(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】清掃装置および汚れ検出方法
(51)【国際特許分類】
A47L 11/292 20060101AFI20240410BHJP
A47L 11/30 20060101ALI20240410BHJP
B08B 1/12 20240101ALI20240410BHJP
B08B 5/00 20060101ALI20240410BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
A47L11/292
A47L11/30
B08B1/12
B08B5/00 A
B08B3/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569994
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 CN2021124754
(87)【国際公開番号】W WO2022247109
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202110586184.4
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516249757
【氏名又は名称】北京石頭世紀科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING ROBOROCK TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 1001, Floor 10, Building 3, Yard 17, Anju Road, Changping District, Beijing 102206, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】顔 承志
(72)【発明者】
【氏名】雷 鵬
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA31
3B116AA46
3B116AB52
3B116BA02
3B116BA15
3B116BA35
3B116BB22
3B116BB72
3B116CD42
3B116CD43
3B201AA31
3B201AA46
3B201AB52
3B201AB56
3B201BA15
3B201BB22
3B201BB57
3B201BB72
3B201BB92
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
本発明は、清掃装置および清掃装置用の汚れ検出方法を提供する。この清掃装置は、被清掃面を清掃するための清掃部(10)と、清掃部(10)の物理的属性値を検出するための検出装置(20)と、検出装置(20)に電気的に接続され、検出装置(20)が検出した物理的属性値を取得し、物理的属性値に基づいて被清掃面の汚れ度合いを決定し、汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整するプロセッサ(30)と、を含む。検出装置(20)により清掃装置の清掃部(10)の物理的属性値を検出し、プロセッサ(30)によって検出した物理的属性値に基づいて被清掃面の汚れ度合いを決定し、清掃装置の清掃作業に被清掃面の情報を提供することができ、被清掃面をインテリジェントに清掃することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃面を清掃するための清掃部と、
前記清掃部の物理的属性値を検出するための検出装置と、
前記検出装置によって検出した前記物理的属性値を取得し、前記物理的属性値と動的に設定された標準属性値の比較結果を用いて前記被清掃面の汚れ度合いを決定し、前記汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整するプロセッサと、を含む清掃装置。
【請求項2】
前記検出装置は、前記清掃部に配置され、または前記清掃部に対向して配置される、請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記検出装置は、前記清掃部の光学属性値を検出するための光学検出装置を含む、請求項1に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記検出装置は、光エミッタと光レシーバを含み、
前記光エミッタは前記清掃部に光信号を放射するために使用され、
前記光レシーバは、前記清掃部によって反射されて形成された光反射信号を受信し、前記光反射信号を、前記清掃部の光学属性値を表す第1電気信号に変換し、前記第1電気信号を前記プロセッサに出力するために使用され、
前記プロセッサは、前記光学属性値を用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される、請求項3に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記第1電気信号は、前記光学属性値を表す電圧を含み、
前記プロセッサは、前記電圧と標準電圧を比較し、比較結果に応じて、前記被清掃面の汚れ度合いを決定するように構成され、前記標準電圧は、予め検出された清浄状態における前記清掃部の電圧、または、前記清掃装置の電源投入時に検出された前記清掃部の電圧である、請求項4に記載の清掃装置。
【請求項6】
前記光レシーバと前記レシーバは同じ側に配置される、請求項4に記載の清掃装置。
【請求項7】
前記検出装置は、前記清掃部の電気的属性値を検出する電気検出装置を含む、請求項1に記載の清掃装置。
【請求項8】
前記清掃部に電極が設けられ、
前記検出装置は、前記清掃部の電極に接続され、前記清掃部の電気的属性値を表すための第2電気信号を検出し、前記第2電気信号を前記プロセッサに出力するように構成され、
前記プロセッサは、前記電気的属性値を用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される、請求項7に記載の清掃装置。
【請求項9】
前記検出装置は、前記清掃部の容量を検出して前記第2電気信号として前記プロセッサに出力する容量センサであり、
前記プロセッサは、前記容量と標準容量に基づいて前記清掃部の容量変化パラメータを算出し、容量変化パラメータを用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される、請求項8に記載の清掃装置。
【請求項10】
前記検出装置は、前記清掃部の導電率を検出して前記第2電気信号として前記プロセッサに出力するように構成され、
前記プロセッサは、前記導電率と標準導電率に基づいて前記清掃部の導電率変化パラメータを算出し、導電率変化パラメータを用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される、請求項8に記載の清掃装置。
【請求項11】
流体出力装置と流体回収装置をさらに含み、
前記流体出力装置は、液体を前記清掃部または前記被清掃面に散布するように構成され、
前記流体回収装置は、汚れた液体管路を介して前記被清掃面または前記清掃部上の汚れ液体を前記流体回収装置に流入させるように構成される、請求項1に記載の清掃装置。
【請求項12】
前記流体出力装置は、
前記液体を貯蔵する第1容器と、
前記第1容器と連通し、前記第1容器中の液体を前記清掃部または前記被清掃面に送出する流体出力管路と、
前記流体出力管路と連通し、前記清掃部または前記被清掃面に前記液体を散布する少なくとも1つのノズルと、を含む、請求項11に記載の清掃装置。
【請求項13】
前記流体回収装置は、
汚れ液体を貯蔵する第2容器と、
前記第2容器に設けられ、前記第2容器中の流体液位を検出する第2センサと、
前記清掃部または前記被清掃面の汚れ液体を吸引する少なくとも1つの吸引ノズルと、
前記少なくとも1つの吸引ノズルと前記第2容器を接続させ、前記吸引ノズルからの汚れ液体を前記第2容器内に吸引する吸引管路と、を含む、請求項11に記載の清掃装置。
【請求項14】
清掃装置の清掃部の物理的属性値を検出するステップと、
前記物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いて、被清掃面の汚れ度合いを決定するステップと、
前記汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整するステップと、
前記清掃部により前記被清掃面を清掃するステップと、を含む、清掃装置用の汚れ検出方法。
【請求項15】
前記物理的属性値は、光学属性値を含み、
前記の清掃装置の清掃部の物理的属性値を検出するステップは、光エミッタで光信号を放射し、光レシーバを用いて清掃部によって反射されて形成された光反射信号を受信し、光反射信号を清掃部の光学属性値を表すための第1電気信号に変換することを含み、
前記の前記物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いて被清掃面の汚れ度合いを決定するステップは、前記光学属性値と標準光学属性値との差を用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出することを含み、
前記標準光学属性値は、予め検出された清浄状態における前記清掃部の光学属性値、または、前記清掃装置の電源投入時に検出された前記清掃部の光学属性値を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記物理的属性値は電気的属性値を含み、
前記の清掃装置の清掃部の物理的属性値を検出するステップは、清掃部の電気的属性値を表す第2電気信号を検出することを含み、前記第2電気信号は導電率、容量、抵抗中の少なくとも1つを含み、
前記の前記物理的属性値と動的に設定された標準電気的属性値との比較結果を用いて、被清掃面の汚れ度合いを決定するステップは、前記電気的属性値と標準電気的属性値を用いて前記清掃部の電気信号変化パラメータを算出し、前記電気信号変化パラメータを用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出することを含み、
前記標準電気的属性値は、予め検出された清浄状態における前記清掃部の電気的属性値、または、前記清掃装置の電源投入時に検出された前記清掃部の電気的属性値を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記の前記汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整するステップは、
予め分割された、異なる汚れ度合いに対応する複数の汚れレベルを取得すること、
前記被清掃面の汚れ度合いに基づいて、前記被清掃面に対応する目標汚れレベルを決定すること、
前記目標汚れレベルに合致する清掃装置の清掃モードを取得し、前記清掃モードに対応する清掃パラメータに従って前記清掃装置の動作を制御することを含み、
前記清掃パラメータは、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を含む、請求項14~16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2021年5月27日に出願された中国特許出願番号202110586184.4に基づく優先権を主張し、この中国特許出願のすべての内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、インテリジェント装置の技術分野に関し、特に、清掃装置および清掃装置用の汚れ検出方法に関する。
【背景技術】
【0003】
清掃装置は通常、床面を洗浄する機能を有し、例えば、清浄な洗浄液体を散布し、その後床面の汚れ液を回収する。実際の使用過程中、被清掃面の汚れ度合いが異なるため、汚れ度合いが異なる被清掃面を同じ操作電力で清掃作業を行うと、比較的汚れた床面に対して不完全に清掃される可能性があり、一部の比較的清浄な床面に対して資源の浪費を招きやすく、ひいてはユーザの使用体験に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
上記問題を鑑み、本開示は、上記問題または少なくとも部分的に上記問題を克服するための清掃装置および清掃装置用の汚れ検出方法を提供する。
【0005】
本開示の第1態様によれば、以下の清掃装置を提供し、
被清掃面を清掃するための清掃部と、
前記清掃部の物理的属性値を検出するための検出装置と、
前記検出装置によって検出した前記物理的属性値を取得し、前記物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いて前記被清掃面の汚れ度合いを決定し、前記汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整するプロセッサと、を含む。
【0006】
選択可能に、前記検出装置は、前記清掃部に配置され、または前記清掃部に対向して配置される。
【0007】
選択可能に、前記検出装置は、前記清掃部の光学属性値を検出するための光学検出装置を含む。
【0008】
選択可能に、前記検出装置は、光エミッタと光レシーバを含み、
前記光エミッタは前記清掃部に光信号を放射するために使用され、
前記光レシーバは、前記清掃部によって反射されて形成された光反射信号を受信し、前記光反射信号を、前記清掃部の光学属性値を表す第1電気信号に変換し、前記第1電気信号を前記プロセッサに出力するために使用され、
前記プロセッサは、前記光学属性値を用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される。
【0009】
選択可能に、前記第1電気信号は、電圧を含み、前記プロセッサは、前記電圧と標準電圧を比較し、比較結果に応じて、前記被清掃面の汚れ度合いを決定するように構成され、前記標準電圧は、予め検出された清浄状態における前記清掃部の電圧、または、前記清掃装置の電源投入時に検出された前記清掃部の電圧である。
【0010】
選択可能に、前記光レシーバと前記レシーバは同じ側に配置される。
【0011】
選択可能に、前記検出装置は、前記清掃部の電気的属性値を検出する電気検出装置を含む。
【0012】
選択可能に、前記清掃部に電極が設けられ、
前記検出装置は、前記清掃部の電極に接続され、前記清掃部の電気的属性値を表すための第2電気信号を検出し、前記第2電気信号を前記プロセッサに出力するように構成され、
前記プロセッサは、前記電気的属性値を用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される。
【0013】
選択可能に、前記検出装置は、前記清掃部の容量を検出して前記第2電気信号として前記プロセッサに出力する容量センサであり、
前記プロセッサは、前記容量と標準容量に基づいて前記清掃部の容量変化パラメータを算出し、容量変化パラメータを用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される。
【0014】
選択可能に、前記検出装置は、前記清掃部の導電率を検出して前記第2電気信号として前記プロセッサに出力するように構成され、
前記プロセッサは、前記導電率と標準導電率に基づいて前記清掃部の導電率変化パラメータを算出し、導電率変化パラメータを用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される。
【0015】
選択可能に、前記清掃装置は、流体出力装置と流体回収装置をさらに含み、前記流体出力装置は、液体を前記清掃部または前記被清掃面に散布するように構成され、前記流体回収装置は、汚れた液体管路を介して前記被清掃面または前記清掃部上の汚れ液体を前記流体回収装置に流入させるように構成される。
【0016】
選択可能に、前記流体出力装置は、前記液体を貯蔵する第1容器と、前記第1容器と連通し、前記第1容器中の液体を前記清掃部または前記被清掃面に送出する流体出力管路と、前記流体出力管路と連通し、前記清掃部または前記被清掃面に前記液体を散布する少なくとも1つのノズルと、を含む。
【0017】
選択可能に、前記流体回収装置は、汚れ液体を貯蔵する第2容器と、前記第2容器に設けられ、前記第2容器中の流体液位を検出する第2センサと、前記清掃部または前記被清掃面の汚れ液体を吸引する少なくとも1つの吸引ノズルと、前記少なくとも1つの吸引ノズルと前記第2容器を接続させ、前記吸引ノズルからの汚れ液体を前記第2容器内に吸引する吸引管路と、を含む。
【0018】
本開示の第2態様によれば、清掃装置用の汚れ検出方法を提供し、この方法は、
前記被清掃面を清掃するための清掃装置の清掃部の物理的属性値を検出するステップと、
前記物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いて、被清掃面の汚れ度合いを決定するステップと、
前記汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整するステップと、含む。
【0019】
選択可能に、前記物理的属性値は、光学属性値を含み、
前記の清掃装置の清掃部の物理的属性値を検出するステップは、光エミッタで光信号を放射し、光レシーバを用いて清掃部によって反射されて形成された光反射信号を受信し、光反射信号を清掃部の光学属性値を表すための第1電気信号に変換することを含み、
前記の前記物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いて被清掃面の汚れ度合いを決定するステップは、前記光学属性値と標準光学属性値との差を用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出することを含み、
ここで、前記標準光学属性値は、予め検出された清浄状態における前記清掃部の光学属性値、または、前記清掃装置の電源投入時に検出された前記清掃部の光学属性値を含む。
【0020】
選択可能に、前記物理的属性値は電気的属性値を含み、
前記の清掃装置の清掃部の物理的属性値を検出するステップは、清掃部の電気的属性値を表す第2電気信号を検出することを含み、前記第2電気信号は導電率、容量、抵抗中の少なくとも1つを含み、
前記の前記物理的属性値と動的に設定された標準電気的属性値との比較結果を用いて、被清掃面の汚れ度合いを決定するステップは、前記電気的属性値と標準電気的属性値を用いて前記清掃部の電気信号変化パラメータを算出し、前記電気信号変化パラメータを用いて前記被清掃面の汚れ度合いを算出することを含み、
ここで、前記標準電気的属性値は、予め検出された清浄状態における前記清掃部の電気的属性値、または、前記清掃装置の電源投入時に検出された前記清掃部の電気的属性値を含む。
【0021】
選択可能に、前記の前記汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整するステップは、
予め分割された、異なる汚れ度合いに対応する複数の汚れレベルを取得すること、
前記被清掃面の汚れ度合いに基づいて、前記被清掃面に対応する目標汚れレベルを決定すること、
前記目標汚れレベルに合致する清掃装置の清掃モードを取得し、前記清掃モードに対応する清掃パラメータに従って前記清掃装置の動作を制御することを含み、前記清掃パラメータは、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を含む。
【0022】
本開示は、清掃装置および清掃装置用の汚れ検出方法を提供し、本開示が提供する清掃装置によれば、検出装置で清掃装置の清掃部の物理的属性値を検出し、プロセッサによって検出した物理的属性値を用いて被清掃面の汚れ度合いを判断し、清掃装置の清掃作業に被清掃面の情報を提供し、目標とされる方法で被清掃面をインテリジェントに清掃することができる。
【0023】
上記説明は、本開示の技術的解決策の概要に過ぎず、本開示の技術手段をより明確に理解するために、本明細書の内容に従って実施することができ、本開示の上記およびその他の目的、特徴および利点をより明白に理解しやすくするために、以下本開示の具体的な実施形態を示す。
【0024】
以下、当業者が本開示の上記およびその他の目的、利点および特徴を明白にするために、添付図面を参照しながら本開示の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0025】
様々な他の利点および利益は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明により当業者には明らかであろう。添付図面は、好ましい実施形態を例示する目的のみを意図しており、本開示を限定するものではない。同じ参照番号は、図面全体を通じて同じ構成要素を表すために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の一実施例による清掃装置の一部構造を示す概略図
【
図2】本開示の一実施例による清掃装置の構造を示す概略図
【
図3】本開示の別の実施例による清掃装置の構造を示す概略図
【
図4】本開示の別の実施例による清掃装置の一部構造を示す概略図
【
図5】本開示の実施例による清掃部の色によって変化する清掃部の電圧を示す概略図
【
図6】本開示の別の実施例による清掃装置の構造を示す概略図
【
図7】本開示の別の実施例による清掃装置用の汚れ検出方法の流れを示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明では、本開示をより完全に理解するために、多数の具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者には、本開示は、これらの詳細の1つ以上がなくても実施され得ることが明らかである。他の実施例では、本開示との混同を避けるために、当該技術分野で周知の技術的特徴のいくつかは説明しない。
【0028】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されるものであり、本開示の例示的な実施例を限定することを意図するものではないことに留意されたい。本明細書で使用される場合、単数形は、文脈が明確に指示しない限り、複数形を包含することも意図される。加えて、本明細書で使用される用語「含む」および/または「備える」は、特徴、全体、ステップ、操作、要素および/または構成要素の存在を示すが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、構成要素および/またはそれらの組み合わせの存在または追加を排除するものではないことをさらに理解されたい。
【0029】
次に、本開示による例示的な実施例を、添付図面を参照してより詳細に説明する。しかしながら、これらの例示的な実施例は、様々な異なる形態で実施することができ、本明細書に記載された実施例に限定されるものとして解釈されるべきではない。これらの実施例は、本開示の開示を徹底的かつ完全なものとし、これらの例示的な実施例の概念を当業者に十分に伝えるために提供されることを理解されたい。
【0030】
本開示の実施例は、清掃装置を提供し、
図1を参照して分かるように、本開示の実施例が提供する清掃装置は、清掃部10、検出装置20およびプロセッサ30を含み得る。ここで、清掃部10は被清掃面を清掃するために使用される。検出装置20は清掃部10の物理的属性値を検出するために使用され、選択可能に、検出装置20は清掃部10に配置され(
図2に示される)、または掃部10に対向して配置される(
図3に示される)。プロセッサ30は検出装置20に電気的に接続され、検出装置20で検出した物理的属性値を取得し、物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いて被清掃面の汚れ度合いを決定し、汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整するために使用される。
【0031】
いくつかの好ましい実施例では、清掃部は、例えば1つまたは複数の転動ブラシであり、通常、転動ブラシとは実質的な水平方向の回転軸を有するブラシを指し、1つまたは複数のディスクブラシであってもよく、ディスクブラシは通常実質的に垂直方向の回転軸を有するブラシを指し、もちろん、清掃機能を果たす様々な他の構成要素であってもよい。
【0032】
本開示の実施例が提供する清掃装置によれば、清掃装置の清掃部10の物理的属性値を検出するために清掃装置に検出装置20が設けられ、人為的な判断なしに、プロセッサ30は物理的属性値に基づいて被清掃面の汚れ度合いをインテリジェントに決定でき、清掃装置の清掃作業に被清掃面の情報を提供でき、さらに清掃装置のインテリジェンスを向上させる同時にユーザの使用体験を向上させることができる。
【0033】
具体的な用途において、清掃装置は、床面、壁面、デスクトップ、カーペット、壁またはガラスなどの領域を清掃する掃除ロボット、モップ掛けロボット、床面磨きロボット、除草ロボットまたは手持ち式清掃装置であってもよいが、これらに限定されない。清掃装置中の清掃部10は、モップ掛け布、モップ掛けスポンジまたはモップ掛け転動ブラシなどの清掃部品であり、被清掃面を清掃する。ここで、プロセッサ30は、様々な特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロ中央制御素子、マイクロプロセッサまたは他の電子素子を用いて実装することができる。
【0034】
また、清掃装置の使用回数および使用時間が増加すると、清掃部10上の清掃部品の清浄状態が変化するため、本実施例では、プロセッサ30は、物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いて被清掃面の汚れ度合いを決定することができる。すなわち、この標準属性値は変更可能であり、清掃装置上の清掃部10の初回使用時に、標準属性値は工場出荷時に設定されているデフォルトの標準属性値であってもよく、清掃部10の使用回数および使用時間が増加すると、清掃部10の表面の色が変化することがあるため、清掃部10に対応する標準属性値を調整してもよく、例えば、清掃装置の電源投入時に検出された物理的属性値を標準属性値としてもよい。また、清掃部10がセルフクリーニングを終了した後に検出された清浄状態時の物理的属性値を標準属性値として記録してもよい。本実施例では、物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いることにより、被清掃面の汚れ度合いを正確に決定することができ、清掃効率を向上させる。
【0035】
さらに、清掃装置中のプロセッサ30は、取得した被清掃面の汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードをインテリジェントに調整することができ、被清掃面を効果的に清掃する同時に、清掃資源の合理的な使用が保証される。選択可能に、清掃装置は複数の清掃モードを対応的に有し、清掃モードが異なると、対応の清掃装置の作業パラメータも異なる。例えば、ディープ清掃モードでは、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力が比較的大きく、水出量および水出力頻度も比較的高く、簡易清掃モードでは、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力が比較的小さく、水出量および水出力頻度も比較的低い。したがって、異なる汚れ度合いの被清掃面について、適切な清掃装置の清掃モードを調整して清掃作業を完了する同時に、清掃資源の合理的な利用が保証される。実際の応用では、清掃装置の清掃モードの種類、および各清掃モードの清掃装置に対応する作業パラメータは、異なる要求に応じて設定することができ、本開示の実施例では限定されない。
【0036】
本開示の実施例では、検出装置20は光学検出装置であってもよく、電気検出装置であってもよく、異なる種類の検出装置20に対して、検出された清掃装置中の清掃部10の物理的属性値は異なり、以下、異なる種類の検出装置20をそれぞれ詳細に説明する。
【0037】
図4は、本開示の別の実施例の清掃装置の一部構造を示す概略図であり、
図4に示す清掃装置では、検出装置20は光学検出装置20であってもよく、清掃部10の光学属性値を検出するために使用される。
図4を参照して分かるように、検出装置20は、光エミッタ21および光レシーバ22を含み、光レシーバ22とレシーバは同じ側に配置される。
図4は、光エミッタ21と光レシーバ22の相対的な位置を単に概略的に示しているが、実際の応用では、異なる要求に応じて光エミッタ21と光レシーバ22の設置位置を調整することができ、本実施例では限定されない。
【0038】
ここで、光エミッタ21は清掃部10に光信号を放射するように構成され、光レシーバ22は清掃部10で反射して形成された光反射信号を受信し、光反射信号を清掃部10の光学属性値を表すための第1電気信号に変換し、第1電気信号をプロセッサ30に出力するように構成され、プロセッサ30は光学属性値を用いて被清掃面の汚れ度合いを算出するように構成される。
【0039】
例えば、本実施例中の検出装置20は、一対の赤外線ペア管を含み、一方は光エミッタ21として機能し、他方は光レシーバ22として機能し、すなわち、光エミッタ21は赤外線レシーバであり、光レシーバ22は赤外線レシーバである。
図4から分かるように、光エミッタ21は清掃部10に赤外線を放射することができ、光レシーバ22は、清掃部10で反射した赤外線(反射信号)を受信するように構成される。
図4に示すように、赤外線ペア管は同じ側に配置され、すなわち、赤外線ペア管の設置位置は清掃部10の同じ側に配置され、いずれも清掃部10に対向して配置され、清掃部10で反射した赤外線を光レシーバ22で受信することが保証される。さらに、光レシーバ22が清掃部10で反射した反射信号を受信した後、第1電気信号に変換してプロセッサ30に出力してもよい。
【0040】
例えば、清掃部10の表面が淡色のベルベット生地で覆われている場合、清掃部10は清浄な状態では淡色であるため、清掃部10で反射した反射信号の光強度が高く、ブラシヘッドが汚れている場合に、ブラシヘッドの色が濃くなり、清掃部10で反射した反射信号の光強度が低くなる。さらに、光レシーバ22は受信した異なる強度の反射信号を異なる電圧に変換し、さらに異なる電圧を第1電気信号としてプロセッサ30に送信してもよい。
図5に示すように、清掃部10の色が淡いほど、清掃部10で反射した光強度が高く、電圧が高くなり、清掃部10の色が濃いほど、光強度が低く、電圧が低くなる。
【0041】
以上のように、第1電気信号は、光学属性値を表すための電圧を含んでもよく、検出装置20によって直接検出されてプロセッサ30に送信されてもよい。さらに、プロセッサ30が光反射器によって送信された電圧を受信すると、この電圧と標準電圧を比較し、比較結果に応じて被清掃面の汚れ度合いを決定する。本開示の実施例では、標準的な電気的属性値は清浄状態における清掃部の予め検出された電気信号であり、例えば、標準電圧は清浄状態における未使用の清掃部10の検出電圧であってもよい。実際の応用では、清掃部10の清掃部品の使用回数や使用時間が増加すると色が変化し、本開示の実施例では、標準電圧を清掃装置の電源投入時に検出された清掃部の電圧に設定してもよく、色や材質の異なる清掃部の違い問題を解決することができ、被清掃面の汚れ度合い検出結果をより正確にすることができる。すなわち、今回の清掃装置の使用時に、清掃装置の電源投入とき清掃部10の電気信号を標準電圧として最初に検出し、その後の判断比較に利用することができる。選択可能に、清掃装置の使用後、標準電圧を初期化し、次回の起動ときに洗浄状態における清掃部10の標準電圧を最初に検出してもよい。ここで、第1電気信号と標準電圧を比較し、比較結果に応じて被清掃面の汚れ度合いを決定する際に、第1電気信号と標準電圧の差に応じて被清掃面の汚れ度合いを決定し、この差が小さいほど、汚れ度合いが低く、被清掃面が清浄であり、そうでなければ、汚れ度合いが高いほど、被清掃面が汚れている。
【0042】
例えば、淡色の清掃部10の標準電圧をaとすると、プロセッサ30が光反射器から受信した電圧が高い場合、清掃部10の色が淡色であることを意味し、このとき、電圧がaに近いほど差が小さくなり、被清掃面の汚れ度合いが低い(すなわち、被清掃面が比較的きれい)ことを意味し、電圧が低いとき、清掃部10の色が濃いほど、電圧と標準電圧aの差が大きく、このとき、被清掃面の汚れ度合いが高い(すなわち被清掃面が比較的に汚れている)ことを意味する。なお、本実施例における色の濃淡は、同色の濃淡であってよく、例えば清掃部10が使用する清掃部品が青色である場合、清掃部品の濃い青色、薄い青色および中間遷移色に基づいて判定してもよい。
【0043】
もちろん、光エミッタ21は他の波長の光を放射してもよく、それに応じて、光レシーバ22は、対応する長さの光波を受信可能なレシーバであり、本開示の実施例では限定されない。また、清掃部10の色が異なると、対応の反射率も異なるため、プロセッサ30は反射率曲線データを参照して清掃部10の色を自動的に算出し、さらに検出した清掃部10の色に対応する電圧値を清掃部10の標準色電圧値と比較して、被清掃面の汚れ度合いを判定してもよい。
【0044】
本開示の実施例では、被清掃面の汚れ度合いに応じて異なる汚れレベルを予め設定してもよく、例えば、汚れ度合いが順に大きくなるレベル1、レベル2、レベル3およびレベル4の合計4つのレベルを設定してもよく、さらに、清掃部10の異なる物理的属性値の違いに応じて、閾値範囲1、閾値範囲2、閾値範囲3、閾値範囲4のような異なる閾値範囲を分けてもよく、各閾値範囲と汚れレベル間に対応関係が構築され、例えば、プロセッサが受信した電圧と標準電圧の差が閾値範囲1に対応する場合、対応の被清掃面の汚れレベルはレベル1であり、電圧と標準電圧の差が閾値範囲2に対応する場合、汚れレベル2であり、さらにそれ以上は類推できるであろう。そして、プロセッサ30が清掃部10の物理的属性値(例えば電圧)を算出した上で、この物理的属性値の目標閾値範囲をさらに決定し、この目標閾値範囲に対応する汚れレベルを被清掃面の汚れレベルとして決定してもよい。実際の応用では、材質や種類の異なる清掃部品は、異なる清掃能力を有する可能性があるため、異なる種類の清掃部品に対して異なる閾値範囲および各閾値範囲に対応する汚れレベルを分けてもよく、具体的に、異なる要求に従って設定してもよいが、本開示の実施例では限定されない。実際の応用では、清掃装置またはクラウドに複数組の標準属性値および複数組の汚れレベルの閾値範囲を記憶してもよく、選択可能に、清掃装置の電源投入の瞬間に、まず清掃部の清掃部品の種類などの特徴パラメータに応じて対応の標準属性値、および合致する汚れレベルの閾値範囲を決定し、その後、被清掃面の汚れ度合いの判断に判断根拠を提供する。
【0045】
本開示の選択可能な実施例では、検出装置20は、光エミッタ21がオフにされたときの清掃部10の第1物理的属性値、および光エミッタ21が白色光を発するときの清掃部10の第2物理的属性値を検出するように構成される。プロセッサ30は、第1物理的属性値および第2物理的属性値に応じて清掃部10の色を決定するように構成される。具体的に、第1物理的属性値および第2物理的属性値は、それぞれ、自然環境および白色光環境における清掃部10のRGB信号を表すことができる。プロセッサ30は、第1物理的属性値と第2物理的属性値との差を清掃部10のRGB信号値として用い、ホワイトバランス補正後の清掃部10の色を決定することにより、清掃部10の色を用いて被清掃面の汚れ度合いを判定してもよい。
【0046】
本開示の別の任意の実施例では、検出装置20は、清掃部10の電気的属性値を検出するための電気検出装置20であってもよい。選択可能に、清掃部10に、電極が設けられ、検出装置20が清掃部10上の電極に接続され、清掃部10の電気的属性値を表すための第2電気信号を検出し、第2電気信号をプロセッサ30に出力し、プロセッサ30は、電気的属性値に従って被清掃面の汚れ度合いを決定する。
【0047】
本開示の実施例では、清掃部10に、正電極および負電極とする1組の電極が配置される。実際の応用では、電極は、パッチの形態で清掃部10に配置されてもよい。検出装置20は、容量センサであり、容量センサは清掃部10の2つの電極に接続されてもよく、清掃部10の容量を検出し、検出した清掃部10の容量を第2電気信号としてプロセッサ30に出力するように構成される。プロセッサ30は、容量と標準容量に応じて清掃部10の容量変化パラメータを算出し、容量変化パラメータに応じて被清掃面の汚れ度合いを判定するように構成される。ここで、標準容量は、予め検出された、清浄状態における清掃部10の容量、または、清掃装置の電源投入時に検出された清掃部10の容量であってもよい。
【0048】
実際の応用では、清掃装置の使用過程中、被清掃面がきれいである場合、清掃装置の清掃部10に担持される媒体は、被清掃面が汚れている場合よりも少ないことがあり、容量センサによって検出される容量の大きさは、電極の面積、電極間の距離および電極間の媒体に関連する。本開示の実施例では、電極の大きさおよび電極間の距離が一定に保たれる場合、容量センサの検出結果に影響を与える唯一の要因は、電極間の媒体であるため、本開示の実施例が提供する解決策では、容量センサを用いて清掃部10の容量を検出し、プロセッサ30を用いて清掃部10の清掃作業前後の容量変化パラメータを算出することにより、被清掃面の汚れ度合いを効果的かつ迅速に判定することができる。本実施例において、容量変化パラメータは、容量センサによって現在検出された容量値と予め検出された清浄状態における清掃部10の容量値との差であってもよい。容量センサによって現在検出された容量値と、清掃装置の電源投入直後の清掃部10の初期容量値との差であってもよく、具体的に、異なる要求に応じて設定すればよい。部屋の床面を被清掃面とすると、清掃部10の清掃動作中に検出された容量を第1容量とし、清掃動作後に検出された容量を第2容量とし、第2容量と第1容量との差の大きさを清掃部10の容量変化パラメータとし、さらに、容量変化パラメータに基づいて被清掃面の汚れ度合いを決定する。
【0049】
異なる清掃環境および清掃部品について、2つの電極間の媒体も異なるため、媒体の誘電率も変化する場合があり、そこで、異なる容量変化パラメータに対応する被清掃面の汚れ度合いを、清掃装置の清掃環境や使用する清掃部品の種類に基づいて適応的に設定し調整し、さらに、被清掃面の汚れ度合いを算出する。本実施例では、汚れ度合いの設定方法は、光検出装置の設定ロジックと同様である。
【0050】
本開示の選択可能な実施例では、電極は導電性電極であり、検出装置20は清掃部10の導電率を第2電気信号として検出するように構成され、プロセッサ30は、導電率および標準導電率に従って清掃部10の導電率変化パラメータを算出し、導電率変化パラメータに従って被清掃面の汚れ度合いを決定するように構成される。本実施例の導電率変化パラメータは、導電率の変化値、変化振幅および導電率の変化規則などであってもよい。また、標準導電率は、予め検出された清浄状態における清掃部10の容量、または、清掃装置の電源投入時に検出された清掃部10の標準導電率であってもよい。
【0051】
異なる清掃環境および清掃部品の種類について、導電率が異なる場合があり、例えば、清掃部10に付着した不純物が多いほど、リアルタイムで検出された導電率と標準導電率との差が大きくなり、すなわち、リアルタイムで検出された導電率と標準導電率との差が大きいほど、清掃表面が汚れている可能性があり、リアルタイムで検出された導電率と標準導電率との差が小さいほど、被清掃面がきれいである。したがって、本開示の実施例では、清掃装置の清掃環境および使用する清掃部品の種類に応じて、異なる導電率変化パラメータに対応する被清掃面の汚れレベルを適切に設定および調整し、さらに被清掃面の汚れ度合いを決定する。
【0052】
前述では、清掃部10の容量または導電率が第2信号としてプロセッサ30に送信され、プロセッサ30がそれに応じて電気的属性値を算出し、被清掃面の汚れ度合いを判定するという解決策を説明したが、実際の応用では、清掃部10の抵抗も第2電気信号としてプロセッサ30に送信されてもよく、プロセッサ30は抵抗信号の変化則に従って被清掃面の汚れ度合いを決定し、人為的な判断なしに、被清掃面の汚れ度合いをインテリジェントに検出することができる。
【0053】
以上、光学検出装置と電気検出装置で光学属性値と電気的属性値をそれぞれ検出する具体的な実施態様を説明したが、本開示の選択可能な実施例では、検出装置20は、光学検出装置および電気検出装置の両方をふくんでもよく、すなわち、検出装置20は、清掃部10の光学属性値および電気的属性値を検出するように構成されてもよく、プロセッサ30は、光学属性値および電気的属性値を用いて被清掃面の汚れ度合いを決定してもよい。例えば、光学属性値と電気的属性値に異なる重みを割り当ててもよく、検出装置20が光学属性値と電気的属性値を検出した後、光学属性値と電気的属性値とをそれぞれの重みを参照して最終的な物理的属性値を算出し、さらに、物理的属性値を用いて被清掃面の汚れ度合いを判定する。ここで、光学属性値および電気的属性値に重みを割り当てる時、清掃部10上の清掃部品の材質、色などの特徴に基づいて分配してもよい。
【0054】
より具体的には、清掃部の反射信号と抵抗変化パラメータを組み合わせて、被清掃面の汚れ度合いを判定する。
【0055】
本開示の選択可能な実施例では、清掃装置は、流体出力装置40および流体回収装置50をさらに含んでもよい。流体出力装置40は、清浄水、洗浄剤、清浄水と洗浄剤の混合液のいずれかの洗浄液体を制御することができる装置である。流体出力装置40は液体を被清掃面に散布し、清掃部品によって清掃を行うことができる。流体回収装置50は、排気ファンの吸引力を介して被清掃面または清掃部上の汚れ液体を汚れた液体管路から流体回収装置50に流入させ、汚れ液体、すなわち、被清掃面を清掃した後発生する汚れ液体を回収する機能が実現される。流体回収装置50は、具体的に排気ファンが吸引ノズルを駆動して汚れ液体を吸引する方法で汚れ液体の回収を達成することができる。
【0056】
選択可能に、流体出力装置40は第1容器41および流体出力管路42を含んでもよく、ここで、第1容器41は、清浄水、洗浄剤、清浄水と洗浄剤の混合液のいずれかの流体を貯蔵するように構成され、清掃装置の使用過程中、被清掃面に流体を散布することにより、被清掃面を清掃することができる。さらに、流体出力管路42は第1容器41と連通し、第1容器41内の流体は流体送出管路を介して清掃部または被清掃面に送出され、選択可能に、流体出力管路42は経路に沿って延伸する硬質管であってもよく、または経路を変更可能なホースであってもよく、具体的に、清掃装置の種類および清掃装置の構造設計に応じて選択すればよい。
【0057】
さらに、流体出力装置40は、少なくとも1つのノズル43をさらにふくんでもよく、流体出力装置40は流体出力管路42を介してノズル43と連通し、これにより、流体出力管路を介して第1容器41内の流体をノズルに送出し、さらに、清掃部10および/または被清掃面に流体が散布されてもよい。清掃装置の使用過程中、プロセッサ30は流体出力装置40の洗浄液体量の単回散布、洗浄液体の散布頻度および汚れ液体の回収頻度などを制御するように構成される。
【0058】
上記のように、清掃装置は、排気ファンおよび清掃部が清掃作業を実行するためのモータを含んでもよく、選択可能に、本開示の実施例が提供する清掃装置中のプロセッサ30は、被清掃面の汚れ度合いに応じて排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を調整してもよい。すなわち、プロセッサ30が被清掃面の汚れ度合いを決定した後、被清掃面の汚れ度合いに応じて清掃装置中の排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を適応的に調整してもよい。例えば、比較的清浄な床面に対して、装置は通常の清掃を行うだけでなく、または排気ファンおよび/またはモータの電力を適応的に低減してもよい。しかし、比較的汚れている床面に対して、より多くの洗浄液体を散布する必要があり、この場合、排気ファンおよび/またはモータの動作電力を増加させ、床面上の汚れ液体を時間内に回収する必要があり、インテリジェントな清掃を実現しつつ、ユーザの使用体験を効果的に向上させることができる。
【0059】
上記実施例で述べたように、異なる汚れ度合いに応じて異なる汚れレベルを設定してもよく、選択可能に、プロセッサ30は、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を調整する際に、まず予め分けられた異なる汚れ度合いに対応する複数の汚れレベルを取得し、次に被清掃面の汚れ度合いに基づいて被清掃面に対応する目標汚れレベルを決定し、最後に目標汚れレベルに合致する排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を取得し、清掃装置が排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力で動作するように制御する。
【0060】
例えば、汚れレベル1、汚れレベル2、汚れレベル3および汚れレベル4の合計4つの汚れレベルがある。その場合、汚れレベル1、汚れレベル2、汚れレベル3および汚れレベル4にそれぞれ対応する排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を予め設定してもよい。例えば、レベル1は、排気ファン動作電力x1、モータ動作電力y1に対応し、レベル2は、排気ファン動作電力x2、モータ動作電力y2に対応し、レベル3は、排気ファン動作電力x3、モータ動作電力y3に対応し、レベル4は、排気ファン動作電力x4、モータ動作電力y4に対応する。複数の汚れレベルから被清掃面に対応する目標汚れレベルを決定する場合、予め設定された目標汚れレベルに合致する排気ファン動作電力およびモータ動作電力を現在清掃装置に必要な目標排気ファン動作電力および目標モータ動作電力とすることができ、次に、清掃装置は、取得した排気ファン動作電力および/またはモータ動作電力で清掃作業を行い、被清掃面を効果的に清掃する同時に、清掃資源の合理的な利用が保証される。
【0061】
実際の応用では、
図6に示すように、清掃装置は装置本体60をさらに含んでもよく、装置本体60全体は空洞を有する細長い柱体であってもよく、プロセッサ30、流体出力装置40および流体回収装置50はすべて装置本体60の空洞内に配置されてもよく、清掃装置の空間を合理的に利用し、清掃装置の全体体積を小さくことができる。装置本体60の一端は清掃部10に接続されてもよく、清掃装置が手持ち式清掃装置である場合、装置本体60の他端に手持ち部61が設けられ、清掃装置の使用時、手持ち部61と装置本体60で形成される全体が清掃部10に対して傾斜し、このようにして、装置本体60の重力によって発生する下向き力によって、清掃部品が被清掃面により密着し、ユーザが手持ち部61を使用して清掃部10を押すのに便利であり、より多くの労力を節約でき、清掃装置が充電パイルに配置される場合、手持ち部61と装置本体60で形成される全体は清掃部10に対して垂直であるため、手持ち式清掃装置の占有空間を減少することができる。
【0062】
清掃装置の使用過程中、流体出力装置40中の流体は使用時間の増加により減少する可能性があるため、本開示の実施例では、液体出力装置40に、流体出力装置40の第1容器41に第1センサを設けてもよく、第1容器41の流体液位を検出するように構成される。または、第1センサを流体出力装置40の流体出力管路42に設けて、流体出力管路42内に流体があるかどうかを検出するように構成される。ここで、第1センサはプロセッサ30に接続され、プロセッサ30は、第1センサの検出結果に基づいて、清掃装置が流体を散布するか、または清掃装置が清掃作業を実行するか、または流体出力装置40に洗浄流体を補充する必要があるかどうかを制御してもよい。例えば、プロセッサ30が第1センサの検出結果に応じて第1容器の流体液位が第1設定液位よりも低く、または流体出力管路内に流体がないと判定した場合、流体出力装置40内に流体を補充する必要があると判定することができる。
【0063】
選択可能に、流体回収装置50は、汚れ液体を貯蔵するための第2容器51を含んでもよく、具体的な形状は厳密に限定されない。第2容器51に、第2容器中の流体液位を検出するための第2センサが設けられてもよい。ここで、第2センサはプロセッサ30に接続され、プロセッサ30は、第2センサの検出結果(例えば第2容器中の流体液位)に応じて流体回収装置50に貯留された回収された汚れ液体を直ちに処分する必要があるかどうかを判定し、清掃装置のスムーズな清掃作業が保証される。例えば、プロセッサ30は、第2センサの検出結果に応じて第2容器51の流体液位が第2設定液位よりも高いと判断した際に、第2容器中の汚れ液体を直ちに処分する必要があると判断する。本実施例において、第1センサおよび第2センサは非接触式センサまたは接触式センサであってもよく、非接触式センサは静電容量センサであってもよい。
【0064】
選択可能に、流体回収装置50は、少なくとも1つの吸引ノズル52、および吸引ノズル52と第2容器を接続する吸引管路53をさらに含み、ここで、吸引ノズル52は清掃部10に配置され、清掃部10および/または被清掃面の汚れ液体を吸引し、吸引された汚れ液体は吸引管路53を介して第2容器内に送出される。吸引管路53は経路に沿って延伸する硬質管であってもよく、または経路を変更可能なホースであってもよく、具体的に清掃装置の種類および清掃装置の構造設計に応じて選択すればよい。もちろん、上記したことに加えて、流体回収装置50は、吸引ノズル52を駆動して汚れ液体を吸引するための排気ファンをさらに含んでもよい。
【0065】
本開示の実施例では、清掃装置は、プロセッサ30に接続され、音声提示情報を送信するように構成された音声提示装置をさらに含んでもよい。例えば、上記したように、プロセッサ30は、第1センサまたは第2センサの検出結果に応じて第1容器に液体を補充する必要があるか、または第2容器中の汚れ液体を処分する必要があるかを決定することができる。選択可能に、音声提示装置は、プロセッサ30が第1センサの検出結果に従って流体出力装置40内に流体を補充する必要があると判定したとき、および/または流体回収装置50に貯留された回収汚れ液体を処分する必要があると判定したとき、対応の音声提示情報を送信して、タイムリーに清掃装置をメンテナンスすることをユーザに提示するように構成される。もちろん、音声提示モジュールは、清掃装置に関連する他の提示情報を送信してもよく、本開示の実施例では限定されない。音声提示に加えて、本実施例中の清掃装置は表示装置(例えば表示画面)を含んでもよく、プロセッサに接続されて被清掃面の汚れ度合い、排気ファンの電力レベルなどの清掃装置の関連パラメータを表示するように構成されてもよい。
【0066】
本開示の選択可能な実施例では、プロセッサ30が被清掃面の汚れ度合いを判定した、および第1容器に液体を補充する必要があるかどうかと判定した、または第2容器中の汚れ液体をを処分する必要があるかどうかを判定した後、まず音声提示装置および/または表示装置によって音声、テキスト、画像および/またはアニメーションの提示情報を表示する同時に、ユーザに現在の実行可能な操作、例えば、清浄水補充、洗浄剤補充、汚れ液体の処分、清掃部品の交換および清掃モードの切り替えなどの実行可能な操作を推奨し、そして、ユーザは提示情報に従って異なる操作指令を実行またはトリガーして清掃作業を完了し、実際の汚れ度合いおよびユーザの清掃要求を参照に、人間とコンピュータの対話機能を付加することで清掃作業を完了し、ユーザの使用体験をさらに向上させることができる。
【0067】
同じ概念に基づいて、本開示の実施例は清掃装置用の汚れ検出方法をさらに提供し、
図7を参照して分かるように、本開示の実施例が提供する清掃装置用の汚れ検出方法は少なくとも以下のステップS701~S703を含む。
【0068】
ステップS701において、清掃装置の清掃部10の物理的属性値を検出する。
【0069】
図6に示すように、本実施例が提供する清掃装置は検出装置20を含み、具体的に、この検出装置20により清掃部10の物理的属性値を検出することができる。清掃装置は、床面、壁面、デスクトップ、カーペット、壁またはガラスなどの領域を洗浄する掃除ロボット、モップ掛けロボット、床面磨きロボット、除草ロボットまたは手持ち式清掃装置であり得るが、これらに限定されない。清掃装置中の清掃部10にモップ掛け布、モップ掛けスポンジまたはモップ掛け転動ブラシなどの清掃部品を設けて、被清掃面を清掃する。
【0070】
検出装置20は光学検出装置20であってもよく、電気検出装置20であってもよく、検出装置20の種類が異なると、検出された清掃装置中の清掃部10の物理的属性値も異なる。
【0071】
ステップS702において、物理的属性値と動的に設定された標準属性値との比較結果を用いて被清掃面の汚れ度合いを決定する。
【0072】
検出装置20が清掃部10の物理的属性値を検出した後、物理的属性値を用いて被清掃面の汚れ度合いを決定することができる。
【0073】
検出装置20が光学検出装置20である場合を例にすると、上記ステップS701で検出された清掃装置の清掃部10の物理的属性値は対応して光学属性値である。具体的に、検出時、まず、光エミッタ21から光信号を放射し、光レシーバ22が清掃部10で反射して形成された光反射信号を受信し、光反射信号を清掃部10の光学属性値を表すための第1電気信号に変換し、さらに、上記ステップS702は、光学属性値と標準光学属性値との差を用いて被清掃面の汚れ度合いを算出することができる。ここで、標準光学属性値は、予め検出された清浄状態における清掃部の光学属性値、または、清掃装置の電源投入時に検出された清掃部の光学属性値を含む。
【0074】
例えば、清掃部10の表面が淡色のベルベット生地で覆われている場合、清掃部10が清浄な状態では淡色であるため、清掃部10で反射した反射信号の光強度が高く、ブラシヘッドが汚れている場合、ブラシヘッドの色が濃くなり、清掃部10で反射した反射信号の光強度が低くなる。さらに、光レシーバ22は、受信した異なる強度の反射信号を異なる電圧に変換し、さらに異なる電圧を第1電気信号としてプロセッサ30に送信することができる。
【0075】
これに対応して、清掃部10の色が淡いほど、清掃部10で反射した光強度が高く、電圧が高くなり、清掃部10の色が濃いほど、光強度が低く、電圧が低くなる。さらに、プロセッサ30が光反射器から送信した第1電気信号(例えば電圧)を受信した後、標準電気的属性値と比較した結果(例えば両者の差)、受信した電圧に基づいて清掃部10の汚れ度合いを決定することができる。具体的に、淡色の清掃部10の標準電気的属性値をaとすると、プロセッサ30が光反射器から受信した第1電気信号が高いとき、清掃部10の色が淡色であることを意味し、このとき、第1電気信号がaに近いほど、差が小さくなり、被清掃面の汚れ度合いが低い(すなわち被清掃面が比較的きれい)ことを意味し、第1電気信号が低いとき、清掃部10の色が濃いほど、第1電気信号とaの差が大くなり、このとき被清掃面の汚れ度合いが高い(すなわち被清掃面が比較的汚れている)ことを意味する。
【0076】
検出装置20が電気検出装置20である場合を例にすると、上記ステップS701で検出した清掃装置の清掃部10の物理的属性値は対応して電気的属性値である。具体的に、検出時、清掃部10の電気的属性値を表すための第2電気信号を検出し、その後電気的属性値に基づいて被清掃面の汚れ度合いを決定する。
【0077】
選択可能に、第2電気信号は導電率、容量、抵抗などのパラメータでってもよく、第2電気信号を取得した後、第2電気信号に基づいて清掃部10の容量変化パラメータ、導電率変化パラメータ、抵抗変化パラメータなどを算出し、さらに、電気的属性値および標準電気的属性値に基づいて清掃部10の電気信号変化パラメータを算出し、電気信号変化パラメータを用いて被清掃面の汚れ度合いを算出してもよい。ここで、標準電気的属性値は、予め検出された清浄状態における清掃部の電気的属性値、または、清掃装置の電源投入時に検出された清掃部の電気的属性値を含む。例えば、清掃部のリアルタイムな検出容量と標準容量との差の大きさに応じて、被清掃面の汚れ度合いを決定し、清掃部のリアルタイムな検出導電率と標準導電率との差の大きさに基づいて被清掃面の汚れ度合いを決定する。本開示の実施例が提供する方法によれば、清掃時の清掃部10の異なる物理的状態に応じて、人為的な判断なしに、被清掃面の汚れ度合いを迅速かつ効率的に決定することができる。
【0078】
ステップS703において、汚れ度合いに基づいて清掃装置の清掃モードを調整する。
【0079】
上記したように、被清掃面の汚れ度合いが異なると、清掃装置に対応する作業パラメータも異なり、例えば、比較的清浄な床面に対して、装置が通常に清掃すればよいが、比較汚れている床面に対して、より多くの洗浄液体を散布する必要がある。したがって、本開示の実施例が提供する方法では、被清掃面の汚れ度合いに基づいて排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を適応に調整することができ、実際の応用では、排気ファンの動作電力およびモータの動作電力に加えて、清掃装置中の流体出力装置の流体の出力量、流体の出力頻度などの清掃装置の関連動作パラメータを調整してもよく、本開示の実施例では限定されない。
【0080】
選択可能に、排気ファンおよび/またはモータの動作電力を調整するとき、排気ファンおよび/またはモータの動作電力を増加または低減することができる。
【0081】
すなわち、被清掃面の汚れ度合いが高いほど、流体出力装置の流体の出力量、清掃部のモータ電力、流体出力装置の流体の出力頻度および/または流体回収装置の排気ファン電力を適応的に増加させることができる。すなわち、清掃装置の使用過程中、被清掃面が比較的汚れている床面であると、流体出力装置の清浄水の出力量および出力頻度、清掃部のモータ電力、および流体回収装置の排気ファン電力を増加させることができる。
【0082】
逆に、被清掃面の汚れ度合いが低いと、流体出力装置の流体の出力量、清掃部のモータ電力、流体出力装置の流体の出力頻度および/または流体回収装置の排気ファン電力を適応的に低減することができる。すなわち、清掃装置の使用過程中、被清掃面が比較的清浄な床面であると、流体出力装置の清浄水の出力量および出力頻度、清掃部のモータ電力、および流体回収装置の排気ファン電力を低減することができる。清掃装置の全体作業過程中、リアルタイムで検出された被清掃面の汚れ度合いの変化に応じて、清掃装置のモータ、排気ファンの動作電力などの作業パラメータを即時に調整することができ、清掃装置の作業効率を確保する同時にエネルギー消費を低減する。
【0083】
上記実施例から分かるように、被清掃面の汚れ度合いは異なる汚れレベルに分けられ、本開示の実施例では、汚れ度合いに基づいて排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を調整するステップは、以下のことを含む。
【0084】
ステップS1において、予め分けられた異なる汚れ度合いに対応する複数の汚れレベルを取得する。実際の応用では、汚れレベルの数は異なる要求に応じて設定されてもよく、または被清掃面の種類または被清掃面の環境に応じて予め分けられてもよい。本開示の実施例では限定されない。
【0085】
ステップS2において、被清掃面の汚れ度合いに基づいて被清掃面に対応する目標汚れレベルを決定する。上記実施例を参照して、被清掃面の汚れ度合いに応じて被清掃面に対応する目標汚れレベルを決定する場合、決定された被清掃面の物理的属性値に応じて認識し決定してもよい。例えば、汚れ度合いが順に高くなるレベル1、レベル2、レベル3およびレベル4の合計4つのレベルを設定してもよく、また、清掃部10の異なる物理的属性値に応じて、異なる閾値範囲、例えば閾値範囲1、閾値範囲2、閾値範囲3、閾値範囲4に分けられ、各閾値範囲と汚れレベル間に対応関係を構築してもよい。
【0086】
ステップS3において、目標汚れレベルに合致する清掃装置の清掃モードを取得し、清掃モードに対応する清掃パラメータに従って前記清掃装置が動作するように制御する。
【0087】
言い換えれば、被清掃面の汚れ度合いを決定するとき、被清掃面に対応する汚れレベルを判定し、異なる汚れレベルに対して、対応する清掃装置の清掃モードおよび対応の作業パラメータが予め設定されてもよく、例えば、上記ステップS2中のレベル1、レベル2、レベル3およびレベル4にそれぞれ対応する清掃モード1、清掃モード2、清掃モード3および清掃モード4を予め設定してもよい。さらに、異なる清掃モードで、清掃装置に対応する清掃パラメータも異なり、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を例にすると、レベル1は、排気ファン動作電力x1、モータ動作電力y1に対応し、レベル2は、排気ファン動作電力x2、モータ動作電力y2に対応し、レベル3は、排気ファン動作電力x3、モータ動作電力y3に対応し、レベル4は、排気ファン動作電力x4、モータ動作電力y4に対応する。複数の汚れレベルから被清掃面に対応する目標汚れレベルが決定されたと、予め設定された目標汚れレベルに合致する排気ファン動作電力およびモータ動作電力を現在清掃装置に必要な目標排気ファン動作電力および目標モータ動作電力として取得し、清掃装置が取得した排気ファン動作電力および/またはモータ動作電力で清掃作業を行うように制御する。
【0088】
本開示の選択可能な実施例では、異なる汚れレベルに対応する清掃モードおよびこの清掃モードに対応する清掃装置の作業パラメータは、機械学習によって生成されるか、または他の方法によって設定され得、被清掃面の汚れ度合いが決定された後、合致する清掃モードを決定し、選択された清掃モードに対応する清掃装置の作業パラメータを使用して、清掃装置が清掃作業を行うように制御する。例えば、被清掃面の汚れレベルが高い場合、被清掃面が比較的汚れていることを意味し、対応の排気ファン動作電力および/またはモータ動作電力を増加させる同時に、洗浄液体の量、洗浄液体の散布頻度、汚れ液体の回収頻度も増加させる。逆に、被清掃面の汚れレベルが低い場合、被清掃面が比較的清浄であることを意味し、対応の排気ファン動作電力および/またはモータ動作電力、洗浄液体の量、洗浄液体の散布頻度、汚れ液体の回収頻度を低減させる。本開示の実施例が提供する解決策によれば、被清掃面の汚れ度合いに応じて清掃装置の清掃モードをインテリジェントに調整することによって、被清掃面を効果的に清掃する同時に、清掃資源を合理的に分配して節約することができる。
【0089】
本開示の選択可能な実施例では、清掃装置の線形動作曲線も予め設定されても良く、ここで、汚れ度合いが独立変数として使用され、清掃装置の動作パラメータが従属変数として使用され、清掃装置の清掃作業の過程中、動作曲線を使用して清掃装置の動作を制御し、検出された被清掃面の汚れ度合いに基づいて清掃装置の作業パラメータを適応的に調整でき、この作業パラメータは、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力、清掃頻度、清掃労力、水出力量などのパラメータのうちの1つまたは複数を含む。
【0090】
本開示の実施例は清掃装置用の汚れ検出方法を提供し、本開示の実施例が提供する方法に基づいて、清掃装置自身により清掃装置中の清掃部10の物理的属性値を検出し、人為的な判断なしに、物理的属性値に基づいて被清掃面の汚れ度合いをインテリジェントに決定し、清掃装置の清掃作業に一定の参照基準を提供することができる。
【0091】
さらに、本開示の実施例が提供する方法によれば、被清掃面の汚れ度合いに応じて、目標とされる被清掃面をインテリジェントに清掃し、清掃装置の作業パラメータを柔軟に調整でき、清掃装置のインテリジェンスをより向上させる同時に清掃資源を合理的に利用し、ユーザの使用体験をさらに向上させることができる。
【0092】
本開示の実施例は手持ち式清掃装置を提供し、この清掃装置は、清掃部、検出装置、プロセッサおよび装置本体を含む。ここで、装置本体の一端は清掃部に接続され、検出装置は清掃部に配置され、または清掃部に対向して装置本体に配置され得、ここで、装置本体は空洞を有し、プロセッサは装置本体の空洞内に配置される。
【0093】
ここで、清掃部は被清掃面を清掃するために使用され、検出装置は清掃部の物理的属性値を検出するために使用され、プロセッサは、検出装置に電気的に接続され、検出装置で検出した物理的属性値を取得し、物理的属性値に基づいて被清掃面の汚れ度合いを決定するために使用され、汚れ度合いに基づいて、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を調整する。また、清掃部、検出装置およびプロセッサの相対位置および接続関係と機能については、上記実施例の記載を参照すればよく、ここで省略される。
【0094】
選択可能に、装置本体全体は空洞を有する細長い柱体であり、プロセッサは装置本体の空洞に配置される。装置本体の他端に手持ち部が設けられ、清掃装置の使用時、手持ち部と装置本体で形成される全体は清掃部に対して傾斜している。
【0095】
選択可能に、清掃装置は、流体を貯蔵するための流体出力装置を含む。この流体は、清浄水、洗浄剤、清浄水と洗浄剤の混合液のいずれか1つの洗浄液体であってもよい。
【0096】
流体出力装置は、第1容器および流体出力管路を含み、第1容器は流体を貯蔵するために使用され、流体出力管路は第1容器と連通し、第1容器内の流体は流体送出管路を介して清掃部または被清掃面に送出され、選択可能に、流体出力管路は経路に沿って延伸する硬質管であってもよく、または経路を変更可能なホースであってもよく、具体的に、清掃装置の種類および清掃装置の構造設計に応じて選択すればよい。
【0097】
流体出力装置は、少なくとも1つのノズルをさらに含んでもよく、流体貯蔵装置は流体出力管路を介してノズルと連通し、流体出力管路を介して流体貯蔵装置内の流体をノズルに送出し、さらに清掃部および/または被清掃面に流体を散布する。
【0098】
流体出力装置に、プロセッサに接続された第1センサが設けられる。
【0099】
選択可能に、第1センサは流体出力装置の第1容器に設けられ、第1容器の流体液位を検出するために使用される。または、第1センサは流体出力装置の流体出力管路に設けられ、流体出力管路内に流体があるかどうかを検出するために使用される。プロセッサは、第1センサの検出結果に応じて流体出力装置に洗浄流体を補充する必要があるかどうかを判定するように構成される。
【0100】
選択可能に、手持ち式清掃装置は、被清掃面上の汚れ液体を回収するための流体回収装置をさらに含んでもよい。
【0101】
ここで、流体回収装置は、汚れ液体を貯蔵するための第2容器を含む。
【0102】
流体回収装置は、少なくとも1つの吸引ノズル、および吸引ノズルと第2容器を接続させる吸引管路をさらに含み、ここで、吸引ノズルは清掃部に設けられ、清掃部および/または被清掃面の汚れ液体を吸引し、吸引された汚れ液体は吸引管路を介して第2容器内に送出される。
【0103】
流体回収装置は、第2容器に設けられ、プロセッサに接続され、第2容器中の流体液位を検出する第2センサをさらに含む。プロセッサは、第2センサの検出結果に応じて第2容器中の汚れ液体を片付ける必要があるかどうかを決定するように構成される。
【0104】
本開示の実施例は清掃装置を提供し、この清掃装置は、清掃部、検出装置、プロセッサ、流体出力装置および流体回収装置を含む。ここで、清掃部は被清掃面を清掃するために使用され、検出装置は清掃部の物理的属性値を検出するために使用され、プロセッサは、検出装置に電気的に接続され、検出装置で検出した物理的属性値を取得し、物理的属性値に基づいて被清掃面の汚れ度合いを決定するために使用され、汚れ度合いに基づいて、排気ファンおよび/または清掃部を駆動するモータの動作電力を調整する。また、清掃部、検出装置およびプロセッサの相対位置および接続関係と機能については、上記実施例の記載を参照すればよく、ここで省略される。
【0105】
ここで、流体出力装置は流体を貯蔵するために使用される。この流体は、清浄水、洗浄剤、清浄水と洗浄剤の混合液のいずれか1つの洗浄液体であってもよい。流体回収装置は、被清掃面上の汚れ液体を回収するために使用される。
【0106】
流体出力装置は、第1容器および流体出力管路を含み、第1容器は流体を貯蔵するために使用され、流体出力管路は第1容器と連通し、第1容器内の流体は流体送出管路を介して清掃部または被清掃面に送出され、選択可能に、流体出力管路は経路によって延伸する硬質管であってもよく、または経路を変更可能なホースであってもよく、具体的に、清掃装置の種類および清掃装置の構造設計に応じて選択すればよい。
【0107】
選択可能に、流体出力装置は、少なくとも1つのノズルをさらに含んでもよく、流体貯蔵装置は流体出力管路を介してノズルと連通し、流体貯蔵装置内の流体が流体出力管路を介してノズルに送出され、さらに清掃部および/または被清掃面に流体を散布する。
【0108】
選択可能に、流体出力装置に、プロセッサに接続された第1センサが設けられる。
【0109】
選択可能に、第1センサは流体出力装置の第1容器に設けられ、第1容器の流体液位を検出するために使用される。または、第1センサは流体出力装置の流体出力管路に設けられ、流体出力管路内に流体があるかどうかを検出するために使用される。プロセッサは、第1センサの検出結果に応じて流体出力装置に洗浄流体を補充する必要があるかどうかを決定するために使用される。
【0110】
選択可能に、清掃装置は、被清掃面上の汚れ液体を回収する流体回収装置を含む。
【0111】
ここで、流体回収装置は、汚れ液体を貯蔵する第2容器を含む。
【0112】
流体回収装置は、少なくとも1つの吸引ノズル、および吸引ノズルと第2容器を接続させる吸引管路をさらに含み、ここで、吸引ノズルは清掃部に設けられ、清掃部および/または被清掃面の汚れ液体を吸引し、吸引された汚れ液体は吸引管路を介して第2容器内に送出される。
【0113】
流体回収装置は、第2容器に設けられ、プロセッサに接続され、第2容器中の流体液位を検出する第2センサをさらに含む。プロセッサは、第2センサの検出結果に応じて第2容器中の汚れ液体を片付ける必要があるかどうかを決定するように構成される。
【0114】
選択可能に、清掃装置は、プロセッサに接続され、音声提示情報を発するための音声提示装置をさらに含む。具体的に、音声提示装置は、プロセッサが第1センサの検出結果に応じて流体出力装置内に流体を補充する必要があると判定した場合、および/または流体回収装置に貯留された回収汚れ液体を処分する必要があると判定した場合に、対応の音声提示情報を発する。
【0115】
選択可能に、清掃装置は、プロセッサに接続され、被清掃面の汚れ度合い、第1センサの検出結果および/または第2センサの検出結果を表示する表示装置をさらに含み、もちろん、表示装置は、清掃装置の動作時の排気ファンの電力などの動作パラメータを表示してもよいが、本開示では限定されない。
【0116】
選択可能に、清掃装置は、装置本体をさらに含んでもよく、装置本体の一端は清掃部に接続され、検出装置は清掃部に配置され、または清掃部に対向して装置本体に配置されてもよい。
【0117】
装置本体は空洞を有し、プロセッサ、流体出力装置および流体回収装置は装置本体の空洞内に配置される。
【0118】
当業者には明らかであろうが、本実施例で言及した清掃装置の汚れ検出方法については、上記の実施例における清掃装置の対応する作業工程を参照することができ、簡潔にするために本明細書では繰り返さない。
【0119】
本開示の選択可能な実施例では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体がさらに提供される。コンピュータプログラム命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、コンピュータプログラム命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、清掃装置の汚れ検出方法を実施させる。
【0120】
上記したシステム、装置、モジュール及びユニットの特定の作業プロセスについては、簡潔のために本明細書では繰り返さないが、方法の実施例における対応するプロセスを参照することができることは、当業者には明らかであろう。
【0121】
さらに、本開示のそれぞれの実施例におけるすべての機能ユニットは、互いに物理的に独立していてもよいし、2つ以上の機能ユニットが統合されていてもよいし、すべての機能ユニットが1つの処理ユニットに統合されていてもよい。上記の統合された機能ユニットは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、ソフトウェアまたはファームウェアの形態で実装されてもよい。
【0122】
ソフトウェアの形態で実装され、スタンドアロン製品として販売または使用される場合、統合された機能ユニットは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよいことが、当業者には理解され得る。このような理解に基づいて、本質的に本開示の技術的解決策、または技術的解決策の全部または一部は、ソフトウェア製品の形態で具現化されてもよく、コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピューティングデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス等であってもよい)またはプロセッサが、本開示のそれぞれの実施例において説明される方法のステップの全部または一部を実行するための複数の命令を含む。前述の記憶媒体には、USBフラッシュディスク、モバイルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、光ディスク、およびプログラムコードを記憶し得る他の媒体が含まれ得る。
【0123】
あるいは、前述の方法の実施例を実施するためのステップのすべてまたは一部は、プログラム命令に関連するハードウェア(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなどのコンピューティングデバイス)によって達成されてもよく、プログラム命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、プログラム命令は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されると、コンピューティングデバイスに、本開示のそれぞれの実施例において説明される方法のステップの全てまたは一部を実行させる。
【0124】
最後に、上記の実施例は、本開示の技術的解決策を限定するのではなく、説明するために使用されているに過ぎないことに留意されたく、本開示は、前述の実施例を参照して詳細に説明されるが、当業者であれば、本開示の精神及び原則の範囲内で、前述の実施例に記載された技術的解決策を修正することができ、または技術的特徴の一部若しくは全てについて均等の置換を行うことができ、これらの修正または置換は、対応する技術的解決策を本開示の保護範囲から逸脱させないことを理解するものとする。
【国際調査報告】