(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】把持要素を含むエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240411BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240411BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240411BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565637
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2022061966
(87)【国際公開番号】W WO2022233929
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ライト,アレック
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC34
(57)【要約】
本発明は、消耗品(6)を受け入れるために配置された加熱チャンバ(31)と、エアロゾルを放出するために消耗品(6)を加熱するように構成されたヒータ(30)とを含むエアロゾル発生装置に関する。エアロゾル発生装置(1)は、必要に応じて消耗品(6)を把持し加熱チャンバ(31)から排出するように構成された把持要素(7)をさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品(6)を受け入れるように配置された加熱チャンバ(31)と、
エアロゾルを放出するように前記消耗品(6)を加熱するように構成されたヒータ(30)と
を含み、
必要に応じて前記消耗品(6)を把持し前記加熱チャンバ(31)から排出するように構成された把持要素(7)をさらに含むことを特徴とする、
エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記把持要素(7)は、駆動部材(70)と、前記駆動部材(70)に取り付けられた顎部(71)とを含む爪装置であり、
前記駆動部材(70)は、前記顎部(71)が互いに近づくように内方に且つ前記顎部(71)が互いに離れる方向に移動するように外方に前記顎部(71)を移動させるように構成される、
請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記駆動部材(70)は、伸長し、それにより前記顎部(71)を外方に移動させるように構成され、且つ収縮し、それにより前記顎部(71)を内方に移動させるように構成された伸縮シリンダである、
請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
各顎部(71)は、第1の点(P1)及び前記第1の点(P1)と異なる第2の点(P2)で前記駆動部材(70)にヒンジで連結され、
各顎部(71)は、接続ロッド(72)を用いて前記第1の点(P1)で且つ前記伸縮シリンダの端部(700)に取り付けられたリング(73)を用いて前記第2の点(P2)で前記伸縮シリンダに関節連結され、
前記リング(73)は、前記伸縮シリンダの伸縮方向に移動するように構成される、
請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記伸縮シリンダは、前記消耗品(6)の排出時に伸長し、それにより前記顎部(71)を外方に且つ前記リング(73)を前記消耗品(6)に押し当てて移動させるように構成される、
請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記伸縮シリンダは、前記消耗品(6)の加熱中に収縮し、それにより前記顎部(71)を内方に且つ前記リング(73)を前記消耗品(6)から離れる方向に移動させるように構成される、
請求項4又は5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記伸縮シリンダは、前記消耗品(6)の加熱終了時に伸長し、それにより、前記消耗品(6)を解放するために前記顎部を外方に移動させるように構成される、
請求項3~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記エアロゾル発生装置は、前記消耗品(6)を加熱すべきか、前記消耗品(6)の加熱を停止すべきか、又は前記加熱チャンバから前記消耗品(6)を排出すべきかどうかに応じて前記駆動部材(70)を自動的に移動させるように構成されたマイクロコントローラ(40)をさらに含む、
請求項2~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置は、前記加熱チャンバと前記ヒータ(30)と前記把持要素(7)が内部に延在するハウジング(2)を含み、
前記ハウジングは、前記駆動部材(70)の一部が前記ハウジングから突出するように前記駆動部材(70)が貫通して延在する貫通孔(21)を含む、
請求項2~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記エアロゾル発生装置は、前記加熱チャンバと前記ヒータ(30)と前記把持要素(7)が内部に延在するハウジング(2)を含み、
前記エアロゾル発生装置は、前記ハウジング(2)の外壁(22)上に延在するスライド(23)をさらに含み、
前記スライドは、前記駆動部材(70)が前記スライド(23)の移動により駆動されるように、前記把持要素(7)の前記駆動部材(70)に取り付けられる、
請求項2~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記ヒータ(30)及び前記把持要素(7)は、前記顎部(71)が前記ヒータ(30)により伝導加熱されるように互いに対して位置決めされ、
前記把持要素(7)は、前記消耗品(6)が加熱されているときに前記消耗品(6)を圧縮するように構成される、
請求項2~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記把持要素(7)は、前記加熱が停止されたときに前記消耗品(6)の圧縮を停止するように構成される、
請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記ヒータ(30)は、前記把持要素(7)の前記顎部(71)に装着された抵抗加熱要素(300)を含む、
請求項2~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記ヒータ(30)は、前記加熱チャンバの壁上に延在する固定ヒータを含む、
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記加熱チャンバ(31)は、前記把持要素(7)を受け入れるような形状とされたスロット(313)を含み、
前記把持要素(7)は、前記スロット(313)内を移動して前記消耗品(6)を圧縮又は解放するように構成される、
請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置に関する。
【0002】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル化可能材料のエアロゾル化を可能にする。エアロゾル発生装置は、電子タバコ又は蒸気発生装置と呼ぶこともできる。
【背景技術】
【0003】
エアロゾル発生装置又は加熱非燃焼式装置は、概して、吸入されるエアロゾルを生成するバッテリ駆動の蒸気発生ユニットを含む。このタイプの装置は、典型的には、湿った葉タバコ又は他の好適なエアロゾル化可能材料を含むエアロゾル基材を典型的には150℃~300℃の範囲の温度まで加熱することにより、エアロゾル又は蒸気を発生させる。
【0004】
このような装置では、エアロゾル基材は、典型的には、加熱チャンバ内に保持されてヒータにより加熱される消耗品に含まれる。最も一般的に、このような加熱チャンバは外側から加熱され、伝熱性外殻ハウジングが内部容積に熱を伝達する。多くの場合、ヒータは、加熱チャンバの長さに沿って配置される。
【0005】
先行技術の装置の1つの問題は、使用終了時に加熱チャンバから消耗品を取り出すのが難しいことである。消耗品の底部は概して、加熱チャンバ内に留まったままであり、ユーザが取り外すのは困難である。
【0006】
消耗品の固定を改善することを目的とする韓国公開特許第102051205号公報に開示されている装置などの、他の問題に対処するエアロゾル発生装置が存在するが、既存の装置では、加熱チャンバからの消耗品の簡単な取り外しが可能ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、必要に応じて消耗品を加熱チャンバから容易に排出することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、消耗品を受け入れるために配置された加熱チャンバと、エアロゾルを放出するために消耗品を加熱するように構成されたヒータとを含むエアロゾル発生装置に関する。
【0009】
本発明によれば、エアロゾル発生装置は、必要に応じて消耗品を把持し加熱チャンバから排出するように構成された把持要素をさらに含む。
【0010】
把持要素により、必要に応じて、例えば消耗品の使用終了時に、消耗品を容易に排出することが可能である。
【0011】
これにより、必要なときに消耗品を容易に交換できるユーザの体験が改善される。
【0012】
一実施形態によれば、把持要素は、駆動部材と、前記駆動部材に取り付けられた顎部とを含む爪装置であり、前記駆動部材は、前記顎部が互いに近づくように内方に且つ顎部が互いに離れる方向に移動するように外方に顎部を移動させるように構成される。
【0013】
一実施形態によれば、駆動部材は、伸長し、それにより顎部を外方に移動させるように構成され、且つ収縮し、それにより顎部を内方に移動させるように構成された伸縮シリンダである。
【0014】
したがって、把持要素は、製造及び操作が簡単である、爪装置とすることができる。
【0015】
一実施形態によれば、各顎部は、第1の点及び第1の点と異なる第2の点で駆動部材にヒンジで連結され、各顎部は、接続ロッドを用いて前記第1の点で且つ伸縮シリンダの端部に取り付けられたリングを用いて前記第2の点で伸縮シリンダに関節連結され、前記リングは、伸縮シリンダの伸縮方向に移動するように構成される。
【0016】
一実施形態によれば、伸縮シリンダは、消耗品の排出時に伸長し、それにより顎部を外方に且つリングを消耗品に押し当てて移動させるように構成される。
【0017】
したがって、リングは、加熱チャンバから消耗品を押し出すことができる。
【0018】
一実施形態によれば、伸縮シリンダは、消耗品の加熱中に収縮し、それにより顎部を内方に且つリングを消耗品から離れる方向に移動させるように構成される。
【0019】
シリンダが収縮される程度に応じて、顎部は、簡単に消耗品を掴んで又は十分な力を及ぼして消耗品を圧縮することができる。
【0020】
一実施形態によれば、伸縮シリンダは、消耗品の加熱終了時に伸長し、それにより、消耗品を解放するためにアームを外方に移動させるように構成される。
【0021】
一実施形態によれば、エアロゾル発生装置は、消耗品を加熱すべきか、消耗品の加熱を停止すべきか、又は加熱チャンバから消耗品を排出すべきかどうかに応じて駆動部材を自動的に移動させるように構成されたマイクロコントローラをさらに含む。
【0022】
それゆえ、把持要素は、喫煙セッションが開始しているか、進行中であるか、又は終了したかどうかに応じて、マイクロコントローラにより自動的に操作される。
【0023】
一実施形態によれば、エアロゾル発生装置は、加熱チャンバとヒータと把持要素が内部に延在するハウジングを含み、ハウジングは、駆動部材の一部がハウジングから突出するように駆動部材が貫通して延在する貫通孔を含む。
【0024】
駆動部材を手動で移動させることにより、特に突出部を使用して、把持要素を容易に操作することができる。
【0025】
一実施形態によれば、エアロゾル発生装置は、加熱チャンバとヒータと把持要素が内部に延在するハウジングを含み、エアロゾル発生装置は、ハウジングの外壁上に延在するスライドをさらに含み、前記スライドは、駆動部材がスライドの移動により駆動されるように、把持要素の駆動部材に取り付けられる。
【0026】
スライドは、把持要素の手動駆動に対する代替案である。突出部と同様に、スライドは、容易に使用でき、製造が簡単である。
【0027】
一実施形態によれば、ヒータ及び把持要素は、顎部がヒータにより伝導加熱されるように互いに対して位置決めされ、把持要素は、消耗品が加熱されているときに消耗品を圧縮するように構成される。
【0028】
消耗品をその使用中に圧縮することは、この圧縮により消耗品の中心に熱が集中し、より速い昇温時間が実現されるので、重要な特徴である。より速い昇温時間は、顎部の伝導加熱により可能となる。追加的に、消耗品は、消耗品でのベイピングが行われるにつれて縮むので、圧縮により、消耗品の使用中ずっと、高い熱伝達、ひいては良好な加熱効率が維持される。
【0029】
一実施形態によれば、把持要素は、加熱が停止されたときに消耗品の圧縮を停止するように構成される。
【0030】
本装置の構成は、使用中に最適な加熱のために消耗品を圧縮するが、必要(例えば、消耗品を交換する必要がある)に応じて消耗品の圧縮を停止するという点で特に有利である。これにより、不必要な圧縮と、圧縮に起因して把持要素と消耗品との間又は加熱チャンバと消耗品との間に発生し得る摩擦とが回避される。実際には、消耗品を操作するときに、これらの摩擦に打ち勝つ必要があり、したがって、消耗品の劣化につながる。このような摩擦により、例えば、加熱チャンバから消耗品を取り外すことが困難になる可能性がある。
【0031】
結論として、把持要素を備えたエアロゾル発生装置の構成は、必要に応じて消耗品を加熱チャンバから容易に排出することを可能にする一方で、消耗品の迅速且つ効率的な加熱を確実にする。
【0032】
一実施形態によれば、ヒータは、把持要素の顎部に装着された抵抗加熱要素を含む。
【0033】
この構成により、消耗品の加熱が改善される。実際に、顎部は、加熱中、消耗品に直接接触している。
【0034】
一実施形態によれば、ヒータは、加熱チャンバの壁上に延在する固定ヒータを含む。
【0035】
したがって、消耗品を伝導加熱することができる。これは、消耗品を加熱して消耗品をエアロゾルに変えるための簡単且つ効率的な解決策である。
【0036】
好ましくは、ヒータは、加熱チャンバの前記壁の全長にわたって延在する。これにより、消耗品が素早く加熱されることを可能にする、広い加熱領域が提供される。
【0037】
一実施形態によれば、加熱チャンバは、把持要素を受け入れるような形状とされたスロットを含み、把持要素は、スロット内を移動して消耗品を圧縮又は解放するように構成される。
【0038】
本発明の他の特殊性及び利点は、以下の説明からも明らかになるであろう。
【0039】
非限定的な例によって与えられる添付の図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の実施形態によるエアロゾル発生装置を概略3次元図で示す。
【
図2】把持要素を含む
図1のエアロゾル発生装置を断面図で示す。
【
図3】開位置及び閉位置にある、本発明で使用できる把持要素の例を3次元図で示す。
【
図4】
図2のエアロゾル発生装置の加熱チャンバを概略断面図で個別に示す。
【
図5】本発明の他の2つの実施形態による把持要素を含むエアロゾル発生装置の例の一部を断面図で示す。
【
図6】加熱チャンバ内における開位置及び閉位置にある
図2の把持要素を概略断面図で示す。
【
図7】加熱チャンバ内における開位置及び閉位置にある
図2の把持要素を上面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、互換的に使用され、任意の大きさの粒子又は液滴の浮遊物を指す。同様に、「気化させる」という用語は、蒸気に変化すること、又は蒸気に変化させることを意味し、「エアロゾル化する」という用語は、エアロゾルにすること、及び/又は分散させてエアロゾルにすることを意味する。
【0042】
図1には、例示的なエアロゾル発生装置1が示される。エアロゾル発生装置1は、底部部分と上部部分とを有する外側ハウジング2を含む。ハウジング2の上部部分には、エアロゾル発生消耗品を挿入できる開口20が設けられる。
【0043】
エアロゾル発生装置1は、
図2に見られる、加熱アセンブリ3と、プリント回路基板、すなわちPCB4と、バッテリ5とをハウジング2内に含む。
図2は、エアロゾル発生装置1の概略断面図である。分かりやすくするために、いくつかの構成要素は、
図1及び
図2から省略されている。
【0044】
バッテリ5又は電源ユニットは、装置の電子的構成要素に電力を供給するように適合される。
【0045】
加熱アセンブリ3は、PCB4とバッテリ5とに動作可能に接続される。制御された温度に加熱アセンブリ3を加熱するために、加熱アセンブリ3に電力が選択的に提供される。
【0046】
加熱アセンブリ3は、ヒータ30と、開口部310を備えた管状加熱チャンバ31とを含む。この例では、開口部310は、加熱チャンバ31の開放端部により提供される。装置の代替例では、開口部310は、加熱チャンバ31の他の場所に配置され得る。
【0047】
管状加熱チャンバ31は、開口部310とは反対側にある閉鎖端部311と、加熱チャンバ31の内部容積を画定するように開口部310と閉鎖端部311との間に延在する側壁312とを含む。開口部310は、装置1が完全に組み立てられたときに、加熱チャンバ31の内部容積に開口20及び開口部310を通してアクセスできるように、開口20と位置合わせされる。
【0048】
加熱チャンバ31は、消耗品6を受け入れるように構成される。消耗品6は、ハウジング2の開口20と加熱チャンバ31の開口部310とを通して挿入される。
【0049】
消耗品6は、加熱されたときにエアロゾルに変化するように適合されたエアロゾル基材を含む。
【0050】
エアロゾル基材は、タバコを、例えば乾燥した又はキュアした形態で含み得、場合により、風味のための、又はより滑らかな若しくはより満足感を与える体験をもたらす、追加の成分を有する。いくつかの例では、タバコなどのエアロゾル基材は、気化剤で処理され得る。気化剤は、エアロゾル基材からの蒸気の発生を改善し得る。気化剤は、例えば、グリセロールなどのポリオール又はプロピレングリコールなどのグリコールを含み得る。場合によっては、エアロゾル基材はタバコ又はニコチンさえも含まなくてもよいが、代わりに、風味、揮発性、滑らかさの改善、及び/又は他の満足感を与える効果を提供するための天然の又は人工由来の成分を含み得る。エアロゾル基材は、細断された、ペレット状の、粉末状の、粒状の、ストリップ又はシート形態、任意選択的にこれらの組み合わせの固体又はペーストタイプの材料として提供され得る。同様に、エアロゾル基材は、液体又はゲルであり得る。実際、いくつかの例では、固体部分と液体/ゲル部分との両方が含まれる場合がある。
【0051】
ヒータ30は、消耗品6を燃焼させることなく、エアロゾル発生基材にエアロゾルを放出させるのに十分な温度に加熱チャンバ31を加熱するように構成される。特に、ヒータは、エアロゾル基材を150℃~350℃の最高温度に加熱するように構成される。
【0052】
ヒータ30は、先行技術から既知であり且つ加熱チャンバ31を加熱できる任意のタイプのヒータとすることができる。
【0053】
ヒータ30は、例えば、加熱チャンバ31の側壁312上に延在する固定ヒータである。
【0054】
ヒータ30は、例えば、加熱チャンバ31に巻き付けられた薄膜ヒータとすることができる。薄膜ヒータは、加熱チャンバ31の内部容積に熱を与えるように構成される。特に、薄膜ヒータは、チャンバ10の側壁312及び内部容積を加熱するように加熱チャンバ31の外面に巻き付けることができる。
【0055】
薄膜ヒータは、抵抗加熱要素を有する薄膜回路を含むことができる。加熱要素を含む回路は、チャンバ10の被巻き付け表面にわたる加熱要素が表面を覆う割合を高めるように配置される。
【0056】
加熱チャンバ31の外面の周囲にヒータ30を配置することにより、消耗品6との接触に起因する損傷からヒータ30を保護しながら、消耗品6を加熱することが可能となる。
【0057】
加熱チャンバ31の側壁312は、好ましくは、ヒータ30からの熱をチャンバ10に伝導するために、金属などの熱伝導性材料を含む。
【0058】
図2に示す例示的な装置1は、加熱チャンバ31の外面の周囲に延在するヒータ30を含むが、別の例では、ヒータ30は、加熱チャンバ31の内部に設けられ得る。
【0059】
このようにヒータ30を配置することにより、ヒータ30が加熱チャンバ31の内部容積を直接加熱でき、側壁312への伝導により失われるエネルギーが低減されるので、消耗品のより効率的な加熱が提供され得る。
【0060】
好ましくは、加熱チャンバ31は、熱損失を低減するために断熱材料を含む。
【0061】
使用時に、ユーザはハウジング2により装置1を保持し、開口20を通して装置1の加熱アセンブリ3内に、又はその付近に喫煙可能なエアロゾル発生消耗品を配置する。次いで、装置1は、加熱アセンブリ3又はその付近で消耗品を加熱するために、スイッチにより、又はユーザのパフ動作により、バッテリ5から加熱アセンブリ3への電力供給をオンにするように操作される。加熱アセンブリ3で発生した熱により、消耗品が加熱され、エアロゾルを形成する蒸気が放出される。その後、ユーザは、エアロゾルを吸入することができる。
【0062】
エアロゾル発生装置1は、本発明の一実施形態による、
図2に見られ
図3に個別に示される把持要素7をさらに含む。
【0063】
図2に見られるように、把持要素7は、消耗品6を把持するように構成される。
【0064】
把持要素7は、爪装置である。把持要素7は、駆動部材70と顎部71とを含む。顎部71は、駆動部材70に取り付けられる。
【0065】
駆動部材70は、顎部71を駆動するように構成される。特に、
図3に見られるように、駆動部材70は、顎部71が互いに向かって移動するように内方に及び顎部71が互いに離れる方向に移動するように外方に前記顎部71を移動させるように構成される。
【0066】
駆動部材70は、伸縮シリンダ、すなわち、その長さを変更できるシリンダである。換言すれば、駆動部材70は、伸縮するように構成される。例えば、駆動部材70は、外側シリンダと、外側シリンダ内に摺動可能に係合された内側シリンダとを含む。
【0067】
駆動部材70は、駆動部材70がその最大長さにある完全伸長位置と、駆動部材70がその最小長さにある完全収縮位置とを有する。
【0068】
伸長位置では、駆動部材70は、好ましくは最大長さにあるときに、消耗品6を押圧するように構成される。これにより、加熱チャンバ31から消耗品6を排出することが可能となる。
【0069】
図2の図示の実施形態では、顎部71は、リング73に対して実質的に直交する。顎部71は、消耗品6に実質的に平行である。
【0070】
顎部71は、熱伝導性材料で作製される。顎部71は、顎部71が伝導により加熱されるようにヒータ30に直接又は間接的に接触する。
【0071】
特に、ヒータ30が加熱チャンバ31の側壁312上に延在する場合、顎部71は、ヒータ30により加熱される加熱チャンバ31に接触する又は加熱チャンバ31と面一になるので、伝導により加熱される。ヒータ30が加熱チャンバ31内に延在する場合、顎部71は、ヒータ30に直接接触し、したがって直接伝導加熱される。
【0072】
図3の図示の例では、各顎部71は、第1の点P1及び第1の点P1と異なる第2の点P2で駆動部材70にヒンジで連結される。
【0073】
各顎部71は、接続ロッド72を用いて第1の点P1で伸縮シリンダ70に関節連結される。
【0074】
各顎部71は、伸縮シリンダの端部700に取り付けられたリング73を用いて第2の点P2で関節連結される。
【0075】
リング73は、伸縮シリンダの伸縮方向に移動するように構成される。換言すれば、リング73は、駆動部材70の長手方向軸線A0に沿って平行移動するように構成される。
【0076】
リング73が接続ロッド72と一緒に平行移動することにより、内方及び外方への顎部71の運動が生じる。
【0077】
駆動部材70が伸長すると、顎部71が外方に移動し、リング73が消耗品6に当接する(
図6aに見られる)。特定の図示の例では、外方に移動することは、駆動部材70の長手方向軸線A0から離れることを意味する。
【0078】
駆動部材70が収縮すると、顎部71が内方に移動し、リングが消耗品6から離れる方向に移動する(
図6bに見られる)。特定の図示の例では、内方に移動することは、駆動部材70の長手方向軸線A0に向かうことを意味する。
【0079】
加熱チャンバは、把持要素7を受け入れるような形状とされたスロット313(
図4に見られる)を含む。
【0080】
特に、スロット313は、顎部71がスロット313内を移動することを可能にするような形状及び寸法とされる。好ましくは、スロット313は、顎部71の形状と同様の形状を有する。スロット313は、顎部71がスロット313内を内方及び外方に移動することを可能にするために、顎部71の寸法よりも大きな寸法を呈する。
【0081】
スロット313の数は、把持要素7の顎部71の数に等しい。
【0082】
図示の例では、加熱チャンバ31は、長手方向に互いに対して矩形配列で延在する4つのスロット313を含む。矩形配列とは、4つのスロット313が加熱チャンバ31の長手方向軸線の周囲に互いに対して90°をなして延在することを意味するものとする。把持要素7は、矩形配列で互いに対して、すなわち換言すれば、駆動部材70の長手方向軸線A0の周囲に互いに対して90°をなして延在する同様に4つの顎部71を含む。
【0083】
例示的な実施形態では、エアロゾル発生装置は、マイクロコントローラ40をさらに含む。マイクロコントローラ40は、PCB4に実装される。マイクロコントローラは、駆動部材70を自動的に移動させるように構成される。特に、マイクロコントローラは、駆動部材70を自動的に伸縮させるように構成される。
【0084】
別の実施形態では、把持要素7は、手動で操作することができる。例が
図5aに示されており、エアロゾル発生装置のハウジングは、貫通孔21を含む。駆動部材70は、駆動部材70の一部がハウジングから突出するように、ハウジングの貫通孔21を貫通して延在する。したがって、ユーザは、駆動部材70の突出部701を引っ張る又は押圧することにより、駆動部材70を移動させることができる。
【0085】
特に、突出部701を引っ張ると、駆動部材70が収縮される。突出部701を押圧すると、駆動部材が伸長される。
【0086】
図5bに示す把持要素7の手動操作の別の実施形態では、エアロゾル発生は、ハウジングの外壁上に延在するスライド23を含むことができる。スライド23は、スライドの移動により駆動部材70が駆動されるように、把持要素7の駆動部材70に取り付けることができる。
【0087】
図5bの図示の実施形態では、スライドは、駆動部材70に平行な壁22に沿って延在し、前記壁22上を摺動するように構成される。スライド23は、スライド23の平行移動により駆動部材の平行移動が生じるように、駆動部材70に取り付けられる。特に、スライド23が壁22に沿ってハウジング2の開口20から離れる方向に移動すると、駆動部材70が収縮される。スライド23が壁22に沿って開口20に向かって移動すると、駆動部材70が伸長する。
【0088】
把持要素7の自動及び手動操作の実施形態を組み合わせることができる。例えば、エアロゾル発生装置は、マイクロコントローラ40、駆動部材70の突出部701、及び/又はスライド23を含むことができる。
【0089】
把持要素7は、必要に応じて消耗品を加熱チャンバから排出するように構成される。これは、例えば、消耗品の使用終了時において望ましい。
【0090】
図示の実施形態では、消耗品6を排出するために、駆動部材70が伸長し、それによりリング73を消耗品6に当接させる。次いで、リング73は、駆動部材70の作用下で消耗品6を押圧する。したがって、消耗品6の少なくとも一部は、加熱チャンバ31から押し出される。駆動部材70が伸長すると、顎部71が外方に移動するので、したがって、ユーザは、消耗品6を加熱チャンバ31から外すことが可能である。消耗品は、加熱チャンバ31の開口部310とハウジング2の開口20とを通して加熱チャンバから押し出される。
【0091】
把持要素7はまた、消耗品が加熱されているときに消耗品を圧縮するように構成される。消耗品の圧縮を行うために、顎部71を内方に移動させて、消耗品に一定の力を及ぼすことができる。図示の実施形態では、駆動部材70は、収縮し、それにより顎部71を内方に移動させる。
【0092】
圧縮は、消耗品の中心に熱を集中させるのに役立ち、これにより、消耗品のより急速な加熱が可能となる。実際には、顎部71がヒータ30により伝導加熱されるので、したがって、次に、前記顎部71が消耗品6を加熱することができる。
【0093】
ヒータが加熱チャンバの壁に沿って外側に延在する場合、把持要素7が開位置にあり、したがって、顎部71が、加熱チャンバ31の加熱された側壁312と接触している又は面一である間に、まず顎部71を加熱することができる。把持要素7が閉位置にされた時点で、顎部71は、熱くなっているので、消耗品6の圧縮中に消耗品6の加熱を強める。
【0094】
ヒータが加熱チャンバ内に延在する場合、顎部71は、前記ヒータに直接接触することができる。消耗品の圧縮時の加熱された顎部71は、同様に消耗品の加熱も高めることができる。
【0095】
あらゆる場合に、消耗品を圧縮することにより、高い熱伝達率及び消耗品の良好な加熱効率が維持される。
【0096】
顎部71が、消耗品との重要な接触面を多く有するほど、圧縮がより効率的になる。各顎部71は、内方に移動させたときに消耗品6に接触するように構成された平坦な壁を有することができる。平坦な壁は、
図2の図示の実施形態の場合と同様に、顎部71の全長にわたって延在することができる。
【0097】
消耗品の圧縮とは、消耗品を掴むのに必要な力よりも大きな力を及ぼすことを意味する。通常、消耗品の圧縮により、力が加えられた箇所において消耗品に凹みが残る。
【0098】
図示の実施形態では、消耗品6の圧縮は、把持要素7の顎部71によって可能となる。当然ながら、把持要素7は、別の方法で消耗品6を圧縮するように構成することもできる。把持要素7は、例えば、消耗品6を圧縮するための短手方向ロッドを含むことができる。
【0099】
把持要素7は、加熱が停止されたときに消耗品の圧縮を停止する。
【0100】
図6及び
図7は、開位置及び閉位置にある把持要素7を示す。特に、
図6a及び
図7aは、開位置にある、すなわち消耗品6が解放される位置にある把持要素7を示す。
図6b及び
図7bは、閉位置にある、すなわち消耗品6が圧縮される位置にある把持要素7を示す。これらの図に見られるように、顎部71は、加熱チャンバ31のスロット313を通って摺動して、閉位置から開位置に、及びその逆に移動する。
【0101】
図示の例では、伸縮シリンダは、消耗品の加熱中に収縮される。伸縮シリンダは、消耗品の加熱終了時に伸長され、消耗品を解放し、最終的に排出して消耗品を排出するために、アームを外方に移動させる。把持要素7は、加熱チャンバのスロット313内を移動して、消耗品を圧縮するか、解放するか、又は排出するように構成される。
【0102】
マイクロコントローラが使用される実施形態では、マイクロコントローラは、消耗品を加熱するか、消耗品の加熱を停止するか、又は加熱チャンバから消耗品を排出するかに応じて、駆動部材70を自動的に移動させるように構成される。したがって、エアロゾル発生装置を従来のように使用する以外にユーザからのアクションは全く必要ない。
【0103】
実施形態では、ヒータ30は、把持要素7の顎部71に装着された抵抗加熱要素300を含むことができる(
図6a、
図6bに見られる)。抵抗加熱要素300は、上で説明したものなどの主ヒータと組み合わせて使用することができる。主ヒータ30が顎部71を伝導加熱できる能力と組み合わせて、抵抗要素300は、消耗品6の加熱効率をさらに一層高める。
【0104】
本明細書中に説明する目下好ましい実施形態に対する種々の変更及び修正は、当業者に明らかであることは言うまでもない。このような変更及び修正は、本開示の精神及び適用範囲から逸脱することなく、且つその付随する利点を減少させることなく、行うことができる。したがって、かかる変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。
【0105】
したがって、本発明は、必要に応じて消耗品の排出を可能にしてユーザによる消耗品の容易な交換を可能にするように有利に構成された把持要素を備えたエアロゾル発生装置を提供する。把持要素はさらに、消耗品の加熱を改善する。
【符号の説明】
【0106】
1 エアロゾル発生装置
2 ハウジング
20 ハウジングの開口
21 ハウジングの貫通孔
22 ハウジングの側壁
23 スライド
3 加熱アセンブリ
30 ヒータ
300 抵抗加熱要素
31 加熱チャンバ
310 加熱チャンバの開口部
311 加熱チャンバの閉鎖端部
312 加熱チャンバの側壁
313 スロット
4 プリント回路基板(PCB)
40 マイクロコントローラ
5 バッテリ
6 消耗品
7 把持要素
70 駆動部材
700 駆動部材の端部
701 駆動部材の突出部
71 顎部
72 接続ロッド
73 リング
A0 駆動部材の長手方向軸線
【国際調査報告】