(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】棒付き製品のための固定装置
(51)【国際特許分類】
A47F 7/00 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A47F7/00 J
A47F7/00 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023558995
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 IB2022052933
(87)【国際公開番号】W WO2022208380
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021000007991
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502174704
【氏名又は名称】ペルフェッティ ヴァン メッレ ソシエタ ペル アチオニ
【氏名又は名称原語表記】PERFETTI VAN MELLE S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】イダスザク、 ルカシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルツル、 マーティン
(57)【要約】
棒付き食用製品(10)を固定するための装置であって、棒(10)の挿入に適した開口端(2)を有する中空体(1)と、中空体の全長に渡って長手方向に延びる切断部(4)と、開口端(2)の反対側の端にある基部(3)とから構成される装置。長手方向に延びる切断部(4)から45°から180°の間に構成される角度の範囲に延びる部分(6)については、中空体が接合されていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒(10)付き食用製品を固定するための装置であって、
前記棒(10)の挿入に適した開口端(2)を有する中空体(1)と、
前記中空体の全長に渡って長手方向に延びる切断部(4)と、
前記開口端(2)とは反対側の端部の基部(3)と、からなる装置において、
前記中空体は、前記長手方向に延びる切断部(4)から、45°から180°の間の角度の範囲の部分(6)において、前記基部(3)に固定されていないこと、を特徴とする装置。
【請求項2】
前記中空体(1)の内の前記基部(3)に固定されていない部分(6)の前記範囲が80°から100°の間である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記中空体(1)の内の前記基部(3)に固定されていない前記部分(6)の端部に位置し、且つ前記中空体の全長に渡って延びる、薄化領域(5)の存在を特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記薄化領域(5)が、前記中空体(1)の前記開口端(2)に切断部(7)を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記薄化領域(5)の前記切断部(7)が、最長で前記薄化領域の長さの半分まで延びている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記薄化領域(5)の前記切断部(7)が、最長で前記薄化領域の長さの3分の1まで延びている、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記開口端(2)における前記中空体(1)の入口が漏斗形状(8)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
弾性材料、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエステルで作られた、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の、棒付き食用製品の固定装置の前記基部(3)を収容するのに適した複数の収容部を備えた、棒(10)付き食用製品の陳列装置。
【請求項10】
複数の、請求項1~9のいずれか一項に記載の棒付き食用製品の固定装置の、前記基部(3)と一体化する本体を有する、棒(10)付き食用製品の陳列装置。
【請求項11】
棒付き食用製品の陳列装置の組立要素としての、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々なタイプの棒に適応するように構成された中空体を備える、棒付きの食用製品を固定するための装置に関する。
【0002】
CA2132459Cに記載されているような、風船、花、又は一般に装飾品のための、棒付き製品を固定するための装置が知られており、容器と、陳列目的のために様々な直径の棒を収容できる容器内の保持手段とを備えており、収容される製品の一定の安定性を保証する。
【0003】
これらの装置の問題は、粘着コーティング又は磁性要素などの保持手段が必要であり、前者の場合には、製品を手に取る消費者は不快な感覚を与えられ、粘着性の棒を扱うことになる可能性があり、後者の場合には、棒の製造者は、磁石に引き付けられることができる素材の選択を迫られる。
【0004】
更に、WО0106897に記載されているような食用製品を固定するための装置が知られている。この装置によると、好ましくは角柱状または台形の中空体と、この中空体の内部に収容されたピンとの組み合わせにより、顧客が簡単に食用製品を取り出すことを妨げることなく、その食用製品を陳列のために堅く固定できる。
【0005】
しかしながら、この装置は中空の棒を備えた製品のみへの使用に適しているため、非中空の棒を備えた全ての製品には有用ではない。非中空の棒を備えた食用製品に関しては、
図1a及び1bに示すもののように、製品が陳列装置から落ちないように穴の内側に棒を斜めに配置するなど、市場に存在する他の解決策が知られており、それを考えると上記の支持は棒を所定の位置に堅く保持できない。このタイプの解決策では棒の一部が露出し、陳列装置の上に製品を十分に密に配置することができない。
【0006】
最も単純且つ最もよく知られている解決策は、
図1cに示すものである。これにより、使用される棒のタイプに関係なく、食用製品及び非食用製品を垂直に陳列できるが、これには陳列される製品の数に関して非常に大きな表面積を占めるという欠点がある。既知の上記の解決策の全てにおいて、ロボット又は一般に自動充填プロセスによって引き起こされる棒の破損や空洞への誤った挿入を避けるために、製品を作業員が固定装置に挿入する必要もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、中空の棒及び非中空の棒の両方並びに様々な直径の棒を安全に保持することができる、棒付き食用製品及び棒付き非食用製品のための固定装置を提供する必要性、及び、ロボット及び/又は自動生産ラインによる自動充填向けに設計された固定装置を提供する必要性が依然として存在する。本発明の目的はまさに、上述の必要性を満たす装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、添付の独立請求項1の特徴を有する、棒付き食用製品を固定するための装置によって達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0009】
本発明による固定装置は、棒の挿入に適した開口端を有する中空体と、中空体の全長に沿った長手方向に延びる切断部と、開口端の反対側の端に固定された基部とから構成される。中空体は、長手方向に延びる切断部から45°から180°の間の角度の部分が基部に固定されていない。好ましくは、基部に接合されていない中空体の部分の範囲は、80°から100°の間である。好都合なのは、基部に取り付けられていない中空体の部分の端部に位置し、中空体の全長に沿って延びる、薄化領域が存在することである。
【0010】
本発明の更なる特徴は、添付の図面に示される、単に本発明の実施形態の例として言及され、従って本発明を限定するものではない以下の詳細な説明によってより明らかになるであろう。添付の図面の内容を以下に記す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1a】従来技術による固定装置を使用した、棒付き製品の陳列の概略図である。
【
図1b】従来技術による固定装置を使用した、棒付き製品の陳列の概略図である。
【
図1c】従来技術による固定装置を使用した、棒付き製品の陳列の概略図である。
【
図2】本発明による固定装置の概略軸測投影図であり、基部も示されていない。
【
図3】
図2の装置の異なる角度からの斜視図であり、中空体に固定された基部、中空体の内の、基部に固定されておらず、長手方向に延びる切断部から45°から180°の間の角度の部分、及び、薄化領域を示している。
【
図4】
図2の装置の異なる角度からの斜視図であり、中空体に固定された基部、中空体の内の、基部に固定されておらず、長手方向に延びる切断部から45°から180°の間の角度の部分、及び、薄化領域を示している。
【
図5】
図2の装置の異なる角度からの斜視図であり、中空体に固定された基部、中空体の内の、基部に固定されておらず、長手方向に延びる切断部から45°から180°の間の角度の部分、及び、薄化領域を示している。
【
図6a】不使用状態における、
図5までの図面の装置の断面図である。
【
図6b】ある1つの使用状態における、
図5までの図面の装置の断面図である。
【
図6c】ある1つの使用状態における、
図5までの図面の装置の断面図である。
【
図7】多角形の構成を有する、本発明による装置の断面図である。
【
図8】
図6aのVIII-VIII面に沿った、本発明による装置の軸方向断面の概略図であり、中空体に棒を挿入するための入口が漏斗状の構造を有する。
【
図9】
図8と同様の軸方向断面図であり、
図6aの平面IX-IXに沿って切り、薄化領域を通過し、長手方向に延びる切断部に向かって見たものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による、棒付き食用製品を固定するための装置は、製品の棒10の挿入に適した開口端2(
図4、5)を有する中空体1と、他端に固定された基部3とで構成されている(
図3~5)。
【0013】
上述の中空体1は、円形断面を有する円筒形の管状の形状を有することが好ましいが、例えば
図7に示すように、任意の多角形形状を有してもよく、また、長手方向に延びる切断部4及び薄化領域5を特徴とする。
【0014】
薄化領域5は、切断部と同様に、中空体1の全長に渡って延びる。薄化領域5は、長手方向に延びる切断部4から一定の距離を置いて配置され、長手方向に延びる切断部と薄化領域との間に所望の幅の一種の翼6を形成する。翼6は、中空体1が様々なタイプの棒10へ適応することを可能にする目的を有し、その弾性とバネ効果のために、棒を保持する能力をそれ自体が維持する。この弾性は、中空体1が基部3に完全には取り付けられておらず、長手方向に延びる切断部4から薄化領域5に至る翼状部分6が基部から分離されているという事実によるものである。
【0015】
基部3から分離された中空体1の部分6は、長手方向に延びる切断部4から薄化領域5まで延びており、最小45°から最大180°の様々な角度を有してもよく、好ましくは、可撓性要素6が製品を保持する能力を損なうことなく、適切な範囲の動作をすることができるように、80°から100°の間である。
【0016】
図6a、6b、6cは、円形断面を有する中空体1の長手方向に延びる切断部4から90°の角度距離にある薄化領域5を示す。より具体的には、
図6aは、不使用状態における、すなわち、中空体1の内径に実質的に一致する直径を有する棒10を収容している可撓性要素6を示し、一方、
図6b及び6cは、それぞれ、より小さい、又はより大きい直径を有する棒10の場合の可撓性要素6が占める位置を示す。
【0017】
図7は、多角形断面を有する中空体1の長手方向に延びる切断部4から約120°の角度距離にある薄化領域5を示す。入口の近傍、すなわち、中空体1に棒10が挿入される開口端2において、薄化領域5は、可撓性要素6の可撓性を高めるために、任意選択的に、この薄化領域5の長さの一部に渡って延びる切断部7(
図4)になってもよい。本発明の好ましい一実施形態では、この切断部は、薄化領域5の長さの半分まで延びてよい。またより好ましい実施形態では、この切断部は、薄化領域5の長さの3分の1まで延びる。
【0018】
中空体1の最初の部分における入口または開口端2は、ロボット又は自動生産ラインによる中空体への充填を容易にするために、漏斗状構造8(
図8及び
図9)を有するものとして内部に存在するだけであってよい。
【0019】
例示に限った目的のものとして、本発明による固定装置に係る円形断面を有する円筒形中空体1の好ましい寸法を以下に示す。
‐内径 :3.9mm
‐外径 :9.7mm
‐高さ :19.92mm
‐厚さ :2.9mm
‐長手方向に延びる切断部の幅4 :1.43mm
‐薄化部分の幅5 :0.8mm
【0020】
中空体の基部3は、製品の陳列装置の本体によって直接形成されてよく、又は適切な収納部が付属している陳列装置の任意の表面に適用されるのに適した基部の形状を有する1つ又は複数の例の中に固定装置を作成してよい。
【0021】
固定装置1は、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエステルなどの弾性材料で作られる。支持体の機械的特性を開発するために、生分解性プラスチック又は天然起源のプラスチックを、様々なプラスチック材料の混合物と同様に使用できる。説明した本発明の他の態様と併せて材料を選択することにより、中空体の内径を棒の外径に適応させることができる。これにより、製品の落下を防止するために、棒が水平になる位置にある場合でも、棒を固定装置により十分に強力に保持することが可能になる。
【0022】
これまでに開示されたことから、本発明による装置の利点は明らかであり、様々な直径の、中空の棒及び中実の棒を安全に固定することが可能となる。当然のことながら、本発明は図示された特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲において定義される本発明自体の範囲から逸脱することなく、当業者の範囲内で多数の詳細な変更を加えることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
しかしながら、この装置は中空の棒を備えた製品のみへの使用に適しているため、非中空の棒を備えた全ての製品には有用ではない。非中空の棒を備えた食用製品に関しては、
図1a及び1b
(例えば、US3431041A1を参照)に示すもののように、製品が陳列装置から落ちないように穴の内側に棒を斜めに配置するなど、市場に存在する他の解決策が知られており、それを考えると上記の支持は棒を所定の位置に堅く保持できない。このタイプの解決策では棒の一部が露出し、陳列装置の上に製品を十分に密に配置することができない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
最も単純且つ最もよく知られている解決策は、
図1cに示すものである。これにより、使用される棒のタイプに関係なく、食用製品及び非食用製品を垂直に陳列できるが、これには陳列される製品の数に関して非常に大きな表面積を占めるという欠点がある。既知の上記の解決策の全てにおいて、ロボット又は一般に自動充填プロセスによって引き起こされる棒の破損や空洞への誤った挿入を避けるために、製品を作業員が固定装置に挿入する必要もある。
US4798554Aは、図4~9の実施形態において、円錐形のカップと中空の幹とを備える漏斗形状の風船保持器を開示している。長手方向のスリットは、風船の結び目(neck)を保持器に挿入できるように、カップの上端から幹の下端まで風船保持器の全長に渡って延びる。幹は中空風船棒の一端に挿入される。幹は、風船の結び目(neck)全体が隠れるように、幹と風船棒との間に風船の結び目(neck)の一部のための空間を設けるような形状となっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒(10)付き食用製品を固定するための装置であって、
前記棒(10)の挿入に適した開口端(2)を有する中空体(1)と、
前記中空体の全長に渡って延びる長手方向の切断部(4)と、
前記開口端(2)とは反対側の端
で前記中空体に固定された基部(3)と、からなる装置において、
前記中空体(1)の全長に渡って延び、且つ前記長手方向に延びる切断部(4)から45°から180°の間の角度距離に配置された、薄化領域(5)と、
前記長手方向に延びる切断部と前記薄化領域との間に、前記基部に固定されていない一種の翼を形成することと、
前記中空体を様々なタイプの棒(10)に適応させることを可能にする目的を有することと、を特徴とする装置。
【請求項2】
前記中空体(1)の内の前記基部(3)に固定されていない部分(6)の範囲が80°から100°の間である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記中空体(1)の内の前記基部(3)に固定されていない前記部分(6)の端部に位置し、且つ前記中空体の全長に渡って延びる、薄化領域(5)の存在を特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記薄化領域(5)が、前記中空体(1)の前記開口端(2)に切断部(7)を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記薄化領域(5)の前記切断部(7)が、最長で前記薄化領域の長さの半分まで延びている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記薄化領域(5)の前記切断部(7)が、最長で前記薄化領域の長さの3分の1まで延びている、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記開口端(2)における前記中空体(1)の入口が漏斗形状(8)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
弾性材料、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエステルで作られた、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の、棒付き食用製品の固定装置の前記基部(3)を収容するのに適した複数の収容部を備えた、棒(10)付き食用製品の陳列装置。
【請求項10】
複数の、請求項1~9のいずれか一項に記載の棒付き食用製品の固定装置の、前記基部(3)と一体化する本体を有する、棒(10)付き食用製品の陳列装置。
【請求項11】
棒付き食用製品の陳列装置の組立要素としての、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置の使用。
【国際調査報告】