(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】ネットワーク対応スマート機器、及び、システム、及び、起動及びプロビジョニングのための方法
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20240410BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240410BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20240410BHJP
H04L 67/141 20220101ALI20240410BHJP
H04M 1/72409 20210101ALI20240410BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
H04L12/28 500A
H04L67/141
H04M1/72409
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558875
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022021761
(87)【国際公開番号】W WO2022204413
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519111877
【氏名又は名称】キャピタル・ワン・サービシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Capital One Services, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ルール,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
5K048
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5K048AA04
5K048BA01
5K048BA08
5K048BA12
5K048BA42
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB06
5K127BA03
5K127BB05
5K127BB33
5K127DA13
5K127FA07
5K127GA14
5K127JA42
5K127KA01
5K127KA02
5K201AA09
5K201BA01
5K201CA10
5K201CB10
5K201CB11
5K201CB12
5K201EA08
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED08
5K201EE05
(57)【要約】
ネットワーク対応機器は、データ処理システムと、1以上の運用システムと、広域及びローカルネットワーク通信インタフェースと、メモリとを備える。メモリは、機器識別情報、少なくとも1つのサービスアプリケーション、及び、起動アプリケーションを格納している。起動アプリケーションは、データ処理システムに、NFC対応ウェブページを生成させる。データ処理システムは、ユーザデバイスに、NFC対応ウェブページに案内する指示を送信し、ユーザがNFC対応スマート取引カードをタップするための指示を送信する。機器データ処理システムは、また、スマート取引カードによりユーザデバイスに送信されたNFC情報を、NFC対応ウェブページを通じて読み取る。アプリケーションは、機器に、NFC情報をサービス管理サーバに送信させ、サービス管理サーバから、サービス起動指令を受け取らせる。アプリケーションは、応答的に、少なくとも1つのサービスアプリケーションを起動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク対応機器であって、
機器データ処理システムと、
前記機器データ処理システムと通信し、及び、機械的又は電気的な動作を実行するために構成された少なくとも1つの運用システムと、
広域ネットワークを通じた通信を確立するために構成された第1ネットワーク通信インタフェースと、
ローカルネットワークを通じた通信を確立するために構成された第2ネットワーク通信インタフェースと、
機器識別情報、少なくとも1つのサービスアプリケーション、及び、起動アプリケーションを格納したメモリと、
を備え、
前記少なくとも1つのサービスアプリケーションは、前記機器データ処理システムが、前記少なくとも1つの運用システムを用いてサービス動作を実施するための指示を含み、
前記起動アプリケーションは、前記機器データ処理システムが、
前記第1ネットワーク通信インタフェースを通じたインターネット接続を確立し、
近距離無線通信(NFC)対応ウェブページを生成し、
前記第2ネットワーク通信インタフェースを通じてユーザデバイスに、前記NFC対応ウェブページに案内する指示を送信し、
前記NFC対応ウェブページを通じて前記ユーザデバイスに、前記ユーザデバイスのユーザがNFC対応スマート取引カードを前記ユーザデバイスにタップするための指示を送信し、
前記スマート取引カードにより前記ユーザデバイスに送信された、前記スマート取引カードに固有のカード識別情報を含むNFC情報を、前記NFC対応ウェブページを通じて読み取り、
前記NFC情報及び前記機器識別情報をサービス管理サーバに送信し、
前記サービス管理サーバから、サービス起動指令を受け取り、
前記サービス起動指令に応答して、前記少なくとも1つのサービスアプリケーションのうちの少なくとも1つを起動する、
ための指示を含む、
ネットワーク対応機器。
【請求項2】
前記第2ネットワーク通信インタフェースは、無線ローカルエリアネットワーク通信ノードとしての動作のために構成された無線アクセスポイントモジュールを備え、
前記起動アプリケーションは、前記機器データ処理システムが前記無線ローカルエリアネットワーク通信ノードを起動するための指示を、さらに含み、
サービス開始通信は、前記ユーザデバイスから前記無線ローカルエリアネットワークノードを通じて受け取られる、
請求項1のネットワーク対応機器。
【請求項3】
前記起動アプリケーションは、前記機器データ処理システムがローカルエリアネットワークへの接続を確立するための指示をさらに含み、
サービス開始通信は、前記ユーザデバイスから、前記ローカルエリアネットワークを通じて受け取られる、
請求項1のネットワーク対応機器。
【請求項4】
前記サービス管理者は、インターネットサービス提供者であり、
前記機器は、ネットワークルータを含む、
請求項1のネットワーク対応機器。
【請求項5】
前記機器は、家庭用機器である、又は、家庭用機器を含む、
請求項1のネットワーク対応機器。
【請求項6】
前記機器は、配電システムである、又は、配電システムを含む、
請求項1のネットワーク対応機器。
【請求項7】
前記機器は、家庭用環境制御システムである、又は、家庭用環境制御システムを含む、
請求項1のネットワーク対応機器。
【請求項8】
近距離無線通信(NFC)対応ユーザデバイスと、カードアカウントに関連付けられたNFC対応スマート取引カードとを用いて、ネットワーク対応機器を起動するための方法であって、
前記ネットワーク対応機器により、インターネット接続を確立すること、
前記ネットワーク対応機器により、NFC対応ウェブページを生成すること、
前記ネットワーク対応機器により、前記ユーザデバイスに、前記NFC対応ウェブページに案内する指示を送信すること、
前記ネットワーク対応機器により、前記ユーザデバイスに、前記NFC対応ウェブページを通じて、前記ユーザが前記スマート取引カードを前記ユーザデバイスにタップするための指示を送信すること、
前記ネットワーク対応機器により、前記NFC対応ウェブページを通じて、前記スマート取引カードにより前記ユーザデバイスに送信された、前記スマート取引カードに固有のカード識別情報を含むNFC情報を読み取ること、
前記ネットワーク対応機器により、サービス管理者のサービス管理サーバに、前記NFC情報及び機器識別情報を送信すること、
前記サービス管理サーバにより、前記機器識別情報を用いて、前記ネットワーク対応機器を識別すること、
前記サービス管理サーバにより、前記NFC情報をカード管理サーバに送信すること、
前記サービス管理サーバにより、前記カード管理サーバから、前記カードアカウントに関連付けられたカードアカウント情報を受け取ること、
前記サービス管理サーバにより、前記カードアカウント情報を用いて、アカウント所有者を識別すること、
前記サービス管理サーバにより、前記ネットワーク対応機器を前記カードアカウントに、機器サービスアカウントを前記サービス管理者に関連付けること、及び、
前記サービス管理サーバにより、前記ネットワーク対応機器に、サービス起動指令を送信すること、
を含む、
方法。
【請求項9】
前記ネットワーク対応機器と広域ネットワークとの間の接続を確立すること、及び、
前記ネットワーク対応機器により、前記ユーザデバイスとの通信のための無線ローカルエリアネットワークノードを起動すること、
をさらに含み、
サービス開始通信は、前記無線ローカルエリアネットワークノードを通じて、前記ユーザデバイスから、受け取られ、
前記インターネット接続は、前記広域ネットワークを通じて確立される、
請求項8の方法。
【請求項10】
サービス開始通信を、前記ネットワーク対応機器により、前記ユーザデバイスから受け取ることをさらに含む、
請求項8の方法。
【請求項11】
前記NFC情報の少なくとも一部は、暗号化情報である、
請求項8の方法。
【請求項12】
前記暗号化情報は、前記スマート取引カードにより暗号化されており、前記取引カードによる前記ユーザデバイスへの前記NFC送信に固有の情報を含む、
請求項11の方法。
【請求項13】
前記カードアカウント情報は、前記スマート取引カードに関連付けられたカードアカウント所有者の身元を含む、
請求項8の方法。
【請求項14】
前記サービス管理サーバにより、前記カードアカウント所有者が既存のサービス管理者アカウントを有しているかどうかを決定すること、及び、
前記カードアカウント所有者が既存のサービス管理者アカウントを有しているという決定に応答して、前記機器サービスアカウントを前記既存のサービス管理者アカウントとなるように設定すること、
をさらに含む、
請求項13の方法。
【請求項15】
前記カードアカウント所有者が既存のサービス管理者アカウントを有していないという決定に応答して、
前記カードアカウント情報を用いて、前記カードアカウント所有者に対して、新規なサービス管理者アカウントを設立し、
前記機器サービスアカウントを前記新規なサービス管理者アカウントとなるように設定すること、
をさらに含む、
請求項14の方法。
【請求項16】
前記ネットワーク対応機器と広域ネットワークとの間の接続を確立すること、及び、
前記ネットワーク対応機器とローカルエリアネットワークとの間の接続を確立すること、
をさらに含み、
サービス開始通信は、前記ユーザデバイスから、前記ローカルエリアネットワークを通じて受け取られ、
前記インターネット接続は、前記広域ネットワークを通じて確立される、
請求項8の方法。
【請求項17】
近距離無線通信(NFC)対応ユーザデバイスと、カードアカウントに関連付けられたNFC対応スマート取引カードとを用いて、ネットワーク対応機器を起動するための方法であって、
前記ネットワーク対応機器と前記ユーザデバイスとの間の接続を確立すること、
前記ネットワーク対応機器により、NFC対応ウェブページを生成すること、
前記ユーザデバイスのウェブブラウザにより、前記NFC対応ウェブページに案内すること、
前記スマート取引カードと前記ユーザデバイスとの間のNFC通信を確立すること、
前記ネットワーク対応機器により、前記NFC対応ウェブページを通じて、前記スマート取引カードにより前記ユーザデバイスに送信された、前記スマート取引カードに固有のカード識別情報を含む前記NFC情報を読み取ること、
前記ネットワーク対応機器により、サービス管理サーバに、前記NFC情報及び機器識別情報を送信すること、
前記サービス管理サーバにより、前記NFC情報をカード管理サーバに送信すること、
前記カード管理サーバにより、前記NFC情報を用いて、前記スマート取引カードに関連付けられたカードアカウントを識別すること、
前記カード管理サーバにより、前記サービス管理サーバに、前記カードアカウントに関連付けられたカードアカウント情報を送信すること、
前記サービス管理サーバにより、前記カードアカウント情報を用いて、アカウント所有者を識別すること、
前記サービス管理サーバにより、前記ネットワーク対応機器を前記カードアカウントに、機器サービスアカウントを前記サービス管理者に関連付けること、及び、
前記サービス管理サーバにより、前記ネットワーク対応機器に、前記サービス管理サーバから、サービス起動指令を送信すること、
を含む、
方法。
【請求項18】
前記NFC情報の少なくとも一部は、暗号化情報である、
請求項17の方法。
【請求項19】
前記暗号化情報は、前記スマート取引カードにより暗号化されており、前記ユーザデバイスへの前記NFC送信に固有の情報を含む、
請求項18の方法。
【請求項20】
前記カード管理サーバにより、前記スマート取引カードを認証することをさらに含み、
前記認証することは、前記暗号化情報を復号することを含む、
請求項18の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年3月26日に出願された米国特許出願第17/213,943号の優先権を主張する。上述の特許出願の内容は、参照によりその全体が本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、ネットワーク対応機器及び他の機器に関し、より詳細には、ウェブベースの近距離無線通信(NFC)プロトコルを使用してネットワーク対応機器を起動するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、多くの家電製品、乗物及びITシステムは、家庭内に設置すると実質的にはほぼ即時にネットワーク接続を可能にする。ただし、一般的な起動手順では、住宅所有者が新しい家電製品又は他の機器をホームネットワークに接続し、インストールアプリケーションを自宅のコンピュータ又はモバイルデバイスにダウンロードする必要がある。次に、アプリケーションは、住宅所有者の使用設定に従って、新しい機器を起動しプロビジョニングするプロセスを住宅所有者に案内する。通常、これにはユーザが新しいデバイスを設置して識別情報を入力する必要がある。アプリケーションでは、住宅所有者がデバイスの管理又は使用に必要なアカウント情報を提供することを要求する場合もある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の例示的な態様は、機器データ処理システムと、機器データ処理システムと通信し、及び、機械的又は電気的な動作を実行するために構成された少なくとも1つの運用システムと、広域ネットワークを通じた通信を確立するために構成された第1ネットワーク通信インタフェースと、ローカルネットワークを通じた通信を確立するために構成された第2ネットワーク通信インタフェースと、メモリと、を備えるネットワーク対応機器を提供する。メモリは、機器識別情報、少なくとも1つのサービスアプリケーション、及び、起動アプリケーションを格納している。少なくとも1つのサービスアプリケーションは、機器データ処理システムが、少なくとも1つの運用システムを用いてサービス動作を実施するための指示を含む。起動アプリケーションは、機器データ処理システムが、第1ネットワーク通信インタフェースを通じたインターネット接続を確立し、NFC対応ウェブページを生成するための指示を含む。アプリケーションは、さらに、第2ネットワーク通信インタフェースを通じてユーザデバイスに、NFC対応ウェブページに案内する指示を送信し、NFC対応ウェブページを通じてユーザデバイスに、ユーザデバイスのユーザがNFC対応スマート取引カードをユーザデバイスにタップするための指示を送信する指示を含む。アプリケーションは、また、スマート取引カードによりユーザデバイスに送信されたNFC情報を、NFC対応ウェブページを通じて読み取る指示を含む。NFC情報は、スマート取引カードに固有のカード識別情報を含む。アプリケーションは、まださらに、NFC情報及び機器識別情報をサービス管理サーバに送信し、サービス管理サーバから、サービス起動指令を受け取る指示を含む。アプリケーションは、サービス起動指令に応答して、少なくとも1つのサービスアプリケーションのうちの少なくとも1つを起動させる。
【0005】
本発明の別の態様は、NFC対応ユーザデバイスと、カードアカウントに関連付けられたNFC対応スマート取引カードとを用いて、ネットワーク対応機器を起動するための方法を提供する。方法は、ネットワーク対応機器により、インターネット接続を確立すること、ネットワーク対応機器により、NFC対応ウェブページを生成すること、及び、ネットワーク対応機器により、ユーザデバイスに、NFC対応ウェブページに案内する指示を送信することを含む。方法は、さらに、ネットワーク対応機器により、ユーザデバイスに、NFC対応ウェブページを通じて、ユーザがスマート取引カードをユーザデバイスにタップするための指示を送信すること、及び、ネットワーク対応機器により、NFC対応ウェブページを通じて、スマート取引カードによりユーザデバイスに送信されたNFC情報を読み取ることを含む。NFC情報は、スマート取引カードに固有のカード識別情報を含む。方法は、まださらに、ネットワーク対応機器により、サービス管理者のサービス管理サーバに、NFC情報及び機器識別情報を送信すること、サービス管理サーバにより、機器識別情報を用いて、ネットワーク対応機器を識別すること、及び、サービス管理サーバにより、NFC情報をカード管理サーバに送信することを含む。方法はまた、サービス管理サーバにより、カード管理サーバから、カードアカウントに関連付けられたカードアカウント情報を受け取ること、サービス管理サーバにより、カードアカウント情報を用いて、アカウント所有者を識別すること、及び、サービス管理サーバにより、ネットワーク対応機器をカードアカウントに、機器サービスアカウントをサービス管理者に関連付けることを含む。方法は、さらに、サービス管理サーバにより、ネットワーク対応機器に、サービス起動指令を送信することを含む。
【0006】
本発明の別の態様は、NFC対応ユーザデバイスと、カードアカウントに関連付けられたNFC対応スマート取引カードとを用いて、ネットワーク対応機器を起動するための方法を提供する。方法は、ネットワーク対応機器とユーザデバイスとの間の接続を確立すること、ネットワーク対応機器により、NFC対応ウェブページを生成すること、及び、ユーザデバイスのウェブブラウザにより、前記NFC対応ウェブページに案内することを含む。方法は、さらに、スマート取引カードとユーザデバイスとの間のNFC通信を確立すること、及び、ネットワーク対応機器により、NFC対応ウェブページを通じて、スマート取引カードによりユーザデバイスに送信された、NFC情報を読み取ることを含む。NFC情報は、スマート取引カードに固有のカード識別情報を含む。方法は、まださらに、ネットワーク対応機器により、サービス管理サーバに、NFC情報及び機器識別情報を送信すること、及び、サービス管理サーバにより、NFC情報をカード管理サーバに送信することを含む。方法は、また、カード管理サーバにより、NFC情報を用いて、スマート取引カードに関連付けられたカードアカウントを識別すること、及び、カード管理サーバにより、サービス管理サーバに、カードアカウントに関連付けられたカードアカウント情報を送信することを含む。方法は、その上さらに、サービス管理サーバにより、カードアカウント情報を用いて、アカウント所有者を識別すること、サービス管理サーバにより、ネットワーク対応機器をカードアカウントに、機器サービスアカウントをサービス管理者に関連付けること、及び、サービス管理サーバにより、ネットワーク対応機器に、サービス管理サーバから、サービス起動指令を送信することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、添付の図面とともに以下の詳細な説明を読むことによって、より完全に理解することができる。図面では、同様の要素を示すために同様の参照符号が使用される。
【
図1】本発明の一実施の形態の動作シナリオを示すシーケンス図
【
図2】本発明の方法と併せて使用可能なネットワーク対応スマート機器を有するホームネットワークの概略図
【
図3】本発明の実施の形態で使用可能なスマート機器の概略図
【
図4】本発明の方法と併せて使用可能なユーザ処理装置の概略図
【
図5】本発明の一実施の形態によるネットワーク対応スマート機器を起動するためのネットワークベースのシステムの概略図
【
図6】本発明の実施の形態で使用可能な取引カードのマイクロプロセッサチップの概略図
【
図7】本発明の実施の形態で使用可能な機器サービス管理サーバの概略図
【
図8】本発明の実施の形態で使用可能なカードアカウント管理サーバの概略図
【
図9】本発明の一実施の形態によるスマート機器を起動する方法のフローチャート
【
図10】本発明の一実施の形態によるスマート機器を起動する方法のフローチャート
【
図11】本発明の一実施の形態によるスマート機器を起動する方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を特定の実施の形態及び製造環境に関連して説明するが、本発明がこれらの実施の形態及び環境に限定されないことが理解され得る。逆に、説明した本発明の精神及び範囲内に、様々な代替物、修正物、及び均等物が含まれることが企図される。
【0009】
本発明は、ネットワーク接続された様々なスマート家電製品及び他の機器を起動及びプロビジョニングするためのシステム及び方法を提供する。住宅が「モノのインターネット」を介して統合されるにつれ、住宅所有者は、新しい家電製品を購入するたびに、その家電製品をホームネットワークに追加し、サービスを確立し、ニーズに合致するように家電製品を構成しなければならないということに気付き始めている。このプロセスは、一意に識別可能なスマート家電製品又はデバイス(つまり、ネットワーク対応処理システムを備えたデバイス)で必要になる場合がある。典型的な従来技術のシナリオでは、ユーザは、インターネットサービス提供者(ISP)と連携して使用するWi-Fiルータ等のデバイスを購入する。ユーザは、ISPでアカウントを設立する必要があり、ルータの初期化とインターネットサービスの確立に使用するアプリケーションをダウンロードするよう求められる場合がある。アプリでは、ユーザがユーザのアカウントにログオンし、ルータの底部にあるバーコードをスキャンすることが要求される場合がある。次に、ISPはルータをユーザアカウントに関連付け、サービスの確立とルータの構成に使用され得る一連のクエリをユーザに行わせる。
【0010】
本発明の方法では、家電製品又は他の機器は、ユーザのモバイル又は他のデバイスを介してNFC対応取引カードから情報を取得するために使用され得る独自のウェブページを確立する機能を備えていてもよい。これは、取引カードからNFC情報を読み取り、解釈するように構成されたAPIコールを有するモバイルデバイスのアプリケーションを必要とせずに実現できる。取引カード情報はスマートデバイスによって直接読み取られ、カード情報を使用してユーザを識別してサービスを確立し得るISP又は他のサービス提供者に渡される。これにより、サービス開始プロセスの効率とセキュリティが強化されるだけでなく、ユーザ用のプロセスが簡素化される。
【0011】
NFCは磁気誘導を利用して動作する。電力が供給されたNFCリーダは、送信機(通常は電力が供給されていない)が入り得る磁場を生成する。磁場に入ることで、送信機内に電流が発生し、これは、受信機へのデータ送信に電力を供給するために使用され得る。NFC機能は、取引処理デバイス(例えば、業者チェックアウトデバイス)、又は、モバイル及び他のユーザデバイスに組み込まれ得る。NFC送信機は、パッシブタグであってもよいし、以下でより詳細に説明するように、スマート取引カードに組み込まれ得る。
【0012】
NFC機能はユーザデバイスに組み込まれ得る一方で、タグ又は他の送信機からNFCで送信された情報を解釈する能力は、ユーザデバイスに搭載されたアプリケーションの使用を必要とする。例えば、モバイルデバイスがタグの固有の識別子を読み取って解釈する場合、ユーザはタグとのNFC通信を確立する前にアプリケーションを開く必要がある。その後、タグがユーザデバイスのNFC範囲内に持ち込まれると、デバイスはタグの識別子を読み取って解釈する。アプリケーションが存在しない場合、NFC情報を「読み取る」ことはできるが、その情報は使用できない。
【0013】
NFCアプリケーションをユーザデバイスにロードする必要を回避するために、本発明の実施の形態は、ブラウザベースのNFC(ここでは「ウェブNFC」と呼ぶ)を利用する。ウェブNFCは、ウェブページジャバスクリプト(JavaScript)を介してNFCを使用するための簡素化されたAPIである。ウェブNFCは、特別な権限を必要とする強力な低レベルAPIではなく、高レベルのアプローチを使用する。つまり、ウェブNFCは、ユーザデバイスのブラウザを通じたNFCタグの読み取りを可能にする。これは、ユーザのデバイスに追加のアプリケーションをダウンロードする必要がないことを意味する。NFCで送信された情報は、ユーザデバイスを介して、ウェブページを介して動作するサーバ又は機器に単純に渡されます。
【0014】
以下でより詳細に説明するように、本発明の方法は、ローカルネットワークを介してユーザデバイスに接続された1以上のネットワーク対応スマート機器を有する典型的なホームネットワーク及び家電製品制御システムと併せて使用され得る(
図2参照)。ユーザデバイスとスマート機器は、これらのデバイスとスマート機器の動作に関連するISP及び/又は1以上の他のサービス提供者との間の通信を可能にする広域ネットワークに接続することもできる(
図5参照)。
【0015】
本発明の方法の例示的なシナリオは、
図1に示すように、ネットワーク対応スマート機器を初期化及びプロビジョニングするための一連の操作に従い得る。このシナリオでは、ユーザはネットワーク対応スマート機器を購入又はそうでなければ取得し、電源を入れてインターネットに接続する。インターネット接続は、例えば、モデム又はWiFiサーバへの有線又は無線接続を介し得る。次に、スマート機器はインターネット接続を使用してウェブページを生成する。いくつかの実施の形態では、スマート機器は代わりにサービス管理サーバに連絡し、ウェブページの生成を要求し得る。ウェブページが設置されると、スマート機器はウェブページアドレスをユーザデバイスに通信する(1100)。ユーザデバイスとの通信は、機器をホームネットワークに接続することによって確立され得る。しかしながら、いくつかの実施の形態では、機器は、ユーザデバイスが接続できる限定範囲の無線アクセスポイント(すなわち、「ホットスポット」)として動作するように構成され得る。アドレスを受信すると、ユーザデバイスのブラウザは、ウェブページに移動し、ウェブページは、ユーザにNFC対応スマートカードをユーザデバイスの通信範囲内に持ち込むように指示する。(この動作は、ここででは、取引カードをユーザデバイスに「タップする」と呼ばれる場合がある)。取引カードをユーザデバイスにタップする動作により、取引カードからユーザデバイスを介してスマートデバイスに、ウェブNFCを介してNFC情報が送信される(1200)。
【0016】
NFC情報は、ユーザのカードアカウントに関連付けられた取引カードの固有識別子であってもよいし、当該固有識別子を含んでもよい。1300において、スマート機器は、カード識別子を含む、NFC情報の一部又は全部を、機器又は機器によって提供されるサービスに関連付けられたサービス管理サーバに送信し得る。機器はまた、それ自体の固有の識別子を送信し得る。サービス管理サーバは、NFC情報を使用して、カードに関連付けられたアカウントの管理者を識別し得る。1400で、サービス管理サーバは、カード識別子を含む、NFC情報の一部又は全部を、カードアカウント管理者のサーバに送信する。カードアカウント管理者は、NFC情報を使用して取引カードに関連付けられたアカウントを決定し、1500でアカウント情報をサービス管理サーバに返信する。このアカウント情報は、サービス管理サーバがユーザがサービス管理者の既存のサービスアカウントを持っているかどうかを判断したり、ユーザに新しいサービスアカウントを設立したりするために使用できるアカウント所有者に関する情報を含み得る。次いで、サービス管理サーバは、アカウント情報を機器に関連付け、1600でサービス起動指令を機器に送信し得る。サービス起動指令は、デフォルトのプロビジョニング指示、又は、既存のサービスアカウントの設定に基づいて決定されたプロビジョニング指示を含み得る。いくつかの実施の形態では、サービス管理サーバは、ユーザに連絡して、プロビジョニング設定を要求し、受信し得る。
【0017】
ユーザの観点から見ると、上記のシナリオは、ユーザが機器を接続し、機器とユーザデバイス間の通信を確立し、機器によって識別されたウェブページを開き、取引カードをユーザデバイスにタップするだけである高度に単純化された起動/プロビジョニング経験を提供する。
送信します。
【0018】
次に、本発明のシステム及び方法についてより詳細に説明する。
【0019】
図2は、本発明の方法と併せて使用可能な、本発明の一実施の形態による典型的なホームベースのスマート機器制御システム100を示す。スマート機器制御システム100は、ユーザ処理装置110と、1以上のスマート家電製品又は他の機器とを備える。ここで使用される場合、スマート家電製品という用語は、直接的な有線或いは無線通信を通じて、又は、ネットワーク(例えば、ネットワーク105)を通じてのいずれかにより、ユーザデータ処理装置(ユーザ装置110等)から制御指示を受け取ることができるデータ処理システムを有する制御可能な車両、家電製品、又は、他の機構或いはシステムを指すために使用される。
図2の例示的な例では、システム100のスマート機器には、車両120、冷蔵庫130、衣類洗濯機140、冷暖房システム150、「スマートスピーカ」160、WiFiルータ170、及び、一般的なネットワーク対応機器190が含まれる。これらの機器のそれぞれは、ユーザ装置110も接続されているローカルネットワーク105を介して相互に接続され得る。
【0020】
図2及び
図3を参照すると、汎用スマート機器190を使用して、本発明のシステムで使用可能な様々なスマート機器に共通の特徴を説明することができる。
図3に示すように、スマート機器190は、データ処理システム191と、1以上の機械的及び/又は電気的運用システム197とを備える。1以上の運用システム197は、機器190がその機能を実行できるようにする、装置190の全ての運用ハードウェアを包含する。例えば、冷蔵庫等の電気製品では、密閉された区画を冷却するための主機構と副機構、及び電源システムの全てがこれに含まれる。洗濯機では、洗濯ドラムの充填、撹拌、回転、及び、排水のための全ての機構が含まれる。車両では、動力供給、ステアリング、ブレーキ、冷却等の様々なシステムが含まれ得る。
【0021】
データ処理システム191は、機器190と通信し、その動作を制御するための要素を備える。これらには、運用システム197の1以上の運用パラメータを監視及び制御するように構成された制御データプロセッサ192が含まれ得る。このようなパラメータは、「オン又はオフ」のように単純な場合もあれば、洗濯機の洗濯サイクルに関連するパラメータ(例えば、水の充填及び排水の制御及びタイミング、水温、撹拌サイクル等)等のより複雑な場合もあり得る。制御プロセッサ192のための運用指示は、メモリモジュール195に記憶され得る。これらの指示は、永続的に保存された指示と、一時的な、ユーザから与えられる指示との組み合わせであり得る。多くの場合、メモリ195には、所定の運用モードが格納されている可能性がある。メモリ195にはまた、所定の状況(例えば、過熱状態又は過剰な電流引き込み)下での運用システム197の動作を防止する運用制限が格納されている可能性がある。これらは、例えば、制御プロセッサ192が運用システム197の動作モードを変更すること、又はそれを完全にシャットダウンすることさえも要求し得る。
【0022】
メモリモジュール195にはまた、装置データ処理システムがサービス動作を実施するための指示を含む1以上のサービスアプリケーションが格納され得る。これらのサービスアプリケーションは、機器190、又は、機器190によって或いは機器190を通じて提供されるサービスに関連付けられたユーザ又はサービス管理者から受信した動作指示を実行するための制御プロセッサ192に対する指示を含み得る。例えば、機器190が他のデバイスをインターネットに接続するために使用されるルータである場合、サービス管理者はISPであり得、1以上のサービスアプリケーションはISPによって確立及び/又は制御され得る。
【0023】
メモリモジュール195には、機器190の動作の初期化を容易にするウェブページを構成するためのソフトウェアが格納され得る。ウェブページコーディングは、ユーザデバイスのブラウザを介して、取引カードから送信されたNFC情報を読み取るように構成されたウェブNFCジャバスクリプト(Java Script)を含み得る。
【0024】
データ処理システム191へのユーザ入力は、システム191に情報、制御入力、及び指示を入力するための任意のデバイスであるか、又はそれを含むユーザインタフェース194を使用して受け取られ得る。多くの場合、ユーザインタフェース194は、予め設定された制御機能を有するボタン及び/又はダイヤルの組み合わせであり得る。いくつかの機器では、ユーザインタフェース194は、タッチスクリーン、キーボード、マウス、カーソル制御装置、マイク、スタイラス、又はデジタルカメラ等のより複雑なデバイスを含み得る。
【0025】
データ処理システム191はまた、制御プロセッサ192と通信し、
図2のローカルネットワーク105等の1以上のネットワークを介した通信のために構成されたローカルエリア通信インタフェース193を含む。特に、通信インタフェース193は、制御プロセッサ192がローカルネットワーク105を介してユーザ装置110との間で送信信号を送受信できるように構成され得る。いくつかの実施の形態では、通信インタフェース193は、短距離無線通信(例えば、NFC、無線周波数識別(RFID)、及び/又はブルートゥース(登録商標)による)をサポートするように構成され得る。データ処理システム191はまた、
図5のネットワーク230等の広域ネットワーク(例えば、電気通信ケーブルネットワーク)に接続するように構成された第2通信インタフェース198を含み得る。広域ネットワーク通信インタフェースは、特に、広域ネットワークを介して1以上のリモートサーバとの間で送信信号を送受信するように構成され得る。
【0026】
いくつかの実施の形態では、データ処理システム191は、WAN通信インタフェース198と通信する無線ホットスポットモジュール199を含み得る。ホットスポットモジュール199は、メモリモジュール195に格納されたソフトウェアと組み合わされて、ユーザデバイス110との通信のためにユーザデバイス110によってアクセスされ得る限定範囲無線アクセスポイントとして動作するように構成される。
【0027】
スマート機器190は、制御プロセッサ192と通信するセンサ構成196を含み得る。センサ構成196は、運用システム197の1以上の運用パラメータ及び/又は機器190が動作している環境の測定可能なパラメータを監視するように構成され得る。例えば、冷蔵庫の場合、センサ構成196は、冷蔵庫の様々な区画の温度を監視するための温度センサを含み得る。家庭用暖房システムでは、センサ構成196は室内温度センサを含み得る。センサ構成196は、運用システム197の状態又は動作特性を監視するためのセンサを含み得る。これには、例えば、機械の内部温度を測定するためのセンサが含まれ、内部温度が一定のレベルを超えると、機器の損傷につながる可能性がある。センサ測定情報は、センサ装置196から制御プロセッサ192に転送され、制御プロセッサ192は、それを使用して運用システム197の動作を制御する。
【0028】
メモリ195はまた、機器に最初に電力が供給されてインターネットに接続されたときに実行するように構成され得る機器起動アプリケーションを格納していてもよい。起動アプリケーションは、制御プロセッサ192が、ローカルネットワーク通信インタフェース193を介して、又は無線ホットスポットモジュール199を介して、ユーザデバイス110からサービス開始通信を受信するための指示を含み得る。アプリケーションは、広域ネットワーク通信インタフェース198を介してインターネット通信を確立し、ウェブNFC対応ウェブページを生成するための指示をさらに含み得る。次に、アプリケーションは、制御プロセッサ192に、ローカル通信インタフェース193又は無線ホットスポットモジュール199を介して、ウェブページのアドレスを含み、NFC対応スマート取引カードをユーザデバイスにタップするようにユーザに指示するウェブページに移動するようにユーザに指示する通信をユーザデバイスに送信させることができる。次に、アプリケーションはウェブNFC手法を使用して、スマート取引カードによってユーザデバイスに送信されたNFC情報を読み取り、NFC情報は、スマート取引カードに固有のカード識別情報を含む。次に、アプリケーションは、プロセッサ192にNFC情報を、メモリ195に格納されている機器識別子とともにサービス管理サーバに送信させる。アプリケーションは、サービス管理サーバから返送される起動指令を受け取るように構成される。サービス指令は、動作のために機器を構成するための初期動作指示及び/又は初期プロビジョニングオプションを含み得る。これに応答して、アプリケーションは、機器動作及び/又は1以上のサービスアプリケーションを起動し得る。
【0029】
いくつかの実施の形態では、スマート機器190は、ユーティリティ(例えば、電気、水道、又はガスサービス)、電気通信リンク、又はデータ配信システム(例えば、ケーブル又は衛星)の配送又は監視を容易にするように構成されたサービス機器であり得る。このような実施の形態では、サービス管理者は、ユーティリティ、電気通信サービス、又はデータ配信サービスのサプライヤであってもよい。例えば、スマート機器が配電システムであるか配電システムの一部である場合、サービス管理者は電力を供給する電力会社となる。
【0030】
図2及び
図4を参照すると、アカウント保有者/ユーザインタフェースデバイス110は、アカウント保有者が取引を実行するため、及び/又はアカウントに関する通知を受信するために使用する任意のデータ処理及び/又は通信デバイスであってよく、例えば、スマートフォン、ラップトップ、デスクトップコンピューター、タブレットが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施の形態では、アカウント所有者デバイス110は、メモリモジュール113、ユーザインタフェース115、及び通信インタフェース117と通信するオンボードデータプロセッサ111を含む。データプロセッサ111は、マイクロプロセッサ及び関連する処理回路を含むことができ、プロセッサ、メモリ、エラー及びパリティ/CRCチェッカ、データエンコーダ、衝突防止アルゴリズム、コントローラ、コマンドデコーダ、セキュリティプリミティブ、及び、改ざん防止ハードウェアを含む追加コンポーネントを、ここで説明されている機能を実行するために必要な場合、含むことができる。メモリ113は、読み出し専用メモリ、ライトワンス・リードマルチプルメモリ、又は、読み出し/書き込みメモリ、例えば、RAM、ROM、及びEEPROMであり得、ユーザデバイス110は、これらのメモリのうちの1以上を含み得る。
【0031】
ユーザインタフェース115は、タッチスクリーン、キーボード、マウス、カーソル制御装置、マイク、スタイラス、又はデジタルカメラ等、アカウント所有者デバイス110に情報及び指示を入力するための任意のデバイスであり得るユーザ入力機構を含む。ユーザインタフェース115は、ディスプレイを含むこともでき、ディスプレイは、コンピュータモニタ、フラットパネルディスプレイ、及び、モバイルデバイス画面等の視覚情報を提示するための任意の種類のデバイスであり得、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、プラズマパネル、ブラウン管ディスプレイ等を含む。
【0032】
通信インタフェース117は、デバイス110を広域ネットワーク(例えば、
図5のネットワーク230)、ローカルネットワーク105、又は他の通信ネットワークに接続するための有線又は無線データ通信機能を確立及びサポートするように構成される。通信インタフェース117は、無線周波数識別及びブルートゥース(登録商標)等の短距離無線通信インタフェースとの通信をサポートするように構成されることもできる。特に、通信インタフェース117は、無線ホットスポットモジュール199を介してスマート機器データ処理システム191との通信を検出し、確立するように構成され得る。
【0033】
ユーザデバイス110は、NFC送信機との近距離無線通信を確立する際に使用する磁場を選択的に起動するように構成されたNFC受信機を含むNFCインタフェース119をさらに含み得る。NFCインタフェース119は、パッシブNFCタグ又は他のNFC対応デバイスが磁場内に、かつユーザデバイス110のNFC通信範囲内に持ち込まれたときに、NFC通信を確立するように構成される。NFCインタフェース119は、特に、カード102がユーザデバイス110にタップされたときに、NFC対応スマート取引カード102と通信するように構成される。
【0034】
本発明の実施の形態では、メモリ113は、アカウント保有者デバイス110と業者デバイス又は他のデバイスとの間の取引アカウント上での取引を実行及び/又は監視するためにデータプロセッサ111によって使用可能な1以上のアプリケーションを格納していてもよい。これらのアプリケーションは、取引イベントを識別し、メモリ113にイベントデータを格納し、取引処理サーバ及び/又はアカウント管理サーバにイベントデータを通信するためにデータプロセッサ111によって使用可能な指示を含み得る。一部のアプリケーションはまた、取引プロセッサ又はアカウント管理サーバ(例えば、
図5のカードアカウント管理サーバ260)からの通知及び/又は指示の受信及び解釈に関する指示も含まれ得る。
【0035】
特定の実施の形態では、メモリ113は、アカウント管理サーバからアカウント情報を受信するように構成された財務監視アプリケーションを格納していてもよい。アカウント情報は、経常アカウント残高、平均アカウント残高、プロジェクトアカウント残高、ある期間にわたる、又は期間の開始日(例えば、月初め)以降の支出を含むがこれらに限定されない、任意のアカウントパラメータに関する情報が含まれ得る。アカウント情報はまた、以前のアカウント残高、最近の取引に関する情報、計画又はスケジュールされた取引(例えば自動入金又は自動引き出し)に関する情報、及び特定の業者への支払い等の情報を含み得る。
【0036】
ユーザデバイスメモリ113はまた、ローカルネットワーク150経由してスマート機器120、130、140、150、160、170、190のうちの1以上にデータプロセッサ111が制御指示を構築して送信するための指示で構成されたスマート機器制御アプリケーションを格納していてもよい。アプリケーションは、制御される機器のメモリ113に格納された情報に従ってこれらの指示を調整するように構成され得る。汎用機器190に関連付けられた指示は、アカウント所有者にプロンプトを表示し、ユーザインタフェース115を介してアカウント所有者から機器190の制御入力情報を受信するための指示を含み得る。制御入力情報は、動作モードの選択、1以上の運用パラメータの指定、及び/又は1以上の所望の機器出力パラメータを含み得る。制御アプリケーションは、制御入力情報を受信し、機器制御命令を構築し、ローカルネットワーク105を介して機器190のデータ処理システム191に送信するようにデータプロセッサに指示するように構成され得る。機器制御指示は、機器190の運用パラメータを設定又は変更する指示を含み得る。
【0037】
制御アプリケーションはさらに、機器190のデータ処理システム191から動作情報を受信するための指示を備えて構成され得る。アプリケーションは、この情報を検討し、ユーザインタフェース115を介してアカウント所有者に情報の一部又は全部を表示するかどうかを決定するように構成され得る。いくつかの実施の形態では、制御アプリケーションは、機器190から受信した動作情報に応答して、追加の制御入力情報を要求し、受信するように構成され得る。
【0038】
ユーザデバイスメモリ113はまた、機器の動作に関する情報を受信して、その動作に対する自動変更が装置に悪影響を与えるか、又は意図しない影響を与えるかどうかを判断するように構成された指示を有する機器動作監視アプリケーションを格納していてもよい。これは、機器120、130、140、150、160、170、190のいずれか又はすべてから動作情報を受信して評価するための指示を含み得る。このような動作情報は、機器の1以上の測定された動作パラメータ及び/又は測定された環境パラメータに関する情報を含み得る。
【0039】
いくつかの実施の形態では、制御アプリケーションは、データプロセッサ111が、機器190の経験的な平均寿命及び/又はコスト情報とともに財務パラメータ情報及び運用パラメータ情報を使用して、その機器190に対して最適化された運用パラメータのセットを決定するための指示を含み得る。次いで、最適化された運用パラメータのセットは、データプロセッサ111によって機器190の制御プロセッサ192に送信される変更制御指示に含まれることができる。
【0040】
ここで
図5を参照すると、本発明の一実施の形態によるネットワーク対応スマート機器290を起動するためのシステム200は、ローカルネットワーク205を介してスマート機器290と選択的に通信し得るユーザデバイス210を含む。ユーザデバイス210及びローカルネットワーク205は、機器制御システム100に関して前述したものと同様であり得る。システム200はまた、インターネットサービス提供者240、機器サービス管理サーバ250、及びカードアカウント管理サーバ260を含み得り、それらはすべて相互に、又はユーザデバイス210及び/又はスマート機器290と、広域ネットワーク230経由で連絡し得る。
【0041】
システム200の様々なコンポーネントは、機器サービス管理者によって管理される複数のサービスアカウント、及び/又は、金融機関、販売業者又は他のカードアカウント管理者によって管理される複数の取引カードアカウントに関わる情報及び取引を処理するように構成された様々なネットワーク対応コンピュータシステムを含み得る。ここで言及されるように、ネットワーク対応コンピュータシステム及び/又はデバイスは、サーバ、マイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサのシステム、ネットワーク電気機器、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、及び、スマートフォン、スマートパッド、ハンドヘルドPC又は携帯情報端末(PDA)等のモバイル処理デバイスを含む、任意のコンピュータデバイス又は通信デバイスを含み得るが、特に限定されない。いくつかの例では、コンピュータデバイスは、コンピュータがアクセス可能な媒体(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、メモリスティック、CD-ROM、RAM、ROM等の記憶装置、又は、それらの集合)に格納された指示を使用し得る。コンピュータがアクセス可能な媒体は、実行可能な指示を含むことができる。加えて、又は代わりに、ストレージ構成は、コンピュータアクセス可能な媒体とは別に提供されることができ、ストレージ構成は、ここに記載されるような、ある例示的な手順、プロセス、及び方法を実行するように処理構成を構成する指示を処理構成に提供することができる。
【0042】
本発明によって企図される動作を実行するために使用されるネットワーク対応コンピュータシステムは、例えば、ネットワーク対応コンピュータシステムにアクセスするエンティティから入力としてデータを受信し、受信したデータを処理し、ネットワーク経由でデータを送信し、そして、ネットワーク経由でデータを受信するために、1以上のソフトウェアアプリケーションを実行し得る。1以上のネットワーク対応コンピュータシステムはまた、取引情報に基づいてアカウント保有者に通知するための1以上のソフトウェアアプリケーションを含み得る。
【0043】
図5の描写は単なる一例であり、ここで説明する機能及びプロセスは、任意の数のネットワーク対応コンピュータによって実行できることが理解される。また、図示されたシステム200が特定のコンポーネントのインスタンスを1つだけ有する場合でも、これらのコンポーネントの複数のインスタンスを使用できることも理解される。システム200はまた、
図5に示されていない他のデバイスも含み得る。
【0044】
ネットワーク230は、システム200のサブシステム間の通信を可能にすることができる任意の形式の通信ネットワークであり得る。例えば、ネットワーク230は、無線ネットワーク、有線ネットワーク、又は無線ネットワークと有線ネットワークの任意の組み合わせのうちの1以上であり得る。ネットワーク230は、光ファイバネットワーク、受動光ネットワーク、ケーブルネットワーク、インターネットネットワーク、衛星ネットワーク、無線LAN、グローバル移動体通信システム(「GSM」)、パーソナル通信サービス(「PCS」)、パーソナルエリアネットワーク(「PAN」)、ワイヤレスアプリケーションプロトコル (WAP)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、拡張メッセージングサービス(EMS)、ショートメッセージサービス(SMS)、時分割多重化(TDM)ベースのシステム、符号分割多元接続(CDMA)ベースのシステム、D-AMPS、Wi-Fi(登録商標)、固定無線データ、IEEE802.11b、802.15.1、802.11n及び802.11g、又はデータ信号を送受信するための他の有線又は無線ネットワークであるか、それらを含み得る。ネットワーク230は、通信可能に結合されている1以上のネットワーク要素の1以上のプロトコルを利用し得る。ネットワーク230は、他のプロトコルとの間でネットワークデバイスの1以上のプロトコルの変換をし得る。ネットワーク230は単一のネットワークとして示されているが、例えば、インターネット、サービス提供者のネットワーク、ケーブルテレビネットワーク、企業ネットワーク、及びホームネットワーク等の複数の相互接続されたネットワークを含み得ることが理解される。
【0045】
ここに提示される例示的な実施の形態では、アカウント所有者は、取引カードアカウントを使用して取引(金融取引であってもよいが、これに限定されない)を行うことが許可された任意の個人又は団体であってもよい。アカウントは、電子形式を含むがこれに限定されないあらゆる形式で金銭を保持したり取引を実行したりするための、任意の場所、位置、物体、エンティティ、又はその他のメカニズムによって保持され得る。アカウントは、例えば、クレジットカードアカウント、プリペイドカードアカウント、ストアドバリューカードアカウント、デビットカードアカウント、小切手カードアカウント、給与カードアカウント、ギフトカードアカウント、プリペイドクレジットカードアカウント、チャージカードアカウント、当座預金アカウント、特典アカウント、信用枠アカウント、クレジットアカウント、モバイルデバイスアカウント、又は、モバイルコマースアカウントであり得る。アカウント所有者は、金融機関、クレジットカード提供者、又は、顧客にアカウントを提供する他のエンティティ等の取引処理エンティティであり得る。
【0046】
取引アカウントは、1以上のスマート取引カード220(例えば、デビットカード、クレジットカード、又はプリペイドアカウントカード)に関連付けられ得る。あるいは、又はそれに加えて、取引アカウントは、1以上のアカウント所有者の処理デバイスに関連付けられてもよく、又は単に取引を促進するためにアカウント所有者によって入力可能な固有の識別子に関連付けられてもよい。処理デバイスは、例えば、NFC又は任意の他のモバイル決済技術を使用して、POS場所での支払い方法として機能するように構成され得る。いくつかの実施の形態では、別個のカード又はユーザデバイスは、個々のアカウント共同保有者に関連付けられ得る。
【0047】
取引カード220は、電気及び/又は近距離又は他の短距離通信機能を有する、チップを搭載した任意の取引カード(「スマート」カード)であり得る。
図5及び
図6に示すように、本発明のさまざまな実施の形態で使用可能な典型的な取引カード220は、マイクロプロセッサチップ221を備えたスマートカードである。マイクロプロセッサチップ221は、マイクロプロセッサ222及びメモリ226を含む、情報を記憶及び処理するための処理回路を含む。処理回路は、ここに記載された機能を実行するために必要に応じて、プロセッサ、メモリ、エラー及びパリティ/CRCチェッカ、データエンコーダ、衝突防止アルゴリズム、コントローラ、コマンドデコーダ、セキュリティプリミティブ、及び、改ざん防止ハードウェアを含む追加のコンポーネントを含むことができることが理解される。
【0048】
取引カード220は、第1通信インタフェース224を介して取引端末及び他のデバイスと通信するように構成される。インタフェース224及びマイクロプロセッサ222は、特に、購入及び他の取引を実行するために業者取引処理デバイスとの通信を確立するように構成され得る。通信インタフェース224は、接触ベースの通信を提供するように構成されてもよく、その場合、インタフェース224は、マイクロプロセッサ222とカード220の取引端末の処理回路との間の直接的な電気通信を確立するために、電気回路と、カード220の表面の接触パッドとを有し得る。あるいは、又はそれに加えて、第1通信インタフェース224は、取引端末又は他の無線デバイスとの非接触通信用に構成され得る。このような実施の形態では、通信インタフェース224は、カード220が所定のNFC範囲内にあるときに他のNFC通信デバイスと通信するように構成されたNFC通信インタフェースであるか、それを含んでもよい。通信インタフェース224及びマイクロプロセッサ222は、特に、ユーザデバイス210とのNFC通信を確立するように構成され得る。いくつかの実施の形態では、マイクロプロセッサチップ221は、ブルートゥース(登録商標)又は他の短距離通信方法を介してユーザデバイス210との短距離通信を確立するように構成された第2通信インタフェース228を含み得る。このような実施の形態では、取引カード220はまた、短距離通信インタフェース228に含まれるか、又は接続される短距離通信アンテナ229を有し得る。マイクロプロセッサチップ221は、NFC取引中の電力の分配を管理するために使用される電力管理システム225を含み得る。
【0049】
特定の実施の形態では、取引カード220は、マイクロプロセッサチップ221、第2通信インタフェース228、及びアンテナ229を使用して、ブルートゥース(登録商標)に対応可能であってもよい。ブルートゥース対応取引カードは、ブルートゥースロウエナジー(BLE)をサポートすることができ、ユーザデバイス210とペアリングすることができる。いくつかの実施の形態では、取引カード220と、端末(図示せず)、業者取引プロセッサ140等の他のインタフェースデバイスとの間でペアリング及び通信を確立することができる。ブルートゥース対応デバイスには、デバイス設定(例えば、ブルートゥース接続を管理するiOS(登録商標)又はアンドロイド(登録商標)設定)及び/又はカード220とのブルートゥース接続を管理するためにデバイス制御と連携できるカード発行者に関連付けられたモバイルアプリケーションを使用して、カードとデバイス間のリンクを確立する(又はデバイスをペアリングする)機能を含み得る。
【0050】
メモリ226は、読み出し専用メモリ、ライトワンス・リードマルチプルメモリ、又は、読み出し/書き込みメモリ、例えば、RAM、ROM、及びEEPROMであり得、チップ221は、これらのメモリのうちの1以上を含み得る。メモリ226は、取引カードアカウントに関連付けられた情報を格納していてもよい。いくつかの実施の形態では、メモリ226は、アカウントに関連付けられた固有の英数字識別子をその中に永続的に格納することができる。また、メモリ226は、公開及び秘密カード暗号化鍵を格納していてもよい。いくつかの実施の形態では、秘密及び公開暗号化鍵は、カードメモリに永続的に組み込まれてもよい。
【0051】
メモリ226は、マイクロプロセッサ222によって実行される1以上のソフトウェアアプリケーションを格納するように構成され得る。様々な実施の形態において、メモリ226は、暗号化情報を生成し、それを第1通信インタフェース224(例えば、NFCを介して)又は短距離通信インタフェース228を介して受信装置(例えば、ユーザ装置210)に送信するための指示を格納していてもよい。このような暗号化情報は、取引処理中に取引カード220の存在を認証及び検証するために使用され得る、暗号化された検証ブロック又は署名であるか、又はそれらを含み得る。いくつかの実施の形態では、暗号化情報は、特定の通信(例えば、取引カードによる特定のNFC送信信号)に固有である。
【0052】
機器サービス管理サーバ250は、スマート機器290の製造業者又は業者(又は賃貸人)と関連付けられ、及び/又は管理され得る。あるいは、サービス管理サーバ250は、機器290を介して管理されるサービスの提供者と関連付けられてもよい。
図7を参照すると、機器サービス管理サーバ250は、ネットワーク230への有線及び/又は無線接続を提供する通信インタフェース252、機器初期化プロセッサ254、及び、サービスアカウント管理プロセッサ256を含み得る。機器初期化プロセッサ254は、機器290から初期化要求を受信するように構成され、この要求は、取引カード220から読み取られたNFC情報の一部又は全部と、機器290の識別情報を含む。機器初期化プロセッサ254は、NFC情報を使用して、取引カード220に関連付けられたカードアカウント管理者を識別し、カードアカウント情報要求をカードアカウント管理者のカードアカウント管理サーバ260に送信するようにさらに構成され得る。この要求は、カード識別情報を含む、NFC情報の一部又は全てを含み得り、その一部又は全ては暗号化され得る。機器初期化プロセッサ254はまた、カードアカウント管理サーバ260から戻るカードアカウント情報を受信するように構成される。このような情報は、アカウント所有者に関する識別情報、連絡先、その他の情報が含まれ得る。この情報は、初期化プロセッサ254によってサービスアカウント管理プロセッサ256に転送され得る。
【0053】
アカウント情報データベース251と通信するサービスアカウント管理プロセッサ256は、機器初期化プロセッサ254からカードアカウント所有者情報を受信するように構成される。次に、サービスアカウント管理プロセッサ256は、カードアカウント所有者情報を使用してカードユーザを識別し、ユーザがサービス提供者のサービスアカウントを持っているかどうかを判断し得る。これは、カードアカウント情報をサービスアカウント情報データベース251に格納されたアカウント情報と比較することによって達成され得る。ユーザがアカウントを持っている場合、プロセッサ256は、機器290の機器識別子をユーザの既存のサービスアカウントに関連付け得る。ユーザが既存のアカウントを持っていない場合、プロセッサ256は、ユーザのカードアカウント情報を使用して新しいサービスアカウントを生成し得る。いくつかの実施の形態では、サービスアカウント管理プロセッサ256は、ユーザが新しいサービスアカウントを開設することを望んでいることを確認するか、又はアカウントを設立する際のユーザの設定及び/又はスマート機器290の運用パラメータを取得するために、(例えば、ネットワーク230を介したユーザデバイス210への送信信号を介して)ユーザに連絡し得る。次に、サービスアカウント管理プロセッサ256は、スマート機器290を新しいアカウントに関連付け、サービスアカウント情報をアカウント情報データベース251に格納し得る。
【0054】
機器290を既存のアカウント又は新しいアカウントに関連付けると、アカウント管理プロセッサ256はサービスアカウント情報を初期化プロセッサ254に送り返し、初期化プロセッサ254は初期化指令を構築してスマート機器290に送信する。この指令は、初期プロビジョニング情報及び機器動作を開始するための指示を含み得る。
【0055】
いくつかの実施の形態では、サービス管理サーバ250は、機器動作の監視及び管理のために機器290と通信するように構成された機器動作管理プロセッサ258を含み得る。場合によっては、動作管理プロセッサ258は、ユーザの動作の設定又は指示に関してユーザと通信し得る。機器運用管理プロセッサ258はまた、スマート機器290のデータ処理システムにシステムアップデートを提供するように構成され得る。いくつかの実施の形態では、動作管理プロセッサ258はまた、機器の使用又は機器を介してアクセス又は使用されるサービスに関連付けられた時間又は使用ベースのサービス料金を決定するように構成され得る。動作管理プロセッサ258はまた、そのようなサービス料金の一部又は全部を、取引カード220に関連付けられた取引カードアカウント又はサービスアカウント所有者の別の金融アカウントに自動的に請求するように構成され得る。
【0056】
カードアカウント管理サーバ260は、取引カード220に関連する取引を監視及び/又は処理し、取引カード220に関連付けられたカードアカウントに関する情報要求を処理するように構成された1以上のネットワーク対応処理サーバのシステムである。
図8を参照すると、カードアカウント管理サーバ260は、ユーザデバイス210及び業者デバイスと通信するためにネットワーク230に接続された取引通信インタフェース262を含む。
【0057】
カードアカウント管理サーバ260は、取引プロセッサ264とカードアカウント情報サーバ266を有し、その両方が取引通信インタフェース262を介してネットワーク230上で通信するように構成される。カードアカウント情報サーバ266は、複数の譲渡可能なカードのそれぞれの識別情報が、関連付けられたアカウント情報とともに格納される取引カードアカウントデータベース(図示せず)を維持するように構成され得る。このようなアカウント情報は、アカウント所有者に関する身元、連絡先、及び他の情報を含み得る。
【0058】
カードアカウント情報サーバ266は、取引カード220が発行された、又は発行される予定のアカウント保有者のアカウントに秘密及び公開の個人暗号鍵を割り当てるようにさらに構成され得る。割り当てられると、カード管理サーバは、ネットワーク230を介して、アカウント所有者に関連付けられたユーザデバイス210に個人暗号鍵を送信し得る。カード処理システムは、ネットワーク230及び取引通信インタフェース262を介して、ユーザデバイス210から取引カード220を起動する要求を受信するようにさらに構成され得る。起動要求は、公開及び秘密個人暗号鍵を使用してユーザデバイス210によって暗号化されたソフトウェア署名と、そこに格納されている公開及び秘密カード暗号鍵を使用してカードのマイクロプロセッサチップ221によって暗号化されたハードウェア署名とを含む。カードアカウント情報サーバ266はさらに、起動要求を受信すると、ソフトウェア及びハードウェアの署名を復号してアカウントとの関連性を検証し、肯定的な検証の際に、1以上の許可されたアカウント機能を取引カード220に関連付けることによって取引カード220を起動するように構成される。次に、サーバ266は、起動を反映する情報をカードデータベースに格納し得る。許可されたアカウント機能は、例えば、購入取引を実行するための業者取引処理デバイスとの対話、又は、現金自動預け払い機での使用等、任意の典型的な取引カード機能であり得る。特定の実施の形態では、許可されたアカウント機能は、サービスを開始するため、及び/又は、スマート機器290に関連付けられたサービスアカウントを生成するための取引カード220の使用を含み得る。
【0059】
カードアカウント情報サーバ266はまた、取引カード220が提示された業者又はサービスアカウント管理者からアカウント情報要求を受信するように構成され得る。特に、サーバ266は、サービスアカウント管理プロセッサ256からアカウント情報要求を受信するように構成され得る。この要求は、取引カード220によって送信され、スマート機器290によって読み取られるNFC情報を含み得る。NFC情報の一部が取引カードに格納された鍵を使用して暗号化される実施の形態では、サーバ266は、取引カード220に関連付けられた暗号鍵を取得し、暗号化情報を復号して、取引カード220を認証し、その存在を検証するように構成され得る。
【0060】
図9は、本発明の一実施の形態によるネットワーク対応スマート機器を起動する方法M100の図である。この方法は、
図3の汎用装置190と同様の属性を有する任意の電気機器、乗物、又はシステムであり得るスマート機器を起動するために、NFC対応ユーザデバイス及びNFC対応スマート取引カードを使用することを含む。方法M100の動作の一部又は全ては、起動されているスマート機器のデータ処理システムによって実行され得る。方法M100は、S110において、機器データ処理システムによってインターネット接続を確立することを含む。これは、ISPへの有線又は無線接続を通じて、又は、電気通信ネットワークへの接続を通じて実行され得る。いくつかの実施の形態では、この動作は、ユーザが初めて機器の電源を入れた直後に実行され得る。S120において、スマート機器のデータ処理システムは、取引カードからの情報のウェブNFC読み取りを実行する際に使用するために構成されたウェブページを生成する。S130において、機器データ処理システムは、ウェブページの場所をユーザデバイスに送信する。これは、スマート機器をローカルネットワークに接続することによって実現され得る。あるいは、そのように構成されている場合、スマート機器は、ユーザデバイスが接続している自己生成ホットスポットを介して情報を送信し得る。いずれの場合も、送信は、ユーザデバイスによる通信の確立に応答して、動作を開始する要求を受信したときに行われ得る。いくつかの実施の形態では、ユーザデバイスと機器との間のそのような通信は、機器がインターネット接続を確立する前に確立され得る。このような実施の形態では、インターネット接続の確立は、ユーザデバイスとの通信の確立又は開始要求の受信によってトリガされ得る。
【0061】
S140において、機器データ処理システムは、取引カードをユーザデバイスにタップする指示をユーザデバイスに送信する。この指示は、ウェブページを介して、又はローカルネットワーク又は機器が生成するホットスポットを介した別個の送信によって提示され得る。ユーザが取引カードをユーザデバイスにタップすると、機器データ処理システムは、S150で、ウェブNFCコードを介して、取引カードによってユーザデバイスに送信されたNFC情報を読み取る。NFC情報は、少なくとも、取引カード管理者を識別するのに十分な情報と、取引カード管理者がカード及びそれに関連付けられた取引アカウントを識別するために使用できる情報とを含む。S160において、機器データ処理システムは、機器のネットワーク接続を介してサービス管理サーバに起動要求を送信する。起動要求は、機器に固有の識別子と、取引カードから読み取られたNFC情報の一部又は全部とを含み得る。S170において、機器情報処理システムは、サービス管理サーバからサービス起動指令を受信する。この指令は、動作及び/又は初期動作を開始するための指示及びプロビジョニング指示を含み得る。いくつかの実施の形態では、機器はまたサービスアカウント情報を受信し得る。S180において、機器は、動作、場合によっては、確立された動作準備を開始する。後者の場合、機器は、実際に「電源を入れる」前に、ユーザによる追加の指示又は操作を必要し得る。いくつかの実施の形態では、S190で、機器は、任意に、サービス開始通知をユーザデバイスに送信し得る。これは、ローカルネットワーク、機器の自己生成ホットスポット、又は、広域或いは他の通信ネットワークを介して送信され得る。
【0062】
図10は、本発明の一実施の形態によるネットワーク対応スマート機器を起動する方法M200の図である。方法M200の動作の一部又は全部は、起動中のスマート機器又は起動中のスマート機器を介して提供されるサービスに関連する管理者によって管理される機器サービス管理サーバによって実行され得る。方法M200のS210において、管理サーバは、スマート機器からネットワークを介して起動要求を受信する。起動要求は、スマート機器に固有の識別情報を含む。要求はまた、スマート機器によってスマート取引カードから読み取られるNFC情報を含んでもよい。NFC情報は、取引カードによって、取引カードに関連付けられたカードアカウントの所有者のユーザデバイスに送信されたものである。
【0063】
S220において、サービス管理サーバは、NFC情報を使用して、取引カードに関連付けられたカードアカウント管理者を特定し、その管理者のカードアカウント管理サーバにカードアカウント情報要求を送信する。この要求は、カード識別情報を含む、NFC情報の一部又は全部を含む場合があり、その一部又は全部は暗号化される場合がある。S230において、サービス管理サーバは、カードアカウント管理サーバから返されるカードアカウント情報を受信する。この情報は、アカウント所有者/ユーザに関する身元、連絡先、及び、他の情報を含み得る。S240において、サーバは、アカウント情報を使用して、スマート機器を起動したいアカウント所有者/ユーザを識別する。S250において、サーバは、機器識別情報を、アカウント所有者に関連付けられたサービスアカウントに関連付ける。アカウント及び機器ID情報は、サーバによってサービスアカウント情報データベースに格納され得る。S260において、サービス管理サーバは、任意に、機器サービス又は動作パラメータに対するユーザの設定を決定してよい。アカウント所有者がすでに既存のアカウントを持っている場合、これは、アカウント所有者に対して以前に確立された設定のインポートを含み得る。あるいは又は加えて、アカウント所有者の設定を提供又は確認するためにアカウント所有者に連絡する場合がある。S270において、サーバはサービス起動指令を構築する。この指令は、動作及び/又は初期動作を開始するための指示及びプロビジョニング指示を含み得り、これらはユーザの設定に基づく場合がある。いくつかの実施の形態では、指令は、サービスアカウント及び/又はアカウント所有者情報を含み得る。S280では、サービス管理サーバは、ネットワークを介してスマート機器にサービス起動指令を送信する。
【0064】
図11は、本発明の一実施の形態によるネットワーク対応スマート機器を起動する方法M300の図である。方法M300の動作の一部又は全部は、起動中のスマート機器又は起動中のスマート機器を介して提供されるサービスに関連する管理者によって管理される機器サービス管理サーバによって実行され得る。方法M200のS310において、管理サーバは、ネットワークを介してスマート機器から起動要求を受信する。起動要求は、スマート機器に固有の識別情報を含む。要求はまた、スマート機器によってスマート取引カードから読み取られるNFC情報を含んでもよく、NFC情報は、取引カードによって、取引カードに関連付けられたカードアカウントの所有者のユーザデバイスに送信されたものである。
【0065】
S320において、サービス管理サーバは、NFC情報を使用して、取引カードに関連付けられたカードアカウント管理者を識別し、S330において、その管理者のカードアカウント管理サーバにカードアカウント情報要求を送信する。この要求は、カード識別情報を含む、NFC情報の一部又は全部を含む場合があり、その一部又は全部は暗号化される場合がある。S340において、サービス管理サーバは、カードアカウント管理サーバから返されるカードアカウント情報を受信する。この情報は、アカウント所有者/ユーザに関する身元、連絡先、及び、他の情報を含み得る。S350において、サーバは、アカウント情報を使用して、スマート機器を起動したいカードアカウント所有者を識別し、そのカードアカウント所有者がサービス管理者のサービスアカウントを持っているかどうかを判断する。これは、カードアカウント情報とサービスアカウント情報データベースに格納されているアカウント情報との比較を含み得る。ユーザがアカウントを持っている場合、プロセッサは、S351で現在のサービスアカウントを既存のアカウントに設定する。ユーザが既存のアカウントを持っていない場合、サーバは、S352でカードアカウント情報を使用して新しいサービスアカウントを生成し得る。いくつかの実施の形態では、サービス管理サーバは、カードアカウント所有者に(例えば、ネットワークを介したアカウント所有者のユーザデバイスへの送信を介して)連絡して、ユーザが新しいサービスアカウントを開設することを望んでいることを確認するか、又はサービスアカウントを確立する際のユーザの設定及び/又はスマート機器の動作パラメータを取得してよい。新しいアカウントを開設した後、サービス管理サーバは、S354で現在のアカウントが新しいサービスアカウントであるように設定してよい。S360において、サーバは、必要に応じて、スマート機器を既存のアカウント又は新規のアカウントに関連付け、サービスアカウント情報をアカウント情報データベースに格納し得る。
【0066】
S370において、サービス管理サーバは、任意に、機器サービス又は動作パラメータに対するユーザの設定を決定し得る。アカウント所有者がすでに既存のアカウントを持っている場合、これは、アカウント所有者に対して以前に確立された設定のインポートを含み得る。あるいは又は加えて、アカウント所有者の設定を提供又は確認するためにアカウント所有者に連絡する場合がある。S380において、サーバはサービス起動指令を構築する。この指令は、動作及び初期動作を開始するための指示、及び、プロビジョニング指示を含み得り、これらはユーザの設定に基づき得る。いくつかの実施の形態では、指示はまた、サービスアカウント及び/又はアカウント所有者情報を含み得る。S390において、サービス管理サーバは、ネットワークを介してスマート機器にサービス起動指令を送信する。
【0067】
本発明は、ユーザデバイス特殊なアプリケーションをダウンロードする必要性を排除することにより、スマート電気機器、乗物、及び他の機器の動作を開始するシステムのセキュリティ及び効率の大幅な改善を提供する。この方法はまた、機器を起動するために使用されるユーザデバイスによる解釈又は復号を行わずに、取引カード識別情報の直接的なパススルーを提供することによってセキュリティを強化する。本発明が広範な実用性及び応用が可能であることは、当業者には容易に理解される。ここに記載したもの以外の本発明の多くの実施の形態及び適応、並びに多くの変形例、修正及び均等な構成は、本発明の本質又は範囲から逸脱することなく、本発明及びその前述の説明から明らかであるか、又はそれらによって合理的に示唆されるであろう。
【国際調査報告】