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特表2024-516987股関節形成術のためのオフセット調節可能なネック長試行装置およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】股関節形成術のためのオフセット調節可能なネック長試行装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/36 20060101AFI20240411BHJP
   A61F 2/46 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A61F2/36
A61F2/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567081
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022026912
(87)【国際公開番号】W WO2022232498
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/181,493
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523410539
【氏名又は名称】モリッシー, スティーブン, パトリック
【氏名又は名称原語表記】MORRISEY, Stephen, Patrick
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】モリッシー, スティーブン, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ, ロバート, ジェームス
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB01
4C097CC13
4C097CC14
4C097CC18
(57)【要約】
改良された股関節形成術用試行装置および股関節形成術用試行システムが記載されている。股関節形成術用試行装置は、中心軸を有し、内部チャンバを画定するヘッド部材と、内部チャンバにアクセスするためのヘッド部材開口部と、ヘッド部材の外面から内側に延びる空洞部とを有する。内部チャンバ内には、中心軸とヘッド部材の一方の側方部分との間の軸に沿って回転可能部材が配置されている。空洞部は、中心軸とヘッド部材の別の反対側の側方部分との間の軸に沿って延びている。スペーサは、ヘッド部材開口部内に配置され、スペーサ第1位置とスペーサ第2位置との間で移動可能である。回転可能部材の回転移動により、スペーサがスペーサ第1位置からスペーサ第2位置に移動する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を有し、内部チャンバを画定し、ヘッド部材外面、ヘッド部材近位側部分、およびヘッド部材遠位側部分を有するヘッド部材であって、前記ヘッド部材外面は、前記中心軸と前記ヘッド部材近位側部分との間の軸に沿って前記ヘッド部材内へと延びるヘッド部材空洞部を画定し、前記ヘッド部材近位側部分は、前記内部チャンバにアクセスするためのヘッド部材開口部を画定している、ヘッド部材と、
前記ヘッド部材開口部内に配置され、スペーサ第1位置とスペーサ第2位置との間で移動可能であるスペーサと、
前記中心軸と前記ヘッド部材遠位側部分との間の軸に沿って前記内部チャンバ内に配置された回転可能部材であって、回転可能部材ギヤおよびカムを画定し、前記カムが、前記回転可能部材の回転によって前記スペーサが前記スペーサ第1位置から前記スペーサ第2位置まで移動するように、前記スペーサに接触している、回転可能部材と、
を備える、股関節形成術用試行装置。
【請求項2】
前記ヘッド部材空洞部が、基壁開口部を画定する基壁を有する、請求項1に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項3】
前記ヘッド部材空洞部内に配置された駆動ギヤをさらに備え、前記駆動ギヤは、前記駆動ギヤの回転によって前記回転可能部材の回転が生じるように、前記回転可能部材ギヤと噛み合っている、請求項2に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項4】
前記駆動ギヤが、前記基壁開口部内に延びる円周突起を画定する第1の側面を有する、請求項3に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項5】
前記ヘッド部材空洞部内で前記駆動ギヤの上に配置されたワッシャをさらに備える、請求項4に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項6】
前記回転可能部材ギヤが前記ヘッド部材空洞部内に部分的に配置されている、請求項2に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項7】
前記ヘッド部材外面がファセットを画定している、請求項2に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項8】
前記ヘッド部材空洞部が、前記ファセットから前記ヘッド部材内に延びている、請求項7に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項9】
前記ヘッド部材が、分離可能な第1のヘッド部材部分と第2のヘッド部材部分を有する、請求項2に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項10】
中心軸を有し、内部チャンバを画定し、ヘッド部材外面、ヘッド部材近位側部分、およびヘッド部材遠位側部分を有するヘッド部材であって、前記ヘッド部材外面は、前記中心軸と前記ヘッド部材近位側部分との間の軸に沿って、基壁開口部を画定する基壁にまで、前記ヘッド部材内へと延びるヘッド部材空洞部を画定し、前記ヘッド部材近位側部分は、前記内部チャンバにアクセスするためのヘッド部材開口部を画定している、ヘッド部材と、
前記ヘッド部材開口部内に配置され、スペーサ第1位置とスペーサ第2位置との間で移動可能であるスペーサと、
前記中心軸と前記ヘッド部材遠位側部分との間の軸に沿って前記内部チャンバ内に配置された回転可能部材であって、回転可能部材ギヤおよびカムを画定し、前記カムが、前記回転可能部材の回転によって前記スペーサが前記スペーサ第1位置から前記スペーサ第2位置まで移動するように、前記スペーサに接触しており、前記回転可能部材ギヤが前記ヘッド部材空洞部内に部分的に配置されている、回転可能部材と、
を備える、股関節形成術用試行装置。
【請求項11】
前記ヘッド部材外面がファセットを画定している、請求項10に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項12】
前記ヘッド部材空洞部が、前記ファセットから前記ヘッド部材内に延びている、請求項11に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項13】
前記ヘッド部材が、分離可能な第1のヘッド部材部分および第2のヘッド部材部分を備える、請求項10に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項14】
前記第1のヘッド部材部分がポストを画定し、
前記第2のヘッド部材部分が、前記ポストを受け入れる大きさおよび構成とされた凹部を画定している、請求項13に記載の股関節形成術用試行装置。
【請求項15】
股関節形成術用試行装置およびドライバーを備える股関節形成術用試行システムであって、
前記股関節形成術用試行装置が、
中心軸を有し、内部チャンバを画定し、ヘッド部材外面、ヘッド部材近位側部分、およびヘッド部材遠位側部分を有するヘッド部材であって、前記ヘッド部材外面は、前記中心軸と前記ヘッド部材近位側部分との間の軸に沿って、基壁開口部を画定する基壁にまで、前記ヘッド部材内へと延びるヘッド部材空洞部を画定し、前記ヘッド部材近位側部分は、前記内部チャンバにアクセスするためのヘッド部材開口部を画定している、ヘッド部材と、
前記ヘッド部材開口部内に配置され、スペーサ第1位置とスペーサ第2位置との間で移動可能であるスペーサと、
前記中心軸と前記ヘッド部材遠位側部分との間の軸に沿って前記内部チャンバ内に配置された回転可能部材であって、回転可能部材ギヤおよびカムを画定し、前記カムが、前記回転可能部材の回転によって前記スペーサが前記スペーサ第1位置から前記スペーサ第2位置まで移動するように、前記スペーサに接触しており、前記回転可能部材ギヤが前記ヘッド部材空洞部内に部分的に配置されている、回転可能部材と、
を備え、
前記ドライバーが、ハンドル、前記ハンドルから延びる本体、および前記本体上で前記ハンドルから軸方向に間隔をおいて配置されたドライバーギヤを有し、前記ドライバーギヤが、前記ヘッド部材空洞部内に取り外し可能に配置されて前記回転可能部材ギヤと噛み合うような大きさおよび構成とされている、
股関節形成術用試行システム。
【請求項16】
前記ドライバーの前記本体が、前記本体から離れるように前記ドライバーギヤを越えて軸方向に延びる末端突起を画定していて、前記ドライバーギヤが軸方向で前記末端突起と前記ハンドルとの間に位置するようにした、請求項15に記載の股関節形成術用試行システム。
【請求項17】
前記末端突起が、前記基壁開口部内に配置されるような大きさおよび構成とされた、請求項16に記載の股関節形成術用試行システム。
【請求項18】
前記本体が長手軸線を有し、
前記ドライバーが、前記本体から離れるように前記長手軸線に対して直角に延びる突起をさらに備える、請求項17に記載の股関節形成術用試行システム。
【請求項19】
前記ヘッド部材外面がファセットを画定する、請求項18に記載の股関節形成術用試行システム。
【請求項20】
前記ヘッド部材空洞部が、前記ファセットから前記ヘッド部材内に延びている、請求項19に記載の股関節形成術用試行システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年4月29日に出願された米国仮出願第63/181,493号の利益を主張する。この関連出願の開示は、その全体が本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は医療装置の分野に関する。より詳細には、本開示は、股関節形成術用試行装置および股関節形成術用試行システムに関する。
【背景技術】
【0003】
股関節形成術中に大腿骨頭部を埋め込む際、外科医は現在、大腿骨頭部と大腿骨ステムとの間の望ましいオフセット量を決定するために、個別に試行しなければならない複数のヘッド長の選択肢を使用している。試行のたびに、所望のオフセット量が達成されたかどうかを判断するために、異なるヘッド長の組み立ておよび分解をする必要があり、その結果、試行中に何度も股関節を外したり移動させたりすることになる。大腿骨頭インプラントと大腿骨ステムとの間の所望のオフセット量を決定するためのこの複数回の試行アプローチには、複雑で時間がかかったり組織を破壊したりするなどの重大な欠点がある。
【0004】
股関節形成術は、コンポーネントを操作するスペースが限られていることが多い、高難度の複雑な手技である。試行装置を交換するためには、このような環境に複数の試行装置を出し入れする望ましくない移動が必要となる。既存の調節可能な試行装置の操作でさえ、手術中に利用可能なスペースが限られていることを考慮すると、困難を伴うことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、新しく改良された股関節形成術用試行装置および股関節形成術用試行システムの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な股関節形成術用試行装置および股関節形成術用試行システムが本明細書に記載されている。
【0007】
例示的な股関節形成術用試行装置は、ヘッド部材と、ヘッド部材によって画定された開口部内に配置されて移動可能であるスペーサと、ギヤおよびカムを画定し、回転時にカムがスペーサを並進させるようにされた回転可能部材と、回転可能部材によって画定されたギヤの歯と噛み合う歯を有する駆動ギヤと、ロッキング部材とを備える。
【0008】
別の例示的な股関節形成術用試行装置は、ヘッド部材と、ヘッド部材によって画定された開口部内に配置されて移動可能であるスペーサと、ギヤおよびカムを画定し、回転時にカムがスペーサを並進させるようにされた回転可能部材と、回転可能部材によって画定されたギヤの歯と噛み合う歯を有する駆動ギヤと、ロッキング部材とを備える。駆動ギヤは、ヘッド部材の中心長手軸線と、スペーサが配置される開口部を画定するヘッド部材の近位側部分との間に配置される。回転可能部材によって画定されるギヤは、ヘッド部材の中心長手軸線とヘッド部材の遠位側部分との間に配置される。
【0009】
別の例の股関節形成術用試行装置は、ヘッド部材と、スペーサと、回転可能部材と、ギヤと、スペーサ上に配置されたOリングと、ロッキング部材とを備える。回転可能部材は、回転可能部材の回転時にスペーサを並進させるようにされたカムを画定する。ヘッド部材は、分離可能な第1のヘッド部材部分および第2のヘッド部材部分を備える。回転可能部材は、第1および第2のヘッド部材部分の対応する溝にそれぞれ着座する第1および第2のボスを画定する。第1のボスは、回転可能部材によって画定されたギヤの歯と噛み合う歯を有するギヤを画定する。第2のボスは、ロッキング部材によって画定された突起を受け入れる一連のポケットを画定する。駆動ギヤは、ヘッド部材の中心長手軸線と、スペーサが配置される開口部を画定するヘッド部材の近位側部分との間に配置される。回転可能部材によって画定されるギヤは、ヘッド部材の中心長手軸線とヘッド部材の遠位側部分との間に配置される。
【0010】
別の例示的な股関節形成術用試行装置は、ヘッド部材と、ヘッド部材によって画定された開口部内に配置されて移動可能であるスペーサと、ギヤおよびカムを画定し、回転時にカムがスペーサを並進させるようにされた回転可能部材と、ロッキング部材とを備える。ヘッド部材は、回転可能部材によって画定されたギヤにアクセスするための空洞部を画定する。
【0011】
別の例示的な股関節形成術用試行装置は、ヘッド部材と、ヘッド部材によって画定された開口部内に配置されて移動可能であるスペーサと、ギヤおよびカムを画定し、回転時にカムがスペーサを並進させるようにされた回転可能部材と、ロッキング部材とを備える。ヘッド部材は、回転可能部材によって画定されたギヤにアクセスするための空洞部を画定する。空洞部は、ヘッド部材の長手軸線中心と、スペーサが中に配置される開口部を画定するヘッド部材の近位側部分との間に配置される。回転可能部材によって画定されるギヤは、ヘッド部材の中心長手軸線とヘッド部材の遠位側部分との間に配置される。
【0012】
別の例の股関節形成術用試行装置は、中心軸を有し、内部チャンバを画定し、ヘッド部材外面、ヘッド部材近位側部分、およびヘッド部材遠位側部分を有するヘッド部材であって、ヘッド部材外面は、中心軸とヘッド部材近位側部分との間の軸に沿ってヘッド部材内へと延びるヘッド部材キャビティを画定し、ヘッド部材近位側部分は、内部チャンバにアクセスするためのヘッド部材開口部を画定している、ヘッド部材と、ヘッド部材開口部内に配置され、スペーサ第1位置とスペーサ第2位置との間で移動可能であるスペーサと、中心軸とヘッド部材遠位側との間の軸に沿って内部チャンバ内に配置された回転可能部材であって、回転可能部材ギヤおよびカムを画定し、回転可能部材の回転によってスペーサがスペーサ第1位置からスペーサ第2位置まで移動するように、スペーサに接触している、回転可能部材と、を備える。
【0013】
別の例の股関節形成術用試行装置は、中心軸を有し、内部チャンバを画定し、ヘッド部材外面、ヘッド部材近位側部分、およびヘッド部材遠位側部分を有するヘッド部材であって、ヘッド部材外面は、中心軸とヘッド部材近位側との間の軸に沿って、基壁開口部を画定する基壁にまで、ヘッド部材内へと延びるヘッド部材キャビティを画定し、ヘッド部材近位側部分は、内部チャンバにアクセスするためのヘッド部材開口部を画定している、ヘッド部材と、ヘッド部材開口部内に配置され、スペーサ第1位置とスペーサ第2位置との間で移動可能であるスペーサと、中心軸とヘッド部材遠位側との間の軸に沿って内部チャンバ内に配置された回転可能部材であって、回転可能部材ギヤおよびカムを画定し、カムが、回転可能部材の回転によってスペーサがスペーサ第1位置からスペーサ第2位置まで移動するように、スペーサに接触しており、回転可能部材ギヤがヘッド部材キャビティ内に部分的に配置されている回転可能部材と、を備える。
【0014】
例示的な股関節形成術用試行システムは、股関節形成術用試行装置とドライバーとを備える。股関節形成術用試行装置は、ヘッド部材と、ヘッド部材によって画定された開口部内に配置されて移動可能であるスペーサと、回転可能部材のギヤおよびカムを画定し、回転時にカムがスペーサを並進させるようにされた回転可能部材と、ロッキング部材とを備える。ヘッド部材は、回転可能部材によって画定されたギヤにアクセスするための空洞部を画定している。ドライバーは、ハンドルと、ハンドルから延びる本体と、ハンドル上に配置されたドライバーギヤとを備える。ドライバーギヤは、ヘッド部材の空洞部に受け入れられるような大きさおよび構成とされ、回転可能部材によって画定されたギヤの歯と噛み合うような大きさおよび構成とされた歯を有する。
【0015】
別の例の股関節形成術用試行システムは、股関節形成術用試行装置とドライバーとを備える。股関節形成術用試行装置は、ヘッド部材と、ヘッド部材によって画定された開口部内に配置されて移動可能であるスペーサと、回転可能部材のギヤおよびカムを画定し、回転時にカムがスペーサを並進させるようにされた回転可能部材と、ロッキング部材とを備える。ヘッド部材は、回転可能部材によって画定されたギヤにアクセスするための空洞部を画定する。空洞部の基部は開口部を画定している。ドライバーは、ハンドルと、ハンドルから延びる本体と、ハンドル上に配置されたドライバーギヤと、本体から延び、ドライバーギヤを越えて軸方向に延びる末端突起とを備え、ドライバーギヤが軸方向で末端突起とハンドルとの間に位置するようにされている。ドライバーは、ハンドルと、ハンドルから延びる本体と、ハンドル上に配置されたドライバーギヤとを備える。ドライバーギヤは、ヘッド部材の空洞部に受け入れられるような大きさおよび構成とされ、回転可能部材によって画定されたギヤの歯と噛み合うような大きさおよび構成とされた歯を有する。末端突起は、ヘッド部材によって画定された空洞部の基部によって画定された開口部に受け入れられるような大きさおよび構成とされている。
【0016】
別の例の股関節形成術用試行システムは、股関節形成術用試行装置とドライバーとを備える。股関節形成術用試行装置は、ヘッド部材と、ヘッド部材によって画定された開口部内に配置されて移動可能であるスペーサと、回転可能部材のギヤおよびカムを画定し、回転時にカムがスペーサを並進させるようにされた回転可能部材と、ロッキング部材とを備える。ヘッド部材は、回転可能部材によって画定されたギヤにアクセスするための空洞部を画定する。空洞部の基部は開口部を画定している。ドライバーは、ハンドルと、ハンドルから延びる本体と、ハンドル上に配置されたドライバーギヤと、本体から延び、ドライバーギヤを越えて軸方向に延びる末端突起とを備え、ドライバーギヤが軸方向で末端突起とハンドルとの間に位置するようにされている。ドライバーは、ハンドルと、ハンドルから延びる本体と、ハンドル上に配置されたドライバーギヤと、本体から離れるように本体の長手軸線に対して直角に延びる突起とを備える。ドライバーギヤは、ヘッド部材の空洞部に受け入れられるような大きさおよび構成とされ、回転可能部材によって画定されたギヤの歯と噛み合うような大きさおよび構成を有する歯を有する。末端突起は、ヘッド部材によって画定された空洞部の基部によって画定された開口部に受け入れられるような大きさおよび構成とされている。
【0017】
別の例の股関節形成術用試行システムは、股関節形成術用試行装置を備える。股関節形成術用試行装置は、中心軸を有し、内部チャンバを画定し、ヘッド部材外面、ヘッド部材近位側部分、およびヘッド部材遠位側部分を有するヘッド部材であって、ヘッド部材外面は、中心軸とヘッド部材近位側との間の軸に沿って基壁開口部を画定する基壁にまで、ヘッド部材内へと延びるヘッド部材キャビティを画定し、ヘッド部材近位側部分は、内部チャンバにアクセスするためのヘッド部材開口部を画定している、ヘッド部材と、ヘッド部材開口部内に配置され、スペーサ第1位置とスペーサ第2位置との間で移動可能なスペーサと、中心軸とヘッド部材遠位側との間の軸に沿って内部チャンバ内に配置された回転可能部材であって、回転可能部材ギヤおよびカムを画定し、カムが、回転可能部材の回転によってスペーサがスペーサ第1位置からスペーサ第2位置まで移動するように、スペーサに接触し、回転可能部材ギヤがヘッド部材キャビティ内に部分的に配置されている回転可能部材と、ハンドル、ハンドルから延びる本体、および前記本体上に配置され、ハンドルから軸方向に間隔をあけて配置されたドライバーギヤを有するドライバーと、を備え、ドライバーギヤは、ヘッド部材空洞部内に取り外し可能に配置されて回転可能部材ギヤと噛み合うような大きさおよび構成とされている。
【0018】
実施例の股関節形成術用試行装置および股関節形成術用試行システムは、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することにより、さらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられた股関節形成術用試行装置の第1の例を示す。
【0020】
図2図1に示された股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの分解斜視図である。
【0021】
図3図1に示された股関節形成術用試行装置のヘッド部材の分解斜視図である。
【0022】
図4図1に示された股関節形成術用試行装置の回転可能部材の斜視図である。
【0023】
図5図1に示された股関節形成術用試行装置のスペーサの斜視図である。
【0024】
図6図1に示された股関節形成術用試行装置のスペーサの、中心長手軸線に沿った断面図である。
【0025】
図7図1に示された股関節形成術用試行装置の駆動ギヤの斜視図である。
【0026】
図8図1に示された股関節形成術用試行装置の駆動ギヤの別の斜視図である。
【0027】
図9図1に示された股関節形成術用試行装置のワッシャの斜視図である。
【0028】
図10図1に示された股関節形成術用試行装置のワッシャの別の斜視図である。
【0029】
図11】大腿骨ステム上に配置された、図1に図示した股関節形成術用試行装置の部分断面図である。
【0030】
図12】部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられた図1に示された股関節形成術用試行装置の上面図である。股関節形成術用試行装置は第1位置で示されている。
【0031】
図12A図12に示された股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの、線12A-12Aに沿った断面図である。
【0032】
図13】部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられた図1に示された股関節形成術用試行装置の上面図である。股関節形成術用試行装置は第2位置で示されている。
【0033】
図13A図13に示された股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの、線13A-13Aに沿った断面図である。
【0034】
図14】部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられた図1に示された股関節形成術用試行装置の上面図である。股関節形成術用試行装置は第3位置で示されている。
【0035】
図14A図14に示された股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの、線14A-14Aに沿った断面図である。
【0036】
図15】部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられた図1に示された股関節形成術用試行装置の上面図である。股関節形成術用試行装置は第4位置で示されている。
【0037】
図15A図15に示された股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの、線15A-15Aに沿った断面図である。
【0038】
図16】股関節形成術用試行システムの第1の例を示す。股関節形成術用試行システムの股関節形成術用試行装置は、大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられている。
【0039】
図17図16に示された股関節形成術用試行システムおよび大腿骨ステムの分解斜視図である。
【0040】
図18図16に示された股関節形成術用試行システムの股関節形成術用試行装置のヘッド部材の分解斜視図である。
【0041】
図19図16に示された股関節形成術用試行システムのドライバーの斜視図である。
【0042】
図20図16に示された股関節形成術用試行システムのドライバーの側面図である。
【0043】
図21図16に示された股関節形成術用試行システムのドライバーの端面図である。
【0044】
図22図16に示された股関節形成術用試行システムの股関節形成術用試行装置の側面図である。股関節形成術用試行装置は、部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられている。
【0045】
図23図16に示された股関節形成術用試行システムの股関節形成術用試行装置の部分断面図である。股関節形成術用試行装置は、部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられている。
【0046】
図24図16に示された股関節形成術用試行システムの上面図である。股関節形成術用試行装置は、部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられている。ドライバーおよび股関節形成術用試行装置はそれぞれ、それぞれの第1位置で示されている。
【0047】
図24A図24に示される股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの、線24A-24Aに沿った断面図である。
【0048】
図25図16に示された股関節形成術用試行システムの上面図である。股関節形成術用試行装置は、部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられている。ドライバーおよび股関節形成術用試行装置はそれぞれ、それぞれの第2位置で示されている。
【0049】
図25A図25に示される股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの、線25A-25Aに沿った断面図である。
【0050】
図26図16に示された股関節形成術用試行システムの上面図である。股関節形成術用試行装置は、部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられている。ドライバーおよび股関節形成術用試行装置はそれぞれ、それぞれの第3位置で示されている。
【0051】
図26A図26に示された股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの、線26A-26Aに沿った断面図である。
【0052】
図27図16に示された股関節形成術用試行システムの上面図である。股関節形成術用試行装置は、部分的に示されている大腿骨ステムに取り外し可能に取り付けられている。ドライバーおよび股関節形成術用試行装置はそれぞれ、それぞれの第4位置で示されている。
【0053】
図27A図27に示された股関節形成術用試行装置および大腿骨ステムの、線27A-27Aに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の詳細な説明および添付の図面は、例示的な股関節形成術用試行装置および股関節形成術用試行システムを説明および例示する。これらの実施例の説明および図面は、当業者が実施形態にかかる股関節形成術用試行装置および股関節形成術用試行システムを作製し、使用することを可能にするために提供される。これらは、いかなる方法においても特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0055】
図1図2図3図4図5図6図7図8図9図10図11図12図12A図13図13A図14図14A図15、および図15Aは、股関節形成術に使用する股関節形成術用試行装置10、又はその構成部品の一例を示している。図1図2図11図12図12A図13図13A図14図14A図15、および図15Aは、大腿骨ステム11に取り外し可能に取り付けられた股関節形成術用試行装置10を示している。股関節形成術用試行装置10は、ヘッド部材12と、スペーサ14と、回転可能部材16と、駆動ギヤ18と、ワッシャ20と、Oリング22と、ロッキング部材24とを備えている。
【0056】
図2および図3に最もよく示されているように、ヘッド部材12は、分離可能な第1のヘッド部材部分30および第2のヘッド部材部分32を備え、これらの部分は、回転可能部材16が配置される内部チャンバ34を協働的に画定する。第1のヘッド部材部分30と第2のヘッド部材部分32はまた、協働して開口部36を画定し、この開口部36は、内部チャンバ34にアクセスできるようにし、その中にスペーサ14が配置される。第1のヘッド部材部分30は、第2のヘッド部材部分32によって画定された一連の嵌合チャンバ40によって取り外し可能に受け入れられる一連のポスト38を画定する。ポスト38とチャンバ40は、第1のヘッド部材部分30と第2のヘッド部材部分32がスナップ結合してヘッド部材12を形成することを可能にするように、摩擦嵌合する。
【0057】
スペーサ14は、開口部36内に配置されて、ヘッド部材12に対して、スペーサ第1位置、スペーサ第2位置、スペーサ第3位置、およびスペーサ第4位置の間で移動可能である。図5および図6に最も良く示されているように、スペーサ14は、スペーサ第1端部70、スペーサ第2端部72、およびスペーサ通路76と複数のスペーサ溝78を画定するスペーサ本体74を有する。スペーサ通路76は、スペーサ第1端部70からスペーサ第2端部72まで延び、スペーサ第2端部72からスペーサ第1端部70にまで先細りになっている。複数のスペーサ溝78の各溝は、スペーサ本体74内に延び、スペーサ第1端部70から離れた位置にある。
【0058】
回転可能部材16は、回転可能部材16の回転時にスペーサ14を並進させるようにされたカム42を画定する。回転可能部材16は、第1のヘッド部材部分30および第2のヘッド部材部分32の対応する溝にそれぞれ着座する第1のボス44および第2のボス46を画定する。第1のボス44は、駆動ギヤ18の歯52と噛み合う歯50を有するギヤ48を画定する。第2のボス46は、一連のポケット54を画定し、その各ポケットは、ロッキング部材24によって画定された突起56を受け入れる大きさおよび構成を有する。
【0059】
駆動ギヤ18は、回転可能部材16によって画定されたギヤ48の歯50と噛み合う大きさおよび構成とされた歯52を画定する。図8に最もよく示されているように、駆動ギヤ18の第1の側面47は、第1の側面47から延びた円周突起49を画定し、この円周突起49は、ヘッド部材12によって画定された空洞部66の基壁70の開口部72に受け入れられる大きさおよび構成を有する。駆動ギヤ18はまた、ドライバーを受け入れて係合するような大きさおよび構成を有する構造を有する壁55によって区画された通路53を画定する。
【0060】
回転可能部材16が駆動ギヤ18およびギヤ48を有することにより、調節機構のオフセット配置が可能になり、それによって回転可能部材16を回転させてカム42を移動させ、最終的にスペーサ14を並進させることができる。図11に最もよく示されるように、ギヤ48は、ヘッド部材12の中心軸58とヘッド部材12の遠位側部分60との間にある軸61上に配置され、駆動ギヤ18は、ヘッド部材12の中心軸58と開口部36を画定しているヘッド部材近位側部分62との間の軸63上に配置される。ヘッド部材12を通って延びる中心軸58からオフセットしている(ずれている)駆動ギヤ18のこの配置は、少なくとも、股関節形成術手順中に股関節形成術用試行装置10を使用する際に利用可能である比較的狭い空間において調節機構により大きくアクセスすることを可能にし、すべての股関節形成術用構成要素が組み立てられた状態でその場で調節を行うことを可能にする点で有利である。また、駆動ギヤが中心軸58から一方の側にオフセットした一方の軸61上にあり、回転可能部材とギヤ48が中心軸58から別の他方の側にオフセットした他方の軸63上にある状態である、駆動ギヤ18と回転可能部材16のこのオフセット配置は、小さいヘッドサイズ(例えば、28MMのヘッド、32MMのヘッド)を含む様々なヘッドサイズにわたって股関節形成術用試行装置10を使用するのに重要である。この構造構成は、今日まで調節機構を備えることができなかった股関節形成術用試行装置に調節可能性をもたらす。現在の調節可能なヘッド試行装置は、中央に配置されたカムを有するが、これは小さいヘッドサイズ内には配置できない。
【0061】
図1図2、および図3に最もよく示されているように、ヘッド部材12の外面64は、駆動ギヤ18にアクセスできるようにするための空洞部66を画定する。任意のワッシャ20が、駆動ギヤ18を所定の位置に保持するために空洞部66に配置されている。空洞部66は、トルクス(登録商標)ドライバー又は他の適切なドライバーのような、駆動ギヤ18に係合して駆動ギヤ18を回転させ、その結果、回転可能部材16の回転およびスペーサ14の並進をもたらす構造を画定するドライバーを受け入れる大きさおよび構成とされている。また、図12図13図14、および図15に最もよく示されているように、外面64は、大部分が球形であるが、外面64が空洞部66を形成する位置にファセット68を画定している。
【0062】
使用時には、ドライバーが空洞部66に挿入され、駆動ギヤ18に係合して駆動ギヤ18を時計回り方向に回転させる。そして、駆動ギヤ18のこの回転により、回転可能部材16のギヤ48が反時計回りに回転する。ギヤ48は回転可能部材16によって画定されているので、ギヤ48の回転により回転可能部材16およびカム42が回転し、その結果、ヘッド部材12に対するスペーサの相対的な移動が生じる。このように駆動ギヤ18を回転させると、スペーサ14は、図12および図12Aに示されるヘッド部材12に対するスペーサ第1位置から、図13および図13Aに示されるヘッド部材12に対するスペーサ第2位置に移動する。このようにして駆動ギヤ18をさらに回転させると、スペーサ14は、スペーサ第2位置から、図14および図14Aに示されるヘッド部材12に対するスペーサ第3位置に移動する。同様に、このようにして駆動ギヤ18をさらに回転させると、スペーサ14は、スペーサ第3位置から、図15および図15Aに示されるヘッド部材12に対するスペーサ第4位置に移動する。
【0063】
ギヤ48および駆動ギヤ18を含むこと、駆動ギヤ18のオフセット配置、およびヘッド部材12の外面64のファセット構造が、協働して、既存の調節可能な股関節形成術用試行装置と比較して大きな利点をもたらす。例えば、股関節形成術用試行装置10は、製造業者によってサイズが異なる短いネックトラニオンに適応する。これにより、股関節形成術用試行装置10は、より幅広い種類の大腿骨ステムで使用できるようになり、その採用率が高まることが期待できる。また、股関節形成術用試行装置10の全体的な構造は、プラスチック部品のような使い捨て部品で作られた構造に適しており、既存の装置に必要な分解、洗浄、滅菌、再使用の必要性をなくすことができる。
【0064】
図16図17図18図19図20図21図22図23図24図24A図25図25A図26図26A図27、および図27Aは、股関節形成術に使用する股関節形成術用試行システム100又はその構成要素の一例を示す。股関節形成術用試行システム100は、股関節形成術用試行装置110およびドライバー180を含む。図16図17図22図23図24図24A図25図25A図26図26A図27、および図27Aは、大腿骨ステム111に取り外し可能に取り付けられた、股関節形成術用試行システム100の股関節形成術用試行装置110を示している。
【0065】
股関節形成術用試行装置110は、以下に詳述すること以外は、上述した股関節形成術用試行装置10と同様である。したがって、股関節形成術用試行装置110は、ヘッド部材112と、スペーサ114と、回転可能部材116と、Oリング122と、ロッキング部材124とを備える。ヘッド部材112は、回転可能部材116が配置される内部チャンバ134を協働的に画定する分離可能な第1のヘッド部材部分130および第2のヘッド部材部分132を備える。第1のヘッド部材部分130および第2のヘッド部材部分132はまた、スペーサ114が配置される内部チャンバ134にアクセスできるようにするための開口部136を協働して画定する。第1のヘッド部材部分130は、第2のヘッド部材部分132によって画定された一連の嵌合チャンバ140によって取り外し可能に受け入れられる一連のポスト138を画定する。ポスト138とチャンバ140は、第1のヘッド部材部分130と第2のヘッド部材部分132がスナップ結合してヘッド部材112を形成するように摩擦嵌合する。
【0066】
スペーサ114は、開口部136内に配置され、ヘッド部材112に対して、スペーサ第1位置、スペーサ第2位置、スペーサ第3位置、およびスペーサ第4位置の間で移動可能である。回転可能部材116は、回転可能部材116の回転時にスペーサ114を並進させるようにされたカム142を画定する。回転可能部材116は、第1のヘッド部材部分130および第2のヘッド部材部分132の対応する溝にそれぞれ着座する第1のボス144および第2のボス146を画定する。第1のボス144は、以下に詳細に説明するように、ドライバーギヤ186の歯188と噛み合う歯150を有するギヤ148を画定する。第2のボス146は、それぞれがロッキング部材124によって画定された突起156を受け入れる大きさおよび構成である一連のポケット154を画定する。
【0067】
図22に最もよく示されているように、ヘッド部材112の外面164は、回転可能部材116のギヤ148にアクセスできるようにするための空洞部166を画定する。空洞部166は、ドライバーギヤ186の歯188が回転可能部材116のギヤ148の歯150と噛み合うことができるようにドライバーギヤ186を受け入れる大きさおよび構成とされている。従って、ドライバーギヤ186は、空洞部166内に取り外し可能に配置され、回転可能部材116のギヤ148と噛み合うような大きさおよび構成である。空洞部166の配置により、カム142を移動させて最終的にスペーサ114を並進させるために回転可能部材116が回転させられる調節機構のオフセット配置がもたらされる。図22に最もよく示されているように、ギヤ148は、ヘッド部材112の中心軸158とヘッド部材112の遠位側部分160との間に配置され、空洞部166は、中心軸158と開口部136を画定するヘッド部材112の近位側部分162との間に配置されている。ヘッド部材112を通って延びる中心軸158からオフセットした空洞部166のこの配置は、少なくとも、ドライバー180およびドライバーギヤ186のためのオフセットアクセスを可能にする点で有利であり、これは股関節形成術用試行システム100の使用中に利用可能な限られたスペース内での調節を容易にする。空洞部166の基壁170は、ドライバー180の末端突起190を受け入れる大きさおよび構成を有する開口部172を画定する。
【0068】
図24図25図26、および図27に最もよく示されているように、外面164は大部分が球面であるが、外面164が空洞部166を形成する位置にファセット168を画定している。
【0069】
図19図20、および図21に最もよく示されるように、ドライバー180は、ハンドル182と、ハンドル182から延びる本体184と、本体184上に配置され、ハンドル182から軸方向に間隔を置かれたドライバーギヤ186とを有する細長い部材である。図23に最もよく示されるように、ドライバーギヤ186は、回転可能部材116によって画定されるギヤ148の歯150と噛み合うようなサイズおよび構成を有する歯188を画定する。末端突起190は、ドライバーギヤ186が軸方向で末端突起190とハンドル182との間に位置するように、本体184からドライバーギヤ186を越えて軸方向に延びている。末端突起190は、股関節形成術用試行システムの使用中に空洞部166内でのドライバーギヤ186の適切な着座を確実にするために、空洞部166の基壁170の開口部172によって受け入れられるような大きさおよび構成とされている。
【0070】
ドライバー180はまた、本体184から離れるようにして本体184の長手軸線に対して直角に延びる突起192を含む。図24図25図26、および図27に最もよく示されているように、突起192は、視覚的な指標、すなわちドライバー180の初期位置に対するドライバー180の回転位置を股関節形成術用試行システムの使用者に示す。例えば、図24において、ドライバー180は、ドライバーギヤ186が空洞部166内に配置されて回転可能部材116のギヤ148と噛み合っている第1位置又は初期ドライバー位置にある。回転はまだ開始されておらず、図24Aに最もよく示されているように、スペーサ114はその第1スペーサ位置に維持されている。突起192は第1回転位置にある。図25において、ドライバー180は、ドライバーギヤ186を回転させた第2ドライバー位置に回転している。その結果、回転可能部材116のギヤ148が回転し、カム142の移動を生じさせ、その結果、図25Aに最もよく示されているように、スペーサ114をその第2スペーサ位置に並進させている。突起192は、第1回転位置から90度オフセットした第2回転位置にある。図26において、ドライバー180は第3ドライバー位置まで回転しており、ドライバーギヤ186をさらに回転させている。その結果、回転可能部材116のギヤ148はさらに回転し、カム142のさらなる移動を生じさせ、それは、図26Aに最もよく示されるように、スペーサ114をその第3スペーサ位置まで並進させる。突起(図26では見えない)は、第1回転位置から180度オフセットした第3回転位置にある。図27において、ドライバー180は第4ドライバー位置まで回転しており、ドライバーギヤ186をさらに回転させている。その結果、回転可能部材116のギヤ148がさらに回転し、カム142のさらなる移動を生じさせ、その結果、図27Aに最もよく示されているように、スペーサ114をその第4スペーサ位置に並進させている。突起192は、第1回転位置から270度オフセットした第4回転位置にある。
【0071】
股関節形成術用試行装置および股関節形成術用試行システムのすべての構成要素は、任意の適した材料で形成することができる。しかし、本明細書に記載の股関節形成術用試行装置の構造構成は、試行装置にプラスチックを使用することを容易にして、試行装置を使い捨てに適したものにし、既存の装置においては必要な分解、洗浄、滅菌、および再使用の必要性をなくすことに留意されたい。
【0072】
当業者であれば、本開示の全体的な教示を考慮して、説明および図示した実施例に対して様々な修正および代替案を開発できることを理解するであろう。従って、開示された構造配置は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、これは添付の特許請求の範囲およびそのあらゆる均等物の全範囲に与えられるものである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図12A
図13
図13A
図14
図14A
図15
図15A
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図24A
図25
図25A
図26
図26A
図27
図27A
【国際調査報告】