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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】医療デバイスシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240410BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
A61B1/00 654
A61B1/018 515
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568111
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022072105
(87)【国際公開番号】W WO2022236280
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/184,266
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブレッチビール、スコット
(72)【発明者】
【氏名】ウェルドン、ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161FF12
4C161FF43
4C161GG13
(57)【要約】
医療システムは、第1のハンドルおよび第1のハンドルから遠位に延在する第1のシャフトを備える第1のデバイスであって、第1のハンドルが第1のアクチュエータを含む第1のデバイスと、第2のハンドルおよび第2のハンドルから遠位に延在する第2のシャフトを備える第2のデバイスであって、第2のハンドルが第2のアクチュエータを含む第2のデバイスと、第1のデバイスを第2のデバイスに連結する固定具を備え、第1のアクチュエータの中心が第2のアクチュエータの中心から11.4cm(4.5インチ)以内にあり、固定具は、第1のハンドルがオペレータの第1の手で保持されつつ、オペレータの第2の手が第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータの使用の間を行き来するように、第1のデバイスを第2のデバイスに連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のハンドルおよび前記第1のハンドルから遠位に延在する第1のシャフトを備える第1のデバイスであって、前記第1のハンドルは、第1のアクチュエータを含む、第1のデバイスと、
第2のハンドルおよび前記第2のハンドルから遠位に延在する第2のシャフトを備える第2のデバイスであって、前記第2のハンドルは、第2のアクチュエータを含む、第2のデバイスと、
前記第1のデバイスを前記第2のデバイスに連結する固定具と、備え
前記第1のアクチュエータの中心は、前記第2のアクチュエータの中心から11.4cm(4.5インチ)以内にあり、
前記固定具は、前記第1のハンドルがオペレータの第1の手に保持されつつ、前記オペレータの第2の手が前記第1のアクチュエータの使用と前記第2のアクチュエータの使用との間を行き来するように、前記第1のデバイスを前記第2のデバイスに連結する、医療システム。
【請求項2】
使用中、前記第2のシャフトは、前記第1のデバイスのハンドルのポートに挿入されており、前記第1のデバイスは、前記第2のデバイスよりも前記オペレータに近くなるように構成され、前記第1のアクチュエータは、前記第2のアクチュエータの下方にあるように構成される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
使用中、前記第2のシャフトは、前記第1のデバイスのハンドルのポートに挿入されており、前記第1のデバイスは、前記第2のデバイスよりも前記オペレータから遠くなるように構成され、前記第1のアクチュエータは、前記第2のアクチュエータの上方にあるように構成される、請求項1または2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記第1のアクチュエータは第1の平面上に位置し、前記第2のアクチュエータは第2の平面上に位置し、前記第2の平面は前記第1の平面に対してある角度をなし、前記第2の平面と前記第1の平面との間の角度が5°~70°である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項5】
前記第1のアクチュエータおよび前記第2のアクチュエータは、共有平面上または互いに平行な平面上に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項6】
前記第1のアクチュエータは第1の回転可能なノブを含み、前記第2のアクチュエータは第2の回転可能なノブを含み、前記第1の回転可能なノブの回転軸は、前記第2の回転可能なノブの回転軸から6.99cm(2.75インチ)以内にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項7】
前記連結固定具は、前記第1のデバイスを受容する第1の部分と、前記第2のデバイスを受容する第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記第1のデバイスに対する前記第2のデバイスの任意の角度のある配向で前記第2のデバイスを受容するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項8】
前記第1の部分は、前記第1のデバイスの前記第1のハンドルの一部を受容し、前記第2の部分は、前記第2のデバイスの前記第2のハンドルの一部を受容する、請求項7に記載の医療システム。
【請求項9】
前記第1の部分は、前記第1のハンドルの前記一部を受容するように構成された第1のチャネルを含み、前記第2の部分は、前記第2のハンドルの前記一部を受容するように構成された第2のチャネルを含み、前記連結固定具は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に延在するアームをさらに含む、請求項8に記載の医療システム。
【請求項10】
前記第1のデバイスは、近位に延在するコネクタケーブルをさらに備え、前記第1の部分は前記コネクタケーブルの一部を受容し、前記第2の部分は前記第2のデバイスの前記第2のハンドルの一部を受容する、請求項7に記載の医療システム。
【請求項11】
前記連結固定具は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に延在する調節可能なアームをさらに備え、前記調節可能なアームは、前記第2の部分が前記第1の部分に対して任意の角度のある配向にあるように操作可能であるように構成される、請求項7に記載の医療システム。
【請求項12】
前記第1のデバイスは、第1のポートをさらに備え、前記第2のデバイスは、第2のポートおよび第3のポートをさらに備え、前記第2のデバイスの一部が、前記第1のポートに連結される、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項13】
前記第2のデバイスの前記第2のシャフトは、前記第2のポートにおける近位端から前記第3のポートまで延在するように構成され、前記第2のデバイスの前記第3のポートは、前記第1のデバイスの前記第1のポートと連通する、請求項12に記載の医療システム。
【請求項14】
前記第2のデバイスは、前記第1の手が前記第1のデバイスの前記第1のハンドルを保持するときに前記第2のデバイスが前記第1の手を再び置くことができるように、前記第1のデバイスに対して配向されるように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項15】
前記第2のデバイスは、前記オペレータが前腕および/または手首の回転のみを介して前記第1のアクチュエータおよび前記第2のアクチュエータにアクセスすることができるように、前記第1のデバイスに対して配向されるように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に、医療デバイスシステムに関する。より詳細には、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、互いに対して人間工学的に位置決めされた複数の医療デバイスを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの医療処置、例えば、内視鏡処置では、十二指腸内視鏡などの第1のデバイスと、カテーテルなどの第2のデバイスとが、同時に使用されることがある。第1のデバイスおよび第2のデバイスは両方とも、各々、デバイスの態様/機能を制御するように構成されたノブを有し得る。したがって、場合によっては、医師は、標的部位に対して第1のデバイスの位置を維持しながら、2組のノブ、第2のデバイスの挿入チューブ、および第2のデバイスに挿入された付属デバイスを操作しなければならない。そうするために、スコープおよびカテーテルを伴う状況では、医師は、一般的に、右手でカテーテルの位置および前進を制御しながら、左手でスコープの関節/位置を維持する。カテーテルは、一般的に、第1のデバイスのハンドルの遠位端に取り付けられるため、医師は、平行なノブスタックに沿って、右前腕および手首を絶えず移動させることを要求され、これは人間工学的ではない場合がある。
【発明の概要】
【0003】
一例によれば、医療システムは、第1のハンドルおよび第1のハンドルから遠位に延在する第1のシャフトを備える第1のデバイスであって、第1のハンドルが第1のアクチュエータを含む第1のデバイスと、第2のハンドルおよび第2のハンドルから遠位に延在する第2のシャフトを備える第2のデバイスであって、第2のハンドルが第2のアクチュエータを含む第2のデバイスと、第1のデバイスを第2のデバイスに連結する固定具を備えてもよく、第1のアクチュエータの中心が第2のアクチュエータの中心から11.4cm(4.5インチ)以内にあり、固定具は、第1のハンドルがオペレータの第1の手で保持されつつ、オペレータの第2の手が第1のアクチュエータの使用と第2のアクチュエータの使用との間を行き来するように、第1のデバイスを第2のデバイスに連結する。
【0004】
別の例では、使用中、第2のシャフトは、第1のデバイスのハンドルのポートに挿入されていてもよく、第1のデバイスは、第2のデバイスよりもオペレータの近くにあるように構成されてもよく、第1のアクチュエータは、第2のアクチュエータの下方にあるように構成されてもよい。
【0005】
別の例では、使用中、第2のシャフトは、第1のデバイスのハンドルのポートに挿入されていてもよく、第1のデバイスは、第2のデバイスよりもオペレータから遠くにあるように構成されてもよく、第1のアクチュエータは、第2のアクチュエータの上方にあるように構成されてもよい。
【0006】
別の例では、第1のアクチュエータは第1の平面上に位置してもよく、第2のアクチュエータは第2の平面上に位置してもよく、第2の平面は第1の平面に対してある角度をなしていてもよく、第2の平面と第1の平面との間の角度は5°~70°である。第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータは、共有平面上または互いに平行な平面上に位置してもよい。
【0007】
別の例では、第1のアクチュエータは、第1の回転可能なノブを含んでもよく、第2のアクチュエータは、第2の回転可能なノブを含んでもよく、第1の回転可能なノブの回転軸は、第2の回転可能なノブの回転軸から6.99cm(2.75インチ)以内にあってもよい。
【0008】
別の例では、連結固定具は、第1のデバイスを受容する第1の部分と、第2のデバイスを受容する第2の部分とを備えてもよく、第2の部分は、第1のデバイスに対する第2のデバイスの任意の角度のある配向で第2のデバイスを受容するように構成される。第1の部分は、第1のデバイスの第1のハンドルの一部を受容してもよく、第2の部分は、第2のデバイスの第2のハンドルの一部を受容してもよい。第1の部分は、第1のハンドルの一部を受容するように構成された第1のチャネルを含んでもよく、第2の部分は、第2のハンドルの一部を受容するように構成された第2のチャネルを含んでもよく、連結固定具は、第1の部分と第2の部分との間に延在するアームをさらに含んでもよい。第1のデバイスは、近位に延在するコネクタケーブルをさらに備えてもよく、第1の部分はコネクタケーブルの一部を受容し、第2の部分は第2のデバイスの第2のハンドルの一部を受容する。連結固定具は、第1の部分と第2の部分との間に延在する調節可能なアームをさらに備えてもよく、調節可能なアームは、第2の部分が第1の部分に対して任意の角度のある配向にあるように操作可能であるように構成される。
【0009】
別の例では、第1のデバイスは第1のポートをさらに備えてもよく、第2のデバイスは第2のポートおよび第3のポートをさらに備えてもよく、第2のデバイスの一部は第1のポートに連結されてもよい。第2のデバイスの第2のシャフトは、第2のポートにおける近位端から第3のポートまで延在するように構成されてもよく、第2のデバイスの第3のポートは、第1のデバイスの第1のポートと連通してもよい。
【0010】
別の例では、第2のデバイスは、第1の手が第1のデバイスの第1のハンドルを保持するときに第2のデバイスが第1の手を再び置くことができるように、第1のデバイスに対して配向されるように構成されてもよい。第2のデバイスは、オペレータが前腕および/または手首の回転のみを介して第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータにアクセスすることができるように、第1のデバイスに対して配向されるように構成されてもよい。
【0011】
一例によれば、医療システムは、第1のハンドルおよび第1のハンドルから遠位に延在する第1のシャフトを備える第1のデバイスであって、第1のハンドルが第1のアクチュエータを含む第1のデバイスと、第2のハンドルおよび第2のハンドルから遠位に延在する第2のシャフトを備える第2のデバイスであって、第2のハンドルが第2のアクチュエータを含む第2のデバイスと、第1のデバイスを第2のデバイスに連結する固定具を備えてもよく、固定具は、第1のハンドルがオペレータの第1の手で保持されつつ、オペレータの第2の手が第1のアクチュエータの使用と第2のアクチュエータの使用との間を行き来するように、第1のデバイスを第2のデバイスに連結し、第1のハンドルの位置に対する第2のハンドルの位置は、第1のアクチュエータの使用と第2のアクチュエータの使用との間の第2の手の行き来を最小限にするように、固定具を介して調節できる。
【0012】
別の実施例によれば、第1のデバイスおよび第2のデバイスを含む医療システムを取り扱う方法は、第1のデバイスが第2のデバイスよりもオペレータに近くなるように医療システムを配向するステップと、オペレータの第1の手で第1のデバイスのハンドルを保持するステップと、オペレータの第2の手の手首および/または前腕の回転のみを介して、第2の手で第1のデバイスのアクチュエータと第2のデバイスのアクチュエータとの間を行き来するステップとを含んでもよい。本方法は、第1のアクチュエータが位置する第1の平面に対する第2のアクチュエータが位置する第2の平面の角度を調節するステップをさらに含んでもよく、角度は5°~70°の範囲である。医療システムは、第1のデバイスと第2のデバイスとを連結する連結固定具をさらに備えてもよく、角度は、連結固定具を調節することを介して調節される。アクチュエータは、第1の回転可能なノブであってもよく、第2のアクチュエータは、第2の回転可能なノブであってもよく、第1の回転可能なノブの回転軸は、第2の回転可能なノブの回転軸から6.99cm(2.75インチ)以内にあってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を示し、説明と共に、開示される実施形態の趣旨を説明する役割を果たす。
図1】一実施形態による医療システムの斜視図である。
図2A】一実施形態による医療システムの斜視図である。
図2B】同上。
図2C図2Aの医療システムの斜視図である。
図2D】同上。
図3A】別の実施形態による医療システムの斜視図である。
図3B】同上。
図4A】別の実施形態による医療システムの斜視図である。
図4B】同上。
図4C】同上。
図5】別の実施形態による医療システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本開示の態様を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、同一または類似の部分を参照するために、図面全体を通して同一または類似の参照番号が使用される。「より遠い」という用語は、その位置と医療システムのオペレータとの間の距離が、特定される他の距離と比べて大きい、医療システム内の位置を指す。反対に、「より近い」という用語は、その空間または位置と医療システムのオペレータとの間の距離が、特定される他の距離と比べてより小さい、医療システム内の位置を指す。「上方」という用語は、使用時に、医療システムの他の記載された位置と比べてより高く、例えば、天井のより近くに位置する医療システム内の位置を指す。反対に、「下方」という用語は、使用時に、医療システムの他の記載された位置と比べてより低く、例えば、地面のより近くに位置する医療システム内の位置を指す。「遠位」という用語は、例えば、デバイスを対象(例えば、患者)に導入するときに、デバイスのオペレータから最も離れた医療デバイスの場所または部分を指す。反対に、「近位」という用語は、例えば、デバイスを対象の中に設置するとき、オペレータに最も近い場所または部分を指す。「上側」という用語は、医療デバイスが直立位置にあるとき、例えば、医療デバイスの「遠位」端がデバイスの残りの部分より下方/下側にあるとき、医療デバイスの他の記載された部分の上方に位置する医療デバイスの場所または部分を指す。反対に、「下側」という用語は、医療デバイスが直立位置にあるとき、例えば、医療デバイスの「遠位」端がデバイスの残りの部分より下方/下側にあるとき、医療デバイスの他の記載された部分の下方に位置する医療デバイスの場所または部分を指す。
【0015】
前述の全般的な説明および以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される特徴を限定するものではない。本明細書で使用される場合、「備える」、「備えている」、「有する」、「含む」という用語、またはそれらの他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むわけではなく、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。本開示では、例えば、「約」、「実質的に」、「全般的に」、および「およそ」などの相対的な用語は、述べられた値または特性における±10%の可能な変動を示すために使用される。
【0016】
本開示の実施形態は、当技術分野における制限のうちの1つ以上を解決し得る。しかしながら、本開示の範囲は、特定の課題を解決する能力ではなく、添付の特許請求の範囲によって規定される。本開示は、ある特定の実施形態では、第1の医療デバイスと、第2の医療デバイスと、第1および第2の医療デバイスを連結する固定具とを含む、医療システムを対象とする。第1または第2の医療デバイスは特に限定されない。どちらの医療デバイスも、一例として、ハンドルからデバイスの遠位部分まで遠位に延在するシャフト/カテーテルを有する、任意のスコープ(例えば、気管支鏡、十二指腸鏡、内視鏡、結腸鏡、尿管鏡など)、カテーテル、ツール、器具などであってもよい。
【0017】
シャフトは特に限定されず、処置中に身体管腔を行き来するように構成される任意の好適な可撓性シャフトであってもよい。シャフトは、任意の数の追加のデバイス(例えば、スコープ、ツール、器具、ケーブル、流体など)を受容するための少なくとも1つのルーメンを含んでもよい。
【0018】
同様に、ハンドルも特に限定されず、任意の好適な医療デバイスハンドルであってもよい。ハンドルは、医療デバイスを作動または制御するための少なくとも1つの面部分(aspect)、例えば、ノブスタック、医療デバイスに関連付けられた任意のツールもしくはデバイス、および/または医療デバイスの締結機構を含んでもよい。さらに、ハンドルは、作業チャネル(例えば、シャフトのルーメン)と連通する少なくとも1つのポート(例えば、Yポート)を含んでもよい。ポートは、任意の好適な付属デバイスを受容してもよく、付属デバイスは、シャフト全体を通って医療デバイスの遠位端に向かって遠位に延在してもよい。ハンドルは、任意の好適な目的を果たす、アンビリカス(umbilicus)に接続される追加のポートをさらに含んでもよい。例えば、アンビリカスは、流体の導入、吸引、および/または電子部品の配線のためのものであってもよい。
【0019】
第1の医療デバイスおよび第2の医療デバイスは、同一または類似のデバイスであってもよい。例えば、第1の医療デバイスは、より大きいスコープ(例えば、マザースコープ)であってもよく、第2の医療デバイスは、より小さいスコープ(例えば、ドータースコープ)であってもよい。ドータースコープの可撓性シャフトの少なくとも一部は、マザースコープのシャフトの作業チャネル(例えば、ルーメン)と連通する任意の好適なデバイスポートを通して挿入されてもよい。ドータースコープは、マザースコープの作業チャネルを通って遠位に延在してもよく、一方または両方のスコープは、生体構造の様々な部分を可視化するためのイメージングを含んでもよい。次に、任意の好適な付属デバイスが、ドータースコープのカテーテルのルーメンと連通する任意の好適なデバイスポートを通して挿入されてもよい。
【0020】
第1および第2のデバイスは、互いに対して人間工学的に位置決めされてもよい。例えば、第1および第2のデバイスは、第1および第2のデバイスの様々な接触点間の距離が最小化されるように配置または位置決めされてもよい。したがって、医師による腕の移動が低減され、それによって、アクセスおよび処置効率が改善されるであろう。医療システムの接触点は、第1の医療デバイスの作動または制御特徴部(例えば、ノブスタック)、第1の医療デバイスのポート、第2の医療デバイスの作動または制御特徴部(例えば、ノブスタック)、および第2の医療デバイスのポートを含んでもよい。第1および第2のデバイスは、両デバイスを連結する固定具を介して、人間工学的構成に維持されてもよい。
【0021】
第1および第2の医療デバイス(例えば、マザースコープおよびドータースコープ)を連結する固定具は、特に限定されない。例えば、固定具は、第1および第2の医療デバイスを所望の構成で連結するように構成される、任意の好適な構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、固定具は、第1の特徴部を介して第1のデバイスを受容/連結し、第2の特徴部を介して第2のデバイスを受容/連結するように構成される、別個の構成要素であってもよい。第1の特徴部も第2の特徴部も特に限定されず、開口部、チャネル、磁化特徴部、ストラップ、および固定具の他の接続手段であってもよい。他の実施形態では、固定具は、第1のデバイスのハンドルおよび/または第2のデバイスのハンドルに少なくとも部分的に一体化され得る構成要素であってもよい。いくつかの他の実施形態では、固定具は、特徴部を介して第1または第2のデバイスを受容/連結するように構成されるとともに、他方のデバイスのハンドルに少なくとも部分的に一体化される、構成要素であってもよい。
【0022】
図1は、あまり人間工学的に配置されていない典型的な医療システムの例を示す。医療システム10は、第1の医療デバイス110および第2の医療デバイス120を含む。第1の医療デバイス110は、可撓性シャフト118(例えば、カテーテル)と、シャフト118の近位端に接続されたハンドル112とを含む。ハンドル112は、特に限定されず、オペレータ(例えば、医師)による取り扱いのために構成された任意の好適なハンドルであり得る。ハンドル112は、アンビリカス111およびアクチュエータ(例えばノブ114)を含む。アンビリカス111は、ハンドル112に対して近位に延在する。アンビリカス111は、任意の好適な供給源(例えば、流体、電気など)に連結されてもよい。アクチュエータ114は、ハンドル112の上側(近位)部分に連結され、可撓性シャフト118の関節、および/または可撓性シャフト118の遠位端における関節継手を複数の方向に制御するように構成され得る。アクチュエータ114は、例えば、1つ以上の回転可能なノブであってもよく、このノブは、各々がその軸の周りを回転して、作動要素(例えば、操縦ワイヤ(図示せず))を押す/引く。医療処置に適したケーブルまたはワイヤ(例えば、医療グレードのプラスチックまたは金属)などの作動要素は、デバイス110の近位端から遠位に延在し、可撓性シャフト118の遠位部分に接続して、その動きを制御する。ハンドル112は、第2の医療デバイス120(以下でさらに詳細に説明される)のシャフト128を受容するように構成されたポート(図示されないが、図1ではオペレータの右手の後ろ)をさらに含む。
【0023】
第2の医療デバイス120は、第1の医療デバイス110と同様であってもよく、デバイス120は、様々な同様の構成要素を含んでもよい。第1の医療デバイス110と同様に、デバイス120は、可撓性シャフト128と、可撓性シャフト128の近位端に接続されたハンドル122とを含む。上述したように、シャフト128は、デバイス110のポート(図示せず)に挿入され、作業チャネル(例えば、シャフト118のルーメン(図示せず))を通って遠位に延在する。ハンドル122は、作動デバイス124を含み、作業デバイス124はまた、1つ以上の回転可能なノブであり得、このノブの各々は、その軸の周りを回転して、デバイス120を通って延在する作動要素(例えば、操縦ワイヤ(図示せず))を押す/引く。デバイス110と同様に、デバイス120はまた、可撓性シャフト128の遠位端において、イメージング、照明、および/または他の電気デバイスに電気制御を提供する、1つ以上の電気ケーブル(図示せず)を含んでもよい。ハンドル122はまた、ツール、流体、または他の物質を患者に導入および/または患者から除去するための少なくとも1つのポート126を含む。ポート126は、医療目的のための任意の好適なツールまたはデバイスであり得る、付属デバイス(図示せず)を導入するために使用されてもよい。
【0024】
図1に示すように、第2のデバイス120は、任意の好適な連結手段(図示せず)を介して第1のデバイス110に取り付けられるか、または連結される。そのような配置の結果として、デバイス110のアクチュエータ(例えば、ノブスタック114)、およびデバイス120のアクチュエータ(例えば、ノブスタック124)は、平行またはほぼ平行な平面上にあってもよい。システム10において、ノブスタック114とノブスタック124との間の距離は、以下でさらに詳細に説明される他の構成と比較してより大きくてもよいことに留意されたい。さらに、図1に見られるように、システム10は、デバイス120のノブスタック124およびポート126が、一方の手(例えば、右手)でアクセス可能であることを可能にするが、第2のデバイス120の取り扱いを補助するために、他方の手(例えば、左手)の利用可能性を制限する。加えて、システム10は、デバイス120を使用している間、安定性を維持するために、オペレータが一方の手(例えば、左手)をハンドル112上で遠位に移動させることを要求する場合がある。したがって、システム10を、接触点(例えば、ノブスタック114、ノブスタック124、デバイス110のポート(図示せず)、およびデバイス120のポート126)の間のより短い近接性を有するものに変更することによって、点から点への移動を低減しつつ、その制御点から一方の手を離す必要性も低減する。
【0025】
図2A図2Dは、図1の構成と比べて人間工学が改善された医療システム20の実施形態を示す。同様の参照番号は同様の部分を指す。システム20は、第1の医療デバイス110と、第2の医療デバイス120と、固定具210とを含む。第1の医療デバイス110および第2の医療デバイス120は、図1のシステム10に示されるものと同じデバイスであってもよい。固定具210は特に限定されず、デバイス110とデバイス120とを連結し、両方のデバイス110、120を所望の構成に維持するように構成された任意の好適な連結構成要素であってもよい。固定具210’、210”のさらなる例示的な実施形態が、図2Cおよび図2Dにそれぞれ示されている(以下でさらに詳細に説明する)。
【0026】
図2Cを参照すると、固定具210’は、第1の部分212’、リンケージ214’、および第2の部分216’を含んでもよい。第1の部分212’は、第2の部分216’よりもオペレータに近くてもよい。第1の部分212’は、リンケージ214’の第1の端部において、第1のデバイス110のハンドル112の遠位または下側の部分を受容するように構成されるチャネル/スロットを含む。チャネル/スロットの寸法は特に限定されない。第1のデバイス110のハンドル112が第1の部分212’の中に固定される様式は、特に限定されず、例えば、摩擦嵌合、締め付け、ロックなどである。第2の部分216’は、部分212’とは反対側のリンケージ214’の第2の端部において、第2のデバイス120のハンドル122の遠位または下側の部分を受容するように構成されるチャネル/スロットを含む。同様に、第2の部分216’のチャネル/スロットの寸法は、特に限定されない。デバイス120のハンドル122が第2の部分216’の中に固定される様式は、特に限定されず、例えば、摩擦嵌合、締め付け、ロックなどである。さらに、第2の部分216’のチャネル/スロットは、デバイス110の他の部分に対するノブスタック124の平面の任意の好適な角度のある配向でハンドル122を受容するように構成されてもよい。ノブスタック124のそのような角度のある配向に関するさらなる説明は、図2Bを説明するときに、以下でさらに詳述される。リンケージ214’は、第1の部分212’と第2の部分216’との間に延在してもよく、それによって、第1のデバイス110と第2のデバイス120とを連結する。リンケージ214’が延在し得る長さは、特に限定されず、オペレータにとって機能的かつ人間工学的であり得る任意の好適な長さであってもよい。リンケージ214’は、例えば、ベローズ、ボールソケット、関節リンクなどを含む、可撓性を有するかまたは調節できるものであってもよく、それによって、オペレータが、第1の医療デバイス110または第2の医療デバイス120の他方に対する相対位置を調節することを可能にする。加えて、リンケージ214’は、オペレータがシステム20の任意の部分から手(または他の力)を取り除いたときにその形状を保持するのに十分な構造的完全性を有するべきである。
【0027】
図2Dを参照すると、固定具210”は、様々な点で固定具210’に類似している。第1の部分212”は、第2の部分216”よりもオペレータに近くてもよい。固定具210”はまた、第1の部分212”、リンケージ214”、および第2の部分216”を含んでもよい。第1の部分212”は、リンケージ214”の第1の端部において、第1のデバイス110のアンビリカス111(またはアンビリカス111の張力緩和部)の一部を受容するように構成されたチャネル/スロットを含む。チャネル/スロットの寸法は特に限定されない。アンビリカス111または張力緩和部が第1の部分212”に固定される様式は、特に限定されず、例えば、摩擦嵌合、締め付け、ロックなどである。第2の部分216”は、部分212”とは反対側のリンケージ214”の第2の端部において、第2のデバイス120のハンドル122の遠位または下側の部分を受容するように構成されるチャネル/スロットを含む。同様に、第2の部分216”のチャネル/スロットの寸法は、特に限定されない。さらに、第2の部分216”のチャネル/スロットは、デバイス110の他の部分に対してノブスタック124の平面の任意の好適な角度のある配向でハンドル122を受容するように構成されてもよい。ノブスタック124のそのような角度のある配向に関するさらなる説明は、図2Bを説明するときに、以下でさらに詳述される。デバイス120のハンドル122が第2の部分216”の中に固定される様式は、特に限定されず、例えば、摩擦嵌合、締め付け、ロックなどである。リンケージ214”はまた、第1の部分212”と第2の部分216”との間に延在してもよく、それによって、第1のデバイス110と第2のデバイス120とを連結する。図2Dでは、リンケージ214”の一部がハンドル112および122の両方の後ろにあり得る留意されたい。リンケージ214”が延在し得る長さは、特に限定されず、オペレータにとって機能的かつ人間工学的であり得る任意の好適な長さであってもよい。リンケージ214’と同様に、リンケージ214”例えば、ベローズ、ボールソケット、関節リンクなどを含む、可撓性を有するかまたは調節できるものであってもよく、それによって、オペレータが、第1の医療デバイス110または第2の医療デバイス120の他方に対する相対位置を調節することを可能にする。加えて、リンケージ214”は、オペレータがシステム20の任意の部分から手(または他の力)を取り除いたときにその形状を保持するのに十分な構造的完全性を有するべきである。
【0028】
システム20は、第1の医療デバイス110および第2の医療デバイス120の互いに対する位置決めに基づいて、改善された人間工学をもたらす。システム20では、第1の医療デバイス110は、オペレータ(図1に示される)により近くてもよく、第2の医療デバイス120は、デバイス110と比べてオペレータからより遠くてもよい。したがって、システム20では、オペレータは、より近い第1のデバイス110を一方の手(例えば、左手)で保持してもよく、他方の手(例えば、右手)を利用して、デバイス110および120の面部分(例えば、ノブスタック114および124)の間を行き来し、それらを操作してもよい。さらに、第2の医療デバイス120はまた、ノブスタック124がノブスタック114のわずかに上方にあるように位置決めされる(図2A~2Dに示されるように)。システム20が使用中であり、デバイス110および120が図2Aに示される位置(ハンドル112および122が本質的に直立/垂直)にあるとき、ノブスタック124がノブスタック114の上方にある角度は、例えば、ノブスタック114の中心点1141を通って延在する水平線と、点1141およびノブスタック124の中心点1241から延在する別の線との間で0°~90°未満、または0°~45°であってもよい。したがって、システム20におけるノブスタック114と124との間の距離は、システム10における当該距離と比べて最小化され得る。いくつかの例において、システム20におけるノブスタック124の中心点1241とノブスタック114の中心点1141との間の距離は、15.2cm(6インチ)、10.2cm(4インチ)、または6.99cm(2.75インチ)以下であってもよい。他の実施形態では、ノブスタック124は、システム20におけるノブスタック114とノブスタック124との間の距離がシステム10における当該距離と比べて最小化されたままである限り、ノブスタック114のわずかに下方、またはノブスタック114のレベルとほぼ同じレベルにあってもよいことに留意されたい。
【0029】
さらに、デバイス120は、固定具210を介して、オペレータが好む角度でデバイス110に取り付けられてもよい。この角度は、ノブスタック114が位置する平面とノブスタック124が位置する平面との間の角度を指し得る。この角度は、オペレータの使用にとって人間工学的である任意の好適な角度であってもよい。例えば、この角度は、0°~100°、または5°~70°の範囲であってもよいが、これらに限定されない。ノブスタック124、したがって、デバイス120のこの角度のある配向は、図2A~2Bに示される構成で示される。図2Aに見られるように、ノブスタック114は、図2Aのページに平行な(またはほぼ平行な)平面上に位置する。同様に、ノブスタック124は、図2Aのページに平行な(またはほぼ平行な)平面上に位置する。したがって、システム20のこの構成では、ノブスタック114およびノブスタック124は、同じ平面を共有するか、または平行な平面内に位置し、ノブスタック114、124の平面間の角度は、本質的に0である。図2Bでは、ノブスタック114は、図2Bのページに平行な(またはほぼ平行な)平面上に位置する。しかしながら、ノブスタック124は、ノブスタック114の平面(例えば、図2Bのページ)と、例えば約30°の角度で交差する異なる平面上に位置する。したがって、システム20のこの構成では、ノブスタック124(およびデバイス120)は、ノブスタック114(およびデバイス110)に対して角度のある配向であり得る。
【0030】
そのような位置決めを考慮して、図2A~2Dを参照して図示および説明されるように、オペレータは、システム10と比べて、より安定した位置において、最小限の手首の回転および/または前腕の移動で、接触点(例えば、ノブスタック114および124ならびにポート116および126)にアクセスすることが可能であり得る。例えば、オペレータは、手首の回転または前腕の回転のみを介してノブスタック114および124にアクセスし得る。
【0031】
図3A~3Bは、別の実施形態の医療システム30を示す。同様の参照番号は同様の部分を指す。システム30は、第1の医療デバイス110と、第2の医療デバイス120と、固定具210とを含む。第1の医療デバイス110および第2の医療デバイス120は、システム10、20に示されるものと同じデバイスであってもよい。同様に、固定具210、210’、210”は、システム20に示されるような固定具210、210’、210”と同じであってもよく、デバイス110および120を連結し、両方のデバイス110、120を所望の構成に維持するように構成される。しかしながら、固定具210、210’、210”は、図3A~3Bに示される構成に適応するように調節または配向されてもよい。
【0032】
例えば、固定具210’(図2Cに示される)を参照すると、図3Aのデバイス110、120の位置に適応するために、可撓性リンケージ214’は、リンケージ214’がハンドル112の後ろに延在し、第2の部分216’(およびデバイス120)が第1の部分212’(およびデバイス110)よりもオペレータに近くなるように調節され得る。あるいは、固定具210’は、リンケージ214’を調節または操作することなく、例えば固定具210’をそのように製造することによって、第2の部分216’が第1の部分212’よりもオペレータに近くなり得るように配向されてもよい。この配向では、第2の部分216’は、チャネル/スロットを介して第2のデバイス120のハンドル122の遠位または下側の部分を受容してもよく、第1の部分212’は、チャネル/スロットを介して第1のデバイス110のハンドル112の遠位または下側の部分を受容してもよい。第2の部分216’のチャネル/スロットは、ノブスタック124の平面の任意の好適な角度のある配向でハンドル122を受容するように構成されてもよい。
【0033】
固定具210”(図2Dに示される)を参照すると、図3Aのデバイス110、120の位置に適応するために、可撓性リンケージ214”は、リンケージ214”がオペレータに向かってに延在し、第2の部分216’(およびデバイス120)が第1の部分212’(およびデバイス110)よりもオペレータに近くなるように調節され得る。あるいは、固定具210”は、リンケージ214”を調節または操作することなく、例えば固定具210”をそのように製造することによって、第2の部分216”が第1の部分212”よりもオペレータに近くなり得るように配向されてもよい。この配向では、第2の部分216”は、チャネル/スロットを介して第2のデバイス120のハンドル122の遠位または下側の部分を受容してもよく、第1の部分212”は、第1のデバイス110のアンビリカス111(またはアンビリカス111の張力緩和部)の一部を受容してもよい。第2の部分216”のチャネル/スロットは、ノブスタック124の平面の任意の好適な角度のある配向でハンドル122を受容するように構成されてもよい。
【0034】
システム30はまた、第1の医療デバイス110および第2の医療デバイス120の互いに対する位置決めに基づいて、改善された人間工学をもたらす。図3Aに示されるように、第2の医療デバイス120は、オペレータ(図1に示される)により近くてもよく、第1の医療デバイス110は、デバイス110と比べてオペレータからより遠くてもよい。システム30では、オペレータは、より遠い第1のデバイス110を一方の手(例えば、左手)で保持してもよく、他方の手(例えば、右手)を利用して、デバイス110および120の面部分(例えば、ノブスタック114および124)の間を行き来し、それらを操作してもよい。第2の医療デバイス120はまた、ノブスタック124がノブスタック114のわずかに下方にあるように位置決めされる。システム30が使用中であり、デバイス110および120が図3Aに示される位置(ハンドル112および122が本質的に直立/垂直)にあるとき、ノブスタック124がノブスタック114の下方にある角度は、例えば、ノブスタック114の中心点1141を通って延在する水平線と、点1141およびノブスタック124の中心点1241から延在する別の線との間で0°~90°未満、または5°~30°であってもよい。したがって、システム30におけるノブスタック114と124との間の距離はまた、システム10における当該距離と比べて最小化され得る。いくつかの例において、システム30におけるノブスタック124の中心とノブスタック114の中心との間の距離は、15.2cm(6インチ)、10.2cm(4インチ)、または6.99cm(2.75インチ)以下であってもよい。他の実施形態では、ノブスタック124は、システム30におけるノブスタック114とノブスタック124との間の距離がシステム10における当該距離と比べて最小化されたままである限り、ノブスタック114のわずかに上方、またはノブ114のレベルとほぼ同じレベルにあってもよいことに留意されたい。
【0035】
デバイス110は、固定具210を介して、オペレータが好む角度(例えば、ノブスタック114が位置する平面とノブスタック124が位置する平面との間の角度)で、デバイス120に取り付けられてもよい。角度は特に限定されず、特定の例では0°~100°、または5°~70°の範囲であってもよい。デバイス120の異なる角度のある配向の例が、図3A~3Bに示される構成に示されている。図3Aに見られるように、ノブスタック114および124は、同一またはほぼ同一の平面上に位置する。したがって、システム30のこの構成では、ノブスタック114およびノブスタック124は、同じ平面を共有するか、または平行な平面内に位置し、ノブスタック114、124の平面間の角度は、本質的に0である。図3Bでは、ノブスタック114は、図3Bのページに平行な(またはほぼ平行な)平面上に位置する。しかしながら、ノブスタック124は、ノブスタック114の平面(例えば、図3Bのページ)と、例えば約30°の角度で交差する異なる平面上に位置する。したがって、システム30のこの構成では、ノブスタック124(およびデバイス120)は、ノブスタック114(およびデバイス110)に対して角度のある配向であり得る。
【0036】
図3A図3Bを参照して図示および説明されるように、システム30におけるデバイス110および120の位置決めは、オペレータに、接触点間の制御を維持する能力を提供する。さらに、オペレータは、システム10と比べて、より安定した位置において、最小限の手首の回転および/または前腕の移動で、接触点(例えば、ノブスタック114および124ならびにポート116および126)にアクセスし得る。これは、処置または複数の処置の過程にわたるオペレータの疲労の減少に寄与し得る。
【0037】
システム30におけるデバイス110および120の位置決めにより、デバイス110および120は、デバイス構成に適応するように構造的に修正され得ることに留意されたい。図3A~3Bには示されていないが、例えば、デバイス120のポート126は、ハンドル122に沿ってより低い位置に配置されてもよく、その結果、ポート126への挿入は、デバイス110のノブスタック114によってさらに妨げられにくくなる。
【0038】
図4A~4Cは、別の実施形態の医療システム40を示す。同様の参照番号は同様の部分を指す。システム40は、第1の医療デバイス110と、第2の医療デバイス120と、付属デバイス130と、連結器220とを含む(図4C参照)。第1の医療デバイス110および第2の医療デバイス120は、システム10、20に示されるものと同じデバイスであってもよい。付属デバイス130は、特に限定されず、医療目的のための任意の好適なツールまたはデバイス(例えば、鉗子、針、バスケットなど)であってもよい。示されるように、付属デバイス130は、デバイス120のポート126の中に導入されてもよく、次いで、シャフト128のルーメンを通って遠位に延在してもよい。連結器220は、特に限定されず、デバイス120をアンビリカス111またはアンビリカス111の張力緩和部に取り付けるように構成される任意の好適な連結手段(例えば、クリップ、ストラップ、留め金、接着剤など)であってもよい。連結器220は、ハンドル122またはアンビリカス111(またはその張力緩和部)の一部に取り外し可能または取り外し不可能に固定されてもよい。さらに、連結器220は、連結器220の受容部分が、アンビリカス111もしくはその張力緩和部(連結器220がハンドル122に取り付けられる場合)を適切に受容し得るように、またはハンドル122(連結器220がアンビリカス111もしくはその張力緩和部に取り付けられる場合)を受容し得るように、調節可能であってもよい。連結器220は、任意の好適な手段を介して、ハンドル122およびアンビリカス111またはその張力緩和部上に固定されてもよい。
【0039】
システム40では、デバイス110のハンドル112は、手5(図示されるような左手など)を介してオペレータによって保持されてもよく、デバイス120のハンドル122は、オペレータの手5(および/または手首/前腕の一部)に支えられ得るように位置決めされてもよい。ハンドル122は、ノブスタック124およびポート126が概ねオペレータの方向に向くように、手5に支えられてもよい。一方、図4A~4Cに示されるように、他方の手6(示される右手など)は、デバイス110および120の面部分(例えば、ノブスタック114、124、ポート116、126)の間を行き来し、それらを操作してもよい。この構成では、ノブスタック114とノブスタック124との間の距離は、両方のノブスタック114、124の間の制御も維持しながら、システム10における当該距離と比べて最小化され得る。いくつかの例では、システム40において、ノブスタック124の中心点1241(図4Bに示す)からノブスタック114の中心点1141(図4Aに示す)までの直線距離は、17.8cm(7インチ)、12.7cm(5インチ)、または11.4cm(4.50インチ)以下であってもよく、オペレータの手および手首のサイズ/長さに依存し得る。したがって、オペレータは、システム10と比べて、より安定した位置において、最小限の手首の回転および/または前腕の移動で、接触点(例えば、ノブスタック114および124ならびにポート116および126)にアクセスし得る。
【0040】
さらに、デバイス120は、連結器220を介して連結されたまま、オペレータにとって最も快適で人間工学的な位置に、アンビリカス111に沿って移動可能であり得るか、またはアンビリカス111の周りで回転され得る。オペレータはまた、システム40の快適性および人間工学をさらに改善するために、手5の手首を回転させて、ノブスタック114および124の平面間の角度関係の微調整を可能にしてもよい。さらに、システム40において、ポート126および付属デバイス130は、システム10と同様の角度でアクセス可能なままであってもよいことに留意されたい。図4Cに示されるように、付属デバイス130は、ノブスタック114とハンドル112との間に位置してもよく、それによって、デバイス110の取り扱いに対するあらゆる妨害または干渉を最小限にし、また、デバイス130を所望の位置に固定する。
【0041】
図5は、別の実施形態の医療システム50を示す。同様の参照番号は同様の部分を指す。システム50は、第1の医療デバイス110と、第2の医療デバイス120’とを含む。第1の医療デバイス110は、前述の図面のいずれかに示されるものと同じデバイスであってもよい。
【0042】
第2の医療デバイス120’は、上述した他のシステムのデバイス120とは構造的に異なっていてもよい。例えば、デバイス120’において、ポート126と連通しているシャフト128は、ポート126におけるハンドル122の内側の近位端から、ノブスタック124を含む側とは反対のハンドル122の側の開口部(図5には図示せず)を通って、外部ハンドル122まで延在する。その開口部を出ると、シャフト128は、少なくとも部分的なループでデバイス110および/またはデバイス120’の一部の周りに延在し、次いで、ハンドル122のポート154に挿入され得る。次いで、シャフト128は、ポート154とハンドル122の受容端152との間にあるハンドル122の内部を通って、ポート154内に延在する。このようにして、オペレータは、(双方向矢印によって示されるように)シャフト128をポート154の内外にさらに移動させ得る。ポート154は、オペレータがシャフト128を調節および操作できるように、オペレータがアクセス可能なハンドル122のアンカー部分150の上側部分に位置決めされてもよい。人間工学的理由、処置効率などのために、ポート154は、ポート126の平面と同一または類似の平面に沿って位置決めされてもよい。ポート154はまた、ポート126の角度と同一または類似の角度で、ハンドル122に対して半径方向外向きに延在してもよい。したがって、オペレータは、最小限の手首および/または前腕の回転で、両方のポート154および126の間を行き来できる。医療ツールは、ポート126に挿入され、それによってシャフト128に挿入され、最終的に治療部位に到達する。
【0043】
さらに、第2の医療デバイス120’のハンドル122の下側部分は、アンカー部分150を含んでもよい。アンカー部分150は、図5に示されるように、ハンドル112の一部分上に受容または固定するように構成されたデバイス120’の面部分であり得、それによって、デバイス110および120’を連結する。アンカー部分150は、部分150の下端に少なくとも1つの受容端152を含む。受容端152は、デバイス110の面部分(例えば、ポート116)上に受容または連結するように構成されてもよい。受容端152は特に限定されず、例えば、開口部、チャネルなどであってもよい。受容端152は、任意の好適な手段(例えば、締め付け、摩擦嵌合、接着など)を介して、デバイス110を受容またはデバイス110に連結してもよい。アンカー部分150は、ポート154および受容端152が、デバイス110のポート116(図1に示される)の入口と連通するように、内部に構造化されてもよい。したがって、デバイス120’は、受容端152を介してデバイス110に固定されてもよく、シャフト128は、デバイス120’のポート154を通って、およびデバイス110のポート116を通って延在してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、アンカー部分150は、ハンドル122の一部に取り外し可能に連結される別個の構成要素であってもよいことに留意されたい。アンカー部分150は、任意の好適な連結特徴部(図示せず、例えば、摩擦嵌合、スナップオンなど)を介して、ハンドル122の一部(例えば、下側部分)に取り外し可能に連結されてもよい。さらに、他の実施形態では、アンカー部分150は、ハンドル122および挿入チューブ128の一部を受容するように構成される、ハンドル110の一体化された特徴部または取り外し可能な特徴部/構成要素であってもよい。そのような実施形態では、デバイス110および/またはデバイス120’は、アンカー部分150の一体化またはデバイス110、120’間の連結に適応するように、構造的に修正または変更されてもよい。
【0045】
システム50は、第1の医療デバイス110に対する第2の医療デバイス120’の位置決めに基づいて、改善された人間工学をもたらす。図5に示される固定の結果として、第1の医療デバイス110は、オペレータ(図1に示される)により近くてもよく、第2の医療デバイス120’は、第1の医療デバイス110と比べてオペレータからより遠くてもよい。システム50において、オペレータは、左手などの一方の手で、より近い第1のデバイス110を保持してもよく、右手などの他方の手を利用して、両方のデバイス110、120’の間を行き来し、デバイス110、120’の接触点(例えば、ノブスタック114および124)を操作してもよい。オペレータと第2のデバイス120’との間の距離は、特に限定されず、ハンドル112に対するアンカー部分150の位置に依存し得る。第2の医療デバイス120’はまた、限定されないが、ノブスタック124がノブスタック114のわずかに下方にあるように位置決めされる。さらに、デバイス120’は、アンカー部分150を介して、受容端152の角度に応じた角度でデバイス110に固定されてもよい。角度は特に限定されず、システム50の人間工学を維持する任意の好適な角度であってもよいことに留意されたい。
【0046】
デバイス120’は、ノブスタック114が位置する平面とノブスタック124が位置する平面との間の角度を変更するように回転し得ることにさらに留意されたい。例えば、受容端152は、例えば、摩擦嵌合を介して、デバイス110のポート116上に連結されてもよく、それによって、デバイス110に対するデバイス120’のいくらかの角回転を可能にする。角度は、オペレータの使用にとって人間工学的である任意の好適な角度であってもよい。例えば、角度は、0°~100°、または5°~70°の範囲であってもよいが、これらに限定されない。図5に見られるように、ノブスタック114は、図5のページに平行な(またはほぼ平行な)平面上に位置する。同様に、ノブスタック124は、図5のページに平行な(またはほぼ平行な)平面上に位置する。したがって、システム50のこの構成では、ノブスタック114およびノブスタック124は、同じ平面を共有するか、または平行な平面内に位置し、ノブスタック114、124の平面間の角度は、本質的に0である。しかしながら、システム50の他の例では、角度は、角度が例えば約20°、30°、または40°であるように、デバイス120’の回転を介して調節されてもよい。
【0047】
そのような位置決めを考慮して、図5を参照して図示および説明されるように、オペレータは、システム10と比べて、より安定した位置において、より少ない手首の回転および/または前腕の移動で、接触点(例えば、ノブスタック114および124ならびにポート116、126、および154)にアクセスすることが可能であり得る。
【0048】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたデバイスに様々な修正および変形が行われ得ることが当業者には明らかであろう。本開示の他の実施形態は、本明細書の考察および本明細書に開示される発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
【国際調査報告】