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特表2024-516800医用画像レジストレーションの方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】医用画像レジストレーションの方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/32 20170101AFI20240410BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240410BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20240410BHJP
   A61B 6/46 20240101ALI20240410BHJP
   A61B 6/50 20240101ALI20240410BHJP
【FI】
G06T7/32
A61B6/00 550D
A61B6/03 560J
A61B6/46 506B
A61B6/50 500Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023563025
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2022060365
(87)【国際公開番号】W WO2022223584
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】21169609.1
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522375578
【氏名又は名称】アンタロス メディカル アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ、イェンソン
【テーマコード(参考)】
4C093
5L096
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA35
4C093FD12
4C093FF16
4C093FF36
4C093FF37
5L096AA06
5L096BA06
5L096BA13
5L096EA11
5L096EA39
5L096FA25
5L096FA34
(57)【要約】
第1の医用画像検査からのX線減弱に対して有意なデータを含む第1の画像(201a)と、少なくとも第2の医用画像検査からのX線減弱に対して有意なデータを含む第2の画像(201b)とをレジストレーションするための方法(100)が提供される。
方法は、第1の画像と第2の画像との第1のレジストレーション(120)であって、第1のレジストレーションは、第1の変形パラメータセット(124)を提供する第1の重み付けコスト関数の最適化(122)を含み、第1の重み付けコスト関数は、第1の画像と第2の画像との相関と、第1の画像の第1の部分画像と第2の画像の第2の部分画像との相関との和を含む、第1のレジストレーション(120)と、第1の変形パラメータセット(124)に基づいた第1の画像の少なくとも一部と第2の画像の少なくとも一部との相関(141)を含む第2のレジストレーション(140)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像(201a)および第2の画像(201b)をレジストレーションするための方法(100)であって、前記第1の画像(201a)は、第1の医用画像検査からのX線減弱に対して有意なデータを含み、前記第2の画像(201b)は、少なくとも第2の医用画像検査からのX線減弱に対して有意なデータを含み、前記方法は、
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第1の組織クラスの情報を含む第1の組織クラスの第1の部分画像(202a)を取得すること(110a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の前記第1の組織クラスの情報を含む第1の組織クラスの第2の部分画像(202b)を取得すること(110b)と、前記第1の組織クラスは骨組織であって、
前記第1の画像の前記第2の画像に対する第1のレジストレーション(120)と、
前記第1の画像の前記第2の画像に対する第2のレジストレーション(140)とを含み、前記第1のレジストレーションは、
第1の重み付けコスト関数の最適化(122)を含み、前記第1の重み付けコスト関数は、
前記第1のレジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第1のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第1の組織クラスの第1の部分画像と前記第1の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含み、前記第1のレジストレーションの前記第1および第2の重み係数はゼロではなく、
前記最適化(122)から、前記第1の画像から前記第2の画像への変換に関連した、前記第1のレジストレーションからの第1の変形パラメータセット(124)が得られ、
前記第2のレジストレーションは、
前記第1の変形パラメータセット(124)に基づいた、前記第1の画像の少なくとも一部と前記第2の画像の少なくとも一部との相関(141)を含み、前記相関(141)から、前記第1の画像から前記第2の画像への変換に関連した第2の変形パラメータセット(144)が得られる、方法。
【請求項2】
前記第1のレジストレーション(120)は、前記第1の組織クラスに関連する前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第1の制約パラメータセット(126)を提供し、前記第2のレジストレーション(140)は、前記第2のレジストレーション(140)を予め形成する際に、前記第1の制約パラメータセット(126)によって所定のレジストレーション制限を有する前記第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、前記第1の制約パラメータセット(126)を考慮に入れる、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第1の部分画像(205a)を取得すること(111a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の前記第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第2の部分画像(205b)を取得すること(111b)とを含み、前記第2の組織クラスは、除脂肪軟部組織および脂肪組織からなる群から選択され、
前記第2のレジストレーション(140)における前記第1の画像の少なくとも一部と前記第2の画像の少なくとも一部との前記相関(141)は、
第2の重み付けコスト関数の最適化(142)を含み、前記第2の重み付けコスト関数は、
前記第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第2の組織クラスの第1の部分画像と前記第2の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含み、前記第2のレジストレーションの前記第1および第2の重み係数はゼロではなく、
前記第2のレジストレーションは、前記第2の組織クラスに関連する前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第2の制約パラメータセット(146)を提供し、
前記第2の変形パラメータセット(144)は、前記最適化(142)から得られる、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第3の組織クラスの情報を含む、前記第2のレジストレーションの第3の組織クラスの第1の部分画像(206a)を取得すること(112a)と、
前記第1の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の第3の組織クラスの情報を含む、前記第2のレジストレーションの第3の組織クラスの第2の部分画像(206b)を取得すること(112b)とを更に含み、
前記第2の組織クラスは除脂肪軟部組織であり、前記第3の組織クラスは脂肪組織であり、
前記第2の重み付けコスト関数は、前記第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第2の組織クラスの第1の部分画像と前記第2の組織クラスの第2の部分画像との相関と、
前記第2のレジストレーションの第3の重み係数を用いた前記第3の組織クラスの第1の部分画像と前記第3の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含み、前記第2のレジストレーションの前記第1、第2および第3の重み係数はゼロではなく、
前記第2のレジストレーションは、前記第2の制約パラメータセット(146)に前記第3の組織クラスに関連した前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する制約パラメータを更に提供する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の混合組織の情報を含む第4の組織クラスの第1の部分画像(203a)を取得すること(113a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の混合組織の情報を含む第4の組織の第2の部分画像(203b)を取得すること(113b)と、を含み、
前記混合組織は、前記第1および第2の画像内で、それぞれ皮下脂肪に囲まれた組織として定義され、
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の脂肪組織の情報を含む第5の組織クラスの第1の部分画像(204a)を取得すること(114a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の脂肪組織の情報を含む第5の組織クラスの第2の部分画像(204b)を取得すること(114b)と、
前記第1の変形パラメータセット(124)に基づいた、前記第1の画像と前記第2の画像との中間レジストレーション(130)とを含み、
前記中間レジストレーション(130)は、
前記中間レジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記中間レジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第4の組織クラスの第1の部分画像と前記第4の組織クラスの第2の部分画像との相関と、
前記中間レジストレーションの第3の重み係数を用いた前記第5の組織クラスの第1の部分画像と前記第5の組織クラスの第2の部分画像との相関との和からなる第3の重み付けコスト関数の最適化(132)を含み、
前記中間レジストレーションの前記第1、第2および第3の重み係数はゼロではなく、
前記第1の画像から前記第2の画像への変換に関連する中間変形パラメータセット(134)は前記最適化(132)から得られ、前記第2のレジストレーション(140)は前記中間変形パラメータセット(134)に基づいて行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記中間レジストレーション(130)は、前記中間レジストレーション(130)を予め形成する際に、前記第1の制約パラメータセット(126)によって所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内の少なくとも1つのボクセルセットを定義することで、前記第1の制約パラメータセット(126)を考慮に入れ、
前記中間レジストレーションは、前記混合組織に関連する前記第1の画像内の少なくとも1つの画像ボクセルセットを定義する第3の制約パラメータセット(136)を提供し、
前記第2のレジストレーション(140)は、前記第2のレジストレーション(140)を予め形成する際に、前記第3の制約パラメータセットによって所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内の少なくとも1つのボクセルセットを定義することで、前記第3の制約パラメータセットを更に考慮に入れる、請求項2に従属する場合の請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第6の組織クラスの情報を含む第6の組織クラスの第1の部分画像(207a)を取得すること(115a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の前記第6の組織クラスの情報を含む第6の組織クラスの第2の部分画像(207b)を取得すること(115b)と、前記第6の組織クラスは皮下脂肪であり、
前記第1の画像と前記第2の画像との第3のレジストレーション(150)とを更に含み、
前記第3のレジストレーションは
前記第3のレジストレーション(150)の第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第3のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第6の組織クラスの第1の部分画像と前記第6の組織クラスの第2の部分画像との相関との和からなる前記第3のレジストレーションの第4の重み付けコスト関数の最適化(152)を含み、
前記第3のレジストレーションの前記第1および第2の重み係数はゼロではなく、
前記第1の画像から前記第2の画像への変換に関連する第3の変形パラメータセット(154)は、前記最適化(152)から得られる、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第3のレジストレーション(150)は、前記第3のレジストレーションを予め形成する際に、前記第1の制約パラメータセットによって、所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、少なくとも前記第1の制約パラメータセット(126)を考慮に入れ、
任意選択で、前記第3のレジストレーション(150)は、前記第1および第2の制約パラメータセット(126、146)がそれぞれ存在する場合に、前記第3のレジストレーションを予め形成する際に、前記第1および第2の制約パラメータセット(126、146)によって、所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内のそれぞれのボクセルのセットを定義することで、少なくとも前記第1および第2の制約パラメータセット(126、146)を考慮に入れ、
任意選択で、前記第3のレジストレーション(150)は、前記第1、第2および第3の制約パラメータセット(126、146、136)がそれぞれ存在する場合に、前記第3のレジストレーションを予め形成する際に、前記第1、第2および第3の制約パラメータセットによって、所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内のそれぞれのボクセルのセットを定義することで、少なくとも前記第1、第2および第3の制約パラメータセット(126、146、136)を考慮に入れる、請求項2に従属する場合の請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の画像に関連付けられたそれぞれの組織クラスの部分画像を取得する各ステップ(110a、111a、112a、113a、114a、115a)は、
前記第1の画像内のデータに基づいて、前記第1の画像内の前記それぞれの組織クラスに関連する第1の画像ボクセルの第1のセットを特定すること(116)と、前記第1の画像ボクセルの第1のセットは、前記第1の画像内のデータに基づいてそれぞれの組織クラスを表し、
前記第1の画像内の前記特定された第1の画像ボクセルの第1のセットから、前記第1の画像に関連する部分画像を作成すること(117)とを含み、
前記第2の画像に関連付けられたそれぞれの組織クラスの部分画像を取得する各ステップ(110b、111b、112b、113b、114b、115b)は、
前記第2の画像内のデータに基づいて、前記第2の画像内の前記それぞれの組織クラスに関連する第2の画像ボクセルの第2のセットを特定すること(118)と、前記第2の画像ボクセルの第2のセットは、前記第2の画像内のデータに基づいてそれぞれの組織クラスを表し、
前記第2の画像内の前記特定された第2の画像ボクセルの前記第2のセットから、前記第2の画像に関連する部分画像を作成すること(119)とを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の画像と前記第2の画像との各相関は、正規化相互相関、差の二乗和、および相互情報量からなる群から選択され、各第1の部分画像と各第2の部分画像との各相関は、正規化相互相関、差の二乗和、および相互情報量からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の組織クラスの第1の部分画像(202a)の前記第1の組織クラスの第2の部分画像(202b)へのアフィンレジストレーション(172)であって、前記第1の画像の前記第2の画像への変換に関連する初期変形パラメータセット(174)は、前記アフィンレジストレーション(172)から得られる、アフィンレジストレーション(172)を含み、
前記第1のレジストレーション(120)は、前記初期変形パラメータセット(174)に基づき、
任意選択で、前記方法は、所定のクロッピング領域に従って、前記第1の組織クラスの第1の部分画像(202a)および前記第1の組織クラスの第2の部分画像(202b)を画像クロッピング(171)することを更に含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、前記第1の画像の第1の前画像(211a)および前記第2の画像の第2の前画像(211b)の初期画像調整(173a、173b)を含み、前記初期画像調整(173a、173b)は、前記第1および第2の画像(201a、201b)をそれぞれ出力し、
前記第1および第2の前画像をそれぞれ線形または非線形で強度スケーリングすることを含む強度スケーリングと、
平均フィルタ、メディアンフィルタ、およびソーベルフィルタの少なくとも1つを前記第1および第2の前画像(211a、211b)にそれぞれ適用することを含む画像フィルタリングとの少なくとも1つを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記変形パラメータセット(124、134、144、154)のいずれかに基づいて前記第1の画像を変形する(190)ことを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
陽電子放射断層撮影(PET)検査で撮影された第3の画像(210)を取得すること(191)と、前記第3の画像は、前記第1の画像と既知の空間的および時間的関係を有し、
前記変形パラメータセット(124、134、144、154)のいずれかに基づいて前記第3の画像を変形すること(195)とを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
処理部を含む画像情報を処理するためのシステム(400)であって、前記処理部は、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、システム(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する発明概念は、概して画像レジストレーションに関するものであり、より具体的には医用画像レジストレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、画像レジストレーションは、例えばコンピュータビジョンから医用画像まで、様々なアプリケーションで使用されている。レジストレーションの方法は主に剛体変換と非剛体変換に分類される。剛体変換には、回転、スケーリング、平行移動、その他のアフィン変換がある。非剛体変換では、例えばターゲット画像とソース画像との間で最適な位置合わせをするための、ターゲット画像の局所的ワーピングが可能である。
【0003】
概して、画像レジストレーションでは、2つの画像を位置合わせする際に、2つの画像間に位置ずれを生じることが多く、この誤差は、レジストレーションする画像の複雑さが増すにつれて増大し得る。大きな面積および/または体積を描写する画像、例えば、全身画像または身体の大きな部分を含む画像は、画像の複雑さが増すため、画像レジストレーションに悪影響を及ぼすことが多い。
【0004】
例えば医用画像検査では、画像には異なる組織情報を示す異なる面積や体積のような、多くの画像情報および特徴が含まれ得る。通常、画像情報は、画像処理後に少数の測定パラメータに集約される。
【0005】
PCT出願の国際公開第2016/072926(A1)号には、MRI画像の画像レジストレーションおよび解析方法が開示されている。
【0006】
米国特許第7259762(B2)号明細書には、コンピュータ断層撮影(CT)検査を共通の参照フレームに自動的に変換して統計アトラスを作成する方法が開示されている。選択されたCT検査は共通の参照フレームに変換され、その後、CTと統計アトラスの間でボクセル間の対応が確立される。
【0007】
米国特許出願公開第2014/0270446(A1)号明細書では、制約を用いたマルチモーダル撮影データのレジストレーションのための方法および装置が開示されている。第1および第2の撮影モダリティからそれぞれ得られた第1および第2の画像は、それぞれターゲット画像およびオブジェクト画像として設定される。ターゲット画像は1つ以上の解剖学的セグメントに分割される。各セグメントはそれぞれの解剖学的クラスに関連付けられる。解剖学的セグメントに対応する解剖学的クラスに基づいて、少なくとも1つの属性が解剖学的セグメントの少なくとも1つに割り当てられる。オブジェクト画像とターゲット画像とのレジストレーションが実行されるが、レジストレーションは割り当てられた属性によって制約される。
【0008】
しかしながら、上述した従来技術および方法には欠点がある。例えば、方法は関心領域が小さすぎたり、レジストレーションの精度が不適切であったり、および/または、組織のセグメンテーションが不十分であったりすることが多い。
【発明の概要】
【0009】
本発明概念の目的は、上記特定された当技術分野における欠陥の1つまたは複数を単独でまたは組み合わせて軽減、緩和または除去することである。
【0010】
本発明の概念の第1の態様によれば、これらおよび他の目的は、第1の画像と第2の画像とをレジストレーションする方法であって、第1の画像は第1の医用画像検査からのX線減弱に有意なデータを含み、第2の画像は第2の医用画像検査からのX線減弱に有意なデータを含む方法によって完全に、または少なくとも部分的に達成される。本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像における第1の組織クラスの情報を含む第1の組織クラスの第1の部分画像を取得することと、第2の画像に関連付けられ、第2の画像における第1の組織クラスの情報を含む第1の組織クラスの第2の部分画像を取得することとを含み、第1の組織クラスは骨組織である。本方法は、第1の画像と第2の画像との第1のレジストレーションを更に含み、第1のレジストレーションは、第1の重み付けコスト関数の最適化を含む。第1の重み付けコスト関数は、第1のレジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、第1のレジストレーションの第2の重み係数を用いた第1の組織クラスの第1の部分画像と第1の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含む。第1のレジストレーションの第1および第2の重み係数はゼロではない。第1の画像から第2の画像への変換に関連する第1のレジストレーションからの第1の変形パラメータセットは、最適化から得られる。本方法は、第1の画像と第2の画像との第2のレジストレーションを更に含み、第2のレジストレーションは、第1の変形パラメータセットに基づいて、第1の画像の少なくとも一部と第2の画像の少なくとも一部との相関を含み、第1の画像の第2の画像への変換に関連する第2の変形パラメータセットは、相関から得られる。
【0011】
第1の画像と第2の画像をレジストレーションすることは、第1の画像内の特徴が第2の画像内の対応する特徴に位置合わせされるように、第1の画像を第2の画像に位置合わせするように変換することを意味し、このような特徴は、骨、除脂肪軟部組織および/または脂肪のような異なる組織クラスであってもよい。言い換えれば、第1の画像は、第2の画像の座標系に変換され得る。第1の画像と第2の画像の両方が、中間空間の座標系に位置合わせされるように同時に変換されてもよいことが理解されるべきである。したがって、第1の画像は第1の空間に配置されてもよく、第2の画像は第2の空間に配置されてもよく、第1および第2の画像の両方は、レジストレーションにおいて、第1または第2の空間と同一ではない共通の中間空間に位置合わせされるように変換されてもよい。
【0012】
変形パラメータセットとは、変形パラメータセットが関連付けられている画像の少なくとも一部の変形を示すパラメータセットを意味する。言い換えれば、変形パラメータセットとは、第1の画像の特徴の少なくとも一部を第2の画像の対応する特徴と位置合わせするための第1の画像の変換を示すパラメータセットを意味する。
【0013】
X線検査とは、対象物のX線検査を意味する。対象物は、典型的には人または動物であり、従って、検査によって典型的には対象物、即ち、撮影対象物の画像がもたらされる。撮影された対象物は、身体またはその部分など対象物の任意の部分であってよい。これは、胴体または少なくともその一部、頭部、腕(単数または複数)、脚(単数または複数)または分析される対象物の任意の部分と理解されるべきである。胴体の一部とは、例えば胸部や腹部などである。
【0014】
第1および第2の医用画像検査からのX線減弱(すなわち吸収)に対して有意なデータとは、異なる測定からのX線減弱を含むデータを意味し、測定は同一または異なる対象物に対して異なる時点で実施され得る。
【0015】
本発明は、重み付けコスト関数を最適化することによって得られる2つの画像の相関が、第1の画像からの例えば骨などの特定の組織クラスと、第1の画像との両方を有することにより、特定の組織クラスからの情報と共に全体的な画像情報に少なくとも部分的に基づく相関を提供するという理解に基づいている。これにより、2つの画像のレジストレーションの精度を向上させる点で有利であることが示されている。さらに、本方法は、第1の画像と第2の画像との段階的レジストレーションを提供する点で有利であり、段階的レジストレーションは、少なくとも2つのステップのレジストレーションを含み、各ステップにおいて、第1の画像と第2の画像との相関が、前のステップからの情報を使用することによって改善され、すなわち、誤差を最小化し、第1の画像と第2の画像との位置合わせを改善し、その結果、改善された変形パラメータセットを提供する。これにより、画像レジストレーションが改善され、第1および/または第2の画像における異常の検出が容易になる。異常は、腫瘍、石灰化、嚢胞、および/または、組織に発生する良性および/または悪性の変化のような、検出の関心対象となり得る任意のその他の異常であってもよい。異常は、レジストレーションから得られる画像強度値の変化および/または局所的な組織体積の拡大/縮小によって検出され得る。概して、本方法では、1つの対象物(例えば、異なる時点における同じ対象物の画像を位置合わせする場合)または複数の対象物(例えば、異なる対象物の画像を位置合わせする場合)の特徴を描写するため、本方法は、取得された任意の2つの画像を位置合わせする際に有利であることが示されている。本方法は、大きな撮影体積を含む画像、例えば対象物の少なくとも腹部および/または少なくとも胴体を含む画像に対して特に有利であることが示されている。典型的には、描写された面積および/または体積が増加すると、画像の複雑さとそれに応じてそのレジストレーションが増大する。しかしながら、本方法は、複雑さの増大を克服し、大きな画像体積を含む画像に対してレジストレーションを容易にすることが示されている。したがって、X線検査からの対象物の画像は、典型的には、対象物の少なくとも腹部、少なくとも胴体を含み得る、および/または、X線検査からの対象物の画像は、対象物の全身を含み得る。あるいは、X線検査からの対象物の画像は、典型的には、対象物の全身の少なくとも50%を含み得る。さらに、本発明はX線検査によって取得された画像データを利用することに基づき、それによって、異なる組織クラスのセグメンテーションを容易にする。X線検査に基づく画像は、特に骨組織のセグメンテーションに有益であり、これは、骨組織が、例えばMRI画像に比べてX線画像で非常にコントラストが高く検出されるからである。
【0016】
画像は、例えば3次元(3D)画像、すなわち体積画像であってもよいし、2次元(2D)画像であってもよい。
【0017】
重み付けコスト関数は、2つ以上のパラメータを含む最適化される関数として理解されるべきであり、各パラメータは対応する重み係数と関連付けられる。パラメータは、典型的には、第1の画像の少なくとも一部分と第2の画像の少なくとも複数部分との相関であってもよい。
【0018】
第2のレジストレーションは、第1のレジストレーションから得られる第1の変形パラメータセットに基づいて行われる。これは、第2のレジストレーションが第1のレジストレーションからの変形パラメータを直接使用してもよいし、第2のレジストレーションが第1のレジストレーションと第2のレジストレーションの間の、第1のレジストレーションからの変形パラメータに基づいて行われ、第2のレジストレーションで使用される可能性がある新しい変形パラメータのセットを出力する任意のレジストレーションステップからの変形パラメータのセットを使用してもよいことを意味する。レジストレーションの各ステップで変形パラメータを段階的に改善するこの方法は、第1の画像と第2の画像との位置合わせを更に改善する。言い換えれば、第2のレジストレーションを実行する際に、先行するレジストレーションステップからの変形パラメータが、これは第1の変形パラメータセットであってもよいが、第2のレジストレーションを更に改善し、第1の画像と第2の画像との位置合わせを改善する。更に言い換えると、先行するレジストレーションステップからの変形パラメータは、第2のレジストレーションを実行する際に使用されてもよく、第1のレジストレーションからの変形パラメータ、すなわち第1の変形パラメータセットであってもよく、または、第1のレジストレーションの後の第2のレジストレーションの前に実行され得るレジストレーションの任意の中間ステップからの変形パラメータであってもよい。同様に、第1のレジストレーションからの変形パラメータ、すなわち第1の変形パラメータセットは、第2のレジストレーションまたは第1のレジストレーションの後に実行され得るレジストレーションの任意の中間ステップのような、変形および/またはレジストレーションの任意の後続ステップにおいて使用され得る。その他の例は、以下に開示される実施形態においてより明らかになるであろう。
【0019】
変形パラメータは変形フィールドと呼ばれることがあり、変形フィールドは、画像内の各ボクセルまたはピクセルに対するベクトルを含み得る。変形パラメータセットは、第2の画像に位置合わせするための第1の画像の全体または少なくとも一部の変形(または変換)の初期推測として使用することができる。言い換えれば、変形パラメータセットは、第1の画像のボクセルまたはピクセルの全部または一部に対するボクセル単位またはピクセル単位の変換情報を含み得る。
【0020】
第1のレジストレーションは骨組織を扱う。骨組織は第1のレジストレーションを実行する際に第1の組織クラスとして用いるのが好ましいことが示されている。これは、骨が対象物内の他の組織クラスと比較して比較的隆起しており、骨組織がレジストレーションされた場合、周囲の組織は、対象物間である程度類似した骨からの相対的な距離を維持する傾向があるからである。骨組織とは、150超、好ましくは200超のハンスフィールド値を有する実質的に骨からなる対象物内の組織を意味する。150~350のハンスフィールド値は、典型的に低密度の骨組織と関連している可能性がある。
【0021】
第1のレジストレーションは、第1の組織クラスに関連した、第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第1の制約パラメータセットを提供してもよく、第2のレジストレーションは、第2のレジストレーションを予め形成するときに、第1の制約パラメータセットによって所定のレジストレーション制限を有する第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、第1の制約パラメータセットを考慮に入れてもよい。
【0022】
概して、制約パラメータは、その変換が既に実行されたために、後続のレジストレーションステップを実行する際に、所定の制限に従ってその変換が制限されるまたは変換が必要とされないボクセルを定義してもよく、これによって、レジストレーションで既に使用された組織クラスが、後続のレジストレーションステップを実行する際に所定の制限に従ってレジストレーションされ得るので、レジストレーションの精度を更に向上させ得る。よって、所定のレジストレーション制限は、後続のレジストレーションステップを実行する際に変換が許容されるボクセルのボクセル数として定義されてもよい。これによって、実際の制約パラメータを得るために使用された組織クラスとは異なる組織クラスに対してレジストレーションが実行され得るため、後続のレジストレーションステップ中に画像ボクセルが誤配置されるリスクを低減することができる。制約パラメータによって定義されるボクセルは、後続のステップのいずれかにおいて第1の画像を位置合わせするために変換が制限されるか、または配置の固定が許容される、即ち、変換が全く許容されない対象物の部分を示してもよい。例えば、第1のレジストレーションからの制約パラメータによって定義されたボクセルは、配置が固定されるボクセルまたは定義されたボクセル数内で変換が許容されるボクセルを定義することができ、これによって、第2のレジストレーションなどの後続のレジストレーションステップ中にこれらのボクセルが第1の画像内の他のボクセルよりもレジストレーションの影響を受けないようにする。従って、制約パラメータセットによって定義されたボクセルは、少なくともいくつかの実施形態において、第2のレジストレーションから除外され得るので、第2のレジストレーションを実行する際に処理するデータ量は、制約パラメータセットを適用することによって低減または制限され得る。
【0023】
一実施形態によれば、本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラス第1の部分画像を取得することと、第2の画像に関連付けられ、第2の画像内の第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第2の部分画像を取得することとを含み、第2の組織クラスは、除脂肪軟部組織および脂肪組織からなる群から選択される。第2のレジストレーションにおける第1の画像の少なくとも一部と第2の画像の少なくとも一部との相関は、第2の重み付けコスト関数の最適化を含み、第2の重み付けコスト関数は、第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた第2の組織クラス第1の部分画像と第2の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含み、第2のレジストレーションの第1および第2の重み係数はゼロではない。第2のレジストレーションは、第2の組織クラスに関連する第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第2の制約パラメータセットを提供し得る。第2の変形パラメータセットは、最適化から得られる。
【0024】
この実施形態は、第2の変形パラメータセットを提供することによって、第2の画像に対する第1の画像の全体的な情報および第2の画像に対する第1の画像の特定の情報の両方の相関が実行されるため、すなわち、除脂肪軟部組織または脂肪組織に関して画像のレジストレーションを実行することによって、第2の画像に対する第1の画像のレジストレーションが改善される点で有利である。言い換えれば、第2の変形パラメータセットは、第2の画像と位置合わせするために、第1の画像のボクセルの並進を更に定義する。これにより、レジストレーションの精度が更に向上し、第1の画像と第2の画像との間の位置合わせの誤差が減少することが示されている。さらに、第2のレジストレーションが第2の変形パラメータセットを提供することによって、後続のレジストレーションステップを実行する際に、所定の制限に従って、その変換が制限されるか、または変換が必要とされない第1の画像内のボクセルを更に定義することができる。
【0025】
本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の第3の組織クラスの情報を含む、第2のレジストレーションの第3の組織クラスの第1の部分画像を取得することと、第1の画像に関連付けられ、第2の画像内の第3の組織クラスの情報を含む、第2のレジストレーションの第3の組織クラスの第2の部分画像を取得することとを更に含んでもよく、第2の組織クラスは除脂肪軟部組織であり、第3の組織クラスは脂肪組織である。第2の重み付けコスト関数は、第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた第2の組織クラスの第1の部分画像と第2の組織クラスの第2の部分画像との相関と、第2のレジストレーションの第3の重み係数を用いた第3の組織クラスの第1の部分画像と第3の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含んでもよく、第2のレジストレーションの第1、第2および第3の重み係数はゼロではない。第2のレジストレーションは、第2の制約パラメータセットに第3の組織クラスに関連した第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する制約パラメータを更に提供する。除脂肪軟部組織とは、筋肉組織など、-29~150のハンスフィールド値を有する身体器官を含む対象物内の組織を意味する。脂肪組織とは、-190~-30のハンスフィールド値を有する、実質的に脂肪の組成を有する対象物内の組織を意味する。
【0026】
脂肪組織情報および除脂肪軟部組織情報の両方からなる重み付けコスト関数を最適化して第1の画像のレジストレーションを実施することによって、第1の画像と第2の画像とのレジストレーションが更に改善され得る。第2の重み付けコスト関数が、第1の画像と第2の画像の全体的な情報および第1の画像と第2の画像の脂肪組織および除脂肪軟部組織の両方の相関を含むため、第2のレジストレーションからの変形パラメータが更に改善されるためである。
【0027】
一実施形態によれば、本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の混合組織の情報を含む第4の組織クラスの第1の部分画像を取得することと、第2の画像に関連付けられ、第2の画像内の混合組織の情報を含む第4の組織の第2の部分画像を取得することとを含む。混合組織は、第1および第2の画像においてそれぞれ皮下脂肪に囲まれた組織として定義される。本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の脂肪組織の情報を含む第5の組織クラスの第1の部分画像を取得することと、第2の画像に関連付けられ、第2の画像内の脂肪組織の情報を含む第5の組織クラスの第2の部分画像を取得することとを更に含む。本方法は第1の変形パラメータセットに基づいて、第1の画像と第2の画像との中間レジストレーションを実施することを更に含み、中間レジストレーションは、中間レジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、中間レジストレーションの第2の重み係数を用いた第4の組織クラスの第1の部分画像と第4の組織クラスの第2の部分画像との相関と、中間レジストレーションの第3の重み係数を用いた第5の組織クラスの第1の部分画像と第5の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含む第3の重み付けコスト関数の最適化を含み、中間レジストレーションの第1、第2および第3の重み係数はゼロではない。第1の画像から第2の画像への変換に関連する中間変形パラメータセットは最適化から得られ、第2のレジストレーションは中間変形パラメータセットに基づいて行われる。皮下脂肪に囲まれた組織とは、皮下脂肪を除く対象物内に割り当てられた組織または空気、すなわち、皮下脂肪および場合によっては対象物の輪郭がそれぞれ除去された後の、第1の画像および第2の画像にそれぞれ定義された組織または空気として理解されるべきである。
【0028】
この実施形態は、段階的レジストレーションにステップを追加することによってレジストレーションの精度を更に向上させる点で有利である。上述したように、第2のレジストレーションは、第1のレジストレーションと第2のレジストレーションとの間の任意のレジストレーションステップからの、第1のレジストレーションの変形パラメータに基づく変形パラメータセットを使用してもよい。したがって、第2のレジストレーションは、中間レジストレーションからの中間変形パラメータセットを使用してもよく、よって、第2のレジストレーションステップは、更に改善された変形パラメータセットを使用することができるため、レジストレーションの精度が更に向上する。
【0029】
中間レジストレーションは、中間レジストレーションを実行する際に、第1の制約パラメータセットによって所定のレジストレーション制限を有する第1の画像内の少なくとも1つのボクセルセットを定義することで、第1の制約パラメータセットを考慮に入れてもよい。
【0030】
さらに、中間レジストレーションは、混合組織に関連する第1の画像内の少なくとも1つの画像ボクセルのセットを定義する第3の制約パラメータセットを提供してもよく、第2のレジストレーションは、第2のレジストレーションを予め形成する際に、第3の制約パラメータセットによって第1の画像内の少なくとも1つのボクセルのセットを定義することで、第3の制約パラメータセットを更に考慮に入れてもよい。
【0031】
第3の制約パラメータセットは、第1の画像内の皮下脂肪に囲まれた組織と皮下脂肪との間の境界上のボクセルを定義してもよい。第3の制約パラメータセットは、皮下脂肪に囲まれたボクセルが、皮下脂肪に囲まれた組織と皮下脂肪との間の境界の外側にレジストレーションされることを、レジストレーションの任意の後続のステップにおいて更に制限してもよい。
【0032】
一実施形態によれば、本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の第6の組織クラスの情報を含む第6の組織クラスの第1の部分画像を取得することと、第2の画像に関連付けられ、第2の画像内の第6の組織クラスの情報を含む第6の組織クラスの第2の部分画像を取得することとを更に含み、第6の組織クラスは皮下脂肪である。本方法は、第1の画像と第2の画像の第3のレジストレーションを更に含み、第3のレジストレーションは、第3のレジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、第3のレジストレーションの第2の重み係数を用いた第6の組織クラスの第1の部分画像と第6の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含む第4の重み付けコスト関数の最適化を含み、第3のレジストレーションの第1および第2の重み係数はゼロではない。第1の画像の第2の画像への変換に関連する第3の変形パラメータセットは最適化から得られる。
【0033】
この実施形態は、第1の画像と第2の画像とのレジストレーションを更に改善する点で有利であり、レジストレーションは皮下脂肪に更に基づいて実施され、したがって、改善された変形パラメータを得ることができ、レジストレーションの精度の向上および/または変形パラメータに基づく任意の変形をもたらす。
【0034】
第3のレジストレーションは、第3のレジストレーションを予め形成する際に、第1の制約パラメータセットによって、所定のレジストレーションの制限を有する第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、少なくとも第1の制約パラメータセットを考慮に入れてもよい。
【0035】
第3のレジストレーションは、第1および第2の制約パラメータセットがそれぞれ存在する場合に、第3のレジストレーションを予め形成する際に、第1および第2の制約パラメータセットによって、所定のレジストレーションの制限を有する第1の画像内のそれぞれのボクセルのセットを定義することで、少なくとも第1および第2の制約パラメータセットを考慮に入れてもよい。
【0036】
第3のレジストレーションは、第1、第2および第3の制約パラメータセットがそれぞれ存在する場合に、第3のレジストレーションを予め形成する際に、第1、第2および第3の制約パラメータセットによって、所定のレジストレーションの制限を有する第1の画像内のそれぞれのボクセルのセットを定義することで、少なくとも第1、第2および第3の制約パラメータセットを考慮に入れてもよい。
【0037】
第1、第2および第3の制約パラメータは全て、それぞれの制約パラメータのセットによって定義されるボクセルに対して異なる制限を含み得ることを理解されたい。言い換えれば、第1のレジストレーションからの制約パラメータは、第1の所定のレジストレーションの制限を定義してもよい。第2のレジストレーションからの制約パラメータは、所定のレジストレーションの制限、例えば、第2の所定のレジストレーションの制限を定義してもよい。中間レジストレーションからの制約パラメータは、所定のレジストレーションの制限、例えば、第3の所定のレジストレーションの制限を定義してもよい。
【0038】
第3のレジストレーションを実行する際に、画像レジストレーションの先行するステップの全てまたは少なくとも一部からの制約パラメータを更に使用することによって、所定のレジストレーションの制限によって、先行するステップにおいて既にレジストレーションが行われた組織クラスが第3のレジストレーションにおいて制限されるため、第1の画像と第2の画像のレジストレーションが改善され得る。言い換えれば、これは、第1の画像と第2の画像との位置合わせの誤差を最小にし、そして、以前にレジストレーションされた組織クラスの配置が固定され、第3のレジストレーションステップの間に変更を許容されなくし得るため、改善された変形パラメータのセットを提供することができる点で有利である。これにより、後続し得るステップにおいて、第1および第2の画像の少なくとも一方のレジストレーションおよび/または変形が改良され得る。
【0039】
一実施形態によれば、第1の画像に関連したそれぞれの組織クラスの部分画像を取得する各ステップは、第1の画像内のデータに基づいて、第1の画像内のそれぞれの組織クラスに関連した第1の画像の第1のボクセルのセットを特定することと、第1の画像の第1のボクセルのセットは第1の画像内のデータに基づいて各組織クラスを表し、第1の画像内の特定された第1の画像の第1のボクセルのセットから第1の画像に関連した部分画像を作成することとを含む。第2の画像に関連したそれぞれの組織クラスの部分画像を取得する各ステップは、第2の画像内のデータに基づいて、第2の画像内のそれぞれの組織クラスに関連した第2の画像の第2のボクセルのセットを特定することと、第2の画像の第2のボクセルセットは第2の画像内のデータに基づいて各組織クラスを表し、第2の画像内の特定された第2の画像の第2のボクセルセットから第2の画像に関連した部分画像を作成することとを含む。
【0040】
この実施形態は、第1の画像と第2の画像のセグメンテーションを容易にし、それによって、第1の画像と第2の画像とのレジストレーションを容易にする点で有利である。
【0041】
第1の画像と第2の画像とのそれぞれの相関は、正規化相互相関、差の二乗和、および相互情報量からなる群から選択されてもよく、各第1の部分画像と各第2の部分画像とのそれぞれの相関は、正規化相互相関、差の二乗和、および相互情報量からなる群から選択されてもよい。
【0042】
本方法は、第1の組織クラスの第1の部分画像と第1の組織クラスの第2の部分画像とのアフィンレジストレーションを含んでもよく、第1の画像の第2の画像への変換に関連した初期変形パラメータセットは、アフィンレジストレーションから取得される。第1のレジストレーションは、初期変形パラメータセットに基づいて実行されてもよい。
【0043】
第1のレジストレーションに先んじてアフィンレジストレーションを実行することは、第1のレジストレーションの初期推測として使用され得る初期変形パラメータセットを提供し、それによって、画像レジストレーションの後続のステップを容易にする点で有利となり得る。
【0044】
本方法はまた、所定のクロッピング領域に従って、第1の組織クラスの第1の部分画像および第1の組織クラスの第2の部分画像を画像クロッピングすることを含み得る。
【0045】
それぞれの第1の組織クラスの第1の部分画像および第1の組織クラスの第2の部分画像をクロッピングすることによって、レジストレーションの対象となるデータが少なくなるため、レジストレーションを容易にし得る。さらに、所定のクロッピング領域にレジストレーションを実行することによって、データを制限し、後続のレジストレーションステップに正しいデータがあることを確実にすることによって、レジストレーションを容易にし得る。例えば、画像のレジストレーションを行う際に、既知の関心領域(ROI)が使用されるように画像をクロッピングすることができる。
【0046】
本方法は、第1の画像の第1の前画像および第2の画像の第2の前画像の初期画像調整を含んでもよく、初期画像調整は、第1の画像および第2の画像をそれぞれ出力し、第1の前画像および第2の前画像をそれぞれ線形または非線形に強度スケーリングすることからなる強度スケーリングと、第1の前画像および第2の前画像にそれぞれ平均フィルタ、メディアンフィルタおよびソーベルフィルタの少なくとも1つを適用することからなる画像フィルタリングとの少なくとも1つを含む。
【0047】
強度スケーリングは、第1および第2の画像に、後続のレジストレーションステップの少なくとも1つにおいて異なる組織クラスを区別することを更に容易にするように構成されたスケーリングされた強度を提供する点で有利であり得る。さらに、画像フィルタを適用することによって、後続のレジストレーションステップの少なくとも1つにおいて異なる組織クラスの区別を容易にし得る。例えば、画像から第1および第2の前画像のエッジを検出するためにソーベルフィルタを適用することにより、異なる組織クラス、特に骨組織を区別することが更に容易になり得る。前画像とは、第1および第2の画像のそれぞれの前段階の画像を意味し、初期画像調整の出力がそれぞれ第1および第2の画像となり得る。
【0048】
本方法は、上記いずれかの変形パラメータセットに基づいて第1の画像を変形させることを含み得る。
【0049】
上記いずれかの変形パラメータセットに基づいて第1の画像を変形させることは、変形された第1の画像が第2の画像と位置合わせされ、すなわちレジストレーションされ、それによって、第1の画像と第2の画像との比較を容易にする点で有利であり得る。
【0050】
本方法はまた、陽電子放射断層撮影(PET)検査で撮影された第3の画像を取得することを含んでいてもよく、第3の画像は第1の画像と既知の空間的および時間的関係を有する。本方法は、上記いずれかの変形パラメータセットに基づいて第3の画像を変形させることを更に含んでいてもよい。
【0051】
上記いずれかの変形パラメータセットに基づいて第3の画像を変形することは、PET検査において撮影された第3の画像を変形させ、この第3の画像を第2の画像と位置合わせする際に有利であり得る。例えば、第1の医用画像検査のX線減弱からの有意なデータを含む第1の画像は、第3の画像との時間的および空間的関係が既知であるPET-CTスキャンから取得されるかもしれない。
【0052】
第2の態様によれば、処理部を含む画像情報処理システムであって、処理部が、前述した実施形態のいずれか1つによる方法を実行するように構成される、システムが提供される。
【0053】
この第2の態様は、上記第1の態様と同等の利点を有する。
【0054】
ある態様に関連して説明された特徴は、他の態様にも含まれていてもよく、その特徴の利点は、その特徴が含まれた全ての態様に適用され得る。
【0055】
本発明の概念のその他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な開示、添付の特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。
【0056】
概して、特許請求の範囲において使用される全ての用語は、本明細書において明示的に別段定義されない限り、技術分野における通常の意味に従って解釈される。さらに、本明細書における「第1」、「第2」、および「第3」などの用語の使用は、いかなる順序、量、または重要性も示すものではなく、1つの要素を他の要素と区別するために使用される。a/an/the(要素、装置、構成要素、手段、ステップなど)という言及はすべて、明示的に別段の記載がない限り、当該要素、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの例を指すものとして広義に解釈されるものとする。本明細書に開示された方法のステップは、明示的に記載されていない限り、開示された順序に忠実に実行される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
上記、並びに本発明概念の更なる目的、特徴および利点は、添付図面を参照して、本発明概念の異なる実施形態についての以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通じてよりよく理解されるであろう。
【0058】
図1図1は、少なくとも1つの実施形態に係わる方法を概略的に示す。
図2図2は、少なくとも1つの実施形態に係わる方法を概略的に示す。
図3図3は、少なくとも1つの実施形態に係わる方法を概略的に示す。
図4図4は、少なくとも1つの実施形態に係わる異なる画像を概略的に示す。
図5図5は、少なくとも1つの実施形態に係わる、第1の画像と第2の画像をレジストレーションした後の、第1の画像と第2の画像との比較を概略的に示す。
図6図6は、少なくとも1つの実施形態に係わる、1つの第1の画像と第2の画像の集合をレジストレーションした後の、第1の画像と第2の画像の集合との比較を概略的に示す。
図7図7は、少なくとも1つの実施形態に係わる、複数の第1の画像と1つの第2の画像とのレジストレーションを概略的に示す。
図8図8は、少なくとも1つの実施形態に係わる、X線検査における画像の取得を概略的に示す。
【0059】
図は必ずしも縮尺通りではなく、概して、発明概念を明瞭にするために必要な部分のみを示しており、他の部分は省略されているか、単に示唆されている可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1は、少なくとも1つの実施形態に係わる、第1の画像と第2の画像とをレジストレーションするための方法100を概略的に示す。明瞭化かつ簡素化のために、本方法は「ステップ」という言葉で説明される。ステップは、必ずしも時間的に区切られたり、互いに分離されたりする工程ではなく、2つ以上の「ステップ」が並行して同時に実行されてもよいことを強調したい。第1の画像201aは、第1の医用画像検査からのX線減弱に有意なデータを含み、第2の画像202bは、第2の医用画像検査からのX線減弱に有意なデータを含む。本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像201a内の第1の組織クラスの情報を含む第1の組織クラスの第1の部分画像202aを取得すること110aを含む。本方法は、第2の画像201bに関連付けられ、第2の画像内の第1の組織クラスの情報を含む第1の組織クラスの第2の部分画像202bを取得すること110bを更に含む。第1の組織クラスは骨組織である。
【0061】
第1の組織クラスの第1の部分画像202aおよび第1の組織クラスの第2の部分画像202bは、異なる方法で取得されてもよい。例えば、第1の組織クラスの第1の部分画像202aおよび第1の組織クラスの第2の部分画像202bの少なくとも一方は、それぞれ第1および第2の画像201a、202bの前処理から取得されてもよい。加えてまたはそれに代えて、第1の組織クラスの第1の部分画像202aおよび第1の組織クラスの第2の部分画像202bの少なくとも一方は、それぞれ第1および/または第2の画像201a、202b内の第1の組織クラスを特定することによって取得されてもよい。第1の組織クラスの第1の部分画像202aおよび/または第1の組織クラスの第2の部分画像202bは、それぞれ、第1および/または第2の画像201a、201b内の特定された第1の組織クラスから作成されてもよい。
【0062】
本方法は、第1の画像201aと第2の画像201bとの第1のレジストレーション120を更に含み、第1のレジストレーション120は、第1の重み付けコスト関数の最適化122を含む。第1の重み付けコスト関数は、第1のレジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、第1のレジストレーションの第2の重み係数を用いた第1の組織クラスの第1の部分画像と第1の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含む。第1のレジストレーションの第1および第2の重み係数はゼロではない。したがって、第1の重み付けコスト関数は、Σ(W11*相関(第1の画像201a、第2の画像201b)、W12*相関(第1の組織クラスの第1の部分画像202a、第1の組織クラスの第2の部分画像202b))の形をとることができ、ここで、W11およびW12はそれぞれ、第1のレジストレーションの第1の重み係数および第2の重み係数である。第1の画像201aから第2の画像201bへの変換に関連する第1のレジストレーション120からの第1の変形パラメータセット124は、最適化122から得られる。
【0063】
本方法は、第1の画像201aと第2の画像201bとの第2のレジストレーション140を更に含み、第2のレジストレーション140は、第1の変形パラメータセット124に基づいた、第1の画像201aの少なくとも一部と第2の画像201bの少なくとも一部との相関141を含み、第1の画像201aの第2の画像201bへの変換に関連する第2の変形パラメータセット144は、相関141から得られる。従って、相関141は、第1の変形パラメータセットを直接または間接的に使用してもよく、すなわち、直接使用される場合、本明細書中において、変形パラメータセットは、相関141を実行する際に初期推測として使用され得ることを意味する。
【0064】
第1および第2の医用画像検査は、CTスキャナ(コンピュータ断層撮影機器)で実行される検査であってもよい。従って、第1および第2の画像は、それぞれ第1および第2のCT画像であってもよい。
【0065】
第1の画像201aの少なくとも一部と第2の画像201bの少なくとも一部との相関141は、第1の画像201aの少なくとも一部が第2の画像201bの少なくとも一部にレジストレーションされる任意の形式の画像相関であってもよい。
【0066】
故に、方法100は、第1の画像201aと第2の画像201bとのレジストレーションを改善するために、第1の画像201aと第2の画像201bとの段階的なレジストレーションを含むことが理解されるべきである。さらに、第1のレジストレーションにおいて、および/または、後述する実施形態に係わる方法の任意の後続のレジストレーションステップにおいて、それぞれの部分画像を有する第1および第2の画像201a、201bの両方を使用することで、レジストレーションされる各画像(第1および第2の画像)の画像全体からの画像情報と各画像に提供される特定の組織情報との両方に基づくレジストレーションが提供される。これにより、第1および第2の画像201a、201bそれぞれからの情報が第1および第2の画像201a、201bそれぞれについて得られた部分画像と共に使用される各ステップにおいて(第1および第2の画像の)レジストレーションの精度が向上することが示されている。本方法および提供されるシステムに追加のステップを有する追加の実施形態を、以下の図面を参照して説明する。
【0067】
まず、少なくとも一実施形態に係わる方法100を模式的に示す図2を参照して、本方法について説明する。図2に示される方法は、図1を参照して示される方法と類似しており、例えば、第1のレジストレーションは、図1に対して前述したものと同じく実行される。しかしながら、図2では、第1のレジストレーション120の後に、第2のレジストレーション140の前に実行される中間レジストレーション130のような追加ステップを含む方法100が開示されている。さらに、図2は、第2のレジストレーション140において第1の画像の少なくとも一部と第2の画像の少なくとも一部との相関141が、第2の重み付けコスト関数の最適化142を含み得ることを示している。概して、各ステップは、レジストレーションの直後のステップおよび/または変形ステップで使用するための変形パラメータ124、134、144、154を提供する。変形パラメータ124、134、144、154は、第1の画像と第2の画像とをレジストレーションするために、第1の画像のボクセルの少なくとも一部のボクセル毎に、各ボクセルに対する変換を示すベクトルのフィールドを定義することができる。画像内の全てのボクセルが必ずしも変形パラメータによって定義されるわけではなく、つまり、第1の画像内のボクセルの少なくとも一部が変形パラメータによって定義され得ることを理解されたい。一方で、第1の画像内の全てのボクセルが変形パラメータによって定義され得ることも理解されたい。3次元画像、すなわち体積画像の場合、これらの画像は3つの直交する方向、x方向、y方向およびz方向に定義されてもよい。第1の画像におけるボクセルの少なくとも一部の各ボクセルのベクトルのフィールドは、それぞれの方向、すなわちx方向、y方向およびz方向に定義されたベクトルを含み得る。
【0068】
本方法は、第1の変形パラメータセット124に基づいて、第1の画像と第2の画像とを中間レジストレーション130することを含んでいてもよい。したがって、第1のレジストレーション120から得られた第1の変形パラメータセット124は、初期レジストレーション130を実行する際に初期推測として使用されてもよい。
【0069】
本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の混合組織の情報を含む第4の組織クラスの第1の部分画像203aを取得すること113aを更に含んでもよい。さらに、本方法は、第2の画像に関連付けられ、第2の画像内に混合組織の情報を含む第4の組織の第2の部分画像203bを取得すること113bを含んでもよい。混合組織は、第1および第2の画像201a、201b内のそれぞれ皮下脂肪に囲まれた組織として定義される。
【0070】
混合組織は、第1の画像および第2の画像内のそれぞれ皮下脂肪に囲まれた組織として定義される。好ましくは、混合組織は、第1の画像において、撮影対象物から皮膚組織および皮下脂肪を除去することによって得られる。第1および第2の画像における撮影対象物内の組織はそれぞれ、そのハンスフィールド値(HU)に従って検出されてもよい。皮膚組織は、体の輪郭などの対象物の輪郭から5mm以内のHUが-29~150の軟組織として検出されてもよい。対象物の輪郭は、撮影された対象物の外側の境界として定義される。皮下脂肪は、手動セグメンテーションまたは自動画像処理アルゴリズムのいずれかによって、皮膚組織の直下の190~-30のHUとして同定することができる。骨組織は150超、好ましくは200超のHUを有し、軟組織は-29~150のHUを有し、脂肪は-190~-30のHUを有すると定義することができる。第1の画像および第2の画像のそれぞれにおける撮影対象物内の組織は、低密度組織のような記載された値よりも低いHU値を有する組織を含んでいてもよい。低密度組織は、典型的には、-190未満、好ましくは-300未満または-500未満のHUを有する撮影対象物内の組織であってもよい。低密度組織は、典型的には、著しく多くの空気を含む対象物内の組織であってもよい。対象物内の空気は、-500未満のHUとして定義することができる。その後、第4の組織クラスの第1の部分画像203aおよび第4の組織クラスの第2の部分画像203bを提供するために、対象物内の検出された組織および低密度組織から皮下脂肪および皮膚組織が除外されてもよい。言い換えれば、第4の組織クラスの第1の部分画像203aおよび第4の組織の第2の部分画像203bを提供するために、皮下脂肪および皮膚組織が撮影された対象物から除外されてもよい。
【0071】
本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の脂肪組織の情報を含む第5の組織クラスの第1の部分画像204aを取得すること114aを更に含み得る。本方法は、第2の画像に関連付けられ、第2の画像における脂肪組織の情報を含む第5の組織クラスの第2の部分画像204bを取得すること114bを含み得る。幾つかの実施形態では、第3の組織クラスの第1部分画像206aおよび第3の組織クラスの第2部分画像206bがそれぞれ第1の画像および第2の画像における脂肪組織の情報を含む場合、これらの画像をそれぞれ第5の組織クラスの第1の部分画像204aおよび第5の組織クラスの第2の部分画像204bとして使用してもよい。
【0072】
中間レジストレーション130は、中間レジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、中間レジストレーションの第2の重み係数を用いた第4の組織クラスの第1の部分画像203aと第4の組織クラスの第2の部分画像203bとの相関と、中間レジストレーション130の第3の重み係数を用いた第5の組織クラスの第1の部分画像204aと第5の組織クラスの第2の部分画像204bとの相関との和を含む第3の重み付けコスト関数の最適化132を含んでもよい。中間レジストレーションの第1、第2および第3の重み係数は、非ゼロであってもよい。従って、第3の重み付けコスト関数は、Σ(W31*相関(第1の画像201a、第2の画像201b)、W32*相関(第4の組織クラスの第1の部分画像203a、第4の組織クラスの第2の部分画像203b)、W33*相関(第5の組織クラスの第1の部分画像204a、第5の組織クラスの第2の部分画像204b))の形をとることができ、ここで、W31、W32およびW33は、それぞれ、中間レジストレーションの第1、第2および第3の重み係数である。
【0073】
第1の画像201aから第2の画像201bへの変換に関連する中間変形パラメータセット134は、最適化132から得られてもよく、第2のレジストレーション140は、中間変形パラメータセット134に基づいて実行されてもよい。よって、中間変形パラメータセット134は、第2のレジストレーション140を実行する際の初期推測として使用されてもよい。第2のレジストレーション140は、第1の変形パラメータセット124を直接用いて中間レジストレーションによって推測された中間変形パラメータ134を用いることによって、第1の変形パラメータのセット124に基づくことになる。言い換えれば、中間レジストレーション130が第1のレジストレーション120からの第1の変形パラメータセット124を直接使用するので、中間変形パラメータ134を使用する第2のレジストレーション140も第1の変形パラメータセット124に基づくことになる。
【0074】
さらに、後続のレジストレーションステップで使用するために、各レジストレーションステップによって制約パラメータが提供されてもよい。したがって、制約パラメータは、後続ステップが2つ以上存在する場合、レジストレーションの全ての後続ステップで使用され得る。制約パラメータは、後続のステップのレジストレーションが制限されるべき第1の画像内のボクセルまたはピクセルを定義する。よって、制約パラメータは、定義されたボクセルに対して許容される変換の量を規制、すなわち制限する。制約パラメータによって定義されたボクセルは、その変換が禁止されるように配置が固定され得る。制約パラメータによって定義されたボクセルは、後続のレジストレーションステップにおいて所定の制限に従って移動が許容されてもよく、この制限は、画像内の各方向、すなわち体積画像ではx方向、y方向、z方向のボクセル数として定義されてもよい。所定の制限は、10ボクセル以内、好ましくは、5ボクセル以内、より好ましくは、2ボクセル以内、最も好ましくは、0ボクセル以内であってよい。0ボクセルとは、制約パラメータによって定義されたボクセルがレジストレーションの際に変換されない、すなわち配置が固定され得ることを理解すべきである。2以上のボクセル、例えば10ボクセル以内、5ボクセル以内、および/または2ボクセル以内などは、制約パラメータによって定義されたボクセルが、x方向、y方向、およびz方向の少なくとも1つにおいて、それぞれ定義されたボクセル内で変換が許容されることが理解されるべきである。よって、制約パラメータは、レジストレーション方法の各レジストレーションステップにおいて定義されてよく、各レジストレーションステップの後続のステップは、所定の制限に従って制約パラメータによって定義される第1の画像内のボクセルのレジストレーション、すなわち変換を制限することによって、各レジストレーションステップからの制約パラメータを考慮に入れてもよい。レジストレーションの各レジストレーションステップにおいて定義され得る制約パラメータは、各レジストレーションステップにおいて第1の画像と第2の画像とをレジストレーションする際に使用される組織クラスに基づいてボクセルを定義し得る。それぞれの制約パラメータセットによって定義される第1の画像内の少なくとも1つのボクセルのセットは、各レジストレーションステップにおいて使用されるそれぞれの組織クラスを含むボクセルに関連付けられてもよい。
【0075】
第2のレジストレーション140における第1の画像の少なくとも一部と第2の画像の少なくとも一部との相関141は、第2の重み付けコスト関数の最適化142を含み得る。
【0076】
本方法はまた、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第1の部分画像205aを取得すること111aと、第2の画像に関連付けられ、第2の画像内の第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第2の部分画像205bを取得すること111bとを含んでもよい。第2の組織クラスは、除脂肪軟部組織および脂肪組織からなる群から選択されてもよい。第2の重み付けコスト関数は、第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた第2の組織クラスの第1の部分画像と第2の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含んでもよく、第2のレジストレーションの第1および第2の重み係数はゼロではない。第2の変形パラメータセット144は、最適化142から得られてもよい。よって、第2の重み付けコスト関数は、Σ(W21*相関(第1の画像201a、第2の画像201b)、W22*相関(第2の組織クラスの第1の部分画像205a、第2の組織クラスの第2の部分画像205b))、の形をとることができ、ここで、W21およびW22は、それぞれ、第2のレジストレーションの第1の重み係数および第2の重み係数である。
【0077】
本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像における第3の組織クラスの情報を含む、第2のレジストレーションの第3の組織クラスの第1の部分画像206aを取得すること112aと、第1の画像に関連付けられ、第2の画像201bにおける第3の組織クラスの情報を含む、第2のレジストレーションの第3の組織クラスの第2の部分画像206bを取得すること112bとを更に含んでもよい。第2の組織クラスは除脂肪軟部組織であってよく、第3の組織クラスは脂肪組織であってよい。第2の重み付けコスト関数は、第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた第1の画像と第2の画像との相関と、第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた第2の組織クラスの第1の部分画像205aと第2の組織クラスの第2の部分画像205bとの相関と、第2のレジストレーションの第3の重み係数を用いた第3の組織クラスの第1の部分画像206aと第3の組織クラスの第2の部分画像206bとの相関との和を含んでもよく、第2のレジストレーションの第1、第2および第3の重み係数はゼロではない。したがって、第2の重み付けコスト関数は、Σ(W21*相関(第1の画像201a、第2の画像201b)、W22*相関(第2の組織クラスの第1の部分画像205a、第2の組織クラスの第2の部分画像205b)、W23*相関(第3の組織クラスの第1の部分画像206a、第3の組織クラスの第2の部分画像206b))の形をとることができ、ここで、W21、W22、W23は、それぞれ、第2のレジストレーションの第1、第2および第3の重み係数である。本明細書において除脂肪軟部組織とは、身体器官、筋肉組織、体水分、皮膚組織、腱、結合組織等の少なくとも1つを含み、-29~150のハンスフィールド値を有する対象物内の組織を意味する。除脂肪軟部組織は、典型的には、対象物の脂肪および骨塩を含まない構成要素であり得る。脂肪組織は、-190~-30のハンスフィールド値を有する、実質的に脂肪を含む組成を有する対象物内の組織を意味する。
【0078】
第1のレジストレーション120は、第1の組織クラスに関連する第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第1の制約パラメータのセット126を提供してもよく、第2のレジストレーション140は、第2のレジストレーション140を予め形成するときに、第1の制約パラメータのセット126によって所定のレジストレーションの制限を有する第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、第1の制約パラメータのセット126を考慮に入れてもよい。
【0079】
したがって、第1の制約パラメータセット126によって定義された第1の組織クラスに関連する第1の画像内の画像ボクセルのセットは、第2のレジストレーションおよび中間レジストレーションのような後続のレジストレーションステップが存在する場合、各々のレジストレーションステップを実行する際に、レジストレーションを制限することができる。
【0080】
第2のレジストレーションは、第2の組織クラスに関連する第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第2の制約パラメータセット146を提供してもよい。第2のレジストレーションは、第2の制約パラメータセット146に対して第3の組織クラスに関連する第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する制約パラメータを更に提供してもよい。よって、第2の制約パラメータのセット146は、第2の組織クラスおよび第3の組織クラスに関連する第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義し得る。画像レジストレーションの任意の後続のステップでは、第2の制約パラメータのセット146によって定義されるボクセルのレジストレーションが制限され得る。
【0081】
さらに、各変形パラメータセットの所定のレジストレーション制限は、各変形パラメータセットで同じであってもよい。代替的にまたは選択的に、変形パラメータセットのうち少なくとも2つの変形パラメータセットについて、各変形パラメータセットの所定のレジストレーション制限は異なっていてもよく、すなわち、第1のレジストレーションにおいて定義されたボクセルは、例えば中間変形パラメータによって定義されたボクセル、すなわち中間的な所定の制限よりも、後続のステップにおいてより少ない変換を許容する第1の所定の制限に従って制限されてもよい。
【0082】
中間レジストレーション130は、中間レジストレーション130を予め形成する際に、第1の制約パラメータセット126によって、所定のレジストレーションの制限を有する第1の画像内の少なくとも1つのボクセルのセットを定義することで、第1の制約パラメータセット126を考慮に入れてもよい。
【0083】
第1の画像内の少なくとも1つのボクセルのセットは、第1の組織クラス、すなわち骨組織を含むボクセルに関連付けられ得る。
【0084】
さらに、中間レジストレーションは、混合組織に関連する第1の画像内の少なくとも1つの画像ボクセルのセットを定義する第3の制約パラメータのセット136を提供してもよく、第2のレジストレーション140は、第2のレジストレーション140を予め形成する際に、第3のセットの制約パラメータによって、所定のレジストレーション制限を有する第1の画像内の少なくとも1つのボクセルのセットを定義することで、第3のセットの制約パラメータを更に考慮に入れてもよい。
【0085】
混合組織に関連する第1の画像内の少なくとも1つの画像ボクセルのセットは、第1の画像内の皮下脂肪に囲まれた組織と皮下脂肪との境界上のボクセルであってもよい。皮下脂肪に囲まれた組織は、対象物内の組織および/または器官として理解されるべきである。人および/または動物の場合、皮下脂肪に囲まれた組織は、典型的には、対象物の体内の全ての器官および組織である。記載される臓器および/または異なる組織は当該技術分野において周知であり、臓器および/または組織それ自体は中間レジストレーションに関する本発明の対象ではないので、皮下脂肪によって囲まれた臓器または組織については、本明細書においてこれ以上詳細は説明しない。
【0086】
従って、第3の制約パラメータのセット136は、第1の画像において皮下脂肪に囲まれた組織と皮下脂肪との間の境界上のボクセルを定義し得る。
【0087】
本方法は、第1の画像と第2の画像との第3のレジストレーション150を更に含む。
【0088】
本方法は、第1の画像に関連付けられ、第1の画像内の第6の組織クラスの情報を含む第6の組織クラスの第1の部分画像207aを取得すること115aと、第2の画像に関連付けられ、第2の画像内の第6の組織クラスの情報を含む第6の組織クラスの第2の部分画像207bを取得すること115bとを含んでもよく、第6の組織クラスは皮下脂肪である。第3のレジストレーション150は、第3のレジストレーション150の第1の重み係数を用いた第1の画像201aと第2の画像201bとの相関と、第3のレジストレーションの第2の重み係数を用いた第6の組織クラスの第1の部分画像207aと第6の組織クラスの第2の部分画像207bとの相関との和を含む第4の重み付けコスト関数の最適化152を含んでもよく、第3のレジストレーションの第1および第2の重み係数はゼロではない。第1の画像201aから第2の画像201bへの変換に関連する第3の変形パラメータセット154は、最適化152から得られる。よって、第4の重み付けコスト関数は、Σ(W41*相関(第1の画像201a、第2の画像201b)、W42*相関(第6の組織クラス第1の部分画像207a、第6の組織クラス第2の部分画像207b))の形をとることができ、ここで、W41およびW42は、それぞれ、第3のレジストレーションの第1および第2の重み係数である。
【0089】
あるいは、第3のレジストレーション150は、第6の組織クラスの第1の部分画像207aと第6の組織クラスの第2の部分画像207bとの相関を含むコスト関数の最適化152を含み得る。
【0090】
第3のレジストレーション150は、第3のレジストレーション150を予め形成する際に、既存の変形パラメータセットによって、所定のレジストレーションの制限を有する第1の画像201a内のボクセルのセットを定義することで、任意の既存の変形パラメータセットを考慮に入れてもよい。
【0091】
よって、第3のレジストレーション150は、第3のレジストレーション150を予め形成する際に、第1の制約パラメータのセット126によって、所定のレジストレーション制限を有する第1の画像201a内のボクセルのセットを定義することで、少なくとも第1の制約パラメータのセット126を考慮に入れてもよい。
【0092】
さらに、第3のレジストレーション150は、第3のレジストレーションを予め形成する際に、第2の制約パラメータのセット146によって、所定のレジストレーション制限を有する第1の画像201a内のボクセルのセットを定義することで、第2の制約パラメータのセット146を考慮に入れてもよい。
さらに、第3のレジストレーション150は、第3のレジストレーションを実行する際に、第3の制約パラメータのセット136によって、所定のレジストレーション制限を有する第1の画像201a内のボクセルのセットを定義することで、第3の制約パラメータのセット136を考慮に入れてもよい。
【0093】
よって、第1、第2および第3の制約パラメータセット126、146、136は、それぞれ存在する場合、それぞれのボクセルのセットを定義し得るが、重畳されて、ボクセルのセットとして組み合わされて、第3のレジストレーション150における制約パラメータとして使用されてもよい。
【0094】
第1の画像201aと第2の画像201bとのそれぞれの相関は、正規化相互相関、差の二乗和、および相互情報量からなる群から選択され得る。各第1の部分画像202a、203a、204a、205a、206a、207aの、各第2の部分画像202b、203b、204b、205b、206b、207bに対するそれぞれの相関は、正規化相互相関、差の二乗和、および相互情報量からなる群から選択され得る。
【0095】
本方法は、第1の組織クラスの第1の部分画像202aと第1の組織クラスの第2の部分画像202bとのアフィンレジストレーション172を含んでもよく、第1の画像201aの第2の画像201bへの変換に関連する初期変形パラメータセット174がアフィンレジストレーション172から得られる。第1のレジストレーション120は、初期変形パラメータセット174に基づいてもよい。
【0096】
初期変形パラメータセットは、第1のレジストレーション120に関するレジストレーションの初期推測値として使用され得る。
【0097】
本方法はまた、所定のクロッピング領域に従って、第1の組織クラスの第1の部分画像202aと第1の組織クラスの第2の部分画像202bとを画像クロッピング171することを含み得る。
【0098】
典型的には、所定のクロッピング領域は、対象物の所定の体積を定義する。これは例えば、胴体、頭部、胸部、腹部、腕部および/または脚部などの身体の解剖学的断面を含む身体の特定の体積であってもよい。
【0099】
アフィンレジストレーション172は、画像クロッピング171と組み合わされることで、第1の組織クラスの第1の部分画像202aと第1の組織クラスの第2の部分画像202bとの部分的アフィンレジストレーションを提供してもよく、各画像の、それぞれクロッピングされアフィンレジストレーションされた部分は、アフィンレジストレーションステップ172の後に、対象物のそれぞれの完全な第1の組織クラスの第1の部分画像202aおよび第1の組織クラスの第2の部分画像202bにマージされ得る。故に、アフィンレジストレーションは、第1の組織クラスの第1の部分画像202aおよび第1の組織クラスの第2の部分画像202bのそれぞれ異なるクロッピング領域に対して実行されてもよいことが理解されるべきである。このように、第1の組織クラスの第1の部分画像202aと第1の組織クラスの第2の部分画像202bとのアフィンレジストレーション172が容易にされ得る。
【0100】
本方法は、第1の画像の第1の前画像211aおよび第2の画像の第2の前画像211bの初期画像調整173a、173bを含んでもよく、初期画像調整173a、173bは、それぞれ第1および第2の画像201a、201bを出力し、第1および第2の前画像の線形または非線形強度スケーリングを含む強度スケーリングと、第1および第2の前画像211a、211bに平均フィルタ、メディアンフィルタおよびソーベルフィルタの少なくとも1つを適用することからなる画像フィルタリングとの少なくとも1つを含む。
【0101】
本方法は、変形パラメータセット124、134、144、154のいずれかに基づいて第1の画像190を変形させることを更に含んでもよい。したがって、各レジストレーションステップは、第2の画像と位置合わせまたはレジストレーションするために、第1の画像を変形すること示す変形パラメータを計算してもよい。変形190は、レジストレーションされた画像をもたらし得るため、レジストレーションされた画像は、変形パラメータセット124、134、144、154のいずれかを用いて第1の画像を変形190した後の変形された第1の画像となり得る。第1の画像を第2の画像に変形する際に、変形パラメータのいずれか1つを使用してもよい。好ましくは、第1の画像の変形190は、直前のレジストレーションステップからの変形パラメータに基づいてもよい。
【0102】
少なくとも1つの実施形態において、本方法は、陽電子放射断層撮影(PET)検査で撮影された第3の画像210を取得すること191も含んでよく、第3の画像は、第1の画像と既知の空間的および時間的関係を有する。本方法は、変形パラメータセット124、134、144、154のいずれかに基づいて第3の画像を変形すること195を更に含んでよい。
例えば、第3の画像と第1の画像は、同じ検査、すなわち同じ装置で撮影されてもよく、第1と第3の画像は、PET-CTスキャンで撮影されてもよい。これにより、第3の画像と第1の画像との間の空間的および時間的関係を推測することが容易になり得る。
【0103】
図3を参照して、第1の画像に関連するそれぞれの組織クラスの部分画像を取得するそれぞれのステップ110a、111a、112a、113a、114a、115aと、第2の画像に関連するそれぞれの組織クラスの部分画像を取得するそれぞれのステップ110b、111b、112b、113b、114b、115bについて説明する。取得するステップは、部分画像を取得するために第1の画像および第2の画像がセグメントに分割される1つのステップで実行されてもよく、または、第1の画像に関連するそれぞれの組織クラスの部分画像を取得する各ステップ110a、111a、112a、113a、114a、115aが、第1の画像内のそれぞれの組織クラスに関連する第1の画像ボクセルの第1のセットを、第1の画像内のデータに基づいて特定すること116を含み得る別々のステップであってもよい。第1の画像ボクセルの第1のセットは、第1の画像内のデータに基づいたそれぞれの組織クラスを表し得る。取得する各ステップ110a、111a、112a、113a、114a、115aは、第1の画像内の特定された第1の画像ボクセルの第1のセットから第1の画像に関連付けられた部分画像を作成すること117を更に含んでよい。
【0104】
さらに、第2の画像に関連するそれぞれの組織クラスの部分画像を取得する各ステップ110b、111b、112b、113b、114b、115bは、第2の画像内のデータに基づいて、第2の画像内のそれぞれの組織クラスに関連する第2の画像ボクセルの第2のセットを特定すること118と、第2の画像内の特定された第2の画像ボクセルの第2のセットから、第2の画像に関連する部分画像を作成すること119とを含む。第2の画像ボクセルの第2のセットは第2の画像のデータに基づいた各組織クラスを表す。
【0105】
取得するステップの全てが存在するとは限らないので、それぞれが第1の画像201aに関連付けられた、第1の組織クラスの第1の部分画像202a、第4の組織クラスの第1の部分画像203a、第5の組織クラスの第1の部分画像204a、第2の組織クラスの第1の部分画像205a、第3の組織クラスの第1の部分画像206a、第6の組織クラスの第1の部分画像207aを取得することの少なくとも1つのステップ110a、111a、112a、113a、114a、115aは、第1の画像201a内のそれぞれの組織クラスに関連付けられた第1の画像ボクセルのそれぞれの第1のセットを、第1の画像201a内のデータに基づいて特定すること116を含み得る。第1の画像ボクセルのそれぞれの第1のセットは、第1の画像201a内のデータに基づいてそれぞれの組織クラスを表し得る。取得することの少なくとも1つのステップ110a、111a、112a、113a、114a、115aは、第1の画像内のそれぞれの組織クラスに関連付けられた特定されたそれぞれの第1の画像ボクセルセットから、それぞれが第1の画像201aに関連付けられた、第1の組織クラスの第1の部分画像202a、第4の組織クラスの第1の部分画像203a、第5の組織クラスの第1の部分画像204a、第2の組織クラスの第1の部分画像205a、第3の組織クラスの第1の部分画像206a、第6の組織クラスの第1の部分画像207aのうちの少なくとも1つを作成すること117を更に含んでもよい。
【0106】
また、それぞれが第2の画像201bに関連付けられた、第1の組織クラスの第2の部分画像202b、第4の組織クラスの第2の部分画像203b、第5の組織クラスの第2の部分画像204b、第2の組織クラスの第2の部分画像205b、第3の組織クラスの第2の部分画像206b、第6の組織クラスの第2の部分画像207bを取得することの少なくとも1つのステップ110a、111a、112a、113a、114a、115aは、第2の画像201b内のデータに基づいて、第2の画像201b内のそれぞれの組織クラスに関連付けられた第2の画像ボクセルのそれぞれの第2のセットを特定すること118を含み得る。第2の画像ボクセルのそれぞれの第2のセットは、第2の画像201b内のデータに基づいてそれぞれの組織クラスを表し得る。取得することの少なくとも1つのステップ110a、111a、112a、113a、114a、115aは、第2の画像201b内のそれぞれの組織クラスに関連付けられた特定されたそれぞれの第2の画像ボクセルセットから、それぞれが第2の画像201bに関連付けられた第1の組織クラスの第2の部分画像202b、第4の組織クラスの第2の部分画像203b、第5の組織クラスの第2の部分画像204b、第2の組織クラスの第2の部分画像205b、第3の組織クラスの第2の部分画像206b、第6の組織クラスの第2の部分画像207bの少なくとも1つを作成すること119を更に含んでもよい。
【0107】
部分画像は、全ての部分画像若しくは一部の部分画像が同じステップで作成される共同ステップなど様々な方法で取得され得る、または、部分画像は本方法の外で作成され得ることが理解されるべきである。例えば、部分画像は、画像がセグメントに分割される、すなわち各組織クラスが特定され分離される前処理ステップから取得されてもよい。
【0108】
レジストレーション120、130、140、150の少なくとも1つのステップにおける各コスト関数はそれぞれ、対応する正則化重み係数RWを用いた少なくとも1つの正則化項を適用することを更に含んでよく、正則化重み係数はそれぞれのレジストレーションステップにおいてボクセル単位で適用されてよい。正則化重み係数は、それぞれのレジストレーションステップにおいて使用される第1および第2の画像201a、201b内の組織クラスによって決まる値を有してもよい。言い換えれば、対応する正則化重み係数RWは、それぞれのボクセルにおける組織クラスに特異であってよい。
【0109】
対応する正則化重み係数とは、特定の組織クラスに対して許容される変形量を定義する重みを意味する。例えば、骨のような密度の高い組織は、除脂肪軟部組織や脂肪組織のような密度の低い組織ほど変形を許容されなくともよい。したがって、例えば除脂肪軟部組織、脂肪組織および/または皮下脂肪よりも高い対応する正則化重み係数を骨組織に適用することができる。対応する正則化重み係数を用いて正則化項を適用することは、レジストレーションにそれぞれのボクセルにおける組織クラスを考慮することによってレジストレーションの精度を向上させる点で有利であり得る。
【0110】
各レジストレーションステップにおける正則化項は、各組織クラスに関連するそれぞれの制約パラメータにおいて定義される隣接ボクセルが、制約パラメータによって定義されるボクセルに対して完全に反対方向にレジストレーションされることを制限することを更に容易にし得る、すなわち、制約パラメータにおいて定義されないボクセルであって、制約パラメータによって定義されるボクセルに対して正のx、yまたはz方向に配置された組織に対して有意なボクセルは、制約パラメータによって定義されるボクセルに対して負のz、yまたはz方向を有するように変換されないことが理解されるべきである。
【0111】
したがって、各レジストレーションステップにおいて骨組織を含む各ボクセルは、0.6~0.8、好ましくは0.7の第1正則化重み係数RW1を有し得る。各レジストレーションステップにおいて脂肪、皮下脂肪および/または除脂肪軟部組織を含む各ボクセルは、0.15~0.25、好ましくは0.20の第2正則化重み係数RW2を有し得る。
【0112】
例えば、最適化122で骨組織が用いられる第1のレジストレーション120において、第1のレジストレーションは、第1の重み付けコスト関数の最適化122の間に、対応する第1の正則化重み係数RW1を有する正則化項を骨ボクセルに適用してもよい。言い換えれば、第1のレジストレーションは、第1の組織クラスの第1の部分画像202aを第1の組織クラスの第2の部分画像202bに相関させる際に、対応する第1の正則化重み係数RW1を有する正則化項を適用してもよい。さらに、第1のレジストレーションステップにおいて、第1の画像は第2の画像にレジストレーションされ、脂肪、皮下脂肪および/または除脂肪軟部組織を含むボクセルに対してRW2が適用されてもよい。
【0113】
別の例として、最適化142において脂肪および/または除脂肪軟部組織が使用される第2のレジストレーション140において、第2の重み付けコスト関数の最適化142の間に、対応する第2の正則化重み係数RW2を有する正則化項を脂肪および/または除脂肪軟部組織に適用してもよい。言い換えれば、第2のレジストレーションは、第2の組織クラスの第1の部分画像205aを第2の組織クラスの第2の部分画像205bに相関させる際に、対応する第2の正則化重み係数RW2を有する正則化項を適用してもよい。さらに、第2のレジストレーションステップにおいて、第1の画像は第2の画像にレジストレーションされ、第1の正則化重み係数RW1が骨組織を含むボクセルに対して適用されてもよい。
【0114】
空気を含むボクセルに対しては、コスト関数が適用される対応する各レジストレーションステップにおいて、0.1の正則化重み係数が適用されてもよい。
【0115】
概して、各レジストレーションステップでは、対応する正則化重み係数を有する正則化項を、(1-RW)*それぞれの重み付けコスト関数+RW*正則化項のように適用する。
ここで、それぞれの重み付けコスト関数は、それぞれのレジストレーションステップのコスト関数である。
【0116】
正則化項は、変形パラメータの二乗の一次導関数、すなわち、変形フィールドの二乗の一次導関数を含み得ることを理解されたい。あるいは、正則化項は変形パラメータの二乗の二次導関数、すなわち、変形フィールドの二乗の二次導関数を含んでもよい。
【0117】
図4を参照して、本方法における画像を例示する。
【0118】
各部分画像は二値画像であってもよい。部分画像は、その部分画像が関連付けられているそれぞれの組織クラス外のボクセルに対して0の値を含み得る。部分画像は、その部分画像が関連するそれぞれの組織クラスにとって有意なボクセルに対して値1を含み得る。
【0119】
図5を参照して、少なくとも1つの実施形態に係わる画像のレジストレーションについて説明する。図5における画像のレジストレーションは、前述したいずれかの実施形態によるレジストレーション方法と同一である。第1の画像201aは、第2の画像201bに対してレジストレーションされ、レジストレーションされた第1の画像209とされ得る。レジストレーション後、レジストレーションされた第1の画像209は、第2の画像201bと比較されてもよい。よって、第1の画像201aは、第2の画像201bにレジストレーションされてもよく、第1および第2の画像201a、201bは、同一の対象物について2つの異なる時点で撮影されていてもよい。言い換えれば、第2の画像201bにレジストレーションされた第1の画像201aは、第2の画像201bのような先の時点で撮影された少なくとも1つの画像と比較され得るレジストレーション画像209をもたらし得る。複数の第2の画像201bが使用されてもよく、複数の第2の画像201bは異なる時点で撮影されてもよく、複数の第2の画像201bは第1の画像201aの前に撮影されることが理解されるべきである。複数の第2の画像201bが全て互いに位置合わせされるようにレジストレーションされてから、第1の画像201aがこれら複数の第2の画像201bにレジストレーションされてもよい。第1の画像201aの第2の画像201bへのレジストレーションは、経時的に発生する対象物の異常310の検出を容易にし得る。異常は、腫瘍、石灰化、嚢胞、および/または、健康な組織で発生する良性および/または悪性の変化のような、検出の関心対象となり得る任意のその他の異常であってよい。異常は、レジストレーションから得られる画像強度値の変化および/または局所的な組織体積の拡大/縮小によって検出することができる。よって、これにより、対象物の健康状態の経過を経時的に追跡することが容易になり得る。図5のレジストレーションによるレジストレーションは、第1および第2の画像201a、201bに対して既知の空間的および時間的関係を有する任意の画像に等しく適用され得ることが理解されるべきである。第1および第2の画像に対して既知の関係を有する画像は、CT検査および/または陽電子放射断層撮影(PET)検査からのデータを含み得る。
【0120】
図6を参照して、少なくとも1つの実施形態に係わる画像のレジストレーションについて説明する。図6における画像のレジストレーションは、先に説明した実施形態のいずれかによるレジストレーションと同一である。第1および第2の画像201a、201bのそれぞれの組み合わせがレジストレーションされ、レジストレーションされた第1の画像209がもたらされる。第1および第2の画像201a、201bのそれぞれの組み合わせのレジストレーションは、図5で説明したものと同一である。しかしながら、第1および第2の画像のそれぞれの組み合わせは、それぞれ異なる対象物、例えば異なる人に関連付けられ得る。各レジストレーションされた第1の画像209は、次に、互いに対してレジストレーションされ、各レジストレーションされた第1の画像209からの情報を含む統計的な第1のレジストレーション画像301を形成する。レジストレーションされた第1の画像209のうちの1つが本方法の第1の画像を構成し、レジストレーションされた第1の画像209のうちの別のものが本方法の第2の画像を構成してもよい。よって、レジストレーションされた第1の画像のうち1つの第1のレジストレーション画像は、レジストレーションされた第1の画像のうち1つの第2のレジストレーション画像にレジストレーションされてもよい。したがって、レジストレーションされた各画像は、互いに対して反復的にレジストレーションされてもよく、統計的な第1のレジストレーションされた画像301を形成する。言い換えれば、レジストレーションされた第1の画像の画像の組み合わせはそれぞれ、本方法に係わるレジストレーションされた第1の画像の第2のレジストレーションされた画像に対してレジストレーションされてもよい。各レジストレーションされた第1の画像209は、各第1の画像201aからの各対象物の異常に関する情報を含み得る。よって、統計的な第1のレジストレーションされた画像301は、それぞれのレジストレーションされた第1の画像209からの異常に関する情報310を含んでもよく、異常およびその検出は、図5で説明された異常およびその検出と同一である。これにより、異なる撮影対象物において検出された異常の比較が容易になり得る。比較は、異なる撮影対象物のサブグループ間で同様に行われてもよく、それによって、それらの差異を示す統計的パラメータが提供される。図6の画像のレジストレーションは、第1および第2の画像に対して既知の空間的および時間的関係を有する任意の画像にも同様に適用することができる。第1および第2の画像に対して既知の関係を有する画像は、CT検査および/または陽電子放射断層撮影(PET)検査からのデータを含み得る。
【0121】
図7を参照して、少なくとも一つの実施形態に係わる画像のレジストレーションについて説明する。複数の第1の画像201aは、共通の空間にレジストレーションされてもよい。例えば、複数の第1の画像201aのうちの1つの画像が、本方法に係わる第2の画像201bを形成してもよい。つまり、複数の第1の画像201aの各々は、各第1の画像201aの第2の画像201bへのレジストレーションに伴って変形されてもよい。次に、複数の第1の画像201aの各々および第2の画像201bは重畳されて、統計画像302を作成してもよい。統計画像302は、複数の第1の画像201aおよび第2の画像201bからの情報を更に含み得る。これは、例えば健康な対象物の統計的分布を提供する点で有利であり得る。統計画像302は、本方法の第2の画像201bを形成してもよく、第1の画像201aを形成する人および/または動物の別の画像が統計画像302にレジストレーションされる。これにより、人および/または動物の第1の画像201aを統計画像302と比較することにより、人および/または動物の診断を更に容易にすることができる。この比較を実行することによって、複数の第1の画像201aからの統計的分布が、第1の画像201aにおける異常を検出するために利用され得る。異常およびその検出は、図5および図6で説明した異常およびその検出と同一である。統計画像302はまた、複数の第1の画像201aにおいて既に特定された部分特徴の空間分布に関する情報を含んでいてもよい。部分特徴は、腫瘍または健康な組織のサブセットを含み得る。よって、これは、レジストレーションされた画像におけるそのような部分特徴の空間分布の解釈を容易にし得る。図5および図6で説明したように、図7の説明によるレジストレーションは、第1および第2の画像に対して既知の空間的および時間的関係を有する任意の画像に同様に適用することができる。第1および第2の画像に対して既知の関係を有する画像は、CT検査および/または陽電子放射断層撮影(PET)検査からのデータを含み得る。
【0122】
図8を参照して、画像情報を処理するシステム400について説明する。システム400は、処理部410を含むことができ、処理部410は、前述した実施形態のいずれか1つによる方法100を実行するように構成される。
【0123】
また、本システムは、X線測定装置を含んでもよく、X線測定装置420は、CTスキャナ(コンピューター断層撮影機器)を含んでもよい。測定装置420は、PETスキャナ(陽電子放射断層撮影機器)を更に含んでもよい。測定装置は、PET-CT複合スキャナであってもよい。システムは、画像データ430を測定装置420から処理部410に送信するように更に構成されてもよく、画像データ430は、少なくとも1つの医用画像検査からのX線減弱に有意なデータを含んでもよい。さらに、データ430は、測定装置がPETスキャナおよび/または複合PET-CTスキャナを含む場合、対象物内の検出された放射性トレーサからの応答に対して有意なデータを含み得る。
【0124】
以上、主にいくつかの実施形態を参照して本発明概念を説明した。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明概念の範囲内において、上記に開示された実施形態以外の実施形態も同様に可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像(201a)および第2の画像(201b)をレジストレーションするための、処理部に実装された方法(100)であって、前記第1の画像(201a)は、第1の医用画像検査からのX線減弱に対して有意なデータを含み、前記第2の画像(201b)は、少なくとも第2の医用画像検査からのX線減弱に対して有意なデータを含み、前記方法は、
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第1の組織クラスの情報を含む第1の組織クラスの第1の部分画像(202a)を取得すること(110a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の前記第1の組織クラスの情報を含む第1の組織クラスの第2の部分画像(202b)を取得すること(110b)と、前記第1の組織クラスは骨組織であって、
前記第1の画像の前記第2の画像に対する第1のレジストレーション(120)と、
前記第1の画像の前記第2の画像に対する第2のレジストレーション(140)とを含み、前記第1のレジストレーションは、
第1の重み付けコスト関数の最適化(122)を含み、前記第1の重み付けコスト関数は、
前記第1のレジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第1のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第1の組織クラスの第1の部分画像と前記第1の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含み、前記第1のレジストレーションの前記第1および第2の重み係数はゼロではなく、
前記最適化(122)から、前記第1の画像から前記第2の画像への変換に関連した、前記第1のレジストレーションからの第1の変形パラメータセット(124)が得られ、
前記第2のレジストレーションは、
前記第1の変形パラメータセット(124)に基づいた、前記第1の画像の少なくとも一部と前記第2の画像の少なくとも一部との相関(141)を含み、前記相関(141)から、前記第1の画像から前記第2の画像への変換に関連した第2の変形パラメータセット(144)が得られる、方法。
【請求項2】
前記第1のレジストレーション(120)は、前記第1の組織クラスに関連する前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第1の制約パラメータセット(126)を提供し、前記第2のレジストレーション(140)は、前記第2のレジストレーション(140)を予め形成する際に、前記第1の制約パラメータセット(126)によって所定のレジストレーション制限を有する前記第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、前記第1の制約パラメータセット(126)を考慮に入れる、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第1の部分画像(205a)を取得すること(111a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の前記第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第2の部分画像(205b)を取得すること(111b)とを含み、
前記第2の組織クラスは、除脂肪軟部組織および脂肪組織からなる群から選択され、
前記第2のレジストレーション(140)における前記第1の画像の少なくとも一部と前記第2の画像の少なくとも一部との前記相関(141)は、
第2の重み付けコスト関数の最適化(142)を含み、前記第2の重み付けコスト関数は、
前記第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第2の組織クラスの第1の部分画像と前記第2の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含み、
前記第2のレジストレーションの前記第1および第2の重み係数はゼロではなく、
前記第2のレジストレーションは、前記第2の組織クラスに関連する前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第2の制約パラメータセット(146)を提供し、
前記第2の変形パラメータセット(144)は、前記最適化(142)から得られる、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第3の組織クラスの情報を含む、前記第2のレジストレーションの第3の組織クラスの第1の部分画像(206a)を取得すること(112a)と、
前記第1の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の第3の組織クラスの情報を含む、前記第2のレジストレーションの第3の組織クラスの第2の部分画像(206b)を取得すること(112b)とを更に含み、
前記第2の組織クラスは除脂肪軟部組織であり、前記第3の組織クラスは脂肪組織であり、
前記第2の重み付けコスト関数は、前記第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第2の組織クラスの第1の部分画像と前記第2の組織クラスの第2の部分画像との相関と、
前記第2のレジストレーションの第3の重み係数を用いた前記第3の組織クラスの第1の部分画像と前記第3の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含み、前記第2のレジストレーションの前記第1、第2および第3の重み係数はゼロではなく、
前記第2のレジストレーションは、前記第2の制約パラメータセット(146)に前記第3の組織クラスに関連した前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する制約パラメータを更に提供する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の混合組織の情報を含む第4の組織クラスの第1の部分画像(203a)を取得すること(113a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の混合組織の情報を含む第4の組織の第2の部分画像(203b)を取得すること(113b)と、を含み、
前記混合組織は、前記第1および第2の画像内で、それぞれ皮下脂肪に囲まれた組織として定義され、
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の脂肪組織の情報を含む第5の組織クラスの第1の部分画像(204a)を取得すること(114a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の脂肪組織の情報を含む第5の組織クラスの第2の部分画像(204b)を取得すること(114b)と、
前記第1の変形パラメータセット(124)に基づいた、前記第1の画像と前記第2の画像との中間レジストレーション(130)とを含み、
前記中間レジストレーション(130)は、
前記中間レジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記中間レジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第4の組織クラスの第1の部分画像と前記第4の組織クラスの第2の部分画像との相関と、
前記中間レジストレーションの第3の重み係数を用いた前記第5の組織クラスの第1の部分画像と前記第5の組織クラスの第2の部分画像との相関との和からなる第3の重み付けコスト関数の最適化(132)を含み、
前記中間レジストレーションの前記第1、第2および第3の重み係数はゼロではなく、
前記第1の画像から前記第2の画像への変換に関連する中間変形パラメータセット(134)は前記最適化(132)から得られ、前記第2のレジストレーション(140)は前記中間変形パラメータセット(134)に基づいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のレジストレーション(120)は、前記第1の組織クラスに関連する前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第1の制約パラメータセット(126)を提供し、前記第2のレジストレーション(140)は、前記第2のレジストレーション(140を予め形成する際に、前記第1の制約パラメータセット(126)によって所定のレジストレーション制限を有する前記第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、前記第1の制約パラメータセット(126)を考慮に入れ、
前記中間レジストレーション(130)は、前記中間レジストレーション(130)を予め形成する際に、前記第1の制約パラメータセット(126)によって所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内の少なくとも1つのボクセルセットを定義することで、前記第1の制約パラメータセット(126)を考慮に入れ、
前記中間レジストレーションは、前記混合組織に関連する前記第1の画像内の少なくとも1つの画像ボクセルセットを定義する第3の制約パラメータセット(136)を提供し、
前記第2のレジストレーション(140)は、前記第2のレジストレーション(140)を予め形成する際に、前記第3の制約パラメータセットによって所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内の少なくとも1つのボクセルセットを定義することで、前記第3の制約パラメータセットを更に考慮に入れる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第6の組織クラスの情報を含む第6の組織クラスの第1の部分画像(207a)を取得すること(115a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の前記第6の組織クラスの情報を含む第6の組織クラスの第2の部分画像(207b)を取得すること(115b)と、前記第6の組織クラスは皮下脂肪であり、
前記第1の画像と前記第2の画像との第3のレジストレーション(150)とを更に含み、
前記第3のレジストレーションは
前記第3のレジストレーション(150)の第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第3のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第6の組織クラスの第1の部分画像と前記第6の組織クラスの第2の部分画像との相関との和からなる前記第3のレジストレーションの第4の重み付けコスト関数の最適化(152)を含み、
前記第3のレジストレーションの前記第1および第2の重み係数はゼロではなく、
前記第1の画像から前記第2の画像への変換に関連する第3の変形パラメータセット(154)は、前記最適化(152)から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のレジストレーション(120)は、前記第1の組織クラスに関連する前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第1の制約パラメータセット(126)を提供し、前記第2のレジストレーション(140)は、前記第2のレジストレーション(140を予め形成する際に、前記第1の制約パラメータセット(126)によって所定のレジストレーション制限を有する前記第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、前記第1の制約パラメータセット(126)を考慮に入れ、
前記方法は、
前記第1の画像に関連付けられ、前記第1の画像内の第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第1の部分画像(205a)を取得すること(111a)と、
前記第2の画像に関連付けられ、前記第2の画像内の前記第2の組織クラスの情報を含む第2の組織クラスの第2の部分画像(205b)を取得すること(111b)とを含み、
前記第2の組織クラスは、除脂肪軟部組織および脂肪組織からなる群から選択され、
前記第2のレジストレーション(140)における前記第1の画像の少なくとも一部と前記第2の画像の少なくとも一部との前記相関(141)は、
第2の重み付けコスト関数の最適化(142)を含み、前記第2の重み付けコスト関数は、
前記第2のレジストレーションの第1の重み係数を用いた前記第1の画像と前記第2の画像との相関と、
前記第2のレジストレーションの第2の重み係数を用いた前記第2の組織クラスの第1の部分画像と前記第2の組織クラスの第2の部分画像との相関との和を含み、
前記第2のレジストレーションの前記第1および第2の重み係数はゼロではなく、
前記第2のレジストレーションは、前記第2の組織クラスに関連する前記第1の画像内の画像ボクセルのセットを定義する第2の制約パラメータセット(146)を提供し、
前記第2の変形パラメータセット(144)は、前記最適化(142)から得られ、
前記第3のレジストレーション(150)は、前記第3のレジストレーションを予め形成する際に、前記第1の制約パラメータセットによって、所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内のボクセルのセットを定義することで、少なくとも前記第1の制約パラメータセット(126)を考慮に入れる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
記第3のレジストレーション(150)は、前記第1および第2の制約パラメータセット(126、146)がそれぞれ存在する場合に、前記第3のレジストレーションを予め形成する際に、前記第1および第2の制約パラメータセット(126、146)によって、所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内のそれぞれのボクセルのセットを定義することで、少なくとも前記第1および第2の制約パラメータセット(126、146)を考慮に入れる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
任意選択で、前記第3のレジストレーション(150)は、前記第1、第2および第3の制約パラメータセット(126、146、136)がそれぞれ存在する場合に、前記第3のレジストレーションを予め形成する際に、前記第1、第2および第3の制約パラメータセットによって、所定のレジストレーションの制限を有する前記第1の画像内のそれぞれのボクセルのセットを定義することで、少なくとも前記第1、第2および第3の制約パラメータセット(126、146、136)を考慮に入れる、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の画像に関連付けられたそれぞれの組織クラスの部分画像を取得する各ステップ(110a、111a、112a、113a、114a、115a)は、
前記第1の画像内のデータに基づいて、前記第1の画像内の前記それぞれの組織クラスに関連する第1の画像ボクセルの第1のセットを特定すること(116)と、前記第1の画像ボクセルの第1のセットは、前記第1の画像内のデータに基づいてそれぞれの組織クラスを表し、
前記第1の画像内の前記特定された第1の画像ボクセルの第1のセットから、前記第1の画像に関連する部分画像を作成すること(117)とを含み、
前記第2の画像に関連付けられたそれぞれの組織クラスの部分画像を取得する各ステップ(110b、111b、112b、113b、114b、115b)は、
前記第2の画像内のデータに基づいて、前記第2の画像内の前記それぞれの組織クラスに関連する第2の画像ボクセルの第2のセットを特定すること(118)と、前記第2の画像ボクセルの第2のセットは、前記第2の画像内のデータに基づいてそれぞれの組織クラスを表し、
前記第2の画像内の前記特定された第2の画像ボクセルの前記第2のセットから、前記第2の画像に関連する部分画像を作成すること(119)とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の画像と前記第2の画像との各相関は、正規化相互相関、差の二乗和、および相互情報量からなる群から選択され、各第1の部分画像と各第2の部分画像との各相関は、正規化相互相関、差の二乗和、および相互情報量からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の組織クラスの第1の部分画像(202a)の前記第1の組織クラスの第2の部分画像(202b)へのアフィンレジストレーション(172)であって、前記第1の画像の前記第2の画像への変換に関連する初期変形パラメータセット(174)は、前記アフィンレジストレーション(172)から得られる、アフィンレジストレーション(172)を含み、
前記第1のレジストレーション(120)は、前記初期変形パラメータセット(174)に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
定のクロッピング領域に従って、前記第1の組織クラスの第1の部分画像(202a)および前記第1の組織クラスの第2の部分画像(202b)を画像クロッピング(171)することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記第1の画像の第1の前画像(211a)および前記第2の画像の第2の前画像(211b)の初期画像調整(173a、173b)を含み、前記初期画像調整(173a、173b)は、前記第1および第2の画像(201a、201b)をそれぞれ出力し、
前記第1および第2の前画像をそれぞれ線形または非線形で強度スケーリングすることを含む強度スケーリングと、
平均フィルタ、メディアンフィルタ、およびソーベルフィルタの少なくとも1つを前記第1および第2の前画像(211a、211b)にそれぞれ適用することを含む画像フィルタリングとの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記変形パラメータセット(124、134、144、154)のいずれかに基づいて前記第1の画像を変形する(190)ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
陽電子放射断層撮影(PET)検査で撮影された第3の画像(210)を取得すること(191)と、前記第3の画像は、前記第1の画像と既知の空間的および時間的関係を有し、
前記変形パラメータセット(124、134、144、154)のいずれかに基づいて前記第3の画像を変形すること(195)とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
処理部を含む画像情報を処理するためのシステム(400)であって、前記処理部は、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、システム(400)。
【国際調査報告】