(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】超広帯域方向探知用低スワップアパーチャ
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/06 20060101AFI20240410BHJP
G01S 3/46 20060101ALI20240410BHJP
G01S 3/04 20060101ALI20240410BHJP
H01Q 1/28 20060101ALI20240410BHJP
H01Q 21/30 20060101ALI20240410BHJP
H01Q 13/18 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
H01Q21/06
G01S3/46
G01S3/04 C
H01Q1/28
H01Q21/30
H01Q13/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565394
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022026533
(87)【国際公開番号】W WO2022232269
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウォーフ,ジョシュア,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイタズ,ジャクリーン,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】カーソン,スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】スケルスキー,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ワングスウィック,チャド
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA04
5J021AA09
5J021HA04
5J021HA08
5J021JA02
5J021JA07
5J045AA02
5J045DA03
5J045NA05
5J046AA12
5J046AB03
5J046KA01
(57)【要約】
広帯域方向探知(WBDF)アパーチャは、広周波数帯域幅をカバーできる限られた数の超広帯域エンドファイアアンテナ素子を使用する。可変サイズのアンテナ素子を特定のパターンに配置することで、WBDFアパーチャは、超広周波数帯域をカバーする方向探知能力を可能にする。可変サイズの素子のパターン配置は、信号到達角の曖昧さを制限する信号識別能力を提供する。この小さなフォームファクターの設計により、WBDFアパーチャをミサイル、弾丸、小型UASの翼または胴体の表面に取り付けることを可能にする。WBDFアパーチャは、方向探知及び信号追跡と組み合わせる、特定のパターンに配置された異なるサイズのアンテナ素子の組み合わせを提供して、ターゲットの明確な相対方位角及び仰角を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアンテナ素子が第1のサイズを有し、少なくとも1つのアンテナ素子が前記第1のサイズより小さい第2のサイズを有する、少なくとも4つのアンテナ素子を有する単一の平面アレイを含み、
前記単一の平面アレイは、前記少なくとも4つのアンテナ素子のそれぞれがタンデムに動作し、ターゲットのDF(方向探知)を可能にするよう広周波数帯域幅の信号受信のために構成される、広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項2】
前記少なくとも4つのアンテナ素子は、前記信号受信に関連付けられる少なくとも1つの曖昧さを制限するように構成されるパターンで配向される、請求項1に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項3】
前記単一の平面アレイは、航空機と動作可能に関連付けられ、前記単一の平面アレイの各アンテナ素子は、1)細長い誘電体フィードを含む指向性の瞬間広帯域幅の平面アンテナであり、2)前記航空機に搭載されたアパーチャキャビティ内の挿入のために構成され、3)ケーブルを介して前記航空機と動作可能に結合するように構成され、及び4)前記アパーチャキャビティと平面またはコンフォーマルの1つに成形される、請求項1に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項4】
前記航空機及び前記単一の平面アレイのそれぞれは、前記航空機の飛行方向にほぼ平行なy軸、前記航空機の重量ベクトルにほぼ平行なz軸、及び前記y軸及び前記z軸のそれぞれにほぼ垂直なx軸を有し、前記単一の平面アレイは、1)前記単一の平面アレイの前記z軸と一致するアレイ中心点を維持し、かつ2)前記y軸と前記x軸によって定義される平面とほぼ平行に位置合わせされる、請求項3に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項5】
前記少なくとも4つのアンテナ素子はさらに、
前記アレイ中心点から前方距離及び第2の右方距離で配向された第1の素子中心点を有する前記第1のサイズの第1のアンテナ素子と、
前記アレイ中心点から第2の後方距離及び第1の右方距離で配向された第2の素子中心点を有する前記第1のサイズの第2のアンテナ素子と、
前記アレイ中心点から第1の後方距離及び左方距離で配向された第3の素子中心点を有する前記第1のサイズの第3のアンテナ素子と、
前記アレイ中心点からほぼ前記第1の後方距離及び第3の右方距離で配向された第4の素子中心点を有する前記第2のサイズの第4のアンテナ素子と、を含み、
前記第1の後方距離は、前記第2の後方距離よりも小さく、前記第1の右方距離は、前記第3の右方距離よりも小さい前記第2の右方距離よりも小さい、請求項4に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項6】
前記少なくとも4つのアンテナ素子の各アンテナ素子は、前記単一の平面アレイの別のアンテナ素子に重なり合わずに隣接して取り付けられ、方位角で前記y軸のほぼ90度及び仰角で前記z軸のほぼ90度以内の視野となるように構成される、請求項1に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項7】
前記単一の平面アレイは、アクティブ、パッシブまたはセミアクティブのうちの1つである、請求項1に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項8】
前記第1のアンテナ素子はさらに、前記広周波数帯域幅の第1のセグメントの前記信号受信のために構成され、前記第2のアンテナ素子はさらに、前記広周波数帯域幅の第2のセグメントの前記信号受信のために構成され、前記第3のアンテナ素子はさらに、前記広周波数帯域幅の第3のセグメントの前記信号受信のために構成され、前記第4のアンテナ素子はさらに、前記広周波数帯域幅の第4のセグメントの前記信号受信のために構成される、請求項5に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項9】
前記広周波数帯域幅の前記第1のセグメントから第4のセグメントのそれぞれは、ほぼ3~5GHzの幅であり、前記広周波数帯域幅の前記第1のセグメントから前記第4のセグメントのうちの1つは、周波数のセットの比帯域幅が1より大きい前記周波数のセットを含み、前記広周波数帯域幅の前記第4のセグメントは、前記第2のサイズに反比例する、請求項8に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項10】
前記航空機はさらに、弾丸、有人または無人航空機、または宇宙船のうちの1つを含む、請求項3に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項11】
前記単一の平面アレイの各アンテナ素子はさらに、ほぼ0.25インチ未満の前記z軸に沿った深さを含む、請求項4に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項12】
前記前方距離は、ほぼ1.0~2.0インチであり、前記第1の後方距離は、ほぼ0.7~1.7インチであり、前記第2の後方距離は、ほぼ1.0~2.0インチであり、前記左方距離は、ほぼ0.8~1.8インチであり、前記第1の右方距離は、ほぼ0.1~1.1インチであり、前記第2の右方距離は、ほぼ0.1~1.1インチであり、前記第3の右方距離は、ほぼ1.1~2.1インチである、請求項5に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項13】
前記第1のサイズは、前記y軸に沿ってほぼ2.3~3.3インチ、前記x軸に沿って0.9~1.9インチであり、前記第2のサイズは、前記y軸に沿ってほぼ0.9~1.9インチ、前記x軸に沿って0.2~1.2インチであり、前記単一の平面アレイは、前記y軸に沿ってほぼ4.7~6.7インチ、前記x軸に沿って3.1~5.1インチである、請求項4に記載の広帯域方向探知アパーチャ。
【請求項14】
少なくとも4つのアンテナ素子のそれぞれがタンデムに動作するとともに、広周波数帯域幅の信号受信のために構成される前記少なくとも4つのアンテナ素子を有する単一の平面アレイであって、前記少なくとも4つのアンテナ素子がアレイ中心点に対してあるパターンで配向され、前記パターンが前記信号受信中の曖昧さの解決を可能にする前記単一の平面アレイと、
前記少なくとも4つのアンテナ素子のそれぞれ及び航空機機能と動作可能に結合されるビークルコントローラと、
前記ビークルコントローラと通信するように構成された有形非一時的メモリであって、その中に、前記ビークルコントローラによる実行に応答して、前記ビークルコントローラが、
前記単一の平面アレイから合成信号を受信し、
前記合成信号からの少なくとも1つの測定値に関連付けられた方位角または仰角の少なくとも1つに基づいて、前記少なくとも1つの測定値が非現実的な測定値であるかどうかを判定し、
前記少なくとも1つの非現実的な測定値を前記曖昧さとして破棄し、
前記合成信号を処理してターゲットの方位角及び仰角を決定し、
前記方位角及び仰角に応答して、前記航空機機能に少なくとも1つのビークル機能を実行するように指令する、ようにする命令が記憶される前記有形非一時的メモリと、
を含む、広帯域方向探知用システム。
【請求項15】
前記合成信号から少なくとも1つの特徴を抽出するように構成されたダウンコンバータ及びデジタイザと、前記ダウンコンバータ及び前記コントローラのそれぞれと動作可能に結合された方向探知プロセッサとをさらに含む、請求項14に記載の広帯域方向探知用システム。
【請求項16】
前記ビークル機能はさらに、自動操縦コマンド、カメラ機能及びセミアクティブレーダー機能に関する指向のうちの1つを含む、請求項14に記載の広帯域方向探知用システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの測定値はさらに、仰角測定値と結合された方位角測定値を含み、前記コントローラは、前記方位角測定値と仰角測定値のそれぞれを分析して、前記信号受信中の前記曖昧さを判定するように構成される、請求項14に記載の広帯域方向探知用システム。
【請求項18】
前記コントローラはさらに、第1の測定値及び少なくとも1つの第2の測定値を前記信号受信中の前記曖昧さとして破棄するように構成される、請求項14に記載の広帯域方向探知用システム。
【請求項19】
前記パターンはさらに、前記アレイ中心点の前方に配向された少なくとも1つのアンテナ素子と、前記アレイ中心点の後方に配向された少なくとも1つのアンテナ素子と、前記アレイ中心点の左方に配向された少なくとも1つのアンテナ素子と、前記アレイ中心点の右方に配向された少なくとも1つのアンテナ素子と、を含む、請求項14に記載の広帯域方向探知用システム。
【請求項20】
航空機の広帯域方向探知機であって、
少なくとも4つのアンテナ素子が信号を受信し合成信号を生成するように構成され、前記少なくとも4つのアンテナ素子が実質的に重なり合わず、かつ少なくとも1つの他のアンテナ素子に隣接し、かつ前記少なくとも4つのアンテナ素子のうちの少なくとも1つのアンテナ素子のサイズがより小さい前記少なくとも4つのアンテナ素子を有し、前記航空機と動作可能に関連付けられた単一の平面アレイと、
前記少なくとも4つのアンテナ素子のそれぞれ及び航空機機能と動作可能に結合されるビークルコントローラと、
前記ビークルコントローラと通信するように構成された有形非一時的メモリであって、その中に、前記ビークルコントローラによる実行に応答して、前記ビークルコントローラが、
方位角または仰角の少なくとも1つに基づいて、前記合成信号からの少なくとも1つの測定値が非現実的な測定値であるかどうかを判定し、
前記少なくとも1つの非現実的な測定値を曖昧さとして破棄し、
前記合成信号を処理してターゲットの方位角及び仰角を決定し、
前記方位角及び仰角に応答して、前記航空機機能に少なくとも1つのビークル機能を実行するように指令する、ようにする命令が記憶される前記有形非一時的メモリと、
を含む、前記航空機の広帯域方向探知機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2002年4月28日に出願された米国特許出願第17/242,347号に対する優先権を主張し、Raytheon Company(米国)に譲渡された「Methods and Apparatus for Wide Bandwidth Antenna with Enhanced Connection」と題する米国特許第9,614,275号に関連し、上記の出願のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
方向探知(モノパルス、干渉計など)が可能なほとんどのレーダーアンテナアパーチャは、特定の限られた周波数帯域で動作するため、広周波数帯域をカバーするために複数のアパーチャが必要である。従来のシステムでは、このような広周波数帯域をカバーするために複数のアパーチャを使用してもよい。
【0003】
ミサイル及び無人航空機システム(UAS)は、限られた重量とアンテナを搭載する空間を有する場合がある。重量及び/または構造が増加するたびに、抗力や航続距離に直接的な悪影響を与える場合がある。複数のアパーチャは、範囲を直接的に狭くしてもよい。
【0004】
したがって、これらの制限を克服し、かつ広周波数範囲及び確実な性能を可能にする軽量で小さなフォームファクターのアンテナ設計に新しい解決策を提供し得るシステム及び関連する方法の需要が依然としてある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態は、1つのアンテナ素子が第1のサイズを有し、別のアンテナ素子が第1のサイズより小さい第2のサイズを有する少なくとも4つ以上のアンテナ素子を有する、単一の平面アレイを含む、広帯域方向探知アパーチャに関してもよい。単一の平面アレイは、アンテナ素子のそれぞれがタンデムに動作するとともに、ターゲットのDF(方向探知)を可能にするよう広周波数帯域幅の信号受信のために構成される。
【0006】
本明細書に開示される発明概念の追加の実施形態は、広帯域方向探知システムに関してもよい。システムは、アンテナ素子のそれぞれがタンデムに動作するとともに、広周波数帯域幅の信号受信のために構成される4つ以上のアンテナ素子を有する単一の平面アレイを含む。アンテナ素子は、信号受信中の曖昧さの解決を可能にするアレイ中心点に対してあるパターンで配向されてもよい。
【0007】
制御について、システムは、アンテナ素子のそれぞれ及び航空機機能と動作可能に結合されるビークルコントローラを含んでもよい。ビークルコントローラは、ビークルコントローラと通信するように構成された有形非一時的メモリに結合されてもよく、有形非一時的メモリは、その中に、ビークルコントローラによる実行に応答して、ビークルコントローラがシステムの各機能を実行するようにする命令が記憶される。
【0008】
機能において、システムは、単一の平面アレイから合成信号を受信し、合成信号からの少なくとも1つの測定値に関連付けられた方位角または仰角の少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つの測定値が非現実的な測定値であるかどうかを判定してもよい。ビークルコントローラは、少なくとも1つの非現実的な測定値を曖昧さとして破棄し、合成信号を処理してターゲットの方位角及び仰角を決定してもよい。次に、ビークルコントローラは、方位角及び仰角に応答して、航空機機能に少なくとも1つのビークル機能を実行するように指令してもよい。
【0009】
本明細書に開示される発明概念の追加の実施形態は、航空機の広帯域方向探知機に関してもよい。方向探知機は、アンテナ素子が信号を受信し合成信号を生成するように構成される少なくとも4つのアンテナ素子を有し、かつ航空機と動作可能に関連付けられた単一の平面アレイを含んでもよい。アンテナ素子は、実質的に重なり合わず、かつ少なくとも1つの他のアンテナ素子に隣接してもよく、アンテナ素子のうちの少なくとも1つのアンテナ素子は、サイズがより小さい。方向探知機は、アンテナ素子のそれぞれ及び航空機機能と動作可能に結合されるビークルコントローラと、ビークルコントローラと通信するように構成された有形非一時的メモリとを含んでもよく、有形非一時的メモリは、その中に、ビークルコントローラによる実行に応答して、ビークルコントローラが方向探知機の各機能を実行するようにする命令が記憶される。
【0010】
機能において、ビークルコントローラは、方位角または仰角の少なくとも1つに基づいて、合成信号からの少なくとも1つの測定値が非現実的な測定値であるかどうかを判定し、少なくとも1つの非現実的な測定値を曖昧さとして破棄し、合成信号を処理してターゲットの方位角または仰角を決定してもよい。次に、ビークルコントローラは、方位角及び仰角に応答して、航空機機能に少なくとも1つの航空機機能を実行するように指令してもよい。
【0011】
前述の一般的な説明及び以下の発明を実施するための形態の両方は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求される発明を限定するものではないと理解すべきである。本明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、発明概念の実施形態を示すものであり、かつ一般的な説明とともに、本明細書に開示される発明概念の原理を説明するものである。
【0012】
本明細書に開示される発明概念の実施は、以下の詳細な説明を考慮するとよりよく理解され得る。このような説明は、必ずしも縮尺通りではなく、いくつかの特徴が誇張され、いくつかの特徴が省略され、または明瞭さのために概略的に表現され得る添付図面を参照する。図面における同様の参照番号は、同じまたは類似の要素、特徴または機能を表し、参照してもよい。図面では、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本明細書に開示される発明概念の実施形態による広帯域方向探知アパーチャの1つの配向の図である。
【
図2A】本明細書に開示される発明概念の実施形態による個別アンテナ素子の図である。
【
図2B】本明細書に開示される発明概念の実施形態による個別アンテナ素子の図である。
【
図3】本明細書に開示される発明概念の実施形態の例示的な要素座標分離の図である。
【
図4】本明細書に開示される発明概念の一実施形態の例示的な1つのアパーチャ帯域幅の図である。
【
図5】本明細書に開示される発明概念の一実施形態による広帯域方向探知用システムの図である。
【
図6】A及びBは、本明細書に開示される発明概念の一実施形態による例示的な飛行プロファイル及びターゲット角度のグラフである。
【
図7A】本明細書に開示される発明概念の一実施形態による例示的な方位角及び仰角性能対時間のグラフである。
【
図7B】本明細書に開示される発明概念の一実施形態による例示的な方位角及び仰角性能対時間のグラフである。
【
図8】本明細書に開示される発明概念の一実施形態に関連付けられる例示的な角度誤差のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に開示される発明概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、発明概念は、その出願において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置またはステップ若しくは方法論に限定されないことを理解されたい。本発明概念の実施形態の以下の詳細な説明では、発明概念のより完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細は、記載される。しかしながら、本開示がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、当業者に明らかになる。他の例では、本開示を不必要に複雑にすることを避けるために、周知の特徴は、詳細に説明されない場合がある。本明細書に開示される発明概念は、他の実施形態も可能であるかまたは様々な方法で実践若しくは実施できる。また、本明細書に用いる表現及び用語は、説明のためのものであり、限定的なものと見なすべきでないことも理解すべきである。
【0015】
本明細書で用いられる場合、参照番号に続く文字は、同じ参照番号(例えば、1、1a、1b)を有する前述の要素または特徴と類似するが、必ずしも同一ではない特徴または要素の実施形態を参照することを意図する。このような省略表記は、便宜上の目的のみで使用され、かつ明示的な反対の記載がない限り、本明細書に開示される発明概念をいかなる形式でも制限するものと解釈されるべきではない。
【0016】
本明細書で用いられる場合、特許請求の範囲の文言及び明細書の文言における「ほぼ」という用語は、特許請求される値の±20パーセント(+/-20%)の値の範囲を指す場合がある。例えば、「ほぼ100」は、80~120の範囲を指し、かつ特許請求し得る。
【0017】
さらに、明示的な反対の記載がない限り、「または」は、包括のまたはを指し、排他のまたはではない。例えば、条件AまたはBは、Aが真で(または存在する)かつBが偽であり(または存在しない)、Aが偽で(存在しない)またはBが真(または存在する)であり、及びA及びBの両方が真である(または存在する)ことのうちのいずれの1つによっても満たされる。
【0018】
また、「1つ」または「1個」は、本発明概念の実施形態の要素及びコンポーネントを記載するために採用される。これは,単に便宜上、発明概念の一般的な意味を与えるために行われているため、「1つ」及び「1個」は、1つまたは少なくとも1つを含むことを意図し、かつ単数形には、別の意味であることが明らかでない限り、複数形も含まれる。
【0019】
最後に、本明細書で用いられる場合、「一実施形態」または「いくつかの実施形態」に対する任意の参照は、実施形態と関係して記載される特定の要素、機能、構造または特徴が本明細書に開示される発明概念の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所に現れる「いくつかの実施形態において」という語句は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではなく、開示される発明概念の実施形態は、本明細書に明示的に説明されるかまたは本質的に存在する特徴の1つまたは複数、または2つ以上のこのような特徴のサブコンビネーションの任意の組み合わせ、及び本開示に必ずしも明示的に記載されていかまたは本質的に存在しない場合がある任意の他の特徴を含んでもよい。
【0020】
概要
概して、本明細書に開示される発明概念の実施形態は、広周波数帯域幅をカバーできる限られた数の超広帯域エンドファイアアンテナ素子を使用する広帯域方向探知(WBDF)アパーチャに関する。可変サイズのアンテナ素子を特定のパターンで配置することで、WBDFアパーチャは、相関干渉法を可能にし、かつ超広周波数帯域をカバーする方向探知機能を提供する。可変サイズの素子のパターンは、信号到達角の曖昧さを制限する信号識別能力を提供する。この小さなフォームファクターの設計により、WBDFアパーチャをミサイル、弾丸、小型UASの翼または胴体の表面に取り付けることを可能にする。WBDFアパーチャは、相関干渉法及び信号追跡と組み合わせる、特定のパターンに配置された異なるサイズのアンテナ素子の組み合わせを提供して、ターゲットの明確な相対方位及び仰角を提供する。
【表1】
【0021】
図1 WBDFアパーチャ
ここで、
図1を参照し、本明細書に開示される発明概念の実施形態による広帯域方向探知アパーチャの1つの配向100の図を示す。一般に、WBDF(広帯域方向探知アパーチャ)120は、航空機130と動作可能に結合するように構成された例示的な4つの要素122、124、126、128を含む平面アレイを含んでもよい。配向について、WBDFアパーチャ120は、WBDFアパーチャ120がポテンシャル地表ターゲットを撮像する位置にあってもよい航空機130の下側に取り付けられてもよい。
【0022】
WBDFアパーチャ120は、動作周波数の広帯域にわたって1つまたは複数の曖昧さを最小限に抑えながら方向探知(DF)性能を提供するユニークなオフセットレイアウトを有するアレイ構成を提供してもよい。WBDFアパーチャ120は、所望の周波数帯域の広帯域スペクトルをカバーするように構成された複数のアパーチャを含んでもよい。一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、規則的な間隔のアレイ(例えば、個別要素(individual element(個別の素子))間の一定の間隔)を介して高度な機能を可能にするのに十分な深さの複数の平面アレイを含んでもよい。WBDFアパーチャ120は、相関干渉法による方向探知を可能にする特定のパターンに配向されたコンフォーマルエンドファイアアンテナの配置を提供してもよい。
【0023】
一実施形態において、航空機130は、WBDFアパーチャ120が動作可能に結合される弾丸、有人または無人航空機、または宇宙船を含んでもよい。一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、キネティックキルと電子監視及び攻撃との両方を可能にする武器システムまたは多機能プラットフォームと結合してもよい。いくつかの航空機130は、WBDFアパーチャ120が多くの搭載センサのうちの1つであってもよい様々な機能をサポートするために複数のセンサシステムを採用してもよい。
【0024】
一実施形態において、航空機130及び平面アレイ122~128のそれぞれは、飛行方向172とほぼ平行なy軸162、航空機の重量ベクトルとほぼ平行なz軸166、及びy軸162及びz軸166のそれぞれに対してほぼ垂直なx軸164に沿って配向されてもよい。
【0025】
本明細書に用いられる場合、前方方向150は、航空機130の飛行方向172と平行であってもよい一方、後方方向152は、飛行方向172と反対であってもよい。飛行機の翼と同様に、左方方向154及び右方方向156は、x軸164に反対であってもよい。最後に、上方方向158と下方方向160は、z軸166に沿って逆配向されてもよく、下方方向160は、航空機の重量ベクトルと平行であってもよい。ここで、前方方向150、上方方向158、及び左方方向154は、右手の法則に従ってもよい。
【0026】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、航空機に搭載されたアパーチャキャビティ内の挿入のために構成されてもよい(例えば、長さ、幅、深さ、接続性)。いくつかのアパーチャキャビティのサイズは、可変で、航空機全体のサイズ重量及びパワーSWaPを最小限に抑制してもよく、かつアパーチャキャビティは、限られたサイズを受け入れることができる平面またはコンフォーマル配向に制限されてもよい。WBDFアパーチャ120は、1つまたは複数の様々な航空機130のアパーチャキャビティ内に取り付けられるような特別なサイズにされてもよい。一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、弾丸のアパーチャキャビティ内の挿入のために特別なサイズにされてもよい。
【0027】
一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、y軸162及びx軸164のそれぞれによって画定される水平面に平行に配向されてもよい。ここで、WBDFアパーチャ120は、ビーム112~118のそれぞれがWBDFアパーチャ120の物理的に下(下方160)及び前方162にあるターゲットを撮像できるように、下方方向160に向かって配向されてもてよい。
【0028】
さらなる配向について、WBDFアパーチャ120は、平面アレイのz軸166と一致するアレイ中心点104を有してもよい。アレイ中心点104は、個別要素122~128のそれぞれの相対位置をアレイ中心点104からの水平面内の相対距離として画定するのに有用であり得る。
【0029】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態において、個別要素122~128のそれぞれは、ターゲットの広帯域相関位相干渉方向探知を可能にするよう広周波数帯域幅の信号受信のために構成されてもよい。信号受信中に、受信信号に曖昧さが存在する場合があり、それがターゲットの位置決めの誤りを引き起こす場合がある。一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、航空機信号プロセッサが信号受信に関連付けられる1つまたは複数の曖昧さを制限することを可能にするように構成されてもよい。
【0030】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態において、平面アレイの各アンテナ素子は、重なり合わずに平面アレイの別のアンテナ素子に隣接して取り付けられてもよい。例示的な一実施形態において、個別要素は、別の個別要素の片側に直接隣接してWBDFアパーチャ120内に位置決めされてもよい。別の例示的な実施形態は、1つの個別要素と次の要素との間に小さな間隔を含んでもよい。WBDFアパーチャ120の全体サイズがより小さいことが所望であるため、(例えば、要素間の)より小さい間隔も所望である場合がある。一実施形態において、アレイ長さ106は、y軸162に沿ってほぼ5.67インチであってもよい一方、アレイ幅108は、x軸164に沿ってほぼ4.15インチであってもよい。一実施形態において、単一の平面アレイは、y軸に沿ってほぼ4.7~6.7インチ、x軸に沿ってほぼ3.1~5.1インチであってもよい。
【0031】
一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、水平面とほぼ平面に配向されてもよい。前述したように、地表上のターゲットを撮像するために、z軸の下方のほぼ+/-90度以内の垂直下方視野と組み合わせる方位角でy軸のほぼ90度以内の前方視野により、WBDFアパーチャ120が地表ターゲットを撮像することを可能にしてもよい。
【0032】
一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、特定の航空機130の下側にシームレスに取り付けられるように平面状に構成されてもよい。例えば、航空機の翼または胴体に取り付けられたWBDFアパーチャ120の一実施形態は、航空機の外部の平面と一致するように、形状がほぼ平面であってもよい。また、いくつかの実施形態は、航空機130の外形に適合するように、WBDFアパーチャ120の湾曲したバージョンを含んでもよい。例えば、外径が24インチの弾丸は、特定の外部曲率を維持してもよい。WBDFアパーチャ120は、特定の外部曲率に適合するように等角形状にされてもよい。
【0033】
一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、第1の素子サイズ(A)を有する第1のアンテナ素子122を含んでもよく、第1のアンテナ素子122は、第1の素子ビームパターン112を介して広周波数帯域幅の第1のセグメントの信号を受信するように構成されている。第1のアンテナ素子は、第1の素子中心点142を有する。
【0034】
一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、第1の素子サイズ(A)を有する第2のアンテナ素子124を含んでもよく、第2のアンテナ素子124は、第2の素子ビームパターン114を介して広周波数帯域幅の第2のセグメントの信号受信のために構成されてもよく、第2のアンテナ素子124は、第2の素子中心点144を有する。各アンテナ素子の各中心点は、個別アンテナ素子の長さ(y軸)と幅(z軸)の間のほぼ中心にあってもよい。
【0035】
一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、第1の素子サイズ(A)を有する第3のアンテナ素子126を含んでもよく、第3のアンテナ素子126は、第3の素子ビームパターン116を介して広周波数帯域幅の第3のセグメントの信号受信のために構成されてもよく、第3のアンテナ素子126は、第3の素子中心点146を有する。
【0036】
一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、第1の素子サイズ(A)のほぼ半分の第2の素子サイズ(B)を有する第4のアンテナ素子128を含んでもよく、第4のアンテナ素子128は、第4の素子ビームパターン118を介して広周波数帯域幅の第4のセグメントの信号受信のために構成され、第4のアンテナ素子128は、第4の素子中心点148を有する。一実施形態において、第1及び第2の要素サイズは、長方形であってもよい。
【0037】
ここで企図されるように、各アンテナ素子122~128のサイズ及び位置は、調整されて、本明細書の発明概念の範囲内に保持されてもよい。しかしながら、本明細書における1つの定数は、密接して配置されてWBDFアパーチャ120を形成する安価で所望の低消費電力の複数の個別アンテナ素子であってもよい。
【0038】
図2 個別要素
図2A及び2Bを参照すると、本明細書に開示される発明概念の実施形態による個別アンテナ素子300の図を示す。例示的な個別アンテナ素子(ここでは、第1のアンテナ素子122として示される)は、個別要素機能を実行してもよく、複数の素子の追加の要素機能と組み合わせたときに、WBDFアパーチャ120の全体的な機能を提供してもよい。
【0039】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態において、平面アレイの各アンテナ素子は、y軸に整列した細長い誘電体フィードを含む指向性の瞬間広帯域幅の平面アンテナであってもよい。一実施形態において、個別要素122~128のそれぞれは、米国特許第9,614,275号に開示されたアンテナ素子と同様であるが、WBDFアパーチャ120に適合するサイズにされてもよい。個別アンテナ素子のそれぞれは、個別に給電され、かつケーブルを介して航空機と動作可能に結合するように構成されてもよい。一実施形態において、ケーブルは、個別要素の接続のための同軸タイプのケーブルであってもよい。アンテナ素子122は、カバー134を含み、かつケーブル接続132を介して航空機130に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、アンテナ素子122は、細長い誘電体フィードに関連付けられてレーダーエネルギーの送受信を提供するアパーチャ136を含んでもよい。
【0040】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、浅いコンフォーマルパッケージにおいて広帯域幅の高指向性、直線偏光を提供してもよい。WBDFアパーチャ120は、広帯域幅内のより高い周波数でほぼ25dBの前後比を有する指向性の高い集束ビームに対応する広瞬間周波数帯域幅を提供してもよい。WBDFアパーチャ120は、後向き通信アンテナ(図示せず)と共に使用すると、精密ターゲットシグネチャ(PTS)レーダー性能に所望の利用可能な利得を可能にしてもよい。
【0041】
一実施形態において、第1のサイズは、y軸162に沿ってほぼ2.8インチ(ほぼ2.3~3.3インチ)、x軸164に沿ってほぼ1.4インチ(0.9~1.9インチ)であり、第2のサイズは、y軸162に沿ってほぼ1.4インチ(0.9~1.9インチ)、x軸164に沿って0.7インチ(0.2~1.2インチ)であってもよい。いくつかの実施形態において、したがって、各個別アンテナ素子及びWBDFアパーチャ120は、z軸に沿った深さをほぼ0.25インチ未満、いくつかの実施形態において0.15インチに維持してもよい。ほぼ0.050インチの追加のカバー134により、1つの例示的な全体の厚さは、0.20インチであってもよい。
【0042】
一実施形態において、アンテナ素子122は、利用可能な帯域幅を広げるために、より高い周波数またはより低い周波数を達成するようにスケーリングされてもよい。例えば、より小さいサイズの要素は、より高い周波数ポテンシャルを可能にする一方、より大きなサイズの個別要素は、より低い周波数を可能にしてもよい。いくつかの実施形態において、WBDFアパーチャ120は、製造公差及び材料変動に対して鈍感であってもよい。
【0043】
低周波数では、要素が間隔の制限に十分なサイズ(A、Bがより小さい、より大きい)である場合に個別要素122のそれぞれの間の間隔が大きい方が有益であってもよいことに対して、より高い周波数では、より小さい要素間隔が所望であってもよい。広帯域DFアパーチャ120が嵌め込まれるキャビティの物理的サイズの制限は、WBDFアパーチャ120の全体的なサイズの決定要因であってもよい。一実施形態において、より小さい要素は、x軸164とy軸162のそれぞれに沿った一方の中心から他方の中心までの間隔を小さくすることを可能にして、より高い周波数性能及び能力を可能してもよい。
【0044】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、前方y軸162のほぼ+/-180度以内の方位角ポテンシャル222及びZ軸166の下方のほぼ+/-90度の仰角ポテンシャル220を有する前方視野のために構成されてもよい。いくつかの実施形態において、仰角ポテンシャル220は、航空機構造、航空機サイズ及び航空機構造の利用可能なレーダー貫通力に依存して、示された180度よりも実質的に大きくなってもよい。
【0045】
図3 配置
ここで、
図3を参照すると、本明細書に開示される発明概念の実施形態の例示的な要素座標分離300の図を示す。各個別要素122~128は、各要素での受信信号の相対位相に基づいて推定された到着方向の曖昧さを低減するために、他の要素からわずかにオフセットされてもよい。これらの正確な信号は、WBDFアパーチャ120の全体的な能力を可能にしてターゲット位置の高い確実性を達成してもよい。アレイ中心点104に対して要素のそれぞれの中心位置をずらすことにより、周波数帯域幅全体にわたって曖昧さを低減するように機能してもよい。
【0046】
中心点104からの例示的な距離は、次の表で表されてもよい。
【表2】
【0047】
一実施形態において、第1の素子中心点142は、アレイ中心点104から前方距離及び第2の右方距離で配向されてもよい。一実施形態において、前方距離は、ほぼ1.39インチであってもよく、第2の右方距離は、ほぼ0.65インチであってもよい。
【0048】
追加の実施形態において、第2の素子中心点144は、アレイ中心点104から第2の後方距離及び第1の右方距離で配向されてもよい。一実施形態において、第2の後方距離は、ほぼ1.43インチであってもよく、第2の右方距離は、ほぼ0.41インチであってもよい。
【0049】
別の実施形態において、第3の素子中心点146は、アレイ中心点104から第1の後方距離及び左方距離で配向されてもよい。一実施形態において、左方距離は、ほぼ1.29インチであってもよく、第1の後方距離は、ほぼ1.15インチであってもよい。
【0050】
一実施形態において、第4の素子中心点146は、アレイ中心点104からほぼ第1の後方距離及び第3の右方距離で配向されてもよい。一実施形態において、第3の右方距離は、ほぼ1.66インチであってもよい。
【0051】
ここで、第1の後方距離は、第2の後方距離よりも小さくてもよく、第1の右方距離は、第3の右方距離よりも小さい第2の右方距離よりも小さくてもよい。
【0052】
一実施形態において、前方距離は、ほぼ1.0~2.0インチであってもよく、第1の後方距離は、ほぼ0.7~1.7インチであってもよく、第2の後方距離は、ほぼ1.0~2.0インチであってもよく、左方距離は、ほぼ0.8~1.8インチであってもよく、第1の右方距離は、ほぼ0.1~1.1インチであってもよく、第2の右方距離は、ほぼ0.1~1.1インチであってもよく、及び第3の右方距離は、ほぼ1.1~2.1インチであってもよい。
【0053】
一実施形態において、4つのアンテナ素子は、アレイ中心点104に対してあるパターンで配向されてもよい。パターン配向及び間隔により、信号受信の曖昧さの解決を可能にしてもよい。一実施形態において、パターンは、中心点104の前方に配向された1つのアンテナ素子と、中心点104の後方に配向された1つまたは複数のアンテナ素子と、中心点104の左方に配向された1つのアンテナ素子と、中心点104の右方に配向された1つまたは複数のアンテナ素子とを含んでもよい。
【0054】
図4 アパーチャ帯域
ここで、
図4を参照すると、本明細書に開示される発明概念の一実施形態の1つの例示的なアパーチャ帯域幅400の図を示す。一実施形態において、WBDFアパーチャ120は、アレイ機能の広帯域幅を、個別アンテナ素子122~128ごとに個別のセグメントにセグメント化してもよい。第1の素子周波数セグメント422、第2の素子周波数セグメント424、第3の素子周波数セグメント426及び第4の素子周波数セグメント428は、個別アンテナ素子のそれぞれに対応してもよい。例えば、第1のアンテナ素子122に第1の周波数セグメント422が割り当てられ、第2のアンテナ素子124に第2のセグメント424が割り当てられてもよい。
【0055】
別の実施形態において、各周波数セグメントは、中心点104からの素子相対位置に基づいて個別アンテナ素子に割り当てられてもよい。例えば、特定の周波数セグメント(例えば、3)は、WBDFアパーチャ120が特にターゲットされてもよい周波数セグメントであってもよい。このようにして、オペレータは、所望の周波数を所望のアンテナ素子に合わせて調整し、したがって全体的なアパーチャ性能を調整してもよい。
【0056】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態において、広周波数帯域幅の第1のセグメント422~第4のセグメント428のそれぞれは、ほぼ3から5(3~5)GHzの幅である。例えば、第1のアンテナ素子122は、周波数aから周波数dまでの例示的な周波数セグメント422の幅をカバーするように構成されてもよい。同様に、第2のアンテナ素子124は、周波数cから周波数fまでの第2のセグメント424をカバーするように構成されてもよい。また、広周波数帯域の1つのセグメントは、第2の要素のサイズに反比例してもよい。
【0057】
一実施形態において、広周波数帯域幅の第1~第4のセグメントのうちの1つは、周波数のセットを含んでもよく、周波数のセットの比帯域幅は、1より大きいである。例えば、比帯域幅は、以下のように定義されてもよい。
【数1】
【0058】
式中、fMax404(周波数I)は、1つの最も高い動作周波数であってもよく、fMin402(周波数A)は、1つの最も低い動作周波数であってもよい。
【0059】
例示的な一実施形態において、広周波数帯域幅は、ユーザの仕様に依存してfMin401からfMax404まで拡張してもよい。例えば、1つの例示的な広帯域幅は、Cバンド(4GHz)からKaバンド(40GHz)まで拡張してもよい一方、別の例示的な広周波数帯域幅は、Lバンド(1GHz)からKuバンド(18GHz)まで拡張してもよい。これらの非限定的な例は、ユーザのニーズ及び全体的なアパーチャ寸法に基づいて広周波数帯域幅を調整し得ることを示すのに役立ち得る。
【0060】
一実施形態において、平面アレイを採用するWBDFアパーチャ120は、それが結合される航空機とともに適切に機能するように、能動的、受動的、または半能動的のいずれかであってもよい。例えば、アクティブエミッタに向けられた航空機130は、受動的に機能してもよい一方、UASは、地上マッピングのために能動的に機能することを要求してもよい。
【0061】
図5 システム
ここで、
図5を参照すると、本明細書に開示される発明概念の一実施形態による広帯域方向探知システム500の図を示す。動作中、システム500は、WBDFアパーチャ120を採用して1つまたは複数の機能を実行してもよい。
【0062】
本明細書に開示される発明概念の一実施形態において、システム500は、個別アンテナ素子のそれぞれがケーブル接続132を介して航空機130と動作可能に結合されてもよいWBDFアパーチャ120を含んでもよい。
【0063】
実施形態において、システム500は、個別アンテナ素子122~128のそれぞれに個別に結合されたダウンコンバータを介して、ダウンコンバート、デジタル化及び特徴抽出512~518を含んでもよい。方向探知(DF)プロセッサ520は、個別信号のそれぞれを合成し、かつ合成信号をビークルコントローラ522に通信するように機能してもよい。ビークルコントローラ522は、平面アレイの要素のそれぞれ及びビークル機能524と動作可能に結合してもよい。
【0064】
制御について、有形非一時的メモリ526は、ビークルコントローラ522と通信するように構成されてもよく、有形非一時的メモリ526は、その中に、ビークルコントローラ522による実行に応答して、ビークルコントローラ522がシステム500の各機能を実行するようにする命令が記憶される。
【0065】
機能において、ビークルコントローラ522は、WBDFアパーチャ120内の平面アレイから合成信号を受信し、合成信号からの少なくとも1つの測定値に関連付けられた方位角及び仰角に基づいて、少なくとも1つの測定値が非現実的な測定値であるかどうかを判定してもよい。ここで、ビークルコントローラ522が受信信号に関連付けられる曖昧さを解消するように動作してもよいため、ビークルコントローラ522は、非現実的な測定値を曖昧さとして破棄してもよい。
【0066】
一実施形態において、ビークルコントローラ522はまた、相関位相干渉法による方向探知を用いて受信信号を処理して、ターゲットの方位角及び仰角を決定し、方位角及び仰角に応答して、ビークル機能524に少なくとも1つのビークル機能を実行するように命令してもよい。
【0067】
一実施形態において、ビークル機能は、航空機130を飛行させる自動操縦コマンド、別個のシステムを介して1回以上の撮像を実行するカメラ機能、ビークルに関連付けられる1つまたは複数の追加機能及びWBDFアパーチャ120のレーダーモードを変更するセミアクティブレーダー機能に関する指向を含んでもよい。
【0068】
一実施形態において、測定値は、仰角測定値と結合された方位角測定値を含んでもよく、ビークルコントローラ522は、メモリ526内のルックアップテーブル内の方位角測定値と仰角測定値のそれぞれを分析して曖昧さを決定する。別の実施形態は、第1の測定値及び第2の測定値を破棄して第3または場合によっては第4の測定値を使用して方位角及び仰角を決定するように機能するビークルコントローラ522を含んでもよい。
【0069】
図6 飛行プロファイル
ここで、
図6A及び6Bを参照すると、本明細書に開示される発明概念の一実施形態による例示的な飛行プロファイル600のグラフを示す。航空機130の例示的な飛行600は、発射点602から地表ターゲット604まで120,000フィートの範囲にわたる400秒の飛行時間を含んでもよい。
【0070】
例えば、ほぼ60,000フィートの航続距離での時刻200で、方位角は、ゼロに近く(ビークルのy軸は、ターゲットを指す)、仰角は、ほぼ+10であり、航空機130は、わずかにピッチアップしてもよく(例えば、航空機130のy軸は、ターゲットの上方を指す)、航空機130の高度は、ほぼ10,000フィートである。
【0071】
例えば、航空機130が例示的な飛行プロファイルで発射されたばかりの発射点602での時刻0で、y軸162に対するターゲット(固定されると仮定される)の仰角は、最高点+30であってもよい(例えば、航空機の飛行方向172より30度下)。
【0072】
図6は、同様の使用例に限定されないいくつかの角度多様性、飛行時間、航続距離、高度などを提供する飛行経路におけるDF機能を明らかにするのに役立つ単一の例を詳述してもよい。WBDFアパーチャ120は、一定高度での低速かつ水平に飛行する小型UAV、または超音速で飛行する弾丸、またはその間のもの、ならびに他の多くのオプションに直接適用されてもよい。
【0073】
図7 方位角と仰角
ここで、
図7A及び7Bを参照すると、本明細書に開示される発明概念の一実施形態に関連付けられる経時的な例示的な方位角及び仰角のグラフ700を示す。例示的なサンプル時間スライス606は、WBDFアパーチャ120によって取得された測定値の1つのサンプルを示してもよい。
【0074】
図7Aは、経時的な方位角を示してもよい一方、
図7Bは、経時的な仰角を示してもよい。WBDFアパーチャ120による各検出は、関連付けられた方位角と仰角のペアを有してもよい。特定の方位角または仰角は,個別に考慮するときに可能であってもよい一方、3次元デカルト座標への投影のため、角度のペアは、球面座標で非現実的であると考えられてもよい。
図7A及び7Bは、測定された角度を個別に示し、測定値ペアとして非現実的と考えられる測定値を破棄してもよい。各グラフは、平面アレイのy軸(例えば、ボアサイト)に沿った前方方向150に対する(またはそこから測定された)角度を表してもよく、各特定の時刻で、1対の測定値がビークルコントローラ522または追加のシステム分析に利用可能であってもよい。
【0075】
真実曲線は、ターゲットの実際の方位角及び仰角を表してもよく、破棄された測定値は、所定の誤差範囲外にあるそれらの非現実的な測定値を示してもよい。これらの方位角と仰角のペアにより、航空機130のほぼ下方及び前方以外からのリターンは、非現実的とラベル付けられ、かつ破棄されてもよい。
【0076】
図7Aにおいて、例えば、時刻170でのサンプル時間スライス606で、3つの方位角測定値はそれぞれ、方位角ほぼ-1度であるのに対して、2つの非現実的な測定値は、ボアサイトの左右+90度及び-90度である。追加の2つの非現実的な測定値はそれぞれ、ボアサイトから+180度及び-180度(例えば、平面アレイの6時の位置)にあり、さらに非現実的な測定値の範囲内にある。
【0077】
ここで、
図7Bを参照すると、同じ時間スライス606で、y軸に対する仰角
図6と同様に示してもよい。ここで、航空機130は、航空機130のピッチが真実曲線によって示されるように上下してもよい特定の飛行プロファイルを飛行してもよいため、誤差範囲外の仰角測定値は、非現実的なものとして破棄されてもよい。5、4、3、及び2である仰角の示された測定値は、有効であると考えられてもよい一方、0、+6及び+7での追加の曖昧さは、非現実的なものとして除去される。曖昧さのほとんどは、航空機130の下方の所望の視線ではなく、航空機130の上方からの誤ったリターンであってもよい。
【0078】
図8 角度誤差
ここで、
図8を参照すると、本明細書に開示される発明概念の一実施形態の例示的な角度誤差800の図を示す。
図8は、得られた角度精度性能をSNRの測定値として示してもよい。
【0079】
結論
上記の説明から理解されるように、本明細書に開示される発明概念の実施形態は、広周波数範囲及び確実な性能を可能にする軽量で小さいフォームファクターのアンテナ設計に新しい解決策を提供し得る。
【0080】
本明細書に開示される発明概念による方法の実施形態は、本明細書に記載されるステップのうちの1つまたは複数を含んでもよいことが理解されるべきである。さらに、このようなステップは、任意の所望の順序で実行されてもよく、2つ以上のステップは、互いに同時に実行されてもよい。本明細書に開示されるステップのうちの2つ以上は、単一のステップに組み合わせられてもよく、いくつかの実施形態において、ステップのうちの1つまたは複数は、2つ以上のサブステップとして実行されてもよい。さらに、他のステップまたはサブステップは、本明細書に開示されるステップの1つまたは複数に加えて、またはその代替として実行されてもよい。
【0081】
上記の説明から、本明細書に開示される発明概念が、目的を達成し、本明細書に記載の利点及び本明細書に開示される発明概念に固有の利点を達成するのによく適合されることは、明らかである。本明細書に開示される発明概念の現在の好ましい実施形態は、本開示の目的のために説明されるが、当業者に容易に示唆され、本明細書に開示され特許請求される発明概念の広い範囲及び適用範囲内で達成される多数の変更を行ってもよいことが理解されよう。
【国際調査報告】