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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】巻取りアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B66D 3/14 20060101AFI20240410BHJP
   B66D 5/32 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
B66D3/14 E
B66D5/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568595
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 IB2022054199
(87)【国際公開番号】W WO2022234531
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】2106520.6
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2206597.3
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】303036603
【氏名又は名称】ロードホグ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、ルーク
(57)【要約】
巻取りアセンブリ(16)は、主軸(61)の周りを回転可能なラチェットスプール(59)を備える。ラチェットスプール(59)は、主要部(20)と、主要部(20)の周りに円周方向に配置された複数のラチェット歯(60)とを有する。巻取りアセンブリ(16)は、細長い物品(10)に張力をかけるための張力装置(37)も有する。巻取りアセンブリ(16)は、ラチェットスプール(59)のラチェット歯(60)に係合し、ラチェットスプール(59)を主軸(61)の周りで駆動方向に回転させて、細長い物品(10)に張力を加えるための駆動装置(18)をさらに含む。張力制限部材(53)が、ラチェットスプール(59)と張力装置(37)との間に設けられ、細長い物品(10)に加えられる張力を制限する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取りアセンブリであって、
主軸の周りを回転可能なラチェットスプールと、前記ラチェットスプールは、主要部と、前記主要部の周り円周方向に配置された複数のラチェット歯とを有し、
細長い物品に張力をかけるための張力装置と、
前記ラチェットスプールの前記ラチェット歯に係合し、前記細長い物品に張力を加えるために前記ラチェットスプールを前記主軸の周りで駆動方向に回転させる駆動装置と、
前記細長い物品に加えられる張力を制限するための、前記ラチェットスプールと前記張力装置との間の張力制限部材とを備える、巻取りアセンブリ。
【請求項2】
前記張力制限部材は、可撓性の細長いリンク機構を含む、請求項1に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項3】
前記張力制限部材は、解放状態と張力印加状態との間で移動可能であり、それによって、前記張力印加状態において、予め定められた最大張力が前記細長い物品に加えられ、ここで、前記ラチェットスプールが前記駆動方向に回転されるときに、前記張力制限部材は、前記張力印加状態に移動される、請求項1または2に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項4】
前記ラチェットスプールと前記張力装置との間に伝達装置を備え、ここで、前記ラチェットスプールは、前記伝達装置を前記ラチェットスプールに取り付けるための第1の取り付け構造を有し、前記張力装置は、前記伝達装置を前記張力装置に取り付けるための第2の取り付け構造を有する、請求項1、2または3に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の取り付け構造は、前記主要部によって規定された第1の環状溝構造を備え、前記ラチェットスプールが前記駆動方向に回転されるときに、前記張力制限部材が前記第1の環状溝構造に受け入れられる、請求項4に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の取り付け構造は、前記主要部の周りに円周方向に伸張し、前記ラチェットスプールが前記駆動方向に回転されるとき、前記張力制限部材は、前記第1の取り付け構造の周りに巻き付けられる、請求項4または5に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項7】
前記第2の取り付け構造は、第2の環状溝構造を備え、前記張力制限部材は、前記張力制限部材が解放状態にあるときに前記第2の環状溝構造の周りに伸張する、請求項4、5または6に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項8】
前記張力制限部材は、前記張力装置が張力印加状態にあるときに、前記第2の取り付け構造から完全に巻き出される、請求項4から7のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の取り付け構造は、前記ラチェットスプールによって規定された第1のボアを含み、前記第1のボアは、第1の環状溝構造内に開き、前記張力制限部材の端部領域は、前記張力制限部材を前記ラチェットスプールに取り付けるために前記第1のボア内に受け入れられる、請求項4から8のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項10】
前記第2の取り付け構造は、前記張力装置によって規定された第2のボアを備え、前記ボアは、第2の環状溝構造に開き、前記張力制限部材の端部領域は、前記張力制限部材を前記張力装置に取り付けるために前記第2のボアに受け入れられる、請求項4から9のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項11】
前記ラチェットスプールは、前記張力制限部材を前記張力装置から完全に巻き出すように前記駆動方向に駆動可能であり、そのように巻き出されたとき、前記ラチェットスプールのさらなる駆動は、張力を前記張力制限部材に印加させ、前記ラチェットスプールのさらなる回転を防止する、請求項4から10のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項12】
前記張力制限部材は、前記駆動装置が前記ラチェットスプールを回転させることができる範囲を制限するように予め定められた長さのものであり、前記張力制限部材の予め定められた長さは、前記ラチェットスプールの予め定められた回転数のみを許容する、請求項4から11のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項13】
前記張力制限部材は、前記ラチェットスプールの予め定められた回転数の後に前記第2の取り付け構造から完全に巻き出され、張力が前記張力制限部材に加えられ、それによって前記ラチェットスプールのさらなる回転を防止する、請求項12に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項14】
前記張力制限部材の予め定められた長さは、前記ラチェットスプールの予め定められた回転数が前記張力装置を前記張力装置の予め定められた回転数駆動するように選択される、請求項12または13に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項15】
張力制限部材は、前記第1の取り付け構造の周りに1回だけ伸張する、請求項4から14のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項16】
前記複数のラチェット歯は、4個から10個の間の前記ラチェット歯、任意選択的に4個から8個の間の前記ラチェット歯、望ましくは4個から6個の間の前記ラチェット歯を備えることができる、請求項1から15のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項17】
前記複数のラチェット歯は、4個の前記ラチェット歯を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項18】
各ラチェット歯は、前記張力制限部材が前記張力装置から完全に巻き出されたときに、張力が前記張力制限部材に加えられ、それによって前記ラチェットスプールのさらなる回転を防止するような距離だけ、隣接するラチェット歯から離間される、請求項1から17のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項19】
動作部材を有するラチェット装置を備え、前記ラチェット装置は、前記ラチェット歯と係合する駆動爪を備え、前記動作部材は、前記駆動爪を移動させて前記ラチェット歯と係合させるように動作可能である、請求項1から18のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項20】
前記動作部材は、前記主軸の周りを枢動可能なレバーを備える、請求項19に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項21】
前記動作部材は、非作動位置から作動位置へ移動可能であり、前記非作動位置から前記作動位置への前記動作部材の移動は、前記ラチェット装置が前記ラチェット歯のうちの1つと係合して前記ラチェットスプールを回転させる、請求項20に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項22】
前記巻取りアセンブリは、作動部材を非作動位置に戻すための戻し要素を含む、請求項19、20または21に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項23】
前記戻し要素は、ばねを備える、請求項22に記載の巻取りアセンブリ。
【請求項24】
蓋であって、
本体と、
前記本体内の細長い物品と、前記細長い物品は、前記細長い物品が前記本体内に後退させられる後退状態と、前記細長い物品が前記本体から伸張する伸張状態との間で移動可能である、
前記細長い物品上で動作可能な、請求項1から23のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリとを備える、蓋。
【請求項25】
方法であって、
伝達装置が前記張力制限部材を備え、
前記方法は、前記張力制限部材を前記張力装置から完全に巻き出すように前記ラチェットスプールを駆動し、それによって、そのように巻き出されたときに、前記ラチェットスプールをさらに駆動することによって張力が前記張力制限部材に加えられ、それによって前記ラチェットスプールのさらなる回転を防止することを備える、請求項1から23のいずれか一項に記載の巻取りアセンブリを使用する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は巻取りアセンブリに関する。排他的ではないが、より具体的には、本発明は、巻取りアセンブリを組み込む締め付け装置に関する。本発明はまた、そのような巻取りアセンブリを組み込んだ蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
パレットに物品を積載することは知られている。蓋は、荷物に取り付けることができる。このような蓋には、蓋を荷物に対して締め付けるためのストラップが設けられている。蓋は、レバーによって動作される締め付け機構を含み、ストラップを締め付け、それによって蓋を荷物に対して引っ張る。状況によっては、ストラップが締め付け過ぎになることがある。巻取りアセンブリの例は、GB2402380Aに開示されている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、巻取りアセンブリが設けられ、
主軸の周りを回転可能なラチェットスプールと、前記ラチェットスプールは、主要部と、主要部の周りに円周方向に配置された複数のラチェット歯とを有し、
細長い物品に張力をかけるための張力装置と、
ラチェットスプールのラチェット歯に係合し、細長い物品に張力を加えるためのラチェットスプールを前記主軸の周りで駆動方向に回転させる駆動装置と、
長い物品に加えられる張力を制限するための、ラチェットスプールと張力装置との間の張力制限部材と、を備えている。
【0004】
張力装置は、テンショナを備えてもよい。駆動装置は、ドライバを備えてもよい。張力制限部材は、張力リミッタを備えてもよい。
【0005】
本発明の別の態様によれば、巻取りアセンブリが設けられ、
主軸の周りを回転可能なラチェットスプールと、前記ラチェットスプールは、主要部と、主要部の周りに円周方向に配置された複数のラチェット歯とを有し、
細長い物品に張力をかけるためのテンショナと、
ラチェットスプールのラチェット歯を係合し、細長い物品に張力を加えるためのラチェットスプールを前記主軸の周りで駆動方向に回転させるドライバと、
細長い物品に加えられる張力を制限するための、ラチェットスプールと張力装置との間の張力リミッタと、を備えている。
【0006】
巻取りアセンブリは、ラチェットスプールと張力装置との間に伝達装置を備えてもよい。
伝達装置は、力伝達装置を備えてもよい。
【0007】
本発明の別の態様によれば、巻取りアセンブリが設けられ、
主軸の周りを回転可能なラチェットスプールと、前記ラチェットスプールは、主要部と、主要部の周りに円周方向に配置された複数のラチェット歯とを有し、
細長い物品に張力をかけるための張力装置と、
ラチェットスプールと張力装置との間の伝達装置と、
ラチェットスプールの前記ラチェット歯に係合し、細長い物品に張力を加えるためのラチェットスプールを前記主軸の周りで駆動方向に回転させる駆動装置と、
張力装置によって加えられる張力を制限する張力制限部材と、を備えている。
【0008】
本発明の別の態様によれば、上述のような巻取りアセンブリを使用する方法が提供され、ここで、伝達装置は張力制限部材を備え、方法は、ラチェットスプールを駆動して張力制限部材を張力装置から完全に巻き出し、それによって、そのように巻き出されたときに、ラチェットスプールのさらなる駆動が張力制限部材に張力を加え、それによってラチェットスプールのさらなる回転を防止することを含む。
【0009】
本発明の別の態様によれば、上述のような巻取りアセンブリを使用する方法が提供され、トランスミッタは張力制限部材を備え、方法は、ラチェットスプールを駆動して張力リミッタをテンショナから完全に巻き出すことを備え、そのように巻き出されたときに、ラチェットスプールをさらに駆動することによって張力がテンショナに加えられ、それによってラチェットスプールのさらなる回転が防止される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、蓋が設けられ、
本体と、
本体内の細長い物品と、細長い物品は、細長い物品が本体内に後退させられる後退状態と、細長い物品が本体から伸張する伸張状態との間で移動可能であり、
細長い物品上で動作可能な上述のような巻取りアセンブリと、を備えている。
【0011】
張力制限部材は、解放状態と張力印加状態との間で移動可能であってもよい。前記張力印加状態において、予め定められた最大張力が細長い物品に印加されてもよい。ラチェットスプールが駆動方向に回転されるとき、張力制限部材は張力印加状態に移動されてもよい。
【0012】
前記駆動方向におけるラチェットスプールの回転は、伝動装置によって張力装置に伝達されて、張力装置を巻取り方向に回転可能に駆動して、張力装置の周りに細長い物品を巻き取ることができる。
【0013】
ラチェットスプールは、伝達装置をラチェットスプールに取り付けるための第1の取り付け構造を有してもよい。張力装置は、伝達装置を張力装置に取り付けるための第2の取り付け構造を有してもよい。
【0014】
伝達装置は、張力制限部材を備えてもよい。張力制限部材は、伝達部材を備えてもよい。張力制限部材は細長くてもよい。張力制限部材は、ワイヤ、ケーブル、またはワイヤロープなどの可撓性の細長いリンク機構を備えてもよいリンク機構を備えてもよい。
【0015】
第1の取り付け構造は、主要部によって規定された第1の環状溝構造を備えることができる。第1の取り付け構造は、第1の直径を有してもよい。第1の取り付け構造は、主要部の周りに円周方向に伸張してもよい。
【0016】
張力制限部材は、ラチェットスプールが駆動方向に回転されるときに第1の取り付け構造内に受け入れられてもよい。張力制限部材は、ラチェットスプールが駆動方向に回転されるときに第1の取り付け構造の周りに巻き付けられてもよい。
【0017】
第1の取り付け構造は、ラチェットスプールによって規定された第1のボアを含むことができる。第1のボアは、貫通孔であってもよい。第1のボアは、主要部によって規定されてもよい。
【0018】
第1のボアは、第1の取り付け構造内に開いてもよい。張力制限部材の端部領域は、張力制限部材をラチェットスプールに取り付けるために第1のボア内に受け入れられてもよい。
【0019】
ラチェット歯は、主要部の周りに円周方向に間隔を置いて配置されてもよい。ラチェット歯は、主要部の周りに径方向に伸張してもよい。主要部は、実質的に円筒形であってもよい。
【0020】
複数のラチェット歯は、4から10個のラチェット歯を備えてもよい。任意選択で、複数のラチェット歯は、4個から8個の間のラチェット歯を備えてもよい。望ましくは、複数のラチェット歯は、4から6個のラチェット歯を備えてもよい。一実施形態では、複数のラチェット歯は、4つのラチェット歯を備えてもよい。
【0021】
ラチェット歯は、主要部の周りに円周方向に間隔を置いて配置されてもよい。ラチェット歯は、主要部の周りに円周方向に実質的に90°だけ等間隔に配置されてもよい。
【0022】
歯は、張力制限部材が張力装置から完全に巻き出されたときに、張力が第1の取り付け構造と第2の取り付け構造との間の張力制限部材に加えられ、それによってラチェットスプールのさらなる回転を防止するような距離だけ離間されてもよい。
【0023】
主要部は、歯付き部分と、ベース部分とを含んでもよい。ラチェット歯は、歯付き部分上に設けられてもよい。
【0024】
ベース部分は、歯付き部分の一端に設けられてもよい。第1の取り付け構造は、歯付き部分とベース部分との間に規定されてもよい。
【0025】
第2の取り付け構造は、第2の取り付け構造を備えてもよい。張力制限部材は、第2の取り付け構造の周りに伸張してもよい。
【0026】
張力制限部材は、張力制限部材が解放状態にあるときに第2の取り付け構造の周りに巻き付けられてもよい。第2の取り付け構造は、第2の直径を有してもよい。
【0027】
張力制限部材は、張力装置が巻取り方向に回転されるときに、第2の取り付け構造から巻き出されてもよい。張力制限部材は、張力装置が張力印加状態にあるときに、第2の取り付け構造から完全に巻き出されてもよい。
【0028】
ラチェットスプールは、張力制限部材を張力装置から完全に巻き出すように駆動されてもよく、そのように巻き出されたとき、ラチェットスプールのさらなる駆動は、張力制限部材に張力を印加させ、それによって、ラチェットスプールのさらなる回転を防止する。
【0029】
張力制限部材は、駆動装置がラチェットスプールを回転させることができる範囲を制限するために、予め定められた長さであることが好ましい。張力制限部材の予め定められた長さは、ラチェットスプールの予め定められた回転数を可能にするようなものであってもよい。
【0030】
張力制限部材の予め定められた長さは、ラチェットスプールの前記予め定められた回転数の後に張力制限部材が第2の取り付け構造から完全に巻き出され、張力が張力制限部材に加えられ、それによってラチェットスプールのさらなる回転を防止するような長さであってもよい。
【0031】
張力制限部材の予め定められた長さは、張力制限部材が第1の取り付け構造の周りに1回だけ伸張するようなものであってもよい。
【0032】
張力制限部材の予め定められた長さは、前記ラチェットスプールの予め定められた回転数が張力装置を駆動して張力装置を予め定められた回転数だけ回転させることができるように選択されてもよい。
【0033】
第2の取り付け構造は、張力装置によって規定された第2のボアを備えてもよい。第2のボアは、第2の取り付け構造内で開いてもよい。したがって、張力制限部材の端部領域は、第2のボア内に受容され、それによって、張力制限部材を張力装置に取り付けることができる。
【0034】
駆動装置は、ラチェット装置を備えてもよい。ラチェット装置は、動作部材を有してもよい。
【0035】
ラチェット装置は、ラチェット歯に係合する駆動爪を備えてもよい。動作部材は、駆動爪を移動させてラチェット歯と係合させることができる。
【0036】
動作部材はレバーを備えてよい。レバーは、主軸の周りを枢動可能であってもよい。
【0037】
動作部材は、非作動位置から作動位置へ移動可能であってもよい。動作部材の非作動位置から作動位置への移動により、ラチェット装置がラチェット歯の1つと係合する。動作部材とラチェット歯との係合は、ラチェットスプールを回転させてもよい。
【0038】
巻取りアセンブリは、作動部材を非作動位置に戻すための戻し要素を含むことができる。
戻し要素は弾力的であってもよい。戻し要素は、コイルばねのようなばねを備えてもよい。
【0039】
巻取りアセンブリは、巻取り方向とは反対方向に張力装置を回転させるための第2の戻り要素をさらに含むことができる。第2の戻り要素は、第2のコイルばねを備えてもよい。
【0040】
張力制限部材は、ラチェットスプールのさらなる回転を防止するための停止部を構成してもよい。望ましくは、動作部材は、休止位置と突出位置との間で4回枢動されて、張力制限部材を第2の取り付け構造から完全に巻き出すことができる。
【0041】
張力制限部材は、張力制限部材が第2の取り付け構造から完全に巻き出されたときに、第1の取り付け構造の周りに1回だけ伸張してもよい。これにより、ラチェットスプールが実質的に360°回転させることができる。
【0042】
細長い物品は、細長い引張部材を備えてもよい。巻取りアセンブリは、細長い引張部材を締め付けるための締め付けアセンブリを構成してもよい。締付けアセンブリは、細長い引張部材がパレットに固定されたときに細長い物品を締め付けることができる。
【0043】
張力装置は、スロット付き部材を備えてもよい。細長い物品はストラップを備えてもよい。細長い物品は、スロット付き部材を通って伸張してもよい。スロット付き部材は、スロット付き部材がその周りを回転することができる長手方向軸を有してもよい。
【0044】
スロット付き部材の回転は、引張部材をスロット付き部材の周囲に巻き出し、それによって、張力を細長い物品に印加してもよい。スロット付き部材は、細長い物品が通過するスロットを規定する細長いスピンドルを備えてもよい。スピンドルは、第3の直径を有してもよい。
【0045】
添付の図面を参照して、本発明の少なくとも1つの実施形態が、例示としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、荷物上で使用中の蓋の斜視図である。
図2図2は、図1に示す蓋における使用のための巻取りアセンブリの斜視図である。
図3図3は、巻取りアセンブリの平面図である。
図4図4は、細長い引張部材がパレットに取り付けられている、使用中の巻取りアセンブリを示す。
図5図5は、ラチェットスプールの拡大図である。
図6図6は、互いに分離したラチェットスプールと伝達装置を示す側面図である。
図7図7は、巻取りアセンブリの断面上平面図である。
図8図8は、巻取りアセンブリの動作中の段階を示す。
図9図9は、巻取りアセンブリの動作中の段階を示す。
図10図10は、巻取りアセンブリの動作中の段階を示す。
図11図11は、巻取りアセンブリの動作中の段階を示す。
図12図12は、巻取りアセンブリの動作中の段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、パレット3上に荷物2を固定するための蓋1を示す。蓋1は、直立した側面5と、荷物の上面を取り囲むための(また、複数の蓋1を互いに入れ子にすること、またはパレットと入れ子にすることを可能にする)下方に延びるスカート6とを有する本体4を備える。
【0048】
本体4は、2つのプラスチック成形8によって形成されて示されているが、単一の成形として形成されてもよい上部7を備える。本体4は、さらに、主プラスチック成形によって形成された下部9を含む。
【0049】
蓋1は、ストラップ10の形態の4つの細長い引張部材を含む。各ストラップ10は、上部7内の格納状態と、ストラップ10が上部7から伸張する伸張状態との間で移動可能である。各ストラップ10は、蓋1のそれぞれの側に設けられる。
【0050】
各ストラップ10は、終端要素14が取り付けられる遠位端を有する。ストラップ10が伸長した状態では、終端要素14はパレット3に固定されることができる。各ストラップ10はまた、ドラム12に取り付けられた近位端を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、終端要素14は、パレット3の縁部に固定することができるフックの形態である(図1および図4参照)。他の実施形態では、終端要素は、パレット上の固定部材(図示せず)に固定することができるループの形態である(例えば、図2および図3を参照)。
【0052】
ばねの形態の付勢手段(図示せず)が、ストラップ10をその上に巻き付ける方向にドラム12を付勢して、ストラップ10をその格納状態に移動させる。
【0053】
図1では、本体4の2つの側面から延びるストラップ10のうちの2つのみが見える。
当業者は、他の2つのストラップ10が他の2つの側部から伸張することを理解するであろう。
【0054】
終端要素14がパレット3に固定されると、各ストラップ10に作用するそれぞれの巻取りアセンブリ16を使用することによって、ストラップ10に張力をかけることができる。各巻取りアセンブリ16は、本体4内に設けられる。
【0055】
各巻取りアセンブリ16は、スロット付き部材37(例えば、図2および図3を参照)の形態の張力装置と、ラチェット装置18の形態の駆動装置とを備える。スロット付き部材37は、本体上に回転可能に取り付けられる。
【0056】
スロット付き部材37は、レバー19の形態の動作部材を備えるラチェット装置18の動作によって回転可能である。
【0057】
巻取りアセンブリ16は、さらに、主軸61の周りを回転するようにレバー19に隣接して取り付けられたラチェットスプール59を含む。ラチェット装置18は、以下に説明するように、ラチェットスプール59を回転させるようにラチェットスプール59上で動作可能である。
【0058】
ラチェットスプール59は、主要部20を有する。主要部20は、ベース部分25と実質的円筒型の歯付き部分27とを備えている。ラチェット歯60は、歯付き部分27上に設けられている。ラチェット歯60は、歯付き部分27から外側に延び、主要部20の周りに円周方向に約90°離間される。
【0059】
ベース部分25は、歯付き部分27の一端に設けられる。第1の環状溝構造58の形態の第1の取り付け構造が、歯付き部分27とベース部分25との間に規定される。
【0060】
ラチェット歯60は、第1の環状溝構造58と主要部20の反対側の端部との間に設けられる。第1の環状溝構造58は、第1の直径を有する。
【0061】
レバー19は、休止位置(図2図3図7図8、および図12参照)から突出位置(図4、および図10参照)へと主軸61を中心に枢動されることによって動作される。レバー19は、ラチェット歯60と係合してラチェットスプール59を駆動するための駆動爪72(図7から図11参照)を有する。
【0062】
第1のコイル戻しばね68(図2および図3参照)の形態の第1の戻し要素が、レバー19を突出位置から休止位置に戻すために、レバー19と本体4との間に設けられる。
【0063】
レバー19は、駆動爪72が設けられた第1の弾性アーム73を有する。本体4は、第2の弾性アーム75上にラッチ爪74(図7から図11参照)を担持する。
【0064】
可撓性の細長いリンク機構53の形態の張力制限部材が、ラチェットスプール59とスロット付き部材37との間に伸張し、それによって、ラチェットスプール59をスロット付き部材37にリンクする。リンク機構53は、ラチェットスプール59に作用する駆動力をスロット付き部材37に伝達する伝達装置としても作用する。
【0065】
図6に示すように、細長いリンク機構53は、細長い部分55と、細長い部分55の一端に設けられた第1の接続部材57Aとを備える。第2の接続部材57Bは、細長い部分55の対向する端部に設けられる。
【0066】
スロット付き部材37は、ストラップ10が通過するスロット38を規定する細長いスピンドル40を有する。スロット付き部材37はまた、スピンドル40上のリブ付き部分49と、第2の環状溝構造42の形態の第2の取り付け構造とを有する。
【0067】
第2の環状溝構造42は、第2の直径を有する。リブ部49は、第2環状溝構造42とスピンドル40との間に設けられている。スピンドル40は第3の直径を有する。
【0068】
主要部20は、第1の環状溝構造58に開く貫通孔20A(図6に破線で示す)を規定する。第1の接続部材57Aは、貫通孔20A内に受け入れられ、細長いリンク機構53をラチェットスプール59に接続する。
【0069】
第2の接続部材57Bは、スロット付き部材37の第2の環状溝構造42によって規定された穴(図示せず)に受け入れられる。
【0070】
したがって、可撓性の細長いリンク機構53の一端は、ラチェットスプール59に取り付けられる。可撓性の細長いリンク機構53の反対側の端部は、スロット付き部材37に取り付けられている。
【0071】
可撓性の細長いリンク機構53は、ワイヤロープの形態であり、以下でより詳細に説明するように、第1および第2の環状溝構造58、42の周りに巻き付けられる。
【0072】
第2のコイルばね48の形態の第2の戻り要素が、スロット付き部材37のリブ付き部分49を取り囲む(図2図3、および図4参照)。
【0073】
第2のコイルばね48の両端は、それぞれ本体4およびリブ付き部分49に係合し、それによって、スロット付き部材37を、ストラップ10がスピンドル40の周りに巻かれず、スロット38を通過することができる図2および図3に示す位置に付勢する。
【0074】
ストラップ10を締め付けるために、レバー19は、図8に示される静止位置から、図9に示される中間位置を通って、図10に示される突出位置まで移動される。この移動が起こると、駆動爪72は、ラチェット歯60のうちの1つと係合して、図8から図10の矢印Bで示すように、ラチェットスプール59を回転させる。
【0075】
レバー19の休止位置から突出位置への回転は、ラチェットスプール59を駆動方向に回転させる。この回転は実質的に90°である。ラチェットスプールの駆動方向への回転により、可撓性の細長いリンク機構53がラチェットスプール59の第1の環状溝構造58に巻き付けられる。第1の環状溝構造58上への細長いリンク機構53の巻き付けは、細長いリンク機構53の解放状態から張力印加状態への移動である。細長いリンク機構53が第1の環状溝構造58に巻き付けられる結果、スロット付き部材37が回転して、ストラップ10がスピンドル40の周りに巻き付けられ、それによってストラップ10に張力が加えられる。
【0076】
ラチェットスプール59がレバー19によって回転されると、弾性アーム75は、ラッチ爪74がラチェット歯60の経路から外れることができるように、非変形位置に変形される。これにより、ラチェット歯60は、ラチェットスプール59が回転するときにラッチ爪74を横切って移動することができる。
【0077】
レバー19が突出位置に達すると、ラッチ爪74は、弾性アーム75の作用により、その非変形位置に戻るように跳ね返る。非変形位置では、ラッチ爪74はラチェット歯60のうちの1つと係合する。
【0078】
レバー19は、次いで、図11および図12に示され、矢印Cによって示されるように、休止位置に戻されることができる。レバー19が休止位置に戻ると、ラッチ爪74とラチェット歯60のうちの1つとの係合が、ラチェットスプール59の回転を防止する。
【0079】
レバー19のこの戻り運動中、弾性アーム73は、駆動爪72がラチェット歯60の邪魔にならないところに動くことができ、ラチェット歯60が駆動爪72を横切って動くことができるよう変形し、レバー19は、ラチェットスプール59に対して動く。
【0080】
レバー19は、(図4の両頭矢印Aによって示されるように)休止位置と突出位置との間で揺動されて、ラチェットスプール59に、可撓性の細長いリンク機構53を第2の環状溝構造42から第1の環状溝構造58内に巻き取らせることができる。これにより、スピンドル40が回転してストラップ10をスロット付き部材37に巻き付け、それにより、ストラップ10をパレット3に対して引っ張る。
【0081】
可撓性の細長いリンク機構53は、ストラップ10に生じる張力が所望の量を超えないことを確実にするように予め定められた長さを有する。可撓性の細長いリンク機構53の長さは、所望の張力に達したときに可撓性の細長いリンク機構53が第2の環状溝構造42から完全に巻き戻されるように選択される。
【0082】
可撓性の細長いリンク機構53をラチェットスプール59及びスロット付き部材37に取り付けることは、可撓性の細長いリンク機構53が完全に巻き戻されたとき、レバー19によってラチェットスプール59を駆動しようとする更なる試みが、可撓性の細長いリンク機構53の張力を単に増大させることを意味する。これにより、ラチェットスプール59のさらなる回転が防止され、ストラップ10のさらなる締め付けがさらに防止される。
【0083】
ラチェットスプール59の周囲に等間隔に4つのラチェット歯60を設けることは、歯60の間に大きな隙間があることを意味する。この効果は、細長いリンク機構53が第2の環状溝構造42から完全に巻き戻されたときに、ラッチ爪74がラチェット歯60の1つと係合することである。この位置で、予め定められた最大張力がストラップ10に加えられる。
【0084】
レバー19のさらなる移動は、ラッチ爪58が次のラチェット歯60と係合することをもたらさない。その代わりに、ユーザはレバー19を解放しなければならず、それによって、ラチェットスプール59がその前の位置に戻ることが可能になり、その前の位置では、ラッチ爪74が前に係合したラチェット歯60に係合する。
【0085】
したがって、4つのラチェット歯60を設けることにより、細長いリンク機構53の張力が長期間にわたって予め定められた最大値を超えて増大することが防止され、それにより、巻取りアセンブリ16に損傷が生じることが防止される。
【0086】
したがって、可撓性の細長いリンク機構53は、ラチェットスプール59のさらなる回転を防止するための停止部として作用する。レバー19は、第2の環状溝構造42から可撓性の細長いリンク機構53を完全に巻き出すために、休止位置と突出位置との間で4回枢動されるべきであることが望ましいことが分かっている。これにより、ラチェットスプール59は、実質的に360°回転する。
【0087】
可撓性の細長いリンク機構53が、直前の段落で説明したように完全に巻き戻されると、ユーザはレバー19を解放することができ、それによって、歯60のうちの1つがラッチ爪74によって係合されるまで、レバー19が戻しばね68によって回転されることが可能になり、それによって、ラチェットスプール59が所定の位置に保持される。
【0088】
ストラップ10を解放することが望まれるとき、ラッチ爪74は、歯60との係合から解放されることができる。このような解放を行うための適切な機構は、公開された特許出願GB2402380Aに記載されている。
【0089】
予め定められた長さの可撓性の細長いリンク機構53を設けることにより、それがレバー19のためのストッパとして作用することが可能になり、ストラップ10が過度に締め付けられないことを確実にする効果を有する。
【0090】
4つの歯60を有するラチェットスプール59を設けることにより、ラチェットスプール59は、歯60のうちの1つがラッチ爪74と係合する前に、戻しばね68によって最大90°まで戻されることができ、それにより、ストラップ10は、その所望の張力まで弛緩することができる。
【0091】
従って、巻取りアセンブリ16がストラップ10に張力を加えることができる程度は、細長いリンク機構53の長さによって決定される。第2および第3の直径が固定されている場合、使用時にストラップ10に加えることができる予め定められた最大張力は、細長いリンク機構53の長さに依存する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【図
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】