(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】チャイルド安全シートおよびその支持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
B60N2/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568312
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022062348
(87)【国際公開番号】W WO2022234121
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202110491918.0
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520144059
【氏名又は名称】バンビーノ プレツィオーソ スウィツァーランド アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Bambino Prezioso Switzerland AG
【住所又は居所原語表記】Beim Bahnhof 5, 6312 Steinhausen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼン、シャンヨン
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ヂアンウェン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE06
(57)【要約】
【課題】チャイルド安全シートおよびその支持アセンブリの提供。
【解決手段】チャイルド安全シートの支持アセンブリ(100)は、下記を含む。ベース(1);枢動可能アーム(21);枢動可能アーム(21)の上端に配置された第1クロスビーム(22)を含むリバウンドブラケット(2)であって、枢動可能アーム(21)の下端はベース(1)に枢動可能に連結されている、リバウンドブラケット(2);ベース(1)上に配置されたロック機構(4);張力ベルト(3)。テンションベルト(3)の第1端部(31)はベース(1)に接続され、第2端部(32)は引張端として機能し、中間部は第1クロスビーム(22)およびロック機構(4)を通過するように構成されている。テンションベルト(3)の第2端部(32)は、先ず第1クロスビーム(22)を通過し、次にロック機構(4)を通過し、ロック機構(4)はテンションベルト(3)をロックする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
リバウンドブラケットであって、枢動可能なアームと、該枢動可能なアームの上端に配置された第1のクロスビームとを備え、前記枢動可能なアームの下端が前記ベースに枢動可能に連結されているリバウンドブラケットと、
前記ベース上に配置されたロック機構と、
テンションベルトであって、前記テンションベルトの第1の端部は前記ベースに接続され、前記テンションベルトの第2の端部は引張端部として機能し、前記テンションベルトの中間部は前記第1のクロスビームと前記ロック機構を通過するように構成されている、テンションベルトと、を備え、
前記テンションベルトの第2の端部は、先ず前記第1のクロスビームを通過し、次に前記ロック機構を通過するように構成され、前記ロック機構は前記テンションベルトをロックするように構成されている、
チャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のクロスビームはガイドチャネルを備え、前記テンションベルトの中間部は、前記ガイドチャネルを通過して前記第1のクロスビームに巻き付けられるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項3】
前記第1のクロスビーム上に付属品が配置され、前記ガイドチャネルは、前記付属品に形成されるか、または前記付属品と前記第1のクロスビームとの間に形成されることを特徴とする、請求項2に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項4】
前記ロック機構は、前記ベースの前端部に配置され、前記テンションベルトの中間部は、前記ベースの底部を貫通して前記ロック機構を通過するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項5】
前記ロック機構は、ロックチャネルとロック部材とを備え、前記テンションベルトの中間部は、前記ロックチャネルを通過するように構成され、前記ロック部材は、前記テンションベルトを前記ロックチャネルのチャネル壁に押し付けるように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項6】
第1の突出部が、前記テンションベルトと接触する前記ロック部材の表面に配置され、および/または、
第2の突出部が、前記テンションベルトと接触する前記チャネル壁の表面に配置される、
請求項5に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項7】
弾性部材が前記ベースと前記リバウンドブラケットの間に配置され、前記弾性部材は、前記リバウンドブラケットを前記ベースから離すように、または、前記リバウンドブラケットを前記ベースに近づけるように、前記リバウンドブラケットに力を加えるように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項8】
ベースと、
リバウンドブラケットであって、枢動可能なアームと、該枢動可能なアームの上端に配置された第1のクロスビームとを備え、前記枢動可能なアームの下端が前記ベースに枢動可能に連結されているリバウンドブラケットと、
前記第1のクロスビーム上に配置されたロック機構と、
テンションベルトであって、前記テンションベルトの第1の端部は前記ベースに接続され、前記テンションベルトの中間部は前記ロック機構を通過するように構成され、前記テンションベルトの第2の端部は引張端部として機能する、張力ベルトと、を備え、
前記ロック機構は、前記テンションベルトをロックするように構成されている、
チャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項9】
前記テンションベルトの第2の端部は、前記ベースの底部を通過し、前記ベースの前部に向かって延びるように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項10】
前記ロック機構は、ロックチャネルとロック部材を備え、前記テンションベルトの中間部分は前記ロックチャネルを通過するように構成され、前記ロック部材は前記テンションベルトを前記ロックチャネルのチャネル壁に押し付けるように構成されている、請求項8または9に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項11】
前記ロック機構は、付けハウジングをさらに備え、前記ロックチャネルは、前記取付ハウジングに形成され、
前記ロック部材は、第1のピンシャフトによって前記取付ハウジングに枢動可能に連結され、前記ロック部材の第1の端部は、前記テンションベルトを前記ロックチャネルのチャネル壁に押し付けるように構成され、前記ロック部材の第2の端部は、前記ロック部材を第1のピンシャフトの周りに回転するように駆動する力を負担するように構成され、前記テンションベルトが前記ロック部材の第1の端部によって押し付けられるのを解除するように構成されている、
請求項10に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項12】
前記ロック部材の第1の端部はカムからなることを特徴とする、請求項11に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項13】
前記ロック機構は、第1のピンシャフトをスリーブする第1の捩りバネをさらに備え、前記第1の捩りバネの両端は、それぞれ、前記ロック部材と前記取付ハウジングに接続される、請求項11または12に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項14】
前記ロック機構は、第2のピンシャフトによって前記取付ハウジングに枢動可能に連結され、前記ロック部材を少なくとも部分的に覆うボタンをさらに備え、前記ボタンは、前記ロック部材の第2の端部に対応する押圧部を有する、請求項11から13のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項15】
前記ロック部材の第1の端部は、前記テンションベルトに押し付けられるように構成された湾曲面を有する、請求項11から14のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項16】
ラチェット構造が曲面上に配置されている、請求項15に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項17】
弾性部材が前記ベースと前記リバウンドブラケットの間に配置され、前記弾性部材は、前記リバウンドブラケットを前記ベースから離すように、または、前記リバウンドブラケットを前記ベースに近づけるように、前記リバウンドブラケットに力を加えるように構成されている、請求項8から16のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項18】
前記弾性部材はバネであり、前記バネの両端はそれぞれ、前記ベースと前記リバウンドブラケットに連結されている、または、
前記弾性部材が第2の捩りバネであり、前記リバウンドブラケットの下端が第3のピンシャフトによって前記ベースに枢動可能に連結され、前記第2の捩りバネが前記第3のピンシャフトをスリーブし、前記第2の捩りバネの両端がそれぞれ、前記ベースと前記リバウンドブラケットに連結されている、
請求項17に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリを備えることを特徴とするチャイルド安全シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年5月6日に出願された中国特許出願202110491918.0の優先権を主張するものであり、その名称は「チャイルド安全シートおよびその支持アセンブリ」であり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、チャイルド安全シートの分野に関し、より詳細には、チャイルド安全シートおよびその支持アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
チャイルド安全シートは通常、自動車の座席に取り付けられるように構成され、乳幼児の移動の安全性を保証する。チャイルド安全シートは、シート本体と支持アセンブリを含む。シート本体は、着座した乳幼児に拘束システムを提供し、支持アセンブリは、シート本体を車両シートに強固かつ確実に固定するように構成され、シート本体が車両シートに対して転倒したり滑ったりするのを防止する。
【0003】
図1は、チャイルド安全シートの典型的な支持アセンブリ(以下、支持アセンブリと呼ぶ)の側面図である。支持アセンブリは、ベース1’、リバウンドブラケット2’、およびロードレッグ5’を含む。ベース1’は、車両シートのシート本体上に配置されるように構成されており、ベース1’の後端には、車両シートのISOFIXソケットにロックされるように構成されたISOFIXプラグ9’が設けられている。リバウンドブラケット2’はリバウンドバーとも呼ばれ、リバウンドブラケット2’の下端はベース1’に固定的に取り付けられ、ベース1’に対して傾斜している。リバウンドブラケット2’は、車両シートの背もたれに押し付けられるように構成されている。ロードレッグ5’は、ベース1’の前端に配置され、車両の床に支持されるように構成されている。リバウンドブラケット2’は、ロードレッグ5’と協働することで、事故により車両が急ブレーキをかけられた際、ベースの転倒を防止し、ベース1’上に設置されたシート本体の転倒を防止する。
【0004】
チャイルド安全シートの支持アセンブリが使用されているとき、リバウンドブラケット2’が車両シートの背もたれにしっかりと押し付けられ、ロードレッグ5’が車両の床にしっかりと押し付けられると、チャイルド安全シートは完全に保護された役割を果たす。車両の種類は様々であり、様々な車両の内部設計は極めて異なっているため、チャイルド安全シートの支持アセンブリが様々な種類の車両に適用できるようにするために、関連技術では、ロードレッグ5’は、マルチセクションの格納式ロードレッグとなるように構成されている。リバウンドブラケット2’の背もたれへの押し付け効果と、ロードレッグ5’の車両フロアへの押し付け効果は、ロードレッグ5’の高さを調整することによって調整される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、チャイルド安全シートの支持アセンブリを提供し、チャイルド安全シートの支持アセンブリの様々なタイプの車両への適合性を向上させることを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本願は、ベース、リバウンドブラケット、ロック機構、およびテンションベルトを含む、チャイルド安全シートの支持アセンブリを提供する。リバウンドブラケットは、枢動可能なアームと、枢動可能なアームの上端に配置された第1のクロスビーム(crossbeam)とを含む。枢動可能なアームの下端は、ベースに枢動可能に連結されている。ロック機構はベース上に配置される。テンションベルトの第1端はベースに接続され、テンションベルトの第2端は引張端として機能し、テンションベルトの中間部分は第1のクロスビームとロック機構を通過するように構成されている。テンションベルトの第2端は、最初に第1のクロスビームを通過し、次にロック機構を通過するように構成されており、ロック機構はテンションベルトをロックするように構成されている。
【0007】
別の態様において、本願は、ベース、リバウンドブラケット、ロック機構、およびテンションベルトを含む、チャイルド安全シートの支持アセンブリを提供する。リバウンドブラケットは、枢動可能なアームと、枢動可能なアームの上端に配置された第1のクロスビームとを含み、枢動可能なアームの下端はベースに枢動可能に連結されている。ロック機構は第1のクロスビーム上に配置される。テンションベルトの第1端はベースに接続され、テンションベルトの中間部はロック機構を通過するように構成され、テンションベルトの第2端は引張端として機能する。ロック機構は、テンションベルトをロックするように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、テンションベルトの第2端は、ベースの底部を貫通し、ベースの前部に向かって延在するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、ロック機構は、ロックチャネルとロック部材とを含み、テンションベルトの中間部は、ロックチャネルを通過するように構成され、ロック部材は、テンションベルトをロックチャネルのチャネル壁に押し付けるように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、ロック機構は更に取付ハウジングを含み、ロックチャネルは取付ハウジング内に形成される。ロック部材は、第1のピンシャフトによって取付ハウジングに枢動可能に連結される。ロック部材の第1端は、テンションベルトをロックチャネルのチャネル壁に押し付けるように構成され、ロック部材の第2端は、ロック部材を第1のピンシャフトの周りに回転させるように駆動する力を負担するように構成され、テンションベルトがロック部材の第1端によって押し付けられるのを解除する。
【0011】
いくつかの実施形態では、ロック部材の第1端はカムを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、ロック機構は、第1のピンシャフトをスリーブ(sleeve)する第1の捩りバネをさらに含み、第1の捩りバネの2つの端部は、それぞれ、ロック部材および取付ハウジングに接続される。
【0013】
いくつかの実施形態では、ロック機構は、第2のピンシャフトによって取付ハウジングに枢動可能に連結され、ロック部材を少なくとも部分的に覆うボタンをさらに含み、ボタンは、ロック部材の第2の端部に対応する押圧部を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、ロック部材の第1の端部は、テンションベルトに押し付けられるように構成された湾曲面を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、ラチェット構造(ratchet structure)が湾曲面上に配置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、弾性部材がベースとリバウンドブラケットとの間に配置され、弾性部材は、リバウンドブラケットをベースから離すように、または、リバウンドブラケットをベースに近づけるように、リバウンドブラケットに力を及ぼすように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、弾性部材はバネであり、バネの両端はそれぞれベースとリバウンドブラケットに連結されている。あるいは、弾性部材は第2の捩りバネであり、リバウンドブラケットの下端は第3のピンシャフトによってベースに枢動可能に連結されている。第2の捩りバネは第3のピンシャフトをスリーブし、第2の捩りバネの両端はそれぞれベースとリバウンドブラケットに連結されている。
【0018】
別の態様において、本願は、上記チャイルド安全シートの支持アセンブリを備えるチャイルドシートを提供する。
【0019】
本願発明が提供するチャイルド安全シートの支持アセンブリを車両シートに取り付けて締め付ける必要がある場合、テンションベルトとロードレッグを操作することにより、リバウンドブラケットは車両シートの背もたれを容易に強く押圧することができ、ロードレッグの下端は車両内の床を押圧するので、支持アセンブリは様々なタイプの車両の車両シートに確実に係合することができ、その間の相対移動は容易に発生しない。本願発明が提供するチャイルド安全シートの支持アセンブリは、高い汎用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、関連技術のチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す側面図である。
【
図2】
図2は、本願発明の一実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本願発明の実施形態に係るチャイルド安全シートの支持アセンブリのベースフレーム及びリバウンドブラケットを概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本願発明の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す縦断面図である。
【
図5】
図5は、本願発明の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリのロック機構を概略的に示す縦断面図である。
【
図6】
図6は、本願発明の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリのロック機構を概略的に示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、本願発明の別の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本願発明の他の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す縦断面図である。
【
図9】
図9は、本願発明の他の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを別の方向から概略的に示す斜視図である。
【
図10】
図10は、本願発明の他の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリのロック機構を概略的に示す縦断面図である。
【
図11】
図11は、本願発明のさらに別の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す斜視図である。
【
図12】
図12は、本願発明の他の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す部分縦断面図である。
【
図13】
図13は、本願発明のさらに別の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す斜視図である。
【
図14】
図14は、本願発明の他の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す別の視点からの斜視図である。
【
図15】
図15は、本願発明の他の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリを概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
しかし、多段開閉式支持脚の高さ調節には段差があり、多段開閉式支持脚を備えたチャイルド安全シートを一部の車両に適用する場合、上部傾動ブラケットの緊密な押圧作用と支持脚の緊密な押圧作用の両方を同時に考慮することは困難である。
【0022】
図2から
図6は、本願発明の一実施形態に係るチャイルド安全シートの支持アセンブリ100の構造を概略的に示している。チャイルド安全シートの支持アセンブリ100(以下、略して支持アセンブリ100ともいう)は、ベース1と、リバウンドブラケット2と、テンションベルト3と、ロック機構4と、ロードレッグ5とを含む。
【0023】
図2から
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、ベース1は、ベースフレーム11と、ベースフレーム11上に配置されたベース本体12とを含む。ベースフレーム11は、車両の左右方向に沿って間隔をおいて配置された2本の長手方向ビーム111を含み、各長手方向ビーム111は、ほぼ直線状であるか、または任意の他の適切な形状である。本実施形態では、2本の長手方向ビーム111の前端部がそれぞれ上方に折り曲げられ、2本の長手方向ビーム111の後端部が接合されてコの字状に形成されている。ベース本体12は、2本の長手方向ビーム111上に配置され、チャイルド安全シートのシート本体(図示せず)と共に設置されるように構成されている。ベース1の構造は、他の実施態様を有することもできることを理解されたい。
【0024】
なお、本実施形態における「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」等の方向用語は、特に明示的な限定がない限り、車両の「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」方向に対応する。「前」「後」「左」「右」方向は、図中の矢印F、B、L、Rで模式的に示されている。方向用語は、本願の実施形態の説明をより明確にするために使用されているに過ぎず、本願の保護範囲を不当に限定することを意図するものではない。
【0025】
リバウンドブラケット2及びロードレッグ5は、それぞれベース1に連結されている。関連技術によれば、ベース1は車両用シートのシート本体(図示せず)上に配置されるように構成され、ベース1のベース本体12の後端部にはISOFIXプラグ9が設けられていることが理解されるであろう。ISOFIXプラグ9は、車両シートのISOFIXソケットにロックされるように構成されている。リバウンドブラケット2は、車両シートの背もたれに押し付けられるように構成されており、ロードレッグ5は、車両の床に支持されるように構成されている。この実施形態では、リバウンドブラケット2は、例えば、U字型のリバウンドバーであり、2つの枢動可能なアーム21と、2つの枢動可能アーム21の上端に配置された第1のクロスビーム22とを含む。2つの枢動可能アーム21の下端は、例えば、それぞれ第3のピンシャフト28によって、ベース1のベースフレーム11の中間部の後方位置に枢動可能に連結されている。支持アセンブリ100が通常使用されているとき、枢動可能アーム21はそれぞれベース1に対して傾斜している。この実施形態では、傾斜ブラケット(leaning bracket)2は、2つの枢動可能アーム21を含み、第1のクロスビーム22は、2つの枢動可能アーム21の上端部間に連結されているが、いくつかの代替実施形態では、寄りかかりブラケット2は、例えば、1つの枢動アームを含み、枢動アームは、例えば、ベースフレーム11の長手方向の中心面上に配置されていることを理解されたい。この場合、第1のクロスビーム22と枢動アームとは、例えばT字形になるように配置される。ロードレッグ5は、車両のフロアに支持されるように構成されている。ロードレッグ5の上端は、第2のクロスビーム51を含み、第2のクロスビーム51の両端は、ベースフレーム11の前端、より具体的には、2本の長手方向ビーム111の前端に枢動可能に連結されている。
【0026】
テンションベルト3は、例えば、布ベルトまたは他の適切なベルトである。テンションベルト3の第1の端部31はベース1に接続され、テンションベルト3の第2の端部32は例えば引張端である。テンションベルト3の中間部30、すなわち第1の端部31と第2の端部32との間に位置するテンションベルト3の部分は、第1のクロスビーム22を通過し、より具体的には第1のクロスビーム22に巻き付けられる。テンションベルト3の中間部30は、第1のクロスビーム22によってリバウンドブラケット2と連結されており、テンションベルト3は、それ自体の張力によってリバウンドブラケット2に効果を及ぼすことができることが理解されよう。いくつかの実施形態では、テンションベルト3の第2の端部は自由端である。いくつかの実施形態では、テンションベルト3の第2の端部32は、プルリング35を含み、使用者は、プルリング35によってテンションベルト3を引っ張ることができる。
【0027】
図2から
図4を参照すると、チャイルド安全シートの支持アセンブリ100が使用されているとき、すなわち、ベース1がチャイルド安全シートを支持するために車両シートのシート本体上に置かれ、リバウンドブラケット2が車両シートの背もたれに押し付けられているとき、使用者がテンションベルト3の第2の端部32を引っ張ると、テンションベルト3は、張力が加えられた状態でリバウンドブラケット2に圧力を加え、リバウンドブラケット2がベース1に向かって矢印Zで示す方向に枢動することを可能にし、それによって車両シートの背もたれに強く押し付けられる。
【0028】
この実施形態では、テンションベルト3の中間部30は、第1のクロスビーム22の中間部分に巻き付けられることによって、第1のクロスビーム22とスライド可能に連結され、これは、テンションベルト3が引っ張られているときにリバウンドブラケット2にかかる力のバランスをとるのに有益である。もちろん、他の実施形態では、テンションベルト3の中間部30は、例えば、いずれかの枢動可能アーム21の上方位置に配置された他の任意のクロスビーム構造に巻き付けられ、したがって、枢動可能アーム21と相対的にスライド可能に連結される。この場合、テンションベルト3が引っ張られると、テンションベルト3は、リバウンドブラケット2を背もたれの支持力に抗してベース1側に枢動させるように駆動することもでき、これにより、リバウンドブラケット2は、車両用シートの背もたれに強固に押し付けられる。
【0029】
図4から分かるように、ベース1の適所にはロック機構4が取り付けられている。このロック機構4は、テンションベルト3と連結し、テンションベルト3がリバウンドブラケット2に前述の押圧力を作用させた状態を維持できるように構成されている。上記の説明によれば、支持アセンブリ100が使用されているとき、ベース1に向かってのリバウンドブラケット2の枢動は、車両シートの背もたれによって制限されることが知られよう。使用者がテンションベルト3の第2の端部32を引っ張ってリバウンドブラケット2を車両シートの背もたれに強く押し付けた後、ロック機構4は、テンションベルト3の第1の端部31とロック機構4との間にあるテンションベルト3の部分が引張られた状態に保たれるように、テンションベルト3とロック機構4との間の相対移動を阻止するように構成されている。すなわち、テンションベルト3とロック機構4の作用の下で、第1のクロスビーム22とテンションベルト3の第1の端部31との間の垂直距離Hは、ほぼ一定の値を維持する。この場合、使用者がテンションベルト3の第2の端部32を緩めても、テンションベルト3はリバウンドブラケット2に上記の押圧力を付与した状態を維持することができ、リバウンドブラケット2は車両用シートの背もたれに強く押し付けられた状態を維持する。
【0030】
図4を参照して、本実施形態において、ロック機構4は、例えば、ベース1のベース本体12の前端部に配置されており、テンションベルト3の第1の端部31から第2の端部32に向かう経路方向において、第1のクロスビーム22よりも下流側に配置されている。テンションベルト3の中間部30は、ベース1の底部を通ってロック機構4を通過し、テンションベルト3の第2の端部32が引っ張られたときにベース1の前方に向かって延びるようにする。このようにして、リバウンドブラケット2を車両用シートの背もたれに強く押し付ける必要がある場合には、使用者は、テンションベルト3の第2の端部32をベース1の前方から引っ張ってロック機構4を操作することにより、容易に、テンションベルト3の押圧を受けたリバウンドブラケット2が車両用シートの背もたれに押し付けられるようにすることができる。
図4を参照すると、テンションベルト3の第1の端部31から第2の端部32までの経路方向において、テンションベルト3の第1の端部31は第1のクロスビーム22よりも上流側に配置され、テンションベルト3の第2の端部32はロック機構4よりも下流側に配置されていることが理解されよう。テンションベルト3の取り付け工程において、テンションベルト3の第1の端部31がベース1に接続されている場合、テンションベルト3の第2の端部32は、第1のクロスビーム22およびロック機構4を順に通過することができ、これによりテンションベルト3の取り付けが完了する。
【0031】
幾つかの実施形態では、テンションベルト3の中間部30が確実に第1のクロスビーム22に巻き付けられ、張力が付与されているときに第1のクロスビーム22に沿って横方向に移動しないようにするために、リバウンドブラケット2は、テンションベルト3の中間部30が通過することを可能にするガイドチャネル201を含む。
図2を参照すると、ガイドチャネル201は、例えば、クロスビーム22に配置された貫通孔によって形成される。図示しない幾つかの実施形態では、ガイドチャネル201は、例えば、第1のクロスビーム22に配置されたスロットによって形成され、または、ガイドチャネル201は、例えば、第1のクロスビーム22上に配置された付属品によって形成され、または、ガイドチャネル201は、例えば、第1のクロスビーム22と第1のクロスビーム22上に配置された付属品との間に形成される。
【0032】
図5及び
図6を参照すると、ロック機構4の例示的な実施形態が示されている。ロック機構4は、ロック部材41とロックチャネル402とを含む。テンションベルト3の中間部30はロックチャネル402を通り、ロック部材41はテンションベルト3をロックチャネル402のチャネル壁4021に押し付けるように構成されているので、テンションベルト3のうち第1の端部31とロック機構4との間にある部分は引張られる。ロック部材41は、ロック状態またはロック解除状態にあることが理解されよう。ロック部材41がロック状態にあるとき、ロック部材41はテンションベルト3をチャネル壁4021に押し付け、すなわちテンションベルト3はロック部材41とチャネル壁4021との間にクランプされる。この場合、テンションベルト3が引っ張られると、テンションベルト3はロック機構4に対して相対的に移動しないように保護される。ロック部材41がロック解除状態にあるとき、テンションベルト3はロック部材41による押圧から解放され、テンションベルト3は全体が弛緩状態にあり、ロック機構4に対する相対移動が許容される。
【0033】
幾つかの実施形態では、テンションベルト3と接触しているロック部材41の表面は、第1の突出部を含み、および/または、テンションベルト3と接触しているチャネル壁4021の表面は、第2の突出部(図示せず)を含む。第1の突出部および第2の突出部は、例えば、突起、歯、または他の構造である。ロック部材41がテンションベルト3をチャンネル壁4021に押し付けると、第1の突出部と第2の突出部とが凹凸の協働によってテンションベルト3に係合し、テンションベルト3の移動に対する抵抗が増大し、ロック部材41がロック状態にあるときにテンションベルト3がロック機構4に対して相対的に移動することをさらに防止する。
【0034】
図5を参照すると、ロック機構4は取付ハウジング42を含み、この取付ハウジング42を介してロック機構4が固定位置、より具体的にはベース1上に取り付けられる。ロックチャンネル402は、取付ハウジング42に形成されている。テンションベルト3は、ロックチャンネル402の一端から取付ハウジング42に入り、ロックチャンネル402の他端から取付ハウジング42から出る。ロック部材41は、取付ハウジング42上に配置されている。例えば、ロック部材41の中間部は、第1のピンシャフト43によって取付ハウジング42に枢動可能に連結されている。ロック部材41の第1の端部411は、テンションベルト3をロックチャネル402のチャネル壁4021に押し付けるロック端として機能し、ロック部材41の第2の端部412は、ロック部材41が第1のピンシャフト43の周りに回転することを可能にする操作端として機能し、それによってテンションベルト3がロック部材41の第1の端部411によって押圧されている状態から解放される。
【0035】
本実施形態では、取付ハウジング42の例示的な実施形態が示されている。取付ハウジング42は、例えば、第1のハウジング421と第2のハウジング422とを含む。第1のハウジング421および第2のハウジング422は、例えば締結具によってベース本体12のリブ121に係合固定される。ロック部材41は、例えば、第2のハウジング422上に配置され、ロックチャネル402は、例えば、第2のハウジング422に形成される。
【0036】
図6を参照すると、幾つかの実施形態では、第2のハウジング422は、例えば、支持体4220をさらに含む。支持体4220は、例えば、金属材料(例えば、鉄、またはステンレス鋼)で作られ、締結具によって、例えば、プラスチック材料で作られた第2のハウジング422の本体上に固定される。支持体4220は、例えば、底壁4220aと、底壁4220aの反対側に位置する2つの側壁4220bとを含む。第1のピンシャフト43は、スリーブ432と、スリーブ432によってスリーブされたコアシャフト431とを含む。ロック部材41は、スリーブ432と枢動可能に連結されるように構成された貫通孔41aを有する。側壁4220bには、コアシャフト431と枢動可能に連結されるように構成された貫通孔4220cが形成されている。ロックチャネル402のチャネル壁の少なくとも一部は、底壁4220aの内面に形成されており、ロック部材41の第1の端部411は、例えば、テンションベルト3を底壁4220aに押し付けるように構成されている。他の実施形態において、取付ハウジング42は、上記の例に限定されない他の実施態様を有することが理解されよう。
【0037】
図5および
図6を参照すると、本実施形態において、ロック機構4は、第1のピンシャフト43をスリーブする第1の捩りバネ45をさらに含む。第1の捩りバネ45の両端は、ロック部材41および取付ハウジング42、例えば取付ハウジング42の支持部4220にそれぞれ連結されている。第1の捩りバネ45は、ロック部材41をロック状態に保つように構成されている。テンションベルト3を緩める必要がある場合には、ロック部材41の第2の端部412を押圧して、ロック部材41を第1の捩りバネ45の弾性力に抗して第1のピンシャフト43を中心に枢動させ、すなわち、ロック部材41の第1の端部411をテンションベルト3から浮き上がらせ、ロック部材41をロック解除状態に切り替える。
【0038】
幾つかの実施形態では、ロック部材41の第1の端部411は、テンションベルト3を押圧するための湾曲面を有し、湾曲面は、その上に形成された突出歯410を含む。突出歯410は、テンションベルト3を底壁4220aに押し付けるように構成されており、テンションベルト3の動きを効果的に防止することができる。幾つかの実施形態では、湾曲面上の突出歯410は、ラチェット構造を有するように構成されている。この場合、ロック部材41がロック状態にあるとき、テンションベルト3の第2の端部32が引っ張られると、テンションベルト3がロック機構4に対して前方に移動し、リバウンドブラケット2が背もたれにさらに押し付けられる。ロック部材41がロック状態にあるとき、ラチェット構造により、テンションベルト3がロック機構4に対して相対的に後方へ移動することが阻止され、これにより、テンションベルト3の緊張部分が緩むことが阻止される。
【0039】
図5および
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、ロック機構4は、第2のピンシャフト46によって取付ハウジング42に枢動可能に連結されたボタン47をさらに含む。例えば、第2のハウジング422には、第2のピンシャフト46を取り付けるための孔4221が設けられている。ボタン47は、例えば、少なくとも部分的に、ロック部材41を覆い、ボタン47は、ロック部材41の第2の端部412に対応する押圧部472を有する。使用者は、押圧部472を押すことにより、ロック部材41をロック解除状態に容易に切り替えることができる。
【0040】
一実施形態では、ロック部材41の第1の端部はカムであり、使用者は、カムの形状特徴を介してロック部材41の第2の端部412を操作して、ロック部材41が第1のピンシャフト43を中心に枢動できるようにすることができ、それにより、ロック部材41をロック状態とロック解除状態との間で容易に切り替えることができる。より具体的には、テンションベルト3の第2の端部32を引っ張ってテンションベルト3に張力を生じさせ、使用者がロック部材41の第2の端部412を操作してロック部材41をロック状態に切り換えさせると、ロック部材41のカムがテンションベルト3をロックチャンネル402のチャンネル壁4021に押し付けることになる。このとき、使用者がテンションベルト3の第2の端部32を緩めても、テンションベルト3の第1の端部31とロック機構4との間の部分は張力がかかったままである。使用者がロック部材41の第2の端部412を操作してロック部材41をロック解除状態に切り換えると、ロック部材41のカムはテンションベルト3の押圧を解除し、即ちテンションベルト3はロック部材41のカムとロックチャンネル402のチャンネル壁4021との間にクランプされない。このとき、テンションベルト3全体は弛緩状態にあり、使用者は必要に応じてテンションベルト3を引っ張ることができる。
【0041】
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、弾性部材6がベース1とリバウンドブラケット2との間に配置されている。要求により、弾性部材6は、リバウンドブラケット2をベース1から離すように、またはベース1に近づけるように、リバウンドブラケット2に力を及ぼすように構成されている。弾性部材6がリバウンドブラケット2をベース1から離間させる力をリバウンドブラケット2に作用させていることを例にとると、リバウンドブラケットを背もたれに対する押圧から解放する必要がある場合には、使用者がロック部材41をロック解除状態に切り替えることにより、弾性部材6の作用下にリバウンドブラケット2が自動的に上昇し、背もたれに押圧されなくなる。
【0042】
幾つかの実施形態では、弾性部材6は第2の捩りバネを含む。第2の捩りバネは、第3のピンシャフト28をスリーブし、第2の捩りバネの2つの端部は、それぞれ、ベース1およびリバウンドブラケット2に接続される。図示されていない幾つかの実施形態では、弾性部材6は線形バネであり、バネの2つの端部はそれぞれベース1およびリバウンドブラケット2に接続されている。
【0043】
図2を参照して、本実施形態の支持アセンブリ100を車両用シートに取り付けた後、例えば車両用シートのシート本体や背もたれに強く押し付ける必要がある場合には、ロック部材41をロック解除状態に切り換え、テンションベルト3の第2の端部32を前方に引っ張ってリバウンドブラケット2を矢印Zで示す方向に強制的に揺動させ、リバウンドブラケット2を背もたれに強く押し付け易くする。そして、ロック部材41をロック状態に切り換えて、リバウンドブラケット2を背もたれに強く押し付けた状態を維持する。さらに、ロードレッグ5を後方に押すことにより、ロードレッグ5が車両のフロアに強く押し付けられ易くなる。
【0044】
本実施形態の支持アセンブリ100において、ロードレッグ5は、引き込み可能なロードレッグまたは一定の長さを有するロードレッグであり、ロードレッグ5は、ベース1に固定的または枢動可能に連結されている。テンションベルト3の第2の端部32が引っ張られることにより、リバウンドブラケット2が背もたれに対して容易に強く押し付けられる。そして、ロック機構4によってテンションベルト3がロックされ、ロードレッグ5の下端が車両のフロアに強く押し付けられるので、支持アセンブリ100は、様々な車両の座席に確実に係合することができる。
【0045】
図7から
図10は、本願発明の別の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリ100の構造を概略的に示している。
【0046】
図に示すように、上記実施形態と同様に、本実施形態の支持アセンブリ100は、ベース1、リバウンドブラケット2、テンションベルト3、ロック機構4、およびロードレッグ5を含む。この実施形態が上記の実施形態と異なるのは、主にロック機構4の位置である。矛盾を生じない範囲で、この実施形態の他の特徴は、上記の実施形態の説明を参照することができる。
【0047】
図7から
図9を参照すると、この実施形態では、ロック機構4は、ベース1のベース本体12ではなく、第1のクロスビーム22の中間部分に配置され、テンションベルト3の中間部分30は、ロック機構4のロックチャネル402によってリバウンドブラケット2の第1のクロスビーム22に連結される。
図8を参照すると、テンションベルト3の第1の端部31はベース1に連結され、テンションベルト3の第2の端部32はロック機構4を通過してから下方に向かい、ベース1の底部を通過してベース1の前方に向かって延びている。
【0048】
ロック機構4の構造は、
図6に示すロック機構4を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
図9及び
図10を参照すると、本実施形態では、取付ハウジング42の第1のハウジング421と第2のハウジング422とが係合され、例えば締結具によって第1のクロスビーム22の中間部に固定されている。
【0049】
図8を参照すると、本実施形態の支持アセンブリ100の使用時には、テンションベルト3の第2の端部32が引っ張られ、テンションベルト3に張力が付与されると同時に、リバウンドブラケット2に圧力が付与され、リバウンドブラケット2が矢印Zで示す方向にベース1に向かって枢動し、車両シートの背もたれにしっかりと押し付けられるようにする。すると、テンションベルト3とロック機構4との間の相対移動はロック機構4によって阻止されるので、テンションベルト3の第1の端部31とロック機構4との間の部分は張力状態に保たれる。すなわち、テンションベルト3とロック機構4の作用の下で、第1のクロスビーム22とテンションベルト3の第1の端部31との間の垂直距離Hは、ほぼ一定の値を維持する。この場合、使用者がテンションベルト3の第2の端部32を緩めても、テンションベルト3はリバウンドブラケット2を押圧する状態を維持することができ、リバウンドブラケット2は車両用シートの背もたれに強く押し付けられた状態を維持する。
【0050】
図11および
図12は、本願発明のさらに別の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリ100の構造を概略的に示している。
【0051】
図に示すように、
図7から
図9に示す実施形態と同様に、本実施形態の支持アセンブリ100は、ベース1と、リバウンドブラケット2と、テンションベルト3と、ロック機構4と、ロードレッグ5とを含む。ロック機構4は、第1のクロスビーム22の中間部分に配置されている。
図7から
図9に示す実施形態とは異なり、この実施形態では、テンションベルト3の第2の端部32は、ベース1の底部を通ってベース1の前方まで延びるように構成されていない。
図11を参照すると、テンションベルト3の第2の端部32は、例えば、ロック機構4をその後方から前方に向かう方向に通過するように構成されている。テンションベルト3の第2の端部32は、力が加わっていない状態では、ベース1の上方に垂れ下がっている。テンションベルト3はベース1の底部を通過する必要がないため、テンションベルト3の長さは大幅に短縮される。この実施形態の他の特徴については、矛盾がない範囲で、上記の実施形態の説明を参照できる。
【0052】
尚、本実施形態のロック機構4の構造は、
図6、
図11又は
図12に示すロック機構4を参照することができる。ロック機構4は、ロック機構4を第1のクロスビーム22に固定するように構成された取付ハウジング42と、取付ハウジング42に枢動可能に連結されたロック部材41とを含む。ロック部材41の第1の端部411は、テンションベルト3に押し付けるロック端として機能し、ロック部材41の第2の端部412は、ロック部材41の第1の端部411のテンションベルト3への押し付けを解除する操作端として機能する。上記実施形態の説明を参照すると、ロック部材41は、第1のピンシャフト43によって取付ハウジング42に枢動可能に連結されている。ロック部材41の第1の端部411は、例えば、カムを含み、あるいは、ロック部材41の第1の端部411は、突出歯410を含む曲面である。第1の捩りバネ45は、第1のピンシャフト43をスリーブする。さらに、取付ハウジング42は、ボタン47を備えていなくてもよい。
【0053】
本実施形態の支持アセンブリ100の使用時には、テンションベルト3の第2の端部32が水平方向に引っ張られる一方で、リバウンドブラケット2が車両シートの背もたれに向かって押される。テンションベルト3が張られている間、リバウンドブラケット2はベース1に向かって矢印Zで示す方向に枢動し、車両シートの背もたれに強く押し付けられる。すると、テンションベルト3とロック機構4との間の相対移動はロック機構4によって阻止されるので、テンションベルト3の第1の端部31とロック機構4との間の部分は張力状態に保たれる。すなわち、テンションベルト3とロック機構4の作用の下で、テンションベルト3の第1のクロスビーム22と第1の端部31との間の垂直距離Hは、ほぼ一定の値を維持する。この場合、使用者がテンションベルト3の第2の端部32を緩めても、テンションベルト3の張力付与部が第1のクロスビーム22を引っ張り、リバウンドしないので、リバウンドブラケット2は、車両シートの背もたれに強く押し付けられた状態に維持される。
【0054】
図13から
図15は、本願発明のさらに別の実施形態によるチャイルド安全シートの支持アセンブリ100の構造を概略的に示している。
【0055】
図に示すように、
図11および
図12に示す実施形態と同様に、本実施形態の支持アセンブリ100は、ベース1、リバウンドブラケット2、テンションベルト3、ロック機構4、およびロードレッグ5を含む。ロック機構4は、第1のクロスビーム22の中間部分に連結されている。
図11及び
図12に示す実施形態とは異なり、テンションベルト3の第2の端部32は、先ずロック機構4のロックチャネル402を通過し、その後、第1のクロスビーム22に巻き付けられ、その後、前方に延びるように構成されている。第1のクロスビーム22に巻き掛けられたテンションベルト3の中間部30が第1のクロスビーム22に沿って不意に移動するのを防止するために、リバウンドブラケット2の第1のクロスビーム22にはハウジング7が設けられ、ハウジング7には、第1のクロスビーム22に巻き掛けられたテンションベルト3が通過可能な孔71が形成されている。なお、本実施形態の他の特徴については、矛盾を生じない範囲で、上記の実施形態の説明を参照されたい。
【0056】
図14及び
図15に示すように、ロック機構4は、ロック機構4を第1のクロスビーム22に固定するように構成された取付ハウジング42と、第1のピンシャフト43によって取付ハウジング42に枢動可能に連結されたロック部材41とを含む。第1の捩りバネ45は、第1のピンシャフト43をスリーブするように構成されており、第1の捩りバネ45の2つの端部は、それぞれ、ロック部材41および取付ハウジング42に接続されている。ロック部材41の第1の端部411は、テンションベルト3に押し付けるロック端部として機能する。ロック部材41の第2の端部412は操作端として機能し、応力が加えられると、第1の捩りバネ45の弾性力に打ち勝って、ロック部材41を第1のピンシャフト43の周りに枢動させ、それによってロック部材41の第1の端部411がテンションベルト3に押し付けられるのを解除することができる。取付ハウジング42にはボタン47が設けられていなくてもよい。
図13を参照すると、ロック部材41の第2の端部412の位置に対応するハウジング7の位置に孔72が配置されており、使用者は孔72を通してロック部材41の第2の端部412を操作することができる。
【0057】
なお、本実施形態のテンションベルト3の中間部30は、貫通孔71を通過して第1のクロスビーム22に巻き付けられるように構成されているが、他の実施形態では、テンションベルト3の中間部30は、ロック機構4を通過するが第1のクロスビーム22には巻き付けられないように構成されており、テンションベルト3は、ロック機構4によって第1のクロスビーム22と連結されている。
【0058】
本実施形態の支持アセンブリ100の使用時には、テンションベルト3の第2の端部32が引っ張られる一方で、リバウンドブラケット2が車両シートの背もたれに向かって押される。リバウンドブラケット2はベース1に向かって矢印Zで示す方向に枢動し、テンションベルト3に張力が掛けられている間、車両シートの背もたれに強く押し付けられる。テンションベルト3とロック機構4との間の相対的な移動は、ロック機構4によって阻止することができ、これにより、テンションベルト3の第1の端部31とロック機構4との間の部分は、張力状態に維持される。すなわち、テンションベルト3とロック機構4の作用の下で、第1のクロスビーム22とテンションベルト3の第1の端部31との間の垂直距離Hは、ほぼ一定の値を維持する。この場合、使用者がテンションベルト3の第2の端部32を緩めても、テンションベルト3の張力付与部分が第1のクロスビーム22を引っ張り、リバウンドしないので、リバウンドブラケット2は車両シートの背もたれに強く押し付けられた状態に維持される。
【0059】
本願の実施形態は、チャイルド安全シートも提供し、そのチャイルド安全シートは、上記チャイルド安全シートの支持アセンブリ100のいずれか1つを備える。
【0060】
上記の実施形態の技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上記実施形態の技術的特徴の可能な全ての組み合わせが記載されているわけではない。しかし、これらの技術的特徴の組み合わせの間に矛盾が生じない限り、これらの技術的特徴の組み合わせはすべて、本明細書に記載された範囲内であるべきである。
【0061】
上記の実施形態は、本願発明のいくつかの実施形態に過ぎず、実施形態の説明は具体的かつ詳細であるが、本願発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者にとっては、本願発明の思想から逸脱することなく、様々な修正および改良も可能であり、これらの修正および改良はすべて本願発明の保護範囲内であることに留意すべきである。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲に基づくべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
リバウンドブラケットであって、枢動可能なアームと、該枢動可能なアームの上端に配置された第1のクロスビームとを備え、前記枢動可能なアームの下端が前記ベースに枢動可能に連結されているリバウンドブラケットと、
前記ベース上に配置されたロック機構と、
テンションベルトであって、前記テンションベルトの第1の端部は前記ベースに接続され、前記テンションベルトの第2の端部は引張端部として機能し、前記テンションベルトの中間部は前記第1のクロスビームと前記ロック機構を通過するように構成されている、テンションベルトと、を備え、
前記テンションベルトの第2の端部は、先ず前記第1のクロスビームを通過し、次に前記ロック機構を通過するように構成され、前記ロック機構は前記テンションベルトをロックするように構成されている、
チャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のクロスビームはガイドチャネルを備え、前記テンションベルトの中間部は、前記ガイドチャネルを通過して前記第1のクロスビームに巻き付けられるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項3】
前記第1のクロスビーム上に付属品が配置され、前記ガイドチャネルは、前記付属品に形成されるか、または前記付属品と前記第1のクロスビームとの間に形成されることを特徴とする、請求項2に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項4】
前記ロック機構は、前記ベースの前端部に配置され、前記テンションベルトの中間部は、前記ベースの底部を貫通して前記ロック機構を通過するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項5】
前記ロック機構は、ロックチャネルとロック部材とを備え、前記テンションベルトの中間部は、前記ロックチャネルを通過するように構成され、前記ロック部材は、前記テンションベルトを前記ロックチャネルのチャネル壁に押し付けるように構成されている、請求項1から
3のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項6】
第1の突出部が、前記テンションベルトと接触する前記ロック部材の表面に配置され、および/または、
第2の突出部が、前記テンションベルトと接触する前記チャネル壁の表面に配置される、
請求項5に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項7】
弾性部材が前記ベースと前記リバウンドブラケットの間に配置され、前記弾性部材は、前記リバウンドブラケットを前記ベースから離すように、または、前記リバウンドブラケットを前記ベースに近づけるように、前記リバウンドブラケットに力を加えるように構成されている、請求項1から
3のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項8】
ベースと、
リバウンドブラケットであって、枢動可能なアームと、該枢動可能なアームの上端に配置された第1のクロスビームとを備え、前記枢動可能なアームの下端が前記ベースに枢動可能に連結されているリバウンドブラケットと、
前記第1のクロスビーム上に配置されたロック機構と、
テンションベルトであって、前記テンションベルトの第1の端部は前記ベースに接続され、前記テンションベルトの中間部は前記ロック機構を通過するように構成され、前記テンションベルトの第2の端部は引張端部として機能する、張力ベルトと、を備え、
前記ロック機構は、前記テンションベルトをロックするように構成されている、
チャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項9】
前記テンションベルトの第2の端部は、前記ベースの底部を通過し、前記ベースの前部に向かって延びるように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項10】
前記ロック機構は、ロックチャネルとロック部材を備え、前記テンションベルトの中間部分は前記ロックチャネルを通過するように構成され、前記ロック部材は前記テンションベルトを前記ロックチャネルのチャネル壁に押し付けるように構成されている、請求項
8に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項11】
前記ロック機構は、付けハウジングをさらに備え、前記ロックチャネルは、前記取付ハウジングに形成され、
前記ロック部材は、第1のピンシャフトによって前記取付ハウジングに枢動可能に連結され、前記ロック部材の第1の端部は、前記テンションベルトを前記ロックチャネルのチャネル壁に押し付けるように構成され、前記ロック部材の第2の端部は、前記ロック部材を第1のピンシャフトの周りに回転するように駆動する力を負担するように構成され、前記テンションベルトが前記ロック部材の第1の端部によって押し付けられるのを解除するように構成されている、
請求項10に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項12】
前記ロック部材の第1の端部はカムからなることを特徴とする、請求項11に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項13】
前記ロック機構は、第1のピンシャフトをスリーブする第1の捩りバネをさらに備え、前記第1の捩りバネの両端は、それぞれ、前記ロック部材と前記取付ハウジングに接続される、請求項11または12に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項14】
前記ロック機構は、第2のピンシャフトによって前記取付ハウジングに枢動可能に連結され、前記ロック部材を少なくとも部分的に覆うボタンをさらに備え、前記ボタンは、前記ロック部材の第2の端部に対応する押圧部を有する、請求項11
または12に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項15】
前記ロック部材の第1の端部は、前記テンションベルトに押し付けられるように構成された湾曲面を有する、請求項11
または12に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項16】
ラチェット構造が曲面上に配置されている、請求項15に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項17】
弾性部材が前記ベースと前記リバウンドブラケットの間に配置され、前記弾性部材は、前記リバウンドブラケットを前記ベースから離すように、または、前記リバウンドブラケットを前記ベースに近づけるように、前記リバウンドブラケットに力を加えるように構成されている、請求項8から
12のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項18】
前記弾性部材はバネであり、前記バネの両端はそれぞれ、前記ベースと前記リバウンドブラケットに連結されている、または、
前記弾性部材が第2の捩りバネであり、前記リバウンドブラケットの下端が第3のピンシャフトによって前記ベースに枢動可能に連結され、前記第2の捩りバネが前記第3のピンシャフトをスリーブし、前記第2の捩りバネの両端がそれぞれ、前記ベースと前記リバウンドブラケットに連結されている、
請求項17に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリ。
【請求項19】
請求項1から
3、8から12のいずれか一項に記載のチャイルド安全シートの支持アセンブリを備えることを特徴とするチャイルド安全シート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本出願は、2021年5月6日に出願された中国特許出願202110491918.0の優先権を主張するものであり、2022年5月6日に出願された国際出願第PCT/EP2022/062348号の日本国内段階であり、その名称は「チャイルド安全シートおよびその支持アセンブリ」であり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、チャイルド安全シートの分野に関し、より詳細には、チャイルド安全シートおよびその支持アセンブリに関する。
【国際調査報告】