存の世界先導的なスリープテック企業等の製品及びデバイスと比較したクラス当たりの平均(mean per class)結果値の表である。
図50図50は、本発明の一実施形態によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムの動作を説明するための構成図である。
図51図51は、本発明の一実施形態によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムの構成要素間の動作を説明するための構成図である。
図52図52は、環境造成装置が置かれる位置と、詳細製品別に、睡眠状態情報による活性化の有無、就寝モード、起床モードにおける例示的な動作を記載した表である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に制限されるのではなく、互いに異なる多様な形態で具現されてよく、単に本実施形態は本発明の開示が完全であるようにして、本発明が属する技術分野における通常の技術者に本発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0053】
本明細書に開示された実施形態を説明するにあたって関連した公示技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を曇らせ得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付された図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。
【0054】
本明細書で使用された用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0055】
他の定義がないならば、本明細書で使用される全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の技術者に共通して理解され得る意味で使用され得るだろう。また、一般的に使用される事前に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0056】
本明細書において、単数形は文言で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」は、言及された構成要素以外に1以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。明細書の全体にわたって同一の図面符号は同一の構成要素を指称し、「及び/又は」は、言及された構成要素のそれぞれ及び1以上の全ての組み合わせを含む。たとえ「第1」、「第2」などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これら構成要素はこれら用語によって制限されないのはもちろんである。これら用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよいのはもちろんである。
【0057】
明細書で使用される「部」又は「モジュール」という用語は、ソフトウェア、FPGA又はASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「部」又は「モジュール」はある役割を遂行する。しかし、「部」又は「モジュール」は、ソフトウェア又はハードウェアに限定される意味ではない。「部」又は「モジュール」は、アドレッシングすることができる記憶媒体にあるように構成することもでき、又は、それ以上のプロセッサを再生させるように構成することもできる。したがって、一例として「部」又は「モジュール」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、及びタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、及び変数を含む。構成要素と「部」又は「モジュール」内で提供される機能は、さらに小さい数の構成要素及び「部」又は「モジュール」に結合したり追加的な構成要素と「部」又は「モジュール」にさらに分離することができる。
【0058】
本明細書において、コンピュータは、少なくとも一つのプロセッサを含む全ての種類のハードウェア装置を意味するものであり、実施形態により該ハードウェア装置で動作するソフトウェア的構成も包括する意味として理解することができる。例えば、コンピュータは、スマートフォン、タブレットPC、デスクトップ、ノートパソコン、及び各装置で駆動される使用者クライアント及びアプリケーションを全て含む意味として理解されてよく、また、これに制限されるわけではない。
【0059】
また、以下で説明される「スマート家電機器」は、使用者の呼吸音を感知し、音響データを収集することができるマイクを内蔵した機器であって、スマートスピーカー、スマートTV、スマート照明、スマートマットレスなどを含んでよい。
【0060】
また、「スリープトラックアプリ」は、PUI、VUI、GUIを用いて使用者の睡眠レポートをスマートフォンに伝達し、レポートの結果に従ってスマート家電機器を動作させるアプリケーションを意味してよい。
【0061】
また、「研究相互作用」は、香り、化粧品、食べ物、健康機能食、ホルモンなどの当該カテゴリーにおいて使用者の睡眠の質改善のための新製品が研究開発されることを意味してよい。
【0062】
また、「スリープトラックアプリの研究相互作用」は、スリープトラックアプリで分析された睡眠分析をもとに睡眠の質改善のための睡眠環境造成サービス及び新製品が開発されることを意味してよい。
【0063】
また、「スリープ管理アプリ相互作用」は、睡眠ストーリーテリングが可能な伝統的な睡眠産業、スポーツ、ホテル、予備校、軍隊などの関連産業と、ハードウェアソリューションなしに睡眠分析が可能なスリープ管理アプリとの相互作用を意味してよい。
【0064】
また、「研究相互作用からスリープ管理アプリへの相互作用」は、デジタル製品がない新製品とハードウェアソリューションなしに睡眠分析が可能なスリープ管理アプリとの相互作用を意味してよい。
【0065】
当業者は、追加的にここで開示された実施形態と関連して説明された多様な例示的論理的ブロック、構成、モジュール、回路、手段、ロジック、及びアルゴリズム段階が、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は双方全ての組み合わせで具現され得ることを認識しなければならない。ハードウェア及びソフトウェアの相互交換性を明白に例示するために、多様な例示的コンポーネント、ブロック、構成、手段、ロジック、モジュール、回路、及び段階は、それらの機能性の側面で一般的に上で説明された。そのような機能性がハードウェア又はソフトウェアとして具現されるか否かは、全般的なシステムに課せられた特定のアプリケーション(application)及び設計制限にかかっている。熟練した技術者は、それぞれの特定のアプリケーションのために多様な方法で説明された機能性を具現することができる。ただし、そのような具現の決定が本発明内容の領域を逸脱させるものと解釈されてはならない。
【0066】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0067】
本明細書で説明される各段階は、コンピュータによって遂行されるものと説明されるが、各段階の主体はこれに制限されるものではなく、実施形態により各段階の少なくとも一部が互いに異なる装置で遂行されてもよい。
【0068】
全体的な構成
【0069】
図1の(a)は、本発明の一実施形態と関連した睡眠状態情報に基づいて睡眠環境を造成するためのコンピューティング装置の多様な様態が具現され得るシステムを示した概念図を示す。本発明の実施形態によるシステムは、コンピューティング装置100、使用者端末10、外部サーバ20、環境造成装置30及びネットワークを含んでよい。ここで、図1の(a)に示された睡眠状態情報に基づいて睡眠環境を造成するための方法を具現するためのシステムは一実施形態によるものであり、その構成要素が図1に示された実施形態に限定されるわけではなく、必要に応じて付加、変更又は削除されてよい。
【0070】
一方、図1の(b)は、本発明のさらに他の実施形態と関連した睡眠環境調節装置の多様な様態が具現され得るシステムを示した概念図を示す。
【0071】
本発明の実施形態によるシステムは、睡眠環境調節装置400、使用者端末10、外部サーバ20、及びネットワークを含んでよい。ここで、図1の(b)に示された睡眠状態情報に基づいて睡眠環境を作るための方法を具現するためのシステムは一実施形態によるものであり、その構成要素が図1の(b)に示された実施形態に限定されるわけではなく、必要に応じて付加、変更又は削除されてよい。
【0072】
まず、図1の(a)に示された実施形態によるシステムについて説明することにする。
【0073】
図1の(a)に示されたように、本発明は、コンピューティング装置100、使用者端末10、外部サーバ20、及び環境造成装置30はネットワークを介して、本発明の一実施形態によるシステムのためのデータを相互送受信することができる。
【0074】
本発明の実施形態によるネットワークは、公衆電話交換網(PSTN:Public Switched Telephone Network)、xDSL(x Digital Subscriber Line)、RADSL(Rate Adaptive DSL)、MDSL(Multi Rate DSL)、VDSL(Very High Speed DSL)、UADSL(Universal Asymmetric DSL)、HDSL(High Bit Rate DSL)、及び近距離通信網(LAN)などのような多様な有線通信システムを使用することができる。また、ここで提示されるネットワークは、CDMA(Code Division Multi Access)、TDMA(Time Division Multi Access)、FDMA(Frequency Division Multi Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multi Access)、SC-FDMA(Single Carrier-FDMA)、及び他のシステムと同じ多様な無線通信システムを使用することができる。
【0075】
本発明の実施形態によるネットワークは、有線及び無線などのようなその通信様態を分けずに構成されてよく、短距離通信網(PAN:Personal Area Network)、近距離通信網(WAN:Wide Area Network)など多様な通信網で構成されてよい。また、前記ネットワークは、公知のワールドワイドウェブ(WWW:World Wide Web)であってよく、赤外線(IrDA:Infrared Data Association)又はブルートゥース(Bluetooth,登録商標)のように短距離通信に利用される無線伝送技術を用いることもできる。本明細書で説明された技術は、上で言及されたネットワークだけでなく、他のネットワークでも使用することができる。
【0076】
本発明の一実施形態によれば、使用者端末10は、コンピューティング装置100との情報交換を介して使用者の睡眠と関連した情報の提供を受けることができる端末で、使用者が所持した端末を意味してよい。例えば、使用者端末10は、自身の睡眠習慣に関連した情報を介して健康を増進させようとする使用者と関連した端末であってよい。使用者は、使用者端末10を介して自身の睡眠と関連した情報を獲得することができる。睡眠に関連したモニタリング情報は、例えば、使用者が眠りに入った時点、寝た時間、眠りから覚めた時点などに関連した睡眠状態情報、又は睡眠中に睡眠段階の変化に関連した睡眠段階情報を含んでよい。具体的な例を挙げると、睡眠段階情報は、使用者の昨夜の8時間睡眠の間の各時点別に、使用者の睡眠が浅い睡眠、普通の睡眠、深い睡眠又はREM睡眠などに変化した情報を意味してよい。前述した睡眠段階情報に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0077】
一方、図1の(c)は、本発明のさらに他の実施形態と関連した多様な電子装置の多様な様態が具現され得るシステムを示した概念図を示す。
【0078】
図1の(c)に示された電子装置は、本発明の実施形態による多様な装置が遂行する動作のうち少なくとも1以上を遂行することができる。
【0079】
例えば、本発明の実施形態による多様な装置が遂行する動作は、環境センシング情報を獲得する動作、睡眠分析モデルを学習する動作、睡眠分析モデルを推論する動作、睡眠状態情報を獲得する動作、電子装置を制御する動作、睡眠状態情報をディスプレイする動作、環境造成情報をディスプレイする動作を含んでよい。
【0080】
又は、例えば、使用者の睡眠と関連した情報の提供を受けたり、環境センシング情報を送信又は受信したり、環境センシング情報を判別したり、データを処理又は加工したり、サービスを処理したり、サービスを提供したり、睡眠状態を分析したり、使用者の睡眠と関連した情報に基づいて学習データセットを構築したり、獲得したデータ又は神経網の学習のための複数の学習データに対する情報を格納したり、環境造成情報を生成したり、環境造成情報を決定したり、環境造成情報に基づいて環境造成モジュールを動作させたり、多様な情報を送信又は受信したり、ネットワークを介して本発明の実施形態によるシステムのためのデータを相互送受信する動作などを含んでもよい。
【0081】
図1の(c)に示された電子装置は、前記本発明の実施形態による多様な装置が遂行する動作を個別的に遂行することもできるが、1以上の動作を同時に又は時系列的に遂行することもできる。
【0082】
図1の(c)を参照すると、電子装置1a~1dは、使用者の動きや又は呼吸に関する情報等のオブジェクト状態情報を獲得することができる領域である既に設定された領域11aの範囲内にある電子装置であってよい。
【0083】
一方、図1の(c)を参照すると、電子装置1a及び1dは、2個以上の複数個の電子装置の組み合わせからなる装置であってよい。
【0084】
一方、図1の(c)を参照すると、電子装置1a及び1bは、既に設定された領域11a内でネットワークと連結された電子装置であってよい。
【0085】
一方、図1の(c)を参照すると、電子装置1c及び1dは、既に設定された領域11a内でネットワークと連結されていない電子装置であってよい。
【0086】
一方、図1の(c)を参照すると、電子装置2a~2bは、既に設定された領域11aの範囲外にある電子装置であってよい。
【0087】
一方、図1の(c)を参照すると、既に設定された領域11aの範囲内で電子装置と相互作用するネットワークがあってよく、既に設定された領域11aの範囲外で電子装置と相互作用するネットワークがあってよい。
【0088】
ここで、既に設定された領域11aの範囲内で電子装置と相互作用するネットワークは、スマート家電機器を制御するための情報を送受信するための役割を遂行することができる。
【0089】
また、既に設定された領域11aの範囲内で電子装置と相互作用するネットワークは、例えば、近距離ネットワーク又はローカルネットワークであってよい。ここで、既に設定された領域11aの範囲内で電子装置と相互作用するネットワークは、例えば、遠距離ネットワーク又はグローバルネットワークであってよい。
【0090】
図1の(c)に示されたネットワークの動作に対する具体的な説明は、前記図1の(a)又は図1の(b)の図面を介して説明したものと同一であるため、重複する記載は省略するようにする。
【0091】
一方、図1の(c)を参照すると、既に設定された領域11aの範囲外でネットワークを介して連結された電子装置は1以上であってよく、この場合の電子装置は互いにデータを分散処理したり又は1以上の動作を分けて遂行することもできる。
【0092】
又は、既に設定された領域11aの範囲外でネットワークを介して連結された電子装置が1以上の場合、電子装置は互いに独立して動作を遂行することもできる。
【0093】
以下、図1の(c)を参考にして、本発明の実施形態による多様な様態を説明するが、本発明はこれに制限されるわけではない。
【0094】
例えば、本発明の一実施形態によれば、環境センシングと制御機能が実装された電子装置内において、環境センシング情報を獲得する段階、前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する段階、前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する段階、前記変換されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成する段階、及び前記生成された睡眠状態情報に基づいて環境が造成されるように前記電子装置が制御される段階が遂行されてもよい。
【0095】
又は、本発明の一実施形態によれば、環境センシングと制御機能が実装された電子装置内において、環境センシング情報を獲得する段階、前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する段階、前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する段階、前記変換されたスペクトログラムがAIサーバ310に転送される段階が遂行され、前記AIサーバ310が前記転送されたスペクトログラムに基づいた学習又は推論等を介して睡眠状態情報を生成すれば、前記電子装置が前記AIサーバ310において生成した睡眠状態情報を受信する段階、前記受信された睡眠状態情報に基づいて環境が造成されるように前記電子装置が制御される段階が遂行されてもよい。
【0096】
又は、本発明の一実施形態によれば、環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置があって、前記電子装置において環境センシング情報を獲得する段階、前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する段階、前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する段階、前記変換されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報が生成される段階が遂行され、前記電子装置が前記生成された睡眠状態情報に基づいて前記家電機器をして環境を造成できるように前記家電機器を制御する段階が遂行されてもよい。
【0097】
又は、本発明の一実施形態によれば、環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置があって、前記電子装置において環境センシング情報を獲得する段階、前記獲得された環境センシング情報に対して前処理を遂行する段階、前記前処理された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換する段階、前記変換されたスペクトログラムをAIサーバ310に伝送する段階が遂行され、前記AIサーバ310が前記転送されたスペクトログラムに基づいた学習又は推論等を介して睡眠状態情報を生成すれば、前記電子装置が前記AIサーバ310において生成した睡眠状態情報を受信する段階、前記電子装置が前記受信された睡眠状態情報に基づいて前記家電機器をして環境を造成するように前記家電機器を制御する段階が遂行されてもよい。
【0098】
又は、本発明の一実施形態によれば、環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置があるが、他の電子装置が環境センシング情報を獲得し、獲得された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換し、前記変換されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成すれば、前記電子装置が前記他の電子装置から睡眠状態情報を受信する段階、前記受信された睡眠状態情報に基づいて前記家電機器をして環境を造成するように前記家電機器を制御する段階が遂行されてもよい。ここで、他の電子装置とは、家電機器を制御する電子装置と異なる装置として、1以上の他の電子装置に該当することができる。他の電子装置が複数個である場合には、環境センシング情報の獲得、環境センシング情報に含まれた音響情報のスペクトログラムに変換、睡眠状態情報を生成する段階を独立して遂行することもできる。
【0099】
例えば、本発明の一実施形態によれば、環境を造成するための家電機器を制御するための電子装置があるが、他の電子装置が環境センシング情報を獲得し、前記獲得された環境センシング情報に含まれた音響情報をスペクトログラムに変換し、前記変換されたスペクトログラムをAIサーバ310に伝送すれば、前記AIサーバ310が前記転送されたスペクトログラムに基づいて睡眠状態情報を生成すれば、前記電子装置が前記AIサーバ310において生成した睡眠状態情報の受信を受けて、前記受信された睡眠状態情報に基づいて前記家電機器をして環境を造成するように前記家電機器を制御する段階が遂行されてもよい。ここで、他の電子装置に関する説明は、先に説明したところと同一なので、重複記載は省略することにする。
【0100】
上で説明した本発明による多様な実施形態は、環境センシング情報の獲得と、環境センシング情報の前処理と、スペクトログラムの変換、睡眠状態情報の生成、電子装置又は家電機器(例えば、スマート家電機器など)の制御などの多様な動作が必ず同じ電子装置内で起きるのではなく、様々な装置で起き得るのであり、これは、時系列的に起こることもあるが、同時に起こることもあり、独立して個別的に起きることもあるということを説明するための例示なので、本発明は、上に説明した多様な実施形態に限定されるわけではない。
【0101】
以下、本発明による多様な動作を具体的な例を挙げて説明することにする。ただし、先に説明したように、以下に説明するための電子装置の例示は、明確に理解できるように例示で挙げたに過ぎないので、特定動作を遂行する電子装置を限定したわけではない。
【0102】
環境センシング情報の獲得
【0103】
実施形態において、電子装置(例えば、使用者端末10など)を介して本発明の環境センシング情報を獲得することができる。環境センシング情報は、使用者が位置した空間において獲得されるセンシング情報を意味してよい。環境センシング情報は、非接触式方法で使用者の活動又は睡眠と関連して獲得されるセンシング情報であってよい。
【0104】
例えば、環境センシング情報は、使用者が睡眠をとる寝室において獲得される睡眠音響情報であってよい。実施形態によれば、使用者端末10を介して獲得された環境センシング情報は、本発明において使用者の睡眠状態情報を獲得するために基盤となる情報であってよい。具体的な例を挙げると、使用者の活動に関連して獲得される環境センシング情報を介して使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報が獲得されてよい。
【0105】
例えば、環境センシング情報は、使用者の呼吸及び動き情報を含んでよい。このために、使用者端末10は、モーションセンサ(motion sensor)としてレーダセンサ(radar sensor)を備えることができる。使用者端末10は、前記レーダセンサを介して測定された使用者の動きと距離を信号処理して、使用者の呼吸に該当する離散波形(呼吸情報)を生成することができる。
【0106】
例えば、環境センシング情報は、寝室の温度、湿度、及び照明の水準を測定するセンサを介して得た測定値を含んでよい。このため、使用者端末10は、寝室の温度、湿度、及び照明の水準を測定するセンサを備えてよい。
【0107】
このような使用者端末10は、コンピューティング装置100と通信のためのメカニズムを有するシステムにおける任意の形態のエンティティーを意味してよい。例えば、このような使用者端末10は、PC(personal computer)、ノートパソコン(note book)、モバイル端末(mobile terminal)、スマートフォン(smart phone)、タブレットPC(tablet pc)、人工知能(AI)スピーカー及び人工知能TV及びウェアラブルデバイス(wearable device)等を含んでよく、有線/無線ネットワークに接続できる全ての種類の端末を含んでよい。また、使用者端末10は、エージェント、API(Application Programming Interface)、及びプラグイン(Plug-in)のうち少なくとも一つによって具現される任意のサーバを含んでよい。また、使用者端末10は、アプリケーションソース及び/又はクライアントアプリケーションを含んでよい。
【0108】
本発明の一実施形態によれば、外部サーバ20は、神経網の学習のための複数の学習データに対する情報を格納するサーバであってよい。複数の学習データは、例えば、健康診断情報又は睡眠検診情報などを含んでよい。例えば、外部サーバ20は、病院サーバ及び情報サーバのうち少なくとも一つであってよく、複数の睡眠多元検査記録、電子健康記録、及び電子医療機録などに関する情報を格納するサーバであってよい。例えば、睡眠多元検査記録は、睡眠検診対象者の睡眠中の呼吸及び動きなどに対する情報、及び当該情報に対応する睡眠診断結果(例えば、睡眠段階など)に対する情報を含んでよい。外部サーバ20に格納された情報は、本発明における神経網を学習させるための学習データ、検証データ、及びテストデータとして活用することができる。
【0109】
本発明のコンピューティング装置100は、外部サーバ20から健康診断情報又は睡眠検診情報などを受信し、当該情報に基づいて学習データセットを構築することができる。コンピューティング装置100は、学習データセットを介して1以上のネットワーク関数に対する学習を遂行することにより、環境センシング情報に対応する睡眠状態情報を獲得するための睡眠分析モデルを生成することができる。本発明の神経網学習のための学習データセットを構築する構成、及び学習データセットを活用した学習方法に対する具体的な説明は、後述するようにする。
【0110】
外部サーバ20は、デジタル機器として、ラップトップコンピュータ、ノートパソコン、デスクトップコンピュータ、ウェブパッド、移動電話機のようにプロセッサを搭載してメモリを備えた演算能力を備えたデジタル機器であってよい。外部サーバ20は、サービスを処理するウェブサーバであってよい。前述したサーバの種類は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0111】
本発明の一実施形態によれば、環境造成装置30は、使用者の睡眠環境を調整することができる。具体的に、環境造成装置30は、1以上の環境造成モジュールを含んでよく、コンピューティング装置100から受信した環境造成情報に基づいて使用者が位置した空間の空気の質、照度、温度、風向き、湿度、及び音響のうち少なくとも一つに関連した環境造成モジュールを動作させることにより、使用者の睡眠環境を調整することができる。
【0112】
また、例えば、図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が上述した動作を遂行することもできる。
【0113】
環境造成装置30は、イメージと動画を提供し、音響を発生するTV、空気の質を制御することができる空気清浄機、光量(照度)を制御することができる照明装置、温度を制御することができる冷房機/暖房機、温度と湿度を調節することができる空気調和機、湿度を制御できる加湿器/除湿器、音響を制御することができるオーディオ/スピーカー、衣類を管理することができるスタイラー、ブラインド又はカーテン、ロボット又は掃除機、洗濯機又は乾燥機、浄水器、オーブン又はレンジなどで具現されてよい。
【0114】
環境造成情報は、使用者の睡眠状態情報の判定に基づいてコンピューティング装置100から生成された信号であってよい。例えば、環境造成情報は、照度を低くしたり又は高めるなどに関する情報を含んでよい。環境造成装置30が照明装置の場合、環境造成情報は、起床が予測される時点の30分前から3000Kの白色光を0luxから250luxの照度に徐々に増加させるようにする制御情報を含んでよい。
【0115】
具体的な例を挙げると、環境造成装置30が空気清浄機又は空気調和機である場合、環境造成情報は、使用者のリアルタイムの睡眠状態に基づいて温度又は/及び湿度調節、微細粉塵(微細粉塵、超微細粉塵、極超微細粉塵)除去、有害ガス除去、アレルギーケア駆動、脱臭/除菌駆動、除湿/加湿調節、送風強度調節、空気清浄機又は空気調和機の駆動騒音調節、LED点灯、スモッグ原因物質(SO2、NO2)管理、生活の臭い除去などと関連した多様な情報などを含んでよい。また、環境造成装置30が空気調和機である場合、環境造成情報は、使用者のリアルタイムの睡眠状態に基づいて睡眠空間の温度と湿度調節、送風強度調節、駆動騒音調節、LED点灯などを含んでよい。
【0116】
追加的な例を挙げると、環境造成情報は、温度、湿度、風向き、又は音響のうち少なくとも一つを調整するための制御情報を含んでよい。前述した環境造成情報に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0117】
環境造成装置30に含まれた1以上の環境造成モジュールは、例えば、照度制御モジュール、温度制御モジュール、風向き制御モジュール、湿度制御モジュール、及び音響制御モジュールのうち少なくとも一つを含んでよい。ただし、これに制限されるわけではなく、1以上の環境造成モジュールは、使用者の睡眠環境に変化をもたらし得る多様な環境造成モジュールをさらに含んでよい。すなわち、環境造成装置30は、コンピューティング装置100の環境制御信号に基づいて1以上の環境造成モジュールを駆動させることにより、使用者の睡眠環境を調整することができる。
【0118】
本発明の一実施形態によれば、コンピューティング装置100は、使用者の睡眠状態情報を獲得し、そして睡眠状態情報に基づいて使用者の睡眠環境を調整することができる。具体的に、コンピューティング装置100は、環境センシング情報に基づいて使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は、睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報を獲得することができ、当該睡眠状態情報に従って使用者が位置した空間の睡眠環境を調整することができる。具体的な例を挙げると、コンピューティング装置100は、使用者が睡眠前であるという睡眠状態情報を獲得した場合、当該睡眠状態情報に基づいて睡眠を誘導するための光の強さ及び照度(例えば、3000Kの白色光、30luxの照度)、空気の質(微細粉塵濃度、有害ガス濃度、空気湿度、空気温度など)に関連した環境造成情報を生成することができる。コンピューティング装置100は、睡眠を誘導するための光の強さ及び照度、空気の質に関連した環境造成情報を環境造成装置30に伝送することができる。この場合、環境造成装置30は、コンピューティング装置100から受信した環境造成情報に基づいて使用者が位置した空間の光の強さ及び照度を睡眠を誘導するための適切な強さ及び照度(例えば、3000Kの白色光を30luxの照度)で調整することができる。すなわち、コンピューティング装置100において生成された環境造成情報は、環境造成装置30の一実施形態である照明装置に伝達されて睡眠空間内の照度などが調節されてよい。
【0119】
また、コンピューティング装置100は、使用者の睡眠状態情報に基づいて微細粉塵除去、有害ガス除去、アレルギーケア駆動、脱臭/除菌駆動、除湿/加湿調節、送風強度調節、環境造成装置30の駆動騒音調節、LED点灯と関連した多様な情報などの環境造成情報を生成することができる。
【0120】
また、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が上述した動作を遂行することもできる。
【0121】
例えば、コンピューティング装置100において生成された環境造成情報は、環境造成装置30の実施例である空気清浄機又は空気調和機に伝達されて、室内、車両内、あるいは睡眠空間内の温度と湿度又は空気の質などが調節されてよい。
【0122】
以下では、スマート家電機器の動作を説明することにあたって、便宜上「就寝モード」と「起床モード」という用語を使用することにする。「就寝モード」とは、使用者が就寝を準備する段階、使用者が寝入りする段階、使用者が睡眠中である段階のスマート家電機器の動作モードをそれぞれ含む概念であり、「起床モード」とは、使用者の起床前の段階、起床段階、起床後の段階におけるスマート家電機器の動作モードをそれぞれ含む概念である。
【0123】
図52は、環境造成装置が置かれる位置と、詳細製品別に、睡眠状態情報による活性化の可否、就寝モード、起床モードにおける例示的な動作を記載した表である。具体的に説明すれば、環境造成装置30が置かれる位置と環境造成装置30の詳細製品別に、睡眠状態情報による活性化の可否(就寝、寝入り、睡眠、起床前、起床、起床後)、就寝モード及び起床モードにおける例示的な動作を記載したものである。環境造成情報は、各製品別に前記活性化の可否、就寝モード、及び起床モードにおける動作が遂行されるようにする制御情報を含んでよい。
【0124】
前述した睡眠状態情報及び環境造成情報に関連した具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0125】
本発明の一実施形態によれば、コンピューティング装置100が睡眠状態の分析のために活用する環境センシング情報は、一空間上における使用者の活動又は睡眠中に非侵襲的方式で獲得される情報を含んでよい。具体的な例を挙げると、環境センシング情報は、睡眠中に使用者が寝返りを打つことにより発生する音響、筋肉の動きに関連した音響、又は睡眠中の使用者の呼吸に関連した音響などを含んでよい。又は、環境センシング情報は、睡眠中の使用者の動きに関連した動きと距離情報と、これに基づいて生成された呼吸情報を含んでよい。
【0126】
実施形態によれば、環境センシング情報は睡眠音響情報を含んでよく、当該睡眠音響情報は、使用者の睡眠中に発生する動きパターン及び呼吸パターンに関連した音響情報を意味してよい。又は、環境センシング情報は睡眠動き情報を含んでよく、睡眠動き情報は、使用者の睡眠中に発生する動きパターン及び呼吸パターンに関連した情報を意味してよい。
【0127】
実施形態において、環境センシング情報は、使用者が所持した使用者端末10を介して獲得することができる。例えば、使用者端末10に備えられたマイクモジュールを介して一空間上で使用者の活動に関連した環境センシング情報を獲得することができる。又は、使用者端末10に備えられたレーダセンサを介して一空間上で使用者の活動に関連した環境センシング情報を獲得することができる。
【0128】
一般的に、使用者が所持した使用者端末10に備えられたマイクモジュールは、比較的小さい大きさの使用者端末10に備えられなければならないので、MEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)で構成されてよい。このようなマイクモジュールは非常に小型に製作が可能であるが、コンデンサマイク(Condenser Microphone)やダイナミック マイク(dynamic microphone)に比べて低い信号対雑音比(SNR)を有してよい。信号対雑音比が低いということは、識別しようとする音響比の識別しないようにする音響である雑音の比率が高いもので、音響の識別が容易でないこと(すなわち、不明)を意味し得る。
【0129】
本発明において分析の対象になる環境センシング情報は、睡眠中に獲得される使用者の呼吸及び動きに関連した音響情報、すなわち睡眠音響情報を含んでよい。このような睡眠音響情報は、使用者の呼吸及び動きなど非常に小さい音響(すなわち、区分が難しい音響)に関する情報であり、睡眠環境中の他の音響と共に獲得されるものであるため、低い信号対雑音比の前記したようなマイクモジュールを介して獲得される場合、探知及び分析が非常に難しいこともある。
【0130】
本発明の一実施形態によれば、コンピューティング装置100は、使用者端末10から獲得された環境センシング情報に基づいて睡眠状態情報を獲得することができる。具体的に、コンピューティング装置100は、多くのノイズを含んで不明瞭に獲得された環境センシング情報を分析が可能なデータ変換及び/又は調整することができ、変換及び/又は調整されたデータを活用して人工神経網に対する学習を遂行することができる。人工神経網に対する事前学習が完了した場合、学習された神経網(例えば、音響分析モデル)は、睡眠音響情報に対応して獲得された(例えば、変換及び/又は調整された)データ(例えば、スペクトログラム)に基づいて使用者の睡眠状態情報を獲得することができる。実施形態において、睡眠状態情報は、使用者が睡眠をとっているか否かに関連した情報だけでなく、睡眠中の使用者の睡眠段階の変化に関連した睡眠段階情報を含んでよい。具体的な例を挙げると、睡眠状態情報は、第1時点には使用者がREM睡眠であり、第1時点と相違した第2時点には使用者が浅い睡眠であったという睡眠段階情報を含んでよい。この場合、当該睡眠状態情報を介して、使用者は第1時点に比較的深い睡眠に入り、第2時点にはより浅い睡眠をとったという情報を獲得することができる。
【0131】
すなわち、コンピューティング装置100は、音響を収集するように一般的に多くの普及された使用者端末(例えば、人工知能スピーカー、寝室IoT機器、携帯電話など)を介して低い信号対雑音比を有する睡眠音響情報を獲得する場合、これを分析に適切なデータで加工し、加工されたデータを処理して睡眠段階の変化に関連した睡眠状態情報を提供することができる。これは、明瞭な音響獲得のために使用者の身体に接触式でマイクを備えなくても良く、また、高い信号対雑音比を有する別途の追加デバイスを購入せずに、ソフトウェアのアップデートのみで一般的な家庭環境で睡眠状態をモニタリングすることができるようにして、利便性を増大させる効果を提供することができる。
【0132】
図1の(a)でコンピューティング装置100及び環境造成装置30が別途のエンティティーとして分離して表現されたが、本発明の実施形態に従って、環境造成装置30がコンピューティング装置100内に含まれ、睡眠状態測定及び環境調整動作機能を一つの統合装置として遂行することもできる。
【0133】
また、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が上述した動作を遂行することもできる。
【0134】
実施形態において、コンピューティング装置100は、端末又はサーバであってもよく、任意の形態の装置は全て含んでよい。コンピューティング装置100は、デジタル機器として、ラップトップコンピュータ、ノートパソコン、デスクトップコンピュータ、ウェブパッド、移動電話機のように、プロセッサを搭載してメモリを備えた演算能力を備えたデジタル機器であってよい。コンピューティング装置100は、サービスを処理するウェブサーバであってよい。前述したサーバの種類は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0135】
本発明の一実施形態によれば、コンピューティング装置100は、クラウドコンピューティングサービスを提供するサーバであってよい。より具体的に、コンピューティング装置100は、インターネット基盤コンピューティングの一種で、情報を使用者のコンピュータでないインターネットに連結された他のコンピュータで処理するクラウドコンピューティングサービスを提供するサーバであってよい。前記クラウドコンピューティングサービスは、インターネット上に資料を格納しておいて、使用者が必要な資料やプログラムを自身のコンピュータに設置しなくても、インターネット接続を介していつでもどこででも利用できるサービスであってよく、インターネット上に格納された資料を簡単な操作及びクリックで容易に共有して伝達することができる。また、クラウドコンピューティングサービスは、インターネット上のサーバに単純に資料を格納するだけでなく、別途にプログラムを設置しなくてもウェブで提供するアプリケーションの機能を利用して所望する作業を遂行することができ、様々な人が同時に文書を共有して作業を進めることができるサービスであってよい。また、クラウドコンピューティングサービスは、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)、仮想マシン基盤クラウドサーバ及びコンテナ基盤クラウドサーバのうち少なくとも一つの形態で具現することができる。すなわち、本発明のコンピューティング装置100は、上述したクラウドコンピューティングサービスのうち少なくとも一つの形態で具現することができる。前述したクラウドコンピューティングサービスの具体的な記載は例示に過ぎず、本発明のクラウドコンピューティング環境を構築する任意のプラットホームを含んでもよい。
【0136】
コンピューティング装置の全体的な構成
【0137】
本発明のコンピューティング装置100の具体的な構成、技術的特徴、及び技術的特徴による効果を添付された図面を参照して説明する。
【0138】
図2は、本発明の一実施形態と関連した睡眠状態情報に基づいて、睡眠環境を造成するためのコンピューティング装置のブロック構成図を示す。
【0139】
図2に示されたように、コンピューティング装置100は、ネットワーク部110、メモリ120、及びプロセッサ130を含んでよい。前述したコンピューティング装置100に含まれたコンポーネントに制限されない。すなわち、本発明内容の実施形態に対するの具現様態に従って追加的なコンポーネントが含まれたり、又は、前述したコンポーネントのうちの一部が省略されてよい。
【0140】
本発明の一実施形態によれば、コンピューティング装置100は、使用者端末10、外部サーバ20、及び環境造成装置30とデータを送受信するネットワーク部110を含んでよい。ネットワーク部110は、本発明の一実施形態による睡眠状態情報による睡眠環境造成方法を遂行するためのデータなどを、他のコンピューティング装置、サーバなどと送受信することができる。すなわち、ネットワーク部110は、コンピューティング装置100と、使用者端末10、外部サーバ20、及び環境造成装置30との間の通信機能を提供することができる。例えば、ネットワーク部110は、病院サーバから複数の使用者に対する睡眠検診記録及び電子健康記録を受信することができる。他の例を挙げると、ネットワーク部110は、使用者端末10から使用者が活動する空間に関連した環境センシング情報を受信することができる。また他の例を挙げると、ネットワーク部110は、環境造成装置30において使用者が位置した空間の環境を調整するための環境造成情報を伝送することができる。追加的に、ネットワーク部110は、コンピューティング装置100にプロシージャを呼び出す方式でコンピューティング装置100と使用者端末10及び外部サーバ20との間の情報伝達を許容することができる。
【0141】
本発明の一実施形態によるネットワーク部110は、 公衆電話交換網(PSTN:Public Switched Telephone Network)、xDSL(x Digital Subscriber Line)、RADSL(Rate Adaptive DSL)、MDSL(Multi Rate DSL)、VDSL(Very High Speed DSL)、UADSL(Universal Asymmetric DSL)、HDSL(High Bit Rate DSL)、及び近距離通信網(LAN)などのような多様な有線通信システムを使用することができる。
【0142】
また、本明細書で提示されるネットワーク部110は、4G、5G(LTE)等の移動通信システム、スターリンクなどの衛星通信システムのような現在及び将来実現され得る多様な無線通信システムを使用することができる。
【0143】
本発明においてネットワーク部110は、有線及び無線などのようなその通信様態を分けずに構成されてよく、短距離通信網(PAN:Personal Area Network)、近距離通信網(WAN:Wide Area Network)等の多様な通信網で構成されてよい。また、前記ネットワークは、公知のワールドワイドウェブ(WWW:World Wide Web)であってよく、赤外線(IrDA:Infrared Data Association)又はブルートゥース(Bluetooth,登録商標)のように短距離通信に利用される無線伝送技術を用いることもできる。本明細書で説明された技術は、上で言及されたネットワークだけでなく、他のネットワークでも使用することができる。
【0144】
本発明の一実施形態によれば、メモリ120は、本発明の一実施形態による睡眠状態情報による睡眠環境造成方法を遂行するためのコンピュータプログラムを格納することができ、格納されたコンピュータプログラムは、プロセッサ130によって読み取られて駆動されてよい。また、メモリ120は、プロセッサ130が生成したり決定したりした任意の形態の情報及びネットワーク部110が受信した任意の形態の情報を格納することができる。また、メモリ120は、使用者の睡眠に関連したデータを格納することができる。例えば、メモリ120は、入力/出力されるデータ(例えば、使用者の睡眠環境に関連した環境センシング情報、環境センシング情報に対応する睡眠状態情報、又は睡眠状態情報による環境造成情報など)を臨時又は永久格納することもできる。
【0145】
本発明の一実施形態によれば、メモリ120は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えばSD又はXDメモリなど)、ラム(Random Access Memory、RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(Read-Only Memory、ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも一つのタイプの格納媒体を含んでよい。コンピューティング装置100は、インターネット(internet)上で前記メモリ120の格納機能を遂行するウェブストレージ(web storage)と関連して動作することもできる。前述したメモリに対する記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0146】
コンピュータプログラムは、メモリ120にロードされる時、プロセッサ130をして本発明の多様な実施形態による方法/動作を遂行するようにする1以上のインストラクションを含んでよい。すなわち、プロセッサ130は、1以上のインストラクションを実行することにより、本発明の多様な実施形態による方法/動作を遂行することができる。
【0147】
一実施形態において、コンピュータ プログラムは、使用者の睡眠状態情報を獲得する段階、前記睡眠状態情報に基づいて環境造成情報を生成する段階、及び前記環境造成情報を環境造成装置に伝送する段階を含む睡眠状態情報による睡眠環境造成方法を遂行するようにする1以上のインストラクションを含んでよい。
【0148】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は1以上のコアで構成されてよく、コンピューティング装置の中央処理装置(CPU:central processing unit)、汎用グラフィック処理装置(GPGPU:general purpose graphics processing unit)、テンソル処理装置(TPU:tensor processing unit)等のデータ分析、ディープラーニングのためのプロセッサを含んでよい。
【0149】
プロセッサ130は、メモリ120に格納されたコンピュータプログラムを読み取って本発明の一実施形態による機械学習のためのデータ処理を遂行することができる。本発明の一実施形態によってプロセッサ130は神経網の学習のための演算を遂行することができる。プロセッサ130は、ディープラーニング(DL:deep learning)において学習のための入力データの処理、入力データにおけるフィーチャー抽出、誤差計算、逆伝播(backpropagation)を用いた神経網の加重値アップデートなどの神経網の学習のための計算を遂行することができる。
【0150】
また、プロセッサ130のCPU、GPGPU、及びTPUのうち少なくとも一つがネットワーク関数の学習を処理することができる。例えば、CPUとGPGPUが共にネットワーク関数の学習、ネットワーク関数を用いたデータ分類を処理することができる。
【0151】
例えば、CPUとGPGPUが共にネットワーク関数の学習、ネットワーク関数を利用したデータ分類を処理することができる。
【0152】
また、本発明の一実施形態で複数のコンピューティング装置のプロセッサを共に使ってネットワーク関数の学習、ネットワーク関数を利用したデータ分類を処理することができる。また、本発明の一実施形態において複数のコンピューティング装置のプロセッサを共に使用して、ネットワーク関数の学習、ネットワーク関数を用いたデータ分類を処理することができる。また、本発明の一実施形態によるコンピューティング装置で遂行されるコンピュータプログラムは、CPU、GPGPU又はTPU実行可能プログラムであってよい。
【0153】
本明細書において、ネットワーク関数は、人工神経網、ニューラルネットワークと相互交換可能に使用されてよい。本明細書において、ネットワーク関数は、1以上のニューラルネットワークを含んでよく、この場合、ネットワーク関数の出力は、1以上のニューラルネットワークの出力のアンサンブル(ensemble)であってよい。
【0154】
本明細書において、モデルは、ネットワーク関数を含んでよい。モデルは、1以上のネットワーク関数を含んでもよく、この場合、モデルの出力は、1以上のネットワーク関数の出力のアンサンブルであってよい。
【0155】
プロセッサ130は、メモリ120に格納されたコンピュータプログラムを読み取って本発明の一実施形態による睡眠分析モデルを提供することができる。本発明の一実施形態により、プロセッサ130は、睡眠状態情報に基づいて環境造成情報を算出するための計算を遂行することができる。本発明の一実施形態によってプロセッサ130は睡眠分析モデルを学習させるための計算を遂行することができる。睡眠分析モデルと関連しては、下でさらに詳細に説明することにする。睡眠分析モデルに基づいて使用者の睡眠の質と関連した睡眠情報が推論され得る。使用者からリアルタイム、あるいは周期的に獲得される環境センシング情報が、前記睡眠分析モデルに入力値で入力されて使用者の睡眠と関連したデータを出力することになる。
【0156】
このような睡眠分析モデルの学習と、これに基づいた推論は、図1の(a)のコンピューティング装置100によって遂行することができる。すなわち、学習と推論が共にコンピューティング装置100によって遂行されるもので設計することができる。ただし、他の実施形態では、学習はコンピューティング装置100において行うものの、推論は使用者端末10で遂行することができる。また、学習はコンピューティング装置100において行うものの、推論はスマート家電(空気調和機、TV、照明、冷蔵庫、空気清浄機などの多様な家電)等で具現される環境造成装置30で遂行することができる。また、他の実施形態では、図1の(b)の睡眠環境調節装置400によって遂行することができる。すなわち、学習と推論が全て睡眠環境調節装置400によって遂行することができる。
【0157】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することができる。
【0158】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は、通常的にコンピューティング装置100の全般的な動作を処理することができる。プロセッサ130は、上で詳しく見た構成要素を介して入力又は出力される信号、データ、情報などを処理したり、メモリ120に格納されたアプリケーションを駆動したりすることにより、使用者端末に適正な情報又は機能を提供したり処理したりすることができる。
【0159】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は、使用者の睡眠状態情報を獲得することができる。本発明の一実施形態による、睡眠状態情報の獲得は、メモリ120に格納された睡眠状態情報を獲得したり、又は、ローディング(loading)するものであってよい。また、睡眠状態情報の獲得は、有線/無線通信手段に基づいて他の格納媒体に、他のコンピューティング装置、同一のコンピューティング装置内の別途処理モジュールからデータを受信したり又はローディングしたりすることもできる。
【0160】
また、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0161】
睡眠状態情報
【0162】
一実施形態において、睡眠状態情報は、使用者が睡眠をとっているのか否かに関連した情報を含んでよい。具体的に、睡眠状態情報は、使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報、使用者が睡眠中という第2睡眠状態情報、及び使用者が睡眠後という第3睡眠状態情報のうち少なくとも一つを含んでよい。換言すれば、使用者に関連して第1睡眠状態情報が推論される場合、プロセッサ130は、当該使用者が睡眠前(すなわち、就寝前)の状態であると判断することができ、第2睡眠状態情報が推論される場合、当該使用者が睡眠中の状態であると判断することができ、そして第3睡眠状態情報が獲得される場合、当該使用者が睡眠後(すなわち、起床)の状態であると判断することができる。
【0163】
このような睡眠状態情報は、環境センシング情報に基づいて獲得されることを特徴とすることができる。環境センシング情報は、非接触方式で使用者が位置した空間において獲得されるセンシング情報を含んでよい。
【0164】
一実施形態によれば、プロセッサ130は、環境センシング情報を獲得することができる。具体的に、環境センシング情報は、使用者が所持した使用者端末10を介して獲得することができる。例えば、使用者が所持した使用者端末10を介して使用者が活動する空間に関連した環境センシング情報が獲得されてよく、プロセッサ130は、当該環境センシング情報を使用者端末10から受信することができる。環境センシング情報は、使用者の日常生活の中で非接触方式で獲得される音響情報であってよい。例えば、環境センシング情報は、清掃に関連した音響情報、食べ物の料理に関連した音響情報、TV視聴に関連した音響情報、睡眠中に獲得される睡眠音響情報など使用者の生活により獲得される多様な音響情報を含んでよい。実施形態において、使用者の睡眠中に獲得される睡眠音響情報は、睡眠中に使用者が寝返りを打つことにより発生する音響、筋肉の動きに関連した音響又は睡眠中の使用者の呼吸に関連した音響などを含んでよい。すなわち、本発明における睡眠音響情報は、使用者の睡眠中に関連した動きパターン及び呼吸パターンに関連した音響情報を意味してよい。
【0165】
睡眠分析情報及び睡眠段階情報
【0166】
睡眠分析では、寝入り時間、起床時間、総睡眠時間などの多様な情報を分析し、一実施形態によれば、プロセッサ130は睡眠段階情報を抽出することができる。睡眠段階情報は、使用者の環境センシング情報に基づいて抽出することができる。睡眠段階は、NREM(non-REM)睡眠、REM(Rapid eye movement)睡眠に区分することができ、NREM睡眠は、再び複数(例:Light、Deepの2段階、N1~N4の4段階)に区分することができる。睡眠段階の設定は、一般的な睡眠段階で定義することもできるが、設計者によって多様な睡眠段階で任意設定することもできる。睡眠段階分析を介して睡眠と関連した睡眠の質だけでなく、睡眠疾患(例:睡眠無呼吸症)とその根本的な原因(例:いびき)まで予測することができる。
【0167】
睡眠分析では、睡眠段階の変化を分析し、分析された睡眠段階の変化を識別することができるようにヒプノグラムを生成することができ、これによって使用者の睡眠周期を識別することができる。
【0168】
図3は、睡眠多元検査(polysomnography、PSG)結果(PSG result)と本発明によるAIアルゴリズムを用いた分析結果(AI result)を比較した図面である。
【0169】
図3に示されたように、本発明によって獲得された睡眠段階情報は、睡眠多元検査と非常に一致するだけでなく、むしろ睡眠段階(Wake、Light、Deep、REM)と関連したさらに精密かつ有意義な情報を含む。図3の最も下に示されたヒプノグラム(hypnogram)は、使用者音響情報の入力を受けて睡眠段階を予測する時、30秒単位で4つのクラス(Wake、Light、Deep、REM)のうちどこに属するのかに対する確率を表す。ここで、4つのクラスは、それぞれ目覚めている状態、軽く寝ついた状態、深く寝ついた状態、REM睡眠状態を意味する。
【0170】
図4は、睡眠無呼吸症(apnea)、呼吸低下(hypopnea)と関連して、睡眠多元検査(polysomnography、PSG)結果(PSG result)と本発明によるAIアルゴリズムを用いた分析結果(AI result)を比較した図面である。図4の最も下に示されたヒプノグラム(hypnogram)は、使用者音響情報の入力を受けて睡眠疾患を予測する時、30秒単位で2つの疾患(睡眠無呼吸症、呼吸低下)のうちどこに属するのかに対する確率を表す。
【0171】
本発明による睡眠段階情報を用いれば、図4に示されたように、本発明によって獲得された睡眠段階情報は、睡眠多元検査と非常に一致するだけでなく、無呼吸症と呼吸低下と関連したさらに精密な分析情報を含む。
【0172】
プロセッサ130は、睡眠段階情報によって環境造成情報を生成することができる。例えば、睡眠段階がLight段階あるいはN1段階にある場合、ディープスリープを誘導するために環境造成装置(空気調和機、照明、空気清浄機など)を制御するための環境造成情報を生成することができる。
【0173】
例えば、本発明の実施形態によるスマート家電機器800の一部は、使用者によって設定された起床時間の30分以内にREM睡眠が感知されればアラームが鳴るようにすることができる。
【0174】
これは、REM睡眠中にアラームが鳴れば、よりすっきりと起きられるためだが、本発明の睡眠管理アプリを介して使用者の睡眠中にリアルタイムでREMを感知して、聴覚的又は触覚的刺激を使用者に伝達して前記時間内に使用者を起こすことができる。
【0175】
また、本発明の実施形態によるスマート家電機器800の一部は、使用者の睡眠中に睡眠音響情報に基づいて呼吸不安定区間を感知し、使用者に振動式触覚刺激(vibrotactile stimulation)を与えて安定した呼吸に戻るように誘導することもできる。
【0176】
一般的に、睡眠無呼吸症が持続すれば交感神経が亢進され、後で心血管系疾患につながる可能性が大きいので、本発明の睡眠管理アプリを介して使用者の睡眠中にリアルタイムで呼吸不安定区間が感知される時、本発明の実施形態によるスマート家電機器800の一部を介して、聴覚的、触覚的刺激を使用者に伝達して使用者の呼吸不安定を中断させることができる。
【0177】
身体の動き情報又は使用者の姿勢情報に基づいて、閉鎖性睡眠無呼吸を段階的に選別することができる。
【0178】
睡眠分析(Sleep Analysis)では、睡眠音響情報に基づいて、睡眠の質、睡眠段階、及び睡眠無呼吸の有無を分析する。睡眠音響情報は、使用者の睡眠中に発生する呼吸と関連した音響情報を意味してよい。
【0179】
睡眠分析は、使用者の睡眠音響情報を前処理とAIアルゴリズムを介して使用者の睡眠段階を分析するもので、具体的な分析方法は、下でさらに詳細に説明することにする。
【0180】
既に設定されたパターン感知による特異点の識別
【0181】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は、環境センシング情報に基づいて睡眠状態情報を獲得することができる。具体的に、プロセッサ130は、環境センシング情報に既に設定されたパターンの情報が感知される特異点を識別することができる。ここで、既に設定されたパターンの情報は、睡眠に関連した呼吸及び動きパターンに関連したものであってよい。例えば、目覚めている状態(wake)では、すべての神経系が活性化しているので、呼吸パターンが不規則的であり、体の動きが多いこともある。また、首の筋肉の弛緩が成されないために呼吸の音が非常に少ないこともある。反面、使用者が睡眠をとっている場合には、自律神経系が安定化されて呼吸が規則的に変化し、体の動きもまた少なくなれるし、呼吸音も大きくなることができる。すなわち、プロセッサ130は環境センシング情報で、規則的な呼吸、少ない体の動き又は少ない呼吸音などに関連した既に設定されたパターンの音響情報が感知される時点を特異点として識別することができる。また、プロセッサ130は、識別された特異点を基準として獲得される環境センシング情報に基づいて睡眠音響情報を獲得することができる。プロセッサ130は、時系列的に獲得される環境センシング情報において使用者の睡眠時点に関連した特異点を識別し、当該特異点を基準として睡眠音響情報を獲得することができる。
【0182】
図5は、本発明の一実施形態と関連した環境センシング情報200から睡眠音響情報210を獲得する過程を説明するための例示図である。
【0183】
具体的な例を挙げると、図5を参照すると、プロセッサ130は、環境センシング情報200から既に設定されたパターンが識別される時点に関連した特異点201を識別することができる。プロセッサ130は、識別された特異点を基準として当該特異点以降に獲得される音響情報に基づいて睡眠音響情報210を獲得することができる。図5における音響に関連した波形及び特異点は、本発明の理解のための例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0184】
すなわち、プロセッサ130は、環境センシング情報から使用者の睡眠に関連した特異点を識別することによって、特異点に基づいて膨大な量の音響情報(すなわち、環境センシング情報)から睡眠音響情報だけを抽出して獲得することができる。これは、使用者が自身の睡眠時間を記録する過程を自動化するようにして利便性を提供すると共に、獲得される睡眠音響情報の正確性向上に寄与することができる。
【0185】
また、実施形態において、プロセッサ130は、環境センシング情報200から識別された特異点201を基準として使用者が睡眠前なのか又は睡眠中なのか否かに関連した睡眠状態情報を獲得することができる。具体的に、プロセッサ130は、特異点201が識別されない場合、使用者が睡眠前であると判断することができ、特異点201が識別される場合、当該特異点201以降に使用者が睡眠中であると判断することができる。また、プロセッサ130は、特異点201が識別された後、既に設定されたパターンが観測されない時点(例えば、起床時点)を識別し、当該時点が識別された場合、使用者が睡眠後、すなわち起床したと判断することができる。
【0186】
すなわち、プロセッサ130は、環境センシング情報200において特異点201が識別されるか否か及び特異点が識別された後、既に設定されたパターンが持続的に感知されるか否かに基づいて、使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報を獲得することができる。
【0187】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することができる。
【0188】
また、本発明の一実施形態によるスマート家電機器800に含まれたプロセッサ830は、音響情報200から既に設定されたパターンが識別される時点に関連した特異点201を識別することができる。
【0189】
プロセッサ830は、識別された特異点201を基準として当該特異点201以降に獲得される音響情報に基づいて睡眠音響情報210を獲得することができる。
【0190】
図5における音響に関連した波形及び特異点は、本発明の理解のための例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0191】
すなわち、本発明の一実施形態によるスマート家電機器800に含まれたプロセッサ830は、音響情報から使用者の睡眠に関連した特異点201を識別することによって、特異点201に基づいて膨大な量の環境センシング情報(すなわち、音響情報)から睡眠音響情報210のみを抽出して獲得することができる。
【0192】
これは、使用者が自身の睡眠時間を記録する過程を自動化するようにして利便性を提供すると共に、獲得される睡眠音響情報の正確性向上に寄与することができる。
【0193】
また、実施形態において、プロセッサ830は、環境センシング情報200から識別された特異点201を基準として使用者が睡眠前なのか又は睡眠中なのか否かに関連した睡眠状態情報を獲得することができる。具体的に、プロセッサ830は、特異点201が識別されない場合、使用者が睡眠前であると判断することができ、特異点201が識別される場合、当該特異点201以降に使用者が睡眠中であると判断することができる。
【0194】
また、プロセッサ830は、特異点201が識別された後、既に設定されたパターンが観測されない時点(例えば、起床時点)を識別し、当該時点が識別された場合、使用者が睡眠後、すなわち起床したと判断することができる。
【0195】
すなわち、プロセッサ830は、環境センシング情報200において特異点201が識別されるか否か、及び特異点が識別された後、既に設定されたパターンが持続的に感知されるか否かに基づいて、使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報を獲得することができる。
【0196】
一方、プロセッサ830は、環境センシング情報200でない、睡眠音響情報に基づいて睡眠状態情報を獲得することができる。
【0197】
本発明では、1次睡眠分析時、睡眠音響情報を用いて使用者の睡眠状態情報を事前に把握するので、睡眠状態に対する分析信頼性をさらに向上させることができる。
【0198】
本発明による睡眠分析方法は、環境センシング情報の深層学習を介して推論モデルを生成し、推論モデルは使用者の睡眠状態及び睡眠段階を抽出する。
【0199】
再び簡略に説明すると、睡眠音響情報などを含む環境センシング情報(音響情報)はスペクトログラムに変換され、スペクトログラムに基づいて推論モデルが生成される。
【0200】
この時、音響情報を用いる睡眠分析において、使用者のプライバシー保護を見過ごすことができず、本発明は、使用者のプライバシー保護のために環境センシング情報(音響情報)を前処理する過程を用いる。
【0201】
上述したように、環境センシング情報の深層学習を介して使用者の睡眠状態及び睡眠段階を抽出するための推論モデルが生成される。再び簡略に説明すると、音響情報などを含む環境センシング情報はスペクトログラムに変換され、スペクトログラムに基づいて推論モデルを生成することができる。
【0202】
推論モデルは、上で説明したように、図1の(a)に示されたコンピューティング装置100、又は、図1の(b)に示された睡眠環境調節装置400に構築することができる。
【0203】
以降、使用者端末を介して獲得される、使用者音響情報を含む環境センシング情報が当該推論モデルに入力され、睡眠状態情報及び/又は睡眠段階情報を結果値として出力する。この時、学習と推論は同一の主体で遂行されてもよく、学習と推論が別個の主体で遂行されてもよい。すなわち、学習と推論ともに図1の(a)のコンピューティング装置100又は図1の(b)の環境調節装置400によって遂行することができ、学習はコンピューティング装置100で行われるものの、推論は使用者端末10で遂行することができ、学習はコンピューティング装置100で行われるものの、推論はスマート家電(空気調和機、TV、照明、冷蔵庫、空気清浄機などの多様な家電)等で具現される環境造成装置30で遂行することができる。
【0204】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上で述べた動作のうち少なくとも1以上を遂行することができる。
【0205】
睡眠分析モデル及び睡眠分析方法
【0206】
本発明の一実施形態によれば、睡眠段階情報は、環境センシング情報に基づいて使用者の睡眠段階を分析する睡眠分析モデルを介して獲得されることを特徴とすることができる。すなわち、本発明の睡眠段階情報は、睡眠分析モデルを介して獲得することができる。
【0207】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130又はプロセッサ830は、環境センシング情報を獲得することができ、当該環境センシング情報に基づいて睡眠音響情報を獲得することができる。この場合、睡眠音響情報は、使用者の睡眠中に獲得される音響に関連した情報で、例えば、使用者の睡眠中に使用者が寝返りを打つことにより発生する音響、筋肉の動きに関連した音響又は睡眠中の使用者の呼吸に関連した音響を含んでよい。
【0208】
以下、図面を用いて本発明の実施形態による睡眠分析方法につい説明する。
【0209】
図32の(a)は、本発明による睡眠分析方法においてスペクトログラムを用いた睡眠段階分析を説明するための図面である。
【0210】
図32の(b)は、本発明による睡眠分析方法においてスペクトログラムを用いた睡眠障害の判断を説明するための図面である。
【0211】
図33の(a)は、本発明による睡眠分析方法の性能を検証するための実験過程を示す図面である。
【0212】
図33の(b)は、本発明による睡眠分析方法の性能を検証したグラフで、睡眠多元検査結果(PSG result)と本発明によるAIアルゴリズムを用いた分析結果(AI result)を比較した図面である。
【0213】
図32の(a)に示されたように、使用者の睡眠音響情報が入力されれば、それに対応する睡眠段階(Wake、REM、Light、Deep)が直ちに推論されてよい。
【0214】
さらに、睡眠音響情報に基づいた2次分析は、睡眠段階に対応するメルスペクトルの特異点を介して睡眠障害(睡眠無呼吸、過呼吸)やいびきなどが発生した時点を抽出することができる。
【0215】
図32の(b)に示されたように、一つのメルスペクトログラムにおいて呼吸パターンを分析し、睡眠無呼吸(apnea)や過呼吸(hyperpnea)のイベントに対応する特性が感知されれば、当該時点を睡眠障害が発生した時点と判断することができる。この時、周波数分析を介して睡眠無呼吸(apnea)や過呼吸(hyperpnea)でない、いびきと分類する過程をさらに含んでもよい。
【0216】
図33の(a)に示されたように、使用者の睡眠映像と睡眠音響がリアルタイムで獲得され、獲得された睡眠音響情報はスペクトログラムに直ちに変換される。この時、睡眠音響情報の前処理過程が成されてよい。スペクトログラムは、睡眠分析モデルに入力されて直ちに睡眠段階が分析される。
【0217】
睡眠多元検査(polysomnography、PSG)結果と比較すれば、睡眠音響情報を入力とする睡眠分析モデルの結果値が非常に正確であるということを確認することができた。
【0218】
図33の(a)の最も下に示されたヒプノグラム(hypnogram)は、使用者睡眠音響情報の入力を受けて睡眠段階を予測する時、30秒単位で4つのクラス(Wake、Light、Deep、REM)のうち、どこに属するのかに対する確率を表す。ここで、4つのクラスは、それぞれ目覚めている状態、軽く寝ついた状態、深く寝ついた状態、REM睡眠状態を意味する。
【0219】
図33の(b)に示されたように、本発明によって獲得された睡眠分析結果は、睡眠多元検査と非常に一致するだけでなく、むしろ睡眠段階(Wake、Light、Deep、REM)と関連したさらに精密で有意義な情報を含む。
【0220】
スペクトログラムの生成及び獲得
【0221】
図6の(a)は、本発明の一実施形態と関連した睡眠音響情報に対応するスペクトログラムを獲得する方法を説明するための例示図である。
【0222】
本発明によると、睡眠音響情報に基づいて生成されたスペクトログラムを用いて睡眠分析モデルを生成することができる。オーディオデータと表現される睡眠音響情報をそのまま用いることになれば、情報量が非常に多いので、演算量、演算時間が大幅に増加することになり、願わない信号まで含まれているので演算精度が低下するだけでなく、使用者のすべてのオーディオ信号がサーバに転送される場合、プライバシー侵害の恐れがあり得る。本発明は、睡眠音響情報のノイズを除去した後、これをスペクトログラム(Mel spectrogram)に変換し、スペクトログラムを学習させて睡眠分析モデルを生成するので、演算量、演算時間を減らすことができ、個人のプライバシーの保護まで図ることができるようになる。
【0223】
本発明の実施形態によるプロセッサ130又はプロセッサ830は、図6の(a)に示されたように、睡眠音響情報210に対応してスペクトログラム300を生成することができる。
【0224】
スペクトログラム300生成の基礎になるローデータ(睡眠音響情報)の入力を受けることができるが、ローデータは使用者が入力した開始時点から終了時点まで使用者端末等を介して獲得されたり、使用者の端末操作(例:アラーム設定)が成された時点から端末操作に対応する時点(例:アラーム設定時間)まで獲得されたり、使用者の睡眠パターンに基づいて自動的に時点が選択されて獲得されてもよく、使用者の睡眠意図時点をサウンド(使用者の声、呼吸音、周辺機器(TV、洗濯機)の音など)や照度変化などに基づいて、自動的に時点を決定して獲得されてよい。
【0225】
図6の(a)に示されはしなかったが、入力されたローデータを前処理する過程がさらに含まれてよい。前処理過程は、ローデータのノイズリダクション過程を含む。ノイズリダクション過程でローデータに含まれたノイズ(例:ホワイトノイズ)が除去される。ノイズリダクション過程は、バックグラウンドノイズ(background noise)を除去するためのスペクトルゲート(spectral gating)、スペクトルサブトラクション(spectral substraction)等のアルゴリズムを用いて成すことができる。さらに、本発明では、ディープラーニング基盤のノイズリダクションアルゴリズムを用いてノイズ除去過程を遂行することができる。すなわち、ディープラーニングを介して、使用者の息づかい、呼吸音に特化したノイズリダクションアルゴリズムを用いることができる。特に、本発明は、ローデータからフェーズを除いたアンプリチュードのみに基づいてスペクトログラムを生成することができるが、これに限定されない。これは、プライバシーを保護するだけでなく、データ容量を低くして処理速度を向上させる。
【0226】
本発明の実施形態によるプロセッサ130又はプロセッサ830は、睡眠音響情報210に対する高速フーリエ変換を遂行して、睡眠音響情報210に対応するスペクトログラム300を生成することができる。
【0227】
スペクトログラム300は、音や波動を視角化して把握するためのもので、波形(waveform)とスペクトル(spectrum)の特徴が組み合わされたものであってよい。スペクトログラム300は、時間軸と周波数軸の変化に応じて振幅の差を印刷濃度、又は表示色の差で示したものであってよい。
【0228】
前処理された音響関連ローデータは、30秒単位に切られてメルスペクトログラムに変換されてよい。これにより、30秒のメルスペクトログラムは、20 frequency bin x 1201 time stepの次元を有してよい。本発明では、長方形のメルスペクトログラムを正方形の形態に変えるために、スプリットカット(split-cat)方式を用いることによって情報量を格納できるようになる。
【0229】
一方、本発明は、クリーンな息づかいに家庭環境で発生する多様なノイズを加えて多様な家庭環境で測定された息づかいをシミュレーションする方法を利用することができる。音はアディティブ(additive)な性質を有しているので、互いに加えることができる。しかし、mp3やpcmなどの原本音響信号を加えてメルスペクトログラムに変換することは、多くのコンピューティング資源が消耗しかねない。
【0230】
したがって、本発明は、息づかい、ノイズを、それぞれメルスペクトログラムに変換して加える方法を提示する。これを介して、多様な家庭環境で測定された息づかいをシミュレーションしてディープラーニングモデル学習に活用することにより、多様な家庭環境におけるrobustnessを確保できるようになる。
【0231】
本発明において、睡眠音響情報210は、使用者の睡眠時間中に獲得される呼吸及び体の動きに係わる音響に関連したものであるため、非常に小さい音であり得る。これにより、プロセッサ130又はプロセッサ830は、睡眠音響情報をスペクトログラム300に変換して音響に対する分析を遂行することができる。この場合、スペクトログラム300は、前述したように、音の周波数スペクトルが時間によってどのように変化するのかを示す情報を含んでいるので、比較的小さい音響に関連した呼吸又は動きパターンを容易に識別することができ、分析の効率を向上させることができる。
【0232】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が上述した動作を遂行することができる。
【0233】
一実施形態によれば、多様な睡眠段階に従って、それぞれのスペクトログラムが相違した濃度の周波数スペクトルを有するように構成されてよい。具体的に、睡眠音響情報のエネルギーレベルの変化だけでは、目覚めている状態、REM睡眠状態、浅い睡眠状態及び深い睡眠状態のうち少なくとも一つなのかを予測しにくいこともあるが、睡眠音響情報をスペクトログラムに変換することによって、各周波数のスペクトルの変化を容易に感知することがあるので、小さい音(例えば、呼吸及び体の動き)に対応した分析が可能になり得る。
【0234】
また、プロセッサ130又はプロセッサ830は、スペクトログラム300を睡眠分析モデルの入力で処理して睡眠段階情報を獲得することができる。ここで、睡眠分析モデルは、使用者の睡眠段階の変化に関連した睡眠段階情報を獲得するためのモデルで、使用者の睡眠中に獲得された睡眠音響情報を入力にして睡眠段階情報を出力することができる。実施形態において、睡眠分析モデルは、1以上のネットワーク関数を介して構成される神経網モデルを含んでよい。
【0235】
ネットワーク関数及びニューラルネットワーク
【0236】
本発明の実施形態において、睡眠分析モデルは、1以上のネットワーク関数を介して構成される神経網モデルを含んでよい。睡眠分析モデルは、1以上のネットワーク関数で構成され、1以上のネットワーク関数は、一般的に「ノード」と指摘され得る相互連結された計算単位の集合で構成されてよい。このような「ノード」は、「ニューロン(neuron)」と指称されてもよい。1以上のネットワーク関数は、少なくとも1以上のノードを含んで構成される。1以上のネットワーク関数を構成するノード(又は、ニューロン)は、1以上の「リンク」によって相互連結されてよい。
【0237】
図9は、本発明の一実施形態と関連した1以上のネットワーク関数を示した概略図である。
【0238】
ディープニューラルネットワーク(DNN:deep neural network、深層神経網)は、入力レイヤーと出力レイヤーの他に複数の隠れレイヤーを含む神経網を意味してよい。ディープニューラルネットワークを用いれば、データの潜在的な構造(latent structures)を把握することができる。
【0239】
すなわち、写真、文、ビデオ、音声、音楽の潜在的な構造(例えば、どんな物体が写真にあるのか、文の内容と感情が何なのか、音声の内容と感情が何なのかなど)を把握することができる。ディープニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)、リカレントニューラルネットワーク(RNN:recurrent neural network)、オートエンコーダ(auto encoder)、GAN(Generative Adversarial Networks)、制限ボルツマンマシン(RBM:restricted boltzmann machine)、深層信頼ネットワーク(DBN:deep belief network)、Qネットワーク、Uネットワーク、シャムネットワークなどを含んでよい。前述したディープニューラルネットワークの記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0240】
本発明の一実施形態において、ネットワーク関数はオートエンコーダを含んでもよい。オートエンコーダは、入力データと類似した出力データを出力するための人工神経網の一種であってよい。オートエンコーダは、少なくとも一つの隠れレイヤーを含んでよく、奇数個の隠れレイヤーが入出力レイヤーの間に配置されてよい。
【0241】
それぞれのレイヤーのノードの数は、入力レイヤーのノードの数からボトルネックレイヤー(エンコーディング)という中間レイヤーに縮小され、ボトルネックレイヤーから出力レイヤー(入力レイヤーと対称)に縮小と対称されて拡張されてもよい。次元削減レイヤーと次元復元レイヤーのノードとは、対称でも又は非対称であってもよい。
【0242】
本発明の実施形態によるオートエンコーダは、非線形次元削減を遂行することができる。入力レイヤー及び出力レイヤーの数は、入力データの前処理以降に残ったセンサの数と対応されてよい。オートエンコーダ構造においてエンコーダに含まれた隠れレイヤーのノードの数は、入力レイヤーから離れるほど減少する構造を有し得る。
【0243】
ボトルネックレイヤー(エンコーダとデコーダとの間に位置する最も少ないノードを有するレイヤー)のノードの数は非常に小さい場合、十分な量の情報が伝達できないことがあるので、特定数以上(例えば、入力レイヤーの半分以上など)に維持されてもよい。
【0244】
ニューラルネットワークは、教師あり学習(supervised learning)、教師なし学習(unsupervised learning)、及び半教師あり学習(semi supervised learning)のうち少なくとも一つの方式で学習することができる。ニューラルネットワークの学習は、出力のエラーを最小化するためのものである。
【0245】
ニューラルネットワークの学習において反復的に学習データをニューラルネットワークに入力させて、学習データに対するニューラルネットワークの出力とターゲットのエラーを計算し、エラーを減らすための方向にニューラルネットワークのエラーをニューラルネットワークの出力レイヤーから入力レイヤー方向に逆伝播(backpropagation)してニューラルネットワークの各ノードの加重値をアップデートする過程である。
【0246】
教師あり学習の場合、それぞれの学習データに正解がラベルリングされている学習データを使用し(すなわち、ラベルリングされた学習データ)、教師なし学習の場合は、それぞれの学習データに正解がラベリングされていないことがある。すなわち、例えば、データ分類に関する教師あり学習の場合の学習データは、学習データそれぞれにカテゴリーがラベリングされたデータであってよい。
【0247】
ラベルリングされた学習データがニューラルネットワークに入力され、ニューラルネットワークの出力(カテゴリー)と学習データのラベルとを比較することによりエラー(error)を計算することができる。他の例として、データ分類に関する教師なし学習の場合、入力である学習データがニューラルネットワーク出力と比較されることによりエラーを計算することができる。
【0248】
計算されたエラーは、ニューラルネットワークから逆方向(すなわち、出力レイヤーから入力レイヤー方向)に逆伝播されて、逆伝播によりニューラルネットワークの各レイヤーの各ノードの連結加重値をアップデートすることができる。アップデートされる各ノードの連結加重値は、学習率(learning rate)によって変化量を決定することができる。
【0249】
入力データに対するニューラルネットワークの計算とエラーの逆伝播は、学習サイクル(epoch)を構成することができる。学習率は、ニューラルネットワークの学習サイクルの反復回数によって相違するように適用されてよい。
【0250】
例えば、ニューラルネットワークの学習初期には、高い学習率を使用してニューラルネットワークが早く一定水準の性能を確保するようにして効率性を高め、学習後期には、低い学習率を使用して精度を高めることができる。
【0251】
ニューラルネットワークの学習において、一般的に学習データは実際のデータ(すなわち、学習されたニューラルネットワークを用いて処理しようとするデータ)の部分集合であってよく、したがって、学習データに対するエラーは減少するが、実際のデータに対してはエラーが増加する学習サイクルが存在し得る。
【0252】
過剰適合(overfitting)は、このように学習データに過度に学習して実際のデータに対するエラーが増加する現象である。例えば、黄色の猫を見せて猫を学習したニューラルネットワークが、黄色以外の猫を見て猫であることを認識できない現象が過剰適合の一種である。
【0253】
過剰適合は、マシンラーニングアルゴリズムのエラーを増加させる原因として作用し得る。このような過剰適合を防ぐために多様な最適化方法が使用されてよい。過剰適合を防ぐためには、学習データを増加させたり、レギュラリゼイション(regularization)、学習の過程でネットワークのノードの一部を省略するドロップアウト(dropout)等の方法が適用されてよい。
【0254】
本明細書にわたって、演算モデル、神経網、ネットワーク関数、ニューラルネットワーク(neural network)は、同一の意味として使用されてよい(以下では、神経網に統一して記述する。)。データ構造は神経網を含んでよい。
【0255】
そして、神経網を含むデータ構造は、コンピュータ読み取り可能媒体に格納されてよい。神経網を含むデータ構造はまた、神経網に入力されるデータ、神経網の加重値、神経網のハイパーパラメータ、神経網から獲得したデータ、神経網の各ノード、又はレイヤーと関連した活性関数、神経網の学習のための損失関数を含んでよい。
【0256】
神経網を含むデータ構造は、前記開示された構成のうち任意の構成要素を含んでよい。すなわち、神経網を含むデータ構造は、神経網に入力されるデータ、神経網の加重値、神経網のハイパーパラメータ、神経網から獲得したデータ、神経網の各ノード、又はレイヤーと関連した活性関数、神経網のトレーニングのための損失関数等の全部又はこれらの任意の組み合わせを含んで構成されてよい。前述した構成以外にも、神経網を含むデータ構造は、神経網の特性を決定する任意の他の情報を含んでよい。
【0257】
また、データ構造は、神経網の演算過程に使用されたり発生する全ての形態のデータを含んでよく、前述した事項に制限されるわけではない。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能記録媒体及び/又はコンピュータ読み取り可能伝送媒体を含んでよい。神経網は、一般的にノードと指称され得る相互連結された計算単位の集合で構成されてよい。このようなノードは、ニューロン(neuron)と指称されてもよい。神経網は、少なくとも1以上のノードを含んで構成される。
【0258】
神経網内において、リンクを介して連結された1以上のノードは、相対的に入力ノード及び出力ノードの関係を形成することができる。入力ノード及び出力ノードの概念は相対的なものとして、一つのノードに対し出力ノードの関係にある任意のノードは、他のノードとの関係において入力ノードの関係にあってよく、その逆も成立し得る。
【0259】
前述したように、入力ノード対出力ノードの関係は、リンクを中心に生成されてよい。図8に見るように、一つの入力ノードに1以上の出力ノードがリンクを介して連結されてよく、その逆も成立し得る。
【0260】
一つのリンクを介して連結された入力ノード及び出力ノード関係において、出力ノードは、入力ノードに入力されたデータに基づいてその値が決定されてよい。ここで、入力ノードと出力ノードを相互連結するノードは、加重値(weight)を有してよい。
【0261】
加重値は可変的であってよく、神経網が所望する機能を遂行するために、使用者又はアルゴリズムによって可変されてよい。例えば、一つの出力ノードに1以上の入力ノードがそれぞれのリンクによって相互連結された場合、出力ノードは、前記出力ノードと連結された入力ノードに入力された値、及びそれぞれの入力ノードに対応するリンクに設定された加重値に基づいて出力ノード値を決定することができる。
【0262】
前述したように、神経網は、1以上のノードが1以上のリンクを介して相互連結されて神経網内で入力ノード及び出力ノード関係を形成する。神経網内でノードとリンクの個数及びノードとリンクとの間の連関関係、リンクそれぞれに付与された加重値の値により、神経網の特性が決定されてよい。
【0263】
例えば、同一の個数のノード及びリンクが存在し、リンクの間の加重値の値が相違した二つの神経網が存在する場合、二つの神経網は互いに相違したものと認識され得る。
【0264】
神経網を構成するノードのうちの一部は、最初入力ノードからの距離に基づいて、一つのレイヤー(layer)を構成することができる。例えば、最初入力ノードから距離がnであるノードの集合は、nレイヤーを構成することができる。
【0265】
最初入力ノードから距離は、最初入力ノードから当該ノードまで到達するために経なければならないリンクの最小個数によって定義することができる。
【0266】
しかし、このようなレイヤーの定義は、説明のための任意的なものであって、神経網内でレイヤーの差数は前述したものと相違した方法で定義されてよい。例えば、ノードのレイヤーは、最終出力ノードから距離によって定義されてもよい。
【0267】
最初入力ノードは、神経網内のノードのうち他のノードとの関係でリンクを経ずにデータが直接入力される1以上のノードを意味してよい。又は、神経網ネットワーク内で、リンクを基準としたノード間の関係において、リンクに連結された他の入力ノードを持たないノードを意味してよい。
【0268】
これと同様に、最終出力ノードは、神経網内のノードのうち他のノードとの関係で、出力ノードを持たない1以上のノードを意味し得る。また、隠れノードは、最初入力ノード及び最後出力ノードでない神経網を構成するノードを意味し得る。本発明の一実施形態にともなう神経網は、入力レイヤーのノードが出力レイヤーに近い隠れレイヤーのノードよりも多くてよく、入力レイヤーから隠れレイヤーに進むことによりノードの数が減少する形態の神経網であってよい。
【0269】
神経網は、1以上の隠れレイヤーを含んでよい。隠れレイヤーの隠れノードは、以前のレイヤーの出力と周辺の隠れノードの出力を入力にすることができる。各隠れレイヤー別の隠れノードの数は、同一であってもよく、相違してもよい。
【0270】
入力レイヤーのノードの数は、入力データのデータフィールドの数に基づいて決定されてよく、隠れノードの数と同一であってもよく、相違してもよい。入力レイヤーに入力された入力データは、隠れレイヤーの隠れノードによって演算することができ、出力レイヤーである完全連結レイヤー(FCL:fully connected layer)によって出力することができる。
【0271】
フィーチャー抽出モデル及びフィーチャー分類モデル
【0272】
本発明の一実施形態によれば、睡眠分析モデルは、予め決められたエポック別の1以上のフィーチャーを抽出するフィーチャー抽出モデル、及びフィーチャー抽出モデルを介して抽出されたフィーチャーそれぞれを1以上の睡眠段階に分類して睡眠段階情報を生成するフィーチャー分類モデルを含んでよい。
【0273】
実施形態によれば、フィーチャー抽出モデルは、スペクトログラム300の時系列的周波数パターンを分析して、呼吸音、呼吸パターンパターンに関連したフィーチャーを抽出することができる。
【0274】
一実施形態において、フィーチャー抽出モデルは、学習データセットを介して事前学習された神経網モデル(例えば、オートエンコーダ)の一部を介して構成されてよい。ここで、学習データセットは、複数のスペクトログラム及び各スペクトログラムに対応する複数の睡眠段階情報で構成されてよい。
【0275】
一実施形態において、フィーチャー抽出モデルは、学習データセットを介して学習された独自のディープラーニングモデル(例えば、オートエンコーダ)を介して構成されてよい。フィーチャー抽出モデルは、地図学習又は非地図学習方式を介して学習されてよい。フィーチャー抽出モデルは、学習データセットを介して入力データと類似した出力データを出力するように学習されてよい。
【0276】
詳しく説明すると、エンコーダを介してエンコーディング過程で入力されたスペクトログラムの核心特徴データ(又は、フィーチャー)のみを隠れレイヤーを介して学習し、残りの情報を損失させることができる。この場合、デコーダを介したデコーディング過程で隠れレイヤーの出力データは完璧な複写値でない入力データ(すなわち、スペクトログラム)の近似値であってよい。すなわち、オートエンコーダは、出力データと入力データが出来るだけ同じになるように加重値を調整するように学習することができる。
【0277】
学習データセットに含まれた複数のスペクトログラムそれぞれには、睡眠段階情報がタギングされてよい。複数のスペクトログラムそれぞれをエンコーダに入力されてよく、各スペクトログラムに対応する出力はタギングされた睡眠段階情報とマッチングして格納されてよい。
【0278】
具体的に第1睡眠段階情報(例えば、浅い睡眠)がタギングされた第1学習データセット(すなわち、複数のスペクトログラム)を入力とする場合、当該入力に関連したフィーチャーは、第1睡眠段階情報とマッチングして格納することができる。実施形態において、出力に関連した1以上のフィーチャーは、ベクター空間上に表示することができる。
【0279】
この場合、第1学習データセットをそれぞれに対応して出力された特徴データは、第1睡眠段階に関連したスペクトログラムを介した出力であるため、ベクター空間上で比較的近い距離に位置することができる。すなわち、各睡眠段階に対応して複数のスペクトログラムが類似したフィーチャーを出力するようにエンコーダの学習が遂行されてよい。
【0280】
エンコーダの場合、デコーダが入力データをよく復元できるようにする特徴をよく抽出するように学習することができる。したがって、フィーチャー抽出モデル410の学習されたオートエンコーダのうち、エンコーダを介して具現されることにより、入力データ(すなわち、スペクトログラム)をよく復元できるようにする特徴(すなわち、複数のフィーチャー)を抽出することができる。
【0281】
前述した学習過程を介してフィーチャー抽出モデル410を構成するエンコーダは、スペクトログラム(例えば、睡眠音響情報に対応して変換されたスペクトログラム)を入力とする場合、当該スペクトログラムに対応するフィーチャーを抽出することができる。
【0282】
実施形態において、プロセッサ130又はプロセッサ830は、睡眠音響情報210に対応して生成されたスペクトログラム300をフィーチャー抽出モデルの入力で処理してフィーチャーを抽出することができる。ここで、睡眠音響情報210は、使用者の睡眠中に時系列的に獲得される時系列データであるため、プロセッサ130又はプロセッサ830は、スペクトログラム300を予め決められたエポックに分割することができる。例えば、プロセッサ130又はプロセッサ830は、睡眠音響情報210に対応するスペクトログラム300を30秒単位で分割して複数個のスペクトログラムを獲得することができる。例えば、使用者の7時間(すなわち、420分)睡眠中の睡眠音響情報が獲得された場合、プロセッサ130又はプロセッサ830は30秒単位でスペクトログラムを分割して840個のスペクトログラムを獲得することができる。
【0283】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することができる。前述した睡眠時間、スペクトログラムの分割時間単位及び分割個数に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0284】
本発明の実施形態によるプロセッサ130又はプロセッサ830は、分割された複数個のスペクトログラムそれぞれをフィーチャー抽出モデルの入力で処理して、複数個のスペクトログラムそれぞれに対応する複数のフィーチャーを抽出することができる。例えば、複数個のスペクトログラムの個数が840個である場合、これに対応してフィーチャー抽出モデルが抽出する複数のフィーチャーの個数もまた840個であってよい。前述したスペクトログラム及び複数のフィーチャーの個数に関連した具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0285】
また、プロセッサ130又はプロセッサ830は、フィーチャー抽出モデルを介して出力された複数のフィーチャーを、フィーチャー分類モデルの入力で処理して睡眠段階情報を獲得することができる。実施形態において、フィーチャー分類モデルはフィーチャーに対応して睡眠段階を予測するようにモデリングされた神経網モデルであってよい。
【0286】
例えば、フィーチャー分類モデルは、完全連結レイヤー(fully connected layer)を含んで構成され、フィーチャーを睡眠段階のうち少なくとも一つに分類するモデルであってよい。例えば、フィーチャー分類モデルは、第1スペクトログラムに対応する第1フィーチャーを入力にする場合、当該第1フィーチャーを浅い睡眠に分類することができる。
【0287】
フィーチャー分類モデルは、様々エポックに関連したスペクトログラムを入力にして様々なエポックの睡眠段階を予測するマルチエポック分類を遂行することができる。マルチエポック分類とは、単一エポックのスペクトログラム(すなわち、30秒に該当する一つのスペクトログラム)に対応して一つの睡眠段階分析情報を提供するのではなく、複数のエポックに当該するスペクトログラム(すなわち、それぞれ30秒に該当するスペクトログラムの組み合わせ)を入力にして、様々な睡眠段階(例えば、時間変化による睡眠段階の変化)を一度に推定するためのものであってよい。
【0288】
例えば、呼吸パターンは、脳波信号又は他の生体信号に比べてゆっくり変化するので、過去と未来の時点においてパターンがどのように変化するのかを観察してこそ、正確な睡眠段階の推定が可能であり得る。具体的な例を挙げると、フィーチャー分類モデルは、40個のスペクトログラム(例えば、それぞれ30秒に該当するスペクトログラムが40個)を入力にして、中央に位置した20個のスペクトログラムに対する予測を遂行することができる。すなわち、1~40のスペクトログラムを全て詳しく見るが、10~20に対応するスペクトログラムに対応する分類を介して睡眠段階を予測することができる。前述したスペクトログラムの個数に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0289】
すなわち、睡眠段階を推定する過程において、単一スペクトログラムそれぞれに対応して睡眠段階の予測を遂行するのではなく、過去と未来に関連した情報を全て考慮できるように複数のエポックに該当するスペクトログラムを入力として活用するようにすることで、出力の正確度の向上を図ることができる。
【0290】
前述したように、プロセッサ130又はプロセッサ830は、睡眠音響情報に基づいてスペクトログラムを獲得することができる。この場合、スペクトログラムロの変換は、比較的小さい音響に関連した呼吸又は動きパターンを容易に分析するようにするためであってよい。また、プロセッサ130又はプロセッサ830は、フィーチャー抽出モデル及びフィーチャー分類モデルを含んで構成される睡眠分析モデルを活用して獲得したスペクトログラムに基づいた睡眠段階情報を生成することができる。この場合、睡眠分析モデルは、過去と未来に関連した情報を全て考慮できるように、複数のエポックに該当するスペクトログラムを入力にして睡眠段階の予測を遂行することができるので、より正確度のある睡眠段階情報を出力することができる。
【0291】
すなわち、プロセッサ130又はプロセッサ830は、前述したような睡眠分析モデルを活用して、睡眠音響情報に対応する睡眠段階情報を出力することができる。
【0292】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が上述した動作を遂行することができる。
【0293】
実施形態によれば、睡眠段階情報は、使用者の睡眠中に変化する睡眠段階に関連した情報であってよい。例えば、睡眠段階情報は、使用者の昨夜の8時間睡眠の間の各時点別に、使用者の睡眠が浅い睡眠、普通睡眠、深い睡眠、又はREM睡眠などに変化した情報を意味してよい。前述した睡眠段階情報に対する具体的な記載は例示にすぎず、本発明はこれに制限されない。
【0294】
使用者のプライバシー保護方法
【0295】
図6の(b)は、本発明による睡眠分析方法において、使用者から抽出された睡眠音響情報に対するメルスペクトログラム変換を用いたプライバシー保護方法を説明するための概念図である。
【0296】
図6の(b)に示されたように、使用者から抽出された音響情報、あるいは、これから抽出されたローデータ(raw data)の睡眠音響情報は、ノイズリダクションの前処理過程を経る。ノイズリダクション過程では、ローデータ(raw data)に含まれたノイズ(例:ホワイトノイズ)が除去される。
【0297】
ノイズリダクション過程は、バックグラウンドノイズ(background noise)を除去するためのスペクトルゲート(spectral gating)、スペクトルサブトラクション(spectral substraction)等のアルゴリズムを用いて成されてよい。
【0298】
さらに、本発明においては、ディープラーニング基盤のノイズリダクションアルゴリズムを用いてノイズ除去過程を遂行することができる。ディープラーニング基盤のノイズリダクションアルゴリズムは、使用者の息づかい、呼吸音に特化した、換言すれば、使用者の息づかいや呼吸音を介して学習された(learned)ノイズリダクションアルゴリズムを用いることができる。
【0299】
以降、ノイズが除去されたローデータ(raw data)は、メルスペクトログラム(Mel-Spectrogram)に生成される。ここで、メルスペクトログラムとは、与えられた入力文章(テキスト)であって、周波数領域の簡素化されたベクターの列を意味する。
【0300】
この時、ローデータ(raw data)からフェーズを除いたアンプリチュードのみに基づいてメルスペクトログラムを生成する方式を用いることができ、これは、プライバシーを保護するだけでなく、データ容量を低くして処理速度を向上させる。ただし、他の実施形態では、フェーズとアンプリチュードを共に用いてメルスペクトログラムを生成することも可能である。
【0301】
本発明は、睡眠音響情報210に基づいて生成されたメルスペクトログラム300を用いて睡眠分析モデルを生成し、オーディオデータに表現される睡眠音響情報をそのまま用いることになれば、情報量が非常に多いので、演算量、演算時間が大幅に増加することになり、願わない信号まで含まれているので、演算精度が低下するだけでなく、使用者のすべてのオーディオ信号が外部サーバ20又はAIサーバ310に転送される場合、プライバシー侵害の恐れがある。
【0302】
本発明は、上述した方法で睡眠音響情報のノイズを除去した後、これをメルスペクトログラム(Mel spectrogram)に変換し、メルスペクトログラムを学習させて睡眠分析モデルを生成するので、演算量、演算時間を減らすことができ、個人のプライバシー保護まで図ることができるようになる。
【0303】
この時、サウンドデータの非識別化は、自然語及び呼吸音に対して成されてよく、これは、それぞれ自然語変換メルスペクトログラム、呼吸音変換メルスペクトログラムに変換されてよい。本発明による睡眠分析では、分析モデルに必要な情報だけを活用して演算速度を向上させ、演算負荷を減少させることができる。
【0304】
睡眠分析方法の正確度検証及び実施形態
【0305】
図34は、本発明による睡眠分析方法の正確度を検証した表として、年齢、性別、BMI、疾患の有無に従って分析した実験結果データである。
【0306】
図34は、本発明による睡眠分析方法に対する一実施形態として、スマートスピーカーとスマートフォンを用いた場合を、理解しやすく示した概念図である。
【0307】
本発明による睡眠分析方法は、病院における睡眠多元検査方法と異なり、検査途中に照明をオン/オフすることもでき、室内温度及び湿度を自由に調節することもできる。
【0308】
すなわち、固定されている病院環境の検証を越えて、超格差のために多様な実際の状況に対する検証が可能である、スマート家電機器800及びスマートフォン900だけを用いて、病院でない多様な環境でも便利で柔軟性があるように睡眠分析が可能になる。
【0309】
これにより、図34に見るように、多様な範囲の年齢、性別、BMI、睡眠無呼吸症、四肢運動障害対象群に対しても、実際に持続的に高い正確度を示す実験結果を確認することができた。
【0310】
図34に見るように、理解の便宜のためにスマート家電機器800をスマートスピーカーと想定したが、これに限定されない。すなわち、スマート家電機器800は、タブレットPC(tablet personal computer)、移動電話機(mobile phone)、画像電話機、電子ブックリーダー機(e-book reader)、デスクトップPC(desktop personal computer)、ラップトップPC(laptop personal computer)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション(workstation)、サーバ、PDA(personal digital assistant)、PMP(portable multimedia player)、MP3プレーヤ、モバイル医療機器、カメラ(camera)、又はウェラブル装置(wearable device)(例:スマートメガネ、ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted-device(HMD))、電子衣服、電子ブレスレット、電子ネックレス、電子アプセサリー(appcessory)、電子他トゥー、スマートウォッチ(smart watch))、スマートミラー(smart mirror)、キオスク(kiosk)等で具現されてよい。
【0311】
さらに、スマート家電機器800は、TV、DVD(digital video disk)プレーヤ、オーディオ、冷蔵庫、エアコン、掃除機、オーブン、電子レンジ、洗濯機、空気清浄機、セットトップボックス(set-top box)、ホームオートメーションコントロールパネル(home automation control panel)、セキュリティーコントロールパネル(security control panel)、TVボックス)、ゲームコンソール、電子辞典、電子キー、カムコーダ(camcorder)、又は電子額縁のようなスマート家電製品(smart home appliance)、各種医療機器、家庭用ロボット、モノのインターネット装置(internet of things)(例:電球、各種センサ、電気、又はガスメータ器、スプリンクラー装置、火災警報器、温度調節器(thermostat)、街灯、トースター(toaster)、運動器具、温水タンク、ヒーター、ボイラーなど)で具現されてよい。また、スマート家電機器800は、家具(furniture)又は建物/構造物の一部、電子ボード(electronic board)、電子サイン受信装置(electronic signature receiving device)、プロジェクタ(projector)等で具現されてよく、上で言及した多様な装置のうち一つ又はそれ以上の組み合わせであってよい。
【0312】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が上述した多様な装置のうちの一つ又はそれ以上の組み合わせに該当することができる。
【0313】
したがって、本発明による睡眠分析方法は、病院ではないところでも、時間と場所にこだわらず、スマートフォン900やスマートスピーカーなどのスマート家電機器800を介して便利で簡単に使用者の深層睡眠分析が可能である。
【0314】
非接触式睡眠分析システムの構成
【0315】
図50は、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムの動作を説明するための構成図であって、1以上のスマート家電機器800、スリープトラックアプリ、自律走行車両801及び居住空間802を含む。
【0316】
図51は、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムの構成要素間の動作を説明するための構成図であって、スマート家電機器800、スマートフォン900、及びAIサーバ310を含む。
【0317】
図50に示されたように、本発明によるスマート家電機器800は、内蔵されたマイクが使用者の睡眠音響情報を獲得し、これを用いて睡眠分析(非接触式睡眠分析)を遂行することにより、さらに汎用的で精密な睡眠分析を遂行することができる。
【0318】
すなわち、病院の睡眠多元検査などの環境検証を越えて、多様な実際の状況検証をすることができ、不眠症だけでなく睡眠無呼吸症及び睡眠低呼吸症のイベントまでリアルタイムで正確に感知し、多様な範囲の年齢、性別、人種、BMI、疾患の有無についても睡眠診断ソリューションを提供することができる。
【0319】
図51に見るように、スマート家電機器800及びスマートフォン900が連動して使用者の睡眠分析を遂行する。スマート家電機器800とスマートフォン900は、ブルートゥース(登録商標)等を介してペアリングになったり、その他の無線通信方式で互いに連結されてよい。
【0320】
スマートフォン900は、スマート家電機器800から獲得される使用者の睡眠音響情報に基づいて睡眠分析を遂行することができる。
【0321】
この時、使用者の睡眠音響情報は、スマート家電機器800から獲得されてスマートフォン900に伝達されてもよいが、スマートフォン900に内蔵されたマイクを介して独自に獲得されてもよい。
【0322】
すなわち、図51に示された実施形態において、睡眠段階分析は、スマート家電機器800及びスマートフォン900を介して非接触式睡眠段階の分析が成される。使用者は、スマートフォン900から導出された睡眠段階分析結果をスマートフォン900の画面を介して確認することができる。
【0323】
このように、使用者がスマート家電機器800を着用していない場合にも、少なくとも前記睡眠分析のための入力信号の一部(例:身体の動き情報)、又は睡眠分析のための入力信号(睡眠音響情報)を受信するために、スマート家電機器800が使用者の周辺に適切に配置される必要がある。
【0324】
特に、身体の動き情報を抽出するためには、少なくとも使用者の動きを感知することができる領域(例:枕の下部、マットレスの上部など)に配置された方が良い。
【0325】
反面、音響は放射的な方向に伝達されるので、睡眠音響情報のみを用いる場合には、使用者の位置、使用者とスマート家電機器800との距離や角度と無関係に情報を収集及び分析することができる長所がある。
【0326】
したがって、本発明のスマート家電機器800は、必ずしも使用者に着用されなくても、使用者の位置、使用者との距離や角度と無関係に、使用者の睡眠空間内に所定の半径(例:4~5m)内に適切に配置されるならば、上で説明した睡眠段階の分析が可能になる。半径に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0327】
一実施形態では、スマート家電機器800が睡眠分析のための入力信号(睡眠音響情報)を受信できるように、スマート家電機器800が使用者に未着用された場合、使用者をしてスマート家電機器800を使用者に近いように配置できるように所定の信号を送出することができる。所定の信号は、振動、アラーム、テキスト、LEDなどであってよい。
【0328】
使用者とスマート家電機器800の間の半径は、スマート家電機器800によって抽出されてもよく、スマートフォン900によって抽出されてもよい。
【0329】
すなわち、使用者の睡眠空間は固定されているので、スマート家電機器800の位置を追跡してスマート家電機器800が適切な位置に配置されているか判断することができる。
【0330】
一方、スマート家電機器800は、使用者に着用可能なデバイスでない、使用者の睡眠に用いられる睡眠用製品(デバイス)に該当し得る。例えば、スマート家電機器800の一つとして、スマートスピーカー(smart speaker)が用いられてよい。スマートスピーカーは、多様な音響情報を測定するために、音響センサを内部に含んでよい。
【0331】
スマートスピーカーは、音響センサを介して獲得された音響情報を用いて、1次睡眠分析を遂行することができる。スマートスピーカーは、スマートフォン900とペアリングになり、スマートスピーカーで測定された情報、又はスマートスピーカーで分析された1次睡眠分析結果がスマートフォン900に伝達されてよい。この時、スマートスピーカーは通信モジュールを含んでよい。
【0332】
また、スマート家電機器800の一つとして、スマートマットレス(smart mattress)が用いられてよい。スマートマットレスは、多様な音響情報を測定するために、音響センサを内部に含んでよい。
【0333】
スマートマットレスは、音響情報を用いて、1次睡眠分析を遂行することができる。スマートマットレスはスマートフォン900とペアリングになり、スマートマットレスが測定した情報、又はスマートマットレスが分析された1次睡眠分析結果をスマートフォン900に伝達することができる。この時、スマートマットレスは通信モジュールを含んでよい。
【0334】
一方、スマートマットレスは、温度を調節するための各種モジュール(温度調節モジュール、赤外線照射モジュール、クーリングモジュール)を含んでよく、最終睡眠段階分析結果に基づいて温度が調節されてよい。これは、使用者の睡眠の質を向上させる。
【0335】
一方、上で言及したスマートスピーカーやスマートマットレスは、後述する睡眠障害緩和及び改善のために、振動モジュール又はアラームモジュールを含んでよい。すなわち、睡眠無呼吸、いびき、睡眠過呼吸、REM睡眠などが感知されれば、スマートスピーカーやスマートマットレスの振動モジュール又はアラームモジュールを活性化させて、使用者に触覚的あるいは聴覚的刺激を伝達することができる。
【0336】
その他に、自律走行車両801や、最近建設される居住空間802でも、1以上のスマートデバイスがスリープトラックアプリと連動されて、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムが構築されて動作することもできる。
【0337】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することができる。
【0338】
前述したスマート家電機器や空間の種類に対する記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0339】
睡眠分析システム内のスマート家電機器
【0340】
図11の(b)は、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システム内のスマート家電機器の構成を示すブロック図である。
【0341】
本発明によるスマート家電機器800は、通信部810、センサ部820、プロセッサ830、メモリ840、及びアラーム部850を含む。その他のスマート家電機器800の機能を遂行するための多様な構成がさらに含まれてよい。
【0342】
すなわち、本発明の実施形態に対する具現様態に応じて追加的な構成がさらに含まれてよく、あるいは、前記構成のうち一部が省略されたり、2以上の構成が1つの構成に統合されてもよい。
【0343】
通信部810は、無線通信網を介してスマートフォン900やAIサーバ310とデータの送受信を遂行する。無線通信網は、ジーウェーブ(Z-wave)、ジグビー(zigbee,登録商標)、Wi-Fi(wifi)、ブルートゥース(bluetooth,登録商標)、LTE-M、ローラ(LoRa、long Range)、モノの狭帯域インターネット(NB-IoT)、赤外線通信(Infrared Data Association,IrDA)等の近距離無線通信網を含んでよい。また、無線通信網は、無線LAN(Wireless LAN、WLAN)、ワイヤレスブロードバンド(Wireless Broadband,Wibro)Wifi(wireless fidelity)、WiMax(world interoperability for microwave access)、GSM(global system for mobile communication)又はCDMA(code division multiple access)のような2G移動通信網、WCDMA(wideband code division multiple access)又はCDMA2000のような3G移動通信網、HSDPA(high speed downlink packet access)又はHSUPA(high speed uplink packet access)のような3.5G移動通信網、LTE(long term evolution)網、又はLTE-Advanced網のような4G、5G、6G移動通信網などを含んでよいが、これに限定されない。
【0344】
センサ部820は、使用者の睡眠音響情報を抽出するためのマイクモジュールを含んでよい。マイクモジュールは、小型デバイスに適用されるためのMEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)で構成されてよい。このようなマイクモジュールは非常に小型に製作が可能であり、コンデンサマイク(Condenser Microphone)やダイナミックマイク(dynamic microphone)に比べて非常に低いSNR(Signal Noise Ratio)を有してよい。
【0345】
この時、睡眠音響情報は、睡眠中の音響信号の情報として、睡眠それ自体と密接な相互作用をして、スマートウォッチ、スマートリング等のウェアラブルデバイスを別途着用しなくても獲得することができる。
【0346】
センサ部820は、気圧センサ、グリップセンサ、カラーセンサ、IR(infrared)センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサを含んでよい。
【0347】
メモリ840は、睡眠分析を遂行するためのコンピュータプログラムを格納することができ、格納されたコンピュータプログラムは、後述するプロセッサ830によって読み取られて実行されてよい。また、メモリ840は、プロセッサ830が生成したり決定したりした任意の形態の情報、及び通信部810が受信した任意の形態の情報を格納することができる。また、メモリ840は、使用者の睡眠に関連したデータを格納することができる。
【0348】
例えば、メモリ840は、入力/出力されるデータを臨時又は永久格納することもできる。
【0349】
メモリ840は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば SD又はXDメモリなど)、ラム(Random Access Memory、RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(Read-Only Memory、ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも一つのタイプの格納媒体で具現されてよいが、これに限定されない。
【0350】
コンピュータプログラムは、メモリ840にロードされる時、プロセッサ830をして本発明の多様な実施形態による方法/動作を遂行するようにする1以上のインストラクションを含んでよい。すなわち、プロセッサ830は、1以上のインストラクションを実行することによって、本発明の多様な実施形態による方法/動作を遂行することができる。
【0351】
プロセッサ830は、1以上のコアで構成されてよく、スマート家電機器の中央処理装置(CPU:central processing unit)、汎用グラフィック処理装置(GPGPU:general purpose graphics processing unit)、テンソル処理装置(TPU:tensor processing unit)等のデータ分析、ディープラーニングのためのプロセッサを含んでよい。
【0352】
プロセッサ830は、メモリ840に格納されたコンピュータプログラムを読み取って本発明の一実施形態による機械学習のためのデータ処理を遂行することができる。本発明の一実施形態により、プロセッサ830は神経網の学習のための演算を遂行することができる。
【0353】
プロセッサ830は、ディープラーニング(DL:deep learning)において学習のための入力データの処理、入力データにおけるフィーチャー抽出、誤差計算、逆伝播(backpropagation)を用いた神経網の加重値アップデートなどの神経網の学習のための計算を遂行することができる。
【0354】
また、プロセッサ830のCPU、GPGPU、及びTPUのうち少なくとも一つがネットワーク関数の学習を処理することができる。
【0355】
例えば、CPUとGPGPUが共にネットワーク関数の学習、ネットワーク関数を用いたデータ分類を処理することができる。また、本発明の一実施形態において複数のスマート家電機器のプロセッサを共に使用して、ネットワーク関数の学習、ネットワーク関数を用いたデータ分類を処理することができる。
【0356】
また、本発明の一実施形態によるスマート家電機器で遂行されるコンピュータプログラムは、CPU、GPGPU、又はTPU実行可能プログラムであってよい。
【0357】
ネットワーク関数は、人工神経網、ニューラルネットワークと相互交換可能に使用されてよい。ネットワーク関数は、1以上のニューラルネットワークを含んでよく、この場合、ネットワーク関数の出力は1以上のニューラルネットワークの出力のアンサンブル(ensemble)であってよい。
【0358】
モデル(推論モデル)は、ネットワーク関数を含んでよい。モデルは、1以上のネットワーク関数を含んでよく、この場合、モデルの出力は1以上のネットワーク関数の出力のアンサンブルであってよい。
【0359】
プロセッサ830は、メモリ840に格納されたコンピュータプログラムを読み取って本発明の一実施形態による睡眠分析モデルを提供することができる。本発明の一実施形態により、プロセッサ830は、睡眠分析モデルを用いて睡眠音響情報に基づいて使用者の睡眠分析を遂行することができる。
【0360】
すなわち、使用者の睡眠中の呼吸は、睡眠を分析するための多くの情報が盛り込まれているが、体の動きや睡眠中の呼吸音だけでなく、多様な睡眠疾患(例えば、睡眠無呼吸症、睡眠低呼吸症、いびき)等の多くの情報が盛り込まれており、人工知能(AI)を活用する場合、高い正確度を期待することができる。
【0361】
図32の(b)に見るように、睡眠段階では、使用者の呼吸パターンと規則性、睡眠中の動きの音、及び息づかいが測定され、無呼吸症イベント発生後の回復呼吸音と、低呼吸症イベントとの間の不安定な呼吸音が測定されてよい。
【0362】
また、呼吸音の周波数パターンが分析されれば、いびきや睡眠無呼吸症の原因に対する根本的な予測が可能である。
【0363】
特に、睡眠中呼吸音は、使用者の睡眠中の息づかいであって、図35に見るように、スマートフォン900やスマートスピーカーなどの多様なスマート家電機器800を介して、病院ではないところでも便利に測定可能な情報である。
【0364】
プロセッサ830は、睡眠分析モデルを学習させるための計算を遂行することができる。睡眠分析モデルに基づいて、使用者の睡眠段階、睡眠の質、睡眠障害発生などと関連した睡眠情報を推論することができる。使用者からリアルタイムあるいは周期的に獲得される睡眠音響情報が睡眠分析モデルに入力値で入力されて、使用者の睡眠と関連したデータ(睡眠段階、睡眠の質、睡眠障害発生などに関するデータ)を出力するようになる。
【0365】
一方、本発明によるスマート家電機器800は、アラーム部850をさらに含んでよい。アラーム部850は、1次及び2次睡眠分析中に睡眠無呼吸のような睡眠障害が発生した場合、使用者の触覚的あるいは聴覚的フィードバックを付与するための手段である。
【0366】
例えば、アラーム部850は、振動を生成するアクチュエータ、振動モジュール、ハプティクスモジュールで具現されてよく、音、音響を生成するスピーカーモジュールで具現されてもよい。
【0367】
一方、本発明において、睡眠状態情報は、使用者が睡眠をとってあるか否かに関連した情報であってよい。具体的に、睡眠状態情報は、使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報、使用者が睡眠中という第2睡眠状態情報、及び使用者が睡眠後という第3睡眠状態情報のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0368】
換言すれば、使用者に関連して第1睡眠状態情報が推論される場合、プロセッサ830は当該使用者が睡眠前(すなわち、就寝前)の状態であると判断することができ、第2睡眠状態情報が推論される場合、当該使用者が睡眠中の状態であると判断することができ、そして、第3睡眠状態情報が獲得される場合、当該使用者が睡眠後(すなわち、起床)の状態であると判断することができる。
【0369】
このような睡眠状態情報は、環境センシング情報に基づいて獲得することができる。環境センシング情報は、非接触方式で使用者が位置した空間において獲得されるセンシング情報であってよい。
【0370】
例えば、プロセッサ830は、センサ部820において獲得された環境センシング情報(清掃に関連した音響情報、食べ物の料理に関連した音響情報、TV視聴に関連した音響情報、睡眠中に獲得される睡眠音響情報など)に基づいて睡眠状態情報を抽出することができる。
【0371】
この時、使用者の睡眠中に獲得される睡眠音響情報は、睡眠中の使用者が寝返りを打つことにより発生する音響、筋肉の動きに関連した音響、又は睡眠中の呼吸サウンドなどを含んでよい。すなわち、本発明における睡眠音響情報は、使用者の睡眠中に関連した呼吸パターンに関連した音響情報を意味してよい。
【0372】
睡眠段階は、NREM(non-REM)睡眠、REM(Rapid eye movement)睡眠に区分されてよく、NREM睡眠は再び複数(例:Light、Deepの2段階、N1~N4の4段階)に区分されてよい。睡眠段階の設定は、一般的に通用される睡眠段階を基準として定義されてもよいが、設計者により多様な方式で任意設定されてもよい。
【0373】
睡眠段階の分析を介しては、睡眠の質だけでなく、睡眠疾患(例:睡眠無呼吸症)とその根本的な原因(例:いびき)まで予測することができる。
【0374】
プロセッサ830は、スマート家電機器800から獲得される音響情報に基づいて睡眠状態情報を獲得することができる。具体的に、プロセッサ830は、音響情報に既に設定されたパターンの情報が感知される特異点を識別することができる。
【0375】
ここで、既に設定されたパターンの情報は、睡眠に関連した呼吸パターンに関連したものであってよい。例えば、目覚めている状態(wake)では、全ての神経系が活性化しているので、呼吸パターンが不規則的であり、体の動きが多いことがある。
【0376】
また、首の筋肉の弛緩が成されないため、呼吸の音が非常に少ないことがある。反面、使用者が睡眠をとっている場合には、自律神経系が安定化され呼吸が規則的に変化し、呼吸音も大きくなり得る。
【0377】
すなわち、プロセッサ830は、音響情報において、規則的な呼吸、少ない呼吸音などに関連した既に設定されたパターンの音響情報が感知される時点を特異点と識別することができる。また、プロセッサ830は、識別された特異点を基準として獲得される音響情報に基づいて睡眠音響情報を獲得することができる。
【0378】
プロセッサ830は、時系列的に獲得される音響情報から使用者の睡眠時点に関連した特異点を識別し、当該特異点を基準として睡眠音響情報を獲得することができる。
【0379】
また、本発明の一実施形態によれば、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0380】
従来の睡眠分析方法と本発明の睡眠分析方法との比較
【0381】
図45は、本発明の睡眠分析方法を従来技術と比較するために、従来の睡眠分析方法に従って病院環境において睡眠多元検査マイクデータSのみを用いた場合の訓練方法を示した概念図である。
【0382】
図46は、図45に示された訓練方法に、本発明の睡眠分析方法に従って家庭環境における各種音響を反映してAI睡眠分析モデルを生成する方法の概念図である。
【0383】
ここで、波形(a)は、病院環境において睡眠多元検査マイクデータSの波形、波形(b)は、家庭環境において発生する各種ノイズデータNの波形、波形(c)は、波形(a)と波形(b)とが結合した波形である。
【0384】
図47は、本発明による睡眠分析方法の性能を住居ノイズの種類によって9つのグループで分けて訓練した性能を検証した表であって、第1~第9グループ(group 0 ~ group 8)を対象にしてテストした実験結果データである。
【0385】
住居ノイズの種類が、第1グループは、雨の音、風の音、第2グループは、扇風機の音、エアコンの音、第3グループは、TVの音、電話の音、ビデオレコーダの音、第4グループは、自動車の音、モータバイクの音、その他の車両の音、第5グループは、時計の音、第6グループは、人の対話の音、声、第7グループは、電子製品の音、第8グループは、部屋間/階間騒音、第9グループは、ペットの音である。
【0386】
図45で見るように、従来の病院環境において睡眠多元検査マイクデータSのみを用いた場合の訓練方法は、病院で収集された睡眠多元検査マイクデータSの入力を受けて、第1AI睡眠分析モデルを経て出力されれば、分類損失(classification loss)が反映された睡眠分析及び診断のラベルが生成及びフィードバックされる。
【0387】
反面、家庭用睡眠多元検査マイクデータHを用いた場合の訓練方法は、次の通りである。
【0388】
まず、図46に見るように、従来の病院環境において睡眠多元検査マイクデータSのみを用いた場合の訓練方法(a)で用いられた睡眠多元検査マイクデータSに、家庭環境で発生する各種ノイズデータNが結合して入力される。
【0389】
このような結合データS+Nが入力されて第2AI睡眠分析モデルを経て出力されれば、一貫性損失(consistency loss)が発生する。
【0390】
この一貫性損失に図20に示された訓練方法によって発生した分類損失が合算されて反映されれば、第3AI睡眠分析モデルが生成される。
【0391】
この時、第1及び第2AI睡眠分析モデルは、互いの出力データ間の関連性を付加する。
【0392】
使用者の24時間モニタリングプロセッサ及びクラス当たりの平均結果値の比較
【0393】
図48は、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析システム及び睡眠分析方法による使用者の24時間モニタリングプロセスを説明するための概略図である。
【0394】
図49は、本発明によるスマート家電機器及び睡眠分析方法と既存の世界先導的なスリープテック企業等の製品及びデバイスと比較したクラス当たりの平均(mean per class)の結果値の表である。
【0395】
既存のスマートウォッチのみを用いて、使用者の活動、休息、睡眠などのパターンを分析した従来の場合には、睡眠時にスマートウォッチを外しておけば睡眠分析が中断される問題点があった。本発明は、スマート家電機器800と連動されたスマートフォン900を用いて、睡眠時にスマートウォッチを外した状態でも使用者の全ての活動をリアルタイムで中断なしに(seamlessly)モニタリングできるようにする。
【0396】
例えば、スマートウォッチを外した時、充電器に差した時、充電パッドに置いた時など、スマートフォン900を自動で駆動させることによって、使用者の活動、休息、睡眠などに関する分析を連続的に継続できるようになる。この時、スマート家電機器800に隣接していない状態で睡眠時間になった時、スマートフォン900を駆動させることができる。
【0397】
このような方式で睡眠を含む使用者の活動測定の連続性を確保できるようになる。例えば、図48に示されたように、24時間のデータは、スマートフォン900を介して確保することができる。そして、当該データは、多様なレポートに加工されて使用者に提供されてよい。
【0398】
使用者は、スマートフォン900のスクリーンをタッチして睡眠記録を開始し、上で言及した方式で分析された睡眠分析結果レポート(就寝時間、寝入り遅延時間、睡眠時間、アラーム後に起きるのにかかる時間など)の提供を受けて、睡眠段階に合わせてアラーム(個人睡眠段階に合わせて次第に大きくなる音のアラームなど)が自動的に生成されてよく、ユーザプロファイリング(睡眠情報、選好コンテンツ、年齢帯/性別/職業群によるコンテンツ推薦など)、個人睡眠パターンに最適化されたカスタマイズ型睡眠/運動/摂食/化粧品/行動規定などに対する推薦等のオールディケアサービスの提供を受けることができるようになる。
【0399】
本発明は、体重/血圧と睡眠無呼吸、不眠症、又は運動と不眠症などを睡眠測定記録として見せて、これは、使用者に自身の健康を改善するための行動変化の動機付与になり得る。すなわち、本発明は、使用者の行動変化の順応度を非常に自然に向上させることができる。
【0400】
例えば、使用者が太り過ぎの場合、睡眠無呼吸が珍しくなく発生するが、体重減量が睡眠無呼吸の好転に役立つので、本発明は、ヘルスケアアプリの献立、運動、及び体重トレッキング(weight tracking)と連係することができる。
【0401】
すなわち、睡眠無呼吸履歴(history)は、本発明のリアルタイム睡眠無呼吸の感知と正確度で行動介入が可能になる。
【0402】
また、睡眠無呼吸は高血圧の原因になるので、呼吸不安定区間が定期的である場合、本発明を用いて血圧の追跡管理が可能になる。
【0403】
すなわち、体重減量は人体の血圧を低くするのに役立つので、体重減量成功時、PSQIを活用して客観的な睡眠の質の前後を比較することができる。
【0404】
また、運動(就寝前3時間以内を除く)は不眠症緩和に役立つので、野外活動で自然光に向き合う時間が長くなり、使用者の気持ち(mood)が向上する。
【0405】
また、ヘルスケアアプリから多様な運動プログラムの推薦を受けることが可能になる。
【0406】
これと併せて、本発明は、ストレス数値と睡眠、又は生理前症候群と不眠などの相関関係をユーザに見せることができ、これは、使用者が自身の健康状態を再認識するようにさせることができる。
【0407】
すなわち、ストレス数値と睡眠の質との間の相関関係を表記することで興味的要素を追加し、使用者のストレス数値及びうつ病の程度に応じて、ヘルスケアアプリで提供する精神医学関連の質問用紙作成が可能になる。
【0408】
また、生理前症候群の症状のうちの一つとして不眠症を訴える場合、生理周期トラッキング機能内のカレンダーに睡眠データの比較が可能なように、睡眠効率を併記して使用者の生理現象に関連した健康状態の点検を受けるようにすることができる。
【0409】
一方、睡眠段階分析において重要なことのうちの一つは、使用者が睡眠中に目覚める状況が生じるのか、真の起床が成されたのかを判断することである。すなわち、目覚める段階であるWAKE段階をきちんと分析できなければならないが、睡眠音響信号(sound)は、真のWAKE段階にあるのかを検出し出すのに非常に有用な要因になる。
【0410】
従来の睡眠多元分析における脳波測定の場合、使用者が目覚めた状態において変化した脳波を確認することに過ぎなかったとすれば、本発明の睡眠段階分析に用いる睡眠音響信号は、使用者が目覚める前(WAKE段階に到達する前)から前兆信号(サウンドパターン、動きパターンなど)を示して、これを介してWAKE段階を予測及び検出することができる。
【0411】
多数のデータを介して学習されたAI睡眠段階分析モデルによれば、特に睡眠音響信号(sound)に基づいたWAKE段階の判断がさらに精密になる。また、使用者が眠りから覚める場合は身体バイオリズムに従う場合もあるが、外部因子(周辺騒音、雑音など)に影響を受ける場合もある。
【0412】
本発明は、使用者の睡眠環境、すなわち、周辺空間でルーティンに発生するノイズ、非正常的あるいは間欠的に発生するノイズ等の多様な周辺雑音まで学習してAI睡眠段階分析モデルが構築されるので、WAKE段階をさらに明確で信頼性があるように予測し、検出し出すことができるようになる。
【0413】
実際に、図49に見るように、既存の世界先導的なスリープテック企業等のソリューションと比較した時、Wakeの正確度面で既存のウェラブル比43%、既存の非接触式比52%向上した結果が算出され、Wake/Sleep平均正確度面で既存のウェアラブル比16%、既存の非接触式比20%向上した結果が算出された。
【0414】
また、Wake/NREM/REM(3C)平均正確度面において、既存のウェアラブル比15%、既存の非接触式比25%向上した結果が算出された。
【0415】
また、睡眠音響情報を用いる本発明の睡眠分析は、マイクなどが含まれたデバイスだけあるならば、誰でも睡眠分析が可能なので、非常に高い汎用性を有し、多様な装置に適用することができる。
【0416】
本発明による睡眠分析方法、睡眠障害緩和、及び防止方法、睡眠障害改善方法、モニタリング方法は、クラウドコンピューティングサービスを提供するサーバによって提供されてよい。より具体的に、本発明による睡眠分析方法、睡眠障害緩和、及び防止方法、睡眠障害改善方法、モニタリング方法は、インターネット基盤コンピューティングの一種で、情報を使用者のコンピュータでないインターネットに連結された他のコンピュータで処理するクラウドコンピューティングサービスを提供するサーバによって実行することができる。
【0417】
すなわち、図50及び51に示された実施形態において、スマート家電機器800及びスマートフォン900で獲得された多様な睡眠音響情報はAIサーバ310に転送され、AIサーバ310は当該情報を用いて睡眠分析を遂行した後、再びスマート家電機器800及びスマートフォン900にその結果を伝送することができる。
【0418】
本発明の他の実施形態によれば、スマートフォン900で獲得された多様な睡眠音響情報は、スマートフォン900でスペクトログラムに変換されてAIサーバ300に伝送することができる。この場合、AIサーバ310は、当該スペクトログラムを用いて睡眠分析を遂行することができる。
【0419】
本発明のさらに他の実施形態によれば、スマートフォン900で獲得された多様な睡眠音響情報はAIサーバ310でスペクトログラムに変換され、AIサーバ310が当該スペクトログラムを用いて睡眠分析を遂行することができる。
【0420】
クラウドコンピューティングサービスは、インターネット上に資料を格納しておき、使用者が必要な資料やプログラムを自身のコンピュータに設置しなくても、インターネット接続を介していつどこででも利用できるサービスであってよく、インターネット上に格納された資料を簡単な操作及びクリックで簡単に共有して伝達することができる。また、クラウドコンピューティングサービスは、インターネット上のサーバに単純に資料を格納することだけでなく、別途プログラムを設置しなくてもウェブで提供するアプリケーションの機能を用いて所望する作業を遂行することができ、様々な人が同時に文書を共有して作業を進めることができるサービスであってよい。
【0421】
また、クラウドコンピューティングサービスは、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)、仮想マシン基盤クラウドサーバ及びコンテナ基盤クラウドサーバのうち少なくとも一つの形態で具現されてよい。すなわち、本発明のスマート家電機器800は、上述したクラウドコンピューティングサービスのうち少なくとも一つの形態で具現されてよい。前述したクラウドコンピューティングサービスの具体的な記載は例示に過ぎず、本発明のクラウドコンピューティング環境を構築する任意のプラットホームを含んでもよい。
【0422】
本発明による睡眠分析方法、睡眠障害緩和、及び防止方法、睡眠障害改善方法、モニタリング方法は、多様なコンピュータ手段を介して遂行することができるプログラム命令形態で具現され、コンピュータ読取可能媒体に記録することができる。コンピュータ読取可能記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独で又は組み合わせて含んでよい。前記媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特に設計されて構成されたものや、コンピュータソフトウェア当業者に公示されて使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気光媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を格納して遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。上記されたハードウェア装置は、本発明の動作を遂行するために1以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてよく、その逆も同様である。
【0423】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0424】
環境造成情報の生成
【0425】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130又はプロセッサ830は、睡眠状態情報及び/又は睡眠段階情報に基づいて環境造成情報を生成することができる。
【0426】
睡眠状態情報は、使用者が睡眠をとっているのか否かに関連した情報で、使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報、使用者が睡眠中という第2睡眠状態情報、及び使用者が睡眠後という第3睡眠状態情報のうち少なくとも一つを含んでよい。以下、環境造成情報を生成する段階に対して、プロセッサ130を例に挙げて詳しく説明する。
【0427】
実施形態によれば、プロセッサ130は、第1睡眠状態情報に基づいて第1環境造成情報を生成することができる。具体的に、プロセッサ130は、使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報を獲得した場合、当該第1睡眠状態情報に基づいて第1環境造成情報を生成することができる。
【0428】
実施形態によれば、第1環境造成情報は、自然に睡眠に入るように誘導する光の強さ及び照度に関する情報であってよい。具体的に、第1環境造成情報は、睡眠誘導時点を基準として前記第2睡眠状態情報が獲得される時点まで、3000Kの白色光を30luxの照度で供給するようにする制御情報であってよい。
【0429】
実施形態によれば、睡眠誘導時点は、プロセッサ130により決定されてよい。具体的に、プロセッサ130は、使用者の使用者端末10との情報交換を介して睡眠誘導時点を決定することができる。具体的な例を挙げると、使用者は自身が寝ようとする時点を使用者端末10を介して設定してプロセッサ130に伝達することができる。プロセッサ130は、使用者端末10から使用者が睡眠をとろうとする時点に基づいて睡眠誘導時点を決定することができる。例えば、プロセッサ130は、使用者が睡眠をとろうとする時点を基準として、20分前の時点を睡眠誘導時点として決定することができる。具体的な例を挙げると、使用者が設定した睡眠をとろうとする時点が11時である場合、プロセッサ130は10時40分を睡眠誘導時点として決定することができる。前述した時点に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0430】
また、実施形態によれば、プロセッサ130は、環境センシング情報に基づいて使用者の睡眠意図情報を獲得し、睡眠意図情報に基づいて睡眠誘導時点を決定することができる。睡眠意図情報は、使用者が睡眠をとる意図を定量的な数値で示した情報であってよい。例えば、使用者の睡眠意図が高いほど10に近い睡眠意図情報が算出され、睡眠意図が低いほど0に近い睡眠意図情報が算出されてよい。
【0431】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0432】
前述した睡眠意図情報に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0433】
睡眠意図情報の獲得
【0434】
プロセッサ130又はプロセッサ830は、環境センシング情報に基づいて睡眠意図情報を獲得することができる。又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が睡眠意図情報を獲得することもできる。以下、睡眠意図情報を獲得する段階についてプロセッサ130を例に挙げて詳しく説明する。
【0435】
一実施形態によれば、プロセッサ130は、環境センシング情報に含まれた音響の種類を識別することができる。また、プロセッサ130は、識別された音響の種類の数に基づいて睡眠意図情報を算出することができる。プロセッサ130は、音響の種類の数が多いほど睡眠意図情報を低く算出することができ、音響の種類が少ないほど睡眠意図情報を高く算出することができる。具体的な例を挙げると、環境センシング情報に含まれた音響の種類が三つ(例えば、掃除機の音、TVの音、及び使用者の声)の場合、プロセッサ130は、睡眠意図情報を2点と算出することができる。また、例えば、環境センシング情報に含まれた音響の種類が1種類(例えば、洗濯機)の場合、プロセッサ130は、睡眠意図情報を6点と算出することができる。前述した環境センシング情報に含まれた音響の種類及び睡眠意図情報に関する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0436】
すなわち、プロセッサ130は、環境センシング情報に含まれた音響の種類の数に応じて使用者が睡眠をとる意図がどれ位あるのかに関連した睡眠意図情報を獲得することができる。例えば、多くの種類の音響が識別されるほど、使用者の睡眠意図が低いという睡眠意図情報(すなわち、低い点数の睡眠意図情報)が出力され得る。
【0437】
また、実施形態において、プロセッサ130は、複数の音響情報それぞれに相違した意図の点数を事前マッチングして、意図点数テーブルを生成又は記録することができる。例えば、洗濯機に関連した第1音響情報には2点という意図点数がマッチングされていてよく、加湿器の音に関連した第2音響情報には5点という意図点数が事前マッチングされていてよく、そして、声に関連した第3音響情報に1点という意図点数がマッチングされていてよい。プロセッサ130は、使用者の睡眠と関連した音響情報(例えば、使用者が活動することによって発生する音で、掃除機、皿洗い、声の音響など)に対して比較的高い意図点数を事前マッチングして、使用者の睡眠と関連ない音響情報(例えば、使用者の活動と関係がない音で、車両騒音、雨が降る音など)に対して比較的低い意図点数を事前マッチングして意図点数テーブルを生成することができる。前述した各音響情報にマッチングされた意図点数に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0438】
プロセッサ130は、環境センシング情報及び意図点数テーブルに基づいて睡眠意図情報を獲得することができる。具体的に、プロセッサ130は、環境センシング情報で意図点数テーブルに含まれた複数の音響のうち少なくとも一つが識別される時点に対応し、識別された音響にマッチングされた意図点数を記録することができる。具体的な例を挙げると、リアルタイムで環境センシング情報が獲得される過程において、第1時点に対応して掃除機の音が識別される場合、プロセッサ130は、当該掃除機の音にマッチングされた意図点数2点を第1時点にマッチングして記録することができる。プロセッサ130は、環境センシン情報の獲得過程において、多様な音響それぞれが識別される度に、識別された音響にマッチングされた意図点数を当該時点にマッチングして記録することができる。
【0439】
実施形態において、プロセッサ130は、予め決められた時間(例えば、10分)間に獲得された意図点数の合計に基づいて睡眠意図情報を獲得することができる。具体的な例を挙げると、10分間に獲得された意図点数が高いほど高い睡眠意図情報が獲得されてよく、10分間に獲得された意図点数が低いほど低い睡眠意図情報が獲得されてよい。前述した予め決められた時間に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0440】
すなわち、プロセッサ130は、環境センシング情報に含まれた音響の特性に従って使用者が睡眠をとる意図がどれ位あるのかに関連した睡眠意図情報を獲得することができる。例えば、使用者の活動に関連した音響が識別されるほど、使用者の睡眠意図が低いという睡眠意図情報(すなわち、低い点数の睡眠意図情報)が出力されてよい。
【0441】
環境造成情報の決定及びスマート家電機器の動作
【0442】
本発明の実施形態によれば、プロセッサ130又はプロセッサ830は、睡眠状態情報及び/又は睡眠意図情報に基づいて環境造成情報を決定することができる。
【0443】
また、環境造成情報に基づいて本発明の実施形態による多様なスマート家電機器800を動作することができる。
【0444】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。以下、環境造成情報の決定とスマート家電機器の動作を図面などを活用して詳しく説明することにする。
【0445】
全体的な動作
【0446】
図8は、本発明の一実施形態と関連した睡眠状態情報による睡眠環境造成方法を提供するための例示的な順序図を示す。
【0447】
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、使用者の睡眠状態情報を獲得する段階(S100)を含んでよい。
【0448】
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、睡眠状態情報に基づいて環境造成情報を生成する段階(S200)を含んでよい。
【0449】
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、環境造成情報を環境造成装置30に伝送する段階(S300)を含んでよい。
【0450】
前述した図8に示された段階は、必要に応じて順序が変更されてよく、少なくとも1以上の段階が省略又は追加されてよい。すなわち、前述した段階は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の権利範囲はこれに制限されない。
【0451】
図39は、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の動作を説明するための順序図である。
【0452】
図40は、本発明による睡眠分析方法に使用される多様なスマート家電機器の実施形態を示す順序図である。
【0453】
図50及び図51図39を参照して、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の全般的な動作を概略的に説明すると、次の通りである。
【0454】
睡眠分析アプリがスマートフォン900にダウンロードすることができる(S1000)。
【0455】
少なくとも1以上のスマート家電機器800が使用者の睡眠音響情報をリアルタイムに収集してサーバ310に伝送することができる(S2000)。
【0456】
スマートフォン900が使用者の睡眠音響情報を同時にリアルタイムに収集してサーバ310に伝送することができる(S3000)。
【0457】
サーバ310がAIで学習された睡眠分析結果レポートをスマートフォン900に伝送することができる(S4000)。
【0458】
スマートフォン900が少なくとも1以上のスマート家電機器800の動作を制御する制御信号を出力することができる(S5000)。
【0459】
少なくとも1以上のスマート家電機器800が使用者にカスタマイズ型睡眠環境を提供することができる(S6000)。
【0460】
次に、図50及び図51図40を参照して、本発明によるAI基盤の非接触式睡眠分析方法の細部的な動作を説明すると、次の通りである。
【0461】
まず、スマート家電機器800にマイクが内蔵されているか否かを判断することができる(S7000)。
【0462】
もし、肯定の場合、スマートフォン900に本発明による睡眠分析アプリ(以下、スリープトラック(sleeptrack)アプリ)をダウンロードすることができ(S7100)、否定の場合、スマートフォン900に既に設置されていたアプリにスリープトラックアプリを連動することができる(S7200)。
【0463】
ここで、スリープトラックアプリの特徴は、次の通りである。
【0464】
使用者のリアルタイム睡眠段階及び呼吸不安定区間を探知する睡眠分析アプリとして、週単位、月単位の睡眠の質の指標と睡眠環境を格納できるデータベースと、使用セッション、睡眠統計などを介してサービスインサイトを導出することができるダッシュボードを用いて、一晩の正確度が高い睡眠段階グラフ(ヒプノグラム)、睡眠評価指標及び呼吸不安定指標を算出することができる。
【0465】
また、スリープトラックアプリは、ウェアラブルデバイスを別途着用しなくても、非接触式(contactless)で日常-睡眠間の途切れない(seamless)モニタリング及びデータ収集が可能である。
【0466】
これを介して、睡眠時の身体自由度を増加させることができるだけでなく、すべての睡眠治療の根幹になる目覚めている状態(wake)時間を正確に合わせることができ、時間と場所にこだわらず家庭でも多様な種類の使用者の睡眠を便利で正確に分析することができる。
【0467】
また、スリープトラックアプリの用途は、次の通りである。
【0468】
リアルタイム睡眠トラッキングに基づいて使用者の睡眠に介入(intervention)して、睡眠分析結果に基づいて使用者に最適な睡眠環境を作るために、使用者別の睡眠パターン分析レポートを提供するだけでなく、個人睡眠段階に合わせたアラーム、睡眠衛生ガイド、寝入り/起床サウンドコンテンツまで提供することができる。
【0469】
また、年齢帯、性別、職業群に応じて、使用者別睡眠情報、選好コンテンツ、睡眠BTI、推薦コンテンツの反応性などの使用者プロファイルと、個人睡眠パターンに最適化されたカスタマイズ型運動、摂食式などの行動矯正及び睡眠ルーティンを形成できるコンテンツを推薦することができる。
【0470】
一方、段階(S7100)において、当該スマート家電機器が睡眠環境を造成することができるか否かが判断される(S8000)。ここで、睡眠環境は、温度、湿度、光、サウンド、頭及び体の位置、香りなどが含まれてよい。
【0471】
段階(S8000)において、肯定の場合、スリープトラックアプリが作動すると共に、研究相互作用が生成されてよく(S810)、否定の場合、各種ユーザインターフェース(例:PUI,VUI及び/又はGUI)を介して睡眠分析に基づいた顧客価値、すなわちデータを提供できる機器なのか否かが判断されてよい(S9000)。
【0472】
段階(S9000)において、肯定の場合、スリープトラックアプリが作動し(S9100)、否定の場合、スリープトラックアプリの導入が意味がないので、動作が終了されてよい。
【0473】
例示的に、段階(S8100)まで到達するスマート家電機器は、温度を調節するエアコン及び/又は空気清浄機、湿度を調節する加湿器及び/又は除湿器、光を調節するブラインド及び/又はカーテン、電灯、音響を調節するスマートスピーカー、使用者の頭及び体の位置を調節するスマートベッド、香りを調節するスマートディフューザー、ヘルスケアアプリを設置したスマート機器などを含んでよい。
【0474】
また、段階(S9100)まで到達するスマート家電機器は、TV、衣類管理機、ロボット掃除機、洗濯機及び/又は乾燥機、冷蔵庫、ヘルスケアアプリを設置したスマート機器などを含んでよい。
【0475】
また、段階(S8100)及び段階(S9100)以外の「スリープ管理アプリ相互作用」まで到達できる応用分野は、香り、化粧品、健康機能式、伝統的な睡眠産業、スポーツ、ホテル、予備校、消防署及び政府機関などに関連した産業分野であってよい。
【0476】
この時、「スリープ管理アプリ」は、ハードウェアソリューションなしに睡眠分析が可能な一種の睡眠管理アプリを意味する。
【0477】
また、「スリープトラックアプリ」は、PUI、VUI及び/又はGUIを介して使用者の睡眠レポートを使用者のスマートフォン900にリアルタイムで伝達し、レポート結果に応じてスマート家電機器800を動作させる睡眠分析アプリを意味してよい。
【0478】
前述した図面に示された段階は、必要に応じて順序が変更されてよく、少なくとも1以上の段階が省略又は追加されてよい。すなわち、前述した段階は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の権利範囲はこれに制限されない。
【0479】
以下、環境造成情報を決定する段階についてプロセッサ130を例に挙げて睡眠状態及び睡眠段階に分けて詳しく説明する。また、環境造成情報に従って動作するスマート家電機器800の例を挙げて詳しく説明する。ただし、以下に記述する実施形態に限定されるわけではなく、本発明はこれに制限されない。
【0480】
睡眠誘導時点の決定
【0481】
実施形態によれば、プロセッサ130は、睡眠意図情報に基づいて睡眠誘導時点を決定することができる。又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が睡眠誘導時点を決定することもできる。具体的に、プロセッサ130は、睡眠意図情報が予め決められた臨界点数を超過する時点を睡眠誘導時点として識別することができる。すなわち、プロセッサ130は、高い睡眠意図情報が獲得される場合、これを睡眠誘導に適切な時点、すなわち、睡眠誘導時点として識別することができる。
【0482】
前述したように、プロセッサ130は、使用者の睡眠誘導時点を決定することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報を獲得する場合、睡眠誘導時点を基準として第2睡眠状態情報が獲得される時点まで光を調整するようにする第1環境造成情報(3000Kの白色光を30 luxの照度で供給)を生成することができる。
【0483】
就寝前状態に基づいた第1環境造成情報及びスマート家電機器の動作
【0484】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は、使用者の状態が就寝前状態である場合、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで光を調整するようにする第1環境造成情報を生成することができ、当該第1環境造成情報を環境造成装置30に伝送することを決定することができる。
【0485】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0486】
これにより、使用者が寝つく20分(例えば、睡眠誘導時点)前から睡眠に入る瞬間まで3000Kの白色光が30luxの照度に供給することができる。これは、使用者が寝つく前にメラトニン分泌に卓越した光であり、自然に睡眠に入るように誘導することで、使用者の睡眠効率を向上させることができる。
【0487】
また、実施形態によれば、プロセッサ130は、使用者の状態が就寝前状態である場合、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで、スマート家電機器を制御するための第1環境造成情報を生成することができる。具体的に、使用者の睡眠前所定時間(例:20分前)まで微細粉塵及び有害ガスを予め除去したり、寝入りのための室内温度と湿度を制御するなどの第1環境造成情報を生成することができる。また、第1環境造成情報は、睡眠直前の眠りを誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発するようにスマート家電機器を制御したり、空気清浄機又は空気調和機などのスマート家電機器の送風の強さを既に設定された強さ以下に調節したり、LEDの強さを低くしたり、直接風を間接風に切り替えるなどの情報を含んでよい。また、第1環境造成情報は、睡眠空間内の温度及び湿度情報に基づいて除湿/加湿を実行するようにスマート家電機器を制御するための情報を含んでよい。また、第1環境造成情報は、空気清浄機又は空気調和機などのスマート家電機器の稼動ヒストリーと獲得される睡眠状態(睡眠の質)に応じて、個人カスタマイズ型の温度、湿度、送風の強さ及び騒音などを調節するようにする制御情報を含んでよい。
【0488】
本発明の実施形態によれば、使用者の状態が就寝前の状態である場合、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで、スマート家電機器が第1環境造成情報に従って動作することができる。以下、多様なスマート家電機器の動作を例を挙げて説明する。
【0489】
例えば、使用者が睡眠を準備すると予測される時点、又は、使用者が睡眠を意図する時点など、使用者が就寝を準備する段階において、寝室、居間、台所、お手洗いなどに設置された電灯は、内蔵されたモーションセンサが使用者の在室の有無を感知することができる。また、ヘルスケアアプリが使用者の睡眠測定を開始することができる。
【0490】
本発明の実施形態によるTVは、使用者の最適化睡眠コンテンツを提供することができる。又は、スクリーン消灯時間を設定することができる。ここで、使用者の最適化睡眠コンテンツは、落ち着き(Mindfulness)、心象治療(Guided Imagery)、ASMR、数字の逆数え、量の数えなどを含んでよい。
【0491】
本発明の一実施形態によるエアコン及び/又は空気清浄機は、使用者の寝入りのための室内温度を調節することができる。また、提供される空気の種類を間接風に切り替えることができる。
【0492】
本発明の一実施形態による加湿器及び/又は除湿器は、低騒音状態に活性化することができる。また、適正湿度を維持することができる。
【0493】
本発明の一実施形態による冷蔵庫は、使用者の個人就寝時間の分析をもとに、睡眠に役立つ食べ物(例:暖かい牛乳、カモミールなど)を推薦したり、使用者をして夜食をしないように誘導することができる。
【0494】
本発明の一実施形態による衣類管理機は、低騒音モードで切り替えたり、起床時に直ちに作動するように就寝開始時間を設定することができる。
【0495】
本発明の一実施形態によるブラインド及び/又はカーテンは、自動でクロージング(closing)されてよく、電灯のうち睡眠灯は弱い明かりに切り替えられてよい。これ以外のすべての電灯は消灯になるように設定されてよい。
【0496】
また、本発明の実施形態により、使用者が寝つく時点において、ヘルスケアアプリは使用者の寝入りの事実を認識することができる。TVは、使用者の最適化睡眠コンテンツのうちサウンド関連コンテンツは引き続き提供し、スクリーンは消灯になるように設定することができる。
【0497】
第2睡眠状態に基づいた第2環境造成情報及びスマート家電機器の動作
【0498】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は、第2睡眠状態情報に基づいて第2環境造成情報を生成することができる。また、例えば、プロセッサ130は、第2睡眠状態情報を介して使用者が睡眠に入る時点、すなわち、寝入り時点を把握することができ、これに基づいて第2環境造成情報を生成することができる。
【0499】
例えば、プロセッサ130は、図7に示されたように、寝入り時点から光を最小化にしたり、スマート家電機器を就寝モードに制御して温度と湿度を最適化にし、静かな暗室のような雰囲気を造成するようにする第2環境造成情報を生成することができる。このような第2環境造成情報は、使用者が深い睡眠に落ちるようにして睡眠の質を向上させる効果がある。
【0500】
実施形態において、プロセッサ130は、睡眠段階情報に基づいて外部環境造成情報を生成することができる。実施形態において、睡眠段階情報は、睡眠音響情報に対する分析を介して時系列的に獲得される使用者の睡眠段階の変化に関する情報を含んでよい。
【0501】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が前記動作を遂行することもできる。
【0502】
第2環境造成情報は、照度を最小化にして光がない暗室環境を造成するようにする制御情報であってよい。例えば、睡眠中に光の干渉がある場合、破片的に眠る確率が高まって、良い睡眠を取りにくいことがある。
【0503】
また、プロセッサ130は、第2睡眠状態情報に基づいてスマート家電機器の表示部の明るさを所定の明るさに下げたり、表示部をオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で動作させたり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定の温度に維持したり、間接風を維持するようにスマート家電機器を制御するための第2環境造成情報を生成することができる。
【0504】
第2環境造成情報は、睡眠段階に応じて、深い睡眠(deep sleep)を取っている場合、眠りから覚める心配が少ないので、室内空間の空気の質を向上させたり、温度と湿度を最適化させるなどで、スマート家電機器を動作させるための制御情報を含んでよい。
【0505】
すなわち、プロセッサ130は、使用者が睡眠(又は、睡眠段階)に進入したことを感知する場合(第2睡眠状態情報を獲得する場合)、光が供給されないようにしたり、スマート家電機器の動作を制御できる第2環境造成情報を生成することができる。これにより、使用者が熟睡する確率が高まって睡眠の質を向上させることができる。
【0506】
また、具体的な例を挙げると、プロセッサ130は、使用者の睡眠段階情報を介して使用者が睡眠段階(例えば、浅い睡眠)に進入したことを識別する場合、室内温度と湿度を最適化にしたり、照度を最小化にして光がない暗室環境を造成したり、熟睡できるようにスマート家電機器を制御して微細粉塵/有害ガスの除去、空気の温度及び湿度調節、LEDの点灯、駆動騒音のレベル調節、送風量などを遂行するようにする外部環境造成情報を生成することができる。すなわち、使用者の睡眠段階別の最適な照度、すなわち最適な睡眠環境を造成することにより、使用者の睡眠効率を向上させることができる。
【0507】
これ以外にも、プロセッサ130は、睡眠中、使用者の睡眠段階の変化に応じて適正な照度を提供したり、空気の質を調節するようにするための環境造成情報を生成することができる。例えば、浅い睡眠から深い睡眠に変化する場合、微細な赤色光を供給したり、又はREM睡眠から浅い睡眠に変化する場合、照度を低くしたり青色光を供給するなど、睡眠段階の変化に応じてより多様な外部環境造成情報を生成することができる。これは、睡眠前、又は起床直後だけではなく睡眠中の状況まで自動で考慮して、睡眠経験の一部でなく全体を考慮することによって、使用者をして睡眠の質を最大化させる効果を有することができる。
【0508】
以下、第2睡眠状態情報に基づいた多様なスマート家電機器の動作を例を挙げて説明する。
【0509】
本発明の一実施形態によるヘルスケアアプリは、使用者の呼吸音をリアルタイム分析して、無呼吸時の振動やアラームなどの刺激を提供することができる。
【0510】
本発明の一実施形態によるTVは、スクリーンを消灯させてサウンドをオフさせることができる。
【0511】
本発明の一実施形態によるエアコン及び/又は空気清浄機は、適正室内温度と間接風を維持することができる。また、温度変化で浅い(Light)睡眠探知時に温度を調節することができる。
【0512】
本発明の一実施形態による加湿器及び/又は除湿器は、低騒音モード及び適正湿度を維持することができる。
【0513】
本発明の一実施形態によるドアロックは、ロック状態を確認することができる。
【0514】
本発明の一実施形態によるコンセント及び/又はスイッチは、低電力モードに切り替えることができる。
【0515】
本発明の一実施形態による電灯のうちで、睡眠灯は使用者の寝入りの事実が認識された時点から既に設定された時点(例えば、15~25分後)に消灯することができる。
【0516】
一方、就寝モードのうち睡眠段階は、再び基本睡眠モード、睡眠個人化モード、特殊ケアモードにオプションが分類されてよい。
【0517】
基本睡眠モードは、快適な睡眠環境を作ることができる環境(空気、温度、湿度、光、香りなど)を睡眠モード基本値に設定して提供することができる。
【0518】
睡眠個人化モードは、蓄積された使用者データを基に、使用者の睡眠の質に応じてカスタマイズ型睡眠モードを提供することができる。
【0519】
特殊ケアモードは、かゆみ症、太り過ぎなど睡眠に不便さがある特異使用者ごとに、最適化されたカスタマイズ型睡眠モードを開発して提供することができる。
【0520】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0521】
起床誘導時点に基づいた第3環境造成情報及びスマート家電機器の動作
【0522】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は、起床誘導時点に基づいて第3環境造成情報を生成することができる。又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が第3環境造成情報を生成することもできる。
【0523】
例えば、プロセッサ130は、睡眠計画情報を介して使用者の起床時間を識別し、当該起床時間に基づいて起床予測時点を生成し、これにより、環境造成情報を生成することができる。例えば、プロセッサ130は、図7に示されたように、起床予測時点の30分前からベッドの位置を基準として3000Kの白色光を0luxから開始して250luxに到達するように、徐々に照度を徐々に高めるようにする第3環境造成情報を生成することができる。このような第3環境造成情報は、希望起床時間に対応して自然ですっきりと起床するように誘導することができる。
【0524】
また、プロセッサ130は、環境造成情報を環境造成装置30に伝送することを決定することができる。すなわち、プロセッサ130は、睡眠計画情報に基づいて就寝又は起床時に使用者が睡眠に容易に入ったり、又は自然に起きられるようにする外部環境造成情報を生成することにより、使用者の睡眠の質を向上させることができる。
【0525】
追加的な実施形態において、プロセッサ130は、睡眠段階情報に基づいて推薦睡眠計画情報を生成することができる。具体的に、プロセッサ130は、睡眠段階情報を介して使用者の睡眠段階の変化に対する情報(例えば、睡眠サイクル)を獲得することができ、このような情報をもとに起床予想時間を設定することができる。
【0526】
例えば、一般的に、一日の間の睡眠サイクルは、浅い睡眠、深い睡眠、前睡眠、REM睡眠段階を経ることができる。プロセッサ130は、REM睡眠以降が使用者が最もすっきりと起床できる時点と判断して、REM時点以降に起床時間を決定することで、推薦睡眠計画情報を生成することができる。また、プロセッサ130は、推薦睡眠計画情報に従って環境造成情報を生成し、これを環境造成装置30に伝送することを決定することができる。したがって、使用者は、プロセッサ130が推薦した推薦睡眠計画情報に従って自然に起床することができる。これは、プロセッサ130が使用者の睡眠段階の変化に従って使用者の起床時点を推薦したことで、使用者の疲労度が最小化される時点であり得るので、使用者の睡眠効率が向上するという長所を有することができる。
【0527】
上述したように、第3環境造成情報は、起床誘導時点から起床時点まで3000Kの白色光を0luxから250luxの照度に徐々に増加させて供給するようにする制御情報であることを特徴とすることができる。例えば、第3環境造成情報は、使用者の起床前30分前(すなわち、起床誘導時点)から照度を徐々に上げることに関連した制御情報であってよい。ここで、起床誘導時点は、起床予測時点に基づいて決定されることを特徴とすることができる。
【0528】
一実施形態において、起床誘導時点は、起床予測時点に基づいて決定されることを特徴とすることができる。起床予測時点は、使用者が起床すると予想される時点に関する情報であってよい。例えば、起床予測時点は、第1使用者の午前7時であってよい。前述した起床予測時点又は数値に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0529】
第3環境造成情報は、起床時点に室内温度、湿度、送風の強さ、騒音、振動のうち少なくとも1以上を高くしたり低くしたりして、起床を誘導するようにスマート家電機器を制御するための情報を含んでよい。また、第3環境造成情報は、起床を徐々に誘導するために白色騒音を発生させられるように、スマート家電機器を制御するための制御情報を含んでよい。
【0530】
第3環境造成情報は、起床以降にスマート家電機器の騒音を既に設定されたレベル以下に維持するように制御するための制御情報を含んでよい。
【0531】
また、第3環境造成情報は、起床予測時点、起床推薦時点に連動して、スマート家電機器を制御するための制御情報を含んでよい。起床推薦時点は、使用者の睡眠パターンに応じて自動的に抽出された時点であってよく、起床予測時点は後で詳しく説明するようにする。
【0532】
以下、起床誘導時点及び起床時点に基づいた多様なスマート家電機器の起床モード動作を例に挙げて説明する。
【0533】
起床前段階において、本発明の一実施形態によるヘルスケアアプリは、使用者の睡眠分析を進めて、使用者の睡眠パターンを認識することができる。
【0534】
本発明の一実施形態によるエアコン及び/又は空気清浄機は、使用者の起床のために室内の空気の質、温度、又は湿度などの環境を調節することができる。
【0535】
起床段階において、本発明の一実施形態によるヘルスケアアプリは、使用者のレム(REM)睡眠が探知されたり、使用者の体温変化が感知される場合、アプリに設置されたスマートアラームを作動させることができる。
【0536】
本発明の一実施形態による加湿器及び/又は除湿器は、一般運営モードに切り替えることができる。
【0537】
本発明の一実施形態による衣類管理機は、就寝準備段階で既に設定された起床アラーム時間に合わせて動作を開始することができる。
【0538】
本発明の一実施形態によるブラインド及び/又はカーテンは、自動でオープンすることができる。
【0539】
本発明の一実施形態による洗濯機は、洗濯動作を開始することができる。
【0540】
また、本発明の一実施形態による乾燥機は、乾燥動作を開始することができる。
【0541】
起床後段階において、本発明の一実施形態によるヘルスケアアプリは、分析された使用者の睡眠レポートを使用者のスマートフォン900にディスプレイして、今日の天気、主なニュース等の使用者の最適化コンテンツを提供することができる。
【0542】
本発明の一実施形態による衣類管理機は、既に設定された外出時間に合わせて衣類のホコリやシワに対するケア、臭い除去、殺菌、乾燥などの作業を完了することができる。
【0543】
本発明の一実施形態によるロボット掃除機は、この段階で必要に応じて使用者のスマートフォン900にレポートを伝達し、使用者データを確保、分析、及び反映して、使用者の外出前に洗濯機の洗濯動作及び乾燥機の乾燥動作を完了した後に、使用者データを確保、分析、及び反映することができる。
【0544】
本発明の一実施形態による浄水器は、使用者の選好度が反映された自動カスタマイズ型の水を出した後に、使用者データを確保、分析、及び反映することができる。
【0545】
本発明の一実施形態による冷蔵庫は、前面に設置された分析された使用者の睡眠及びヘルスデータに基づいて、推薦及び非推薦朝食メニュー目録と推薦朝運動目録をディスプレイ部にディスプレイすることができる。
【0546】
本発明の一実施形態によるオーブン/電子レンジは、冷蔵庫で推薦した朝食推薦メニューのうち1以上がクリックされれば、当該メニューを自動で予熱した後に、使用者データを確保、分析、及び反映することができる。
【0547】
また、前のスマート家電機器800の使用者データを確保、分析、及び反映して、個人データ基盤の最上の睡眠環境(温度、湿度、空気の質、照度など)が推薦されてよい。
【0548】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0549】
起床予測時点の判断
【0550】
一実施形態において、起床予測時点は、使用者の使用者端末10との情報交換を介して事前に決定されることを特徴とすることができる。具体的な例を挙げると、使用者は、自身が起床しようとする時点を、使用者端末10を介して設定してプロセッサ130に伝達することができる。すなわち、プロセッサ130は、使用者端末10の使用者が設定した時点に基づいて起床予測時点を獲得することができる。例えば、プロセッサ130は、使用者が使用者端末10を介してアラーム時間を設定した場合、設定したアラーム時間を起床予測時点と判断することができる。
【0551】
他の実施形態において、起床予測時点は、第2睡眠状態情報を介して識別された寝入り時点に基づいて決定されることを特徴とすることができる。具体的に、プロセッサ130は、使用者が睡眠中という第2睡眠状態情報を介して使用者の寝入り時点を把握することができる。プロセッサ130は、第2睡眠状態情報を介して把握する寝入り時点に基づいて起床予測時点を決定することができる。例えば、プロセッサ130は、寝入り時点を基準として適正睡眠時間である8時間以降の時点を起床予測時点として決定することができる。具体的な例を挙げると、寝入り時点が午後11時である場合、プロセッサ130は起床予測時点を午前7時に決定することができる。前述した各時点に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。すなわち、プロセッサ130は、使用者が睡眠に寝ついた時点に基づいて起床予測時点を決定することができる。
【0552】
また他の実施形態において、起床推薦時点は、使用者の睡眠段階情報に基づいて決定されることを特徴とすることができる。例えば、使用者は、REM段階で起床する場合、最もすっきりと起きることができる。一夜の睡眠の間、使用者は軽度睡眠(light)、深い睡眠(deep)、軽度睡眠、REM睡眠の順で睡眠サイクルを有することができ、REM睡眠段階で起床した時に最もすっきりと起床することができる。好ましくは、使用者の適正又は希望睡眠時間を考慮して、適正又は希望睡眠時間を最小限満足しつつ、睡眠推薦時点を決定することができる。
【0553】
これにより、プロセッサ130は、使用者の睡眠段階に関連した睡眠段階情報を介して使用者の起床予測時点を決定することができる。具体的な例を挙げると、プロセッサ130は、睡眠段階情報を介して使用者がREM段階から他の睡眠段階に変化する時点(好ましくは、REM段階から他の睡眠段階に遷移する直前時点)を起床推薦時点として決定することができる。すなわち、プロセッサ130は、使用者が最もすっきりと起床できる睡眠段階情報(すなわち、REM睡眠段階)に基づいて起床予測時点を決定することができる。
【0554】
前述したように、プロセッサ130は、使用者設定、寝入り時点、及び睡眠段階情報のうち少なくとも一つに基づいて使用者の起床予測時点を決定することができる。また、プロセッサ130は、使用者が起床しようとする時点である起床予測時点を決定した場合、当該起床予測時点に基づいて起床誘導時点を決定することができる。例えば、プロセッサ130は、使用者が起床しようとする時点を基準として、30分前時点を起床誘導時点として決定することができる。具体的な例を挙げると、使用者が設定した起床しようとする時点(すなわち、起床予測時点)が午前7時である場合、プロセッサ130は、午前6時30分を起床誘導時点として決定することができる。前述した時点に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0555】
すなわち、プロセッサ130は、使用者の起床が予測される起床予測時点を把握して起床誘導時点を決定し、起床誘導時点から起床時点(例えば、使用者が実際起床する時まで)3000Kの白色光を0luxから250luxに照度に徐々に増加させて供給するようにする第3環境造成情報を生成することができる。プロセッサ130は、当該第3環境造成情報を環境造成装置30に伝送することを決定することができ、これにより、環境造成装置30は、第3環境造成情報に基づいて使用者が位置した空間で光に関連した調整動作を遂行することができる。
【0556】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。例えば、環境造成装置30は、光供給モジュールが起床30分前から3000Kの白色光を0luxから250luxに照度を徐々に増加させるように制御することができる。前述した数値に対する記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0557】
第3睡眠状態情報に基づいた第4環境造成情報及びスマート家電機器の動作
【0558】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は、第3睡眠状態情報に基づいて第4環境造成情報を獲得することができる。具体的に、プロセッサ130は、使用者の睡眠病気情報を獲得することができる。一実施形態において、睡眠疾病情報は、睡眠位相遅延症候群を含んでよい。睡眠位相遅延症候群とは、所望する時間に寝つくことができず、理想的な睡眠時間帯が後ろにずれる睡眠障害症状であってよい。実施形態によれば、青色光治療(blue-light therapy)は、睡眠位相遅延症候群の治療方法のうちの一つで、使用者が希望起床時間に起きた後、約30分程度青色光を供給する治療であってよい。このような青色光の供給を毎朝繰り返す場合、概日リズム(circadian rhythm)を元の状態に戻して、正常な人に比べてさらに遅い夜の時間に眠むくなることを予防することができる。
【0559】
これにより、プロセッサ130は、睡眠疾病情報及び第3睡眠状態情報に基づいて第4環境造成情報を生成することができる。例えば、使用者端末10を介して使用者が睡眠位相遅延症候群に該当するという睡眠疾病情報及び使用者が睡眠後(すなわち、起床)という第3睡眠状態情報を獲得する場合、プロセッサ130は、第4環境造成情報を生成することができる。この場合、第4環境造成情報は、起床時点から既に設定された時間の間300luxの照度、221度の色度、100%の彩度、56%の明るさの青色光を供給するようにする制御情報であってよい。一実施形態において、300luxの照度、221度の色度、100%の彩度、56%の明るさの青色光は、睡眠位相遅延症候群を治療するための青色光を意味してよい。具体的な例を挙げると、睡眠位相遅延症候群を持つ使用者が午前7時に起床する場合、プロセッサ130は、第3睡眠状態情報に基づいて起床時点を7時と把握し、当該起床時点である午前7時から既に設定された時点(例えば、午前7時30分)まで300luxの照度、221度の色度、100%の彩度、56%の明るさの青色光を供給するようにする第4環境造成情報を生成することができる。これにより、使用者の概日リズムが正常な人の範囲(例えば、夜12時頃に寝ついて、朝7時頃起床するように)に調整することができる。すなわち、第4環境造成情報生成を介して特定の睡眠疾患を持つ使用者の睡眠の質を向上させることができる。
【0560】
本発明の一実施形態によれば、プロセッサ130は、環境造成情報を環境造成装置に伝送することを決定することができる。具体的に、プロセッサ130は、照度調整に関連した環境造成情報を生成することができ、当該環境造成情報を環境造成装置30に伝送することを決定することにより、環境造成装置30の照度調整動作を制御することができる。
【0561】
実施形態によれば、光は睡眠の質に影響を与え得る代表的な要因のうちの一つであってよい。例えば、光の照度、色、露出の程度などによって、睡眠の質に良い影響を及ぼすことがあり、そして悪い影響を及ぼすことがある。これにより、プロセッサ130は、照度を調整して使用者の睡眠の質を向上させることができる。例えば、プロセッサ130は、寝つく前や寝ついた後の状況をモニタリングして、これにより、使用者を効果的に起こすための照度調整を遂行することができる。すなわち、プロセッサ130は、睡眠状態(例えば、睡眠段階)を把握して自動で照度を調整し、睡眠の質を極大化させることができる。
【0562】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。前述した数値と時点に対する記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0563】
感知されたイベントによる環境造成情報
【0564】
本発明の一実施形態は、感知された少なくとも1以上のイベントに従って環境造成装置を制御するための環境造成情報を生成することができる。
【0565】
本発明の一実施形態による環境造成情報の生成は、図1の(a)に示されたコンピューティング装置100、又は図1の(b)に示された睡眠環境調節装置400で遂行することができる。
【0566】
イベントは、少なくとも1以上に多様に予め設定されてよい。例えば、イベントは、次のA~Hイベントのうち少なくとも1以上のイベントを含んでよい。
【0567】
A.インルーム(in room)
B.インベッド(in bed)
C.寝入り(Fall asleep)
D.無呼吸(Apnea)
E.熟睡(Deep sleep)
F.寝て目を覚ます(Wake up during sleep)
G.アラーム時間の近くでレム睡眠(REM near alarm)
H.起床(Wake up)
【0568】
以下、各イベントを詳細に説明する。
【0569】
上のAイベントは、使用者が睡眠をとる空間、例えば、寝室に入ってきたことを意味するイベントである。
【0570】
前記Aイベントは、存在感知センサ(presence detection sensor)を介して感知されてよい。
【0571】
前記存在感知センサは、人体感知センサとも呼ばれ、例えば、レーダセンサ、PIRモーションセンサ、Wi-Fiセンシング(WiFi sensing)センサ、カメラセンサ、超音波センサなどがある。
【0572】
前記存在感知センサは、環境造成装置30に装着されてもよく、寝室に別途装着されて環境造成装置30に有線又は無線で連結されてもよい。又は、前記存在感知センサは、図1の(a)又は図1の(b)のネットワークに連結されて、感知信号をコンピューティング装置100、睡眠環境調節装置400、使用者端末10、又は環境造成装置30に伝送することもできる。又は、前記存在感知センサは、使用者端末10と近距離通信を介して連結されて、感知信号を使用者端末10に伝送することもできる。
【0573】
又は、本発明が図1の(c)の実施形態で具現される場合、前記存在感知センサは、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上に存在することもできる。
【0574】
前記Aイベント発生時、すなわち、前記Aイベントが前記存在感知センサによって感知されれば、環境造成装置30を自動で点けるための第A環境造成情報が生成されてよい。ここで、第A環境造成情報は、環境造成装置30を自動で点けること以外にも、環境造成装置30を特定動作モードに変更設定する制御情報を含んでもよい。
【0575】
上のBイベントは、使用者がベッドに横になったことを意味するイベントである。前記Bイベントは、圧電センサを介して感知されてよい。圧電センサは、使用者が睡眠をとるベッドに装着されてよい。しかし、これに限定するわけではなく、前記圧電センサは、使用者が睡眠をとることができるソファやマッサージチェアなどにも装着されてよい。
【0576】
前記圧電センサは、環境造成装置30に有線又は無線で連結されてもよい。又は、前記圧電センサは、図1の(a)又は図1の(b)のネットワークに連結されて、感知信号をコンピューティング装置100、睡眠環境調節装置400、使用者端末10、又は環境造成装置30に伝送することもできる。又は、前記圧電センサは、使用者端末10と近距離通信を介して連結されて、感知信号を使用者端末10に伝送することもできる。
【0577】
前記Bイベント発生時、すなわち、前記Bイベントが前記圧電センサによって感知されれば、環境造成装置30をスリープモードで駆動させるための第B環境造成情報が生成されてよい。前記第B環境造成情報は、使用者の寝入りのための環境造成装置30の制御情報を含んでよい。前記制御情報は、環境造成装置30で発生する騒音や光などを減らすための情報を含んでよい。例えば、環境造成装置30が空気調和機である場合に、風量を特定の強さ以下に変更設定したり、現在の風量を前記特定の強さ以下に下げたり、直接風を間接風又は無風に切り替えたり、ディスプレイ部の明るさを所定の明るさ以下に下げるなどの情報を含んでよい。また、寝室に設置された照明を消したり、所定の明るさ以下に下げる情報を含んでよい。また、寝室に設置されたカーテン又はブラインドを閉じて、外部からの睡眠妨害要因を除去する情報を含んでよい。また、寝室に設置されたサウンド装置を点けて特定の音源を再生したり、反対に前記サウンド装置を消す情報を含んでよい。また、寝室に設置されたモーションベッドのモーションを、寝入り前の読書やメディア視聴に有利な特定のモーションに変更する情報を含んでよい。また、寝室に設置された香り発生器を動作させて、寝入りを助ける香りが発生するようにする情報を含んでよい。
【0578】
上のCイベントは、使用者が睡眠(又は、寝入り)に入ったことを意味するイベントである。前記Cイベントは、先に説明したように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を受信したコンピューティング装置100又は睡眠環境調節装置400が判別することができる。図7に示されたように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を介して、入眠(又は、寝入り)時点を判別することができる。
【0579】
前記Cイベント発生時、すなわち、前記Cイベントが感知されれば、環境造成装置30をスリープモードで駆動させるための第C環境造成情報が生成されてよい。前記C環境造成情報は、最適な寝室睡眠環境を造成するための制御情報を含んでよい。ここで、前記最適な寝室睡眠環境は、去る所定の期間(例、一週間、又は1ヶ月)の間に獲得されたペアデータ(温度又は/及び湿度&睡眠の質)を基にして得られた最適な環境情報であってよい。例えば、去る一週間に睡眠をとった使用者の睡眠の質を示す定量的なデータと当該定量的なデータが得られた間の寝室の温度と湿度データを基にして、使用者が最もよく睡眠をとった寝室の温度と湿度を前記最適な寝室睡眠環境として決定することができる。前記制御情報は、環境造成装置30の寝室の温度と湿度を最適な温度と湿度に設定することもできる。また、寝室に設置された照明を消す情報を含んでよい。また、寝室に設置されたサウンド装置を消す情報を含んでよい。また、寝室に設置されたモーションベッドのモーションを熟睡に有利な特定のモーションに変更する情報を含んでよい。また、寝室に設置された香り発生器を熟睡を助ける香りが発生するようにしたり、香り発生器を消す情報を含んでよい。
【0580】
上のDイベントは、使用者が睡眠中に睡眠無呼吸症又は呼吸低下が発生した場合を意味するイベントである。前記Dイベントは、先に説明したように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を受信したコンピューティング装置100又は睡眠環境調節装置400が判別することができる。図4に示されたように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を介して、睡眠無呼吸症又は呼吸低下が発生した時点を判別することができる。
【0581】
前記Dイベント発生時、すなわち、前記Dイベントが感知されれば、環境造成装置30をスリープモードで駆動させるための第D環境造成情報が生成されてよい。前記D環境造成情報は、睡眠無呼吸又は呼吸低下を緩和したり、停止又は微弱な呼吸を早く正常呼吸に転換させるための制御情報を含んでよい。例えば、前記制御情報は、睡眠無呼吸が発生した使用者の気道と首を保護するために、環境造成装置30が空気調和機である場合、設定された湿度や温度を高めたり、直接風又は間接風を無風に切り替える情報を含んでよい。又は、環境造成装置30が加湿機能を含む場合に、当該加湿機能を活性化する情報を含んでよい。又は、環境造成装置30が振動機能を含む場合に、当該振動機能を活性化する情報を含んでよい。また、寝室に設置された照明を特定の明るさと色の温度で照明されるようにする情報を含んでよい。また、寝室に設置されたサウンド装置を点ける情報を含んでよい。また、寝室に設置されたモーションベッドのモーションを、使用者の呼吸を助ける特定のモーションに変更する情報を含んでよい。また、寝室に設置された香り発生器を発生させて、睡眠無呼吸症を緩和できる香りが発生するようにする情報を含んでよい。
【0582】
上のEイベントは、使用者が深い睡眠(Deep sleep)に進入したことを意味するイベントである。前記Eイベントは、先に説明したように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を受信したコンピューティング装置100又は睡眠環境調節装置400が判別することができる。図3に示されたように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を介して深い睡眠(Deep)に進入された時点を判別することができる。
【0583】
前記Eイベントが発生すれば、すなわち、前記Eイベントが感知されれば、環境造成装置30をスリープモードで駆動させるための第E環境造成情報が生成されてよい。前記E環境造成情報は、深い睡眠段階に最適化された温度又は湿度に変更するための制御情報を含んでよい。例えば、前記制御情報は、前記環境造成装置30が空気調和機である場合に、現在の寝室の温度又は湿度を前記最適化された温度又は湿度に変更設定するための情報を含んでよい。ここで、前記最適化された温度又は湿度は、去る所定の期間の間に獲得された定量的な睡眠レポートを用いて、当該使用者が深い睡眠を一番長く持続した特定の温度又は湿度に決定されてよい。また、寝室に設置された照明を消したり、最小限の明るさに下げる情報を含んでよい。また、寝室に設置されたサウンド装置を消す情報を含んでよい。また、寝室に設置されたモーションベッドのモーションを、深い睡眠に有利な特定のモーションに変更する情報を含んでよい。また、寝室に設置された香り発生器を発生させて、熟睡を維持できる香りが発生するようにする情報を含んでよい。
【0584】
上のFイベントは、使用者が睡眠中に目覚めた場合を意味するイベントである。前記Fイベントは、先に説明したように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を受信したコンピューティング装置100又は睡眠環境調節装置400が判別することができる。図3に示されたように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を介して、寝て目覚めた(Wake)時点を判別することができる。
【0585】
前記Fイベントが発生すれば、すなわち、前記Fイベントが感知されれば、環境造成装置30をスリープモードで駆動させるための第F環境造成情報が生成されてよい。前記第F環境造成情報は、使用者が再び寝つけるように助けるための制御情報を含んでよい。例えば、前記制御情報は、環境造成装置30が空気調和機である場合に、空気調和機の設定温度と湿度を過去に使用者が寝入り時に主に設定した選好温度又は湿度に変更設定する情報を含んでよい。又は、前記制御情報は、環境造成装置30の設定温度又は湿度を過去の定量的な睡眠レポートを用いて使用者の寝入り時間が最も短かった特定の温度又は湿度に変更設定する情報を含んでよい。また、寝室に設置された照明を寝入りに役立つ特定の明るさと色の温度で照明されるようにする情報を含んでよい。また、寝室に設置されたサウンド装置を点けたり消したりする情報を含んでよい。また、寝室に設置されたモーションベッドのモーションを、使用者の再入眠を助ける特定のモーションに変更する情報を含んでよい。また、寝室に設置された香り発生器を発生させて、再入眠を助ける香りが発生するようにする情報を含んでよい。
【0586】
上のGイベントは、予め設定されたアラーム時間の近くでレム(REM)睡眠が発生した場合を意味するイベントである。前記Gイベントは、先に説明したように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を受信したコンピューティング装置100又は睡眠環境調節装置400が判別することができる。図3に示されたように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を介してレム(REM)睡眠時点を判別することができる。
【0587】
前記Gイベントが発生すれば、すなわち、前記Gイベントが感知されれば、環境造成装置30をスリープモードで駆動させるための第G環境造成情報が生成されてよい。前記第G環境造成情報は、使用者の起床を助けるための制御情報を含んでよい。例えば、前記制御情報は、環境造成装置30が空気調和機である場合に、空気調和機の設定温度又は湿度を使用者が自然に又は最もすっきり起床できる特定温度又は湿度に変更設定するための情報を含んでよい。又は、前記制御情報は、空気調和機の設定温度又は湿度を過去の定量的な睡眠レポートを用いて、使用者が最も好む特定の温度又は湿度に変更設定するための情報を含んでよい。また、寝室に設置された照明を、起床に特化した特定の明るさと色の温度で照明されるようにする情報を含んでよい。また、寝室に設置されたカーテン又はブラインドを開く情報を含んでよい。また、寝室に設置されたサウンド装置を点けて、特定の音源を再生する情報を含んでよい。また、寝室に設置されたモーションベッドのモーションを起床に有益な特定のモーションに変更する情報を含んでよい。また、寝室に設置された香り発生器を発生させて、爽快な起床がなされるようにすることができる香りが発生するようにする情報を含んでよい。
【0588】
上のHイベントは、使用者が起床した時点を意味するイベントである。前記Hイベントは、先に説明したように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報を受信したコンピューティング装置100又は睡眠環境調節装置400が判別することができる。図5に示されたように、使用者端末10においてセンシングされた環境センシング情報において、特異点201が識別された後に所定のパターンが持続的に感知されるか否かを判別して、起床時点を判別することができる。
【0589】
前記Hイベントが発生すれば、すなわち、前記Hイベントが感知されれば、環境造成装置30をスリープモードで駆動させるための第H環境造成情報が生成されてよい。前記第H環境造成情報は、使用者が睡眠をとった寝室の温度を起床後の最適な温度に設定する制御情報を含んでよい。前記制御情報は、環境造成装置30が空気調和機である場合に、空気調和機の設定温度又は湿度を、使用者の起床時点に過去のヒストリーをもとに、使用者が好んだ温度又は湿度に変更設定する情報を含んでよい。又は、前記制御情報は、使用者端末を介して使用者に起床後の空気調和機の設定温度又は湿度を推薦温度又は湿度に変更する提案情報を含んでもよい。また、寝室に設置された照明を特定の明るさと色の温度で照明されるようにする情報を含んでよい。また、寝室に設置されたサウンド装置を点けて特定のメディアをディスプレイしたり、特定の音源を再生させる情報を含んでよい。また、寝室に設置された窓を開いて喚起になるようにする情報を含んでよい。また、寝室に設置されたモーションベッドのモーションを使用者が起きるのに助けになる特定のモーションに変更する情報を含んでよい。また、寝室に設置された香り発生器を発生させて、起床後の使用者の動きを助けることができる香りが発生するようにする情報を含んでよい。
【0590】
また、本発明の実施形態が、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0591】
睡眠計画情報
【0592】
一実施形態において、プロセッサ130は、使用者端末10から睡眠計画情報を受信することができる。睡眠計画情報は、使用者が使用者端末10を介して生成する情報で、例えば、就寝時間及び起床時間に関する情報を含んでよい。プロセッサ130は、睡眠計画情報に基づいて外部環境造成情報を生成することができる。具体的な例を挙げると、プロセッサ130は、睡眠計画情報を介して使用者の就寝時間を識別し、当該就寝時間に基づいて外部環境造成情報を生成することができる。又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0593】
例えば、プロセッサ130は、図7に示されたように、就寝時間20分前、ベッド位置を基準として3000Kの白色光を30luxの照度の光を提供するようにする第1環境造成情報を生成することができる。すなわち、就寝時間に関連して使用者が自然に睡眠に入るように誘導する照度を造成することができる。前述した数値と時点に対する記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0594】
睡眠障害防止及び緩和方法の実施形態1
【0595】
図36の(a)は、本発明の一実施形態によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムを用いた睡眠障害防止及び緩和方法を説明するフローチャートである。
【0596】
本発明は、使用者の睡眠分析をリアルタイムで分析して、睡眠障害(睡眠無呼吸、睡眠過呼吸、睡眠低呼吸)が発生した時点を把握することができる。睡眠障害が発生した瞬間、使用者に刺激(触覚的刺激、聴覚的刺激、嗅覚的刺激など)を提供すれば、睡眠障害を一時的に緩和することができる。
【0597】
すなわち、本発明は、睡眠障害と関連した正確なイベント探知をもとに、使用者の睡眠障害を中断させ、睡眠障害の頻度を減少させることができる。
【0598】
図36の(a)を参考にすれば、本発明によるスマート家電機器800を用いた睡眠障害防止及び緩和方法は、使用者の睡眠音響情報を収集し、これに基づいて1次睡眠分析及び2次睡眠分析を遂行する。
【0599】
1次睡眠分析は、使用者の睡眠音響情報に基づいた睡眠分析で、2次睡眠分析は、1次睡眠分析結果及び睡眠音響情報に基づいた分析に該当し、具体的な分析方法は、上で説明したところと同一である。
【0600】
1次睡眠分析と2次睡眠分析の結果、使用者に睡眠無呼吸が発生したと判断される時点に、スマート家電機器800は触覚的フィードバック及び聴覚的フィードバックのうち少なくとも一つを生成することができる。スマート家電機器800は、フィードバックのためのアラーム部850をさらに含んでよく、これは、振動を生成するアクチュエータ、振動モジュール、ハプティクスモジュールで具現されてよく、音、音響を生成するスピーカーモジュールで具現されてよい。
【0601】
スマート家電機器800が接触した身体部位(例:スマートマットである場合は全身)に伝わる振動や、耳元に響く音や音響(例:スマートスピーカー、スマートフォン、スマートTVなど)は、使用者の脳を刺激して、これに従って睡眠無呼吸が比較的早く緩和される。使用者の睡眠中にこのような過程が持続する場合、睡眠無呼吸の頻度も顕著に減少するということが分かる。
【0602】
この時、単一の睡眠無呼吸イベントが感知されるだけでなく、睡眠無呼吸イベントが連続的に発生するクラストを事前に予測することもできる。このために、上述の睡眠分析学習モデルは、睡眠無呼吸イベントの連続発生クラストを予測するための学習を遂行することができる。
【0603】
すなわち、使用者の睡眠音響情報に基づいた入力情報は、上で説明したように、前処理過程とメルスペクトログラム変換過程を経て入力層に入力され、これを学習した睡眠分析学習モデルは、睡眠無呼吸イベントの連続発生クラストを予測できることになる。
【0604】
睡眠無呼吸イベントが連続的に発生するクラストが事前に予測されるならば、睡眠無呼吸イベントが感知される瞬間だけでなく、事前に予測された時点にスマートフォン900を1回ないし数回振動させることによって睡眠無呼吸を事前に防止したり、睡眠無呼吸を緩和あるいは改善することになる。
【0605】
すなわち、本発明は、睡眠音響情報信号に基づいて、睡眠段階を分析し、睡眠無呼吸を緩和、改善できることになる。
【0606】
使用者に加えられる触覚的フィードバック及び聴覚的フィードバックのパターンは、使用者の熟睡を維持して睡眠無呼吸の頻度を減少させるためのものであってよい。このようなパターンは、使用者の睡眠段階分析結果に基づいてリアルタイムで調整することができる。
【0607】
また、このようなパターンは、使用者の睡眠段階分析結果に関するビッグデータと、睡眠無呼吸の頻度に関するビッグデータに基づいて学習されたディープラーニングモデルを介して推論されてもよい。
【0608】
上では、睡眠無呼吸、過呼吸などの睡眠障害を言及したが、睡眠の質を向上させるために、REM睡眠段階と判断されれば、スマート家電機器800を介して使用者に刺激を伝達することもできる。
【0609】
REM睡眠は、脳波が早くなって、心臓拍動数や呼吸と同じ自律神経性活動が不規則的な睡眠段階で、軽い不随意的筋肉痙攣や急速な眼球運動を伴う。約80分~120分間隔で3~4回起きることが一般的であるが、激しい場合には、REM睡眠障害に発展する場合があり、睡眠の質に影響を及ぼしかねない。
【0610】
したがって、睡眠無呼吸、過呼吸、いびきなどの睡眠障害だけでなく、REM睡眠時点でもスマート家電機器800を介して使用者を刺激することができる。すなわち、1次睡眠分析と2次睡眠分析の結果、使用者がREM睡眠段階に進入したと判断される時点に、スマート家電機器800は触覚的フィードバック及び聴覚的フィードバックのうち少なくとも一つを生成することができる。
【0611】
又は、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0612】
睡眠障害防止及び緩和方法の実施形態2
【0613】
図36の(b)は、本発明の他の実施形態によるAI基盤の非接触式睡眠分析システムを用いた睡眠障害防止及び緩和方法を説明するフローチャートである。
【0614】
図36の(b)に示された実施形態は、睡眠分析がスマート家電機器800及びスマートフォン900で成される状況を想定したものである。
【0615】
睡眠分析結果は、睡眠状態情報、睡眠段階情報、睡眠障害発生情報、時間情報などを含んでよい。スマートフォン900は、内蔵されたマイクモジュールを介して獲得した睡眠音響情報に基づいて睡眠分析を遂行する。以下では、スマートフォン900が睡眠音響情報(Sound)を用いて、最終睡眠分析結果を導出する方式について説明する。
【0616】
まず、スマートフォン900は、加重値を用いて最終睡眠分析結果を導出することができる。具体的に、スマートフォン900は、1次睡眠分析結果と、睡眠音響情報を用いた睡眠分析結果に同一の加重値を適用して2次睡眠分析結果を導出することができる。
【0617】
他の実施形態において、スマートフォン900は、1次睡眠分析結果と2次睡眠分析結果において睡眠段階が完全に一致する場合にだけ、使用者が当該睡眠段階に進入したと判断し、最終睡眠分析結果を導出することができる。他の実施形態において、スマートフォン900は、後述するAI睡眠分析モデルを用いて睡眠音響情報(Sound)を用いて2次睡眠分析をまず遂行した後、各時間帯別の睡眠段階に対するAI確信度を付加的に抽出する。
【0618】
抽出された確信度が既に設定された数値以下である場合、当該時間帯の睡眠段階は1次睡眠分析によって導出された睡眠段階の結果を採用する。
【0619】
すなわち、2次睡眠分析結果を中心に、1次睡眠分析結果を付加的に採用することによって、さらに信頼性のある睡眠分析結果を導出すことができる。
【0620】
また他の実施形態において、スマートフォン900は、後述するAI睡眠分析モデルで実際の分析結果と不一致な部分の統計をまず確保する。統計は、使用者によって入力されてもよいが、多数の使用者データによって自主的に確保されてもよい。スマートフォン900は、2次睡眠分析結果(Soundに基づいた分析)を中心に、確保された統計において実際の分析結果と不一致な部分では、1次睡眠分析結果を付加的に採用することができる。
【0621】
AI睡眠分析モデルの学習方法は、下でさらに詳細に説明するが、簡略に説明すれば、ディープラーニング入力層に二つの情報(1次睡眠分析結果及び睡眠音響情報)を入力することによって、二つの要因によって睡眠分析を遂行するAI睡眠分析モデルが生成されてよい。
【0622】
これは、あくまでも実施形態に過ぎず、最終睡眠分析結果の導出は、多様な方式で成されてよい。
【0623】
スマートフォン900による2次睡眠分析の結果、睡眠無呼吸が発生したと判断されるならば、センサ部で直ちに睡眠無呼吸発生情報をスマートフォン900に内蔵されたプロセッサに伝達することができる。睡眠無呼吸発生情報は、スマート家電機器800が触覚的フィードバック及び聴覚的フィードバックのうち少なくとも一つを生成するためのトリガー信号に該当し、スマート家電機器800は睡眠無呼吸発生情報が受信されれば、振動、音、音響等を介して使用者を刺激することができる。当該刺激は、使用者の睡眠無呼吸を早く緩和させ、持続的なモニタリングと刺激を介して使用者の睡眠無呼吸を防止又は緩和できることになる。
【0624】
一方、図34図36に示された実施形態とは異なり、1次睡眠分析が省略され、スマートフォン900のみで睡眠分析が成されてもよい。すなわち、使用者の睡眠音響情報に基づいて、上で言及した方法で使用者の睡眠分析が成され、当該睡眠分析の結果、睡眠無呼吸が検出されれば、直ちに睡眠無呼吸発生情報を前記スマートフォン900と連動されたスマート家電機器800(例:スマートマット、スマートスピーカーなど)に伝達することによって、スマート家電機器800をして振動やアラーム(音、音響)を生成するようにすることができる。
【0625】
一方、空気の質と睡眠の相関関係は、次の通りである。
【0626】
ある研究結果によれば、妊婦が悪い空気に露出した期間が妊娠1~8週であれば、産まれた赤ん坊の睡眠効率が低下し、妊娠31~35週であれば、産まれた赤ん坊の睡眠時間が低下するものと知られており、成長期の睡眠の質は知識習得力及び成長発育と密接な関連性があるという研究結果もある。
【0627】
また、夏にPM10への露出が睡眠中の呼吸の不規則性を増加させ、これは、人体の心血管疾患及び死亡率上昇とも関連性があるという研究結果もある。
【0628】
一方、温度/湿度と睡眠の相関関係は、次の通りである。
【0629】
二酸化炭素が800ppmである状態での睡眠状態と、17000ppmである状態での睡眠状態とを比較実験してみた結果、800ppmである状態で空気がより息苦しくて熱いという感じがあったという研究結果があり、温度が摂氏28度であるチャンバーで睡眠をとった時が、摂氏24度であるチャンバーで睡眠をとった時よりも、睡眠効率及び翌日の作業効率が低下したという研究結果もある。
【0630】
また、状態湿度が80%、温度が摂氏32度である環境における睡眠状態が、状態湿度が50%、温度が摂氏26度である環境における睡眠状態と比較した時、睡眠中に目覚めることの頻度が増加し、熟睡の比率が減少したという研究結果もある。
【0631】
このような使用者の睡眠障害を防止、緩和するための刺激は、スマートフォン900やスマートスピーカーでない他の環境造成装置によって発生する可能性がある。
【0632】
ここで、他の環境造成装置は、照明、空気清浄機、加湿器、スピーカー(オーディオ)、衣類管理機、TV、時計、PC、モーションベッド、マットレス、スマートピロー、ブラインド、カーテン、ロボット、掃除機、洗濯機、乾燥機、浄水器、冷蔵庫、オーブン/レンジなどであってよい。使用者の睡眠障害発生情報は、上で言及した多様な環境造成装置に伝達されてよく、環境造成装置は、使用者を刺激するための刺激源を生成することができる。
【0633】
例えば、睡眠障害発生情報は、照明(電灯)を制御して照度を上げたり、空気清浄機の駆動音を発生させたり、TVを点けたり、時計アラームを動作させたり、PCをオン状態にしたり、モーションベッドを制御してベッドの角度を変更させたり、スマートピローやスマートマットレスを制御して触覚的な変化や動きを与えたり、各種家電を駆動させて音を発生させるなどの方式を介して使用者を刺激させることにより、睡眠障害を中断、緩和させることができる。
【0634】
また、例えば図1の(c)のような実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0635】
トラフィック対応方法及び1人/多くの人の睡眠分析
【0636】
図37は、本発明による睡眠分析方法がクラウドで遂行される場合のトラフィック対応方法を説明する図面である。
【0637】
図38は、本発明による睡眠分析方法において、1人の睡眠分析と多くの人の睡眠分析を説明するための概念図である。説明の理解を助けるために、以下ではスマート家電機器800をスマートスピーカーに想定して説明することにする。ただし、これは理解を助けるための説明に過ぎず、本発明のスマート家電機器はこれに制限されるわけではない。
【0638】
本発明による睡眠分析方法は、アマゾンウェブサービス(Amazon Web Services、AWS)のクラウドを介して使用者に提供することができる。本発明による睡眠分析方法は、主に夕方の時間から明け方の時間まで成されるため、当該時間にトラフィックが発生する可能性がある。
【0639】
したがって、本発明による睡眠分析方法は、多くのトラフィックが発生する時間区間を分析する段階、当該時間区間に進入するイベントを予測する段階、当該イベントが発生した時点にAIサーバ310を自動で調整(追加、再配置など)する段階をさらに含んでよい。これを介して、本発明は、特定の時間に発生する可能性があるトラフィックに柔軟に対処できるようになる。
【0640】
まず、図38の(a)に示された1人の睡眠時には、1人の睡眠分析においてスマートスピーカーやスマートフォン900は全て同一の睡眠空間内に位置することになる。すなわち、スマートスピーカーは、使用者1人の睡眠音響情報、睡眠環境情報などを獲得することができ、スマートフォン900は、使用者1人の睡眠音響情報、睡眠環境情報(照度など)などを獲得することができる。このような1人の睡眠環境では、上で説明した睡眠分析方法がそのまま適用されてよい。
【0641】
ただし、図38の(b)に示された多くの人の睡眠時には、スマートスピーカーやスマートフォン900によって獲得される睡眠音響情報は、使用者1及び使用者2などの多数の睡眠情報を含んでよい。
【0642】
したがって、複数の使用者が同一の睡眠空間内で睡眠をとる場合の睡眠分析は、さらに精密な過程を経ることになる。多くの人の睡眠分析方法については、先に図39図46を参照して説明したので、重複する記述は省略することにする。
【0643】
睡眠環境調節装置
【0644】
以下では、図1の(b)に示された睡眠環境調節装置について、さらに具体的に説明する。図1の(b)に示されたように、睡眠環境調節装置400、使用者端末10、及び外部サーバ20はネットワークを介して、本発明の一実施形態によるシステムのためのデータを相互送受信することができる。
【0645】
本発明の実施形態によるネットワークは、上で詳細に説明したところと同じなので、重複説明は省略する。
【0646】
本実施形態によれば、使用者端末10は、睡眠環境調節装置400との情報交換を介して使用者の睡眠と関連した情報の提供を受けることができる端末で、使用者が所持した端末を意味してよい。使用者端末10の一般的な構成及び機能は、上で説明したところと同じであり得る。使用者端末10は、使用者が位置した空間に関連した音響情報を獲得することができる。例えば、音響情報は、使用者が位置した空間で獲得される音響情報を意味してよい。音響情報は、非接触式方法で使用者の活動又は睡眠と関連して獲得されてよい。
【0647】
例えば、音響情報は、使用者が睡眠をとる間に当該空間で獲得されるものであってよい。実施形態によれば、使用者端末10を介して獲得される音響情報は、本発明において使用者の睡眠状態情報を獲得するための基盤になる情報であってよい。具体的な例を挙げると、使用者の動き又は呼吸に関連して獲得される音響情報を介して、使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は、睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報が獲得されてよい。また、例えば、音響情報を介して睡眠時間の間に使用者の睡眠段階の変化に対する情報が獲得されてよい。
【0648】
本発明の睡眠環境調節装置400は、外部サーバ20から健康診断情報又は睡眠検診情報などを受信し、当該情報に基づいて学習データセットを構築することができる。外部サーバ20と関連した説明は、上で詳細に記載したところ、ここではその説明を省略することにする。
【0649】
一実施形態によれば、睡眠環境調節装置400が睡眠状態分析のために活用する音響情報は、一空間上における使用者の活動又は睡眠中に非侵襲的方式で獲得されるものであってよい。具体的な例を挙げると、音響情報は、睡眠中に使用者が寝返りを打つことにより発生する音響、筋肉の動きに関連した音響、又は睡眠中の使用者の呼吸に関連した音響などを含んでよい。実施形態によれば、環境センシング情報は睡眠音響情報を含んでよく、当該睡眠音響情報は、使用者の睡眠中に発生する動きパターン及び呼吸パターンに関連した音響を意味してよい。
【0650】
実施形態において、音響情報は、使用者が所持した使用者端末10及び音響収集部414のうち少なくとも一つを介して獲得されてよい。例えば、使用者端末10及び音響収集部414に備えられたマイクモジュールを介して、一空間上において使用者の活動に関連した環境センシング情報が獲得されてよい。
【0651】
使用者端末10又は音響収集部414に備えられたマイクモジュールの構成は、上で説明したところと同一である。
【0652】
本発明において分析の対象になる音響情報は、睡眠中に獲得される使用者の呼吸及び動きに関連したもので、非常に小さい音響(すなわち、区分が難しい音響)に関する情報であり、睡眠環境の間に他の音響と共に獲得されるものであるため、低い信号対雑音比の前記したようなマイクモジュールを介して獲得される場合、探知及び分析が非常に難しいことがある。
【0653】
本発明の一実施形態によれば、睡眠環境調節装置400は、MEMSで構成されたマイクモジュールを介して獲得された音響情報に基づいて睡眠状態情報を獲得することができる。具体的に、睡眠環境調節装置400は、多くのノイズを含んで不明瞭に獲得された音響情報を、分析が可能なデータ変換及び/又は調整することができ、変換及び/又は調整されたデータを活用して人工神経網に対する学習を遂行することができる。人工神経網に対する事前学習が完了した場合、学習された神経網(例えば、音響分析モデル)は、音響情報に対応して獲得された(例えば、変換及び/又は調整された)データ(例えば、スペクトログラム)に基づいて使用者の睡眠状態情報を獲得することができる。実施形態において、睡眠状態情報は、使用者が睡眠をとっているのか否かに関連した情報だけでなく、睡眠中の使用者の睡眠段階の変化に関連した睡眠段階情報を含んでよい。具体的な例を挙げると、睡眠状態情報は、第1時点には使用者がREM睡眠であり、第1時点と相違した第2時点には使用者が浅い睡眠であったという睡眠段階情報を含んでよい。この場合、当該睡眠状態情報を介して、使用者は第1時点に比較的深い睡眠に落ち、第2時点にはより浅い睡眠をとったという情報が獲得されてよい。
【0654】
すなわち、睡眠環境調節装置400は、音響を収集するように一般的に多く普及された使用者端末(例えば、人工知能スピーカー、寝室IoT機器、携帯電話など)、又は、音響収集部414を介して低い信号対雑音比を有する睡眠音響情報を獲得する場合、これを分析に適切なデータに加工し、加工されたデータを処理して、使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、睡眠後なのかに対する情報、及び睡眠段階の変化に関連した睡眠状態情報を提供することができる。
【0655】
実施形態において、睡眠環境調節装置400は、端末又はサーバであってよく、任意の形態の装置は全て含んでよい。睡眠環境調節装置400はデジタル機器として、ラップトップコンピュータ、ノートパソコン、デスクトップコンピュータ、ウェブパッド、移動電話機のようにプロセッサを搭載してメモリを備えた演算能力を備えたデジタル機器であってよい。睡眠環境調節装置400は、サービスを処理するウェブサーバであってよい。前述したサーバの種類は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0656】
本発明の一実施形態によれば、睡眠環境調節装置400は、クラウドコンピューティングサービスを提供するサーバであってよい。当該サーバは、上で詳細に説明したところ、ここでは説明を省略することにする。
【0657】
又は、例えば図1の(c)の実施形態である場合、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が睡眠環境調節装置400で具現されてよい。
【0658】
図10は、本発明の一実施形態と関連した睡眠環境調節装置の例示的なブロック構成図を示す。
【0659】
図10に示されたように、睡眠環境調節装置400は、受信モジュール410及び送信モジュール420を含んでよい。
【0660】
本発明の一実施形態によれば、睡眠環境調節装置400は、無線信号を送信する送信モジュール420及び送信された無線信号を受信する受信モジュール410を含んでよい。一実施形態において、無線信号は、直交周波数分割多重方式の信号を意味してよい。例えば、無線信号は、wifi基盤OFDMセンシング信号であってよい。また、本発明の送信モジュール420は、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットPC、スマートスピーカー(AIスピーカー)などを介して具現されてよく、受信モジュール410は、wifi受信機を介して具現されてよい。実施形態によれば、受信モジュール410は、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットPC等の多様なコンピューティング装置を介して具現されてよい。例えば、送信モジュール420及び受信モジュール410には、wi-Fi802.11n、802.11ac又はOFDMを支援する他の標準に従う無線チップが搭載されていてよい。すなわち、比較的低価格の装備を介して高信頼度を有するオブジェクト状態情報の獲得する睡眠環境調節装置400が具現されてよい。
【0661】
一実施形態において、送信モジュール420は、オブジェクトが位置した一方向に無線信号を送信することができ、受信モジュール410は、送信モジュール420と事前に決定された隔離距離を介して備えられ、送信モジュール420から送信された無線信号を受信することができる。このような無線信号は、直交周波数分割多重方式の信号であることにより、複数のサブキャリアを介して送信又は受信することができる。
【0662】
このような送信モジュール420及び受信モジュール410は、事前に決定された離隔距離を有するように備えられてよい。この場合、事前に決定された離隔距離は、オブジェクトが活動したり又は位置した空間を意味してよい。具体的な実施形態において、送信モジュール420及び受信モジュール410は、既に設定された領域を基準として互いに対向する位置が備えられることを特徴とすることができる。ここで、既に設定された領域11aとは、例えば、図12に示されたように、使用者が睡眠をとる位置に関連した領域で、例えば、ベッドが位置した領域であってよい。又は、例えば、使用者の動きや又は呼吸に関する情報等のオブジェクト状態情報を獲得できる領域を意味してよい。ここで、オブジェクト状態情報は、使用者の動きや又は呼吸に関する情報に限定されるわけではなく、使用者と関連した音響情報又は視覚情報等の多様な情報に該当してよい。
【0663】
送信モジュール420及び受信モジュール410は、使用者が睡眠をとるベッドを中心に両側面それぞれに備えられてよい。この場合、本発明の睡眠環境調節装置400は、送信モジュール420及び受信モジュール410を介して送信及び受信されるwifi基盤のOFDM信号に基づいて、使用者が既に設定された領域に位置したのかに関する情報及び使用者の動きや又は呼吸に関する情報などのオブジェクト状態情報を獲得することができる。
【0664】
一実施形態によれば、送信モジュール420及び受信モジュール410は、1以上のアンテナを介して無線信号(例えば、OFDM信号)を送信及び受信することができる。例えば、送信モジュール420及び受信モジュール410それぞれに3個のアンテナが備えられる場合、3個のアンテナと64個のサブキャリアを介して合計192個(すなわち、3×64)チャネルに関連したチャネル状態情報が毎フレームごとに獲得することができる。前述したアンテナ及びサブキャリアに対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本開示はこれに制限されない。
【0665】
一実施形態によれば、送信モジュール420及び受信モジュール410は、複数個で備えられてよい。より具体的な例を挙げると、3個の送信モジュール及び4個の受信モジュールそれぞれが、事前に決定された離隔距離を介して備えられてよい。この場合、複数個の送信モジュール及び受信モジュールそれぞれが送信及び受信する無線信号は、互いに相違してよい。
【0666】
実施形態において、受信モジュール410を介して受信された無線信号は、既に設定された領域に対応するチャネルを通過した無線信号で当該チャネルを特性を示す情報を含んでよい。受信モジュール410は、無線信号からチャネル状態情報を獲得することができる。チャネル状態情報は、使用者が位置した一空間と関連したチャネルに関連した特性を示す情報であり、送信モジュール420から送信された無線信号及び受信モジュールを介して受信された無線信号に基づいて算出されることを特徴とすることができる。
【0667】
具体的に、送信モジュール420から送信された無線信号は、特定のチャネル(すなわち、使用者が位置した空間)を通過して、受信モジュール410を介して受信されてよい。この場合、無線信号は、マルチパス(multi-path)それぞれに対応して、複数のサブキャリアを介して送信されたものであってよい。これにより、受信モジュール410を介して受信された無線信号は、既に設定された領域11aにおける使用者の動きが反映された信号であってよい。プロセッサは、受信された無線信号を介して無線信号がチャネル(すなわち、使用者が位置した空間)を通過して経験したチャネル特性に関連したチャネル状態情報を獲得することができる。このようなチャネル状態情報は、振幅と位相で構成されていてよい。すなわち、睡眠環境調節装置400は、送信モジュール420から送信された無線信号と受信モジュール410を介して受信された無線信号(すなわち、オブジェクトの動きが反映された信号)に基づいて、送信モジュール420と受信モジュール410との間の空間(すなわち、既に設定された領域)の特性に関連したチャネル状態情報を獲得することができる。
【0668】
実施形態によれば、受信モジュール410は、送信モジュール420から送信された無線信号を受信する場合、受信した無線信号に基づいて使用者の動きを感知することを特徴とすることができる。受信モジュール410は、チャネル状態情報の変化を介して、既に設定された領域に使用者が位置したか否かに関する情報を獲得することができる。実施形態によれば、送信モジュール420及び受信モジュール410を介して無線信号を送受信する過程で、使用者が送信モジュール420及び受信モジュール410の間に位置したり又は位置しなかった時に獲得されるチャネル状態情報は、互いに相違してよい。具体的な実施形態によれば、送信モジュール420と受信モジュール410との間の領域(すなわち、既に設定された領域)内に使用者が位置した場合と、位置しない場合、それぞれに対応して獲得されるチャネル状態情報の差が極大化されるように送信モジュール420及び受信モジュール410が配置されてよい。追加的な実施形態によれば、送信モジュール420及び受信モジュール410それぞれに対応して指向性パッチアンテナが備えられてよい。ここで、指向性パッチアンテナは、m×nパッチで構成されたアンテナモジュール(すなわち、m個の横パッチ数及びn個の縦パッチ数)であってよい。例えば、使用者が送信モジュール420及び受信モジュール410の間に位置したり、又は位置しなかった時の信号の差が大きくなるように、アンテナ事前ビームが設定されてよい。アンテナのbeam widthが最適になるように事前に設定され、このような指向性パッチアンテナを用いて信号を送受信する方向に使用者が横になる位置になるように、送信モジュール420と受信モジュール410を配置させることができる。すなわち、送信モジュール420と受信モジュール410それぞれの指向性パッチアンテナの間にLine-of-Sightが直接的に確保される無線リンクが形成されてよい。このような構成を介して、各モジュールのアンテナを指向性アンテナで動作するようにして、より狭い領域(例えば、既に設定された領域)に対応して無線リンクを形成することができる。
【0669】
すなわち、送信モジュール420と受信モジュール410のアンテナの間に無線リンクが形成され、このような無線リンクの間に使用者が位置した場合、使用者の身体が無線リンクを遮ることになり無線リンクが歪曲されて、信号レベル(すなわち、チャネル状態情報)が大きく変わることになる。実施形態において、信号レベルの変化は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)とCSI(Channel State Information)の変化を介して感知することができ、これにより、受信モジュール410は、このような変化を介して使用者が既に設定された領域11aに位置したのか否かを判別することができる。
【0670】
実施形態において、使用者が既に設定された領域11aに位置したのか否かに関する情報は、環境造成部415の駆動の有無を決定するのに活用されたり、又は使用者の睡眠意図を把握するのに活用することができる。
【0671】
本発明の一実施形態によれば、受信モジュール410は、使用者の睡眠状態情報を算出し、そして睡眠状態情報に基づいて使用者の睡眠環境を調整することができる。具体的に、受信モジュール410は、獲得したセンシング情報に基づいて、使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報を獲得することができ、当該睡眠状態情報に従って使用者が位置した空間の睡眠環境を調整することができる。具体的な例を挙げると、受信モジュール410は、使用者が睡眠前という睡眠状態情報を獲得した場合、当該睡眠状態情報に基づいて睡眠を誘導するための光の強さ及び照度(例えば、3000Kの白色光、30luxの照度)に関連した環境造成情報を生成することができる。また、受信モジュール410は、睡眠を誘導するための光の強さ及び照度に関連した環境造成情報に基づいて、使用者が位置した空間の光の強さ及び照度を睡眠を誘導するための適切な強さ及び照度(例えば、3000Kの白色光を30luxの照度)に調整することができる。
【0672】
また、受信モジュール410は、使用者が睡眠前という睡眠状態情報を獲得した場合、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで、スマート家電機器を制御するための環境造成情報を生成することができる。
【0673】
具体的に、使用者の睡眠前の所定時間(例:20分前)まで、微細粉塵及び有害ガスを予め除去したり、室内温度と湿度を季節や使用者によって最適化されるように制御したり、照度を制御するなどの環境造成情報を生成することができる。
【0674】
また、環境造成情報は、多様なスマート家電機器において、睡眠直前の眠りを誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発するように制御したり、送風の強さを既に設定された強さ以下に調節したり、LEDの強さを下げたり、直接風を間接風に切り替えるなどの情報を含んでよい。
【0675】
また、第1環境造成情報は、スマート家電機器の稼動ヒストリーと獲得される睡眠状態(例えば、睡眠の質)に従って、個人カスタマイズ型室内温度、室内湿度、送風の強さ又は騒音等の多様な環境のうち、少なくとも1以上を調節するようにする制御情報を含んでよい。
【0676】
前述した睡眠状態情報及び環境造成情報に関連した具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0677】
図11の(a)は、本発明の一実施形態と関連した受信モジュール及び送信モジュールの例示的なブロック構成図を示す。
【0678】
図11の(a)に示されたように、受信モジュール410は、ネットワーク部411、メモリ412、センサ部413、音響収集部414、環境造成部415、及び受信制御部416を含んでよい。受信モジュール410は、前述したコンポーネントに制限されない。すなわち、本発明の内容の実施形態に対するの具現様態に従って追加的なコンポーネントが含まれたり、又は、前述したコンポーネントのうちの一部が省略されてよい。
【0679】
本発明の一実施形態によれば、送信モジュール420は、図11の(a)に示されたように、無線信号を送信する送信部421及び送信部421の無線信号送信動作を制御する送信制御部422を含んでよい。実施形態において、送信制御部422は、送信部421を介して無線信号が送信される時点を決定することができる。例えば、送信制御部422は、睡眠測定モードが開始される時点に対応して送信部421を制御することにより、無線信号が送信されるようにすることができる。
【0680】
本発明の一実施形態によれば、受信モジュール410は、送信モジュール420、使用者端末10、及び外部サーバ20とデータを送受信するネットワーク部411を含んでよい。ネットワーク部411は、本発明の一実施形態による睡眠状態情報による睡眠環境調節方法を遂行するためのデータなどを他のコンピューティング装置、サーバなどと送受信することができる。すなわち、ネットワーク部411は、受信モジュール410と送信モジュール420、使用者端末10、及び外部サーバ20の間の通信機能を提供することができる。
【0681】
例えば、ネットワーク部411は、病院サーバから複数の使用者に対する睡眠検診記録及び電子健康記録を受信することができる。他の例を挙げれば、ネットワーク部411は、使用者端末10から使用者が活動する空間に関連した音響情報を受信することができる。また他の例を挙げれば、ネットワーク部411は、環境造成部415で使用者が位置した空間の環境を調整するための環境造成情報を伝送することができる。さらに、ネットワーク部411は、睡眠環境調節装置400でプロシージャを呼び出す方式で睡眠環境調節装置400と使用者端末10及び外部サーバ20との間の情報伝達を許容することができる。
【0682】
本発明の一実施形態によるネットワーク部411は、上で説明した多様な有無線通信システムのいずれか一つ、あるいは、これらの組み合わせで構成されてよい。
【0683】
本発明の一実施形態によれば、メモリ412は、本発明の一実施形態による睡眠状態情報に基づいて睡眠環境調節方法を遂行するためのコンピュータプログラムを格納することができ、格納されたコンピュータプログラムは、受信制御部416によって読み取られて駆動されてよい。また、メモリ412は、受信制御部416が生成したり決定したりした任意の形態の情報及びネットワーク部411が受信した任意の形態の情報を格納することができる。また、メモリ412は、使用者の睡眠に関連したデータを格納することができる。例えば、メモリ412は、入力/出力されるデータ(例えば、使用者の睡眠環境に関連した音響情報、音響情報に対応する睡眠状態情報、又は睡眠状態情報による環境造成情報など)を臨時又は永久格納することもできる。
【0684】
本発明の一実施形態によれば、メモリ412は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えばSD又はXDメモリなど)、ラム(Random Access Memory、RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(Read-Only Memory、ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PEOM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも一つのタイプの格納媒体を含んでよい。睡眠環境調節装置400は、インターネット(internet)上で前記メモリ412の格納機能を遂行するウェブストレージ(web storage)と関連して動作することもできる。前述したメモリに対する記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0685】
コンピュータプログラムは、メモリ412にロードされる時、受信制御部416をして本発明の多様な実施形態による方法/動作を遂行するようにする1以上のインストラクションを含んでよい。すなわち、受信制御部416は、1以上のインストラクションを実行することにより、本発明の多様な実施形態による方法/動作を遂行することができる。
【0686】
本発明の一実施形態によれば、受信モジュール410は、一空間に関連した1以上のセンシング情報を獲得するセンサ部413を含んでよい。本発明において一空間は、使用者が生活する空間を意味するもので、例えば、使用者が睡眠をとる寝室を意味してよい。
【0687】
実施形態によれば、センサ部413は、一空間における使用者の動きを感知する第1センサ部を含んでよい。第1センサ部は、PIRセンサ(Passive Infrared Sensor)及び超音波センサのうち少なくとも一つを含んで備えられてよい。PIRセンサは、使用者の身体から放出される赤外線の変化量を感知して、感知範囲の中で使用者の動きを感知することができる。例えば、PIRセンサは、使用者の身体から放出される8um~14umの赤外線を識別し、寝室内における使用者の動きを感知することができる。超音波センサは音波を発生させ、特定のオブジェクトに反射して戻ってくる信号を感知してオブジェクトの動きを感知することができる。例えば、超音波センサは、寝室の空間内に音波を発生させて、使用者が寝室の内部に入ってくることにより使用者の身体に反射する音波を介して寝室の内部に使用者の動きが発生したことを感知することができる。
【0688】
また、実施形態において、センサ部413は、無線信号に基づいて使用者が一空間の既に設定された領域に位置したか否かを感知する第2センサ部を含んでよい。第2センサ部は、送信モジュール420から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号に基づいて既に設定された領域に使用者が位置したか否かを感知することができる。実施形態において、既に設定された領域は、一空間内に位置した領域のうち使用者が睡眠をとるために横になる領域に関連したもので、例えば、ベッドが備えられた領域を意味してよい。具体的な例を挙げると、本発明において一空間は、寝室内部の空間を意味してよく、既に設定された領域は、ベッドが位置した空間を意味してよい。
【0689】
実施形態において、第2センサ部は、既に設定された領域を基準として、送信モジュール420と互いに対向する位置に備えられることを特徴とすることができる。例えば、送信モジュール420及び第2センサ部は、使用者が睡眠をとるベッドを中心に両側面それぞれに備えられてよい。この場合、本発明の睡眠環境調節装置400は、送信モジュール420及び受信モジュール()を介して送信及び受信されるwifi基盤のOFDM信号に基づいて、使用者が既に設定された領域に位置したのかに関する情報及び使用者の動きや又は呼吸に関する情報であるオブジェクト状態情報を獲得することができる。
【0690】
一実施形態によれば、受信モジュール410は、第2センサ部を介して使用者が既に設定された領域に位置するものと判別された場合、環境造成部415の駆動を許容することができる。換言すれば、受信モジュール410は、使用者が既に設定された領域11aに位置したものと感知された場合にだけ環境造成部415の駆動を許容することができる。すなわち、受信モジュール410は、使用者が既に設定された領域に位置した場合にだけ、環境造成情報を生成することにより、環境調整動作を遂行する環境造成部415の駆動を制御することができる。環境造成部415は、使用者が特定の位置に位置しない場合、睡眠環境を変化させるための動作を遂行しなくてよい。
【0691】
追加的な実施形態において、センサ部413は、使用者の睡眠環境と関連して、使用者の身体温度、室内温度、室内気流、室内湿度、及び室内照度のうち少なくとも一つに関連した室内環境情報を獲得するための1以上の環境センシングモジュールを含んでよい。室内環境情報は、使用者の睡眠環境と関連した情報として、使用者の睡眠段階の変化に関連した睡眠状態を介して使用者の睡眠に対する外部的要因の影響を考慮するための基準になる情報であってよい。1以上の環境センシングモジュールは、例えば、温度センサ、気流センサ、湿度センサ、音響センサ、照度センサのうち少なくとも一つのセンサモジュールを含んでよい。ただし、これに制限されるわけではなく、使用者の睡眠に影響を与えることができる外部的環境を測定できる多様なセンサをさらに含んでもよい。
【0692】
本発明の一実施形態によれば、受信モジュール410は、音響収集部414を含んでよい。音響収集部414は、小型のマイクモジュールを含んで構成され、使用者が睡眠をとる一空間に発生する音響に対する情報を獲得することができる。実施形態によれば、音響収集部414に備えられたマイクモジュールは比較的小さい大きさで備えられるMEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)で構成されてよい。このようなマイクモジュールは、費用的な側面から有利であり、非常に小型に製作が可能であるが、コンデンサマイク(Condenser Microphone)やダイナミックマイク(dynamic microphone)に比べて低い信号対雑音比(SNR)を有し得る。信号対雑音比が低いということは、識別しようとする音響比の識別しないとする音響である雑音の比率が高いもので、音響の識別が容易でない(すなわち、不明)を意味することになる。本発明において分析の対象になる情報は、睡眠中に獲得される使用者の呼吸及び動きに関連した音響情報、すなわち、睡眠音響情報であってよい。このような睡眠音響情報は、使用者の呼吸及び動き等の非常に微細な音響に関する情報であり、睡眠環境の間に他の音響と共に獲得されるものであるため、低い信号対雑音比の前記したようなマイクモジュールを介して獲得される場合、探知及び分析が非常に難しいことがある。これにより、受信制御部416は、低い信号対雑音比を有する睡眠音響情報が獲得される場合、これを処理及び/又は分析するためのデータに加工処理することができる。
【0693】
本発明の一実施形態によれば、受信モジュール410は、環境造成部415を含んでよい。環境造成部415は、使用者の睡眠環境を調整することができる。具体的に、環境造成部415は、環境造成情報に基づいて使用者が位置した空間の空気の質、照度、温度、風向き、湿度、及び音響のうち少なくとも一つを調整することができる。環境造成情報は、使用者の睡眠状態情報の判定に基づいて、受信制御部416から生成された信号であってよい。例えば、環境造成情報は、照度を低くしたり又は高くするなどに関する情報を含んでよい。より具体的な例を挙げると、環境造成情報は、起床が予測される時点から30分前から3000Kの白色光を0luxから250luxの照度に徐々に増加させるようにする制御情報を含んでよい。追加的な例を挙げれば、環境造成情報は、温度、湿度、風向き、又は音響のうち少なくとも一つを調整するための制御情報を含んでよい。環境造成情報は、使用者のリアルタイム睡眠状態に基づいて、微細粉塵除去、有害ガス除去、アレルギーケア駆動、脱臭/除菌駆動、室内温度調節、除湿調節、加湿調節、送風強度調節、風向きの種類の選択と調節、駆動騒音調節、振動調節、LED点灯調節などと関連した多様な情報などを含んでよい。前述した環境造成情報に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0694】
環境造成部415は、照度制御、温度制御、風向き制御、湿度制御、及び音響制御のうち少なくとも一つに対する制御を遂行することができる。ただし、これに制限されるわけではなく、環境造成部は、使用者の睡眠環境に変化をもたらし得る多様な制御動作をさらに遂行することができる。すなわち、環境造成部415は、受信制御部416の環境制御信号に基づいて多様な制御動作を遂行することにより、使用者の睡眠環境を調整することができる。
【0695】
追加的な実施形態において、環境造成部415は、モノのインターネット(IOT、Internet of Things)を介した連係を介して具現されてもよい。具体的に、環境造成部415は、使用者が位置する空間に関連して室内環境の変化を与えることができる多様な機器との連係を介して具現されてよい。例えば、環境造成部415は、モノのインターネットを介した連係に基づいたスマート空気調和機、スマートヒーター、スマート空気清浄機、スマートボイラー、スマート窓、スマート加湿器、スマート除湿器、及びスマート照明など多様なスマート家電機器で具現されてよい。前述した環境造成部に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0696】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、1以上のコアで構成されてよく、コンピューティング装置の中央処理装置(CPU:central processing unit)、汎用グラフィック処理装置(GPGPU:general purpose graphics processing unit)、テンソル処理装置(TPU:tensor processing unit)等のデータ分析、ディープラーニングのためのプロセッサを含んでよい。
【0697】
受信制御部416は、メモリ412に格納されたコンピュータプログラムを読み取って、本発明の一実施形態による機械学習のためのデータ処理を遂行することができる。
【0698】
本発明の一実施形態により、受信制御部416は神経網の学習のための演算を遂行することができる。受信制御部416は、ディープラーニング(DL:deep learning)において学習のための入力データの処理、入力データにおけるフィーチャー抽出、誤差計算、逆伝播(backpropagation)を用いた神経網の加重値アップデートなどの神経網の学習のための計算を遂行することができる。
【0699】
また、受信制御部416のCPU、GPGPU、及びTPUのうち少なくとも一つがネットワーク関数の学習を処理することができる。例えば、CPUとGPGPUが共にネットワーク関数の学習、ネットワーク関数を用いたデータ分類を処理することができる。また、本発明の一実施形態において複数のコンピューティング装置のプロセッサを共に使用して、ネットワーク関数の学習、ネットワーク関数を用いたデータ分類を処理することができる。また、本発明の一実施形態によるコンピューティング装置で遂行されるコンピュータプログラムは、CPU、GPGPU、又はTPU実行可能プログラムであってよい。
【0700】
本明細書においてネットワーク関数は、人工神経網、ニューラルネットワークと相互交換可能に使用することができる。本明細書においてネットワーク関数は、1以上のニューラルネットワークを含んでよく、この場合、ネットワーク関数の出力は1以上のニューラルネットワークの出力のアンサンブル(ensemble)であってよい。
【0701】
本明細書においてモデルは、ネットワーク関数を含んでよい。モデルは、1以上のネットワーク関数を含んでもよく、この場合、モデルの出力は1以上のネットワーク関数の出力のアンサンブルであってよい。
【0702】
受信制御部416は、メモリ412に格納されたコンピュータプログラムを読み取って本発明の一実施形態による睡眠分析モデルを提供することができる。本発明の一実施形態により、受信制御部416は、睡眠状態情報に基づいて環境造成情報を算出するための計算を遂行することができる。本発明の一実施形態により、受信制御部416は、睡眠分析モデルを学習させるための計算を遂行することができる。
【0703】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、通常的に睡眠環境調節装置400の全般的な動作を処理することができる。受信制御部416は、上で詳しく見た構成要素を介して、入力又は出力される信号、データ、情報などを処理したり、メモリ412に格納されたアプリケーションを駆動することによって、使用者端末に適正な情報又は機能を提供したり処理したりすることができる。
【0704】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、使用者が睡眠をとる空間に関連した音響情報を獲得することができる。本発明の一実施形態による、音響情報の獲得は、メモリ412に格納された音響情報を獲得したり又はローディング(loading)するものであってよい。また、音響情報の獲得は、有線/無線通信手段に基づいて他の格納媒体に、他のコンピューティング装置、同一のコンピューティング装置内の別途処理モジュールからデータを受信したり又はローディングするものであってよい。
【0705】
一実施形態によれば、受信制御部416は、生活環境音響情報から睡眠音響情報を獲得することができる。ここで、生活環境音響情報は、使用者の日常生活の中で獲得される音響情報であってよい。例えば、生活環境音響情報は、清掃に関連した音響情報、食べ物の料理に関連した音響情報、TV視聴に関連した音響情報等の使用者の生活によって獲得される多様な音響情報を含んでよい。
【0706】
具体的に、受信制御部416は、生活環境音響情報に既に設定されたパターンの情報が感知される特異点を識別することができる。ここで、既に設定されたパターンの情報は、睡眠に関連した呼吸及び動きパターンに関連したものであってよい。例えば、目覚めている状態(wake)では、すべての神経系が活性化しているので、呼吸パターンが不規則的で体の動きが多くてよい。また、首の筋肉の弛緩が成されないため、呼吸の音が非常に少ないこともある。反面、使用者が睡眠をとる場合には、自律神経系が安定化されて呼吸が規則的に変化して体の動きもまた少なくなり、呼吸音も大きくなり得る。すなわち、受信制御部416は、生活環境音響情報において、規則的な呼吸、少ない体の動き、又は少ない呼吸音などに関連した既に設定されたパターンの音響情報が感知される時点を特異点として識別することができる。また、受信制御部416は、識別された特異点を基準として獲得される生活環境音響情報に基づいて、睡眠音響情報を獲得することができる。受信制御部416は、時系列的に獲得される生活環境音響情報において使用者の睡眠時点に関連した特異点を識別し、当該特異点を基準として睡眠音響情報を獲得することができる。
【0707】
具体的な例を挙げると、受信制御部416は、生活環境音響情報から既に設定されたパターンが識別される時点に関連した特異点を識別することができる。また、受信制御部416は、識別された特異点を基準として当該特異点以降に獲得される音響情報に基づいて睡眠音響情報を獲得することができる。
【0708】
すなわち、受信制御部416は、生活環境音響情報から使用者の睡眠に関連した特異点を識別することにより、膨大な量の音響情報から睡眠音響情報のみを抽出して獲得することができる。換言すれば、一空間で発生した音響のうち睡眠に関連した音響(すなわち、睡眠音響情報)のみを獲得することができる。これは、使用者が自身の睡眠時間を記録する過程を自動化するようにして利便性を提供すると共に、獲得される睡眠音響情報の正確性向上に寄与することができる。
【0709】
実施形態によれば、受信制御部416は、音響情報に基づいて睡眠状態情報を算出することができる。具体的に、受信制御部416は、音響収集部414を介して獲得した使用者の睡眠音響情報に基づいて睡眠状態情報を算出することができる。
【0710】
一実施形態において、睡眠状態情報は、使用者が睡眠をとっているか否かに関連した情報を含んでよい。具体的に、睡眠状態情報は、使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報、使用者が睡眠中という第2睡眠状態情報、及び使用者が睡眠後という第3睡眠状態情報のうち少なくとも一つを含んでよい。換言すれば、使用者に関連して第1睡眠状態情報が獲得される場合、受信制御部416は、当該使用者が睡眠前(すなわち、就寝前)の状態であると判断することができ、第2睡眠状態情報が獲得される場合、当該使用者が睡眠中の状態であると判断することができ、そして、第3睡眠状態情報が獲得される場合、当該使用者が睡眠後(すなわち、起床)の状態であると判断することができる。
【0711】
このような睡眠状態情報は、睡眠音響情報に基づいて獲得されることを特徴とすることができる。睡眠音響情報は、非接触方式で使用者が位置した空間において使用者の睡眠中に獲得される音響情報を含んでよい。
【0712】
一実施形態によれば、受信制御部416は、収集された音響情報に基づいて睡眠状態情報を算出することができる(S140)。実施形態において、受信制御部416は、音響情報から識別された特異点を基準として、使用者が睡眠前なのか、又は睡眠中なのか否かに関連した睡眠状態情報を獲得することができる。具体的に、受信制御部416は、特異点が識別されない場合、使用者が睡眠前であると判断することができ、特異点が識別される場合、当該特異点以降、使用者が睡眠中であると判断することができる。また、受信制御部416は、特異点が識別された後、既に設定されたパターンが観測されない時点(例えば、起床時点)を識別し、当該時点が識別された場合、使用者が睡眠後、すなわち起床したと判断することができる。
【0713】
すなわち、受信制御部416は、音響情報において特異点が識別されるか否か、及び特異点が識別された後、既に設定されたパターンが持続的に感知されるか否かに基づいて、使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報を獲得することができる。
【0714】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、センシング情報及び睡眠状態情報に基づいて環境造成情報を生成することができる。具体的に、受信制御部416は、センサ部413を介して獲得したセンシング情報及び音響分析結果獲得された睡眠状態情報に基づいて、環境造成情報を生成することができる。受信制御部416は、センシング情報及び睡眠状態情報に基づいて環境造成情報を生成し、生成された環境造成情報を環境造成部415で伝送することによって、環境造成部415の睡眠環境変化動作を制御することができる。
【0715】
実施形態において、受信制御部416は、睡眠状態情報に基づいて環境造成情報を生成することができる。睡眠状態情報は、使用者が睡眠をとっているのか否かに関連した情報で、使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報、使用者が睡眠中という第2睡眠状態情報、及び使用者が睡眠後という第3睡眠状態情報のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0716】
より詳しく説明すれば、受信制御部416は、第1睡眠状態情報に基づいて第1環境造成情報を生成することができる。具体的に、受信制御部416は使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報を獲得した場合、当該第1睡眠状態情報に基づいて第1環境造成情報を生成することができる。すなわち、受信制御部416は、使用者の睡眠状態が睡眠前の場合、一定時間の間に既に設定された白色光を供給するようにする第1環境造成情報を生成することができる。
【0717】
実施形態によれば、睡眠誘導時点は、受信制御部416によって決定することができる。具体的に、受信制御部416は、使用者の使用者端末10との情報交換を介して睡眠誘導時点を決定することができる。具体的な例を挙げると、使用者は、自身が睡眠しようとする時間及び起床しようとする時間を使用者端末10を介して設定して睡眠計画情報を生成することができ、生成された睡眠計画情報を受信制御部416に伝達することができる。この場合、睡眠計画情報は、希望就寝時間情報及び希望起床時間情報を含んでよい。受信制御部416は、希望就寝時間情報に基づいて睡眠誘導時点を識別することができる。例えば、受信制御部416は、使用者が睡眠をとろうとする時点(すなわち、希望就寝時間)を基準として20分前の時点を睡眠誘導時点として決定することができる。具体的な例を挙げると、使用者が設定した睡眠をとろうとする時点が11時である場合、受信制御部416は10時40分を睡眠誘導時点として識別することができる。前述した時点に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0718】
また、実施形態によれば、受信制御部416は、生活環境音響情報に基づいて使用者の睡眠意図情報を獲得し、睡眠意図情報に基づいて睡眠誘導時点を決定することができる。睡眠意図情報は、使用者が睡眠をとる意図を定量的な数値で示した情報であってよい。例えば、使用者の睡眠意図が高いほど10に近い睡眠意図情報が算出され、睡眠意図が低いほど0に近い睡眠意図情報が算出されてよい。前述した睡眠意図情報に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0719】
受信制御部416は、生活環境音響情報に基づいて睡眠意図情報を獲得することができる。一実施形態によれば、受信制御部416は、生活環境音響情報に含まれた音響の種類を識別することができる。また、受信制御部416は、識別された音響の種類の数に基づいて睡眠意図情報を算出することができる。受信制御部416は、音響の種類の数が多いほど睡眠意図情報を低く算出することができ、音響の種類が少ないほど睡眠意図情報を高く算出することができる。具体的な例を挙げると、生活環境音響情報に含まれた音響の種類が三つ(例えば、掃除機の音、TVの音、及び使用者の声)の場合、受信制御部416は、睡眠意図情報を2点と算出することができる。また、例えば、生活環境音響情報に含まれた音響の種類が1種類(例えば、洗濯機)の場合、受信制御部416は、睡眠意図情報を6点と算出することができる。前述した生活環境音響情報に含まれた音響の種類及び睡眠意図情報に関する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0720】
すなわち、受信制御部416は、生活環境音響情報に含まれた音響の種類の数により使用者が睡眠をとる意図がどれ位あるのかに関連した睡眠意図情報を獲得することができる。例えば、多くの種類の音響が識別されるほど、使用者の睡眠意図が低いという睡眠意図情報(すなわち、低い点数の睡眠意図情報)が出力されてよい。
【0721】
また、実施形態において、受信制御部416は、複数の音響情報それぞれに相違した意図点数を事前にマッチングして、意図点数テーブルを生成することができる。例えば、洗濯機に関連した第1音響情報には2点という意図点数がマッチングされていてよく、加湿器の音に関連した第2音響情報には5点という意図点数が事前にマッチングされていてよく、そして、音に関連した第3音響情報に1点という意図点数がマッチングされていてよい。受信制御部416は、使用者の睡眠と関連した音響情報(例えば、使用者が活動することにより発生する音で、掃除機、皿洗い、声の音響など)に対して比較的高い意図点数を事前にマッチングして、使用者の睡眠と関連ない音響情報(例えば、使用者の活動と関係がない音で、車両騒音、雨が降る音など)に対して比較的低い意図点数を事前にマッチングして、意図点数テーブルを生成することができる。前述した各音響情報にマッチングされた意図点数に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0722】
受信制御部416は、生活環境音響情報及び意図点数テーブルに基づいて睡眠意図情報を獲得することができる。具体的に、受信制御部416は、生活環境音響情報において意図点数テーブルに含まれた複数の音響のうち少なくとも一つが識別される時点に対応して、識別された音響にマッチングされた意図点数を記録することができる。具体的な例を挙げると、リアルタイムで生活環境音響情報が獲得される過程において、第1時点に対応して掃除機の音が識別される場合、受信制御部416は、当該掃除機の音にマッチングされた意図点数2点を第1時点にマッチングして記録することができる。受信制御部416は、生活環境音響情報獲得過程において、多様な音響それぞれが識別されるたびに識別された音響にマッチングされた意図点数を当該時点にマッチングして記録することができる。
【0723】
実施形態において、受信制御部416は、予め決められた時間(例えば、10分)の間に獲得された意図点数の合計に基づいて睡眠意図情報を獲得することができる。具体的な例を挙げると、10分の間に獲得された意図点数が高いほど高い睡眠意図情報が獲得されてよく、10分の間に獲得された意図点数が低いほど低い睡眠意図情報が獲得されてよい。前述した予め決められた時間に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0724】
すなわち、受信制御部416は、生活環境音響情報に含まれた音響の特性に従って使用者が睡眠をとる意図がどれ位あるのかに関連した睡眠意図情報を獲得することができる。例えば、使用者の活動に関連した音響が識別されるほど、使用者の睡眠意図が低いという睡眠意図情報(すなわち、低い点数の睡眠意図情報)が出力されてよい。
【0725】
実施形態によれば、受信制御部416は、睡眠意図情報に基づいて睡眠誘導時点を決定することができる。具体的に、受信制御部416は、睡眠意図情報が予め決められた臨界点数を超過する時点を睡眠誘導時点と識別することができる。すなわち、受信制御部416は、高い睡眠意図情報が獲得される場合、これを睡眠誘導に適切な時点、すなわち、睡眠誘導時点と識別することができる。
【0726】
また、実施形態において、受信制御部416は、センサ部413を介して獲得したセンシング情報に基づいて睡眠意図加重情報を算出することができる。具体的に、受信制御部416は、第1センサ部を介して一空間に使用者の動きが発生した後、第2センサ部を介して既に設定された領域に使用者が位置することを識別した場合、使用者が睡眠意図が高いものと判別することができ、これに対応して1に関連した睡眠意図加重情報を算出することができる。受信制御部416は、第1センサ部及び第2センサ部を介して一空間及び既に設定された領域内の使用者の動きが発生せず、使用者が位置していないことを感知する場合、使用者が睡眠意図を持っていないものと判別することができ、これに対応して0に関連した睡眠意図加重情報を算出することができる。すなわち、受信制御部416は、センサ部413を介して使用者が特定の空間(例えば、ベッド空間)に位置したものと感知される場合、1に関連した睡眠意図加重情報を算出し、特定の空間に使用者が位置していないと感知する場合、0に関連した睡眠意図加重情報を算出することができる。換言すれば、受信制御部416は、一空間及び既に設定された領域に使用者が位置したか否かに従って、0又は1に関連した睡眠意図加重情報を算出することができる。
【0727】
実施形態によれば、受信制御部416は、センシング情報及び睡眠状態情報に基づいて睡眠誘導時点を決定することができる。具体的に、受信制御部416は、センサ部413を介して獲得したセンシング情報及び音響分析結果獲得された睡眠状態情報に基づいて睡眠誘導時点を決定することができる。受信制御部416は、生活環境音響情報に基づいて算出された睡眠意図情報とセンシング情報を介して、算出された睡眠意図加重情報に基づいて睡眠誘導時点を決定することができる。例えば、睡眠意図情報と睡眠意図加重情報を介して最終睡眠意図情報が獲得されてよく、最終睡眠意図情報が一定以上の臨界値を超過する時点を睡眠誘導時点として決定することができる。例えば、受信制御部416は、睡眠意図情報と睡眠意図加重情報の乗を介して最終睡眠意図情報を算出することができる。具体的な例を挙げると、生活環境音響情報に基づいて算出された睡眠意図情報が「9」であり、センシング情報に基づいて算出された睡眠意図加重情報が「0」の場合、最終睡眠意図情報は0と算出されてよく、受信制御部416は予め決められた臨界値(例えば、8)を越えられないものと判別することができる。他の例を挙げると、睡眠意図情報が「9」であり、睡眠意図加重情報が「1」の場合、最終睡眠意図情報は9と算出されてよく、受信制御部416は予め決められた臨界値(例えば、8)を超えたものと判別して、当該時点を睡眠誘導時点として決定することができる。前述した睡眠意図情報、睡眠意図加重情報、及び最終睡眠意図情報に関する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。前記のように、音響情報を介して高い睡眠意図情報が獲得されても、使用者が一定の位置に位置しているか否かによって最終睡眠意図情報が変化し得る。例えば、生活環境音響情報に基づいて高い睡眠意図情報(例えば、10)が算出されても、使用者が一定の位置に位置していない場合、最終睡眠意図情報が0になることにより、最終的に使用者の睡眠意図が低いと判別することができる。
【0728】
前述したように、受信制御部416は、使用者の睡眠誘導時点を決定することができる。これにより、受信制御部416は、使用者が睡眠前という第1睡眠状態情報を獲得する場合、睡眠誘導時点を基準として第2睡眠状態情報が獲得される時点まで光を調整するようにする第1環境造成情報(3000Kの白色光を30luxの照度で供給)を生成することができる。
【0729】
すなわち、受信制御部416は、使用者の状態が睡眠前状態である場合、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで光を調整するようにする第1環境造成情報を生成することができ、当該第1環境造成情報を環境造成部415に伝送することを決定することができる。
【0730】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、第2睡眠状態情報に基づいて第2環境造成情報を生成することができる。第2環境造成情報は、照度を最小化にして光がない暗室環境を造成するようにする制御情報であってよい。すなわち、受信制御部416は、使用者の睡眠状態が睡眠中である場合、照度を最小化にして光がない暗室環境を造成するようにすることができる。
【0731】
すなわち、受信制御部416は、使用者が睡眠(又は、睡眠段階)に進入したことを感知する場合(第2睡眠状態情報を獲得する場合)、光が供給されないようにする制御情報、すなわち、第2環境造成情報を生成することができる。これにより、使用者が熟睡する確率が高まって睡眠の質を向上させることができる。
【0732】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、起床誘導時点に基づいて第3環境造成情報を生成することができる。すなわち、受信制御部416は、使用者の睡眠状態が睡眠中である場合、起床誘導時点から使用者の起床時点まで白色光の照度を徐々に増加させて供給するようにするなどの第3環境造成情報を生成することができる。
【0733】
一実施形態において、起床誘導時点は、希望起床時間情報に基づいて決定されることを特徴とすることができる。
【0734】
希望起床時間情報は、使用者が希望する起床時点に関する情報であってよい。例えば、第1使用者から獲得した希望起床時間情報は、午前7時に関連してよい。前述した起床予測時点に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0735】
一実施形態において、希望起床時間情報は、使用者の使用者端末10との情報交換を介して獲得されることを特徴とすることができる。使用者は、自身が就寝しようとする時点及び自身が起床しようとする時点を使用者端末10を介して設定し、受信制御部416に伝達することができる。受信制御部416は、使用者端末10の使用者が設定した起床時点に基づいて希望起床時間情報を獲得することができる。
【0736】
他の実施形態において、起床誘導時点は、起床予測時点に基づいて決定されてよい。ここで、起床予測時点は、第2睡眠状態情報を介して識別された寝入り時点に基づいて決定されることを特徴とすることができる。具体的に、受信制御部416は、使用者が睡眠中という第2睡眠状態情報を介して使用者の寝入り時点を把握することができる。受信制御部416は、第2睡眠状態情報を介して把握した寝入り時点に基づいて起床予測時点を決定することができる。例えば、受信制御部416は、寝入り時点を基準として適正睡眠時間である8時間後の時点を起床予測時点として決定することができる。具体的な例を挙げると、使用者が睡眠に入った時点が午後11時である場合、受信制御部416は起床予測時点を7時に決定することができる。前述した各時点に対する具体的な数値的記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。すなわち、受信制御部416は、使用者が睡眠に寝ついた時点に基づいて起床予測時点を決定することができる。
【0737】
また他の実施形態において、起床予測時点は、使用者の睡眠段階情報に基づいて決定されることを特徴とすることができる。例えば、使用者は、REM段階で起床する場合、最もすっきり起きることができる。一夜の睡眠の間、使用者は、軽度睡眠(light)、深い睡眠(deep)、軽度睡眠、REM睡眠の順で睡眠サイクルを有してよく、REM睡眠段階で起床した時に最もすっきり起床することができる。
【0738】
これにより、受信制御部416は、使用者の睡眠段階に関連した睡眠段階情報を介して使用者の起床予測時点を決定することができる。具体的な例を挙げると、受信制御部416は、睡眠段階情報を介して使用者がREM段階において他の睡眠段階に変化する時点を起床予測時点と決定することができる。すなわち、受信制御部416は、使用者が最もすっきり起床することができる睡眠段階情報(すなわち、REM睡眠段階)に基づいて起床予測時点を決定することができる。
【0739】
前述したように、受信制御部416は、使用者端末から獲得した睡眠計画情報、寝入り時点、及び睡眠段階情報のうち少なくとも一つに基づいて使用者の起床予測時点を決定することができる。また、受信制御部416は、使用者が起床しようとする時点である起床予測時点を決定した場合、当該起床予測時点に基づいて起床誘導時点を決定することができる。例えば、受信制御部416は、使用者が起床しようとする時点を基準として30分前の時点を起床誘導時点として決定することができる。具体的な例を挙げると、使用者が設定した起床しようとする時点(すなわち、起床予測時点)が7時である場合、受信制御部416は、6時30分を起床誘導時点として決定することができる。前述した時点に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0740】
すなわち、受信制御部416は、使用者の起床が予測される起床予測時点を把握して起床誘導時点を識別し、起床誘導時点から起床時点(例えば、使用者が実際起床する時まで)に3000Kの白色光を0luxから250luxの照度に徐々に増加させて供給するようにする第3環境造成情報を生成することができる。受信制御部416は、当該第3環境造成情報を環境造成部415に伝送することを決定することができ、これにより、環境造成部415は、第3環境造成情報に基づいて使用者が位置した空間において光に関連した調整動作を遂行することができる。例えば、環境造成部415は、起床30分前から3000Kの白色光を0luxから250luxの照度に徐々に増加させることができる。
【0741】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、生活環境音響情報を獲得することができ、当該音響情報に基づいて睡眠音響情報を獲得することができる。
【0742】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、睡眠音響情報に対する前処理を遂行することができる。睡眠音響情報に対する前処理は、ノイズ除去に関する前処理であってよい。具体的に、受信制御部416は、睡眠音響情報を予め決められた時間単位を有する1以上の音響フレームに分類することができる。また、受信制御部416は、1以上の音響フレームそれぞれのエネルギーレベルに基づいて、最小エネルギーレベルを有する最小音響フレームを識別することができる。受信制御部416は、最小音響フレームに基づいて睡眠音響情報に対するノイズ除去を遂行することができる。
【0743】
具体的な例を挙げると、受信制御部416は、30秒の睡眠音響情報を非常に短い40ms大きさの1以上の音響フレームに分類することができる。また、受信制御部416は、40msの大きさに関連した複数の音響フレームそれぞれの大きさを比較して、最小エネルギーレベルを有する最小音響フレームを識別することができる。受信制御部416は、全体睡眠音響情報(すなわち、30秒の睡眠音響情報)で識別された最小音響フレーム成分を除去することができる。例えば、睡眠音響情報において最小音響フレーム成分が除去されることにより、前処理された睡眠音響情報を獲得することができる。すなわち、受信制御部416は、最小音響フレームをバックグラウンドノイズフレームとして識別し、原本信号(すなわち、睡眠音響情報)から除去することで、ノイズ除去に関する前処理を遂行することができる。
【0744】
また、受信制御部416は、図6の(a)に示されたように、睡眠音響情報210に対応してスペクトログラム300を生成することができる。ここで、睡眠音響情報210は、前処理された睡眠音響情報を意味してよい。すなわち、受信制御部416は、前処理された睡眠音響情報に対応してスペクトログラムを生成することができる。スペクトログラム生成と関連しては、上で詳細に説明したところ、重複説明は避けることにする。
【0745】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416が睡眠音響情報210に対応して生成するスペクトログラムは、メルスペクトログラムを含んでよい。受信制御部416は、スペクトログラムに対するメルフィルタバンク(Mel-Filter Bank)を介してメルスペクトログラム(Mel-Spectrogram)を獲得することができる。
【0746】
一般的に、人間の蝸牛管は、音声データの周波数によって振動する部位が相違し得る。また、人間の蝸牛管は、周波数が低い帯域において周波数の変化をよく感知し、高い帯域での周波数の変化をよく感知できない特性を有している。これにより、音声データに対する人間の蝸牛管の特性と類似の認識能力を有するように、メルフィルタバンクを活用してスペクトログラムからメルスペクトログラムを獲得することができる。すなわち、メルフィルタバンクは、低い周波数帯域で少ないフィルタバンクを適用し、高帯域に行くほど広いフィルタバンクを適用するものであってよい。換言すれば、受信制御部416は、人間の蝸牛管の特性と類似するように音声データを認識するために、メルフィルタバンクをスペクトログラムに適用することによって、メルスペクトログラムを獲得することができる。メルスペクトログラムは、人間の聴覚特性が反映された周波数成分を含んでよい。すなわち、本発明において睡眠音響情報に対応して生成され、神経網を活用した分析の対象になるスペクトログラムは、前述したメルスペクトログラムを含んでよい。
【0747】
また、受信制御部416は、スペクトログラム300を睡眠分析モデルの入力で処理して睡眠段階情報を獲得することができる。ここで、睡眠分析モデルは、使用者の睡眠段階の変化に関連した睡眠段階情報を獲得するためのモデルで、使用者の睡眠中に獲得された睡眠音響情報を入力として睡眠段階情報を出力することができる。実施形態において、睡眠分析モデルは、1以上のネットワーク関数を介して構成される神経網モデルを含んでよい。ネットワーク関数と関連しては、上で詳細に説明したところ、重複説明は避けることにする。
【0748】
前述したように、受信制御部416は、睡眠音響情報に基づいてスペクトログラムを獲得することができる。この場合、スペクトログラムロの変換は、比較的小さい音響に関連した呼吸又は動きパターンを容易に分析するようにするためであってよい。また、受信制御部416は、フィーチャー抽出モデル及びフィーチャー分類モデルを含んで構成される睡眠分析モデルを活用して獲得したスペクトログラムに基づいた睡眠段階情報を生成することができる。この場合、睡眠分析モデルは、過去と未来に関連した情報を全て考慮できるように複数のエポックに該当するスペクトログラムを入力として睡眠段階予測を遂行することができるので、より正確度のある睡眠段階情報を出力することができる。
【0749】
すなわち、受信制御部416は、前述したことのような睡眠分析モデルを活用して、睡眠音響情報に対応する睡眠段階情報を出力することができる。実施形態によれば、睡眠段階情報は、使用者の睡眠中に変化する睡眠段階に関連した情報であってよい。例えば、睡眠段階情報は、使用者の昨夜の8時間睡眠の間の各時点別に使用者の睡眠が浅い睡眠、普通の睡眠、深い睡眠、又はREM睡眠などに変化した情報を意味してよい。前述した睡眠段階情報に対する具体的な記載は例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0750】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、前処理された睡眠音響情報に基づいてデータ増強を遂行することができる。このようなデータ増強は、睡眠分析モデルに、多様なドメインで測定されたサウンド(例えば、他の寝室、他のマイク、他の配置位置など)でもrobustするように睡眠状態情報(例えば、睡眠段階情報)を出力するようにするためである。実施形態においてデータ増強は、Pitch shifting、gaussian noise、loudness control、dynamic range control及びspec augmentationのうち少なくとも一つを含んでよい。
【0751】
一実施形態によれば、受信制御部416は、睡眠音響情報に基づいてPitch shiftingに関連したデータ増強を遂行することができる。例えば、受信制御部416は、予め決められた間隔でサウンドのピッチを高めたり又は下げるなど、音響のピッチを調整することによって、データ増強を遂行することができる。
【0752】
受信制御部416は、Pitch shiftingだけでなく、ノイズに関連した補正を介してデータ増強を遂行するgaussian noise、音量を変化させても音質が維持される感じを与えるように音響を補正してデータ増強を遂行するloudness control、音響の最大振幅と最小振幅との間をdBで測定した対数比であるダイナミックレンジを調整してデータ増強を遂行するdynamic range control、及び音響の仕様増加に関連したspec augmentationを遂行することができる。
【0753】
すなわち、受信制御部416は、本発明の分析に基になる音響情報(すなわち、睡眠音響情報)に対するデータ増強を介して、睡眠分析モデルが多様な環境で獲得される睡眠音響に対応して強靭な認識を遂行するようにして、睡眠段階予測の正確性を向上させることができる。
【0754】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、第3睡眠状態情報に基づいて第4環境造成情報を獲得することができる。第4環境造成情報と関連しては、図1の(a)の実施形態のプロセッサ130の動作と関連して説明したところと同一なので、重複説明は省略することにする。
【0755】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、環境造成情報を環境造成部415に伝送することを決定することができる。具体的に、受信制御部416は、照度調整に関連した環境造成情報を生成することができ、当該環境造成情報を環境造成部415に伝送することを決定することにより、環境造成部415の照度調整動作を制御することができる。
【0756】
実施形態によれば、光や空気の質は睡眠の質に影響を与えることができる代表的な要因のうちの一つであり得る。例えば、光の照度、色、露出の程度などにより、睡眠の質に良い影響を及ぼすことがあり、そして悪い影響を及ぼすことがある。また、微細粉塵の種類/濃度、有害ガスの種類/濃度、アレルギー性物質の有無、空気の温度や湿度などによっても睡眠の質が大きく左右される。これにより、受信制御部416は、照度や空気の質を調整して使用者の睡眠の質を向上させることができる。例えば、受信制御部416は、寝つく前や寝ついた後の状況をモニタリングして、これにより、使用者を効果的に起こすための照度調整を遂行することができる。すなわち、受信制御部416は、睡眠状態(例えば、睡眠段階)を把握して、自動で照度や空気の質を調整して睡眠の質を極大化させることができる。
【0757】
一実施形態において、受信制御部416は、使用者端末10から睡眠計画情報を受信することができる。睡眠計画情報は、使用者が使用者端末10を介して生成する情報で、例えば、希望就寝時間情報及び希望起床時間情報を含んでよい。受信制御部416は、睡眠計画情報に基づいて外部環境造成情報を生成することができる。具体的な例を挙げると、受信制御部416は、睡眠計画情報を介して使用者の就寝時間を識別し、当該就寝時間に基づいて環境造成情報を生成することができる。
【0758】
また、受信制御部416は、使用者端末10から睡眠計画情報を受信し、これに基づいて、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで、本発明の実施形態によるスマート家電機器を制御するための第1環境造成情報を生成することができる。
【0759】
また、例えば、受信制御部416は、第2睡眠状態情報を介して使用者が眠りに入る時点、すなわち、寝入り時点を把握することができ、これに基づいて第2環境造成情報を生成することができる。
【0760】
実施形態において、受信制御部416は、睡眠段階情報に基づいて環境造成情報を生成することができる。実施形態において、睡眠段階情報は、睡眠音響情報に対する分析を介して時系列的に獲得される使用者の睡眠段階の変化に関する情報を含んでよい。
【0761】
また、受信制御部416は、睡眠中、使用者の睡眠段階の変化に応じて適正な照度を提供するようにするための環境造成情報を生成することができる。
【0762】
また、例えば、受信制御部416は、睡眠計画情報を介して使用者の希望起床時間を識別し、当該希望起床時間に基づいて起床予測時点を生成し、これにより、環境造成情報を生成することができる。
【0763】
また、受信制御部416は、環境造成情報を環境造成部415に伝送することを決定することができる。すなわち、受信制御部416は、睡眠計画情報に基づいて、就寝又は起床時に、使用者が睡眠に容易に入ったり又は自然に起きられるようにする環境造成情報を生成し、当該環境造成情報を介して環境造成部415の環境造成動作を制御することにより、使用者の睡眠の質を向上させることができる。
【0764】
追加的な実施形態において、受信制御部416は、睡眠段階情報に基づいて推薦睡眠計画情報を生成することができる。
【0765】
一実施形態によれば、受信制御部416は、使用者の実際の起床時間と希望起床時間情報とを比較して、環境造成情報をアップデートすることができる。
【0766】
受信制御部416は、希望起床時間情報及び実際の起床時間情報に対する比較を遂行し、比較の結果、各情報が互いに相違した場合、環境造成情報をアップデートすることができる。ここで、希望起床時間情報と比較される実際の起床時間情報は、一定回数以上累積された実際の起床時間に関する情報を含んでよい。例えば、実際の起床時間情報は、一週間の間に使用者が実際に起床した時点に関する情報を含んでよい。
【0767】
実施形態において、受信制御部416は、希望起床時間と累積された実際の起床時間の差を分析して、環境造成情報をアップデートすることができる。具体的に、受信制御部416は、希望起床時間よりも実際の起床時間が遅れる場合、使用者の概日リズムを操り上げるために起床時点に供給される白色光の最大明るさを徐々に増加させることができる。例えば、実際の起床時間が希望起床時間よりも遅れた翌日には、使用者の起床時点に対応して白色光の最大明るさが前日よりも高く供給されるように環境造成情報をアップデートすることができる。これとは反対に、受信制御部416は、実際の起床時間が希望起床時間よりも早い場合、使用者の起床時点を遅らせるために起床時点に供給される白色光の最大明るさを減少させることができる。例えば、実際の起床時間が希望起床時間よりも早い翌日には、使用者の起床時点に対応して白色光の最大明るさが前日よりも低く供給されるように環境造成情報をアップデートすることができる。すなわち、受信制御部416は、使用者の実際の起床時点と希望起床時点とを比較することができ、比較の結果に従って使用者の概日リズムを変化させるために環境造成情報をアップデートすることができる。これにより、使用者に最適化された睡眠環境を造成することができ、睡眠効率をさらに増大させることができる。
【0768】
本発明の一実施形態によれば、受信制御部416は、手動睡眠測定モード及び自動睡眠測定モードのうち少なくとも一つの測定モードを介して音響収集部を駆動して音響情報を収集し、収集された音響情報に基づいて睡眠状態情報を算出することを特徴とすることができる。
【0769】
実施形態において、手動睡眠測定モードは、使用者によって睡眠入力信号が生成されることにより、受動的に測定モードが開始されることを意味してよい。
【0770】
例えば、使用者は、睡眠環境調節装置400の外面に形成された睡眠入力ボタンに物理的な圧力を加えることによって睡眠入力信号を生成したり、使用者端末を活用して睡眠入力信号を生成することができる。睡眠入力信号が生成される場合、睡眠環境調節装置400(すなわち、受信モジュール)は、当該時点を基準として一空間に関連した音響情報が獲得され、当該音響情報をもとに使用者の睡眠状態情報を獲得することができる。すなわち、手動睡眠測定モードを介して使用者は、自身の睡眠状態の測定を開始する時点を直接決定することができる。
【0771】
また、実施形態によれば、自動睡眠測定モードは、睡眠入力信号を生成するための別途の使用者の動作が必要なく、自動で睡眠測定が開始されることを意味してよい。自動睡眠測定モードは、第1センサ部を介して一空間内で使用者の動きが発生したことを感知した後、第2センサ部を介して使用者が既に設定された領域に位置したものと識別される場合、自動で測定モードが開始されることを特徴とすることができる。自動睡眠測定モードに関する具体的な説明は、図13を参照して以下に後述するようにする。また、先に説明した内容と重複する事項の記述は省略することにする。
【0772】
図13は、本発明の一実施形態と関連した自動睡眠測定モードを介して睡眠状態情報を生成する過程を例示的に示した順序図である。図13に示された段階は、必要に応じて順序が変更されてよく、少なくとも1以上の段階が省略又は追加されてよい。すなわち、前述した段階は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の権利範囲はこれに制限されない。
【0773】
一実施形態によれば、受信制御部416は、第1センサ部を介して一空間内で使用者の動きが発生することを感知することができる(S110)。
【0774】
第1センサ部は、PIRセンサ及び超音波センサのうち少なくとも一つを含んで備えられてよい。PIRセンサは、使用者の身体から放出される赤外線の変化量を感知して、感知範囲内で使用者の動きを感知することができる。例えば、PIRセンサは、使用者の身体に放出される8um~14umの赤外線を識別して、寝室内における使用者の動きを感知することができる。
【0775】
超音波センサは、音波を発生させて、特定のオブジェクトに反射して戻ってくる信号を感知し、オブジェクトの動きを感知することができる。例えば、超音波センサは、寝室空間内に音波を発生させ、使用者が寝室の内部に入ってくることにより、使用者の身体に反射する音波を介して寝室の内部に使用者の動きが発生したことを感知することができる。
【0776】
一実施形態によれば、受信制御部416は、第2センサ部を介して使用者が既に設定された領域に位置したことを識別することができる(S120)。
【0777】
環境調節装置である一実施形態によれば、受信制御部416は、音響収集部414を駆動して一空間に関連した音響情報を収集することができる(S130)。すなわち、受信制御部416は、第1センサ部を介して一空間において使用者の動きが発生することを感知し、そして、第2センサ部を介して既に設定された領域に使用者の動きを識別した場合に自動で音響収集部414を介して一空間に関連した音響情報を収集するようにすることができる。
【0778】
睡眠状態情報
【0779】
図14は、本発明の一実施形態と関連した使用者の寝入りを誘導する環境を造成する過程を例示的に示した順序図である。図14に示された段階は、必要に応じて順序が変更されてよく、少なくとも1以上の段階が省略又は追加されてよい。すなわち、前述した段階は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の権利範囲はこれに制限されない。
【0780】
一実施形態によれば、受信モジュール410は、使用者の睡眠状態が睡眠前の場合、希望就寝時間情報に基づいて睡眠誘導時点を識別することができる(S210)。具体的な例を挙げると、使用者は、自身が睡眠しようとする時間及び起床しようとする時間を使用者端末10を介して設定して睡眠計画情報を生成することができ、生成された睡眠計画情報を受信モジュール410に伝達することができる。この場合、睡眠計画情報は、希望就寝時間情報及び希望起床時間情報を含んでよい。受信モジュール410は、希望就寝時間情報に基づいて睡眠誘導時点を識別することができる。例えば、受信モジュール410は、使用者が睡眠をとろうとする時点(すなわち、希望就寝時間)を基準として20分前の時点を睡眠誘導時点として決定することができる。睡眠誘導時点と関連した詳しい例示は、先に記述したところと同じなので、省略することにする。
【0781】
また、受信モジュール410は、第2センサ部を介して睡眠誘導時点に使用者が既に設定された領域に位置したか否かを感知することができる(S220)。
【0782】
実施形態において、既に設定された領域に使用者が位置していないことを感知する場合、受信モジュール410は、使用者端末に通知を伝送することができる(S230)。具体的に、睡眠誘導時点に差し迫ったが、使用者が既に設定された領域に位置していない場合、使用者端末に就寝を準備するようにする通知を伝送することができる。
【0783】
また、実施形態において、既に設定された領域に使用者が位置したことを感知する場合、受信モジュール410は、睡眠誘導時点から睡眠時点まで、既に設定された白色光を供給するようにする第1環境造成情報を生成することができる(S240)。すなわち、睡眠誘導時点に対応して、使用者が既に設定された領域に位置した場合にのみ第1環境造成情報を生成することができる。
【0784】
環境造成情報
【0785】
図15は、本発明の一実施形態と関連した睡眠中及び起床直前に使用者の睡眠環境を変化させる過程を例示的に示した順序図である。図15に示された段階は、必要に応じて順序が変更されてよく、少なくとも1以上の段階が省略又は追加されてよい。すなわち、前述した段階は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の権利範囲はこれに制限されない。
【0786】
一実施形態によれば、受信モジュール410は、使用者の睡眠状態が睡眠中である場合、照度を最小化にして光がない暗室環境を造成するようにする第2環境造成情報を生成することができる(S310)。
【0787】
すなわち、受信モジュール410は、使用者が睡眠(又は、睡眠段階)に進入したことを感知する場合(第2睡眠状態情報を獲得する場合)、光が供給されないようにする制御情報、すなわち、第2環境造成情報を生成することができる。これにより、使用者が熟睡する確率が高まって睡眠の質を向上させることができる。
【0788】
一実施形態によれば、受信モジュール410は、使用者が希望起床時間情報に基づいて起床誘導時点を識別し、起床誘導時点から希望起床時点まで白色光の照度を徐々に増加させて供給するようにする第3環境造成情報を生成することができる(S320)。例えば、第3環境造成情報は、起床誘導時点から起床時点まで3000Kの白色光を0luxから250luxの照度に徐々に増加させて供給するようにする制御情報であることを特徴とすることができる。すなわち、受信モジュール410は、使用者の睡眠状態が睡眠中である場合、起床誘導時点から使用者の起床時点まで白色光の照度を徐々に増加させて供給するようにする第3環境造成情報を生成することができる。例えば、第3環境造成情報は、使用者の起床前の30分前(すなわち、起床誘導時点)から照度を徐々に上げることに関連した制御情報であってよい。
【0789】
それ以外に、環境造成情報及びそれに伴いスマート家電機器の動作と関連した具体的な説明は、先に図1の(a)のプロセッサ130を介して記述したところと同一なので、詳しい説明は省略することにする。
【0790】
また、以上で睡眠環境調節装置の構成と、それに伴って多様な動作を遂行することについて記述したが、上述した動作は睡眠環境調節装置において遂行されることに限定されるわけではなく、例えば図1の(c)のような実施形態で発明が実施される場合には、図1の(c)に示された電子装置のうち少なくとも1以上が、上述した睡眠環境調節装置の動作のうち少なくとも1以上を遂行することもできる。
【0791】
本発明のいくつかの実施形態によるスマート家電機器の構成
【0792】
空気調和機
【0793】
空気調和機の動作
【0794】
以下では、本発明による空気調和機について詳細に説明することにする。図16の(a)と(b)は本発明による空気調和機の動作を説明するための概念図である。
【0795】
具体的に、図16の(a)は、図1の(a)の環境造成装置30が空気調和機500で具現された模式図であり、図16の(b)は、空気調和機500が使用者端末10と連動して動作する模式図である。
【0796】
図16の(a)に示されたように、本発明による空気調和機500は、使用者端末10及びコンピューティング装置100と連動して動作することができる。
【0797】
コンピューティング装置100は、ネットワーク部110、メモリ120、及びプロセッサ130を含んでよい(図2参照)。ネットワーク部110は、使用者端末10、外部サーバ20、及び空気調和機500とデータを送受信する。ネットワーク部110は、本発明の一実施形態による睡眠状態情報による睡眠環境造成方法を遂行するためのデータなどを、他のコンピューティング装置、サーバなどと送受信することができる。すなわち、ネットワーク部110は、コンピューティング装置100と使用者端末10、外部サーバ20、及び空気調和機500との間の通信機能を提供することができる。例えば、ネットワーク部110は、病院サーバから複数の使用者に対する睡眠検診記録及び電子健康記録を受信することができる。他の例を挙げると、ネットワーク部110は、使用者端末10から使用者が活動する空間に関連した環境センシング情報を受信することができる。また他の例を挙げると、ネットワーク部110は、空気調和機500において使用者が位置した空間の環境を調整するための温度又は/及び湿度などに関連した環境造成情報を伝送することができる。
【0798】
ここで、ネットワーク部110及びメモリ120の動作方式、ハードウェア的構成、ソフトウェア的構成は、上で説明したところと同一なので、重複する説明は省略する。
【0799】
プロセッサ130は、メモリ120に格納されたコンピュータプログラムを読み取って、本発明の一実施形態による睡眠分析モデルを提供することができる。本発明の一実施形態により、プロセッサ130は、睡眠状態情報に基づいて環境造成情報を算出するための計算を遂行することができる。本発明の一実施形態により、プロセッサ130は、睡眠分析モデルを学習させるための計算を遂行することができる。睡眠分析モデルの具体的な事項は、上で説明したところと同一である。
【0800】
プロセッサ130は、使用者の睡眠状態情報及び環境センシング情報を獲得することができ、これは、上で説明したところと同一である。プロセッサ130は、第1環境造成情報ないし第n環境造成情報を生成することができる。具体的に、プロセッサ130は、使用者の状態が就寝前の状態である場合、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで、空気調和機を制御するための第1環境造成情報を生成することができる。具体的に、使用者の睡眠前の所定時間(例:20分前)まで、室内温度又は/及び室内湿度を季節別又は使用者別に最適化するように、空気調和機を制御する第1環境造成情報を生成することができる。又は、第1環境造成情報は、睡眠直前睡眠を誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発するように空気調和機を制御したり、送風の強さを既に設定された強さ以下に調節したり、LEDの強さを下げたり、直接風を間接風に切り替えるなどの情報を含んでよい。これと共に、第1環境造成情報は、睡眠空間内の温度/及び湿度情報に基づいて除湿/加湿を実行するように空気調和機を制御するための情報を含んでよい。
【0801】
プロセッサ130は、第2睡眠状態情報に基づいて空気調和機の表示部の明るさを低くしたり、表示部をオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音に空気調和機を動作させたり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定値に維持したり、間接風を維持するように空気調和機を制御するための第2環境造成情報を生成することができる。
【0802】
また、プロセッサ130は、第3睡眠状態情報及び第4睡眠状態情報に基づいて第3環境造成情報及び第4環境造成情報を生成することができる。
【0803】
プロセッサ130は、環境造成情報を空気調和機500に伝送することを決定することができる。すなわち、プロセッサ130は、就寝又は起床時に、使用者が睡眠に容易に入ったり又は自然に起きられるようにする外部環境造成情報を生成することにより、使用者の睡眠の質を向上させることができる。
【0804】
図16の(b)に示されたように、本発明による空気調和機500は、使用者端末10と連動して動作することができる。すなわち、図16の(b)による実施形態のシステムは、空気調和機500、使用者端末10、外部サーバ20、及びネットワークを含んでよい。本実施形態において、本発明による空気調和機500は、図16の(a)のコンピューティング装置100の構成と空気調和機で動作するための付加構成を含む。
【0805】
図17の(a)は、本発明による空気調和機の構成を示すブロック図である。図17の(a)に示されたように、本発明による空気調和機500は、ネットワーク部5100、メモリ5200、プロセッサ5300、駆動部5400、及び測定部5500を含んでよい。
【0806】
空気調和機500は、ビル、アパート、住宅内の壁に固定設置される壁掛け空気調和機、又は、壁掛け冷暖房空気調和機で具現されてもよく、天井に埋め込まれた形態のシステム空気調和機で具現されてもよく、室内空間の一側や隅に配置されるスタンド空気調和機で具現されてもよく、携帯と移動が手軽な移動型空気調和機で具現されてもよい。
【0807】
空気調和機500のネットワーク部5100、メモリ5200、プロセッサ5300の機能、動作、ハードウェア的構成、ソフトウェア的構成については、上で説明したところと同一である。プロセッサ5300によって生成された第1ないし第n環境造成情報は、駆動部5400に伝達されてよい。駆動部5400は、空気調和機500に備えられた多様なハードウェア的要素を動作させる。
【0808】
測定部5500は、睡眠空間内の温度、湿度、埃の濃度、及び空気調和機の部品状態などをセンシングするための1以上のセンサを含んでよい。具体的に、測定部は、PM1.0、PM2.5、PM10などの見えない浮遊粒子を感知する埃センサ、室内照度を感知する照度センサ、室内温度を測定する温度センサ、室内湿度を測定する湿度センサなどを含んでよい。
【0809】
また、測定部5500は、人体感知センサを含んでよい。プロセッサ5300は、前記人体感知センサを介して使用者を感知して、使用者が位置した空間に冷風又は温風を送ったり(直接風)、使用者が位置しない空間に冷風又は温風を送る(間接風)制御を遂行することができる。
【0810】
また、測定部5500は、使用者の音声を認識する音声認識センサをさらに含んでよい。
【0811】
図面には示さなかったが、空気調和機500は、吐出口と吸入口が備えられたハウジング、フィルタ部、送風ファン、殺菌部、加湿部、加熱部、冷却部、測定部などで構成されてよい。ハウジングは、空気調和機500の壁掛け空気調和機、システム空気調和機、スタンド空気調和機などの具現方式により多様に設計されてよい。フィルタ部は、集塵フィルタ式、吸着フィルタ式などの方式に対応して選択されてよい。送風ファンは、電源供給部から供給された電源によって回転するモータに連結されてよい。殺菌部は、化学的、電気的方式を用いて吸入された空気を殺菌する機能を有する。加湿部は、吸入された空気を加湿して送出する機能を有し、加熱部と冷却部は吸入された空気を所定の温度に加熱したり冷却させる機能を有する。
【0812】
上述した空気調和機500のハードウェア的要素は一実施形態に過ぎず、このうちの一部が統合されて一つの構成で具現されてもよく、一部の構成が省略されてよく、上で説明されなかった空気清浄機能を遂行するための多様な構成が付加され得るだろう。
【0813】
一方、環境センシング情報は、使用者端末10を介して獲得されてよい。環境センシング情報は、使用者が睡眠をとる寝室で獲得される睡眠音響情報であってよい。
【0814】
また、環境センシング情報は、空気調和機500内に備えられた測定部5500から獲得された睡眠空間内の温度又は/及び湿度、又は空気の質の情報であってよい。使用者端末10又は測定部5500を介して獲得された環境センシング情報は、本発明において使用者の睡眠状態情報を獲得するための基盤になる情報であってよい。
【0815】
具体的な例を挙げると、使用者の活動に関連して獲得される環境センシング情報を介して、使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報が獲得されてよい。また、使用者の睡眠前、睡眠中、及び睡眠後の周辺空気の質と関連した情報が獲得されてよい。
【0816】
プロセッサ5300は、使用者端末10及び/又は測定部5500を介して獲得された環境センシング情報に基づいて睡眠状態情報を獲得することができる。
【0817】
具体的に、プロセッサ5300は、環境センシング情報に既に設定されたパターンの情報が感知される特異点を識別することができる。ここで、既に設定されたパターンの情報は、睡眠に関連した呼吸及び動きパターンに関連したものであってよい。例えば、目覚めている状態(wake)では、すべての神経系が活性化しているので、呼吸パターンが不規則的で体の動きが多いことがある。また、首の筋肉の弛緩が成されないため、呼吸の音が非常に少ないこともある。反面、使用者が睡眠をとる場合には、自律神経系が安定化されて呼吸が規則的に変化し体の動きもまた少なくなり、呼吸音も大きくなり得る。すなわち、プロセッサ5300は、環境センシング情報において、規則的な呼吸、少ない体の動き。又は少ない呼吸音などに関連した既に設定されたパターンの音響情報が感知される時点を特異点として識別することができる。また、プロセッサ5300は、識別された特異点を基準として獲得される環境センシング情報に基づいて睡眠音響情報を獲得することができる。プロセッサ5300は、時系列的に獲得される環境センシング情報において使用者の睡眠時点に関連した特異点を識別し、当該特異点を基準として睡眠音響情報を獲得することができる。
【0818】
また、測定部5500を介して測定された温度又は/及び湿度、又は/及び空気の質は、使用者の睡眠に多くの影響を及ぼす。温度又は/及び湿度と睡眠との間の関係を分析した論文によれば、睡眠中の目覚めの頻度と深い眠りとの比率に差があり、翌日の使用者の作業効率に悪影響を及ぼし、空気の質と睡眠との間の関係を分析した論文によれば、睡眠障害は空気汚染と統計的に意味のある関連性を示すことが確認された。例えば、CO2(800ppm、1700ppm)と温度(24度、28度)とを比較した実験において、28度のチャンバーで寝た時に睡眠効率及び翌日の作業効率が低下し、CO2 800ppmである時、空気がさらに息苦しく熱いと感じたことが確認された。また、32℃(相対湿度80%)と26℃(相対湿度50%)の睡眠状態を比較した実験において、32℃(相対湿度80%)で睡眠中に目覚めの頻度が増加し、深い眠りの比率が減少するということが確認された。一方、PM10に露出した場合、睡眠を維持するのに困難をきたすことがあり、特に、男性がPM1に露出した時に睡眠障害が現れる確率が最も高いことを確認することができた。また、女性の場合、PM1、PM2.5に露出した時に睡眠障害が発生する可能性が最も高いということが確認された。また、SO2、O3が高い時、喘鳴(wheezing)と関連した睡眠妨害が現れる確率が最も高いということが確認された。それだけでなく、妊婦が妊娠31~35週の間にPM2.5に露出すれば、産まれた子供の睡眠の長さが短くなる可能性が最も高いということも確認された。AHIと空気の質を測定する数値との関連性に対して多様な研究が進められ、結果は研究ごとに少しずつ異なって出ているが、空気の質と睡眠との関連性が非常に高いという結果は同一であった。
【0819】
本発明による空気調和機500は、環境センシング情報に基づいて睡眠状態情報を獲得した後に環境造成情報を生成し、これを用いて睡眠段階に適切な動作を遂行することができる。
【0820】
具体的に、空気調和機500のプロセッサ5300は、使用者の状態が就寝前の状態であると判断された場合、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで、空気調和機を制御するための第1環境造成情報を生成することができる。第1環境造成情報は、測定部5500で測定されたPM濃度、有害ガス濃度、CO2濃度、SO2濃度、O3濃度、湿度、温度などを反映して生成されてよい。
【0821】
第1環境造成情報は、使用者の睡眠前の所定時間(例:20分前)まで、室内温度又は/及び室内湿度を最適化するように空気調和機を制御する情報、睡眠直前睡眠を誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発するように空気調和機を制御したり、送風強さを既に設定された強さ以下に調節したり、LEDの強さを下げたり、直接風を間接風に切り替えるなどの情報、睡眠空間内の温度及び湿度情報に基づいて除湿/加湿を実行するように空気調和機を制御するための情報などを含んでよい。
【0822】
また、プロセッサ5300は、第2睡眠状態情報に基づいて空気調和機の表示部の明るさを低くしたり、表示部をオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で空気調和機を動作させたり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定温度に維持したり、間接風を維持するように空気調和機を制御するための第2環境造成情報を生成することができる。
【0823】
第2環境造成情報は、第2睡眠状態情報に基づいたもので、空気調和機の表示部の明るさを低くしたり、表示部をオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で空気調和機を動作させたり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定温度に維持したり、間接風を維持するように空気調和機を制御するための制御情報であってよい。使用者は睡眠直前に最適化された温度と湿度を有する睡眠空間内において、空気の流れ、白色騒音などで睡眠が誘導されてよく、寝入り後の最適な温度、湿度などが制御された状態で熟睡を取れることになる。
【0824】
実施形態による空気調和機の構成
【0825】
図18は、図16及び図17に示された空気調和機の一例を説明するための図面である。
【0826】
図18を参照すると、本発明の一例による空気調和機は、室内機500'を含む。一例として、前記室内機500'は、室内空間の壁面に設置される壁掛け型室内機であってよい。
【0827】
前記室内機500'には、外観を形成するケーシング511,513を含む。前記ケーシング511,513には、室内機の前面の外観を形成する前面部511及び前記前面部511の両側に備えられ、前記前面部511から壁面に向かって後方で延びる側面部513が含まれる。
【0828】
そして、前記ケーシング511,513には、前記側面部513の後側に配置される後面部(図示せず)がさらに含まれる。前記後面部(図示せず)は、前記両側面部513の間に配置され、室内空間の壁面に結合されてよい。
【0829】
前記前面部511、両側面部513、及び後面部(図示せず)は内部空間を形成し、前記内部空間には、室内機500'に備えられる多数の部品が収容されてよい。前記多数の部品には、熱交換器(図示せず)、ファン(図示せず)、プロセッサ(図示せず)等が含まれてよい。
【0830】
前記室内機500'には、前記ケーシングの上部に配置されるフィルタアセンブリ520がさらに含まれる。
【0831】
前記フィルタアセンブリ520は、前記ケーシングの上面部を形成することができる。そして、前記フィルタアセンブリ520には、室内空間の空気を室内機500'の内部に吸入する多数のフィルタ吸入口523が形成される。前記フィルタ吸入口523から吸入された空気は、前記熱交換器を通過して冷却又は加熱されてよい。
【0832】
前記フィルタアセンブリ520は、前記ケーシングの上面に形成され、空気が吸入される吸入部に配置されて空気を濾過することができる。前記吸入部は、前記ケーシングの前記前面部511、両側面部513、及び後面部(図示せず)の上面によって形成された開口であってよい。
【0833】
前記フィルタアセンブリ520は、フィルタ部材521を含んでよい。フィルタ部材521は、黄砂や超微細粉塵などを濾すフィルタとして、抗菌極細フィルタに抗菌機能が適用されたものであってよい。
【0834】
前記フィルタ部材521は、多数のフィルタ吸入口523が形成された構成であってよく、この場合、前記フィルタ部材521は、多数のフィルタ吸入口523が形成されるための多数のフレームで構成されてよい。また、前記フィルタ吸入口523には、吸入される空気がフィルタリングされるために網が配置されてよい。
【0835】
前記室内機500'には、前記ケーシングの下部に配置され、前記室内機500'に吸入された空気が排出される吐出口530を有する吐出パネル531がさらに含まれる。前記吐出口530には、動き可能に提供されて、前記吐出口530から吐出される空気の吐出方向又は風量を調節する上下風向き調節器540が設置されてよい。一例として、前記上下風向き調節器540は、前記風向き調節器540の両端に備えられるヒンジ軸を中心に前方後方に回転可能に備えられ、風の方向を上又は下へ調節することができる。また、前記吐出口530には、動き可能に提供されて、前記吐出口530から吐出される空気の吐出方向又は風量を調節する左右風向き調節器545が設けられてよい。
【0836】
前記ファンが駆動すれば、室内空間の空気は、前記フィルタアセンブリ520を介して前記室内機500'の内部に吸入されて、前記熱交換器で熱交換される。そして、前記熱交換された空気は、前記吐出口530を介して排出されてよい。
【0837】
本実施形態では、室内機に空気を吸入するフィルタアセンブリ520が室内機の上部に位置され、空気を排出する吐出口530が室内機500'の下部に位置するものと説明した。ただし、これとは反対に、前記フィルタアセンブリ520が室内機の下部に位置し、前記吐出口530が前記室内機の上部に位置してもよい。他の例として、前記ケーシングの前面部511には、追加的なフィルタアセンブリ又は吐出部が形成されてよい。
【0838】
整理すると、本発明による室内機500'は、上部吸入及び下部吐出、下部吸入及び上部吐出、前面吸入及び下部吐出、上部吸入及び前面吐出などの気流が発生するように構成されてよい。
【0839】
前記ケーシングの側面部513には、室内空間の空気中に含まれた埃の量を感知できるセンサ装置550が備えられてよい。前記センサ装置550が前記側面部513に設けられることにより、前記室内機500'を介した吸入及び吐出気流に影響を受けず、センサ装置550で少量の空気だけを吸入して埃の量を感知することができる。
【0840】
前記ケーシングの側面部513には、使用者の音声を認識する音声認識センサ555が配置されてよい。
【0841】
前記ケーシングの前面部511には、空気調和機を強制的に点けたり消したりする時、又は、試運転をする時に使用できる強制運転ボタン560が配置されてよい。
【0842】
前記ケーシングの前面部511には、空気調和機が運転する時に希望する温度と付加機能の作動状態を確認できるディスプレイ部570が配置されてよい。ここで、前記ディスプレイ部570には、リモコン信号を受け入れるセンサが配置されてよい。
【0843】
前記イオン発生装置580は、前記室内機500'の上側に配置され、両側にイオンを拡散させることができる手段である。詳細には、前記イオン発生装置580は、前記ケーシング内部のフレームに結合し、両側にイオンを拡散させることができる手段である。
【0844】
前記イオン発生装置580は、両側に高電圧を発生させることにより、空気中の分子をイオン化させて、これにより、イオン化された分子によって埃が帯電され、帯電された埃は前記フィルタアセンブリ520に効果的に集塵することができる。
【0845】
図19は、図16及び図17に示された空気調和機の他の一例を説明するための図面である。
【0846】
図19を参照すると、本発明の他の一例による空気調和機は、室内機500''を含む。一例として、前記室内機500''は、室内空間の天井に設置されるシステムエアコン用室内機であってよい。
【0847】
本発明の他の一例による室内機500''は、ケーシングを含む。前記ケーシングは、前面部511'を含んでよい。図面に示さなかったが、前記ケーシングには、前面部511'以外の他の部分がさらに含まれてよい。
【0848】
前記前面部511'は、使用者が天井を見上げた時、見える部分であってよい。
【0849】
前記前面部511'には、室内空気が吸入される吸入口523'、及び冷気又は暖気の空気が吐出される吐出口530'が形成されてよい。
【0850】
前記前面部511'には、空気調和機の作動状態を確認できるディスプレイ部570'が配置されてよい。ディスプレイ部570'には、無線リモコンの信号を受け入れる受信部が配置されてよい。また、強制運転ボタンも配置されてよい。
【0851】
前記前面部511'には、室内の空気状態に応じて色を多様に表示する空気清浄表示灯590が配置されてよい。
【0852】
前記ケーシング内部には、所定の内部空間が形成され、内部空間には、室内機500''に備えられる多数の部品が収容されてよい。前記多数の部品には、熱交換器(図示せず)、ファン(図示せず)、プロセッサ(図示せず)等が含まれてよい。
【0853】
図20図21は、図16及び図17に示された空気調和機のさらに他の一例を説明するための図面である。
【0854】
図20図21を参照すると、本発明のさらに他の一例による空気調和機は、室内機500'''を含む。一例として、前記室内機500'''は、室内空間の床に立てて設置されるスタンド用室内機であってよい。
【0855】
室内機500'''は、室内に備えられ、冷媒配管(図示せず)を介して室外に配置された室外機(図示せず)と連結されてよい。
【0856】
室内機500'''は、前面部の外観を形成する前面部511''及び前面部511''に配置され、上下方向に移動して開閉されるサーキュレータードア503を含んでよい。
【0857】
室内機500'''は、ベース516、キャビネット517、前面部511''を含んでよい。前面部511''は、室内機500'''の前面の外観を形成し、キャビネット517は、ベース516の上側に位置されるように設置されてよい。
【0858】
前面部511''には、サーキュレータードア503が設置されてよい。
【0859】
室内機500'''は、空気吸入口と空気吐出口を含み、空気吸入口を介して吸入された空気を内部で空調した後、空気吐出口を介して吐出することができる。例えば、室内機500'''の後面に吸入口が形成されてよく、室内機500'''の前面上部に吐出口が形成されてよい。又は、空気吸入口は室外機に配置されてよい。ここで、吸入口及び吐出口は、室内機500'''の他の位置に形成されてよい。例えば、室内機500'''下部の側面などに吐出口が形成されてよい。また、吐出口が室内機500'''の前面上部、及び室内機500'''下部の側面などに多数形成されることも可能であろう。吸入口は、本体の後面、下部の前面、側面のうち1以上の位置に形成されてよい。吸入口には吸入された空気に含まれた埃などの異物を取り除くフィルタ部(図示せず)が設けられてよい。
【0860】
室内機500''には、ムービングフィルタ552を清掃する清掃モジュール505が配置されてよい。
【0861】
閉じられた状態のサーキュレータードア503の後方には、サーキュレーターモジュール502が備えられてよい。サーキュレーターモジュール502は、吸入口を介して空気を吸入して、吐出口を介して空気が吐出されるように送風力を発生させることができる。サーキュレーターモジュール502は、室内機500'''の内部に設けられていて、動作時にサーキュレータードア503が開かれることにより露出する吐出口に空気を吐出することができる。
【0862】
サーキュレータードア503が開かれて開放される吐出口にサーキュレーターモジュール502が前進移動して動作することができる。例えば、サーキュレーターモジュール502の少なくとも一部が、サーキュレータードア503が下側方向に移動して、開放される円形の吐出口を通過するように前進移動した後に、サーキュレーターモジュール502のサーキュレーターファンが回転して動作することができる。
【0863】
上述したように、本明細書において、吐出口は、空気を吐出する吐出ユニットであるサーキュレーターモジュール502の少なくとも一部が通過する開口部を意味してよい。
【0864】
サーキュレータードア503は、吐出口を開閉することができる。サーキュレータードア503は、メイン(main)吐出口を開閉し、熱交換された空気、浄化された空気等の空気調和機で処理された空気が外部に吐出されるように備えられてよい。
【0865】
サーキュレータードア503は、本体動作時に開かれて、サーキュレーターモジュール502が外部に露出して、吐出口に空気が吐出されるようにし、動作が終了すれば閉じられて吐出口を閉鎖する。前面部511''の内側又は後面には、吐出口の開放時、サーキュレータードア503が収容される空間が備えられてよい。
【0866】
前面部511''の内側の一面には、サーキュレータードア503を移動させるための移動手段(図示せず)が設けられてよい。例えば、前面部511''の内側の一面には、サーキュレータードアモータ、前記サーキュレータードアモータの回転に従って、前記サーキュレータードア503を上側又は下側方向に移動させるためのギア部材、レール部材などを含んでよい。一方、サーキュレータードアモータで価格が安く、制御が容易なステップ(step)モータが使用されてよい。この場合に、サーキュレータードアモータは、サーキュレータードアステップ(step)モータと命名されてよい。
【0867】
サーキュレータードア503は、室内機500'''の内側において、上側方向又は下側方向に移動して開かれるように構成されてよい。サーキュレータードア503は、室内機500'''の前面部511''の上側に配置されるので、サーキュレータードア503は、下側方向に移動して開かれるように構成されることが、空間利用の側面からさらに好ましい。
【0868】
又は、サーキュレータードア503は、室内機500'''の内側に後進移動した後、上側方向又は下側方向に移動して開かれるように構成されてよい。この場合にも、サーキュレータードア503は、室内機500'''の内側に後進移動した後、下側方向に移動して開かれるように構成されることが、空間利用の側面からさらに好ましい。
【0869】
以下では、サーキュレータードア503が上下方向に移動して開かれて閉じられる例を中心に説明するが、サーキュレータードア503が内側方向に後進した後、下側方向に移動して開かれてよく、サーキュレータードア503が上側方向に移動した後、前面方向に前進して閉じられてよい。
【0870】
サーキュレータードア503が開かれれば、サーキュレーターモジュール502は前面部511''に向かう前方方向で前進移動して空気を吐出することができる。また、動作が終了すれば、サーキュレーターモジュール502は、室内機500'''の内側に後進移動して、サーキュレータードア13の移動で吐出口を閉鎖することができる。
【0871】
場合により、本体の内部に送風力を補助するための送風ファン(図示せず)がさらに設けられてよい。
【0872】
室内機500'''の内部にサーキュレーターモジュール502の他にも多数の送風ファンをさらに含んでよい。例えば、サーキュレーターモジュール502の下方には、複数の送風ファンが配置されてよい。
【0873】
一方、キャビネット517の側面には、補助吐出口504がさらに設けられてよい。また、補助吐出口504には、吐出される空気の風向きを調節する風向き調節手段が配置されてよい。
【0874】
室内機500'''の上端にサーキュレーターモジュール502を備えることにより、遠距離に風を送るのがさらに容易である。
【0875】
また、サーキュレーターモジュール502が空気吐出経路上の最終段階に位置することにより、熱交換された空気及び浄化された空気を直接遠距離まで吐出することができる。
【0876】
サーキュレータードア503が開放された後、吐出ユニットであるサーキュレーターモジュール502が2次元的に回転するように構成することができる。例えば、サーキュレーターモジュール502は、二重ジョイント、ギアロック構造を用いた2軸回転構造で構成される回転部を含むことにより、多様な方向に自由に回転することができる。これにより、使用者が所望する所にサーキュレーターモジュール502が回転して気流制御が可能である。
【0877】
サーキュレーターモジュール503の全体が回転した後に、使用者が所望する所に風を送って集中冷房をすることにより、使用者の快適感、満足度をさらに上昇させることができる。
【0878】
前面部511''には、ディスプレイ部570''が配置されてよい。ディスプレイ部570''は、室内機500'''の動作状態及び設定情報を表示し、タッチスクリーンで構成されて、使用者命令の入力を受けることができる。実施形態により、前面部511''には、スイッチ、ボタン又はタッチパッドの少なくとも一つの入力手段を含む操作部(図示せず)が備えられてよい。
【0879】
ディスプレイ部570''のいずれか一側には、近接センサ571とリモコン受信部572が備えられてよい。実施形態により、近接センサ571から使用者の接近に対応する近接信号が入力されれば、ディスプレイ部570''が活性化して動作情報を表示することができ、室内機500'''に備えられる少なくとも一つの照明が動作することができる。
【0880】
ディスプレイ部570''は、1以上の照明をさらに含んでよい。
【0881】
ベース516には、自動ドア開きセンサ506が設けられてよい。自動ドア開きセンサ506は、室内機500'''に使用者が接近することを感知し、前面部511''が開閉されてよい。一方、自動ドア開きセンサ506は、前面部511''の下部の所定領域に配置されてよい。
【0882】
ベース516には、マイク及び/又はスピーカー507が配置されてよい。マイク及び/又はスピーカー507を介して使用者の音声を認識し、使用者に情報を音声で伝達することができる。
【0883】
室内機500'''は、人体感知センサ508をさらに含んでよい。人体感知センサ508は、前面部511''の上部に配置されてよい。人体感知センサ508を介して人を感知して、運転モードに従って、人がいる方向、あるいは、人がいない方向に風が行くように制御することができる。一方、前面部511''の上部に少なくとも一つのカメラを含むビジョンモジュールが設けられてよい。
【0884】
室内機500'''は、内部に、吸入された空気を冷媒と熱交換させる熱交換器(図示せず)を含んでよい。
【0885】
前面部511''は、左側又は右側にスライディングして移動することができる。したがって、前面部511''は、スライディングドア(sliding door)とも命名されてよい。
【0886】
前面部511''は、キャビネット517に形成されたスライディング手段によって装着され、左右移動することができる。前面部511''の移動によって、内部パネル509の一部が外部に露出されてよい。
【0887】
キャビネット517には、スライディングドアステップ(step)モータ、前記スライディングドアステップモータの回転により、前面部511''を左側又は右側方向に移動させるためのギア部材、レール部材などを含んでよい。
【0888】
内部パネル509には、サーキュレーターモジュール502が収容され、サーキュレーターモジュール520を移動させるための移動手段(図示せず)が設けられてよい。
【0889】
実施形態によっては、サーキュレーターモジュール502は、サーキュレーターファン(図示せず)、少なくともサーキュレーターファン(図示せず)が向かう方向が変更されるように回転させることができるサーキュレーター回転部(図示せず)、少なくともサーキュレーターファン(図示せず)を移動させることができるサーキュレーター移動部(図示せず)を含んでよい。
【0890】
内部パネル509には、下部に加湿モジュールの加湿用水ボトル551が設けられてよい。水ボトル551は、前面部511''が左側又は右側方向に移動して開かれることにより、外部に露出することができる。
【0891】
加湿用水ボトル551の所定領域には、水を満たすことができる投入口が形成されてよい。実施形態によっては、投入口が開放されていたり、投入口の少なくとも一部を開閉することができるカバー(cover)が配置されてよい。
【0892】
水ボトル551は、下部に移動軸が形成され、キャビネット517に連結されてよい。水ボトル551の上部は、下部の移動軸を基準として、前面に突出するように移動して、投入口が開放されるように形成されてよい。水ボトル551は、上部が内部パネル509と所定角をなすように、前面にティルティング(tilting)されてよい。
【0893】
また、水ボトル551は、室内機500'''から分離することができる。室内機500'''の内部には、水ボトル551の装着の有無を感知するセンサが備えられてよい。
【0894】
水ボトル551は、近接センサ517によって使用者の接近が感知されれば、近接信号により自動で移動し、投入口が開放されてよい。水ボトル551は、取っ手(図示せず)を前面に向かって引くことにより、移動して投入口が開放されてよい。水ボトル551は内側に押さえられることで、固定部(図示せず)が解除されることにより、前面に移動して投入口が開放されてよい。水ボトル551は、前面部511''がスライディングして開かれることにより、自動で回転して投入口が開放されてよい。
【0895】
内部パネル509又は水ボトル551の一部には、水ボトルの水位を表示する水位表示部(図示せず)が備えられてよい。
【0896】
水ボトル551は、内部の水の量を確認できるように構成されてよい。例えば、水ボトル551は、前面が透明な材質で形成されてよい。水ボトルは、前面のある一部が透明な材質で形成されてよい。また、水ボトル551は、全体が透明な材質で形成されてよい。
【0897】
室内機500'''は、フィルタ552を含む。フィルタ552は、室内機500'''の後面に配置されてよい。
【0898】
室内機500'''は、室内温度センサ553を含む。室内温度センサ553は、室内温度をセンシングし、室内機500'''の後面に配置されてよい。
【0899】
室内機500'''は、清掃モジュール505によって収集された埃を収納するダストボックス554を含んでよい。
【0900】
室内機500'''は、湿度センサ559をさらに含んでよい。湿度センサ559は、室内湿度をセンシングし、室内機500'''の後面に配置されてよい。
【0901】
室内機500'''は、配管ホール556及びドレーンホール557をさらに含んでよい。配管ホール556及びドレーンホール557は、室内機500'''の後面に配置されてよい。
【0902】
室内機500'''は、PM1.0センサ558を含んでよい。PM1.0センサ558は、微細粉塵をセンシングし、室内機500'''の後面に配置されてよい。
【0903】
図22は、図16及び図17に示された空気調和機のさらに他の一例を説明するための図面である。
【0904】
図22を参照すると、本発明のさらに他の一例による空気調和機は、室内機500''''を含む。一例として、前記室内機500''''は、室内空間の床に立てて設置されるスタンド用室内機であってよい。
【0905】
室内機500''''は、前面部511'''を含む。前面部511'''は、室内機500''''の前面の外観を形成する。
【0906】
室内機500''''は、サークル部518を含んでよい。サークル部518は、前面部511'''に形成された円形の開口部に配置されてよい。
【0907】
室内機500''''は、ディスプレイ部570'''を含んでよい。ディスプレイ部570'''は、前面部511'''に配置されてよい。ディスプレイ部570'''は、サークル部518に配置されてよい。ディスプレイ部570'''は、動作状態及び設定情報を表示することができる。ここで、ディスプレイ部570'''は、タッチスクリーンで構成され、使用者命令の入力を受けることもできる。
【0908】
室内機500''''は、リモコン受信部572を含んでよい。リモコン受信部572は、サークル部518に配置されてよく、ディスプレイ部570'''の一側に配置されてよい。
【0909】
室内機500''''は、室内機ボタン部575を含んでよい。室内機ボタン部575は、前面部511'''に配置されてよい。室内機ボタン部575は、リモコンがなくても電源を点けたり消したり、温度と風の強さを設定することができる。
【0910】
室内機500''''は、空気を吐出する吐出口504',504''を有してよい。第1吐出口504'は、前面部511'''に形成され、サークル部518を囲むリング状を有してよい。第1吐出口504'は、前面部511'''とサークル部518との間の開口部であってよい。第2吐出口504''は、室内機500''''の左右吐出口として、両側の側面から室内に風を送って、使用者が所望したり予めセッティングされた温度に室内温度を合わせることができる。
【0911】
室内機500''''は、エアガード528を含んでよい。エアガード528は、室内機500''''の両側の側面に配置され、第2吐出口504''から吐出する風の方向を調節することができる。
【0912】
室内機500''''は、マイク507'を含んでよい。マイク507'は、室内機500''''の下端部を構成するベース516'に配置されてよい。
【0913】
室内機500''''は、スピーカー537を含んでよい。スピーカー537は、室内機500''''のキャビネット517'に配置されてよい。
【0914】
室内機500''''は、フィルタ552を含んでよい。フィルタ552は、室内機500''''の後面に配置されてよい。
【0915】
室内機500''''は、室内温度センサ553を含んでよい。室内温度センサ553は、室内温度をセンシングし、室内機500''''の後面に配置されてよい。
【0916】
室内機500''''は、清掃モジュール505により収集された埃を収納するダストボックス554を含んでよい。
【0917】
室内機500''''は、湿度センサ559をさらに含んでよい。湿度センサ559は、室内湿度をセンシングし、室内機500''''の後面に配置されてよい。
【0918】
室内機500''''は、配管ホール556及びドレーンホール557をさらに含んでよい。配管ホール556及びドレーンホール557は、室内機500''''の後面に配置されてよい。
【0919】
室内機500''''は、PM1.0センサ558を含んでよい。PM1.0センサ558は、微細粉塵をセンシングし、室内機500''''の後面に配置されてよい。
【0920】
図18図22に示された室内機500',500'',500''',500''''は、ディスプレイ部570,570',570'',570'''を有する。
【0921】
図18及び図19に示された室内機500',500''は、壁の上端又は天井に設置されるので、使用者がディスプレイ部570,570'を介して室内機500',500''を制御するのが容易でない。したがって、これらのディスプレイ部570,570'は、使用者がリモコン又は使用者端末を介して室内機500',500''が制御されたことを表示したり、現在の室内機500',500''の状態を表示する用途で使用される。図22に示された室内機500''''のディスプレイ部570'''も、使用者がリモコン又は使用者端末を介して室内機500''''が制御されたことを表示したり、現在の室内機500''''の状態を表示する用途で使用される。
【0922】
一方、図20図21に示されたディスプレイ部570''は、他のディスプレイ部570,570',570''とは異なりタッチスクリーンで構成され、使用者命令を直接入力を受けることができ、入力された命令によるディスプレイ画面を表示することができる。また、ディスプレイ部570''は、他のディスプレイ部570,570',570''と同様に、使用者がリモコン又は使用者端末を介して室内機500'''が制御されたことを表示したり、現在の室内機500'''の状態を表示する用途で使用されてよい。
【0923】
上述したように、図18図22に示された室内機500',500'',500''',500''''は、リモコン、使用者端末、ディスプレイ部を介して、電源、運転モード、その他の設定などが制御されてよい。リモコン、使用者端末、ディスプレイ部を介して入力された制御信号は、図17に示されたプロセッサ5300で入力され、プロセッサ5300は、入力された制御信号に基づいて駆動部5400を制御することができる。
【0924】
室内機500',500'',500''',500''''の運転モードは、多様な運転モードを含んでよい。例えば、冷房モード、自動モード、除湿モード、暖房モード、送風モード、空気清浄モード、節電モードなどを含んでよい。
【0925】
図18図22に示された室内機500',500'',500''',500''''を含む空気調和機は、運転モードとして「スリープモード」をさらに含んでよい。スリープモードは、使用者の睡眠の質を高めることができるように、室内空間の温度又は/及び湿度などを制御するモードである。
【0926】
図16の(a)のコンピューティング装置100又は図16の(b)の空気調和機500で生成された前記第1環境造成情報ないし第n環境造成情報、又は前記第A環境造成情報ないし第H環境造成情報に基づいて、空気調和機500は、睡眠空間内の温度又は/及び湿度などを睡眠に最適化させることができる。
【0927】
例えば、空気調和機500は、前記第1環境造成情報により、使用者の睡眠前の所定時間(例:20分前)まで、寝入りのための室内温度又は/及び室内湿度を調節することができる。又は、直接風を間接風に切り替えることができ、あるいは、睡眠直前の眠りを誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発することができ、あるいは、送風の強さを既に設定された強さ以下に調節したり、図18図22に示されたディスプレイ部570,570',570'',570'''の明るさを低くすることができる。空気調和機500は、前記第2環境造成情報により、図18図22に示されたディスプレイ部570,570',570'',570'''の明るさをさらに低くしたり、ディスプレイ部570,570',570'',570'''をオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で動作したり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、室内の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定の温度に維持したり、間接風を維持することができる。空気調和機500は、前記第3環境造成情報により、起床のための室内温度又は/及び室内湿度を調節したり、起床時点に送風の強さ及び騒音を低くしたり、起床を徐々に誘導するために白色騒音を発生させたり、騒音を既に設定されたレベル以下に維持させたり、起床予測時点あるいは起床推薦時点に連動して駆動することができる。空気調和機500は、前記第4環境造成情報により、室内温度、室内湿度、送風の強さ、騒音レベルのうち少なくとも1以上を制御することができ、使用者データを確保、分析、及び反映することができる。
【0928】
例えば、空気調和機500は、前記第A環境造成情報に基づいてターンオンされてよく、前記第B環境造成情報に基づいて風量が特定の強さ以下に変更設定されたり、現在の風量が前記特定の強さ以下に下げられたり、直接風が間接風又は無風に切り替えられたり、ディスプレイ部の明るさが所定の明るさ以下に下げられてよい。第C環境造成情報に基づいて設定された温度と湿度が最適な温度と湿度に設定変更されてよい。第D環境造成情報に基づいて設定された湿度や温度が高められたり、直接風又は間接風を無風に切り替えられてよい。第E環境造成情報に基づいて、寝室の温度又は湿度を最適化された温度又は湿度に変更設定されてよい。第F環境造成情報に基づいて、設定温度と湿度を過去に使用者が寝入り時に主に設定した選好温度又は湿度に変更設定されてよい。第G環境造成情報に基づいて、設定温度又は湿度を使用者が最も好む特定温度又は湿度に変更設定されてよい。前記第H環境造成情報に基づいて、設定温度又は湿度を使用者が最も好む特定の温度又は湿度に変更設定されてよい。
【0929】
図16の(a)のシステム構成の場合、空気調和機500がスリープモードで駆動するために、空気調和機500は、コンピューティング装置100とネットワークを介して連結されるための機器連結過程が遂行されてよい。
【0930】
図16の(b)のシステム構成の場合、空気調和機500がスリープモードで駆動するために、空気調和機500は、使用者端末10と連動するための連結過程を遂行することができる。ここで、空気調和機500と使用者端末10とは、無線に連結されてよい。例えば、空気調和機500と使用者端末10とは、近距離ネットワークを介して直接連結されてよい。
【0931】
空気調和機のスリープモード駆動方法
【0932】
図18図22に示された室内機500',500'',500''',500''''を含む空気調和機のスリープモードにおける駆動は、使用者の選択に従って室内機500',500'',500''',500''''をスリープモードで駆動させる方法と自動でスリープモードを駆動させる方法があってよい。
【0933】
まず、使用者の選択に従って室内機500',500'',500''',500''''をスリープモードで駆動させる方法を、図23図25を参照して説明する。
【0934】
図23の(a)及び(b)は、図20図21に示された室内機500''のディスプレイ部570''を介して室内機500''をスリープモードで駆動させる方法を説明するための図面である。
【0935】
図23の(a)を参照すると、使用者は、ディスプレイ部570''を直接タッチして運転モード5700に進入すれば、ディスプレイ部570''は、スリープモード5750とその他の様々なモードをディスプレイすることができる。この場合、使用者は、スリープモード5750を選択することで、室内機500''をスリープモードで動作させることができる。
【0936】
一方、室内機500''と無線で連結された機器が存在しなければ、図23の(b)に示されたように、室内機500''と無線で連結する機器(例、使用者端末)を追加する画面がディスプレイ部570''に表示されてよく、使用者は「連結機器追加」ボタンをタッチして、自身が所望する機器を連結することができる。
【0937】
図24の(a)は、リモコン600を介して図18図22に示された室内機500',500'',500''',500''''をスリープモードで駆動させる方法を説明するための図面である。
【0938】
図24の(a)を参照すると、図18図22に示された室内機500',500'',500''',500''''を含む空気調和機は、室内機500',500'',500''',500''''を制御することができるリモコン600をさらに含んでよい。
【0939】
リモコン600は、現在選択した機能と運転状態を表示する表示部601、電源を点けたり切ることができる電源ボタン602を含む。リモコン600は、多様なボタンをさらに含んでよい。例えば、所望する運転モードを選択することができる運転選択ボタン603、室内の空気をきれいで快適にすることができる空気清浄ボタン604、希望する温度を調節することができる温度調節ボタン605、状況と空間に合う風を選択することができる風カスタマイズボタン606、強力な風を送りだして室内温度を素早く調節することができるパワー風ボタン607、室内機の運転状態及び室内環境を確認することができる状態確認ボタン608、風の強さを設定することができる風の強さボタン609、及び多様な機能を設定することができる設定部610を含んでよい。
【0940】
リモコン600は、スリープモードを駆動させることができるAIスリープボタン615をさらに含んでよい。使用者は、AIスリープボタン615を押して室内機500',500'',500''',500''''をスリープモードで駆動させることができる。
【0941】
図25の(a)及び(b)は、使用者端末10を介して図18図22に示された室内機500',500'',500''',500''''をスリープモードで駆動させる方法を説明するための図面である。具体的に、図25の(a)及び(b)は、使用者端末10で室内機500',500'',500''',500''''を遠隔で制御する第1アプリケーションの画面を示す。
【0942】
図25の(a)を参照すると、使用者端末10には、室内機500',500'',500''',500''''を制御するための第1アプリケーションが設置され格納されてよい。使用者は、使用者端末10に設置された前記第1アプリケーションを介して室内機500',500'',500''',500''''の作動を制御することができる。
【0943】
前記第1アプリケーションは、室内機500',500'',500''',500''''の運転モードを制御できる画面を提供することができ、使用者は、所望する運転モード(Aモード、スリープモード、Bモードなど)を使用者端末10を介して選択することができる。
【0944】
図25の(a)で使用者がスリープモードを選択した場合、室内機500',500'',500''',500''''がスリープモードで駆動することができる。ここで、室内機500',500'',500''',500''''がまだ使用者端末10と連結されていない場合には、図25の(b)のように、室内機500',500'',500''',500''''のスリープモードを具体的に設定又は制御することができる画面が表示されてよい。これを介して、使用者は、室内機500',500'',500''',500''''と連結する使用者端末(A機器)を選択することができ、他の端末を室内機500',500'',500''',500''''と連結させることができる。
【0945】
上述した図23図25に示されたスリープモードの駆動方法は、使用者の選択によってスリープモードが動作するように構成されているが、これに限定するのではない。本発明のさらに他の実施形態による空気調和機は、使用者の選択ではなく自動でスリープモードが動作するように構成されてもよい。以下、図26を参照して説明する。
【0946】
図26は、室内機又は空気清浄機が自動で、スリープモードで駆動する方法を説明するための図面である。
【0947】
図26を参照すると、室内機500',500'',500''',500''''を含む空気調和機500は、先に説明した睡眠状態情報及び/又は睡眠段階情報に基づいて生成された環境造成情報により、別途の使用者の選択がなくても自動でスリープモードが動作されてよい。
【0948】
例えば、図16の(a)のコンピューティング装置100のプロセッサ130又は図16の(b)及び図17の(a)の空気調和機のプロセッサ5300が、第2睡眠状態情報を介して使用者が眠りに入る時点、すなわち、寝入り時点を把握して第2環境造成情報を生成した場合、前記室内機500',500'',500''',500''''は、自動でスリープモードが開始するように構成されてよい。
【0949】
また、図16の(a)のコンピューティング装置100のプロセッサ130又は図16の(b)及び図17の(a)の空気調和機のプロセッサ5300が、起床予測時点を把握して第3環境造成情報を生成した場合、室内機500',500'',500''',500''''は、起床予測時点に前記スリープモードが自動で終了するように構成されてよい。
【0950】
図26に示されたものと異なり、前記スリープモードの時点と終点は変わり得る。例えば、前記スリープモードの時点は、寝入り時点前の睡眠誘導時点であってよい。
【0951】
他の例を挙げると、図25の(a)に示されたように、前記スリープモードの時点は、使用者によって第1アプリケーションのスリープモードが選択された直後、あるいは、スリープモードが選択された後の所定時間経過後であってよい。あるいは、図25の(b)に示されたように、所定の機器(A機器)が室内機500',500'',500''',500''''と連結された直後、あるいは、連結された後の所定時間経過後であってよい。
【0952】
前記スリープモードの時点になり得る、さらに他の例を図27図28を参照して説明する。
【0953】
図27図28は、図26に示された室内機又は空気清浄機のスリープモード動作の時点を説明するための図面である。
【0954】
図27に示されたように、前記スリープモードの時点は、使用者端末10に設置された第2アプリケーションを介して「眠りにつく(15)」ボタンが選択された時点であってよい。ここで、前記第2アプリケーションは、環境センシング情報(例、使用者の息づかい)を測定して、自動でAI基盤の睡眠レポートを出力するアプリケーションであってよい。前記第2アプリケーションは、図25の(a)及び(b)に示された第1アプリケーションと連動され、互いのデータを利用することができる。
【0955】
又は、図27を参照すると、前記スリープモードの時点は、第2アプリケーションを介して「眠りにつく(15)」ボタンが選択された後、所定時間経過後であってよい。ここで、前記所定時間は、使用者端末10に備えられた加速度計センサで測定された結果値が一定に維持される時間であってよい。
【0956】
再び、図26を参照すると、前記スリープモードの終点は、例えば起床予測時点以降の既に設定された所定時間経過後になってよい。
【0957】
他の例を挙げると、図25の(a)及び(b)を参照すると、前記スリープモードの終点は、使用者端末10に設置された第1アプリケーションと空気調和機とが互いに連結が切れた直後になってよい。
【0958】
また他の例を挙げると、図28を参照すると、前記スリープモードの終点は、使用者端末10に設置された前記第2アプリケーションを介して「起きる(17)」ボタンが選択された時点であってよい。
【0959】
それ以外にも、前記スリープモードの時点と終点は、室内機500',500'',500''',500''''の使用者又は製造者によって多様に変更されてよい。
【0960】
前記スリープモードの持続的な動作のために、図16の(a)のシステム構成の場合に使用者端末10は、コンピューティング装置100とネットワークを介して連結され、コンピューティング装置100は、ネットワークを介して空気調和機500と連結されていることが好ましい。一方、図16の(b)のシステム構成の場合に、使用者端末10は、ネットワーク又は近距離無線通信を介して空気調和機500と連結されていることが好ましい。
【0961】
空気清浄機
【0962】
空気清浄機の動作
【0963】
以下では、本発明による空気清浄機について詳細に説明することにする。
【0964】
図16の(c)及び(d)は、本発明による空気清浄機の動作を説明するための概念図である。具体的に、図16の(c)は、図1の(a)の環境造成装置30が空気清浄機700で具現された模式図で、図16の(d)は空気清浄機700が使用者端末10と連動して動作する模式図である。
【0965】
図16の(c)に示されたように、本発明による空気清浄機700は、使用者端末10及びコンピューティング装置100と連動して動作することができる。
【0966】
コンピューティング装置100は、ネットワーク部110、メモリ120、及びプロセッサ130を含んでよい(図2参照)。ネットワーク部110は、使用者端末10、外部サーバ20、及び空気清浄機700とデータを送受信する。ネットワーク部110は、本発明の一実施形態による睡眠状態情報による睡眠環境造成方法を遂行するためのデータなどを他のコンピューティング装置、サーバなどと送受信することができる。すなわち、ネットワーク部110は、コンピューティング装置100と使用者端末10、外部サーバ20、及び空気清浄機700との間の通信機能を提供することができる。例えば、ネットワーク部110は、病院サーバから複数の使用者に対する睡眠検診記録及び電子健康記録を受信することができる。他の例を挙げると、ネットワーク部110は、使用者端末10から使用者が活動する空間に関連した環境センシング情報を受信することができる。また他の例を挙げると、ネットワーク部110は、空気清浄機700に使用者が位置した空間の環境を調整するための空気の質に関連した環境造成情報を伝送することができる。
【0967】
ここで、ネットワーク部110、メモリ120、及びプロセッサ130の動作方式、ハードウェア的構成、ソフトウェア的構成は、上で説明したところと同一なので、重複する説明は省略する。
【0968】
また、プロセッサ130の動作方式、ハードウェア的構成、ソフトウェア的構成、及び睡眠分析モデルは、上で説明したところと同一なので、重複する説明は省略することにする。プロセッサ130は、使用者の睡眠状態情報及び環境センシング情報を獲得することができ、これは上で説明したところと同じである。
【0969】
プロセッサ130は、第1環境造成情報ないし第n環境造成情報を生成することができる。具体的に、微細粉塵及び有害ガスを予め除去するように、空気清浄機を制御する第1環境造成情報を生成することができる。そして、第1環境造成情報は、睡眠直前の眠りを誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発するように空気清浄機を制御したり、送風の強さを既に設定された強さ以下に調節したり、LEDの強さを低くするなどの情報を含んでよい。これと共に、第1環境造成情報は、睡眠空間内の温度及び湿度情報に基づいて除湿/加湿を実行するように空気清浄機を制御するための情報を含んでよい。
【0970】
また、プロセッサ130は、第2睡眠状態情報に基づいて空気清浄機のLEDをオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で空気清浄機を動作させたり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定の温度に維持するように空気清浄機を制御するための第2環境造成情報を生成することができる。
【0971】
また、プロセッサ130は、第3睡眠状態情報及び第4睡眠状態情報に基づいて、第3環境造成情報及び第4環境造成情報を生成できることは、先に説明した内容と同じである。
【0972】
図16の(d)に示されたように、本発明の実施形態による空気清浄機700は、使用者端末10と連動して動作することができ、本発明の実施形態による空気清浄機700は、図16の(c)のコンピューティング装置100の構成と空気清浄機で動作するための付加構成を含んでよい。
【0973】
図17の(b)は、本発明による空気清浄機の構成を示すブロック図である。図17の(b)に示されたように、本発明による空気清浄機700は、ネットワーク部710、メモリ720、プロセッサ730、駆動部740、及び測定部750を含んでよい。
【0974】
空気清浄機700は、ビル、アパート、住宅内の天井や外壁に埋め込まれた形態の空気清浄装置で具現されてもよく、室内空間の一側に固定された固定型空気清浄機で具現されてもよく、携帯と移動が手軽な移動型空気清浄機で具現されてもよく、車両に配置された車内空気清浄装置で具現されてもよく、身体に着用されて使用者周辺の空気の質を浄化するウェアラブル空気清浄機で具現されてもよい。
【0975】
空気清浄機700は、前処理及びHAPAフィルタを用いて粉塵を除去する集塵フィルタ式空気清浄機、活性炭を用いて有害ガスを吸着する吸着フィルタ式、水を用いて粉塵や有害ガスを除去する湿式、高電圧を用いて粉塵を除去する電気集塵式、高電圧で陰イオンを生成して空気中に供給することによって粉塵を除去する陰イオン式、プラズマで陽/陰イオンを生成して有害ガスを除去するプラズマ式、TiOに紫外線照射で生成されたOHラジカル及び活性酸素の酸化/還元で悪臭及び有害ガスを除去するUV光触媒式のような多様な方式の空気清浄機で具現されてよく、2以上の方式を複合的に採用した複合式空気清浄機でもある。
【0976】
空気清浄機700のネットワーク部710、メモリ720、プロセッサ730の機能、動作、ハードウェア的構成、ソフトウェア的構成については、上で説明したところと同一である。プロセッサ730によって生成された第1ないし第n環境造成情報は、駆動部740に伝達されてよい。駆動部740は、空気清浄機700に備えられた多様なハードウェア的要素を動作させることができる。
【0977】
測定部750は、空間内の空気成分、照度、及び空気清浄機の部品状態などをセンシングするための1以上のセンサを含んでよい。具体的に、測定部は、PM1.0、PM2.5、PM10などの見えない浮遊粒子を感知する埃センサ、室内の有害ガスや臭いなどを検出するガスセンサ、室内照度を感知する照度センサ、室内空気に含まれた300種余りの揮発性有機化合物の総濃度を測定するTVOCセンサ、室内空気中の二酸化炭素濃度を測定するCO2センサ、ラドンの濃度を測定するラドンセンサ、フィルタ部の寿命にともなうフィルタ差圧を測定してフィルタ交替時期が分かるようにする圧力センサ、室内温度を測定する温度センサなどを含んでよい。
【0978】
図面には示さなかったが、空気清浄機700は、吐出口と吸入口が備えられたハウジング、フィルタ部、送風ファン、殺菌部、加湿部、加熱部、冷却部、測定部などで構成されてよい。ハウジングは、空気清浄機700の埋め込み型、固定型、移動型、車両型、ウェアラブル型などの具現方式により多様に設計されてよい。フィルタ部は、集塵フィルタ式、吸着フィルタ式、湿式、電気集塵式、陰イオン式、プラズマ式、UV光触媒式などの空気清浄方式に対応して選択されてよい。送風ファンは、電源供給部から供給された電源によって回転するモータに連結されてよい。殺菌部は、化学的、電気的方式を用いて吸入された空気を殺菌する機能を有する。加湿部は、吸入された空気を加湿して送出する機能を有し、加熱部と冷却部は吸入された空気を所定の温度に加熱したり冷却させる機能を有する。
【0979】
上述した空気清浄機700のハードウェア的要素は一実施形態に過ぎず、この中の一部が統合されて一つの構成で具現されてもよく、一部の構成が省略されてよく、上で説明されていない空気清浄機能を遂行するための多様な構成が付加され得るだろう。
【0980】
一方、環境センシング情報は、使用者端末10を介して獲得されてよい。環境センシング情報は、使用者が睡眠をとる寝室で獲得される睡眠音響情報であってよい。
【0981】
また、環境センシング情報は、空気清浄機700内に備えられた測定部750から獲得された睡眠空間内の空気の質情報であってよい。使用者端末10又は測定部750を介して獲得された環境センシング情報は、本発明において使用者の睡眠状態情報を獲得するための基盤になる情報であってよい。
【0982】
具体的な例を挙げると、使用者の活動に関連して獲得される環境センシング情報を介して、使用者が睡眠前なのか、睡眠中なのか、又は睡眠後なのか否かに関連した睡眠状態情報が獲得されてよい。また、使用者の睡眠前、睡眠中、及び睡眠後の周辺空気の質と関連した情報が獲得されてよい。
【0983】
プロセッサ730は、使用者端末10及び/又は測定部750を介して獲得された環境センシング情報に基づいて睡眠状態情報を獲得することができる。
【0984】
具体的に、プロセッサ730は、環境センシング情報に既に設定されたパターンの情報が感知される特異点を識別することができる。ここで、既に設定されたパターンの情報は、睡眠に関連した呼吸及び動きパターンに関連したものであってよい。例えば、目覚めている状態(wake)では、すべての神経系が活性化しているので、呼吸パターンが不規則的で体の動きが多いことがある。また、首の筋肉の弛緩が成されないため、呼吸の音が非常に少ないことがある。反面、使用者が睡眠をとる場合には、自律神経系が安定化されて呼吸が規則的に変化し体の動きもまた少なくなり、呼吸音も大きくなり得る。すなわち、プロセッサ730は、環境センシング情報において、規則的な呼吸、少ない体の動き、又は少ない呼吸音などに関連した既に設定されたパターンの音響情報が感知される時点を特異点として識別することができる。また、プロセッサ730は、識別された特異点を基準として獲得される環境センシング情報に基づいて睡眠音響情報を獲得することができる。プロセッサ730は、時系列的に獲得される環境センシング情報において使用者の睡眠時点に関連した特異点を識別し、当該特異点を基準として睡眠音響情報を獲得することができる。
【0985】
また、測定部750を介して測定された空気の質は、使用者の睡眠に多くの影響を及ぼす。空気の質と睡眠との間の関係を分析した論文によれば、睡眠障害は、空気汚染と統計的に意味のある関連性を示すことが確認された。例えば、PM10に露出した場合、睡眠を維持するのに困難をきたすことがあり、特に、男性がPM1に露出した時、睡眠障害が現れる確率が最も高いことを確認することができた。また、女性の場合、PM1、PM2.5に露出された時に睡眠障害が生じる可能性が最も高いということが確認された。また、SO2、O3が高い時、喘鳴(wheezing)と関連した睡眠妨害が現れる確率が最も高いということが確認された。それだけでなく、妊婦が妊娠31~35週の間にPM2.5に露出すれば、産まれた子供が睡眠の長さが短くなる可能性が最も高いということも確認された。AHIと空気の質を測定する数値との関連性に対して多様な研究が進められ、結果は研究ごとに少しずつ異なって出ているが、空気の質と睡眠との関連性が非常に高いという結果は同一であった。
【0986】
本発明の実施形態による空気清浄機700は、環境センシング情報に基づいて睡眠状態情報を獲得した後に環境造成情報を生成し、これを用いて睡眠段階に適切な動作を遂行することができる。
【0987】
具体的に、空気清浄機700のプロセッサ730は、使用者の状態が就寝前の状態であると判断された場合、使用者が睡眠を準備すると予測される時点(例えば、睡眠誘導時点)から寝つく時点(すなわち、第2睡眠状態情報が獲得される時点)まで、空気清浄機を制御するための第1環境造成情報を生成することができる。第1環境造成情報は、測定部750で測定されたPM濃度、有害ガス濃度、CO2濃度、SO2濃度、O3濃度、湿度、温度などを反映して生成されてよい。
【0988】
第1環境造成情報は、使用者の睡眠前の所定時間(例:20分前)まで、微細粉塵及び有害ガスを予め除去するように空気清浄機を制御する情報、睡眠直前睡眠を誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発するように空気清浄機を制御したり、送風の強さを既に設定された強さ以下に調節したり、LEDの強さを低くするなどの情報、睡眠空間内の温度及び湿度情報に基づいて除湿/加湿を実行するように空気清浄機を制御するための情報などを含んでよい。
【0989】
また、プロセッサ730は、第2睡眠状態情報に基づいて空気清浄機のLEDをオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で空気清浄機を動作させたり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定の温度に維持するように空気清浄機を制御するための第2環境造成情報を生成することができる。
【0990】
第2環境造成情報は、第2睡眠状態情報に基づいたもので、空気清浄機のLEDをオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で空気清浄機を動作させたり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定の温度に維持するように空気清浄機を制御するための制御情報であってよい。使用者は、睡眠直前の微細粉塵、有害ガスが除去された睡眠空間内において、空気の流れ、白色騒音などで睡眠が誘導されてよく、寝入り後の最適な温度、湿度などが制御された状態で熟睡を取れるようになる。
【0991】
実施形態による空気清浄機の構成
【0992】
図29の(a)及び(b)は、図16及び図17に示された空気清浄機の一例を説明するための図面である。
【0993】
図29の(a)及び(b)を参照すると、本発明の一例による空気清浄機700'には、空気流動を発生させる送風装置1000,2000、及び前記送風装置1000,2000で発生した空気流動の吐出方向を転換させる流動転換装置3000が含まれる。
【0994】
前記送風装置1000,2000には、第1空気流動を発生させる第1送風装置1000及び第2空気流動を発生させる第2送風装置2000が含まれる。以下で、前記送風装置1000,2000は、「空気清浄モジュール」と定義することもある。
【0995】
前記第1送風装置1000と第2送風装置2000は、上下方向に配列されてよい。一例として、前記第2送風装置2000は、前記第1送風装置1000の上側に配置されてよい。この場合、前記第1空気流動は、前記空気清浄機700'の下部側に存在する室内空気を吸入する流動を形成し、前記第2空気流動は、前記空気清浄機700'の上部側に存在する室内空気を吸入する流動を形成する。
【0996】
前記空気清浄機700'は、外観を形成するカバー1100,2100を含む。
【0997】
前記カバー1100,2100は、前記第1送風装置100の外観を形成する第1カバー1100を含む。前記第1カバー1100は、円筒形を有してよい。そして、前記第1カバー1100の上部は、下部より小さい直径を有するように構成されてよい。すなわち、前記第1カバー1100は、端部分が切られた円錐形状を有してよい。
【0998】
前記第1カバー1100は、少なくとも2以上のパートで構成されてよい。前記パートは、互いに結合されたり分離されてよい。前記パートのうち少なくともいずれか一つのパートが回転すれば、前記第1カバー1100は開放され、前記空気清浄機700'から分離されてよい。前記パートが結合される部分には、係合装置が備えられてよい。前記係合装置には、係合突起又は磁石部材が含まれてよい。前記第1カバー1100を開放し、前記第1送風装置1000の内部部品を交替又は修理することができる。
【0999】
前記第1カバー1100には、空気が吸入される第1吸入口が形成されてよい。前記第1吸入口は、前記第1カバー1100の少なくとも一部分が貫通して形成される貫通孔を含む。前記第1吸入口は、多数個で形成されてよい。
【1000】
前記多数の第1吸入口は、前記第1カバー1100を基準として、どの方向にでも空気吸入が可能なように、前記第1カバー1100の外周面に沿って外周方向に均等に形成されてよい。すなわち、前記第1カバー1100の内部中心を通る上下方向の中心線を基準として、360度方向から空気が吸入されてよい。
【1001】
このように、前記第1カバー1100が円筒形で構成され、前記第1吸入口が前記第1カバー1100の外周面に沿って多数個形成されることにより、空気の吸入量が増加することができる。
【1002】
前記第1吸入口を介して吸入される空気は、前記第1カバー1100の外周面から略半径方向に流動されてよい。方向を定義する。図29を基準として、上下方向を軸方向と定義し、横方向を半径方向と定義する。前記軸方向は、空気清浄機700'の内部に配置され、空気流動を起こすファンの中心軸方向、すなわち、ファンのモータ軸方向に対応することができる。そして、前記半径方向は、前記軸方向の垂直な方向と理解することができる。そして、円周方向とは、前記軸方向を中心として前記半径方向の距離を回転半径として回転する時に形成される仮想の円方向として理解される。
【1003】
前記第1送風装置1000には、前記第1カバー1100の下側に提供され、地面に置かれるベース1200がさらに含まれる。前記ベース1200は、前記第1カバー1100の下端部から下方に離隔されて位置する。そして、前記第1カバー1100と前記ベース1200との間の離隔空間には、ベース吸入口1300が形成されてよい。前記ベース吸入口1300を介して空気が吸入されてよく、吸入される空気は、第1送風装置1000に流入されてよい。
【1004】
前記第1送風装置1000には、前記第1吸入口と前記ベース吸入口1300のように複数の吸入口を有してよい。室内空間の下部に存在する空気は、前記複数の吸入部を介して前記第1送風装置1000に容易に流入されてよい。したがって、空気の吸入量が増加し得る。
【1005】
前記第1送風装置1000の上部には、第1排出口1500が形成されてよい。前記第1排出口1500を介して排出される空気は、軸方向上方に流動されてよい。
【1006】
前記カバー1100,2100は、前記第2送風装置2000の外観を形成する第2カバー2100が含まれてよい。前記第2カバー2100は円筒形であってよい。そして、前記第2カバー2100の上部は、下部より小さい直径を有するように構成されてよい。すなわち、前記第2カバー2100は、端部分が切られた円錐形状を有してよい。
【1007】
前記第2カバー2100には、少なくとも2以上のパートで構成されてよい。前記パートは互いに結合されたり分離されてよい。前記パートのうち少なくともいずれか一つのパートが回転すれば、前記第2カバー2100は開放され、前記空気清浄機700'から分離されてよい。前記パートが結合される部分には、係合装置が備えられてよい。前記係合装置には、係合突起又は磁石部材が含まれてよい。前記第2カバー2100を開放し、前記第2送風装置2000の内部部品を交替又は修理することができる。
【1008】
前記第2カバー2100の下端部の直径は、前記第1カバー1100の上端部の直径より小さく形成されてよい。したがって、前記カバー1100,2100の全体的な形状の観点において、カバー1100,2100の下部断面積は上部断面積よりも大きく形成され、これにより、前記空気清浄機700'は地面に安定的に支持されてよい。
【1009】
前記第2カバー2100には、空気が吸入される第2吸入口が形成されてよい。前記第2吸入口は、前記第2カバー2100の少なくとも一部分が貫通して形成される貫通孔を含む。前記第2吸入口は、多数個で形成されてよい。
【1010】
前記多数の第2吸入口は、前記第2カバー2100を基準として、どの方向でも空気吸入が可能なように、前記第2カバー2100の外周面に沿って、外周方向に均等に形成される。すなわち、前記第2カバー2100の内部中心を通って上下方向の中心線を基準として、360度方向から空気が吸入されてよい。
【1011】
このように、前記第2カバー2100が円筒形で構成され、前記第2吸入口が前記第2カバー2100の外周面に沿って多数個形成されることにより、空気の吸入量が増加することができる。
【1012】
前記第2吸入口を介して吸入される空気は、前記第2カバー2100の外周面から略半径方向に流動されてよい。
【1013】
前記空気清浄機700'は、前記第1送風装置1000と前記第2送風装置2000との間に備えられる区画装置5000を含む。前記区画装置5000によって、前記第2送風装置2000は、前記第1送風装置1000の上側に離隔して位置されてよい。
【1014】
前記区画装置5000は、第1排出口1500から排出される空気をガイドすることができる。例えば、前記区画装置5000は、第1排出口1500から前記軸方向に排出される空気を、前記軸方向と垂直な前記横方向に排出されるようにガイドすることができる。
【1015】
前記流動転換装置3000は、前記第2送風装置2000の上側に設置されてよい。空気流動を基準として、前記第2送風装置2000の空気流路は、前記流動転換装置3000の空気流路と連通されてよい。前記第2送風装置2000を通過した空気は、前記流動転換装置3000の空気流路を経由して、第2排出口3500を介して外部に排出されてよい。前記第2排出口3500は、前記流動転換装置3000の上端部に形成されてよい。
【1016】
前記流動転換装置3000は、動き可能に備えられてよい。詳細に、前記流動転換装置3000は、図29の(a)に示されているように、横になっている状態(第1位置)にあったり、図29の(b)に示されるように、傾斜するように立てられた状態(第2位置)にあってよい。以下で、前記流動転換装置3000は「サーキュレーター」とも命名されてよい。
【1017】
前記流動転換装置3000の上部には、前記空気清浄機700'の運転情報を表示して前記空気清浄機700'の駆動を制御する操作部を含むディスプレイ部4000が配置されてよい。前記ディスプレイ部4000は、前記流動転換装置3000とともに動いてよい。
【1018】
図30は、図29に示された空気清浄機700'のカバー1100,2100の一部パートを除去した状態を示す図面である。
【1019】
図29及び図30を参照すると、前記空気清浄機700'は、埃の濃度を感知するセンサ2300を含む。前記センサ2300は、第2送風装置2000に配置されてよいが、これに限定するわけではなく、第1送風装置1000に配置されてもよい。前記センサ2300は、極超微細埃(PM1.0)をセンシングするセンサを含んでよい。
【1020】
前記空気清浄機700'は、スマート診断部2400を含んでよい。前記スマート診断部2400は、空気清浄機700'が誤動作したり故障したりした場合、スマート診断を介して製品状態を確認することができる。
【1021】
前記空気清浄機700'は、人工知能センサ通信モジュール2500を含んでよい。前記人工知能センサ通信モジュール2500は、前記空気清浄機700'と通信で連結され得る人工知能センサ(図示せず)と連動されて、汚染位置を感知することができる。
【1022】
前記空気清浄機700'は、ガスセンサ2600を含んでよい。前記ガスセンサ2600は、ガス又は臭いを感知することができる。
【1023】
前記空気清浄機700'は、空気を浄化するフィルタ1700,2700を含む。前記フィルタ1700,2700は、第1送風装置1000と第2送風装置2000それぞれに配置されてよい。
【1024】
前記空気清浄機700'は、フィルタ状態感知センサ1900を含んでよい。前記フィルタ状態感知センサ1900は、フィルタ1700,2700の交替時点を感知することができる。
【1025】
前記空気清浄機700'は、内部に配置されたファンを殺菌するためのUV発光素子1800,2800を含んでよい。第1及び第2送風装置1000,2000それぞれは内部にファンを備えてよく、前記UV発光素子1800,2800は、各送風装置1000,2000の内部のファンを照明できる位置に配置されてよい。
【1026】
図24の(b)は、本発明の一実施形態による空気清浄機700'のディスプレイ部4000の一例を示す図面である。図24の(b)を参照すると、ディスプレイ部4000は、多数の操作部4100,4200,4300,4400,4500を含んでよい。
【1027】
多数の操作部4100,4200,4300,4400,4500は、空気清浄機700'を開始したり停止することができる運転/停止ボタン4100、運転モードを選択することができる運転モードボタン4200、空気清浄機700'の気流を調節することができる清浄強さボタン4300、ブースターの強さ及び回転設定を調節することができるブースター制御ボタン4400、空気清浄機700'の管理及び通知設定などができる設定ボタン4500を含んでよい。
【1028】
このような多数の操作部4100,4200,4300,4400,4500は、タッチセンサ又は機械式ボタンであってよい。
【1029】
ディスプレイ部4000の多数の操作部4100,4200,4300,4400,4500を介して入力された制御信号は、図17の(b)に示されたプロセッサ730に入力され、プロセッサ730は、入力された制御信号に基づいて駆動部740を制御することができる。
【1030】
運転モード4210は、多様な運転モードを含んでよい。例えば、人工知能モード、ペットモード、クリーンブースターモード、デュアル清浄モード、シングル清浄モードなどを含んでよい。ここで、人工知能モードは、空気清浄機700'と人工知能センサの総合清浄度により、運転モードと清浄の強さを自動で調節するモードで、前記ペットモードは、ペットと共にする使用者のための専用モードで、前記クリーンブースターモードは、第2送風装置2000に備えられたブースターを用いて浄化された空気を遠い距離まで素早く送って室内空気を循環させるモードで、前記デュアル清浄モードは、第1送風装置1000と第2送風装置2000が同時に作動して室内の空気を素早く浄化するモードで、前記シングル清浄モードは、第2送風装置2000で室内空気を浄化するモードであってよい。
【1031】
本発明の実施形態による空気清浄機700'は、運転モード4210としてスリープモードをさらに含んでよい。これは、図23の(c)及び(d)を参照して説明する。
【1032】
図23の(c)及び(d)は、本発明の実施形態による空気清浄機700'のスリープモードを説明するためのディスプレイ部4000の図面である。
【1033】
図23の(c)を参照すると、運転モード4210は、スリープモード4250を含んでよい。前記スリープモード4250は、使用者の睡眠状態を感知して、使用者の睡眠空間内の空気の質を自動で調節するモードである。スリープモード4250は、空気清浄機700'のプロセッサによって制御されてよい。
【1034】
図16の(c)のコンピューティング装置100又は図16の(d)の空気清浄機700'で生成された前記第1環境造成情報ないし第n環境造成情報に基づいて、空気清浄機700'は、睡眠空間内の空気の質の調節を遂行することができる。
【1035】
例えば、空気清浄機700'は、前記第1環境造成情報により、使用者の睡眠前の所定時間(例:20分前)まで、微細粉塵及び有害ガスを予め除去することができる。又は、睡眠直前の眠りを誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発することができ、送風の強さを既に設定された強さ以下に調節したり、ディスプレイ部4000の明るさを低くすることができる。空気清浄機700'は、前記第2環境造成情報により、ディスプレイ部4000をオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で動作したり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定の温度に維持することができる。空気清浄機700'は、前記第3環境造成情報により、起床時点に送風の強さ及び騒音を低くしたり、起床を徐々に誘導するために白色騒音を発生させたり、騒音を既に設定されたレベル以下に維持させたり、起床予測時点あるいは起床推薦時点に連動して駆動することができる。空気清浄機700'は、前記第4環境造成情報により、送風の強さ、騒音レベル、アラームのうち少なくとも1以上を制御することができる。
【1036】
図16の(c)のシステム構成の場合、空気清浄機700'がスリープモード4250で駆動するために、空気清浄機700'は、コンピューティング装置100とネットワークを介して連結されるための機器連結過程が遂行されてよい。
【1037】
図16の(d)のシステム構成の場合、空気清浄機700'がスリープモード4250で駆動するために、空気清浄機700'は、図23の(d)に示されたように、使用者端末10と連動するための連結過程を遂行することができる。空気清浄機700'と使用者端末10は、無線で連結されてよい。例えば、空気清浄機700'と使用者端末10は、図16の(d)のように、ネットワークを介して直接連結されてよい。
【1038】
他の実施形態による空気清浄機の構成
【1039】
図31の(a)は、図16及び図17に示された空気清浄機の他の例を説明するための図面である。
【1040】
図31の(a)に示された空気清浄機700''は、寝室や書斎などの個別空間で使用され得る空気清浄機であってよい。
【1041】
空気清浄機700''は、送風装置1000'とテーブル6000を含む。
【1042】
送風装置1000'は、図29に示された第1送風装置1000と対応する構成として、第1送風装置1000のように内部に空気の質を浄化するための構成が含まれる。したがって、送風装置1000'の詳細な説明は、図29に示された第1送風装置1000の説明に代える。
【1043】
テーブル6000は、送風装置1000'上に配置されてよい。
【1044】
テーブル6000は、送風装置1000'の上部に配置された排出口1700'から排出される空気をガイドする下面(図示せず)、物を載せておくことができる上面6100、及び上面6100の一部分に配置された無線充電部6500を含んでよい。前記テーブル6000の下面には、多様な色の光を放出することができる照明部(図示せず)が配置されてよい。
【1045】
空気清浄機700''は、図29に示された空気清浄機700'のように、睡眠空間内の空気の質を自動で調節するスリープモードで駆動することができる。
【1046】
空気清浄機700''のスリープモードは、図16の(c)のコンピューティング装置100又は図16の(d)のように、空気清浄機700'で生成された前記第1環境造成情報ないし第n環境造成情報に基づいて、睡眠空間内の空気の質の調節を遂行することができる。
【1047】
例えば、空気清浄機700''は、前記第1環境造成情報により、使用者の睡眠前の所定時間(例:20分前)まで、微細粉塵及び有害ガスを予め除去することができる。又は、睡眠直前の眠りを誘導することができる程度の騒音(白色騒音)を誘発することができ、送風の強さを既に設定された強さ以下に調節したり、照明部(図示せず)の明るさを低くすることができる。空気清浄機700''は、前記第2環境造成情報により、照明部(図示せず)をオフにしたり、既に設定されたレベル以下の騒音で動作したり、送風の強度を既に設定された強さ以下に調節したり、送風の温度を既に設定された範囲内に合わせたり、睡眠空間内の湿度を所定の温度に維持することができる。空気清浄機700''は、前記第3環境造成情報により、起床時点に送風の強さ及び騒音を低くしたり、起床を徐々に誘導するために白色騒音を発生させたり、騒音を既に設定されたレベル以下に維持させたり、起床予測時点あるいは起床推薦時点に連動して駆動することができる。空気清浄機700''は、前記第4環境造成情報により、送風強さ、騒音レベル、アラームのうち少なくとも1以上を制御することができる。
【1048】
空気清浄機700''は、図29に示された空気清浄機700'とは異なり、ディスプレイ部を備えるなくてよい。
【1049】
したがって、図16の(c)及び(d)のシステム構成により、空気清浄機700''がスリープモードで駆動するために、空気清浄機700''は、図16の使用者端末10により遠隔で制御されてよい。
【1050】
図16の使用者端末10により、遠隔で制御されてよい。図25を参照して説明する。
【1051】
図25の(c)は、使用者端末10において空気清浄機700''を遠隔で制御する第1アプリケーションの画面を見せて、図25の(d)は、空気清浄機700''のスリープモードを制御するアプリケーションの画面を見せる。
【1052】
図25の(c)を参照すると、使用者端末10には、空気清浄機700''を制御するためのアプリケーションが設置されてよい。前記アプリケーションを介して空気清浄機700''を制御することができる。
【1053】
前記第1アプリケーションは、空気清浄機700''の運転モードを制御できる画面を提供することができ、使用者は、所望する運転モード(Aモード、スリープモード、Bモードなど)を選択することができる。
【1054】
もし、図25の(c)で使用者がスリープモードを選択した場合、図25の(d)のように、空気清浄機700''のスリープモードを具体的に制御することができる画面が表示されてよい。これを介して、使用者は、空気清浄機700''と連結する使用者端末を選択することができ、他の端末を空気清浄機700''と連結させることができる。
【1055】
空気清浄機700''は、図25の(c)及び(d)に示されたように、使用者端末10と連動するための連結過程を遂行することができる。空気清浄機700'と使用者端末10とは無線で連結されてよい。例えば、空気清浄機700'と使用者端末10は、図16の(d)のように、ネットワークを介して連結されてよい。
【1056】
一方、図25に示された第1アプリケーションを介した空気清浄機700''の制御は、図29に示された空気清浄機700にもそのまま適用されてよい。
【1057】
空気清浄機のスリープモード駆動方法
【1058】
先に説明した空気清浄機700',700''は、使用者の選択に従ってスリープモードが動作するように構成されているが、これに限定するわけではない。本発明のさらに他の実施形態による空気清浄機は、使用者の選択でない自動でスリープモードが動作するように構成されてよい。図26を参照して説明する。
【1059】
図26は、本発明のさらに他の実施形態による空気清浄機700'''の動作を説明するための図面である。
【1060】
図26を参照すると、空気清浄機700'''は、睡眠状態情報及び/又は睡眠段階情報に基づいて生成された環境造成情報により、別途の使用者の選択なくとも自動でスリープモードが動作されてよい。
【1061】
例えば、図16の(c)のコンピューティング装置100のプロセッサ130又は図16の(d)及び図17の(b)の空気清浄機のプロセッサ730が第2睡眠状態情報を介して、使用者が眠りに入る時点、すなわち、寝入り時点を把握して第2環境造成情報を生成した場合、前記空気清浄機700'''は、自動でスリープモードが開始するように構成されてよい。
【1062】
また、図16の(c)のコンピューティング装置100のプロセッサ130又は図16の(d)及び図17の空気清浄機のプロセッサ730が起床予測時点を把握して第3環境造成情報を生成した場合、空気清浄機700'''は、起床予測時点に前記スリープモードが自動で終了するように構成されてよい。
【1063】
図26に示されたものと異なり、前記スリープモードの時点と終点は変わり得る。例えば、前記スリープモードの時点は、寝入り時点前の睡眠誘導時点であってよい。
【1064】
他の例を挙げると、図25の(c)に示されたように、前記スリープモードの時点は、使用者によって第1アプリケーションのスリープモードが選択された直後、あるいは、スリープモードが選択された後に所定時間経過後であってよい。あるいは、図25の(d)に示されたように、所定の機器(A機器)が空気清浄機と連結された直後、あるいは、連結された後に所定時間経過後であってよい。
【1065】
前記スリープモードの時点になり得る、さらに他の例を図面を参照して説明する。
【1066】
図27及び図31の(b)は、図26に示された空気清浄機700'''のスリープモード動作の時点を説明するための図面である。
【1067】
図31の(b)に示されたように、前記スリープモードの時点は、使用者端末10が無線充電部6500の上に置かれて充電を開始した直後、あるいは、充電を開始した後に所定時間経過後であってよい。
【1068】
図31の(b)を参照すると、前記スリープモードの時点は、使用者端末10がテーブル6000の上面6100の所定の部分の上に置かれた後、所定時間経過後であってよい。ここで、前記所定時間は、使用者端末10に備えられた加速度計センサで測定された結果値が一定に維持される時間であってよい。
【1069】
図27に示されたように、前記スリープモードの時点は、使用者端末10に設置された第2アプリケーションを介して「眠りにつく(15)」ボタンが選択された時点であってよい。ここで、前記第2アプリケーションは、環境センシング情報(例、使用者の息づかい)を測定して、自動でAI基盤の睡眠レポートを出力するアプリケーションであってよい。
【1070】
前記第2アプリケーションは、図25の(c)及び(d)に示された第1アプリケーションと連動され、互いのデータを利用することができる。
【1071】
又は、図27を参照すると、前記スリープモードの時点は、第2アプリケーションを介して「眠りにつく(15)」ボタンが選択された後に所定時間経過後であってよい。ここで、前記所定時間は、使用者端末10に備えられた加速度計センサで測定された結果値が一定に維持される時間であってよい。
【1072】
再び図26を参照すると、前記スリープモードの終点は、例えば起床予測時点以降の既に設定された所定時間経過後になってよい。
【1073】
他の例を挙げると、図25の(c)及び(d)を参照すると、前記スリープモードの終点は、使用者端末10に設置された第1アプリケーションと空気清浄機とが、互いに連結が切れた直後になってよい。
【1074】
また他の例を挙げると、図31の(b)を参照すると、前記スリープモードの終点は、使用者端末10が無線充電部6500から落ちて、無線充電が中断された直後又は中断後に所定時間経過後であってよい。
【1075】
又は、使用者端末10がテーブル6000から落ちた直後又は落ちた後に所定時間経過後であってよい。
【1076】
また他の例を挙げると、図28を参照すると、前記スリープモードの終点は、使用者端末10に設置された前記第2アプリケーションを介して「起きる(17)」ボタンが選択された時点であってよい。
【1077】
それ以外にも、前記スリープモードの時点と終点は、空気清浄機700'''の使用者又は製造者によって多様に変更されてよい。
【1078】
前記スリープモードの持続的な動作のために、図16の(c)のシステム構成の場合に、使用者端末10はコンピューティング装置100とネットワークを介して連結され、コンピューティング装置100はネットワークを介して空気清浄機700'''と連結されていることが好ましい。一方、図16の(d)のシステム構成の場合に、使用者端末10はネットワーク又は近距離無線通信を介して空気清浄機700'''と連結されていることが好ましい。
【1079】
前記空気清浄機700'''は、図29又は図31の(a)に示された空気清浄機700',700''のハードウェア的構成をそのまま有してよい。
【1080】
実施形態による空気清浄機又は空気清浄ファンの就寝モードと起床モード時の動作
【1081】
追加的に、空気の質と光を調節するテーブル型空気清浄機及び空気の質と温度を調節する空気清浄ファンの就寝モードと起床モード時の動作を説明する。
【1082】
まず、テーブル型空気清浄機の就寝モード時の動作は、次の通りである。
【1083】
テーブル型空気清浄機は、単独で動作することもできるが、プレミアム空気ケアが必要な場合、エアコン、加湿器及び/又は除湿器と統合して、パッケージ形式で動作することもできる。
【1084】
就寝準備段階において、テーブル型空気清浄機は、使用者がスマートフォン900を使用しない特定の時間帯にテーブルに載せる場合、スマートフォン900を無線充電し、スマートフォン900に設置されたスリープ管理アプリを認識して、使用者の睡眠測定を開始することができる。
【1085】
エアコンは、使用者の睡眠環境に適合した室内温度を調節し、加湿器及び/又は除湿器は、睡眠環境に適合した室内湿度を調節することができる。
【1086】
寝入り段階において、テーブル型空気清浄機は、間接灯を消灯し、睡眠段階において、スリープトラックアプリとスリープ管理アプリは、連動して使用者の睡眠状況をリアルタイム測定することができる。
【1087】
次に、テーブル型空気清浄機の起床モード時の動作は、次の通りである。
【1088】
起床前段階において、テーブル型空気清浄機は、パワー空気清浄モードで意図的騒音を発生させてモーニングアラーム機能を遂行したり、ヘルスケアアプリに設置されたスマートアラームを作動させたり、睡眠などが徐々に明るくなるように照明の強さを調節することができる。
【1089】
起床段階において、使用者のスマートフォン900で睡眠状態の確認が感知されれば、睡眠測定を終了し、起床後の段階において、ヘルスケアアプリは分析された使用者の睡眠レポートを使用者のスマートフォン900にディスプレイすることができる。
【1090】
一方、空気清浄ファンの就寝モード時の動作は、次の通りである。
【1091】
空気清浄ファンは、テーブル型空気清浄機と同様に、単独で動作することもできるが、プレミアム空気ケアが必要な場合、加湿器及び/又は除湿器と統合して、パッケージ形式で動作することもできる。
【1092】
就寝準備段階において、空気清浄ファンは、ヘルスケアアプリを介して手動で作動を開始し、送風及び温風を利用して睡眠に適合した温度を調節し、加湿器及び/又は除湿器は睡眠環境に適合した室内湿度を調節することができる。
【1093】
睡眠段階において、スリープトラックアプリとスリープ管理アプリは、連動して使用者の睡眠状況をリアルタイム測定することができる。
【1094】
次に、空気清浄ファンの起床モード時、すなわち、起床前の段階、起床段階、及び起床後の段階における動作は、テーブル型空気清浄機の起床モード時の動作と同様なので、ここでは説明を省略するようにする。
【1095】
睡眠段階別のスマート家電機器の具体的なシナリオ
【1096】
図41は、本発明による睡眠分析方法を用いて、使用者の睡眠段階別に、時系列的に作動するスマート家電機器の具体的なシナリオのうち、就寝準備段階の動作を示す表である。
【1097】
図42は、前記シナリオのうち、図41に時系列的後順位に連結された、寝入り後から熟睡前までの段階の動作を示す表である。
【1098】
図43は、前記シナリオのうち、図42に時系列的後順位に連結された、熟睡後から起床感知前までの段階の動作を示す表である。
【1099】
図44は、前記シナリオのうち、図43に時系列的後順位に連結された、起床段階の動作を示す表である。
【1100】
図50及び図51図41図44を参照して、本発明の睡眠分析方法を用いて使用者の睡眠段階別に、時系列的に作動するスマート家電機器の具体的なシナリオの動作を説明すると、次の通りである。ただし、下に説明するシナリオは、本発明による例示に過ぎず、本発明の範囲はこれに制限されるわけではない。
【1101】
まず、使用者が寝室に入ってくる時刻は深夜12時で、起床する時刻は午前01:40であると仮定する。
【1102】
また、使用者が寝室に入ってくる時の初期温度は摂氏29度、初期湿度は30%とし、温度は高いが湿度が高くない夜である状態で、空気の質は「普通」であると仮定する。
【1103】
図41に見るように、使用者が寝室に入ってきた時点(00:00)に、スマートフォン900は画面が点いている状態でディスプレイされてよい(その後の段階でも同様)。
【1104】
また、エアコン、空気清浄ファン、テーブル型空気清浄機、スマート照明は、ターンオンされて、加湿器、スマートスピーカーは、オフ状態を維持することができる。
【1105】
一方、エアコンは、動作温度が摂氏24度にセッティングされてよい。
【1106】
また、空気清浄ファン及びテーブル型空気清浄機は、自動モードにセッティングされてよい。
【1107】
使用者がベッドに横になってスマートフォン900をテーブル型空気清浄機のテーブル上に載せた時点(00:10)に、スマートフォン900の画面にテーブル型空気清浄機の上にスマートフォン900が置かれる映像がディスプレイされてよい。
【1108】
また、空気清浄ファン及びテーブル型空気清浄機は、睡眠モードに切り替えられてよい。空気清浄ファンは、使用者の最近の睡眠記録による最適な空気清浄状態で調節するようにセッティングされてよい。
【1109】
また、スマートスピーカーは、睡眠誘導音をターンオンさせることができる。スマート照明は、徐々に暗くなり(dimming)消える状態にセッティングされてよい。
【1110】
一方、動作温度が摂氏24度にセッティングされたエアコンの作動によって、寝室の室内温度は初期温度であった摂氏29度から動作温度である摂氏24度に向かって下降することができる。
【1111】
図42に見るように、使用者の寝入り状態が感知された時点(00:20)に、エアコンは使用者の最近の睡眠記録による最適温度(例:摂氏22度)に再びセッティングされ、睡眠モードに切り替えられてよい。
【1112】
また、スマートスピーカーは、使用者の寝入りをこれ以上誘導する必要がないので、睡眠誘導音をターンオフさせることができる。
【1113】
一方、動作温度が最適温度である摂氏22度に再びセッティングされ、エアコンが作動することにより、寝室の室内温度は摂氏24度から最適温度である摂氏22度に向かって下降し、使用者の最適空気清浄状態にセッティングされた空気清浄ファン及びテーブル型空気清浄機の継続した動作によって、空気の質は「良い」状態に転換されてよい。
【1114】
もし、時点(00:40)に、使用者に睡眠途中のいびき及び/又は睡眠無呼吸症が発生したと仮定する場合、加湿器の内部に装着された音響センサが使用者の息づかいの変化を感知し、加湿器内のプロセッサ830が使用者の鼻を保護するために加湿器の電源をターンオンさせることができる。これにより、初期湿度であった30%が50%に上昇することができる。
【1115】
一方、スマートスピーカーは、使用者の再入眠を誘導するために、睡眠誘導音をターンオンさせることができる。
【1116】
図43に見るように、複数個のスマート家電機器800それぞれの内部に装着された音響センサが感知した使用者の息づかいを介して、内蔵されたプロセッサが使用者が熟睡状態に進入したことを判別することができる。この場合、各スマート家電機器800の現在の状態を引き続き維持させることができる。
【1117】
もし、起床予定時間(01:40)が近づいた時点(01:20)に、使用者の睡眠段階のうちREM睡眠段階が感知されたと仮定する場合、スマート照明が明け方シミュレーション(Dawn simulation)動作をターンオンさせることができる。
【1118】
最後に、図44に見るように、起床予定時間である時点(01:40)に、使用者の睡眠段階のうち起床段階が感知されたと仮定する場合、エアコンは自動モードに切り替えられて動作温度が摂氏24度に再びセッティングされてよい。
【1119】
また、空気清浄ファンは、送風及び/又は朝の気持ち良い風モードにセッティングされてよい。テーブル型空気清浄機は、自動モードにセッティングされてよい。
【1120】
また、スマートスピーカーは、使用者の起床を誘導するために、起床誘導音をターンオンさせることができる。スマート照明は、明け方シミュレーション(Dawn simulation)動作以降には、寝室で点いている必要がないので、消える状態にセッティングされてよい。
【1121】
また、時点(02:00)に、使用者の起床状態が感知されたと仮定する場合、テーブル型空気清浄機内のカラームードなどが緑色などにターンオンされてよい。また、スマートスピーカーが「グッドモーニング」の挨拶の言葉などの音響と共に、当日の天気情報を聴覚的に使用者に提供することができる。
【1122】
以上で説明した具体的な数値と、スマート家電機器の動作は、本発明の内容の理解を助けるための例示に過ぎず、本発明はこれに制限されるわけではない。
【1123】
本発明の実施形態と関連して説明された方法又はアルゴリズムの段階は、ハードウェアで直接具現されたり、ハードウェアによって実行されるソフトウェアモジュールで具現されたり、又は、これらの結合によって具現されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスク、着脱型ディスク、CD-ROM、又は、本発明が属する技術分野における公知の任意の形態のコンピュータ読み取り可能記録媒体に奏することもできる。
【1124】
本発明の構成要素は、ハードウェアであるコンピュータと結合して実行されるためにプログラム(又は、アプリケーション)で具現されて媒体に格納されてよい。本発明の構成要素は、ソフトウェアプログラミング又はソフトウェア要素で実行されてよく、これと類似するように、実施形態は、データ構造、プロセス、ルーティン、又は他のプログラミング構成の組み合わせで具現される多様なアルゴリズムを含み、C、C++、ジャバ(Java)、アセンブラ(assembler)などのようなプログラミング、又はスクリプト言語で具現されてよい。機能的な側面は、1以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムで具現されてよい。
【1125】
本発明の技術分野で通常の知識を有する者は、ここに開示された実施形態と関連して説明された多様な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、及びアルゴリズム段階が電子ハードウェア、(便宜のために、ここでは「ソフトウェア」と指称する)多様な形態のプログラム、又は設計コード、又はこれら全ての結合によって具現さ得るということを理解するだろう。ハードウェア及びソフトウェアのこのような相互互換性を明確に説明するために、多様な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及び段階が、これらの機能と関連して前記で一般的に説明された。このような機能がハードウェア又はソフトウェアとして具現されるか否かは、特定のアプリケーション及び全体システムに対して課される設計制約によって左右される。本発明の技術分野における通常の知識を有する者は、それぞれの特定のアプリケーションに対して多様な方式で説明された機能を具現することができるが、このような具現の決定は本発明の範囲を逸脱するものと解釈されてはならないだろう。
【1126】
ここで提示された多様な実施形態は、方法、装置、又は標準プログラミング及び/又はエンジニアリング技術を使用した製造物(article)で具現されてよい。用語「製造物」は、任意のコンピュータ読み取り可能装置からアクセス可能なコンピュータプログラム、キャリア、又は媒体(media)を含む。例えば、コンピュータ読み取り可能媒体は、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ、など)、光学ディスク(例えば、CD、DVD、など)、スマートカード、及びフラッシュメモリ装置(例えば、EEPROM、カード、スティック、キードライブ、など)を含むが、これらに制限されるわけではない。また、ここで提示される多様な記憶媒体は、情報を格納するための1以上の装置及び/又は他の機械読み取り可能な媒体を含む。用語「機械読み取り可能媒体」は、命令及び/又はデータを格納、保有、及び/又は、伝達できる無線チャネル及び多様な他の媒体を含むが、これらに制限されるわけではない。
【1127】
提示されたプロセスにある段階の特定の順序又は階層構造は、例示的な接近の一例であることを理解するようにする。設計優先順位に基づいて、本発明の範囲内においてプロセスにある段階の特定の順序又は階層構造が再配列され得るということを理解するようにする。添付された方法の請求項は、サンプル順序で多様な段階のエレメントを提供するが、提示された特定の順序又は階層構造に限定されることを意味しない。
【1128】
提示された実施形態に対する説明は、任意の本発明の技術分野における通常の知識を有する者が、本発明を利用したり又は実施できるように提供される。このような実施形態に対する多様な変形は、本発明の技術分野における通常の知識を有する者に明白なものであり、ここに定義された一般的な原理は、本発明の範囲を逸脱することなしに他の実施形態に適用され得る。そして、本発明はここに提示された実施形態で限定されるのではなく、ここに提示された原理及び新規の特徴と一貫する最広義の範囲で解釈されなければならないだろう。
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7
図8
図9
図10
図11(a)】
図11(b)】
図12
図13
図14
図15
図16(a)】
図16(b)】
図16(c)】
図16(d)】
図17(a)】
図17(b)】
図18
図19
図20
図21
図22
図23(a)】
図23(b)】
図23(c)】
図23(d)】
図24(a)】
図24(b)】
図25(a)】
図25(b)】
図25(c)】
図25(d)】
図26
図27
図28
図29
図30
図31(a)】
図31(b)】
図32(a)】
図32(b)】
図33(a)】
図33(b)】
図34
図35
図36(a)】
図36(b)】
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
【国際調査報告】