(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】骨修復装置および骨修復方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20240410BHJP
A61B 17/84 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/84
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565975
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022026358
(87)【国際公開番号】W WO2022232151
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523404011
【氏名又は名称】サーカムフィックス ソリューションズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ホフ,ルイス,エー
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン,ケネス,ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL32
4C160LL70
(57)【要約】
バンドに張力を付与するための張力付与ツールが提供される。張力付与ツールはハンドルを含む。張力付与ツールはさらに、一端にチャネルを有するバレルを含む。チャネルは、バンドの一部を受け入れるように構成される。張力付与ツールは、バンドの余剰部分を除去するように構成された切断刃をさらに含む。張力付与ツールは、バンドに付与され得る最大張力である張力限界を有し、張力付与ツールは、張力限界に達するまでバンドに張力を付与するように構成される。張力付与ツールは、張力限界に達したとき、またはユーザコマンドを受けたときの少なくとも一方において、切断刃を作動させてバンドを切断するように構成される。
【選択図】
図1A~
図1E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を安定化させる方法であって、
固定プレートを提供することと、
頭部および尾部を有するバンドであって、前記頭部は前記尾部の一部を受け入れるように構成された内部空洞を有する、バンドを提供することと、
張力付与ツールを提供することと、
前記固定プレートを前記骨に隣接して位置決めすることと、
前記尾部の端部を前記固定プレートおよび前記骨に巻き付けて、前記尾部の前記端部を前記頭部に挿入してループを形成することであって、前記固定プレートおよび前記骨が前記ループ内に位置決めされることと、
前記尾部の端部を前記張力付与ツールに挿入することと、
前記張力付与ツールを使用して、前記バンドに張力を付与して前記固定プレートおよび前記骨の周囲で前記バンドを締め付けることと、
張力限界に達した後、前記張力付与ツールを用いて前記バンドの余剰部分を切断することと、
を含む、方法。
【請求項2】
頭部および尾部を有する第2のバンドを提供することと、
前記第2のバンドの尾部の端部を前記固定プレートおよび前記骨に巻き付けて、前記第2のバンドの尾部の端部を前記第2のバンドの頭部に挿入して第2のバンドループを形成することであって、前記固定プレートおよび前記骨が前記第2のバンドループ内に位置決めされる、ことと、
前記張力付与ツールを使用して、前記第2のバンドに張力を付与して前記固定プレートおよび前記骨の周囲で前記第2のバンドを締め付けることと、
張力限界に達した後、前記張力付与ツールを用いて前記第2のバンドの余剰部分を切断することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
安定化される骨は、胸骨切開によって切断されたヒトの胸骨であり、前記骨に前記固定プレートを位置決めすることは、前記固定プレートを胸骨の2つの切断された半部間に形成された切開部に近接して位置決めすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バンドの頭部を前記固定プレートに取り付けることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記張力付与ツールの張力限界を設定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
骨を安定させるためのプレートアセンブリであって、
少なくとも1つの窓を形成する少なくとも2つのレールを有する固定プレートと、
少なくとも1つのバンドであって、
尾部、および
前記尾部の一部を受け入れるように構成された内部空洞を画定する頭部
を有する、バンドと、
複数の延長管と、前記固定プレートに取り付けるように構成されたドレーン本体とを含む外科用ドレーンであって、前記ドレーン本体は、内部空洞を画定し、前記複数の延長管は、流体を収集し、前記流体を前記内部空洞に移送するように構成される、外科用ドレーンと、
を備える、プレートアセンブリであり、
前記固定プレートは、骨に隣接して位置決めされるように構成され、前記頭部は、前記少なくとも1つの窓内のレール間で前記固定プレートに取り付けられるように構成され、前記少なくとも1つのバンドは、前記固定プレートおよび前記骨に巻き付けられるように構成され、前記頭部の内部空洞は、前記尾部の端部を受け入れてループを形成するように構成され、前記少なくとも1つのバンドは、張力を受けて、前記少なくとも1つのバンドによって形成されたループを締め付けるように構成される、プレートアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのバンドに張力を付与するために張力付与ツールが使用され、前記張力付与ツールは、所与のバンドに付与され得る最大張力である張力限界を有し、前記張力付与ツールは、前記張力限界に達するまで前記少なくとも1つのバンドに張力を付与するように構成され、前記張力付与ツールは、前記張力限界に達したとき、またはユーザコマンドを受けたときの少なくとも一方において、前記少なくとも1つのバンドを切断するために切断刃を作動させるように構成される、請求項6に記載のプレートアセンブリ。
【請求項8】
前記ドレーン本体は、少なくとも1つの突起を有し、前記少なくとも1つの突起は、前記固定プレートの少なくとも1つの窓に圧入されるように構成される、請求項6に記載のプレートアセンブリ。
【請求項9】
前記外科用ドレーンは、前記ドレーン本体に接続されたドレナージ管を含み、前記ドレナージ管は、前記ドレーン本体の内部空洞に収集された流体の除去を可能にするように構成される、請求項6に記載のプレートアセンブリ。
【請求項10】
前記ドレナージ管は、自由端を有し、前記自由端は、負圧装置に取り付けられ、前記外科用ドレーンの中に負圧を生成するように構成される、請求項9に記載のプレートアセンブリ。
【請求項11】
前記固定プレートは、前記骨の前に設置されるように構成され、前記外科用ドレーンは、前記固定プレートの前に設置されるように構成され、前記複数の延長管は、前記骨の背後に位置する過剰な流体を収集するために前記骨の背後に延在するように構成される、請求項6に記載のプレートアセンブリ。
【請求項12】
前記骨は胸骨であり、前記外科用ドレーンは、前記胸骨の前に設置されるように構成され、前記複数の延長管は、前記胸骨の背後に位置する過剰な流体を収集するために肋骨間の肋間腔を通って前記胸骨の背後に延在するように構成される、請求項11に記載のプレートアセンブリ。
【請求項13】
前記外科用ドレーンは、前記ドレーン本体に接続された注入管をさらに含み、前記注入管は、前記外科用ドレーンを介して手術部位に導入される流体を受け入れるように構成される、請求項6に記載のプレートアセンブリ。
【請求項14】
バンドに張力を付与するための張力付与ツールであって、前記張力付与ツールは、
ハンドルと、
一端にチャネルを有するバレルであって、前記チャネルが前記バンドの一部を受け入れるように構成される、バレルと、
前記バンドの余剰部分を除去するように構成された切断刃と、
を備える、張力付与ツールであり、
前記張力付与ツールは、所与のバンドに付与され得る最大張力である張力限界を有し、前記張力付与ツールは、前記張力限界に達するまで前記バンドに張力を付与するように構成され、前記張力付与ツールは、前記張力限界に達したとき、またはユーザコマンドを受けたときの少なくとも一方において、前記バンドを切断するために前記切断刃を作動させるように構成される、張力付与ツール。
【請求項15】
前記張力限界を設定するように構成されたクラッチ機構
をさらに備える、請求項14に記載の張力付与ツール。
【請求項16】
前記張力付与ツールは、前記張力限界に達したときに前記バンドから外れて、過剰な張力付与を防止するように構成される、請求項14に記載の張力付与ツール。
【請求項17】
前記張力付与ツールは、前記張力限界に達する際に、前記バンド上の張力を一貫したレベルに維持するように構成され、前記張力限界に達する際に、前記バンドを切断するように構成される、請求項14に記載の張力付与ツール。
【請求項18】
アクチュエータレバー
をさらに備え、
前記切断刃は、前記バレルの先端に近接して位置し、前記アクチュエータレバーは、前記切断刃の作動または前記バンドへの張力の付与のうちの少なくとも一方を引き起こすように構成される、請求項14に記載の張力付与ツール。
【請求項19】
前記アクチュエータレバーは、前記切断刃の作動と前記バンドへの張力の付与の両方を引き起こすように構成される、請求項18に記載の張力付与ツール。
【請求項20】
切断モードと張力付与モードとの間で切り替わるように構成されたスイッチであって、前記アクチュエータレバーの押圧が、前記切断モードにおいて前記切断刃の作動を引き起こし、前記アクチュエータレバーの押圧が、前記張力付与モードにおいて前記バンドへの張力付与を引き起こす、スイッチ
をさらに備える、請求項19に記載の張力付与ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許仮出願第63/180561号(2021年4月27日出願、名称「Bone Repair Devices and Methods」)、米国特許仮出願第63/227060号(2021年7月29日出願、名称「Sternum Fixation Devices and Methods」)、および米国特許出願第17/353011号(2021年6月21日出願、名称「Sternum Fixation Devices and Methods」)の利益を主張するものである。前述の出願のそれぞれの内容全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明の実施形態は、全般的には、骨を安定化させ、手術部位から過剰な流体を除去するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
胸骨切開手術では、患者の胸骨を半分に切断して胸腔内へのアクセスを形成し、手術的な外科的処置を行う。このような処置の後、胸骨の2つの分離された半部は、互いに隣接して再配置され、2つの半部が治癒することができるように固定されなければならない。胸骨の周囲に通され、手で引っ張られて所定位置にねじられるワイヤを使用して、分離された半部を一緒に拘束する試みがなされてきた。しかしながら、ワイヤは、胸骨および身体の他の周囲領域に刺激を引き起こし、患者にさらなる痛みおよび不快感を引き起こす可能性がある。さらに、ワイヤの位置決め、張力付与の張り具合、ねじれ方などに関して、外科医ごとに固有の不一致がある。
【0004】
さらに、外科手術および/または胸骨切開の後、過剰な流体(例えば、血液)が手術部位の周囲に集まることがある。過剰な流体が除去されない場合、この過剰な流体は感染性となり、患者の健康に深刻なリスクをもたらし、回復を遅らせる、または妨げる可能性がある。本発明者らは、創意工夫および努力によって、胸骨切開後の胸骨の再縫合閉鎖および関連する流体の排出の様々な改良策を開発してきた。
【発明の概要】
【0005】
本明細書において提供される様々な実施形態は、骨を安定化させ、および/または手術部位からの過剰な流体を除去するための方法および装置を開示する。骨の安定化を助けるために、胸骨などの骨に対して位置決めされ得る固定プレートを有するプレートアセンブリが企図される。バンドは、固定プレートに取り付けられ、バンドがループを形成するように固定プレートおよび骨に巻き付けられ得る。バンドによって形成されたループは、張力付与ガンによって張力付与され、最終的に切断され得る。固定プレートは、通常は固定プレート内に開放構造を形成するために、その中に窓および他の開口部を有し得、この開放構造は、血液および生体物質の自由な通過を可能にして、骨部位における治癒をもたらすのに有益であり得る。
【0006】
外科用ドレーンアセンブリは、いくつかの実施形態においても同様に提供され得る。外科用ドレーンアセンブリは、固定プレートと骨(例えば、胸骨)との間に設けられ得るドレーン本体を備え得る。ドレーン本体は、固定プレートにスナップ嵌めされるか、または他の方法で取り付けられてもよい。さらに、ドレーン本体は、ドレーン本体に取り付けられた延長管を有し得、延長管は、その位置で血液などの任意の過剰な流体を収集するように、胸骨の背後または別の骨の背後に巻き付けられ得る。さらにドレナージ管および/または注入管も設けられ得る。ドレナージ管は、ドレーン本体の内部空洞から収集された流体が患者の身体から除去されることを可能にし得、注入管は、流体(例えば、薬剤など)が外科用ドレーンアセンブリを介して手術部位に導入されることを可能にし得る。ドレーン本体は、ドレーン本体の容易な設置および除去を可能にするために、胸骨および固定プレートの上方に位置決めされ得る。
【0007】
張力付与ガンは、使用者が張力限界を設定することを可能にし、この張力限界は、張力付与ガンを使用してバンドに付与され得る最大張力である。張力限界に達する際に、張力付与ガンは張力付与を停止し、切断刃が作動してバンドを切断する。あるいは、張力付与ガンは、張力限界またはその付近でバンドに張力を付与し続けてもよいし、張力付与ガンは、切断刃を作動させてバンドを切断してもよい。
【0008】
バンドは、手動で設置され、張力付与され、次いで切断され得るが、いくつかの理由で、これらのタスクを手動で行うことは不利である場合がある。第1に、これらのタスクを手動で実行すると、ヒューマンエラーにつながる可能性がある。バンドは、適切な張力まで締め付けられない場合があり、これは、患者の不適切な治癒をもたらし、および/または痛みを経験させる場合がある(すなわち、緩すぎると、胸骨の過度の動きを可能にし得、きつすぎると、患者にとって痛みを引き起こし、または胸骨に過剰な張力を引き起こし得る)。第2に、タスクの手動実行は、ユーザフレンドリではない。固定プレートが切断された胸骨に設置される場合、1人以上の設置者が、2つの切断された胸骨半部を適切な位置に維持する必要があり、固定プレートを適切な位置に維持する必要があり、固定プレートを適切な位置に保持するためにバンドを取り付ける必要がある。これは、同時に行うことが困難であり、設置者のフラストレーションを増大させ、設置中のエラーのリスクの増大につながる可能性がある。第3に、タスクの手動実行は、設置者(単数または複数)にとって非常に時間がかかるタスクであり得る。
【0009】
所望の張力レベルに達するまでバンドに張力を付与するために使用され得る張力付与ガンが企図される。所望の張力レベルに達する際に、張力付与ガンはバンドを切断することができる。張力付与ガンは、各バンドに一貫した量の張力を維持することによって、ヒューマンエラーを低減し得る。手動の張力付与は、以前の経験、視覚化、または触覚に基づく使用者の判断に過度に依存し、設置者からの概算または当て推量がエラーをもたらす可能性がある。張力付与ガンは、設置者によって操作しやすく、そのことにより、張力レベルが適切であるかどうかについての設置者からのいかなる概算または当て推量も排除することができる。所望の張力が得られた後にバンドを自動的に切断することによって、設置者がこのタスクを別個に行う必要性が軽減され得る。また、張力付与ガンは、バンドを手で締め付けるよりも迅速にバンドを締め付けることができる。
【0010】
例示的な一実施形態では、骨を安定化させる方法が提供される。該方法は、固定プレートを提供することと、頭部および尾部を有するバンドであって、頭部が尾部の一部を受け入れるように構成された内部空洞を有するバンドを提供することと、張力付与ツールを提供することと、固定プレートを骨に隣接して位置決めすることと、尾部の端部を固定プレートおよび骨に巻き付け、尾部の端部を頭部に挿入してループを形成することであって、固定プレートおよび骨がループ内に位置決めされる、ことと、尾部の端部を張力付与ツールに挿入することと、張力付与ツールを使用して、バンドに張力を付与して固定プレートおよび骨の周囲でバンドを締め付けることと、張力限界に達した後に張力付与ツールを用いてバンドの余剰部分を切断することとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、該方法はさらに、頭部および尾部を有する第2のバンドを提供することと、第2のバンドの尾部の端部を固定プレートおよび骨に巻き付け、第2のバンドの尾部の端部を第2のバンドの頭部へ挿入して第2のバンドループを形成することであって、固定プレートおよび骨が第2のバンドループ内に位置決めされる、ことと、張力付与ツールを使用して第2のバンドに張力を付与して固定プレートおよび骨の周囲で第2のバンドを締め付けることと、張力限界に達した後に張力付与ツールを用いて第2のバンドの余剰部分を切断することとを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、安定化させる骨は、胸骨切開によって切断されたヒトの胸骨であり得る。骨に固定プレートを位置決めすることは、固定プレートを胸骨の2つの切断された半部間に形成された切開部に近接して位置決めすることを含み得る。さらに、該方法は、いくつかの実施形態では、バンドの頭部を固定プレートに取り付けることをさらに含み得る。加えて、いくつかの実施形態では、該方法は、張力付与ツールの張力限界を設定することを含み得る。
【0013】
別の例示的な実施形態では、骨を安定化させるためのプレートアセンブリが提供される。プレートアセンブリは、少なくとも1つの窓を形成する2つ以上のレールを有する固定プレートを含む。プレートアセンブリはさらに、少なくとも1つのバンドを含み、バンド(単数または複数)は、尾部と、尾部の一部を受け入れるように構成された内部空洞を画定する頭部とを有する。プレートアセンブリはさらに、複数の延長管と、固定プレートに取り付けられるように構成されたドレーン本体とを有する外科用ドレーンを含む。ドレーン本体は、内部空洞を画定し、複数の延長管は、流体を収集し、流体を内部空洞へ移送するように構成される。固定プレートは、骨に隣接して位置決めされるように構成され、頭部は、窓内のレール間で固定プレートに取り付けられるように構成される。バンド(単数または複数)は、固定プレートおよび骨に巻き付けられるように構成され、頭部の内部空洞は、尾部の端部を受け入れてループを形成するように構成される。バンド(単数または複数)は、バンドによって形成されたループを締め付けるための張力を受けるように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、バンド(単数または複数)に張力を付与するために、張力付与ツールが使用され得る。張力付与ツールは、所与のバンドに付与され得る最大張力である張力限界を有し得る。張力付与ツールは、張力限界に達するまでバンド(単数または複数)に張力を付与するように構成され得る。張力付与ツールは、張力限界に達したとき、またはユーザコマンドを受けたときの少なくとも一方において、切断刃を作動させてバンド(単数または複数)を切断するように構成され得る。加えて、いくつかの実施形態では、ドレーン本体は、少なくとも1つの突起を有し得る。突起(単数または複数)は、固定プレートの窓(単数または複数)に圧入されるように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、外科用ドレーンは、ドレーン本体に接続されたドレナージ管を含み得、ドレナージ管は、ドレーン本体の内部空洞に収集された流体の除去を可能にするように構成され得る。加えて、いくつかの関連する実施形態では、ドレナージ管は、自由端を有し得、自由端は、負圧装置に取り付けられて外科用ドレーンの中に負圧を生成するように構成され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、固定プレートは、骨の前に設置されるように構成され得、外科用ドレーンは、固定プレートの前に設置されるように構成され得る。複数の延長管は、骨の背後に位置する過剰な流体を収集するために骨の背後に延びるように構成され得る。いくつかの実施形態では、骨は胸骨であり得、外科用ドレーンは胸骨の前に設置されるように構成され得る。複数の延長管は、肋骨間の肋間腔を通って胸骨の背後に延びて、胸骨の背後に位置する過剰な流体を収集するように構成され得る。加えて、外科用ドレーンは、ドレーン本体に接続された注入管をさらに含み得、注入管は、外科用ドレーンを介して手術部位に導入される流体を受け入れるように構成され得る。
【0017】
別の例示的な実施形態では、バンドに張力を付与するための張力付与ツールが設けられる。張力付与ツールはハンドルを含む。張力付与ツールはまた、一端にチャネルを有するバレルを含み、チャネルは、バンドの一部を受け入れるように構成される。また、張力付与ツールは、バンドの余剰部分を除去するように構成された切断刃を含む。張力付与ツールは、所与のバンドに付与され得る最大張力である張力限界を有し、張力付与ツールは、張力限界に達するまでバンドに張力を付与するように構成される。張力付与ツールは、張力限界に達したとき、またはユーザコマンドを受けたときの少なくとも一方において、切断刃を作動させてバンドを切断するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、張力付与ツールは、張力限界を設定するように構成された回転可能なノブのようなクラッチ機構を含み得る。関連する実施形態では、張力付与ツールは、張力限界に達したときにバンドから外れて、過剰な張力付与を防止するように構成され得る。さらに、いくつかの実施形態では、張力付与ツールは、張力限界に達する際に、バンド上の張力を一貫したレベルに維持するように構成され得、張力付与ツールは、張力限界に達する際に、バンドを切断するように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、切断刃は、バレルの先端に近接して位置し得る。加えて、いくつかの関連する実施形態では、切断刃の作動またはバンドへの張力の付与のうちの少なくとも一方を引き起こすように構成されたアクチュエータレバーが、張力付与ツール内に設けられ得る。さらなる関連する実施形態では、アクチュエータレバーは、切断刃の作動とバンドへの張力の付与の両方を引き起こすように構成され得る。さらに、いくつかの関連する実施形態では、切断モードと張力付与モードとの間で切り替えるように構成されたスイッチが、張力付与ツール内に設けられ得る。アクチュエータレバーの押圧は、切断モードにおいて切断刃の作動を引き起こし得、アクチュエータレバーの押圧は、張力付与モードにおいてバンドへの張力付与を引き起こし得る。
【0020】
このように本発明を大まかに説明してきたが、ここで、添付図面について説明する。図面は、必ずしも正確な縮尺率で描かれているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、例示的なバンドの上面図である。
【
図1B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図1Aのバンドの頭部の拡大上面図である。
【
図1C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図1Aのバンドの頭部の拡大側面図である。
【
図1D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図1Aのバンドの頭部の拡大斜視図である。
【
図1E】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図1Dの線A’-A’に沿ったバンドの頭部の拡大断面図である。
【
図2A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の例示的なバンドの拡大上面図である。
【
図2B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図2Aのバンドの頭部の拡大側面図である。
【
図2C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図2Aのバンドの頭部の拡大斜視図である。
【
図2D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図2Cの線B’-B’に沿ったバンドの頭部の拡大断面図である。
【
図3】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の例示的なバンドの頭部の拡大断面図である。
【
図4A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の例示的なバンドの拡大上面図である。
【
図4B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図4Aのバンドの頭部の拡大側面図である。
【
図4C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図4Aのバンドの頭部の拡大斜視図である。
【
図4D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図4Bの線C’-C’に沿ったバンドの頭部の拡大断面図である。
【
図5A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の例示的なバンドの拡大側面図である。
【
図5B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図5Aのバンドの頭部の拡大斜視図である。
【
図6A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、例示的な固定プレートの正面図である。
【
図6B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図6Aの線D’-D’に沿った固定プレートの断面図である。
【
図6C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図6Aの固定プレートの側面図である。
【
図6D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図6Aの固定プレートの斜視図である。
【
図6E】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図6Aの固定プレートの上面図である。
【
図7A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の例示的な固定プレートの正面図である。
【
図7B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図7Aの線E’-E’に沿った固定プレートの断面図である。
【
図7C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図7Aの固定プレートの斜視図である。
【
図7D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図7Aの固定プレートの側面図である。
【
図7E】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、底面上にスパイクを有する例示的な固定プレートの側面図である。
【
図8A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の例示的な固定プレートの正面図である。
【
図8B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図8Aの固定プレートの側面図である。
【
図8C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図8Aの線F’-F’に沿った固定プレートの断面図である。
【
図8D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図8Aの固定プレートの斜視図である。
【
図9A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の例示的な固定プレートの正面図である。
【
図9B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図9Aの線G’-G’に沿った固定プレートの断面図である。
【
図9C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図9Aの固定プレートの側面図である。
【
図9D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図9Aの固定プレートの斜視図である。
【
図10A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、例示的なバンドが組み付けられた例示的な固定プレートの上面図である。
【
図10B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図10Aの線H’-H’に沿った固定プレートおよびバンドの断面図である。
【
図10C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図10Aの線H’-H’に沿った固定プレートおよびバンドの断面図である。
【
図10D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図10Aの線H’-H’に沿った固定プレートおよびバンドの断面図である。
【
図10E】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、取り付けられたバンドが回転された状態の
図10Aの固定プレートおよびバンドの上面図である。
【
図11A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、例示的なバンドに張力を発生させるために使用されている張力付与ガンの一例の斜視図である。
【
図11B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図11Aの張力付与ガンおよびバンドの拡大図である。
【
図12A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、例示的な張力付与ガンの上面図である。
【
図12B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図12Aの張力付与ガンの側面図である。
【
図13A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、例示的なバンドに張力を発生させるために使用されている例示的な張力付与ガンであり、側壁が透明に作製された張力付与ガンの斜視図である。
【
図13B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図13Aの張力付与ガンの拡大図である。
【
図14】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、バンドに張力を発生させるために使用されている例示的な張力付与ガンの拡大断面図である。
【
図15】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、バンドの尾部の余剰部分を切断するために使用されている張力付与ガンのためのトリムシステムの例示的な切断刃を示す図である。
【
図16A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、胸骨において組み付けられた例示的な固定プレートの正面図である。
【
図16B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、胸骨において組み付けられた
図16Aの固定プレートの斜視図である。
【
図17】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、例示的な固定プレートをヒトの胸骨に固定するのを助けるために使用されている例示的な張力付与ガンの斜視図である。
【
図18A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、切断された胸骨に対して位置決めされている例示的な固定プレートの斜視図である。
【
図18B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、バンドが組み付けられた状態の
図18Aの固定プレートの斜視図である。
【
図18C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、バンドに張力を付与しバンドを切断するために張力付与ガンが使用されている状態の
図18Aの固定プレートの斜視図である。
【
図19A】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、例示的なドレナージアセンブリの底面図である。
【
図19B】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図19Aのドレナージアセンブリの側面図である。
【
図19C】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、内部空洞を有する
図19Aのドレナージアセンブリの概略図である。
【
図19D】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、縫合糸穴を有するドレナージアセンブリの例示的なドレーン本体の拡大図である。
【
図19E】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、ドレーン本体の表面に複数の開口部を有する
図19Aのドレーン本体の拡大図である。
【
図19F】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の例示的なドレナージアセンブリの概略底面図である。
【
図19G】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、
図19Fのドレナージアセンブリの概略上面図である。
【
図20】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、固定プレートおよびドレナージアセンブリを切断された胸骨に設置するための例示的な方法を示す図である。
【
図21】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、切断モードと張力付与モードとの間で交互に繰り返すためのスイッチを有する、代替の張力付与ガンを示す図である。
【
図22】本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、別の代替の張力付与ガンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の例示的な実施形態について、本発明の全てではないがいくつかの実施形態が示されている添付の図面を参照しながら、以下により十分に説明する。実際に、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載されている例示的な実施形態に限定されると解釈すべきでなく、むしろ、これらの実施形態は、適用可能な法的要件を満たすために提示されるものである。同様の参照番号は、概して、全体を通して同様の要素を指す。例えば、参照番号104、204、304などはそれぞれ、バンドの頭部を指すことができる。さらに、任意の接続または取り付けは、特に断りのない限り、直接的または間接的な接続または取り付けであり得る。
【0023】
胸骨および張力付与プレートの周りで押圧され得るループを形成するために使用され得る様々なバンドが提供され得る。
図1Aは、例示的なバンドの上面図である。バンド100は、尾部102および頭部104を含む細長いストリップを備え得る。尾部102は、頭部104上の特徴部と係合するように巻き付けられ得、そのことにより、バンド100をループに形成し得る。さらに、バンド100を締め付けるために、尾部102に張力が付与され得る。バンド100は、1つ以上の物体に巻き付けられて、物体の動きを拘束し得る。例えば、バンド100は、ヒトの骨に巻き付けられ得る。本明細書で説明するいくつかの実施形態では、バンド100は、手術後に、胸骨が以前に切断されたヒトの胸骨の周りに巻き付けられ得る。
【0024】
例示的なバンド100の追加の特徴は、バンド100の頭部104の様々な拡大図である
図1B~
図1Eを参照すればより容易に理解され得る。頭部104は、上面109、少なくとも2つの側壁、底面、および尾部102の端部を受け入れることができる内部空洞を画定し得る。内部空洞は、入口106から出口108まで延在し得る。
図1Eの断面図を参照すると、入口106および出口108が示されている。一実施形態では、入口106は、バンド100の上面109に位置し得る。一実施形態では、出口108は、バンド100の上面109に位置し得る。一実施形態では、入口106および出口108はそれぞれ、バンド100の上面109に位置し、尾部102が上面109を介して頭部104に出入りするようになっている。頭部104の一方の側壁から頭部104の他方の側壁まで延在し、上面109に隣接する係止バー110は、入口106を出口108から分離することができる。
【0025】
尾部102の端部は、入口106を通して挿入され、爪部112と係止バー110との間の空間内へ延び、出口108を通って延びることができる(本明細書では挿入方向と呼ばれる)。尾部102の端部が出口108に向かって延びるにつれて、爪部112は、尾部102を出口傾斜部118に向けて案内し得る。尾部102の一部は、出口傾斜部118に接触し得る。出口傾斜部118は、いくつかの実施形態では、30度の角度を有する陥凹として設けられ得るが、他の角度が出口傾斜部118に使用されてもよい。出口傾斜部118は、いくつかの実施形態では、直線的に傾斜していてもよいが、出口傾斜部は、他の実施形態では、曲線状に傾斜してもよい。いずれの場合も、出口傾斜部118は、尾部102の端部を頭部104の上面109に向かって、ひいては頭部104の出口108に向かって付勢するように構成され得る。尾部102の端部が内部空洞を通して挿入され、出口傾斜部118の上を摺動して出口108から出た後、尾部102に張力を加えて尾部102をさらに締め付けることができる。あるいは、尾部102の端部は、そのような張力を付与するために、頭部104を相対的に静止した位置に維持しながら引っ張られ得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、爪部112には、リッジ112Aが設けられ得、爪部112のこれらのリッジ112Aは、尾部102の上面109のリッジ202A(
図2A参照)と係合し得る。リッジの係合は、通常、バンド100が緩むこと、または挿入方向と反対の方向に移動することを防止し得る。バンド100を外すために、操作者は、バンド100を切断するだけでよく、必要に応じてバンド100を容易に取り外すことができる。
【0027】
バンド100の頭部104は、上部114と、底部ロック120とを含み得る。上部114と底部ロック120との間には間隙119が画定され得る。本明細書でさらに説明するように、上部114と底部ロック120との間の間隙119は、固定プレート1022の一部を受け入れて、固定プレート1022に対するバンド100の動きを抑制するために使用され得る(
図10B参照)。
【0028】
さらに、いくつかの実施形態では、頭部104はポケット116を含み得る。図示されている実施形態は、2つのポケット116を含むが、任意の数のポケットが使用されてもよい。ポケット116は、本明細書でより十分に説明するように、バンド100の尾部102と頭部104との間に張力を発生させるのを助けるように構成され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、バンド100は、所定の半径で予め曲げられていてもよいし、湾曲していてもよい。このことにより、肋間腔を通して肋間腔の下、および胸骨の後面の下でのバンド100の操縦性が促進され得る。
【0030】
図2A~
図2Dは、別のバンドの頭部の様々な拡大図である。
図2Aを参照すると、リッジ202Aを有する尾部202が左側に示され、バンドの頭部204が右側に示されている。上述したように、尾部202の端部は、頭部204内の入口206から出口208まで延在する内部空洞に巻き付けられ、挿入され得る。
図2Dを参照すると、尾部202の端部は、入口206を通して挿入され、係止バー210の下に延び、出口208を通って外へ延びることができる。係止バーは、
図1Eの爪部112上に示されるリッジ112Aと同様のリッジを含み得る。
図2Aに示すように、尾部202の端部が出口208を通って外へ延びると、尾部202は出口傾斜部218上に載置され得る。
【0031】
さらに、バンドの頭部204は、上部214および底部ロック220を含み得る。上部214と底部ロック220との間には間隙が画定され得る。本明細書でさらに説明するように、上部214と底部ロック220との間の間隙は、固定プレート1022に対するバンド100の頭部204の動きを抑制するために使用され得る(
図10B参照)。頭部204は、別個の爪部を有さない単一の係止バー210のみが設けられるという点で、
図1A~
図1Eの頭部104とは異なり得る。さらに、頭部204の全体形状は、頭部104よりも丸みを帯びていてもよい。さらに、頭部204には、ポケット116(
図1D参照)が設けられていない。さらに、底部ロック220は、固定プレート1022の窓内への頭部204の設置しやすさを高めるためにテーパ状であり得る(
図10B参照)。
【0032】
図3は、別の例示的なバンドの頭部304の拡大断面図である。さらに、
図3では、バンドの尾部302が示されている。尾部302の端部は、頭部304内の入口306から出口308まで延在する内部空洞に巻き付けられ、挿入され得る。
図3を参照すると、尾部302の端部は、入口306を通して挿入され、係止バー310の下で爪部312の上に延び、出口308を通って外へ延びることができる。爪部312は、
図1Eの爪部112上に示されるリッジ112Aと同様のリッジ312Aを含み得る。この場合、尾部302の底面にリッジが設けられ、尾部302のリッジが爪部312のリッジ312Aと係合するようにしてもよい。
【0033】
さらに、バンドの頭部304は、上部314および底部ロック320を含み得る。上部314と底部ロック320との間には間隙が画定され得る。本明細書でさらに説明するように、上部314と底部ロック320との間の間隙は、固定プレート1022に対するバンドの頭部304の動きを抑制するために使用され得る(
図10B参照)。
図3の頭部304では、上部314は、
図1A~
図1Eの頭部104に対して入口側(右側)および出口側(左側)の両方で拡大されて、上部が、固定プレート1022(
図10A参照)とのより大きな接合面を有するようにしてもよい。
【0034】
図4A~
図4Dは、別のバンドの頭部404の様々な拡大図である。さらに、
図4では、バンドの尾部402および尾部402上のリッジ402Aが示されている。尾部402の端部は、頭部404内の入口406から出口408まで延在する内部空洞に巻き付けられ、挿入され得る。
図4Dを参照すると、尾部402の端部は、入口406を通して挿入され、爪部412の下に延び、出口408を通って外へ延びることができる。爪部412は、
図1Eの爪部112上に示されるリッジ112Aと同様のリッジ412Aを含み得る。他の実施形態と同様に、頭部404は、固定プレート1022に対するバンドの頭部404の動きを抑制するように構成された間隙を形成し得る上部414および底部ロック420を含み得る(
図10B参照)。さらに、頭部404の出口傾斜部418(
図4C参照)は、
図1Dの出口傾斜部118とは異なり、曲線状である。
【0035】
図5A~
図5Bは、別の例示的なバンドの様々な拡大図である。尾部502の端部は、頭部504内の入口506から出口508まで延在する内部空洞に巻き付けられ、挿入されてもよい。
図5Bを参照すると、尾部502の端部は、入口506を通して挿入され、係止バーの下かつ爪部の上に延び、出口508を通って外へ延びることができる。爪部は、
図1Eの爪部112上に示されるリッジ112Aと同様のリッジを含み得る。他の実施形態と同様に、頭部504は、固定プレート1022に対するバンドの頭部504の動きを抑制するように構成された間隙を形成し得る上部514および底部ロック520を含み得る(
図10B参照)。
【0036】
頭部504はさらに、1つ以上のポケット516を含み得る。図示されている実施形態では、2つのポケット516が示されている。ポケット516は、張力付与ガン1138(
図11A参照)の位置合わせ特徴部1150(
図11B参照)を受け入れることができる場所となり得る。ポケット516は、張力付与ガン1138が頭部504に張力を付与するときに張力付与ガン1138に対する梃子の作用をもたらし得る。
【0037】
切断された胸骨の2つの切断された半部を一緒に固定するのを助けるために使用され得る様々な固定プレートもまた企図される。固定プレートは、固定プレートがその下にある骨の形状に適合することを可能にする材料を含み、そのような特徴部を有し得る。さらに、固定プレートは、バンドによって発生する応力を、下にある骨のより大きな表面積にわたって分散させて、バンドが設けられている特定の位置における応力集中を防止することができる。
図6A~
図6Eは、例示的な固定プレート622の様々な図である。固定プレート622は、一般に、ヒトの胸骨の一部と同じ長さおよび幅を有する細長い本体を備え得る。固定プレート622は、長手方向に延在する少なくとも2つのレール626を含み得る。一実施形態では、レール626は、クロスバー628を介して互いに接続され得る。別の実施形態では、固定プレート622は、2つのレール626と、2つのクロスバー628(各端部に1つ、
図7A参照)とを備え得る。一実施形態では、固定プレート622は、2つのレール626と3つのクロスバー628とを備え得る。一実施形態では、固定プレート622は、2つのレール626と5つのクロスバー628とを備え得る。本明細書では、任意の数のレール626およびクロスバー628が企図される。レール626およびクロスバー628は、1つ以上の窓624(すなわち、開放空洞)を形成し得る。窓624は、バンド100の頭部104(
図1A参照)受け入れるように構成され得る。
図6Aには3つの窓624が示されているが、任意の数の窓624が含まれてもよい。一実施形態では、固定プレート622は、固定プレート622の長軸に沿った様々な点に存在する複数のクロスバー628によって接合された平行な長手方向レール626からなる梯子に似ており、固定プレート622の中央領域内に窓624を形成し得る。一実施形態では、固定プレート622は、胸骨柄から剣状突起までの胸骨の解剖学的構造の前向きの面の全長に延在し得るが、固定プレート622は、他の実施形態では、この長さの一部のみに延在するように構成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、窓624は、卵形または楕円形である。他の実施形態では、窓624は、正方形または長方形である。当該技術分野で既知の任意の形状が、本明細書で利用されてもよい。いくつかの実施形態では、窓624は、互いに異なる形で位置決めされ、寸法決めされ得る。すなわち、固定プレート622は、長手方向に対称でなくてもよい。固定プレート622は、一実施形態では、輪郭形成部分630の一方の長手方向側に2つのより長い窓624(以下で説明する)と、輪郭形成部分630の他方の長手方向側に中程度の長さの1つの窓624と、輪郭形成部分630内に1つのより短い窓624とを備え得る。同様に、様々な窓624の幅は、変化し得る。1つ以上の窓624は、第1の幅を有してもよく、1つ以上の他の窓624は第2の幅を有してもよい。
【0039】
図6Bに示されているように、レール626は、窓624内に部分的に延びる突出部分626Aを含み得る。この突出部分626Aは、バンド100の頭部104(
図1E参照)の上部114と底部ロック120との間に形成された間隙119(
図1E参照)内に延在し得る。突出部分626Aがこの間隙119(
図1E参照)内に延びると、突出部分626Aとバンド100の頭部104(
図1E参照)との係合は、頭部104の移動を制限し得る。すなわち、頭部104は、窓の長さに沿って(すなわち、
図6Aのレールに沿って左右に)摺動することが可能になり得るが、この係合は、頭部104が窓に対して垂直に(すなわち、
図6Aでは、レールに向かって上下に)移動することを防止し得る。突出部分626Aと頭部104との係合は、頭部104を窓624内に保持した状態で維持することができるが、必要に応じて、十分な力を加えると、窓624から頭部104を取り外すことができる。あるいは、バンド100の頭部104の底部ロック120は、頭部104が部分的に回転されると(例えば、底部ロック120を90度回転させることによって)、窓624を通して受動的に挿入するように固定されてもよく、次いで、底部ロック120は、底部ロック120を部分的に回転させることによって(例えば、底部ロック120を逆方向に90度回転させることによって)、レール626の下に係止されてもよい。底部ロック120は、いくつかの実施形態では、ツイストロックであり得る。固定プレート622が胸骨と共に使用される場合、固定プレート622のレール626は、いくつかの実施形態では、5mm未満の高さ(H)を有し得る。この低減された高さ(H)は、固定プレート622をより薄型にし、バンドは骨のより近くに巻き付けられる。このことにより、バンドが方向を変える必要がある量が減少し、バンドが接触する骨上の表面積の量が増加し得る。しかしながら、他のより大きいまたはより小さいサイズの固定プレート622が胸骨において使用されてもよい。さらに、固定プレート622が大腿骨などのより大きい骨と共に使用される場合、固定プレート622は、20ミリメートル以上の高さを有し得る。
【0040】
固定プレート622はまた、1つ以上の補強領域を含み得る。図示されている実施形態では、3つの補強領域が設けられ、これらの補強領域の各々はクロスバー628にある。
図6Cの側面図に示すように、補強領域は、固定プレート622の他の部分と比較して、増加した厚みおよび/または強度を有し得る。場合によっては、補強領域は、バンド100の頭部104の移動を制限するために、窓624に終点を設けるのを助けることもできる。補強領域は、強度および補強をもたらし、固定プレート622に作用する構造的負荷を固定プレート622にわたって分散させて、応力点を最小限に抑え得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、補強領域は、クロスバー628に設けられて、水平方向(
図6Aから見て上下方向)の曲げに対する剛性を提供すると同時に、垂直方向(
図6Aから見て長手方向、左右方向)の固定プレート622の曲げを可能にし得る。そうすることによって、固定プレート622は、胸骨の形状に適合するように垂直方向に自由に曲がることができ、患者が胸骨の自然な動きを得ることを可能にし得る。しかしながら、補強領域は、他の実施形態では、水平方向の曲げに対して限られた剛性を有してもよく、そのことにより、固定プレート622は、水平方向に自由に容易に曲がって、胸骨の形状に適合することもできる。
【0042】
図6A、
図6C、および
図6Dに示すように、固定プレート622は、輪郭形成部分630を含み得る。輪郭形成部分630は、固定プレート622が下にある胸骨の形状により容易に適合することができるように設けられ得る。一実施形態では、固定プレート622の底面632は、概ね直線状であり得るが、輪郭形成部分630は、固定プレート622の上面621に向かって、曲線状にまたは角度をなして内側に撓んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、輪郭形成部分630は、胸骨の胸骨柄接合部または胸骨のルイ角の上に配置されるように構成され得る。さらに、輪郭形成部分630は、胸骨体剣状突起接合部の上に配置され得る。いくつかの実施形態では、固定プレート622は、特定の領域(例えば、胸骨の胸骨柄接合部、胸骨体剣状突起接合部など)で所与の患者の特定の解剖学的構造により良好に適合することを可能にするために、可撓性が増大した領域を有し得る。
【0043】
固定プレート622の底面632はさらに、固定プレート622と切断された胸骨との間の静止摩擦を得るのを補助するために(
図7E参照)、1つ以上のスパイク732A(
図7E参照)を含み得る。しかしながら、底面632は、いくつかの実施形態では、スパイクを含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、固定プレート622の底面632に1つ以上の空洞634が設けられ得る。窓624および空洞634は、体液が通過することを可能にし、切断された胸骨1856の切開部1857(
図18A参照)における適切な治癒を可能にする開放構造を形成することができる。窓624の端部の半径Rは、バンド100の頭部104が窓624の最大距離を摺動できることを確実にするために、大きなサイズを有し得る。固定プレート622は、下にある骨の形状および輪郭に適合するのに十分な延性を提供しながら、損傷した骨(例えば、胸骨)を支持するのに十分な曲げ剛性および捩り剛性を提供し得る。
【0044】
さらに、別の代替の固定プレート722が
図7A~
図7Eに示されている。
図6A~
図6Eの固定プレート622と同様に、固定プレート722は、窓724を含み得る。固定プレート722は、窓724を形成するのを助けるレール726を含み得る。窓724は、バンド100の頭部104(
図1A参照)を受け入れるように構成され得る。
図7Bに示されているように、レール726は、窓724内に延在する突出部分726Aを含み得る。この突出部分726Aは、頭部104の移動を制限するために、バンド100の頭部104(
図1E参照)の上部114と底部ロック120との間に形成された間隙119(
図1E参照)内に延在し得る。突出部分726Aは、
図6Bの突出部分626Aと同様に動作し得る。
【0045】
図7Dに示すように、固定プレート722は底面732を有し、この底面732は、
図7Dの固定プレート722では平坦である。しかしながら、他の実施形態では、底面732は、凹形状、凸形状、または他の何らかの非平坦形状を有してもよい。例えば、底面732は、固定プレート722が胸骨の自然な解剖学的半径に追従することができるように、わずかに凹状であり得る。さらに、
図7Dに示すように、固定プレート722は、いくつかの実施形態では、底面732上にスパイク732Aを有し得る。スパイク732Aは、いくつかの実施形態では、鋭い先端または鈍い先端を有し得、スパイク732Aは、患者の顕著な疼痛を最小限に抑えるように、胸骨において骨に係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、単一のスパイクが設けられてもよく、または複数のより小さいスパイクが使用されてもよい。さらに、スパイク732Aは、多種多様な形状を有してもよい。図示されている実施形態では、スパイク732Aは、四角錐形状を有する。しかしながら、スパイクは、円錐形、別の角錐形状、三角柱の形状、非対称形状などであってもよい。同様に、スパイク732Aの代わりに、プレートは、底面732上の静止摩擦を改善することができるように、バントペグまたは他の何らかの特徴部を有するようにテクスチャ加工されてもよい。
【0046】
図8A~
図8Dは、別の例示的な固定プレート822の様々な図である。固定プレート822は、窓824を形成するのを助けるレール826を含み得る。この固定プレート822はさらに、突出部分826A、補強領域を有するクロスバー828、および底面832を有し得、これらは、上述した同様の特徴部とほぼ同じように動作し得る。固定プレート822は、固定プレート822に輪郭形成部分630が設けられないので、
図6Aの固定プレート622よりも平坦な形状を有し得る。
【0047】
図9A~
図9Dは、別の例示的な固定プレート922の様々な図である。固定プレート922は、窓924を形成するのを助けるレール926を含み得る。この固定プレート922はさらに、突出部分926A、補強領域を有するクロスバー928、および底面932を有し得、これらは、上述した同様の特徴部とほぼ同じように動作し得る。
図6Cの固定プレート622と同様に、固定プレート922は、固定プレート922が胸骨上の特定の特徴部の形状に適合することができるように、輪郭形成部分930を含み得る。しかしながら、固定プレート922上の特定の特徴部は、固定プレート622とは異なる形状および/またはサイズを有し得る。例えば、輪郭形成部分930は、固定プレート622の輪郭形成部分630とは異なる形状を有する。さらに、補強領域は、
図6Dの固定プレート622の補強領域よりも狭い幅を有し得る。さらに、固定プレート922は、レール926(
図9B参照)の高さが他のほとんどの実施形態のレールよりも低い薄型の外形を有してもよく、このより低い高さは、固定プレート922に設置されるバンドが骨のより近くに設けられ、設置されたバンドのいかなる方向変化も低減することを可能にし得る。レール926の高さは、
図6Bのレール626の高さ(H)と同じであり得る。
【0048】
固定プレート922は、いくつかの実施形態では、ノードを含み得る。これらのノードは、患者の胸骨に跨がるのに十分な大きさであり得、ノードは、限定されないが、バンド、ねじ、またはケーブルタイなどの独立した締結具の頭部または尾部を受け入れることができる特徴部を含み得る。さらに、いくつかの代替形態では、固定プレートは、固定プレート自体に一体化されたバンドを有してもよく、その結果、設置者が固定プレートにバンドを取り付ける必要がなくなる。
【0049】
所与の患者の胸骨のサイズおよび形状に最も適合し得る固定プレートが選択され得、異なるサイズおよび形状を有する固定プレートの提供は、これに対応するのに有益であり得る。固定プレートが選択された後、バンドの頭部は、固定プレートの窓内で固定プレートに取り外し可能に取り付けられ得る。
図10Aは、例示的なバンド1000が組み付けられた例示的な固定プレート1022の上面図である。理解され得るように、頭部1004の底部ロック1020は、窓1024内に挿入され得る。頭部1004と窓1024との係合により、頭部1004は、窓1024によって形成されたトラックに沿って移動することが可能になり得る。例えば、
図10Aに示す実施形態では、頭部1004は、窓1024によって形成されたトラックに沿って上下に移動し得る。さらに、
図10Aに示す実施形態では、頭部1004の係合は、頭部1004が(1)左または右に移動すること、(2)ページの中または外へ移動すること(頭部1004を窓1024から取り外すのに十分な力が加えられない限り)を防止し得る。頭部1004は、頭部1004が窓1024内に保持されているときに回転することができるように成形され得る。例えば、
図10Eの図示された実施形態では、頭部1004はある角度で回転されるが、このことは、Xパターンを形成するため、患者の解剖学的構造に適合させるため、他の方向へ胸骨に力を加えるためなどに有益であり得る。複数のバンド1000が窓1024に設置される場合、バンド1000は、いくつかの実施形態では、互いに独立して摺動および枢動することが可能であり得る。さらに、
図10B~
図10Dは、
図10Aの固定プレート1022およびバンド1000の線H’-H’に沿った断面図である。
【0050】
図10Bを参照すると、固定プレート1022およびバンド1000の様々な特徴部が示されている。バンド1000は、頭部1004および尾部1002を含み得る。上述の固定プレートの実施形態と同様に、固定プレート1022は、窓1024を形成するのを助けるレール1026を含み得る。固定プレート1022はさらに、窓1024内に延在する突出部分1026Aを含み得る。
【0051】
この突出部分1026Aは、バンドの頭部1004の上部1014と底部ロック1020との間に形成された間隙内に延在し得る。突出部分1026Aがこの間隙内に延びると、突出部分1026Aとバンド1000の頭部1004との係合は、頭部1004の移動を制限し得る。すなわち、頭部1004は、窓1024に沿って(すなわち、
図6Aの左右に)摺動することが可能になり得るが、この係合は、頭部1004が窓1024に対して垂直に(
図6Aでは、上下に)移動することを防止し得る。突出部分1026Aと頭部1004との係合は、頭部1004を窓1024内に保持した状態で維持することができるが、必要に応じて、十分な力を加えると、窓1024から頭部1004を取り外すことができる。頭部1004は、いくつかの実施形態では、押し込み圧力を用いた外部ツールの助けを借りて、または外部ツールの助けなしにスナップ嵌めされ得る。頭部1004の底部ロック1020は、いくつかの実施形態では、底部ロック1020が十分な量だけ変形することができるように弾性材料から作製され得るので、底部ロック1020は窓1024の下に延在し得る。頭部1004は、肋間腔1660(
図16A参照)に近接する位置において、窓1024内の固定プレート1022に取り付けられ得る、または頭部1004は、取り付けられた後に、適切な位置に摺動され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、頭部の底部ロックは、円形であり得、その場合、底部ロックの幅は、底部ロックの直径であり得る。そのような円形の底部ロックの例が
図2A、
図4Aおよび
図5Aに示されている。しかしながら、他の実施形態では、底部ロックは他の形状を有してもよい。円形の底部ロックが利用される場合、底部ロックの幅は、窓1024の幅よりも広くてもよい(例えば、幅は、
図10Aでは左右に延びる)。この場合、頭部1004は、頭部1004に力を加えて底部ロックをレール1026に向かって付勢することによって、窓1024内のレール1026間の固定プレート1022に取り付けられ得、底部ロックは、力を加えると弾性的に屈曲して、底部ロックが窓1024を通って延在することを可能にするように構成され得る。
【0053】
他の実施形態では、底部ロックは、非円形の形状(例えば、楕円形状、矩形状など)を有してもよく、底部ロックは、最小幅および最大幅を画定してもよい。この例は、
図1A~
図1Eの底部ロック120に示されている。底部ロック120は、
図1Cに示すように最大幅(W1)を有し、底部ロック120は、
図1Dに示すように最小幅(W2)を有する。底部ロック120の最小幅(W2)は、窓1024の幅よりも狭くてもよく、底部ロック120の最大幅(W2)は、窓1024の幅よりも広くてもよい。この場合、頭部1004は、底部ロック120が窓1024を通って嵌め込まれるように(すなわち、底部ロック120の幅が窓1024の幅よりも狭くなるように)頭部1004を回転させることによって固定プレート1022に取り付けられ得る。底部ロック120が窓1024内に受け入れられると、底部ロック120が窓1024内に保持されるように、頭部1004を再び回転させることができる。回転されると、底部ロック120の幅は、窓1024の幅よりも広くなり得る。他の底部ロック120も企図される。例えば、底部ロック120は、拡張可能かつ引込可能な部分を有することにより、底部ロック120が窓1024の中に挿入され得るように底部ロック120を引き込むことができ、底部ロック210が窓1024内で保持され得るように底部ロック210を拡張することができる。
【0054】
ここで
図10Dを参照すると、尾部1002は、入口1006から出口1008まで延在し、
図10Dに示されている矢印の経路(挿入方向)に沿って延在する内部空洞の中へ巻き付けられ得る。尾部1002の端部は、入口1006を通して、爪部1012の上かつ係止バー1010の下に、結合領域1036を通して、出口1008から外へ挿入され得る。尾部1002は、爪部1012および係止バー1010が尾部1002に対して付勢され得るときに、結合領域1036に保持され得る。座屈作用が結合領域1036で生じる場合があり、このことにより、尾部1002のさらなる部分が、尾部1002の反対方向への逆移動することなく、内部空洞を通して(例えば、矢印の経路に沿って)挿入されることが可能になり得る。
【0055】
固定プレート1022は、図示されている実施形態では、バンド1000を使用して骨に効果的に固定されるが、固定プレート1022は、セルクラージュワイヤまたは他のケーブル技術を用いて骨に固定されてもよく、固定プレート1022が骨上に置かれるときにセルクラージュワイヤまたはケーブルが固定プレート1022の上および周囲を通過する。この場合、固定プレートは、ワイヤまたは他のケーブルを受け入れるように構成され得るスロットを含み得る。固定プレート1022および1つ以上のバンド1000は、いくつかの実施形態では、患者の体内に挿入される前に互いに取り付けられ得るが、他の実施形態では、固定プレート1022が患者の体内に挿入された後に、バンド1000が固定プレート1022に取り付けられるだけでよい。
【0056】
バンドは、手動で設置され、張力付与され、次いで切断され得るが、いくつかの理由で、これらのタスクを手動で行うことは不利である場合がある。第1に、これらのタスクを手動で実行すると、ヒューマンエラーにつながる可能性がある。固定プレートが適切に設置されないか、またはバンドが適切な張力まで締め付けられない場合があり、これは患者を不適切に治癒させる場合がある。第2に、タスクの手動実行は、ユーザフレンドリではない。固定プレートが切断された胸骨に設置される場合、1人以上の設置者が、2つの切断された胸骨半部を適切な位置に維持する必要があり、固定プレートを適切な位置に維持する必要があり、固定プレートを適切な位置に保持するためにバンドを取り付ける必要がある。これは、同時に行うことが困難であり、設置者のフラストレーションを増大させ、設置中のエラーのリスクの増大につながる可能性がある。第3に、タスクの手動実行は、設置者(単数または複数)にとって非常に時間がかかるタスクであり得る。
【0057】
所望の張力レベルに達するまでバンドに張力を付与するために使用され得る張力付与ガンが企図される。所望の張力レベルに達する際に、張力付与ガンはバンドを切断することができる。張力付与ガンは、各バンドに一貫した量の張力を維持することによって、ヒューマンエラーを低減し得る。手動の張力付与は、以前の経験、視覚化、または触覚に基づく使用者の判断に過度に依存し、設置者からの概算または当て推量がエラーをもたらす可能性がある。張力付与ガンは、設置者によって操作しやすく、張力レベルが適切であるかどうかについての設置者からのいかなる概算または当て推量も排除することができる。所望の張力が得られた後にバンドを自動的に切断することによって、設置者がこのタスクを別個に行う必要性が軽減される。また、張力付与ガンは、バンドを手で締め付けるよりも迅速にバンドを締め付けることができる。
【0058】
図11Aは、例示的なバンド1100に張力を発生させるために使用されている例示的な張力付与ガン1138の斜視図であり、
図11Bは、
図11Aの張力付与ガン1138およびバンド1100の拡大図である。
【0059】
まず
図11Aを参照すると、張力付与ガン1138の様々な特徴部が示されている。張力付与ガン1138は、バンド1100に正確なレベルまで張力を付与することができる。張力付与ガン1138は、ハンドル1140とアクチュエータレバー1142とを含み得る。張力付与ガン1138を使用しているときにハンドル1140を保持することができる。さらに、使用者がバンド1100に張力を付与したいときに、アクチュエータレバー1142が押圧され得る。いくつかの実施形態では、所望の張力に達する際に、張力付与ガン1138は、さらなる張力の付与を停止することができ、バンドの特性がこの張力を維持することができる。例えば、バンド、爪部、および係止バー、ならびにその上の任意のリッジは、一般に、このレベルの張力を維持することができるが、バンド1100上の張力が解放されないように他の係止機構が使用されてもよい。トリムシステム1148は、バンド1100が切断され得るように自動的に作動され得る。しかしながら、他の実施形態では、使用者がトリムシステム1148を作動させたいときに押すことができる別個のボタンが設けられてもよく、使用者は、所望の張力が得られた後にこの別個のボタンを押してもよい。より容易に使用することができるように、高い機械効率比を有するアクチュエータレバー1142が設けられてもよい。
【0060】
さらに、張力付与ガン1138は、1つ以上の特徴部が設けられたバレル1141を含み得る。バレル1141は、バレル1141の長さに沿って概ね延びる内部チャンバを含み得る。バレル1141は、バレル1141の端部に近接して配置されたトリムシステム1148を含み得る。さらに、安全ロック1144がバレル1141に設けられる。安全ロック1144は、スイッチ、レバーなどの形態で設けられてもよく、安全ロック1144は、バンド1100の早過ぎる切断または意図しない切断を防止し得る。安全ロック1144は、張力付与ガン1138を介して張力が付与されるのを防ぐために、および/またはトリムシステム1148がバンド1100を切断するのを防止するために、ロック状態になり得る。さらに、安全ロック1144は、張力付与ガン1138を介して張力を付与することができるように、および/またはトリムシステム1148がバンドを切断することができるように、ロック解除状態になり得る。
図11Aでは、安全ロック1144はバレル1141上に設けられているが、他の実施形態では、安全ロック1144は別の位置に設けられてもよい。安全ロック1144は、張力付与ガン1138の左側、右側、両側、後部などに設けられてもよい。他の実施形態では、切断を作動させるために、二次スイッチ、レバーなどが張力付与ガン1138に追加されてもよい。
【0061】
さらに、張力制限システム1252(
図12A参照)が設けられてもよい。この張力制限システム1252は、いくつかの実施形態では、バレル1141内に設けられてもよいが、張力制限システム1252は、他の位置に設けられてもよい。所望の張力レベルが使用者によって調整されることを可能にするためにノブ1146が設けられ得る。さらに、
図12Aに示されているのは、同様のノブ1246の上面図である。ノブ1146またはノブ1246の調整により、張力制限システム1252において対応した調整が行われ、張力が最大レベルを超えて付与されることを防止し得る。図示されているようにノブ1246が使用されてもよいが、他の実施形態では、バンドに付与され得る張力の量を制限するために、他のクラッチ機構が使用されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、張力制限システム1252は、ばね荷重プローブを含み得る。ばね荷重プローブは、バレル1141の端部に近接して延在してもよく、ばね荷重プローブは、トリムシステム1148に近接して延在してもよい(
図11A参照)。ばね荷重プローブは、トリムシステム1148が任意のバンドを切断し得る前に、対応するバレル空洞内へのプローブの押下を必要とし得る。この張力制限システム1252は、早過ぎるまたは意図しないバンド切断を防止し得る。張力制限システム1252はさらに、バンドの面一の切断を確実にするために、バレル1141の先端および切断刃1554(
図15参照)が最も低くかつ最適な位置に着座されるときのみ切断を可能にし得る。
【0063】
ここで
図11Bを参照すると、張力付与ガン1138とバンド1100の頭部1104との係合が示されている。張力付与ガン1138は、バレル1141から延在する2つの位置合わせ特徴部1150を含み得るが、任意の数の位置合わせ特徴部1150が使用され得る。2つの位置合わせ特徴部1150間にチャネル1151が設けられ得、ここでバンド1100の尾部が張力付与ガン1138のバレル1141内に受け入れられて位置決めされ得る。チャネル1151は、バンド1100の断面形状に対応し得、バンド1100の尾部の自由端が、制御された状態でチャネル1151の中に正確に給送され得る。張力付与ガン1138は、バンド1100の角度を過度に変更せずにバンド1100の余剰部分を受け入れることができる。このことにより、バンド1100および張力付与ガン1138に作用する応力および歪みの量を低減することができ、張力付与ガン1138によって付与されなければならない張力の量を低減することができる。
【0064】
頭部1104は、位置合わせ特徴部1150を受け入れるように構成されたポケット116(
図1D参照)を有し得る。張力付与ガン1138が張力を付与しているときに、位置合わせ特徴部1150は、ポケット116内の壁に対して付勢されて、梃子の作用をもたらし得る。位置合わせ特徴部1150は、張力付与ガン1138がバンド1100に対して適切に位置決めされるのを確実にし得る。この位置決めは、張力が付与されるときにバンド1100の頭部1104が確実に静止位置に維持されるのに役立ち得る。この適切な位置決めを確実にすることによって、設置されたバンド1100の張力レベルは一貫したレベルとなり、エラーを回避することができる。バンド1100に張力を付与することによって(例えば、バンド1100の頭部1104を静止位置に維持しながら、アクチュエータレバー1142の作動によってバンド1100の尾部を張力付与ガン1138内に引き込むことによって)、バンド1100は、固定プレート1022(
図10A参照)および骨の周りを締め付けて、固定プレート1022を下にある胸骨の形状に適合させることができる。
【0065】
アクチュエータレバー1142の連続作動時に、バンド1100は、チャネル1151を通って前進し得る。バンド1100のより多くの部分がチャネル1151内へと前進するにつれて、バンド1100の挿入方向へのさらなる前進に対抗するために、より多くの張力がバンド1100に付与され得る。この張力の増大は、頭部104の切り欠き104Aと尾部102の切り欠き102Aとの係合によって生じ得る(例えば、
図1E参照)。この張力の増大は、ループが骨および固定プレートの周りに延びるときに、尾部102によって形成されたループの他の部分に作用する他の力によっても生じ得る。
【0066】
張力付与ガン1138は、迅速かつ容易に取り外し可能であり、張力付与ガン1138は、アクチュエータレバー1142が作動されているときにのみバンド1100を把持することができる。設置者が、張力付与ガン1138を一度使用した後にさらなる張力の付与を望む場合、張力付与ガン1138は、引き続いて、バンド1100の露出した自由尾部端の上に再び案内され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、張力付与ガン1138は、LEDまたは光ファイバ光源などの電池式光源などの他の特徴部を含み得る。さらに、張力付与ガン1138は、吸引および/または潅注機能を含む、またはそのような機能を装置に取り付けることができる取付具もしくは接続金具を有する場合がある。この場合、バッテリが張力付与ガン1138に設けられてもよく、または他の何らかの電源が張力付与ガン1138に含まれてもよい。
図11Aおよび
図11Bに示す実施形態では、張力付与ガン1138の様々な特徴部が機械的に作動されるが、張力付与ガン1138は、いくつかの実施形態では、張力限界を設定するため、付与される張力を決定するため、トリムシステムを作動させるためなどの電子回路を含み得る。いくつかの実施形態では、張力付与ガン1138は、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリを含み得、張力付与ガン1138はさらに、ユーザ入力を可能にするためのユーザインターフェースを含み得る。
【0068】
さらに、例示的な張力付与ガンの他の図が
図12A~
図12Bに示されている。
図12Aは、例示的な張力付与ガン1238の上面図であり、
図12Bは、
図12Aの張力付与ガン1238の側面図である。張力付与ガン1138と同様に、張力付与ガン1238は、ハンドル1240と、アクチュエータレバー1242と、安全ロック1244と、位置合わせ特徴部1250と、チャネル1251と、張力制限システム1252とを有し得る。
図12Aは、張力付与ガン1238の上面図であり、張力制限システム1252を見ることができる。いくつかの実施形態では、張力付与ガン1238には上面が設けられない。このことは、バンドの切断部分を張力付与ガン1238から容易に除去することを可能にするのに有益であり得る。バンドの切断部分は、アクチュエータレバー1142の停止または解放時に、張力付与ガン1238から容易に除去され得る。しかしながら、他の実施形態では、張力付与ガン1238の特徴部(例えば、張力制限システム1252)を含むために、上面が設けられてもよい。
【0069】
例示的な張力付与ガンのさらなる特徴部が
図13A~
図13Bに示されている。
図13Aは、例示的なバンド1300に張力を発生させるために使用されている例示的な張力付与ガン1338であり、側壁が透明に作製された張力付与ガン1338の斜視図であり、
図13Bは、
図13Aの張力付与ガン1338の拡大図である。
図13Bを参照すると、バンド1300の尾部は、巻き付けられ得、その後、尾部の自由端は、位置合わせ特徴部1250(
図12A参照)間の張力付与ガン1338内に形成されたチャネル1251(
図12A参照)を通して挿入され得る。尾部の余剰部分は、チャネル1251を通って延びることができる。切断した後、開いた上面を通して尾部の余剰部分を除去することができる。
【0070】
図13Bは、張力付与ガン1338に設けられたトリムシステム1348の一部を示す。トリムシステム1348には、切断刃1354が設けられ得、トリムシステム1348は、張力制限システム1252(
図12A参照)において張力限界に達したか否かの指示を受信するように構成され得る。張力限界に達する際に、トリムシステム1348は、切断刃1354が尾部の余剰部分を切断することができるように自動的に作動され得る。切断刃1354は、ギザギザの縁が残らないように尾部を切断し得る。トリムシステム1348は、バレル1141の端部に近接して位置し得る。この位置にトリムシステム1348を配置することで、バンドの面一の切断を確実にするのを助けることができ、したがって、残りのバンドのいかなる部分も、上に重なる組織を刺激することがなく、および/または患者によって触知されて不快感を引き起こすことがない。
【0071】
張力付与ガン1338は、張力付与ガン1338内に収容されたカム機構1355を使用して、切断前および切断時にバンド1300に張力を付与し得る。このカム機構1355は、いくつかの実施形態では、張力制限システム1252(
図12B参照)の一部であり得る。切断刃1354は、バンド1300が張力を受けた状態にある間に作動され得、このことにより、バンド1300が張力を受けていない場合よりも小さい力で切断を行うことが可能である。さらに、張力を受けた状態にある間にバンド1300が切断されることにより、バンド1300が切断後にわずかに反跳することになる。このことは、頭部104の内部空洞(
図1E参照)を通って突出するバンド1300の尾部102(
図1E参照)の後退を引き起こし得る。この後退は、バンド1300の切断端部を頭部104の上面と面一に、またはその下に維持し得る(
図1E参照)。
【0072】
張力付与ガンは、バンドによって形成されたループを締め付けるためにバンドに張力を付与し得る。
図14は、バンドに張力を発生させるために使用されている例示的な張力付与ガンの拡大断面図である。図示されているように、バンド1400の尾部1402は、
図10Dに示すものと同様の形で前進し得る。尾部1402は、入口1006(
図10D参照)を通して、尾部1402が爪部1012(
図10D参照)と係止バー1010(
図10D参照)との間に拘束され得る結合領域1036(
図10D参照)を通して、出口1008(
図10D参照)から外へ挿入され得る。尾部1402の端部がこのように挿入された後、尾部1402は、さらに一時的に張力が付与され得、および/または尾部1402の端部は、さらなる張力付与のために張力付与ガンに挿入され得る。位置合わせ特徴部1450は、本明細書で説明される他の位置合わせ特徴部と同様に動作して、バンド1400の頭部との係合を助ける。
【0073】
図15は、バンドの尾部1502の余剰部分を切断するために使用されている張力付与ガンのためのトリムシステムの例示的な切断刃1554の概略図である。トリムシステムには、切断刃1554が設けられ得、トリムシステムは、張力制限システム1252(
図12A参照)において張力限界に達したか否かの指示を受信するように構成され得る。トリムシステムは、張力限界に達したという指示を受信すると、切断刃1554を作動させて尾部1502の余剰部分を切断するように構成され得る。トリムシステムおよび切断刃1554は、切断端部にギザギザの縁が形成されることを回避するために、尾部1502を切断するように構成され得る。ギザギザの縁は、患者にとって痛みおよび/または不快感を引き起こすことがある。バンド1500は、チャネル1151(
図11B参照)を通して給送され得、その結果、バンド1500と切断刃1554との間に垂直な関係が維持されて、ギザギザの縁のないきれいで真っ直ぐな切断を確実にすることができる。切断刃1554は、尾部1502の端部上の任意の尖った縁が、バンドの頭部104の出口108(
図1E参照)を通って延びることを回避して軟組織刺激を防止するために、わずかに湾曲し得る、または放射状に成形され得る。
【0074】
固定プレートは、組み付けられた後、胸骨の切開部の上の胸骨に位置決めされ得、バンドは、胸骨の切断された半部を一緒に付勢するために巻き付けられ得る。
図16Aは、胸骨1656において組み付けられた例示的な固定プレート1622の正面図であり、
図16Bは、胸骨1622において組み付けられた
図16Aの固定プレート1622の斜視図である。図示されているように、固定プレート1622は、胸骨1656に隣接して位置決めされ得、バンド1600は、胸骨1656に巻き付けられてループ内で固定され得る。バンド1600は、胸骨1656の一方の側の2つの肋骨1658間に形成された肋間腔1660を通過し得る。その後、バンド1600は、バンド1600が胸骨1656の反対側の肋間腔1660を通過することができるように、胸骨1656の後部に巻き付けられ得る。次いで、バンド1600は、ループが形成され得るように、バンド1600の頭部の内部空洞に挿入され得る。あるいは、バンド1600を胸骨1656に巻き付ける代わりに、バンド1600が挿入され得るパイロットホールが胸骨1656に形成されてもよく、バンド1600は、パイロットホールを通って延びるループを形成してもよい。
【0075】
図16Aおよび
図16Bに示すバンド1600は、水平に設けられており、バンド1600は、胸骨1656の両側の対応する肋間腔1660を通過している。しかしながら、バンド1600は、バンド1600が斜めに延びる他の方法で設置されてもよい。例えば、2本のバンド1600をXパターンで取り付けることが望ましい場合がある。さらに、バンド1600は、1本のバンド1600のみが各肋間腔1660に挿入された状態で設けられるが、他の実施形態では、追加のバンド1600が1つの肋間腔1660内に通されてもよい。さらに、
図16Aに示すように、固定プレート1622の単一の窓1624内に2つ以上の頭部を受け入れることができる。
図16Aでは、1つの頭部が一番上の窓1624に受け入れられ、2つの頭部が中間の窓1624に受け入れられ、1つの頭部が一番下の窓1624に受け入れられる。他の実施形態では、各窓1624に1つの頭部のみが受け入れられてもよいし、または追加の頭部が単一の窓に挿入されてもよい。
【0076】
図16Aおよび
図16Bは、胸骨上に設置された固定プレートおよびバンドを示しているが、固定プレートおよびバンドの設置プロセスを改善するために、張力付与ガンが使用されてもよい。
図17は、例示的な固定プレート1722を患者の胸骨に固定するのを助けるために使用されている例示的な張力付与ガン1738の斜視図である。
【0077】
上述のバンドおよび固定プレートと同様に、バンド1700は、患者の肋骨1758間の肋間腔1760を通して挿入されてループを形成し得、これらのバンド1700の頭部は、固定プレート1722に設置され得る。バンド1700の端部は、張力付与ガン1738に挿入され得、張力付与ガン1738は、張力限界に達するまでバンドに張力を付与し得る。図示されている実施形態では、把持ジョー1725および移動リミッタ1725Aが設けられている。把持ジョー1725は、バンド1700を引っ張り、移動リミッタ1725Aの配置に関連する所定の張力までバンド1700を締め付け得る。しかしながら、他の実施形態では、バンド1700に張力を付与するために他の機構が設けられてもよく、および/または、移動リミッタ1725Aを使用せずに張力制限が実施されてもよい。張力限界に達する際に、張力付与ガン1738によって付与される張力の量が維持され得る。このレベルの張力で、張力付与ガン1738内のトリムシステム1548(
図15参照)は、切断刃1554(
図15参照)にバンド1700の余剰部分を切断させ得る。いくつかの実施形態では、バンド1700がループに形成された後に、バンド1700に一時的に張力が付与され得る。一時的に張力付与が行われる場合、バンド1700によって形成されたループは、ループにいくらかの弛みを残しながら、ある程度まで締められ得る。バンドに一時的に張力付与することによって、張力が張力付与ガン1738を介して付与される前に、胸骨の切断された半部、固定プレート1722、およびバンド1700の適切な位置決めが保証され得る。しかしながら、他の実施形態では、一時的な張力付与は実行されなくてもよい。張力付与ガン1738を用いてバンド1700に張力を付与することにより、固定プレート1722と骨構成要素とが同時に押圧されて、治癒のための十分な安定性をもたらし得るスプリントが効果的に形成され得る。固定プレート1722は、バンド1700の張力付与時に、下にある骨(例えば、胸骨)の形状および輪郭に適合するのに十分な延性を提供しながら、損傷した骨を支持するのに十分な曲げ剛性および捩り剛性を提供し得る。
【0078】
図21に移ると、代替の張力付与ガン2138が示されている。張力付与ガン2138は、ハンドガンと同様の「トリガープル」形状の形態をとり得る。張力付与ガン2138は、張力付与ガン2138の本体2145上に回転可能なノブ2146を含み得、回転可能なノブ2146は、開口2151の反対側の張力付与ガン2138の端部に位置し得る。張力付与ガン2138は、ハンドル2140とアクチュエータレバー2142とを含み得る。回転可能なノブ2146は、ねじられると、使用者がアクチュエータレバー2142を押下したときに所望の量の張力がバンド1300に生成され得るように、張力設定を調整するように動作し得る。さらに、スイッチ2153も含まれ得る。スイッチ2153は、張力付与ガン2138を張力付与モードと切断モードとの間で交互に繰り返すことができる。スイッチ2153が張力付与モードにある場合、張力付与ガン2138は、使用者がアクチュエータレバー2142を握り、押下すると、バレル2141の遠位端の開口2151を通して給送されているバンド1300を締め付けることができる。バンド1300の張力が所望のレベルまたは所定のレベルに達する際に、スイッチ2153を使用して、張力付与モードから切断モードに変更することができる。切断モードでは、使用者は、アクチュエータレバー2142を押下して、張力付与されたバンド1300を切断することができる。切断後のバンド1300は、頭部104の上面ときちんと面一になるか、またはその下にあり得る(
図1E参照)。
【0079】
次に
図22を参照すると、別の代替の張力付与ガン2238が示されている。張力付与ガン2238は、シリンジと同様に成形された「リニアプル」機構の形態をとり得る。そのような実施形態では、アクチュエータレバー2242は、より直線的な移動プロファイルを呈し得、アクチュエータレバー2242は、使用者がアクチュエータレバー2242を開口2251から離れる方向にスライダトラック2255に沿って後方に引くと、バンド1300に張力を付与するように機能し得る。スライダトラック2255は、アクチュエータレバー2242のために本体2245のバレル2241上に設けられ得る。バンド1300が張力限界に達する際に、スイッチ2253を利用して、張力付与ガン2238を張力モードから切断モードに切り替えることができる。切断モードでは、使用者は、スライダトラック2255に沿ってアクチュエータレバー2242を引き戻すことによって、張力付与されたバンド1300を切断することができ、切断後のバンド1300は、頭部104の上面ときちんと面一になるか、またはその下にあり得る(
図1E参照)。
図22に示される張力付与ガン2238は、非常に直感的なツールであり得、いくつかの実施形態では、使い捨ての単回使用ツールであり得る。しかしながら、本明細書で提供される張力付与ガン2238および他の張力付与ガンは、他の実施形態では、反復使用が意図され得る耐久性のあるツールであってもよい。
【0080】
図21のアクチュエータレバー2142および
図22のアクチュエータレバー2242は、切断刃の作動およびバンドへの張力付与の両方を引き起こすように構成され得、スイッチ2153、2254は、アクチュエータレバーのモードを制御するために使用され得る。しかしながら、他の実施形態では、張力付与ガンは、他の方法で切断モードと張力付与モードとの間で切り替え可能である。例えば、アクチュエータレバーが押圧されるたびに、張力付与ガンは張力付与モードと切断モードとを交互に繰り返すことができる。
【0081】
図18A~
図18Cは、切断された胸骨の2つの切断半部を拘束するのを助けるために、切断された胸骨に設置されている固定プレートの別の図である。
図18Aは、切断された胸骨に対して位置決めされている例示的な固定プレートの斜視図である。
図18Bは、本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、バンドが組み付けられた状態の
図18Aの固定プレートの斜視図である。
図18Cは、本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、バンドに張力を付与しバンドを切断するために張力付与ガンが使用されている状態の
図9Aの固定プレートの斜視図である。
【0082】
図18Aに示すように、胸骨1856は、切開部1857を含み得、胸骨1856の2つの切断半部は、切開部1857の両側に配置され得る。胸骨1856の2つの切断半部が適切な位置に調整された状態で、固定プレート1822が、切開部1857の上で胸骨1856に設けられ得る。
図18Bに示すように、バネ1859が固定プレート1822に設けられ得、バネ1859は、固定プレート1822の形状を胸骨1856の形状に適合させるために、固定プレート1822を胸骨1856に対して付勢するのを助け得る。胸骨柄延長部は、固定プレート1822が胸骨の胸骨柄における特徴部に容易に適合することができるように、固定プレート1822の上部において固定プレート1822に配置され得る。さらに、バネ1859は、胸骨の小さな穴を通って延びることができる小さなワイヤを有し得る。これらのワイヤは、胸骨の上側から胸骨を通って胸骨の下側まで延びることができ、ワイヤは、胸骨の下側で締められ得るループを形成することができる。バンド1800の頭部は、固定プレート1822内の窓内に設置され得、バンド1800は、本明細書で説明するように、患者の肋骨1858間の肋間腔1860を通して、胸骨1856に巻き付けられて、ループを形成し得る。このバンド1800は、
図18Bに示すような器具を用いて巻き付けられ得るが、他の実施形態では、これを手で行うこともできる。さらに、
図18Cに示すように、バンド1800に張力を付与し、バンド1800の余剰部分を除去するために、張力付与ガン1838が使用され得る。バンド1800に張力を付与することにより、固定プレート1822と骨構成要素とが同時に押圧されて、治癒のための十分な安定性をもたらし得るスプリントが効果的に形成され得る。固定プレート1822は、バンド1800の張力付与時に、下にある骨(例えば、胸骨)の形状および輪郭に適合するのに十分な延性を提供しながら、損傷した骨を支持するのに十分な曲げ剛性および捩り剛性を提供し得る。固定プレート1822は、バンド1800が単独で受けるよりも、骨構成要素のより大きな表面積にわたって応力を分散させることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、外科用ドレーンアセンブリは、固定プレートと一緒に設けられ得る。外科用ドレーンアセンブリは、胸骨切開を伴う心臓切開処置において有益であり得るが、外科用ドレーンは、他の処置に使用されてもよく、胸骨以外の骨と一緒に使用されてもよい。外科用ドレーンアセンブリは、手術部位の近くに集まる可能性のある血液などの過剰な流体を除去することができる。過剰な流体が除去されない場合、この過剰な流体は感染性となり、患者の健康に深刻なリスクをもたらすと同時に、回復を遅らせる、または妨げる可能性がある。外科用ドレーンは、いくつかの実施形態では、一時的に設けられてもよく、外科用ドレーンは、手術部位が十分に治癒した後に除去されてもよい。
【0084】
図19Aは、例示的な外科用ドレーンアセンブリ1962の底面図であり、
図19Bは、外科用ドレーンアセンブリ1962の側面図であり、
図19Cは、内部空洞1972を有する
図19Aの外科用ドレーンアセンブリ1962の概略図である。
図19Aに示すように、外科用ドレーンアセンブリ1962は、ドレーン本体1964を含み得る。ドレーン本体1964は、一般に、いくつかの実施形態では、ドレーン本体1964が一緒に使用されている固定プレートと同様の形状を有し得る。しかしながら、他の実施形態では、ドレーン本体1964は、固定プレートとは異なるサイズおよび/または形状を有してもよい。ドレーン本体1964は、ドレーン本体1964が固定プレート822に容易に取り付けられ得るように、
図8A~
図8Dの固定プレート822と同様のサイズおよび形状を有するように構成される。
【0085】
ドレーン本体1964は、ドレーン本体1964の底面から下方に延在する突起1966を含み得る。突起1966は、固定プレート822の窓824(
図8A参照)の一部と係合して、固定プレート822に対するドレーン本体1964の移動を制限するように構成され得る。突起1966は、窓824の一部とプレス嵌めを形成し得るが、ドレーン本体1964は、他の方法で固定プレート822に対して拘束され得る。突起1966は、固定プレート822の窓824の形状に概ね一致するが、他の実施形態では、突起1966およびドレーン本体1964上の他の特徴部は、別の固定プレート822の特徴部に一致するように構成され得る。例えば、ドレーン本体1964に輪郭形成部分を設けてもよく、または追加の突起を設けてもよい。
【0086】
ドレーン本体1964は、胸骨1856(
図18A参照)上に載置される固定プレート822(
図8A参照)の上方に配置されるように構成され得る。延長管1970は、ドレーン本体1964に接続され得、延長管1970は、胸骨1856の反対側の周囲に延在し得る。延長管1970は、患者の隣接する肋骨1858(
図18A参照)間の肋間腔1860(
図18A参照)を通って巻き付けられ得る。延長管1970は、過剰な流体が集まる傾向がある胸骨1856の背後の位置で過剰な流体を収集することができ、この過剰な流体は、延長管1970を通ってドレーン本体1964内の内部空洞1972へと流れることができる。ドレーン本体1964および延長管1970は、軟質かつ可撓性の材料を含み得、シリコーンなどの承認されたインプラント材料を含み得る。
【0087】
固定プレートの上方にドレーン本体1964を配置することは、様々な理由で有益であり得る。この位置にドレーン本体1964を配置することにより、ドレーン本体1964を容易に設置し、容易に取り外すことが可能になる。外科用ドレーンアセンブリ1962を取り外したい場合、固定プレート822から突起1966を軽く引き離すことによって、ドレーン本体1964を簡単に取り外すことができる。このことにより、ドレーン本体1964と固定プレート822とを効果的に分離することができる。このドレーン本体の取り外しは、外科用器具を使用して行われてもよい。ドレーン本体1964と固定プレート822とが分離されると、外科用ドレーンアセンブリ1962は、ドレナージ管1968が皮膚から抜け出る小さな切開部を通して外科用ドレーンアセンブリ1962を移動させることによって、患者の身体から取り外され得る。特に、胸骨1656(
図16A参照)の上方にドレーン本体1964を位置決めすることにより、容易な取り外しが可能になるが、ドレーン本体1964が胸骨1656の背後に設置された場合は、ドレーン本体1964の取り外しはより困難になる。胸骨1656の背後に設置されたドレーン本体1964を取り外すためには、(胸骨1656の背後の到達困難な位置に位置決めされた)ドレーン本体1964を把持し、肋骨1658(
図16A参照)間の肋間腔1660(
図16A参照)を通してドレーン本体1964を操縦し、次いで、ドレーン本体1964を取り外すことができる患者の皮膚の切開部までドレーン本体1964を操縦する必要がある。このようなアプローチは、より困難であり、ドレーン本体1964をより良好に取り外すことを可能にするために、より大きな切開部を必要とする可能性がある。さらに、胸骨1656の背後の位置におけるドレーン本体1964の設置および取り外しは、胸骨1656の背後に位置する他の臓器が存在するために問題となり得る。ドレーン本体1964を胸骨1656の上方に配置することにより、これらの問題を回避することができ、より短い延長管1970を、肋間腔1660(
図16A参照)を通してより容易に巻き付けて、胸骨1656の背後からの過剰な流体を捕捉することができる。
【0088】
流体は、ドレナージ管1968を介して除去されるまで、内部空洞1972内に保持され得る。このドレナージ管1968は、ドレーン本体1964が直立位置にあるとき(例えば、患者が立ち上がっているとき)、ドレーン本体1964の底部に、またはその近位に設けられ得る。したがって、重力が、ドレーン本体1964内の流体をドレナージ管1968へと流れるように付勢して、そこで流体を除去することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、複数のドレナージ管1968が、ドレーン本体1964に接続されてもよい。さらに、ドレナージ管1968は、ドレーン本体1964上の他の位置に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、ドレナージ管1968は、患者の体内から外部環境へと延びて、筋肉組織層を通過し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、流体をドレナージ管1968へ付勢するために、重力のみに依存することができる。しかしながら、他の実施形態では、負圧装置を利用して、流体をドレナージ管1968へと付勢し、ドレナージ管1968に通すことができる。負圧装置はまた、ドレーン本体1964の任意の開口部1976(
図19E参照)を通過するように流体を付勢する傾向があり、負圧装置は、延長管1970を通過するように流体を付勢する傾向があるので、流体は内部空洞1972内へ流入し、ドレナージ管1968から流出することができる。負圧装置(手動でまたは機械的に作動される)は、ドレナージ管1968の自由端に取り付けられ得る。この負圧装置は、外科用ドレーンアセンブリ1962全体にわたって吸引力を生み出して、過剰な流体の除去を助けることができる。いくつかの実施形態では、シリンジまたはハンドポンプなどの手動で作動される負圧装置が使用され得る。負圧は、過剰な流体を除去するために重力送りに依存しないので、負圧装置は、患者が(例えば、仰臥位で)安静にしている間に過剰な流体の除去を可能にし得る。しかしながら、負圧装置は、いくつかの実施形態では、過剰な流体を除去するために重力と併せて使用されてもよい。あるいは、注入管が設けられ得、そして過剰な流体をドレナージ管1968に向かって、そして外科用ドレーンアセンブリ1962から外へ付勢するために、正圧装置が入口に設置され得る。
【0090】
図19Aのドレーン本体1964は、固定プレートに対してドレーン本体1964を拘束するのを助けるための突起1966を含むが、これら2つの構成要素を拘束するための他のアプローチもまた企図される。例えば、
図19Dは、縫合糸穴1974を有するドレナージアセンブリ1962の例示的なドレーン本体の拡大図である。縫合糸穴1974が、ドレーン本体1964および固定プレート上に設けられてもよく、ドレーン本体1964および固定プレートは、縫合糸穴1974を使用して縫い合わされてもよい。縫合糸穴1974は、固定プレートの側縁に対して概ね平行に設けられ得る。外科用縫合糸は、縫合糸穴1974を通って延び、ドレーン本体1964および固定プレート822(
図8A参照)を結合し、最終的に外科用縫合糸を結び、および/または切断することができる。しかしながら、他の締結具が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の外科用縫合糸を使用して、安全性を高めることができる。いくつかの実施形態では、外科用縫合糸および縫合糸穴1974は、ドレーン本体1964および固定プレート822を一緒に取り付けるために、突起1966の代わりに使用されてもよいが、これらの異なるアプローチは、いくつかの実施形態では、さらなる安全性を提供するために同時に使用されてもよい。さらに、他の実施形態では、固定プレートおよびドレーン本体1964は、1つの一体部品を形成してもよい。
【0091】
延長管は、過剰な流体を取り込むために使用され得るが、ドレーン本体はさらに、流体がドレーン本体の内部空洞に流入するために通過し得る開口部を含み得る。
図19Eは、ドレーン本体1964の表面に複数の開口部1976を有する例示的なドレーン本体1964の拡大図である。他の実施形態では、より大きいまたはより小さいサイズを有する開口部1976が使用されてもよい。さらに、
図19Eでは、開口部1976は円形として示されているが、他の実施形態では、開口部1976は他の形状(例えば、矩形スリット、楕円形、非対称形状など)を有し得る。開口部1976は、ドレーン本体1964の上面に設けられてもよく、そのことにより、固定プレートにおける流体は、窓または他の間隙を通って開口部1976へと流れることができ、その結果、流体は、内部空洞1972へと流入することができる。加えて、開口部1976は、ドレーン本体1964および/または延長管1970の他の表面上に設けられてもよい。注入管またはドレナージ管に加えられる吸引力または他の力は、開口部を通ってドレーン本体1964の内部空洞内へと過剰な流体を付勢する傾向があり得る。開口部1976は、使用者が横たわっているときに流体を受け入れるようにドレーン本体1964上に位置決めされ得るが、使用者が立ち上がっているときに流体を受け入れるように、同様の開口部がドレーン本体1964上の他の位置に設けられてもよい。
【0092】
外科用ドレーンアセンブリ1962は、いくつかの実施形態では、主としてドレーンとして使用され得るが、追加的にまたは代替的に、手術部位を術後に洗い流すために、消毒剤および/または他の流体を導入するために使用されてもよい。加えて、薬剤は、外科用ドレーンアセンブリ1962を使用して、術後に手術部位に導入されてもよい。例えば、薬剤が導入され得る注入管(例えば、
図19Gの1969を参照)が設けられてもよく、重力、シリンジ、ハンドポンプ、または薬剤を外科用ドレーンアセンブリおよび手術部位に向かって付勢するための何らかの他の装置によって正圧が生成されてもよい。流体を導入するための正圧は、高位置のIVバッグなどの重力送りによって、またはシリンジもしくはハンドポンプもしくは機械的装置を介して生成され得る。導入された薬剤流体は、最終的には、ドレナージ管1968における負圧(手動または機械的)装置の使用または重力送りによって除去され得る。追加的にまたは代替的に、外科用ドレーンアセンブリ1962の一部または全て(例えば、ドレーン本体1964の表面)は、周囲の生体内環境へ放出する抗菌剤でコーティングされてもよい。
【0093】
さらに、
図19F~
図19Gを参照すると、ドレーンアセンブリ1962の別の例示的な実施形態が示されている。
図19Fは、ドレーンアセンブリ1962の底面図であり、
図19Gは、ドレーンアセンブリ1962の上面図である。ドレーンアセンブリ1962は、ドレーン本体1964を含み得る。
図19F~
図19Gのドレーン本体は、患者の胸骨の形状に概ね一致し得る。ドレーン本体1964は、ドレーン本体1964の底面から下方に延在する1つ以上の突起1966を含み得る。突起1966は、固定プレート822の窓824(
図8A参照)の一部と係合して、固定プレート822に対するドレーン本体1964の移動を制限するように構成され得る。突起1966は、窓824の一部とプレス嵌めを形成し得るが、ドレーン本体1964は、他の方法で固定プレート822に対して拘束され得る。例えば、固定プレート822の外周と係合するように構成された突起がドレーン本体1964上に設けられてもよい。胸骨自体と係合するように構成された追加の突起がドレーン本体1964の底面に設けられてもよく、これらの突起は、患者の肋骨1658(
図16A参照)間の肋間腔1660(
図16A参照)内へ少なくとも部分的に延びて、ドレーン本体1964の位置決めを助けることができる。
図19Aのドレーンアセンブリと同様に、
図19Fおよび
図19Gのドレーンアセンブリ1962は、延長管1970を含み得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、ドレーンアセンブリには、延長管が設けられなくてもよい。延長管1970は、過剰な流体が集まる傾向がある患者の胸骨の背後の領域に延長管1970が到達するように、患者の肋骨1658間の肋間腔1660内へと延びることができる。延長管1970は、所定の半径で予め曲げられていてもよいし、湾曲していてもよい。このことにより、肋間腔1660を通して肋間腔1660の下、および胸骨の後面の下でのバンド100の操縦性が促進され得る。肋間腔1660内への延長管1970の延長は、ドレーン本体1964の位置決めを助けることができる。ドレーンアセンブリ1962はさらに、注入管1969およびドレナージ管1968を含み得る。
【0094】
本明細書で説明する様々な実施形態は、固定プレート、バンド、張力付与装置、および/またはドレーンアセンブリを切断された胸骨と共に使用することを例示または説明しているが、これらの構成要素は、人体内の他の骨と共に使用されてもよく、またはこれらの構成要素は、動物の骨に使用されてもよい。本明細書で説明する固定プレートおよびバンドは、当該技術分野において周知の任意のポリマー材料で形成され得る。ポリマー材料は、ある程度の剛性およびある程度の可撓性を有するのが好ましい。一実施形態では、固定プレートおよび/またはバンドを形成するために使用されるポリマー材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含み得る。ポリマー材料は、熱成形、3D印刷、または当該技術分野で周知の任意の他の方法を使用して形成され得る。さらに、ドレーンアセンブリは、種々の材料を含み得る。ドレーンアセンブリは、いくつかの実施形態では、胸骨の形状に容易に適合され得る弾性材料を含み得る。例えば、ドレーンアセンブリは、シリコーン、別の軟質ゴム系材料、またはPEEKなどのポリマー材料を含み得る。ドレーンアセンブリ内の材料は、一部または全ての側面が多孔質であり得、その結果、過剰な流体が材料を通ってドレーンアセンブリ内に流入することができ、多孔質材料を通ってドレーンアセンブリ内へと過剰な流体を付勢するために吸引力をドレーンアセンブリに加えることができる。
【0095】
様々な装置およびアセンブリが提供されるが、これらの装置およびアセンブリを使用するための方法も企図される。
図20は、本明細書で説明するいくつかの実施形態に係る、固定プレートおよびドレナージアセンブリを切断された胸骨に設置するための例示的な方法を示す図である。操作2002において、張力付与ガン、固定プレート、バンド、および外科用ドレーンアセンブリが提供され得る。いくつかの実施形態では、これらの構成要素は提供されなくてもよい。例えば、使用者が外科用ドレーンアセンブリを使用せずに固定プレートを設置することを望む場合、外科用ドレーンアセンブリは省略されてもよい。
【0096】
操作2004において、固定プレートは、切開部の上の切断された胸骨上に配置され得る。固定プレートは、胸骨上に位置決めされ得る。切断された胸骨の2つの切断された半部は、適切な治癒を確実にするために、固定プレートの配置前にそれらの位置の調整が必要であり得る。
【0097】
操作2006~2010において、バンドが適用され、張力が付与され得る。操作2006において、バンドが固定プレートに適用され得る。これは、バンドの移動を固定プレートに対して制限することができるように、バンドの一部(例えば、頭部)を固定プレートの窓内に配置することによって行われ得る。バンドの尾部の端部は、ループが形成されるように、バンドの頭部の内部空洞に挿入され得る。操作2008において、バンドに一時的に張力が付与され得る。この一時的な張力付与は、手または他の器具によって行われ得る。複数のバンドを適用して、バンドに一時的に張力を付与することで、最終張力付与の前に固定プレートおよびバンドを適切に位置決めすることが保証され得る。操作2010において、バンドに最終張力が付与され得る。この最終張力付与は、張力付与ガンを使用して行われ得る。張力付与ガンは、バンド内の張力が張力限界に達するまで張力を付与するように構成され得、張力付与ガンは、この張力限界に達する際に、バンドへのさらなる張力付与を停止し得る。あるいは、操作2012においてバンドが切断されるまで、張力限界に近い同じ張力レベルで張力が付与され続けてもよい。操作2012において、バンドが切断され得る。張力付与ガンが使用される場合、バンドは、バンド内で所望の張力レベルに達したときに自動的に切断され得る。操作2014において、ドレーン本体がプレートに取り付けられ得る。
【0098】
図20の操作は、別段に記載されていない限り、任意の順序で実行されてもよい。例えば、さらに、
図20の操作は、いくつかの実施形態では同時に実行されてもよい。例えば、操作2010および操作2012は、張力付与ガンが最終張力付与および切断を同時に実行するために使用される場合に同時に実行されてもよく、これは、設置者によって実行される必要がある別個のタスクの数を低減するので、設置しやすさを高めるために有益であり得る。さらに、
図20の特定の操作は省略されてもよく、または特定の操作が
図20に追加されてもよい。例えば、一時的な張力付与は実行されなくてもよく、使用者は、操作2010において最終張力を付与するだけでもよい。
結論
【0099】
説明した本発明の多くの修正形態および他の実施形態は、上記説明および関連図面で提示されている教示の恩恵を享受する、本発明に関係する当業者の頭に浮かぶであろう。したがって、本発明の実施形態は、開示されている特定の実施形態に限定されず、修正形態および他の実施形態が本発明の範囲に含まれることが意図されていることを理解されたい。さらに、上記説明および関連図面は、要素および/または機能の特定の例示的な組み合わせにおいて例示的な実施形態を説明しているが、本発明の範囲から逸脱せずに、要素および/または機能の異なる組み合わせが代替の実施形態で提供され得ることを理解されたい。これに関して、例えば、本発明の範囲内で、上記で明示的に記載されたものとは異なる要素および/または機能の組み合わせも企図される。本明細書では特定の用語が使用されているが、これらの用語は、一般的かつ説明的な意味で使用されており、制限することを意図するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を安定させるためのプレートアセンブリであって、前記プレートアセンブリは、
少なくとも1つの窓を形成する少なくとも2つのレールを有する固定プレートと、
少なくとも1つのバンドであって、
尾部、および
前記尾部の少なくとも一部を受け入れるように構成された内部空洞を画定する頭部
を有する、バンドと、
を備える、プレートアセンブリであり、
前記固定プレートは、骨に隣接して位置決めされるように構成され、前記頭部は、前記少なくとも1つの窓内のレール間で前記固定プレートに取り付けられるように構成され、前記少なくとも1つのバンドは、前記固定プレートおよび前記骨に巻き付けられるように構成され、前記頭部の内部空洞は、前記尾部の端部を受け入れてループを形成するように構成され、前記尾部は、張力を受けて、前記少なくとも1つのバンドによって形成されたループを締め付けるように構成される、プレートアセンブリ。
【請求項2】
前記頭部は、上部と底部ロックとを画定し、前記上部と前記底部ロックとの間には間隙が形成される、請求項1に記載のプレートアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも2つのレールのうちの2つのレールの一部は、前記固定プレートに対する前記頭部の移動を少なくとも部分的に制限するように前記間隙内に受け入れられる、請求項2に記載のプレートアセンブリ。
【請求項4】
前記頭部は、前記2つのレールの一部が前記間隙内に受け入れられている間、前記固定プレートからの離脱が防止される、請求項3に記載のプレートアセンブリ。
【請求項5】
前記頭部は、前記2つのレールの一部が前記間隙内に受け入れられている間、回転することができる 、請求項4に記載のプレートアセンブリ。
【請求項6】
前記頭部は、前記少なくとも2つのレールのうちの2つのレールの一部が前記間隙内に受け入れられている間、前記窓に沿って移動することができる、請求項4に記載のプレートアセンブリ。
【請求項7】
前記底部ロックは、非円形形状を画定し、前記底部ロックは、最大幅および最小幅を画定し、前記少なくとも1つの窓は、窓幅を画定し、前記窓幅は、前記最小幅より広いが、前記最大幅より狭い、請求項2に記載のプレートアセンブリ。
【請求項8】
前記頭部は、前記底部ロックが前記窓内に受け入れられ得るように第1の向きに回転され、前記頭部は、前記底部ロックが前記窓内に受け入れられた後に第2の向きに回転されて前記固定プレートに対する前記頭部の移動を少なくとも部分的に制限するように構成される、請求項7に記載のプレートアセンブリ。
【請求項9】
前記底部ロックは、楕円形または矩形を画定する、請求項7に記載のプレートアセンブリ。
【請求項10】
前記固定プレートは、胸骨のほぼ全長にわたって延びる細長い形状を画定する、請求項1に記載のプレートアセンブリ。
【請求項11】
前記固定プレートは、下にある骨の形状に適合するように構成される、請求項1に記載のプレートアセンブリ。
【請求項12】
前記プレートアセンブリは、複数の延長管と、前記固定プレートに取り付けられるように構成されたドレーン本体とを有する外科用ドレーンをさらに備え、
前記ドレーン本体は、内部空洞を画定し、前記複数の延長管は、流体を収集し、前記流体を前記内部空洞へ移送するように構成される、請求項1に記載のプレートアセンブリ。
【請求項13】
前記ドレーン本体は、少なくとも1つの突起を有し、前記少なくとも1つの突起は、前記固定プレートの少なくとも1つの窓に圧入されるように構成される、請求項12に記載のプレートアセンブリ。
【請求項14】
前記外科用ドレーンは、前記ドレーン本体に接続されたドレナージ管を含み、前記ドレナージ管は、前記ドレーン本体の内部空洞に収集された流体の除去を可能にするように構成される、請求項12に記載のプレートアセンブリ。
【請求項15】
前記ドレナージ管は、自由端を有し得、前記自由端は、負圧装置に取り付けられ、前記外科用ドレーンの中に負圧を生成するように構成される、請求項14に記載のプレートアセンブリ。
【請求項16】
前記固定プレートは、前記骨の前に設置されるように構成され、前記外科用ドレーンは、前記固定プレートの前に設置されるように構成され、前記複数の延長管は、前記骨の背後に位置する過剰な流体を収集するために前記骨の背後に延在するように構成される、請求項12に記載のプレートアセンブリ。
【請求項17】
前記骨は胸骨であり、前記外科用ドレーンは、前記胸骨の前に設置されるように構成され、前記複数の延長管は、前記胸骨の背後に位置する過剰な流体を収集するために肋骨間の肋間腔を通って前記胸骨の背後に延在するように構成される、請求項16に記載のプレートアセンブリ。
【請求項18】
前記外科用ドレーンは、前記ドレーン本体に接続された注入管をさらに含み、前記注入管は、前記外科用ドレーンを介して手術部位に導入される流体を受け入れるように構成される、請求項12に記載のプレートアセンブリ。
【請求項19】
骨を安定化させる方法であって、
少なくとも1つの窓を形成する少なくとも2つのレールを有する固定プレートを提供することと、
頭部および尾部を有するバンドを提供することであって、前記頭部は前記尾部の少なくとも一部を受け入れるように構成された内部空洞を画定することと、
前記固定プレートを前記骨に隣接して位置決めすることと、
前記少なくとも1つの窓内のレール間で前記頭部を前記固定プレートに取り付けることと、
前記尾部の端部を前記固定プレートおよび前記骨に巻き付けて、前記尾部の端部を前記頭部に挿入してループを形成することであって、前記固定プレートおよび前記骨が前記ループ内に位置決めされることと、
前記バンドに張力を付与して前記固定プレートおよび前記骨の周囲で前記バンドを締め付けることと、
前記バンドの張力限界に達した後、前記バンドの余剰部分を切断することと、
を含む、方法。
【請求項20】
安定化される骨は、胸骨切開によって切断されたヒトの胸骨であり、前記骨に前記固定プレートを位置決めすることは、前記固定プレートを胸骨の2つの切断された半部間に形成された切開部に近接して位置決めすることを含む、請求項19に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【国際調査報告】