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▶ ウィトコス、 マチェイの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】薄型のベッドパン
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/02 20060101AFI20240410BHJP
   A61G 9/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
A61G7/02
A61G9/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023566896
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 US2022026733
(87)【国際公開番号】W WO2022232394
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/201,447
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/660,903
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】29/788,374
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】29/792,094
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523408466
【氏名又は名称】ウィトコス、 マチェイ
【氏名又は名称原語表記】WITKOS, Maciej
【住所又は居所原語表記】1876 McCauley Lane, Carlsbad, California 92008 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】ウィトコス、 マチェイ
【テーマコード(参考)】
4C040
4C341
【Fターム(参考)】
4C040AA11
4C040FF11
4C040FF14
4C341JJ03
4C341JK08
4C341JK11
(57)【要約】
チャンバと、チャンバへの開口部であって、周囲縁を有している開口部と、開口部を取り囲むエプロンを含む近位面であって、エプロンは近位面の周囲縁から開口部の周囲縁まで延びている近位面と、エプロンを取り囲む角度の付いた側壁とを含む上側部分と、近位面とは反対側の遠位面と、遠位面の遠位縁とを含む下側部分であって、チャンバはハウジング内に配置され、チャンバの側壁はチャンバの壁と側壁との間に空間が存在するように側壁の内側にあり、側壁は近位面の周囲縁から遠位面の遠位縁に向かって延びるにつれて外側に角度が付けられている下側部分と、ハウジングの第1の部分に形成された第1のハンドルと、を含むハウジングを有するベッドパン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングであって、
尿と糞便とを収容するチャンバであって、壁と底面とを有する前記チャンバと、
上側部分であって、
前記チャンバへの開口部であって、周囲縁を有する前記開口部と、
前記開口部を取り囲むエプロンを含む近位面であって、前記エプロンは前記近位面の周囲縁から前記開口部の周囲縁まで延びている、前記近位面と、
前記エプロンを取り囲む、角度が付けられた側壁と、
を含む前記上側部分と、
下側部分であって、
前記近位面とは反対側の遠位面と、
前記遠位面の遠位縁であって、前記チャンバは前記近位面と前記遠位面との間に位置し、前記チャンバの側壁は前記側壁に対して内側にあり、前記側壁は、前記近位面の前記周囲縁から前記遠位面の前記遠位縁に向かって延びるにつれて外側に角度が付けられている、前記遠位縁と、
を含む前記下側部分と、
前記ハウジングの第1の部分に形成された第1のハンドルと、
を含む前記ハウジング、
を有するベッドパン。
【請求項2】
前記第1のハンドルは前記ハウジングと一体に形成されている、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項3】
前記ハウジングの第2の部分に第2のハンドルをさらに有し、当該第2のハンドルは前記ハウジングと一体に形成されている、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項4】
前記第1のハンドルは第1の長手方向の軸を有する開口を含み、前記第2のハンドルは第2の長手方向の軸を有する開口を含み、前記第1及び第2の軸は、90°±30°である角度Aで互いに対して位置合わせされている、請求項3に記載のベッドパン。
【請求項5】
前記第1のハンドルは前記ハウジングの第1の側にあり、前記第2のハンドルは前記ハウジングの第2の側にあり、前記ハウジングの前記第1の側は前記ハウジングの前記第2の側に隣接している、請求項3に記載のベッドパン。
【請求項6】
前記エプロンは、前記近位面の前記周囲縁から前記開口部の前記周囲縁へ延びるにつれて、前記遠位面に向かって下方に傾斜している、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項7】
長手方向の軸に沿って測定された前記ベッドパンの高さが2インチから5インチの間である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項8】
前記側壁と前記近位面の前記周囲縁に位置合わせされた平面とによって定められる角度が、前記ハウジングの周囲で10°から60°の間である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項9】
前記側壁と前記近位面の前記周囲縁に位置合わせされた平面とによって定められる角度が、前記ハウジングの少なくとも半分において10°から60°の間である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項10】
前記開口部は形状が概ね矩形である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項11】
前記開口部は、略5インチから11.5インチの間の長さ寸法と、略4インチから10インチの間の幅寸法とを有する、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項12】
前記ハウジングは、前記上側部分の内面と前記下側部分の内面との間に少なくとも1つの支持部をさらに有する、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記チャンバの周囲に配置された複数の支持部をさらに有する、請求項12に記載のベッドパン。
【請求項14】
前記ハウジングの第2の部分に第2のハンドルをさらに有し、当該第2のハンドルは前記ハウジングと一体に形成されており、前記第1のハンドルは3インチから8インチの間の第1の長さ寸法を有し、前記第2のハンドルは3インチから8インチの間の第2の長さ寸法を有する、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項15】
前記ハウジングは長さ寸法と幅寸法とを有し、前記長さ寸法は14インチから24インチの間であり、前記幅寸法は14インチから23インチの間である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項16】
前記ハウジングの前記上側部分に配置されたセンサアセンブリをさらに有し、当該センサは、患者との直接接触により、前記患者の特性を検出し、かつ当該検出された特性に関する情報を無線通信するように構成されている、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項17】
前記チャンバ内に配置されたセンサアセンブリをさらに有し、当該センサは、前記チャンバ内の物質の特性を検出し、かつ当該検出された特性に関する情報を無線通信するように構成されている、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項18】
尿と糞便とを収容するチャンバであって、当該チャンバの周囲の壁と、底面と、上側の開口部とを有する前記チャンバを含むハウジングを有するベッドパンであって、
前記ハウジングは、
前記チャンバへの前記開口部を取り囲むエプロンを有する近位面を含む上側部分であって、前記エプロンは前記近位面の周囲縁から前記開口部の周囲縁まで延びている、前記上側部分と、
前記近位面とは反対側の遠位面を含む下側部分であって、前記チャンバは前記近位面と前記遠位面との間に配置されている、前記下側部分と、
前記エプロンを取り囲む側壁であって、当該側壁は、前記近位面の周囲縁から前記遠位面の遠位縁に向かって延びるにつれて、前記ハウジングの全ての面において外側に角度が付けられている、前記側壁と、
前記ハウジングと一体に形成された第1のハンドルと、
をさらに含んでいる、ベッドパン。
【請求項19】
前記ハウジングと一体に形成された第2のハンドルをさらに有する、請求項18に記載のベッドパン。
【請求項20】
前記上側部分と前記下側部分とはヒンジで連結されている、請求項18に記載のベッドパン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(全ての優先権主張出願の参照による援用)
【0002】
本出願は、2021年4月29日に出願された米国仮出願第63/201,447号の利益を主張する。本出願はまた、2022年4月27日に出願された米国出願第17/660,903号、2022年3月3日に出願された米国出願第29/792,094号及び2021年5月11日に出願された米国出願第29/788,374号の優先権を主張する。上記の各開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、革新的な構造のベッドパンに関する。より詳細には、本願は、患者の下における横方向の配置を容易にするために角度の付いた側面を有する構造の薄型のベッドパンについて記載する。
【発明の概要】
【0004】
薄型のベッドパンの特定の態様が独立請求項によって定義されている。従属請求項は、そのようなベッドパンのいくつかの実施形態のオプションの特徴に関する。従って、本明細書に記載されるシステム及び装置はそれぞれいくつかの態様を有し、その望ましい特性に単独で貢献するものはない。本開示の範囲を限定することなく、いくつかの非限定的な特徴を次に簡潔に説明する。
【0005】
本明細書に記載される主題の1つ又は複数の実施態様の詳細は、添付の図面及び以下の明細書において説明される。他の特徴、態様及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。この要約も以下の詳細な説明も、本発明に関する主題の範囲を定義又は限定することを意図するものではない。
【0006】
1つの技術革新は、内部チャンバと、内部チャンバへの開口部を備えた、患者の体重を支持する近位面を有する上側部分と、下側部分と、上側部分と下側部分とに接合された側壁とを有するハウジングを備えるベッドパンであって、側壁は上側部分と底側部分との間に延在し、側壁と下側部分との接合部又はその近傍に遠位縁が画定されており、遠位縁は下側部分の周囲を周方向に延びており、側壁が上側部分に接合する位置に近位縁が形成されており、近位縁は上側部分の周囲を周方向に延びている、上記ベッドパンを含む。遠位縁の周方向の広がりは、側壁が近位縁から遠位縁へ延びるにつれて外側に延び、角度の付いた又は傾斜した側壁を形成するように、遠位縁の周方向の広がりよりも大きい。第1のハンドルが側壁の第1の部分に形成され、第2のハンドルが側壁の第2の部分に形成される。
【0007】
開示されたベッドパンはいずれも、1つ又は複数の付加的な特徴を有することができる。いくつかの実施形態において、第1のハンドルがハウジングと一体に形成される。いくつかの実施態様において、第2のハンドルがハウジングと一体に形成される。いくつかの実施態様において、ハウジングの周囲は形状が実質的に矩形であり、第1のハンドルはハウジングの第1の側にあり、第2のハンドルはハウジングの第2の側にあり、ハウジングの第1の側はハウジングの第2の側に隣接している。いくつかの実施態様において、下側部分は遠位面を含み、上側部分は近位面を含む。いくつかの実施態様において、遠位面から近位面までの距離は、5.0インチ以下である。いくつかの実施態様において、遠位面から近位面までの距離は4.0インチ以下である。いくつかの実施態様において、遠位面から近位面までの距離は3.0インチ以下である。いくつかの実施態様において、遠位面から近位面までの距離は2.75インチ以下である。いくつかの実施態様において、遠位面から近位面までの距離は2.50インチ以下である。いくつかの実施態様において、遠位面から近位面までの距離は2.25インチ以下である。
【0008】
いくつかの実施態様において、遠位面から近位面までの距離は2.0インチ以下である。いくつかの実施態様において、第1のハンドルは第1の長手方向の軸を有する開口を含み、第2のハンドルは第2の長手方向の軸を有する開口を含み、第1及び第2の軸は90°±30°である角度で互いに対して位置合わせされる。いくつかの実施態様において、第1のハンドルは第1の長手方向の軸を有する開口を含み、第2のハンドルは第2の長手方向の軸を有する開口を含み、第1及び第2の軸は90°±20°の角度で互いに対して位置決めされる。いくつかの実施態様において、第1のハンドルは第1の長手方向の軸を有する開口を含み、第2のハンドルは第2の長手方向の軸を有する開口を含み、第1及び第2の軸は90°±10°の角度で互いに対して位置決めされる。いくつかの実施態様において、第1のハンドルは第1の軸に対して位置決めされ、第2のハンドルは第2の軸に対して位置決めされ、第1及び第2の軸は90°±5°である角度で位置決めされる。いくつかの実施態様において、上側部分(例えば、上側部分の周囲縁又は上側部分の表面)は、ハウジングの長手方向軸に対して垂直な第1の平面に対して位置合わせされ、下側部分(例えば、下側部分の周囲縁又は底面(ベッドパンの遠位面))は、長手方向軸に対して垂直な第2の平面に対して位置合わせされる。いくつかの実施態様において、側壁は、下側部分の遠位面に対して30°±10°である角度で下側部分から上側部分に向かって延びている。いくつかの実施態様において、側壁は、下側部分の遠位面に対して30°±20°の角度で下側部分から上側部分に向かって延びている。いくつかの実施態様において、側壁は、下側部分の遠位面に対して10°から90°の間の角度で下側部分から上側部分に向かって延びている。
【0009】
いくつかの実施態様では、開口部は形状が概ね矩形である。いくつかの実施態様では、開口部は、略5インチから11.5インチの間の長さ寸法と、略4インチから10インチの間の幅寸法とを有する。いくつかの実施態様において、ハウジングは、上側部分の内面と下側部分の内面とに結合されている少なくとも1つの支持部をさらに有する。いくつかの実施態様において、ハウジングは2つの支持部をさらに有し、各支持部は上側部分の内面と下側部分の内面とに結合されている。いくつかの実施態様において、ハウジングは3つの支持部をさらに有し、各支持部は上側部分の内面と下側部分の内面とに結合されている。いくつかの実施態様において、ハウジングは4つの支持部をさらに有し、各支持部は上側部分の内面と下側部分の内面とに結合されている。いくつかの実施態様において、ハウジングは4つより多い支持部をさらに有し、各支持部は上側部分の内面と下側部分の内面とに結合されている。
【0010】
いくつかの実施態様において、第1のハンドルは第1の長さ寸法を有し、第2のハンドルは第2の長さ寸法を有し、第1の長さ寸法と第2の長さ寸法とはほぼ同じである。いくつかの実施態様において、第1のハンドルは第1の長さ寸法を有し、第2のハンドルは第2の長さ寸法を有し、第1の長さ寸法と第2の長さ寸法とは異なる長さである。いくつかの実施態様において、第1のハンドルは第1の長さ寸法を有し、第2のハンドルは第2の長さ寸法を有し、第1の長さ寸法は第2の長さ寸法よりも長い。いくつかの実施態様において、第1のハンドルは3インチから8インチの間である第1の長さ寸法を有し、第2のハンドルは3インチから8インチの間である第2の長さ寸法を有する。いくつかの実施態様において、ハウジングは長さ寸法と幅寸法とを有し、長さ寸法は14インチから24インチの間であり、幅寸法は14インチから23インチの間である。いくつかの実施態様において、ハウジングは長さ寸法と幅寸法とを有し、長さ寸法は16インチから22インチの間であり、幅寸法は15インチから21インチの間である。
【0011】
他の技術革新は、高さが2.5インチ以下の高さのハウジングを有する薄型のベッドパンであって、ハウジングは、内部チャンバと、内部チャンバへの開口部を有する上側部分と、下側部分と、上側部分と下側部分とに接合された側壁とを有し、側壁は上側部分と下側部分との間に延在し、上側部分は開口部を取り囲むエプロンを有し、チャンバはエプロンの下に延在し、ハウジングはハウジングの上側部分の近位面の下方のハウジングの側面に形成された又は取り付けられた少なくとも1つのハンドルをさらに含んでいる、上記ベッドパンを含む。
【0012】
他の技術革新は、近位面を有する上側部分と、遠位面を有する下側部分と、上側部分及び下側部分の内部にあるチャンバとを有するハウジングを有する薄型のベッドパンであって、上側部分はチャンバへの開口部を有しており、ハウジングは上側部分の少なくとも一部を形成する側壁を含んでおり、側壁は遠位面と近位面とに結合され、かつ側壁の少なくとも一部はハウジングの少なくとも1つの側において、好ましくはハウジングの2つ以上の側において、ハウジングのくさび形の側面を形成するように角度を付けられており、近位面は開口部の周りにエプロンを有しており、チャンバはエプロンの下に延在している、上記ベッドパンを含む。いくつかの実施態様において、ベッドパンはハウジングの側面に少なくとも1つのハンドルを含み、ハンドルは、近位面の平面と遠位面の平面との間でハウジング上に位置決めされ、患者の下の物質に対して、又は患者に対してベッドパンを位置決めする動きをハンドルが妨げることなく、ベッドパンを患者の下に滑り込ませることを可能にする。
【0013】
他の技術革新は、尿と糞便とを収容するチャンバであって、壁と底面とを有するチャンバと、チャンバへの開口部であって、周囲縁を有している開口部と、開口部を取り囲むエプロンを含む近位面であって、エプロンは近位面の周囲縁から開口部の周囲縁まで延びている近位面と、エプロンを取り囲む角度の付いた側壁とを含む上側部分と、近位面とは反対側の遠位面と、遠位面の遠位縁とを含む下側部分であって、チャンバは近位面と遠位面との間に配置され、チャンバの側壁はチャンバの壁と側壁との間に空間が存在するように側壁の内側にあり、側壁は近位面の周囲縁から遠位面の遠位縁に向かって延びるにつれて外側に角度が付けられている下側部分と、ハウジングの第1の部分に形成された第1のハンドルと、を含むハウジングを有するベッドパンを含む。ベッドパンの様々な実施態様は、1つ又は複数の特徴又は他の特徴を含み得る。いくつかの実施態様において、第1のハンドルはハウジングと一体に形成されている。いくつかの実施態様において、ベッドパンはハウジングの第2の部分に第2のハンドルをさらに有し、第2のハンドルはハウジングと一体に形成されている。いくつかの実施態様において、第1のハンドルは第1の長手方向の軸を有する開口を含み、第2のハンドルは第2の長手方向の軸を有する開口を含み、第1及び第2の軸は90°±30°である角度Aで互いに対して位置合わせされている。いくつかの実施態様において、第1のハンドルはハウジングの第1の側にあり、第2のハンドルはハウジングの第2の側にあり、ハウジングの第1の側はハウジングの第2の側に隣接している。いくつかの実施態様において、エプロンは、近位面の周囲縁から開口部の周囲縁へ延びるにつれて、遠位面に向かって下方に傾斜している。いくつかの実施態様において、長手方向の軸に沿って測定されたベッドパンの高さが2インチから5インチの間である。いくつかの実施態様において、側壁と近位面の周囲縁に位置合わせされた平面とによって定められる角度が、ハウジングの周囲で10°から60°の間である。いくつかの実施態様において、側壁と近位面の周囲縁に位置合わせされた平面とによって定められる角度が、ハウジングの少なくとも半分において10°から60°の間である。いくつかの実施態様において、チャンバへの開口部は形状が概ね矩形である。いくつかの実施態様において、開口部は、約5インチから11.5インチの間の長さ寸法と略4インチから10インチの間の幅寸法とを有する。いくつかの実施態様において、ハウジングは、上側部分の内面と下側部分の内面との間に少なくとも1つの支持部をさらに有する。いくつかの実施態様において、ハウジングは、チャンバの周囲に配置された複数の支持部をさらに有する。いくつかの実施態様において、ベッドパンは、ハウジングの第2の部分に第2のハンドルをさらに有し、第2のハンドルはハウジングと一体に形成されており、第1のハンドルは3インチから8インチの間の第1の長さ寸法を有し、第2のハンドルは3インチから8インチの間の第2の長さ寸法を有する。いくつかの実施態様において、ハウジングは長さ寸法と幅寸法とを有し、長さ寸法は14インチから24インチの間であり、幅寸法は14インチから23インチとの間である。いくつかの実施態様において、ベッドパンは、ハウジングの上側部分に配置されたセンサアセンブリをさらに有し、センサは、患者との直接接触により、患者の特性を検出し、かつ検出された特性に関する情報を無線通信するように構成されている。いくつかの実施態様では、ベッドパンは、チャンバ内に配置されたセンサアセンブリをさらに有し、センサは、チャンバ内の物質の特性を検出し、かつ検出された特性に関する情報を無線通信するように構成されている。
【0014】
他の技術革新は、尿と糞便とを収容するチャンバであって、チャンバの周囲の壁と、底面と、上側の開口部とを有するチャンバを含むハウジングを有するベッドパンであって、ハウジングは、チャンバへの開口部を取り囲むエプロンを有する近位面を含む上側部分であって、エプロンは近位面の周囲縁から開口部の周囲縁まで延びている上側部分と、近位面とは反対側の遠位面を含む下側部分であって、チャンバは近位面と遠位面との間に配置されている下側部分と、エプロンを取り囲む側壁であって、側壁は、近位面の周囲縁から遠位面の遠位縁に向かって延びるにつれて、ハウジングの全ての面において外側に角度が付けられている側壁と、ハウジングと一体に形成された第1のハンドルと、をさらに含んでいる、上記ベッドパンを含む。いくつかの実施態様において、ベッドパンは、ハウジングと一体に形成された第2のハンドルをさらに有する。いくつかの実施態様において、上側部分と下側部分とはヒンジで連結されている。
【0015】
ベッドパンは、種々の態様又は特徴を有する多くの異なる実施形態を含むことができ、そのうちのいくつかを本明細書において説明する。しかしながら、本技術革新は、本明細書で説明される種々の実施形態又は種々の特徴に限定されない。また、本明細書で開示される特徴は、違うように明示的に示されるか、又は特徴の文脈によって明示的に示されない限り、特定の実施形態に含まれるものとして明示的に記載されているか否かにかかわらず、ベッドパンの様々な実施形態に含まれ得る。
【0016】
必ずしも縮尺通りに描かれていない図面において、同様の数字は、異なる図において同様の構成要素を表す場合がある。異なる文字の添え字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なるインスタンスを表す場合がある。図面は、本明細書で説明される様々な実施形態を、限定ではなく例として一般的に示している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】いくつかの実施形態の様々な構造的かつ機能的な特徴を示すベッドパンの第1の例を示す上面斜視図である。
図1B】いくつかの実施形態の様々な構造的かつ機能的な特徴を示すベッドパンの第1の例を示す上面斜視図である。
図2】いくつかの実施形態の様々な構造的かつ機能的な特徴を示す、ベッドパンの第1の例を示す下面斜視図である。
図3】いくつかの実施形態の様々な構造的かつ機能的な特徴を示す、ベッドパンの第1の例を示す底面図である。
図4】いくつかの実施形態の様々な構造的かつ機能的な特徴を示し、かつ1つの特定の実施形態の寸法(インチ)を示す、ベッドパンの第1の例を示す平面図である。
図5図4に示すA-A線に沿ったベッドパンの第1の例を示す側断面図である。図5において、ベッドパンの内部チャンバは、ベッドのハウジングよりも濃い色で示されている。
図6A】いくつかの実施形態による、ベッドパンの第1の例を示し、かつベッドパンの寸法の縦横比の例を示す側面図である。
図6B】いくつかの実施形態による、ベッドパンの第1の例を示し、かつベッドパンの寸法の縦横比の例を示す側面図である。
図6C】いくつかの実施形態による、ベッドパンの第1の例を示し、かつベッドパンの寸法の縦横比の例を示す側面図である。
図7】いくつかの実施形態による、ベッドパンの第1の例を示し、かつベッドパンの寸法の縦横比の例を示す他の側面図である。
図8A】いくつかの実施形態による、近位面の開口部を取り囲むベッドパンのハウジングの近位面の縁(例えば、面取り部)の部分Cを示す、図6のB-B線に沿ったベッドパンの第1の例を示す他の側面図である。
図8B】いくつかの実施形態による、近位面の開口部を取り囲むハウジングの近位面の縁の例を示す、部分Cの詳細図である。
図9】ハウジングの特定の寸法を示す、ベッドパンの第1の例を示す底面図である。
図10】ハウジングのチャンバ内に配置された支持部であって、各々の支持部が上側の内面と下側の内面とに結合されている支持部の一例を示すベッドパンの一例の上面斜視図である。
図11】いくつかの実施形態による、ベッドパンのチャンバ内に配置された支持部156の配置構成を示す破断底面図である。
図12】ベッドパン(左側)のA-A線に沿った断面図と、同じベッドパンのA-A線を示す平面図である。
図13】いくつかの実施形態による、ハウジングに形成されたハンドルを含まないベッドパンの第2の例を示す平面図である。
図14図13に示したベッドパンの第2の例の第1の側の側面図である。
図15図13に示したベッドパンの第2の例の第2の側の側面図である。
図16】いくつかの実施形態による、図13に示したベッドパンの第2の例を示す底面図である。
図17A】ベッドパンの上側部分の例示的な実施形態を示す斜視図である。
図17B図17Aに示した上面部分の実施形態の平面図である。
図17C図17Aに示した上側部分の実施形態の底面図である。
図17D図17Aに示した上側部分の実施形態の左側面図である。
図17E図17Aに示した上側部分の実施形態の右側面図である。
図17F図17Aに示した上側部分の実施形態の背面図である。
図17G図17Aに示した上側部分の実施形態の正面図である。
図18A】ベッドパンの下側部分の例示的な実施形態を示す斜視図である。
図18B図18Aに示した下面部分の実施形態の平面図である。
図18C図18Aに示した下面部分の実施形態の底面図である。
図18D図18Aに示した下面部分の実施形態の左側面図である。
図18E図18Aに示した下面部分の実施形態の右側面図である。
図18F図18Aに示した下面部分の実施形態の背面図である。
図18G図18Aに示した下面部分の実施形態の正面図である。
図19A】連結され、かつ開いた状態のベッドパンの上側部分及び下側部分の例示的な実施形態を示す斜視図である。
図19B】連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の平面図である。
図19C】連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の底面図である。
図19D】連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の左側面図である。
図19E】連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の右側面図である。
図19F】連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の背面図である。
図19G】連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の正面図である。
図20A】閉じた状態のベッドパンの上側部分及び下側部分の例示的な実施形態を示す斜視図である。
図20B】閉じた状態のベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の平面図である。
図20C】閉じた状態のベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の底面図である。
図20D】閉じた状態のベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の左側面図である。
図20E】閉じた状態のベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の右側面図である。
図20F】閉じた状態のベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の背面図である。
図20G】閉じた状態のベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の正面図である。
図21】ベッドパンからスマートフォン、コンピュータ、及び/又はネットワークを介してサーバ及び/又は医師にセンサ情報を伝達するシステムの一実施形態を示す図である。
図22】情報を検出して、スマートフォン、コンピュータ、及び/又はネットワークを介してサーバ及び/又は医師に伝達するセンサシステムの一実施形態を示す図である。
図23】ベッドパンの上側部分とベッドパンの下側部分とを結合して上側部分と下側部分とを一緒に保持するヒンジの一実施形態を有するベッドパンの一部分の例を示し、ヒンジは、閉じた形態、すなわち組み立てられた形態のベッドパンと共に示されている。
図24】延伸構造を含む図23に示したヒンジ機構(「ヒンジ」)の第1の部分の例を示す図であり、ヒンジの第1の部分は、ベッドパンのハウジングに形成されたハンドルに隣接するベッドパンの上側部分に属している。
図25】スロットを含む図23に示したヒンジの第2の部分の例を示す図であり、ヒンジの第2の部分は、ベッドパンのハウジングに形成されたハンドルに隣接するベッドパンの下側部分に属している。
図26図23に示したヒンジの一実施形態の斜視図であり、ヒンジのスロットを示している。
図27図23図26に示したヒンジを開いた形態で示す断面図である。
図28図23図26に示したヒンジを開いた形態で示す断面図である。
図29図23図28に示したヒンジを閉じた形態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概要
本願は、いくつかの臨床的問題に対処する構造的特徴を含むベッドパンの技術革新に関する。全般的に、これにより、患者にとっては安全性と快適性をより高め、スタッフにとってはバイオハザード暴露のリスクを減少させた状態で使用することをより容易にし、医療制度の満足度を増大させることが可能になる。排尿と排便は人間の健康に不可欠であり、全ての人がこれらの機能を実行できる必要がある。ベッドパンは、排尿や排便の際に患者を助ける最も古い医療器具の一つであり、何十年もの間、病院やその他の医療施設・患者ケア施設で使用されてきた。ベッドパンには一般的に、人が尿や便を排泄するためのリザーバ(又はチャンバ)が含まれている。通常、ベッドパンを必要とする人(患者)は、動けないか、ほとんど動けない状態で、完全に動く能力がないか、動くと痛みが生じるような怪我をしている。ベッドパンは通常、看護師、看護助手、技術者、救急救命士、医師等の医療従事者によって患者の下に設置される。時には、ベッドパンは使用するために患者によって設置されることもある。ベッドパンを設置するには、患者を様々な姿勢に動かすか、患者に自分で動いて補助してもらう必要がある。平均的な健康な人は、1日に約1回排便がある。しかし、患者の排便回数は1日に最大3回(又はそれより多い)、又は3日に1回と低頻度の場合もある。健康な人の排尿時間は平均21秒、平均220mlであり、排便時間は平均10分で、1回の排便量は平均200~400グラムである。そのため、場合によっては、患者はベッドパンを頻繁にかつ長時間使用するために設置する必要がある。
【0019】
患者は、当然のことながら健康ではないので、正常な時間や頻度の範囲外で排尿/排便することがある。これは、患者の疾患/傷害によって、又は医療/投薬の副作用として引き起こされる可能性がある。例えば、良性前立腺肥大症(BPH)の患者は、膀胱を完全に空にするまでにかなり長い時間を必要としたり、クロストリジウム・ディフィシル菌に感染している患者は、3分おきに大量の排便をすることがある。そのため、患者は時には長時間(10分を超えて)ベッドパンの上にいることもある。
【0020】
ベッドパンは、糞便や尿を収容するのに十分な大きさの空間容積を必要とする。そのため、糞便や尿が患者の皮膚表面(皮膚)を汚染して傷害を引き起こさないためには、ベッドパンは最低限一定の高さが必要である。さらに、ベッドパンは患者の体重に耐えられるものでなければならない。患者の平均体重は過去40年間で劇的に増加した。今日の男性の平均体重は199.8ポンド(90.6kg)であり、女性の平均体重は170.8ポンド(77.5kg)である。患者の体重が増えるほど、より構造的にしっかりしたベッドパンが必要となる。患者の体重が増加するにつれて、圧力を軽減するためにベッドパンの上側の接触面積を大きくすることが望まれるが、一般的なベッドパンでは面積が不足しており、中には上側の接触面積がほとんど無いものさえある。
【0021】
さらに、クロストリジウム・ディフィシル菌やノーウォークウイルス等の感染性が高いことから、ベッドパンは、今日では使い捨てが主流であり、さもなければベッドパン・ライナーを備えるオプションを有する。生分解性の使い捨てベッドパンを使おうという声が高まっているが、現状ではそれらは構造的に大きな重量に対応できない。意外なことに、ほとんどのベッドパンは、ベッドパンを動かしたときに、その中に堆積した糞便や液体を十分に収容できるように構成されていない。例えば、多くのベッドパンは、ほぼ90度の角度を有する少なくとも1つの外壁を有し、時には、全ての側面の外壁がほぼ90度の角度を有しているため、ベッドパンを患者の下から取り除く等して動かしたときに飛び散りを生じさせる。このような不十分な設計のため、大抵は患者の胴回り/体重に起因してベッドパンが動かなくなったときにベッドパンを患者の下から引き抜くと、こぼれることがよく起こる。
【0022】
今日では、多くのベッドパンが使用されている。例えば、設置が容易であるために使用されているベッドパンの中には、接触表面積が非常に小さいものがある。従って、これらは患者にとって不快であり、長期の設置による皮膚損傷の可能性が高くなる。さらに、ベッドパンは患者の下側/下部からしか置けず、患者の脚は少なくともいくらか外旋していなければならない。表面積の大きいベッドパンはかさばり、設置が難しい。ベッドパンを正しく設置できるように、患者を十分に動かして角度を変える必要があるため、患者の下に設置するのは非常に難しい。これはまた、腰椎/胸椎や股関節/大腿骨骨折のある患者にとっては、非常に苦痛となる。患者及び/又は医療提供者の全てのニーズに対応できる構造のベッドパンは無い。例えば、(患者の横から)横方向に設置しやすいように設計されたベッドパンは無い。患者の下部又は横から容易に設置できるように設計されたベッドパンは無い。超薄型で、かつ設置が容易であると共に医療提供者や患者が必要とする労力を軽減する多面スロープを備えるように構成されたベッドパンは無い。四方から傾斜した又は覆われた壁によって飛び散りを低減するように設計されたベッドパンは無い。本明細書で開示するベッドパンは、これらの欠点に対処し、かつさらなる利点を有するように構成されている。例えば、ベッドパンは、便座に類似した構造であり、特に長時間使用されるときの患者の快適性を考慮して設計されている。また、開示された実施形態は、ベッドパンのハウジングの開口部よりも大きな容積を有する飛び散りの無いチャンバを提供し、これにより、チャンバ容積を増加させつつ飛び散りを低減させる。
【0023】
薄型のベッドパンの実施形態は、これらの臨床的問題のうちの少なくともいくつかを解決する。全般的に、これにより、患者にとっては安全性と快適性をより高め、スタッフにとってはバイオハザード暴露のリスクを減少させた状態で使用することをより容易にし、医療制度の満足度を増大させることが可能になる。
【0024】
本明細書において開示された薄型のベッドパンの実施形態は、患者の下へ横方向に設置することができ、このような設置を必要とする患者におけるベッドパン設置の問題を解決し、このために特別に設計された唯一のベッドパンである。ベッドパンの傾斜した側面は、ベッドパンを患者とベッドとの間で押すのに必要な力を減少させる。患者はより重く、正しい設置に必要な肉体労働を増加させる。様々な実施形態において、ベッドパンの下側がベッドシーツに引っかかるのを防ぐために、底面のわずかに上向いた傾斜(又は底面のオフセット)がある。実施形態は、調節された横方向又は下側/下部の設置を可能にする、ベッドパンのハウジングに組み込まれた2つの人間工学的なハンドルを含んでもよい。ハンドルの他の構成も可能である。いくつかの実施形態において、ベッドパンは、製造コストをより低くすることができる1つのハンドルのみを含む。いくつかの実施形態において、ベッドパンは3つ以上のハンドル(例えば、3つのハンドル)を含む。いくつかの実施形態において、ベッドパンは各々の側面にハンドルを有する。一例では、ベッドパンは矩形形状を有し、その4つの側面のそれぞれに一体化されたハンドルを含む。他の例では、ベッドパンは3つの側面を有する三角形の形状を有し、その1つ又は複数(例えば、1つ、2つ又は3つ)の側面に一体化されたハンドルを含む。ベッドパンの実施形態は、患者の快適性を維持するために、便座に類似するように設計されている。ベッドパンを使用するという観念は十分に不快であるため、これにより患者の排尿及び排便を改善できるはずである。ベッドパンは、患者の皮膚に対するベッドパンの表面積が最大になるように設計されている。大きな表面積は、仙骨、臀部の領域への圧力を減少させ、医原性圧迫損傷の可能性を減少させる。さらに、ベッドパンの実施形態は、患者と製品との間の鋭い角度の接触を減らすように設計されている。これらの設計上の特徴は、医原性損傷の可能性を減少させる。様々な実施形態において、ベッドパンは、ベッドパンの上面とベッドパンの下面との間のベッドパンの内部チャンバ内又はチャンバの外側周辺に配置された1つ又は複数の内部柱又は支持部(「支持部」)を含むことができる。支持部は、ベッドパンの上側部分及び/又は下側部分に結合することができる。支持部は、ベッドパンが変形したり破損したりすることなく上側部分の上でより大きな重量を支えることを可能にする。
【0025】
特定の構成要素のリスト
以下は、上記の図を参照して本開示において説明され、かつ列挙される特定の構成要素のリストである。しかしながら、図に図示されたデバイスの任意の態様は、本明細書において個別に称されているか否かにかかわらず、本発明の様々な実施形態の一部を成すことができ、追加の説明の有無にかかわらず、そのような態様に関連するクレーム限定事項の根拠を構成することができる。列挙された構成要素は以下を含む。
100 ベッドパン
102 ハウジング
103 長手方向の軸
104 近位面
105 上側部分の遠位面
106 遠位面
107 遠位面の周囲縁
108 開口部
109 遠位面の周囲縁と位置合わせされた平面
110 近位面縁/近位面の周囲縁
111 近位面の周囲縁と位置合わせされた平面
112 遠位端
113 下側部分の周囲縁
114 上側部分
115 チャンバ内に設置されたセンサ
116 下側部分
117 (ハウジングの側面に設置された)センサ
118 開口部の周囲の周囲縁
119 (例えば、ハウジングの上面又はエプロンに設置された)センサ
120 開口部の周囲の周囲縁である面取り部
121 下側部分と上側部分とを連結する面取り部
122 側壁と近位面と連結する面取り部
123 縁
124 側壁
124a 第1の側壁
124b 第2の側壁
124c 第3の側壁
124d 第4の側壁
126 第1のハンドル
128 第2のハンドル
130 エプロン
132 開口/第1のハンドルの凹部
134 開口/第2のハンドルの凹部
136 第1のハンドルの開口であるハウジング壁
138 第2のハンドルの開口であるハウジング壁
140 コーナー
142 エプロンの内縁
144 エプロンの外縁
146 第1のハンドルの取っ手部材
148 第2のハンドルの取っ手部材
149 チャンバ壁
150 遠位面縁と遠位縁との間に延在する下側部分の壁
152 遠位縁と近位縁との間に延在する上端部分の壁
153 チャンバ壁の外面
154 チャンバ(ハウジングの内部チャンバ)
155 ハウジングの下側部分の内側の近位面
156 (ハウジングの上側部分の近位面/エプロンを支持する)支持部の第1の部分
157 (ハウジングの上側部分の側壁を支持する)支持部の第2の部分
158 チャンバ壁の内面
159 チャンバ壁の上面(周方向)
160 下側部分の内側支持部
161 チャンバ底面
164 上側部分の下側
165 ヒンジ機構
166 左側
167 ヒンジの延伸構造
168 右側
169 ヒンジのスロット
170 上側/後側
172 下側/前側
173 ロック機構
174 (使用時に患者の一部を向く)近位側
176 (使用時に患者から見て外方に向く)遠位側
180 第1のハンドルの長手方向の軸
182 第2のハンドルの長手方向の軸
200 ベッドパン
300 センサシステム
302 (スマートフォン等の)モバイル機器
304 コンピュータ
306 ネットワーク
308 サーバ
310 医師のコンピュータ機器又は医療施設
311~317 通信リンク
400 センサシステム
402 通信バス
404 プロセッサ
406 メモリ
410 検出要素
412 ディスプレイ
414 入力デバイス
418 通信インターフェース
420 バッテリ
【0026】
例示的な実施形態
図1A図12は、ベッドパンの全ての側面に角度の付いた側面を有し、かつハウジングに形成された(例えば、ハウジングに一体に形成された)1つ又は複数のハンドルを有するベッドパンの第1の例に含まれ得る特定の特徴を図示し、図示された例は2つのハンドルを有している。第1の例ではハンドルがハウジングに形成されていることが示されているが、いくつかの実施形態においては、ベッドパンがハウジングに取り付けられた1つ又は複数のハンドルを有することも企図されている。例えば、ハウジングに形成されたハンドルの位置と同様の位置においてハウジングに取り付けられ、又は他の位置でハウジングに取り付けられる。上述した問題の1つ又は複数に対処する特徴を有する他の実施形態も考えられ、例えば、ハウジングに形成されたハンドルを有さない第2の例において図13図16に図示され、また、他の例を図示する図17A~20Gに図示されている。ベッドパンの実施形態は、例えば、成形プロセスにおいて一体化されたユニットとして作製することができる。他の実施形態において、ベッドパンは、好ましくは、ベッドパンの内部に密閉されたチャンバを形成するプロセスを使用して、近位面104(すなわち、ベッドパンが使用可能な向きにあるときのベッドパンの上面)にあるチャンバへの唯一の開口部を備えるように一緒に取り付けられる2つ以上の部品として作製することができる。図17A図20Gには、2つの部品(上側部分及び下側部分)として作製可能なベッドパンのいくつかの例が示されている。いくつかの実施形態において、上側部分と下側部分とは、2枚貝のように組み立てる連結された部品として形成することができ、その例は、図19A図19Gに図示されている。参照を容易にするために、「上側」又は「近位」は、ベッドパンとして通常使用される位置(一般に上向き)に向けられたときのベッドパンの上側部分又は上面を指し、「下側」又は「遠位」は、(一般に下向きの)ベッドパンの反対側(下側又は底部)を指す。ベッドパンの様々な実施形態は、使用時に構造又は表面が患者の一部に向いていることを示す近位側174を含む。すなわち、使用時には一般に「上」を向いている。ベッドパンの様々な実施形態はまた、使用時に構造又は表面が患者の一部から見て外方に向いていることを示す遠位側176を含む。すなわち、使用時には一般に「下」を向いている。
【0027】
図1A及び図1Bを再び参照すると、ベッドパン100は、遠位縁112で接合された上側部分114及び下側部分116を有するハウジング102を含む。本明細書で説明される様々な実施形態において、上側部分114は、一般に、ベッドパンが使用されているときに、患者に最も近い位置に配置され、かつ/又は、患者と接触するベッドパンの一部分を指し、ベッドパンの下側部分116は、ベッドパンが使用されているときに、患者から離れる方向を向き、かつ/又は、ベッド又はベッドパンを支持する別の面と接触するベッドパンの一部分を指す。ハウジング102は、(例えば、近位面104から遠位面104まで)の高さが低い、薄型のハウジングである。いくつかの例において、高さは2インチである。いくつかの例において、高さは2インチ±3/4インチである。様々な実施形態において、高さは3/4インチから約5インチであってもよいが、2インチから3インチの範囲のより低い高さが通常は好ましい。使用されるベッドパンの高さは、患者の下に置きやすくするためにベッドパンが使用される患者と、ベッドパンが保持する必要のある物質の量にある程度依存し得る。
【0028】
下側部分116は、遠位面106と、遠位面106から遠位縁112まで延びる壁150とを含み得る。遠位縁112は、ベッドパン上の鋭利なエッジを無くすことを可能にする面取り部123を遠位縁112の少なくとも一部に有していてもよい。面取り部123は、壁152の遠位部分と壁150の近位部分とを含み得る。上側部分114は、遠位縁112から近位面104まで延在する壁152を含む。近位縁110は、壁152の少なくとも近位部分と近位面104の一部分とに面取り部122を有してもよく、これにより、ベッドパン100上の鋭利なエッジ無くすことができる。壁152は遠位縁112から近位縁110に向かって内側に角度が付けられており、壁152の傾斜は、使用可能な位置で患者の下にベッドパンを位置決めすることを容易にする。図示した実施形態では、壁152は、ベッドパンの全ての側面で内側に角度が付けられており、これにより、ベッドパン102を任意の向き(すなわち、方向)で患者の下に設置することができる。いくつかの実施形態において、ベッドパン102は、ベッドパンの全側面よりも少ない側面で内側に角度が付けられた壁152を有するように構成することができるが、これはベッドパンを患者の下に置くことができる方向をいくらか制限し得る。
【0029】
ハウジング102は、近位面104を通り、ハウジング120の内部のチャンバ154(図5)への通路を形成する開口部108を含み得る。この例における開口部108は、長さLと幅Wとを有する概ね矩形である。いくつかの実施形態において、開口部108は8.5インチ±2インチの長さを有する。いくつかの実施形態において、開口部108は7.13インチ±2インチの幅を有する。他の実施形態において、開口部は異なる形状(例えば、正方形、円形、楕円形等)であってもよい。周囲縁118が開口部108を取り囲んでいる。ハウジング102は、開口部108の周囲の鋭利なエッジを無くすために、周囲縁118と近位面104との間に面取り部を含み得る。エプロン130が、開口部108を取り囲み、開口部108と近位縁110との間にある。エプロン130は概ね平面であり、患者が体重を預けるための接触面を形成している。エプロン130は、開口部108の周囲の内縁142と、壁152の上部に結合された外縁144とを含む。エプロン130の幅(開口部108と壁152との間)は、例えば、1/2インチから4インチの間とすることができ、好ましくは1インチから3インチの間である。チャンバ154は、エプロン130がチャンバ154内の液体及び固形物に対する飛び散り保護をもたらすように、エプロン130の少なくとも一部の下に延びている。
【0030】
図示したハウジング102は矩形形状であり、第1の側面124aと、第2の側面124bと、第1の側面124aとは反対側の第3の側面124cと、第2の側面124bとは反対側の第4の側面124dとの4つの側方側面を有している。他の実施形態において、ハウジングは他の形状を有してもよい。例えば、ハウジング102は、3つの側面、4つの側面、又は5つの側面を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング102は、6つ以上の側面を有してもよい。図示した実施形態では、ハウジングは、側面124a~dの間にそれぞれ配置された4つの角部140a~dを有する。
【0031】
ハウジング102はまた、少なくとも1つのハンドルを含んでいる。図示した例では、ハウジング102は、第1の側面124aに第1のハンドル126を含んでいる。第1のハンドル126は、ハウジング102における開口、すなわち凹部132を含む。この例では、開口132はハウジング102を貫通して延びている。第1のハンドル126はまた、開口132に面する壁136を含み、かつ、患者の下のベッドパンを引く又は押す、あるいは患者の下からベッドパンを取り除くために使用者が指で引っ掛けるように構成された取っ手部材146を含んでいる。ハウジング102はまた、第1の側面124aに隣接する第2の側面124bに第2のハンドル128を含んでいる。第2のハンドル128は、開口部132に面する壁138を含んでいる。第2のハンドル128はまた、患者の下のベッドパンを引く又は押す、あるいは患者の下からベッドパンを取り除くために使用者が指で引っ掛けるように構成された取っ手部材148を含んでいる。
【0032】
開示されたベッドパンの他の利点は、使用時に、ベッドパンに組み込まれたセンサによって情報を収集することが可能である時間の間、外面が患者に接触していることである。いくつかの実施形態において、ベッドパンは、患者に関する情報及び/又は患者からの糞便の体液に関する情報を提供するためにベッドパン上に配置される1つ又は複数のセンサを含むことができる。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のセンサは、ベッドパンの構造に結合されるか、又はベッドパンの構造に組み込まれ得る。センサ情報をベッドパンからスマートフォン、コンピュータ及び/又はネットワークを介してサーバ及び/又は医師に通信するシステムの実施形態の一例を図21に示し、以下に説明する。情報を検出して、スマートフォン、コンピュータ及び/又はネットワークを介してサーバ及び/又は医師に伝達するセンサシステムの実施形態の一例を図22に示し、以下に説明する。
【0033】
薄型のベッドパン100のユニークな構造のため、ベッドパン100の使用時には近位面104のかなりの部分が患者の皮膚と直接接触し得る。1つ又は複数のセンサ又はセンサアセンブリ(本明細書では参照を容易にするために両方とも「センサ」と称する)が、ベッドパン100の上側部分114に、例えば側壁124又はエプロン130上で配置されることができ、かつ、使用時に患者の皮膚に接触し、患者の1つ又は複数のバイタルサインに関する情報を提供することができる。図1Bは、ベッドパン100の近位面104上のそのようなセンサ119の配置に関するいくつかの例示的な位置、例えば、開口部108の周りのエプロン130の1つ又は複数の部分を示している。図1Bはまた、ベッドパン100の近位面104上のセンサ117の一例を示しており、この例ではハウジング102の側壁124の角度の付いた壁152上に配置されている。様々な実施形態において、このようなセンサは、本明細書において図1A図22に開示されるベッドパンの実施形態のいずれにも含まれ得る。いくつかの実施形態において、センサ117,119は、例えば、これらに限定されないが、酸素灌流、温度、心拍数及び/又は呼吸数を含む患者のバイタルサインに関する情報を提供することができる。これらのバイタルサインをモニターするためのこのようなセンサは容易に入手可能であるが、少なくとも部分的には従来のベッドパンの不都合な構造のため、従来はベッドパンに組み込まれていなかった。いくつかの実施形態において、センサは検出した患者情報を、例えば、ブルートゥース(商標)又は他の適切な無線通信プロトコルである無線通信プロトコルを介してコンピュータ又はスマートフォンを含むモバイルデバイスに提供することができる。いくつかの実施形態において、適用されるHIPPA要件を満たすために通信を暗号化することができる。
【0034】
通常の使用中、ベッドパンとの皮膚接触が数分間(又はそれ以上)に及ぶ可能性があると仮定すると、皮膚接触センサは患者の皮膚の皮膚統合性に関する情報を提供することもできる。これは、灌流センサを汗の分析及び皮膚の写真写りからの深さ計測と組み合わせて利用することで可能である。この情報は、創傷管理のため、及び/又は最適な治療法(例えば、皮膚統合性が最低限であり、かつ、こうした治療法が重篤な副作用を引き起こす可能性がある患者に対するステロイドや抗凝固剤の使用)に関する臨床判断の基礎とするために使用することができる。汗の分析は、カリウム、ナトリウム、塩化化合物等の一部の電解質の測定値を評価するために利用することもできる。また、患者の体内pHを測定するために、アシドーシスを分析することもできる。また、汗の濃度及び電解質の濃度は、特に老年性認知症の患者にとって重要な、患者が脱水状態にあるかどうかを測定するために利用することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のセンサ115が、チャンバ154(図1Bに図示)に含まれ、かつ尿及び/又は糞便に接触してそれらに関する情報を検出するように配置され得る。いくつかの実施形態において、センサ115は、(例えば、図1A図1B及び図17Aに図示されているように)チャンバ154の底面に配置される。いくつかの実施形態において、センサ115は、(例えば、図18Aに示されているように)チャンバ154の内壁に配置される。当業者であれば、本明細書に開示された実施形態のいずれか及び他の実施形態が、センサ115,117及び119のうちの1つ又は複数を組み込むことができることを理解するであろう(注:センサは全ての図に示されていないが、いずれの実施形態もそのようなセンサを含むことができる)。一例において、センサ115は、ベッドパン100内の液体の量を検出することができる。他の例において、センサ115は、チャンバ154内の糞便の量を検出することができる。チャンバ154の底面161は、尿及び糞便と直接接触し、排泄物の異常を特定することに用いられる1つ又は複数のセンサを受け入れることができる。尿の分析は、チャンバ154に組み込まれたセンサ115を介して自動的に行われ得る。いくつかの実施形態において、センサ115は、例えば、物質(例えば、リトマス紙)の色の変化を通じて、又はpHプローブ/センサの使用を通じて、pHを検出する。いくつかの実施形態において、チャンバ154内に配置されたセンサ115は、比重を測定し、ケトン/グルコース又は亜硝酸塩/細菌等の存在を特定するように構成されている。いくつかの実施形態において、チャンバ154内に配置されたセンサ115は、硬い糞便の密度を特定する情報を収集するために、糞便の特性を検出するように構成されている。いくつかの実施形態において、チャンバ154内に配置されたセンサ115は、チャンバ154内の糞便の重量測定、患者が便秘であるかどうかを識別するためのチャンバ154内の糞便のサイズ(小さな塊か大きな塊)を特定する情報を収集するために、糞便の特性を検出するように構成されている。いくつかの実施形態において、チャンバ154内に配置されたセンサ115は、血液及び他の代謝副産物(例えば、ビリルビン)の存在を検出することができる。いくつかの実施形態において、チャンバ154内に配置されたセンサ115は、チャンバ154内の尿又は糞便中の寄生生物に関する情報を検出するように構成されている。いくつかの実施形態において、チャンバ154内に配置されたセンサ115は、例えば、COVID19、クロストリジウム・ディフィシル菌、赤痢菌、サルモネラ菌、ヘリコバクター・ピロリ菌等の感染症に関する情報を検出するように構成されている。
【0036】
図2は、いくつかの実施形態の様々な構造的かつ機能的な特徴を示す、ベッドパンの第1の例を示す下面斜視図である。遠位面106は、遠位縁107を含んでいる。壁150は、遠位面107の遠位縁107からハウジング102の遠位縁112まで延びており、これはハウジング102の最大の周方向範囲である。
【0037】
図3は、いくつかの実施形態の様々な構造的かつ機能的な特徴を示す、ベッドパンの第1の例を示す底面図である。
【0038】
図4は、いくつかの実施形態の様々な構造的かつ機能的な特徴を示し、かつ1つの特定の実施形態の寸法(インチ)を示す、ベッドパンの第1の例を示す平面図である。例えば、いくつかの例において、ベッドパン200の長さは18.41インチであり、幅は17.82インチである。いくつかの実施形態において、ベッドパンは、12インチから23インチの間の長さと、12インチから23インチの間の幅とを有してもよい。ハンドル126,128の開口132は、いくつかの実施形態において、約6インチの長さと約1.25インチの幅とを有してもよい。他の実施形態においては、開口は、長さが3.5インチから12インチの間の長さであり得る。いくつかの実施形態において、ハンドルは、ベッドパン102の側面のほぼ全て又は全てに沿って延びている。
【0039】
図5は、図4に示すA-A線に沿ったベッドパンの第1の例を示す側断面図である。図5において、ベッドパンの内部チャンバ154は、ベッドパン100のハウジング102よりも濃い色で示されている。チャンバ154は、チャンバ154の容積を最大化するために、ハウジングのほぼ全体にわたって延びてもよい。エプロン130が開口部108を取り囲んでいる。いくつかの実施形態において、エプロン130は開口部108の周囲に異なる幅を有してもよい。例えば、エプロン内縁142とエプロン外縁144との間のエプロン130の距離は変化してもよく、個別のベッドパンの用途に応じて変化し得る。チャンバ154は、ベッドパンを動かしたときにこぼれるのをエプロン130が防ぐのに役立つように、エプロン130の下に延びている。
【0040】
図6A図6B及び図6Cは、いくつかの実施形態による、ベッドパンの第1の例を示し、かつベッドパンの寸法の縦横比の例を示す側面図である。
【0041】
図7は、いくつかの実施形態による、ベッドパンの第1の例を示し、かつベッドパンの寸法の縦横比の例を示す他の側面図である。ベッドパンの側面は低く、この例ではベッドパンの高さは約2インチである。高さが低くなると内部チャンバの容積が減少するので、比較的多くの排尿や排便をしない患者に使用するのでない限り、高さが低すぎてはならない。このことを念頭に置くと、いくつかの例において、ベッドパンの全体の高さは0.5インチから3インチの間(0.5インチ及び3インチを含む)とすることができる。いくつかの実施形態において、ベッドパンの高さは、1.5インチから2.5インチの間(1.5インチ及び2.5インチを含む)であるようにより有利に構成される。また、この例では、下側部分は0.5インチの高さを有し、上側部分は1.5インチの高さを有している。他の実施形態において、下側部分の高さは、例えば、0.2インチから1インチの間(0.2インチ及び1インチを含む)であってもよく、また、上側部分の高さは、例えば、1インチから2インチの間(1インチ及び2インチを含む)であってもよい。全ての実施形態において参照を容易にするために、ベッドパンの長手方向の軸103を基準とすることができ、長手方向の軸110は、遠位面106の周囲縁に位置合わせされた平面109に対して垂直(又はほぼ垂直)であり、かつ近位面104の周囲縁110に位置合わせされた平面111に対して垂直(又はほぼ垂直)である。好ましい実施形態において、平面111は平面109と平行に位置合わせされるが、いくつかの実施形態において、これらはほぼ平行に位置合わせされてもよい。一般に、ベッドパンは、図7に対する向きで示されるように、長手方向の軸103が垂直に位置合わせされた使用位置にある。
【0042】
この例において、下側部分の壁150は、遠位面から40度の角度A2で延びている。様々な実施形態において、角度A2は、約10度から90度の間(10度及び90度を含む)であってもよい。例えば、角度A2は、10°,11°,12°,13°,14°,15°,16°,17°,18°,19°,20°,21°,22°,23°,24°,25°,26°,27°,28°,29°,30°,31°,32°,33°,34°,35°,36°,37°,38°,39°,40°,41°,42°,43°,44°,45°,46°,47°,48°,49°,50°,51°,52°,53°,54°,55°,56°,57°,58°,59°,60°,61°,62°,63°,64°,65°,66°,67°,68°,69°,70°,71°,72°,73°,74°,75°,76°,77°,78°,79°,80°,81°,82°,83°,84°,85°,86°,87°,88°,89°又は90°のプラスマイナス0.5°であってもよい。壁150のこの延長により、遠位面106をより小さくする構成を容易にし、かつハウジングの上側部分を遠位面106の上方に立たせ、これにより、(例えば、ベッドパンが上に置かれる、患者の下にあるシーツ又は他のカバー又は生地に引っ掛かることなく)ベッドパンをより容易に所定の位置に滑り込ませることが可能になる。ハウジングの上側部分の壁152は、例えば図1A及び図1Bにも図示されているように、遠位縁112に沿って壁150に接合され、かつハウジングの近位縁110まで延びている。壁152は、近位面104の平面に対して30度の角度A1で、遠位縁から近位縁まで延びている。様々な実施形態において、角度A1は、有利には、約10度から50度の間(10度及び50度を含む)であってもよい。いくつかの実施形態において、角度A1は50度より大きい。より小さい角度A1(例えば、図示された向きにおける側壁152のより低い傾斜)は、ベッドパンが使用のために位置決めされるとき、患者が自分自身を持ち上げることができないために必要な場合、ベッドパンをより容易に患者の下に滑り込ませることを可能にするので、ベッドパンの患者の下への配置をより容易にするという利点をもたらす。いくつかの実施形態において、角度A1が小さいほど、チャンバ154の容積が小さくなり得る。様々な実施形態において、壁152の角度A1は、1°,2゜,3゜,4゜,5゜,6゜,7゜,8゜,9゜,10゜,11゜,12゜,13゜,14゜,15゜,16゜,17゜,18゜,19゜,20°,21°,22°,23°,24°,25°,26°,27°,28°,29°,30°,31°,32°,33°,34°,35°,36°,37°,38°,39°,40°,41°,42°,43°,44°,45°,46°,47°,48°,49°,50°,51°,52°,53°,54°,55°,56°,57°,58°,59°,60°,61°,62°,63°,64°,65°,66°,67°,68°,69°,70°,71°,72°,73°,74°,75°,76°,77°,78°,79°,80°,81°,82°,83°,84°,又は85°のプラスマイナス0.5°であってもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング102の下側部分からハウジング102の上側部分まで延びている壁152の全てが上述の傾斜を有するように構成され得る。いくつかの実施形態において、壁152の一部(例えば、壁152の約25%から全部あるいは約100%)が上述の傾斜を有するように構成され得る。いくつかの実施形態において、側面のうちの2つが、上
【0043】
図8Aは、いくつかの実施形態による、近位面の開口部を取り囲むベッドパンのハウジングの近位面の縁の部分Cを示す、図6のB-B線に沿ったベッドパンの第1の例を示す他の側面図である。
【0044】
図8Bは、いくつかの実施形態による、近位面の開口部を取り囲むハウジングの近位面の縁の例を示す、部分Cの詳細図である。
【0045】
図9は、ハウジングの特定の寸法を示す、ベッドパンの第1の例を示す底面図である。
【0046】
図10は、ハウジングのチャンバ内に配置された支持部であって、各々の支持部156が(例えば、上側部分の)上側の内面と(例えば、下側部分の)下側の内面とに結合されている支持部の一例を示すベッドパンの一例の上面斜視図である。支持部156は、ベッドパンが破損したり永久変形が生じたりすることなく、ベッドパンの上部、例えばエプロン130の上でより大きな重量を支えることを可能にする。
【0047】
図11は、いくつかの実施形態による、ベッドパンのチャンバ内に配置された支持部156の配置構成を示す破断底面図である。この実施形態は、開口部の周囲に配置された9つの支持部156を含んでいる。ほとんどの実施形態において、本明細書に開示されるベッドパンは、少なくとも1つの支持部を含む。いくつかの実施形態において、ベッドパンは複数の支持部を含む。
【0048】
図12は、ベッドパン(左側)のA-A線に沿った断面図と、同じベッドパンのA-A線を示す平面図である。
【0049】
図13は、いくつかの実施形態による、ハウジングに形成されたハンドルを含まないベッドパン200の第2の例を示す平面図である。ベッドパン200の他の特徴は、図1A図12に示したベッドパン100の特徴と同じであってよい。
【0050】
図14は、図13に示したベッドパンの第2の例の第1の側の側面図である。
【0051】
図15は、図13に示したベッドパンの第2の例の第2の側の側面図である。
【0052】
図16は、いくつかの実施形態による、図13に示したベッドパンの第2の例を示す底面図である。
【0053】
図17Aは、ベッドパンの上側部分114の実施形態の他の例を示す斜視図である。ベッドパンの上側部分114のこの実施形態は、上記で説明し、かつ上記の一部の構成要素のリストで示したのと同じ特徴の多くを含むことができる。他の実施形態においても示されているように、この実施形態は、上面部分114の底部の周りの遠位縁112から近位面の縁110及び上面部分114の上面のエプロン130まで延びるにつれて内側に角度を付けられた(又は傾斜した)側壁124a~dを含んでいる。まさしく図1A及び1Bにも示されているように、この実施形態は、ベッドパンのハウジング102内に形成された第1のハンドル126及び第2のハンドル128を含んでいる。いくつかの実施形態において、ベッドパンは単一のハンドルを含んでもよい。エプロン130は、ハウジング102の上部にある、ベッドパンの内部チャンバに通じる開口部108を取り囲んでいる。開口部は、開口部108の周囲に周囲縁118を有している。この実施形態では、周囲縁118は面取り部120を含んでいる。エプロン130は、外縁144から内縁142まで延びている。好ましくは、エプロン130の少なくとも一部は、開口部108への尿の流れを促すために、外縁144から内縁142まで延びるにつれて下方に傾斜している。上側部分114のこの例示的な実施形態は、使用可能なベッドパンを作成するために、例えば図18A図18Gに示される下側部分116である、様々な構成の下側部分と対にされ得る。いくつかの実施形態において、上側部分114は、ベッドパンの下側部分に取り付けるために、図23図29に示されるヒンジ機構165を含んでもよい。いくつかの実施形態において、上側部分114は、例えば、図1A図1B図21及び図22を参照して説明されたように、患者の特性を検出するセンサ117又は119のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0054】
図17B及び図17Cは、それぞれ、図17Aに示した上側部分114の平面図と底面図である。下側部分(例えば、図18A~18Gに示される下側部分)と対にされるとき、上側部分の遠位面105及び底面164(図17C)は、ベッドパン内部に配置され、見えない。図に示されているように、いくつかの実施形態において、ベッドパンは、ベッドパンを使用位置(例えば、患者の下)に配置すること、及びベッドパンを(例えば、患者の下から)除去することを容易にするために、ベッドパンの異なる側に配置された2つのハンドルを有してもよい。本実施形態に示されているように、また、2つのハンドルを有する他の実施形態のいずれにも適用されるように、第1のハンドル126は、第1のハンドルの長手方向の軸180を有し得、第2のハンドル182は、第2のハンドルの長手方向の軸182を有し得る。角度Eは、図17Bに示されているように、第1のハンドルの長手方向の軸180と第2のハンドルの長手方向の軸182との交差によって成され得る。いくつかの実施形態において、角度Eは90°であってもよい。いくつかの実施形態において、角度Eは90°プラスマイナス30°であってもよい。
【0055】
図17D及び図17Eは、それぞれ、図17Aに示した上側部分の実施形態の左側面図と右側面図である。
【0056】
図17F及び図17Gは、それぞれ、図17Aに示した上側部分114の実施形態の背面図と正面図である。縁123が、ベッドパンの上側部分114を下側部分に連結している。一緒に閉じると、縁123全体が下側部分に当接する。
【0057】
図18Aは、ベッドパン100の実施形態の下側部分116の例示的な実施形態を示す斜視図である。図18B及び図18Cは、それぞれ、図18Aに示した下面部分の実施形態の平面図と底面図である。図18D及び図18Eは、それぞれ、図18Aに示した下面部分の実施形態の左側面図と右側面図である。図18F及び図18Gは、それぞれ、図18Aに示した下面部分の実施形態の背面図と正面図である。ベッドパンの底部116のこの実施形態は、上記で説明し、かつ上記の一部の構成要素のリストで示したのと同じ特徴の多くを含むことができる。
【0058】
この実施形態はまた、ベッドパンの上側部分(図17Aに図示)を支持するために底部の周りに配置された内部支持部160を示している。支持部160は、ハウジングの近位面155の下側部分に取り付けられるか、又はそこから延びている。内部支持部160は、上に重ね合わさる上側部分を支持するために、下側部分116の空洞内に支持システムを形成する。この実施形態では、ハウジングの近位面155の下側部分の上方であって支持部160同士の間に空洞があり、これによりベッドパンを軽量で患者の下に配置しやすくする一方で、複数の支持部160はベッドパンを潰すことなくベッドパンの大きな近位面上で患者の体重を苦痛が無いように保持するための支持を提供する。各々の内部支持部160は、(例えば、図17Aに示されているように)ハウジング102の上側部分114の近位面又はエプロンを支持する支持部の第1の部分156を含み得る。各々の内部支持部160はまた、(例えば、図17Aに示されているように)ハウジング102の上側部分114の側壁を支持する支持部の第2の部分157を含み得る。下側部分116は、底面161を有するチャンバ154を含んでいる。この実施形態では、下側部分116は、チャンバ154の側面を取り囲むチャンバ壁149を有する。この実施形態では、チャンバ壁149は、チャンバ154内に面する内面158と、チャンバ154から離れる方向に面する外面153とを有する。様々な実施形態において、ベッドパンは、上側部分114が下側部分116に結合されたときに、チャンバ壁149の外面153と上側部分114の遠位面105との間に空洞(オープンスペース)を有するように構成され、これにより、ベッドパンの重量とベッドパンを作るために必要な材料の量とが低減される。チャンバ壁149はまた、上側部分114と下側部分116とが結合されたときに、ベッドパンの上側部分(例えば、エプロン)を支持する。下側部分116の内部の特徴は、実施形態によって異なり得る。この実施形態では、第1のハンドル126及び第2のハンドル128はベッドパンの隣接する側面に配置され、これにより、ベッドパンを片手又は両手で把持すること、ベッドパンを患者の下に配置すること、及びベッドパンを患者の下から除去することを容易にすることができ、それらのハンドルの位置は上側部分と対応する(すなわち、上側部分と下側部分とはそれぞれハンドルの一部を含む)。また、図18Aに示されているように、下側部分116は、チャンバ154内の物質(例えば、血液、尿、便)の特性を検出するために、チャンバ154内、又はチャンバ壁149上に1つ又は複数のセンサ115を含むことができる。
【0059】
図19Aは、開いた構成で連結されたベッドパンの上側部分114及び下側部分116の例示的な実施形態を示す斜視図である。図19Bは、連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の平面図である。図19Cは、連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の底面図である。図19D及び図19Eは、それぞれ、連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の左側面図と右側面図である。図19F及び図19Gは、それぞれ、連結されたベッドパンの上側部分及び下側部分の図19Aに示した実施形態の背面図と正面図である。ベッドパンのこの実施形態は、上記で説明し、かつ上記の一部の構成要素のリストで示したのと同じ特徴の多くを含むことができる。図19A~Gの実施形態は、上側部分114が互いにぴったり重ねられ、かつ下側部分116が互いにぴったり重ねられた状態でベッドパンを積み重ねることができ、これにより出荷及び保管のための複数のベッドパンの体積を最小限に抑えることができるので、有利であり得る。上側部分114と下側部分116とは、下側部分と上側部分123とを連結する、ハンドルの端部に設けられたヒンジ機構165で連結することができる。(図19Aを含む)いくつかの実施形態において、ヒンジはリビングヒンジであり、上側部分114と下側部分116とは連結されて製造される。他の実施形態において、上側部分114と下側部分116とは、全く連結されていないか、又は何らかの代替機構を介して連結されてもよい。他の実施形態において、上側部分114と下側部分116とは、連結される機能又は取り外し可能な機能を有し得る。上側部分の下面164は、下側部分116の内部支持部160上に直接置かれるようにヒンジで動くようにすることができる。互いにヒンジで動かされると、上側部分114と下側部分116とはハウジングの内部チャンバ154を形成する。上側具群114は開口部108を含み、この開口部108は、使用時にベッドパンが閉じられると、チャンバ154の上に配置される。
【0060】
図20Aは、例えば図19A~Gに示したようなベッドパンの上側部分及び下側部分の例示的な実施形態を示す斜視図である。ベッドパンのこの実施形態は、上記で説明し、かつ上記の一部の構成要素のリストで示したのと同じ特徴の多くを含むことができる。この実施形態では、上側部分114及び下側部分116は、使用可能な状態となるように結合されている。図19A~Gに示したような実施形態では、上側部分114は、ヒンジ機構165を中心としてスイングし、下側部分116に結合して、使用可能な状態のベッドパンを作ることができる。チャンバ壁149は、チャンバ154の完全性を確保するために下側部分116の一部であることが有利であり、図面において開口部108を通して部分的に見ることができる。図20B及び図20Cは、それぞれ、閉じたときのベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の平面図と底面図である。図20D及び図20Eは、それぞれ、閉じたときのベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の左側面図と右側面図である。図20F及び図20Gは、それぞれ、ベッドパン100が使用可能な状態にあるような、閉じたときのベッドパンの上側部分及び下側部分の図20Aに示した実施形態の背面図と正面図である。
【0061】
図21は、ベッドパンからスマートフォン、コンピュータ、及び/又はネットワークを介してサーバ及び/又は医師にセンサ情報を伝達するシステム300の一実施形態を示す。この例において、システム300は、ベッドパン100と、コンピュータ/モバイルプラットフォーム(「モバイルプラットフォーム」)302と、コンピュータシステム304と、ネットワーク306と、サーバシステム308と、1人又は複数のアドバイザー/医師又は施設310(参照の容易化のため、両方とも医師310と称する)とを含む。医師310は、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等を含む自身のコンピュータへの通信を介して、ベッドパン100に組み込まれたセンサに関連する情報を受信することもできる。
【0062】
システム300の構成要素は、ネットワーク306及び1つ又は複数の通信リンクを介して通信することができ、この通信リンクは、ベッドパン100とモバイルプラットフォーム302(例えば、スマートフォン)との間の通信リンク302と、モバイルプラットフォーム302とネットワーク306との間の通信リンク41と、コンピュータ304とネットワーク306との間の通信リンク312と、サーバ308とネットワーク306との間の通信リンク316とを含む。いくつかの例において、ベッドパン100は、通信リンク317(例えば、無線通信リンク)を介してネットワーク306と直接通信することができる。ネットワーク306及び通信リンク311~317の1つ又は複数の部分は、有線又は無線の通信リンクを含むことができ、かつWiFi(商標)、ブルートゥース(商標)、セルラー、又は任意の適切な通信リンクを含むことができる。ネットワーク306は、例えば、インターネット、あるいは他のローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)であってもよい。
【0063】
この例において、サーバ308は患者のデータを収集して保存するプログラムを用いて設定されている。サーバ308によって受信された情報は、医師310、すなわちモバイルプラットフォーム302又はコンピュータ304にレポートを提供するために使用することもできる。モバイルプラットフォーム302はディスプレイを含み、受信した情報、例えばセンサ情報に基づいて、様々なグラフィカルユーザディスプレイ(GUI)上に特定の情報を提供する。ベッドパン100は、図1Bに図示して上述したような1つ又は複数のセンサを含むことができる。
【0064】
図22は、ベッドパン上に配置されたセンサ又はセンサアセンブリ(「センサ」)400の一実施形態のブロック図を示している。センサ400は、患者及び/又はベッドパン内の物質に関する情報を検出し、その情報をスマートフォン、コンピュータ、及び/又はネットワークを介してサーバ、医師、及び/又は医師(例えば、すなわち、医師によって操作されるコンピュータ)に伝達するように構成されている。いくつかの実施形態において、センサ400は、上記において説明し、図に示したセンサ115,117及び/又はセンサ119であってもよい。様々な実施形態において、ベッドパンは、1つのセンサ400又は複数のセンサ400を含むことができる。センサ400は、患者の複数の特性、又はベッドパン内にある患者からの物質の複数の特性を検出するように構成され得る。例えば、センサ400は、特性の測定に関する信号を生成することによって単一の特性を検出し、かつ更なる処理/分析のためにその信号に関する情報を伝達することができる。他の例において、検出された特性の処理の少なくとも一部がセンサ100において行われてもよい。図22に示した例では、センサ400は、自身の構成要素に情報を伝達するためのバス402又は他の通信メカニズムと、検出された情報を処理するためにバス402に接続されたハードウェアプロセッサ又は複数のプロセッサ(「プロセッサ」)404とを含んでいる。ハードウェアプロセッサ404は、例えば、1つ又は複数の汎用マイクロプロセッサであってもよい。
【0065】
センサシステム400はまた、検出された情報を含む情報と、プロセッサ404によって実行される命令とを記憶するために、バス402に接続されたランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、キャッシュ及び/又は他の電子メモリ等の1つ又は複数のメモリ要素(「メモリ」)406を含んでいる。メモリ406はまた、プロセッサ404によって実行される命令の実行中に、テンポラリ変数又は他の中間生成情報を記憶するために使用され得る。センサシステム402は、カスタマイズされたハードワイヤードロジック、1つ又は複数のASIC又はFPGA、ファームウェア、及び/又はセンサ400を特殊用途マシンとするプログラムロジックを用いて、本明細書で説明する技術を実装することができる。一実施形態によれば、本明細書に記載される技術は、プロセッサ404が1つ又は複数のコンピュータ可読プログラム命令の1つ又は複数のシーケンスを実行することに応答して、センサ400によって実行される。そのような命令は、プロセッサ404がアクセス可能な記憶媒体に記憶されると、センサ400を、命令で指定された動作を実行するようにカスタマイズされた特殊用途マシンにする。センサ400はまた、センサ400の構成要素に電力を供給するバッテリ420を含んでいる。
【0066】
センサ400は、1つの検出素子、又は複数の検出素子410をさらに含んでいる。様々な実施形態において、検出要素410は、患者又はベッドパン内の物質の特性に関する情報を特定するために、光学的、電気的、化学的又は他の技術を用いて情報を検出することができる。検出要素410は、例えば、センサ400の作動、センサ400が通信リンクを介して他のコンピュータと通信中であるかどうか、検出された特性、バッテリ寿命等に関する情報を表示するディスプレイ412に、例えばバス402を介して接続されてもよい。センサ400は、情報及びコマンド選択をプロセッサ404に伝達するために、バス402に接続された入力デバイス414を含んでもよい。入力デバイス414は、例えば、センサのオン/オフ、通信リンクの起動、制御データの入力等、センサ400を制御するための1つ又は複数のボタン又はキーを含んでもよい。いくつかの実施形態において、センサ400は、センサと通信する他のデバイス(例えば、図21のモバイル機器302上のアプリ)を用いて制御される。
【0067】
センサシステム400はまた、バス402に接続された通信インターフェース418を含んでいる。様々な実施形態において、通信インターフェース418は、他のコンピュータへの一方向又は双方向のデータ通信(例えば、図21に示したように、通信リンク311を介してモバイル機器302へ、通信リンク317を介してネットワーク306へ、及び/又は通信リンク312を介してコンピュータへ)を提供する。リンクは、好ましくは無線であり得るが、有線のリンクも実装され得る。
【0068】
様々な実施形態において、センサ400の特定の機能は、ウェブベースのビューア(ウェブブラウザ等)、又は他の適切なソフトウェアプログラムを介してユーザによってアクセス可能である。このような実施態様において、ユーザーインターフェースは、サーバコンピューティングシステム308によって生成され、他のコンピュータ、例えば、モバイル機器302又はコンピュータ304に送信され得る。あるいは、ユーザーインターフェースを生成するために必要なデータ(例えば、ユーザーインターフェース・データ)は、サーバコンピューティングシステムによってブラウザに提供されてもよく、ブラウザにおいてユーザーインターフェースが生成されてもよい(例えば、ユーザーインターフェース・データは、ウェブサービスにアクセスするブラウザによって実行され、ユーザーインターフェース・データに基づいてユーザーインターフェースをレンダリングするように構成されてもよい)。その後、ユーザはウェブブラウザを介してユーザーインターフェースとやり取りすることができる。特定の実施態様のユーザーインターフェースは、1つ又は複数の専用ソフトウェア・アプリケーションを介してアクセスすることができる。特定の実施形態において、本開示の1つ又は複数のコンピューティングデバイス及び/又はシステムは、モバイル・コンピューティングデバイスを含んでもよく、ユーザーインターフェースは、例えば図21に示したように、そのようなモバイル・コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン及び/又はタブレット)を介してアクセスされ得る。
【0069】
図23図29は、ベッドパンの上側部分114とベッドパンの下側部分116とを結合するヒンジ機構165の他の実施形態を有するベッドパンの一部の例を示している。図23図29のヒンジ機構165は、例えば、図17A~Gに示した上側部分114と図18A~Gに示した下側部分116とを結合するために用いることができる。ヒンジアセンブリ165は、第1のハンドル126に配置されている。この実施形態では、本明細書(例えば、図17図20)に示した他の実施形態と同様に、上側部分114及び下側部分116は第1のハンドル126の一部を含んでいる。この実施形態では、上側部分114と下側部分116との両方が、ヒンジ機構165の一部を含んでいる。図24に示されているように、この実施形態において、上側部分114は、上側部分114の遠位縁112から延びる2つの延伸構造167を有するヒンジ機構165の一部を含んでいる。他の実施形態において、ヒンジ機構165は、1つの延伸構造167、又は3つ以上の延伸構造167を含み得る。
【0070】
図25及び図26は、図23に示したヒンジ機構165の第2の部分の例を示し、第2の部分は、ベッドパンの下側部分116に形成され、スロット169を含んでいる。スロットの数は延伸構造127の数に対応しており、この実施形態では、下側部分116は、延伸構造167を受け入れるために延伸構造に対応する位置に、第1のハンドル126上に配置された2つのスロット169を含んでいる。図27及び図28は、スロット169が延伸構造167を受け入れている、部分的に開いた形態における図23図26のヒンジ機構165を示す断面図である。図29は、延伸構造167がスロット169を通って突出している、閉じた形態におけるヒンジ機構165を示す斜視図である。この実施形態では、延伸構造は、上側部分114を下側部分116に結合させた状態を保持するために、スロット169を通って延び、かつスロット169の周りの構造に引っ掛かることができる突出部を有するロック機構173を含んでいる。
【0071】
実施検討
上述の説明は、本明細書に開示したシステム、デバイス及び方法の特定の実施形態を詳細に説明するものである。しかしながら、上述の内容が文章でいかに詳細に説明されていても、システム、デバイス及び方法は多くの手法で実施できることが理解されるであろう。また、上述したように、本発明の特定の特徴又は態様を説明する際に特定の用語を使用することは、その用語が関連付けられる技術の特徴又は態様の特定の特性を含むことに制限されるようにその用語が本明細書において再定義されることを意味するものと取るべきではないことに留意されたい。
【0072】
とりわけ、「可能性がある(can)」、「あり得る(could)」、「かもしれない(might)」あるいは「であってもよい(may)」等の仮定的な表現は、特に別段の記載がない限り、特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又はステップを含み、他の実施形態が含まないことを伝えるために一般的に使用されるものとして文脈内において理解される。したがって、そのような仮定的な表現は、一般に、特徴、要素及び/又はステップが、1つ又は複数の実施形態に何らかの形で必要であること、又は、1つ又は複数の実施形態が、これらの特徴、要素及び/又はステップが、任意の特定の実施形態に含まれるか、又は任意の特定の実施形態において実施されるかどうかを、ユーザ入力又はプロンプトの有無にかかわらず決定するためのロジックを必ず含むことを意味するものではない。
【0073】
本明細書において、見出しは、参照のため、及び個々のセクションを特定するのに役立つために付されている。これらの見出しは、それに関して記載されるコンセプトの範囲を限定することを意図するものではない。このようなコンセプトは、本明細書全体にわたって適用可能である。
【0074】
上述した実施形態に対して多くの変形及び変更がなされてもよく、その要素は、他の許容可能な例の一つであると理解される。全てのそのような変更及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図されている。上述の説明は、特定の実施形態を詳細に説明するものである。しかしながら、上述の内容が文章でいかに詳細に説明されていても、システム及び方法が多くの手法で実施できることが理解されるであろう。また、上述したように、システム及び方法の特定の特徴又は態様を説明する際の特定の用語の使用は、その用語が関連付けられるシステム及び方法の特徴又は態様の任意の特定の特性を含むことに制限されるようにその用語が本明細書において再定義されることを意味するものと取るべきではないことに留意されたい。
【0075】
特徴又は要素(例えば、構造的な特徴又は要素)が他の特徴又は要素に「接続」、「取り付け」又は「結合」されていると称される場合、他の特徴又は要素に直接、接続、取り付け又は結合されていてもよいし、介在する特徴又は要素が存在していてもよいことも理解されるであろう。対照的に、特徴又は要素が他の特徴又は要素に「直接接続」、「直接取り付け」又は「直接結合」されていると称される場合、介在する特徴又は要素が存在しなくてもよい。1つの実施形態に関して説明又は図示したが、このように説明又は図示した特徴及び要素は、他の実施形態にも適用可能である。また、他の特徴に「隣接して」配置される構造又は特徴への参照は、隣接する特徴と重なる部分又は隣接する特徴の下にある部分を含み得ることも、当業者に理解されるであろう。
【0076】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態及び実施態様を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。例えば、本明細書で使用されているように、単数形「a」,「an」及び「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図され得る。本明細書で使用される場合、用語「備える(comprise)」及び/又は「備えている(comprising)」は、記載された特徴、ステップ、動作、プロセス、機能、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、動作、プロセス、機能、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。本明細書で使用されているように、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のあらゆる組み合わせを含み、「/」と略記されることがある。
【0077】
上記の明細書及び特許請求の範囲において、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」のような表現は、要素又は特徴の結合的な列挙が後に続いて現れることがある。また、「及び/又は」の用語は、2つ以上の要素又は特徴の列挙の中に現れることもある。このような表現は、それが使用される文脈によって黙示的又は明示的に矛盾しない限り、個別に列挙された要素又は特徴のいずれか、又は他の列挙された要素又は特徴のいずれかと組み合わされた列挙された要素又は特徴のいずれかを意味することが意図される。例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A及びBのうちの1つ又は複数」及び「A及び/又はB」の表現は、それぞれ、「A単独、B単独、又はAとB両方」を意味することを意図している。同様の解釈が、3つ以上の項目を含む列挙についても意図される。例えば、「A,B,Cのうちの少なくとも1つ」、「A,B,Cのうちの1つ又は複数」、「A,B及び/又はC」の表現は、それぞれ、「A単独、B単独、C単独、AとB両方、AとC両方、BとC両方又はAとBとCが一緒」を意味することを意図している。上記及び特許請求の範囲における「に基づく」の用語の使用は、列挙されていない特徴又は要素も許容されるように、「少なくとも一部に基づく」を意味することを意図している。
【0078】
「前方に(forward)」、「後方に(rearward)」、「下に(under)」、「下に(below)」、「下側(lower)」、「上に(over)」、「上側(upper)」等の空間的に相対的な用語は、本明細書において説明を容易にするために、図に示されているように、1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を説明するために使用されることがある。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用時又は動作時のデバイスの種々の向きを包含することを意図していることが理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転している場合、他の要素又は特徴の「下に(under)」又は「下に(beneath)」と記載された要素は、その反転状態により、他の要素又は特徴の「上(over)」向きになる。従って、「下に(under)」の用語は、基準点又は向きによっては、「上に(over)」と「下に(under)」の両方の向きを包含し得る。デバイスは、他の向き(90度回転した向き又は他の向き)であってもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、状況に応じて適切に解釈される。同様に、「上向きに(upwardly)」、「下向きに(downwardly)」、「垂直の(vertical)」、「水平の(horizontal)」等の用語は、特に別段の指示がない限り、本明細書では説明のみを目的として使用され得る。
【0079】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されているように、実施例において使用される場合を含め、他に明示的に指定されない限り、全ての数値は、その用語が明示的に現れていなくても、「約」又は「凡そ」の語が前置されているものとして読むことができる。「約」又は「凡そ」の表現は、大きさ及び/又は位置を記載する際に、記載された値及び/又は位置が値及び/又は位置の合理的な予想範囲内であることを示すために用いられ得る。例えば、数値は、記載された値(又は値の範囲)の±0.1%、記載された値(又は値の範囲)の±1%、記載された値(又は値の範囲)の±2%、記載された値(又は値の範囲)の±5%、記載された値(又は値の範囲)の±10%等の値を有することができる。また、本明細書で示される数値は、文脈上別段の指示がない限り、約あるいは凡そその値を含むものと理解されることに留意されたい。
【0080】
例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書に列挙された数値範囲は、それに包含される全ての下位範囲を含むことが意図されている。また、値が「その値以下」と開示されている場合、当業者によって適切に理解されるように、「その値以上」の値と、それらの値の間の可能な範囲も開示されていることが理解される。例えば、値「X」が開示されている場合、「X以下」だけでなく、「X以上」(例えば、Xは数値である)も開示されている。また、本願の全体を通して、データは多くの種々のフォーマットで提供され、このデータは、データポイントの任意の組み合わせについて、終点又は始点、及び範囲を表し得ることが理解される。例えば、特定のデータ点「10」と特定のデータ点「15」とが開示され得る場合、10と15の間だけでなく、10より大きい、10以上、10より小さい、10以下、10と等しい、15より大きい、15以上、15より小さい、15以下、15と等しい、が開示されていると考えられることが理解される。また、2つの特定の単数の間の各々の単数も開示され得ることが理解される。例えば、10と15が開示されている場合、11,12,13及び14も開示されている。
【0081】
様々な例示的な実施形態が開示されているが、本明細書における教示から逸脱することなく、多くの変更のうちのいずれかを様々な実施形態に対して行ってもよい。例えば、説明した様々な方法ステップが実行される順序は、異なる又は代替の実施形態において変更又は再構成されてもよく、他の実施形態においては、1つ又は複数の方法ステップが完全にスキップされてもよい。様々なデバイス及びシステムの実施形態のオプションの又は望ましい特徴は、一部の実施形態には含まれ、他の実施形態には含まれない場合がある。したがって、上述の説明は、主に例示の目的で提供され、特許請求の範囲及び特定の実施形態又は開示された特定の詳細又は特徴の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0082】
明細書に含まれる例及び説明は、例示であって限定ではなく、開示された主題が実施され得る特定の実施形態を示す。言及したように、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができるように、他の実施形態を利用し、かつそれから派生させることができる。開示された主題のこのような実施形態は、本明細書において、単に便宜上、かつ複数の発明が実際に開示される場合に任意の単一の発明又は発明概念に本願の範囲を自発的に限定することを意図することなく、「発明」の用語によって個々に又は集合的に称され得る。したがって、特定の実施形態が本明細書に示され記載されているが、意図された、実用的な、又は開示された目的を達成するように計算された任意の配置構成は、明示的に記載されているか黙示的に記載されているかにかかわらず、示された特定の実施形態に置き換えられ得る。本開示は、様々な実施形態のあらゆる適応又は変形を含むことを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、及び本明細書に特に記載されていない他の実施形態は、上記の説明を検討すれば当業者には明らかであろう。実施形態のいくつかの例には以下が含まれる:実施態様1:尿と糞便とを収容するチャンバであって、壁と底面とを有するチャンバと、チャンバへの開口部であって、周囲縁を有する開口部と、開口部を取り囲むエプロンを含む近位面であって、エプロンは近位面の周囲縁から開口部の周囲縁まで延びている、近位面と、エプロンを取り囲む、角度が付けられた側壁と、を含む上側部分と、近位面とは反対側の遠位面と、遠位面の遠位縁であって、チャンバは近位面と遠位面との間に位置し、チャンバの側壁は側壁に対して内側にあり、側壁は、近位面の周囲縁から遠位面の遠位縁に向かって延びるにつれて外側に角度が付けられている、遠位縁と、を含む下側部分と、ハウジングの第1の部分に形成された第1のハンドルと、を含むハウジングを有するベッドパン。実施態様2:第1のハンドルはハウジングと一体に形成されている、実施態様1に記載のベッドパン。実施態様3:ハウジングの第2の部分に第2のハンドルをさらに有し、第2のハンドルはハウジングと一体に形成されている、実施態様1又は2に記載のベッドパン。実施態様4:第1のハンドルは第1の長手方向の軸を有する開口を含み、第2のハンドルは第2の長手方向の軸を有する開口を含み、第1及び第2の軸は、90°±30°である角度Aで互いに対して位置合わせされている、実施態様1~3のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様5:第1のハンドルはハウジングの第1の側にあり、第2のハンドルはハウジングの第2の側にあり、ハウジングの第1の側はハウジングの第2の側に隣接している、実施態様1~4のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様6:エプロンは、近位面の周囲縁から開口部の周囲縁へ延びるにつれて、遠位面に向かって下方に傾斜している、実施態様1~5のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様7:長手方向の軸に沿って測定されたベッドパンの高さが2インチから5インチの間である、実施態様1~6のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様8:側壁と近位面の周囲縁に位置合わせされた平面とによって定められる角度が、ハウジングの周囲で10°から60°の間である、実施態様1~7のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様9:側壁と近位面の周囲縁に位置合わせされた平面とによって定められる角度が、ハウジングの少なくとも半分において10°から60°の間である、実施態様1~7のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様10:開口部は形状が概ね矩形である、実施態様1~9のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様11:開口部は、略5インチから11.5インチの間の長さ寸法と、略4インチから10インチの間の幅寸法とを有する、実施態様1~10のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様12:ハウジングは、上側部分の内面と下側部分の内面との間に少なくとも1つの支持部をさらに有する、実施態様1~11のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様13:ハウジングは、チャンバの周囲に配置された複数の支持部をさらに有する、実施態様12に記載のベッドパン。実施態様14:ハウジングの第2の部分に第2のハンドルをさらに有し、第2のハンドルはハウジングと一体に形成されており、第1のハンドルは3インチから8インチの間の第1の長さ寸法を有し、第2のハンドルは3インチから8インチの間の第2の長さ寸法を有する、実施態様1に記載のベッドパン。実施態様15:ハウジングは長さ寸法と幅寸法とを有し、長さ寸法は14インチから24インチの間であり、幅寸法は14インチから23インチの間である、実施態様1~14のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様16:ハウジングの上側部分に配置されたセンサアセンブリをさらに有し、センサは、患者との直接接触により、患者の特性を検出し、かつ検出された特性に関する情報を無線通信するように構成されている、実施態様1~15のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様17:チャンバ内に配置されたセンサアセンブリをさらに有し、センサは、チャンバ内の物質の特性を検出し、かつ検出された特性に関する情報を無線通信するように構成されている、実施態様1~15のいずれか1つに記載のベッドパン。実施態様18:尿と糞便とを収容するチャンバであって、チャンバの周囲の壁と、底面と、上側の開口部とを有するチャンバを含むハウジングを有するベッドパンであって、ハウジングは、チャンバへの開口部を取り囲むエプロンを有する近位面を含む上側部分であって、エプロンは近位面の周囲縁から開口部の周囲縁まで延びている、上側部分と、近位面とは反対側の遠位面を含む下側部分であって、チャンバは近位面と遠位面との間に配置されている、下側部分と、エプロンを取り囲む側壁であって、側壁は、近位面の周囲縁から遠位面の遠位縁に向かって延びるにつれて、ハウジングの全ての面において外側に角度が付けられている、側壁と、ハウジングと一体に形成された第1のハンドルと、をさらに含んでいる、ベッドパン。実施態様19:ハウジングと一体に形成された第2のハンドルをさらに有する、実施態様18に記載のベッドパン。実施態様20:上側部分と下側部分とはヒンジで連結されている、実施態様18に記載のベッドパン。
【0083】
開示された主題が、1つ又は複数の特徴又は実施形態を参照して本明細書に提供されている。当業者は、本明細書に提供された例示的な実施形態の詳細な本質にかかわらず、概ね意図された範囲を限定したり逸脱したりすることなく、変更及び改良が上記の実施形態に適用され得ることを認識し、かつ理解するであろう。本明細書に提供された実施形態のこれら及び様々な他の適応及び組み合わせは、開示された要素及び特徴ならびにそれらの均等物一式によって定義される開示された主題の範囲内である。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図18G
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
図19G
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図20G
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【手続補正書】
【提出日】2023-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングであって、
尿と糞便とを収容するチャンバであって、壁と底面とを有する前記チャンバと、
上側部分であって、
前記チャンバへの開口部であって、周囲縁を有する前記開口部と、
前記開口部を取り囲むエプロンを含む近位面であって、前記エプロンは前記近位面の周囲縁から前記開口部の周囲縁まで延びている、前記近位面と、
前記エプロンを取り囲む、角度が付けられた側壁と、
を含む前記上側部分と、
下側部分であって、
前記近位面とは反対側の遠位面と、
前記遠位面の遠位縁であって、前記チャンバは前記近位面と前記遠位面との間に位置し、前記チャンバの側壁は前記側壁に対して内側にあり、前記側壁は、前記近位面の前記周囲縁から前記遠位面の前記遠位縁に向かって延びるにつれて外側に角度が付けられている、前記遠位縁と、
を含む前記下側部分と、
前記ハウジングの前記角度が付けられた側壁の第1の部分と一体に形成された第1のハンドルと、
を含む前記ハウジング、
を有
前記第1のハンドルは前記ハウジングを通って延びる開口を含み、当該開口は前記近位面を通って延び、かつ前記開口は前記近位面とは反対側の前記遠位面を通って延びている、ベッドパン。
【請求項2】
2のハンドルをさらに有し、当該第2のハンドルは前記ハウジングの前記角度が付けられた側壁の第2の部分と一体に形成されている、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項3】
前記第2のハンドルは前記ハウジングを通って延びる開口を含み、当該開口は前記近位面を通って延び、かつ前記開口は前記近位面とは反対側の前記遠位面を通って延びている、請求項2に記載のベッドパン。
【請求項4】
前記第1のハンドルは第1の長手方向の軸を有する開口を含み、前記第2のハンドルは第2の長手方向の軸を有する開口を含み、前記第1及び第2の軸は、90°±30°である角度Aで互いに対して位置合わせされている、請求項に記載のベッドパン。
【請求項5】
前記第1のハンドルは前記ハウジングの第1の側にあり、前記第2のハンドルは前記ハウジングの第2の側にあり、前記ハウジングの前記第1の側は前記ハウジングの前記第2の側に隣接している、請求項に記載のベッドパン。
【請求項6】
前記エプロンは、前記近位面の前記周囲縁から前記開口部の前記周囲縁へ延びるにつれて、前記遠位面に向かって下方に傾斜している、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項7】
長手方向の軸に沿って測定された前記ベッドパンの高さが2インチから5インチの間である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項8】
前記側壁と前記近位面の前記周囲縁に位置合わせされた平面とによって定められる角度が、前記ハウジングの周囲で10°から60°の間である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項9】
前記側壁と前記近位面の前記周囲縁に位置合わせされた平面とによって定められる角度が、前記ハウジングの少なくとも半分において10°から60°の間である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項10】
前記開口部は形状が概ね矩形である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項11】
前記開口部は、略5インチから11.5インチの間の長さ寸法と、略4インチから10インチの間の幅寸法とを有する、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項12】
前記ハウジングは、前記上側部分の内面と前記下側部分の内面との間に少なくとも1つの支持部をさらに有する、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記チャンバの周囲に配置された複数の支持部をさらに有する、請求項12に記載のベッドパン。
【請求項14】
前記ハウジングの第2の部分に第2のハンドルをさらに有し、当該第2のハンドルは前記ハウジングと一体に形成されており、前記第1のハンドルは3インチから8インチの間の第1の長さ寸法を有し、前記第2のハンドルは3インチから8インチの間の第2の長さ寸法を有する、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項15】
前記ハウジングは長さ寸法と幅寸法とを有し、前記長さ寸法は14インチから24インチの間であり、前記幅寸法は14インチから23インチの間である、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項16】
前記ハウジングの前記上側部分に配置されたセンサアセンブリをさらに有し、当該センサは、患者との直接接触により、前記患者の特性を検出し、かつ当該検出された特性に関する情報を無線通信するように構成されている、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項17】
前記チャンバ内に配置されたセンサアセンブリをさらに有し、当該センサは、前記チャンバ内の物質の特性を検出し、かつ当該検出された特性に関する情報を無線通信するように構成されている、請求項1に記載のベッドパン。
【請求項18】
尿と糞便とを収容するチャンバであって、当該チャンバの周囲の壁と、底面と、上側の開口部とを有する前記チャンバを含むハウジングを有するベッドパンであって、
前記ハウジングは、
前記チャンバへの前記開口部を取り囲むエプロンを有する近位面を含む上側部分であって、前記エプロンは前記近位面の周囲縁から前記開口部の周囲縁まで延びている、前記上側部分と、
前記近位面とは反対側の遠位面を含む下側部分であって、前記チャンバは前記近位面と前記遠位面との間に配置されている、前記下側部分と、
前記エプロンを取り囲む側壁であって、当該側壁は、前記近位面の周囲縁から前記遠位面の遠位縁に向かって延びるにつれて、前記ハウジングの全ての面において外側に角度が付けられている、前記側壁と、
前記ハウジングの前記角度が付けられた側壁の第1の部分と一体に形成された第1のハンドルと、
をさらに含
前記第1のハンドルは前記ハウジングを通って延びる開口を含み、当該開口は前記ハウジングの前記上側部分を通って延び、かつ前記開口は前記上側部分とは反対側の前記ハウジングの前記下側部分を通って延びている、ベッドパン。
【請求項19】
2のハンドルをさらに有当該第2のハンドルは前記ハウジングの前記角度が付けられた側壁の第2の部分と一体に形成されている、請求項18に記載のベッドパン。
【請求項20】
尿と糞便とを収容するチャンバであって、当該チャンバの周囲の壁と、底面と、上側の開口部とを有する前記チャンバを含むハウジングを有するベッドパンであって、
前記ハウジングは、
前記チャンバへの前記開口部を取り囲むエプロンを有する近位面を含む上側部分であって、前記エプロンは前記近位面の周囲縁から前記開口部の周囲縁まで延びている、前記上側部分と、
前記近位面とは反対側の遠位面を含む下側部分であって、前記チャンバは前記近位面と前記遠位面との間に配置されている、前記下側部分と、
前記エプロンを取り囲む側壁であって、当該側壁は、前記近位面の周囲縁から前記遠位面の遠位縁に向かって延びるにつれて、前記ハウジングの全ての面において外側に角度が付けられている、前記側壁と、
前記ハウジングの前記角度が付けられた側壁の第1の部分と一体に形成された第1のハンドルと、
をさらに含み、
前記第1のハンドルは前記ハウジングを通って延びる開口を含み、当該開口は前記上側部分を通って延び、かつ前記開口は前記上側部分とは反対側の前記下側部分を通って延びており、
前記上側部分と前記下側部分とはヒンジで連結されている、ッドパン。
【国際調査報告】