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特表2024-516906医療機器を提供するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】医療機器を提供するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570024
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2022062336
(87)【国際公開番号】W WO2022238264
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】21315084.0
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508291928
【氏名又は名称】スーパー ソニック イマジン
【氏名又は名称原語表記】SUPER SONIC IMAGINE
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100227927
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 拓
(72)【発明者】
【氏名】ルソー,エティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァランタン,マチュー
(72)【発明者】
【氏名】マジョレル,ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ルラ,ダミアン
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601GC02
4C601GC10
4C601KK46
4C601LL32
(57)【要約】
本発明は、医療機器を提供するためのシステムに関する。前記システムは、医療機器によってアクセスされるべき対象物を配置できるアクセス空間に隣接して及び/又は該アクセス空間の少なくとも部分的に上方に配置される装着構造体と、装着構造体によって保持されるとともに、アクセス空間の上方の変更可能な位置に医療機器を保持するように構成される保持デバイスであって、第1の所定の事象時に医療機器が引き込み位置から第1の伸長位置に移動されるように構成される、保持デバイスと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器を提供するためのシステムであって、
前記医療機器によってアクセスされるべき対象物を配置できるアクセス空間に隣接して及び/又は該アクセス空間の少なくとも部分的に上方に配置される装着構造体と、
前記装着構造体によって保持されるとともに、前記アクセス空間の上方の変更可能な位置で前記医療機器を保持するように構成される保持デバイスであって、第1の所定の事象時に前記医療機器が引き込み位置から第1の伸長位置に移動されるように構成される、保持デバイスと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1の伸長位置は、前記アクセス空間により近く、及び/又は前記引き込み位置の下方にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記医療機器は、
電気医療機器及び/又は電子医療機器、
検査プローブ、
医療センサ、
レーザデバイス、及び
超音波検査プローブ、
のうちの少なくとも1つを備え、及び/又は
前記保持デバイスは、
前記医療機器が前記引き込み位置から前記伸長位置に移動されるように、前記第1の所定の事象時に前記医療機器のケーブルを引き出すように構成される医療機器ケーブルホルダ、
前記医療機器を前記引き込み位置に保持するように構成されるタイホルダ及びタイであって、前記第1の所定の事象時に、前記医療機器が前記伸長位置に移動するように、前記タイが前記タイホルダによって引き出される、タイホルダ及びタイ、
前記医療機器を前記引き込み位置に保持するように構成される電磁石であって、前記第1の所定の事象時に、前記医療機器が前記伸長位置に移動するように、前記電磁石がオフにされる、電磁石、及び
前記医療機器を前記引き込み位置に保持するように構成されるロボットアームであって、前記第1の所定の事象時に、前記ロボットアームが前記医療機器を前記伸長位置に移動させる、ロボットアーム、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記装着構造体は、
前記ケーブルを前記医療機器ケーブルホルダによって引き出すことができるように、前記医療機器ケーブルホルダ及び前記医療機器のケーブルを収容する、及び/又は
前記医療機器の前記引き込み位置において前記装着構造体内に前記ケーブルを隠す、
ように構成される第1の収容空間を備える、請求項3から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記医療機器ケーブルホルダは、前記医療機器のケーブルを移動可能に支持する少なくとも1つのホイール及び/又はプーリを備える、請求項3から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ホイール及び/又はプーリは、前記ケーブルの所定の曲げ性パラメータの関数として規定される最小直径を有し、前記曲げ性パラメータは、とりわけ、ケーブル厚さ、ケーブルタイプ、及びケーブル材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の所定の事象時に前記医療機器が前記引き込み位置から前記第1の伸長位置に移動されるように、前記保持デバイスを作動させるべく構成されるアクチュエータを更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記アクチュエータは、
液圧アクチュエータ、
電子的及び/又は電気的に制御されるアクチュエータ、
電気モータ、
リニアモータ、及び
電磁アクチュエータ、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記医療機器がデータケーブルを介して処理ユニットに接続され、前記処理ユニットは、前記データケーブルにより前記医療機器から受信される医療データを処理し、前記装着構造体は、前記アクセス空間の上方に前記処理ユニットを収容するように構成される第2の収容空間を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記医療機器が電源ケーブルを介して電源ユニットに接続され、前記電源ユニットが前記電源ケーブルを介して前記医療機器に給電し、前記電源ユニットが前記装着構造体内に収容される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記医療機器は、前記電源ユニットとは別個の及び/又は前記システムから離れた処理ユニットに医療データを無線で送信する、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記装着構造体は、前記医療機器をその引き込み位置に及び/又は前記アクセス空間の上方に収容するように構成される第3の収容空間を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第3の収容空間は、
前記医療機器を消毒及び/又は洗浄する機能、
前記医療機器を走査するために少なくとも1つのスキャナを使用して試験s及び状態制御する機能、
前記医療機器を外部の影響から保護する機能、
のうちの少なくとも1つのために構成されるメンテナンスデバイスを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1及び第3の収容空間を介した前記第2の収容空間と前記アクセス空間との間の距離は、前記医療機器のケーブルの長さの関数として規定される距離閾値未満である、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムは、複数の医療機器を提供するように構成されるとともに、それぞれの複数の保持デバイスを備え、
各保持デバイスは、前記装着構造体によって保持されるとともに、前記アクセス空間の上方の変更可能な位置に医療機器を保持するように構成され、
前記システムは、前記複数の医療機器の中で第1の保持デバイスを作動させて、前記第1の所定の事象時にそれぞれの第1の医療機器を前記引き込み位置から前記第1の伸長位置に移動させるように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記保持デバイスは、第2の所定の事象時に前記医療機器を前記第1の伸長位置から第2の伸長位置に移動させるように構成され、前記第2の伸長位置が前記アクセス空間により近い及び/又は前記第1の伸長位置の下方にある、請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記保持デバイスは、第3の所定の事象時に前記医療機器を前記第1又は第2の伸長位置から前記引き込み位置に移動させるように構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記装着構造体は、
ゲルチューブを介してゲルエジェクタに接続されるゲルリザーバを収容するように構成される第4の収容空間と、
前記装着構造体によって保持され、前記ゲルエジェクタを前記アクセス空間の上方の変更可能な位置に保持するように構成されるゲルエジェクタ保持デバイスと、
を備え、
前記ゲルエジェクタ保持デバイスは、
第4の所定の事象時に引き込み位置から前記第1の伸長位置までの経路、
第2の所定の事象時に前記第1の伸長位置から第2の伸長位置までの経路であって、前記第2の伸長位置が前記アクセス空間により近い及び/又は前記第1の伸長位置の下方にある、経路、及び
第5の所定の事象時に前記第1又は第2の伸長位置から前記引き込み位置までの経路、
のうちの少なくとも1つの経路で前記ゲルエジェクタを移動させるように構成される、請求項1から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1~第5の所定の事象のうちの少なくとも1つは、
ユーザコマンド、
センサ信号、
とりわけ、予め規定された及び/又はカスタマイズ可能な医療ワークフローアルゴリズム、及び人工知能アルゴリズム、を含む、アルゴリズムによってトリガされるコマンド
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の所定の事象は、
ユーザが前記医療機器又は前記エジェクタに触れたことを示す前記医療機器又は前記エジェクタのセンサからのセンサ信号、及び
ユーザが前記医療機器又は前記エジェクタを前記第2の伸長位置に向けて引っ張ったことを示すセンサからのセンサ信号、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項16から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記第3の所定の事象は、
予め規定された及び/又はカスタマイズ可能な医療ワークフローの終わり、
現在の医療ワークフローを停止する又は現在のワークフローが他の医療機器で継続されることを示すユーザコマンド、及び
現在のワークフローが他の医療機器で継続されることを示すアルゴリズムによってトリガされるコマンド、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項17から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
現在のワークフローが他の医療機器で継続されるというコマンドを前記第3の所定の事象が含む場合、前記第1の医療機器は、前記第2の伸長位置から前記引き込み位置へと引き込まれ、第2の選択された医療機器は、前記第3の事象時に前記引き込み位置から前記第1の伸長位置まで伸長される、請求項17から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
医療機器と、
請求項1から22のいずれか一項に記載のシステムと、
を備える医療プラットフォーム。
【請求項24】
前記医療機器から受信される医療データを処理するように構成される処理ユニットを更に備え、及び/又は
前記処理ユニットは、医療ワークフローアルゴリズム及び/又は人工知能アルゴリズムを実行し、前記アルゴリズムのいずれかによってトリガされるコマンドを前記システムに送信するように構成され、前記コマンドは、前記第1、第2、第3、及び第4の所定の事象のうちの少なくとも1つを構成する、請求項23に記載の医療プラットフォーム。
【請求項25】
医療機器を提供するための方法であって、
前記医療機器によってアクセスされるべき対象物を配置できるアクセス空間に隣接して及び/又は該アクセス空間の少なくとも部分的に上方に装着構造体を配置するステップと、
前記装着構造体によって保持される保持デバイスを設けるステップと、
を含み、
前記保持デバイスは、前記アクセス空間の上方の変更可能な位置に前記医療機器を保持し、
前記保持デバイスは、前記医療機器が引き込み位置から第1の伸長位置に移動するように第1の所定の事象時に作動する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療機器を提供するためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、電力供給及び/又はデータ通信のためのケーブルを備える、例えば超音波検査プローブなどの電気及び/又は電子医療機器に関する。医療機器は、医療処置及び/又は医療検査を可能にし得る。
【背景技術】
【0002】
医療処置又は検査は、医療機器によって支援又は達成されることが多い。そのような機器は、例えば、医療処置中に電力を熱又は他のエネルギーに変換するために電気的であってもよく、及び/又は、例えば検査中にデータを収集する及び/又は機器を制御するために電子的であってもよい。この目的のために、医療機器は、場合によっては、電力供給及び/又はデータ通信のためのケーブルを備える場合がある。したがって、ケーブルは、医療機器を外部機器、例えば電源ユニット及び/又は処理ユニットに接続する。
【0003】
医療機器の典型的なユーザは、医師、獣医、及び放射線科医などの医療専門家、例えば超音波検査技師である。超音波検査技師は、一般に、画像を作成することによって又は測定及び/又は試験を行うことによって人体を検査するために特別な撮像器具の形態の医療機器を操作する。
【0004】
専用の撮像器具の一例は、超音波撮像システムである。他の例としては、マンモグラフィ、断層撮影又はMRIを使用する医療撮像システムが挙げられる。言い換えれば、医療検査は、コンピュータ実装撮像方法によって支援されることが多い。この目的のために、検査された身体又は媒体(例えば、石、動物、人体又はその一部)からの検査データが取得されて処理され、それを検査ユーザ又は医師や外科医などの他のユーザに提示する。
【0005】
例えば、超音波撮像は、少なくとも1つの超音波トランスデューサを備える超音波プローブによって送信される1つ以上の超音波パルス(又は波)による媒体の音波照射から成る。これらのパルスのエコーに応答して、例えば同じトランスデューサを使用することにより超音波信号データが取得される。
【0006】
従来の超音波プローブは、電源(すなわち、パルスを生成するための電源)及びデータ通信(すなわち、エコーを超音波処理ユニットに送信する)の両方のためのケーブルを備える。そのようなプローブは、受動的及びアナログと見なされる場合があり、すなわち、取得された信号を処理手段に単に送信することができるが、それ自体は(完全に又は部分的に)データを演算できないものと見なされる場合がある。
【0007】
これらの従来の超音波プローブは、高品質の画像生成を可能にするデータを取得することができるが、それらは幾つかの制限を意味する。特に、必要なプローブケーブルは、アナログ超音波信号を介したデータ通信を可能にするために、例えば5mm又は15mmの最小厚さを有する。これは、特に重いケーブルをもたらす。他の結果は、ケーブルを任意に巻くことはできず、ケーブル材料の剛性の増大にも起因してケーブルの曲げ能力が制限されることである。他の欠点は、ケーブルにおける信号減衰又は他の効果に起因してケーブルの最大長さが制限される場合があることである。更に他の問題は、そのようなケーブルを介した信号伝送が環境内の電磁放射によって妨害される場合があることである。これは、ケーブルが保持されておらず、したがって電磁放射を発生させる他の機器にケーブルが近接し得る場合に特に当てはまる場合がある。
【0008】
能動的かつデジタル的であると考えられ得る、いわゆる「インテリジェント」プローブが更に存在する。特に、このタイプのプローブは、取得された信号を処理して任意選択的にデジタル化するための独自の処理ユニットを備える。結果として得られるデータは、その後、無線通信手段(例えば、Bluetooth(登録商標)、又はWIFI)又はデータケーブル(例えば、電気配線又は光配線)を介して外部の処理ユニット及び/又は撮像ユニットに送信されてもよい。そのようなプローブは、バッテリ(例えば、充電式バッテリ)を備えることによってエネルギーが自律的であり得る。しかしながら、超音波技術によって必要とされる電力消費量の増大に起因して、プローブは、外部電源ユニットに接続された電源ケーブルの形態の外部電源も備える場合がある。したがって、電力供給及びデータ交換は、異なる(電力及びデータ)ケーブル及び/又は接続によって実現され得る。
【0009】
多くの医療機器の欠点は、それらの重量であり、場合によってはケーブルの重量でもある。これは、ユーザがデバイスで頻繁に、例えば1日に数時間作業する場合に特に重要である。患者の検査中、ユーザは、患者の身体の異なる部分にアクセスしなければならない場合があり、それによって機器を不自然な位置で保持する。特に、ユーザは、使用中に医療機器及びケーブルの少なくとも一部を保持する必要があり、これが重量及び不自然な保持位置に起因して筋骨格系の問題につながる可能性がある。場合によっては、ユーザは、使用中にケーブルを一方の肩の上に載せるが、これが非対称な物理的負荷をもたらしてユーザの移動の自由度を低下させる可能性がある。
【0010】
これは、地面の床付近及び/又は患者が位置する検査空間、すなわち関心領域の下方に位置される電源ユニット及び/又は処理ユニットにケーブルが接続される場合には、更に問題である。この場合、未使用の医療機器のためのホルダが下側領域に位置される場合もあり、それにより、ユーザは、プローブが使用されるたびにケーブルの少なくとも一部と共にプローブを持ち上げなければならない。持ち上げは、特に、プローブ及び/又はそのケーブルの重量に起因して、使用にとって面倒及び/又は不快となる場合がある。
【0011】
更なるリスクは、例えばケーブルが患者又はユーザの下方にあって地面の床に近いために、医療機器をユーザが誤って落とす場合があることである。ユーザが誤ってケーブルを踏み、それにより、例えば、医療機器が落下する場合がある。また、医療機器は、ある場所から別の場所に移動されると、ケーブル、プローブ、…を損傷する場合がある。その結果、ケーブル及び/又は医療機器が損傷する場合がある。
【0012】
超音波プローブを提供する又はプローブケーブルを収容するための様々な既知の技術が存在する。例えば、米国特許出願公開第2010152589号明細書には、複数のプローブケーブルを収容するレセプタクルハウジングを伴うプローブケーブル収容装置が記載されている。プローブケーブルのそれぞれは、その一端部が超音波診断システムに接続され、その反対側の端部に超音波プローブを有する。レセプタクルハウジングの内部は、仕切板によって仕切られ、複数のレセプタクルチャンバを形成する。プローブケーブルはレセプタクルチャンバ内に収容される。
【0013】
特開2004-049588号公報には、プローブケーブルが不要なときにプローブケーブルをほとんど露出させない超音波探触子用プローブケーブル格納デバイスが記載されている。この目的のために、プローブが診断に使用されるとき、オペレータはプローブケーブルを格納チャンバの外側に向かって引っ張る。ウェイトプーリが、プローブケーブルの移動により上方に引っ張られ、鉄片と磁石との間の磁力により上方位置に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010152589号明細書
【特許文献2】特開2004-049588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
現在、前述の問題を克服すること、特に、プローブ及び/又は(存在する場合)そのケーブルを(手動で)引っ張る又は持ち上げることからユーザを物理的に解放する、医療機器を提供するためのシステム及び方法を提供することが依然として望ましい。より詳細には、医療機器は、必要に応じて関心領域、すなわち、医療機器によってアクセスされるべき対象物(例えば、患者)を配置できるアクセス空間に自動的に提供又は排出されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本開示の実施形態によれば、医療機器を提供するためのシステムが提供される。前記システムは、
・医療機器によってアクセスされるべき対象物を配置できるアクセス空間に隣接して及び/又は該アクセス空間の少なくとも部分的に上方に配置される装着構造体と、
・装着構造体によって保持されるとともに、アクセス空間の上方の変更可能な位置に医療機器を保持するように構成される保持デバイスであって、第1の所定の事象時に医療機器が引き込み位置から第1の伸長位置に移動されるように構成される、保持デバイスと、
を備える。
【0017】
そのようなシステムを設けることにより、所望の関心領域(すなわち、アクセス空間の上方又はアクセス空間に近い領域)に医療機器を提供することが可能となる。これは、医療機器が必要とされるとき、すなわち第1の所定の事象時にシステムによって自動的に行われてもよい。
【0018】
言い換えれば、保持デバイスは、プローブが引き込み位置から第1の伸長位置に移動されるように、第1の所定の事象時に作動するように構成されてもよい。
【0019】
更に言い換えれば、システムは、保持デバイスを作動させて、第1の所定の事象時にプローブを引き込み位置から第1の伸長位置に移動させるように構成されてもよい。
【0020】
保持デバイスは、アクセス空間の上方で医療機器を保持するため、(例えば、医療機器を用いた検査、診断及び/又は治療のために)アクセスされるべき対象物に向かって医療機器に近づくために重力を使用することができる。言い換えれば、医療機器は、「ユーザの手で空中から落下する」と見なされ得る。したがって、ユーザは、プローブ及び/又はその任意選択的なケーブルを手動で引っ張ったり持ち上げたりすることから物理的に解放される。
【0021】
更なる結果として、医療機器は、常に保持デバイスによって保持されるため、落下したり、又はユーザによって誤って落下されたりする可能性はない。したがって、医療機器を誤って損傷させるリスクを大幅に低減することができる。
【0022】
第1の伸長位置は、アクセス空間により近くてもよく及び/又は引き込み位置の下方であってもよい。したがって、医療機器は、重力によって第1の伸長位置に向かって、したがってアクセス空間に向かって有利に移動することができる。
【0023】
医療機器は、電気医療機器及び/又は電子医療機器、検査プローブ、医療センサ、レーザデバイス、及び超音波検査プローブのうちの少なくとも1つを備えることができる。
【0024】
したがって、医療機器は、医療検査及び/又は診断のために構成された、又はこれに関連して使用されるべき(例えば、以下に記載されるような照明要素、ゲルエジェクタ及び/又は消毒ディスペンサのような医療用付属品を備える)電子プローブであってもよい。典型的なプローブは、超音波又はマンモグラフィ、断層撮影、MRI(磁気共鳴撮像)又は他の光学及び/又は音響技術のために構成されてもよい。また、医療機器は、任意の医療処置、特に電力供給及び/又は機器の電子制御を必要とする医療処置のために構成されてもよい。医療機器は、例えばレーザデバイスであってもよい。一例では、医療機器が化粧品用途のために構成されてもよい。
【0025】
保持デバイスは、
・医療機器が引き込み位置から伸長位置に移動されるように、第1の所定の事象時に医療機器のケーブルを引き出すように構成される医療機器ケーブルホルダ、
・医療機器を引き込み位置に保持するように構成されるタイホルダ及びタイであって、所定の第1の事象時に、タイをタイホルダによって引き出すことができ、それにより、医療機器が伸長位置に移動する、タイホルダ及びタイ、
・医療機器を引き込み位置に保持するように構成される電磁石であって、第1の所定の事象時に、医療機器が伸長位置に移動するように、電磁石がオフにされる、電磁石、及び
・医療機器を引き込み位置に保持するように構成されるロボットアームであって、第1の所定の事象時に、ロボットアームが医療機器を伸長位置に移動させる、ロボットアーム、
のうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0026】
したがって、医療機器は、例えば電力供給及び/又はデータ通信のためのケーブルを備えてもよい。前記ケーブルは、後述するように、外部ユニットに接続されてもよい。同時に、ケーブルを使用して、機器をその可動位置のいずれかに保持することができる。この目的のために、システムは、それぞれのケーブルホルダを備えることができる。例えば、ケーブルホルダは、機器を引き込み位置から伸長位置に移動させるために、ケーブルを引き出すように構成されてもよい。
【0027】
医療機器及びそのケーブルは、望ましくは常に、地面の床の上方に、すなわち、その想定し得る位置のいずれかに保持デバイスによって保持される。したがって、ユーザが誤ってケーブル又は機器を踏む可能性はない。したがって、医療機器及び/又はそのケーブルを誤って損傷するリスクを低減することができる。
【0028】
或いは、例えば、医療機器がケーブルを備えない場合(この場合でも)、医療機器は、機器をその可動位置のいずれかに保持するタイに取り付けられてもよい。
【0029】
装着構造体は、ケーブルを医療機器ケーブルホルダによって引き出すことができるように、医療機器ケーブルホルダ及び医療機器のケーブルを収容する、及び/又は医療機器の引き込み位置において装着構造体内にケーブルを隠すべく構成される第1の収容空間を備えてもよい。したがって、医療機器及びケーブルは、自己保護され得る、又は外部の影響から保護され得る。
【0030】
医療機器ケーブルホルダは、医療機器ケーブルを移動可能に支持する少なくとも1つのホイール及び/又はプーリを備えてもよい。
【0031】
また、ケーブルホルダは、ケーブルを例えば折り曲げた態様又は複数に折り曲げられた態様で(すなわち、ジグザグ形態で)配置するための複数のホイール/プーリを備えてもよい。言い換えれば、ケーブルは、ホイール/プーリの周りで折り曲げられてもよい。ホイール/プーリは、ホイール/プーリ間の距離が変更可能であるように、回転可能及び/又は横方向に移動可能であってもよい。
【0032】
ホイール/プーリは、第1の収容空間内の異なる位置及び/又は向きに、特に水平及び/又は垂直に配置されてもよい。
【0033】
ホイール及び/又はプーリは、ケーブルの所定の曲げ性パラメータの関数として規定される最小直径を有してもよく、曲げ性パラメータは、とりわけ、ケーブル厚さ、ケーブルタイプ、及びケーブル材料(特に、ケーブルに含まれるワイヤの材料)のうちの少なくとも1つを含む。
【0034】
例えば、ホイール/プーリは、ケーブル、特に従来の超音波プローブケーブルの最大曲げ性に関して、少なくとも6cmの直径を有してもよい。
【0035】
システムは、医療機器が第1の所定の事象時に引き込み位置から第1の伸長位置に移動されるように保持デバイスを作動させるべく構成されるアクチュエータを更に備えてもよい。
【0036】
そのようなアクチュエータは、自動移動を可能にすることができ、又は医療機器の(重力による)自動移動をトリガできるようにし得る。したがって、ユーザは、好適には、機器を手動で持ち上げたり引っ張ったりする必要がない。
【0037】
アクチュエータは、
・例えば伸長可能なシリンダの形態の液圧アクチュエータ、
・電子的及び/又は電気的に制御されるアクチュエータ、
・電気モータ、
・リニアモータ、及び
・例えば電磁石又は電磁パッドのような任意の他のタイプの電磁アクチュエータ(例えば、重力による自動移動をトリガできるようにする)
のうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0038】
医療機器は、データケーブルを介して、データケーブルにより医療機器から受信される医療データを処理する処理ユニットに接続されてもよく、装着構造体は、アクセス空間の上方に処理ユニットを収容するように構成される第2の収容空間を備える。
【0039】
このシナリオは、従来の超音波プローブが使用される場合に特に関心を引く。この場合、プローブケーブルは、すなわち、最大長さに制限されてもよい。しかしながら、処理ユニットをシステム内に収容することによって、前記最大長さは、ユーザがアクセス空間内の任意の位置にプローブを移動できるようにするのに依然として十分であり得る。
【0040】
医療機器が電源ケーブルを介して電源ユニットに接続されてもよく、電源ユニットは電源ケーブルを介して医療機器に給電し、電源ユニットは装着構造体内に収容される。
【0041】
電源ユニットは、例えば前述のようにインテリジェントプローブ(すなわち、信号データを処理する又は前処理する及び圧縮する)が使用される場合には、処理ユニットとは別個であってもよい。処理ユニットは、例えば他のボックス、部屋、又は建物内において、システムから離れていてもよく及び/又はシステムの外部にあってもよく、及び/又は幾つかの機器のための中央処理ユニットであってもよい。しかしながら、電源ユニットは、必要な電力供給を可能にするための医療機器又はシステムに近接していてもよい。
【0042】
ケーブルを接続するための処理ユニット及び/又は電源ユニットのコネクタは、好適には、ユーザにとって有利にアクセス可能であり得る(例えば、システムの開放した背面で又はポータルを介して)。これにより、例えばプローブを交換又は追加しなければならない場合に、プローブを容易に接続/切断することが可能になる。
【0043】
システムは、ユーザ又は外部処理ユニットからコマンドを受信するとともに、保持デバイス及び/又はアクチュエータに応答して、医療機器が引き込み位置から第1の伸長位置に移動されるように制御するべく構成される制御ユニットを更に備えてもよい。また、制御ユニットは、処理ユニット又は電源ユニットの一部であってもよい。
【0044】
医療機器は、電源ユニットとは別個の及び/又はシステムから離れた処理ユニットに医療データを無線で送信してもよい。
【0045】
このシナリオにおいて、医療機器は、前述したように、インテリジェントプローブであってもよい。言い換えれば、医療機器は、取得された信号を処理し、処理されたデータをデータケーブルを介して又は統合された無線通信手段を介して処理ユニットに送信するように構成されるプローブであってもよい。したがって、プローブと処理ユニットとの間の最大許容距離に関する制限はない。
【0046】
装着構造体は、医療機器をその引き込み位置及び/又はアクセス空間の上方に収容するように構成される第3の収容空間を備えてもよい。したがって、第3の収容空間は、医療機器がアクセス空間全体に到達することができるように、アクセス空間の上方の中央に配置されてもよい。
【0047】
第3の収容空間は、以下の機能、すなわち、
・(例えば、紫外線波及び/又は消毒液及び/又は洗浄液を使用して)医療機器を消毒及び/又は洗浄する機能、
・医療機器(例えば、少なくとも1つのカメラ)を走査するために少なくとも1つのスキャナを使用して試験及び状態制御する機能、及び
・医療機器を外部の影響から保護する(任意選択的に、システムの輸送中に、少なくとも1つの部屋から別の部屋へ、又は生産現場から病院への保護を含む)機能、
のうちの少なくとも1つのために構成されるメンテナンスデバイスを備えてもよい。
【0048】
第1及び第3の収容空間を介した第2の収容空間とアクセス空間との間の距離は、医療機器ケーブル(もしあれば)の最大長さの関数として規定される距離閾値未満であってもよい。
【0049】
したがって、システムの構成は、制限された最大長さを伴う医療機器の使用を可能にする。前記最大長さ、したがって前記距離は、例えば約2mであってもよい。そのような制限された最大長さは、幾つかの理由で有利であり得る。すなわち、ケーブルはかなり高価であるため、医療システムの価格を下げることができる。更に、ケーブルが長くなればなるほど、電圧降下が大きくなり、電力供給を過大にする(信号を生成するパルサも、これらの場合により高い電圧に耐えなければならないため、複雑になることが多い)。したがって、ケーブル内の信号減衰が増大する場合がある。更に、ケーブル長が長くなると、処理ユニットのプローブ又は電子部品を破壊する可能性がある共振現象のリスクがある。したがって、ケーブル長は、電子的制約によって制限される。しかしながら、ユーザの移動の必要な自由度に起因して、最小ケーブル長さが必要とされる。その結果、最適な長さが約2m、又は少なくとも1.5m~3mの範囲であることが分かった。
【0050】
システムは、複数の医療機器を提供するように構成されてもよく、それぞれの複数の保持デバイスを備えてもよい。
【0051】
各保持デバイスは、装着構造体によって保持され、アクセス空間の上方の変更可能な位置に医療機器を保持するように構成されてもよい。
【0052】
システムは、複数の医療機器の中で第1の保持デバイスを作動させて、第1の所定の事象時にそれぞれの第1の医療機器を引き込み位置から第1の伸長位置に移動させるように構成される。
【0053】
したがって、第1の所定の事象は、医療機器の移動をトリガするだけではない。第1の所定の事象は、幾つかの医療機器の中から特定の機器の選択をトリガすることもできる。したがって、ユーザは、快適な位置で医療機器を自動的に受けることができるだけでなく、適切な医療機器の選択から解放されることもできるため、自動化のレベルを高めることができる。言い換えれば、システムは、医療機器を自動的に分配するように構成されてもよい。したがって、システムは、医療検査又は治療の任意の状況において、この文脈に基づいて適切な医療機器を提供することができる。例えば、文脈は、現在の医療ワークフローを構成することができる。以下でも説明するように、システムは、とりわけ、予め規定された及び/又はカスタマイズ可能な医療ワークフローアルゴリズム、及び人工知能アルゴリズムを含むアルゴリズムに基づいて特定の医療機器を選択するように構成され得る。
【0054】
保持デバイスは、第2の所定の事象時に医療機器を第1の伸長位置から第2の伸長位置に移動させるように構成されてもよい。第2の伸長位置は、アクセス空間により近く、及び/又は第1の伸長位置より下方にあってもよい。
【0055】
したがって、保持デバイスは、医療機器を少なくとも3つの異なる位置、すなわち、
・医療機器のメンテナンス及び/又は保護のための保持位置であって、医療機器がユーザによって到達できない又はほとんど到達できない、保持位置と、
・アクセス空間の上方の待機位置(患者がいる、又は患者がいると思われる場所の上方に、所定の安全距離をおいて)として理解され得る第1の伸長位置であって、ユーザが(自分の手で)医療機器に容易に到達することができる、第1の伸長位置と、
・検査空間の関数次元として規定される最小長さ(プラス、上から以外の他の方向から検査対象物にアクセスするための任意の量)にわたって医療機器が第1の伸長位置よりも伸長される第2の伸長位置と、
に移動させることができるように構成されてもよい。
【0056】
必要な検査アクセス範囲に応じて、ユーザが医療機器を益々(例えば、漸進的に/段階的に)伸長できるようにするために、幾つかの第2の伸長位置もあり得る。
【0057】
保持デバイスは、第3の所定の事象時に医療機器を第1又は第2の伸長位置から引き込み位置に移動させるように構成されてもよい。
【0058】
これは、例えば、医療機器の使用を示唆する処置が終了した場合、又は使用されるプロトコルが幾つかの医療機器を適時に使用することを示唆する場合に当てはまり得る。したがって、医療機器は、使用されないときに自動的に安全な引き込み位置に置かれ、及び/又は格納され得る。
【0059】
装着構造体は、ゲルチューブを介してゲルエジェクタ(例えば、ゲルピストル)に接続されるゲルリザーバを収容するように構成された第4の収容空間と、装着構造体によって保持されるとともにアクセス空間の上方の変更可能な位置にゲルエジェクタを保持するように構成されるゲルエジェクタ保持デバイスとを備えてもよい。
【0060】
ゲルエジェクタ保持デバイスは、
・第4の所定の事象時に引き込み位置から前記第1の伸長位置までの経路、
・第2の所定の事象時に第1の伸長位置から第2の伸長位置までの経路であって、第2の伸長位置がアクセス空間により近い及び/又は第1の伸長位置の下方にある、経路、及び
・第5の所定の事象時に第1又は第2の伸長位置から引き込み位置までの経路、
のうちの少なくとも1つの経路でゲルエジェクタを移動させるように構成されてもよい。
【0061】
したがって、ゲルエジェクタは、1つ以上の医療機器と同様の方法でシステムによって取り付けられて設けられてもよい。
【0062】
収容空間の番号付けは、いかなる順序又は配置にも限定されない。言い換えれば、第2、第3、及び第4の収容空間は、先行する番号の空間のいずれも必要としない。
【0063】
第1から第5の所定の事象のうちの少なくとも1つは、ユーザコマンド(例えば、音声認識システム、タッチスクリーン、ボタン、タブレット、スマートフォンなどによって受信される)、センサ信号、所定のプロトコル/ワークフローによってトリガされるコマンド、とりわけ、所定の及び/又はカスタマイズ可能な医療ワークフローアルゴリズム、及び人工知能アルゴリズムを含むアルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む。
【0064】
第2の所定の事象は、ユーザが医療機器又はエジェクタに触れたことを示す、医療機器又はエジェクタのセンサからのセンサ信号、及びユーザが医療機器又はエジェクタを第2の伸長位置に向かって引っ張ったことを示す、センサからのセンサ信号のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0065】
例えば、医療機器は、第1の所定の事象時に、患者の上方の所与の位置、すなわち第1の伸長位置に引き出されてもよい。次いで、ユーザは、医療機器にタッチすることができ、それによって、機器のタッチセンサがトリガされ、機器を第2の伸長位置に移動させることにつながる。また、ユーザが少なくとも所定の最小力で機器を1回引っ張り、それにより、機器の張力センサがトリガされ、これが機器を第2の伸長位置に移動させることにつながることも想定し得る。
【0066】
第3の所定の事象は、予め規定された及び/又はカスタマイズ可能な医療ワークフローの終わり、現在の医療ワークフローを停止する又は現在のワークフローが他の医療機器で継続されることを示すユーザコマンド、及び現在のワークフローが他の医療機器で継続されることを示すアルゴリズムによってトリガされるコマンドのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0067】
また、ユーザコマンドは、ペダル、タッチスクリーン、又はリモコンを介してユーザによってトリガされてもよい。或いは、任意の意図されたユーザコマンドを認識するためにAIアルゴリズムが使用されてもよい。このAIアルゴリズムは、例として、既知の医療ワークフロー及び/又は取得データ及び/又はビデオデータに基づいて事前に訓練されてもよい。
【0068】
現在のワークフローが他の医療機器で継続されるというコマンドを第3の所定の事象が含む場合、第1の医療機器は、第2の伸長位置から引き込み位置へと引き込まれてもよく、第2の選択された医療機器は、第3の事象時に引き込み位置から第1の伸長位置まで伸長される。
【0069】
第1の医療機器の引き込み及び第2の医療機器の伸長が同時に行われてもよい。
【0070】
本開示は、更に、医療機器を備える医療プラットフォーム、及び先行する請求項のうちのいずれか一項に記載のシステムに関する。
【0071】
医療プラットフォームは、医療機器から受信される医療データを処理するように構成される処理ユニットを更に備えてもよい。処理ユニットは、例えば、医療機器に接続可能であってもよく、及び/又は例えばケーブルを介して医療機器と関連付けられるように構成されてもよい。
【0072】
処理ユニットは、(例えば、予め規定された及び/又はカスタマイズ可能な)医療ワークフローアルゴリズム及び/又は人工知能アルゴリズムを実行し、アルゴリズムのいずれかによってトリガされるコマンドをシステムに送信するように構成されてもよい。
【0073】
コマンドは、第1、第2、第3、及び第4の所定の事象のうちの少なくとも1つを構成してもよい。
【0074】
医療プラットフォームは、他の前述の要素のいずれか、例えば医療機器のケーブルを更に備えてもよい。
【0075】
医療プラットフォームは、キーボード及び/又はタッチスクリーンのようなユーザインターフェースを更に備えてもよい。医療プラットフォームは、少なくとも1つのディスプレイ(任意選択的にタッチパッドなどのタッチ機能を有する)を更に備えてもよい。これらの機器は、装着構造体に連結され、取り付けられ、又は取り付け可能であってもよく、及び/又は装着構造体内へ引き込み可能であってもよい。
【0076】
したがって、医療プラットフォームは、図との関連で説明するように、医療システムと共に本開示に係るシステムを備えてもよい。
【0077】
本開示は、医療機器を提供するための方法に更に関連し、該方法は、
・医療機器によってアクセスされるべき対象物を配置できるアクセス空間に隣接して及び/又は該アクセス空間の少なくとも部分的に上方に装着構造体を配置するステップと、
・装着構造体によって保持される保持デバイスを設けるステップと、
を含み、
・保持デバイスは、アクセス空間の上方の変更可能な位置に医療機器を保持し、
・保持デバイスは、医療機器が引き込み位置から第1の伸長位置に移動するように第1の所定の事象時に作動する。
【0078】
方法は、前述のシステム特徴を備える更なる方法ステップを含んでもよい。
【0079】
本開示は、更に、データ処理システムによって実行されるときに本開示に係る方法をデータ処理システムに実行させる、コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムに関する。
【0080】
また、本開示は、コンピュータによって実行されるときに本開示に係る方法のステップを実行するための命令を含むコンピュータプログラムを記録した、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体にも関連し得る。
【0081】
本開示及びその実施形態は、人間、植物又は動物専用の医療機器だけでなく、金属片、砂利、小石などのような考慮されるべき任意の(非生物)材料との関連で使用されてもよい。
【0082】
他の点で矛盾しない限り、前述の要素と本明細書内の要素との組み合わせを行ってもよいことが意図される。
【0083】
前述の発明の概要及び以下の詳細な説明は、双方とも例示的且つ説明的なものにすぎず、例示を目的として提供されており、また、特許請求されるような本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【0084】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、例示を目的として提供されており、また本開示の実施形態を説明と共に示し、その原理を支持し、かつ例示する役割を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1】開示の実施形態に係るシステムの第1の典型的な実施形態を示す。
図2a】本開示の実施形態に係る構成におけるシステムの第2の典型的な実施形態を示す。
図2b】本開示の実施形態に係る構成における図2aとは異なるシステムの第2の典型的な実施形態を示す。
図3】開示の実施形態に係るシステムの第3の典型的な実施形態を示す。
図4】本開示の実施形態に係るシステムの第4の典型的な実施形態を示す。
図5a】本開示の実施形態に係る構成におけるシステムの第5の典型的な実施形態を示す。
図5b】本開示の実施形態に係る構成における図5aとは異なるシステムの第5の典型的な実施形態を示す。
図6a】本開示の実施形態に係るシステムの第6の典型的な実施形態を示す。
図6b】本開示の実施形態に係るシステムの第6の典型的な実施形態を示す。
図6c】本開示の実施形態に係るシステムの第6の典型的な実施形態を示す。
図6d】本開示の実施形態に係るシステムの第6の典型的な実施形態を示す。
図7a】本開示の実施形態に係るシステムの第7の典型的な実施形態を示す。
図7b】本開示の実施形態に係るシステムの第7の典型的な実施形態を示す。
図8a】本開示の実施形態に係るシステムの第8の典型的な実施形態を示す。
図8b】本開示の実施形態に係るシステムの第8の典型的な実施形態を示す。
図8c】本開示の実施形態に係るシステムの第8の典型的な実施形態を示す。
図8d】本開示の実施形態に係るシステムの第8の典型的な実施形態を示す。
図9a】本開示の実施形態に係る構成におけるシステムの第9の典型的な実施形態を示す。
図9b】本開示の実施形態に係る構成における図9aとは異なるシステムの第9の典型的な実施形態を示す。
図10a】本開示の実施形態に係る構成におけるシステムの第10の典型的な実施形態を示す。
図10b】本開示の実施形態に係る構成における図10aとは異なるシステムの第10の典型的な実施形態を示す。
図11a】本開示の実施形態に係るシステムの第11の典型的な実施形態を示す。
図11b】本開示の実施形態に係るシステムの第11の典型的な実施形態を示す。
図11c】本開示の実施形態に係るシステムの第11の典型的な実施形態を示す。
図11d】本開示の実施形態に係るシステムの第11の典型的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
ここで、本開示の典型的な実施形態について詳細に言及し、それらの実施形態の例が添付図面に示される。便宜上、同じ参照符号は、図面全体を通して同じ又は同様の部分を指すために使用される。更に、特定の実施形態、例えば図1の実施形態との関連で説明される特徴は、異なって記載されない限り、適宜、他の実施形態のうちのいずれにも同様に当てはまる。
【0087】
図1は、本開示の実施形態に係るシステムの第1の典型的な実施形態を示す。システム100は、医療機器3を提供するように構成される。前記システムは、医療機器によってアクセスされるべき対象物が配置され得るアクセス空間70に隣接して及び/又はアクセス空間70の少なくとも部分的に上方に配置された装着構造体1を備える。システムは、装着構造体1によって保持されるとともに、アクセス空間の上方の変更可能な位置に医療機器3を保持するように構成された保持デバイス2を更に備える。保持デバイス2は、第1の所定の事象時に医療機器3が引き込み位置から第1の伸長位置に移動するように構成される。
【0088】
この例では、システムは、2つの医療機器3を提供するように構成され、一方の医療機器3が伸長位置にあり、他方の医療機器3が引き込み位置にあるように概略的に示されている。しかしながら、システムはまた、1つの医療機器のみ、又は2つ以上、例えば2つ、4つ、又は6つの医療機器を提供してもよい。以下の説明では、システムは、単一の医療機器に関連して説明される。したがって、記載された特徴は、既存の医療機器の数に応じて複数存在し得る。
【0089】
保持構造体1は、保持デバイス2がアクセス空間の上方の変更可能な位置に医療機器を保持することができるように、特に(例えば、地面の床から)垂直方向に延在してもよい。言い換えれば、構造体1は、垂直延在部1aを備えてもよい。一例では、保持構造体1は、実質的にL字形を有し、Lは上下逆である。換言すれば、保持構造体は、その上部に水平分岐部、すなわち水平延在部1cを有することができる。別の例では、図1に示すように、構造体1は実質的にC型を有してもよい。言い換えれば、構造体は、拡大された基部1bを更に有してもよい。この例では、構造体を安定化させるために、構造体はその底部側で水平方向に更に延在する。構造体1、特にその基部は、地面の床の上に立つように構成されてもよい。基部はまた、医療機器によってアクセス可能になる対象物(例えば、患者)を着座又は配置するためのシート又はストレッチャーを設けるのに役立ち得る。構造体の高さは、例えば200cmであってもよい。
【0090】
保持構造体は、特に中空であってもよく、その内部に医療システムの少なくとも幾つかの要素を収容するように構成される1つ以上の収容空間を有してもよい。前記医療システムは、例えば、医療機器3と、医療機器の任意選択的なケーブル4と、任意選択的な処理及び/又は電源ユニット50とを備えることができる。好適には、保持構造体は、ケーブル4及び/又は医療機器2を内側から外側に通すように構成された開口30をアクセス空間70の上方に有する。開口は、図11a~図11dとの関連で説明するように、閉鎖可能なドアを有することができる。
【0091】
処理及び/又は電源ユニット50は、構造体の内部の異なる位置(すなわち、本開示に係る装着構造体の第2の収容空間内に配置される)、構造体に隣接して、又は遠隔的/外部に配置されてもよい。図1の本実施例では、処理及び/又は電源ユニット50は、中空柱(例えば、円筒形又は矩形断面を有する)を形成することができる垂直延在部1a内に配置される。したがって、ケーブル4は、ユニット50から開口30に向かって構造体の内部で延びている。
【0092】
医療機器3は、医療検査及び/又は診断のために構成された電子プローブ、例えば超音波トランスデューサであってもよい。他の例では、医療機器3は、電気医療機器及び/又は電子医療機器、検査プローブ、及び超音波検査プローブであってもよい。更なる例では、医療機器3は、例えばレーザビームを放射する光学デバイスであってもよい。
【0093】
この例では、医療機器は、例えば電力供給及び/又はデータ通信のためのケーブル4を備える。前記ケーブルは、システム内に収容された別のユニット、ここでは処理ユニット50に接続されてもよい。同時に、ケーブルを使用して、機器をその可動位置のいずれかに保持することができる。
【0094】
この目的のために、システムは、ケーブルホルダ(本開示に係る装着構造体1の第1の収容空間内に、例えばその水平及び/又は垂直延在部内に配置される)の形態の保持デバイス2を備える。例えば、ケーブルホルダは、機器を引き込み位置から伸長位置に移動させるために、ケーブルを引き出すように構成されてもよい。ケーブルホルダ2は、医療機器ケーブルを移動可能に支持する少なくとも1つのホイール、ローラ、ドラム、及び/又はプーリを備えることができる。すなわち、ホイール2を回転させることにより、ケーブルを繰り出すことができる。
【0095】
システムは、望ましくは、医療機器及びそのケーブルが常に地面の床よりも上方で保持デバイスによって保持されるように、すなわち、任意の伸長位置においても保持デバイスによって保持されるように構成される。したがって、ユーザが誤ってケーブル又は機器を踏む可能性はない。したがって、医療機器又はそのケーブルを誤って損傷するリスクを低減することができる。
【0096】
或いは、例えば、医療機器がケーブルを備えない場合(この場合でも)、医療機器は、機器をその可動位置のいずれかに保持するタイ4aに取り付けられてもよい。したがって、医療システムは、前述のように、従来のプローブ又はインテリジェントプローブであってもよい。
【0097】
システムは、医療機器が移動可能であるように、保持デバイス2を作動させるべく構成されたアクチュエータ5を更に備えてもよい。そのようなアクチュエータは、一般に、自動的な移動を可能にすることができ、又は医療機器の(重力による)自動的な移動をトリガできるようにし得る。したがって、ユーザは、機器を手動で持ち上げたり引っ張ったりする、すなわち医療機器を物理的に移動させる必要はない。
【0098】
本例では、アクチュエータは、ホイール2を回転させることができる電気モータである。代替例では、アクチュエータは形状記憶合金を備えてもよい。特に、モータは、ホイールに一体化されてもよい。電気モータは、モータをホイールから切り離してホイールの自由な回転を可能にするためのクラッチを更に備えることができる。アクチュエータは、ケーブル6の形態の電源を有することができる。前記ケーブルは、ユニット50又は任意の他の電源ユニットに分岐されてもよい。アクチュエータはまた、バッテリを有し、無線で制御可能であることによって自律的であってもよい。システムは、システム及び/又は医療システムの動作のために構成された、すなわち任意の外部電源から独立したバッテリを備えることも可能である。その場合、そのようなバッテリは、アクチュエータの電源としても機能することができる。
【0099】
更に、この例では、ケーブル4は、構造体1の開口からホイール2を介して処理及び/又は電源ユニット50に向かって案内されてもよい。少なくとも1つの更なる回転可能なホイール又はプーリ7を使用して、ケーブル4を移動可能に案内することができる。構造体の垂直延在部1aでは、医療機器3がその伸長位置からその引き込み位置に移動するときに、ケーブルを引き下げるために、ウェイト8がケーブルに取り付けられてもよい。例えば、モータ5のクラッチを(本開示に係る第3の所定の事象時に)分離して、ケーブルをウェイト8への重力衝撃に起因して引き込むことができるようにし得る。したがって、この構造体は、医療機器3がその引き込み位置にあるときに(図1に概略的に示されているように)、ケーブル4を巻き取られた/ねじられた形態で収容することを可能にすることができる。システムは、以下で説明するように、ガイドされた態様でケーブル4を巻回するためのデバイスを備えることも可能である。前記デバイスは、構造体の垂直延在部及び/又はその水平延在部に配置されてもよい。
【0100】
保持デバイス2は、第2の所定の事象時に医療機器を第1の伸長位置から第2の伸長位置に移動させるように構成されてもよい。第2の伸長位置は、アクセス空間により近く、及び/又は第1の伸長位置より下方にあってもよい。したがって、保持デバイスは、医療機器を少なくとも3つの異なる位置、すなわち、
・医療機器を維持し、保護するための保持位置であって、医療機器がユーザによって到達できないか、又はほとんど到達できない、保持位置と、
・アクセス空間の上方(所定の安全距離を伴って患者の上方)の待機位置として理解することができる第1の伸長位置であって、ユーザが(自分の手で)医療機器に容易に到達することができる、第1の伸長位置と、
・検査空間70の関数次元として規定された最小長さ(プラス、上から以外の他の方向から検査対象物にアクセスするための任意の量)にわたって医療機器が第1の伸長位置よりも伸長された第2の伸長位置と、
に移動できるように構成されてもよい。
【0101】
以下では、典型的な医療システムについて説明する。システムは、患者の診断及び/又は治療のために構成することができる。システムは、特に、特殊な撮像機器、例えば超音波撮像システムを備えてもよい。他の例には、マンモグラフィ又は他の光学及び/又は音響技術を使用する医療撮像システムが含まれる。別の例では、患者の治療のために、システムは治療用途及び/又は美容用途のためのものであってもよく、例えばレーザデバイスの形態の医療機器を備えてもよい。
【0102】
医療システムは、処理及び/又は電源ユニット50、取得システム(例えば、トランスデューサ3の形態のプローブ)及び/又は視覚化システム(例えば、構造体1に取り付けられた1つ以上のディスプレイ)を備えることができる。
【0103】
典型的な一実施形態では、処理ユニット及び/又は視覚化システムは、例えばスマートフォン及び/又はタブレットが処理ユニット及び/又は視覚化システムを形成するとき、システム100の外部にある。プローブがインテリジェントプローブである場合、プローブは、インターネット、「クラウド」、4Gもしくは5Gプロトコル、WIFI、任意のローカルネットワーク、又は任意の他のデータ接点もしくはリモート接続を介して処理システムに接続可能であり得る。
【0104】
処理システム及び視覚化システムは、例えば、インターネット、「クラウド」、4Gもしくは5Gプロトコル、WIFI、任意のローカルネットワーク、又は任意の他のデータ接点もしくはリモート接続を介してリモート接続可能であることが更に想定し得る。
【0105】
処理ユニットは、例えば、任意選択的なバッファメモリ、任意選択的に中央処理システムにリンクされたメモリ(MEM)と通信する中央処理ユニット(CPU)及び/又はグラフィック処理ユニット(GPU)、及び任意選択的に、デジタル信号プロセッサ(DSP)を備えてもよい。
【0106】
プローブは、少なくとも1つの超音波トランスデューサ、例えば、パルスを送信して媒体(すなわち、組織)応答を受信するように構成された単一のトランスデューサを備えてもよい。また、複数のトランスデューサ及び/又はトランスデューサアレイを使用することも可能である。アレイは、媒体の二次元(2D)撮像を実行するように適合されてもよいが、アレイはまた、媒体の3D撮像を実行するように適合された二次元アレイであってもよい。トランスデューサアレイはまた、曲線に沿って整列した複数のトランスデューサを含む凸アレイであってもよい。パルスを送信して応答を受信するために同じトランスデューサが使用されてもよく、又は異なるトランスデューサが送信及び受信に使用されてもよい。
【0107】
処理及び/又は電源ユニット50又は外部処理ユニットは、保持デバイス2及び/又はアクチュエータ5をそれぞれトリガすることによって医療機器の動きを制御するように更に構成されてもよい。処理及び/又は電源ユニット50又は外部処理ユニットは、特に、例えばユーザインターフェース(例えば、上記のような)から外部コマンドを受信するように構成されてもよい。このようなコマンドは、前述の事象のいずれかを構成し得る。処理及び/又は電源ユニット50はまた、例えば処理ユニットで実行される医療ワークフローアルゴリズム又はAIアルゴリズムに基づいて、それ自体で事象のいずれかをトリガすることができる。
【0108】
図2a及び図2bは、本開示の実施形態に係る2つの異なる構成におけるシステムの第2の典型的な実施形態を示す。両方の構成は、異なる記載又は図示がある場合を除いて、図1の実施形態に実質的に対応する。
【0109】
図2aの典型的な構成では、医療機器3は、磁化可能要素、例えば金属パッドを備えている。したがって、デバイス3は、電磁石9(例えば、電磁パッド)の形態の保持デバイスに取り付け可能である。同時に、例えばステンレス鋼を含む磁化可能要素は、プローブを通る信号の取得及び伝達を妨げず、したがって撮像中にノイズを生成しない。前記電磁石は、処理ユニット及び/又は電源ユニットによって制御可能である。例えば、電磁石が停止している場合には、重力によって取り付けられた機器3が自動的に取り外される。この目的のために、電磁石は、好適には、例えば機器3のケーブルがある程度のマージンを有するように、構造体1の垂直延在部1aの上部領域(例えば、構造体表面又は構造体の内側)に配置される。したがって、機器3が取り外されると、機器3は下に移動し、構造体1の開口の下の空間70の中心に近づく。本実施形態では、医療機器3の引き込み位置が電磁石に取り付けられた状態に相当し、第1の伸長位置が取り外された状態に相当する。引き込み位置は、待機位置又は駐車位置とも呼ばれ得る。引き込み位置と第1の伸長位置との間で、ケーブルは、構造体の内外に移動されなくてもよい。
【0110】
図2aにおいて、ケーブルはまた、構造体3の内側にいくらかのマージンを有することができ、これにより、医療機器をその第1の伸長位置から第2の伸長位置まで(例えば、手動で又はモータによって引き出すことによって)更に伸長させることができる。
【0111】
処理及び/又は電源ユニット50は、構造体の垂直延在部にあってもよい。この場合、ケーブルは、この垂直延在部に、ケーブルを構造体の内側に戻すように付勢することができるウェイトを再び装備することができる。
【0112】
図2bの構成は、図2aの構成と実質的に同様である。しかしながら、医療機器のケーブルは、磁化可能要素10(例えば、金属リング)を更に備えてもよく、それぞれの磁石11は、磁石9の上方の構造体1、例えば構造体の垂直延在部1a及び/又はその上部水平延在部1cに配置されてもよい。これにより、医療機器3だけでなく、ケーブルも構造体に取り付けることができる。望ましくは、磁石11は、電磁石9から解放されるときに医療機器に加えられる重力によってケーブルを解放するような力を有する。磁石11はまた、例えば電磁石9の上方の垂直延在部1aに配置された電磁石を少なくとも部分的に備えてもよい。
【0113】
ユニット50は、構造体1の上部水平延在部に配置されてもよい。構造体の外側のケーブルの部分は、常に、アクセス空間70全体にアクセスすることを可能にする長さを有することができる。しかしながら、機器3の引き込み位置では、ケーブルは、ユーザ又は患者がアクセス空間にアクセスするのを妨げないように、磁石11を介して構造体に取り付けられてもよい。
【0114】
一般に、磁石9及び11は電磁石であってもよく、従来の磁石であってもよい。後者の場合、ユーザは医療機器を手動で取り外すことができ、又は取り外しは、別のアクチュエータ、例えばケーブルを繰り出すことができる電動ホイールによってトリガされてもよい。
【0115】
図3は、本開示の実施形態に係るシステムの第3の典型的な実施形態を示す。この構成では、保持デバイスは、巻き戻しドラム(又はロール)2bの形態のホイールを備えることができる。更に、保持デバイスは巻き戻し渦巻きばね2aを備える。前記ばね2aは、ケーブル4を引き込む方向にロール2bを回転させるように付勢するべく構成されてもよい。したがって、前記ばね2aは、図1のケーブルのウェイト8に取って代わることができる。保持デバイスは、ロール2bの内側に配置されたクラッチを有する電動ローラ5aの形態のアクチュエータを更に備えてもよい。
【0116】
図4は、本開示の実施形態に係るシステムの第4の典型的な実施形態を示す。この構成では、保持デバイスは、ケーブルが構造体を出る構造体の開口内に又は開口に隣接して配置されたクランプデバイスであってもよい。クランプデバイスは、ケーブル4をクランプして移動させるように構成されてもよい。前記クランプデバイスは、例えば、横方向に移動可能で回転可能な2つのローラ2cによって実現することができる。例えば、これらのローラは、1つ以上の電気モータの形態のアクチュエータによって回転可能及び/又は横方向に移動可能であってもよい。それらはまた、更なる典型的なアクチュエータを構成する電磁石によって横方向に移動可能であってもよい。アクチュエータは、処理及び/又は電源ユニット50によって制御することができる。更に、ケーブルは、前述したように、ウェイト8を備えることができる。代替例では、クランプデバイスは、ローラ2cの代わりに、形状記憶合金要素を備えてもよく、形状記憶合金要素は、ケーブル4をクランプして解放することができるようにその形状を変化させるように構成される。
【0117】
したがって、ローラが回転し、同時にケーブルを締め付けると、それらはケーブルを構造体1から外に移動させることができ、その結果、医療機器はその引き込み位置から伸長位置に移動する。機器3を引き込むために、ローラ2cを横方向に移動させて(すなわち、矢印5bで示すように互いに分離される)ケーブルを解放することができる。結果として、ケーブルは、ウェイト8のために自動的に引き込まれ得る。
【0118】
図5a及び図5bは、本開示の実施形態に係る2つの異なる構成のシステムの第5の典型的な実施形態を示す。これらの構成では、保持デバイスは医療機器のケーブルを保持しない。代わりに、医療機器は、機器をその可動位置のいずれかに保持するタイ(又は電気ケーブル)4aに取り付けられる。
【0119】
したがって、保持デバイスは、前述のケーブルホルダの1つのような対応する要素を有することができる回転可能なタイホルダの形態である。
【0120】
医療機器のケーブル4は、この実施形態では、構造体の外側にあってもよい。それらのケーブルは、構造体1に取り付けられた1つ以上のケーブル案内要素12によって案内及び/又は保持され得る。しかし、ケーブルは、他の実施形態のいずれかに示すように、構造体の内側に配置されてもよい。
【0121】
一般に、任意の実施形態において、図5a及び図5bに典型的に示されるように、処理及び/又は電源ユニット50は、構造体1の上部領域、例えば、その垂直延在部1aの上部領域、又はその上部水平延在部1bに配置されてもよい。これは、ケーブル長が最大長さ(例えば、2m)に制限されている場合でも、アクセス空間70に対するユニット50の近接性により、アクセス空間70全体に医療機器3が到達できるという利点を有する。処理及び/又は電源ユニット50はまた、構造体1から少なくとも部分的に突出するか、又は構造体1の外側にあるように配置されてもよい。これは、例えば医療機器を交換又は追加しなければならない場合に、ユニット50のケーブルコネクタ(すなわち、ケーブルポート)にユーザが容易にアクセスすることができるという利点を有する。
【0122】
図6a~図6dは、本開示の実施形態に係るシステムの第6の典型的な実施形態を示す。この実施形態では、保持デバイス2は、医療機器のケーブルを引き出すように構成された医療機器ケーブルホルダの形態である。より具体的には、ケーブルホルダは、ケーブルを折り曲げて配置するための少なくとも1つのホイール/プーリを備える。例えば、処理及び/又は電源ユニット50におけるケーブルのコネクタ51は、ケーブルが構造体1を出る構造体1の開口30と共に片側にある。他方の側には、少なくとも1つのホイール/プーリが配置される。ホイール/プーリは、ホイール/プーリと他方の側との間の距離が変更可能であるように、回転可能かつ横方向に移動可能である。
【0123】
したがって、装着構造体1は、ケーブルを医療機器ケーブルホルダによって引き出すことができるように、医療機器ケーブルホルダ及び医療機器のケーブルを収容する、及び/又はケーブルを医療機器の引き込み位置で装着構造体内に隠すように構成される第1の収容空間を備える。図6a~図6cの例では、第1の収容空間は、構造体1の上部水平延在部に配置される。他の実施形態に示されているように、第1の収容空間はまた、構造体1の他の領域、例えば垂直延在部に配置されてもよい。
【0124】
図6aは、システムの上部の概略斜視側面図を示す。この例では、構造体1の上部水平延在部は、その底側が開口している。この領域に、ケーブルホルダ2が配置される。このとき、開口30(ケーブルが構造体1から出る側)は、上部水平延在部1cの底面側ではなく、正面側となる。したがって、医療機器3は、この前側から下方に延び、そのケーブルによって保持される。
【0125】
図6bは、システム100の実質的に同じ構成の側面図を示す。しかしながら、開口30は、例えばケーブルループ30a(図6cも参照されたい)としても機能することができる構造体要素によって、構造体1の上部水平延在部の底部側に配置される。ユニット50は、例えばコネクタ51が上部水平延在部の前側にあるように、構造体1の上部水平延在部に配置されてもよいことが更に示されている。したがって、コネクタ51は、構造体1の外側にある可能性があるため、ユーザが容易にアクセスすることができる。
【0126】
図6cは、図6cのシステム100の構成の底面図を示す。図示のように、ホイール/プーリは、医療機器3を伸長及び引き込むために、構造体1の上部水平延在部に沿って横方向に移動させることができる。ホイール/プーリは、テンションアイドラ2dであってもよい。
【0127】
図6dは、構造体1を有さないケーブルホルダを示す。前記ケーブルホルダは、構造体1の異なる位置、例えば構造体の表面又は構造体の内側に配置されてもよい。ケーブルホルダは、構造体の水平及び/又は垂直延在部内に又は構造体の水平及び/又は垂直延在部に配置されてもよい。図6dに示すように、ホイールは、ボールねじシャフト又はローラ移動ベルト15によって横移動方向に案内されてもよい。また、ホイールを左右に移動させるモータ5を設けてもよい。前記例では、ホイールは自由に回転可能であってもよい。モータ5の例は、ローラ移動ベルト15を移動させるための電気モータを含む。別の例では、モータ5はリニアモータを備えてもよい。リニアモータは、例えば、ホイールを備える磁気浮上列車を移動させることができる。この例では、固定子が軌道を構成し、回転子が列車に含まれてもよい。更なる代替形態では、モータ5を使用する代わりに、液圧アクチュエータを、例えば伸長可能なシリンダの形態で使用することができる。
【0128】
一般に、構造体は、処理ユニット50(図6bを参照されたい)に分離された電源ユニット60を収容することができる。前記電源ユニットは、例えば、構造体1の基部又は垂直延在部の下部に配置されてもよい。前記電源ユニット60は、ユニット50及び/又は医療機器3に電力を供給するように構成されてもよい。例えば、そのような場合、ユニット50はまた、医療機器を制御し、及び/又は医療機器3から受信したデータを処理する単なる処理ユニットであってもよい。
【0129】
図7a及び図7bは、本開示の実施形態に係るシステムの第7の典型的な実施形態を示す。この実施形態は、実質的に第6の実施形態に対応する。しかしながら、処理及び/又は電源ユニット50は、構造体の垂直延在部に配置される。或いは、処理及び/又は電源ユニット50は、垂直延在部に接続される側で水平延在部に配置されてもよい。
【0130】
ケーブルは、ジグザグ状に配置されてもよく、言い換えれば、多重に折り曲げられてもよい。ケーブルホルダは、例えば、ケーブルを配置するための複数のホイール/プーリを備える。少なくとも1つのホイール/プーリは、ホイール/プーリ間の距離が変更可能であるように、回転可能及び/又は横方向に移動可能であってもよい。ホイール/プーリのうちの1つ、特に水平延在部の前側又はその近くに配置されたものを、別の要素、例えばケーブルループに置き換えることも可能である。前記更なる要素(又はそれぞれのホイール)は、横方向に移動可能でなくてもよく、任意選択的に回転可能であるのみであってもよい。
【0131】
一般に、ケーブルがケーブルホルダによって折り曲げられるとき、使用されるホイール及び/又はプーリは、望ましくは、ケーブルの所定の曲げ性パラメータの関数として規定される最小直径を有する。このケースは、特に、前述したように、従来の超音波プローブの超音波ケーブルに当てはまる。例えば、ホイール/プーリは、ケーブルの最大曲げ性に関して、少なくとも6cmの直径を有することができる。
【0132】
図8a~図8dは、本開示の実施形態に係るシステムの第8の典型的な実施形態を示す。この実施形態では、保持デバイスは、医療機器を可動位置に保持するように構成されたロボットアームを備えてもよい。ロボットアームは、この目的のために伸長可能である。ロボットアームは、構造体の水平延在部の底部側からアクセス空間に向かって下方に、主に垂直方向に配置される。例えば、ロボットアームは、伸長可能なシリンダ(特に図8c及び図8dを参照されたい)であってもよい。ロボットアームは、アクチュエータ、例えば液圧アクチュエータによって動かすことができる。その底面に、ロボットアームは、医療機器用の1つ以上のホルダを備えることができる。したがって、ロボットアームが伸長されると、ホルダ内に配置された医療機器は、その第1の伸長位置まで伸長される。次いで、ユーザは、医療機器を把持し(図8cを参照されたい)、それをその第2の伸長位置まで更に伸長させることができる。この目的のために、医療機器のケーブル又はタイは、前述したように、構造体1から更に伸長可能であってもよい。
【0133】
図9a及び図9bは、本開示の実施形態に係るシステムの第9の典型的な実施形態を示す。前記実施形態は、他の実施形態のいずれかに対応し得る。更に、システムは、アクセス空間を照明するように構成された照明要素14(例えばランプ)を備える。図9aに示す一構成では、照明要素14は、医療機器3と同様に、保持デバイスによって伸長可能に保持されてもよい。言い換えると、照明要素14の保持デバイスは、医療機器3を保持する前述の保持デバイス2のいずれかに対応することができる。したがって、必要に応じて、照明要素14を構造体1から延ばすことができる。これは、例えば、ユーザコマンド、医療ワークフローアルゴリズム、又は任意のAIアルゴリズムによってトリガされ得る。更なる例では、システムは光センサを備えることができ、センサの出力信号は、照明要素14の伸長及び作動をトリガするために使用される。
【0134】
図9bに示す一構成では、照明要素14は、構造体1によって、例えばその垂直延在部によって保持されてもよい。一般に、照明デバイスの代わりに、又はそれに加えて、システムは、医療検査及び/又は治療の画像及び/又はビデオを撮影するように構成されたカメラを備えてもよい。
【0135】
図10a及び図10bは、本開示の実施形態に係るシステムの第10の典型的な実施形態を示す。前記実施形態は、他の実施形態のいずれかに対応し得る。更に、システムは、装着構造体によって保持されてゲルチューブを介してアクセス空間の上方の変更可能な位置にゲルエジェクタ13を保持するように構成されたゲルエジェクタ保持デバイスを備える。したがって、ゲルエジェクタは、1つ以上の医療機器と同様の方法でシステムによって取り付けられ、伸長可能であり、設けられ得る。ゲルは、超音波プローブ3による検査中に患者の表面に塗布されるように意図されている。
【0136】
装着構造体は、ゲルチューブを介してゲルエジェクタ(例えば、ゲルピストル)に接続されたゲルリザーバ80を収容するように構成された第4の収容空間を含むことができる。ゲルリザーバは、ユニット50がリザーバ内のゲルによって冷却され、同時にゲルが加熱され得るように、処理及び/又は電源ユニット50に隣接して配置されてもよい。システムは、患者に提供されたゲルを例えば人体の体温に近い温度を有するように加熱するための追加の加熱デバイスを備えることも可能である。一例では、加熱デバイスは電気抵抗であってもよい。加熱デバイスは、ゲルリザーバ及び/又はゲルチューブ内のゲルを加熱するように構成されてもよい。更に、ゲルポンプを使用して、リザーバからゲルエジェクタにゲルを輸送することができる。
【0137】
ゲルエジェクタの保持デバイス2は、医療機器3を保持する前述の保持デバイス2のいずれかに対応し得る。特に、渦巻きばね2aを巻き戻すことを含むことができる。前記ばね2aは、ケーブル4を引き込む方向にロール2bを回転させるように構成されてもよい。これに加えて又は代えて、ケーブルにはウェイトが装備されてもよい。保持デバイス2は、ロール2bの内側に配置されたクラッチを有する電動ローラ5aの形態のアクチュエータを更に備えてもよい。保持デバイスはまた、巻き戻しロールの形態のホイールを備えてもよい。
【0138】
図10aに示す構成では、ゲルエジェクタは、例えば医療機器と同様に、上部水平延在部の底部側の開口を介して構造体1を出る。図10aの構成と主に同様である図10bに示す構成では、ゲルエジェクタは、構造体1の垂直延在部の開口を介して構造体1を出る。
【0139】
一般に、図10a及び図10bに示すように、構造体1の基部はまた、システムを例えばある部屋から別の部屋に容易に移動させることができるように、ホイールを有してもよい。更に、システムは、構造体1とは別に、患者を配置するためのテーブル又は任意の他の外部ベース又はストレッチャーを備えることができる。
【0140】
図11a~図11dは、本開示の実施形態に係るシステムの第11の典型的な実施形態を示す。前記実施形態は、他の実施形態のいずれかに対応し得る。更に、システムは、メンテナンスデバイスを備える構造体の第3の収容空間を備えることができる。
【0141】
図11aの構成では、第3の収容空間は洗浄ボックス20である。前記ボックスは、医療機器3をボックスから引き出すことができるようにするべく構成された閉鎖可能なドアを任意選択的に伴う開口を有することができる。医療機器は、その引き込み位置でボックスの内側にある。ボックスは、例えば、1つ以上のブラシ22の形態の洗浄システム21を更に有する。洗浄システムは、例えば、医療機器の引き込み後に医療機器を自動的に洗浄するために、処理ユニット50によって制御されてもよい。洗浄はまた、ユーザコマンドによって手動でトリガされてもよい。更に、例えば所定のシーケンス数に基づいて、必要な場合にのみ洗浄が実行されることが可能であり、又は、例えば、ボックス20は、洗浄が必要であるかどうかを測定するための1つ以上のセンサ(例えば、光学センサ)を備えることができる。ボックスは、幾つかの医療機器3を収容して洗浄するように構成されてもよい。
【0142】
図11bには、洗浄ボックスの異なる構成が示されている。ここで、ブラシの代わりに、又はブラシに加えて、1つ以上のノズルを設けて、ガス及び/又は液体(例えば、水及び/又は消毒剤)で医療機器3を洗浄することができる。したがって、ボックスはまた、ボックスから液体を排出するためのドレイン又はドレインポンプ17を備えることができる。
【0143】
前述の洗浄オプションに加えて、ボックスは、例えば紫外線波及び/又は消毒液を使用して医療機器を消毒する機能、少なくとも1つのスキャナを使用して医療機器を走査する試験及び状態制御機能、及び外部の影響から医療機器を保護する機能のうちの少なくとも1つのために構成されてもよい。
【0144】
図11b中、洗浄ボックスの更なる可能な構成が示されている。ボックスは、前述のメンテナンス機能の少なくとも一方を有する少なくとも1つのメンテナンス空間16を伴う回転可能なカルーセルの形態を有してもよい。医療機器及び/又はそのケーブルは、水平に延在するオーバーヘッドプローブカバー18を更に備えることができる。前記カバーはまた、例えば、医療機器3がその内部に配置されたときにメンテナンス空間16を閉じるように構成されてもよい。複数の医療機器が使用される場合、システムは、個別に開閉可能なそれぞれの複数のカバー18を備えることができる。代替例では、全ての医療機器に対して1つの中央カバーを備えることができる。
【0145】
カルーセルは回転可能であってもよい。したがって、カルーセルが回転できるようにするべくケーブルが引き込まれて、メンテナンス空間16内に医療機器が配置される。したがって、カルーセルは、引き込まれた医療機器の下方に開口を有する位置まで回転することができる。前記開口は、医療機器がその第1の伸長位置まで下方に移動することを可能にする。
【0146】
図11dの構成において、カルーセルのメンテナンス空間16又は別の周方向部分は、保護シースを提供するように構成された被覆デバイス19を備える。前記シースは、例えば、医療機器3のサイズに適合したバッグ形態を有してもよい。したがって、医療機器は、機器3が保護シースによって自動的に覆われるように、前記被覆デバイス19の中及び/又は中を移動することができる。このステップは、交差汚染を防止し、医療関連感染のリスクを低減するために、医療機器が処置ごとにカバーされるように、保護機器の使用ごとに行われ得る。被覆デバイス19はまた、使用済みの保護シースを医療機器から除去するように構成されてもよい。カルーセルは、それぞれ構成されたシース除去デバイスを有する別の周方向部分を備えることも可能である。或いは、保護コーブは、ユーザによって手動で取り外し可能であってもよい。
【0147】
特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、「~を含む(comprising a)」という用語が、特に明記しない限り「少なくとも1つを含む(comprising at least one)」と同義であると理解されるべきである。更に、特許請求の範囲を含む本明細書に記載されたあらゆる範囲が、特に明記しない限り、その1つ又は複数の最終値を含むものと理解されるべきである。記載されている要素の特定の値が、当業者に知られている許容製造公差又は産業公差内にあると理解されるべきであり、また「実質的に(substantially)」並びに/又は「およそ(approximately)」及び/もしくは「ほぼ(generally)」という用語を使用することにより、そのような許容公差内にあることを意味していると理解されるべきである。
【0148】
本明細書における本開示が特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態が、本開示の原理及び用途を単に例示したものにすぎないことを理解されたい。
【0149】
本明細書及び実施例が例示的なものとしてのみ考慮され、本開示の真の範囲が、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
図11c
図11d
【国際調査報告】