IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥングの特許一覧

特表2024-516943静的に最適化されたハイブリッドローラ軸受
<>
  • 特表-静的に最適化されたハイブリッドローラ軸受 図1a
  • 特表-静的に最適化されたハイブリッドローラ軸受 図1b
  • 特表-静的に最適化されたハイブリッドローラ軸受 図1c
  • 特表-静的に最適化されたハイブリッドローラ軸受 図2a
  • 特表-静的に最適化されたハイブリッドローラ軸受 図2b
  • 特表-静的に最適化されたハイブリッドローラ軸受 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】静的に最適化されたハイブリッドローラ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/04 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
F16C29/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023562631
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2022059521
(87)【国際公開番号】W WO2022218881
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202021101951.4
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト ムサマー
【テーマコード(参考)】
3J104
【Fターム(参考)】
3J104AA13
3J104AA25
3J104AA34
3J104AA64
3J104AA69
3J104AA74
3J104AA76
3J104BA05
3J104EA01
(57)【要約】
長手方向に延在するレール6の筒状ガイド部分61を取り付けるための軸受1に関し、その取付けは長手方向に変位可能にガイドされ、ローラ及び摺動要素に基づき、軸受1はハウジングを備え、ハウジングはそのハウジングを通じて延びる貫通部を有し、貫通部にはレール6のガイド部分61を受容するための受容チャネルが形成される。軸受1は2つのローラを有し、2つのローラは長手方向に相互から離隔され、いずれもハウジングに回転可能に取り付けられ、それらの走行面によって、いずれも横断方向に受容チャネルを境界付ける。ローラの間に、ハウジングは、設置軸周りに回転する態様において設置ボルトを受容するための、長手方向に垂直に設置軸に沿ってハウジングを通じて延びる設置チャネルを有する。複数の摺動要素は、貫通部内に配置され、いずれもそれらの面の一方によって長手方向に垂直に受容チャネルを境界付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に筒体軸を有して延在するレール(6)の筒状ガイド部分(61)の、長手方向に変位可能にガイドされるローラ及び摺動要素に基づく取付けのための軸受(1)であって、該軸受(1)は、ハウジングであって前記長手方向に延びる長手軸(X)に沿って該ハウジングを通じて延びる通路を有し、該通路には前記レール(6)の前記ガイド部分(61)を受容するための受容チャネルが形成された、ハウジングを備え、
i)前記軸受(1)は、前記長手方向に離隔された2つのローラ(8)を有し、該ローラの各々は、前記ハウジング内で、前記長手方向に垂直に延びるローラ車軸(9)周りに回転可能に取り付けられ、前記ローラの各々は、前記ローラ車軸(9)に垂直に延びる横断方向において、その走行面によって前記受容チャネルを境界付け、
ii)前記ハウジングは、前記長手方向において前記ローラ(8)間に、取付け軸(Y)に沿って前記長手方向に垂直に前記ハウジングを通じて延びる、前記取付け軸(Y)周りに回転可能に取付けペグを受容するための取付けチャネルを有し、
iii)複数の摺動要素(7)が、前記通路内に、前記長手方向に相互から離隔されるとともに前記ローラ(8)に対してオフセットして配置され、前記摺動要素の各々は該摺動要素の一方の側によって前記長手方向に垂直に前記受容チャネルを境界付ける、軸受(1)。
【請求項2】
前記取付けチャネル内に回転可能に取り付けられ、特に少なくとも一方の側において前記ハウジングを越えて前記取付け軸(Y)に沿って突出する取付けブッシング(4)を有する請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記取付け軸(Y)に沿って相互に並んで配置されて相互に対して取外し可能に固定された第1及び第2のハウジング部品(2、3)を有する、請求項1又は2に記載の軸受(1)。
【請求項4】
前記取付けチャネルは前記2つのローラ(8)から前記長手方向に等距離に離隔され、特に、前記取付けチャネルが、前記受容チャネルの、前記ローラ車軸(9)と同じ側に配置された、請求項1から3のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項5】
前記摺動要素(7)の少なくとも1つが、前記通路の各長手端部分に配置され、特に、前記長手方向において前記摺動要素に最も近くに位置する前記ローラ(8)よりも、前記摺動要素と関連する前記ハウジングの絶対長手端の近くに配置された、請求項1から4のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項6】
前記ローラ(8)の前記走行面は、前記受容チャネルに向く凹状輪郭を有し、特に、球体のセグメントの態様で構成された前記長手方向に垂直な断面を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項7】
前記取付けブッシング(4)は、その外面に、特にフランジの形態の径方向突出部(41)を有し、該径方向突出部は、前記取付けチャネルの径方向延長部に配置され、前記ハウジングの内部の両側に前記取付け軸(Y)に沿って境界付けられて前記取付けブッシング(4)の位置を前記取付け軸(Y)に沿って前記ハウジングに対して固定し、特に、前記取付けチャネルの前記延長部が、前記取付け軸(Y)に沿って相互に向き合う2つの前記ハウジング部品(2、3)の横断方向端部によって形成された、請求項2から6のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項8】
特に中空筒状の第1の摺動部材(24)が前記取付けチャネル内で前記ハウジングと前記取付けブッシング(4)の間に設けられ、特に、前記第1の摺動部材(24)は第1の摺動部材突出部を有し、該第1の摺動部材突出部によって前記第1の摺動部材が前記取付けチャネルの前記延長部の第1の部分に配置されて前記第1の摺動部材(24)の位置を前記取付け軸(Y)に沿って前記ハウジングに対して固定し、特に、前記取付けチャネル内に、第2の摺動部材(34)が前記取付け軸(Y)に沿って前記第1の摺動部材(24)からオフセットして設けられ、前記第2の摺動部材は、特に、第2の摺動部材突出部を有し、該第2の摺動部材突出部によって前記第2の摺動部材が前記取付けチャネルの前記延長部の第2の部分に配置されて前記第2の摺動部材(34)の位置を前記取付け軸(Y)に沿って前記ハウジングに対して固定する、請求項2から7のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項9】
前記第1の摺動部材(24)が、前記第1のハウジング部品(2)によって形成された前記取付けチャネルの第1の部分に配置され、前記第2の摺動部材(34)が、前記第2のハウジング部品(3)によって形成された前記取付けチャネルの第2の部分に配置された、請求項3から8のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項10】
前記摺動要素(7)は、少なくとも220°、特に少なくとも240°の包囲角で前記通路の前記長手軸を包囲する、請求項1から9のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項11】
前記通路は、少なくとも220°、特に少なくとも240°の角度範囲にわたって前記長手方向に垂直に前記長手軸(X)を完全に包囲し、前記長手方向に垂直に向く面に長手方向に連続する開口を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項12】
前記摺動要素(7)は、前記長手方向に延びる溝を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項13】
前記ローラ車軸(9)は、前記取付け軸(Y)に平行に延びる、請求項1から12のいずれか一項に記載の軸受(1)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
前記摺動要素(7)が摩擦学的ポリマーから作製され、かつ/又は前記ハウジングが金属若しくは金属合金から、特にダイカストによって作製された、滑り軸受。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の軸受(1)と、筒体の態様で構成されたガイド部分(61)を有するレールと、を備える軸受アセンブリであって、前記ガイド部分(61)は前記長手方向において前記軸受(1)の前記通路内で変位可能となるように配置され、前記長手方向に垂直に両ローラ(8)に当接し、前記摺動要素(7)から前記長手方向に垂直に0.5mm未満、特に0.2mm未満だけ離隔された、軸受アセンブリ。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか一項に記載の更なる軸受(1)を備え、
前記軸受(1)同士が前記長手方向に相互に並んで配置され、前記ガイド部分(61)が前記軸受(1)の前記通路内に配置され、前記軸受(1)の各々が、該軸受のそれぞれの取付けチャネル内に配置された取付けペグ及び/又は該軸受のそれぞれの取付けチャネル内に配置された取付けブッシング(4)によって構造部材に締結された、請求項15に記載の軸受アセンブリ。
【請求項17】
請求項1から14のいずれか一項に記載の軸受(1)の使用であって、取付けペグ及び/又は取付けブッシング(4)が、前記取付けチャネルを通じてガイドされ、前記軸受(1)の前記ハウジングに対して適所に固定されるとともに前記取付け軸周りに回転可能に固定され、筒体の態様で形成されたレールのガイド部分(61)が、前記ローラ(8)に接触する前記受容チャネル内に前記長手方向に沿って挿入され、前記ローラ(8)を前記ローラ車軸(9)周りに回転させる、使用。
【請求項18】
前記軸受(1)が前記長手方向に沿って前記レールに対してその後に変位され、その過程において、軸受(1)とレールの間に力が付与され、該力によって、前記軸受(1)が前記取付けペグ周り及び/又は前記取付けブッシング(4)周りに回転され、前記ガイド部分(61)が、前記摺動要素(7)の少なくとも1つに押圧され、それに対して押圧されると前記長手方向に沿って摺動し、一方で同時に、前記ローラ(8)の少なくとも一方に当接し、当該一方のローラ(8)がそのローラ車軸(9)周りに回転する、請求項17に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に記載の軸受並びにその軸受を有する軸受アセンブリ及びその軸受の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
この一般的なタイプの軸受は、レール上での作業装置の長手方向への摺動取付け、特に無潤滑剤での取付けに使用されている。この一般的なタイプの軸受は、軸受構成がローラ及び摺動要素の双方に基づくハイブリッドな原理に基づく。このような軸受は、ハウジングを通じて長手方向に延びる受容チャネルが設けられたハウジングを有する。さらに、そのような軸受は、少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つの摺動要素の双方を有する。ローラは、長手方向に垂直に延在するローラ車軸に対してハウジング内に回転可能に取り付けられる。軸受が意図するように使用される場合、筒体の態様で構成されたレールのガイド部分は受容チャネルに受容され、ローラの走行面に当接し、少なくとも1つの摺動要素がガイド部分を200°超、特に220°超の角度範囲にわたって包囲する。意図するように使用される場合、作業装置は以下の態様で軸受に配置される。その態様では、ローラが主負荷をガイド部分に伝達し、ガイド部分に対する長手方向への軸受の変位時にガイド部分に沿って転動し、一方で、摺動要素がローラに対して長手方向にオフセットして設けられ、それにより、レールのガイド部分に対して軸受への横断載荷、すなわち、主負荷方向に垂直かつ長手方向に垂直な載荷の場合に、摺動要素が、ガイド部分に対する軸受の長手変位時に上記横断載荷によって押圧されるガイド部分に沿って摺動する。この一般的なタイプの軸受は、例えば、カメラ技術、工作機械ドア又はパネルにおいて、長手方向に手作業でずらすことになる作業装置に特に適する。なぜなら、一方では、そこで使用されるハイブリッド技術によってそのような軸受が非常に少ない摩擦でレールに沿って大きな負荷を搬送することができ、他方では、作業装置及び結果として軸受が特に手動で変位される場合に発生するいずれの横断力も使用摺動要素によって吸収され、したがって軸受に取り付けられた作業装置が大きなノイズを発生させずかつ大きな摩擦なくレールに沿って変位可能となるためである。
【0003】
この一般的なタイプの軸受では、使用されるローラ及び摺動要素は、軸受が主負荷方向に沿って載荷される場合、すなわち、載荷がローラ車軸に対して垂直である場合に摺動要素が可能な限り小さな接触面積でガイド部分に当接するような態様で、ハウジング通路内で相互に対して一致して配置される。しかし、このような軸受は、主負荷方向に載荷される場合には、一方ではハウジング及びローラの材料によって制限を受け、ハウジングに取り付けられてローラが回転可能に取り付けられる別個のローラ車軸が設けられる場合には、ローラ車軸の材料によって制限を受ける。主負荷方向への載荷が過大である場合、相当な摩耗現象及び特に増加した摩擦が発生することになる。したがって、このような軸受は、製造業者によって指定された、主負荷方向に積載される負荷に基づく静的な載荷能力及び主負荷方向に積載される負荷に基づく動的な載荷能力までしか、意図するようには使用可能でない。動的な載荷能力は、意図する合計走行距離の関数として指定される。静的な載荷能力を超える程度まで載荷されたその軸受によって作業装置が長手方向に摺動するように取り付けられる場合、長手方向に沿って連続して配置され、したがって主負荷方向に対して平行に接続された複数の軸受を設け、作業装置によって付与される負荷をともに担う必要がある。しかし、これには、レールのガイド部分と軸受の間の意図しない高い摩擦及び/又は軸受、特にそれらのローラの過度の摩耗を回避するために、そのような多数の軸受は複雑な設置を必要とするので、問題があることが分かっている。これは、軸受が、それらの通路の長手軸が相互に対して高精度に整合された状態で方向付けられなければならないためである。これは、なぜなら、各軸受は長手方向に垂直にガイド部分の位置を明確に固定し、それにより、各種軸受の長手軸の整合における相互からの何らかのばらつきは、軸受によって生成された軸受アセンブリによってガイド部分の過剰定義された位置決めをもたらし、対応する摩擦損失又は載荷を伴うためである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の課題は、上記の一般的なタイプの軸受の少なくとも1つの不利益を少なくとも部分的に解消する軸受、軸受アセンブリ及び/又は軸受の使用を提供することである。
【0005】
本発明に内在する課題を達成する1つの態様として、本発明は、請求項1に記載の特徴を有する軸受を提案する。本発明に係る軸受は、長手方向にその筒体軸を有して延在するレールの筒状ガイド部分を、長手方向に変位可能にガイドされる態様で取り付けるのに適する。軸受は、軸受が少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つの摺動要素の双方に取り付けられるように、ローラ及び摺動要素に基づくものである。軸受は、長手方向に延在する長手軸に沿ってハウジングを通じて延びる通路を有するハウジングを備える。受容チャネルが、レールのガイド部分を受容するための通路内に形成される。軸受が意図するように使用される場合、ガイド部分は、その筒体軸が通路の長手軸に沿って整合された状態で、受容チャネル内に配置される。受容チャネルは、少なくとも部分的に閉塞し、好ましくは長手方向に垂直に中断なく、特に、少なくとも200°、特に少なくとも220°、特に少なくとも240°、特に少なくとも260°の角度範囲にわたって閉塞する。この包囲は、好ましくは、通路がその長手軸に沿って延在する長さの少なくとも50%、特に少なくとも80%にわたって存在する。受容チャネルは、完全にその通路内に位置する。受容チャネルは、例えば、通路自体によって長手方向に垂直なその範囲内で適所に境界付けられ、一部の実施形態では、通路内に配置された、すなわち、少なくとも通路内に延在する軸受の要素によって、例えば、通路内に配置された摺動要素及びローラによって、長手方向に垂直に境界付けられることになる。ハウジングを通じて長手方向に延びる通路に起因して、レールの筒状ガイド部分は通路内に配置された受容チャネル内に配置され、その長手方向の範囲がハウジングの長手方向の範囲の少なくとも5倍、特に少なくとも10倍となるようなガイド部分の構成の場合、ガイド部分は受容チャネル内に配置される一方で、軸受はガイド部分に沿って長手方向に変位可能となる。
【0006】
提案される解決手段によると、軸受は長手方向に離隔された2つのローラを有し、その2つのローラの各々は長手方向に垂直に延びるローラ車軸周りに回転可能にハウジング内に取り付けられ、その2つのローラの各々はそのローラ車軸に垂直に延びる横断方向のその走行面によって受容チャネルを境界付ける。したがって、各ローラは、それに関連するローラ車軸周りに回転可能となるような態様でハウジング内に取り付けられる。これは、例えば、それぞれのローラの周囲に適用される軸受構成、及び結果として受容チャネル外部におけるローラの走行面に対する軸受構成を用いて達成され得る。一方、好ましくは、これはローラ車軸を用いて達成され、そのローラ車軸は、ハウジングに堅く接続され又はハウジング内に一体化され、ローラの中心を通じて延び、ローラ車軸には、ローラの走行面がローラ車軸を周方向に囲むようにローラが回転可能に取り付けられる。各ローラは、長手方向に垂直に通路内に設けられた受容チャネルを境界付けるように、ローラの走行面、すなわち、ローラの径方向端部によって少なくとも部分的に通路内に延在する。軸受が意図するように使用される場合、筒状ガイド部分は、受容チャネル内に位置し、それによりローラの走行面に対抗する。したがって、各ローラは、そのそれぞれのローラ車軸に垂直にかつ長手方向に垂直に延びる横断方向において受容チャネルを境界付ける。したがって、横断方向は、各ローラに明確に割り当てられる。好ましくは、同じ横断方向は、ローラ車軸が平行に延びるように全てのローラに割り当てられる。一部の実施形態では、軸受は、2個より多いローラ、例えば、長手方向の第1の位置における第1の対のローラ及び長手方向の第2の位置における第2の対のローラを含んでいてもよい。各対のローラのローラ車軸は、意図するように使用される場合、長手軸に関する対応の角度だけ相互に対してオフセットされたガイド部分の2つの周方向部分にローラ車軸が当接するように、長手方向に関して所定角度だけ相互に対して傾斜している。このような実施形態では、好ましくは、各対のローラの各1つのローラ車軸が、ローラのそれぞれ他方の対のローラのそれぞれ1つのローラ車軸に平行に方向付けられる。ある対のローラのローラ車軸は、好ましくは、長手軸に関して120°未満、特に90°未満の角度を有する。好ましくは、軸受においてそれぞれのローラ又はローラの対が設けられる2つのみの長手位置があり、これらの長手位置は上述のように長手方向に離隔される。ハウジングは、ローラの間又はローラの上記位置の間で長手方向に、取付け軸に沿って長手方向に垂直にハウジングを通じて延びる取付けチャネルをさらに含む。したがって、取付け軸は、長手方向に垂直に延びる横断方向に延びる。取付けチャネルは、取付けペグが取付けチャネル内に配置され、取付け軸に沿ってハウジングを通じて延在し、取付け軸周りに回転可能に受容されるがその長手位置に取付けチャネルによって固定されるような態様で、好ましくは筒状の取付けペグを受容するのに適する。取付けペグの代わりに、取付けブッシングが取付けチャネル内に配置されてもよいし、取付けブッシングが、同様に取付けペグが配置された取付けチャネル内に配置されてもよいことは言うまでもない。この場合、取付けブッシングは、取付けチャネルに対応して受容され、取付け軸に沿ってハウジングを通じて延在し、取付け軸周りに回転可能に取り付けられるがその長手方向の位置に取付けチャネルによって固定される。長手方向に離隔されて長手方向においてローラに対してオフセットされた複数の摺動要素が、通路内にさらに配置され、当該摺動要素の各々はそれらの面の一方によって長手方向に垂直に受容チャネルを境界付ける。ローラに対して長手方向にオフセットして配置されて受容チャネルを境界付ける複数の摺動要素を設けることによって、ガイド部分が軸受に対する長手方向に垂直な力であってローラの横断方向に垂直な力成分を有する力を受ける場合、軸受が意図するように使用されると、ガイド部分は摺動要素の少なくとも1つに接触し得る。それにより、それでもハウジングが少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つの摺動要素のみを介してガイド部分に当接するので、そのような場合でも受容チャネル内のガイド部分の低ノイズでかつ低摩擦での長手変位可能な取付けが保証され、これは本発明によると一般に有利である。
【0007】
本発明に係る軸受は、多数の有利な効果を有する。長手方向に離隔された2つのローラと、長手方向に離隔されるとともにローラに対してオフセットされた複数の摺動要素との組合せは、長手方向に垂直かつ横断方向に垂直な成分を有する力を受ける場合であっても、ガイド部分が常に可能な限り少ない摩擦で軸受に当接することを保証することができ、過度の摩耗が防止可能となり、それにより、軸受に対して長い耐用年数が達成可能となることを意味する。長手方向に離隔された2つのローラを設けることによって、ローラ、2つのローラは、軸受に取り付けられた作業装置の主負荷方向に負荷を吸収することができる。ローラの1つの対はいずれも各長手位置に設けられることを条件として、主負荷方向は、好ましくは、長手方向に離隔されたローラの横断方向に平行であり、又はローラのそれぞれの対のローラの横断方向の二等分線に平行である。このように、軸受は、大きな負荷、特に、400N超、特に700N超の静的な載荷能力、及び10kmの合計走行距離に対する400N超、特に700N超の動的な載荷能力での使用にも適し、載荷能力は主負荷方向に沿って負荷に対して適合される。取付けペグ及び/又は取付けブッシングが回転可能に受容され得る取付けチャネルのローラ間での長手方向における更なる規定によって、軸受はそのような取付けペグ又はそのような取付けブッシングを介して構造部材に取り付けられることになり、主負荷方向に垂直かつ長手方向に垂直な力成分を有する力がレールのガイド部分と軸受の間に作用する場合には、ガイド部分が少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つの摺動要素に当接する一方で、軸受はペグ又はブッシング周りに回転されることになる。これは、ガイド部分が軸受内で詰まるのを防止する。これは、長手方向に離隔された2つの軸受を用いる場合に特に有利となる。なぜなら、それらの通路の長手軸が相互に対して完全に整合されていなくても、これらの軸受はそれらそれぞれの取付けペグ又はそれらそれぞれの取付けブッシング周りに回転することによって相互に対して回転し得るためであり、それにより、軸受に対するガイド部分の詰りが、そのような使用の場合でも防止される。したがって、本発明は、特に、軸受アセンブリとして長手方向に離隔された2つの軸受の使用に関し、軸受アセンブリを介して、好ましくは少なくとも800N、特に少なくとも1000N、特に少なくとも1500Nの主負荷方向の力が、意図するように長手方向にレール上に摺動的に搬送可能となる。長手方向に離隔された2つのローラの走行面がいずれも通路の長手軸に平行に延びて長手方向に垂直な方向に受容チャネルを境界付ける同じ直線に当接することが一般に好適である。摺動要素は、好ましくはそれらの長手方向に垂直な断面を円の弧のセグメントの態様として延在し、通路の長手軸はその中心を通じて延びる。円の弧のセグメントは、好ましくは、長手軸に関して少なくとも200°、特に少なくとも220°、特に少なくとも240°、特に少なくとも260°の角度範囲にわたって連続的に閉塞される。
【0008】
一般に、軸受は、好ましくは、取付けチャネル内に回転可能に取り付けられた取付けブッシングを有する。取付けブッシングは、好ましくは、筒体の態様で構成され、その筒体軸が取付け軸に沿う状態で延在する。取付けブッシングは、取付けチャネル内で、好ましくはそれが0.5mm未満、特に0.2mm未満の長手方向のクリアランスを有するように配置される。取付けブッシングは、好ましくは、少なくとも一方の側において取付け軸に沿ってハウジングを越えて突出する。これにより、取付けブッシングは、その端部において、結果的に取付けブッシングに対するハウジングが回転する能力を制限することなく、構造部材上の適所に固定可能となる。
【0009】
ハウジングは、好ましくは、取付け軸に沿って相互に並んで配置されて相互に取外し可能に固定された第1及び第2のハウジング部品を有する。2つのハウジング部品は、取付けチャネルをともに形成しかつ/又は通路をともに形成する。相互に対して取外し可能に接続された2つのハウジング部品を設けることで、本発明に係る軸受の製造及び取付けが特に簡素となる。
【0010】
特に好ましくは、取付けチャネルは、長手方向に相互からオフセットして配置された両ローラ又はローラ若しくはローラの対の両長手位置から長手方向に等距離に離隔される。これは、ローラの長手方向に垂直かつ横断方向に垂直な力の何らかの載荷の場合に、軸受が、取付けチャネル内に配置された取付けブッシング又は取付けチャネル内に配置された取付けペグ周りの回転によって均一に回転可能となるという別段の有利な効果を有する。取付け軸及びローラ車軸は、好ましくは、いずれも取付け軸が両ローラ車軸から長手方向に等距離に離隔された状態で、全て長手軸に垂直に延びる。特に好ましくは、取付けチャネルは、受容チャネルの、ローラ車軸と同じ側に配置される。ローラ車軸及び取付けチャネルは長手方向に垂直な方向に関して受容チャネルの外部に、好ましくはこの方向に関して受容チャネルの同じ側に配置されることは言うまでもない。好ましくは、摺動要素の少なくとも1つは、通路の各長手端部分に配置される。通路は、長手方向において対向する2つの長手端部分を有する。各長手端部分は、それに関連する通路の絶対長手端から、通路の長手方向の範囲の最大30%、特に最大20%、特に最大10%にわたって延在する。好ましくはそれぞれ、摺動要素の1つは、それぞれの長手端断面内にのみ配置される。取付けチャネル又は取付け軸は、好ましくは、通路の2つの長手端部分に配置された2つの摺動要素から長手方向に沿って等距離で離隔される。それぞれの長手端部分に配置されたそれぞれの摺動要素は、好ましくは、長手方向において摺動要素に最も近いローラよりも、摺動要素に関連するハウジングの絶対長手端に近くに配置される。長手端部分に配置された摺動要素の各々は、好ましくは、長手方向において摺動要素に最も近いローラから長手方向に同じ距離だけ離隔される。
【0011】
特に好ましくは、ローラの走行面は、受容チャネルに向く凹状輪郭を有する。凹状輪郭に起因して、ローラは、特に有利には、ガイド部分に当接し、特にガイド部分の更なる案内動作に寄与し得る。特に好ましくは、輪郭は、長手方向に垂直に、球体のセグメントの態様で構成された断面を有する。これは、ガイド部分が丸い又は楕円の断面を有する筒体の態様で実現される場合に特に有利である。
【0012】
一実施形態では、取付けブッシングは、その外面に、特にフランジの形態の径方向突出部を有する。突出部は、径方向に、したがって取付け軸に垂直に延在する。突出部は、ハウジングの内部の両側に取付け軸に沿って境界付けられる取付けチャネルの径方向延長部に配置される。取付けチャネルは、好ましくは、径方向延長部を有する筒体の態様で構成される。径方向延長部が両側に境界付けられることに起因して、径方向延長部は、取付け軸に沿って突出部の位置を固定する、突出部に対する制止部を形成する。したがって、取付けチャネルの径方向延長部における突出部の構成は、取付け軸に沿ってハウジングに対する取付けブッシングの位置を固定する。特に好ましくは、取付けチャネルの径方向延長部はいずれも、取付け軸に沿って相互に向き合う2つのハウジング部品の横断方向端部によって形成される。したがって、径方向延長部は、2つのハウジング部品によってともに形成される。横断方向端部という用語は、それによって端部が取付け軸に沿って相互に向き合い、特に、相互に当接するハウジング部品の端部を示す。2つのハウジング部品を用いて径方向延長部を形成することは、軸受の製造の容易性に関して特に好適である。特に好ましくは、特に中空筒体の第1の摺動要素が、ハウジングと取付けブッシングの間の取付けチャネル内に設けられる。摺動部材は、ハウジングに対する取付けブッシングの低摩擦での回転性を保証する。第1の摺動部材は、好ましくは、第1の摺動部材突出部を含み、これによって、第1の摺動部材が取付けチャネルの径方向延長部の第1の部分に配置されて取付け軸に沿ってハウジングに対する第1の摺動部材の位置を固定する。取付けチャネルにおいて、第2の摺動部材が、好ましくは、取付け軸に沿って第1の摺動部材からオフセットして設けられる。第2の摺動部材は、好ましくは、第2の摺動部材突出部を有し、これによって、第2の摺動部材が取付けチャネルの径方向延長部の第2の部分に配置されて取付け軸に沿ってハウジングに対する第2の摺動部材の位置を固定する。取付けブッシングの突出部は、好ましくは、第1の摺動部材突出部に対抗する第1の面、及び第2の摺動部材突出部に対抗する、第1の面から離れた第2の面を有して、取付け軸に沿って位置する。径方向延長部は、好ましくは、取付け軸に沿って連続する径方向延長部であり、2つの摺動部材突出部及び取付けブッシングの突出部は径方向延長部に配置される。したがって、取付けブッシングは、好ましくは、専ら少なくとも1つの摺動部材を介して、したがって直接ではなく、ハウジングに当接する。特に好ましくは、第1の摺動部材は、特に専ら第1のハウジング部品によって形成された取付けチャネルの第1の部分に配置される。特に好ましくは、第2の摺動部材は、特に専ら第2のハウジング部品によって形成された取付けチャネルの第2の部分に配置される。取付けチャネルは、好ましくは2つの部分からなる。
【0013】
摺動要素が、少なくとも220°、特に少なくとも240°、特に少なくとも260°の包囲角で通路の長手軸を包囲すると一般に好適である。通路が、少なくとも220°、特に少なくとも240°、特に少なくとも260°の角度範囲にわたって長手方向に垂直に長手軸を完全に包囲すると一般に好適である。特に好ましくは、通路は、長手方向に垂直に向く面に長手方向に連続する開口を有する。摺動要素は、好ましくは、通路の開口に整合された長手方向に連続する開口を有する。開口は通路に設けられ、特に、摺動部材は、軸受がレールのガイド部分上で長手方向に沿ってわずかに変位されている間にウェブが開口を通じて摺動することを可能とするように作用し、レールの筒状ガイド部分はそのウェブを介してレールのレール本体に接続される。
【0014】
摺動要素が長手方向に延びる溝を有すると一般に好適である。これは、汚れに起因する摩擦の増加を防止可能とし、それにより、摺動要素がガイド部分に当接する接触面積を有利に小さく維持することが可能となる。ローラ車軸が取付け軸に平行に延びていると一般に好適である。摺動要素が摩擦学的ポリマーから作製されると一般に好適である。摺動部材は、好ましくは、摩擦学的ポリマーから作製される。そのような摩擦学的ポリマーは、摩耗低減及び摩擦低減に関して最適化されたポリマーである。そのような摩擦学的ポリマーは、従来的に、ベースポリマー、例えば、熱可塑性のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエテン、及び熱硬化性の場合には、フェノール樹脂を有する。このベースポリマーに、微細固体潤滑剤、例えば、二硫化モリブデン若しくはグラファイト、及び/又は充填剤、例えば、プラスチック材料若しくはテクスタイルの繊維又は粒子が添加される。ハウジングは、好ましくは、金属又は金属合金から、特にダイカストによって作製される。ハウジング及び結果として通路は、好ましくは、少なくとも6cm、特に6cm~15cmの間で長手方向に延在する。ローラは、好ましくは、10mm~30mm、特に15mm~25mmの直径を有する。ローラは、好ましくは、プラスチック材料から作製される。ローラ車軸は、好ましくは、ハウジング内に固定された別個のピン要素として生産され、特に好ましくは、金属又は金属合金から作製される。ハウジングは、一般に好ましくは、アルミニウムから作製される。
【0015】
本発明は、さらに、本発明に係る軸受と、筒体の態様で構成されたガイド部分を有するレールと、を有する軸受アセンブリに関する。本発明に係る軸受アセンブリでは、ガイド部分は、軸受の通路内で長手方向に変位可能となるように配置され、特に通路内に位置する軸受の受容チャネル内に配置され、長手方向に垂直に両ローラに当接する。ガイド部分は、好ましくは、摺動要素から長手方向に垂直に1mm未満、特に0.5mm未満、特に0.2mm未満だけ離隔される。特に好ましくは、レールは、レール本体、及びレール本体に接続されたウェブを有し、ウェブはガイド部分に接続され、したがってガイド部分をレール本体に接続する。ウェブは、好ましくは、レールの長さ範囲に沿って長手方向に中断なく延びる。ガイド部分は、好ましくは、円形又は楕円の断面の筒体の態様で構成され、その一方の側には、ガイド部分をレール本体に接続するウェブが取り付けられる。レール本体、ウェブ及びガイド部分を備えるレールは、好ましくは、一体に製造され、特にアルミニウムから、特に押出しによって作製される。特に好ましくは、軸受アセンブリは、本発明に係る2つの軸受、特に本発明に係る2個のみの軸受を備えるように、本発明に係る更なる軸受を備える。軸受同士が、長手方向に相互に並んで配置され、好ましくは、長手方向に離隔される。レールのガイド部分は2つの軸受の通路内、特に受容チャネル内に配置され、軸受はいずれも、軸受のそれぞれの取付けチャネル内に配置された取付けペグ及び/又は軸受のそれぞれの取付けチャネル内に配置された取付けブッシングによって構造部材に締結される。構造部材は、例えば、機械部品、例えば、機械の支持フレーム、又は建造物の一部、例えば、壁部であり得る。
【0016】
本発明は、さらに、本発明に係る軸受の使用に関し、取付けペグ及び/又は取付けブッシングがチャネルによってガイドされ、特に長手方向、取付け軸に平行に延びる横断方向、並びに/又は取付け軸及び長手軸に垂直に延びる方向に関して軸受のハウジングに対して適所に固定され、同時に、取付け軸周りに回転可能に固定される。この適所での固定は、結果としてハウジングに対する並進を防止するが回転を妨害しない。取付けブッシングは、好ましくは取付けチャネル内に配置され、そのブッシング内に、その両端において取付けブッシングに締結された取付けペグが挿入される。それにより、取付けペグ及び取付けブッシングは、位置固定されて回転不能な態様で、相互に接続され、一方、ハウジングは、取付けブッシング周りに回転可能となるように取り付けられる。本発明に係る使用では、筒体の態様で形成されたレールのガイド部分は、ローラに接触する受容チャネル内に長手方向に沿って挿入され、ローラをそれらのローラ車軸周りに回転させる。特に好ましくは、軸受は、その後に長手方向に沿ってレールに対して変位される。軸受とレールの間に力が付与され、それによって軸受は取付けペグ周りに及び/又は取付けブッシング周りに回転され、ガイド部分は摺動要素の少なくとも一方に押圧され、それに対して押圧されると、長手方向に沿って摺動し、一方で、同時に、ローラの少なくとも一方に当接し、当該一方のローラがそのローラ車軸周りに回転する。その力は、好ましくは、このローラの長手方向の力成分及び横断方向に垂直な力成分を有する。
【0017】
以下に、本発明を、3図面を参照して例示的実施形態に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】本発明に係る軸受アセンブリの実施形態の様々な図の様々な模式図を示す。
図1b】本発明に係る軸受アセンブリの実施形態の様々な図の様々な模式図を示す。
図1c】本発明に係る軸受アセンブリの実施形態の様々な図の様々な模式図を示す。
図2a図1に示す本発明に係る軸受アセンブリの構成要素の様々な図の様々な模式図を示す。
図2b図1に示す本発明に係る軸受アセンブリの構成要素の様々な図の様々な模式図を示す。
図3図1に示す本発明に係る軸受アセンブリの軸受の模式分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1a、図1b及び図1cからなる図1は、本発明に係る軸受アセンブリの実施形態の様々な図を様々な模式図で示す。軸受アセンブリは、軸受1及びレール6を備える。軸受1は、第1のハウジング部品2及び第2のハウジング部品3を備える。第1及び第2のハウジング部品2、3は、軸受1のハウジングをともに形成する。ハウジングは、長手方向に延びる長手軸Xに沿ってハウジングを通じて延びる通路を有する。筒体の態様で構成されたレール6のガイド部分61が、通路内に配置され、レール6のレール本体62にウェブを介して接続される。そこにガイド部分61が受容された通路は、図1bに係る長手方向に沿う平面図から、及び図1cに係る長手方向に垂直な断面図から明らかである。通路は、約260°の角度範囲にわたって長手方向に垂直に長手軸Xを中断なく包囲する。通路は、長手方向に垂直に向く面に開口を有し、その開口は長手方向に連続し、その開口を通じてウェブが延在し、ウェブを介してガイド部分61がレール本体62に接続される。この開口は、通路が長手軸Xを包囲しない角度範囲に対応する。ハウジング部品2、3は、さらに取付け軸Yに沿う筒体の態様で延在する取付けチャネルを形成する。この取付けチャネルには取付けブッシング4が配置され、取付けブッシング4は、取付けチャネル内に配置されると、長手方向に関してハウジング部品2、3に対して適所に固定されるが、取付け軸Y周りにハウジング部品2、3に対して回転可能である。取付けブッシング4は、中空筒状ジャケット部品42を有し、その径方向外面に、フランジとして構成された周方向に延在する突出部41が形成され、これは本発明よると一般に有利となる。取付けチャネルは取付け軸Yに沿って両面において境界付けられた径方向延長部を有し、径方向延長部において、取付けブッシング4の突出部41が、取付けブッシング4がハウジング部品2、3に対して取付け軸Yに沿ってその位置に固定されるように、配置される。さらに、第1の摺動部材24及び第2の摺動部材34が設けられ、その各々は摺動部材突出部を有し、その摺動部材突出部によって、当該各々は、摺動部材24、34も取付け軸Yに関してハウジング部品2、3に対する固定位置に保持されるように、取付けチャネルの径方向延長部に係合する。取付けチャネルの径方向延長部は、取付け軸Yに沿って連続する径方向延長部であり、その径方向延長部において、取付けブッシング4の突出部41及び摺動部材24、34の摺動部材突出部の双方が配置される。2つのハウジング部品2、3は、いずれも取付けチャネルの一部を形成し、取付け軸Yに沿って相互に向き合うそれらの横断方向端部において、いずれも取付けチャネルの径方向延長部の一部を形成する。ハウジング部品2、3は、取付け軸Yに沿って相互に並んで配置され、それらの横断方向端部が相互に向き合う状態でボルト5によって相互に取外し可能に固定される。軸受1のこの構造によって、軸受1を組み立てること及び特に保守すること、例えば、摺動部材24、34を交換すること、又は通路内に位置してガイド部分61及び通路の双方に当接する摺動要素7を交換することが特に容易となる。
【0020】
図2a及び図2bからなる図2は、図1に係る軸受アセンブリの構成要素の様々な図を模式的に様々な図で示す。図2aは、第2のハウジング部品3を有さない、図1に係る軸受アセンブリを示す。図2bは、図2aに示すモジュールの取付け軸Yに垂直なB-B断面の図を示す。さらに、図3は、図1に係る軸受アセンブリの軸受1の模式表示の分解図である。軸受1の構成及び動作のモードは、特に図2a、図2b及び図3を併せて見ることで明らかとなる。軸受1は、各々がハウジング内でローラ車軸9周りに回転可能に取り付けられた2つのローラ8を有する。両ローラ8のローラ車軸9はいずれも、取付け軸Yに平行に延び、2つのハウジング部品2、3における止まり穴にいずれも受容される。記載する実施形態では、ローラ車軸9は、ハウジング内に固定された別個のピン要素として構成される。2つのローラ車軸9及び結果として2つのローラ8は、取付けチャネルから長手軸Xに沿って1つの同じ距離だけ離隔され、長手方向に関して、取付けチャネル及び結果として取付けブッシング4の2つの異なる面上に位置する。通路の各長手端部分において、約260°の包囲角によって長手軸Xを包囲する摺動要素7が設けられる。図2bに示す意図する使用では、レール6の筒状ガイド部分61は、2つのローラ8の走行面及び摺動要素7の双方に接触する。これは、本発明によると一般に有利である。摺動要素7及びローラ8は、通路内に形成された受容チャネルを境界付け、その受容チャネルに、長手軸X及び取付け軸Yに垂直な横断方向においてガイド部分61を受容する。この横断方向は軸受1の主負荷方向に対応し、その横断方向は、相互に平行にかつ長手軸Xに垂直に延びるローラ車軸9及び取付け軸Yに垂直であり、これは本発明によると一般に有利である。
【0021】
図面を併せて見ると、取付けブッシング4は、専ら摺動部材24、34を介して、したがって直接ではなく、ハウジング部品2、3に接触することがさらに明らかとなる。これにより、取付けブッシング4が可能な限り少ない摩擦でハウジング部品2、3に対して回転可能となることが保証される。摺動要素7及びローラ8を設けることによって、軸受1におけるレールのガイド部分61の、長手軸Xに沿って変位可能な特に載荷可能な低摩擦の取付けがさらに保証される。摺動部材24、34及び摺動要素7の各々は、ここでは摩擦学的ポリマーから作製される。図2b及び図3は、2つのハウジング部品2、3がいずれもローラ8の各々に対してローラキャビティをともに形成し、そのローラキャビティにはそれぞれのローラ8が受容されることをさらに示す。ハウジング部品2、3の各々は、ローラ8が取付け軸Yに関してハウジングに対してその位置においてそれぞれのローラキャビティに固定されるように、取付け軸Yに沿ってそれぞれのローラキャビティの境界を形成する。特に好ましくは、そして本例示的実施形態において実施されるように、ローラ8は、それぞれのローラキャビティにおいてローラ8の走行面の50%超、好ましくは70%超で受容され、それらの走行面がそれぞれのローラキャビティから出てハウジングの通路内に延びる状態で、延在する。対応するローラキャビティを設けることは、本発明によると一般に有利である。
【符号の説明】
【0022】
1 軸受
2 第1のハウジング部品
3 第2のハウジング部品
4 取付けブッシング
5 ボルト
6 レール
7 摺動要素
8 ローラ
9 ローラ車軸
24 第1の摺動部材
34 第2の摺動部材
41 突出部
61 ガイド部分
62 レール本体
X 長手軸
Y 取付け軸
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に記載の軸受並びにその軸受を有する軸受アセンブリ及びその軸受の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
この一般的なタイプの軸受は、レール上での作業装置の長手方向への摺動取付け、特に無潤滑剤での取付けに使用されている。この一般的なタイプの軸受は、軸受構成がローラ及び摺動要素の双方に基づくハイブリッドな原理に基づく。このような軸受は、ハウジングを通じて長手方向に延びる受容チャネルが設けられたハウジングを有する。さらに、そのような軸受は、少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つの摺動要素の双方を有する。ローラは、長手方向に垂直に延在するローラ車軸に対してハウジング内に回転可能に取り付けられる。軸受が意図するように使用される場合、筒体の態様で構成されたレールのガイド部分は受容チャネルに受容され、ローラの走行面に当接し、少なくとも1つの摺動要素がガイド部分を200°超、特に220°超の角度範囲にわたって包囲する。意図するように使用される場合、作業装置は以下の態様で軸受に配置される。その態様では、ローラが主負荷をガイド部分に伝達し、ガイド部分に対する長手方向への軸受の変位時にガイド部分に沿って転動し、一方で、摺動要素がローラに対して長手方向にオフセットして設けられ、それにより、レールのガイド部分に対して軸受への横断載荷、すなわち、主負荷方向に垂直かつ長手方向に垂直な載荷の場合に、摺動要素が、ガイド部分に対する軸受の長手変位時に上記横断載荷によって押圧されるガイド部分に沿って摺動する。この一般的なタイプの軸受は、例えば、カメラ技術、工作機械ドア又はパネルにおいて、長手方向に手作業でずらすことになる作業装置に特に適する。なぜなら、一方では、そこで使用されるハイブリッド技術によってそのような軸受が非常に少ない摩擦でレールに沿って大きな負荷を搬送することができ、他方では、作業装置及び結果として軸受が特に手動で変位される場合に発生するいずれの横断力も使用摺動要素によって吸収され、したがって軸受に取り付けられた作業装置が大きなノイズを発生させずかつ大きな摩擦なくレールに沿って変位可能となるためである。
請求項1の一般的用語に係る軸受は、特許文献1により知られている。更なる先行技術は、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5により知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4714354号明細書
【特許文献2】特開平5-149334号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2015/176643号明細書
【特許文献4】米国特許第5281029号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第3224282号明細書
【0004】
この一般的なタイプの軸受では、使用されるローラ及び摺動要素は、軸受が主負荷方向に沿って載荷される場合、すなわち、載荷がローラ車軸に対して垂直である場合に摺動要素が可能な限り小さな接触面積でガイド部分に当接するような態様で、ハウジング通路内で相互に対して一致して配置される。しかし、このような軸受は、主負荷方向に載荷される場合には、一方ではハウジング及びローラの材料によって制限を受け、ハウジングに取り付けられてローラが回転可能に取り付けられる別個のローラ車軸が設けられる場合には、ローラ車軸の材料によって制限を受ける。主負荷方向への載荷が過大である場合、相当な摩耗現象及び特に増加した摩擦が発生することになる。したがって、このような軸受は、製造業者によって指定された、主負荷方向に積載される負荷に基づく静的な載荷能力及び主負荷方向に積載される負荷に基づく動的な載荷能力までしか、意図するようには使用可能でない。動的な載荷能力は、意図する合計走行距離の関数として指定される。静的な載荷能力を超える程度まで載荷されたその軸受によって作業装置が長手方向に摺動するように取り付けられる場合、長手方向に沿って連続して配置され、したがって主負荷方向に対して平行に接続された複数の軸受を設け、作業装置によって付与される負荷をともに担う必要がある。しかし、これには、レールのガイド部分と軸受の間の意図しない高い摩擦及び/又は軸受、特にそれらのローラの過度の摩耗を回避するために、そのような多数の軸受は複雑な設置を必要とするので、問題があることが分かっている。これは、軸受が、それらの通路の長手軸が相互に対して高精度に整合された状態で方向付けられなければならないためである。これは、なぜなら、各軸受は長手方向に垂直にガイド部分の位置を明確に固定し、それにより、各種軸受の長手軸の整合における相互からの何らかのばらつきは、軸受によって生成された軸受アセンブリによってガイド部分の過剰定義された位置決めをもたらし、対応する摩擦損失又は載荷を伴うためである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の課題は、上記の一般的なタイプの軸受の少なくとも1つの不利益を少なくとも部分的に解消する軸受、軸受アセンブリ及び/又は軸受の使用を提供することである。
【0006】
本発明に内在する課題を達成する1つの態様として、本発明は、請求項1に記載の特徴を有する軸受を提案する。本発明に係る軸受は、長手方向にその筒体軸を有して延在するレールの筒状ガイド部分を、長手方向に変位可能にガイドされる態様で取り付けるのに適する。軸受は、軸受が少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つの摺動要素の双方に取り付けられるように、ローラ及び摺動要素に基づくものである。軸受は、長手方向に延在する長手軸に沿ってハウジングを通じて延びる通路を有するハウジングを備える。受容チャネルが、レールのガイド部分を受容するための通路内に形成される。軸受が意図するように使用される場合、ガイド部分は、その筒体軸が通路の長手軸に沿って整合された状態で、受容チャネル内に配置される。受容チャネルは、少なくとも部分的に閉塞し、好ましくは長手方向に垂直に中断なく、特に、少なくとも200°、特に少なくとも220°、特に少なくとも240°、特に少なくとも260°の角度範囲にわたって閉塞する。この包囲は、好ましくは、通路がその長手軸に沿って延在する長さの少なくとも50%、特に少なくとも80%にわたって存在する。受容チャネルは、完全にその通路内に位置する。受容チャネルは、例えば、通路自体によって長手方向に垂直なその範囲内で適所に境界付けられ、一部の実施形態では、通路内に配置された、すなわち、少なくとも通路内に延在する軸受の要素によって、例えば、通路内に配置された摺動要素及びローラによって、長手方向に垂直に境界付けられることになる。ハウジングを通じて長手方向に延びる通路に起因して、レールの筒状ガイド部分は通路内に配置された受容チャネル内に配置され、その長手方向の範囲がハウジングの長手方向の範囲の少なくとも5倍、特に少なくとも10倍となるようなガイド部分の構成の場合、ガイド部分は受容チャネル内に配置される一方で、軸受はガイド部分に沿って長手方向に変位可能となる。
【0007】
提案される解決手段によると、軸受は長手方向に離隔された2つのローラを有し、その2つのローラの各々は長手方向に垂直に延びるローラ車軸周りに回転可能にハウジング内に取り付けられ、その2つのローラの各々はそのローラ車軸に垂直に延びる横断方向のその走行面によって受容チャネルを境界付ける。したがって、各ローラは、それに関連するローラ車軸周りに回転可能となるような態様でハウジング内に取り付けられる。これは、例えば、それぞれのローラの周囲に適用される軸受構成、及び結果として受容チャネル外部におけるローラの走行面に対する軸受構成を用いて達成され得る。一方、好ましくは、これはローラ車軸を用いて達成され、そのローラ車軸は、ハウジングに堅く接続され又はハウジング内に一体化され、ローラの中心を通じて延び、ローラ車軸には、ローラの走行面がローラ車軸を周方向に囲むようにローラが回転可能に取り付けられる。各ローラは、長手方向に垂直に通路内に設けられた受容チャネルを境界付けるように、ローラの走行面、すなわち、ローラの径方向端部によって少なくとも部分的に通路内に延在する。軸受が意図するように使用される場合、筒状ガイド部分は、受容チャネル内に位置し、それによりローラの走行面に対抗する。したがって、各ローラは、そのそれぞれのローラ車軸に垂直にかつ長手方向に垂直に延びる横断方向において受容チャネルを境界付ける。したがって、横断方向は、各ローラに明確に割り当てられる。好ましくは、同じ横断方向は、ローラ車軸が平行に延びるように全てのローラに割り当てられる。一部の実施形態では、軸受は、2個より多いローラ、例えば、長手方向の第1の位置における第1の対のローラ及び長手方向の第2の位置における第2の対のローラを含んでいてもよい。各対のローラのローラ車軸は、意図するように使用される場合、長手軸に関する対応の角度だけ相互に対してオフセットされたガイド部分の2つの周方向部分にローラ車軸が当接するように、長手方向に関して所定角度だけ相互に対して傾斜している。このような実施形態では、好ましくは、各対のローラの各1つのローラ車軸が、ローラのそれぞれ他方の対のローラのそれぞれ1つのローラ車軸に平行に方向付けられる。ある対のローラのローラ車軸は、好ましくは、長手軸に関して120°未満、特に90°未満の角度を有する。好ましくは、軸受においてそれぞれのローラ又はローラの対が設けられる2つのみの長手位置があり、これらの長手位置は上述のように長手方向に離隔される。ハウジングは、ローラの間又はローラの上記位置の間で長手方向に、取付け軸に沿って長手方向に垂直にハウジングを通じて延びる取付けチャネルをさらに含む。したがって、取付け軸は、長手方向に垂直に延びる横断方向に延びる。取付けチャネルは、取付けペグが取付けチャネル内に配置され、取付け軸に沿ってハウジングを通じて延在し、取付け軸周りに回転可能に受容されるがその長手位置に取付けチャネルによって固定されるような態様で、好ましくは筒状の取付けペグを受容するのに適する。取付けペグの代わりに、取付けブッシングが取付けチャネル内に配置されてもよいし、取付けブッシングが、同様に取付けペグが配置された取付けチャネル内に配置されてもよいことは言うまでもない。この場合、取付けブッシングは、取付けチャネルに対応して受容され、取付け軸に沿ってハウジングを通じて延在し、取付け軸周りに回転可能に取り付けられるがその長手方向の位置に取付けチャネルによって固定される。長手方向に離隔されて長手方向においてローラに対してオフセットされた複数の摺動要素が、通路内にさらに配置され、当該摺動要素の各々はそれらの面の一方によって長手方向に垂直に受容チャネルを境界付ける。ローラに対して長手方向にオフセットして配置されて受容チャネルを境界付ける複数の摺動要素を設けることによって、ガイド部分が軸受に対する長手方向に垂直な力であってローラの横断方向に垂直な力成分を有する力を受ける場合、軸受が意図するように使用されると、ガイド部分は摺動要素の少なくとも1つに接触し得る。それにより、それでもハウジングが少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つの摺動要素のみを介してガイド部分に当接するので、そのような場合でも受容チャネル内のガイド部分の低ノイズでかつ低摩擦での長手変位可能な取付けが保証され、これは本発明によると一般に有利である。
【0008】
本発明に係る軸受は、多数の有利な効果を有する。長手方向に離隔された2つのローラと、長手方向に離隔されるとともにローラに対してオフセットされた複数の摺動要素との組合せは、長手方向に垂直かつ横断方向に垂直な成分を有する力を受ける場合であっても、ガイド部分が常に可能な限り少ない摩擦で軸受に当接することを保証することができ、過度の摩耗が防止可能となり、それにより、軸受に対して長い耐用年数が達成可能となることを意味する。長手方向に離隔された2つのローラを設けることによって、ローラ、2つのローラは、軸受に取り付けられた作業装置の主負荷方向に負荷を吸収することができる。ローラの1つの対はいずれも各長手位置に設けられることを条件として、主負荷方向は、好ましくは、長手方向に離隔されたローラの横断方向に平行であり、又はローラのそれぞれの対のローラの横断方向の二等分線に平行である。このように、軸受は、大きな負荷、特に、400N超、特に700N超の静的な載荷能力、及び10kmの合計走行距離に対する400N超、特に700N超の動的な載荷能力での使用にも適し、載荷能力は主負荷方向に沿って負荷に対して適合される。取付けペグ及び/又は取付けブッシングが回転可能に受容され得る取付けチャネルのローラ間での長手方向における更なる規定によって、軸受はそのような取付けペグ又はそのような取付けブッシングを介して構造部材に取り付けられることになり、主負荷方向に垂直かつ長手方向に垂直な力成分を有する力がレールのガイド部分と軸受の間に作用する場合には、ガイド部分が少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つの摺動要素に当接する一方で、軸受はペグ又はブッシング周りに回転されることになる。これは、ガイド部分が軸受内で詰まるのを防止する。これは、長手方向に離隔された2つの軸受を用いる場合に特に有利となる。なぜなら、それらの通路の長手軸が相互に対して完全に整合されていなくても、これらの軸受はそれらそれぞれの取付けペグ又はそれらそれぞれの取付けブッシング周りに回転することによって相互に対して回転し得るためであり、それにより、軸受に対するガイド部分の詰りが、そのような使用の場合でも防止される。したがって、本発明は、特に、軸受アセンブリとして長手方向に離隔された2つの軸受の使用に関し、軸受アセンブリを介して、好ましくは少なくとも800N、特に少なくとも1000N、特に少なくとも1500Nの主負荷方向の力が、意図するように長手方向にレール上に摺動的に搬送可能となる。長手方向に離隔された2つのローラの走行面がいずれも通路の長手軸に平行に延びて長手方向に垂直な方向に受容チャネルを境界付ける同じ直線に当接することが一般に好適である。摺動要素は、好ましくはそれらの長手方向に垂直な断面を円の弧のセグメントの態様として延在し、通路の長手軸はその中心を通じて延びる。円の弧のセグメントは、好ましくは、長手軸に関して少なくとも200°、特に少なくとも220°、特に少なくとも240°、特に少なくとも260°の角度範囲にわたって連続的に閉塞される。
【0009】
一般に、軸受は、好ましくは、取付けチャネル内に回転可能に取り付けられた取付けブッシングを有する。取付けブッシングは、好ましくは、筒体の態様で構成され、その筒体軸が取付け軸に沿う状態で延在する。取付けブッシングは、取付けチャネル内で、好ましくはそれが0.5mm未満、特に0.2mm未満の長手方向のクリアランスを有するように配置される。取付けブッシングは、好ましくは、少なくとも一方の側において取付け軸に沿ってハウジングを越えて突出する。これにより、取付けブッシングは、その端部において、結果的に取付けブッシングに対するハウジングが回転する能力を制限することなく、構造部材上の適所に固定可能となる。
【0010】
ハウジングは、好ましくは、取付け軸に沿って相互に並んで配置されて相互に取外し可能に固定された第1及び第2のハウジング部品を有する。2つのハウジング部品は、取付けチャネルをともに形成しかつ/又は通路をともに形成する。相互に対して取外し可能に接続された2つのハウジング部品を設けることで、本発明に係る軸受の製造及び取付けが特に簡素となる。
【0011】
特に好ましくは、取付けチャネルは、長手方向に相互からオフセットして配置された両ローラ又はローラ若しくはローラの対の両長手位置から長手方向に等距離に離隔される。これは、ローラの長手方向に垂直かつ横断方向に垂直な力の何らかの載荷の場合に、軸受が、取付けチャネル内に配置された取付けブッシング又は取付けチャネル内に配置された取付けペグ周りの回転によって均一に回転可能となるという別段の有利な効果を有する。取付け軸及びローラ車軸は、好ましくは、いずれも取付け軸が両ローラ車軸から長手方向に等距離に離隔された状態で、全て長手軸に垂直に延びる。特に好ましくは、取付けチャネルは、受容チャネルの、ローラ車軸と同じ側に配置される。ローラ車軸及び取付けチャネルは長手方向に垂直な方向に関して受容チャネルの外部に、好ましくはこの方向に関して受容チャネルの同じ側に配置されることは言うまでもない。好ましくは、摺動要素の少なくとも1つは、通路の各長手端部分に配置される。通路は、長手方向において対向する2つの長手端部分を有する。各長手端部分は、それに関連する通路の絶対長手端から、通路の長手方向の範囲の最大30%、特に最大20%、特に最大10%にわたって延在する。好ましくはそれぞれ、摺動要素の1つは、それぞれの長手端断面内にのみ配置される。取付けチャネル又は取付け軸は、好ましくは、通路の2つの長手端部分に配置された2つの摺動要素から長手方向に沿って等距離で離隔される。それぞれの長手端部分に配置されたそれぞれの摺動要素は、好ましくは、長手方向において摺動要素に最も近いローラよりも、摺動要素に関連するハウジングの絶対長手端に近くに配置される。長手端部分に配置された摺動要素の各々は、好ましくは、長手方向において摺動要素に最も近いローラから長手方向に同じ距離だけ離隔される。
【0012】
特に好ましくは、ローラの走行面は、受容チャネルに向く凹状輪郭を有する。凹状輪郭に起因して、ローラは、特に有利には、ガイド部分に当接し、特にガイド部分の更なる案内動作に寄与し得る。特に好ましくは、輪郭は、長手方向に垂直に、球体のセグメントの態様で構成された断面を有する。これは、ガイド部分が丸い又は楕円の断面を有する筒体の態様で実現される場合に特に有利である。
【0013】
一実施形態では、取付けブッシングは、その外面に、特にフランジの形態の径方向突出部を有する。突出部は、径方向に、したがって取付け軸に垂直に延在する。突出部は、ハウジングの内部の両側に取付け軸に沿って境界付けられる取付けチャネルの径方向延長部に配置される。取付けチャネルは、好ましくは、径方向延長部を有する筒体の態様で構成される。径方向延長部が両側に境界付けられることに起因して、径方向延長部は、取付け軸に沿って突出部の位置を固定する、突出部に対する制止部を形成する。したがって、取付けチャネルの径方向延長部における突出部の構成は、取付け軸に沿ってハウジングに対する取付けブッシングの位置を固定する。特に好ましくは、取付けチャネルの径方向延長部はいずれも、取付け軸に沿って相互に向き合う2つのハウジング部品の横断方向端部によって形成される。したがって、径方向延長部は、2つのハウジング部品によってともに形成される。横断方向端部という用語は、それによって端部が取付け軸に沿って相互に向き合い、特に、相互に当接するハウジング部品の端部を示す。2つのハウジング部品を用いて径方向延長部を形成することは、軸受の製造の容易性に関して特に好適である。特に好ましくは、特に中空筒体の第1の摺動要素が、ハウジングと取付けブッシングの間の取付けチャネル内に設けられる。摺動部材は、ハウジングに対する取付けブッシングの低摩擦での回転性を保証する。第1の摺動部材は、好ましくは、第1の摺動部材突出部を含み、これによって、第1の摺動部材が取付けチャネルの径方向延長部の第1の部分に配置されて取付け軸に沿ってハウジングに対する第1の摺動部材の位置を固定する。取付けチャネルにおいて、第2の摺動部材が、好ましくは、取付け軸に沿って第1の摺動部材からオフセットして設けられる。第2の摺動部材は、好ましくは、第2の摺動部材突出部を有し、これによって、第2の摺動部材が取付けチャネルの径方向延長部の第2の部分に配置されて取付け軸に沿ってハウジングに対する第2の摺動部材の位置を固定する。取付けブッシングの突出部は、好ましくは、第1の摺動部材突出部に対抗する第1の面、及び第2の摺動部材突出部に対抗する、第1の面から離れた第2の面を有して、取付け軸に沿って位置する。径方向延長部は、好ましくは、取付け軸に沿って連続する径方向延長部であり、2つの摺動部材突出部及び取付けブッシングの突出部は径方向延長部に配置される。したがって、取付けブッシングは、好ましくは、専ら少なくとも1つの摺動部材を介して、したがって直接ではなく、ハウジングに当接する。特に好ましくは、第1の摺動部材は、特に専ら第1のハウジング部品によって形成された取付けチャネルの第1の部分に配置される。特に好ましくは、第2の摺動部材は、特に専ら第2のハウジング部品によって形成された取付けチャネルの第2の部分に配置される。取付けチャネルは、好ましくは2つの部分からなる。
【0014】
摺動要素が、少なくとも220°、特に少なくとも240°、特に少なくとも260°の包囲角で通路の長手軸を包囲すると一般に好適である。通路が、少なくとも220°、特に少なくとも240°、特に少なくとも260°の角度範囲にわたって長手方向に垂直に長手軸を完全に包囲すると一般に好適である。特に好ましくは、通路は、長手方向に垂直に向く面に長手方向に連続する開口を有する。摺動要素は、好ましくは、通路の開口に整合された長手方向に連続する開口を有する。開口は通路に設けられ、特に、摺動部材は、軸受がレールのガイド部分上で長手方向に沿ってわずかに変位されている間にウェブが開口を通じて摺動することを可能とするように作用し、レールの筒状ガイド部分はそのウェブを介してレールのレール本体に接続される。
【0015】
摺動要素が長手方向に延びる溝を有すると一般に好適である。これは、汚れに起因する摩擦の増加を防止可能とし、それにより、摺動要素がガイド部分に当接する接触面積を有利に小さく維持することが可能となる。ローラ車軸が取付け軸に平行に延びていると一般に好適である。摺動要素が摩擦学的ポリマーから作製されると一般に好適である。摺動部材は、好ましくは、摩擦学的ポリマーから作製される。そのような摩擦学的ポリマーは、摩耗低減及び摩擦低減に関して最適化されたポリマーである。そのような摩擦学的ポリマーは、従来的に、ベースポリマー、例えば、熱可塑性のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエテン、及び熱硬化性の場合には、フェノール樹脂を有する。このベースポリマーに、微細固体潤滑剤、例えば、二硫化モリブデン若しくはグラファイト、及び/又は充填剤、例えば、プラスチック材料若しくはテクスタイルの繊維又は粒子が添加される。ハウジングは、好ましくは、金属又は金属合金から、特にダイカストによって作製される。ハウジング及び結果として通路は、好ましくは、少なくとも6cm、特に6cm~15cmの間で長手方向に延在する。ローラは、好ましくは、10mm~30mm、特に15mm~25mmの直径を有する。ローラは、好ましくは、プラスチック材料から作製される。ローラ車軸は、好ましくは、ハウジング内に固定された別個のピン要素として生産され、特に好ましくは、金属又は金属合金から作製される。ハウジングは、一般に好ましくは、アルミニウムから作製される。
【0016】
本発明は、さらに、本発明に係る軸受と、筒体の態様で構成されたガイド部分を有するレールと、を有する軸受アセンブリに関する。本発明に係る軸受アセンブリでは、ガイド部分は、軸受の通路内で長手方向に変位可能となるように配置され、特に通路内に位置する軸受の受容チャネル内に配置され、長手方向に垂直に両ローラに当接する。ガイド部分は、好ましくは、摺動要素から長手方向に垂直に1mm未満、特に0.5mm未満、特に0.2mm未満だけ離隔される。特に好ましくは、レールは、レール本体、及びレール本体に接続されたウェブを有し、ウェブはガイド部分に接続され、したがってガイド部分をレール本体に接続する。ウェブは、好ましくは、レールの長さ範囲に沿って長手方向に中断なく延びる。ガイド部分は、好ましくは、円形又は楕円の断面の筒体の態様で構成され、その一方の側には、ガイド部分をレール本体に接続するウェブが取り付けられる。レール本体、ウェブ及びガイド部分を備えるレールは、好ましくは、一体に製造され、特にアルミニウムから、特に押出しによって作製される。特に好ましくは、軸受アセンブリは、本発明に係る2つの軸受、特に本発明に係る2個のみの軸受を備えるように、本発明に係る更なる軸受を備える。軸受同士が、長手方向に相互に並んで配置され、好ましくは、長手方向に離隔される。レールのガイド部分は2つの軸受の通路内、特に受容チャネル内に配置され、軸受はいずれも、軸受のそれぞれの取付けチャネル内に配置された取付けペグ及び/又は軸受のそれぞれの取付けチャネル内に配置された取付けブッシングによって構造部材に締結される。構造部材は、例えば、機械部品、例えば、機械の支持フレーム、又は建造物の一部、例えば、壁部であり得る。
【0017】
本発明は、さらに、本発明に係る軸受の使用に関し、取付けペグ及び/又は取付けブッシングがチャネルによってガイドされ、特に長手方向、取付け軸に平行に延びる横断方向、並びに/又は取付け軸及び長手軸に垂直に延びる方向に関して軸受のハウジングに対して適所に固定され、同時に、取付け軸周りに回転可能に固定される。この適所での固定は、結果としてハウジングに対する並進を防止するが回転を妨害しない。取付けブッシングは、好ましくは取付けチャネル内に配置され、そのブッシング内に、その両端において取付けブッシングに締結された取付けペグが挿入される。それにより、取付けペグ及び取付けブッシングは、位置固定されて回転不能な態様で、相互に接続され、一方、ハウジングは、取付けブッシング周りに回転可能となるように取り付けられる。本発明に係る使用では、筒体の態様で形成されたレールのガイド部分は、ローラに接触する受容チャネル内に長手方向に沿って挿入され、ローラをそれらのローラ車軸周りに回転させる。特に好ましくは、軸受は、その後に長手方向に沿ってレールに対して変位される。軸受とレールの間に力が付与され、それによって軸受は取付けペグ周りに及び/又は取付けブッシング周りに回転され、ガイド部分は摺動要素の少なくとも一方に押圧され、それに対して押圧されると、長手方向に沿って摺動し、一方で、同時に、ローラの少なくとも一方に当接し、当該一方のローラがそのローラ車軸周りに回転する。その力は、好ましくは、このローラの長手方向の力成分及び横断方向に垂直な力成分を有する。
【0018】
以下に、本発明を、3図面を参照して例示的実施形態に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1a】本発明に係る軸受アセンブリの実施形態の様々な図の様々な模式図を示す。
図1b】本発明に係る軸受アセンブリの実施形態の様々な図の様々な模式図を示す。
図1c】本発明に係る軸受アセンブリの実施形態の様々な図の様々な模式図を示す。
図2a図1に示す本発明に係る軸受アセンブリの構成要素の様々な図の様々な模式図を示す。
図2b図1に示す本発明に係る軸受アセンブリの構成要素の様々な図の様々な模式図を示す。
図3図1に示す本発明に係る軸受アセンブリの軸受の模式分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1a、図1b及び図1cからなる図1は、本発明に係る軸受アセンブリの実施形態の様々な図を様々な模式図で示す。軸受アセンブリは、軸受1及びレール6を備える。軸受1は、第1のハウジング部品2及び第2のハウジング部品3を備える。第1及び第2のハウジング部品2、3は、軸受1のハウジングをともに形成する。ハウジングは、長手方向に延びる長手軸Xに沿ってハウジングを通じて延びる通路を有する。筒体の態様で構成されたレール6のガイド部分61が、通路内に配置され、レール6のレール本体62にウェブを介して接続される。そこにガイド部分61が受容された通路は、図1bに係る長手方向に沿う平面図から、及び図1cに係る長手方向に垂直な断面図から明らかである。通路は、約260°の角度範囲にわたって長手方向に垂直に長手軸Xを中断なく包囲する。通路は、長手方向に垂直に向く面に開口を有し、その開口は長手方向に連続し、その開口を通じてウェブが延在し、ウェブを介してガイド部分61がレール本体62に接続される。この開口は、通路が長手軸Xを包囲しない角度範囲に対応する。ハウジング部品2、3は、さらに取付け軸Yに沿う筒体の態様で延在する取付けチャネルを形成する。この取付けチャネルには取付けブッシング4が配置され、取付けブッシング4は、取付けチャネル内に配置されると、長手方向に関してハウジング部品2、3に対して適所に固定されるが、取付け軸Y周りにハウジング部品2、3に対して回転可能である。取付けブッシング4は、中空筒状ジャケット部品42を有し、その径方向外面に、フランジとして構成された周方向に延在する突出部41が形成され、これは本発明よると一般に有利となる。取付けチャネルは取付け軸Yに沿って両面において境界付けられた径方向延長部を有し、径方向延長部において、取付けブッシング4の突出部41が、取付けブッシング4がハウジング部品2、3に対して取付け軸Yに沿ってその位置に固定されるように、配置される。さらに、第1の摺動部材24及び第2の摺動部材34が設けられ、その各々は摺動部材突出部を有し、その摺動部材突出部によって、当該各々は、摺動部材24、34も取付け軸Yに関してハウジング部品2、3に対する固定位置に保持されるように、取付けチャネルの径方向延長部に係合する。取付けチャネルの径方向延長部は、取付け軸Yに沿って連続する径方向延長部であり、その径方向延長部において、取付けブッシング4の突出部41及び摺動部材24、34の摺動部材突出部の双方が配置される。2つのハウジング部品2、3は、いずれも取付けチャネルの一部を形成し、取付け軸Yに沿って相互に向き合うそれらの横断方向端部において、いずれも取付けチャネルの径方向延長部の一部を形成する。ハウジング部品2、3は、取付け軸Yに沿って相互に並んで配置され、それらの横断方向端部が相互に向き合う状態でボルト5によって相互に取外し可能に固定される。軸受1のこの構造によって、軸受1を組み立てること及び特に保守すること、例えば、摺動部材24、34を交換すること、又は通路内に位置してガイド部分61及び通路の双方に当接する摺動要素7を交換することが特に容易となる。
【0021】
図2a及び図2bからなる図2は、図1に係る軸受アセンブリの構成要素の様々な図を模式的に様々な図で示す。図2aは、第2のハウジング部品3を有さない、図1に係る軸受アセンブリを示す。図2bは、図2aに示すモジュールの取付け軸Yに垂直なB-B断面の図を示す。さらに、図3は、図1に係る軸受アセンブリの軸受1の模式表示の分解図である。軸受1の構成及び動作のモードは、特に図2a、図2b及び図3を併せて見ることで明らかとなる。軸受1は、各々がハウジング内でローラ車軸9周りに回転可能に取り付けられた2つのローラ8を有する。両ローラ8のローラ車軸9はいずれも、取付け軸Yに平行に延び、2つのハウジング部品2、3における止まり穴にいずれも受容される。記載する実施形態では、ローラ車軸9は、ハウジング内に固定された別個のピン要素として構成される。2つのローラ車軸9及び結果として2つのローラ8は、取付けチャネルから長手軸Xに沿って1つの同じ距離だけ離隔され、長手方向に関して、取付けチャネル及び結果として取付けブッシング4の2つの異なる面上に位置する。通路の各長手端部分において、約260°の包囲角によって長手軸Xを包囲する摺動要素7が設けられる。図2bに示す意図する使用では、レール6の筒状ガイド部分61は、2つのローラ8の走行面及び摺動要素7の双方に接触する。これは、本発明によると一般に有利である。摺動要素7及びローラ8は、通路内に形成された受容チャネルを境界付け、その受容チャネルに、長手軸X及び取付け軸Yに垂直な横断方向においてガイド部分61を受容する。この横断方向は軸受1の主負荷方向に対応し、その横断方向は、相互に平行にかつ長手軸Xに垂直に延びるローラ車軸9及び取付け軸Yに垂直であり、これは本発明によると一般に有利である。
【0022】
図面を併せて見ると、取付けブッシング4は、専ら摺動部材24、34を介して、したがって直接ではなく、ハウジング部品2、3に接触することがさらに明らかとなる。これにより、取付けブッシング4が可能な限り少ない摩擦でハウジング部品2、3に対して回転可能となることが保証される。摺動要素7及びローラ8を設けることによって、軸受1におけるレールのガイド部分61の、長手軸Xに沿って変位可能な特に載荷可能な低摩擦の取付けがさらに保証される。摺動部材24、34及び摺動要素7の各々は、ここでは摩擦学的ポリマーから作製される。図2b及び図3は、2つのハウジング部品2、3がいずれもローラ8の各々に対してローラキャビティをともに形成し、そのローラキャビティにはそれぞれのローラ8が受容されることをさらに示す。ハウジング部品2、3の各々は、ローラ8が取付け軸Yに関してハウジングに対してその位置においてそれぞれのローラキャビティに固定されるように、取付け軸Yに沿ってそれぞれのローラキャビティの境界を形成する。特に好ましくは、そして本例示的実施形態において実施されるように、ローラ8は、それぞれのローラキャビティにおいてローラ8の走行面の50%超、好ましくは70%超で受容され、それらの走行面がそれぞれのローラキャビティから出てハウジングの通路内に延びる状態で、延在する。対応するローラキャビティを設けることは、本発明によると一般に有利である。
【符号の説明】
【0023】
1 軸受
2 第1のハウジング部品
3 第2のハウジング部品
4 取付けブッシング
5 ボルト
6 レール
7 摺動要素
8 ローラ
9 ローラ車軸
24 第1の摺動部材
34 第2の摺動部材
41 突出部
61 ガイド部分
62 レール本体
X 長手軸
Y 取付け軸
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に筒体軸を有して延在するレール(6)の筒状のガイド部分(61)の、前記長手方向に変位可能にガイドされるローラ及び摺動要素に基づく取付けのための軸受(1)であって、
前記軸受(1)は
ハウジングであって前記長手方向に延びる長手軸(X)に沿って該ハウジングを通じて延びる通路を有し、該通路には前記レール(6)の前記ガイド部分(61)を受容するための受容チャネルが形成された、ハウジング
を備え、
i)前記軸受(1)は前記長手方向に離隔された2つのローラ(8)を有し、
前記ローラの各々は、前記ハウジング内で、前記長手方向に垂直に延びるローラ車軸(9)周りに回転可能に取り付けられ、
前記ローラの各々は、前記ローラ車軸(9)に垂直に延びる横断方向において、走行面によって前記受容チャネルを境界付け、
ii)前記ハウジングは、前記長手方向において前記ローラ(8)間に、取付け軸(Y)に沿って前記長手方向に垂直に前記ハウジングを通じて延びる、前記取付け軸(Y)周りに回転可能に取付けペグ及び/又は取付けブッシングを受容するための取付けチャネルを有し、
iii)複数の摺動要素(7)が、前記通路内に、前記長手方向に相互から離隔されるとともに前記ローラ(8)に対してオフセットして配置され、
前記摺動要素の各々は該摺動要素の一方の側によって前記長手方向に垂直に前記受容チャネルを境界付ける、
軸受(1)。
【請求項2】
前記取付けチャネル内に回転可能に取り付けられ、特に少なくとも一方の側において前記ハウジングを越えて前記取付け軸(Y)に沿って突出する取付けブッシング(4)を有する
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記取付け軸(Y)に沿って相互に並んで配置されて相互に対して取外し可能に固定された第1及び第2のハウジング部品(2、3)を有する、
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項4】
前記取付けチャネルは前記2つのローラ(8)から前記長手方向に等距離に離隔され、特に、前記取付けチャネルが、前記受容チャネルの、前記ローラ車軸(9)と同じ側に配置された、
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項5】
前記摺動要素(7)の少なくとも1つが、前記通路の各長手端部分に配置され、特に、前記長手方向において前記摺動要素に最も近くに位置する前記ローラ(8)よりも、前記摺動要素と関連する前記ハウジングの絶対長手端の近くに配置された、
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項6】
前記ローラ(8)の前記走行面は、前記受容チャネルに向く凹状輪郭を有し、特に、球体のセグメントの態様で構成された前記長手方向に垂直な断面を有する、
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項7】
前記取付けブッシング(4)は、その外面に、特にフランジの形態の径方向突出部(41)を有し、
該径方向突出部は、前記取付けチャネルの径方向延長部に配置され、前記ハウジングの内部の両側に前記取付け軸(Y)に沿って境界付けられて前記取付けブッシング(4)の位置を前記取付け軸(Y)に沿って前記ハウジングに対して固定し、特に、前記取付けチャネルの前記延長部が、前記取付け軸(Y)に沿って相互に向き合う2つの前記ハウジング部品(2、3)の横断方向端部によって形成された、
請求項3に記載の軸受(1)。
【請求項8】
特に中空筒状の第1の摺動部材(24)が前記取付けチャネル内で前記ハウジングと前記取付けブッシング(4)の間に設けられ、
特に、前記第1の摺動部材(24)は第1の摺動部材突出部を有し、該第1の摺動部材突出部によって前記第1の摺動部材が前記取付けチャネルの前記延長部の第1の部分に配置されて前記第1の摺動部材(24)の位置を前記取付け軸(Y)に沿って前記ハウジングに対して固定し、
特に、前記取付けチャネル内に、第2の摺動部材(34)が前記取付け軸(Y)に沿って前記第1の摺動部材(24)からオフセットして設けられ、
前記第2の摺動部材は、特に、第2の摺動部材突出部を有し、該第2の摺動部材突出部によって前記第2の摺動部材が前記取付けチャネルの前記延長部の第2の部分に配置されて前記第2の摺動部材(34)の位置を前記取付け軸(Y)に沿って前記ハウジングに対して固定する、
請求項2に記載の軸受(1)。
【請求項9】
前記第1の摺動部材(24)が、前記第1のハウジング部品(2)によって形成された前記取付けチャネルの第1の部分に配置され、
前記第2の摺動部材(34)が、前記第2のハウジング部品(3)によって形成された前記取付けチャネルの第2の部分に配置された、
請求項3に記載の軸受(1)。
【請求項10】
前記摺動要素(7)は、少なくとも220°、特に少なくとも240°の包囲角で前記通路の前記長手軸を包囲する、
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項11】
前記通路は、少なくとも220°、特に少なくとも240°の角度範囲にわたって前記長手方向に垂直に前記長手軸(X)を完全に包囲し、前記長手方向に垂直に向く面に長手方向に連続する開口を有する、
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項12】
前記摺動要素(7)は、前記長手方向に延びる溝を有する、
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項13】
前記ローラ車軸(9)は、前記取付け軸(Y)に平行に延びる、
請求項1に記載の軸受(1)。
【請求項14】
記摺動要素(7)が摩擦学的ポリマーから作製され、かつ/又は前記ハウジングが金属若しくは金属合金から、特にダイカストによって作製された
請求項1に記載の軸受。
【請求項15】
請求項1に記載の軸受(1)と、
筒体の態様で構成されたガイド部分(61)を有するレールと、
を備える軸受アセンブリであって、
前記ガイド部分(61)は前記長手方向において前記軸受(1)の前記通路内で変位可能となるように配置され、前記長手方向に垂直に両ローラ(8)に当接し、前記摺動要素(7)から前記長手方向に垂直に0.5mm未満、特に0.2mm未満だけ離隔された、
軸受アセンブリ。
【請求項16】
請求項1に記載の更なる軸受(1)を備え、
前記軸受(1)同士が前記長手方向に相互に並んで配置され、前記ガイド部分(61)が前記軸受(1)の前記通路内に配置され、前記軸受(1)の各々が、該軸受のそれぞれの取付けチャネル内に配置された取付けペグ及び/又は該軸受のそれぞれの取付けチャネル内に配置された取付けブッシング(4)によって構造部材に締結された、
請求項15に記載の軸受アセンブリ。
【請求項17】
請求項1に記載の軸受(1)の使用であって、
取付けペグ及び/又は取付けブッシング(4)が、前記取付けチャネルを通じてガイドされ、前記軸受(1)の前記ハウジングに対して適所に固定されるとともに前記取付け軸周りに回転可能に固定され、筒体の態様で形成されたレールの前記ガイド部分(61)が、前記ローラ(8)に接触する前記受容チャネル内に前記長手方向に沿って挿入され、前記ローラ(8)を前記ローラ車軸(9)周りに回転させる、
軸受(1)の使用。
【請求項18】
前記軸受(1)が前記長手方向に沿って前記レールに対してその後に変位され、その過程において、軸受(1)とレールの間に力が付与され、該力によって、前記軸受(1)が前記取付けペグ周り及び/又は前記取付けブッシング(4)周りに回転され、前記ガイド部分(61)が、前記摺動要素(7)の少なくとも1つに押圧され、それに対して押圧されると前記長手方向に沿って摺動し、一方で同時に、前記ローラ(8)の少なくとも一方に当接し、当該一方のローラ(8)がそのローラ車軸(9)周りに回転する、
請求項17に記載の軸受(1)の使用。
【国際調査報告】