(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】部品の3面以上を光学検査する装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568321
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 IB2022054095
(87)【国際公開番号】W WO2022234465
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520503359
【氏名又は名称】ベシ スウィツァランド エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイセ,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】シュメイング,カタリーナ
(72)【発明者】
【氏名】グルーター,ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】フグ,マルコ
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA61
2G051AB02
2G051BB11
2G051CA04
2G051CB01
2G051CC11
(57)【要約】
本発明は、部品の第2の面(または底面)に焦点を合わせた場合と、側面に焦点を合わせた場合の2段階で画像検出を行う、調整可能な光学素子を構成する部品の検査装置について説明する。これにより、1枚以上の画像の画質劣化程度を低減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(150、151)の検査装置(100、110)であって、部品(150、151 )は、以下の構成となっている、
- 第1の面(650)および対向する第2の面(660);
- 第1の側面(610)と隣接する第2の側面(620);
- 第3の側面(630)および隣接する第4の側面(640);第1の側面(610)と第3の側面(630)、第2の側面(620)と第4の側面(640)が互いに対向しており、各側面(610、620、630、640)は、第1の面(650)および第2の面(660)に隣接する;
装置(100)は使用時に照明ビーム(310)を提供し、照明ビーム(310)の少なくとも一部を第2の面(660)に向けるように構成および配置された光源(220)、第1の光学反射体(710)、第2の光学反射体(720)を備える;
第1の光学反射体(710)は、使用時に照明ビーム(310)の一部を第1の側面(610)に向けるように構成および配置され、第1の面(610)から反射および/または散乱して戻ってきた照明ビームの少なくとも一部を受光し、反射および/または散乱した照明ビームの少なくとも一部を第2の画像検出器(520)に向け、第2の画像検出器(520)は、第1の側面(610)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置される;
第2の光学反射体(720)は、使用時に照明ビーム(310)の一部を第3の側面(630)に向けるように構成および配置され、第3の側面(630)から反射および/または散乱して戻ってきた照明ビームの少なくとも一部を受光し、反射および/または散乱した照明ビームの少なくとも一部を第2の画像検出器(520)に向け、第2の画像検出器(520)は、さらに第3の側面(630)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置される;
第2の画像検出器(520)は、第2の面(660)の少なくとも一部;および/または第1の側面(610)の少なくとも一部;および/または第3の側面(630)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置され;装置(100、110)は、使用時に構成要素(150、151)への1つ以上の光路を変更するようにさらに構成および配置される、装置。
【請求項2】
装置(100、110)は、使用時に構成要素(150、151)への光路長を増加および/または減少させるように、さらに構成および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第2の画像検出器(520)は、光学素子(525)の焦点距離を、光学素子(525)から第2の面(660)までの距離に;光学素子(525)の焦点距離を、光学素子(525)から第1の面(610)および第3の面(630)までの距離に適応させるように構成および配置された、調整可能な光学素子(525)をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
調整可能な光学素子(525)は、液体レンズ、電気的に調整可能なレンズ、または手動で調整可能なレンズである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
第2の画像検出器(520)は、以下の正投影画像を生成するように構成および配置される、
- 第2の面(660)の少なくとも一部;
- 第1の側面の少なくとも一部(610)、第3の側面の少なくとも一部(630)、またはそれらの組み合わせである、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
装置(100、110)は、使用時にさらなる光源(220)からの直接照明ビーム(310)の少なくとも一部を受光し;直接照明ビーム(310)の少なくとも一部を第2の面(660)、第1の光学反射体(710)および第2の光学反射体(720)に向けるように構成および配置された第3の光学反射体(730)をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
装置(100、110)は、構成要素(150、151)または2つの光学反射体(710、 720)を回転させるように構成および配置され、2つの対向する側面(610、630、620、640)が、第1(710)および第2(720)光学反射体にそれぞれ対向する第1の側面(610、630)から、第1(710)および第2(720)光学反射体にそれぞれ対向するさらなる対の側面(620、640)に変化する、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
装置(100、110)は、構成要素(150、151)を回転させる前に構成要素(150、151)を第1(710)および第2(720)光学反射体から遠ざけるように移動させ、構成要素(150、151)の回転後に構成要素(150、151)を第1(710)および第2の光学反射体(720)に向かって移動させるように構成および配置される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
第2の面(660)は底面である、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
検査される部品(150、151)は、略正方形、略長方形、略六角形、または略多角形の縦方向の部品断面を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
装置(100、110)は、第2の面(660)に間接照明を提供するように構成および配置された1つ以上のさらなる光源(230a、230b)をさらに備え、
第2の面(660)は第1の平面(860)に含まれる;第2の平面(830a、830b)は、光軸(800)、第1の平面(860)および1つ以上のさらなる光源(230a、230b)と交差する;これにより、使用中に1つ以上のさらなる光源(230a、230b)からの光の少なくとも一部が、第2の平面(830a、830b)に沿って通過し、第2の面(600)と交差する;第1の平面(860)と第2の平面(830a、830b)との間の縦断面における角度は45度以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
第1の平面(860)と第2の平面(830a、830b)の間の縦断面における角度は20~45度の範囲内にある、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
装置(100、110)は、第1の側面(610)に傾斜補償照明を提供するように構成および配置された1つ以上の傾斜補償光源(240a-f)をさらに備え、第3の平面(840a、840b)は、第1の側面(610)および1つ以上の傾斜補償光源(240a-f)と交差し;これにより、使用中、1つ以上の傾斜補償光源(240a~f)からの光の少なくとも一部は、第3の平面(840a、840b)に沿って通過し、第1の側面(610)と交差する;使用中、さらなる光源(220)からの光の少なくとも一部は、第4の平面(850a、850b)に沿って通過し、第1の側面(610)と交差する、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
第3の平面(840a、840b)と第4の平面(850a、850b)の間の縦断面における角度は、-45~45度の範囲内である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
第2の画像検出器(520)は、移動可能に構成および配置され、それにより、第2の画像検出器(520)と構成要素(150、151)との間の光路長は増加または減少する、または、調整可能な光学素子(525)は移動可能に構成および配置され、それにより、調整可能な光学素子(525)と構成要素(150、151)との間の光路長が増加または減少する;または、第1の光学反射体(710)は移動可能に構成および配置され、それにより、第2の画像検出器(520)と第1の側面(610)および/または第2の側面(620)との間の光路長が増加または減少する;または、第2の光学反射体(720)は移動可能に構成および配置され、それにより、第2の画像検出器(520)と第3の側面(630)および/または第4の側面(640)との間の光路長が増加または減少する;または、それらは任意に組み合わせられる、請求項1~14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
さらなる光源(220)は、使用中に直接照明ビーム(310)の少なくとも一部を第4の光学反射体(740)および第5の光学反射体(750)に向けるようにさらに構成および配置される装置(110)であり;第4の光学反射体(740)は、使用中に直接照明ビーム(310)の一部を第2の側面(620)に向けるように構成および配置され; 第2の側面(620)から反射された照明ビームの少なくとも一部を受光し;反射された照明ビームの少なくとも一部を第2の画像検出器(520)に向けるように構成および配置され、第2の画像検出器(520)はさらに、第2の側面(620)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置され 第5の光学反射体(750)は、使用時に直接照明ビーム(310)の一部を第4の側面(640)に向け、第4の側面(640)から反射された照明ビームの少なくとも一部を受光し、反射された照明ビームの少なくとも一部を第2の画像検出器(520)に向け、第2の画像検出器(520)はさらに、第4の側面(640)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置される;第2の画像検出器(520)はさらに、第2の側面(640)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置される;第2の側面(620)の少なくとも一部および第4の側面(640)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置され;調節可能な光学素子(525)はさらに調節可能な光学素子(525)の焦点距離を、光学素子(525)から第2の側面(620)までの距離および第4の側面(640)までの距離に適応させるように構成および配置される、請求項2~15のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来の技術分野では、部品ハンドリングや処理システムおよび装置は、ハンドリングおよび処理の完了後、多数のサンプルを光学的に検査することによって品質管理を行ってきた。しかしこれは、より多くの部品に手直しが必要となり、欠陥の修正や予防の効率が低下する可能性があることを意味する。
【背景技術】
【0002】
最近では、ダイのような部品の検査工程が開発され、底面の検査だけでなく、1つ以上の側面を検査し、亀裂などの欠陥を検出するようになっている。亀裂は、ダイ同士やウェーハを分離して単一化するために使用されるダイシングのような機械的処理によって、表面や側面に頻ぱんに発生する。
【0003】
米国特許US 10,324, 044 B2には、ワークピースの欠陥検出のための装置、方法、およびコンピュータプログラム製品が開示されている。少なくとも1つの光源を備え、光源は被加工物が透明である波長域の照明光を発生する。カメラはワークの少なくとも一方の面からの光をレンズによってカメラの検出器に結像させる。ステージは、ワークピースを移動させ、カメラで半導体デバイスの少なくとも1つの側面または面を完全に撮像するために使用される。
【0004】
既知の検査システムは、5面以上(たとえば、単結晶部品や半導体デバイスの4面と上面または下面)を検査する場合、しばしば重大な欠点がある。
【0005】
たとえば、通常、より多くの側面または面を検査すると、スループットが低下する;側面と底面の間で焦点が異なるため、画質に影響を与える可能性がある;・面と1つ以上の側面の画像解像度は通常、比較的大きな視野を必要とし、使用できるピクセル解像度が制限される可能性がある;・また、重要ではない汚染は解像度が不十分なため、実際の欠陥と区別がつかないことがある。インライン検査が望ましいが、各部品を検査するため、1つ以上の検査ステップを制限または排除することにより、スループットへの影響の低減が必要となることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、スループットを大きく損なうことなく、単一化された部品の側面欠陥および内部欠陥を正確に検出できる部品検査装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様において、好ましくは、請求項1に記載の光学部品検査装置が提供される。
【0008】
1つ以上の光路を変更することにより、画像検出を部品の第2面(または底面)に焦点を合わせた場合と、側面に焦点を合わせた場合の2段階で実行できる。これにより、1枚以上の画像の画質劣化程度を低減できる。
【0009】
調整可能な光学素子としての液体レンズ使用であり、これによって形状や焦点を電気的に変更できることは特に有益である。
【0010】
液体レンズによるリフォーカスは数十ミリ秒しかかからないことがあり、これは通常、複雑な機械部品の動きよりも速い。約20ミリ秒のフォーカスタイムが可能。
【0011】
本発明のさらなる態様では、請求項6に記載の部品検査装置が提供される。
【0012】
第3の光学反射体を使用すると、装置内の第2の画像検出器の配置を決定する際の自由度が高くなり、有益な場合がある。
【0013】
本発明のさらなる態様では、請求項7に記載の部品検査装置が提供される。
【0014】
正方形成分からの偏差の程度によっては、側面の画像焦点最適化のために、1つ以上の焦点パラメータの修正が有益な場合がある。
【0015】
本発明のさらに別の態様では、請求項16に記載の部品検査装置が提供される。
【0016】
4枚の鏡の使用により、1つの面660と4つの側面610、620、640、640を1つの画像にすることができる。本発明のさらなる利点と特徴を以下の図に示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】部品検査装置内に構成される第1の検査位置を示す概略図である。
【
図1B】部品検査装置内に構成される第1の検査位置を示す概略図である。
【
図1C】略正方形の部品と略長方形の部品という2つの異なるタイプの部品の透視図である。
【
図2A】部品検査装置内に構成される第2の検査位置を示す概略図である。
【
図2B】部品検査装置内に構成される第2の検査位置を示す概略図である。
【
図4A】さらなる部品検査装置で構成される第2の検査位置を示す図である。
【
図4B】さらなる部品検査装置で構成される第2の検査位置を示す図である。
【
図5A】ダイ検査装置内に構成される第2の検査位置のさらなる概略図を示す。
【
図5B】ダイ検査装置内に構成される第2の検査位置のさらなる概略図を示す。
【
図6A】さらなるダイ検査装置120に構成された第2の検査位置820を示す。
【
図6B】さらなるダイ検査装置120に構成された第2の検査位置820を示す。
【
図7A】ダイ検査装置130内に構成される第2の検査位置の他の概略図を示す。
【
図7B】ダイ検査装置130内に構成される第2の検査位置の他の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図では、第1の軸910、第2の軸920、および第3の軸930が描かれており、当業者が異なる図や異なる部品を関連付けやすくしている。第1の軸910は第2の軸920に対して実質的に垂直であり、第3の軸930は第1の軸910と第2の軸920の両方に対して実質的に垂直である。
【0019】
第1の軸910はX方向、第2の軸920はY方向、第3の軸930はZ方向と考えると好都合である。
【0020】
技術的には、第1軸910と第2軸920は、本開示の実施形態では完全に交換可能である。第3の軸930の方向に沿って動作する多くの機能は、第1の軸910の方向に沿った同等の動作と交換できる。第3の軸930の方向に沿って動作する多くの機能は、第2の軸920の方向に沿った同等の動作と交換できる。
図1Aおよび1Bは、ダイ検査装置100のような部品検査装置内に構成される第1の検査位置810を示す概略図である。オプションとして、ダイ検査装置100は、ダイボンダのようなダイを取り扱いおよび/または処理するように構成および配置された装置で構成できる。または、半導体パッケージ、チップ、集積回路、基板など、3面以上の面を持つ面も検査できる。
【0021】
図1Aは、左から右への正の方向を有するものとして名目上示されている第1の軸910と、下から上への正の方向を有するものとして名目上示されている第3の軸930からなる平面にある図を示している。第2の軸920は、ページに向かう正の方向を有するものとして名目上示されている。
【0022】
ダイボンダーヘッドのようなダイ取付ヘッド130を備えており、第3の軸930に沿って正負に935移動できる。ダイ150、151は、ダイ取付けヘッド130が第3の軸930に沿うようにダイ150、151に向かって、またはダイ150、151から離れるように935移動できるように、第3の軸930に沿ってさらに配置される。
【0023】
オプションとして、ダイ取付けヘッド130は、ダイ150、151への取付け後、第3の軸920を中心に回転(図示せず)するように構成および配置できる。
【0024】
図1Aはさらに、ダイ150、151の第1の面650の少なくとも一部の画像を取り込むように構成および配置された第1の画像検出器510を描いている。オプションとして、第1の光源210を設けることもできる。オプションとして、図のように第1の画像検出器510と一体化できる。加えてまたは代替的に、光源は、光の少なくとも一部がダイ150、151の第1の面650の少なくとも一部から反射および/または散乱されることを可能にする、任意の都合のよい位置に配置できる。また、ある程度の散乱も発生する。オプションとして、対物レンズのような1つ以上の光学素子が第1の画像検出器510に構成できる。
図1Bは、左から右への正の方向を有する第1の軸910と、下から上への正の方向を有する第2の軸920からなる平面内にある第1の検査位置810のさらなる図を示す。第3の軸930は、ページに向かう正の方向を有する。
【0025】
ダイ150、151は、第2のダイ面660が図の正面を向くように描かれている。ダイ取付けヘッド130は、
図1Bでは描かれていない。明瞭性のため、第1の光源210と第1の画像検出器510は、図描かれていない。この図は、ダイ150、151の底面660に向かう正方向の第3の軸930に沿って見ているとの表現もできる。明瞭性のため、略正方形のダイ150のみが描かれているが、技術的にはこの実施形態は略長方形のダイ151でも動作する。
【0026】
ダイ取付けヘッド130は、ダイ150、151への取付け後、第2の軸920の方向に925移動するように構成および配置される。オプションとして、ダイ取付けヘッド130は、ダイ150、151への取付け後、第2の軸920の方向に915移動するように構成および配置できる。
【0027】
オプションとして、ダイ取付けヘッド130は、ダイ150、151への取付け後、第1の軸910を中心に回転(図示せず)するように構成および配置できる。さらに、または代替的に、ダイ取付けヘッド130は、ダイ150、151への取付け後、第2の軸920を中心に回転(図示せず)するように構成および配置できる。
【0028】
図1Cは、略正方形のダイ150と略長方形のダイ151という、2つの異なるタイプのダイの透視図を示している。これは、検査対象のダイが、第1軸910と第2軸920からなる平面において、略正方形または略長方形の縦方向のダイ断面を有すると表現できる。言い換えれば、図に描かれているような検査中、ダイは第1軸910および920からなる平面において、略正方形150または略長方形の横断装置断面を有する。
【0029】
略正方形のダイ150は、第1の軸910および第2の軸920に沿ってほぼ延びる第1のダイ面650からなる。第1の軸910に沿った寸法は幅、第2の軸920に沿った寸法は長さと考えられる。ダイ150は、第1の軸910と第2の軸920に沿った範囲(または寸法)がほぼ同じであり、「正方形」と表現される。
【0030】
本装置の典型的な向きより、第1の面650は上面と考えられる。
図1Cでは描かれていないが、ダイはさらに底面と考えられる第2の面660を備える。
【0031】
一般に、第1の面650と第2の面660はダイ150の反対側の面に位置する。技術的には、ダイ150の第1の面650と第2の面660は、本開示の実施形態においては完全に交換可能である。
【0032】
ダイ150の第1の面650と第2の面660が異なる構成の場合、および/または操作が一方の面のみで実行される場合は、上面および底面という用語は交換の可能性は低いと考えられる。たとえば、取り付けヘッド130がダイボンダーである場合、ダイへの取り付け(ピッキング)は半導体技術によって加工されたダイ150の上面650で行われ、ダイ150の下面660は、接合中にさらなる基板に取り付ける(配置する)ように構成および配置される。正方形のダイ150も第3の軸930に沿って延びる。第3の軸930に沿ったサイズは、高さまたは厚さと考えられる。正方形のダイ150は、第1の側面610、第2の側面620、第3の側面630(
図1Cでは描かれていない)、および第4の側面640(
図1Cでは描かれていない)からなる。
【0033】
一般に、面とは立体を囲む平面であり、側面とは面に隣接する立体を囲む平面を指す。また、側面(再度)は縁(エッジ)と表現されることもある。「フェース(面)」と「サイド(側面)」という用語は当業者には馴染みがあるため、本開示でも使用する。
【0034】
描かれているように、第1の側面610と第3の側面630はダイ150の反対側にあり、第2の側面620と第4の側面640はダイ150の異なる反対側にある。第1の側面610は第2の側面620に隣接し、第3の側面630は第4の側面640に隣接している。第1の面610、第2の面620、第3の面630および第4の面640は、第1の面650および第2の面660に隣接して配置される。技術的には、第1の側面610、第2の側面620、第3の側面630および第4の側面640への言及は、本開示の実施形態において完全に交換可能である。
【0035】
装置の典型的な向きにより、第1の側面610、第2の側面620、第3の側面630、および第4の側面640の面は、それぞれ第1の側面610、第2の側面620、第3の側面630、および第4の側面640と考えられる。第1の側面610、第2の側面620、第3の側面630および第4の側面640は、上面650および下面660に隣接して配置される。
【0036】
通常、ダイ(および半導体パッケージや部品)は平面状で、厚さは幅や長さよりもはるかに小さい。ダイは、図では2つの面と4つの側面(またはエッジ)を持つものとして描かれる。しかし、正方形ダイ150または長方形ダイ151で動作する本開示に記載される実施形態は、立方体形状および近似立方体形状を含む、非常に異なる相対寸法を有するダイで動作するように構成および配置できることに当業者は気づくだろう。本開示に記載の実施形態を用いた検査では、ダイは面、側面、およびそれらの任意の組み合わせからなる5つ以上の平面から構成されると考えられる。
【0037】
本開示の観点では、第2の検査位置(
図2Aおよび2B)での検査が、第1および第2の方向の両方において、1つ以上の焦点設定に大きな変更を加えることなく実行可能で、第2の方向は、ダイを第1の向きから第3の軸930の周りに90度または270度(または90度および/または270度の倍数)回転させた後に到達される場合、正方形と見なされることがある。
【0038】
たとえば、第1および第2の方向におけるダイエッジの位置の差が結像光学系の被写界深度よりも小さい場合は、ダイは正方形とみなされる。
【0039】
略長方形のダイ151は、第1の軸910に沿った範囲(または寸法)が第2の軸920に沿った範囲よりも小さいため、「長方形」と表現される。
【0040】
技術分野によっては、長方形は4つの直角を持つ四角形とみなされることがある。このような場合、本開示における長方形の使用は長方形、拡張長方形、および/または非正方形長方形を意味すると考えるべきである。
【0041】
長方形のダイ151は、相対的寸法以外は正方形のダイと同じである。本開示の観点では、第2の検査位置(
図2Aおよび2B)での検査が、1つ以上の焦点設定を大幅に変更することなく第1および第2の方向の両方で実行できない場合は、ダイは長方形とみなされる可能性があり、第2の方向は、ダイを第1の向きから第3の軸930の周りに90度または270度(または90度および/または270度の倍数)回転させた後に到達する。言い換えれば、1つ以上の焦点設定を大幅に変更しない限り、第1の方向での検査は第2の方向では再現できない。
【0042】
第1の検査位置810での検査に先立ち、ダイ150、151は第1の検査位置810に搬送される(図示せず)。これは、第1の面650の少なくとも一部が第1の画像検出器510の撮像範囲内にある位置である。たとえば、検査装置100がダイボンダーで構成されている場合、ダイ150、151は、第1の検査位置810での検査中もウェハー上にある可能性がある。
【0043】
オプションとして、第1の光源210が作動され、それによって適切な組成の光の少なくとも一部がダイ150、151の第1の面650から第1の画像検出器510に向かって反射および/または散乱される。また、ある程度の散乱も発生する。
【0044】
その後、ダイ150、151の第1の面650の少なくとも一部について、1つ以上の検査画像が作成される。第1の検査位置810で画像を取り込んだ後に、ダイ取付けヘッド130は、ダイ150、151の上面650に達するまで第3の軸930の負方向に935移動される。ダイ150、151は、ダイ取付ヘッド130に取り付けられ、第2の検査位置(
図2Aおよび2B)まで第2の軸920の方向に925移動される。
【0045】
オプションとして、ダイ150、151は、第1の軸910の方向に915移動させることもできる。さらに、または代替的に、ダイ150、151を第3の軸930の方向に935移動できる。
【0046】
図2Aおよび2Bは、ダイ検査装置100内に構成される第2の検査位置820の概略図を示す。第2の検査位置820は、端部(または側部)検査位置820とも表現できる。
【0047】
図2Aは、左から右への正の方向を有する第1の軸910と、下から上への正の方向を有する第3の軸930からなる平面にある図を示す。第2の軸920は、ページに向かう正の方向を有する。これは第2の検査位置820におけるダイ検査装置100を通る縦断面を概略的に示している。
【0048】
第2の検査位置820では、ダイ150、151は、第1の光学反射体710と第2の光学反射体720との間に位置決めされ、これにより、2つの対向する側面610、630が、それぞれ第1の光学反射体710と第2の光学反射体720に対向するよう位置決めされる。さらに、ダイ150、151は第3の軸930の方向に延びる光軸800上に配置される。
【0049】
オプションとして、ダイ取付けヘッド130を使用するとダイ150、151を正しい位置に保持できる。
【0050】
第2の検査位置820は、光軸800に沿ってさらに第3の軸930の負の方向に配置され、ダイ150、151の第2の面(または底面)660を撮像するように構成および配置された、オプションの第3の光学反射体730をさらに備える。たとえば、第3の光学素子730は、ミラーまたはビーム偏向器でもよい。これは、装置100、110における第2の画像検出器520の配置決定の際により高い自由度を提供し、有益な場合がある。第3の光学反射体730は、照明に使用される波長に対して高反射率であることが好ましい。さらに、検査の画質が著しく低下しない程度に高い表面品質が好ましい。たとえば、Edmund Optics社のl/10第1面ミラー: www.edmundoptics.com/- f/lambdalO-first-surface-mirrors/13759/ - 表面平坦度l/10、表面品質20-10。
【0051】
オプションとして、1つ以上の光源240が第3の軸930に沿ってさらに負方向に進んだ位置に設けられる場合、以下の説明のとおり、ビームスプリッタまたは半透過ミラーを使用できる。これはまた、第3の光学反射体730の下に照明240を提供するとも表現できる。このような場合、第3の光学反射体730は、傾斜補償照明の程度を提供するため、これら追加の光源240に結合するようにさらに構成および配置できる。ビームスプリッタは、照明に使用される波長に最適化されていることが好ましい。さらに、検査の画質が著しく低下しない程度に高い表面品質が好ましい。たとえば、Edmund Optics社のプレート式ビームスプリッタ:www.edmundoptics.com/f/plate-beamsplitters/12424/- 表面品質は80~50、表面平坦度は4~6l。オプションとして、装置100に第3の光学反射体730を含める代わりに、第2の画像検出器520をダイ150、151から負方向に第3の軸930に沿ってさらに配置できる。
【0052】
周囲光が十分でない場合は、少なくとも1つの照明(少なくとも1つの第1の光源210または少なくとも1つの第4の光源240)が必要となる。第2の検査位置820は、ダイ150、151の第2の面660の少なくとも一部の画像を取り込むように構成および配置された、第2の画像検出器520をさらに備える。第2の画像検出器520は、第3の光学反射体730と協働し、ダイ150、151の第2の面660を直接照明するように構成および配置された第2の光源220からなる。
【0053】
第2の画像検出器520は、直接画像検出器520、言い換えればさらなる光源を用いた撮像に適した検出器とも表現できる。第2の光源220は、さらなる光源220、言い換えれば、直接光の生成に適した光源とも表現できる。
【0054】
たとえば図示のとおり、第1の軸910の負の方向において、第2の光源220からの光は第3の光学反射体730に310向けられる。言い換えれば、第2の光源220は、使用時に直接照明ビーム310とも表現できる第2の照明ビーム310を提供する。
【0055】
たとえば図示のとおり、第3の光学反射体730は光軸800に対して約45度に配置され、これによって第2の光源220からの光は310を受光し、光軸800に対して、実質平行にダイ150、151の第2の面660に向けられる。第2の面660からの戻り光は、光軸800に実質平行に310受光され、第2の画像検出器520に310向けられる。
【0056】
本開示の文脈における第2の面660の直接照明とは、第2の光源220からの光が第3の光学反射体730によって受光され、光軸800と実質平行に310に、ダイ150、151の第2の面に向かって第3の軸930の正の方向に向けられることを意味する。ダイ150、151の第2の面660からの反射光および/または散乱光310は、第3の軸930に沿って、光軸800と実質平行な負の方向に向けられ、第3の光学反射体730によって第2の画像検出器520に結合される。
【0057】
この例では、画像検出器に結合される反射および/または散乱光は、反射および/または散乱された直接照明光からなる。さらに、または代替的に、1つ以上の代替光源が第2の面660を照明するために使用される場合、画像検出器に結合される反射光および/または散乱光は、1つ以上の代替光源からの反射光および/または散乱光から構成できる。
【0058】
オプションとして、対物レンズのような1つ以上の光学素子が第2の画像検出器520に構成できる。第2の面660の少なくとも一部の正射影画像を生成するように構成および配置された第2の画像検出器520を構成および配置することが有益な場合がある;
・第1の側面610、620の少なくとも一部;
・第2の側面630、640の少なくとも一部、または、
・その組み合わせを問わない。
【0059】
たとえば、対物レンズはテレセントリックに構成および配置できる。第1の光学反射体710および第2の光学反射体720は、第1の軸910に沿ってダイ150、151の反対側に配置され、それぞれダイ側面610、630の一方に面するように配置される。
【0060】
第1光学反射体710および第2光学反射体720はそれぞれ、第3光学反射体730と協働し、側面610、630の一方の少なくとも一部を撮像するように構成および配置される。たとえば、第1の光学素子710および/または第2の光学素子720は、ミラーまたはビーム偏向器でもよい。
第3の光学反射体730はさらに、第1の光学反射体710および第2の光学反射体720と協働し、2つの側面610、630それぞれの少なくとも一部を撮像するように構成および配置される。第2の画像検出器520はさらに、2つの側面610,630それぞれの少なくとも一部の画像を撮像するように構成および配置される。第2の画像検出器520はさらに、第3の光学反射体730と協働して、2つの側面610、630のそれぞれに直接照明を提供するように構成および配置される。たとえば図示のとおり、第3の光学反射体730は、光軸800に実質平行に、第2の光源220からの光を第1の光学反射体710および第2の光学反射体720にさらに向けるように、約45度の角度で配置される。第1の光学反射体710と第2の光学反射体720は、第3の光学反射体730からの光を2つの側面それぞれに向ける。各側面からの戻り光は、第1の光学反射体710または第2の光学反射体720で受光され、光軸800に実質平行な第3の光学反射体730に310向ける。第3の光学反射体730からの戻り光は、第2の画像検出器520に310向けられる。
【0061】
本開示の文脈における1つ以上の側面の直接照明とは、第2の光源220からの光が第3の光学反射体730によって受光され、また、光軸800に対して実質平行に310、第1の光学反射体710および/または第2の光学反射体720に向かって第3の軸930の正の方向に向けられることを意味する。第1の光学反射体710および/または第2の光学反射体720からの反射光および/または散乱光310は、第3の軸930に沿って、光軸800と実質平行な負の方向に向けられ、第3の光学反射体730によって第2の画像検出器520に結合される。この例では、画像検出器に結合される反射および/または散乱光は、反射および/または散乱された直接照明光からなる。加えて、または代替的に、1つ以上の代替光源が1つ以上のダイ側面610、630を照明するために使用される場合、画像検出器に結合される反射光および/または散乱光は、1つ以上の代替光源からの反射光および/または散乱光から構成できる。
【0062】
第2の検査位置820は、ダイ150、151の第2の面660と第3の光学反射体730との間に配置された、1つ以上の任意の第3の光源230a、230bをさらに含むことができる。第3の光源230a、230bは、ダイ150、151の第2の面660を間接的に照明し、たとえば塵埃の観察を助けるように構成および配置される。
【0063】
角度は、望むような粒子の撮像を最適化するために、事前に決定および/または制御できる。加えて、または代替的に、ダイ150、151の第2の面660から離れた距離は、第2の面660上で十分な光エネルギーを受けるように、あらかじめ決定および/または制御できる。加えて、または代替的に、放射される波長は、望むような粒子の撮像を最適化するために、あらかじめ決定および/または制御できる。
【0064】
1/3以上の第3の光源230a、230bが設けられる場合、複数の第3の光源230a、230bは、同一、類似および/または異なるように構成および配置できる。複数の第3の光源230a、230bは、同時、交互、および/または時に使用できる。
【0065】
たとえば
図2Aでは、検査対象のダイ150、151の第2の面660に対して対称に配置された2つのLEDまたはLEDバー230a、230bを使用できる。たとえば図示のとおり、光軸800の両側に1つのLED/LEDバー230a、230bがあり、「a」光源は光軸800の観察者の左側にあり、「b」光源は光軸800の観察者の右側にある。
【0066】
本開示の文脈において、間接照明とは光軸800に近接し、第2の面660に近接して配置されることを意味しており、それによって光の少なくとも一部が、比較的斜めの角度で第2の面660に向けられる。
【0067】
図5Aは、
図2Aに描かれている金型検査装置100の選択された要素と特徴を示している。明瞭性のため、さらなる光源220および第2の画像検出器520に関連する
図2Aの多くの要素や特徴は描かれていない。ダイ150、151は、第3の軸930の方向に延びる光軸800上に配置される。ダイ150、151の第2の面(または底面)660を構成し、光軸800と交差する第1の平面860を通る縦断面が描かれている。
【0068】
第2の平面830aを通る縦断面が描かれており、(使用時には)「a」の第3の光源230aからの光の一部を構成する。第2の面830aは、「a」の第3の光源230a、第1の平面860、光軸800と交差する。使用中、「a」の第3の光源230aからの光の一部は、第2の平面830aに沿って通過し、第2の面660と交差し、第2の面660の間接照明を提供する。第1の平面860と第2の平面830aを通る縦断面において、第1の平面860と第2の平面830aの間の角度は45度以下である。第1の平面860と第2の平面830aの間の縦断面における角度が約20~45度の範囲になるようにあらかじめ決定および/または制御することが有益な場合がある。
【0069】
「b」の第3の光源230bからの光の一部からなる(使用中)第3の平面830bを通る縦断面が描かれている。第3の面830bは、「b」の第3の光源230b、第1の面860、光軸800と交差する。使用中、「b」の第3の光源230bからの光の一部は第3の面830bに沿って通過、第2の面660と交差し、第2の面660の間接照明を提供する。第1の平面860と第3の平面830bを通る縦断面において、第1の平面860と第3の平面830bの間の角度は45度以下である。第1の平面860と第3の平面830bの間の縦断面における角度が約20~45度の範囲になるよう、あらかじめ決定および/または制御することが有益な場合がある。
【0070】
第2の面660から反射および/または散乱して戻ってくる光は、直接照明として提供される光および/または間接照明として提供される光からなる。この光は、第3の軸930に沿って、光軸800と実質平行な負の方向に反射および/または散乱され、第3の光学反射体730によって第2の画像検出器(図示せず)に結合される。検査には少なくとも以下の照明モードが使用できる。
【0071】
・第2の面660の直接照明が有効化され、第2の面660の間接照明230a-bが有効化されず、反射および/または散乱された直接照明310が第2の画像検出器に結合される、または、
・第2の面660の直接照明、第2の面660の間接照明230a-bが有効化され、反射および/または散乱された直接照明310および反射および/または散乱された間接照明230a-bが第2の画像検出器に結合される、または、
・第2の面660の直接照明が有効化されず、第2の面660の間接照明230a-bが有効化され、反射および/または散乱された間接照明230a-bが第2の画像検出器に結合される。
【0072】
これらのモードはさらに、傾斜補償照明を使用し、後述の照明モードと組み合わせられる。
【0073】
第2の検査位置820は、第3の光学反射体730から負の方向に第3の軸930に沿ってさらに配置された、1つ以上の任意の第4の光源240a-fをさらに備えられる。これはまた、第3の光学反射体730の下に照明240a-fを提供するとも表現できる。
【0074】
この場合、第3の光学反射体730は、たとえばビームスプリッタであることによって、第4の光源240a-fに結合してある程度の傾斜補償照明を提供するよう、さらに構成および配置できる。
【0075】
本開示の文脈では、傾斜補償照明は複数の光源で構成され、ダイ面および/または側面上の入射角のセットを、ダイの面および/または側面の不均一な部分が照明される直接照明よりも大きい。
【0076】
傾斜補償照明は、1つ以上の第4の光源240a-fからダイの1つ以上の側面への光の入射角度をあらかじめ決定および/または制御するように構成および配置できる。ダイシング工程では、ダイ側面やエッジの一部が不均一に切断されることがある。このような凹凸のあるダイ側面(または側面)に満足のいく照明を提供するために、傾斜補償照明は、切断されたダイ側面に現れる予想される側面表面角度に対応する側面照明の入射角を提供するよう、あらかじめ決定および/または制御できる。
【0077】
必要な入射角は、ダイの種類、メーカー、ダイシングプロセスなどによって異なる場合がある。入射角は、測定、推定、シミュレーション、またはそれらの組み合わせによって決定できる。たとえば図のように、複数のLEDまたはLEDバー240a-fが第1の軸910の方向に沿って延びている。たとえば、6個のLED/LEDバー240a-fが適している。
【0078】
図5Bは、
図2Aが示す金型検査装置100の選択された要素と特徴を示している。明瞭性のため、さらなる光源220および第2の画像検出器520に関連する第2の画像検出器520および1つ以上の第3の光源230a、230bに関連する
図2Aの多数の要素および特徴は描かれていない。1つ以上の第4の光源240a-fは、6つのLED/LEDバー240a、240b、240c、240d、240e、240fからなり、図のとおり、「a」の光源は光軸800の観察者の左側にあり、「f」の光源は光軸800の観察者の右側にある。ダイ150、151は、第3の軸930の方向に延びる光軸800上に配置される。
【0079】
明瞭性のため、1つ以上の第4の光源240a-fからの光は、使用時に第3の光学反射体730を通過して第1の光学反射体710に向かい、ダイ150、151の第2の側面620に向けられることのみが示されている。当業者であれば、使用時に光240a-fも同様に、第3の光学反射体730を通過して第2の光学反射体720に向かい、第2の光学反射体720によってダイ150、151の第4の側面640に向けられる可能性があると気づくだろう。
【0080】
明瞭性のため、直接照明の詳細は、
図5Bの主要部分における1つ以上の側面の直接照明を示す矢印310に限定されている。しかし、拡大図(左図)では、第2の側面620の照明の詳細が示されている。
【0081】
第2の光源(図示せず)からの光310は、第3の光学反射体730によって受光され、光軸800と実質平行に310、第1の光学反射体710および/または第2の光学反射体720に向かって、第3の軸930の正方向に310向けられる。
【0082】
「a」の第4の光源240aからの光の一部からなる(使用時の)、第4の平面840aを通る縦断面が描かれている。
【0083】
第4の平面840aは、「a」の第4の光源240aと、第1の反射体710および第2の側面620と交差する。使用時は、「a」の第4の光源240aからの光の一部は、第4の平面840aに沿って第3の光学反射体730を通過し、第1の反射体710によって反射および/または散乱され、第2の側面620と交差し、第2の面660に近い第2の面620の傾斜補償照明を提供する。
【0084】
「f」の第4の光源240fからの光の一部からなる(使用時の)、第5の平面840fを通る縦断面が描かれている。第4の平面840fは、「f」の第4の光源240fと、第1の反射体710および第2の側面620と交差する。使用時は、「f」の第4の光源240fからの光の一部は、第4の平面840fに沿って第3の光学反射体730を通過し、第1の反射体710によって反射および/または散乱され、第2の側面620と交差し、第1の面660に近い第2の側面620の傾斜補償照明を提供する。
【0085】
第6の平面850aを通る縦断面が描かれ、(使用時に)さらなる光源からの光の一部を構成する。使用時は、さらなる光源(図示せず)からの光310の一部は、第1の光学反射体710と交差する第6の平面850aに沿って第3の光学反射体730から反射および/または散乱される。この光310の部分は、第6の平面850aに沿って第1の光学反射体710によって反射および/または散乱され、第2の側面620と交差し、第2の面660に近い第2の側面620を直接照明する。
【0086】
第7の平面850bを通る縦断面が描かれており、(使用時に)さらなる光源からの光の一部を構成する。使用時、さらなる光源(図示せず)からの光310の一部は、第1の光学反射体710と交差する第7の平面850bに沿って第3の光学反射体730から反射および/または散乱される。光310のこの部分は、第7の平面850bに沿って第1の光学反射体710により反射および/または散乱され、第2の側面620と交差し、第1の面650に近い第2の側面620を直接照明する。第2の側面620から反射および/または散乱して戻ってくる光は、直接照明として提供される光および/または傾斜補償照明として提供される光からなる。この光は、第1の光学反射体710から反射および/または散乱され、第3の軸930に沿って光軸800と実質平行な負の方向に向けられ、第3の光学反射体730によって第2の画像検出器(図示せず)に結合される。少なくとも以下の照明モードを検査に使用:第2の側面620の直接照明が有効化されるが傾斜補償照明240a-fは有効化されず、反射および/または散乱された直接照明310が第2の画像検出器に結合されるか、第2の側面620の直接照明と傾斜補償照明240a-fが有効化され、反射および/または散乱された直接照明310、および反射および/または散乱された傾斜補償照明240a-fが第2の画像検出器に結合される; または、第2の側面620の直接照明は有効化されず、傾斜補償照明240a-fが有効化され、反射および/または散乱された傾斜補償照明240a-fが第2の画像検出器に結合される。これらのモードは、間接照明を用いた上述の照明モードとさらに組み合わせられる。
【0087】
第4の840aと第6の平面850aを通る縦断面において、第2の側面620上の傾斜補償照明の入射角は、第2の側面620上の直接照明の入射角よりも大きい。言い換えれば、第4の平面840aと第6の平面850aとの間の角度は、5度以上でよい。第4の平面840aと第6の平面850aの間の縦断面における角度が約5度から約15度の範囲になるようにあらかじめ決定および/または制御することが有益な場合がある。第5の840bおよび第7の平面850bを通る縦断面において、第2の側面620に対する傾斜補償照明の入射角は、第2の側面620に対する直接照明の入射角よりも大きい。言い換えれば、第5の840bと第7の平面850bの間の角度は、5度以上でよい。第5の平面840bと第7の平面850bの間の縦断面における角度が約5度から約15度の範囲になるようにあらかじめ決定および/または制御することが有益な場合がある。
【0088】
図2Bは、左から右への正の方向を有する第1の軸910と、下から上への正の方向を有する第2の軸920からなる平面内にある第2の検査位置820のさらなる図を示す。第3の軸930は、ページに向かう正の方向を有する。これは 第2の検査位置820における金型検査装置100を通る横断面を概略的に示す。
【0089】
これは、略正方形のダイ150が第2の検査位置820で検査される際のようすである。正方形のダイ150は、第2のダイの面660が図の正面を向くように描かれている。ダイ取付けヘッド130は、
図1Bでは描かれていない。明瞭性のため、第3の光源230a、230b、第4の光源240および第3の光学反射体730は、
図2Bでは描かれていない。また、この図は第3の軸930に沿って正方向に、正方形のダイ150の底面660の方向を見たものとも表現できる。ダイ取付ヘッド130は、正方形のダイ150への取付後、第2の軸920の方向に925移動するように構成および配置される。ダイ150が第1の光学反射体710と第2の光学反射体720の間に配置される場合、第1の軸910に沿ってわずかな移動が提供される場合がある。ただし、第1の軸910に沿ったより実質的な移動は、正方形のダイ150が第2の検査位置820から第2の軸920の方向に925および/または第3の軸の方向に930のいずれかに移動された後にのみ可能である。
【0090】
第2の光源220を作動させ、第2の面660および2つのダイの側面のそれぞれに直接照明310を提供でき、これにより、適切な組成の光が第2の面660および2つのダイの側面のそれぞれから、第2の画像検出器520に向けて310反射および/または散乱される。照明光と反射光および/または散乱光の両方は、第3の光学反射体730と、第1の光学反射体710または第2の光学反射体720のいずれかによって方向転換される。次に、第2の面660の少なくとも一部と、正方形のダイ150の2つの側面それぞれについて、1つ以上の検査画像が作成される。
【0091】
オプションとして、第3の光源230a、230bを作動させ、適切な程度の間接照明を提供ができる。加えて、または代替的に、第4の光源240を作動させ、適切な程度の傾斜補償照明を提供できる。
【0092】
たとえば、第3の光源230a、230bからの間接照明は、通常、ダイ150、151のエッジが識別できる画像を生成する。たとえば、第4の光源240からの傾斜補償照明により、典型的には、ダイ150、151の側面(または側面)の欠陥が識別できる画像が生成される。
【0093】
2種類以上の照明が提供されると都合がよく、幅広い種類の検査を可能にする。
【0094】
照明モードおよび/または焦点設定は、表面欠陥および/または内部欠陥の両方の検査を可能にするよう、あらかじめ決定および/または制御できる。
【0095】
第2の検査位置820での検査を完了するために、ダイ取付けヘッド130を第3の軸930を中心に回転させると、第2の検査位置820で正方形のダイ150を90度または270度(あるいは90度および/または270度の倍数)回転させられる。さらに、正方形のダイ150の他の2つのダイ側面610、630の1つ以上の検査画像が作成される。
【0096】
正方形のダイ150の側面と、第1の光学素子710および第2の光学素子720の間の距離が小さすぎ、安全に回転できない場合は、ダイ取付けヘッド130を第3の軸930に沿って負の方向に移動できる。これは第1の光学反射体710と第2の光学反射体720から離れている。十分なスペースがある場合は、ダイ取付ヘッド130を第3の軸930を中心に回転させ、正方形のダイ150を90度回転させる。最後に、ダイ取付けヘッド130を第3の軸930に沿って正方向に移動させ、それにより正方形のダイ150を第2の検査位置820に戻すことができる;および/または、ダイ取付けヘッド130を第2の軸920に沿って正方向または負方向のいずれかに925移動できる。十分なスペースがある場合、ダイ取付ヘッド130を第3の軸930を中心に回転させることで、正方形のダイ150を約90度(または90度の倍数)回転できる。最後に、ダイ取付けヘッド130は、第2の軸920に沿って925に移動でき、これにより、正方形のダイ150は第2の検査位置820に戻される。
【0097】
たとえば、装置はダイ150を第3(またはZ)軸930に沿って2~10ミリの範囲で移動させるように構成および配置できる。
【0098】
さらに、または代替的に、装置はダイ150を第2(またはY)軸920に沿って10~60ミリの範囲で移動させるように構成および配置できる。
【0099】
一般に、第1の光学反射体710と第2の光学反射体720の間の距離が、ダイ150の面650、660を構成する平面におけるダイ150の最大対角寸法よりも大きい場合、安全に回転できる。
【0100】
回転量は、1つ以上の面間で回転できるよう、あらかじめ決定および/または制御される。4面のダイの場合、約90度(または90度の倍数)の回転が適する。六角形のダイのように異なる辺数を有するダイの場合、回転量は、約45度(または45度の倍数)のような適切な度数にあらかじめ決定および/または制御できる。好ましくは、ダイのアタッチメントヘッド130は、完全な回転を提供するように構成され、どの面をどの順番で撮像してもいいように配置される。
【0101】
公称回転を中心にわずかな角度補償を行うことで、画質をさらに向上させられる。たとえば、公称回転に対して±2度の範囲の補償を行うことができる。オプションとして、第2(または下)のダイの面660の検査中に、回転誤差の判定が有益な場合がある。その後、回転誤差のある側(または側面)610、620、630、640を検査する際に適切な補償を適用できる。
【0102】
原則的には、第2の画像検出器520を使用して1つ以上の画像を生成する場合、第2の画像検出器520から3つの主な光学的距離があり、焦点について考慮する必要がある。光路内の面、側面、光学素子が最適に配置され、必要に応じて垂直であると仮定する。
【0103】
主な距離は、ダイ150の第2の面660、ダイ150の側面の1つ、およびダイ150の他方の側面である。
【0104】
ダイ検査装置100は、ダイ150を第1の光学素子710および第2の光学素子720に対して実質的に等しい距離に配置するように構成および配置できる。つまり、主な距離は、ダイ150の第2面660とダイ150の各側面である。側面が最も正確に解像される焦点を選択することが有益な場合がある。一部のダイの取り扱いおよび/または加工システムによっては、側面の損傷が第2の表面660の損傷より大きな欠陥の原因となる場合がある。第2の面660の検査は、1つの画像で、機械的、電気的または光学的に光路長を変更することなく実行できるため、照明が不十分および/またはよりぼやけた撮像でも許容される場合がある。
【0105】
正方形のダイ150の側面と、第1の光学素子710および第2の光学素子720の間の距離をできるだけ小さく保つように、ダイ検査装置100を構成および配置することが有益な場合がある。これにより、ダイ150の側面と第2の表面660の間の画質の差をさらに低減できる。
【0106】
図3は、
図2A、
図2Bまたは
図2Cに描かれた構成で撮影されたサンプル画像である。左右には、側面610と630(
図1Cでも示されている)の画像である2つの領域1610、1630がある。これらはいずれも、ダイ150、151の側面610、630が第1光学反射体710および第2光学反射体720から実質的に等しい距離になるように構成、配置された検査装置を用いて製造されており、焦点が合っている。さらに、中央には、ダイ150、151の第2(または底)の面660の画像である単一領域1660がある。側面の画像と比較して、この画像1660は焦点が合っておらず、均一に照明されていない。
【0107】
ダイ検査装置100は
図1Cのとおり、略長方形のダイ151を検査するように構成され、配置される場合がある。長方形のダイ151は、2つの短い側面610、630と2つの長い側面620、640からなる。
【0108】
図2Cは、左から右への正の方向を有する第1の軸910と、下から上への正の方向を有する第2の軸920からなる
【0109】
平面内にある第2の検査位置820のさらなる図を示す。第3の軸930は、ページに向かう正の方向を有する。
【0110】
これは、略長方形のダイ151が第2の検査位置820で検査される点を除き、
図2Bとほぼ同じである。長い方の側面620の1つは、第1の光学反射体710に面している。もう一方の長い側面640は、第2の光学反射体720に面している。
【0111】
図2Cの方向では、第2の面660の少なくとも一部および長方形のダイ151の2つの側面620、640のそれぞれについて、1つ以上の検査画像が作成される。第2の検査位置820での検査を完了するには、長方形のダイ151を90度回転させなければならない。これは
図2Dに描かれており、
図2Cと同じ図だが、長方形のダイ151が第3の軸930を中心に90度回転している点を除く。長い方の側面620と640は、もはや第1の光学反射体710と第2の光学反射体720に面していない。短い側面610、630は、それぞれ第1の光学反射体710と第2の光学反射体720に面している。
【0112】
この例は、
図2Bに描かれた実施形態と同じである。第1の光学反射体710と第2の光学反射体720の間には、ダイ151を第2の軸920の方向に925および/または第3の軸930の方向のいずれかに大きく移動させることなく、長方形のダイ151の回転を可能にするのに十分な空間がある。
【0113】
一般に、第1の光学反射体710と第2の光学反射体720の間の距離が、ダイ151の面650、660を構成する平面におけるダイ151の最大対角寸法より大きい場合、安全な回転が可能である。第2の画像検出器520を使用して長方形のダイ151を検査する場合、第2の画像検出器520からの光学的距離は主に3つあり、焦点位置を考慮する必要がある。光路内の面、側面、光学素子が最適に配置され、必要に応じて垂直であると仮定する。主な距離は、ダイ150の第2の面660、ダイ150の短い側面610、630、およびダイ150の長い側面620、640までの距離である。
【0114】
検査工程を完了し、6面すべての画像を作成後、ダイをさらに検査、加工、処理し、上述の検査工程をすべてまたは部分的に繰り返したり、あるいはこれらを組み合わせられる。ダイ検査装置100が、ダイボンダーのようなダイのハンドリングおよび/または加工を行う装置内に構成されている場合、ダイ取付けヘッド130は、ダイ150、151を搬送し、さらなるハンドリングおよび/または加工位置に移動できる。
【0115】
第1の光学反射体710および第2の光学反射体720は、第2の軸920にほぼ平行に配置されたチャネルまたは通路を提供すると考えられる。したがって、第2の検査位置820から第2の軸920に沿って配置されるように、さらなるハンドリング位置および/または処理位置を構成および配置することが有益な場合がある。これにより、スループットを低下させる可能性のある第3の軸930に沿った1つ以上の追加の移動を回避できる。
図4Aと
図4Bは、さらなるダイ検査装置110に構成された第2の検査位置820を示している。
【0116】
図4Aおよび
図4Bは、第4の光学反射体740および第5の光学反射体750から構成されるさらなる金型検査装置110を除き、
図2Aおよび
図2Bと同じである。ダイ150、151は、第1の光学反射体710、第2の光学反射体720、第4の光学反射体740、第5の光学反射体750の間に配置され、これにより、2つの対向する側面610、630は、それぞれ第1の光学反射体710および第2の光学反射体720に対向するように配置され、2つの他の対向する側面620、640は、それぞれ第4の光学反射体740および第5の光学反射体750に対向するように配置される。さらに、ダイ150、151は
図4Aには描かれていないが、これは第4の光学反射体740の背後にある。
【0117】
さらなるダイ検査装置110は、第1の光学反射体710、第2の光学反射体720、第4の光学反射体740および第5の光学反射体750が、チャネルの代わりにボックスを提供すると考えられることを除き、ダイ検査装置100と同じである。さらに、ダイ150、151の第2の検査位置への移動または第2の検査位置からの移動は、ダイ150、151と1つ以上の光学反射体710、720、740、750との間の衝突の可能性を回避するため、第3の軸930に沿ったある程度の移動を必要とし、1つ以上の検査画像が、第2の面660の少なくとも一部およびダイ150、151の4つの側面610、620、630、640のそれぞれについて作成されている場合がある。
図4Bには正方形のダイ150が描かれているが、光反射板ボックス710、720、740、750は、長方形のダイ150に十分なスペースを提供するように構成および配置できる。あるいは、光学反射体ボックスは、長方形状の光学反射体ボックス710、720、740、750を提供するように変更できる。したがって、さらなるダイ検査装置110は、すべての面および側面の画像を作成するためにさらなる移動が必要ないため、ダイ検査装置510に関連して説明した実施形態と同様の、あるいはさらに高いスループットを提供するように構成および配置できる。側面を撮像するためにミラーなどの反射素子を使用する既知のシステムでは、使用される焦点は、ダイの底面上と側面上の焦点の間の妥協であることが多く、ユーザーは少なくとも1つの劣化した画像を受け入れることを余儀なくされる。
正方形のダイからの偏差の程度に応じて、本書記載されるダイ検査装置によって撮像される側面の画像焦点を最適化するために、1つ以上の焦点パラメータを修正することが有益な場合がある。たとえば、以下のような1つ以上の方法による。
【0118】
(A):調整可能な光学素子525とも記載される,調整可能な対物レンズ525からなる第2の画像検出器520で、調整可能な光学素子525の焦点距離を、光学素子525から検査対象のダイ面または側面までの距離に適合させるように,構成および配置される。無視できない厚さのレンズの場合、焦点距離は焦点面から光学素子525の前面光学面の頂点までの距離と考えられる。必要な焦点距離の範囲は、装置内の1つ以上の光路の構成と配置、たとえば調整可能な光学素子の種類、調整可能な光学素子の設計などに依存する。たとえば、可能な焦点距離の範囲(またはz範囲)は約22ミリで、最短作動距離は約54ミリ、最長作動距離は約77ミリである。および/または、第2の画像検出器520を第1の軸910の方向に移動可能に構成および配置することで、第2の画像検出器520とダイ150、151との間の光路長が、撮像される面または側面に応じて増加または減少する;
(B):調整可能な光学素子525を第1の軸910の方向に移動可能なように構成および配置することで、調整可能な光学素子525とダイ150、151との間の光路長が、撮像される面または側面に応じて増加または減少する;
(C):第1の光学反射体710および/または第2の光学反射体720を、第1の軸910の方向に移動可能に構成および配置することで、光路長が、撮像される側に応じて増加または減少する。使用時、第1の光学反射体710は、第1の側面620または第2の側面620の側面に対向して配置されることがある。使用時、第2の光学反射体720は、第3の側面630または第4の側面640の側面に対向して配置されることがある。
(D):第4の光学反射体740および/または第5の光学反射体750を第2の軸920の方向に移動可能に構成および配置することで、撮像される側面に応じて、光路長が増加または減少する;
または(A)、(B)、(C)若しくは(D)の任意の組み合わせ。制御ソフトウェアがそれぞれの位置を設定できるように、1つ以上の適切なモーターが提供されるのが好ましい。
【0119】
移動範囲は、ダイの側面の異なる長さの可能性を補償するために、予め決定および/または制御できる。長方形のダイの場合、3つの焦点位置が必要になることがある。可動要素の1つ以上に約20~30ミリの可動範囲を設けると有益な場合がある。
【0120】
たとえば、調整可能な光学素子525として液体レンズを設けられる。レンズの形状は電気的に制御でき、形状が光学素子525の焦点距離を決定する。たとえば、液体レンズを使用したリフォーカスは数十ミリ秒しかかからないが、これは通常、複雑な機械的ダイの移動よりも速い。約20ミリ秒のピント合わせが可能。
【0121】
適切な液体レンズとしては、「TAG」レンズ(焦点距離可変レンズ)が挙げられる。これらは、流体で満たされ、音響波で駆動する補償光学デバイスである。誘起される高速屈折率変化により、kFIzレートで焦点距離を調整可能なレンズが得られ、撮像やビーム整形に応用できる。プリンストン大学のアーノルド・グループによる研究論文は以下から参照:spikelab.mycpanel.princeton.edu/research/TAG_lens.html
【0122】
適切な液体レンズには、Optotune焦点調整レンズが含まれる。これは、薄いポリマーフィルム技術と高性能光学流体に基づく形状変化レンズである。手動または電動で動作する。
【0123】
伝送範囲は、たとえば240~2500ミリ。動作温度範囲は、たとえば-40℃~+85℃およびそれ以上である。詳細と仕様は以下を参照:www.optotune.com/focus-tunable-lenses。たとえば、表1を参照。
【0124】
【0125】
適切な液体レンズには、Corning Varioptic社のレンズも含まれる。これらは、電圧をかけると2つの液体の界面が変化するエレクトロウェッティングの原理を利用している。これにより、可動部品がなくなり、より速い焦点合わせが可能になる。これらのレンズは、堅牢、正確、高速かつ長寿命のレンズを必要とする産業用アプリケーションで使用できる。詳細と仕様は以下を参照:.www.coming.com/emea/de/innovation/co-rning-emerging- innovations/corning-varioptic-lenses/variable-focus-lenses-a-series.html つまり要約すると、インラインでの使用に適した高速画像検出が可能な検査装置が提供される。単一の検査位置にある単一の画像検出器により、最大5つの面と側面を正確かつ迅速に撮像できる。第6の面/側面は、ダイ取付けヘッドに取り付ける直前に検査できる。同等の既知のシステムでは、画像検出器、対物レンズ、同軸照明からなる最大5つの画像システムを追加する必要があり、それぞれがより高価で較正は困難である。
【0126】
本開示に記載の検査システムで検査できるダイ150、151の寸法は、以下を含む1つ以上の特性に依存する。
【0127】
1.第2の画像検出器520で構成される対物レンズの視野(FOV)。たとえば、液体レンズの対物レンズの視野。FOVは、ダイ第2面560、および2つまたは4つのダイ側面610、620、630、640の合計サイズを含むよう、あらかじめ決定および/または制御されるのが好ましい。現在入手可能な液体レンズ付き対物レンズでは、対物レンズの円直径は数十ミリになる。本開示に記載の検査装置において、対象物の円の直径は、任意の適切なサイズであってよい。たとえば、約21ミリまたは約42ミリ。
【0128】
2.第2の画像検出器520で構成される対物レンズの作動可能範囲。たとえば、液体レンズの対物レンズの作動範囲。ダイの第2面560の検査には、より短い作業距離を使用できる。側面の検査には長い作業距離が必要になることがある。現在、液体レンズが利用可能で、そのz範囲は350ミリまでである。本開示に記載の検査装置では、z範囲は約18ミリと推定される。
【0129】
3.
図4Aおよび4Bに描かれている光学反射体ボックス710、720、740、750の寸法は、以下のとおりである。光学反射体は、好ましくは、センサーの全面を結像させるのに十分な長さに延長されるのが好ましい。本開示に記載の検査装置では、3.29×22.56平方ミリまでの寸法の側面を検査できる。
【0130】
さらに、光学反射体の間隔は、少なくともダイ150、151と同じ幅であることが好ましい。
図4Aから
図4Bに描かれた光学反射体ボックス710、720、740、750では、光学反射体710、720、740、750の間隔を少なくともダイ150、151の対角線と同じ大きさに構成することで、検査完了の速度を上げられる。これにより、ダイ150、151を光学反射体ボックスから移動させることなく、ダイ150、151を第3の軸930を中心とする回転ができるようになる。
【0131】
本開示に記載の検査装置では、光学反射体710、720、740、750の間隔は約9ミリと推定される。
【0132】
実際には、ダイ150、151のエッジと光学反射体710、720、740、750との間の最小公差をあらかじめ決定および/または制御でき、たとえば、最小公差は約0.5ミリである。これはクリアランスと表現されることもある。任意の適切な公差を使用することができる。これは、配置の不正確さ、ダイ150、151のサイズおよび/またはウェハー上の位置の偏差を含む、動作中の不正確さを補償するためにあらかじめ決定および/または制御される。ダイ150、151のサイズが非常に一定で、かつ/または位置精度が比較的高い場合、使用する最小公差を小さくできる。6面検査を含む接合プロセスの限界時間の分析が実行された(リンク)。
図4Aから
図4Bに描かれた光学反射体ボックス710、720、740、750では、完全なピックアンドボンドプロセスのサイクル時間は、ダイ150、151の寸法およびウェハー上のダイ150、151の位置に応じて、360ミリ秒から490ミリ秒の間であると推定される。これに比べ、液体レンズを使用して対物レンズの焦点を調整する時間は、各リフォーカスステップで約20ミリ秒と推定される。
【0133】
上記では、第1の検査位置と第2の検査位置での検査と説明したが、当業者であれば、これらの順序は逆でもよいことに気づくだろう。たとえば、第2の位置での検査後、ダイを第1の位置に搬送し、そこでダイの上面を少なくとも部分的に検査するか、ダイを画像検出器の撮像範囲内で解放できる。さらに、あるいはその代わりに、接合前または接合後にダイ上面の検査を行うこともできる。加えて、当業者であれば、図に描かれた構成部品の位置は例示に過ぎず、縮尺通りではないことに気づくだろう。さらに、あるいはその代わりに、光学的な関係が変わらない場合には、1つ以上の部品の位置を入れ替えられる。たとえば、
図2Aでは第4の光源240の位置と第2の画像検出器520の位置を入れ替えられる。
【0134】
当業者は、正方形または長方形のダイで動作する本開示に記載の実施形態が、三角形、五角形、六角形、七角形、八角形、非角形、十角形、または一般的な任意の多角形を含む、非常に異なる平面形状および異なる辺数を有するダイで動作するように構成および配置できると気づくだろう。撮像のため、側面間を移動するために第3軸(またはz軸)の周りに適用される公称回転は、主にダイの平面形状、特にaの側面の数によって決まる。
【0135】
同様に、実施形態は、6つの面および/または立方体形状および/または近似立方体形状などの複数の面を有するダイで動作するように構成および配置できる。面と側面の主な技術的な違いは、相対的な寸法と、切断やその他の加工によって側面が平面でなくなる可能性があることである。
【0136】
上記のダイ検査装置は、単体の検査装置としても実施できる。ダイ検査装置の1つ以上の機能は、ダイボンダーなど、ダイの取り扱いおよび/または処理のために構成および配置された装置内に実装できる。
【0137】
ダイ検査装置は、そのようなダイハンドラ/プロセッサの設計に全体的または部分的に統合でき、あるいは既存のダイハンドラ/プロセッサを、1つ以上の機能を統合することによってアップグレードすることもできる。当業者は、本開示の他の箇所で提供される指示を使用してダイ検査装置をさらに最適化し、スループットの損失を最小限に抑えられる。
【0138】
上述のとおり、光路長は、調整可能な光学素子を用いて焦点距離を適合させるとともに、1つ以上の光学素子の移動を提供することでさらに変更できる。しかし、調整可能な光学エレメントを使用して焦点距離を調整する代わりに、これらの動きの1つ以上を使用することも有益になる場合がある。
【0139】
言い換えれば、ダイ(150、151)を検査するための装置(100、110)であって、ダイ(150、151)は、第1の面(650)とそれに対向する第2の面(660);第1の側面(610)と第2の側面(620)、第3の側面(630)と第4の側面(640)を備え;第1の側面(610)と第3の側面(630)、第2の側面(620)と第4の側面(640)は対向しており、各側面(610、620、630、640)は第1の面(650)と第2の面(660)に隣接している;装置(100)は使用時に直接照明ビーム(310)を提供し、直接照明ビーム(310)の少なくとも一部を第2の面(660)に向けるように構成および配置されたさらなる光源(220)、第1の光反射体(710)、第2の光反射体(720)を備える;第1の光学反射体(710)は、使用時に直接照明ビーム(310)の一部を第1の面(610)に向けるように構成および配置され;第1の側面(610)から反射および/または散乱して戻ってきた照明ビームの少なくとも一部を受光し、反射および/または散乱された照明ビームの少なくとも一部を第2の画像検出器(520)に向け、第2の画像検出器(520)は、第1の側面(610)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置される;第2の光反射器(720)は、使用時に直接照明ビーム(310)の一部を第3の側面(630)に向け、第3の側面(630)から反射および/または散乱して戻ってきた照明ビームの少なくとも一部を受光するように構成および配置される;反射された照明ビームの少なくとも一部を第2の画像検出器(520)に向け、第2の画像検出器(520)はさらに、第3の側面(630)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置される;第2の画像検出器(520)は、第2の面(660)の少なくとも一部を撮像するように構成および配置される;第1の面(610)の少なくとも一部;および第3の側面(630)の少なくとも一部を撮像するように構成されている;装置100、110は、可動であるように構成および配置された1つ以上の光学素子をさらに含み、それによってダイ150、151への光路長が増加または減少される。
【0140】
可動光学素子は、第2の画像検出器520が可動であるように構成および配置されることで、第2の画像検出器520とダイ150、151との間の光路長が増加または減少する;または、調整可能光学素子525が可動であるように構成および配置されることで、調整可能光学素子525とダイ150、151との間の光路長が増加または減少する; または、第1の光学反射体710が移動可能に構成および配置されることで、
【0141】
第2の画像検出器520と第1の側面610および/または第2の側面620との間の光路長が増加または減少される;または、第2の光反射体720が移動可能に構成および配置されることで、第2の画像検出器520と第3の側面630および/または第4の側面640との間の光路長が増加または減少される;または、それらの任意の組み合わせ。
【0142】
図6Aおよび
図6Bは、さらなるダイ検査装置120に構成される第2の検査位置820を示す。
【0143】
図6Aおよび6Bは、
図4Aと
図4Bと同じだが、さらなる金型検査装置120が第1の光反射鏡710から構成されている点を除く。さらなるダイ検査装置120は、第2の光学反射体720、第3の光学反射体730または第4の光学反射体740から構成される。ダイ150、151は、第1の光学反射体710に隣接して配置され、これにより、第1の側面610は、第1の光学反射体710に面するように配置される。ダイ150、151の第2の検査位置への移動または第2の検査位置からの移動は、ダイ150、151と1つ以上の光学反射体710の間の衝突の可能性を回避するために、第3の軸930に沿ったある程度の移動を必要とする場合がある。
【0144】
ダイ150、151の第2の面660および4つの側面610、620、630、640のそれぞれの少なくとも一部について、1つ以上の検査画像を作成できる。
【0145】
図7Aおよび7Bは
図4Aおよび
図4Bと同じだが、第1の光学反射体710と第5の光学反射体750から構成されるダイ検査装置130を除く。ダイ150、151は、第1の光学反射体710と第5の光学反射体750に隣接して配置され、これにより、隣接する2つの側面610、640は、それぞれ第1の光学反射体740と第5の光学反射体750に対向するように配置される。ダイ150、151の第2の検査位置への移動または第2の検査位置からの移動は、ダイ150、151と1つ以上の光学反射体710、750との間の衝突の可能性を回避するために、第3の軸930に沿ったある程度の移動を必要とする場合がある。第2の面660の少なくとも一部と、ダイ150、151の4つの側面610、620、630、640のそれぞれについて、1つ以上の検査画像を作成できる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】