(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】自動遮断雄型ルアー・フィッティング
(51)【国際特許分類】
A61M 39/26 20060101AFI20240411BHJP
A61M 39/24 20060101ALI20240411BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A61M39/26
A61M39/24
A61M39/10 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023552188
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 US2022020427
(87)【国際公開番号】W WO2022212039
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラハン、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】オダ、トッド
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066JJ03
4C066JJ05
(57)【要約】
医療用コネクタは、外面と本体の内腔を画定する内面とを有する本体と、本体の近位端に画定された入口ポート及び本体の遠位端に画定された出口ポートとを含み得る。医療用コネクタは、常時閉スリットを有し、内腔内に配置され、本体の内面及び外面を通って医療用コネクタの外側に延出する、圧縮可能な弁部材をさらに含む。圧縮可能な弁部材は、医療用アクセス・デバイスへの本体の挿入時に半径方向内側に圧縮してスリットを開くように構成され、医療用アクセス・デバイスからの本体の分離時に半径方向外側に拡張してスリットを閉じるように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用コネクタであって、
外面及び内面を有する本体であって、前記内面が前記本体の内腔を画定している、本体と、
前記本体の近位端に画定された入口ポート、及び前記本体の遠位端に画定された出口ポートと、
常時閉スリットを有する圧縮可能な弁部材であって、前記内腔内に配置され、且つ前記本体の前記内面及び前記外面を通って前記医療用コネクタの外部に延出する圧縮可能な弁部材と
を有し、
前記圧縮可能な弁部材は、医療用アクセス・デバイスへの前記本体の挿入時に半径方向内方に圧縮して前記スリットを開くように構成され、また前記圧縮可能な弁部材は、前記医療用アクセス・デバイスからの前記本体の分離時に半径方向外方に拡張して前記スリットを閉じるように構成されている、医療用コネクタ。
【請求項2】
前記圧縮可能な弁部材は、前記医療用コネクタの前記外部に延出する外面を有する本体を有し、前記スリットは、前記圧縮可能な弁部材の前記本体を通る流路を画定する内面を有する、請求項1に記載の医療用コネクタ。
【請求項3】
前記圧縮可能な弁部材の前記本体は、近位端及び遠位端を有し、前記圧縮可能な弁部材の前記本体は、前記遠位端から前記近位端に向かって先細った形状を有する、請求項2に記載の医療用コネクタ。
【請求項4】
前記スリットは、前記圧縮可能な弁部材の前記本体の少なくとも一部を第1の弁セクション及び第2の弁セクションに区分し、前記医療用コネクタの前記本体が前記医療用アクセス・デバイスに挿入されたとき、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに離れるように付勢されて前記スリットを開く、請求項2に記載の医療用コネクタ。
【請求項5】
前記圧縮可能な弁部材の前記本体の前記外面は、前記医療用アクセス・デバイスの内面によって半径方向内方に圧縮され、それにより前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションを互いに離すように付勢して前記スリットを開く、請求項4に記載の医療用コネクタ。
【請求項6】
前記医療用コネクタの前記本体が前記医療用アクセス・デバイスから取り外され又は分離されたとき、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに向かって付勢されて前記スリットを閉じる、請求項4に記載の医療用コネクタ。
【請求項7】
前記圧縮可能な弁部材の前記本体の前記外面は、前記医療用コネクタの前記本体が前記医療用アクセス・デバイスの内面から取り外され又は分離されたとき、半径方向外方に拡張され、それにより前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションを互いに向けて付勢してスリットを閉じる、請求項6に記載の医療用コネクタ。
【請求項8】
前記圧縮可能な弁部材は、エラストマー材料を有する、請求項1に記載の医療用コネクタ。
【請求項9】
前記エラストマー材料は、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを有する、請求項8に記載の医療用コネクタ。
【請求項10】
前記圧縮可能な弁部材は、ダックビルバルブを有する、請求項1に記載の医療用コネクタ。
【請求項11】
医療用コネクタを組み立てる方法であって、
外面及び内面を有するコネクタ本体であって、前記内面が前記コネクタ本体の内腔を画定しているコネクタ本体を提供するステップと、
前記内腔内に、常時閉スリットを有する圧縮可能な弁部材を位置決めするステップであって、それにより前記圧縮可能な弁部材の外面が前記コネクタ本体の前記内面及び前記外面を通って前記医療用コネクタの外部に延出する、ステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記コネクタ本体を提供するステップは、前記コネクタ本体の近位端に入口ポートを形成すること及び前記コネクタ本体の遠位端に出口ポートを形成すること、並びに前記入口ポートと前記出口ポートの間に流体経路を画定するように前記入口ポートから前記出口ポートに前記内腔を延在させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コネクタ本体を提供するステップは、国際標準化機構(ISO)規格に準拠するように前記コネクタ本体の前記外面の幾何学形状を形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮可能な弁部材を位置決めするステップは、エラストマー材料から形成された圧縮可能な弁部材を前記内腔内に位置決めすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記圧縮可能な弁部材を位置決めするステップは、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせから形成された圧縮可能な弁部材を前記内腔内に位置決めすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
外面及び内面を有する雌型ルアーであって、前記内面が前記雌型ルアーの内腔を画定する、雌型ルアーと、
前記雌型ルアーの前記内腔内に取り外し可能に少なくとも部分的に配置される雄型ルアーと
を有するコネクタ組立体であって、
前記雄型ルアーは、
外面及び内面を有する本体であって、前記内面が前記本体の内腔を画定する、本体と、
前記内腔内に配置され、前記本体の前記内面及び前記外面を通って延出する圧縮可能な弁部材であって、外面、及びスリットを有する内面を有する圧縮可能な弁部材と
を有し、
前記雄型ルアーが前記雌型ルアー内に配置されたとき、前記雌型ルアーの前記内面は、前記圧縮可能な弁部材の前記外面の少なくとも一部を圧縮して前記スリットを開き、また
前記雌型ルアーから取り外されると、前記圧縮可能な弁部材は、半径方向外方に拡張して前記スリットを閉じる、コネクタ組立体。
【請求項17】
前記スリットは、前記圧縮可能な弁の少なくとも一部を第1の弁セクション及び第2の弁セクションに区分し、前記雄型ルアーの前記本体が前記雌型ルアーに挿入されたとき、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに離れるように付勢されて前記スリットを開く、請求項16に記載のコネクタ組立体。
【請求項18】
前記雄型ルアーの前記本体が前記雌型ルアーから取り外され又は分離されたとき、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに向かって付勢されて前記スリットを閉じる、請求項17に記載のコネクタ組立体。
【請求項19】
前記圧縮可能な弁部材は、エラストマー材料を有する、請求項16に記載のコネクタ組立体。
【請求項20】
前記エラストマー材料は、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを有する、請求項19に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年3月30日に出願された米国特許仮出願第63/168,177号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、医療用流体コネクタに関し、詳細には、医療用アクセス・デバイスから分離されると流体経路を閉じるように設計されている自動遮断雄型ルアー・フィッティングに関する。
【背景技術】
【0003】
医療用接続部は、静脈内流体ライン、血液アクセス、血液透析、腹膜透析、経腸栄養法、薬剤バイアル・アクセスなどとの接続に用いられるもののような流体送達システムにおいて広く使用されている。
【0004】
従来の医療用コネクタは、特に、コネクタが流体でプライミングされるとき分離したときに、薬剤がコネクタの内部に残存している又は滴り落ちる可能性により、医療提供者が接続又は分離時に細心の注意を払うことを必要とする。医療提供者はまた、自由流れ漏出状態を防ぐためにすべてのクランプを物理的に確実に閉じなければならない。雌型コネクタによっては、分離時にコネクタのスロート内の流体を表面に押し出すように設計されているものもある。これは、拭き取り可能な表面を提供する無菌コネクタには望ましいが、分離時に流体がデバイスから滴り落ちることになる可能性がある。他のコネクタでは、隔壁を有する膜を使用するものもあるが、これもまた流体がコネクタから漏れてしまう可能性がある。
【0005】
背景技術のセクションに提示される記載は、単に背景技術のセクションにおいて述べられている又はそれに関連付けられているという理由から、従来技術であるものとみなされるべきではない。背景技術のセクションは、主題の技術の1つ又は複数の態様を記載する情報を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の医療用コネクタとともに使用する標準化された接続部を有し、また接続又は分離時に滴りを最小限にするか又はなくす、医療用流体のためのコネクタが必要とされている。また、臨床医が自由流れ漏出状態を防ぐのにすべてのクランプを物理的に閉じる必要なく簡単に分離することを可能にする、自動遮断雄型ルアーコネクタが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の様々な実施例によれば、医療用コネクタは、外面と本体の内腔を画定する内面とを有する本体と、本体の近位端に画定された入口ポート及び本体の遠位端に画定された出口ポートと、圧縮可能な弁部材とを含み得る。圧縮可能な弁部材は、常時閉スリットを有し、内腔内に配置され、本体の内面及び外面を通って医療用コネクタの外側に延出し得る。圧縮可能な弁部材は、医療用アクセス・デバイスへの本体の挿入時に半径方向内側に圧縮してスリットを開くように構成され得る。圧縮可能な弁部材はさらに、医療用アクセス・デバイスからの本体の分離時に半径方向外側に拡張してスリットを閉じるように構成され得る。
【0008】
本開示の様々な実施例によれば、医療用コネクタを組み立てる方法は、外面とコネクタ本体の内腔を画定する内面とを有するコネクタ本体を用意することを有し得る。方法は、内腔内に、常時閉スリットを有する圧縮可能な弁部材を、圧縮可能な弁部材の外面がコネクタ本体の内面及び外面を通って医療用コネクタの外側に延出する状態で位置決めすることをさらに有し得る。
【0009】
本開示の様々な実施例によれば、コネクタ組立体は、外面と雌型ルアーの内腔を画定する内面とを有する雌型ルアーと、雌型ルアーの内腔内に取り外し可能に少なくとも部分的に配置される雄型ルアーとを含み得る。雄型ルアーは、外面と本体の内腔を画定する内面とを有する本体と、内腔内に配置され、本体の内面及び外面を通って延出する圧縮可能な弁部材とを含み得る。圧縮可能な弁部材は、外面とスリットを含む内面とを有し得る。雄型ルアーが雌型ルアー内に配置されると、雌型ルアーの内面は、圧縮可能な弁部材の外面の少なくとも一部を圧縮してスリットを開き得る。雌型ルアーからの取り外し時に、圧縮可能な弁部材は、半径方向外側に拡張してスリットを閉じ得る。
【0010】
主題の技術の他の構成は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかとなり、主題の技術の様々な構成は、例示として図示及び説明されることが理解される。理解されるように、主題の技術は、他の及び様々な構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、主題の技術の範囲からすべて逸脱することなく、様々な他の点で修正が可能である。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示としてみなされるべきであり、限定的とみなされるべきではない。
【0011】
添付の図は、実施例の特定の態様を例示するために含まれており、排他的な実施例とみなされるべきではない。開示される主題は、当業者に考えつくことになるように、また、本開示の利益を有するように、形態及び機能において、かなりの変更、代替、組み合わせ、及び均等物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示のいくつかの実施例による、流体送達のための雄型ルアー医療用コネクタの斜視図を示す。
【
図2A】本開示のいくつかの実施例による、弁部材が開位置にある雄型ルアー医療用コネクタの部分斜視図を示す。
【
図2B】本開示のいくつかの実施例による、
図2Aの雄型ルアー医療用コネクタの図の正面平面図を示す。
【
図3A】本開示のいくつかの実施例による、弁部材が閉位置にある雄型ルアー医療用コネクタの部分斜視図を示す。
【
図3B】本開示のいくつかの実施例による、
図3Aの雄型ルアー医療用コネクタの図の正面平面図を示す。
【
図4A】本開示のいくつかの実施例による、弁部材が開位置にある雄型ルアー医療用コネクタの部分断面図を示す。
【
図4B】本開示のいくつかの実施例による、弁部材が閉位置にある雄型ルアー医療用コネクタの部分断面図を示す。
【
図5A】圧縮可能な弁部材が医療用アクセス・デバイスと接続状態にある雄型ルアー医療用コネクタの断面図を示す。
【
図5B】圧縮可能な弁部材が医療用アクセス・デバイスと非接続状態にある雄型ルアー医療用コネクタの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記に記載されている詳細な説明は、主題の技術の様々な構成を記載しており、主題の技術が実践され得る唯一の構成を表すことを意図されていない。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供するための特定の詳細を含む。したがって、寸法は、非限定的な実例として特定の態様に関して提供され得る。しかしながら、主題の技術はこれらの特定の詳細なしに実践され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの場合において、よく知られている構造体及び構成要素は、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、ブロック図の形態で示されている。
【0014】
本開示は、主題の技術の実例を含み、添付の特許請求の範囲を限定しないことを理解されたい。ここで、主題の技術の様々な態様が、特定の、ただし非限定的な実例に従って開示される。本開示に記載される様々な実施例は、異なる方式及び変形形態において、所望の用途又は実施に従って実施され得る。
【0015】
本開示の様々な実施例は、医療用アクセス・デバイス、例えば雌型ルアー又は他の無針弁からの、医療用コネクタの予期しない又は不慮の分離から生じる流体漏れを最小限にする、医療用コネクタを提供することに関する。現存の医療用コネクタと同様に、本明細書において説明される開示の様々な実施例の医療用コネクタの雄型ルアー部分は、別の無針アクセス・デバイスの雌型ルアーに挿入されて、流体送達機構と患者との間に流体経路をつくり出すことができる。医療提供者又は患者に有害となりかねない医療用流体の滴り又は漏れを回避するために、本明細書において説明される様々な実施例の医療用コネクタは、別のアクセス・デバイスとの医療用コネクタ100の接続時に、又は、特に、それらデバイスの両方が流体でプライミングされている場合での別のアクセス・デバイスからの分離時に、流体の滴り又は漏れを最小限にする又はなくすように設計されている。
【0016】
本開示の様々な態様によれば、医療用コネクタの近位端は、IV流体バッグ、ポンプなどのような流体送達源又は流体送達デバイスに接続することができる入口ポートを含み得る。いくつかの実施例では、医療用コネクタは、国際標準化機構(ISO:International Organisation for Standardization)準拠であるとともに標準雌型ルアー又は無針アクセス・デバイスと相互作用する本体を有する雄型ルアー部分を有する雄型ルアーであり得る。さらに詳細に説明することになるように、本明細書において説明される様々な実施例の医療用コネクタは、常時閉スリットを含む圧縮可能な弁部材を含めることによって、従来の雄型ルアーとは異なり得る。圧縮可能な弁部材は、医療用コネクタの内腔内に配置され、本体の内面及び外面を通って医療用コネクタの外側に延出し得る。いくつかの実施例では、圧縮可能な弁部材は、医療用アクセス・デバイスへの本体の挿入時に半径方向内側に圧縮してスリットを開くように構成され得る。圧縮可能な弁部材は、医療用アクセス・デバイスからの本体の分離時に半径方向外側に拡張してスリットを閉じるように構成され得る。したがって、本明細書において説明される様々な実施例の医療用コネクタは有利には、医療用アクセス・デバイスから現存の医療用コネクタ(例えば、雄型ルアー)の分離時に生じる一般的な問題である医療用流体の滴り又は漏れを防ぎ得る。さらに有利には、本明細書において説明される様々な実施例の医療用コネクタの自動遮断は、臨床医が自由流れ漏出状態を防ぐのにすべてのクランプを物理的に閉じる必要なく簡単に分離することを可能にし得る。
【0017】
図1は、本開示のいくつかの実施例による、流体送達のための雄型ルアー医療用コネクタ100の斜視図を示す。示すように、医療用コネクタ100は、本体102を含み得る。本体102は、外面104と、本体102の内腔111を画定する内面109とを有し得る。コネクタ100は、本体102の近位端105に画定された入口ポート106及び本体102の遠位端107に画定された出口ポート108をさらに含み得る。入口ポート106は、IV流体バッグ、ポンプなどのような流体送達源又は流体送達デバイスに接続し得る。少なくとも
図5A及び
図5Bに関して下記でさらに詳細に説明することになるように、医療用コネクタ100の出口ポート108を含む遠位端107は、別の医療用アクセス・デバイスの雌型ルアーに挿入されて、流体送達源又は流体送達デバイスと患者との間に流体経路126をつくり出すことができる。いくつかの実施例では、内腔111は、入口ポート106及び出口ポート108と流体連通し、流体送達源又は流体送達デバイスと患者との間の流体経路の一部を形成する。
【0018】
いくつかの実施例では、入口ポート106は、他の医療用アクセス・デバイスの雄型ルアー部分を受け入れることができ、流体を流体経路126へ通すことを可能にする。したがって、コネクタ100の近位端105は、雌型ルアー部分の形態とすることができるか、又は、本明細書において説明される概念の範囲内にありつつ、任意の他のタイプの入口ポート、例えば、ボンド・ポケット又は他のコネクタの形態とすることができる。
【0019】
図2Aは、本開示のいくつかの実施例による、弁部材116が開位置にある雄型ルアー医療用コネクタ100の部分斜視図を示す。
図2Bは、本開示のいくつかの実施例による、
図2Aの雄型ルアー医療用コネクタ100の図の正面平面図を示す。
図3Aは、本開示のいくつかの実施例による、弁部材116が閉位置にある雄型ルアー医療用コネクタ100の部分斜視図を示す。
図3Bは、本開示のいくつかの実施例による、
図3Aの雄型ルアー医療用コネクタ100の図の正面平面図を示す。
【0020】
図2A~
図3Bを参照すると、コネクタ100は、内腔111内に配置された圧縮可能な弁部材116をさらに含み得る。
図2A及び
図2Bに示すように、圧縮可能な弁部材116は、本体102の内面109及び外面104を通って医療用コネクタ100の外側に延出し得る。いくつかの実施例では、圧縮可能な弁部材116は、エラストマー材料から形成されてもよく、又は他の場合ではエラストマー材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、エラストマー材料は、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0021】
図3A及び
図3Bにさらに示すように、圧縮可能な弁部材116は、流体送達源又は流体送達デバイスと患者との間の流体経路126を選択的に開閉するように構成され得る常時閉スリット112をさらに含み得る。特に、
図2A及び
図3Aに示すように、また、
図5及び
図5Bに関してさらに詳細に説明することになるように、圧縮可能な弁部材116は、医療用アクセス・デバイス150への本体102の挿入時に半径方向内側に圧縮してスリット112を開くように構成され得る。さらに、
図2B及び
図3Bに示すように、また、
図5A及び
図5Bに関してさらに詳細に説明することになるように、圧縮可能な弁部材116は、医療用アクセス・デバイス150からの本体102の分離時に半径方向外側に拡張してスリット112を閉じるように構成され得る。
【0022】
図4Aは、本開示のいくつかの実施例による、弁部材が開位置にある雄型ルアー医療用コネクタの部分断面図を示す。
図4Bは、本開示のいくつかの実施例による、弁部材が閉位置にある雄型ルアー医療用コネクタの部分断面図を示す。
図2A~
図3Bを引き続き参照しながら、
図4A及び
図4Bを参照すると、圧縮可能な弁部材116の外面110は、医療用コネクタ100の外側に延出し得る。圧縮可能な弁部材116は、スリット112が画定されている内面をさらに含み得る。示すように、スリット112は、圧縮可能な弁部材を通る流路の少なくとも一部を画定し得る。
【0023】
図5Aは、圧縮可能な弁部材が医療用アクセス・デバイスと接続状態にある雄型ルアー医療用コネクタの断面図を示す。
図5Bは、圧縮可能な弁部材が医療用アクセス・デバイスと分離状態にある雄型ルアー医療用コネクタの断面図を示す。本開示の様々な実施例によれば、圧縮可能な弁部材116は、近位端113及び遠位端115を有し得る。
図5A及び
図5Bに示すように、圧縮可能な弁部材の本体は、遠位端から近位端に向かって先細る形状を有し得る。例えば、いくつかの実施例では、圧縮可能な弁部材は、ダックビルバルブであってもよい。
【0024】
図3A~
図4Bを引き続き参照しながら、
図5A及び
図5Bを参照すると、スリット112は、圧縮可能な弁部材116の本体118の少なくとも一部を第1の弁セクション118A及び第2の弁セクション118Bに区分し得る。動作時、
図5Aに示すように、医療用コネクタ100の本体102が医療用アクセス・デバイス150に挿入されると、第1の弁セクション118A及び第2の弁セクション118Bが互いに離れるように付勢されてスリット112を開く。スリット112が開かれると、流体送達源又は流体送達デバイスと患者との間の流体経路126が開かれるため、医療用アクセス・デバイス150の内腔及び医療用コネクタ100の内腔111が流体連通される。
【0025】
特に、圧縮可能な弁部材116の外面110は、医療用コネクタ100の外側に延出し、本体102の外面よりも上に突出し得るため、医療用コネクタ100と医療用アクセス・デバイス150との係合状態において、弁部材116の外面110と医療用アクセス・デバイス150の内面127との接触により、医療用アクセス・デバイス150の内腔内に嵌めるように圧縮可能な弁部材116を半径方向内側に圧縮させる力がかけられる。弁部材116が圧縮されると、第1の弁セクション118A及び第2の弁セクション118Bは、
図3A及び
図4Aに示すように、互いに離れるように付勢されてスリット112を開く。
【0026】
医療用コネクタ100の本体102が医療用アクセス・デバイス150に挿入され続けるにつれ、第1の弁セクション118A及び第2の弁セクション118Bは、スリットが全開位置にあるとともにコネクタ100及び医療用アクセス・デバイス150を通る流体経路126の形成が完了するまで、互いに離れるように付勢され続ける。示す実施例では、コネクタ100及び医療用アクセス・デバイス150は、締まり嵌め又は圧入によってしっかりと取り付けられるものとして示されているが、本開示の様々な実施例は、前述の構成に限定されない。いくつかの実施例では、コネクタ100及び医療用アクセス・デバイス150は、コネクタ100及び医療用アクセス・デバイスにおける相補的なねじ山を用いてしっかりと取り付けられてもよい。
【0027】
分離時、
図5Bに示すように、コネクタ100を医療用アクセス・デバイス150から取り外すことにより、圧縮可能な弁部材116の外面110にかけられていた圧縮力が取り除かれ、それによって、圧縮可能な弁116がその元の非圧縮状態へ半径方向外側に拡張することが可能となる。特に、医療用コネクタ100の本体102が(
図5Bに示すように)医療用アクセス・デバイス150から取り外されるか又は分離されると、第1の弁セクション118A及び第2の弁セクション118Bは、(
図3B及び
図4Bに示すように)互いに向かって付勢されてスリット112を閉じる。スリット112が全閉位置にあると、コネクタ100及び医療用アクセス・デバイス150を通る流体経路126が閉じられ、それによって、コネクタ100と医療用アクセス・デバイス150との間の流体連通を阻止する。
【0028】
医療用アクセス・デバイス150は弁プラグ構成を有する雌型ルアーの形態で示されているのが、コネクタ100は、ベローズ型プラグを含む医療用アクセス・デバイス、隔壁を有するデバイス、又は、医療用コネクタ100の本体102などの標準化された雄型ルアーコネクタを受け入れるように設計された他の構成の、任意の標準雌型ルアーとともに機能する。
【0029】
本開示の様々な実施例によれば、コネクタ100を組み立てる方法は、外面104とコネクタ本体102の内腔111を画定する内面109とを有するコネクタ本体102を用意するステップを含み得る。方法は、内腔111内に、常時閉スリット112を有する圧縮可能な弁部材116を、圧縮可能な弁部材116の外面がコネクタ本体102の内面109及び外面104を通って医療用コネクタ100の外側に延出する状態で位置決めすることをさらに含み得る。いくつかの実施例では、コネクタ本体102を用意することは、本体の近位端に入口ポート106を形成するとともに本体の遠位端に出口ポート108を形成することと、入口ポートと出口ポートとの間に流体経路を画定するように入口ポート106から出口ポート108に内腔を延在させることと、をさらに含む。
【0030】
いくつかの実施例では、コネクタ本体の外面の幾何学形状は、国際標準化機構(ISO)規格に準拠するように形成されてもよい。
【0031】
本明細書において説明される様々な実施例の医療用コネクタ100は、常時閉スリットと、医療用コネクタ本体の内面及び外面を通って医療用コネクタの外側に延出する外面を有する本体と、を含む圧縮可能な弁部材を含めることによって、従来の雄型ルアーコネクタとは異なり得る。圧縮可能な弁部材は有利には、(i)医療用アクセス・デバイスへの本体の挿入時に半径方向内側に圧縮してスリットを開くように構成され得、(ii)医療用アクセス・デバイスからの本体の分離時に半径方向外側に拡張してスリットを閉じるように構成され得る。したがって、本明細書において説明される様々な実施例の医療用コネクタは有利には、医療用アクセス・デバイスから現存の医療用コネクタ(例えば、雄型ルアー)の分離時に生じる一般的な問題である医療用流体の滴り又は漏れを防ぐために、医療用アクセス・デバイスからの分離の際に流体経路を閉じ得る。さらに有利には、本明細書において説明される様々な実施例の医療用コネクタの自動遮断は、臨床医が自由流れ漏出状態を防ぐのにすべてのクランプを物理的に閉じる必要なく簡単に分離することを可能にし得る。
【0032】
本開示は、当業者がいずれも本明細書に記載された様々な構成を実践することを可能にするために提供される。本開示は、主題の技術の様々な実例を提供しており、主題の技術は、これらの実例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書において定義される包括的な原理は他の態様に適用され得る。
【0033】
主題の技術は例えば、以下に記載される様々な態様に従って例示される。主題の技術の態様の様々な実例は、便宜のために付番された条項(1、2、3等)として記載される。これらは実例として提示され、主題の技術を限定するものではない。従属条項のいずれも任意の組み合わせで組み合わされてもよく、それぞれの独立条項、例えば条項1又は条項5に入れられてもよいことに留意されたい。他の条項が同様にして提示され得る。
【0034】
条項1.医療用コネクタであって、外面と本体の内腔を画定する内面とを有する本体と、前記本体の近位端に画定された入口ポート及び前記本体の遠位端に画定された出口ポートと、常時閉スリットを有し、前記内腔内に配置され、前記本体の前記内面及び前記外面を通って前記医療用コネクタの外側に延出する、圧縮可能な弁部材と、を有し、前記圧縮可能な弁部材は、医療用アクセス・デバイスへの前記本体の挿入時に半径方向内側に圧縮して前記スリットを開くように構成され、前記圧縮可能な弁部材は、前記医療用アクセス・デバイスからの前記本体の分離時に半径方向外側に拡張して前記スリットを閉じるように構成される、医療用コネクタ。
【0035】
条項2.前記圧縮可能な弁部材は、前記医療用コネクタの前記外側に延出する外面を有する本体を有し、前記スリットは、前記圧縮可能な弁部材の前記本体を通る流路を画定する内面を有する、条項1に記載の医療用コネクタ。
【0036】
条項3.前記圧縮可能な弁部材の前記本体は、近位端及び遠位端を有し、前記圧縮可能な弁部材の前記本体は、前記遠位端から前記近位端に向かって先細る形状を有する、条項2に記載の医療用コネクタ。
【0037】
条項4.前記スリットは、前記圧縮可能な弁部材の前記本体の少なくとも一部を第1の弁セクション及び第2の弁セクションに区分し、前記医療用コネクタの前記本体が前記医療用アクセス・デバイスに挿入されると、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに離れるように付勢されて前記スリットを開く、条項2に記載の医療用コネクタ。
【0038】
条項5.前記圧縮可能な弁部材の前記本体の前記外面は、前記医療用アクセス・デバイスの内面によって半径方向内側に圧縮されて、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションを互いに離すように付勢するとともに前記スリットを開く、条項4に記載の医療用コネクタ。
【0039】
条項6.前記医療用コネクタの前記本体が前記医療用アクセス・デバイスから取り外されるか又は分離されると、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに向かって付勢されて前記スリットを閉じる、条項4に記載の医療用コネクタ。
【0040】
条項7.前記圧縮可能な弁部材の前記本体の前記外面は、前記医療用コネクタの前記本体が前記医療用アクセス・デバイスの内面から取り外されるか又は分離されると半径方向外側に拡張されて、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションを互いに向けて付勢するともにスリットを閉じる、条項6に記載の医療用コネクタ。
【0041】
条項8.前記圧縮可能な弁部材は、エラストマー材料を有する、条項1から7までのいずれか一項に記載の医療用コネクタ。
【0042】
条項9.前記エラストマー材料は、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを有する、条項8に記載の医療用コネクタ。
【0043】
条項10.前記圧縮可能な弁部材は、ダックビルバルブを有する、条項1から9までのいずれか一項に記載の医療用コネクタ。
【0044】
条項11.医療用コネクタを組み立てる方法であって、外面とコネクタ本体の内腔を画定する内面とを有するコネクタ本体を用意するステップと、前記内腔内に、常時閉スリットを有する圧縮可能な弁部材を、前記圧縮可能な弁部材の外面が前記コネクタ本体の前記内面及び前記外面を通って前記医療用コネクタの外側に延出する状態で位置決めするステップと、を有する方法。
【0045】
条項12.前記コネクタ本体を用意することは、前記コネクタ本体の近位端に入口ポートを形成するとともに前記コネクタ本体の遠位端に出口ポートを形成することと、前記入口ポートと前記出口ポートとの間に流体経路を画定するように前記入口ポートから前記出口ポートに前記内腔を延在させることと、をさらに有する、条項11に記載の方法。
【0046】
条項13.前記コネクタ本体を用意することは、国際標準化機構(ISO)規格に準拠するように前記コネクタ本体の前記外面の幾何学形状を形成することをさらに有する、条項11又は12に記載の方法。
【0047】
条項14.前記圧縮可能な弁部材を位置決めすることは、エラストマー材料から形成された圧縮可能な弁部材を前記内腔内に位置決めすることを有する、条項11から13までのいずれか一項に記載の方法。
【0048】
条項15.前記圧縮可能な弁部材を位置決めすることは、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせから形成された圧縮可能な弁部材を前記内腔内に位置決めすることを有する、条項14に記載の方法。
【0049】
条項16.外面と雌型ルアーの内腔を画定する内面とを有する雌型ルアーと、前記雌型ルアーの前記内腔内に取り外し可能に少なくとも部分的に配置される雄型ルアーと、を有するコネクタ組立体であって、前記雄型ルアーは、外面と本体の内腔を画定する内面とを有する本体と、前記内腔内に配置され、前記本体の前記内面及び前記外面を通って延出する圧縮可能な弁部材であって、外面とスリットを有する内面とを有する圧縮可能な弁部材と、を有し、前記雄型ルアーが前記雌型ルアー内に配置されると、前記雌型ルアーの前記内面は、前記圧縮可能な弁部材の前記外面の少なくとも一部を圧縮して前記スリットを開き、前記雌型ルアーからの取り外し時に、前記圧縮可能な弁部材は、半径方向外側に拡張して前記スリットを閉じる、コネクタ組立体。
【0050】
条項17.前記スリットは、前記圧縮可能な弁の少なくとも一部を第1の弁セクション及び第2の弁セクションに区分し、前記雄型ルアーの前記本体が前記雌型ルアーに挿入されると、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに離れるように付勢されて前記スリットを開く、条項16に記載のコネクタ組立体。
【0051】
条項18.前記雄型ルアーの前記本体が前記雌型ルアーから取り外されるか又は分離されると、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに向かって付勢されて前記スリットを閉じる、条項17に記載のコネクタ組立体。
【0052】
条項19.前記圧縮可能な弁部材は、エラストマー材料を有する、条項16から18までのいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【0053】
条項20.前記エラストマー材料は、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを有する、条項19に記載のコネクタ組立体。
【0054】
単数形の要素への言及は、具体的にそのように述べられていない限り、「1つ及びただ1つ」を意味するのではなく、「1つ又は複数」を意味することを意図されている。具体的にそうでないことが述べられていない限り、「いくつか」という用語は、1つ又は複数を指す。男性形の代名詞(例えば、彼の)は、女性及び中性(例えば、彼女の及びその)を含み、その逆もまた同様である。見出し及び小見出しがある場合、それらは単に便宜上使用されているにすぎず、本発明を限定しない。
【0055】
「例示的な」という語は、本明細書において「実例又は例示として役立つ」ことを意味するのに用いられる。本明細書において「例示的な」として記載される態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されない。一態様では、本明細書に記載された様々な代替の構成及び動作は、少なくとも等価であるとみなされてもよい。
【0056】
本明細書において使用されているように、一連の事項に続く「~の少なくとも1つ」という語句は、それら事項の任意のものを分離するための用語「又は」を伴う場合、列挙されたものの各事項ではなく、全体として列挙されたものを修飾する。「~の少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つの事項を選択する必要はなく、むしろ、この語句は、事項の任意の1つの少なくとも1つ、及び/又は事項の任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又は事項のそれぞれの少なくとも1つを含む意味を許容する。実例として、「A、B、又はCの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、或いは、A、B、及びCの任意の組み合わせを指すことができる。
【0057】
「態様」等の語句は、そのような態様が主題の技術に不可欠であることも、そのような態様が主題の技術のすべての構成に当てはまることも示唆しない。態様に関する開示は、すべての構成或いは1つ又は複数の構成に当てはまり得る。態様は、1つ又は複数の実例を提供し得る。態様等の語句は、1つ又は複数の態様を指すことがあり、その逆もまた同様である。「実施例」等の語句は、そのような実施例が主題の技術に不可欠であることも、そのような実施例が主題の技術のすべての構成に当てはまることも示唆しない。実施例に関する開示は、すべての実施例或いは1つ又は複数の実施例に当てはまり得る。実施例は、1つ又は複数の実例を提供し得る。実施例等の語句は、1つ又は複数の実施例を指すことがあり、その逆もまた同様である。「構成」等の語句は、そのような構成が主題の技術に不可欠であることも、そのような構成が主題の技術のすべての構成に当てはまることも示唆しない。構成に関する開示は、すべての構成、或いは1つ又は複数の構成に当てはまり得る。構成は、1つ又は複数の実例を提供し得る。構成等の語句は、1つ又は複数の構成を指すことがあり、その逆もまた同様である。
【0058】
一態様では、別段の記載がない限り、本明細書に記載されるすべての測定値、値、評点、位置、大きさ、寸法、及び他の仕様は、以下に続く特許請求の範囲におけるものを含め、概略的なものであり、正確ではない。一態様では、それらは、それらが関連する機能及びそれらが属する技術分野の慣実例に矛盾しない、合理的な範囲を有することを意図される。
【0059】
開示されているプロセス又は方法におけるステップ又は動作の特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの例示であることが理解される。実施の優先度又はシナリオに基づいて、ステップ、動作又はプロセスの特定の順序又は階層は、配置換えされてもよいことが理解される。ステップ、動作又はプロセスのうちのいくつかは、同時に実施されてもよい。いくつかの実施の優先度又はシナリオでは、特定の動作が実施されてもよく、又は実施されなくてもよい。ステップ、動作、又はプロセスのうちのいくつか又はすべては、ユーザの介入なく、自動的に実施され得る。添付の方法の請求項は、様々なステップ、動作、又はプロセスの要素をサンプル順序で提示しており、提示されている特定の順序又は階層に限定されることを意味していない。
【0060】
当業者に知られているか又は後で知られることになる、本開示の全体を通して記載される様々な態様の要素に対するすべての構造的及び機能的な均等物は、明確に参照により本明細書に援用され、特許請求の範囲によって包含されることを意図されている。さらに、本明細書に開示されているいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に供されることを意図されていない。請求項のいかなる要素も、その要素が、「~ための手段(means for)」という語句を使用して明示的に記載されていない限り、又は、方法の請求項の場合において、その要素が、「~ためのステップ(step for)」という語句を使用して記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではない。そのうえ、「含む(include)」、「有する(have)」等の用語が使用される限りにおいて、そのような用語は、「有する(comprise)」が請求項の中の移行句として用いられる場合に解釈されるように、「有する(comprise)」という用語と同様にして包括的であることが意図されている。
【0061】
本開示の発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明及び要約書は、これによって本開示に援用され、本開示の限定的な説明としてではなく、本開示の例示的な実例として提供される。本開示は、これらが請求項の範囲又は意味を限定するように使用されないという理解のもとで提出される。さらに、詳細な説明において、説明は例示的な実例を提供しており、また、本開示をストリーミングする目的で様々な実施例において様々な特徴がともにグループ化されていることが分かる。本開示の方法は、特許請求されている主題が各請求項の中で明示的に記載されているよりも多くの特徴を要するという意図を示すものとして解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が示すように、本発明の主題は、単一の開示されている構成又は動作のすべての特徴よりも少ない特徴にある。添付の特許請求の範囲は、これにより、詳細な説明に援用され、各請求項は、別々に特許請求されている主題としてそれ自体に基づいている。
【0062】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることを意図されるのではなく、特許請求の範囲の文言に矛盾しない完全な範囲を与えられるべきであり、すべての法的均等物を包含するものとする。しかしながら、請求項のいずれも、米国特許法第101条、第102条、又は第103条の要件を満たさない主題を包含することは意図されておらず、また、そのように解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用コネクタ
(100)であって、
本体であって、外面
(104)、内面
、前記本体の近位端(105)に画定された入口ポート(106)、及び前記本体の遠位端(107)に画定された出口ポート(108)を有し、前記内面
(109)が
前記入口ポートと前記出口ポートの間に前記本体の内腔
(111)を画定
する、本体
(102)と、
前記本体の前記内腔(111)内に配置された圧縮可能な弁部材(116)であって、常時閉スリット
(112)及び外方湾曲構造(110)を有
し、
前記外方湾曲構造(110)は、前記内腔
(111)から前記本体
の前記外面
(104)へと延び且つ前記本体の前記外面(104)の上に突出している、圧縮可能な弁部材
(116)と
を有し、
前記圧縮可能な弁部材
の前記外方湾曲構造(110)は、医療用アクセス・デバイスへの前記本体の挿入時に半径方向内方に圧縮
されて前記スリット
(112)を開くように構成され、また前記圧縮可能な弁部材
の前記外方湾曲構造(110)は、前記医療用アクセス・デバイスからの前記本体
(102)の分離時に半径方向外方に拡張して前記スリット
(112)を閉じるように構成されている、医療用コネクタ。
【請求項2】
前記圧縮可能な弁部材は
、外面を有する本体
(118)を有し、前記スリット
(112)は、前記圧縮可能な弁部材の前記本体
(118)を通る流路を画定する内面を有する、請求項1に記載の医療用コネクタ。
【請求項3】
前記圧縮可能な弁部材の前記本体
(118)は、近位端
(113)及び遠位端
(115)を有し、前記圧縮可能な弁部材の前記本体
(118)は、前記遠位端
(115)から前記近位端
(113)に向かって先細った形状を有する、請求項2に記載の医療用コネクタ。
【請求項4】
前記スリット
(112)は、前記圧縮可能な弁部材の前記本体
(118)の少なくとも一部を第1の弁セクション
(118A)及び第2の弁セクション
(118B)に区分し、前記医療用コネクタの前記本体
(102)が前記医療用アクセス・デバイスに挿入されたとき、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに離れるように付勢されて前記スリット
(112)を開く、請求項2に記載の医療用コネクタ。
【請求項5】
前記圧縮可能な弁部材の前記本体
(118)の前記外面は、前記医療用アクセス・デバイスの内面によって半径方向内方に圧縮され、それにより前記第1の弁セクション
(118A)及び前記第2の弁セクション
(118B)を互いに離すように付勢して前記スリット
(112)を開く、請求項4に記載の医療用コネクタ。
【請求項6】
前記医療用コネクタの前記本体
(102)が前記医療用アクセス・デバイスから取り外され又は分離されたとき、前記第1の弁セクション
(118A)及び前記第2の弁セクション
(118B)は、互いに向かって付勢されて前記スリット
(112)を閉じる、請求項4に記載の医療用コネクタ。
【請求項7】
前記圧縮可能な弁部材の前記本体
(118)の前記外面は、前記医療用コネクタの前記本体
(102)が前記医療用アクセス・デバイスの内面から取り外され又は分離されたとき、半径方向外方に拡張され、それにより前記第1の弁セクション
(118A)及び前記第2の弁セクション
(118B)を互いに向けて付勢してスリット
(112)を閉じる、請求項6に記載の医療用コネクタ。
【請求項8】
前記圧縮可能な弁部材
(116)は、エラストマー材料を有する、請求項1に記載の医療用コネクタ。
【請求項9】
前記エラストマー材料は、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを有する、請求項8に記載の医療用コネクタ。
【請求項10】
前記圧縮可能な弁部材
(116)は、ダックビルバルブを有する、請求項1に記載の医療用コネクタ。
【請求項11】
医療用コネクタを組み立てる方法であって、
外面
(104)及び内面
(109)を有するコネクタ本体
(102)であって、前記内面
(109)が前記コネクタ本体の内腔
(111)を画定しているコネクタ本体を提供するステップと、
前記内腔
(111)内に、常時閉スリット
(112)及び外方湾曲構造(110)を有する圧縮可能な弁部材
(116)を位置決めするステップであって、
前記外方湾曲構造(110)は、前記内腔(111)から前記コネクタ本体
の前記外面
(104)へと延びて前記本体の前記外面(104)の上に突出する、ステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記コネクタ本体
(102)を提供するステップは、前記コネクタ本体の近位端
(105)に入口ポート
(106)を形成すること及び前記コネクタ本体の遠位端
(107)に出口ポート
(108)を形成すること、並びに前記入口ポート
(106)と前記出口ポート
(108)の間に流体経路を画定するように前記入口ポートから前記出口ポートに前記内腔
(111)を延在させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コネクタ本体
(102)を提供するステップは、国際標準化機構(ISO)規格に準拠するように前記コネクタ本体の前記外面
(104)の幾何学形状を形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮可能な弁部材を位置決めするステップは、エラストマー材料から形成された圧縮可能な弁部材
(116)を前記内腔
(111)内に位置決めすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記圧縮可能な弁部材
(116)を位置決めするステップは、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせから形成された圧縮可能な弁部材を前記内腔内に位置決めすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
外面
(120)及び内面
(124)を有する雌型ルアー
(150)であって、前記内面が前記雌型ルアーの内腔
(122、126)を画定する、雌型ルアー
(150)と、
前記雌型ルアーの前記内腔内に取り外し可能に少なくとも部分的に配置される雄型ルアー
(100、150)と
を有するコネクタ組立体であって、
前記雄型ルアーは、
本体(102)であって、外面
(104)、内面
(109)、前記本体の近位端(105)に画定された入口ポート(106)、及び前記本体の遠位端(107)に画定された出口ポート(108)を有し、前記内面
(109)が
前記入口ポートと前記出口ポートの間に前記本体の内腔
(111)を画定する、本体
(102)と、
前記内腔
(111)内に配置され
た圧縮可能な弁部材
(116)であって、
前記圧縮可能な弁部材は常時閉スリット
及び外方湾曲構造(110)を有
し、前記外方湾曲構造は、前記内腔(111)から前記本体の前記外面(104)へと延びて前記本体の前記外面(104)の上に突出する、圧縮可能な弁部材
(116)と
を有し、
前記雄型ルアーが前記雌型ルアー内に配置されたとき、前記雌型ルアーの前記内面
(124)は、前記圧縮可能な弁部材の前記
外方湾曲構造(110)の少なくとも一部を圧縮して前記スリット
(112)を開き、また
前記雌型ルアーから取り外されると、前記圧縮可能な弁部材
(116)は、半径方向外方に拡張して前記スリット
(112)を閉じる、コネクタ組立体。
【請求項17】
前記スリット
(112)は、前記圧縮可能な弁の少なくとも一部を第1の弁セクション
(118A)及び第2の弁セクション
(118B)に区分し、前記雄型ルアーの前記本体
(102)が前記雌型ルアー
(150)に挿入されたとき、前記第1の弁セクション及び前記第2の弁セクションは、互いに離れるように付勢されて前記スリット
(112)を開く、請求項16に記載のコネクタ組立体。
【請求項18】
前記雄型ルアーの前記本体
(102)が前記雌型ルアー
(150)から取り外され又は分離されたとき、前記第1の弁セクション
(118A)及び前記第2の弁セクション
(118B)は、互いに向かって付勢されて前記スリット
(112)を閉じる、請求項17に記載のコネクタ組立体。
【請求項19】
前記圧縮可能な弁部材
(116)は、エラストマー材料を有する、請求項16に記載のコネクタ組立体。
【請求項20】
前記エラストマー材料は、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを有する、請求項19に記載のコネクタ組立体。
【国際調査報告】