(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】直線及び湾曲大腿骨ブローチインパクタアダプタ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/32 20060101AFI20240410BHJP
A61F 2/46 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
A61F2/32
A61F2/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568313
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 IB2022053871
(87)【国際公開番号】W WO2022234397
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ラシュア・ダニエル・イー
(72)【発明者】
【氏名】リーダー・ネイサン・シー
(72)【発明者】
【氏名】イサザ・フンベルト
(72)【発明者】
【氏名】シュロー・コーリー・エイ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB01
4C097BB04
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD09
4C097SC01
(57)【要約】
整形外科用器具は、ブローチ端部(16)とインパクタ端部(14)とを有する細長い本体(12)を含み得る。本体は、直線又は湾曲であり得る。ラッチレバー(44)は、細長い本体に枢動可能に連結され得る。ラッチレバーは、開位置と、ラッチレバーが本体内に保持されるラッチ位置との間で移動可能であり得る。外科用ブローチは、細長い本体のブローチ端部に堅固に取り付けられ得る。自動外科用インパクタが、インパクタ端部に取り付けられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ブローチとともに使用するための整形外科用器具であって、
第1の端部から第2の端部まで延在している細長い本体であって、前記第1の端部が、自動外科用インパクタによって受容されるように構成されている、細長い本体と、
枢動端部からラッチ端部まで延在する第1のレバーであって、前記枢動端部が、前記細長い本体に枢動可能に連結されている、第1のレバーと、
前記細長い本体に枢動可能に連結されている第2のレバーであって、前記細長い本体の上面に向かって延在しているフックを備える、第2のレバーと、
前記第1のレバーの動きが前記第2のレバーの動きを引き起こすように、前記第1のレバーに枢動可能に連結されている第1の端部と、前記第2のレバーに枢動可能に連結されている第2の端部とを有する、板ばねと、
前記細長い本体に連結された押しボタンキャッチと、
を備え、
前記第1のレバーが、前記ラッチ端部が前記細長い本体から離間されている第1の位置と、前記ラッチ端部が前記押しボタンキャッチによって捕捉されている第2の位置との間で移動可能であり、前記第1のレバーが前記第2の位置にあるとき、前記板ばねが前記第2のレバーを付勢して、前記フックを前記上面に向かって枢動させる、整形外科用器具。
【請求項2】
前記細長い本体が、前記第1のレバーの前記枢動端部と前記細長い本体の前記第2の端部との間に湾曲セグメントを備える、請求項1に記載の整形外科用器具。
【請求項3】
前記細長い本体が、(i)中に画定された細長い開口部を有する前記上面と、(ii)前記上面の反対側にある底面であって、その中に画定された細長い開口部を有する、底面と、(iii)前記上面の中に画定された前記細長い開口部と前記底面の中に画定された前記細長い開口部との間に延在している1つ以上の内壁と、(iv)前記1つ以上の内壁によって画定された第1の空洞と、を備え、
前記第2のレバーが、前記第1の空洞内に位置づけられ、
前記第1のレバーの前記枢動端部が、前記第1の空洞内で前記細長い本体に枢動可能に連結され、前記細長いレバーの前記ラッチ端部が、前記上面中に画定された前記細長い開口部を通って前記第1の空洞の外に延出し、
前記板ばねが、前記第1の空洞内に位置づけられている、
請求項1に記載の整形外科用器具。
【請求項4】
前記細長い本体が、前記細長い本体の前記第2の端部上に位置づけられた平坦な前面を備え、
前記平坦な前面に円形開口が画定され、前記円形開口が前記第1の空洞内に開口している、
請求項3に記載の整形外科用器具。
【請求項5】
前記円形開口が、前記外科用ブローチの取付ポストを受容するようにサイズ決めされた前記内部空洞内への通路を画定し、
前記第1のレバーが前記第2の位置にあるとき、前記第2のレバーの前記フックが、前記通路内に位置づけられている、
請求項4に記載の整形外科用器具。
【請求項6】
ガイドポストが、前記細長い本体の前記平坦な前面から外向きに延出し、前記ガイドポストが、前記円形開口と前記底面との間に位置づけられている、請求項5に記載の整形外科用器具。
【請求項7】
前記細長い本体に連結され、前記第1の空洞内に位置づけられたストップピンを更に備え、前記第1のレバーが前記第1の位置にあるとき、前記第1のレバーの前記枢動端部の底面が前記ストップピンに接触する、請求項3に記載の整形外科用器具。
【請求項8】
前記細長い本体が、(i)第1の側壁、及び前記第1の側壁に対向する第2の側壁と、(ii)前記第1の側壁中に画定された開口部と、(iii)前記第1の側壁中の前記開口部から内向きに延出し、第2の空洞を画定する1つ以上の内壁と、(iv)前記第1の端部と前記細長い開口部との間の前記上面内に画定され、前記第2の空洞内に開口している第2の開口部と、を備え、
前記押しボタンキャッチが、前記第2の空洞内に位置づけられており、
前記第1のレバーが前記第2の位置にあるとき、前記ラッチ端部から下方に延出しているラッチが、前記第2の空洞内に位置づけられて、前記押しボタンキャッチによって保持されている、請求項3に記載の整形外科用器具。
【請求項9】
前記押しボタンキャッチは、前記押しボタンキャッチが前記第2の空洞内に位置づけられた前記ラッチに係合する第1の位置と、前記押しボタンキャッチが前記ラッチに係合しない第2の位置との間で移動可能である、請求項8に記載の整形外科用器具。
【請求項10】
前記第2の空洞内に位置づけられた第2のばねを更に備え、前記第2のばねが、前記押しボタンキャッチを前記第1の位置に付勢するように構成されている、請求項9に記載の整形外科用器具。
【請求項11】
前記押しボタンキャッチが、前記細長い本体の前記第1の側壁に向かって位置づけられたボタン表面と、前記ボタン表面から前記第2の空洞内に延在している一対の側壁と、前記一対の側壁を接続する後壁と、前記後壁から前記第2の空洞内に延在するキャッチとを備える、請求項10に記載の整形外科用器具。
【請求項12】
前記細長いレバーの前記ラッチが第1のカム面を備え、前記押しボタンキャッチの前記キャッチが第2のカム面を備え、前記第1のレバーが前記第1の位置から前記第2の位置に移動されるとき、前記第1のカム面が前記第2のカム面に係合し、前記第1のカム面が前記第2のカム面に係合するとき、前記押しボタンキャッチが、前記第1の位置から前記第2の位置に付勢されている、請求項11に記載の整形外科用器具。
【請求項13】
外科用器具アセンブリであって、
整形外科用器具であって、
第1の端部から第2の端部まで延在している細長い本体であって、前記第1の端部が自動外科用インパクタによって受容されるように構成されている、細長い本体、
枢動端部からラッチ端部まで延在する第1のレバーであって、前記枢動端部が前記細長い本体に枢動可能に連結されている、第1のレバー、
前記細長い本体に枢動可能に連結されている第2のレバーであって、前記細長い本体の上面に向かって延在しているフックを備える、第2のレバー、
前記第1のレバーの動きが前記第2のレバーの動きを引き起こすように、前記第1のレバーに枢動可能に連結された第1の端部と前記第2のレバーに枢動可能に連結された第2の端部とを有する、板ばね、及び
前記細長い本体に連結された押しボタンキャッチ、
を備える、整形外科用器具と、
前記整形外科用器具の前記第2の端部に連結された外科用ブローチであって、前記外科用ブローチの第1の端部から延出している取付ポストを備える、外科用ブローチと、
を備え、
前記整形外科用器具の前記第1のレバーが、前記ラッチ端部が前記細長い本体から離間されている第1の位置と前記ラッチ端部が前記押しボタンキャッチによって捕捉されている第2の位置との間で移動可能であり、前記第1のレバーが前記第2の位置にあるとき、前記板ばねが前記第2のレバーを付勢して、前記フックを枢動させて前記外科用ブローチの前記取付ポストと係合させる、外科用器具アセンブリ。
【請求項14】
前記細長い本体が、(i)中に画定された細長い開口部を有する前記上面と、(ii)前記上面の反対側にある底面であって、その中に画定された細長い開口部を有する、底面と、(iii)前記上面の中に画定された前記細長い開口部と前記底面の中に画定された前記細長い開口部との間に延在している1つ以上の内壁と、(iv)前記1つ以上の内壁によって画定された第1の空洞と、を備え、
前記第2のレバーが、前記第1の空洞内に位置づけられ、
前記第1のレバーの前記枢動端部が前記第1の空洞内で前記細長い本体に枢動可能に連結され、前記細長いレバーの前記ラッチ端部が前記上面中に画定された前記細長い開口部を通って前記第1の空洞の外に延出し、
前記板ばねが前記第1の空洞内に位置づけられている、
請求項13に記載の外科用器具アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、整形外科用関節置換術の実行に用いるための整形外科用器具に関し、より具体的には、股関節置換術に用いるための整形外科用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節が人工関節によって置換される、周知の外科手術である。例えば、股関節形成外科処置では、患者の自然の股関節の臼状関節を部分的又は全体的に人工股関節で置換する。一般的な人工股関節は、寛骨臼プロテーゼコンポーネント及び大腿骨頭プロテーゼコンポーネントを含んでいる。寛骨臼プロテーゼコンポーネントは、一般的に、患者の寛骨臼と係合するように構成された外側シェルと、シェルと連結されかつ大腿骨頭と係合するように構成された内側ベアリング又はライナーとを有している。大腿骨頭プロテーゼコンポーネントと、寛骨臼コンポーネントの内側ライナーとは、自然の股関節に近い臼状関節を形成する。
【0003】
典型的な関節形成術の外科的処置は、外科用器具(例えば、ブローチ、チゼル、若しくは他の切削工具)及び/又はプロテーゼインプラントを患者の骨に嵌入させることを含む。歴史的に、嵌入は、整形外科医が外科用マレット又はハンマーを使用して、外科用器具を手動で打つことによって行われてきた。そのような手動の嵌入は、予測不可能であり、かつ不正確であり得る。加えて、典型的な手動嵌入器具は、外科医が一方の手で器具を保持し、外科医の他方の手に保持されたマレットで器具を打つことを必要とし得る。
【0004】
ある特定の自動外科用インパクタは、各々が制御された量の嵌入エネルギーを提供する一連の震動衝撃を与えることができる。自動外科用インパクタは、様々な外科用器具及び/又はインプラントに接続するための1つ以上のアダプタとともに使用されてもよい。典型的なアダプタは、1つ以上の駆動シャフト、ギアトレイン、又は他の剛性を有する機械的接続部材を含む剛性ドライブトレインを使用して、外科用器具及び/又はインプラントに接続する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、整形外科用器具は、細長い本体と、第1のレバー及び第2のレバーと、板ばねと、細長い本体に連結された押しボタンキャッチとを含む。細長い本体は、第1の端部から第2の端部へ延在する。第1の端部は、自動外科用インパクタによって受容されるように構成されている。第1のレバーは、枢動端部からラッチ端部へ延在する。枢動端部は、細長い本体に枢動可能に連結されている。第2のレバーは、細長い本体に枢動可能に連結され、細長い本体の上面に向かって延在しているフックを含む。板ばねは、第1のレバーの動きが第2のレバーの動きを引き起こすように、第1のレバーに枢動可能に連結されている第1の端部と、第2のレバーに枢動可能に連結された第2の端部とを有する。第1のレバーは、ラッチ端部が細長い本体から離間される第1の位置と、ラッチ端部がプッシュボタンキャッチによって捕捉される第2の位置との間で移動可能である。第1のレバーが第2の位置にあるとき、板ばねは、第2のレバーを付勢してフックを上面に向かって枢動させる。一実施形態では、細長い本体は、第1のレバーの枢動端部と細長い本体の第2の端部との間に、湾曲セグメントを備える。
【0006】
一実施形態では、細長い本体は、中に画定された細長い開口部を有する上面と、上面の反対側にある底面であって、その中に画定された細長い開口部を有する底面と、上面の中に画定された細長い開口部と底面の中に画定された細長い開口部との間に延在している1つ以上の内壁と、1つ以上の内壁によって画定された第1の空洞と、を含む。第2のレバーは、第1の空洞内に位置づけられており、第1のレバーの枢動端部は、第1の空洞内で細長い本体に枢動可能に連結されている。細長いレバーのラッチ端部は、上面に画定された細長い開口部を通って第1の空洞から外に延出する。板ばねは、第1の空洞内に位置づけられている。
【0007】
一実施形態では、細長い本体は、細長い本体の第2の端部に配置された平坦な前面を含み、円形開口が平坦な前面中に画定されている。円形開口は、第1の空洞内に開口している。一実施形態では、円形開口は、外科用ブローチの取付ポストを受容するようにサイズ決めされた内部空洞への通路を画定する。第1のレバーが第2の位置にあるとき、第2のレバーのフックは通路内に位置づけられている。一実施形態において、ガイドポストは、細長い本体の平坦な前面から外向きに延出する。ガイドポストは、円形開口と底面との間に位置づけられている。
【0008】
一実施形態において、整形外科用器具は、細長い本体に連結されており、第1の空洞内に位置づけられたストップピンを更に含む。第1のレバーが第1の位置にあるとき、第1のレバーの枢動端部の底面がストップピンに接触する。
【0009】
一実施形態では、細長い本体は、第1の側壁、及び第1の側壁に対向する第2の側壁と、第1の側壁中に画定された開口部と、第1の側壁中の開口部から内向きに延出しており、第2の空洞を画定する1つ以上の内壁と、第1の端部と細長い開口部との間の上面内に画定され、第2の空洞内に開口している第2の開口部と、を含む。押しボタンキャッチは、第2のキャビティ内に位置づけられている。第1のレバーが第2の位置にあるとき、ラッチ端部から下方に延出しているラッチは、第2のキャビティ内に位置づけられて、押しボタンキャッチによって保持される。一実施形態では、押しボタンキャッチは、押しボタンキャッチが第2の空洞内に位置づけられたラッチに係合する第1の位置と、押しボタンキャッチがラッチに係合しない第2の位置との間で移動可能である。一実施形態では、整形外科用器具は、第2の空洞内に位置づけられた第2のばねを更に含む。第2のばねは、押しボタンキャッチを第1の位置に付勢するように構成されている。
【0010】
一実施形態では、押しボタンキャッチは、細長い本体の第1の側壁に向かって位置づけられたボタン表面と、ボタン表面から第2の空洞内に延在する一対の側壁と、一対の側壁を接続する後壁と、後壁から第2の空洞内に延在しているキャッチとを含む。一実施形態では、細長いレバーのラッチは第1のカム面を含み、押しボタンキャッチのキャッチは第2のカム面を含む。第1のレバーが第1の位置から第2の位置へ移動されるとき、第1のカム面は、第2のカム面に係合し、第1のカム面が第2のカム面に係合するとき、押しボタンキャッチは、第1の位置から第2の位置へ付勢される。
【0011】
別の一態様によれば、整形外科手術を行うための方法は、外科用ブローチの取付ポストを、整形外科用器具の第1の端部に位置づけられた平坦面中に画定された円形開口に挿入することと、取付ポストを円形開口に挿入したことに応答して、整形外科用器具の第1のレバーを第1の位置から第2の位置に移動させることであって、第1のレバーを第2の位置にラッチすること、整形外科用器具のコンプライアント部材を用いて、整形外科用器具の第2のレバーに圧縮を加えること、及び外科用ブローチの取付ポストに対して、第2のレバーのフックをクランプすることを含む、整形外科用器具の第1のレバーを第1の位置から第2の位置に移動させることと、レバーを移動させたことに応答して、整形外科用器具の第2の端部を、自動外科用インパクタに連結することと、を含む。
【0012】
一実施形態では、取付ポストに対して、第2のレバーのフックをクランプすることは、取付ポスト中に画定されたノッチをフックの湾曲した外面の第1の側部と係合させることを含む。一実施形態では、取付ポストを挿入することは、フックの湾曲した外面の第2の側部を取付ポストの先端内に画定された面取り部と係合させることを含み、第2の側部を係合させることは、フックを円形開口の中心線から離れるように枢動させることを含む。
【0013】
一実施形態では、方法は、第2の端部を自動外科用インパクタに連結したことに応答して、自動外科用インパクタを用いて、患者の外科的に準備された骨内に外科用ブローチを嵌入させることと、ブローチを嵌入させたことに応答して、整形外科用器具の押しボタンキャッチを押し下げることであって、押しボタンキャッチを押し下げることが、第2のレバーを第2の位置からラッチ解除し、コンプライアント部材による圧縮を解放することを含む、整形外科用器具の押しボタンキャッチを押し下げることと、押しボタンキャッチを押し下げたことに応答して、整形外科用器具の第1の端部から外科用ブローチを解放することと、を更に含む。
【0014】
一実施形態では、方法は、外科用ブローチを嵌入させたことに応答して、自動外科用インパクタを用いて、外科的に準備された骨から外科用ブローチを引き抜くことを更に含み、押しボタンキャッチを押し下げることは、外科用ブローチを引き抜いたことに応答して、押しボタンキャッチを押し下げることを更に含む。一実施形態では、方法は、外科用ブローチを解放したことに応答して、整形外科用器具の第1の端部に位置づけられた平坦面中に画定された円形開口内に、第2の外科用ブローチの取付ポストを挿入することを更に含む。
【0015】
別の一態様によれば、外科用器具アセンブリは、整形外科用器具及び外科用ブローチを含む。整形外科用器具は、細長い本体と、第1のレバー及び第2のレバーと、板ばねと、細長い本体に連結された押しボタンキャッチとを含む。細長い本体は、第1の端部から第2の端部へ延在する。第1の端部は、自動外科用インパクタによって受容されるように構成されている。第1のレバーは、枢動端部からラッチ端部へ延在する。枢動端部は,細長い本体に枢動可能に連結され、第2のレバーもまた、細長い本体に枢動可能に連結されている。第2のレバーは、細長い本体の上面に向かって延在しているフックを含む。板ばねは、第1のレバーの動きが第2のレバーの動きを引き起こすように、第1のレバーに枢動可能に連結されている第1の端部と、第2のレバーに枢動可能に連結された第2の端部とを有する。外科用ブローチは、外科用ブローチの第1の端部から延出している取付ポストを含み、外科用ブローチは、整形外科用器具の第2の端部に連結されている。整形外科用器具の第1のレバーは、ラッチ端部が細長い本体から離間される第1の位置と、ラッチ端部がプッシュボタンキャッチによって捕捉される第2の位置との間で移動可能である。第1のレバーが第2の位置にあるとき、板ばねは第2のレバーを付勢してフックを枢動させて、外科用ブローチの取付ポストと係合させる。
【0016】
一実施形態では、細長い本体は、中に画定された細長い開口部を有する上面と、上面の反対側にある底面であって、その中に画定された細長い開口部を有する底面と、上面の中に画定された細長い開口部と底面の中に画定された細長い開口部との間に延在している1つ以上の内壁と、1つ以上の内壁によって画定された第1の空洞と、を含む。第2のレバーは、第1の空洞内に位置づけられている。第1のレバーの枢動端部は、第1の空洞内で細長い本体に枢動可能に連結されている。細長いレバーのラッチ端部は、上面に画定された細長い開口部を通って第1の空洞から外に延出する。板ばねは、第1の空洞内に位置づけられている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
詳細な説明は、具体的には、以下の図面を参照する。
【
図1】開放構成にある直線ブローチインパクタアダプタの斜視図である。
【
図2】
図1の直線ブローチインパクタアダプタの断面立面図である。
【
図3】ラッチ構成にある
図1の直線ブローチインパクタアダプタの斜視図である。
【
図4】
図3の直線ブローチインパクタアダプタの断面立面図である。
【
図5】
図3の直線ブローチインパクタアダプタの後面の断面立面図である。
【
図6】大腿骨ブローチに連結され、開放構成にある、
図1~
図5の直線ブローチインパクタアダプタの立面図である。
【
図7】
図6の直線ブローチインパクタアダプタ及び大腿骨ブローチの部分断面立面図である。
【
図8】大腿骨ブローチに取り付けられ、ラッチ構成にある、
図1~
図5の直線ブローチインパクタアダプタの立面図である。
【
図9】
図8の直線ブローチインパクタ及び大腿骨ブローチの部分断面立面図である。
【
図10】自動外科用インパクタを使用した整形外科手術の実施中の、
図8~
図9の直線ブローチインパクタアダプタ及び大腿骨ブローチの斜視図である。
【
図11】開放構成にある湾曲ブローチインパクタアダプタの斜視図である。
【
図12】
図11の湾曲ブローチインパクタアダプタの断面立面図である。
【
図13】ラッチ構成にある
図11の湾曲ブローチインパクタアダプタの斜視図である。
【
図14】
図13の湾曲ブローチインパクタアダプタの断面立面図である。
【
図15】
図13の湾曲ブローチインパクタアダプタの後面の断面立面図である。
【
図16】大腿骨ブローチに連結され、開放構成にある、
図11~
図15の湾曲ブローチインパクタアダプタの立面図である。
【
図17】
図16の湾曲ブローチインパクタアダプタ及び大腿骨ブローチの部分断面立面図である。
【
図18】大腿骨ブローチに取り付けられ、ラッチ構成にある、
図11~
図15の湾曲ブローチインパクタアダプタの立面図である。
【
図19】
図18の湾曲ブローチインパクタ及び大腿骨ブローチの部分断面立面図である。
【
図20】自動外科用インパクタを使用した整形外科手術の実施中の、
図18~
図19の湾曲ブローチインパクタアダプタ及び大腿骨ブローチの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の概念は、様々な修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、その特定の例示的な実施形態を例として図面に示し、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての修正物、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものであるということを理解されたい。
【0019】
解剖学的基準を表す、前方、後方、内側、外側、上方、下方などの用語は、本明細書を通じて、本明細書において記載されている整形外科用インプラント及び整形外科用器具に関して、並びに患者の生体解剖学的構造に関して使用され得る。このような用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても十分に理解された意味を有する。記述されている説明及び「特許請求の範囲」におけるこのような解剖学的参照用語の使用は、特に明記しないかぎり、それらの十分に理解された意味と一貫性を有することが意図される。加えて、本明細書で使用され得る、「頂部」、「底部」、「前部」、「後部」、「側部」、「高さ」、「長さ」、「幅」、「上部」、「下部」などの用語は、単に参照点を説明するだけであり、本開示の実施形態を任意の特定の配向又は構成に必ずしも限定するものではないことを理解されたい。
【0020】
ここで
図1~
図5を参照すると、直線大腿骨ブローチインパクタアダプタ10(以下、インパクタアダプタ10)が図示されている。インパクタアダプタ10は、整形外科用器具であるが、それはすなわち、整形外科手術を行う際に外科医によって使用される手術道具であるということである。したがって、本明細書で使用されるとき、「整形外科用器具(単数及び複数)」という用語は、患者の身体に手術用に移植される整形外科用インプラント又は人工装具とは異なるということが理解されるべきである。以下で更に説明するように、インパクタアダプタ10は、大腿骨ブローチを患者の外科的に準備された大腿骨内に打ち込むために自動外科用インパクタとともに使用されてもよい。
【0021】
図1~
図4に示されるように、インパクタアダプタ10は、角度の付けられたインパクタ取付端部14からブローチ端部16へと延在している、細長い本体12を含む。図示されている実施形態では、本体12は、例えば、ステンレス鋼又はコバルトクロムなどの金属材料で形成される。本体12は、概ね直線であり、長手方向ツール軸線18を画定する。以下に更に説明するように、後端又は近位端とも呼ばれるインパクタ端14は、使用時には自動外科用インパクタツールに取り付けられ得る。同様に、先端部、前端部、又は遠位端部とも呼ばれるブローチ端部16は、使用時には、外科用ブローチ、ノミ、又は他の外科用切削ツールに取り付けられ得る。
【0022】
細長い本体12は、断面がほぼ矩形であり、したがって、上面20と、上面20の反対側の底面22と、一対の側面24、26とを有する。一対の細長い開口部28、30が、上面20及び底面22の各々の中にそれぞれ画定される。1つ以上の内壁32が、本体12を通って開口部28、30の間に延在し、かつ本体12の内側に空洞34を画定する。
【0023】
ブローチ端部16は、円形開口38が画定された平坦面36を含む。通路40が、円形開口38から空洞34内へと内方に延在している。円形開口38と底面32との間の平坦面36上に位置づけられたガイドピン42が、平坦面36から外側に延出している。以下に更に説明するように、インパクタアダプタ10が大腿骨外科用ブローチに連結されるとき、開口38は、ブローチの取付ポストを受容する。
【0024】
インパクタアダプタ10は、上面20に画定された開口28を通って空洞34から外向きに延出する細長いラッチレバー44を更に含む。ラッチレバー44は、空洞34内で本体12に枢動可能に取り付けられた枢動端部46を含む。例示的に、ボア48が、枢動端部46を貫通して画定され、一対の円形開口部50が、本体12の側面24、26を貫通して画定される。ボア48は、ラッチレバー44のピボット点を包含する。ピン52は、ボア48及び開口50内に位置づけられて、ラッチレバー44が、本体12に接合され、ピン52の周りを回転することができるようになっている。図示されている実施形態では、ピン52は、開口部50内に圧入されている。しかしながら、ピン52を固定する任意の適切な方法が使用されてもよい。
【0025】
別の一対の円形開口54が、本体12の側面24、26を貫通して画定されている。ストップピン(56)が、開口部(54)内に位置づけられている。図示されている実施形態では、ストップピン56は開口部54に圧入されている。しかしながら、ストップピン56を固定する任意の適切な方法が使用されてもよい。
図2に示すように、レバー44が開位置に達すると、枢動端部46の下面58がストップピン56に係合する。したがって、ストップピン56は、レバー44の移動範囲を制限する止め具として機能する。
【0026】
ラッチレバー44の本体60は、枢動端部46から、上面20に画定された開口部28を通って外向きに延出する。ウィング62が、本体60から側方に延出している。本体60は、ラッチ端部64に向かって更に延びている。ラッチ端部64は、レバー本体60から下方に延出しているラッチ66を含む。
図5の断面図に示されるように、ラッチ66は、本体12の内部に向かって内向きに延在する下部カム面68及び上部表面70を含む。以下で更に説明するように、レバー44が
図3~
図5に示すようなラッチ位置にあるとき、ラッチレバー44のラッチ66は、キャッチ機構によって本体12内に捕捉され得る。
【0027】
ラッチ位置では、レバー44の本体60は、本体12の上面20に接触することができ、レバー44の移動範囲を制限する止め具として機能する。ラッチ位置では、レバー44のウィング62は、側面24を越えて外側に延出し、外科医又は他のユーザが、レバー44を把持することを可能にする。上述したように、ラッチレバー44は、
図1~
図2に示す開位置と、
図3~
図5に示すラッチ位置との間で移動可能である。レバー44の投射角、すなわち、レバー44が全開位置にあるときのレバー44の本体60と本体12との間の角度は、約40~45度未満に制限され得る。
【0028】
インパクタアダプタ10は、空洞34内に位置づけられたクランプレバー72を更に含む。クランプレバー72は、概ね三角形状の非線形形状を有する本体74を含む。クランプレバー72は、空洞34内で本体12に枢動可能に取り付けられている。例示的に、ボア76が、レバー本体74を貫通して画定され、一対の円形開口78が本体12の側面24、26を貫通して画定される。ボア76は、クランプレバー72のピボット点を包含する。ピン80は、ボア76及び開口78内に位置づけられており、クランプレバー72が、本体12に接合され、ピン80の周りを回転することができるようになっている。図示されている実施形態では、ピン80は、開口部78内に圧入されている。しかしながら、ピン80を固定する任意の適切な方法が使用されてもよい。
【0029】
クランプレバー72は、凸状の丸みを帯びた外面84を有するブルノーズフック82まで延在する。クランプレバー72がピン80を中心に回転するにつれて、フック82は、空洞34内で、上面20に向かって、及び上面20から離れるように枢動する。以下で更に説明するように、クランプレバー72のフック82は、外科用ブローチをインパクタアダプタ10にしっかりと取り付けるように動作可能である。
【0030】
インパクタアダプタ10は、ラッチレバー44とクランプレバー72とを接続する、板ばね86又は他のコンプライアント接続部材を更に含む。板ばね86は、端部90、92の間に延在する可撓体88を有する。端部90は、ラッチレバー44の枢動端部46に枢動可能に連結され、端部92は、クランプレバー72の本体74に枢動可能に連結されている。例示的に、各端部90、92は、一対の取付プレート96まで延在するフォーク94を含む。円形開口98は、各取付プレート96を貫通して画定されている。端部90の取付プレート96は、レバー44の枢動端部46を貫通して画定されたボア100を取り囲んでいる。端部90を本体44に枢動可能に連結するために、ピン102が、開口部98及びボア100内に位置づけられている。同様に、端部92の取付プレート96は、クランプレバー72を貫通して画定されたボア104を取り囲み、ピン106が、開口98及びボア104内に位置づけられて、端部92をクランプレバー72に枢動可能に連結する。
【0031】
レバー44が開位置にある(
図1~
図2に示す状態である)とき、板ばね86は、弛緩した弓形形状を有する。レバー44がラッチ位置に移動された(
図3~
図5に示す状態である)とき、板ばね86は、より短い、圧縮された形状を有し、板ばね86は圧縮状態になる。圧縮状態にあるとき、板ばね86は、クランプレバー72を付勢してピン80を中心として枢動させ、フック82を本体12の上面20に向かって回転させる。板ばね86の圧縮は、以下に更に説明するように、レバー44をラッチ位置から開位置に移動させることによって解放することができる。上述したように、レバー本体60から延出しているウィング62は、外科医又は他のユーザが、レバー44をラッチ位置から開位置に移動させるのを補助し得る。
【0032】
図1及び
図3に示すように、側面24、26の各々は、空洞34とインパクタ端部14との間に位置づけられた腰部108を有する。腰部108において、側面24、26間の距離はインパクタ端部14に向かって増大する。
図3に示されるように、閉位置では、ウィング62は、腰部108とブローチ端部14との間に位置づけられ、側面24を越えて延在し、外科医がウィング62を把持することを可能にする。
【0033】
図1~
図5に示されるように、開口部110は、腰部108と本体12のインパクタ端部14との間の本体12の側面24に画定される。1つ以上の内壁112が開口部110から内向きに延出し、空洞114を画定する。追加の開口部116が上面20中に画定されている。開口118は、開口部116を通って空洞114の中へ延在する。
【0034】
押しボタンキャッチ120(ボタン120とも呼ばれる)は、空洞114内に位置づけられる。以下で更に説明するように、押しボタンキャッチ120は、ラッチレバー44を
図3~
図5に示すラッチ位置に選択的に保持するために使用し得る。押しボタンキャッチ120は、本体12の側面24に向かって位置づけられたボタン表面122を含む。ボタン表面122は、外科医によって押されるように構成されており、それゆえ、テクスチャ加工されるか、それ以外の場合には追加的グリップ性を提供するように構成されてもよい。加えて、
図5に示されるように、通常の動作において、ボタン表面122は、側面24と同一平面であってもよく、かつ/又は偶発的な動作を防止するために空洞114内にはめ込まれていてもよい。
【0035】
押しボタンキャッチ120は、ボタン表面122から空洞114内に内向きに延出する一対の側壁124を更に含む。側壁どうしは、後壁126によって接続されている。ボタン表面122、側壁124、及び後壁126はともに、ボタン空洞128を取り囲む。キャッチ130が、後壁126から上方に延出している。キャッチ130は、ボタン空洞128内に内方に延在する上部カム面132及び下部面134を含む。ガイドピン136が、キャッチ130の背面138から他方の側面26に向かって延出している。螺旋ばね140は、本体12と、キャッチ130の背面138との間に保持され、ガイドピン136は、ばね140内に捕捉される。ばね140は、本体12及び背面138に対して付勢されて、押しボタンキャッチ120を側面24中の開口部110に向かって付勢する。本体12の底面22を貫通して画定された孔内に位置づけられたストップピン142は、ラッチ空洞114内に延在する。押しボタンキャッチ120が空洞114内に位置づけられるとき、ストップピン142もまた、ボタン空洞128内に延在する。ストップピン142は、押しボタンキャッチ120の後壁126に係合し、したがって、押しボタンキャッチ120を本体12の空洞114内に保持する。
【0036】
図5に示すように、レバー44がラッチ位置にあるとき、ラッチ66は、空洞114内及びボタン空洞128内に延在する。ラッチ66の上面70は、キャッチ130の下面134と係合し、それによってラッチ66をボタン空洞128内に保持する。外科医又は他のユーザがボタン表面162を押し下げると、押しボタンキャッチ120は側面26に向かって摺動し、キャッチ130の下面134は摺動して上面70から外れ、ラッチ66を解放する。ラッチ66が解放されると、板バネ86は、レバー44のラッチ端部64を開位置に向かって空洞114の外に揺動させて、板バネ86の圧縮を解放する。
【0037】
外科医又は他のユーザが押しボタンキャッチ120を押し下げることなくレバー44を開位置からラッチ位置に移動させると、ラッチ66の下部カム面68がキャッチ130の上部カム面132に係合する。カム面68、132のこの係合は、押しボタンキャッチ120を側面26に向かって摺動させ、ラッチ66がボタン空洞128に入ることを可能にする。ラッチ66がキャッチ120を通過し、カム面68、132が係合解除されると、ばね140が押しボタンキャッチ120を側面24に向かって戻るように摺動させ、これによりキャッチ130の下面134がラッチ66の上面70を保持する。したがって、ラッチレバー44を片手で操作することができる。
【0038】
図1~
図4に示すように、インパクタ端部14は、自動外科用インパクタによって受容されるように構成されたシャンク144を含む。
図1及び
図3に示すように、シャンク144は、ゼロでない角度で、ツール軸線18から離れるように延在する。このゼロでない角度は、自動外科用インパクタとともに使用されるとき、外科医にとってのエルゴノミクスを改善し得る。図示されているシャンク144は、ピン146及びフランジ148を含む。シャンク144は、順方向(すなわち、インパクタアダプタ10を患者の骨に向かって前進させる方向)又は逆方向(すなわち、インパクタアダプタ10を患者の骨から後退させる方向)のいずれかにおいて、自動外科用インパクタによって衝撃を加えられるように構成されている。他の実施形態では、シャンク144は、自動外科用インパクタによって捕捉及び/又は嵌入されるように構成されたピン、フランジ、平坦部、及び/又は他の形状部の任意の他の構成を含み得るということを理解されたい。図示されているシャンク144は、溝150を更に含み、この溝150は、シャンク144が自動外科用インパクタ内で完全に着座した状態での深さを示す。
【0039】
インパクタアダプタ10は、
図6~
図10に示すものと類似の整形外科手術の実施中に利用することができる。最初に、外科医は、外科用ブローチを受容するように患者の骨を外科的に準備する。そうするために、外科医又は手術チームの他のメンバーは、患者の大腿骨を切除して、天然の大腿骨頭を除去し、患者の大腿骨上に実質的に平坦な近位表面を生成してもよい。外科医は、骨刀を使用して、大腿管内への開口部を生成してもよい。
【0040】
患者の骨を準備した後、
図6~
図7に示すように、外科医は、大腿骨ブローチ152をインパクタアダプタ10に取り付ける。外科医は、各々が異なるサイズを有するブローチ152の集合から、ブローチ152を選択してもよい。以下で更に説明するように、外科医は、サイズが増大する一連のブローチ152を用いて順次、患者の大腿骨を切り出すことができる。
【0041】
図示されている大腿ブローチ152は、近位端部156から遠位先端部158まで延在する細長い本体154を含む。図示されている実施形態では、大腿ブローチ152は、例えば、ステンレス鋼などの金属材料で作製された、単一の一体型構成要素として形成される。テーパ状外面160が、近位端156から遠位先端158まで延在し、いくつかの実施形態では、複数の切断歯162で覆われる。各歯162は、大腿骨コンポーネント及び/又は別の外科用器具(例えば、別の大腿骨ブローチ及び/又は大腿骨トライアルコンポーネント)を受容するように、患者の大腿骨の大腿管を外科的に準備するような形状及びサイズであり得る。
【0042】
大腿骨ブローチ152は、細長い本体154の近位端156にある平坦な近位面164を含む。
図7に示されるように、スロット166が、近位面164中に画定され、このスロット166は、インパクタアダプタ10のブローチ端部16から延出するガイドピン42を受容するようにサイズが決定される。ブローチ152は、表面164から先端部170まで外向きに延在する、近位取付ポスト168を更に含む。ポスト168は、先端部170に位置する面取り部172を更に画定する。内壁174は、ノッチ176を画定し、このノッチ176は、以下で更に説明するように、大腿骨ブローチ152をインパクタアダプタ10に固定するために使用されてもよい。
【0043】
図6に示すように、インパクタアダプタ10のレバー44は、最初は開位置にある。外科医又は他のユーザは、大腿骨ブローチ152の近位端156をインパクタアダプタ10のブローチ端部16に取り付ける。
図7に示すように、ブローチ152及びインパクタアダプタ10が取り付けられると、ブローチ152の取付ポスト168は、インパクタアダプタ10の開口38を通過して通路40内に入り、インパクタアダプタ10のガイドピン42は、ブローチ152のスロット166を通過する。取付ポスト168が通路40に入ると、クランプレバー72の位置に応じて、取付ポスト168は、クランプレバー72のブルノーズフック82に接触し得る。その場合、取付ポスト168の先端部170上の面取り部172が、フック82の凸状外面84に係合する。面取り部172と外面84とが係合すると、フック82は、通路40から離れて下方に回転するように付勢され、取付ポスト168が通路に入り続けることを可能にする。ブローチ152が、インパクタアダプタ10に完全に挿入されると、ブローチ152の近位面164は、インパクタアダプタの平坦面36に接触する。完全に挿入されると、取付ポスト168内に画定されたノッチ176は、クランプレバー72のブルノーズフック82に面することになる。
【0044】
大腿骨ブローチ152をインパクタアダプタ10に固定した後、外科医は、
図8~
図9に示すように、ラッチレバー44を開位置からラッチ位置に移動させる。ラッチレバー44がラッチ位置に移動すると、板ばね86が圧縮される。板ばね86が圧縮状態に置かれると、板ばね86はクランプレバー72に力を加え、クランプレバー72のフック82を取付ポスト168に向かって枢動させる。クランプレバー72は、フック82の外面84がノッチ176内の内壁174に係合するまで枢動する。係合状態にあるとき、板ばね86及びクランプレバー72は、クランプ力を取付ポスト168にかけて、大腿骨ブローチ152をインパクタアダプタ10の表面36に当接させて保持する。したがって、大腿骨ブローチ152は、インプラントアダプタ10に対して堅固かつ不動に保持される。上述したように、ラッチレバー44がラッチ位置にあるとき、押しボタンキャッチ120はラッチ66を保持し、ラッチレバー44がラッチ位置に留まり、大腿骨ブローチ152がインパクタアダプタ10に堅固に取り付けられたままであることを確実にする。更に、ラッチレバー44がプッシュボタンキャッチ120によって保持されるので、板ばね86は、オーバーセンター位置までは延びず、ラッチレバー44を保持する。したがって、インパクタアダプタ10は、オーバーセンタークランプ機能を使用する嵌入ツールと比較して、摩耗を低減し、寿命を延ばすことができる。
【0045】
インパクタアダプタ10をラッチした後、外科医は、
図10に図示されるように、インパクタアダプタ10のインパクタ端部14を自動外科用インパクタ178に取り付ける。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、インパクタアダプタ10は、大腿骨ブローチ152に取り付けられる前に、自動外科用インパクタ178に取り付けられてもよい。
【0046】
例えば、自動外科用インパクタ178は、DePuy Synthes(Warsaw, Indiana)から市販されているKincise(商標)外科自動システムのコンポーネントとして具体化され得る。図示されている実施形態では、自動外科用インパクタ178は、ツイストロックカラー182とバッテリパック184とを有するインパクタ本体180を含む。電気駆動コンポーネント186は、インパクタ本体180内に収容される。インパクタ本体180は、主要ハンドグリップ188と、補助ハンドグリップ190と、トリガ192とを更に含む。
【0047】
使用時、外科医は、インパクタアダプタ10のシャンク144をツイストロックカラー182内に挿入し、次いで、カラー182をシャンク144にロックする。外科医は、主要ハンドグリップ188及び/又は補助ハンドグリップ190を保持して、
図10に示されるように、大腿骨ブローチ152を患者の外科的に準備された大腿骨194内に挿入する。外科医は、大腿骨ブローチ152を位置決めした後、トリガ192を押し下げる。それにより、電気駆動コンポーネント186が、バッテリパック184によって提供される電気エネルギーを使用して、インパクタアダプタ10に対して、一連の制御された衝撃を生成する。インパクタアダプタ10は、震動衝撃からの嵌入力を大腿骨ブローチ152に伝達し、それによって、大腿骨ブローチ152を患者の大腿骨194の髄管内に駆動する。嵌入中、外科医の手は、自動外科用インパクタ178上に留まっていてもよく、ラッチレバー44はラッチ位置に留まる。加えて、板ばね86は、嵌入中に、大腿骨ブローチ152をインパクタアダプタ10に対して堅固に保持する。典型的な剛性駆動列取付機構を使用するアダプタとは異なり、インパクタアダプタ10のコンプライアントな可撓性板ばね86は、自動外科用インパクタ178によって生成される頻繁な低振幅衝撃を受ける場合であっても、嵌入中に後退せず、そうでない場合でも緩むことはない。
【0048】
大腿骨ブローチ152が所望の深さまで切り出された後、又はそうでなければ患者の大腿骨194内に完全に嵌入された後、外科医は、大腿骨ブローチ152を大腿骨194から除去してもよい。例えば、外科医は、大腿骨ブローチ152を除去し、連続的により大きなブローチ152で、大腿骨194を切り出し続けてもよい。追加的又は代替的に、外科医は、大腿骨ブローチ152を除去して、プロテーゼコンポーネント、トライアルコンポーネント、又は他の大腿骨コンポーネントを大腿骨194に挿入してもよい。大腿骨ブローチ152を除去するために、外科医は、トリガ192を逆転モードで動作させる。これは、インパクタアダプタ10に対して逆方向に一連の制御された震動衝撃を生成するものであり、それによって、ブローチ152を大腿骨194から後退させて取り出す。
【0049】
外科医は、大腿骨194から大腿骨ブローチ152を取り出した後、大腿骨ブローチ152からインパクタアダプタ10を除去する。そうするためには、外科医は、押しボタンキャッチ120のボタン表面122を押し下げて、押しボタンキャッチ120を本体12内の空洞114内に摺動させる。押しボタンキャッチ120が空洞114内に摺動すると、下面134がラッチ66の上面70から係合解除され、ラッチレバー44のラッチ端部64が解放される。ラッチ66が解放されると、板ばね86は、ラッチレバー44を付勢して、開位置に向かって揺動させることができる。外科医は、必要に応じて、例えば、把持面としてウィング62を使用して、ラッチレバー44を手動で開いてもよい。上述したように、全開位置において、ラッチレバー44は約40度の角度に制限される。このように開放角度が制限されると、患者の組織に引っ掛かる、それを断裂する、それ以外の場合には干渉するリスクが低減され得る。ラッチレバー44を開位置に移動させた後、クランプレバー72を取付ポスト168から解放し、ブローチ152をインパクタアダプタ10から取り外してもよい。ブローチ152を除去した後、別の大腿骨ブローチ152、例えば、より大きいサイズのものが、上述のようにインパクタアダプタ10に取り付けられてもよい。
【0050】
大腿骨ブローチ152は、インパクタアダプタ10から取り外される前に大腿骨194から取り外されるものとして説明されているが、いくつかの実施形態では、インパクタアダプタ10は、ブローチ152が大腿骨194内に配置されたままである間にブローチ152から取り外されてもよいということを理解されたい。例えば、特定の実施形態では、外科医によって使用される最後のそして最大のブローチ152は、大腿骨トライアルコンポーネントとして使用するために大腿骨194内に残っていてもよい。
【0051】
上述したように、インパクタアダプタ10の細長い本体12は、長手方向ツール軸線18を規定する、概ね線形の形状を有する。インパクタアダプタ10のこの線形形状は、人工股関節置換術を行うために前方進入法(direct anterior approach、DAA)による外科技術を用いる外科医によって選択され得る。他の形状を有するインパクタアダプタは、他の外科的アプローチのために使用されてもよい。
【0052】
ここで
図11~
図15を参照すると、湾曲ブローチインパクタアダプタ200の例示的な一実施形態が、人工股関節置換術を行うための後方進入法による外科技術及び/又は前外側進入法による外科技術において使用され得る。例示的な湾曲インパクタアダプタ200は、直線ブローチアダプタ10と同様のコンポーネントを共有する。これらの類似のコンポーネントは、
図1~
図5に示される同じ参照番号を付して
図11~
図15に示され、これらのコンポーネントの説明は、本開示を不明瞭にしないように、ここでは繰り返さない。
【0053】
図1~
図5に示すインパクタアダプタ10とは異なり、
図11~
図15に示す湾曲アダプタ200は、直線セグメント202と湾曲セグメント204とを有する細長い本体12を含む。直線セグメント202は、ツール軸線18に沿って延在している。湾曲セグメント204は、ブローチ端部16から外向きに延出しているブローチ軸線206を規定する。ゼロではない角度が、ツール軸線18とブローチ軸線206との間に規定される。インパクタアダプタ10との更なる違いとしては、湾曲アダプタ202のシャンク144は、ツール軸線18に沿って延びていることがある。
【0054】
湾曲アダプタ200は、
図16~
図20に示すように、整形外科手術の実施中に利用され得る。
図16~
図20に示される手順は、
図6~
図10に示され、上述された手順と同様である。上述したように、最初に、外科医は、外科用ブローチを受容するように患者の骨を準備する。
図16~
図17に示すように、外科医又は他のユーザは、大腿骨ブローチ152を湾曲アダプタ200のブローチ端部16に取り付ける。
図18~
図19に示すように、大腿骨ブローチ152が取り付けられると、外科医又は他のユーザは、ラッチレバー44を開位置からラッチ位置に移動させ、ラッチ位置において、大腿骨ブローチ152は、湾曲アダプタ200の表面36に当接して堅固に保持される。
図20に示すように、外科医は、湾曲アダプタ200のインパクタ端部14を、自動外科用インパクタ178に取り付け、次に、自動外科用インパクタ178を使用して、ブローチ152を患者の大腿骨194に嵌入させる。上述したように、外科医は、後方進入法又は前外側進入法を使用して、ブローチ152を嵌入させてもよい。切り出しを完了した後、外科医は、湾曲アダプタ200からブローチ152を除去して、例えば、連続的により大きいブローチ152を用いてブローチ削りを継続したり、又は大腿骨コンポーネント若しくは他のプロテーゼコンポーネントを埋め込んだりしてもよい。
【0055】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとはみなすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示して説明してきたにすぎず、本開示の趣旨に含まれるすべての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0056】
本開示は、本明細書において説明される方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく複数の利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、説明される特徴のすべてを含むわけではないが、依然として、こうした特徴の利点のうちの少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の特徴のうちの1つ以上を組み込む、添付の「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ブローチとともに使用するための整形外科用器具であって、
第1の端部から第2の端部まで延在している細長い本体であって、前記第1の端部が、自動外科用インパクタによって受容されるように構成されている、細長い本体と、
枢動端部からラッチ端部まで延在する第1のレバーであって、前記枢動端部が、前記細長い本体に枢動可能に連結されている、第1のレバーと、
前記細長い本体に枢動可能に連結されている第2のレバーであって、前記細長い本体の上面に向かって延在しているフックを備える、第2のレバーと、
前記第1のレバーの動きが前記第2のレバーの動きを引き起こすように、前記第1のレバーに枢動可能に連結されている第1の端部と、前記第2のレバーに枢動可能に連結されている第2の端部とを有する、板ばねと、
前記細長い本体に連結された押しボタンキャッチと、
を備え、
前記第1のレバーが、前記ラッチ端部が前記細長い本体から離間されている第1の位置と、前記ラッチ端部が前記押しボタンキャッチによって捕捉されている第2の位置との間で移動可能であり、前記第1のレバーが前記第2の位置にあるとき、前記板ばねが前記第2のレバーを付勢して、前記フックを前記上面に向かって枢動させる、整形外科用器具。
(2) 前記細長い本体が、前記第1のレバーの前記枢動端部と前記細長い本体の前記第2の端部との間に湾曲セグメントを備える、実施態様1に記載の整形外科用器具。
(3) 前記細長い本体が、(i)中に画定された細長い開口部を有する前記上面と、(ii)前記上面の反対側にある底面であって、その中に画定された細長い開口部を有する、底面と、(iii)前記上面の中に画定された前記細長い開口部と前記底面の中に画定された前記細長い開口部との間に延在している1つ以上の内壁と、(iv)前記1つ以上の内壁によって画定された第1の空洞と、を備え、
前記第2のレバーが、前記第1の空洞内に位置づけられ、
前記第1のレバーの前記枢動端部が、前記第1の空洞内で前記細長い本体に枢動可能に連結され、前記細長いレバーの前記ラッチ端部が、前記上面中に画定された前記細長い開口部を通って前記第1の空洞の外に延出し、
前記板ばねが、前記第1の空洞内に位置づけられている、
実施態様1に記載の整形外科用器具。
(4) 前記細長い本体が、前記細長い本体の前記第2の端部上に位置づけられた平坦な前面を備え、
前記平坦な前面に円形開口が画定され、前記円形開口が前記第1の空洞内に開口している、
実施態様3に記載の整形外科用器具。
(5) 前記円形開口が、前記外科用ブローチの取付ポストを受容するようにサイズ決めされた前記内部空洞内への通路を画定し、
前記第1のレバーが前記第2の位置にあるとき、前記第2のレバーの前記フックが、前記通路内に位置づけられている、
実施態様4に記載の整形外科用器具。
【0058】
(6) ガイドポストが、前記細長い本体の前記平坦な前面から外向きに延出し、前記ガイドポストが、前記円形開口と前記底面との間に位置づけられている、実施態様5に記載の整形外科用器具。
(7) 前記細長い本体に連結され、前記第1の空洞内に位置づけられたストップピンを更に備え、前記第1のレバーが前記第1の位置にあるとき、前記第1のレバーの前記枢動端部の底面が前記ストップピンに接触する、実施態様3に記載の整形外科用器具。
(8) 前記細長い本体が、(i)第1の側壁、及び前記第1の側壁に対向する第2の側壁と、(ii)前記第1の側壁中に画定された開口部と、(iii)前記第1の側壁中の前記開口部から内向きに延出し、第2の空洞を画定する1つ以上の内壁と、(iv)前記第1の端部と前記細長い開口部との間の前記上面内に画定され、前記第2の空洞内に開口している第2の開口部と、を備え、
前記押しボタンキャッチが、前記第2の空洞内に位置づけられており、
前記第1のレバーが前記第2の位置にあるとき、前記ラッチ端部から下方に延出しているラッチが、前記第2の空洞内に位置づけられて、前記押しボタンキャッチによって保持されている、実施態様3に記載の整形外科用器具。
(9) 前記押しボタンキャッチは、前記押しボタンキャッチが前記第2の空洞内に位置づけられた前記ラッチに係合する第1の位置と、前記押しボタンキャッチが前記ラッチに係合しない第2の位置との間で移動可能である、実施態様8に記載の整形外科用器具。
(10) 前記第2の空洞内に位置づけられた第2のばねを更に備え、前記第2のばねが、前記押しボタンキャッチを前記第1の位置に付勢するように構成されている、実施態様9に記載の整形外科用器具。
【0059】
(11) 前記押しボタンキャッチが、前記細長い本体の前記第1の側壁に向かって位置づけられたボタン表面と、前記ボタン表面から前記第2の空洞内に延在している一対の側壁と、前記一対の側壁を接続する後壁と、前記後壁から前記第2の空洞内に延在するキャッチとを備える、実施態様10に記載の整形外科用器具。
(12) 前記細長いレバーの前記ラッチが第1のカム面を備え、前記押しボタンキャッチの前記キャッチが第2のカム面を備え、前記第1のレバーが前記第1の位置から前記第2の位置に移動されるとき、前記第1のカム面が前記第2のカム面に係合し、前記第1のカム面が前記第2のカム面に係合するとき、前記押しボタンキャッチが、前記第1の位置から前記第2の位置に付勢されている、実施態様11に記載の整形外科用器具。
(13) 整形外科手術を行う方法であって、
外科用ブローチの取付ポストを整形外科用器具の第1の端部に位置づけられた平坦面中に画定された円形開口に挿入することと、
前記取付ポストを前記円形開口に挿入したことに応答して、前記整形外科用器具の第1のレバーを第1の位置から第2の位置に移動させることであって、前記第1のレバーを前記第2の位置にラッチすること、前記整形外科用器具のコンプライアント部材を用いて前記整形外科用器具の第2のレバーに圧縮を加えること、及び前記外科用ブローチの前記取付ポストに対して前記第2のレバーのフックをクランプすること、を含む、前記整形外科用器具の第1のレバーを第1の位置から第2の位置に移動させることと、
前記レバーを移動させたことに応答して、前記整形外科用器具の第2の端部を自動外科用インパクタに連結することと、
を含む、方法。
(14) 前記取付ポストに対して前記第2のレバーの前記フックをクランプすることが、前記取付ポスト中に画定されたノッチを前記フックの湾曲した外面の第1の側部と係合させることを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記取付ポストを挿入することが、前記フックの前記湾曲した外面の第2の側部を前記取付ポストの先端内に画定された面取り部と係合させることを含み、前記第2の側部を係合させることが、前記フックを前記円形開口の中心線から離れるように枢動させることを含む、実施態様14に記載の方法。
【0060】
(16) 前記第2の端部を前記自動外科用インパクタに連結したことに応答して、前記自動外科用インパクタを用いて患者の外科的に準備された骨内に前記外科用ブローチを嵌入させることと、
前記ブローチを嵌入させたことに応答して、前記整形外科用器具の押しボタンキャッチを押し下げることであって、前記押しボタンキャッチを押し下げることが、前記第2のレバーを前記第2の位置からラッチ解除し、前記コンプライアント部材による圧縮を解放することを含む、前記整形外科用器具の押しボタンキャッチを押し下げることと、
前記押しボタンキャッチを押し下げたことに応答して、前記整形外科用器具の前記第1の端部から前記外科用ブローチを解放することと、
を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記外科用ブローチを嵌入させたことに応答して、前記自動外科用インパクタを用いて前記外科的に準備された骨から前記外科用ブローチを引き抜くことを更に含み、
前記押しボタンキャッチを押し下げることが、前記外科用ブローチを引き抜いたことに応答して、前記押しボタンキャッチを押し下げることを含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記外科用ブローチを解放したことに応答して、前記整形外科用器具の前記第1の端部に位置づけられた前記平坦面中に画定された前記円形開口内に、第2の外科用ブローチの取付ポストを挿入することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 外科用器具アセンブリであって、
整形外科用器具であって、
第1の端部から第2の端部まで延在している細長い本体であって、前記第1の端部が自動外科用インパクタによって受容されるように構成されている、細長い本体、
枢動端部からラッチ端部まで延在する第1のレバーであって、前記枢動端部が前記細長い本体に枢動可能に連結されている、第1のレバー、
前記細長い本体に枢動可能に連結されている第2のレバーであって、前記細長い本体の上面に向かって延在しているフックを備える、第2のレバー、
前記第1のレバーの動きが前記第2のレバーの動きを引き起こすように、前記第1のレバーに枢動可能に連結された第1の端部と前記第2のレバーに枢動可能に連結された第2の端部とを有する、板ばね、及び
前記細長い本体に連結された押しボタンキャッチ、
を備える、整形外科用器具と、
前記整形外科用器具の前記第2の端部に連結された外科用ブローチであって、前記外科用ブローチの第1の端部から延出している取付ポストを備える、外科用ブローチと、
を備え、
前記整形外科用器具の前記第1のレバーが、前記ラッチ端部が前記細長い本体から離間されている第1の位置と前記ラッチ端部が前記押しボタンキャッチによって捕捉されている第2の位置との間で移動可能であり、前記第1のレバーが前記第2の位置にあるとき、前記板ばねが前記第2のレバーを付勢して、前記フックを枢動させて前記外科用ブローチの前記取付ポストと係合させる、外科用器具アセンブリ。
(20) 前記細長い本体が、(i)中に画定された細長い開口部を有する前記上面と、(ii)前記上面の反対側にある底面であって、その中に画定された細長い開口部を有する、底面と、(iii)前記上面の中に画定された前記細長い開口部と前記底面の中に画定された前記細長い開口部との間に延在している1つ以上の内壁と、(iv)前記1つ以上の内壁によって画定された第1の空洞と、を備え、
前記第2のレバーが、前記第1の空洞内に位置づけられ、
前記第1のレバーの前記枢動端部が前記第1の空洞内で前記細長い本体に枢動可能に連結され、前記細長いレバーの前記ラッチ端部が前記上面中に画定された前記細長い開口部を通って前記第1の空洞の外に延出し、
前記板ばねが前記第1の空洞内に位置づけられている、
実施態様19に記載の外科用器具アセンブリ。
【国際調査報告】