(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための装置
(51)【国際特許分類】
A01J 27/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
A01J27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568185
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 IB2022054024
(87)【国際公開番号】W WO2022234423
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】102021000011762
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522183755
【氏名又は名称】マロッタ エヴォリューション エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】マロッタ,カーマイン
(57)【要約】
装置(1)は、
フレッシュな「パスタフィラータ」タイプの少なくとも1つのチーズ(C)の支持手段(3)と、
チーズ(C)の少なくとも一部分(P)を保持するように構成された、把持手段(6)と、
チーズ(C)の内部に詰め物を注入してスタッフドチーズ(S)を得るように構成された、充填手段(7)と、
支持手段(3)と把持手段(6)との間の、1つの相互移動ユニット(20)と、
把持手段(6)と充填手段(7)との間の、1つの相互移動アセンブリ(21)と、
を備え、
支持手段(3)は、チーズ(C)を収容するように構成された第1のハウジング(51a)を画定する、少なくとも第1の容器要素(51)と、チーズ(S)を収容するように構成された第2のハウジング(52a)を画定する、少なくとも第2の容器要素(52)を備え、ハウジング(51a,52a)は相対曲率半径を有し、第2のハウジング(52a)の曲率半径は、第1のハウジング(51a)の曲率半径よりも大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための装置(1)であって、
少なくとも1つのベースフレーム(2)と、
前記ベースフレーム(2)に対応し、フレッシュな「パスタフィラータ」タイプの少なくとも1つのチーズ(C)の支持手段(3)と、
前記ベースフレーム(2)に対応し、前記チーズ(C)の少なくとも一部分(P)を保持するように構成された、前記チーズ(C)の把持手段(6)と、
前記ベースフレーム(2)に対応し、前記部分(P)を通して前記チーズ(C)の内部に詰め物を注入してスタッフドチーズ(S)を得るように構成された、前記チーズ(C)の充填手段(7)と、
前記支持手段(3)と前記把持手段(6)との間の、少なくとも1つの相互移動ユニット(20)と、
前記把持手段(6)と前記充填手段(7)との間の、少なくとも1つの相互移動アセンブリ(21)と、
を備え、
前記支持手段(3)は、前記チーズ(C)を収容するように構成された第1のハウジング(51a)を画定する、少なくとも第1の容器要素(51)と、前記チーズ(S)を収容するように構成された第2のハウジング(52a)を画定する、少なくとも第2の容器要素(52)を備え、
前記ハウジング(51a,52a)は相対曲率半径を有し、前記第2のハウジング(52a)の曲率半径は、前記第1のハウジング(51a)の曲率半径よりも大きい、
ことを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記支持手段(3)が、前記ベースフレーム(2)上を前方移動方向(D)に沿って移動可能な、前記容器要素(51,52)を支持する支持面(4)を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記支持面(4)が前記前方移動方向(D)に沿って移動して、前記容器要素(51,52)を、
前記第1の容器要素(51)が前記チーズ(C)を受け取る積荷ステーションと、
前記第1の容器要素(51)が前記把持手段(6)の位置する地点に配置され、前記把持手段(6)が前記部分(P)を保持する充填ステーションと、
前記第2の容器要素(52)が前記把持手段(6)の位置する地点に配置され、前記把持手段(6)が前記スタッフドチーズ(S)を前記第2の容器要素(52)にリリースする受取ステーションと、
前記第2の容器要素(52)が前記スタッフドチーズ(S)をリリースする脱荷ステーション、と
の間で移動させる、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記支持手段(3)が、少なくとも1列の容器要素(F)を備え、該容器要素(F)は、前記支持面(4)に対応し、前記前方移動方向(D)に沿って交互に配置された、複数の前記第1の容器要素(51)と、複数の前記第2の容器要素(52)と、を備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項5】
前記把持手段(6)が、前記ベースフレーム(2)に対応する少なくとも1つの把持フレーム(8)と、前記把持フレーム(8)に対応する少なくとも1つのダイヤフラム装置(9)とを備え、前記部分(P)を保持するよう前記チーズ(C)の周囲で閉じ、前記スタッフドチーズ(S)をリリースするよう開放可能である、
ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項6】
前記ダイヤフラム装置(9)は、
前記把持フレーム(8)に対応する複数の把持要素(11)と、
回転手段(12)と、
を備え、
前記複数の把持要素(11)は、円周に沿って配置され、少なくとも1つの作業位置とホーム位置との間で、それぞれの回転軸(R)周りを回転して相互に移動可能であり、前記作業位置は、前記複数の把持要素(11)が前記チーズ(C)を挟み取り、前記部分(P)を保持するために、前記円周の中心に近づく位置であり、前記ホーム位置は、前記複数の把持要素(11)が前記中心から離れて前記スタッフドチーズ(S)をリリースする位置であり、
前記回転手段(12)は、少なくとも前記作業位置と前記ホーム位置との間の前記把持要素(11)を回転させるものであり、前記把持要素(11)に対応する少なくとも1つの連結要素(13)と、前記連結要素(13)上に画定された各歯部(13b)上で噛み合うように構成された歯車(14a)によって、前記連結要素(13)に作動可能に接続された少なくとも1つの作動体(14)と、を備え、前記歯車(14a)が二方向に回転することにより、前記作業位置と前記ホーム位置との間で前記把持要素(11)を移動させる、
ことを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記把持手段(6)が複数の前記ダイヤフラム装置(9)を備え、該複数のダイヤフラム装置(9)は、前記把持フレーム(8)に対応し、前記前方移動方向(D)と交差する少なくとも一つの作業方向(W)に沿って並んで配置され、それぞれがそれぞれのチーズ(C)を保持するよう構成されている、
ことを特徴とする、請求項6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記支持手段(3)が複数列の前記容器要素(F)を備え、
前記第1の容器要素(51)が、前記作業方向(W)と略平行の、関連する第1の位置決め方向(B1)に沿って並んで配置され、前記第2の容器要素(52)が、前記第1の位置決め方向(B1)と略平行の、関連する第2の位置決め方向(B2)に沿って並んで配置され、前記容器要素(F)の列数は、前記ダイヤフラム装置(9)の数に対応する、
ことを特徴とする、請求項7に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記充填手段(7)が、
前記ベースフレーム(2)に対応し、少なくとも1つの充填フレーム(15)と、
前記充填フレーム(15)に対応し、前記チーズ(C)に前記詰め物を注入するように構成された、少なくとも1つのインジェクタ装置(16)と、
前記詰め物を収容するように構成され、前記インジェクタ装置(16)に流体作動式で接続された、少なくとも1つのタンク(17)と、
を備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記充填手段(7)が、前記タンク(17)に流体作動式で接続された複数の前記インジェクタ装置(16)を備え、該複数のインジェクタ装置(16)は、
前記充填フレーム(15)に対応し、前記前方移動方向(D)と交差する少なくとも1つの動作方向(G)に沿って並んで配置され、それぞれが前記詰め物をそれぞれのチーズ(C)に注入するように構成された、
ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための一装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブッラータチーズは、通常は袋の形をしたフレッシュパスタフィラータチーズで、フレッシュチーズやクリームのかたまりで構成された詰め物を含んでおり、ストラッチャテッラとしても知られている。
【0003】
ブッラータチーズの製造工程は手作業であり、最初にパスタフィラータチーズに熱処理を加えることで、略球体を有するフレッシュチーズを得る。これは、モッツァレラチーズとしても知られている。
【0004】
次に、作業者がモッツァレラチーズの一部を持ちながら、モッツァレラチーズ内に詰め物を注入するためのインジェクタを挿入する。
【0005】
注入中に、詰め物が入るスペースができるよう、モッツァレラチーズが変形し、特徴的な袋形状ができる。
【0006】
この作業が完了した後、作業者はその部分に圧力を加えることによって、密閉する。これにより、該部分は、所定の形状に応じて、最終的にブッラータチーズから除去され得る。
【0007】
最後に、このようにして得られたブッラータチーズを冷却し、包装する。
【0008】
このプロセスは特に労働集約的であり、袋形状のチーズが腐ってしまうことで、その後の加工に影響が出るのを防ぐため、緻密かつ正確に作業をこなすことのできる熟練者が必要となることは、容易に理解できるであろう。
【0009】
これにより、生産コストは必然的に高くなり、その結果、最終消費者にとって価格高騰につながる。
【0010】
さらに、処理にはかなり長い時間がかかるため、フレッシュチーズの品質に影響を与える可能性があり、変質させることなく維持するには、製造から短時間で市場に投入する必要がある。
【0011】
さらに、手作業による加工に伴う、フレッシュチーズの汚染リスクも過小評価されるべきではない。これにより、完成品の品質が影響を受ける可能性がある。
【0012】
こうしたフレッシュチーズの品質低下が顧客満足度に大きく影響し、製品の購入継続に至らない可能性があることが指摘されている点も重要である。
【0013】
したがって、スタッフドチーズの製造プロセスにおいて、改善の余地があることは明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の主な目的は、関連する処理時間及びコスト削減を可能にする、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための一装置を考案することである。
【0015】
本発明の別の目的は、熟練者を必要としない、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための一装置を考案することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、細菌汚染のリスクを最小化することを可能にする、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための一装置を考案することである。
【0017】
本発明の別の目的は、単純、合理的、容易、かつ効果的に使用でき、手頃な価格であって、前述した先行技術の欠点を克服することを可能にする、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための一装置を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記に設定された目的は、請求項1の特徴を有するスタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための本装置によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の他の特徴及び利点は、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための、非制限的かつ好ましい一実施形態の説明からより明らかとなる。本実施形態は、添付の表・図面において、非限定的かつ例示的に示す。
【0020】
【
図1】
図1は、本発明に係る装置の第1実施形態の軸測図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る装置の構成要素の分解図である。
【
図4】
図4は、別の使用構成における、本発明に係る装置の概略図である。
【
図5】
図5は、別の使用構成における、本発明に係る装置の概略図である。
【
図6】
図6は、別の使用構成における、本発明に係る装置の概略図である。
【
図7】
図7は、別の使用構成における、本発明に係る装置の概略図である。
【
図8】
図8は、別の使用構成における、本発明に係る装置の概略図である。
【
図9】
図9は、本発明に係る装置の第2実施形態の軸測図である;
【発明を実施するための形態】
【0021】
これらの図を特に参照すると、参照番号1は、全体を通して、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための装置を示す。
【0022】
本発明に係る装置1は、少なくとも1つのベースフレーム2と、ベースフレーム2に対応し「パスタフィラータ」タイプのチーズCの支持手段3と、を備える。
【0023】
特に、チーズCはモッツァレラチーズタイプである。
【0024】
ただし、これは、スカモルツァなど、異なる種類の「パスタフィラータ」チーズを使用する可能性を排除するものではない。
【0025】
チーズCは、詰め物の導入をするために加熱処理され、スタッフドチーズS、ここでは、ブッラータチーズを得る。
【0026】
特に、詰め物は、1つ以上の新鮮な乳製品、具体的には、モッツァレラチーズ及びクリームのかたまりを含む。
【0027】
ただし、種々の乳製品(カッテージチーズ、バター、ゴルゴンゾーラチーズなど)を使用したり、乳製品以外の成分(トリュフ、オリーブ、ハム、野菜など)を添加したりすることを、種々のスタッフドチーズSの製造から除外するものではない。
【0028】
この目的において、装置1は、
・ベースフレーム2に対応し、チーズCの少なくとも一部分Pを保持するように構成されたチーズCの把持手段6と、
・ベースフレーム2に対応し、部分Pを通してチーズCの内部に詰め物を注入して、スタッフドチーズSを得るように構成された、チーズCの充填手段7と、
を備える。
【0029】
さらに、装置1は、支持手段3、把持手段6、及び充填手段7のいずれかの少なくとも一つを移動させるように構成された移動手段20,21を備える。
【0030】
移動手段20,21は、異なる動作段階の間で、支持手段3、把持手段6及び充填手段7を、相互に移動させるよう構成されている。
【0031】
把持手段6、充填手段7、及び移動手段20,21については、本開示において後述する。
【0032】
支持手段3は、チーズCを収容するように構成された第1のハウジング51aを画定する、少なくとも第1の容器要素51と、チーズSを収容するように構成された第2のハウジング52aを画定する、少なくとも第2の容器要素52と、を備える。
【0033】
この場合、容器要素51,52の各々は、カップタイプであり、対応するハウジング51a,52aと、ハウジング自体を支持面4から離間させるステム5bと、を備えている。
【0034】
ハウジング51a,52aは、略球部分の立体構造を有している。
【0035】
ハウジング51a,52aの各々は、曲率半径を有し、特に、第2のハウジング52aの曲率半径は、第1のハウジング51aの曲率半径よりも大きい。
【0036】
より詳細には、ハウジング51a,52aは、チーズC、Sを少なくとも部分的に収容し、そのサイズにそれぞれ合わせるよう、成形される。チーズCを収容することを意図した第1のハウジング51aは、したがって、スタッフドチーズSを収容することを意図した第2のハウジング52aよりも小さい表面積を有する。実際、充填中、チーズCは詰め物用のスペースを形成するうえで変形する傾向があるため、体積が増加する。
【0037】
このようにして、装置1は、ハウジング内の曲率半径が広すぎることによって引き起こされるような、チーズCが平べったくなったり崩れたりする可能性、ひいては、その後の把持及び充填操作がより複雑になる可能性を回避することができる。同時に、装置1は、ハウジング内の曲率半径が狭すぎることによって引き起こされる、スタッフドチーズ自体の美的外観を損なうような、スタッフドチーズSの底部に生じ得るボトルネックを回避することができる。
【0038】
実際、チーズCとスタッフドチーズSの製造は高温で行われ、それらを作るパスタフィラータは容易に変形することを念頭におく必要がある。
【0039】
このように、装置1によって、チーズC及びスタッフドチーズSの両方が、作業プロセス全体を通じて略球形状を維持できるようになる。
【0040】
容器要素51,52は、高温で作業する必要があるチーズCの温度を維持するために、断熱材で構成され得る。
【0041】
あるいは、容器要素51,52は、最小限の熱抵抗を特徴とし、チーズCの温度に急速に到達することができる金属材料で構成され得る。
【0042】
支持手段3は、ベースフレーム2上を前方移動方向Dに沿って移動可能な、容器要素51,52を支持する支持面4を有利に備える。
【0043】
同図に示す実施形態では、支持面4は搬送ベルト型のものであり、前方移動方向Dは略直線的である。
【0044】
しかしながら、支持面4が実質的に円形の前方移動方向Dを有する回転カルーセルのタイプであり得る可能性を排除しない。
【0045】
支持面4が静止している他の実施形態も排除しない。
【0046】
図に示す実施形態を参照すると、支持面4の移動は離散型であり、容器要素51,52を異なる動作ステーション間に配置することができる。
【0047】
より具体的には、支持面4は、前方移動方向Dに沿って移動して、容器要素51,52を、
・第1の容器要素51がチーズCを受け取る積荷ステーションと、
・第1の容器要素51が把持手段6の位置する地点に配置され、把持手段6が部分Pを保持する充填ステーション(
図4及び
図5)と、
・第2の容器要素52が把持手段6の位置する地点に配置され、把持手段6がスタッフドチーズSを第2の容器要素52にリリースする受取ステーション(
図6、
図7、及び
図8)と、
・第2の容器要素52がスタッフドチーズSをリリースする脱荷ステーション、と、
の間で移動させることができる。
【0048】
具体的には、積荷ステーションにおいて、チーズCは、第1の容器要素51の第1のハウジング51aの内側に配置される。
【0049】
充填ステーションにおいて、把持手段6が部分Pを保持し、チーズCの充填手段7がチーズCの内側に嵌まることにより、部分Pを介して、チーズCの内部に詰め物を注入して、スタッフドチーズSを得る。
【0050】
この操作の間、チーズCは第1のハウジング51aから離間する。これにより、充填及び、その結果、パスタフィラータの膨張が可能となる。支持面4を移動させて、第2の容器要素52を受取ステーションに配置し、できたばかりのスタッフドチーズSを受け取る。
【0051】
支持手段3が少なくとも1列の容器要素Fを備えていると有利である。容器要素Fは、支持面4に対応し、前方移動方向Dに沿って交互に配置された、複数の第1の容器要素51と、複数の第2容器要素52と、を備える。
【0052】
より詳細には、容器要素51,52が脱荷ステーション内にあるときに、充填ステーションに後続の容器要素が配置されるよう定義された距離で、容器要素51,52を支持面4上に配置する。
【0053】
この実施形態により、新しいサイクルを開始する前に、第2の容器要素52からスタッフドチーズSを降ろすことなく、スタッフドチーズSを連続サイクルで製造することが可能になる。
【0054】
上述のように、装置1は、チーズC及び充填後のスタッフドチーズSを保持するように構成された把持手段6を備える。
【0055】
把持手段6は、ベースフレーム2に対応する少なくとも1つの把持フレーム8と、把持フレーム8に対応する少なくとも1つのダイヤフラム装置9とを備え、部分Pを保持するようチーズCの周囲で閉じ、スタッフドチーズSをリリースするよう開放可能である。
【0056】
特に、ダイヤフラム装置9には、チーズCを通過させる通過孔10が画定されている。
【0057】
ダイヤフラム装置9が閉じると、チーズCが挟み取られるまで、通過孔10が徐々に狭まる。
【0058】
ダイヤフラム装置9は、把持フレーム8に対応する、円周に沿って配置された複数の把持要素11を有利に備える。
【0059】
具体的には、把持要素11は、通過孔10を囲むように配置され、少なくとも1つの作業位置と、少なくとも1つのホーム位置との間で、それぞれの回転軸R周りを回転して相互に移動する。作業位置は、把持要素11がチーズCを挟み取り、部分Pを保持するために、円周の中心に近づく位置であり、ホーム位置は、把持要素11が中心から離れてチーズCをリリースする位置である。
【0060】
換言すれば、把持要素11は同心円状に同時に移動して部分Pを挟み取り、チーズCを静止状態に保つ。
【0061】
加えて、ダイヤフラム装置9は、少なくとも作業位置とホーム位置との間で、把持要素11を回転させる回転手段12を備え、把持要素11に対応する少なくとも1つの連結要素13を備える。
【0062】
連結要素13は、略円形の形状を有し、把持要素11の上に配置され、円周に沿って配置された複数のスロット13aを備える。スロットの各々は、それぞれの把持要素11上に画定された対応するピン11aと対応する。
【0063】
より詳細には、ピン11aはスロット13aの内側に摺動しながら収容され、スロットの形状により、ピン11aの移動軌跡が決定する。したがって、それぞれの回転軸Rの周りの把持要素11の回転振幅が決定する。
【0064】
回転手段12は、連結要素自体に画定されたそれぞれの歯部13b上で噛み合うように構成された歯車14aによって、連結要素13に動作可能に接続された少なくとも1つの作動体14を備える。
【0065】
歯車14aが二方向に回転することにより、作業位置とホーム位置との間で、把持要素11を移動させる。
【0066】
具体的には、接続要素13の回転により、スロット13aが変位し、スロット13aは、次に各ピン11aを動かし、その動きを把持要素11に伝達する。
【0067】
加えて、把持要素11は、密閉位置に向かって有利に移動することができる。密閉位置とは、通過孔10がさらに閉じられることで、把持要素11がスタッフドチーズSをしっかりと閉じるよう、部分Pに圧力を加える位置である。
【0068】
この操作の最終段階において、スタッフドチーズSは、部分Pを下の詰め物部分から切り離す、密閉領域を有する。
【0069】
把持要素11は、通過孔10が完全に閉じられる切断位置に向かってさらに移動することも可能である。切断位置において、把持要素11は、スタッフドチーズSから部分Pを切り離す。
【0070】
装置1は、実際には、特徴的な「袋」形状を有するスタッフドチーズS及び/又は回転楕円体形状を有するスタッフドチーズSの製造を可能にし、部分Pは、スタッフドチーズSから除去される。
【0071】
脱着後、部分Pは、把持要素11がホーム位置に向かって次の移動が始まるまで、ダイヤフラム装置9上に留まり、重力によって支持面4上に堆積される。
【0072】
装置1は、得られるスタッフドチーズSの種類に応じて、同心円状に配置され、かつ、独立して動作可能な複数のダイヤフラム装置9を有利に備え得る。
【0073】
例えば、得られるスタッフドチーズSのサイズに基づいて、互いに重なるよう配置された2つの同一のダイヤフラム装置9を使用してもよい。小さなスタッフドチーズSを製造する場合、より小さな部分Pを保持するために、1つのダイヤフラム装置9のみが作動する。一方、より大きなスタッフドチーズSの製造のためには、より大きな部分Pを保持する必要があり、両方のダイヤフラム装置9が同時に作動することになる。
【0074】
あるいは、又は、これと組み合わせて、ダイヤフラム装置9の1つは、チーズCを充填した後に部分Pを容易に除去するように構成された鋭利な部分を有する把持要素11を備え得る。このような場合、装置1は、部分Pを密閉するように構成された少なくとも1つのダイヤフラム装置9と、それを除去するように構成された少なくとも1つのダイヤフラム装置9とを備える。
【0075】
あるいは、又はダイヤフラム装置9と組み合わせて、把持手段6は、グリッパ装置を備え得る。グリッパ装置は、把持フレーム8に対応し、チーズCを保持及び/又は密閉するために、及び/又は、スタッフドチーズSから部分Pを除去するために、移動可能である。
【0076】
上述したように、装置1は、チーズCに詰め物を注入するよう構成された充填手段7を備える。
【0077】
充填手段7は、ベースフレーム2に対応する少なくとも1つの充填フレーム15と、充填フレーム15に対応した少なくとも1つのインジェクタ装置16を備え、チーズCに詰め物を注入するように構成されている。
【0078】
装置1はまた、インジェクタ装置16に流体作動式で接続された詰め物を収容するように構成された少なくとも1つのタンク17と、タンク17からインジェクタ装置16に詰め物を転送するように構成された少なくとも1つのポンプ装置18とを備える点で、有利である。
【0079】
より詳細に説明すると、インジェクタ装置16は、部分Pを介してチーズCに部分的に挿入され、把持手段6によって適切に保持され、タンク17に収容された詰め物をチーズCに送達する。
【0080】
充填後、インジェクタ装置16を部分Pから引き出してスタッフドチーズSを得て、把持手段6が、部分Pを密閉、場合によっては、除去する。
【0081】
このようにして得られたスタッフドチーズSは、把持手段6からリリースされ、脱荷位置に向かって移動する。特に、把持要素11は、通過孔10をリリースするためにホーム位置に向かって移動する。
【0082】
この操作の間、除去された部分Pは支持面4上でリリースされ、スタッフドチーズSと共に、充填ステーションから脱荷ステーションに向かって移動されることを可能にする。
【0083】
装置1は、脱荷ステーションに配置された少なくとも1つの冷却槽19a,19bを備え、その中にスタッフドチーズSが移される。
【0084】
特に、図に示すように、脱荷ステーションにおいて、支持面4によって容器要素51,52が回転し、それにより、スタッフドチーズSが第2の容器要素52から冷却槽19a、19b内に落下する。
【0085】
冷却槽19a,19bは、部分Pを収容するよう構成された第1の槽19aと、スタッフドチーズSを収容するよう構成された第2の槽19bとを備える。
【0086】
図1乃至
図8に示す実施形態では、第1の槽19aと第2の槽19bとが前方移動Dの方向に沿って位置合わせされ、第1の槽19aが支持面4の直近に配置されるようになっている。
【0087】
ステム5bを備えた容器要素51,52を提供する特別なソリューションにより、脱荷ステーションにおける支持面4の移動の結果として、部分Pを第1の槽19aに落下させ、スタッフドチーズSを第2の槽19bに落下させることができる。
【0088】
しかしながら、装置1が独立した冷却槽を備え、スタッフドチーズSと部分Pの分離を後日行う場合を排除するものではない。
【0089】
上述したように、装置1は、支持手段3、把持手段6、及び充填手段7のいずれかの少なくとも一方を移動させるように構成された、移動手段20,21を備える。
【0090】
特に、移動手段20,21は、支持手段3と把持手段6との間の少なくとも1つの相互移動部20と、把持手段6と充填手段7との間の少なくとも1つの相互移動アセンブリ21と、を備える。
【0091】
相互移動部20は、支持手段3及び把持手段6の少なくとも一方を、他方に向けて、支持面4に対して略垂直な走行軸A1に沿って移動させるようになっている。
【0092】
つまり、相互移動部20は、ダイヤフラム装置9によってチーズCを保持できるよう、把持手段6に支持手段3を接近又は遠ざける機能を有する。
【0093】
同図に示す実施形態では、相互移動部20は、把持手段6を支持手段3に対して移動させるようになっている。
【0094】
相互移動部20は、充填手段7による充填時に、第1のハウジング51aからチーズCを持ち上げることで、ダイヤフラム装置9を第1の容器要素51から移動させ、充填操作の最後に、第2の容器要素52に近づけて、スタッフドチーズSを第2のハウジング52aに載置する機能も有する。
【0095】
相互移動部20は、把持フレーム8に動作可能に接続された駆動部22と、ベースフレーム2に対応し、走行軸A1に沿って延びる誘導部23とを備える。
【0096】
把持フレーム8は、摺動方式で誘導部23と対応している。
【0097】
駆動部22は、誘導部23に略平行で、把持フレーム8に対応するラックアンドピニオン要素22aと、ラックアンドピニオン要素自体に接続され、把持フレーム8を誘導部23上で移動させるように構成された電気モータである、作動装置22bとを備える。
【0098】
相互移動アセンブリ21は、把持手段6及び充填手段7のいずれか一方を、他方に向けて、支持面4に対して略垂直な摺動A2の軸に沿って移動させるようになっている。
【0099】
つまり、相互移動アセンブリ21は、充填手段7と把持手段6とを互いに接近又は遠ざけて、インジェクタ装置16を部分Pに挿入したり取り外したりする機能を有する。
【0100】
図に示す実施形態では、相互移動アセンブリ21は、把持手段6に対して充填手段7を移動させるよう構成されている。
【0101】
相互移動アセンブリ21はまた、チーズCの変形を容易にするために、把持手段6と同じタイミングで、充填中に第1の容器要素5に対し、インジェクタ装置16を移動させる機能も有する。
【0102】
相互移動アセンブリ21は、充填フレーム15に動作可能に接続されたモータアセンブリ24と、ベースフレーム2に対応し、スライドA2の軸に沿って延びる誘導アセンブリ25と、を備える。
【0103】
充填フレーム15は、スライド様式で誘導アセンブリ25に対応している。
【0104】
モータアセンブリ24は、誘導アセンブリ25に実質的に平行である充填フレーム15に対応する少なくとも1つのラックアンドピニオン本体24aと、ラックアンドピニオン本体自体に接続され、誘導アセンブリ25上で充填フレーム15を移動するように構成された電気モータである、動作要素24bと、を備える。
【0105】
誘導アセンブリ25は誘導部23と一致し、スライド軸A2は移動軸A1と一致すると有利である。
【0106】
つまり、充填枠15と把持枠8とが上下に配置され、支持手段3と同じレールに取り付けられ、同一軸に沿って移動可能に構成されている。
【0107】
装置1はまた、支持手段3、把持手段6、充填手段7、相互移動ユニット20、及び相互移動アセンブリ21のいずれかのうちの、少なくとも1つを動作するように構成された、少なくとも1つの電子部26aを備えた電子制御システム26を備える。
【0108】
電子制御システム26はまた、電子部26aに動作可能に接続され、接続要素13、把持フレーム8、及び、充填フレーム15のいずれかの少なくとも1つの位置を決定するように構成された、少なくとも1つの位置センサ26bを備える。
【0109】
本発明に係る装置1の動作は以下の通りである。
【0110】
最初に、第1の容器要素51は、チーズCが第1のハウジング51aに配置される積荷ステーション内に位置決めされる。
【0111】
第1の容器要素51は、次いで、支持面4によって、前進Dの方向に沿って、充填ステーションに向かって移動される。
【0112】
この時点で、相互移動部20は、把持手段6を支持手段3に向かって移動させる。
【0113】
特に、駆動部22は、ダイヤフラム装置9をチーズCに近づけて、チーズCが通過孔10を通過できるようにする。
【0114】
回転手段12の作動体14は、把持要素11の作業位置への回転動作を決定することで作動し、通過孔10を部分的に閉塞して、部分Pを保持する。
【0115】
相互移動部20は、チーズCを第1の容器要素51から持ち上げるように把持手段6を移動させる。
【0116】
相互移動アセンブリ21は、充填手段7を把持手段6に向かって移動させる。
【0117】
特に、モータアセンブリ24は、インジェクタ装置16をダイヤフラム装置9に近づけて、インジェクタ装置自体を、部分Pを介してチーズCに挿入できるようにする。
【0118】
ポンプ装置18は、詰め物を送達できるように作動する。
【0119】
この段階の間、相互移動ユニット20及び相互移動アセンブリ21は、チーズCの変形を容易にするために、把持手段6及び充填手段7をそれぞれ支持手段3から同時に遠ざける。
【0120】
一方、支持面4は、第2容器要素52を受取ステーションに運ぶように前方移動Dの方向に沿って前進する。
【0121】
送達の終盤、相互移動アセンブリ21は、充填手段7を把持手段6から遠ざけて、インジェクタ装置16が部分Pから引き抜くようにする。
【0122】
相互移動部20は、把持手段6を支持手段3に近づけて、スタッフドチーズSを第2のハウジング52a内に載置する。
【0123】
より詳細には、
図4乃至
図8に示すように、把持手段6は、充填前にチーズCを第1の容器要素51から完全に持ち上げて、スタッフドチーズSの容積を効果的に増加させ、次いで充填の終盤に、スタッフドチーズSを第2の容器要素52内に静止させるよう構成されている。
【0124】
しかしながら、特別な製造要件に応じて、例えば、スタッフドチーズSの過度な重量増加を引き起こす可能性のある、特定の種類の詰め物の場合には、把持手段6は、チーズCを部分的にのみ持ち上げるように構成され、その結果、充填中にスタッフドチーズSの重量を第1の容器要素51上に逃がす形態を排除するものではない。この場合、把持手段6は、充填終了時にのみ、スタッフドチーズSを完全に持ち上げ、その後、支持面4が前方に移動して第2の容器要素52を受取ステーションに運ぶようにする。
【0125】
この時点で、把持要素11を密閉位置に向かって移動させて、部分Pに圧力を加え、スタッフドチーズSを閉じる。
【0126】
必要に応じて、把持要素11をさらに切断位置に向かって回転させて、部分PをスタッフドチーズSから除去する。
【0127】
そして、把持要素11をホーム位置に移動させ、スタッフドチーズS、及び、必要に応じて、除去された部分Pを支持手段3上にリリースする。
【0128】
支持面4は、スタッフドチーズS及び必要に応じて除去された部分Pを収容する第2の容器要素52を、脱荷ステーションに向かって移動させる。脱荷ステーションでは、スタッフドチーズS及び部分Pがそれぞれ、槽19a及び19bに移される。
【0129】
図9乃至
図14に示す第2の実施形態によれば、把持手段6は、把持フレーム8に対応し、前方移動方向Dと交差する少なくとも1つの作業方向Wに沿って並んで配置された、複数のダイヤフラム装置9を備える。
【0130】
好ましくは、作業方向Wは、前方移動方向Dと略直交する。
【0131】
しかしながら、作業方向が前方移動方向に対して実質的に斜めであり、及び/又、はダイヤフラム装置9が複数の作業方向Wに沿って互い違いに配置されているといった、代替実施形態を排除するものではない。
【0132】
各ダイヤフラム装置9は、それぞれチーズCを保持するよう構成されている。
【0133】
このような実施形態では、支持手段3が複数列の容器要素Fを適宜備える。ここで、第1の容器要素51は、作業方向Wに略平行な第1位置決め方向B1に沿って並んで配置され、第2容器要素52は、第1位置決め方向B1と略平行な関連する第2位置決め方向B2に沿って並んで配置される。
【0134】
容器要素Fの列数は、ダイヤフラム装置9の数に対応する。
【0135】
より詳細には、容器要素Fの列は、互いに略平行に配置され、前方移動方向Dに平行に配置される。
【0136】
位置決め方向B1,B2は、前方移動方向Dと略直交している。
【0137】
したがって、容器要素51,52は、容器要素Fの列のうちの1つにある第1の容器要素51が積荷ステーション内にあるとき、容器要素Fの他の列も同じステーション内に第1の容器要素51を有するように、配置される。
【0138】
同じことを、全てのステーションについて、また、第2の容器要素52についても行うことができる。
【0139】
したがって、第2実施形態に係る装置1は、複数のチーズCに対して、同時に作業を行うことができる。
【0140】
各ダイヤフラム装置9は、それぞれの作動体14を備えていると有利である。
【0141】
したがって、ダイヤフラム装置9は、チーズCを保持/リリースするために、互いに独立して動作させることができる。
【0142】
このようにして、実際に必要なダイヤフラム装置9のみを動作させることができる。
【0143】
さらに、一部のダイヤフラム装置9では、把持要素11をホーム位置と密閉位置との間で移動し、他のダイヤフラム装置9では、把持要素11をホーム位置と切断位置との間で移動することで、それぞれ、部分Pを備えるスタッフドチーズSと、部分Pを持たないスタッフドチーズSとを得ることができる。
【0144】
再びこの第2実施形態を参照して、充填手段7は、タンク17に流体作動方式で接続された複数のインジェクタ装置16を備える。この充填手段は、充填フレーム15に対応し、前方移動方向Dと交差する少なくとも1つの動作方向Gに沿って並んで配置される。
【0145】
好ましくは、動作方向Gは、前方移動方向Dと略直交する。
【0146】
有利には、動作方向Gは、作業方向Wと実質的に平行である。
【0147】
さらにより好ましくは、動作方向G及び作業方向Wは、実質的に水平に延び、同じ略垂直面上に重ねて位置する。
【0148】
各ダイヤフラム装置9は、インジェクタ装置16に適宜対応する。
【0149】
各インジェクタ装置16は、それぞれのチーズCに詰め物を注入するよう構成されている。
【0150】
各インジェクタ装置16は、それぞれのポンプ装置18に有利に接続されている。
【0151】
したがって、インジェクタ装置16は、詰め物を送達する際、互いに独立して動作することができる。
【0152】
このようにして、各インジェクタ装置16は、実際に必要な場合、すなわち対応するダイヤフラム装置9がチーズCを保持するために閉じた場合にのみ、詰め物を送達する。
【0153】
加えて、異なるタイプのスタッフドチーズSを得るために、異なる量の詰め物を送達するインジェクタ装置16を提供することができる。
【0154】
したがって、第2実施形態に係る装置1は、複数のチーズCの同時処理と、異なる種類のスタッフドチーズSの製造の両方を可能にする。
【0155】
特に、個々の把持フレーム8に対応するダイヤフラム装置9及び個々の充填フレーム15に対応するインジェクタ装置16を提供するというソリューションにおいて、駆動部22及びモータアセンブリ24によって、それぞれが同時に移動可能になる。
【0156】
このソリューションにより、構成要素と可動部品の数を減らすことができ、装置1を非常にコンパクトにし、機敏な操作の提供が可能となる。
【0157】
図9乃至
図14に示すように、装置1はまた、第1の容器要素51の内部にチーズCの存在を検出するように構成された、少なくとも1つの存在センサ27を備える。
【0158】
より詳細には、存在センサ27は、積荷ステーションと充填ステーションとの間の検出ステーション内に位置決めされた第1の容器要素51内のチーズCの存在を検出するように構成される。
【0159】
存在センサ27は、例えば、拡散反射フォトセルタイプである。
【0160】
インジェクタ装置16は、第1の容器要素51内にチーズCが存在しているときにのみ詰め物を送達するよう、存在センサ27に連動している。
【0161】
特に、装置1は、インジェクタ装置16毎に存在センサ27を備える。
【0162】
存在センサ27は、電子部26aに動作可能に接続されている。
【0163】
存在センサ27が第1のハウジング51a内のチーズCの存在を検出すると、電子部26aは、対応するインジェクタ装置16のポンプ装置18を動作させるようにプログラムされている。
【0164】
一方、存在センサ27がチーズCの存在を検出しない場合、対応するインジェクタ装置16のポンプ装置18は、動作せず、詰め物を送達しない。
【0165】
存在センサ27が
図1乃至
図8に示す第1の実施形態に係る装置1にも適用できる可能性も、排除されない。
【0166】
図9乃至
図14を通して参照すると、装置1は、ベースフレーム2に対応し、少なくとも1つの洗浄液を少なくとも把持手段6に送達するように構成された洗浄手段28を備える。
【0167】
洗浄液は、例えば、温水及び/又は消毒製品である。
【0168】
より具体的には、洗浄手段28は、洗浄流体の噴流をダイヤフラム装置9に向けるように構成された、少なくとも1つの送出要素29を備える。
【0169】
送出要素29は、スタッフドチーズSの調製の後にダイヤフラム装置9に残っている残留チーズC及び/又は詰め物を除去する機能を有する。
【0170】
洗浄手段28は、各ダイヤフラム装置9に対して少なくとも1つの送出要素29を備える。
【0171】
洗浄手段28はまた、洗浄流体の噴流を容器要素51,52に向けるよう構成されたディスペンシング要素30を備える。
【0172】
より詳細には、ディスペンシング要素30は、ハウジング51a,52aに向かって洗浄液を送達する。
【0173】
ディスペンシング要素30は、スタッフドチーズSを脱荷した後、新たなチーズCを位置決めする前に、ハウジング51a,52aを洗浄する機能を有する。
【0174】
詳細には、支持面4の移動により、容器要素51,52を洗浄ステーション内に位置決めできる。そこで、新しい処理サイクルの開始前に、容器要素51,52が洗浄される。
【0175】
ディスペンシング要素30は、支持面4の下方のベースフレーム2に対応している。
【0176】
具体的には、洗浄ステーションにおいて、容器要素51,52は、それらに対応した、下向きに配置されたハウジング51a,52aとともに配置され、ディスペンシング要素30は、洗浄液を上方に送出する。
【0177】
このようにしてハウジング51a,52aが洗浄された後、洗浄液は重力により下方に流れる。
【0178】
したがって、この動作では、新しい処理サイクルを開始する際に、洗浄流体を流して容器要素51,52を空にする追加の工程は必要ない。
【0179】
洗浄手段28は、容器要素5の各列にディスペンシング要素30を備える。
【0180】
したがって、洗浄手段28により、各処理サイクルにおけるダイヤフラム装置9及び容器要素51,52の洗浄が可能になる。
【0181】
洗浄手段28が
図1乃至
図8に示す第1実施形態に係る装置1にも適用され得る可能性は、排除されない。
【0182】
洗浄手段28によって送出される洗浄液の収集及び回収のために、装置1は、支持面4の下、より有利には、洗浄ステーションの下に位置する、収集タンク32を備える。
【0183】
無論、インジェクタ装置16によってチーズCに正確に注入されなかった詰め物も、収集タンク32に集めることができる。
【0184】
収集タンク32に集められた全ての物質は、そこから(例えば、ユニオン33を介した吸引によって)排出されて、回収される、及び/又は、最終的に廃棄される。
【0185】
また、第2実施形態では、スタッフドチーズSと部分Pとの分離が、上述したものとは別の方法を用いて行われる。
【0186】
より詳細に説明すると、同図に示すように、第2の槽19bは、スタッフドチーズSを収容するもので、支持面4において前方移動Dの方向に沿って配置され、支持面自体が前進したときに、スタッフドチーズSを受容する。
【0187】
一方、第1の槽19aは、部分Pを収容するもので、支持面4に対して横方向に、装置1の土台部分に設置される。支持面4の下に配置されたスライド31によって、支持面4が前方に移動するにつれて、部分Pは重力によって(場合によっては、水流によって押し流されて)、支持面4から第1の槽19aに搬送される。スライド31に沿った部分Pの下降を容易にするため、スライド31に沿って水の噴流を送達するように構成されたノズルを有利に設けることができる。
【0188】
可能な代替実施形態では、装置1は、支持面4の下に位置する追加のコンベアベルトを備え、支持面4から落下する部分Pを受容し、それらを第1の槽19aに向かって運ぶよう構成されている。
【0189】
実際に、記載された発明が意図された目的を達成することが確認されており、特に、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造するための装置により、対応する処理時間及びコストが削減できることが強調される。
【0190】
複数のダイヤフラム装置及びインジェクタ装置の存在により、処理時間がさらに短縮されると同時に、異なる種類のスタッフドチーズを製造することが可能になる。
【0191】
さらに、本発明に係る装置は、熟練者の登用を必要とすることなく、完全に自動化された方法で、スタッフドチーズ、特にブッラータチーズを製造することを可能にする。
【0192】
さらに、本発明に係る装置は、スタッフドチーズを迅速に製造し、細菌汚染のリスクを最小化することを可能にする。
【国際調査報告】