(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】2つのエンティティ間の開始点を決定する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240411BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562342
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2022059373
(87)【国際公開番号】W WO2022218842
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102021001911.3
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】エンゲル,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ,ベンヤミン
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129AA11
2F129CC15
2F129CC23
2F129DD63
2F129DD64
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE90
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA21
5H181AA26
5H181BB04
5H181EE05
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF40
(57)【要約】
本発明は、2つのエンティティ(E1、E2)の間の開始点(M)を決定する方法であって、エンティティ(E1、E2)がそれぞれ、エンティティの所在位置(A、B)を決定するように、かつ通信インタフェースを用いて通信するように構成されている、方法に関する。本発明は、地図資料(1)においてエンティティ(E1、E2)の所在位置(A、B)を決定し、地図資料(1)におけるエンティティ(E1、E2)の2つの所在位置(A、B)の間に、それぞれ1つのルート区間(P1、P2、P3、P4、P5、P6)によって接続される少なくとも2つのルート点(2)から構成されたルート(3)を決定し、ルート(3)上の開始点(M)の位置を反復的に確定するために、ルート(3)に含まれるルート区間(P1、P2、P3、P4、P5)をサブルート区間(P31、P32、P33、P34、P35)に細分割し、それにより第1のエンティティ(E1、E2)の所在位置(A、B)から開始点(M)まで延びるルート(3)の区間を、第2のエンティティ(E1、E2)の所在位置(A、B)から開始点(M)まで延びるルート(3)の区間と同じ時間で進むことができ、及び/又は同じ経路長を有し、それぞれ1つのエンティティ(E1、E2)は、エンティティに割り当てられた交通手段でルート(3)に沿って移動することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのエンティティ(E
1、E
2)の間の開始点(M)を決定する方法であって、前記エンティティ(E
1、E
2)がそれぞれ、前記エンティティの所在位置(A、B)を決定するように、かつ通信インタフェースを用いて通信するように構成されている、方法において、
地図資料(1)において前記エンティティ(E
1、E
2)の前記所在位置(A、B)を決定し、前記地図資料(1)における前記エンティティ(E
1、E
2)の前記2つの所在位置(A、B)の間に、それぞれ1つのルート区間(P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6)によって接続される少なくとも2つのルート点(2)から構成されたルート(3)を決定し、前記ルート(3)上の前記開始点(M)の位置を反復的に決定するために、前記ルート(3)に含まれる前記ルート区間(P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6)をサブルート区間(P
31、P
32、P
33、P
34、P
35)に細分割し、それにより第1のエンティティ(E
1、E
2)の前記所在位置(A、B)から前記開始点(M)まで延びる前記ルート(3)の区間を、第2のエンティティ(E
1、E
2)の前記所在位置(A、B)から前記開始点(M)まで延びる前記ルート(3)の区間と同じ時間で進むことができ、及び/又は同じ経路長を有し、それぞれ1つのエンティティ(E
1、E
2)は、前記エンティティに割り当てられた交通手段で前記ルート(3)に沿って移動することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1のエンティティ(E
1)及び前記第2のエンティティ(E
2)は、前記第1のエンティティ及び前記第2のエンティティのそれぞれの所在位置(A、B)から出発して前記開始点(M)で合流することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの第3のエンティティ(E
3)が前記開始点(M)から出発して、前記第1のエンティティ(E
1)の前記所在位置(A)から前記開始点(M)まで延びる前記区間に沿って前記第1のエンティティ(E
1)の前記所在位置(A)まで移動し、少なくとも1つの第4のエンティティ(E
4)が、前記開始点(M)から出発して、前記第2のエンティティ(E
2)の前記所在位置(B)から前記開始点(M)まで延びる前記区間に沿って前記第2のエンティティ(E
2)の前記所在位置(B)まで移動することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エンティティ(E
1、E
2)の前記所在位置(A、B)が少なくとも2つの地図プロバイダにより提供された地図資料(1)において決定され、前記異なった地図資料(1)において決定されたそれぞれ1つのエンティティ(E
1、E
2)の前記所在位置(A、B)が互いに比較されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のエンティティ(E
1)と前記第2のエンティティ(E
2)との間の前記ルート(3)の算定時に現在交通情報が考慮されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのエンティティ(E
1、E
2、E
3、E
4)が前記ルート(3)に沿って以下の交通手段のうちの1つ、すなわち
-徒歩で、
-自転車で、
-電動スクータで、
-公共交通手段、特にバス及び/又は鉄道で、
-自動車、特に乗用車、貨物車及び/又はトラックで、或いは
-自律制御可能な輸送手段、特にドローン、好ましくは飛行ドローンで、
移動することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記開始点(M)を決定するために、前記それぞれのエンティティ(E
1、E
2、E
3、E
4)の平均移動速度が想定され、前記各エンティティにより選択された交通手段に応じて、前記それぞれのエンティティ(E
1、E
2、E
3、E
4)の前記想定された平均移動速度が学習されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ルート(3)上の前記開始点(M)の位置を決定するためのアルゴリズム(4)は、少なくとも以下の工程、すなわち
-前記2つのエンティティ(E
1、E
2)の前記所在位置(A、B)の間の前記ルート(3)を算定する工程、
-1/2の距離を決定するために、前記ルータ(3)の経路長、又は前記ルート(3)を進むのに必要な時間に関して算定されたルート(3)を1/2にする工程、
-前記所在位置(A、B)のうちの1つからの現在距離が前記1/2の距離より小さい場合、次に続くルート区間(P
2、P
3、P
4、P
5)を前記現在距離に加算する工程、
-前記現在距離が前記1/2の距離より大きくなると直ちに、前記最後の付加ルート区間(P
3)をn個のサブルート区間(P
31、P
32、P
33、P
34、P
35)に細分割する工程、
-前記最後の付加ルート区間(P
3)を差し引いた前記現在距離が前記1/2の距離より小さい場合、前記次に続くサブルート区間(P
32、P
33)を前記現在距離に加算する工程、
を実行することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記開始点(M)は、前記エンティティのうちの少なくとも1つのエンティティの現在所在位置(A
*、B
*)を考慮して再算定されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ルート(3)上の前記開始点(M)の位置を決定するために、以下の基準のうちの少なくとも1つ、すなわち
-公平性、
-少なくとも1つの交通手段が前記ルート(3)に沿って移動することによって生じる有害物質量、特にCO
2量、
-前記ルート(3)に沿って移動するために少なくとも1つの交通手段によって必要とされるエネルギー量、及び/又は
-少なくとも1つの交通手段が前記ルート(3)に沿って移動するために生じるコスト、
が追加的に考慮されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
2つのエンティティ(E
1、E
2)の間の開始点(M)を決定するためのシステムであって、少なくとも2つのエンティティ(E
1、E
2、E
3、E
4)を備え、前記エンティティ(E
1、E
2)がそれぞれ、前記エンティティの所在位置を決定するように、かつ通信インタフェースを介して前記所在位置を共有するように構成されている、システムにおいて、
少なくとも前記2つのエンティティ(E
1、E
2)が、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を実行するように設定されていることを特徴とする、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に詳しく定義されている種類の2つのエンティティ間の開始点を検知する方法、及び開始点を検知するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば人などの2つのエンティティが、例えばコーヒーを飲んだり、散歩したりするために1つの場所で落ち合おうとすることがしばしばある。更に、配送サービスの日常業務は、商品を様々な場所に配送することから成り立っている。このために、配送サービスは、開始点から、例えば2つの異なった配送先まで商品を運ぶ輸送手段を手配する。
【0003】
その場合、合流点までの両者の道のりをほぼ同じ長さにするか、若しくは開始点から2つの配送先まで等しく早く到達できるようにするために、両者はどこで合流すべきか、又は配送の開始点をどこに選択するかという問題が生じる。このことは、可能な限り早く合流点に集合すること、若しくは商品を配達することを保証する。更に、両者の所在位置間の時間的及び/又は場所的に中間にある合流点に両者が到着することが、片方の移動時間が長くならないため特に公平である。
【0004】
以下において、エンティティは、例えば、人、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルなどの移動端末機器、又はそれに類するものと理解することができる。対応する人、若しくは演算装置を輸送手段に割り当てることもできる。任意の路車、鉄道、船舶、及び航空機が輸送手段とみなされる。その場合、演算装置を輸送手段に組み込むこともできる。
【0005】
特許文献1から、待ち合わせ点を見つけ出すための検索方法及び検索装置が知られ、待ち合わせ点は、この待ち合わせ点で合流する2つのエンティティ間の中間点に相当する。エンティティ間のほぼ中間に位置する適切な待ち合わせ点を決定するために、中間点の近くにあるポイント・オブ・インタレスト(POI)が検索され、待ち合わせに向いているかどうか検査される。2つのエンティティ間の距離が地図資料上で検知され、この距離は中間点を決定するために1/2にされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第1020100049859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、様々な初期状況においてエンティティ間の開始点の位置を特に公平かつ正確に決定するために用いられる2つのエンティティ間の開始点を決定するための改良された方法及びシステムを提供するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記課題は、請求項1の特徴を有する2つのエンティティ間の開始点を検知する方法、及び請求項10の特徴を有する対応するシステムによって解決される。有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項から明らかである。
【0009】
2つのエンティティ間の開始点を決定する方法では、2つのエンティティは、それらの所在位置を決定すること、及び通信インタフェースを介して通信することができる。本発明によれば、地図資料においてエンティティの所在位置を決定し、地図資料におけるエンティティの2つの所在位置の間に、それぞれ1つのルート区間によって接続される少なくとも2つのルート点から構成されたルートを決定し、ルート上の開始点の位置を反復的に確定するために、ルートに含まれるルート区間をサブルート区間に細分割し、それにより第1のエンティティの所在位置から開始点まで延びるルート区間を、第2のエンティティの所在位置から開始点まで延びるルート区間と同じ時間で進むことができ、及び/又は同じ経路長を有し、それぞれ1つのエンティティは、エンティティに割り当てられた交通手段でルートに沿って移動する。
【0010】
本発明による方法を用いて、エンティティ間の開始点を特に公平に決定でき、両方のエンティティが開始点に到達するために同じ経路長を進み、及び/又はこのために同じ時間を必要とする。その場合、それぞれのエンティティにより利用される交通手段が移動時間若しくは区間に及ぼす影響が考慮される。例えば、第1のエンティティが自動車で移動し、第2のエンティティが自転車で移動する場合、典型的には自転車よりも自動車のほうが速く移動するため、第1のエンティティが進む区間は第2のエンティティが進む区間より大きい経路長を有する可能性がある。その場合、自動車が進む区間と自転車が進む区間を、それぞれの交通手段が同一時間内に進むことが可能である。その場合、同一時間若しくは経路長は、指定された許容範囲を引くか、又は足した同じ時間若しくは経路長と理解することができる。
【0011】
第1エンティティと第2エンティティの元の所在位置間のルートを少なくとも1つのルート区間に細分割することによって、ルート上の開始点をルート上の実際の場所的及び/又は時間的な中間点に特に正確に位置付けることができる。これによって、とりわけ、多数の異なるルート区間から構成される複雑なルートの場合、2つのエンティティが、実際に開始点に到達するために同じ経路長及び/又はこのために必要な時間を進まなければならないことが保証される。この場合、ルート区間は、例えば直線道路やカーブなどの道路区域によって形成することができ、各ルート区間にはパラメータが与えられる。これらのパラメータには、例えば、ルート区間の経路長、交通手段の典型的な走行速度でルート区間を進むのに必要な時間、ルート区間に適用される制限速度などが含まれる。
【0012】
従来技術と同様に、ルートの近くにあるポイント・オブ・インタレスト(POI)を考慮して、開始点の位置を決定することができる。例えば、カフェ、図書館、公園など、エンティティにとって関心のある目的地がそこにある場合、開始点を例えば第1又は第2のエンティティの方向に近づけることもできる。
【0013】
ルート区間をサブルート区間に細分割することで、ルート上の開始点の位置をより正確に見つけ出すことができる。そのため、ルートの細分割時に、ルート点若しくはルート区間の中間点と開始点が一致する可能性は低い。開始点を含むルート区間をサブルート区間に細分割することにより、開始点を、サブルート区間の終点若しくは中間点上に配置することができ、それに対応してルート区間の経路長、移動時間、速度制限などの特性が細分割される。開始点が、最初の反復によってサブルート区間の終点又は中間点と一致しない場合、つまりエンティティの開始点間の意図された場所的及び/又は時間的な中間点の許容範囲内にない場合、更に反復して、開始点を含むサブルート区間を更に細分割することができる。その場合、ルート区間の中間点に位置する開始点は、サブルート区間の終点に位置する開始点に相当する。
【0014】
エンティティの所在位置を決定するために、エンティティは、例えば全地球航法衛星システム全地球航法衛星システムの受信機などの任意の所在位置決定装置を有することができる。エンティティは、通信インタフェースを介してその所在位置に加えて他の情報も伝送することができる。その場合、通信はエンティティ間で直接行うこともできるし、第3の演算装置を介して間接的に行うこともできる。通信技術として、実績のあるあらゆる通信技術が考えられる。例えば、通信は、特に移動無線、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFCなどを使用してワイヤレスで行うことができる。
【0015】
ルートの算定とルート上の開始点の検出は、選択的に中央演算処理装置で、及び/又は2つのエンティティのうちの少なくとも1つで行われる。このために、2つのエンティティは、通信インタフェースを用いて、中央演算処理装置及び/又はそれぞれもう一方のエンティティにそれぞれの所在位置を伝送する。
【0016】
決定された開始点が予め指定された許容範囲内にある場合、2つのエンティティは開始点への移動を開始する前に、開始点の確定された位置と許容範囲の広さに同意することを要求されることがあり得る。これにより、開始点をエンティティのうちの1つに不当に近づけすぎないことが確実になる。許容範囲を用いることで、例えば交通渋滞及び/又は時刻表からの逸脱による遅れによる、取り決めた時点より遅い時点でのエンティティの開始点への到着を補償することができる。
【0017】
本方法の有利な発展形態は、第1及び第2のエンティティがそれぞれの所在位置から出発して開始点で合流することを企図する。すでに述べたように、開始点は、例えば、2つのエンティティが共通のアクティビティを開始する、例えばカフェ、図書館、公園などであり得る。この例では、開始点を合流点又は待ち合わせ点としても解釈できる。
【0018】
本方法の更に有利な実施形態によれば、少なくとも1つの第3のエンティティが開始点から出発して、第1のエンティティの所在位置から開始点まで延びる区間に沿って第1のエンティティの所在位置まで移動し、少なくとも1つの第4のエンティティが、開始点から出発して、第2のエンティティの所在位置から開始点まで延びる区間に沿って第2のエンティティの所在位置まで移動する。
【0019】
したがって、本発明による方法は、配送サービスの輸送手段が進む区間若しくはこのために必要な時間を最適化するためにも利用できる。したがって、配送サービスは、配送用輸送手段を開始点に送ることができ、配送用輸送手段はドローン、特に自律制御ドローンを含み、その場合、ドローンは、第1及び第2のエンティティの所在位置までそれぞれのルートに沿って飛び立つ。このために、好ましくは、第1のエンティティと第2のエンティティが到達するために区間を進むのに必要な時間は同じであるので、配送すべき商品を引き渡した後に、ドローンが再び配送用輸送手段に同時に到着することが特に確実に可能になる。これによって、配送サービスの商品の配送効率を向上させることができる。その場合、人が配送用輸送手段に乗って移動し、その後、例えば同じ又は異なる交通手段で開始点から第1及び第2のエンティティの所在位置まで移動することも可能である。配送サービスは、例えば、宅配業者、食材宅配サービスなどであってよい。配送用輸送手段に最適な駐車位置などのPOIに加え、無人ドローンの飛行禁止区域などの地図情報も地図資料から読み込むことができる。
【0020】
本方法の別の有利な実施形態は、エンティティの所在位置が少なくとも2つの地図プロバイダにより提供された地図資料において決定され、異なった地図資料において決定されたそれぞれ1つのエンティティの所在位置が互いに比較されることを企図する。様々な地図プロバイダが提供する地図資料を使用することで、それぞれのエンティティの所在位置、そして最終的にはルート上の開始点の位置も更に正確に決定できる。異なったプロバイダの地図データを比較することにより、位置のずれ若しくは不正確に決定されたエンティティの位置を確認して修正することができる。様々な地図プロバイダの地図資料が様々なPOI及び/又は地図情報を含むこともできる。これにより、本発明による方法を実行するために使用される情報量が増加する。それによって、この方法をより高い信頼性で使用することができる。
【0021】
この方法の別の有利な実施形態によれば、第1のエンティティと第2のエンティティとの間のルートの算定時に現在の交通情報が考慮される。第1のエンティティが例えば自動車で移動する場合、第1のエンティティが進むルート上で渋滞が発生する可能性がある。これによって、この区間を進むのに必要な時間が長くなる。例えば、第2のエンティティが地下鉄、路面電車、通勤電車、市バスなどの公共交通手段を利用して移動する場合、ここでも遅延が発生する可能性がある。起こり得る交通渋滞及び/又はルート変更に関する情報は、第三者の信頼できる情報源から入手できる。これらの遅延は、開始位置を決定する際に有利に考慮される。例えば、ある区間を進むのに必要な時間がこのような遅延によって長くなる場合、それにもかかわらず、指定された許容閾値をプラスマイナスした同じ時点に2つのエンティティが開始点に到着するか、若しくは開始点から飛び立つ第3及び第4のエンティティが第1及び第2のエンティティの所在位置に同時に到着するように開始点がシフトされる。これによって、現実の交通状況でも、開始点の位置が特に公平かつ正確に決定されることが保証される。
【0022】
本方法の別の有利な実施形態は、少なくとも1つのエンティティがルートに沿って以下の交通手段のうちの1つ、すなわち
-徒歩で、
-自転車で、
-電動スクータで、
-公共交通手段、特にバス及び/又は鉄道で、
-自動車、特に乗用車、貨物車、トラックで、
-飛行装置、又は
-自律制御可能な輸送手段、特にドローン、好ましくは飛行ドローンで、
移動することを更に企図する。
【0023】
一般に、エンティティがルートを移動する間に交通手段を変更することも考えられる。エンティティは、例えば最初のルート区間では徒歩で移動し、次に自転車に乗り換え、最後のルート区間を例えばバスで進むことができる。エンティティは、例えば電動スクータを使用することもできる。これによって、更に広範かつ異なる移動状況で本発明による方法の適用が可能になる。
【0024】
例えば、両方のエンティティが鉄道で移動する場合、それぞれのエンティティについて、それぞれのエンティティの所在位置を中心として設定された半径の範囲に位置する停留所が地図資料上で確定され、それぞれの停留所からもう一方のエンティティの近くのそれぞれの停留所までに考えられる乗り換え可能性を含めた接続が確定され、移動時間が調査される。その場合、エンティティの合計移動時間を決定するには、例えばそれぞれのエンティティが停留所まで、例えば徒歩で進まなければならない距離及び/又は時間も考慮される。その場合、2つのエンティティが同時に到達できる、及び/又はエンティティの所在位置間のルート上の同じ距離離れた停留所が開始点として確定される。開始点を対応する停留所の外に位置する、例えば対応する停留所の近くのカフェなどにすることもできる。その場合、一方のエンティティが鉄道で移動し、もう一方のエンティティが徒歩のみで移動することも考えられる。
【0025】
同様に、エンティティのうちの一方が自転車で移動し、エンティティのうちのもう一方が徒歩で移動することもできる。その場合、開始点を決定するために、それぞれのエンティティの平均移動速度が想定される。それぞれのエンティティが選択した交通手段に応じて、それぞれのエンティティの移動速度を学習することもできる。このようにして、特定のエンティティの移動行動を長期間にわたって観察することができ、そのことから、時間及び/又はルートに依存した移動速度が得られる。例えば、第1のエンティティがある時間にある距離を地下鉄で移動する場合、例えばラッシュアワーなどでは、多数の人々が乗降するため、より長い時間が必要になる可能性がある。第2のエンティティが、例えば自転車で移動する場合、第2のエンティティは、特定のルート区間を走行するために、例えば第2のエンティティが上り坂又は下り坂を走行する必要がある場合、又は例えば、昼食後に満腹であるためゆっくりと走行する場合、より短い、又はより長い時間を必要とする可能性がある。
【0026】
本方法の別の有利な実施形態によれば、ルート上の開始点の位置を決定するためのアルゴリズムが、少なくとも以下の工程、すなわち
-2つのエンティティの所在位置の間のルートを算定する工程、
-1/2の距離を決定するために、ルートの経路長、又はルートを進むのに必要な時間に関して算定されたルートを1/2にする工程、
-所在位置のうちの1つを起点とする現在距離が1/2の距離より小さい場合、次に続くルート区間を現在距離に加算する工程、
-現在距離が1/2の距離より大きくなると直ちに、最後に付加されたルート区間をn個のサブルート区間に細分割する工程、及び
-最後に付加されたルート区間を差し引いた現在距離が1/2の距離より小さい場合、次に続くサブルート区間を現在距離に加算する工程、を実行する。
【0027】
ルートをルート区間若しくはサブルート区間に分割し、様々な地図プロバイダにより提供される地図資料を考慮することにより、2つのエンティティ間の場所的及び/又は時間的中間点での開始点の位置を特に正確に見つけ出すことができる。このためにアルゴリズムによって実行される工程は、アルゴリズムを特に迅速かつ効率的に実行できるようにする。ルートをルート区間に細分割するために、ルート上にルート点が決定される。その場合、ルート点は、例えば地図資料における直線道路からカーブ等への移行部に相当する。このようにして、アルゴリズムはルート区間ごとに見て、第1のエンティティと第2のエンティティとの間の中間点に到達したかどうかをチェックする。対応するルート区間及び/又はルート点上に正確な中心点を見出せない場合、対応するルート区間はサブルート区間に細分割される。これにより、開始点の位置が、特に第1のエンティティと第2のエンティティとの間の中間に見出されることが保証される。それに対応して、ルートを検知する場合に、各エンティティがどの交通手段を利用するのかが考慮される。
【0028】
本方法の別の有利な実施形態は、エンティティのうちの少なくとも1つのエンティティの現在所在位置を考慮して開始点が再算定されることを更に企図する。例えば、ルートに沿って移動中に少なくとも1つのエンティティに遅延が発生した場合、これは、両方のエンティティが同時に開始点に到着しないことにつながる。同様に、配送サービスの例では、2つのエンティティに商品が同時に到着しない、及び/又は商品を届けるドローンが配送用輸送手段に同時に戻らないということになる。しかし、ルートに沿って移動中にそれぞれのエンティティの現在位置が監視されることにより、ルート上の開始点の位置を適応的にシフトさせることができる。これによって、エンティティが同時に開始点に到着するか、或いは第1及び第2のエンティティの元の所在位置に商品が到着することが保証される。ドローンが配送用輸送手段に戻ったときに、このドローンが戻るのに予想より長い時間がかかった場合、配送用輸送手段がドローンの方向に移動することもできる。
【0029】
好ましくは、ルート上の開始点の位置を決定するために、以下の基準のうちの少なくとも1つ、すなわち
-公平性、
-少なくとも1つの交通手段がルートに沿って移動することによって生じる有害物質量、特にCO2量、
-ルートに沿って移動するために少なくとも1つの交通手段によって必要とされるエネルギー量、及び/又は
-少なくとも1つの交通手段がルートに沿って移動するために生じるコスト、
が追加的に考慮される。
【0030】
上記の基準のうちの少なくとも1つを考慮することによって、ルート上の開始点のシフトを顧客の好みに応じて適合させることができる。例えば、第1のシナリオでは、第1及び第2のエンティティが可能な限り短い時間で開始点に到達するように、開始点をルート上に位置付けることができる。例えば、第1のエンティティは乗用車で開始点まで移動するが、第2のエンティティは開始点に到達するまでに交通手段を数回変更する必要がある。このことは、第2のエンティティにとって多大な労力と結び付いている。公平性を考慮して、第1及び第2のエンティティにとって開始点に到達するためにより長い時間が必要であるが、開始点に到達するために第1及び第2のエンティティが同様の労力を克服しなければならないように、ルート上の開始点をシフトさせることができる。例えば、その場合、開始点を公共交通手段の停留所に設定することができ、それに基づいて第1及び第2のエンティティの両方がこの開始点まで移動する。その場合、このために第1及び第2のエンティティは同じ頻度で乗り換えをしなければならない。
【0031】
発生する有害物質量を考慮することによって、本発明による方法の実行に対する支持を環境意識の高い人々の間で増加させることができる。
【0032】
したがって、ルートに沿って移動するのに必要なエネルギー量、及び/又はこれと共に発生するコストも、ルート上に開始点を位置付ける際に考慮に入れることができる。
【0033】
特に、顧客は、開始点の位置を決定するために上記の基準のうちのどれか1つ又は複数を追加的に考慮することを自身で決めることができる。これにより、本発明による方法の利用時に特に高いレベルの快適さと満足感が提供される。
【0034】
本発明によれば、少なくとも2つのエンティティを備える2つのエンティティの間の開始点を検知するためのシステムであって、エンティティがそれぞれ、エンティティの所在位置を決定するように、かつ通信インタフェースを介して所在位置を共有するように設定されているシステムでは、少なくとも2つのエンティティが上記の方法を実行するように設定されている。
【0035】
エンティティは、例えば人、或いは、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、ウェアラブルなどの移動端末機器の形態の演算装置である。人及び/又は演算装置は、乗用車、貨物車、トラック、バス、鉄道、自転車徒歩などの交通手段で移動することができる。エンティティの移動中に交通手段を変更することも可能である。少なくとも1つのエンティティは、相応の交通手段に組み込むこともできる。例えば、エンティティが輸送手段の演算装置によって形成されてもよい。
【0036】
2つのエンティティが、中央演算処理装置を介して間接的に通信することもできる。中央演算処理装置が2つのエンティティの開始点を決定することもできる。このために、中央演算処理装置は2つのエンティティの所在位置を受信し、本発明による方法を使用してドローンが合流する、若しくは飛び立つ開始点を確定する。
【0037】
エンティティ間の開始点を検知するための本発明による方法の有利な他の実施形態は、以下に図を参照しながら詳しく説明される実施例からも明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】デジタル道路地図上の開始点で合流する2つのエンティティの模式図である。
【
図2】いくつかのルート区間に細分割されたルートの模式図である。
【
図3】エンティティ間の開始点を確定するための本発明による方法のフローチャートの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、ここではデジタル道路地図の形態の地図資料1を示す。
図1の例では、デジタル道路地図は、大都市などの密集地域の部分図を含む。大都市において、2つのエンティティE
1及びE
2が、それぞれの所在位置A及びBにいる。2つのエンティティE
1及びE
2は合流する取り決めをしている。本発明による方法を用いて、2つのエンティティE
1及びE
2が同じ時間で及び/又は同じ距離を進むことによって到達できる開始点Mが決定される。その際、第1のエンティティE
1は元の所在位置Aにあり、第2のエンティティE
2は元の所在位置Bにある。開始点Mは、
図2に示される許容範囲8内の2つの所在位置AとBの間の中間に位置する。
【0040】
エンティティE1及びE2は、例えば人、又は例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、ウェアラブルなどの移動端末機器の形態の演算装置である。このような演算装置は、輸送手段に組み込むこともできる。例えば、その場合、演算装置は、車載コンピュータ、輸送手段サブシステムの制御装置、テレマティクスユニットなどであり得る。
【0041】
2つのエンティティE1及びE2は、交通手段を使って、それぞれ大都市を移動する。例えば、エンティティE1及びE2は、徒歩、自転車、電動スクータ、公共交通手段、例えば乗用車、貨物車、トラックなどの自家用車、及び/又は例えばドローンなどの自律運転輸送手段で移動中である。その場合、元の所在位置A、Bから開始点Mまでの移動中に、交通手段を1回又は数回変更することも可能である。例えば、人の形態のエンティティE1、E2は、その居住地から電動スクータで地域の公共交通手段の停留所まで走行し、その後、例えばバスなどで開始点Mの近くにある停留所まで移動し、そこで停留所から徒歩で開始点Mに到達することができる。
【0042】
本発明によれば、開始点Mは、開始点MとエンティティE1、E2のそれぞれの所在位置A、Bとの間の区間を進むのに必要な経路長及び/又は時間に関して、エンティティE1、E2の所在位置A、Bの間の中間に位置する。エンティティE1及びE2間の開始点Mの位置を決定するために、選択された交通手段に応じて異なる移動速度に注意が払われる。
【0043】
開始点Mを検知するために、エンティティE1及びE2は、それらのそれぞれの所在位置A、Bを決定し、続いて、第1のエンティティE1の所在位置Aから第2のエンティティE2の所在位置Bまで延びるルート3が確定される。開始点Mを決定するために、ルート3がその経路長、及び/又はルート3を進むのに必要な時間に関して1/2にされる。2つのエンティティE1及びE2が開始点Mまで移動する間、これらのエンティティはルート3に沿って移動する。その場合、これらのエンティティは、最新の所在位置A*とB*を検出できる。本発明による方法の一実施形態によれば、それぞれの現在の所在位置A*、B*を開始点Mの適応的シフトのために使用することができる。例えば、エンティティE1、E2のうちの1つが渋滞に巻き込まれている場合、開始点MをそれぞれのエンティティE1、E2に近づけることができる。このことは、2つのエンティティE1及びE2が計画どおりに同時に開始点Mに到着することを保証する。
【0044】
1つ又は複数のPOI6がルート3の近くに位置し、開始点MがこれらのPOI6のうちの1つにあるか、又はその近くに配されることも可能である。例えば、POI6は、カフェ、図書館、公園などであり得る。言い換えれば、2つのエンティティE1及びE2は、POI6のうちの1つでの合流を計画している。
【0045】
それぞれの所在位置A、A*、B、B*を決定する精度を向上させるために、本発明による方法の一実施形態によれば、様々な地図プロバイダによって提供される地図資料1を使用することができる。
【0046】
図2をもとにして、ルート3を1/2にする手順を詳しく説明する。ルート3は、多数のルート区間P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6から構成されている。その際、ルート区間P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6は、2つのルート点2の間に延びている。例えば、ルート区間P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6は、例えば直線道路区域又はカーブなどの特定の道路区域に相当する。ルート点2は、例えば信号機、交差点、ロータリ等である。ルート3をルート区間P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6に分割することによって、ルート3を特に現実に近く再現することができ、したがって開始点Mを2つの所在位置A及びB間の中間に特に正確に配置することができる。
【0047】
開始点Mが必ずしもルート点2と一致するとは限らないと予想されるため、ルート区間P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6、ここでは
図2の例では第3のルート区間P
3がn個のサブルート区間P
31、P
32、P
33、P
34、P
35に細分割される。この細分割は、開始点Mがサブルート区間P
31、P
32、P
33、P
34、P
35の中間、ルート点2上、又はサブルート区間P
31、P
32、P
33、P
34、P
35の終点に位置するまで反復的に続けることができる。その際、各ルート区間P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6には、選択された交通手段に応じて、対応する経路長、若しくはそれぞれのルート区間P
1、P
2、P
3、P
4、P
5、P
6を進むのに必要な時間がかかる。
【0048】
その際、エンティティE1及びE2の所在位置AとBの間に配置された開始点Mが、ルート区間P1、P2、P3、P4、P5、P6、若しくはサブルート区間P31、P32、P33、P34、P35の指定された許容範囲8内にある場合、この開始点が「中間」として理解される。図は縮尺どおりではない。
【0049】
本発明による方法の一実施形態によれば、
図3に示される配送用輸送手段7が開始点Mまで移動し、例えばドローンなどの他のエンティティE
3、E
4が配送用輸送手段7からエンティティE
1及びE
2の所在位置A及びBへ飛び立つことも可能である。例えば、ドローンは、第1及び第2のエンティティE
1及びE
2に商品を届けることができる。商品は、例えば小包又は食材であり得る。
【0050】
図3は、本発明による方法のフローチャート300を示す。任意的な方法工程301では、2つのエンティティE
1、E
2は、開始点Mを決定するために追加基準を考慮すべきかどうかを指定することができる。追加基準は、例えば、公平性、少なくとも1つの交通手段がルート3に沿って移動することによって生じる、特にCO
2の形態の有害物質の量、ルート3に沿って移動するために少なくとも1つの交通手段によって必要とされるエネルギー量、及び/又はこのために生じるコストである。
【0051】
方法工程302では、2つのエンティティE
1及びE
2は、開始点Mで合流するように取り決められている。方法工程303では、それぞれのエンティティE
1及びE
2は、元の所在位置A、Bを決定し、これを方法工程304で転送する。
図3の例では、それぞれの所在位置A、Bが中央演算処理装置5、例えばクラウドサーバ若しくはサービスプロバイダのバックエンドに伝送される。次に、開始点Mが中央演算処理装置5によって決定される。このために、アルゴリズム4が中央演算処理装置5上で実行される。アルゴリズム4は、6つの作業工程401、402、403、404、405及び406を含む。作業工程401では、2つのエンティティE
1及びE
2の所在位置AとBの間のルート3が決定される。作業工程402では、ルート3は、その経路長及び/又はルート3を進むのに必要な時間に関して1/2にされる。作業工程403では、ルート区間P
2、P
3、P
4、P
5を付加することによって、所在位置A、Bのうちの1つからの距離が延長される。作業工程404で最終的に、このように延長された距離が1/2の距離より大きい場合、最後に付加されたルート区間P
3が距離から引かれ、このルート区間P
3がn個のサブルート区間P
31、P
32、P
33、P
34、P
35、
図2の例では、5つのサブルート区間P
31、P
32、P
33、P
34、P
35に細分割される。作業工程405では、距離が1/2の距離以上になるまでサブルート区間P
31、P
32、P
33、P
34、P
35が距離に加算される。開始点Mは最終的に作業工程406で見出される。その後、これは2つのエンティティE
1及びE
2に返送され、それによりこれらは開始点Mへの移動を開始することができる。
【0052】
開始点Mの位置及び/又はそれに関連する他の情報を配送用輸送手段7に伝送することも可能である。配送用輸送手段7は、ここでは第3、第4、第5及び第6のエンティティE3、E4、E5、E6の形態の他のエンティティを含む。その場合、これらは、例えば、商品、料理、又はそれに類するものを2つのエンティティE1及びE2に届ける個人又は自律型ドローン、例えば飛行可能なドローンであってよい。第3及び第4のエンティティE3、E4が配送用輸送手段7から飛び立つときに、配送用輸送手段7が開始点Mにある場合、第3及び第4のエンティティE3及びE4は、第1及び第2のエンティティE1及びE2に同時に到達することができ、再び同時に配送用輸送手段7に戻って来ることができることも好ましい。これによって、配送サービスは特に効果的かつ効率的に商品を顧客に配送できるようになる。
【0053】
一般に、2つのエンティティE1及びE2が所在位置A及びBを互いに送信することも可能であり、中央演算処理装置5へのデータ伝送が省略される。例えば、アルゴリズム4は、エンティティE1及びE2のうちの一方で実行することもできる。それに応じて、エンティティE1及びE2の一方は、これによって決定された開始点Mをもう一方のエンティティE1及びE2に返送する。
【国際調査報告】