(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】平板型対象物挟持用装置
(51)【国際特許分類】
F16B 2/06 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
F16B2/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565992
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2021093699
(87)【国際公開番号】W WO2022227125
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110482256.0
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521136161
【氏名又は名称】深▲セン▼拉米酷科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Lamiku Technology CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 509, Building 1 of Wanke Hong Mansion, Luogang Community, Buji Street, Longgang District, Shenzhen, China
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】▲ダン▼暁明
【テーマコード(参考)】
3J022
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA41
3J022EB03
3J022EC02
3J022FB12
3J022FB16
3J022GA15
3J022GA17
(57)【要約】
平板型対象物挟持用装置(1)は、筐体(2)と、第1の挟持対と、伝動歯車(4)と、第1の付勢バネ(51)とを備える。筐体(2)にガイド構造(211)が設けられる。第1の挟持対は、第1の挟持部(31)と、第2の挟持部(32)とを有し、少なくとも一部が筐体(2)に収容され、第1の挟持部(31)と第2の挟持部(32)はガイド構造によりガイドされる。伝動歯車(4)は、第1の挟持部(31)及び第2の挟持部(32)を互いに反対方向に移動させるよう、第1の挟持部(31)及び第2の挟持部(32)と連動して接続される。第1の付勢バネ(51)は、第1の端部が第1の挟持部(31)に保持され、第2の端部が、第1の端部を保持するための第1の挟持部(31)に、第2の挟持部(32)へ向かう力を加えるよう、第2の挟持部(32)又は筐体(2)に保持される。第1の付勢バネ(51)は、ガイド構造(211)のガイド中心の両側に、又はガイド構造(211)のガイド中心と一致するように設けられる。本装置(1)は、対象物を手軽に挟持装置に取付、又は挟持装置から取り外すことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(2)と、第1の挟持対と、伝動歯車(4)と、第1の付勢バネ(51)とを備え、
前記筐体(2)に、ガイド構造(211)が設けられ、
前記第1の挟持対は、第1の挟持部(31)と、第2の挟持部(32)とを有し、少なくとも一部が前記筐体(2)に収容され、前記第1の挟持部(31)及び第2の挟持部(32)は前記ガイド構造(211)によりガイドされ、
前記伝動歯車(4)は、前記第1の挟持部(31)及び前記第2の挟持部(32)を互いに反対方向に移動させるよう、前記第1の挟持部(31)及び前記第2の挟持部(32)と連動して接続され、
前記第1の付勢バネ(51)は、第1の端部が前記第1の挟持部(31)に保持され、第2の端部が、前記第1の端部を保持するための第1の挟持部に、前記第2の挟持部へ向かう力を加えるよう、前記第2の挟持部又は前記筐体(2)に保持され、前記第1の付勢バネ(51)は、前記ガイド構造のガイド中心(A)の両側に、又は前記ガイド構造のガイド中心(A)と一致するように設けられる、平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)
【請求項2】
前記第1の付勢バネ(51)は、引張バネあり、
前記第1の挟持部(31)と前記第2の挟持部(32)はそれぞれ、側部に、前記第1の付勢バネ(51)を保持するためのラグ(315、325)が設けられ、
それぞれの前記ラグは、それぞれの挟持部の、前記筐体(2)内に延伸した端部から所定の距離だけ離れている、請求項1に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項3】
前記第1の付勢バネ(51)は、圧縮バネであり、
前記第1の挟持部(31)と前記第2の挟持部(32)はそれぞれ、側部に、前記第1の付勢バネ(51)を保持するためのラグ(315、325)が設けられ、
前記ラグは、前記筐体(2)内に延伸した前記挟持部の端部に設けられる、請求項1に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項4】
前記第1の挟持部(31)及び第2の挟持部(32)の少なくとも一方に、長尺の切欠き(318)が設けられ、
圧縮バネの形態である前記第1の付勢バネ(51)は、第1の端部が前記長尺の切欠き(318)の伝動歯車(4)に面する底側に保持され、第2の端部が、前記伝動歯車に背向するように前記筐体(2)に保持される、請求項1に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項5】
前記伝動歯車(4)は円筒形の平歯車であり、
前記第1の挟持部(31)は第1のラック(314)を有し、
前記第2の挟持部(32)は第2のラック(324)を有し、
前記第1のラック(314)と前記第2のラック(324)は平行に延伸するように前記伝動歯車(4)の両側に配置される、請求項1に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項6】
前記筐体(2)のガイド構造(211)は突起であり、
前記突起は、挟持部において対応して設けられる長溝(317)内に延伸し、
前記突起の幅が前記長溝(317)の幅と等しく、及び/又は前記筐体(2)のガイド構造(211)が、ペアとなって設けられるリブであり、
前記挟持部が前記リブの間に配置され、
前記リブの内方側間の距離が前記挟持部の幅に等しい、請求項1~5のいずれか1項に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項7】
前記筐体(2)に、前記挟持部の移動範囲を制限するためのストッパ(213)が設けられる、請求項1に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項8】
前記挟持装置は、前記第1の挟持対の挟持部同士の相対的な移動をロック及びリリースするための第1のロックユニット(6)を更に有する、請求項7に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項9】
前記第1のロックユニット(6)は、操作ハンドル(61)と、駆動部材(62)と、歯部(632)を有するスライダ(63)とを有し、
前記操作ハンドル(61)は、前記スライダ(63)が前記第1の挟持部又は前記第2の挟持部に設けられる歯列(326)に対して係合又は分離するよう、前記駆動部材(62)によって前記スライダ(63)を前記第1の挟持対の挟持部の移動方向と直交する方向に移動させるように配置される、請求項8に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項10】
前記装置は、第2の挟持対と、伝動ユニット(9)と、第2の付勢バネ(52)とを更に有し、
前記第2の挟持対は、第3の挟持部(33)と、第4の挟持部(34)とを有し、前記第2の挟持対の挟持部の移動方向が前記第1の挟持対の挟持部の移動方向に直交し、
前記伝動ユニット(9)は、前記第3の挟持部(33)及び前記第4の挟持部(34)を互いに反対方向に移動させるよう、第3の挟持部(33)及び第4の挟持部(34)と連動して接続され、
前記第2の付勢バネ(52)は、前記第3の挟持部(33)及び前記第4の挟持部(34)のいずれか一方に、他方へ向かう力を加えるように配置される、請求項1~9のいずれか1項に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項11】
前記第3の挟持部(33)と第4の挟持部(34)は、重なるように配置され、
前記筐体は、前記第3の挟持部(33)及び第4の挟持部(34)に用いられる第2のガイド構造(231)を有し、
前記第2のガイド構造は、突起の形態となって、前記第3の挟持部(33)及び第4の挟持部(34)の長溝(337、347)内に延伸する、請求項10に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項12】
前記第3の挟持部(33)と前記第4の挟持部(34)は、同一側に設けられるラック(336、346)を有し、
前記伝動ユニット(9)は、互いにずらして配置される2つの段付歯車(91、92)を備え、
各段付歯車は、大歯車と、小歯車とを有し、
前記大歯車同士は互いに噛み合い、前記小歯車はそれぞれ、前記第3の挟持部(33)及び前記第4の挟持部(34)のラックと噛み合う、請求項11に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項13】
前記第2の挟持対の挟持部同士の相対的な移動をロック及びリリースするための第2のロックユニット(8)が設けられる、請求項12に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項14】
前記第2のロックユニット(8)は、操作部(81)と、スイングアーム(82)とを有し、
前記操作部(81)は、前記スイングアーム(82)の頂部(823)が前記段付歯車の大歯車の1つに対して係合又は分離するよう、前記スイングアーム(82)の回転を駆動するように配置される、請求項13に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項15】
前記挟持装置は、保護パッド(313)を有し、
前記保護パッドは、挟持対の挟持部又は筐体に配置される、請求項1~14のいずれか1項に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項16】
前記保護パッド(313)は、片側にリブ部(314)が設けられる、請求項15に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項17】
前記筐体(2)に継手(221)が設けられ、
前記継手は、前記支持枠上に取り付けられる結合部(7)に結合されるように配置され、
前記結合部(7)は、前記筐体(2)又は前記支持枠に対して調整可能である、請求項15に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【請求項18】
前記第1の挟持対及び/又は前記第2の挟持対の挟持部は、片状部と、爪部とを有し、
前記片状部は、前記筐体内に可動に収納され、
前記爪部は、前記片状部に垂直して延伸し、前記爪部の端部が前記対象物の角部を包囲可能に配置される、請求項15に記載の平板型対象物挟持用装置(1、1A、1B、1C、1D、1E)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挟持装置に関し、特に、平板型対象物挟持用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の平板型対象物(例えば、スマートフォン、タブレット、タッチパッドなどが挙げられるが、これらに限定されない)を挟持するための装置は、通常、支持枠と、支持枠に直接又は間接的に固定された1つ又は複数の挟持部を有し、該1つ又は複数の挟持部によって、平板型対象物を支持枠に挟持することで、ユーザは両手で持たなくても使うことができる。しかし、このような従来の装置は、対象物を挟持装置に取り付ける際や挟持装置から取り外す際に両手を使う必要があり、操作が不便であるなど、様々な欠点があった。
【0003】
従って、従来の平板型対象物挟持用装置は、対象物を便利に挟持装置に取り付けたり、挟持装置から取り外したりすることが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、対象物を簡単に挟持装置に取り付ける、又は挟持装置から取り外すことができる平板型対象物挟持用装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、その目的が次の通りに実現される。即ち、本発明に係る平板型対象物挟持用装置は、筐体と、第1の挟持対と、伝動歯車と、第1の付勢バネとを備える。筐体にはガイド構造が設けられる。第1の挟持対は、第1の挟持部と、第2の挟持部とを有し、少なくとも一部が筐体に収容され、第1の挟持部と第2の挟持部はガイド構造によりガイドされる。伝動歯車は、第1の挟持部及び第2の挟持部を互いに反対方向に移動させるよう、第1の挟持部及び第2の挟持部と連動して接続される。第1の付勢バネは、第1の端部が第1の挟持部に保持され、第2の端部が、第2の挟持部へ向かう力を第1の端部を保持するための第1の挟持部に加えるよう、第2の挟持部又は筐体に保持される。第1の付勢バネは、ガイド構造のガイド中心の両側に、又はガイド構造のガイド中心と一致するように設けられる。
【0006】
いくつかの実施例において、第1の付勢バネは、引張バネである。第1の挟持部と第2の挟持部はそれぞれ、側部に、第1の付勢バネを保持するためのラグが設けられる。それぞれのラグは、それぞれの挟持部の、筐体内に延伸した端部から所定の距離だけ離れている。
【0007】
いくつかの実施例において、第1の付勢バネは、圧縮バネである。第1の挟持部及び第2の挟持部はそれぞれ、側部に、第1の付勢バネを保持するためのラグが設けられる。ラグは、筐体の内部に延伸した挟持部の端部に設けられる。
【0008】
本発明のいくつかの実施例によれば、第1の挟持部及び第2の挟持部の少なくとも一方に長尺の切欠きが設けられる。圧縮バネの形態である第1の付勢バネは、第1の端部が長尺の切欠きの伝動歯車に面する底側に保持され、第2の端部が、伝動歯車に背向するように筐体に保持される。
【0009】
いくつかの実施例において、伝動歯車は円筒形の平歯車であり、第1の挟持部は第1のラックを有し、第2の挟持部は第2のラックを有する。ここで、第1のラックと第2のラックは平行に延伸するように伝動歯車の両側に配置される。
【0010】
本発明のいくつかの実施例によれば、筐体のガイド構造は突起である。該突起は、挟持部において対応して設けられる長溝に延伸する。ここで、突起の幅が長溝の幅と等しく、及び/又は筐体のガイド構造が、ペアとなって設けられるリブであり、挟持部がリブの間に配置される。ここで、リブの内方側間の距離が挟持部の幅に等しい。
【0011】
いくつかの実施例において、筐体には挟持部の移動範囲を制限するためのストッパが設けられる。
【0012】
いくつかの実施例によれば、挟持装置は、第1の挟持対の挟持部同士の相対的な移動をロック及びリリースするための第1のロックユニットを更に有する。
【0013】
いくつかの実施例において、第1のロックユニットは、操作ハンドルと、駆動部材と、歯部を有するスライダとを有する。操作ハンドルは、スライダが第1の挟持部又は第2の挟持部に設けられる歯列に対して係合又は分離するよう、駆動部材によってスライダを第1の挟持対の挟持部の移動方向と直交する方向に移動させるように配置される。
【0014】
いくつかの実施例において、装置は、第2の挟持対と、伝動ユニットと、第2の付勢バネとを更に備える。第2の挟持対は、第3の挟持部と、第4の挟持部とを有する。ここで、第2の挟持対の挟持部の移動方向が第1の挟持対の挟持部の移動方向に直交している。伝動ユニットは、第3の挟持部及び第4の挟持部を互いに反対方向に移動させるよう、第3の挟持部及び第4の挟持部と連動して接続される。第2の付勢バネは、第3の挟持部及び第4の挟持部のいずれか一方に、他方へ向かう力を加えるように配置される。本発明のいくつかの実施例によれば、第3の挟持部と第4の挟持部は、重なるように配置される。ここで、筐体は、第3の挟持部及び第4の挟持部に用いられる第2のガイド構造を有する。該第2のガイド構造は、突起の形態となって、第3の挟持部及び第4の挟持部の長溝内に延伸する。
【0015】
いくつかの実施例において、第3の挟持部と第4の挟持部は、同一側に設けられるラックを有する。ここで、該伝動ユニットは、互いにずらして配置される2つの段付歯車を備える。各段付歯車は、大歯車と、小歯車とを有し、大歯車同士は互いに噛み合い、小歯車はそれぞれ、第3の挟持部及び第4の挟持部のラックと噛み合う。
【0016】
いくつかの実施例において、第2の挟持対の挟持部同士の相対的な移動をロック及びリリースするための第2のロックユニットが設けられる。
【0017】
いくつかの実施例において、第2のロックユニットは、操作部と、スイングアームとを有する。操作部は、スイングアームの頂部が段付歯車の大歯車の1つに対して係合又は分離できるよう、スイングアームを回転させる。
【0018】
いくつかの実施例において、挟持装置は、保護パッドを有する。保護パッドは挟持対の挟持部又は筐体に配置される。
【0019】
いくつかの実施例において、保護パッドは片側にリブ部が設けられる。
【0020】
いくつかの実施例において、筐体に継手が設けられる。該継手は、支持枠上に取り付けられる結合部に結合され、結合部は筐体又は支持枠に対して調整可能である。
【0021】
いくつかの実施例において、第1の挟持対及び/又は前記第2の挟持対の挟持部は、片状部と、爪部とを有する。片状部は、筐体内に可動に収納され、爪部は、片状部に垂直して延伸する。また、爪部の端部が対象物の角部を包囲可能に配置される。
【0022】
本発明に係る装置によれば、装置を簡単且つ調整可能に支持枠に取り付けた後、特に、対象物を簡単かつ手軽に装置に取り付ける、又は装置から取り外すことができる。また、対象物が装置から意図せずに脱落することを確実に防止し、装置を効果的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、図を参照して本発明について詳しく説明する。
【0024】
【
図1】
図1は本発明の第1の実施形態に係る装置の一部を切断した立体図である。
【
図3】
図3は、
図1の装置における、退避状態にある挟持部を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1の装置における、伸長状態にある挟持部を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2の線E-Eに沿った装置の断面図であり、
図5における操縦ハンドルは、
図2に対して異なる位置にある。
【
図6】
図6は、装置のロックユニットのリリース状態を示す図である。
【
図7】
図7は、装置のロックユニットのロック状態を示す図である。
【
図8a】
図8aは、本発明の第2の実施形態に係る装置の異なる状態を示す立体図である。
【
図8b】
図8bは、本発明の第2の実施形態に係る装置の異なる状態を示す立体図である。
【
図9a】
図9aは、本発明の第3の実施形態に係る装置の異なる状態を示す立体図である。
【
図9b】
図9bは、本発明の第3の実施形態に係る装置の異なる状態を示す立体図である。
【
図10a】
図10aは、本発明の第4の実施形態に係る装置の異なる状態を示す立体図である。
【
図10b】
図10bは、本発明の第4の実施形態に係る装置の異なる状態を示す立体図である。
【
図11a】
図11aは、本発明の第5の実施形態に係る装置の異なる状態を示す立体図である。
【
図11b】
図11bは、本発明の第5の実施形態に係る装置の異なる状態を示す立体図である。
【
図12】
図12は、本発明に係る装置の第6の実施形態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態をより詳しく説明する。図には本発明の好ましい実施形態が示されているが、本発明は、記載された実施形態によって限定されることなく、様々な形態で実施され得ることが理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本発明をより徹底的かつ完全にするためのものであり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えることができる。
【0026】
以下の説明では、発明の様々な実施例を説明することを目的として、各種の発明の実施例を徹底的に理解されるよう、いくつかの詳細を記載している。しかし、当業者であれば、実施例は、これらの具体的な詳細の1つ又は複数がなくても実施できることが分かるであろう。他の場合では、実施例の説明を混乱させないために、本出願に関連する周知の装置、構造、及び技術は、詳細に図示又は説明されない場合がある。
【0027】
特に言及されない限り、本明細書及び特許請求の範囲において、「~を備える」という文言及び「~を含む」や「~を有する」などの変形は、オープンで包括的な意味で理解されるべきである。つまり、「~を含むが、これに限定されない」と解釈すべきである。
【0028】
本明細書に記載される「一実施例」又は「いくつかの実施例」とは、実施例にて説明される特定の特性、構造、又は特徴が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。本明細書の各か所に記載される「一実施例」又は「いくつかの実施例」は、必ずしも全てが同一の実施例を指すわけではない。また、特定の特性、構造、又は特徴は、1つ又は複数の実施例において任意に組み合わせることができる。
【0029】
また、明細書及び特許請求の範囲において使用される「第1の」、「第2の」等の用語は、各対象を区別して明確に説明するために使用されるものであって、その対象のサイズ又はその他の順序を限定するものではない。
【0030】
図1~
図7は、本発明に係る平板型対象物挟持用装置1の第1の実施形態を概略的に示している。より明確に図示するために、図には、平板型対象物が示されていない。平板型対象物は、長さ方向及び幅方向に所定の長さで延伸する物体であってもよい。特に、対象物の長さ方向及び幅方向において延伸する長さは、高さ方向に延伸する長さよりも著しく大きいである。平板型対象物は、携帯電話、タブレットなどが挙げられる。
【0031】
装置1は筐体2を備える、筐体2は、ネジ接続、スナップ接続、接着、溶接等により互いに接続された上筐体21及び下筐体22を含む。接続された上筐体21と下筐体22との間に、装置の他の後述する構成要素を収容するための収容空間が規定される。それに応じて、上筐体21及び/又は下筐体22には上記の構成要素の位置決め用及び/又は案内用の構造が設けられる。また、収容空間は、外部に連通し、対向して配置される開口を有する。上筐体21及び下筐体22は、薄肉部材であり、強度を高めるためのリブが設けられていてもよい。
【0032】
装置1は第1の挟持対を更に有する。該第1の挟持対は、第1の挟持部31と第2の挟持部32とを有し、少なくとも一部が筐体2内に収容される。図から分かるように、第1の挟持部31と第2の挟持部32は、構造がほぼ同一であるクランプジョーとして構成される。好ましくは、第1の挟持部31と第2の挟持部32は、重なるように配置される。即ち、同一の平面に配置されるのではなく、筐体の厚み方向に対して上下に配置される。これにより、装置の構造が、全体的にコンパクトになる。具体的に、第1の挟持部31と第2の挟持部32は、片状部311、321と、爪部312、322とを有する。片状部311、321は、筐体におけるガイド構造のガイドにより、筐体2内に可動に収容される。即ち、片状部は、筐体から延出し、又は筐体に退避することができる。ここで、片状部311、321は、一方の端部が常に筐体内に収容される。爪部312、322は、対象物に直接作用(より正確にいうと、挟持)し、片状部の常に筐体内に設けられた端部と対向する他方の端部に設けられる。ここで、爪部は片状部に対して垂直に延伸する。片状部311、321と爪部312、322は、個別に製造された後に接合されてもよく、或いは一体に形成するように製造されてもよい。
【0033】
各挟持部及び挟持部31、32の片状部311、321には、所定の長さを有するラック314、324が設けられる。ラック314、324は、第1の挟持部31及び第2の挟持部32と連動して接続されるよう、同様に筐体内に配置される伝動歯車4に係合する。これにより、
図1の矢印P1で示されているように、第1の挟持部31と第2の挟持部32は、互いに反対方向に移動することができる。従って、伝動歯車4は、筐体内に回動可能に取り付けられる。図示された伝動歯車4は円筒状の平歯車であり、第1の挟持部31の第1のラック314と第2の挟持部32の第2のラック324は、平行に延伸するように伝動歯車4の両側に配置されている。2つのラックは、いずれも真っすぐに延伸するラックである。
【0034】
挟持部が制御されて動くように、筐体2の上筐体21に突起の形態であるガイド構造211が設けられる。突起は、第1挟持部31の片状部311に形成された長溝317内に延伸している。ここで、突起の幅が長溝317の幅と一致又は等しいため、第1の挟持部31は、少なくとも長溝317の延伸方向を横切る方向に大きく移動できない。ここでは、2対の突起及び長溝317が示されている。なお、図示されていないが、第2の挟持部32にも第1の挟持部31と同様の長溝が設けられてもよく、筐体に該長溝に対する突起が設けられてもよい。該突起は、例えば筐体の下筐体22に設けられる。
【0035】
第1の挟持部31及び第2の挟持部32が筐体5から意図せず突出するのを防ぐよう、筐体内に第1の付勢バネ51が設けられる。第1の付勢バネは、第1の端部が挟持対の一方の挟持部に保持され、第2の端部が他方の挟持部に保持される。これにより、第1の端部を保持する第1の挟持部に、第2の挟持部へ向かう力が加えられる。その結果、装置が対象物を挟持しない時、挟持対は常に筐体内に退避する状態になる。これはパッケージの小型化に有利である。対象物を挟持している間、第1の付勢バネによっても、挟持された対象物に挟持力が加えられるため、対象物が装置から落下するのを少なくともある程度防ぐことができる。
【0036】
第1の付勢バネ51は、引張バネ、即ち、軸方向に張力を受けるバネである。引張バネはコイルバネであってもよく、引張バネに負荷がかかっていない時は、引張バネのコイル同士が互いに密着することが好ましい。
【0037】
図示された一対の第1の付勢バネ51は、それぞれ、ガイド構造の外側、即ち、ガイド構造のガイド中心Aの両側に位置している。この例では、挟持部をガイドするための突起が1つ設けられた場合、ガイド中心は、ガイドされる挟持部の長溝の縦方向の中心線(図示せず)に対応し得る。一方、挟持部をガイドするための突起が1対設けられた場合、ガイド中心は、ガイドされる挟持部の一対の長溝の縦方向の中心線に対しての対称中心に対応し得る。ガイド構造は、挟持部のガイド構造に対する撓みにより外力が加えられて、挟持部をスムーズにガイドできない恐れがある。そこで、該一対の第1の付勢バネ51によって挟持部に対してトリミングモーメントを与えることで、このことが回避される 。両側に配置された付勢バネは、ガイド構造のガイド中心に対する距離によって、同一又は異なるものであってもよい。ここで、2つの付勢バネは、ガイド中心に対する距離が同じである場合、同一のものを選んでもよい。そうでない場合、弾性係数が異なる付勢バネを選ぶ必要がある。ガイド中心から遠いほど、弾性係数が小さいバネを選ぶことにより、2つのバネの挟持部へのモーメントが均等になる。
【0038】
第1の挟持部31及び第2の挟持部32には、それぞれの対向する側部において付勢バネ51を保持するためのラグ315、325がそれぞれ設けられてもよい。それぞれのラグは、それぞれの挟持部の、筐体2内に延伸した端部から所定の距離だけ離れている。付勢バネ51の両端は、それぞれ、各挟持部31、32の側部におけるラグ315、325に引っ掛けられている。装置が対象物を挟持していない時、第1の挟持対の各挟持部の側部に設けられたラグ同士の間の距離は、第1挟持対に初期引張り力を加えるために、第1の付勢バネ51の取り付けられていないときの初期長さより大きい。
【0039】
筐体2には、挟持部31、32の移動範囲、即ち、挟持部が筐体から突出できる最大長さを制限するためのストッパ213が更に設けられている。ストッパ213は、筐体2の上筐体21又は下筐体22に一体に形成されてもよい。図示されたストッパ213は、上筐体21に配置され、上筐体の下側から突出し、I字型構造を有する。第1の挟持部31は、ストッパ213を収容するための長尺の切欠き318を有し、該切欠きは、長溝317に平行に延伸してもよい。
図4に示されるように、挟持対の挟持部が筐体2から最大限に突出した状態において、第1の挟持部31における切欠き318の爪部312に対向する底側がストッパに当接する。これに対し、
図3において、挟持対の挟持部が筐体2内に退避した状態において、第2の挟持部32の常に筐対2内に収容される自由端がストッパに当接する。
【0040】
装置は、第1の挟持対の挟持部同士の相対的な移動をロック及びリリースするための第1のロックユニット6を更に有する。特に、装置により挟持されている対象物が不意に落下しないために、挟持部の移動をロックすることが有利である。第1のロックユニット6は筐体のストッパ213とは反対側に配置され、伝動歯車4は第1のロックユニット6とストッパ213との間に位置する。これにより、装置を全体的にコンパクトに配置することができる。
【0041】
図示された第1のロックユニット6は、操作ハンドル61と、駆動部材62と、歯部632を有するスライダ63とを有する。操作ハンドル61は、駆動部材62を介して第1の挟持対の挟持部の移動方向と直交する方向にスライダ63を移動させるように構成されている。これにより、スライダ63が第1の挟持部31又は第2の挟持部32に設けられた歯列326に対して係合又は分離することができる。
【0042】
図5から特に明らかなように、第1のロックユニット6の操作ハンドル61は、下筐体22の上筐体21とは反対側に配置され、ピボット66を介して駆動部材62に回動可能に連結されている。操作ハンドル61は、ハンドル611とカム612とを有する。カムと駆動部材は、ピボット66を収容するための孔を有する。ピボット66を収容するための孔からの距離は、カムの周面の少なくとも一部とその他の部分とが異なる。L字形である駆動部材62は、第1のセグメント621の一部が下筐体を貫通して、ピボット66を介して操作ハンドル61に接続され、第2のセグメント622が筐体に収容され、スライダ63に当接する。ここで、第2のセグメント622に窪み623が設けられ、圧縮バネの形態である第1のバネ64は該窪み内に収容される。第1のバネは、一端が下筐体22の壁面に、他端が窪みの底側に、それぞれ当接している。第2のセグメント622のスライダ63に面する端部が傾斜している。スライダ63は、第2のセグメント622の傾斜する端部に対応して設けられた傾斜面631と、歯部632とを有する。また、スライダ63用に、同様に圧縮バネである第2のバネ65が配置されている。第2のバネ65は、一端がスライダ63に、他端が上筐体21に、それぞれ当接している。スライダ63の厚さは、筐体の上筐体と下筐体との互いに対向する面間の距離に一致してもよい。これにより、スライダは、少なくとも筐体の厚さ方向における移動が制限される。スライダをより良好にガイドするために、筐体に、挟持部の移動方向におけるスライダの移動を制限するためのガイド構造を更に設けてもよい。
【0043】
圧縮バネとは、一方向の圧力を受けるコイルバネを指し、巻き線同士の間には一定の隙間がある。外部から荷重を受けるとバネが縮むように変形して、変形エネルギーを蓄える。
【0044】
図5及び
図7は、ロック状態にある第1のロックユニット6を示している。この場合、操作ハンドル61のカム612の周面のうち、ピボット66から最も離れた部分が、下筐体22に当接する。この時、駆動部材62は上筐体21から離間しており、第1のバネ64が最大圧縮状態にある。また、スライダの歯部632が第2の挟持部32の歯列326と係合して、第2の挟持部32をロックする。これによって、第1の挟持対は、全体が筐体に対して移動できなくなる。操作ハンドル61を
図5に示すR方向に回転させると、特に
図6に示す状態まで回転させると、カム612の周面のうち、ピボット66からの距離が小さくなる部分が下筐体に当接するため、駆動部材62は、第1のバネ623の弾性力により上筐体21へ向けて移動することができる。同時に、スライダは、第2のバネ65の弾性力により駆動部材62へ向けて移動し、スライダの歯部632が歯列326から分離することにより、挟持対の移動がリリースされる。
【0045】
従って、第1の挟持対の2つの挟持部は、主に、一方の挟持部がロックユニット用の歯列326を有するという点で異なる。
【0046】
第1の挟持対の挟持部の片状部311、321は、硬い材料で製造されてもよい。例えば、好ましくは打ち抜き加工によって、ステンレス鋼板から上記の長溝317、327、切欠き318、ラック314、324、歯列326等を形成する。鋼板の材料は、例えば硬度50HRCの420ステンレス鋼である。当然、他の材料であってもよい。
【0047】
挟持部の爪部312、322は、片状部311、321上に、例えば、ポリカーボネートPCとアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)又はガラス繊維強化ポリプロピレンの複合材料等のプラスチックで射出成形することができる。爪部312、322の端部は、対象物の角を包囲してもよい。これにより、対象物をより良好に保護することができる。従って、対象物を収容している装置が支持枠から落下したり、他の物体に衝突したりした場合でも、対象物の損傷を少なくともある程度防ぐことができる。
【0048】
筐体の上筐体と下筐体は、ポリカーボネートPCとアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)の複合材料やガラス繊維強化ポリプロピレン等のプラスチックで射出成形することができる。好ましくは、上筐体及び/又は下筐体に、上記のガイド構造、補強リブ、伝動歯車用位置決め部、筐体の他の部分との連結用構造等が一体に形成される。
【0049】
筐体の対象物と直接接触する部分及び/又は爪部に、保護パッドが設けられてもよい。第1の実施形態では、挟持対の挟持部の爪部に配置された保護パッド313、323が示されている。保護パッドはシリコンから製造されてもよい。より良い保護効果と衝撃吸収効果を図るために、保護パッド313の対象物と接触する側にリブ部314が設けられてもよい。保護パッドは、個別に、好ましくは異なる色で成形してから爪部に取り付けることができる。これにより、製造コストが抑えられる。異なる色の保護パッド313は、ユーザの多様なニーズに応えてより多くの選択肢を提供することができる。
【0050】
筐体2の下筐体22には、継手221が設けられる。該継手は、支持枠に取り付けられた結合部に結合されるように配置される。結合部は、筐体2又は支持枠に対して調整可能である。図示された継手はネジ式のものであるが、スナップオン継手などの他の継手であってもよい。好ましくは、継手は下筐体22上に一体的に形成される。以下、結合部について例示的に説明する。
【0051】
以下、他の図を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。冗長を避けるために、装置の第1の実施形態と異なる点のみを説明し、説明されていない部分については上記の記載を参照することができる。
【0052】
図8a及び
図8bに示す本発明の第2の実施形態に係る装置1Aにおいて、第1の挟持対の第1の挟持部31と第2の挟持部32は、同様に重なるように配置されている。ここで、各挟持部は、上筐体21上にペアとなって設けれた、リブの形態であるガイド構造211によってガイドされる。ここで、リブの、それらの内側に向く面間の距離は、第1の挟持部31及び第2の挟持部32の幅に等しい。
【0053】
本実施形態では、第1の付勢バネ51が1つのみ設けられている。該第1の付勢バネ51は、ガイド構造のガイド中心Aと一致するように配置される。すなわち、ペアとなって設けられたリブに対して中央に配置される。ここで、第1の付勢バネ51は、第1の端部が、第1の挟持部31に設けられた切欠き318の伝動歯車4に面する底側に保持され、第2の端部が伝動歯車に背向するように 筐体2に保持される。そこで、好ましくは、切欠き318の底側及び筐体に、それぞれ、第1の付勢バネ51のコイルの内径に合わせる大きさを有する突出部316、216が設けられる。突出部は、それぞれ、第1の付勢バネ51の両端からコイル内に挿入される。
【0054】
第1の付勢バネ51に対して、第2の挟持部32用のストッパ213は、上筐体21における伝動歯車4の他方側に設けられている。ストッパは、ロックユニット6用のスライダのガイド構造214に形成されている。
【0055】
図9a及び
図9bに示す本発明の第3の実施形態に係る装置1Bにおいて、第1の付勢バネ51は同様に、互いに重なり合った第1の挟持部31及び第2の挟持部32の両側に配置されている。ただし、第1の実施形態とは異なり、ここでの第1の付勢バネ51は圧縮バネである。第1の挟持部31と第2の挟持部32は、それぞれ、側部に付勢バネ51を保持するためのラグ315及び325が設けられている。ラグは、筐体2内に延伸した挟持部の端部、特に先端の端部に設けられている。
【0056】
図10a及び
図10bに示す第4の実施形態の装置1Cにおいて、第1の挟持対である第1の挟持部31及び第2の挟持部32は、同一の平面上に配置される。ここで、各挟持部ごとに第1の付勢重バネ51が配置される。
【0057】
本実施形態において、上筐体21に成形された、各挟持部用のガイド構造はリブの形態となり、第1の付勢バネ51がリブの中央に配置されている。従って、第1の挟持部31用の第1の付勢バネ51は、第1の端部が第1の挟持部31に設けられた切欠き318の伝動歯車4に面する底側に保持され、第2の端部が伝動歯車4に背向するように筐体2内に保持される。ここで、切欠き318の底側及び筐体に、それぞれ、第1の付勢バネ51のコイルの内径に合わせる大きさを有する突出部316、216が設けられる。突出部は、それぞれ、第1の付勢バネ51の両端からコイル内に挿入される。第2の挟持部32用の第1の付勢バネ51は、第1の端部が第2の挟持部32に設けられた切欠き328の伝動歯車4に面する底側に保持され、第2の端部が伝動歯車4に背向するように筐体2内に保持される。ここで、切欠き328の底側及び筐体に、それぞれ、第1の付勢バネ51のコイルの内径に合わせる大きさを有する突出部326、226が設けられる。突出部は、それぞれ、第1の付勢バネ51の両端からコイル内に挿入される。
【0058】
挟持部用のストッパ213は、ここでは突起の形態であり、対応する挟持部に設けられた長溝に係合する。
【0059】
また、伝動歯車4は、互いに外歯で噛み合うようにずらして配置された3つのサブギヤ41、42、43を有している。第1のロックユニット6の操作ハンドル61は、筐体の側部に配置されている。第1の実施形態の装置と異なって、操作ハンドル61がスライダに直接接続されているため、駆動装置が必要なくなる。ここで、スライダは、一部が筐体の側部から突出している。
【0060】
図11a及び
図11bに示す本発明の第5の実施形態に係る装置1Dにおいて、重なり合って配置された第1の挟持対である第1の挟持部31及び第2の挟持部32のラックが同一側に配置されている。伝動歯車4は、互いにずらして配置された2つのサブギヤ41及び42を有し、これらのサブギヤはそれぞれ、対応する挟持部のラックに噛み合っている。2つのサブギヤ41、42は完全に同一のものである。第1の挟持部31と第2の挟持部32を共に保持するための第1の付勢バネ51は、挟持対の伝動歯車とは反対側となる他方側に配置されている。該第1の付勢バネ51は引張バネであってもよく、その両端が、対応する挟持部に設けられたラグ315、325に引っ掛けられている。
【0061】
図12~
図18には、本発明の第6の実施形態に係る装置1Eが示されている。本実施形態において、装置1Eの第1の挟持対 、第1の付勢バネ、伝動歯車及びガイド構造の配置は、第1の実施形態の装置1と同様に設けられている。
図13a及び13bから明らかなように、ここでは繰り返して説明せず、上記の記載を参照することができる。
【0062】
装置1Eは、第3の挟持部33と第4の挟持部34とを含む第2の挟持対を更に有する。ここで、第2の挟持対の挟持部の移動方向P2は、第1の挟持対の挟持部の移動方向P1に対して垂直している。第2の挟持対と第1の挟持対とが重なるように配置されている。図示の例では、第2の挟持対が第1の挟持対の下方に配置されている。筐体2は筐体の上筐体21と下筐体22との間に配置された仕切り板23を更に有する。ここで、第1の挟持対は、上筐体21と仕切板23とによって規定される収容空間に配置され、第2の挟持対は、仕切板23と下筐体22とによって規定される収容空間に配置される。
【0063】
以下、
図14乃至
図18を参照して、第2の挟持対について説明する。
【0064】
第2の挟持対である第3の挟持部33及び第4の挟持部34は、重なるように配置され、第1の挟持部及び第2の挟持部と同様に、片状部と爪部とを有してもよい。筐体、より正確に言うと仕切板23は、第3の挟持部33及び第4の挟持部34をガイドするための第2のガイド構造231を有する。この例では、第2のガイド構造231は突起の形態であり、第3の挟持部33及び第4の挟持部34の長溝337、347内に延伸している。
【0065】
第3の挟持部33と第4の挟持部34用に配置された第2の付勢バネ52は、第3の挟持部33及び第4の挟持部34の内の一方に、他方へ向かう力を加えるように構成されている。第2の付勢バネ52は、仕切板23において、第2のガイド構造231を形成する突起同士の間に、特に第2のガイド構造231に対して中央に位置するように配置することができる。ここで、引張バネである第2の付勢バネ52は、第1の端部が上筐体23に形成された、仕切板23を貫通する突起212に引っ掛けられ、第2の端部が1つの挟持部34に引っ掛けられている。ここで、
図16は、第2の付勢バネ52の第1の状態を示している。即ち、初期状態に対して延伸している。
図18は、第3の挟持部33及び第4の挟持部34が筐体1から延出した時の第2の付勢バネ52の第2の状態を示している。この時、第2の付勢バネ52が初期の長さの状態にあると見なしてよい。第2の付勢バネ52については以下では更に説明する。
【0066】
第3の挟持部33と第4の挟持部34は、伝動ユニット9を介して反対方向に移動可能に連動して接続されている。
図17から分かるように、第3の挟持部33と第4の挟持部34は、同一側において、移動方向P1に対してずらすように配置されたラック336及び346を有する。伝動ユニット9は、ずらすように配置された2つの段付歯車91、92を備えている。即ち、段付歯車91、92は、移動方向P1、P2に対してずらすように配置されている。段付歯車91及び92は完全に同一のものであり、即ち、幾何学的パラメータ及び外観という点で完全に同一である。段付歯車91、92は、大歯車911、921と小歯車912、922とを有する。大歯車911、921は互いに噛み合い、小歯車912、922はそれぞれ第3の挟持部33及び第4の挟持部34のラック336、346に噛み合う。従って、第3の挟持部33及び第4の挟持部34のいずれか一方が移動すると、移動している一方の挟持部に噛み合う小歯車を介して、その下方の大歯車が駆動される。該大歯車によって、隣接する段付歯車と他方の挟持部を反対方向に移動させる。
【0067】
第2の挟持対用に配置された第2のロックユニット8は、第2の挟持対の挟持部同士の相対的な移動をロック及びリリースするために用いられる。第2のロックユニット8は、操作部81とスイングアーム82とを有している。スイングアーム82は、ピボット233に回動可能に取り付けられる。スイングアーム82の頂部823は、一方の段付歯車の大歯車の歯に係合することができる。操作部81は、スイングアーム82を回転駆動するように配置される。これにより、スイングアーム82の頂部823と、関連の大歯車とが係合又は分離することができる。第2のロックユニット8は、コイル部が仕切板23に形成された柱体234に保持されたトーションバネ83を更に有する。一方のフリーアームが仕切板23に、他方のフリーアームがスイングアーム82にそれぞれ当接することにより、スイングアーム82はピボット233を中心に回動可能となっている。
【0068】
操作部81は、ボタン状に構成され、筐体の下筐体22から突出する筒体811を有している。筒体811は、仕切板23上に成形されたマッチング筒体232に保持されており、マッチング筒体232に対して筒体の軸線方向に沿って上下に移動可能である。筒体811内に、第3のバネ813が配置されている。筒体811の外周に突出部812が設けられており、該突出部の端面がスイングアーム82の端部822に当接している。ここで、突出部の端面は、スイングアーム82の端部822と共に斜めに延伸し、即ち、斜面となっている。操作部81の筒体811を押圧することにより、筒体は、その軸線方向に沿って第1の位置から第2の位置に切り替えられる。例えば、筒体811が押圧されて突出部812が端部822に近づく方向に移動する場合、突出部812は、スイングアーム82に力を加える。これにより、トーションスバネ83によるスイングアーム82への力が克服され、スイングアーム82の頂部823が大歯車の歯から離脱し、伝動ユニット9の段付歯車の相対移動がリリースされる。一方、操作部81の筒体811を押し続けると、筒体は、第3のバネ813の力によって突出部812を端部822から離れる方向に移動させる。その結果、トーションスバネ83の作用により、スイングアーム82の頂部823が大歯車の歯部に係合し、伝動ユニット9の段付歯車の相対的な移動がロックされる。
【0069】
第2の挟持対である第3の挟持部33及び第4の挟持部34が筐体内に退避する場合、第2の付勢バネ52が初期の長さに対して延伸する。この時、第2の付勢バネ52は、第4の挟持部34に対して筐体の外側へ向かう力を加える。ここで、第3の挟持部33及び第4の挟持部34が第2のロックユニット8の弾性力によって筐体から突出することを防止するために、第2のロックユニット8のスイングアーム82の頂部823が、大歯車の歯部に係合する。操作部81の操作によって、スイングアーム82の頂部823が大歯車の歯部から離脱する場合、延伸した第2の付勢バネ52が元の長さに戻ることにより、それに接続された一方の挟持部が駆動されて筐体から突出すると共に、伝動ユニット9によって他方の挟持部が反対方向に突出する。これにより、第2の挟持対の挟持部が自動的に延出することが実現され、挟持されている対象物を便利に取り外すことができる。
【0070】
或いは、図示しない例では、第2の付勢バネは圧縮バネであってもよく、
図16を参照すると、その第1の端部が仕切板23の右側に当接し、第2の端部が第4の挟持部34に成形された凸部に当接している。第2の挟持体の挟持部が筐体内に退避すると、第2の付勢バネが圧縮される。一方、第2のロックユニット8がリリースされて、第2の付勢バネが元の長さに戻ると、第4の挟持部34が押されて筐体から延出すると共に、伝動ユニット9によって第3の挟持部33が筐体から延出する。
【0071】
筐体2には、同様に、支持枠に取り付けられた結合部7と結合するように構成された継手221が設けられている。結合部7は、例えば回動すると、筐体2又は支持枠に対して位置が調整可能である。継手221は、少なくとも1つのスロット222を有する。
【0072】
図示された継手221は、ねじ継手の形態であり、ボールカップリングを実現するための、結合部7のカップリングボール714を収容する。従って、継手221の内面が球状である。継手221に対するカップリングボール714の位置をロックするために、継手の雄ねじと螺合する雌ねじを有する調整ナット72が設けられる。ここで、雌ねじ及び雄ねじは、継手及び調整ナットの中心軸線に対して斜めに延伸している。調整ナット72が継手221にねじ込まれると、ナット72の継手221に対する位置を調整することによって、カップリングボール714を収容するための継手の球状空間の大きさを調整することができる。これにより、カップリングボール714の位置をロックさせるか、又はカップリングボール714が動けるようにリリースさせる。調整ナット72の底部は、カップリングボール714が調整ナット72を貫通して継手221に進入できるように空けられる。
【0073】
カップリングボール714は、結合部7のスナップリング71上、具体的には、相対的に回動可能に連結されてスナップリングを形成する円弧状止めプレート712、713上に配置される。円弧状の止めプレート712、713の自由端は、ロックロッド711を介して互いに接続される。ロックロッド711は、一端にネジ部が設けられ、他端がカム構造を有するハンドルとなる、既知のクイックリリースロッドの形態であってもよい。スナップリング71にはガスケット715が配置されており、ガスケットの数は支持枠のサイズによって決めてもよい。一例として4層のガスケットが示されている。
【0074】
もちろん、支持枠に対する位置調整が可能であれば、他の形式の継手221や結合部7も考えられる。例えば、継手と結合部はスナップ接続の形態であってもよい。この場合、結合部は、雄型バックルを備えた弾性バンドとして設計し、継手は雌型バックルの形態であってもよい。
【0075】
本発明に係る装置の用途の一例として、例えば、携帯電話やタブレットなどを保持するために用いられる。結合部を介して本装置を直進車やバイクのハンドルに取り付けた後、挟持された携帯電話やタブレットが使用者の視野に対して正しい位置になるよう、ハンドルに対して装置の挟持部が設けられた筐体の位置を調整することができる。これは、結合部に対して筐体を回転させるか、或いはハンドルに対して結合部を回転させることによって実現することができる。調整完了後、結合部をロックすることができる。
【0076】
なお、本発明に係る装置の上記の特徴又は特徴の組み合わせ、並びに図に言及された及び/又は図にのみ示された特徴及び特徴の組み合わせは、本発明の範囲から逸脱することなく、与えられた組み合わせで使用されるだけでなく、その他の組み合わせで使用されてもよい。或いは、単独で使用されてもよい。
【0077】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、上記の実施形態は単に説明するために例示したものであり、本発明の範囲を説明された実施形態に限定するものではないことを理解されたい。当業者であれば、本発明の教示に基づいてさらなる変形及び修正を行うことができ、これらの変形及び修正は全て本発明の保護範囲内に含まれることを理解するであろう。
【国際調査報告】